JP2021118834A - 遊技機 - Google Patents

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卓人 市原
Takuto Ichihara
卓人 市原
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Abstract

【課題】遊技興趣を向上させることが可能な遊技機を提供すること。【解決手段】パチンコ遊技機1では、遊技制御用マイコン81は、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が、特典付与回数となることに応じて、時短状態Bに制御することがある。また、特典付与回数を、大当たり遊技が実行された際に、大当たり遊技の契機となった大当たり図柄、または、遊技球の特定領域39への通過可能な小当たり図柄に応じた第1特典付与回数(n回)に設定可能である。【選択図】図45

Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機では、始動口(入球口)に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される(特許文献1参照)。
そして、特許文献1に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な始動口に通常遊技状態(非時短状態)よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。
特開2018−88993号公報
しかしながら、開閉可能な始動口に通常遊技状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
本発明に係る遊技機は、
識別情報の変動表示を実行可能であり、前記識別情報を特定態様で停止表示したことに応じて、遊技領域に設けられた開閉可能な可変入賞口の開放を伴う大当たり遊技を実行可能な遊技制御手段を備えた遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
前記識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様で停止表示する変動表示が連続して行われた回数である非特定変動回数が、所定の切替回数となることに応じて、前記遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口が通常遊技状態のときよりも開放し易い特定遊技状態に移行することがあり、
前記切替回数を、前記大当たり遊技が実行された際に、当該大当たり遊技の契機となった前記識別情報の停止表示の態様に応じた第1切替回数に設定可能であることを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、遊技興趣の向上が可能である。
本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える第2大入賞装置等を示す概略正面図である。 図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)大当たり判定テーブルである。(B)大当たり図柄種別判定テーブルである。(C)小当たり図柄種別判定テーブルである。(D)ハズレ図柄種別判定テーブルである。(E)リーチ判定テーブルである。 大当たり図柄種別及び小当たり図柄種別の判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。 ハズレ図柄種別の判定テーブルであり、ハズレの種類を説明する表である。 特典付与回数到達時短設定テーブルである。 (A)普通図柄当たり判定テーブルである。(B)普通図柄変動パターン判定テーブルである。(C)電チューの開放パターン決定テーブルである。 (A)非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)特典付与回数到達用の特図変動パターン判定テーブルである。 (A)時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルである。 始動入賞コマンドの特定テーブルである。 (A)第1特典付与回数設定テーブルである。(B)第2特典付与回数設定テーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 ゲート通過処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。 振分部材制御処理のフローチャートである。 特定領域センサ検出処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 実施形態に係る遊技機の遊技フローを説明する図である。 (A)昼背景モードの背景画像を示す図である。(B)夜背景モードの背景画像を示す図である。(C)空背景モードの背景画像を示す図である。 変動演出における通常変動の具体例を示す説明図である。 変動演出におけるNリーチ(ノーマルリーチ)の具体例を示す説明図である。 変動演出におけるSPリーチの具体例を示す説明図である。 変動演出における時短突入演出の具体例を示す説明図である。 第1実施形態における遊技状態の変遷と、外部端子板からの出力信号の状態と、その出力信号から外部機器にて表示可能なスタート回数の例とを示すタイムチャートである。 第2実施形態における遊技状態の変遷と、外部端子板からの出力信号の状態と、その出力信号から外部機器にて表示可能なスタート回数の例とを示すタイムチャートである。
<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態である第1実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64(図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの表示領域からなる。左の表示領域には左演出図柄8Lが表示され、中の表示領域には中演出図柄8Cが表示され、右の表示領域には右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれ(通常ハズレ)であった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」とも言う)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20(「他の入球口」の一例)を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定入球口、第1入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変入球口、第2入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口(他の特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、他の特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口(特別入賞口に相当)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材に相当)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。また、1種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技といい、2種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技という。また、1種大当たりを直撃大当たりともいう。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(第1図柄に相当、特図1ともいう)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2図柄に相当、特図2ともいう)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aが含まれている。第1特図保留を特図1保留ともいう。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様(特定の停止態様)の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種別(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種別(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレ(後述の複数種類のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄の一つとして全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶される。特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数、上限保留数)は第1特図保留記憶部85aが「4」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aは4個のLEDで構成されている。特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110、本パチンコ遊技機1の外部に後述する種々の信号を出力する外部端子板119等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板150には、後述する遊技制御用マイコン81のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が設けられている。なお、RAMクリアスイッチ152は、本パチンコ遊技機1の裏側に配置された電源基板150上に設けられている。そのため、遊技機枠50を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ152を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ152は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ152は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAMクリアスイッチ152がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン81に入力される。RAMクリアスイッチ152が押されている状態をRAMクリアスイッチ152のON状態といい、RAMクリアスイッチ152が押されていない状態をRAMクリアスイッチ152のOFF状態という。
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a)が設けられている。
また主制御基板80には、図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43aが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光データの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。なお盤可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
外部端子板119は、主制御基板80に接続されており、遊技制御用マイコン81から受信した信号に基づいて、各種の信号をデータ表示器160やホールコンピュータといった本パチンコ遊技機1の外部に配された外部装置に対して出力する。
外部端子板119には、外部出力用の複数のチャネル(CN)が設けられている。各チャネル(CN)に対応するコネクタと、データ表示器160側のコネクタとはケーブルによって接続されている。そして、各コネクタからはそれぞれ一つの信号が外部に出力されるようになっている。
この外部端子板119では、図柄確定信号、大当たり信号、時短信号、時短B開始信号、時短B終了信号等の各信号をそれぞれ異なるCNから出力できる。図柄確定信号は、変動表示されていた特別図柄が停止表示されたことに応じて出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態の図柄確定信号は、特別図柄が停止表示されたときに、所定の期間だけONとされ、その他の期間はOFFとされる。大当たり信号は、大当たり遊技状態において、その他の遊技状態と出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態における大当たり信号の出力状態は、大当たり遊技状態中にONとされ、大当たり遊技状態以外の遊技状態でOFFとされる。時短信号は、時短状態(高ベース状態)において、その他の遊技状態と出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態における時短信号の出力状態は、時短状態中にONとされ、時短状態以外の遊技状態でOFFとされる。時短B開始信号は、後述する時短状態Bの開始に応じて、出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態における時短B開始信号の出力状態は、時短状態Bの開始時に、時短状態Bの期間よりも短い期間だけONとされ、その他の期間にはOFFとされる。時短B終了信号は、時短状態Bの終了に応じて、出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態における時短B終了信号の出力状態は、時短状態Bの終了時に、時短状態Bの終了後に移行する非時短状態よりも短い期間だけONとされ、その他の期間にはOFFとされる。なお、各信号の出力状態は、ON、OFFが逆であってもよい。また、外部端子板119は、これらの信号の他にも、例えば遊技機枠50が開放されていることを示す枠開放信号や、所定数(例えば10球)の賞球がなされたことを示す賞球信号、電チュー22や大入賞装置の未作動時にこれらの装置に係る入賞口に入賞があったことを示すセキュリティ信号、第1始動口20又は第2始動口21への入賞があったことを示す始動口信号を、各チャネルから出力できるようになっている。
なお、外部端子板119に対して遊技制御用マイコン81が出力する信号(外端出力用信号)は、複数ビットの情報量をもつシリアルデータである。このシリアルデータが、図示しないS/P変換回路(シリアル/パラレル変換回路)によってパラレルデータに変換されて、外部端子板119に入力される。このシリアルデータは、例えば1ビット目が大当たり信号に対応しており(1ビット目が「1」であれば大当たり信号を出力し、「0」であれば大当たり信号を出力しない)、2ビット目が時短信号に対応しているといったデータである。よって、このようなシリアルデータがパラレルデータに変換されて外部端子板119に入力されると、各CNに対応して設けられているフォトリレー等の信号伝達素子は、それぞれの入力信号に応じて導通/非導通を切り変える。その結果、フォトリレーが導通状態となったチャネルからは、外部出力信号が出力されることとなる。
データ表示器160は、接続されている遊技機の動作状況に関する表示を行うものである。データ表示器160は、図柄確定信号の非受信から受信への切り替わり(ONエッジ)に基づいて特別図柄変動の回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示器160が備える表示画面のスタート回数表示部161に表示する。また、データ表示器160は、大当たり信号の非受信から受信への切り変わり(ONエッジ)に基づいて大当たり回数をカウントし、そのカウント値をデータ表示器160が備える表示画面の大当たり回数表示部162に表示する。さらに、例えば、大当たり信号の受信中には、大当たり遊技中であることを示す表示を行うこともできる。加えて、大当たり信号、時短信号、時短B開始信号、時短B終了信号の受信に応じて、スタート回数表示部161に表示するカウント値のカウントをリセット(例えばゼロ)することも可能である。
ホールコンピュータは、ホール内に設置された各パチンコ遊技機の動作状況等の情報を集計して、営業管理や遊技機管理を行うための装置であり、ホールの管理室等に設置されている。ホールコンピュータは、例えば、データ表示器160を介してパチンコ遊技機1に接続されおり、ホールコンピュータにも、上記した各種の外部出力信号が入力される。なお、ホールコンピュータは、データ表示器160を介さずに外部端子板119に接続されていてもよい。
なお図4及び図5は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図4及び図5に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図4及び図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図4及び図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、図6(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定、ハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0〜199までの範囲で値をとる。
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。リーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
また、パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づいて、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、図7(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選と、第2始動口21への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選とでは、大当たりの当選確率は同じであるが、小当たりの当選確率は異なっている。具体的には、特図2の抽選の方が、特図1の抽選よりも小当たりに当選し易くされている。なお、本形態では、特図2の抽選では、ほとんどの場合に小当たりに当選するようになっている。このため、以下、特図2の抽選においては、大当たりやハズレである稀なケースを除き、小当たりに当選する主要なケースのみについて説明することがある。
