<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図11参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図6参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりF」の6種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA〜D」の4種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりE,F」の2種類は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選のことを「第1特別図柄の抽選」と称し、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選のことを「第2特別図柄の抽選」と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒〜60秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.9秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、普通図柄の当たりとなった場合は、球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりF」の6種類が設けられている。「大当たりA」、および「大当たりE」になると、いずれもラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりB」、および「大当たりC」になると、いずれもラウンド数が12ラウンドの特別遊技状態(12ラウンド大当たり)となり、「大当たりD」、および「大当たりF」になると、いずれもラウンド数が4ラウンドの特別遊技状態(4ラウンド大当たり)となる。更に、大当たり遊技中に特定条件を満たした場合(球が後述するV入賞スイッチ65e3を通過した場合)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。特別図柄の高確率状態が付与された場合には、その特別図柄の高確率状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が100回終了するまで(101回目の変動が開始されるまで)継続する。なお、詳細については後述するが、大当たりA,B、および大当たりE,Fは大当たり遊技中にV入賞スイッチ65e3を球が通過し易く構成されている。一方で、大当たりC,Dでは、大当たり遊技中にV入賞スイッチ65e3を球が通過し難く構成されている。よって、大当たりC,Dが決定され得る第1特別図柄の抽選よりも、大当たりE,Fのどちらか(即ち、V入賞スイッチ65e3を球が通過し易い大当たり)が決定される第2特別図柄の抽選の方が遊技者にとって有利となる。
加えて、上記各大当たりのうち、「大当たりD」以外の大当たりが終了した後は、大当たり終了後の付加価値として、その大当たり終了後に普通図柄の当たり確率がアップすると共に、第2特別図柄の変動時間が短くなる。この普通図柄の当たり確率がアップした状態は、大当たり終了後から特別図柄の変動が100回終了するまで(101回目の変動が開始されるまで)継続する。これにより、第2入球口640へと球を入球させ易くなるので、遊技者にとって有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなる。よって、遊技者にとって有利となる。なお、普通図柄の通常状態では、基本的に第2特別図柄の変動時間(10分間)が、第1特別図柄の変動時間(7秒〜90秒)に比較して極めて長くなる。このため、普通図柄の通常状態において第2入球口640を狙って遊技を行うと、遊技効率が著しく低下するので、第1入球口64を狙って遊技を行わせることができる。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の通常状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップすると共に第2特別図柄の変動時間が短くなって、第2特別図柄の抽選が実行され易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て8ラウンド)としても良い。また、例えば、大当たりの種別に応じて「普通図柄の時短状態」となる期間を変えてもよい。また、「普通図柄の時短状態」となる期間を変える代わりに、第2入球口640に付随する電動役物640aを開放する時間や、1回の普通図柄の当たりで電動役物を開放する回数を変更するものとしても良い。また、本実施形態では、大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過した場合は、その大当たりが終了してから特別図柄の変動が100回終了するまで「特別図柄の高確率状態」となるが、特別図柄の確変期間は100回に限られず、任意に定めてもよい。また、次に大当たりとなるまで特別図柄の高確率状態を継続させてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」に設定される。その後、大当たりD以外の大当たりとなり、その大当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過しなかった場合には、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「普通図柄の時短状態」は、大当たり終了後から特別図柄の変動表示が100回終了するまで継続される。特別図柄の大当たりになった後、100回分の特別図柄の抽選が終了するまでに、新たな特別図柄の大当たりにならないと、「普通図柄の通常状態」に戻る。なお、本実施形態のパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示を同時に実行可能に構成されている(同時変動方式を採用している)。このため、本実施形態では、時短状態における100回目の特別図柄の変動表示が実行中の状態で他方の特別図柄の抽選が実行され、変動表示が開始される場合がある。この場合、時短状態が設定されてから通算101回目の特別図柄の抽選条件が成立した時点で、時短状態が終了するように構成されている。これにより、100回目の変動表示の変動時間として比較的長い変動時間(例えば、90秒)が選択された場合に、他方の特別図柄の抽選で短い変動時間が連続して選択されることにより、実質的に時短回数が増加してしまう不具合を防止(抑制)することができる。
「普通図柄の時短状態」が継続されている間に、新たに大当たりD以外の大当たり種別になると、「普通図柄の時短状態」はさらに、その新たな大当たりの終了後から100回分の特別図柄の変動表示が終了するまで継続される。
なお、特別図柄の確変状態についても同一であり、100回の確変状態のうち、100回目の特別図柄の抽選に基づく変動表示の実行中に101回目の特別図柄の抽選条件が成立した場合には、その時点で確変状態が終了され、特別図柄の低確率状態に設定される。これにより、101回目の特別図柄の抽選が高確率となってしまうことを防止(抑制)できる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合の一部で、特定入賞口65aが所定時間(例えば、3秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される小当たりが設けられている。この小当たりは、外れの一種であるため遊技状態は変更されないが、小当たりが終了してから所定回数(10回、20回、または100回)の変動表示に渡って、第2特別図柄の抽選に伴う変動表示の変動時間が短く(3秒に)なる。上述した通り、普通図柄の通常状態では、第2特別図柄の変動時間が極めて長くなる(600秒になる)ため、第2入球口640を狙って球を打ち出し続けると遊技効率が極めて悪化し、遊技者にとって不利となる。これに対し、小当たりが終了後、所定回数の変動表示に渡って変動時間を短くすることにより、その所定回数の間は第2入球口640を狙って球を打ち出すことで、第2特別図柄の抽選が実行され易くできる。即ち、所定回数の間、遊技者にとって有利な状態となる。よって、遊技において最も長く滞在する遊技状態である通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において、小当たりとなることを期待して遊技を行わせることができる。また、大当たりを介さずに有利な状態に移行させることができるので、通常状態における遊技にメリハリをつけることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。以降の説明では、小当たり後、所定回数設定される第2特別図柄の抽選が実行され易い状態のことを「チャンスモードA」と称す。これに対して、「チャンスモードA」が設定されていない状態のうち、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態のことを「通常モード」、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態のことを「チャンスモードB」、特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態のことを「連荘モード」と称する。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示等を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Dに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図8〜図10を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明を行う。図8は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図8(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図8(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄によって構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図11参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図8(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。また、小領域Ds3には、第3図柄が表示される。詳細については後述するが、本パチンコ機10では、遊技状態に応じて抽選が実行され易い特別図柄の種別(第1特別図柄、および第2特別図柄のいずれか)が異なって構成されている。主表示領域Dmでは、現在の遊技状態において抽選が実行され易い特別図柄の抽選が実行された場合における変動表示が表示される。一方、小領域Ds3には、現在の遊技状態において抽選が実行され難い特別図柄の抽選が実行された場合における変動表示が表示される。
実際の表示画面では、図8(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に対して、主表示領域Dmに表示されている主図柄とは異なる第3図柄の主図柄が合計3個表示される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて第1特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、および、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示が行われている間に球が第2入球口640へ入球した場合、その入球回数はそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。具体的には、小領域Ds1の上半分に表示された図柄(第1保留球数図柄)が第1入球口64に対する保留球数を示しており、下半分に表示された図柄(第2保留球数図柄)が第2入球口640に対する保留球数を示している。図8は、第1保留図柄が4つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
次に、図9を参照して、本実施形態におけるリーチ演出について説明する。図9(a)は、リーチ演出の一例を示した図である。図9(a)に示した通り、左図柄列Z1、および右図柄列Z3の有効ラインL1上に同一の数字が付された主図柄が停止表示され、中図柄列Z2のみが変動表示されている状態になると、「リーチ!!」という文字が中図柄列Z2に表示される。これにより、遊技者に対して、リーチ状態(同一の数字が付された主図柄が有効ラインL1上に揃うチャンス)が発生したことを容易に認識させることができる。
なお、本実施形態では、リーチ演出が発生する変動演出の態様として、変動時間が短く、有効ラインL1上に同一の主図柄が揃う(大当たりとなる)期待度が低いノーマルリーチと、変動時間が長く、有効ラインL1上に同一の主図柄が揃う(大当たりとなる)期待度が高いスーパーリーチとが設けられている。
次に、図9(b)を参照して、本実施形態における特殊スーパーリーチの表示態様について説明する。この特殊スーパーリーチは、上述したスーパーリーチの中の一態様であり、特別図柄の抽選結果が特定の抽選結果となった場合にのみ選択され得る態様である。具体的には、最も不利な大当たり種別(ラウンド数が4ラウンドでV入賞スイッチ65e3を球が通過困難で、且つ、時短状態が付与されない大当たりD)となるか、最も有利な大当たり種別(チャンスモードAが100回設定される小当たりC)となった場合にのみ、この特殊スーパーリーチが選択される。
図9(b)は、特殊スーパーリーチが選択され、リーチ演出(図9(a)参照)が実行された後、変動表示されている中図柄列Z2の速度が低速になった場合の表示態様の一例を示した図である。図9(a)に示した通り、特殊スーパーリーチでは、小領域Ds2に表示された男の子のキャラクタの目が炎のように燃え上がった見た目になると共に、小領域Ds3に、「大チャンス」という文字が内部に表示された吹き出しが出現する。これにより、今回の変動表示が遊技者にとって有利な抽選結果を示すものである可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。また、特殊スーパーリーチでは、中図柄列Z2において低速で上から下へスクロール表示される図柄が、「チャンスモード」という文字が付された図柄と、リーチが掛かっている数字が付された図柄の2種類のみになる。ここで、「チャンスモード」が付された図柄は、チャンスモードAへの移行を意味し、有効ラインL1上に停止表示されることで小当たりCになると共に、その小当たりの終了後に100回のチャンスモードAが設定される。
大当たりDとなっても、賞球数が少ない上、大当たり後に確変状態も時短状態も付与されないため、遊技者にとっての有利度合いが低くなる。一方で、小当たりCになると、その小当たりCが終了後、最大100回の変動表示に渡って、第2特別図柄の抽選が実行され易いチャンスモードAが設定されるので、遊技者にとって100回の時短期間が設定されたとほぼ同等の利益を受けることができる。よって、特殊スーパーリーチが実行された場合には、大当たりDになるよりも、小当たりCになることを願って遊技を行わせることができる。
一般的なパチンコ機では、変動表示が実行されると、同一の数字が付された第3図柄が揃うこと(即ち、大当たりになること)を期待して遊技を行うが、本実施形態のパチンコ機10では、特殊スーパーリーチが発生した場合に、同一の数字が付された第3図柄が揃わないことを願って演出結果を確認させることができる。つまり、有利度合いが少ない大当たり(大当たりD)よりも、有利度合いが高い外れ(小当たりC)になることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
図10(a)は、「チャンスモード」との文字が付された図柄が有効ラインL1上に停止表示された場合の表示内容を示した図である。図10(a)に示した通り、チャンスモードAへの移行を示す図柄(「チャンスモード」の文字が付された図柄)が停止表示された場合は、「チャンスモードGET!!右打ち!!」との文字が表示された吹き出しが小領域Ds3に出現する。これにより、チャンスモードへと移行したことを遊技者に対して容易に認識させることができる。また、右打ち(遊技盤13の右側の経路に球を打ち出して第2入球口640を狙う遊技方法)を行うべきであることを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、小領域Ds3の左下には、「残り100回」との文字が付された略長方形形状の表示領域が表示される。この表示領域は、チャンスモードAの残りの抽選回数を示しており、変動が開始される毎に表示される回数が1ずつ減算される。この表示領域により、遊技者に対してチャンスモードAの残りの抽選回数を容易に理解させることができる。
図10(b)は、チャンスモードAとして設定された抽選回数が終了した時点における表示内容を示した図である。図10(b)に示した通り、チャンスモードAが終了した場合は、「チャンスモード終了・・・左打ちに戻してね!」との文字が付された吹き出しが小領域Ds3に表示される。これにより、チャンスモードAが終了したこと、および、左打ち(遊技盤13の左側の経路に球を打ち出して第1入球口64を狙う遊技方法)を行うべきであることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図2に戻って説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第1入球口64には、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の経路へと球を打ち出した場合(所謂、左打ちを行った場合)に入球し易くなる。また、左打ちを行うよりも入球する割合が低下するが、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側の経路へと球を打ち出した場合(所謂、右打ちを行った場合)にも球が入球する可能性がある。
第1入球口64に対して正面視右下側には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第2入球口640は、図2に示した通り、右側に開閉可能な電動役物640aが設けられており、電動役物640aが開状態となった場合は右方向から流下した球が入球し易くなる。従って、第2入球口640へと球を入球させるためには、基本的に右打ちを行えばよい。なお、右打ちよりも入球する割合が低下するが、左打ちを行った球が第1入球口64の右側へと流下した場合にも、第2入球口640へと入球する可能性がある。
第2入球口640の正面視右上には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。即ち、通常時は特定入賞口65aを閉鎖している開閉板65f1が、大当たりとなることにより開放され、特定入賞口65aへと球が入球可能となる。また、特定入賞口65aは、特別図柄の抽選が小当たりになった場合にも、所定時間(例えば、0.5秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
また、可変入賞装置65の内部には、球が通過可能な複数の流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)が設けられている。可変入賞装置65の内部へと流入した遊技球は、いずれかの流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。また、特別排出流路65e2には、球が通過することで大当たり後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与されるV入賞スイッチ65e3が設けられている。この特別排出流路65e2は、大当たりの1ラウンド目においてのみ通過可能な状態となる。なお、詳細については後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目において特定入賞口65aへと球が入球可能となる(開閉板65f1が開放される)期間と、球が特別排出通路65e2を流下可能となる期間とを、大当たり種別に応じて異ならせる構成としている。
より具体的には、大当たりの1ラウンド目における開閉板65f1の開閉動作として、開放時間が比較的短く、開閉板65f1の開放期間中に球を特定入賞口65aへと入球させることが困難な開閉動作(開閉パターン)と、開放期間が比較的長く、開閉板65f1の開放期間中に球を特定入賞口65aへと容易に入球させることができる開閉動作(開閉パターン)とのどちらかが、大当たり種別に応じて設定される(図7参照)。開閉板65f1の開放期間中は、特別排出流路65e2を球が流下可能になるので、大当たりの1ラウンド目において球が特定入賞口65aへと入球するか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができる。よって、大当たり中の遊技が単調となってしまう事を防止(抑制)することができる。
ここで、図4〜図6を参照して、この可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65dに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉板65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉板65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉板65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉板65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、可変入賞装置65の開口が閉鎖されている場合には、遊技球が可変入賞装置65の上面を転動して、第2入球口640側へと誘導されるように構成されている。よって、時短遊技中(確変遊技中含む)にも、右打ちした状態のまま、第2入球口640へと遊技球を入球させることが可能となり、大当たり遊技後に直ちに左打ちへと遊技方法を変更させる手間を軽減できる。従って、遊技者がより楽に遊技を行うことができる。
また、開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化を図ることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成されたV入賞スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10の外部へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記したV入賞スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が高確率遊技状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、V入賞スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも0.2秒で構成されている。切替部材65hの作動は、大当たりが開始してからの経過時間に対応付けて作動タイミングと作動時間が設定されている。詳細については図7を参照して後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目が開始されてから3秒間の間、切替部材65hが作動し、V入賞スイッチ65e3へと続く特別排出流路65e2が通過可能な状態になる。
次に、図6(b)を参照して、通常排出流路65e1へと遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された排出確認スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを排出確認スイッチ65e4とV入賞スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、可変入賞装置65内で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期に発見することができる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して15個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、V入賞スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
次に、図7を参照して、1の大当たりにおける流路ソレノイド65kの動作と、開閉板65f1の開閉動作との対応関係について説明する。上述した通り、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目における開閉板65f1の開閉パターンを、大当たり種別に応じて可変させることにより、特定排出流路65e2に対する球の流下し易さを可変させる構成としている。本実施形態では、開閉板65f1の開閉パターンとして2種類のパターン(特定入賞口65aへと入球困難なパターン、および入球容易なパターン)が設けられている。
図7は、流路ソレノイド65kの動作の計時変化と、大当たり種別毎の特定入賞口65aの開閉タイミングとの計時変化を模式的に示した図である。図7の上段に示した通り、流路ソレノイド65kは、大当たりの1ラウンドが開始される前はオフ状態に保たれている。即ち、1ラウンドの開始前は、通常排出流路65e1へ球が流下可能な状態(図6(b)参照)となる。このオフ状態は、1ラウンドが開始するまで継続する。そして、1ラウンド目が開始されると、流路ソレノイド65kが3秒間だけオン状態に設定される。即ち、特別排出流路65e2へ球が流下可能な状態(図6(a)参照)となる。3秒間のオン状態の期間が終了すると、再度、流路ソレノイド65kがオフ状態に設定され、以降は大当たりが終了するまでオフ状態に保たれる。
また、図7の中段に示した通り、大当たりC,Dのどちらかとなった場合には、1ラウンドが開始すると、閉鎖されていた開閉板65f1が開放される。開閉板65f1が開放されることにより、可変入賞装置65の内部へと球が入球可能となる。この開放状態は0.2秒間のみ継続する。開閉板65f1が開放されてから0.2秒が経過して以降は、1ラウンドが終了し、5秒間のインターバル期間を経て2ラウンドが開始されるまで閉鎖状態に保たれる。なお、本実施形態における1ラウンドは、球が特定入賞口65aへと10個入球するか、或いは、1ラウンドが開始されてから3秒間が経過することにより終了する。0.2秒間の間に球を特定入賞口65aへと入球させることは非常に困難であるので、大当たりC,Dになった場合の多くは、特別排出流路65e2へと球を流下させることができずに大当たりが終了する。即ち、大当たり中に球をV入賞スイッチ65e3に通過させることができないため、大当たり終了後に特別図柄の確変状態が付与されない。よって、大当たりC,Dになると、他の大当たり種別に比較して大当たり後の遊技状態が遊技者にとって不利となる。なお、確率は低いが、開閉板65f1が開放される0.2秒の間に球を特定入賞口65aへと入球させることができれば、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。よって、大当たり種別が大当たりC,Dのどちらかであった場合にも、大当たりの終了後に確変状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができる。
また、図7の下段に示した通り、大当たりA,B,E,Fのいずれかとなった場合には、大当たりの1ラウンド目が開始されてから3秒間、開閉板65f1が開放される。即ち、流路ソレノイド65kがオン状態となる期間と、開閉板65f1が開放状態に設定される期間とが一致する。よって、比較的長い開放期間の間に球を特定入賞口65aへと入球させることにより、容易にV入賞スイッチ65e3を通過させることができる。よって、大当たりA,B,E,Fとなった場合には、大当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が容易に通過可能となるため、1ラウンド目に球を可変入賞装置65へ向けて打ち出しさえすれば、大当たり後に特別図柄の確変状態へと移行させることができる。
このように、本実施形態では、大当たり種別に応じて確変状態への移行し易さを異ならせている。これにより、確変状態へと移行させ易い開閉パターンが設定されることを期待して遊技を行わせることができる。
なお、本実施形態では、大当たりA,B,E,Fとなった場合に設定される開閉板65f1の開放期間と、流路ソレノイド65kのオン期間とを一致させているが、これに限られるものではない。例えば、流路ソレノイド65kのオン期間の方が所定期間(例えば、0.5秒間)長くなるように構成してもよい。このように構成することで、開閉板65f1の開放期間の終了間際に特定入賞口65aへと入球した球を所定期間(0.5秒間)の間に特別排出流路65e2へと流下させることができるので、球を特定入賞口65aへと入球させたにも拘らず確変状態が付与されないという事態が生じることを防止(抑制)することができる。よって、遊技者に対して不満感を抱かせてしまうことを防止することができる。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図11参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ(図3、122)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ(図3、122)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図11を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図11は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図12参照)が設けられている。
ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たり(および小当たり)の抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別(大当たり図柄)の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別の選択に使用する停止種別カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。また、小当たり種別の選択には、小当たり種別カウンタC5が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図27参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図46参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。詳細については後述するが、RAM203には、第1入球口64に対する入賞について各カウンタ値が格納される第1特別図柄保留球格納エリア203aと第2入球口640に対する入賞について各カウンタ値が格納される第2特別図柄保留球格納203bとが設けられている。本実施形態では、第1入球口64、第2入球口640には、保留球が最大4個までそれぞれ設けられており、合計最大8個の保留球が記憶可能に構成されている。そのため、特別図柄が変動表示中でない場合や、特別図柄の大当たり遊技中でない場合等の特別図柄の抽選が可能な期間に、球が第1入球口64に入賞すると、各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納され、第2入球口640に遊技球が入賞すると、各カウンタ値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。その後、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納された各カウンタ値が第1特別図柄保留球格納エリア203a内に設けられた実行エリアに移動されて、第1特別図柄を変動表示(動的表示)するための各種設定や制御処理が実行される。同様にして、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された各カウンタ値が第2特別図柄保留球格納エリア203b内に設けられた実行エリアに移動されて、第2特別図柄を変動表示するための各種設定や制御処理が実行される。
一方、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示中や第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり遊技中等の特別図柄の抽選が不可能な期間に、遊技球が第1入球口64または第2入球口640に入賞した場合には、入賞した入球口(始動口)に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)未満である場合には、各カウンタ値の取得がされ、入賞した入球口に対応する第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに記憶される。また、入賞した入球口に対する保留個数が上限値(本実施形態では、4個)以上である場合には、各カウンタ値等の取得はされずに賞球(本実施例では、5個の賞球)のみが遊技者に払い出される無効球として扱われる。
なお、本実施形態では、保留球数の上限値は、第1入球口64と第2入球口640とに対してそれぞれ4個としたが、これに限られず、4個より少なく(例えば3個)してもよいし、4個より多く(例えば、8個)してもよい。また、上限値を設けない構成としてもよい。
図12を参照して、各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜299)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜299の値を取り得るカウンタの場合は299)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜299の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜299の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図27参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図46参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64または第2入球口640に入賞したタイミングでRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。そして、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される大当たり乱数テーブル(図13(b)参照)に規定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。
ここで、図13(b)を参照して、第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。第1当たり乱数テーブル202aは、第1特別図柄または第2特別図柄の抽選において、各遊技状態で当たりと判定される乱数値(判定値)が設定されたテーブルである。具体的には、遊技状態が低確率遊技状態である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「0」であるか判別されて、「0」であれば、大当たりであると判別される。また、遊技状態が高確率遊技状態である場合には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「1〜4」の範囲内であるか判別されて、「1〜4」の範囲内であれば、大当たりであると判別される。更に、遊技状態とは関係なく、第1特別図柄の抽選において、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が「295〜299」の範囲内であるか判別されて、「295〜299」の範囲内であれば、小当たりであると判別される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリア、または第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、小当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の小当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の小当たり時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリア、または第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜299の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。上述した通り、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は1個あり、その乱数値である「0」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が1なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/300」となる。一方、特別図柄の高確率状態において、特別図柄の大当たりとなる第1当たり乱数カウンタC1の値は4個あり、その乱数値である「1〜4」は、前述したように第1当たり乱数テーブル202aに格納されている。このように乱数値の総数が300ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/75」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、この第1当たり種別カウンタC2の値と第1当たり種別選択テーブル202b(図13(c)参照)とに基づいて、大当たり種別が選択されることとなる。具体的には図13(c)を参照して後述する。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄としてリーチが掛かっている図柄とは異なる図柄が停止する「リーチ外れ」(例えば90〜99の範囲)と、リーチが発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との2つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、特別図柄の確変状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなると共に、「リーチ外れ」が90〜99と狭くなるため、「リーチ外れ」が選択され難くなる。また、特別図柄の低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなると共に、「リーチ外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜99と広くなる。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
また、本実施形態のパチンコ機10における小当たり種別カウンタC5は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、この小当たり種別カウンタの値と小当たり種別選択テーブル202e(図14(b)参照)とに基づいて、小当たり種別(小当たりA〜C)が選択されることとなる。具体的には、図14(c)を参照して後述する。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、設定されている変動パターンテーブルより1の変動パターンが決定される。この変動パターンには、変動時間(動的表示期間)が設定されており、変動種別カウンタCS1は、変動時間を決定するカウンタでもある。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図46参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。尚、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図15、および図16参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
変動パターンテーブル202dには、変動パターンを選択するためのデータテーブルが複数規定されている(図15(b)及び図16参照)。この変動パターンテーブル202dには、第1特別図柄と、第2特別図柄とでそれぞれ専用の複数の変動パターンテーブルが設定されており、それぞれに対して、当否判定結果別に変動パターンテーブルが設定されている。各変動パターンテーブルの詳細については、図15、および図16を参照して後述する。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図27参照)毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの普通始動口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普図実行エリアに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図14(a)参照)に規定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブル202cに規定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄(第2図柄)の当たりと判定する。この第2当たり乱数テーブル202cの詳細について、図14(a)を参照して説明する。
図14(a)は、第2当たり乱数テーブル202cの内容を模式的に示した模式図である。この第2当たり乱数テーブル202cにおいて、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は199個あり、その範囲は「5〜203」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が199個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「199/240」となる。
一方、普通図柄の高確率時(普通図柄の時短状態中)に、普通図柄の当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。第2当たり乱数カウンタC4の取り得る乱数値の総数が240個ある中で、当たりとなる乱数値の総数が200個なので、普通図柄の当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。このように、本実施形態では、普通図柄の当たりとなる乱数値が、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで1つしか異ならないため、当たり確率はほぼ同等となっている。また、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間も同等となっている。このため、普通図柄の低確率状態と、普通図柄の高確率状態とで、第2入球口640への入球し易さが同等となる。しかしながら、本実施形態におけるパチンコ機10では、上述した通り、普通図柄の低確率状態(通常状態)における第2特別図柄の変動時間が、普通図柄の高確率状態(時短状態)における変動時間に対して極端に長くなる。これにより、普通図柄の低確率状態(通常状態)において、普通図柄の高確率状態(時短状態)よりも第2特別図柄の抽選が実行され難くなるので、普通図柄の低確率状態(通常状態)においては、遊技者に対して第1入球口64を狙って遊技を行わせることができる。
球が普通始動口67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、普通図柄の低確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜203」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「0.9秒間×1回」だけ開放される。一方、普通図柄の高確率状態において、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640が「1秒間×1回」だけ開放される。尚、本実施形態では、普通図柄の変動時間や、普通電動役物開放時間や開放回数については、遊技性を損なわない範囲で適宜変更してもよい。
普図変動種別カウンタCS2は、0〜99の範囲で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。スルーゲート67を遊技球が通過した場合に、この普図変動種別カウンタCS2の値に基づいて、普通図柄の変動パターンが選択される。具体的には、普図変動種別カウンタCS2の値が0〜99の範囲(即ち、全範囲)で、変動時間が3秒の変動パターンが選択される。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図27参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図46参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図11に戻り、説明を続ける。RAM203は、図11に図示した各種カウンタのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。
なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図46参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図45参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図44参照)が即座に実行される。
次に、図13〜図16を参照して、本実施形態における主制御装置110のMPU201のROM202の内容について説明する。図13(a)は、本実施形態における主制御装置110のMPU201におけるROM202の内容を模式的に示した模式図である。ROM202には、既に上述した第1当たり乱数テーブル202aと、第2当たり乱数テーブル202cとに加え、第1当たり種別選択テーブル202bと、変動パターンテーブル202dと、小当たり種別選択テーブル202eとが少なくとも設けられている。
まず、図13(c)を参照し、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。第1当たり種別選択テーブル202b(図13(c)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図13(c)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている。この大当たりAは、ラウンド数が16ラウンドである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりA」は、ラウンド数が最も多い大当たり種別の一つである上に、大当たりの1ラウンド目にV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターン(図7の下段参照)が設定されるので、大当たり後に確変状態が付与され易い。このため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別の一つである。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜49」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている。この「大当たりB」は、ラウンド数が12ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は40個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は40%(40/100)である。この「大当たりB」は、「大当たりA」よりもラウンド数が少ないものの、「大当たりA」と同様に、大当たりの1ラウンド目にV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターン(図7の下段参照)が設定されるので、大当たり後に確変状態が付与され易い。このため、「大当たりA」(および後述する「大当たりE」)には劣るものの、遊技者にとって比較的有利な大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜69」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている。この「大当たりC」は、「大当たりB」と同様に、ラウンド数が12ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は20個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は20%(20/100)である。この「大当たりC」は、「大当たりA」よりもラウンド数が少なく、且つ、大当たりの1ラウンド目にV入賞スイッチ65e3を通過困難な特定入賞口65aの開閉パターン(図7の中段参照)が設定されるので、大当たり後に確変状態が付与され難い(大当たり後に普通図柄の時短状態(チャンスモードB)が設定され易い)。このため、確変状態(連荘モード)が設定され易い「大当たりA」や「大当たりB」に比較して不利な大当たり種別となる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている。この「大当たりD」は、ラウンド数が4ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は30個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は30%(30/100)である。この「大当たりD」は、6種類の大当たり種別の中でラウンド数が最も少なく、且つ、大当たりの1ラウンド目にV入賞スイッチ65e3を通過困難な特定入賞口65aの開閉パターン(図7の中段参照)が設定されるので、大当たり後に確変状態が付与され難い(大当たり後に普通図柄の時短状態(チャンスモードB)が設定され易い)。このため、全ての大当たり種別の中で最も不利な大当たり種別となる。
一方、第2特別図柄に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている。この「大当たりE」は、ラウンド数が16ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は70個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は70%(70/100)である。この「大当たりE」は、6種類の大当たり種別の中でラウンド数が最も多く、且つ、大当たりの1ラウンド目にV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターン(図7の下段参照)が設定されるので、大当たり後に確変状態が付与され易い。このため、「大当たりA」と同様に、遊技者にとって最も有利な大当たり種別の一つである。
また、第2特別図柄に対しては、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている。この「大当たりF」は、ラウンド数が4ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は30個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は30%(30/100)である。この「大当たりF」は、6種類の大当たり種別の中でラウンド数が最も少ないが、大当たりの1ラウンド目にV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターン(図7の下段参照)が設定されるので、大当たり後に確変状態が付与され易い。このため、賞球面では不利であるが、比較的少ない抽選回数で次の大当たりとなり易いため、「大当たりC」や「大当たりD」に比較して有利となる。
このように、本実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、50%の割合でV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターンが設定される大当たり種別(大当たりA,B)が決定されるのに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、100%の割合でV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターンが設定される大当たり種別(大当たりE,F)が決定される構成としている。よって、一旦連荘モード(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が設定されると、右打ちにより第2入球口640へと入賞させることにより、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる状態と、大当たりとが繰り返され易くなる。このため、遊技者に対して、連荘モードへと移行させることを一つの目的として遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、通常モード(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)では、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が低い上に、基本的に第2特別図柄の抽選が実行され難いため、第1特別図柄の抽選により大当たりを目指すことになる。しかしながら、第1特別図柄の抽選で大当たりになっても、50%の割合でしかV入賞スイッチ65e3を通過容易な開閉パターン(図7の下段参照)が設定されないので、第1特別図柄の抽選でなかなか大当たりとならなかったり、大当たりになっても、V入賞スイッチ65e3を通過困難な開閉パターン(図7の中段参照)が設定され続けることにより、遊技者にとって不利な通常モードが長く継続してしまう場合がある。不利な状態が長く続くと、遊技者が遊技に対するモチベーションを失ってしまう虞がある。
これに対して本実施形態では、通常モードにおいて、第1特別図柄の抽選により特定の抽選結果(小当たり)となった場合に、一時的に第2特別図柄の抽選が実行され易いチャンスモードAへと移行可能に構成している。このように構成することで、チャンスモードAが設定されている間に第2特別図柄の抽選を実行させることにより大当たりとなれば、100%の割合でV入賞スイッチ65e3を通過可能(容易)な特定入賞口65aの開閉パターンが設定される大当たり種別(大当たりE,F)が決定されるので、チャンスモードAが設定された場合における遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。また、大当たりだけでなくチャンスモードAが設定されることを期待して通常モード中の遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図14(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202eの詳細について説明する。この小当たり種別選択テーブル202eは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合において、小当たりの種別を決定するために参照されるデータテーブルである。この小当たり種別選択テーブル202eには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、対応する小当たり種別が規定されている。
図14(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜39」の範囲には、「小当たりA」が対応付けて規定されている。この「小当たりA」は、小当たり終了後10回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスモードAが設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりA」となる乱数値が40個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりA」となる割合は40%(40/100)である。
また、小当たり種別カウンタC5の値が「40〜79」の範囲には、「小当たりB」が対応付けて規定されている。この「小当たりB」は、小当たり終了後20回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスモードAが設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりB」となる乱数値が40個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりB」となる割合は40%(40/100)である。
更に、小当たり種別カウンタC5の値が「80〜99」の範囲には、「小当たりC」が対応付けて規定されている。この「小当たりC」は、小当たり終了後100回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスモードAが設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値のうち、「小当たりC」となる乱数値が20個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりC」となる割合は20%(20/100)である。
このように、本実施形態では、小当たりを契機として、通常モードよりも有利なチャンスモードAへと移行する構成としている。チャンスモードAになると、第2特別図柄の変動時間が短く(3秒)なり、第1特別図柄の抽選よりも有利な(大当たりとなった場合に連荘モードが設定され易い)第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、遊技者に対して大当たりとなることを強く期待して遊技を行わせることができる。また、通常モードにおいて、大当たりを介さずにチャンスモードAへと移行させることができるので、例え長い期間大当たりに当選していなくても、遊技に抑揚をつけることができる。よって、所謂大ハマりが発生してしまったとしても、チャンスモードAを間に挟むことにより、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。更に、付与されるチャンスモードAの長さ(抽選回数)は、小当たり種別毎に異なる構成としている。これにより、小当たりとなったことを察知した遊技者に対して、チャンスモードAがより長い期間設定される小当たり種別であることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図15、および図16を参照して、変動パターンテーブル202dの詳細について説明する。この変動パターンテーブル202dは、上述した通り、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、変動表示の変動パターン(変動時間)を決定する乱数値が規定されている。
図15(a)に示した通り、変動パターンテーブル202dは、通常モードにおいて変動パターン(変動時間)を決定するための通常用テーブル202d1と、連荘モード(確変状態)、およびチャンスモードB(時短状態)において変動パターンを決定するための連荘・チャンスB用テーブル202d2と、チャンスモードAにおいて変動パターンを決定するためのチャンスA用テーブル202d3とが少なくとも含まれる。
まず、図15(b)を参照して、通常用テーブル202d1について説明する。図15(b)は、この通常用テーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。図15(b)に示した通り、通常用テーブル202d1は、特別図柄の種別、および特別図柄の停止種別毎に、変動パターンの種別(変動時間)を決定するための乱数値(変動種別カウンタ値CS1のカウンタ値)が規定されている。
