以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
〔第1実施形態〕
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の上部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部を備える。また、一括表示装置50には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部(第3遊技状態表示器)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。特図2保留表示器は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
エラー表示器は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の普図保留表示器に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当たりを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当たり値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、4個を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても飾り特図始動記憶表示として表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。なお、本実施形態の遊技機では、大当りの他に小当りも発生可能である。小当りの場合は、大当り(2R大当り)の場合と同様の処理が行われて特別遊技状態となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明においては、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111Aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111Bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、何れか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める補助演出部品44a等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、演出制御を実行する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
ここで、図5に示すように、特別結果態様には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を確変状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を時短状態とすることである。
特別結果態様の種類には、15R通常(図柄)、15R確変(図柄)、2R通常(図柄)、2R確変(図柄)の四種類が設定されている。15R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするとともに、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ものである。15R確変(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とするとともに、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とするものである。
2R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで、該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするとともに、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ものである。2R確変(図柄)は特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで該特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで確率状態を高確率状態とするとともに、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする。
また、15R通常と15R確変に基づく特別遊技状態(第1の特別遊技状態)では、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が第1開放時間(25秒)であり、2R確変と2R通常に基づく特別遊技状態(第2の特別遊技状態)では、大入賞口の開放時間が第1開放時間よりも短い第2開放時間(1秒)とされる。
ここで、2R当りに基づく特別遊技状態では、大入賞口を1秒開放する動作を1秒のウェイト時間(閉鎖時間)を挟んで2回行うようになっている。このため大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。
また、所定の確率で小当りを発生可能に構成されている。小当りが発生した場合、2R確変や2R通常の場合と同様に特別遊技状態でのラウンド数が2ラウンドで大入賞口の開放時間が第2開放時間(1秒)とされる。なお、特別遊技状態の終了後、確率状態や普通変動入賞装置37の動作状態は、小当り発生前の状態と同じ状態とする。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技の演出の状態である演出モードとして、通常演出モード、時短報知演出モード、確変報知演出モード、曖昧報知演出モードの4つのモードから一つのモードが設定される。時短報知演出モードは、一部の15R通常当りの終了後、普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする100回の特図変動表示ゲームを実行する期間に設定されるモードである。なお、時短報知演出モードで100回の特図変動表示ゲームを実行した後は、普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態となるとともに通常演出モードとなる。この通常演出モード及び時短報知演出モードは、確率状態が通常確率状態であることが明確に報知されるモードである。また、確変報知演出モードは、一部の15R確変当りの終了後、確率状態が高確率状態とされる期間に設定されるモードである。この確変報知演出モードは、確率状態が高確率状態であることが明確に報知されるモードである。
曖昧報知演出モードは、時短報知演出モードが設定される15R通常当りの一部や確変報知演出モードが設定される15R確変当りの一部を除く15R当り、2R通常当り、2R確変当り及び小当りに基づく特別遊技状態の終了後に設定される演出モードである。15R通常と15R確変に基づく特別遊技状態は実行態様が同じ(何れも第1の特別遊技状態)であり、さらに時短報知演出モードが設定される15R通常当りの一部や確変報知演出モードが設定される15R確変当りの一部を除く15R当りでは、特別遊技状態中の演出態様も同じとされることから、遊技者にとっては15R通常と15R確変の何れの当りであったかを判別することが困難となっている。また、2R確変、2R通常及び小当りに基づく特別遊技状態は実行態様が同じ(何れも第2の特別遊技状態)であり、さらに特別遊技状態中の演出態様も同じとされることから、遊技者にとっては2R通常、2R確変及び小当りの何れの当りであったかを判別することが困難となっている。すなわち、遊技者にとっては、特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態であるか否かを特別遊技状態の実行態様から判別することが困難となっている。
このように、確率状態が高確率状態であるか否かを判別することが困難な状態である場合に曖昧報知演出モードが設定される。すなわち、曖昧報知演出モードは確率状態が明確に報知されない非報知状態である。
曖昧報知演出モードにおける演出状態には、HIGHモード(第1演出状態、激熱モード)と、LOWモード(第2演出状態、激寒モード)の二つがあり、何れかが選択されて実行される。この二つのモードは、例えば、背景画像が異なっており、HIGHモードである場合には図6(a)に示すように炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが強く、LOWモードである場合には図6(b)に示すように炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱く表示される。これにより、遊技者はどちらの演出状態であるのかを認識することが可能となっている。
また、特別遊技状態の終了後に曖昧報知演出モードが開始される際には、開始時に選択された実行態様が報知されるようになっている。HIGHモードが選択された場合は、図6(c)に示すように炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが強く表示され、さらに「激熱モード」と表示されてHIGHモードであることが報知される。これに対してLOWモードが選択された場合は、図6(d)に示すように炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱く表示され、さらに「激寒モード」と表示されてLOWモードであることが報知される。
HIGHモードとLOWモードは所定の実行態様となる特図変動表示ゲームにおいて切り替え可能である。所定の実行態様には特殊変動1と特殊変動2があり、この実行態様が選択された場合には特図変動表示ゲームの実行時間として後述の特殊演出を実行するのに必要な変動時間が設定される。HIGHモードにおいては、特殊変動1となる特図変動表示ゲームが実行された場合はHIGHモードが維持され、特殊変動2となる特図変動表示ゲームが実行された場合はLOWモードに移行する。また、LOWモードにおいては、特殊変動1となる特図変動表示ゲームが実行された場合はHIGHモードに移行し、特殊変動2となる特図変動表示ゲームが実行された場合はLOWモードが維持される。
なお、高確率状態である場合の方が、通常確率状態である場合よりも特殊変動2が選択される確率が低くなっている。これにより、高確率状態である場合の方が通常確率状態である場合よりも演出状態がLOWモードになりにくく、このことから曖昧報知演出モードにおいて確率状態を示唆することができるようになっている。
特図変動表示ゲームが所定の実行態様(特殊変動1、特殊変動2)となる場合に実行される特殊演出は、図7から図10に示すような演出となっている。なお、特殊演出の実行中は、飾り特図変動表示ゲームは表示装置41の隅部(ここでは右下)に小さく表示される。
図7には、HIGHモードが維持される場合の特殊演出を示した。まず図7(a)に示すように、遊技盤30に設けられた補助演出部品44aが表示装置41の前方から退避した状態から表示装置41の前方に位置する状態に動作する。そして、表示装置41において補助演出部品44aから水が噴出するような第1補助演出表示41bがなされ、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱まる。このとき炎を模した演出表示41aは、HIGHモードにおける炎の勢いとLOWモードにおける炎の勢いの中間程度の勢いの表示となる。その後、図7(b)に示すように、第2補助演出表示41cをなす炎を吐くドラゴンにより炎の勢いが強められる演出が行われ、図7(c)に示すように演出表示41aがHIGHモードにおける炎の勢いとなるとともに、HIGHモードが継続することを報知する表示として「激熱モード継続」と表示される。以下、このようにHIGHモードが維持される場合の特殊演出をHIGHモード継続演出と称する。
図8には、HIGHモードからLOWモードに切り替えられる場合の特殊演出を示した。まず、図8(a)に示すように、補助演出部品44aが動作し、表示装置41において補助演出部品44aから水が噴出する第1補助演出表示41bがなされ、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱まる。このとき炎を模した演出表示41aは、HIGHモードにおける炎の勢いとLOWモードにおける炎の勢いの中間程度の勢いの表示となる。ここまでは、図7に示したHIGHモード継続演出と同様である。その後、図8(b)に示すように、補助演出部品44aから水が噴出する補助演出表示41cが継続されるが第2補助演出表示41cをなすドラゴンは出現せず、図8(c)に示すように演出表示41aがLOWモードにおける炎の勢いとなるとともに、LOWモードが継続することを報知する表示として「激寒モード…」が表示される。以下、このようにHIGHモードからLOWモードへ切り換えられる場合の演出をLOWモード降格演出と称する。
図9には、LOWモードからHIGHモードに切り替えられる場合の特殊演出を示した。まず図9(a)に示すように、補助演出部品44aが動作し、表示装置41において補助演出部品44aから炎が噴出する補助演出表示41bがなされ、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが強まる。このとき炎を模した演出表示41aは、HIGHモードにおける炎の勢いとLOWモードにおける炎の勢いの中間程度の勢いの表示となる。その後、図9(b)に示すように、第2補助演出表示41cをなす炎を吐くドラゴンにより炎の勢いが強められる演出が行われ、図9(c)に示すように演出表示41aがHIGHモードにおける炎の勢いとなるとともに、HIGHモードに切り替えられることを報知する表示として「激熱モード昇格」と表示される。以下、このようにLOWモードからHIGHモードへ切り換えられる場合の演出をHIGHモード昇格演出と称する。
図10には、LOWモードが維持される場合の特殊演出を示した。まず図10(a)に示すように、補助演出部品44aが動作し、表示装置41において補助演出部品44aから炎が噴出する第1補助演出表示41bがなされ、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが強まる。このとき炎を模した演出表示41aは、HIGHモードにおける炎の勢いとLOWモードにおける炎の勢いの中間程度の勢いの表示となる。ここまでは、図9に示したHIGHモード昇格演出と同様である。その後、図10(b)に示すように、補助演出部品44aから炎が噴出する第1補助演出表示41bが継続されるが第2補助演出表示41cをなす炎を吐くドラゴンは出現せず、図10(c)に示すように演出表示41aがLOWモードにおける炎の勢いとなるとともに、LOWモードが継続することを報知する表示として「激寒モード…」が表示される。以下、このようにLOWモードが維持される場合の演出をHIGHモード昇格失敗演出と称する。
図11には、図柄番号5(図5参照)の15R確変大当りに基づく特別遊技状態の終了後に開始された曖昧報知演出モードにおける遊技の進行の一例を示した。すなわち、確率状態は高確率状態となっている。この例では、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態としてHIGHモードが選択されており、図11(a)、(b)に示すようにHIGHモードの演出状態で特図変動表示ゲームが実行されている。
そして、演出状態がHIGHモードである状態で特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動2が選択されると、図11(c)、(d)に示すように、当該特図変動表示ゲームにおいて図8に示したLOWモード降格演出が行われ、図11(e)、(f)に示すようにその後の演出状態がLOWモードとされる。また、その後、演出状態がLOWモードである状態で特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動1が選択されると、図11(g)、(h)に示すように、当該特図変動表示ゲームにおいて図9に示したHIGHモード昇格演出が行われ、図11(i)に示すようにその後の演出状態がHIGHモードとされる。
なお、曖昧報知演出モードの開始から100ゲーム目となる特図変動表示ゲームにおいては、確率状態が高確率状態である場合には特図変動表示ゲームの実行態様として必ず特殊変動1が選択される。これにより、現在の演出状態がLOWモードであれば図9に示したHIGHモード昇格演出を行った後に高確率状態である旨の報知を行うHIGHモード昇格最終演出が行われ、現在の演出状態がHIGHモードであれば図7に示したHIGHモード継続演出を行った後に高確率状態である旨の報知を行うHIGHモード継続最終演出が行われる。そして、101ゲーム目から特別結果が導出されるまでHIGHモードの演出状態で特図変動表示ゲームが実行される。この場合、見かけ上は曖昧報知演出モードと同じ演出であるが、高確率状態である場合でのみ101ゲーム目以降にHIGHモードの演出状態が設定されるので、確率状態が高確率状態であることが報知されていることとなる。すなわち、確変報知演出モードに移行することとなる。なお、確変報知演出モードの演出を曖昧報知演出モードの演出と異なる演出とするようにしても良い。
図12には、図柄番号2(図5参照)の15R通常大当りに基づく特別遊技状態の終了後に開始された曖昧報知演出モードにおける遊技の進行の一例を示した。すなわち、確率状態は通常確率状態である。この例では、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態としてHIGHモードが選択されており、図12(a)、(b)に示すようにHIGHモードの演出状態で特図変動表示ゲームが実行されている。
そして、演出状態がHIGHモードである状態で特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動2が選択されると、図12(c)、(d)に示すように、当該特図変動表示ゲームにおいて図8に示したLOWモード降格演出が行われ、図12(e)、(f)に示すようにその後の演出状態がLOWモードとされる。図11にも示したように、このような特殊演出や演出状態の移行は確率状態が高確率状態であっても行われるので、このことから確率状態を推測することは困難であるが、高確率状態である場合の方が通常確率状態である場合よりも演出状態がLOWモードになりにくいため、LOWモードが継続する場合は通常確率状態である可能性が高い。
曖昧報知演出モードの開始から100ゲーム目となる特図変動表示ゲームにおいては、確率状態が通常確率状態である場合には特図変動表示ゲームの実行態様として必ず特殊変動2が選択される。これにより、演出状態がLOWモードである場合には、図12(g)、(h)に示すように図10に示すHIGHモード昇格失敗演出を行った後に通常確率状態である旨の報知を行うHIGHモード昇格失敗最終演出が行われ、図12(i)に示すように101ゲーム目からは通常演出モードとなる。なお、曖昧報知演出モードの開始から100ゲーム目となる特図変動表示ゲームにおいて演出状態がHIGHモードであれば図8に示したLOWモード降格演出を行った後に通常確率状態である旨の報知を行うLOWモード降格最終演出が行われ、が行われ、101ゲーム目から通常演出モードとなる。このように通常演出モードに移行することで、確率状態が通常確率状態であることが報知されることとなる。
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図13及び図14に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図15に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図13に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図14のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図14のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグを設定してから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器8)をオン(点灯)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートをオフにする処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS33)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図15に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図15のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図16に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りまたは小当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)や小当りに応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)や小当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、分岐処理にて準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行う。
一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図17に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口36(第1始動口)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、第1始動口による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA118)。
その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA117;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図18に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号制御出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしないと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。ここで、RWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなす。
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図19に示すように、先ず、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であるか否かをチェックして(ステップA231)、始動口2スイッチ37aの入力でない(ステップA232;No)と判定すると、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)であるか否かを判定する処理(ステップA233)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA233;No)と判定すると、遊技機10が大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する処理(ステップA234)を行う。
ステップA234にて、大当り中でない(ステップA234;No)と判定すると、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA235)を行う。
一方、ステップA233にて、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定されるか(ステップA233;Yes)、或いは、ステップA234にて、大当り中であると判定された場合にも(ステップA234;Yes)、特図保留情報判定処理を終了する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるときは、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行わないこととなる。
また、ステップA232にて、始動口2スイッチ37aの入力であると判定された場合(ステップA232;Yes)は、ステップA233、ステップA234の処理を行わずに、ステップA235に処理を移行して、それ以降の処理を行う。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
そして、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA236)を行った後、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA237;No)と判定すると、処理をステップA245に移行する。一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA237;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA238)。
次に、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA239)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA240;No)と判定すると、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA241)。そして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA242)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA243)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA244)を行う。また、ステップA240にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA240;Yes)は、処理をステップA242に移行して、ステップA238で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいてそれ以降の処理を行う。
次に、大当り情報テーブルから始動口入賞演出情報を取得する処理(ステップA245)を行って、当該始動口入賞演出情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA246)。続けて、大当り情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA247)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA248)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA249)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA250)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA251)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA252)を行う。なお、ステップA250における特図情報設定処理、ステップA251における後半変動パターン設定処理、ステップA252における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理、後半変動パターン設定処理、変動パターン設定処理と同様である。
そして、変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンドを準備し(ステップA253)、コマンド設定処理(ステップA254)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA255)、コマンド設定処理(ステップA256)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA253にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA255にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶として記憶された乱数値を、当該始動記憶に対応する変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図20に示すように、特図普段処理では、先ず、第2特図保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA301)。そして、第2特図保留数が0である(ステップA302;Yes)と判定すると、第1始動記憶数(第1特図保留数)が0であるか否かをチェックする(ステップA303)。そして、第1特図保留数が0である(ステップA304;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA305)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA306;No)と判定すると、客待ちデモフラグを客待ちデモ中に設定する処理(ステップA307)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)を行う。一方、ステップA305にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA306;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA310に移行する。次に、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA310)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA302にて、第2特図保留数が0でない(ステップA302;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA311)を行う。なお、ステップA311における特図2変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する処理(ステップA312)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器52における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器52の変動中に係るフラグ、特図2表示器52の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA304にて、第1特図保留数が0でない(ステップA304;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA313)を行う。なお、ステップA313における特図1変動開始処理の詳細については後述する。そして、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する処理(ステップA314)、具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器51における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51の変動中に係るフラグ、特図1表示器51の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行って、特図普段処理を終了する。このように、ステップA301とステップA302における第2特図保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における第1特図保留数のチェックよりも先に行うことで、第2特図保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA311)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づいて変動表示ゲームを実行制御するゲーム実行制御手段をなす。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA313)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図21に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(ステップA323)。続けて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグをロードして準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA327)。続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA332)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図1保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)の詳細について説明する。特図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図22に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA341)を行う。
