以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれを識別するための図柄番号が付されていればよい。一例として、「−」の記号を示す特別図柄には図柄番号として「0」が付されている他、複数種類の点灯パターンに対する図柄番号として「1」〜「9」が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部121には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の図柄番号が付された特別図柄を大当り図柄とし、「2」の図柄番号が付された特別図柄を小当り図柄とし、「0」の図柄番号が付された「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「2」または「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「15R大当りA」、「15R大当りB」、「2R大当りA」、「2R大当りB」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「7」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「15R大当りA」となり、「3」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「15R大当りB」となり、「5」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「2R大当りA」となり、「1」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「2R大当りB」となる。大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29.5秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
以下、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となる場合を可変表示結果が「15R大当り」になると総称することがあり、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となる場合を可変表示結果が「2R大当り」になると総称することがある。
大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」である場合の大当り遊技状態では、短期開放ラウンドにて特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。また、短期開放ラウンドが実行される場合には、ラウンド遊技の実行回数が、通常開放ラウンドの実行回数である第1ラウンド数(例えば「15」)よりも少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。すなわち、短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。したがって、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となったことに基づく大当り遊技状態(短期開放大当り状態)は、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となったことに基づく大当り遊技状態(通常開放大当り状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態になる。特に、この実施の形態における短期開放大当り状態は、通常開放大当り状態よりも遊技者にとって不利な特殊遊技状態に含まれる。特図表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「2R大当りA」の場合に対応して導出表示される「1」の図柄番号が付された大当り図柄や、大当り種別が「2R大当りB」の場合に対応して導出表示される「5」の図柄番号が付された大当り図柄は、特殊表示結果に含まれる。
こうして、通常開放大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。一方、短期開放大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が所定回数(例えば「2」)にわたって繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。したがって、小当り遊技状態は、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となったことに基づく大当り遊技状態(通常開放大当り状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態になる。
大当り遊技状態が終了した後には、時間短縮制御(時短制御)や確率変動制御(確変制御)の一方または双方が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図可変表示時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。また、確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。
時短制御が行われるときには、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした高開放制御を伴う時短制御が行われることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利遊技状態)となる。
この実施の形態において、時短制御と高開放制御がともに行われない遊技状態は、低ベース状態という。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、高ベース状態という。また、確変制御が行われない遊技状態は、低確状態(低確率状態あるいは通常確率状態ともいう)といい、確変制御が行われる遊技状態は、高確状態(高確率状態あるいは確変状態ともいう)という。そして、確変制御や時短制御、高開放制御のいずれも行われない遊技状態(通常状態)は、低確低ベース状態とも称される。高開放制御や時短制御が行われ、確変制御が行われない遊技状態は、低確高ベース状態と称される。また、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない遊技状態は、高確低ベース状態と称される。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態と称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や高開放制御、確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態あるいは有利遊技状態とも称される。この実施の形態において、時短制御および高開放制御は、通常遊技制御よりも遊技者にとって有利な状態とする有利遊技制御となる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、ノーマルロング、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーA〜スーパーCといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」や「2R大当りB」となる場合と同様に、開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
この実施の形態では、特図表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後に、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、確変制御が行われる高確率状態としての確変状態に制御される。例えば、遊技状態が低確低ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となった場合には、通常開放大当り状態としての大当り遊技状態が終了した後に、時短制御(これに伴う高開放制御)および確変制御が行われる高確高ベース状態に制御される。また、遊技状態が低確低ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となった場合には、短期開放大当り状態としての大当り遊技状態が終了した後に、時短制御は行われない一方で確変制御が行われる高確低ベース状態に制御される。このように、特図表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態の終了後に確変制御が開始されるときには、大当り回数のカウントが開始される。その後、確変制御が行われる確変状態(高確率状態)であるときに特図表示結果が「大当り」に決定されるごとに、大当り回数を1加算するように更新する。
こうしてカウントされる大当り回数は、所定の上限値である「7」に達したときや、確変転落抽選で当選することが決定されたときに、初期化されて「0」に設定される。遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えばRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた大当り回数カウンタを用いて大当り回数のカウントが行われればよい。CPU103は、特図表示結果が「大当り」に決定されるごとに、大当り回数カウンタの格納値である大当り回数カウント値を、1加算するように更新する。そして、更新後の大当り回数カウント値が「7」といった上限値に達したときには、大当り回数カウンタに初期データとなる「0」のカウント値を設定することで初期化すればよい。
確変状態に移行した後、確変転落抽選に当選することなく大当り回数が上限値としての「7」に達したときには、大当り遊技状態が終了した後に、確変制御による確変状態への移行が制限(禁止)される。このように、大当り回数が上限値に達して確変状態への移行が禁止されることは、「確変リミッタが作動する」ともいう。したがって、確変状態に制御されている場合に、大当り回数が上限値に達することなく確変転落抽選に当選すれば、低確状態に移行する一方で、確変転落抽選に当選することなく大当り回数が上限値に達すれば、確変リミッタが作動して、確変状態への制御が禁止されることで低確状態に移行する。確変リミッタが作動する大当り回数の上限値である「7」は、リミッタ作動判定値として予め定められていればよい。
なお、確変制御は、大当り遊技状態の終了後に特図表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、一旦終了する。そして、大当り遊技状態の終了時に、大当り回数が上限値に達しておらず確変リミッタが作動しなければ、確変制御が再開されて、さらに特図表示結果が「大当り」となるまで、あるいは確変転落抽選に当選するまで、継続して確変制御が行われる。高確高ベース状態における時短制御および高開放制御は、大当り遊技状態の終了後に特図表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、一旦終了する。そして、大当り遊技状態の終了時に、大当り回数が上限値に達しておらず確変リミッタが作動しなければ、時短制御および高開放制御が再開されて、さらに特図表示結果が「大当り」となるまで、あるいは確変転落抽選に当選するまで、継続して時短制御および高開放制御が行われる。
この実施の形態では、大当り回数が上限値に達して確変リミッタが作動する場合には、大当り遊技状態が終了した後に、確変制御が行われない一方で時短制御および高開放制御が行われる低確高ベース状態に移行する。この低確高ベース状態における時短制御および高開放制御は、大当り遊技状態の終了後における特図ゲームの実行回数が予め定められた高ベース終了判定値に達したと判定されることと、特図表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了する。
低確高ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」となった場合には、その大当り種別にかかわらず、大当り遊技状態が終了した後に確変制御とともに時短制御および高開放制御が開始されて高確高ベース状態に移行する。高確高ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となった場合には、大当り回数が上限値に達していないことを条件として、短期開放大当り状態となる大当り遊技状態が終了した後には高確高ベース状態に制御される。一方、高確低ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となった場合には、大当り回数が上限値に達していないことを条件として、短期開放大当り状態となる大当り遊技状態が終了した後には再び高確低ベース状態に制御される。したがって、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となった場合には、大当り回数が上限値に達して確変リミッタが作動しない限り、大当り遊技状態となる前後における時短制御および高開放制御の有無は変化しない。
これにより、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に決定されたことに基づいて、少なくとも大当り回数のカウント値が上限値である「7」に達する大当り遊技状態に制御されるまでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に時短制御および高開放制御が行われる高ベース状態となるように設定される。この実施の形態では、高確高ベース状態や高確低ベース状態といった確変制御が行われる確変状態(高確率状態)であるときに、特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、確変制御を終了させるか否かを決定する確変転落抽選が行われる。したがって、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に決定されたことに基づく大当り遊技状態の終了後に確変制御と時短制御および高開放制御を伴う高確高ベース状態に移行した場合でも、大当り回数のカウント値が上限値に達してリミッタが作動するより前に、確変転落抽選に当選して確変制御が終了することがある。このときには、確変制御の終了に伴い、大当り回数のカウント値が初期化されて「0」に設定される。また、この確変制御の終了に伴い、時短制御および高開放制御も終了する。この場合には、少なくとも確変転落抽選に当選して大当り回数のカウント値が「0」に初期化されるまでは、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に時短制御および高開放制御が行われる高ベース状態となることができればよい。
なお、短期開放大当り状態となる大当り種別には、大当り遊技状態となる前後における時短制御および高開放制御の有無を変化させるものが含まれていてもよい。また、短期開放大当り状態となる大当り種別には、大当り回数が上限値に達して確変リミッタが作動する場合でも、大当り遊技状態となる前後における時短制御および高開放制御の有無を変化させないものが含まれていてもよい。
特図表示結果が「小当り」となったことに基づく小当り遊技状態が終了した後には、特図表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持される。すなわち、特図表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が高確高ベース状態や高確低ベース状態といった確変状態(高確率状態)であれば、小当り遊技状態が終了した後にも確変制御が行われて確変状態(高確率状態)となる。一方、特図表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が低確高ベース状態や低確低ベース状態といった低確率状態であれば、小当り遊技状態が終了した後にも低確率状態となる。なお、特図表示結果が「小当り」に決定された場合には、特図表示結果が「大当り」に決定された場合ではないので、大当り回数のカウント値は更新(1加算)されない。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
ステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「15R大当りA」、「15R大当りB」、「2R大当りA」、「2R大当りB」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する演出制御コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「15R大当りA」、「15R大当りB」、「2R大当りA」、「2R大当りB」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば「15」または「2」など)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変制御や時短制御(高開放制御を含む)の一方または双方を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変制御や時短制御の設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。なお、小当り遊技状態における大入賞口の開放態様は、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となったことによる大当り遊技状態(短期開放大当り状態)における大入賞口の開放態様と同一であってもよいし、その開放態様に近似するが開放回数や開放時間といった一部の開放態様を異ならせてもよい。一例として、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となった場合には、ラウンド遊技を実行する上限回数を「2」に設定して、大入賞口が2回まで開放状態となる大当り遊技状態とする一方、特図表示結果が「小当り」となった場合には、大入賞口の開放回数を「3」に設定して、大入賞口が3回まで開放状態となる小当り遊技状態としてもよい。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや高ベースフラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS239)。確変フラグは、高確低ベース状態や高確高ベース状態といった確変制御が行われる確変状態(高確率状態)に制御されていることを示し、確変リミッタが作動しないときには、大当り遊技状態の終了後にオン状態となるようにセットされる。一方、大当り遊技状態の開始時や確変転落抽選に当選したときには、確変フラグがクリアされてオフ状態となる。ステップS239にて確変フラグがオンである場合には(ステップS239;Yes)、確変転落抽選を行う(ステップS240)。例えば、CPU103は、ランダムカウンタから所定の確変転落抽選用の乱数値を示す数値データを抽出し、抽出した乱数値に基づき、所定の確変転落抽選テーブルを参照することにより、確変転落抽選に当選させるか否かを決定する。
確変転落抽選テーブルでは、確変転落抽選用の乱数値と比較される数値(決定値)が、確変転落抽選における「当選」または「落選」の決定結果に割り当てられていればよい。図5は、ステップS240の処理による確変転落抽選結果の決定例を示している。このように、確変転落抽選に当選させるか落選させるかが、確変転落抽選用の乱数値や確変転落抽選テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5に示す決定例では、1/80の割合で確変転落抽選に当選させる結果に決定され、79/80の割合で確変転落抽選に落選させる結果に決定される。
ステップS240の処理に基づいて、確変転落抽選に当選させるか否かを判定する(ステップS241)。そして、確変転落抽選に当選させる結果となった場合には(ステップS241;Yes)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変転落フラグをオン状態にセットする(ステップS242)。そして、大当り回数のカウント値を初期化して、その値を「0」に設定する(ステップS242A)。こうして、確変転落抽選に当選したときには、確変リミッタが作動するより前であっても、大当り回数のカウント値が「0」に初期化される。
ステップS239にて確変フラグがオフであるときや(ステップS239;No)、ステップS242Aの処理を実行した後には、確変制御が行われない低確率状態である低確時に対応した所定割合で、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS243)。一例として、ステップS243の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された低確時に対応する特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、低確時の特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図6(A)は、ステップS243の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図6(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図(第1特別図柄表示装置4Aにおける特別図柄)である場合に、第2特図(第2特別図柄表示装置4Bにおける特別図柄)である場合よりも高い割合で、特図表示結果が「小当り」に決定される。なお、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」に決定されることがない。CPU103は、変動特図指定バッファ値が「1」であるときに変動特図が第1特図であると判定し、変動特図指定バッファ値が「2」であるときに変動特図が第2特図であると判定すればよい。
時短制御に伴う高開放制御が行われるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されにくいように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
ステップS241にて確変転落抽選に落選させると判定された場合には(ステップS241;No)、確変制御が行われる高確率状態である高確時に対応した所定割合で、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS244)。一例として、ステップS244の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された高確時に対応する特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、高確時の特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図6(B)は、ステップS244の処理による特図表示結果の決定例を示している。図6(B)に示す決定例では、図6(A)に示された低確時における決定例と比べて、高い割合で特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、確変制御が行われる確変状態(高確率状態)であるときには、確変制御が行われない低確率状態であるときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS243、S244の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS245)。そして、特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS245;Yes)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS246)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS247)。一例として、ステップS247の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図7は、ステップS247の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合には、所定割合で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定される一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」には決定されないように設定されている。これにより、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも高い割合で、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に決定される。このような設定では、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて、異なる大当り種別に決定することができる。
遊技状態が確変状態や時短状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利開放態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させることがある。こうした高開放制御が行われているときに、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定されないように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」には決定されにくいように設定(低確率で決定されるように設定)してもよい。このような設定では、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定することができる。
ステップS247の処理を実行した後には、大当り回数のカウント値を1加算(+1)するように更新する(ステップS248)。
ステップS245にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には(ステップS245;No)、決定された特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップS249)。特図表示結果が「小当り」に決定された場合には(ステップS249;Yes)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS250)。
ステップS249にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS249;No)、ステップS248、S250の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS251)。一例として、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合には、例えば図柄番号として「0」が付された「−」の記号を示すハズレ図柄となる特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、特図表示結果が「小当り」に決定された場合には、例えば図柄番号として「2」が付された小当り図柄となる特別図柄を、確定特別図柄に決定する。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には、ステップS247の処理による大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS251の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS252)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS252にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS253)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図8は、変動パターン設定処理として図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特定変動期間フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。特定変動期間フラグは、特図表示結果が「大当り」または「小当り」となったことに基づいて、図15に示す特定変動期間設定処理のステップS403にて特定変動期間ありに決定されたときに、ステップS406の処理によりオン状態にセットされる。その後、ステップS410の処理にて特定変動期間における変動回数(特図ゲームの実行回数)が期間終了判定値に達したと判定されたときなどに、ステップS407の処理により特定変動期間フラグがクリアされてオフ状態となる。すなわち、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了してから所定回数の特図ゲームが実行されるまでに特定変動期間となることがあり、この特定変動期間では特定変動期間フラグがオンとなる。
このような特定変動期間フラグがオフである場合には(ステップS261;No)、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース制御中であるか否かを判定する(ステップS262)。CPU103は、高ベースフラグがオンであるときに高ベース制御中であると判定する一方、高ベースフラグがオフであるときに高ベース制御中ではないと判定することができる。高ベース制御中ではない場合には(ステップS262;No)、飾り図柄の変動パターンを決定するための使用テーブルとして、図10に示す低ベース用通常変動パターン決定テーブル130を選択する(ステップS263)。一方、高ベース制御中である場合には(ステップS262;Yes)、図11(A)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aまたは図11(B)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Bを選択する(ステップS264)。ステップS264の処理において、CPU103は、確変転落フラグがオフであるかオンであるかを判定し、オフである場合には高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aを選択する一方、オンである場合には高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Bを選択すればよい。
特定変動期間フラグがオンである場合にも(ステップS261;Yes)、高ベース制御中であるか否かを判定する(ステップS265)。そして、高ベース制御中ではない場合には(ステップS265;No)、図柄の変動パターンを決定するための使用テーブルとして、図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aまたは図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bを選択する(ステップS266)。ステップS266の処理において、CPU103は、例えばRAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に記憶されている特定変動期間バッファ値などを読み取り、特定変動期間が複数種別のうちいずれの種別であるかを判定する。この実施の形態では、複数種別の特定変動期間として、特定変動期間Aと特定変動期間Bとが予め用意されている。そして、特定変動期間Aである場合には低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aを選択する一方、特定変動期間Bである場合には低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bを選択すればよい。
ステップS265にて高ベース制御中である場合には(ステップS265;Yes)、図13(A)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aまたは図13(B)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bを選択する(ステップS266)。ステップS266の処理において、CPU103は、特定変動期間バッファ値などを読み取り、特定変動期間Aである場合には高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aを選択する一方、特定変動期間Bである場合には高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bを選択すればよい。
図9は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となる場合や大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」もしくは可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
使用テーブルとなる変動パターン決定テーブルを選択した後には、そのテーブルを用いた変動パターンの決定が行われる(ステップS268)。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、使用テーブルとして選択した変動パターン決定テーブルを参照することにより、変動パターンを複数パターンのうちいずれかに決定すればよい。
