以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
〔第1実施形態〕
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(12ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや12R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームにおける変動パターンを設定するための変動テーブルを複数記憶した変動テーブル記憶手段をなす。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。また、遊技制御装置100(CPU111A)が、変動表示ゲームを実行する場合に変動テーブル記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された複数の変動テーブルのうち、一の変動テーブルを取得する変動テーブル取得手段をなすとも言える。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、特図変動表示ゲームに関する演出制御を実行する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は12回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
ここで、図5に示すように、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様(実行可能なラウンド数)が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様が異なるといえる。
特別結果態様の種類には、15R確変A(図柄)、15R確変B(図柄)、12R確変A(図柄)、12R確変B(図柄)の四種類が設定されている。15R確変A(図柄)、15R確変B(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。12R確変A(図柄)、12R確変B(図柄)は特別遊技状態でのラウンド数が12ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。
なお、何れの大当り図柄であっても、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間は第1開放時間(25秒)である。また、何れの大当り図柄であっても、予め定められた所定期間(ここでは100回)に亘って特定遊技状態となる。この特定遊技状態では、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ようになっている。また、本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了後に高確率状態となった場合、特図変動表示ゲームの実行毎に転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合は通常確率状態へ移行するようになっている。
図6には、本実施形態の遊技機における遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図を示した。通常遊技状態ST1は、確率状態が通常確率状態(低確率)であり、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である状態である。この通常遊技状態は、現在の確率状態が通常確率状態であることが明確に報知される報知状態である。この通常遊技状態ST1で特別結果態様が導出されて大当りが発生すると、特別変動入賞装置38が開放される特別遊技状態ST2となる。この特別遊技状態ST2では、確率状態が通常確率状態(低確率)であり、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。
特別遊技状態ST2の終了後、特定遊技状態が終了することとなる規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行するまでは第1特定遊技状態ST3(熱熱モード)となる。第1特定遊技状態ST3では、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)である。また、確率状態は、転落抽選に当選するまでは高確率状態(高確率)であり、転落抽選に当選した後は通常確率状態(低確率)である。なお、第1特定遊技状態ST3では、転落抽選に当選したことは遊技者に報知されず、現在の確率状態も明確に報知されない非報知状態となっている。この第1特定遊技状態ST3では、特定遊技状態であることを遊技者が認識可能な演出が行われる。
特定遊技状態(第1特定遊技状態ST3)が終了することとなる規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームでは、長い停止時間である延長停止時間が設定され、この延長停止時間において現在の確率状態を報知する停止時間演出(確率状態報知演出)が行われる。すなわち、延長停止時間においては確率状態を明確に報知する報知状態が発生することとなる。そして、この停止時間演出を行った後、確率状態が通常確率状態(低確率)であれば通常遊技状態ST1に移行し、確率状態が高確率状態(高確率)であれば第2特定遊技状態ST4に移行する。なお、第1特定遊技状態ST3で特別結果態様が導出されて大当りが発生した場合は特別遊技状態ST2へ移行する。
第2特定遊技状態ST4では、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。また、確率状態は、転落抽選に当選するまでは高確率状態(高確率)であり、転落抽選に当選した後は通常確率状態(低確率)である。この第2特定遊技状態ST4においても転落抽選に当選したことは遊技者に報知されず、現在の確率状態も明確に報知されない非報知状態となっている。ただし、第2特定遊技状態ST4では、所定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎に現在の確率状態を確認し、確率状態が通常確率状態となっていた場合は通常遊技状態ST1に移行するようになっている。すなわち、転落抽選に当選してもすぐには通常遊技状態ST1に移行しないが、いずれ通常遊技状態ST1へ移行することとなる。なお、第2特定遊技状態ST4で特別結果態様が導出されて大当りが発生した場合は特別遊技状態ST2へ移行する。また、以上に示した4つの遊技状態は、遊技の演出等から現在どの遊技状態であるのかが遊技者にわかるようになっている。
図7には、特別遊技状態の終了後の遊技の一例を示した。図7(a)は、特別遊技状態の終了後、規定回数(ここでは100回)以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合を示した。
特別遊技状態が終了すると確率状態が高確率状態となるとともに普電サポートあり(時短動作状態)となる(t1)。また、遊技状態は第1特定遊技状態となり、確率状態が明確に報知されない状態となる。その後、規定回数の特図変動表示ゲームを実行する前に転落抽選に当選すると、確率状態が通常確率状態となる(t2)。このとき確率状態が通常確率状態となったことは報知されない。そして、規定回数の特図変動表示ゲームとなると、延長停止時間において通常確率状態であることが報知される(t3)。そして、普電サポートなし(通常動作状態)となるとともに遊技状態が通常遊技状態となる。
図7(b)には、特別遊技状態の終了後、規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せず、その後の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合を示した。
特別遊技状態が終了すると確率状態が高確率状態となるとともに普電サポートあり(時短動作状態)となる(t11)。また、遊技状態は第1特定遊技状態となり、確率状態が明確に報知されない状態となる。その後、規定回数の特図変動表示ゲームとなると、延長停止時間において高確率状態であることが報知される(t12)。そして、普電サポートなし(通常動作状態)となるとともに遊技状態が第2特定遊技状態となる。
この例では、特別遊技状態の終了後から108回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選して通常確率状態に移行しているが(t12)、ここではその旨は報知されず、特定回数である110回目の特図変動表示ゲームにおいて、通常確率状態であることが報知される(t14)。そして、遊技状態が通常遊技状態となる。
図8には、特別遊技状態の終了後の遊技における表示装置41での表示例を示した。図8(a)に示すように、特別遊技状態の終了時には第1特定遊技状態(熱熱モード)となる旨の報知がなされる。その後、図8(b)から(e)に示すように特図変動表示ゲームが実行される。この期間においては背景画像として炎を模した演出表示41aが表示される。
そして、図8(f)に示すように、規定回数の特図変動表示ゲームにおいて変動表示が停止すると延長停止時間が開始され、図8(g)に示すように確率状態を報知する確率状態報知演出が開始される。この確率状態報知演出には、通常確率状態であることを報知する高確率継続失敗演出と、高確率状態であることを報知する高確率継続演出とがある。
図8(g)に示すように確率状態を報知する演出の開始が報知された後、図8(h)に示すように、遊技盤30に設けられた補助演出部品44aが表示装置41の前方から退避した状態から表示装置41の前方に位置する状態に動作する。そして、表示装置41において補助演出部品44aから水が噴出するような第1補助演出表示41bがなされる。
その後、高確率継続失敗演出であれば、図8(i)に示すように、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱まり、図8(j)に示すように炎が消え、通常遊技状態へ移行することが報知される。一方、高確率継続演出であれば、図8(k)に示すように、第2補助演出表示41cをなす炎を吐くドラゴンが出現し、図8(l)に示すように、炎の勢いが強められる演出が行われ、第2特定遊技状態へ移行することが報知される。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図9及び図10に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図11に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図9に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図10のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図10のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器8)をオン(点灯)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)、チェックサムをセーブする処理(ステップS33)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図12に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがすでにタイムアップしているか又は更新によりタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(12R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(12R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図13に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、第1始動口(始動入賞口36)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、第2始動口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図14に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。一方、ステップA206にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA214)を行う。そして、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA215)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA216)、コマンド設定処理(ステップA217)を行う。続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA218)を行い、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次に、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、RWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221、A222、A223)。さらに、転落抽選乱数を抽出してRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA224)。ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶(特図変動表示ゲームの実行権利)として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなす。
続けて、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA226)にて使用するために準備する(ステップA225)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA210)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA211;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA211にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA211;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図15に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、転落抽選に当選するか否かを判定する転落判定処理(ステップA235)を行う。この転落判定処理の詳細については後述する。その後、転落判定処理で転落抽選に当選すると判定された場合に設定される転落情報があるか否かを判定し(ステップA236)、転落情報がない場合(ステップA236;No)は、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA237)を行う。
一方、ステップA233にて普通変動入賞装置37がサポート中であると判定された場合(ステップA233;Yes)、ステップA234にて大当り中であると判定された場合(ステップA234;Yes)、或いは、ステップA236で転落情報があると判定された場合(ステップA236;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
さらに、転落抽選に当選することとなる場合にも、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。なお、転落情報は所定条件が成立することによりクリアされるようになっている。この所定条件とは、例えば、転落抽選に当選することとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了したことや、転落抽選に当選することとなる始動記憶が発生してから4回の特図変動表示ゲームを実行することである。これにより、始動記憶について先読み処理を行った際の確率状態と、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する際の確率状態が異なることを防止できる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。ただし、転落情報がある場合は当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わない。
大当り判定処理(ステップA237)を行った後、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA238)を行い、ステップA237における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA239;No)と判定すると、処理をステップA247に移行する。一方、ステップA237における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA239;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA240)。
次に、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA241)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA242;No)と判定すると、ステップA240で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA243)。そして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA244)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA245)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA246)を行う。また、ステップA242にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA242;Yes)は、処理をステップA244に移行して、ステップA240で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいてそれ以降の処理を行う。
次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出情報を取得する処理(ステップA247)を行って、当該始動口入賞演出情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA248)。続けて、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA249)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA250)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA251)、始動口入賞演出コマンドを設定する対象のテーブルを準備する(ステップA252)。そして、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA253)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA254)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA255)を行う。なお、ステップA253における特図情報設定処理、ステップA254における後半変動パターン設定処理、ステップA255における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、設定された変動パターンに対応する前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出して準備する(ステップA256)とともに、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として準備し(ステップA257)、コマンド設定処理(ステップA258)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA259)、コマンド設定処理(ステップA260)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA256、A257にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA259にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する(特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔転落判定処理〕
図16には、図15の特図保留情報判定処理における転落判定処理(ステップA235)を示した。この転落判定処理では、まず、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA270)を行い、高確率時でない場合(ステップA270;No)は、転落判定処理を終了する。また、高確率時である場合(ステップA270;Yes)は、下限判定値を設定する処理(ステップA271)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする処理(ステップA272)を行う。なお、転落抽選に当選するとは転落抽選乱数が転落判定値と一致することである。転落判定値は連続する複数の値であり、転落抽選乱数が、転落判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、転落判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、転落抽選に当選すると判定される。
転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA273;Yes)、すなわち、当選でない場合は、転落判定処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA273;No)は、上限判定値を設定する処理(ステップA274)を行い、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする処理(ステップA275)を行う。
転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA276;No)、すなわち、当選でない場合は、転落判定処理を終了する。また、上限判定値以下である場合(ステップA276;Yes)、すなわち、当選である場合は、転落情報を作業用の設定情報領域にセーブする処理(ステップA277)を行い、転落情報コマンドを準備する処理(ステップA278)を行う。その後、コマンド設定処理(ステップA279)を行い、転落判定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームに対応する転落抽選の結果を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前転落抽選手段をなす。
この転落判定処理において転落情報がセーブされることにより、上述したように所定条件が成立するまで始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないようになる。これにより、矛盾のない演出を行うことができる。すなわち、特別結果となるか否かの判定を行う時は高確率状態であるが、変動表示ゲームの実行時は通常確率状態である始動記憶については、判定時には特別結果となると判定されても特別結果にならない可能性があり、このような始動記憶について連続的な演出を行うと演出と結果に矛盾が生じる可能性がある。よって、このような可能性がある始動記憶について特別結果となるか否かの判定を行わないようにすることで、当該始動記憶についての結果が特別結果となる旨の連続的な演出が実行されないこととなり、矛盾が生じることがないようにすることができる。
以上のことから、事前判定手段(遊技制御装置100)は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶されている始動記憶のうち、事前転落抽選手段(遊技制御装置100)が転落抽選に当選すると判定した始動記憶よりも後に変動表示ゲームを実行する始動記憶について、所定条件が成立するまで特別結果となるか否かの判定を行わないようにしていることとなる。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図17に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。次に、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA310)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA312)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA314)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づいて変動表示ゲームを実行制御するゲーム実行制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図18に示すように、先ず、転落抽選に当選したか否かを判定する転落抽選処理(ステップA320)を行う。なお、転落抽選処理の詳細については後述する。その後、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かの判定行う判定手段をなす。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグをロードして準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA327)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA332)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図19に示すように、先ず、転落抽選に当選したか否かを判定する転落抽選処理(ステップA340)を行う。なお、転落抽選処理の詳細については後述する。その後、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、第2特図停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA343)。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報(図柄情報)をロードした後(ステップA344)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
次に、特図2変動フラグをロードして準備し(ステップA346)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA347)。続けて、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備して(ステップA348)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA352)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔転落抽選処理〕
図20には、図18に示す転落抽選処理(ステップA320)及び図19に示す転落抽選処理(ステップA340)を示した。この転落抽選処理では、まず、転落抽選乱数セーブ領域から転落抽選乱数をロードする処理(ステップA361)を行い、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA362)を行う。そして、高確率時でない場合(ステップA362;No)は、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って転落抽選処理を終了する。また、高確率時である場合(ステップA362;Yes)は、下限判定値を設定する処理(ステップA363)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする処理(ステップA364)を行う。
転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA365;Yes)、すなわち、当選でない場合は、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って転落抽選処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA365;No)は、上限判定値を設定する処理(ステップA366)を行い、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする処理(ステップA367)を行う。
転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA368;No)、すなわち、当選でない場合は、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って転落抽選処理を終了する。また、上限判定値以下である場合(ステップA368;Yes)、すなわち、当選である場合は、転落時情報設定処理(ステップA369)を行い、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA370)を行って転落抽選処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態である場合に、変動表示ゲーム毎に所定の確率で通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段をなす。
〔転落時情報設定処理〕
図21には、図20に示す転落抽選処理における転落時情報設定処理を示した。この転落時情報設定処理では、まず、遊技状態表示番号領域に低確率時(通常確率状態時)の番号をセーブし(ステップA381)、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップA382)。そして、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブして(ステップA383)、コマンド送信処理(ステップA384)を行い、転落時情報設定処理を終了する。この処理により、確率状態を通常確率状態とする情報が設定される。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図22に示すように、特図変動中処理では、先ず、特図1又は特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードし(ステップA521)、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されて大当りとなる場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA522)を行う。
