本実施形態のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とが、同時に実行されないように第2の遊技が優先的に実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施形態のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。すなわち、遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると、第1の抽選または第2の抽選が実行され、その抽選結果が「大当り」であった場合、第1の大入賞口または第2の大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。その結果、いずれかの大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出され、遊技者に有利な状態となる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。なお、以下の説明において第1始動入賞口62と第2始動入賞口63とを特に区別しない場合には単に「始動入賞口」と表記し、第1大入賞口91と第2大入賞口92とを特に区別しない場合には単に「大入賞口」と表記する場合がある。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。当否抽選は、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する抽選であり、第1始動入賞口62または第2始動入賞口63へ入球があるたびに実行される。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の中央と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。たとえば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。したがって普通電動役物ソレノイド76は、普通電動役物65を開閉させる拡開機構として機能する。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。また、時短中(入球容易状態)においては普通電動役物65の1回の開放時間が通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63に入球しやすくなる。
なお、本実施形態では、第2始動入賞口63の上方位置には、普通電動役物65が閉鎖状態の場合に第2始動入賞口63への入球を困難とするための釘である命釘88が設けられている。したがって、通常状態においては第2始動入賞口63への入球は実質的に期待できない状態となる。なお、普通電動役物65が拡開されない限り第2始動入賞口63への入球が困難となるよう、普通電動役物65の閉鎖状態での開口部上方が遮蔽されていてもよい。また、入球容易状態でない限り普通電動役物65の拡開頻度は低く、第2始動入賞口63への入球はほぼ期待できない。このように、非時短状態(非入球容易状態)において第2始動入賞口63へ入球させることは、第1始動入賞口62へ入球させるより困難となる。一方、時短状態(入球容易状態)になると、普通電動役物65が高頻度で、かつ、長く拡開されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、第1始動入賞口62へ入球させるよりもむしろ第2始動入賞口63へ入球させる方が容易となる。このため、第2始動入賞口63の入球容易性が低い状態においては主に第1始動入賞口62へ入球させ、第2始動入賞口63の入球容易性が高められた状態においては主に第2始動入賞口63へ入球させる遊技性となる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、通常単位遊技の実行時に開放される横長方形状の入賞口であり、遊技領域52の中央下部においてアウト口58の上方の位置に設けられている。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が大当りを示す所定態様にて停止し、特別遊技へ移行されたときに開放状態にされる。
第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、特定単位遊技の実行時に開放される横長方形状の入賞口であり、アウト口58の右上方の位置、つまり遊技者がいわゆる右打ち等通常と異なる打ち方をしない限り遊技球が入球しない位置に設けられている。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が大当りを示す所定態様にて停止し、特別遊技へ移行されたときに開放状態にされる。
遊技領域52の略中央には演出図柄表示装置60が設けられ、遊技領域52の左下方には第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と、第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄である。第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動表示が停止されたときの図柄態様が大当りと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが大当りの発生タイミングとなる。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段である。以下、第1特別図柄192および第2特別図柄193を、適宜「特別図柄」と総称する。
演出図柄表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出図柄表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出図柄表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出図柄表示装置60は、この実施形態では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施形態では演出図柄表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出図柄表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す作動口通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の拡開機構を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は第1大入賞口91の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当り態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第2始動入賞口63の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第2始動入賞口63への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。このように、時短中は第1始動入賞口62を狙って打球するよりも第2始動入賞口63を狙って打球する方が入球可能性が高まるので、図柄変動および抽選の回数も多くすることができる。
演出図柄表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出図柄表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20は第1特別図柄表示装置70の上方に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21は第2特別図柄表示装置71の上方に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22は普通図柄表示装置59の下方に設けられる。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ2個のランプからなり、それぞれの点灯個数または点滅個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。本実施形態では、第1の遊技における当否抽選値の保留数は最大4個であり、第2の遊技における当否抽選値の保留数もまた最大4個である。
第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中、第1特別遊技の実行中、第2特別遊技の実行中のうちいずれかの間に第2始動入賞口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。本実施形態では、その時間間隔が1分間あたり100球の遊技球が打ち出されるよう設計されている。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192または第2特別図柄193と装飾図柄190とが大当りを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りである場合、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技においては、大入賞口が約30秒間開放された後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口の開閉が所定回数繰り返される。すなわち、大入賞口の開放開始から所定時間(例えば30秒)または所定数(例えば10球以上)の入球が特別遊技を構成する単位遊技の終了条件とされている。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出図柄表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施形態におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出図柄表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施形態におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176を備える。本実施形態におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1始動入賞口62への入球に対応する第1の抽選を実行する第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含む。第2始動入賞口63への入球に対応する第2の抽選を実行する第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含む。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出図柄表示装置60の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の抽選のために乱数の値を第1当否抽選値として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の抽選のために乱数の値を第2当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1抽選値取得手段112が第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得する値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。
