JP2004313460A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【目的】1つの変動パターンの可変表示時間を変化させることにより複数の演出に用いることができる遊技機を提供する。
【構成】可変表示データを選択する可変表示データ事前選択手段によって特定の可変表示データが選択されたときに異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンとするかを決定する可変表示パターン事前決定手段を有し、可変表示データ事前選択手段によって選択された可変表示データを指定する可変表示データ信号と、表示結果事前決定手段により決定された表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号と、を送信する信号送信手段は、可変表示時間計測手段によって計測された可変表示時間が可変表示パターン事前決定手段の決定結果に応じた可変表示時間を経過したことを可変表示時間判定手段が判定したときに確定信号を送信することにより、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【選択図】 図36
【構成】可変表示データを選択する可変表示データ事前選択手段によって特定の可変表示データが選択されたときに異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンとするかを決定する可変表示パターン事前決定手段を有し、可変表示データ事前選択手段によって選択された可変表示データを指定する可変表示データ信号と、表示結果事前決定手段により決定された表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号と、を送信する信号送信手段は、可変表示時間計測手段によって計測された可変表示時間が可変表示パターン事前決定手段の決定結果に応じた可変表示時間を経過したことを可変表示時間判定手段が判定したときに確定信号を送信することにより、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【選択図】 図36
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置を備えた遊技機、例えば、弾球遊技機において、遊技制御手段が、可変表示装置の可変表示開始前に可変表示時間および変動態様(リーチあり・なし、再変動あり・なし、等)を含んだ変動パターンコマンドと、停止図柄を特定可能な表示制御コマンドと、を表示制御手段に送信し、これらのコマンドを受信した表示制御手段が図柄の差し替え制御を行った後、可変表示時間が終了した時点で遊技制御手段が全図柄停止を示す表示制御コマンドを送信して表示制御手段によって確定図柄の表示を行わせるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−17674号公報 (第9−11頁、第21図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構成の遊技機においては、1つの変動パターンに対して停止図柄を特定可能な表示制御コマンドを変えることで複数の演出を実行することが可能となったため、遊技制御手段から表示制御手段に送信する変動パターンの数が減り、遊技制御手段の図柄表示に関する制御の負担を軽減させることが可能となったが、同一の変動パターン(リーチパターン)に対して、再抽選ありの場合と再抽選なしの場合との2種類備えていたため、変動パターンコマンドを大幅に減少させるものではなく、遊技制御手段におけるデータ量も大幅に減少させることができなかった。更に、表示制御手段においても、遊技制御手段から送信される変動パターンそれぞれにデータを持つ必要があったためデータ量が多くなってしまっていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、1つの変動パターンの可変表示時間を変化させることにより複数の演出に用いることができる遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、所定の始動条件(例えば、始動入賞口14への始動入賞)の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、可変表示装置8)を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU56)と、該遊技制御手段から送信された制御信号(例えば、図22に示す演出制御コマンド等)に基づいて前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示を含む表示を制御する表示制御手段(例えば、演出制御用CPU111)と、を備え、前記遊技制御手段は、前記表示制御手段に制御信号(例えば、図22に示す演出制御コマンド等)を送信する信号送信手段(例えば、ステップS88、S163にて実行されるコマンドセット処理)と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段(例えば、ステップS56、S301)と、前記始動条件の成立に基づいて前記可変表示装置に表示結果を導出表示する際に実行される識別情報の可変表示パターンを示す可変表示データ(例えば、図8に示す変動パターン)を、異なる複数の可変表示パターンを示す複数の可変表示データ(例えば、図8に示す変動パターンコマンド)から選択する可変表示データ事前選択手段(例えば、ステップS302)と、該可変表示データ事前選択手段によって前記複数の可変表示データのうち特定の可変表示データ(例えば、図8に示す変動パターン3,4および7〜9)が選択されたときに該特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターン(例えば、図36(A)の第1〜第3演出等)のうちいずれの可変表示パターンを実行するかを決定する可変表示パターン事前決定手段(例えば、ステップS83)と、可変表示開始からの可変表示時間を計測する可変表示時間計測手段(例えば、特別図柄プロセスタイマ)と、該可変表示時間計測手段によって所定時間が経過したことを判定する可変表示時間判定手段(例えば、ステップS303で特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたらステップS304に移行させる処理)と、を有し、前記信号送信手段は、前記可変表示データ事前選択手段によって選択された可変表示データを指定する可変表示データ信号(例えば、図22に示す変動パターン指定コマンド)と、前記表示結果事前決定手段により決定された前記表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号(例えば、図22に示す特別図柄指定コマンド)と、を送信する機能を備え、前記表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信される前記遊技制御信号を受信する信号受信手段(例えば、演出制御基板80に搭載されるRAMのコマンド受信バッファ)と、前記可変表示データ信号に対応して設けられる可変表示パターンデータを記憶するデータ記憶手段(例えば、演出制御基板80のROMに記憶される表示制御プロセスデータ)と、前記可変表示データ信号を受信したことに基づいて当該可変表示データ信号に対応する可変表示パターンデータを前記データ記憶手段に記憶された可変表示パターンデータの中から選択する可変表示パターン選択手段(例えば、ステップS875)と、前記確定信号を受信したことに基づいて前記表示結果を導出表示する導出表示手段(例えば、ステップS841で図柄停止コマンドを受信しているときにステップS842で確定図柄を表示する処理)と、を含み、前記信号送信手段は、前記可変表示データ信号として前記特定の可変表示データを指定する信号を送信したときには前記可変表示時間計測手段によって計測された可変表示時間が前記可変表示パターン事前決定手段の決定結果に応じた可変表示時間を経過したことを前記可変表示時間判定手段が判定したときに前記確定信号を送信する判定時確定信号送信手段(例えば、ステップS86で短縮時間データを特別図柄プロセスタイマに設定し、ステップS303で特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことに基づいて、ステップS304に移行制御し、ステップS304にて特別図柄停止コマンドを送信する処理)を含み、前記導出表示手段は、前記信号受信手段によって前記可変表示データ信号として前記特定の可変表示データを指定する信号を受信したときには、前記特定の可変表示データを指定する信号の受信によって可変表示時間として設定された時間が経過していなくても前記判定時確定信号送信手段によって送信された前記確定信号を受信したことに基づき前記表示結果を導出表示する(例えば、ステップS835で変動時間タイマがタイムアウトしていなくてもステップS838で準備コマンドを受信していたら図柄停止待ち処理に移行する)ことを特徴とする。このように構成することにより、1つの可変表示データに対し、確定信号の送信タイミングによって複数の演出に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0006】
また、請求項2に係る発明においては、前記特定表示結果は予め定められた複数種類の特定表示結果を含み、前記特定の可変表示データは、前記表示結果事前決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすることが決定されたときに、当該特定表示結果と同一または当該特定表示結果と異なる特定表示結果を一旦導出したあとに前記表示結果事前決定手段により決定された前記特定表示結果を導出表示させる再抽選表示を実行する再抽選可変表示パターン(例えば、図36(C)の第4段階)を含む再抽選データ(例えば、図36(C)〜(E))であり、前記可変表示パターン事前決定手段は、前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かを決定する(例えば、ステップS83で変動時間を短縮させるか否かを判定する)ことを特徴とする。このように構成することにより、1つの可変表示データによって再抽選演出が有る演出と無い演出の両方に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0007】
また、請求項3に係る発明においては、前記複数種類の特定表示結果は、前記特定遊技状態終了後に該特定遊技状態とは異なる遊技状態であって遊技者にとって有利な特別遊技状態となる第1特定表示結果(例えば、確変図柄)と、前記特定遊技状態終了後に通常遊技状態となる第2特定表示結果(例えば、非確変図柄)と、を含み、前記遊技制御手段は、前記表示結果事前決定手段により前記第1特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記再抽選データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段による実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かの決定に用いる第1特定判定テーブル(例えば、図17(A)の確変大当り時テーブル等)と、前記表示結果事前決定手段により前記第2特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記再抽選データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段による実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かの決定に用いる第2特定判定テーブル(例えば、図17(A)の非確変大当り時テーブル等)と、を備え、前記第1特定判定テーブルにおける前記再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合は前記第2特定判定テーブルにおける前記再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合よりも高くなるように再抽選可変表示パターンを行う決定に用いる判定データを構成することを特徴とする。このように構成することにより、表示結果事前決定手段により第1特定表示結果を表示することが決定されたときには再抽選演出が実行されやすくなり、第1特定表示結果を表示する前には再抽選演出を実行することにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
また、請求項4に係る発明においては、前記特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターンは異なる可変表示時間が予め定められており、前記遊技制御手段は、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段により異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかの決定に用いる当選時判定テーブル(例えば、図17(A)の非確変大当り時テーブルおよび確変大当り時テーブル等)と、前記表示結果事前決定手段によって前記非特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段により異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかの決定に用いる非当選時判定テーブル(例えば、図17(A)のはずれ時テーブル)と、を備え、前記当選時判定テーブルにおける前記複数の可変表示パターンのうち前記可変表示時間が短い可変表示パターンに決定される割合は、前記非当選時判定テーブルにおける前記可変表示時間が短い可変表示パターンに決定される割合よりも低くなるように可変表示パターンの決定に用いる判定データを構成することを特徴とする。このように構成することにより、表示結果事前決定手段により特定表示結果を表示することが決定されたときには、可変表示時間が長くなるような可変表示パターンが選択されやすくなり、可変表示時間が長くなることにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0008】
