JP2014083372A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】始動口への入球に伴う当否抽選が当りとなっても、特定の領域を遊技球が通過することにより特別遊技への移行が確定するまでは、特別遊技終了後に時短が付与されるか否かを遊技者から効果的に秘匿する。
【解決手段】特別遊技制御手段120は、小当り遊技において開放された第2大入賞口92内部の特定領域への入球があった場合に抽選を実行し、その抽選結果に応じた回数を、当該入球に伴う特別遊技における単位遊技の回数として決定する。特定遊技実行手段122は、小当り遊技において開放された第2大入賞口92内部の特定領域への入球があった場合に、特別遊技制御手段120により決定された単位遊技の回数に応じて、当該入球に伴う特別遊技終了後に、第2始動入賞口63の入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させるか否かを決定する。
【選択図】図3
【解決手段】特別遊技制御手段120は、小当り遊技において開放された第2大入賞口92内部の特定領域への入球があった場合に抽選を実行し、その抽選結果に応じた回数を、当該入球に伴う特別遊技における単位遊技の回数として決定する。特定遊技実行手段122は、小当り遊技において開放された第2大入賞口92内部の特定領域への入球があった場合に、特別遊技制御手段120により決定された単位遊技の回数に応じて、当該入球に伴う特別遊技終了後に、第2始動入賞口63の入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させるか否かを決定する。
【選択図】図3
Description
遊技球が発射される遊技領域を備えた弾球遊技機に関する。
従来、各種の弾球遊技機のうち、いわゆる第1種ぱちんこ遊技機と呼ばれていた遊技機においては、遊技盤上に設けられた始動口への入球を契機に当否抽選が行われ、その抽選結果に応じて特別図柄とよばれる図柄が変動表示される(以下、始動口を契機として実行される抽選を「特別図柄抽選」ともいう)。その当否抽選の結果が当りとなり、特別図柄が特定態様にて停止表示されると、遊技状態が大当りと呼ばれる特別遊技へ移行される(例えば特許文献1参照)。一方、始動口には、その入球容易性を高めるために拡開される役物が設けられたものがある。遊技盤上に設けられた作動口への入球を契機に別の当否抽選が行われ、その抽選結果に応じて普通図柄とよばれる図柄が変動表示される(以下、作動口を契機として実行される抽選を「普通図柄抽選」ともいう)。その当否抽選の結果が当りとなり、普通図柄が特定態様にて停止表示されると、役物が拡開されて始動口の入球容易性が高められる。その結果、遊技者は大当りを狙いやすくなる。このような遊技機においては、特別遊技が終了した後の所定期間、特定遊技として変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)が開始されるものがある。一般に、時短中は始動口が拡開される開放時間が通常より長くなる。また、特別図柄の変動時間が通常状態よりも短くなるため、特別図柄抽選の実行間隔が相対的に短くなり、早期に大当りが発生する可能性が高くなる。
また近年、遊技性向上をさらに追求するために種別に縛られない機種開発の必要性が認識され、例えば同じ種別の遊技機を複数混在させたり、異なる種別の遊技機を混在させるようなぱちんこ遊技機の開発も進められている。このような遊技機においても、普通図柄抽選の結果が当りとなることを条件として特定の可変入球口への入球容易性を高め、その可変入球口への入球により特別遊技への移行または継続を容易にするなどして、遊技者の期待感等を高める工夫がなされている。さらに、時短中は普通図柄の変動時間を通常状態よりも短くして普通図柄抽選の実行間隔を短くすることで、可変入球口が入球容易となる頻度を高め、遊技者の期待感を煽る工夫もなされている。例えば、第1の遊技と第2の遊技が混在する場合、最初に第1の遊技で当りを狙う遊技を行わせて、その遊技で当りとなり特別遊技を終了した後に、第2の遊技に時短を付与して通常は入球し難い始動口を入球容易な状態にして遊技させる遊技機が提案されている。この遊技機は、第2の遊技で当りとなった場合に特定の領域に遊技球を通過させることで新たな特別遊技を発生させることができる構成となってる(例えば特許文献2参照)。
上述したような第1の遊技と第2の遊技が混在する遊技機では、第2の遊技において時短が付与されると、その第2の遊技で特別遊技を獲得することが容易となる。したがって、特別遊技を獲得、特別遊技終了後の時短が付与された第2の遊技を実施、新たな特別遊技を早期に獲得、のサイクルを繰り返して出玉を増やすことができる。この結果、特別遊技終了後の第2の遊技において付与される時短の期間の長短が、出玉の量に大きく影響することになる。そのため、特別遊技終了後の第2の遊技における時短の期間を、その特別遊技を獲得する前に遊技者が判別できてしまうと、その特別遊技の獲得をあえて遊技者が回避しようとする動機付けを生じさせてしまうと本発明者は考えた。
本発明は本発明者の上記課題認識にもとづきなされたものであり、始動口への入球に伴う当否抽選が当りとなっても、特定の領域を遊技球が通過することにより特別遊技への移行が確定するまでは、特別遊技終了後に付与される時短の期間を遊技者から効果的に秘匿する弾球遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる第1始動入賞口と、第1始動入賞口とは異なる位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる第2始動入賞口と、第1始動入賞口への入球を契機として、第1の当否抽選を実行する第1抽選手段と、第2始動入賞口への入球を契機として、第2の当否抽選を実行する第2抽選手段と、第1の当否抽選と第2の当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、遊技領域の所定位置に設けられ、所定の開放条件を満たした場合に開放されて、遊技球の入球が賞球払い出しの契機となる第1大入賞口と、遊技領域の所定位置に設けられ、第2の当否抽選の結果が小当りとなって、図柄が小当りを示す態様で停止した場合に開放される第2大入賞口と、第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合、または、第2大入賞口が開放されて第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に、開放条件を満たしたとして、第1大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、第2始動入賞口の入球口に対応する位置に設けられ、開放状態となることで第2始動入賞口への入球を困難なものから容易なものへ変化させる入球変動機構について、その入球変動機構を開放させるか否かを決定するための普図抽選を作動口への入球を契機として実行する普図抽選手段と、普図抽選の結果が当りとなった場合に、入球変動機構を開放させる開閉制御手段と、第1の当否抽選の結果が特定の大当りとなったことに伴う特別遊技の終了後、または第2大入賞口内の特定領域への入球に伴う特別遊技の終了後、所定の終了条件が満たされるまで、第2始動入賞口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させる特定遊技実行手段と、第2の当否抽選の結果が小当りとなって、図柄が小当りを示す態様で停止した場合に、第2大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回含む小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、を備える。第2の当否抽選が小当りとなる確率は、第1の当否抽選が小当りとなる確率よりも高確率に設定されており、特別遊技制御手段は、小当り遊技において開放された第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に抽選を実行し、その抽選結果に応じた回数を、当該入球に伴う特別遊技における単位遊技の回数として決定し、特定遊技実行手段は、小当り遊技において開放された第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に、特別遊技制御手段により決定された単位遊技の回数に応じた期間を、当該入球に伴う特別遊技終了後の入球容易状態の終了条件として決定する。
なお、以上の構成要素の任意の組合せや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体、データ構造などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明の弾球遊技機によれば、始動口への入球に伴う当否抽選が当りとなっても、特定の領域を遊技球が通過することにより特別遊技への移行が確定するまでは、特別遊技終了後に付与される時短の期間を遊技者から効果的に秘匿することができる。
(第1実施例)
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような遊技を提供する。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選が大当りとなると大入賞口(後述の第1大入賞口91)が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第2の当否抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口(後述の第2大入賞口92)の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。第2大入賞口92へ入球した遊技球が第2大入賞口92内の「Vゾーン」と呼ばれる特定領域に入球すると、「小当り」から「大当り」へと昇格し、第1大入賞口91が開放される特別遊技が実行されるため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機を複数混在させたような遊技を提供する。遊技球が第1始動入賞口または第2始動入賞口に入球すると第1の当否抽選または第2の当否抽選が実行され、その抽選が大当りとなると大入賞口(後述の第1大入賞口91)が開放を繰り返す特別遊技が開始される。一方、第2の当否抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口(後述の第2大入賞口92)の短時間の開放がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、大当りの場合に複数回繰り返される単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。第2大入賞口92へ入球した遊技球が第2大入賞口92内の「Vゾーン」と呼ばれる特定領域に入球すると、「小当り」から「大当り」へと昇格し、第1大入賞口91が開放される特別遊技が実行されるため、小当り遊技は従来にいう第2種ぱちんこ遊技と実質的に同様の動作となる。
特別遊技が終了すると、所定の確率でいわゆる変動時間短縮遊技(以下、「時短」という)と呼ばれる特定遊技に移行する。時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下、「継続回数」とよぶ)に達するまで継続する。本実施例の時短は、特別図柄の変動時間短縮機能だけでなく、普通電動役物の開放時間の延長および普通図柄の変動時間の短縮の2つの機能を用いて第2始動入賞口への入球容易性を高める入球容易状態を含むものとする。また後述するように、第2始動入賞口への入球を契機とする当否抽選では小当り確率が高く設定される。この結果、時短中には、第2始動入賞口への入球を契機とした小当りが発生しやすく、小当りから発展する大当り(「小当りV」とも呼ばれる。)の発生可能性も高まる。
また、時短中に大当りが発生した場合は、通常状態から大当りが発生した場合よりも高い確率でその特別遊技終了後に新たな時短へ移行される。通常状態の通常遊技では第2始動入賞口への入球容易性が低いため、まずは第1始動入賞口に入球させて特別遊技を発生させ、一旦時短に移行させる。そして時短において小当り発展大当りを獲得し、その特別遊技終了後にも時短が継続することで小当り発展大当りを繰り返して連荘を狙う遊技性となる。
これまでの遊技機は、小当りを示す特別図柄の停止態様(以下、「小当り図柄」とも呼ぶ。)により、その小当りから大当りへ発展した場合の特別遊技終了後に時短を付与するか否か、または、時短の継続期間の長さを決定していた。したがって、遊技者は、小当りが発生した際に小当り図柄を確認して、その小当り図柄が時短が付与されない態様である場合は、あえて大当りへ発展させない、すなわち特定領域への入球を意図的に回避するよう遊技する(例えば打ち分ける)ことも可能となる。同様に、小当り図柄が、時短の継続期間が短いことを示す態様である場合にも、あえて大当りへ発展させないよう遊技することも可能となる。通常、大入賞口が開放されると、遊技者はその大入賞口を狙うことを前提に出玉設計がなされるため、Vゾーンへの入球を意図的に回避されるとその出玉設計が無実化し、ホールの経営に影響を及ぼす可能性も生じる。また、時短付きの小当り図柄と時短が付かない小当り図柄とを判別できる人は、判別できない人よりも有利に遊技を進めやすくなり、遊技の公平性が減殺されるおそれもある。また、このような状況を放置しておくと、特別図柄への関心が高まる一方で、遊技者の関心を引くために設けられた様々な演出への関心は低下してしまい、演出の興趣が損なわれるおそれもある。
