以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号、あるいは数字や記号に限定されない各セグメントの点灯パターン等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにより可変表示される複数種類の特別図柄には、それぞれを識別するための図柄番号が付されていればよい。一例として、「−」の記号を示す特別図柄には図柄番号として「0」が付されている他、複数種類の点灯パターンに対する図柄番号として「1」〜「9」が付されていればよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かや、特定表示結果とは異なる特殊表示結果としての「小当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄とは異なる小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」(特殊表示結果)となり、特定遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄と小当り図柄のいずれも導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「1」、「3」、「5」、「7」の図柄番号が付された特別図柄を大当り図柄とし、「2」の図柄番号が付された特別図柄を小当り図柄とし、「0」の図柄番号が付された「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄や小当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29.5秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「2」や「13」または「16」など)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「16R確変」、「13R確変」、「13R非確変」、「2R非確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「7」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「16R確変」となり、「3」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「13R確変」となり、「5」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「13R非確変」となり、「1」の図柄番号が付された大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「2R非確変」となる。大当り種別が「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかとなった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29.5秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。一方、大当り種別が「2R非確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、短期開放大当り状態や第2特定遊技状態ともいう。
なお、大当り種別が「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかとなった場合でも、大当り遊技状態におけるラウンド遊技の一部または全部が、短期開放ラウンドとなるように設定されてもよい。具体的な一例として、「16R確変」となる大当り種別のうちには、16回のラウンド遊技が全て通常開放ラウンドに設定された「16R確変A」の大当り種別や、11回のラウンド遊技が通常開放ラウンドに設定されて5回のラウンド遊技が短期開放ラウンドに設定された「16R確変B」(実質11R)の大当り種別、10回のラウンド遊技が通常開放ラウンドに設定されて6回のラウンド遊技が短期開放ラウンドに設定された「16R確変C」(実質10R)の大当り種別、5回のラウンド遊技が通常開放ラウンドに設定されて11回のラウンド遊技が短期開放ラウンドに設定された「16R確変D」(実質5R)の大当り種別などが含まれてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンド遊技として短期開放ラウンドが実行される場合には、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる上限時間(大入賞口扉により大入賞口を開放状態とする期間の上限)が、通常開放ラウンドにおける第1期間よりも短い第2期間(例えば0.1秒間)となる。なお、短期開放ラウンドにて大入賞口の開放期間が第2期間となるように制御される以外は、通常開放ラウンドが実行される場合と同様の制御が行われるようにしてもよい。大当り種別が「2R非確変」となった場合に対応する大当り遊技状態において、ラウンド遊技の実行回数は、大当り種別が「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかとなった場合に対応する大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数である第1ラウンド数(例えば「16」または「13」)よりも、少ない第2ラウンド数(例えば「2」)となる。なお、大当り種別が「2R非確変」となった場合に対応する大当り遊技状態において、ラウンド遊技として通常開放ラウンドが実行され、その実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となるようにしてもよい。すなわち、第2特定遊技状態となる大当り遊技状態は、第1特定遊技状態となる大当り遊技状態に比べて、各ラウンド遊技にて大入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい第1状態に変化させる期間が第1期間よりも短い第2期間となることと、ラウンド遊技の実行回数が第1ラウンド数よりも少ない第2ラウンド数となることのうち、少なくともいずれか一方となるものであればよい。
短期開放ラウンドが実行される場合には、大入賞口に遊技球が入賞すれば所定個数(例えば14個)の出玉(賞球)が得られる。しかし、大入賞口の開放期間が第2期間(0.1秒間など)であることなどにより、実質的には出玉(賞球)が得られない大当り遊技状態となる。この点において、大当り種別が「2R非確変」なったことに基づく大当り遊技状態(短期開放大当り状態)は、大当り種別が「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかとなったことに基づく大当り遊技状態(通常開放大当り状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態になる。こうして、通常開放大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しやすい第1変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。一方、短期開放大当り状態であるときには、大入賞口を遊技球が通過しにくい第2変化態様で、第1状態(開放状態)と第2状態(閉鎖状態)とに変化させる制御が行われる。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた小当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」となり、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御される。この小当り遊技状態では、短期開放ラウンドと同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を開放状態として遊技者にとって有利な第1状態に変化させる可変入賞動作が行われる。すなわち、小当り遊技状態では、例えば特別可変入賞球装置7を第2期間にわたり第1状態とする動作が所定回数(例えば「2」)にわたって繰返し実行される。小当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態が維持されればよい。したがって、小当り遊技状態は、大当り種別が「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかとなったことに基づく大当り遊技状態(通常開放大当り状態)よりも、遊技者にとって不利な遊技状態になる。
大当り遊技状態が終了した後には、時間短縮制御(時短制御)や確率変動制御(確変制御)の一方または双方が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図可変表示時間)は、通常状態に比べて短縮される。通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。また、確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。
なお、大当り遊技状態が終了した後には、時短制御および確変制御のいずれも行われない場合があるように設定してもよい。具体的な一例として、通常遊技状態において大当り種別が「13R非確変」または「2R非確変」となった場合には、大当り遊技状態が終了した後に再び通常遊技状態に制御されて、時短制御および確変制御のいずれも行われないようにしてもよい。
時短制御が行われるときには、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした高開放制御を伴う時短制御が行われることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(有利遊技状態)となる。
この実施の形態において、時短制御と高開放制御がともに行われない遊技状態は、低ベース状態という。時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、高ベース状態という。また、確変制御が行われない遊技状態は、低確状態(低確率状態あるいは通常確率状態ともいう)といい、確変制御が行われる遊技状態は、高確状態(高確率状態あるいは確変状態ともいう)という。そして、確変制御や時短制御、高開放制御のいずれも行われない遊技状態(通常状態)は、低確低ベース状態とも称される。高開放制御や時短制御が行われ、確変制御が行われない遊技状態は、低確高ベース状態と称される。また、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない遊技状態は、高確低ベース状態と称される。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態と称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や高開放制御、確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態あるいは有利遊技状態とも称される。この実施の形態において、時短制御および高開放制御は、通常遊技制御よりも遊技者にとって有利な状態とする有利遊技制御となる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。また、スーパーリーチのリーチ演出のうちでも、スーパーBといった特定のリーチ演出が実行された場合には、スーパーAのリーチ演出が実行された場合に比べて、大当り期待度が高くなる。
この実施の形態では、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合に、まずは飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となったことに基づいて、ノーマルのリーチ演出が実行される。その後、スーパーAやスーパーBにおける第1段階のリーチ演出が実行される。例えばスーパーAのリーチ演出が実行される場合には、スーパーA1のリーチ演出がスーパーAにおける第1段階のリーチ演出として実行される。一方、スーパーBのリーチ演出が実行される場合には、スーパーB1のリーチ演出がスーパーBにおける第1段階のリーチ演出として実行される。その後、スーパーAやスーパーBにおける第2段階のリーチ演出が実行されない場合には、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されて確定表示される。一方、スーパーAやスーパーBにおける第2段階のリーチ演出が実行される場合には、第1段階のリーチ演出に続いて、第2段階のリーチ演出が実行されることを認識可能に報知する発展報知演出が実行されてもよい。そして、第2段階のリーチ演出が実行されてから、確定飾り図柄が導出されて確定表示される。例えばスーパーAのリーチ演出では、スーパーA1のリーチ演出や発展報知演出などに続いてスーパーA2のリーチ演出が、スーパーAにおける第2段階のリーチ演出として実行されることがある。一方、スーパーBのリーチ演出では、スーパーB1のリーチ演出や発展報知演出などに続いてスーパーB2のリーチ演出が、スーパーBにおける第2段階のリーチ演出として実行されることがある。
スーパーAやスーパーBにおける第1段階のリーチ演出に続いて、発展報知演出や第2段階のリーチ演出が実行されることを、「リーチ演出が発展する」ともいう。なお、ノーマルのリーチ演出に続いてスーパーAやスーパーBのリーチ演出が実行されることも、リーチ演出が発展するということがある。発展報知演出の一例として、所定の演出用可動部材が進出動作または回転動作などを行うとともに、効果音の出力や発光体の点灯が行われるといった、所定の演出動作が実行されればよい。発展報知演出の他の一例として、画像表示装置5における表示領域に同一または類似したキャラクタを示す演出画像群が通過するように表示(群画像表示)させるといった所定の演出動作が実行されてもよい。なお、リーチ演出が発展する場合に、発展報知演出が実行されない場合を設けてもよい。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告する予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、特図ゲームの保留記憶情報などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告ともいう、また、可変表示中予告演出ともいう)と称される。
この実施の形態では、先読み予告演出の一例として、特図保留記憶数を特定可能に表示する始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば青色)とは異なる特定色(例えば金色や虹色など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、表示部位における表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。
さらに、この実施の形態では、例えば高確高ベース状態であるときに、「保留表示」の先読み予告演出として始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了する可能性を示唆する。すなわち、「保留表示」の先読み予告演出では、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位を、可変表示結果が確変制御の終了に対応した遊技者にとって不利な不利表示結果となる可能性を示唆する不利保留態様に変化させることがある。なお、例えば「保留表示」の先読み予告演出において表示されるキャラクタの種類といった、表示部位を変化させるときの表示態様に応じて、可変表示結果が不利表示結果となる可能性が高いか低いかを示唆してもよい。また、不利表示結果となる可能性を示唆する不利保留態様に変化する場合の他に、可変表示結果が遊技者にとって有利な有利表示結果となる可能性を示唆する有利保留態様に変化する場合を設けてもよい。
