(第1実施例)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないように制御される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。すなわち、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その抽選結果が「大当たり」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。その結果、いずれかの大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出され、遊技者に有利な状態となる。本実施例では、大当たりとして、特別遊技後の確変移行を伴う特定の大当たり(「確変大当たり」という)と、確変移行を伴わない通常の大当たり(「通常大当たり」ともいう)とが設けられている。確変大当たりは確変特別遊技(「特定特別遊技」に該当する)への移行を示し、通常大当たりは通常特別遊技への移行を示す。いずれの特別遊技も複数回の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技)を含む。
通常特別遊技および確変特別遊技は、15R大当たりにより単位遊技が15回なされる15R特別遊技と、2R大当たりにより単位遊技が2回なされる2R特別遊技とを有する。本実施例において、15R特別遊技においては所定数以上の入球(9球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が単位遊技の終了条件とされており、2R特別遊技においては所定数以上の入球(9球以上入賞)または所定時間(0.2秒)の経過が単位遊技の終了条件とされている。このため、15R特別遊技においては大入賞口の開放時間が長く、また単位遊技の回数も多いため比較的多くの出玉(賞球)を獲得することができるが、2R特別遊技においては大入賞口の開放時間が短いため実質的に出玉は期待できない。ただし、2R特別遊技であっても確変移行がなされる場合には遊技者に有利となる。
一方、第1の抽選または第2の抽選が「小当たり」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放がなされる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技は、1回の単位遊技を含む特殊遊技として実行される。本実施例では小当たり遊技においても大入賞口の開放時間が2R特別遊技と同程度に短いため実質的に出玉は期待できない。小当たりは確変を伴わず、前後の通常遊技の大当たり確率を変化させない。したがって、遊技者にとっては小当たりよりも大当たりのほうが利益状態は高くなる傾向にある。ただし、確変状態(高確率状態)から大当たりが発生した場合、その大当たりが確変を伴わなければその特別遊技後の遊技状態は通常状態(低確率状態)に転落してしまうところ、確変状態から小当たりが発生してもその小当たり遊技後の遊技状態は確変状態に維持される。本実施例では、2R特別遊技と小当たり遊技との大入賞口の開放態様が外観上同様となるが、現在の遊技状態およびその変化に応じて遊技者が享受する利益が異なるものとなる可能性がある。このため、大入賞口の短開放があったときにそれが2R特別遊技または小当たり遊技のいずれであるかについて遊技者の期待感を煽る遊技性を実現することもできる。
また、このように遊技状態が通常状態から確変状態へ昇格する場合、確変状態から通常状態へ転落する場合、遊技状態が変化しない場合があり、その昇格や転落のタイミングが遊技者の遊技継続意欲を大きく左右する場合も想定される。本実施例では、特に転落のタイミングによって遊技者の遊技継続意欲が削がれることを抑制するために特別遊技中に実行される大当たり演出を工夫する。その具体的内容については後に詳述する。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。たとえば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。また、第2始動入賞口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動入賞口63の近傍に集まり、第2始動入賞口63の入球可能性は高い。これに対して第1始動入賞口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられている。したがって、第1始動入賞口62よりも第2始動入賞口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
遊技領域52の略中央に演出図柄表示装置60が設けられ、その左下方に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71とが互いに左右に隣接する形で設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに特別遊技としての大当たりが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに特別遊技としての大当たりが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「0」〜「9」の10種類の数字で表される。
演出図柄表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出図柄表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出図柄表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出図柄表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出図柄表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された変動時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。
特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放される単位遊技が複数回繰り返される遊技であり、単位遊技が最大回数である15回繰り返される特別遊技と、単位遊技が最少回数である2回だけ繰り返される特別遊技とがある。15回の単位遊技が繰り返される特別遊技(15R特別遊技)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約30秒間開放されたとき、または9球以上の遊技球が落入したときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。2回の単位遊技が繰り返される特別遊技(2R特別遊技)の場合、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。
停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が所定の小当たり態様であった場合、1回の単位遊技で構成される小当たり遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が実行される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が小当たり態様であった場合もまた小当たり遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が実行される。小当たり遊技を構成する1回の単位遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92が約0.2秒間の開放を2回繰り返すので、外観上は2R大当たりと同様の動作態様となる。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より大当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。確変状態は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が大当たりとなるまで継続される。本実施例では15R大当たりおよび2R大当たりのいずれの場合も、その特別遊技の終了後に確変が開始される場合とされない場合がある。時短は、第1特別図柄192と第2特別図柄193の変動表示の合計が所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1大入賞口91の右方に設けられ、本実施例では二つのランプが交互に点灯と消灯を繰り返す形で普通図柄の変動表示を表現し、どちらのランプが最終的に点灯したまま停止するかによって普通図柄の抽選結果を表す。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当たり態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出図柄表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、小当たり遊技制御手段138、特図調整手段156、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。さらに、第1抽選手段126および第2抽選手段128は、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前にあらかじめ当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112が第1当否抽選値として取得する値と、第2抽選値取得手段115が第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当たり遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当たり遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。
