本発明にかかる遊技機の実施の形態について、図面を参照しながら以下の順序で説明する。
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
A2.遊技機の電気的構成:
A3.遊技機による処理の概要
A4.主制御装置において実行される各種処理:
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
A6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
B.第2実施形態:
B1.第2実施形態の遊技機による処理の概要:
B2.主制御装置において実行される各種処理:
B3.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
C.変形例:
D.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
A.第1実施形態:
A1.遊技機の構造:
図1は、本発明の一実施形態としてのパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」ともいう)の斜視図である。パチンコ機10は、略矩形に組み合わされた木製の外枠11を備えている。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、この外枠11が遊技ホールの島設備に固定される。また、パチンコ機10は、外枠11に回動可能に支持されたパチンコ機本体12を備えている。パチンコ機本体12は、内枠13と、内枠13の前面に配置された前扉枠14とを備えている。内枠13は、外枠11に対して金属製のヒンジ15によって回動可能に支持されている。前扉枠14は、内枠13に対して金属製のヒンジ16によって回動可能に支持されている。内枠13の背面には、主制御装置、音声発光制御装置、表示制御装置など、パチンコ機本体12を制御する制御機器が配置されている。これら制御機器の詳細については後述する。さらに、パチンコ機10には、シリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、内枠13を外枠11に対して開放不能に施錠する機能と、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠する機能とを有する。各施錠は、シリンダ錠17に対して専用の鍵を用いた所定の操作が行われることによって解錠される。
前扉枠14の略中央部には、開口された窓部18が形成されている。前扉枠14の窓部18の周囲には、パチンコ機10を装飾するための樹脂部品や電飾部品が設けられている。電飾部品は、LEDなどの各種ランプからなる発光手段によって構成されている。発光手段は、パチンコ機10によって行われる各遊技回、大当たり当選時、リーチ発生時などに点灯又は点滅することによって、演出効果を高める役割を果たす。また、前扉枠14の裏側には、2枚の板ガラスからなるガラスユニット19が配置されており、開口された窓部18がガラスユニット19によって封じられている。内枠13には、後述する遊技盤が着脱可能に取り付けられており、パチンコ機10の遊技者は、パチンコ機10の正面からガラスユニット19を介して遊技盤を視認することができる。遊技盤の詳細については後述する。
前扉枠14には、遊技球を貯留するための上皿20と下皿21とが設けられている。上皿20は、上面が開放した箱状に形成されており、図示しない貸出機から貸し出された貸出球やパチンコ機本体12から排出された賞球などの遊技球を貯留する。上皿20に貯留された遊技球は、パチンコ機本体12が備える遊技球発射機構に供給される。遊技球発射機構は、遊技者による操作ハンドル25の操作によって駆動し、上皿20から供給された遊技球を遊技盤の前面に発射する。下皿21は、上皿20の下方に配置されており、上面が開放した箱状に形成されている。下皿21は、上皿20で貯留しきれなかった遊技球を貯留する。下皿21の底面には、下皿21に貯留された遊技球を排出するための排出口22が形成されている。排出口22の下方にはレバー23が設けられており、遊技者がレバー23を操作することによって、排出口22の閉状態と開状態とを切り替えることが可能である。遊技者がレバー23を操作して排出口22を開状態にすると、排出口22から遊技球が落下し、遊技球は下皿21から外部に排出される。
上皿20の周縁部の前方には、操作受入手段としての演出操作ボタン24が設けられている。演出操作ボタン24は、パチンコ機10によって行われる遊技演出に対して、遊技者が入力操作を行うための操作部である。パチンコ機10によって用意された所定のタイミングで遊技者が演出操作ボタン24を操作することによって、当該操作が反映された遊技演出がパチンコ機10によって行われる。
さらに、前扉枠14の正面視右側には、遊技者が操作するための操作ハンドル25が設けられている。遊技者が操作ハンドル25を操作すると、当該操作に連動して、遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。操作ハンドル25の内部には、遊技球発射機構の駆動を許可するためのタッチセンサーと、遊技者による押下操作によって遊技球発射機構による遊技球の発射を停止させるウェイトボタンと、操作ハンドル25の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器とが設けられている。遊技者が操作ハンドル25を握ると、タッチセンサーがオンになり、遊技者が操作ハンドル25を右回りに回動操作すると、可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球発射機構から遊技盤の前面に遊技球が発射される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。パチンコ機10の背面には、パチンコ機10の動作を制御するための制御機器が配置されている。
図2は、パチンコ機10の背面図である。図示するように、パチンコ機10は、第1制御ユニット51と、第2制御ユニット52と、第3制御ユニット53とを備えている。具体的には、これら機構部は内枠13の背面に設けられている。
第1制御ユニット51は、主制御装置60を備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る機能と電源を監視する機能とを有する主制御基板を有している。主制御基板は、透明樹脂材料からなる基板ボックスに収容されている。
第2制御ユニット52は、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信されたコマンドに基づいて、パチンコ機10の前面に設けられたスピーカーや各種ランプ等の発光手段の制御を行う。表示制御装置100は、音声発光制御装置90から送信されたコマンドに基づいて、図柄表示装置を制御する。図柄表示装置は、図柄や演出用の映像を表示する液晶ディスプレイを備えている。
第3制御ユニット53は、払出制御装置70と、発射制御装置80とを備えている。払出制御装置70は、賞球の払い出しを行うための払出制御を行う。発射制御装置80は、主制御装置60から遊技球の発射の指示が入力された場合に、遊技者による操作ハンドル25の回動操作量に応じた強さの遊技球の発射を行うように遊技球発射機構を制御する。その他、内枠13の背面には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク54、タンク54の下方に連結され遊技球が下流側に流れるように緩やかに傾斜した斜面を有するタンクレール55、タンクレール55の下流側に鉛直方向に連結されたケースレール56、ケースレール56から遊技球の供給を受け払出制御装置70からの指示により所定数の遊技球の払い出しを行う払出装置71など、パチンコ機10の動作に必要な複数の機器が設けられている。
次に、遊技盤について説明する。遊技盤は、内枠13の前面に着脱可能に取り付けられている。
図3は、遊技盤30の正面図である。遊技盤30は、合板によって構成されており、その前面には遊技領域PAが形成されている。遊技盤30には、遊技領域PAの外縁の一部を区画するようにして内レール部31aと、外レール部31bとが取り付けられている。内レール部31aと外レール部31bとの間には、遊技球を誘導するための誘導レール31が形成されている。遊技球発射機構から発射された遊技球は、誘導レール31に誘導されて遊技領域PAの上部に放出され、その後、遊技領域PAを流下する。遊技領域PAには、遊技盤30に対して略垂直に複数の釘42が植設されるとともに、風車等の各役物が配設されている。これら釘42や風車は、遊技領域PAを流下する遊技球の落下方向を分散、整理する。
遊技盤30には、前後方向に貫通する複数の開口部が形成されている。各開口部には、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、及び、可変入賞装置36が設けられている。また、遊技盤30には、可変表示ユニット40及びメイン表示部45が設けられている。メイン表示部45は、特図ユニット37と、普図ユニット38と、ラウンド表示部39とを有している。
図示するように、一般入賞口32は、遊技盤30上に複数設けられている。本実施形態では、一般入賞口32に遊技球が入賞すると、10個の遊技球が賞球として払出装置71から払い出される。
第1始動口33及び第2始動口34は、共に上向きに開放されており、第1始動口33が第2始動口34よりも上方となるように鉛直方向に並んで配置されている。本実施形態では、第1始動口33に遊技球が入賞すると3個の遊技球が賞球として払い出される。第2始動口34には、左右一対の可動片よりなる電動役物34aが設けられている。電動役物34aが閉鎖状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することはできない。一方、電動役物34aが開放状態のときには、遊技球は第2始動口34に入賞することができる。本実施形態では、第2始動口34に遊技球が入賞すると4個の遊技球が賞球として払い出される。なお、遊技盤30の最下部にはアウト口43が設けられており、各種入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口43を通って遊技領域PAから排出される。
スルーゲート35は、縦方向に貫通した貫通孔を備えている。遊技球がスルーゲート35へ入賞すると、すなわち、遊技球がスルーゲート35の貫通孔を通過すると、主制御装置60は、当該入賞をトリガとして内部抽選(電動役物開放抽選)を行なう。内部抽選の結果、電役開放に当選すると、電動役物34aは、所定の態様で開放状態となる電役開放状態へと移行する。スルーゲート35は、遊技球の流下方向に対して第2始動口34よりも上流側に配置されているため、スルーゲート35に入賞した遊技球は、入賞後に遊技領域PAを流下して第2始動口34へ入賞することが可能となっている。なお、本実施形態では、スルーゲート35に遊技球が入賞しても、賞球の払い出しは実行されない。
可変入賞装置36は、遊技盤30の背面側へと通じる大入賞口36aを備えるとともに、大入賞口36aを開閉する開閉扉36bを備えている。開閉扉36bは、通常は遊技球が大入賞口36aに入賞できない閉鎖状態になっている。主制御装置60による内部抽選(大当たり抽選)の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行した場合には、開閉扉36bは、遊技球が入賞可能な開放状態と閉鎖状態とを繰り返す。開閉実行モードとは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした主制御装置60による大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合に移行し、開閉扉36bが開放状態と閉鎖状態とを繰り返すモードである。すなわち、第1始動口33への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合には、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能になる開閉実行モードへ移行する。同様に、第2始動口34への入賞に基づく大当たり抽選の結果、大当たりに当選した場合にも、可変入賞装置36の大入賞口36aへの入賞が可能な開閉実行モードへと移行する。本実施形態では、可変入賞装置36の大入賞口36aに遊技球が入賞すると、払出装置71によって15個の遊技球が賞球として払い出される。
特図ユニット37は、第1結果表示部37aと、第2結果表示部37bとを備えている。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bは、それぞれ、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されたセグメント表示器によって構成されている。第1結果表示部37aは、第1始動口33への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第1結果表示部37aは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
第2結果表示部37bは、第2始動口34への入賞をトリガとした大当たり抽選が行われると、セグメント表示器に、抽選結果に対応した表示を行なわせるまでの表示態様として、変動表示又は所定の表示を行なわせる。抽選が終了した際には、第2結果表示部37bは、セグメント表示器に、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行なわせる。
特図ユニット37は、さらに、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに隣接した位置に、LEDランプからなる第1保留表示部37cと第2保留表示部37dとを備えている。本実施形態では、第1始動口33に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第1保留表示部37cは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第1始動口33の保留個数を表示する。また、本実施形態では、第2始動口34に入賞した遊技球は、最大4個まで保留される。第2保留表示部37dは、点灯させるLEDランプの色や組み合わせによって、第2始動口34の保留個数を表示する。
普図ユニット38は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されている。普図ユニット38は、スルーゲート35への入賞をトリガとした電動役物開放抽選が行われると、発光表示器の表示態様として点灯表示、点滅表示又は所定の態様の表示をさせる。電動役物開放抽選が終了した際には、普図ユニット38は、抽選結果に対応した所定の態様の表示を行う。なお、特図ユニット37及び普図ユニット38は、セグメント表示器やLEDランプによる発光表示器によって構成されることに限定されず、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器など、抽選中及び抽選結果を示すことが可能な種々の表示装置によって構成されてもよい。
ラウンド表示部39は、複数のLEDランプが所定の態様で配列された発光表示部によって構成されており、開閉実行モードにおいて発生するラウンド遊技の回数の表示、又は、それに対応した表示をする。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、又は、予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置36に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで、開閉扉36bの開放状態を継続する遊技のことである。ラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり当選の種類に応じて異なる。ラウンド表示部39は、開閉実行モードが開始される場合にラウンド遊技の回数の表示を開始し、開閉実行モードが終了し新たな遊技回が開始される場合に終了する。
可変表示ユニット40は、遊技領域PAの略中央に配置されている。可変表示ユニット40は、図柄表示装置41を備える。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置によって構成されている。図柄表示装置41は、表示制御装置100によって表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置に限定されず、例えば、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTなど、種々の表示装置によって構成されてもよい。
図柄表示装置41は、第1始動口33への入賞に基づいて第1結果表示部37aが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。また、図柄表示装置41は、第2始動口34への入賞に基づいて第2結果表示部37bが変動表示又は所定の表示をする場合に、それに合わせて図柄の変動表示又は所定の表示を行う。図柄表示装置41は、第1始動口33又は第2始動口34への入賞をトリガとした表示演出に限らず、大当たり当選となった場合に移行する開閉実行モード中の表示演出なども行なう。以下、図柄表示装置41の詳細について説明する。
図4は、図柄表示装置41において変動表示される図柄及び表示面41aを示す説明図である。図4(a)は、図柄表示装置41において変動表示される図柄を示す説明図である。図4(a)に示すように、図柄表示装置41には、数字の1〜8を示す図柄が変動表示される。なお、変動表示される図柄として、数字の1〜8を示す各図柄に、キャラクターなどの絵柄が付された図柄を採用してもよい。
図4(b)は、図柄表示装置41の表示面41aを示す説明図である。図示するように、表示面41aには、左、中、右の3つの図柄列Z1、Z2、Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、図4(a)に示した数字1〜8の図柄が、数字の昇順又は降順に配列されるとともに、各図柄列が周期性をもって上から下へ又は下から上へとスクロールする変動表示が行われる。図4(b)に示すように、スクロールによる変動表示の後、各図柄列毎に1個の図柄が、有効ラインL上に停止した状態で表示される。具体的には、第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が入賞すると、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールする変動表示が開始される。そして、スクロールする各図柄が、図柄列Z1、図柄列Z3、図柄列Z2の順に、変動表示から待機表示に切り替わり、最終的に各図柄列Z1〜Z3に所定の図柄が停止表示した状態となる。図柄の変動表示が終了して停止表示した状態となる場合、主制御装置60による大当たり抽選の結果が大当たり当選であった場合には、予め定められた所定の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。例えば、同一の図柄の組み合わせが有効ラインL上に形成される。なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は、上述の態様に限定されることなく、図柄列の数、有効ラインの数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数など、図柄の変動表示の態様は種々の態様を採用可能である。
ここで、遊技回とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報についての大当たり抽選の抽選結果を、遊技者に告知する処理の1単位である。換言すれば、パチンコ機10は、1遊技回毎に、1つの特別情報についての1つの大当たり抽選の抽選結果を遊技者に告知する。本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方において、セグメント表示器を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるようにセグメント表示器を停止表示させる。また、本実施形態のパチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて特別情報を取得すると、1遊技回毎に、図柄表示装置41において、所定の図柄列を変動表示させた後に、当該取得した特別情報の抽選結果に対応した表示となるように図柄列を停止表示させる。また、1回の遊技回に要する時間を単位遊技時間とも呼ぶ。単位遊技時間は、変動表示が開始されてから所定の抽選結果が停止表示されるまでの時間である変動時間と、所定の抽選結果が停止表示されている時間である停止時間とによって構成されている。
さらに、図4(b)に示すように、図柄表示装置41の表示面41aには、第1保留表示領域Ds1と、第2保留表示領域Ds2とが表示される。第1保留表示領域Ds1には、第1始動口33への入賞に基づく保留個数が表示される。第2保留表示領域Ds2には、第2始動口34への入賞に基づく保留個数が表示される。なお、本実施形態では、上述したように、第1始動口33及び第2始動口34に入賞した遊技球の保留個数は、それぞれ最大4つまでである。
A2.遊技機の電気的構成:
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。本説明においては、パチンコ機10の電気的構成をブロック図を用いて説明する。
図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10は、主に、主制御装置60を中心に構成されるとともに、音声発光制御装置90と、表示制御装置100とを備えている。主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61を備えている。主制御基板61は、複数の機能を有する素子によって構成されるMPU62を備えている。MPU62は、各種制御プログラムや固定値データを記録したROM63と、ROM63内に記録されているプログラムを実行する際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64とを備えている。MPU62は、その他、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としてのカウンタ回路を備えている。なお、MPU62が有する機能の一部を、別の素子が備えていもよい。また、ROM63やRAM64に設けられている各種エリアの詳細については後述する。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、各種検知センサ67a〜67eと、払出制御装置70と、電源装置85に設けられた停電監視回路86とが接続されている。MPU62は、停電監視回路86を介して、電源装置85から直流安定24Vの電源の供給を受ける。電源装置85は、外部電源としての商用電源に接続されており、商用電源から供給される外部電力を、主制御装置60や払出制御装置70等が必要な動作電力に変換して、各装置に電力を供給する。また、MPU62は、各種検知センサ67a〜67eとして、一般入賞口32、第1始動口33、第2始動口34、スルーゲート35、可変入賞装置36などの各種の入賞口に設けられた複数の検知センサと接続されており、遊技中に遊技領域PAを流下する遊技球が各入賞口に入賞したか否かの入賞判定を行う。さらに、MPU62は、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に基づいて大当たり抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいて電動役物開放抽選を実行する。
MPU62の出力側には、可変入賞装置36の開閉扉36bを開閉動作させる可変入賞駆動部36cと、第2始動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34bと、メイン表示部45とが接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、MPU62は、当該ドライバ回路を通じて各種駆動部の駆動制御を実行する。
具体的には、MPU62は、開閉実行モードにおいては、開閉扉36bが開閉されるように可変入賞駆動部36cの駆動制御を実行する。また、電動役物開放抽選の結果、電役開放に当選した場合には、MPU62は、電動役物34aが開放されるように電動役物駆動部34bの駆動制御を実行する。各遊技回においては、MPU62は、メイン表示部45における第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bの表示制御を実行するとともに、開閉実行モードにおいては、メイン表示部45におけるラウンド表示部39の表示制御を実行する。
また、MPU62の送信側には、払出制御装置70と、音声発光制御装置90とが接続されている。払出制御装置70には、例えば、主制御装置60から入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが送信される。主制御装置60が賞球コマンドを送信する際には、MPU62は、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。具体的には、一般入賞口32への入賞を特定した場合には10個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第1始動口33への入賞を特定した場合には3個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信され、第2始動口34への入賞を特定した場合には1個の遊技球の払い出しに対応した賞球コマンドが主制御装置60から送信される。払出制御装置70は、主制御装置60から受信した賞球コマンドに基づいて、払出装置71を制御して賞球の払出を行う。払出制御装置70には、発射制御装置80が接続されている。発射制御装置80は、遊技球発射機構81の発射制御を行う。遊技球発射機構81は、所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置90は、主制御装置60から送信された各種コマンドを受信し、受信した各種コマンドに対応した処理を実行する。主制御装置60が各種コマンドを送信する際には、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gを参照する。これら各種コマンドの詳細については後述する
その他、音声発光制御装置90は、主制御装置60から受信した各種コマンドに基づいて、前扉枠14に配置されたLEDなどの発光手段からなる各種ランプ47の駆動制御や、スピーカー46の駆動制御を行うとともに、表示制御装置100の制御を行う。また、音声発光制御装置90には、演出操作ボタン24が接続されており、所定のタイミングで遊技者によって演出操作ボタン24が操作された場合には、当該操作を反映した遊技演出を行うように各種ランプ47、スピーカー46、表示制御装置100等の制御を行う。
表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。具体的には、表示制御装置100は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を把握するとともに、リーチの発生の有無、リーチ演出の内容、及び、各遊技回において実行される予告演出の内容等を把握する。なお、本実施形態においては、図柄の組み合わせが停止表示している時間である停止時間は一定である。従って、変動時間が決定されることによって、1遊技回に要する時間である単位遊技時間は一意に決定される。以上、パチンコ機10の電気的構成について説明した。
図6は、大当たり抽選などに用いられる各種カウンタの内容を説明する説明図である。各種カウンタ情報は、MPU62が大当たり抽選、メイン表示部45の表示の設定、及び、図柄表示装置41の図柄表示の設定などを行う際に用いられる。具体的には、大当たり抽選には大当たり乱数カウンタC1が用いられる。確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際には大当たり種別カウンタC2が用いられる。図柄表示装置41に表示させる図柄列を外れ変動させる際にリーチを発生させるか否かのリーチ抽選にはリーチ乱数カウンタC3が用いられる。高確率モード(高確率遊技状態とも呼ぶ)を終了させるか否かの転落抽選には転落乱数カウンタC4が用いられる。なお、高確率モードは、確変大当たりに当選することによって開始される遊技状態であって、大当たり抽選において大当たりに当選する確率が、低確率モードより相対的に高い遊技状態を言う。
大当たり乱数カウンタC1の初期値設定には乱数初期値カウンタCINIが用いられる。また、メイン表示部45の第1結果表示部37a及び第2結果表示部37b、並びに図柄表示装置41における変動時間を決定する際には変動種別カウンタCSが用いられる。さらに、第2始動口34の電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選には電動役物開放カウンタC5が用いられる。
各カウンタC1〜C4、CINI、CS、C5は、その更新の都度、カウンタ値に1が加算され、最大値に達した後に0に戻るループカウンタである。各カウンタは短時間の間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ64aに適宜格納される。
RAM64には保留情報格納エリア64bが設けられている。保留情報格納エリア64bは、第1結果表示部用保留エリアRaと、第2結果表示部用保留エリアRbと、実行エリアAEと、合計保留個数記憶エリアとから構成されている。第1始動口33又は第2始動口34へ遊技球が順次入賞すると、入賞のタイミングにおける大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の各値が保留情報格納エリア64bに時系列的に格納される。
大当たり乱数カウンタC1の詳細について説明する。大当たり乱数カウンタC1は、上述のように大当たり抽選に用いられる。大当たり乱数カウンタC1は、例えば、0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻るように構成されている。また、大当たり乱数カウンタC1が1周すると、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、その更新値は、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、大当たり乱数カウンタC1の更新値は、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64bの第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。大当たり当選となる乱数の値は、ROM63の当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブルとして記憶されている。
図7は、当否テーブル記憶エリア63aに格納されている当否テーブルについて説明する説明図である。パチンコ機10には、大当たり抽選の抽選モードとして、低確率モードと高確率モードとが設定されている。図7(a)は低確率モード用の当否テーブルを示し、図7(b)は高確率用の当否テーブルを示している。図7(a)に示すように、大当たり抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、図7(b)に示すように、大当たり抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の値は20個である。また、低確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群は、高確率モードで大当たり当選となる大当たり乱数カウンタC1の値群に含まれている。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、当選となる乱数の数及び値は任意である。
次に、大当たり種別カウンタC2の詳細について説明する。大当たり種別カウンタC2は、確変大当たりや通常大当たり等の大当たり種別を判定する際に用いられる。大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。より詳しくは、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで保留情報格納エリア64b(RAM64)の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
ここで、パチンコ機10における大当たり種別について説明する。パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することができる。具体的には、例えば、以下の3つの態様又はモードに差異を設けることにより、複数種類の大当たりを設定することができる。
(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様
(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モード
(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモード
パチンコ機10には、上記の(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様として、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとを設定することができる。例えば、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が15回行われるとともに、1回の開放は30secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が10個となるまで継続するように設定可能である。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、開閉扉36bの開閉が2回行われるとともに、1回の開放は0.2secが経過するまで又は開閉扉36bへの入賞個数が6個となるまで継続するよう設定可能である。
遊技者により操作ハンドル25が操作されている場合、0.6secに1個の遊技球が遊技領域PAに向けて発射されるように遊技球発射機構81が駆動制御される。上記具体例の場合、低頻度入賞モードでは、1回の開閉扉36bの開放時間は0.2secである。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の開閉扉36bの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。ただし、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードにおいても、遊技球の入賞が発生し得るように設定してもよい。
なお、開閉扉36bの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間、及び1回の開放に対する開放限度個数は、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置36への入賞の発生頻度が、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも高くなるのであれば、開閉扉36bの開放態様は任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの差異を明確にする上では、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置36への入賞が発生しない構成としてもよい。
パチンコ機10には、上記の(2)開閉実行モード終了後の大当たり抽選の抽選モードの態様として、当否テーブルとして高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う確変抽選モードと、当否テーブルとして低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う通常抽選モードとを設定することができる。図7を用いて説明したように、高確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合の方が、低確率用の当否テーブルを用いて大当たり抽選を行う場合と比較して、大当たりに当選する確率が高い。
パチンコ機10には、上記の(3)開閉実行モード終了後の第2始動口34の電動役物34aのサポートモードの態様として、遊技領域PAに対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、第2始動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとを設定することができる。
具体的には、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC5を用いた電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率は同一であるが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定され、さらに1回の開放時間が長く設定されてもよい。また、高頻度サポートモードで電役開放当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されてもよい。さらに、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されてもよい。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。すなわち、高頻度サポートモードは、特別情報の取得条件の成立を補助する補助遊技状態として機能する。
低頻度サポートモードでは、第2始動口34よりも第1始動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、第1始動口33よりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高くなる。第2始動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば、電動役物開放抽選における電役開放当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする、係る確保時間の平均時間を短くする、及び当選確率を高くするのうち、いずれか1つ又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
上述したように、パチンコ機10には、複数種類の大当たりを設定することが可能である。本実施形態では、大当たり抽選において大当たりに当選した場合には、大当たり種別カウンタC2を用いて、複数種類の大当たりの種別を振分ける。大当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たりの種別の振分先は、ROM63の振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブルとして記憶されている。
図8は、パチンコ機10に設定されている振分テーブルの内容を説明する説明図である。図8(a)は第1始動口用の振分テーブルを示し、図8(b)は第2始動口用の振分テーブルを示している。
図8(a)の第1始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第1始動口33に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、8R通常大当たりが設定されている。
16R確変大当たり及び8R確変大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが高確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