また、請求項5に係る発明においては、前記信号送信手段は、前記表示結果事前決定手段によって決定された表示結果を指示する識別情報信号(例えば、図22に示す特別図柄指定コマンド)を送信する機能をさらに有し、前記表示制御手段は、前記識別情報信号を受信し(例えば、ステップS613で特別図柄指定コマンドであったときにステップS614で特別図柄停止図柄を特別図柄格納領域に格納する)、前記判定時確定信号送信手段によって送信された前記確定信号を受信したことに基づいて当該可変表示中の識別情報を前記識別情報信号によって指定された識別情報に差し替える識別情報差替手段(例えば、準備コマンドを受信したことに基づいて停止図柄を準備して、確定コマンドを受信したことに基づいて変動表示を行っている図柄と差し替える処理)を有することを特徴とする。このように構成することにより、表示制御手段は、識別情報信号を受信したことによって当該識別情報信号によって指定される識別情報を準備し、確定信号に基づいて可変表示中の識別情報と差し替えることにより、予め定められた表示結果を確定表示結果として表示することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤6の前面を示す正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、例えばコイン遊技機やスロット機等であってもよい。
【0010】
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く。)と、を含む構造体である。
【0011】
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0012】
遊技領域7の中央付近には、遊技盤に設けられ所定の始動条件の成立(例えば、始動入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置8を備えている。本実施形態では、可変表示装置8はLCD表示装置により構成され、その中央には飾り図柄9a〜9cを可変表示する複数の表示領域(本実施形態では3つ)を有する飾り図柄表示部9が設けられ、該飾り図柄表示部9の右下側には特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示部10が設けられている。本実施形態における特別図柄表示部10では、1つの表示領域によって表示される特別図柄10aの比較的単調な可変表示を行なっている。飾り図柄表示部9は、この特別図柄表示部10で行われる可変表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示装置である。
【0013】
なお、本実施形態における弾球遊技機1は、後述する表示結果事前決定手段が特別図柄表示部10の表示結果を予め定められた特定表示結果とすることを決定したときに特別図柄表示部10に特定表示結果を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。また、この特別図柄表示部10の表示結果と飾り図柄表示部9の表示結果とは対応している。例えば、特別図柄表示部10の表示結果が大当り状態を示す結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も大当り状態を示す結果になる。また、特別図柄表示部10の表示結果が大当り状態以外のはずれ状態を示す場合には、飾り図柄表示部9の表示結果もはずれ状態を示す結果となる。
【0014】
また、この実施の弾球遊技機1は、特別な制御をされない通常時には、特別遊技状態および特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)とは異なる通常遊技状態に制御される。そして、特定遊技状態となる特定表示結果には、第1特定表示結果(確変図柄)と第1特定表示結果以外の第2特定表示結果(非確変図柄)が含まれ、本実施形態における弾球遊技機1は、後述する表示結果事前決定手段が表示結果を第1特定表示結果とすることを決定したときに飾り図柄表示部9に第1特定表示結果を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、大当り遊技状態終了後に表示結果が通常遊技状態より大当り状態となり易い(大当りとなる確率が高い)特別遊技状態としての確変状態に制御する機能も有している。
【0015】
なお、特別遊技状態として時短状態に制御することにより、遊技者にとって更に有利な状態とするようにしてもよい。時短状態では、特別図柄表示部10において特別図柄10aの変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、可変表示装置8の特別図柄表示部10および普通図柄表示器13において可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、可変入賞球装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞球装置15の開放時間又は開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での特別図柄表示部10における特別図柄10aの可変表示回数が増加して通常遊技状態より特別図柄10aが当り図柄となる確率が高まるため、遊技者にとって更に有利な状態となる。
【0016】
また、特別遊技状態は上記したものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないものと大当りに直接的に係わるものとに分けて説明する。即ち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。先ず、大当りに直接的には係わらない遊技制御としては、特別図柄10a乃至普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御又は確率変動(確変)制御、電役(例えば、可変入賞球装置15)の開放期間の延長制御、特別図柄乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、遊技盤6に設置される入賞口29,30,33,39等を特別図柄10aの始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生又は継続する第3種弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。一方、大当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、開閉板20の開放延長制御、あるいは開閉板20によって開放された大入賞口への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記した遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。さらには、特別遊技状態への突入(所定条件の成立)及び終了の契機については、本実施形態中に記載のものに限定せず、乱数、遊技履歴(例えば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、及びサブゲーム(例えば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つ乃至任意の組合せを突入契機乃至終了契機に設定するものであればよい。
