JP4436659B2 - 発泡性洗浄剤 - Google Patents

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Description

本発明は、発泡性洗浄剤に係り、特に、公衆浴場等における長い配管の内部汚れを内部まで短時間で除去するのに好適な発泡性洗浄剤に関する。
本発明の発泡性洗浄剤は、公衆浴場等における循環配管(排水管、給水管を含む。)の洗浄ばかりでなく、フロがま、及び、家庭用の排水管、トラップ、ろ過器等の洗浄、さらには、熱交換器、蒸発釜における伝熱面の洗浄にも適用できるものである。
すなわち、本発明の発泡性洗浄剤は、無機質スケールと共に有機質スケール(バイオフィルム)による複合スケールを洗浄除去するのに好適なものである。
ここでは、配管洗浄を主として例に採り説明するがこれに限られるものではない。
従来、公衆浴場等における循環配管の洗浄は、酸化剤(無機過酸化物)、塩素系化合物、強酸化合物等を含む薬剤を適宜組み合わせた洗浄剤組成物を使用して行っていた(特許文献1等参照)。
しかし、それらの循環配管の配管長さは家庭用等に比して長く、かつ、蛇腹管(内部も凹凸がある。)が用いられることがある。このため、配管の内部奥深くや蛇腹管部における付着した複合スケールを確実かつ短時間に除去するのは困難であった。
なお、次亜塩素酸塩、塩素化イソシアヌル酸類・塩類等の塩素系化合物は、使用に際して塩素ガス等が発生し、刺激臭が強く、多量に発生すると有毒であり、また、洗浄効果も充分でない。
また、過酸化水素・過酸化水素発生剤及び酸素ガス発生剤は水と反応して酸素ガスを発生するため、洗浄水に投入した場合、配管汚れ内部まで洗浄されない内に反応が終了して、充分な洗浄効果を期待できない。
また、上記洗浄剤のうち、次亜塩素酸類や過酸化水素類は液状であり、貯蔵安定性の点で問題があった。特に、過酸化水素は劇物指定されており、取り扱い上問題があった。
なお、本発明の発明性に影響を与えるものではないが、「全自動洗濯機の洗浄剤」として、「固体で水に溶解して過酸化水素を遊離する化合物(例えば過炭酸ナトリウム等)と、固体で水に溶解して次亜塩素酸を遊離する化合物(例えば塩素化イソシアヌル酸)を必須2成分とする発泡剤組成物」が特許文献2に開示されている。
特公平2−29118号公報(特許請求の範囲、第2柱5〜24行等) 特開平7−292396号公報(要約等)
本発明は、上記にかんがみて、配管が長くても、短時間で確実に配管汚れの除去が可能となり、さらには刺激臭等も発生しない新規な構成の発泡性洗浄剤を提供することを目的とする。
本発明の発泡性洗浄剤は、下記構成により上記課題を解決するものである。
実質的に下記A剤、B剤及びC剤の三剤からなることを特徴とする発泡性洗浄剤。
1)A剤:酸化剤と酸性化合物とを必須成分とする。
2)B剤:過酸化水素発生剤とアルカリ性化合物とを必須成分とする。
3)C剤:過酸化水素反応して酸素を生成する過酸化水素分解剤を必須成分とする。
上記発泡性洗浄剤は、A剤、B剤及びC剤を、強制循環(又は攪拌)等させる洗浄水中に、順次、間欠的に投入して使用することにより、通常、配管が長くて取れ難い複合スケールを除去可能となる。
A剤を洗浄水中に投入して、配管内を循環させることにより、A剤を配管内全体に浸透させる。この際、A剤中の酸性化合物及び酸化剤の各作用(酸洗浄作用、酸化洗浄作用)が協働して、無機質スケール(主としてカルシウム塩)及び有機質スケール(バイオフィルム)を、管内壁全体から溶解して浮かせる(剥離させる)。
続いてB剤を追加投入して、配管内の強制循環を続ける。これにより、B剤中に含まれる過酸化水素発生剤が水と反応して過酸化水素(H22)が発生し、さらにはアルカリ性化合物の存在により酸素が発生(分離生成)する。これにより、酸素ガスが発生して、有機質フィルムを酸化分解させると同時に、強制循環流の機械的作用が及び難い部位(いわゆるデッドスペース)にも、酸素ガスが物理的(ガス洗浄的)に作用して、内管壁からスケールを剥離する(浮き上がらせる)。このとき、洗浄水はアルカリ性となっているため、アルカリ洗浄的作用で強固に付着している複合スケールも内壁との界面にアルカリが浸透して剥離される。