次に、停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンであるかをチェックして(ステップA523)、停止図柄パターンがはずれ図柄でない、すなわち大当り図柄である(ステップA524;No)と判定すると、ステップA522にて設定した大当りとなる場合の特図停止時間ポインタが設定された状態でステップA531に移行する。一方、ステップA524にて、停止図柄パターンがはずれ図柄である(ステップA524;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA525)を行う。
続けて、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックして(ステップA526)、後半変動番号がリーチなしの番号でない、即ち、リーチありの番号である(ステップA527;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生する場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA528)を行う。また、ステップA527にて、後半変動番号がリーチなしの番号であると判定された場合(ステップA527;Yes)には、ステップA528の処理を行わずにステップA529に移行する。したがって、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生しない場合の特図停止時間ポインタが設定されたままとなる。
次に、時短変動回数が1であるか否かを判定する(ステップA529)。時短変動回数は、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのものであって、大当り終了時に所定回数(ここでは100)が設定され、後述する特図表示中処理にて1デクリメントされる。なお、本実施形態では、特定遊技状態とする特図変動表示ゲームの実行回数と、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする特図変動表示ゲームの実行回数は、同じ回数であるので、時短変動回数は特定遊技状態とする特図変動表示ゲームの実行回数を管理するためのものとも言える。この時短変動回数は、特図変動表示ゲームの終了時に1デクリメントされるものであって、特図変動中処理にて1であるということは、実行中の特図変動表示ゲームが特定遊技状態での最後の特図変動表示ゲームであって普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする最後の特図変動表示ゲーム(100回目のゲーム)であるということである。この時短変動回数が1でない場合(ステップA529;No)は、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。また、時短変動回数が1である場合(ステップA529;Yes)は、停止時間延長時の特図停止時間ポインタを設定し(ステップA530)、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。
そして、ステップA522、A525、A528、A530の何れかにて設定された特図停止時間ポインタに対応する停止時間、即ち、ステップA522にて設定された大当り時の特図停止時間ポインタ、ステップA525にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタ、ステップA528にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、或いは、ステップA530にて設定された停止時間延長時の特図停止時間ポインタ、の何れかに対応する停止時間を取得する処理(ステップA532)を行った後、取得された停止時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA533)。なお、大当り時の特図停止時間ポインタに対応する停止時間が大当り停止時間であり、はずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタに対応する停止時間が通常停止時間である。また、リーチはずれ時の特図停止時間ポインタに対応する停止時間がリーチはずれ停止時間であり、停止時間延長時の特図停止時間ポインタに対応する停止時間が延長停止時間である。
そして、特図表示中処理に移行するためのテーブルを準備する特図表示中処理移行設定処理(ステップA534)を行い、図柄停止コマンドを準備し(ステップA535)、コマンド設定処理(ステップA536)を行って、特図変動中処理を終了する。特図表示中処理移行設定処理(ステップA534)では、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段をなす。また、遊技制御装置100が予め定められた特定の変動表示ゲームについて、停止結果態様が特別結果態様とならない場合の停止時間として、通常停止時間よりも長い停止時間である延長停止時間を設定する延長停止時間設定手段をなす。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図23に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA543)、大当りである(ステップA544;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA551)、ステップA552に処理を移行する。一方、ステップA544にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA544;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA549)、ステップA552に処理を移行する。
そして、上述したステップA549における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA551における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA552)を行う。次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得した後(ステップA553)、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA554)。続けて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得した後(ステップA555)、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA556)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA557)、コマンド設定処理(ステップA558)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄情報領域からロードし(ステップA559)、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA560)、コマンド設定処理(ステップA561)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA562)、コマンド設定処理(ステップA563)を行う。
次に、大入賞口開放情報判定フラグをロードして(ステップA564)、当該大入賞口開放情報判定フラグに対応する外部情報データをRWMにセーブする(ステップA565)。続けて、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する外部情報データをRWMにセーブした後(ステップA566)、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定して(ステップA567)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA568)。その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA570)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA571)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時短変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。すなわち、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポートあり)である場合は、特別結果態様となった特図変動表示ゲームの終了時に時短動作状態が終了することなる。
一方、ステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、図24に示すように、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか否か(特定遊技状態であるか否か)を判定する処理(ステップA572)を行う。ここで、時短動作状態でない(ステップA572;No)と判定すると、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行う。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA572にて、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である(ステップA572;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(特定遊技状態とする規定のゲーム数)を管理する時短変動回数を更新(−1)する処理(ステップA573)を行い、時短変動回数が0であるか否かの判定(ステップA574)を行う。
そして、時短変動回数が0でない(ステップA574;No)場合は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。一方、ステップA574にて、時短変動回数が0である(ステップA574;Yes)と判定した場合、即ち、所定回数(例えば、100回)の特図変動表示ゲームの実行が完了した場合には、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA575)、コマンド設定処理(ステップA576)を行う。
次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA577)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(ステップA577)では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定するとともに、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作の終了に係る情報等を設定する処理を行う。
すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生制御手段をなし、当該特定遊技状態においては、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成されていることとなる。なお、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘り、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間を延長する開状態延長制御手段をなすとも言える。
〔特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)〕
図25には、図23、図24に示す特図変動中処理における特図普段処理移行設定処理2(ステップA577)を示した。この特図普段処理移行設定処理2では、まず、処理番号を「0」に設定し(ステップA581)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA582)。次に、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA583)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA584)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA585)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(ステップA586)、特殊演出情報領域(振分用)をリセットして(ステップA587)、特図普段処理移行設定処理2を終了する。これらの処理により、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作が終了し、普通変動入賞装置37が通常動作状態となり、特図変動表示ゲームの実行態様が、通常動作状態(普電サポートなし)における実行態様となる。すなわち特定遊技状態が終了することとなる。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図26に示すように、大当り終了処理では、先ず、高確率の開始に関する信号を外部出力データ領域にセーブし(ステップA641)、高確率の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA642)。
次に、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブし(ステップA643)、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率、普電サポートフラグをセーブする(ステップA644)。そして、特図ゲームモードフラグ領域に高確率、時短フラグをセーブし(ステップA645)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA646)。
その後、時短変動回数領域に時短変動回数初期値(ここでは100)をセーブし(ステップA647)、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理4(ステップA648)を行い、大当り終了処理を終了する。特図普段処理移行設定処理4では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
以上の処理により、特別遊技状態の終了後、特定遊技状態となり、確率状態が高確率状態となるとともに普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率の状態である確率状態として通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段をなす。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。上述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。
〔1stメイン処理〕
主制御用マイコン(1stCPU)311では、図27に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。その後、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB22)を行う。この1stシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図28に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御装置の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
〔通常ゲーム処理〕
図29には、図28に示した2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)を示した。この通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB51)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB51)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次に、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップB52)を行う。この2ndシーン制御処理(ステップB52)では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行う。
その後、背景の設定を行う背景処理(ステップB53)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB54)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB55)を行い、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB56)を行う。そして、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB57)を行って、通常ゲーム処理を終了する。すなわち、表示装置41が始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段をなし、演出制御装置300が、始動記憶表示手段の表示態様を制御する始動記憶表示制御手段をなす。
〔1stシーン制御処理〕
図30には、図27に示した1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB22)を示した。この1stシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB61)、テストモード中である場合(ステップB61;Yes)は、1stシーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB61;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB62)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB62;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB63)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB64)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB64)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB64;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB65)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB66)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB62;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB64;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB68)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB69)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB70)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB71)を行う。この変動中処理(ステップB71)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB72)を行う。この図柄停止処理(ステップB72)では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB73)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB74)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB75)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB76)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB67)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB77)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB78)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、転落情報コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB79)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(転落情報コマンド、確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB80)を行う。
〔変動中処理〕
図31には、図30に示す1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB71)を示した。この変動中処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB91)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
この演出リクエストフラグがある場合(ステップB91;Yes)は、演出ボタン25の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB92)、可動体リクエストセット処理(ステップB93)を行う。次に、飾り特図変動表示ゲームの実行態様を設定するための変動パターン情報設定処理(ステップB94)を行い、乱数シード初期化処理(ステップB95)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB96)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
その後、特定遊技状態とする回数等(普通変動入賞装置37を時短動作状態とする回数等)を管理する変動回数管理処理(ステップB97)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を更新タイマに設定する変動時間設定処理(ステップB98)を行う。そして、高確率継続時処理(ステップB99)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB100)、変動中処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB91;No)は、更新タイマの値が0であるかを判定する(ステップB101)。この場合、更新タイマはシーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB101;No)は、変動中処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB101;Yes)は、次シーンデータの設定(ステップB102)を行い、変動中処理を終了する。これにより、新たなシーンが開始されるとともに更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。
〔変動パターン情報設定処理〕
図32には、図31に示す変動中処理における変動パターン情報設定処理(ステップB94)を示した。この変動パターン情報設定処理では、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄情報を取得し(ステップB111)、始動記憶に関する情報である保留情報をセーブする(ステップB112)。次に、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態、演出モード等の遊技状態を取得し(ステップB113)、始動記憶領域に記憶されている演出情報を取得する(ステップB114)。演出情報とは先読み情報に基づく連続的な演出を実行する際に、当該連続的な演出を実行する始動記憶について設定される情報である。
その後、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定し(ステップB115)、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定して(ステップB116)、変動パターン情報設定処理を終了する。この処理により飾り特図変動表示ゲームの変動パターンが決定される。
〔変動回数管理処理〕
図33には、図31に示す変動中処理における変動回数管理処理(ステップB97)を示した。この変動回数管理処理では、まず、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合に設定される時短フラグがあるかをチェックする(ステップB121)。なお、本実施形態では、特定遊技状態において普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とするので、時短フラグは特定遊技状態である場合に設定されるフラグであるとも言える。この時短フラグがない場合(ステップB122;No)は変動回数管理処理を終了する。また、時短フラグがある場合(ステップB122;Yes)は、時短回数を−1更新し(ステップB123)、時短回数が0であるかを判定する(ステップB124)。
時短回数が0でない場合(ステップB124;No)、すなわち、特定遊技状態が終了せず普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態のまま継続する場合は、−1更新した値を時短回数カウンタにセットして(ステップB133)、変動回数管理処理を終了する。また、時短回数が0である場合(ステップB124;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで特定遊技状態が終了し、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする状態が終了する場合は、延長停止時間を設定する(ステップB125)。延長停止時間は通常停止時間よりも長い停止時間である。そして、現在の確率情報を取得し(ステップB126)、低確率(通常確率状態)であるかを判定する(ステップB127)。
確率状態が低確率(通常確率状態)である場合(ステップB127;Yes)、すなわち、規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合は、高確率継続失敗演出を設定し(ステップB132)、変動回数管理処理を終了する。この高確率継続失敗演出は、確率状態が通常確率状態である事を遊技者に報知する確率状態報知演出であり延長停止時間に行われる。
また、確率状態が低確率(通常確率状態)でない場合(ステップB127;No)、すなわち、規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態のままである場合は、高確率継続演出を設定する(ステップB128)。この高確率継続演出は、確率状態が高確率状態である事を遊技者に報知する確率状態報知演出であり延長停止時間に行われる。さらに、規定回数経過後の特図変動表示ゲームの実行回数をカウントするための高確率継続回数カウンタをセット(0をセット)し(ステップB129)、時短フラグをクリアし(ステップB130)、高確率継続フラグをセットして(ステップB131)、変動回数管理処理を終了する。
〔高確率継続時処理〕
図34には、図31に示す変動中処理における高確率継続時処理(ステップB99)を示した。この高確率継続時処理では、高確率継続フラグがあるかを判定し(ステップB135)、高確率継続フラグがない場合(ステップB135;No)は、高確率継続時処理を終了する。また、高確率継続フラグがある場合(ステップB135;Yes)は、+1した値を高確率継続回数カウンタにセットし(ステップB136)、高確率継続時処理を終了する。
〔図柄停止処理〕
図35には、図30に示す1stシーン制御処理における図柄停止処理(ステップB72)を示した。この図柄停止処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB141)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB141;Yes)は、延長停止時間であるか否かを判定する(ステップB142)。延長停止時間は、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームについて設定される停止時間である。
この延長停止時間である場合(ステップB142;Yes)は、現在の確率情報を取得し(ステップB143)、対応する停止時間演出を設定する(ステップB144)。対応する停止時間演出とは、図33に示した変動回数管理処理で選択された高確率継続演出もしくは高確率継続失敗演出である。その後、図柄停止処理(ステップB145)において飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止し、移行する遊技状態(通常遊技状態ST1もしくは第2特定遊技状態ST4)を設定し(ステップB146)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB147)図柄停止処理を終了する。
また、延長停止時間でない場合(ステップB142;No)は、通常図柄停止処理(ステップB148)を行い、飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止するとともに通常停止時間を設定する。その後、高確率継続フラグがあるかを判定し(ステップB149)、高確率継続フラグがない場合(ステップB149;No)は、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB147)図柄停止処理を終了する。また、高確率継続フラグがある場合(ステップB149;Yes)は、高確率継続時演出設定処理(ステップB150)を行い、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB147)図柄停止処理を終了する。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB141;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB151)。この場合、更新タイマは飾り特図変動表示ゲームの停止時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとは飾り特図変動表示ゲームの停止時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB151;No)は、図柄停止処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB151;Yes)は、図柄停止終了を設定し(ステップB152)、遊技状態が移行する場合は遊技状態を移行して(ステップB153)、図柄停止処理を終了する。