【0017】
可変表示装置8の上部には、7セグメントLEDにより構成された普通図柄表示器13が設けられている。この普通図柄表示器13は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示可能なものである。また、可変表示装置8には、始動入賞口14に入り始動条件が成立したが未だ可変表示装置8の開始条件(例えば、前回の特別図柄10aの可変表示および大当り遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数である始動記憶数を記憶する始動記憶手段(主基板31のRAM55により始動記憶数を記憶する機能)に記憶された始動記憶数を表示する始動記憶数表示手段としての4つの始動記憶表示エリア(図示しない)が設けられている。この始動記憶表示エリアは、有効始動入賞(本実施形態では、始動記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化(例えば青色表示から赤色表示に変化)させ、可変表示装置8の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリアを1減らす。すなわち表示色をもとの状態に戻す。
【0018】
なお、この実施形態では有効始動入賞数は4つとなっているが、これに限られるものではない。例えば、有効始動入賞数を30としてもよく。この場合には、30回分の始動記憶数を表示できるように始動記憶表示エリアを構成してもよく、また、30回分の始動記憶のうち所定数(例えば、5つ)のみ表示するようにしてもよい。
【0019】
また、可変表示装置8においては飾り図柄表示部9と始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリアを飾り図柄表示部9の一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリアを可変表示装置8に設けるようにしているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置8とは別個に設けるようにしてもよい。
【0020】
可変表示装置8の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0021】
可変入賞球装置15の下部には、上述した特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(図示しない)も設けられている。
【0022】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器13の始動記憶である普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器13において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器13の可変表示が開始される。普通図柄表示器13において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器13の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器19(図3に符号のみ記載)が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器19は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器13の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄10aと普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示領域と普通可変表示領域とは1つの可変表示装置で実現される。
【0023】
この実施の形態では、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器13における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0024】
更に、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器13における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が高められ、遊技者にとって更に有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器13における可変表示時間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとって更に有利になるようにしてもよい。
【0025】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する音声出力装置としての2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた複数の枠設置発光部材(天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42)が設けられている。そして、この例では、枠ランプ左41の近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、枠ランプ右42の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。また、可変表示装置8の左右には遊技盤に設けられた複数の盤設置発光部材(盤ランプ左11および盤ランプ右12)が設けられている。
【0026】
枠ランプ左41および枠ランプ右42および、盤ランプ左11および盤ランプ右12は、複数のランプ(図示しない)によって構成されている。これら複数のランプを備えた枠ランプ41,42および盤ランプ11,12は、後述するリーチ演出等の遊技状態において制御されるものである。
【0027】
次に、リーチ状態について説明する。本実施形態におけるリーチ状態とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
【0028】
本実施形態では、予め定められた複数の表示領域としての飾り図柄表示部9に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をいう。
【0029】
本実施形態における特別図柄表示部10は、1つの表示領域によって構成されているため、リーチ表示されることはない。しかし、飾り図柄表示部9においてリーチ演出の行われている間は特別図柄表示部10は変動表示を行っており、特別図柄表示部10の変動停止と共に飾り図柄表示部9の変動が停止する。また、特別図柄表示部10を複数の表示領域で構成してもよく、その場合、リーチ状態とするようにしてもよい。