次に、第2特図停止図柄の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA342)を行った後、特図2停止図柄番号に対応する試験信号をセーブする(ステップA343)。続けて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA344)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA345)。
次に、特図2変動フラグをロードして準備し(ステップA346)、特図2変動フラグをRWMの特図変動フラグ領域にセーブする(ステップA347)。続けて、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA348)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA349)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA350)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA351)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA352)を行って、特図2変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理(ステップA352)では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示に係る飾り特図2保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
〔特図変動中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図変動中処理(ステップA10)の詳細について説明する。図23に示すように、特図変動中処理では、先ず、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されて大当りとなる場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA521)を行う。
次に、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をチェックして(ステップA522)、停止図柄パターンが大当り図柄である(ステップA523;Yes)と判定すると、ステップA521にて設定した大当りとなる場合の特図停止時間ポインタが設定された状態でステップA528に移行する。一方、ステップA523にて、停止図柄パターンが大当り図柄でない、即ち、はずれ図柄である(ステップA523;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA524)を行う。
続けて、後半変動パターン設定処理にて設定された後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックして(ステップA525)、後半変動番号がリーチなしの番号でない、即ち、リーチありの番号である(ステップA526;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生する場合の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA527)を行う。また、ステップA526にて、後半変動番号がリーチなしの番号であると判定された場合(ステップA526;Yes)には、ステップA527の処理を行わずにステップA528に移行する。したがって、特図変動表示ゲームにて特別結果態様が導出されず、はずれとなる場合であってリーチ状態が発生しない場合の特図停止時間ポインタが設定されることとなる。次に、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA528)を行う。
そして、ステップA521、A524、A527の何れかにて設定された特図停止時間ポインタに対応する停止時間、即ち、ステップA521にて設定された大当り時の特図停止時間ポインタ、ステップA527にて設定されたリーチはずれ時の特図停止時間ポインタ、或いは、ステップA524にて設定されたはずれ時(リーチ発生無しのはずれ時)の特図停止時間ポインタの何れかに対応する停止時間を取得する処理(ステップA529)を行った後、取得された停止時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA530)。
そして、特図表示中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA531)、具体的には、当該テーブルに、特図表示中処理に係る処理番号「2」、第1特図や第2特図の変動停止に係る試験信号、外部情報端子に出力用の特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号、特図1表示器51や特図2表示器52における第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器51や特図2表示器52の変動停止に係るフラグ等)等を設定する処理を行う。
その後、停止コマンドを準備する処理(ステップA532)、コマンド設定処理(ステップA533)を行い、特図変動中処理を終了する。この停止コマンドには、特図変動表示ゲームの結果や停止図柄の情報が含まれており、後に演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では停止コマンドの受信に基づき、飾り特図変動表示ゲームの変動表示を停止する処理を行う。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。図24に示すように、特図表示中処理では、先ず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA541)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする処理(ステップA542)を行う。
次に、ロードされた大当りフラグ2をチェックして(ステップA543)、大当りである(ステップA544;Yes)と判定すると、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA550)を行い、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA551)、ステップA552に処理を移行する。一方、ステップA544にて、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない(ステップA544;No)と判定すると、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA545)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする処理(ステップA546)を行う。続けて、ロードされた大当りフラグ1をチェックして(ステップA547)、大当りである(ステップA548;Yes)と判定すると、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号をRWMにセーブし(ステップA549)、ステップA552に処理を移行する。
そして、上述したステップA549における特図1大当りに関する試験信号のセーブ、或いは、ステップA551における特図2大当りに関する試験信号のセーブの後、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理(ステップA552)を行う。次に、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得した後(ステップA553)、当該ラウンド数上限値をRWMのラウンド数上限値領域にセーブする(ステップA554)。続けて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得した後(ステップA555)、当該ラウンドLEDポイントをRWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA556)。
次に、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを準備して(ステップA557)、コマンド設定処理(ステップA558)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄情報領域からロードし(ステップA559)、当該停止図柄パターン番号に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA560)、コマンド設定処理(ステップA561)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードして準備し(ステップA562)、コマンド設定処理(ステップA563)を行う。
次に、大入賞口開放情報判定フラグをロードして(ステップA564)、当該大入賞口開放情報判定フラグに対応する外部情報データをRWMにセーブする(ステップA565)。続けて、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する外部情報データをRWMにセーブした後(ステップA566)、大入賞口開放情報判定フラグに対応するファンファーレ時間を設定して(ステップA567)、当該ファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(ステップA568)。その後、大入賞口への不正入賞数をリセットした後(ステップA569)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA570)。
そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA571)、具体的には、当該テーブルに、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」、各種状態の切り替えに係る情報を設定する処理等を行って、特図変動中処理を終了する。ここで、各種状態が切り替わるための情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報や、停電復旧時に演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常確率状態(低確率状態)であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、ステップA548にて、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでない(ステップA548;No)と判定すると、図25に示すように、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である(確変状態及び時短状態である)か否かを判定する処理(ステップA572)を行う。ここで、時短動作状態でない(ステップA572;No)と判定すると、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA572にて、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である(ステップA572;Yes)と判定すると、曖昧報知演出モードで特図変動表示ゲームが行われる回数(例えば、100回)に係る特図変動回数を更新(−1)する処理(ステップA573)を行い、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数(例えば、100回)に係る時間短縮変動回数を更新(−1)する処理(ステップA574)を行う。
なお、時短動作状態であるが曖昧報知演出モードとならない場合(確変報知演出モード、時短報知演出モードとなる場合)は、特図変動回数を更新する処理(ステップA573)を行わないようにしても良い。この場合、後述する特図変動回数が1であるか否かの判定(ステップA575)では、常に1でない(ステップA575;No)と判定するようにする。また、確変状態である場合は、次回の大当りまで時短動作状態とするので、時間短縮変動回数を更新する処理(ステップA574)を行わないようにしても良い。この場合、後述する時間短縮変動回数が0であるか否かの判定(ステップA577)では、常に0でない(ステップA577;No)と判定するようにする。
時間短縮変動回数を更新(−1)する処理(ステップA574)を行った後、特図変動回数が1であるか否かの判定(ステップA575)を行う。そして、1である場合(ステップA575;Yes)、すなわち、次回の特図変動表示ゲームが曖昧報知演出モードでの最後の特図変動表示ゲームである場合は、特図普段処理に移行するためのテーブル(最終回用)を準備する処理(ステップA576)を行い、特図表示中処理を終了する。具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し、特図変動表示ゲームの変動パターンを決定するための変動パターンテーブルとして直近の大当り図柄に対応する最終回用変動パターンテーブルを設定するための情報を設定する。一方、1でない場合(ステップA575;No)は、時間短縮変動回数が0であるか否かの判定(ステップA577)を行う。
時間短縮変動回数が0であるか否かの判定(ステップA577)において、時間短縮変動回数が0でない(ステップA577;No)場合は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)を行い、特図表示中処理を終了する。特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行う。
一方、ステップA577にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA577;Yes)と判定した場合、即ち、時短状態にて所定回数(例えば、100回)の特図変動表示ゲームの実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA578)、コマンド設定処理(ステップA579)を行う。次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA580)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA580)では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定するとともに、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等を設定する処理を行う。
ここで、特図変動回数が99から2である場合、すなわち、曖昧報知演出モードである場合(最終回を除く)は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)で、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして、直近の大当り図柄(図柄番号)に応じて図28に示す変動パターンテーブルが選択されるようにする情報が設定される。例えば、直近の大当り図柄の図柄番号が図5に示す図柄番号2(15R通常で曖昧報知演出モードとなる大当り)である場合、図28に示すように、変動パターンとして、リーチなしが200/256の確率で選択され、リーチが26/256で選択され、特殊変動1が20/256で選択され、特殊変動2が10/256の確率で選択される変動パターンテーブルが選択される。なお、小当りである場合は、2R当りである図柄番号8と9に対応する変動パターンテーブルの何れかが後述する大当り終了処理で選択され、ここで選択された変動パターンテーブルが選択されるようにする情報が設定される。
すなわち、遊技制御装置100が、特図変動表示ゲームの実行態様が複数設定された複数のテーブルから一のテーブルを直近の特別結果に基づき選択する選択手段をなす。また、遊技制御装置100が、選択手段(遊技制御装置100)によって選択されたテーブルに基づき選択された実行態様に従って変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行制御手段をなす。
変動パターンのうち特殊変動1と特殊変動2は、曖昧報知演出モードにおける演出状態(HIGHモードとLOWモード)の切り替えに関する変動パターンである。詳細については後述するが、特殊変動1が設定された場合には演出状態としてHIGHモードが設定され、特殊変動2が設定された場合には演出状態としてLOWモードが設定される。
図28においては、曖昧報知演出モードであり確率状態が高確率状態である図柄番号5,6,7,9に対応する変動パターンテーブルの方が、曖昧報知演出モードであり確率状態が通常確率状態である図柄番号2,3,8に対応する変動パターンテーブルよりも特殊変動2を選択する確率が低くなっている。すなわち、高確率状態である場合の方が、通常確率状態である場合よりも特殊変動2の選択確率が低くなっている。これにより、高確率状態である場合の方が通常確率状態である場合よりも演出状態がLOWモードになりにくく、このことから曖昧報知演出モードにおいて確率状態を示唆することができる。
すなわち、テーブルに基づき設定される実行態様には、通常実行態様(リーチなし、リーチ)、第1特殊実行態様(特殊変動1)及び第2特殊実行態様(特殊変動2)が少なくとも含まれ、非報知状態(曖昧報知演出モード)において高確率状態となる場合に選択されるテーブルは、非報知状態において通常確率状態となる場合に選択されるテーブルよりも第2特殊実行態様を選択する割合が低く設定されている。これにより、特別遊技状態の終了後の変動表示ゲームの実行態様が直近の特別結果に関連付けられることとなる。特に、特別遊技状態の終了後の確率状態は、直近の特別結果に基づき設定されるので、特別遊技状態の終了後の変動表示ゲームの実行態様が確率状態に関連付けられることとなり、非報知状態における遊技の演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、特図普段処理に移行するためのテーブル(最終回用)を準備する処理(ステップA576)では、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして直近の大当り図柄に対応する最終回用変動パターンテーブルとして、確率状態に応じて図29示す特殊パターンテーブルA(第2特定テーブル)と、特殊パターンテーブルB(第1特定テーブル)の何れかが選択されるようにする情報が設定される。
確率状態が通常確率状態である場合には、特殊変動2(第2特殊実行態様)のみが選択される特殊パターンテーブルAが選択され、確率状態が高確率状態である場合には、特殊変動1(第1特殊実行態様)のみが選択される特殊パターンテーブルBが選択される。すなわち、確率状態が通常確率状態である場合には、LOWモードへ移行もしくは維持する演出がなされ、確率状態が高確率状態である場合には、HIGHモードへ移行もしくは維持する演出がなされる。これにより、非報知状態(曖昧報知演出モード)の最後のゲームでは確率状態に応じた演出が可能となり、矛盾のない演出を行うことができる。
以上のことから、テーブルには、第1特殊実行態様のみが選択される第1特定テーブルと、第2特殊実行態様のみが選択される第2特定テーブルと、が含まれ、非報知状態は、予め定められた所定回数の変動表示ゲームを実行することで終了するように設定され、選択手段(遊技制御装置100)は、非報知状態において最後に実行される変動表示ゲームの実行態様を選択するためのテーブルとして、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率が高確率状態である場合には第1特定テーブルを選択し、通常確率状態である場合には第2特定テーブルを選択するようにしたこととなる。
なお、図28に示すように、通常確率状態であることが報知される図柄番号1である場合の変動パターンテーブルであっても所定の確率で特殊変動1及び2が選択されるようになっている。また、図29に示すように通常演出モードであっても所定の確率で特殊変動1及び2が選択されるようになっている。このように曖昧報知演出モード以外の場合において特殊変動1または2が選択された場合は、所定の演出を実行することが可能な変動時間が設定されることから特定の演出が行われる。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)の詳細について説明する。図26に示すように、ファンファーレ/インターバル中処理では、先ず、特別遊技状態のラウンド数を更新(+1)する処理(ステップA591)を行った後、特別遊技状態の各ラウンドにおける大入賞口の開放時間(特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間)として開放時間の短い短開放(例えば、1秒等)を設定する処理(ステップA592)を行う。次に、大入賞口開放情報判定フラグをロードし(ステップA593)、当該大入賞口開放情報判定フラグが大入賞口の開放時間の長い長開放(例えば、25秒等)であるか否かをチェックして(ステップA594)、大入賞口の開放時間が長開放である(ステップA595;Yes)と判定すると、特別遊技状態のラウンド数に対応するラウンドコマンドを準備して(ステップA596)、コマンド設定処理(ステップA597)を行う。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA598)、コマンド設定処理(ステップA599)を行う。そして、特別遊技状態の各ラウンドにおける特別変動入賞装置38の開閉扉38cの開放時間(大入賞口の開放時間)として開放時間の長い長開放を設定する処理(ステップA600)を行った後、当該開放時間(長開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA601)。
また、ステップA595にて、大入賞口の開放時間が長開放でないと判定された場合にも(ステップA595;No)、即ち、大入賞口の開放時間が短開放である場合、処理をステップA601に移行して、当該開放時間(短開放に係る開放時間)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA601)。すなわち、大当りのラウンド数が15ラウンドである場合は、大入賞口の開放時間として長開放に係る開放時間が特図ゲーム処理タイマ領域にセーブされ、大当りのラウンド数が2ラウンドである場合は、大入賞口の開放時間として短開放に係る開放時間が特図ゲーム処理タイマ領域にセーブされることとなる。その後、大入賞口開放中処理に移行するための設定処理(ステップA602)を行って、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
大入賞口開放中処理に移行するための設定処理(ステップA602)では、例えば、曖昧報知演出モードとする変動表示ゲームの実行回数である特図変動回数(例えば100回)や、普通変動入賞装置37を時短動作状態とする変動表示ゲームの実行回数である時短回数(例えば100回)をそれぞれ対応するカウンタにセットする処理を行う。なお、曖昧報知演出モードとならない場合(確変報知演出モード、時短報知演出モードとなる場合)は、特図変動回数をカウンタにセットしなくても良い。また、確変状態である場合は、次回の大当りまで時短動作状態とするので、時間短縮変動回数をセットしなくても良い。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図27に示すように、大当り終了処理では、先ず、大当り終了設定テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA641)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された確率変動判定フラグをロードした後(ステップA642)、当該確率変動判定フラグに対応する大当り終了設定テーブルを取得する処理(ステップA643)を行って、取得した大当り終了設定テーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA644)。
ここで、大当り終了設定テーブルは、特別遊技状態の終了後に発生する遊技状態の種類、例えば、確変状態や時短状態に応じて設定されるようになっている。確変状態用の大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LED(エラー表示器)を点灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報等を規定するものである。
また、時短状態用の大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、時間短縮変動回数(例えば、100回)を指示する情報等を規定するものである。
すなわち、特別遊技状態の終了後、当該特別遊技状態を発生させた特別結果の種類が所定の特別結果であることに基づき、再度特別結果となる確率を通常よりも高めた高確率状態を発生可能に構成されており、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、特別結果となる確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率設定手段をなす。
次に、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA645)、コマンド設定処理(ステップA646)を行う。続けて、予め実行された先読み処理にて設定された変動パターンに係る変動振り分け判定フラグをロードした後(ステップA647)、ロードした値をRWMの変動パターンテーブル領域にセーブする(ステップA648)。
その後、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA649)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
さらに、当り図柄に対応する停止図柄コマンドを準備する処理(ステップA650)、コマンド設定処理(ステップA651)を行う。この停止図柄コマンドには、今回の特別遊技状態を発生する契機となった特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報が含まれており、後に演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では停止図柄コマンドの受信に基づき、演出モードの設定を行う。
その後、小当りであるか否かの判定(ステップA652)を行い、小当りでない場合(ステップA652;No)は、大当り終了処理を終了する。また、小当りである場合(ステップA652;Yes)は、テーブル選択処理(ステップA653)を行い、大当り終了処理を終了する。テーブル選択処理(ステップA653)では、特別遊技状態の終了後の曖昧報知演出モードにおいて、2R当りである図柄番号8と9に対応する変動パターンテーブル(図28参照)の何れを用いるかが決定される。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300では、遊技に関する処理として、主に図30に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、4msecごと)に行われる図31に示す割込み処理とを行う。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図30に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、電源投入時の初期化処理(ステップB10)を行い、タイマを起動する処理(ステップB11)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップB12)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップB12)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。
その後、特図変動表示ゲームに対応して実行される飾り特図変動表示ゲームの制御に関するゲーム管理処理(ステップB13)を行い、遊技制御装置100で始動記憶の発生時に行った先読み処理の結果に基づく演出の設定を行う先読み演出処理(ステップB14)を行う。そして、表示装置41の表示に関する処理である表示制御処理(ステップB15)、音声の出力に関する処理である音制御処理(ステップB16)、装飾装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45など)の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB17)を行う。さらに、エラーの発生の監視を行うエラー監視処理(ステップB18)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB19)を行い、メインコマンド解析処理(ステップB12)に戻る。