パチンコ遊技機1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄A」に決定し、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、100%の割合で、「特図2_大当たり図柄C」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターン等が異なることがある。
またパチンコ遊技機1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。特図2の抽選では、5%の割合で、「特図2_小当たり図柄a」に決定し、10%の割合で、「特図2_小当たり図柄b」に決定し、10%の割合で、「特図2_小当たり図柄c」に決定し、75%の割合で、「特図2_小当たり図柄d」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技や2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定等が異なることがある。
またパチンコ遊技機1は、大当たりにも小当たりにも当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、99%の割合で、「特図1_ハズレ図柄A」に決定し、1%の割合で、「特図1_ハズレ図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、100%の割合で、「特図2_ハズレ図柄C」に決定する。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与えることがある。なお、この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、ハズレ(後述の通常ハズレ)と判定した場合、リーチ乱数を、図7(E)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄8L,8C,8Rをリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレの種類について、図8及び図9に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図2_大当たり図柄C」がある。また、「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」、「特図2_小当たり図柄d」がある。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」、「特図2_ハズレ図柄C」がある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には1種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。
図8に示すように、「特図1_大当たり図柄A」は8R(ラウンド)大当たりであり、「特図1_大当たり図柄B」は4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、何れも後述の「時短状態A」(複数種類ある時短状態のうちの1つ)である。「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」に基づく大当たり遊技後の時短状態では、時短回数が1回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
また、「特図2_大当たり図柄C」は、10R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「時短状態A」であり、時短回数は1回に設定される。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図8に示すように、特図1の抽選で当選可能な小当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される小当たり図柄)の種別は0種類であり、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は4種類である。具体的に、特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」、「特図2_小当たり図柄d」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄d」は、特定領域39への通過(V通過ともいう)が実質的に不可能な小当たりである。これに対して、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」及び「小当たり図柄c」は、V通過が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、「小当たり図柄d」に基づく小当たり当選から大当たり遊技が実行されることは、イレギュラーなケースを除いてない。小当たり遊技の実行中にV通過可能か否かは、振分部材71の作動パターンおよび開閉部材37の開放パターンによって決まる。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。但し、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、小当たり図柄の種別に応じて異なっている。具体的には図8に示すように、「小当たり図柄d」ではおよそ4.6秒、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」、「小当たり図柄c」では0.008秒である。このように小当たり図柄の種別に応じて小当たり遊技のオープニングの時間が異なっているのは、このオープニングの開始から一定の動作で動いている振分部材71に対する第2大入賞口35の開放タイミングを変えるためである。これにより、小当たり遊技の実行中にV通過が可能な通過用開放パターンと、小当たり遊技の実行中にV通過が不可能(実質的を含む)な非通過用開放パターンとをつくり出している。
また特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、小当たり図柄の種別に応じて定められている開放パターンで第1大入賞口30が開放される。具体的には、「小当たり図柄d」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から5R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させ、6R目から11R目までは1Rあたり1回、最大開放時間を0.1秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に4Rの2種大当たり遊技が実行される。そして、この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、「非時短状態」に制御される。但し、「小当たり図柄d」は、V通過が実質的に不可能な小当たりであるため、このような2種大当たり遊技が実行されることはイレギュラーなケースを除いてない。
また、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」及び「小当たり図柄c」の当選に基づく2種大当たり遊技では、2R目から11R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に10Rの2種大当たり遊技が実行される。この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、後述の「時短状態A」に制御される。そして、「小当たり図柄a」、「小当たり図柄b」及び「小当たり図柄c」に基づく時短状態では、時短回数が1回に設定される。
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図9に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類あり、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図1_ハズレ図柄B」の何れかに決定される。また特図2の抽選では、「特図2_ハズレ図柄C」に決定される。
「特図1_ハズレ図柄A」及び「特図2_ハズレ図柄C」は、通常ハズレであり、「特図1_ハズレ図柄B」は、特殊ハズレである。特殊ハズレは、後述の時短状態の制御契機となるハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態に制御する。特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。なお、「特図1_ハズレ図柄B」は、特別図柄に関する非特定の停止態様の一例である。
ここで、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、非時短状態と時短状態とがある。非時短状態を通常遊技状態とも称する。パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、非時短状態(通常遊技状態)である。時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー22に遊技球が入賞し易くなる遊技状態である。
時短状態の種類には、時短状態A、時短状態Bの2つがある。時短状態Aは、上述したように、大当たり遊技の終了後に移行する時短状態である(図8参照)。これに対して、時短状態Bは、大当たり遊技が実行されることなく、ハズレ図柄が停止表示されたことに応じて移行する時短状態である。より詳細には、「特図1_ハズレ図柄B」が停止表示された場合には、その停止時間の経過時に時短状態Bに制御される。本形態では、時短状態Bに制御された場合、時短回数は1回に設定される(図9参照)。なお、本形態では、特別図柄の変動表示の回数(特図の可変表示の回数)が所定の特典付与回数に到達した場合にも、時短状態Bに制御されることがある。この点、後に詳述する。また後述するように、時短状態が異なると、普通図柄の変動パターンや電チュー22の開放パターン等が異なる。
次に、特別図柄の変動表示の回数が特典付与回数に到達したことに応じて時短状態に制御される場合について説明する。本形態では、大当たり遊技の実行契機となるものでも、時短状態に制御される契機となる特殊ハズレでもない特別図柄の抽選結果(特別図柄を所定の非特定態様で停止表示する変動表示)が連続した場合、その連続する回数(非特定変動回数)が特典付与回数に到達すると時短状態に制御される。そして、特典付与回数に到達した場合には、図10の特典付与回数到達時短設定テーブルに示すように、その後の遊技状態が時短状態Bに制御される。すなわち、大当たり遊技状態に制御される契機にも時短状態に制御される契機にもならない特別図柄の抽選(非特定変動)の連続した回数(非特定変動回数)が特典付与回数に到達した場合(以下、単に「特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合」のようにいうこともある)には、通常ハズレであっても、時短状態Bへと制御される。そして、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達したことに応じて時短状態Bに制御された場合、時短回数は1回に制御される。
続いて、時短状態についてより詳細に説明する。時短状態では、図11(A)に示すように、普通図柄抽選の当選確率が、非時短状態よりも高くなる。本形態では、非時短状態における普通図柄抽選では当たりと判定されることはないが、時短状態(時短状態A、時短状態B)における普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。すなわち時短状態では、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動する。
また時短状態では、図11(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では10秒であるが、時短状態Aでは2秒であり、時短状態Bでは3秒である。すなわち時短状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動する。
また時短状態では、図11(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなる。本形態では、電チュー22の開放時間は、非時短状態では1回あたり0.1秒であるが、時短状態Aでは2秒であり、時短状態Bでは1.5秒である。すなわち時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動する。
また時短状態では、図11(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。本形態では、電チュー22の開放回数は、非時短状態では1回であり、時短状態Aでは2回であり、時短状態Bでは1回である。すなわち時短状態Aでは、電チュー22の開放回数増加機能が作動する。なお、時短状態Bでは、補助遊技における電チューの開放回数は、非時短状態と同じ1回であるが、2回以上としてもよい。
普通図柄表示器42の確率変動機能や、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、電チュー22の開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態(すなわち時短状態)を「高ベース状態」ともいい、作動していない状態(すなわち非時短状態)を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。時短状態(高ベース状態)は、「特典遊技状態」に相当する。
なお、時短状態(高ベース状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよい。つまり、例えば、普通図柄表示器42の確率変動機能については作動しないものとしてもよい。
ここで、時短状態A、時短状態Bを比較すると、普通図柄の変動時間については、時短状態Aが時短状態Bよりも短い。また、補助遊技における電チュー22の開放時間については、時短状態Aが時短状態Bよりも長い。また、補助遊技における電チュー22の開放回数については、時短状態Aが時短状態Bよりも多い。よって、第2始動口21への遊技球の入球し易さは、時短状態A>時短状態Bの関係にあると言える。つまり、何れの時短状態も非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態ではあるものの、時短状態の中では、時短状態Aの方が時短状態Bよりも、遊技者に有利であると言える。
時短状態は、所定の上限実行回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。上限実行回数(時短回数)は、時短状態の制御契機となった特別図柄の種別に基づいて決定される。本形態では、時短回数が、1回に設定される(図8、図9参照)。
時短状態(高ベース状態)では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、非時短状態(低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機1は、非時短状態と時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図12及び図13参照)。時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図13)は、非時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図12)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。また本形態では、時短状態Aと、時短状態Bとで、異なる特図変動パターン判定テーブルに従って特図変動パターンを決定する(図13(A)(B)参照)。より詳細には、時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(図13(A))と、時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(図13(B))とでは、特図1に係るテーブルは共通しているが、特図2に係るテーブルが異なっている。
具体的には、時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(図13(A))では、特図2の変動パターンとして、30秒の変動時間の変動パターン(P31〜P33の何れか)が決定される。これらの変動パターンが選択された場合、後述するバトルリーチを伴う変動演出が実行される。また、時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(図13(B))では、特図2の変動パターンとして、40秒の変動時間の変動パターン(P41〜P43の何れか)が決定される。これらの変動パターンが選択された場合、後述するストーリーリーチを伴う変動演出が実行される。
このように本形態では、時短状態の種類に応じて、特図2の変動時間が異なるように構成されている。時短状態Aは、時短状態Bよりも、特図2の変動時間が短い時短状態である。よって、時短状態Aは、時短状態Bよりも、特図変動が速く進行される。
また本形態では、非時短状態における特図1の抽選にて「ハズレ図柄B」の特殊ハズレ(時短ハズレ)を引いた場合には、特図変動パターンP8が選択され、SPリーチの実行後に後述の時短突入演出が実行される(図12(A)の特図1の欄参照)。また、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合には、特図変動パターンP9が選択され、SPリーチの実行後に後述の時短突入演出が実行される(図12(B)の特図1の欄参照)。これにより、大当たり遊技が実行されることなく時短状態に移行することを遊技者に報知する。なお、この点については後述する。