続いてC剤を追加投入して、配管内の強制循環を続ける。これにより、C剤中に含まれる過酸化水素分解剤と反応して、急激に酸素ガスが発生する。これにより、最終的な酸化力による仕上げ洗浄が行えると共に、未分解過酸化水素がほとんど残存しない。このため、ペルオキソ酸塩を使用して洗浄した場合に、後工程として必要であった亜硫酸塩等を用いた還元剤による中和工程が不要となる。さらには、C剤として次亜塩素酸発生剤等のハロゲン化合物を使用した場合に通常発生する、ハロゲンガスも発生せず、刺激臭の発生を抑制できる。
上記構成において、A剤における酸化剤が、アルカリ性化合物と反応して酸素発生可能なものであることが望ましい。B剤を水中に投入時にA剤中の酸化剤がB剤中のアルカリ性化合物と反応して酸素を分離生成する。このため、B剤中の過酸化水素発生剤で発生する酸素ガスに合計されて、ガス洗浄効果がより増大する。
上記酸化剤としては、通常、ペルオキソ一硫酸塩類から選択し、酸性化合物としては、通常、スルホ基(SO3H)又はカルボキシ基(COOH)を含む化合物類から選択する。
また、上記各構成において、通常、B剤における過酸化水素発生剤としては、ペルオキソ二炭酸塩類(水和物・複合塩・炭酸塩過酸化水素化物を含む。)、ペルオキソホウ酸塩類(水和物・複合塩・炭酸塩過酸化水素化物を含む。)及びアルカリ土類金属・アルカリ金属過酸化物の群から、アルカリ性化合物としては、通常、弱酸アルカリ塩の群からそれぞれ選択する。これらの化合物は貯蔵・保存安定性に優れているためである。
上記各構成において、C剤における過酸化水素分解剤が、水と反応して次亜ハロゲン酸(ここで、ハロゲンは塩素、臭素及びヨウ素を意味する。;以下同じ。)を遊離する化合物であることが望ましい。これらの過酸化水素分解剤は貯蔵・保存安定性に優れているためである。
上記次亜ハロゲン酸を遊離する化合物としては、下記化学式(1)、(2)及び(3)でそれぞれ示されるハロゲン化イソシアヌル酸・塩類及びハロゲン化アルキルヒダントイン類の群から選択する。
Figure 0004436659
Figure 0004436659
Figure 0004436659
そして、上記各構成における、各薬剤の組成は、通常、A剤:1〜50質量%、前記B剤:10〜90質量%、前記C剤:残り%からなり(全て必須成分のみの量)、かつ、前記A剤における酸性化合物の含有率:1〜50質量%、B剤におけるアルカリ性化合物の含有率:1〜50質量%とする(いずれも必須成分のみの量を基準とする。)。
なお、上記各構成の発泡性洗浄剤の用いる配管洗浄方法は、下記構成となる。
配管洗浄をする方法であって、下記三工程を必須とすることを特徴とする配管の洗浄方法。
1)第一工程:前記A剤を洗浄水に投入後、該配管液を強制循環させる。
2)第二工程:前記B剤を追加投入して、該洗浄水を強制循環させる。
3)第三工程:前記C剤を追加投入して、該洗浄水を強制循環させる。
本発明を実施するための、最良の形態(具体的構成)について、以下に説明をする。ここでは、配管洗浄を主として例に採り説明するがこれに限られるものではない。また、配合組成を示す「%」、「部」は、特に断らない限り、質量単位である。
本発明は、基本的には、前記のごとく、A剤、B剤およびC剤からなる三剤型の発泡性洗浄剤である。
(1)A剤は、酸化剤と酸性化合物とを必須成分とする。通常、有機質スケールの剥離除去を促進するために界面活性剤を添加する。
具体的には、酸化剤として、下記ペルオキソ硫酸塩又は過酸化水素の中から適宜、1種又は2種以上を選択して使用できる。また、ペルオキソ硫酸塩には、ペルオキソ硫酸塩に硫酸塩、硫酸酸性塩の複合体も含むものである。例えば、KHSO4・KHSO4・K2SO4(デュポン社製「オキソン」)を挙げることができる。
ペルオキソ一硫酸水素ナトリウム、ペルオキソ一硫酸水素カリウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸カリウム、ペルオキソニ硫酸バリウム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム等。
これらのうちで、特に、ペルオキソ一硫酸塩を使用することが望ましい。B剤におけるアルカリ性化合物と反応して酸素を発生するためである。