図10に示す低ベース用通常変動パターン決定テーブル130や図11(A)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aでは、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合に、合計保留記憶数に応じて、変動パターンの決定割合を異ならせるように設定されている。また、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合には、合計保留記憶数が所定数(例えば「5」)以上であれば、所定数未満であるときと比べて高い割合で、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない非リーチの変動パターンに決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、所定の特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としにくいように設定されてもよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することで、パチンコ遊技機1における遊技を促進できる。なお、合計保留記憶数が所定数に達したか否かに限定されず、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数が所定数に達したか否かに応じて、リーチ態様とするか否かの決定割合を異ならせてもよい。
図10に示す低ベース用通常変動パターン決定テーブル130や図11(A)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aでは、特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」の場合に、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行されてスーパーリーチのリーチ演出が実行されないリーチ演出の決定割合が、変動パターンPA2−2〜変動パターンPA2−4といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。一方、可変表示結果が「15R大当り」の場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高められる。
図11(A)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aでは、図10に示す低ベース用通常変動パターン決定テーブル130と比べて、可変表示結果が「ハズレ」の場合に、特図変動時間が短い変動パターンに高い割合で決定されるように設定されている。これにより、時短制御および高開放制御が行われる高ベース制御中には、低ベース状態であるときよりも平均的な可変表示時間が短縮される。加えて、高開放制御が行われることにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させて、特図ゲームの実行を促進することができる。
図11(A)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aでは、可変表示結果が「ハズレ」の場合に、スーパーCのリーチ演出を実行する変動パターンPA2−4には決定されないように設定されている。一方、図11(B)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Bでは、可変表示結果が「ハズレ」の場合に、変動パターンPA2−4に決定されるように設定されている。また、可変表示結果が「15R大当り」の場合には、高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Aと高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Bのいずれにおいても、所定割合でスーパーCのリーチ演出を実行する変動パターンPA3−4に決定されるように設定されている。図13(A)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aや図13(B)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bでも、可変表示結果に応じた所定割合でスーパーCのリーチ演出を実行する変動パターンに決定されるように設定されている。
変動パターンPA2−4や変動パターンPA3−4に対応して実行されるスーパーCのリーチ演出では、例えば味方キャラクタと相手キャラクタがバトルを行う態様の演出が実行される。例えば、バトル開始時に「勝利なら大当り」や「敗北なら転落」というメッセージを報知する演出画像の表示などにより、特図表示結果が「大当り」になる可能性と確変転落が発生して確変状態が終了する可能性の両方がある旨を、遊技者に対して示唆すればよい。そして、変動パターンPA2−4に決定された場合には、味方キャラクタがバトルで敗北するような敗北演出を行い、リーチ組合せ(ハズレ組合せ)を構成する確定飾り図柄を導出させる。一方、変動パターンPA3−4に決定された場合には、味方キャラクタがバトルで勝利するような勝利演出を行い、大当り組合せを構成する確定飾り図柄を導出させる。このように、特図表示結果が「ハズレ」で確変転落の発生により確変状態が終了する場合と、確変状態にて特図表示結果が「大当り」になる場合とで、共通の演出となるスーパーCのリーチ演出を実行することにより、遊技者はスーパーCのリーチ演出で実行されるバトル演出の態様に注目し、味方キャラクタが勝利して大当り遊技状態となることを期待する。こうして、確変転落の発生により確変状態が終了する場合と、大当り遊技状態に制御される場合とで、共通の演出を実行することで、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出される前に遊技者が確変転落を把握して落胆することによる遊技興趣の低下を防止できる。
図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aや図13(A)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133A、図13(B)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bでは、可変表示結果が「ハズレ」の場合に、ノーマルロングL1のリーチ演出を実行する変動パターンPB2−1に所定割合で決定されるように設定されている。また、図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bでは、可変表示結果が「ハズレ」の場合に、ノーマルロングL2のリーチ演出を実行する変動パターンPB2−2に所定割合で決定されるように設定されている。可変表示結果が「15R大当り」、「2R大当り」、「小当り」の場合にも、特定変動期間ではノーマルロングのリーチ演出を実行する変動パターンに所定割合で決定されるように設定されている。一方、図10に示す低ベース用通常変動パターン決定テーブル130や図11(A)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131A、図11(B)に示す高ベース用通常変動パターン決定テーブル131Bでは、ノーマルロングのリーチ演出を実行する変動パターンには決定されないように設定されている。これにより、特定変動期間であるときには、特定変動期間ではないときに実行されないノーマルロングのリーチ演出を、実行するように変動パターンの決定を行うことができる。
例えば図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aと、図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bとでは、可変表示結果が「ハズレ」の場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とする変動パターンの決定割合が異なっている。これにより、特定変動期間の種別が特定変動期間Aであるか特定変動期間Bであるかに応じて、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とするか否かの決定割合を異ならせることができる。
また、特定変動期間Aである場合にはノーマルロングL1のリーチ演出を実行する変動パターンに所定割合で決定する一方で、特定変動期間Bである場合にはノーマルロングL2のリーチ演出を実行する変動パターンに所定割合で決定する。これにより、特定変動期間の種別が特定変動期間Aであるか特定変動期間Bであるかに応じて、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるリーチ演出の演出態様を異ならせることができる。
なお、低ベース状態であるときに選択される変動パターン決定テーブルに応じてリーチ態様とする変動パターンの決定割合を異ならせるものや、リーチ演出の演出態様を異ならせるものに限定されず、高ベース状態であるときに選択される変動パターン決定テーブルに応じてリーチ態様とする変動パターンの決定割合を異ならせたり、リーチ演出の演出態様を異ならせたりしてもよい。一例として、図8に示すステップS267の処理で選択される高ベース用特定変動パターン決定テーブルを、特定変動期間Aであるか特定変動期間Bであるかに応じて異ならせてもよい。こうした高ベース用特定変動パターン決定テーブルにおいて、例えば可変表示結果が「ハズレ」の場合に飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とする変動パターンの決定割合や、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるリーチ演出の演出態様を異ならせるように、複数種類の変動パターンのいずれかに決定値が割り当てられていればよい。
ステップS268にて変動パターンを決定した後には、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS269)。確変フラグがオンである場合には(ステップS269;Yes)、確変転落フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS270)。確変転落フラグがオフである場合には(ステップS270;No)、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS271)。
ステップS270にて確変転落フラグがオンである場合には(ステップS270;Yes)、確変転落フラグをクリアする(ステップS272)。ステップS271にて大当りフラグがオンであると判定された場合や(ステップS271;Yes)、ステップS272の処理を実行した後には、高ベース制御中であるか否かを判定する(ステップS273)。高ベース制御中である場合には(ステップS273;Yes)、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」といった2R大当りであるかを判定する(ステップS274)。そして、2R大当りである場合には(ステップS274;Yes)、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた高ベース継続フラグをオン状態にセットする(ステップS275)。
ステップS274にて2R大当りではないと判定された場合や(ステップS274;No)、ステップS275の処理を実行した後には、確変フラグと高ベースフラグをクリアして、いずれもオフ状態とする(ステップS276)。また、これに合わせて高ベース状態における時短制御および高開放制御や確変状態(高確率状態)における確変制御を終了させるための設定を行う(ステップS277)。
確変状態(高確率状態)における確変制御を終了に伴って高ベース状態における時短制御および高開放制御を終了させる場合には、確変転落抽選の当選により確変制御を終了させる場合と、大当り遊技状態になることに対応して確変制御を終了させる場合に、時短制御や高開放制御を終了させることになる。時短制御に伴う高開放制御が行われているときには、普通可変入賞球装置6Bが有利変化態様で第2始動入賞口を第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。この場合、仮に、確変転落抽選の当選に基づいて時短制御や高開放制御を終了させるタイミングと、大当り遊技状態となることに対応して時短制御や高開放制御を終了させるタイミングとが異なってしまうと、遊技者が第2始動入賞口の変化態様を観察することで、確変転落抽選の結果や大当り遊技状態となるか否かを判別可能となる不都合が生じるおそれがある。
一例として、特図ゲームなどの可変表示を開始するときに確変転落抽選での当選に伴い高開放制御を終了させる一方、特図表示結果が「大当り」に決定されたことに基づく高開放制御の終了が可変表示の開始時に行われない場合には、可変表示中に第2始動入賞口が有利開放態様ではなくなることで、特図表示結果が「ハズレ」で確変制御が終了する確変転落であると特定できてしまい、遊技の興趣を低下させる。そこで、特図表示結果が「大当り」に決定された場合と、特図表示結果が「ハズレ」に決定された場合のうちで確変転落抽選に当選した場合には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示(特図変動)が開始される特図変動開始時に、時短制御や高開放制御とともに確変制御を終了させるための設定を行えばよい。これにより、遊技者が第2始動入賞口の変化態様を観察するだけでは、確変転落抽選に当選したか特図表示結果が「大当り」に決定されたかを判別困難または判別不可能にして、遊技の興趣が低下することを防止できる。
なお、確変転落フラグがオンである場合には、特図ゲームなどの可変表示を開始させるときに確変制御を終了させる一方で、時短制御や高開放制御は特図ゲームにて特図表示結果が導出されたときに終了させるようにしてもよい。このようにすれば、特図ゲームの終了に対応して大当りフラグがオンであるときに時短制御や確変制御を終了させる設定が行われる場合であっても、遊技者が第2始動入賞口の変化態様を観察するだけでは、確変転落抽選に当選したか特図表示結果が「大当り」に決定されたかを判別困難または判別不可能にできる。ただし、可変表示を開始させるときに確変制御を終了させる一方で、時短制御や高開放制御は可変表示の終了まで継続させた場合には、確変転落が発生したという一定の条件が成立したにもかかわらず、特図変動時間などの可変表示時間を決定した結果に応じて、第2始動入賞口が有利変化態様で変化する期間が大きく相違することがあり、遊技の公平性が損なわれるおそれがある。したがって、特図変動開始時などの可変表示が開始されるときに、時短制御や高開放制御とともに確変制御を終了させることにより、遊技興趣の低下を防止しつつ、遊技の公平性を確保することができる。
その後、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS278)。特図変動時間は、図9に示すような変動パターンに対応して予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS278の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS279)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS279の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS280)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS280の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS281)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS281にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図14は、特別図柄停止処理として、図3のステップS113にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図14に示す特別図柄停止処理において、CPU103は、まず、特定変動期間設定処理を実行する(ステップS291)。図15は、ステップS291にて実行される特定変動期間設定処理の一例を示すフローチャートである。
図15に示す特定変動期間設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS401)。大当りフラグがオフである場合には(ステップS401;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS402)。