〔高確率継続時演出設定処理〕
図36には、図35に示す図柄停止処理における高確率継続時演出設定処理(ステップB150)を示した。この高確率継続演出設定処理では、まず、高確率継続回数カウンタの値である高確率継続回数が特定回数(例えば10の倍数)であるかを判定する(ステップB161)。ここで高確率継続回数が特定回数である場合とは、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することとなる規定回数の特図変動表示ゲームの終了から数えて、特定回数目となる特図変動表示ゲームである場合である。高確率継続回数が特定回数でない場合(ステップB161;No)は、高確率継続時演出設定処理を終了する。また、高確率継続回数が特定回数である場合(ステップB161;Yes)は、現在の確率情報を取得して(ステップB162)、低確率(通常確率状態)であるかを判定する(ステップB163)。
確率状態が低確率(通常確率状態)でない場合(ステップB163;No)、すなわち、転落抽選に当選せず、高確率状態のままである場合は、高確率継続の報知を設定(ステップB167)し、高確率継続時演出設定処理を終了する。また、確率状態が低確率(通常確率状態)である場合(ステップB163;Yes)、すなわち転落抽選に当選していた場合は、移行する遊技状態として通常遊技状態を設定し(ステップB164)、高確率継続フラグをクリアする(ステップB165)。そして、高確率継続終了の報知を設定し(ステップB166)、高確率継続時演出設定処理を終了する。この処理により、予め定められた特定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎に報知状態が発生することとなる。
〔ファンファーレ処理〕
図37には、図30に示す1stシーン制御処理におけるファンファーレ処理(ステップB73)を示した。このファンファーレ処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB171)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB171;Yes)は、大当り中停電復旧データをクリアし(ステップB172)、ゲームモード状態を保持する(ステップB173)。
次に、大当り図柄の設定を行い(ステップB174)、大当りに関する情報を設定し(ステップB175)、大当り継続回数(ラウンド数)を更新する(ステップB176)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB177)、ファンファーレ処理を終了する。
大当り継続回数は、普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態である期間において大当りが発生した場合に1がセットされ、その後、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である期間において大当りが発生した場合に+1される。なお、確率状態が通常確率状態である期間において大当りが発生した場合に1をセットし、その後、転落抽選に当選する前に、すなわち高確率状態で大当りが発生した場合に+1するようにしても良い。そして、転落せずに高確率状態で大当りが所定回数発生した場合に、遊技者に特典を与える(通常では表示されない画像を表示する等)ようにしても良い。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB171;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB178)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の開始時のファンファーレ時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはファンファーレ時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB178;No)は、ファンファーレ処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB178;Yes)は、ファンファーレ終了を設定し(ステップB179)、ファンファーレ処理を終了する。
〔エンディング処理〕
図38には、図30に示す1stシーン制御処理におけるエンディング処理(ステップB76)を示した。このエンディング処理では、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定し(ステップB181)、演出リクエストフラグがある場合(ステップB181;Yes)は、大当りに関する情報を取得し(ステップB182)、時短フラグをセットする(ステップB183)。
次に、時短回数(ここでは100)をセットし(ステップB184)、演出情報として熱熱モード(第1特定遊技状態ST3)演出情報を設定する(ステップB185)。その後、対応する変動パターンテーブルをセットし(ステップB186)、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB187)、エンディング処理を終了する。この処理により、演出制御装置300においても特定遊技状態である旨の情報が設定される。また、特別遊技状態の終了後、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで確率状態を報知しない非報知状態である第1特定遊技状態ST3が設定される。すなわち、演出制御装置300が、遊技機における確率状態の報知状態を制御する報知状態制御手段をなす。
一方、演出リクエストフラグがない場合(ステップB181;No)は、更新タイマが0であるかを判定する(ステップB188)。この場合、更新タイマは特別遊技状態の終了時のエンディング時間を計時しており、この更新タイマの値が0であるとはエンディング時間が経過したことを示す。この更新タイマの値が0でない場合(ステップB188;No)は、エンディング処理を終了する。また、この更新タイマの値が0である場合(ステップB188;Yes)は、エンディング終了を設定し(ステップB189)、エンディング処理を終了する。
以上のような制御により、特別遊技状態の終了後、所定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行する所定期間(特定遊技状態の期間)においては、転落抽選の結果にかかわらず確率状態を明確に報知しない非報知状態となり、遊技者の期待感を継続させることができ、転落抽選の抽選結果によって遊技者が興趣を削がれることがなく、期待感を持って遊技を続けることができる。また、これにより、遊技を途中でやめてしまい、遊技機の稼働が低下することを防止できる。そして、所定期間が終了する場合に確率状態を明確に報知する報知状態を発生可能であるので、特定遊技状態の終了とともに実際の確率状態を報知することが可能となり、遊技者が無駄に遊技を継続しなければならない不利益を防止できる。
また、所定期間の終了となる変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間に設定し、当該延長停止時間において所定期間内の転落抽選の結果に関する確率状態報知演出を実行するので、十分な演出時間を確保した上で遊技の興趣を削ぐことなく確率状態を報知することができる。
さらに、所定期間の終了後も高確率状態である場合は、通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームまでの期間に亘り、予め定められた特定回数(ここでは10回)の変動表示ゲームを実行する毎に報知状態を発生するので、通常確率状態に転落せずに第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長される状態が終了しても遊技者が安心して遊技を継続することができるとともに、無駄に遊技を継続しなければならない不利益を防止することができる。また、予め定められた特定回数の変動表示ゲームを実行する毎に報知状態を発生するので、転落抽選に当選してもすぐには報知されず、遊技者の期待感を継続させることができ、転落抽選の抽選結果によって遊技者が興趣を削がれることがなく期待感を持って遊技を続けることができる。
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)と、当該遊技機における確率状態の報知状態を制御する報知状態制御手段(演出制御装置300)と、を備え、報知状態制御手段は、特定遊技状態発生制御手段によって特定遊技状態に制御されている所定期間においては、転落抽選手段による転落抽選の結果にかかわらず、当該遊技機における確率状態を明確に報知しない非報知状態を発生する一方、特定遊技状態が終了する場合に、当該遊技機における確率状態を明確に報知する報知状態を発生可能であることとなる。
また、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が流入不可能な閉状態と遊技球が流入可能な開状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)とを備え、特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)により発生される特定遊技状態においては、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成され、報知状態制御手段(演出制御装置300)は、所定期間の終了後、転落抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームまでの期間に亘り、予め定められた特定回数の変動表示ゲームを実行する毎に、当該特定回数となる変動表示ゲームにおいて報知状態を発生するようにしていることとなる。
また、変動表示ゲームに関連する所定の演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、所定期間は、予め定められた所定回数の変動表示ゲームが実行されることで終了するように構成され、停止時間設定手段は、予め定められた特定の変動表示ゲームについて、停止結果態様が特別結果態様とならない場合の停止時間として、通常停止時間よりも長い停止時間である延長停止時間を設定する延長停止時間設定手段(遊技制御装置100)を含み、延長停止時間設定手段は、所定期間の終了となる変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間に設定し、演出制御手段は、延長停止時間設定手段により、所定期間の終了となる変動表示ゲームの停止時間として延長停止時間が設定される場合に、当該延長停止時間において所定期間内の転落抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果に関する確率状態報知演出を実行するようにしていることとなる。
なお、所定期間の終了後も高確率状態である場合は、通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームまでの期間に亘り、特定回数となる特図変動表示ゲームで確率状態が報知されるが、通常確率状態となった後、特定回数となった場合も通常確率状態である旨が報知される。よって、報知状態制御手段(演出制御装置300)は、所定期間の終了後、予め定められた特定回数の変動表示ゲームを実行する毎に、当該特定回数となる変動表示ゲームにおいて報知状態を発生し、当該特定回数となる変動表示ゲームにおける報知状態の発生は、転落抽選に当選して通常確率状態へ移行した後に特定回数となった変動表示ゲームまで行うようにしているとも言える。
以上の実施形態では、特別遊技状態の終了後、所定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行する所定期間(特定遊技状態の期間)においては、転落抽選の結果にかかわらず確率状態を明確に報知しない非報知状態とするとしたが、確率状態を示唆する報知を行うようにしても良い。また、所定回数のうち、前半の50回の特図変動表示ゲームを行う期間では確率状態を全く報知せず、後半の50回の特図変動表示ゲームを行う期間で確率状態を示唆する報知を行うようにしても良い。また、特別遊技状態の終了後、すぐに(例えば1回目や10回以内)で転落してしまった場合には演出を変更するようにしても良い。この場合、例えば、通常では表示されない演出表示として遊技を継続する意欲を遊技者に与えるようにする。
また、特定遊技状態は普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる状態としたが、これに限られるものではない。特定遊技状態は、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘って発生する通常遊技状態とは異なる状態であれば良く、例えば、確率状態を明確に報知しない非報知状態とするが普通変動入賞装置37の動作状態を通常動作状態とする状態でも良い。また、この場合に、特別結果態様の種類や別途の抽選等により、非報知状態とするか否かを決定するようにしても良い。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、転落抽選に当選するまでは規定回数を超えても特定遊技状態が継続するようになっている。
図39(a)に示すように、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合は第1実施形態と同様である。すなわち、特別遊技状態が終了すると確率状態が高確率状態となるとともに普電サポートあり(時短動作状態)となり(t1)、遊技状態は確率状態が明確に報知されない第1特定遊技状態ST3となる。その後、規定回数の特図変動表示ゲームを実行する前に転落抽選に当選すると確率状態が通常確率状態となる(t2)。このとき確率状態が通常確率状態となったことは報知されない。そして、規定回数の特図変動表示ゲームとなると、延長停止時間において通常確率状態であることが報知される(t3)。そして、特定遊技状態が終了して普電サポートなし(通常動作状態)となるとともに遊技状態が通常遊技状態ST1となる。
これに対して、図39(b)に示すように、特別遊技状態の終了後、規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せず、その後の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合は第1実施形態と異なる。規定回数の特図変動表示ゲームでは延長停止時間において高確率状態であることが報知され(t22)、遊技状態は第2特定遊技状態ST4となるが、この第2特定遊技状態ST4でも特定遊技状態が継続して普電サポート(時短動作状態)が継続するようになっている。そして、転落抽選に当選した場合(t23)は当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで特定遊技状態が終了して普電サポートが終了するとともに通常遊技状態ST1に移行するようになっている。すなわち、本実施形態の遊技機では、第1特定遊技状態ST3に加えて第2特定遊技状態ST4である期間も特定遊技状態である。つまり、転落抽選に当選するまでは予め定められた規定回数を超えても特定遊技状態が継続するようになっている。
このように、規定回数の経過後の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選し、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了する場合、図40に示すように当該特図変動表示ゲームにおける普電サポートの終了態様として2つの終了態様が考えられる。終了態様1は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時(t32)に普電サポートを終了するものであり、終了態様2は、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了時(t33)に普電サポートを終了するものである。以下、終了態様1の場合について説明し、終了態様2の場合については後述する第1変形例において説明する。
〔特図表示中処理〕
本実施形態の遊技機では、図24に示す特図表示中処理の後半の処理に替えて図41に示す処理を行う。図23に示すステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、図41に示すように、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか否か(特定遊技状態であるか否か)を判定する処理(ステップA572)を行う。ここで、時短動作状態でない(ステップA572;No)と判定すると、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行う。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA572にて、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である(ステップA572;Yes)と判定すると、時短継続フラグがあるか否かの判定(ステップA651)を行う。時短継続フラグは、規定回数(ここでは100回)の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選しなかった場合に設定されるフラグである。すなわち、特定遊技状態が継続している場合に設定されるフラグである。この時短継続フラグがある場合(ステップA651;Yes)は、高確率時(高確率状態)であるかを判定し(ステップA657)、高確率時(高確率状態)でない場合(ステップA657;No)は、規定回数を超えた後に時短動作状態となっている特図変動表示ゲームの回数(規定回数を超えた後に特定遊技状態が継続しているゲーム数)を計数する特図変動回数をクリアし(ステップA659)する。そして、時短継続フラグをクリアして(ステップA660)、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA577)を行って、特図表示中処理を終了する。また、高確率時(高確率状態)である場合(ステップA657;Yes)は、特図変動回数を+1更新して(ステップA658)、特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、時短継続フラグがない場合(ステップA651;No)は、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(特定遊技状態とする規定のゲーム数)を管理する時短変動回数を更新(−1)する処理(ステップA573)を行い、時短変動回数が0であるか否かの判定(ステップA574)を行う。そして、時短変動回数が0でない(ステップA574;No)場合は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。一方、ステップA574にて、時短変動回数が0である(ステップA574;Yes)と判定した場合、即ち、所定回数(例えば、100回)の特図変動表示ゲームの実行が完了した場合には、特図ゲームモードフラグ領域をチェックし(ステップA652)、高確率時(高確率状態)であるかを判定する(ステップA653)。
高確率時(高確率状態)でない場合(ステップA653;No)、すなわち、通常確率状態である場合は、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA575)、コマンド設定処理(ステップA576)を行う。次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA577)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(ステップA577)では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定するとともに、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作の終了に係る情報等を設定する処理を行う。この処理は図25に示した処理である。
一方、高確率時(高確率状態)である場合(ステップA653;Yes)は、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作を継続する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA654)、コマンド設定処理(ステップA655)を行う。次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理3(時短継続時)(ステップA656)を行って、特図表示中処理を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
図42には上述の特図普段処理移行設定処理3(時短継続時)を示した。この特図普段処理移行設定処理3では、まず、処理番号を「0」に設定し(ステップA661)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA662)。次に、時短継続フラグ領域に時短継続フラグをセーブし(ステップA663)、特図変動回数カウンタをセット(0をセット)して(ステップA664)、特図普段処理移行設定処理3を終了する。
以上の処理により、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合は、規定回数となる特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了する。また、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選しなかった場合には特定遊技状態が継続して普電サポートが継続するようになる。
〔転落時情報設定処理〕
また、転落抽選に当選した場合に行われる図21に示した転落時情報設定処理に替えて、図43に示す転落時情報設定処理を行う。この転落時情報設定処理では、ステップA381からA384の処理を行い、確率状態を通常確率状態とする情報を設定した後、時短継続フラグがあるかをチェックする(ステップA671)。
そして、時短継続フラグがない場合(ステップA672;No)は転落時情報設定処理を終了する。また、時短継続フラグがある場合(ステップA672;Yes)は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA673)、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA674)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA675)。
そして、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(ステップA676)、特殊演出情報領域(振分用)をリセットして(ステップA677)転落時情報設定処理を終了する。これらの処理により、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作が終了し、普通変動入賞装置37が通常動作状態となり、特図変動表示ゲームの実行態様が通常動作状態(普電サポートなし)における実行態様となる。
この処理により、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せず、特定遊技状態が継続して普電サポートが継続した場合は、転落抽選に当選した際(特図変動表示ゲームの開始時)に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することとなる。
なお、特定遊技状態(普電サポートありの状態)で実行された特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出された場合は、図23に示した特図表示中処理のステップA571で特定遊技状態を終了して普電サポートを終了する処理が行われる。すなわち、この場合は特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することなる。
すなわち、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定条件が成立する変動表示ゲームまでの期間に亘り、特定遊技状態となって普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となるが、この所定条件は少なくとも、特別結果態様が導出されることもしくは転落抽選に当選することにより成立するようになっている。これにより、転落抽選に当選したことを遊技者に確実に報知できるようになる。つまり、普通変動入賞装置37の動作状態が、転落抽選に当選する前の期間と当選した後の期間で異なるため、遊技者は常に表示等を凝視していなくても、転落抽選に当選したことを容易に把握できる。また、確率状態が遊技者にとって不利な通常確率状態となることに伴い普通変動入賞装置37の動作状態も遊技者にとって不利な状態となるため、遊技者にとって有利な状態と不利な状態との格差が大きくなり、転落抽選の機能を備えることによる興趣の向上の効果を高めることができる。
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定条件が成立する変動表示ゲームまでの期間に亘って特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、所定条件は、少なくとも、変動表示ゲームの結果が特別結果となること、もしくは、転落抽選手段による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行することにより成立するようにしたこととなる。
また、第1実施形態の遊技機では、規定回数の特図変動表示ゲームの終了後も高確率状態である場合の遊技状態である第2特定遊技状態ST4において、所定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎に現在の確率状態を確認し、確率状態が通常確率状態となっていた場合は通常遊技状態ST1に移行するようになっていた。しかし、本実施形態の遊技機では、第2特定遊技状態ST4においては転落抽選もしくは大当りに当選した特図変動表示ゲームの終了後に通常遊技状態ST1へ移行するようにしている。
このため、演出制御装置300では、図33に示した変動回数管理処理において、初めに高確率継続フラグがあるかを判定し、高確率継続フラグがある場合は、変動回数管理処理を終了する。また、高確率継続フラグがない場合は、図33に示した処理と同様の処理を行うようにする。さらに、図36に示した高確率継続時演出設定処理では、高確率継続回数が特定回数であるか否かの判定(ステップB161)を行わない。また、高確率継続の報知の設定(ステップB167)は行わなくても良い。これにより、規定回数の経過後の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選し、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了した場合、次の特図変動表示ゲームから通常遊技状態ST1へ移行することとなる。
なお、上述の実施形態では、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選しても規定回数となる特図変動表示ゲームまで特定遊技状態を継続して普電サポートを継続させるとしたが、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合も転落抽選に当選した際(特図変動表示ゲームの開始時)に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしても良い。この場合は、図43に示す転落時情報設定処理における時短継続フラグがあるか否かの判定(ステップA672)を行わないようにする。
また、特定遊技状態は普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となる状態としたが、これに限られるものではない。特定遊技状態は、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘って発生する通常遊技状態とは異なる状態であれば良い。例えば、確率状態を明確に報知しない非報知状態とするが普通変動入賞装置37の動作状態を通常動作状態とする状態としても良い。また、この場合に、特別結果態様の種類や別途の抽選等により、非報知状態とするか否かを決定するようにしても良い。このように特定遊技状態が、当該特定遊技状態ではない場合よりも遊技者にとって有利な状態(高確率状態であること以外に遊技者に利益を付与可能な状態)でない場合であっても、遊技状態が、転落抽選に当選する前の期間と当選した後の期間で異なるため、遊技者は常に表示等を凝視していなくても、転落抽選に当選したことを容易に把握できるという効果を奏する。
〔第2実施形態の第1変形例〕
次に、第2実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。また、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成についても同じ符号を付して説明を省略する。本変形例の遊技機は、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合は、当該特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしている。
〔転落時情報設定処理〕
本変形例の遊技機では、転落抽選に当選した場合に行われる図21に示した転落時情報設定処理に替えて、図44に示す転落時情報設定処理を行う。この転落時情報設定処理は基本的には図43で示した転落時情報設定処理と同様の処理を行うが、時短継続フラグがある場合(ステップA681;Yes)に、転落変動フラグをセットする(ステップA681)点が異なる。なお、転落変動フラグは、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを終了する際にクリアされる。また、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする処理(ステップA675)を行わない点が異なる。よって、転落抽選に当選した時点では特定遊技状態は終了せず、普電サポートが継続されたままとなる。
〔特図表示中処理〕
本実施形態の遊技機では、図24に示す特図表示中処理の後半の処理に替えて図45に示す処理を行う。この特図表示中処理では基本的には図41で示した特図表示中処理と同様の処理を行うが、時短継続フラグがある場合(ステップA651;Yes)の処理が異なり、時短継続中処理(ステップA691)を行い、特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行って特図表示中処理を終了する。