16R通常大当たり及び8R通常大当たりは、開閉実行モードにおける可変入賞装置36の開閉制御の態様が高頻度入賞モードであり、開閉実行モードの終了後の当否抽選モードが低確率モードであり、開閉実行モードの終了後のサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たりである。
第1始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜13」が16R確変大当たりに対応しており、「14〜27」が8R通常大当たりに対応しており、「28〜33」が16R通常大当たりに対応しており、「34〜39」が8R通常大当たりに対応している。
上記のように、本実施形態のパチンコ機10では、大当たりの種別として、4種類の大当たりが設定されている。したがって、大当たりの態様が多様化する。この4種類の大当たりを比較した場合、遊技者にとっての有利度合は、16R確変大当たりが最も高く、8R確変大当たりが次に高く、次に16R通常大当たり、最後に8R通常大当たりと続く。このように遊技者にとって有利度の異なる複数種類の大当たりが設定されていることにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
次に、図8(b)の第2始動口用の振分テーブルに示すように、本実施形態のパチンコ機10では、第2始動口34に基づく大当たり種別として、16R確変大当たり、8R確変大当たりが設定されている。第2始動口用の振分テーブルでは、「0〜39」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜27」が16R確変大当たりに対応しており、「28〜39」が8R確変大当たりに対応している。すなわち、本実施形態におけるパチンコ機10では、第2始動口34への入賞に基づく大当たりは、全て確変大当たりとなる。上記のように本実施形態のパチンコ機10では、大当たり当選となった場合の大当たりの種別の振分態様は、第1始動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、第2始動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
このように、第1始動口33と第2始動口34との大当たり種別の振分態様は、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は、第1始動口33及び第2始動口34のうち、第2始動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うことになる。なお、当否抽選において外れ結果となった場合、開閉実行モードに移行することはなく、当否抽選モード及びサポートモードの変更も発生しない。
上述のように、MPU62は、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値を用いて大当たり抽選を行なうとともに、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値を用いて大当たり種別を判定するが、さらに、MPU62は、これらの大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bに停止表示させるセグメント表示器の表示態様を決定する。その決定に際しては、ROM63の停止結果テーブル記憶エリア63fに格納されている停止結果テーブルが参照される。
次に、リーチ乱数カウンタC3の詳細について説明する。リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングでリーチ乱数カウンタC3の更新値がRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルと照合され、リーチを発生させるか否かが決定される。但し、大当たり抽選の結果、大当たりに当選し、開閉実行モードに移行する場合には、MPU62は、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。
リーチとは、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について、大当たりに対応した図柄の組み合わせが成立する可能性がある図柄の一部の組み合わせが停止表示され、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことを言う。なお、本実施形態のパチンコ機10において大当たりに対応した図柄の組み合わせとは、所定の有効ラインにおける同一の図柄の組み合わせのことをいう。具体的には、図4(b)の表示面41aにおいて、最初に図柄列Z1において図柄が停止表示され、次に図柄列Z3においてZ1と同じ図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチとなる。そして、大当たりが発生する場合には、リーチラインを形成している図柄と同一の図柄が図柄列Z2に停止表示される。
また、リーチには、リーチラインが形成された状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチラインが形成された図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面41aの略全体において所定のキャラクターなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ演出が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクターといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
次に、転落乱数カウンタC4の詳細について説明する。転落乱数カウンタC4は、抽選モードが高確率モードである遊技状態において、高確率モードを終了させるか否かの判定である転落抽選を実行する際に用いられる。転落抽選に当選すると、遊技回における抽選モードは、高確率モードから低確率モードに変更される。
転落乱数カウンタC4は、例えば0〜119の範囲内で順に1ずつ加算され、最大に達した後0に戻る構成である。転落乱数カウンタC4は定期的に更新され、遊技球が第1始動口33又は第2始動口34に入賞したタイミングでRAM64の保留情報格納エリア64bに格納される。具体的には、第1始動口33に遊技球が入賞したタイミングで転落乱数カウンタC4の更新値がRAM64の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、第2始動口34に遊技球が入賞したタイミングで転落乱数カウンタC4の更新値がRAM64の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに格納された転落乱数カウンタC4の値は、実行エリアAEに移動した後、ROM63の転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルと照合され、高確率モードを終了させるか否かが決定される。本実施形態におけるパチンコ機10においては、転落当否判定テーブルには、転落抽選に当選する乱数の値は2個記憶されている。すなわち、高確率モードの遊技回において、転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードとなる確率は1/60である。なお、本実施形態においては、転落抽選は、低確率モードの遊技回においては実行しない。
次に、変動種別カウンタCSの詳細について説明する。変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。変動種別カウンタCSは、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける変動時間と、図柄表示装置41における図柄の変動時間とをMPU62において決定する際に用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターンの決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bにおける変動時間の決定に際しては、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている変動時間テーブルが用いられる。
次に、電動役物開放カウンタC5の詳細について説明する。電動役物開放カウンタC5は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成である。電動役物開放カウンタC5は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリア64cに格納される。そして、所定のタイミングで、その格納された電動役物開放カウンタC5の値を用いて電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを閉鎖状態に制御する。
なお、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の一組の組み合わせが、第1始動口33に係る保留情報に相当し、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び転落乱数カウンタC4の一組の組み合わせが、第2始動口34に係る保留情報に相当し、これらの保留情報が、本発明における特別情報に相当する。
A3.遊技機による処理の概要:
次に、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。本説明においては、本実施形態におけるパチンコ機10が実行する処理の特徴についての理解を容易にするため、先に、比較例として一般的なパチンコ機において実行されている処理の概要について説明し、その後、パチンコ機10が実行する処理の概要について説明する。
A3−1.比較例:
図9は、一般的なパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の一例(比較例1)を説明するタイムチャートである。本例においては、一般的なパチンコ機として、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が所定の基準遊技回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する構成のパチンコ機を用いて説明をする。但し、本パチンコ機は、高頻度サポートモードでの遊技回が継続して100回実行された場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。
図9(a)には、比較例1としてのパチンコ機における、抽選モードの状態とサポートモードの状態とが示されている。図9において、[ ]内に示した数字(例えば[1]、[60])は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数を示す。例えば、[n]は、高頻度サポートモードが開始されてからn回目に実行される遊技回であることを示す。また、高頻度サポートモードが開始されてからn回目に実行される遊技回を、単に「n回目の遊技回」と説明することもある。
図9(a)は、比較例1として、大当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行する場合を示している。また、比較例1のパチンコ機においては、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における大当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、比較例1のパチンコ機の場合、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回において、転落抽選に当選し抽選モードが低確率モードに移行する。そして、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回から、低確率モードで大当たり抽選が実行される。
一方、サポートモードについては、高頻度サポートモードが開始されてから60回目に実行される遊技回で転落抽選に当選し高確率モードが終了し低確率モードに移行した場合であっても、高頻度サポートモードに移行後の高頻度サポートモードが開始されてから100回目に実行される遊技回に達するまで、高頻度サポートモードは継続される。
図9(b)は、比較例1のパチンコ機が、転落抽選に当選した60回目の遊技回の前後の遊技回(57回〜61回)において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。本パチンコ機は、60回目の遊技回まで(57回〜59回)は、転落抽選にも大当たり抽選にも当選していないので、遊技回59回までは、各遊技回における大当たり抽選の結果の予告や抽選結果を告知する通常の演出(通常演出とも呼ぶ)を実行する。そして、転落抽選に当選した60回目の遊技回においては、例えば、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが対決する戦闘演出(以下、バトル演出とも呼ぶ)を実行する。バトル演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれの結果となるかを遊技者に対して示唆する演出である。本実施形態においては、バトル演出は、転落抽選に当選した場合、大当たり抽選に当選した場合、または、そのいずれでもない場合(転落抽選および大当たり抽選のいずれにも当選していない場合)のいずれかを示唆する演出である。
そして、バトル演出を実行後に、転落抽選および大当たり抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。結果告知演出においては、転落抽選および大当たり抽選の抽選結果に対応した演出を実行する。具体的には、転落抽選に当選した場合は遊技者側キャラクターが敗北する敗北演出、大当たり抽選に当選した場合は遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出、そのいずれでもない場合は遊技者側キャラクターと敵側キャラクターとが引き分けとなる引き分け演出を実行する。比較例1の場合、60回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。
図10は、バトル演出および結果告知演出の一例を示す説明図である。図10(a)はバトル演出を示し、図10(b)は結果告知演出としての敗北演出を示し、図10(c)は結果告知演出としての勝利演出を示している。図10(a)に示したバトル演出は、遊技者側の女性キャラクターと敵側の男性キャラクターとが対決する画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、バトル演出は他の態様であってもよい。
また、図10(b)に示した敗北演出は、遊技者側の女性キャラクターが敗北で悲しむ画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果告知演出としての敗北演出は他の態様であってもよい。
図10(c)に示した勝利演出は、遊技者側の女性キャラクターが勝利に喜ぶ画像を図柄表示装置41に表示させるとともに、当該画像に伴った音声や光をスピーカー46や各種ランプ47に出力させる態様である。ただし、結果演出としての勝利演出は他の態様であってもよい。
図9(b)に示したように、60回目の遊技回において転落抽選に当選することによって、抽選モードは当該遊技回の開始とともに高確率モードから低確率モードに移行するが、その一方で、サポートモードは高頻度サポートモードが継続されているため、比較例1のパチンコ機の遊技者は、バトル演出が実行されている期間は、サポートモードの状態によって転落に当選したことを認識し得ない。したがって、遊技者は、バトル演出、および、その後に実行される結果告知演出によって、転落抽選および大当たり抽選の結果に対して、期待感や緊迫感を抱くことができる。
図11は、一般的なパチンコ機において転落抽選に当選した場合の処理の一例(比較例2)を説明するタイムチャートである。比較例1と比較例2との違いは、高頻度サポートモードが開始されてからの転落当選に当選するまでに実行された遊技回の実行回数である。比較例1では、60回目の遊技回において転落抽選に当選した場合について説明したが、比較例2では、図11(a)に示すように、120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合を示している。
図11(a)は、比較例2として、大当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、120回目の遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行した場合を示している。また、比較例1のパチンコ機と同様に、比較例2のパチンコ機においては、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における大当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、比較例2のパチンコ機の場合、120回目の遊技回において、転落抽選に当選して抽選モードが低確率モードに移行する。そして、120回目の遊技回から、低確率モードで大当たり抽選が実行される。
サポートモードについては、比較例1において説明したように、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が所定の基準遊技回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。但し、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。したがって、比較例2の場合、120回目の遊技回に達するまでは、高確率モードが継続されているので、高頻度サポートモードが継続されている。そして、120回目の遊技回において転落抽選に当選し、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードも高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図11(b)は、比較例2のパチンコ機が、転落抽選に当選した120回目の遊技回の前後の遊技回(117回〜121回)において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。本パチンコ機は、120回目の遊技回まで(117回〜119回)は、転落抽選にも大当たり抽選にも当選していないので、120回目の遊技回までは通常演出を実行する。そして、転落抽選に当選した120回目の遊技回においては、例えば、比較例1で説明したように、バトル演出を実行する。
そして、バトル演出を実行後に、転落抽選および大当たり抽選の抽選結果を告知する結果告知演出を実行する。結果告知演出においては、転落抽選および大当たり抽選の抽選結果に対応した演出を実行する。具体的には、転落抽選に当選し、かつ、大当たり抽選に当選しなかった場合は遊技者側キャラクターが敗北する敗北演出、大当たり抽選に当選した場合(転落抽選に当選した場合も含む)は遊技者側キャラクターが勝利する勝利演出、そのいずれでもない場合は遊技者側キャラクターと敵側キャラクター引き分けとなる引き分け演出を実行する。比較例2の場合、120回目の遊技回において転落抽選に当選しているため、結果告知演出として敗北演出が実行される。
図11(b)に示したように、120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合、抽選モードは当該遊技回の開始とともに高確率モードから低確率モードに移行する。また、抽選モードが低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードは高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。サポートモードが低頻度サポートモードに移行するタイミングは、抽選モードが低確率モードに移行したタイミングと同時である。したがって、120回目の遊技回が開始されると同時に低頻度サポートモードに移行する。
このため、比較例2の場合、120回目の遊技回において、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に、高頻度サポートモードが終了し低頻度サポートモードに移行したことを認識した場合、120回目の遊技回の転落抽選および大当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに認識する場合がある。すなわち、遊技者は、バトル演出の実行中に、その後に実行される結果告知演出の種類(勝利演出か敗北演出か引き分け演出か)を予測することが可能である。したがって、120回目の遊技回における転落抽選および大当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に付与できない場合がある。
比較例1を用いて説明したように、一般的なパチンコ機の場合、抽選モードが高確率モードへ移行したことに伴ってサポートモードが高頻度サポートモードに移行した場合、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回までに転落抽選に当選した場合には、高頻度サポートモードは継続されるため、転落抽選および大当たり抽選の結果に対する期待感や緊迫感を付与する演出(本実施形態においてはバトル演出)および結果告知演出によって、遊技者に期待感や緊迫感を付与することが可能である。
しかし、比較例2を用いて説明したように、抽選モードが高確率モードへ移行したことに伴ってサポートモードが高頻度サポートモードに移行し、所定回数(本実施形態では100回)の遊技回に達した後に転落抽選に当選した場合には、抽選モードが低確率モードに移行するのと同時にサポートモードが低頻度サポートモードに移行するため、遊技者が、結果告知演出が実行されるよりも前に高頻度サポートモードが終了したことを認識した場合には、当該遊技回の転落抽選および大当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに認識する場合がある。この場合、バトル演出および結果告知演出によって遊技者に期待感や緊迫感を付与することができない。具体的には、高確率モードでの遊技回が100回以上継続している場合であって、かつ高頻度サポートモードである場合に、バトル演出が開始されると、遊技者側キャラクターと敵側キャラクターのいずれが勝利するのかは結果告知まで分からない(すなわち、大当たり抽選に当選するのか転落抽選に当選するのかは結果告知までわからない)といった内容に演出的にはなっているが、遊技者は、バトル演出が実行されている期間に高頻度サポートが終了したことを認識することによって、今回のバトルは遊技者側キャラクターが負けてしまう(転落抽選に当選する)ということを、バトル演出中に予測できてしまう。
A3−2.パチンコ機10による処理の概要:
次に、本実施形態におけるパチンコ機10における処理の概要について説明する。本実施形態におけるパチンコ機10と、上記比較例1および比較例2に示したパチンコ機との異なる点は、バトル演出および結果告知演出を実行するタイミングである。以下、その処理の概要について説明する。
図12は、本実施形態におけるパチンコ機10において転落抽選に当選した場合の処理を説明するタイムチャートである。図12(a)には、120回目の遊技回において転落抽選に当選した場合における、パチンコ機10の抽選モードの状態とサポートモードの状態とが示されている。図12(a)に示すように、本説明においては、大当たり抽選によって確変大当たりに当選し、大当たりの終了後に、抽選モードが高確率モードに移行し、その後、120回目の遊技回で転落抽選に当選して、抽選モードが低確率モードに移行する場合を示している。また、比較例1および比較例2のパチンコ機と同様に、パチンコ機10においては、転落抽選における抽選結果が、その遊技回における大当たり抽選の抽選モードに反映される。すなわち、パチンコ機10の場合、120回目の遊技回において、転落抽選に当選して抽選モードが低確率モードに移行する。そして、120回目の遊技回から、低確率モードで大当たり抽選が実行される。
サポートモードについては、パチンコ機10は、上記比較例1および比較例2のパチンコ機と同様に、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が所定の基準遊技回数(具体的には100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。但し、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。すなわち、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した後の遊技回において、転落抽選に当選すると、転落抽選に当選した遊技回から抽選モードは低確率モードに移行すると共に、高頻度サポートモードは終了する。
また、上記比較例1および比較例2のパチンコ機と同様に、本実施形態におけるパチンコ機10においては、120回目の遊技回に達するまでは、抽選モードとして高確率モードが継続されているので、サポートモードとして高頻度サポートモードが継続されている。そして、120回目において転落抽選に当選し、抽選モードが高確率モードから低確率モードに移行したことに伴って、サポートモードも高頻度サポートモードから低頻度サポートモードに移行する。
図12(b)は、パチンコ機10が、転落抽選に当選した120回目の遊技回の前後の遊技回(117回〜121回)において実行する演出、抽選モード、サポートモードの各状態について示している。図示するように、120回目の遊技回で転落抽選に当選する場合、パチンコ機10は、転落抽選に当選する遊技回(以下、特定遊技回とも呼ぶ)である120回目の遊技回より先に実行される遊技回(以下、先行遊技回とも呼ぶ)においてバトル演出を実行する。
ここで、特定遊技回とは、先判定処理によって大当たり抽選および転落抽選の少なくとも一つが当選したと判定された特別情報に係る遊技回であって、まだ実行されていない遊技回(保留遊技回)を言う。先行遊技回とは、特定遊技回より先に実行される遊技回であって、まだ実行されていない遊技回(保留遊技回)を言う。また、先判定処理とは、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報(保留情報)に基づいて実行される、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定処理よりも先に、当該判定を実行する処理である。なお、判定処理は、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となった際に実行される。パチンコ機10は、判定処理による大当たり抽選の当否の判定の結果(抽選結果)を1遊技回毎に順次報知する。
図12(b)に示すように、先行遊技回においてバトル演出を実行する際、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、連続した複数の各先行遊技回に係る演出が連続的に実行されることによってバトル演出が構成されるように、連続した複数の各先行遊技回にバトル演出の少なくとも一部を構成する演出を割り当てるとともに、連続した複数の各先行遊技回において割り当てた演出を実行する。具体的には、図12(b)に示すように、118回目および119回目の先行遊技回に亘って一連のバトル演出を実行する。
そして、転落抽選に当選した120回目の遊技回(特定遊技回)の開始と共に結果告知演出を実行し、特定遊技回に係る特別情報に対する転落抽選および大当たり抽選の当否判定の結果を遊技者に報知する。パチンコ機10の場合、先行遊技回においてバトル演出を実行しているので、比較例2のようにバトル演出の実行時に高頻度サポートモードは終了しない。結果告知演出が実行される120回目の特定遊技回において高頻度サポートモードが終了する。
したがって、先行遊技回の実行時には、遊技者は、高頻度サポートモードの状態の変化を介して120回目の特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回でバトル演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る転落抽選および大当たり抽選の抽選結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
図13は、パチンコ機10が、先行遊技回におけるバトル演出や特定遊技回における結果告知演出を実行するために行っている処理の大凡の流れを示したフローチャートである。なお、図13に示すフローチャートは、パチンコ機10が実行する処理の概要であり、詳細な処理については省略をしている。詳細な処理については、後述する。
ステップS101では、遊技球が第1始動口33または第2始動口34に入賞(始動入賞)したか否かを、各始動口に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS101において、第1始動口33または第2始動口34への入賞を検知した場合には(S101:YES)、ステップS102に進み、第1始動口33または第2始動口34への入賞に基づいて特別情報(保留情報)を取得する。その後、ステップ103に進む。
ステップS103では、先判定処理を実行する。上述のように、先判定処理は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかの入賞に基づいて取得された特別情報に基づいて実行する大当たり抽選や転落抽選についての当否判定(判定処理)よりも先に、当該判定を実行する処理である。パチンコ機10は、第1始動口33又は第2始動口34のいずれかに入賞が発生する度に、随時、当該入賞によって取得された特別情報に基づいて先判定処理を実行し、当該先判定処理による判定結果を各入賞に係る保留遊技回ごとに主側RAM64の先判定処理結果格納エリア64f(図5)に記憶する。ステップ103を実行した後、ステップS104に進む。
ステップS104においては、各保留遊技回ごとの先判定処理による判定結果に基づいて、予め定めた条件であるバトル演出実行条件を満たすか否かを判定する。バトル演出実行条件とは、現在保留されている保留遊技回においてバトル演出を実行することが可能であるか否かを判定するため条件であると共に、バトル演出が実行可能である場合に、バトル演出の実行に用いることが可能な保留遊技回の数を判定するための条件である。以下にバトル演出実行条件を示す。
[バトル演出実行条件]
(1)1回の保留遊技回(先行遊技回)を用いてバトル演出を実行し、特定遊技回で結果告知演出が実行可能となる条件:〈条件1〜4〉
・〈条件1〉:先判定処理の処理対象である特別情報の判定結果が「転落抽選に当選」または「大当たり抽選に当選」または「転落抽選および大当たり抽選に当選せず、大当たり乱数カウンタの値が特定の値」であること(当該保留遊技回が特定遊技回であること)。
・〈条件2〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回の特別情報が、第2始動口への入賞によって取得されたものであること。
・〈条件3〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回が遊技回として実行される時点で、高確率モードであること。
・〈条件4〉:〈条件1〉を満たす特別情報に係る保留遊技回(特定遊技回)の直前に、まだ実行されていない保留遊技回(先行遊技回)が存在すること(当該先行遊技回の変動時間が決定していないこと)。
・〈条件5〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回(特定遊技回)の1つ前に実行される先行遊技回に係る特別情報の先判定処理による判定の結果が「転落抽選に当選」または「大当たり抽選に当選」または「転落抽選および大当たり抽選に当選せず、大当たり乱数カウンタの値が特定の値」のいずれにも該当しないこと。
(2)2回の保留遊技回(先行遊技回)を用いてバトル演出を実行し、特定遊技回で結果告知が実行可能となる条件:〈条件1〜5〉+〈条件6〜7〉
・〈条件6〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回(特定遊技回)の2つ前に、まだ実行されていない保留遊技回(先行遊技回)が存在すること(当該先行遊技回の変動時間が決定していないこと)。
・〈条件7〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回(特定遊技回)の2つ前に実行される先行遊技回に係る特別情報の先判定処理による判定の結果が「転落抽選に当選」または「大当たり抽選に当選」または「転落抽選および大当たり抽選に当選せず、大当たり乱数カウンタの値が特定の値」のいずれにも該当しないこと。
(3)3回の保留遊技回(先行遊技回)を用いてバトル演出を実行し、特定遊技回で結果告知が実行可能となる条件:〈条件1〜6〉+〈条件7〜8〉
・〈条件8〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回の3つ前に、まだ実行されていない保留遊技回(先行遊技回)が存在すること(当該先行遊技回の変動時間が決定していないこと)。
・〈条件9〉:〈条件1〉を満たす保留遊技回(特定遊技回)の3つ前に実行される先行遊技回に係る特別情報の先判定処理による判定の結果が「転落抽選に当選」または「大当たり抽選に当選」または「転落抽選および大当たり抽選に当選せず、大当たり乱数カウンタの値が特定の値」のいずれにも該当しないこと。
〈条件1〉は、先判定処理の処理対象となった遊技回において、結果告知演出が実行可能であるか否かを判定する条件である。本実施形態においては、パチンコ機10は、先判定処理の処理対象となった遊技回が「転落抽選に当選」、「大当たり抽選に当選」の場合に加え、「転落抽選および大当たり抽選に当選せず、大当たり乱数カウンタの値が特定の値」の場合にも、結果告知演出を実行する。パチンコ機10は、「転落抽選に当選」の場合には敗北演出を実行し、「大当たり抽選に当選」の場合には勝利演出を実行し、「転落抽選および大当たり抽選に当選せず、大当たり乱数カウンタの値が特定の値」の場合には引き分け演出を実行する。なお、本実施形態においては、転落抽選に当選し、かつ、大当たり抽選に当選した場合には、結果告知演出として勝利演出を実行する。
〈条件2〉は、本実施形態におけるパチンコ機10が、第2始動口への入賞によって実行される遊技回でのみ、結果告知演出を実行することを示している。〈条件3〉に示すように、結果告知演出を実行する遊技回は、当該遊技回の開始時点の抽選モードが高確率モードであることが条件となる。結果告知演出を実行する遊技回の開始の時点で抽選モードが低確率モードの場合、転落抽選の当否に関わらず抽選モードが低確率モードであるため、仮に先行遊技回においてバトル演出を実行し特定遊技回において結果告知演出を実行したとしても、遊技者は、結果告知演出の前に実行されるバトル演出が転落抽選への当選を予告するものでないことを認識可能であり、バトル演出および結果告知演出が有効に機能しないからである。〈条件4〉および〈条件5〉は、結果告知演出を実行する特定遊技回の前に、バトル演出が実行可能な先行遊技回が存在するか否かを判定する条件である。なお〈条件4〉に示す先行遊技回は、当該バトル演出実行条件の判定時において、変動時間が決定していないことが条件となる。
〈条件6〉および〈条件7〉は、結果告知演出を実行する特定遊技回の前に、バトル演出を実行可能な2回の先行遊技回が存在するか否かを判定する条件である。なお〈条件6〉に示す先行遊技回は、当該バトル演出実行条件の判定時において、変動時間が決定していないことが条件となる。
〈条件8〉および〈条件9〉は、結果告知演出を実行する特定遊技回の前に、バトル演出を実行可能な3回の先行遊技回が存在するか否かを判定する条件である。なお〈条件8〉に示す先行遊技回は、当該バトル演出実行条件の判定時において、変動時間が決定していないことが条件となる。
ステップS104において、各保留遊技回ごとの先判定処理による判定結果に基づいてバトル演出実行条件を満たすか否かの判定を行った結果、バトル演出実行条件を満たすと判断した場合には、ステップS105に進む。一方、バトル演出実行条件を満たさないと判断した場合には、ステップS110に進む。
ステップS105では、バトル演出を実行する先行遊技回の数を決定する。ステップS104において、バトル演出実行条件の〈条件1〉〜〈条件4〉のみを満たし、1回の保留遊技回(先行遊技回)を使用してバトル演出を実行し、特定遊技回で結果告知演出が実行可能と判断された場合には、バトル演出を実行する先行遊技回の数を1回に決定する。ステップS104において、バトル演出実行条件の〈条件1〉〜〈条件7〉のみを満たし、2回の保留遊技回(先行遊技回)を使用してバトル演出を実行し、特定遊技回で結果告知演出が実行可能と判断された場合には、1回の先行遊技回を使用してバトル演出を実行するか、2回の先行遊技回を使用してバトル演出を実行するかは、抽選処理によって決定される。ステップS104において、バトル演出実行条件の〈条件1〉〜〈条件9〉を満たし、3回の保留遊技回(先行遊技回)を使用してバトル演出を実行し、特定遊技回で結果告知演出が実行可能と判断された場合には、1回の先行遊技回を使用してバトル演出を実行するか、2回の先行遊技回を使用してバトル演出を実行するか、3回の先行遊技回を使用してバトル演出を実行するかは、抽選処理によって決定される。なお、図12(b)は、2回の先行遊技回を使用してバトル演出を実行する場合を示している。ステップS105を実行した後、ステップS106に進む。
ステップS106では、バトル演出を実行する先行遊技回の変動時間をバトル演出用の変動時間に設定する。すなわち、先行遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、先行遊技回より先に実行された遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いてバトル演出が実行可能な設定方法に変更する。
本実施形態の場合、バトル演出の時間は一定(例えばx秒)である。すなわち、いくつの遊技回を用いてバトル演出を実行する場合であっても、バトル演出は一定時間で実行する。1回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合の当該1回の遊技回で実行するバトル演出の時間はx秒であり、2回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合の当該2回の遊技回で実行するバトル演出の合計時間はx秒であり、3回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合の当該3回の遊技回で実行するバトル演出の合計時間はx秒である。例えば、1回の先行遊技回でバトル演出を実行する場合には、停止時間を一定時間t秒とすると、1遊技回の単位遊技時間がx秒となるように、当該先行遊技回の変動時間を(x−t)秒に設定する。具体的には、遊技回の変動時間を決定する際に用いられる変動時間テーブル(変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶)を、変動種別カウンタCSの値に対して(x−t)秒に相当する値が出力されるバトル演出用変動時間テーブルに変更して先行遊技回の変動時間を決定することにより、先行遊技回の変動時間を(x−t)秒に設定する。
2回の先行遊技回でバトル演出を実行する場合には、1遊技回の単位遊技時間が(x/2)秒となるように、当該先行遊技回の変動時間を(x/2−t)秒に設定する。具体的には、遊技回の変動時間を決定する際に用いられる変動時間テーブルを、変動種別カウンタCSの値に対して(x/2−t)秒に相当する値が出力されるバトル演出用変動時間テーブルに変更して先行遊技回の変動時間を決定することにより、先行遊技回の変動時間を(x/2−t)秒に設定する。