本図の当否判定テーブルには、大当たり、小当たり、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当たり当否確率や小当たりの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。第1当否判定手段113による第1の抽選と第2当否判定手段117による第2の抽選のいずれにおいても、通常時には当否抽選値が0〜299の範囲に該当したときのみ大当たりとなる。確変時には大当たりの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜299の範囲に該当する場合だけでなく、300〜2999の範囲に該当する場合にも大当たりとなる。このように、大当たりに該当する範囲は遊技状態に応じて変化する。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当たり範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当たり範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当たりとなる。本図の例では、第1当否判定手段113が取得する当否抽選値が56500〜65535の範囲に該当した場合に小当たりとなり、第2当否判定手段117が取得する当否抽選値が64000〜65535の範囲に該当した場合に小当たりとなる。すなわち、第2の抽選よりも第1の抽選の方が小当たりに該当する範囲が広く、小当たりが発生しやすい。このように、大当たりに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当たりに該当しなかった場合のうち小当たりにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当たりか否かの判定テーブルと小当たりか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。
第1当否判定手段113は図5(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜56499」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「56500〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は図5(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜299」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「300〜2999」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「3000〜63999」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「64000〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。図6(a)は当否判定結果が大当たりであった場合に参照するテーブルであり、図6(b)は当否判定結果が外れであった場合に参照するテーブルであり、図6(c)は当否判定結果が小当たりであった場合に参照するテーブルである。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定として図柄判定において本図の図柄判定テーブルを参照する。各図柄判定テーブルには、「0」〜「9」の数字および「−」の記号で表される特別図柄と第1図柄抽選値または第2図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当たり、小当たり、外れの当否判定結果と対応付けられており、奇数の数字が大当たりに対応し、偶数の数字が小当たりに対応し、「−」の記号が外れに対応する。
図6(a)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち奇数の数字である特別図柄「1」「3」「5」「7」「9」が大当たりに対応付けられている。そのうち、特別図柄「7」は確変を伴う15R大当たりを示し、第1図柄抽選値の場合は「0〜99」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「0〜144」に対応付けられる。特別図柄「3」は確変を伴う2R大当たりを示し、第1図柄抽選値の場合は「100〜149」に対応付けられ、第2図柄抽選値の場合は「145〜149」に対応付けられる。特別図柄「1」「5」は確変を伴わない15R大当たりを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「150〜189」に特別図柄「1」が対応付けられ、「190〜229」に特別図柄「5」が対応付けられる。特別図柄「9」は確変を伴わない2R大当たりを示し、第1図柄抽選値および第2図柄抽選値がともに「230〜255」に特別図柄「9」が対応付けられる。
図6(b)に示す通り、特別図柄「−」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。
図6(c)に示す通り、特別図柄「0」〜「9」のうち偶数の数字である特別図柄「0」「2」「4」「6」「8」が小当たりに対応付けられている。特別図柄「0」は図柄抽選値の範囲「0〜49」に対応付けられ、特別図柄「2」は図柄抽選値の範囲「50〜99」に対応付けられ、特別図柄「4」は図柄抽選値の範囲「100〜149」に対応付けられ、特別図柄「6」は図柄抽選値の範囲「150〜199」に対応付けられ、特別図柄「8」は図柄抽選値の範囲「200〜255」に対応付けられる。
図7は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。
第1当否判定手段113は当否抽選値が大当たりに該当する場合に図7(a)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜99」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「100〜149」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「150〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は当否抽選値が大当たりに該当する場合に図7(b)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜144」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「145〜149」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「150〜229」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「230〜255」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、当否抽選値が外れまたは小当たりに該当する場合は本図のテーブルは参照せず、外れおよび小当たりを示す値として例えば「5」、「6」の値をそれぞれ図柄範囲に設定してもよいし、何も設定しないこととしてもよい。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。また、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、変動パターンテーブルを模式的に示す図である。
第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンを参照する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、本判定としての変動パターン判定において本図の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当たりのときは図8(b)に示される15R大当たり用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当たりまたは小当たりのときは図8(c)に示される2R大当たりおよび小当たり用の変動パターンテーブルを参照する。
