JP7323187B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
遊技機の1つであるパチンコ遊技機では、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される(特許文献1参照)。
そして特許文献1に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な可変始動口に通常遊技状態(非時短状態)よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。
特開2018-88993号公報
しかしながら、開閉可能な可変始動口に通常遊技状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
本発明の遊技機は、
所定の判定処理を行う判定手段と、
通常遊技状態よりも可変始動口へ遊技球が入球し易い設定の入球容易状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果には、特別入賞口の開放契機となる当たりと、遊技者に有利な大当たり遊技を経ることなく前記入球容易状態に制御される契機となる特殊ハズレとが含まれ、前記当たりとも前記特殊ハズレとも異なる通常ハズレが含まれず、
前記入球容易状態には、第1入球容易状態と、前記第1入球容易状態よりも前記可変始動口に遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態とがあり、
前記遊技状態制御手段は、
前記大当たり遊技の終了後の遊技状態を、前記第1入球容易状態に制御することがあり、
前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果が前記特殊ハズレである場合、前記第2入球容易状態に制御することがあり、
前記第2入球容易状態および前記通常遊技状態では、前記可変始動口への入球よりも前記可変始動口とは異なる他の始動口への入球を発生させ易く、前記第1入球容易状態では、前記他の始動口への入球よりも前記可変始動口への入球を発生させ易いことを特徴とする遊技機である。
本発明によれば、遊技興趣の向上が可能である。
本発明の一実施形態に係る遊技機の正面図である。 同遊技機が備える第2大入賞装置等を示す概略正面図である。 図1に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)大当たり判定テーブルである。(B)大当たり図柄種別判定テーブルである。(C)小当たり図柄種別判定テーブルである。(D)ハズレ図柄種別判定テーブルである。(E)リーチ判定テーブルである。 大当たり図柄種別及び小当たり図柄種別の判定テーブルであり、大当たり及び小当たりの種類を説明する表である。 ハズレ図柄種別の判定テーブルであり、ハズレの種類を説明する表である。 (A)普通図柄当たり判定テーブルである。(B)普通図柄変動パターン判定テーブルである。(C)電チューの開放パターン決定テーブルである。 非時短状態用の特図変動パターン判定テーブルである。 (A)時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルである。(B)時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルである。 始動入賞コマンドの特定テーブルである。 主制御メイン処理のフローチャートである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 センサ検出処理のフローチャートである。 ゲート通過処理のフローチャートである。 普通動作処理のフローチャートである。 特別動作処理のフローチャートである。 特別図柄待機処理のフローチャートである。 大当たり判定処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 変動パターン選択処理のフローチャートである。 特別図柄変動中処理のフローチャートである。 特別図柄確定処理のフローチャートである。 遊技状態管理処理のフローチャートである。 天井処理のフローチャートである。 特別電動役物処理1(大当たり遊技)のフローチャートである。 遊技状態設定処理のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。 特別電動役物処理2(小当たり遊技)のフローチャートである。 振分部材制御処理のフローチャートである。 特定領域センサ検出処理のフローチャートである。 サブ制御メイン処理のフローチャートである。 1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 小当たり遊技における第2大入賞口の開放パターン及び振分部材の作動パターンを示すタイミングチャートである。 実施形態に係る遊技機の遊技フローの概略を説明する図である。 (A)通常演出モードの表示画面を示す図である。(B)チャレンジ演出モードの表示画面を示す図である。(C)RUSH演出モードの表示画面を示す図である。(D)CHANCE演出モードの表示画面を示す図である。 変動演出における通常変動の具体例を示す説明図である。 変動演出におけるNリーチ(ノーマルリーチ)の具体例を示す説明図である。 変動演出におけるSPリーチの具体例を示す説明図である。 特図2の抽選に基づくバトルリーチの具体例を示す説明図である。 (A)一部の演出モードについて詳細を示す表である。(B)特図1の抽選において大当たりした場合の変動演出開始処理における演出図柄の選択処理を説明するための図である。 (A)CHANCE演出モード(時短状態B)において表示される演出画像の具体例を示す図である。(B)通常演出モード(非時短状態)において表示される演出画像の具体例を示す図である。 通常演出モード(非時短状態)において変動表示される各演出図柄の表示態様の具体例を示す図である。 CHANCE演出モード(時短状態B)において変動表示される各演出図柄の表示態様の具体例を示す図である。 (A)CHANCE演出モード(時短状態B)において演出図柄がハズレを示す停止態様で停止表示されている場合の具体例を示す図である。(B)通常演出モード(非時短状態)において演出図柄がハズレを示す停止態様で停止表示されている場合の具体例を示す図である。
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63およびセレクトボタン64(図1中の一点鎖線内の平面図参照)が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図5参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7(所定の表示手段)が設けられている。画像表示装置7の表示画面7a(表示部)には、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの表示領域からなる。左の表示領域には左演出図柄8Lが表示され、中の表示領域には中演出図柄8Cが表示され、右の表示領域には右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」~「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また小当たりに当選した場合には「246」などの予め定めたチャンス目で演出図柄を停止表示する。また、はずれ(通常ハズレ)であった場合には「263」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、演出図柄8L,8C,8Rの表示領域の位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能であり、小当たり当選時にバラケ目で演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」とも言う)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43b(図3参照)にて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20を、第1始動入賞口や固定始動口、固定入球口、第1入球口ともいう。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の右上方には、第2始動口21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21を第2始動入賞口や可変始動口、可変入球口、第2入球口ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、前後に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となっている。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉じているときには開いているときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉じているときに完全に入球不可能となるものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の下方には、第1大入賞口30を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31を、第1特別可変入賞装置や、他の特別入賞手段ともいい、第1大入賞口30を他の特別入賞口ともいう。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(他の特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右方には、第2大入賞口35を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36を、第2特別可変入賞装置、特別入賞手段ともいい、第2大入賞口35を特別入賞口ともいう。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、前後に進退する進退式のものであり、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態のとき)だけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図2に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける第1の状態(通過許容状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける第2の状態(通過阻止状態)をとる。
振分部材71は、図2に二点鎖線で示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、特定領域39への遊技球の通過を許容する通過許容状態にある。振分部材71が通過許容状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
また振分部材71は、図2に破線で示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、特定領域39への遊技球の通過を妨げる通過阻止状態にある。振分部材71が通過阻止状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71上を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過は、後述の大当たり遊技の実行契機となっている。つまり本形態では、特定領域39への遊技球の通過の有無によっても大当たり抽選を行っている。上述の第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選により当選する大当たりを1種大当たりといい、特定領域39への遊技球の通過によって当選する大当たりを2種大当たりという。また、1種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技といい、2種大当たりに当選して実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技という。また、1種大当たりを直撃大当たりともいう。
また図1に示すように、遊技領域3における第2始動口21の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
さらに遊技領域3の左下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙う。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過、電チュー22に係る第2始動口21、第1大入賞口30、又は第2大入賞口35への入賞を狙う。
なお本形態では、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。また、固定入賞装置19と第1大入賞装置31とはユニット化されており、1つの構造体として遊技盤2に対して着脱可能となっている。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄(特図1、識別図柄の一例)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(特図2、識別図柄の一例)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、及び、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bが含まれている。第1特図保留を特図1保留ともいい、第2特図保留を特図2保留ともいう。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(特図)ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種別(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技が行われる。また、停止図柄が予め定めた小当たり停止態様の特別図柄(小当たり図柄)である場合には、停止表示された小当たり図柄の種別(つまり当選した小当たりの種類)に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる小当たり遊技が行われる。なお、大当たり遊技及び小当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、小当たり(後述の複数種類の小当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「●●●●○○●●」というように左から5,6番目にあるLEDが点灯した小当たり図柄を表示する。また、ハズレ(後述の複数種類のハズレのうちの一つ)である場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。なお、ハズレ図柄の一つとして全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(判定情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図4参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図4参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値(上限記憶数、上限保留数)は第1特図保留記憶部85aが「4」、第2特図保留記憶部85bが「4」となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。つまり本形態のパチンコ遊技機1は、第1始動口20(固定始動口)への入球に基づく大当たり判定処理(所定の判定処理)の実行を保留可能な保留手段と、第2始動口21(可変始動口)への入球に基づく大当たり判定処理(所定の判定処理)の実行を保留可能な保留手段とを備えている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bは4個のLEDで構成されている。各特図保留表示器43は、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど、適宜変更可能である。
なお本パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合には、その通過に基づく普通図柄乱数の取得を行わない構成である。すなわち、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)を記憶しない構成である。なお、普図保留をRAM84(図4参照)内の所定の記憶領域に所定の上限数(例えば「4」)まで記憶可能な構成としてもよい。この場合、RAM84に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。またこの場合、普図保留の記憶数を表示する普図保留表示器を設けるとよい。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部99を構成する。なお、サブ制御部99は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、盤可動体15等)を用いた各種の演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
また電源基板150には、後述する遊技制御用マイコン81のRAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ(RAMクリア操作手段)152が設けられている。なお、RAMクリアスイッチ152は、本パチンコ遊技機1の裏側に配置された電源基板150上に設けられている。そのため、遊技機枠50を開放可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ152を操作することはできない。即ち、RAMクリアスイッチ152は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。なお、RAMクリアスイッチ152は、タクトスイッチであり、RAMクリアスイッチ152が押下操作されると、RAMクリアスイッチ152がONであることを示す検出信号が遊技制御用マイコン81に入力される。RAMクリアスイッチ152が押されている状態をRAMクリアスイッチ152のON状態といい、RAMクリアスイッチ152が押されていない状態をRAMクリアスイッチ152のOFF状態という。
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85a及び第2特図保留記憶部85b)が設けられている。
また主制御基板80には、図4に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、および第2特図保留表示器43bが接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球や貸球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
また図5に示すように、サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光データ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光データに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光データの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された盤可動体15を動作させる。なお盤可動体15は、図1では図示を省略したが、センター装飾体10に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ64aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ64aは、セレクトボタン64(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタン64が押されるとセレクトボタン検出スイッチ64aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
なお図4及び図5は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図4及び図5に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図4及び図5に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図4及び図5に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
3.遊技機における主な遊技
次に、パチンコ遊技機1により行われる主な遊技について説明する。パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて、特図関係乱数を取得する。特図関係乱数には、図6(A)に示すように、大当たり乱数、図柄種別乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数がある。大当たり乱数は、大当たりの当否判定や小当たりの当否判定に用いられる。大当たり乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。図柄種別乱数は、大当たり図柄の種別判定や小当たり図柄の種別判定、ハズレ図柄の種別判定に用いられる。図柄種別乱数は、0~199までの範囲で値をとる。
また、リーチ乱数は、当否判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。リーチ乱数は、0~255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0~99までの範囲で値をとる。なお、乱数を判定情報とも言う。
また、パチンコ遊技機1は、ゲート28への遊技球の通過に基づいて、図6(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)を取得する。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0~65535までの範囲で値をとる。
パチンコ遊技機1は、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得した大当たり乱数を、図7(A)に示す大当たり判定テーブルに従って判定することにより、大当たりか否か、及び、小当たりか否かを決定する。図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づく第1特別図柄(特図1)の抽選と、第2始動口21への入賞に基づく第2特別図柄(特図2)の抽選とでは、大当たりの当選確率は同じであるが、小当たりの当選確率は異なっている。特図1の抽選では小当たりの当選確率は零であり、特図2の抽選では小当たりの当選確率は約1/7である。つまり、特図2の抽選の方が、特図1の抽選よりも小当たりに当選し易いと言える。なお、特図1の抽選においても、小当たりに当選可能に構成してもよい。この場合、特図1の抽選における小当たり当選確率は、特図2の抽選における小当たり当選確率よりも低く設定することが望ましい。
パチンコ遊技機1は、大当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、大当たり図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄A」に決定し、50%の割合で、「特図1_大当たり図柄B」に決定する。一方、特図2の抽選では、100%の割合で、「特図2_大当たり図柄C」に決定する。当選した大当たり図柄の種別が異なると、1種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図8参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、小当たり当選と判定した場合、図柄種別乱数を、図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、小当たり図柄の種別を決定する。具体的には特図2の抽選では、90%の割合で、「特図2_小当たり図柄a」に決定し、10%の割合で、「特図2_小当たり図柄b」に決定する。当選した小当たり図柄の種別が異なると、小当たり遊技や2種大当たり遊技における大入賞口の開放パターンや、大当たり遊技後の遊技状態に関する設定が異なる(図8参照)。この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、大当たりにも小当たりにも当選していないと判定した場合(つまりハズレと判定した場合)、図柄種別乱数を、図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに従って判定することにより、ハズレ図柄の種別を決定する。特図1の抽選では、100%の割合で、「特図1_ハズレ図柄A」に決定する。一方、特図2の抽選では、99%の割合で、「特図2_ハズレ図柄B」に決定し、1%の割合で、「特図2_ハズレ図柄C」に決定する。ハズレ図柄の種別の違いは、ハズレ図柄が停止表示された後の遊技状態に関する設定に影響を与える(図9参照)。この点が、パチンコ遊技機1の特徴の1つである。なお、この点については後述する。
またパチンコ遊技機1は、ハズレ(後述の通常ハズレ)と判定した場合、リーチ乱数を、図7(E)に示すリーチ判定テーブルに従って判定することにより、変動演出において演出図柄8L,8C,8Rをリーチにするか否かを決定する。リーチ有りと判定される確率は、遊技状態が後述の時短状態であるか否かによって異なっている。時短状態でないときの方が、時短状態であるときよりも、リーチ有りと判定される確率が高い。
次に、大当たりの種類、小当たりの種類、ハズレの種類について、図8及び図9に基づいて詳細に説明する。上述したように、特別図柄抽選(特図1の抽選や特図2の抽選)の結果には、「大当たり」、「小当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。大当たり図柄には、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」、「特図2_大当たり図柄C」がある。また、「小当たり」のときには、特別図柄表示器41に「小当たり図柄」が停止表示される。小当たり図柄には、「特図2_小当たり図柄a」、「特図2_小当たり図柄b」がある。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。ハズレ図柄には、「特図1_ハズレ図柄A」、「特図2_ハズレ図柄B」、「特図2_ハズレ図柄C」がある。