〔時短継続中処理〕
図46には、上述の時短継続中処理(ステップA691)を示した。この時短継続中処理では、まず、転落変動フラグがあるかをチェックし(ステップA701)、転落変動フラグがない場合(ステップA702;No)は、特図変動回数を+1更新して(ステップA706)、時短継続中処理を終了する。また、転落変動フラグがある場合(ステップA702;Yes)は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする処理(ステップA703)を行う。そして、特図変動回数をクリアし(ステップA704)、時短継続フラグをクリアして(ステップA705)時短継続中処理を終了する。この処理により、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作が終了し、普通変動入賞装置37が通常動作状態となり、特図変動表示ゲームの動作状態が通常動作状態の動作となる。すなわち、特定遊技状態が終了することとなる。
この処理により、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合は、当該特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することとなる。なお、普電サポートありの状態(特定遊技状態)で実行された特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出された場合は、図23に示した特図表示中処理のステップA571で特定遊技状態を終了して普電サポートを終了する処理が行われる。つまり、この場合も特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することなる。
すなわち、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定条件が成立するまでの期間に亘り、特定遊技状態となって普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となるが、この所定条件が成立するタイミングは、結果が特別結果となる変動表示ゲームが終了するタイミング、もしくは、確率設定手段が通常確率状態へ移行させた変動表示ゲームが終了するタイミングであるので、変動表示ゲームの終了まで転落抽選に当選したことが分からないようにすることができる。
以上のことから、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が流入不可能な閉状態と遊技球が流入可能な開状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)により発生される特定遊技状態においては、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成され、所定条件が成立するタイミングは、結果が特別結果となる変動表示ゲームが終了するタイミング、もしくは、確率設定手段(遊技制御装置100)が通常確率状態へ移行させた変動表示ゲームが終了するタイミングであることとなる。
なお、上述の第1変形例では、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選しても規定回数となる特図変動表示ゲームまで特定遊技状態を継続して普電サポートを継続させるとしたが、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合も当該特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしても良い。
〔第2実施形態の第2変形例〕
次に、第2実施形態の第2変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて大当りとなった場合は、当該特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしている。
図47(a)に示すように、第1実施形態及び上述の第2実施形態では、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて大当りとなった場合、当該特図変動表示ゲームの終了時(t41)に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしている。これに対して本変形例の遊技機では、図47(b)に示すように、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて大当りとなった場合、当該特図変動表示ゲームの開始時(t51)に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしている。
このような処理を行うため、本変形例の遊技機では、図18に示す特図1変動開始処理に替えて図48に示す特図1変動開始処理を行う。また、図19に示す特図2変動開始処理に替えて図49に示す特図2変動開始処理を行う。図48に示す特図1変動開始処理では、大当りフラグ1設定処理(ステップA321)の後に普図情報設定処理(ステップA711)を行う。また、図49に示す特図2変動開始処理では、大当りフラグ2設定処理(ステップA321)の後に普図情報設定処理(ステップA712)を行う。
〔普図情報設定処理〕
図50には、普図情報設定処理(ステップA711、ステップA712)を示した。この普図情報設定処理では、まず、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合に設定される時短継続フラグがあるかをチェックする(ステップA721)。この時短継続フラグがない場合(ステップA722;No)は、普図情報設定処理を終了する。また、時短継続フラグがある場合(ステップA722;Yes)は、結果が大当りである場合に設定される大当りフラグがあるかをチェックする(ステップA723)。
そして、大当りフラグがない場合(ステップA724;No)は、普図情報設定処理を終了する。また、大当りフラグがある場合(ステップA724;Yes)は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率、普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA725)。その後、特図変動回数をクリアし(ステップA726)、時短継続フラグをクリアして(ステップA727)普図情報設定処理を終了する。
この処理により、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて大当りとなった場合、当該特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了するようになる。また、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合は、図43に示す処理により特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了する。
すなわち、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している場合の特図変動表示ゲームにおいて、特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了した場合、この時点では、特別結果の発生と転落抽選の当選の両方の可能性があり、最終的に結果が導出されるまではどちらであるかは判別することができない。特に高確率状態であれば特別結果となる可能性が高いため、遊技者は第2始動入賞口の動作状態の変化により特別結果となる期待感が高まるとともに、転落抽選に当選してしまったのではないかという不安感も高まり、非常に興趣の高い状態となる。つまり、たとえ転落抽選に当選した場合であっても遊技の興趣を高めることができ、単に転落抽選の抽選結果を報知するもののように遊技の興趣を削ぐだけの遊技機とは異なり、遊技全体の興趣を高めることができる。
なお、規定回数以内の特図変動表示ゲームで大当りとなった場合は、図23に示す処理(ステップA571)により、当該特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了するようにしている。規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合は、そこで特定遊技状態が終了して普電サポートが終了せずに規定回数の特図変動表示ゲームが終了するまでは特定遊技状態が継続して普電サポートが継続するので、大当りの場合も特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにすることで、大当りであることが特図変動表示ゲームの開始時にわかってしまうことを防止できる。
以上のことから、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が流入不可能な閉状態と遊技球が流入可能な開状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)により発生される特定遊技状態においては、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成され、変動表示ゲームの結果を特別結果とするか否かの判定行う判定手段(遊技制御装置100)を備え、判定手段による特別結果とするか否かの判定、及び、転落抽選手段(遊技制御装置100)が転落抽選を行い、当選した場合に確率設定手段(遊技制御装置100)が通常確率状態へ移行させる処理は、変動表示ゲームが開始されるときに実行され、所定条件が成立するタイミングは、判定手段が特別結果とすると判定したタイミング、もしくは、確率設定手段が通常確率状態へ移行させたタイミングであることとなる。
なお、本変形例では、規定回数以内の特図変動表示ゲームで大当りとなった場合は、当該特図変動表示ゲームの終了時に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するとしたが、規定回数以内の特図変動表示ゲームで大当りとなった場合も当該特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了するようにしても良い。これによっても特別結果となることが特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することで遊技者に報知されることとなり、従来にない報知態様を実現でき、遊技の興趣を向上することができる。
また、本変形例の構成を第2実施形態の第1変形例にも適用可能である。この場合は、規定回数の特図変動表示ゲームを実行しても転落抽選に当選せずに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続している特図変動表示ゲームにおいて、特図変動表示ゲームの開始時に特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することで、特別結果となることが遊技者に報知されることとなり、従来にない報知態様を実現でき、遊技の興趣を向上することができる。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、転落抽選の当選や遊技状態の変更に基づき特図変動表示ゲームの変動態様を変更するようにしている。
特図変動表示ゲームの変動態様の決定は、図18に示す特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)及び図19に示す特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)において行われる。本実施形態の遊技機は、この後半変動パターン処理において用いる変動パターンテーブルを、特図変動表示ゲームの結果(大当り、はずれ)、転落抽選の結果(当選、はずれ)、確率状態(高確率状態、通常確率状態)、特定遊技状態であるか否か、普電サポートの有無(普通変動入賞装置37が時短動作状態か通常動作状態か)に基づき選択するようになっている。
図51には、特図変動表示ゲームの変動態様を決定するために用いる変動パターンテーブルを示した。なお、変動パターンテーブルAからEは結果がはずれの場合に用いられる変動パターンテーブルであり、変動パターンテーブルFは結果が大当りの場合に用いられる変動パターンテーブルである。また、本実施形態では、リーチの種類をノーマルリーチ、SPリーチ1、SPリーチ2の三種類としている。
これらの変動パターンテーブルは、遊技制御装置100のROM111Bに記憶されている。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームにおける変動パターンを設定するための変動テーブルを複数記憶した変動テーブル記憶手段をなす。また、遊技制御装置100(CPU111A)が、変動表示ゲームを実行する場合に変動テーブル記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された複数の変動テーブルのうち、一の変動テーブルを取得する変動テーブル取得手段をなす。
普電サポートがなく通常確率状態である場合、すなわち、遊技状態が通常遊技状態ST1である場合は、変動パターンテーブルEを選択する。これに対して、普電サポートがあり高確率状態である場合、すなわち、遊技状態が特定遊技状態である第1特定遊技状態ST3で高確率状態である場合は、変動パターンテーブルAを選択する。変動パターンテーブルAは、変動パターンテーブルEよりもリーチを選択する確率が高くなっている。すなわち、この変動パターンテーブルAは、通常よりもリーチを発生させる変動パターンが設定される確率が高い高リーチ変動テーブルをなす。
また、普電サポートがあり、転落抽選に当選した後の通常確率状態である場合、すなわち、遊技状態が特定遊技状態である第1特定遊技状態ST3で通常確率状態である場合は、変動パターンテーブルCを選択する。変動パターンテーブルCは、変動パターンテーブルAやEよりもリーチを選択する確率が高くなっている。すなわち、この変動パターンテーブルCは、通常よりもリーチを発生させる変動パターンが設定される確率が高い高リーチ変動テーブルをなす。また、この変動パターンテーブルCは、所定期間内において高確率状態である場合よりもリーチを発生させる変動パターンが設定される確率が高い高リーチ変動テーブルをなす。また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームについては、上述の選択結果にかかわらず変動パターンテーブルBを選択する。変動パターンテーブルB用いた場合は必ずリーチが選択されるようになっている。すなわち、この変動パターンテーブルBは、リーチを発生させる変動パターンのみを設定可能なリーチ変動テーブルをなし、転落抽選に当選した場合にのみ用いられる転落用変動テーブルである。
さらに、普電サポートがなく高確率状態である場合、すなわち、遊技状態が第2特定遊技状態ST4である場合は、変動パターンテーブルDを選択する。変動パターンテーブルDを用いた場合はリーチが選択されないようになっている。すなわち、この変動パターンテーブルDは、特定遊技状態である所定期間内に転落抽選に当選せずに通常確率状態へ移行していない場合に、当該所定期間終了後の変動表示ゲームについて、リーチが発生しない変動パターンを設定する非リーチ変動テーブルである。そして、結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについては、上述の選択結果にかかわらず変動パターンテーブルFを選択する。変動パターンテーブルFを用いた場合は必ずリーチが選択されるようになっている。すなわち、この変動パターンテーブルFは、リーチを発生させる変動パターンのみを設定可能なリーチ変動テーブルをなし、結果が特別結果となる場合にのみ用いられる大当り用変動テーブルである。
ここで、転落抽選に当選した場合に選択される変動パターンテーブルBと、大当りに当選した場合に選択される変動パターンテーブルFについて見ると、変動パターンテーブルBではSPリーチ1の選択割合が高いのに対し、変動パターンテーブルFではSPリーチ2の選択割合が高くなっている。これにより、リーチパターンの選択態様で特図変動表示ゲームの結果が特別結果の可能性が高いか、転落抽選に当選した可能性が高いかを予測でき、遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、リーチ変動テーブルには、少なくとも、結果が特別結果となる変動表示ゲームについて変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)が取得する大当り用変動テーブル(変動パターンテーブルF)と、転落抽選手段(遊技制御装置100)による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行する変動表示ゲームについて変動テーブル取得手段が取得する転落用変動テーブル(変動パターンテーブルB)と、を含み、大当り用変動テーブルは、複数種類のリーチのうち、特定の第1リーチ変動パターン(SPリーチ2)が設定される確率が高く設定され、転落用変動テーブルは、複数種類のリーチのうち、特定の第2リーチ変動パターン(SPリーチ1)が設定される確率が高く設定されていることとなる。
また、第1実施形態の遊技機では、規定回数の特図変動表示ゲームの終了後も高確率状態である場合の遊技状態である第2特定遊技状態ST4において、所定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎に現在の確率状態を確認し、確率状態が通常確率状態となっていた場合は通常遊技状態ST1に移行するようになっていた。しかし、本実施形態の遊技機では、第2特定遊技状態ST4においては転落抽選もしくは大当りに当選する場合にのみリーチを発生させるようにしており、転落抽選に当選した場合はリーチではずれとなって遊技者が認識できるため、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了後に通常遊技状態ST1へ移行するようにしている。
このため、演出制御装置300では、図33に示した変動回数管理処理において、初めに高確率継続フラグがあるかを判定し、高確率継続フラグがある場合は、変動回数管理処理を終了する。また、高確率継続フラグがない場合は、図33に示した処理と同様の処理を行うようにする。さらに、図36に示した高確率継続演出設定処理では、高確率継続回数が特定回数であるか否かの判定(ステップB161)を行わない。また、高確率継続の報知を設定する処理(ステップB167)は行わなくても良い。これにより、規定回数の経過後の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合、次の特図変動表示ゲームから通常遊技状態ST1へ移行することとなる。
図52(a)には、規定回数(ここでは100回)前に転落抽選に当選した場合を示した。特別遊技状態(t61からt62)の終了後、特定遊技状態である場合であって普電サポートがあり高確率状態である場合は変動パターンテーブルAを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。この期間では、通常遊技状態ST1よりも高い頻度でリーチが発生し、特別結果態様が導出されることに対する期待感が高められる。そして、転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム(t63からt64)では、変動パターンテーブルBを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。この場合、必ずリーチが発生する。なお、これ以前の特図変動表示ゲームでもリーチは発生するため、このリーチの発生により転落抽選に当選したことを認識することは困難である。ただし、変動パターンテーブルBはSPリーチ1の選択割合が高いため、リーチの種類による転落抽選の結果の推測は可能である。
その後、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームまでは変動パターンテーブルCを用いて変動態様を決定する。この期間では転落抽選に当選する前よりも高い頻度でリーチが発生する。これにより、規定回数まで残り回数が少ない状況での興趣を高めることができる。そして、規定回数となる特図変動表示ゲームでは停止時間が延長停止時間とされ、この延長停止時間において通常確率状態であることを報知する確率状態報知演出が行われ、規定回数となる特図変動表示ゲームが終了すると(t65)、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了し、通常遊技状態ST1となる。これ以降は変動パターンテーブルEを用いて変動態様を決定する。
図52(b)には、特定遊技状態が終了することとなる規定回数(ここでは100回)前に大当りに当選した場合を示した。この場合、大当りに当選する特図変動表示ゲームまで(t73まで)は図52(a)に示した場合と同様に遊技が進行する。そして、大当りに当選した特図変動表示ゲーム(t73からt74)では、変動パターンテーブルFを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。この場合、必ずリーチが発生する。その後、特別結果が導出されて特別遊技状態が発生する(t74からt75)。なお、大当りとなる特図変動表示ゲーム以前の特図変動表示ゲームでもリーチは発生するため、このリーチの発生により大当りに当選したことを認識することは困難である。ただし、変動パターンテーブルFはSPリーチ2の選択割合が高いため、リーチの種類による結果の推測は可能である。
このように、転落抽選に当選した場合及び大当りに当選した場合に必ずリーチを発生するようにしているので、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高め、遊技全体の興趣を高めることができる。すなわち、リーチが発生した場合、この時点では、特別結果の発生、転落抽選の当選、単なるはずれの可能性があり、何れであるかは判別することができない。特に高確率状態であれば特別結果となる可能性が高いため、遊技者はリーチの発生により特別結果となる期待感が高まるとともに、転落抽選に当選してしまったのではないかという不安感も高まり、非常に興趣の高い状態となる。また、リーチが発生したが結果がはずれの場合であっても必ずしも転落抽選に当選したわけではなく、その後の遊技も期待感を持って行うことができる。つまり、たとえ転落抽選に当選した場合であっても遊技の興趣を維持又は高めることができ、単に転落抽選の抽選結果を報知するもののように遊技の興趣を削ぐだけの遊技機とは異なり、遊技全体の興趣を高めることができる。そして、転落抽選もしくは大当りに当選するまでの特図変動表示ゲームにおいて、通常遊技状態ST1よりも高い頻度でリーチを発生するようにしたことで、特別結果態様が導出されることに対する期待感や転落抽選に当選したことに対する不安感が高められ、さらに興趣を向上することができる。
図53(a)には、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、当該特図変動表示ゲームの後も高確率状態が継続した場合に転落抽選に当選した場合を示した。特別遊技状態(t81からt82)の終了後、規定回数となる特図変動表示ゲームまでは変動パターンテーブルAを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。この例では規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、当該規定回数となる特図変動表示ゲームの停止時間(延長停止時間)において高確率状態が継続する旨の確率状態報知演出が行われ、第2特定遊技状態ST4となる(t83)。
規定回数となる特図変動表示ゲームの後、転落抽選に当選するまでの特図変動表示ゲームについては、変動パターンテーブルDを用いて変動態様を決定する(t83からt84)。よって、この期間ではリーチは発生しない。そして、転落抽選に当選した特図変動表示ゲーム(t84からt85)では、変動パターンテーブルBを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。この場合、必ずリーチが発生する。変動パターンテーブルBはSPリーチ1の選択割合が高いため、リーチの種類により転落抽選に当選した可能性の高さを推測することが可能である。その後、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが終了すると(t85)、通常遊技状態ST1となる。これ以降は変動パターンテーブルEを用いて変動態様を決定する。
図53(b)には、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、当該特図変動表示ゲームの後も高確率状態が継続した場合に大当りに当選した場合を示した。この場合、大当りに当選する特図変動表示ゲームまで(t94まで)は図53(a)に示した場合と同様に遊技が進行する。そして、大当りに当選した特図変動表示ゲーム(t94からt95)では、変動パターンテーブルFを用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。この場合、必ずリーチが発生する。変動パターンテーブルFはSPリーチ2の選択割合が高いため、リーチの種類により大当りに当選した可能性の高さを推測することが可能である。その後、特別結果が導出されて特別遊技状態が発生する(t95からt96)。
このように、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず高確率状態が継続している期間はリーチを発生させず、転落抽選もしくは大当りに当選する場合にのみリーチを発生させることで、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高め、遊技全体の興趣を高めることができる。すなわち、高確率状態のまま所定期間が経過した後にリーチが発生した場合、遊技者にとって有利な大当りの当選と、遊技者にとって不利な転落抽選の当選の何れかであることがわかるようになる。特に高確率状態であれば特別結果となる可能性が高いため、遊技者はリーチの発生により特別結果となる期待感が高まるとともに、転落抽選に当選してしまったのではないかという不安感も高まり、非常に興趣の高い状態となる。つまり、たとえ転落抽選に当選した場合であっても遊技者の興趣を高めることができ、単に転落抽選の抽選結果を報知するもののように遊技者の興趣を削ぐだけの遊技機とは異なり、遊技全体の興趣を高めることができる。
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの停止結果態様が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームにおける変動パターンを設定するための変動テーブルを複数記憶した変動テーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームを実行する場合に変動テーブル記憶手段に記憶された複数の変動テーブルのうち、一の変動テーブルを取得する変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動テーブル取得手段は、転落抽選手段による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行することとなる場合に、当該通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームについて取得する変動テーブルとして、変動表示ゲームにおいてリーチを発生させる変動パターンのみを設定可能なリーチ変動テーブル(変動パターンテーブルB)を取得するようにしたこととなる。
また、変動テーブル取得手段は、特定遊技状態となる所定期間内に転落抽選手段による転落抽選に当選せずに通常確率状態へ移行していない場合に、当該所定期間終了後の変動表示ゲームについて、リーチが発生しない変動パターンが設定される非リーチ変動テーブル(変動パターンテーブルD)を取得し、所定期間終了後の変動表示ゲームにおいて、転落抽選手段による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行することとなる場合、もしくは、特別結果となる場合には、リーチを発生させる変動パターンのみを設定可能なリーチ変動テーブル(変動パターンテーブルB、F)を取得するようにしたこととなる。
また、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が流入不可能な閉状態と遊技球が流入可能な開状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)により発生される特定遊技状態においては、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成され、変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)は、所定期間内においてはリーチが発生する確率が通常よりも高く設定された高リーチ変動テーブル(変動パターンテーブルA、C)を取得し、所定期間内において転落抽選手段(遊技制御装置100)による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行する変動表示ゲームについては、高リーチ変動テーブルに替えてリーチ変動テーブル(変動パターンテーブルB)を取得するようにしていることとなる。
また、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が流入不可能な閉状態と遊技球が流入可能な開状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘り、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間を延長する特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)を備え、変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)は、所定期間内において通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームが実行された後、所定期間が終了するまでの期間に実行される変動表示ゲームについて、所定期間内において高確率状態である場合よりもリーチを発生させる変動パターンが設定される確率が高い高リーチ変動テーブル(変動パターンテーブルC)を取得するようにしたこととなる。
また、変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)は、所定期間内に転落抽選手段(遊技制御装置100)による転落抽選に当選せずに通常確率状態へ移行しなかった場合には、所定期間の終了後から転落抽選手段による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームの前までに実行される変動表示ゲームについて取得するテーブルとして、リーチを発生させない変動パターンのみを設定可能な非リーチ変動テーブル(変動パターンテーブルD)を取得するようにしたこととなる。