図8(a)においては、パターン抽選値0〜10には「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値11〜20には「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値21〜255には「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図10において説明する。
図8(b)においては、パターン抽選値0〜120には「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値121〜240には「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値241〜250には「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値251〜255には「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当たりの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図8(c)においては、パターン抽選値0〜122には「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値123〜255には「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当たりまたは小当たりの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図9は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図9(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当たりの場合に図9(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当たりまたは小当たりの場合に図9(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、本実施例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、共通の変動パターンテーブル、事前パターン判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、これら変動パターンテーブルおよび事前パターン判定テーブルの少なくとも一方について別々のテーブルを用いるようにしてもよい。
図3に戻り、普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当たりに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第2の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値と事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲の設定を保持する。あるいは、当否抽選値とは別の領域に事前判定の結果を保持してもよい。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、本判定として判定ないし決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当たり態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当たり態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技には、単位遊技を15回繰り返す15R大当たりと、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当たりがある。15R大当たりにおいては、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。2R大当たりにおいては、第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約0.2秒間開放させる単位遊技を2回実行する。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
小当たり遊技制御手段138は、当否抽選の結果が小当たり遊技への移行を示す結果となり、図柄が所定の小当たり態様で停止されたときに小当たり遊技を実行する。小当たり遊技制御手段138は、小当たり遊技の制御パターンとして第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる開放態様パターンを複数保持する。小当たり遊技においては、第1大入賞口91または第2大入賞口92の約0.2秒間の開放が2回実行される単位遊技が1回実行される。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。一方、特別遊技の終了後に確変状態へ移行させるのは、第1当否判定手段113または第2当否判定手段117により決定された図柄が確変への移行を伴う大当たり図柄であった場合に限られる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、たとえば100回に達するまで継続される。第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。ただし、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。一方、確変状態は、次の大当たりによる特別遊技が実行されるまで継続される。確変状態の間は第1当否判定手段113または第2当否判定手段117による当否判定結果が大当たりとなる確率が高い値のまま維持される。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
特図調整手段156は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段156は、第1始動入賞口62および第2始動入賞口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させる。例えば、第1始動入賞口62、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段156は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。これにより、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
なお、変形例における特図調整手段156は、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを、入球順序にかかわらず予め定められた調整規則(消化順序設定)に基づいた順序にて表示させてもよい。例えば、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示とを交互に表示することを優先してもよい。例えば、第1保留手段144と第2保留手段146の双方に当否抽選値が保留されているとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193とが交互に変動表示される。いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。あるいは、第1特別図柄192の変動表示と第2特別図柄193の変動表示のいずれか一方の表示を優先してもよい。例えば、第1保留手段144と第2保留手段146の双方に当否抽選値が保留されているとき、常にいずれか一方の当否抽選値を優先的に消化させ、第1特別図柄192および第2特別図柄193の一方を連続的に変動表示させてもよい。
特図調整手段156は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当たり態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄の変動演出パターンとして複数の変動演出パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出図柄表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R大当たりの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当たりであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当たりを示すようにしてもよい。当否判定結果が2R大当たりの場合や小当たりの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当たりでも小当たりでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当たりや小当たりのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当たりではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経てから当たり態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