4.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選期待度を示唆する演出である。
図14に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりであるか、小当たり(V通過可)であるか、小当たり(V通過実質不可)であるか、通常ハズレであるか、時短ハズレ(特殊ハズレ)であるかの抽選結果情報が含まれている。また、本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには抽選結果情報が含まれていればよく、抽選結果情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
5.特典付与回数について
本形態のパチンコ遊技機1は、前述したように、カウントしている特別図柄の変動表示の回数が特典付与回数に到達したことに応じて、時短状態へと制御される。本形態では、特典付与回数は、その設定条件に応じて、異なる値に設定されることがある。図15には、特典付与回数の設定に用いるテーブルを示している。本形態では、特典付与回数として、それぞれ異なる条件により設定される第1特典付与回数と第2特典付与回数とがある。第1特典付与回数は、大当たり遊技が実行されたことに応じて設定される。より具体的に、第1特典付与回数は、大当たり遊技が実行された際に、その大当たり遊技の契機となった図柄(すなわち、特図1または特図2の抽選結果の態様)に応じて設定される。第2特典付与回数は、特別図柄の変動表示の回数が特典付与回数に到達したことで時短状態に制御されたことに応じて設定される。
図15(A)は、第1特典付与回数設定テーブルである。図15(A)に示すように、第1特典付与回数は、特図1の抽選で「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」に当選した場合、特図2の抽選で「特図2_大当たり図柄C」、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」、「特図2_小当たり図柄d」に当選した場合に設定され得る。また、第1特典付与回数は、「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合には20回、「特図1_大当たり図柄B」に当選した場合には50回、「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合には20回、「特図2_小当たり図柄a」に当選した場合には10回、「特図2_小当たり図柄b」に当選した場合には50回、「特図2_小当たり図柄c」に当選した場合には80回、「特図2_小当たり図柄d」に当選した場合には100回に設定される。このように、本形態では、大当たり遊技が実行された際に、その大当たり遊技の契機となった特別図柄の種別が、上記のどの特別図柄であるかにより、第1特典付与回数として異なる値が設定される。また本形態では、第1特典付与回数は、大当たり遊技後に移行した時短状態Aが終了することに応じて設定される。なお、「特図2_小当たり図柄d」については、特定領域39への通過が実質的に不可能な小当たりであるため、イレギュラーなケースを除いて大当たり遊技が行われることはない。よって、「特図2_小当たり図柄d」に当選した場合であっても、イレギュラーなケースを除いて第1特典付与回数が設定されることはない。
図15(B)は、第2特典付与回数設定テーブルである。図15(B)に示すように、第2特典付与回数は、特別図柄の種別に関係なく、100回の一定値にて設定される。また本形態では、第2特典付与回数は、特別図柄の変動表示の回数が特典付与回数に到達したことで移行した時短状態Bにて、第1特典付与回数が設定される種別の特別図柄に当選することなく終了することに応じて設定される。図15に示すように、本形態において、第1特典付与回数は、第2特典付与回数よりも少ない値に設定されることがある。さらに、第1特典付与回数は、第2特典付与回数よりも少ない値に設定される傾向にある。なお、第1特典付与回数や第2特典付与回数の具体的な値は適宜、変更可能である。
6.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図16〜図35に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図16に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。特段の記載がない場合、基本的には、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本形態では、後述する特典付与カウンタについては、初期設定(S001)において、「100」にセットされる。特典付与カウンタの初期設定における設定値としては、100以外の値としてもよい。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図17に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口21であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。但し、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図16の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、外部端子出力処理(S109)、および、その他の処理(S110)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。外部端子出力処理(S109)では、後述する各外部端子設定処理にて設定された出力信号を、外部端子板119に出力する。その他の処理(S110)としては、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図16参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図18に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、後述する特別動作ステータスが1であるか否か判定する(S204)。そして、特別動作ステータスが1でない場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特別動作ステータスが1である場合(S204でNO)、特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。
特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値をRAM84の所定領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、例えば、大当たり乱数が「65248」であり、図柄種別乱数が「199」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H03H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば03H))からなっている。なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、抽選結果情報である。なお、このような始動入賞コマンドに関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85a(図4)のうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「65535」であり、図柄種別乱数が「199」であれば、図14の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、抽選結果情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。なお本形態では、特殊ハズレであることを示す第1始動入賞コマンドがサブ制御基板90に出力された場合には、遊技制御用マイコン81は、先読み演出として、時短状態に移行することを示唆する演出(例えば、時短状態に移行することを示唆する所定の画像を表示画面7aに表示する演出)を実行する。
[ゲート通過処理]図19に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図6(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図20に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中(普通図柄の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS222で取得した当たり判定前の普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S304)。普通図柄乱数の記憶がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄乱数の記憶があれば(S304でYES)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図11(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態(時短状態A、時短状態B)であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図11(A)に示すテーブルの時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定処理の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図11(B)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態Aであれば、普通図柄の変動時間が2秒の普通図柄変動パターンを選択し、遊技状態が時短状態Bであれば、普通図柄の変動時間が3秒の普通図柄変動パターンを選択する。
その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、図11(B)参照)をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(図11(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態A中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態A用の開放パターン(図11(C)の電チュー開放TBL2参照)をセットし、時短状態B中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態B用の開放パターン(図11(C)の電チュー開放TBL3参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図21に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)および図柄確定時外部端子設定処理(S910)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。また、特別図柄確定処理(S906)後の図柄確定時外部端子設定処理(S910)では、特別図柄が停止されたことに応じて、図柄確定信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、特別図柄の停止に応じて、図柄確定信号の出力状態が、特別図柄の変動時間よりも短い所定期間だけONとなるように選択される。
[特別図柄待機処理]図22に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、上述のステップS206で取得した特図2関係乱数の記憶があるか否かを判定する(S1001)。特図2関係乱数の記憶がない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において取得した特図2関係乱数の記憶がある場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、取得した特図2関係乱数の記憶がないが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でNO且つS1007でNO)、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、取得した特図2関係乱数がない場合(S1001でNOの場合)に限って行われる。すなわち特図2の抽選は、特図1の抽選に優先して実行される。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図23に基づいてまとめて説明する。図23に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図7(A))をセットし(S1102)、特典付与カウンタの値を1ディクリメントする(S1103)。特典付与カウンタは、設定時の初期値として特典付与回数(第1特典付与回数、第2特典付与回数)に応じた値がセットされ、その後、特図の可変表示に応じてステップS1103にて減算されるカウンタである。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1104)。大当たり判定(S1104)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1105)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1106)。大当たり図柄種別を判定(S1106)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(B)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1107)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1104)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1108)。小当たり判定(S1108)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1109)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別(小当たりの種類)を判定する(S1110)。小当たり図柄種別を判定(S1110)した後は、小当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(C)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1111)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1104でNO)、小当たりでもなければ(S1108でNO)、「ハズレ」であるので、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1112)。ハズレ図柄種別を判定(S1112)した後は、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(D)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットする(S1113)。さらに、特典付与カウンタの値が「0」であれば(S1114でYES)、特典フラグをONし(S1115)処理を終える。つまり、特典フラグは、特別図柄変動の回数(非特定変動回数)が特典付与回数に到達したときにONとなるフラグである。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図24及び図25に基づいてまとめて説明する。図24に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1301)。
非時短状態であれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(図12(A)に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。図12(A)に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(図12(A)に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たり用のテーブル(図12(A)に示すテーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、特典フラグがONであるか否かを判定する(S1306)。前述したように、特典フラグは、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達したときにONとなるフラグである。また、本形態では、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した際には、特別図柄の停止時間の経過に応じて時短状態B(時短回数1回)に移行する(図10参照)。特典フラグがONであれば(S1306でYES)、非時短状態中の特典付与回数到達用のテーブル(図12(B)に示すテーブルの当該特図に該当する部分)を参照して、変動パターンを選択する(S1307)。本形態では、特典フラグがONである場合、基本的には特図1に係る変動パターンP9に決定される。
またステップS1306において、特典フラグがONでなければ(S1306でNO)、ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄B」であるか否かを判定する(S1308)。「ハズレ図柄B」は、特別図柄の停止時間の経過に応じて時短状態B(時短回数1回)に移行させる特殊ハズレである(図9参照)。ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄B」であれば(S1308でYES)、非時短状態中ハズレ図柄C用のテーブル(図12(A)に示すテーブルのうちハズレ図柄Bに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1309)。本形態では、ハズレ図柄Bである場合、変動パターンP8に決定される。