ステップS401にて大当りフラグがオンである場合や(ステップS401;Yes)、ステップS402にて小当りフラグがオンである場合には(ステップS402;Yes)、特定変動期間とするか否かという特定変動期間の有無と、特定変動期間とする場合における特定変動期間の種別とを決定する(ステップS403)。一例として、ステップS403の処理では、特定変動期間の有無と種別とを決定するための使用テーブルとして、予め用意された特定変動期間決定テーブルを選択してセットする。特定変動期間決定テーブルでは、大当り種別や「小当り」の特図表示結果と、リミッタ作動残回数とに応じて、特定変動期間決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、特定変動期間とするか否かの決定結果に割り当てられていればよい。ここで、大当り種別は、特別図柄の可変表示結果として導出表示された確定特別図柄の図柄番号に対応している。また、リミッタ作動残回数は、確変リミッタが作動するまでに残された大当りの回数であり、大当り回数のカウント値と、予め定められたリミッタ作動判定値との差の数を示している。さらに、特定変動期間決定テーブルには、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間の種別を特定変動期間Aまたは特定変動期間Bのいずれかとする設定データが含まれていればよい。CPU103は、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した特定変動期間決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、特定変動期間決定テーブルを参照することにより、特定変動期間の有無と種別とを決定すればよい。
図16は、ステップS408の処理における特定変動期間の決定例を示している。この決定例では、大当り種別が「15R大当りA」、「15R大当りB」、「2R大当りA」、「2R大当りB」のいずれであるか、あるいは特図表示結果が「小当り」であるかや、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間とするか否かの決定割合を異ならせている。より具体的に、図16(A)に示す第1決定例では、リミッタ作動残回数が「2」である場合には、大当り種別が「15R大当りA」または「2R大当りA」であれば、常に特定変動期間としないことに決定される一方(決定割合が0/100)、大当り種別が「15R大当りB」または「2R大当りB」であれば、常に特定変動期間とすることに決定される(決定割合が100/100)。また、リミッタ作動残回数が「1」である場合には、大当り種別が「15R大当りA」または「2R大当りA」であれば、常に特定変動期間とすることに決定される一方(決定割合が100/100)、大当り種別が「15R大当りB」または「2R大当りB」であれば、常に特定変動期間としないことに決定される(決定割合が0/100)。このような設定により、大当り回数のカウント値とリミッタ作動判定値との差の数であるリミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間とする大当り種別(大当り図柄の種類)を異ならせることができる。
また、図16(B)に示す第2決定例では、リミッタ作動残回数が「3以上」である場合に、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」であれば、特定変動期間に決定される割合が低く、リミッタ作動残回数が少なくなるに従って、特定変動時間に決定される割合が高くなる。このように確変リミッタが作動するまでの残り期間が短くなるに従って特定変動期間に決定されやすくなることで、確変リミッタの作動により高確低ベース状態における確変制御の終了を煽る演出として、特定変動期間に特有の変動パターン(ノーマルロングのリーチ演出を伴う変動パターン)に基づく演出を実行することができる。これにより、確変リミッタが作動するまでの残り期間に対する期待感(または焦燥感)を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。なお、特定変動期間とするリミッタ作動残回数と大当り種別との組合せは任意に変更可能であり、図16に示された一例には限定されない。
図15に示されたステップS403の処理による決定に基づいて、特定変動期間とする「特定変動期間あり」であるか否かを判定する(ステップS404)。特定変動期間ありと判定された場合には(ステップS404;Yes)、大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了した後に特定変動期間とするための設定を行う(ステップS405)。一例として、CPU103は、特定変動期間が終了するまでに実行可能な特図ゲームの上限値を、期間終了判定値として設定する。このとき、CPU103は、予め用意された一定の期間終了判定値(例えば「10」)を設定してもよい。あるいは、CPU103は、予め用意された複数通りの特図ゲーム回数のうちから、期間終了判定値とするものを決定してもよい。この場合には、予め用意された期間終了値決定テーブルを選択して、使用テーブルにセットする。期間終了値決定テーブルでは、期間終了値決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、複数通りの特図ゲーム回数に割り当てられていればよい。CPU103は、例えば乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部のランダムカウンタなどから抽出した期間終了値決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、期間終了値決定テーブルを参照することにより、期間終了判定値となる特図ゲーム回数を決定すればよい。また、ステップS405の処理では、特定変動期間における特図ゲームの実行回数を示す特定変動回数のカウント値を「0」に初期化すればよい。
ステップS405にて特定変動期間とするための設定を行った後には、特定変動期間フラグをオン状態にセットする(ステップS406)。ステップS404にて特定変動期間としない「特定変動期間なし」と判定された場合には(ステップS404;No)、特定変動期間フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS407)。
ステップS402にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS402;No)、特定変動期間フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS408)。特定変動期間フラグがオフであれば(ステップS408;No)、特定変動期間設定処理を終了する。一方、特定変動期間フラグがオンである場合には(ステップS408;Yes)、特定変動回数のカウント値を1加算(+1)するように更新する(ステップS409)。そして、更新後の特定変動回数が期間終了判定値に達したか否かを判定する(ステップS410)。期間終了判定値に達していなければ(ステップS410;No)、特定変動期間設定処理を終了する。
ステップS410にて特定変動回数が期間終了判定値に達した場合には(ステップS410;Yes)、特定変動期間を終了するための設定を行う(ステップS411)。一例として、CPU103は、特定変動回数のカウント値をクリアして、その値を「0」に初期化する。また、期間終了判定値の記憶データを消去してもよい。その後、ステップS407の処理に進み、特定変動期間フラグをクリアしてオフ状態とする。
低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態であるときに、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に基づく短期開放大当り状態が終了した後や、特図表示結果が「小当り」に基づく小当り遊技状態が終了した後には、時短制御および高開放制御が行われない低ベース状態となる。このとき、ステップS403の処理による特定変動期間とする決定に基づいて、ステップS406の処理にて特定変動期間フラグがオン状態にセットされた場合には、図8に示されたステップS261の処理で特定変動期間フラグがオンであると判定され、ステップS265の処理では高ベース制御中ではないと判定される。こうして、ステップS266の処理では、特定変動期間の種別が特定変動期間Aであれば図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aが選択される。一方、特定変動期間の種別が特定変動期間Bであれば図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択される。ステップS403の処理では、図16(A)に示されたように、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間に決定する大当り種別が「2R大当りA」であるか「2R大当りB」であるかを異ならせる設定が行われる。したがって、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する上限値との差の数に応じて、低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aや低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択される大当り図柄の種類(図柄番号)が異なるものになる。
大当り遊技状態となるより前の遊技状態にかかわらず、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に基づく通常開放大当り状態が終了した後には、大当り回数のカウント値が上限値である「7」に達していないことを条件に、確変制御とともに時短制御および高開放制御が行われる高確高ベース状態となる。高確高ベース状態であるときに、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に基づく短期開放大当り状態が終了した後には、大当り回数のカウント値が上限値である「7」に達していないことを条件に、再び高確高ベース状態に制御(継続)される。高確高ベース状態であるときに、特図表示結果が「小当り」に基づく小当り遊技状態が終了した後には、再び高確高ベース状態に制御(継続)される。このとき、ステップS403の処理による特定変動期間とする決定に基づいて、ステップS406の処理にて特定変動期間フラグがオン状態にセットされた場合には、図8に示されたステップS261の処理で特定変動期間フラグがオンであると判定され、ステップS265の処理では高ベース制御中であると判定される。こうして、ステップS267の処理では、確変転落フラグの状態(オフまたはオン)に応じて図13(A)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aまたは図13(B)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bが選択される。ステップS403の処理では、図16(A)に示されたように、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間に決定する大当り種別が「15R大当りA」であるか「15R大当りB」であるかや、「2R大当りA」であるか「2R大当りB」であるかを異ならせる設定が行われる。したがって、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する上限値との差の数に応じて、高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aや高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bが選択される大当り図柄の種類(図柄番号)が異なるものになる。
図15に示されたステップS403の処理による特定変動期間の有無や種別の決定結果を示す演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信してもよい。演出制御基板12では、例えば演出制御用CPU120が特定変動期間の有無や種別を判定し、その判定結果を示唆する示唆演出を実行するための演出動作制御が行われてもよい。例えば、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出における演出態様を、特定変動期間の有無や種別に応じて異なる割合で、複数種類の演出態様のうちいずれかに決定してもよい。あるいは、大当り遊技状態における少なくとも一部の演出内容を、特定変動期間の有無や種別に応じて異ならせてもよいし、その演出内容を、特定変動期間の有無や種別に応じて異なる割合で、複数種類の演出内容のうちいずれかに決定してもよい。
図14に示されたステップS291にて以上のような特定変動期間設定処理を実行した後には、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS292)。大当りフラグがオンである場合には、大当り報知時間を予め用意された複数種類のうちいずれかに決定する(ステップS293)。その後、大当り遊技状態の開始時に対応した演出制御コマンドなどの送信設定を行う(ステップS294)。一例として、CPU103は、大当り種別に応じてEXTデータが異なる当り開始指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。また、ステップS293の処理により決定された大当り報知時間を特定可能な演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信してもよい。なお、当り開始指定コマンドのEXTデータにより、大当り報知時間を特定可能に設定してもよい。そして、特図プロセスフラグの値を大当り開放前処理に対応した値である“4”に更新してから(ステップS295)、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS292にて大当りフラグがオフである場合には(ステップS292;No)、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS300)。小当りフラグがオンである場合には(ステップS300;Yes)、小当り報知時間を予め用意された複数種類のうちいずれかに決定する(ステップS301)。その後、小当り遊技状態の開始時に対応した演出制御コマンドなどの送信設定を行う(ステップS302)。一例として、CPU103は、小当り遊技状態に対応するEXTデータとなる当り開始指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行う。また、ステップS301の処理により決定された小当り報知時間を特定可能な演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信してもよい。なお、当り開始指定コマンドのEXTデータにより、小当り報知時間を特定可能に設定してもよい。そして、特図プロセスフラグの値を小当り開放前処理に対応した“8”に更新する(ステップS303)。ステップS300にて小当りフラグがオフである場合には(ステップS300;No)、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する(ステップS304)。
次いで、CPU103は、確変フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS305)。確変フラグがオンである場合には(ステップS305;Yes)、特別図柄停止処理を終了する。確変フラグがオフである場合には(ステップS305;No)、高ベース制御中であるか否かを判定する(ステップS306)。高ベース制御中ではない場合には(ステップS306;No)、特別図柄停止処理を終了する。高ベース制御中である場合には(ステップS306;Yes)、高ベース中変動回数のカウント値を1加算(+1)するように更新する(ステップS307)。そして、更新後の高ベース中変動回数が所定の高ベース終了判定値に達したか否かを判定する(ステップS308)。高ベース終了判定値に達していない場合には(ステップS308;No)、特別図柄停止処理を終了する。高ベース終了判定値に達した場合には(ステップS308;Yes)、高ベース状態における時短制御や高開放制御を終了するための設定を行う(ステップS309)。