具体的に、第1特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として完全外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜98」の範囲に短外れ(7秒)の変動パターンが対応付けられ、「99〜198」の範囲に長外れ(10秒)の変動パターンが対応付けられている。また、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として外れリーチが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲(即ち、全範囲)にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で、外れの一種である小当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲(即ち、全範囲)にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜50」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「51〜179」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「180〜198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。即ち、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間として60秒が選択されるのは、小当たり、若しくは大当たりの場合のみである。よって、スーパーリーチに発展した時点でチャンスモードAへの突入か、若しくは大当たりとなることを遊技者に認識させることができる。よって、スーパーリーチに反転したことを認識した後の変動時間中に、遊技者に対して安心感を抱かせることができる。また、変動時間が90秒のスペシャルリーチは、大当たりの場合にのみ選択され得るので、変動時間が60秒を超過した(スペシャルリーチに発展した)時点で、今回の第1特別図柄の抽選結果が大当たりであったことを遊技者に対して認識させることができる。よって、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
一方、通常モードで第2特別図柄の抽選が実行された場合には、第2特別図柄の抽選結果とは関係なく、全ての変動種別カウンタCS1の値に対して超ロング変動(600秒)が対応付けられている。これにより、通常モードにおいて、有利な第2特別図柄の抽選を実行させようとして右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行った場合に、最短でも10分間(600秒)に1回しか特別図柄の抽選が実行されない、極めて遊技効率の悪い状態とすることができる。よって、通常モードにおいて常に右打ちを行う変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。なお、上述した通り、本実施形態では同時変動方式(第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを並列して実行させることができる方式)を採用している。よって、仮に、遊技者の操作ミス等により通常モードで悪意なく第2入球口640へと球が入球してしまい、第2特別図柄の10分間の変動が実行されても、左打ちで第1入球口64を狙うことにより、第2特別図柄の変動中に第1特別図柄の変動を実行させることができる。
次に、図16(a)を参照して、変動パターンテーブル202dに含まれる連荘・チャンスB用テーブル202d2の詳細について説明を行う。この連荘・チャンスB用テーブル202d2は、上述した通り、連荘モード(確変状態)、およびチャンスモードB(時短状態)において変動パターンを決定するために用いられるテーブルである。
この連荘・チャンスB用テーブル202d2では、第1特別図柄と、第2特別図柄とで、同一の停止種別、同一の変動種別カウンタCS1の値となった場合に同一の変動パターン(変動時間)が決定されるように構成されている。具体的には、特別図柄の抽選が外れとなり、停止種別として完全外れが決定された場合、変動種別カウンタCS1の値が「0〜190」の範囲には短外れ(7秒)が対応付けられ、「191〜198」の範囲には長外れ(10秒)が対応付けられている。このように、連荘モード(確変状態)やチャンスモードB(時短状態)では、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別として完全外れが決定された場合に、通常モードよりも短外れとなる割合が高くなる構成としている。これにより、通常モードよりも遊技者に有利な連荘モードやチャンスモードBにおける遊技効率を向上させることができる。
また、特別図柄の抽選で外れとなり、停止種別としてリーチ外れが決定された場合には、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲(即ち、全範囲)にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられている。また、第1特別図柄の抽選で、外れの一種である小当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜198」の範囲(即ち、全範囲)にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられている。
一方、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、変動種別カウンタCS1の値として「0〜50」の範囲にノーマルリーチ各種(30秒)が対応付けられ、「51〜179」の範囲にスーパーリーチ各種(60秒)が対応付けられ、「180〜198」の範囲にスペシャルリーチ各種(90秒)が対応付けられている。
このように、連荘・チャンスB用テーブル202d2が設定される連荘モード(確変状態)、およびチャンスモードB(時短状態)では、通常モードと異なり、第2特別図柄の抽選が実行された場合に決定される変動時間が、第1特別図柄の抽選と同等になっている。これにより、右打ちにより第2入球口640を狙って球を打ち出すことにより、第2特別図柄の抽選を効率よく実行させることができる。即ち、大当たりとなった場合に確変状態が付与され易い有利な状態となる。よって、大当たりとなることをより強く期待して遊技を行わせることができる。
次に、図16(b)を参照して、変動パターンテーブル202dに含まれるチャンスA用テーブル202d3の詳細について説明を行う。このチャンスA用テーブル202d3は、上述した通り、チャンスモードAにおいて変動パターンを決定するために用いられるテーブルである。
このチャンスA用テーブル202d3のうち、第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間と、変動種別カウンタCS1の値との対応関係については、通常用テーブル202d1と同一となっている。よって、詳細な説明については省略する。一方、第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の変動時間は、第2特別図柄の抽選結果とは無関係に3秒が決定される。即ち、第1特別図柄の抽選に基づいて実行される変動表示よりも変動時間が短くなるので、第2入球口640を狙って右打ちを行うことにより、左打ちするよりも遊技効率が良くなる。よって、有利な第2特別図柄の抽選を効率よく実行させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上述した通り、チャンスモードAは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、その小当たりの終了後に特定期間(特別図柄の抽選が10回、20回、または100回終了するまで)設定される。第1特別図柄の抽選は、通常モードで実行され易いので、通常モードから小当たりを介してチャンスモードAへと移行させることにより、大当たりを介さずに遊技者にとって有利な状態とすることができる。よって、通常モードにおいて、例え長い期間大当たりに当選していなくても(所謂大ハマりが発生していても)、チャンスモードAを間に挟むことにより、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。更に、上述した通り、付与されるチャンスモードAの長さ(抽選回数)は、小当たり種別毎に異なる構成としている。これにより、小当たりとなったことを察知した遊技者に対して、チャンスモードAがより長い期間設定される小当たり種別であることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、チャンスモードAにおいて第2特別図柄の抽選が実行された場合に、抽選結果とは関係なく一律3秒の変動パターンが設定される構成としているが、これに限られるものではない。左打ちの方よりも右打ちの方が有利となる範囲で任意に定めてもよい。例えば、第2特別図柄の抽選が外れの場合には一律3秒の変動パターンを設定し、当たりの場合には第1特別図柄の抽選で当たりになった場合と同一の変動パターンが選択される構成としてもよい。
次に、RAM203の詳細について、図17を参照して説明する。図17は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図17に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変カウンタ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、動作カウンタ203k、残球タイマフラグ203m、残球タイマ203n、確変有効フラグ203o、確変有効タイマ203p、排出個数カウンタ203q、時短中カウンタ203r、当たりフラグ203s、特図1変動時間カウンタ203t、特図2変動時間カウンタ203u、大当たり中フラグ203v、小当たり中フラグ203w、チャンスモードカウンタ203x、異常監視フラグ203y、異常監視カウンタ203aa、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の各値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリアとを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。
より具体的には、球がスルーゲート67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図39のS1304参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図29のS303参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図29のS304、図39のS1305参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、および第2特別図柄保留球数カウンタ223b2によって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図39のS1310参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図35のS903参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図41のS1504参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図40のS1405参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図41のS1505)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図41のS1503:No)。
確変カウンタ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(特別図柄の高確率状態)であるか否かを示すカウンタであり、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変カウンタ203gの値が0であれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(特別図柄の低確率状態)であることを示す。また、上述した通り、特別図柄の確変状態では、普通図柄の時短状態となる。よって、確変カウンタ203gの値が1以上であれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態である(連荘モードである)ことも示している。
確変カウンタ203gは、初期値が0に設定されており、大当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりの終了時に101が設定される(図48のS2202参照)。また、第1特別図柄の変動表示、または第2特別図柄の変動表示を開始する際に実行される遊技状態更新処理(図30参照)において、値が1ずつ減算される(図30のS402参照)。また、確変カウンタ203gは、大当たり遊技が開始される場合に値が0にリセット設定される(図33のS707、図38のS1207参照)。
この確変カウンタ203gは、第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)、および第2特別図柄大当たり判定処理(図36参照)において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図31のS502、図36のS1002参照)。具体的には、第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S306)、および第2特別図柄大当たり判定処理(図36、S906)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S306)、および第2特別図柄大当たり判定処理(図36、S906)では、確変カウンタ203gの値が参照され、その値が1以上であれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203gの値が0であれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変カウンタ203gは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図40のS1408,S1414)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変カウンタ203gの値、および時短中カウンタ203rの値が参照され、いずれかのカウンタ値が1以上であれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rの値が共に0であれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも参照される(図40のS1414参照)。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中にV入賞スイッチ65e3(図6(a)参照)を球が通過したか否かにより決定される。ここで、このV入賞スイッチ65e3を球が通過すると確変設定フラグ203hがオンに設定される(図49のS2312)。一方、この確変設定フラグ203hは、大当たりの終了時にオフに設定される(図48のS2206参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、V入賞スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前にV入賞スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)でV入賞スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203qとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、V入賞スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図49のS2311)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図50のS2411)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を遊技球が通過したと検出されることに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図49のS2303)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203qと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図50のS2411参照)。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
動作カウンタ203kは、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオンに設定される(励磁される)時間を計時(カウント)するためのカウンタである。本実施形態では、大当たりの1ラウンド開始された場合に、流路ソレノイド65kが3秒間オンに設定される(図7参照)。動作カウンタ203kには、大当たりの1ラウンドが開始された時点で、3秒に対応するカウンタ値が設定される。一方、主制御装置110のMPU201の実行する入賞処理(図49、S2113)のS2309の処理において1ずつ減算されて更新される。また、この動作カウンタ203kの値が0と判別されることに基づいて、流路ソレノイド65kがオフに設定される。なお、この動作カウンタ203kは、電源断時にはバックアップされ、初期化された状態では、初期値である0が設定される。
残球タイマフラグ203mは、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉板65f1が閉鎖したことを示すフラグである。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されていると、1のラウンドで可変入賞装置65の開閉板65f1が開放状態から閉鎖状態に設定されたことを示している。この残球タイマフラグ203mがオンに設定されることで、後述する残球タイマ203nが1ずつ加算されて更新される(図50のS2405参照)。残球タイマ203nは、開閉板65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203nは、予め設定されている1のラウンド(本実施形態では大当たりの1ラウンド)が終了して可変入賞装置65の開閉板65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は2秒であり、本実施形態では、予め3秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203nの上限値として設定されている。この残球タイマ203nの上限値(本実施形態では、3秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図50のS2407)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、球を不正に可変入賞装置65の内部に残存させておき、次の大当たりの1ラウンドが開始されてから(即ち、特別排出流路65e2へ流下可能な状態となってから)球を流下させてV入賞スイッチ65e3を通過させる不正行為を早期に発見することができる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合にはV入賞スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203oは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、遊技球がV入賞スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203oがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球がV入賞スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、V入賞スイッチ65e3に遊技球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203pは、上述した確変有効フラグ203oがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203pにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、V入賞スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球がV入賞スイッチ65e3を通過するのに要する時間は1秒である。確変有効タイマ203pの上限値は1.2秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後にV入賞スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出流路65e2に誘導しない状態(図6(b)参照)で、不正に球を特別排出流路65e2に入球させてV入賞スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、V入賞スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203qは、1のラウンドで排出確認スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203qは、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数とが判別された後に初期値である0にリセットされる(図50のS2411)。
時短中カウンタ203rは、時短状態における残りの特別図柄の変動回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203rは、大当たり遊技終了時に確変設定フラグがオフである場合に、101が設定される。この時短中カウンタ203rは、確変カウンタ203gと同様に、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示を開始する場合に実行される遊技状態更新処理の中で1ずつ減算される(図30のS404参照)。変動開始時に時短状態を終了する構成とすることで、大当たり後に時短状態(チャンスモードB)が設定されてから、101回目の変動表示が開始された時点で、100回目の変動表示の途中であっても時短状態が終了される。
当たりフラグ203sは、第1入球口64または第2入球口640に入球したことに基づいて、取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、変動開始時に大当たり、または小当たりであると判定された場合に、オンに設定されるフラグである(図31のS507、図36のS1007参照)。この当たりフラグ203sは、大当たり、または小当たりに対応する停止図柄の表示を行う際にオフに設定される(図33のS707、図38のS1207参照)。なお、この当たりフラグ203sには、2ビットの記憶領域が割り当てられており、上位ビットに第1特別図柄、下位ビットに第2特別図柄に対応する情報が格納される。より具体的には、当たりフラグ203sが「10H」であれば、第1特別図柄の抽選で大当たりまたは小当たりとなり、その抽選結果を示す変動表示中であることを示す。一方、当たりフラグ203sが「01H」であれば、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、その抽選結果を示す変動表示中であることを示す。これに対し、当たりフラグ203sが「00H」であれば、大当たり変動も、小当たり変動も実行されていないことを示す。
当たりフラグ203sは、変動開始時に、第1特別図柄と第2特別図柄とで先にどちらか一方がオンに設定されている場合には、他方の抽選結果が大当たり、または小当たりであっても、当たりフラグ203sは上書きされたりせず、他方の抽選結果は、外れと同等に処理される。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄とで、同時に特定入賞口65aの開放契機となる変動表示が実行されてしまうことを防止(抑制)できる。即ち、どちらか一方の特別図柄で大当たりとなる変動表示が開始されると、他方では、大当たり、または小当たりとなる変動表示が開始されず、外れの変動態様のみが表示されるように構成される。
なお、本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とで共通した当たりフラグ203sで構成したが、これに限らず、第1特別図柄と第2特別図柄とでそれぞれ独立した当たりフラグを設定して、第1特別図柄と第2特別図柄とで同時に大当たり、または小当たりとなる変動表示が実行されるように構成してもよい。このような構成とすることで、確変状態中に第1特別図柄で、大当たりDとなる変動表示が開始されたとしても、その変動時間を長く設定しておき、第2特別図柄で短い変動時間で抽選され易く構成することで、大当たりDが開始されるまでの間に、第2特別図柄で大当たりし易く構成することができる。よって、遊技者に大当たりDが開始されるまでの時間(即ち、確変遊技状態が終了するまでの期間)を報知する演出を実行して、遊技者に急いで、第2特別図柄で大当たりを当選させようとして遊技を行わせる演出を実行できる。従って、遊技者に新鮮な演出を提供することができる。その結果、遊技者が早期に遊技に飽きてしまう不具合を抑制できる。
特図1変動時間カウンタ203tは、第1特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。第1特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される(図32のS609)。その後、第1特別図柄変動停止処理(図33、S204)のS701の処理において、経過した変動時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1ずつ)が減算されて更新される。
特図2変動時間カウンタ203uは、第2特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。第2特別図柄の変動パターンが選択された場合に、選択された変動パターンに対応する変動時間が設定される(図37のS1109)。その後、第2特別図柄変動停止処理(図38、S207)のS1201の処理において、経過した変動時間に対応したカウンタ値(本実施形態では、1ずつ)が減算されて更新される。
大当たり中フラグ203vは、大当たり中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203vがオンであれば、パチンコ機10が大当たり中であることを示し、オフであれば、大当たり中ではないことを示す。この大当たり中フラグ203vは、大当たり制御処理(図47、S2004参照)の中で、大当たりの開始時にオンに設定される(図47のS2104参照)。一方、大当たりの終了時に実行される大当たり終了処理の中でオフに設定される(図48のS2206参照)。
小当たり中フラグ203wは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203wがオンであれば、パチンコ機10が小当たり中であることを示し、オフであれば、小当たり中ではないことを示す。この小当たり中フラグ203wは、小当たり制御処理(図51、S2005参照)の中で、小当たりの開始時にオンに設定される(図51のS2503参照)。一方、小当たりの終了時にオフに設定される(図51のS2510参照)。
チャンスモードカウンタ203xは、現在がチャンスモードAであるか否かを示すカウンタである。このチャンスモードカウンタ203xの値が1以上であれば、現在がチャンスモードAであることを意味するので、変動パターンを選択する際は、上述したチャンスA用テーブル202d3が参照されて変動パターンが決定される。一方で、このチャンスモードカウンタ203xの値が0であれば、現在がチャンスモードA以外の状態(通常モード、連荘モード、またはチャンスモードB)であることを意味するので、状態に応じたテーブル(通常用テーブル202d1、連荘・チャンスB用テーブル202d2のいずれか)が変動パターンテーブル202dから読み出されて、変動パターン(変動時間)の決定に用いられる。このチャンスモードカウンタ203xは、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たり種別に対応する値が設定される(図34のS803,S805,S806参照)。一方、特別図柄の変動表示を開始する際に、値が1ずつ減算される(図30のS406参照)。
異常監視フラグ203yは、遊技者が現在の遊技状態に対応して正しい遊技方法(遊技者にとって有利な遊技方法)で遊技を行っているか否かを判別するためのフラグである。この異常監視フラグ203yがオンであれば、遊技者が不正な(不利となる)遊技方法で遊技を行っている可能性があることを示し、オフであれば、遊技者が正しい遊技方法で遊技を行っていることを示す。
上述した通り、本実施形態では、連荘モード(確変状態)、チャンスモードA、およびチャンスモードBにおいて、第2特別図柄の変動時間が短くなり(図16(a),(b)参照)、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる。よって、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行う方が遊技者に有利となるため、右打ちが正しい遊技方法となる。この場合には、第2特別図柄で抽選が実行されることが通常であり、第1特別図柄で遊技が実行されている期間は、遊技者が不正な(不利な)遊技方法で遊技を行っている可能性があるので、異常監視フラグ203yがオンに設定される。この異常監視フラグ203yがオンに設定されると、後述する異常監視カウンタ203aaにより異常監視フラグ203yが継続してオンに設定されている期間が計時され、所定時間(本実施形態では、20秒)以上となると、異常報知(音声および警告画像を表示)が実行される。
また、通常モード(チャンスモードAが設定されていない通常状態)では、左打ちで遊技をすることが正しい遊技方法であるが、右打ちでしか入球しないはずの第2入球口640や普通入球口67に球が入球して、第2特別図柄の変動表示や普通図柄の変動表示が実行されたと判別されると、異常監視フラグ203yがオンに設定されて、異常報知を実行するように構成されている。
異常監視カウンタ203aaは、不正な遊技方法で遊技が行われている可能性の高い期間を計時(カウント)するためのカウンタである。この異常監視カウンタ203aaの値が、20秒に対応するカウント値になると、異常報知が実行される。この異常監視カウンタ203aaは、不正監視処理の中で、異常監視フラグ203yがオンの場合に値が1ずつ更新される(図43のS1702参照)。一方、異常監視フラグ203yがオフであれば、0にリセットされる(図43のS1705参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶して置くためのエリアである。
次に、ROM202に設けられた各種テーブルや、RAM203に設けられた各種フラグ、カウンタ等を用いることにより行われるモード移行の詳細について、図18を参照して説明する。本第1実施形態では、4種類のモードが設けられている。具体的には、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において設定される「通常モード」、および「チャンスモードA」と、確変状態(特別図柄の高確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)として設定される「連荘モード」と、時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)として設定される「チャンスモードB」とが設けられている。
図18の上部左側に示した「通常モード」は、第2特別図柄の抽選が実行され難く、遊技者にとって最も不利な状態である。第2特別図柄の抽選が実行され難いので、第1入球口64を狙って球を打ち出すことで第1特別図柄の抽選を実行させる方が遊技者にとって有利になる。図18の左上に示した通り、「通常モード」では、特別図柄の抽選で小当たり、または大当たりとなることにより、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、特別図柄の抽選で大当たりとなり、その大当たり種別が大当たりA,Bであった場合に、「連荘モード」へと移行する。なお、大当たりの1ラウンド目に球を打ち出さなかった等により、球がV入賞スイッチ65e3を通過しなかった場合には、大当たりA,Bとなっても「連荘モード」が設定されることはない(チャンスモードBが設定される)。
また、特別図柄の抽選で大当たりとなり、その大当たり種別が大当たりCであった場合には、「チャンスモードB」へと移行する。なお、大当たりの1ラウンド目において、開閉板65f1の極めて短い開放期間の間に球を特定入賞口65aへと入球させ、球がV入賞スイッチ65e3を通過した場合には、大当たりCの場合でも、「連荘モード」が設定される(チャンスモードBが設定されない)。更に、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、その小当たりの終了後に「チャンスモードA」へと移行する。この「チャンスモードA」が継続する抽選回数は、小当たり種別に応じて異なっている(図14(b)参照)。
図18の上部右側に示した「チャンスモードA」は、遊技状態としては「通常モード」と同一(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)であるが、第2特別図柄の変動表示の変動時間が短い(3秒の)変動パターンテーブル(チャンスA用テーブル202d3)が参照されるため、「通常モード」に比べて第2特別図柄の抽選が行われ易くなるモードである。上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、開閉板65f1の開閉パターンとして、V入賞スイッチ65e3を球が通過する可能性が高いパターン(開放時間が長い開閉パターン)が必ず設定されるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるよりも遊技者にとって有利となる。よって、同一の遊技状態でありながら、「通常モード」よりも有利な状態とすることができる。
この「チャンスモードA」では、大当たりとなるか、または、チャンスモードAとなってから規定回数の特別図柄の抽選が実行された場合に、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たりE,Fのいずれかになると、開閉板65f1の開閉パターンとして、球がV入賞スイッチ65e3を通過し易い開閉パターン(図7の下段参照)が設定されるので、V入賞スイッチ65e3を球が通過することにより、大当たりのモードが「連荘モード」に設定される。なお、大当たりE,Fのいずれかになった場合でも、大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過しなかった場合には、「連荘モード」へ移行しない(普通図柄の時短状態のみが付与される結果、チャンスモードBへ移行する)。また、「チャンスモードA」において、大当たりとならずに規定回数(10回、20回、または100回)の特別図柄の抽選が終了した場合には、「通常モード」へと戻る。
このように、遊技状態が通常状態の場合には、不利な「通常モード」と、その「通常モード」よりも有利な「チャンスモードA」との2種類のモードを行き来可能に構成している。このように構成することで、「連荘モード」や、「チャンスモードB」よりも不利な通常状態でも、遊技の進行に応じて有利度合いを切り替えることができる。よって、大当たりとならなくても、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図18の中段に示した「チャンスモードB」は、上述した通り、時短状態を示すモードである。時短状態では、上述した通り、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、右打ちにより第2入球口640を狙って球を打ち出すことで遊技者にとって有利となる。
この「チャンスモードB」では、大当たりとなるか、または、チャンスモードBとなってから規定回数(100回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たりE,Fのいずれかになると、開閉板65f1の開閉パターンとして、球がV入賞スイッチ65e3を通過し易い開閉パターン(図7の下段参照)が設定されるので、V入賞スイッチ65e3を球が通過することにより、大当たりのモードが「連荘モード」に設定される。なお、大当たりE,Fのいずれかになった場合でも、大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過しなかった場合には、「連荘モード」へ移行しない(普通図柄の時短状態のみが付与される結果、チャンスモードBをループする)。また、「チャンスモードB」において、大当たりとならずに規定回数(100回)の特別図柄の抽選が終了した場合には、「通常モード」へと移行する。
図18の下段に示した「連荘モード」は、上述した通り、確変状態を示すモードである。確変状態では、上述した通り、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる上に、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が高くなる(1/300→1/75)ため、遊技者にとって極めて有利となる。
この「連荘モード」では、「連荘モード」となってから規定回数(100回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、「連荘モード」において、100回連続で特別図柄の抽選が外れとなった場合に、「通常モード」へと移行(転落)する。一方、基本的に大当たりでは他のモードへと移行しない(「連荘モード」をループする)。よって、「連荘モード」になると、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が高確率となり、且つ、大当たりになった場合に、その大当たり後の遊技状態として「連荘モード」が設定されるので、大当たりと「連荘モード」とが繰り返され易い極めて有利なモードとなる。従って、遊技者に対して、この「連荘モード」へと移行させることを一つの目標にして遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、特別図柄の抽選で大当たりE,Fとなった場合でも、大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過しなかった場合には、「連荘モード」をループせず、チャンスモードBをへと移行する。
このように、本実施形態では、有利度合いが異なる複数の遊技状態を行き来する構成としている。また、異なる遊技状態間を行き来するだけでなく、同一の遊技状態において有利度合いの異なるモードを行き来することができる。即ち、最も不利な通常状態において、遊技の状況に応じて有利度合いを異ならせることができる。よって、たとえ長い期間、特別図柄の抽選で外れが連続したとしても、有利度合いが変更されることにより遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
図11に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを閉鎖または開放する開閉板65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図44参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図19(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。図19(a)に示した通り、ROM222は、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図19(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図19(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、コマンド記憶領域223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1と、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2と、特図1変動開始フラグ223c1と、特図2変動開始フラグ223c2と、特図1停止種別選択フラグ223d1と、特図2停止種別選択フラグ223d2と、従特図1変動時間カウンタ223eと、従特図2変動時間カウンタ223fと、演出カウンタ223gと、遊技状態格納エリア223hと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
コマンド記憶領域223aは、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ出力された各種コマンドがそのコマンドに対する処理が実行されるまで一時的に記憶され領域である。詳細には、リングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ処理装置113のコマンド判定処理(図54参照)が実行されると、コマンド記憶領域223aに記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、および第2特別図柄保留球数カウンタ223b2は、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を特別図柄の種別毎に最大4回まで計数するカウンタである。第1特別図柄保留球数カウンタ223b1が、第1特別図柄の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応し、第2特別図柄保留球数カウンタ223b1が、第1特別図柄の抽選に基づく変動演出の保留球数に対応する。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2にて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2に格納する(図54のS4211参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2に格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2は、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
特図1変動開始フラグ223c1、および特図2変動開始フラグ223c2は、主制御装置110から送信される第1特別図柄の変動パターンコマンド、および第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図54のS4205,S4208参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図55のS4402,S4407参照)。特図1変動開始フラグ223c1、および特図2変動開始フラグ223c2がオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図53参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
特図1停止種別選択フラグ223d1、および特図2停止種別選択フラグ223d2は、主制御装置110から送信される第1特別図柄の停止種別コマンド、および第2特別図柄の停止種別コマンドを受信した場合にそれぞれオンされ(図54のS4202参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図55のS4412参照)。特図1停止種別選択フラグ223d1、または特図2停止種別選択フラグ223d2がオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
従特図1変動時間カウンタ223e、および従特図2変動時間カウンタ223fは、それぞれ第1特別図柄の変動時間、および第2特別図柄の変動時間をカウントするためのカウンタである。
演出カウンタ223gは、変動パターンの選択や、各種演出の選択等に使用されるカウンタである。この演出カウンタ223gは、0から198の範囲で更新される1バイトのループカウンタで構成されており、メイン処理(図53参照)が実行される毎に、値が1ずつ加算されて更新される。
遊技状態格納エリア223hは、パチンコ機10の遊技状態に応じた情報が格納される記憶領域である。この遊技状態格納エリア223hには、主制御装置110から出力される状態コマンドを受信する毎に、その状態コマンドにより示されるパチンコ機10の状態に対応した情報に更新される(図52のS4011、図54のS4215参照)。より具体的には、遊技状態格納エリア223hは、3ビットの記憶領域が割り当てられており、上位ビットから順に、特別図柄の確変状態であるか否か、普通図柄の時短状態であるか否か、チャンスモードAであるか否かを示す値が格納される。例えば、遊技状態格納エリア223hの値が「110H」であれば、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態(即ち、連荘モード)であることを意味し、「010H」であれば、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態(即ち、チャンスモードB)であることを意味し、「001H」であれば、チャンスモードAであることを意味する。一方、遊技状態格納エリア223hに格納された情報が「000H」であれば、通常モードであることを意味する。
主制御装置110から出力される状態コマンドに応じて、遊技状態格納エリア223hを更新していくことにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の状態を正確に把握することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
図11に戻って説明を続ける。表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図20を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図44参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図20を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図20は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリ234aは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図57のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図57のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図26参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図59(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリ234aは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図57のS6003,S6004参照)。
ここで、図21を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図21は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図21(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図21(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図21(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図21(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図21(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図21(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図20に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図22を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図22は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図22(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図22(b)は、「森ステージ」、「川ステージ」、および「空ステージ」に対応する背面B〜Dに対してそれぞれ示したものである。また、図23は、「島ステージ」に対応する背面Eに対して示したものである。
各背面A〜Dに対応する背面画像は、図22に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A〜Dに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別選択テーブルに基づいて背面種別の変更が決定され、ステージが「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Eにおける背面画像は、図23に示すように、時間の経過とともに、図23の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3図柄表示装置81に表示される。具体的には、背面Eは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
ステージが「島ステージ」に変更されると、背面Eの初期背面画像として、図23(a)に示す背面画像が表示される。この図23(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図23(b)に示す背面画像が表示される。図23(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図23(c)に示す背面画像が表示される。図23(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図23(a)に示す背面画像に戻って、再び図23(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図22(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「街中ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「街中ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「森ステージ」に対応する背面B、「川ステージ」に対応する背面C、および「空ステージ」に対応する背面Dは、図22(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。また、島ステージに対応する背面Eは、図23(a)を含み、図23(b)を除く図23(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図23(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図23(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面B〜Dの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面B〜Dについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面B〜Dは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Eは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図23(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図23(b)〜(c)および図23(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図23(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図23(a)〜(b)の画像を表示させている間に図23(b)〜(c)および図23(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図23(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図23(b)〜(c)および図23(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面B〜Eにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図20参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面B〜Dにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図20に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図6参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」や「老人」、「少女」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233j、背面画像変更フラグ233w、背面画像判別フラグ233x、デモ表示フラグ233y、確定表示フラグ233zを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている大開放口が繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図24を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図24は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「森ステージ」、「川ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Eのいずれかを表示させるか、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Eのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Eのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Eとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図24の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図26参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図25を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図25は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図25のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図25のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図25の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図26参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図25の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図21(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図57参照)の中でオンに設定される(図57のS6005参照)。そして、転送設定処理の常駐画像転送設定処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図68(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図59(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図59(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図59(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図60〜図64参照)および表示設定処理(図65〜図67参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図68(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図68(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図69参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図26参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図26参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図26参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図59(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図65のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図26参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置114の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図26を参照して、描画リストの詳細について説明する。図26は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図26に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図59(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図65のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図57のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図69参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図69のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図69のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図70のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図59(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