また、図31に示すように割込み処理では、まず、タイマ更新処理(ステップB20)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB21)、演出制御装置300から出力される信号を処理する出力処理(ステップB22)を行う。その後、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB23)を行い、割込み処理を終了する。
図32には、図30に示したメイン処理で行われるゲーム管理処理(ステップB13)を示した。このゲーム管理処理では、制御処理番号を取得し、取得した制御処理番号に基づき実行する処理を選択する。
制御処理番号が0である場合(ステップB30;Yes)は、変動開始処理(ステップB31)を行う。この変動開始処理では、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信される情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、制御処理番号が1である場合(ステップB32;Yes)は、図柄停止中処理(ステップB35)を行うために必要な情報として飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う変動中処理(ステップB33)を行う。また、制御処理番号が2である場合(ステップB34;Yes)は、図柄停止中処理(ステップB35)を行う。図柄停止中処理(ステップB35)においては、特図変動表示ゲームの結果が大当りまたは小当りである場合には、ファンファーレ/インターバル処理(ステップB37)を行うために必要な情報の設定を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、変動開始処理(ステップB31)へ移行するため情報の設定などを行う。
また、制御処理番号が3である場合(ステップB36;Yes)は、特別遊技状態における演出において大入賞口の開放回数の更新などの処理を行うファンファーレ/インターバル処理(ステップB37)を行う。また、制御処理番号が4である場合(ステップB38;Yes)は、大入賞口開放中処理(ステップB39)を行う。この大入賞口開放中処理(ステップB39)では、特別遊技状態が最終ラウンドでなければファンファーレ/インターバル処理(ステップB37)を行うために必要な情報の設定を行う。また、特別遊技状態が最終ラウンドであれば特別遊技状態の終了画面の表示や大入賞口残存球処理(ステップB41)を行うために必要な情報の設定を行う。
また、制御処理番号が5である場合(ステップB40;Yes)は、大入賞口残存球処理(ステップB41)を行う。この大入賞口残存球処理(ステップB41)では、特別遊技状態が最終ラウンドである場合に、大入賞口を閉鎖した後に大入賞口内に残存する全ての遊技球がカウントスイッチ38aで検出されるまでの時間の設定を行う。また、制御処理番号が6である場合(ステップB42;Yes)は、小・大当り終了処理(ステップB43)を行う。この小・大当り終了処理(ステップB43)では、特別遊技状態を終了する処理を行うとともに、変動開始処理(ステップB31)を行うために必要な情報の設定を行う。
図33には、図32に示すゲーム管理処理での小・大当り終了処理(ステップB43)を示した。この小・大当り終了処理では、まず、停止図柄コマンドを受信したか否かの判定(ステップB50)を行う。図27に示したように、停止図柄コマンドに今回の特別遊技状態を発生する契機となった特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報が含まれている。この停止図柄コマンドを受信したか否かの判定(ステップB50)において、停止図柄コマンドを受信していない場合(ステップB50;No)は、小・大当り終了処理を終了する。
また、停止図柄コマンドを受信している場合(ステップB50;Yes)は、停止図柄コマンドに基づき停止図柄に関する情報(図柄番号)を取得する処理(ステップB51)を行い、通常図柄であるか否かの判定(ステップB52)を行う。通常図柄とは、特別遊技状態の終了後の確率状態を通常確率状態とする大当り図柄であり、図柄番号(図5参照)が1から3及び8の場合である。
この通常図柄である場合(ステップB52;Yes)は、時短フラグをセットする処理(ステップB53)、時短回数をセットする処理(ステップB54)を行い、参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB55)を行う。時短フラグは遊技状態が時短状態となることを示すフラグである。また、時短回数とは、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であり、時短回数をセットする処理(ステップB54)では時短回数を管理する時短カウンタに初期値(例えば100)を設定する。一方、通常図柄でない場合(ステップB52;No)は、参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB55)を行う。なお、小当りであった場合は、通常図柄でない場合(ステップB52;No)と判定する。
参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB55)を行った後、確率情報コマンド及び停止図柄コマンドに対応する確率情報と演出モード情報をセットする処理(ステップB56)を行う。これらの処理により、図柄番号に応じた特別遊技状態の終了後の確率情報と演出モード情報が規定された情報設定テーブルがセットされ、このテーブルに特図変動表示ゲームの停止図柄(図柄番号)を参照することで、確率情報と演出モード情報が決定されてセットされる。例えば、停止図柄が2R通常図柄(図柄番号9)であった場合は、確率情報として通常確率がセットされ、演出モード情報として曖昧報知演出モードがセットされる。また、停止図柄が小当り図柄であった場合は、確率情報として特別遊技状態の開始前の確率情報がセットされ、演出モード情報が曖昧報知演出モードとされる。すなわち、演出制御装置300が、特別遊技状態の終了後、通常確率状態と高確率状態の何れであるのかを遊技者に明確に報知しない非報知状態(曖昧報知演出モード)を発生可能な非報知状態発生手段をなす。
その後、セットされた演出モード情報が曖昧報知演出モードであるか否かの判定(ステップB57)を行い、曖昧報知演出モードでない場合(ステップB57;No)は、演出モードに対応した変動パターンテーブルをセットする処理(ステップB59)を行う。また、セットされた演出モード情報が曖昧報知演出モードである場合(ステップB57;Yes)は、演出モード設定処理(ステップB58)を行い、演出モードに対応した変動パターンテーブルをセットする処理(ステップB59)を行う。
そして、変動回数カウンタをセットする処理(ステップS60)を行い、ゲーム処理番号を0にセットする処理(ステップS61)を行って、小・大当り終了処理を終了する。変動回数カウンタをセットする処理(ステップS60)では、変動回数カウンタに初期値として0をセットする。後述するように変動回数カウンタは、特図変動表示ゲームの終了毎に+1されるようになっており、これにより特別遊技状態の終了後に実行された特図変動表示ゲームの実行回数が計数される。
図34には、図33の小・大当り終了処理における演出モード設定処理(ステップB58)を示した。この演出モード設定処理では、まず、モード設定用乱数を取得する処理(ステップB70)を行い、HIGHモードが選択されたか否かの判定(ステップB71)を行う。
HIGHモードが選択されたか否かの判定(ステップB71)では、取得したモード設定用乱数値がHIGHモードを選択する乱数値であるかが判定される。このHIGHモードが選択されたか否かの判定(ステップB71)において、HIGHモードが選択された場合(ステップB71;Yes)は、特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB72)を行い、演出モード設定処理を終了する。この場合、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態がHIGHモードとなり、図6(c)に示す表示がなされる。また、HIGHモードが選択されなかった場合(ステップB71;No)、すなわち、LOWモードが選択された場合は、特殊変動演出情報としてLOWモード演出フラグをセットする処理(ステップB73)を行い、演出モード設定処理を終了する。この場合、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態がLOWモードとなり、図6(d)に示す表示がなされる。
なお、HIGHモードが選択されたか否かの判定(ステップB71)において、図柄番号を参照し、図柄番号に応じてHIGHモードを選択する確率が異なるようにしても良い。例えば、特別遊技状態の終了後に高確率状態となる場合にはHIGHモードを選択する確率を通常確率状態となる場合よりも高めるようにしても良い。また、逆も可能である。
図35には、図32に示すゲーム管理処理での変動開始処理(ステップB31)を示した。この変動開始処理では、まず、変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB80)を行う。変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB80)では、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置100から送信される変動開始コマンドを受信したかが判定される。変動開始コマンドとは、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンドや、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドである。この変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB80)において、変動開始コマンドを受信していない場合(ステップB80;No)は、変動開始処理を終了する。また、変動開始コマンドを受信している場合(ステップB80;Yes)は、図柄指定情報(飾り特図コマンド)に対応する停止図柄を設定する処理(ステップB81)を行う。
図柄指定情報に対応する停止図柄を設定する処理(ステップB81)では、受信した変動開始コマンドの図柄指定情報に基づき、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を設定する。そして、設定した図柄が大当り図柄であるか否かの判定(ステップB82)を行う。この大当り図柄であるか否かの判定(ステップB82)において、大当り図柄である場合(ステップB82;Yes)は、大当りフラグをセットする処理(ステップB83)を行い、変動パターン設定処理(ステップB84)を行う。また、大当り図柄であるか否かの判定(ステップB82)において、大当り図柄でない場合(ステップB82;No)は、変動パターン設定処理(ステップB84)を行う。
変動パターン設定処理(ステップB84)では、受信した変動開始コマンドに基づき、飾り特図変動表示ゲームの変動パターンを設定する。この処理では、大当りであるか否かや、演出モードの情報、変動パターン情報等に基づいて、変動パターン情報として変動パターン選択テーブルから変動パターン及び変動時間を設定する。すなわち、遊技制御装置100及び演出制御装置300が、変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動態様設定手段をなす。
次に、飾り特図変動表示ゲームを開始するための変動開始フラグをセットする処理(ステップB85)を行い、対応する始動記憶領域をシフトする処理(ステップB86)を行う。その後、制御処理番号を1インクリメントする処理(ステップB87)を行い、変動開始処理を終了する。
対応する始動記憶領域をシフトする処理(ステップB86)では、始動記憶に関する情報を記憶する領域である始動記憶制御領域に記憶された情報のうち、特図変動表示ゲームを実行する始動記憶(特図1始動記憶もしくは特図2始動記憶)に対応する記憶制御領域の始動記憶領域1から4に記憶された情報を、一つずつ若い番号の領域へ移動する。すなわち、対応する始動記憶領域をシフトする処理(ステップB86)に伴い、特図変動表示ゲームを実行した始動記憶に関する情報が上書きされて消去される。
図36には、図35に示す変動開始処理での変動パターン設定処理(ステップB84)を示した。この変動パターン設定処理では、まず、停止図柄等に基づき変動パターンを選択する処理(ステップB90)を行う。停止図柄等に基づき変動パターンを選択する処理(ステップB90)では、遊技制御装置100から受信した情報に基づき、詳細な変動パターンを選択する。
次に、結果が大当りであるか否かの判定(ステップB91)を行い、結果が大当りである場合(ステップB91;Yes)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、結果が大当りでない場合(ステップB91;No)は、曖昧報知演出モード中であるか否かの判定(ステップB92)を行う。
そして、曖昧報知演出モード中であるか否かの判定(ステップB92)において、曖昧報知演出モード中でない場合(ステップB92;No)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、曖昧報知演出モード中である場合(ステップB92;Yes)は、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)を行う。
後述するように状態報知フラグは、特別遊技状態の終了後から数えて99回目となる特図変動表示ゲームの終了時に設定されるフラグである。特図変動表示ゲームの開始時に行われる変動パターン設定処理の実行時にこの状態報知フラグがある場合とは、これから開始される特図変動表示ゲームが特別遊技状態の終了後から数えて100回目の特図変動表示ゲームであるということである。すなわち、曖昧報知演出モードであれば当該曖昧報知演出モードの最終回となる特図変動表示ゲームであることとなる。
この状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)において、状態報知フラグがある場合(ステップB93;Yes)は、最終演出設定処理(ステップB101)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。最終演出設定処理(ステップB101)の詳細については後述するが、この処理では、確率状態を明確に報知する演出が設定される。一方、状態報知フラグがない場合(ステップB93;No)は、選択された変動パターンを取得する処理(ステップB94)を行い、特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB95)を行う。
特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB95)では、遊技制御装置100から受信した情報に基づき選択された変動パターンが特殊変動1もしくは特殊変動2であるかが判定される。すなわち、遊技制御装置100において、特殊変動1もしくは特殊変動2が選択されたかを判定することとなる。この特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB95)において、特殊変動パターンでない場合(ステップB95;No)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、特殊変動パターンである場合(ステップB95;Yes)は、現在の演出状態を示す情報である特殊変動演出情報(HIGHモード演出フラグもしくはLOWモード演出フラグ)を取得する処理(ステップB96)を行い、演出状態がHIGHモードである場合に設定されるHIGHモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB97)を行う。
そして、HIGHモード演出フラグがある場合(ステップB97;Yes)は、HIGHモード演出設定処理(ステップB98)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。また、HIGHモード演出フラグがない場合(ステップB97;No)、すなわち、演出状態がLOWモードである場合に設定されるLOWモード演出フラグがある場合は、LOWモード演出設定処理(ステップB99)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
図37には、図36に示す変動パターン設定処理でのHIGHモード演出設定処理(ステップB98)を示した。このHIGHモード演出設定処理では、まず、遊技制御装置100で選択された変動パターンが特殊変動1であるか否かの判定(ステップB102)を行う。そして、特殊変動1である場合(ステップB102;Yes)は、HIGHモード継続演出を設定する処理(ステップB103)を行い、HIGHモード演出設定処理を終了する。この場合、特殊演出として図7に示すようなHIGHモード継続演出が行われる。
また、特殊変動1でない場合(ステップB102;No)、すなわち特殊変動2である場合は、LOWモード降格演出を設定する処理(ステップB104)を行い、HIGHモード演出設定処理を終了する。この場合、特殊演出として図8に示すようなLOWモード降格演出が行われ、LOWモード演出フラグが設定される。これにより演出状態がHIGHモードからLOWモードに切り替えられる。
図38には、図36に示す変動パターン設定処理でのLOWモード演出設定処理(ステップB99)を示した。このLOWモード演出設定処理では、まず、遊技制御装置100で選択された変動パターンが特殊変動1であるか否かの判定(ステップB105)を行う。そして、特殊変動1である場合(ステップB105;Yes)は、HIGHモード昇格演出を設定する処理(ステップB106)を行い、LOWモード演出設定処理を終了する。この場合、特殊演出として図9に示すようなHIGHモード昇格演出が行われ、HIGHモード演出フラグが設定される。これにより、演出状態がLOWモードからHIGHモードに切り替えられる。
また、特殊変動1でない場合(ステップB105;No)、すなわち特殊変動2である場合は、HIGHモード昇格失敗演出を設定する処理(ステップB107)を行い、LOWモード演出設定処理を終了する。この場合、特殊演出として図10に示すようなHIGHモード昇格失敗演出が行われる。
すなわち、第1特殊実行態様(特殊変動1)が選択された特図変動表示ゲームの終了後に演出状態が第1演出状態(HIGHモード)に設定され、第2特殊実行態様(特殊変動2)が選択された特図変動表示ゲームの終了後に演出状態が第2演出状態(LOWモード)に設定されることとなる。そして、特殊演出の種類は、当該特殊演出の前後の演出状態に基づき選択される。つまり、演出制御装置300が、所定条件の成立に基づき、演出状態を切替可能な演出状態切替手段をなす。
このように、特図変動表示ゲームの実行態様と、演出状態の切り替えとに関連を持たせることで、非報知状態における遊技の演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。特に、特図変動表示ゲームの実行態様の選択は、非報知状態でない場合であっても常時行われる制御であり、この制御と非報知状態における演出状態の切り替えに関連を持たせたことで、演出状態の切り替えを決定するための制御を別途行う必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
また、非報知状態において高確率状態となる場合に選択されるテーブルは、通常確率状態となる場合に選択されるテーブルよりも第2特殊実行態様(特殊変動2)を選択する割合が低く設定されているので、高確率状態では通常確率状態に比べて第2演出状態(LOWモード)が選択されにくく、演出状態が単なる演出にとどまらず、実際の確率状態を示唆する演出として位置づけることができる。
さらに、特殊演出の種類は、特殊演出の前後の演出状態に基づき選択されるので、演出状態の変化と特殊演出の内容に関連を持たせることができ、より遊技者の期待感や興趣を向上させることができる。
図39には、図36に示す変動パターン設定処理での最終演出設定処理(ステップB101)を示した。この最終演出設定処理では、まず、現在の演出状態を示す情報である特殊変動演出情報(HIGHモード演出フラグもしくはLOWモード演出フラグ)を取得する処理(ステップB110)を行い、演出状態がHIGHモードである場合に設定されるHIGHモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB111)を行う。
そして、HIGHモード演出フラグがある場合(ステップB111;Yes)は、遊技制御装置100で選択された変動パターンが特殊変動1であるか否かの判定(ステップB112)を行う。なお、曖昧報知演出モードの最終回で特殊変動1が選択されるのは、確率状態が高確率状態である場合であり、特殊変動2が選択されるのは、確率状態が通常確率状態である場合である。
選択された変動パターンが特殊変動1である場合(ステップB112;Yes)、すなわち高確率状態である場合は、HIGHモード継続最終演出を設定する処理(ステップB113)を行い、最終演出設定処理を終了する。HIGHモード継続最終演出は図7に示すHIGHモード継続演出と同じ特殊演出を行うが、最後に高確率状態である旨の報知が行われるようになっている。また、選択された変動パターンが特殊変動1でない場合(ステップB112;No)、すなわち通常確率状態であり特殊変動2が選択された場合は、LOWモード降格最終演出を設定する処理(ステップB114)を行い、最終演出設定処理を終了する。LOWモード降格最終演出は図8に示すLOWモード降格演出と同じ特殊演出を行うが、最後に通常確率状態である旨の報知が行われるようになっている。
一方、HIGHモード演出フラグがない場合(ステップB111;No)、すなわち、演出状態がLOWモードである場合に設定されるLOWモード演出フラグがある場合は、変動パターンが特殊変動1であるか否かの判定(ステップB115)を行う。そして、特殊変動1である場合(ステップB115;Yes)、すなわち高確率状態である場合は、HIGHモード昇格最終演出を設定する処理(ステップB116)を行い、最終演出設定処理を終了する。HIGHモード昇格最終演出は図9に示すHIGHモード昇格演出と同じ特殊演出を行うが、最後に高確率状態である旨の報知が行われるようになっている。また、特殊変動1でない場合(ステップB115;No)、すなわち通常確率状態であり特殊変動2が選択された場合は、HIGHモード昇格失敗最終演出を設定する処理(ステップB117)を行い、最終演出設定処理を終了する。HIGHモード昇格失敗最終演出は図10に示すHIGHモード昇格失敗演出と同じ特殊演出を行うが、最後に通常確率状態である旨の報知が行われるようになっている。これにより、非報知状態(曖昧報知演出モード)の最後のゲームでは確率状態に応じた演出が可能となり、矛盾のない演出を行うことができるとともに、確率状態が明確に報知されるようになる。
図40には、図32に示すゲーム管理処理での図柄停止中処理(ステップB35)を示した。この図柄停止中処理では、まず、特図変動表示ゲームの変動表示を停止する際に遊技制御装置100から送信される停止コマンドを受信したか否かの判定(ステップB120)を行う。そして、停止コマンドを受信していない場合(ステップB120;No)は、図柄停止中処理を終了する。また、停止コマンドを受信した場合(ステップB120;Yes)は、停止コマンドに関する情報を取得する処理(ステップB121)を行い、大当りであるか否かの判定(ステップB122)を行う。
結果が大当りでない場合(ステップB122;No)は、図柄停止処理(ステップB123)を行い、時短回数を管理する時短管理処理(ステップB124)を行う。その後、特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための変動回数管理処理(ステップB125)を行い、制御処理番号を0にセットする処理(ステップB126)を行って図柄停止中処理を終了する。一方、結果が大当りである場合(ステップB122;Yes)は、図柄停止処理(ステップB127)を行い、大当り演出を設定する処理(ステップB128)を行う。その後、制御処理番号を+1する処理(ステップB129)を行って図柄停止中処理を終了する。
図41には、図40に示す図柄停止中処理での時短管理処理(ステップB124)を示した。この時短管理処理では、まず、時短状態である場合に設定される時短フラグがあるか否かの判定(ステップB130)を行い、時短フラグがない場合(ステップB130;No)は、時短管理処理を終了する。また、時短フラグがある場合(ステップB130;Yes)は、時短回数を取得する処理(ステップB131)を行い、時短回数を1デクリメントする処理(ステップB132)を行って、時短回数が0であるか否かの判定(ステップB133)を行う。
時短回数が0であるか否かの判定(ステップB133)において、時短回数が0でない場合(ステップB133;No)、すなわち、時短状態が終了しない場合は、時短管理処理を終了する。また、時短回数が0である場合(ステップB133;Yes)、すなわち、時短状態が終了する場合は、通常演出モードを設定する処理(ステップB134)を行い、時短フラグをクリアする処理(ステップB135)を行って、時短管理処理を終了する。この処理により、通常確率状態である場合は曖昧報知演出モードが終了した後に通常演出モードとなる。なお、この場合は、特殊演出としてLOWモード降格最終演出やHIGHモード昇格失敗最終演出が行われており、すでに通常確率状態であることが報知されている。
図42には、図40に示す図柄停止中処理での変動回数管理処理(ステップB125)を示した。この変動回数管理処理では、まず、変動回数(変動回数カウンタの値)を+1更新する処理(ステップB136)を行う。上述したように、変動回数カウンタは、特別遊技状態の終了時に小・大当り終了処理(図33参照)において0がセットされるようになっており、このように特図変動表示ゲームの終了毎に値を+1することで、特別遊技状態の終了後からの特図変動表示ゲームの実行回数を管理することができる。
その後、所定回数となったか否かの判定(ステップB137)を行う。所定回数とは、次回の特図変動表示ゲームが曖昧報知演出モードの最終回となる100回目の特図変動表示ゲームとなる場合の値であり、ここでは99である。変動回数カウンタの値が所定回数でない場合(ステップB137;No)は、変動回数管理処理を終了する。また、変動回数カウンタの値が所定回数である場合(ステップB137;Yes)は、状態報知フラグをセットする処理(ステップB138)を行い、変動回数管理処理を終了する。これにより、上述した変動パターン設定処理(図36参照)において、曖昧報知演出モードの最終回となる100回目の特図変動表示ゲームの変動パターンを決定する際に、最終演出設定処理が行われ、曖昧報知演出モードの最終回に確率状態が明確に報知されるようになる。
以上のような処理により、直近の特別結果に応じて曖昧報知演出状態中の特図変動表示ゲームの実行態様が図28に示す割合で選択され、この実行態様に応じて演出状態が設定されることで、例えば図11、図12に示したような演出が可能となる。また、曖昧報知演出モードでは明確に確率状態が報知されないが、確率状態に応じて演出状態の選択割合が異なるため、遊技者は確率状態を推測することが可能である。さらに、曖昧報知演出モードが終了する際には、確率状態に応じて特図変動表示ゲームの実行態様が選択されるので、確率状態が明確に報知されることとなる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの実行結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、特別結果の種類に基づき、当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後に変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、通常確率状態と高確率状態の何れであるのかを遊技者に明確に報知しない非報知状態(曖昧報知演出モード)を発生可能な非報知状態発生手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームに関する演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、非報知状態における演出状態として、第1演出状態(HIGHモード)と、該第1演出状態とは異なる演出態様が実行される第2演出状態(LOWモード)と、の何れかを選択するものであり、所定条件の成立に基づき、演出状態を切替可能な演出状態切替手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立した際に特殊演出を実行可能であり、当該特殊演出の前後の演出状態に基づき当該特殊演出の種類を選択するようにしたこととなる。
また、変動表示ゲームの実行態様が複数設定された複数のテーブルから一のテーブルを直近の特別結果に基づき選択する選択手段(遊技制御装置100)と、該選択手段によって選択されたテーブルに基づき選択された実行態様に従って変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、テーブルに基づき設定される実行態様には、通常実行態様(リーチなし変動、リーチ変動)、第1特殊実行態様(特殊変動1)及び第2特殊実行態様(特殊変動2)が少なくとも含まれ、非報知状態において高確率状態となる場合に選択されるテーブルは、非報知状態において通常確率状態となる場合に選択されるテーブルよりも第2特殊実行態様を選択する割合が低く設定され、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1特殊実行態様が選択された変動表示ゲームの終了後に演出状態を第1演出状態に設定し、第2特殊実行態様が選択された変動表示ゲームの終了後に演出状態を第2演出状態に設定するようにしたこととなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、曖昧報知演出モードの終了前所定期間における特図変動表示ゲームの実行態様が異なる。
本変形例の遊技機では、曖昧報知演出モードの開始からの特図変動表示ゲームの実行回数が71回から99回となる特図変動表示ゲームの実行態様を決定するためのテーブルとして、直近の大当り図柄の図柄番号にかかわらず図43に示すテーブルを用いる。
71回目から80回目に選択される特定テーブルAは、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が図28に示した各テーブルよりも高くなっている。また、81回目から90回目に選択される特定テーブルBは、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が特定テーブルAよりも高くなっている。さらに、91回目から96回目に選択される特定テーブルCは、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が特定テーブルBよりも高くなっている。また、96回目から99回目に選択される特定テーブルDは、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率は特定テーブルCと同じであるが、特殊変動1と特殊変動2の選択確率が異なっている。