そこで本実施例のぱちんこ遊技機は、時短中に大入賞口内の特定領域に入球したことを契機として特別遊技へ移行する場合において、その特別遊技の終了後に時短が付与するか否かを、特定領域への入球時に決定される特別遊技のラウンド数に応じて決定する。これにより、第2の遊技において小当りが発生した場合であっても、実際に特定領域への入球がなされて特別遊技への移行が確定し、時短の継続もしくは終了が確定するまでは、特別遊技終了後の時短の継続有無を遊技者から秘匿することができる。この結果、Vゾーンへの入球を意図的に回避する動機付けがそもそも生じない遊技機を実現できる。言い換えれば、Vゾーンへの入球を意図的に回避するという遊技機の設計者が本来意図しない遊技者の介入を抑制して、出玉設計の無実化の防止、遊技の公平性の維持、演出の興趣低下の防止を実現できる。
本実施例では、特定領域への入球時に決定される特別遊技のラウンド数に応じて、特別遊技終了後の時短の付与有無を決定することとするが、時短の終了条件としての継続期間の長さ、具体的には、時短を継続させる上限の図柄変動実行回数(図柄変動表示回数)を決定してもよいことはもちろんである。この場合、特別遊技のラウンド数が特定の値(例えば16ラウンド)であるときに、相対的に長い継続期間(例えば図柄変動実行回数100回)としてもよく、特別遊技のラウンド数が別の値(例えば8ラウンド)であるときに、相対的に短い継続期間(例えば図柄変動実行回数5回)としてもよく、この逆の対応関係を定めてもよい。なお、時短の継続期間の長さを決定することは、時短の付与有無を決定することを包括した概念と言える。すなわち、時短の継続期間無し(上限の図柄変動実行回数を0回)とすれば、時短を付与しないことと実質的に同じになり、時短の継続期間有り(上限の図柄変動実行回数を1回以上の任意の回数)とすれば、時短を付与することと実質的に同じになる。後述の第2実施例および第3実施例についても同様である。
図1は、第1実施例のぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動入賞口62は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動入賞口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動入賞口62および第2始動入賞口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動入賞口62と第2始動入賞口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動入賞口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動入賞口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動入賞口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動入賞口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。その一方、普通電動役物65が非拡開状態の間は、普通電動役物65により第2始動入賞口63への入球が阻害されるため、第2始動入賞口63へ入球困難な状態が維持される。
普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては1秒程度の短時間であるが、時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が6秒程度と通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63に入球しやすくなる。また、第2始動入賞口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動入賞口63の近傍に集まるので、第2始動入賞口63の入球可能性は高い。これに対して第1始動入賞口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられている。したがって、時短状態のときには第1始動入賞口62よりも第2始動入賞口63の方が入球可能性が相対的に高くなるような配置または構成の関係となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、第1の遊技および第2の遊技に共通の大入賞口として設けられ、大当りの発生により開放される。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192または第2特別図柄193が所定の大当り態様にて停止したときに「大当り」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。
一方、第2大入賞口92は、小当り遊技に対応する大入賞口として設けられ、小当りの発生により開放される。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92の羽根を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の小当り態様にて停止したときに「小当り」として開放状態となる。遊技領域52の略中央に設けられた演出表示装置60の周囲にはセンター飾り64が設けられ、第2大入賞口92は、そのセンター飾り64の右側に取り付けられている。開放された第2大入賞口92に入球した遊技球は、センター飾り64の内部に設けられた通路31を通って内側の空間へ流入する。入賞検出装置79は、その通路31に設けられている。第2大入賞口92は、小当り遊技中にこれが開放された際に発射強度をほぼ最大にするいわゆる右打ちがなされると、遊技球が極めて高い確率で入球されるようになる。
センター飾り64における第2大入賞口92の内側の空間には、特定領域(Vゾーン)が設けられており、第2大入賞口92に入球した遊技球は、その特定領域またはそれ以外の非特定領域を通過する。本実施例では、センター飾り64の内部中央の左方に特定領域が設けられ、右方に非特定領域が設けられており、第2大入賞口92が開放された状態で遊技球が入球すると、その遊技球が例えば約1/10の確率で特定領域を通過するように構成されている。本実施例では、センター飾り64の内部通路の形状により特定領域への入球確率が約1/10となるよう設定されていることとするが、変形例においては、例えば第2大入賞口92の内部に入球した遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける可動役物を設置し、その可動役物を駆動することにより遊技球を約1/10の確率にて特定領域に導くようにしてもよい。また、本実施例では約1/10の確率としたが、特定領域への入球確率をそれよりも高確率または低確率に設定してもよい。特定領域通過検出装置93は、遊技球がこの特定領域を通過したか否かを検出するセンサであり、通過時にその通過を示す特定領域通過情報を生成する。遊技球が特定領域を通過すると、大当りとなって特別遊技が開始される。大当りの際は、第1大入賞口を用いて特別遊技を消化することができる。
演出表示装置60の左下方の左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の当否抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動入賞口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の当否抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192および第2特別図柄193は後述するように「1」〜「4」、「9」、「0」の6種類の数字および「−」で表されることとする。ただし、第1特別図柄192および第2特別図柄193に表示される特別図柄は一般に意味を生じない形状であってもよいことはもちろんである。
演出表示装置60の表示領域194には第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。演出表示装置60は、例えば液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動入賞口63の普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する開放抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、開放抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。この開放抽選は、普通図柄の停止図柄により普通電動役物65の作動有無、つまり第2始動入賞口63の拡開作動の有無を決定するための抽選であり、「作動抽選」あるいは「普通図柄抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。
センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が設けられている。第1特図保留ランプ20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動入賞口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
また、第2特別図柄表示装置71の上方には、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が設けられている。第2特図保留ランプ21も2個のランプからなる。しかし、本実施例の第2の遊技においては、第1の遊技のような当否抽選値の保留はなされない。第2の遊技においては、第2始動入賞口63への入賞により当否抽選値が取得され、第2特図保留ランプ21を構成する1個のランプが点灯する。そして、その当否判定結果を示すための第2特別図柄193の変動表示が開始されると同時に、その第2特図保留ランプ21の1個のランプは消灯する。第2特別図柄193の変動表示中に第2始動入賞口63への入賞があった場合には、賞球の払い出しは行われるものの、当否抽選値の保留はなされず、第2特図保留ランプ21の点灯もなされない。その第2特別図柄193の変動が終了した後に第2始動入賞口63への入賞があると、当否抽選値が取得され、第2特図保留ランプ21を構成する1個のランプが再び点灯する。このように第2の遊技における保留を行わないのは、遊技者の射幸心を過剰に煽ったり、不正行為が発生したりすることを防止するためである。すなわち、第2の遊技において所定数の保留を行う構成とした場合、一旦特別遊技へ移行されると、その特別遊技中ないし時短中に保留された当否抽選値による抽選結果が特別遊技後に小当りとなり、さらに大当りに発展する可能性がある。特に本実施例のように第2の遊技における小当りの発生確率が相当高く、その後の特定領域への入球による大当りの発生確率も比較的高い遊技機においては、特別遊技中ないし時短中に当否抽選値を上限数まで保留しておくことで小当り発展大当りの連チャンを過度に発生させてしまう可能性がある。例えば、時短を伴わない大当りが発生したにもかかわらず、その特別遊技中に保留された当否抽選値が特別遊技後に消化される過程で小当りとなり大当りに発展することも想定され、本来は有利でないはずの非時短状態で大当りの発生確率が高くなるというねじれた現象が生じうる。本実施例では、このような想定外の過度な利益状態の偏りを防止するために、第2の遊技については実質的に保留を行わないようにしている。
普通図柄表示装置59の下方には、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が設けられている。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動入賞口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動入賞口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。
第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合も特別遊技に移行し、同様に第1大入賞口91の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
当否抽選が大当りに該当した場合は特別遊技が実行される。特別遊技は、開始デモと呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモの画面表示後に第1大入賞口91が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。第1大入賞口91の開閉ないし単位遊技が所定の複数回数、例えば16回繰り返された後、終了デモ時間と呼ばれる演出画面の表示によって特別遊技が終了される。これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。上述したように、小当り遊技では第2大入賞口92が所定時間開放される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、その特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短が開始される。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短は、これらの変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動入賞口63への入球容易性が高められる状態である。具体的には、普通電動役物65の1回の開放時間は、通常状態においては約0.1秒と短時間であるが、後述する時短中においては普通電動役物65の1回の開放時間が約6秒と通常状態よりも長く設定されるので、遊技球は第2始動入賞口63への入球容易性が高まる。なお、普通電動役物65の開放時間がこれに限られないことはもちろんである。