【0030】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0031】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄10aの可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了又は前回の可変表示の終了)、特別図柄表示部10において特別図柄10aの可変表示(変動表示)を開始すると共に、飾り図柄表示部9において飾り図柄9a〜9cの可変表示を開始する。特別図柄10aの可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0032】
特別図柄表示部10における特別図柄10aの可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、特別図柄表示部10の変動停止と共に飾り図柄表示部9の変動が停止する。停止時の特別図柄10aが大当り図柄(特定表示結果)となるときには、飾り図柄表示部9の表示結果も大当り図柄(特定表示結果)となり、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0033】
停止時の特別図柄表示部10における特別図柄10aが確率変動を伴う大当り図柄(第1特定表示結果:確変図柄)である場合には、飾り図柄表示部9における飾り図柄9a〜9cの組み合わせも確率変動を伴う大当り図柄(第1特定表示結果:確変図柄)となり、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとって更に有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0034】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70及び演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、及びクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65が搭載されている。
【0035】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施の形態でも同様である。
【0036】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示部10における特別図柄10aの可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0037】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御する遊技制御手段としてのCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54及びI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0038】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0039】
また、遊技制御基板に設けられた遊技制御手段(例えば、CPU56)からのコマンドに基づいて、演出制御基板80に設けられた演出制御手段としての演出制御用CPU111が、可変表示装置8に設けられた特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9の表示制御、音声出力装置としてのスピーカ27の音声出力制御、盤設置発光部材としての盤ランプ(11,12,25)および枠設置発光部材としての枠ランプ(40〜42)の発光制御、を行う。主基板31からは、可変表示装置8の表示制御、ランプの点灯、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報として演出制御コマンド(遊技制御信号)が伝送される。演出制御基板80では、伝送されてきた演出制御コマンドに応じて飾り図柄表示部9及び特別図柄表示部10の表示制御を行う。
【0040】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載され、表示制御手段を含む演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111等)が、遊技制御手段(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)からの制御信号(演出制御コマンド)に基づいて遊技盤6に設けられている可変表示装置8、普通図柄表示器13、装飾ランプ25、盤ランプ左11、盤ランプ右12、等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ40、枠ランプ左41、枠ランプ右42、賞球ランプ51、球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態及び他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。
【0041】
ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、遊技機に演出手段としての可動部材が設置されている場合には、可動部材を駆動するためのモータやソレノイド等の演出用駆動手段61を駆動するための駆動信号も、ランプドライバ基板35において作成される。
【0042】
また、特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示部10及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示器13の表示制御も、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)が、演出制御コマンドに基づいて実行する。
【0043】
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示装置8、発光体(ランプやLED)、スピーカ27、の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)等がある。
【0044】
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(例えば、CPU56)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0045】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0046】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0047】
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0048】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0049】
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0050】
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0051】