ステップS305の処理で確変フラグがオンであると判定された場合には、ステップS309の処理が実行されないように特別図柄停止処理を終了させる。したがって、高確高ベース状態における時短制御や高開放制御は、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が次に「大当り」となって大当り遊技状態になるまで継続して行われる。一方、ステップS305の処理で確変フラグがオフであると判定され、ステップS306の処理で高ベース制御中であると判定された場合には、ステップS308の処理で高ベース中変動回数が高ベース終了判定値に達したと判定されたときに、ステップS309の処理により高ベース状態を終了させる設定が行われる。したがって、低確高ベース状態における時短制御や高開放制御は、特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)が次に「大当り」となって大当り遊技状態になるより前でも、高ベース状態における特図ゲームの実行回数が高ベース終了判定値に対応した所定回数に達したときに、終了することになる。
ステップS293、S301の処理では、大当り報知時間や小当り報知時間となる報知時間を決定するための使用テーブルとして、予め用意された報知時間決定テーブルを選択してセットする。報知時間決定テーブルでは、大当り種別や「小当り」の特図表示結果と、リミッタ作動残回数とに対応して、報知時間の決定結果が設定されていればよい。ここで、大当り種別は、特別図柄の可変表示結果として導出表示された確定特別図柄の図柄番号に対応している。また、リミッタ作動残回数は、確変リミッタが作動するまでに残された大当りの回数であり、大当り回数のカウント値と、リミッタ作動判定値との差の数を示している。CPU103は、このような報知時間決定テーブルを参照することにより、大当り報知時間や小当り報知時間を複数種類のうちいずれかに決定すればよい。
図17は、ステップS293、S301の処理における報知時間の決定例を示している。この決定例では、大当り種別が「15R大当りA」、「15R大当りB」、「2R大当りA」、「2R大当りB」のいずれであるか、あるいは特図表示結果が「小当り」であるかや、リミッタ作動残回数に応じて、報知時間の決定結果を異ならせている。例えば、リミッタ作動残回数が「3以上」または「1」であれば、大当り種別が「2R大当りA」である場合よりも、大当り種別が「2R大当りB」である場合の方が長い報知時間に決定される。一方、リミッタ作動残回数が「2」または「0」(確変リミッタの作動時)であれば、大当り種別が「2R大当りA」である場合の方が、大当り種別が「2R大当りB」である場合よりも長い報知時間に決定される。このような設定により、大当り回数のカウント値とリミッタ作動判定値との差の数であるリミッタ作動残回数に応じて、大当り遊技状態となることや小当り遊技状態となることの報知時間を、大当り種別(大当り図柄の種類)や「小当り」の特別表示結果ごとに異ならせることができる。なお、リミッタ作動残回数に応じた報知時間と大当り種別や「小当り」の特定表示結果との組合せは任意に変更可能であり、図17に示された一例に限定されない。
また、図17に示す決定例において、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」である場合や特図表示結果が「小当り」である場合には、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」である場合よりも長い報知時間に決定される。このような設定により、短期開放大当り状態や小当り遊技状態に制御される時間が短いために大当り中や小当り中の演出時間を十分に確保できない場合であっても、大当り報知時間や小当り報知時間を十分に確保することで多様な演出を実行可能として、遊技の興趣を向上させることができる。加えて、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」である場合や特図表示結果が「小当り」である場合には、リミッタ作動残回数が少なくなるに従って、報知時間が長くなりやすいように決定される。このように確変リミッタが作動するまでの残り期間が短くなるに従って報知時間が長くなることで、確変リミッタの作動により高確低ベース状態における確変制御の終了を煽る演出の実行時間が十分に確保される。これにより、確変リミッタが作動するまでの残り期間に対する期待感(または焦燥感)を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り遊技状態や小当り遊技状態が開始されることに対応した大当り報知時間や小当り報知時間を、リミッタ作動残回数に応じて大当り種別や「小当り」の特図表示結果ごとに異ならせるものに限定されず、例えば大当り遊技状態や小当り遊技状態が終了することに対応した大当り終了報知時間や小当り終了報知時間などのエンディング演出時間を、リミッタ作動残回数に応じて大当り種別や「小当り」の特図表示結果ごとに異ならせるようにしてもよい。この場合にも、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」である場合や特図表示結果が「小当り」である場合には、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」である場合よりも長い報知時間に決定されるように設定すればよい。これにより、短期開放大当り状態や小当り遊技状態に制御される時間が短いために大当り中や小当り中の演出時間を十分に確保できない場合であっても、大当り終了報知時間や小当り終了報知時間を十分に確保することで多様な演出を実行可能として、遊技の興趣を向上させることができる。加えて、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」である場合や特図表示結果が「小当り」である場合には、リミッタ作動残回数が少なくなるに従って、報知時間が長くなりやすいように決定されるように設定すればよい。これにより、確変リミッタの作動により高確低ベース状態における確変制御が終了する期待感(または焦燥感)を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図18は、大当り終了処理として、図3のステップS117にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS321)。一例として、図3に示されたステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS321の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS321;No)、大当り終了処理の実行を終了させて待機する。
大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS321;Yes)、大当りフラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS322)。続いて、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達したか否かを判定する(ステップS323)。リミッタ作動判定値に達した場合には(ステップS323;Yes)、大当り回数のカウント値をクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS324)。また、高ベース中変動回数のカウント値をクリアして、その値を「0」に初期化する(ステップS325)。続いて、高ベース終了判定値を設定する(ステップS326)。このとき、CPU103は、予め用意された一定の高ベース終了判定値(例えば「70」)を設定してもよい。あるいは、CPU103は、予め用意された複数通りの特図ゲーム回数のうちから、高ベース終了判定値となるものを決定してもよい。この場合には、例えば大当り種別に応じて異なる割合で、高ベース終了判定値を複数種類のうちいずれかに決定してもよい。あるいは、大当り種別にかかわらず共通の割合で、高ベース終了判定値を複数種類のいずれかに決定してもよい。
ステップS323にて大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達していない場合には(ステップS323;No)、確変制御を開始させて確変状態(高確率状態)とするための設定を行い(ステップS327)、確変フラグをオン状態にセットする(ステップS328)。こうして、大当り回数に基づいて確変リミッタが作動しない場合には、大当り遊技状態の終了後に確変制御を行う確変状態(高確率状態)に移行させることができる。
ステップS328の処理に続いて、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」といった2R大当りであったかを判定する(ステップS329)。そして、2R大当りであった場合には(ステップS329;Yes)、高ベース継続フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS330)。高ベース継続フラグがオンである場合には(ステップS330;Yes)、高ベース継続フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS331)。
ステップS329にて2R大当りではないと判定された場合や(ステップS329;No)、ステップS326、S331の処理を実行した後には、時短制御に伴う高開放制御を開始させて高ベース状態とするための設定を行い(ステップS332)、高ベースフラグをオン状態にセットする(ステップS333)。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して(ステップS334)、大当り終了処理の実行を終了させる。なお、ステップS330にて高ベース継続フラグがオフである場合には、ステップS331〜S333の処理を実行せずにステップS334の処理に進む。
ステップS329にて大当り種別が2R大当りであったと判定された場合には、ステップS330にて高ベース継続フラグがオンであるときに、ステップS331〜S333の処理を実行することで、大当り遊技状態の終了後に時短制御および高開放制御による高ベース状態へと移行させる。一方、ステップS330にて高ベース継続フラグがオフであるときには、ステップS331〜S333の処理が実行されないことから、大当り遊技状態の終了後には時短制御および高開放制御が行われない低ベース状態となる。こうして、高ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定された場合には、確変リミッタが作動する場合を除き、短期開放大当り状態となる大当り遊技状態が終了した後に、その大当り遊技状態となる以前の高ベース状態が継続することになる。したがって、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に決定されたことに基づく通常開放大当り状態となる大当り遊技状態が終了した後に、時短制御および高開放制御を開始して高ベース状態となった場合には、少なくとも大当り回数がリミッタ作動判定値に達して確変リミッタが作動するまでは、大当り種別にかかわらず大当り遊技状態が終了した後に、低ベース状態よりも遊技者にとって有利な高ベース状態に制御することができる。
大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値に達したか否かを判定する処理や、達したと判定された場合に大当り回数のカウント値を「0」に初期化する処理は、図18に示された大当り終了処理に含まれるものに限定されず、例えば図3に示すステップS110の特別図柄通常処理に含まれて、特図表示結果が「大当り」に決定された特別図柄の変動開始時などに、これらの処理が実行されてもよい。あるいは、例えば図3に示すステップS113の特別図柄停止処理に含まれて、特図表示結果が「大当り」に対応する大当り図柄の導出表示時などに、これらの処理が実行されてもよい。あるいは、例えば図3に示すステップS115の大当り開放中処理に含まれて、特図表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態への制御中などに、これらの処理が実行されてもよい。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図19は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S179の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この可変表示停止処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を大当り表示処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値を小当り表示処理に対応した値である“7”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
ステップS177の小当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“7”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、小当り遊技状態の開始を報知する小当り報知演出を実行するための処理を含んでいる。そして、小当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“8”に更新される。
ステップS178の小当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“8”のときに実行される処理である。この小当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、小当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される小当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS179の小当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“9”のときに実行される処理である。この小当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば小当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、小当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図19に示す演出制御プロセス処理では、大当り遊技状態になる場合と小当り遊技状態になる場合とを区別して、それぞれの遊技状態に対応する処理を選択して実行している。これに対して、大当り遊技状態の一部に対応する処理と、小当り遊技状態に対応する処理とを共通化してもよい。一例として、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」である場合に対応した大当り遊技状態(通常開放大当り状態)になる場合には、ステップS174〜S176と同様の処理を実行する。一方、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」である場合に対応した大当り遊技状態(短期開放大当り状態)になる場合と、小当り遊技状態になる場合には、ステップS177〜179と同様の処理を実行してもよい。
図20(A)は、可変表示開始設定処理として、図19のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS501)。ステップS501の処理として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、可変表示内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた可変表示内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「15R大当り」、「2R大当り/小当り」がある。「15R大当り」は、特図表示結果が「大当り」となる場合のうち、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」となる場合である。「2R大当り/小当り」は、特図表示結果が「大当り」となる場合のうちで大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となる場合と、特図表示結果が「小当り」となる場合である。
可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「ハズレ」となる。可変表示内容が「15R大当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、大当り組合せの確定飾り図柄が導出表示されて、可変表示結果が「大当り」となる。可変表示内容が「2R大当り/小当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならずに、開放チャンス目を構成する確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合がある。また、可変表示内容が「2R大当り/小当り」の場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、リーチハズレ組合せの確定飾り図柄が停止表示されて、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合もある。