普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。このように、入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動入賞口63への入球容易性も増すため、第2始動入賞口63への入球数が増加する可能性も高い。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2特別図柄193への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉をほとんど減らさずに遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、普通電動役物65の開放延長という2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、入球容易状態において、上記2つの機能に、普通図柄の当り確率の変動、言い換えれば、開放抽選の当り確率を通常状態より高める状態である開放抽選の確率変動を加えた3つの機能を用いて第2始動入賞口への入球容易性を高めてもよい。また、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動入賞口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動入賞口62、第2始動入賞口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基板39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176、特図調整手段152を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動入賞口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動入賞口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。入球判定手段110は、特定領域通過情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92内の特定領域を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、「特図抽選手段」として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動入賞口62への入球に対応する特別図柄抽選として第1の当否抽選を実行する。第1の当否抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、演出表示装置60において装飾図柄190の変動表示の形で示される。一方、第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動入賞口63への入球に対応する特別図柄抽選として第2の当否抽選を実行する。第2の当否抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、演出表示装置60において装飾図柄190の変動表示の形で示される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を演出決定手段132へ送信する。
第1抽選値取得手段112は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1の当否抽選のために乱数の値を第1当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2の当否抽選のために乱数の値を第2当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、通常遊技より遊技者に有利な状態である特別遊技へ移行するか否かを判定する当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技へ移行するか否かまたは小当り遊技に移行するか否かを判定する当否判定を実行する。
第1当否判定手段113は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1当否判定手段113は、遊技状態に応じて複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が大当りであるか否かを判定する。また、第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第2当否判定手段117は、遊技状態に応じて複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が大当りであるか否かを判定する。第1当否抽選と第2当否抽選とで大当りに該当する確率は等しい。本実施例の場合、第2当否抽選において小当り移行確率はほぼ100%と極めて高確率に設定されているため、第2始動入賞口63へ入球させることによりほぼ小当りとなり、第2大入賞口92を開放させることができる。特に、第1の当否抽選が当りとなり特別遊技が実行された後に時短が付与された場合には、第2始動入賞口63への入球容易性が高まるので、時短時には第2始動入賞口63を狙って小当りから特別遊技へ発展させる遊技をすることになる。
図4は、第1当否抽選と第2当否抽選の当選確率を模式的に示す図である。(a)は第1当否抽選における大当りの当選確率を示し、(b)は第2当否抽選における大当りおよび小当りの当選確率を示す。図示のように、本実施例では、大当りの当選確率が第1当否抽選と第2当否抽選でともに1/300の確率である。一方、小当りは、第2当否抽選のみに設定され298/300と極めて高確率である。第1当否抽選では299/300の確率で外れになり、第2当否抽選では1/300の確率で外れになる。つまり、本実施例では、第2当否抽選において相当高い小当り移行確率にて小当り遊技への移行がなされるように設定されている。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。図4に関連した変形例として、第1当否抽選においても小当りを設定してもよい。ただしこの変形例においても、第1当否抽選における小当り確率は、第2当否抽選における小当り確率より著しく低い値(例えば1/300)に設定されることが好ましい。
図3に戻り、第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄、すなわち図柄変動の終了時に表示すべき特別図柄の停止態様を決定する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する図柄判定テーブルを保持する。
図5は、図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否抽選結果が大当りの場合、第1当否判定手段113は、第1特別図柄192の停止図柄、すなわち大当り図柄として、「1」〜「4」のいずれかをそれぞれ1/4の確率で選択する。同様に、第2当否抽選結果が大当りの場合、第2当否判定手段117は、第2特別図柄193の停止図柄、すなわち大当り図柄として、「1」〜「4」のいずれかをそれぞれ1/4の確率で選択する。ここで、特別図柄「1」および「2」はラウンド数16の特別遊技と対応づけられている一方、特別図柄「3」および「4」はラウンド数8の特別遊技と対応づけられている。また、特別図柄「1」および「3」には時短ありが対応づけられ、すなわち特別遊技終了後に時短へ移行される一方、特別図柄「2」および「4」には時短なしが対応づけられ、すなわち特別遊技終了後に時短へ移行されない。図5で示すように、本実施例のぱちんこ遊技機10において、当否抽選結果が大当りになることに伴う時短突入率は50%となる。なお、実際の図柄判定テーブルは、当否・図柄抽選値・特別図柄の対応関係を定め、特別図柄・ラウンド数・時短の対応関係は別のテーブルにて規定されてもよい。
第2当否抽選結果が小当りの場合、第2当否判定手段117は、第2特別図柄193の停止図柄、すなわち小当り図柄として、「9」と「0」のいずれかをそれぞれ1/2の確率で選択する。ただし本実施例の小当り図柄はいずれも、Vゾーンへの入球に伴う特別遊技におけるラウンド数と対応づけられておらず、特別遊技終了後の時短の有無にも対応づけられていない。また第1当否抽選結果が外れの場合、第1当否判定手段113は、第1特別図柄192の停止図柄、すなわち外れ図柄として、「−」を選択する。同様に第2当否抽選結果が外れの場合、第2当否判定手段117は、第2特別図柄193の停止図柄、すなわち外れ図柄として、「−」を選択する。
図5で示すように、本実施例では、第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、共通の1つの図柄判定テーブルを参照して特別図柄の停止図柄を決定することとする。ただし、第1当否判定手段113と第2当否判定手段117が互いに異なる図柄判定テーブルを参照してもよい。また、複数の遊技状態に対応した複数の図柄判定テーブルを保持し、参照対象のテーブルを、現在の遊技状態に応じたテーブルへ適宜切替えてもよいことはもちろんである。
例えば、第1当否判定手段113が第1特別図柄192用の図柄判定テーブル(以下、「第1図柄判定テーブル」と呼ぶ。)を参照し、第2当否判定手段117が第2特別図柄193用の図柄判定テーブル(以下、「第2図柄判定テーブル」と呼ぶ。)を参照して、特別図柄の停止図柄を決定することとする。この場合に、第1の図柄判定テーブルが図5で示す定義内容である一方で、第2図柄判定テーブルでは、特別図柄「1」「2」「3」には時短ありを対応づけ、特別図柄「4」には時短なし対応づけてもよい。すなわち第1特別図柄192による大当り時の時短突入率を50%とする一方で、第2特別図柄193による大当り時の時短突入率を75%としてもよい。また、第2図柄判定テーブルでは、異なる態様の特別図柄を定めてもよく、例えば特別図柄「5」、「6」に時短あり大当りを対応づけ、それぞれを30%の確率で選択すること、特別図柄「7」、「8」に時短なし大当りを対応づけ、それぞれを20%の確率で選択することを定めてもよい。この場合の第2特別図柄193による大当り時の時短突入率は60%となる。
別の変形例として、遊技状態に応じて時短突入率を変更することを説明する。この場合に、非時短状態において第2当否判定手段117が参照すべき第2特別図柄193用の図柄判定テーブル(以下、「非時短用第2図柄判定テーブル」と呼ぶ。)と、時短中に第2当否判定手段117が参照すべき第2特別図柄193用の図柄判定テーブル(以下、「時短用第2図柄判定テーブル」と呼ぶ。)を別に設けてもよい。時短用第2図柄判定テーブルが図5で示す定義内容である一方で、非時短用第2図柄判定テーブルでは、特別図柄「1」「2」「3」「4」のいずれにも時短なし大当りを対応づけてもよい。この態様によると、時短状態での第2特別図柄193による大当り時の時短突入率は50%である一方、非時短状態での時短突入率は0%となる。同様に、第1当否判定手段113が参照すべき第1特別図柄192用の図柄判定テーブルを複数設け、遊技状態に応じて時短突入率を変更してもよいことはもちろんである。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71および演出表示装置60に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照して、当否抽選結果および停止図柄判定結果に応じた図柄変動の変動パターンを決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、決定した変動パターンを演出決定手段132へ通知することで、変動パターンに対応する演出パターンを演出決定手段132に選択させる。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルをそれぞれ複数保持する。
変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。例えば変動パターンには、外れ用の演出に対応するパターン、ノーマルリーチの演出に対応する(比較的短いリーチ演出時間を確保するための)パターン、スーパーリーチの演出に対応する(比較的長いリーチ演出時間を確保するための)パターン、大当り告知用の演出に対応するパターン、小当り告知用の演出に対応するパターン等が含まれる。