背面画像変更フラグ233wは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別を変更するか否かを判別するためのフラグである。この背面画像変更フラグ233wがオンであれば、背面画像の種別を変更することを意味し、オフであれば変更を行わないことを意味する。背面画像変更フラグ233wは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合にオンに設定される(図64(a)のS7001参照)。また、この背面画像変更フラグ233wは、通常画像転送設定処理において参照され(図69のS7709参照)、背面画像の変更処理が実行される際にオフに設定される(図69のS7710参照)。これにより、音声ランプ制御装置113から受信した背面画像変更コマンドや演出モード変更コマンドに対応した背面画像を表示することができる。
背面画像判別フラグ233xは、設定されている背面画像種別を示すフラグである。このフラグは、例えば1バイトで構成されており、各ビットに対して各背面種別が対応付けられている。この背面画像判別フラグ233xのうち、いずれかのビットがオンであれば、そのオンのビットに対応する背面種別が現在の背面種別として設定されていることを意味する。例えば、背面画像判別フラグ233xの0ビット目がオンであれば、背面Aが設定されていることを意味する。この背面画像判別フラグ233xは、音声ランプ制御装置113から送信される背面画像変更コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより通知された背面画像に対応するビットがオンに設定される(図64(a)のS7002参照)。この際、他のビットは全てオフに設定される。この背面画像判別フラグ233xにより、容易に現在設定されている背面種別を特定することができる。
デモ表示フラグ233yは、デモ演出中であるか否かを示すフラグである。このデモ表示フラグ233yがオンであればデモ演出中であることを意味し、オフであればデモ演出中でないことを意味する。このデモ表示フラグ233yは、表示設定処理(図65参照)において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図65のS7221参照)、デモ用表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図61(a)のS6505、図62(a)のS6705、図62(b)のS6805、図63のS6905参照)。このデモ表示フラグ233yにより、現在がデモ演出中であるか否かを容易に判別することができる。
確定表示フラグ233zは、確定表示演出の実行中であるか否かを示すフラグである。ここで、確定表示演出とは、変動パターン後に停止図柄を所定期間(例えば、1秒)停止表示(確定表示)する演出を示す。この確定表示フラグ233zがオンであれば、確定表示演出中であることを意味し、オフであれば、確定表示演出中でないことを意味する。確定表示フラグ233zは、表示設定処理(図65参照)の中で、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した場合にオンに設定され(図65のS7214)、確定表示データテーブル以外の他の表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに対して設定された場合にオフに設定される(図61(a)のS6505、図62(a)のS6705、図62(b)のS6805、図63のS6905参照)。この確定表示フラグ233zにより、現在が確定表示演出中であるか否かを容易に判別することができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図27から図51のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理(図45参照)と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理(図46参照)と、定期的に(本実施形態では2ミリ秒周期で)起動されるタイマ割込処理(図27参照)と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理(図44参照)とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理(図45参照)とメイン処理(図46参照)とを説明する。
図27は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に繰り返し実行される定期処理である。MPU201がこのタイマ割込処理を実行することによって、定期的に実行すべき各種の処理が行われる。
このタイマ割込処理では、まず、外部出力処理を実行する(S101)。タイマ割込処理(図27参照)やメイン処理(図46参照)では、各種処理に基づいて、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等へ送信すべきコマンド等を生成し、RAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに一旦記憶する。S101の外部出力処理では、このコマンド送信用リングバッファに記憶されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する。
例えば、始動入賞処理(図39、S108)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、特別図柄変動処理(図28、S107)で設定された変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。
次に、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S102)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放または閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S103)。即ち、大当たり(特別遊技状態)のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、または特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次いで、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S104)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。また、入賞検知情報に基づいて払出制御装置111に対して送信すべき獲得球数に対応する賞球コマンドをRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、賞球コマンドが払出制御装置111に向けて送信される。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S105)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4および小当たり種別カウンタC5の更新を実行する(S106)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、第2当たり乱数カウンタC4、および小当たり種別カウンタC5をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、299、99、239、99)に達した際、それぞれ0にクリアする。また、第1当たり乱数カウンタC1または第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合には、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1または第2初期値乱数カウンタCINI2の値を当該第1当たり乱数カウンタC1または第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込み、その初期値を第1当たり乱数カウンタC1または第2当たり乱数カウンタC4に設定する。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM203の該当するカウンタ用バッファ領域に格納する。
次に、第1特別図柄と第2特別図柄の第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S107)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S108)。なお、特別図柄変動処理(S107)の詳細は図28を参照して後述し、始動入賞処理(S108)の詳細は図39を参照して後述する。
始動入賞処理(S108)を実行した後は、普通入球口67を遊技球が通過したことに対する普通図柄の変動処理である普通図柄変動処理を実行し(S109)、次いで、普通入球口67を遊技球が通過したことに対するスルーゲート通過処理を実行する(S110)。なお、普通図柄変動処理(S109)の詳細は図40を参照して後述し、スルーゲート通過処理(S110)の詳細は図41を参照して後述する。
スルーゲート通過処理(S110)を実行した後は、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技を行っているかを監視する変動監視処理(S111)を実行し、次いで、遊技者が遊技状態に対応しない(不正な)遊技を実行している場合に、その期間を監視する不正監視処理(S112)を行う。なお、変動監視処理(S111)の詳細は図42を参照して後述し、不正監視処理(S112)の詳細は図43を参照して後述する。
不正監視処理(S112)を実行した後は、球の発射に関する制御を実行する発射制御処理を実行し(S113)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S114)、このタイマ割込処理を終了する。発射制御処理(S113)は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。そして、球の発射がオンである場合、発射制御装置112へ球発射信号を送信するために、その球発射信号の情報を、ワークRAM203に設けられたコマンド送信用リングバッファに設定する。これにより、次に実行されるタイマ割込処理のS101の処理によって、球発射信号が払出制御装置111を介して発射制御装置112へ送信される。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である特別図柄変動処理(S107)を説明する。図28は、この特別図柄変動処理(S107)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理(図28、S107)では、第1入球口64、および第2入球口640への入球に基づいて取得した各カウンタ値を用いて、各種判定や決定を行うと共に、判定結果に応じた変動表示態様で、第1図柄表示装置37と第3図柄表示装置81とで同時に変動表示を可能に制御したり、判定結果を示す表示態様で停止表示させたりする制御が実行される。
特別図柄変動処理(図28、S107)では、まず、大当たり、または小当たり遊技の実行中であるか否か判定し(S201)、大当たり、または小当たり遊技の実行中であると判定した場合には(S201:Yes)、特別図柄の変動表示の開始や停止を設定すべきではないので、そのまま本処理を終了する。一方、S201の処理において、大当たり中でも、小当たり中でもないと判定された場合には(S201:No)、第1特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(S202)。S202の処理において、第1特別図柄の変動表示中であると判定した場合には(S202:Yes)、第1特別図柄変動停止処理を実行し(S204)、処理をS205へと移行する。詳細については図33を参照して後述するが、第1特別図柄変動停止処理(S204)では、第1特別図柄の変動表示中に規定の変動時間が経過した場合に、第1特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。
一方、第1特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S202:No)、第1特別図柄変動開始処理を実行して(S203)、処理をS205へと移行する。詳細については図29を参照して後述するが、第1特別図柄変動開始処理(図29、S203)では、第1特別図柄保留球数格納エリア203aに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
第1特別図柄変動開始処理(S203)、または第1特別図柄変動停止処理(S204)が実行された後に実行されるS205の処理では、第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(S205)。S205の処理において、第2特別図柄が変動表示中であると判定した場合には(S205:Yes)、第2特別図柄変動停止処理を実行して(S207)、本処理を終了する。詳細については、図38を参照して後述するが、第2特別図柄変動停止処理(図38、S207)では、第1特別図柄変動停止処理(図33、S204)と同様に、第2特別図柄の変動表示中に規定の変動時間が経過した場合に、第2特別図柄の抽選結果を示す図柄で変動表示を停止する処理が実行される。
一方、S205の処理において、第2特別図柄が変動表示中でないと判定された場合には(S205:No)、第2特別図柄変動開始処理を実行して(S206)、本処理を終了する。詳細については図35を参照して後述するが、第2特別図柄変動開始処理(S206)では、第1特別図柄変動開始処理(図29、S203)と同様に、第2特別図柄保留球数格納エリア203bに保留データ(各種カウンタ値)が記憶されていれば、その保留データに基づいた大当たり判定や変動パターンの選択処理が実行される。
次に、図29を参照して、特別図柄変動処理(図28、S107)の一処理である第1特別図柄変動開始処理(S203)の詳細について説明する。図29は、この第1特別図柄変動開始処理(S203)を示すフローチャートである。
この第1特別図柄変動開始処理(図29、S203)では、まず、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得して(S301)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいか判別する(S302)。S302の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0より大きいと判別した場合には(S302:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算して(S303)、減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S304)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図46参照)の外部出力処理(S2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に格納する。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同期させながら、その値を更新することができる。
S304の処理が終了すると、次に、遊技状態更新処理が実行される(S304)。詳細については図30を参照して後述するが、遊技状態更新処理(図30、S304)では、パチンコ機10の状態を示す各種カウンタ(確変カウンタ203g、時短中カウンタ203r、チャンスモードカウンタ203x)の値を更新することにより、パチンコ機10の状態を更新するための処理である。
S305の処理が終了すると、次に、第1特別図柄大当たり判定処理が実行される(S306)。詳細については図31を参照して後述するが、第1特別図柄大当たり判定処理(図31、S306)では、第1特別図柄保留球格納エリア203cの実行エリアにシフトされた第1当たり乱数カウンタC1の値と、現在の遊技状態とに基づいて、大当たりか否かの判定が実行される。
S306の処理が終了すると、次に、第1特別図柄変動パターン選択処理を実行して(S307)、本処理を終了する。詳細については図32を参照して後述するが、第1特別図柄変動パターン選択処理(図32、S307)では、第1特別図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいた当否判定の結果に基づいて、変動パターンを各カウンタ値に基づいて選択するための処理が実行される。
次に、図30を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図29参照)の一処理である遊技状態更新処理(S305)について説明する。図30は、この遊技状態更新処理(S305)を示すフローチャートである。
遊技状態更新処理(図30参照)が開始されると、まず、確変カウンタ203gの値が0より大きいか否かを判別し(S401)、確変カウンタ203gが0より大きいと判別した場合には(S401:Yes)、確変カウンタの値を1減算して(S402)、S403の処理へ移行する。一方で、S401の処理において、確変カウンタ203gの値が0であると判別した場合は(S401:No)、S402の処理をスキップし、S403の処理へ移行する。
S403の処理では、時短中カウンタ203rの値が0より大きいか否かを判別する(S403)。S403の処理において、時短中カウンタ203rが0より大きいと判別した場合には(S403:Yes)、時短中カウンタ203rの値を1減算し(S404)、S405の処理へ移行する。一方で、時短中カウンタ203rの値が0の場合は(S403:No)、S404の処理をスキップし、S405の処理へ移行する。
S405の処理では、チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きいか否か判別し(S405)、チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きいと判別した場合には(S405:Yes)、チャンスモードカウンタ203xの値を1減算して(S406)、S407の処理へ移行する。一方で、S405の処理において、チャンスモードカウンタ203xの値が0であると判別した場合は(S405:No)、S406の処理をスキップし、S407の処理へ移行する。
S407の処理では、遊技状態が変更されたか否かを判別する。より具体的には、確変カウンタ203gの値が1から0に更新されて、確変状態から通常状態に変更されたり、時短中カウンタ203rの値が1から0に更新されて、時短状態から通常状態に変更されたり、チャンスモードカウンタ203xの値が1から0に更新されて、通常状態の中でチャンスモードAから通常モードへと変更されたかを判別する。S407の処理において、遊技状態が変更されたと判別した場合は(S407:Yes)、変更後の遊技状態を示す状態コマンドを設定し(S408)、本処理を終了する。一方で、遊技状態が変更されていない場合には(S407:No)、S408の処理をスキップし、そのまま本処理を終了する。
なお、S408の処理で設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図46参照)の外部出力処理(S2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。この状態コマンドにより、音声ランプ制御装置113は、パチンコ機10の状態を正確に把握することができる。
次に、図31を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図29参照)の一処理である第1特別図柄大当たり判定処理(S306)について説明する。図31は、この第1特別図柄大当たり判定処理(S306)を示すフローチャートである。
第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203aの実行エリアに記憶されている各カウンタ値を取得する(S501)。次いで、遊技状態が高確率状態(確変状態)であるか否か判別する(S502)。具体的には、確変カウンタ203gの値が1以上であるか否かを判別する。確変カウンタ203gの値が1以上である(即ち、遊技状態が確変状態である)と判別した場合には(S502:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その判別結果(抽選結果)を取得する(S503)。一方、S502の処理において、確変カウンタ203gがオフである(即ち、特別図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S502:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに規定された大当たりとなる乱数値と、カウンタ用バッファより取得された第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否か判別し、その抽選結果を取得する(S504)。
S503、またはS504の処理が終了すると、次いで、当たりフラグ203sがオンであるか否か判別し(S505)、オンであると判別した場合は(S505:Yes)、この第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)が実行されるよりも前に、第2特別図柄の抽選で大当たり、または小当たりと判定され、その判定結果を示す変動表示の実行中であることを意味するので、第1図柄表示装置37に表示する停止図柄の種別として、第1特別図柄の外れ図柄をセットし(S510)、本処理を終了する。これにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選で共に大当たりとなり、一方の大当たりの実行中に他方の大当たりが開始されてしまうことを防止(抑制)することができる。
一方、S505の処理において、当たりフラグ203sがオンではない(オフである)と判別した場合には(S505:No)、次いで、第1特別図柄の抽選結果(判定結果)が大当たり、又は小当たりのどちらかであるかを判別し(S506)、大当たり、又は小当たりのどちらかであると判別した場合には(S506:Yes)、当たりフラグ203sをオンに設定する(S507)。次いで、第1特別図柄の抽選結果を、大当たり又は小当たりに設定し(S508)、第1図柄表示装置37に第1特別図柄の当たり(大当たりまたは小当たり)図柄をセットし(S509)、本処理を終了する。
一方、S506の処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりでも、小当たりでもない(抽選結果が外れである)と判別した場合は(S506:No)、処理をS510へと移行し、停止図柄として第1特別図柄の外れ図柄をセットして(S510)、本処理を終了する。
なお、本実施形態では、外れの場合には、第1図柄表示装置37の7セグメント表示器37bの左側7セグLEDに外れを示す「−」がセットされる。ここで、第1図柄表示装置37にセットされる各図柄は、変動表示停止した場合に停止表示される図柄を設定するための処理である。
次に、図32を参照して、第1特別図柄変動開始処理(図29参照)の一処理である第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)について説明する。図32はこの第1特別図柄変動パターン選択処理(S307)を示すフローチャートである。
第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)では、まず、第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)において実行された第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S601)、大当たりと判別された場合には(S601:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202bを読み出して、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する第1特別図柄の大当たり種別を選択する(S602)。S602の処理が終了すると、処理をS603へと移行する。
一方、S601の処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりでない(小当たり、または外れである)と判別した場合には(S601:No)、S602の処理をスキップしてS603の処理へ移行する。
S603の処理では、チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きいか否かを判別する(S603)。チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きいと判別した場合は(S603:Yes)、チャンスモードAで第1特別図柄の抽選が実行されたことを意味するので、変動パターンテーブルとしてチャンスA用テーブル202d3を読み出して(S604)、S608の処理へ移行する。一方で、チャンスモードカウンタ203xの値が0であると判別した場合は(S603:No)、次に、確変カウンタ203gと時短中カウンタ203rとが共に0であるか判別する(S605)。
S605の処理において、確変カウンタ203gの値と、時短中カウンタ203rの値とが共に0であると判別した場合は(S605:Yes)、現在の状態が通常モードであることを意味するので、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1を読み出して、S608の処理へ移行する。一方で、確変カウンタ203gの値と、時短中カウンタ203rの値とのどちらかが1以上であると判別した場合は(S605:No)、確変状態中、あるいは時短状態中であることを意味するので、変動パターンテーブルとして連荘・チャンスB用テーブル202d2を読み出して(S607)、S608の処理へ移行する。
S608の処理では、読み出した変動パターンテーブルから、第1特別図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて1の変動パターン(変動時間)を選択する(S608)。次いで、選択した変動パターンに基づいて、特図1変動パターンコマンドを生成すると共に、特図1変動時間カウンタに、今回選択した変動パターンに対応する値を設定する(S609)。次に、特図1停止種別コマンドを設定して(S610)、本処理を終了する。
ここで設定された特図1変動パターンコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図46参照)の外部出力処理(S2001)において、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、特図1変動パターンコマンドを受信すると、その特図1変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに基づいて、詳細な変動表示の演出態様を決定する。
次に、図33を参照して、特別図柄変動処理(図28参照)の一処理である第1特別図柄変動停止処理(S204)について説明する。図33はこの第1特別図柄変動停止処理(S204)を示すフローチャートである。
特別図柄変動停止処理(図33、S204)では、まず、特図1変動時間カウンタ203tを減算して更新し(S701)、減算後のカウンタ値が、今回設定されている変動パターンにおける変動時間の終了に対応するカウンタ値であるか否か判別する(S702)。特図1変動時間カウンタ203tの値が、変動時間の終了に対応するカウンタ値でないと判別した場合は(S702:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、S702の処理において、特図1変動時間カウンタ203tの値が、変動時間の終了に対応するカウンタ値であると判別した場合は(S702:Yes)、次いで、今回の変動パターンが、第1特別図柄の抽選結果として大当たりが設定されているか否かを判別する(S703)。S703の処理において、大当たりが設定されていると判別した場合は(S703:Yes)、第2特別図柄を外れで確定表示させるための特図2確定コマンドを設定し(S704)、第1図柄表示装置37の第2特別図柄の変動停止を設定する(S705)。そして、大当たりの開始を設定すると共に(S706)、当たりフラグ203s、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203r、チャンスモードカウンタ203xの各値をリセットして(S707)、処理をS709へ移行する。
一方で、S703の処理において、第1特別図柄の抽選結果として大当たり以外の抽選結果(外れ、または小当たり)が設定されていると判別した場合は(S703:No)、チャンスモードAに移行するか否かの判定、およびチャンスモードAに移行する場合に、チャンスモードの回数を設定するためのチャンスモード設定処理を行い(S708)、S709の処理へ移行する。なお、チャンスモード設定処理の詳細については、図34を参照して後述する。
S709の処理では、大当たりを示す図柄を確定表示させるための特図1確定コマンドを設定し(S709)、第1図柄表示装置37において変動表示されている第1特別図柄の変動を停止させ(S710)、本処理を終了する。
このように構成することで、第1特別図柄が当たりに対応する図柄で停止表示されるタイミングに合わせて、第2特別図柄を外れに対応する図柄で停止させることができる。よって、遊技者を大当たりに集中させることができる。
次に、図34を参照して、第1特別図柄変動停止処理(図33参照)の一処理であるチャンスモード設定処理(S708)について説明する。図34はこのチャンスモード設定処理(S708)を示すフローチャートである。
このチャンスモード設定処理(図34参照)が実行されると、まず、第1特別図柄の抽選結果として小当たりが設定されているかを判別し(S801)、小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合は(S801:No)、チャンスモードAが設定されることが無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S801の処理において、第1特別図柄の抽選結果は小当たりが設定されていると判別した場合には(S801:Yes)、小当たり種別が小当たりAであるかを判別する(S802)。
S802の処理において、小当たりAであると判別した場合は(S802:Yes)、チャンスモードカウンタ203xの値に10を設定し(S803)、S807の処理へと移行する。これにより、小当たりが終了した後、10回の特別図柄の抽選に渡って、通常モードよりも有利な(第2特別図柄の抽選が実行され易い)チャンスモードAを設定することができる。
一方、今回の小当たり種別が小当たりAでないと判別した場合は(S802:No)、次いで、小当たり種別が小当たりBであるか否かを判別し(S804)、小当たりBであれば(S804:Yes)、チャンスモードカウンタ203xの値に20を設定して(S805)、S807の処理へと移行する。一方、S804の処理において、今回の小当たり種別が小当たりBでない(即ち、小当たりCである)と判別した場合は(S804:No)、チャンスモードカウンタ203xの値に100を設定し(S806)、S807の処理へと移行する。
S807の処理では、チャンスモードAへの移行を示す状態コマンドを設定し(S807)、次いで、第2特別図柄を外れに対応する図柄で確定表示させるための表示特図2確定コマンドを設定する(S808)。次に、第1図柄表示装置37における第2特別図柄の変動表示を停止させ(S809)、小当たりの開始を設定し(S810)、当たりフラグ203sをオフに設定して(S811)、本処理を終了する。
このチャンスモード設定処理(図34参照)により、小当たりとなった場合に、小当たり種別に対応する回数のチャンスモードAを設定することができる。これにより、遊技状態が通常状態の場合において、小当たりとなる毎に、遊技者にとって最も不利な通常モードから、比較的有利な(右打ちすると第2特別図柄の抽選が実行され易い)チャンスモードAへと移行させることができる。よって、大当たりとならなくても、通常状態中における遊技に抑揚をつけることができるので、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図35を参照して、特別図柄変動処理(図28参照)の一処理である第2特別図柄変動開始処理(S206)について説明する。図35はこの第2特別図柄変動開始処理(S206)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動開始処理(図35参照)では、まず、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を取得して(S901)、取得した第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいか否かを判別する(S902)。S902の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0であると判別した場合には(S902:No)、保留球が存在せず、第1特別図柄の抽選を実行することができないので、S903〜S906の処理をスキップして、S907の処理へ移行する。一方、S902の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0より大きいと判別した場合は(S902:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S903)、減算後の値を音声ランプ制御装置113に通知するための保留球数コマンドを設定する(S904)。
次に、図30を参照して上述した遊技状態更新処理を実行すると共に(S905)、第2特別図柄大当たり判定処理を実行して(S906)、処理をS907へ移行する。なお、詳細については図36を参照して後述するが、第2特別図柄大当たり判定処理(図36、S906)は、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて、大当たりか否かの判定を実行するための処理である。
S907の処理では、第2特別図柄変動パターン選択処理を実行し(S907)、本処理を終了する。なお詳細については図37を参照して後述するが、第2特別図柄変動パターン選択処理(図37、S907)は、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている変動種別カウンタCS1の値に応じて、変動パターンテーブル202dから変動パターンを選択するための処理である。
次に、図36を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図35、S206)の一処理である第2特別図柄大当たり判定処理(S906)について説明する。図36はこの第2特別図柄大当たり判定処理(S906)を示すフローチャートである。
この第2特別図柄大当たり判定処理(図36参照)では、まず、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている各種カウンタ値を取得する(S1001)。次いで、確変カウンタ203gの値を参照して、遊技状態が確変状態であるか否かを判別する(S1002)。S1002の処理において、確変カウンタ203gの値が1以上である(即ち、遊技状態が確変状態である)と判別した場合は(S1002:Yes)、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図13(b)参照)に規定された大当たりとなる乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否かの抽選結果を取得し(S1003)、S1005の処理へ移行する。
一方、S1002の処理において、確変カウンタ203gの値が0である(即ち、遊技状態が通常状態である)と判別した場合は(S1002:No)、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図13(b)参照)に規定された大当たりとなる乱数値と、第1当たり乱数カウンタC1の値とが一致するか否かの抽選結果を取得し(S1004)、S1005の処理へ移行する。
S1005の処理では、当たりフラグ203sがオンであるか否かを判別し(S1005)、当たりフラグ203sがオフであると判別された場合、即ち、第1特別図柄において大当たりの変動表示が実行されていないと判別した場合には(S1005:No)、S1003またはS1004の処理で取得された抽選結果が大当たりであるか判別する(S1006)。S1006の処理において、抽選結果が大当たりであると判別した場合には(S1006:Yes)、当たりフラグ203sをオンに設定し(S1007)、第2特別図柄の抽選結果を大当たりに設定する(S1008)。次いで、第1図柄表示装置37に表示する第2特別図柄の大当たり図柄を設定し(S1009)、本処理を終了する。
一方、S1005の処理において、当たりフラグ203sがオンであると判別された場合(S1005:Yes)、または、S1006の処理において、設定されている抽選結果が外れであると判別された場合には(S1006:No)、第1特別図柄表示装置37に第2特別図柄の外れを示す図柄を設定し(S1010)、本処理を終了する。
次に、図37を参照して、第2特別図柄変動開始処理(図35参照)の一処理である第2特別図柄変動パターン選択処理(S907)について説明する。図37はこの第2特別図柄変動パターン選択処理(S907)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動パターン選択処理(図37参照)では、まず、第2特別図柄の抽選結果として大当たりが設定されているか否かを判別する(S1101)。S1101の処理において、第2特別図柄の抽選結果として大当たりが設定されていると判別した場合には(S1101:Yes)、第1当たり種別選択テーブル202bを読み出して、第1当たり種別カウンタC2のカウンタ値に対応する当たり種別を選択する(S1102)。その後、S1103の処理へ移行する。一方、S1101の処理において、第2特別図柄の抽選結果として外れが設定されていると判別した場合には(S1101:No)、S1102の処理をスキップして、S1103の処理へ移行する。
S1103の処理では、チャンスモードカウンタ203xの値が0よりも大きいか否かを判別し(S1103)、チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きければ(S1103:Yes)、変動パターンテーブルとしてチャンスA用テーブル202d3を読み出して(S1104)、S1108の処理へと移行する。一方、チャンスモードカウンタ203xの値が0であれば(S1103:No)、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの値が共に0であるかを判別する(S1105)。S1105の処理において、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの各値が共に0であれば(S1105:Yes)、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1を読み出して(S1106)、S1108の処理へと移行する。
一方、S1105の処理において、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rのうち、いずれか一方の値が1以上であれば(S1105:No)、変動パターンテーブルとして連荘・チャンスB用テーブル202d2を読み出して(S1107)、S1108の処理へと移行する。
S1108の処理では、読み出した変動パターンテーブルから、設定されている特別図柄の抽選結果と、変動種別カウンタCS1の値とに対応する、変動パターンを選択する(S1108)。次いで、S1108の処理で選択した変動パターンに基づいて、特図2変動パターンコマンドを生成(設定)すると共に、特図2変動時間カウンタ203uに、選択した変動パターンに対応するカウンタ値を設定し(S1109)、停止種別を音声ランプ制御装置113に通知するための特図2停止種別コマンドを設定して(S1110)、本処理を終了する。
次に、図38を参照して、特別図柄変動処理(図28参照)の一処理である第2特別図柄変動停止処理(S207)について説明する。図38はこの第2特別図柄変動停止処理(S207)を示すフローチャートである。
第2特別図柄変動停止処理(図38参照)では、まず、特図2変動時間カウンタ203uの値を減算して更新し(S1201)、減算後のカウンタ値が、変動時間の終了に対応するカウンタ値であるか否かを判別する(S1202)。S1202の処理において、変動時間の終了に対応するカウンタ値でないと判別した場合は(S1202:No)、第2特別図柄の変動停止を設定せずに、そのまま本処理を終了する。
一方、S1202の処理において、特図2変動時間カウンタ203uの値が変動時間の終了に対応する値であると判別した場合は(S1202:Yes)、第2特別図柄の抽選結果として大当たりが設定されているか否かを判別する(S1203)。第2特別図柄の抽選結果として大当たりが設定されていると判別した場合には(S1203:Yes)、第1特別図柄の変動を、設定されている停止種別で停止表示するように音声ランプ制御装置113に通知するための特図1確定コマンドを設定する(S1204)。次いで、第1図柄表示装置37において第1特別図柄の停止表示を設定する(S1205)。そして、大当たりの開始を設定し(S1206)、当たりフラグ203s、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203r、チャンスモードカウンタ203xの各値をリセットして(S1207)、S1208の処理へ移行する。
一方で、S1203の処理において第2特別図柄の抽選結果として小当たり、または外れが設定されていると判別した場合は(S1203:No)、S1204〜S1207の処理をスキップして、S1208の処理へ移行する。
S1208の処理では、第2特別図柄の変動を、設定されている停止種別で停止表示するように音声ランプ制御装置113に通知するための特図2確定コマンドを設定し(S1208)、第1図柄表示装置37において実行中の第2特別図柄の変動停止を設定し(S1219)、本処理を終了する。
このように、第1特別図柄と第2特別図柄との変動表示の制御はそれぞれ独立して並行して実行可能に構成されているので、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時に変動表示させることができる。よって、所定時間内に、より多くの特別図柄の抽選遊技を実行させることができ、遊技者に大当たりが所定時間内に付与される確率が高くできる。従って、遊技者に対して、効率よく遊技を行わせることができる。
また、第1特別図柄と第2特別図柄が同時に変動表示して抽選遊技が実行される構成であっても、第1または第2特別図柄の一方で大当たり遊技が発生した場合には、他方の特別図柄の変動表示が外れ図柄で停止表示されるので、遊技者は、大当たり遊技に集中して遊技を行うことができる。
次に、図39を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図27参照)の一処理である始動入賞処理(S108)の詳細について説明する。図39は、この始動入賞処理(S108)を示すフローチャートである。始動入賞処理(図39)は、第1入球口64または第2入球口640に球が入賞したか(始動入賞したか)判別して、入賞した場合には、保留上限個数(第1入球口64、および第2入球口640に対してそれぞれ最大4個)まで、取得した各カウンタ値を第1特別図柄保留球格納エリア203aまたは第2特別図柄保留球格納エリア203bにそれぞれ格納する処理である。
始動入賞処理(図39参照)では、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1301)。ここでは、第1入球口64への入賞を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞した(始動入賞があった)と判別した場合は(S1301:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を取得して(S1302)、取得した値(N1)が4未満であるか判別する(S1303)。即ち、第1入球口64に対する保留球数が上限値まで記憶されていないか判別する。
そして、第1入球口64への入賞がないか(S1301:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S1303:No)、カウンタ用バッファの各種カウンタ値を取得せずに、処理をS1307へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S1301:Yes)、且つ、第1特別図保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S1303:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)に1を加算すると共に(1304)、加算後の保留球数を音声ランプ制御装置113に対して通知するための保留球数コマンドを設定する(S1305)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図46参照)の外部出力処理(S2001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に格納する。
S1305の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS106の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S1306)、処理をS1307へと移行する。尚、S1306の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
なお、S1307〜S1312までの各処理については、S1301〜S1306までの各処理で実行された第1入球口64への始動入賞に対して行われた処理と同様の処理が、第2入球口640への始動入賞に対して実行されるので、詳細な説明は省略する。
次に、図40を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理の一処理である普通図柄変動処理(S109)について説明する。図40は、この普通図柄変動処理(S109)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理(S109)は、第2図柄表示装部88において行う第2図柄の変動表示や、普通電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(図40参照)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判別する(S1401)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされてから第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中までが含まれる。普通図柄(第2図柄)の当たり中であると判別された場合には(S1401:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1401の処理において、普通図柄(第2図柄)の当たり中でないと判別された場合には(S1401:No)、第2図柄表示装置83の普通図柄が変動表示中であるか判別される(S1402)。普通図柄(第2図柄)が変動表示中であると判別された場合には(S1402:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している普通図柄の変動時間が経過したか判別される(S1420)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装部88において変動表示が開始される前に、後述する、S1419の処理の処理によって予め設定された時間である。
S1420の処理において、変動時間が経過していなければ(S1420:No)、本処理を終了する。一方、S1420の処理において、変動表示している普通図柄の変動時間が経過していると判別された場合には(S1420:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S1421)。S1421の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S1413の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置83には「○」図柄が停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S1418の処理により外れ時の表示態様が設定されていれば、第2図柄として第2図柄表示装置83には「×」図柄が、停止表示(点灯表示)されるように設定される。S1421の処理により、停止表示が設定されると、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S1413の処理、S1418の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、今回の普通図柄の抽選結果は当たりであるかが判別される(S1422)。今回の普通図柄の抽選結果は当たりであると判別された場合には(S1422:Yes)、普通電動役物640aの開閉制御開始が設定される(1423)。一方、今回の普通図柄の抽選結果は外れであると判別された場合には(S1422:No)、本処理を終了する。
一方、S1402の処理において、普通図柄が変動表示中でないと判別された場合には(S1402:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S1403)。
次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S1404)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であると判別した場合には(S1404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でないと判別した場合には(S1404:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S1405)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S1406)。S1406の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの普通図柄保留第1〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、普通図柄保留第1エリア→実行エリア、普通図柄保留第2エリア→普通図柄保留第1エリア、普通図柄保留第3エリア→普通図柄保留第2エリア、普通図柄保留第4エリア→普通図柄保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S1407)。
次に、遊技状態が時短状態中(確変状態を含む)であるか判別される(S1408)。より具体的には、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rのうちいずれか一方の値が1以上である場合に、時短状態(または確変状態)であると判別する。S1408の処理において、時短状態中ではないと判別した場合には(S1408:No)、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図14(a)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果を取得する(S1411)。一方、S1408の処理において、時短遊技中であると判別した場合には(S1408:Yes)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別する(S1409)。S1409の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別した場合には(S1409:Yes)、S1411の処理が実行される。一方、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でないと判別された場合には(S1409:No)、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図14(a)参照)の当たり判定値に基づいて、当否判定結果が取得される(S1410)。
次に、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりであるか判別し(S1412)、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合には(S1412:No)、外れ時の表示態様である「×」の表示態様を設定し(S1418)、S1419の処理へ移行する。一方、S1412の処理において、第2図柄(普通図柄)の抽選結果が当たりである(即ち、当たりである)と判別した場合には(S1412:Yes)、当たり時の表示態様である「○」の表示態様を設定する(S1413)。
次に、遊技状態が時短状態(確変状態を含む)であるか判別し(S1414)、時短遊技中であると判別した場合には(S1414:Yes)、処理をS1416に移行する。一方、S1414の処理において、時短状態中でないと判別された場合には(S1414:No)、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であるか判別する(S1415)。S1415の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S1415:Yes)、S1416の処理へ移行する。
S1416の処理では、電動役物640aの開放期間を1秒間、開放回数を2回に設定して(S1416)、処理をS1419に移行する。一方、S1415の処理において、第1特別図柄または第2特別図柄の大当たり中でない(即ち、普通図柄の低確率状態である)と判別した場合には(S1415:No)、電動役物640aの開放時間を0.9秒間、開放回数を2回に設定して(S1417)、処理をS1419に移行する。
S1416〜S1418のうちいずれかの処理を実行した後に実行するS1419の処理では、普通図柄(第2図柄)の変動時間を3秒間に設定して(S1419)、本処理を終了する。
次に、図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S110)を説明する。図41は、このスルーゲート通過処理(S110)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S110)は、タイマ割込処理(図27参照)の中で実行され、普通入球口67を球が通過したかを判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理(図41参照)では、まず、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したか否かを判定する(S1501)。ここでは、普通入球口67を球が通過したことを3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定した場合(S1501:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を取得し(S1502)、その取得した普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S1503)。
球が普通入球口(スルーゲート)67を通過していないか(S1501:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S1503:No)、そのまま本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S1501:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S1503:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S1504)。そして、上述したタイマ割込処理のS106で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値をRAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(普通図柄保留第1〜第4エリア)のうち最初のエリアに格納する(S1505)。尚、S1505の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、普通図柄保留1のエリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば普通図柄保留2のエリアを、その値が2であれば普通図柄保留3のエリアを、その値が3であれば普通図柄保留4のエリアを、それぞれ最初のエリアとする。
次に、図42を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるタイマ割込処理(図27参照)内の一処理である変動監視処理(S111)について説明する。図42は、この変動監視処理(S111)の内容を示したフローチャートである。この変動監視処理(S111)では、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技を行っているかを監視する処理が実行される。本実施形態では、通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)では、基本的に、可変表示装置ユニット80の左側の経路を球が通過する発射強度で球を発射する遊技方法(左打ち)が正規の遊技方法となり、大当たり中、小当たり中、時短状態中、確変状態中では、可変表示装置ユニット80の右側の経路を球が通過する発射強度で球を発射する遊技方法(右打ち)が正規の遊技方法となる。なお、通常状態では、第2特別図柄の抽選が実行された場合に、変動パターンとして超ロング変動(600秒)が設定されるため、遊技効率が悪化する。このため、通常状態において右打ちをすることは遊技者にとって不利な打ち方となる。よって、正しい打ち方で遊技しているかを監視することで、遊技者に不利となる可能性を低減することができる。また、不正に右打ちして、第2入球口640へ入賞させることにより有利な第2特別図柄の抽選を行わせる行為を監視することができ、不正によりホールに不測の不利益を与えてしまう可能性を低減できる。なお、通常状態であっても、小当たり後の特定回数(10回、20回、または100回)の特別図柄の抽選に渡って設定されるチャンスモードAであれば、右打ちが正規の遊技方法となる。
変動監視処理(図42参照)では、まず、大当たり、または小当たり中であるか否かを判別する(S1601)。S1601の処理において、大当たり中でも小当たり中でもないと判別した場合には(S1601:No)、確変状態、または時短状態中であるか(即ち、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rのどちらかの値が1以上であるか)を判別し(S1602)、確変状態、または時短状態中であると判別した場合は(S1602:Yes)、第1特別図柄が変動表示中であるか判別する(S1603)。第1特別図柄が変動表示中であると判別した場合には(S1603:Yes)、異常監視フラグ203yをオンに設定し(S1604)、本処理を終了する。ここで、異常監視フラグ203yは、遊技者が遊技状態に対応した正しい遊技方法(左打ち又は右打ち)で遊技を行っているか否かを判別するためのフラグである。この異常監視フラグ203yがオンに設定されている時間が所定期間以上(例えば、120秒間以上)となると、異常報知コマンドが設定されて、そのコマンドにより音声ランプ制御装置113より異常報知(第3図柄表示装置81に異常であることを示す文字(例えば、正しい遊技方法を示唆する文字表示(右打ちしてください等)が実行され、音声によりエラー音や正しい遊技への指示音声が出力され、ホールコンピュータへの異常信号が出力される))が実行される。