第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出図柄表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、通常状態においては、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数に応じた変動パターンテーブルを参照し、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少なくなるほど変動時間の長い変動パターンが出現しやすくなる。
普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値を取得することにより抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第2の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。これらの保留数がそれぞれ第1特図保留ランプ20、第2特図保留ランプ21、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。第1保留手段144および第2保留手段146による保留の数は表示領域194にも表示される。
第2保留手段146に保留された抽選値は第1保留手段144に保留された抽選値より優先的に消化されて図柄変動が表示される。そのため、第1保留手段144に大当りの抽選値が保留されていても第2保留手段146に保留がある限りは第1保留手段144の大当り抽選値に対応する図柄変動は表示されない。したがって、第1保留手段144に大当りの保留があっても、さらに第2保留手段146へ大当りの保留が入るまで打ち続けることで、複数回の連続的な大当りを獲得できる可能性がある。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。一方、第2特図制御手段150は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合、第2保留手段146によって保留された抽選値が優先的に読み出されて図柄変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその図柄変動も開始しない。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。変動開始コマンドを送信するとき、決定された当否判定結果、停止図柄、変動パターンのそれぞれを示す値と第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値とを変動開始コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。変動停止コマンドを送信するとき、あらためて停止図柄を示す値を変動停止コマンドとともに演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
条件保持手段176は、大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための条件として特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件は、第1の抽選または第2の抽選で特別遊技へ移行する旨を示す結果となり、その抽選に対応する図柄変動が停止したことを条件の内容とする。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。同様に、特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。本実施形態では、特別遊技として、単位遊技を16回繰り返す16R大当りおよび5回繰り返す5R大当りが設けられている。16R大当りでは、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を原則として約30秒間開放させる。具体的には、第1の抽選の結果16R大当りとなったとき、または第2の抽選の結果16R大当りとなったときは、特別遊技制御手段120は、第2大入賞口92を開放させる単位遊技を16回くり返す16R特別遊技を実行する。第1の抽選の結果5R大当りとなったとき、または第2の抽選の結果5R大当りとなったときは、特別遊技制御手段120は、第1大入賞口91を開放させる単位遊技を5回くり返す5R特別遊技を実行する。
なお、特別遊技制御手段120は、第1の抽選の結果16R大当りとなったときは、第1大入賞口91を開放させる単位遊技を16回くり返す第1の16R特別遊技を実行し、第2の抽選の結果16R大当りとなったときは、第2大入賞口92を開放させる単位遊技を16回くり返す第2の16R特別遊技を実行してもよい。また、特別遊技制御手段120は、第1の抽選の結果5R大当りとなったときは、第1大入賞口91を開放させる単位遊技を5回くり返す第1の5R特別遊技を実行し、第2の抽選の結果5R大当りとなったときは、第2大入賞口92を開放させる単位遊技を5回くり返す第2の5R特別遊技を実行してもよい。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
本実施形態では、短い単位遊技を2回だけ繰り返す2R大当りも設けられている。具体的には、特別遊技制御手段120は、当否抽選が所定の結果となった場合、2回の単位遊技が繰り返される特別遊技(以下、適宜「2R大当り」とも称する)を実行する。この2R大当りでは、第1大入賞口91または第2大入賞口92は約0.2秒間開放されたときに一旦閉鎖されることで1回の単位遊技が終了する。第1の抽選の結果2R大当りとなったとき、または第2の抽選の結果2R大当りとなったときは、特別遊技制御手段120は、第1大入賞口91を開放させる単位遊技を2回くり返す2R特別遊技を実行する。なお、特別遊技制御手段120は、第1の抽選の結果2R大当りとなったときは、第1大入賞口91を開放させる単位遊技を2回くり返す第1の2R特別遊技を実行し、第2の抽選の結果2R大当りとなったときは、第2大入賞口92を2回くり返す第2の2R特別遊技を実行してもよい。以下、第1の16R特別遊技、第2の16R特別遊技、第1の5R特別遊技、第2の5R特別遊技、第1の2R特別遊技、および第2の2R特別遊技を、適宜「特別遊技」と総称する。なお、特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が所定の結果となった場合に、16回、5回、10回など3種類以上の回数の単位遊技が繰り返される特別遊技を実行してもよい。この場合の単位遊技における第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放時間は、16R大当りと同様である。また、特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が所定の結果となった場合に、例えば16回など1種類の回数の単位遊技が繰り返される特別遊技を実行してもよい。
小当り遊技制御手段121は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、その単位遊技において大入賞口66を約0.8秒ずつ2回にわたって開放する。いずれの開放時間も開放基準時間である2秒間を下回るとともに、それらの合計時間も開放基準時間を下回る。小当り遊技制御手段121は、第1の抽選が小当りとなったときは、第1大入賞口91を開放させる単位遊技を実行する第1の小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、第2の抽選が小当りとなったときは、第2大入賞口92を開放させる単位遊技を実行する第2の小当り遊技を実行する。「小当り遊技」とは、第1の小当り遊技および第2の小当り遊技を総称したものである。小当り遊技における第1大入賞口91および第2大入賞口92の開放態様は、2R大当りと同様となっている。
特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後、あらたに特別遊技を獲得する容易性が通常状態より有利となる状態である特定遊技状態に移行させる。具体的には、特定遊技実行手段122は、特定遊技として、通常遊技中における確率変動状態「以下、適宜「確変」という)および時短の移行および終了を制御する。特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず時短状態へ移行させる。時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の時短終期回数に達するまで継続される。時短終期回数は、入球容易状態が終了するまでの特別図柄の変動回数である入球容易終期回数、または入球容易状態が終了するまでの期間である入球容易期間として利用される。