3回の先行遊技回でバトル演出を実行する場合には、当該先行遊技回の変動時間が(x/3)秒となるように、当該先行遊技回の変動時間を(x/3−t)秒に設定する。具体的には、遊技回の変動時間を決定する際に用いられる変動時間テーブルを、変動種別カウンタCSの値に対して(x/3−t)秒に相当する値が出力されるバトル演出用変動時間テーブルに変更して先行遊技回の変動時間を決定することにより、先行遊技回の変動時間を(x/3−t)秒に設定する。なお、上述のように、本実施形態において停止時間は一定時間t秒であるので、変動時間が決定されることによって、先行遊技回の単位遊技時間は決定される。ステップS106を実行した後、ステップS107に進む。
ステップS107では、ステップS106においてバトル演出用変動時間テーブルを用いて変動時間を設定した先行遊技回においてバトル演出を実行する。なお、バトル演出は、ステップS105においてバトル演出を実行すると決定された数の先行遊技回において実行される。複数回の先行遊技回を用いてバトル演出を実行する場合、当該複数回の先行遊技回に亘って一連のバトル演出を実行する。
このように、保留遊技回の中に特定遊技回が存在するとともに、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、バトル演出の少なくとも一部を構成する演出を割り当てる先行遊技回の数を抽選によって決定する。また、連続した複数の各先行遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、先行遊技回より先に実行された遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、順次連続的に実行される複数の先行遊技回を用いてバトル演出が実行可能な設定方法に変更する。具体的には、複数の先行遊技回の各単位遊技時間を、バトル演出を実行可能な時間的長さ(x秒)を先行遊技回の数で除した時間的長さに設定する。そして、連続した複数の各先行遊技回に係る演出が順次連続的に実行されることによってバトル演出が構成されるように、連続した複数の各先行遊技回にバトル演出の少なくとも一部を構成する演出を割り当てるとともに、連続した複数の各先行遊技回において当該割り当てた演出を実行する。
図14は、複数回の先行遊技回を用いてバトル演出が実行されているときの、図柄表示装置41の表示面41aの説明をする説明図である。図に示すように、バトル演出が実行されるときには、表示面41aは、表示領域41aSと表示領域41aLとに区分される。そして、表示領域41aSでは、図柄の変動表示及び停止表示が実行される。具体的には、単位遊技時間のうち、変動時間においては図柄の変動表示が実行され、停止時間においては図柄の停止表示が実行される。例えば、2回の先行遊技回を用いてバトル演出を実行する場合には、表示領域41aSにおいて、変動表示と停止表示とが2回実行される。
一方、表示領域41aLでは、バトル演出が実行される。例えば、2回の先行遊技回を用いてバトル演出を実行する場合には、1回目の先行遊技回においては、一連のバトル演出を2分割したうちの前半(以下「バトル演出(1/2)」とも表記する)が実行され、2回目の先行遊技回においては、一連のバトル演出を2分割したうちの後半(バトル演出(2/2))が実行される。
図13の説明に戻る。ステップS107を実行した後、ステップS108に進む。ステップS108では、特定遊技回の変動時間を、結果告知演出用変動時間に設定する。具体的には、遊技回の変動時間を決定する際に用いられる変動時間テーブル(変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶)を、変動種別カウンタCSの値に対して結果告知演出用に設定された時間(例えばy秒)に相当する値が出力される結果告知演出用変動時間テーブルに変更して特定遊技回の変動時間を決定することにより、特定遊技回の変動時間をy秒に設定する。なお、本実施形態においては、結果告知演出を実行可能な時間的長さ(本説明においてはy秒)が、バトル演出を実行可能な時間的長さ(本説明ではx秒)より短くなるように、特定遊技回の変動時間(y秒)を設定する。結果告知演出の時間を、遊技者に期待感を付与するバトル演出の時間よりも短くすることによって、結果告知演出の興趣の低下を抑制することができる。すなわち、バトル演出によって期待感を付与した後に、短期間で結果を報知することで、遊技性にメリハリを付け、遊技者の心境に抑揚を付与することができる。
ステップS109では、ステップS108において結果告知演出用変動時間テーブルを用いて変動時間を設定した特定遊技回において結果告知演出を実行する。本実施形態においては、結果告知演出は、特定遊技回の開始直後に、転落抽選および大当たり抽選の当否判定の結果(抽選結果)を報知する。図12に示すように、高確率モードが100回を超えて継続しているため、それに伴い、高頻度サポートモードも100回を超えて継続していたが、120回目の遊技回において転落抽選に当選したため、高確率モードは低確率モードに変更され、サポートモードも120回目の遊技回の開始直後に低頻度サポートモードに変更される。120回目の遊技回においては、転落抽選および大当たり抽選の当否判定の結果(抽選結果)の報知と、低頻度サポートモードへの変更とが、ほぼ同時に実行される。
したがって、比較例2のパチンコ機のように、遊技者が、120回目の遊技回において、結果告知演出が実行されるよりも前に、高頻度サポートモードが終了し低頻度サポートモードに移行したことを認識して、120回目の遊技回の転落抽選および大当たり抽選の結果を、結果告知演出を介さずに認識することを、本実施形態におけるパチンコ機10では回避することができる。
一方、ステップS104において、各保留遊技回ごとの先判定処理による判定結果に基づいてバトル演出実行条件を満たすか否かの判定を行った結果、バトル演出実行条件を満たさないと判断した場合には、ステップS110に進む。
ステップS110では、通常演出の設定処理を実行する。本説明においては、通常演出とは、大当たり抽選に外れると共にリーチ非発生の場合の外れ演出や、大当たり抽選に外れると共にリーチ発生の場合の外れ演出(リーチ演出)や、第1始動口への入賞に基づく大当たり抽選に当選した場合の大当たり用の演出など、バトル演出や結果告知演出以外の演出を言う。パチンコ機10は、通常演出の設定処理として、遊技回の変動時間を決定する際に用いられる変動時間テーブル(変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶)を、通常演出用変動時間テーブルに設定し、各遊技回の変動時間を決定する。ステップS110を実行した後、ステップS111に進む。
ステップS111では、ステップS110において通常演出用変動時間テーブルを用いて変動時間を設定した遊技回において通常演出を実行する。以上、本実施形態のパチンコ機10が実行する処理の大凡の流れについて説明した。
このように、本実施形態のパチンコ機10によれば、先行遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、先行遊技回より先に実行された遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いてバトル演出が実行可能な設定方法に変更するので、大当たり抽選および転落抽選の少なくとも一つが当選したと判定された特別情報に係る特定遊技回が存在する場合には、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回においてバトル演出を実行することができる。なお、本実施形態においては、単位遊技時間は、変動時間と停止時間とからなる。したがって、変動時間の設定方法を変更することと、単位遊技時間の設定方法を変更することとは同義である。
上述のように、特定遊技回においては、転落抽選に当選したと判定されると、高確率モードが終了するとともに高頻度サポートモードが終了する。よって、比較例1および比較例2のように、バトル演出と結果告知演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者が、特定遊技回における結果告知演出によって、大当たり抽選および転落抽選の抽選結果を認識するよりも前に(例えば、バトル演出の実行時に)、高頻度サポートモードの終了を認識することによって、転落抽選の抽選結果を認識してしまう場合がある。すなわち、バトル演出と結果告知演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者は、特定遊技回における大当たり抽選および転落抽選の抽選結果を、高頻度サポートモードの継続または終了という状態の変化の有無によって認識してしまう場合があり、バトル演出によって抽選の結果に対する期待感を遊技者に付与することができない場合がある。また、遊技者は、大当たり抽選および転落抽選の抽選結果を、結果告知演出を介さずに認識してしまう場合がある。
一方、本実施形態のパチンコ機10によれば、バトル演出を、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回において実行する。先行遊技回の実行時には、遊技者は、高頻度サポートモードの状態の変化を介して特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回でバトル演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、先行遊技回が連続して複数存在する場合には連続した複数の先行遊技回を用いてバトル演出を行うので、複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の抽選結果に対する期待感を遊技者に付与することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、バトル演出の少なくとも一部を構成する所定の演出を割り当てる先行遊技回の数を抽選によって決定するので、バトル演出が実行される先行遊技回の数にバラつきを付与することにより、特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の当否判定の結果に対する期待感に抑揚を付与することができる。さらに、複数の先行遊技回の各単位遊技時間を、バトル演出を実行可能な時間的長さを先行遊技回の数で除した時間的長さに設定するので、バトル演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の設定を、簡易な処理によって実現することができる。
本実施形態においては、パチンコ機10は、結果告知演出の時間的長さを、バトル演出の時間的長さより短く設定している。バトル演出によって期待感を付与した後に、短期間で結果を報知することで、遊技性にメリハリを付け、遊技者の心境に抑揚を付与することができる。
A4.主制御装置において実行される各種処理:
次に、パチンコ機10において上述したバトル演出および結果告知演出を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
各遊技回の遊技を進行させるために、主制御装置60の主側MPU62は、タイマ割込み処理および通常処理を実行する。MPU62は、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理を実行するが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
図15は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。上述のように、タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。
ステップS201では、各種検知センサ67a〜67eの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置60に接続されている各種検知センサ67a〜67eの状態を読み込み、当該センサの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。その後、ステップS202に進む。
ステップS202では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した場合には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS203に進む。
ステップS203では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4および電動役物開放カウンタC5の値の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4および電動役物開放カウンタC5にそれぞれ1を加算すると共に、それらの各カウンタ値が最大値に達した場合には、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C5の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS204に進む。
ステップS204では、第1始動口33及び第2始動口34への入賞に伴う始動口用の入賞処理を実行する。ステップS204の始動口用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS204を実行した後、ステップS205に進む。
ステップS205では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。ステップS205のスルー用の入賞処理の詳細については後述する。ステップS205を実行した後、MPU62はタイマ割込み処理を終了する。
<始動口用の入賞処理>
次に、始動口用の入賞処理について説明する。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図15:S204)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図16は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS301では、遊技球が第1始動口33に入賞(始動入賞)したか否かを、第1始動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS301において、遊技球が第1始動口33に入賞したと判定した場合には(S301:YES)、ステップS302に進み、払出制御装置70に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS303に進む。
ステップS303では、第1始動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために外部信号設定処理を行う。その後、ステップS304に進む。
ステップS304では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RaN(以下、第1始動保留個数RaNともいう)を読み出し、当該第1始動保留個数RaNを後述する処理の対象として設定する。第1始動保留個数RaNは、第1始動口33への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS309に進む。
ステップS301において、遊技球が第1始動口33に入賞していないと判定した場合には(S301:NO)、ステップS305に進み、遊技球が第2始動口34に入賞したか否かを第2始動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。
ステップS305において、遊技球が第2始動口34に入賞したと判定した場合には(S305:YES)、ステップS306に進み、払出制御装置70に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。その後、ステップS307に進む。一方、ステップS305において、遊技球が第2始動口34に入賞していないと判定した場合には(S305:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
ステップS307では、第2始動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力するために、外部信号設定処理を行う。その後、ステップS308に進む。
ステップS308では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留個数記憶エリアに格納された値である始動保留個数RbN(以下、第2始動保留個数RbNともいう)を読み出し、当該第2始動保留個数RbNを後述する処理の対象として設定する。第2始動保留個数RbNは、第2始動口34への入賞に基づく保留個数を示す。その後、ステップS309に進む。
ステップS309では、上述したステップS304又はステップS308において設定された始動保留個数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。ステップS309において、始動保留個数Nが上限値未満でない場合には(S309:NO)、本始動口用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS309において、始動保留個数Nが上限値未満である場合には(S309:YES)、ステップS310に進み、対応する結果表示部用保留エリアの始動保留個数Nに1を加算した後、ステップS311に進み、合計保留個数記憶エリアに格納された値(以下、合計保留個数CRNと言う)に1を加算する。合計保留個数CRNは、第1始動保留個数RaNと第2始動保留個数RbNとの合計値を示す。その後、ステップS312に進む。
ステップS312では、ステップS203(図15)において更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち、ステップS310において1を加算した保留個数と対応する記憶エリアに格納する。具体的には、第1始動保留個数RaNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS203にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、第1結果表示部用保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS310において1を加算した第1始動保留個数RaNと対応する記憶エリアに格納する。また、第2始動保留個数RbNが処理の対象として設定されている場合には、ステップS203にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値を、第2結果表示部用保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわちステップS310において1を加算した第2始動保留個数RbNと対応する記憶エリアに格納する。ステップS312を実行した後、ステップS313に進む。
ステップS313では、先判定処理を実行する。先判定処理は、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3および転落乱数カウンタC4の各値の情報(保留情報)に基づいて、大当たり抽選の当否判定結果(抽選結果)、大当たりの種別、リーチの発生の有無、転落抽選の当否判定結果(抽選結果)などの判定を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。先判定処理の詳細については後述する。ステップS313を実行した後、ステップS314に進む。
ステップS314では、バトル演出実行判定処理を実行する。バトル演出実行判定処理とは、先判定処理による判定結果に基づいて、バトル演出および結果告知演出を実行するか否かの判断をする処理である。バトル演出実行判定処理の詳細については後述する。ステップS314を実行した後、ステップS315に進む。
ステップS315では、保留コマンドを設定する処理を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3、転落乱数カウンタC4の各値の情報(保留情報)に基づいて実行された先判定処理の判定結果、および、バトル演出実行判定処理によって設定されるバトル演出遊技回数YpNの情報を保留コマンドとして設定する。バトル演出遊技回数YpNについては、後述するバトル演出実行判定処理(図18)において説明する。
保留コマンドは、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生したこと及び当該入賞に基づいて取得された保留情報に基づく先判定処理による判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に、サブ側の制御装置に確認させるためのコマンドである。保留コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理(図20:ステップS702)において音声発光制御装置90に送信される。
また、音声発光制御装置90は、第1始動口33への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。一方、第2始動口34への入賞に基づいて送信された保留コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置90は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の増加に対応させて変更する。
主側MPU62は、ステップS315を実行した後、本始動口用の入賞処理を終了する。
<先判定処理>
次に、先判定処理について説明する。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図16:S313)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図17は、先判定処理を示すフローチャートである。上述のように先判定処理は、保留情報に基づいて、大当たり抽選の当否判定、大当たりの種別の判定、リーチの発生の有無の判定、転落抽選の当否判定などの判定結果を、当該保留情報が主制御装置60による大当たり抽選の対象となるよりも前に実行する処理である。
ステップS401では、始動口用の入賞処理(図16)における始動口への入賞によって記憶エリアに格納された大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。その後、ステップS402に進み、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。具体的には、今回の入賞よりも前の入賞によって実行された先判定処理の判定結果を該当する記憶エリアから読み出し、今回の入賞による大当たり抽選よりも前に発生する確変大当たりの有無や、転落抽選への当選の有無を把握することによって、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点での抽選モードを判定する。
ステップS402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードであると判定した場合には、(S402:YES)、ステップS403に進み、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS408に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値の情報が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
一方、ステップS402において、今回の入賞による大当たり抽選が遊技回として実行される時点で、抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S402:NO)、ステップS404に進み、今回の入賞によって記憶エリアに格納された転落乱数カウンタC4の値を把握する。その後、ステップS405に進み、転落当否判定テーブル記憶エリア63dに記憶されている転落当否判定テーブルを参照し、転落抽選に当選しているか否かの判定をする。
ステップS405において、転落抽選に当選していると判定した場合には(S405:YES)、転落当選情報を先判定処理結果格納エリア64fに記憶し、ステップS403に進む。ステップS403では、上述のように、当否テーブル記憶エリア63aに記憶されている低確率モード用の当否テーブルを参照する。その後、ステップS408に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS405において、転落抽選に当選していないと判定した場合には(S405:NO)、ステップS407に進む。ステップS407では、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。その後、ステップS408に進み、高確率モード用の当否テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応しているか否かを判定する。
ステップS408では、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が大当たりに対応していると判定した場合には(S408:YES)、ステップS409に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに格納された大当たり種別カウンタC2の値を把握する。その後、ステップS410に進み、振分テーブル記憶エリア63bに記憶されている振分テーブルを参照する。具体的には、今回の振り分け対象となった大当たり種別カウンタC2が第1始動口33への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第1始動口用振分テーブルを参照し、第2始動口34への入賞に基づいて取得されたものである場合には、第2始動口用振分テーブルを参照する。ステップS410を実行した後、ステップS411に進む。
ステップS411では、振分テーブルを参照した結果、今回把握した大当たり種別カウンタC2の値が、確変大当たりに対応しているか否かを判定する。ステップS411において、確変大当たりに対応していると判定した場合には(S411:YES)、ステップS412に進み、先判定処理結果格納エリア64fに確変大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS411において、確変大当たりに対応していないと判定した場合には(S411:NO)、ステップS413に進み、先判定処理結果格納エリア64fに通常大当たり情報を記憶する。その後、先判定処理を終了する。
ステップS408において、今回把握した大当たり乱数カウンタC1の値が、大当たりに対応していないと判定した場合には(S408:NO)、ステップS414に進み、今回の始動口への入賞によって記憶エリアに格納されたリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。その後、ステップS415に進み、リーチ判定用テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。その後、ステップS416に進み、リーチ判定用テーブルを参照した結果、今回把握したリーチ乱数カウンタC3の値が、リーチ発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS416において、リーチ発生に対応していると判定した場合には(S416:YES)、ステップS417に進み、先判定処理結果格納エリア64fにリーチ発生情報を記憶させる。その後、先判定処理を終了する。一方、ステップS416において、リーチ発生に対応していないと判定した場合には(S416:NO)、そのまま先判定処理を終了する。
<バトル演出実行判定処理>
次に、バトル演出実行判定処理について説明する。バトル演出実行判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図16:S314)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図18は、バトル演出実行判定処理を示すフローチャートである。ステップS501では、バトル演出実行フラグがONであるか否かを判定する。バトル演出実行フラグは、各保留遊技回ごとの先判定処理による判定結果と上述したバトル演出実行条件とに基づいて、現在保留されている保留遊技回においてバトル演出を実行することが可能であると判定された場合にONにされ、バトル演出を実行する保留遊技回についての変動時間の設定処理が終了した場合にOFFにされる。なお、バトル演出が実行可能であるか否かの判定は、後述するステップS503〜S504において実行される。
ステップS501において、バトル演出実行フラグがONであると判定した場合には(S501:YES)、そのままバトル演出実行判定処理を終了する。すなわち、既に、現在保留されている保留遊技回においてバトル演出を実行することが可能であると判定されている場合には、バトル演出実行判定処理を終了する。
一方、ステップS501において、バトル演出実行フラグがONではないと判定した場合には(S501:NO)、ステップS502に進み、現在保留されている保留遊技回の先判定処理による判定結果を先判定処理結果格納エリア64fから読み出して把握する。例えば、現在4回分の保留遊技回が保留されている場合には、4回分の保留遊技回に係る始動口への入賞ごとに実行された先判定処理による各判定結果を、先判定処理結果格納エリア64fから読み出して把握する。その後、ステップS503に進む。
ステップS503では、先判定処理結果格納エリア64fから読み出した保留遊技回の先判定処理による判定結果が、上述したバトル演出実行条件を満たすか否かの判定を実行し、ステップS504に進む。
ステップS504おいて、保留遊技回の先判定処理による判定結果がバトル演出実行条件を満たすと判定した場合には(S504:YES)、ステップS505に進む。一方、ステップS504において、保留遊技回の先判定処理による判定結果がバトル演出実行条件を満たさないと判定した場合には(S504:NO)、そのままバトル演出実行判定処理を終了する。
ステップS505では、バトル演出が実行可能である場合に、バトル演出の実行に用いることが可能な保留遊技回の数(バトル演出実行可能遊技回数BtN)が2以上であるか否かを判定する。上述のように、バトル演出実行条件は、現在保留されている保留遊技回においてバトル演出を実行することが可能であるか否かを判定するための条件であると共に、バトル演出が実行可能である場合に、バトル演出の実行に用いることが可能な保留遊技回の数(BtN)を判定するための条件である。主側MPU62は、保留遊技回の先判定処理による判定結果とバトル演出実行条件との照合により、バトル演出実行可能遊技回数BtNを判定する。
ステップS505において、バトル演出実行可能遊技回数BtNが2以上(BtN≧2)であると判定した場合には(S505:YES)、ステップS506に進み、実際にバトル演出に使用する遊技回の数(バトル演出遊技回数YpN)を抽選によって決定する。例えば、バトル演出遊技回数の決定用の乱数を用いて抽選を行う。その後、ステップS508に進む。
一方、ステップS505において、バトル演出実行可能遊技回数BtNが2以上ではない(BtN=1)と判定した場合には(S505:NO)、ステップS507に進み、バトル演出遊技回数YpNを1に決定する。すなわち、バトル演出実行可能遊技回数BtNが複数の場合は、バトル演出遊技回数YpNを抽選によって決定し、バトル演出実行可能遊技回数BtNが1の場合は、BtN=1をそのままバトル演出遊技回数YpNに設定する。ステップS505を実行した後、ステップS508に進む。
ステップS508では、バトル演出カウンタBCに、第2始動保留個数RbNの値を設定する。バトル演出カウンタBCは、バトル演出を実行することが決定された保留遊技回が、遊技回として開始されるタイミングを把握するために用いられる。より具体的には、バトル演出カウンタBCを用いることによって、バトル演出を実行することが決定された保留遊技回が遊技回として開始されるタイミングを把握し、そのタイミングで、主側MPU62が当該遊技回に対してバトル演出用の変動時間を設定する(図25:S1202、S1209参照)。ステップS508を実行した後、ステップS509に進む。
ステップS509では、バトル演出実行フラグをONにする。具体的には、各種フラグ記憶エリア64eのバトル演出実行フラグをONにする。上述のように、バトル演出実行フラグは、バトル演出を実行することが可能であると判定されたことを示すフラグである。ステップS509を実行した後、バトル演出実行判定処理を終了する。
<スルー用の入賞処理>
次に、スルー用の入賞処理について説明する。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図15:S205)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図19は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS601では、遊技球がスルーゲート35に入賞したか否かを判定する。ステップS601において、遊技球がスルーゲート35に入賞したと判定した場合には(S601:YES)、ステップS602に進み、役物保留個数SNが上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。なお、役物保留個数SNは、電動役物開放抽選を行うために保留されているスルーゲート35への入賞数を示す値である。本実施形態では、役物保留個数SNの最大値は4である。一方、ステップS601において、スルーゲート35に遊技球が入賞しなかったと判定した場合には(S601:NO)、本スルー用の入賞処理を終了する。
ステップS602において、役物保留個数SNの上限値未満(4未満)であると判定した場合には(S602:YES)、ステップS603に進み、役物保留個数SNに1を加算する。その後、ステップS604に進む。
ステップS604では、ステップS203(図15)において更新した電動役物開放カウンタC5の値をRAM64の電役保留エリア64cの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリアに格納する。その後、スルー用の入賞処理を終了する。
一方、ステップS602において、役物保留個数SNの値が上限値未満でないと判定した場合(S602:NO)、すなわち、役物保留個数SNの値が上限値以上であると判定した場合には、電動役物開放カウンタC5の値を格納することなく、スルー用の入賞処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理について説明する。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。
図20は、通常処理を示すフローチャートである。ステップS701では、立ち上げ処理を実行する。具体的には、電源投入に伴う各制御装置の初期設定や、RAM64に記憶保持されたデータの有効性の判定などが実行される。その後、ステップS702に進む。
ステップS702では、タイマ割込み処理又は前回に実行した通常処理で設定されたコマンド等の出力データを、サブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、保留コマンド等の演出に関するコマンドが設定されている場合には、それらを音声発光制御装置90に対して送信する。ステップS702を実行した後、ステップS703に進む。
ステップS703では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSに1を加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。その後、ステップS704に進む。
ステップS704では、払出制御装置70から受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み、ステップS705に進む。ステップS705では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、大当たり抽選、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、第1結果表示部37a,第2結果表示部37bの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。ステップS705を実行した後、ステップS706に進む。
ステップS706では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理を実行することにより、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。遊技状態移行処理の詳細は後述する。その後、ステップS707に進む。
ステップS707では、第2始動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定を行う。電役サポート用処理の詳細は後述する。その後、ステップS708に進む。
ステップS708では、今回の通常処理の開始(厳密には、ステップS702のコマンド出力処理の開始)から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。すなわち、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否かを判定する。ステップS708において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していないと判定した場合には(S708:NO)、ステップS709及びステップS710において、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内で、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。具体的には、ステップS709において、乱数初期値カウンタCINIに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS710において、変動種別カウンタCSに1を加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際には0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。一方、ステップS708において、今回の通常処理の開始から所定時間(4msec)が経過していると判定した場合には(S708:YES)、ステップS702に戻り、ステップS702からステップS707までの各処理を実行する。
なお、ステップS702からステップS707の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。したがって、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行することにより、これらのカウンタの値をランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、遊技回制御処理について説明する。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図20:S705)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図21は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。ステップS801では、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの開閉実行モードフラグがONであるか否かを判定する。開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理において遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合にONにされ、同じく遊技状態移行処理において開閉実行モードを終了させる場合にOFFにされる。