なお、本形態では、変動パターンP8に決定された場合、及び、変動パターンP9に決定された場合には、大当たり期待度が高いSPリーチが実行される。そして、このSPリーチでは、失敗演出(落選演出)が実行されるが、その後に時短状態への移行を示唆する時短突入演出が実行される(図44参照)。この点については後述する。
またステップS1308において、「ハズレ図柄B」でなければ(S1308でNO)、通常ハズレ(ハズレ図柄Aあるいはハズレ図柄C、図9参照)であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1310)。図7(E)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」〜「11」であり、非時短状態であれば「0」〜「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも通常ハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1310でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図12(A)に示すテーブルのうちリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1311)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1310でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図12(A)に示すテーブルのうちリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。
特図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1301でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、図25に示すように、時短状態の種類が「時短状態A」であれば(S1313でYES)、図13(A)に示す時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルに従って、変動パターンを選択する(S1314)。また、時短状態の種類が「時短状態B」であれば(S1313でNO)、図13(B)に示す時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルに従って、変動パターンを選択する(S1316)。なお本形態では、時短状態の種類は、後述する遊技状態フラグの値を参照して判定する(図29中の表参照)。
時短状態における変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを各時短状態に応じたテーブル(図13(A)〜(B)参照)にする事以外は非時短状態と同様の流れで処理を行う。なお時短状態では、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引いた場合でも、通常ハズレ(ハズレ図柄A)を引いた場合と同様の変動パターンが選択される(図13(A)に示すテーブルのハズレの欄参照)。既に時短状態に制御されており、ハズレ図柄Bが停止表示されたことに応じて改めて時短状態に制御することがないからである。
なお、特図2変動パターン選択処理(S1003)では、リーチ有りハズレであってもリーチ無しハズレであっても同じ変動パターンが選択される(図13(A)〜(B)の特図2且つハズレ図柄Cの欄参照)。これは、時短状態Aにおける特図2の変動時には、必ず「バトルリーチ」というリーチ演出を実行し、時短状態Bにおける特図2の変動時には、必ず「ストーリーリーチ」というリーチ演出を実行するためである。各時短状態では、特図1の変動表示ではなく、特図2の変動表示が主となる。よって、特図2の変動表示に基づいて大当たり(1種大当たり又は2種大当たり)に当選できるかを、バトルリーチやストーリーリーチといった各遊技状態に特有のリーチ演出によって示すようにしている。なお、バトルリーチを含む変動演出は30秒の変動時間で実行され、ストーリーリーチを含む変動演出は40秒の変動時間で実行される。このように本形態では、時短状態の種類に応じて、演出内容や演出時間を変えることで、遊技に飽きさせ難くしている。
ちなみに、特図1に係る時短状態中の特図変動パターン判定テーブル(図13参照)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1320)、本処理を終える。ステップS1320でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図26に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図12及び図13参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(図7(B)〜(D)参照)に応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図27に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(図12及び図13参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態(低ベース状態)に制御される。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1607)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。さらに、大当たり開始時外部端子設定処理(S1610)を行う。大当たり開始時外部端子設定処理(S1610)では、大当たり信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、大当たり遊技の開始に応じて、大当たり信号の出力状態がONにて選択される。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1611)。小当たりフラグがONであれば(S1611でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1612)。また、時短フラグがONである場合には(S1613でYES)、時短フラグをOFFする(S1614)。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1615)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1616)。
ステップS1616に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1617)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1618)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1611において小当たりフラグがONでなければ(S1611でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1619)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図28及び図29に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONでなければ図29のステップS1711に進み、ONであれば、停止表示されている特別図柄が特図2の停止に係るものであるか否かを判定する(S1702)。特図2の停止でなければ(S1702でNO)ステップS1711に進み、特図2の停止であれば(S1702でYES)、時短状態中に実行した特図変動(特別図柄の変動表示)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1703)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1704)。そして、「0」でなければステップS1711に進み、「0」であれば、時短状態を終了させるべく時短フラグをOFFして(S1705)、時短終了時外部端子設定処理(S1706)を行う。時短終了時外部端子設定処理(S1706)では、時短信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、時短状態の終了に応じて、時短信号の出力状態がOFFにて選択される。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には時短カウンタの値は「1」にセットされるようになっている(図8、図9、図10参照)。
続いて、終了する時短状態が時短状態Aであるか否かを判定する(S1707)。時短状態Aであれば(S1707でYES)、特典付与カウンタの値として第1特典付与回数をセットし(S1708)、ステップS1711に進む。第1特典付与回数の値は、本形態では、終了する時短状態Aの前の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)に応じて、「10」、「20」、「50」、「80」のいずれかにセットされる(図15(A))。一方、終了する時短状態が時短状態Aでない、すなわち時短状態Bであれば(S1707でNO)、特典付与カウンタの値として第2特典付与回数をセットし(S1709)、時短B終了時外部端子設定処理(S1710)を行い、ステップS1711に進む。第2特典付与回数の値は、本形態では、「100」にセットされる(図15(B))。時短B終了時外部端子設定処理(S1710)では、時短B終了信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、時短状態Bの終了に応じて、時短B終了信号の出力状態が、その後に移行する非時短状態よりも短い所定期間だけONとなるように選択される。より具体的に、時短B終了信号の出力状態がONとされる期間は、例えば、通常遊技状態における特図の可変表示の最短時間よりも短い時間とすることなどが考えられる。
図29に示すステップS1711では、時短フラグがOFFであるか否かを判定する。時短フラグがOFFでなければ、ステップS1719に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、特典フラグがONであるか否かを判定する(S1712)。特典フラグがONであれば(S1712でYES)、特典フラグをOFFし(S1703)、ステップS1715に進む。特典フラグがONでなければ(S1712でNO)、停止表示されている特別図柄が、「ハズレ図柄B」であるか否かを判定する(S1714)。すなわち、特殊ハズレであるか否かを判定する。そして、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)でなければステップS1719に進むが、特殊ハズレであれば、ステップS1715に進む。
ステップS1715では、時短フラグをONにする。すなわち、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達したこと、または、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)が停止表示されたことに応じて、時短状態Bを設定する。また、時短回数「1」(図9または図10参照)を時短カウンタにセットする(S1716)。さらに、時短状態Bの開始に応じて、時短開始時外部端子設定処理(S1717)および時短B開始時外部端子設定処理(S1718)を行いステップS1719に進む。時短開始時外部端子設定処理(S1717)では、時短信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、時短状態Bの開始に応じて、時短信号の出力状態がONにて選択される。時短B開始時外部端子設定処理(S1718)では、時短B開始信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、時短状態Bの開始に応じて、時短B開始信号の出力状態が、当該時短状態Bよりも短い所定期間だけONとなるように選択される。より具体的には、時短状態Bの開始に応じて時短B開始信号の出力状態がONとされる期間は、例えば、当該時短状態Bにおける特図の可変表示の最短時間よりも短い時間とすることが考えられる。また、ステップS1715及びS1716が実行されることにより、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。なお本形態では、ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、非時短状態であるとき(ステップS1711でYESのとき)に限られる。
ステップS1719では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理(S1719)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図29中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、非時短状態であれば「1」にセットされ、時短状態Aであれば「2」にセットされ、時短状態Bであれば「3」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S1719)では、時短フラグがOFFであれば、非時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「1」にセットする。また、特典フラグのON、または、ハズレ図柄Bの停止表示に基づいて時短フラグをONしたのであれば、時短状態Bであるため、遊技状態フラグの値を「3」にセットする。なお、遊技状態フラグ更新処理(S1719)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板90により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技の実行のための処理である。図30に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットし(S2016)、大当たり終了時外部端子設定処理(S2017)をした後、後述の遊技状態設定処理(S2018)を行って、本処理を終える。大当たり終了時外部端子設定処理(S2017)では、大当たり信号の出力態様を選択し、設定する。具体的に、本形態では、大当たり遊技の終了に応じて、大当たり信号の出力状態がOFFにて選択される。
[遊技状態設定処理]図31に示すように、遊技状態設定処理(S2018)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)が、時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)であるか否かを判定する(S2101)。この判定結果がNOであればステップS2104に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、当たり図柄の種別に応じた時短回数(図8参照)を時短カウンタにセットし(S2103)、時短開始時外部端子設定処理(S2104)を行い、ステップS2105に進む。ステップS2102及びS2103が実行されることにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態(高ベース状態)になる。時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。本処理では、ステップS2102及びS2103が実行されることにより時短状態Aが設定される。そして、時短開始時外部端子設定処理(S2104)では、時短状態Aの開始に応じて、時短信号の出力状態がONにて選択される。
ステップS2105では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ更新処理を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、時短フラグがOFFであれば非時短状態であるため、遊技状態フラグの値を「1」にセットし、時短フラグがONであれば時短状態Aであるため、遊技状態フラグの値を「2」にセットする(図29中の表参照)。なお、遊技状態フラグ更新処理(S2105)では、更新した遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。そしてサブ制御基板90により、現在の遊技状態に応じた演出モードに制御される。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。図32及び図33に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図33に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図35参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2322)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図17参照)。振分部材制御処理(S107)では図34に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図27参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図17参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図35に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図34)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
7.演出制御用マイコン91の動作