すなわち、71回目以降(特定回数以降)の特図変動表示ゲームの実行態様を決定するテーブルは、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が、70回目以前(特定回数以前)の特図変動表示ゲームの実行態様を決定するテーブルよりも高くなっている。これにより、演出状態の切り替えが頻繁に行われるようになり、曖昧報知演出モードの終了前所定期間における遊技の興趣を向上することができる。
さらに、71回目以降(特定回数以降)の特図変動表示ゲームの実行態様を決定するテーブルは、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が、前回の特図変動表示ゲームの実行態様を決定するテーブル以上となっている。特に、71回目以降(特定回数以降)所定回数となる毎に特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が、所定回数以前の特図変動表示ゲームの実行態様を決定するテーブルよりも高くなっている。これにより、実行したゲーム数が増加することに伴い、特殊変動1または特殊変動2が選択される確率が高くなり、演出状態の切り替えが頻繁に行われるようになり、曖昧報知演出モードの終了前所定期間における遊技の興趣をより向上することができる。また、非報知状態中の確率状態の示唆が明確になり、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、91回目から99回目まではすべて特殊変動1または特殊変動2であるので、演出状態の切り替えがさらに頻繁に行われるようになる。このうち、97回目から99回目では特殊変動2の選択確率が高いことから演出状態がLOWモードとなりやすい。これに対して曖昧報知演出モードの最終回となる100回目では、確率状態に応じて特殊変動1もしくは特殊変動2が選択されるようになっており、高確率状態である場合には特殊変動1が選択される。すなわち、97回目から99回目で特殊変動2の選択確率を高くしてLOWモードとなりやすくすることで、曖昧報知演出モードの最終回となる100回目においてHIGHモード昇格演出が実行されやすくなり、遊技者に高確率状態に昇格したような印象を与えることができ、遊技の興趣を高めることができる。
本変形例の遊技機では、図25に示した特図表示中処理の後半の処理に代えて、図44に示す処理を行う。すなわち、図25において、大当りでない場合(ステップA548;No)は、図44に示す処理を行う。この処理では、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)の前に、変動パターン変更設定処理(ステップA660)を行う点が異なる。
図45に示すように変動パターン変更設定処理では、まず、非報知状態中であるか否かの判定(ステップA670)を行う。この判定では、直近の図柄番号から非報知状態を発生する特別結果であったかを判定するとともに、特図変動回数が100から2の範囲であるかを判定することで、非報知状態中であるかを判定する。
この非報知状態中であるか否かの判定(ステップA670)において、非報知状態中でない場合(ステップA670;No)は、対応するテーブルをセットする処理(ステップA679)を行い、変動パターン変更設定処理を終了する。この場合は、通常演出モード、時短報知演出モード、確変報知演出モードのいずれかであり、対応するテーブルをセットする処理(ステップA679)では、演出状態に対応するテーブルを設定する。そして、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)においては、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして、ここで設定された変動パターンテーブルが選択されるようにする情報が設定される。
また、非報知状態中であるか否かの判定(ステップA670)において、非報知状態中である場合(ステップA670;Yes)は、特図変動回数に応じたテーブルをセットする処理を行い、変動パターン変更設定処理を終了する。特図変動回数に応じたテーブルをセットする処理では、特図変動回数が第1所定回数であれば(ステップA671;Yes)、特定テーブルAをセットする処理(ステップA672)を行い、特図変動回数が第2所定回数であれば(ステップA673;Yes)特定テーブルBをセットする処理(ステップA674)を行う。また、特図変動回数が第3所定回数であれば(ステップA675;Yes)、特定テーブルCをセットする処理(ステップA676)を行い、特図変動回数が第4所定回数であれば(ステップA677;Yes)、特定テーブルDをセットする処理(ステップA678)を行う。
ここで、第1所定回数は30から21、第2所定回数は20から11、第3所定回数は10から5、第4所定回数は4から2の範囲の値である。すなわち、曖昧報知演出モードの開始からの特図変動表示ゲームの実行回数が、71回から80回となる特図変動表示ゲームに対して特定テーブルAが設定され、81回から90回となる特図変動表示ゲームに対して特定テーブルBが設定される。また、91回から96回となる特図変動表示ゲームに対して特定テーブルCが設定され、97回から99回となる特図変動表示ゲームに対して特定テーブルDが設定される。
そして、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)においては、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして、ここで設定された変動パターンテーブルが選択されるようにする情報が設定される。なお、特図変動回数が100から31である場合は、変動パターン変更設定処理において変動パターンテーブルは選択されず、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)においては、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして、直近の大当り図柄(図柄番号)に応じて図28に示す変動パターンテーブルが選択されるようにする情報が設定される。
以上のことから、選択手段(遊技制御装置100)は、非報知状態(曖昧報知演出モード)における変動表示ゲームの実行回数が予め定められた特定回数に達した以降は、第1特殊実行態様(特殊変動1)もしくは第2特殊実行態様(特殊変動2)が選択される確率が、特定回数以前に選択されたテーブルにおける第1特殊実行態様もしくは第2特殊実行態様が選択される確率より高い特殊テーブル(特定テーブルAからD)を選択することとなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、曖昧報知演出モードにおいて特図変動表示ゲームの実行態様としてリーチが選択された場合にも特殊演出を実行可能となっている。
本変形例の遊技機では、図36に示す変動パターン設定処理に代えて、図46に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、選択された変動パターンを取得する処理(ステップB94)を行った後の処理が異なっており、変動パターンがリーチなし以外であるか否かの判定(ステップB140)を行う。
そして、リーチなし以外でない場合(ステップB140;No)、すなわち、変動パターンがリーチなしである場合は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、リーチなし以外である場合(ステップB140;Yes)、すなわち、変動パターンがリーチ変動、特殊変動1もしくは特殊変動2である場合は、特殊演出設定処理(ステップB141)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
図47に示すように、特殊演出設定処理では、まず、変動パターンがリーチ変動であるか否かの判定(ステップB150)を行い、リーチ変動でない場合(ステップB150;No)、すなわち特殊変動1もしくは特殊変動2である場合は、HIGHモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB97)を行う。
そして、HIGHモード演出フラグがある場合(ステップB97;Yes)は、HIGHモード演出設定処理(ステップB98、図37参照)を行い、特殊演出設定処理を終了する。また、HIGHモード演出フラグがない場合(ステップB97;No)は、LOWモード演出設定処理(ステップB99、図38参照)を行い、特殊演出設定処理を終了する。
一方、変動パターンがリーチ変動である場合(ステップB150;Yes)は、特殊演出決定用乱数を抽出する処理(ステップB151)を行い、抽出した特殊演出決定用乱数数に基づき特殊演出を実行するかを判定する(ステップB152)。すなわち、リーチ変動の場合は、所定の確率で特殊演出を実行する。そして、特殊演出を実行しない場合(ステップB152;No)は、特殊演出設定処理を終了する。また、特殊演出を実行する場合(ステップB152;Yes)は、演出内容決定用乱数を抽出する処理(ステップB153)を行い、対応する特殊演出を設定する処理(ステップB154)を行って、特殊演出設定処理を終了する。
対応する特殊演出を設定する処理(ステップB154)では、抽出した演出内容決定乱数と現在の演出状態とに基づき、図7から図10に示す特殊演出の何れかを設定する。これにより、リーチ変動となる特図変動表示ゲームにおいて選択された特殊演出が実行され、演出状態の切り替えを伴う特殊演出であった場合には、演出フラグが切り替えられて演出状態が切り替わることとなる。実行態様としてリーチ変動が選択された場合は特殊演出を実行するための時間を確保することが可能であり、このような処理が可能となる。そして、このような処理により、演出状態の切り替えの機会を増やすことができ、非報知状態における遊技の興趣を向上することができる。
以上のことから、テーブルに基づき設定される実行態様には、リーチ状態を発生するリーチ実行態様が含まれ、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において、リーチ実行態様が選択された場合にも演出状態を切替可能であることとなる。
なお、曖昧報知演出モードの開始からの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数未満(特図変動回数が所定数以上)である場合には、図36に示す変動パターン設定処理を行い、曖昧報知演出モードの開始からの特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数以上(特図変動回数が所定数未満)である場合には、図46に示す変動パターン設定処理を行うようにしても良い。すなわち、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において変動表示ゲームが所定回数実行された後は、リーチ実行態様が選択された場合にも、演出状態を切替可能としても良い。このようにすることで、上述の第1変形例の遊技機と同様に、曖昧報知演出モードの終了前所定期間において演出状態の切り替えが頻繁に行われるようになり、曖昧報知演出モードの終了前所定期間における遊技の興趣を向上することができる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、先読み処理の結果、大当りとなる特図始動記憶がある場合に、LOWモード(第2演出状態)からHIGHモード(第1演出状態)に切り替えるようにしている。
本変形例の遊技機では、図30に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)において、図48に示す処理を行う。この先読み演出処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを受信したか否かの判定(ステップB160)を行う。飾り特図保留数コマンドは、特図始動記憶が発生した場合や消化された場合に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。この飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB160;No)は、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB163)を行う。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB160;Yes)は、対応する始動記憶数を更新する処理(ステップB161)を行い、飾り特図始動記憶表示の更新をセットする処理(ステップB162)を行う。その後、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB163)を行う。
先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB163)では、発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果関連情報を含む先読みコマンドを受信したかを判定する。なお先読みコマンドとは、遊技制御装置100で始動記憶の発生時に行われる特図保留情報判定処理(図19参照)で送信される始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドである。この先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB163)において、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB163;No)は、先読み演出処理を終了する。また、先読みコマンドを受信した場合(ステップB163;Yes)は、対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB164)を行う。対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB164)では、遊技制御装置100から受信した先読みコマンドの情報(先読み演出ACTION情報)を対応する特図始動記憶の始動記憶制御領域に記憶する処理を行う。
その後、受信した先読みコマンドから先読み情報を取得する処理(ステップB165)を行い、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かの判定(ステップB166)を行う。そして、大当りでない場合(ステップB166;No)は、先読み演出処理を終了する。また、大当りである場合(ステップB166;Yes)は、現在の演出状態を示す情報である特殊変動演出情報(HIGHモード演出フラグもしくはLOWモード演出フラグ)を取得する処理(ステップB167)を行う。
そして、取得した特殊変動演出情報としてLOWモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB168)を行い、LOWモード演出フラグがない場合(ステップB168;No)、すなわち現在の演出状態がHIGHモードである場合は、先読み演出処理を終了する。また、LOWモード演出フラグがある場合(ステップB168;Yes)は、HIGHモード演出切替フラグをセットする処理(ステップB169)を行い、先読み演出処理を終了する。
また、図36に示す変動パターン設定処理に代えて、図49に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、選択された変動パターンを取得する処理(ステップB94)を行った後の処理が異なっており、上述の先読み演出処理で設定されるHIGHモード演出切替フラグがあるか否かの判定(ステップB170)を行う。
そして、HIGHモード演出切替フラグがない場合(ステップB170;No)は、変動パターンが特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB95)を行い、特殊変動パターンでない場合(ステップB95;No)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、特殊変動パターンである場合(ステップB95;Yes)は、通常特殊演出設定処理(ステップB172)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。通常特殊演出設定処理(ステップB172)は、図36のステップB97からステップB99の処理である。
一方、HIGHモード演出切替フラグがある場合(ステップB170;Yes)は、HIGHモード昇格演出を設定する処理(ステップB171)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。HIGHモード昇格演出を設定する処理(ステップB171)では、図9に示す特殊演出の実行を設定する。これにより、LOWモードにおいて大当りとなる特図始動記憶が発生した場合にHIGHモードへ切り替えられることとなる。
図50には、曖昧報知演出モード中に、結果が大当りとなる特図始動記憶である大当り保留が発生した例を示した。図50(a)に示すようにLOWモードの演出状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態で、図50(b)に示すように大当り保留が発生した場合、図50(c)に示すように大当り保留が発生した特図変動表示ゲームが終了した後に開始される特図変動表示ゲームで特殊演出が実行される。図50(d)、(e)に示すように、大当り保留が発生した特図変動表示ゲームの後に開始される特図変動表示ゲームでは、特殊演出としてHIGHモード昇格演出が行われ、図50(f)に示すように、演出状態がHIGHモードとなる。その後、大当り保留に基づく特図変動表示ゲームが実行され、図50(g)、(h)に示すように特別結果が導出される。
このような処理により、演出状態の切り替えに対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、この演出状態の切り替えが行われて現在の始動記憶数以内に大当りが発生することとなるため、特殊演出や第1演出状態(HIGHモード)を特別なもの、期待できるものであることを遊技者に意識づけることができ、特殊演出や第1演出状態に対する遊技者の興趣を増大させることができる。
なお、HIGHモード演出切替フラグがある場合に、変動パターンがリーチ変動、特殊変動1もしくは特殊変動2であれば、特殊演出を実行する時間を確保可能であるため問題はないが、変動パターンがリーチなしである場合には、特殊演出を実行する時間を確保できない可能性もある。このように変動パターンがリーチなしである場合には、変動時間に合わせたHIGHモード昇格演出を行うようにする。
また、HIGHモード演出切替フラグがある場合に、変動パターンがリーチなしの特図変動表示ゲームが連続する場合に、複数回の特図変動表示ゲームにわたり一のHIGHモード昇格演出を行うようにしても良い。この場合、表示装置41で行われる飾り特図変動表示ゲームは、例えば、図50(d)のように隅部に表示する。
また、大当りとなる始動記憶が発生した場合には、遊技制御装置100において特殊演出を実行可能な長さの変動時間を設定するようにしても良い。また、先読み処理の結果、大当りとなる始動記憶が発生した場合には、遊技制御装置100において特殊変動1のみ又は特殊変動1と特殊変動2のみを選択可能なテーブルを選択するようにし、特殊演出を実行可能な変動時間を確保するようにしても良い。
また、大当りとなる始動記憶が発生し、HIGHモード演出切替フラグが設定された場合は、当該大当りとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームまでHIGHモードを継続するようにしても良い。例えば、大当りとなる始動記憶が発生し、HIGHモード演出切替フラグが設定された場合は、当該大当りとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームまでの特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動2が選択された場合に、特殊変動1が選択された場合の演出を行うようにする。これにより、通常はLOWモードに降格する場合であってもHIGHモードが継続されることとなる。また、先読み処理の結果、大当りとなる始動記憶が発生した場合に、遊技制御装置100において、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームを実行するまで、特殊変動1のみを選択するテーブル(特殊パターンテーブルB、図29参照)を設定するようにしても良い。
また、図29に示したように、通常演出モードにおいても特殊変動を選択可能であるが、大当りとなる始動記憶が発生し、かつ、特殊変動が連続して選択されている稀な場合には、当該特殊変動における演出において、特別な演出(いわゆるプレミア演出)を行うようにしても良い。また、大当りとなる始動記憶が発生した場合に演出状態をHIGHモードとするとしたが、逆にLOWモードとするようにしても良い。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行権利を所定の上限数まで始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を当該変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において第2演出状態が選択されている場合に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在することを条件に、演出状態を第1演出状態に切り替えるようにしたこととなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、曖昧報知演出モードにおいて特図変動表示ゲームの実行回数が予め定められた所定回数に到達する毎に、結果を表示する停止表示時間を延長し、先読み処理の結果、大当りとなる特図始動記憶がある場合に、当該延長した停止表示時間において特殊演出を行う。
本変形例の遊技機では、曖昧報知演出モードの開始から20回、40回、90回となる特図変動表示ゲームの停止表示時間が通常の停止表示時間(0.6秒)よりも延長された長い停止表示時間とされる。延長される場合の停止表示時間は、図51(a)に示すように図柄番号により予め決定されており、例えば、特別結果が図柄番号2であった場合は、曖昧報知演出モードの開始から20、40、90回目の特図変動表示ゲームの停止表示時間が6秒(停止表示時間A)とされる。また、特別結果が図柄番号8であった場合は、曖昧報知演出モードの開始から20回目の特図変動表示ゲームの停止表示時間が20秒(停止表示時間C)とされ、40回目の特図変動表示ゲームの停止表示時間が6秒(停止表示時間A)とされ、90回目の特図変動表示ゲームの停止表示時間が15秒(停止表示時間B)とされる。
遊技制御装置100及び演出制御装置300では、図51(c)に示すように、図柄番号と所定回数における停止表示時間とを関連付けたテーブルを記憶している。なお、このテーブルでは、停止表示時間AからCを図51(b)に示すように特図停止情報1から3として記憶している。よって、直近の大当り図柄の図柄番号と曖昧報知演出モードでの特図変動表示ゲームの実行回数を図51(c)に示すテーブルに参照することで、停止表示時間を取得することが可能である。
本変形例の遊技機では、図23に示す特図変動中処理に代えて、図52に示す特図変動中処理を行う。この特図変動中処理では、まず、大当りであるか否かの判定(ステップA523)を行い、大当りである場合(ステップA523;Yes)は大当り時の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA521)を行う。その後、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA528)以降の処理を行って、特図変動中処理を終了する。
また、大当りでない場合(ステップA523;No)は、はずれ時の特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA524)を行い、非報知状態中であるか否かの判定(ステップA680)を行う。この判定では、直近の図柄番号から非報知状態を発生する特別結果であったかを判定するとともに、特図変動回数が100から1の範囲であるかを判定することで、非報知状態中であるかを判定する。
この非報知状態中であるか否かの判定(ステップA680)において、非報知状態中でない場合(ステップA680;No)は、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA528)以降の処理を行って、特図変動中処理を終了する。また、非報知状態中である場合(ステップA680;Yes)は、特図変動回数を取得する処理(ステップA681)を行い、特図変動回数に応じた特図停止時間ポインタを設定する処理を行う。
特図変動回数に応じた特図停止時間ポインタを設定する処理では、特図変動回数が設定回数1であれば(ステップA682;Yes)、特図停止情報の情報1に対応する特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA683)を行う。ここで、設定回数1は81であり、曖昧報知演出モードにおける20回目の特図変動表示ゲームの停止時における特図変動回数の値である。また、情報1には、図51(c)に示すように、特図番号に応じて20回目の特図変動表示ゲームにおける停止表示時間が規定されており、これに対応するポインタを設定する。
以降同様に、特図変動回数が設定回数2(特図変動回数の値が61)であれば(ステップA684;Yes)、特図停止情報の情報2に対応する特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA684)を行う。また、特図変動回数が設定回数3(特図変動回数の値が11)であれば(ステップA686;Yes)、特図停止情報の情報3に対応する特図停止時間ポインタを設定する処理(ステップA687)を行う。また、特図変動回数が設定回数1から3の何れでもない場合は、はずれ時の特図停止時間ポインタが設定されたままとなる。
特図変動回数に応じた特図停止時間ポインタを設定する処理を行った後、特図停止時間テーブルを設定する処理(ステップA528)以降の処理を行って、特図変動中処理を終了する。なお、特図停止時間テーブルには、大当り時の停止表示時間、はずれ時の停止表示時間(0.6秒)、停止表示時間A(6秒)、停止表示時間B(15秒)、停止表示時間C(20秒)が設定されており、ポインタに対応する停止表示時間が設定される。すなわち、遊技制御装置100が、非報知状態(曖昧報知演出モード)において特図変動表示ゲームの実行回数が予め定められた所定回数に到達する毎に、当該特図変動表示ゲームの結果を表示する停止表示時間を延長する延長制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、図30に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)において図48に示す処理を行う。また、図32に示すゲーム管理処理における変動中処理(ステップB33)において図53に示す処理を行う。この変動中処理では、まず、特図変動表示ゲームの変動表示を停止する際に遊技制御装置100から送信される停止コマンドを受信したか否かの判定(ステップB180)を行い、停止コマンドを受信していない場合(ステップB180;No)は、変動中処理を終了する。また、停止コマンドを受信した場合(ステップB180;Yes)は、変動回数カウンタの値を取得する処理(ステップB181)を行い、設定回数であるか否かの判定(ステップB182)を行う。
変動回数カウンタは、曖昧報知演出モードにおける特図変動表示ゲームの実行回数を計数するためのカウンタであり、特別遊技状態を終了する際に値がクリアされ、特図変動表示ゲームの終了時に+1されるようになっている(図42参照)。そして、設定回数であるか否かの判定(ステップB182)では、この変動回数カウンタの値が設定回数(19,39,89)であるかを判定し、停止表示時間が延長される20、40、90回目の特図変動表示ゲームであるかを判定する。
この設定回数であるか否かの判定(ステップB182)において、設定回数でない場合(ステップB182;No)は、通常停止時間を設定する処理(ステップB188)を行う。その後、制御処理番号を+1する処理(ステップB189)を行って変動中処理を終了する。なお、曖昧報知演出モードとならない場合は変動回数カウンタが使用されないため、常に設定回数でない(ステップB182;No)と判定される。
また、設定回数である場合(ステップB182;Yes)は、HIGHモード演出切替フラグがあるか否かの判定(ステップB183)を行い、HIGHモード演出切替フラグがない場合は、図柄番号に応じた停止時間を設定する処理(ステップB187)を行う。その後、制御処理番号を+1する処理(ステップB189)を行って変動中処理を終了する。
一方、HIGHモード演出切替フラグがある場合(ステップB183;Yes)は、現在の演出状態を示す情報である特殊変動演出情報(HIGHモード演出フラグもしくはLOWモード演出フラグ)を取得する処理(ステップB184)を行い、取得した特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB185)を行う。
そして、HIGHモード演出フラグがある場合(ステップB185;Yes)は、図柄番号に応じた停止時間を設定する処理(ステップB187)を行い、制御処理番号を+1する処理(ステップB189)を行って変動中処理を終了する。また、HIGHモード演出フラグがない場合(ステップB185;No)は、HIGHモード昇格演出を停止時間演出に設定する処理(ステップB186)を行う。その後、図柄番号に応じた停止時間を設定する処理(ステップB187)を行い、制御処理番号を+1する処理(ステップB189)を行って変動中処理を終了する。
HIGHモード昇格演出を停止時間演出に設定する処理(ステップB186)では、延長された停止表示時間中に図9に示す特殊演出の実行を設定する。これにより、LOWモードにおいて大当りとなる特図始動記憶が発生した場合にHIGHモードへ切り替えられることとなる。なお、HIGHモード演出切替フラグは、大当りの発生に基づきクリアされる。
このような処理を行うことで、停止表示時間の延長及び演出状態の切り替えに対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、延長された停止表示時間において特殊演出が行われて演出状態の切り替えが行われ、現在の始動記憶数以内に大当りが発生することとなるため、停止表示時間の延長や特殊演出、演出状態の切り替えを特別なもの、期待できるものであることを遊技者に意識づけることができ、停止表示時間の延長や特殊演出、演出状態の切り替えに対する遊技者の興趣を増大させることができる。
以上のことから、非報知状態において変動表示ゲームの実行回数が予め定められた所定回数に到達する毎に、当該変動表示ゲームの結果を表示する停止表示時間を延長する延長制御手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、延長制御手段により停止表示時間が延長される変動表示ゲームの実行中に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合に、当該延長制御手段により延長される停止表示時間において、特殊演出を実行可能であることとなる。