ステップS801において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S801:YES)、ステップS802以降の処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。すなわち、開閉実行モード中である場合には、第1始動口33又は第2始動口34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。一方、ステップS801において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S801:NO)、ステップS802に進む。
ステップS802では、メイン表示部45が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。この判定は、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eにおける変動表示中フラグ記憶エリアの変動表示中フラグがONであるか否かを判定することにより行われる。変動表示中フラグは、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれか一方について変動表示を開始させる場合にONにされ、その変動表示が終了する場合にOFFにされる。
ステップS802において、メイン表示部45が変動表示中でないと判定した場合には(S802:NO)、ステップS803〜ステップS805の遊技回開始用処理に進む。ステップS803では、合計保留個数CRNが「0」であるか否かを判定する。合計保留個数CRNが「0」である場合とは、第1始動口33及び第2始動口34のいずれについても始動保留個数が「0」であることを意味する。したがって、ステップS803において、合計保留個数CRNが「0」であると判定した場合には(S803:YES)、本遊技回制御処理を終了する。一方、ステップS803において、合計保留個数CRNが「0」でないと判定した場合には(S803:NO)、ステップS804に進む。
ステップS804では、第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動開始後の状態に設定するためのデータ設定処理を実行し、ステップS805に進む。データ設定処理の詳細は後述する。
ステップS805では、メイン表示部45における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行する。なお、変動開始処理の詳細は後述する。その後、ステップS806に進む。
ステップS806では、遊技回数カウンタPNCの値を1減算する。遊技回数カウンタPNCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。ステップS806を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
一方、ステップS802において、メイン表示部45が変動表示中であると判定した場合には(S802:YES)、ステップS807〜ステップS809の遊技回進行用処理を実行する。
ステップS807では、今回の遊技回の変動時間が経過したか否かを判定する。変動時間とは、上述したように、図柄列が変動を開始してから全ての図柄列が停止するまでの時間であり、単位遊技時間の一部である。具体的には、ステップS807では、RAM64の変動時間カウンタエリア(各種カウンタエリア64d)に格納されている変動時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動時間情報の値は、後述する変動時間の設定処理(図23:S1016)において設定される。この設定された変動時間情報の値は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。
ステップS807において、変動時間が経過していないと判定した場合には(S807:NO)、ステップS808に進み、変動表示用処理を実行する。変動表示用処理は、今回の遊技回に係る結果表示部における表示態様を変更する処理である。ステップS808を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
ステップS807において、変動時間が経過していると判定した場合には(S807:YES)、ステップS809に進み、変動終了処理を実行する。変動終了処理は、後述する変動開始処理(図23)において決定された結果表示部に表示させる図柄の態様が、今回の遊技回に係る結果表示部にて表示されるように当該結果表示部を表示制御する。ステップS809を実行した後、遊技回制御処理を終了する。
<データ設定処理>
次に、データ設定処理について説明する。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図21:S804)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図22は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS901では、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定する。ステップS901において、第2始動保留個数RbNが「0」であると判定した場合には(S901:YES)、ステップS902〜ステップS907の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、一方、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S901:NO)、ステップS908〜ステップS913の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、図21で説明したように、合計保留個数CRNが1以上である場合である(図21:S803参照)。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留個数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部37bについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留個数RaNが1以上であるか否かに関わらず、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを本データ設定処理の対象とする。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、第2始動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先される。
ステップS902では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留個数RaNを1減算した後、ステップS903に進み、合計保留個数CRNを1減算する。その後、ステップS904に進む。ステップS904では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS905に進む。
ステップS905では、第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS905を実行した後、ステップS906に進む。
ステップS906では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONである場合には当該フラグをOFFにし、ONではない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始の対象が第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bのいずれであるかを特定するための情報である。その後、ステップS907へ進む。
ステップS907では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち第1始動口33に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、データ設定処理を終了する。
ステップS907において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS702において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第1保留表示領域Ds1における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
ステップS901において、第2始動保留個数RbNが「0」でないと判定した場合には(S901:NO)、上述のように、ステップS908〜ステップS913の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ステップS908では、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留個数RbNを1減算する。その後、ステップS909に進む。ステップS909では、合計保留個数CRNを1減算し、ステップS910に進み、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動させる。その後、ステップS911に進む。
ステップS911では、第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されているデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理である。具体的には、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。ステップS911を実行した後、ステップS912に進む。
ステップS912では、各種フラグ記憶エリア64eの第2結果表示部フラグがONではない場合には当該フラグをONにし、ONである場合にはその状態を維持する。その後、ステップS913に進む。
ステップS913では、シフト時コマンドを設定する。シフト時コマンドは、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90に認識させるための情報を含むコマンドである。この場合、ROM63のコマンド情報記憶エリア63gから、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち第2始動口34に対応していることの情報を含むシフト時コマンドを選定し、その選定したシフト時コマンドを音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS913において設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS702において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信したシフト時コマンドに基づいて、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を、保留個数の減少に対応させて変更させるためのコマンドを表示制御装置100に送信する。当該コマンドを受信した表示制御装置100は、図柄表示装置41の第2保留表示領域Ds2における表示を保留個数の減少に対応させて変更する。
<変動開始処理>
次に、変動開始処理について説明する。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図21:S805)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図23は、変動開始処理を示すフローチャートである。ステップS1001では、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの高確率モードフラグがONであるか否かを判定する。高確率モードフラグは、当否抽選モードが高確率モードであるか否かをMPU62にて特定するためのフラグであり、本実施形態では、確変大当たりの当選に係る開閉実行モードの終了に際してONにされ、その後に通常大当たりに当選した場合、または、転落抽選に当選した場合にOFFにされる。
ステップS1001において、高確率モードであると判定した場合には(S1001:YES)、ステップS1002に進み、転落抽選の当否判定を実行する。具体的には、今回の遊技回の保留情報として保留情報格納エリア64bに格納されている転落乱数カウンタC4の値が、転落当否判定テーブル記憶エリア63dの転落当否判定テーブルにおける転落当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。ステップS1002において、転落抽選に当選していないと判定した場合には(S1002:NO)、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(b)に示す高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS1006に進む。
一方、ステップS1001において高確率モードではないと判定した場合(S1001:NO)、または、ステップS1002において転落抽選に当選したと判定した場合には(S1002:YES)、ステップS1004に進み、高確率モードフラグをOFFにする。その後、ステップS1005に進む。
ステップS1005では、低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図7(a)に示す低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。その後、ステップS1006に進む。
ステップS1006では、ステップS1003又はステップS1005における当否判定(大当たり抽選)の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。ステップS1006において、当否判定の結果が大当たり当選である場合には(S1006:YES)、ステップS1007〜ステップS1014において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理を実行する。
ステップS1007では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS1007において、第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S1007:NO)、ステップS1008に進み、第1始動口用の振分テーブル(図8(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、ステップS1007において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S1007:YES)、ステップS1009に進み、第2始動口用の振分テーブル(図8(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、16R確変大当たりの数値範囲、8R確変大当たりの数値範囲、16R通常大当たりの数値範囲、8R通常大当たりの数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。ステップS1008又はステップS1009の処理を実行した後。ステップS1010に進む。
ステップS1010では、ステップS1008又はステップS1009において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりであるか否かを判定する。ステップS1010において、遊技結果が確変大当たりであると判定した場合には(S1010:YES)、ステップS1011に進む。
ステップS1011では、確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。確変大当たり用の停止結果設定処理とは、確変大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている確変大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS1008又はステップS1009において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS1011を実行した後、ステップS1012に進む。
ステップS1012では、ステップS1008又はステップS1009において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R確変大当たりである場合には16R確変フラグをONにし、8R確変大当たりである場合には8R確変フラグをONにする。その後、ステップS1016に進む。
ステップS1010において、ステップS1008又はステップS1009において振り分けた大当たりの種別が確変大当たりでないと判定した場合(S1010:NO)、すなわち、振り分けた大当たりの種別が通常大当たりである場合には、ステップS1013に進む。
ステップS1013では、通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。通常大当たり用の停止結果設定処理とは、通常大当たりに当選することとなる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fに記憶されている通常大当たり用の停止結果テーブルを参照することで、ステップS1008又はステップS1009において振り分けた大当たりの種別に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS1013を実行した後、ステップS1014に進む。
ステップS1014では、ステップS1008又はステップS1009において振り分けた大当たりの種別に対応したフラグ(大当たり種別フラグ)をONにする。具体的には、16R通常大当たりである場合には16R通常フラグをONにし、8R通常大当たりである場合には8R通常フラグをONにする。その後、ステップS1016に進む。
ステップS1006において、ステップS1003又はステップS1005における大当たり抽選の結果が大当たり当選でない場合には(S1006:NO)、ステップS1015に進み、外れ時用の停止結果設定処理を実行する。外れ時用の停止結果設定処理とは、外れ結果となる今回の遊技回において、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bに、いずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための処理である。具体的には、停止結果テーブル記憶エリア63fにおける外れ時用の停止結果テーブルを参照することで、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。ステップS1015を実行した後、ステップS1016に進む。
ステップS1016では、変動時間の設定処理を実行する。変動時間の設定処理とは、大当たりの有無やリーチの発生の有無に基づいて、第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける今回の遊技回に要する時間である変動時間を設定するための処理である。変動時間の設定処理の詳細については後述する。ステップS1016を実行した後、ステップS1017に進む。
ステップS1017では、RAM64の第2結果表示部フラグがONであるか否かを判定する。ステップS1017において、RAM64の第2結果表示部フラグがONではないと判定した場合には(S1017:NO)、ステップS1018に進み、第1変動用コマンドを設定する。第1変動用コマンドには、今回の遊技回が第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS1016で設定された変動時間の情報が含まれている。一方、ステップS1017において、第2結果表示部フラグがONであると判定した場合には(S1017:YES)、ステップS1019に進み、第2変動用コマンドを設定する。第2変動用コマンドには、今回の遊技回が第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報に係るものであることを示す情報が含まれているとともに、リーチの発生の有無の情報及びステップS1016で設定された変動時間の情報が含まれている。ステップS1018又はステップS1019を実行した後、ステップS1020に進む。
ステップS1020では、種別コマンドを設定する。種別コマンドには、大当たりの有無及び振分け判定の結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、大当たりの種別の情報として、16R確変大当たりの情報、8R確変大当たりの情報、16R通常大当たりの情報、8R通常大当たりの情報、又は、外れ結果の情報が含まれている。
ステップS1018〜ステップS1020にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図20)におけるステップS702によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1020を実行後、ステップS1021に進む。
ステップS1021では、第1結果表示部37a及び第2結果表示部37bのうち今回の遊技回に対応した結果表示部に、図柄の変動表示を開始させる。具体的には、RAM64の第2結果表示部フラグがONではない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部37aであると特定して変動表示を開始させ、第2結果表示部フラグがONである場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部37bであると特定して変動表示を開始させる。ステップS1021を実行した後、本変動開始処理を終了する。
<変動時間の設定処理>
次に、変動時間の設定処理について説明する。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図23:S1016)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図24は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。ステップS1101では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS1102に進む。
ステップS1102では、バトル演出実行フラグがONであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのバトル演出実行フラグがONであるか否かを判定する。なお、上述のように、バトル演出実行フラグは、各保留遊技回ごとの先判定処理による判定結果とバトル演出実行条件とに基づいて、現在保留されている保留遊技回においてバトル演出を実行することが可能であると判定された場合にONにされ、バトル演出を実行する保留遊技回についての変動時間の設定処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。バトル演出実行フラグがONである場合には(S1102:YES)、ステップS1103〜S1113において、バトル演出用の変動時間の設定処理を実行する。バトル演出用の変動時間の設定処理(S1103〜S1113)については後述する。ステップS1102において、バトル演出実行フラグがONではないと判定した場合には(S1102:NO)、ステップS1114に進む。
ステップS1114では、結果告知演出フラグがONであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eの結果告知演出フラグがONであるか否かを判定する。結果告知演出フラグは、ステップS1103〜S1113におけるバトル演出用の変動時間の設定処理の終了時にONにされ、ステップS1115〜S1116における結果告知演出用の変動時間の設定処理の終了時にOFFにされるフラグである。ステップS1114において、結果告知演出フラグがONである場合には(S1114:YES)、ステップS1115〜S1116において、結果告知演出用の変動時間の設定処理を実行する。結果告知演出用の変動時間の設定処理(S1115〜S1116)については後述する。ステップS1114において、結果告知演出フラグがONではない場合には(S1114:NO)、ステップS1117に進む。
ステップS1117では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には、リーチが発生すると判定して(S1117:YES)、ステップS1118に進む。また、上記各フラグのいずれもがONではない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合には、リーチが発生すると判定して(S1117:YES)、ステップS1118に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS1118では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS1120に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS1117において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S1117:NO)、ステップS1119に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS1120に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ非発生用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、合計保留個数CRNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されている。但し、これに限定されることはなく、例えば、合計保留個数CRNの数に依存しない構成としてもよく、合計保留個数CRNの数が少ないほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が短くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が短くなるように設定されていてもよい。また、第2始動保留個数RbNが「0」である場合には、第1始動保留個数RaNの数が多いほど変動時間が長くなり、第2始動保留個数RbNが「1」以上である場合には、第2始動保留個数RbNの数が多いほど変動時間が長くなる又は各保留個数RaN,RbNに依存することなく一定となるように設定されていてもよい。
また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動時間が選択されるようにリーチ非発生用変動時間テーブルが設定されていてもよい。ただし、これに限定されることはなく、選択される変動時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。
さらには、リーチ発生時における変動時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動時間と選択され難い変動時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動時間テーブル、通常大当たり用の変動時間テーブル、外れリーチ用の変動時間テーブル及び完全外れ用の変動時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
次に、ステップS1102において、バトル演出実行フラグがONである場合に(S1102:YES)、ステップS1103〜S1113において実行されるバトル演出用の変動時間の設定処理について説明する。
ステップS1103では、バトル演出時間制御処理を実行する。バトル演出時間制御処理は、バトル演出用の変動時間テーブルを参照するタイミングを決定する処理である。具体的には、3回の遊技回(先行遊技回)を用いてバトル演出を実行する場合には、結果告知演出用の遊技回(特定遊技回)も含めた4回分の遊技回が保留遊技回として存在するタイミングでバトル演出時間制御フラグ(3遊技回用)をONにし、2回の遊技回(先行遊技回)を用いてバトル演出を実行する場合には、結果告知演出用の遊技回(特定遊技回)も含めた3回分の遊技回が保留遊技回として存在するタイミングでバトル演出時間制御フラグ(2遊技回用)をONにし、1回の遊技回(先行遊技回)を用いてバトル演出を実行する場合には、結果告知演出用の遊技回(特定遊技回)も含めた2回分の遊技回が保留遊技回として存在するタイミングでバトル演出時間制御フラグ(1遊技回用)をONにする処理である。なお、バトル演出時間制御フラグは、バトル演出用の変動時間テーブルを参照するタイミングでONにされ、バトル演出を実行する保留遊技回についての変動時間の設定処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。バトル演出時間制御処理の詳細については後述する。ステップS1103を実行した後、ステップS1104に進む。
ステップS1104では、バトル演出時間制御フラグ(3遊技回用)がONであるか否かを判定する。バトル演出時間制御フラグ(3遊技回用)がONである場合には(S1104:YES)、ステップS1105に進む。
ステップS1105では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているバトル演出用変動時間テーブル(3遊技回用)を参照して、変動種別カウンタCSの値に対して3遊技回で一連のバトル演出を実行可能な変動時間情報を取得する。図13のステップS106で説明したように、本実施形態においては、バトル演出用変動時間テーブル(3遊技回用)は、変動種別カウンタCSの値に対して一定時間である(x/3−t)秒の変動時間に対応した変動時間情報が出力されるテーブルである。なお、上述のように、「t」は停止時間(一定時間)を示し、「x」はバトル演出の時間(一定時間)を示す。ステップS1105を実行した後、ステップS1110に進む。
一方、ステップS1104において、バトル演出時間制御フラグ(3遊技回用)がONではない場合には(S1104:NO)、ステップS1106に進み、バトル演出時間制御フラグ(2遊技回用)がONであるか否かを判定する。バトル演出時間制御フラグ(2遊技回用)がONである場合には(S1106:YES)、ステップS1107に進む。
ステップS1107では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているバトル演出用変動時間テーブル(2遊技回用)を参照して、変動種別カウンタCSの値に対して2遊技回で一連のバトル演出を実行可能な変動時間情報を取得する。図13のステップS106で説明したように、本実施形態においては、バトル演出用変動時間テーブル(2遊技回用)は、変動種別カウンタCSの値に対して一定時間である(x/2−t)秒の変動時間に対応した変動時間情報が出力されるテーブルである。ステップS1107を実行した後、ステップS1110に進む。
ステップS1106において、バトル演出時間制御フラグ(2遊技回用)がONではない場合には(S1106:NO)、ステップS110118に進み、バトル演出時間制御フラグ(1遊技回用)がONであるか否かを判定する。バトル演出時間制御フラグ(1遊技回用)がONである場合には(S1108:YES)、ステップS1109に進む。
ステップS1109では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているバトル演出用変動時間テーブル(1遊技回用)を参照して、変動種別カウンタCSの値に対して1遊技回で一連のバトル演出を実行可能な変動時間情報を取得する。図13のステップS106で説明したように、本実施形態においては、バトル演出用変動時間テーブル(1遊技回用)は、変動種別カウンタCSの値に対して一定時間である(x−t)秒の変動時間に対応した変動時間情報が出力されるテーブルである。ステップS1109を実行した後、ステップS1110に進む。
ステップS1108において、バトル演出時間制御フラグ(1遊技回用)がONではない場合には(S1108:NO)、ステップS1117に進む。ステップS1102においてバトル演出実行フラグがONであるにも関わらず、3遊技回用、2遊技回用および1遊技回用のいずれのバトル演出時間制御フラグもONではない場合とは、例えば、4回分の保留遊技回が存在する場合に、1遊技回でバトル演出を実行する場合である。この場合、バトル演出に1遊技回、結果告知演出に1遊技回を用いるため、存在する4回分の保留遊技回のうち、先に実行される2遊技回分は通常の遊技回として変動時間の設定を行う。このような場合に、ステップS1108からステップS1117に処理を進める。
ステップS1105、S1107、S1109においてバトル演出用変動時間テーブルを参照した後、ステップS1110に進み、バトル演出遊技回数YpNの値を1減算する。その後、ステップS1111に進む。
ステップS1111では、バトル演出遊技回数YpN=0であるか否かを判定する。すなわち、3遊技回でバトル演出を実行する場合には3遊技回に亘ってバトル演出用変動時間を設定したか、2遊技回でバトル演出を実行する場合には2遊技回に亘ってバトル演出用変動時間を設定したか、1遊技回でバトル演出を実行する場合には1遊技回に亘ってバトル演出用変動時間を設定したかを判定する。
ステップS1111において、バトル演出遊技回数YpN=0ではないと判定した場合には(S1111:NO)、ステップS1120に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
一方、ステップS1111において、バトル演出遊技回数YpN=0であると判定した場合には(S1111:YES)、ステップS1112に進む。なお、バトル演出遊技回数YpN=0は、バトル演出遊技回数(YpN)として設定された各遊技回においてバトル演出用変動時間が設定されたことを示す。
ステップS1112では、バトル演出実行フラグをOFFにするとともに、バトル演出時間制御フラグをOFFにする。その後、ステップS1113に進む。
ステップS1113では、結果告知演出フラグをONにする。上述のように、結果告知演出フラグは、バトル演出用の変動時間の設定処理の終了時にONにされ、結果告知演出用の変動時間の設定処理の終了時にOFFにされるフラグである。その後、ステップS1120に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
次に、ステップS1114において、結果告知演出フラグがONである場合に(S1114:YES)、ステップS1115〜S1116において実行される結果告知演出用の変動時間の設定処理について説明する。
ステップS1115では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている結果告知演出用変動時間テーブルを参照して、変動種別カウンタCSの値に対して、結果告知演出を実行可能な変動時間情報を取得する。図13のステップS108で説明したように、本実施形態においては、結果告知演出用変動時間テーブルは、変動種別カウンタCSの値に対して結果告知演出用に設定された一定時間(y)秒の変動時間に対応した変動時間情報が出力されるテーブルである。ステップS1115を実行した後、ステップS1116に進む。
ステップS1116では、結果告知演出フラグをOFFにする。その後、ステップS1120に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
<バトル演出時間制御処理>
次に、バトル演出時間制御処理について説明する。バトル演出時間制御処理は、変動時間制御処理のサブルーチン(図24:S1103)として主制御装置60の主側MPU62によって実行される。
図25は、バトル演出時間制御処理を示すフローチャートである。ステップS1201では、バトル演出時間制御フラグがONであるか否かを判定する。上述のように、バトル演出時間制御フラグは、バトル演出用の変動時間テーブルを参照するタイミングでONにされ、バトル演出を実行する保留遊技回についての変動時間の設定処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。
ステップS1201においてバトル演出時間制御フラグがONである場合には(S1201:YES)、そのままバトル演出時間制御処理を終了する。一方、ステップS1201において、バトル演出時間制御フラグがONではない場合には(S1201:NO)、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、BC−YpN=1(BC:バトル演出カウンタ、YpN:バトル演出遊技回数)であるか否かを判定する。当該処理によって、バトル演出用の変動時間テーブルを参照するタイミングを判定する。ステップS1202において、BC−YpN=1ではないと判定した場合には(S1202:NO)、ステップS1203に進み、バトル演出カウンタBCの値を1減算する。その後、バトル演出時間制御処理を終了する。
一方、ステップS1202においてBC−YpN=1であると判定した場合、すなわち、バトル演出用の変動時間テーブルを参照するタイミングであると判定した場合には(S1202:YES)、ステップS1204に進む。
ステップS1204では、YpN=3であるか否かを判定する。ステップS1204において、YpN=3であると判定した場合には(S1204:YES)、ステップS1205に進み、バトル演出時間制御フラグ(3遊技回用)をONにする。一方、ステップS1204において、YpN=3ではないと判定した場合には(S1204:NO)、ステップS1206に進む。
ステップS1206では、YpN=2であるか否かを判定する。ステップS1206において、YpN=2であると判定した場合には(S1206:YES)、ステップS1207に進み、バトル演出時間制御フラグ(2遊技回用)をONにする。一方、ステップS1207において、YpN=2ではないと判定した場合、すなわち、YpN=1の場合には(S1206:NO)、ステップS1208に進み、バトル演出時間制御フラグ(1遊技回用)をONにする。
ステップS1205、ステップS1207、ステップS1208のいずれかの処理においてバトル演出時間制御フラグをONにした後、ステップS1209に進む。
ステップS1209では、バトル演出遊技回数YpNの値をYpN情報としてコマンドに設定する。なお、本実施形態において、YpN情報は、変動用コマンドの一部として、音声発光制御装置90に対して送信される。ステップS1209を実行した後、バトル演出時間制御処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
次に、遊技状態移行処理について説明する。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図20:S706)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図26は、遊技状態移行処理を示す説明図である。ステップS1301では、開閉実行モード中であるか否かを判定する。ステップS1301において、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S1301:NO)、ステップS1302に進み、1の遊技回の第1結果表示部37a又は第2結果表示部37bにおける図柄の変動表示が終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1302において、変動表示が終了したタイミングでないと判定した場合には(S1302;NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1302において、変動表示が終了したタイミングであると判定した場合には(S1302:YES)、ステップS1303に進み、今回の遊技回の遊技結果(大当たり抽選の結果)が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64の、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R通常フラグのいずれかがONであるか否かを判定する。上記各フラグのいずれもがONではないと判定した場合には(S1303:NO)、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1303において、上記各フラグのいずれかがONであると判定した場合には(S1303:YES)、ステップS1304に進み、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。具体的には、RAM64の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、確認したアドレス情報に基づいて、ROM63に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部45におけるラウンド表示部39に出力する。これにより、ラウンド表示部39では上記出力に係るラウンドの情報が表示される。ステップS1304を実行した後、ステップS1305に進む。