普図抽選手段136は、「普図決定手段」として機能し、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより抽選を実行する。例えば、普図抽選値は「0」から「511」までの値範囲から取得される。普図抽選手段136が参照する当否テーブルには、当りまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当りの範囲設定に応じて当否確率が定まる。上述したように本実施例では、入球容易状態(すなわち特定遊技中、時短中)のほうが通常状態よりも高確率で当りとなるように設定される。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄195の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄195の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには普図抽選値と普通図柄195の対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、また、普通図柄195の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持し、遊技状態に応じて普通図柄195の変動時間を選択する。普図抽選手段136は、通常状態における普通図柄195の変動表示において200秒から400秒の間で比較的長い変動時間をランダムに選択する。一方、入球容易状態(特定遊技中、時短中)は通常時短状態においては1秒と通常状態よりも相当短い変動時間を選択する。時間決定テーブルには、このような遊技状態と普通図柄195の変動時間との対応関係が定められており、普図抽選手段136は、普通図柄195の変動時間を時間決定テーブルを参照して決定する。
普図抽選手段136は、普図決定手段として機能する。普通図柄195について決定された停止図柄が所定の図柄となった場合、普通図柄195が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄195の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が第2始動入賞口63の普通電動役物65を所定時間拡開する。普通図柄の抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ抽選値が保留される。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、新たに第1の抽選が実行されるときにそれ以前の抽選に対応する図柄変動が表示されている場合、新たな第1の抽選の結果をその抽選に対応する図柄の変動表示開始まで保留する。本実施例では第1の抽選の結果として4個を上限として当否抽選値を保持するが、その当否抽選値の当否判定結果とともに保持してもよい。その保留数が第1特図保留ランプ20の点灯数または点滅数により表される。一方、上述したように、第2の抽選については、第1の抽選のような当否抽選値の保留は行われない。第2保留手段146は、新たに第2の抽選が実行されるときに、その当否判定が行われるまで当否抽選値を一時的に保持する。その当否抽選値の保持の有無が、第2特図保留ランプ21の点灯の有無により表される。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。その保留数が普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄195の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施例において、特図調整手段152は、第2特別図柄193よりも第1特別図柄192の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第1保留手段144に当否抽選値が保留されている間は、第2特別図柄193に当否抽選値が保持されていても、第1保留手段144に保留された当否抽選値の消化を優先させる。これにより、例えば第2の遊技において小当りとなった場合、第1保留手段144が保留する当否抽選値を速やかに消化し、第2始動入賞口63への入球を促進するいわゆる右打ちにより小当り発展大当りの連チャンを狙うことも可能となる。なお、本実施例では第2の遊技における小当りの当選確率が相当高く設定されているため、時短中には、第1の遊技において大当りを狙うよりも、第2の遊技において小当り発展大当りを狙うほうが特別遊技へ早期に移行される可能性が高い。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
条件保持手段176は、特別遊技作動条件保持手段178および小当り遊技作動条件保持手段180を含む。特別遊技作動条件保持手段178は、第1大入賞口91の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の大当り態様で停止されること、もしくは、第2大入賞口92の特定領域への入球があることをその特別遊技作動条件として保持する。
小当り遊技作動条件保持手段180は、小当り遊技へ移行するための条件である小当り作動条件を保持する。小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の小当り態様で停止されることを小当り作動条件として保持する。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第1特別図柄192が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。また特別遊技制御手段120は、第2抽選手段128による第2の当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合、第2特別図柄193が所定の大当り態様で停止されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。さらにまた特別遊技制御手段120は、第2大入賞口92内部の特定領域への入球が検出されたときに特別遊技作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより特別遊技を実行する。
特別遊技は、第1大入賞口91の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、1回の単位遊技において第1大入賞口91を約30秒間開放させる。特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)は、長期開放遊技と短期開放遊技とを区別するために予め定めた開放基準時間(本実施例では2秒)以上となっている。特別遊技制御手段120は、単位遊技の設定ラウンド数を消化したときに特別遊技を終了させる。
本実施例の特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126による第1の当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合または第2抽選手段128による第2の当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合は、図5で示したように、第1当否判定手段113または第2当否判定手段117により決定された大当り図柄に予め対応づけられたラウンド数分の単位遊技を上限とした特別遊技を実行する。すなわち大当り図柄が「1」または「2」の場合(確率50%)に16回の単位遊技を含む16R特別遊技を実行し、大当り図柄が「3」または「4」の場合(確率50%)に8回の単位遊技を含む8R特別遊技を実行する。
また特別遊技制御手段120は、第2大入賞口92内の特定領域への入球が検出された場合は、所定のラウンド抽選を実行してラウンド抽選値を取得する。そしてラウンド判定テーブルを参照し、取得したラウンド抽選値が予め対応づけられたラウンド数分の単位遊技を上限とした特別遊技を実行する。図6は、ラウンド判定テーブルを模式的に示す図である。本実施例では75%の確率で16R特別遊技を実行し、25%の確率で8R特別遊技を実行する。なお、16R特別遊技は時短ありに対応づけられており、すなわち特別遊技終了後の通常遊技が時短に移行される。その一方、16R特別遊技は時短なしに対応づけられており、すなわち特別遊技終了後の通常遊技は時短に移行されず通常状態に復帰することになる。
変形例として、第1抽選手段126による第1の当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合および第2抽選手段128による第2の当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となった場合の特別遊技のラウンド数として、常に、第2大入賞口92内の特定領域への入球が検出された場合の特別遊技のラウンド数以下を決定してもよい。例えば、ラウンド数が8以下の特別遊技のみ実行することとしてもよく、図5の大当り図柄「1」〜「4」をいずれもラウンド数8以下の値と対応づけてもよい。この態様によると、当否抽選の大当りに伴う特別遊技よりも第2大入賞口92内の特定領域への入球に伴う特別遊技の方が遊技者の利益が大きくなりやすく、遊技者にとって時短の重要性が一層高まる。この結果、時短が付与されるか否かを遊技者から秘匿する構成の重要性が一層高まる。
小当り遊技制御手段121は、第2抽選手段128により小当り遊技への移行を示す抽選結果となり、第2特別図柄193が所定の小当り態様で停止されたときに小当り作動条件が成立したとして小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、例えば、その単位遊技において第2大入賞口92を0.5秒、0.5秒の2回にわたって開放する。小当り遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施例では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。
特定遊技実行手段122は、時短状態、すなわち入球容易状態であり特定遊技状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の大当りによる特別遊技が終了すると、その大当り図柄に応じて、通常遊技の遊技状態を時短状態へ移行させる。例えば特定遊技実行手段122は、図5で示す大当り図柄と時短の有無とを対応づけた時短移行判定テーブルを参照して、特別遊技終了後の時短への移行有無を決定してもよい。
また、第2特別図柄193の小当りのときに第2大入賞口92に入球して、当該第2大入賞口92の内部の特定領域を遊技球が通過した場合、実行中の特定遊技を一度終了させて遊技状態を特別遊技に移行させる。この場合に、特定遊技実行手段122は、特別遊技が終了して通常遊技に遊技状態が移行するときに、特別遊技制御手段120が先に決定した特別遊技のラウンド数に応じて時短状態への移行有無を決定する。例えば図6の例では、特別遊技制御手段120が16R特別遊技を実行した場合、特別遊技終了後に時短状態へ移行させる一方、特別遊技制御手段120が8R特別遊技を実行した場合は、特別遊技終了後に時短状態への移行を抑制し、通常状態に復帰させる。特定遊技実行手段122は、図6で示すラウンド数と時短の有無とを対応づけた時短移行判定テーブルを参照して、特別遊技終了後の時短への移行有無を決定してもよい。本実施例では、Vゾーン入賞に伴う特別遊技終了後に時短が付与される確率、すなわち時短継続確率は16R特別遊技の選択確率である75%となり、既述した当否抽選の大当りに伴う時短突入確率(50%)より大きく設定される。
時短が付与されると普通電動役物65が入球容易状態になるので再び第2始動入賞口63を狙って第2大入賞口92を開放させ、特別遊技に昇格させる遊技を遊技者は行うことになる。上述したように、第2大入賞口92に入球すれば、1/10の確率で特定領域への入賞を期待できるため、時短に突入すると高確率で特定領域への入賞に伴う特別遊技を獲得できる。その一方、時短が付与されない場合、普通電動役物65は入球容易状態にならず、第2始動入賞口63を狙っても入球し難いため、第1始動入賞口62を狙って第1特別図柄192で当り図柄を引き当てる遊技を遊技者は行うことになる。このように通常状態では時短に移行させることは相対的に難しいが、いったん時短に移行すれば、小当り発展大当り時に時短が伴う可能性は高い。上述のように、時短中でなければ第2始動入賞口63の入球容易性が高められないため、第2大入賞口92を開放させることが時短中に比べ困難となり、その結果、特定領域への入球が困難となる。しかし、いったん時短に移行すれば、時短を連続させることが通常時よりも容易となり、特定領域への入球機会も多く得ることができる、いわゆる「連チャン」の可能性が高まる。
時短状態は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数の合計が特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数、例えば100回に達するまで継続される。また、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。