なお、上述の第3変形例の遊技機の構成を併用することも可能であり、例えば、大当りとなる特図始動記憶が発生した場合に、当該特図始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行までに設定回数とならない、すなわち、延長された停止表示時間とならない場合には、変動表示中にHIGHモード昇格演出を行うようにしても良い。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態の終了前の所定期間に先読み処理の結果、大当りとなる特図始動記憶がある場合に、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態をHIGHモードとするようにしている。
本変形例の遊技機では、図30に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)において、図48に示す先読み演出処理のうち、ステップB165からB169を除く処理を行う。また、図34に示す演出モード設定処理に代えて、図54に示す演出モード設定処理を行う。この演出モード設定処理では、まず、始動記憶の先読み情報を取得する処理(ステップB190)を行い、大当りとなる始動記憶がある場合(ステップB191;Yes)は、特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB72)を行い、演出モード設定処理を終了する。この場合、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態がHIGHモードとなる。
一方、大当りとなる始動記憶がない場合(ステップB191;No)は、通常演出モード設定処理(ステップB193)を行い、演出モード設定処理を終了する。通常演出モード設定処理(ステップB193)は、図34に示すステップB70からステップB73の処理であり、この場合は、所定の確率で演出状態が選択される。
このような処理を行うことにより、非報知状態(曖昧報知演出モード)の開始時に存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームに対する期待感を高めることができる。また、第1演出状態(HIGHモード)に対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、非報知状態の開始時に第1演出状態であれば、そのときに存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果となる可能性が高く、遊技者の興趣を増大させることができる。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となると判定された始動記憶が、特別遊技状態の終了前の所定期間内に存在する場合に、当該特別遊技状態の終了に伴い開始される非報知状態の開始時における演出状態を第1演出状態とするようにしていることとなる。
なお、特別遊技状態の終了時における大当りとなる始動記憶の有無を判定するようにしているが、特別遊技状態の終了前の所定期間における大当りとなる始動記憶の有無を判定するようにしてもよい。この所定期間は任意に設定可能である。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の第3変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口への遊技球の入賞数に基づき、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態を選択するようにしている。
本変形例の遊技機は、図17に示す始動口スイッチ監視処理に代えて、図55に示す始動口スイッチ監視処理を行う。この始動口スイッチ監視処理では、ステップA111からA120までの処理を行った後、エンディング時間実行中であるか否かの判定(ステップA690)を行う。エンディング時間とは、特別遊技状態の最終ラウンドにおいて特別変動入賞装置38が閉鎖したときから特別遊技状態の終了までの時間である。このエンディング時間の実行中でない場合(ステップA690;No)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、エンディング時間の実行中である場合(ステップA690;Yes)は、始動口1(始動入賞口36)への入賞があるか否かの判定(ステップA691)を行う。
そして、始動口1(始動入賞口36)への入賞がない場合(ステップA691;No)は、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、始動口1(始動入賞口36)への入賞がある場合(ステップA691;Yes)は、エンディング入賞球コマンドを準備する処理(ステップA692)を行い、コマンド設定処理(ステップA693)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。このエンディング入賞球コマンドは後に演出制御装置300に送信される。
演出制御装置300では、図48に示す先読み演出処理に代えて、図56に示す先読み演出処理を行う。この先読み演出処理では、ステップB160からステップB169の処理を行った後、エンディング入賞球コマンドを受信したか否かの判定(ステップB200)を行う。そして、エンディング入賞球コマンドを受信していない場合(ステップB200;No)は、先読み演出処理を終了する。また、エンディング入賞球コマンドを受信した場合(ステップB200;Yes)は、エンディング入賞球カウンタを+1更新する処理(ステップB201)を行う。この処理により、エンディング時間において始動入賞口36に入賞した遊技球の数を演出制御装置300で計数することができる。なお、エンディング入賞球カウンタの値は大当りの発生時にクリアされて0がセットされる。
また、図34に示す演出モード設定処理に代えて、図57に示す演出モード設定処理を行う。この演出モード設定処理では、まず、エンディング入賞球カウンタの値を取得する処理(ステップB210)を行い、所定数(例えば4)以上であるか否かの判定(ステップB211)を行う。
そして、所定数以上である場合(ステップB211;Yes)は、特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB72)を行い、演出モード設定処理を終了する。この場合、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態がHIGHモードとなる。一方、所定数以上でない場合(ステップB211;No)は、通常演出モード設定処理(ステップB212)を行い、演出モード設定処理を終了する。通常演出モード設定処理(ステップB212)は、図34に示すステップB70からステップB73の処理であり、この場合は、所定の確率で演出状態が選択される。
図58には、エンディング時間から特図変動表示ゲームの開始までの演出の例を示した。エンディング時間となると、図58(a)に示すように、遊技者に始動入賞口36への入賞を促す表示がなされるとともに、HIGHモードが設定される条件となる所定数に対応する個数の入賞個数報知表示41dがなされる。入賞個数報知表示41dは、始動入賞口36への遊技球の入賞に対応して表示色が変化するようになっており、例えば2個入賞した場合は、図58(b)に示すように、2つの入賞個数報知表示41dの表示色が変化する。
図58(c)に示すように、エンディング時間において、所定数となる4つ以上の遊技球の入賞があると、すべての入賞個数報知表示の表示色が変化した状態となる。そして、特別遊技状態の終了後、曖昧報知演出モードの開始時に図58(d)に示すように、HIGHモードで開始されることが報知され、図58(e)に示すようにHIGHモードで特図変動表示ゲームが実行される。一方、図58(g)に示すように、所定数に満たなかった場合は、図58(h)に示すように、LOWモードで開始されることが報知され、図58(i)に示すように、LOWモードで特図変動表示ゲームが実行される。
このような処理を行うことで、特別遊技状態の終了前の所定期間内における止め打ちを防止することができる。特に、特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口への遊技球の入賞数が所定数以上である場合に高確率状態である場合に選択されやすい第1演出状態(HIGHモード)とするので、止め打ちをしなかった遊技者に対して期待感の高い演出を見せることができる。
なお、始動入賞口36への入賞数に基づき演出状態を決定するようにしたが、普通変動入賞装置37への入賞数を加算して演出状態を決定するようにしても良い。また、エンディング時間の実行中の入賞数に基づき演出状態を設定するようにしたが、特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口への入賞数に基づき演出状態を設定するものであれば、所定期間はエンディング時間に限られるものではなく任意の期間を設定可能である。また、所定数以下の場合は乱数により演出状態を決定するようにしたが、所定数以下の場合も入賞数に対応して設定される演出状態を設定しても良い。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞数が所定数以上である場合に、特別遊技状態の終了に伴い開始される非報知状態(曖昧報知演出モード)の開始時における演出状態を第1演出状態(HIGHモード)とすることとなる。
なお、図59に示すように、エンディング入賞球カウンタの値が所定数以上であり(ステップB211;Yes)、かつ、大当りとなる始動記憶がある場合(ステップB221;Yes)に特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB72)を行い、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態をHIGHモードとするようにしても良い。このようにすれば、上述の効果に加え、非報知状態の開始時に存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームに対する期待感を高めることができる。また、第1演出状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、非報知状態の開始時に第1演出状態であれば、そのときに存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果となる可能性が高く、遊技者の興趣を増大させることができる。
また、図60に示すように、エンディング入賞球カウンタの値が所定数以上であり(ステップB211;Yes)、かつ、今回の大当り図柄が確変図柄である場合(ステップB231;Yes)に特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB72)を行い、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態をHIGHモードとするようにしても良い。
このようにすれば、上述の効果に加え、非報知状態の開始時に存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームに対する期待感を高めることができる。また、第1演出状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、非報知状態の開始時に第1演出状態であれば、確率状態が高確率状態である可能性が高く、遊技者の興趣を増大させることができる。
また、図61、図62に示すように、エンディング時間における入賞数と、先読み結果に基づき、特別遊技状態の終了後から所定回数(例えば1回目から4回目)の特図変動表示ゲームの実行態様を決定する変動パターンテーブルを設定することも可能である。
この場合、遊技制御装置100に、エンディング時間における始動入賞口36への入賞数を計数するエンディング入賞カウンタを備え、図55に示した始動口スイッチ監視処理において、エンディング時間に始動入賞口への入賞があった場合に、エンディング入賞カウンタを+1するようにする。
そして、図27に示す大当り終了処理において、エンディング入賞カウンタの値が所定数(例えば4以上)である場合に、先読み結果を取得する。取得した先読み結果がすべてはずれであれば、図61(a)に示すテーブルに従い図62に示す変動パターンテーブルを選択する。また、取得した先読み結果に大当りとなる始動記憶があれば、図61(b)に示すテーブルに従い図62に示す変動パターンテーブルを選択する。なお、変動パターンテーブル05が選択されるのは、先読み結果に大当りがある場合のみであり、この変動パターンテーブルに従った実行態様が行われた場合、例えば、1回目から4回目の間に、HIGHモード継続演出とリーチ変動が行われれば、大当りとなることがわかることとなる。
また、大当り終了処理では、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA649)において、1回目の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして、上述のように選択した変動パターンテーブルを設定する。また、2回目から4回目の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルについては、図25に示す特図表示中処理における特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)で、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルとして、上述のように選択した変動パターンテーブルを設定するようにする。
このような処理を行うことで、特別遊技状態の終了前の所定期間内における止め打ちを防止することができる。特に、特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口への遊技球の入賞数が所定数以上である場合に第1特殊実行態様が選択されやすいテーブルを選択するようにすれば、高確率状態である場合に選択されやすい第1演出状態となりやすく、止め打ちをしなかった遊技者に対して期待感の高い演出を見せることができる。
以上のことから、選択手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了後に実行される所定回数の変動表示ゲームの実行態様を選択するためのテーブルを、当該特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞数に基づき選択するようにしたこととなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第7変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、実行態様が特殊変動1や特殊変動2の特図変動表示ゲームの実行中に、始動記憶の上限数を超える始動入賞であるオーバーフロー入賞が発生した場合に、特殊演出の実行態様を変更可能となっている。
本変形例の遊技機では、図18に示す特図始動口スイッチ共通処理に代えて、図63に示す特図始動口スイッチ共通処理を行う。この特図始動口スイッチ共通処理では、始動口1(始動入賞口36)の入力かチェックする処理(ステップA224)及び始動口1スイッチであるか否かの判定(ステップA225)に代えて、時短中であるか否かの判定(ステップA700)を行う。
時短中であるか否かの判定(ステップA700)では、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態であるかが判定され、時短中である場合(ステップA700;Yes)は、オーバーフローコマンドを準備する処理(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行う。
また、演出制御装置300では、図30に示すメイン処理に代えて、図64に示すメイン処理を行う。このメイン処理では、演出切替設定処理(ステップB240)を行うようになっている。図65に示すように、演出切替設定処理では、まず、オーバーフローコマンドを受信したか否かの判定(ステップB250)を行い、オーバーフローコマンドを受信していない場合(ステップB250;No)は、演出切替設定処理を終了する。また、オーバーフローコマンドを受信した場合(ステップB250;Yes)は、切替可能期間であるか否かの判定(ステップB251)を行う。
切替可能期間は、実行態様が特殊変動1または2である特図変動表示ゲームの開始から所定期間であり、この切替可能期間でない場合(ステップB251;No)は、演出切替処理を終了する。また、切替可能期間である場合(ステップB251;Yes)は、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB252)を行い、HIGHモード昇格演出もしくはHIGHモード継続演出を設定する処理(ステップB253)を行って、演出切替処理を終了する。
HIGHモード昇格演出もしくはHIGHモード継続演出を設定する処理(ステップB253)では、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB252)で取得した現在の演出状態に関する情報(HIGHモードフラグまたはLOWモードフラグ)に基づき特殊演出を変更する。すなわち、現在の演出状態がHIGHモードであり特殊変動2が選択されている場合、通常であればLOWモード降格演出が実行されるが、HIGHモード維持演出に変更し、以降の演出状態をHIGHモードとする。また、現在の演出状態がLOWモードであり特殊変動2が選択されている場合、通常であればHIGHモード昇格失敗演出が実行されるが、HIGHモード昇格演出に変更し、以降の演出状態をHIGHモードとする。
図66には、切替可能期間にオーバーフロー入賞が発生し、特殊演出が変更される例を示した。図66(a)、(b)に示すように、HIGHモードである状態で、図66(c)に示すように実行態様が特殊変動2である特図変動表示ゲームが開始されて特殊演出が開始されると、「球を入れて炎を消すな」と始動口への遊技球の入賞を促す表示がなされる。
そして、図66(d)に示すように、切替可能期間において始動口に遊技球が入賞してオーバーフロー入賞が発生した場合、図66(e)に示すように、特殊演出がHIGHモード維持演出に変更され、図66(f)に示すように、HIGHモードが設定される。一方、図66(g)に示すように、切替可能期間においてオーバーフロー入賞が発生しなかった場合、図66(h)に示すように、特殊演出がLOWモード降格演出のままとされ、図66(i)に示すように、LOWモードが設定される。このような処理により、変動時間が長い特殊変動における止め打ちを防止できる。
なお、オーバーフロー入賞を監視する始動口は、始動入賞口36と普通変動入賞装置37の何れか一方でも良いし、両方でも良い。また、所定数(例えば3個以上)のオーバーフロー入賞が発生した場合に、特殊演出を変更するようにしても良い。
以上のことから、始動記憶が所定の上限数である場合における始動口への入賞であるオーバーフロー入賞を検出するオーバーフロー検出手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、特殊演出の開始から所定期間内にオーバーフロー入賞が検出された場合に当該特殊演出の実行態様を変更可能であることとなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第8変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の第7変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、特殊変動が連続する場合に、連続する特殊変動に対応する特殊演出をまとめて実行するようにしている。
本変形例の遊技機では、図64に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)において、図67に示す処理を行う。この先読み演出処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを受信したか否かの判定(ステップB260)を行う。飾り特図保留数コマンドは、特図始動記憶が発生した場合や消化された場合に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。この飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB260;No)は、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB263)を行う。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB260;Yes)は、対応する始動記憶数を更新する処理(ステップB261)を行い、飾り特図始動記憶表示の更新をセットする処理(ステップB262)を行う。その後、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB263)を行う。
先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB263)では、発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果関連情報を含む先読みコマンドを受信したかを判定する。なお先読みコマンドとは、遊技制御装置100で始動記憶の発生時に行われる特図保留情報判定処理(図19参照)で送信される始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドである。この先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB263)において、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB263;No)は、先読み演出処理を終了する。また、先読みコマンドを受信した場合(ステップB263;Yes)は、対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB264)を行う。対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB264)では、遊技制御装置100から受信した先読みコマンドの情報(先読み演出ACTION情報)を対応する特図始動記憶の始動記憶制御領域に記憶する処理を行う。
その後、受信した先読みコマンドから先読み情報を取得する処理(ステップB265)を行い、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りであるか否かの判定(ステップB266)を行う。そして、大当りである場合(ステップB266;Yes)は、通常先読み演出設定処理(ステップB270)を行い、先読み演出処理を終了する。通常先読み演出設定処理では、例えば、表示装置41に表示される飾り特図始動記憶表示41eの表示態様を、大当りとなる可能性の高さである信頼度に応じて変化させる先読み演出を設定する。
一方、大当りでない場合(ステップB266;No)は、変動パターンが特殊変動であるか否かの判定(ステップB267)を行い、特殊変動でない場合(ステップB267;No)は、通常先読み演出設定処理(ステップB270)を行い、先読み演出処理を終了する。また、特殊変動である場合(ステップB267;Yes)は、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB268)を行い、対応する演出を設定する処理(ステップB269)を行って、先読み演出処理を終了する。
対応する演出を設定する処理(ステップB269)では、現在の演出状態に関する情報である特殊変動演出情報と特殊変動の種類とから、実行される特殊演出の種類に対応する先読み演出を行う。この演出の実行により、図72(a)に示すように、HIGHモード昇格演出またはHIGHモード継続演出が実行される場合には、飾り特図始動記憶表示41eを炎を模した表示とする。また、LOWモード降格演出またはHIGHモード昇格失敗演出が実行される場合には、飾り特図始動記憶表示41eを水(ここではバケツ)を模した表示とする。
また、図36に示す変動パターン設定処理に代えて、図68に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、曖昧報知演出モードである場合(ステップB92;Yes)である場合の処理が異なり、特別演出フラグがあるか否かの判定(ステップB280)を行う。特別演出フラグは、後述するように、連続する特殊変動となる特図変動表示ゲームにおいて行われる特殊演出を、連続した一の演出として実行する演出である特別演出の実行中に設定されるフラグである。
この特別演出フラグがある場合(ステップB280;Yes)は、選択された変動パターンを取得する処理(ステップB94)を行う。また、特別演出フラグがない場合(ステップB280;No)は、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)を行い、状態報知フラグがある場合(ステップB93;Yes)は、最終演出設定処理(ステップB101)を行い、状態報知フラグがない場合(ステップB93;No)は、選択された変動パターンを取得する処理(ステップB94)を行う。すなわち、特別演出の実行中であれば、特別演出において確率状態の報知を行う最終演出も行われるため、最終演出設定処理(ステップB101)を行わない。
また、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB96)の後の処理も異なっており、特殊演出設定処理(ステップB281)を行った後に変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
図69に示すように、特殊演出設定処理では、まず、先読み情報を取得する処理(ステップB290)を行い、特別演出設定状態であるか否かの判定(ステップB291)を行う。特別演出設定状態とは、現在の演出状態がLOWモードであり、かつ、特殊変動1となる特図変動表示ゲームが実行された後に特殊変動2となる特図変動表示ゲームが連続して実行される状態である。すなわち、HIGHモード昇格演出の後、すぐにLOWモード降格演出が行われる場合である。
この特別演出設定状態である場合(ステップB291;Yes)は、特別演出フラグをセットする処理(ステップB292)を行い、特別演出フラグがあるか否かの判定(ステップB293)を行う。また、特別演出設定状態でない場合(ステップB291;No)は、特別演出フラグがあるか否かの判定(ステップB293)を行う。
そして、特別演出フラグがない場合(ステップB293;No)は、通常特殊演出設定処理(ステップB294)を行い、特殊演出設定処理を終了する。通常特殊演出設定処理(ステップB294)は、図36のステップB97からステップB99の処理である。また、特別演出フラグがある場合(ステップB293;Yes)は、特別演出設定処理(ステップB295)を行い、特殊演出設定処理を終了する。
特別演出設定処理(ステップB295)では、連続する特殊変動となる特図変動表示ゲームにおいて行われる特殊演出を、連続した一の演出として実行する演出である特別演出を設定する。この特別演出の設定においては、今回の特図変動表示ゲームが特別演出における何回目の特図変動表示ゲームであるかにより、設定する演出の内容を選択する。なお、特別演出の実行対象となる特図変動表示ゲームに、曖昧報知演出モードの最終回となる特図変動表示ゲームを含む場合は、確率状態の報知を含む演出を設定する。
また、図40に示す図柄停止中処理に代えて、図70に示す図柄停止中処理を行う。この図柄停止中処理では、大当りでない場合(ステップB122;No)に、特別演出が終了したか否かの判定(ステップB300)を行い、特別演出が終了した場合(ステップB300;Yes)は、特別演出フラグをクリアする処理(ステップB301)を行う。
また、図65に示す演出切替設定処理に代えて、図71に示す演出切替設定処理を行う。この演出切替設定処理では、オーバーフローコマンドを受信した場合に、特別演出フラグがあるか否かの判定(ステップB310)を行い、特別演出フラグがある場合(ステップB310;Yes)は、切替可能期間であるか否かの判定(ステップB251)を行う。なお、ここでの切替可能期間とは、特別演出の開始からの所定期間である。
そして、切替可能期間である場合(ステップB251;Yes)は、特別演出をHIGHモード昇格演出に変更する処理(ステップB311)を行い、演出切替設定処理を終了する。特別演出は、HIGHモード昇格演出とLOWモード降格演出をまとめたものなので、HIGHモード昇格失敗演出と同等の内容の演出である。この特別演出の実行中にオーバーフロー入賞が発生した場合に特別演出の内容をHIGHモード昇格演出に変更することで、遊技者はHIGHモード昇格演出となることを目指して遊技球を発射するようになり、実行時間が長い特別演出における止め打ちを防止できる。
図72には特別演出が実行される場合の例を示した。図72(a)に示すように、特殊変動となる始動記憶に対応する飾り特図始動記憶表示41eにおいては演出内容を示す先読み演出が行われる。この例では、現在の演出状態がLOWモードであり、特殊変動1(HIGHモード昇格演出)、特殊変動2(LOWモード降格演出)が連続して実行される特別演出設定状態となっている。
このような場合は、図72(c)に示すように、特別演出設定状態をなす始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて特別演出が開始され、オーバーフロー入賞を促す表示がなされる。また、このとき飾り特図始動記憶表示41eで行われていた先読み演出は消去され、複数の特図変動表示ゲームに亘り連続して実行される特別演出が一の特図変動表示ゲームで行われたかのように見せるようにしている。
そして、図72(d)、(e)に示すように始動口へ遊技球が入賞し、図72(f)に示すように、オーバーフロー入賞が発生した場合は、特別演出の演出内容がHIGHモード昇格演出に変更され、図72(g)に示すように、HIGHモードが設定される。一方、図72(h)に示すように、オーバーフロー入賞が発生しなかった場合は、特別演出の演出内容がLOWモード維持演出のままとされ、図72(i)に示すように、LOWモードが設定される。
以上のことから、始動記憶が所定の上限数である場合における始動口への入賞であるオーバーフロー入賞を検出するオーバーフロー検出手段(遊技制御装置100)と、非報知状態において特殊実行態様(第1特殊実行態様及び第2特殊実行態様)が連続して実行される場合に、特別演出を実行する特別演出実行手段と、を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、特別演出の開始から所定期間内にオーバーフロー入賞が検出された場合に当該特別演出の実行態様を変更可能であることとなる。
次に、上述した第1実施形態の遊技機の第9変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、小当りの発生回数に基づき、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態を決定するようにしている。