ステップS1305では、今回の開閉実行モードのラウンド数を判定する。具体的には、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグ(16R確変フラグ、8R確変フラグ、16R通常フラグ、8R確変フラグ)を確認する。ステップS1305において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが16R確変フラグ又は16R通常フラグであると判定した場合には(S1305:YES)、ステップS1306に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「16」をセットする。第1ラウンドカウンタエリアRC1は、開閉扉36bが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、ステップS1305において、RAM64に記憶されている大当たり種別フラグが8R確変フラグ又は8R通常フラグであると判定した場合には(S1305:NO)、ステップS1307に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1ラウンドカウンタエリアRC1に「8」をセットする。ステップS1306又はステップS1307を実行した後、ステップS1308に進む。
ステップS1308では、オープニングコマンドを設定する。設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS702にて、音声発光制御装置90に送信される。このオープニングコマンドには、今回の開閉実行モードのラウンド数の情報が含まれる。音声発光制御装置90では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。ステップS1308を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
ステップS1301において、開閉実行モード中であると判定した場合には(S1301:YES)、ステップS1309に進み、大入賞口開閉処理を実行する。具体的には、大入賞口36aが閉鎖中である場合には、第1ラウンドカウンタエリアRC1が「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部36cを駆動状態とすることで大入賞口36aを開放させる。また、大入賞口36aが開放中である場合には、当該大入賞口36aの開放から開放限度時間が経過していること又は開放限度個数が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部36cの駆動状態を停止し、大入賞口36aを閉鎖させる。大入賞口開閉処理の詳細は後述する。ステップS1309を実行した後、ステップS1310に進む。
ステップS1310では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1310:NO)、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1310:YES)、ステップS1311に進み、エンディングコマンドを設定する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図20)におけるステップS702において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、エンディングコマンドを受信することに基づいて、開閉実行モードに対応した演出を終了させる。ステップS1311を実行した後、ステップS1312に進む。
ステップS1312では、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。開閉実行モード終了時の移行処理は、今回の開閉実行モードが終了した後の遊技回の各種モードを設定するための処理である。開閉実行モード終了時の移行処理の詳細は後述する。ステップS1312を実行した後、ステップS1313に進む。
ステップS1313では、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部45におけるラウンド表示部39が消灯されるように当該ラウンド表示部39の表示制御を終了する。その後、ステップS1314に進み、開閉実行モードの終了処理を実行する。具体的には、16R確変フラグ、8R確変フラグ、16通常フラグ、8R通常フラグがONである場合にはこれらのフラグをOFFにし、これらのフラグがONではない場合にはその状態を維持する。ステップS1314を実行した後、本遊技状態移行処理を終了する。
<大入賞口開閉処理>
次に、大入賞口開閉処理について説明する。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図26:1309)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図27は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。ステップS1401では、大入賞口36aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部36cの駆動状態に基づいて判定を行う。ステップS1401において、大入賞口36aが開放中でないと判定した場合には(S1401:NO)、ステップS1402に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1402において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1402:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1002において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1402:NO)、ステップS1403に進む。
ステップS1403では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S1403:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1403において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合には(S1403:YES)、ステップS1404に進み、大入賞口36aを開放するために可変入賞駆動部36cを駆動状態とする。その後、ステップS1405に進む。
ステップS1405では、各ラウンド用の設定処理を実行する。本実施形態におけるパチンコ機10の場合、設定されている入賞モードは全て高頻度入賞モードであるので、第1タイマカウンタエリアT1に「15000」(すなわち30sec)をセットする。さらに、大入賞口36aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた入賞カウンタエリアPCに「10」をセットする。第1タイマカウンタエリアT1にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。なお、仮にパチンコ機10に低頻度入賞モードが設定されている場合には、例えば、第1タイマカウンタエリアT1に「100」(すなわち0.2sec)をセットするとともに、入賞カウンタエリアPCに「6」をセットしてもよい。ステップS1405を実行した後、ステップS1406に進む。
ステップS1406では、開放コマンドを設定する。その後、本大入賞口開閉処理を終了する。なお、開放コマンドは、大入賞口36aの開放が開始されたことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図20:ステップS702)によって、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した開放コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が開始されたことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が開始されたことに対応する内容に更新する。
ステップS1401において、大入賞口36aが開放中であると判定した場合には(ステップS1401:YES)、ステップS1407に進み、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの開放継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS1407において、第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」でないと判定した場合には(S1407:NO)、ステップS1408に進む。
ステップS1408では、大入賞口36aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置36に対応した検知センサの検知状態により判定する。ステップS1408において、入賞が発生していないと判定した場合には(S1408:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1408において、入賞が発生していると判定した場合には(S1408:YES)、ステップS1409に進み、入賞カウンタエリアPCの値を1減算する。その後、ステップS1410に進む。
ステップS1410では、入賞カウンタエリアPCの値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1410において、入賞カウンタエリアPCの値が「0」でないと判定した場合には(S1410:NO)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1407において第1タイマカウンタエリアT1の値が「0」であると判定した場合(S1407:YES)、又は、ステップS1410において入賞カウンタエリアPCの値が「0」であると判定した場合には(S1410:YES)、ステップS1411に進み、大入賞口閉鎖処理を実行する。具体的には、大入賞口36aを閉鎖するために可変入賞駆動部36cを非駆動状態とする。その後、ステップS1412に進む。
ステップS1412では、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値を1減算する。その後、ステップS1413に進み、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」であると判定した場合には(S1413:YES)、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ステップS1413において、第1ラウンドカウンタエリアRC1の値が「0」でないと判定した場合には(S1413:NO)、第1タイマカウンタエリアT1に「1000」(すなわち2sec)をセットする。この場合、第1タイマカウンタエリアT1は、大入賞口36aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメータとして用いられる。ステップS1414を実行した後、ステップS1415に進み、閉鎖コマンドを設定する。その後、大入賞口開閉処理を終了する。
この設定された閉鎖コマンドは、大入賞口36aの開放が終了したことをサブ側の制御装置である音声発光制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための情報を含むコマンドであり、通常処理の外部出力処理(図20:ステップS702)において、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、各種ランプ47やスピーカー46における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。また、音声発光制御装置90は、上記閉鎖コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100は、受信した閉鎖コマンドに基づいて、1ラウンド分の大入賞口36aの開放が終了したことを特定するとともに、図柄表示装置41における演出内容を、大入賞口36aの開放が終了したことに対応する内容に更新する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
次に、開閉実行モード終了時の移行処理について説明する。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図26:S1312)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図28は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。ステップS1501では、RAM64に、大当たり種別フラグとして確変大当たりに対応するフラグがONにされているか否かを判定する。すなわち、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであるか否かを判定する。
ステップS1501において、RAM64の16R確変フラグ又は8R確変フラグがONであると判定した場合には(S1501:YES)、ステップS1502に進み、フラグ消去処理を実行する。フラグ消去処理とは、遊技状態を特定するための情報を消去する処理である。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートモードフラグがONである場合には、それらをOFFにするとともに、これらのフラグがONではない場合には、その状態を維持する。ステップS1502を実行した後、ステップS1503に進む。
ステップS1503では、高確率モードフラグをONにし、その後、ステップS1504に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。これにより、開閉実行モードを終了した後に、当否抽選モードが高確率モードであり、且つ、サポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。なお、これら高確率モード及び高頻度サポートモードは少なくとも大当たり当選が次回発生するまで維持される。その後、ステップS1505に進む。
ステップS1505では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。遊技回数カウンタPNCにセットされる値は、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数を示す値である。その後、ステップS1506に進む。
ステップS1506では、当否抽選モードが高確率モードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高確率モードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、ステップS1510に進む。
一方、ステップS1501において、RAM64に、16R通常フラグ又は8R通常フラグがONであると判定した場合には(S1501:NO)、ステップS1507に進み、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1508に進む。
ステップS1508では、高頻度サポートモードフラグをONにした後、ステップS1509に進み、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた遊技回数カウンタPNCに100をセットする。その後、ステップS1510に進む。
ステップS1510では、サポートモードが高頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである高頻度サポートモードコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、開閉実行モード終了時の移行処理を終了する。
<電役サポート用処理>
次に、電役サポート用処理について説明する。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図20:S707)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図29は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。ステップS1601では、サポート中であるか否かを判定する。具体的には、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート中フラグがONであるか否かを判定する。サポート中フラグは、第2始動口34の電動役物34aを開放状態にさせる場合にONにされ、閉鎖状態に復帰させる場合にOFFにされるフラグである。ステップS1601において、サポート中フラグがONではないと判定した場合には(S1601:NO)、ステップS1602に進む。
ステップS1602では、RAM64の各種フラグ記憶エリア64eのサポート当選フラグがONであるか否かを判定する。サポート当選フラグは、電動役物34aを開放状態とするか否かの電動役物開放抽選において開放状態当選となった場合にONにされ、サポート中フラグがONである場合にOFFにされるフラグである。ステップS1602において、サポート当選フラグがONではないと判定した場合には(S1602:NO)、ステップS1603に進む。
ステップS1603では、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。第2タイマカウンタエリアT2にセットされたカウント値は、タイマ割込み処理が起動される都度、すなわち2msec周期で1減算される。
ステップS1603において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1603:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1603:YES)、ステップS1604に進む。
ステップS1604では、普図ユニット38における図柄の変動表示の終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS1604において、変動表示の終了タイミングであると判定した場合には(S1604:YES)、ステップS1605に進み、外れ表示を設定した後、本電役サポート用処理を終了する。外れ表示が設定されることにより、外れ表示を停止表示した状態で普図ユニット38における図柄の変動表示が終了される。一方、ステップS1604において、変動表示の終了タイミングでないと判定した場合には(S1604:NO)、ステップS1606に進む。
ステップS1606では、役物保留個数SNの値が「0」より大きいか否かを判定する。ステップS1606において、役物保留個数SNの値が「0」であると判定した場合には(S1606:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1606において、役物保留個数SNの値が「0」より大きいと判定した場合には(S1606:YES)、ステップS1607に進む。
ステップS1607では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、その後、ステップS1608に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。ステップS1607において開閉実行モードではなく(S1607:NO)、且つ、ステップS1608において高頻度サポートモードである場合には(S1608:YES)、ステップS1609に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「750」(すなわち1.5sec)をセットする。第2タイマカウンタエリアT2は、タイマ割込み処理が起動される度に1減算される。その後、ステップS1610に進む。
ステップS1610では、ステップS1609の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS1610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選であると判定した場合には(S1610:YES)、ステップS1611に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、RAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた第2ラウンドカウンタエリアRC2に「3」をセットする。第2ラウンドカウンタエリアRC2は、電動役物34aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。その後、ステップS1612に進む。一方、ステップS1610において、電動役物開放抽選の結果がサポート当選でないと判定した場合には(S1610:NO)、ステップS1611の処理を実行することなく、ステップS1612に進む。
ステップS1612では、当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。ステップS1612において、当否抽選モードが低確率モードであると判定した場合には(S1612:YES)、ステップS1613に進む。一方、ステップS1612において、当否抽選モードが低確率モードでないと判定した場合には(S1612:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1613では、遊技回数カウンタエリアが「0」となっているか否かを判定する。遊技回数カウンタは、低確率モードであって高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1減算される。ステップS1613において、遊技回数カウンタエリアが「0」でないと判定した場合には(S1613:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1613において、遊技回数カウンタエリアが「0」であると判定した場合には、ステップS1614に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS1615に進む。
ステップS1615では、サポートモードが低頻度サポートモードであることをサブ側の制御装置に認識させるための情報を含むコマンドである低頻度サポートコマンドを、音声発光制御装置90への送信対象のコマンドとして設定する。その後、電役サポート用処理を終了する。
ステップS1615にて設定された低頻度サポートコマンドは、通常処理の外部出力処理(図20:ステップS702)にて、音声発光制御装置90に送信される。音声発光制御装置90では、低頻度サポートコマンドを受信することに基づいて、サポートモードが低頻度サポートモードであることを特定し、それに対応した処理を実行する。
ステップS1607において開閉実行モードであると判定した場合(S1607:YES)、又は、ステップS1618において高頻度サポートモードでないと判定した場合には(S1608:NO)、ステップS1616に進み、電動役物開放抽選を行う。具体的には、電役保留エリア64cに記憶されている値をシフトし、実行エリアにシフトされた電動役物開放カウンタC5の値が0〜190であった場合に、電動役物開放抽選に当選となる。また、電動役物開放抽選と同時に第2タイマカウンタエリアT2に「14750」(すなわち29.5sec)をセットする。その後、ステップS1617に進む。
ステップS1617では、ステップS1616の電動役物開放抽選の結果がサポート当選であるか否かを判定する。ステップS1617において、サポート当選でないと判定した場合には(S1617:NO)、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1617において、サポート当選であると判定した場合には(S1617:YES)、ステップS1618に進み、サポート当選フラグをONにするとともに、第2ラウンドカウンタエリアRC2に「1」をセットした後に、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1602において、サポート当選フラグがONであると判定した場合には(S1602:YES)、ステップS1619に進み、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、普図ユニット38の変動時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1619において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1619:NO)、普図ユニット38における絵柄の変動表示中であるため、そのまま本電役サポート用処理を終了する。一方、ステップS1619において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1619:YES)、ステップS1620に進む。
ステップS1620では、当たり表示を設定する。これにより、当たり表示を停止表示した状態で普図ユニット38における絵柄の変動表示が終了される。その後、ステップS1621に進み、サポート中フラグをONにするとともに、サポート当選フラグをOFFにする。その後、本電役サポート用処理を終了する。
ステップS1601において、サポート中フラグがONであると判定した場合には(S1601:YES)、ステップS1622に進み、電動役物34aを開閉制御するための電役開閉制御処理を実行する。その後、本電役サポート用処理を終了する。
<電役開閉制御処理>
次に、電役開閉制御処理について説明する。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図29:S1622)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
図30は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。ステップS1701では、電動役物34aが開放中であるか否かを判定する。電動役物34aが開放中であるか否かは、電動役物駆動部34bが駆動状態であるか否かによって判定する。電動役物34aが開放されていると判定した場合には(S1701:YES)、ステップS1702に進む。
ステップS1702では、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの開放継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」でないと判定した場合には(S1702:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。すなわち、電動役物34aの開放継続時間が終了していない場合は、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS1702において、第2タイマカウンタエリアT2の値が「0」であると判定した場合には(S1702:YES)、ステップS1703に進み、電動役物34aを閉鎖状態に制御する閉鎖処理を行い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」(すなわち0.5sec)をセットする。すなわち、電動役物34aの開放継続時間の計測手段としての第2タイマカウンタエリアT2が「0」である場合には、電動役物34aを閉鎖するとともに、今度は第2タイマカウンタエリアT2を電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用い、第2タイマカウンタエリアT2に「250」をセットする。ステップS1703を実行した後、ステップS1704に進む。
ステップS1704では、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値を1減算した後に、ステップS1705に進み、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であるか否かを判定する。ステップS1705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」でないと判定した場合には(S1705:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1705において、第2ラウンドカウンタエリアRC2の値が「0」であると判定した場合には(S1705:YES)、ステップS1706に進み、サポート中フラグをOFFにする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
ステップS1701において、電動役物34aが開放中でないと判定した場合には(S1701:NO)、ステップS1707に進み、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であるか否かを判定する。この場合、第2タイマカウンタエリアT2は、電動役物34aの閉鎖継続時間を計測するためのパラメーターとして用いられる。ステップS1707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」でないと判定した場合には(S1707:NO)、そのまま本電役開閉制御処理を終了する。一方、ステップS1707において、第2タイマカウンタエリアT2が「0」であると判定した場合には(S1707:YES)、ステップS1708に進み、電動役物34aを開放状態に制御する開放処理を実行する。その後、ステップS1709に進む。
ステップS1709では、開閉実行モード中であるか否かを判定し、開閉実行モード中でないと判定した場合には(S1709:NO)、ステップS1710に進み、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。
ステップS1710において、高頻度サポートモード中であると判定した場合には(S1710:YES)、ステップS1711に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「800」(すなわち1.6sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
一方、ステップS1709において開閉実行モードであると判定した場合(S1709:YES)、又は、ステップS1710において高頻度サポートモードではないと判定した場合には(S1710:NO)、ステップS1712に進み、第2タイマカウンタエリアT2に「100」(すなわち0.2sec)をセットする。その後、本電役開閉制御処理を終了する。
A5.音声発光制御装置及び表示制御装置の電気的構成:
次に、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成について説明する。
図31は、音声発光制御装置90及び表示制御装置100の電気的構成を中心として示すブロック図である。なお、電源装置85等の一部の構成は省略されている。音声発光制御装置90に設けられた音声発光制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92は、ROM93、RAM94、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵された素子である。
ROM93には、MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データ、テーブル等が記憶されている。例えば、ROM93のエリアの一部には、保留確認用テーブル記憶エリア93a、変動表示パターンテーブル記憶エリア93b等が設けられている。これらの詳細については後述する。
RAM94は、ROM93内に記憶されている制御プログラムの実行の際に各種データ等を一時的に記憶するためのメモリである。例えば、RAM94のエリアの一部には、各種フラグ記憶エリア94a、各種カウンタエリア94b、抽選用カウンタエリア94c等が設けられている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には主制御装置60が接続されている。主制御装置60からは、各種コマンドを受信する。MPU92の出力側には、演出操作ボタン24、スピーカー46、各種ランプ47が接続されているとともに、表示制御装置100が接続されている。
表示制御装置100に設けられた表示制御基板101には、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とが搭載されている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声発光制御装置90から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づいて所定の演算処理を行って、VDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶されている。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。
VDP105は、一種の描画回路であり、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する。VDP105は、ICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、描画処理専用のファームウェアを内蔵した一種のマイコンチップである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照される色パレットテーブル等が記憶されている。なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、プログラムROM103に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM106に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
以下では、主制御装置60のMPU62、ROM63、RAM64をそれぞれ主側MPU62、主側ROM63、主側RAM64とも呼び、音声発光制御装置90のMPU92、ROM93、RAM94をそれぞれ音光側MPU92、音光側ROM93、音光側RAM94とも呼び、表示制御装置100のMPU102を表示側MPU102とも呼ぶ。
A6.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、バトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される具体的な制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行される処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行される処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
最初に、音光側MPU92によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。
図32は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。以下、タイマ割込み処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1801では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理は、主側MPU62からコマンドを受信した場合に、受信したコマンドを音光側RAM94に格納するための処理である。音光側RAM94には、主側MPU62から受信したコマンドの格納及び読み出しを可能とするためのリングバッファが設けられており、主側MPU62から受信したコマンドは、当該リングバッファに順次格納されるとともに、格納された順序に従って順次読み出される。ステップS1801を実行した後、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、受信したコマンドに対応した処理を行うためのコマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1802を実行した後、ステップS1803に進む。
ステップS1803では、各種ランプ47の発光制御を行うための発光制御処理を実行する。発光制御処理では、上記ステップS1802のコマンド対応処理において読み出された発光データに基づいて、各種ランプ47の発光制御を行う。ステップS1803を実行した後、ステップS1804に進む。
ステップS1804では、スピーカー46の音声出力制御を行うための音声出力制御処理を実行する。音声出力制御処理では、上記ステップS1802のコマンド対応処理において読み出された音声出力データに基づいて、スピーカー46の音声出力制御を行う。ステップS1804を実行した後、本タイマ割込み処理を終了する。
<コマンド対応処理>
次に、コマンド対応処理について説明する。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図32:S1802)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図33は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンド対応処理では、主側MPU62から受信したコマンドに対応した処理を実行する。以下、コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS1901では、主側MPU62から保留コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していると判定した場合には(S1901:YES)、ステップS1902に進み、保留コマンド対応処理を実行する。保留コマンド対応処理の詳細については後述する。ステップS1902を実行した後、ステップS1903に進む。一方、ステップS1901において、主側MPU62から保留コマンドを受信していないと判定した場合には(S1901:NO)、ステップS1902を実行することなく、ステップS1903に進む。
ステップS1903では、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S1903:YES)、ステップS1904に進み、高頻度サポートモードフラグをONにする。その後、ステップS1905に進む。
ステップS1905では、高頻度サポートモードカウンタHSCの値に「0」を設定する。高頻度サポートモードカウンタHSCは、高頻度サポートモードである場合に1の遊技回が終了する度に1加算される。すなわち、高頻度サポートモードカウンタHSCは、高頻度サポートモードにおいて実行された遊技回の数をカウントするためのカウンタである。その後、ステップS1908に進む。