開閉制御手段124は、第2始動入賞口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄196が特定の態様(当り態様)で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、時短状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動入賞口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動入賞口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉を減らさずに遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、特別遊技においては大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、第1大入賞口91を開放させる。開閉制御手段124は、小当り遊技においては大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第2大入賞口92を所定の短期間(本実施例では1秒)開放させる。
パターン記憶手段130は、装飾図柄190の変動において演出表示装置60に表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。例えば予告演出パターンには、小当りが発生可能性を示唆する、すなわち第2大入賞口92の開放可能性を示唆するパターンが含まれてもよい。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によって演出表示装置60へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
図柄態様決定手段131は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。図柄態様決定手段131は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。図柄態様決定手段131は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1当否判定手段113および第2当否判定手段117による当否判定結果が16R大当りや8R大当りの特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択されるが、それらの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が16R大当りもしくは8R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。
装飾図柄の変動パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけの通常予告演出や、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出がある。また、予告演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高くなるように設定されるステップアップ予告演出がさらに含まれる。
予告演出パターンには、装飾図柄190の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄190が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じて演出表示装置60に予告演出を表示させるか否かを所定の予告抽選により決定して事前演出設定をするとともに、表示させるべき予告演出パターンを決定する。演出決定手段132は、予告演出を表示させるか否かを決定するために参照すべき予告決定テーブルと、予告演出パターンの種類を選択するときに参照すべき予告種類テーブルとを保持する。予告決定テーブルは、当否抽選の結果に応じて異なる欄が参照されるように設定されており、当否抽選が当りの場合は外れの場合よりも高い確率で予告演出を表示させるよう、当否抽選の結果と予告演出を表示するか否かの対応関係が定められる。これにより、予告演出が表示されること自体で大当りへの期待度の高さを示唆することができる。
演出表示制御手段134は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選の結果として、選択された変動演出パターンデータにしたがって演出表示装置60へ装飾図柄190を含む演出画像を変動表示させる。演出表示制御手段134は、装飾図柄190の変動開始コマンドを受け取ったときに新たな図柄変動を開始させる。
演出表示制御手段134は、予告演出を表示させる旨が演出決定手段132により決定された場合、選択された予告演出パターンにしたがった予告演出を図柄変動の演出に重畳させる形で演出表示装置60へ表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
以上の構成によるぱちんこ遊技機10の動作とその制御の過程を以下説明する。
一部既述したが、第1始動入賞口62への入球を契機に実行される抽選で発生する特別遊技を狙う第1の遊技と、第2始動入賞口63への入球を契機に実行される抽選で小当りとなったときに遊技球が特定領域を通過することで発生する特別遊技を狙う第2の遊技を複合した遊技機の遊技の仕方を説明する。まず、最初の段階では、時短等の特定遊技状態ではないので、第2始動入賞口63は入球容易状態ではなく入球させにくい状態である。したがって、遊技者は、入球困難な状態の第2始動入賞口63よりは入球させやすい第1始動入賞口62へ入球させて第1特別図柄192および装飾図柄190を変動させて第1の当否抽選で当りを狙う遊技を行う。そして、第1の当否抽選で当りとなった場合、第1大入賞口91の開放を伴う特別遊技を遊技する。特別遊技が終了して通常遊技状態に移行すると特定遊技として「時短」が付与される。この場合、第2始動入賞口63の入球容易性が高まっている状態になる。遊技者は第2始動入賞口63への入球により小当りを得て第2大入賞口92を開放させると共に、第2大入賞口92内部の特定領域に入球させて、小当りから特別遊技に発展させる遊技、いわゆる「小当りV」による特別遊技を遊技する。小当りVによる特別遊技の終了後に再度時短が付与されると、第2始動入賞口63への入球により小当りVを狙う遊技が継続できることになる。いわゆる「連チャン」を狙う遊技を行うことになる。一方、小当りVによる特別遊技の終了後に時短が付与されない場合には、第2始動入賞口63は入球困難な状態に戻ってしまうため、遊技者は第1始動入賞口62を狙う遊技に戻り、第1特別図柄192で当りを狙うことになる。
一部既述したが、第1始動入賞口62への入球を契機に実行される抽選で発生する特別遊技を狙う第1の遊技と、第2始動入賞口63への入球を契機に実行される抽選で小当りとなったときに遊技球が特定領域を通過することで発生する特別遊技を狙う第2の遊技を複合した遊技機の遊技の仕方を説明する。まず、最初の段階では、時短等の特定遊技状態ではないので、第2始動入賞口63は入球容易状態ではなく入球させにくい状態である。したがって、遊技者は、入球困難な状態の第2始動入賞口63よりは入球させやすい第1始動入賞口62へ入球させて第1特別図柄192および装飾図柄190を変動させて第1の当否抽選で当りを狙う遊技を行う。そして、第1の当否抽選で当りとなった場合、第1大入賞口91の開放を伴う特別遊技を遊技する。特別遊技が終了して通常遊技状態に移行すると特定遊技として「時短」が付与される。この場合、第2始動入賞口63の入球容易性が高まっている状態になる。遊技者は第2始動入賞口63への入球により小当りを得て第2大入賞口92を開放させると共に、第2大入賞口92内部の特定領域に入球させて、小当りから特別遊技に発展させる遊技、いわゆる「小当りV」による特別遊技を遊技する。小当りVによる特別遊技の終了後に再度時短が付与されると、第2始動入賞口63への入球により小当りVを狙う遊技が継続できることになる。いわゆる「連チャン」を狙う遊技を行うことになる。一方、小当りVによる特別遊技の終了後に時短が付与されない場合には、第2始動入賞口63は入球困難な状態に戻ってしまうため、遊技者は第1始動入賞口62を狙う遊技に戻り、第1特別図柄192で当りを狙うことになる。
図7は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動入賞口62、第2始動入賞口63、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合の処理を実行する(S10)。そして、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理(S16)を実行し、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理(S14)や普通図柄の処理を実行し(S17)、S10からS17までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図8は、図7におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。通常遊技の制御処理においては、第1特別図柄192を変動させて遊技を実行する第1の遊技の処理(S20)、および第2特別図柄193を変動させて遊技を実行する第2の遊技の処理(S22)を実行する。なお、第1の遊技の処理と第2の遊技の処理は他方の処理を妨げることはなく、それぞれの実行のタイミングが訪れたら実行される。
図9は、図8におけるS20の第1の遊技の処理を詳細に示すフローチャートである。この図柄変動処理は、第1特別図柄192、装飾図柄190を変動表示させる処理を示す。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S30のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S31のY)、第1当否判定手段113が第1保留手段144から抽選値を読み出して第1特別図柄192の当否を判定し(S32)、第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S33)、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S36)。このとき、演出決定手段132は、決定された第1特別図柄192の停止図柄と変動パターンに対応した装飾図柄190の停止図柄と変動パターンを決定し、第1特図制御手段148および第1演出制御手段168は第1特別図柄192および装飾図柄190の図柄変動を開始する(S37)。
なお、S31で第1特別図柄192の変動タイミングでない場合(S31のN)、つまり、第1始動入賞口62への入球がない場合や第1保留手段144に保留がない場合、特別遊技の実行中の場合は、本図のフローを終了する。
既に図柄変動表示が開始されている場合(S30のY)、図柄変動表示を処理する(S40)。当該変動の変動開始から変動パターンで定められた所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S45のY)、表示中の図柄変動を停止する(S46)。このとき、特図抽選が大当りでなく(S47のN)、特定遊技中(時短中)であれば(S48のY)、特定遊技開始からの特別図柄の変動回数N1をインクリメントする(S49)。このとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193の総変動回数N1+N2が設定回数Nsetに達した場合には(S50のY)、特定遊技を終了し(S51)、第1特別図柄192の変動回数N1および第2特別図柄193の変動回数N2をゼロクリアする(S52)。なお、本実施例における総変動回数は、第1特別図柄192の変動と第2特別図柄193の変動とを合わせた変動回数であり、いずれか一方の特別図柄の変動が終了するごとにRAM上の所定領域に更新される。また、設定回数Nsetは、特定遊技の継続期間を規定する特別図柄の変動回数(「継続回数」、「上限回数」ともいう)であり、本実施例では100回に設定されている。総変動回数N1+N2が設定回数Nsetに達していなければ(S50のN)、S51およびS52の処理をスキップする。特定遊技中でなければ(S48のN)、S49からS52の処理をスキップする。
S47において、停止図柄が大当りであった場合(S47のY)、変動回数N1および変動回数N2をゼロクリアし(S53)、特別遊技へ移行する(S54)。S45において、停止タイミングでなければ(S45のN)、S46以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図10は、図8におけるS22の第2の遊技の処理を詳細に示すフローチャートである。この図柄変動処理は、第2特別図柄193、装飾図柄190を変動表示させる処理を示す。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S60のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S61のY)、第2当否判定手段117が第2保留手段146から抽選値を読み出して第2特別図柄193の当否を判定する(S62)。また、第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S63)、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S64)。そして、第2特別図柄193の図柄変動を開始する(S65)。
なお、S61で第2特別図柄193の変動タイミングでない場合(S61のN)、つまり、第2始動入賞口63への入球がない場合または特別遊技の実行中の場合は、本図のフローを終了する。