特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。小当たりに当選すると、停止表示された小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第2大入賞口35を開放させる「小当たり遊技」が実行される。そして、小当たり遊技の実行中に第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が進入すると、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターンにて第1大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。特別図柄抽選の結果が大当たり当選であることに基づいて実行される大当たり遊技を1種大当たり遊技と称し、特定領域39への通過に基づいて実行される大当たり遊技を2種大当たり遊技と称する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
また小当たり遊技は、本形態では、第2大入賞口35を開放する小当たり開放遊技と、小当たり開放遊技が開始される前のオープニング(開放前インターバル)と、小当たり開放遊技が終了した後のエンディング(閉鎖後インターバル)とを含んでいる。
特別図柄抽選の結果、大当たりに当選すると(つまり1種大当たりに当選すると)、第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(1種大当たり遊技)が実行される。本形態では図8に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示される大当たり図柄)の種別には2種類あり、第2特別図柄(特図2)の抽選で当選可能な大当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される大当たり図柄)の種別には1種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_大当たり図柄A」、「特図1_大当たり図柄B」に当選する可能性がある。また特図2の抽選では、「特図2_大当たり図柄C」に当選する可能性がある。
図8に示すように、「特図1_大当たり図柄A」及び「特図1_大当たり図柄B」は、4R(ラウンド)大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄A」及び「大当たり図柄B」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、何れも後述の「時短状態A」(複数種類ある時短状態のうちの1つ)であるが、「大当たり図柄A」に基づく時短状態では、当選時の遊技状態が非時短状態(通常遊技状態)であれば、時短回数が1回(「第1の値」の一例)に設定され、当選時の遊技状態が時短状態(時短状態A又は時短状態B)であれば、時短回数が6回(「第2の値」や「特定回数」の一例)に設定される。これに対して、「大当たり図柄B」に基づく大当たり遊技後の時短状態では、当選時の遊技状態が非時短状態であっても時短状態であっても、時短回数が6回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数である。なお、遊技状態の詳細については後述する。
また、「特図2_大当たり図柄C」は、10R大当たりであり、1Rあたりの第1大入賞口30の開放回数は1回であり、その最大開放時間は29.5秒である。「大当たり図柄C」に当選した場合の大当たり遊技後の遊技状態は、後述の「時短状態A」であり、当選時の遊技状態が非時短状態であっても時短状態であっても、時短回数は6回に設定される。
また特別図柄抽選の結果、小当たりに当選すると、第2大入賞口35を1回開放させる小当たり遊技が実行される。小当たり遊技によって開放された第2大入賞口35へ遊技球が入賞し、その遊技球が第2大入賞装置36内の特定領域39を通過した場合には、大当たり当選となり、続けて第1大入賞口30を開放させる大当たり遊技(2種大当たり遊技)が実行される。この大当たり遊技(特定領域39への通過を契機とする大当たり遊技)が実行された場合には、小当たり遊技としての第2大入賞口35の開放が1R目に相当することになる。なお、小当たり遊技において特定領域39への遊技球の通過がなければ、大当たり遊技は実行されない。本明細書では、大当たり遊技や小当たり遊技を特別遊技と称することもある。なお、特別遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよい。
本形態では図8に示すように、特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示される小当たり図柄)の種別は2種類である。具体的には特図2の抽選では、「特図2_小当たり図柄a」及び「特図2_小当たり図柄b」に当選する可能性がある。
「小当たり図柄a」及び「小当たり図柄b」は、正しく遊技する限り、特定領域39への通過(V通過ともいう)が必ず可能な小当たりである。つまり本形態では、特図2の抽選に基づく小当たり当選は、実質的には大当たり当選と同じ意味をもつ。
各種別の小当たり図柄に基づく小当たり遊技では、第2大入賞口35の1.6秒開放が1回行われる。また、各小当たり遊技におけるオープニングの時間は、0.008秒である。また、特定領域39への遊技球の通過に基づいて実行される大当たり遊技(2種大当たり遊技)では、「小当たり図柄a」に基づく2種大当たり遊技でも、「小当たり図柄b」に基づく2種大当たり遊技でも、2R目から11R目まで1Rあたり1回、最大開放時間を29.5秒として第1大入賞口30を開放させる。つまり実質的に10Rの2種大当たり遊技が実行される。この2種大当たり遊技の実行後の遊技状態は、後述の「時短状態A」に制御される。そして、「小当たり図柄a」に基づく大当たり遊技後の時短状態では、当選時の遊技状態が非時短状態であっても時短状態であっても、時短回数が6回に設定される。一方、「小当たり図柄b」に基づく大当たり遊技後の時短状態では、当選時の遊技状態が非時短状態であっても時短状態であっても、時短回数が100回に設定される。なお本形態では、特図2の抽選における小当たり当選確率が約1/7であるため、時短回数100回の時短状態Aに制御された場合には、次の大当たり遊技の実行が実質的に確定する。
また特別図柄抽選の結果、ハズレと判定されると、ハズレ図柄の種別が決定される。図9に示すように、特図1の抽選で決定されるハズレ図柄(第1特別図柄表示器41aに停止表示されるハズレ図柄)の種別は1種類あり、特図2の抽選で決定されるハズレ図柄(第2特別図柄表示器41bに停止表示されるハズレ図柄)の種別は2種類ある。具体的には特図1の抽選では、「特図1_ハズレ図柄A」に決定される。また特図2の抽選では、「特図2_ハズレ図柄B」、「特図2_ハズレ図柄C」の何れかに決定される。
「特図1_ハズレ図柄A」は、通常ハズレであり、「特図2_ハズレ図柄B」及び「特図2_ハズレ図柄C」は、特殊ハズレ(特定の判定結果の一例)である。特殊ハズレは、後述の時短状態B(複数種類ある時短状態のうちの1つ)の制御契機となるハズレである。つまり特別図柄抽選の結果が特殊ハズレである場合、遊技制御用マイコン81は、ハズレ図柄の停止表示後の遊技状態を、時短状態Bに制御する。但し、時短状態Bへの制御タイミングにおいて既に時短状態である場合(すなわち後述する時短フラグがONである場合)には、遊技状態の設定を変更しない。
そして、「ハズレ図柄B」に基づく時短状態Bでは、時短回数が104回に設定される。一方、「ハズレ図柄C」に基づく時短状態Bでは、時短回数が604回に設定される。なお、特殊ハズレを、時短ハズレとも称する。また、「特図2_ハズレ図柄B」及び「特図2_ハズレ図柄C」は、特別図柄に関する非特定の停止態様の一例である。
ここで、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。本形態では、遊技状態として、非時短状態と時短状態とがある。非時短状態を通常遊技状態とも称する。パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、非時短状態(通常遊技状態)である。時短状態は、非時短状態と比べて、電チュー22に遊技球が入賞し易い設定の遊技状態である。
時短状態の種類には、時短状態A、時短状態Bの2つがある。時短状態Aは、上述したように、主に、大当たり遊技の終了後に移行する時短状態である(図8参照)。これに対して、時短状態Bは、「特図2_ハズレ図柄B」又は「特図2_ハズレ図柄C」が停止表示されたこと(特殊ハズレを引いたこと)に応じて移行する時短状態である。すなわち、パチンコ遊技機1は、特定のハズレ図柄(ハズレ図柄B又はハズレ図柄C)を停止表示した場合、その停止時間が経過したことに応じて、大当たり遊技を実行することなく、時短状態Bに制御可能である。時短状態の種類が異なると、普通図柄の変動パターンや電チュー22の開放パターン等、電チュー22への入賞し易さに関わる各種パラメータの設定が異なる。
時短状態についてより詳細に説明する。本形態では、図10(A)に示すように、時短状態(時短状態A、時短状態B)における普通図柄抽選の当選確率は、非時短状態における普通図柄の当選確率と同じである。具体的には本形態では、非時短状態、時短状態A、時短状態Bのいずれの遊技状態においても、普通図柄抽選で当たりと判定される確率は、65535/65536に設定されている。つまり、いずれの遊技状態においても普通図柄抽選では、ほぼ当たりと判定される。なお、時短状態では普通図柄抽選の当選確率が非時短状態よりも高くなる構成(言い換えれば時短状態では普通図柄表示器42の確率変動機能が作動する構成)としてもよい。
また時短状態(時短状態A、時短状態B)では、図10(B)に示すように、普通図柄の変動時間が、非時短状態よりも短くなる。具体的には本形態では、普通図柄の変動時間は、非時短状態では60秒であるが、時短状態Aでは1秒であり、時短状態Bでは30秒である。すなわち時短状態では、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能が作動する。なお、普通図柄の停止時間は、いずれの遊技状態であっても0.5秒である。
また時短状態(時短状態A、時短状態B)では、図10(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなる。具体的には本形態では、電チュー22の開放時間は、非時短状態では1回あたり0.05秒であるが、時短状態Aでは2.5秒であり、時短状態Bでは0.1秒である。すなわち時短状態では、電チュー22の開放時間延長機能が作動する。
また時短状態では、図10(C)に示すように、補助遊技における電チュー22の開放回数が、非時短状態よりも多くなることがある。具体的には本形態では、電チュー22の開放回数は、非時短状態および時短状態Bでは1回であるが、時短状態Aでは2回である。すなわち時短状態Aでは、電チュー22の開放回数増加機能が作動する。
ここで非時短状態では、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間が60秒と長く、補助遊技における電チュー22の開放は0.05秒の開放が1回と極短時間である。よって非時短状態では、右打ち(遊技球がゲート28を通過し得る打ち方)にて遊技を行っても、電チュー22への入賞はほとんど見込めない。
これに対して時短状態Aでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなり、普通図柄の変動時間も1秒と短く、また、補助遊技における電チュー22の開放は2.5秒の開放が2回と十分に長い。よって時短状態Aでは、右打ちにて遊技を行うことで、電チュー22への入賞が頻繁に生じ得る。すなわち時短状態Aは、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言える。
一方、時短状態Bでは、普通図柄抽選が実行されればほぼ当たりとなるものの、普通図柄の変動時間は30秒と長く、また、補助遊技における電チュー22の開放は0.1秒の開放が1回と短い。よって時短状態Bでは、電チュー22への入賞し易さに関係する各種のパラメータ(普通図柄抽選の当選確率、普通図柄の変動時間や停止時間、電チュー22の開放パターン)が非時短状態に比べれば、電チュー22へ入賞し易い設定となっているものの、右打ちにて遊技を行っても電チュー22への入賞はほとんど見込めない。このため、時短状態Bを微時短状態とも称する。これに対して、右打ちによって電チュー22への入賞が頻繁に生じる時短状態Aを、通常時短状態とも称する。
このように非時短状態および時短状態Bでは、右打ちを行っても電チュー22への入賞が見込めないため、遊技者は左打ちにて遊技を進行させる。一方、時短状態Aでは、右打ちを行うことで電チュー22への入賞が頻繁に生じるため、遊技者が右打ちにて遊技を進行する。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
時短状態Bは、時短状態Aと同様、非時短状態と比べて、電チュー22への入賞が容易な設定の遊技状態であると言えるが、時短状態Aよりも電チュー22への入賞困難な設定の遊技状態である。また時短状態Bは、電チュー22への入賞が見込めないことから、時短状態Aよりも、非時短状態に近い性質の遊技状態である。よって、時短状態B(微時短状態)を特殊通常遊技状態とも称する。なお、非時短状態は通常遊技状態に相当し、時短状態は入球容易状態に相当する。そして、時短状態A(通常時短状態)は第1入球容易状態に相当し、時短状態B(微時短状態)は第2入球容易状態に相当する。また、時短状態Aは特定遊技状態に相当し、非時短状態および時短状態Bは非特定遊技状態に相当する。そして、非時短状態は第1非特定遊技状態や第1遊技状態に相当し、時短状態Bは第2非特定遊技状態や第2遊技状態に相当する。
本形態において時短状態B(微時短状態)は、電チュー22への入賞は見込めないものの、この遊技状態中に特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には、必ず時短回数が6回の時短状態Aに移行する(図8参照)。この点において、時短状態Bは、非時短状態よりも遊技者に有利な遊技状態であると言える。なお、大当たり遊技後に時短回数1回の時短状態Aに移行させることは、第1の特典に相当し、大当たり遊技後に時短回数6回の時短状態Aに移行させることは、第2の特典に相当する。
ちなみに、時短状態Aでは、非時短状態と比べて、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。よって、時短状態Aを「高ベース状態」ともいい、非時短状態を「低ベース状態」ともいう。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。そのため、高ベース状態を電サポ制御状態ともいう。また低ベース状態を非電サポ制御状態ともいう。
なお、時短状態は、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、及び、電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22に係る第2始動口21に遊技球が入賞し易くなっていればよく、これらの全ての機能が作動するものでなくてもよい。
次に、特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)の決定について説明する。パチンコ遊技機1は、非時短状態と時短状態とで異なる特図変動パターン判定テーブルに従って、特図変動パターンを決定する(図11及び図12参照)。時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図12)は、非時短状態における特図変動パターン判定テーブル(図11)に比べて、変動時間が短い変動パターンが選択され易いテーブルである。また本形態では、時短状態A(通常時短状態)と、時短状態B(微時短状態)とで、異なる特図変動パターン判定テーブルに従って特図変動パターンを決定する(図12(A)(B)参照)。より詳細には、時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(図12(A))と、時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(図12(B))とでは、主に、特図2に係るテーブルが異なっている。
具体的には、時短状態A用の特図変動パターン判定テーブル(図12(A))では、特図2の変動パターンとして、30秒の変動時間の変動パターン(P31~P34の何れか)が決定される。これらの変動パターンが選択された場合、30秒の変動時間を利用して、後述するバトルリーチを伴う変動演出が実行される。また、時短状態B用の特図変動パターン判定テーブル(図12(B))では、特図2の変動パターンとして、50秒の変動時間の変動パターン(P51~P54の何れか)が決定される。これらの変動パターンが選択された場合、50秒の変動時間を利用して、時短状態Aのバトルリーチとは演出内容の異なるバトルリーチ(例えば、より白熱したバトルシーンを含む等)を伴う変動演出が実行される。なお、バトルリーチは所謂SPリーチの一種である。
このように本形態では、時短状態の種類に応じて、特図2の変動時間が異なるように構成されている。時短状態Aは、時短状態Bよりも、特図2の変動時間が短い時短状態である。よって、時短状態Aは、時短状態Bよりも、特図変動(特別図柄の変動表示)が速く進行される。
ここで、非時短状態では主に特図1の抽選が行われるため、図11の特図1の欄に示すテーブルが用いられる。また、特図1の抽選に基づく大当たり遊技後には時短状態Aに制御されるが、時短状態Aでは主に特図2の抽選が行われるため、図12(A)の特図2の欄に示すテーブルが用いられる。また本形態では、特図2保留(第2特図保留)を4個まで貯めることが可能であるため、時短状態Aが終了すると、残っている特図2保留(特図2の残保留)に基づく特図2の変動表示が実行されることになる。後述するが、このときの遊技状態は、時短状態Aの最終変動で特図2の抽選に基づいて特殊ハズレを引くことによって時短状態Bとなる。よって、特図2の残保留に係る変動パターンは、図12(B)の特図2の欄に示すテーブルに基づいて決定される。その後は、時短状態Bが終了するまで特図1の抽選を主とした遊技がなされる。よってこのときには、図12(B)の特図1の欄に示すテーブルが用いられることとなる。特図1の抽選で大当たりに当選することなく時短状態Bが終了した場合には、基本的には、非時短状態に戻る。よってこのときには、また、図11の特図1の欄に示すテーブルが用いられる。
4.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された判定情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づいて特定された始動入賞コマンドを利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前にその始動入賞に対する当選期待度を示唆する演出である。
図13に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりであるか、小当たりであるか、通常ハズレであるか、特殊ハズレ(時短ハズレ)であるかの抽選結果情報が含まれている。また、本形態の始動入賞コマンドには、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報が含まれている。なお、始動入賞コマンドには抽選結果情報が含まれていればよく、抽選結果情報の他に、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14~図32に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図6に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。なお、各入賞口への入賞に応じた賞球数は、例えば第2始動口21であれば2球など、所定の値に設定されているものとする。但し、各入賞口への入賞に応じた賞球数を何球に設定するかは適宜変更可能である。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図6に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、振分部材制御処理(S107)、および特定領域センサ検出処理(S108)を実行する。その後、その他の処理(S109)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S109)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002~S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図16に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85b(図4)のうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「65535」であり、図柄種別乱数が「199」であれば、図13の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H01H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば01H))からなっている。
図13に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図7(A)参照)における区分けと対応している。また、図柄種別乱数の区分けは、特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを区別できるようになっている(図7(D)参照)。詳細には、大当たり乱数値が65250~65535であれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が01H)が特定される。また、大当たり乱数値が0~9000であれば小当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が小当たり当選と判定される予定の小当たり当選情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が02H)が特定される。また、大当たり乱数値が9001~65249であれば特殊ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が特殊ハズレと判定される予定の特殊ハズレ情報であること)を示す第2始動入賞コマンド(下位コマンドの値が04H)が特定される。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドは、抽選結果情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1)を取得し(つまり図6(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85a(図4)のうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報の一例)を特定する。具体的には、大当たり乱数が「65535」であり、図柄種別乱数が「199」であれば、図13の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H01H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、抽選結果情報が含まれている。
上述の第2始動入賞コマンドの場合と同様、図13に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図7(A)参照)における区分けと対応している。また、図柄種別乱数の区分けは、特殊ハズレ(時短ハズレ)であるか否かを区別できるようになっている(図7(D)参照)。詳細には、大当たり乱数値が65250~65535であれば大当たりと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が大当たり当選と判定される予定の大当たり当選情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が01H)が特定される。また、大当たり乱数値が0~65249であれば、通常ハズレと判定されるため、そのこと(つまり取得した判定情報が通常ハズレと判定される予定の通常ハズレ情報であること)を示す第1始動入賞コマンド(下位コマンドの値が03H)が特定される。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)ではまず、普通図柄の変動待機中か否かを判定する(S221)。普通図柄の変動待機中とは、普通図柄の変動表示の実行中でも補助遊技の実行中でもない状態である。普通図柄の変動待機中でなければ(S221でNO)、直ちに本処理を終えるが、普通図柄の変動待機中であれば(S221でYES)、普通図柄乱数取得処理(S222)を行う。普通図柄乱数取得処理(S222)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Hの値、図6(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の所定の記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで、図18に示す普通動作処理(S105)を行う。普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S301)。電チューの作動中でなければ(S301でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中(普通図柄の停止時間の開始から終了まで)か否かを判定する(S302)。普通図柄の停止表示中でなければ(S302でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S303)。普通図柄の変動表示中でなければ(S303でNO)、続いて、上述のステップS222で取得した当たり判定前の普通図柄乱数の記憶があるか否かを判定する(S304)。普通図柄乱数の記憶がなければ(S304でNO)、本処理を終える。
ステップS304において普通図柄乱数の記憶があれば(S304でYES)、当たり判定処理(S305)を行う。当たり判定処理(S305)では、非時短状態であれば、非時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図10(A)に示すテーブルの非時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定し、時短状態(時短状態A、時短状態B)であれば、時短状態用の普通図柄当たり判定テーブル(図10(A)に示すテーブルの時短状態の欄参照)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定処理の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S306)。つまり図柄決定処理(S306)では、「ハズレ」であれば「普通ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。なお、本形態では、非時短状態であっても時短状態(時短状態A、時短状態B)であっても普通図柄抽選の当選確率は同じである。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S307)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S307)では、図10(B)に示す普通図柄変動パターン判定テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が60秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態Aであれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択し、遊技状態が時短状態Bであれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS307で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S310)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS303にて普通図柄の変動表示中であれば(S303でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S311)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S311でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S312)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S313)、普通図柄の停止時間(本形態では500ms、図10(B)参照)をセットして(S314)本処理を終える。