確変状態、および時短状態では、正しい遊技方法で遊技を行う(右打ちを行う)ことにより、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなると共に、不利な第1特別図柄の抽選が実行され難くなる。よって、第1特別図柄の変動表示が実行されている場合には、遊技者が不利な左打ちで遊技を行っている可能性が高い。この場合に、所定期間(例えば、120秒間)第1特別図柄の変動表示が継続することで、異常報知を行う構成とすることにより、遊技者に不利となる不正な遊技方法で遊技を継続してしまうことを防止できる。
一方、S1601の処理において、大当たり中、または小当たり中であると判別した場合(S1601:Yes)、或いは、S1603の処理において、第1特別図柄が変動停止中であると判別した場合には(S1603:No)、異常監視フラグ203yがオフに設定される(S1605)。
一方、S1602の処理において確変状態でも時短状態でもないと判別した場合には(S1602:No)、現在の遊技状態が通常状態であることを意味するので、次に、チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きいか(即ち、右打ちが正規の遊技方法であるチャンスモードAであるか)を判別する(S1606)。S1606の処理において、チャンスモードカウンタ203xの値が0よりも大きいと判別した場合は(S1606:Yes)、確変状態中や時短状態中と同様に、S1603〜S1605の各処理が実行される。
一方、S1606の処理において、チャンスモードカウンタ203xの値が0である(通常モードである)と判別した場合は(S1606:No)、普通図柄(第2図柄)の変動表示中であるかを判別する(S1607)。S1607の処理において、普通図柄の変動中でないと判別した場合は(S1607:No)、次いで、第2特別図柄の変動中であるか否かを判別し(S1608)、第2特別図柄の変動中でなければ(S1608:No)、通常モードにおいて、遊技者が正規の遊技方法(左打ち)により遊技を行っている可能性が高いため、異常監視フラグ203yをオフに設定して(S1609)、本処理を終了する。
これに対し、S1607の処理において、普通図柄の変動中であると判別した場合(S1607:Yes)、または、S1608の処理において、第2特別図柄の変動中であると判別した場合は(S1608:Yes)、通常モード中に球が普通入球口(スルーゲート)67を通過、または第2入球口640に入球したことを意味し、遊技者が右打ちを行っている可能性が高い。よって、この場合には、異常監視フラグ203yをオンに設定して(S1604)、本処理を終了する。
このように、通常モードでは、左打ちで遊技を行うことが正規の遊技方法であるが、右打ちした場合に変動表示可能となる普通図柄や第2特別図柄が変動中であれば、誤った遊技方法で遊技をしている可能性が高くなる。よって、異常監視フラグ203yをオンに設定することで、所定時間(本実施形態では、120秒)以上、異常監視フラグ203yがオンに保たれていると、異常報知が実行されるので、不正な遊技方法をより早期に発見できる。従って、不正遊技によりホールに不測の不利益を与えてしまうことを防止(抑制)できる。
次に、図43を参照して、主制御装置110のMPU201におけるタイマ割込処理(図27参照)内の一処理である不正監視処理(S112)について説明する。図43は、この不正監視処理(S112)を示したフローチャートである。この不正監視処理(図43参照)では、異常監視フラグ203yがオンに設定されている期間を計時して、所定時間以上(本実施形態では、120秒以上)になると、異常警報コマンドを設定する処理が実行される。
不正監視処理(図43、S112)では、まず、異常監視フラグ203yがオンであるか判別し(S1701)、異常監視フラグ203yがオンであれば(S1701:Yes)、異常監視カウンタ203aaの値に1を加算して更新する(S1702)。そして、更新後の異常監視カウンタ203aaの値が上限値(本実施形態では、120秒に対応するカウンタ値)以上であるか判別して(S1703)、上限値未満であると判別した場合には(S1703:No)、そのまま本処理を終了する。一方、異常監視カウンタ203aaの値が上限値以上であると判別した場合には(S1703:Yes)、異常警報コマンドを設定して(S1704)、本処理を終了する。
この異常警報コマンドは、主制御装置110のMPU201が実行するタイマ割込処理(図27参照)の外部出力処理(S101)により音声ランプ制御装置113に対して出力される。音声ランプ制御装置113では、この異常警報コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81や、音声出力装置226に異常警報の態様を出力させる処理が実行される。これにより、不正や不具合を早期に発見することができる。
また、異常監視フラグ203yがオンに設定されてから所定期間(本実施形態では、120秒)以上、オンに設定され続けられた場合に、異常警報コマンドが設定されるように構成することで、遊技状態の切り替わり時等に短時間(120秒未満)の間だけ、正規の遊技方法で遊技が行われない期間(例えば、右打ち状態から左打ち状態に切り替える期間)があったとしても直ちに、異常警報が出力されないので、遊技者が不快な思いをしてしまう不具合を抑制できる。
なお、本実施形態では、所定期間は120秒としたが、これに限られるものではなく、遊技状態の切り替わりにおいて、通常の遊技をしていて必要な切替時間よりも長い時間で所定期間を構成すればよい。このように、構成することで、遊技者が発射強度(球を打ち出す方向)を変更している間に誤って異常警報が出力してしまう不具合を抑制できる。
一方、S1701の処理において、異常監視フラグ203yがオフであると判別された場合には(S1701:No)、異常監視カウンタ203aaを初期値である0にリセットして(S1705)、本処理を終了する。
このように、異常監視フラグ203yがオフであると判別されると、異常監視カウンタ203aaの値が初期値にリセットされるので、異常警報コマンドが設定される処理が回避され、正規の遊技方法で遊技を行っているのに、異常警報が出力される不具合を抑制できる。
図44は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図45を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図45は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。
この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理(図45)では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1904)、オンされていれば(S1904:Yes)、処理をS1910へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされていなければ(S1904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1905)、記憶されていなければ(S1905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1910へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1905:Yes)、RAM判定値を算出し(S1906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1910へ移行する。なお、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1910の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1910)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1911,S1912)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122(図3参照)を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ(図3参照)が押されていれば、RAM203の初期化処理(S1911,S1912)を実行する。
また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1911,S1912)を実行する。RAMの初期化処理(S1911,S1912)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1911)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1912)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1913の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされておらず(S1904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1909)、S1913の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
次に、音声ランプ制御装置113に対して、各種演出を実行することを許可する演出許可コマンドを出力し(S1913)、立ち上げ時の遊技状態を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S1914)。その後、割込みを許可して(S1915)、後述するメイン処理(図46参照)に移行する。
次に、図46を参照して、上記した立ち上げ処理(図45参照)後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図46は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では、大別して、カウンタの更新処理と、電源断時処理とが実行される。
メイン処理(図46参照)においては、まず、タイマ割込処理(図27参照)の中でRAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S2001)。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S2002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S2003)を実行する。S2003の処理後は、大当たり遊技における可変入賞装置65の開閉板65f1、および流路ソレノイド65kの動作を設定するための大当たり制御処理を実行する(S2004)。この大当たり制御処理(S2004)の詳細については、図47を参照して後述する。
大当たり制御処理(S2004)の実行後は、小当たり中の開閉板65f1の動作設定等を行うための小当たり制御処理(S2005)を実行する。この小当たり制御処理の詳細については、図48を参照して後述する。小当たり制御処理(S2005)が終了すると、次いで、電動役物開閉処理が実行される(S2006)。この電動役物開閉処理(S2006)では、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉処理が実行される。次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S2007)。
S2007の処理が終了すると、第2図柄表示装置83に表示される第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S2008)。簡単に説明すると、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83おいて普通図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値に基づいて普通図柄の抽選が実施され、普通図柄の当たりになると、普通電動役物640aが所定時間(1秒間×2回、または0.9秒間×2回)開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S2009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S2009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S2010)、既に所定時間が経過していれば(S2010:Yes)、処理をS2001へ移行し、上述したS2001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S2010:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S2011,S2012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S2011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では299、239)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S2002の処理と同一の方法によって実行する(S2012)。
ここで、S2001〜S2008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S2009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S2009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図44のNMI割込処理が実行されたということなので、S2013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込み処理の発生を禁止し(S2013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S2014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S2015)、RAM203のアクセスを禁止して(S2016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S2009の処理は、S2001〜S2008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS2011とS2012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS2001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS2001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1901)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S2001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図47を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図46参照)内の一処理である大当たり制御処理(S2004)について説明する。図47は、この大当たり制御処理(S2004)の内容を示したフローチャートである。
大当たり制御処理(図47参照)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判別する(S2101)。具体的には、第1特別図柄変動停止処理(図33参照)の中で、大当たりの開始を設定されたか(図33のS706)、或いは、第2特別図柄変動停止処理(図38参照)の中で、大当たりの開始が設定された場合に(図38のS1206参照)、S2101の処理において大当たりが開始されると判別する。
S2101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されると判別した場合には(S2101:Yes)、大当たりの開始を示すオープニング演出を実行させるためのオープニングコマンドを設定し(S2102)、流路ソレノイド65kの動作パターン(図7の上段参照)を開始する(S2103)。次いで、大当たり中フラグ203vをオンに設定し(S2104)、本処理を終了する。ここで大当たりフラグ203vをオンに設定しておくことにより、特別図柄変動処理のS201の処理において、大当たり中であると判別されて、第1特別図柄や第2特別図柄の変動開始や変動停止を設定するための各種処理を実行せずに処理を終了することができるので、大当たり中にも拘わらず、変動表示が開始されてしまう不具合を防止することができる。
一方、S2101の処理において、特別図柄の大当たりが開始されないと判別された場合には(S2101:No)、次いで、大当たり中であるかを判別する(S2105)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S2105の処理において、特別図柄の大当たり中でないと判別した場合は(S2105:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2105の処理において、特別図柄の大当たり中であると判別した場合は(S2105:Yes)、次に、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判別し(S2106)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S2106:Yes)、ラウンド数に対応した開閉板65f1の開放動作を読み込む(S2107)。次いで、読み込んだ開放動作(開閉パターン)を開閉板65f1に設定して(S2108)、本処理を終了する。なお、図示については省略したが、新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合は(S2105:Yes)、音声ランプ制御装置113に対して新たなラウンドの開始を通知するためのラウンド数コマンドが設定される。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図46参照)の外部出力処理(S2001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S2106の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判別した場合は(S2106:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判別し(S2109)、エンディング演出の開始タイミングであれば(S2109:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S2110)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図46参照)の外部出力処理(S2001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を示すエンディング演出が開始される。
一方、S2109の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判別した場合は(S2109:No)、大当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2111)。ここで、大当たりの終了タイミングとは、エンディング演出の実行期間が経過した場合を示す。S2111の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2111:Yes)、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S2112)、本処理を終了する。この大当たり終了処理(S2112)の詳細については、図48を参照して後述する。
一方、大当たりの終了タイミングでなければ(S2111:No)、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行し(S2113)、次いで、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S2114)、本処理を終了する。これらの入賞処理(S2113)、および異常処理(S2114)の詳細については、それぞれ図49、および図50を参照して後述する。
次に、図48を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される大当たり制御処理(図47参照)内の一処理である大当たり終了処理(S2112)について説明する。この大当たり終了処理(S2112)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。図48は、この大当たり終了処理(S2112)を示したフローチャートである。
大当たり終了処理(図48参照)では、まず、確変設定フラグ203hがオンであるかを判別し(S2201)、確変設定フラグ203hがオンであれば(S2201:Yes)、今回の大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過したことを意味するので、確変カウンタ203gの値に101を設定することで、大当たり後の遊技状態が確変状態となるように設定し(S2202)、処理をS2205へと移行する。
一方、S2201の処理において、確変設定フラグ203hがオフであると判別した場合は(S2201:No)、次いで、今回の大当たり種別が大当たりDであるかを判別する(S2203)。大当たりDでなければ(S2203:No)、時短中カウンタ203rの値に101を設定し(S2204)、S2205の処理へ移行する。一方、大当たりDであれば(S2203:Yes)、S2204の処理をスキップして、S2205の処理へ移行する。これにより、大当たり種別が大当たりDで、大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過しなかった場合は、大当たり後の遊技状態が通常状態に設定される。一方、他の大当たり種別で球がV入賞スイッチ65e3を通過しなかった場合は、大当たり後に100回の時短状態が設定される。
S2205の処理では、確変カウンタ203g、時短中カウンタ203rの各値から、大当たり終了後の状態を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S2205)、大当たり中フラグ203x、および確変設定フラグ203hを共にオフに設定して(S2206)、本処理を終了する。
次に、図49を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S2113)の詳細について説明する。図49は、この入賞処理(S2113)を示すフローチャートである。この入賞処理(S2113)は、大当たり制御処理(図47参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S2113)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S2301)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口(大開放口)65aが開放状態に設定されてから、インターバル期間(3秒)が終了するまでの期間である。S2301の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S2301:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2301の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S2301:Yes)、次いで、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出したかを判別し(S2302)、特定入賞口(大開放口)65aに対する入賞を検出していれば(S2302:Yes)、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算して更新し(S2303)、S2304の処理へ移行する。
一方、S2302の処理において、特定入賞口(大開放口)65aへの入賞を検出していなければ(S2302:No)、S2303の処理をスキップし、S2304の処理へ移行する。
S2304の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であるかを判別し(S2304)、入賞個数カウンタ203jの値が10以上であれば(S2304:Yes)、S2306の処理へ移行する。
一方、S2304の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が9以下であると判別した場合は(S2304:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(S2305)、ラウンド時間が経過していれば(S2305:Yes)、S2306の処理へと移行する。
S2306の処理では、特定入賞口(大開放口)65aの閉鎖を設定して(S2306)、残球タイマフラグ203mをオンに設定し(S2307)、S2308の処理へ移行する。
これに対し、S2305の処理において、ラウンド時間が経過していないと判別した場合は(S2305:No)、S2306、S2307の処理をスキップして、S2308の処理へ移行する。
S2308の処理では、動作カウンタ203kが0よりも大きいか否かを判別し(S2308)、動作カウンタ203kが0でなければ(S2308:Yes)、動作カウンタ203kを1減算し(S2309)、S2310の処理へと移行する。一方、動作カウンタ203kが0であれば(S2308:No)、特定入賞口(大開放口)65aを閉鎖した後の球はけ期間であることを意味するので、次いで、確変有効フラグ203oがオンであるかを判別する(S2316)。S2316の処理において、確変有効フラグ203oがオフであれば(S2316:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203oがオンであれば(S2316:Yes)、確変有効タイマ203pの値に1を加算し(S2317)、次いで、確変有効タイマ203pの値が上限値(本実施形態では1.5秒)であるかを判別する(S2318)。そして、確変有効タイマ203pの値が上限値でなければ(S2318:No)、S2310の処理へ移行し、確変入球口671への入球を監視して確変設定フラグ203hを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203pが上限値でないと、V入賞スイッチ65e3を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変遊技状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正にV入賞スイッチに球を通過させて確変遊技状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203pの値が上限値であれば(S2318:Yes)、確変有効フラグ203oをオフに設定し(S2319)、確変有効タイマ203pの値をリセットして(S2320)、本処理を終了する。
S2310の処理では、球がV入賞スイッチ65e3を通過したか否かを判別し(S2310)、球がV入賞スイッチ65e3を通過していなければ(S2310:No)、S2313の処理へ移行する。一方、球がV入賞スイッチ65e3を通過していれば(S2310:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算し(S2311)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S2312)、S2313の処理へ移行する。
S2313の処理では、動作カウンタ203kが0であるか否かを判別し(S2313)、動作カウンタ203kが0でなければ(S2313:No)、そのまま処理を終了する。一方、動作カウンタ203kが0であれば(S2313:Yes)、流路ソレノイド65kをオフに設定し(S2314)、確変有効フラグ203oをオンに設定して(S2315)、本処理を終了する。
次に、図50を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S2114)を説明する。図50は、この異常処理(S2114)を示すフローチャートである。この異常処理(S2114)は、大当たり制御処理(図47参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口(大開放口)65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S2114)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S2401)、ラウンド有効期間でなければ(S2401:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S2401:Yes)、次いで、球が排出確認スイッチ65e4を通過したかを判別する(S2402)。
S2402の処理において、球が排出確認スイッチ65e4を通過したと判別した場合は(S2402:Yes)、球排出個数カウンタ203qの値に1を加算し(S2403)、S2404の処理へ移行する。一方、S2402の処理において、球が排出確認スイッチ65e4を通過していなければ(S2402:No)、S2403の処理をスキップしS2404の処理へ移行する。
S2404の処理では、残球タイマフラグ203mがオンであるかを判別する(S2404)。残球タイマフラグ203mがオフであると判別した場合は(S2404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203mがオンであれば(S2404:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203nの値に1を加算して更新する(S2405)。次に、残球タイマ203nの値が上限値(本実施形態では3秒)であるかを判別し(S2406)、残球タイマ203nの値が上限値でなければ(S2406:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203nの値が上限値(3秒)であると判別した場合は(S2406:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203iの値と、球排出個数カウンタ203qの値との合計値)が入賞個数と一致しているかを判別する(S2407)。
S2407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S2407:No)、エラーコマンドを設定し(S2408)、S2409の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、可変入賞装置65内に不正に球を残存させて、次の大当たりの開始後の流路ソレノイド65kのオン期間中に球を特別排出流路65e2へと流下させる不正行為を抑制することができる。
一方、S2407の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S2407:Yes)、S2408の処理をスキップし、S2409の処理へと移行する。S2409の処理では、残球タイマフラグ203mをオフに設定し(S2409)、次いで、残球タイマ203nの値をリセットする(S2410)。その後、入賞個数カウンタ203j、球排出個数カウンタ203q、確変通過カウンタ203iの値をそれぞれリセットし(S2411)、本処理を終了する。
この異常処理(図50参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口(大開放口)65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。また、大当たり中に不正に球を可変入賞装置65の内部に残存させておく不正行為に対する抑制を図ることができる。
次に、図51を参照して、主制御装置110のMPU201により実行されるメイン処理(図46参照)内の一処理である小当たり制御処理(S2005)について説明する。図51は、この小当たり制御処理(S2005)の内容を示したフローチャートである。
小当たり制御処理(図51参照)では、まず、特別図柄の小当たりが開始されるかを判別する(S2501)。S2501の処理において、特別図柄の小当たりが開始されると判別された場合には(S2105:Yes)、小当たりのオープニングコマンドを設定する(S2502)。そして、小当たり中フラグ203wをオンに設定し(S2503)、そのまま、本処理を終了する。
一方、S2501の処理において、特別図柄の小当たりが開始されないと判別された場合には(S2501:No)、小当たり中フラグ203wがオンであるかを判別する(S2504)。特別図柄の小当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の小当たり(特別図柄の小当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の小当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S2504の処理において、小当たり中フラグ203wがオフであれば(S2504:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S2504の処理において、小当たり中フラグ203wがオンであると判別した場合は(S2504:Yes)、オープニングの終了タイミングであるか否かを判別し(S2505)、オープニングの終了タイミングであれば(S2505:Yes)、特定入賞口(大開放口)65aの開放パターンを設定して(S2506)、本処理を終了する。
一方、S2505の処理において、オープニングの終了タイミングでないと判別した場合は(S2505:No)、特定入賞口(大開放口)65aに設定した開放パターンの終了タイミングであるか否かを判別する(S2507)。S2507の処理において、特定入賞口(大開放口)65aに設定した開放パターンの終了タイミングであると判別した場合は(S2507:Yes)、小当たりのエンディングコマンドを設定し(S2508)、本処理を終了する。
一方、設定された開放パターンの終了タイミングでなければ(S2507:No)、特別図柄の小当たりの終了タイミングであるかを判別する(S2509)。即ち、エンディングの終了タイミングであるかを判別する。S2509の処理において、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S2509:Yes)、小当たり中フラグ203wをオフに設定し(S2510)、本処理を終了する。一方、小当たりの終了タイミングでなければ(S2509:No)、そのまま本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図52から図56を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図52は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4116の電源断処理(図53参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図53を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図53、S4113参照)、S4116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S4004)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S4006)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4116の電源断処理の実行時にオンされる(図53のS4115参照)。つまり、電源断フラグは、S4116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値を設定した後(S4010)、状態コマンドにより通知された遊技状態を遊技状態格納エリア223hに設定し(S4011)、その後、割込み許可を設定して(S4012)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、処理をS4010へ移行し、RAM223の初期値を設定する(S4010)。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図53を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、該メイン処理が開始されてから、又は、前回S4101の処理が実行されてから1ミリ秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1ミリ秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4110の処理を行わずにS4111の処理へ移行する。S4101の処理で、1ミリ秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4110が表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4111のコマンド判定処理やS4112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動表示演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していると判別した場合は(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4110の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理(S4106)では、第3図柄表示装置81の保留図柄表示の表示を更新する処理が実行される。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、後述する並び替え可能期間(大当たり遊技中と保留の無い状態とを省く期間)に枠ボタン22が押された場合は、保留の成立順で表示されていた保留図柄表示が、変動表示開始順に並び替えられて表示させられる。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。この後、S4111の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
液晶演出実行管理処理(S4110)の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4111)。このコマンド判定処理の詳細については、図54を参照して後述する。
コマンド判定処理(S4111)の後、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示設定処理を実行する(S4112)。この変動表示設定処理(S4112)の詳細については、図55を参照して後述する。
S4112の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S4113:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S4115)、電源断処理を実行する(S4116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4117)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否か判別し(S4114)、RAM223が破壊されていなければ(S4114:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、S4114の処理において、RAM223が破壊されていると判別した場合は(S4114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図54を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4111)について説明する。図54は、このコマンド判定処理(S4111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。以下、コマンド判定処理(S4111)の詳細を説明する。
コマンド判定処理(図54、S4111)では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域223aから、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出して解析し、主制御装置110より特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(S4201)。特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(S4201:Yes)、受信したコマンドの種別に対応するフラグをオンに設定する(S4202)。具体的には、特図1停止種別コマンドを受信した場合に、特図1停止種別選択フラグ223d1をオンに設定し、特図2停止種別コマンドを受信した場合に、特図2停止種別選択フラグ223d2をオンに設定する。次に、受信した特図1停止種別コマンドまたは特図2停止種別コマンドから停止種別(完全外れ、リーチ外れ、小当たり、大当たりA〜Dのいずれか)を抽出して(S4203)、本処理を終了する。S4203の処理において抽出された停止種別は、音声ランプ制御装置113にMPU221のRAM223のその他メモリエリア223zに記憶される。なお、特図1停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第1特別図柄の停止種別であることを識別可能に、特図2停止種別コマンドから抽出された停止種別は、第2特別図柄の停止種別であることを識別可能にそれぞれ記憶され、後述の変動表示設定処理(図55参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S4201の処理において、特図1停止種別コマンドも、特図2停止種別コマンドも受信していないと判別した場合は(S4201:No)、次に、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4204)。なお、特図1変動パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4204の処理において、特図1変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4204:Yes)、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223c1をオンに設定し(S4205)、受信した特図1変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4206)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第1特別図柄の変動パターン種別であることを識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図55参照)において、表示制御装置114に対して第1特別図柄の変動表示演出の開始と、その第1特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第1特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
一方、特図1変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4204:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S4207)。なお、特図2変動パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターン(変動時間)を通知するためのコマンドである。
S4207の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信したと判別した場合には(S4207:Yes)、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223c2をオンに設定し(S4208)、受信した特図2変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4209)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223のその他メモリエリア223zに、第2特別図柄の変動パターン種別であることが識別可能な形式で記憶され、後述の変動表示設定処理(図55参照)において、表示制御装置114に対して第2特別図柄の変動表示演出の開始と、その第2特別図柄の変動表示演出の表示態様とを通知する場合(第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する場合)に用いられる。
S4207の処理において、特図2変動パターンコマンドを受信していないと判別した場合には(S4207:No)、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか判別される(S4210)。保留球数コマンドを受信したと判別された場合には(S4210:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(即ち、第1特別図柄、または第2特別図柄の変動表示の保留球数)が抽出されて、その抽出したカウンタ値に合わせて、音声ランプ制御装置113のRAM223に設けられた対応するカウンタ値を更新して(S4211)、本処理を終了する。より具体的には、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出した場合は、RAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1に抽出したカウンタ値を格納し、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出した場合は、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2に抽出したカウンタ値を格納する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、または第2入球口640に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S4211の処理によって、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1と、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2との値を、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dと、第2特別図柄保留球数カウンタ203eとの値にそれぞれ合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値が、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれしまっても、始動入賞をしたことに基づいて保留球数コマンドが通知されれば、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b1または第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dまたは第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。
また、S4210の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判別した場合は(S4210:No)、主制御装置110より特図1確定コマンド、または特図2確定コマンドを受信したか判別する(S4212)。S4212の処理において、特図1確定コマンド、または特図2確定コマンドのいずれかを受信したと判別した場合は(S4212:Yes)、コマンドに対応する特別図柄の確定表示を設定して(S4213)、本処理を終了する。具体的には、S4213の処理では、特図1確定コマンドを受信した場合に、第1特別図柄の確定表示を設定し、特図2確定コマンドを受信した場合に、第2特別図柄の確定表示を設定する。
一方、S4212の処理において、特図1確定コマンドも、特図2確定コマンドも受信していないと判別した場合は(S4212:No)、状態コマンドを受信したか否か判別し(S4214)、状態コマンドを受信していれば(S4214:Yes)、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた情報を、遊技状態格納エリア223hに設定(格納)して(S4215)、本処理を終了する。
一方、S4214の処理において、状態コマンドを受信していないと判別した場合には(S4214:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行して(S4216)、本処理を終了する。S4215の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図55を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)について説明する。図55は、この変動表示設定処理(S4112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(図55参照)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図53参照)の一処理である。上述したように、変動表示設定処理(図55参照)は、第3図柄表示装置81において変動表示演出を表示させるために、主制御装置110より受信した第1または第2変動パターンコマンドに基づいて、第1特別図柄または第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信する処理を実行する。また、抽出した停止種別(完全外れ、リーチ外れ、大当たりE,F)に基づいて、その停止種別を表示制御装置114に通知するための表示用特図1停止種別コマンド、または表示用特図2停止種別コマンドを設定する処理を実行する。
変動表示設定処理(図55参照)では、まず、RAM223に設けられた特図1変動開始フラグ223c1がオンに設定されているか判別する(S4401)。そして、特図1変動開始フラグ223c1がオフであると判別した場合には(S4401:No)、主制御装置110より特図1変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4406の処理へ移行する。一方、特図1変動開始フラグ223c1がオンであると判別した場合には(S4401:Yes)、主制御装置110から受信した特図1変動パターンコマンドに基づいて、今回の第1特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS4402〜S4405の各処理を実行する。
より具体的には、まず、特図1変動開始フラグ223c1をオフに設定し(S4402)、次いで、第1特別図柄の変動パターンを選択するための変動パターン選択処理を実行する(S4403)。この変動パターン選択処理の詳細については図56を参照して後述する。次いで、第1特別図柄保留球数カウンタ223b1の値から1を減算し(S4404)、従特図1変動時間カウンタ223eにカウンタ値を設定して(S4405)、S4406の処理へ移行する。
S4406の処理では、RAM223に設けられた特図2変動開始フラグ223c2がオンであるか判別し(S4406)、特図2変動開始フラグ223c2がオフであれば(S4406:No)、主制御装置110より特図2変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4411の処理へ移行する。一方、特図2変動開始フラグ223c2がオンであると判別した場合には(S4406:Yes)、主制御装置110から受信した特図2変動パターンコマンドに基づいて、今回の第2特別図柄の変動表示の詳細な態様を決定するためのS4407〜S4410の各処理を実行する。
具体的には、特図2変動開始フラグ223c2をオフに設定し(S4407)、次いで、抽出した変動パターンに基づいて、第2特別図柄の表示用変動パターンコマンドを設定する(S4408)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ223b2の値から1を減算し(S4409)、従特図2変動時間カウンタ223fにカウンタ値を設定して(S4410)、S4411の処理へ移行する。
S4411の処理では、RAM223の特図1停止種別選択フラグ223d1、または特図2停止種別選択フラグ223d2のいずれかがオンに設定されているか判別する(S4411)。そして、特図1停止種別選択フラグ223d1、および特図2停止種別選択フラグ223d2がいずれもオフであると判別した場合には(S4411:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4411の処理において、特図1停止種別選択フラグ223d1または特図2停止種別選択フラグ223d2のいずれかがオンであると判別した場合には(S4411:Yes)、オンと判別したフラグをオフに設定し(S4412)、次いで、コマンド判定処理(図54参照)のS4203の処理において、特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドより抽出された停止種別を設定する(S4413)。次いで、設定した停止種別に基づいて、表示制御装置114に対して停止種別を通知するための表示用特図1停止種別コマンド、または表示用特図2停止種別コマンドを生成し(S4414)、本処理を終了する。
なお、主制御装置110から通知される特図1停止種別コマンド、または特図2停止種別コマンドは、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合には、その大当たり種別を通知し、小当たりの場合には、その小当たり種別を通知し、外れの場合には、完全外れ、またはリーチ外れを通知する。
このように構成されることで、音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄と第2特別図柄との両方を同時に変動表示させるように、表示制御装置114を制御することができる。
次に、図56を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動パターン選択処理(S4403)の詳細について説明する。図56は、この変動パターン選択処理(S4403)を示したフローチャートである。この変動パターン選択処理(S4403)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)(図55参照)の一処理であり、第1特別図柄の変動パターンの詳細な態様を設定するための処理である。
変動パターン選択処理(S4403)では、まず、コマンド判定処理(図54参照)のS4206の処理で、主制御装置110より受信した特図1変動パターンコマンドからスーパーリーチを抽出したか否か判別し(S4501)、抽出した変動パターンがスーパーリーチであると判別した場合は(S4501:Yes)、次に、設定されている停止種別が小当たりCであるか否かを判別する(S4502)。S4502の処理において、設定されている停止種別が小当たりCでないと判別した場合は(S4502:No)、次いで、設定されている停止種別が大当たりDであるか否かを判別し(S4503)、停止種別が大当たりDでないと判別した場合は(S4503:No)、処理をS4504へと移行する。また、S4501の処理において、今回の変動パターンがスーパーリーチでないと判別した場合は(S4501:No)、この時点で特殊スーパーリーチを設定する可能性が無いため、S4502,S4503の処理をスキップして、処理をS4504へと移行する。
S4504の処理では、コマンド判定処理(図54参照)のS4206の処理で、主制御装置110より受信した特図1変動パターンコマンドから抽出した変動パターンに基づいて、今回の変動パターンの詳細な態様を決定して、処理をS4506へと移行する。
これに対し、S4502の処理において、設定されている停止種別が小当たりCであると判別した場合(S4502:Yes)、または、S4503の処理において、設定されている停止種別が大当たりDであると判別した場合は(S4503:Yes)、特殊スーパーリーチ(図9(b)参照)を設定するためのS4505の処理へ移行する。S4505の処理では、今回の変動パターンの態様を特殊スーパーリーチ(図9(b)参照)に決定し(S4505)、S4506の処理へ移行する。S4506の処理では、決定した変動パターンを表示制御装置114へと通知するための表示用変動パターンコマンドを設定し(S4506)、本処理を終了する。
この変動パターン選択処理(図56参照)を実行することで、第1特別図柄の抽選結果が大当たりD、または小当たりCとなった場合にのみ、特殊スーパーリーチ(図9(b)参照)を実行することができる。特殊スーパーリーチ(図9(b)参照)が設定される抽選結果のうち、大当たりDは、賞球数が少ない上、大当たり後に確変状態も時短状態も付与されないため、遊技者にとっての有利度合いが低くなる。一方で、小当たりCになると、その小当たりCが終了した後、100回の変動表示に渡って、第2特別図柄の抽選が実行され易いチャンスモードAが設定されるので、遊技者にとって100回の時短期間が設定されたとほぼ同等の利益を受けることができる。よって、特殊スーパーリーチが実行された場合には、大当たりDになるよりも、小当たりCになることを願って遊技を行わせることができる。大当たりDとなった場合に獲得できる賞球数(約500個)では、大当たり後、30回〜40回程度しか、第1特別図柄の抽選を行わせることができないためである。