既に図柄変動表示が開始されている場合(S60のY)、図柄変動表示を処理し(S66)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S67のY)、表示中の図柄変動を停止する(S68)。このとき、特図抽選が大当りでなく(S69のN)、小当りの場合(S70のY)、小当り遊技処理を実行する(S71)。そして、小当りVにならなかった場合(S72のN)、特定遊技中(時短中)であれば(S73のY)、特定遊技開始からの特別図柄の変動回数N2をインクリメントする(S74)。このとき、第1特別図柄192と第2特別図柄193の総変動回数N1+N2が設定回数Nsetに達した場合には(S75のY)、特定遊技を終了し(S76)、第1特別図柄192の変動回数N1および第2特別図柄193の変動回数N2をゼロクリアする(S77)。総変動回数N1+N2が設定回数Nsetに達していなければ(S75のN)、S76およびS77の処理をスキップする。特定遊技中でなければ(S73のN)、S74からS77の処理をスキップする。
一方、S69において、大当りであった場合(S69のY)、またはS72において小当りVになった場合(S72のY)、変動回数N1および変動回数N2をゼロクリアし(S78)、特別遊技へ移行する(S79)。S70において小当りでない場合(S70のN)、S71、S72をスキップしてS73の処理に移行する。S67において、停止タイミングでなければ(S67のN)、S68以降の処理をスキップして本図のフローを終了する。
図11は、図10におけるS71の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。第2当否抽選が小当りとなったときは、第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技である小当り遊技が実行される。まず、第2大入賞口92がまだ開放済でない場合(S162のN)、開閉制御手段124が第2大入賞口92を開放する(S164)。第2大入賞口92が開放済であれば(S162のY)、S164の処理をスキップする。そして、第2大入賞口92が開放されてから、その開放時間が所定時間(例えば0.8秒)を経過した場合(S166のY)、開閉制御手段124が第2大入賞口92を閉鎖させる(S168)。このとき、特定領域への遊技球の通過があれば(S170のY)、小当りVが確定する(S172)。すなわち、小当り発展大当りとなる。小当り遊技制御手段121は小当りVを示す信号を特別遊技制御手段120に送信する。特別遊技制御手段120は、小当りVの発生を検出すると、所定の抽選手段からラウンド抽選値を取得し(S174)、そのラウンド抽選値に対応づけられたラウンド数を、特別遊技のラウンド数として決定する(S176)。特定領域への遊技球の通過がなければ(S170のN)、S172からS176の処理をスキップする。S166において開放時間が所定時間に満たない場合には(S166のN)、S168からS176の処理をスキップして本処理を終了する。
図12は、図7におけるS17の普通図柄の処理を詳細に示すフローチャートである。普図保留手段147に普図抽選値の保留がなされている場合(S80のY)、普通図柄196が変動表示中でなければ(S82のN)、普図抽選手段136が普図保留手段147から抽選値を読み出して当否を判定し(S84)、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄196の停止図柄を決定し(S86)、その普通図柄196の変動時間を決定する(S88)。このとき、時短中(入球容易状態)である場合には、通常よりも短い変動時間が選択される。そして、普通図柄196の図柄変動を開始する(S90)。S80において普図抽選値が保留されていなかった場合は(S80のN)、S82からS90までの処理はスキップされ、S82において普通図柄196が変動表示中であった場合は(S82のY)、S84からS90までの処理はスキップされる。
続いて、普通図柄196の変動表示が開始済であれば(S92のY)、普通図柄196の変動表示を処理し(S94)、設定された変動時間が経過して普通図柄196の変動表示の停止タイミングに達したときは(S96のY)、変動表示中の普通図柄196は停止する(S98)。停止図柄が当り態様であれば(S100のY)、第2始動入賞口63を拡開させる開放時間を決定し(S102)、その開放時間にしたがって普通電動役物65を作動させて第2始動入賞口63を開放させる(S104)。一方、停止図柄が当り態様でなければ(S100のN)、S102およびS104の処理はスキップされる。変動時間経過前である場合(S96のN)、S98からS104の処理はスキップされる。S92において変動表示が開始されていないときは(S92のN)、S94からS104の処理はスキップされる。
図13は、図12におけるS88の変動時間決定処理を詳細に示すフローチャートである。普図抽選手段136は、特定遊技中(時短中、入球容易状態)であれば(S110のY)、変動時間を1秒とする短縮変動時間を設定する(S112)。特定遊技中でなければ(S110のN)、通常変動時間を設定する(S114)。すなわち、変動時間決定のための抽選結果に応じて200秒、300秒、400秒のいずれかの変動時間が設定される。
図14は、図12におけるS102の開放時間決定処理を詳細に示すフローチャートである。普図抽選手段136は、特定遊技中(時短中、入球容易状態)であれば(S120のY)、第2始動入賞口63の開放時間を6秒とする開放延長を設定する(S122)。特定遊技中でなければ(S120のN)、第2始動入賞口63の開放時間を1秒とする通常開放を設定する(S124)。開閉制御手段124は、このようにして決定された開放時間にしたがって普通電動役物65を拡開動作させ、第2始動入賞口63を開放する。
図15は、図7におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、第1大入賞口91がまだ開放済でない場合(S130のN)、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S132)、開閉制御手段124が第1大入賞口91を開放する(S134)。第1大入賞口91が開放済であれば(S130のY)、S132およびS134をスキップする。第1大入賞口91が開放されてから、所定の開放時間が経過した場合(S136のY)、または、開放時間が経過していないものの(S136のN)、第1大入賞口91への入球数が9球以上に達した場合(S138のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91を閉鎖させる(S140)。開放時間が経過しておらず(S136のN)、第1大入賞口91への入球数も9球以上に達していない場合は(S138のN)、S140以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S140における第1大入賞口91の閉鎖後、単位遊技が最終ラウンドに達していた場合(S142のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させる(S144)。特別遊技制御手段120は、特別遊技を終了させる(S146)。このとき、特定遊技実行手段122は、後述の特定遊技移行処理を実行し、特別遊技終了後の通常遊技を特定遊技状態に移行させ、もしくは通常状態へ復帰させる(S148)。S142において、単位遊技が最終ラウンドに達していなければ(S142のN)、ラウンド数Rに1を加算してS16のフローを終了する(S143)。
図16は、図15におけるS148の特定遊技移行処理を詳細に示すフローチャートである。終了した特別遊技が小当りV(小当り発展大当り)を契機とするものであり(S150のY)、その特別遊技のラウンド数が時短ありと対応づけていた場合(本実施例では16ラウンド)(S152のY)、特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後の遊技状態を、時短および入球容易状態を含む特定遊技状態へ移行させる(S156)。小当りVを契機とした特別遊技のラウンド数が時短なしと対応づけられていた場合(本実施例では8ラウンド)(S152のN)、特別遊技終了後の遊技状態を特定遊技状態へ移行させずに通常状態へ復帰させる(S158)。終了した特別遊技が第1当否抽選または第2当否抽選の大当りを契機とするものであり(S150のN)、第1特別図柄192または第2特別図柄193の大当り図柄が時短ありと対応づけられていた場合(S154のY)、特定遊技実行手段122は、特別遊技終了後の遊技状態を、時短および入球容易状態を含む特定遊技状態へ移行させる(S156)。第1特別図柄192または第2特別図柄193の大当り図柄が時短なしと対応づけられていた場合(S154のN)、特別遊技終了後の遊技状態を特定遊技状態へ移行させずに通常状態へ復帰させる(S158)。
なお、時短への移行有無を特別遊技終了前に判定してもよいことはもちろんである。例えば、図11の小当りV確定時にS176でラウンド数が決定されたときに、特定遊技実行手段122は、決定されたラウンド数に応じて、特別遊技終了後の時短への移行有無を決定し、メモリ内の時短移行フラグをオンもしくはオフに設定してもよい。そして、図15のS146の特別遊技終了後に、時短移行フラグがオンであれば時短へ移行させてもよい。
一部既述したが、本実施例のぱちんこ遊技機10では、第2の当否抽選は小当りが獲得しやすく特定領域への入球が狙いやすいため、遊技者にとって第2始動入賞口63への入球容易性が向上する時短の利益は大きい。したがって、仮に、小当り図柄によって特別遊技終了後に時短へ移行されるか否かが決定されることとすると、時短移行なしを示す小当り図柄を見た遊技者は小当り発展大当りを回避した方がメリットが大きいと考え、特定領域への入球を意図的に回避しようとする動機付けを遊技者に与えてしまうことがある。そこで、本実施例のぱちんこ遊技機10は、特定領域への入球を契機に内部抽選を実行してラウンド数を決定し、そのラウンド数と時短付与有無とを予め対応づけた基準にしたがって特別遊技終了後の時短移行有無を決定する。これにより、実際に特定領域へ入球させるまではラウンド数は未定となり、その結果、時短への移行有無も未定となって、遊技者が特定領域への入球前に時短への移行有無を判別することを困難なものにできる。
(第2実施例)
上記の第1実施例では、特定領域への入球を契機に特別遊技制御手段120が特別遊技のラウンド数を決定し、特定遊技実行手段122は、決定されたラウンド数に応じて特別遊技終了後の時短移行有無を決定することとした。ここで、第1実施例では言及していないが、ぱちんこ遊技機10には、特別遊技のラウンド数を表示するラウンド表示灯が設けられてよく、特別遊技制御手段120や演出表示制御手段134は、特別遊技のラウンド数をラウンド表示灯の点灯状態により遊技者へ報知することがある。また、特別遊技のラウンド数を演出表示装置60に表示させて遊技者へ報知することがある。この場合、あくまで特別遊技確定後、言い換えれば小当りV確定後ではあるものの、遊技者は、ラウンド表示灯や演出表示装置60の表示内容を確認すれば、特別遊技終了後の時短移行有無を判別可能になる。例えば、16R特別遊技であることが示されれば、遊技者は、その特別遊技終了後に時短へ移行されることを判別できることになる。
上記の第1実施例では、特定領域への入球を契機に特別遊技制御手段120が特別遊技のラウンド数を決定し、特定遊技実行手段122は、決定されたラウンド数に応じて特別遊技終了後の時短移行有無を決定することとした。ここで、第1実施例では言及していないが、ぱちんこ遊技機10には、特別遊技のラウンド数を表示するラウンド表示灯が設けられてよく、特別遊技制御手段120や演出表示制御手段134は、特別遊技のラウンド数をラウンド表示灯の点灯状態により遊技者へ報知することがある。また、特別遊技のラウンド数を演出表示装置60に表示させて遊技者へ報知することがある。この場合、あくまで特別遊技確定後、言い換えれば小当りV確定後ではあるものの、遊技者は、ラウンド表示灯や演出表示装置60の表示内容を確認すれば、特別遊技終了後の時短移行有無を判別可能になる。例えば、16R特別遊技であることが示されれば、遊技者は、その特別遊技終了後に時短へ移行されることを判別できることになる。
第2実施例では、特定遊技実行手段122は、小当り図柄とラウンド数との組み合わせに応じて特別遊技終了後の時短移行有無を判定する。したがって、ラウンド数が同じであっても、小当り図柄が異なれば時短移行判定結果が異なることがあり、遊技者が特別遊技のラウンド数を認識しただけでは、その特別遊技終了後に時短へ移行するか否かを予め判別することを困難にできる。例えば、16R特別遊技であることが示されても、小当り図柄との組み合わせにより、特別遊技終了後に時短移行されることもあり、また時短移行されない(通常状態へ復帰する)こともある。この結果、特別遊技が終了して実際に時短へ移行したか否かが明らかになるまで、時短の獲得に対する遊技者の期待感を継続させやすくなる。
第2実施例のぱちんこ遊技機10の基本的な構成は、第1実施例のぱちんこ遊技機10と同じであり、以下、異なる点を主に説明する。