また、変動表示ゲームに関連する所定の演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの停止結果態様を表示する停止時間を設定する停止時間設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、所定期間は、予め定められた所定回数の変動表示ゲームが実行されることで終了するように構成され、停止時間設定手段は、予め定められた特定の変動表示ゲームについて、停止結果態様が特別結果態様とならない場合の停止時間として、通常停止時間よりも長い停止時間である延長停止時間を設定する延長停止時間設定手段(遊技制御装置100)を含み、延長停止時間設定手段は、所定期間の終了となる変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間に設定し、演出制御手段は、延長停止時間設定手段により、所定期間の終了となる変動表示ゲームの停止時間として延長停止時間が設定される場合に、当該延長停止時間において所定期間内の転落抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果に関する確率状態報知演出を実行するようにしたこととなる。
なお、変動パターンの設定として、規定回数の前半の所定回数(例えば50回)までは確率状態にかかわらず同じ変動パターンテーブルを選択し、後半の所定回数(例えば50回)は段階的に確率状態に基づいて選択する変動パターンテーブルが異なるように設定しても良い。
また、規定回数となる特図変動表示ゲームの停止時間において確率状態を明確に報知する確率状態報知演出を行うとしたが、この演出を、確率状態を明確に報知しない曖昧な演出とし、すでに転落抽選に当選して通常確率状態となっている場合も、所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまでは第2特定遊技状態ST4となるようにして、期待感を継続させるようにしても良い。また、この場合、変動パターンテーブルも非リーチ変動テーブル(変動パターンテーブルD)を用い、確率状態を容易に判別できないようにする。
また、リーチ変動テーブルをなす変動パターンテーブルB、Fで選択可能なリーチの種類を、この変動パターンテーブルでしか選択されない特定リーチとし、この特定リーチが発生して結果がはずれとなったことで転落抽選に当選したことが遊技者にわかるようにしても良い。さらに、この特定リーチを、リーチ変動テーブル以外の高確率状態で選択される他の変動パターンテーブルにおいて僅かな確率で選択可能とし、転落抽選に当選していない場合にも転落抽選に当選したように遊技者に思わせるようにしても良い。また、リーチ変動テーブル以外の高確率状態で選択される他の変動パターンテーブルにより特定リーチが選択された場合に特定リーチ発生済み情報を記憶するようにし、所定回数の特図変動表示ゲームを実行した後に、転落抽選に当選しておらず、かつ、特定リーチ発生済み情報があることを条件に、転落抽選に当選していなかった旨を報知する特定の演出を行うようにしても良い。これにより、高確率状態が復活したような印象を遊技者に与えることができ、遊技の興趣を向上することができる。
また、特定のリーチの発生割合を変化させて確率状態を示唆するようにしても良い。例えば、変動パターンテーブルA、Cの代わりに、以下の変動パターンテーブルA1からA4を用いるようにする。特別遊技状態の終了後、30回の特図変動表示ゲームを行うまでは、SPリーチ1が50%の確率で出現する変動パターンテーブルA1を用いる。そして、30回目の特図変動表示ゲームまでで転落抽選に当選していれば、31回目から100回目まではSPリーチ1が80%の確率で出現する変動パターンテーブルA2を用いる。また、30回目の特図変動表示ゲームまでで転落抽選に当選していなければ、31回目から80回目まではSPリーチ1が20%の確率で出現する変動パターンテーブルA3を用いる。さらに、80回目の特図変動表示ゲームまでで転落抽選に当選していなければ、81回目から100回目まではSPリーチ1が1%の確率で出現する変動パターンテーブルA4を用いる。こうすることで、SPリーチ1の発生割合で確率状態が示唆されるようになる。また、SPリーチ1に対する期待感が特定遊技状態の進行に伴い変化していくようになる。また逆に、高確率状態が継続している場合に頻発するようになる別のリーチを設定しても良い。
〔第3実施形態の第1変形例〕
次に、第3実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第3実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、当該特図変動表示ゲームの後も高確率状態が継続した場合に、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームや大当りとなる特図変動表示ゲームにおける飾り特図変動表示ゲームの実行態様が異なる。
飾り特図変動表示ゲームの変動パターンには、特図変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行い、複数の識別情報から構成される結果態様を導出する通常変動パターンと、特図変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動パターンとがある。本変形例の遊技機では、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、当該特図変動表示ゲームの後も高確率状態が継続した場合に、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームや大当りとなる特図変動表示ゲームにおける飾り特図変動表示ゲームの実行態様を擬似連変動パターンとするようにしている。また、単位変動表示毎に結果態様を形成しうる有効ライン数を増加するようになっている。このように擬似連変動パターンとするとともに有効ライン数を増加することで転落抽選もしくは大当りに当選した際の遊技の興趣を高めることができる。
擬似連変動パターンでは、図54(a)に示すように識別情報を変動表示した後、図54(b)に示すように有効ライン(点線で示す)が一つの状態(いわゆるシングルリーチ)で識別情報を仮停止して一回目の単位変動表示が終了する。仮停止中は識別情報が揺れるように表示されており、仮停止であることを認識可能である。
その後、図54(c)に示すように二回目の単位変動表示が開始され、図54(d)に示すように有効ラインが二つの状態(いわゆるダブルリーチ)で識別情報を仮停止して二回目の単位変動表示を終了する。さらに、図54(e)に示すように三回目の単位変動表示が開始され、図54(f)に示すように有効ラインが三つの状態のリーチ状態(いわゆるトリプルリーチ)となる。
そして、結果が大当りである場合は図54(g)に示すように何れかの有効ラインで特別結果態様を形成し、図54(h)に示すように飾り特図変動表示ゲームが終了する。一方、転落抽選に当選した場合であって特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、図54(i)に示すように何れの有効ラインでも特別結果態様を形成せず、図54(j)に示すように飾り特図変動表示ゲームが終了する。
なお、図54では、転落抽選に当選した場合も大当りとなる場合も三回の単位変動表示を行うようにしたが、転落抽選に当選した場合のほうが大当りとなる場合よりも単位変動表示が少なくなるようにして結果を示唆するようにしても良い。
このような飾り特図変動表示ゲームは、遊技制御装置100からのコマンドに基づき演出制御装置300が決定して実行する。遊技制御装置100は、図18に示す特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)及び図19に示す特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)において、転落抽選もしくは大当りに当選した場合に必ずリーチが発生する変動パターンテーブル(変動パターンテーブルBもしくはF)を用いて特図変動表示ゲームの変動態様を決定する。そして、演出制御装置300に決定した変動態様をコマンドとして送信する。演出制御装置300は、図32に示す変動パターン情報設定処理における、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定する処理(ステップB116)において、第2特定遊技状態ST4(普電サポートなし、高確率状態)であってリーチとなる場合に、図54に示したような擬似連変動パターンに決定する。
以上のことから、変動表示ゲームの変動パターンには、当該変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行い、複数の識別情報から構成される結果態様を導出する通常変動パターンと、当該変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動パターンと、があり、第1リーチ変動パターン、及び、第2変動パターンは、擬似連変動パターンであり、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1リーチ変動パターン、もしくは、第2変動パターンが設定された場合には、単位変動表示が実行されるごとに、特別結果を形成し得る有効ライン数を増加するようにしたこととなる。
なお、以上の第3実施形態の構成及び当該第3実施形態の第1変形例の構成は、第2実施形態及び第2実施形態の各変形例にも適用可能である。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、所定の確率で小当りを発生可能であり、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームにおいて小当りが発生して延長停止時間が設定されない場合でも確率状態報知演出を実行できるようにしている。
ここで、大当りとは条件装置の作動を伴う特別結果であり、小当りとは条件装置の作動を伴わない特別結果である。条件装置とは、特図変動表示ゲームで大当りが発生(大当り図柄の停止表示)した場合に作動するもので、条件装置が作動するとは、例えば大当り状態が発生して特別電動役物としての特別変動入賞装置38を連続して作動させるための特定のフラグがセットされることを意味する。条件装置が作動しないとは、例えば小当り抽選に当選したような場合のように上述のフラグはセットされないことを意味する。なお、「条件装置」は上記のようなソフトウェア的にオンオフされるフラグのようなソフトウェア手段であっても良いし、電気的にオンオフされるスイッチのようなハードウェア手段であっても良い。また、「条件装置」は、その作動が電動役物の連続作動に必要条件とされる装置として、パチンコ遊技機の分野においては一般的に使用されている用語であり、本明細書においても同様な意味を有する用語として使用している。
図55(a)に示すように、規定回数以内の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合は第1実施形態と同様である。すなわち、特別遊技状態が終了すると確率状態が高確率状態となるとともに普電サポートあり(時短動作状態)となり(t101)、遊技状態は確率状態が明確に報知されない第1特定遊技状態ST3となる。その後、規定回数の特図変動表示ゲームを実行する前に転落抽選に当選すると確率状態が通常確率状態となる(t102)。このとき確率状態が通常確率状態となったことは報知されない。そして、規定回数の特図変動表示ゲームとなると、延長停止時間(t103からt104)において通常確率状態であることが報知される。そして、普電サポートなし(通常動作状態)となるとともに遊技状態が通常遊技状態ST1となる。
これに対して、図55(b)に示すように、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいて小当りに当選した場合は、停止時間として通常停止時間(t114からt115)が設定され、小特別遊技状態(t115からt116)となる。本実施形態の遊技機は、小当りとなった場合の通常停止時間の開始から小特別遊技状態の終了までの時間(t114からt116)を延長停止時間と同じ時間とし、この期間に確率状態報知演出を行うようにしている。
本実施形態の遊技機における特別結果態様の種類は、図5に示す種類に替えて図56に示す種類となっている。図56(a)に示すように、大当りである特別結果態様の種類には、16R確変A(図柄)、16R確変B(図柄)、16R確変C(図柄)、10R確変A(図柄)の四種類が設定されている。16R確変A(図柄)、16R確変B(図柄)、16R確変C(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が16ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。10R確変A(図柄)は特別遊技状態でのラウンド数が10ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。なお、何れの大当り図柄であっても、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間は第1開放時間(25秒)である。また、何れの大当り図柄であっても、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定遊技状態とする。この特定遊技状態では、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ようになっている。また、特図変動表示ゲームの実行毎に転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合は通常確率状態へ移行するようになっている。
また、図56(b)に示すように、小当りである特別結果態様の種類には、小当りA(図柄)、小当りB(図柄)、小当りC(図柄)の三種類が設定されている。小当りA(図柄)、小当りB(図柄)、小当りC(図柄)は小当りに基づく小特別遊技状態の終了後に移行する特別演出状態において実行可能な特図変動表示ゲームの実行回数が異なっており、小当りA(図柄)では10回、小当りB(図柄)では15回、小当りC(図柄)では20回となっている。この特別演出状態では、特図変動表示ゲームの変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして専用の変動パターンテーブルが用いられ、通常は出現しない特別な変動パターン(特別なリーチ等)が出現する。
また、いずれの小当りであっても特図変動表示ゲームの停止時間は通常停止時間(ここでは0.6秒)が設定される。また、小特別遊技状態の開始を報知するファンファーレ時間は1.5秒、特別変動入賞装置38を開放する時間である大入開放時間は、1.2秒の開放の後0.5秒閉鎖することを2回繰り返すようになっている。すなわち、大当りである特別結果態様に基づく特別遊技状態が第1特別遊技状態をなし、小当りに基づく小特別遊技状態が第1特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値の低い第2特別遊技状態をなす。
なお、小特別遊技状態では大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。ただし、開放時間が短いため、所定個数の遊技球が入賞することにより大入賞口が閉鎖される可能性はほとんどなく、通常は開放時間の経過により大入賞口が閉鎖される。よって、小特別遊技状態の実行時間は一定の時間(4.9秒)となる。
図56(c)には、特図変動表示ゲームの停止時間を示した。通常停止時間をなす停止時間Aは0.6秒、延長停止時間をなす停止時間Bは5.5秒となっている。ここで、小当りに当選した場合の特図変動表示ゲームの停止時間の開始から小特別遊技状態の終了までの時間は上述したように5.5秒となっており、この時間は延長停止時間と同じ時間である。
図57には、本実施形態の遊技機における遊技状態の遷移を説明するための状態遷移図を示した。通常遊技状態ST1、特別遊技状態ST2、第1特定遊技状態ST3、第2特定遊技状態ST4は第1実施形態と同じ状態であり、これらの遊技状態への移行条件も同じである。そして、通常遊技状態ST1で小当りに当選した場合は、第1小特別遊技状態ST5に移行する。この第1小特別遊技状態ST5では、通常遊技状態ST1と同様に、確率状態は通常確率状態(低確率)であり、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。
第1小特別遊技状態ST5の終了後、第1特別演出状態ST6となる。この第1特別演出状態では、特図変動表示ゲームの実行態様や演出が通常遊技状態ST1とは異なる実行態様や演出となる。この第1特別演出状態ST6では、通常遊技状態ST1と同様に、確率状態は通常確率状態(低確率)であり、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。そして、第1特別演出状態ST6において小当りの種類により定められる所定回数の特図変動表示ゲームを実行すると、通常遊技状態ST1に戻る。
また、第1特定遊技状態ST3で小当りに当選した場合は、第2小特別遊技状態ST7に移行する。第2小特別遊技状態ST7では、確率状態は小当りに当選した際の確率状態であり、普通変動入賞装置37の動作状態は時短動作状態(普電サポートあり)である。この第2小特別遊技状態ST7の終了後、第1特定遊技状態ST3へ戻る。なお、規定回数となる特図変動表示ゲームで小当りに当選した場合は、規定回数前に確率状態が通常確率状態に移行していれば、第2小特別遊技状態ST7の終了後、通常遊技状態ST1へ移行する。また、規定回数で確率状態が通常確率状態に移行(転落抽選に当選)した場合は、第2小特別遊技状態ST7の終了後、第1特別演出状態ST6へ移行し、確率状態が高確率状態であれば、第2小特別遊技状態ST7の終了後、第2特定遊技状態ST4へ移行する。
また、第2特定遊技状態ST4で小当りに当選した場合は、第3小特別遊技状態ST8に移行する。第3小特別遊技状態ST8では、確率状態は小当りに当選した際の確率状態であり、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。この第3小特別遊技状態ST8の終了後、第2特別演出状態ST9となる。この第2特別演出状態ST9では、特図変動表示ゲームの実行態様や演出が第2特定遊技状態ST4とは異なる実行態様や演出となる。この第2特別演出状態ST9では、第2特定遊技状態ST4と同様に、普通変動入賞装置37の動作状態は通常動作状態(普電サポートなし)である。また、確率状態は、転落抽選に当選するまでは高確率状態(高確率)であり、転落抽選に当選した後は通常確率状態(低確率)である。そして、第2特別演出状態ST9において小当りの種類により定められる所定回数の特図変動表示ゲームを実行すると、確率状態が通常確率状態であれば通常遊技状態ST1へ移行し、確率状態が高確率状態であれば第2特定遊技状態ST4へ移行する。
遊技制御装置100においては小当りに関する処理を行うために、図12に示す特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)で、特図変動表示ゲームの結果が小当りである場合に、小当りの種類(小当りAからC)に応じたファンファーレコマンドの設定や、小当り時のファンファーレ時間の設定を行う。また、特図ゲーム処理番号による分岐(ステップA8)において、特図ゲーム処理番号が9の場合に小特別遊技状態を制御するための小当り処理を行うようにする。また、図14に示す特図始動口SW共通処理において、小当り図柄乱数を抽出して乱数セーブ領域にセーブする処理を行う。
さらに、図18に示す特図1変動開始処理に替えて図58に示す特図1変動開始処理を行う。図58に示す特図1変動開始処理は小当りフラグ1設定処理(ステップA731)を行う点が異なる。また、図19に示す特図2変動開始処理に替えて図59に示す特図2変動開始処理を行う。図59に示す特図2変動開始処理は小当りフラグ2設定処理(ステップA741)を行う点が異なる。
〔小当りフラグ1設定処理〕
図60には、図58に示す特図1変動開始処理における小当りフラグ1設定処理を示した。この小当りフラグ1設定処理では、まず、小当りフラグ領域1にはずれ情報をセーブし(ステップA751)、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA752)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA753;Yes)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA759)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、大当りでない場合(ステップA753;No)、すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、乱数セーブ領域から大当り乱数をロードし、準備して(ステップA754)、特図1判定データを準備する(ステップA755)。
次に、小当り判定処理(ステップA756)を行い、小当りでない場合(ステップA757)は、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA759)、小当りフラグ1設定処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA757;Yes)は、小当りフラグ領域1に小当り情報をセーブし(ステップA758)、大当り乱数値をセーブしている乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA759)、小当りフラグ1設定処理を終了する。
〔小当りフラグ2設定処理〕
図61には、図59に示す特図2変動開始処理における小当りフラグ2設定処理(ステップA741)を示した。この小当りフラグ2設定処理は、処理の対象を第2特図変動表示ゲームとして上述の小当りフラグ1設定処理と同様の処理を行うものである。
〔小当り判定処理〕
図62には、図60示す小当りフラグ1設定処理における小当り判定処理(ステップA756)、図61に示す小当りフラグ2設定処理における小当り判定処理(ステップA766)を示した。なお、小当りに当選するとは大当り乱数値が小当り判定値と一致することである。小当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数値が、小当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、小当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、小当りに当選すると判定される。なお、大当り判定値と小当り判定値は異なる値である。
この小当り判定処理では、まず、小当りの下限判定値を設定し(ステップA771)、大当り乱数の値が下限判定値未満かチェックする(ステップA772)。大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA773;Yes)、すなわち、当選でない場合は、小当り判定処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA773;No)は、上限判定値を設定し(ステップA774)、大当り乱数の値が上限判定値より大きいかチェックして(ステップA775)小当り判定処理を終了する。
そして、大当り乱数の値が上限判定値以下であれば小当りに当選となり、図60示す小当りフラグ1設定処理における小当りであるか否かの判定(ステップA757)、図61に示す小当りフラグ2設定処理における小当りであるか否かの判定(ステップA767)で、小当りであると判定される。なお、大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合や、下限判定値未満であった場合は小当りでないと判定される。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図63には、図58に示す特図1変動開始処理における特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を示した。この特図1停止図柄設定処理では、まず、はずれ時の停止図柄番号を設定し(ステップA781)、はずれ時の停止図柄パターン番号を設定する(ステップA782)。次に、大当りフラグ1が大当りかチェックする処理(ステップA783)で、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、大当りである場合(ステップA784;Yes)すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされている場合は、特図1の大当り図柄テーブルを設定し(ステップA785)する。その後、乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードし(ステップA786)、大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得して(ステップA787)、大当り時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(ステップA788)。
次に、低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定、準備し(ステップA789)、普電サポート中(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態)であるかを判定する(ステップA790)。そして、普電サポート中でない場合は、大当り時の停止図柄番号を準備し(ステップA792)、停止図柄情報設定処理(ステップA793)を行う。また、普電サポート中である場合は、高確率時、時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを設定、準備し(ステップA791)、大当り時の停止図柄番号を準備して(ステップA792)、停止図柄情報設定処理(ステップA793)を行う。
その後、飾り図柄コマンドテーブルを設定し(ステップA801)、停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド(ACTION)を取得し(ステップA802)、飾り特図1コマンド(MODE)を設定する(ステップA803)。そして、飾り特図コマンド領域にコマンドをセーブし(ステップA804)、乱数セーブ領域をクリアして(ステップA805)特図1停止図柄設定処理を終了する。
一方、大当りでない場合(ステップA784;No)すなわち、大当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが大当りであることを示す大当り情報がセーブされていない場合は、小当りフラグ1が小当りかチェックする処理(ステップA794)で、小当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが小当りであることを示す小当り情報がセーブされているかをチェックする。
そして、小当りである場合(ステップA795;Yes)、すなわち、小当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが小当りであることを示す小当り情報がセーブされている場合は、小当り大入賞口開放判定フラグ領域に特図1小当り開放情報をセーブし(ステップA796)、小当り図柄乱数値に基づき小当り時の停止図柄番号を設定する(ステップA797)。次に、特図1小当り時の停止図柄パターン番号を設定し(ステップA798)、設定した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブして(ステップA799)、設定した停止図柄パターン番号を停止図柄パターン情報領域にセーブする(ステップA800)。その後、飾り図柄コマンドテーブルを設定する処理(ステップA801)以降の処理を行う。
一方、小当りでない場合(ステップA795;No)すなわち、小当りフラグ1に第1特図変動表示ゲームが小当りであることを示す小当り情報がセーブされていない場合(はずれの場合)は、設定した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブして(ステップA799)以降の処理を行う。以上の処理により、第1特図変動表示ゲームの結果に応じた結果態様が設定されるとともに、結果態様に関する情報を含む飾り特図コマンドが設定される。この飾り特図コマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2停止図柄設定処理〕
図64には、図59に示す特図2変動開始処理における特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を示した。この特図2停止図柄設定処理は、処理の対象を第2特図変動表示ゲームとして上述の特図1停止図柄設定処理と同様の処理を行うものである。ただし、特図1停止図柄設定処理におけるステップA789からA792の処理に替えて特図2大当り停止図柄情報テーブルを設定、準備する処理(ステップA818)を行う。以上の特図2変動開始処理により、第2特図変動表示ゲームの結果に応じた結果態様が設定されるとともに、結果態様に関する情報を含む飾り特図コマンドが設定される。この飾り特図コマンドは後に演出制御装置300に送信される。
また、遊技制御装置100においては、図22に示した特図変動中処理において、結果が小当りの場合は、はずれ時の特図停止時間ポインタを設定するようにして通常停止時間が設定されるようにする。すなわち、第2特別遊技状態である小特別遊技状態を発生する小当りの場合は停止時間を延長しない。さらに、図23に示す特図表示中処理では、大当りでない場合(ステップA548;No)に、小当りであるかを判定し、小当りである場合は小特別遊技状態の実行に必要な処理を行う。また、小特別遊技状態を開始する旨の情報を含むコマンドを設定し、演出制御装置300に送信するようにする。
演出制御装置300においては、図30に示す1stシーン制御処理におけるコマンド識別子による分岐処理(ステップB67)で、小特別遊技状態を開始する旨の情報を含むコマンドを受信した場合に、小特別遊技状態に関する処理を行う小当り処理を行うようにする。
〔変動回数管理処理〕
また、図33に示す変動回数管理処理に替えて図65に示す変動回数管理処理を行う。この変動回数管理処理では、時短回数が0である場合(ステップB124;Yes)、すなわち、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームである場合に、最終回演出設定処理1(ステップB191)を行い、変動回数管理処理を終了する。
〔最終回演出設定処理1〕
図66に示すように、最終回演出設定処理1では、まず、確率情報を取得し(ステップB126)、低確率(通常確率状態)であるかを判定する(ステップB127)。そして、低確率である場合(ステップB127;Yes)は最終回演出設定処理2(ステップB205)を行い、最終回演出設定処理1を終了する。また、低確率でない場合(ステップB127;No)、すなわち、高確率状態である場合は、小当りフラグがあるかをチェックする(ステップB201)。
小当りフラグは、遊技制御装置100から特図変動表示ゲームの結果が小当りである旨の情報を受信した場合に、演出制御装置300において設定されるフラグである。この小当りフラグがない場合(ステップB202;No)は、延長停止時間を設定し(ステップB125)、高確率継続演出を設定して(ステップB128)、高確率継続回数カウンタをセットする(ステップB129)。その後、時短フラグをクリアし(ステップB130)、高確率継続フラグをセットして(ステップB131)、最終回演出設定処理1を終了する。