また、上述のステップS302にて普通図柄の停止表示中であれば(S302でYES)、続いて、ステップS314でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S315)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S315でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S316)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S316でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S316でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S317)。詳細には、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL1参照)をセットする。これに対して、時短状態A中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態A用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL2参照)をセットし、時短状態B中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態B用の開放パターン(図10(C)の電チュー開放TBL3参照)をセットする。そして、ステップS317でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S318)。
また、上述のステップS301にて電チュー22の作動中であれば(S301でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S319)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S319でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S320)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで、図19に示す特別動作処理(S106)を行う。特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を5つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4,5」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S901でYES)、特別図柄待機処理(S902)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S901でNO、S903でYES)、特別図柄変動中処理(S904)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S901,S903で共にNO、S905でYES)、特別図柄確定処理(S906)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S901,S903,S905で共にNO、S907でYES)、大当たり遊技としての特別電動役物処理1(S908)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には(S901,S903,S905,S907の全てがNO)、小当たり遊技としての特別電動役物処理2(S909)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図20に示すように、特別図柄待機処理(S902)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1001)。特図2保留球数が「0」である場合(S1001でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1007)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1007でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1013)、そうであれば(S1013でYES)処理を終え、そうでなければ(S1013でNO)、待機画面設定処理(S1014)を行う。待機画面設定処理(S1014)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1001において特図2保留球数が「0」でない場合(S1001でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)がある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1002)及び特図2変動パターン選択処理(S1003)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1004)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1005)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1006)を実行する。特図2変動開始処理(S1006)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1006)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1002)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1003)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1001でYES且つS1007でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1008)及び特図1変動パターン選択処理(S1009)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1010)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1011)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1012)を実行する。特図1変動開始処理(S1012)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1012)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1008)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1009)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1001でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選にて小当たり当選となると、その小当たり遊技では必ず特定領域39を通過することができるようになっている。この点については後に詳述する。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1002)と特図1大当たり判定処理(S1008)とは、処理の流れが同じであるため図21に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2大当たり判定処理(S1002)又は特図1大当たり判定処理(S1008)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-Aの値)を読み出す(S1101)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、RAM84の第2特図保留記憶部85b(詳しくは第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、RAM84の第1特図保留記憶部85a(詳しくは第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図7(A))をセットする(S1102)。次いで、セットした大当たり判定テーブルに基づいて大当たりか否かを判定する(S1103)。すなわち、大当たり乱数カウンタ値(ラベル-TRND-A)が、大当たり判定値である「65250」~「65535」の何れかと一致するか否か判定する(図7(A)参照)。大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」であれば、大当たりフラグをONするとともに(S1104)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別(大当たりの種類)を判定する(S1105)。大当たり図柄種別を判定(S1105)した後は、大当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(B)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1106)処理を終える。
一方、大当たり判定(S1103)の結果が「大当たり」でなければ、小当たりか否かを判定する(S1107)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1002)では、大当たり乱数カウンタ値が、小当たり判定値である「0」~「9000」の何れかと一致するか否か判定する(図7(A)の特図2の欄参照)。また特図1大当たり判定処理(S1008)では、小当たりでないと判定する(図7(A)の特図1の欄参照)。なお小当たり当選確率は、特図1の抽選よりも特図2の抽選の方が高くなっている。より詳細には、特図1の抽選における小当たり当選確率が「零」であるのに対して、特図2の抽選における小当たり当選確率はおよそ1/7程度である。
小当たり判定(S1107)の結果が「小当たり」であれば、小当たりフラグをONするとともに(S1108)、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(C)に示す小当たり図柄種別判定テーブルに基づいて小当たり図柄種別(小当たりの種類)を判定する(S1109)。小当たり図柄種別を判定(S1109)した後は、小当たり図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(C)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1110)処理を終える。なお、小当たりか否かを決める乱数を、大当たり乱数とは別に設けてもよい。
また、大当たりでなく(S1103でNO)、小当たりでもなければ(S1107でNO)、「ハズレ」であるので、図柄種別乱数カウンタ値(ラベル-TRND-ASの値)を読み出して、図7(D)に示すハズレ図柄種別判定テーブルに基づいてハズレ図柄種別(ハズレの種類)を判定する(S1112)。ハズレ図柄種別を判定(S1112)した後は、ハズレ図柄種別に応じた特図停止図柄データ(図7(D)参照)をRAM84に設けた特図種別バッファにセットして(S1113)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1003)と特図1変動パターン選択処理(S1009)とは、処理の流れが同じであるため図22及び図23に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1003)又は特図1変動パターン選択処理(S1009)ではまず、遊技状態が非時短状態か否か(時短フラグがOFFか否か)を判定する(S1301)。
非時短状態であれば(S1301でYES)、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1302)。ONであれば(S1302でYES)、非時短状態中大当たり用のテーブル(図11に示すテーブルのうち大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1303)。図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
なお、変動パターンには変動演出が関連付けられており、変動パターンが決定されると、その変動パターンに応じた変動演出が実行される。具体的には例えば、変動パターンP1に基づく変動演出ではSPリーチが実行され、変動パターンP2に基づく変動演出ではノーマルリーチ(Nリーチ)が実行される(図11に示すテーブルの備考欄参照)。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
またステップS1302において、大当たりフラグがONでなければ(S1302でNO)、小当たりフラグがONか否かを判定する(S1304)。ONであれば(S1304でYES)、非時短状態中小当たり用のテーブル(図11に示すテーブルのうち小当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1305)。
またステップS1304において、小当たりフラグがONでなければ(S1304でNO)、ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄B」であるか否かを判定する(S1306)。「ハズレ図柄B」は、特別図柄の停止時間の経過に応じて時短状態B(時短回数104回)に移行させる特殊ハズレである(図9参照)。ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄B」であれば(S1306でYES)、非時短状態中ハズレ図柄B用のテーブル(図11に示すテーブルのうちハズレ図柄Bに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1307)。本形態では、ハズレ図柄Bである場合、変動パターンP13に決定される。但し、ハズレ図柄Bは特図2の抽選でしか当選し得ない図柄であり、非時短状態では特図2の抽選は基本的には行われないため、正しく遊技している限り、この変動パターンが選択されることはない。
またステップS1306において、「ハズレ図柄B」でなければ(S1306でNO)、ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄C」であるか否かを判定する(S1308)。「ハズレ図柄C」は、特別図柄の停止時間の経過に応じて時短状態B(時短回数604回)に移行させる特殊ハズレである(図9参照)。ハズレ図柄の種別が「ハズレ図柄C」であれば(S1308でYES)、非時短状態中ハズレ図柄C用のテーブル(図11に示すテーブルのうちハズレ図柄Cに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル-TRND-T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1309)。本形態では、ハズレ図柄Cである場合、変動パターンP14に決定される。但し、ハズレ図柄Cは特図2の抽選でしか当選し得ない図柄であり、非時短状態では特図2の抽選は基本的には行われないため、正しく遊技している限り、この変動パターンが選択されることはない。
またステップS1308において、「ハズレ図柄C」でなければ(S1308でNO)、通常ハズレ(ハズレ図柄A、図9参照)であるため、続いて、リーチ乱数カウンタ値(ラベル-TRND-RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1310)。図7(E)に示すように、リーチ成立乱数値は時短状態であれば「0」~「11」であり、非時短状態であれば「0」~「27」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも通常ハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されるようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1310でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ用のテーブル(図11に示すテーブルのうちリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1311)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1310でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ用のテーブル(図11に示すテーブルのうちリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1312)。
なお、特図1変動パターン選択処理(S1009)におけるリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」~「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1301において、遊技状態が非時短状態でないと判定した場合(S1301でNO)、すなわち時短状態であると判定した場合には、図23に示すように、時短状態の種類が「時短状態A」であれば(S1313でYES)、図12(A)に示す時短状態A用の特図変動パターン判定テーブルに従って、変動パターンを選択する(S1314)。また、時短状態の種類が「時短状態B」であれば(S1313でNO)、図12(B)に示す時短状態B用の特図変動パターン判定テーブルに従って、変動パターンを選択する(S1315)。なお本形態では、時短状態の種類は、後述する遊技状態フラグの値を参照して判定する(図26-1中の表参照)。
時短状態における変動パターンの選択では、参照する特図変動パターン判定テーブルを各時短状態に応じたテーブル(図12(A)~(B)参照)にする事以外は非時短状態と同様の流れで処理を行う。なお時短状態Aでは、主に特図2の抽選が行われる。そして、特図2の抽選の結果が、大当たりであっても、小当たりであっても、ハズレ図柄B(特殊ハズレのうちの1つ)であっても、ハズレ図柄C(特殊ハズレのうちの1つ)であっても、図12(A)に示すように、変動時間が30秒の変動パターン(P31~P34のうち抽選結果に対応するもの)が選択される。これは、時短状態Aにおける特図2の変動時には、必ず「バトルリーチ」というリーチ演出を実行するためである。なお、特図2の抽選結果が大当たり又は小当たりであれば、勝利態様(成功態様)のバトルリーチ(勝利演出(成功演出)に分岐するバトルリーチ)が行われ、特図2の抽選結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B又はハズレ図柄C)であれば、敗北態様(失敗態様)のバトルリーチ(敗北演出(失敗演出)に分岐するバトルリーチ)が行われる。
ちなみに本形態では、ハズレ図柄Bやハズレ図柄Cが停止表示されても、後述する時短フラグがONであれば、時短状態Bに移行させることはない。よって、時短状態Aにおいて、ハズレ図柄Bやハズレ図柄Cが時短状態Bの制御契機となるのは最終変動だけであり(この点については後に詳述する)、最終変動以外のハズレ図柄B及びハズレ図柄Cは、実質的には通常ハズレとして機能する。
そして、時短状態Aが終了して時短状態Bに移行されると、まず、特図2の残保留に基づく変動が行われる。この特図2の残保留に基づく抽選の結果が、大当たりであっても、小当たりであっても、ハズレ図柄B(特殊ハズレのうちの1つ)であっても、ハズレ図柄C(特殊ハズレのうちの1つ)であっても、図12(B)に示すように、変動時間が50秒の変動パターン(P51~P54のうち抽選結果に対応するもの)が選択される。これは、時短状態Bにおける特図2の変動時にも、必ず「バトルリーチ」というリーチ演出を実行するためである。つまり本形態では、時短状態Aが終了した際に残っている特図2保留(最大4個)に基づいて大当たり(1種大当たり又は2種大当たり)に当選できるかを、時短状態A中よりも長いバトルリーチによって示すようにしている。
なお、特図2の抽選結果が大当たり又は小当たりであれば、勝利態様(成功態様)のバトルリーチが行われ、特図2の抽選結果が特殊ハズレ(ハズレ図柄B又はハズレ図柄C)であれば、敗北態様(失敗態様)のバトルリーチが行われる。ちなみに、時短状態Bでは左打ちで遊技が行われる。そのため、小当たりに当選した場合の停止時間は20000msと長く設定されている。この期間中に、右打ちを報知して、V通過の発生を促すためである。
なお、特図1に係る時短状態A中の特図変動パターン判定テーブル(図12(A)参照)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」~「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、大当たり当選時に変動時間の長い変動パターンが選択される確率が非時短状態中よりも低くなっている。すなわち、非時短状態中よりも変動時間の短い変動パターンが選択され易くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図22に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1320)、本処理を終える。ステップS1320でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S902)におけるステップS1006又はS1012でセットされる変動開始コマンドに含められる。
[特別図柄変動中処理]図24に示すように、特別図柄変動中処理(S904)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1003又はS1009で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11及び図12参照)が経過したか否かを判定する(S1501)。経過していなければ(S1501でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1501でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1502)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1503)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データ(図7(B)~(D)参照)に応じた図柄(大当たり図柄、小当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1504)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図25に示すように、特別図柄確定処理(S906)ではまず、特別図柄の停止時間(図11及び図12参照)が経過したか否かを判定する(S1601)。経過していなければ(S1601でNO)、直ちにこの処理を終える。一方、停止時間が経過していれば(S1601でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1602)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1603)。大当たりフラグがONであれば(S1603でYES)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1604)。そして、遊技制御用マイコン81は、時短フラグがONか否かを判定し(S1605)、ONでなければステップS1607-1に進むが、ONであれば時短フラグをOFFして(S1606)ステップS1607-1に進む。これにより、大当たり遊技の実行中は非時短状態(低ベース状態)に制御される。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
ステップS1607-1では、遊技制御用マイコン81は、天井カウンタの値を0にクリアする。後述するが本形態のパチンコ遊技機1は、大当たり遊技の終了後に所定回数の特図変動(特別図柄の変動表示)が行われたことを契機として、大当たり遊技を経ることなく、非時短状態から時短状態Aに制御する。この所定回数を天井回数と称し、本形態では610回に定められている。大当たり遊技後の特図変動の実行回数が天井回数に到達することを、天井到達と称する。天井カウンタは、大当たり遊技の終了のタイミングで「610」にセットされ、特図変動が行われる毎に1ディクリメントされる。ステップS1607-1は、大当たり遊技の開始に際して、この天井カウンタの値を0にクリアする処理である。
ステップS1607-1に続いて、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1607-2)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1608)。ステップS1608に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した大当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1609)。このときに、特別遊技中の大入賞口の開放回数をカウントする大入賞口開放カウンタの値を、当選した大当たり図柄の種別に応じた値にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
一方、ステップS1603において大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、続いて小当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1610)。小当たりフラグがONであれば(S1610でYES)、特別動作ステータスを「5」にセットする(S1611)。なお小当たりフラグがONである場合には、時短フラグがONであってもOFFにはしない。その後、小当たり遊技を開始するべく、小当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットして(S1612)、小当たり遊技のオープニングを開始する(S1613)。