時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態に移行される。入球容易状態は、普通図柄の時短、普図抽選の確率変動、拡開機構による普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。「普通図柄の時短」は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。「普図抽選の確率変動」は、普図抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。「拡開機構による普通電動役物65の開放延長」は、拡開機構による普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、普通電動役物65の開放時間が通常状態よりも長く第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動入賞口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施形態における入球容易状態は、普通図柄の時短、普図抽選の確率変動、拡開機構による普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
さらに後述するように、時短に移行する場合、変動パターンの選択時に参照すべき変動パターンテーブルとして、時短用変動パターンテーブルが選択される。この時短用変動パターンテーブルは、当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される最頻変動パターンの変動時間が、通常状態において通常選択される通常変動パターンテーブルにおける最頻変動パターンの変動時間よりも短くなっている。このため、時短中は通常状態よりも第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
また、特定遊技実行手段122は、第1の抽選と第2の抽選のいずれの結果に起因する特別遊技であったかにかかわらずその特別遊技の終了後に必ず確変へ移行させる。確変とは、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となる確率が通常状態より高められる状態をいう。具体的には、当否判定時に参照すべき当否判定テーブルを、通常状態用のものから確変用のものに切り替えることにより、通常状態から確変に移行させる。確変から通常状態に移行するときは、当否判定時に参照すべき当否判定テーブルを、確変用のものから通常状態用のものに切り替えることにより、確変から通常状態に移行させる。確変中は、当否抽選の結果が特別遊技への移行を示すものとなる確率が通常状態よりも高い値のまま維持される。このため確変中は、通常状態より特別遊技が容易に獲得可能となる。
特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後から当否抽選の回数が所定の確変終期回数に達するまで、確率変動状態を維持する。したがって、本実施形態に係るぱちんこ遊技機10は、確変状態が次の大当りの発生まで継続するのではなく、確変状態が維持される期間が、特別図柄の変動回数が所定の終期回数に達するときまでに限定される、いわゆる「ST機」と呼ばれるものとなっている。すなわち特定遊技実行手段122は、特別図柄の変動回数が確変終期回数に達するときと、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となったときと、のうち早いほうになったとき、確変から通常状態へ移行させる。本実施形態では、確変終期回数は64回に設定されている。なお、確変終期回数が他の回数に設定されてもよいことは勿論である。
なお、特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が特別遊技へ移行する結果に、特別遊技の終了後から所定の確率変動期間が終了するまで、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となる確率が通常状態より高められる確率変動状態に特定遊技状態として移行させてもよい。この「確率変動期間」は、特別遊技の実行終了時からの経過時間であってもよい。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄の変動演出パターンとして複数の変動演出パターンデータを保持する。演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出図柄表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せを第1抽選手段126または第2抽選手段128が決定する特別図柄の停止図柄や変動パターンに基づいて決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が16R特別遊技または5R特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。この場合、装飾図柄190として揃える数字には、第1特別図柄192や第2特別図柄193と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、第1特別図柄192または第2特別図柄193が「7」の場合は装飾図柄190が「777」となる。あるいは、3つの図柄の少なくとも一つに当りであることを示す特定の図柄が含まれる図柄の組み合わせによっても、その大当りを示すようにしてもよい。当否判定結果が小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が5R大当りまたは16R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンデータを演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンデータには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの変動過程と演出過程が定義される。変動演出パターンには、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経てから当り態様または外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチパターンと、リーチ状態を経ずに外れ態様である停止図柄組合せを表示するリーチなしパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果または第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動演出パターンデータにしたがって装飾図柄190として演出図柄表示装置60の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1演出制御手段168は、第2保留手段146により第2の抽選の結果が保留されている場合は第1の抽選に対応する図柄変動表示の開始を留保する。第2演出制御手段170は、第1保留手段144により第1の抽選の結果が保留されているか否かにかかわらず第2の抽選に対応する図柄変動表示を開始する。これにより、第1保留手段144と第2保留手段146の双方によって抽選値が保留されていた場合は第2保留手段146により保留された抽選値が優先的に読み出されて装飾図柄の変動が表示される。そのような場合、第2保留手段146の保留数が0になるまでは第1保留手段144に保留された抽選値は読み出されずその装飾図柄の変動も開始しない。このように演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動表示を含む図柄変動演出を演出図柄表示装置60に表示させる。
図4(a)は、通常状態において当否抽選の際に参照される当否判定テーブルを模式的に示す図である。図4(b)は、確変中において当否抽選の際に参照される当否判定テーブルを模式的に示す図である。図4(a)および図4(b)の各々の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定において本図の当否判定テーブルを参照する。
図4(a)および図4(b)に示すように、確変中における当否判定テーブルでは、通常状態における当否判定テーブルに比べ、大当りと判定される当否抽選値の範囲が広く設定されている。このため、確変中は通常状態に比べ大当りとなる確率が高められる。本実施形態においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。
図5(a)は、第1特別図柄192を決定するための第1図柄判定テーブルを示す図であり、図5(b)は、第2特別図柄193を決定するための第2図柄判定テーブルを示す図である。この第1図柄判定テーブルおよび第2図柄判定テーブルの各々において、当否抽選の結果が大当り、小当り、外れの各々に、図柄抽選値と特別図柄とが対応付けられている。当否抽選の結果が大当りであった場合、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」のうちいずれかの特別図柄が選択されるよう、これらの特別図柄と図柄抽選値とが対応付けられている。当否抽選の結果が小当りであった場合、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」のうちいずれかの特別図柄が選択されるよう、これらの特別図柄と図柄抽選値とが対応付けられている。当否抽選の結果が外れであった場合、「−」の特別図柄が選択されるよう、この特別図柄と図柄抽選値とが対応付けられている。
本実施形態では、2R大当り、5R大当り、および16R大当りが設けられている。「1」「3」、「5」のいずれかの特別図柄が選択されたときは、5R大当りとなり、「7」の特別図柄が選択されたときは16R大当りとなる。「9」の特別図柄が選択されたときは2R大当りとなる。
図5(a)に示すように第1図柄判定テーブルでは、図柄抽選値と各特別図柄との対応関係は、16R大当りとなる確率が最も低く、16R大当りよりも5R大当りとなる確率はわずかに高くなるよう設定されている。一方2R大当りとなる確率は、これら16R大当りおよび5R大当りよりもはるかに高く設定されている。