図20(B)は、ステップS401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、可変表示内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリアに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリアに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリアに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリアにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリアにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
可変表示内容が「15R大当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
可変表示内容が「2R大当り/小当り」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアにて開放チャンス目を構成するような飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される開放チャンス目決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された開放チャンス目決定テーブルを参照することなどにより、予め用意された複数種類の開放チャンス目のうちいずれかとなる確定飾り図柄の組合せを決定する。また、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン(例えばノーマルロングのリーチ演出を伴う変動パターンPB4−1など)に応じて、可変表示内容が「リーチ(ハズレ)」である場合と同様に、リーチ組合せとなる確定飾り図柄の組合せを決定すればよい。
ステップS501における最終停止図柄などの決定に続いて、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じて、ノーマルロングのリーチ演出が実行されるか否かを判定する(ステップS502)。例えば図9に示された変動パターンの設定において、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPB3−1、変動パターンPB4−1では、ノーマルロングのリーチ演出が実行される。演出制御用CPU120は、これらの変動パターンのうちいずれかが指定された場合に、ノーマルロングのリーチ演出が実行されると判定すればよい。
ノーマルロングのリーチ演出が実行される場合には(ステップS502;Yes)、パチンコ遊技機1における演出状態が通常時の演出モードである通常モードとは異なる特定演出モードに移行したモード移行中となっているか否かを判定する(ステップS503)。例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)には、モード移行中フラグを設けておき、特定演出モードに移行したときにはモード移行中フラグをオン状態にセットすればよい。演出制御用CPU120は、モード移行中フラグがオンであるときに、モード移行中であると判定すればよい。モード移行中ではない場合には(ステップS503;No)、ノーマルロングのリーチ演出が実行される変動パターンに対応して、特定演出モードへの移行を開始させるための設定を行う(ステップS504)。一例として、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、特定演出モードに対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、切り替えることができればよい。なお、こうした特定演出モードの開始設定は、飾り図柄の可変表示中にモード移行演出が実行されてから行うようにしてもよい。
ステップS502にてノーマルロングのリーチ演出が実行されないと判定した場合や(ステップS502;No)、ステップS503にてモード移行中であると判定した場合(ステップS503;Yes)、あるいはステップS504の処理を実行した後には、予告演出を決定する(ステップS504)。ステップS504の処理では、例えば予めROM121の所定領域に記憶するなどして用意された予告演出決定テーブルを用いて、予告演出の有無や、予告演出を実行する場合の演出態様などが決定されればよい。予告演出決定テーブルでは、例えば可変表示内容に応じて、予告演出決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、予告演出の有無や演出態様の決定結果に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される予告演出決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、予告演出決定テーブルを参照することにより、予告演出の有無や演出態様を決定すればよい。
その後、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS506)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターンなどに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。また、演出制御用CPU120は、ステップS504の処理によるモード移行開始の設定に対応して、所定のモード移行演出を実行するためのモード移行演出制御パターンを選択し、使用パターンとしてセットする。さらに、演出制御用CPU120は、ステップS504の処理による予告演出の決定結果に対応して、複数用意された予告演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットしてもよい。
ステップS506の処理に続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS507)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS508)。このときには、例えばステップS506にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS509)、可変表示開始設定処理を終了する。
図21は、可変表示中演出処理として、図19のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、モード移行演出を実行するためのモード移行演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。モード移行演出実行期間は、例えば図20(A)に示すステップS506の処理にて選択されたモード移行演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて予告演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、例えば所定のアニメーション画像や動画像となる演出画像の表示といった、モード移行演出を実行するための演出制御を行う(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えば図20(A)に示すステップS506の処理にて選択されたモード移行演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の表示領域に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてモード移行演出を実行できればよい。
ステップS552にてモード移行演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後には、予告演出を実行するための予告演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。予告演出実行期間は、例えば図20(A)に示すステップS506の処理にて選択された予告演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にて予告演出実行期間であるときには(ステップS554;Yes)、例えば所定のキャラクタ画像となる演出画像の表示といった、予告演出を実行するための演出制御を行う(ステップS555)。ステップS555の処理では、例えば図20(A)に示すステップS506の処理にて選択された予告演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の表示領域に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて予告演出を実行できればよい。
ステップS554にて予告演出実行期間ではないと判定された場合や(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS556)。リーチ演出実行期間は、例えば図20(A)に示すステップS506の処理にて選択された特図変動時演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS556にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS556;Yes)、リーチ演出を実行するための演出制御を行う(ステップS557)。ステップS556にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS556;No)、ステップS557の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、飾り図柄の可変表示動作を含めたその他の演出動作制御を行ってから(ステップS558)、可変表示中演出処理の実行を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS559)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS559;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS559にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS559;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS560)。続いて、例えばモード移行中フラグがオンであるか否かを確認することなどにより、特定演出モードへのモード移行中であるか否かを判定する(ステップS561)。モード移行中である場合には(ステップS561;Yes)、通常時の演出状態に復帰させるために予め定められた復帰条件が成立したか否かを判定する(ステップS562)。一例として、演出制御用CPU120は、特定演出モードにおける可変表示回数が所定回数(例えば「10」)に達したときに、復帰条件が成立したと判定すればよい。他の一例として、演出制御用CPU120は、特定演出モードにおける可変表示が実行されるごとに、もしくは特定演出モードにおける可変表示回数が所定回数に達するごとに、所定割合で復帰条件を成立させるか否かの決定を行うようにしてもよい。他の一例として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された演出制御コマンドに基づいて特定変動期間が終了したことを特定したときに、復帰条件が成立したと判定してもよい。
ステップS562にて復帰条件が成立した場合には(ステップS562;Yes)、特定演出モードから通常モードへと演出モードを復帰させるための設定を行う(ステップS563)。一例として、ステップS563の処理では、モード移行中フラグをクリアしてオフ状態とする。また、演出制御用CPU120は、ROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、復帰前の特定演出モードに対応した記憶アドレスから、通常モードに対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む各種演出における演出態様を、通常時の演出態様に復帰させることができればよい。
その後、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS467)、可変表示中演出処理を終了する。
次に、パチンコ遊技機1における具体的な動作例について説明する。パチンコ遊技機1では、例えば遊技領域に打ち込まれた遊技球が第1始動入賞口や第2始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞や第2始動入賞といった始動入賞が発生した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示の開始を許容する開始条件の成立に基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始される。より具体的には、遊技球が第1始動入賞口を通過(進入)して第1始動入賞が発生したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行される。また、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)して第2始動入賞が発生したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される。画像表示装置5の表示領域では、特別図柄の可変表示に対応して、飾り図柄の可変表示が行われる。そして、特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が導出され、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となったときには、大当り遊技状態に制御されて大入賞口が開放状態に変化するラウンド遊技が行われることで、遊技者が多数の賞球(または対応する得点)を得られる有利な状態となる。
大当り遊技状態の終了後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、通常状態よりも特図表示結果が「大当り」に決定される確率が高い確変状態(高確率状態)に制御されることがある。この実施の形態では、大当り回数のカウント値がリミッタ作動判定値として予め定められた所定値(上限値)に達していないときに、確変制御条件が成立する。