一方、小当りフラグがある場合(ステップB202;Yes)は、通常停止時間を設定し(ステップB203)、小当り時高確率継続演出を設定する(ステップB204)。小当り時高確率継続演出は、高確率状態であることを報知する高確率継続演出と同等の内容の演出を小特別遊技状態で実行する演出である。その後、高確率継続回数カウンタをセットする処理(ステップB129)以降の処理を行う。
〔最終回演出設定処理2〕
図67に示すように、最終回演出設定処理2では、まず、小当りフラグがあるかをチェックし(ステップB211)、小当りフラグがない場合(ステップB212;No)は、延長停止時間を設定し(ステップB125)、高確率継続失敗演出を設定する(ステップB132)。そして、時短フラグをクリアして(ステップB130)、最終回演出設定処理2を終了する。
一方、小当りフラグがある場合(ステップB212;Yes)は、通常停止時間を設定し(ステップB213)、転落変動演出フラグがあるかをチェックする(ステップB214)。転落変動演出フラグは、転落抽選に当選し、確率状態が通常確率状態に移行した旨の情報を遊技制御装置100から受信した場合に、演出制御装置300において設定されるフラグであって、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを終了する際にクリアされる。
この転落変動演出フラグがある場合(ステップB215;Yes)は、小当り重複時高確率継続失敗演出を設定し(ステップB216)、時短フラグをクリアして(ステップB130)、最終回演出設定処理を終了する。また、転落変動演出フラグがない場合(ステップB215;No)は、小当り時高確率継続失敗演出を設定し(ステップB217)、時短フラグをクリアして(ステップB130)、最終回演出設定処理を終了する。
小当り重複時高確率継続失敗演出及び小当り時高確率継続失敗演出は、通常確率状態であることを報知する高確率継続失敗演出と同等の内容の演出を小特別遊技状態で実行する演出である。さらに、小当り重複時高確率継続失敗演出は、転落抽選にも同時に当選したことを報知する内容を含む演出である。
なお、図35に示す図柄停止処理における通常図柄停止処理(ステップB148)では、規定回数となる特図変動表示ゲームであって小当りである場合は、上述の処理で設定された停止時間演出を設定する。
このような処理により、特定遊技状態が終了することとなる規定回数となる特図変動表示ゲームで停止時間が延長されない場合にも、所定の確率状態報知演出を実行することができるので、停止時間が延長される場合と同様に遊技者の期待感を継続させることができる。また、延長停止時間における確率状態報知演出と特別遊技状態が連続して実行されず、確率状態報知演出のみを実行することができ、確率状態報知演出を明確にすることができる。また、延長停止時間と、第2特別遊技状態(小特別遊技状態)を発生する小当りとなる特図変動表示ゲームおける停止時間の開始から第2特別遊技状態の終了までの期間とは、同じ時間値であるので、何れの場合でも同じ演出を実行することができる。なお、同じ時間値としたが、同じ演出を実行できれば時間値がわずかに異なっていても良く、略同じ時間値であれば良い。
以上のことから、特別遊技状態は、第1特別遊技状態と、該第1特別遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値の低い第2特別遊技状態と、を含み、延長停止時間設定手段(遊技制御装置100)は、所定期間が終了することとなる変動表示ゲームにおいて、当該変動表示ゲームの結果が第2特別遊技状態を発生する特別結果となった場合には、当該変動表示ゲームの停止時間を延長せず、演出制御手段(演出制御装置300)は、当該変動表示ゲームにおいて、停止時間の開始から第2特別遊技状態の終了までの期間に亘り、確率状態報知演出を実行するようにしたこととなる。
また、延長停止時間と、第2特別遊技状態を発生する特別結果となる変動表示ゲームおける停止時間の開始から第2特別遊技状態の終了までの期間とは、同じ時間値であることとなる。
なお、以上の第4実施形態の構成は、第2実施形態、第2実施形態の各変形例、第3実施形態及び第3実施形態の第1変形例の遊技機にも適用可能である。
〔第5実施形態〕
次に、第5実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、大当りや転落抽選の先読み結果に基づき、大当りや転落抽選に当選する特図変動表示ゲームにかけて連続的な演出を行うようにしている。
〔先読みコマンド受信処理〕
本実施形態の遊技機では、図30に示した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB79)において、図68に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、遊技制御装置100から先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、転落情報コマンド)を受信したかを判定し(ステップB221)、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB221;No)は、先読みコマンド受信処理を終了する。また、先読みコマンドを受信した場合(ステップB221;Yes)は、受信した先読みコマンドに転落変動に関する情報(転落情報コマンド)があるかを判定する(ステップB222)。
転落変動に関する情報がない場合(ステップB223;No)は、転落先読みフラグがあるがをチェックする(ステップB225)。また、転落変動に関する情報がある場合(ステップB223;Yes)は、転落抽選に当選する特図変動表示ゲームにかけて行う連続的な演出である転落演出の設定に関する転落演出設定処理(ステップB224)を行い、転落先読みフラグがあるがをチェックする(ステップB225)。
転落先読みフラグは、転落変動に関する情報(転落情報コマンド)の受信に基づき演出制御装置300で設定されるフラグであり、遊技制御装置100で設定される転落情報と同じ所定条件が成立することによりクリアされるようになっている。この所定条件とは、例えば、転落抽選に当選することとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了したことや、転落抽選に当選することとなる始動記憶が発生してから4回の特図変動表示ゲームを実行することである。これにより、始動記憶について先読み処理を行った際の確率状態と、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行する際の確率状態が異なることを防止できる。
この転落先読みフラグがある場合(ステップB226;Yes)は、先読みコマンド受信処理を終了する。すなわち、転落抽選に当選することとなる始動記憶がある場合には、大当りとなる特図変動表示ゲームにかけて行う連続的な演出である大当り連続予告演出を行わない。また、転落先読みフラグがない場合(ステップB226;No)は、受信した始動口入賞演出コマンドや始動口入賞演出図柄コマンドの情報に大当りに関する情報があるかをチェックする(ステップB227)。
大当りに関する情報がある場合(ステップB228;Yes)は、大当り連続予告演出の設定に関する大当り演出設定処理(ステップB229)を行い、大当りや転落抽選に当選する始動記憶がない場合に行う連続的な演出に関する予告演出設定処理(ステップB230)を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。また、大当りに関する情報がない場合(ステップB228;No)、すなわち、受信した始動口入賞演出コマンドや始動口入賞演出図柄コマンドの情報にはずれの情報がある場合は、予告演出設定処理(ステップB230)を行って、先読みコマンド受信処理を終了する。
〔転落演出設定処理〕
図69には、上述の転落演出設定処理(ステップB224)を示した。この転落演出設定処理では、まず、転落演出実行決定用乱数を取得し(ステップB241)、取得した乱数に基づき演出を実行するかを判定する(ステップB242)。
そして、演出を実行しない場合(ステップB242;No)、すなわち、乱数が所定の値でない場合は、転落演出設定処理を終了する。また、演出を実行する場合(ステップB242;Yes)、すなわち、乱数が所定の値である場合は、対象となる始動記憶領域に転落演出フラグをセットし(ステップB243)、対応する始動記憶領域に転落演出に関する情報を設定して(ステップB244)、転落演出設定処理を終了する。
この処理により、転落演出の最終回となる特図変動表示ゲームを実行することとなる転落抽選に当選する始動記憶の始動記憶領域には演出情報として転落演出フラグがセットされ、この始動記憶より前に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶であって転落演出を行う始動記憶の始動記憶領域には演出情報として転落演出に関する情報が設定される。この演出情報が設定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、図32に示した変動パターン情報設定処理において転落演出が設定されることとなる。
〔大当り演出設定処理〕
図70には、上述の大当り演出設定処理(ステップB229)を示した。この大当り演出設定処理では、まず、大当り連続予告実行決定用乱数を取得し(ステップB251)、取得した乱数に基づき予告を実行するかを判定する(ステップB252)。
そして、予告を実行しない場合(ステップB252;No)、すなわち、乱数が所定の値でない場合は、大当り演出設定処理を終了する。また、予告を実行する場合(ステップB252;Yes)、すなわち、乱数が所定の値である場合は、対象となる始動記憶領域に大当り連続予告実行フラグをセットし(ステップB253)、対応する始動記憶領域に大当り連続予告に関する情報を設定して(ステップB254)、大当り演出設定処理を終了する。
この処理により、大当り連続予告の最終回となる特図変動表示ゲームを実行することとなる結果が大当りとなる始動記憶の始動記憶領域には演出情報として大当り連続予告実行フラグがセットされ、この始動記憶より前に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶であって大当り連続予告演出を行う始動記憶の始動記憶領域には演出情報として大当り連続予告に関する情報が設定される。この演出情報が設定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、図32に示した変動パターン情報設定処理において大当り連続予告演出が設定されることとなる。
〔予告演出設定処理〕
図71には、上述の予告演出設定処理(ステップB230)を示した。この予告演出設定処理では、まず、転落演出を実行する際にセットされる転落演出フラグがセットされているかを判定する(ステップB261)。そして、転落演出フラグがある場合(ステップB261;Yes)は、予告演出設定処理を終了する。また、転落演出フラグがない場合(ステップB261;No)は、大当り連続予告演出を実行する際にセットされる大当り連続予告実行フラグがセットされているかを判定する(ステップB262)。
そして、大当り連続予告実行フラグがある場合(ステップB262;Yes)は、予告演出設定処理を終了する。また、大当り連続予告実行フラグがない場合(ステップB262;No)は、はずれ連続予告実行決定用乱数を取得し(ステップB263)、取得した乱数に基づき予告を実行するかを判定する(ステップB264)。
そして、予告を実行しない場合(ステップB264;No)、すなわち、乱数が所定の値でない場合は、予告演出設定処理を終了する。また、予告を実行する場合(ステップB264;Yes)、すなわち、乱数が所定の値である場合は、対象となる始動記憶領域にはずれ連続予告実行フラグをセットし(ステップB265)、対応する始動記憶領域にはずれ連続予告に関する情報を設定して(ステップB266)、予告演出設定処理を終了する。
この処理により、はずれ連続予告の最終回となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の始動記憶領域には演出情報としてはずれ連続予告実行フラグがセットされ、この始動記憶より前に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶であってはずれ連続予告演出を行う始動記憶の始動記憶領域には演出情報としてはずれ連続予告に関する情報が設定される。この演出情報が設定された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでは、図32に示した変動パターン情報設定処理においてはずれ連続予告演出が設定されることとなる。これにより、特別結果態様となる特図始動記憶および転落抽選に当選する特図始動記憶がない場合であっても、所定の確率で連続的な演出を実行可能であるので、より遊技の興趣を向上することができる。
また、これらの処理により設定される転落演出、大当り連続予告演出、はずれ連続予告演出の実行態様は同じであり、最終的に予告対象となった始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで結果が導出されるまでは、いずれの演出であるかは判別できないようにされている。これにより、特別結果かもしれないという期待感と転落抽選に当選したかもしれないという不安感とを遊技者に持たせることができ、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高めることができる。また、転落演出とはずれ連続予告演出は、最終的に予告対象となった始動記憶に基づく特図変動表示ゲームで結果(はずれの結果)が導出されてもいずれの演出であるかは判別できない。
図72には、転落演出、大当り連続予告演出、はずれ連続予告演出の実行態様の一例を示した。図72(a)に示すように、予告対象の始動記憶が発生すると、表示装置41に表示された飾り特図始動記憶表示が変化(ここでは黒色で示す)してその旨が報知される。この例では、特図2始動記憶の4番目の始動記憶が予告対象となっており、4つの特図2始動記憶に基づく特図変動表示ゲームに亘り連続的な演出が実行される。
図72(b)に示すように、予告対象の始動記憶が発生した特図変動表示ゲームが終了した後、図72(c)に示すように連続的な演出の一回目を行う特図変動表示ゲームが開始される。この連続的な演出では、予告対象となる特図変動表示ゲームにかけてカウントダウンを行う演出を行うものであって、連続的な演出の一回目では「さ〜ん!!」と表示される。
図72(d)に示すように、連続的な演出の一回目を行う特図変動表示ゲームが終了した後、図72(e)に示すように連続的な演出の二回目を行う特図変動表示ゲームが開始される。この連続的な演出の二回目では「に〜い!!」と表示される。同様に、図72(f)に示すように、連続的な演出の二回目を行う特図変動表示ゲームが終了した後、図72(g)に示すように連続的な演出の三回目を行う特図変動表示ゲームが開始される。この連続的な演出の三回目では「い〜ち!!」と表示される。
その後、図72(h)に示すように、連続的な演出の三回目を行う特図変動表示ゲームが終了した後、図72(i)に示すように連続的な演出の四回目を行う特図変動表示ゲームが開始される。この連続的な演出の四回目では「ぜ〜ろ!!」と表示される。ここまでの過程では、転落演出、大当り連続予告演出、はずれ連続予告演出の何れであるかはわからない。
そして、連続的な演出が大当りの発生を予告する大当り連続予告演出であった場合は、図72(j)に示すように特別結果態様が導出される。また、連続的な演出が転落演出又ははずれ連続予告演出であった場合は、図72(k)に示すようにはずれの結果態様が導出される。なお、連続的な演出の実行態様は図72に示したものに限られるものではなく、複数の特図変動表示ゲームに亘り実行される演出であれば何でも良い。
このような連続的な演出を行うことで、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高め、遊技全体の興趣を高めることができる。すなわち、連続的な演出が発生した場合、この時点では、特別結果の発生と転落抽選の当選とはずれの可能性があり、何れであるかは判別することができない。特に高確率状態であれば特別結果となる可能性が高いため、遊技者は連続的な演出の発生により特別結果となる期待感が高まるとともに、転落抽選に当選してしまったのではないかという不安感も高まり、非常に興趣の高い状態となる。つまり、たとえ転落抽選に当選した場合であっても遊技の興趣を高めることができ、単に転落抽選の抽選結果を報知するもののように遊技の興趣を削ぐだけの遊技機とは異なり、遊技全体の興趣を高めることができる。
以上のことから、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機において、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率の状態である確率状態として通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果となるか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選して通常確率状態へ移行するか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前転落抽選手段(遊技制御装置100)と、当該遊技機における演出を制御する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、少なくとも、事前判定手段が特別結果となると判定した始動記憶、もしくは、事前転落抽選手段が転落抽選に当選すると判定した始動記憶に基づく変動表示ゲームに亘り、連続的な演出を行うようにしたこととなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)が特別結果となると判定した始動記憶に基づく変動表示ゲームに亘り実行する連続的な演出と、事前転落抽選手段(遊技制御装置100)が転落抽選に当選すると判定した始動記憶に基づく変動表示ゲームに亘り実行する連続的な演出と、を同一の演出態様で実行するようにしていることとなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)が特別結果となると判定した始動記憶、および、事前転落抽選手段(遊技制御装置100)が転落抽選に当選すると判定した始動記憶がない場合であっても、所定の確率で連続的な演出を実行可能であるようにしていることとなる。
なお、以上の第5実施形態の構成は、第2実施形態、第2実施形態の各変形例、第3実施形態、第3実施形態の第1変形例及び第4実施形態の遊技機にも適用可能である。
また、第3実施形態の遊技機に適用する場合に、連続的な演出を行う特図変動表示ゲームで用いる変動パターンテーブルを変更するようにしても良い。この場合、図18に示す特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)及び図19に示す特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)において図68から図71に示した処理と同等の処理を行い、連続的な演出の実行の有無を遊技制御装置100で決定する。例えば、転落抽選に当選する始動記憶がある場合に設定される転落情報がある場合に連続的な演出を行うものとする。また、大当りとなる始動記憶がある場合にも連続的な演出を行うものとする。
そして、連続的な演出の実行を決定した場合は、当該連続的な演出を実行する特図変動表示ゲームで用いる変動パターンテーブルをリーチ変動テーブルとする。なお、連続的な演出の実行を決定した場合に選択する変動パターンテーブルとしては、例えば、予告対象の特図変動表示ゲームまでの特図変動表示ゲームの実行時間を短いものとして、速やかに連続的な演出が実行できるようにするものや、リーチを発生しないものとしても良い。また、遊技制御装置100は、演出制御装置300に連続的な演出の実行に関する情報を送信するようにし、演出制御装置300はこの情報に基づき連続的な演出の表示等の制御を行うようにする。
このように、遊技制御装置100で連続的な演出の実行を決定することで、連続的な演出を行う特図変動表示ゲームの実行時間を制御することができる。連続的な演出の実行態様が遊技者にとってわかりやすいものとすることができる。また、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高め、遊技全体の興趣を高めることができる。すなわち、大当りや転落抽選の当選を連続的な演出により報知でき、大当りや転落抽選の当選の報知まで興趣の高い状態を長期間維持できる。
以上のことから、始動入賞口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利を始動記憶として所定の上限数まで記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果となるか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前判定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、始動記憶手段に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選して通常確率状態へ移行するか否かの判定を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に行う事前転落抽選手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)は、事前判定手段が特別結果となると判定した始動記憶、もしくは、事前転落抽選手段が転落抽選に当選すると判定した始動記憶に基づく変動表示ゲームまでの変動表示ゲームに亘り、リーチ変動テーブルを取得するようにしたこととなる。
〔第6実施形態〕
次に、第6実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特定遊技状態が終了することとなる規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間を設定し、確率状態を報知するようにしている。
図73には、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合の遊技の一例を示した。規定回数となってから10回目(特別遊技状態の終了から110回目)の特図変動表示ゲーム(t121)では、未だ転落抽選に当選しておらず高確率状態である。この場合、当該10回目の特図変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間とし、高確率状態が継続する旨の確率状態報知演出を行う。同様に、規定回数となってから20回目(特別遊技状態の終了から120回目)の特図変動表示ゲーム(t122)でも、未だ転落抽選に当選しておらず高確率状態である。この場合も、当該20回目の特図変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間とし、高確率状態が継続する旨の確率状態報知演出を行う。
そして、規定回数となってから30回目(特別遊技状態の終了から130回目)の特図変動表示ゲーム(t124)を実行する前に転落抽選に当選して通常確率状態となった場合(t123)は、規定回数となってから30回目の特図変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間とし、通常確率状態である旨の確率状態報知演出を行う。この後、遊技状態が通常遊技状態ST1へ移行する。
〔特図表示中処理〕
このような遊技の制御を行うため、図24に示す特図表示中処理の後半の処理に替えて図74に示す処理を行う。図23に示すステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、図75に示すように、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるか否かを判定する処理(ステップA572)を行う。
時短動作状態である(ステップA572;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数を管理する時短変動回数を更新(−1)する処理(ステップA573)を行い、時短変動回数が0であるか否かの判定(ステップA574)を行う。
そして、時短変動回数が0でない(ステップA574;No)場合は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。一方、ステップA574にて、時短変動回数が0である(ステップA574;Yes)と判定した場合、即ち、特定遊技状態が終了することとなる規定回数(例えば100回)の特図変動表示ゲームの実行が完了した場合には、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA575)、コマンド設定処理(ステップA576)を行う。
次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA577)を行う。これにより、普通変動入賞装置37の時短動作状態と、特図変動表示ゲームの時短動作状態中の動作の終了に係る情報等が設定される。その後、高確率状態であるかを判定し(ステップA841)、高確率状態でない場合(ステップA841;No)は、特図表示中処理を終了する。一方、高確率状態である場合(ステップA841;Yes)は、高確率継続時フラグをセットし(ステップA842)、特図変動回数カウンタをセット(0をセット)して(ステップA843)、特図表示中処理を終了する。特図変動回数カウンタは、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選しなかった場合に、当該特図変動表示ゲームの後に実行される特図変動表示ゲームの回数を計数するカウンタである。
一方、時短動作状態でない(ステップA572;No)と判定すると、高確率継続時フラグがあるかを判定し(ステップA844)、高確率継続時フラグがない場合(ステップA844;No)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。また、高確率継続時フラグがある場合(ステップA844;Yes)は、特図変動回数を+1更新してセーブし(ステップA845)、特図変動回数が所定数であるかを判定する(ステップA846)。なお、所定数である場合とは特図変動回数が10の倍数である場合である。
特図変動回数が所定数でない場合(ステップA846;No)、すなわち、特定遊技状態が終了することとなる規定回数の特図変動表示ゲームの終了から数えた特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(10の倍数)でない場合は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。また、特図変動回数が所定数である場合(ステップA846;Yes)、すなわち、特定遊技状態が終了することとなる規定回数の特図変動表示ゲームの終了から数えた特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数(10の倍数)である場合は、高確率状態であるかを判定する(ステップA847)。
そして、高確率状態である場合(ステップA847;Yes)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。また、高確率状態でない場合(ステップA847;No)、すなわち、前回所定回数となった特図変動表示ゲームの終了後から今回所定回数となった特図変動表示ゲームまでの間に転落抽選に当選して通常確率状態となった場合は、特図変動回数をクリアし(ステップA848)、高確率継続時フラグをクリアする(ステップA849)。その後、特図普段処理移行設定処理1(ステップA578)を行い、特図表示中処理を終了する。
〔特図変動中処理〕
また、図22に示す特図変動中処理に替えて図75に示す特図変動中処理を行う。この特図変動中処理では、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選しなかった場合に設定される高確率継続時フラグがあるか否かの判定(ステップA851)を行う。高確率継続時フラグがない場合(ステップA851;No)は、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。この場合、この処理までに設定された特図停止時間ポインタに対応した停止時間が設定される。
また、高確率継続時フラグがある場合(ステップA851;Yes)は、特図変動回数が所定数であるかを判定する(ステップA852)。また、この特図変動回数が所定数であるとは、規定回数となってから所定回数目の特図変動表示ゲームである場合であって、本実施形態では、規定回数となってから10回の特図変動表示ゲームを実行する毎に所定回数となる。なお、特図変動回数カウンタの値は特図変動中処理の後の特図表示中処理で+1されるので、特図変動中処理において規定回数となってから所定回数目の特図変動表示ゲームである場合は、特図変動回数が10の倍数から1を減じた値(9、19、…)である。
特図変動回数が所定数でない場合(ステップA852;No)は、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。この場合、この処理までに設定された特図停止時間ポインタに対応した停止時間が設定される。また、特図変動回数が所定数である場合(ステップA852;Yes)は、停止時間延長時の特図停止時間ポインタを設定し(ステップA853)、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。これにより、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間が設定されるようになる。
〔変動回数管理処理〕
演出制御装置300では、図33に示す変動回数管理処理に替えて図76に示す変動回数管理処理を行う。この変動回数管理処理は、時短フラグがない場合(ステップB122;No)の処理が異なっており、この場合、高確率継続フラグがあるかを判定する(ステップB271)。そして、高確率継続フラグがない場合(ステップB271;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、高確率継続フラグがある場合(ステップB271;Yes)は、高確率継続回数が所定数であるかを判定する(ステップB272)。
高確率継続回数は、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選しなかった場合に、当該特図変動表示ゲームの後に実行される特図変動表示ゲームの回数を計数する高確率継続回数カウンタの値である。また、この高確率継続回数が所定数であるとは、規定回数となってから所定回数目の特図変動表示ゲームである場合であって、本実施形態では、規定回数となってから10回の特図変動表示ゲームを実行する毎に所定回数となる。なお、高確率継続回数カウンタの値は変動回数管理処理の後に+1されるので、変動回数管理処理において規定回数となってから所定回数目の特図変動表示ゲームである場合とは、高確率継続回数が10の倍数から1を減じた値(9、19、…)の場合である。
高確率継続回数が所定数でない場合(ステップB272;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、高確率継続回数が所定数である場合(ステップB272;Yes)は、延長停止時間を設定し(ステップB273)、低確率(通常確率状態)であるかを判定する(ステップB274)。