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。更に、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。前述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0052】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0053】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0054】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0055】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)の内部状態と演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0056】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0057】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。更に、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37及び演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9に表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51及び球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0058】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0059】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)及び初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示部10に表示される特別図柄10aを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0060】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が図5に示すタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0061】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0062】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22:数値データ更新手段)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS23)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0063】
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄10aのはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄10aの組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄10aの変動パターン(可変表示データ)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)後述する特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターンのうち特別図柄10aの可変表示時間(変動時間)が短くなるような可変表示パターン、つまり、予め定められた変動パターンの変動時間を短縮させる短縮制御を実行するか否か決定する(短縮判定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(6)の普通図柄当り判定用乱数及び(9)の短縮判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(2)の特別図柄決定用乱数、(4)の変動パターン決定用乱数、(5)のリーチ判定用乱数、が表示用乱数であり、(7)のランダム1初期値決定用乱数及び(8)のランダム6初期値決定用乱数、が初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。ランダム1、ランダム3、ランダム6及びランダム9の乱数は、可変表示に関わる決定に用いられ、それぞれ所定の数値範囲の数値データであり、これら数値データは、数値データ更新手段(例えば、ステップS22)により更新される。
【0064】
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて弾球遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0065】
次いで、CPU56は、特別図柄10aに関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0066】
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0067】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0068】
そして、CPU56は、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0069】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0070】
図7は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
【0071】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄10aの可変表示を開始できる状態(開始条件:例えば、前回の可変表示の終了および大当り遊技状態の終了)になるのを待つ。特別図柄10aの可変表示が開始できる状態になると、始動記憶数を確認する。始動記憶数が0でなければ、特別図柄10aの可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0072】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301:表示結果事前決定手段):特別図柄10aの可変表示後の特別図柄10aの停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0073】