これに対し図5(b)に示すように第2図柄判定テーブルでは、図柄抽選値と各特別図柄との対応関係は、16R大当りよりも5R大当りとなる確率が高くなるよう設定されている点は第1図柄判定テーブルと同様である。一方、2R大当りとなる確率は、第1図柄判定テーブルとは異なりこれら16R大当りおよび5R大当りよりもはるかに低く設定されている。したがって特別遊技制御手段120は、第2の抽選の結果が大当りとなった場合に、第1の抽選の結果が大当りとなった場合よりも高い確率で、遊技者に有利な5R特別遊技または16R特別遊技を実行する。
なお、第1図柄判定テーブルでは、16R大当りや5R大当りなど、特別遊技の実行により賞球が期待できる大当りが得られず、特別遊技の実行により賞球が期待できない2R大当りのみが大当りとして選択可能に設けられていてもよい。また、第2図柄判定テーブルでは、2R大当りなど特別遊技の実行により賞球が期待できない大当りが得られず、16R大当りや5R大当りなど特別遊技の実行により賞球が期待できる大当りのみが大当りとして選択可能に設けられていてもよい。これにより、第2始動入賞口63へ入球と第1始動入賞口62への入球との間における遊技者への有利不利の差をいっそう鮮明にすることができる。
上述のように、時短中は第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、第1始動入賞口62よりも第2始動入賞口63の方が入球し易い状態となる。一方、時短中でない通常状態では、第2始動入賞口63は入球容易状態とならず、第2始動入賞口63への入球は困難となっている。このため、本実施形態に係るぱちんこ遊技機10は、通常状態では第1始動入賞口62へ入球させるため遊技領域52の左側を狙って遊技球を遊技領域52に打ち込む、いわゆる左打ちを実行し、第1始動入賞口62への入球を契機として第1の抽選の結果が2R大当りとなって時短が開始されることを主に狙う遊技性となる。第1始動入賞口62への入球を契機として2R大当りなどとなって特別遊技の実行終了後に時短となった場合、遊技者は次に第2始動入賞口63へ入球させるため遊技領域52の右側を狙って遊技者を遊技領域52に打ち込む、いわゆる右打ちを実行する。これにより第2始動入賞口63への入球を契機として第2の抽選の結果が16R大当りとなることを狙う遊技性となる。
ここで、上述のように、普図制御手段153は、普通図柄の変動時間を設定し、作動口68への入球を契機として、普通図柄を普通図柄表示装置59において、設定された変動時間変動表示させる。開閉制御手段124は、普通図柄抽選の結果が当りとなり、普通図柄が当りを示す図柄にて停止されたときに普通電動役物ソレノイド76を作動させて第2始動入賞口63の入球容易性を高める。このため普通電動役物ソレノイド76は、入球容易性を高めるよう作動可能な入球変動機構として機能し、開閉制御手段124は、第2始動入賞口63への入球容易性を制御する入球制御手段として機能する。
特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後から特別図柄の変動回数が所定の時短終期回数に達するまで時短へ移行させる。時短では、普通図柄抽選が当りとなる確率が通常状態よりも高くなる、普図抽選の確率変動が実施される。また、第2始動入賞口63が開放される期間が通常状態よりも長くなる、開放延長が実施される。さらに、普通図柄の変動時間が通常状態において設定される通常変動時間より短い時短変動時間に設定される時短へ移行させる、普通図柄の短縮変動が実行される。
上述のように特定遊技実行手段122は、第1の抽選または第2の抽選の結果が大当り場合、特別遊技の終了後から確変に移行し、確率変動期間が終了するまで確変を維持する。しかし本実施形態では確変終期回数は一律64回に設定されるため、いったん確変となると、大当りとなる確率においては遊技者への有利不利が一定となる。このため一方、特別遊技の実行終了後、特別図柄の変動回数が確変終期回数に達するまでの間は、確変となって遊技者に有利な状況となっているにもかかわらず、遊技者は単調となるおそれがある。
このため本実施形態では、特定遊技実行手段122は、当否抽選が大当りとなり且つ所定の条件を満たした場合、確変終期回数より少ない所定の複数種類の時短終期回数のいずれかを選択する。特定遊技実行手段122は、特別遊技の終了後からの特別図柄の変動回数が選択された時短終期回数に達するまで、第2始動入賞口63への入球容易性が通常状態より高くなる時短へ移行させる。これにより、確変中においても、時短が終了するか否かで遊技者を煽ることができ、「時短が終了しないで欲しい」と遊技者に思わせることができる。本実施形態では、確変終期回数より少ない複数種類の時短終期回数として、42回、および52回が設定されている。なお、確変終期回数より少ない時短終期回数として他の回数が設定されてもよい。
上述のように、本実施形態では特別遊技として、賞球がほとんど期待できない2R特別遊技と、2R特別遊技よりも多くの賞球が期待できるため2R特別遊技よりも遊技者に有利な5R特別遊技および16R特別遊技が設けられている。ここで、上述のように特別遊技制御手段120は、第2大入賞口92への入球を契機とした第2の抽選の結果が大当りとなった場合に、第1大入賞口91への入球を契機とした第1の抽選の結果が大当りとなった場合よりも高い確率で5R特別遊技および16R特別遊技を実行する。一方、時短が終了すると第2大入賞口92の入球容易状態が終了し、第2大入賞口92への入球は困難となる。このため、例えば確変中であっても、時短が終了すると第2始動入賞口63への入球が困難となるため、賞球がほとんど期待できない2R大当りとなる確率が高い第1始動入賞口62を狙って遊技を進めることになる。したがって、確変中であっても、「確変中はできるだけ長く時短が継続して欲しい」と思わせることができ、確変中における遊技者の賞球獲得に対する期待に抑揚を持たせることができる。
本実施形態では、図5(a)および図5(b)に示すように、特別図柄「1」が選択された場合には、時短終期回数として42回が設定され、特別図柄「3」が選択された場合には時短終期回数として52回が設定される。さらに特別図柄「5」または「7」が選択された場合には時短終期回数として64回が設定される。
上述のように確変終期回数は64回に設定されているため、時短終期回数が64回に設定された場合、確変と時短は同時に終了することになる。このため遊技者は、多くの賞球が期待できる16R大当りまたは5R大当りを得るため、確変中は常に第2始動入賞口63への入球を狙って右打ちすることが可能である。しかし、時短終期回数が42回または52回に設定された場合、確変終了前に時短が終了することになるため、遊技者は確変中にあまり賞球が期待できない2R大当りとなる可能性が高い第1始動入賞口62への入球を狙って左打ちすることを余儀なくされる。
特別図柄「7」が選択されたときには16R大当りとなるため、16R大当りとなった時点で時短が確変終了まで継続することを知ることができる。しかしながら、5R大当りとなったときは、42回、52回、および64回のどれに時短終期回数が設定されるかを遊技者が判別することは、装飾図柄190など演出図柄表示装置60に表示される演出を見ているだけでは困難となる。このため5R大当りとなった場合、遊技者は、確変終了前に時短が終了するかもしれない、とおもいつつ遊技を進めることになる。
なお、確変が継続する確率変動期間が特別遊技の実行終了からの経過時間で定められていてもよく、且つ時短が継続する時短期間が特別遊技の実行終了後からの経過時間で定められていてもよい。この場合、確率変動期間より短い所定の複数種類の時短期間のいずれかを選択し、特別遊技の終了後から選択された時短期間が終了するまで時短に移行させてもよい。
ここで、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、複数の変動パターンテーブルから、遊技状態に応じていずれかを参照して、当否抽選の結果に対応する変動パターンを選択する。変動パターンテーブルは、図柄の変動過程が定められた変動パターンと当否抽選の結果との対応関係として遊技状態ごとに定められた変動パターン選択基準として機能する。この「変動パターン選択基準」は、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現されてもよいし、パラメータからパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現されてもよい。テーブル構造を用いる場合、実質的に1種類となる選択基準を構造的に細分化された複数のテーブルの組み合わせで構成してもよいが、以下、限定パターン選択基準について「複数種の」というときはその細分化されたテーブルの数ではなくテーブルの実質的な種類の数を示す。
複数の変動パターンテーブルは、遊技状態ごとに定められた通常の変動パターンテーブルに加え、通常の変動パターンテーブルとは変動パターンの選択傾向が異なるよう対応関係が定められている特殊変動パターンテーブルを含む。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、確変中はその旨を遊技者に示唆するため、この特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。変動パターンは変動演出パターンに対応付けられている。このため、特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択することにより、確変終了後に通常変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択しているときとは異なる変動演出パターンの選択傾向を実現することができ、確変中と確変終了後の通常状態とで実行される演出の傾向を異ならせることができる。本実施形態では、特殊変動パターンテーブルとして、第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、および第3特殊変動パターンテーブルが設けられている。
図6(a)は、通常変動パターンテーブルを示す図であり、図6(b)は、通常演出パターンテーブルを示す図である。通常変動パターンテーブルとは、通常状態において変動パターンの選択時の参照先として通常設定されている変動パターンテーブルをいう。また、通常演出パターンテーブルとは、通常状態において演出パターンの選択時の参照先として通常設定されている演出パターンテーブルをいう。