ステップS1613に続いて、遊技制御用マイコン81は、当選した小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(詳しくは図8を参照)をセットする(S1614)。なおこのときに、大入賞口開放カウンタの値を、当選した小当たり図柄の種別に応じた値にセットする。その後遊技制御用マイコン81は、振分部材作動フラグをONにして(S1615)、本処理を終える。振分部材作動フラグは、振分部材71を作動させる期間であることを示すフラグである。つまり本形態では、振分部材71の作動は小当たり遊技のオープニングとともに開始される。なお、振分部材の作動パターンについては後に詳述する。
ステップS1610において小当たりフラグがONでなければ(S1610でNO)、大当たり遊技も小当たり遊技も開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1616)、本処理を終える。
[遊技状態管理処理]図26-1に示すように、遊技状態管理処理(S1602)ではまず、時短フラグがONか否か判定し(S1701)、ONでなければステップS1710に進み、ONであれば、時短状態中に実行した特図変動(特別図柄の変動表示)の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1702)、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1703)。そして、「0」でなければステップS1710に進み、「0」であれば、時短フラグをOFFするとともに(S1704)、遊技状態フラグ更新処理(S1705)を行って、ステップS1710に進む。
遊技状態フラグ更新処理(S1705)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。図26-1中の表に示すように、遊技状態フラグの値は、非時短状態であれば「1」にセットされ、時短状態A(通常時短状態)であれば「2」にセットされ、時短状態B(微時短状態)であれば「3」にセットされる。この遊技状態フラグ更新処理(S1705)では、時短フラグをOFFしたところであるため、遊技状態フラグの値を、非時短状態に対応する値「1」にセットする。
ステップS1710では、時短フラグがOFFであるか否かを判定する。時短フラグがOFFでなければ、ステップS1720に進むが、時短フラグがOFFであれば、続いて、停止表示されている特別図柄が、「ハズレ図柄B」又は「ハズレ図柄C」であるか否かを判定する(S1711)。すなわち、特殊ハズレであるか否かを判定する。そして、特殊ハズレ(ハズレ図柄B又はハズレ図柄C)でなければステップS1720に進むが、特殊ハズレであれば、時短フラグをONするとともに(S1712)、ハズレ図柄の種別に応じた時短回数(図9参照)を時短カウンタにセットし(S1713)、遊技状態フラグ更新処理(S1714)を行って、ステップS1720に進む。この遊技状態フラグ更新処理(S1714)では、特殊ハズレに基づいて時短フラグをONしたところであるため、遊技状態フラグの値を、時短状態Bに対応する値「3」にセットする。これにより、時短状態Bに制御される。なお、時短状態は、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。このように本形態では、ハズレ時であっても時短状態に制御されることがある。
なお本形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御されるのは、非時短状態であるとき(ステップS1710でYESのとき)に限られる。ここで、本形態では、遊技状態管理処理(S1602)において、まず時短状態を終了させるかに関する処理(ステップS1701~S1705)を行って、その後で、特殊ハズレに基づいて時短状態に制御するかに関する処理(ステップS1710~S1714)を行う。そのため、例えば、時短状態Aの最終変動となる特図2の変動で、特殊ハズレのハズレ図柄(ハズレ図柄B又はハズレ図柄C)が停止表示されると、ステップS1701~S1705の処理で時短状態Aから非時短状態に移行され、ステップS1710~S1714の処理で非時短状態から時短状態Bに移行されることとなる。つまり本形態では、時短回数が1回又は6回の時短状態Aが終了すると、その後は、時短回数が104回又は604回の時短状態Bに移行することとなる。なお、ステップS1710~S1714の処理を、ステップS1701~S1705の処理よりも先に行う構成とすることで、時短状態の最終変動で特殊ハズレを引いても新たな時短状態に制御されない構成としてもよい。このような構成とした場合には、時短状態Aから非時短状態に戻った最初の特図変動で特殊ハズレを引くことに基づき、その特図変動の終了に応じて、時短状態Bに制御されることとなる。
ステップS1720では、遊技制御用マイコン81は、後述する天井処理を行う。天井処理(S1720)は、天井到達に基づく時短状態への制御に関する処理である。ステップS1720に続いて、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S1730)。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。
[天井処理]図26-2に示すように、天井処理(S1720)ではまず、遊技制御用マイコン81は、天井カウンタの値が0より大きいか否かを判定する(S1721)。この判定結果がNOであれば、直ちに本処理を終了するが、この判定結果がYESであれば、天井カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S1722)、天井カウンタの値が0であるか否かを判定する(S1723)。
そして、天井カウンタの値が0でなければ(S1723でNO)、直ちに本処理を終了するが、天井カウンタの値が0であれば(S1723でYES)、天井到達であるため、時短フラグをONするとともに(S1724)、天井到達に応じた時短回数(本形態では6回)を時短カウンタにセットし(S1725)、遊技状態フラグ更新処理(S1726)を行う。この遊技状態フラグ更新処理(S1726)では、天井到達に基づいて時短フラグをONしたところであるため、遊技状態フラグの値を、時短状態Aに対応する値「2」にセットする。これにより、時短回数が6回の時短状態Aに制御される。
[特別電動役物処理1(大当たり遊技)]特別電動役物処理1は、1種大当たり遊技や2種大当たり遊技といった大当たり遊技の実行のための処理である。図27に示すように、特別電動役物処理1(S908)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当たり終了フラグは、当選した大当たり遊技において第1大入賞装置31の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2001でNO)、第1大入賞口30の開放中か否か(すなわち第1大入賞装置31の開放中か否か)を判定する(S2002)。開放中でなければ(S2002でNO)、第1大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して第1大入賞口30の開放を開始する時間に至ったか、又は、開放間のインターバルの時間が経過して次の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2003)。
ステップS2003の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2003の判定結果がYESであれば、セットされている開放パターンに従って第1大入賞口30を開放させる(S2004)。
ステップS2002において第1大入賞口30の開放中であれば(S2002でYES)、その単位開放遊技における第1大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2005)。規定入賞個数に達していなければ(S2005でNO)、第1大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第1大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図8参照)が経過したか否か)を判定する(S2006)。そして、第1大入賞口30の開放時間が経過していなければ(S2006でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2005でYES)又は第1大入賞口30の開放時間が経過した場合(S2006でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第1大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2007)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S2008)、大入賞口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2009)。「0」でなければ(S2009でNO)、次の開放を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2009でYES)、大当たり遊技を終了させるべく、大当たりのエンディングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2010)、大当たりのエンディングを開始する(S2011)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2012)。
またステップS2001において大当たり終了フラグがONであれば(S2001でYES)、大当たり遊技における第1大入賞口30の開放が全て終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2013)、エンディング時間が経過していなければ(S2013でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2013でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2014)、大当たりフラグをOFFする(S2015)。そして、特別動作ステータスを「1」にセットした後(S2016)、後述の遊技状態設定処理(S2017)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図28に示すように、遊技状態設定処理(S2017)ではまず、今回の大当たり遊技の実行契機となった当たり図柄(大当たり図柄又は小当たり図柄)が、時短状態への制御契機となる図柄(図8参照)であるか否かを判定する(S2101)。この判定結果がNOであればステップS2104に進むが、判定結果がYESであれば、時短フラグをONするとともに(S2102)、当たり図柄の種別および当選時の遊技状態に応じた時短回数(図8参照)を時短カウンタにセットして(S2103)、ステップS2104に進む。ステップS2102及びS2103が実行されることにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が時短状態Aになる。時短状態Aは、所定の上限実行回数(時短回数)の特図変動が行われること、又は、次の大当たり遊技が実行されることのいずれかの終了条件の成立により終了する。
ステップS2104では、遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグ更新処理(S2104)を行う。遊技状態フラグ更新処理(S2104)では、遊技状態フラグの値を、現在の遊技状態に応じた値にセットする。具体的には、この遊技状態フラグ更新処理(S2104)では、大当たり遊技の終了に際して時短フラグをONにしたところであるため、遊技状態フラグの値を、時短状態Aに対応する値「2」にセットする(図26-1中の表参照)。
続いて遊技制御用マイコン81は、遊技状態フラグの情報(すなわち現在の遊技状態の情報)を含む遊技状態指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする(S2105)。なお、遊技状態指定コマンドには設定された時短回数の情報も含まれるものとする。このコマンドが出力されることにより、サブ制御基板90に現在の遊技状態の情報が通知される。
その後、遊技制御用マイコン81は、天井カウンタの値を「610」にセットする(S2106)。そして本処理を終える。
[特別電動役物処理2(小当たり遊技)]特別電動役物処理2は、特定領域39を備えた第2大入賞装置36を開放させる小当たり遊技の実行のための処理である。図29及び図30に示すように、特別電動役物処理2(S909)ではまず、小当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2301)。小当たり終了フラグは、小当たり遊技において第2大入賞装置36の開放が終了したことを示すフラグである。
小当たり終了フラグがONでなければ(S2301でNO)、第2大入賞口35の開放中か否か(すなわち第2大入賞装置36の開放中か否か)を判定する(S2302)。開放中でなければ(S2302でNO)、第2大入賞口35を開放させる時間に至ったか否か、すなわち所定の開放前インターバル(小当たりのオープニング)の時間が経過して第2大入賞口35の開放を開始する時間に至ったか否かを判定する(S2303)。
ステップS2303の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2303の判定結果がYESであれば、当選している小当たり図柄の種別に応じた開放パターン(図8参照)に従って第2大入賞口35を開放させる(S2304)。
ステップS2302において第2大入賞口35の開放中であれば(S2302でYES)、第2大入賞口35への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では10個)に達しているか否かを判定する(S2305)。規定入賞個数に達していなければ(S2305でNO)、第2大入賞口35を閉鎖させる時間に至ったか否か(すなわち第2大入賞口35を開放してから所定の開放時間(図8に示すように本形態では1.6秒)が経過したか否か)を判定する(S2306)。そして、第2大入賞口35の開放時間が経過していなければ(S2306でNO)、本処理を終える。
これに対して、規定入賞個数に達している場合(S2305でYES)又は第2大入賞口35の開放時間が経過した場合(S2306でYES)、すなわち2つの開放終了条件のうちのいずれかが満たされている場合には、第2大入賞口35を閉鎖(閉塞)する(S2307)。そして、大入賞口開放カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2308)、小当たり終了フラグをセットして(S2309)、本処理を終える。
またステップS2301において小当たり終了フラグがONであれば(S2301でYES)、図30に示すように、小当たり遊技における第2大入賞口35の閉鎖後の所定時間(閉鎖後インターバルの時間)が経過したか否かを判定し(S2310)、閉鎖後インターバルの時間が経過していなければ(S2310でNO)処理を終える。なお、小当たり遊技の閉鎖後インターバルの時間については後述する。一方、閉鎖後インターバルの時間が経過していれば(S2310でYES)、小当たり終了フラグをOFFするとともに(S2311)、小当たりフラグをOFFして(S2312)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、VフラグがONか否かを判定する。Vフラグは、小当たり遊技の実行中に特定領域39への遊技球の通過があったことを示すフラグであり、後述するステップS2603(図32参照)でONされるフラグである。このVフラグがONでなければ(S2313でNO)、2種大当たり遊技を実行しないため、大入賞口開放カウンタの値を「0」にクリアするとともに(S2314)、特別動作ステータスを「1」にセットして(S2315)処理を終える。
一方、VフラグがONであれば(S2313でYES)、2種大当たり遊技を実行するため、遊技制御用マイコン81は、VフラグをOFFするとともに(S2317)、大当たりフラグをONして(S2318)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S2319)。続いて、時短フラグがONであれば(S2320でYES)時短フラグをOFFする(S2321)。そして、天井カウンタの値を0にクリアする(S2322-1)。その後、遊技制御用マイコン81は、大当たりのオープニングコマンド(図8参照)をセットするとともに(S2322-2)、大当たりのオープニングを開始する(S2323)。これにより、第2大入賞口35を短時間にわたって開放する小当たり遊技から2種大当たり遊技に移行する。
[振分部材制御処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで振分部材制御処理(S107)を行う(図15参照)。振分部材制御処理(S107)では図31に示すように、まず、振分部材作動フラグがONか否かを判定する(S2501)。振分部材作動フラグがONでなければ本処理を終える。一方、振分部材作動フラグがONであれば、小当たり遊技のオープニングが開始しているため(図25参照)、振分部材71を所定の作動パターンにて作動させるべく振分部材作動処理(S2502)を行うとともに、V有効期間設定処理(S2503)を行う。
振分部材作動処理(S2502)では、振分部材71の作動時間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、振分部材71の開放タイミングになったら振分部材ソレノイド73をONし、振分部材71の閉鎖タイミングになったら振分部材ソレノイド73をOFFする。これにより、振分部材71は、小当たり遊技のオープニングの開始から一定の動作で動くこととなる。
具体的には図37(c)に示すように、振分部材71をまず、小当たり遊技のオープニングの開始から8msにわたって通過阻止状態(図2に破線で示す状態)に制御する。これを開放前インターバルという。続いて、4600msにわたって通過許容状態(図2に二点鎖線で示す状態)に制御する。これを、V開放という。次いで、3000msにわたって通過阻止状態に制御する。これを、閉鎖後インターバルという。このような、「開放前インターバル⇒V開放⇒閉鎖後インターバル」からなる一連の動作が振分部材71の一定動作である。
また、V有効期間設定処理(S2503)では、上記のような振分部材71の一定動作に対してV有効期間を設定する。V有効期間とは、特定領域センサ39aによる検知があった場合にその検知を有効なものとみてVフラグをONにする期間である。図37(d)に示すように、V有効期間は、特定領域39の開放開始(振分部材71を通過許容状態に制御した時点)から所定の時間が経過するまでである。所定の時間は、特定領域39の開放時間(振分部材71を通過許容状態に制御している時間)よりも長い時間に設定されている。これは、振分部材71の配置位置を通過した遊技球が特定領域39に至るまでのタイムラグを考慮してのことである。
具体的にはV有効期間設定処理(S2503)では、V有効期間を計測するためのタイマをセットし、そのタイマを用いた計時に基づいて、特定領域39を有効にするタイミングになったらV有効フラグをONし、特定領域39を無効にするタイミングになったらV有効フラグをOFFする。なお、後述する特定領域センサ検出処理(S108)のステップS2602では、このV有効フラグがONか否かを判断することにより、V有効期間中か否かを判定する。
V有効期間設定処理(S2503)に続いて遊技制御用マイコン81は、振分部材71の動作が終了したか否かを判定する(S2504)。具体的には、ステップS2502でセットした振分部材71の作動時間を計測するためのタイマに基づいて、振分部材71が一定動作を開始してから終了するまでの総作動時間(7608ms(図37(c)参照))が経過したか否かを判定する。そして、振分部材71の動作が終了していなければそのまま本処理を終える。これに対して、振分部材71の動作が終了していれば、振分部材作動フラグをOFFしてから(S2505)本処理を終える。
ここで図37に基づいて、上記のような振分部材71の一定動作と、小当たり遊技における第2大入賞口35(開閉部材37)の開放パターンとの関係について説明する。本形態では、小当たり遊技における第2大入賞口35の開放パターンとして、図37(b)に示す開放パターンがある。なお、図37(a)は、小当たり遊技の開始のタイミングをわかりやすくするために、特別図柄の変動表示および停止表示のタイミングを示したものである。
図37(b)に示す開放パターンは、特図2の抽選にて小当たりに当選した場合に選択される開放パターンである。つまり、「特図2_小当たり図柄a」や「特図2_小当たり図柄b」(図8参照)に当選した場合に選択される開放パターンである。この開放パターンは、特定領域39への通過が可能な通過用開放パターンである。
より詳細には、この通過用開放パターンは、8msにわたって第2大入賞口35を閉塞した後に1600msにわたって第2大入賞口35を開放し、その後、6000msにわたって第2大入賞口35を閉塞する開放パターンである。言い換えれば、この開放パターンにて実行される小当たり遊技は、8msにわたって第2大入賞口35が閉塞されるオープニングと、1600msにわたって第2大入賞口35が開放される小当たり開放遊技と、6000msにわたって第2大入賞口35が閉塞される閉鎖後インターバルとを含んでいる。
このような開放パターンで第2大入賞口35が開放された場合、1600msにわたる第2大入賞口35の開放期間中および第2大入賞口35の閉鎖後の3000msの期間中は、振分部材71のV開放にあたり、振分部材71が通過許容状態をとっている(図37(b)及び(c)参照)。従って、どのような入賞タイミングで第2大入賞口35へ遊技球が入賞したとしても、その遊技球は特定領域39を通過することが可能である。なお本形態では、右打ちにて遊技球を連続的に発射し続けていれば、1.6秒にわたる開放期間中に必ず第2大入賞口35へ遊技球が入賞するように、第2大入賞装置36等の各装置が配されている。また、第2大入賞口35を通過した遊技球が振分部材71の配置位置に至るまでの所要時間は3000msよりも短い。つまり本形態では、小当たりは実質的には大当たりとして機能する。なお本明細書では、特図2の抽選に基づく小当たりを、特2V通過小当たりと称することがある。
また本形態では、小当たり遊技中は、第2大入賞装置36内に入球した遊技球の数を第2大入賞口センサ35aによる検知に基づいてカウントしているとともに、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数を特定領域センサ39a又は非特定領域センサ70aによる検知に基づいてカウントしている。つまり本形態では、特定領域センサ39a及び非特定領域センサ70aは、第2大入賞装置36外へ排出された遊技球の数をカウントする排出口センサとしても機能している。そして、振分部材71の一定動作の終了時点で、両カウント値が一致していないときにはエラー報知を行うようにしている。なお第2大入賞口35の閉鎖後、両カウント値が一致したときに振分部材71の作動を停止するようにしてもよい。このようにすれば、第2大入賞口35の閉鎖後に特別図柄の変動表示をスムーズに開始することが可能となる。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81の動作の説明に戻る。遊技制御用マイコン81は、振分部材制御処理(S107)に次いで特定領域センサ検出処理(S108)を行う(図15参照)。特定領域センサ検出処理(S108)では図32に示すように、まず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2601)。検知がなければ(S2601でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2601でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2602)。V有効期間は、前述の振分部材制御処理(図31)におけるV有効期間設定処理(S2503)にて設定される期間である。具体的にはV有効期間は、図37(d)に示す期間である。
ステップS2602でV有効期間中であると判定した場合には(S2602でYES)、VフラグをONするとともに(S2603)、V通過コマンドをセットして(S2604)処理を終える。一方、ステップS2602でV有効期間中でないと判定した場合には(S2602でNO)、ステップS2603及びS2604の処理を行うことなく、特定領域センサ検出処理を終える。なお、V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過(特定領域39の通過)の報知を行わせるためのコマンドである。
6.演出制御用マイコン91の動作
次に、図33~図36に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、RAM94に設けられている。
[サブ制御メイン処理]演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1が電源投入されると、図33に示したサブ制御メイン処理のプログラムをROM93から読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数更新処理を実行する(S4003)。乱数更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。種々の演出についての演出判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理(S4004)では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示画面7a(表示部)に画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。なお、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力させたり(音声による種々の音演出を実行したり)、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり(発光による種々の発光演出を実行したり)、盤可動体15を作動させたり(動作による種々の可動体演出を実行したり)する。このようにして、各種の演出(変動演出、保留演出、可動体演出、操作演出、先読み演出、その他の予告演出、特別遊技に伴うオープニング演出、開放遊技演出、エンディング演出、客待ち演出、演出モードの制御など)が実現される。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~S4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011,S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。1msタイマ割り込み処理(S4011)では、図34に示すように、入力処理(S4101)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、ウォッチドッグタイマ処理(S4104)を順次行う。