ステップS1903において、主側MPU62から高頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S1903:NO)、ステップS1906に進み、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1906において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していると判定した場合には(S1906:YES)、ステップS1907に進み、高頻度サポートモードフラグをOFFにする。その後、ステップS1908に進む。ステップS1906において、主側MPU62から低頻度サポートコマンドを受信していないと判定した場合には(S1906:NO)、そのまま、ステップS1908に進む。
ステップS1908では、主側MPU62から変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1908において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していると判定した場合には(S1908:YES)、ステップS1909に進む。一方、ステップS1908において、変動用コマンド及び種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S1908:NO)、ステップSステップS1912に進む。
ステップS1909では、演出設定処理を実行する。演出設定処理では、今回の遊技回において実行される予告演出や、停止図柄、変動表示パターン等を設定する。演出設定処理の詳細については後述する。ステップS1909を実行した後、ステップS1910に進む。
ステップS1910では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS1910において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S1910:YES)、ステップS1911に進む。ステップS1911では、高頻度サポートモードカウンタHSCの値を1加算する。その後、ステップS1912に進む。一方、ステップS1910において高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合には(S1910:NO)、そのまま、ステップS1912に進む。
ステップS1912では、主側MPU62からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1912において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していると判定した場合には(S1912:YES)、ステップS1913に進みオープニング演出設定処理を実行する。オープニング演出設定処理では、今回受信したオープニングコマンドに含まれている大当たりの種別を特定し、その大当たりの種別に対応したオープニング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたオープニング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS1914に進む。一方、ステップS1912において、主側MPU62からオープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1912:NO)、ステップS1913を実行することなく、ステップS1914に進む。
ステップS1914では、エンディングコマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1914おいて、エンディングコマンドを受信していると判定した場合には(S1914:YES)、ステップS1915に進み、エンディング演出設定処理を実行する。エンディング演出設定処理では、今回受信したエンディングコマンドに含まれている開閉実行モード後の遊技状態の内容を特定し、その遊技状態の内容に対応したエンディング演出の内容を設定するとともに、当該演出内容に対応した情報が設定されたエンディング演出コマンドを表示側MPU102に送信する。その後、ステップS1916に進む。一方、ステップS1914において、主側MPU62からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S1914:NO)、ステップS1915を実行することなく、ステップS1916に進む。
ステップS1916では、その他の設定処理を実行する。その他の設定処理では、例えば、開放コマンドに対応した演出内容の設定及び閉鎖コマンドに対応した演出内容の設定を行う。また、演出操作ボタン24が押下された場合には、演出操作ボタン24が押下されたことを認識させるための演出操作コマンドを表示側MPU102に送信する。
<保留コマンド対応処理>
次に、保留コマンド対応処理について説明する。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1902)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図34は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。上述したように、保留コマンド対応処理は、主側MPU62から保留コマンドを受信している場合に実行される処理である。以下、保留コマンド対応処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2001では、入賞時の更新処理を実行する。入賞時の更新処理では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、これらの保留情報の合計個数とを音光側MPU92において特定可能とするための処理を実行する。ステップS2001の入賞時の更新処理の詳細については後述する。以下では、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第1保留個数」とも呼び、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を「第2保留個数」とも呼び、第1保留個数と第2保留個数との合計数を「合計保留個数」とも呼ぶ。ステップS2001を実行した後、ステップS2002に進む。
ステップS2002では、保留表示制御処理を実行する。具体的には、ステップS2001において特定された第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数とに基づいて、第1保留表示部37cおよび第2保留表示部37dの表示態様(点灯させるLEDランプの色や組み合わせ)を制御する。ステップS2002を実行した後、保留コマンド対応処理を終了する。
<入賞時の更新処理>
次に、入賞時の更新処理について説明する。入賞時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図34:S2001)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図35は入賞時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS2101では、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであるか否かを判定する。ステップS2101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には(S2101:YES)、ステップS2102に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第1保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第1保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第1保留個数カウンタエリアの更新処理では、第1保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となった保留コマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS2102を実行した後、ステップS2104に進む。
ステップS2101において、今回の読み出し対象となった保留コマンドが第1始動口33への入賞に基づいて送信されたものでないと判定した場合(S2101:NO)、すなわち、当該保留コマンドが第2始動口34への入賞に基づいて送信されたものであると判定した場合には、ステップS2103に進み、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた第2保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。第2保留個数カウンタエリアは、第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。第2保留個数カウンタエリアの更新処理では、第2保留個数カウンタエリアの情報を、今回の読み出し対象となったコマンドに含まれる保留個数の情報に更新する。ステップS2103を実行した後、ステップS2104に進む。
ステップS2102及びステップS2103の処理を上記のようにした理由について説明する。本実施形態では、パチンコ機10の電源遮断中において、主制御装置60のRAM64に対してはバックアップ電力が供給されるのに対して、音声発光制御装置90のRAM94に対してはバックアップ電力が供給されない。このため、第1始動口33又は第2始動口34への入賞に係る保留情報が主制御装置60のRAM64に記憶されている状況において電源が遮断されると、主制御装置60では保留情報が記憶保持されるのに対して、音声発光制御装置90では保留情報が0個であると把握される。この場合に、仮に、音声発光制御装置90において保留コマンドを受信する度に第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアをカウントアップする構成を採用すると、主制御装置60において実際に保留記憶されている保留情報の数と、音声発光制御装置90において把握している保留情報の数とが一致しなくなるといった不都合が生じ得る。これに対して、上記の本実施形態のように、主制御装置60は、保留個数の情報を含めて保留コマンドを送信するとともに、音声発光制御装置90では保留コマンドを受信する度にそのコマンドに含まれる保留個数の情報を第1保留個数カウンタエリア又は第2保留個数カウンタエリアに設定する構成を採用することによって、上記のような不都合の発生を抑制することができる。
ステップS2104では、音光側RAM94の各種カウンタエリア94bに設けられた合計保留個数カウンタエリアの更新処理を実行する。合計保留個数カウンタエリアは、第1始動口33への入賞に基づいて取得された保留情報の個数と第2始動口34への入賞に基づいて取得された保留情報の個数との和を音光側MPU92において特定するためのカウンタエリアである。当該更新処理では、合計保留個数カウンタエリアの情報を、第1保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報と第2保留個数カウンタエリアにおいて計測されている保留個数の情報との和の情報に更新する。ステップS2104を実行した後、本入賞時の更新処理を終了する。
<演出設定処理>
次に、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S1909)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図36は、演出設定処理を示すフローチャートである。上述したように、演出設定処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信したと判定した場合に実行される処理であり、今回の遊技回において実行される演出の内容を設定するための処理である。以下、演出設定処理の具体的な処理について説明する。
ステップS2201では、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たりの有無、大当たり種別、転落当選の有無、リーチ発生の有無、および、変動時間の情報を把握する。そして、把握した情報を音光側MPU92のレジスタに記憶する。その後、ステップS2202に進む。
ステップS2202では、変動用コマンドにバトル演出を実行する遊技回数を示すYpN情報が含まれているか否かの判定をすると共に、バトル演出設定フラグがONであるか否かを判定する。バトル演出設定フラグは、複数回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、当該複数の遊技回のうちの最初の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、当該複数の遊技回のうちの最後の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。なお、バトル演出設定フラグは、後述するバトル演出設定処理(S2203)においてON・OFFされる。
ステップS2202において、変動用コマンドにYpN情報が含まれていると判定した場合、または、バトル演出設定フラグがONであると判定した場合には(S2202:YES)、ステップS2203に進み、バトル演出設定処理を実行する。バトル演出設定処理は、今回の遊技回においてバトル演出を実行するように設定する処理である。バトル演出設定処理の詳細については後述する。ステップS2203を実行した後、ステップS2211に進む。
一方、ステップS2202において、変動用コマンドにYpN情報が含まれておらず、かつ、バトル演出設定フラグがONではない場合には(S2202:NO)、ステップS2204に進む。
ステップS2204では、結果告知演出設定フラグがONであるか否かを判定する。結果告知演出設定フラグは、バトル演出を実行する遊技回の演出設定が終了し、次の遊技回で結果告知演出の設定をする場合にONにされ、結果告知演出設定処理が終了した場合にOFFにされる。ステップS2204において、結果告知演出設定フラグがONであると判定した場合には(S2204:YES)、ステップS2205に進み、結果告知演出設定処理を実行する。結果告知演出設定処理は、今回の遊技回において結果告知演出を実行するように設定する処理である。結果告知演出設定処理の詳細については後述する。ステップS2205を実行した後、ステップS2211に進む。
一方、ステップS2204において、結果告知演出設定フラグがONではないと判定した場合には(S2204:NO)、ステップS2206に進み、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS2206において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S2206:YES)、ステップS2207に進む。
ステップS2207では、高頻度サポートモードカウンタHSCの値が100を超えているか否かを判定する。ステップS2207において、高頻度サポートモードカウンタHSCの値が100を超えていると判定した場合には(S2207:YES)、ステップS2208に進み、今回の遊技回における大当たり抽選が当選であるか否か、および、転落抽選が当選であるか否かを判定する。ステップS2208において、今回の遊技回における大当たり抽選が当選である場合、または、転落抽選が当選である場合には(S2208:YES)、ステップS2209に進む。
ステップS2209では、即時告知演出設定処理を実行する。即時告知演出とは、高頻度サポートモードの遊技回が100回以上実行されており、かつ、保留遊技回の中に大当たり抽選に当選する遊技回または転落抽選に当選する遊技回が存在するにもかかわらず、バトル演出実行条件が満たされずに、当該遊技回より先に実行される遊技回においてバトル演出を実行しない場合に、当該大当たり抽選に当選する遊技回または転落抽選に当選する遊技回において、遊技回の開始と共に大当たり抽選の抽選結果および転落抽選の抽選結果を告知する演出である。大当たり抽選に当選する遊技回または転落抽選に当選する遊技回より先に実行される遊技回においてバトル演出を実行しない場合に、大当たり抽選に当選する遊技回または転落抽選に当選する遊技回においてバトル演出と結果告知演出とを実行すると、遊技者が、当該遊技回の開始時点における高頻度サポートモードの継続または終了を認識することによって、当該遊技回におけるバトル演出を介さずに大当たり抽選または転落抽選の抽選結果を容易に推測することができてしまい、バトル演出による期待感や緊迫感の付与が困難となる。そこで、当該遊技回においては、バトル演出は実行せずに、遊技回の開始直後に結果告知演出を実行し、遊技者に、大当たり抽選または転落抽選の抽選結果を告知する。即時告知演出設定処理は、今回の遊技回において即時告知演出を実行するように設定する処理である。ステップS2209を実行した後、ステップS2211に進む。
ステップS2206において高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合(S2206:NO)、または、ステップS2207において高頻度サポートモードカウンタHSCの値が100を超えていないと判定した場合(S2207:NO)、または、ステップS2208において今回の遊技回における大当たり抽選が当選ではなく、かつ、転落抽選が当選ではないと判定した場合には(S2208:NO)、ステップS2210に進み、通常時における演出設定処理を実行する。具体的には、大当たり抽選に外れると共にリーチ非発生の場合の外れ演出や、大当たり抽選に外れると共にリーチ発生の場合の外れ演出(リーチ演出)や、第1始動口への入賞に基づく大当たり抽選に当選した場合の大当たり用の演出など、バトル演出、結果告知演出および即時告知演出以外の演出(通常演出)を実行するか否かの抽選を行うとともに、抽選に当選した場合には、今回の遊技回において通常演出を実行するように設定する。ステップS2210を実行した後、ステップS2211に進む。
ステップS2211では、停止図柄の設定処理を実行する。停止図柄の設定処理では、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり、8R確変大当たり、16R通常大当たり、又は、8R通常大当たりである場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。具体的には、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R確変大当たり又は8R確変大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の奇数図柄の組合せが選択され得るとともに、同一の偶数図柄の組合せが選択され得る。本実施形態のパチンコ機10では、この選択率は、同一の奇数図柄の組合せと、同一の偶数図柄の組合せとで同一となっているが、これに代えて、前者の方が後者よりも選択率が高い構成としてもよく、後者の方が前者よりも選択率が高い構成としてもよい。また、「7」図柄の組合せは、16R確変大当たりの場合にのみ選択される。また、今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、16R通常大当たり又は8R通常大当たりである場合には、同一の図柄の組合せとして、同一の偶数図柄の組合せが選択される。
今回の遊技回の大当たり抽選の結果が、外れ結果であれば、変動用コマンドの内容からリーチ発生の有無を判定する。リーチ発生に対応していると判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立する停止結果に対応した情報を、今回の停止結果の情報として決定する。一方、リーチ発生に対応していないと判定した場合には、有効ラインL上に同一の図柄の組合せが成立しない停止結果であって、有効ラインL上にリーチ図柄の組合せが成立しない停止結果に対応した情報を、今回の停止図柄の情報として設定する。ステップS2211を実行した後、ステップS2212に進む。
ステップS2212では、今回の遊技回の変動表示パターンを決定するための処理を実行する。当該処理では、今回受信している変動用コマンドの内容から今回の遊技回の変動時間の情報を特定するとともに、当該変動時間の情報、及び、上記ステップS2211において特定した停止図柄の情報の組合せに対応した変動表示パターンを選択する。この変動表示パターンの選択に際しては、音光側ROM93の変動表示パターンテーブル記憶エリア93bに記憶されている変動表示パターンテーブルが参照される。その後、ステップS2213に進む。
ステップS2213では、今回の遊技回において設定された演出の種類情報、停止図柄の種類情報、及び変動表示パターンの種類情報を、演出コマンドに設定する。その後、ステップS2214に進み、当該演出コマンドを表示側MPU102に送信する。表示側MPU102は、受信した演出コマンドに対応した演出内容を図柄表示装置41に表示させる処理を実行する。ステップS2214を実行した後、ステップS2215に進み、変動開始時の更新処理を実行した後、演出設定処理を終了する。変動開始時の更新処理の詳細については後述する。
<バトル演出設定処理>
次に、バトル演出設定処理について説明する。バトル演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図36:S2203)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図37は、バトル演出設定処理を示すフローチャートである。上述のように、バトル演出設定処理は、今回の遊技回においてバトル演出を実行するように設定する処理である。
ステップS2301では、変動用コマンドにバトル演出を実行する遊技回数を示すYpN情報が含まれているか否かの判定をする。ステップS2301において、変動用コマンドにバトル演出を実行する遊技回数を示すYpN情報が含まれている場合には(S2301:YES)、ステップS2302に進む。
ステップS2302では、YpN情報の値が3(YpN=3)であるか否かを判定する。ステップS2302において、YpN=3であると判定した場合には(S2302:YES)、ステップS2303に進む。
ステップS2303では、3遊技回用(1/3用)バトル演出設定処理を実行する。3遊技回用(1/3用)バトル演出設定処理は、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における1回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS2303を実行した後、ステップS2304に進む。
ステップS2304では、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)をONにする。上述のように、バトル演出設定フラグは、複数回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、当該複数の遊技回のうちの最初の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、当該複数の遊技回のうちの最後の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。すなわち、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)は、3回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、3回の遊技回のうちの最初(1回目)の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、3回の遊技回のうちの最後(3回目)の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。ステップS2304を実行した後、ステップS2305に進む。
ステップS2305では、バトル遊技回数カウンタBPCに2を設定する。バトル遊技回数カウンタBPCは、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合に、3回のうち何回目の遊技回について演出の設定をすべきかをカウントするために用いられる。ステップS2305を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
一方、ステップS2302において、YpN=3ではないと判定した場合には(S2302:NO)、ステップS2306に進む。
ステップS2306では、YpN情報の値が2(YpN=2)であるか否かを判定する。ステップS2306において、YpN=2であると判定した場合には(S2306:YES)、ステップS2307に進む。
ステップS2307では、2遊技回用(1/2用)バトル演出設定処理を実行する。2遊技回用(1/2用)バトル演出設定処理は、2回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における1回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS2307を実行した後、ステップS2308に進む。
ステップS2308では、バトル演出設定フラグ(2遊技回用)をONにする。バトル演出設定フラグ(2遊技回用)は、2回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、2回の遊技回のうちの最初(1回目)の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、2回の遊技回のうちの最後(2回目)の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。ステップS2308を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
一方、ステップS2306において、YpN=2ではないと判定した場合には(S2306:NO)、ステップS2309に進む。
ステップS2309では、1遊技回用バトル演出設定処理を実行する。1遊技回用バトル演出設定処理は、1回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合の演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS2309を実行した後、ステップS2310に進む。
ステップS2310では、結果告知演出設定フラグをONにする。上述のように、結果告知演出設定フラグは、バトル演出を実行する遊技回の演出設定が終了し、次の遊技回で結果告知演出の設定をする場合にONにされ、結果告知演出設定処理が終了した場合にOFFにされる。ステップS2310を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
ステップS2301において、変動用コマンドにバトル演出を実行する遊技回数を示すYpN情報が含まれていない場合には(S2301:NO)、ステップS2311に進む。
ステップS2311では、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)がONであるか否かを判定する。ステップS2311において、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)がONである場合には(S2311:YES)、ステップS2312に進む。
ステップS2312では、バトル演出遊技回数カウンタBPCが2(BPC=2)であるか否かを判定する。ステップS2312において、BPC=2である場合には(S2312:YES)、ステップS2313に進む。
ステップS2313では、3遊技回用(2/3用)バトル演出設定処理を実行する。3遊技回用(2/3用)バトル演出設定処理は、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における2回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS2313を実行した後、ステップS2314に進み、バトル遊技回数カウンタBPCの値を1減算する。その後、バトル演出設定処理を終了する。
一方、ステップS2312において、BPC=2ではない場合には(S2312:NO)、ステップS2315に進む。
ステップS2315では、3遊技回用(3/3用)バトル演出設定処理を実行する。3遊技回用(3/3用)バトル演出設定処理は、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における3回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS2315を実行した後、ステップS2316に進む。
ステップS2316では、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)をOFFにする。その後、ステップS2317に進み、結果告知演出設定フラグをONにする。ステップS2317を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
ステップS2311において、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)がONではない場合には(S2311:NO)、ステップS2318に進む。
ステップS2318では、2遊技回用(2/2用)バトル演出設定処理を実行する。2遊技回用(2/2用)バトル演出設定処理は、2回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における2回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS2318を実行した後、ステップS2319に進む。
ステップS2319では、バトル演出設定フラグ(2遊技回用)をOFFにする。その後、ステップS2320に進み、結果告知演出設定フラグをONにする。ステップS2320を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
<結果告知演出設定処理>
次に、結果告知演出設定処理について説明する。結果告知演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図36:S2205)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図38は、結果告知演出設定処理を示すフローチャートである。ステップS2401では、今回の遊技回による大当たり抽選に当選したか否かを判定する。本実施形態においては、第2始動口34への入賞に基づく遊技回においてのみバトル演出および結果告知演出を実行する。また、第2始動口34の入賞に基づく大当たり抽選においては、大当たりの種別の振り分けが16R確変大当たりと8R確変大当たりである(図8(b)参照)。従って、ステップS2401においては、実質的には、今回の遊技回による大当たり抽選の抽選結果が確変大当たりであるか否かを判定している。ステップS2401において、今回の遊技回による大当たり抽選の抽選結果が確変大当たりである場合には(S2401:YES)、ステップS2402に進む。
ステップS2402では、勝利演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、結果告知演出として勝利演出を実行するように設定する。ステップS2402を実行後、ステップS2406に進み、結果告知演出設定フラグをOFFにする。その後、結果告知演出設定処理を終了する。
ステップS2401において、今回の遊技回による大当たり抽選によって大当たりに当選しなかった場合には(S2401:NO)、ステップS2403に進む。
ステップS2403では、今回の遊技回における転落抽選に当選したか否かを判定する。ステップS2403において、今回の遊技回において転落抽選に当選したと判定した場合には(S2403:YES)、ステップS2404に進む。
ステップS2404では、敗北演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、結果告知演出として敗北演出を実行するように設定する。ステップS2404を実行後、ステップS2406に進み、結果告知演出設定フラグをOFFにする。その後、結果告知演出設定処理を終了する。
ステップS2403において、今回の遊技回において転落抽選に当選していないと判定した場合には(S2403:NO)、ステップS2405に進む。
ステップS2405では、引き分け演出設定処理を実行する。具体的には、今回の遊技回において、結果告知演出として引き分け演出を実行するように設定する。ステップS2405を実行後、ステップS2406に進み、結果告知演出設定フラグをOFFにする。その後、結果告知演出設定処理を終了する。
なお、結果告知演出設定処理のフローチャートのステップS2401とステップS2403の配列順序からわかるように、結果告知演出の種類を決定する場合には、大当たり抽選の抽選結果と、転落抽選の抽選結果とでは、大当たり抽選の抽選結果を優先する。例えば、当該遊技回において大当たり抽選に当選し、かつ、転落抽選にも当選している場合には、大当たり抽選の抽選結果を優先して、結果告知演出として勝利演出を実行するように設定する。
<変動開始時の更新処理>
次に、変動開始時の更新処理について説明する。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図36:S2215)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
図39は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。ステップS2501では、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであるか否かを判定する。ステップS2501において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドであると判定した場合には(S2501:YES)、ステップS2502に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
一方、ステップS2501において、今回受信した変動用コマンドが第1変動用コマンドではないと判定した場合には(S2501:NO)、ステップS2503に進み、音光側RAM94の合計保留個数カウンタエリアに記憶されている合計保留個数が1減算されるように、当該合計保留個数カウンタエリアの情報を更新する。その後、変動開始時の更新処理を終了する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行される処理について説明する。
表示制御装置100のMPU102において実行される処理としては、主に、電源投入後から電源が遮断されるまで繰り返し実行されるメイン処理と、音声発光制御装置90からコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込み処理と、VDP105から送信されるV割込み信号を検出した場合に実行されるV割込み処理とがある。V割込み信号は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎にVDP105からMPU102に対して送信される信号である。
MPU102は、電源投入後にメイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込み信号の検出に合わせて、コマンド割込み処理やV割込み処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込み信号の検出とが同時に行われた場合には、コマンド割込み処理を優先的に実行する。したがって、音声発光制御装置90から受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込み処理を実行することができる。
<メイン処理>
次に、表示制御装置100のMPU102によって実行されるメイン処理について説明する。
図40は、表示制御装置100のMPU102において実行されるメイン処理を示すフローチャートである。上述したように、メイン処理は、電源が投入された場合に実行され、電源が切断されるまでそのまま実行され続ける処理である。以下、メイン処理において実行される各ステップの処理について説明する。
ステップS2601では、初期設定処理を実行する。具体的には、まず、MPU102を初期設定し、ワークRAM104及びビデオRAM107の記憶をクリアする処理が行われる。そして、キャラクタROM106に記憶された圧縮形式のキャラクタ情報を読み出し、読み出したキャラクタ情報を解凍して、解凍後のキャラクタ情報をビデオRAM107のキャラクタ領域に記憶する。更に、初期画面を表示するために、ビデオRAM107に書き込まれたキャラクタ情報から初期画面に対応した情報を抽出し、ビデオRAM107のフレームバッファ領域に、抽出したキャラクタ情報を書き込む。また、その他の初期化に必要な設定を行う。その後、ステップS2602に進む。
ステップS2602では、割込み許可設定を実行する。割込み許可設定が実行されると、以後、メイン処理では、電源が切断されるまで無限ループ処理を実行する。これにより、割込み許可が設定されて以降、コマンドの受信及びV割込信号の検出に合わせて、以下で説明するコマンド割込み処理及びV割込み処理を実行する。
<コマンド割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理について説明する。上述したように、コマンド割込み処理は、音声発光制御装置90からコマンドを受信する毎に実行される処理である。
図41は、表示制御装置100のMPU102において実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。ステップS2701では、コマンド格納処理を実行する。コマンド格納処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM104に設けられたコマンド格納エリアに、その抽出したコマンドデータを格納する。コマンド格納処理によってコマンド格納エリアに格納された各種コマンドは、後述するV割込み処理のコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに対応した処理が実行される。
<V割込み処理>
次に、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理について説明する。
図42は、表示制御装置100のMPU102において実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。上述したように、V割込み処理は、VDP105からのV割込み信号が検出されることによって実行される処理である。V割込み処理では、コマンド割込み処理によってコマンド格納領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行するとともに、図柄表示装置41に表示させる画像を特定した上で、VDP105に対してその画像の描画及び表示の指示を実行する。
上述したように、V割込み信号は、VDP105において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成されるとともに、MPU102に対して送信される信号である。したがって、MPU102がこのV割込み信号に同期してV割込み処理を実行することにより、VDP105に対する描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。このため、VDP105は、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファ領域に、新たな描画指示に伴った画像が展開されたりすることを抑制することができる。以下、V割込み処理の各ステップの処理の詳細について説明する。