本変形例の遊技機では、図34に示す演出モード設定処理に代えて、図73に示す演出モード設定処理を行う。この演出モード設定処理では、まず小当りが発生したか否かの判定(ステップB320)を行い、小当りが発生した場合(ステップB320;Yes)は、小当りカウンタを+1更新する処理(ステップB321)を行う。
そして、小当りカウンタが所定数以上であるか否かの判定(ステップB322)を行い、所定数以上でない場合(ステップB322;No)は、通常演出モード設定処理(ステップB325)を行い、演出モード設定処理を終了する。通常演出モード設定処理(ステップB325)は、図34に示す処理と同様の処理である。
一方、小当りカウンタが所定数以上である場合(ステップB322;Yes)は、特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB323)を行う。この処理により、曖昧報知演出モードの開始時の演出状態がHIGHモードとなる。その後、小当りカウンタをクリアする処理(ステップB324)を行い、演出モード設定処理を終了する。
このような制御とすることで、遊技者にとってはあまり価値のない当りである小当りが多く発生した場合に遊技者に特典を与えることができ、遊技者が不満に思うことを防止できる。また、このように小当りの発生により特典が与えられることから、小当りの発生確率を高めても問題が発生せず、より遊技の興趣を高めることができる。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、小当りの発生回数が所定回数以上である場合に、特別遊技状態の終了に伴い開始される非報知状態(曖昧報知演出モード)の開始時における演出状態を第1演出状態(HIGHモード)とすることとなる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態の遊技機について説明する。なお、基本的には、上述の第1実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本実施形態の遊技機は、特別遊技状態の終了後に高確率状態となった場合、特図変動表示ゲームの実行毎に転落抽選を行い、転落抽選に当選した場合は通常確率状態へ移行するようになっている。なお、小当りは設定されておらず、小当りに関する処理は行われない。
本実施形態の遊技機の特別結果態様の種類は、図5に示す種類に代えて図74に示す種類となっている。特別結果態様の種類には、15R通常(図柄)、15R確変(図柄)、12R通常(図柄)、12R確変(図柄)の四種類が設定されている。15R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするものである。15R確変(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が15ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。12R通常(図柄)は、特別遊技状態でのラウンド数が12ラウンドで、該特別遊技状態の終了後に確率状態を通常確率状態とするものである。12R確変(図柄)は特別遊技状態でのラウンド数が12ラウンドで該特別遊技状態の終了後に確率状態を高確率状態とするものである。
なお、何れの大当り図柄であっても、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間は第1開放時間(25秒)である。また、何れの大当り図柄であっても、100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ようになっている。
また、本実施形態の遊技機10は、遊技の演出の状態である演出モードとして、通常演出モード、確変報知演出モード、曖昧報知演出モードの3つのモードから一つのモードが設定される。曖昧報知演出モードは、特別遊技状態の終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまでの期間に設定される演出モードであり、確率状態が明確に報知されない非報知状態である。15R通常と15R確変に基づく特別遊技状態は実行態様が同じであり、さらに特別遊技状態中の演出態様も同じとされることから、遊技者にとっては15R通常と15R確変の何れの当りであったかを判別することが困難となっている。また、12R確変と12R通常に基づく特別遊技状態は実行態様が同じであり、さらに特別遊技状態中の演出態様も同じとされることから、遊技者にとっては12R通常、12R確変及び小当りの何れの当りであったかを判別することが困難となっている。すなわち、遊技者にとっては、特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態であるか否かを特別遊技状態の実行態様等から判別することが困難となっている。
なお、確変報知演出モードは曖昧報知演出モードの終了後、高確率状態である場合に設定される。この確変報知演出モードは、確率状態が高確率状態であることが明確に報知されるモードである。また、通常演出モードは曖昧報知演出モードの終了後、通常確率状態である場合に設定される。この通常演出モードは、確率状態が通常確率状態であることが明確に報知されるモードである。
曖昧報知演出モードにおける演出状態には、第1実施形態と同様にHIGHモード(第1演出状態、激熱モード)と、LOWモード(第2演出状態、激寒モード)の二つがあり、何れかが選択されて実行される。また、HIGHモードとLOWモードは実行態様が特殊変動1または特殊変動2となる特図変動表示ゲームにおいて切り替え可能である。
ここで、図75に示すように、特殊変動が選択された場合の特殊演出の選択態様、すなわち、演出状態の切り替え態様は、確率状態により異なっている。高確率状態である場合は、第1実施形態と同様に、現在の演出状態がHIGHモードである場合に、特殊変動1が選択されるとHIGHモード継続演出が実行されてHIGHモードが継続され、特殊変動2が選択されるとLOWモード降格演出が実行されてLOWモードに切り替えられる。また、現在の演出状態がLOWモードである場合に、特殊変動1が選択されるとHIGHモード昇格演出が実行されてHIGHモードに切り替えられ、特殊変動2が選択されるとHIGHモード昇格失敗演出が実行されてLOWモードが継続される。
これに対して、通常確率状態である場合は、現在の演出状態がLOWモードである場合に特殊演出1が選択された場合が異なっており、この場合は、HIGHモード昇格失敗演出が選択されてLOWモードが継続される。すなわち、通常確率状態においてはLOWモード(第2演出状態)からHIGHモード(第1演出状態)への演出状態の切り替えを行わない。よって、確率状態が高確率状態である方がHIGHモードとなりやすく、このことから遊技者が確率状態を推測することが可能である。
また、本実施形態の遊技機においては、曖昧報知演出モードで用いられる変動パターンテーブルとして、図28、図29に示す変動パターンテーブルに代えて、図76、図77に示す変動パターンテーブルを用いる。図76に示す変動パターンテーブルは、曖昧報知演出モードの開始から数えて予め定められた規定回数となる特図変動表示ゲームの実行態様を選択する変動パターンテーブルである。この変動パターンテーブルでは、特殊変動1と特殊変動2の何れかが設定され、HIGHモードとLOWモードを切り替え可能となっている。
この変動パターンテーブルでは、規定回数と確率状態により特殊変動1と特殊変動2の選択割合が異なっている。曖昧報知演出モードの前半(40回まで)においては、高確率状態の方が通常確率状態よりも特殊変動1を選択する確率が高くなっている。このことからも確率状態が高確率状態である方がHIGHモードとなりやすく、遊技者が確率状態を推測することが可能である。また、曖昧報知演出モードの前半においては、高確率状態と通常確率状態の何れも実行回数が増えるにつれて特殊変動1の選択確率が低くなるようになっている。
また、曖昧報知演出モードの後半(50回以降)においては、高確率状態と通常確率状態の何れも実行回数が増えるにつれて特殊変動1の選択確率が高くなるようになっている。そして、曖昧報知演出モードの最終回となる100回目の特図変動表示ゲームでは、確率状態に応じて特殊変動が選択されるようになっており、高確率状態であれば特殊変動1が選択され、通常確率状態であれば特殊変動2が選択される。これにより、曖昧報知演出モードの終了時には、確率状態が報知されることとなる。
また、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいて結果を表示する停止表示時間は、図76に示す時間となっている。規定回数以外の場合の停止表示時間は0.6秒とされており、規定回数となる特図変動表示ゲームの停止表示時間は規定回数以外の場合より長く、演出を実行するのに十分な時間が設定されるようになっている。なお、停止表示時間は、遊技制御装置100において変動表示を停止する際に設定されるようになっている。すなわち、遊技制御装置100が、所定回数となる変動表示ゲーム以外の変動表示ゲームの停止表示時間よりも延長する停止時間制御手段をなす。
なお、規定回数以外の特図変動表示ゲーム及び結果が大当りとなる特図変動表示ゲームについては、図77に示す変動パターンテーブルが選択される。この変動パターンテーブルでは、特殊変動1及び2は選択されないので、演出状態の切替は行われない。すなわち、特殊変動が選択されて演出状態が切替可能であるのは、曖昧報知演出モードの開始から数えて規定回数となる特図変動表示ゲームのみである。つまり、非報知状態において、予め定められた所定回数となる変動表示ゲームが終了する毎に演出状態を切替可能である。この切り替えは、少なくとも確率状態に基づき行われ、詳細には特図変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率と、実行態様設定手段(遊技制御装置100)によって設定された実行態様と、現在の演出状態とに基づいて行われる。
また、本実施形態の遊技機においては、図18に示す特図始動口スイッチ共通処理に代えて、図78に示す特図始動口スイッチ共通処理を行う。この特図始動口スイッチ共通処理では、変動パターン乱数3を乱数セーブ領域にセーブする処理(ステップA221)の後に、転落抽選乱数を乱数セーブ領域にセーブする処理(ステップA710)を行う。
また、図19に示す特図保留情報判定処理に代えて、図79に示す特図保留情報判定処理を行う。この特図保留情報判定処理では、転落抽選に当選したか否かを判定する転落判定処理(ステップA720)を行う。
図80には、図79の転落判定処理(ステップA720)を示した。この転落判定処理では、まず、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA730)を行い、高確率時でない場合(ステップA730;No)は、転落判定処理を終了する。また、高確率時である場合(ステップA730;Yes)は、下限判定値を設定する処理(ステップA731)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする処理(ステップA732)を行う。なお、転落抽選に当選するとは転落抽選乱数が転落判定値と一致することである。転落判定値は連続する複数の値であり、転落抽選乱数が、転落判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、転落判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、転落抽選に当選したと判定される。
転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA733;Yes)、すなわち、当選でない場合は、転落判定処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA733;No)は、上限判定値を設定する処理(ステップA734)を行い、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする処理(ステップA735)を行う。
転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA736;No)、すなわち、当選でない場合は、転落判定処理を終了する。また、上限判定値以下である場合(ステップA736;Yes)、すなわち、当選である場合は、転落当選情報を作業用の設定情報領域にセーブする処理(ステップA737)を行い、転落当選情報コマンドを準備する処理(ステップA738)を行う。その後、コマンド設定処理(ステップA739)を行い、転落判定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームに対応する転落抽選の結果を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前に判定する転落事前判定手段をなす。
なお、図79に示す大当り判定処理(ステップB235)では、転落判定処理(ステップB720)において、転落抽選に当選すると判定された始動記憶以降の始動記憶については、通常確率状態における大当り判定値を用いて判定を行うようにする。また、特図変動表示ゲームの開始時における大当り判定に用いる大当り判定値として、通常確率状態では第1判定値を用い、高確率状態では第1判定値及び該第1判定値とは異なる第2判定値とを用いる構成であれば、特図保留情報判定処理における大当り判定処理(ステップB235)での大当り判定値として常時第1判定値のみを用いるようにしても良い。
また、図21に示す特図1変動開始処理に代えて、図81に示す特図1変動開始処理を行う。この特図1変動開始処理では、最初に転落抽選処理(ステップA740)を行う。また、図22に示す特図2変動開始処理に代えて、図82に示す特図2変動開始処理を行う。この特図2変動開始処理では、最初に転落抽選処理(ステップA750)を行う。
図83には、図81に示す転落抽選処理(ステップA740)及び図82に示す転落抽選処理(ステップA750)を示した。この転落抽選処理では、まず、転落抽選乱数セーブ領域から転落抽選乱数をロードする処理(ステップA760)を行い、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA761)を行う。そして、高確率時でない場合(ステップA761;No)は、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA773)を行って転落抽選処理を終了する。また、高確率時である場合(ステップA761;Yes)は、下限判定値を設定する処理(ステップA762)を行い、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする処理(ステップA763)を行う。
転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA764;Yes)、すなわち、当選でない場合は、転落抽選乱数のセーブ領域を0クリアする処理(ステップA773)を行って転落抽選処理を終了する。また、下限判定値未満でない場合(ステップA764;No)は、上限判定値を設定する処理(ステップA765)を行い、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする処理(ステップA766)を行う。
転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA767;No)、すなわち、当選でない場合は、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA773)を行って転落抽選処理を終了する。また、上限判定値以下である場合(ステップA767;Yes)、すなわち、当選である場合は、確率情報を低確率(通常確率)に設定する処理(ステップA768)を行う。
その後、確率転落情報コマンドを準備する処理(ステップA769)、外部情報コマンドを準備する処理(ステップA770)、ゲームモードコマンドを準備する処理(ステップA771)を行い、コマンド設定処理(ステップA772)を行う。そして、転落抽選乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップA773)を行って転落抽選処理を終了する。なお、確率転落情報コマンドは後に演出制御装置300に送信され、外部情報コマンドは後に遊技機の外部へ出力される。また、ゲームモードコマンドは後に一括表示装置50へ出力される。すなわち、遊技制御装置100が、高確率状態である場合に、変動表示ゲーム毎に所定の確率で通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段をなす。
図84には、図79に示す特図保留情報判定処理における後半変動パターン設定処理(ステップA251)、図81に示す特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)及び図82に示す特図2変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA350)を示した。この後半変動パターン設定処理では、まず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA780)を行う。
次に、停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンであるか否かをチェックして(ステップA781)、停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンである(ステップA782;Yes)と判定すると、時短中(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態)であるか否かの判定(ステップA783)を行う。
そして、時短中である場合は、曖昧報知演出モードにおける特図変動表示ゲームの実行回数を管理するための特図変動回数を取得する処理(ステップA784)を行い、所定回数であるか否かの判定(ステップA785)を行う。ここで、所定回数とは、図76に示した変動パターンテーブルが設定される規定回数のそれぞれに対応する値である。特図変動回数は特別遊技状態の終了時に初期値として100が設定され、特図変動表示ゲームの終了時に1ずつ減算されるようになっており、ここでの所定回数は、91、81、71、61、51、41、31、21、11、1となる。
この所定回数である場合(ステップA785;Yes)は、確率情報及び所定回数に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA786)を行う。これにより図76に示す変動パターンテーブルにおいて、確率状態と実行回数(特図変動回数)に対応したテーブルが選択可能となる。その後、設定対象の変動選択グループ情報1から保留数ポインタをロードした後(ステップA787)、当該保留数ポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA788)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、2バイト(複数バイト)で構成された変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA789)、上記ステップA788においてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA790)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA791)を行う。また、ステップA782にて、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでない(ステップA782;No)と判定されると、処理をステップA789に移行して、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA789)、ステップA780にてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA790)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA791)を行う。
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA792)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップA793)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップA794)を行う。そして、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップA795)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップA796)、後半変動パターン設定処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、変動表示ゲームの実行態様を設定する実行態様設定手段をなす。
また、図25に示した特図表示中処理の後半の処理に代えて、図85に示す処理を行う。すなわち、図25において、大当りでない場合(ステップA548;No)は、図85に示す処理を行う。この処理では、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である(確変状態及び時短状態である)か否かを判定する処理(ステップA572)を行い、時短動作状態でない場合(ステップA572;No)は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」等を設定する処理を行って、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA572にて、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である(ステップA572;Yes)と判定すると、曖昧報知演出モードで特図変動表示ゲームが行われる回数を管理するための特図変動回数を更新(−1)する処理(ステップA573)を行い、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップB800)を行う。
そして、高確率時である場合(ステップA800;Yes)は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)を行って、特図表示中処理を終了する。また、高確率時でない場合(ステップA800;No)は、特図変動表示ゲームが時短動作状態で行われる回数を管理する時間短縮変動回数を更新(−1)する処理(ステップA574)を行う。
時間短縮変動回数を更新(−1)する処理(ステップA574)を行った後、時間短縮変動回数が0であるか否かの判定(ステップA577)を行う。そして、時間短縮変動回数が0でない(ステップA577;No)場合は、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)を行い、特図表示中処理を終了する。一方、ステップA577にて、時間短縮変動回数が0である(ステップA577;Yes)と判定した場合、即ち、時短状態にて所定回数(例えば、100回)の特図変動表示ゲームの実行が完了した場合には、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)を終了する場合の確率情報コマンドを準備して(ステップA578)、コマンド設定処理(ステップA579)を行う。
次に、特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA580)を行って、特図表示中処理を終了する。特図普段処理に移行するためのテーブル(時短終了時用)を準備する処理(ステップA580)では、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定するとともに、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームの時短動作状態と普通変動入賞装置37の開放時間を延長する状態(時短状態)の終了に係る情報等を設定する処理を行う。
なお、上述のように変動開始時に変動パターンテーブルの設定が行われることから、この特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA581)で、次回の特図変動表示ゲームの変動パターンテーブルを指定するための情報の設定は行わなくても良い。
また、演出制御装置300では、図32におけるゲーム管理処理での小・大当り終了処理(ステップB43、図33参照)に代えて、図86に示す大当り終了処理を行う。本実施形態の遊技機では特別遊技状態の終了後に必ず曖昧報知演出モードとなるので、この大当り終了処理では曖昧報知演出モードであるか否かの判定(ステップB57)は行わない。また、何れの大当り図柄であっても100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ようになっているので、通常図柄であるか否かの判定(ステップB52)は行わない。さらに、演出モード設定処理(ステップB58、図34参照)による曖昧報知演出モード開始時の演出状態の選択は行わず、常に特殊変動演出情報としてHIGHモード演出フラグをセットする処理(ステップB72)を行うようにしてHIGHモードから開始するようにしている。
また、図35に示す変動開始処理に代えて、図87に示す変動開始処理を行う。この変動開始処理では、転落抽選に当選した場合に遊技制御装置100から送信される確率転落情報コマンドを受信したか否かの判定(ステップB330)を行う。そして、確率転落情報コマンドを受信していない場合(ステップB330;No)は、変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB80)を行う。また、確率転落情報コマンドを受信した場合(ステップB330;Yes)は、確率情報を低確率(通常確率)に設定する処理(ステップB331)を行い、変動開始コマンドを受信したか否かの判定(ステップB80)を行う。
また、図36に示す変動パターン設定処理に代えて、図88に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、曖昧報知演出モードであるか否かの判定(ステップB92)に代えて時短中(普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態)であるか否かの判定(ステップB340)を行う。そして、時短中でない場合(ステップB340;No)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、時短中である場合(ステップB340;Yes)は、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)を行う。
また、変動パターンが特殊変動パターンである場合(ステップB95;Yes)に、確率情報を取得する処理(ステップB341)を行う。また、ステップB97からステップB99(図37、図38参照)の特殊演出を設定する処理に代えて、対応する特殊演出を設定する処理(ステップB342)を行う。対応する特殊演出を設定する処理(ステップB342)では、確率情報(高確率状態もしくは通常確率状態)、特殊変動パターン(特殊変動1もしくは特殊変動2)及び現在の演出状態(HIGHモードもしくはLOWモード)から、図75に示すテーブルに基づき特殊演出を選択する。すなわち、演出制御装置300が演出状態を切替可能な演出状態切替手段をなす。
図89には、曖昧報知演出モードにおける遊技の一例を示した。図89(a)、(b)に示すように、HIGHモードの演出状態で特図変動表示ゲームが実行されている状態で転落抽選に当選した場合、この時点では演出状態の変更や報知等は行われず、図89(c)に示すようにHIGHモードのままとされる。そして、図89(d)に示すように、規定回数となる20回目の特図変動表示ゲームにおいて、この例では特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動2が選択されている。よって、演出状態がHIGHモード、確率状態が通常確率状態であるので、特殊演出は図89(d)、(e)に示すようにLOWモード降格演出が選択される。そして、図89(f)、(g)に示すように演出状態がLOWモードとされる。
その後、図89(h)に示すように、規定回数となる40回目の特図変動表示ゲームにおいて、この例では特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動1が選択されている。よって、演出状態がLOWモード、確率状態が通常確率状態であるので、特殊演出は図89(h)、(i)に示すようにHIGHモード昇格失敗演出が選択され、演出状態がLOWモードのままとされる。
さらに、図89(j)に示すように、曖昧報知演出モードの最終回であり規定回数となる100回目の特図変動表示ゲームにおいては、確率状態が通常確率状態であるので実行態様として必ず特殊変動2が選択される。よって、演出状態がLOWモード、確率状態が通常確率状態であるので、特殊演出は図89(j)、(k)に示すようにHIGHモード昇格失敗最終演出が選択される。そして、図89(l)に示すように、曖昧報知演出モードが終了して通常演出モードとなる。
このような制御とすることで、転落抽選の結果や確率状態を明確に報知せずに演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、演出状態の切り替えにより演出にバリエーションを持たせることができ、さらに、演出状態の切り替えが確率状態を示唆するものとなり、非報知状態(曖昧報知演出モード)における遊技の興趣を向上することができる。また、転落抽選は変動表示ゲーム毎に行われるのに対し、演出状態の切り替えは所定回数となった場合に行われるので、転落抽選に当選して通常確率状態に移行しても、少なくともとも所定回数となるまでは示唆されることがないため、遊技者の期待感を維持することができる。特に、演出状態が確率状態を示唆するものであるから、特殊演出により予め定められた所定回数となる変動表示ゲームの興趣を向上することができる。
また、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率に基づいて設定される実行態様も考慮して演出状態が決定されるので、演出状態に確率状態がより強く反映されることとなり、遊技者の興趣を向上させることができる。すなわち、通常確率状態では高確率状態よりも第1演出状態(HIGHモード)となりにくく、実際の確率状態によって演出状態の選択割合が異なることとなるので、遊技者に実際の確率状態に基づいた期待感の持てる演出を楽しませることができる。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機において、特別遊技状態の終了後、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、高確率状態である場合に、変動表示ゲーム毎に所定の確率で通常確率状態へ移行させるための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、通常確率状態と高確率状態の何れであるのかを遊技者に明確に報知しない非報知状態を発生可能な非報知状態発生手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、非報知状態における演出状態として、第1演出状態(HIGHモード)と、該第1演出状態とは異なる演出態様が実行される第2演出状態(LOWモード)と、の何れかを選択するものであり、非報知状態において、予め定められた所定回数となる変動表示ゲームが終了する毎に、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率に基づいて演出状態を切替可能な演出状態切替手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