パターン記憶手段130は、また、特別遊技中に表示される大当たり演出の演出パターンとして複数の演出パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果にかかる先読み情報に応じて、特別遊技中に演出表示制御手段134によって演出図柄表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出図柄表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、特図調整手段156により調整された順序にしたがって表示される特別図柄に対応するように装飾図柄190の変動表示を制御する。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出図柄表示装置60に表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
図10は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。
本図の変動パターンテーブル210においては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。以上の構成による動作および制御の過程を以下説明する。
図11は、演出図柄表示装置に表示される画面例を表す図である。
演出図柄表示装置60の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される他、その装飾図柄190の変動表示に干渉しない下方の領域に第1保留画像202、第2保留画像204等が表示される。すなわち、表示領域194の左下の領域には、第1保留画像202として第1保留手段144により保持される第1の抽選の抽選値(第1当否抽選値)の保留数が丸型ランプ画像の形で表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。第1保留画像202の4つのランプ画像は、第1保留手段144による第1当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、そのランプ画像が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
また、表示領域194の右下の領域には同様に、第2保留画像204として第2保留手段146により保持される第2の抽選の抽選値(第2当否抽選値)の保留数が角型ランプ画像の形で表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。第2保留画像204の4つのランプ画像は、第2保留手段146による第2当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、そのランプ画像が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
さらに、装飾図柄190が第1の抽選の結果または第2の抽選の結果のいずれを変動表示させているのかを明示するために、変動表示されている側の保留画像がハイライト表示される。図示の例では、装飾図柄190により第1の抽選の結果が変動表示されているため、第1保留画像202がハイライト表示されている。
図12は、特別遊技において表示領域に表示される大当たり演出の具体例を表す図である。同図(a)〜(c)は、その大当たり演出の演出過程の一例を表している。
本実施例では、特別遊技中の大当たり演出として、その特別遊技後に特定遊技としての確変移行がなされるか否かを示唆する示唆演出が表示される。具体的には、同図(a)に示すようないわゆるバトルモードへの移行演出が行われ、表示領域194に主人公キャラクタと敵キャラクタとの対戦の様子が所定のストーリーにしたがって表示される。基本的には、同図(b)に示すように主人公キャラクタが敵キャラクタに勝利してストーリー完結した場合、それによって特別遊技後の確変移行が示唆される。一方、同図(c)に示すように主人公キャラクタが敵キャラクタに負けてストーリー完結した場合、それによって特別遊技後の確変移行がないことが示唆される。ただし、本実施例では保留されている抽選結果の先読み情報に基づき、複数の大当たりが確定しており前後で遊技状態を転落させるような状況にあると判定した場合には、その転落を遊技者に認識させないために事実と矛盾する矛盾演出(「特定示唆演出」に該当する)を例外的に表示させる。
すなわち、抽選結果が複数保留され、その複数の抽選結果に確変移行を伴わない通常特別遊技への移行を示す通常大当たりと、確変移行を伴う確変特別遊技への移行を示す確変大当たりとが含まれ、かつ確変大当たりの後に通常大当たりとなる順序で抽選結果が保留されている場合にのみ、矛盾演出が表示される。具体的には、先の当たりである確変大当たりの結果を示す大当たり演出として、実際の遊技状態とは異なる確変移行がないことを示唆する同図(c)の演出が例外的に表示される。一方、後の当たりである通常大当たりの結果を示す大当たり演出については、実際の遊技状態に沿って確変移行がないことを示唆する同図(c)の演出が表示される。
図13は、保留状態と示唆演出との関係を時系列的に示す説明図である。同図(a)〜(d)は、想定される演出過程のバリエーションを例示したものである。各図の上段における丸形状は第1の抽選の結果を示し、角形状は第2の抽選の結果を示しており、その抽選結果の表示開始順序が左側から順に示されている(本実施例では保留順序に一致する)。また、各図の下段には抽選結果が当たりである場合にその特別遊技中に表示される示唆演出の内容が示されている。なお、図中の「15R確」は確変移行を伴う15R大当たり(「15R確変大当たり」ともいう)を示し、「2R確」は確変移行を伴う2R大当たり(「2R確変大当たり」ともいう)を示している。「15R通」は確変移行を伴わない15R大当たり(「15R通常大当たり」ともいう)を示し、「2R通」は確変移行を伴わない2R大当たり(「2R通常大当たり」ともいう)を示している。「外れ」は外れを示している。なお、以下の説明においては、15R確変大当たりによる特別遊技を「15R確変特別遊技」、15R通常大当たりによる特別遊技を「15R通常特別遊技」、2R確変大当たりによる特別遊技を「2R確変特別遊技」、2R通常大当たりによる特別遊技を「2R通常特別遊技」ともいう。
本実施例では、例えば図13(a)に示すように、15R確変大当たりを示す図柄変動がなされる段階で後の保留に2R通常大当たりが含まれる場合、その15R確変特別遊技の開始から例外的に15R通常特別遊技用の大当たり演出の表示が開始される。すなわち、本来なら実際の遊技に合わせて図12(b)に示すような確変移行がある旨を示す示唆演出の表示が開始されるべきところ、例外的に図12(c)に示すような確変移行がない旨を示す特定示唆演出の表示が開始される。すなわち、この特定示唆演出は、その15R確変特別遊技とともに開始され、後に実行される2R通常特別遊技の終了まで継続される。このように、実際には15R確変大当たりの発生によって確変状態(高確率状態)へ移行されて間もなく2R通常大当たりの発生により通常状態(低確率状態)へ転落してしまうところ、矛盾演出によりその転落がなかったのようにみせている。
一方、図13(b)に示すように、15R確変大当たりを示す図柄変動がなされる段階で後の保留に2R確変大当たりが含まれる場合には、前後の大当たりによる遊技状態の変更はないため、その15R確変特別遊技中に実際の遊技に合わせて図12(b)に示すような確変移行がある旨を示す示唆演出が表示される。なお、2R確変特別遊技の実行期間は短いため、大当たり演出として図12に示したバトル演出よりも短期に表示が終了する簡易な示唆演出を表示させてもよい。あるいは、その2R確変特別遊技の実行期間には示唆演出を表示させないようにしてもよい。
また、図13(c)に示すように、15R通常大当たりを示す図柄変動がなされる段階で後の保留に2R確変大当たりが含まれる場合、遊技状態は15R通常大当たりの発生によって通常状態へ移行されて間もなく2R確変大当たりの発生により確変状態へ昇格し、遊技者の利益状態が高められる。したがって、このような場合には積極的に遊技者の期待感を高揚させるよう、15R通常特別遊技中に実際の遊技に合わせて確変移行がない旨を示す示唆演出が表示される。その後間もなく実行される2R確変特別遊技において確変移行がある旨を示す示唆演出が表示されるため、遊技者の期待感が高められる。
一方、図13(d)に示すように、15R通常大当たりを示す図柄変動がなされる段階で後の保留に2R通常大当たりが含まれる場合には、前後の大当たりによる遊技状態の変更はないため、その15R通常特別遊技に実際の遊技に合わせて確変移行がない旨を示す示唆演出が表示される。この場合、確変移行がなされない点で遊技者の期待感は高まらないが、少なくとも遊技状態の転落が示される場合よりは遊技者の不快感や失望感が抑制される。