図17は、小当り図柄とラウンド数と時短有無との対応関係を示す。図17(a)は、ラウンド数の決定基準としてのラウンド判定テーブルを模式的に示している。特別遊技制御手段120は、第2大入賞口92内の特定領域への入球が検出された場合に、所定のラウンド抽選を実行してラウンド抽選値を取得する。そしてラウンド判定テーブルを参照し、取得したラウンド抽選値が予め対応づけられたラウンド数分の単位遊技を上限とした特別遊技を実行する。本実施例では、50%の確率で16R特別遊技を実行し、50%の確率で8R特別遊技を実行する。
図17(b)は、時短移行有無の決定基準としての時短移行判定テーブルを示している。特定遊技実行手段122は、第2大入賞口92内の特定領域への入球が検出された場合に、時短移行判定テーブルを参照して、第2当否判定手段117により決定されて第2特別図柄表示装置71に表示された小当り図柄と、特別遊技制御手段120により決定された特別遊技のラウンド数に対応づけられた時短のある/なしを、特別遊技終了後の時短移行有無として決定する。本実施例では小当り図柄「9」とラウンド数「16」の組み合わせ、もしくは、小当り図柄「0」とラウンド数「8」の組み合わせの場合に、時短移行ありを決定する。その一方、小当り図柄「9」とラウンド数「8」の組み合わせ、もしくは、小当り図柄「0」とラウンド数「16」の組み合わせの場合に、時短移行なしを決定する。
なお図17の例では時短継続確率は50%となるが、特別遊技制御手段120は、小当り図柄に応じた複数種類のラウンド判定テーブルを保持してもよく、複数種類のラウンド判定テーブルにおいて各ラウンド数のラウンド抽選値範囲を異ならせることにより時短継続確率を任意の値に調整してもよい。一例として、小当り図柄「9」に対応するラウンド判定テーブルでは、75%の確率で16ラウンドを選択し、25%の確率で8ラウンドを選択するようラウンド抽選値範囲が定められてもよい。また小当り図柄「0」に対応するラウンド判定テーブルでは、25%の確率で16ラウンドを選択し、75%の確率で8ラウンドを選択するようラウンド抽選値範囲が定められてもよい。この例では、時短継続確率を第1実施例と同じ75%とすることができる。
第2実施例の第1変形例を説明する。
特別遊技制御手段120は、特定領域への入球を契機とした16R特別遊技と8R特別遊技の両方について、遊技者にとっての利益の大きさ、すなわち出玉の量が実質的に同じになるよう制御してもよい。例えば、16R特別遊技では第1大入賞口91の開放回数が15回(1回目は第2大入賞口92の開放)となるが、そのうち8回を短時間開放とし、残りの7回を長時間開放としてもよい。長時間開放は通常の開放時間(約30秒)とする一方、短時間開放は第1大入賞口91の1回あたりの開放時間を0.1秒等、実質的に入球が見込めない時間に設定することが望ましい。これに対して8R特別遊技では第1大入賞口91の開放回数が7回(1回目は第2大入賞口92の開放)となるため、第1大入賞口91の開放全てを長時間開放としてもよい。
特別遊技制御手段120は、特定領域への入球を契機とした16R特別遊技と8R特別遊技の両方について、遊技者にとっての利益の大きさ、すなわち出玉の量が実質的に同じになるよう制御してもよい。例えば、16R特別遊技では第1大入賞口91の開放回数が15回(1回目は第2大入賞口92の開放)となるが、そのうち8回を短時間開放とし、残りの7回を長時間開放としてもよい。長時間開放は通常の開放時間(約30秒)とする一方、短時間開放は第1大入賞口91の1回あたりの開放時間を0.1秒等、実質的に入球が見込めない時間に設定することが望ましい。これに対して8R特別遊技では第1大入賞口91の開放回数が7回(1回目は第2大入賞口92の開放)となるため、第1大入賞口91の開放全てを長時間開放としてもよい。
第2実施例のように小当り図柄とラウンド数との組み合わせで時短移行有無を決定する場合、小当り図柄により獲得が期待できる利益状態の傾向が異なることがある。図17(b)の例では、小当り図柄「9」は、時短ありの16R特別遊技もしくは時短なしの8R特別遊技となるため、言わばハイリスク・ハイリターンの傾向があると言える。その一方、小当り図柄「0」は、時短なしの16R特別遊技もしくは時短ありの8R特別遊技となるため、言わばローリスク・ローリターンの傾向があると言える。したがって、小当り図柄により予測される利益状態の傾向が遊技者の趣向に合致する場合に特定領域への入球を狙う一方、遊技者の趣向に合致しない場合は特定領域への入球をあえて回避する動機付けを生じさせる可能性がある。第1の変形例によると、16R特別遊技と8R特別遊技の遊技者にとっての利益の大きさを実質的に同じにして、時短移行有無をそのまま遊技者の利益の大小に反映させる。これにより、特定領域への入球を意図的に回避するという遊技機の設計者が本来意図しない遊技者の介入を抑制しやすくなる。
第2実施例の第2変形例を説明する。
第2変形例では、当否抽選結果が小当りとなった場合に、その当否抽選結果を示す図柄変動中に、獲得が期待できる利益状態の傾向を遊技者へ報知もしくは示唆する予告演出を提供する。この第2変形例では、上記第1変形例とは異なり、特定領域への入球に伴う16R特別遊技と8R特別遊技の遊技者にとっての利益の大きさを同じにせず、異ならせることが望ましい。例えば、いずれの特別遊技においても、第1大入賞口91を全て長時間開放させて、出玉の量を異ならせてもよい。
第2変形例では、当否抽選結果が小当りとなった場合に、その当否抽選結果を示す図柄変動中に、獲得が期待できる利益状態の傾向を遊技者へ報知もしくは示唆する予告演出を提供する。この第2変形例では、上記第1変形例とは異なり、特定領域への入球に伴う16R特別遊技と8R特別遊技の遊技者にとっての利益の大きさを同じにせず、異ならせることが望ましい。例えば、いずれの特別遊技においても、第1大入賞口91を全て長時間開放させて、出玉の量を異ならせてもよい。
図18は、利益状態の傾向を示唆する予告演出を模式的に示す。図18(a)は、ギャンブラー向け小当りチャンスとして、上記のハイリスク・ハイリターンの傾向があることを示唆する予告演出を示している。図18(b)は、堅実派向け小当りチャンスとして、上記のローリスク・ローリターンの傾向があることを示唆する予告演出を示している。小当り図柄とラウンド数と時短有無との対応関係が図17に示す関係の場合に、演出決定手段132は、第2当否抽選の結果が小当りとなり、その小当り図柄が「9」である場合に、所定確率にて図18(a)の予告演出を選択して演出表示装置60に表示させてもよい。また第2当否抽選の結果が小当りとなり、その小当り図柄が「0」である場合に、所定確率にて図18(b)の予告演出を選択して演出表示装置60に表示させてもよい。
第2の変形例によると、獲得が期待できる利益状態の傾向をあえて遊技者へ報知もしくは示唆することで、遊技者の趣向と、獲得が期待できる利益状態の傾向が合致する場合に、特定領域への入球を狙わせ、合致しなければ、特定領域への入球を回避させるという斬新な遊技性を提供できる。言い換えれば、遊技者が自身の趣向に合致した利益状態を獲得することを支援して、遊技の興趣を向上させることができる。
(第3実施例)
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、いわゆる「1種2種混合機」であり、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技を複数の形態で複合的に提供する。すなわち、第1特別遊技として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する。
本実施例に示すぱちんこ遊技機は、いわゆる「1種2種混合機」であり、通常遊技よりも遊技者に有利な状態である特別遊技を複数の形態で複合的に提供する。すなわち、第1特別遊技として、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を、第2特別遊技として、従来にいう第2種ぱちんこ遊技機における特別遊技に対応する遊技を提供する。
第1特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、第1の遊技として、遊技球が始動入賞口に入球すると第1の抽選が実行されるとともに、その結果を示すための特別図柄の変動表示がなされる。第1の抽選が当たりとなり、特別図柄が所定の当たり態様で停止されると、第1特別遊技が開始される。第2特別遊技は、以下の過程を経て発生する。すなわち、第2の遊技として、遊技球が普通電役入球口に入球すると、第2大入賞口が一時的に開放されて第2特別遊技の第1段階が開始される。第2大入賞口に入球した遊技球がその内部の特定領域を通過すると、第2特別遊技の第2段階が開始され、第2特別遊技は継続される。
第1特別遊技または第2特別遊技が終了すると、所定の確率で時短に移行する。時短は、特別遊技の終了後、特別図柄の変動回数が所定回数(以下、「継続回数」とよぶ)に達するまで継続する。第1実施例と同様に、時短中においては、普通電役入球口への入球容易性が高まるので、第2特別遊技の発生可能性も高まる。時短中に第2特別遊技が発生した場合は、第2特別遊技が終了しても時短は継続される。通常状態の通常遊技においては、普通電役入球口への入球容易性が低いため、まずは遊技球を始動入賞口に入球させて第1特別遊技を発生させ、特定遊技に移行させた上で、第2特別遊技を繰り返し狙う遊技方法が定石となる。
第3実施例のぱちんこ遊技機10の基本的な構成は、第1実施例のぱちんこ遊技機10と同じであり、以下、異なる点を主に説明する。
図19は、第3実施例のぱちんこ遊技機10の前面側における基本的な構造を示す図である。図1に示す第1実施例のぱちんこ遊技機10の部材と同一の部材には同一の符号を付しており、既述の説明は省略する。
始動入賞口262は第1実施例の第1始動入賞口62に対応し、始動入賞口262への入球を契機に第1の抽選が実行される。普通電役入球口263は第1実施例の第2始動入賞口63に対応し、普通電役入球検出装置275は普通電役入球口263への入球を検出し、普通電役入球口263への入球を契機に第2大入賞口92が開放される。本実施例において始動入賞口262は、センター飾り64の下方に設置されるとともに、センター飾り64の右側であり普通電役入球口263の上方にも設置される。後者の始動入賞口262は、遊技球が普通電役入球口263へ流入するための経路の途中に設置される。普通電役入球口263への入球を一部阻害する位置に設置されるとも言える。
特別図柄表示装置270は第1実施例の第1特別図柄表示装置70に対応し、特別図柄表示装置270には第1の遊技用の特別図柄292が変動表示される。特図保留ランプ220は、第1特図保留ランプ20に対応する。本実施例のぱちんこ遊技機10では、普通電役入球口263への入球を契機として抽選を行なうことなく第2大入賞口92を開放するため、第2の遊技用の特別図柄は存在しない。
始動入賞口262に入球すると、特別図柄表示装置270および演出表示装置60において特別図柄292および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄292および装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄292および装飾図柄190が大当たりを示す図柄である場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。特別遊技において、第1大入賞口91は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口28の開閉が所定回数、例えば7回繰り返される。
特別遊技が発生した場合であってそのときの当たり停止図柄が特定の態様であった場合、特別遊技終了後の通常遊技において、入球容易状態を含む時短が特定遊技として開始される。時短においては、通常状態の通常遊技に比べて格段に普通電役入球口263へ入球しやすくなる。開放された普通電役入球口263に入球すると、第2大入賞口92が開放される。これにより、第2特別遊技に移行する。第2特別遊技において第2大入賞口92が開放される状態を第2特別遊技の第1段階と呼ぶ。第2大入賞口92から流入した遊技球がセンター飾り64の内部の特定領域に入球することが、第2特別遊技の第1段階から第2段階へ移行するための継続条件となる。継続条件が成立すると、第1特別遊技と同様に、第1大入賞口91の開閉動作が所定回数、たとえば7回繰り返される。第2特別遊技の第1段階は1回目の単位遊技に相当し、第2段階が2回目以降の単位遊技に相当する。
図20は、第3実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す図である。図3に示す第1実施例のぱちんこ遊技機10の機能ブロックと同一の機能ブロックには同一の符号を付しており、既述の説明は省略する。本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段228、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、条件保持手段176を備える。
第2抽選手段228は、第1実施例の普図抽選手段136に対応する。すなわち第2抽選手段228は、作動口68への入球を契機に普通電役入球口263を開放するか否かを判定するために乱数の値を普図抽選値として取得する。第2抽選手段228が参照する当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて普図抽選の当否確率が定まる。