入力処理では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ64aなどの遊技者が操作可能な操作部に対する操作を検出し、検出結果に応じてコマンドをセットしたり演出用データを作成したりする。発光データ出力処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ66、および盤ランプ5などのランプを発光させるべく、発光データ(ランプデータ)をランプ制御基板107に出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、発光データに従って枠ランプ66、および盤ランプ5などを所定の発光態様で発光させる。可動体制御処理では、入力処理や後述する演出データ作成処理等で作成された演出用データに基づいて、所定のタイミングで盤可動体15などの可動体を動作させる可動体演出を行うべく、駆動データを出力する。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体15などを所定の動作態様で動作させる可動体演出を行う。ウォッチドッグタイマ処理では、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行う。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。10msタイマ割り込み処理(S4012)では、図35に示すように、後述する受信コマンド解析処理(S4201)、演出タイマ更新処理(S4202)、音声制御処理(S4203)、演出用データ作成処理(S4204)を順次行う。
受信コマンド解析処理では、受信割り込み処理(S4010)によってRAM94の受信バッファに格納されたコマンドを解析し、そのコマンドに応じた処理(例えば演出の選択や演出モードの設定、コマンドのセット等)を行う。演出タイマ更新処理では、各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する。例えば、演出タイマ更新処理では、演出ボタン63やセレクトボタン64といった操作部の操作有効期間の開始タイミングや終了タイミングを計測する。音声制御処理では、入力処理や受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御基板106への出力が行われる。演出用データ作成処理では、受信コマンド解析処理の処理結果に基づいて、演出用データの作成が行われる。
ここで、演出制御用マイコン91が遊技制御用マイコン81からコマンドを受信した場合の処理の一例を説明する。演出制御用マイコン91が受信するコマンドは、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)とする。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理(S4201)において、変動開始コマンドを受信していると判定した場合、変動開始コマンド受信時処理として、そのコマンドが示す特図変動パターンに基づいて、変動演出の演出パターン(サブ変動パターン)を選択し、そのサブ変動パターンの情報をセットするとともに、そのサブ変動パターンの情報を含む変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。例えば、変動開始コマンドが示す特図変動パターンがSP変動(SPリーチに関連付けられた変動パターン)である場合、SPリーチを行うサブ変動パターンを選択し、そのサブ変動パターンに対応する変動演出開始コマンドを出力バッファにセットする。その後、各処理(コマンド送信処理(S4004)、発光データ出力処理(S4102)、可動体制御処理(S4103)、音声制御処理(S4203)など)が実行されることで、選択したサブ変動パターンに対応する変動演出が実現される。なお、このような演出の実現に関する処理の流れは、特別遊技に伴う演出や客待ち演出、先読み演出、所謂当該変動に伴う予告演出、演出モードの制御などの他の演出についても基本的には同じである。
[受信コマンド解析処理]次に、受信コマンド解析処理(S4201)について、図36に基づいて詳述する。受信コマンド解析処理(S4201)ではまず、図36に示すように、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば先読み演出判定処理(S4402)を行う。先読み演出判定処理(S4402)では、始動入賞コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、所謂保留変化予告や連続予告などの先読み演出の抽選を行い、その抽選結果に応じた先読み演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば演出モード更新処理(S4404)を行う。演出モード更新処理(S4404)では、遊技状態指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出モードの選択を行い、その選択に応じた演出モードに設定するための演出モード設定コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ここで、図36中の表に示すように、演出モード更新処理では、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「非時短状態」である場合には、通常演出モードに設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が時短回数1回の「時短状態A」である場合には、チャレンジ演出モードに設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が時短回数6回の「時短状態A」である場合には、RUSH演出モードに設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドが示す遊技状態が「時短状態B」であって、特図2保留の数が「0」になった場合には、CHANCE演出モードに設定する。なお、演出制御用マイコン91は、始動入賞コマンドの受信や変動開始コマンドの受信に基づいて、特図1保留の数や特図2保留の数をカウントしているものとする。各演出モードについては、後に具体的に説明する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば変動演出開始処理(S4406)を行う。変動演出開始処理(S4406)では、変動開始コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、変動演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。変動演出の演出内容については、後に具体的に説明する。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば変動演出終了処理(S4408)を行う。変動演出終了処理(S4408)では、変動停止コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。なお、非時短状態や時短状態Bにおいて特図2の小当たり変動(小当たり当選に基づく変動)に係る変動停止コマンドを受信した場合には、右打ちによって第2大入賞口35へ入賞させるべき旨を報知する右打ち報知演出を実行するためのコマンドも、RAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していればオープニング演出選択処理(S4410)を行う。オープニング演出選択処理(S4410)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、特別遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理(S4412)を行う。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4414)を行う。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。このV通過報知演出としての「V」の文字画像の表示は、特定領域39への通過に基づいて2種大当たり遊技を実行する本パチンコ遊技機1では、大当たり当選の報知としての意味ももつ。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4415)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
7.本形態における遊技の流れ
次に、本形態のパチンコ遊技機1における遊技の進行の流れについて、図38に基づいて説明する。図38に示すように、まず、非時短状態(通常遊技状態)においては左打ちにて遊技を進行し、特図1の抽選に基づく大当たり当選を狙う。非時短状態では、通常演出モードに制御される。
特図1の抽選にて大当たりに当選した場合、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄A」であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が1回の時短状態Aに移行する(図8参照)。また、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄B」であれば、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が6回の時短状態Aに移行する(図8参照)。
時短状態Aでは右打ちにて遊技を進行し、特図2の抽選に基づく大当たり当選(主には、小当たり当選からの特定領域39の通過に基づく大当たり)を狙う。時短回数が1回に設定された場合には、時短回数「1」と、特図2保留の上限記憶数「4」の合計数分(すなわち5回)、特図2の抽選を受けることが可能となる。すなわち、時短状態Aになり、第2始動口21への入賞を発生させて1回目の特図2の抽選および特図2の変動表示が開始された後、この特図2の変動表示中に特図2保留を4個貯めておくことで、時短状態Aが終了してからも、特図2保留に基づく特図2の抽選を最大で4回受けることができる。なお、時短回数が1回の時短状態Aに移行した場合には、チャレンジ演出モードに制御される。チャレンジ演出モードは、時短状態Aが終了した後も特図2の残保留が無くなるまで続く。
また、時短回数が6回に設定された場合には、時短回数「6」と、特図2保留の上限記憶数「4」の合計数分(すなわち10回)、特図2の抽選を受けることが可能となる。なお、時短回数が6回の時短状態Aに移行した場合には、RUSH演出モードに制御される。RUSH演出モードは、時短状態Aが終了した後も特図2の残保留が無くなるまで続く。
本形態では、特図2の抽選における小当たり当選確率は約1/7である。よって、時短回数が1回の時短状態Aに移行した場合よりも、時短回数が6回の時短状態Aに移行した場合の方が、次の大当たり遊技を実行させ易い(いわゆる連荘がし易い)と言える。なお上述したように、本形態のパチンコ遊技機1は、特図2の抽選に基づいて小当たりに当選した場合には、正しく遊技している限り必ず大当たり遊技が実行されるよう構成されている(図37参照)。よって、特図2の抽選における実質的な大当たり当選確率は、約1/7であると言える。このように、特図2の変動は特図1の変動よりも実質的に大当たりに当選し易いため、特図2の変動を「チャンス変動」と称する。
特図2の抽選において、小当たり当選を経て2種大当たりに当選した場合、小当たり図柄の種別が「特図2_小当たり図柄a」であれば、実質10Rの大当たり遊技の後、時短回数が6回の時短状態Aに移行する(図8参照)。特図2の抽選において小当たりに当選した場合、90%の割合で小当たり図柄aに振り分けられる。なお、小当たり図柄の種別が「特図2_小当たり図柄b」であれば(振分率10%)、実質10Rの大当たり遊技の後、時短回数が100回の時短状態Aに移行する。また、特図2の抽選において、直撃大当たりに当選した場合(「特図2_大当たり図柄C」に当選した場合)には、10Rの大当たり遊技の後、時短回数が6回の時短状態Aに移行する。
ここで、時短回数が100回の時短状態Aは、実質的に次回の大当たりが確定している状態である。特図2の抽選では約1/7の確率で小当たりに当選し、小当たりに当選すれば必ず特定領域39に遊技球を通過させることが可能となっているからである。よって、時短回数が100回の時短状態Aは、時短回数が1回や6回の時短状態Aと比べて、遊技者に有利な時短状態であると言える。また、時短回数が100回に設定される当たりは、時短回数が1回や6回に設定される当たりに比べて、遊技者に有利な当たりであると言える。
特図2の抽選において小当たり又は直撃大当たりに当選し続ける限り、特図2の抽選を主とした遊技者に有利な状態(大当たりに当選し易い状態)は継続する。時短状態Aが終了し、そのときに残っていた特図2保留(特図2の残保留)も全てハズレであった場合には、再び特図1の抽選を主とした遊技に戻ることとなる。
ここで本形態では、特図2の抽選結果は、大当たり、小当たり、特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C)の中から選択される(図7(A)~(D)、図9参照)。つまり、特図2の抽選において通常ハズレと判定されることはない。そのため、正しく遊技している限り、小当たりや大当たりを引けずに時短状態Aが終了する場合、時短状態Aの最終変動では必ず、特殊ハズレを引くこととなる。そのため、上述したように、時短状態Aに続いて、特殊ハズレに基づく時短状態Bに制御されることとなる(図26-1参照)。よって本形態では、特図2の残保留に基づく変動は、4回とも、時短状態Bにおいてなされることとなる。
なお、時短状態Bは、非時短状態よりも電チュー22への入賞が容易な設定ではあるものの、時短状態Aのように右打ちにより電チュー22への入賞が頻繁に生じるわけではなく、左打ちで遊技を進行させる遊技状態である。よって、演出制御用マイコン91は、時短状態Aから時短状態Bへの移行に際して、左打ちに戻すべき旨を報知する表示(左打ち表示)を表示画面7aに表示させる。
時短状態Aの最終変動において「特図2_ハズレ図柄B」を引いた場合には(振分率99%)、特別図柄の停止時間が経過すると、時短回数が104回の時短状態Bに移行する(図9参照)。一方、「特図2_ハズレ図柄C」を引いた場合には(振分率1%)、特別図柄の停止時間が経過すると、時短回数が604回の時短状態Bに移行する(図9参照)。いずれの時短回数に設定された場合であっても、時短状態Bでは、まず、特図2の残保留に基づく変動が4回なされる。そして、特図2の残保留で小当たりも大当たりも引けなかった場合には、時短状態Bにおいて、特図1の抽選に基づいて大当たりを狙う遊技となる。なお、時短状態Bにおいて特図2の残保留が無くなった場合には、CHANCE演出モードに制御される。
時短状態Bである間に、特図1の抽選にて大当たりに当選した場合には、大当たり図柄の種別が「特図1_大当たり図柄A」であっても、「特図1_大当たり図柄B」であっても、4Rの大当たり遊技の後、時短回数が6回の時短状態A(RUSH演出モード)に移行する(図8参照)。つまり、時短状態B中に大当たりに当選すれば、必ず、時短回数が6回の時短状態A(RUSH演出モード)に移行する。RUSH演出モードに移行した場合には、チャンス変動を10回受けることが可能である。このため、時短状態Bは、大当たりに当選しても時短回数1回の時短状態A(チャレンジ演出モード)に移行する場合がある非時短状態と比べて、遊技者に有利な遊技状態であると言える。なおチャレンジ演出モードに移行した場合には、チャンス変動を5回しか受けることができない。
このように本形態では、時短状態Aに制御されてから特図2の残保留が全て消化されるまでの間に大当たり(2種大当たり、1種大当たり)を引けなくても、時短状態Bにおいて非時短状態よりも有利な状況で、特図1の抽選に基づく大当たりを狙えるようになっている。よって、特図2の残保留が消化された後も、遊技を継続しようと遊技者に思わせることが可能であり、稼働率の高い遊技機を提供することが可能である。
時短回数104回の時短状態Bに制御された場合には、特図2の残保留に基づく変動が4回終了した後、特図1の変動が100回終了するまで、CHANCE演出モードが継続される。つまり、CHANCE演出モードは、特図変動が100回実行されるまで継続する。CHANCE演出モードにおいて特図1の抽選に基づいて大当たりに当選しなかった場合には、時短状態Bが終了し、非時短状態に制御される。非時短状態では、通常演出モードに制御される。そして、非時短状態(通常演出モード)において特図1の抽選に基づいて大当たりを狙うこととなる。
ここで、本形態では、大当たり遊技後に特図変動が610回なされると、天井到達となり、時短回数が6回の時短状態A(RUSH演出モード)に移行する。これにより、10回のチャンス変動を受けることが可能となる。このように天井到達に基づいて時短状態Aに移行することで、前回の大当たり遊技の終了から何変動もの間、遊技者に有利でない遊技が続くのを防止している。
また、時短状態Aに続いて、時短回数604回の時短状態Bに制御された場合には、特図2の残保留に基づく変動が4回終了した後、特図1の変動が600回終了するまで、CHANCE演出モードが継続される。この場合には、CHANCE演出モードにおいて特図1の抽選に基づいて大当たりに当選しなくても、時短状態Bの終了に続いてすぐに天井到達となる(前回の大当たり遊技後の遊技状態が時短回数6回の時短状態Aのとき)。若しくは、時短状態Bの終了から数変動後には天井到達となる(前回の大当たり遊技後の遊技状態が時短回数1回の時短状態Aのとき)。そして、天井到達に基づいて、時短回数が6回の時短状態A(RUSH演出モード)に移行する。
このように本形態では、時短状態Bから天井到達に基づく時短状態Aに繋がる場合がある。これにより、時短状態Bの時短回数が1種類だけである構成と比べて、遊技興趣が向上される。
8.本形態における演出例
8-1.演出モード
次に、本形態のパチンコ遊技機1における演出例について、図39~図48に基づいて説明する。まず、演出モードについて説明する。演出モードとは、画像表示装置7、スピーカ67、盤ランプ5、及び枠ランプ66等を用いた演出の態様であり、演出モードが異なると、例えば画像表示装置7に表示されるキャラクタやアイテム、背景画像等が異なり、演出図柄8L,8C,8Rを用いた変動演出も演出モードに応じた態様で実行される。
本形態の演出モードには、図39(A)に示す昼の背景画像G10が表示される通常演出モード、図39(B)に示す通常の夜の背景画像G11が表示されるチャレンジ演出モード、図39(C)に示す特別な夜の背景画像G12(通常の夜の背景画像と星の画像が組み合わされた背景画像)が表示されるRUSH演出モード、図39(D)に示す昼の背景画像G10に、「当たればRUSH突入!」の帯画像G2(テロップ画像G2)を付加した画像が表示されるCHANCE演出モードが含まれている。
通常演出モード(図39(A))は、非時短状態(通常遊技状態)である場合に設定される演出モードである。つまり、非時短状態であって特図1の抽選を主として遊技が進行される状態において設定される演出モードである。
チャレンジ演出モード(図39(B))は、時短回数が1回の時短状態Aに制御された場合に設定される演出モードであり、時短状態Aの終了後も特図2の残保留が無くなるまで継続される。時短状態Aでは、右打ちにて第2始動口21への入賞を狙って遊技を進行させるため、チャレンジ演出モードに制御されると、演出制御用マイコン91は、右打ちにて遊技を行うべき旨を報知する右打ち報知画像RIを表示画面7aの右上部に表示する。右打ち報知画像RIは、時短状態Aの終了に際して、非表示となる。また、チャレンジ演出モードでは、時短状態Aの終了時期を示唆するため、演出制御用マイコン91は、時短回数の残り回数を示す残回数表示ZIを表示画面7aの右下部に表示する。残回数表示ZIを、終了時期示唆表示とも言う。
RUSH演出モード(図39(C))は、時短回数が6回の時短状態Aに制御された場合に設定される演出モードであり、時短状態Aの終了後も特図2の残保留が無くなるまで継続される。RUSH演出モードにおいても、右打ち報知画像RIおよび残回数表示ZIが表示画面7aに表示される。右打ち報知画像RIは、時短状態Aの終了に際して、非表示となる。
なお、時短回数が100回の時短状態Aに制御された場合については、図示を省略するが、この場合も、RUSH演出モードに制御されるものとする。但しこの場合の残回数表示ZIの表示態様は、図39(C)に示すような時短回数の残りを示す数値を表示する通常態様ではなく、虹色に着色された特殊態様とする。特図変動が実行されても、特殊態様のまま変更されないことで、実質的に次の大当たりが確定していることを示唆するようにしている。
CHANCE演出モード(図39(D))は、時短状態Bにおいて特図2保留球数が「0」である場合に設定される演出モードである。本形態では、時短状態Bにおいて、特図1の抽選に基づいて大当たりに当選した場合には必ず、RUSH演出モード(時短回数6回の時短状態A)に移行する。この意味において、時短状態Bは、非時短状態よりも遊技者にとってチャンスであると言える。このため、CHANCE演出モードでは、背景画像を通常演出モードと共通の昼の背景画像G10としているものの、「当たればRUSH突入!」の文字画像を含む帯画像G2(特定表示)を、表示画面7aの下端部に沿って表示している。この帯画像G2の表示により、遊技者には時短状態B(CHANCE演出モード)の役割を認識させることが可能である。
8-2.変動演出
次に、変動演出について説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄の変動表示が開始されると、特別図柄の変動表示に係る変動パターンおよび特別図柄抽選の結果(大当たり判定や小当たり判定の結果、図柄種別判定の結果、リーチ判定の結果、および、変動パターン判定の結果)などに基づいて、変動演出を実行する。変動演出では、表示画面7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われる。演出図柄8L,8C,8Rの変動表示では、演出図柄8L,8C,8Rが変動した後に停止する。すなわち、特別図柄の変動時間にわたって、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示が行われる。そして、演出図柄8L,8C,8Rの停止表示によって特別図柄抽選の結果が報知される。
8-2-1.演出図柄表示領域
画像表示装置7の表示画面7aには、図40(A)に示すように、表示画面7aを水平方向に3つに略均等に分けた左側、中央および右側それぞれに、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3が設けられている。左演出図柄領域50b1は、変動演出における演出図柄8L,8C,8Rの停止表示のときに、左演出図柄8Lを表示する領域である。同様に、中演出図柄領域50b2および右演出図柄領域50b3は、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rを表示する領域である。
また、図40(A)に示すように、表示画面7aの上端部の左端の一区画(左上部)には、小図柄領域50cが設けられている。小図柄領域50cは、特別図柄の変動表示が行われているときに小図柄KZ1,KZ2,KZ3を変動表示する領域である。なお、演出図柄8L,8C,8Rは、変動演出中に非表示となることがあるのに対して、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は非表示となることがない。この点において、小図柄KZ1,KZ2,KZ3は演出図柄8L,8C,8Rの役割を補う図柄として機能する。
なお、図40(A)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは二点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、各領域の範囲は適宜に変更可能である。また、図40~図43等では、演出図柄8L,8C,8Rを簡易なデザインで図示しているが、本形態のパチンコ遊技機1では、演出モードに応じて、後述する図46、図47等に示すデザインのものが適宜用いられるものとする。
8-2-2.通常変動
パチンコ遊技機1は、変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特別図柄の変動表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。
特別図柄の変動表示が開始されると、例えば、図40(A)に示すように、表示画面7aにおいて、左演出図柄8L、中演出図柄8Cおよび右演出図柄8Rが停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われておらず、特別図柄の変動表示を待機している状態から、図40(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が開始されると共に、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示が開始される。そして、この特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「通常ハズレ変動」(リーチ無しハズレの変動)の場合には、図40(C―1)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが異なる停止態様で仮停止してから、図40(D)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」(ノーマルリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)などのリーチ有りの変動パターンの場合には、図40(C―2)に示すように、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rとが同じ停止態様で仮停止して、リーチが成立する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動表示は継続して行われ、変動パターンに応じたリーチ演出が行われる。なお、演出図柄8L,8C,8Rの停止順序や停止態様は、適宜に変更することが可能である。
8-2-3.Nリーチ(ノーマルリーチ)
パチンコ遊技機1は、通常変動においてリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
Nリーチでは、図41(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持され、図41(B)に示すように、中演出図柄8Cの変動速度が徐々に減速していく。そして、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「Nハズレ変動」の場合には、図41(C―1)に示すように、ハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「N大当たり変動」(ノーマルリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図41(C-2)に示すように、大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目(所定の停止態様の一例))で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、Nリーチの演出内容は、中演出図柄8Cが徐々に減速することに限られず、適宜に変更または追加することが可能である。