そして、低確率(通常確率状態)である場合(ステップB274;Yes)は、高確率継続フラグをクリアし(ステップB276)、確率状態報知演出として高確率継続失敗演出を設定して(ステップA132)、変動回数管理処理を終了する。また、低確率(通常確率状態)でない場合(ステップB274;No)は確率状態報知演出として高確率継続演出を設定し(ステップA275)、変動回数管理処理を終了する。
なお、本実施形態の遊技機では、図35に示す図柄停止処理における高確率継続フラグがあるか否かの判定(ステップB149)、高確率継続時演出設定処理(ステップB150、図36)は行わない。
以上の処理により、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間が設定され、確率状態が報知されるようになる。これにより、第1実施形態における報知よりも明確に確率状態を報知することができる。なお、以上の第6実施形態の構成は、第1実施形態で示した規定回数で確率状態にかかわらず特定遊技状態を終了して普電サポートを終了する構成を流用する第3実施形態から第5実施形態(各実施形態の各変形例を含む)の遊技機にも適用可能である。このうち、第4実施形態に適用する場合は、図76で時短回数が0である場合(ステップB124;Yes)に、ステップB125からステップB131の処理に替えて図65から図67に示す最終回演出設定処理1(ステップB191)を行うようにする。
以上のことから、延長停止時間設定手段(遊技制御装置100)は、所定期間の終了後、転落抽選手段(遊技制御装置100)の抽選結果が通常確率状態へ移行することとなる変動表示ゲームまでの期間に亘り、予め定められた特定回数の変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間に設定し、演出制御手段(演出制御装置300)は、延長停止時間設定手段により延長停止時間が設定される場合に、当該延長停止時間において転落抽選手段の抽選結果に関する確率状態報知演出を実行するようにしたこととなる。
〔第6実施形態の第1変形例〕
次に、第6実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機も、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間を設定し、確率状態を報知するようにしている。さらに、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの停止時間も延長停止時間として確率状態を報知するようにしている。
図77には、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合の遊技の一例を示した。本変形例の遊技機は、第2実施形態の遊技機と同様に、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選しなかった場合は、普電サポートが継続する。すなわち、転落抽選に当選するまでは規定回数を超えても特定遊技状態が継続するようになっている。
そして、規定回数となってから10回目及び20回目(特別遊技状態の終了から110回目及び120回目)の特図変動表示ゲーム(t131及びt132)では、未だ転落抽選に当選しておらず高確率状態である。この場合、当該10回目及び20回目の特図変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間とし、高確率状態が継続する旨の確率状態報知演出を行う。
そして、規定回数となってから23回目(特別遊技状態の終了から123回目)の特図変動表示ゲーム(t133)において転落抽選に当選して通常確率状態となった場合は、当該特図変動表示ゲームの停止時間を延長停止時間とし、通常確率状態である旨の確率状態報知演出を行う。この後、遊技状態が通常遊技状態ST1へ移行する。なお、この例では、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの開始時(t133)に普電サポートを終了するようにしているが、第2実施形態の第1変形例のように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了時(t134)に普電サポートを終了することも可能である。
〔特図変動中処理〕
本変形例の遊技機では、第1実施形態の構成を流用した図22に示す特図変動中処理に替えて図78に示す特図変動中処理を行う。この特図変動中処理では、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、特定遊技状態が継続された場合に設定される時短継続フラグがあるか否かの判定(ステップA861)を行い、時短継続フラグがない場合(ステップA861;No)は、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。この場合、この処理までに設定された特図停止時間ポインタに対応した停止時間が設定される。
また、時短継続フラグがある場合(ステップA861;Yes)は、特図変動回数が所定数であるかを判定する(ステップA862)。特図変動回数は、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選しなかった場合に、当該特図変動表示ゲームの後に実行される特図変動表示ゲームの回数を計数する特図変動回数カウンタの値である。また、この特図変動回数が所定数であるとは、規定回数となってから所定回数目の特図変動表示ゲームである場合であって、本実施形態では、規定回数となってから10回の特図変動表示ゲームを実行する毎に所定回数となる。なお、特図変動回数カウンタの値は特図変動中処理の後の特図表示中処理で+1されるので、特図変動中処理において規定回数となってから所定回数目の特図変動表示ゲームである場合は、特図変動回数が10の倍数から1を減じた値(9、19、…)である。
特図変動回数が所定数である場合(ステップA862;Yes)は、停止時間延長時の特図停止時間ポインタを設定し(ステップA863)、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。これにより、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間が設定されるようになる。また、特図変動回数が所定数でない場合(ステップA862;No)は、転落変動フラグがあるかを判定する(ステップA864)。
転落変動フラグは転落抽選に当選した特図変動表示ゲームにおいて設定されるフラグであって、図43に示す転落時情報設定処理で設定されるようにする。この転落変動フラグがない場合(ステップA864;No)は、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。この場合、この処理までに設定された特図停止時間ポインタに対応した停止時間が設定される。また、転落変動フラグがある場合(ステップA864;Yes)は、停止時間延長時の特図停止時間ポインタを設定し(ステップA863)、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA531)を行う。これにより、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームで延長停止時間が設定されるようになる。
〔変動回数管理処理〕
演出制御装置300では、変動回数管理処理として図79に示す処理を行う。この変動回数管理処理では、まず、高確率継続フラグがあるかをチェックし(ステップB281)、高確率継続フラグがない場合(ステップB281;No)は、時短フラグがあるかの判定(ステップB122)を行う。
時短フラグがない場合(ステップB122;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、時短フラグがある場合(ステップB122;Yes)は、時短回数を−1更新し(ステップB123)、時短回数が0であるかを判定する(ステップB124)。
時短回数が0である場合(ステップB124;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームで規定回数(ここでは100回)となる場合は、最終回演出設定処理3(ステップB286)を行い、変動回数管理処理を終了する。最終回演出設定処理3は、図33に示す変動回数管理処理におけるステップB125からステップB132の処理である。この最終回演出設定処理3により、延長停止時間が設定されるとともに確率状態に応じた確率状態報知演出が設定される。また、高確率状態である場合は、高確率継続フラグが設定される。
また、時短回数が0でない場合(ステップB124;No)、すなわち、規定回数に達していない場合は、転落変動演出フラグがあるかをチェックする(ステップB283)。転落変動演出フラグは、転落抽選に当選し、確率状態が通常確率状態に移行した旨の情報を遊技制御装置100から受信した場合に、演出制御装置300において設定されるフラグであって、当該転落抽選に当選した特図変動表示ゲームを終了する際にクリアされる。この転落変動演出フラグがない場合(ステップB284;No)は、−1更新した値を時短回数カウンタにセットして(ステップB133)、変動回数管理処理を終了する。また、転落変動演出フラグがある場合(ステップB284;Yes)は、転落変動演出フラグをクリアし(ステップB285)、−1更新した値を時短回数カウンタにセットして(ステップB133)、変動回数管理処理を終了する。
一方、高確率継続フラグがある場合(ステップB282;Yes)は、転落変動フラグがあるかをチェックする(ステップB287)。そして、転落変動フラグがある場合(ステップB288;Yes)、すなわち、規定回数となっても転落抽選に当選せずに高確率状態が継続している状態で転落抽選に当選した場合は、高確率継続フラグをクリアする(ステップB289)。さらに、転落変動フラグをクリアし(ステップB290)、延長停止時間を設定して(ステップB291)、高確率継続失敗演出を設定し(ステップB292)、変動回数管理処理を終了する。
また、転落変動フラグがない場合(ステップB288;No)、すなわち、高確率状態が継続する場合は、高確率継続回数カウンタを+1更新してセーブし(ステップB293)、高確率継続回数が所定数であるかを判定する(ステップB294)。高確率継続回数が所定数であるかの判定(ステップB294)は、規定回数の終了から数えた特図変動表示ゲームの実行回数が特定回数(10の倍数)であるかを判定するものであって、高確率継続回数が10であるかを判定する。そして、高確率継続回数が所定数でない場合(ステップB294;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、高確率継続回数が所定数である場合(ステップB294;Yes)は、延長停止時間を設定し(ステップB295)、高確率継続演出を設定する(ステップB296)。その後、高確率継続回数カウンタを再セット(0をセット)して(ステップB297)、変動回数管理処理を終了する。
なお、本変形例では、変動回数管理処理で高確率継続回数カウンタを更新するので、図31に示す変動中処理における高確率継続時処理(ステップB99)は行わない。また、図35に示す図柄停止処理における高確率継続フラグがあるか否かの判定(ステップB149)、高確率継続時演出設定処理(ステップB150、図36)は行わない。
以上のような処理により、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数(ここでは10回)の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間が設定され、確率状態が報知されるようになる。さらに、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの停止時間も延長停止時間とされ確率状態が報知されるようになる。これにより、第2実施形態における報知よりも明確に確率状態を報知することができる。
なお、特図変動表示ゲームを規定回数の終了後、10回の特図変動表示ゲームを実行する毎に延長停止時間を設定するようにしたが、延長停止時間を設定する特図変動表示ゲームをランダムに選択するようにしても良い。このようにすれば、転落抽選に当選して延長停止時間が設定されたことがわかりにくくなり、より遊技の興趣を高めることができる。また、この場合は、普電サポートの終了を延長停止時間の終了時とすることが望ましい。
以上の第6実施形態の第1変形例の構成は、第2実施形態のように規定回数後も高確率状態であれば特定遊技状態を継続して普電サポートを継続する構成を流用する第3実施形態から第5実施形態(各実施形態の各変形例を含む)の遊技機にも適用可能である。このうち、第4実施形態に適用する場合は、図76で時短回数が0である場合(ステップB124;Yes)に、ステップB125からステップB131の処理に替えて図65から図67に示す最終回演出設定処理1(ステップB191)を行うようにする。
〔第6実施形態の第2変形例〕
次に、第6実施形態の第2変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第6実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、規定回数(ここでは100回)となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、高確率状態が継続した場合に、所定回数(ここでは10の倍数)となる特図変動表示ゲームにおける飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを特定の変動パターンとするようにしている。
飾り特図変動表示ゲームの変動パターンには、特図変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行い、複数の識別情報から構成される結果態様を導出する通常変動パターンと、特図変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動パターンとがある。本変形例の遊技機では、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいても転落抽選に当選せず、当該特図変動表示ゲームの後も高確率状態が継続した場合に、所定回数となる特図変動表示ゲームにおける飾り特図変動表示ゲームの実行態様を擬似連変動パターンとするようにしている。また、単位変動表示毎に結果態様を形成しうる有効ライン数を増加するようにし、単位変動表示の回数、すなわち有効ラインの数により、高確率状態の継続の可能性の高さを示唆するようになっている。
擬似連変動パターンでは、まず、図80(a)に示すように、識別情報の変動表示を開始するとともに、単位変動表示の回数、すなわち有効ラインの数により、高確率状態の継続の可能性の高さが示唆されることを報知する。そして、図80(b)に示すように有効ラインが一つの状態(いわゆるシングルリーチ)で識別情報を仮停止して一回目の単位変動表示が終了する。仮停止中は識別情報が揺れるように表示されており、仮停止であることを認識可能である。
その後、図80(c)に示すように二回目の単位変動表示が開始され、図80(d)に示すように有効ラインが二つの状態(いわゆるダブルリーチ)で識別情報を仮停止して二回目の単位変動表示を終了する。さらに、図80(e)に示すように三回目の単位変動表示が開始され、図80(f)に示すように有効ラインが三つの状態のリーチ状態(いわゆるトリプルリーチ)となる。
そして、転落抽選に当選した場合であって特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、図80(g)に示すように、はずれの結果態様が表示され、第2特定遊技状態ST4(熱熱モード)が終了する旨が報知される。図80(g)に示す例は、図80(b)の段階で特図変動表示ゲームが終了した場合を示しており、図80(d)や(f)の段階まで進行した場合は、有効ラインのすべてがはずれの結果態様となるようにして、第2特定遊技状態ST4(熱熱モード)が終了する旨が報知される。
また、転落抽選に当選せず高確率状態が継続する場合であって特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、図80(h)に示すように、はずれの結果態様が表示されるとともに、第2特定遊技状態ST4(熱熱モード)が継続する旨が報知される。図80(h)に示す例は、図80(f)の段階で特図変動表示ゲームが終了した場合を示しており、図80(b)や(d)の段階までしか進行しなかった場合は、有効ラインのすべてがはずれの結果態様となるようにして、第2特定遊技状態ST4(熱熱モード)が継続する旨が報知される。なお、結果が大当りである場合は何れかの有効ラインで特別結果態様を形成する。
このような飾り特図変動表示ゲームは、遊技制御装置100からのコマンドに基づき演出制御装置300が決定して実行する。遊技制御装置100は、図18に示す特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)及び図19に示す特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)において、特図変動回数が所定数(所定回数となる特図変動表示ゲームである場合の値)である場合に、特定の変動パターンを設定する。そして、演出制御装置300に決定した変動態様をコマンドとして送信する。演出制御装置300は、図32に示す変動パターン情報設定処理における、遊技状態と演出情報に基づきコマンドに対応する変動パターンを決定する処理(ステップB116)において、第2特定遊技状態ST4(普電サポートなし、高確率状態)であって所定回数となる特図変動表示ゲームである場合に、図80に示したような擬似連変動パターンに決定する。
以上のことから、変動表示ゲームの変動パターンには、当該変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行い、複数の識別情報から構成される結果態様を導出する通常変動パターンと、当該変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動パターンと、があり、演出制御手段(演出制御装置300)は、延長停止時間設定手段により延長停止時間が設定される変動表示ゲームの変動パターンを擬似連変動パターンとするようにしたこととなる。また、擬似連変動パターンは、単位変動表示が実行されるごとに、特別結果を形成し得る有効ライン数を増加するようにしたこととなる。
〔第6実施形態の第3変形例〕
次に、第6実施形態の第3変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第6実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は特別結果態様の種類が異なる。
本実施形態の遊技機における特別結果態様の種類は、図5に示す種類に替えて図81に示す種類となっている。大当りである特別結果態様の種類には、特図1、特図2ともに、16R確変A(図柄)、16R確変B(図柄)、16R確変C(図柄)、10R確変A(図柄)の四種類が設定されている。16R確変A(図柄)、16R確変B(図柄)、16R確変C(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が16ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。10R確変A(図柄)は特別遊技状態でのラウンド数が10ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。なお、何れの大当り図柄であっても、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間は第1開放時間(25秒)である。また、特図変動表示ゲームの実行毎に転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合は通常確率状態へ移行するようになっている。
また、16R確変A(図柄)であった場合は、特別遊技状態の終了後、50回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定遊技状態となり、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数50回)ようになっている。16R確変B(図柄)であった場合は、特別遊技状態の終了後、80回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定遊技状態となり、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数80回)ようになっている。16R確変C(図柄)、10R確変A(図柄)であった場合は、特別遊技状態の終了後、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定遊技状態となり、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ようになっている。
また、飾り特図変動表示ゲームにおける特別結果態様では、16R確変A(図柄)、16R確変B(図柄)、16R確変C(図柄)を共通の特別結果態様とし、何れであるかを判別できないようにしている。なお、特図変動表示ゲームでの特別結果態様は、それぞれ異なる図柄となっている。
そして、特定遊技状態であり普電サポートがある場合は、特別遊技状態の終了から50回目、80回目、100回目の特図変動表示ゲーム(特定遊技状態が終了し得る特図変動表示ゲーム)では延長停止時間が設定される。なお、50回目の特図変動表示ゲームで特定遊技状態が終了して普電サポートが終了した場合は、80回目、100回目の特図変動表示ゲームでは延長停止時間を設定しない。また、80回目の特図変動表示ゲームで特定遊技状態が終了して普電サポートが終了した場合は、100回目の特図変動表示ゲームでは延長停止時間を設定しない。ただし、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了していても高確率状態が継続している場合は、上述したように所定回数の特図変動表示ゲームを実行する毎(ここでは10回)に延長停止時間が設定され、確率状態が報知される。
特定遊技状態であり普電サポートがある場合に、特別遊技状態の終了から50回目、80回目、100回目の特図変動表示ゲームに対して設定される延長停止時間では、特定遊技状態が継続して普電サポートが継続する場合はその旨が報知され、確率状態については報知しない。また、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了する場合はその旨を報知するとともに、確率状態についても報知を行う。このようにすることで、特定遊技状態(普電サポート)がどこまで継続するかについても興味を持たせることができ、より遊技の興趣を高めることができる。
このような制御を行うため、図26に示す大当り終了処理における時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブする処理(ステップA647)では、特別結果態様の種類に対応した値を設定する。すなわち、16R確変A(図柄)であれば50を、16R確変B(図柄)であれば80を、16R確変C(図柄)もしくは10R確変A(図柄)であれば100を設定する。
また、図74に示した特図変動中処理における時短変動回数が1であるか否かの判定(ステップA529)は、時短変動回数が特定数であるか否かの判定とする。この特定数には、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了する特図変動表示ゲームであることを示す1を含む。さらに、時短回数が80回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す31を含み、時短回数が100回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す51と、80回目の特図変動表示ゲームであることを示す21と、を含む。これにより、上述のように特定遊技状態(普電サポート)が終了し得る特図変動表示ゲームで延長停止時間が設定されることとなる。
また、演出制御装置300では、図38に示すエンディング処理における時短回数をセットする処理(ステップB184)において、特別結果態様の種類に対応した値を設定する。すなわち、16R確変A(図柄)であれば50を、16R確変B(図柄)であれば80を、16R確変C(図柄)もしくは10R確変A(図柄)であれば100をセットする。
また、図76に示す変動回数管理処理では、時短回数が0であるか否かの判定(ステップB124)の前に、時短回数が特定数であるか否かの判定を行う。この特定数には、時短回数が80回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す30を含み、時短回数が100回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す50と、80回目の特図変動表示ゲームであることを示す20と、を含む。
そして、時短回数が特定数でない場合には、時短回数が0であるか否かの判定(ステップB124)を行う。また、時短回数が特定数である場合には、延長停止時間を設定するとともに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続する旨を報知する特定遊技状態継続演出を設定して、−1更新した値を時短回数カウンタにセットする処理(ステップB133)を行う。これにより、特定遊技状態である場合に、特別遊技状態の終了から50回目、80回目の特図変動表示ゲームに対して設定される延長停止時間では、特定遊技状態が継続する場合はその旨が報知されるが確率状態については報知されないようにすることができる。
なお、以上の構成は、第1実施形態で示した規定回数で確率状態にかかわらず特定遊技状態を終了して普電サポートを終了する構成を流用する各実施形態の各変形例にも適用可能である。この構成を、上述した第6実施形態の第1変形例の遊技機に対して、以下のように適用することで、第2実施形態のように規定回数後も高確率状態であれば特定遊技状態を継続して普電サポートを継続する構成を流用する各実施形態の各変形例にも第6実施形態の第3変形例の構成を適用可能となる。
この場合も、図26に示す大当り終了処理における時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブする処理(ステップA647)では、特別結果態様の種類に対応した値を設定する。すなわち、16R確変A(図柄)であれば50を、16R確変B(図柄)であれば80を、16R確変C(図柄)もしくは10R確変A(図柄)であれば100を設定する。また、図38に示すエンディング処理における時短回数をセットする処理(ステップB184)において、特別結果態様の種類に対応した値を設定する。すなわち、16R確変A(図柄)であれば50を、16R確変B(図柄)であれば80を、16R確変C(図柄)もしくは10R確変A(図柄)であれば100をセットする。
図78に示した特図変動中処理における時短変動回数が1であるか否かの判定(ステップA529)は、時短変動回数が特定数であるか否かの判定とする。この特定数には、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了する特図変動表示ゲームであることを示す1を含む。さらに、時短回数が80回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す31を含み、時短回数が100回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す51と、80回目の特図変動表示ゲームであることを示す21とを含む。これにより、上述のように特定遊技状態(普電サポート)が終了し得る特図変動表示ゲームで延長停止時間が設定されることとなる。
また、図79に示す変動回数管理処理では、時短回数が0であるか否かの判定(ステップB124)の前に、時短回数が特定数であるか否かの判定を行う。この特定数には、時短回数が80回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す30を含み、時短回数が100回である場合は50回目の特図変動表示ゲームであることを示す50と、80回目の特図変動表示ゲームであることを示す20と、を含む。
そして、時短回数が特定数でない場合には、時短回数が0であるか否かの判定(ステップB124)を行う。また、時短回数が特定数である場合には、延長停止時間を設定するとともに特定遊技状態が継続して普電サポートが継続する旨を報知する特定遊技状態継続演出を設定して、−1更新した値を時短回数カウンタにセットする処理(ステップB133)を行う。これにより、特定遊技状態である場合に、特別遊技状態の終了から50回目、80回目の特図変動表示ゲームに対して設定される延長停止時間では、特定遊技状態が継続する場合はその旨が報知されるが確率状態については報知されないようにすることができる。
以上のことから、特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)は、転落抽選に当選して通常確率状態へ移行した場合であっても、特別遊技状態の終了後、当該特別遊技状態を発生させた特別結果の種類毎に予め定められた所定回数の変動表示ゲームが実行されるまでは、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)が開状態に状態変換される時間を延長する状態を維持するようにしていることとなる。
なお、第2実施形態の遊技機では、転落抽選や大当りに当選した場合に特定遊技状態を終了して普電サポートを終了する構成とすることも可能であるが、本変形例では、最低でも50回の特図変動表示ゲームを実行するまで特定遊技状態として普電サポートを行うようにしており、早い段階で転落抽選に当選した場合でも、ある程度のサポートは付与して遊技者の利益を確保することができる。
〔第7実施形態〕
次に、第7実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、普電サポート(普通変動入賞装置37の時短動作状態)の終了タイミングを調整するようにしている。
本実施形態の遊技機では、普電サポートが終了する特図変動表示ゲームである普電サポート終了対象ゲームの変動時間を変化させ、普電サポート終了対象ゲームの終了間際に普図変動表示ゲームが開始されるようにしている。これにより、普電サポート終了対象ゲームの終了後に普通変動入賞装置37の開放動作が行われるようになる。なお、普電サポート終了対象ゲームは、上述の各実施形態の遊技機では特定遊技状態が終了することとなる特図変動表示ゲームである。例えば、第1実施形態と同様の特定遊技状態終了条件を有する遊技機では、大当りとなる特図変動表示ゲームと、規定回数となる特図変動表示ゲームである。また、第2実施形態と同様の特定遊技状態終了条件を有する遊技機では、大当りとなる特図変動表示ゲームと、規定回数以内で転落抽選に当選した場合は規定回数となる特図変動表示ゲーム、規定回数以内で転落抽選に当選しなかった場合はその後に転落抽選に当選した特図変動表示ゲームである。