ステップS2801では、コマンド対応処理を実行する。コマンド対応処理では、コマンド割込み処理(図41)によってコマンド格納エリアに格納されたコマンドの内容を解析するとともに、そのコマンドに対応した処理を実行する。具体的には、例えば、演出コマンドが格納されていた場合には、その演出コマンドによって指定された演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。
演出操作コマンドが格納されていた場合には、演出操作ボタン24の押下の受付期間であるか否かを判定し、演出操作ボタン24の押下の受付期間であると判定した場合には、演出操作ボタン24の押下に対応した演出態様が図柄表示装置41に表示されるように、画像の描画及び表示の制御を開始する。一方、演出操作ボタン24の押下の受付期間でないと判定した場合には、処理を実行することなく、次のコマンドの内容を解析する。
なお、コマンド対応処理(S2801)では、その時点でコマンド格納エリアに格納されている全てのコマンドを解析するとともに、当該解析した全てのコマンドに対応した処理を実行する。この理由について説明する。コマンド判定処理は、V割込み処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンド格納エリアに格納されている可能性が高いためである。特に、音声発光制御装置90によって演出の内容が設定され、演出が開始される場合、当該演出の内容を特定するための各種のコマンドが同時にコマンド格納エリアに格納されている可能性が高い。したがって、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、音声発光制御装置90によって設定された予告演出や停止図柄等の演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を図柄表示装置41に表示させるように、画像の描画を制御することができる。
ステップS2802では、表示設定処理を実行する。表示設定処理では、コマンド対応処理(S2801)などによって設定された図柄表示装置41に表示すべき画面の種別に基づき、図柄表示装置41において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。その後、ステップS2803に進む。
ステップS2803では、タスク処理を実行する。タスク処理では、表示設定処理(S2802)によって特定された、図柄表示装置41に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するキャラクター(スプライト、表示物)の種別を特定すると共に、各キャラクター(スプライト)毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度等の描画に必要な各種パラメーターを決定する。その後、ステップS2804に進む。
ステップS2804では、描画処理を実行する。描画処理では、タスク処理(S2803)によって決定された、1フレームを構成する各種キャラクターの種別やそれぞれのキャラクターの描画に必要なパラメーターを、VDP105に対して送信する。VDP105は、これらの情報に基づいて画像の描画処理を実行すると共に、1つ前のV割込み処理時に受信した情報に基づいて描画した画像を図柄表示装置41に表示させるべく、駆動信号とあわせてその画像データを図柄表示装置41へ送信する。その後、ステップS2805に進み、その他の処理を実行した後、V割込み処理を終了する。以上、パチンコ機10においてバトル演出および結果告知演出を実行するための具体的な制御の一例を説明した。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機10によれば、先行遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、先行遊技回より先に実行された遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いてバトル演出が実行可能な設定方法に変更するので、大当たり抽選および転落抽選の少なくとも一つが当選したと判定された特別情報に係る特定遊技回が存在する場合には、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回においてバトル演出を実行することができる。抽選モードが高確率モードである場合には、大当たり抽選および転落抽選の当否判定は、遊技者に期待感を付与する機会として重要である。バトル演出は、当該抽選の当否判定の結果を告知する前に遊技者の心境に緊迫感や期待感を付与し遊技を盛り上げる演出として非常に効果的に作用する。本実施形態のパチンコ機10は、先行遊技回の単位遊技時間を、バトル演出が実行可能な設定方法に変更するので、バトル演出を実行する機会およびバトル演出を実行可能な単位遊技時間を可能な限り確保することができる。なお、本実施形態においては、単位遊技時間は、変動時間と停止時間とからなる。したがって、変動時間の設定方法を変更することと、単位遊技時間の設定方法を変更することとは同義である。
上記実施形態においては、抽選モードが高確率モードであるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードである場合にバトル演出を実行する。高頻度サポートモードにおいては、第2始動口34に遊技球が入賞しやすい状態となるため、保留遊技回が発生しやすくなり、低頻度サポートモードにおいてバトル演出を実行する場合と比較して、バトル演出を高い頻度で実行することができる。さらに、低頻度サポートモードにおいてバトル演出を実行する場合と比較して、複数の遊技回が保留されている状態も発生しやすいため、複数の遊技回(先行遊技回)を用いたバトル演出を、高い頻度で実行することができる。
上述のように、特定遊技回においては、転落抽選に当選したと判定されると、高確率モードが終了するとともに高頻度サポートモードが終了する。よって、比較例1および比較例2のように、バトル演出と結果告知演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者が、特定遊技回における結果告知演出によって、大当たり抽選および転落抽選の抽選結果を認識するよりも前に(例えば、バトル演出の実行時に)、高頻度サポートモードの終了を認識することによって、転落抽選の抽選結果を認識してしまう場合がある。すなわち、バトル演出と結果告知演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者は、特定遊技回における大当たり抽選および転落抽選の抽選結果を、高頻度サポートモードの継続または終了という状態の変化の有無によって認識してしまう場合があり、バトル演出によって抽選の結果に対する期待感を遊技者に付与することができない場合がある。また、遊技者は、大当たり抽選および転落抽選の抽選結果を、結果告知演出を介さずに認識してしまう場合がある。
一方、本実施形態のパチンコ機10によれば、バトル演出を、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回において実行する。先行遊技回の実行時には、遊技者は、高頻度サポートモードの状態の変化を介して特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回でバトル演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、先行遊技回が連続して複数存在する場合には連続した複数の先行遊技回を用いてバトル演出を行うので、複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の抽選結果に対する期待感を遊技者に付与することができる。
本実施形態のパチンコ機10によれば、バトル演出の少なくとも一部を構成する所定の演出を割り当てる先行遊技回の数を抽選によって決定するので、バトル演出が実行される先行遊技回の数にバラつきを付与することにより、特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の当否判定の結果に対する期待感に抑揚を付与することができる。さらに、複数の先行遊技回の各単位遊技時間を、バトル演出を実行可能な時間的長さを先行遊技回の数で除した時間的長さに設定するので、バトル演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の設定を、簡易な処理によって実現することができる。
本実施形態においては、パチンコ機10は、結果告知演出の時間的長さを、バトル演出の時間的長さより短く設定している。バトル演出によって期待感を付与した後に、短期間で結果を報知することで、遊技性にメリハリを付け、遊技者の心境に抑揚を付与することができる。
B.第2実施形態:
B1.第2実施形態の遊技機による処理の概要:
次に第2実施形態について説明する。先に、第2実施形態におけるパチンコ機による処理の概要を、上記説明した第1実施形態との相違点を示しながら説明する。
図43は、第2実施形態と第1実施形態との相違点を説明する説明図である。図43(a)は、第2実施形態のパチンコ機における、主制御装置および音声発光制御装置が実行する処理の概要を示している。図43(b)は、第1実施形態のパチンコ機における、主制御装置および音声発光制御装置が実行する処理の概要を示している。
図43(b)に示すように、第1実施形態においては、主制御装置は、先判定処理を実行し、先判定処理の判定結果に基づいて、バトル演出実行条件の判定およびバトル演出を実行する遊技回数の決定を行うバトル演出実行判定処理を実行し、遊技回の変動時間をバトル演出用または結果告知演出用に設定する。第1実施形態においては、音声発光制御装置は、バトル演出用または結果告知演出用に主制御装置によって変動時間が設定された遊技回に対して、バトル演出または結果告知演出の設定をする。
一方、図43(a)に示すように、第2実施形態においては、主制御装置は、先判定処理による判定結果を音声発光制御装置に送信し、音声発光制御装置が、先判定処理の判定結果に基づいて、バトル演出実行条件の判定およびバトル演出を実行する遊技回数の決定を行うバトル演出実行判定処理を実行する。
また、第2実施形態における主制御装置は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が100回を超えたことを認識すると、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回が終了した後の遊技回についての変動時間の設定方法を、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回が終了する前の遊技回についての変動時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回においてバトル演出が実行可能な設定方法に変更する。本実施形態では、主制御装置は、高頻度サポートモードにおける遊技回の実行回数が100回を超えたことを認識すると、高頻度サポートモードにおける101回目以降の遊技回における変動時間が所定の一定時間(z秒)になるように制御する。本実施形態においては、単位遊技時間は変動時間と停止時間(t秒)とからなる。よって、実際には高頻度サポートモードにおける101回目以降の遊技回における単位遊技時間が(z+t)秒の一定時間になるように制御する。
第2実施形態における音声発光制御装置は、主制御装置から受信した先判定処理の判定結果に基づいて、バトル演出実行条件の判定およびバトル演出を実行する遊技回数の決定を行うバトル演出実行判定処理を実行し、当該バトル演出実行判定処理によってバトル演出または結果告知演出を実行すると判定した場合には、主制御装置によって変動時間が一定に設定された遊技回に対してバトル演出または結果告知演出の設定を行う。なお、音声発光制御装置は、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、バトル演出実行判定処理においてバトル演出を実行する遊技回数(バトル演出遊技回数YpN)を抽選によって決定する。バトル演出遊技回数が複数である場合には、音声発光制御装置は、連続した複数の先行遊技回の各単位遊技時間の合計時間に対応した時間的長さを有するバトル演出を実行するように制御する。なお、本実施形態においては、単位遊技時間は、変動時間と停止時間とからなり、停止時間は一定であるので、変動時間の設定方法を変更することは、単位遊技時間の設定方法を変更することと同義である。
図44は、第2実施形態のパチンコ機において、転落抽選に当選した場合の処理の一例を説明するタイムチャートである。図44には、高頻度サポートモードにおける遊技回の実行回数が100回を超え、かつ、110回目の遊技回の転落抽選に当選した場合を示している。図示するように、第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態において説明したパチンコ機と同様に、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した場合であっても、その時点における抽選モードとして高確率モードが継続されている場合には、サポートモードとして高頻度サポートモードは継続される。すなわち、高頻度サポートモードでの遊技回数が100回に達した後の遊技回において、転落抽選に当選すると、転落抽選に当選した遊技回から抽選モードは低確率モードに移行すると共に、高頻度サポートモードは終了する。
上述のように、第2実施形態のパチンコ機は、高頻度サポートモードが開始されてからの遊技回の実行回数が100回を超えたことを認識すると、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回が終了した後の遊技回についての変動時間の設定方法を、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回が終了する前の遊技回についての変動時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回においてバトル演出が実行可能な設定方法に変更する。図44に示す例においては、第2実施形態のパチンコ機の主制御装置は、高頻度サポートモードが開始されてから100回目の遊技回が終了した後の遊技回である101回目以降の遊技回について、変動時間がz秒の一定時間、すなわち停止時間t秒を考慮すると、単位遊技時間が(z+t)秒の一定時間になるように制御する。
第2実施形態におけるパチンコ機の音声発光制御装置は、バトル演出実行判定処理を実行することによって、高頻度サポートモードが開始されてから110回目の遊技回が転落抽選に当選することを認識する。具体的には、音声発光制御装置は、主制御装置から受信した先判定処理の判定結果とバトル演出実行条件とに基づいて、高頻度サポートモードが開始されてから110回目の遊技回が転落抽選に当選することを認識するとともに、110回目より前の遊技回(先行遊技回)においてバトル演出が実行可能であるか否かの判定を実行する。本例においては、当該判定の結果、音声発光制御装置は、先行遊技回である108回目および109回目の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行することを決定するとともに、110回目の特定遊技回において結果告知演出を実行することを決定する。そして、音声発光制御装置は、主制御装置によって単位遊技時間が一定時間(z+t)秒に設定された108回目および109回目の遊技回に対して一連のバトル演出を設定するとともに、同じく主制御装置によって単位遊技時間が一定時間(z+t)秒に設定された110回目の遊技回に対して結果告知演出を設定する。以上、第2実施形態の遊技機による処理の概要を説明した。
このように、第2実施形態のパチンコ機によれば、高頻度サポートモードが開始されてから100回の遊技回が終了した後の遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、高頻度サポートモードが開始されてから100回の遊技回が終了する前の遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いてバトル演出が実行可能な設定方法に変更するので、大当たり抽選および転落抽選の少なくとも一つが当選する遊技回(特定遊技回)が存在する場合には、特定遊技回よりも先に、先行遊技回を用いてバトル演出を実行することができる。先行遊技回の実行時には、遊技者は、補助遊技状態の変化を介して特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回でバトル演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
また、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、連続した複数の先行遊技回の各単位遊技時間の合計時間に対応した時間的長さを有するバトル演出を実行する。よって、複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対する期待感を、遊技者に付与することができる。
さらに、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、音声発光制御装置が、バトル演出実行判定処理においてバトル演出を実行する遊技回数を抽選によって決定するので、バトル演出が実行される先行遊技回の数に抽選によるバラつきを付与することにより、特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の抽選結果に対する期待感に抑揚を付与することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機は、高頻度サポートモードにおける101回目以降の遊技回における変動時間が所定の一定時間(z秒)になるように制御する。すなわち、高頻度サポートモードにおける101回目以降の遊技回の各々に対して、同一の時間的長さの単位遊技時間を設定する。従って、バトル演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の設定を、簡易な処理によって実現することができる。
B2.主制御装置において実行される各種処理:
次に、第2実施形態のパチンコ機10においてバトル演出および結果告知演出を実行するための具体的な制御の一例を説明する。先に主制御装置60において実行される処理について説明し、その後、音声発光制御装置90及び表示制御装置100において実行される処理について説明する。
なお、第2実施形態のパチンコ機によって実行される処理と、第1実施形態のパチンコ機によって実行される処理とが同じ場合があるが、理解を容易にするために処理を示すフローチャートについては図示し、説明は省略する。
<タイマ割込み処理>
図45は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、主制御装置60のMPU62によって定期的(例えば2msec周期)に起動される。本実施形態におけるタイマ割り込み処理は、第1実施形態におけるタイマ割込み処理(図15参照)と同じであるので説明は省略する。
<始動口用の入賞処理>
図46は、始動口用の入賞処理を示すフローチャートである。始動口用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図45:S4004)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
本実施形態における始動口用の入賞処理では、第1実施形態における始動口用の入賞処理(図16参照)において実行されていたバトル演出実行判定処理(図16:S314)を実行しない。図43で説明したように、本実施形態のパチンコ機は、バトル演出を実行するか否かの判定を音声発光制御装置90において実行する。
また、本実施形態における始動口用の入賞処理では、ステップS4114の保留コマンド設定処理において、ステップS4113において実行した先判定処理による判定結果を、コマンドに設定する。以上説明した処理以外の処理については、第1実施形態における始動口用の入賞処理(図16参照)と同じであるので説明は省略する。
<先判定処理>
図47は、先判定処理を示すフローチャートである。先判定処理は、始動口用の入賞処理のサブルーチン(図46:S4113)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における先判定処理は、第1実施形態における先判定処理(図17参照)と同じであるので説明は省略する。
<スルー用の入賞処理>
図48は、スルー用の入賞処理を示すフローチャートである。スルー用の入賞処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図45:S4005)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態におけるスルー用の入賞処理は、第1実施形態におけるスルー用の入賞処理(図19参照)と同じであるので説明は省略する。
<通常処理>
図49は、通常処理を示すフローチャートである。通常処理は、電源投入に伴い主制御装置60のMPU62によって開始される処理である。通常処理においては、遊技の主要な処理が実行される。本実施形態における通常処理は、第1実施形態における通常処理(図20参照)と同じであるので説明は省略する。
<遊技回制御処理>
図50は、遊技回制御処理を示すフローチャートである。遊技回制御処理は、通常処理のサブルーチン(図49:S4405)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における遊技回制御処理は、第1実施形態における遊技回制御処理(図21参照)と同じであるので説明は省略する。
<データ設定処理>
図51は、データ設定処理を示すフローチャートである。データ設定処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図50:S4504)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態におけるデータ設定処理は、第1実施形態におけるデータ設定処理(図22参照)と同じであるので説明は省略する。
<変動開始処理>
図52は、変動開始処理を示すフローチャートである。変動開始処理は、遊技回制御処理のサブルーチン(図50:S4505)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における変動開始処理は、第1実施形態における変動開始処理(図23参照)と同じであるので説明は省略する。
<変動時間の設定処理>
図53は、変動時間の設定処理を示すフローチャートである。変動時間の設定処理は、変動開始処理のサブルーチン(図52:S4716)として主制御装置60のMPU62によって実行される。
ステップS4801では、RAM64の抽選カウンタ用バッファ64aにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。その後、ステップS4802に進む。
ステップS4802では、高頻度サポートモードフラグがONであるか否かを判定する。ステップS4802において、高頻度サポートモードフラグがONであると判定した場合には(S4802:YES)、ステップS4803に進む。
ステップS4803では、遊技回数カウンタPNCの値が0であるか否かを判定する。上述のように、遊技回数カウンタPNCは、遊技回数を限定して高頻度サポートモードを実行する際の、当該遊技回数のカウントに用いられる。ステップS4803において、PNC=0であると判定された場合、すなわち、高頻度サポートモードで遊技回が継続して100回以上実行された場合には(S4803:YES)、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されている特定状態用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS4808に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
なお、本実施形態のパチンコ機10では、特定状態用変動時間テーブルに記憶されている変動時間情報は、変動種別カウンタCSの値に対して一定時間(z秒)の変動時間に対応した変動時間情報が出力されるテーブルである。
ステップS4802において、高頻度サポートモードフラグがONではないと判定した場合(S4802:NO)、または、ステップS4803においてPNC=0ではないと判定した場合には(S4803:NO)、ステップS4805に進む。
ステップS4805では、今回の遊技回においてリーチが発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64の、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグがONであるか否かを判定し、いずれかのフラグがONである場合には、リーチが発生すると判定して(S4805:YES)、ステップS4806に進む。また、上記各フラグのいずれもがONではない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチの発生に対応した値である場合には、リーチが発生すると判定して(S4805:YES)、ステップS4806に進む。なお、リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチの発生の有無の特定に際しては、ROM63のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS4806では、ROM63の変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間情報を取得する。その後、ステップS4808に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
ステップS4805において、今回の遊技回においてリーチが発生しないと判定した場合には(S4805:NO)、ステップS4807に進み、変動時間テーブル記憶エリア63eに記憶されているリーチ非発生用変動時間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動時間を取得する。その後、ステップS4808に進み、取得した変動時間情報をRAM64の各種カウンタエリア64dに設けられた変動時間カウンタエリアにセットする。その後、変動時間の設定処理を終了する。
<遊技状態移行処理>
図54は、遊技状態移行処理を示すフローチャートである。遊技状態移行処理は、通常処理のサブルーチン(図49:S4406)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における遊技状態移行処理は、第1実施形態における遊技状態移行処理(図26参照)と同じであるので説明は省略する。
<大入賞口開閉処理>
図55は、大入賞口開閉処理を示すフローチャートである。大入賞口開閉処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図54:S4909)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における大入賞口開閉処理は、第1実施形態における大入賞口開閉処理(図27参照)と同じであるので説明は省略する。
<開閉実行モード終了時の移行処理>
図56は、開閉実行モード終了時の移行処理を示すフローチャートである。開閉実行モード終了時の移行処理は、遊技状態移行処理のサブルーチン(図54:S4912)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における開閉実行モード終了時の移行処理は、第1実施形態における開閉実行モード終了時の移行処理(図28参照)と同じであるので説明は省略する。
<電役サポート用処理>
図57は、電役サポート用処理を示すフローチャートである。電役サポート用処理は、通常処理のサブルーチン(図49:S4407)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における電役サポート用処理は、第1実施形態における電役サポート用処理(図29参照)と同じであるので説明は省略する。
<電役開閉制御処理>
図58は、電役開閉制御処理を示すフローチャートである。電役開閉制御処理は、電役サポート用処理のサブルーチン(図57:S5222)として主制御装置60のMPU62によって実行される。本実施形態における電役開閉制御処理は、第1実施形態における電役開閉制御処理(図30参照)と同じであるので説明は省略する。
B3.音声発光制御装置及び表示制御装置において実行される各種処理:
次に、第2実施形態におけるバトル演出および結果告知演出を実行するために、音声発光制御装置及び表示制御装置において実行されている制御の一例を説明する。先に音声発光制御装置90において実行されている処理について説明し、その後、表示制御装置100において実行されている処理について説明する。
<音声発光制御装置において実行される各種処理>
<タイマ割込み処理>
図59は、音光側MPU92において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、比較的短い周期(例えば4msec)で繰り返し実行される。本実施形態におけるタイマ割り込み処理は、第1実施形態におけるタイマ割込み処理(図32参照)と同じであるので説明は省略する。
<コマンド対応処理>
図60は、コマンド対応処理を示すフローチャートである。コマンド対応処理は、タイマ割込み処理のサブルーチン(図59:S5402)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。本実施形態におけるコマンド対応処理は、第1実施形態におけるコマンド対応処理(図33参照)と同じであるので説明は省略する。
<保留コマンド対応処理>
図61は、保留コマンド対応処理を示すフローチャートである。保留コマンド対応処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図60:S5502)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本実施形態における保留コマンド対応処理と、第1実施形態における保留コマンド対応処理との相違点は、本実施形態においては、ステップS5603として、バトル演出実行判定処理を実行する点である。図43(a)に示したように、本実施形態においては、バトル演出を実行するか否かの判定は、音声発光制御装置90が実行する。その他の処理(S5601、S5602)については、第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
<入賞時の更新処理>
図62は、入賞時の更新処理を示すフローチャートである。入賞時の更新処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図61:S5601)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。本実施形態における入賞時の更新処理は、第1実施形態における入賞時の更新処理(図35参照)と同じであるので説明は省略する。
<バトル演出実行判定処理>
図63は、バトル演出実行判定処理を示すフローチャートである。バトル演出実行判定処理は、保留コマンド対応処理のサブルーチン(図61:S5603)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。本実施形態におけるバトル演出実行判定処理は、第1実施形態において主制御装置60において実行されていたバトル演出実行判定処理(図18参照)に対応する処理である。本バトル演出実行判定処理は、主制御装置60によって実行された先判定処理の判定結果を保留コマンドとして受信し、当該先判定処理の判定結果を用いて、バトル演出を実行可能か否かの判定を行う。
ステップS5801では、当該バトル演出実行判定処理の処理対象の遊技回が実行される時点の遊技状態が特定遊技状態であるか否かを判定する。具体的には、主制御装置60から受信した保留コマンドに含まれる先判定処理の判定結果から取得した、各保留遊技回の大当たり抽選および転落抽選の抽選結果に基づいて、当該バトル演出実行判定処理の処理対象の遊技回が実行される時点で、高頻度サポートモードで100回以上継続して遊技回が実行されているか否かを判定する。
ステップS5801において、当該バトル演出実行判定処理の処理対象の遊技回が実行される時点の遊技状態が特定遊技状態であると判定した場合には(S5801:YES)、ステップS5802に進む。一方、ステップS5801において、当該バトル演出実行判定処理の処理対象の遊技回が実行される時点の遊技状態が特定遊技状態ではないと判定した場合には(S5801:NO)、そのまま当該バトル演出実行判定処理を終了する。ステップS5802以降の処理についは、第1実施形態におけるバトル演出実行判定処理(図18)における処理と同じであるので説明を省略する。
<演出設定処理>
図64は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、コマンド対応処理のサブルーチン(図33:S5509)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
本実施形態における演出設定処理と、第1実施形態における演出設定処理(図36参照)との相違点は、本実施形態においては、ステップS5903およびステップS5912の処理を実行している点である。
ステップS5903は、BC−YpN≦1(BC:バトル演出カウンタ、YpN:バトル演出遊技回)であるか否かを判定する処理である。本処理は、今回の遊技回がバトル演出を実行する遊技回であるか否かのタイミングを判断するために実行される処理である。今回の遊技回がバトル演出を実行する遊技回であるか否かのタイミングの判断は、第1実施形態においては主制御装置60が実行していた(図25:S1202参照)。一方、本実施形態においては、当該判断は音声発光制御装置90が実行する。従って、音声発光制御装置90が実行する今回の遊技回の演出を設定する処理である演出設定処理において、ステップS5903を実行する。
ステップS5912は、バトル演出カウンタBCの値を1減算する処理である。本処理では、1遊技回の演出の設定が決定される毎にバトル演出カウンタBCの値を1減算する処理である。本処理も、上述したステップS5903と同様に、今回の遊技回がバトル演出を実行する遊技回であるか否かのタイミングを判断するために実行される処理である。
ステップS5903およびステップS5912以外の処理については、第1実施形態における演出設定処理(図36参照)と同じであるので、説明は省略する。
<バトル演出設定処理>
図65は、バトル演出設定処理を示すフローチャートである。バトル演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図64:S5904)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。
ステップS6001では、バトル演出設定フラグ(2遊技回用または3遊技回用)がONであるか否かを判定する。バトル演出設定フラグは、複数回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、当該複数の遊技回のうちの最初の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、当該複数の遊技回のうちの最後の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。すなわち、バトル演出設定フラグ(2遊技回用)は、2回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、2回の遊技回のうちの最初(1回目)の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、2回の遊技回のうちの最後(2回目)の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。バトル演出設定フラグ(3遊技回用)は、3回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合に、3回の遊技回のうちの最初(1回目)の遊技回の演出が設定されたときにONにされ、3回の遊技回のうちの最後(3回目)の遊技回の演出が設定されたときにOFFにされる。
ステップS6001において、バトル演出設定フラグ(2遊技回用)およびバトル演出設定フラグ(3遊技回用)のいずれもがONではないと判定した場合(S6001:NO)、すなわち、バトル演出の設定が1度もされていない場合には、ステップS6002に進む。
ステップS6002では、バトル演出遊技回数YpNの値が3(YpN=3)であるか否かを判定する。バトル演出遊技回数YpNは、バトル演出実行判定処理(図63参照)のステップS5807またはステップS5808において決定された値である。ステップS6002においてYpN=3であると判定した場合には(S6002:YES)、ステップS6003に進む。
ステップS6003では、3遊技回用(1/3用)バトル演出設定処理を実行する。3遊技回用(1/3用)バトル演出設定処理は、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における1回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS6003を実行した後、ステップS6004に進む。
ステップS6004では、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)をONにする。その後、ステップS6005に進み、バトル遊技回数カウンタBPCに2を設定する。バトル遊技回数カウンタBPCは、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合に、3回のうち何回目の遊技回について演出の設定をすべきかをカウントするために用いられる。ステップS6005を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
一方、ステップS6002において、YpN=3ではないと判定した場合には(S6002:NO)、ステップS6006に進む。
ステップS6006では、YpN情報の値が2(YpN=2)であるか否かを判定する。ステップS6006において、YpN=2であると判定した場合には(S6006:YES)、ステップS6007に進む。
ステップS6007では、2遊技回用(1/2用)バトル演出設定処理を実行する。2遊技回用(1/2用)バトル演出設定処理は、2回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における1回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS6007を実行した後、ステップS6008に進む。
ステップS6008では、バトル演出設定フラグ(2遊技回用)をONにする。ステップS6008を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
一方、ステップS6006において、YpN=2ではないと判定した場合には(S6006:NO)、ステップS6009に進む。
ステップS6009では、1遊技回用バトル演出設定処理を実行する。1遊技回用バトル演出設定処理は、1回の遊技回を用いてバトル演出を実行する場合の演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS6009を実行した後、ステップS6010に進む。
ステップS6010では、結果告知演出設定フラグをONにすると共に、バトル演出実行フラグをOFFにする。結果告知演出設定フラグは、バトル演出を実行する遊技回の演出設定が終了し、次の遊技回で結果告知演出の設定をする場合にONにされ、結果告知演出設定処理が終了した場合にOFFにされるフラグである。バトル演出実行フラグは、バトル演出実行判定処理(図63)において、バトル演出実行条件に基づいて、現在保留されている保留遊技回においてバトル演出を実行することが可能であると判定された場合にONにされるフラグである(図63:S5810)。ステップS6010を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