図4に示すステップS243、S244の処理にて特図表示結果が「大当り」に決定され、ステップS247の処理では大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定されたときには、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に決定されたときの通常開放大当り状態よりも遊技者にとって不利な短期開放大当り遊技状態に制御される。また、特図表示結果が「小当り」に決定されたときには、短期開放大当り遊技状態と同一または近似する大入賞口の開放態様となる小当り遊技状態に制御される。そして、図15に示すステップS403の処理では、図16(A)に示すように、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間ありに決定する大当り種別を異ならせる。短期開放大当り状態や小当り遊技状態の終了後に、時短制御および高開放制御が行われない低ベース状態で特定変動期間となった場合には、図8に示すステップS266にて図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aまたは図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択される。このように、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値(上限値)との差の数に応じて、低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aや低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択される大当り種別に対応する大当り図柄の図柄番号を異ならせる。このように、短期開放大当り状態に制御する契機となった大当り図柄の種類と、確変リミッタの作動により確変状態(高確率状態)が終了するまでに残された大当り回数とに所定の関連性を持たせることで、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図4に示すステップS243、S244の処理にて特図表示結果が「大当り」に決定され、ステップS247の処理では大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に決定されたときには、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定されたときの短期開放大当り状態や特図表示結果が「小当り」に決定されたときの小当り遊技状態よりも遊技者にとって有利な通常開放大当り状態に制御される。そして、図15に示すステップS403の処理では、図16(A)に示すように、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間ありに決定する大当り種別を異ならせる。通常開放大当り状態の終了後には、少なくとも大当り回数のカウント値が上限値である「7」に達するまでは(あるいは確変転落抽選により大当り回数のカウント値が「0」に初期化されるまでは)、大当り遊技状態または小当り遊技状態の終了後に時短制御および高開放制御が行われる高ベース状態となる。こうした高ベース状態で特定変動期間となった場合には、図8に示すステップS267にて図13(A)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aまたは図13(B)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bが選択される。また、高ベース状態で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定されたときにも、図15に示すステップS403の処理では、図16(A)に示すように、リミッタ作動回数に応じて特定変動期間ありに決定する大当り種別を異ならせる。このように、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値(上限値)との差の数に応じて、高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aや高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bが選択される大当り種別に対応する大当り図柄の図柄番号を異ならせる。このように、大当り遊技状態の終了後には高ベース状態に制御(開始または継続)する契機となった大当り図柄の種類と、確変リミッタの作動により確変状態(高確率状態)が終了するまでに残された大当り回数とに所定の関連性を持たせることで、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
特定変動期間であるときには、特図ゲームが実行されるごとに図15のステップS409にて特定変動回数が1加算され、ステップS410の処理により期間終了判定値に達したと判定されることで、特定変動期間を終了させる。このような特定変動期間であるときに、例えば図9に示された変動パターンPB2−1といった、ノーマルロングのリーチ演出を実行する変動パターンに決定された場合には、図20(A)に示されたステップS504の処理によるモード移行開始設定が行われることなどにより、通常時の演出モードとは異なる特定演出モードに移行させる。このように、ノーマルロングのリーチ演出を実行する特定の変動パターンにより特定演出モードに移行させることで、特定変動期間となったことによる演出効果を高めるとともに、特定変動期間であることを認識しやすくして、遊技の興趣を向上させることができる。
図15に示すステップS403の処理では、図16に示す大当り種別が「15R大当りA」、「15R大当りB」、「2R大当りA」、「2R大当りB」のいずれかである場合のように、リミッタ作動残回数に応じて異なる割合で、特定変動期間に決定する。したがって、低ベース用または高ベース用の特定変動パターン決定テーブルが選択される割合は、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値(上限値)との差の数に応じて、異なる割合になる。これにより、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
低確低ベース状態や高確低ベース状態といった低ベース状態であるときに、特定変動期間Aであれば、図8に示すステップS266の処理により図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aが使用テーブルに選択される。一方、特定変動期間Bであれば、図8に示すステップS266の処理にて図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが使用テーブルに選択される。特定変動期間Aとするか特定変動期間Bとするかは、図15に示すステップS403の処理において、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値(上限値)との差の数に応じて決定される。このように、大当り回数のカウント値と所定値との差の数に応じて選択される低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aと低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bとに応じて、例えば可変表示結果が「ハズレ」の場合に、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とする変動パターンの決定割合が異なっている。これにより、特定変動期間において飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる割合に応じて、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を異ならせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定変動期間Aに対応して低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aが選択された場合には、ノーマルロングL1のリーチ演出を実行する変動パターンに所定割合で決定される。一方、特定変動期間Bに対応して低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択された場合には、ノーマルロングL2のリーチ演出を実行する変動パターンに所定割合で決定される。このように、大当り回数のカウント値と所定値との差の数に応じて選択される低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aと低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bとに応じて、飾り図柄の可変表態様をリーチ態様とした後のリーチ演出態様が異なる複数種類の変動パターンのいずれかに決定される。これにより、特定変動期間において飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とした後のリーチ演出態様に応じて、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を異ならせて、遊技の興趣を向上させることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、図15に示されたステップS403の処理により図16(A)または(B)に示された決定例のような特定変動期間の有無と種別を決定するとともに、図14に示されたステップS293、S301の処理により図17に示された決定例のような大当り報知時間や小当り報知時間を決定する。しかしながら、この発明はこれに限定されず、リミッタ作動残回数に応じて特定変動期間となる大当り図柄の種類などを異ならせる制御と、リミッタ作動残回数に応じて大当り報知時間や小当り報知時間を大当り図柄の種類や小当り図柄ごとに異ならせる制御とのうち、いずれか一方を実行して他方は実行されないものであってもよい。
上記実施の形態では、例えば図16(A)および(B)に示されたように、特図表示結果が「小当り」に決定された場合には、リミッタ作動残回数にかかわらず一定の割合で特定変動期間に決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値との差の数に応じて、特図表示結果が「小当り」の場合に特定変動期間とするか否かを異ならせるように設定してもよい。あるいは、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値との差の数に応じて、特図表示結果が「小当り」の場合に特定変動期間とするか否かの決定割合を異ならせるように設定してもよい。さらに、特図表示結果が「小当り」に決定された場合に対応して、複数種類の小当り種別を設け、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値との差の数に応じて、特定変動期間ありに決定する小当り種別を異ならせるように設定してもよい。これにより、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値との差の数に応じて、低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aや低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択される小当り種別に対応する小当り図柄の図柄番号を異ならせる。このように、小当り遊技状態に制御する契機となった小当り図柄の種類と、確変リミッタの作動により確変状態(高確率状態)が終了するまでに残された大当り回数とに所定の関連性を持たせることで、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に対応する通常開放大当り状態の終了後に、通常遊技制御よりも遊技者にとって有利な状態とする有利遊技制御として、時短制御および高開放制御(高ベース状態への移行制御)が行われるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、通常遊技制御よりも遊技者にとって有利な状態とする任意の遊技制御を、有利遊技制御とすることができる。一例として、通常遊技制御により、大当り遊技状態の終了後における特図ゲームの実行回数が「10」に達するまで時短制御および高開放制御が行われる一方、有利遊技制御により、大当り遊技状態の終了後に再び特図表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるまで時短制御および高開放制御が行われるようにしてもよい。他の一例として、通常遊技制御により、特図表示結果を「小当り」とする決定割合が図6(A)および(B)に示すような割合(具体的には2/345など)となる制御が行われる一方、有利遊技制御により、特図表示結果を「小当り」とする決定割合が通常遊技制御よりも高い特定割合(具体的には100/345など)となる制御が行われるようにしてもよい。
上記実施の形態では、例えば図16(A)および(B)に示されたように、リミッタ作動残回数で示される大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値(上限値)との差の数に対応して、特定変動期間の種別が特定変動期間Aまたは特定変動期間Bのいずれかに決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、大当り回数のカウント値と確変リミッタが作動する所定値(上限値)との差の数に応じて異なる割合で、特定変動期間を複数種別のいずれかに決定するようにしてもよい。例えば、リミッタ作動回数に応じて、特定変動期間Aに決定される割合を、大当り種別や「小当り」の特図表示結果ごとに異ならせてもよい。これにより、特定変動期間において飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる割合やリーチ態様とした後のリーチ演出態様に応じて、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を異ならせて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、確変リミッタが作動する大当り回数の上限値が「7」であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば「20」あるいは「30」といった、任意の大当り回数で確変リミッタが作動するものであればよい。
特図表示結果が「大当り」に決定されたことに基づく大当り遊技状態として、通常開放大当り状態や短期開放大当り状態の他に、特殊開放大当り状態となる場合を設けてもよい。特殊開放大当り状態では、1回目のラウンド遊技(第1ラウンド)として、大入賞口を一旦は短期開放ラウンドと同様の開放態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させた後、残り期間では通常開放ラウンドと同様に大入賞口を継続して開放状態に変化させる。
例えば図22に示すように、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R大当りB」に決定された場合には、大入賞口開放回数が「1」で第1ラウンドが実行されるときに、大入賞口を最初に開放状態としてから0.1秒が経過したときに、大入賞口を閉鎖状態とする。こうして大入賞口を閉鎖してから0.1秒が経過したときには、大入賞口を開放状態とする。そして大入賞口を再度開放してから0.1秒が経過したときには、大入賞口を閉鎖状態とする。さらに大入賞口を再度閉鎖してから0.1秒が経過したときには、大入賞口を開放状態とする。その後、所定期間(大入賞口を3回目に開放状態としてから29.1秒間、すなわち、大入賞口を最初に開放状態としてから29.5秒間)が経過したとき、あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生したときに、第1ラウンドとなるラウンド遊技を終了させればよい。
なお、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定された場合には、第1ラウンドとして0.1秒間にわたって大入賞口を開放状態とするラウンド遊技を実行した後、大入賞口を0.1秒間にわたって閉鎖状態としてから、第2ラウンドとして0.1病にわたって大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されればよい。
このように特殊開放大当り状態では、特別可変入賞球装置7において大入賞口を第2期間(例えば0.1秒間)にわたって遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が2回行われた後に、継続して大入賞口を第1状態(開放状態)に変化させることで、短期開放大当り状態に見せかけてから、通常開放大当り状態と同様の開放態様で大入賞口を開放状態とすることができる。こうした特殊開放大当り状態となる大当りは、「見せかけ大当り」ともいう。
特殊開放大当り状態を設けた場合には、通常開放大当り状態の第1ラウンドでは大当り中演出となる演出動作を実行する一方で、特殊開放大当り状態の第1ラウンドで2回の可変入賞動作が行われる所定期間や短期開放大当り状態では、スーパーリーチとなるリーチ演出の演出動作を実行するようにしてもよい。
この場合、図19に示すステップS175の大当り中演出処理として、図23のフローチャートに示すような処理が実行されてもよい。図23に示す大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS601)。当り終了指定コマンドの受信があれば(ステップS601;Yes)、大当り遊技状態に対応して行われる大当り中演出等を終了するための設定を行い(ステップS602)、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した“7”に更新してから(ステップS603)、大当り中演出処理を終了する。一例として、ステップS602の処理では、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を供給することや、所定の効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、所定の電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を終了させる制御が行われるようにすればよい。
ステップS601にて当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS601;No)、短期開放大当り状態に制御されているか否かを判定する(ステップS604)。演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドまたは大入賞口開放中指定コマンドなどに基づいて、通常開放大当り状態、短期開放大当り状態あるいは特殊開放大当り状態のいずれであるかを特定できればよい。