また、酸性化合物としては、通常、0.1N水溶液でpH3以下を示す酸性化合物であれば、特に限定されない。例えば、スルホ基(SO3H)又はカルボキシ基(COOH)を含む化合物から1種又は2種以上を選択して使用でき、具体的には下記のような化合物を挙げることができる。なお、他の無機酸、例えば、塩酸、硝酸等も使用可能性があるが、取り扱い性及び保存安定性の見地から望ましくない。
アミドスルホン酸(H2NSO3H)、トルエンスルホン酸、p−メチルトルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、グルコン酸、乳酸、レブリン酸、リンゴ酸、グリコール酸、マレイン酸等。
ここで、A剤における酸性化合物の含有率(酸化剤と酸性化合物との合計量基準)は、約1〜50%、更には約2〜30%、また更には約3〜20%が好ましい。
上記界面活性剤としては、なお、非イオン系、アニオン系、カチオン系、両性系のいずれでもよいが、非イオン系ないし両性系の界面活性剤が、浸透性が良好で好ましく使用できる。
非イオン系界面活性剤としては、下記のものを挙げることができる。
アルキルポリオキシエチレンエーテル、アルキルカルボニルオキシポリオキシエチレン、p-アルキルフエニルポリオキシエチレンエーテル、N,N-ジ(ポリオキシエチレン)アルカンアミド、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールポリオキシエチレン、脂肪酸ショ糖エステル、等。
また、両性系界面活性剤としては、下記のものを挙げることができる。
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルアミノプロピオン酸メチル、ヤシ油アルキルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム、アルキルジアミノラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジアミノエチルグリシン、等。
ここで、界面活性剤の添加量は、界面活性剤の種類等により異なるが、酸化剤と酸性化合物との合計量100部に対して0.01〜20部、望ましくは0.1〜20部とする。
(2)B剤は、過酸化水素発生剤とアルカリ性化合物とを必須成分とする。このB剤にも、通常、有機質スケールの剥離除去を促進するために界面活性剤を添加する。
具体的には、過酸化水素発生剤は水と反応して過酸化水素を生成するものなら特に限定されない。具体的には、ペルオキソニ炭酸塩類(水和物・複合塩・炭酸塩過酸化水素化物を含む。)、ペルオキソホウ酸塩類(水和物・複合塩・ホウ酸塩過酸化水素化物を含む。)及びアルカリ土類金属・アルカリ金属過酸化物の群から1種又は2種以上を選択して使用できる。なお、ここで、ペルオキソ炭酸塩に炭酸塩過酸化水素化物を含ませるのは、両者が組成的に類似しているためである。例えば、ペルオキソニ炭酸塩の場合、化学式はMI 226で示されるが、その水和物(nMI 226・mH2O)は、炭酸塩過酸化水素化物(nMI 2CO3・mH22)と類似組成となり、区別がつき難い((化学大辞典編集委員会編「化学大辞典8」(昭37−7−31)共立出版、「ペルオクソホウ酸塩」「ペルオクソ炭酸塩」の各項参照)。
より具体的には、前者としては、代表的に2Na2CO3・3H22を、後者としては、代表的にペルオキソホウ酸ナトリウムをそれぞれ挙げることができる。
また、アルカリ土類金属・アルカリ金属過酸化物としては、過酸化バリウム(BaO2)、過酸化カルシウム(CaO 2 )、過酸化ナトリウム(Na22)等を挙げることができる。
また、アルカリ性化合物としては、通常、1N水溶液でpH9以上を示す、いわゆる強塩基性化合物であれば、特に限定されない。具体的には、下記弱酸アルカリ性塩・アルカリ金属水酸化物の群から1種又は2種以上を適宜選択する。強塩基であるアミン等の使用の可能性も考えられるが、臭気等の見地から望ましくない。
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム、オルトリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等。