図82には、普電サポート終了対象ゲームが実行される際の普図変動表示ゲームと普通変動入賞装置37の動作を示した。普通変動入賞装置37は、動作状態が時短動作状態である場合、普図変動表示ゲームの変動時間が1.0秒、停止時間が0.6秒とされる。また、普図変動表示ゲームの結果が当りである場合に普通変動入賞装置37の一連の開閉動作を行う時間は9.0秒とされている。すなわち、普電サポートがある状態では、これらの時間を合わせた10.6秒の周期で普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の開閉動作が繰り返されることとなる(例えばt141からt142)。
普電サポート終了対象ゲームの開始時(t143)では、まず、次の普図変動表示ゲームの開始までの残り時間(t143からt144)を取得する。そして、この残り時間に基づき、普電サポート終了対象ゲームにおける変動時間の終了(t147)の直前に普図変動表示ゲームが終了(t146)するように普電サポート終了対象ゲームの変動時間(t143からt147)を決定する。これにより普電サポート終了対象ゲームが終了した後(t148以降)に普通変動入賞装置37の開閉動作が行われるようになる。
このような特図変動表示ゲームの変動態様の設定を行うために、図18に示す特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)及び変動パターン設定処理(ステップA331)、図19に示す特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)及び変動パターン設定処理(ステップA351)において、普電サポート終了対象ゲームの変動時間を図83に示すテーブルに従って決定する。
図83には、普電サポート終了対象ゲームの開始時における、次の普図変動表示ゲームまでの残り時間(残動作時間)と、選択される特図変動表示ゲームの変動パターンの関係を示した。普電サポート終了対象ゲームにおける変動パターンを決定する際には、図83(a)に従って残動作時間により開放制御ポインタ1から5の何れかを選択する。そして、図83(b)に示すテーブルから開放制御ポインタに対応する変動パターンを選択する。なお、図83(b)は普電サポート終了対象ゲームの結果(大当り、はずれ)にかかわらず用いられる。
図83に従った選択では、残動作時間(t143からt144)の後に普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の一連の開閉動作を一度行い(t144からt145)、さらに、その次の普図変動表示ゲームの変動時間(t145からt146)が終了し結果が導出されるまでの時間(t143からt146)よりも、特図変動表示ゲームの変動時間(t143からt147)が同じか若干長くなるように設定される。
例えば、残動作時間が4.9秒より多く5.7秒以下である場合は、この残動作時間と、次の普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作時間の10.6秒と、その次の普図変動表示ゲームの変動時間の1.0秒を足した時間は、16.5秒より多く17.3秒以下となる。この場合は、開放制御ポインタ1が選択され、変動時間が17.3秒の変動パターンAが選択されるようになっており、特図変動表示ゲームの変動時間が同じか若干長くなるように設定されるようになっている。
また、残動作時間が5.7秒より多く10.6秒以下である場合は、上述のように対応する特図変動表示ゲームの変動時間を予め設定しておいても良いが、ここでは変動時間が長くなりすぎるので、残動作時間の後の普図変動表示ゲームの変動時間を足した時間よりも特図変動表示ゲームの変動時間が若干長くなるように変動パターンEを選択するようにしている。
すなわち、遊技制御装置100が、所定条件が成立する変動表示ゲーム(普電サポート終了対処ゲーム)における第2始動入賞口の開放態様(残動作時間)に基づいて、当該変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム制御手段をなす。
このような制御により、普電サポート終了対象ゲームが規定回数となる特図変動表示ゲームや転落抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合は、普電サポートの終了後にも始動記憶を容易に増加させる機会を与えることができ、遊技者に遊技を続ける意欲を与えることができる。また、普電サポート終了対象ゲームが大当りとなる特図変動表示ゲームである場合は、特別遊技状態の開始時のファンファーレ時間(特別変動入賞装置38の開放が始まる前の時間)における止め打ちを防止できる。
以上のことから、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)は、複数の普通識別情報を変動表示する普図変動表示ゲームの結果が特別結果となる場合に、開状態に状態変換されるように構成され、所定条件が成立する変動表示ゲームにおける第2始動入賞口の開放態様に基づいて、当該変動表示ゲームの実行態様を制御する変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)を備えていることとなる。
〔第7実施形態の第1変形例〕
次に、第7実施形態の第1変形例の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第7実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、普電サポート終了対象ゲームの終了と同時に普通変動入賞装置37の開放動作が終了するようにしている。
図84に示すように、本変形例の遊技機では、時短動作状態での普通変動入賞装置37の動作終了(t155)が、普電サポート終了対象ゲームの停止時間(t156)の終了より後とならないようにしている。これにより、普電サポート終了対象ゲームの終了後に時短動作状態での普通変動入賞装置37の開閉動作が行われないようにしている。さらに、時短動作状態での普図変動表示ゲームが、普電サポート終了対象ゲームの終了間際に開始された場合は、当該普図変動表示ゲームの変動時間の終了が普電サポート終了対象ゲームの停止時間(t156)の終了より後となるようにしている。これにより、普電サポート終了対象ゲームの終了後に、時短動作状態での普図変動表示ゲームの結果導出に基づく普通変動入賞装置37の開閉動作が開始されないようにしている。
図85には、普電サポート終了対象ゲームの開始時における、次の普図変動表示ゲームまでの残り時間(残動作時間)と、選択される特図変動表示ゲームの変動パターンの関係を示した。なお、普電サポート終了対象ゲームの停止時間は0.6秒としている。残動作時間と普電サポート終了対象ゲームの変動時間との関係は、以下の二つの条件を同時に満たすようになっている。まず第1の条件として、普電サポート終了対象ゲームの変動時間と停止時間(0.6秒)が、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作時間である10.6秒と、残動作時間を足した時間以上となるようにしている。第2の条件として、普電サポート終了対象ゲームの変動時間と停止時間(0.6秒)が、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作時間である10.6秒と、残動作時間と、普図変動表示ゲームの変動時間である1.0秒とを足した時間よりも短くなるようにしている。
例えば、残動作時間が0秒より多く1.0秒以下である場合は、この残動作時間と、次の普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の動作時間の10.6秒とを足した時間は、10.6秒より多く11.6秒以下となる。さらに、その次の普図変動表示ゲームの変動時間である1.0秒を足した時間は、11.6秒より多く12.6秒以下となる。この残動作時間が0秒より多く1.0秒以下である場合は、開放制御ポインタ1が選択され、変動時間が11.0秒の変動パターンAが選択されるようになっており、これに停止時間0.6秒を足した時間が上述の第1の条件及び第2の条件を満たす。
このように普電サポート終了ゲームの終了と同時に時短動作状態での普通変動入賞装置37の動作が終了するようにしたことで、特定遊技状態が終了して普電サポートが終了することを明確にすることができる。すなわち、変動表示ゲーム制御手段(遊技制御装置100)は、所定条件が成立する変動表示ゲーム(普電サポート終了対象ゲーム)の終了前の所定期間に第2始動入賞口の開状態への変換動作が終了するように変動表示ゲームの実行態様を制御するようにしたこととなる。なお、所定期間は、普図変動表示ゲームにおけるゲーム開始から結果導出までの期間よりも短い期間である。
なお、本変形例では、普電サポート終了対象ゲームの終了時に普電サポートが終了する例を示したが、第2実施形態で示したように、普電サポート終了対象ゲームの開始時に普電サポートが終了する場合に、普電サポート終了対象ゲームの開始と普電サポートの終了タイミングを合わせるようにすることも可能である。
この場合は、先読み処理により転落抽選や大当りに当選する始動記憶を事前に発見したことに基づき、当該始動記憶までに実行される特図変動表示ゲームの変動パターン(変動時間)を、普図変動表示ゲームの実行状況により決定するようにする。具体的には、時短動作状態での普通変動入賞装置37の動作終了が、普電サポート終了対象ゲームの開始より後とならないようにする。さらに、時短動作状態での普図変動表示ゲームが、普電サポート終了対象ゲームの開始間際に開始された場合は、当該普図変動表示ゲームの変動時間の終了が普電サポート終了対象ゲームの開始より後となるようにする。
〔第8実施形態〕
次に、第8実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、先読み処理の結果の報知態様が異なる。
本実施形態の遊技機は、第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行するものではなく、始動記憶の発生順に特図変動表示ゲームを行う。よって、普電サポート中であっても特図1と特図2の両方の先読み結果を報知可能である。なお、このような構成とするために、図14に示す特図始動口スイッチ共通処理では、特図1始動記憶と特図2始動記憶の発生順を記憶する処理を行い、図17に示す特図普段処理では、記憶された発生順序に従って特図1変動開始処理と特図2変動開始処理を選択する。また、図15に示す特図保留情報判定処理では、ステップA231からステップA234の処理を行わない。
図86には、特別遊技状態中における先読み結果の報知態様を示した。図86(a)に示すように、転落抽選に当選することとなる始動記憶がある場合は、所定の確率で転落示唆表示41dを表示可能となっている。この転落示唆表示41dは、転落抽選に当選しない始動記憶についても所定の確率で表示可能であり、この転落示唆表示41dは転落抽選に当選する可能性があることを報知するものである。
この転落示唆表示41dが行われた始動記憶が転落抽選に当選する始動記憶であった場合は、特図1始動記憶、特図2始動記憶の両方が上限数に到達した際に、図86(b)に示すように、転落示唆表示41dが変化して転落報知表示41eとなる。これにより、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選することが報知されることとなる。
一方、転落示唆表示41dが行われた始動記憶が転落抽選に当選する始動記憶でなかった場合は、特図1始動記憶、特図2始動記憶の両方が上限数に到達した際に、図86(c)に示すように、転落示唆表示41dが消去される。これにより、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選しないことが報知されることとなる。なお、転落示唆表示41dが行われた始動記憶が転落抽選に当選する始動記憶であった場合にも、特図1始動記憶、特図2始動記憶の両方が上限数に到達した際に所定の確率で転落示唆表示41dを消去するようにしてもよい。
また、図86(d)に示すように、特別遊技状態中に特別結果となる始動記憶が発生した場合は、特図1始動記憶、特図2始動記憶の両方が上限数に到達しなくても所定の確率で大当り当選報知表示41fを表示可能である。これにより、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が特別結果となることが報知される。
このような表示を行うことで、転落抽選の結果を知るために始動記憶をためるという新たな遊技性を持たせることができ、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高め、遊技全体の興趣を高めることができる。また、特別遊技状態中の止め打ちを防止できる。さらに、転落示唆表示41dを行うことで、始動記憶をためようとする意欲をより高めることができる。また、遊技者にとって有利な特別結果となる旨の報知は早い段階で行われるので、特別遊技状態中に遊技者に再度特別遊技状態が発生することを報知でき、さらなる期待感を持たせることができる。
〔先読みコマンド受信処理〕
このような制御を行うために、本実施形態の遊技機では、図30に示した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(ステップB79)において、図87に示す処理を行う。この先読みコマンド受信処理では、まず、遊技制御装置100から先読みコマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、転落情報コマンド)を受信したかを判定し(ステップB301)、先読みコマンドを受信した場合(ステップB301;Yes)は、転落示唆表示実行決定用乱数を取得し(ステップB302)、受信した先読みコマンドに転落変動に関する情報(転落情報コマンド)があるかを判定する(ステップB303)。
転落変動に関する情報がある場合(ステップB304;Yes)は、転落当選時判定値を取得し(ステップB305)、転落示唆表示実行決定用乱数及び転落当選時判定値に基づき転落示唆表示を表示するかを判定する(ステップB307)。また、転落変動に関する情報がない場合(ステップB304;No)は、転落非当選時判定値を取得し(ステップB306)、転落示唆表示実行決定用乱数及び転落当選時判定値に基づき転落示唆表示を表示するかを判定する(ステップB307)。
そして、転落示唆表示を実行しない場合(ステップB307;No)、すなわち、転落示唆表示実行決定用乱数が取得した判定値に一致しない場合は、大当りに関する情報があるかをチェックする(ステップB309)。また、転落示唆表示を実行する場合(ステップB307;Yes)、すなわち、転落示唆表示実行決定用乱数が取得した判定値に一致した場合は、転落示唆表示情報を設定して(ステップB308)、大当りに関する情報があるかをチェックする(ステップB309)。
この処理により、転落抽選に当選する始動記憶がある場合に所定の確率で転落示唆表示が行われる。また、転落抽選に当選する始動記憶がない場合にも所定の確率で転落示唆表示が行われる。なお、転落時当選時判定値は転落非当選時判定値よりも転落示唆表示の実行を選択する確率が高くなるように設定されている。
その後、大当りに関する情報があるかを判定し(ステップB310)、大当りに関する情報がない場合(ステップB310;No)は、始動記憶が上限であるかを判定する(ステップB314)。また、大当りに関する情報がある場合(ステップB310;Yes)は、大当り当選報知表示実行決定用乱数を取得し(ステップB311)、取得した乱数を判定値と比較して大当り当選報知表示を実行するかを判定する(ステップB312)。
そして、大当り当選報知表示を実行しない場合(ステップB312;No)は、始動記憶が上限であるかを判定する(ステップB314)。また、大当り当選報知表示を実行する場合(ステップB312;Yes)は、大当り当選示報知表示情報を設定し(ステップB313)、始動記憶が上限であるかを判定する(ステップB314)。この処理により、大当りに当選する始動記憶がある場合は所定の確率で大当り当選報知表示が行われる。
始動記憶が上限であるかの判定(ステップB314)では、特図1始動記憶及び特図2始動記憶の両方が上限値であるかを判定する。そして、始動記憶が上限でない場合(ステップB314;No)は、先読み情報コマンド受信処理を終了する。また、始動記憶が上限である場合(ステップB314;Yes)は、転落示唆表示があるかを判定し(ステップB315)、転落示唆表示がない場合(ステップB315;No)は、先読み情報コマンド受信処理を終了する。また、転落示唆表示がある場合(ステップB315;Yes)は、転落示唆表示を行った始動記憶は転落抽選に当選するものであるかを判定する(ステップB316)。
そして、転落示唆表示を行った始動記憶が転落抽選に当選するものである場合(ステップB316;Yes)は、転落報知表示情報を設定して(ステップB317)、先読み情報コマンド受信処理を終了する。また、転落示唆表示を行った始動記憶が転落抽選に当選するものでない場合(ステップB316;No)は、転落示唆表示の消去を設定して(ステップB318)、先読み情報コマンド受信処理を終了する。この処理により、転落示唆表示があり始動記憶が上限値となった際に、転落抽選に当選する始動記憶については転落報知表示が表示され、転落抽選に当選しない始動記憶については転落示唆表示が消去されることとなる。すなわち、表示装置41が始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段をなし、演出制御装置300が、始動記憶表示手段の表示態様を制御する始動記憶表示制御手段をなす。なお、始動記憶表示手段を表示装置41としたが、専用の表示装置であっても良い。
以上のことから、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶を表示する始動記憶表示手段(表示装置41)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、該始動記憶表示手段の表示態様を制御する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)を備え、始動記憶表示制御手段は、特別遊技状態において、事前転落抽選手段(遊技制御装置100)が転落抽選に当選すると判定した始動記憶がある場合に、始動記憶手段に記憶可能な所定の上限数まで始動記憶が記憶されることを条件に、当該始動記憶が転落抽選に当選することとなる始動記憶であることを始動記憶表示手段に表示可能であることとなる。
また、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態において、事前転落抽選手段(遊技制御装置100)が転落抽選に当選すると判定した始動記憶がある場合に、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶可能な所定の上限数まで始動記憶が記憶されるまでは、当該始動記憶が転落抽選に当選することとなる始動記憶であることを示唆する転落示唆表示を始動記憶表示手段(表示装置41)に表示可能である一方、特別遊技状態において、事前転落抽選手段が転落抽選に当選すると判定した始動記憶がない場合であっても、始動記憶手段に記憶可能な所定の上限数まで始動記憶が記憶されるまでは、転落示唆表示を始動記憶表示手段に表示可能であることとなる。
また、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)が特別結果となると判定した始動記憶がある場合には、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶可能な所定の上限数まで始動記憶が記憶されなくても、当該始動記憶が特別結果となると判定された始動記憶であることを始動記憶表示手段(表示装置41)に表示可能であることとなる。
なお、転落示唆表示を変化させる条件を特図1始動記憶及び特図2始動記憶が上限値となることとしたが、いずれか一方を上限値とすることや、始動記憶が所定数(上限値より少ない数)となることしても良い。また、特図1始動記憶が上限値となった状態での始動入賞口36への入賞が発生すること、もしくは特図2始動記憶が上限値となった状態での普通変動入賞装置37への入賞が発生すること、すなわち、いわゆるオーバーフロー入賞が発生することとしても良い。また、特別遊技状態中に上述のような表示を行うとしたが、特別遊技状態以外で行うようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームを第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行するようにして、先読み結果の報知を特図2始動記憶についてのみ行うようにしても良い。
また、遊技制御装置100では、転落抽選に当選することとなる始動記憶が発生した場合に転落情報を設定し、所定期間に亘り始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないようにしているが、このような場合も先読み処理を行うようにしても良い。この場合、転落抽選に当選することとなる始動記憶及び当該始動記憶以降に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶については、通常確率状態である場合の判定値を用いて判定を行うようにする。このようにすることで、全ての始動記憶について先読み処理をおこなうことができるとともに、矛盾のない先読み処理を行うことができる。
すなわち、事前判定手段(遊技制御装置100)は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶について判定を行う場合に、事前転落手段により転落抽選に当選すると判定された始動記憶がある場合には、当該始動記憶及び当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲーム以降に変動表示ゲームを実行する始動記憶については、通常確率状態において特別結果となるか否かを判定するようにしても良い。
また、通常確率状態において特別結果となるか否かを判定する始動記憶について、高確率状態であった場合の判定結果を報知するようにしても良い。例えば、図88(a)、(b)に示すように、高確率状態であることが報知されている状態では、高確率状態である状態で大当りとなる始動記憶について大当り示唆表示41gを行う。そして、図88(c)に示すように、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームの終了時には通常確率状態へ移行した旨が報知されるとともに、演出ボタン25の操作を促す表示がなされる。遊技者が演出ボタン25を押下すると、図88(d)に示すように、大当り示唆表示41gのうち高確率状態での判定値でのみ大当りとなると判定されていた始動記憶については大当り示唆表示41gが消去される。なお、通常確率状態での判定値であっても大当りである始動記憶については、大当り報知表示41fに変化するようにする。
すなわち、始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)は、高確率状態において事前判定手段(遊技制御装置100)が特別結果となると判定した始動記憶について、高確率状態であれば特別結果となることを報知する大当り示唆表示を始動記憶表示手段(表示装置41)に表示可能であり、当該大当り示唆表示を行った始動記憶が高確率状態でのみ特別結果となる始動記憶であった場合は、転落抽選に当選した変動表示ゲームにおいて大当り示唆表示を終了するようにしても良い。
このような表示を行う場合、遊技制御装置100では、事前判定の際に、高確率状態でのみ特別結果となるものであるかについても判定を行い、事前判定の結果を演出制御装置300に送信するコマンドに、高確率状態でのみ特別結果となるものであるかの情報を含めるようにする。そして、演出制御装置300では、この情報に基づき転落抽選に当選した特図変動表示ゲームにおける所定のタイミング(例えば停止時間)に、上述したような大当り示唆表示の消去を行う。
また、大当りや転落抽選の当選についての事前判定を遊技制御装置100において行うようにしたが、遊技制御装置100から始動記憶について取得した乱数値(大当り乱数値、転落抽選乱数値、変動パターン乱数値など)を演出制御装置300に送信し、演出制御装置300において事前判定を行うようにしても良い。これにより、変動パターンのように演出制御装置300で詳細を決定する事項についてはより詳細な判定を行うことができ、矛盾のない報知を行うことができる。また、先読み結果の報知の態様を自由に設定することができ、より興趣が高まる。
なお、以上の第8実施形態の構成は、第1実施形態から第7実施形態及び各実施形態の各変形例の遊技機にも適用可能である。
以上のような遊技機10は、始動入賞口への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示する変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する遊技機であって、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲームの実行毎に通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、予め定められた所定期間に亘って特定遊技状態を発生可能な特定遊技状態発生手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームにおける変動パターンを設定するための変動テーブルを複数記憶した変動テーブル記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームを実行する場合に変動テーブル記憶手段に記憶された複数の変動テーブルのうち、一の変動テーブルを取得する変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)と、を備え、変動テーブル取得手段は、所定期間内の変動表示ゲームにおいて、特別結果とならず、転落抽選手段による転落抽選に当選せずに通常確率状態へ移行していない場合に、当該所定期間終了後の変動表示ゲームについて、リーチが発生しない変動パターンが設定される非リーチ変動テーブルを取得し、所定期間終了後の変動表示ゲームにおいて、転落抽選手段による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行することとなる場合、もしくは、特別結果となる場合には、リーチを発生させる変動パターンのみを設定可能なリーチ変動テーブルを取得するようにしている。
したがって、変動テーブル取得手段は、所定期間内に通常確率状態へ移行していない場合に、当該所定期間終了後の変動表示ゲームについて、リーチが発生しない変動パターンが設定される非リーチ変動テーブルを取得し、所定期間終了後の変動表示ゲームにおいて、通常確率状態へ移行することとなる場合、もしくは、特別結果となる場合には、リーチを発生させる変動パターンのみを設定可能なリーチ変動テーブルを取得するので、転落抽選の当選を報知するまでの過程における興趣を高め、遊技全体の興趣を高めることができる。すなわち、高確率状態のまま所定期間が経過した後にリーチが発生した場合、この時点で遊技者にとって有利な大当りの当選と、遊技者にとって不利な転落抽選の当選の何れかであることがわかる。特に高確率状態であれば特別結果となる可能性が高いため、遊技者はリーチの発生により特別結果となる期待感が高まるとともに、転落抽選に当選してしまったのではないかという不安感も高まり、非常に興趣の高い状態となる。つまり、たとえ転落抽選に当選した場合であっても遊技者の興趣を高めることができ、単に転落抽選の抽選結果を報知するもののように遊技者の興趣を削ぐだけの遊技機とは異なり、遊技全体の興趣を高めることができる。
また、始動入賞口は、第1始動入賞口(始動入賞口36)と、遊技球が流入不可能な閉状態と遊技球が流入可能な開状態とに状態変換可能な第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)と、を備え、特定遊技状態発生制御手段(遊技制御装置100)により発生される特定遊技状態においては、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成され、変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)は、所定期間内においてはリーチが発生する確率が通常よりも高く設定された高リーチ変動テーブルを取得し、所定期間内において転落抽選手段(遊技制御装置100)による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行する変動表示ゲームについては、高リーチ変動テーブルに替えてリーチ変動テーブルを取得するようにしている。
したがって、特定遊技状態発生制御手段により発生される所定期間の特定遊技状態においては、第2始動入賞口が開状態に状態変換される時間が延長されるように構成され、変動テーブル取得手段は、所定期間内においてはリーチが発生する確率が通常よりも高く設定された高リーチ変動テーブルを取得し、所定期間内において通常確率状態へ移行する変動表示ゲームについては高リーチ変動テーブルに替えてリーチ変動テーブルを取得するので、所定期間内の遊技の興趣を高めることができる。すなわち、高確率状態が維持される可能性が高い所定期間内はリーチが頻繁に発生して遊技の興趣を高めることができるとともに、当該所定期間内で既に通常確率状態に転落していてもリーチが頻繁に発生するので依然興趣の高い状態を維持できる。また、転落抽選に当選した場合には必ずリーチが発生するので、所定期間内で頻繁に発生するリーチ毎に大当りか転落かの期待感と緊張感を遊技者に持たせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、リーチ変動テーブルには、少なくとも、結果が特別結果となる変動表示ゲームについて変動テーブル取得手段(遊技制御装置100)が取得する大当り用変動テーブルと、転落抽選手段(遊技制御装置100)による転落抽選に当選して通常確率状態へ移行する変動表示ゲームについて変動テーブル取得手段が取得する転落用変動テーブルと、を含み、大当り用変動テーブルは、複数種類のリーチのうち、特定の第1リーチ変動パターンが設定される確率が高く設定され、転落用変動テーブルは、複数種類のリーチのうち、特定の第2リーチ変動パターンが設定される確率が高く設定されている。
したがって、大当り用変動テーブルは第1リーチ変動パターンが設定される確率が高く設定され、転落用変動テーブルは第2リーチ変動パターンが設定される確率が高く設定されているので、リーチパターンの選択態様で当該変動表示ゲームの結果が特別結果の可能性が高いか、転落抽選に当選した可能性が高いか、を予測でき、遊技の興趣が向上する。
また、変動表示ゲームの変動パターンには、当該変動表示ゲームの実行中に、複数の識別情報を所定時間変動表示した後に停止する単位変動表示を一回のみ行い、複数の識別情報から構成される結果態様を導出する通常変動パターンと、当該変動表示ゲームの実行中に、単位変動表示を二回以上の複数回行って結果態様を導出する擬似連変動パターンと、があり、第1リーチ変動パターン、及び、第2変動パターンは、擬似連変動パターンであり、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1リーチ変動パターン、もしくは、第2変動パターンが設定された場合には、単位変動表示が実行されるごとに、特別結果を形成し得る有効ライン数を増加するようにしている。
したがって、演出制御手段は、第1リーチ変動パターン、もしくは、第2変動パターンが設定された場合には、単位変動表示が実行されるごとに、特別結果を形成し得る有効ライン数を増加するので、特別結果の導出の可能性が高いことを示す第1リーチ変動パターンや転落抽選の当選の可能性が高いことを示す第2リーチ変動パターンにおける興趣を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。