一般的なパチンコ機では、変動表示が実行されると、同一の数字が付された第3図柄が揃うこと(即ち、大当たりになること)を期待して遊技を行うが、本実施形態のパチンコ機10では、特殊スーパーリーチが発生した場合に、同一の数字が付された第3図柄が揃わないことを願って演出結果を確認させることができる。つまり、有利度合いが少ない大当たり(大当たりD)よりも、有利度合いが高い外れ(小当たりC)になることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図57から図70を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図57を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図57は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図58を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図58は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図57のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図57のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図58に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図57の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図68(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図68(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図59(b)参照)において、電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)(図示せず)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図59(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図59(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図59(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図59(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図59(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図59(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図59(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図60〜図64を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図65〜図67を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図68および図69を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図26に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図70を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA、大当たりB、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図60〜図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図60は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図60に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図61(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図61(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図60の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図61(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図61(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜F、小当たりA〜C、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図59(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図60に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図62(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図62(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図60に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図62(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図62(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図60に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図63を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図63は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図60に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、背面画像変更コマンドがあれば(S6414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図64を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図64は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグ233wをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグ233xの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグ233wがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグ233xから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグ233xから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグ233xをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図60の説明に戻る。S6414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6416)、エラーコマンドがあれば(S6416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図64(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図64(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図60の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6418)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6418の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図59(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図61(a)参照)および停止種別コマンド処理(図61(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図61(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図65〜図67を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図65は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図65に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図66を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図66は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図65の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図67を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図67は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図65に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図59(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図68及び図69を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図68(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図68(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図69を参照して後述する。
次いで、図68(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図68(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図59(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図59(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図59(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図60〜図64参照)および表示設定処理(図65〜図67参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図69参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図68(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図69を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図69は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグ233wはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグ233wがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグ233wがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグ233wをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグ233xのうち、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグ233xに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図70を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図70は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図示せず)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図59(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で小当たりとなることに基づいて、通常モードよりも有利なチャンスモードAへと移行する構成としている。チャンスモードAになると、第2特別図柄の変動時間が短く(3秒に)なり、第1特別図柄の抽選よりも有利な(大当たりとなった場合に連荘モードが設定され易い)第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、遊技者に対して大当たりとなることを強く期待して遊技を行わせることができる。また、通常モードにおいて、大当たりを介さずにチャンスモードAへと移行させることができるので、例え長い期間大当たりに当選していなくても、遊技に抑揚をつけることができる。よって、所謂大ハマりが発生してしまったとしても、チャンスモードAを間に挟むことにより、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。更に、付与されるチャンスモードAの長さ(抽選回数)は、小当たり種別毎に異なる構成としている。これにより、小当たりとなったことを察知した遊技者に対して、チャンスモードAがより長い期間設定される小当たり種別であることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態では、特別図柄の変動表示の変動パターンとして、変動時間が60秒のスーパーリーチ態様が決定されるのは、大当たりの場合か、または小当たりの場合に限る構成としている。即ち、特別図柄の抽選結果が外れとなった場合には、スーパーリーチが設定されないように構成されている。このように構成することで、実行されている変動表示がスーパーリーチであることが分かった(変動時間が30秒を超えた)時点で、小当たり、または大当たりとなることを遊技者に認識させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。加えて、本実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にのみ、変動時間が90秒のスペシャルリーチが決定され得る構成としている。このように構成することで、実行されている変動表示がスペシャルリーチであることが分かった(変動時間が60秒を超えた)時点で、大当たりとなることを遊技者に認識させることができる。よって、変動表示が終了するよりも前に、大当たりとなることを遊技者に察知させることができるので、残りの変動時間において、安心して演出の結果を見守らせることができる。
更に、本実施形態では、スーパーリーチが決定された場合における演出態様の一種として、特殊スーパーリーチが設けられている。この特殊スーパーリーチの演出態様は、特別図柄の抽選結果が大当たりD、若しくは小当たりCとなった場合にのみ決定され得る構成としている。大当たりDは、賞球数が少ない上、大当たり後に確変状態も時短状態も付与されないため、遊技者にとっての有利度合いが低くなる。一方で、小当たりCになると、その小当たりCが終了後、最大100回の変動表示に渡って、第2特別図柄の抽選が実行され易いチャンスモードAが設定されるので、遊技者にとって100回の時短期間が設定されたとほぼ同等の利益を受けることができる。よって、特殊スーパーリーチが実行された場合には、大当たりDになるよりも、小当たりCになることを願って遊技を行わせることができる。
一般的なパチンコ機では、変動表示が実行されると、同一の数字が付された第3図柄が揃うこと(即ち、大当たりになること)を期待して遊技を行うが、本実施形態のパチンコ機10では、特殊スーパーリーチが発生した場合に、同一の数字が付された第3図柄が揃わないことを願って演出結果を確認させることができる。つまり、有利度合いが少ない大当たり(大当たりD)よりも、有利度合いが高い外れ(小当たりC)になることを期待して遊技を行わせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかに関係なく、特別図柄の抽選が実行される毎にチャンスモードカウンタ203xの値を減算する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の抽選が実行された場合にのみチャンスモードカウンタ203xの値を減算する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスモードAが設定された場合に、第1特別図柄の抽選の保留球数に関係なく、有利な特別図柄2の抽選を予め定めた回数確実に行わせることができる。よって、チャンスモードAに対する期待感をより高めることができる。
本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、必ずチャンスモードAが設定される構成としているが、これに限られるものではなく、チャンスモードAが設定されない小当たり種別を設ける構成としてもよい。これにより、スーパーリーチが発生したとしても、チャンスモードAが設定されない場合を設けることができるので、スーパーリーチが発生した場合に、その演出結果により注目させることができる。
本第1実施形態では、大当たり種別の中で遊技者にとって最も不利な(即ち、時短状態が付与されず、賞球が最も少ない)大当たりDか、小当たり種別の中で遊技者にとって最も有利な小当たりCとなった場合にしか選択されない態様の特殊スーパーリーチを設ける構成としているが、特殊スーパーリーチの発生条件はこれに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選で当選する大当たり種別のうち、最も有利な大当たりAか、小当たりのうち最も有利な小当たりCとなった場合にのみ特殊スーパーリーチが実行されるように構成してもよい。このように構成することで、最も有利な大当たり、若しくは最も有利な小当たりとなることを図柄が停止する前に遊技者に認識させることができるので、遊技者に対して安心感を抱かせることができる。
本第1実施形態では、特別図柄の抽選を実行してから、当たりフラグ203sを参照して、当たりフラグ203sがオンの場合に抽選結果を外れに上書きする構成としているが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄の抽選を実行する前に当たりフラグ203sを参照し、オンの場合には抽選結果を外れに確定させて特別図柄の抽選をスキップする構成としてもよい。このように構成することで、当たりフラグ203sがオンの場合に処理負荷を軽減することができる。
本第1実施形態では、普通図柄の通常(低確率)状態と、普通図柄の時短(高確率)状態とで、普通図柄の変動時間を共通(3秒間)とし、更に、普通図柄の当たり確率や普通図柄の当たりになった場合の電動役物640aの開放期間に大差がない構成としていたが、これに限られるものではない。チャンスモードAが設定されている場合に、左打ちを行う場合よりも右打ちを行う場合の方が有利となる(特別図柄の抽選が実行され易くなる)範囲で、任意に定めてもよい。より具体的には、例えば、通常モードにおいて右打ちを行った場合により確実に持ち球が減るように、例えば、普通図柄の当たり確率をより低く(例えば、1/3に)したり、電動役物640aの開放期間をより短く(例えば、0.7秒×1回に)したり、普通図柄の変動時間を長く(例えば、10秒に)してもよい。このように、普通図柄の通常低状態と、普通図柄の時短状態とで制御に差をつけることにより、通常モードで右打ちを行った場合により確実に持ち球を減らすことができる。よって、通常モードでも常時右打ちを行うことで、持ち球を減らさずに有利な第2特別図柄の抽選ばかりを行わせようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
本実施形態では、チャンスモードAにおいて第2特別図柄の抽選が実行されると、ショート変動(3秒)選択されるが、第1特別図柄の抽選が実行された場合には通常モードと同一の制御が実行される構成としていた。これに対して、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、変動時間が長くなる(例えば、必ず120秒になる)ようにチャンスA用テーブルを変更してもよい。このように構成することで、チャンスモードAにおいて誤って左打ちを行ってしまったり、右打ちにより打ち出した球の一部が第1入球口64に入球してしまった場合に、その入球に基づく第1特別図柄の変動時間が長くなるので、その長い変動時間の間に、第2特別図柄の変動表示を複数回行わせることができる。よって、チャンスモードAにおいて右打ちを行った場合に、有利な第2特別図柄の抽選をより多く実行させることができる。
本第1実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりとなったことをに条件として、特定回数の特別図柄の抽選に渡って、変動パターンテーブルとしてチャンスA用テーブル202d3を参照する(チャンスモードAに移行する)構成としていたが、チャンスモードAを設定する条件はこれに限られるものではない。例えば、時刻情報に応じて参照する変動パターンテーブルを可変させる構成としてもよい。具体的には、時刻を計時可能な公知のRTC(Real−Time Clock)を主制御装置110の入出力ポート205に接続し、主制御装置110において現在時刻を把握可能に構成する。そして、予め定めた時間帯(例えば、AM10:00〜AM11:00)において、遊技状態が通常状態であれば、特別図柄の抽選が実行された場合にチャンスA用テーブル202d3を参照し、上記以外の時間帯において、遊技状態が通常状態であれば、特別図柄の抽選が実行された場合に通常用テーブル202d1を参照する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスモードAが参照される時間帯におけるパチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第1実施形態では、チャンスモードAになった場合に、第2特別図柄の変動時間が短くし、有利な第2特別図柄の抽選の頻度を高めることで、通常モードよりも有利になる構成としていたが、これに限られるものではない。チャンスモードAでは、第1特別図柄の抽選も有利になる構成としてもよい。具体的には、チャンスモードAが設定されている間は、第1特別図柄の抽選で大当たりC,Dになった場合にも、V入賞スイッチ65e3を通過容易な開閉板65f1の開閉パターン(図7の下段参照)を設定する構成としてもよい。即ち、チャンスモードAでは、全ての大当たり種別でV入賞スイッチ65e3を通過し易い開閉パターンが設定される構成としてもよい。このように構成することで、第1特別図柄の保留球が存在する状態でチャンスモードAとなり、且つ、保留内に大当たりC,Dとなる保留球が存在する場合にも、有利な開閉パターンを設定することができる。また、チャンスモードAにおいて右打ちしたにも拘わらず第1入球口64へと球が入球し、且つ、大当たりC,Dの何れかになってしまった場合にも、有利な開閉パターンを設定することができる。よって、チャンスモードAにおいて画面の指示(打ち出し方向)に従って遊技を行って大当たりになったにもかかわらず、不利な開閉パターンが設定されてしまう不条理を防止(抑制)することができる。
本実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が有利な大当たり種別になり易い構成としているが、状態に応じて有利な大当たり種別が選択され易い特別図柄を切り替える構成としてもよい。具体的には、例えば、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に有利な開閉パターンが設定される割合を下げると共に(例えば、70%)、第1特別図柄で大当たりになった場合に有利な開閉パターンが付与される割合を状況に応じて第2特別図柄よりも高く(例えば、100%に)したり、低くしたり(例えば、50%に)する構成としてもよい。より具体的には、例えば、チャンスモードAにおいて、第2特別図柄の保留球が存在する状態で開始された第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも高い割合(例えば、100%)で有利な開閉板65f1の開閉パターンが設定されるように構成し、その他の場合には第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも低い割合(例えば、50%)で有利な開閉板65f1の開閉パターンが設定されるように構成してもよい。このように構成することにより、チャンスモードAにおいて右打ちを行い、たまたま第1入球口64へと球が入球して第1特別図柄の変動表示が開始された場合に、遊技者に対して確変状態に対する期待感を抱かせることができる。また、チャンスモードAでは、第2特別図柄の変動時間が短く(3秒に)なるので、第2特別図柄の保留球が貯まり難くなる(保留を1個貯めるのが精いっぱいとなる)上に、保留が貯まったのを確認してから左打ちに変更しても、球が第1入球口64に入球する前に、第2特別図柄の保留が消化されてしまう可能性を高めることができる。よって、チャンスモードAにおいて第2特別図柄の保留が発生してから左打ちを行う変則的な遊技方法を抑制し、チャンスモードA中に右打ちをし続け、たまたま第1入球口64へと球が入球した場合にしか恩恵を受けられなくすることができる。
<第1実施形態の変形例>
次に、図71から図75を参照して、上述した第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第1実施形態では、通常モードにおいて第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間に比較して極めて長い変動時間の変動パターン(変動時間が10分の超ロング変動)が決定される。これにより、通常モードにおいて右打ちを行った場合の遊技効率を低下させ、通常モードにおいて常に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制する構成としている。
しかしながら、同時変動方式(第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを同時並行して実行できる方式)を採用しているため、例えば、第2特別図柄の保留球が4個貯まるまで右打ちを行い、保留球が貯まった段階で左打ちに戻して第1特別図柄の抽選を実行させる等の、変則的な遊技方法を行う遊技者が現れる可能性がある。
これに対して本変形例では、通常モードにおいて第2特別図柄の保留球が貯まった(1個以上となった)状態で左打ちに戻し、第1特別図柄の抽選を実行させた場合は、第1特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の変動時間と同一の超ロング変動(10分間)が設定されるように構成している。これにより、通常モード中に右打ちを行い、第2特別図柄の保留球が貯まった状態で左打ちに戻すと、第1特別図柄も第2特別図柄も10分間の超ロング変動となる。よって、約10分間毎にしか特別図柄の抽選が実行されない極めて不利な状態を形成することができるので、遊技者に対してより確実に、通常モードにおいて左打ちをさせ続けることができる。
この第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110に設けられたROM202の変動パターンテーブル202dの内容が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第1実施形態の変形例における電気的構成>
まず、図71、および図72を参照して主制御装置110のROM202に設けられた変動パターンテーブル202dの構成について説明する。この変動パターンテーブル202dは、第1実施形態と同様に、特別図柄の抽選が実行された場合に、その抽選結果を示す変動表示の変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。
図71(a)に示した通り、本変形例における変動パターンテーブル202dには、通常モードにおいて変動パターンを決定するために用いられるテーブルとして通常(特図2保留無し時)用テーブル202d11と、通常(特図2保留有り時)用テーブル202d12とが設けられている。通常(特図2保留無し時)用テーブル202d11は、第2特別図柄の保留球が無い(0個の)場合に参照されるテーブルであり、通常(特図2保留有り時)用テーブル202d12は、第2特別図柄の保留球が存在する(1個以上の)場合に参照されるテーブルである。
また、変動パターンテーブル202dには、連荘モード(確変状態)やチャンスモードB(時短状態)において変動パターンを決定するために用いられるテーブルとして連荘・チャンスB(前半)用テーブル202d21と、連荘・チャンスB(後半)用テーブル202d22とが設けられている。連荘・チャンスB(前半)用テーブル202d21は、連荘モードやチャンスモードBにおいて、残りの抽選回数が6回以上残っている場合に参照されるデータテーブルである。また、連荘・チャンスB(後半)用テーブル202d22は、残りの抽選回数が5回以下の場合に参照されるデータテーブルである。
また、変動パターンテーブル202dには、チャンスモードAにおいて変動パターンを決定するために用いられるテーブルとしてチャンスA(前半)用テーブル202d31と、チャンスA(後半)用テーブル202d32とが設けられている。チャンスA(前半)用テーブル202d31は、チャンスモードAにおいて、残りの抽選回数が6回以上残っている場合に参照されるデータテーブルである。また、チャンスA(後半)用テーブル202d32は、残りの抽選回数が5回以下の場合に参照されるデータテーブルである。
まず、通常モードにおいて参照されるテーブルについて説明する。なお、通常(特図2保留無し時)用テーブル202d11は、上述した第1実施形態の通常用テーブル202d1(図15(b)参照)と同一なので、その詳細な説明については省略する。通常(特図2保留有り時)用テーブル202d12が参照されると、図71(b)に示した通り、特別図柄の種別(第1特別図柄、または第2特別図柄)、および特別図柄の抽選結果(停止種別)によらず、変動時間が600秒(10分間)の超ロング変動が決定される。
第2特別図柄の保留球が存在する場合に、第2特別図柄の変動時間だけでなく、第1特別図柄の変動時間に対しても10分間が決定されるように構成することで、通常モードにおいて右打ちを行い続けた場合におけるペナルティーを重くすることができる。即ち、通常モードにおいて、第2特別図柄に保留球が発生するのは、故意に第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法を継続しなければ起こり難い状況である。よって、故意に変則的な遊技方法を実行している遊技者に対するペナルティーとして、第2特別図柄の保留球が残っている間は、第1特別図柄の変動表示も、第2特別図柄の変動表示も超ロング変動が設定される構成としている。これにより、遊技者が変則的な遊技方法を辞め、左打ちに戻したとしても、特別図柄の抽選が約10分おきにしか行われない(第1特別図柄の抽選が実行され難い)不利な状態を形成することができる。よって、遊技者が変則的な遊技方法を行うことに対する抑止効果をより向上させることができる。
次に、連荘モード、およびチャンスモードBにおいて参照されるテーブルについて説明する。なお、連荘・チャンスB(前半)用テーブル202d21は、上述した第1実施形態の連荘・チャンスB用テーブル202d2(図16(a)参照)と同一なので、その詳細な説明については省略する。図72(a)に示した通り、連荘・チャンスB(後半)用テーブル202d22が参照されると、第2特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の抽選時間によらず、一律で0.7秒の超ショート変動が決定される。一方で、第1特別図柄の変動時間に関しては、連荘・チャンスB(前半)用テーブル202d21(第1実施形態における連荘・チャンスB用テーブル202d2)と同一である。
連荘モードやチャンスモードBでは、右打ちにより遊技を行うのが正しい遊技方法であるが、連荘モード、またはチャンスモードBとして設定された変動回数が残り5回以内の状態で、連荘・チャンスB(前半)用テーブル202d21が参照されると、連荘モード、またはチャンスモードBの終了間際に長い変動時間が設定され、その長い変動時間の変動表示の最中に、保留球が多く貯まってしまう場合がある。即ち、連荘モード、またはチャンスモードBの終了時点において、第2特別図柄の保留球が2つ以上存在する状態となってしまう場合がある。この場合、通常モードに戻り、正しい遊技方法に則って左打ちに戻したとしても、第1特別図柄の抽選が実行される時点で第2特別図柄の保留球が1以上となり、ペナルティーが発生してしまう(第1特別図柄の変動時間が10分となってしまう)可能性がある。このように、遊技者が正しい遊技方法を実行していたにも拘わらず、遊技者にペナルティーが課されてしまうと、遊技者に対して不満感を抱かせてしまう虞がある。
そこで、本変形例では、右打ちにより遊技を行う連荘モードやチャンスモードBの終盤5回の特別図柄の変動に渡って、第2特別図柄の変動時間が極めて短く(0.7秒)なるように構成し、変動中に第2入球口640に対する新たな入球が発生し難くなるように構成している。このように構成することで、連荘モードやチャンスモードBの終了時点において、第2特別図柄の保留球数が1以上となる可能性を低くすることができる。よって、正しい遊技方法を行う遊技者に対してペナルティーが発生してしまう不条理を解消することができる。
次に、チャンスモードAにおいて参照されるテーブルについて説明する。なお、チャンスA(前半)用テーブル202d31は、上述した第1実施形態のチャンスA用テーブル202d3(図16(b)参照)と同一なので、その詳細な説明については省略する。図72(b)に示した通り、チャンスA(後半)用テーブル202d32が参照されると、第2特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の抽選時間によらず、一律で0.7秒の超ショート変動が決定される。一方で、第1特別図柄の変動時間に関しては、チャンスA(前半)用テーブル202d31(第1実施形態におけるチャンスA用テーブル202d3)と同一である。
チャンスモードAでは、連荘モードやチャンスモードBと同様に、右打ちにより遊技を行うのが正しい遊技方法である。よって、チャンスモードAとして設定された変動回数が残り5回以内の状態で、チャンスA(前半)用テーブル202d31が参照されると、チャンスモードAの終了間際に長い変動時間が設定され、その長い変動時間の変動表示の最中に、保留球が多く貯まってしまう場合がある。即ち、チャンスモードAが終了し、通常モードへ移行した場合に左打ちに戻したとしても、第1特別図柄の抽選が実行される時点で第2特別図柄の保留球が1以上となり、ペナルティーが発生してしまう(第1特別図柄の変動時間が10分となってしまう)可能性がある。
そこで、チャンスA(後半)用テーブル202d32に関しても、上述した連荘・チャンスB(後半)用テーブル202d22と同様に、変動中に第2入球口640に対する新たな入球が発生し難くなるように超ショート変動が設定される構成としている。このように構成することで、チャンスモードAの終了時点において、第2特別図柄の保留球数が1以上となる可能性を低くすることができる。よって、正しい遊技方法を行う遊技者に対してペナルティーが発生してしまう不条理を解消することができる。
<第1実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図73から図75を参照して、第1実施形態の変形例における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図73は、第1実施形態の第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)に代えて実行される第1特別図柄変動パターン選択処理2(S311)を示したフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理2(S311)は、第1実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に基づいて変動パターンを選択する処理である。
この第1実施形態の変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理2(S311)のうち、S601〜S603,S605、およびS608〜S610の各処理では、それぞれ第1実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)のうち、S601〜S603,S605、およびS608〜S610の各処理と同一の処理が実行される。
また、第1実施形態の変形例における第1特別図柄変動パターン選択処理2(図73参照)では、S603の処理において、チャンスモードカウンタ203xの値が0より大きい(即ち、チャンスモードAである)と判別された場合(S603:Yes)、チャンスモードAにおいて実行された第1特別図柄の抽選に対する変動パターンを選択するためのチャンスA時選択処理を実行して(S611)、処理をS608へと移行する。このチャンスA時選択処理(S611)の詳細については、図74(a)を参照して後述する。
また、S605の処理において、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rの値が共に0である(即ち、通常モードである)と判別した場合は(S605:Yes)、通常モードにおいて実行された第1特別図柄の抽選に対する変動パターンを選択するための通常時選択処理を実行して(S612)、処理をS608へと移行する。この通常時選択処理(S612)の詳細については、図74(b)を参照して後述する。一方、S605の処理において、確変カウンタ203g、および時短中カウンタ203rのいずれかが1以上の値である(即ち、連荘モード、またはチャンスモードBである)と判別した場合は(S605:No)、連荘モード、またはチャンスモードBにおいて実行された第1特別図柄の抽選に対する変動パターンを選択するための連荘時選択処理を実行し(S613)、処理をS608へと移行する。この連荘時選択処理(S613)の詳細については、図75を参照して後述する。
次いで、図74(a)を参照して、上述したチャンスA時選択処理(S611)の詳細について説明する。このチャンスA時選択処理(S611)は、上述した通り、チャンスモードAにおいて実行された特別図柄の抽選に対する変動パターンを選択するための処理である。
このチャンスA時選択処理(S611)が実行されると、まず、チャンスモードカウンタ203xが5よりも大きいか否かを判別し(S2601)、5よりも大きいと判別した場合は(S2601:Yes)、変動パターンテーブル202dから、今回の変動表示の変動パターンを決定するためのテーブルとしてチャンスA(前半)用テーブル202d31を読み出して(S2602)、本処理を終了する。
一方、S2601の処理において、チャンスモードカウンタ203xの値が5以下であると判別した場合は(S2601:No)、変動パターンテーブル202dから、今回の変動表示の変動パターンを決定するためのテーブルとしてチャンスA(後半)用テーブル202d32を読み出して(S2603)、本処理を終了する。
このチャンスA時選択処理(図74(a)参照)を実行することにより、チャンスモードAの終盤(残りの抽選回数が5回以下)で特別図柄の抽選が実行された場合に、チャンスA(後半)用テーブル202d32を参照して変動パターンを決定することができる。即ち、上述した通り、変動中に第2入球口640に対する新たな入球が発生し難くなるように超ショート変動が設定される構成としている。このように構成することで、チャンスモードAの終了時点において、第2特別図柄の保留球数が1以上となる可能性を低くすることができる。よって、正しい遊技方法を行う遊技者に対してペナルティーが発生してしまう不条理を解消することができる。
次に、図74(b)を参照して、通常時選択処理(S612)の詳細について説明する。この通常時選択処理(S612)は、上述した通り、通常モードにおいて実行された特別図柄の抽選に対する変動パターンを選択するための処理である。
この通常時選択処理(S612)が実行されると、まず、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が0であるか否かを判別し(S2701)、0であると判別した場合は(S2701:Yes)、変動パターンテーブル202dから、今回の変動表示の変動パターンを決定するためのテーブルとして通常(特図2保留無し時)用テーブル202d11を読み出して(S2702)、本処理を終了する。
一方、S2701の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値が0ではない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S2701:No)、変動パターンテーブル202dから、今回の変動表示の変動パターンを決定するためのテーブルとして通常(特図2保留有り時)用テーブル202d12を読み出して(S2703)、本処理を終了する。
この通常時選択処理(図74(b)参照)を実行することにより、通常モードで第2特別図柄の保留球数が1以上の場合に第1特別図柄の抽選が実行されると、超ロング変動(600秒)を設定することができる。通常モードにおいて第2特別図柄の保留球が存在する場合に、第2特別図柄の変動時間だけでなく、第1特別図柄の変動時間に対しても10分間が決定されるように構成することで、通常モードにおいて右打ちを行い続けた場合におけるペナルティーを重くすることができる。即ち、通常モードにおいて、第2特別図柄に保留球が発生するのは、故意に第2入球口640を狙って球を打ち出す遊技方法を継続しなければ起こり難い状況である。よって、故意に変則的な遊技方法を実行している遊技者に対するペナルティーとして、第2特別図柄の保留球が残っている間は、第1特別図柄の変動表示も、第2特別図柄の変動表示も超ロング変動が設定される構成としている。これにより、遊技者が変則的な遊技方法を辞め、左打ちに戻したとしても、特別図柄の抽選が約10分おきにしか行われない(第1特別図柄の抽選が実行され難い)不利な状態を形成することができる。よって、遊技者が変則的な遊技方法を行うことに対する抑止効果をより向上させることができる。
次いで、図75を参照して、上述した連荘時選択処理(S613)の詳細について説明する。この連荘時選択処理(S613)は、上述した通り、連荘モード、およびチャンスモードBにおいて実行された特別図柄の抽選に対する変動パターンを選択するための処理である。
この連荘時選択処理(S613)が実行されると、まず、確変カウンタ203gの値が1以上、5以下の範囲内であるか否かを判別し(S2801)、1〜5の範囲外(値が0、または6以上)であると判別した場合は(S2801:No)、次に、時短中カウンタ203rの値が1以上、5以下の範囲内であるかを判別する(S2802)。S2802の処理において、時短中カウンタ203rの値が1〜5の範囲外(値が0、または6以上)であると判別した場合は(S2802:No)、確変状態の残り回数が6回以上残っているか、時短状態の残り回数が6回以上残っている状態のいずれかであるので、変動パターンテーブル202dから、今回の変動表示の変動パターンを決定するためのテーブルとして連荘・チャンスB(前半)用テーブル202d21を読み出して(S2803)、本処理を終了する。
一方、S2801の処理において、確変カウンタ203gの値が1以上、5以下の範囲内であると判別した場合や(S2801:Yes)、時短中カウンタ203rの値が1以上、5以下の範囲内であると判別した場合は(S2802:Yes)、今回の変動表示の変動パターンを決定するためのテーブルとして連荘・チャンスB(後半)用テーブル202d22を読み出して(S2804)、本処理を終了する。
この連荘時選択処理(図75参照)を実行することにより、確変状態や時短状態の残り回数に応じて変動パターンテーブルを切り替えることができる。これにより、右打ちにより遊技を行う連荘モードやチャンスモードBの終盤5回の特別図柄の変動に渡って、第2特別図柄の変動時間を極めて短く(0.7秒)することができる。即ち、変動中に第2入球口640に対する新たな入球が発生し難くできる。これにより、連荘モードやチャンスモードBの終了時点において、第2特別図柄の保留球数が1以上となる可能性を低くすることができる。よって、正しい遊技方法を行う遊技者に対してペナルティーが発生してしまう不条理を解消することができる。
なお、図示については省略したが、本変形例では、第1実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図37参照)に代えて、第2特別図柄変動パターン選択処理2が実行される。この第2特別図柄変動パターン選択処理2は、上述した第1特別図柄変動パターン選択処理2(図73参照)と同様に、現在の状態(連荘モードであるか、チャンスモードAであるか、チャンスモードBであるか、通常モードであるか)に応じて、上述したチャンスA時選択処理(図74(a)参照)、通常時選択処理(図74(b)参照)、連荘時選択処理(図75参照)のいずれかを実行することにより、変動パターンテーブル202dに規定された何れかのテーブルを選択する処理が実行される。第2特別図柄変動パターン選択処理2の内容は、図73から図75までを参照して説明した第1特別図柄変動パターン選択処理2(図73参照)と同様なので、その詳細な説明については省略する。
以上説明した通り、第1実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、通常モードにおいて第2特別図柄の保留球が貯まった(1個以上となった)状態で左打ちに戻し、第1特別図柄の抽選を実行させた場合は、第1特別図柄の変動時間として、第2特別図柄の変動時間と同一の超ロング変動(600秒)が設定されるように構成している。これにより、通常モード中に右打ちを行い、第2特別図柄の保留球が貯まった状態で左打ちに戻すと、第1特別図柄も第2特別図柄も10分間の超ロング変動となる。よって、約10分間毎にしか特別図柄の抽選が実行されない極めて不利な状態を形成することができるので、遊技者に対してより確実に、通常モードにおいて左打ちをさせ続けることができる。
また、本変形例では、右打ちにより遊技を行う連荘モードやチャンスモードAや、チャンスモードBにおいて、残りの抽選回数が5回以内(5回以内の特別図柄の抽選が実行されることで通常モードへと移行する状況)となった場合に、第2特別図柄の変動時間が極めて短く(0.7秒)なるように構成している。これにより、変動中に第2入球口640に対する新たな入球が発生し難くなるので、連荘モードやチャンスモードBの終了時点において、第2特別図柄の保留球数が1以上となる可能性を低くすることができる。よって、正しい遊技方法を行う遊技者に対してペナルティーが発生してしまう不条理を解消することができる。
なお、本変形例では、第2特別図柄の変動パターンとして超ショート変動(0.7秒)が選択されるのは、連荘モード、チャンスモードA、またはチャンスモードBの残りの抽選回数が5回以内の場合としていたが、これに限られるものではない。例えば、残り1回のみ超ショート変動(0.7秒)が選択される構成としてもよいし、右打ちが正しい遊技方法の状態では、抽選回数に関係なく超ショート変動(0.7秒)が選択される構成としてもよい。
本変形例では、通常モードにおいて、第2特別図柄の保留球が存在する場合に、第1特別図柄の変動時間が極めて長くなる(10分間)構成としているが、第1特別図柄の変動時間を超ロング変動(600秒)に切り替える条件は、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の保留球が存在する場合に第1特別図柄の変動パターンとして超ロング変動(600秒)を選択する構成としてもよい。
本変形例では、チャンスモードAが終了したタイミング(チャンスモードAの最後の変動表示が終了したタイミング)で左打ちに戻すように遊技者に報知する演出(図10(b)参照)を実行する構成としていたが、本演出の実行タイミングはこれに限られるものではない。例えば、チャンスモードAにおける最後の変動表示の変動開始時に左打ちに戻すように遊技者に報知する演出(図10(b)参照)を実行する構成としてもよいし、チャンスモードA中に、チャンスモードAが終了する分の保留球が保留されたと判別したタイミングで、左打ちに戻すように遊技者に報知する演出(図10(b)参照)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスモードAの終了時点で第2特別図柄の保留球が複数存在する状態が発生してしまうことをより確実に防止(抑制)することができる。
<第2実施形態>
次に、図76から図80を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態、および第1実施形態の変形例では、通常モードにおいて特別図柄の抽選結果が小当たりとなった場合に、第2特別図柄の変動時間が短い(第2特別図柄の抽選が実行され易い)チャンスモードAへと移行させる構成とし、不利な通常状態において、大当たりとならなくても遊技に抑揚をつけることが可能な構成としていた。
これに対して本第2実施形態では、大当たり後に通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)が設定された場合に、その通常状態中に実行された特別図柄の抽選回数に応じて、通常モードとチャンスモードAとを切り替える構成としている。これにより、定期的にチャンスモードAが設定される構成とし、遊技者にとって最も不利な通常状態において、遊技が単調となってしまうことに対する抑制を図っている。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110に設けられたROM202の内容が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたRAM203の内容が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第2実施形態における電気的構成>
まず、図76、および図77を参照して、第2実施形態における電気的構成について説明する。図76(a)は、本第2実施形態における主制御装置110に設けられたROM202の構成を示したブロック図である。図76(a)に示した通り、本第2実施形態におけるROM202は、第1実施形態における主制御装置110に設けられていたROM202の構成に対して、小当たり種別選択テーブル202eが削除されていると共に、変動パターンシナリオテーブル202fが新たに追加されている。この変動パターンシナリオテーブル202fの詳細について、図76(b)を参照して説明する。
図76(b)は、変動パターンシナリオテーブル202fの規定内容を模式的に示した模式図である。この変動パターンシナリオテーブル202fは、前回の大当たり種別毎に、特別図柄の抽選回数と、変動パターンを選択するために用いられる変動パターンテーブルとの対応関係(変動パターンシナリオ)を規定したデータテーブルである。大当たり終了時には、この変動パターンシナリオテーブル202fに規定された変動パターンシナリオのうち、大当たり種別に対応するシナリオが設定され、変動開始時にシナリオに規定された変動パターンテーブルが参照されて変動パターンが決定される。
まず、前回の大当たり種別が大当たりD以外(即ち、大当たりA〜C、大当たりE,F)の場合(大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過すれば確変状態が100回付与され、V入賞スイッチ65e3を通過しなければ時短状態が100回付与される大当たりの場合)について説明する。図76(b)に示した通り、前回の大当たり種別が大当たりD以外の場合に設定される変動パターンシナリオのうち、特別図柄の抽選回数が1〜100回の範囲には、変動パターンテーブルとして連荘・チャンスB用テーブル202d2(図16(a)参照)が対応付けられている。これにより、大当たり後に確変状態(連荘モード)が設定されていても、時短状態(チャンスモードB)が設定されていても、右打ちにより第2入球口640を狙うことで、遊技者に有利な第2特別図柄の判別が実行され易い状態を形成することができる。
また、特別図柄の抽選回数が101〜150の範囲には、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。このため、大当たり後に連荘モード、またはチャンスモードBが設定され、大当たりに当選することなく特別図柄の抽選が100回を超えた場合には、第2特別図柄の変動パターンとして超ロング変動(600秒)のみが選択される。よって、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させなければ、遊技効率が極端に悪化する(右打ちすると10分に1回しか特別図柄の抽選が実行されなくなる)状態を形成することができる。
また、特別図柄の抽選回数が151〜160の範囲には、変動パターンテーブルとしてチャンスA用テーブル202d3(図16(b)参照)が対応付けられている。このため、連荘モード、またはチャンスモードBを抜けてから50回、特別図柄の抽選が実行されると、その後10回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスモードAに移行させることができる。よって、遊技者にとって有利な連荘モード(確変状態)や、チャンスモードB(時短状態)が終了し、最も不利な通常モードに移行してしまったとしても、チャンスモードAが設定されるまで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、遊技者にとって不利な通常モードにおいて、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)することができる。
特別図柄の抽選回数が161〜200の範囲には、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。つまり、40回の特別図柄の抽選に渡って、通常モードが継続する構成としている。そして、図示については省略したが、以降は、10回のチャンスモードAと、40回の通常モードとを交互に繰り返す構成としている。即ち、特別図柄の抽選回数が201〜210,251〜260,301〜310,・・・の範囲に(通常モードで特別図柄の抽選が40回実行される毎に、10回の特別図柄の抽選に渡って)、チャンスA用テーブル202d3(図16(b)参照)が参照される。一方、特別図柄の抽選回数が211〜250,261〜300,311〜350,・・・の範囲に(チャンスモードAで特別図柄の抽選が10回実行される毎に、40回の特別図柄の抽選に渡って)、通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が参照される。
このように、通常モードで40回の特別図柄の抽選が実行される毎に、通常モードよりも遊技者に有利なチャンスモードAへと移行させる構成とすることで、次のチャンスモードAまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
一方、前回の大当たり種別が大当たりDだった場合(大当たり後に普通図柄の時短状態が付与されない場合)には、特別図柄の抽選回数が1〜25の範囲に、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。このため、大当たりDの終了後は、25回の特別図柄の抽選に渡って、第2特別図柄の抽選が実行された場合に超ロング変動(600秒)のみが選択される状態となる。よって、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させなければ、遊技効率が極端に悪化する(右打ちすると10分に1回しか特別図柄の抽選が実行されなくなる)状態となる。
また、特別図柄の抽選回数が26〜50の範囲には、変動パターンテーブルとしてチャンスA用テーブル202d3(図16(b)参照)が対応付けられている。このため、大当たりDが終了してから25回、特別図柄の抽選が実行されると、その後25回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスモードAに移行させることができる。
そして、以降は、25回の特別図柄の抽選に渡る通常モードと、25回の特別図柄の抽選に渡るチャンスモードAとが交互に繰り返される。よって、他の大当たり種別となり、且つ、連荘モード、またはチャンスモードBを抜けた後よりも、1回のチャンスモードAにおける特別図柄の抽選回数が多くなり(10回→25回)、1回の通常モードにおける特別図柄の抽選回数が少なくなる(40回→25回)。即ち、V入賞スイッチ65e3を球が通過し難い開閉パターン(図7の中段参照)が設定される上に、普通図柄の時短状態が付与されない最も不利な大当たりに対する救済として、大当たり後の通常状態を、他の大当たり種別よりも有利にする(チャンスモードAの割合を高める)ことができる。従って、最も不利な大当たりDとなった場合でも、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)することができる。
このように、本第2実施形態では、最も不利な通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において、特別図柄の抽選回数に応じて通常モードとチャンスモードAとを切り替える構成とし、周期的にチャンスモードAに移行する構成としている。このように構成することで、最も不利な通常状態において遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図77を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のRAM203の構成について説明する。図77に示した通り、本第2実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成に対して、小当たり中フラグ203wと、チャンスモードカウンタ203xとが削除されていると共に、変動回数カウンタ203ab、およびシナリオ格納エリア203acが新たに追加されている。
変動回数カウンタ203abは、大当たりが終了してから実行された特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この変動回数カウンタ203abの値と、前回の大当たりの終了時に設定された変動パターンシナリオとに基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターンテーブルがシナリオ格納エリア203acから選択される(図79のS622参照)。この変動回数カウンタ203abの値は、遊技状態更新処理3が実行される毎に、値が1ずつ加算される(図78のS411参照)。この変動回数カウンタ203abの値は、パチンコ機10が初期化されない限り、電源が遮断されても保持され、大当たりの終了時に0にリセットされる(図80のS2213参照)。
シナリオ格納エリア203acは、前回の大当たり種別に応じた変動パターンシナリオを格納するための記憶領域である。特別図柄の抽選が実行された場合には、このシナリオ格納エリア203acに格納された変動パターンシナリオと、上述した変動回数カウンタ203abの値とも基づいて、変動パターンを決定するための変動パターンテーブルが選択される。このシナリオ格納エリア203abは、大当たりの終了時に、大当たり種別に対応する変動パターンシナリオが格納される(図80のS2212参照)。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図78から図80を参照して、第2実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、第1実施形態における遊技状態更新処理(図30参照)に代えて第1特別図柄変動開始処理(図29参照)の中で実行される遊技状態更新処理3(S321)について説明する。この遊技状態更新処理3(S321)は、第1実施形態における遊技状態更新処理(図30参照)と同様に、パチンコ機10の状態に関するカウンタ等を更新するための処理である。
図78は、遊技状態更新処理3(S321)を示すフローチャートである。この第2実施形態における遊技状態更新処理3(S321)のうち、S401〜S404,S407、およびS408の各処理では、それぞれ第1実施形態における遊技状態更新処理(図30参照)のS401〜S404,S407、およびS408の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における遊技状態更新処理3(図78参照)では、S407の処理において、遊技状態が変更されていないと判別された場合(S407:No)、若しくは、遊技状態が通常状態に変更されたと判別され(S407:Yes)、変更後の遊技状態(通常状態)を音声ランプ制御装置113へ通知するための状態コマンドを設定した場合に(S408)、変動回数カウンタ203abの値に1を加算して更新し(S411)、本処理を終了する。この遊技状態更新処理3(図78参照)の中で変動回数カウンタ203abを更新しておくことにより、その後に変動パターンを決定する際に、正確な特別図柄の抽選回数に基づいて変動パターンテーブルを選択することができる。