「保留表示」の先読み予告演出により始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位が不利保留態様に変化したときには、例えば予告対象となる可変表示が開始されるまでの期間といった所定期間にて、遊技者によるプッシュボタン31Bなどの操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に検出された操作に基づいて所定の表示変更条件が成立すると、不利保留態様となっている保留表示を、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する表示態様に変更する。この実施の形態では、不利保留態様となっている保留表示を、通常時の表示態様に戻すことにより、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する。なお、表示変更条件の成立に基づいて通常時の表示態様に戻すように変更するものに限定されず、有利保留態様に変更するものであってもよい。表示変更条件は、複数種類の不利保留態様に応じて異なる操作内容(例えばプッシュボタン31Bの連打回数など)で成立するように、予め定められていればよい。表示変更条件が成立したときには、予告対象となる可変表示が開始される前であっても、操作有効期間を終了させればよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「13R非確変」や「13R確変」、「16R確変」のいずれかとなる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。一方、大当り種別が「2R非確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に所定の短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、大当り組合せに含まれる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、大当り種別が「2R非確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。特図表示結果が「小当り」となるときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる場合と同様に、短期開放チャンス目を構成する飾り図柄が停止表示されることにより特殊表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される場合や、所定のリーチ組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される場合があればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR5とが含まれていればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、可変表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」、「確変」または「突確」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR5は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果を「普図当り」として普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を閉鎖状態(通常開放状態)よりも高い頻度で遊技球が通過(進入)しやすい開放状態(拡大開放状態)に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。普通図柄プロセス処理では、時短制御に伴う高開放制御として、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御の一部または全部が行われる。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、可変表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別が複数種別のいずれとなるかなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(ステップS211)。その後、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図6は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図9)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定や、特図表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別の決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、大当り種別が所定種別となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、大当り種別が所定種別となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、先読み演出となる予告演出を実行するか否かを、決定することができる。
図6に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御に伴う高開放制御が行われている高ベース中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて高ベース中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、乱数値MR1に基づいて可変表示結果が「大当り」に決定されるときの大当り種別が「16R確変」、「13R確変」、「13R非確変」、「2R非確変」のうちいずれとなるかを特定する(ステップS408)。例えばステップS408の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを構成するテーブルデータから、始動口バッファ値に対応して大当り種別の決定に用いられるデータ(大当り種別決定用テーブルデータ)を選択する。こうして選択されたデータと、図4に示すステップS209の処理により抽出された大当り種別決定用の乱数値MR2とを比較(逐一比較、または最小値や最大値との比較)することにより、乱数値MR2に基づいて大当り種別がいずれに決定されるかを特定する。このときには、ステップS408の処理により特定された大当り種別が「2R非確変」であるか否かを判定する(ステップS409)。
この実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する。また、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信することにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1および大当り種別決定用の乱数値MR2など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、ステップS404、S407、S409の処理による判定結果に応じて設定される(ステップS410)。図7は、ステップS410の処理による通知内容の設定例を示している。例えばステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS407の処理にて大当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、通知内容が「大当り判定なし」に設定される。ステップS409の処理にて大当り種別が「2R非確変」であると判定されたときには、通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」に設定される。一方、ステップS409の処理にて大当り種別が「2R非確変」ではないと判定されたときには、通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」に設定される。
図8(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS410の処理によって設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図8(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図8(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「大当り判定なし」を示している。コマンドB102HやコマンドB202Hは、通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」を示している。コマンドB103HやコマンドB203Hは、通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」を示している。
ステップS410の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS411)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS410の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータをセットすることにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドが送信される。
ステップS411の処理が実行されることで、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや大当り種別が「2R非確変」に決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS411の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS412)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図8(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図6に示すステップS412の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS412の処理が実行されることで、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図6に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて高ベース中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S409の処理を実行せずにステップS410の処理に進み、大当り決定範囲の判定などが制限中であることに対応して通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づいて特定パターンの判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく先読み予告が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「16R確変」、「13R確変」、「13R非確変」、「2R非確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、特別図柄表示装置4において特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、特別図柄表示装置4にて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグや小当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。小当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「小当り」であることに基づく小当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“8”に更新する。大当りフラグや小当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「16R確変」、「13R確変」、「13R非確変」、「2R非確変」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「16R確変」、「13R確変」または「13R非確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29.5秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。一方、大当り種別が「2R非確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数(例えば大当り種別に応じた「16」、「13」、「2」のいずれかなど)に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。そして、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、可変表示結果が「小当り」となったことなどに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、開放回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に再び大入賞口を開放状態とするまで待機する処理などが実行される。大入賞口の開放回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“10”に更新される。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ遊技機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図4に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「小当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図10(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図10(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図10(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「16R確変」または「13R確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。また、図10(A)に示す決定例では、変動特図が第1特図である場合に所定割合で特図表示結果が「小当り」に決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、特図表示結果が「小当り」には決定されないように設定されている。
遊技状態が高確高ベース状態(確変制御あり時短制御あり)や低確高ベース状態(確変制御なし時短制御あり)であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。こうした高開放制御が行われているときには、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて特図表示結果が「小当り」に決定されにくいように制限することで、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。なお、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合よりも低い所定割合で、特図表示結果が「小当り」に決定されるように設定してもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、変動特図が第1特図と第2特図のいずれであるかに応じて、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図10(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、大当り種別の決定内容や決定割合を異ならせている。より具体的に、変動特図が第1特図である場合には、大当り種別が「16R確変」、「13R確変」、「13R非確変」のいずれかに決定される。一方、変動特図が第2特図である場合には、大当り種別が「16R確変」または「2R非確変」のいずれかに決定される。また、大当り種別が「16R確変」に決定される割合は、変動特図が第1特図のときよりも、変動特図が第2特図のときに高くなる。このように、特図ゲームにて可変表示される特別図柄に応じて異なる割合で、所定の大当り種別に決定されてもよい。
遊技状態が高確高ベース状態であるときには、高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。そして、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第2特図を用いた特図ゲームは、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づく第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始される。したがって、高確高ベース状態であるときには、第2特図を用いた特図ゲームにおいて特図表示結果を「大当り」にすると決定される可能性が高く、大当り種別が「16R確変」または「2R非確変」となることが多くなる。大当り種別が「16R確変」となった場合には、通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)に制御され、その大当り遊技状態が終了した後には再び時短制御とともに確変制御が行われる高確高ベース状態となる。これに対して、大当り種別が「2R非確変」となった場合には、通常開放ラウンドが実行されず短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態(短期開放大当り状態)に制御され、その大当り遊技状態が終了した後には時短制御が行われるものの確変制御が行われない低確高ベース状態となる。
このように、高確高ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「16R確変」に対応する大当り図柄(図柄番号が「7」)となる場合には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態へと再び制御されるという、遊技者にとって有利な有利表示結果となる。一方、高確高ベース状態であるときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」に対応する大当り図柄(図柄番号が「1」)となる場合には、大当り遊技状態の終了後に高確高ベース状態へと制御されないという、遊技者にとって不利な不利表示結果となる。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合には(ステップS240;No)、その特図表示結果は「小当り」であるか否かを判定する(ステップS244)。このとき、特図表示結果が「小当り」である場合には(ステップS244;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた小当りフラグをオン状態にセットする(ステップS245)。