パターン記憶手段130は、特別図柄の変動表示中に実行すべき演出内容が各々定められた複数の演出パターンを保持する。また、パターン記憶手段130は、変動パターンと演出パターンとの対応関係が各々定められた複数の演出パターンテーブルを保持する。演出決定手段132は、この複数の演出パターンテーブルのうち一つを参照して、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動表示中に実行すべき演出パターンを選択する。通常演出パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の演出パターンの一つであり、通常状態において演出パターン選択時の参照先として通常設定されている演出パターンテーブルをいう。演出表示制御手段134は演出実行手段として機能し、演出決定手段132によって選択された演出パターンにしたがって、特別図柄変動中に演出を実行する。
図7(a)は、第1特殊変動パターンテーブルを示す図であり、図7(b)は、第1特定演出パターンテーブルを示す図である。第1特殊変動パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の変動パターンテーブルの一つであり、大当りの終了後に時短を実行するときに、変動パターン選択時の参照先として設定される変動パターンテーブルである。16R大当りとなった場合は、16R特別遊技の実行終了後から、特別図柄の変動回数が確変終期回数に達するまで、この第1特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンが選択される。一方、5R大当りとなった場合は、まず第1特定演出状態Aとなり、次に第2特定演出状態Bとなる。5R大当りであって特別図柄が「1」または「3」の場合は、その後に第3特定演出状態Cとなる。第1特殊変動パターンテーブルは、この第1特定演出状態Aにおいて変動パターンの選択のために参照される。
この第1特殊変動パターンテーブルは時短用変動パターンテーブルであり、当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される最頻変動パターンである変動パターンJの変動時間が、通常変動パターンテーブルにおける最頻変動パターンである変動パターンGの変動時間よりも短くなっている。このため、時短中は通常状態よりも第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
第1特定演出状態Aでは、確変中であるため「チャンスモード」という共通の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものとなっている。なお、特定演出状態が「チャンスモード」に限られないことは勿論であり、他の観念での関連性を互いに有する演出が頻繁に実行されるものであってもよい。この「チャンスモード」を実現するため、第1特定演出パターンテーブルは、通常演出パターンテーブルとは変動パターンの選択傾向が異なるよう変動パターンと演出パターンの対応関係が定められている。
具体的には、図7(b)に示すように、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっている。スーパーリーチH1、H2、H3は、メインキャラクタAが登場する点とメインキャラクタAがある動作をする点で共通している。同様に、スーパーリーチI1、I2、I3は、メインキャラクタAが登場する点とメインキャラクタAがある別の動作をする点で共通している。
なお、5R大当りとなったときに設定される第1特殊変動パターンテーブルは、16R大当りとなったときに設定される第1特殊変動パターンテーブルに比べ、リーチの変動演出パターンが選択されやすいよう設けられていてもよい。これにより、16R大当りよりも少ない賞球しか獲得できない5R大当りとなった場合においても、遊技者の落胆を抑制することができる。
図8(a)は、第2特殊変動パターンテーブルを示す図であり、図8(b)は、第2特定演出パターンテーブルを示す図である。第2特殊変動パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の変動パターンテーブルの一つであり、第2特定演出状態Bにおいて変動パターンの選択時に参照されるテーブルである。
本実施形態では、第2特定演出状態Bでは「バトルモード」の演出が実行されるものとなっている。なお、特定演出状態が「バトルモード」に限られないことは勿論であり、他の観念での演出が実行されるものであってもよい。具体的には、図8(b)に示すように、まず当否抽選の結果が外れであった場合においても、リーチなしの変動パターンやノーマルリーチの変動パターンは選択されず、スーパーリーチの変動演出パターンが選択される変動パターンのみが選択可能となっている。このため、第2特定演出状態Bでは常にスーパーリーチの演出が実行される。このスーパーリーチの演出において、「バトルモード」の演出が実行される。なお、第2特定演出状態Bにおいてスーパーリーチ以外の演出が実行されてもよい。
図8(b)に示すように、第2特殊変動パターンテーブルは、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっている。スーパーリーチH4、H51、H52は、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りか否かを示唆するため、メインキャラクタAと敵キャラクタBとが戦う点で共通している。スーパーリーチH4は、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りであるため、最後にメインキャラクタAが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチH51およびスーパーリーチH52は、当否抽選の結果が5R大当りおよび16R大当りでないため、敵キャラクタBが勝利してメインキャラクタAが敗北する演出が実行されるよう設けられている。
また、スーパーリーチH51およびスーパーリーチH52は、今度は時短が継続するか終了するかを示唆するため、メインキャラクタAが再び立ち上がり敵キャラクタBと戦う演出が実行されるよう設けられている。その後の特別図柄の変動においても時短が継続する場合は、スーパーリーチH51が選択される。スーパーリーチH51は、敵キャラクタBとの再戦においてメインキャラクタAが勝利することで、時短が継続する旨を示唆する演出が実行される。一方、その特別図柄の変動において時短が終了する場合は、スーパーリーチH52が選択される。スーパーリーチH52は、敵キャラクタBとの再戦においてメインキャラクタAが再び敗北することで、時短が終了する旨を示唆する演出が実行される。
同様に、スーパーリーチI4、I51、およびI52は、メインキャラクタAと戦うのが敵キャラクタCとなっている以外は、スーパーリーチH4、H51、およびH52と同様である。したがって、スーパーリーチI4は、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りであるため、最後にメインキャラクタAが勝利する演出が実行されるよう設けられている。スーパーリーチI51およびスーパーリーチI52は、当否抽選の結果が5R大当りおよび16R大当りでないため、敵キャラクタCが勝利してメインキャラクタAが敗北する演出が実行されるよう設けられている。
また、スーパーリーチI51およびスーパーリーチI52は、今度は時短が継続するか終了するかを示唆するため、メインキャラクタAが再び立ち上がり敵キャラクタCと戦う演出が実行されるよう設けられている。その後の特別図柄の変動においても時短が継続する場合は、スーパーリーチI51が選択される。スーパーリーチI51は、敵キャラクタCとの再戦においてメインキャラクタAが勝利することで、時短が継続する旨を示唆する演出が実行される。一方、その特別図柄の変動において時短が終了する場合は、スーパーリーチI52が選択される。スーパーリーチI52は、敵キャラクタCとの再戦においてメインキャラクタAが再び敗北することで、時短が終了する旨を示唆する演出が実行される。
なお、演出決定手段132は、メイン基板102から受信する特別図柄を示すデータに基づいて、時短終期回数が何回かを判定する。演出決定手段132もまた特別図柄の変動回数を計数しており、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が時短終期回数に達しているか否かにより、時短がその変動で終了するか否かを判定する。これにより演出決定手段132は、スーパーリーチH51とH52、またはスーパーリーチI51とI52のいずれを選択すべきかを判定する。
図9(a)は、第3特殊変動パターンテーブルを示す図であり、図9(b)は、第3特定演出パターンテーブルを示す図である。第3特殊変動パターンテーブルは、パターン記憶手段130に保持される複数の変動パターンテーブルの一つであり、第3特定演出状態Cにおいて変動パターンの選択時に参照されるテーブルである。第3特定演出状態Cは、時短終了後に特定演出状態が継続する場合に時短終了から特別図柄の変動回数が確変終期回数に達するまでの期間の演出状態となっている。したがって、時短終了時に確変が終了しない場合、変動パターン選択時の参照先がこの第3特殊変動パターンテーブルに切り替えられる。また、特別図柄の変動回数が確変終期回数に達したとき、変動パターン選択時の参照先が第3特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替えられる。
この第3特殊変動パターンテーブルが参照されるときは、時短は終了しており、第2始動入賞口63の入球容易状態も終了し、遊技者は第1始動入賞口62へ入球させるよう左打ちに切り替えると考えられる。この第1始動入賞口62は入球容易状態にある第2始動入賞口63よりは入球しにくいため、第1当否抽選値の保留数は簡単に増加せず、特別図柄の変動時間を短縮する必要性が低い。
このため、当否抽選の結果が外れとなったときに最も高い頻度で選択される最頻変動パターンである変動パターンLの変動時間は、時短用変動パターンテーブルである第1特殊変動パターンテーブルにおける最頻変動パターンである変動パターンJの変動時間よりも長くなっている。なお、この変動パターンLの変動時間は、通常変動パターンテーブルにおける最頻変動パターンである変動パターンGと同じ変動時間であってもよく、変動パターンGよりも短い変動時間であってもよい。また、時短は終了しているが、特別図柄の変動時間の短縮化は継続すべく、変動パターンLの変動時間は、第1特殊変動パターンテーブルの変動パターンJの変動時間を同じであってもよい。