次に、図36〜図38に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、図36に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示画面7a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体15を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図37に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ66、および盤ランプ5などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をランプ制御基板107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ66、および盤ランプ5などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体15などの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体15などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図38に示すように、受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によってRAM94の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板106への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン91が遊技制御用マイコン81からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン91が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
8.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図39に基づいて説明する。図39に示すように、まず、非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行し、特図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄A」であれば、8Rの大当たり遊技の後、時短回数が1回の時短状態Aに移行する(図8参照)。また、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄B」であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が1回の時短状態Aに移行する(図8参照)。
時短状態Aでは右打ちにて遊技を進行し、特図2の抽選に基づく大当たり当選を狙う。特図2の抽選に基づく大当たり当選には、小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり(2種大当たり)、または、直撃大当たり(1種大当たり)が存在する。なお、本形態では、特図2の抽選において、前述したように基本的には小当たりに当選し、直撃大当たりやハズレであることは稀である。このため、図39には、特図2の抽選について、主要なケースである小当たりについて示しており、稀なケースである直撃大当たりやハズレについては省略している。この点、以下の説明についても同様、特図2の抽選における直撃大当たりについては説明を省略することがある。つまり、特図2の抽選においては、基本的には、時短回数1回にて、小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり(2種大当たり)を狙うこととなる。なお、本形態のパチンコ遊技機1は、特図2の抽選に基づいてV通過(特定領域39の通過)が可能な小当たり(「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」、)に当選した場合には、正しく遊技している限り必ず大当たり遊技が実行されるよう構成されている。
特図2の抽選において、小当たり当選を経て2種大当たりに当選した場合、小当たり図柄の種別が「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」「特図2_小当たり図柄c」のいずれかであれば、実質10Rの大当たり遊技の後、時短回数が1回の時短状態Aに移行する(図8参照)。また、小当たり図柄の種別が「特図2_小当たり図柄d」であれば、小当たり遊技状態の後、大当たり遊技状態や時短状態へと移行することなく、通常遊技状態(非時短状態)へと移行する。すなわち、特図2の抽選において「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」「特図2_小当たり図柄c」のいずれかに当選し続ける限り、特図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態(大当たりに当選し易い状態)が継続する。一方、特図2の抽選において「特図2_小当たり図柄d」に当選した場合には、再び特図1の抽選を主とした遊技に戻ることとなる。
ここで本形態では、非時短状態において特図1の抽選を主とした遊技を行っている場合に、大当たり遊技が実行されることなく、時短状態に移行することがある。「特図1_ハズレ図柄B」を引いた場合と、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合とである。そして、「特図1_ハズレ図柄B」を引いた場合と、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合とはともに、大当たり遊技の契機とはならないハズレ図柄を停止表示することに応じて、時短状態へと移行するケースである。
「特図1_ハズレ図柄B」を引いた場合、および、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合には、特別図柄の停止時間が経過すると、時短回数が1回の時短状態Bに移行する(図9参照)。時短状態Bは時短状態Aよりも持ち球が減り易い時短状態であるが(図11(B)(C)参照)、時短状態Bに移行すれば、時短回数1回の特図2の抽選を受けることが可能となる。つまり本形態では、1種2種混合機において、大当たり遊技を経ることなくチャンス変動を得ることができるようになっている。なお、チャンス変動とは、特図1の変動よりも実質的に大当たり遊技を獲得し易い変動のことを言う。このように本形態では、特図1の抽選の結果が大当たりでない場合であっても、時短状態に移行することに期待できるようになっている。これにより、パチンコ遊技機1の遊技興趣が向上されている。
しかも本形態では、特図2の抽選は、特図1の抽選よりも、特典の大きい大当たりに当選し易い。具体的には、特図2の抽選に基づく大当たり(2種大当たり)の方が、特図1の抽選に基づく大当たりよりも、大当たり遊技中に獲得可能な賞球数が多く設定され易い。よって本形態のパチンコ遊技機1によれば、1種2種混合機において、非時短状態から大当たり遊技を経ることなく、所定数以上の時短回数の時短状態に移行するという新たなゲーム性を提供することが可能である。
さらに、本形態では、特定の図柄特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合にも、チャンス変動の機会を得ることができる。すなわち、特図1の抽選において、運悪く通常ハズレである「特図1_ハズレ図柄A」ばかりを継続して引いてしまったような場合であっても、それが無駄にはならず、特典付与回数の到達に寄与し、チャンス変動の機会を得る契機となる。よって本形態のパチンコ遊技機1によれば、特図の抽選結果だけによらずに、時短状態に移行するという新たなゲーム性を提供することが可能である。
9.本形態における演出例
9−1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機1における演出例について、図40〜図44に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、及び枠ランプ66等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置7に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄8L,8C,8Rを用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態の演出モードには、図40(A)に示す昼の背景画像が表示される昼背景モード、図40(B)に示す夜の背景画像が表示される夜背景モード、図40(C)に示す空の背景画像が表示される空背景モード、が含まれている。
昼背景モード(図40(A))は、非時短状態であって取得した特図2関係乱数の記憶がない場合に設定される演出モードである。つまり、非時短状態であって特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
夜背景モード(図40(B))は、時短回数が1回の時短状態Aに制御された場合に設定される演出モードである。つまり、夜背景モードは、大当たり遊技後に移行するモードである。そして、時短状態では、右打ちにて第2始動口21への入賞を狙って遊技を進行させるため、夜背景モードでは、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面7aの右上部に表示する。また、夜背景モードでは、時短状態の終了時期を示唆するため、演出制御用マイコン91は、時短回数の残り回数を示す残回数表示ZIを表示画面7aの右下部に表示する。残回数表示ZIを、終了時期示唆表示とも言う。
空背景モード(図40(C))は、時短回数が1回の時短状態Bに制御された場合に設定される演出モードである。つまり、空背景モードは、ハズレ図柄Bが停止表示された場合、または、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合に移行するモードである。そして、時短状態である空背景モードにおいても、演出制御用マイコン91は、右打ち報知画像RI、残回数表示ZI(終了時期示唆表示)をそれぞれ表示画面7aの所定位置に表示する。また、空背景が表示画面7aに表示されることにより、遊技者には時短状態Bに移行したことが示唆される。
9−2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定や小当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる。演出図柄8L,8C,8Rの変動表示では、演出図柄8L,8C,8Rが変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示が行われる。そして、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
9−2−1.演出図柄表示領域
画像表示装置7の表示画面7aには、図41(A)に示すように、表示画面7aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄8L,8C,8Rの停止表示のときに、左演出図柄8Lを表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rを表示する領域である。
また、図41(A)に示すように、表示画面7aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄8L,8C,8Rは、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄8L,8C,8Rの役割を補う図柄として機能する。
なお、図41(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。
9−2−2.通常変動
パチンコ遊技機1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、図41(A)に示すように、表示画面7aにおいて、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、図41(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(リーチ無しハズレの変動)の場合には、図41(C―1)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが異なる停止態様で仮停止してから、図41(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、図41(C―2)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄8L,8C,8Rの停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
9−2−3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図42(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図42(B)に示すように、中演出図柄8Cの変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図42(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図42(C−2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄8Cが徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄8L,8C,8Rの停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン91によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン91によって選択される。
9−2−4.SPリーチ
パチンコ遊技機1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図43(A)に示すように、表示画面7aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面7aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図43(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えばバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図43(C―1)に示すように、表示画面7aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、主人公キャラクタ(味方キャラクタの一人)がバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、図43(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rがハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。本形態では、非時短状態における特図1の抽選に基づくSPリーチとして、図43に示す演出が実行されるものとする。
9−2−5.特殊ハズレ(時短ハズレ)、特典付与回数到達に基づく変動演出
次に、特図抽選の結果が、特殊ハズレ(ハズレ図柄B)である場合、または、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合の変動演出について説明する。特殊ハズレ(ハズレ図柄B)である場合、または、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した場合は、すなわち、時短状態Bへの制御契機となるハズレに係る変動演出である。演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から受信した特図1変動開始コマンドが示す変動パターンが「P8」又は「P9」である場合、変動パターンが「P1」や「P4」である場合と同様、SPリーチを伴う変動演出を実行する(図12参照)。
このSPリーチでは、図44(A)に示すように、失敗演出(敗北演出)が実行される。ここで、特図抽選の結果が通常ハズレ(ハズレ図柄A)であり、特別図柄変動の回数が特典付与回数未満の場合には、SPリーチで失敗演出が実行されると、バラケ目で仮停止表示されている演出図柄8L,8C,8Rはそのまま確定的に停止表示され、これに合わせて、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もバラケ目で停止表示される(図44(B)参照)。
これに対して、特図抽選の結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B)の場合、または、ハズレであり特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達していた場合には、SPリーチで失敗演出が実行されると、演出図柄8L,8C,8Rが確定的に停止表示されることなく、復活画像G70が表示画面7aに表示される(図44(C)参照)。なお本形態では、復活画像G70は、主人公キャラクタの仲間のキャラクタの画像である。
復活画像G70が表示されることにより、遊技者には時短状態に移行することが示唆される。つまり、復活画像G70を表示する演出は、時短状態に移行することを示唆する演出や、特図抽選の結果が通常ハズレではないことを示唆する演出、あるいは、特典付与回数に到達したことを示唆する演出として機能し得る。なお、復活画像G70を表示する演出を、時短突入演出と称する。時短突入演出の演出内容は、適宜変更可能である。