ステップS6001において、バトル演出設定フラグ(2遊技回用または3遊技回用)がONであると判定した場合には(S6001:YES)、ステップS6011に進む。
ステップS6011では、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)がONであるか否かを判定する。ステップS6011において、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)がONである場合には(S6011:YES)、ステップS6012に進む。
ステップS6012では、バトル遊技回数カウンタBPCが2(BPC=2)であるか否かを判定する。ステップS6012において、BPC=2である場合には(S6012:YES)、ステップS6013に進む。
ステップS6013では、3遊技回用(2/3用)バトル演出設定処理を実行する。3遊技回用(2/3用)バトル演出設定処理は、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における2回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS6013を実行した後、ステップS6014に進み、バトル遊技回数カウンタBPCの値を1減算する。その後、バトル演出設定処理を終了する。
一方、ステップS6012において、BPC=2ではない場合には(S6012:NO)、ステップS6015に進む。
ステップS6015では、3遊技回用(3/3用)バトル演出設定処理を実行する。3遊技回用(3/3用)バトル演出設定処理は、3回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における3回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS6015を実行した後、ステップS6016に進む。
ステップS6016では、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)をOFFにする。その後、ステップS6017に進み、結果告知演出設定フラグをONにすると共に、バトル演出実行フラグをOFFにする。ステップS6017を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
ステップS6011において、バトル演出設定フラグ(3遊技回用)がONではない場合には(S6011:NO)、ステップS6018に進む。
ステップS6018では、2遊技回用(2/2用)バトル演出設定処理を実行する。2遊技回用(2/2用)バトル演出設定処理は、2回の遊技回を用いて一連のバトル演出を実行する場合における2回目の遊技回において実行する演出を今回の遊技回において設定するための処理である。ステップS6018を実行した後、ステップS6019に進む。
ステップS6019では、バトル演出設定フラグ(2遊技回用)をOFFにする。その後、ステップS6020に進み、結果告知演出設定フラグをONにすると共に、バトル演出実行フラグをOFFにする。ステップS6020を実行した後、バトル演出設定処理を終了する。
<結果告知演出設定処理>
図66は、結果告知演出設定処理を示すフローチャートである。結果告知演出設定処理は、演出設定処理のサブルーチン(図64:S5906)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。本実施形態における結果告知演出設定処理は、第1実施形態における結果告知演出設定処理(図38参照)と同じであるので説明は省略する。
<変動開始時の更新処理>
図67は、変動開始時の更新処理を示すフローチャートである。変動開始時の更新処理は、演出設定処理のサブルーチン(図64:S5917)として音声発光制御装置90のMPU92によって実行される。本実施形態における変動開始時の更新処理は、第1実施形態における変動開始時の更新処理(図39参照)と同じであるので説明は省略する。
<表示制御装置において実行される各種処理>
図68は、表示制御装置100で実行されるメイン処理を示すフローチャートである。図69は、表示制御装置100で実行されるコマンド割込み処理を示すフローチャートである。図70は、表示制御装置100で実行されるV割込み処理を示すフローチャートである。これらの各処理は、第1実施形態におけるメイン処理、コマンド割込み処理、V割込み処理の各処理と同じであるので、説明は省略する。
以上説明したように、第2実施形態のパチンコ機によれば、高頻度サポートモードが開始されてから100回の遊技回が終了した後の遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、高頻度サポートモードが開始されてから100回の遊技回が終了する前の遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いてバトル演出が実行可能な設定方法に変更するので、大当たり抽選および転落抽選の少なくとも一つが当選する遊技回(特定遊技回)が存在する場合には、特定遊技回よりも先に、先行遊技回を用いてバトル演出を実行することができる。先行遊技回の実行時には、遊技者は、補助遊技状態の変化を介して特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回でバトル演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
また、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、連続した複数の先行遊技回の各単位遊技時間の合計時間に対応した時間的長さを有するバトル演出を実行する。よって、
複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対する期待感を、遊技者に付与することができる。
さらに、先行遊技回が連続して複数存在する場合には、音声発光制御装置が、バトル演出実行判定処理においてバトル演出を実行する遊技回数を抽選によって決定するので、バトル演出が実行される先行遊技回の数に抽選によるバラつきを付与することにより、特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の抽選結果に対する期待感に抑揚を付与することができる。
また、第2実施形態のパチンコ機は、高頻度サポートモードにおける100回以降の遊技回における変動時間が所定の一定時間(z秒)になるように制御する。すなわち、高頻度サポートモードにおける100回以降の遊技回の各々に対して、同一の時間的長さの単位遊技時間を設定する。従って、バトル演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の設定を、簡易な処理によって実現することができる。
C.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記実施形態においては、補助遊技状態として、高頻度サポートモードの遊技状態を採用したが、特別情報の取得条件の成立を補助する遊技状態であれば他の遊技状態を採用するとしてもよい。たとえば、高頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が低いが、低頻度サポートモードよりも第2始動口34への入賞が発生する確率が高い遊技状態を採用してもよい。
C2.変形例2:
上記実施形態においては、補助遊技状態(上記実施形態においては高頻度サポートモード)を終了させる条件(第2の条件)として、転落抽選に当選するという条件を採用したが、他の条件を採用してもよい。例えば、高頻度サポートモードを終了させる抽選を毎遊技回で実行してもよい。具体的には、始動口への入賞によって取得されるカウンタ値として、高頻度サポートモード終了抽選カウンタを採用し、当該カウンタ値を特別情報の一つとすることで実現することができる。但し上記実施形態のように、第2の条件を転落抽選に当選することとすると、高頻度サポートモードの終了とともに高確率モードが終了するので、特定遊技回において高頻度サポートモードに加えて高確率モードも終了してしまうのではないかといったさらなる緊張感を、先行遊技回におけるバトル演出によって遊技者に付与することができ、興趣の向上を図ることができる。
C3.変形例3:
上記実施形態においては、バトル演出実行判定処理において、先行遊技回が複数存在する場合には、バトル演出遊技回数YpNを抽選によって決定していたが、先行遊技回の数をそのままバトル演出遊技回数YpNの値として採用してもよいし、先行遊技回が複数存在する場合には、バトル演出遊技回数YpNを常に一定値(例えばYpN=2)に設定してもよい。また、先行遊技回の数が単数、複数に関わらず、常にバトル演出遊技回数YpN=1に設定してもよい。常にYpN=1に設定した場合には、何回の先行遊技回でバトル演出を実行するかの抽選処理を実行する必要がないので、上記実施形態と比較して、処理を簡易にすることができる。また、先行遊技回が一つ存在すれば、バトル演出を実行することができる。一方で、上記実施形態のように、YpNの値を抽選によって決定する場合には、バトル演出の開始・終了のタイミングと、図柄の変動の開始・終了のタイミングとが異なるため、遊技に意外性を付与するとともに、遊技者の心境に抑揚を与えることができる。
C4.変形例4:
上記実施形態において、複数の先行遊技回の各単位遊技時間の設定方法として他の方法を採用してもよい。例えば、複数の先行遊技回の各単位遊技時間が各々異なっていてもよい。一例としては、例えば、バトル演出を実行可能な時間が20秒であり、先行遊技回が3回存在する場合には、1回目の先行遊技回の単位遊技時間が10秒、2回目の先行遊技回の単位遊技時間が6秒、3回目の先行遊技回の単位遊技時間が4秒といったように、予め先行遊技回の数に対応して各先行遊技時間の単位遊技時間を設定しているとしてもよい。バトル演出を実行可能な時間と、バトル演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の合計時間とが異なっていてもよい。バトル演出を実行可能な時間より、バトル演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の合計時間が長ければ、バトル演出を実行することができる。
C5.変形例5:
上記実施形態においては、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が所定の基準遊技回数(具体的には100回)に達していない場合には、転落抽選に当選して高確率モードが終了したとしても高頻度サポートモードは終了しない構成を採用したが、他の構成を採用してもよい。例えば、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が所定の基準遊技回数(具体的には100回)に達していない場合でも、転落抽選に当選して高確率モードが終了すると、高頻度サポートモードも同時に終了する構成を採用してもよい。第1実施形態においては、高頻度サポートモードに移行した後において、遊技回数が所定の基準遊技回数(具体的には100回)に達していない場合でも、先行遊技回においてバトル演出を実行し、特定遊技回において結果告知演出を実行する構成を採用しているので、本変形例の構成を採用しても、先行遊技回でバトル演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る大当たり抽選および転落抽選の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
C6.変形例6:
上記実施形態においては、結果告知演出が実行される遊技回(特定遊技回)よりも前の遊技回(先行遊技回)において実行される演出(第1の演出)としてバトル演出を採用したが、他の演出を採用してもよい。例えば、第1の演出は、結果告知演出が実行される遊技回(特定遊技回)よりも前の遊技回(先行遊技回)において実行される演出の一つであれば、任意の態様の演出を採用することができる。すなわち、第1の演出は、当該演出が実行された後の遊技回において結果告知演出が実行される可能性があることを示唆する演出であれば、任意の態様の演出を採用することができる。第1の演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれの結果となるかを遊技者に対して示唆する演出であることが好ましい。
C7.変形例7:
上記実施形態においては、複数の各先行遊技回に係る演出が連続的に実行されることによって一連のバトル演出が構成されるように、連続した複数の各先行遊技回にバトル演出の少なくとも一部を構成する所定の演出を割り当て、連続した複数の各先行遊技回において割り当てた所定の演出を実行する構成を採用したが、そのような構成に限らず他の構成を採用してもよい。例えば、複数の各先行遊技回の各々において、同じ又は異なるバトル演出を実行する構成を採用してもよい。
C8.変形例8:
上記実施形態においては、結果告知演出の時間的長さは、バトル演出の時間的長さより短い構成を採用したが、そのような構成に限らず他の構成を採用してもよい。結果告知演出の時間的長さが、バトル演出の時間的長さと等しい、または、バトル演出の時間的長さより長いとしてもよい。
C9.変形例9:
バトル演出を実行するための条件であるバトル演出実行条件は、上記実施形態に示した条件に限らず、先行遊技回においてバトル演出を実行するために必要な条件であれば他の条件を採用してもよい。上記したバトル演出実行条件から一部の条件を削除した条件を採用してもよいし、他の条件を付加した条件としてもよいし、上記したバトル演出実行条件とは全く異なる内容の条件を採用してもよい。
C10.変形例10:
上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
また、上記実施形態においてソフトウェアで実現されている機能の一部をハードウェアで実現してもよく、あるいは、ハードウェアで実現されている機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
D.上記各実施形態等から抽出される発明群について:
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
<特徴A群>
特徴A群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴A1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する特別情報記憶手段と、
前記取得条件の成立を補助する補助遊技状態を開始させる補助遊技状態開始手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて、前記補助遊技状態を終了させる条件である補助遊技状態終了条件および遊技者に特典を付与する条件である特典付与条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
前記補助遊技状態終了条件が満たされたと前記判定手段によって判定された場合に前記補助遊技状態を終了させる補助遊技状態終了手段と、
前記特典付与条件が満たされたと前記判定手段によって判定された場合に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段と、
前記判定手段による前記特典付与条件が満たされたか否かの判定の結果を1遊技回毎に表示する表示手段と、
1遊技回に要する時間である単位遊技時間を各遊技回毎に設定する設定手段と、
前記各遊技回において演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
前記特別情報に対する前記判定を前記判定手段より先に実行する先判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記先判定手段によって前記補助遊技状態終了条件および前記特典付与条件の少なくとも一つが満たされると判定された前記特別情報に係る遊技回であって、まだ実行されていない遊技回である特定遊技回が存在する場合には、
前記制御手段は、
前記特定遊技回より先に実行される遊技回であって、まだ実行されていない遊技回である先行遊技回において、第1の演出を、前記演出実行手段に実行させるとともに、
前記特定遊技回において、当該特定遊技回に係る特別情報に対する前記判定の結果を報知する第2の演出を、前記演出実行手段に実行させ、
前記設定手段は、
前記先行遊技回についての前記単位遊技時間の設定方法を、当該先行遊技回より先に実行された遊技回についての前記単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、前記先行遊技回を用いて前記第1の演出が実行可能な設定方法に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、先行遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、当該先行遊技回より先に実行された遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いて第1の演出が実行可能な設定方法に変更するので、補助遊技状態終了条件および特典付与条件の少なくとも一つが満たされると判定された特別情報に係る遊技回(特定遊技回)が存在する場合には、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回において第1の演出を実行することができる。
ここで、特定遊技回においては、補助遊技状態終了条件が満たされたと判定手段によって判定されると、補助遊技状態は終了する。補助遊技状態としては、例えば、チューリップ式電動役物が頻繁に開閉するモードである高頻度サポートモードを採用することができる。仮に、第1の演出と第2の演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者が、特定遊技回における第2の演出によって当該判定の結果を認識するよりも前に(例えば、第1の演出の実行時に)、補助遊技状態の終了を認識することによって、補助遊技状態終了条件が満たされたという判定の結果を認識してしまう場合がある。すなわち、第1の演出と第2の演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者は、特定遊技回における判定の結果を、補助遊技状態の継続または終了という状態の変化の有無によって認識してしまう場合があり、第1の演出によって判定の結果に対する期待感を遊技者に付与することができない場合がある。また、遊技者は、補助遊技状態終了条件が満たされたという判定の結果を、第2の演出を介さずに認識してしまう場合がある。
一方、特徴A1においては、第1の演出を、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回において実行する。先行遊技回の実行時には、遊技者は、補助遊技状態の変化を介して特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回で第1の演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
[特徴A2]
特徴A1に記載の遊技機であって、
前記特定遊技回が存在するとともに、前記先行遊技回が連続して複数存在する場合には、
前記制御手段は、
前記連続した複数の各先行遊技回に係る演出が連続的に実行されることによって前記第1の演出が構成されるように、前記連続した複数の各先行遊技回に前記第1の演出の少なくとも一部を構成する所定の演出を割り当てるとともに、前記連続した複数の各先行遊技回において前記割り当てた所定の演出を前記演出実行手段に実行させ、
前記設定手段は、
前記連続した複数の各先行遊技回についての前記単位遊技時間の設定方法を、当該先行遊技回より先に実行された遊技回についての前記単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、連続して複数存在する前記先行遊技回を用いて前記第1の演出が実行可能な設定方法に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A2によれば、連続した複数の先行遊技回を用いて第1の演出を行うので、複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対する期待感を、遊技者に付与することができる。
[特徴A3]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記先行遊技回が複数存在する場合に、前記演出実行手段に前記第1の演出を実行させる前記先行遊技回の数を抽選によって決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A3によれば、第1の演出が実行される先行遊技回の数に抽選によるバラつきを付与することにより、特定遊技回に係る判定の結果に対する期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴A4]
特徴A1または特徴A2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定めた数の前記先行遊技回を用いて前記第1の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A4によれば、第1の演出を実行するために用いる先行遊技回の数を予め定めているので、第1の演出を実行するために用いる先行遊技回の数を決定する処理を実行する場合と比較して、制御手段が実行する処理を簡易にすることができる。
[特徴A5]
特徴A2から特徴A4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記設定手段は、前記先行遊技回が連続して複数存在する場合に、当該複数の先行遊技回の各単位遊技時間を、前記第1の演出を実行可能な時間的長さを前記先行遊技回の数で除した時間的長さに設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴A5によれば、第1の演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の設定を、簡易な処理によって実現することができる。
[特徴A6]
特徴A1から特徴A5のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第2の演出の時間的長さは、前記第1の演出の時間的長さより短いことを特徴とする遊技機。
特徴A6によれば、第1の演出によって期待感を付与した後に、短期間で結果を報知することで、遊技性にメリハリを付け、遊技者の心境に抑揚を付与することができる。
[特徴A7]
特徴A1から特徴A6のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記特典付与条件が満たされる確率が向上した高確率遊技状態を開始させる高確率遊技状態開始手段と、
前記補助遊技状態終了条件が満たされたと前記判定手段によって判定された場合に、前記高確率遊技状態を終了させる高確率遊技状態終了手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴A7によれば、高確率遊技状態終了手段を備えるので、特定遊技回において補助遊技状態に加えて高確率遊技状態も終了してしまうのではないかといったさらなる緊張感を、先行遊技回における第1の演出によって遊技者に付与することができ、興趣の向上を図ることができる。
[特徴A8]
特徴A1から特徴A7のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれかの結果となる可能性があることを遊技者に対して示唆する演出であることを特徴とする遊技機。
特徴A8によれば、第1の演出が遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれかの結果となる可能性があることを遊技者に対して示唆する演出であるので、第1の演出を認識した遊技者に対して、いずれの結果になるのかといった緊張感を付与することができ、興趣の向上を図ることができる。
<特徴B群>
特徴B群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴B1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する特別情報記憶手段と、
前記取得条件の成立を補助する補助遊技状態を開始させる補助遊技状態開始手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて、前記補助遊技状態を終了させる条件である補助遊技状態終了条件および遊技者に特典を付与する条件である特典付与条件が満たされるか否かを判定する判定手段と、
前記補助遊技状態が開始されてから所定の回数の遊技回が終了した後であって、前記補助遊技状態終了条件が満たされたと前記判定手段によって判定された場合に、前記補助遊技状態を終了させる補助遊技状態終了手段と、
前記特典付与条件が満たされたと前記判定手段によって判定された場合に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段と、
前記判定手段による前記特典付与条件が満たされたか否かの判定の結果を1遊技回毎に表示する表示手段と、
1遊技回に要する時間である単位遊技時間を各遊技回毎に設定する設定手段と、
前記各遊技回において演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する制御手段と、
前記特別情報に対する前記判定を前記判定手段より先に実行する先判定手段と、
を備える遊技機であって、
前記制御手段は、
前記補助遊技状態が開始されてから前記所定の回数の遊技回が終了した後の遊技回である所定回数実行後遊技回の中に、前記補助遊技状態終了条件および前記特典付与条件の少なくとも一つが満たされると前記先判定手段によって判定された特別情報に係る遊技回である特定遊技回が存在する場合には、
前記特定遊技回より先に実行される前記所定回数実行後遊技回であって、まだ実行されていない遊技回である先行遊技回において、第1の演出を前記演出実行手段に実行させるとともに、
前記特定遊技回において、当該特定遊技回に係る特別情報に対する前記判定の結果を報知する第2の演出を、前記演出実行手段に実行させ、
前記設定手段は、
前記所定回数実行後遊技回についての前記単位遊技時間の設定方法を、前記補助遊技状態が開始されてから前記所定の回数が終了する前の遊技回である所定回数実行前遊技回についての前記単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、前記先行遊技回を用いて前記第1の演出が実行可能な設定方法に変更する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、所定回数実行後遊技回についての単位遊技時間の設定方法を、補助遊技状態が開始されてから所定の回数が終了する前の遊技回である所定回数実行前遊技回についての単位遊技時間の設定方法とは異なる設定方法であって、先行遊技回を用いて第1の演出が実行可能な設定方法に変更するので、補助遊技状態終了条件および特典付与条件の少なくとも一つが満たされると判定された特別情報に係る遊技回(特定遊技回)が存在する場合には、特定遊技回よりも先に、先行遊技回を用いて第1の演出を実行することができる。
ここで、特定遊技回においては、補助遊技状態が開始されてから所定の回数の遊技回が終了した後であって、補助遊技状態終了条件が満たされたと判定手段によって判定されると、補助遊技状態は終了する。補助遊技状態としては、例えば、チューリップ式電動役物が頻繁に開閉するモードである高頻度サポートモードを採用することができる。仮に、第1の演出と第2の演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者が、特定遊技回における第2の演出によって当該判定の結果を認識するよりも前に(例えば、第1の演出の実行時に)、補助遊技状態の終了を認識することによって、補助遊技状態終了条件が満たされたという判定の結果を認識してしまう場合がある。すなわち、第1の演出と第2の演出とを特定遊技回において実行する構成を採用した場合には、遊技者は、特定遊技回における判定の結果を、補助遊技状態の継続または終了という状態の変化の有無によって認識してしまう場合があり、第1の演出によって判定の結果に対する期待感を遊技者に付与することができない場合がある。また、遊技者は、補助遊技状態終了条件が満たされたという判定の結果を、第2の演出を介さずに認識してしまう場合がある。
一方、特徴B1においては、第1の演出を、特定遊技回よりも先に実行される先行遊技回において実行する。先行遊技回の実行時には、遊技者は、補助遊技状態の変化を介して特定遊技回における判定の結果を認識し得ない。従って、先行遊技回で第1の演出を実行することによって、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対して、遊技者に期待感を付与することができ、遊技に対する興趣向上を図ることができる。
[特徴B2]
特徴B1に記載の遊技機であって、
前記特定遊技回が存在するとともに、前記先行遊技回が連続して複数存在する場合には、
前記制御手段は、
前記連続した複数の先行遊技回の各単位遊技時間の合計時間に対応した時間的長さを有する前記第1の演出を、前記連続した複数の先行遊技回を用いて前記演出実行手段に実行させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴B2によれば、連続した複数の先行遊技回を用いて第1の演出を行うので、複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に係る判定の結果に対する期待感を、遊技者に付与することができる。
[特徴B3]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記先行遊技回が複数存在する場合に、前記演出実行手段に前記第1の演出を実行させる前記先行遊技回の数を抽選によって決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B3によれば、第1の演出が実行される先行遊技回の数に抽選によるバラつきを付与することにより、特定遊技回に係る判定の結果に対する期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴B4]
特徴B1または特徴B2に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
予め定めた数の前記先行遊技回を用いて前記第1の演出を実行する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B4によれば、第1の演出を実行するために用いる先行遊技回の数を予め定めているので、第1の演出を実行するために用いる先行遊技回の数を決定する処理を実行する場合と比較して、制御手段が実行する処理を簡易にすることができる。
[特徴B5]
特徴B1から特徴B4のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記設定手段は、前記所定回数実行後遊技回の各々に対して、同一の時間的長さの単位遊技時間を設定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴B5によれば、第1の演出を実行する先行遊技回の単位遊技時間の設定を、簡易な処理によって実現することができる。
[特徴B6]
特徴B1から特徴B5のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記特典付与条件が満たされる確率が向上した高確率遊技状態を開始させる高確率遊技状態開始手段と、
前記補助遊技状態終了条件が満たされたと前記判定手段によって判定された場合に、前記高確率遊技状態を終了させる高確率遊技状態終了手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
特徴B6によれば、高確率遊技状態終了手段を備えるので、特定遊技回において補助遊技状態に加えて高確率遊技状態も終了してしまうのではないかといったさらなる緊張感を、先行遊技回における第1の演出によって遊技者に付与することができ、興趣の向上を図ることができる。
[特徴B7]
特徴B1から特徴B6のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記第1の演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれかの結果となる可能性があることを遊技者に対して示唆する演出であることを特徴とする遊技機。
特徴B7によれば、第1の演出が遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれかの結果となる可能性があることを遊技者に対して示唆する演出であるので、第1の演出を認識した遊技者に対して、いずれの結果になるのかといった緊張感を付与することができ、興趣の向上を図ることができる。
<特徴C群>
特徴C群は、上述した各実施形態、変形例、又はこれらの組み合わせから抽出される。
[特徴C1]
所定の取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する特別情報記憶手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて、所定の条件を満たす特別情報に係る遊技回であって、まだ実行されていない遊技回である特定遊技回が存在するか否かを判定する特定遊技回判定手段と、
前記特定遊技回が存在する場合に、前記特定遊技回より先に実行される遊技回であって、まだ実行されていない遊技回である先行遊技回の中から、特定の演出を前記演出実行手段に実行させる対象である実行先行遊技回を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記実行先行遊技回において、前記特定の演出を前記演出実行手段に実行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
所定の条件を満たす特別情報に係る遊技回である特定遊技回において特定の演出を実行した場合には、当該特定の演出によって遊技者に期待感を付与できない遊技機が存在する。
特徴C1によれば、所定の条件を満たす特別情報に係る遊技回である特定遊技回より先に実行される先行遊技回において特定の演出を実行するので、遊技者に対して、特定の演出によって確実に期待感を付与することができる。
[特徴C2]
特徴C1に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記決定手段によって決定された前記実行先行遊技回が連続した複数の先行遊技回である場合には、
前記連続した複数の各先行遊技回に係る演出が連続的に実行されることによって前記特定の演出が構成されるように、前記連続した複数の各先行遊技回に前記特定の演出の少なくとも一部を構成する所定の演出を割り当てるとともに、前記連続した複数の各先行遊技回において前記割り当てた所定の演出を前記演出実行手段に実行させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、連続した複数の先行遊技回を用いて特定の演出を行うので、複数の先行遊技回に亘って、その後に実行される特定遊技回に対する期待感を遊技者に付与することができる。
[特徴C3]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記決定手段は、前記先行遊技回の中から前記実行先行遊技回を抽選によって決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、特定の演出が実行される先行遊技回にバラつきを付与することにより、特定遊技回に対する遊技者の期待感に抑揚を付与することができる。
[特徴C4]
特徴C1または特徴C2に記載の遊技機であって、
前記決定手段は、前記実行先行遊技回を予め定めた前記先行遊技回に決定する
ことを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、実行先行遊技回を決定する処理を簡易にすることができる。
[特徴C5]
特徴C1から特徴C4のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて、遊技者に特典を付与する条件である特典付与条件が満たされるか否かを判定する特典付与判定手段と、
前記特典付与判定手段によって前記特典付与条件が満たされると判定された場合に、遊技者に特典を付与する特別遊技状態を開始させる特別遊技状態開始手段とを備え、
前記所定の条件は、前記特典付与条件を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、所定の条件は特典付与条件を含むので、実行先行遊技回において特定の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、特定遊技回に対するより一層大きな期待感を付与することができる。
[特徴C6]
特徴C1から特徴C5のいずれか一つに記載の遊技機であって、さらに、
前記取得条件の成立を補助する補助遊技状態を開始させる補助遊技状態開始手段と、
前記特別情報記憶手段に記憶されている特別情報に基づいて、前記補助遊技状態を終了させる条件である補助遊技状態終了条件が満たされるか否かを判定する補助遊技状態終了判定手段と、
前記補助遊技状態終了判定手段によって前記補助遊技状態終了条件が満たされると判定された場合に、前記補助遊技状態を終了させる補助遊技状態終了手段とを備え、
前記所定の条件は、前記補助遊技状態終了条件を含む
ことを特徴とする遊技機。
特徴C6によれば、所定の条件は補助遊技状態終了条件を含むので、実行先行遊技回において特定の演出が実行されたことを認識した遊技者に対して、特定遊技回に対する緊迫感を付与することができる。
[特徴C7]
特徴C5に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記特定遊技回判定手段が、前記特定遊技回に係る前記特別情報に基づいて、前記特典付与条件が満たされると判定した場合には、
前記特定遊技回において、遊技者に有利な結果が確定したことを示唆する演出を前記演出実行手段に実行させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴C7によれば、特定遊技回において、遊技者に有利な結果が確定したことを示唆する演出を認識した遊技者に対して、快感や満足感を付与することができる。
[特徴C8]
特徴C6に記載の遊技機であって、
前記制御手段は、
前記特定遊技回判定手段が、前記特定遊技回に係る前記特別情報に基づいて、前記補助遊技状態終了条件が満たされると判定した場合には、
前記特定遊技回において、遊技者に不利な結果が確定したことを示唆する演出を前記演出実行手段に実行させる
ことを特徴とする遊技機。
特徴C8によれば、特定遊技回において、遊技者に不利な結果が確定したことを示唆する演出を実行するので、遊技者の心境に抑揚を付与することができる。
[特徴C9]
特徴C1から特徴C8のいずれか一つに記載の遊技機であって、
前記特定の演出は、遊技者に有利な結果または不利な結果のいずれかの結果となる可能性があることを遊技者に対して示唆する演出であることを特徴とする遊技機。
特徴C9によれば、特定の演出を認識した遊技者に対して、期待感や緊迫感を付与することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者による発射操作に基づいて、遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な始動入球部と、前記始動入球部に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段と、
前記始動入球部に遊技球が入球した場合に前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段とを備える遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。