なお、変動パターンH7、H8、H9、I7、I8、I9の変動時間は、それぞれ第1特定演出パターンテーブルにおける変動パターンH1、H2、H3、I1、I2、I3と略同一となっている。ただし、変動パターンH7、H8、H9、I7、I8、I9の変動時間がそれぞれ第1特定演出パターンテーブルにおける変動パターンH1、H2、H3、I1、I2、I3の変動時間と異なっていてもよい。
上記の「チャンスモード」を実現するため、第3特殊変動パターンテーブルもまた、通常演出パターンテーブルとは演出パターンの選択傾向が異なり、第1特定演出パターンテーブルとは演出パターンの選択傾向が類似するよう変動パターンと演出パターンとの対応関係が定められている。具体的には、図9(b)に示すように、リーチ演出の演出パターンが選択される変動パターンの種類は通常変動パターンテーブルより少なくなっており、また、第1特定演出パターンテーブルと同数となっている。スーパーリーチH7、H8、H9は、スーパーリーチH1、H2、H3と同様にメインキャラクタAが登場する点とメインキャラクタAがある動作をする点で共通している。同様に、スーパーリーチI7、I8、I9は、スーパーリーチI1、I2、I3と同様にメインキャラクタAが登場する点とメインキャラクタAがある別の動作をする点で共通している。
このように、時短が終了して第2始動入賞口63への入球容易状態が終了するものの、演出上は「チャンスモード」が継続し、特定演出状態が継続する。この「チャンスモード」に突入するときは常に確変となっているため、遊技者は、時短終了後においても特定演出状態が継続している場合には確変が継続していることを確認することができる。
図10(a)〜図10(d)は、大当りの種類と、特別遊技実行終了後の演出、確変および時短のそれぞれの終期回数との関係を示す図である。まず、図10(a)は、当否抽選の結果が16R大当りであり、特別図柄に「7」が選択されたときの確変終期回数、時短終期回数、および確変中の演出状態を示す図である。この場合、確変終期回数は64回、時短終期回数は64回に設定される。また、確変中は第1特定演出状態Aが継続し、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、この間は第1特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。
図10(b)は、当否抽選の結果が5R大当りであり、特別図柄に「5」が選択されたときの確変終期回数、時短終期回数、および確変中の演出状態を示す図である。この場合、確変終期回数は64回、時短終期回数は64回に設定される。一方、16R大当りのときと異なり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が1〜41回、43〜51回、53〜64回の間は第1特定演出状態Aとなり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が42回および52回のときは第2特定演出状態Bとなる。
図10(c)は、当否抽選の結果が5R大当りであり、特別図柄に「3」が選択されたときの確変終期回数、時短終期回数、および確変中の演出状態を示す図である。この場合、確変終期回数は64回、時短終期回数は52回に設定される。また、5R大当り且つ特別図柄「5」のときと異なり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が1〜41回、43〜51回の間は第1特定演出状態Aとなり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が42回および52回のときは第2特定演出状態Bとなる。また、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が53〜64回の間は第3特定演出状態Cとなる。
図10(d)は、当否抽選の結果が5R大当りであり、特別図柄に「1」が選択されたときの確変終期回数、時短終期回数、および確変中の演出状態を示す図である。この場合、確変終期回数は64回、時短終期回数は42回に設定される。また5R大当り且つ特別図柄「5」や「3」のときと異なり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が1〜41回の間は第1特定演出状態Aとなり、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が42回のときは第2特定演出状態Bとなる。また、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が43〜64回の間は第3特定演出状態Cとなる。
このように本実施形態では、第1の時短終期回数と、第1の時短終期回数よりも長い第2の時短終期回数が設定可能となっており、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1の時短終期回数および第2の時短終期回数のいずれが選択された場合においても、特別遊技の実行終了後の特別図柄の変動回数が第1の時短終期回数に達したときに、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。これにより、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択しているときに、時短が継続するか否かを示唆する演出を実行することができる。
例えば、42回、52回、64回のいずれの時短終期回数が選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が42回に達したときに、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。上述のように第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択すると、当否抽選の結果が5R大当りまたは16R大当りでない場合に、所定の演出によって遊技者を煽ったあと、時短が継続するか終了するかを示唆する演出が実行される変動パターンが選択される。この場合、演出決定手段132は、時短終期回数として42回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が42回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が終了することを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。なお、時短が終了することを直接報知する演出が実行される変動演出パターンが選択されてもよい。一方、演出決定手段132は、時短終期回数として52回または64回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が42回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が継続されることを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。なお、時短が継続されることを直接報知する演出が実行される変動演出パターンが選択されてもよい。
また、例えば、52回と64回のいずれの時短終期回数が選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が52回に達したときに、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する。この場合、演出決定手段132は、時短終期回数として52回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が52回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が終了することを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。一方、演出決定手段132は、時短終期回数として64回が選択された場合は、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が52回に達したときに実行すべき変動演出パターンとして時短が継続されることを示唆する演出が実行される変動演出パターンを選択する。
なお、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1の時短終期回数および第1の時短終期回数よりも多い第2の時短終期回数のいずれが選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が、第1の時短終期回数の所定回数前から第1の時短終期回数に達するまでの限定的な期間において、第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択してもよい。例えば第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、時短終期回数として42回と52回のいずれが選択された場合においても、特別遊技実行終了後の特別図柄の変動回数が40回から42回までの限定的な期間において第2特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択してもよい。さらに、時短の終了が特別遊技実行終了後からの経過時間によって定められていてもよい。この場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、第1の時短期間および第2の時短期間のいずれが選択された場合においても、第1の時短期間の終了時、または第1の時短期間が終了する所定期間前から第1の時短期間が終了するまでの限定的な期間において、特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択してもよい。
図11は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入球した場合の処理を実行し(S10)、通常遊技中であれば(S12のY)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行し(S17)、S10の入賞処理においてセットされた賞球数により各種の入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図12は、図11におけるS14の通常遊技制御処理の手順を示すフローチャートである。まず第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別図柄を変動させるための変動パターン選択処理を実行し(S19)、メイン表示制御手段118は、選択された変動パターンを用いて特別図柄を変動させるための特別図柄変動処理を実行する(S20)。次に特定遊技実行手段122は、時短、特定演出状態、および確変を制御するための遊技状態制御処理を実行する(S22)。次に演出表示制御手段134は、特定演出状態の実行などを含む演出制御処理を実行する(S24)。