ステップS244にて特図表示結果が「小当り」ではない場合や(ステップS244;No)、ステップS243、S245の処理のいずれかを実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」や「小当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。ステップS244にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合には、小当り図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図11は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、小当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS263)。そして、小当りフラグがオンである場合には(ステップS263;Yes)、特図表示結果が「小当り」となる小当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS264)。一方、小当りフラグがオフである場合には(ステップS263;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかである場合(図12では「13R/16R」と示す)と、大当り種別が「2R非確変」または可変表示結果(特図表示結果)が「小当り」のいずれかである場合(図12では「2R/小当り」と示す)などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130を用いて、大当り時の変動パターンが決定される。図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130では、大当り種別が「13R非確変」または「13R確変」である場合と、「16R確変」である場合と、「2R非確変」である場合とに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられている。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブル130を参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図11に示すステップS264の処理では、例えば図13(B)に示す小当り変動パターン決定テーブル131を用いて、小当り時の変動パターンが決定される。小当り変動パターン決定テーブル131では、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる場合と共通の変動パターンに対して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が割り当てられている。ただし、各変動パターンに対する決定値の割り当ては、大当り種別が「2R非確変」となる場合とは異なっている。なお、大当り種別が「2R非確変」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、可変表示結果が「小当り」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。あるいは、可変表示結果が「小当り」となる場合に決定可能な変動パターンのうちには、大当り種別が「2R非確変」となる場合には決定されることがない変動パターンが含まれていてもよい。
図11に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、通常時には、図14(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Aを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中には、図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブル132A、132Bでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブル132A、132Bのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図14(A)ハズレ変動パターン決定テーブル132Aでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブル132Bでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図11に示すステップS262、S264、S265の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図15は、図3のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において、CPU103は、まず、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS281)。一例として、図3に示すステップS116の大当り開放後処理では、特図プロセスフラグの値を“7”に更新するときに、大当り終了時演出待ち時間に対応して予め定められたタイマ初期値が遊技制御プロセスタイマにセットされる。この場合、ステップS281の処理では、例えば遊技制御プロセスタイマ値を1減算することなどにより更新し、更新後の遊技制御プロセスタイマ値が所定の待ち時間経過判定値(例えば「0」など)と合致したか否かに応じて、大当り終了時演出待ち時間が経過したか否かを判定すればよい。ステップS281にて大当り終了時演出待ち時間が経過していなければ(ステップS281;No)、そのまま大当り終了処理を終了する。
ステップS281にて大当り終了時演出待ち時間が経過した場合には(ステップS281;Yes)、例えばRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出すことなどにより、大当り種別が「16R確変」または「13R確変」といった確変ありか否かを判定する(ステップS282)。このとき、大当り種別が「16R確変」または「13R確変」に対応して確変ありと判定された場合には(ステップS282;Yes)、確変制御の開始により遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS283)。例えば、CPU103は、確変フラグをオン状態にセットする。
ステップS282にて大当り種別が「13R非確変」または「2R非確変」に対応して確変なしと判定された場合や(ステップS282;No)、ステップS283の処理を実行した後には、時短制御を開始するための設定を行う(ステップS284)。例えば、CPU103は、時短フラグをオン状態にセットする。また、時短状態にて実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(例えば「100」)を時短回数カウンタに設定すればよい。なお、例えば大当り種別が「16R確変」であることなどに対応して、次に可変表示結果が「大当り」となるまで時短制御を継続させる場合には、時短回数カウンタのカウント初期値を設定せずに、確変フラグと時短フラグとをいずれもオン状態にセットすればよい。また、大当り種別が「13R確変」や「13R非確変」、「2R非確変」のいずれかである場合には、特図表示結果が「大当り」となる以前に時短制御が行われていたか否かに応じて、時短制御を開始するための設定を行うか否かを異ならせてもよい。すなわち、特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームが終了する以前に時短制御が行われていなかった場合には、大当り種別が「13R確変」、「13R非確変」または「2R非確変」であることに対応して、時短制御を開始するための設定が行われないようにしてもよい。一方、特図表示結果が「大当り」となる特図ゲームが終了する以前に時短制御が行われていた場合には、大当り種別が「13R確変」、「13R非確変」または「2R非確変」であることに対応して、時短制御を開始するための設定が行われるようにすればよい。
ステップS284の処理を実行した後には、特図プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化してから(ステップS285)、大当り終了処理の実行を終了させる。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、図16(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、図16(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図6に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図16(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図16(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図16(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図16(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図17は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す演出制御プロセス処理では、まず、先読み演出となる予告演出(先読み予告演出)を実行するか否かなどを決定する先読み演出決定処理(ステップS161)と、先読み演出の実行を制御する先読み演出制御処理(ステップS162)とが行われる。
図18は、先読み演出決定処理として、図17のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す先読み演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、始動入賞時に送信される演出制御コマンドの新たな受信があるか否かを判定する(ステップS501)。演出制御用CPU120は、例えば第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする。そして、始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドといった、始動入賞時に受信する演出制御コマンドのいずれかが新たに格納されているか否かを確認することにより、新たな受信コマンドの有無を判定すればよい。
ステップS501にていずれのコマンドも新たに受信していなければ(ステップS501;No)、先読み演出決定処理を終了する。一方、受信コマンドがあると判定された場合には(ステップS501;Yes)、既に先読み演出を実行している先読み演出中であるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理では、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた保留表示状態バッファの記憶データなどに基づいて、「保留表示」の先読み予告演出が実行されているときに、先読み演出を実行中であると判定すればよい。保留表示状態バッファには、「保留表示」の先読み予告演出により始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に不利保留表示が行われている表示部位があるか否かを特定可能に示すデータを、記憶するための格納領域が設けられていればよい。
ステップS502にて先読み演出中ではないと判定された場合には(ステップS502;No)、先読み演出を実行可能な状態であるか否かを判定する(ステップS503)。一例として、ステップS503の処理では、第1始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「入賞時判定制限中」である場合に、所定の先読み制限条件が成立したとして、先読み演出を実行可能な状態ではないと判定すればよい。
この実施の形態において、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。この場合、高開放制御が行われている高ベース中には、第2始動入賞口に遊技球を容易に通過(進入)させて、優先的に実行される第2特図を用いた特図ゲームを実行し続けることが可能になる。仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする先読み予告を実行すると、例えば可変表示結果が「大当り」となる保留データなどを保持した状態で、第2特図を用いた特図ゲームを多数回にわたり容易に繰り返し実行することができる。このとき、第2特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になれば、先読み予告による予告対象となっている第1特図を用いた特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」になることもあわせて、遊技状態を繰り返し大当り遊技状態とすることが可能になり、パチンコ遊技機1の射幸性が著しく高められるおそれがある。
また、仮に、高ベース中にて第1特図を用いた特図ゲームを予告対象とする先読み予告を実行すると、この先読み予告により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを認識した遊技者は、第2始動入賞口に遊技球を繰り返し通過(進入)させて第2特図を用いた特図ゲームを繰り返し実行するか、第2始動入賞口に遊技球を通過(進入)させずに第1特図を用いた特図ゲームを実行するかを、自己の技量により選択することができる。そのため、可変表示結果が「大当り」となり大当り遊技状態へと制御されるタイミングが、遊技者の技量によって大きく変化させられるおそれがある。
そこで、時短制御に伴う高開放制御が行われる高ベース中には、第1始動入賞の発生に基づく先読み予告の実行を制限する先読み制限条件を成立させる。これにより、第1特図を用いた特図ゲームに対応して可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを遊技者が認識できないようにして、健全な遊技性を確保することができる。遊技状態が大当り遊技状態であるときにも、その大当り遊技状態が終了した後には時短制御に伴う高開放制御が行われることから、同様に先読み制限条件を成立させる。
他の一例として、ステップS503の処理では、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンド)の順序と内容をチェックして、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、先読み演出を実行可能な状態ではないと判定してもよい。より具体的には、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第1特図保留記憶数が「1」であることを通知する第1保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶状態から特定される第1特図保留記憶数と、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS503にて先読み演出を実行可能であると判定された場合には(ステップS503;Yes)、先読み演出を実行するか否かという先読み演出の有無と、実行する場合における先読み演出の演出態様に対応したパターン(保留表示パターン)とを決定する(ステップS504)。一例として、ステップS504の処理では、先読み演出の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された先読み演出実行決定テーブルを選択してセットする。先読み演出実行決定テーブルでは、予告対象となる可変表示に対応する始動入賞の発生に基づいて送信された始動口入賞指定コマンドによる通知内容などに応じて、先読み演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、先読み演出を実行するか否かの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124やRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出制御用のランダムカウンタなどから抽出した先読み演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、先読み演出実行決定テーブルを参照することにより、先読み演出を実行するか否かを決定すればよい。
図19(A)は、ステップS504の処理における先読み演出の有無の決定例を示している。この決定例では、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)による始動入賞時の通知内容(入賞時判定結果の指定内容)が、「大当り判定あり(2R非確変)」、「大当り判定あり(2R非確変以外)」、「大当り判定なし」のいずれであるかに応じて、先読み演出の有無が決定される割合を異ならせている。例えば、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合には、「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合よりも高い割合で、先読み演出を実行することに決定される。こうした設定により、「保留表示」の先読み予告演出が実行されたときには、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が高くなる。
また、図19(A)に示す決定例では、先読み演出を実行するか否かの決定割合を、第2特図保留記憶数に応じて異ならせている。より具体的には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」または「大当り判定あり(2R非確変以外)」である場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定される割合が高くなる。一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定される割合が低くなる。こうした設定により、「保留表示」の先読み予告演出が実行されたときの第2特図保留記憶数が多い場合には、特図表示結果が「大当り」となる可能性が高くなる。