その後、図44(D)に示すように、演出制御用マイコン91は、復活画像G70を非表示とするとともに、中演出図柄8Cを特殊図柄TZとする特殊目で演出図柄8L,8C,8Rを仮停止表示する。本形態では、特殊図柄TZは、移行先の時短状態に対応する演出モード(空背景モード)の名称の文字(空背景)を含む画像である。そして、この特殊目で演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示するとともに、小図柄KZ1,KZ2,KZ3を、「1・3・5」の特定目で停止表示する(図44(E)参照)。このように本形態では、演出図柄8L,8C,8Rが特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることによっても、時短状態に移行することが示唆される。すなわち、演出図柄8L,8C,8Rが特殊目で停止表示されることや、小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特定目で停止表示されることは、時短状態に移行すること(特殊ハズレを引いたことや、特典付与回数に到達したこと)を遊技者に示唆する演出として機能する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの特殊目や、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の特定目は、適宜変更可能である。
10.実施形態の特徴部
以下、実施形態に係るパチンコ遊技機1の特徴部に係る説明を行う。
10−1.第1実施形態の特徴部
図45は、第1実施形態のパチンコ遊技機1において、大当たり遊技の後、大当たり遊技に移行する契機となる図柄、および、特殊ハズレ(時短ハズレ:ハズレ図柄B)がともに、継続して引けなかった場合(すなわち非特定変動が連続した場合)を示すタイミングチャートである。すなわち、図45には、大当たり遊技後に、特図1の抽選においては通常ハズレ(「特図1_ハズレ図柄A」)が、特図2の抽選においてはV通過が実質不可能な小当たり(「特図2_小当たり図柄d」)が連続した場合を示している。
まず、図45の上段に示す遊技状態の変遷について説明する。図45には、左から右にかけて時間の経過を示しており、時間の経過順に時刻t0〜t9を示している。そして、図45の例では、時刻t0〜t1には大当たり遊技状態(t0〜t1)、時刻t1〜t2には時短状態A(t1〜t2)、時刻t2〜t3には小当たり遊技状態(t2〜t3)、時刻t3〜t4には通常遊技状態(t3〜t4)、時刻t4〜t5には時短状態B(t4〜t5)、時刻t5〜t6には小当たり遊技状態(t5〜t6)、時刻t6〜t7には通常遊技状態(t6〜t7)、時刻t7〜t8には時短状態B(t7〜t8)、時刻t8〜t9には小当たり遊技状態(t8〜t9)にそれぞれ制御されている。また、小当たり遊技状態(t8〜t9)の後、時刻t9からは通常遊技状態(t9〜)に制御されている。なお、小当たり遊技状態および通常遊技状態はともに、非時短状態である。
大当たり遊技状態(t0〜t1)は、特図1の抽選にて当選した大当たり図柄(「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」)を契機として制御される場合(1種大当たり)と、特図2の抽選にてV通過可能な小当たり(「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」、「特図2_小当たり図柄c」)を契機として制御される場合(2種大当たり)とがある。そして、大当たり遊技状態(t0〜t1)の終了に応じて時短状態A(t1→t2)に制御されている。
時短状態A(t1〜t2)では、第2始動口21への入賞に基づいて、V通過が実質的に不可能な小当たりに当選している。このため、時短状態A(t1〜t2)の終了に応じて、第1特典付与回数が設定されている。設定される第1特典付与回数の値は、大当たり遊技状態(t0〜t1)の契機となった図柄に応じて設定される(n回:n=10、20、50、80)(図15(A)参照)。また、時短状態A(t1〜t2)の終了に応じて小当たり遊技状態(t2〜t3)に制御された後、通常遊技状態(t3〜t4)に制御されている。
通常遊技状態(t3〜t4)では、第1始動口20への入賞に基づいて、特図1の抽選が行われる。そして、特別図柄の抽選回数が第1特典付与回数(n回)に到達したことに応じて、時短状態B(t4〜t5)へと制御されている。また、時短状態B(t4〜t5)ではV通過が実質的に不可能な小当たりに当選している。このため、時短状態B(t4〜t5)の終了に応じて、第2特典付与回数が設定されている。設定される第2特典付与回数の値は、100回である(図15(B))。また、時短状態B(t4〜t5)の終了に応じて小当たり遊技状態(t5〜t6)に制御された後、通常遊技状態(t6〜t7)に制御されている。
通常遊技状態(t6〜t7)では、第1始動口20への入賞に基づいて、特図1の抽選が行われる。さらに、特別図柄の抽選回数が第2特典付与回数(100回)に到達したことに応じて、時短状態B(t7〜t8)へと制御されている。その後、上記の時短状態B(t4〜t5)、小当たり遊技状態(t5〜t6)、通常遊技状態(t6〜t7)と同様に、時短状態B(t7〜t8)、小当たり遊技状態(t8〜t9)、通常遊技状態(t9〜)にそれぞれ制御されている。
すなわち、本形態では、大当たり遊技が実行された際に、その大当たり遊技の契機となった図柄に応じて、第1特典付与回数が設定される。そして、その後、大当たり遊技状態や時短状態へと移行することなく、特別図柄変動の回数が第1特典付与回数に到達すると、時短状態Bへと移行されるという、新な興趣を提供可能である。また、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達した際に移行した時短状態Bに応じて、第2特典付与回数が設定されるという、さらに新たな興趣も提供可能である。
さらに、本形態では、大当たり遊技に応じて設定される第1特典付与回数として、特典付与回数への到達により移行した時短状態Bに応じて設定される第2特典付与回数よりも小さい値を設定できる。すなわち、大当たり遊技後の通常遊技状態では、通常ハズレが連続してしまったとしても、その連続する通常ハズレの回数が少ない状態で、通常遊技状態よりも遊技者に有利な時短状態へと移行することが可能である。よって、遊技者は、大当たり遊技後、特図1の抽選を主とした通常遊技状態に移行してしまった場合にも、期待感を維持しつつ遊技を行うことが可能である。また、第1特典付与回数は、大当たり遊技の契機となった図柄に応じて、異なる値に設定されることがある。よって、大当たり遊技の契機となった図柄の種別により、その後の通常遊技状態において、特典付与回数への到達に応じた時短状態への移行しやすさが異なることがあるという、さらに新たな興趣を提供可能である。
また、図45には、本形態のパチンコ遊技機1が外部端子板119より出力可能な各種の信号の出力状態を示している。具体的に、図45(a)には時短信号の出力状態を、図45(b)には時短B開始信号の出力状態を、図45(c)には時短B終了信号の出力状態を示している。
時短信号は、時短状態に制御されている時短状態A(t1〜t2)、時短状態B(t4〜t5)、時短状態B(t7〜t8)の期間にはONとされており、その他の期間にはOFFとされている。つまり、時短信号は、非時短状態に制御されている期間(すなわち通常遊技状態)にはOFFとされている。
時短B開始信号は、時短状態B(t4〜t5)の開始、および、時短状態B(t7〜t8)の開始に応じて、期間tsだけONとされており、その他の期間にはOFFとされている。期間tsは、時短状態Bの期間よりも短い期間である。つまり、時短B開始信号は、時短状態Bに移行することに応じて、その時短状態Bよりも短い期間だけONとされるものである。また、時短B開始信号は、非時短状態に制御されている期間にはOFFとされている。さらに、時短B開始信号は、大当たり遊技後の時短状態A(t1〜t2)においても、OFFとされており、ONとされていない。
時短B終了信号は、時短状態B(t4〜t5)の終了、および、時短状態B(t7〜t8)の終了に応じて、期間teだけONとされており、その他の期間にはOFFとされている。期間teは、時短状態Bが終了した後の非時短状態にあり、その非時短状態の期間よりも短い期間である。つまり、時短B終了信号は、時短状態Bから非時短状態に移行することに応じて、その非時短状態よりも短い期間だけONとされるものである。また、時短B終了信号は、大当たり遊技後の時短状態A(t1〜t2)が終了した後の非時短状態においては、OFFとされており、ONとされていない。
そして、パチンコ遊技機1は、前述したように、外部端子板119より、各種の信号をデータ表示器160に対して出力できる。図45(d)〜(f)には、パチンコ遊技機1から出力された信号に基づいて、データ表示器160がスタート回数表示部161に表示可能なスタート回数(特別図柄変動をカウントした回数)の例を示している。
図45(d)には、大当たり遊技リセットスタート回数を示している。大当たり遊技リセットスタート回数は、特別図柄の停止表示に応じて外部端子板119からの出力状態がONとなる図柄確定信号に基づいて、特別図柄変動の回数をカウントアップの態様により算出した値の表示である。また、大当たり遊技リセットスタート回数は、大当たり遊技に応じて外部端子板119からの出力状態がONとなる大当たり信号に基づいて、それまでカウントアップした値がゼロにリセットされる。このため、大当たり遊技リセットスタート回数は、大当たり遊技状態(t0〜t1)が終了した時刻t1では「0」である。
大当たり遊技状態(t0〜t1)の後、大当たり遊技リセットスタート回数は、時短状態A(t1〜t2)と通常遊技状態(t3〜t4)とにおいて上昇し、時刻t4には、「時短状態Aの時短回数」と「第1特典付与回数」とを合計した「(時短Aの回数)+(n回)」となっている。つまり、大当たり遊技リセットスタート回数は、時短状態Aの終了後の通常遊技状態(t3〜t4)の期間において、「時短状態Aの時短回数」と「第1特典付与回数」との合計値から減ずると、大当たり遊技状態(t0〜t1)に応じて設定された第1特典付与回数への到達に必要な特別図柄変動の残り回数を算出できる値を示している。よって、通常遊技状態(t3〜t4)の期間において、次の時短状態B(t4〜t5)への移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、大当たり遊技リセットスタート回数から容易に把握できる。
またその後、大当たり遊技リセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)と通常遊技状態(t6〜t7)とにおいて上昇し、時刻t7には、「時短状態Aの時短回数」と「第1特典付与回数」と「時短状態Bの時短回数」と「第2特典付与回数」とを合計した「(時短Aの回数)+(n回)+(時短Bの回数)+(100回)」となっている。つまり、大当たり遊技リセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)の終了後の通常遊技状態(t6〜t7)の期間において、「時短状態Aの時短回数」と「第1特典付与回数」と「時短状態Bの時短回数」と「第2特典付与回数」の合計値から減ずると、時短状態B(t4〜t5)に応じて設定された第2特典付与回数への到達に必要な特別図柄変動の残り回数を算出できる値を示している。このため、通常遊技状態(t6〜t7)の期間においても、次の時短状態B(t7〜t8)への移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、大当たり遊技リセットスタート回数から把握することができる。しかし、通常遊技状態(t6〜t7)の期間においては、時短状態Bへの移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、大当たり遊技リセットスタート回数から把握することは、通常遊技状態(t3〜t4)の期間ほど容易ではない。
さらにその後、大当たり遊技リセットスタート回数は、時短状態B(t7〜t8)と通常遊技状態(t9〜)とにおいて上昇する。このため、通常遊技状態(t9〜)の期間においては、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達することによる時短状態Bへの移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、大当たり遊技リセットスタート回数から把握することは、さらに困難なものとなる。すなわち、大当たり信号に応じてリセットされる大当たり遊技リセットスタート回数では、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達することにより時短状態が設定されるような、すなわち大当たり遊技後以外に時短状態が設定可能なパチンコ遊技機1のような場合には、遊技者が所望する情報として十分でないことがある。
図45(e)には、第1時短Bリセットスタート回数を示している。第1時短Bリセットスタート回数も、大当たり遊技リセットスタート回数と同様、図柄確定信号に基づいて特別図柄変動の回数をカウントアップの態様により算出した値の表示である。また、第1時短Bリセットスタート回数についても、大当たり遊技リセットスタート回数と同様に、大当たり信号に基づいて値がリセットされる。ただし、第1時短Bリセットスタート回数は、大当たり遊技リセットスタート回数とは異なり、時短状態Bへの移行に応じて外部端子板119からの出力状態がONとなる時短B開始信号に基づいても、それまでカウントアップした値がゼロにリセットされる。第1時短Bリセットスタート回数は、より具体的には、例えば、時短B開始信号のONエッジに基づいてリセットすることができる。
このため、第1時短Bリセットスタート回数は、通常遊技状態(t3〜t4)までは、大当たり遊技リセットスタート回数と同じように推移する。しかし、第1時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)への移行に応じてリセットされる。その後、第1時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)と通常遊技状態(t6〜t7)とにおいて上昇し、時刻t7には、「時短状態Bの時短回数」と「第2特典付与回数」とを合計した「(時短Bの回数)+(100回)」となっている。つまり、第1時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)の終了後の通常遊技状態(t6〜t7)の期間において、「時短状態Bの時短回数」と「第2特典付与回数」の合計値から減ずると、時短状態B(t4〜t5)に応じて設定された第2特典付与回数への到達に必要な特別図柄変動の残り回数を算出できる値を示している。このため、通常遊技状態(t6〜t7)の期間においても、次の時短状態B(t7〜t8)への移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、第1時短Bリセットスタート回数から容易に把握することができる。さらにその後、第1時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t7〜t8)への移行に応じてリセットされる。またその後の通常遊技状態(t9〜)以降の通常遊技状態の期間においても同様に、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達することによる時短状態Bへの移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、第1時短Bリセットスタート回数から容易に把握することができる。すなわち、第1時短Bリセットスタート回数は、通常遊技状態において、次の時短状態Bへの移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、大当たり遊技リセットスタート回数よりも容易に把握することが可能である。
図45(f)には、第2時短Bリセットスタート回数を示している。第2時短Bリセットスタート回数も、第1時短Bリセットスタート回数と同様、図柄確定信号に基づいて特別図柄変動の回数をカウントアップの態様により算出した値の表示である。また、第2時短Bリセットスタート回数についても、第1時短Bリセットスタート回数と同様に、大当たり信号と時短B開始信号とに基づいて値がリセットされる。ただし、第2時短Bリセットスタート回数は、第1時短Bリセットスタート回数とは異なり、時短状態Bから非時短状態への移行に応じて外部端子板119からの出力状態がONとなる時短B終了信号に基づいても、それまでカウントアップした値がゼロにリセットされる。第2時短Bリセットスタート回数は、より具体的には、例えば、時短B終了信号のONエッジに基づいてリセットすることができる。
このため、第2時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)までは、第1時短Bリセットスタート回数と同じように推移する。しかし、第2時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)の終了に応じてリセットされる。その後、第2時短Bリセットスタート回数は、通常遊技状態(t6〜t7)において上昇し、時刻t7には、「第2特典付与回数」の値である「100回」となっている。つまり、第2時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t4〜t5)の終了後の通常遊技状態(t6〜t7)の期間において、「第2特典付与回数」の値から減ずると、時短状態B(t4〜t5)に応じて設定された第2特典付与回数への到達に必要な特別図柄変動の残り回数を算出できる値を示している。すなわち、通常遊技状態(t6〜t7)の期間において、次の時短状態B(t7〜t8)への移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、第2時短Bリセットスタート回数からより容易に把握することができる。さらにその後、第2時短Bリセットスタート回数は、時短状態B(t7〜t8)の終了に応じてリセットされる。またその後の通常遊技状態(t9〜)以降の通常遊技状態の期間においても同様に、特別図柄変動の回数が特典付与回数に到達することによる時短状態Bへの移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、第2時短Bリセットスタート回数から容易に把握することができる。すなわち、第2時短Bリセットスタート回数は、通常遊技状態において、次の時短状態Bへの移行に必要な特別図柄変動の残り回数を、第1時短Bリセットスタート回数よりもさらに容易に把握することが可能である。