なお、図示を省略したが、先の当たりが15R大当たりであり後の当たりも15R大当たりである場合、先の当たりが2R大当たりであり後の当たりが15R大当たりである場合、および先の当たりが2R大当たりであり後の当たりも2R大当たりである場合のいずれにおいても、先の当たりと後の当たりとの関係で遊技状態に転落が生じる場合には、先の特別遊技から後の特別遊技後の遊技状態を示唆する演出を表示させ、演出上、その転落がなかったのようにみせる。
図14は、示唆演出過程を例示するタイミングチャートである。同図には上段から当否抽選の結果を示す図柄変動、確変移行の有無を示す遊技状態、大当たり演出、第1大入賞口91の開閉状態、第2大入賞口92の開閉状態が示されている。同図の横軸は時間の経過を示している。
演出決定手段132は、確変大当たりの後に通常大当たりが表示される順序で両当たりの抽選結果が保留されている場合、その確変特別遊技の開始から通常特別遊技の終了に到るまでの期間、確変移行がない旨を示唆する特定示唆演出を継続的に表示させるよう演出内容を決定する。すなわち、演出表示制御手段134は、確変大当たりの大当たり演出期間、通常大当たりの大当たり演出期間、および両大当たり演出期間の間に挟まれる図柄変動期間を通じて、矛盾演出を含む一つの特定示唆演出を表示する。
同図には、第1の抽選による結果として15R確変大当たりが保留されるとともに、その3変動後に第2の抽選による結果として2R通常大当たりが保留され、両当たりの間に第1の抽選または第2の抽選による2変動分の外れ結果が保留された例が示されている。すなわち、通常状態の時刻t1にて15R確変大当たりが発生し、その図柄変動(特別図柄および装飾図柄の変動)がなされている。その図柄変動停止により時刻t2から15R確変特別遊技が開始されて第1大入賞口91が開放されている。そして、その最終ラウンドである15ラウンド(R15)が終了した時刻t3に確変状態へ移行されるとともに、後続の図柄変動が開始されている。そして、その確変状態の時刻t4にて2R通常大当たりが発生し、その図柄変動停止後の時刻t5から2R通常特別遊技が開始されて第2大入賞口92が開放されている。
演出決定手段132は、15R確変特別遊技が開始された時刻t2から2R通常特別遊技が終了する時刻t6にわたり、特定示唆演出として、実際とは異なる15R通常大当たりに対応する大当たり演出を表示させている。したがって、確変移行有無の表示についていえば、15R確変特別遊技における大当たり演出およびその後の図柄変動2変動分の期間は矛盾演出が表示されることになるが、2R通常大当たりの変動表示以降の演出においては実際と合致したものとなっている。本実施例ではこの連続的な特別遊技の大当たり演出としての一体感をもたせるよう、両特別遊技間の図柄の変動パターンとして変動期間の短いパターンを設定している。すなわち、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否抽選の結果として確変大当たりと通常大当たりとが保留される特定条件が満たされた場合、その特別遊技間に表示される変動パターンとして予め設定された極短の変動時間(本実施例では1秒)を有するパターンを選択する。具体的には、変動時間が極短かつ一定の変動パターンを選択対象とするパターンテーブルである限定テーブルが別途設けられており、各パターン決定手段は、特定条件が満たされた場合にその限定テーブルを参照して変動パターンを決定する。なお、この限定テーブルにより変動時間の短い変動パターンが選択された場合、装飾図柄190については特別図柄に連動するよう表示領域194の隅部に目立たない態様で変動表示させてよい。
図15は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、図柄変動などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなく(S12のN)、大当たりであれば(S15のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、大当たりでなければ(S15のN)、小当たり遊技の制御処理を実行する(S17)。その後、S10の入賞処理においてセットされた賞球数にて各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図16は、図15におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。
第1始動入賞口62または第2始動入賞口63に入球があった場合(S20のY)、始動入賞口に対応する賞球数をセットする(S22)。第1始動入賞口62への入球であれば第1保留手段144による保留数が4未満であるか否かを参照し、第2始動入賞口63への入球であれば第2保留手段146による保留数が4未満であるか否かを参照し、それぞれにさらなる保留が可能な状態であれば(S24のY)、当否抽選値を取得する(S26)。このとき、保留される当否抽選値の種別(第1当否抽選値であるか第2当否抽選値か)、その当否抽選値の保留順序等の情報が、演出決定手段132に送信される。そして、その当否抽選値に基づいて当否判定する事前判定処理を実行し(S28)、当否抽選値を第1保留手段144または第2保留手段146に保留する(S30)。S20において第1始動入賞口62または第2始動入賞口63への入球がない場合はS22からS30までの処理をスキップする(S20のN)。S24において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合はS26からS30までの処理をスキップする(S24のN)。以上のS20からS30までの処理が始動入賞口への入球に対する入賞処理である。
なお、本実施例では第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方が事前判定として当否判定を実行する例としているが、変形例としては第1抽選手段126による事前判定と第2抽選手段128による事前判定とを異なる態様としてもよい。例えば、当否判定、図柄決定、パターン決定のうちいずれを事前判定として実行するかについての態様を第1抽選手段126と第2抽選手段128とで相違させてもよい。または、第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれか一方のみが事前判定を実行してその判定結果を送信する態様としてもよいし、確変中か否かといった遊技状態に応じて第1抽選手段126と第2抽選手段128のいずれが事前判定を実行するかを切り替えてもよい。あるいは、第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方において遊技状態に応じて事前判定を実行するか否かを決定する態様としてもよい。また、第1抽選手段126と第2抽選手段128が事前判定結果をサブ基板104に送信しつつ、サブ基板104側で遊技状態に応じてその判定結果を利用するか否かを切り替えてもよい。
一般入賞口72に入球があった場合は(S32のY)、一般入賞口72に対応する賞球数をセットし(S34)、一般入賞口72への入球がないときはS34をスキップする(S32のN)。第1大入賞口91または第2大入賞口92に入球があった場合は(S36のY)、第1大入賞口91または第2大入賞口92に対応する賞球数をセットし(S38)、第1大入賞口91および第2大入賞口92への入球がないときはS38をスキップする(S36のN)。
図17は、図16におけるS28の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。 まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S40)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S42)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S44)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S46)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S48)、その判定結果としてパターン範囲を示す値を設定する(S50)。以上のように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S52)。
図18は、図15におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。
この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S150)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行と(S152)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行とが(S154)、繰り返し処理されることとなる。