このような先読み演出を実行することに決定された場合には、保留表示パターンの決定が行われる。一例として、ステップS504の処理では、保留表示パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された保留表示パターン決定テーブルを選択してセットする。保留表示パターン決定テーブルでは、始動入賞時の通知内容などに応じて、保留表示パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、保留表示パターンの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124や演出制御用のランダムカウンタなどから抽出した保留表示パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、保留表示パターン決定テーブルを参照することにより、保留表示パターンを決定すればよい。
図19(B1)は、ステップS504の処理における保留表示パターンの決定例を示している。また、図19(B2)は、保留表示パターンの設定例を示している。この実施の形態では、複数の保留表示パターンとして、保留表示パターンHPAおよび保留表示パターンHPBが、予め用意されている。保留表示パターンHPAや保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出は、いずれも始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了する可能性を示唆する。保留表示パターンHPAと保留表示パターンHPBとでは、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に表示するキャラクタの種類を異ならせることなどにより、大当り種別が「2R非確変」となる可能性が異なることを示唆する。保留表示パターンHPAでは表示部位の変化態様が不利保留態様FH1となる一方で、保留表示パターンHPBでは表示部位の変化態様が不利保留態様FH2となる。なお、不利保留態様FH1と不利保留態様FH2とでキャラクタの種類を異ならせるものに限定されず、キャラクタの形状、模様もしくは色彩の一部または全部を異ならせることにより、大当り種別が「2R非確変」となる可能性が異なることを示唆できればよい。
保留表示パターンHPAと保留表示パターンHPBとでは、不利保留態様を通常時の表示態様に変更するための表示変更条件として、互いに異なる操作内容が予め設定されている。例えば保留表示パターンHPAでは、プッシュボタン31Bに対する連続した所定操作の回数(連打回数)が「10」に達したときに表示変更条件が成立する。一方、保留表示パターンHPBでは、プッシュボタン31Bに対する連打回数が「5」に達したときに表示変更条件が成立する。したがって、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位が不利保留態様FH1に変化した場合には、不利保留態様FH2に変化した場合よりも表示変更条件が成立しにくくなる。
図19(B1)に示す決定例では、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」、「大当り判定あり(2R非確変以外)」、「大当り判定なし」のいずれであるかに応じて、保留表示パターンの決定割合を異ならせている。例えば、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合には、保留表示パターンHPAに決定される割合が、保留表示パターンHPBに決定される割合よりも高くなる。一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合には、保留表示パターンHPAに決定される割合が、保留表示パターンHPBに決定される割合よりも低くなる。こうした設定により、保留表示パターンHPAに対応して不利保留態様FH1に変化した場合には、保留表示パターンHPBに対応して不利保留態様FH2に変化した場合よりも特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が高くなる。すなわち、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位が不利保留態様FH1に変化した場合には、大当り種別が「2R非確変」となって高確高ベース状態などにおける確変制御が終了する不利表示結果となる可能性が高くなる。また、不利保留態様FH1に変化した場合には、表示変更条件が成立しにくくなることから、不利表示結果となる可能性が高いときには、表示変更条件が成立しにくくなる。あるいは、表示変更条件が成立しにくいときには、不利表示結果となる可能性が高くなる。
始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」である場合には、保留表示パターンHPBに決定される割合が保留表示パターンHPAに決定される割合よりも十分に高くなる。したがって、保留表示パターンHPBに対応して不利保留態様FH2に変化した場合には、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」以外となる可能性が高くなる。このように、保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出は、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位に通常時とは異なるキャラクタを表示することにより、大当り種別が「2R非確変」以外、特に、高確高ベース状態では大当り種別が「16R確変」となって確変制御が再び行われる可能性を示唆することもできればよい。すなわち、保留表示パターンHPBに対応して始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様に変化させたときには、高確高ベース状態において大当り種別が「16R確変」となる可能性が高く、確変制御が再び行われることに対応した遊技者にとって有利な有利表示結果となる可能性を示唆する有利保留態様となるようにしてもよい。このように、「保留表示」の先読み予告演出では、始動入賞記憶表示エリア5Hの表示部位を、可変表示結果が遊技者にとって有利な有利表示結果となる可能性を示唆する有利保留態様に変化させることがあってもよい。
また、図19(B1)に示す決定例では、保留表示パターンの決定割合を、第2特図保留記憶数に応じて異ならせている部分がある。より具体的には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、保留表示パターンHPAに決定される割合が高くなる。一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、保留表示パターンHPAに決定される割合が低くなる。こうした設定により、保留表示パターンHPAによる「保留表示」の先読み予告演出が実行されたときの第2特図保留記憶数が多い場合には、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が高くなる。
図18に示すステップS504の処理による決定に基づいて、先読み演出を実行しない「演出実行なし」であるか否かを判定する(ステップS505)。このとき、先読み演出を実行する「演出実行あり」と判定された場合には(ステップS505;No)、操作検出情報の初期設定を行う(ステップS506)。例えばステップS506の処理では、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)において、プッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する操作の検出結果を特定可能とする操作検出情報の格納領域を初期化して、操作回数(連打回数)などを示す各種データを記憶可能に設定する。
ステップS506の処理に続いて、ステップS504の処理により決定された保留表示パターンに対応する表示変更条件を設定する(ステップS507)。例えば保留表示パターンHPAに決定された場合には、表示変更条件として、プッシュボタン31Bに対する連打回数を「10」に設定する。一方、保留表示パターンHPBに決定された場合には、表示変更条件として、プッシュボタン31Bに対する連打回数を「5」に設定する。これにより、保留表示パターン(それに対応する不利保留態様)に応じて異なる表示変更条件を設定することができる。
ステップS507の処理を実行したときには、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた操作有効フラグをオン状態にセットする(ステップS508)。続いて、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を、保留表示パターンに応じた不利保留態様で1つ増加させることで、不利保留表示を開始させる制御を行ってから(ステップS509)、先読み演出決定処理を終了する。
ステップS502にて先読み演出中であると判定された場合や(ステップS502;Yes)、ステップS503にて先読み演出が実行可能ではないと判定された場合(ステップS503;No)、ステップS505にて先読み演出を実行しない「演出実行なし」であると判定された場合には(ステップS505;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を通常時の表示態様で1つ増加させることで、通常保留表示を更新する制御を行ってから(ステップS510)、先読み演出決定処理を終了する。
ステップS509、S510の処理により保留表示を1つ増加させるときには、増加させた保留表示の状態を特定可能に記憶させてもよい。一例として、第2特図保留記憶数が1つ増加することに伴い、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を1つ増加させるときには、図19(C)に示すような第2特図用の保留表示状態バッファにおいて、第2特図の保留表示番号と対応する格納領域に、保留表示の状態が通常保留表示であるか不利保留表示であるかを特定可能に示すデータを記憶させればよい。第2特図の保留表示番号は、第2特図保留記憶数に対応している。第1特図保留記憶数が1つ増加するときにも、同様に構成された保留表示状態バッファにおいて、第1特図の保留表示番号と対応する格納領域に保留表示の状態を示すデータが記憶されればよい。第1特図の保留表示番号は、第1特図保留記憶数に対応している。
図19(C)に示す保留表示状態バッファでは、第2特図の保留表示番号が「1」および「2」に対応する格納領域に、通常保留表示が行われていることを示すデータが記憶され、第2特図の保留表示番号が「3」に対応する格納領域に、不利保留表示が行われていることを示すデータが記憶されている。すなわち、第2特図保留記憶数が「3」であるときに、第2特図の保留表示番号が「1」および「2」に対応する表示部位は通常時の表示態様で保留表示が行われる一方で、第2特図の保留表示番号が「3」に対応する表示部位は不利保留態様で保留表示が行われていることを示している。演出制御用CPU120は、このような保留表示状態バッファの記憶データを読み取ることにより、不利保留表示が行われているか否かや、不利保留表示が行われている表示部位(保留表示番号)を特定することができればよい。
図18に示す先読み演出決定処理では、ステップS502の処理により先読み演出中であると判定されたときに、ステップS504の処理やステップS509の処理を実行せずに、ステップS510の処理が行われ、通常保留表示を1つ増加させるように始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示が更新される。したがって、「保留表示」の先読み予告演出により始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常時とは異なる保留表示の表示態様に変化させた後に、その保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、通常時とは異なる保留表示の表示態様に変化させることを制限する。これにより、通常時とは異なる保留表示の変化が複数の表示部位で行われることを防止するとともに、複数の表示変更条件が設定されることを防止して、いずれの表示変更条件が成立して保留表示の表示態様が変更されるかが認識しづらくなることによる遊技者の混乱を解消して、遊技の興趣を向上させることができる。
一例として、ステップS504の処理で保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様(有利保留態様)に変化させることで有利表示結果となる可能性が示唆された後に、その有利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、保留表示パターンHPAにより不利保留態様に変化させることで不利表示結果となる可能性が示唆されることを制限する。
ある表示部位における保留表示の表示態様が有利保留態様に変化して有利表示結果となる可能性が示唆された後に、新たな始動入賞の発生に基づいて別の表示部位における保留表示の表示態様が不利保留態様に変化して不利表示結果となる可能性が示唆されてしまうと、例えば高確高ベース状態といった遊技者にとって有利な遊技状態が短期間で終了する印象を与えてしまい、遊技の興趣が低下するおそれがある。そこで、有利保留態様に変化して有利表示結果となる可能性が示唆された後には、その有利保留態様に変化した保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様が不利保留態様に変化して不利表示結果となる可能性が示唆されることを制限し、有利な遊技状態が短期間で終了する印象を与えないようにすればよい。
他の一例として、ステップS504の処理で保留表示パターンHPAによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様(不利保留態様)に変化させることで不利表示結果となる可能性が示唆された後に、その不利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、保留表示パターンHPBにより有利保留態様に変化させることで有利表示結果となる可能性が示唆されることを制限する。
ある表示部位における保留表示の表示態様が不利保留態様に変化して不利表示結果となる可能性が示唆された後には、新たな始動入賞の発生に基づいて別の表示部位における保留表示の表示態様が有利保留態様に変化して有利表示結果となる可能性が示唆されても、有利表示結果となるより前に不利表示結果となって高確高ベース状態における確変制御が終了してしまうことで、有利表示結果となる可能性も失われる印象を遊技者に与えてしまい、遊技の興趣が低下するおそれがある。そこで、不利保留態様に変化して不利表示結果となる可能性が示唆された後には、その不利保留態様に変化した保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様が有利保留態様に変化して有利表示結果となる可能性が示唆されることを制限し、有利表示結果となる可能性が失われる印象を与えないようにすればよい。
図20は、先読み演出制御処理として、図17のステップS162にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す先読み演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、操作有効フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS521)。このとき、操作有効フラグがオフであれば(ステップS521;No)、先読み演出制御処理を終了する。
ステップS521にて操作有効フラグがオンであるときには(ステップS521;Yes)、例えばプッシュボタン31Bに対する押下操作といった、遊技者による所定の操作が検出される操作検出ありか否かを判定する(ステップS522)。このとき、操作検出なしと判定された場合には(ステップS522;No)、先読み演出制御処理を終了する。一方、操作検出ありと判定された場合には(ステップS522;Yes)、例えば操作回数を1加算するように、操作検出情報を更新する(ステップS523)。そして、更新後の操作検出情報に基づいて、表示変更条件が成立したか否かを判定する(ステップS524)。
ステップS524にて表示変更条件が成立していない場合には(ステップS524;No)、先読み演出制御処理を終了する。一方、表示変更条件が成立した場合には(ステップS524;Yes)、始動入賞記憶表示エリア5Hにて不利保留表示となっている表示部位を通常保留表示へと変更する制御を行う(ステップS525)。例えば演出制御用CPU120は、表示制御部123に対して所定の表示制御指令を送ることで、不利保留態様の保留表示を通常時における保留表示へと変更させる。このように、遊技者による操作に基づいて表示変更条件が成立したことにより、「保留表示」の先読み予告演出において不利保留態様に変化させた表示部位は、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する通常時の表示態様へと変更される。このときには、操作有効フラグをクリアしてオフ状態としてから(ステップS526)、先読み演出制御処理を終了する。
始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」に対応して、図18に示すステップS504の処理により先読み演出を実行することに決定された場合には、予告対象となる可変表示において不利表示結果とはならないが、保留表示の表示態様が不利表示結果となる可能性を示唆する不利保留態様に変化する。その後、図20に示すステップS524の処理により表示変更条件が成立したと判定されたときには、ステップS525の処理により不利保留態様の保留表示を通常時における保留表示へと変更させる。