また、ハズレを示唆する演出図柄8L,8C,8Rの停止態様に関して、リーチが成立しない場合のバラケ目を「非リーチバラケ目」や「非リーチハズレ目」と称し、リーチが成立する場合のバラケ目を「リーチバラケ目」や「リーチハズレ目」と称する。非リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・3・1」や「5・8・6」等)、および、リーチバラケ目を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・1・2」や「5・4・5」等)は、演出制御用マイコン91によって選択される。また、大当たりを示唆する停止態様(ゾロ目)を構成する各演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせをどのようにするか(例えば「2・2・2」や「7・7・7」等)は、当選した大当たり図柄の種別に基づいて、演出制御用マイコン91によって選択される。
8-2-4.SPリーチ
パチンコ遊技機1は、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特別図柄抽選の結果が「大当たり」であった可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
SPリーチでは、Nリーチの後に、例えば、図42(A)に示すように、表示画面7aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G113)が表示され、表示画面7aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G1が表示される。その後、図42(B)に示すように、SPリーチ専用演出(例えば味方キャラクタと敵キャラクタAとがバトルを行うバトル演出)が行われる。そして、SPリーチ専用演出の最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SP大当たり変動」(SPリーチによって大当たり当選が示される大当たり変動)の場合には、図42(C―1)に示すように、表示画面7aに、大当たりを示唆する成功演出(例えば、味方キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが大当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、例えば「SPハズレ変動」(SPリーチによってハズレが示されるリーチ有りハズレの変動)の場合には、図42(C―2)に示すように、ハズレを示唆する失敗演出(例えば、敵キャラクタAがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rがハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3もハズレを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。なお、SPリーチの演出内容は、適宜に変更または追加することが可能である。本形態では、非時短状態や時短状態Bにおける特図1の抽選に基づくSPリーチとして、図42に示す演出が実行されるものとする。
8-2-5.バトルリーチ
パチンコ遊技機1は、時短状態Aや時短状態Bにおいて特図2の抽選に基づいて、バトルリーチを行うことが可能である。バトルリーチは、SPリーチの一種であるが、Nリーチを経て行われるものではなく、変動開始と共に行われるリーチ演出である。本形態では、特図2の抽選では小当たり当選確率が約1/7であるため、特図2の抽選結果を示す変動においては、必ずバトルリーチを行って、遊技者の当たり獲得意欲を刺激することとしている。バトルリーチも、SPリーチと同様、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
バトルリーチでは、上述の敵キャラクタAとは異なる敵キャラクタ(敵キャラクタB)と、味方キャラクタとがバトルを行うバトルリーチ用演出画像G115が、表示画面7aに表示される(図43(A))。そして、バトルリーチの最終局面を迎えると、特別図柄の変動表示の変動パターンが、大当たりや小当たりの当選に基づく変動パターン(P31,P32,P51,P52、図12参照)の場合には、図43(B―1)に示すように、表示画面7aにて、当たりを示唆する成功演出(味方キャラクタがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、勝利演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rが当たりを示唆する停止態様(所謂ゾロ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も大当たりを示唆する停止態様で一斉に停止表示する。
一方、特別図柄の変動表示の変動パターンが、特殊ハズレに基づく変動パターン(P33,P34,P53,P54、図12参照)の場合には、図43(B―2)に示すように、表示画面7aにて、ハズレを示唆する失敗演出(敵キャラクタBがバトルに勝利して仁王立ちしている表示、敗北演出)が行われるとともに、演出図柄8L,8C,8Rがハズレを示唆する停止態様(所謂バラケ目)で停止表示する。このとき、小図柄KZ1,KZ2,KZ3も、一斉に停止表示する。特殊ハズレの場合の小図柄KZ1,KZ2,KZ3の停止態様は、「1・3・5」の特殊目である。つまり本形態では、特殊ハズレの場合には、通常ハズレの場合に停止されることのない停止態様で小図柄KZ1,KZ2,KZ3が停止表示される。小図柄KZ1,KZ2,KZ3が特殊目で停止表示されることにより、遊技者には特殊ハズレであることが示唆される。なお、時短状態Aの最終変動において図43(B-2)に示す小図柄KZ1,KZ2,KZ3を特殊目とする演出画像が表示されると、時短状態Bに移行することとなる。そして、時短状態Bにおいて大当たりすることなく特図2の残保留に基づく変動が全て終わると、CHANCE演出モードに設定される。
8-3.時短状態Bに対応する演出モードと非時短状態に対応する演出モード
次に、時短状態Bに対応する演出モードであるCHANCE演出モード(第2の演出モードの一例)と、非時短状態に対応する演出モードである通常演出モード(第1の演出モードの一例)について、詳細に説明する。図44(A)及び図45(A)に示すように、CHANCE演出モードでは、昼の背景画像G10が表示画面7aに表示される。また、CHANCE演出モードでは、表示画面7aの下端部に、「当たればRUSH突入!」の文字画像を含む帯画像G2が表示される。帯画像G2は、CHANCE演出モードの役割を説明する画像である。このため、帯画像G2の表示を、モード説明表示ともいう。
またCHANCE演出モードでは、表示画面7aの右上部に、CHANCE演出モードが終了するまでの残りの変動回数を示す表示(CHANCE残回数表示G3)が表示される。CHANCE残回数表示G3(第2の表示の一例)は、例えば「チャンス残り38回」のように、「チャンス残りn回」の形で、カウントダウン方式によって、CHANCE演出モードが終了するまでの残りの変動回数を示すものであり、nの値は、特図変動の開始に応じて更新される。なお、CHANCE残回数表示G3は、CHANCE演出モードが終了するまでの残りの変動回数を示すことができれば、カウントダウン方式によるものでなくてもよく、たとえばカウントアップ方式によるものであってもよい。CHANCE残回数表示G3により、CHANCE演出モード中に大当たりに当選させたいという遊技意欲を刺激して、遊技興趣を向上させることが可能である。
一方、通常演出モードでは、図44(A)及び図45(B)に示すように、昼の背景画像G10(CHANCE演出モードと共通の背景画像)が表示画面7aに表示される。但し、CHANCE演出モードで表示されていた帯画像G2は表示されない。また、CHANCE残回数表示G3も表示されない。通常演出モードでは、これらの付加表示に代えて、天井到達までの残りの変動回数を示す表示(天井到達残回数表示G4)と、通常演出モードになってから(非時短状態になってから)の特図変動の実行回数の累積値を示す表示(累積変動回数表示G5)とを、表示画面7aの右上部に表示する。
天井到達残回数表示G4(第1の表示の一例)は、例えば「RUSHまで487回」のように、「RUSHまでx回」の形で、カウントダウン方式によって、天井到達までの残りの変動回数を示すものであり、xの値は、特図変動の開始に応じて更新される。本形態では、天井到達に応じて、通常演出モード(非時短状態)から、RUSH演出モード(時短回数が6回の時短状態A)に移行する。つまり本形態では、天井到達は、RUSH演出モードに移行することである。よって、「RUSHまでx回」と表示することは、天井到達までの残りの変動回数を示していると言える。なお、天井到達残回数表示G4は、天井到達までの残りの変動回数を示すことができれば、カウントダウン方式によるものでなくてもよく、たとえばカウントアップ方式によるものであってもよい。天井到達残回数表示G4により、天井到達までの遊技継続を遊技者に促すことが可能である。
また、累積変動回数表示G5(第3の表示)は、例えば「回転数13回」のように、「回転数a回」の形で、カウントアップ方式によって、通常演出モード(非時短状態)において実行した特図変動の回数を累積的に示すものであり、aの値は、特図変動の開始に応じて更新される。本形態では、通常演出モードでのみ累積変動回数表示G5を表示する。累積変動回数表示G5は、表示画面7aの右上部において、天井到達残回数表示G4の下方に表示される。累積変動回数表示G5が表示画面7aに表示されることにより、遊技者は容易に累積変動回数を確認することが可能である。
本形態では、104回の時短状態Bに制御され、大当たりに当選することなく時短状態Bが終了した場合には、非時短状態に移行する(図38参照)。このとき、演出制御用マイコン91は、時短状態Bの最終変動まででCHANCE演出モードを終了させ、非時短状態の最初の変動から通常演出モードへ移行させる。この演出モードの設定の切替に応じて、表示画面7aでは、図45(A)に示す帯画像G2およびCHANCE残回数表示G3を非表示とし、図45(B)に示す天井到達残回数表示G4および累積変動回数表示G5を表示する。なお、通常演出モードにおける天井到達残回数表示G4の表示位置と、CHANCE演出モードにおけるCHANCE残回数表示G3の表示位置とは同じである。これにより、遊技者が各演出モードにおいてそれぞれの表示の意味を把握し易くなっている。
ここで、CHANCE演出モード(時短状態B)においても、天井到達残回数表示G4や累積変動回数表示G5(この場合には、CHANCE演出モードの開始からの特図変動の累積値とする)を表示する構成も考えられる。しかしながら、CHANCE残回数表示G3を表示しながら、天井到達残回数表示G4や累積変動回数表示G5を表示してしまうと、変動回数に関する表示の数が多くなり過ぎてしまい、遊技者が全ての表示の意義を正しく把握することが難しくなる恐れがある。そこで本形態では、CHANCE演出モードでは、特に重要な表示であるCHANCE残回数表示G3だけを表示し、天井到達残回数表示G4や累積変動回数表示G5を表示しないこととしている。これにより、各回数表示の意義を遊技者に容易に認識させることが可能である。
また本形態では、CHANCE演出モードと通常演出モードとで、演出図柄8L,8C,8Rの表示態様が異なっている。本形態では、CHANCE演出モードであっても、通常演出モードであっても、各演出図柄8L,8C,8Rは、1~9までの数字図柄で構成される。但し、図44(A)に示すように、通常演出モードでは、1~9までの数字図柄のうち、3,5,7の数字図柄だけが、有利態様で表示され、残りの1,2,4,6,8,9の数字図柄は、非有利態様で表示されるのに対して、CHANCE演出モードでは、1~9までの全ての数字図柄が有利態様で表示される。
図46は、通常演出モードにおける1~9までの数字図柄を示す図であり、図47は、CHANCE演出モードにおける1~9までの数字図柄を示す図である。図46及び図47に示すように、各数字図柄は、1~9までの何れかの数字を表す数字画像SG1~SG9と、数字画像SG1~SG9の後ろに重ねて表示される台座画像DG1~DG9の組み合わせで構成されている。そして、各数字図柄における台座画像DG1~DG9は、楕円形の基礎画像KGと、キャラクタを表すキャラクタ画像とを組み合わせた画像である。基礎画像KGの形状は、各台座画像DG1~DG9において共通するが、キャラクタ画像は、各台座画像DG1~DG9毎に異なる。
そして、基礎画像KGが白色に着色された表示態様の数字図柄(図46に示す1,2,4,6,8,9の数字図柄)が、非有利態様の数字図柄であり、基礎画像KGが金色に着色された表示態様の数字図柄(図46に示す3,5,7の数字図柄、及び、図47に示す1~9の数字図柄)が、有利態様の数字図柄である。つまり本形態では、演出モードがCHANCE演出モードである場合と通常演出モードである場合とで、1,2,4,6,8,9の数字図柄における基礎画像KGの表示色が異なっている。
有利態様の数字図柄のゾロ目(各演出図柄8L,8C,8Rが同じ数字図柄で停止表示されること)は、大当たり遊技の終了後に時短回数が6回の時短状態A、すなわちRUSH演出モードに移行することを確定的に示唆する停止態様である。これに対して、非有利態様の数字図柄のゾロ目は、大当たり遊技の終了後に時短回数が1回の時短状態A、すなわちチャレンジ演出モードに移行する可能性があることを示唆する停止態様である。
詳細には、図44(B)に示すように、非時短状態(通常演出モード)では、特図1の抽選に基づいて大当たり図柄Aに当選した場合には、大当たり遊技の終了後に時短回数が1回の時短状態Aに移行するため、演出制御用マイコン91は、演出図柄8L,8C,8Rの停止態様として、非有利態様の数字図柄のゾロ目(図46に示す1,2,4,6,8,9の数字図柄の何れかのゾロ目)を選択し、表示画面7aに表示する。また、特図1の抽選に基づいて大当たり図柄Bに当選した場合には、大当たり遊技の終了後に時短回数が6回の時短状態Aに移行するため、演出制御用マイコン91は、演出図柄8L,8C,8Rの停止態様として、非有利態様の数字図柄のゾロ目(図46に示す1,2,4,6,8,9の数字図柄の何れかのゾロ目)、又は、有利態様の数字図柄のゾロ目(図46に示す3,5,7の数字図柄の何れかのゾロ目)を選択し、表示画面7aに表示する。このため、有利態様の数字図柄(有利図柄ともいう)のゾロ目は、RUSH演出モードへの移行確定を示唆する演出として機能する。また、非有利態様の数字図柄(非有利図柄ともいう)のゾロ目は、チャレンジ演出モードに移行する可能性がある演出として機能する。
また、時短状態Bであって特図2保留が無い状態(CHANCE演出モード)では、特図1の抽選に基づいて大当たり図柄Aに当選した場合も、大当たり図柄Bに当選した場合も、大当たり遊技の終了後に時短回数が6回の時短状態Aに移行するため、演出制御用マイコン91は、演出図柄8L,8C,8Rの停止態様として、有利態様の数字図柄のゾロ目(図47に示す1~9の数字図柄の何れかのゾロ目)を選択し、表示画面7aに表示する。勿論、CHANCE演出モードにおいても、有利態様の数字図柄(有利図柄)のゾロ目は、RUSH演出モードへの移行確定を示唆する演出として機能する。
このように本形態では、大当たり図柄の種類によっては時短回数が6回の時短状態A(RUSH演出モード)に移行しない場合があるとき(通常演出モードであるとき)には、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rの各々が、非有利態様の数字図柄と、有利態様の数字図柄とを含んで構成されるが(図46、図48(B)参照)、何れの大当たり図柄に当選しても時短回数が6回の時短状態A(RUSH演出モード)に移行するとき(CHANCE演出モードであるとき)には、左演出図柄8L、中演出図柄8C、右演出図柄8Rの各々を構成する1~9の数字図柄の全てが、有利態様の数字図柄となる(図47、図48(A)参照)。よって、遊技者は、CHANCE演出モードにおいて、表示される全ての演出図柄が、有利態様の数字図柄となっており、非有利態様の数字図柄が全く表示されないことにより、この演出モード中に当たれば必ずRUSH演出モードに移行すると認識することが可能である。
なお、104回の時短状態Bに制御され、大当たりに当選することなく時短状態Bが終了して非時短状態に移行した場合に、演出制御用マイコン91が、時短状態Bの最終変動まででCHANCE演出モードを終了させ、非時短状態の最初の変動から通常演出モードへ移行させたことに応じて、表示画面7aに表示される演出図柄は、全てが有利態様の数字図柄である状態(図48(A)参照)から、有利態様の数字図柄と非有利態様の数字図柄とが混在した状態(図48(B)参照)に変更される。これにより、当たってもRUSH演出モードに移行しない場合がある状態となったことを遊技者に認識させることが可能である。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、大当たり判定処理(図21)の結果が特殊ハズレであることにより時短状態B(微時短状態)に制御され、その時短状態Bから大当たり遊技が実行された場合には、非時短状態(通常遊技状態)から大当たり遊技が実行されたときとは異なる特典が付与されることがある(図8参照)。よって、遊技が多様化して遊技興趣が向上される。
特に本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態B(微時短状態)の方が非時短状態(通常遊技状態)よりも大きな特典が付与され易い(時短回数が6回に設定され易い、図8参照)。よって、時短状態Bになることへの関心を高めることが可能となり、遊技興趣が向上される。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2大入賞口35内の特定領域39を遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機において、時短状態B(微時短状態)を設けたことにより、時短状態B時には非時短状態(通常遊技状態)時とは異なる特典を付与するという新たなゲーム性の1種2種混合機を提供可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機1によれば、所謂1種2種混合機において時短状態B(微時短状態)を設けたことにより、非時短状態(通常遊技状態)とは異なる確率で、RUSH演出モード(時短回数6回の時短状態A)に移行する遊技状態を設けることができ(図38参照)、遊技興趣の向上が見込める。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態において入球容易となる第2始動口21への入球に基づく抽選の結果には、通常ハズレが含まれないため(図7、図9参照)、第2始動口21に係る抽選において当たりを引けなかった場合でも、特殊ハズレに基づき時短状態に移行するという新たなゲーム性を提供可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、第2始動口21への入球に基づく抽選(特図2の抽選)で特殊ハズレを引いた結果移行する時短状態は、比較的第2始動口21へ入球し難い時短状態B(微時短状態)である。そのため、特図2の抽選で当たりを引けなかった場合には特殊ハズレに基づく時短状態に移行するというゲーム性としつつも、遊技者の利益が大きくなり過ぎるのを防止可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態B(微時短状態)における特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合の方が、非時短状態(通常遊技状態)における特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、遊技者の利益が大きくなり易い(時短回数が6回に設定され易い、図8参照)ため、時短状態Bであることに対する遊技者の関心が高められ、遊技興趣が向上される。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、所謂1種2種混合機において大当たり遊技後に時短状態Aに制御された場合に、第2始動口21への入球に基づいて当たりを引けなくても、時短状態B(微時短状態)に制御される。そのため、時短状態Aに続いて、非時短状態(通常遊技状態)よりも有利な遊技が提供されることとなる。よって、従来であれば時短状態から非時短状態(通常遊技状態)に戻るとすぐに遊技をやめていた遊技者に対して、時短状態B(微時短状態)であるから遊技を継続しようと思わせることが可能となり、稼働率の高い遊技機とすることが可能となる。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特殊ハズレに基づく時短状態への制御タイミングにおいて既に時短状態である場合には遊技状態の設定を変更しない(図26-1のステップS1710~S1714参照)。よって、時短状態が終了して通常遊技状態に戻っても直ぐにまた時短状態に設定されるという新たなゲーム性を提供しつつ、特殊ハズレを引いたことによって既に設定中の時短状態の利益が害されるのを防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、当たれば時短回数が6回の時短状態Aに制御される(RUSH演出モードに移行する)ことが確定するCHANCE演出モード(時短状態B)では、変動表示される演出図柄8L,8C,8Rを有利態様の演出図柄だけとし、非有利態様の演出図柄を含まないこととしている(図47参照)。そのため、当たれば必ず時短回数が6回の時短状態Aに制御される(RUSH演出モードに移行する)状況にあることを、遊技者にわかり易く伝えることが可能である。
特に本形態のパチンコ遊技機1では、CHANCE演出モードにおいて「当たればRUSH突入!」の文字を含む帯画像G2を表示画面7aに表示しているため(図48(A)参照)、全ての演出図柄を有利図柄としている意味が遊技者に正しく伝わり易い。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、CHANCE演出モード(時短状態B)において、通常演出モード(非時短状態)と比べて変動表示される演出図柄8L,8C,8Rの種類を減らさずに、非有利態様の演出図柄を無くして、有利態様の演出図柄だけとしている(図46、図47参照)。よって、演出図柄の種類が減ることによって遊技者に違和感を与えるのを防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、CHANCE演出モード(時短状態B)において、通常演出モード(非時短状態)と共通する昼の背景画像G10を表示している(図45参照)。よって、CHANCE演出モード(時短状態B)において、当たれば時短回数が6回の時短状態Aに制御される(RUSH演出モードに移行する)こと以外の意味(例えば電サポが受けられる等)で有利であると遊技者が勘違いするのを防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態B(微時短状態)へは特殊ハズレに基づいて移行する。よって、微時短状態へ大当たり遊技を経ることなく移行し得るという新たなゲーム性を提供可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、通常演出モード(非時短状態)である場合に天井到達残回数表示G4がなされる。よって、特図変動があと何回行われると時短状態Aに制御されるのかを遊技者に示すことができ(図45(B))、遊技興趣が向上される。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、CHANCE演出モードであるときには行われない天井到達残回数表示G4が通常演出モードでは行われ得ることで、通常演出モード中の遊技興趣を向上させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、CHANCE演出モードでは、その演出モードが終了するまでの回数を示唆するCHANCE残回数表示G3がなされるところ、本構成の遊技機では、CHANCE演出モード中は天井到達残回数表示G4を表示しないため(図45(A)参照)、天井到達残回数表示G4とCHANCE残回数表示G3とが同時に行われる構成に比べて、回数表示がシンプルになり、遊技者を困惑させ難い。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、CHANCE演出モードから通常演出モードへの変更時にはCHANCE残回数表示G3が終了して天井到達残回数表示G4が開始されるため、演出モードが変わっても、次の目安となる図柄変動回数を遊技者が把握でき、遊技意欲の抑制を防止することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態Bである場合にCHANCE演出モードに設定されてCHANCE残回数表示G3がなされるため、時短状態Bがいつまで続くのかを遊技者に認識させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、時短状態Bの方が非時短状態(通常遊技状態)よりも大きな特典が付与され易い(大当たりに当選すると大当たり遊技後に時短回数が大きい値に設定され易い)ので、時短状態Bになることへの関心を高めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、特殊ハズレに基づいて時短状態Bに移行する。よって、大当たり遊技が実行されなくても時短状態Bに移行されることがあるため、時短状態Bへの移行に期待を持ちながら遊技を進めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変更例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変更例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
上記形態では、時短状態B(微時短状態)中の特図1の抽選に基づく大当たり当選時には、大当たり遊技後にRUSH演出モード(時短回数6回の時短状態A)に必ず移行する構成としたが、RUSH演出モードへの移行率は100%でなくてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選において特殊ハズレに当選した場合に時短状態B(微時短状態)に移行する構成としたが、特図1の抽選結果に、時短状態Bへの移行契機となる特殊ハズレを設けてもよい。
また上記形態では、特殊ハズレに基づいて時短状態B(微時短状態)に移行する構成としたが、特定の大当たり図柄に当選した場合に、時短状態Bに移行する構成としてもよい。また、特定の小当たり図柄に当選した場合に、その当選に係る2種大当たり遊技の終了後に、時短状態Bに移行する構成としてもよい。また、天井到達に基づいて、時短状態Bに移行する構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選において特殊ハズレが実質的には通常ハズレのように機能することで(時短フラグがONであれば特殊ハズレに基づく新たな時短状態には設定しない)、特図2の変動(チャンス変動)を受けられる期間が終了する構成としたが、特図2の抽選結果に、大当たり遊技後の遊技状態が非時短状態となる当たり図柄(小当たり図柄、大当たり図柄)を設けて、大当たり遊技後に非時短状態になることで、特図2の変動を受けられる期間が終了する構成としてもよい。
また上記形態では、CHANCE演出モード(微時短状態)において当選した場合の方が、通常演出モード(非時短状態)において当選するよりも、時短回数が大きな値に設定され易い構成とした。これに対して、前者の方が後者よりも時短状態への移行率が高い構成(例えば前者では50%の割合で時短状態に移行し50%の割合で非時短状態に移行するが、後者では100%の割合で時短状態に移行する構成)としてもよい。すなわち、遊技者に付与される特典の違いには、時短回数の大小だけでなく、時短状態に移行するか否かも含まれる。