図19は、図18におけるS150の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。 いわゆる先読みによって得られる情報に基づいてどのような演出をサブ基板104において実行するか、また事前判定結果がどのような結果の場合にその結果に応じた演出を実行するかといった基準は、ぱちんこ遊技機10における遊技性の設計に応じて種々考えられる。本実施例においては、「スーパー1」の変動パターンが選択されたことを事前判定処理の結果に基づいてあらかじめサブ基板104側でも認識し、大当たりの期待度が高いことを演出的に示唆することとする。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から事前判定結果を受信した場合(S160のY)、演出表示制御手段134は事前判定結果とともに受信した、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値および保留数の情報に基づいて演出図柄表示装置60における保留数の表示を更新する(S162)。その時点での保留数が例えば「3個以上」といった所定の前兆演出をするのに十分な個数であり(S164のY)、事前判定により設定された当否範囲の値が「1」でパターン範囲の値が「4」の場合や(S166のY)、異なる値であっても(S166のN)、事前判定により設定された当否範囲の値が「3」でパターン範囲の値が「1」の場合は(S168のY)、前兆設定をオンにする(S172)。S168において当否範囲の値とパターン範囲の値が該当しない場合は(S168のN)、S172をスキップする。保留数が所定数に満たない場合は(S164のN)、S166からS172までの処理をスキップする。事前判定処理の結果を受信していない場合は本図のフロー全体をスキップする(S160のN)。
なお、本図の例では、事前判定により設定された当否範囲とパターン範囲に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定する。変形例としては事前判定により設定された図柄範囲に応じて、あるいは第1の抽選と第2の抽選のいずれの判定結果であったかに応じて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。または、それらの情報とともに所定の抽選に基づいて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。あるいは、事前判定結果として送られる情報、すなわち図柄の種類、当否結果、変動パターン等のうち少なくとも一つの情報を用いて前兆設定をオンすべきか否かを決定してもよい。なお、本実施例では、当否判定の結果が通常時および確変時を問わず大当たりの場合、すなわち大当たり確定の場合に前兆設定をオンにする例を示したが、確変時のみに大当たりとなる場合、あるいは小当たりとなる場合に前兆設定をオンにするようにしてもよい。あるいは、15R大当たりまたは2R大当たりのときに、前兆設定をオンにするようにしてもよい。
図20は、図18におけるS152の特別図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。
まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S62のY)、第1当否判定手段113が第1保留手段144から抽選値を読み出して第1特別図柄192の当否を判定する(S64)。そして、第1当否判定手段113が第1特別図柄192を決定し(S66)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し(S68)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。
一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S70のY)、第2当否判定手段117が第2保留手段146から抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S72)、第2当否判定手段117が第2特別図柄193を決定し(S74)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、特図調整手段156により記録された第1始動入賞口62への入賞と第2始動入賞口63への入賞の順序に応じて決定される。第1特別図柄192の変動表示タイミングでなく(S62のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングでもない場合(S70のN)、本図のフローを終了する。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止する(S82)。このとき、大当たりであれば(S84のY)、特別遊技へ移行する(S86)。大当たりでなければ(S84のN)、S86の処理をスキップして本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合には(S80のN)、S82移行の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図21は、図18におけるS154の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。
サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S180のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S182)、変動演出パターンを決定する(S184)。ここで、前兆設定がオンになっている場合(S186のY)、すでに決定されている変動演出パターンが、予告演出との重畳表示を回避すべき特定の演出内容が含まれたパターンでない場合であって(S188のN)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動でなければ(S190のN)、所定の予告演出を表示すべき設定を実行し(S192)、前兆設定がオンされた契機である図柄変動である場合は(S190のY)、前兆設定をオフする(S194)。その後、装飾図柄の変動表示を開始する(S196)。前兆設定がオンでない場合や(S186のN)、変動演出パターンに特定の演出内容が含まれる場合は(S188のY)、S190からS194の処理をスキップする。メイン基板102から変動開始コマンドを受信しなかった場合はS182からS194をスキップする(S180のN)。
すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S198のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S200)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S202のY)、S182で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S204)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS204をスキップし(S202のN)、変動表示が開始済みでないときはS200からS204をスキップする(S198のN)。
図22は、図15におけるS16の特別遊技を詳細に示すフローチャートである。
まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92がまだ開放済みでない場合(S100のN)、演出決定手段132が特別遊技の演出開始処理を実行し(S102)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S104)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS102およびS104をスキップする(S100のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S106のY)、または、開放時間が経過していないものの(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S108のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S110)。開放時間が経過しておらず(S106のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S108のN)、S110以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S110における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S112のY)、演出決定手段132が大当たり演出の終了処理を実行し(S114)、特別遊技制御手段120が特別遊技を終了させる(S116)。そして、特定遊技、すなわち確変および時短の実行が開始される(S118)。単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S112のN)、予め設定したカウンタにより更新されるラウンド数に1を加算してS16のフローを終了する(S119)。