また、変動表示ゲームの実行態様を設定する実行態様設定手段(遊技制御装置100)を備え、実行態様設定手段は、非報知状態において予め定められた所定回数となる変動表示ゲームの実行態様を、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率に基づいて第1特殊実行態様(特殊変動1)と第2特殊実行態様(特殊変動2)の何れかの特殊実行態様に設定し、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において、予め定められた所定回数となる変動表示ゲームが終了する毎に、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率と、実行態様設定手段によって設定された実行態様と、現在の演出状態とに基づいて演出状態を切替可能であることとなる。
また、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、通常確率状態においては第2演出状態から第1演出状態への演出状態の切り替えを行わないようにしていることとなる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、非報知状態における所定回数となる変動表示ゲームにおいて特殊演出を実行可能であり、当該特殊演出の前後の演出状態に基づき当該特殊演出の種類を選択するようにしていることとなる。
なお、規定回数以外の特図変動表示ゲームで選択される図77に示す変動パターンテーブルにおいても特殊変動1及び特殊変動2を選択可能としても良い。この場合、曖昧報知演出モード中であれば対応する特殊演出を行い、曖昧報知演出モードでなければ特定の演出を行うようにする。
また、転落抽選の結果は明確に報知されないとしたが、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームにおける飾り特図変動表示ゲームの結果態様として特定の結果態様を導出するようにして転落抽選の結果を報知するようにしても良い。また、転落抽選に当選した特図変動表示ゲームが規定回数となる特図変動表示ゲームでなくても、当該特図変動表示ゲームにおいてLOWモード転落演出またはHIGHモード昇格失敗演出を行うようにして、転落抽選の結果を報知するようにしても良い。
このように転落抽選の結果を行う場合、転落抽選の結果を報知しない期間と報知する期間とを設けるようにしても良い。例えば、曖昧報知演出モードにおける特図変動表示ゲームの実行回数が所定回数未満である場合は転落抽選の結果を報知せず、所定回数以上である場合は転落抽選の結果を明確に報知するようにする。また、直近の特別結果(図柄番号)に基づき、転落抽選の結果の報知を行うか否かを選択するようにしても良い。
また、転落抽選に当選する確率を大当り図柄(図柄番号)により変化させても良い。この場合、例えば、ラウンド数に応じて決定するようにして、15Rである場合は12Rよりも転落抽選に当選する確率を高くする。これにより遊技者が得られる価値の大きさの差異を大きくすることができる。また、特殊演出の種類として、高確率状態であることを明確に報知する演出や、通常確率状態であることを明確に報知する演出を選択可能としても良い。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、規定回数となる特図変動表示ゲームの停止表示時間においても特殊演出に関連した特殊停止演出を行うようにしている。
本変形例の遊技機は、図40に示す図柄停止中処理に代えて、図90に示す図柄停止中処理を行う。この図柄停止中処理では、結果が大当りでない場合(ステップB122;No)に、転落演出設定処理(ステップB350)を行う。
図91に示すように、転落演出設定処理では、まず、時短回数を取得する処理(ステップB360)を行い、規定回数であるか否かの判定(ステップB361)を行う。時短回数は曖昧報知演出モードの開始時には100がセットされ、特図変動表示ゲームの実行毎に−1されるので、ここでの規定回数である場合とは、時短回数が90、80、70、60、50、40、30、20、10、0の場合である。
この規定回数でない場合(ステップB361;No)は、通常停止演出を設定する処理(ステップB366)を行い、転落演出設定処理を終了する。また、規定回数である場合(ステップB361;Yes)は、停止時間に関する情報を取得する処理(ステップB362)を行い、確率情報を取得する処理(ステップB363)を行う。停止時間に関する情報は、図76に示すように規定回数毎に決められており、この情報を取得する。
その後、現在の演出状態に関する情報である特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB364)を行い、対応する特殊停止演出を設定する処理(ステップB365)を行って、転落演出設定処理を終了する。特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB364)では、変動時間における特殊演出の実行の結果により設定された演出状態に関する情報を取得する。例えば、変動時間においてHIGHモード昇格演出が実行された場合は、演出状態がHIGHモードである旨の情報(HIGHモード演出フラグ)が取得される。
対応する特殊停止演出を設定する処理(ステップB365)では、取得した確率情報、特殊変動演出情報に基づき特殊停止演出の内容を選択するとともに、取得した停止時間に対応する特殊停止演出を設定する。
特殊停止演出には、四種類の特殊演出に相当する演出内容であるHIGHモード継続停止演出、LOWモード降格停止演出、HIGHモード昇格停止演出、HIGHモード昇格失敗停止演出がある。HIGHモード継続停止演出はHIGHモード継続演出に相当するものであって、図7に示したような演出を行うものであり、LOWモード降格停止演出はLOWモード降格演出に相当するものであって、図8に示したような演出を行うものである。また、HIGHモード昇格停止演出はHIGHモード昇格演出に相当するものであって、図9に示したような演出を行うものであり、HIGHモード昇格失敗停止演出はHIGHモード昇格失敗演出に相当するものであって、図10に示したような演出を行うものである。
そして、変動時間における特殊演出の実行の結果、演出状態がHIGHモードである場合は、HIGHモード継続停止演出もしくはLOWモード降格停止演出の何れかが選択される。また、変動時間における特殊演出の実行の結果、演出状態がLOWモードである場合は、LOWモード継続停止演出もしくはHIGHモード昇格失敗停止演出の何れかが選択される。
この特殊停止演出の選択確率は確率状態により異なるようにされており、例えば、高確率状態である場合は通常確率状態である場合よりもHIGHモードとなる特殊停止演出(HIGHモード継続停止演出及びHIGHモード昇格停止演出)が選択される確率が高くなっている。これにより、高確率状態である場合にHIGHモードとなりやすく、演出状態から遊技者が確率状態を推測することが可能となる。また、例えば、高確率状態である場合にのみHIGHモードとなる特殊停止演出(HIGHモード継続停止演出及びHIGHモード昇格停止演出)が選択されるようにすれば、現在の確率状態が高確率状態であることを明確に報知できる。
図92には、特殊停止演出が行われる場合の一例を示した。この例では、図92(a)に示すようにHIGHモードである状態で、図92(b)に示すように、規定回数となる20回目の特図変動表示ゲームが開始された場合を示した。このとき、特図変動表示ゲームの実行態様として特殊変動2が選択されていて、特殊演出として図92(b)、(c)に示すようにLOWモード降格演出が行われ、図92(d)に示すようにLOWモードとなる。この後、特殊停止演出として図92(e)に示すようにHIGHモード昇格停止演出が選択されて実行され、図92(f)に示すように演出状態がHIGHモードとなる。
このような制御を行うことで、規定回数となる特図変動表示ゲームの最後まで遊技者の期待感を維持することができる。なお、特殊停止演出は特殊演出に連続して行うとしたが、特殊停止演出を単独で行っても良い。すなわち、特殊停止演出は少なくとも特図変動表示ゲームの停止表示時間に行えばよく、特図変動表示ゲームの変動表示時間では特殊演出を行っても良いし、行わなくても良い。また、曖昧報知演出モードにおける最終回となる100回目の特図変動表示ゲームでは、確率状態に応じた特殊演出が実行されるので、特殊停止演出を行わないようにしてもよい。もしくは、曖昧報知演出モードにおける最終回となる100回目の特図変動表示ゲームでは、確率状態に応じた特殊停止演出を行うようにしても良い。
以上のことから、非報知状態における所定回数となる変動表示ゲームの結果を表示する停止表示時間を、所定回数となる変動表示ゲーム以外の変動表示ゲームの停止表示時間よりも延長する停止時間制御手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、停止時間制御手段によって延長された停止表示時間において、特殊演出に関連する特殊停止演出を行うようにしたこととなる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、先読み結果に基づき規定回数となる特図変動表示ゲームにおける特殊演出を設定可能としている。
本変形例の遊技機では、図30に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)として、図93に示す処理を行う。この先読み演出処理では、まず、飾り特図保留数コマンドを受信したか否かの判定(ステップB370)を行う。飾り特図保留数コマンドは、特図始動記憶が発生した場合や消化された場合に遊技制御装置100から送信されるコマンドである。この飾り特図保留数コマンドを受信していない場合(ステップB370;No)は、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB373)を行う。また、飾り特図保留数コマンドを受信した場合(ステップB370;Yes)は、対応する始動記憶数を更新する処理(ステップB371)を行い、飾り特図始動記憶表示の更新をセットする処理(ステップB372)を行う。その後、先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB373)を行う。
先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB373)では、発生した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果関連情報を含む先読みコマンドを受信したかを判定する。なお先読みコマンドとは、遊技制御装置100で始動記憶の発生時に行われる特図保留情報判定処理(図79参照)で送信される始動口入賞演出コマンド及び始動口入賞演出図柄コマンドである。この先読みコマンドを受信したか否かの判定(ステップB373)において、先読みコマンドを受信していない場合(ステップB373;No)は、転落当選情報コマンドを受信したか否かの判定(ステップB375)を行う。また、先読みコマンドを受信した場合(ステップB373;Yes)は、対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB374)を行う。対応する始動記憶制御領域に先読み情報を記憶する処理(ステップB374)では、遊技制御装置100から受信した先読みコマンドの情報(先読み演出ACTION情報)を対応する特図始動記憶の始動記憶制御領域に記憶する処理を行う。
転落当選情報コマンドを受信したか否かの判定(ステップB375)では、転落抽選に当選することとなる始動記憶が発生した場合に遊技制御装置100から送信されるコマンドである(図79、図80参照)。この転落当選情報コマンドを受信していない場合(ステップB375;No)は、先読み演出処理を終了する。また、転落当選情報コマンドを受信した場合(ステップB375;Yes)は、対応する始動記憶制御領域に転落当選情報を記憶する処理(ステップB376)を行い、先読み演出処理を終了する。対応する始動記憶制御領域に転落当選情報を記憶する処理(ステップB376)では、遊技制御装置100から受信した転落当選情報を対応する特図始動記憶の始動記憶制御領域に記憶する処理を行う。
また、図88に示す変動パターン設定処理に代えて、図94に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、特殊変動パターンである場合(ステップB95;Yes)に、特殊演出設定処理1(ステップB380)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
図95に示すように、特殊演出設定処理1では、まず、始動記憶制御領域の先読み情報を取得する処理(ステップB390)を行い、大当りとなる始動記憶があるか否かの判定(ステップB391)を行う。そして、大当りとなる始動記憶がある場合(ステップB391;Yes)は、確率情報を取得する処理(ステップB392)を行い、高確率状態であるか否かの判定(ステップB393)を行う。
高確率状態でない場合(ステップB393;No)は、通常特殊演出設定処理(ステップB399)を行い、特殊演出設定処理1を終了する。通常特殊演出設定処理(ステップB399)では、図88に示す変動パターン設定処理における特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB96)、対応する特殊演出を設定する処理(ステップB342)を行う。また、高確率状態である場合(ステップB393;Yes)は、現在の演出状態を示す情報である特殊変動演出情報(HIGHモード演出フラグもしくはLOWモード演出フラグ)を取得する処理(ステップB394)を行い、演出状態がHIGHモードである場合に設定されるHIGHモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB395)を行う。
そして、HIGHモード演出フラグがある場合(ステップB395;Yes)は、HIGHモード継続演出を設定する処理(ステップB396)を行い、特殊演出設定処理1を終了する。また、HIGHモード演出フラグがない場合(ステップB395;No)、すなわち、演出状態がLOWモードである場合に設定されるLOWモード演出フラグがある場合は、HIGHモード昇格演出を設定する処理(ステップB397)を行い、特殊演出設定処理1を終了する。すなわち、高確率状態であり、大当りとなる始動記憶がある場合は、HIGHモードとなる特殊演出(HIGHモード継続演出もしくはHIGHモード昇格演出)が選択されるようになっている。なお、高確率状態であるか否かの判定(ステップB393)を行わず、大当りとなる始動記憶がある場合には、ステップB394からステップB397の処理を行うようにしても良い。
一方、大当りとなる始動記憶がない場合(ステップB391)は、転落演出設定処理1(ステップB398)を行い、特殊演出設定処理1を終了する。図96に示すように、転落演出設定処理1では、まず、転落抽選当選保留(転落抽選に当選する始動記憶)があるか否かの判定(ステップB400)を行う。そして、転落抽選当選保留がない場合(ステップB400;No)は、通常特殊演出設定処理(ステップB405)を行い、転落演出設定処理1を終了する。通常特殊演出設定処理(ステップB405)では、図88に示す変動パターン設定処理における特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB96)、対応する特殊演出を設定する処理(ステップB342)を行う。
また、転落抽選当選保留がある場合(ステップB401;No)は、現在の演出状態を示す情報である特殊変動演出情報(HIGHモード演出フラグもしくはLOWモード演出フラグ)を取得する処理(ステップB401)を行い、演出状態がHIGHモードである場合に設定されるHIGHモード演出フラグがあるか否かの判定(ステップB402)を行う。
そして、HIGHモード演出フラグがある場合(ステップB402;Yes)は、LOWモード降格演出を設定する処理(ステップB403)を行い、転落演出設定処理1を終了する。また、HIGHモード演出フラグがない場合(ステップB402;No)、すなわち、演出状態がLOWモードである場合に設定されるLOWモード演出フラグがある場合は、HIGHモード昇格失敗演出を設定する処理(ステップB404)を行い、転落演出設定処理1を終了する。すなわち、転落抽選に当選する始動記憶がある場合は、LOWモードとなる特殊演出(LOWモード降格演出もしくはLOWモード昇格失敗演出)が選択されるようになっている。
このような制御を行うことにより、演出状態による確率状態の示唆をより明確にすることができる。すなわち、このLOWモードへの切り替えまたは継続が行われて現在の始動記憶数以内に確率状態が通常確率状態となるため、LOWモードを期待の低いものであることを遊技者に意識づけることができ、演出状態による確率状態の示唆をより明確にすることができる。また、HIGHモードへの切り替えまたは継続が行われて現在の始動記憶数以内に大当りとなるため、HIGHモードを期待の高いものであることを遊技者に意識づけることもできる。また、所定の確率で大当りとなる始動記憶がある場合にLOWモードとなる特殊演出(LOWモード継続演出もしくはHIGHモード昇格失敗演出)を選択するようにして、LOWモードであっても大当りとなる可能性があることを遊技者に印象付けるようにしても良い。
以上のことから、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行権利を所定の上限数まで始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を当該変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において第2演出状態が選択されている場合に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在することを条件に、演出状態を第1演出状態に切り替えるようにしていることとなる。
また、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームに対応する転落抽選の結果を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前に判定する転落事前判定手段(遊技制御装置100)を備え、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において第1演出状態が選択されている場合に、転落事前判定手段により転落抽選に当選して通常確率状態へ移行すると判定された始動記憶が存在することを条件に、演出状態を第2演出状態に切り替えるようにしていることとなる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第3変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、転落抽選に当選する始動記憶が存在する可能性があることを示唆する転落演出を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、図30に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)として図97に示す処理を行う。なお、この先読み演出処理は図93に示した先読み演出処理と略同様の処理を行うものであり、同じ処理については図93と同じ符号を付しているが、転落当選情報コマンドを受信した場合(ステップB375;Yes)に転落演出可能フラグをセットする処理(ステップB410)を行う点が異なる。
また、図87に示す変動開始処理に代えて、図98に示す変動開始処理を行う。この変動開始処理では、変動開始コマンドを受信した場合(ステップB80;Yes)に、転落抽選に当選する始動記憶が存在する場合に上述の先読み演出処理(図97参照)で設定される転落演出可能フラグがあるか否かの判定(ステップB420)を行う。
この転落演出可能フラグがある場合(ステップB420;Yes)は、転落演出可能フラグをクリアする処理(ステップB421)を行い、転落演出実行開始フラグをセットする処理(ステップB422)を行う。その後、図柄指定情報に対応する停止図柄を設定する処理(ステップB81)以下の処理を行う。また、転落演出可能フラグがない場合(ステップB420;No)は、ガセ転落演出設定処理(ステップB423)を行い、図柄指定情報に対応する停止図柄を設定する処理(ステップB81)以下の処理を行う。
図99に示すように、ガセ転落演出設定処理では、まず、転落演出決定用乱数を取得する処理(ステップB430)を行い、転落演出の実行が決定されたか否かの判定(ステップB431)を行う。この転落演出の実行が決定されたか否かの判定(ステップB431)では、取得した転落演出決定用乱数が特定値である場合に転落演出を実行すると決定する。そして、転落演出の実行が決定された場合(ステップB431;Yes)は、転落演出実行開始フラグをセットする処理(ステップB432)を行い、ガセ転落演出設定処理を終了する。また、転落演出の実行が決定されていない場合(ステップB431;No)は、ガセ転落演出設定処理を終了する。これにより、転落抽選に当選する始動記憶がない場合にも、所定の確率で転落抽選に当選する始動記憶がある場合と同様の演出が行われるようになる。
また、図88に示す変動パターン設定処理に代えて、図100に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)をここでは行わず、後述する特殊演出設定処理3(図102参照)で行う。また、選択された変動パターンを取得する処理(ステップB94)を行った後に特殊演出設定処理2(ステップB440)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
図101に示すように、特殊演出設定処理2では、転落演出の開始が決定された場合に設定される転落演出実行開始フラグがない場合(ステップB450;No)及び転落演出の実行中に設定される転落演出実行中フラグがない場合(ステップB451;No)は、特殊演出設定処理3(ステップB460)を行い、特殊演出設定処理2を終了する。図102に示すように特殊演出設定処理3では、図88に示す変動パターン設定処理の一部の処理を行う。すなわち、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)を行い、状態報知フラグがある場合(ステップB93;Yes)は、最終演出設定処理(ステップB101)を行い、特殊演出設定処理3を終了する。また、状態報知フラグがない場合(ステップB93;No)は、変動パターンが特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB95)を行う。
そして、特殊変動パターンでない場合(ステップB95;No)は、特殊演出設定処理3を終了する。また、特殊変動パターンである場合(ステップB95;Yes)は、確率情報を取得する処理(ステップB341)を行い、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB96)を行う。その後、対応する特殊演出を設定する処理(ステップB342)を行い、特殊演出設定処理3を終了する。つまり、転落演出を実行しない場合は、第2実施形態の遊技機と同様の処理を行う。
また、図101において転落演出実行開始フラグがある場合(ステップB450;Yes)もしくは転落演出実行中フラグがある場合(ステップB451;Yes)は、変動パターンが特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB452)を行う。そして、特殊変動パターンである場合(ステップB452;Yes)は、特別演出を設定する処理(ステップB458)を行う。その後、転落演出実行開始フラグ及び転落演出実行中フラグをクリアする処理(ステップB459)を行って特殊演出設定処理2を終了する。特別演出とは、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいて特殊演出に代えて実行される転落演出である。すなわち、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する始動記憶が存在する可能性があることを示唆する演出が行われる。
一方、特殊変動パターンでない場合(ステップB452;No)は、転落抽選に当選する始動記憶である転落当選保留までの先読み情報を取得する処理(ステップB453)、時短回数を取得する処理(ステップB454)を行う。転落当選保留までの先読み情報とは、転落抽選に当選する始動記憶及び当該始動記憶よりも前に消化される始動記憶である。その後、規定回転数を挟むか否かの判定(ステップB456)を行う。この判定では、取得した先読み情報から算出される転落抽選に当選する始動記憶までの始動記憶数と、取得した時短回数から算出される曖昧報知演出モードにおいて実行した特図変動表示ゲームの実行回数と、に基づき、転落抽選に当選する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの実行前に規定回数を挟むかが判定される。
この規定回転数を挟むか否かの判定(ステップB456)において、規定回転数を挟む場合(ステップB456;Yes)は、図102に示した特殊演出設定処理3を行い、特殊演出設定処理2を終了する。なお、この場合は、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいて、転落抽選に当選する始動記憶が存在する可能性があることを示唆する特別演出が行われる。
また、規定回転数を挟まない場合(ステップB456;No)は、大当りとなる始動記憶があるか否かの判定(ステップB457)を行い、大当りとなる始動記憶がある場合(ステップB457;Yes)は、図102に示した特殊演出設定処理3を行い、特殊演出設定処理2を終了する。なお、この場合は、大当りとなり特別遊技状態が発生することに基づき、転落演出実行開始フラグ及び転落演出実行中フラグがクリアされるため、転落演出は実行されない。また、大当りとなる始動記憶がない場合(ステップB457;No)は、転落演出設定処理2を行い、特殊演出設定処理2を終了する。
転落演出設定処理2では、図103に示すように、まず、転落演出実行開始フラグがあるか否かの判定(ステップB470)を行い、転落演出実行開始フラグがある場合(ステップB470;Yes)は、転落当選保留までの始動記憶数を転落演出カウンタにセットする処理(ステップB476)を行う。この処理においては、例えば、次に特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が転落当選保留である場合は、転落演出カウンタに1がセットされる。そして、転落演出実行開始フラグをクリアする処理(ステップB477)を行い、転落演出実行中フラグをセットする処理(ステップB478)を行う。その後、対応する転落演出を設定する処理(ステップB474)を行って、転落演出設定処理2を終了する。
また、転落演出実行開始フラグがない場合(ステップB470;No)、すなわち、転落演出実行中フラグがある場合は、転落演出カウンタを−1更新する処理(ステップB471)を行って、転落演出カウンタの値が0であるか否かの判定(ステップB472)を行う。
そして、転落演出カウンタの値が0である場合(ステップB472;Yes)、すなわち、今回の特図変動表示ゲームにおいて転落演出が終了する場合は、転落演出実行中フラグをクリアする処理(ステップB473)を行い、対応する転落演出を設定する処理(ステップB474)を行って、転落演出設定処理2を終了する。また、転落演出カウンタの値が0でない場合(ステップB472;No)は、対応する転落演出を設定する処理(ステップB474)を行って、転落演出設定処理2を終了する。
対応する転落演出を設定する処理(ステップB474)では、今回の特図変動表示ゲームにおいて実行する転落演出の内容を設定する。転落演出は複数の特図変動表示ゲームに亘って実行可能であるので、この処理において転落演出の進行段階に基づき今回の特図変動表示ゲームにおいて実行する転落演出の内容を設定することで、一の転落演出を複数の特図変動表示ゲームに亘り矛盾なく実行することが可能となる。
図104には、転落演出が実行される場合の一例を示した。図104(a)に示すように、特図変動表示ゲームの実行中に、特図2始動記憶の三番目に消化される始動記憶として転落当選保留が発生すると、先読み演出処理で転落演出可能フラグがセットされる。そして、図104(b)に示すように転落当選保留が発生した特図変動表示ゲームが終了し、次の特図変動表示ゲームが開始されると転落演出が開始される。このとき、転落演出カウンタには2がセットされる
この転落演出は、特殊演出と同等の内容であって、最終的に演出状態がLOWモードとなることで転落抽選に当選した可能性が高いことを示唆し、最終的に演出状態がHIGHモードとなることで転落抽選に当選した可能性が低いことを示唆するものである。この例では、演出状態がHIGHモードである状態から転落演出が開始されており、転落演出の内容としては、HIGHモード継続演出もしくはLOWモード降格演出と同等の演出を実行可能である。
また、転落演出の開始時には図104(c)や図104(d)に示すように、演出状態をLOWモードとしないようにするための条件が報知される。なお、ここで報知される条件は演出上の条件であって、転落抽選の結果には影響しないものであり、転落演出の終了時には遊技者の遊技の状態にかかわらず遊技機で決定した演出状態となる。
この例での転落演出では、LOWモード降格演出と同様の演出が、転落演出に当選することとなる始動記憶に基づく特図変動表示ゲームまでに亘り行われる。すなわち、一回目の特図変動表示ゲームでは、図104(c)や図104(d)に示すように転落演出が開始され、図104(e)に示すように炎を模した演出表示41aがHIGHモードにおける炎の勢いとLOWモードにおける炎の勢いの中間程度の勢いの表示となる。
その後、二回目の特図変動表示ゲームでは、図104(f)に示すように、補助演出部品44aから水が噴出する補助演出表示41cが継続され、炎を模した演出表示41aは、LOWモードにおける炎の勢いと同等の表示となる。そして、転落抽選に当選することとなる三回目の特図変動表示ゲームでは、図104(g)に示すようにLOWモードとなることが報知される。これにより、遊技者に転落抽選に当選した可能性が高いことが報知される。
ここで示した転落演出は、特殊演出と同様の演出を行い、LOWモードとなることで転落抽選に当選した可能性が高いことを示唆するものであったが、特殊演出とは異なる演出により転落抽選に当選した可能性が高いことを示唆するようにしても良い。
なお、図104(c)や図104(d)に示すように、報知された条件に従った遊技を遊技者が行った場合に、演出状態をLOWモードとしないようにしても良い。このようにすれば、遊技者の操作が遊技の結果に影響を及ぼすような演出を行うことができ、遊技の興趣を向上することができる。特に、条件として図104(d)に示すように、始動記憶を増加させることを条件とすれば、止め打ちを防止することができる。さらに、ガセ転落演出設定処理において転落演出の決定がなされた際に、報知された条件に従った遊技を遊技者が行った場合に、演出状態をLOWモードとしないようにすれば、転落抽選の当選についての示唆をより明確に行うことができる。