ここで、B剤におけるアルカリ性化合物の含有率(過酸化水素発生剤とアルカリ性酸性化合物との合計量基準)は、約1〜50%、更には約1〜40%、また更には約1〜30%が好ましい。
B剤における界面活性剤としては、上記B剤におけるのと同様のものを使用でき、その配合量は過酸化水素発生剤とアルカリ性酸性化合物との合計量100部に対して上記B剤の場合と同様とする。
(3)C剤は、過酸化水素反応して酸素を生成する過酸化水素分解剤を必須成分とする。そして、通常、消泡剤を、後段のすすぎ工程を円滑に行うために添加する。すすぎ工程で、泡が多量に残っているとすすぎに時間がかかるためである。泡立ちは、第一工程(A剤)、第二工程(B剤)で使用した界面活性剤、及び、第一・第二工程で発生する有機質スケール酸化分解物に起因する。
具体的には、水と反応して次ハロゲン酸(次亜塩素酸、次亜臭素酸)を遊離する化合物を好適に使用でき、次亜ハロゲン酸塩類、ハロゲン化イソシアヌル酸類・塩類及びハロゲン化ヒダントイン類の群から1種または2種以上を選択できる。
なお、ハロゲン化イソシアヌル酸類の構造式は
Figure 0004436659
で示されるものであり、
ハロゲン化イソシアヌル酸塩類の構造式は、
Figure 0004436659
ハロゲン化ヒダントイン類の構造式は、
Figure 0004436659
でそれぞれ示されるものである。

より具体的には、下記のようなものを例示できる。
次亜塩素酸ナトリウム・カリウム・カルシウム、次亜臭素酸ナトリウム・カリウム・カルシウム、次亜ヨウ素酸ナトリウム・カリウム、等。
トリクロロイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、ジクロロブロモイソシアヌル酸、等。
ジクロロイソシアヌル酸カリウム、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム、モノブロモイソシアヌル酸ナトリウム、モノブロモイソシアヌル酸カリウム、ジブロモイソシアヌル酸カリウム(以上いずれも水和物を含む。)等。
1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、1−ブロモ−3−クロロ−5,5−ジメチルヒダントイン。
上記消泡剤としては、汎用のものを使用できるが、具体的には、金属石鹸系、シリコーン系、リン酸エステル系、脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキルグリコール系のうちから、1種又は2種以上を適宜選択して使用する。
消泡剤の添加量は、A剤(酸化剤と酸性化合物との合計量)、B剤(過酸化水素発生剤とアルカリ性化合物の合計量)、C剤(過酸化水素分解剤のみ)の全体合計量(以下同じ。)100部に対して0.0002〜1.0部、望ましくは0.001〜0.5部とする。
(4)上記A剤、B剤及びC剤の全体合計量における各剤の比率は、下記の通りとする。
A剤・・・1〜50%、望ましくは3〜40%、さらに望ましくは4〜30%、
B剤・・・10〜90%、望ましくは20〜90%、さらに望ましくは30〜90%
C剤・・・残量%
そして、C剤は、B剤中の過酸化水素発生剤で発生する過酸化水素(活性酸素)の消滅を目的としているため、過酸化水素の未分解残量(通常、5〜50mol%)となるため、それと反応するモル量(次亜塩素酸と過酸過水素は等モル反応)とする。
本発明の発泡性洗浄剤は、必須成分は全て粉体(過酸化水素を除く。)なので、製剤は、A剤、B剤及びC剤ごとに、各比率に応じた大小容器(密閉・防湿性)に詰めて製品として保管する。
このように調製した発泡性洗浄剤で配管洗浄を行う場合、原則的に三工程で下記の如く行う。なお、各工程における作用説明は、後述の実施例1を使用した場合を例にしている。また、本発明の洗浄剤の使用量は、洗浄液1Lに対して、全量として1〜100g、更に1〜50g、また更には1〜20gが望ましい。
1)第一工程:A剤を洗浄水に投入後、該洗浄水を強制循環させる。すなわち、洗浄水(洗浄液)を配管内全域に充分分布するように強制循環させる。
ここで、ペルオキソ一硫酸水素カリウムは酸化力が強く(酸化還元電位、1.44eV)有機物を含むバイオフィルム(有機質フィルム)を酸化分解させる。クエン酸は有機物の中では強い酸であり、カルシウム塩などを主成分とするスケールの溶解力が大きい。この工程で配管表面に付着した無機質スケールとその表面に付着したバイオフィルムの一部を剥離するとともに、汚れ全体を配管から浮遊させる。