図13は、図12におけるS19の変動パターン選択処理の実行手順を詳細に示すフローチャートである。演出表示制御手段134は、5Rまたは16R特別遊技終了後か否かを判定する(S220)。5Rまたは16R特別遊技終了後の場合(S220のY)、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、その特別遊技が実行されたときの特別図柄に応じてテーブル切り替え態様を決定する(S222)。
具体的には、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技が実行されたときの特別図柄が「7」のときは、図10(a)に示すように第1特定演出状態Aを継続する。すなわち変動パターン選択時の参照先を第1特殊変動パターンテーブルのまま維持するテーブル切り替え態様を決定する。特別遊技が実行されたときの特別図柄が「5」のときは、図10(b)に示すように、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第1特定演出状態Aと演出状態が切り替えられるよう、変動パターン選択時の参照先が第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第1特殊変動パターンテーブルの順に切り替えられるテーブル切り替え態様を決定する。特別遊技が実行されたときの特別図柄が「3」のときは、図10(c)に示すように、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第3特定演出状態Cと演出状態が切り替えられるよう、変動パターン選択時の参照先が第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第3特殊変動パターンテーブルの順に切り替えられるテーブル切り替え態様を決定する。特別遊技が実行されたときの特別図柄が「1」のときは、図10(d)に示すように、第1特定演出状態A、第2特定演出状態B、第3特定演出状態Cと演出状態が切り替えられるよう、変動パターン選択時の参照先が第1特殊変動パターンテーブル、第2特殊変動パターンテーブル、第3特殊変動パターンテーブルの順に切り替えられるテーブル切り替え態様を決定する。
各々の特定演出状態における特別図柄の変動回数は上述した通りである。なお、各々の特定演出状態における特別図柄の変動回数がこれに限られないことは勿論である。また、例えば、確変終期回数よりも少ない時短終期回数の種類は上述のように42回と52回などの2種類に限られず、3種類以上の複数の時短終期回数が確変終期回数よりも少なく設定されていてもよい。
特別図柄に応じてテーブル切り替え態様が決定されると、演出表示制御手段134は、変動パターン選択のための参照先として第1特殊変動パターンテーブルを設定し、特定演出状態を開始する(S224)。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、設定された第1特殊変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する(S226)。
5Rまたは16R特別遊技終了後でない場合(S220のN)、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動回数カウンタが確変終期回数に達しているか否かを判定することにより確変中か否かを判定する(S228)。確変中でない場合(S228のN)、以下のS230およびS232はスキップされる。
確変中の場合(S228のY)、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、テーブル切り替えタイミングか否かを判定する(S230)。テーブル切り替えタイミングの場合(S230のY)、演出表示制御手段134は、変動パターンテーブルを切り替える(S232)。
例えば特別図柄「1」が選択されて5R特別遊技が実行された場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が、テーブル切り替えタイミングである42回、43回、または65回に達したか否かを判定する。42回に達した場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン選択時の参照先を第1特殊変動パターンテーブルから第2特殊変動パターンテーブルに切り替える。43回に達した場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン選択時の参照先を第2特殊変動パターンテーブルから第3特殊変動パターンテーブルに切り替える。65回に達した場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターン選択時の参照先を第3特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替える。
特別図柄「3」が選択されて5R特別遊技が実行された場合、および特別図柄「5」が選択されて5R特別遊技が実行された場合、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、特別遊技実行終了後からの特別図柄の変動回数が、テーブル切り替えタイミングである42回、43回、52回、53回、および65回に達したか否かを判定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、切り替えタイミングに達したときに図10(c)および図10(b)に示す特定演出状態となるよう変動パターン選択時の参照先の変動パターンテーブルを切り替える。テーブル切り替えタイミングでない場合(S230のN)、S232がスキップされ、現在設定されている変動パターンテーブルが変動パターン選択時の参照先として維持される。こうして変動パターン選択時の参照先である変動パターンテーブルが設定されると、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、設定された変動パターンテーブルを参照して変動パターンを選択する(S226)。
図14は、図12におけるS20の通常遊技制御処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2保留手段146により抽選値の保留がなされている場合(S62のY)、第2当否判定手段117が第2保留手段146から抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定し(S64)、第2当否判定手段117が第2特別図柄193を決定し(S66)、第2パターン決定手段119が第2特別図柄193の変動パターンを決定し(S68)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S77)。
第2保留手段146により抽選値の保留がなされていない場合であって(S62のN)、第1保留手段144により抽選値の保留がなされている場合(S70のY)、第1当否判定手段113が第1保留手段144から抽選値を読み出してあらためて第1特別図柄192の当否を判定し(S72)、第1当否判定手段113が第1特別図柄192を決定し(S74)、第1パターン決定手段114が第1特別図柄192の変動パターンを決定し(S76)、決定した結果とともに変動開始コマンドをサブ基板104へ送信して第1特別図柄192の図柄変動を開始する(S77)。第1保留手段144により抽選値の保留がなされていない場合はS72からS77までの処理をスキップする(S70のN)。
すでに図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、特別図柄の図柄変動表示を処理し(S78)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S80のY)、変動停止コマンドをサブ基板104へ送信して表示中の図柄変動をあらかじめ決定された停止図柄にて停止し(S82)、本図のフローを終了する。図柄表示の停止タイミングに達していない場合はS82の処理をスキップして本図のフローを終了する(S80のN)。
図15は、図12におけるS22の装飾図柄変動処理の実行処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S30のY)、受信した特別図柄の停止図柄、変動パターン、当否判定結果に応じて装飾図柄の停止態様を決定し(S32)、変動演出パターンを決定する(S34)。なお、予告抽選に当選して、予告演出の実行を決定した場合は、予告演出パターンをあわせて決定する。その後、装飾図柄の変動表示および予告演出の表示を開始する(S36)。変動開始コマンドを未受信であれば(S30のN)、S32からS36をスキップする。すでに装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S38のY)、その図柄変動や予告演出の表示処理を実行し(S40)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S42のY)、S32で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S44)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときはS44をスキップし(S42のN)、変動表示が開始済みでないときはS40からS44をスキップする(S38のN)。
図16は、図12におけるS24の遊技状態制御処理の実行手順を詳細に示すフローチャートである。特定遊技実行手段122は、特別遊技の実行終了後の特別図柄の変動回数を変動回数カウンタにてカウントしている。特定遊技実行手段122は、この変動回数カウンタの値が、選択された時短終期回数に達しているか否かを判定することにより時短中か否かを判定する(S250)。時短中の場合(S250のY)、特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が大当りか否かを判定する(S252)。大当りの場合(S252のY)、特定遊技実行手段122は、その大当りに基づく特別遊技を実行すべく通常遊技が一旦終了することに伴い時短を終了させる(S254)。