図23は、図22におけるS102の演出開始処理を詳細に示すフローチャートである。
演出決定手段132は、差し替えフラグがオフであり(S360のN)、演出開始フラグもオフであれば(S362のN)、大当たりの種類に応じた大当たり演出を設定する(S212)。ここで、差し替えフラグは、遊技状態の転落を防止するために特定示唆演出の実行が決定され、先の当たりについて大当たり演出の内容を実際の内容と異なるものとする場合にオンにされるフラグである。また、演出開始フラグは、大当たり演出が開始される際にオンにされるフラグである。差し替えフラグおよび演出開始フラグは、RAM上の所定領域に設定される。15R大当たりか2R大当たりか、また確変大当たりか通常大当たりかといった複数種の大当たりのそれぞれに対応付けられるように大当たり演出の内容が設定されており、演出決定手段132は、今回の大当たりの種類に応じて大当たり演出の内容を決定する。このとき、確変大当たりでなければ(S213のN)、演出決定手段132が演出開始フラグをオンにしたうえで(S217)、演出表示制御手段134がS212にて設定された大当たり演出の表示を開始する(S218)。
一方、確変大当たりである場合(S213のY)、演出決定手段132は、先読み情報に基づき、後の抽選結果として通常大当たりを示す結果が保留されているか否かを判定する。このとき、通常大当たりが保留されていなければ(S214のN)、演出決定手段132が演出開始フラグをオンにしたうえで(S217)、演出表示制御手段134がS212にて設定された大当たり演出の表示を開始する(S218)。一方、通常大当たりが保留されていれば(S214のY)、演出決定手段132は、差し替えフラグをオンにしたうえで(S215)、大当たり演出の設定を確変移行がない旨を示唆する特定示唆演出に差し替える(S216)。そして、演出決定手段132が演出開始フラグをオンにしたうえで(S217)、演出表示制御手段134が大当たり演出の表示を開始する(S218)。これにより、前後する大当たり演出において確変状態から間もなく通常状態へ転落する演出の表示が避けられるようになる。差し替えフラグがオンである場合には(S360のY)、S362以降の処理をスキップする。また、演出開始フラグがオンである場合には(S362のY)、S212以降の処理をスキップする。
図24は、図22におけるS116の演出終了処理を詳細に示すフローチャートである。
差し替えフラグがオフであれば(S370のN)、演出表示制御手段134が大当たり演出を終了させ(S372)、演出決定手段132が演出開始フラグをオフにする(S376)。差し替えフラグがオンであれば(S370のY)、演出決定手段132が差し替えフラグをオフにし(S374)、本処理を終了する。
すなわち、特定示唆演出の開始を示す差し替えフラグがオフであるとき、つまり通常の大当たり演出が開始されていた場合には、その特別遊技の終了に合わせて大当たり演出は終了されることになる。一方、特定示唆演出の開始を示す差し替えフラグがオンであるとき、つまり特定示唆演出が開始されていた場合には、先の当たりに対応する特別遊技が終了しても特定示唆演出の表示は継続される。ただし、S374において差し替えフラグがオフにされるため、後の当たりに対応する特別遊技が終了したときにはS370にて差し替えフラグがオフと判定され(S370のN)、特定示唆演出は終了される(S372)。すなわち、特定示唆演出は、先の特別遊技の開始から通常遊技の図柄変動表示期間を挟んで後の特別遊技の終了するまでの期間にわたって表示されることになる。その結果、遊技者に遊技状態の転落による不快感を感じさせないだけでなく、演出上、複数の大当たりを一つの大当たりとして見せるという斬新な遊技性が実現されるようになる。
図25は、図15におけるS17の小当たり遊技を詳細に示すフローチャートである。 まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92がまだ開放済みでない場合(S220のN)、小当たり演出がまだ設定されていなければ、演出決定手段132が小当たり演出を設定し、演出表示制御手段134がその表示を開始する(S221)。この小当たり演出については、2R特別遊技における大当たり演出に近似した演出内容が設定される。本実施例では、その2R大当たり演出と同じ背景とキャラクタを表示させるが、その演出結果によっては確変移行有無が確定しない演出内容が設定される。また、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S222)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であれば(S220のY)、S221およびS222をスキップする。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S224のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S226)。開放時間が経過していない場合は(S224のN)、S226以降の処理をスキップしてS17のフローを終了する。
S226における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技が終了していた場合、つまり大入賞口の設定回数(本実施例では2回)の開放が終了していた場合には(S228のY)、演出表示制御手段134は小当たり遊技の演出処理を終了させ(S229)、小当たり遊技制御手段138は小当たり遊技を終了させる(S230)。大入賞口の開放が設定回数に達していなければ(S228のN)、予め設定したカウンタにより更新される開放回数に1を加算し(S232)、S17のフローを終了する。
以上に説明したように、本実施例では、先読み情報に基づき、複数の当否抽選の結果に通常特別遊技への移行を示す通常大当たりと、確変特別遊技への移行を示す確変大当たりとが含まれるか否かが判定される。そして、その双方の当たりが含まれる場合であって、先の当たりが確変大当たりであり後の当たりが通常大当たりである場合には、先の特別遊技から後の特別遊技へわたる期間、後の当たりによる特定遊技への移行有無を示唆する特定示唆演出がなされる。すなわち、実際には利益状態が転落するところ、遊技者にはその矛盾演出によりもともと利益状態が低い状態にあると認識させる。これにより、遊技者に実際の遊技状態の落差による不快感や失望感を与えることを防止することができる。また、先の大当たりと後の大当たりの演出を連続的な一つの大当たり演出としてみせることができるため、特に特別遊技そのものが短い場合には大当たり演出の演出時間を十分に確保できる。このため、演出内容の設計自由度を向上させることも可能となる。一方、先の当たりが通常大当たりであり後の当たりが確変大当たりである場合には、逆に利益状態が昇格する方向にあるため、そのまま実際の遊技状態を表示させることで遊技者の期待感を高めるようにしている。このため、確変移行有無に関して遊技状態の転落によって遊技者の期待感が削がれることが抑制されるとともに、遊技状態が昇格する場合にはその旨を示唆して遊技者の期待感が高められる。その結果、全体として遊技の継続意欲向上を図ることができ、遊技機の稼働率が高まることが期待できるようになる。
(第2実施例)
本実施例においては、第1の遊技および第2の遊技の一方の当否抽選の結果が優先的に消化される点、および複数の大当たりの結果が連続して表示される順序にて保留されている場合にのみ上述した特定示唆演出を表示させる点で第1実施例と相違する。以下、本実施例と第1実施例との相違点を中心に説明し、共通する構成および動作については説明を省略する。
本実施例において、特図調整手段156は、第2特別図柄193の変動表示を第1特別図柄192の変動表示よりも優先して表示させる。すなわち、第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当たりの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当たり抽選値に対応する図柄変動は表示されない。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。
このように優先消化の遊技性を有するため、第2抽選結果が保留されている限り、第1抽選結果が減らないため、仮に1抽選結果のなかに後の当たりが含まれ、先の当たりが数変動先に存在する場合には、後の当たりの結果を示す図柄変動表示の開始タイミングが一向に近づいてこない状態が想定される。すなわち、先の当たりに対応する示唆演出において第1実施例のように後の当たりによる遊技状態の変化を示すことが意味をなさなくなるとともに、大当たり演出が間延びする可能性ある。そこで、本実施例では、確変大当たりと通常大当たりとが連続する順序にて抽選結果が保留されている場合にのみ特定示唆演出を表示させる。
図26は、第2実施例にかかる保留状態と示唆演出との関係を時系列的に示す説明図である。同図(a)〜(d)は、想定される演出過程のバリエーションを例示したものである。各図の上段における丸形状は第1の抽選の結果を示し、角形状は第2の抽選の結果を示しており、その抽選結果の表示開始順序予定が左側から順に示されている(本実施例では上述した優先消化が適用される)。また、各図の下段には抽選結果が当たりである場合にその特別遊技中に表示される示唆演出の内容が示されている。