また、本形態では、データ表示器160は、パチンコ遊技機1の遊技状態が、大当たり遊技後に移行した時短状態Aであるのか、ハズレ図柄が停止表示することに応じて移行した時短状態Bであるのかを、時短信号、時短B開始信号により判定可能である。よって、例えば、データ表示器160は、時短状態Aと時短状態Bとで、異なる表示を行うこと等も可能である。また、大当たり遊技リセットスタート回数、第1時短Bリセットスタート回数、第2時短Bリセットスタート回数は、パチンコ遊技機1においても算出可能である。このため、演出制御用マイコン91は、大当たり遊技リセットスタート回数、第1時短Bリセットスタート回数、第2時短Bリセットスタート回数の少なくとも1つを、例えば、画像表示装置7の表示画面7aに表示することとしてもよい。また、第1時短Bリセットスタート回数、第2時短Bリセットスタート回数を表示することで、時短状態Bに移行可能な特別図柄変動の残り回数を容易に把握可能である点において好ましい。
10−2.第2実施形態、および、その特徴部
次に、第2実施形態について説明する。本形態のパチンコ遊技機1でも基本的な構成については、第1実施形態と同様である。本形態のパチンコ遊技機1では、外部端子板119から出力可能な信号が、第1実施形態と異なる。具体的に、本形態では、時短A信号と、時短B信号とを出力可能である。時短A信号は、時短状態Aにおいて、その他の遊技状態と出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態における時短A信号の出力状態は、時短状態A中にONとされ、時短状態A以外の遊技状態でOFFとされる。時短B信号は、時短状態Bにおいて、その他の遊技状態と出力状態が異なるものとされる。具体的に、本形態における時短B信号の出力状態は、時短状態B中にONとされ、時短状態B以外の遊技状態でOFFとされる。この時短A信号、時短B信号に係る構成以外については、第1実施形態と同様である。このため、本形態では、時短状態Aおよび時短状態Bの開始時、終了時における外部端子設定処理を、第1実施形態と異なるものとすればよい。
本形態について、図46により具体的に説明する。図46においても、上段に示す遊技状態の変遷は、第1実施形態に係る図45と同じである。そして、図46(a)には時短A信号の出力状態を、図46(b)には時短B信号の出力状態を示している。
時短A信号は、時短状態Aに制御されている時短状態A(t1〜t2)の期間にはONとされており、その他の期間にはOFFとされている。つまり、時短A信号は、非時短状態に制御されている期間(すなわち通常遊技状態)にはOFFとされている。また、時短A信号は、時短状態Bに制御されている期間にはOFFとされている。
時短B信号は、時短状態Bに制御されている時短状態B(t4〜t5)、時短状態B(t7〜t8)の期間にはONとされており、その他の期間にはOFFとされている。つまり、時短B信号は、非時短状態に制御されている期間(すなわち通常遊技状態)にはOFFとされている。また、時短B信号は、時短状態Aに制御されている期間にはOFFとされている。
また、本形態においても、外部端子板119より、各種の信号をデータ表示器160に対して出力できる。その出力可能な信号には、時短A信号、時短B信号、大当たり信号、図柄確定信号が含まれる。図46(c)〜(e)には、本形態のパチンコ遊技機1から出力された信号に基づいて、データ表示器160がスタート回数表示部161に表示可能なスタート回数(特別図柄変動をカウントした回数)の例を示している。具体的に、図46(c)〜(e)にはそれぞれ、本形態における大当たり遊技リセットスタート回数、第1時短Bリセットスタート回数、第2時短Bリセットスタート回数を示している。
本形態においても、大当たり遊技リセットスタート回数、第1時短Bリセットスタート回数、第2時短Bリセットスタート回数はいずれも、図柄確定信号に基づいて特別図柄変動の回数をカウントアップの態様により算出した値の表示である。また、大当たり遊技リセットスタート回数は、大当たり信号に基づいて値がリセットされる。第1時短Bリセットスタート回数は、大当たり信号と、時短状態Bへの移行に応じて外部端子板119からの出力状態がONとなる時短B信号のONエッジとに基づいて、それまでカウントアップした値がゼロにリセットされる。第2時短Bリセットスタート回数は、大当たり信号と、時短状態Bへの移行に応じて外部端子板119からの出力状態がONとなる時短B信号のONエッジと、時短状態Bから非時短状態への移行に応じて外部端子板119からの出力状態がOFFとなる時短B信号のOFFエッジとに基づいて、それまでカウントアップした値がゼロにリセットされる。
すなわち、本形態に係る大当たり遊技リセットスタート回数(図46(c))、第1時短Bリセットスタート回数(図46(d))、第2時短Bリセットスタート回数(図46(e))はそれぞれ、第1実施形態に係る大当たり遊技リセットスタート回数(図45(d))、第1時短Bリセットスタート回数(図45(e))、第2時短Bリセットスタート回数(図45(f))と同様にリセットを行うことが可能である。よって、本形態に係る大当たり遊技リセットスタート回数(図46(c))、第1時短Bリセットスタート回数(図46(d))、第2時短Bリセットスタート回数(図46(e))についてもそれぞれ、第1実施形態に係る大当たり遊技リセットスタート回数(図45(d))、第1時短Bリセットスタート回数(図45(e))、第2時短Bリセットスタート回数(図45(f))と同様に、値が推移する。なお、図46(a)に破線で示すように、本形態でも、時短A信号に替えて、第1実施形態で説明した時短信号を出力することとしてもよい。データ表示器160等の外部装置は、時短信号と時短B信号とのON、OFFの組み合わせにより、時短状態Bを判別することが可能だからである。また、時短A信号、時短B信号の出力状態についても、ONとOFFとが逆であってもよい。
11.実施形態の効果
以上詳細に説明したように上記の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、遊技制御用マイコン81は、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が、特典付与回数となることに応じて、時短状態Bに制御することがある。また、特典付与回数を、大当たり遊技が実行された際に、大当たり遊技の契機となった大当たり図柄、または、遊技球の特定領域39への通過可能な小当たり図柄に応じた第1特典付与回数(n回)に設定可能である。これにより、大当たり遊技の実行後、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が、第1特典付与回数となることに応じて、時短状態に移行することが可能である。よって、従来にない新たな遊技性を提供でき、遊技興趣を向上可能である。
また上記の実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が第1特典付与回数となった際に移行した時短状態Bに応じて、特典付与回数を、第2特典付与回数(100回)に設定可能である。これにより、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が第1特典付与回数となった際に移行した時短状態が終了した後にも、さらに、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が、第2特典付与回数となることに応じて、時短状態に移行することが可能である。よって、さらに新たな遊技性を提供可能である。
また上記の実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、第1特典付与回数の値(n)として、第2特典付与回数の値(100)よりも小さい値を設定可能である。これにより、大当たり遊技後には、特別図柄を大当たり図柄と異なる図柄で停止表示する変動表示が連続して行われた回数が少ない状態で、時短状態へと移行することが可能である。よって、大当たり遊技が終了した後にも、遊技者は期待感を維持しつつ遊技を継続可能である。
また上記の実施形態では、第1特典付与回数は、「特図1_大当たり図柄A」に当選した場合には20回、「特図1_大当たり図柄B」に当選した場合には50回、「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合には20回、「特図2_小当たり図柄a」に当選した場合には10回、「特図2_小当たり図柄b」に当選した場合には50回、「特図2_小当たり図柄c」に当選した場合には80回にそれぞれ設定される。つまり、第1特典付与回数の値(n)は、大当たり遊技の契機となった図柄に応じて異なることがある。これにより、特別図柄の種別によって設定される特典付与回数が異なるという新たな興趣を提供可能である。
また上記の実施形態に係るパチンコ遊技機1は、遊技制御用マイコン81から受信した信号に基づいて、各種の信号を、データ表示器160やホールコンピュータといった外部装置に対して出力する外部端子板119を有する。つまり、遊技制御用マイコン81は、各種の信号の外部への出力状態を変更可能である。そして、遊技制御用マイコン81は、所定の時短状態Bに係る信号(時短B開始信号、時短B信号)の出力状態を、非時短状態ではOFFとし、時短状態Bに応じてONとすることが可能である。つまり、その時短状態Bに係る信号により、ハズレ図柄の停止表示に応じて移行した時短状態Bであることを出力可能である。よって、パチンコ遊技機1の状況をより適切に把握可能な信号を外部へと出力可能である。
また上記の実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技後に時短状態Aに移行することがあるとともに、時短状態Aに係る信号(時短信号、時短A信号)の出力状態を、非時短状態ではOFFとし、時短状態AではONとすることが可能である。ただし、時短状態Bに係る信号(時短B開始信号、時短B信号)の出力状態については、時短状態Aに応じてONすることがなく、OFFのままとする。これにより、大当たり遊技後の時短状態Aと、ハズレ図柄の停止表示に応じて移行した時短状態Bとを区別可能な情報を適切に出力可能である。
また上記の実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技後の時短状態Aでも、ハズレ図柄の停止表示に応じて移行した時短状態Bでも、出力状態をONとする時短信号を出力可能である。大当たり遊技後の時短状態Aでも、ハズレ図柄の停止表示に応じて移行した時短状態Bでも、電チュー22が非時短状態よりも開放し易いという点において共通する。そして、このような共通点のある状態を、時短信号により出力可能である。
また上記の第1実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、時短B開始信号の出力状態を、時短状態Bに移行することに応じて、その時短状態Bよりも短い期間tsの間、ONとし、その後、OFFとする。これにより、ハズレ図柄の停止表示された際の時短状態Bへの移行に係る情報を、時短B開始信号により適切に出力可能である。
また上記の第1実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、時短B終了信号の出力状態を、時短状態Bから非時短状態に移行することに応じて、その非時短状態よりも短い期間teの間、ONとし、その後、OFFとする。これにより、ハズレ図柄が停止表示された際の時短状態Bから非時短状態への移行に係る情報を、時短B終了信号により適切に出力可能である。
また上記の第2実施形態に係る遊技制御用マイコン81は、時短B信号の出力状態を、時短状態Bに移行することに応じてONとし、その後、その時短状態Bから非時短状態に移行することに応じてOFFとする。これにより、ハズレ図柄の停止表示に応じて移行した時短状態Bであるという情報を、時短B信号により適切に出力可能である。
12.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記実施形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
例えば、上記実施形態では、特図1の抽選では小当たりに当選しないこととして説明したが、特図1の抽選でも小当たりに当選することが可能な構成であってもよい。この場合、特図1の抽選で当選可能な小当たりとしては、特定領域39への通過(V通過)が発生しない予定のV非通過小当たり、V通過が可能なV通過小当たりの両方、あるいはどちらか一方のみでもよい。また例えば、上記実施形態では、時短回数が1であるとして説明したが、時短回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また、時短回数は、図柄の種別に応じて異なる回数としてもよい。すなわち例えば、大当たり図柄や小当たり図柄、特殊ハズレに係るハズレ図柄などにより異なる時短回数が設定されることとしてもよい。また上記実施形態では、特図2の抽選の結果に、時短状態の制御契機となる特殊ハズレがない構成としたが、特図2の抽選に基づいて、特殊ハズレを引くことがある構成としてもよい。
また上記実施形態では、特典付与回数を、時短状態から非時短状態へと移行する時短状態の終了に応じて設定したが、例えば、非時短状態から時短状態へと移行する時短状態の開始に応じて設定することとしてもよい。また例えば、大当たり遊技の契機となった図柄に応じて設定する第1特典付与回数は、大当たり遊技の開始や終了に応じて設定することとしてもよい。そして、この場合には、第1時短Bリセットスタート回数により、第2時短Bリセットスタート回数よりも、特典付与回数への到達に必要な特別図柄変動の残り回数を適切に把握可能な値を示すことが可能である。
また上記実施形態では、大当たり遊技を経て時短状態に制御される場合には時短状態Aに制御され、ハズレ図柄Bに基づいて時短状態に制御される場合には時短状態Bに制御される構成としたが、いずれの場合であっても例えば時短状態Aに制御される構成、すなわち、いずれの場合であっても共通の時短状態に制御される構成としてもよい。なおこのように構成した場合、大当たり遊技を経て時短状態に制御されたとき(すなわち大当たり図柄又は小当たり図柄が停止表示されて時短状態に制御されたとき)と、ハズレ図柄Bが停止表示されて時短状態に制御されたときとで、特図変動パターン判定テーブル(特図変動パターンの選択基準)を異ならせる構成としてもよいし、異ならせない構成(具体的には例えば、何れの場合でも図13(A)に示すテーブルを用いる構成)としてもよい。またこの場合、外部端子板119から出力する信号を、大当たり遊技を経て時短状態に制御されたときと、ハズレ図柄が停止表示されることに応じて時短状態に制御されたときとを判別可能なように、上記の実施形態と同様に出力すればよい。
また上記実施形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。このような1種2種混合機以外のタイプの遊技機において特殊ハズレ(時短ハズレ)を引くことができるように構成した場合でも、従来にない新たなゲーム性を提供することが可能である。
また上記実施形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、実現したい遊技性によっては、1種大当たりのない所謂ハネモノ(2種機)としてもよい。すなわち、特図1の抽選でも特図2の抽選でも所謂「直撃大当たり」に当選し得ない構成としてもよい。
また上記実施形態では、特図2の抽選に基づいて所謂「直撃大当たり」に当選し得る構成としたが、特図2の抽選に基づいて「直撃大当たり」に当選し得ない構成、すなわち特図2の抽選に基づく大当たりは2種大当たりのみの構成としてもよい。
また上記実施形態では、特図2の抽選に基づくV通過可の小当たり遊技では、必ずV通過が発生するように第2大入賞口35(開閉部材37)の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成とした。これに対して、V通過可の小当たり遊技では、V通過することもあるがV通過しないこともあるような第2大入賞口35の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成(つまり振分部材71が通過許容状態をとっているタイミングと第2大入賞口35への入賞タイミングがうまく合えば特定領域39への通過が生じるが、合わなければ特定領域39への通過が生じない構成)としてもよい。このように構成した場合、特図2の抽選結果にハズレがない構成、すなわち必ず小当たりか大当たりに当選する構成としてもよい。
また上記実施形態では、V通過可の小当たり遊技の開放パターンを、第2大入賞口35に入賞した遊技球がその入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過する開放パターンとした。しかしながら、正しく遊技している限り(右打ちを継続している限り)小当たり遊技中に必ず特定領域39への通過を生じさせることができるのであれば、第2大入賞口35に入賞した遊技球の全てが特定領域39を通過することができる開放パターンでなくてもよい。具体的には例えば、0.1秒開放を12回繰り返す開放パターンとし、1回〜9回までの開放時に入賞した遊技球は特定領域39を通過するが、10回〜12回までの開放時に入賞した遊技球は非特定領域70を通過するように構成してもよい。つまり通過用開放パターンは、第2大入賞口35への入賞が可能であって第2大入賞口35へ入賞した遊技球の少なくとも1球が特定領域39を通過する開放パターンであればよい。なお、この変更例のような開放パターンとする場合には、各開放時に第2大入賞口35に遊技球が入賞し易くなるように、第2大入賞装置の開閉部材を次のようなものにするとよい。即ち、前後に進退可能であり、前方に出ているときには第2大入賞口を閉塞し、後方に退いているときには第2大入賞口を開放する進退式のものとするとよい。そして第2流路R2を流下する遊技球が開閉部材の上面を転動するように配置するとよい。その上で、開閉部材の上面の摩擦係数を高くして(例えばゴムのような弾性力の高い部材を利用した面として)、遊技球が開閉部材の上面をゆっくりと転動するようにしておくとよい。若しくは、開閉部材の上面を床面とする遊技球の通路上に、遊技球の転動速度を遅くするための突起を設けておいてもよい。