2)第二工程:続いてB剤を追加投入して、該洗浄水を強制循環させる。
ペルオキソ炭酸ナトリウムは水溶液中で、炭酸ナトリウムと過酸化水素に解離する。
2Na2CO3・3H22→2Na2CO3+3H22 (1)
生じた過酸化水素は塩基性下で過酸化物陰イオンを形成する。この陰イオンは有機物に対して強い酸化力を有し、バイオフィルムを酸化分解させる。
22+OH-1→OOH-1+H2O (2)
またこの陰イオンは次式により酸素ガスに変換する。
2(OOH-1)→O2+2(OH-1)(3)
この酸素ガスの気泡は、バイオフィルム表面に付着する。この付着した気泡はバイ
フィルム表面から離脱するさいに汚れの剥離に作用する。
また工程1で投入したペルオキソ一硫酸水素カリウムは酸性条件下で分散している。酸性下では、この化合物は比較的安定であるが塩基存在下では次式により速やかに反応して酸素を発生する。
KOSO4H+OH-1→KOSO4 -1→KOSO3 -1+1/2O2 (4)
すなわち、ペルオキソ一硫酸水素カリウムは工程1で配管内全域に浸透している間は汚れを剥離する作用を有する酸素ガスを発生しないのであるが、第ニ工程で投入した塩基性を呈するペルオキソ炭酸ナトリウムと接触する時点で酸素ガスを発生するのである。したがって、第二工程において配管内全域に2種の酸素発生剤から酸素ガス気泡が発生し強力な洗浄効果をもたらす。
また、ペルオキソ炭酸ナトリウムから解離した炭酸ナトリウムは酸性条件下で炭酸ガスを発生する。この炭酸ナトリウムは第一工程で投入し配管内に浸透したアミドスルホン酸
と反応して炭酸ガスに変換する。この炭酸ガスもバイオフィルムの剥離に有効に作用する。
3)第三工程:前記C剤(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)を追加投入して、該洗浄水を強制循環させる。
第二工程で残存する過酸化水素とこの塩素剤が反応すると酸素ガスを発生する。この反応の速度は著しく速く、急激な酸素ガス気泡が発生する。これにより、微細な汚れ、頑固な汚れを確実に取り去ることができる。
333Cl2Na+ H2O → C3233Na+ 2HClO(5)
HOCl+ H22 → HCl+ H2O+O2 (6)
通常、次亜塩素酸(HOCl)の分解では、有害な塩素ガスが発生するのであるが、本発明の系では過酸化水素との反応により、ほとんど塩素ガスの発生が抑えられる。
上記各工程の所要時間は、汚れ度及び汚れタイプに応じて異なるが、通常、10〜90分の範囲で行い、汚れが第二工程までで充分に取れなかった場合には、第三工程の時間を長くして対応する。
なお、第三工程後は、通常、水道水(湯を含む。)ですすぎを行う。
次に、本発明の効果を確認するために行った、実施例、参照例、比較例について説明する。
<実施例1〜6、参照例1〜3、比較例1〜3:配管汚れ洗浄試験>
公衆浴場の配管に付着した汚れ約0.2gを、透明ガラス板(7cm×15cm×3mm)に塗りつけて試験片を調製した。各試験片(モデルガラス汚れ片)を室温にて1週間放置して、汚れをガラス面に充分固着させた。500mLビーカー内に蒸留水300mLを入れ、この試験片を浸漬した。
続いて、蒸留水をマグネチックスターラーで攪拌しながら、A剤を添加して5min分間、B剤を添加して15min、さらにC剤を添加して20minそれぞれ攪拌を続けた。なお、A剤、B剤及びC剤の組成及び添加量は表1・2に示すものとした。
この間、洗浄液の表面の発生塩素ガス濃度を測定した。その後、洗浄液からガラス試験片を取り出し、300mLの蒸留水に浸し攪拌を5min行って洗浄(2回)した。ガラス表面に付着した汚れの除去率を次の評価基準で評価した。
評価基準
◎;汚れが完全にとれている。
○ ;汚れがかなりとれている。
△ ;汚れがまあまあとれている。
× ;汚れが全くとれていない。
それらの結果を表1・2に示すが、下記のことが分かる。
1)いずれの実施例も汚れが完全に除去され、かつ、工程3および終了後における塩素ガスの測定結果も、検出限界の0.1ppm以下と、殆ど臭気を感ずることなく、洗浄が終了した。