次に、図79を参照し、第1特別図柄変動開始処理(図29参照)の中で、第1実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)に代えて実行される第1特別図柄変動パターン選択処理3(S322)について説明する。図79は、この第1特別図柄変動パターン選択処理3(S322)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動パターン選択処理3(S322)は、第1実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを選択するための処理である。
この第1特別図柄変動パターン選択処理3(図79参照)のうち、S601,S602、およびS608〜S610の各処理では、それぞれ第1実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理(図32参照)のS601,S602、およびS608〜S610の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における第1特別図柄変動パターン選択処理3(図79参照)では、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かの判別(S601)、および大当たりであった場合における大当たり種別の選択処理(S602)が終了すると、変動回数カウンタ203abの値を読み出す。
次に、読み出した変動回数カウンタ203abの値に対応する変動パターンテーブルを、シナリオ格納エリア203acに格納された変動パターンシナリオに基づいて特定し(S622)、処理をS608に移行する。これにより、S608の処理において、大当たり後の変動回数と、大当たりの終了時に設定された変動パターンシナリオとに対応する変動パターンテーブルを参照して、今回の抽選結果に対応する変動パターンを選択することができる。即ち、変動パターンテーブルを選択する際に、特別図柄の抽選回数に応じて、参照する変動パターンテーブルを切り替えることにより、抽選回数に応じて有利度合いを可変させることができる。特に、遊技者にとって最も不利な通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において、有利なチャンスモードAへと定期的に移行させることができるので、通常状態における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
なお、図示については省略したが、本第2実施形態では、第1実施形態における第2特別図柄変動パターン選択処理(図37参照)に代えて、第2特別図柄変動パターン選択処理3が実行される。この第2特別図柄変動パターン選択処理3は、上述した第1特別図柄変動パターン選択処理3(図79参照)と同様に、変動回数カウンタ203abの値と、設定されている変動パターンシナリオとに応じて、今回の第2特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを選択する処理が実行される。第2特別図柄変動パターン選択処理3の内容は、図79を参照して説明した第1特別図柄変動パターン選択処理3(図79参照)と同様なので、その詳細な説明については省略する。
次に、図80を参照して、第1実施形態における大当たり終了処理(図48参照)に代えて大当たり制御処理(図47参照)の中で実行される大当たり終了処理3(S2121)について説明する。この大当たり終了処理3(S2121)は、第1実施形態における大当たり終了処理(図48参照)と同様に、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
図80は、大当たり終了処理3(図80参照)を示すフローチャートである。この第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)のうち、S2201〜S2206の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり終了処理(図48参照)のS2201〜S2206の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)では、S2206の処理が終了すると、次いで、変動パターンシナリオテーブル202f(図76(b)参照)から、今回の大当たり種別に対応する変動パターンシナリオを読み出して(S2211)、その読み出した変動パターンシナリオをシナリオ格納エリア203acに格納する(S2212)。
より具体的には、今回の大当たり種別が大当たりD以外(大当たりA〜C,E,F)であれば、大当たり終了後100回の特別図柄の抽選に渡って、連荘・チャンスB用テーブル202d2が参照され、101回〜150回では、通常用テーブル202d1が参照され、以降は10回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスA用テーブル202d3が参照される状態(チャンスモードA)と、40回の特別図柄の抽選に渡って通常用テーブル202d1が参照される状態(通常モード)とが交互に繰り返されるシナリオが設定される。一方、今回の大当たりが大当たりDであれば、25回の特別図柄の抽選に渡ってチャンスA用テーブル202d3が参照される状態(チャンスモードA)と、25回の特別図柄の抽選に渡って通常用テーブル202d1が参照される状態(通常モード)とが交互に繰り返されるシナリオが設定される。
S2212の処理が終了すると、次いで、変動回数カウンタ203abの値をリセットして(S2213)、本処理を終了する。この大当たり終了処理3(図80参照)を実行することにより、大当たり種別に応じた変動パターンシナリオを設定することができるので、変動パターンシナリオを多様化させることができる。
以上説明した通り、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、通常状態において、大当たりが終了してからの特別図柄の抽選回数に応じて、変動パターンを選択するために参照される変動パターンテーブルを切り替える構成とし、通常状態において、通常モードよりも有利なチャンスモードAに周期的に移行するように構成している。これにより、遊技者にとって最も不利な通常状態において、周期的に有利度合いを異ならせることができるので、遊技が単調となってしまうことに対する抑制を図っている。
また、本第2実施形態では、大当たり種別に応じて大当たり後に設定される変動パターンシナリオを異ならせ、不利な大当たり種別(大当たりD)になった場合には、有利な変動パターンシナリオが設定される構成としている。即ち、1回のチャンスモードAが終了するまでの特別図柄の変動回数が多く、且つ、1のチャンスモードAが終了してから次にチャンスモードAが設定されるまでの特別図柄の抽選回数が少ないシナリオが設定される構成としている。このように構成することで、不利な大当たりとなった場合に、遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止(抑制)し、遊技者により長く遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たりが終了した後に実行された特別図柄の抽選回数に応じて参照する変動パターンテーブルを切り替える構成としているが、これに限られるものではない。例えば、パチンコ機10が初期化された(RAM消去スイッチ122が押下された状態で電源が投入された)場合にも、特別図柄の抽選回数に応じて参照する変動パターンテーブルを切り替える構成としてもよい。即ち、パチンコ機10が初期化された場合にも、変動パターンシナリオテーブル202fが参照されて、例えば、大当たりDの終了時に設定されるシナリオをシナリオ格納エリア203acに格納する構成としてもよい。このように構成することで、パチンコ機10を初期化した際に、チャンスモードAへと移行し易く、1回のチャンスモードAにおける特別図柄の抽選回数が長い有利な状態とすることができる。よって、遊技者に対して、パチンコ機10が初期化されていることを期待して、ホールの開店時にパチンコ機10で遊技を行わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、大当たりに1度も当選していないパチンコ機10が遊技者に敬遠されてしまうことを防止(抑制)し、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第2実施形態では、通常状態において、チャンスモードAに周期的に移行させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技状態が通常状態となってから、予め定めた第1の回数(例えば、500回)の特別図柄の抽選が実行された場合に、チャンスモードAが予め定めた第2の回数(例えば、1000回)の特別図柄の抽選に渡って設定されるように構成してもよい。そして、第2の回数が経過した後は、次に大当たりとなるまで通常モードが継続する構成としてもよい。このように構成することで、通常状態において第1の回数(500回)連続して外れとなった場合に、第2の回数に渡って有利な状態が設定されるので、所謂大ハマりが発生した場合に対する救済を図る(所謂天井を設ける)ことができる。よって、通常状態において多くの回数外れが連続したとしても、有利な状態に近付いていると思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
<第3実施形態>
次に、図81から図87を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、大当たり中にV入賞スイッチ65e3を通過した場合に、その大当たりの終了後に100回の特別図柄の確変状態が付与されるパチンコ機10を前提として、遊技状態が通常状態となってから実行された特別図柄の抽選回数に応じて不利な通常モードと有利なチャンスモードAとを切り替える構成としていた。
これに対して本第3実施形態では、上記各実施形態の可変入賞装置65と同一の構造を有し、小当たり遊技中に開放される小当たり用可変入賞装置65bを設ける構成としている。そして、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に加え、特別図柄の抽選で小当たりとなり、小当たり用可変入賞装置65b内のV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合にも大当たりが開始される仕様のパチンコ機10(所謂、一種二種混合機)を前提としている。より具体的には、遊技状態として時短状態、および通常状態の二種類のみが設けられ、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選が実行された場合に小当たりとなる確率を高くしておくことにより、時短状態中にV入賞スイッチ65e3を球が通過し易い(大当たりとなり易い)構成としている。また、通常状態に比べ、時短状態中に大当たりとなった場合に、その大当たりの終了後における時短状態の設定割合が高くなる構成としている。この仕様において、本第3実施形態では、時短状態中に当選した大当たり後に、時短状態が設定されなかった(通常状態が設定された)場合に、通常モードと、チャンスモードAとを切り替える構成としている。これにより、有利な時短状態が終了してしまったとしても、その後に設定される通常状態において、チャンスモードAが設定されるので、チャンスモードA中に大当たりを引き戻すことを期待して、チャンスモードが終了するまで遊技を継続させることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13において、可変入賞装置65に代えて、小当たり用可変入賞装置65bを設けている点、第1入球口64に対して正面視左下に、第2可変入賞装置650が設けられている点、主制御装置110に設けられたROM202の内容が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたRAM203の内容が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図81を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図81に示した通り本実施形態のパチンコ機10では、第2入球口640に対して正面視右上に、小当たり用可変入賞装置65bが配設されている。この可変入賞装置65bは、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に開放される。この小当たり用可変入賞装置65bの構造は、第1実施形態における可変入賞装置65と同一となっており、その内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とが設けられている。本実施形態では、小当たり中に特別排出流路65e2に設けられたV入賞スイッチ65e3を通過することにより、その小当たりが終了した後で大当たりが開始される構成としている。即ち、特別図柄の抽選で大当たりに当選する場合に加え、小当たりとなった場合にも大当たりとなるチャンスが与えられるので、小当たりとなった場合に遊技者の興趣を向上させることができる。
遊技盤13において、第1入球口64に対して正面視左下に、第2可変入賞装置650が配設されている。この第2可変入賞装置650は、大当たりとなった場合に、通常時は閉鎖されている第2特定入賞口650aが開放されることで球が入球可能となり、球が1個入球する毎に15球の賞球を払い出す入賞口となっている。即ち、本第3実施形態では、大当たりとなった場合に特定入賞口65aに代えて、第2特定入賞口650aが開放される構成としている。そして、第2特定入賞口650aは、小当たりとなった場合に、小当たり種別に応じて定められた開閉パターンに従って開放される構成としている。これにより、大当たりとなった場合には、第2特定入賞口650aを狙って左打ちを行わせることができるので、時短状態が付与されない大当たりとなった場合に、大当たり中に第2入球口640へと球が入球する(第2特別図柄の抽選が保留される)ことを抑制することができる。
<第3実施形態における電気的構成について>
次に、図82から図84を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の主制御装置110に設けられたROM202、およびRAM203の構成について説明する。図82(a)は、本第3実施形態におけるパチンコ機10のROM202の構成を示したブロック図である。
図82(a)に示した通り、第3実施形態におけるROM202には、第2実施形態におけるROM202の構成に対して、小当たり種別選択テーブル202eが追加されている点で相違する。また、詳細については後述するが、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、および変動パターンシナリオテーブル202fの内容が、第2実施形態から変更となっている。
まず、図82(b)を参照して、本第3実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図82(b)に示した通り、本実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、特別図柄の大当たりと判定される判定値(乱数値)として、「0」のみが規定されている。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る300個のカウンタ値のうち、大当たりとなるカウンタ値(乱数値)が1個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/300である。上述した通り、本第3実施形態では、遊技状態として時短状態、および通常状態のみが設けられており、大当たりは常に一定の抽選確率(1/300)で抽選される。
また、第1当たり乱数テーブル202aには、第2特別図柄の抽選で小当たりと判定される判定値(乱数値)として、「1〜299」が規定されている。このため、第2特別図柄の抽選が実行されると、大当たり(1/300)、または小当たり(299/300)となる。小当たりにおいて小当たり用入賞口65cへと球が入球し、その球が特別排出流路65e2の下流に設けられたV入賞スイッチ65e3を通過すると、小当たりの終了後に大当たりが開始される。つまり、第2特別図柄の抽選が実行されると、直接大当たりの抽選結果となるか、V入賞スイッチ65e3を通過させるチャンスである小当たりとなるので、小当たりが抽選されない第1特別図柄の抽選に比較して遊技者に有利となる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態では、小当たりの5%で選択される「小当たりE」になった場合に、球が特別排出流路65e2へと入球し易い開閉パターンが設定される。
次に、図82(c)を参照して、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図82(c)は、本第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図82(c)に示した通り、本実施形態の第1当たり種別選択テーブル202bには、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る3種類の大当たり種別(大当たりG〜I)と、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を通過したことに基づいて、小当たり後に開始され得る3種類の大当たり種別(大当たりJ〜L)とが設けられている。
図82(c)に示した通り、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る3種類の大当たり種別のうち、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりG」が対応付けられている。この「大当たりG」は、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後に時短状態が100回付与される大当たり種別(時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりG」に対応する乱数値(カウンタ値)が50個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG」が決定される割合は50%(50/100)である。時短状態になると、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、「大当たりG」になると、遊技者にとって有利となる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、「大当たりH」が対応付けられている。この「大当たりH」は、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後に通常状態が設定される(時短状態が付与されない)大当たり種別(通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりH」に対応する乱数値(カウンタ値)が30個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりH」が決定される割合は30%(30/100)である。大当たり後に時短状態よりも不利な通常状態が設定されるので、「大当たりH」は、「大当たりG」よりも不利な大当たり種別である。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、「大当たりI」が対応付けられている。この「大当たりI」は、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に応じて、大当たり終了後に設定される遊技状態が可変する大当たり種別(特殊大当たり)である。より具体的には、「大当たりI」に当選した時点の遊技状態が通常状態であれば、大当たり終了後も通常状態が設定され、「大当たりI」に当選した時点の遊技状態が時短状態であれば、大当たり終了後に100回の時短状態が設定される。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりI」に対応する乱数値(カウンタ値)が20個なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりI」が決定される割合は20%(20/100)である。通常状態では、「大当たりI」になると、時短状態が付与されない上に、ラウンド数も全大当たり種別中最も少ないので、遊技者にとって最も不利となる。一方で、時短状態中に「大当たりI」になると、ラウンド数は少ないものの、時短状態中に再度大当たりとなる可能性が高いので、時短状態が付与されない「大当たりH」(および「大当たりK」)に比べて遊技者に有利となる。
一方、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合に決定され得る3種類の大当たり種別のうち、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりJ」が対応付けられている。この「大当たりJ」は、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後に時短状態が100回付与される大当たり種別(時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりJ」に対応する乱数値(カウンタ値)が50個なので、球が小当たり中にV入賞スイッチ65e3を通過した場合に「大当たりJ」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりJ」は、ラウンド数が最も多く、且つ、有利な時短状態が付与されるので、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜79」の範囲には、「大当たりK」が対応付けられている。この「大当たりK」は、ラウンド数が16ラウンドで、大当たり終了後に通常状態が設定される(時短状態が付与されない)大当たり種別(通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりK」に対応する乱数値(カウンタ値)が30個なので、球が小当たり中にV入賞スイッチ65e3を通過した場合に「大当たりK」が決定される割合は30%(30/100)である。ラウンド数が多く、賞球面では最も有利となるが、大当たり後に通常状態が設定されるので、大当たり後の状態は不利となる。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲には、「大当たりL」が対応付けられている。この「大当たりL」は、ラウンド数が4ラウンドで、大当たり当選時の遊技状態に応じて、大当たり終了後に設定される遊技状態が可変する大当たり種別(特殊大当たり)である。なお、当選時の遊技状態と、大当たり後の遊技状態との対応関係は上述した「大当たりI」と共通である。第1当たり種別カウンタC2が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりL」に対応する乱数値(カウンタ値)が20個なので、球が小当たり中にV入賞スイッチ65e3を通過した場合に「大当たりL」が決定される割合は20%(20/100)である。通常状態では、「大当たりI」になると、時短状態が付与されない上に、ラウンド数も全大当たり種別中最も少ないので、遊技者にとって最も不利となる。一方で、時短状態中に「大当たりI」になると、ラウンド数は少ないものの、時短状態中に再度大当たりとなる可能性が高いので、時短状態が付与されない「大当たりH」や「大当たりK」に比べて遊技者に有利となる。
なお、V入賞スイッチ65e3を球が通過するのは、基本的に時短状態中のみである。即ち、右打ちで第2入球口640に球が入球したことに基づいて実行される第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合のみである。よって、V入賞スイッチ65e3を球が通過したことにより大当たりとなった場合には、基本的に「大当たりJ,L」となることで、大当たり後に時短状態が付与される。即ち、時短状態中にV入賞スイッチ65e3を通過した場合には、70%の割合で再度時短状態に突入する。よって、一旦時短状態に移行すると、大当たりと時短状態とが繰り返され易くなるので、遊技者にとって極めて有利となる。
また、通常状態では、基本的に、V入賞スイッチ65e3を球が通過して大当たりになることはない。しかしながら、通常状態で故意に右打ちを行うことにより第2特別図柄の抽選を行わせ、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過することを期待する変則的な遊技方法を実行される可能性がある。そこで、本実施形態では、通常状態において「大当たりL」となった場合に、時短状態が付与されない構成とすることで、大当たりとなった場合に時短状態が付与される割合が50%となる(通常状態において特別図柄の抽選で大当たりになった場合と同一にする)構成としている。このように構成することで、右打ちにより大当たりになったとしても、時短状態が付与される期待度が左打ちを行った場合と変わらないので、通常状態において右打ちを行うメリットを少なくできる。よって、通常状態でも右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
なお、本実施形態では、「大当たりL」のみを遊技状態に応じて時短状態が付与されるか否か可変する特殊大当たりとして構成しているが、「大当たりJ」も特殊大当たりとしてもよい。即ち、通常状態でV入賞スイッチ65e3を通過することにより大当たりとなった場合には、必ず大当たり後に通常状態が設定される構成としてもよい。このように構成することで、常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止効果をより高めることができる。
このように、本第3実施形態では、通常状態で実行された特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、「大当たりG」の場合にのみ有利な時短状態が付与され、「大当たりH」、または「大当たりI」となった場合には、通常状態が設定される。よって、通常状態で大当たりとなった場合に時短状態が付与される割合は50%である。時短状態になると、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる上に、第2特別図柄の抽選では約1/20の確率で、球が特別排出流路65e2へと入球容易な開閉パターンが設定される小当たり種別(小当たりE)となる。よって、100回の時短状態中に、右打ちにより第2入球口640を狙って球を打ち出していれば、高確率で再度大当たりとなる極めて有利な状態を形成することができる。
また、時短状態で実行された特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、「大当たりG」に加え、「大当たりI」となった場合にも、大当たりの終了後に時短状態が付与される。即ち、時短状態中に特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、70%の割合で時短状態が付与される。即ち、時短状態では、特別図柄の抽選で大当たりになっても、V入賞スイッチ65e3を通過することにより大当たりとなっても、70%の割合で時短状態が付与される。よって、一旦時短状態になると、大当たりと時短状態とが高確率(約70%)で繰り返されるので、遊技者にとって極めて有利となる。
次に、図83(a)を参照して、本第3実施形態における小当たり種別選択テーブル202eの詳細について説明する。この第3実施形態における小当たり種別選択テーブル202eには、小当たり種別カウンタC5の値の範囲毎に、小当たり種別が対応付けられて規定されている。
より具体的には、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜94」の範囲には、「小当たりD」が対応付けられている。この「小当たりD」は、上記第1実施形態における「大当たりC,D」の1ラウンド目(図7の中段参照)と同様に、小当たり用入賞口65cが短時間(0.2秒)しか開放されない開閉パターンが設定されるので、小当たり用入賞口65cへと入球し難い(V入賞スイッチ65e3を球が通過し難い)不利な小当たり種別である。流路ソレノイド65kも、第1実施形態等における大当たりの1ラウンド目と同一の動作(図7の上段参照)を行うので、0.2秒の開放期間の間に球を小当たり用入賞口65cへと入球させることができれば、特別排出流路65e2へと球を流下させることができる。即ち、V入賞スイッチ65eを球が通過することにより、小当たり後に大当たりが開始される。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりD」に対応する乱数値(カウンタ値)は95個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりD」となる割合は95%(95/100)である。
小当たり種別カウンタC5の値が「95〜99」の範囲には、「小当たりE」が対応付けられている。この「小当たりE」は、上記第1実施形態における「大当たりA」等の1ラウンド目(図7の下段参照)と同様に、小当たり用入賞口65cの開放期間と流路ソレノイド65kのオン期間(特別排出流路65e2の開放期間)とが一致する開閉パターンが設定されるので、小当たり用入賞口65cへと入球し易い(V入賞スイッチ65e3を球が通過し易い)有利な小当たり種別である。小当たり中にV入賞スイッチ65eを球が通過することにより、小当たり後に大当たりが開始される。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりE」に対応する乱数値(カウンタ値)は5個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、「小当たりE」となる割合は5%(5/100)である。
第2特別図柄の抽選が実行されると、299/300の確率で小当たりとなる。そして、小当たりとなった場合の5%(1/20)で球がV入賞スイッチ65e3を通過し易い「小当たりE」となる。よって、100回の時短状態中に右打ちを行っていれば、99%以上の確率で、特別図柄の抽選で大当たりとなるか、時短回数内で少なくとも1回「小当たりE」となる(第2特別図柄の抽選で100回連続「小当たりD」となる確率は0.42%)。よって、時短状態になると、99%以上の確率で大当たりとなるため、一旦時短状態になると、特別図柄の抽選で「大当たりH」(振り分け30%)となるか、V入賞スイッチ65e3を通過した場合に「大当たりK」(振り分け30%)となり、大当たり後に通常状態が設定されるまで、大当たりと時短状態とが繰り返される。即ち、大当たりと時短状態とが約70%の確率で繰り返される極めて有利な状態となる。
次に、図83(b)を参照して、変動パターンシナリオテーブル202fの詳細について説明する。図83(b)は、本第3実施形態における変動パターンシナリオテーブル202fの規定内容を模式的に示した模式図である。この変動パターンシナリオテーブル202fは、第2実施形態における変動パターンシナリオテーブル202fと同様に、前回の大当たり種別毎の変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである。
まず、前回の大当たり種別が大当たりK(16ラウンド通常大当たり)の場合に設定される変動パターンシナリオについて説明する。この大当たりKは、上述した通り、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過したことに基づいて、小当たり終了後に開始される大当たり種別の一つであり、大当たり後に通常状態が設定される。上述した通り、V入賞スイッチ65e3を球が通過して大当たりとなるのは、基本的に時短状態中である。よって、大当たりKは、大当たりと時短状態とが繰り返され易い有利な状態が終了し、不利な通常状態に戻る契機となる大当たりである。
図83(b)に示した通り、大当たり種別が大当たりKの場合に、その大当たりKの終了時に設定される変動パターンシナリオのうち、特別図柄の抽選回数が1回〜25回の範囲には、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。これにより、大当たりKが終了した直後は、第2特別図柄の抽選が実行され難い不利な状態(通常モード)が設定される。
また、特別図柄の抽選回数が26回〜35回の範囲には、変動パターンテーブルとしてチャンスA用テーブル202d3(図16(b)参照)が対応付けられている。このため、大当たりKが終了してから25回の特別図柄の抽選に渡って、連続して外れになると、その後10回の特別図柄の抽選に渡って、第2特別図柄の抽選が実行され易い(第2特別図柄の変動時間が第1特別図柄の変動時間よりも短い)状態となる(チャンスモードAになる)。このため、チャンスモードAが設定されている間、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行うことにより、小当たりに当選し易くなる。よって、チャンスモードAでは、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過する可能性が高くなるので、大当たりとなり易い有利な状態となる。なお、上述した通り、特別排出流路65e2へと球が流下し易い開閉パターンが設定される小当たりEは、小当たりとなった場合に5%(1/20)の割合で選択される。よって、チャンスモードAでは、右打ちを実行し続けるだけで、約1/20の確率で大当たりとなる。チャンスモードAにおいて実行される最大10回の特別図柄の抽選が、全て小当たりD(特別排出流路65e2へ球が流下し難い小当たり種別)となる割合は、特別図柄の抽選で小当たりとなる確率(1/300)に、小当たりDとなる確率(19/20)を乗じた値の10乗となる(約57.9%)。よって、1回のチャンスモードAで大当たりとなる割合(期待度)は、約42.1%となるので、チャンスモードAへと移行した場合に、遊技者に対して大当たりに対する期待感を高めることができる。なお、チャンスモードAは、遊技状態としては通常状態の一種なので、特殊大当たり(大当たりI,L)となった場合には、その大当たり後に通常状態が設定される。即ち、大当たりとなる期待度は高くなるが、大当たりとなった場合に時短状態が付与される期待度は通常モードと同一の50%となる。
特別図柄の抽選回数が31回以降には、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。このため、チャンスモードAが終了すると、以降は大当たりとなるまで、遊技者にとって不利な通常モードとなる。
このように、遊技者にとって極めて有利な時短状態が終了するメインの契機である大当たりKになると、その大当たりKの終了後、特別図柄の抽選が25回実行されることで大当たりの期待度が高いチャンスモードAへと移行する構成としている。このように構成することで、遊技者に有利な時短状態が終了して通常状態に移行してしまったとしても、その後に設定されるチャンスモードAで大当たりとなり、再度時短状態が設定されることを期待して、少なくともチャンスモードAが終了するまで遊技を継続させることができる。よって、有利な時短状態が終了した直後に遊技者が遊技を辞めてしまうことを防止(抑制)できるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
これに対し、大当たり種別が大当たりK以外(大当たりG〜J,L)であり、大当たり後の遊技状態として時短状態が設定された場合(時短大当たりとなった場合、または、時短状態中に特殊大当たりとなった場合)は、特別図柄の変動回数が1回〜100回の範囲(即ち、普通図柄の時短状態となる抽選回数)には、変動パターンテーブルとして連荘・チャンスB用テーブル202d2(図16(a)参照)が対応付けられている。これにより、時短状態中は、第2特別図柄の変動時間が通常モードよりも短くなり、第2特別図柄の抽選が実行され易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、特別図柄の抽選回数が100回を超えると、時短状態から通常状態に戻るので、特別図柄の抽選回数として100回以降に対しては、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。これにより、通常状態に移行した後は、第2特別図柄の抽選が極めて実行され難くなるので(変動時間が10分の超ロング変動になる)、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることができる。
大当たり種別が大当たりK以外(大当たりG〜J,L)であり、且つ、大当たり後の遊技状態として通常状態が設定された(時短状態が付与されなかった)場合(大当たりHとなった場合、または、通常状態中に特殊大当たりとなった場合)は、特別図柄の抽選回数に拠らず、変動パターンテーブルとして通常用テーブル202d1(図15(b)参照)が対応付けられている。よって、大当たり後は特別図柄の抽選回数に拠らず、第2特別図柄の抽選が実行され難くなるので、左打ちにより第1特別図柄の抽選を実行させることができる。
このように、本第3実施形態では、遊技者にとって有利な時短状態において大当たりKとなることで、遊技者に不利な通常状態へと移行してしまった場合に、特定回数の特別図柄の抽選が実行されることで、比較的遊技者に有利なチャンスモードAへと移行する構成としている。このチャンスモードAでは、第2特別図柄の抽選が実行され易くなり、小当たりに当選して球を特別排出流路65e2へと流下させ易くなるので、大当たりとなる期待度が高くなる。よって、有利な時短状態が終了してしまった場合でも、最低限、チャンスモードAが終了するまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。即ち、最も有利な状態が終了してしまった場合における遊技者の遊技意欲が低下してしまうことを防止(抑制)することができる。
なお、本第3実施形態では、チャンスモードAにおいて特殊大当たりとなった場合に、その特殊大当たり後の遊技状態を通常状態に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常モードで特殊大当たりとなった場合には、通常状態を設定し、時短状態、およびチャンスモードAで特殊大当たりとなった場合には、時短状態を設定する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスモードAで大当たりとなった場合における時短状態の期待度を時短状態中の大当たりと同等にすることができるので、チャンスモードAに対する遊技者の期待感をより高めることができる。よって、遊技者の遊技意欲をより向上させることができる。
本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技状態やモードに関係なく5%の割合でV入賞スイッチ65e3を球が通過し易くなる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、通常モードでは、小当たりになった場合にV入賞スイッチ65eを通過し難い開閉パターンが設定され易くなるように構成してもよい。より具体的には、例えば、通常モードで小当たりとなった場合に、小当たりDのみが決定される構成としてもよいし、小当たり種別の振り分けは変えずに、小当たりEとなった場合の小当たり用入賞口65cの開閉パターンを、通常モード時は小当たりDと共通(V入賞スイッチ65e3を通過し難い開閉パターン)にしてもよい。このように構成することで、通常モード中に常時右打ちを実行しても、V入賞スイッチ65e3に球を通過させることが困難となるので、通常モード中に右打ちを実行するメリットを低減することができる。よって、通常モード中に右打ちを行う変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。
本第3実施形態では、大当たりKの終了後、特別図柄の抽選回数が26回〜35回の範囲になると、チャンスモードAとなる構成としているが、チャンスモードAに移行する抽選回数、およびチャンスモードAが継続する抽選回数は任意に定めてもよい。具体的には、例えば、特別図柄の抽選回数が91回〜100回の範囲でチャンスモードAとなる構成としてもよい。このように構成することで、大当たりKが終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで遊技を継続しようと思わせることができる。また、特別図柄の抽選回数が26回〜30回の範囲でチャンスモードAとなる構成としてもよい。チャンスモードAとなる回数を減らすことで、時短状態が終了した後のチャンスモードAで、大当たりとなり、時短状態を引き戻す割合を低減できるので、パチンコ機10の射幸性を低減することができる。また、逆に、チャンスモードAとなる抽選回数を増加させる構成としてもよい。チャンスモードAとなる抽選回数が多くなれば、チャンスモードAにおいて大当たりとなる期待度も高くなるので、時短状態が終了した場合に、より確実にチャンスモードAが終了するまで遊技を継続させることができる。
本第3実施形態では、大当たりKが終了した後にのみチャンスモードAへ移行する構成としているが、他の大当たりとなった場合にも、チャンスモードAへと移行する構成としてもよい。例えば、大当たりHとなった場合にも、チャンスモードAへと移行する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態において通常大当たり(大当たりH,K)となり、通常状態が設定された場合に、特定回数(例えば、25回)の特別図柄の抽選が実行されるとチャンスモードAへと移行するので、時短状態が終了し、通常モードへと移行した場合における遊技者の遊技意欲が低下することを、より確実に防止(抑制)することができる。この場合において、通常状態で大当たりHとなった場合には、チャンスモードAが付与される変動パターンシナリオを設定せず、時短状態中に大当たりHとなった場合にのみチャンスモードAが付与される変動パターンシナリオを設定する構成としてもよい。これにより、時短状態が終了した後に設定された通常状態以外の通常状態の有利度合いを変えずに、時短状態が終了した後の通常状態のみ、有利にすることができる。
本第3実施形態では、大当たりKとなった時点の遊技状態に関係なく、チャンスモードAが設定される変動パターンシナリオが設定される構成としたが、これに限られるものではなく、大当たりKに当選した時点の遊技状態やモードに応じて設定されるシナリオを異ならせてもよい。より具体的には、例えば、通常モードにおいて右打ちにより大当たりKに当選した場合は、回数に拠らず通常用テーブル202d1が参照される変動パターンシナリオを設定し、時短状態やチャンスモードAで大当たりKとなった場合には、チャンスモードAが設定される変動パターンシナリオを設定する構成としてもよい。このように構成することで、通常モード中に右打ちを行った場合のメリットを低減することができるので、常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
本実施形態では、大当たり後にチャンスモードAへと移行する抽選回数が1通りのみ設けられていたが、これに限られるものではなく、チャンスモードAへと移行する抽選回数が異なる複数種類の変動パターンシナリオを設ける構成としてもよい。より具体的には、V入賞スイッチ65e3を球が通過することで開始される大当たり種別として、複数の通常大当たり(大当たりK1,K2,・・・)を設ける構成とし、通常大当たりの種別毎にチャンスモードAへ移行する抽選回数が異なる変動パターンシナリオを設定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たりK1は25回、大当たりK2は50回、大当たりK3は75回・・・のように、チャンスモードAへと移行する抽選回数を25回ずつ異ならせてもよい。このように構成することで、いつチャンスモードAへと移行するのかを遊技者に識別され難くできる。
本実施形態では、大当たり後にチャンスモードAが設定される変動パターンシナリオが設定された場合には、1回のみチャンスモードAが設定される構成としていたが、チャンスモードAを複数回設定する構成としてもよい。具体的には、例えば、大当たりKが終了後、26回〜35回の範囲と、101回〜105回の範囲と、1000回〜2000回の範囲とでチャンスモードAが設定される構成としてもよい。これにより、大当たりに当選せずに1回目のチャンスモードAが終了した後も、2回目のチャンスモードAとなるまで遊技を継続しようと思わせることができる。また、大ハマりが発生した場合にも、3回目のチャンスモードAとなるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図84を参照して、本第3実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の詳細について説明する。図84は、本第3実施形態におけるRAM203の構成を示すブロック図である。
図84に示した通り、本第3実施形態におけるRAM203は、第2実施形態におけるRAM203の構成(図77参照)に対して、確変カウンタ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、確変有効フラグ203o、および確変有効タイマ203pが削除されていると共に、大当たり開始フラグ203ad、V通過カウンタ203ae、V通過有効フラグ203af、V通過有効タイマ203ag、当選時状態格納エリア203ahが追加されている。
大当たり開始フラグ203adは、小当たり後に大当たりが開始されるかを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203adがオンであれば、小当たりの終了時に大当たりの開始が設定され(図87のS2512参照)、オフであればそのまま小当たりが終了される。この大当たり開始フラグ203adは、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合にオンに設定される。また、小当たりの終了時にオフに設定される(図87のS2510参照)。
V通過カウンタ203ae、V通過有効フラグ203af、およびV通過有効タイマ203agは、それぞれ第2実施形態における確変通過カウンタ203i、確変有効フラグ203o、および確変有効タイマ203pに対応する。これらの内容は、小当たり中に参照または更新される点を除き、第2実施形態における確変通過カウンタ203i、確変有効フラグ203o、および確変有効タイマ203pとそれぞれ同一である。即ち、小当たり中にV入賞スイッチ65e3を通過した球の個数がV通過カウンタ203aeによりカウントされる。また、V通過有効フラグ203afは、V入賞スイッチ65e3の通過が有効か否かを判定するために用いられる。更に、V通過有効タイマ203agによって、流路ソレノイド203kがオフに設定された後の、V入賞スイッチ65e3の通過が有効な期間が設定される。
当選時状態格納エリア203ahは、大当たりに当選した時点における遊技状態が時短状態であるか否かを示す情報を格納するための記憶領域である。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短状態であれば(時短中カウンタ203rの値が1以上であれば)、この当選時状態格納エリア203ahに、時短状態を示す情報として「01H」が格納される。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が通常状態であれば(時短中カウンタ203rの値が0であれば)、この当選時状態格納エリア203ahに、通常状態を示す情報として「00H」が格納される。この当選時状態格納エリア203ahに格納された情報は、大当たりの終了時まで保持され、特殊大当たりが終了した後の遊技状態を設定する際に参照される(図86のS2223参照)。即ち、特殊大当たりの終了時に、当選時の遊技状態が時短状態であることを示す「01H」が当選時格納エリア203ahに格納されていれば、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定され、当選時の遊技状態が通常状態であることを示す「00H」が当選時格納エリア203ahに格納されていれば、大当たり終了後の遊技状態として通常状態が設定される。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図85から図87を参照して、第3実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、図85は、第2実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図47参照)に代えて実行される大当たり制御処理4(S2021)を示すフローチャートである。
この第3実施形態における大当たり制御処理4は、大当たりのラウンド毎に第2特定入賞口650aを開放または閉鎖するための処理である。この大当たり制御処理4(S2021)のうち、S2101,S2102,S2104〜S2111の各処理では、それぞれ第2実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図47参照)のS2101,S2102,S2104〜S2111の各処理と同一の処理が実行される。一方、大当たり制御処理4(S2021)では、第2実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図47参照)のS2103,S2112、およびS2113の各処理が削除されている。これらの処理は、小当たり用可変入賞装置65bにおける流路ソレノイド65kの動作や、V入賞スイッチ65e3の監視等を実行ための処理であり、大当たり中に第2可変入賞装置650が作動する本第3実施形態では、不要な処理だからである。
また、本第3実施形態における大当たり制御処理4(図85参照)では、S2111の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別された場合に(S2111:Yes)、第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)に代えて、大当たり終了処理4を実行し(S2131)、本処理を終了する。この大当たり終了処理4(S2131)の詳細について、図86を参照して説明する。
図86は、大当たり終了処理4(S2131)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理4(S2131)は、第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)と同様に、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この第3実施形態における大当たり終了処理4(図86参照)のうち、S2204、およびS2211〜S2213の各処理では、それぞれ第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)のS2204、およびS2211〜S2213の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における大当たり終了処理4(図86参照)が開始されると、まず、今回の大当たり種別が時短大当たり(即ち、大当たりG,J)であるかが判別され(S2221)、時短大当たりであれば(S2221:Yes)、処理をS2204へと移行して時短中カウンタ203rの値に101を設定することにより、大当たり後、101回目の特別図柄の抽選が実行される直前まで時短状態が付与されるように設定する(S2204)。一方、S2221の処理において、時短大当たりでないと判別した場合は(S2221:No)、次いで、今回の大当たり種別が特殊大当たり(大当たりI,L)であるかを判別する(S2222)。S2222の処理において、今回の大当たりが特殊大当たりであると判別した場合は(S2222:Yes)、当選時状態格納エリア203ahから、大当たりに当選した時点における遊技状態に対応する情報を読み出し(S2223)、当選時の遊技状態が時短状態であったかを判別する(S2224)。
S2224の処理において、当選時の遊技状態が時短状態であると判別した場合は(S2224:Yes)、大当たり後の遊技状態を時短状態に設定するために処理をS2204へと移行する。一方、S2224の処理において、当選時の遊技状態が時短状態でない(即ち、通常状態である)と判別した場合は(S2224:No)、時短状態を設定せずに、処理をS2225へと移行する。また、S2222の処理において、今回の大当たり種別が特殊大当たりでないと判別した場合にも(S2222:No)、今回の大当たりが通常大当たりであり、時短中カウンタの値を設定する必要が無いので、処理をS2225へと移行する。
S2225の処理では、時短中カウンタ203rの値に応じた遊技状態を音声ランプ制御装置113へ通知するための状態コマンドを設定し(S2225)、大当たり中フラグ203vをオフに設定して(S2226)、S2211の処理へ移行する。この大当たり制御処理4(図86参照)を実行することにより、大当たりに当選した時点における遊技状態と、大当たり種別とに応じて時短状態を正確に設定することができる。
次に、図87を参照して、第2実施形態(および第1実施形態)における小当たり制御処理(図51参照)に代えて実行される小当たり制御処理4(S2022)の詳細について説明する。図87は、この小当たり制御処理4(S2022)を示すフローチャートである。
この小当たり制御処理4(図87参照)のうち、S2501〜S2510の各処理では、それぞれ第2実施形態(および第1実施形態)における小当たり制御処理(図51参照)のS2501〜S2510の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における小当たり制御処理4(図87参照)では、S2509の処理において、小当たりの終了タイミングであると判別した場合に(S2509:Yes)、大当たり開始フラグ203adがオンであるかを判別し(S2511)、オンであると判別した場合は(S2511:Yes)、大当たりの開始を設定する(S2512)。この設定時に時短中カウンタ203rの値から当選時状態格納エリア203ahに対して当選時の遊技状態に対応する情報を格納する。次いで、時短中カウンタ203rの値を0にリセットして(S2513)、処理をS2510へと移行する。
一方、S2511の処理において、大当たり開始フラグ203adがオンでない(即ち、オフである)と判別した場合は(S2511:No)、S2512、およびS2513の処理をスキップして、処理をS2510へと移行する。
また、第3実施形態における小当たり制御処理4(図87参照)では、S2509の処理において、小当たりの終了タイミングでないと判別されると(S2509:No)、入賞処理(S2514)、および異常処理(S2515)がそれぞれ実行される。これらの各処理は、第2実施形態(および第1実施形態)における入賞処理(図49参照)、および異常処理(図50参照)と同様の処理であるので、簡略化して説明するが、入賞処理が実行(S2514)されると、有効期間であるか否か、およびV入賞スイッチ65e3に対する球の通過有無が監視され、有効期間中にV入賞スイッチ65e3を球が通過したと判別した場合に、大当たり開始フラグ203adがオンに設定される。これにより、小当たりの終了時に大当たり開始フラグ203adの状態を参照して、オンの場合にのみ大当たりの開始を設定することができる。
また、異常処理(S2515)では、小当たり用入賞口65cへと入球した球の個数と、通常排出流路65e1、および特別排出流路65e3を介して外部へと排出された球の個数とを比較して、小当たり用可変入賞装置65bの内部へ入球した全ての球が正常に排出されたかを判別する処理が実行され、入球個数と排出個数とが不一致の場合にエラーが報知される。これにより、小当たり用可変入賞装置65bの内部で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期にホールの店員等へと報知することができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、遊技状態として不利な通常状態と、有利な時短状態との2種類のみが設けられたパチンコ機10を前提としている。本第3実施形態では、有利な時短状態で大当たりKとなり、不利な通常状態へと移行することが確定した場合に、第1の回数(25回)の特別図柄の抽選が実行されることで、通常モードから比較的有利なチャンスモードAへと移行する構成としている。このチャンスモードAは、第2の回数(10回)の特別図柄の抽選に渡って継続し、第2の回数の特別図柄の抽選が実行される間に大当たりとならなかった場合には、再び不利な通常モードへと移行する構成としている。これにより、有利な時短状態から、不利な通常状態へと移行してしまった場合でも、その後に移行するチャンスモードAを期待して遊技を継続させることができる。よって、有利な時短状態が終了した時点で、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止し、少なくともチャンスモードAが終了するまで、遊技者の遊技意欲を維持することができる。
なお、本第3実施形態では、チャンスモードAにおいて特殊大当たりとなった場合に、その特殊大当たり後の遊技状態を通常状態に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常モードで特殊大当たりとなった場合には、通常状態を設定し、時短状態、およびチャンスモードAで特殊大当たりとなった場合には、時短状態を設定する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスモードAで大当たりとなった場合における時短状態の期待度を時短状態中の大当たりと同等にすることができるので、チャンスモードAに対する遊技者の期待感をより高めることができる。よって、遊技者の遊技意欲をより向上させることができる。
本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技状態やモードに関係なく5%の割合でV入賞スイッチ65e3を球が通過し易くなる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、通常モードでは、小当たりになった場合にV入賞スイッチ65eを通過し難い開閉パターンが設定され易くなるように構成してもよい。より具体的には、例えば、通常モードで小当たりとなった場合に、小当たりDのみが決定される構成としてもよいし、小当たり種別の振り分けは変えずに、小当たりEとなった場合の小当たり用入賞口65cの開閉パターンを、通常モード時は小当たりDと共通(V入賞スイッチ65e3を通過し難い開閉パターン)にしてもよい。このように構成することで、通常モード中に常時右打ちを実行しても、V入賞スイッチ65e3に球を通過させることが困難となるので、通常モード中に右打ちを実行するメリットを低減することができる。よって、通常モード中に右打ちを行う変則的な遊技方法を防止(抑制)することができる。
本第3実施形態では、大当たりKの終了後、特別図柄の抽選回数が26回〜35回の範囲になると、チャンスモードAとなる構成としているが、チャンスモードAに移行する抽選回数、およびチャンスモードAが継続する抽選回数は任意に定めてもよい。具体的には、例えば、特別図柄の抽選回数が91回〜100回の範囲でチャンスモードAとなる構成としてもよい。このように構成することで、大当たりKが終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまで遊技を継続しようと思わせることができる。また、特別図柄の抽選回数が26回〜30回の範囲でチャンスモードAとなる構成としてもよい。チャンスモードAとなる回数を減らすことで、時短状態が終了した後のチャンスモードAで、大当たりとなり、時短状態を引き戻す割合を低減できるので、パチンコ機10の射幸性を低減することができる。また、逆に、チャンスモードAとなる抽選回数を増加させる構成としてもよい。チャンスモードAとなる抽選回数が多くなれば、チャンスモードAにおいて大当たりとなる期待度も高くなるので、時短状態が終了した場合に、より確実にチャンスモードAが終了するまで遊技を継続させることができる。
本第3実施形態では、大当たりKが終了した後にのみチャンスモードAへ移行する構成としているが、他の大当たりとなった場合にも、チャンスモードAへと移行する構成としてもよい。例えば、大当たりHとなった場合にも、チャンスモードAへと移行する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態において通常大当たり(大当たりH,K)となり、通常状態が設定された場合に、特定回数(例えば、25回)の特別図柄の抽選が実行されるとチャンスモードAへと移行するので、時短状態が終了し、通常モードへと移行した場合における遊技者の遊技意欲が低下することを、より確実に防止(抑制)することができる。この場合において、通常状態で大当たりHとなった場合には、チャンスモードAが付与される変動パターンシナリオを設定せず、時短状態中に大当たりHとなった場合にのみチャンスモードAが付与される変動パターンシナリオを設定する構成としてもよい。これにより、時短状態が終了した後に設定された通常状態以外の通常状態の有利度合いを変えずに、時短状態が終了した後の通常状態のみ、有利にすることができる。