また上記実施形態では、小当たり遊技の開始時点を基準に、時間で管理された所定の作動パターンに従って、特定領域39が開放されるように構成した。これに対して、第2大入賞口35への入賞球数が予め定められた作動契機入賞球数(例えば1球)になったときに、特定領域39を開放させる(通過許容状態にする)構成としてもよい。この場合、特2V通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「1」とし、特1V非通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「7」とするとよい。このようにすれば、特2V通過小当たり時には、第2大入賞口35への入賞球を特定領域39に通過させることができる。一方、特1V非通過小当たりでは、1.6秒の開放期間中に第2大入賞口35への入賞球数が7球になることはないため、特定領域39への通過が生じないようにすることができる。この場合も、特2V通過小当たり時の開放パターンを、通過用開放パターンと称し、特1V非通過小当たり時の開放パターンを、非通過用開放パターンと称する。また、作動契機入賞球数に基づいて振分部材71が作動する構成であっても、特定領域39が予め定められたタイミングで通過の可否が切り替えられていることにかわりはない。
また上記実施形態では、大当たり乱数を用いた判定の結果がハズレであり、図柄種別乱数を用いた判定の結果がハズレ図柄Bである場合に、大当たり遊技を実行することなく時短状態に制御する構成とした。これに対して、時短状態に制御するか否かの抽選(時短抽選)のための乱数(時短乱数)を別途取得することとし、特別図柄の変動表示の開始前に、時短乱数を用いて時短抽選(時短状態にするか否かの判定)を行う構成としてもよい。この場合、時短抽選は、大当たりであるか否かの判定の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また時短抽選を行う構成とする場合、時短乱数に代えて、大当たり乱数や図柄種別乱数を用いて時短抽選を行う構成としてもよい。
また上記実施形態では、時短状態において特殊ハズレ(ハズレ図柄B)を引いたとしても、新たに時短状態に設定する(時短回数が再設定される)ことがない構成としたが、時短状態において特殊ハズレを引いた場合には、新たに時短状態に設定する(時短回数が再設定される)構成としてもよい。
また上記実施形態では、特図2保留の無い構成として説明した。しかし、特図2保留(第2特図保留)を設け、その上限記憶数を「4」とすることとしてもよい。また、特図2保留を設ける場合、特図2保留上限記憶数は「4」以外にも適宜変更可能である。また、第2特図保留を設ける場合には、第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアを設けておけばよい(図1参照)。
また上記実施形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図2の変動表示だけをカウントすることとした。しかし、例えば、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また例えば、特図1の変動表示および特図2の変動表示を合算してカウントし、その合算値が合算上限実行回数に到達すると時短状態が終了するように構成してもよい。
また上記実施形態では、大当たりの種類やV通過可能な小当たりの種類として、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御される当たりだけを設けたが、大当たり遊技の終了後に非時短状態に制御される当たりを設けてもよい。
また上記実施形態では、特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、特図2の抽選に基づいて大当たり遊技(2種大当たり遊技を含む)が実行された場合の方が、遊技者が獲得可能な特典が大きい構成としたが、逆若しくは同じであってもよい。なお、遊技者が獲得可能な特典には、大当たり遊技において獲得可能な賞球の量や、大当たり遊技後の遊技状態に関する各種の設定(時短状態に制御されるか否かや、時短状態に制御された場合の時短回数など)が含まれる。
また上記実施形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
13.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
識別情報(特別図柄)の変動表示を実行可能であり、前記識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示したことに応じて、遊技領域(遊技領域3)に設けられた開閉可能な可変入賞口(第1大入賞口30)の開放を伴う大当たり遊技を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン81)を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技制御手段は、
前記識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様で停止表示する変動表示が連続して行われた回数である非特定変動回数(大当たり遊技状態に制御される契機にも時短状態に制御される契機にもならない特別図柄の抽選の回数)が、所定の切替回数(特典付与回数)となることに応じて、前記遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口(第2始動口21)が通常遊技状態(非時短状態)のときよりも開放し易い特定遊技状態(時短状態)に移行することがあり、
前記切替回数を、前記大当たり遊技が実行された際に、当該大当たり遊技の契機となった前記識別情報の停止表示の態様(大当たり図柄、V通過の契機となった小当たり図柄)に応じた第1切替回数(第1特典付与回数)に設定可能であることを特徴とする遊技機である。
従来、パチンコ遊技機では、始動口(入球口)に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。例えば、特開2018−88993号公報に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な始動口に通常遊技状態(非時短状態)よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。しかしながら、開閉可能な始動口に通常遊技状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そして、本構成の遊技機は、特開2018−88993号公報に記載の遊技機に対して、「識別情報を特定態様と異なる非特定態様で停止表示する変動表示が連続して行われた回数である非特定変動回数が、所定の切替回数となることに応じて、遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口が通常遊技状態のときよりも開放し易い特定遊技状態に移行することがあり、切替回数を、大当たり遊技が実行された際に、当該大当たり遊技の契機となった識別情報の停止表示の態様に応じた第1切替回数に設定可能である」という点で相違している。これにより、大当たり遊技の実行後、非特定変動回数が第1切替回数となることに応じて、特定遊技状態に移行することが可能であるという新たな興趣を提供可能である。よって、本構成の遊技機は、「遊技興趣の向上が可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
手段A2に係る発明は、手段A1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記非特定変動回数が前記第1切替回数となった際に移行した前記特定遊技状態(時短状態B)に応じて、前記切替回数を、第2切替回数(第2特典付与回数)に設定可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、非特定変動回数が第1切替回数となることに応じて移行した特定遊技状態が終了した後にも、非特定変動回数が第2切替回数となることに応じて、特定遊技状態に移行することが可能であるという新たな興趣を提供可能である。
手段A3に係る発明は、手段A2に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記第1切替回数の値として、前記第2切替回数の値(100)よりも小さい値(10、20、50、80)を設定可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、大当たり遊技後には、非特定変動回数が少ない状態で特定遊技状態へと移行することが可能であるため、大当たり遊技が終了した後にも、遊技者は期待感を維持しつつ遊技可能である。
手段A4に係る発明は、手段A1から手段A3までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記第1切替回数の値は、前記大当たり遊技の契機となった前記識別情報の停止表示の態様に応じて異なることがある(第1特典付与回数として、大当たり図柄の契機となった図柄に応じて10、20、50、80を設定可能)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、停止表示された特定態様の種類により、第1切替回数が異なるという新たな興趣を提供可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
識別情報(特別図柄)の変動表示を実行可能であり、前記識別情報を特定態様(大当たり図柄)で停止表示すると、遊技領域(遊技領域3)に設けられた開閉可能な可変入賞口(第1大入賞口30)の開放を伴う大当たり遊技を実行する遊技制御手段(大当たり遊技の実行に関する処理を行う遊技制御用マイコン81)と、
所定の信号の外部への出力状態を変更可能な外部出力制御手段(外部端子板119から外部への各種の信号の出力状態を変更する処理を行う遊技制御用マイコン81)と、を備えた遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技制御手段は、前記識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様(ハズレ図柄)で停止表示することに応じて、前記遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口(第2始動口21)が通常遊技状態(非時短状態)のときよりも開放し易い特定遊技状態(時短状態B)に移行することがあり、
前記外部出力制御手段は、第1信号(時短B開始信号、時短B信号)の出力状態を、前記通常遊技状態では通常状態(OFF)とし、前記特定遊技状態に応じて非通常状態(ON)とすることが可能であることを特徴とする遊技機である。
従来より、一般的なパチンコ遊技機には、遊技者が大当たり遊技を目指して遊技を進行するものがある。大当たり遊技は、例えば、始動口(入球口)に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われ、大当たりであるという結果が導出されると実行されることがある。そして、例えば、特開平10−052541号公報には、遊技機における遊技の状況を外部から把握できるようにするため、遊技に関する所定の情報を外部機器へと出力できる遊技機が記載されている。具体的には、例えば、大当たりである場合には、大当たり信号を外部機器へと出力すること等が記載されている。しかしながら、遊技機の状況をより適切に外部から把握するためには、遊技機の外部出力について未だ改善の余地がある。そして、本構成の遊技機は、特開平10−052541号公報に記載の遊技機に対して、「遊技制御手段は、識別情報を特定態様と異なる非特定態様で停止表示することに応じて、遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口が通常遊技状態のときよりも開放し易い特定遊技状態に移行することがあり、外部出力制御手段は、第1信号の出力状態を、通常遊技状態では通常状態とし、特定遊技状態に応じて非通常状態とすることが可能である」という点で相違している。これにより、識別情報が非特定態様で停止表示されたことに応じて移行した特定遊技状態であることを、第1信号により出力可能である。よって、本構成の遊技機は、「遊技機の状況をより適切に把握可能な信号を外部へと出力可能である」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
手段B2に係る発明は、手段B1に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記非特定態様で停止表示する変動表示が連続して行われた回数である非特定変動回数が、所定の切替回数(特典付与回数)になることに応じて、前記特定遊技状態に移行することがあることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、非特定変動回数が切替回数になることに応じて特定遊技状態へと移行する場合、非特定変動回数を正確に把握することは遊技者にとって有利であることがある。そして、非特定変動回数の算出起点となり得る情報を、第1信号により適切に出力可能である。
手段B3に係る発明は、手段B1または手段B2に記載の遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記大当たり遊技後に前記特定遊技状態(時短状態A)に移行することがあり、
前記外部出力制御手段は、
第2信号(時短信号、時短A信号)の出力状態を、前記通常遊技状態では通常状態(OFF)とし、前記大当たり遊技後の前記特定遊技状態では非通常状態(ON)とすることが可能であるとともに、
前記第1信号の出力状態を、前記大当たり遊技後の前記特定遊技状態に応じて非通常状態とすることがない(時短状態AではOFFとする)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、大当たり遊技後の特定遊技状態と、識別情報が非特定態様で停止表示された際に移行する特定遊技状態とを区別可能な情報を、第1信号および第2信号により適切に出力可能である。
手段B4に係る発明は、手段B3に記載の遊技機であって、
前記外部出力制御手段は、前記第2信号(時短信号)の出力状態を、前記識別情報が前記非特定態様で停止表示された際に移行する前記特定遊技状態(時短状態B)でも非通常状態(ON)とすることが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、大当たり遊技後の特定遊技状態と、識別情報が非特定態様で停止表示された際に移行する特定遊技状態とは、可変始動口が通常遊技状態のときよりも開放し易いという点において共通する。そして、このような共通点のある状態を、第2信号により出力可能である。
手段B5に係る発明は、手段B4に記載の遊技機であって、
前記外部出力制御手段は、前記第1信号(時短B開始信号)の出力状態を、前記識別情報が前記非特定態様で停止表示された際に前記特定遊技状態に移行することに応じて、当該特定遊技状態よりも短い特定期間(期間ts)について非通常状態とし、その後、通常状態とする(図45参照)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、識別情報が非特定態様で停止表示された際の特定遊技状態への移行に係る情報を、第1信号により適切に出力可能である。
手段B6に係る発明は、手段B4または手段B5に記載の遊技機であって、
前記外部出力制御手段は、第3信号(時短B終了信号)の出力状態を、前記識別情報が前記非特定態様で停止表示された際の前記特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行することに応じて、当該通常遊技状態よりも短い通常期間(期間te)について非通常状態とし、その後、通常状態とする(図45参照)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、識別情報が非特定態様で停止表示された際の特定遊技状態から通常遊技状態への移行に係る情報を、第3信号により適切に出力可能である。
手段B7に係る発明は、手段B3または手段B4に記載の遊技機であって、
前記外部出力制御手段は、前記第1信号(時短B信号)の出力状態を、前記識別情報が前記非特定態様で停止表示された際の前記特定遊技状態に移行することに応じて非通常状態とし、その後、当該特定遊技状態から前記通常遊技状態に移行することに応じて通常状態とする(図46参照)ことが可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、識別情報が非特定態様で停止表示された際の特定遊技状態であるという情報を、第1信号により適切に出力可能である。
1…パチンコ遊技機
7…画像表示装置
7a…表示画面
20…第1始動口
21…第2始動口(可変始動口)
30…第1大入賞口(可変入賞口)
39…特定領域
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン

Claims (4)

  1. 識別情報の変動表示を実行可能であり、前記識別情報を特定態様で停止表示したことに応じて、遊技領域に設けられた開閉可能な可変入賞口の開放を伴う大当たり遊技を実行可能な遊技制御手段を備えた遊技機であって、
    前記遊技制御手段は、
    前記識別情報を前記特定態様と異なる非特定態様で停止表示する変動表示が連続して行われた回数である非特定変動回数が、所定の切替回数となることに応じて、前記遊技領域に設けられた開閉可能な可変始動口が通常遊技状態のときよりも開放し易い特定遊技状態に移行することがあり、
    前記切替回数を、前記大当たり遊技が実行された際に、当該大当たり遊技の契機となった前記識別情報の停止表示の態様に応じた第1切替回数に設定可能であることを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記遊技制御手段は、前記非特定変動回数が前記第1切替回数となった際に移行した前記特定遊技状態に応じて、前記切替回数を、第2切替回数に設定可能であることを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機であって、
    前記遊技制御手段は、前記第1切替回数の値として、前記第2切替回数の値よりも小さい値を設定可能であることを特徴とする遊技機。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の遊技機であって、
    前記第1切替回数の値は、前記大当たり遊技の契機となった前記識別情報の停止表示の態様に応じて異なることがあることを特徴とする遊技機。


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