また、A剤としてアルカリ性化合物と反応して酸素を発生するペルオキソ一硫酸塩を使用した場合は、酸素を発生しないペルオキソ二硫酸塩に比して(実施例1と参照例1・2)、また、C剤として次亜ハロゲン酸発生剤を使用した場合は、次亜ハロゲン酸を発生しないテトラアセチルエチレンジアミンに比して(実施例1と参照例3)それぞれ洗浄効果が高いことが分かる。
2)比較例1でA剤を用いない場合は、塩素ガスの発生は、検出限界以下であるが、汚れが残ることが分かる。
3)比較例2において、A剤を本発明の範囲を超えて多量使用し、B剤を少量使用した場合は、洗浄効果がほとんどなく、かつ、塩素臭も強いことが分かる。
Figure 0004436659
注1)デュポン社製オキソン(2KHSO・KHSO・KSO
注2)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(日本油脂社製)
注3)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(日本油脂社製)
注4)シリコーン消泡剤(旭化学工業社製)
注5)塩素ガス測定機(ガステック社製、検知管No.8LL)による。単位ppm
Figure 0004436659
注1)デュポン社製オキソン(2KHSO・KHSO・KSO
注2)ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール(日本油脂社製)
注3)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(日本油脂社製)
注4)シリコーン消泡剤(旭化学工業社製)
注5)塩素ガス測定機(ガステック社製、検知管No.8LL)による。単位ppm

Claims (4)

  1. 1)酸化剤と酸性化合物とを必須成分とするA剤と、2)過酸化水素発生剤とアルカリ性化合物とを必須成分とするB剤と、3)過酸化水素と反応して酸素を生成する過酸化水素分解剤を必須成分とするC剤とからなる発泡性洗浄剤であって、
    1)前記A剤における前記酸化剤が、ペルオキソ一硫酸塩類から1又は2以上選択され、前記酸性化合物が、スルホ基(SO3H)又はカルボキシ基(COOH)を含む化合物から1又は2以上選択され、
    2)前記B剤における過酸化水素発生剤が、ペルオキソ二炭酸塩類(水和物・複合塩・炭酸塩過酸化水素化物を含む。)、ペルオキソホウ酸塩類(水和物・複合塩・ホウ酸塩過酸化水素化物を含む。)及びアルカリ土類金属・アルカリ金属過酸化物の群から1又は2以上選択され、アルカリ性化合物が弱酸アルカリ塩の群から1又は2以上選択され、また、
    3)前記C剤における過酸化水素分解剤が、水と反応して次亜ハロゲン酸(ここで、ハロゲンは塩素、臭素及びヨウ素を意味する。;以下同じ。)を遊離する化合物であって、下記化学式(1)、(2)及び(3)でそれぞれ示されるハロゲン化イソシアヌル酸類・塩類及びハロゲン化ヒダントイン類の群から1又は2以上選択されている、
    Figure 0004436659
    Figure 0004436659
    Figure 0004436659
    ことを特徴とする発泡性洗浄剤。
  2. 前記A剤:1〜50質量%、前記B剤:10〜90質量%、前記C剤:残り%からなり(全て必須成分のみの量)、かつ、前記A剤における酸性化合物の含有率:1〜50質量%、B剤におけるアルカリ性化合物の含有率:1〜50質量%である(いずれも必須成分のみの量を基準とする。)ことを特徴とする請求項1記載の発泡性洗浄剤。
  3. 前記A剤:4〜50質量%、前記B剤:30〜90質量%、前記C剤:残り%からなることを特徴とする請求項2記載の発泡性洗浄剤。
  4. 請求項1、2又は3記載の発泡性洗浄剤を用いて配管の洗浄をする方法であって、下記三工程を必須とすることを特徴とする配管の洗浄方法。
    1)第一工程:前記A剤を洗浄水に投入後、該洗浄水を強制循環させる。
    2)第二工程:前記B剤を追加投入して、該洗浄水を強制循環させる。
    3)第三工程:前記C剤を追加投入して、該洗浄水を強制循環させる。
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