大当りでない場合(S252のN)、特定遊技実行手段122は、変動回数カウンタを参照し、時短開始後の特別図柄の変動回数が、選択された時短終期回数に達したか否かを判定する(S256)。時短終期回数に達した場合(S256のY)、特定遊技実行手段122は、次回以降で変動パターン選択時の参照先を第1特殊変動パターンテーブルから通常変動パターンテーブルに切り替えるなどして時短を終了させる(S254)。これにより第2始動入賞口63の入球容易状態が解除されるため、第2始動入賞口63への入球を狙って右打ちしていた遊技者は、第1始動入賞口62への入球を狙って今度は左打ちをすることになる。時短終期回数に達していない場合(S256のN)、特定遊技実行手段122は、S254をスキップして時短を継続させる。時短中でない場合(S250のN)、特定遊技実行手段122は、S252、S254、S256をスキップする。
次に特定遊技実行手段122は、変動回数カウンタの値が確変終期回数に達しているか否かを判定することにより、確変中か否かを判定する(S258)。確変中の場合(S258のY)、特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が大当りか否かを判定する(S260)。大当りの場合(S260のY)、特定遊技実行手段122は、その大当りに基づく特別遊技を実行すべく通常遊技が一旦終了することに伴い、確変用の当否判定テーブルを参照して当否を判定する確変を終了する(S262)。大当りでない場合(S260のN)、特定遊技実行手段122は、変動回数カウンタを参照し、変動回数カウンタを参照し、確変開始後の特別図柄の変動回数が確変終期回数である64回に達したか否かを判定する(S264)。
確変移行後の特別図柄の変動回数が確変終期回数に達した場合(S264のY)、特定遊技実行手段122は、変動回数カウンタをリセットし(S266)、当否判定時の参照先を確変用の当否判定テーブルから通常状態用の当否判定テーブルに切り替えることにより確変を終了させる(S262)。なお、特定演出終期回数が確変終期回数より少なく、すでに特定演出状態が終了している場合、確変が終了しても演出パターン選択時の参照先は通常演出パターンテーブルのまま維持される。このため、確変終了前後で演出パターンの選択傾向は変化しないため、確変の終了時を遊技者に判別困難とすることができる。確変移行後の特別図柄の変動回数が確変終期回数に達していない場合(S264のN)、S262をスキップして確変を継続するとともに、特定遊技実行手段122は、変動回数カウンタの値をインクリメントする(S268)。確変中でない場合(S258のN)、特定遊技実行手段122は、S260〜S268をスキップする。
図17は、図11におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口66の開放処理を実行する(S100)。このとき、設定された大当り演出の表示も開始する。大入賞口66が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、特別遊技終了判定処理へ移行する(S106)。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図18は、図17におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、通過フラグを一律にオフにするとともに開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口66を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図19は、図17におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口66を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口66を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、5R大当りおよび16R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口66への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。5R大当りおよび16R大当りの場合は、その開放開始から30秒の経過であり、2R大当りの場合は、その開放開始から0.5秒の経過である。ただし、0.5秒の開放は極めて短いため、10球以上の入球はもちろん、入球そのものが困難である。その大入賞口の開放と同時に遊技球を打ち出したとしても入球困難であるため、大入賞口66の極短開放が行われる2R大当りについては、大入賞口66の開放前にその開放を予測して遊技球を打ち出す必要がある。一方、5R大当りおよび16R大当りにおける入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口66の開放開始から30秒の経過である。このとき、継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。本実施形態においてこの継続上限回数は16R特別遊技では16回であり、5R特別遊技では5回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図20は、図17におけるS106の特別遊技終了判定処理の手順を詳細に示すフローチャートである。S108においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S108のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し(S110)、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S108にてデモ演出中であると判定され(S108のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。
図21は、図11におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口66が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口66の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口66の閉鎖処理を実行する(S162)。その結果、大入賞口66が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、小当り遊技終了判定処理へ移行する(S166)。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始して(S154)、2R大当りと同様の開始デモ演出の表示を開始し(S156)、本処理を一旦終了する。小当りでない場合は(S150のN)、本図のS152以降のフローをスキップする。
図22は、図21におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口66の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図23は、図21におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口66の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口66を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、大入賞口66の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
図24は、図21におけるS166の小当り遊技終了判定処理を示すフローチャートである。S168においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S168のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。S168にてデモ演出中であると判定され(S168のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。終了デモ演出が終了していない場合は(S176のN)、S178の処理をスキップする。
尚、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。
(変形例)
上記実施形態では、第1特別図柄192および第2特別図柄193という複数の特別図柄が設けられたぱちんこ遊技機について説明した。本変形例では、始動入賞口および特別図柄が1つずつしか設けられていない、いわゆる1種のぱちんこ遊技機が採用される。この場合においても、特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が特別遊技へ移行する結果且つ所定の特定遊技移行条件を満たす結果となった場合、特別遊技の終了後からの特別図柄の変動回数が所定の確変終期回数に達するまで確変に移行させる。特定遊技実行手段122は、確変終期回数より短い所定の複数種類の時短終期回数のいずれかを選択し、特別遊技の終了後からの特別図柄の変動回数が選択された時短終期回数するまで、始動口への入球容易性が通常状態より高くなるよう入球変動機構が作動される時短へ移行させる。これにより、1種のぱちんこ遊技機においても、確変中における賞球への期待に抑揚を持たせることができる。
なお、この変形例においても、確変が継続する確率変動期間が特別遊技の実行終了からの経過時間で定められていてもよく、且つ時短が継続する時短期間が特別遊技の実行終了後からの経過時間で定められていてもよい。この場合、特定遊技実行手段122は、確率変動期間より短い所定の複数種類の時短期間のいずれかを選択し、特別遊技の終了後から選択された時短期間が終了するまで時短に移行させてもよい。このように1種のぱちんこ遊技機においても、確変中の賞球に対する遊技者の期待に抑揚を持たせることができる。