本実施例では、例えば図26(a)に示すように、第2の抽選の結果として15R確変大当たりを示す図柄変動がなされる段階で、第1の抽選の結果として2R通常大当たりが保留されておりそれらが連続する場合、その15R確変特別遊技中の大当たり演出が例外的に15R通常特別遊技用の大当たり演出に差し替えられる。すなわち、本来なら実際の遊技に合わせて確変移行がある旨を示す示唆演出が表示されるべきところ、例外的に確変移行がない旨を示す特定示唆演出の表示が開始される。この特定示唆演出は、その15R確変特別遊技とともに開始され、後に実行される2R通常特別遊技の終了まで継続される。このように、実際には15R確変大当たりの発生によって確変状態へ移行された直後に2R通常大当たりの発生により通常状態へ転落してしまうところ、矛盾演出によりその転落がなかったのようにみせている。
一方、図26(b)に示すように、第2の抽選の結果として15R確変大当たりを示す図柄変動がなされる段階で、第1の抽選の結果として2R通常大当たりが保留されているもののそれらが連続しない場合には、第1実施例とは異なり、特定示唆演出は表示されない。つまり、その15R確変特別遊技中に実際の遊技に合わせて確変移行がある旨を示す示唆演出が表示される。これは、第2の抽選の結果と第1の抽選の結果との間に他の図柄変動が含まれる場合、その図柄変動の間に新たな第2当否抽選値が保留されてその2R通常特別遊技が一向に実行されない状態が続く可能性があり、後の遊技状態を示唆するメリットが薄れるのみならず、大当たり演出そのものが間延びするためである。具体的には、その15R確変特別遊技の開始以後に新たな第2当否抽選値が保留され、図26(c)に示すように後の2R通常特別遊技の大当たり演出が先延ばしされてしまう可能性がある。このような場合には、先の当たりによる現在の遊技状態を示唆するほうが遊技を進行するうえでむしろ好ましいともいえる。なお、このような遊技過程において、図26(d)に示すように新たな第2当否抽選値として15R確変大当たりを示すものが保留されると、その15R確変特別遊技において特定示唆演出が表示される可能性はある。このような制御を実行することで、確変移行直後に通常状態へ転落して遊技者の遊技継続意欲を削いでしまう状況を回避することができる。
図27は、第2実施例にかかる演出開始処理を詳細に示すフローチャートである。同図の処理は、図23に示した第1実施例の処理に置き換えて実行される。
すなわち、S213において確変大当たりであると判定された場合(S213のY)、次変動にかかる抽選結果として通常大当たりが保留されていれば(S264のY)、演出決定手段132は、差し替えフラグをオンにしたうえで(S215)、大当たり演出の設定を確変移行がない旨を示唆する特定示唆演出に差し替える(S216)。そして、演出決定手段132が演出開始フラグをオンにしたうえで(S217)、演出表示制御手段134が大当たり演出の表示を開始する(S218)。これにより、前後する大当たり演出において確変状態への移行から間もなく通常状態へ転落する演出の表示が避けられるようになる。次変動にかかる抽選結果として通常大当たりが保留されていなければ(S264のN)、演出表示制御手段134がS212にて設定された大当たり演出の表示を開始する(S218)。
(第3実施例)
本実施例においては、通常特別遊技において開放される大入賞口と、確変特別遊技において開放される大入賞口とが、それぞれ予め設定されている点で第1実施例と相違する。以下、本実施例と第1実施例との相違点を中心に説明し、共通する構成および動作については説明を省略する。
図28は、第3実施例にかかる示唆演出過程を例示するタイミングチャートである。同図には上段から当否抽選の結果を示す図柄変動、確変移行の有無を示す遊技状態、大当たり演出、第1大入賞口91の開閉状態、第2大入賞口92の開閉状態が示されている。同図の横軸は時間の経過を示している。
特別遊技制御手段120は、保留制御手段116が通常大当たりおよび確変大当たりの一方の当たりのみが含まれる通常の遊技状態において、通常特別遊技においては第1大入賞口91を開放させ、確変特別遊技においては第2大入賞口92を開放させる。すなわち、保留制御手段116が通常大当たりおよび確変大当たりの双方を保留するケースは比較的少ないことから、通常の遊技状態において各特別遊技と開放対象の大入賞口とを対応付けることで、大当たりの種類と大入賞口との関係を遊技者に予め認知させる。
一方、通常大当たりの次に確変大当たりが表示される順序で両当たりの抽選結果が保留されている場合、その通常特別遊技において設定どおり第1大入賞口91が開放されるものの、その大当たり演出として確変移行がある旨を示唆する特定示唆演出が表示される。一方、確変特別遊技においては設定どおり第2大入賞口92が開放されるとともに、その大当たり演出として確変移行がある旨を示唆する特定示唆演出が表示される。
同図には、第1の抽選による結果として2R通常大当たりが保留されるとともに、その3変動後に第2の抽選による結果として2R確変大当たりが保留され、両当たりの間に第1の抽選または第2の抽選による2変動分の外れ結果が保留された例が示されている。すなわち、通常状態の時刻t11にて2R通常大当たりが発生し、その図柄変動(特別図柄および装飾図柄の変動)がなされている。その図柄変動停止により時刻t12から2R通常特別遊技が開始されて第1大入賞口91が開放されている。そして、その最終ラウンドである2ラウンド(R2)が終了した時刻t13に通常状態へ移行されるとともに、後続の図柄変動が開始されている。そして、その通常状態の時刻t14にて2R確変大当たりが発生し、その図柄変動停止後の時刻t15から2R確変特別遊技が開始されて第2大入賞口92が開放されている。
演出決定手段132は、2R通常特別遊技が開始された時刻t12から2R確変特別遊技が終了する時刻t16までの期間にわたり、特定示唆演出として実際とは異なる2R確変大当たりに対応する大当たり演出を表示させている。したがって、確変移行有無の表示についていえば、2R通常特別遊技開始から直後の図柄変動2変動分の期間は矛盾演出になるが、2R確変特別遊技においては実際と合致したものとなっている。本実施例ではこのように全体として2R確変特別遊技の大当たり演出が表示されているにもかかわらず、その大当たり演出の前段の示唆演出と開放される大入賞口との矛盾により遊技者が特定示唆演出の表示内容が実際とは異なることを認識でき、それにより現在の遊技状態を推測可能とする遊技性を実現している。すなわち、遊技者は、その矛盾した演出が表示されることで、後に確変大当たりが発生すること、つまり確変移行確定を推測することができるようになる。
なお、本実施例においても図柄変動を跨ぐ大当たり演出の違和感を抑えられるよう、両特別遊技間の図柄の変動パターンとして変動期間の短いパターンを設定している。すなわち、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否抽選の結果として確変大当たりと通常大当たりとが保留される特定条件が満たされた場合、その特別遊技間に表示される変動パターンとして予め設定された極短の変動時間(本実施例では1秒)を有するパターンを選択する。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
上記の実施例においては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定をそれぞれ別個の抽選値を取得することで処理する例を説明した。変形例としては、第1の抽選および第2の抽選において当否判定、図柄決定、および変動パターン決定のすべてを単一の抽選値を用いて処理する構成としてもよい。また、確変や時短を伴う大当たりか否かを決定するためにそれぞれ別個の抽選値を用いてもよい。
上記の実施例においては、事前判定結果としての当否範囲、図柄範囲、パターン範囲を示す値とともに、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果であったかを示す値や保留数の情報をメイン基板102からサブ基板104へ送信する例を説明した。変形例においては、これらの情報を一度に送信せずに別々に送信する構成としてもよい。
上記の実施例においては、当否判定テーブルと事前当否判定テーブル、図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブル、変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブル、これらのテーブル間でそれぞれ抽選値の範囲が一致するよう各テーブルが規定された例を説明した。変形例においては、抽選値の範囲に少しずつズレを設けるなど、事前判定の結果が本判定の結果と必ず一致するわけではないが高い確率で一致するといった程度に留める形で各テーブルを設定してもよい。これにより、例えば当否判定結果が当たりの場合と外れの場合とで前兆設定の判定を分けることなく、高い確率で当たりとなる判定結果が送信されたときに前兆設定をするようにすることもできる。このようにして事前判定結果についてある程度不確実性を持たせることで、その情報を受けたサブ基板104側でその当否に基づく処理の調整を減らすこともでき、処理負荷が低減されうる。