図18に示すステップS504の処理では図19(A)に示すような割合で先読み演出の有無が決定されることから、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合に、保留表示の表示態様を不利保留態様に変化させる割合は、第2特図保留記憶数に応じて異なることになる。これにより、特図ゲームの保留記憶数に応じて、保留表示が不利保留態様に変化しても不利表示結果とならずに有利な遊技状態が継続する期待感に変化を生じさせることができる。
図18に示すステップS504の処理では図19(B1)に示すような割合で保留表示パターンが決定され、この決定結果に対応した表示変更条件がステップS507の処理により設定される。そのため、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合に、不利保留態様に変化した保留表示を通常時の表示態様に変化させるための表示変更条件は、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で複数種類の条件のうちから選択されることになる。これにより、特図ゲームの保留記憶数に応じて、不利保留態様に変化した保留表示が通常時の表示態様に変更される難易度に変化を生じさせるとともに、不利保留態様に変化しても不利表示結果とならずに有利な遊技状態が継続する期待感に変化を生じさせることができる。
図17に示すステップS162にて先読み演出制御処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが小当り遊技状態の開始を指定するものであること、または、当り開始指定コマンドが「2R非確変」の大当り種別における大当り遊技状態の開始を指定するものであることに対応して、演出プロセスフラグの値をアタッカー短期開放時処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信したときに、その当り開始指定コマンドが「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかの大当り種別における大当り遊技状態の開始を指定するものであれば、演出プロセスフラグの値をアタッカー通常開放時処理に対応した値である“5”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174のアタッカー短期開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。このアタッカー短期開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り種別が「2R非確変」に対応した大当り遊技状態や小当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が比較的に短い時間だけ開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー短期開放時処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、パチンコ遊技機1における演出状態を確変潜伏モードとする設定などを行って、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS175のアタッカー通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このアタッカー通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「16R確変」や「13R確変」、「13R非確変」のいずれかの大当り種別における大当り遊技状態での演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、アタッカーとしての大入賞口扉が比較的に長い時間まで開放状態となる所定期間における各種の演出動作を制御する。アタッカー通常開放時処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“6”に更新する。
ステップS176のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。
図21は、可変表示開始待ち処理として、図17のステップS170にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、まず、主基板11から伝送される変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)の受信があったか否かを判定する(ステップS541)。そして、変動開始コマンドの受信があった場合には(ステップS541;Yes)、第2変動開始コマンドの受信に対応した第2特図の変動が開始されるか否かを判定する(ステップS542)。第2特図の変動が開始されるときには(ステップS542;Yes)、例えば図19(C)に示すような第2特図用の保留表示状態バッファにおいて、第2特図の保留表示番号が「1」に対応する表示部位の状態をチェックする(ステップS543)。このときチェックされる表示部位は、第2変動開始コマンドの受信に対応して開始される今回の可変表示に対応した保留表示が行われている表示部位である。
ステップS543の処理に続いて、表示状態のチェック結果が「保留表示」の先読み予告演出による不利保留表示であるか否かを判定する(ステップS544)。このとき不利保留表示であると判定された場合には(ステップS544;Yes)、特定演出として予め定められた演出動作を実行するための設定を行い(ステップS545)、操作有効フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS546)。一例として、ステップS545の処理では、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドで通知された可変表示結果などに基づいて、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となるか否かを判定する。この判定結果に応じて、特定演出における演出態様(特定演出パターン)を、予め用意された複数態様(複数の特定演出パターン)のいずれかに決定してもよい。このように、大当り種別が「2R非確変」となるか否かに応じて特定演出における演出態様を異ならせることにより、大当り種別が「2R非確変」となるか否かを報知できるようにしてもよい。
また、ステップS545の処理では、大当り種別が「2R非確変」となるか否かの判定結果に応じて異なる割合で、特定演出における演出態様(特定演出パターン)を複数態様(複数の特定演出パターン)のいずれかに決定してもよい。このように、大当り種別が「2R非確変」となるか否かに応じて異なる割合で特定演出における演出態様が決定されることにより、大当り種別が「2R非確変」となる可能性を示唆する特定演出が実行されるようにしてもよい。
ステップS545の処理により決定された特定演出パターンに対応して、図17に示すステップS171の可変表示開始設定処理では、予め用意された演出制御パターンのいずれかを選択して、使用パターンに設定すればよい。こうして、不利保留表示が通常保留表示に変更されないまま、その不利保留表示が行われた保留記憶情報に基づく特図ゲームが実行されたときには、特定演出となる所定の演出動作が行われることになる。
ステップS542にて第2特図の変動が開始されないと判定された場合や(ステップS542;No)、ステップS544にて通常保留表示であると判定された場合(ステップS544;No)、あるいは、ステップS546の処理を実行した後には、変動が開始される第1特図または第2特図に対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示を1つ消去するとともに、残された保留表示をシフトさせる制御を行う(ステップS547)。例えば第1特図の変動が開始されるときには、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて第1特図保留記憶数を示す表示部位のうち1つの表示部位(保留表示番号が「1」に対応する表示部位)を消去して、他の表示部位(保留表示番号が「2」〜「4」に対応する表示部位)における保留表示が消去された表示部位の方へと1つずつ移動するようにシフトさせる。第2特図の変動が開始されるときにも、同様に1つの表示部位を消去して、他の表示部位における保留表示が消去された表示部位の方へと1つずつ移動するようにシフトさせる。また、ステップS547の処理では、変動が開始される第1特図または第2特図に対応して、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aまたは第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにて保留表示番号ごとに格納されているコマンドの削除やシフトと、保留表示状態バッファにて保留表示番号ごとに格納されているデータの削除やシフトとが、行われるようにしてもよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示開始設定処理に対応した値である“1”に更新してから(ステップS548)、可変表示開始待ち処理を終了する。
ステップS541にて変動開始コマンドの受信がなかった場合には(ステップS541;No)、飾り図柄の可変表示が停止している図柄停止中における演出制御を行ってから(ステップS549)、可変表示開始待ち処理を終了する。ステップS549の処理では、例えば演出制御用CPU120が所定の表示制御指令を表示制御部123へと伝送することで、画像表示装置5にてデモンストレーション画面を構成する所定の演出画像を表示させればよい。
図22は、可変表示中演出処理として、図17のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS561)。一例として、ステップS561の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS561にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS561;No)、特定演出を実行するための特定演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS562)。特定演出実行期間は、例えば図17に示すステップS171の処理により特定演出パターンに対応して使用パターンに設定された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS562にて特定演出実行期間であるときには(ステップS562;Yes)、特定演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS563)。ステップS563の処理では、演出制御パターンから読み出した演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて特定演出を実行できればよい。
ステップS562にて特定演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS562;No)、ステップS563の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS564)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS564にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS564;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS565)。
ステップS564にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS564;No)、ステップS565の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS566)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS561にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS561;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS567)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS567;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS567にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS567;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS568)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS569)。その後、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS570)、可変表示中演出処理を終了する。
図23は、「保留表示」の先読み予告演出が開始された後に、表示変更条件が成立した場合の演出実行例を示している。
この場合、例えば図23(A)に示すように、高確高ベース状態であることを示す「確変中」の演出画像が表示されて飾り図柄の可変表示が行われているときに、第2特図保留記憶数が「2」に対応した保留表示が、始動入賞記憶表示エリア5Hにて行われているものとする。このとき、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を2個の遊技球が通過(進入)したとする。これにより、第2特図保留記憶数が「4」になる。そして、第2特図保留記憶数が「4」に対応した保留表示が行われるときに、図18に示すステップS504の処理により先読み演出を実行することに決定される。そして、ステップS509の処理により、例えば図23(B)に示すように、第2特図保留記憶数が「4」に対応する表示部位にて「×」の記号を示すキャラクタを表示させる。こうして、予告対象となる可変表示での表示結果が不利表示結果で高確高ベース状態における確変制御が終了する可能性を示唆する先読み演出が開始される。
先読み演出の開始に伴い、例えば図18に示すステップS508の処理により操作有効フラグがオン状態にセットされることで、プッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する遊技者による所定の指示操作(押下操作など)が有効に検出される操作有効期間となる。操作有効期間では、例えば図23(C1)に示すように、プッシュボタン31Bに内蔵された演出用ランプを点灯させることなどにより、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作を促すことができればよい。
操作有効フラグがオンであるときには、図20に示すステップS522の処理が実行され、プッシュボタン31Bに対する操作検出ありと判定されるごとに、ステップS523の処理により操作検出情報が更新される。例えば図23(C2)示すようなプッシュボタン31Bに対する連打操作が行われた場合には、その操作回数を示す操作検出情報が更新される。また、操作検出情報の更新に伴い、不利保留態様となっている表示部位におけるキャラクタ表示を変化させてもよい。例えば図23(D)に示すように、不利保留態様となっている第2特図保留記憶数が「4」に対応する表示部位では、プッシュボタン31Bに対する指示操作が検出されるごとに、「×」の記号が描かれたキャラクタの亀裂が増加するように演出画像の表示を変更する。
このときには、亀裂の増加態様によって、表示変更条件の成立しやすさが示唆されてもよい。一例として、保留表示パターンHPAでは保留表示パターンHPBよりもキャラクタの亀裂が増加しにくいように演出画像の表示を変更することで、表示変更条件が成立しにくく不利表示結果となる可能性が高いことを示唆できればよい。このように、保留表示パターンHPAに対応した不利保留態様FH1や保留表示パターンHPBに対応した不利保留態様FH2は、先読み演出の実行が開始されたときの表示態様を異ならせるものに限定されず、プッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作の検出に応じて変更される保留表示の表示態様を異ならせるものであってもよい。
図20に示すステップS524の処理により表示変更条件が成立したと判定されたときには、ステップS525の処理が実行されることにより、例えば図23(E)に示すような「×」の記号を示すキャラクタが割れて通常時における保留表示に戻るように演出画像の表示を変更する。こうして通常時における保留表示に戻ることで、予告対象となる可変表示における表示結果が不利表示結果となる可能性の示唆が終了すればよい。
図19(A)に示すような割合で先読み演出の有無が決定される場合には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」または「大当り判定あり(2R非確変以外)」であるときに、第2特図保留記憶数が多くなるに従って高い割合で先読み演出が実行される。そして、第2特図保留記憶数が多いときには、予告対象となる可変表示が開始されるまでの時間が長くなることから、先読み演出を実行可能な時間も長くなる。したがって、先読み演出が実行されることで可変表示結果が「大当り」となる期待感を長期間にわたって高めるとともに、大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了してしまう焦燥感を長期間にわたって高めることができる。