ステップS404にて短期開放大当り状態に制御されている場合には(ステップS604;Yes)、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチとなるリーチ演出を実行するための設定を行う(ステップS605)。一例として、ステップS605の処理では、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチとなるリーチ演出を実行させる。ステップS605の処理を実行した後には、大当り中演出処理を終了する。
ステップS604にて短期開放大当り状態に制御されていないと判定された場合には(ステップS604;No)、特殊開放大当り状態に制御されているか否かを判定する(ステップS606)。特殊開放大当り状態に制御されている場合には(ステップS606;Yes)、その特殊開放大当り状態におけるラウンド遊技の実行回数であるラウンド数が「1」であるか否かを判定する(ステップS607)。演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンドなどに基づいて、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定できればよい。
ステップS607にてラウンド数が「1」である場合には(ステップS607;Yes)、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチとなるリーチ演出を実行して確定飾り図柄を停止表示させてから、大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行う(ステップS608)。一例として、ステップS608の処理では、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチとなるリーチ演出を実行して大当り組合せの確定飾り図柄を停止表示させてから、大当り中演出となる演出動作を実行させる。ステップS608の処理を実行した後には、大当り中演出処理を終了する。
ステップS606にて特殊開放大当り状態に制御されていないと判定された場合や(ステップS606;No)、ステップS607にてラウンド数が「1」以外であると判定された場合には(ステップS607;No)、ラウンド数に応じた大当り中演出となる演出動作を実行するための設定を行う(ステップS609)。一例として、ステップS609の処理では、主基板11から伝送された大入賞口開放中指定コマンドなどから、大当り遊技状態におけるラウンド数を特定する。そして、ラウンド数が更新されたときには、更新後のラウンド数に対応する演出制御パターンを読み出し、演出制御プロセスタイマの設定を行う。その後、演出制御プロセスタイマ値に応じて演出制御パターンから読み出した制御データに従い、表示制御指令を表示制御部123に供給すること、効果音信号を音声制御基板13に対して伝送すること、電飾信号をランプ制御基板14に対して伝送することなどにより、大当り中演出となる演出動作を実行させる。こうしたステップS609の処理を実行した後に、大当り中演出処理を終了する。
図24は、見せかけ大当りを設けた場合の画像表示装置5における演出動作例を説明するためのタイミングチャートである。
特図表示結果が「ハズレ」に決定され、スーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定された場合には、図24(A)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから、ハズレ図柄が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。このように、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、確定特別図柄が停止表示されるよりも前に、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチのリーチ演出を含めた特別演出が実行される。
大当り種別が「15R大当りA」に決定されたことに基づいて、通常開放大当り状態となる場合には、図24(B)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから、図柄番号が「7」の大当り図柄が確定特別図柄として停止表示されるタイミングで、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。このように、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R大当りA」となって通常開放大当り状態に制御される場合には、確定特別図柄が停止表示されるよりも前に、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチのリーチ演出を含めた特別演出が実行される。
大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に決定されたことに基づいて、短期開放大当り状態となる場合には、図24(C)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出が実行されている途中で、図柄番号が「1」または「5」の大当り図柄が確定特別図柄として停止表示され、特別可変入賞球装置7において大入賞口を第2期間(例えば0.1秒間)にわたり遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンド遊技が2回行われる。その後に、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。このように、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」となって短期開放大当り状態に制御される場合には、確定特別図柄が停止表示されてから、特別可変入賞球装置7における大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で第1状態(開放状態)に変化させるときに、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチのリーチ演出を含めた特別演出が実行される。
大当り種別が「15R大当りB」に決定されたことに基づいて、特殊開放大当り状態となる場合には、図24(D)に示すように、スーパーリーチのリーチ演出が実行されている途中で、図柄番号が「3」の大当り図柄が確定特別図柄として停止表示され、特別可変入賞球装置7において大入賞口を第2期間(例えば0.1秒間)にわたり遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作が2回行われる。その後に、所定の大当り組合せとなる確定飾り図柄が停止表示される。このように、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「15R大当りB」となって特殊開放大当り状態に制御される場合には、確定特別図柄が停止表示されてから、特別可変入賞球装置7における大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で第1状態(開放状態)に変化させるときに、飾り図柄の可変表示およびスーパーリーチのリーチ演出を含めた特別演出が実行される。
このように、スーパーリーチのリーチ演出といった特別演出が、特別図柄の可変表示中にのみ実行される場合と、特別図柄の可変表示が終了した後に短期開放大当り状態や特殊開放大当り状態にて第1変化態様よりも遊技者にとって不利な第2変化態様で大入賞口を開放状態に変化させているときに実行される場合とを設ける。これにより、短期開放大当り状態や特殊開放大当り状態の契機となる特別図柄の可変表示結果が導出表示されたか否かを把握しづらくすることで、遊技状態に遊技者を注目させて、遊技の興趣を向上させることができる。
この場合、例えば変動パターンを決定するために用いられる変動パターン決定テーブルにおける決定値の設定などに基づいて、確定特別図柄が停止表示されるよりも前にスーパーリーチのリーチ演出が実行されて確定飾り図柄が停止表示されたことで通常開放大当り状態に制御される割合を、大入賞口を第2変化態様で変化させているときにスーパーリーチのリーチ演出が実行されて確定飾り図柄が停止表示されたことで特殊開放大当り状態に制御される割合よりも高くなるように設定してもよい。したがって、確定特別図柄が停止表示されるより前にスーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、大入賞口が第2変化態様で変化するときにスーパーリーチのリーチ演出が実行されたときよりも高い割合で、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で第1状態(開放状態)に変化する。これにより、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるより前にスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合に、短期開放大当り状態よりも遊技者にとって有利な通常開放大当り状態に対する遊技者の期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
低ベース状態と高ベース状態の他に、時短制御が行われる場合と行われない場合とがある中ベース状態を設けてもよい。なお、中ベース状態は、高開放制御のみが行われる遊技状態であってもよいし、時短制御のみが行われる遊技状態であってもよい。高開放制御のみが行われて確変制御や時短制御が行われない遊技状態は、低確中ベース状態と称される。そして、低確低ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、大当り種別にかかわらず、高確低ベース状態に制御してもよい。
高確低ベース状態では、低確低ベース状態からの大当り回数がカウントされ、所定の上限値(例えば「7」)に達したときや確変転落抽選に当選したときに、大当り回数が「0」に初期化される。高確低ベース状態に制御された後、確変転落抽選に当選することなく大当り回数が上限値に達した場合には、確変リミッタが作動して、大当り遊技状態が終了した後には低確中ベース状態に制御する。低確中ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」となったことに基づく大当り遊技状態が終了した後には、大当り種別にかかわらず、高確高ベース状態に制御してもよい。
高確高ベース状態では、低確中ベース状態からの大当り回数がカウントされ、所定の上限値(例えば「7」)に達したときや確変転落抽選に当選したときに、大当り回数が「0」に初期化される。高確高ベース状態であるときに確変転落抽選に当選したときには、確変制御が終了する一方で時短制御や高開放制御が継続されて、低確高ベース状態に制御してもよい。高確高ベース状態に制御された後、確変転落抽選に当選することなく大当り回数が上限値に達した場合には、確変リミッタが作動して、大当り遊技状態が終了した後には低確低ベース状態に制御する。これにより、遊技者は、高確低ベース状態であるときには確変転落抽選に当選することなく大当り回数が上限値に達して確変リミッタが作動することを期待する一方で、高確高ベース状態であるときには大当り回数が上限値に達することなく確変転落抽選に当選することを期待する。このように、低ベース状態と高ベース状態とのいずれに制御されているかに応じて、遊技者の期待の対象を異ならせるように遊技に減り張りを付け、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、いわゆる擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
その他にも、パチンコ遊技機1の装置構成、データ構成、フローチャートで示した処理、画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更および修正が可能である。本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラムおよびデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、図15に示されたステップS403の処理では、図16(A)に示されたように、リミッタ作動残回数に応じて、特定変動期間に決定する大当り種別を異ならせる。そして、例えば大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」に基づく短期開放大当り状態の終了後に低ベース状態で特定変動期間となった場合などには、図8に示されたステップS266の処理が実行されることで、図12(A)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Aまたは図12(B)に示す低ベース用特定変動パターン決定テーブル132Bが選択される。これにより、大当り図柄の種類と確変リミッタが作動するまでの残り期間とに所定の関連性を持たせて、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば大当り種別が「15R大当りA」または「15R大当りB」に基づく通常開放大当り状態の終了後に高ベース状態で特定変動期間となった場合などには、図8に示されたステップS267の処理が実行されることで、図13(A)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Aまたは図13(B)に示す高ベース用特定変動パターン決定テーブル133Bが選択される。これにより、大当り図柄の種類と確変リミッタが作動するまでの残り期間とに所定の関連性を持たせて、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図15に示されたステップS410の処理により特定変動回数が期間終了判定値に達したと判定されるまでの特定変動期間にて、ノーマルロングのリーチ演出を実行する変動パターンに決定されたことに基づいて、図20(A)に示されたステップS504の処理や図21に示されたステップS553の処理により、通常時の演出モードとは異なる特定演出モードに移行させる。これにより、特定変動期間における演出効果を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図16(A)および(B)に示されたような特定変動期間の決定割合では、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでに残された大当り回数に応じて異なる割合で特定変動期間に決定されて、低ベース用または高ベース用の特定変動パターン決定テーブルが選択される。このようなテーブル選択割合を異ならせることで、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図16(A)に示された決定例のように、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでに残された大当り回数に応じて特定変動期間の種別を異ならせることで、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とする変動パターンの決定割合を異ならせる。これにより、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を異ならせて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、確変リミッタの作動により高確率状態が終了するまでに残された大当り回数に応じて特定変動期間の種別を異ならせることで、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様とした後のリーチ演出態様が異なる複数種類の変動パターンの決定割合を異ならせる。これにより、高確率状態が終了するまでの残り期間に対する遊技者の期待感を異ならせて、遊技の興趣を向上させることができる。
図22に示された大当り種別が「15R大当りB」のような見せかけ大当りとなる特殊開放大当り状態を設けて、特図表示結果が「ハズレ」となる場合や通常開放大当り状態となる場合には、特別図柄の可変表示結果が停止表示されるより前にスーパーリーチのリーチ演出といった特別演出を実行する一方、短期開放大当り状態となる場合や特殊開放大当り状態となる場合には、第1変化態様よりも遊技者にとって不利な第2変化態様で大入賞口を開放状態に変化させるときにスーパーリーチのリーチ演出といった特別演出を実行する。これにより、大当り種別が「2R大当りA」または「2R大当りB」、あるいは「15R大当りB」に対応する特別図柄の可変表示結果が導出表示されたか否かを認識しづらくすることで、遊技状態に遊技者を注目させて、遊技の興趣を向上させることができる。