また第2抽選手段228は、普通図柄195の停止図柄を決定するための図柄決定抽選値を取得し、普図抽選の当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて普通図柄195の停止図柄を決定する。第2抽選手段228は、通常状態において、たとえば10秒から60秒の間で変動時間をランダムに選択し、特定遊技中(時短中)は通常状態よりも短い、たとえば1秒という変動時間を選択する。第2抽選手段228は、普通図柄195の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルや、普通図柄195の変動時間を決定するために参照すべき時間決定テーブルを保持する。第2抽選手段228は、決定した停止図柄および変動時間を示すデータを普通図柄表示装置59へ送出する。普通図柄195の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が普通電役入球口263の普通電動役物65を所定時間拡開する。
保留制御手段116の第2保留手段246は、第1実施例の普図保留手段147に対応する。すなわち第2保留手段246は、普通図柄195の変動表示中に作動口68への入球があったとき、その入球に対応する普図抽選値を上限個数である4個まで保留球として記憶する。メイン表示制御手段118の特図制御手段248は、第1実施例の第1特図制御手段148に対応する。すなわち特図制御手段248は、第1当否判定手段113による当否判定結果を、第1パターン決定手段114により決定された変動パターンにしたがって特別図柄292の変動表示として特別図柄表示装置270に表示させる。
条件保持手段176の第1作動条件保持手段278は、第1特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持し、条件保持手段176の第2作動条件保持手段280は、第2特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件には、特別図柄292が当たり態様で停止することが条件として定められている。第2作動条件には、普通電役入球口263への入球が条件として定められている。
特別遊技制御手段120は、第1特別遊技実行手段202、第2特別遊技実行手段204、作動回避手段206を含む。第1特別遊技実行手段202は、第1抽選手段126による抽選結果が大当りであった場合に、第1特別遊技を実行する。第1特別遊技は、第1大入賞口91の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした単位遊技が複数回実行される。単位遊技の回数は例えば7回であり、1回につき第1大入賞口91を約30秒間開放させる。
第2特別遊技実行手段204は、普通電役入球口263に遊技球が入球した場合に、第2特別遊技を実行する。第2特別遊技は、第1段階と第2段階に分けられる。第2作動条件の成立は、第2特別遊技の第1段階を開始するための条件が成立したことを示すとともに、その後、第1段階および第2段階を通して第2特別遊技が続く限り第2作動条件が成立している。第2特別遊技の第1段階では1回目の単位遊技として第2大入賞口92が開放され、特定領域への入球を契機とする第2段階では2回目以降の単位遊技として、第1大入賞口91が複数回開放される。第2段階での単位遊技の回数は例えば7回であり、1回につき第1大入賞口91を約30秒間開放させる。
特定遊技実行手段122は、通常遊技における遊技状態を通常状態から特定遊技状態へ移行させる制御と、特定遊技状態から通常状態へ戻す制御を実行する。本実施例における特定遊技は時短(入球容易状態を含む)である。第1抽選手段126による抽選が当たりとなった場合であって、特別図柄292の停止図柄が所定の図柄であった場合に、その第1特別遊技の終了後に時短へ移行する。時短中に第2特別遊技が発生した場合の処理は後述する。時短へ移行した場合、図柄変動回数が所定の継続回数、たとえば5回に達するか、次の第1特別遊技または第2特別遊技が発生するまで時短が継続される。
作動回避手段206は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる。いいかえれば、第1特別遊技と第2特別遊技が同時並行的に実行されないように排他制御する。第2作動条件の成立中であって、第2特別遊技の第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避され、第2特別遊技の第1段階および第2段階のいずれも実行されない。特別図柄292が変動表示されている間に第2作動条件が成立した場合、作動回避手段206は特別図柄292の変動表示における変動時間の進行を一時停止させる。
開閉制御手段124は、普通電役入球口263の普通電動役物65、第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、普通電役入球口263を開放させる。同様に開閉制御手段124は、第1特別遊技中は大入賞口ソレノイド80に開放指示を送って第1大入賞口91を開放させ、第2特別遊技の第1段階は大入賞口ソレノイド81に開放指示を送って第2大入賞口92を開放させ、第2特別遊技の第2段階は大入賞口ソレノイド80に開放指示を送って第1大入賞口91を開放させる。
ここで、これまでの1種2種混合機における第2特別遊技終了後の時短について説明する。これまでの1種2種混合機では、第2特別遊技の発生原因となった特定領域への入球が時短中でなかった場合は、その第2特別遊技終了後は通常状態での通常遊技へ戻り、時短とはならない。その一方、特定領域への入球が時短中であった場合、その第2特別遊技終了後の通常遊技も一律に再び時短へ移行していた。すなわち、時短の付与パターンは一定であり、事実上の時短継続確率の高低は、時短継続回数の多寡により決まっていた。
時短継続回数を5回として説明する。図19を参照すると、第2特別遊技の第2段階では、通常、センター飾り64の下方の始動入賞口262へも入球し、特図抽選値の保留数は上限(すなわち4個)に達する。また、第2特別遊技終了後の時短中における右打ち時にも、通常、普通電役入球口263への流路の途中に設置された始動入賞口262へも入球する。したがって、時短を継続させるためには時短中に新たな第2特別遊技を発生させる必要があり、すなわち、5回の特別図柄292の変動表示が連続して実行される間(例えば30秒程度の間)に、普通電役入球口263へ入球させて第2大入賞口92を開放させ、特定領域へ入球させる(例えば第2大入賞口92内での特定領域入球確率は1/10)ことが必要であった。事実上、一般的な1種2種混合機では、時短継続回数が5回の場合、30秒間にVゾーン入賞ができるか否かで時短継続有無が決まるという意味で、時短継続有無は時間管理されていたと言え、時短継続回数が多いほど時短継続確率が高まるものであった。
本実施例のぱちんこ遊技機10は、第1実施例で示した特徴を1種2種混合機へ適用したものである。第2特別遊技実行手段204は、第1実施例の特別遊技制御手段120と同様に、第2大入賞口92内の特定領域への入球が検出された場合に、所定のラウンド抽選を実行してラウンド抽選値を取得する。そして図6で示したようなラウンド判定テーブルを参照し、取得したラウンド抽選値が予め対応づけられたラウンド数分の単位遊技を上限とした第2特別遊技を実行する。例えば75%の確率で16R特別遊技(第2段階において第1大入賞口91を15回開放)を実行し、25%の確率で8R特別遊技(第2段階において第1大入賞口91を7回開放)を実行してもよい。
特定遊技実行手段122は、第2大入賞口92内の特定領域への入球が検出された場合に、第2特別遊技実行手段204が先に決定した第2特別遊技のラウンド数に応じて時短状態への移行有無を決定する。例えば第1実施例(図6)と同様に、第2特別遊技実行手段204が16R特別遊技を実行した場合、特別遊技終了後に時短状態へ移行させる一方、第2特別遊技実行手段204が8R特別遊技を実行した場合は、特別遊技終了後に時短状態への移行を抑制し、通常状態に復帰させてもよい。また第1実施例と同様に、特定領域への入球に伴う特別遊技終了後に時短が付与される確率、すなわち時短継続確率は16R特別遊技の選択確率である75%となり、第1の遊技の大当り(始動入賞口262への入球を契機とした大当り)に伴う時短突入確率(50%)より大きく設定されてもよい。
上述したように、これまでの1種2種混合機は、第2特別遊技終了後の時短の付与条件が一定であったが、本実施例のぱちんこ遊技機10は、特別遊技のラウンド数に応じて時短への移行有無を決定できる。これにより、時短継続有無を、時短継続回数(事実上時間)で管理するのではなく、ラウンド数に応じた時短の付与有無で確実に決定できる遊技性を1種2種混合機において実現する。例えば、特別遊技が特定のラウンド数である場合に時短継続回数を100回として、ほぼ100%の確率で時短を継続させ、その一方で別のラウンド数の場合は時短を付与しないこととしてもよい。これにより、時短継続有無を事実上時間で管理していたこれまでの1種2種混合機に比べて出玉設計も容易になる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
10 ぱちんこ遊技機、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 60 演出表示装置、 62 第1始動入賞口、 63 第2始動入賞口、 65 普通電動役物、 68 作動口、 70 第1特別図柄表示装置、 71 第2特別図柄表示装置、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 120 特別遊技制御手段、 121 小当り遊技制御手段、 122 特定遊技実行手段、 124 開閉制御手段、 126 第1抽選手段、 128 第2抽選手段、 129 普図抽選手段、 190 装飾図柄、 192 第1特別図柄、 193 第2特別図柄、195 普通図柄。
Claims (2)
- 遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる第1始動入賞口と、
前記第1始動入賞口とは異なる位置に設けられ、遊技球の入球が抽選の契機となる第2始動入賞口と、
前記第1始動入賞口への入球を契機として、第1の当否抽選を実行する第1抽選手段と、
前記第2始動入賞口への入球を契機として、第2の当否抽選を実行する第2抽選手段と、
前記第1の当否抽選と前記第2の当否抽選の結果を示すための図柄が変動表示される図柄表示装置と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、所定の開放条件を満たした場合に開放されて、遊技球の入球が賞球払い出しの契機となる第1大入賞口と、
前記遊技領域の所定位置に設けられ、前記第2の当否抽選の結果が小当りとなって、前記図柄が小当りを示す態様で停止した場合に開放される第2大入賞口と、
前記第1の当否抽選の結果が大当りとなった場合、または、前記第2大入賞口が開放されて前記第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に、前記開放条件を満たしたとして、前記第1大入賞口の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技を実行する特別遊技制御手段と、
前記遊技領域の所定位置に設けられた作動口と、
前記第2始動入賞口の入球口に対応する位置に設けられ、開放状態となることで前記第2始動入賞口への入球を困難なものから容易なものへ変化させる入球変動機構について、その入球変動機構を開放させるか否かを決定するための普図抽選を前記作動口への入球を契機として実行する普図抽選手段と、
前記普図抽選の結果が当りとなった場合に、前記入球変動機構を開放させる開閉制御手段と、
前記第1の当否抽選の結果が特定の大当りとなったことに伴う特別遊技の終了後、または前記第2大入賞口内の特定領域への入球に伴う特別遊技の終了後、所定の終了条件が満たされるまで、前記第2始動入賞口への一定時間あたりの入球容易性を通常状態より高める入球容易状態へ移行させる特定遊技実行手段と、
前記第2の当否抽選の結果が小当りとなって、前記図柄が小当りを示す態様で停止した場合に、前記第2大入賞口の開放を伴う単位遊技を1回含む小当り遊技を実行する小当り遊技制御手段と、
を備え、
前記第2の当否抽選が小当りとなる確率は、前記第1の当否抽選が小当りとなる確率よりも高確率に設定されており、
前記特別遊技制御手段は、前記小当り遊技において開放された前記第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に抽選を実行し、その抽選結果に応じた回数を、当該入球に伴う特別遊技における単位遊技の回数として決定し、
前記特定遊技実行手段は、前記小当り遊技において開放された前記第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に、前記特別遊技制御手段により決定された単位遊技の回数に応じた期間を、当該入球に伴う特別遊技終了後の入球容易状態の終了条件として決定することを特徴とする弾球遊技機。 - 前記小当り遊技制御手段は、前記第2の当否抽選の結果が小当りとなって、前記図柄が小当りを示す複数の態様のいずれかで停止した場合に前記小当り遊技を実行し、
前記特定遊技実行手段は、前記小当り遊技において開放された前記第2大入賞口内の特定領域への入球があった場合に、前記図柄の停止態様と、前記特別遊技制御手段により決定された単位遊技の回数との組み合わせに応じた期間を前記終了条件として決定することを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
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