図19(B1)に示すような割合で保留表示パターンが決定される場合には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」であるときに、第2特図保留記憶数が多くなるに従って高い割合で保留表示パターンHPAに決定される。保留表示パターンHPAに対応した不利保留態様FH1は、保留表示パターンHPBに対応した不利保留態様FH2よりも不利表示結果となる可能性が高いことを示唆している。そして、第2特図保留記憶数が多いときには、予告対象となる可変表示が開始されるまでの時間が長くなることから、先読み演出を実行可能な時間も長くなる。したがって、保留表示パターンHPAによる先読み演出が実行されることで保留表示の表示態様を不利保留態様FH1に変化させて大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了してしまう焦燥感を長期間にわたって高めることができる。
これらのように、確変制御が終了してしまう焦燥感を高めることにより、遊技者は表示変更条件が成立するようにプッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を積極的に行うようになる。こうして、プッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を促進して、遊技者の参加意欲を高めることができる。
図24は、「保留表示」の先読み予告演出が開始された後に、表示変更条件が成立せずに予告対象となる可変表示が開始された場合の演出実行例を示している。
この場合、例えば図24(A)に示すように、高確高ベース状態であることを示す「確変中」の演出画像が表示されて飾り図柄の可変表示が行われているときに、第2特図保留記憶数が「2」に対応した保留表示において先読み演出が実行されたとする。そして、操作有効期間では、例えば図24(B1)に示すように、プッシュボタン31Bに内蔵された演出用ランプを点灯させることなどにより、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作を促すようにすればよい。その後、例えば図24(B2)に示すようなプッシュボタン31Bに対する連打操作が行われた場合には、操作回数を示す操作検出情報が更新されるとともに、例えば図24(C)に示すような「×」の記号が描かれたキャラクタの亀裂が増加するように演出画像の表示を変更する。
この演出実行例では、図20に示すステップS524の処理により表示変更条件が成立したと判定されるより前に、予告対象となる可変表示が開始される。このときには、図21に示すステップS544の処理にて不利保留表示であると判定されたことに基づいて、ステップS545の処理が実行されることにより、例えば図24(D)に示すような敵のキャラクタCH1と対戦(バトル)を行い、最終的に自分のキャラクタが勝利するか否かに応じて、不利表示結果となるか否かを遊技者が認識可能に報知する特定演出(いわゆるバトル演出)が実行される。このように、特定演出は、演出結果に応じて可変表示の表示結果が不利表示結果となるか否かを報知する表示結果報知演出であればよい。したがって、特定演出が実行されることにより、遊技者にとって有利な遊技状態が終了する焦燥感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図19(B1)に示すような割合で保留表示パターンが決定される場合には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」であるときに、保留表示パターンHPBよりも高い割合で保留表示パターンHPAに決定される。そして、図19(B2)に示すように、保留表示パターンHPAでは連打回数が「10」に達したときに表示変更条件が成立するので、連打回数が「5」に達したときに表示変更条件が成立する保留表示パターンHPBよりも、表示変更条件が成立しにくくなる。特定演出は、表示変更条件が成立せずに予告対象となる可変表示が開始された場合に、その可変表示に対応して実行される。したがって、保留表示パターンHPAによる先読み演出が実行された場合には、保留表示パターンHPBによる先読み演出が実行された場合よりも高い割合で特定演出が実行されて、不利表示結果となることが報知されやすくなる。こうして、特定演出が実行されたときには不利表示結果となることが報知されやすくすれば、遊技者は表示変更条件が成立するようにプッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を積極的に行うようになる。こうして、プッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を促進して、遊技者の参加意欲を高めることができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、先読み演出を実行するか否かを、図19(A)に示すような第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で決定するとともに、保留表示パターンに対応した表示変更条件を、図19(B1)に示すような第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で先読み演出を実行するか否かを決定するための構成と、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で表示変更条件を決定するための構成とのうち、いずれか一方のみを備えるものであってもよい。
上記実施の形態において、図18に示されたステップS502の処理により先読み演出中であると判定した場合には、その演出態様(保留表示の表示態様)にかかわらず、ステップS504の処理やステップS509の処理が実行されないようにすることで、保留表示の表示態様を通常時とは異なる表示態様に変化させることを制限するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、保留表示の表示態様に応じて、通常時とは異なる保留表示の変化を制限する場合と制限しない場合とが設けられてもよい。
一例として、保留表示パターンHPAにより保留表示の表示態様を変化させる場合と、保留表示パターンHPBにより保留表示の表示態様を変化させる場合とのうち、保留表示パターンHPAによる変化は制限する一方で、保留表示パターンHPBによる変化は制限しないように設定してもよい。図19(B1)に示された決定例では、保留表示パターンHPBにより不利保留態様FH2に変化させる場合には、保留表示パターンHPAにより不利保留態様FH1に変化させる場合よりも大当り種別が「2R非確変」の不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する。このように、不利表示結果となる可能性が高いことを示唆する不利保留態様FH1と、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する不利保留態様FH2とがある場合に、「保留表示」の先読み予告演出により始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常時とは異なる保留表示の表示態様に変化させた後に、その保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、不利保留態様FH1に変化させることを制限してもよい。
このような制限を行うために、先読み演出決定処理では、ステップS502の処理により先読み演出中であると判定されたか否かにかかわらず、ステップS504の処理により先読み演出の有無と保留表示パターンを決定する。このとき、保留表示パターンHPAに決定された場合に限り、既に先読み演出中であるか否かの判定を行い、先読み演出中であれば保留表示パターンHPAにより不利保留態様FH1へと変化させないように制限して、ステップS510の処理に進むようにすればよい。
また、先読み演出中であるか否かの判定に代えて、保留表示パターンHPBによる先読み予告演出の実行中であるか否かの判定が行われるようにしてもよい。すなわち、既に保留表示パターンHPBによる先読み演出中であると判定されたときに、保留表示パターンHPAにより不利保留態様FH1へと変化させないように制限して、ステップS510の処理に進むようにしてもよい。このように、保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様(有利保留態様)に変化させることで有利表示結果となる可能性が示唆された後に、その有利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、保留表示パターンHPAにより不利保留態様FH1に変化させて不利表示結果となる可能性が高いことを示唆しないように制限してもよい。一方、保留表示パターンHPBにより不利保留態様FH2に変化させて不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する保留表示には制限を設けないようにして、保留表示の表示態様が通常時とは異なる表示態様に変化する機会を増加させて、遊技の興趣を向上させるようにしてもよい。あるいは、有利表示結果となる可能性を示唆する有利保留態様に変化させることは制限されないので、保留表示の表示態様により遊技者にとって有利な有利表示結果となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、保留表示の表示態様によっては、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、通常時とは異なる表示態様に変化させる割合が高くなる場合があるようにしてもよい。例えばステップS502の処理では保留表示パターンHPBによる先読み演出中であるか否かを判定する。そして、保留表示パターンHPBによる先読み演出中であると判定された場合には、このような先読み演出中ではないと判定された場合よりも高い割合で、さらに保留表示パターンHPBによる先読み演出を実行すると決定されるように、保留表示パターン決定テーブルにおける決定値などが設定されてもよい。特に、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」である場合には、保留表示パターンHPBによる先読み演出中であると判定された場合に、さらに保留表示パターンHPBによる先読み演出が実行されやすいように設定する。このように、保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様(有利保留態様)に変化させることで有利表示結果となる可能性が示唆された後に、その有利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、さらに保留表示パターンHPBにより有利保留態様に変化しやすくする。これにより、遊技者にとって有利な有利表示結果となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態において、図18に示されたステップS502の処理により先読み演出中であると判定された場合には、ステップS504の処理やステップS509の処理を実行禁止にすることで、さらなる先読み演出の実行を禁止して、保留表示の表示態様を通常時とは異なる表示態様に変化させることを制限するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば先読み演出中であるときには、先読み演出が実行されていないときよりも低い割合で、保留表示の表示態様を通常時とは異なる表示態様に変化させるように制限を設けてもよい。この場合には、例えば図18に示されたステップS502の処理を実行した後にステップS504の処理を実行し、ステップS502の処理による判定結果に応じて異なる先読み演出実行決定テーブルを選択することで、先読み演出中であると判定されたときには先読み演出中ではないと判定されたときよりも低い割合で、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定されるようにすればよい。あるいは、ステップS502の処理による判定結果に応じて異なる保留表示パターン決定テーブルを選択することで、先読み演出中であると判定されたときには先読み演出中ではないと判定されたときよりも低い割合で、特定の保留表示パターンによる先読み予告を実行することに決定されるようにしてもよい。
一例として、ステップS504の処理で保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様(有利保留態様)に変化させることで有利表示結果となる可能性が示唆された後に、その有利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまでは、新たな始動入賞の発生に対応して、保留表示パターンHPAによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定される割合が低くなるようにしてもよい。これにより、有利保留態様に変化した保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、新たな保留記憶情報に対応する保留表示が不利保留態様に変化して不利表示結果となる可能性が示唆される確率を低下させ、有利な遊技状態が短期間で終了する印象を与えにくくすることができる。
他の一例として、ステップS504の処理で保留表示パターンHPAによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定され、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を通常とは異なる保留表示の表示態様(不利保留態様)に変化させることで不利表示結果となる可能性が示唆された後に、その不利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまでは、新たな始動入賞の発生に対応して、保留表示パターンHPBによる「保留表示」の先読み予告演出を実行することに決定される割合が低くなるようにしてもよい。これにより、不利保留態様に変化した保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、新たな保留記憶情報に対応する保留表示が有利保留態様に変化して有利表示結果となる可能性が示唆される確率を低下させ、有利表示結果となる可能性が失われる印象を与えにくくすることができる。
あるいは、先読み演出中でさらに先読み演出が実行される場合には、先読み演出中ではないときと比べて遊技者が通常時と識別困難な表示態様となるように、さらなる先読み演出の実行に制限を設けてもよい。例えば、保留表示を通常時の表示態様に変化させた上で、先読み演出にて表示されるキャラクタなどの演出画像における透明度を高めた半透明表示またはキャラクタの大きさを縮小した縮小表示などを通常時の保留表示に重畳して行うようにしてもよい。このように、保留表示の表示態様を変化させることに制限を設けるとは、所定の表示態様に変化させることを禁止する場合の他に、実行割合を低下させる場合や、遊技者が認識困難または認識不可能な表示態様に変化させる場合などを含む概念であればよい。
上記実施の形態で図19(A)に示された決定例では、「保留表示」の先読み予告演出が実行されたときに特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が高くなるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、始動入賞時の通知内容や第2特図保留記憶数などに応じた任意の割合で、「保留表示」の先読み予告演出を実行するか否かが決定されるものであればよい。
例えば上記実施の形態では、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」または「大当り判定あり(2R非確変以外)」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定される割合が高くなる一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定される割合が低くなるものとして説明した。これに対して、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定される割合が低くなる一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、先読み演出を実行する「演出実行あり」に決定される割合が高くなるように設定されてもよい。このようにしても、特図ゲームの保留記憶数に応じて、保留表示が不利保留態様に変化しても不利表示結果とならずに有利な遊技状態が継続する期待感に変化を生じさせることができる。このような設定では、大当り種別が「2R非確変」となる場合に先読み演出を実行可能な時間が短くなりやすく、大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了してしまう焦燥感を飛躍的に高めるように、演出に減り張りを持たせることができる。また、大当り種別が「2R非確変」となる場合に表示変更条件を成立させにくくなり、不利保留態様に変化した保留表示が変更されずに特定演出が実行される機会を増加させて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態で図19(B1)に示された決定例では、保留表示パターンHPAに対応して保留表示が不利保留態様FH1に変化した場合には、保留表示パターンHPBに対応して保留表示が不利保留態様FH2に変化した場合よりも特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が高くなるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、始動入賞時の通知内容や第2特図保留記憶数などに応じた任意の割合で、保留表示パターンが予め用意された複数パターンのいずれかに決定されるものであればよい。