本第3実施形態では、大当たりKとなった時点の遊技状態に関係なく、チャンスモードAが設定される変動パターンシナリオが設定される構成としたが、これに限られるものではなく、大当たりKに当選した時点の遊技状態やモードに応じて設定されるシナリオを異ならせてもよい。より具体的には、例えば、通常モードにおいて右打ちにより大当たりKに当選した場合は、回数に拠らず通常用テーブル202d1が参照される変動パターンシナリオを設定し、時短状態やチャンスモードAで大当たりKとなった場合には、チャンスモードAが設定される変動パターンシナリオを設定する構成としてもよい。このように構成することで、通常モード中に右打ちを行った場合のメリットを低減することができるので、常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
本実施形態では、大当たり後にチャンスモードAへと移行する抽選回数が1通りのみ設けられていたが、これに限られるものではなく、チャンスモードAへと移行する抽選回数が異なる複数種類の変動パターンシナリオを設ける構成としてもよい。より具体的には、V入賞スイッチ65e3を球が通過することで開始される大当たり種別として、複数の通常大当たり(大当たりK1,K2,・・・)を設ける構成とし、通常大当たりの種別毎にチャンスモードAへ移行する抽選回数が異なる変動パターンシナリオを設定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たりK1は25回、大当たりK2は50回、大当たりK3は75回・・・のように、チャンスモードAへと移行する抽選回数を25回ずつ異ならせてもよい。このように構成することで、いつチャンスモードAへと移行するのかを遊技者に識別され難くできる。
本実施形態では、大当たり後にチャンスモードAが設定される変動パターンシナリオが設定された場合には、1回のみチャンスモードAが設定される構成としていたが、チャンスモードAを複数回設定する構成としてもよい。具体的には、例えば、上記第2実施形態と同様に、通常用テーブル202d1を参照して変動パターンを決定する状態(通常モード)と、チャンスA用テーブル202d3を参照して変動パターンを決定する状態(チャンスモードA)とを周期的に切り替える構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たりKの終了時に設定される変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数(変動回数カウンタ203abの値)1回〜25回の範囲に、通常用テーブル202d1を対応付けておき、26回〜35回の範囲にチャンスA用テーブル202d3を対応付けておき、36回〜60回の範囲に通常用テーブル202d1を対応付けておき、以降、10回の特別図柄の抽選に対するチャンスA用テーブル202d3と、25回の特別図柄の抽選に対する通常用テーブル202d1とが繰り返されるように構成してもよい。また、複数回チャンスモードAへと移行させる別例として、例えば、大当たりKが終了後、26回〜35回の範囲と、101回〜105回の範囲と、1000回〜2000回の範囲とでチャンスモードAが設定される構成としてもよい。これにより、大当たりに当選せずに1回目のチャンスモードAが終了した後も、2回目のチャンスモードAとなるまで遊技を継続しようと思わせることができる。また、大ハマりが発生した場合にも、3回目のチャンスモードAとなるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、図88から図102を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、左打ちにより球が入球し易い第1入球口64と、右打ちにより球が入球し易い第2入球口640とを設ける構成とし、第2入球口640へと球が入球したことに基づいて実行される第2特別図柄の抽選で大当たりとなった方が、第1入球口64への入球に基づく第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも遊技者に有利となる(大当たり後に確変状態が付与され易くなる)ように構成していた。そして、通常状態では、第2特別図柄の抽選が実行され難い不利な通常モードと、第2特別図柄の抽選が実行され易い有利なチャンスモードAとを、特別図柄の抽選回数に応じて切り替える構成としていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、左打ちにより第1特別図柄の抽選、および第2特別図柄の抽選の両方が実行され易くなり、右打ちにより第2特別図柄の抽選が実行され易くなるように盤面を構成している。加えて、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選条件が成立する毎に、確変状態から通常状態へと転落させるか否かの抽選を実行する制御仕様のパチンコ機10を前提としている。これらの前提の基、第4実施形態におけるパチンコ機10では、確変状態から通常状態へと転落したタイミング(抽選回数)に応じて、有利度合い(第2特別図柄の抽選の実行され易さ)を異ならせる構成としている。より具体的には、確変状態へと移行してから特別図柄の抽選が特定回数実行されるまで、第1特別図柄の抽選が実行され難い変動パターンテーブルを参照するシナリオを設定することで、特定回数の特別図柄の抽選が実行される前に通常状態に転落した場合に、左打ちに戻しても、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる有利な状態を形成する構成としている。このように構成することで、確変状態から通常状態へと早期に転落してしまった場合に対する救済を図ることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13において、第1入球口64に代えて振り分けユニット660が設けられている点、主制御装置110に設けられたROM202の内容が一部変更となっている点、主制御装置110に設けられたRAM203の内容が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される一部処理が第1実施形態におけるパチンコ機10から変更されている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、および表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図88を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13について説明する。図88は、第4実施形態における盤面13の正面図である。図88に示した通り、本第4実施形態では、第2実施形態において第1入球口640が配設されていた位置(可変表示装置ユニット80の下方)に、振り分けユニット660が配設されている点で相違している。詳細については後述するが、この振り分けユニット660は、その上部に設けられた通過口を介して球が入球可能に構成されている。振り分けユニット660の内部には、球が入球することで第1特別図柄の抽選が実行される第1入球口64と、球が入球することで第2特別図柄の抽選が実行される中央第2入球口640cとが設けられており、通過口を介して振り分けユニット660の内部へと入球した球は、これらのいずれかの入球口へと振り分けられる。よって、左打ちにより振り分けユニット660を狙って球を打ち出すことにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを実行させることができる。
ここで、図89を参照して、振り分けユニット660の構成について説明する。図89(a),(b)は、振り分けユニット660の内部の構造を示した図である。実際には、この前面側にカバー体が配置されており、そのカバー体は、内部が透視可能な部材で構成されており、渦巻き状の柄が表面に内部が透視不可能または困難な着色されており、内部が視認し難くなるように構成されている。
図89(a),(b)に示した通り、振り分けユニット660の上部には、球が入球可能な通過口が設けられており、その通過口を球が通過したことを検知可能な透過型の入球センサ660aが配置されている。通過口の下方には、球を第1入球口64、または中央第2入球口640cへと振り分けるための振分部材900が設けられている。振分部材900の正面視左下方向には、第1入球口64が配設され、振分部材900の正面視左下方向には、中央第2入球口640cが配設されている。通過口を通過した球は、振り分け部材900によって、第1入球口64と中央第2入球口640cとに交互に振り分けられる。
振分部材900は、収容部900aまたは900cにより、振り分けユニット660へと入球した球を受け止めることが可能に構成されている。収容部900aで球を受けた場合には、球の重さによって、振り分け部材900全体が、正面視反時計回りに回転する。これにより、収容部900aが、左下方向へと下る向きに傾斜した状態(図89(b)参照)となる結果、振分部材900に対して正面視左下方向に配設されている第1入球口64aへ向かって球が落下する(第1入球口64に球が誘導される)。ここで、振り分け部材900は、正面視時計周り、および反時計回りにそれぞれ約45度回動可能に構成されており、収容部900aと収容部900bとの境界壁には磁石900bが設けられている。
一方、振り分けユニット660の背面側に設けられるベース体には、振り分け部材900が時計回りにも反時計回りにも回動していない状態において、磁石900bが配置される位置の背面側(通過口の中央線上)の位置に、ベース側磁石901が配置されている。振り分け部材900の磁石900bとベース側磁石901とは互いに反発する極性になるように構成されている。詳細には、ベース側磁石901は、ベース体に固定された棒状の磁石で構成されており、先端部に磁極(S極またはN極)が発生するように構成されている。ベース側磁石901は、先端部が振り分け部材900側に向くように配置されて固定されている。
磁石900bもベース側磁石901と同様に棒状で構成された磁石で構成され、先端部がベース側磁石901側に向くように、振り分け部材900に固定されている。振り分け部材900が回動し、収容部900aと収容部900bの境界壁が真上(通過口の遊技球が約1球分入球可能な間隔の中心線上)に来る位置で、ベース側磁石901と振り分け部材900の磁石900bとが最も接近する(先端部同士が向かい合う)位置となる。ここで、互いの磁石は、極性が同じ(例えば、N極とN極)となるように配置されているので反発仕合、振り分け部材900の境界壁が真上を向く位置で停止することが無く、左右どちらかに回動した位置に維持されることとなる。
これにより、振り分け部材900は、磁石900bが通過口の中心線上となる位置(上方となる位置)になると、磁石900bとベース側磁石901とが反発することにより、振り分け部材900が左右どちらかに回転し、収容部900aと収容部900bとのどちらかが、振り分けユニット660に入球してくる球を受ける側(遊技機上方側)を向くようになる。よって、入球した球が収容部900aと収容部900bとの境界壁と当接し、球詰まりが発生してしまうことを防止(抑制)することができる。
また、磁石900bとベース側磁石901とが反発することで、例えば、収容部900aが球を受けて左に約90度回転して、球を第1入球口64aへ誘導した後に、振り分け部材900が右回転する(収容部900aが上方を向く)のを防止することができる。これにより、球を第1入球口64へ誘導した後には、収容部900cが上方を向いた状態となり、次に振り分けユニット660に入球した球を、収容部900cが受ける。収容部90cが球を受けると、受けた球の重さにより振り分け部材900が時計回りに約90度回転して、収容部900cが、正面視右下方向に傾斜する向きに傾いた状態となるので、球が収容部900cから落下して、中央第2入球口640cへと入球する(球が中央第2入球口640cに誘導される)。このように、振り分け部材900は、振り分けユニット660に入球する球を第1入球口64と中央第2入球口640cとに交互に誘導することができるので、第1入球口64と中央第2入球口640cとに球を均等に振り分けて入賞させることができる。これにより、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とを同時並行して実行させることができる。
<第4実施形態における電気的構成について>
次に、図90から図93を参照して、本第4実施形態における主制御装置110に設けられたROM202、およびRAM203の構成について説明する。まず、図90(a)は、本第4実施形態における主制御装置110に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。図90(a)に示した通り、本第4実施形態のROM202では、第2実施形態のROM202の構成に対し、転落抽選テーブル202gが追加されている点で相違する。また、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターンテーブル202d、および変動パターンシナリオテーブル202fの内容が、第2実施形態のROM202から変更となっている。
転落抽選テーブル202gは、特別図柄の確変状態において、確変状態から通常状態へ転落させるか否かの判定(転落抽選)を実行する際に参照されるテーブルであり、転落と判定される乱数値(カウンタ値)が格納されている。特別図柄の確変状態では、特別図柄の抽選を実行する際に、毎回、この転落抽選テーブル202gが参照されて、通常状態へと転落させるか否かが判定される。この転落抽選テーブル202gの詳細については、図93(a)を参照して後述する。
次に、図90(b)を参照して、本第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。この第1当たり種別選択テーブル202bは、第2実施形態と同様に、第1当たり種別カウンタC2の値取り得る各値に対して、大当たり種別が対応付けて規定されたデータテーブルである。
本第4実施形態には、4つの大当たり種別が設けられている。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る「大当たりM」、「大当たりN」と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る「大当たりO」、「大当たりP」が設けられている。
図90(b)に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりM」が決定される。この「大当たりM」は、ラウンド数が16ラウンドであり、1ラウンド目における開閉板65f1の開閉パターンとして、球が特別排出流路65e2へと流下すること(V入賞スイッチ65e3を通過すること)が困難となる開閉パターン(図7の中段参照)が設定される大当たり種別である。ラウンド数は大当たりの中で最も多いため、獲得できる賞球数の面では遊技者に有利となるが、大当たり後に確変状態が設定される可能性が低いため、大当たり後の遊技状態としては不利となる。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりN」が決定される。この「大当たりN」は、ラウンド数が4ラウンドであり、1ラウンド目における開閉板65f1の開閉パターンとして、球が特別排出流路65e2へと流下すること(V入賞スイッチ65e3を通過すること)が困難となる開閉パターン(図7の中段参照)が設定される大当たり種別である。ラウンド数が最も少ない上、大当たり後に確変状態が設定される可能性も低いため、「大当たりN」は、最も不利な大当たり種別である。
また、図90(b)に示した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合において、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりO」が決定される。この「大当たりO」は、ラウンド数が16ラウンドであり、1ラウンド目における開閉板65f1の開閉パターンとして、球が特別排出流路65e2へと流下すること(V入賞スイッチ65e3を通過すること)が容易となる開閉パターン(図7の下段参照)が設定される大当たり種別である。ラウンド数が最も多く、且つ、大当たり後に確変状態が設定される可能性が高いため、「大当たりO」は、最も有利な大当たり種別である。
また、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりP」が決定される。この「大当たりP」は、ラウンド数が4ラウンドであり、1ラウンド目における開閉板65f1の開閉パターンとして、球が特別排出流路65e2へと流下すること(V入賞スイッチ65e3を通過すること)が容易となる開閉パターン(図7の下段参照)が設定される大当たり種別である。ラウンド数が最も少ないものの、大当たり後に確変状態が設定される可能性が高いため、「大当たりP」は、第1特別図柄の抽選で決定される大当たり(大当たりM,N)よりも大当たり後の遊技状態が有利となる。
このように、本第4実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、確変状態が付与され難い(V入賞スイッチ65e3を球が通過し難い)大当たり種別のみが決定される構成としている。一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、確変状態が付与され易い(V入賞スイッチ65e3を球が通過し易い)大当たり種別のみが決定される構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選が実行された場合における有利度合いをより高めることができる。
なお、上述した通り、本実施形態では、左打ちをした場合に、振り分け部材900に球が入球し易くなるように構成している。そして、振り分け部材900は、球が入球する毎に、内部に設けられた第1入球口64と、中央第2入球口640cとに交互に振り分ける構成としている。このため、遊技者に不利な通常状態においても、左打ちを行うことにより、不利な第1特別図柄の抽選と、有利な第2特別図柄の抽選とを、ほぼ半々で行わせることができる。よって、遊技者に対し、有利な第2特別図柄の抽選で大当たりとなることを期待して通常状態における遊技を行わせることができる。
次に、図90(c)を参照して、本第4実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。上記各実施形態(第1〜第3実施形態)では、普通図柄の通常状態と、普通図柄の時短状態とで、普通図柄の当たり確率や、普通図柄の変動時間、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放期間に大差がない構成としていた。これに対して本第4実施形態では、普通図柄の通常状態(低確率状態)では、普通図柄の時短状態(高確率状態)に比較して、普通図柄の当たりとなる確率を大幅に低くしている。
より具体的には、図90(c)に示した通り、普通図柄の通常状態(低確率状態)において普通図柄の当たりとなる第2当たり乱数カウンタC4の値として、「0」のみが規定されている。一方で、普通図柄の時短状態(高確率状態)は、上記各実施形態と同一の乱数値(カウンタ値)が規定されている。よって、普通図柄の通常状態では、普通図柄の当たり確率が1/240となるので、通常状態において右打ちを実行したとしても、稀にしか普通図柄の当たりにならない。
加えて、本実施形態では、普通図柄の通常状態における普通図柄の変動時間が30秒(時短状態中は3秒)になると共に、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放期間が0.2秒間×1回(時短状態中は1秒間×2回)になる。よって、普通図柄の通常状態(低確率状態)では、スルーゲート67を通過してから普通図柄の抽選結果が出るまでに時間が掛かり、普通図柄の当たりとなる確率が極めて低くなり、且つ、普通図柄の当たりになっても、電動役物640aの開放期間中に球を入球させることが困難な開放期間が設定される。従って、通常状態において、第2特別図柄の抽選が実行されて大当たりになることを期待して、常時右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑止効果を高めることができる。
次に、図91(a)を参照して、本実施形態における変動パターンテーブル202dの構成について説明する。図91(a)に示した通り、本第4実施形態の変動パターンテーブル202dには、2種類の変動パターンテーブルが設けられている。具体的には、通常用テーブル202d1と、確変付与時用テーブル202d4とが設けられている。
通常用テーブル202d1は、上記各実施形態と同様に、主に通常状態において変動パターンを決定する際に参照される。なお、本実施形態では、時短状態や、確変状態の一部でも、この通常用テーブル202d1が変動パターンを決定する際に参照される。
確変付与時用テーブル202d4は、大当たり中に球がV入賞スイッチ65e3を通過することにより、大当たり後の遊技状態が確変状態となった場合に、大当たり終了後から特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選に渡って参照されるテーブルである。詳細については後述するが、この確変付与時テーブル202d4が参照される期間(大当たり終了後20回以内、または50回以内)は、第1特別図柄の抽選がロング変動になるので、左打ちを行うと、第1特別図柄がロング変動している間に、第2特別図柄の抽選を複数回行わせることができる。即ち、左打ちをした場合に、有利な第2特別図柄の抽選に偏らせることができる。なお、確変状態中は、右打ちにより有利な第2特別図柄の抽選のみを行わせることができるので、左打ちを実行するメリットはない。このため、この確変付与時用テーブル202d4の恩恵が受けられるのは、特定回数内に確変状態から、右打ちしても第2入球口640へと球を入球させ難い通常状態へと転落してしまった場合である。
次に、図91(b)を参照して、本実施形態における通常用テーブル202d1の詳細について説明する。図91(b)に示した通り、本実施形態では、第1特別図柄の抽選でも、第2特別図柄の抽選でも、停止種別および変動種別カウンタCS1の値が同一であれば、同一の変動パターンが選択される構成としている。なお、変動種別カウンタCS1の値(カウンタ値)と、変動パターンとの対応関係は、上記各実施形態における通常用テーブル202d1における第1特別図柄に対する対応関係(図15(b)参照)と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図92(a)を参照して、確変付与時用テーブル202d4の詳細について説明する。図92(a)に示した通り、第1特別図柄の抽選に対しては、変動種別カウンタCS1の値に拠らず、ロング変動(120秒)が対応付けられている。一方で、第2特別図柄の抽選に対しては、上述した通常用テーブル202d1に規定されている対応関係と同一の対応関係が規定されている。このため、大当たり後に確変状態が付与され、この確変付与時用テーブル202d4が参照される期間(特別図柄の抽選が20回、または50回終了するまでの期間)内に通常状態に転落し、左打ちに戻した場合には、第1特別図柄の変動時間が長くなる。よって、左打ちをし続けることにより、第1特別図柄がロング変動している間に、第2特別図柄の抽選を複数回行わせることができるので、特別図柄の抽選を有利な第2特別図柄の抽選に偏重させることができる。従って、確変状態から、早期に通常状態へと転落してしまった場合に、比較的有利な状態にすることができるので、通常状態へと転落した後における遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図92(b)を参照して、本実施形態における変動パターンシナリオテーブル202fについて説明する。この変動パターンシナリオテーブル202fは、第2実施形態等と同様に、大当たり種別毎の変動パターンシナリオを規定したデータテーブルである。
図92(b)に示した通り、大当たりM,O(16ラウンド大当たり)になり、大当たり後に確変状態が付与される場合は(大当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合は)、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が1回〜20回の範囲に確変付与時用テーブル202d4が対応付けられている。また、21回以降に対しては、通常用テーブル202d1が対応付けられている。よって、大当たりM,Oになり、V入賞スイッチ65e3に球を通過させることができ、且つ、20回以内に確変状態から通常状態に転落した場合は、左打ちを行った場合に第1特別図柄の変動のみがロング変動(120秒)となる。よって、第1特別図柄のロング変動中に、複数回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる比較的有利な状態を形成することができるので、早期に(確変状態が設定されてから特別図柄の抽選が20回以内に)通常状態に転落してしまったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)することができる。なお、20回を超えてから通常状態に転落した場合には、通常用テーブル202d1が参照されるので、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とがほぼ半々で実行される。
また、図92(b)に示した通り、大当たりN,P(4ラウンド大当たり)になり、大当たり後に確変状態が付与される場合は(大当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合は)、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数が1回〜50回の範囲に確変付与時用テーブル202d4が対応付けられている。また、51回以降に対しては、通常用テーブル202d1が対応付けられている。よって、大当たりN,Pになり、V入賞スイッチ65e3に球を通過させることができ、且つ、50回以内に確変状態から通常状態に転落した場合は、左打ちを行った場合に第1特別図柄の変動のみがロング変動(120秒)となる。よって、第1特別図柄のロング変動中に、複数回の第2特別図柄の抽選を実行させることができる比較的有利な状態を形成することができるので、早期に(確変状態が設定されてから特別図柄の抽選が20回以内に)通常状態に転落してしまったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)することができる。また、4ラウンド大当たり後に確変状態となった場合の方が、16ラウンド大当たりよりも、確変付与時用テーブル202d4が参照される抽選回数を多くしておくことにより、賞球面で不利な大当たりに対する救済を図ることができる。なお、50回を超えてから通常状態に転落した場合には、通常用テーブル202d1が参照されるので、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とがほぼ半々で実行される。
また、図92(b)に示した通り、大当たり後に確変状態が付与されない場合は(大当たり中にV入賞スイッチ65e3を球が通過しなかった場合は)、変動パターンシナリオとして、特別図柄の抽選回数に関係なく、通常用テーブル202d1が対応付けられている。よって、少なくとも次に大当たりとなるまで、第1特別図柄の抽選と第2特別図柄の抽選とが半々で実行される不利な状態が継続する。
このように、本第4実施形態の変動パターンシナリオは、大当たり後の遊技状態が確変状態となる場合に、特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選に渡って、確変付与時用テーブル202d4が参照される構成としている。この確変付与時用テーブル202d4が参照されると、第1特別図柄の抽選が実行された場合にロング変動(120秒)が選択される。よって、特定回数(20回、または50回)内に確変状態から通常状態へと転落し、右打ちから左打ちに戻すと、第1特別図柄の変動中に、複数回、第2特別図柄の抽選を実行させることができる。即ち、大当たりが終了してから特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選が実行されるまで、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方がより多く実行され易い有利な状態となる。よって、大当たり後、早期に(特定回数以内に)確変状態から通常状態へと転落してしまった場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
次に、図93(a)を参照し、転落抽選テーブル202gの詳細について説明する。この転落抽選テーブル202gは、上述した通り、転落抽選において転落と判定される乱数値(カウンタ値)が格納されている。
図93(a)に示した通り、特別図柄の確変状態(高確率状態)において、通常状態(特別図柄の低確率状態)への転落に対応する判定値として「100,101」の2個の乱数値(カウンタ値)が規定されている。特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選を実行する際に、転落抽選カウンタ(図示なし)の値と、転落抽選テーブル202gに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とが比較され、値が一致した場合に通常状態へと転落する。なお、転落抽選カウンタ(図示なし)は、「0〜299」の範囲で定期的に(例えば、メイン処理(図53参照)が実行される毎に)更新されるループカウンタで構成されている。転落抽選カウンタの取り得る300個の乱数値(カウンタ値)のうち、転落と判定される乱数値が2個規定されているので、1回の転落抽選で転落と判定される確率は1/150である。なお、確変状態において大当たりと判定される乱数値(第1当たり乱数カウンタC1の値)は、「1〜4」の4個(図13(b)参照)であり、確変状態中に大当たりとなる確率は1/75なので、確変状態中に転落抽選で転落と判定される確率よりも、大当たりとなる確率の方が高くなるように設定されている。よって、1度確変状態に移行すると、通常状態へと転落するまでに複数回大当たりとなることを遊技者に期待させることができるので、確変状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図93(b)を参照して、本第4実施形態における主制御装置110に設けられたRAM203の詳細について説明する。図93(b)は、RAM203の構成を示すブロック図である。図93(b)に示した通り、本第4実施形態のRAM203は、第2実施形態のRAM203の構成(図77参照)に対して、確変カウンタ203gが削除されていると共に、特図1変動停止フラグ203aiと、特図2変動停止フラグ203ajと、確変フラグ203akとが追加されている点で相違している。
特図1変動停止フラグ203aiは、第1特別図柄が変動表示中に、第2特別図柄の大当たりが実行開始されることを示すフラグである。この特図1変動停止フラグ203aiがオンになると、第1特別図柄の変動表示が仮停止される。なお、仮停止とは、外れに対応する第3図柄の組み合わせを仮の停止図柄として停止させると共に、完全に停止表示させず、各第3図柄が振動している見た目で表示させる表示態様を示す。このように、第2特別図柄の大当たりが開始される場合に、特図1変動停止フラグ203aiをオンして第1特別図柄の変動表示を仮停止させることにより、大当たり中に第1特別図柄の抽選結果が大当たりで確定表示されてしまう(第2特別図柄の抽選による大当たり中に、第1特別図柄の抽選による大当たりが開始されてしまう)不具合が発生することを防止できる。この特図1変動停止フラグ203aiは、第2特別図柄変動停止処理5(図100参照)の中で、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合にオンに設定される(図100のS1214参照)。また、特図1変動停止フラグ203aiがオンにされ、第2特別図柄の抽選による大当たりが実行された後、最初に実行される第1特別図柄変動停止処理5(図97参照)のS712の処理においてオフに設定される。特図1変動停止フラグ203aiがオンからオフに設定されると、仮停止が解除され、残りの変動時間に応じた変動表示が再開される。
特図2変動停止フラグ203ajは、第2特別図柄が変動表示中に、第1特別図柄の大当たりが実行されることを示すフラグである。この第2変動停止フラグ203ajがオンとなることで、第2特別図柄の変動表示が仮停止され、オフになることで仮停止が解除されて変動表示が再開される。この特図2変動停止フラグ203ajは、第1特別図柄変動停止処理5(図97参照)の中で、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別された場合にオンに設定され(図97のS714参照)、第2特別図柄の抽選による大当たりが実行された後、最初に実行される第2特別図柄変動停止処理5(図100参照)のS1212の処理においてオフに設定される。
本第4実施形態では、一方の特別図柄が大当たりに対応する変動表示中でも、他方の特別図柄の抽選結果を外れに書き換えず、抽選結果をそのまま保持する構成としている。そして、大当たりに対応する変動表示の変動時間が経過し、大当たりを開始する際には、上述した特図1変動停止フラグ203ai、または特図2変動停止フラグ203ajのうち、対応するフラグをオンにすることで、他方の変動表示を、大当たりの間仮停止させておく。そして、大当たり後に仮停止を解除して変動表示を再開させる。このように構成することで、一方の特別図柄の抽選で大当たりとなり、その変動表示中に他方の特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、一方の特別図柄の抽選に基づく大当たり中に、他方の特別図柄の抽選に基づく大当たりが開始されてしまうことを防止し、両方の特別図柄の抽選に基づく大当たりを、異なるタイミングで開始させることができる。よって、大当たりとなっても外れに書き換えられてしまう可能性がある上記各実施形態の構成に対して、遊技者にとって有利とすることができる。
確変フラグ203akは、上記各実施形態における確変カウンタ203gに代えて設けられている。本実施形態では、確変状態が、転落抽選により転落に対応する抽選結果となるまで継続する。つまり、確変状態が終了するまでの特別図柄の抽選回数が不定である。よって、確変フラグ203akがオンであるか否かにより、確変状態であるか否かを示す構成としている。
次に、図94を参照して、本第4実施形態における遊技状態と、シナリオとの対応関係について具体例を示して説明する。図94は、大当たりP(4ラウンド大当たり)中にV入賞スイッチ65e3を球が通過した場合における、大当たり終了後の遊技状態、および参照される変動パターンテーブルの推移を示した図である。
図94に示した通り、大当たりP中に球がV入賞スイッチ65e3を通過すると、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される。確変状態になると、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率がアップするのに加え、普通図柄の変動時間が短くなり(30秒間→3秒間)、普通図柄の当たり確率がアップし(1/240→1/1.2)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放期間が長くなる(0.2秒間×1回→1秒間×2回)。よって、右打ちを行うことにより、第2入球口640へと入球し易くなるので、有利な第2特別図柄の抽選を効率よく実行させることができる。
また、図94に示した通り、大当たりP後の遊技状態が確変状態に設定された(確変状態が付与された)場合には、変動パターンシナリオとして、大当たり後1〜50回の特別図柄の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4が参照される変動パターンシナリオ(図92(b)参照)が設定される。
特別図柄の抽選が30回実行された時点で転落に対応する抽選結果になると、その後、通常状態に移行する。図94に示した通り、通常状態に移行したとしても、設定された変動パターンシナリオは不変なので、特別図柄の抽選が50回終了するまで、確変付与時用テーブル202d4が参照される。即ち、転落してから20回の特別図柄の抽選に渡って、第1特別図柄の抽選が実行された場合にロング変動(120秒)が選択される。上述した通り、通常状態では、右打ちを行ったとしても第2特別図柄の抽選がほとんど実行されず、左打ちの方が有利になる。そして、上述した通り、左打ちを行った場合に入球可能な振り分けユニット660へと球が入球する毎に、その内部に設けられた振分部材900によって第1入球口64と中央第2入球口640cとに交互に振り分けられる(図89(a),(b)参照)。この場合に、確変付与時用テーブル202d4が参照されると、第1特別図柄にロング変動が設定されている間に、同時変動方式により複数回の第2特別図柄の変動表示(第2特別図柄の抽選)を実行させることができる。即ち、2特別図柄の抽選に偏重させることができるので、遊技者の確変状態に対する期待感を高めることができる。
また、図94に示した通り、大当たりPが終了してから実行された特別図柄の抽選回数が50回を超えると、設定されている変動パターンシナリオに従って、通常用テーブル202d1が参照される状態に切り替わる。即ち、左打ちを行った場合に、不利な第1特別図柄の抽選と、有利な第2特別図柄の抽選とが均等に行われる不利な状態となる。
このように、確変状態が付与される大当たり後、30回で通常状態(左打ちが有利な状態)に転落した場合には、左打ちを行っていても、特別図柄の抽選を、有利な第2特別図柄の抽選に偏重させることができる。よって、確変状態が設定されてから50回以内の転落抽選で通常状態に転落してしまった場合に、特別図柄の抽選が50回実行されるまで、比較的有利な状態で遊技を行わせることができるので、早期に確変状態から通常状態に転落してしまった場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図95〜図102を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201によって実行される各種制御処理について説明を行う。まず、第2実施形態(および第1実施形態)における第1特別図柄変動開始処理(図29参照)に代えて実行される第1特別図柄変動開始処理5(S211)について説明する。この第1特別図柄変動開始処理5(S211)は、第2実施形態(および第1実施形態)における第1特別図柄変動開始処理(図29参照)と同様に、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを設定するための処理である。
この第4実施形態における第1特別図柄変動開始処理5(図95参照)のうち、S301〜S304、およびS322の各処理では、それぞれ第2実施形態における第1特別図柄変動開始処理のS301〜S304、およびS322の各処理と同一の処理が実行される。また、第4実施形態における第1特別図柄変動開始処理5(図95参照)では、S304の処理が終了した後で、変動回数カウンタ203abの値に1を加算し(S331)、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるか否かを判定する第1特別図柄大当たり判定処理5を実行して(S332)、処理をS322へと移行する。
次に、図96を参照して、上述した第1特別図柄大当たり判定処理5(S332)の詳細について説明する。この第1特別図柄大当たり判定処理5(S332)は、第2実施形態(および第1実施形態)における第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)に代えて実行される処理である。
この第4実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理5(図96参照)のうち、S501〜S504、およびS510の各処理では、それぞれ第1実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理(図31参照)のS501〜S504、およびS510の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4実施形態における第1特別図柄大当たり判定処理5(図96参照)では、S502の処理において確変中である(確変フラグ203akがオンである)と判別した場合に(S502:Yes)、転落抽選カウンタの値と、転落抽選テーブル202gに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とを比較し(S511)、転落抽選カウンタの値が転落に対応する乱数値に一致したか(転落に対応する抽選結果となったか)を判別する(S512)。
S512の処理において、転落に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S512:Yes)、確変フラグ203akをオフに設定することで遊技状態を通常状態に転落させ(S513)、転落したこと(遊技状態が通常状態に変更されたこと)を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S514)。次いで、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aを参照して大当たりか否かの抽選結果を取得し(S504)、処理をS516に移行する。一方、S512の処理において、転落に対応する抽選結果とならなかった場合には(S512:No)、処理をS503に移行して、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aを参照して大当たりか否かの抽選結果を取得し(S503)、処理をS516に移行する。
S516の処理では、取得した抽選結果が大当たりであるか否かを判別し(S515)、大当たりであると判別した場合は(S515:Yes)、第1特別図柄の抽選結果を大当たりに設定し(S516)、第1図柄表示装置37に表示する図柄として、大当たり図柄をセットして(S517)、本処理を終了する。一方、S515の処理において、取得した抽選結果が大当たりでないと判別した場合は(S515:No)、処理をS510へと移行する。
このように、第1特別図柄大当たり判定処理5(図96参照)を実行することで、転落抽選の結果を加味して大当たりか否かの判定を実行することができる。
次に、図97を参照して、本第4実施形態における第1特別図柄変動停止処理5(S212)の詳細について説明する。図97は、この第1特別図柄変動停止処理5(S212)を示すフローチャートである。この第1特別図柄変動停止処理5(S212)は、第2実施形態(および第1実施形態)における第1特別図柄変動停止処理(図33参照)に代えて実行される処理であり、第1特別図柄の変動時間が経過した場合に、変動中の図柄を停止表示させるための処理である。
この第4実施形態における第1特別図柄変動停止処理5(図97参照)のうち、S701〜S703,S706,S709、およびS710の各処理では、それぞれ第2実施形態(および第1実施形態)における第1特別図柄変動停止処理(図33参照)のS701〜S703,S706,S709、およびS710の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における第1特別図柄変動停止処理5(図97参照)が実行されると、まず、特図1変動停止フラグ203aiがオンであるか判別し(S711)、オンであると判別した場合は(S711:Yes)、今回の第1特別図柄変動停止処理5(図97参照)が、大当たり後、最初に実行された第1特別図柄変動停止処理5(図97参照)であり、且つ、大当たり中に第1特別図柄の変動表示が仮停止されていたことを意味する。よって、この場合は、特図1変動停止フラグ203aiをオフに設定すると共に(S712)、特図1変動停止フラグ203aiをオフに設定したことを音声ランプ制御装置113に通知するための特図1変動停止コマンドを設定して(S713)、本処理を終了する。これらのS712,S713の処理を実行することにより、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において仮停止されていた第1図柄、および第3図柄を、再度変動表示させることができる。なお、この変動表示は、設定されている変動時間から、大当たりの開始前までに経過した時間を差し引いた残りの変動時間の分だけ変動表示される。
S711の処理において、特図1変動停止フラグ203aiがオフであると判別した場合は(S711:No)、S701〜S703の各処理を実行する。そして、S703の処理において、第1特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S703:Yes)、特図2変動停止フラグ203ajをオンに設定すると共に(S714)、特図2変動停止フラグ203ajをオンに設定したことを音声ランプ制御装置113に通知するための特図2変動停止コマンドを設定する(S715)。これにより、第1特別図柄の抽選で当選した大当たりを実行している間、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において、第2特別図柄の抽選結果を示す第1図柄、および第3図柄を仮停止させることができる。よって、大当たり中に第2特別図柄の変動時間が終了してしまうことを防止できるので、大当たり中に第2特別図柄の抽選を示す図柄が停止表示されてしまい、遊技者が大当たりに集中できなくなってしまうことを防止できる。
S715の処理後は、大当たりの開始を設定し(S706)、確変フラグ203ak、および時短中カウンタ203rの値をそれぞれリセットして(S716)、処理をS709へと移行する。
次に、図98を参照して、本第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理5(S213)の詳細について説明する。この第2特別図柄変動開始処理5(S213)は、第2実施形態(および第1実施形態)における第2特別図柄変動開始処理(図35参照)に代えて実行される処理であり、第2実施形態(および第1実施形態)における第2特別図柄変動開始処理(図35参照)と同様に、第2特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを設定するための処理である。
この第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理5(図98参照)のうち、S901〜S904、およびS922の各処理では、それぞれ第2実施形態における第2特別図柄変動開始処理のS901〜S904、およびS924の各処理と同一の処理が実行される。また、第4実施形態における第2特別図柄変動開始処理(図98参照)では、S904の処理が終了した後で、変動回数カウンタ203abの値に1を加算し(S931)、第2特別図柄の抽選で大当たりとなるか否かを判定する第2特別図柄大当たり判定処理5を実行して(S932)、処理をS924へと移行する。
次に、図99を参照して、上述した第2特別図柄大当たり判定処理5(S932)の詳細について説明する。この第2特別図柄大当たり判定処理5(S932)は、第2実施形態(および第1実施形態)における第2特別図柄大当たり判定処理(図36参照)に代えて実行される処理である。
この第4実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理5(図99参照)のうち、S1001〜S1004、およびS1006〜SS1010の各処理では、それぞれ第1実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理(図36参照)のS1001〜S1004、およびS1006〜S1010の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4実施形態における第2特別図柄大当たり判定処理5(図99参照)では、S1002の処理において確変中である(確変フラグ203akがオンである)と判別した場合に(S1002:Yes)、転落抽選カウンタの値と、転落抽選テーブル202gに規定された転落に対応する乱数値(カウンタ値)とを比較し(S1011)、転落抽選カウンタの値が転落に対応する乱数値に一致したか(転落に対応する抽選結果となったか)を判別する(S1012)。
S1012の処理において、転落に対応する抽選結果になったと判別した場合は(S1012:Yes)、確変フラグ203akをオフに設定することで遊技状態を通常状態に転落させ(S1013)、転落したこと(遊技状態が通常状態に変更されたこと)を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定する(S1014)。次いで、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aを参照して大当たりか否かの抽選結果を取得し(S1004)、処理をS1006に移行する。一方、S1012の処理において、転落に対応する抽選結果とならなかった場合には(S1012:No)、処理をS1003に移行して、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aを参照して大当たりか否かの抽選結果を取得し(S1003)、処理をS1006に移行する。
このように、第2特別図柄大当たり判定処理5(図99参照)を実行することで、転落抽選の結果を加味して大当たりか否かの判定を実行することができる。
次に、図100を参照して、本第4実施形態における第2特別図柄変動停止処理5(S214)の詳細について説明する。図100は、この第2特別図柄変動停止処理5(S214)を示すフローチャートである。この第2特別図柄変動停止処理5(S214)は、第2実施形態(および第1実施形態)における第2特別図柄変動停止処理(図38参照)に代えて実行される処理であり、第2特別図柄の変動時間が経過した場合に、変動中の図柄を停止表示させるための処理である。
この第4実施形態における第2特別図柄変動停止処理5(図100参照)のうち、S1201〜S1203,S1206,S1208、およびS1209の各処理では、それぞれ第2実施形態(および第1実施形態)における第2特別図柄変動停止処理(図38参照)のS1201〜S1203,S1206,S1208、およびS1209の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における第2特別図柄変動停止処理5(図100参照)が実行されると、まず、特図2変動停止フラグ203ajがオンであるか判別し(S1211)、オンであると判別した場合は(S1211:Yes)、今回の第2特別図柄変動停止処理5(図100参照)が、大当たり後、最初に実行された第2特別図柄変動停止処理5(図100参照)であり、且つ、大当たり中に第2特別図柄の変動表示が仮停止されていたことを意味する。よって、この場合は、特図2変動停止フラグ203ajをオフに設定すると共に(S1212)、特図2変動停止フラグ203ajをオフに設定したことを音声ランプ制御装置113に通知するための特図2変動停止コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。これらのS1212,S1213の処理を実行することにより、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において仮停止されていた第1図柄、および第3図柄を、再度変動表示させることができる。なお、この変動表示は、設定されている変動時間から、大当たりの開始前までに経過した時間を差し引いた残りの変動時間の分だけ変動表示される。
S1211の処理において、特図2変動停止フラグ203ajがオフであると判別した場合は(S1211:No)、S1201〜S1203の各処理を実行する。そして、S1203の処理において、第2特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S1203:Yes)、特図1変動停止フラグ203aiをオンに設定すると共に(S1214)、特図1変動停止フラグ203aiをオンに設定したことを音声ランプ制御装置113に通知するための特図2変動停止コマンドを設定する(S1215)。これにより、第2特別図柄の抽選で当選した大当たりを実行している間、第1図柄表示装置37、および第3図柄表示装置81において、第1特別図柄の抽選結果を示す第1図柄、および第3図柄を仮停止させることができる。よって、大当たり中に第1特別図柄の変動時間が終了してしまうことを防止できるので、大当たり中に第1特別図柄の抽選を示す図柄が停止表示されてしまい、遊技者が大当たりに集中できなくなってしまうことを防止できる。
S1215の処理後は、大当たりの開始を設定し(S1206)、確変フラグ203ak、および時短中カウンタ203rの値をそれぞれリセットして(S1216)、処理をS1208へと移行する。
次に、図101を参照して、本第4実施形態における普通図柄変動処理5(S121)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理5(S121)は、第2実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図40参照)に代えて実行される処理であり、普通入球口67を球が通過した場合に普通図柄の当否判定、および普通図柄の変動表示を設定するための処理である。
この第4実施形態における普通図柄変動処理5(図101参照)のうち、S1401〜S1416、およびS1418〜S1423の各処理では、それぞれ第2実施形態(および第1実施形態)における普通図柄変動処理(図40参照)のS1401〜S1416、およびS1418〜S1423の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における普通図柄変動処理5(図101参照)では、S1414,S1415の処理において、現在が時短状態中でないか(S1414:No)、或いは、時短状態中、且つ、大当たり中であると判別した場合に(S1414:Yes、且つ、S1415:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間を0.2秒間×1回に設定して、処理をS1432へと移行する。
S1432の処理では、時短状態中であるか否か(時短中カウンタ203rの値が1以上であるか、または、確変フラグ203akがオンであるか否か)を判別し(S1432)、時短中であると判別した場合は(S1432:Yes)、S1419の処理を実行する。一方、S1432の処理において、時短状態中でないと判別した場合は(S1432:No)、普通図柄の変動時間として30秒を設定し(S1433)、本処理を終了する。
このように、本第4実施形態では、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる確率が大幅に低下することに加え、普通図柄の変動時間が大幅に長くなると共に、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間が極めて短くなるように構成している。これにより、通常状態において、有利な第2特別図柄の抽選を実行させようとして常時右打をする変則的な遊技方法を実行したとしても、第2入球口640へと球を入球させることが極めて困難となるので、却って損をしてしまう可能性を高くすることができる。よって、常時右打を行う変則的な遊技方法に対する抑止効果を高めることができる。
次に、図102を参照して、第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)に代えて実行される大当たり終了処理5(S2141)の詳細について説明する。この大当たり終了処理5(S2141)は、第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)と同様に、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理5(図102参照)のうち、S2201,S2204、およびS2206の各処理では、それぞれ第2実施形態における大当たり終了処理3(図80参照)のS2201,S2204、およびS2206の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における大当たり終了処理5(S2141)では、S2201の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別された場合に(S2201:Yes)、確変フラグ203akをオンに設定し(S2231)、次いで、確変フラグ2003ak、時短中カウンタ203rの各値に基づいて、大当たり終了後の遊技状態を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定して(S2232)、処理をS2206へと移行する。
以上説明した通り、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり後の遊技状態が確変状態となる場合に、特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選に渡って、確変付与時用テーブル202d4が参照される構成としている。この確変付与時用テーブル202d4が参照されると、第1特別図柄の抽選が実行された場合にロング変動(120秒)が選択される。よって、特定回数(20回、または50回)内に確変状態から通常状態へと転落し、右打ちから左打ちに戻すと、第1特別図柄の変動中に、複数回、第2特別図柄の抽選を実行させることができる。即ち、大当たりが終了してから特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選が実行されるまで、第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方がより多く実行され易い有利な状態となる。よって、大当たり後、早期に(特定回数以内に)確変状態から通常状態へと転落してしまった場合にも、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。
本第4実施形態では、特別図柄の抽選回数と、参照される変動パターンテーブルとが対応付けられた変動パターンシナリオを大当たり終了時に設定する構成とし、確変状態から通常状態へと転落したタイミングに関係なく、大当たり終了後から特定回数の特別図柄の抽選でのみ確変付与時用テーブル202d4が参照される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態から通常状態へと転落したことを契機として、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4を参照する構成としてもよい。この場合において、確変状態から通常状態へと転落するまでに実行された特別図柄の抽選回数が、例えば20回以内だった場合にのみ、転落後、特定回数(例えば10回)の特別図柄の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4を参照する構成としてもよい。このように構成することで、少ない(例えば、20回以内の)抽選回数で確変状態が終了してしまった場合に、第2特別図柄の抽選が実行され易い有利な状態を付与することができるので、確変状態が終了しても、遊技者のモチベーションを維持させることができる。また、1回目の転落抽選で転落しようが、20回目の転落抽選で転落しようが、有利な状態を同じ回数付与することができるので、定められた回数(例えば、20回)内に転落した場合に、その後の有利度合いを平等にすることができる。
本第4実施形態では、確変状態が付与されてから特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選に限り確変付与時用テーブル202d4を参照して変動パターンを決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態と同様に、通常状態で小当たりとなった場合に、その小当たりが終了してから所定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選に渡って、確変付与時用テーブル202d4を参照して変動パターンテーブルを決定する構成としてもよい。これにより、左打ちを継続したままで第2特別図柄の抽選が実行され易い有利な状態を形成できるので、通常状態中に右打ちと左打ちとを変更する手間を減らすことができる。また、例えば、第2実施形態と同様に、通常状態で実行された特別図柄の抽選回数に応じて、通常用テーブル202d1を参照して変動パターンテーブルを決定する不利な状態と、確変付与時用テーブル202d4を参照して変動パターンを決定する有利な状態とを繰り返し切り替える構成としてもよい。このように構成することで、通常状態の遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