また、ガセ転落演出設定処理において転落演出の決定がなされた際に、高確率状態であれば上述の条件を簡単なものとしてHIGHモードとなりやすくすれば、遊技者の操作により高確率状態が継続するような印象を与えることができる。また逆に、すでに転落抽選に当選していて通常確率状態である場合に、上述の条件を簡単なものとしてHIGHモードとなりやすくすれば、高確率状態が継続しているような印象を与えることができ、遊技を継続する意欲を持たせることができる。
以上のことから、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に基づく変動表示ゲームに対応する転落抽選の結果を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に事前に判定する転落事前判定手段(遊技制御装置100)を備え、転落事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果に基づき、転落抽選の結果を示唆する転落演出を実行する転落演出実行手段(遊技制御装置100)を備えることとなる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第4変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、先読み処理の結果、転落抽選に当選するが特別結果となると判定された始動記憶がある場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて、特殊演出を行うようにしている。
本変形例の遊技機では、図30に示すメイン処理における先読み演出処理(ステップB14)として図93に示した先読み演出処理と同様の処理を行う。また、図87に示す変動開始処理に変えて、図105に示す変動開始処理を行う。この変動開始処理では、確率転落情報コマンドを受信した場合(ステップB330;Yes)に、転落保留情報を設定する処理(ステップB480)を行う点が異なる。これにより、他の処理において転落抽選に当選した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームであることを識別可能となる。
また、図88に示す変動パターン設定処理に代えて、図106に示す変動パターン設定処理を行う。この変動パターン設定処理では、停止図柄に基づき変動パターンを選択する処理(ステップB90)を行った後、転落保留情報があるか否かの判定(ステップB490)を行う。そして、転落保留情報がない場合(ステップB490;No)は、通常変動パターン設定処理(ステップB495)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
通常変動パターン設定処理(ステップB495)では、図88に示す変動パターン設定処理における大当りであるか否かの判定(ステップB91)から対応する特殊演出を設定する処理(ステップB342)までの処理を行う。すなわち、転落保留情報がない場合は、第2実施形態の遊技機と同様の処理を行う。
一方、転落保留情報がある場合(ステップB490;Yes)は、大当りであるか否かの判定(ステップB491)を行い、大当りでない場合(ステップB491;No)は、通常変動パターン設定処理(ステップB495)を行い、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行って、変動パターン設定処理を終了する。また、大当りである場合(ステップB491;Yes)は、特殊変動パターンであるか否かの判定(ステップB492)を行う。
そして、特殊変動パターンでない場合(ステップB492;No)は、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。また、特殊変動パターンである場合(ステップB492;Yes)は、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB493)を行い、特定転落演出を設定する処理(ステップB494)を行う。その後、変動パターン情報を設定する処理(ステップB100)を行い、変動パターン設定処理を終了する。
すなわち、転落抽選に当選した始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りであり、かつ、特殊変動パターンである場合に、特殊変動演出情報を取得する処理(ステップB493)及び特定転落演出を設定する処理(ステップB494)を行う。特定転落演出を設定する処理(ステップB494)では、特殊演出に代えて転落抽選に当選したが大当りとなることを報知する特定転落演出が設定される。
図107には特定転落演出が行われる場合の一例を示した。図107(a)に示すように、演出状態がHIGHモードである状態で特図変動表示ゲームが終了し、規定回数となる特図変動表示ゲームであって転落抽選に当選するとともに大当りとなる特図変動表示ゲームが開始されると、特定転落演出が実行される。図107(b)に示すように特定転落演出の最初の段階では、特殊演出と同様に補助演出部品44aが動作し、表示装置41において補助演出部品44aから水が噴出する第1補助演出表示41bがなされ、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱まる演出が行われる。
その後、図107(c)に示すように「大当り」の文字が炎を模した演出表示41aにより隠されるように表示され、図107(d)に示すように徐々に炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱まり「大当り」の文字が明確になる。そして、図107(e)に示すように、炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いがLOWモードにおける炎の勢いとなって転落抽選に当選して通常確率状態となった可能性が高いことが報知されるとともに大当りであることが報知される。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様として特別結果(例えば777)が表示される。このような特定転落演出を行うようにしたことで、大当りと転落抽選の当選が重複するという稀な場合における遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、規定回数となる特図変動表示ゲームであって転落抽選に当選するとともに大当りとならない特図変動表示ゲームにおいても所定の確率で特定転落演出を行うようにしても良い。この場合の特定転落演出では、図107(f)に示すように、最後に「大当りがよかったなぁ…」と表示してはずれであることが報知される。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様としてはずれの結果態様(例えば757)が表示される。このようにすれば、特定転落演出の最後まで結果がわからず、特図変動表示ゲームの最後まで興趣を高めることができる。
また、図107には特定転落演出の開始時の演出状態がHIGHモードである場合の例を示したが、特定転落演出の開始時の演出状態がLOWモードである場合も特定転落演出を実行可能である。特定転落演出の開始時の演出状態がLOWモードである場合の特定転落演出としては、例えば、大当りの文字が炎を模した演出表示41aにより燃やされる演出とし、結果が大当りであれば最終的に大当りの文字が燃えずに残るようにし、はずれであれば最終的に大当りの文字がすべて燃えるような演出とする。
さらに、規定回数ではない特図変動表示ゲームにおいて、転落抽選に当選した場合にも特定転落演出を行うようにしても良い。この場合も現在の演出状態と特図変動表示ゲームの結果から選択される特定転落演出を行う。
以上のことから、演出制御手段(演出制御装置300)は、始動記憶手段(遊技制御装置100)に記憶された始動記憶に、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となると判定され、かつ、転落事前判定手段(遊技制御装置100)により転落抽選に当選して通常確率状態へ移行すると判定された始動記憶がある場合に、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームにおいて、特定転落演出を行うようにしていることとなる。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第5変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の第1変形例の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、曖昧報知演出モードの最終回における演出が異なる。
本変形例の遊技機では、図76に示す規定回数における変動パターンテーブルのうち、100回目の変動パターンテーブルにおいて高確率状態及び通常確率状態の何れであっても、特殊変動1と特殊変動2を50%の確率で選択するようにする。
また、図88に示す変動パターン設定処理においては、状態報知フラグがあるか否かの判定(ステップB93)及び最終演出設定処理(ステップB101)は行わない。さらに、図91に示す転落演出設定処理に代えて、図108に示す転落演出設定処理を行う。この転落演出設定処理では、規定回数である場合(ステップB361;Yes)に、時短回数が0であるか否かの判定(ステップB500)を行う。そして、時短回数が0である場合(ステップB500;Yes)、すなわち、曖昧報知演出モードの最終回(100回目)の特図変動表示ゲームである場合は、最終回演出設定処理(ステップB501)を行い、転落演出設定処理を終了する。
最終回演出設定処理は、図109に示すように、確率状態示唆演出情報を設定する処理(ステップB510)を行い、停止表示時間に基づく報知タイマをセットする処理(ステップB511)を行う。確率状態示唆演出情報は、曖昧報知演出モードの最終回の特図変動表示ゲームにおける停止表示時間において行われる確率状態を示唆する確率状態示唆演出の内容に関する情報であって、現在の演出状態の情報である特殊変動演出情報と、現在の確率情報と、に基づき設定される。
その後、所定条件が成立したか否かの判定(ステップB512)を行い、所定条件が成立した場合(ステップB512;Yes)は、確率状態を報知する処理(ステップB513)を行って、最終回演出設定処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が遊技者に確率状態を明確に報知する報知手段をなす。また、所定条件が成立していない場合(ステップB512;No)は、報知タイマがタイムアップしたか否かの判定(ステップB514)を行う。所定条件とは、遊技者による演出ボタン25の操作や、始動入賞口36や普通変動入賞装置37への入賞、オーバーフロー入賞の発生などであり、任意の条件を設定可能である。
そして、タイムアップしていない場合(ステップB514;No)は、所定条件が成立したか否かの判定(ステップB512)に戻る。すなわち、報知タイマがタイムアップするまで所定条件の成立を監視する。また、タイムアップした場合(ステップB514;Yes)は、演出を選択する処理(ステップB515)を行い、最終回演出設定処理を終了する。
ここで、確率状態示唆演出には、特殊停止演出と同様に、四種類の特殊演出に相当する演出内容であるHIGHモード継続最終回演出、LOWモード降格最終回演出、HIGHモード昇格最終回演出、HIGHモード昇格失敗最終回演出がある。HIGHモード継続最終回演出はHIGHモード継続演出に相当するものであって図7に示したような演出を行うものであり、LOWモード降格最終回演出はLOWモード降格演出に相当するものであって図8に示したような演出を行うものである。また、HIGHモード昇格最終回演出はHIGHモード昇格演出に相当するものであって図9に示したような演出を行うものであり、HIGHモード昇格失敗最終回演出はHIGHモード昇格失敗演出に相当するものであって図10に示したような演出を行うものである。
そして、変動時間における特殊演出の実行の結果、演出状態がHIGHモードである場合は、HIGHモード継続最終回演出もしくはLOWモード降格最終回演出の何れかが選択される。また、変動時間における特殊演出の実行の結果、演出状態がLOWモードである場合は、LOWモード継続最終回演出もしくはHIGHモード昇格失敗最終回演出の何れかが選択される。
この確率状態示唆演出の選択は確率状態により異なるようにされており、高確率状態であり、かつ、所定の条件が成立した場合はHIGHモードとなる確率状態示唆演出(HIGHモード継続最終回演出及びHIGHモード昇格最終回演出)が選択される。これにより、高確率状態であることが報知される。また、通常確率状態であり、かつ、所定の条件が成立した場合はLOWモードとなる確率状態示唆演出(LOWモード降格最終回演出及びLOWモード昇格失敗最終回演出)が選択される。これにより、通常確率状態であることが報知される。
なお、所定の条件が成立しなかった場合は、演出を選択する処理(ステップB515)において、所定の割合で演出が選択される。すなわち、演出状態がHIGHモードである場合は、HIGHモード継続最終回演出もしくはLOWモード降格最終回演出の何れかが所定の割合で選択される。また、演出状態がLOWモードである場合は、LOWモード継続最終回演出もしくはHIGHモード昇格失敗最終回演出の何れかが所定の割合で選択される。
図110には、確率状態示唆演出の一例を示した。図110(a)に示すように、曖昧報知演出モードでの最終回の特図変動表示ゲームが実行され、図110(b)に示すように停止表示時間が開始する。なお、変動表示中には特殊演出が実行される。
停止表示時間となると、確率状態示唆演出が開始され、図110(d)や図110(f)に示すように、確率状態示唆演出の開始を報知する情報(「激熱モード継続チャンス!」なお、LOWモードであれば「激熱モード昇格チャンス!」と表示される)が表示されるとともに所定条件が表示される。所定条件は、図110(d)であれば演出ボタン25を所定回数以上押下することであり、図110(f)あれば所定個数以上の始動入賞口36及び普通変動入賞装置37への入賞である。
そして、所定条件が成立した場合、高確率状態であれば、図110(e)、(f)に示すように、HIGHモード継続最終回演出が実行されてHIGHモードとなり高確率状態であることが報知され、確変報知演出モードに移行する。また、所定条件が成立した場合、通常確率状態であれば、図110(g)、(h)に示すように、LOWモード降格最終回演出が実行されてLOWモードとなり通常確率状態であることが報知され、通常演出モードに移行する。
また、所定条件が成立しなかった場合は、図110(e)、(f)に示すHIGHモード継続最終回演出と、図110(g)、(h)に示すLOWモード降格最終回演出の何れかが実行される。また、実行された演出に従い、見掛け上確変報知演出モードに類似した擬似確変報知演出モードもしくは見かけ上通常演出モードに類似した擬似通常演出モードに移行する。これらの演出モードでは、確率状態が明確に報知されている状態ではなく、何れの演出モードであっても通常確率状態と高確率状態の可能性がある。
なお、所定条件が成立しなかった場合には曖昧報知演出モードを継続するようにしても良い。また、先読み結果に基づき、例えば大当りとなる始動記憶がある場合には所定条件の成立の有無にかかわらずHIGHモードとする演出を行うようにしても良い。
このような制御を行うことで、非報知状態の終了時に確率状態を知りたい遊技者には明確に報知することで、高確率状態が継続しているにもかかわらず遊技者が遊技を終了してしまうことを防止できる。
以上のことから、非報知状態は、予め定められた所定回数の変動表示ゲームを実行することで終了するように設定され、非報知状態において最後に実行される変動表示ゲームにおいて所定条件の成立に基づき、遊技者に確率状態を明確に報知する報知手段(演出制御装置300)を備えている。
次に、上述した第2実施形態の遊技機の第6変形例について説明する。なお、基本的には、上述の第2実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、曖昧報知演出モードでの遊技球に停電が発生した場合に、停電からの復帰時の演出状態を選択するようにしている。
図111には、停電の発生及び停電からの復帰におけるタイムチャートを示した。曖昧報知演出モードにおいて特図変動表示ゲームが開始され(t1)、変動表示中に停電が発生した場合(t2)、停電から復帰した際(t3)に、遊技制御装置100はバックアップされている情報に基づき、演出制御装置300に、停電復旧画面指定情報、確率情報、飾り特図保留数情報、機種指定情報などを送信する。なお、停電復旧画面指定情報は停電復旧時に表示装置41に表示する画面を指定する情報であり、確率情報は現在の確率状態に関する情報である。また、飾り特図保留数情報は特図始動記憶数に関する情報であり、機種指定情報は遊技機の種類を指定する情報である。
演出制御装置300では、遊技制御装置100から受信した情報に基づき、停電からの復帰(t3)から次の特図変動表示ゲームの開始(t5)までの間に、演出状態設定画面を表示する。
図112には、演出状態設定画面の一例を示した。停電復旧画面指定情報に基づき所定の停電復旧画面を表示した後、図112(a)に示す初期表示を表示する。この初期表示では、炎を模した演出表示41aの炎の勢いがHIGHモードにおける炎の勢いとされ、演出モードが未定であることを示す表示として「激熱モード!? 激寒モード!?」の文字表示がなされる。また、補助演出部品44aから水が噴出する第1補助演出表示41bがなされる。
そして、図112(b)に示すように、補助演出部品44aから水が噴出する第1補助演出表示41bがなされて炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが弱まる状態と、図112(c)に示すように、補助演出部品44aから炎が噴出する第1補助演出表示41bがなされて炎を模した演出表示41aにおける炎の勢いが強まる状態とを繰り返す。
所定時間経過後、開始時の演出状態がHIGHモードであれば、図112(d)に示すようにHIGHモードで開始される旨の表示がなされ、開始時の演出状態がLOWモードであれば、図112(e)に示すようにLOWモードで開始される旨の表示がなされる。
なお、開始時の演出状態の選択においては、確率状態に基づく選択を行っても良い。例えば、確率状態が高確率状態である場合は通常確率状態である場合よりもHIGHモードが選択される確率を高くするようにしても良い。また、遊技者の操作に基づき演出状態を選択するようにしても良い。例えば、図110(b)、(c)に示す表示を行っている期間に、演出ボタン25を所定回数以上押下した場合や、所定のタイミングで演出ボタン25を押下した場合にHIGHモードを選択するようにしても良い。
また、停電が発生した際の特図変動表示ゲームが、曖昧報知演出モードにおける規定回数となる特図変動表示ゲームであった場合は、演出状態設定画面の表示に代えて特殊演出を行うようにしても良い。また、停電の発生により演出制御装置300で管理していた時短回数は消去されてしまうが、遊技制御装置100では情報がバックアップされているため、規定回数となる特図変動表示ゲームにおいては必ず特殊変動1もしくは特殊変動2が選択される。よって、停電復旧時に演出制御装置300で任意に演出状態を決定すれば、その後規定回数となった場合に特殊演出を実行可能である。すなわち、停電が発生した場合でも規定回数となる特図変動表示ゲームでは必ず特殊演出が実行されることとなる。
以上のような遊技機10は、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを表示可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの実行結果が予め定められた特別結果となった場合に、遊技者に有利な特別遊技状態を発生する遊技機であって、特別結果の種類に基づき、当該特別結果に基づく特別遊技状態の終了後に変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率を通常確率状態よりも高めた高確率状態を発生可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、特別遊技状態の終了後、通常確率状態と高確率状態の何れであるのかを遊技者に明確に報知しない非報知状態(曖昧報知演出モード)を発生可能な非報知状態発生手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームに関する演出制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、演出制御手段は、非報知状態における演出状態として、第1演出状態(HIGHモード)と、該第1演出状態とは異なる演出態様が実行される第2演出状態(LOWモード)と、の何れかを選択するものであり、所定条件の成立に基づき、演出状態を切替可能な演出状態切替手段(演出制御装置300)を備えている。
したがって、演出制御手段は、非報知状態における演出状態として、第1演出状態と、該第1演出状態とは異なる演出態様が実行される第2演出状態と、の何れかを選択するものであり、所定条件の成立に基づき、演出状態を切替可能な演出状態切替手段を備えるので、非報知状態における遊技の演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定条件が成立した際に特殊演出を実行可能であり、当該特殊演出の前後の演出状態に基づき当該特殊演出の種類を選択するようにしている。
したがって、演出制御手段は、所定条件が成立した際に特殊演出を実行可能であり、特殊演出の前後の演出状態に基づき当該特殊演出の種類を選択するので、演出状態の変化と特殊演出の内容に関連を持たせることができ、より遊技者の期待感や興趣を向上させることができる。
また、変動表示ゲームの実行態様が複数設定された複数のテーブルから一のテーブルを直近の特別結果に基づき選択する選択手段(遊技制御装置100)と、該選択手段によって選択されたテーブルに基づき選択された実行態様に従って変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、テーブルに基づき設定される実行態様には、通常実行態様(リーチなし変動、リーチ変動)、第1特殊実行態様(特殊変動1)及び第2特殊実行態様(特殊変動2)が少なくとも含まれ、非報知状態において高確率状態となる場合に選択されるテーブルは、非報知状態において通常確率状態となる場合に選択されるテーブルよりも第2特殊実行態様を選択する割合が低く設定され、演出制御手段(演出制御装置300)は、第1特殊実行態様が選択された変動表示ゲームの終了後に演出状態を第1演出状態に設定し、第2特殊実行態様が選択された変動表示ゲームの終了後に演出状態を第2演出状態に設定するようにしている。
したがって、直近の特別結果に基づきテーブルを選択する選択手段と、選択されたテーブルに基づき選択された実行態様に従って変動表示ゲームを実行する変動表示ゲーム実行制御手段と、を備えるので、特別遊技状態の終了後の変動表示ゲームの実行態様が直近の特別結果に関連付けられることとなる。特に、特別遊技状態の終了後の確率状態は、直近の特別結果に基づき設定されるので、特別遊技状態の終了後の変動表示ゲームの実行態様が確率状態に関連付けられることとなり、非報知状態における遊技の演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、非報知状態において高確率状態となる場合に選択されるテーブルは、通常確率状態となる場合に選択されるテーブルよりも第2特殊実行態様を選択する割合が低く設定され、演出制御手段は第1特殊実行態様が選択された変動表示ゲームの終了後に演出状態を第1演出状態に設定し、第2特殊実行態様が選択された変動表示ゲームの終了後に演出状態を第2演出状態に設定するので、高確率状態では通常確率状態に比べて第2演出状態が選択されにくく、演出状態が単なる演出にとどまらず、実際の確率状態を示唆する演出として位置づけることができる。
さらに、変動表示ゲームの実行態様と、演出状態の切り替えとに関連を持たせることができ、非報知状態における遊技の演出にバリエーションを持たせ、遊技者の興趣を向上させることができる。特に、変動表示ゲームの実行態様の選択は、非報知状態でない場合であっても常時行われる制御であり、この制御と非報知状態における演出状態の切り替えに関連を持たせたことで、演出状態の切り替えを決定するための制御を別途行う必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
また、テーブルには、第1特殊実行態様のみが選択される第1特定テーブルと、第2特殊実行態様のみが選択される第2特定テーブルと、が含まれ、非報知状態は、予め定められた所定回数の変動表示ゲームを実行することで終了するように設定され、選択手段(遊技制御装置100)は、非報知状態において最後に実行される変動表示ゲームの実行態様を選択するためのテーブルとして、変動表示ゲームの実行結果が特別結果となる確率が高確率状態である場合には第1特定テーブルを選択し、通常確率状態である場合には第2特定テーブルを選択するようにしている。
したがって、選択手段は、非報知状態において最後に実行される変動表示ゲームの実行態様を選択するためのテーブルとして、高確率状態である場合には第1特定テーブルを選択し、通常確率状態である場合には第2特定テーブルを選択するので、非報知状態の最後のゲームでは確率状態に応じた演出が可能となり、矛盾のない演出を行うことができる。
また、選択手段(遊技制御装置100)は、非報知状態における変動表示ゲームの実行回数が予め定められた特定回数に達した以降は、第1特殊実行態様もしくは第2特殊実行態様が選択される確率が、特定回数以前に選択されたテーブルにおける第1特殊実行態様もしくは第2特殊実行態様が選択される確率より高い特殊テーブルを選択するようにしている。
したがって、選択手段は、非報知状態における変動表示ゲームの実行回数が予め定められた特定回数に達した以降は、第1特殊実行態様もしくは第2特殊実行態様が選択される確率が、特定回数以前に選択されたテーブルにおける第1特殊実行態様もしくは第2特殊実行態様が選択される確率より高い特殊テーブルを選択するので、非報知状態で所定期間経過した後は、演出状態の切り替えが頻繁に行われるようになり、遊技の興趣を向上することができる。また、非報知状態中の確率状態の示唆が明確になり、遊技者の期待感を向上させることができる。
また、始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、変動表示ゲームの実行権利を所定の上限数まで始動記憶として記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶手段に記憶された始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を当該変動表示ゲームの実行前に事前に判定する事前判定手段(遊技制御装置100)と、を備え、演出状態切替手段(演出制御装置300)は、非報知状態において第2演出状態が選択されている場合に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在することを条件に、演出状態を第1演出状態に切り替えるようにしている。
したがって、演出状態切替手段は、非報知状態において第2演出状態が選択されている場合に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在することを条件に、演出状態を第1演出状態に切り替えるので、演出状態の切り替えに対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、この演出状態の切り替えが行われて現在の始動記憶数以内に大当りが発生することとなるため、特殊演出や第1演出状態を特別なもの、期待できるものであることを遊技者に意識づけることができ、特殊演出や第1演出状態に対する遊技者の興趣を増大させることができる。
また、非報知状態において変動表示ゲームの実行回数が予め定められた所定回数に到達する毎に、当該変動表示ゲームの結果を表示する停止表示時間を延長する延長制御手段(遊技制御装置100)を備え、演出制御手段(演出制御装置300)は、延長制御手段により停止表示時間が延長される変動表示ゲームの実行中に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合に、当該延長制御手段により延長される停止表示時間において、特殊演出を実行可能である。
したがって、演出制御手段は、延長制御手段により停止表示時間が延長される変動表示ゲームの実行中に、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が存在する場合に、当該延長制御手段により延長される停止表示時間において、特殊演出を実行可能であるので、停止表示時間の延長及び演出状態の切り替えに対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、延長された停止表示時間において特殊演出が行われて演出状態の切り替えが行われ、現在の始動記憶数以内に大当りが発生することとなるため、停止表示時間の延長や特殊演出、演出状態の切り替えを特別なもの、期待できるものであることを遊技者に意識づけることができ、停止表示時間の延長や特殊演出、演出状態の切り替えに対する遊技者の興趣を増大させることができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となると判定された始動記憶が、特別遊技状態の終了前の所定期間内に存在する場合に、当該特別遊技状態の終了に伴い開始される非報知状態の開始時における演出状態を第1演出状態とするようにしている。
したがって、演出制御手段は、事前判定手段により特別結果となると判定された始動記憶が、特別遊技状態の終了前の所定期間内に存在する場合に、当該特別遊技状態の終了に伴い開始される非報知状態の開始時における演出状態を第1演出状態とするので、非報知状態の開始時に存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームに対する期待感を高めることができる。また、第1演出状態に対する遊技者の期待感を高めることができる。すなわち、非報知状態の開始時に第1演出状態であれば、そのときに存在する始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果が特別結果となる可能性が高く、遊技者の興趣を増大させることができる。
また、選択手段(遊技制御装置100)は、特別遊技状態の終了後に実行される所定回数の変動表示ゲームの実行態様を選択するためのテーブルを、当該特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞数に基づき選択するようにしている。
したがって、選択手段は、特別遊技状態の終了後に実行される所定回数の変動表示ゲームの実行態様を選択するためのテーブルを、当該特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口への遊技球の入賞数に基づき選択するので、特別遊技状態の終了前の所定期間内における止め打ちを防止することができる。特に、特別遊技状態の終了前の所定期間内における始動口への遊技球の入賞数が所定数以上である場合に第1特殊実行態様が選択されやすいテーブルを選択するようにすれば、高確率状態である場合に選択されやすい第1演出状態となりやすく、止め打ちをしなかった遊技者に対して期待感の高い演出を見せることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。