例えば上記実施の形態では、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、保留表示パターンHPAに決定される割合が高くなる一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、保留表示パターンHPAに決定される割合が低くなるものとして説明した。これに対して、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、保留表示パターンHPAに決定される割合が低くなる一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」でる場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、保留表示パターンHPAに決定される割合が高くなるように設定されてもよい。このようにしても、特図ゲームの保留記憶数に応じて、不利保留態様に変化した保留表示が通常時の表示態様に変更される難易度に変化を生じさせるとともに、不利保留態様に変化しても不利表示結果とならずに有利な遊技状態が継続する期待感に変化を生じさせることができる。このような設定では、大当り種別が「2R非確変」となることに対応して不利保留態様FH1に変化させる先読み演出を実行可能な時間が短くなりやすく、大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了してしまう焦燥感を飛躍的に高めるように、演出に減り張りを持たせることができる。また、大当り種別が「2R非確変」となる場合に表示変更条件を成立させにくくなり、不利保留態様FH1に変化した保留表示が変更されずに特定演出が実行される機会を増加させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図19(C)に示された保留表示パターンの設定例では、複数の保留表示パターンに対応して表示変更条件が予め定められているものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、保留表示パターンとは別個に、表示変更条件が決定されるようにしてもよい。一例として、保留表示パターンに対応した不利保留態様は、第2特図保留記憶数にかかわらず、始動入賞時の通知内容に応じて異なる割合で決定される一方、表示変更条件は、始動入賞時の通知内容とともに、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で決定されるようにしてもよい。より具体的には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、表示変更条件として操作内容が複雑なものや操作回数が多いものに決定される割合が高くなるように設定してもよい。一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、表示変更条件として操作内容が複雑なものや操作回数(連打回数など)が多いものに決定される割合が低くなるように設定してもよい。こうした設定により、表示変更条件として操作内容が複雑なものや操作回数が多いものが設定されたときの第2特図保留記憶数が多い場合には、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が高くなる。
あるいは、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、表示変更条件として操作内容が複雑なものや操作回数が多いものに決定される割合が低くなるように設定してもよい。一方、始動入賞時の通知内容が「大当り判定なし」である場合に、第2特図保留記憶数が多くなるに従って、表示変更条件として操作内容が複雑なものや操作回数が多いものに決定される割合が高くなるように設定してもよい。こうした設定により、表示変更条件として操作内容が複雑なものや操作回数が多いものが設定されたときの第2特図保留記憶数が多い場合には、特図表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可能性が低くなる。
表示変更条件は、図19(C)に示された「ボタン連打10回」や「ボタン連打5回」のように、可変表示が開始されるまでに成立可能なものに限定されず、可変表示が開始されるまでに成立不可能となる場合を含んでいてもよい。そして、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合には、「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合よりも高い割合で、表示変更条件が成立不可能に決定されてもよい。また、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」である場合には、常に表示変更条件が成立不可能に決定される一方で、「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合には、他の表示変更条件よりも低い割合で、表示変更条件が成立不可能に決定されてもよい。始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合には、表示変更条件が成立不可能に決定されることがないように設定してもよい。こうして、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可変表示に対応する保留表示が不利表示態様に変化した場合には、表示変更条件を成立不可能として表示態様を変更しない一方で、大当り種別が「2R非確変」とならない所定結果の可変表示に対応する保留表示が不利表示態様に変化した場合には、表示変更条件が成立したときに、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する表示態様へと変更してもよい。これにより、遊技者にとって有利な遊技状態が継続する期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、表示変更条件は、例えばプッシュボタン31Bのような操作手段に対する遊技者の操作が検出されたことに基づいて成立し得るものに限定されず、例えば図21に示されたステップS547の処理により保留表示がシフトされたときに成立し得るものであってもよい。この場合、ステップS547の処理では、シフトさせた保留表示のうちに不利保留表示があるか否かを、保留表示状態バッファの記憶データなどを用いて判定する。そして、不利保留表示があると判定されたときには、所定割合で表示変更条件を成立させるか否かを決定する。このとき、表示変更条件を成立させるか否かの決定割合は、複数種類の保留表示パターンに応じて異なるように設定されてもよい。表示変更条件を成立させると決定した場合には、条件成立フラグをオン状態にセットすればよい。図20に示された先読み演出制御処理では、ステップS521〜S523の処理を実行せずにステップS524の処理を実行して、条件成立フラグがオンであれば表示変更条件が成立したと判定すればよい。
表示変更条件を成立させるか否かの判定は、保留表示番号が「1」に対応する表示部位が不利保留表示となったときに行われ、保留表示番号が「1」以外に対応する表示部位が不利保留表示となっているときには行われないようにしてもよい。あるいは、ステップS547の処理にて不利保留表示があると判定されるごとに、表示変更条件を成立させるか否かの判定が行われるようにしてもよい。そして、保留表示番号が「1」に対応する表示部位が不利保留表示となったときには、保留表示番号が「1」以外に対応する表示部位が不利保留表示となっているときよりも高い割合で、表示変更条件を成立させることに決定されてもよい。
表示変更条件は、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作回数(連打回数)に応じて成立するものに限定されず、例えばプッシュボタン31Bに対する所定の指示操作(押下操作など)が継続して行われた操作時間(長押し時間)に応じて成立するものであってもよい。あるいは、プッシュボタン31Bの他に、スティックコントローラ31Aに対する所定の指示操作(操作桿の傾倒操作やトリガボタンの押引操作など)に応じて、一部または全部の表示変更条件が成立するように設定されてもよい。
こうした遊技者による指示入力を検出するための構成は、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを用いたものに限定されず、例えばタッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものを用いてもよい。また、例えば赤外線センサや超音波センサ、CCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の指示入力行為を検出できるセンサを用いてもよい。所定のカメラを用いて遊技者の手などを撮影した結果を解析(ビデオ式モーションキャプチャ)して、遊技者による指示入力を検出できるようにしてもよい。すなわち、遊技者による指示入力を検出するための構成は、遊技者による所定の指示入力行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できる任意の構成であればよい。
保留表示の表示態様を通常時とは異なる表示態様(不利保留態様または有利保留態様)に変化させた後、表示変更条件が成立したときには、通常時の表示態様に変更するものに限定されず、さらに通常時とは異なる所定態様に変更するものであってもよい。一例として、保留表示パターンHPBにより不利保留態様FH2に変化させた後、表示変更条件が成立したときには、予告対象となる可変表示において有利表示結果となる可能性が高いことを示唆する有利保留態様に変更するようにしてもよい。また、例えば始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」である場合に、先読み演出を実行すると決定されたことにより保留表示を不利保留態様に変化させた後、表示変更条件が成立したときには、不利保留態様の保留表示を有利保留態様へと変更してもよい。あるいは、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」である場合に、保留表示を不利保留態様に変化させたときには、その他の通知内容である場合に保留表示を不利保留態様に変化させたときよりも高い割合で、表示変更条件の成立により保留表示が有利保留態様に変更されるように、保留表示パターンの決定などが行われるようにしてもよい。このように、表示変更条件が成立したときに保留表示を有利保留態様に変更することで、遊技者にとって有利な有利表示結果となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
先読み演出として「保留表示」の先読み予告演出が実行されるものに限定されず、予告対象となる可変表示が開始される以前に任意の演出が実行可能なものであってもよい。一例として、飾り図柄の可変表示中に所定のキャラクタを示す演出画像を表示することにより、予告対象となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となる可能性などを示唆する「キャラクタ表示」の先読み予告演出が実行されてもよい。この場合、「保留表示」の先読み予告演出に代えて「キャラクタ表示」の先読み予告演出が実行されてもよいし、「保留表示」の先読み予告演出とともに「キャラクタ表示」の先読み予告演出が実行されてもよい。
図18に示されたステップS504の処理では、「キャラクタ表示」の先読み予告演出を実行するか否かが、上記実施の形態で図19(A)に示された「保留表示」の先読み予告演出の決定例と同様に、始動入賞時の通知内容や第2特図保留記憶数などに応じて異なる割合で決定されればよい。そして、先読み演出を実行すると決定されたときには、「キャラクタ表示」の先読み予告演出における演出態様に対応した予告演出パターンが、上記実施の形態で図19(B1)に示された保留表示パターンの決定例と同様に、始動入賞時の通知内容や第2特図保留記憶数などに応じて異なる割合で、予め用意された複数パターンのいずれかに決定されればよい。「キャラクタ表示」の先読み予告演出は、図18に示されたステップS509の処理と同様の開始制御が行われることにより、始動入賞が発生すると直ちに実行が開始されてもよいし、次回の可変表示に対応して実行が開始されてもよい。
「キャラクタ表示」の先読み予告演出では、まず、画像表示装置5の画面上に所定のキャラクタを示す演出画像が表示されて、高確高ベース状態であるときに大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了する可能性を示唆する。すなわち、「キャラクタ表示」の先読み予告演出では、画像表示装置5の画面上に所定のキャラクタを示す演出画像を表示させることで、飾り図柄の可変表示中などにおける演出態様を、遊技者にとって不利な不利表示結果となる可能性を示唆する不利示唆態様に変化させる。続いて、例えば予告対象となる可変表示が開始されるまでの期間といった所定期間にて、遊技者によるプッシュボタン31Bなどの操作を有効に検出する操作有効期間となる。そして、操作有効期間内に検出された操作に基づいて所定の演出変更条件が成立すると、例えばキャラクタを示す演出画像の表示が終了することなどにより、不利示唆態様となっている演出態様を、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する演出態様に変更する。演出変更条件は、上記実施の形態における表示変更条件と同様に、予告演出パターンの決定結果に応じて異なる操作内容で成立するように、予め定められていればよい。
図25は、「キャラクタ表示」の先読み予告演出が開始された後に、演出変更条件が成立した場合の演出実行例を示している。
この場合、例えば図25(A)に示すように、高確高ベース状態であることを示す「確変中」の演出画像が表示されて飾り図柄の可変表示が行われているときに、第2特図保留記憶数が「3」となる始動入賞の発生に基づいて「キャラクタ表示」の先読み予告演出を実行することに決定されたとする。このときには、図18に示されたステップS509と同様の処理により、敵のキャラクタCH1が出現するような演出画像の表示が行われる。その後、演出変更条件が成立するまでは、例えば図25(B)に示すように、キャラクタCH1を示す演出画像の表示が継続して行われる。なお、キャラクタCH1を示す演出画像は、演出変更条件が成立するまで継続して表示されるものに限定されず、例えば可変表示が終了する以前に画面外へと退出するような表示が行われ、演出変更条件が成立しなければ、次の可変表示が開始されたときに再び出現するように表示されてもよい。
こうした先読み演出の開始に伴い、図18に示されたステップS508と同様の処理により操作有効フラグがオン状態にセットされることで、プッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する遊技者による所定の指示操作(押下操作など)が有効に検出される操作有効期間となる。操作有効期間では、例えば図25(C1)に示すように、プッシュボタン31Bに内蔵された演出用ランプを点灯させることなどにより、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作を促すことができればよい。
操作有効フラグがオンであるときには、図20に示されたステップS522と同様の処理が実行され、プッシュボタン31Bに対する操作検出ありと判定されるごとに、ステップS523と同様の処理により操作検出情報が更新される。例えば図25(C2)示すようなプッシュボタン31Bに対する連打操作が行われた場合には、その操作回数を示す操作検出情報が更新される。また、操作検出情報の更新に伴い、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を変化させてもよい。その後、図20に示されたステップS524と同様の処理により演出変更条件が成立したと判定されたときには、ステップS525と同様の処理が実行されることにより、例えば図25(D)に示すようなキャラクタCH1が画面外に退出する演出画像の表示が行われて、「キャラクタ表示」の先読み予告演出が終了する。こうして通常時における演出態様に戻ることで、予告対象となる可変表示における表示結果が不利表示結果となる可能性の示唆が終了すればよい。
図19(A)に示された決定例と同様の割合で「キャラクタ表示」の先読み予告演出を実行するか否かが決定される場合には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」または「大当り判定あり(2R非確変以外)」であるときに、第2特図保留記憶数が多くなるに従って高い割合で先読み演出が実行される。そして、第2特図保留記憶数が多いときには、予告対象となる可変表示が開始されるまでの時間が長くなることから、先読み演出を実行可能な時間も長くなる。したがって、先読み演出が実行されることで可変表示結果が「大当り」となる期待感を長期間にわたって高めるとともに、大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了してしまう焦燥感を長期間にわたって高めることができる。
図19(B1)に示された決定例と同様の割合で予告演出パターンが決定される場合には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」であるときに、第2特図保留記憶数が多くなるに従って高い割合で不利表示結果となる可能性が高いことを示唆する予告演出パターンに決定される。そして、第2特図保留記憶数が多いときには、予告対象となる可変表示が開始されるまでの時間が長くなることから、先読み演出を実行可能な時間も長くなる。したがって、不利表示結果となる可能性が高いことを示唆する予告演出パターンによる先読み演出が実行されることで大当り種別が「2R非確変」となって確変制御が終了してしまう焦燥感を長期間にわたって高めることができる。
これらのように、確変制御が終了してしまう焦燥感を高めることにより、遊技者は表示変更条件が成立するようにプッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を積極的に行うようになる。こうして、プッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を促進して、遊技者の参加意欲を高めることができる。
図26は、「キャラクタ表示」の先読み予告演出が開始された後、演出変更条件が成立せずに予告対象となる可変表示が開始された場合の演出実行例を示している。