本第4実施形態では、確変状態が付与されてから特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選に限り確変付与時用テーブル202d4を参照して変動パターンを決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常状態に対して本制御を適用してもよい。具体的には、大当たり後に時短状態が設定された場合に、その時短状態が終了してから例えば50回の特別図柄の抽選が実行された後で、特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4が参照されるように変動パターンシナリオテーブル202fを構成してもよい。これにより、大当たりに当選せずに時短状態が終了した場合にも、その後に設定される第2特別図柄の抽選が実行され易い状態が終了するまで少なくとも遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、例えば、第1実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選で小当たりが選択され得る構成とし、小当たりとなってから特定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4が参照されるように構成してもよい。これにより、第1特別図柄の抽選が実行され易い通常状態において、小当たりを契機に、遊技状態を変えずに第2特別図柄の抽選が実行され易い有利な状態に移行させることができる。よって、通常状態における遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。
本第4実施形態では、確変付与時用テーブル202d4を参照することにより、第1特別図柄の変動時間が第2特別図柄の変動時間よりも長くなるように設定し、左打ちをして連続的に振り分けユニット660へと球が入球した場合に、第1特別図柄の抽選が実行される頻度を低下させる構成としていたが、第1特別図柄の抽選が実行される頻度を低下させるための構成はこれに限られるものではない。例えば、振り分けユニット660の振分部900の動作をモータ等で制御可能に構成した上で、振り分けユニット660に入球した球の個数に応じて向きをモータで電気的に切り替える構成としてもよい。そして、通常時は1個の球が入球する毎に、その球を誘導した方向とは異なる方向へ球を誘導する配置にモータを制御する。一方で、確変状態に設定されてから特定回数(例えば、20回、又は50回)以内に球が振分部900の配置として、中央第2入球口640cに振り分けられる(誘導される)頻度が、第1入球口64に振り分けられる頻度よりも高くなる(例えば、5回連続で球を中央第2入球口640cに誘導する配置に設定する毎に、球を第1入球口64へ誘導する配置に1回設定する)ようにモータを制御してもよい。このように構成することで、上記第4実施形態と同一の効果を奏することができる。
本実施形態では、球を第1入球口64と、中央第2入球口640cとに交互に振り分ける振り分けユニット660を設ける構成としているが、上記第1実施形態等の仕様の遊技盤13(図2参照)に対して適用してもよい。即ち、左打ちを行った場合に球が入り易い位置に第1入球口64が設けられ、右打ちを行った場合に球が入り易い位置に第2入球口640が設けられている遊技盤13に対して適用してもよい。この場合において、第1実施形態と同様に、通常用テーブル202d1が選択されると、第2特別図柄の変動時間として超ロング変動(600秒)のみが選択されるように構成し、確変が付与された後、特定回数(例えば、20回、または50回)以内、時短状態中、および確変状態中に確変付与時用テーブル202d4が参照される構成としてもよい。このように構成することで、確変状態から特定回数以内に転落した場合に、第1特別図柄の抽選の実行頻度が低くなり、第2特別図柄の抽選をより多く行わせることができるので、早期に転落した遊技者に対する救済を図ることができる。
上記第1、第2、第4実施形態、および上記第1実施形態の変形例では、可変入賞装置65の内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とを設け、大当たり中に特別排出流路65e2の下流に設けられたV入賞スイッチ65e3を球が通過することで、大当たり後の遊技状態が確変状態に設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて、大当たり後の遊技状態が確変状態に設定されるか否かが予め定められている仕様にしてもよい。このように構成することで、可変入賞装置65の構成を簡素化することができるので、パチンコ機10の原価を低減することができる。
上記各実施形態では、右打ちを行い、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、有利な遊技状態が設定され易い大当たり種別に当選し易くなる構成としていたが、右打ちを左打ちよりも有利とする方法はこれに限られない。例えば、右打ちを行うことにより実行される第2特別図柄の抽選で大当たりになると、単にラウンド数の多い大当たり種別に当選し易くなる構成としてもよい。
上記各実施形態では、確変カウンタ203gや時短中カウンタ203rの更新を、特別図柄の大当たりであるか否かの判定を実行するよりも前の段階で実行する構成としているが、これに限られるものではない。例えば、先に大当たりであるか否かの判別を行ってから、各種カウンタの更新を行う構成としてもよい。これにより、カウンタ値に対して、特別図柄の抽選回数に1を加えた値を設定しなくてもよくなるので、より判り易いパラメータ設定を行うことができる。
上記各実施形態では、第1特別図柄の抽選に基づいて実行される第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の抽選に基づいて実行される第2特別図柄の変動表示とを、同時並行して実行可能な同時変動方式を採用していたが、これに限られるものではない。例えば、1回に1の変動表示のみを実行する方式に採用してもよい。この場合において、始動入賞を検出した順番に変動表示を1つずつ実行する方式としてもよいし、第2特別図柄の変動表示が保留されている場合に、優先的に第2特別図柄の変動表示を実行する方式としてもよい。このように構成することで、パチンコ機10の制御を簡素化することができる。
上記第1実施形態では、特別図柄の抽選で小当たりになった場合に必ずチャンスモードAが設定される(チャンスA用テーブル202d3が参照される)構成とし、上記第2、第3実施形態では、変動パターンシナリオで定められた抽選回数になった場合に必ずチャンスモードAが設定される構成とし、上記第4実施形態では、大当たり後に確変状態が付与された場合に、必ず特定回数(20回、または50回)の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4が参照される構成としたが、これに限られるものではない。例えば、チャンスA用テーブル202d3や、確変付与時用テーブル202d4を参照するか否かを抽選により決定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、第1実施形態において小当たりとなった場合や、第2、第3実施形態において変動パターンシナリオで予め定められた抽選回数になった場合(チャンスモードAへの移行条件が成立した場合)に、チャンスモードAへと移行させるか否かの抽選(例えば、2/3の確率でチャンスモードAへと移行させる抽選)を行い、その抽選で当選した場合にのみ、チャンスモードAへと移行させる構成としてもよい。また、第4実施形態において、大当たり後に確変状態が付与されることが決定した場合に、確変付与時用テーブル202d4を参照するか否かの抽選を実行し、その抽選で当選した場合にのみ、大当たり後、特定回数(20回、または50回)の特別図柄の抽選に渡って確変付与時用テーブル202d4を参照する構成としてもよい。このように構成することで、チャンスモードAへの移行条件等が成立した場合に、抽選結果を興味深く確認させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、抽選を行う場合において、例えば、時間帯によって抽選確率を可変させる構成としてもよい。具体的には、主制御装置110の入出力ポート205に対して時刻を計時するためのRTC(Real−Time Clock)を電気的に接続し、接続されたRTCにアクセスすることで主制御装置110のMPU201により現在時刻を把握可能に構成する。そして、例えば、午前中の時間帯(例えば、AM10:00〜AM12:00)や、夕方の時間帯(例えば、PM5:00〜PM7:00)になった場合は、他の時間帯よりも抽選確率を高くしておく(2/3→9/10)構成としてもよい。このように構成することで、特に、抽選確率が高い時間帯の稼動を向上させることができるので、抽選確率の高い時間帯として、遊技者がホールに少ない傾向にある時間帯を設定しておけば、ホールに足を運ぶ遊技者を増加させることができる。よって、ホールの稼働率を向上させることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(一方の抽選結果に応じて、他方の変動パターンの有利度合いを可変させる)
第1条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と第2条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と前記第1判別手段による前記第1の判別、または前記第2判別手段による前記第2の判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と特定条件の成立に基づいて第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段とを備えた遊技機において識別情報を表示可能な表示手段とその表示手段に前記第1判別手段による前記第1の判別の判別結果を示す第1識別情報を動的表示させる第1動的表示実行手段と前記表示手段に前記第2判別手段による前記第2の判別の判別結果を示す第2識別情報を動的表示させる第2動的表示実行手段とその第2動的表示実行手段により実行される前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間とは遊技者にとっての有利度合いが異なる第2動的表示期間とを少なくとも含む予め定めた複数の期間の中から1の動的表示期間を選択する期間選択手段と前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて、前記期間選択手段により前記第2動的表示期間を選択する割合が前記第1動的表示期間を選択する割合よりも低い第1選択状態を設定する第1設定手段とその第1設定手段により前記第1選択状態が設定されている場合に、前記第1判別手段による前記第1の判別の判別結果が前記特定の判別結果とは異なる特殊判別結果となったことに基づいて、前記期間設定手段が前記第2動的表示期間を選択する割合が前記第1選択状態よりも高くなる第2選択状態を設定可能な第2設定手段とを備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、当たり状態が通常の確率で抽選される通常状態と、当たり状態が通常状態よりも高い確率で抽選される確率変動状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に通常状態が設定された場合に、確率変動状態よりも低い抽選確率で当たり状態が抽選される不利な状態が、少なくとも次に当たり状態となるまで続いてしまうため、通常状態となった場合に遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができないという問題点があった。
また、上述した従来型の遊技機の中には、複数の始動口を有し、図柄の変動表示を、始動口毎に同時並行して行うことが可能なものがある。更に、始動入賞が発生した始動口毎に、当たりとなった場合の有利度合いを異ならせておくことで、有利な始動口に対応する変動表示で先に当たりとなることを期待させ、遊技者の興趣向上を図っているものもある。この従来型の遊技機では、例えば、当たりとなったことを契機として、有利度合いの高い始動口への始動入賞に基づく変動表示の変動時間よりも、有利度合いの低い始動口への始動入賞に基づく変動表示の変動時間が長くなるように構成し、その長い変動時間の間に、有利度合いの高い変動表示をより多くの回数実行可能に構成しているものがある。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、当たりを契機として変動時間を変更しているので、当たりにならなければ有利度合いの低い変動表示が多く実行される不利な状態となる。よって、当たりとなるまでの遊技が単調となってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機A1では、識別情報が表示可能に構成された表示手段に第1判別手段による第1の判別の判別結果を示す第1識別情報が第1動的表示実行手段によって動的表示され、第2判別手段による第2の判別の判別結果を示す第2識別情報が第2動的表示実行手段によって動的表示される。第2動的表示実行手段により実行される第2識別情報の動的表示における動的表示期間として、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間とは遊技者にとっての有利度合いが異なる第2動的表示期間とを少なくとも含む予め定めた複数の期間の中から1の動的表示期間が期間選択手段によって選択される。遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定されたことに基づいて、期間選択手段により第2動的表示期間を選択する割合が第1動的表示期間を選択する割合よりも低い第1選択状態が第1設定手段により設定される。第1設定手段により第1選択状態が設定されている場合に、第1判別手段による第1の判別の判別結果が特定の判別結果とは異なる特殊判別結果となったことに基づいて、期間設定手段が第2動的表示期間を選択する割合が第1選択状態よりも高くなる第2選択状態が第2設定手段によって設定される。
これにより、少なくとも第1選択状態では、第1の判別により特定の判別結果とならなくても、特殊判別結果となることにより、第2の判別が実行された場合の有利度合いを異ならせることができる。よって、少なくとも第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1において前記第1動的表示実行手段により実行される第1識別情報の動的表示における動的表示期間を複数の期間の中から選択する選択手段を備え前記選択手段は、前記第1選択状態と、前記第2選択状態とで、前記複数の期間のそれぞれを選択する割合が同一であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示実行手段により実行される第1識別情報の動的表示における動的表示期間が選択手段により複数の期間の中から選択される。第1選択状態と、第2選択状態とで、複数の期間のそれぞれが選択手段によって同一の割合で選択される。
これにより、第1の判別により特殊抽選結果となった場合に、第1の判別が実行された場合の有利度合いを変えずに、第2の判別が実行された場合の有利度合いを異ならせることができる。よって、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1またはA2において前記第2動的表示期間は、前記第1動的表示期間よりも遊技者に有利なものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1またはA2の奏する効果に加え、第2動的表示期間が第1動的表示期間よりも遊技者に有利となるように構成されているので、第1遊技状態において、第1の判別により特殊判別結果になることを期待して遊技を行わせることができる。よって、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の前記特典遊技の種別を選択する種別選択手段を備え前記種別選択手段は、前記第1の判別に比較して、前記第2の判別で前記特定の判別結果となった場合に前記第2特典遊技を選択する割合が高くなるものであり前記第2動的表示期間は、前記第1動的表示期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から種別選択手段によって1の種別が選択される。第1の判別に比較して、第2の判別で特定の判別結果となった場合に種別選択手段により第2特典遊技が高い割合で選択される。第2動的表示期間は、第1動的表示期間よりも短い期間で構成されている。
これにより、第1の判別により特殊判別結果となることで第2選択状態が設定されると、第2の判別に基づく第2識別情報の動表示の動的表示期間が短くなるので、第2の判別の実行間隔を短くすることができる。よって、特定の判別結果となった場合に有利な第2特典遊技が選択され易い第2の判別が実行され易くなるので、遊技者に対して第2選択状態となることを期待して第1遊技状態における遊技を行わせることができる。従って、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて計時情報を計時する計時手段を備え前記第2設定手段は、前記計時手段の計時する計時情報が所定の範囲で、前記第1の判別の判別結果が前記特殊判別結果となったことに基づいて、前記第2選択状態を設定するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、計時手段により計時情報が計時される。計時手段の計時する計時情報が所定の範囲で、第1の判別の判別結果が特殊判別結果となったことに基づいて、第2設定手段により第2選択状態が設定される。
これにより、計時手段の計時する計時情報に応じて第1遊技状態の有利度合いを可変させることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に配置され、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に配置され、遊技球が入球可能な第2入球手段と、を備え前記第1条件は、前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり前記第2条件は、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域に発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが遊技領域に設けられている。第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1条件が成立し、第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2条件が成立する。
これにより、期間選択手段により有利度合いが高い動的表示期間が選択され易い状態では第2経路へと遊技球を発射させ、逆に、期間選択手段により有利度合いが高い動的表示期間が選択され難い状態では第1経路へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技者に対して遊技球の発射方向を変えさせる楽しみを与えることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて前記第1動的表示実行手段により実行される前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間として、通常動的表示期間と、その通常動的表示期間とは異なる特別動的表示期間とを少なくとも含む複数の期間の中から1の動的表示期間を選択する選択手段を備え前記第2動的表示期間は、前記第1動的表示期間よりも遊技者に有利なものであり前記通常動的表示期間は、前記第1の判別により前記特定の判別結果となった場合、または、前記特定の判別結果とも前記特殊判別結果とも異なる外れ判別結果となった場合に前記選択手段により選択可能となるものであり前記特別動的表示期間は、前記第1の判別により前記特定の判別結果、または前記特殊判別結果となった場合に前記選択手段により選択可能となるものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1動的表示実行手段により実行される第1識別情報の動的表示における動的表示期間として、通常動的表示期間と、その通常動的表示期間とは異なる特別動的表示期間とを少なくとも含む複数の期間の中から1の動的表示期間が選択手段により選択される。第2動的表示期間は、第1動的表示期間よりも遊技者に有利となるように構成されている。第1の判別により特定の判別結果となった場合、または、特定の判別結果とも特殊判別結果とも異なる外れ判別結果となった場合に選択手段により通常動的表示期間が選択可能に構成されている。一方、第1の判別により特定の判別結果、または特殊判別結果となった場合に選択手段により特別動的表示期間が選択可能に構成されている。
これにより、特別動的表示期間が選択されると、特典遊技が実行されるか、または期間選択手段により有利な第2動的表示期間が選択され易くなるので、特別動的表示期間が選択されたことを遊技者が認識した時点で遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
遊技機A7において前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の前記特典遊技の種別を選択する種別選択手段と前記第2設定手段により設定される前記第2選択状態の種別として、第1の回数の前記第2の判別に渡って前記第2選択状態が設定される少選択状態と、前記第1の回数よりも多い第2の回数の前記第2の判別に渡って前記第2選択状態が設定される多選択状態とを少なくとも選択可能な状態種別選択手段と前記選択手段により前記動的表示期間が選択されたことに基づいて、その動的表示期間内で所定の演出を実行する演出実行手段とその演出実行手段により実行される前記特別動的表示期間に対応する前記所定の演出として、通常演出と、その通常演出とは異なる特別演出とを少なくとも選択可能な演出選択手段とを備え前記特別演出は、前記第1の判別により前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別選択手段により前記第1特典遊技が決定された場合と、前記第1の判別により前記特殊判別結果となり、且つ、前記状態種別選択手段により前記多選択状態が選択された場合とのいずれかの場合にのみ選択されるものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の特典遊技の種別が種別選択手段によって選択される。第2設定手段により設定される第2選択状態の種別として、第1の回数の第2の判別に渡って第2選択状態が設定される少選択状態と、第1の回数よりも多い第2の回数の第2の判別に渡って第2選択状態が設定される多選択状態とが少なくとも状態種別選択手段により選択可能に構成されている。期間選択手段により動的表示期間が選択されたことに基づいて、その動的表示期間内で演出実行手段により所定の演出が実行され、その演出実行手段により実行される特別動的表示期間に対応する所定の演出として、通常演出と、その通常演出とは異なる特別演出とが少なくとも演出選択手段により選択可能に構成されている。第2特典遊技は、第1特典遊技よりも遊技者に有利に構成されている。第1の判別により特定の判別結果となり、且つ、種別選択手段により第1特典遊技が決定された場合と、第1の判別により特殊判別結果となり、且つ、状態種別選択手段により多選択状態が選択された場合との何れかの場合にのみ、演出選択手段によって特別演出が選択される。
これにより、特別動的表示期間が設定された第1識別情報の動的表示において、特別演出が実行されたことを遊技者が認識した時点で第1特典遊技が実行されるか、または多選択状態が設定されることを遊技者に認識させることができるという効果がある。
遊技機A8において前記第2の回数は、前記第1特典遊技で遊技者が獲得可能な遊技球を用いて遊技を行った場合に実行される前記第1の判別の回数よりも多いものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A8の奏する効果に加え、第2の回数が、第1特典遊技で遊技者が獲得可能な遊技球を用いて遊技を行った場合に実行される第1の判別の回数よりも多くなるので、特別演出が実行された場合に、特定の判別結果を示す第1識別情報が表示されないことを期待させる斬新な遊技性を提供することができるという効果がある。
<特徴B群>(1種2種で転落当たり後にチャンスゾーン)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段とその判別手段による判別の判別結果を示す識別情報が表示される表示手段とその表示手段において前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段とその動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示における動的表示期間として、予め定めた複数の期間の中から1の前記動的表示期間を決定する期間決定手段とを備えた遊技機において遊技球が入球可能な入球手段とその入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段に入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段とその可変手段を、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となったことに基づき、所定の可変パターンで可変させる可変制御手段と前記入球手段に入球した遊技球が、その入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを含む複数の遊技状態から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定されてから前記判別手段により実行された判別の回数を計数する計数手段とその計数手段により計数された回数が予め定めた特定の回数になったことに基づき、前記期間決定手段により決定される前記動的表示期間として、他の前記動的表示期間よりも遊技者に有利となる有利期間の決定割合が高くなる有利状態を設定する有利状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後の遊技状態として、始動入賞が発生し難い通常状態と、その通常状態よりも始動入賞が発生し易い時短状態とのいずれかを設定可能なものがある。また、時短状態中に遊技球の入球率が高くなる入球口を有するものも存在する。この入球口の内部には、遊技球が入球可能することで当たり状態が付与される契機となる特定領域が設けられている。即ち、時短状態中には、始動入賞に基づく抽選で当たりとなった場合と、特定領域へと球が入球した場合とで当たり状態が付与されるため、通常状態に比較して有利な状態となる。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、上述した2種類の遊技状態(通常状態、時短状態)のみしか設けられない(所謂、確変状態が設けられない)のが一般的であり、有利な時短状態が終了すると、最も不利な通常状態が設定されてしまうという問題点があった。即ち、最も有利な状態が終了すると、遊技者の遊技に対するモチベーションを大幅に低下させてしまう虞があった。
これに対して遊技機B1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる開放位置と、その第1位置よりも遊技球が入球手段に入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づき、可変手段が所定の可変パターンで可変制御手段により可変される。入球手段に入球した遊技球が、その入球手段の内部に設けられた特定領域へと入球したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを含む複数の遊技状態から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定されてから判別手段により実行された判別の回数が計数手段によって計数され、その計数手段により計数された回数が予め定めた特定の回数になったことに基づき、期間決定手段により決定される動的表示期間として、他の動的表示期間よりも遊技者に有利となる有利期間の決定割合が高くなる有利状態が有利状態設定手段によって設定される。
これにより、特典遊技が終了した後に、第2遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態が設定された場合に、有利状態に移行させることを目指して、特定の回数の判別が実行されるまで少なくとも遊技を継続させることができる。よって、第1遊技状態が設定された場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において前記第1遊技状態が設定されたことに基づいて、前記有利期間の決定割合が前記有利状態よりも低い不利状態を設定する第1不利状態設定手段と前記有利状態設定手段により前記有利状態が設定されてから第1の回数の前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて、前記不利状態を設定する第2不利状態設定手段とその第2不利状態設定手段により不利状態が設定されてから前記判別手段により第2の回数の判別が実行されたことに基づき、前記有利状態を設定する第2有利状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態が設定されたことに基づいて、有利期間の決定割合が有利状態よりも低い不利状態が第1不利状態設定手段によって設定される。有利状態設定手段により有利状態が設定されてから第1の回数の判別手段による判別が実行されたことに基づいて、第2不利状態設定手段により不利状態が設定される。第2不利状態設定手段により不利状態が設定されてから判別手段により第2の回数の判別が実行されたことに基づき、第2有利状態設定手段によって有利状態が設定される。
これにより、有利状態設定手段により設定された有利状態が終了したとしても、その後に第2有利状態設定手段により設定される有利状態を目指して遊技を継続させることができる。よって、遊技者の優位に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機B2において前記第2不利状態設定手段は、前記有利状態設定手段、または前記第2有利状態設定手段により前記有利状態が設定されてから前記第1の回数の前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて、前記不利状態を設定するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、有利状態設定手段、または第2有利状態設定手段により有利状態が設定されてから第1の回数の判別手段による判別が実行されたことに基づいて、第2不利状態設定手段により不利状態が設定されるので、第1の回数の判別に渡る遊技状態と、第2の回数の判別に渡る不利状態とを交互に繰り返させることができる。従って、1の有利状態が終了しても、次の有利状態まで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
遊技機B1からB3のいずれかにおいて前記有利期間は、前記計数手段により計数された回数が予め定めた特定の回数未満の場合に、前記期間決定手段により決定される割合が高い不利期間よりも短い長さの期間であることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B1からB3の奏する効果に加え、計数手段により計数された回数が予め定めた特定の回数未満の場合に、期間決定手段により決定される割合が高い不利期間よりも、有利期間が短い長さで構成されているので、有利期間では短い間隔で判別手段による判別を実行させることができる。よって、有利状態が設定された場合の遊技効率を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる特別判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能なものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる特別判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、特別判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B5において遊技者の操作に基づいて遊技球を発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路と前記第1経路に設けられ、遊技球が入球可能な第1入球手段と前記第2経路に設けられ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、を備え前記判別手段は前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段とを備えるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が発射される。発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第1経路には、遊技球が入球可能な第1入球手段が設けられ、第2経路には、遊技球が入球可能な第2入球手段が設けられている。判別手段において、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段により第1の判別が実行され、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される。
これにより、第1経路に遊技球を発射するか、第2経路に遊技球を発射するかを遊技者に選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合った遊技性を提供することができる。
遊技機B6において前記期間決定手段は、前記有利状態において、前記第2判別手段による判別が実行された場合に前記動的表示期間として前記有利期間を決定する割合が高くなり、前記有利状態が設定されていない状態において、前記第2判別手段による判別が実行された場合に、前記第1判別手段による判別が実行された場合よりも不利な不利動的表示期間を決定する割合が高くなるものであり前記第1の判別は、前記第2の判別に比較して前記特定の判別結果となる確率が低いものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態において、第2判別手段による判別が実行された場合に期間決定手段により有利期間が決定される割合が高くなる。一方、有利状態が設定されていない場合には、第2判別手段による判別が実行された場合に、第1判別手段による判別が実行された場合によりも不利な不利動的表示期間が期間決定手段によって決定される割合が高くなる。第1の判別は、第2の判別に比較して特定の判別結果となる確率が低く構成されている。
これにより、有利状態では、第2経路を狙って遊技球を発射させ、有利状態以外の状態では、第1経路を狙って遊技球を発射させることができる。よって、状態に応じて遊技球の発射方向を可変させる楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機B7において前記第1の判別により前記特別判別結果となる確率は、前記第2の判別により前記特別判別結果となる確率と同一であることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、第1の判別により特別判別結果となる確率が、第2の判別により特別判別結果となる確率と同一になるように構成されているので、第1経路を狙って遊技球を発射させた場合に、特別判別結果となることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴C群>(同時変動で、特定条件下で他方の特図の保留に応じて変動時間を可変)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と前記第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第1の入球情報を取得し、前記第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2の入球情報を取得する入球情報取得手段とその入球情報取得手段前により取得された前記第1の入球情報に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と前記入球情報取得手段前により取得された前記第2の入球情報に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と前記第1の判別の判別結果を示す第1識別情報と、前記第2の判別の判別結果を示す第2識別情報とを表示可能な表示手段と前記表示手段で前記第1識別情報の動的表示を実行する第1動的表示実行手段と前記表示手段で前記第2識別情報の動的表示を実行する第2動的表示実行手段とその第2動的表示実行手段により前記第2識別情報の動的表示が実行されている間に、新たに前記第2入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて前記入球情報取得手段により取得された前記第2の入球情報を、前記第2判別手段による前記第2の判別が実行されるまで少なくとも記憶可能な第2入球情報記憶手段と前記第1動的表示実行手段により実行される前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間として、前記第2入球情報記憶手段に記憶された前記第2の入球情報の記憶数に少なくとも基づいて、予め定めた複数の期間の中から1の動的表示期間を選択する期間選択手段とを備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、遊技盤に設けられた始動口への入賞(始動入賞)に基づいて実行される抽選結果が当たりの場合に、遊技者に有利な当たり状態が付与されるものがある(例えば、特開2006−000392号公報)。この従来型の遊技機の中には、複数の始動口が設けられ、遊技状態に応じて球が入球し易い始動口が可変するものがある。また、複数の始動口を有した遊技機には、球が入球し難い始動口を狙う変則的な遊技を行った場合に、例えば、変動時間が通常よりも極めて長くなる等のペナルティーが科せられるものも存在する。
しかしながら、掛かる従来型の遊技機では、変則的な遊技方法に対する抑止効果が不十分であるという問題点があった。
これに対して遊技機C1では、第1入球手段に遊技球が入球したことに基づいて入球情報取得手段により第1の入球情報が取得される一方で、第2入球手段に遊技球が入球したことに基づいて第2の入球情報が取得される。入球情報取得手段により取得された第1の入球情報に基づいて第1判別手段によって第1の判別が第1判別手段により実行され、第2の入球情報に基づいて第2判別手段によって第2の判別が実行される。第1の判別の判別結果を示す第1識別情報と、第2の判別の判別結果を示す第2識別情報とが表示手段に表示される。表示手段で第1識別情報の動的表示が第1動的表示実行手段によって実行され、第2識別情報の動的表示が第2動的表示実行手段によって実行される。第2動低表示実行手段により第2識別情報の動的表示が実行されている間に、新たに第2入球手段へ遊技球が入球したことに基づいて入球情報取得手段により取得された第2の入球情報が、第2入球情報記憶手段によって第2判別手段による第2の判別が実行されるまで少なくとも記憶される。第1動的表示実行手段により実行される第1識別情報の動的表示における動的表示期間として、第2入球情報記憶手段に記憶された第2の入球情報の記憶数に少なくとも基づいて、期間選択手段により、予め定めた複数の期間の中から1の動的表示期間が選択される。
これにより、第2の入球情報の記憶数に応じて第1判別手段による第1の判別の頻度が可変するので、第1識別情報の動的表示や、第2識別情報の動的表示だけでなく、第2の入球情報の記憶数にも注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機C1において前記第1動的表示実行手段は、前記第2識別情報の動的表示が実行されている場合に、その第2識別情報の動的表示を実行させたまま前記第1識別情報の動的表示を実行可能なものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、第2識別情報の動的表示が実行されている場合に、その第2識別情報の動的表示を実行させたまま第1動的表示実行手段によって第1識別情報の動的表示が実行可能に構成されているので、第1判別手段による第1の判別と、第2判別手段による第2の判別とをより効率良く実行できるという効果がある。
遊技機C1またはC2において前記期間選択手段は、前記第2入球情報記憶手段に少なくとも1の前記第2の入球情報が記憶されている場合よりも、前記第2入球情報記憶手段に前記第2の入球情報が記憶されていない場合に、遊技者に有利な有利動的表示期間を選択する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1またはC2の奏する効果に加え、第2入球情報記憶手段に少なくとも1の第2の入球情報が記憶されている場合よりも、第2入球情報記憶手段に第2の入球情報が記憶されていない場合に、期間選択手段により遊技者に有利な有利動的表示期間が選択される割合が高くなるので、第2入球情報記憶手段に第2の入球情報を記憶させないように遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C3において前記第1の判別、または前記第2の判別において予め定めた特定の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを含む複数の種別の中から1の前記特典遊技の種別を選択可能な選択手段と、を備え前記選択手段は、前記第1の判別で前記特定の判別結果となった場合よりも、前記第2の判別で特定の判別結果となった場合に前記第2特典遊技を選択する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の判別、または第2の判別において予め定めた特定の判別結果になったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを含む複数の種別の中から選択手段により1の特典遊技の種別が選択される。第1の判別で特定の判別結果となった場合よりも、第2の判別で特定の判別結果となった場合に選択手段により第2特典遊技が選択される割合が高くなる。
これにより、第2判別手段で特定の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技機C4において前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記第2の判別よりも前記第1の判別が実行され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第2の判別が実行され易い第2遊技状態とを少なくとも設定可能な遊技状態設定手段を備え前記期間設定手段は、前記第1遊技状態において、前記第2入球情報記憶手段に前記第2の入球情報が記憶されていない場合に前記有利動的表示期間の設定割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が終了した後の遊技状態として、第2の判別よりも第1の判別が実行され易い第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも第2の判別が実行され易い第2遊技状態とが少なくとも遊技状態設定手段により設定可能に構成されている。第1遊技状態において、第2入球情報記憶手段に第2の入球情報が記憶されていない場合に期間設定手段により有利動的表示期間を設定される割合が高くなる。
これにより、第1の判別が実行され易い第1遊技状態で第2の判別を実行させようとして変則的な遊技方法を実行し、第2入球情報記憶手段に第2の入球情報が記憶されると、有利動的表示期間が設定され難い不利な状態となるので、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができるという効果がある。
遊技機C5において前記第2動的表示実行手段により実行される前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間として、予め定めた複数の期間の中から1の動的表示期間を選択する第2期間選択手段を備え前記第2期間選択手段は、前記第2遊技状態よりも、前記第1遊技状態が設定されている場合に、遊技者に不利な不利動的表示期間を選択する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2動的表示実行手段により実行される第2識別情報の動的表示における動的表示期間として、第2期間選択手段により予め定めた複数の期間の中から1の動的表示期間が選択される。第2遊技状態よりも、第1遊技状態が設定されている場合に、第2期間選択手段により遊技者に不利な不利動的表示期間が選択される割合が高くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態で第2の判別を実行させようとする変則的な遊技方法を抑制することができるという効果がある。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段と前記第1入球手段が設けられ、遊技球が通過可能な第1経路と前記第2入球手段が設けられ、前記第1経路とは異なる第2経路と、を備えるものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域に発射される。第1入球手段が設けられ、遊技球が通過可能な第1経路と、第2入球手段が設けられ、第1経路とは異なる第2経路とが遊技領域に設けられている。
これにより、遊技者が入球させたい入球手段の種別に応じて発射方向を可変させることができるので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴D群>(特図1と特図2とのうち、一方の抽選を実行され難くする)
遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段とは異なる第2入球手段と前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と前記第1判別手段による第1の判別、または前記第2判別手段による第2の判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段とその特典遊技実行手段により実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段とその遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されている場合に、前記判別条件の成立に基づいて判別を実行する第3判別手段とその第3判別手段により所定の判別結果となったことに基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に遊技状態を変更する遊技状態変更手段とその遊技状態変更手段により、特定条件が成立している状態で前記第1遊技状態に変更された場合に、前記第1判別手段によって前記第1の判別が実行される頻度を、前記第2判別手段により前記第2の判別が実行される頻度よりも抑制する頻度抑制手段とを備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入球に基づいて実行される抽選で当たりとなった場合に、遊技者に有利な当たり状態となるものがある。かかる従来型の遊技機の中には、当たり後に、当たりとなる抽選確率が通常よりも高い確変状態が設定されるものがある。更に、確変状態から通常状態へと移行させるか否かの抽選(転落抽選)を当たりか否かの抽選とあわせて実行する遊技機が知られている。かかる遊技機では、確変状態がいつまで継続するのかを遊技者に予測され難くできるので、より長く確変状態が継続することを願って遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、確変状態が早期に(少ない抽選回数で)終了してしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう虞があるという問題点があった。
これに対して遊技機D1では、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段により第1の判別が実行され、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される。第1判別手段による第1の判別、または第2判別手段による第2の判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される第1遊技状態と、その第1確率よりも高い第2確率に設定される第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定可能に構成されている。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されている場合に、判別条件の成立に基づいて第3判別手段により判別が実行され、その第3判別手段により所定の判別結果となったことに基づいて、遊技状態変更手段により第2遊技状態から第1遊技状態に遊技状態が変更される。遊技状態変更手段により、特定条件が成立している状態で第1遊技状態に変更された場合に、第1判別手段によって第1の判別が実行される頻度が、頻度抑制手段によって、第2判別手段により第2の判別が実行される頻度よりも抑制される。
これにより、第1遊技状態に変更された時点で特定条件が成立しているか否かに応じて、第1の判別が実行される頻度を可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において前記第1判別手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球した後で、所定の第1判別条件が成立した場合に第1の判別を実行するものであり前記第2判別手段は、前記第2入球手段へと遊技球が入球した後で、所定の第2判別条件が成立した場合に第1の判別を実行するものであり前記頻度抑制手段は、前記所定の第1判別条件を、前記所定の第2判別条件よりも成立し難くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段へと遊技球が入球した後で、所定の第1判別条件が成立した場合に第1判別手段によって第1の判別が実行される。第2入球手段へと遊技球が入球した後で、所定の第2判別条件が成立した場合に第2判別手段によって第2の判別が実行される。所定の第1判別条件が、頻度抑制手段によって所定の第2判別条件よりも成立し難くなるように制御される。
これにより、所定の第1判別条件の成立し易さを可変させることにより第1の判別が実行される頻度を可変できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1またはD2において前記遊技状態設定手段は、前記第1の判別よりも、前記第2の判別により前記特定の判別結果となった場合に、実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態を設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1またはD2の奏する効果に加え、第1の判別よりも、第2の判別により特定の判別結果となった場合に、実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定される割合が高くなるように構成されているので、頻度抑制手段により第1の判別が実行される頻度を抑制されることにより、遊技者にとって有利となる。よって、特定条件が成立した状態で第1遊技状態に変更された場合に、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて識別情報を表示可能な表示手段とその表示手段に対して、前記第1の判別の判別結果を示す第1識別情報の動的表示と、前記第2の判別の判別結果を示す第2識別情報の動的表示とをそれぞれ実行可能な動的表示実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報が表示手段に表示可能に構成されている。表示手段に対して第1の判別の判別結果を示す第1識別情報の動的表示と、第2の判別の判別結果を示す第2識別情報の動的表示とがそれぞれ動的表示実行手段によって実行される。
これにより、一方の識別情報の動的表示が実行中であっても、他方の識別情報の動的表示を実行させることができるので、より効率良く識別情報の動的表示を行わせることができるという効果がある。
遊技機D4において前記頻度抑制手段は、1の前記第1識別情報の動的表示が開始されてから、次に前記第1識別情報の動的表示が開始されるまでの開始間隔を長くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の第1識別情報の動的表示が開始されてから、次に第1識別情報の動的表示が開始されるまでの開始間隔が長くなるように頻度抑制手段によって制御される。
これにより、第1識別情報の動的表示が実行される頻度を少なくすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D4またはD5において前記動的表示実行手段により実行される前記第1識別情報、または前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間を予め定めた複数の期間の中から設定する期間設定手段を備え前記予め定めた複数の期間には、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間とが少なくとも含まれているものであり前記頻度抑制手段は、前記第1識別情報の動的表示における動的表示期間として前記期間設定手段により前記第2動的表示期間が設定される割合が前記第1動的表示期間よりも高く、且つ、前記第2識別情報の動的表示における動的表示期間として、前記期間設定手段により前記第1動的表示期間が選択される割合が前記第2動的表示期間よりも高い状態を設定するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D4またはD5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示実行手段により実行される第1識別情報、または第2識別情報の動的表示における動的表示期間が、期間設定手段により予め定めた複数の期間の中から設定される。予め定めた複数の期間には、第1動的表示期間と、その第1動的表示期間よりも長い第2動的表示期間とが少なくとも含まれている。第1識別情報の動的表示期間として期間選択手段により第2動的表示期間が設定される割合が第1動的表示期間よりも高く、且つ、第2識別情報の動的表示における動的表示期間として、期間選択手段により第1動的表示期間が選択される割合が第2動的表示期間よりも高い状態が、頻度抑制手段により設定される。
これにより、第1識別情報の動的表示における動的表示期間よりも、第2識別情報の動的表示における動的表示期間の方が短くなり易くなるので、第2識別情報の動的表示が実行される頻度を高めることができるという効果がある。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて遊技者の操作に基づいて遊技球を遊技領域に発射可能な発射手段とその発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とその第2経路を通過した遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別手段により前記第2の判別が実行される第3入球手段と、を備え前記第1入球手段、および前記第2入球手段は、前記第1経路を通過した遊技球が入球可能な位置に配置されているものであり前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態に比較して前記第2経路を通過した遊技球が前記第3入球手段に入球し難くなるものであり前記遊技状態設定手段は、前記第1の判別よりも、前記第2の判別により前記特定の判別結果となった場合に、実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態を設定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者の操作に基づいて発射手段により遊技球が遊技領域に発射され、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1経路と、その第1経路とは異なる第2経路とが設けられている。第2経路を通過した遊技球が入球可能な位置には、遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される第3入球手段が設けられている。第1入球手段、および第2入球手段が、第1経路を通過した遊技球が入球可能な位置に配置されている。第1遊技状態は、第2遊技状態に比較して第2経路を通過した遊技球が第3入球手段に入球し難くなるように構成されている。第1の判別よりも、第2の判別により特定の判別結果となった場合に、実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定される割合が高くなるように構成されている。
これにより、第2遊技状態が設定された場合には、第2経路へと遊技球を発射することにより有利な第2の判別が実行され易くなるので、特典遊技が終了した後の遊技状態として第2遊技状態が設定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて遊技球が通過可能な通過手段と前記通過手段を通過した遊技球を前記第1入球手段に誘導する第1誘導状態と、第2入球手段に誘導する第2誘導状態とに可変可能な誘導手段とその誘導手段により遊技球が前記第1入球手段に誘導されたことに基づいて前記誘導手段を前記第2誘導状態に可変させ、遊技球が前記第2入球手段に誘導されたことに基づいて前記誘導手段を前記第1誘導状態に可変させる可変手段とを備えることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過手段が設けられている。通過手段を通過した遊技球を第1入球手段に誘導する第1誘導状態と、第2入球手段に誘導する第2誘導状態とに誘導手段が可変可能に構成されている。誘導手段により遊技球が第1入球手段に誘導されたことに基づいて可変手段により誘導手段が第2誘導状態に可変される。一方、遊技球が第2入球手段に誘導されたことに基づいて誘導手段が可変手段により第1誘導状態に可変される。
これにより、通過手段を遊技球が通過する毎に、第1入球手段と第2入球手段とに交互に遊技球を入球させることができるので、頻度抑制手段により第1の判別が実行される頻度が抑制されていない場合に、第1の判別が実行される頻度と第2の判別が実行される頻度とが均等になり易くできるという効果がある。
遊技機D1からからD8のいずれかにおいて前記第1の判別が実行された回数と前記第2の判別が実行された回数との合計を計数する計数手段を備え前記特定条件は、前記第2遊技状態が設定されてから前記計数手段により計数された計数値が特定の計数値以下の範囲にある場合に成立するものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の判別が実行された回数と第2の判別が実行された回数との合計が計数手段によって計数される。第2遊技状態が設定されてから計数手段により計数された計数値が特定の計数値以下の範囲にある場合に特定条件が成立するように構成されている。
これにより、第1遊技状態へと変更されるまでに実行された第1の判別と第2の判別との回数に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC7、およびD1からD9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC7、およびD1からD9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA9,B1からB8,C1からC7、およびD1からD9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。