また上記形態では、第2大入賞口35内の特定領域39への遊技球の通過に基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機として構成したが、所謂図柄確変機や、V確変機など、他の種類の遊技機としてもよい。特図2の抽選を特図1の抽選よりも優先的に消化する図柄確変機やV確変機とした場合でも、特図2の抽選結果に通常ハズレを含まず、特殊ハズレを実質的に通常ハズレのように機能させれば、大当たり遊技後の時短状態の終了から、特図2の抽選における特殊ハズレに基づく時短状態へ繋げることができ、新たな遊技性を提供可能である。
また上記形態では、大当たり遊技後の時短状態において特殊ハズレを引いても、時短フラグがONであれば、特殊ハズレに応じた時短状態へは制御しない構成としたが、時短フラグのONOFFに関わらず、特殊ハズレを引いた場合には、特殊ハズレに基づく時短状態に移行させる構成としてもよい。
また上記形態では、第1入球容易状態(時短状態A)よりも第2始動口21へ遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態を、第2始動口21への入球し易さが非時短状態とそれほど変わらない微時短状態(時短状態B)としたが、第2入球容易状態は、第1入球容易状態よりも第2始動口21へ遊技球が入球し難い設定であれば、第2始動口21への入賞がある程度見込める設定であってもよい。この場合、第2入球容易状態中は、右打ちにて遊技を進行する構成としてもよい。
また上記形態において、左打ちによって通過可能なゲートを設け、非時短状態や時短状態Bにおいて、所定の確率(例えば1/100程度の確率)で、所謂電チュー22のロング開放が行われる構成としてもよい。このように構成すれば、特図2の抽選に基づいて特殊ハズレを引く機会を、非時短状態や時短状態B中に得ることが可能となり、新たなゲーム性の提供が可能となる。
また上記形態では、ハズレ図柄Bとハズレ図柄Cの2種類の特殊ハズレを設けたが、3種類以上の特殊ハズレを設けてもよい。具体的には例えば、時短回数が54回の微時短状態への移行契機となるハズレ図柄X、時短回数が104回の微時短状態への移行契機となるハズレ図柄Y、時短回数が604回の微時短状態への移行契機となるハズレ図柄Zを設けてもよい。このように構成した場合、CHANCE演出モードでは、まずCHANCE残回数表示G3を50回と表示し、0回になったときに、継続か否かの成否演出(継続演出)を行う構成としてもよい。この構成では、2回目の成否演出(継続演出)に成功した時点で、時短回数が604回の微時短状態(天井到達まで継続する微時短状態)であることを遊技者に認識させることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。また、50回毎に継続演出を行う構成ではなく、CHANCE残回数表示G3が0回となる前に、その表示回数を加算する加算演出(例えば50回加算や550回加算など)を行う構成としてもよい。
また、大当たり判定処理において特殊ハズレであると判定したタイミングで(図21に示すステップS1112参照)、特殊ハズレの種類と、遊技状態(時短フラグのONOFF)とに応じた時短回数をセットし、特殊ハズレに係る特図停止時間の経過時に、特殊ハズレに基づく時短状態への移行を行う場合には、大当たり判定処理のタイミングでセットした時短回数の時短状態に制御する構成としてもよい。このように構成すれば、同じ種類の特殊ハズレを引いた場合でも、大当たり判定処理の実行時の遊技状態に応じて、異なる時短回数に設定することが可能となり、遊技の多様化を見込める。
また上記形態では、演出図柄8L,8C,8Rはそれぞれ「1」~「9」までの9つの数字図柄を含み、非時短状態(通常遊技状態)で設定される通常演出モードでは、各演出図柄8L,8C,8Rを構成する複数の数字図柄(数字を含む演出図柄)のうち、「3」と「5」と「7」を有利図柄(有利態様の演出図柄)とし、「1」「2」「4」「6」「8」「9」を非有利図柄(非有利態様の演出図柄)とする一方、時短状態B(微時短状態)で設定されるCHANCE演出モードでは、各演出図柄8L,8C,8Rを構成する複数の数字図柄の全て(「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」)を、有利図柄とした(図46、図47参照)。これに対して、時短状態B(微時短状態)で設定されるCHANCE演出モードでは、各演出図柄8L,8C,8Rを構成する複数の数字図柄を、非時短状態で設定される通常演出モードにおける有利図柄、すなわち「3」と「5」と「7」の数字図柄だけで構成し、「1」「2」「4」「6」「8」「9」の数字図柄を用いない構成としてもよい。
また上記形態では、演出図柄8L,8C,8Rの有利態様を基礎画像KGが金色の態様とし、非有利態様を基礎画像KGが白色の態様としたが、演出図柄の有利態様や非有利態様をどのような態様とするかは、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
また上記形態では、通常演出モード(非時短状態における演出モード)と、CHANCE演出モード(微時短状態における演出モード)とで全く同じ昼の背景画像G10を表示する構成としたが(図45参照)、両演出モードの背景画像が概ね共通の画像で構成されていれば、一部に異なる画像が用いられていても、「共通の背景画像を表示する」に含まれるものとする。例えば、CHANCE演出モードにおける太陽の画像を、通常演出モードにおける太陽の画像と異ならせたり(例えば色を異ならせる)、CHANCE演出モードにおける左側の山の画像を、通常演出モードにおける左側の山の画像と異ならせたり(例えば形を異ならせる)しても良い。
また上記形態において、各種の時短回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、天井回数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。また上記形態において、各大当たり図柄、各小当たり図柄、各ハズレ図柄の種類や振分率は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜変更可能である。例えば特図2の抽選で当選可能な小当たり図柄の種類を、1種類だけとしたり(具体的には「小当たり図柄a」だけとしたり)、3種類以上としたりしてもよい。
また上記形態において、特図1の抽選結果に、大当たり遊技の終了後に時短状態に制御しない(すなわち非時短状態に制御する)大当たり図柄を設けてもよい。例えば、大当たり図柄Aを、非時短状態に制御する大当たり図柄としてもよい。
また上記形態では、RUSH演出モードの終了後にCHANCE演出モード(微時短状態における演出モード)に移行し、そのCHANCE演出モードが終了したら、通常演出モード(通常遊技状態における演出モード)に戻って天井到達残回数表示G4を表示する構成とした。これに対して、通常演出モード(通常遊技状態)中に特殊ハズレを引いてCHANCE演出モード(微時短状態)に移行する場合がある構成としてもよい。この場合、モード移行に際して、天井到達残回数表示G4および累積変動回数表示G5を非表示とし、CHANCE残回数表示G3および帯画像G2を表示するとよい。またこの場合、特図1の抽選結果に微時短状態への移行契機となる特殊ハズレを含んでいるとよい。
また上記形態において、特図1の抽選において特定の大当たり図柄に当選した場合に、時短状態B(微時短状態)に移行する構成としてもよい。
また上記形態では、天井到達残回数表示G4(第1の表示)とCHANCE残回数表示G3(第2の表示)を表示画面7a上の同じ位置に表示する構成としたが、異なる位置に表示する構成としてもよい。
また上記形態では、第1の表示として、天井到達までの残りの特図変動の回数をそのまま数字で表示する天井到達残回数表示G4を行う構成としたが、天井到達までの特図変動の回数(言い換えれば天井到達の時期、つまり天井到達までの残期間)を示唆することができれば、第1の表示は、特図変動の回数をそのまま数字で表示するものでなくてもよい。具体的には例えば、特図変動が行われることに応じて進行し、MAXに到達する(100%に到達する)ことで天井到達を表すメーターやプログレスバーであってもよい。この場合には、メーターやプログレスバーがMAXとなるまで後どのくらいかによって、天井到達までの特図変動の回数が遊技者に示唆されることとなる。また例えば、所定のアイコン(例えばキャラクタ画像)が特図変動の実行に応じてスタート位置からゴール位置まで移動することで天井到達を表す構成としてもよい。この場合、所定のアイコンがゴール位置に到達するまで後どのくらいかによって、天井到達までの特図変動の回数が遊技者に示唆されることとなる。また例えば、複数のアイコン(例えば星のアイコン)を表示しておき、そのアイコンを特図変動の実行に応じて1つずつ非表示としていき、全てのアイコンが非表示となったことで天井到達を表す構成としてもよい。この場合、表示されているアイコンの数によって、天井到達までの特図変動の回数が遊技者に示唆されることとなる。
また上記形態では、第2の表示として、CHANCE演出モード(時短状態B)が終了するまでの残りの特図変動の回数をそのまま数字で表示するCHANCE残回数表示G3を行う構成としたが、CHANCE演出モードが終了するまでの特図変動の回数(言い換えればCHANCE演出モードが終了する時期、つまりCHANCE演出モードが終了するまでの残期間)を示唆することができれば、第2の表示は、特図変動の回数をそのまま数字で表示するものでなくてもよい。具体的には例えば、上述した第1の表示の変更例と同様、特図変動が行われることに応じて進行するメーターやプログレスバー、特図変動が行われることに応じて移動する所定のアイコン、特図変動が行われることに応じて表示数が変化するアイコンであってもよい。
また上記形態では、CHANCE演出モード(時短状態Bにおいて設定される演出モード)の開始から終了まで常時、CHANCE残回数表示G3を表示する構成としたが、CHANCE演出モードにおいてCHANCE残回数表示G3を表示しない期間があってもよい。すなわち、CHANCE演出モードにおいて、その終了までの残りの特図変動の回数を示唆しない期間があってもよい。この場合例えば、時短回数が互いに異なる複数の時短状態B(微時短状態)に移行可能に構成し、何れの時短状態Bであっても残りの変動回数が所定数となるまではCHANCE残回数表示G3を表示せず、所定数となってからCHANCE残回数表示G3を表示する構成としてもよい。このような構成とすれば、時短状態Bの序盤では、時短回数が何回の時短状態Bに制御されたか分からないようにすることができ、遊技興趣の向上が見込める。なお、CHANCE残回数表示G3を表示しない期間を設ける場合、この期間中は、CHANCE演出モード(時短状態B)が終了するまでの残りの特図変動の回数は示唆しないが、CHANCE演出モード(時短状態B)であることは示唆する所定表示を行うようにしてもよい。所定表示としては例えば、「チャンス残り?回」の文字画像の表示や、「チャンス」の文字画像の表示等が挙げられる。
また上記形態では、特殊ハズレに基づく時短状態B(微時短状態)への制御タイミングにおいて時短フラグがONである場合(時短状態である場合)には、遊技状態の設定を変更しない構成(微時短状態への制御を行わない構成)としたが(図26-1に示すステップS1710~S1714参照)、特殊ハズレに基づく時短状態Bへの制御タイミングにおいて時短フラグがONである場合でも、時短状態Bへの制御を行う構成としてもよい。この場合、設定中の時短状態Aを直ちに終了させて時短状態Bに移行させる構成としてもよいし、時短状態Aの残りの時短回数と時短状態Bで設定される時短回数とを比較して、前者≧後者であれば時短状態Aのままとするが、前者<後者であれば、時短状態Bに移行させる構成としてもよい。なお、時短状態Aの残りの時短回数よりも時短状態Bで設定される時短回数が大きいときに時短状態Bに移行させる構成とした場合には、時短状態Aを直ちに終了して時短状態Bに移行させる構成としてもよいし、時短状態Aを残りの時短回数分継続させた後に、時短状態Bに移行させる構成としてもよい。さらにこの場合には、時短状態Bの時短回数を、時短状態Bの本来の時短回数としてもよいし、時短状態Bの本来の時短回数から時短状態Aの残りの時短回数を引いた回数としてもよい。
また上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、所謂「ST機」や「確変ループ機」など、1種2種混合機以外のタイプの遊技機としてもよい。ST機や確変ループ機とする場合、当選した特別図柄の種類に基づいて大当たり当選確率が高い高確率状態への移行が決定される所謂「図柄確変機」としてもよいし、Vアタッカー(特定領域を有する大入賞装置)内の特定領域への通過に基づいて高確率状態への移行が決定される所謂「V確変機」としてもよい。このような1種2種混合機以外のタイプの遊技機において特殊ハズレ(時短ハズレ)を引くことができるように構成した場合でも、従来にない新たなゲーム性を提供することが可能である。
また上記形態では、所謂1種2種混合機として構成したが、実現したい遊技性によっては、1種大当たりのない所謂ハネモノ(2種機)としてもよい。すなわち、特図1の抽選でも特図2の抽選でも所謂「直撃大当たり」に当選し得ない構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づいて所謂「直撃大当たり」に当選し得る構成としたが、特図2の抽選に基づいて「直撃大当たり」に当選し得ない構成、すなわち特図2の抽選に基づく大当たりは2種大当たりのみの構成としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、必ずV通過が発生するように第2大入賞口35(開閉部材37)の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成とした。これに対して、特図2の抽選に基づく小当たり遊技では、V通過することもあるがV通過しないこともあるような第2大入賞口35の開放制御や振分部材71の作動制御が行われる構成(つまり振分部材71が通過許容状態をとっているタイミングと第2大入賞口35への入賞タイミングがうまく合えば特定領域39への通過が生じるが、合わなければ特定領域39への通過が生じない構成)としてもよい。
また上記形態では、特図2の抽選に基づく小当たり遊技の開放パターンを、第2大入賞口35に入賞した遊技球がその入賞タイミングにかかわらず特定領域39を通過する開放パターン(図37(b)及び(c)参照)とした。しかしながら、正しく遊技している限り(右打ちを継続している限り)小当たり遊技中に必ず特定領域39への通過を生じさせることができるのであれば、第2大入賞口35に入賞した遊技球の全てが特定領域39を通過することができる開放パターンでなくてもよい。具体的には例えば、0.1秒開放を12回繰り返す開放パターンとし、1回~9回までの開放時に入賞した遊技球は特定領域39を通過するが、10回~12回までの開放時に入賞した遊技球は非特定領域70を通過するように構成してもよい。つまり通過用開放パターンは、第2大入賞口35への入賞が可能であって第2大入賞口35へ入賞した遊技球の少なくとも1球が特定領域39を通過する開放パターンであればよい。なお、この変更例のような開放パターンとする場合には、各開放時に第2大入賞口35に遊技球が入賞し易くなるように、第2大入賞装置の開閉部材を次のようなものにするとよい。即ち、前後に進退可能であり、前方に出ているときには第2大入賞口を閉塞し、後方に退いているときには第2大入賞口を開放する進退式のものとするとよい。そして第2流路R2を流下する遊技球が開閉部材の上面を転動するように配置するとよい。その上で、開閉部材の上面の摩擦係数を高くして(例えばゴムのような弾性力の高い部材を利用した面として)、遊技球が開閉部材の上面をゆっくりと転動するようにしておくとよい。若しくは、開閉部材の上面を床面とする遊技球の通路上に、遊技球の転動速度を遅くするための突起を設けておいてもよい。
また上記形態では、小当たり遊技の開始時点を基準に、時間で管理された所定の作動パターンに従って、特定領域39が開放されるように構成した(図37参照)。これに対して、第2大入賞口35への入賞球数が予め定められた作動契機入賞球数(例えば1球)になったときに、特定領域39を開放させる(通過許容状態にする)構成としてもよい。この場合、特2V通過小当たりでは、作動契機入賞球数を例えば「1」とするとよい。このようにすれば、特2V通過小当たり時には、第2大入賞口35への入賞球を特定領域39に通過させることができる。なお、作動契機入賞球数に基づいて振分部材71が作動する構成であっても、特定領域39が予め定められたタイミングで通過の可否が切り替えられていることにかわりはない。
また上記形態では、大当たり乱数を用いた判定の結果がハズレであり、図柄種別乱数を用いた判定の結果がハズレ図柄B又はハズレ図柄Cである場合に、大当たり遊技を実行することなく時短状態に制御する構成とした。これに対して、時短状態に制御するか否かの抽選(時短抽選)のための乱数(時短乱数)を別途取得することとし、特別図柄の変動表示の開始前に、時短乱数を用いて時短抽選(時短状態にするか否かの判定)を行う構成としてもよい。この場合、時短抽選は、大当たりであるか否かの判定の前に行ってもよいし、後に行ってもよい。また時短抽選を行う構成とする場合、時短乱数に代えて、大当たり乱数や図柄種別乱数を用いて時短抽選を行う構成としてもよい。
また上記形態では、特図2保留(第2特図保留)の上限記憶数を「4」としたが、特図2保留の上限記憶数は適宜変更可能である。また、遊技に支障をきたさなければ、特図2保留の無い構成、すなわち、特図2保留の上限記憶数が「0」である構成としてもよい。
また上記形態では、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数(時短回数)は、特図1の変動表示が実行されても特図2の変動表示が実行されてもカウントされる合算上限実行回数としたが、この合算上限実行回数とは別に、特図1の変動表示だけをカウント対象とした特図1上限実行回数や、特図2の変動表示だけをカウント対象とした特図2上限実行回数を設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成してもよい。なお、特図1上限実行回数や特図2上限実行回数は、合算上限実行回数とは異なる値に設定することができる。また、合算上限実行回数を設けることなく、特図1上限実行回数と特図2上限実行回数とを設け、いずれかの回数が満たされると時短状態が終了するように構成したり、特図2上限実行回数だけを設け、この回数が満たされると時短状態が終了するように構成したりしてもよい。
また上記形態では、特図1の抽選に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、特図2の抽選に基づいて大当たり遊技(2種大当たり遊技を含む)が実行された場合の方が、遊技者が獲得可能な特典が大きい構成としたが、逆若しくは同じであってもよい。なお、遊技者が獲得可能な特典には、大当たり遊技において獲得可能な賞球の量や、大当たり遊技後の遊技状態に関する各種の設定(時短状態に制御されるか否かや、時短状態に制御された場合の時短回数など)が含まれる。
また上記形態では、変動演出を行う表示部を、1つの表示装置の表示画面(画像表示装置7の表示画面7a)によって構成したが、2つ以上の表示装置の各表示画面によって構成してもよい。例えば、メイン表示装置としての画像表示装置7の他に、サブ表示装置を備えている構成では、メイン表示装置の表示画面にて演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を行い、サブ表示装置の表示画面にて小図柄KZ1,KZ2,KZ3の変動演出を行うように構成してもよい。なお、タッチセンサと液晶表示装置からなるタッチパネルを遊技機枠50に搭載し、このタッチパネルにおける液晶表示装置をサブ表示装置としてもよい。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たり又は小当たりか否か、大当たり図柄、小当たり図柄、ハズレ図柄の種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
11.本明細書に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明が開示されている。以下の説明では、実施形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A4の総称である。また発明Bは、以下の発明B1~B6の総称である。また発明Cは、以下の発明C1~C7の総称である。また発明Dは、以下の発明D1~D7の総称である。
発明A1:
所定の判定処理(大当たり判定処理)を行う判定手段(遊技制御用マイコン81による大当たり判定処理)と、
前記所定の判定処理の結果に基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段(遊技制御用マイコン81による大当たり遊技の実行に関する処理)と、
通常遊技状態よりも可変始動口(第2始動口21)に遊技球が入球し易い設定の入球容易状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン81による遊技状態の設定に関する処理)と、を備え、
前記入球容易状態には、第1入球容易状態(時短状態A(通常時短状態))と、前記第1入球容易状態よりも前記可変始動口に遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態(時短状態B(微時短状態))とがあり、
前記遊技状態制御手段は、
前記大当たり遊技の終了後の遊技状態を、前記第1入球容易状態(時短状態A)に制御することと、
前記所定の判定処理の結果が特定の判定結果(特殊ハズレ)である場合に、前記大当たり遊技を経ることなく、前記第2入球容易状態(時短状態B)に制御することと、が可能であり、
前記通常遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合と、前記第2入球容易状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合とで、遊技者に付与される特典が異なることがある(図8参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)。
この構成の遊技機によれば、所定の判定処理の結果が特定の判定結果であることにより第2入球容易状態に制御され、その第2入球容易状態から大当たり遊技が実行された場合には、通常遊技状態から大当たり遊技が実行されたときとは異なる特典が付与されることがあるため、遊技が多様化して遊技興趣が向上される。
発明A2:
発明A1に記載の遊技機であって、
前記通常遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合よりも、前記第2入球容易状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合の方が、遊技者に付与される特典が大きくなり易い(時短回数が大きい値に設定され易い、図8参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2入球容易状態の方が通常遊技状態よりも大きな特典が付与され易いので、第2入球容易状態になることへの関心を高めることが可能となり、遊技興趣が向上される。
発明A3:
発明A1又は発明A2に記載の遊技機であって、
前記所定の判定処理の結果に基づいて特別入賞口(第2大入賞口35)を開放する特別入賞口開放手段(遊技制御用マイコン81による大入賞口の開放に関する処理)を備え、
前記大当たり遊技実行手段は、前記特別入賞口に入賞した遊技球が特定領域(39)を通過したことに基づいて、前記大当たり遊技を実行可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な遊技機(いわゆる1種2種混合機)において第2入球容易状態を設けたことにより、第2入球容易状態時には通常遊技状態時とは異なる特典を付与するという新たなゲーム性の1種2種混合機を提供可能である。
発明A4:
発明A3に記載の遊技機であって、
前記所定の判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)の変動表示を行う図柄表示制御手段(遊技制御用マイコン81による特図変動に関する処理)を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記入球容易状態における前記識別図柄の変動表示の実行回数が所定の上限実行回数に到達すると、前記入球容易状態への制御を終了するものであり、
前記通常遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合には、第1の割合(50%)で、前記上限実行回数を特定回数(6回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)に制御し、
前記第2入球容易状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合には、前記第1の割合とは異なる第2の割合(100%)で、前記上限実行回数を前記特定回数(6回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)に制御することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域を遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な遊技機(いわゆる1種2種混合機)において第2入球容易状態を設けたことにより、通常遊技状態とは異なる確率で、上限実行回数が特定回数の第1入球容易状態に移行する遊技状態を設けることができ、遊技興趣の向上が見込める。
発明B1:
所定の判定処理(大当たり判定処理)を行う判定手段(遊技制御用マイコン81による大当たり判定処理)と、
通常遊技状態よりも可変始動口(第2始動口21)へ遊技球が入球し易い設定の入球容易状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン81による遊技状態の設定に関する処理)と、を備え、
前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果には、特別入賞口(第2大入賞口35)の開放契機となる当たり(小当たり)と、遊技者に有利な大当たり遊技を経ることなく前記入球容易状態に制御される契機となる特殊ハズレとが含まれ、前記当たりとも前記特殊ハズレとも異なる通常ハズレが含まれない(図7、図9参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)。
この構成の遊技機によれば、入球容易状態において入球容易となる可変始動口への入球に基づく判定処理の結果には、通常ハズレが含まれないため、当たりを引けなかった場合でも、特殊ハズレに基づく入球容易状態に移行するという新たなゲーム性を提供可能である。
発明B2:
発明B1に記載の遊技機であって、
前記入球容易状態には、第1入球容易状態(時短状態A(通常時短状態))と、前記第1入球容易状態よりも前記可変始動口に遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態(時短状態B(微時短状態))とがあり、
前記遊技状態制御手段は、
前記大当たり遊技の終了後の遊技状態を、前記第1入球容易状態に制御することがあり、