この場合、例えば図26(A)に示すように、高確高ベース状態であることを示す「確変中」の演出画像が表示されて飾り図柄の可変表示が行われているときに、第2特図保留記憶数が「2」となる始動入賞の発生に基づいて「キャラクタ表示」の先読み予告演出を実行することに決定されたとする。そして、演出変更条件が成立していないことから、例えば図26(B)に示すようにキャラクタCH1を示す演出画像の表示が継続して行われる。操作有効期間では、例えば図26(C1)に示すように、プッシュボタン31Bに内蔵された演出用ランプを点灯させることなどにより、プッシュボタン31Bに対する遊技者の指示操作を促すようにすればよい。その後、例えば図26(C2)に示すようなプッシュボタン31Bに対する連打操作が行われた場合には、操作回数を示す操作検出情報が更新される。このときには、キャラクタCH1を示す演出画像の表示態様を変化させてもよい。
この演出実行例では、図20に示されたステップS524と同様の処理により演出変更条件が成立したと判定されるよりも前に第2特図保留記憶数が「0」となり、図26(D)に示すような予告対象となる可変表示が開始される。このときには、図21に示されたステップS544と同様の処理にて不利示唆演出が実行されていると判定したことに基づいて、ステップS545と同様の処理が実行されることにより、例えば図26(E)に示すような特定演出(いわゆるバトル演出)が実行される。このように、演出変更条件が成立せずに予告対象となる可変表示が開始され、不利示唆態様の先読み演出が実行されていると判定されたときには、演出結果に応じて可変表示結果が不利表示結果となるか否かを報知する特定演出が実行されればよい。
図19(B1)に示された決定例と同様の割合で予告演出パターンが決定される場合には、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」であるときに、不利表示結果となる可能性が高いことを示唆する予告演出パターンに決定される。そして、図19(B2)に示された保留表示パターンの設定例と同様に、不利表示結果となる可能性が高いことを示唆する予告演出パターンでは、他の予告演出パターンよりも演出変更条件が成立しにくくなる。特定演出は、演出変更条件が成立せずに予告対象となる可変表示が開始された場合に、その可変表示に対応して実行される。したがって、不利表示結果となる可能性が高いことを示唆する予告演出パターンによる先読み演出が実行された場合には、高い割合で特定演出が実行されて不利表示結果となることが報知されやすくなる。こうして、特定演出が実行されたときには不利表示結果となることが報知されやすくすれば、遊技者は演出変更条件が成立するようにプッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を積極的に行うようになる。こうして、プッシュボタン31Bのような操作手段に対する操作を促進して、遊技者の参加意欲を高めることができる。
こうした「キャラクタ表示」の先読み予告演出が実行される場合にも、図18に示されたステップS502と同様の処理により先読み演出中であると判定されたときに、ステップS504やステップS509に相当する処理が実行されないようにする。したがって、「キャラクタ表示」の先読み予告演出が開始されて通常時とは異なる演出態様に変化させた後に、予告対象となる可変表示が開始されるまで、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過したことによる新たな始動入賞の発生に基づいて、さらに先読み演出が実行されて演出態様を変化させることを制限する。これにより、通常時とは異なる演出態様の重複を防止するとともに、複数の演出変更条件が設定されることを防止して、いずれの演出変更条件が成立して演出態様が変更されるかが認識しづらくなることによる遊技者の混乱を解消して、遊技の興趣を向上させることができる。
その他、上記実施の形態で説明した具体例や下位概念、適用可能な変形や応用などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、「キャラクタ表示」の先読み予告演出が実行される場合にも適用されてもよい。例えば演出変更条件が成立したときには、通常時の演出態様に変更するものに限定されず、さらに通常時とは異なる演出態様に変更するものであってもよい。一例として、始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」の通知内容に基づいて「キャラクタ表示」の先読み予告演出が開始された後、演出変更条件が成立したときには、予告対象となる可変表示において有利表示結果となる可能性が高いことを示唆する有利示唆態様に変更するようにしてもよい。このように、演出変更条件が成立したときに演出態様を有利示唆態様に変更することで、遊技者にとって有利な有利表示結果となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
また、「キャラクタ表示」の先読み予告演出は、普通図柄の変動表示の開始を契機として実行の有無や種類が決定される普図連動演出の一部として実行されてもよいし、このような普図連動演出とともに実行されてもよい。普図連動演出は、可変入賞球装置6Bが第2始動入賞口に遊技球が進入(通過)しやすい状態(例えば開放状態)に制御されるか否かを報知する演出である。普図連動演出では、例えば画像表示装置5の画面上に設けられた所定の表示領域(普図連動演出実行エリアなど)において、スロットあるいはルーレットの回転が開始されるような表示がなされる。そして、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる場合には、「○」を示す図柄が停止表示されることなどにより、第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)となることを、遊技者が認識可能に報知する。一方、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる場合には、「×」を示す図柄が停止表示されることなどにより、第2始動入賞口が開放状態(拡大開放状態)とはならないことを、遊技者が認識可能に報知する。普図連動演出では、こうした普通図柄の可変表示結果の他に、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる可能性などを示唆することがあってもよい。例えばスロットあるいはルーレットの回転が開始されるような表示が行われた後、「チャンス」の文字を表示することや、「激アツ」の文字を表示することにより、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」または「小当り」となる可能性があることを示唆できればよい。
このような普図連動演出において、例えばスロットあるいはルーレットの回転が開始されるような表示が行われた後、所定の表示領域(普図連動演出実行エリアなど)で「キャラクタ表示」の先読み予告演出におけるキャラクタCH1を示す演出画像を表示することなどにより、可変表示結果が「大当り」で大当り種別が「2R非確変」となる可変表示が保留記憶されて不利表示結果となる可能性があることを示唆してもよい。
こうした演出画像を表示することにより不利表示結果となる可能性を示唆する演出に代えて、あるいは、演出画像の表示による演出とともに、スピーカ8L、8Rからの効果音出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作、遊技領域の内部または外部に設けられた可動部材の動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含めた任意の演出装置における所定の演出動作により、不利表示結果となる可能性や有利表示結果となる可能性を示唆する任意の演出が実行されてもよい。この場合に、上記実施の形態などと同様に、演出を実行するか否かや、演出態様を複数対象のいずれとするかが、始動入賞時の通知内容や第2特図保留記憶数などに応じた所定割合で決定されるものであればよい。
高確高ベース状態などの高確状態における確変制御は、大当り種別が「2R非確変」に決定されたことに基づく大当り遊技状態に対応して終了するものに限定されず、例えば特図ゲームの開始条件が成立したことに基づいて、確変制御を終了させる確変転落の有無を所定割合で決定するための確変転落抽選が行われるものであってもよい。
この場合、例えば図9に示すステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後、ステップS239の処理を実行するより前に、確変転落判定処理を実行してもよい。確変転落判定処理では、確変制御が行われている確変制御中であるか否かを判定し、確変制御中ではないと判定された場合には、確変転落判定処理を終了する。一方、確変制御中であると判定された場合には、確変制御を終了させるという確変転落の有無を決定する。CPU103は、例えばROM101の所定領域に予め記憶するなどして用意された確変転落決定テーブルを選択し、確変転落の有無を決定するための使用テーブルに設定する。確変転落決定テーブルでは、確変転落決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定結果と、確変制御を終了させずに継続させる「確変転落なし」の決定結果とに、割り当てられていればよい。CPU103は、例えば乱数回路104あるいは所定のランダムカウンタ等によって更新される確変転落決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、確変転落決定テーブルを参照することにより、確変転落の有無を決定すればよい。
その後、CPU103は、確変転落の有無の決定結果が「確変転落あり」か否かを判定する。このとき、「確変転落なし」と判定された場合には、確変転落判定処理を終了する。これに対して、「確変転落あり」と判定された場合には、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変転落フラグをオン状態にセットしてから、確変転落判定処理を終了する。
図9に示すステップS239の処理では、確変転落フラグがオンである場合に、図10(A)に示す「確変制御なし」に対応した割合で、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定されてもよい。あるいは、確変転落フラグがオンである場合でも、図10(A)に示す「確変制御あり」に対応した割合で、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かが決定されてもよい。
このような確変転落抽選で用いられる確変転落決定用の乱数値は、図4に示されたステップS209の処理により、始動入賞時に遊技用乱数として抽出され、特図表示結果決定用の乱数値などとともに、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bにおける保留データとして記憶されればよい。そして、ステップS211の入賞時乱数値判定処理では、確変制御中であるときに抽出された確変転落決定用の乱数値に基づいて、「確変転落あり」に決定されるか否かを判定する。この判定結果に応じた通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定が行われればよい。このときには、「確変転落あり」に決定されるか否かの判定結果に対応したEXTデータをセットすることにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドが送信されるようにすればよい。図18に示されたステップS504の処理では、上記実施の形態における始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変)」の場合を、始動入賞時の通知内容が「確変転落あり」の場合に置き換えて、先読み演出の有無や保留表示パターンもしくは予告演出パターンの決定を行うようにすればよい。
あるいは、高確高ベース状態などの高確状態における確変制御は、大当り遊技状態の終了後における可変表示回数が所定回数(例えば「70」など)に達したことにより終了するものであってもよい。この場合、大当り遊技状態の終了後に所定回数の可変表示が実行される以前に、その可変表示が実行されるまでに再び可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御されるか否かを示唆する任意の演出が実行されてもよい。図18に示されたステップS504の処理では、例えば現在の可変表示回数と第2特図保留記憶数との加算値などから、確変制御が行われる最終の可変表示を実行するための始動入賞が発生したか否かを判定し、発生したと判定された場合には、最終の可変表示が実行されるまでに可変表示結果が「大当り」となることで再び確変制御が行われる有利表示結果となるか、可変表示結果が「大当り」とならずに確変制御が終了する不利表示結果となるかを示唆する先読み演出の有無や保留表示パターンもしくは予告演出パターンの決定を行うようにすればよい。
上記実施の形態では、高確高ベース状態などの高確状態において確変制御が行われている遊技状態を、遊技者にとって有利な遊技状態とし、大当り遊技状態の終了後に再び確変制御が行われる表示結果が有利表示結果であり、大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われない表示結果が不利表示結果であるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、遊技者にとって有利な任意の遊技状態に再び制御される表示結果を有利表示とする一方、その有利な遊技状態へと制御しない表示結果を不利表示結果としたものであればよい。遊技者にとって有利な遊技状態には、時短状態といった特別遊技状態の他にも、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)に決定される遊技状態、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、1つ目のコマンドとして、いわゆる擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
この発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
この発明は、パチンコ遊技機1の動作をシミュレーションするゲーム機などの装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示部位を保留表示パターンHPBにより有利保留態様の保留表示に変化させることで有利表示結果となる可能性が示唆された後に、その有利保留態様の保留表示に対応する可変表示が開始されるまで、新たな保留記憶情報に対応する保留表示の表示態様を、保留表示パターンHPAにより不利保留態様に変化させることで不利表示結果となる可能性が示唆されることを制限する。これにより、高確高ベース状態のような遊技者に有利な遊技状態が短期間で終了する印象を与えないようにして有利状態に対する期待感を高め、遊技の興趣を向上させることができる。
図18に示されたステップS504の処理などでは、例えば図19(A)に示された割合で先読み演出を実行するか否かが決定される。そして、例えば始動入賞時の通知内容が「大当り判定あり(2R非確変以外)」または「大当り判定なし」である場合のように、予告対象となる可変表示で不利表示結果とならない場合に、「保留表示」の先読み予告演出が実行されて保留表示を不利保留態様させた後には、図20に示されたステップS524の処理で表示変更条件が成立したと判定されたときに、通常時の表示態様に戻すことなどにより、不利表示結果となる可能性が低いことを示唆する表示態様に変更する。図19(A)に示された決定例では、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、先読み演出を実行するか否かが決定される。したがって、保留表示が不利保留態様に変化しても不利表示結果とならずに有利な遊技状態が継続する期待感を、特図ゲームの保留記憶数に応じて変化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
図18に示されたステップS504の処理などでは、例えば図19(B1)に示された割合で先読み演出を実行するか否かが決定される。図19(B1)に示された決定例では、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、保留表示パターンが複数パターンのいずれかに決定される。保留表示パターンは、図19(C)に示されたような表示変更条件と対応している。すなわち、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、不利保留態様を変更するための表示変更条件が複数の条件のいずれかに決定される。これにより、不利保留態様に変化した保留表示を、不利表示結果となる可能性が低い表示態様に変更する難易度は、特図ゲームの保留記憶数に応じて変化することになって、遊技の興趣を向上させることができる。
「キャラクタ表示」の先読み予告演出などが実行される場合にも、図19(A)に示された決定例と同様に、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、先読み演出を実行するか否かが決定される。したがって、「キャラクタ表示」の先読み予告演出が実行されて不利表示結果となる可能性が示唆されても不利表示結果とならずに有利な遊技状態が継続する期待感を、特図ゲームの保留記憶数に応じて変化させて、遊技の興趣を向上させることができる。
「キャラクタ表示」の先読み予告演出などが実行される場合にも、図19(B1)に示された決定例と同様に、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、予告演出パターンが複数パターンのいずれかに決定される。予告演出パターンは、図19(C)に示された設定例と同様に演出変更条件と対応している。すなわち、第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、不利示唆態様を変更するための演出変更条件が複数の条件のいずれかに決定される。これにより、不利示唆態様で実行された演出を、不利表示結果となる可能性が低い演出態様に変更する難易度は、特図ゲームの保留記憶数に応じて変化することになって、遊技の興趣を向上させることができる。