前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果が前記特殊ハズレである場合、前記第2入球容易状態に制御することがあることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、可変始動口への入球に基づく判定処理で特殊ハズレを引いた結果移行する入球容易状態は、比較的可変始動口へ入球し難い第2入球容易状態である。そのため、当たりを引けなかった場合でも特殊ハズレに基づく入球容易状態に移行するというゲーム性としつつも、遊技者の利益が大きくなり過ぎるのを防止可能である。
発明B3:
発明B2に記載の遊技機であって、
前記通常遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合よりも、前記第2入球容易状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合の方が、遊技者に付与される特典が大きくなり易い(時短回数が大きい値に設定され易い、図8参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2入球容易状態での判定処理に基づいて大当たり遊技が実行された場合の方が、通常遊技状態での判定処理に基づいて大当たり遊技が実行された場合よりも、遊技者の利益が大きくなり易いため、第2入球容易状態であることに対する遊技者の関心が高められ、遊技興趣が向上される。
発明B4:
発明B3に記載の遊技機であって、
前記特別入賞口に入賞した遊技球が通過可能な特定領域(39)を備え、
前記大当たり遊技は、前記特定領域を遊技球が通過したことに基づいて実行されることがあることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域に遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機において、大当たり遊技後に第1入球容易状態に制御された場合に、可変始動口への入球に基づいて当たりを引けなくても、第2入球容易状態に制御され得るため、第1入球容易状態に続いて、通常遊技状態よりも有利な遊技が提供されることとなる。そのため、従来であれば入球容易状態から通常遊技状態に戻るとすぐに遊技をやめていた遊技者に対して、第2入球容易状態であるから遊技を継続しようと思わせることが可能となり、稼働率の高い遊技機とすることが可能となる。
発明B5:
発明B4に記載の遊技機であって、
前記所定の判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)の変動表示を行う図柄表示制御手段(遊技制御用マイコン81による特図変動に関する処理)を備え、
前記遊技状態制御手段は、
前記入球容易状態における前記識別図柄の変動表示の実行回数が所定の上限実行回数に到達すると、前記入球容易状態への制御を終了するものであり、
前記通常遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合には、第1の割合(50%)で、前記上限実行回数を特定回数(6回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)に制御し、
前記第2入球容易状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合には、前記第1の割合とは異なる第2の割合(100%)で、前記上限実行回数を前記特定回数(6回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)に制御することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域に遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行可能な所謂1種2種混合機において、第2入球容易状態を設けることにより、通常遊技状態とは異なる確率で、上限実行回数が特定回数の第1入球容易状態に突入する遊技状態を設けることができ、遊技興趣の向上が見込める。
発明B6:
発明B1から発明B5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、
前記特殊ハズレに基づく前記入球容易状態への制御タイミングにおいて前記通常遊技状態である場合には前記入球容易状態に制御する一方(時短フラグがOFFであれば(図26-1のステップS1710でYES)特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C)に基づいて時短フラグをONする一方)、
前記特殊ハズレに基づく前記入球容易状態への制御タイミングにおいて前記入球容易状態である場合には遊技状態の設定を変更しない(時短フラグがOFFでなければ(図26-1のステップS1710でNO)特殊ハズレ(ハズレ図柄B、ハズレ図柄C)を引いても時短フラグをONしない)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特殊ハズレに基づく入球容易状態への制御タイミングにおいて既に入球容易状態である場合には遊技状態の設定を変更しない。よって、入球容易状態が終了して通常遊技状態に戻っても再び入球容易状態に設定されるという新たなゲーム性を提供しつつ、特殊ハズレを引いたことによって既に設定中の入球容易状態の利益が害されるのを防止することが可能である。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2018-88993号公報に記載されているように、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。そして特開2018-88993号公報に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な可変始動口に通常遊技状態(非時短状態)よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。しかしながら、開閉可能な可変始動口に通常遊技状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
上記した発明Aは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「入球容易状態には、第1入球容易状態と、第1入球容易状態よりも可変始動口に遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態とがあり、遊技状態制御手段は、大当たり遊技の終了後の遊技状態を、第1入球容易状態に制御することと、所定の判定処理の結果が特定の判定結果である場合に、大当たり遊技を経ることなく、第2入球容易状態に制御することと、が可能であり、通常遊技状態における所定の判定処理の結果に基づいて大当たり遊技が実行された場合と、第2入球容易状態における所定の判定処理の結果に基づいて大当たり遊技が実行された場合とで、遊技者に付与される特典が異なることがある」という点で相違している。また、上記した発明Bは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「可変始動口への入球に基づく所定の判定処理の結果には、特別入賞口の開放契機となる当たりと、遊技者に有利な大当たり遊技を経ることなく入球容易状態に制御される契機となる特殊ハズレとが含まれ、当たりとも特殊ハズレとも異なる通常ハズレが含まれない」という点で相違している。これにより、発明A~発明Bの各発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明C1:
所定の判定処理(大当たり判定処理)を行う判定手段(遊技制御用マイコン81による大当たり判定処理)と、
前記所定の判定処理の結果が当たりである場合に、演出図柄(8L,8C,8R)を所定の停止態様(ゾロ目)で停止表示させる演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記所定の判定処理の結果が当たりである場合、第1の特典(大当たり遊技と時短回数1回の時短状態A)が付与されるときと、前記第1の特典よりも遊技者に有利な第2の特典(大当たり遊技と時短回数6回の時短状態A)が付与されるときとがあり、
前記演出図柄の表示態様には、前記所定の停止態様で停止表示されたときに前記第1の特典が付与される可能性がある非有利態様(基礎画像KGが白色の表示態様、図46に示す「1」等の数字図柄)と、前記所定の停止態様で停止表示されたときに前記第2の特典が付与されることが確定する有利態様(基礎画像KGが金色の表示態様、図46に示す「7」等の数字図柄や図47に示す「1」~「9」までの数字図柄)とがあり、
第1遊技状態(非時短状態(通常遊技状態))における前記所定の判定処理の結果が当たりである場合には、前記第1の特典が付与されることも前記第2の特典が付与されることもある一方、前記第1遊技状態とは異なる第2遊技状態(時短状態B(微時短状態))における前記所定の判定処理の結果が当たりである場合には、前記第2の特典が付与されることはあるが前記第1の特典が付与されることはなく(図8参照)、
前記第1遊技状態で設定される第1の演出モード(通常演出モード)において変動表示される演出図柄には、前記有利態様の演出図柄も前記非有利態様の演出図柄も含まれる一方(図46参照)、前記第2遊技状態で設定される第2の演出モード(CHANCE演出モード)において変動表示される演出図柄には、前記有利態様の演出図柄は含まれるが前記非有利態様の演出図柄は含まれない(図47参照)ことを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)。
この構成の遊技機によれば、当たれば第2の特典が付与されることが確定する第2遊技状態では、変動表示される演出図柄を有利態様の演出図柄だけとし、非有利態様の演出図柄を含まないこととしているため、当たれば必ず第2の特典が付与される状況にあることを遊技者にわかり易く伝えることが可能である。
発明C2:
発明C1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
複数種類の演出図柄(「1」~「9」の数字図柄)を変動表示させるものであり、
前記第1の演出モード(通常演出モード)では、前記複数種類の演出図柄のうちの一部(「3」,「5」,「7」の数字図柄)を前記有利態様で表示し、前記複数種類の演出図柄のうちの前記一部とは異なる他部(「1」,「2」,「4」,「6」,「8」,「9」の数字図柄)を前記非有利態様で表示する一方(図46参照)、
前記第2の演出モード(CHANCE演出モード)では、前記複数種類の演出図柄の全部(「1」~「9」の数字図柄)を前記有利態様で表示するものである(図47参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1遊技状態でも第2遊技状態でも、変動表示される演出図柄の種類を減らさずに、非有利態様の演出図柄を無くして、有利態様の演出図柄だけとすることが可能であり、演出図柄の種類が減ることによって遊技者に違和感を与えるのを防止することが可能である。
発明C3:
発明C2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1の演出モード(通常演出モード)においても前記第2の演出モード(CHANCE演出モード)においても共通の背景画像(昼の背景画像G10、図45(A)(B)参照)を表示するものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2遊技状態でも第1遊技状態と共通の背景画像を表示することで、当たれば第2の特典が確定する以外の意味で有利であると遊技者が勘違いするのを抑制することが可能である。
発明C4:
発明C1から発明C3までのいずれかに記載の遊技機であって、
通常遊技状態よりも、可変始動口(第2始動口21)に遊技球が入球し易い設定の入球容易状態(時短状態)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン81による遊技状態の設定に関する処理)を備え、
前記入球容易状態には、第1入球容易状態(時短状態A(通常時短状態))と、前記第1入球容易状態よりも前記可変始動口に遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態(時短状態B(微時短状態))とがあり、
前記第1遊技状態は、前記通常遊技状態であり、
前記第2遊技状態は、前記第2入球容易状態であることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第1入球容易状態よりも可変始動口への入球が困難な第2入球容易状態を設けた意義を、上記した演出図柄の態様によって遊技者に認識させることが可能である。
発明C5:
発明C4に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、遊技者に有利な大当たり遊技を経ることなく、前記第2入球容易状態に制御することがある(特殊ハズレに基づいて時短状態Bに制御することがある)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2入球容易状態へは大当たり遊技を経ることなく移行することがあるという新たなゲーム性を提供可能である。
発明C6:
発明C4又は発明C5に記載の遊技機であって、
前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果に基づいて、特別入賞口(第2大入賞口35)を開放可能な特別入賞口開放手段(遊技制御用マイコン81による大入賞口の開放に関する処理)と、
前記特別入賞口に入賞した遊技球が特定領域(39)を通過したことに基づいて、遊技者に有利な大当たり遊技を実行可能な大当たり遊技実行手段(遊技制御用マイコン81による大当たり遊技の実行に関する処理)と、を備えることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域へ遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行する遊技機において、第2入球容易状態を設けたことにより、新たなゲーム性を提供可能である。
発明C7:
発明C6に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記入球容易状態における図柄変動の実行回数が上限実行回数に至った場合に、当該入球容易状態への制御を終了するものであり、
前記第1の特典には、前記上限実行回数を第1の値(例えば1回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)への制御が含まれ、
前記第2の特典には、前記上限実行回数を前記第1の値よりも大きい第2の値(例えば6回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)への制御が含まれることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域へ遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行する遊技機(所謂1種2種混合機)において、第2入球容易状態を、当たれば上限実行回数が大きい第1入球容易状態に突入することが確定する遊技状態とすることが可能となり、新たなゲーム性を提供可能である。
発明C8:
発明C6に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記入球容易状態における図柄変動の実行回数が上限実行回数に至った場合に、当該入球容易状態への制御を終了するものであり、
前記第1の特典には、前記第1入球容易状態への制御が含まれず、
前記第2の特典には、前記上限実行回数を特定回数(例えば6回)とする前記第1入球容易状態(時短状態A)への制御が含まれることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、特別入賞口内の特定領域へ遊技球が通過したことに基づいて大当たり遊技を実行する遊技機(所謂1種2種混合機)において、第2入球容易状態を、当たれば上限実行回数が特定回数である第1入球容易状態に突入することが確定する遊技状態とすることが可能となり、新たなゲーム性を提供可能である。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2018-88993号公報に記載されているように、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。特開2018-88993号公報に係る遊技機では、特別図柄の変動表示に際して、演出図柄の変動表示を行っている。演出図柄の変動表示では、最終的に演出図柄を大当たり判定の結果を示す停止態様で停止表示する。しかしながら、演出図柄を停止表示することにより判定結果を報知する遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
上記した発明Cは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「第1遊技状態で設定される第1の演出モードにおいて変動表示される演出図柄には、第1の特典よりも遊技者に有利な第2の特典が付与されることが確定する有利態様の演出図柄も、第1の特典が付与される可能性がある非有利態様の演出図柄も含まれる一方、第2遊技状態で設定される第2の演出モードにおいて変動表示される演出図柄には、有利態様の演出図柄は含まれるが非有利態様の演出図柄は含まれない」という点で相違している。これにより、発明Cの各発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
発明D1:
所定の判定処理(大当たり判定処理)を行う判定手段(遊技制御用マイコン81による大当たり判定処理)と、
前記所定の判定処理の結果を示す識別図柄(特別図柄)を変動表示を経て停止表示させる図柄変動を行う図柄変動手段(遊技制御用マイコン81による特図変動に関する処理)と、
非特定遊技状態(非時短状態や時短状態B)よりも、可変始動口(第2始動口21)へ遊技球が入球し易い設定の特定遊技状態(時短状態A)に制御可能な遊技状態制御手段(遊技制御用マイコン81による遊技状態の設定に関する処理)と、
所定の表示手段(画像表示装置7)を含む演出手段を用いて演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記遊技状態制御手段は、前記図柄変動が所定回数(例えば610回)行われたことに基づいて、前記特定遊技状態に制御することがあり、
前記演出実行手段は、前記非特定遊技状態である場合に、前記図柄変動の実行回数が前記所定回数となるまでの回数を示唆する第1の表示(天井到達残回数表示G4、図45(B))を、前記表示手段に表示させることが可能であることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)。
この構成の遊技機によれば、非特定遊技状態である場合に第1の表示がなされることにより、図柄変動があと何回行われると特定遊技状態に制御されるのかを、遊技者に示すことができ、遊技興趣が向上される。
発明D2:
発明D1に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記非特定遊技状態である場合に、第1の演出モード(通常演出モード)にて演出を実行するときと、前記第1の演出モードとは異なる第2の演出モード(CHANCE演出モード)にて演出を実行するときとがあり、
前記第1の演出モードである場合には前記第1の表示を前記表示手段に表示させることがあり、
前記第2の演出モードである場合には前記第1の表示を前記表示手段に表示させることがないことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2の演出モードであるときには行われない第1の表示が第1の演出モードでは行われ得ることで、第1の演出モード中の遊技興趣を向上させることが可能である。
発明D3:
発明D2に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第2の演出モード(CHANCE演出モード)である場合には、当該第2の演出モードを終了させるまでの前記図柄変動の実行回数を示唆する第2の表示(CHANCE残回数表示G3、図45(A))を、前記表示手段に表示させることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2の演出モードでは、その演出モードが終了するまでの回数を示唆する第2の表示がなされるところ、本構成の遊技機では、第2の演出モード中は第1の表示を表示しないため、第1の表示と第2の表示とが同時に行われる構成に比べて、回数に関する表示がシンプルになり、遊技者を困惑させ難い。
発明D4:
発明D3に記載の遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記第1の演出モード(通常演出モード)および前記第2の演出モード(CHANCE演出モード)の一方から他方への変更に応じて、前記第1の表示(天井到達残回数表示G4)および前記第2の表示(CHANCE残回数表示G3)の一方を非表示とし、他方を表示することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2の演出モードから第1の演出モードへの変更時には第2の表示が終了して第1の表示が開始される、若しくは、第1の演出モードから第2の演出モードへの変更時には第1の表示が終了して第2の表示が開始されるため、演出モードが変わっても、次の目安となる図柄変動回数を遊技者が把握でき、遊技意欲の抑制を防止することが可能である。
発明D5:
発明D3又は発明D4に記載の遊技機であって、
前記非特定遊技状態には、第1非特定遊技状態(非時短状態(通常遊技状態))と、前記第1非特定遊技状態よりも前記可変始動口へ遊技球が入球し易い設定の第2非特定遊技状態(時短状態B(微時短状態))とがあり、
前記演出実行手段は、
前記第1非特定遊技状態である場合には前記第1の演出モード(通常演出モード)に設定し、
前記第2非特定遊技状態である場合には前記第2の演出モード(CHANCE演出モード)に設定することを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2非特定遊技状態である場合に第2の演出モードに設定されて第2の表示がなされるため、第2非特定遊技状態がいつまで続くのかを遊技者に認識させることが可能である。
発明D6:
発明D5に記載の遊技機であって、
前記第1非特定遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて遊技者に有利な大当たり遊技が実行された場合よりも、前記第2非特定遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合の方が、遊技者に付与される特典が大きくなり易い(時短回数が大きい値に設定され易い、図8参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、第2非特定遊技状態の方が第1非特定遊技状態よりも大きな特典が付与され易いので、第2非特定遊技状態になることへの関心を高めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
発明D7:
発明D5又は発明D6に記載の遊技機であって、
前記遊技状態制御手段は、前記所定の判定処理の結果が特定の判定結果(特殊ハズレ、図9参照)である場合に、遊技者に有利な大当たり遊技を経ることなく、前記第2非特定遊技状態に制御することがあることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、大当たり遊技が実行されなくても第2非特定遊技状態に移行されることがあるため、第2非特定遊技状態への移行に期待を持ちながら遊技を進めることが可能となり、遊技興趣の向上が見込める。
ところで従来より、遊技機の一例であるパチンコ遊技機では、例えば特開2018-88993号公報に記載されているように、始動口に遊技球が入球することを条件に、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われる。大当たり判定が行われると、大当たり判定の結果を報知する特別図柄の変動表示が行われる。特別図柄の変動表示で、大当たり判定の結果が大当たりであるという結果が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。そして特開2018-88993号公報に係る遊技機では、大当たり遊技が実行された後に、開閉可能な可変始動口に通常遊技状態(非時短状態)よりも遊技球が入球し易い時短状態になることがある。しかしながら、開閉可能な可変始動口に通常遊技状態よりも遊技球が入球し易い遊技状態になることがある遊技機については、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。
上記した発明Dは、特開2018-88993号公報に記載の遊技機に対して、「遊技状態制御手段は、図柄変動が所定回数行われたことに基づいて、非特定遊技状態よりも可変始動口へ遊技球が入球し易い設定の特定遊技状態に制御することがあり、演出実行手段は、非特定遊技状態である場合に、図柄変動の実行回数が所定回数となるまでの回数を示唆する第1の表示を、表示手段に表示させることが可能である」という点で相違している。これにより、発明Dの各発明は、「遊技の興趣を向上させる」という課題を解決する(作用効果を奏する)ことが可能である。
1…パチンコ遊技機
7…画像表示装置(所定の表示手段)
8L…左演出図柄
8C…中演出図柄
8R…右演出図柄
21…第2始動口(可変始動口)
35…第2大入賞口(特別入賞口)
39…特定領域
81…遊技制御用マイコン
91…演出制御用マイコン
100…画像制御基板

Claims (2)

  1. 所定の判定処理を行う判定手段と、
    通常遊技状態よりも可変始動口へ遊技球が入球し易い設定の入球容易状態に制御可能な遊技状態制御手段と、を備え、
    前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果には、特別入賞口の開放契機となる当たりと、遊技者に有利な大当たり遊技を経ることなく前記入球容易状態に制御される契機となる特殊ハズレとが含まれ、前記当たりとも前記特殊ハズレとも異なる通常ハズレが含まれず、
    前記入球容易状態には、第1入球容易状態と、前記第1入球容易状態よりも前記可変始動口に遊技球が入球し難い設定の第2入球容易状態とがあり、
    前記遊技状態制御手段は、
    前記大当たり遊技の終了後の遊技状態を、前記第1入球容易状態に制御することがあり、
    前記可変始動口への入球に基づく前記所定の判定処理の結果が前記特殊ハズレである場合、前記第2入球容易状態に制御することがあり、
    前記第2入球容易状態および前記通常遊技状態では、前記可変始動口への入球よりも前記可変始動口とは異なる他の始動口への入球を発生させ易く、前記第1入球容易状態では、前記他の始動口への入球よりも前記可変始動口への入球を発生させ易いことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機であって、
    前記通常遊技状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合よりも、前記第2入球容易状態における前記所定の判定処理の結果に基づいて前記大当たり遊技が実行された場合の方が、遊技者に付与される特典が大きくなり易いことを特徴とする遊技機。
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「CRフィーバー戦姫絶唱シンフォギア」,パチンコ必勝本CLIMAX,2018年10月01日,p.52を参照。
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