変動パターン設定処理(可変表示データ事前選択手段:ステップS302):特別図柄10aの可変表示の変動パターン(可変表示データ)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、特図プロセスタイマ(特図変動時間タイマ)をスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。また、短縮制御が実行される場合には後述する短縮コマンド(可変表示パターン特定信号)が送信される。
【0074】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の特別図柄プロセスタイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。つまり、ステップS302で設定された特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことを判定すると、ステップS304に移行するように制御を行う。また、所定時間経過後(例えば、ステップS302の特別図柄プロセスタイマの残り時間が5秒になったとき)に演出制御基板80に準備コマンドを送信する処理を実行する(図36参照)。
【0075】
特別図柄停止処理(ステップS304:判定時確定信号送信手段):特別図柄表示部10において変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、表示結果事前決定手段(ステップS301)により決定された表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号としての特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0076】
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0077】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0078】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0079】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0080】
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターン(可変表示データ)の一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄10aの各変動パターンと演出制御コマンドとは1対1に対応付けられている。
【0081】
この実施の形態では、リーチとなる変動パターンのうち変動パターン3,4及び変動パターン7〜9(はずれリーチとなるときのリーチA及びリーチB及び大当りとなるリーチのときのリーチA〜C)については、異なる複数の可変表示パターンを実行可能な特定の可変表示データである。例えば、変動パターン3は、変動時間(可変表示時間)18秒、28秒、40秒で表示結果を導出表示させることにより複数の可変表示パターンとして以下に示す第1〜第3演出の3種類の演出を実行することが可能となっている(図36参照)。また、この実施の形態の変動パターン3は、第1段階の変動時間(可変表示時間)18秒で実行されるリーチ演出と、第2段階の変動時間10秒で実行されるリーチ演出と、第3段階の変動時間12秒で実行されるリーチ演出と、によって構成されている。そして、変動パターン3が選択されると、まず、リーチ演出Aの第1段階の変動時間18秒のリーチ演出→第2段階の変動時間10秒のリーチ演出→第3段階の変動時間12秒のリーチ演出の順に実行される。つまり、変動時間18秒で表示結果を導出表示させる可変表示パターンでは、第1段階のリーチ演出を実行して表示結果が導出表示される第1演出が実行され、変動時間40秒で表示結果を導出表示させる可変表示パターンでは、第1段階および第2段階のリーチ演出を実行した後に第3段階のリーチ演出を実行して表示結果を導出表示させる第3演出が実行される(図36参照)。つまり、第2段階および第3段階のリーチ演出は、第1段階のリーチ演出が発展したものとなっている。
【0082】
なお、変動パターン3は、リーチ演出Aを実行してはずれとなる変動パターンであるため、後述する短縮判定処理にて上記した第1〜第3演出の何れの演出を実行することが決定されても、可変表示装置8には、はずれとなる表示結果が導出表示される。
【0083】
また、この実施の形態では、大当りとなる変動パターンのうち変動パターン7及び変動パターン8(リーチA当り及びリーチB当り)については、4種類の変動時間で表示結果を導出表示させることにより複数の可変表示パターンとして以下に示す第1〜第4演出の4種類の演出を実行することが可能となっている(図36参照)。なお、第4段階の変動時間10秒の演出は、第3段階で最終停止図柄と同一又は異なる図柄を飾り図柄表示部9に仮導出したあとに、最終停止図柄を表示させる再抽選演出である。つまり、第1〜第3演出は、再抽選演出を行わない非再抽選可変表示パターンであり、第4演出は再抽選演出を行う再抽選可変表示パターンである。
【0084】
また、変動パターン9(リーチC当り)は、図8に示す2種類の変動時間で表示結果を導出表示させることにより複数の可変表示パターンとして以下に示す第1または第2演出の2種類の演出を実行することが可能となっている(図36参照)。なお、第2段階の変動時間10秒の演出は再抽選演出となっている。つまり、第1演出は、再抽選演出を行わない非再抽選可変表示パターンであり、第2演出は再抽選演出を行う再抽選可変表示パターンである。
【0085】
このように、この実施の形態では、変動パターン7〜9については、再抽選演出を含んだ再抽選データであり、再抽選演出を実行する場合には短縮制御を行わない。
【0086】
また、上記した変動パターン7〜9は、リーチA、リーチB、リーチCのいずれかを実行して大当りとなるものであり、後述する短縮判定処理にて上記したいずれの演出(第1〜第4演出または第1〜第2演出)を実行することが決定されても、可変表示装置8には、大当りとなる表示結果が導出表示される。また、再抽選演出を実行しないで短縮制御を行う場合には、変動を停止させる可変表示パターン(第1〜第3演出または第1演出)で最終停止図柄が導出表示される。
【0087】
また、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。更に、この実施の形態では、短縮変動パターンが用いられる。短縮変動パターンは、特別図柄10aの変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。
【0088】
また、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中=通常状態)でも変動パターン1〜9の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜9のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と、低確率時に用いられる変動パターン群と、を別にしてもよい。
【0089】
図9は、始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、有効始動入賞があったか否かを確認する。つまり、始動記憶数が最大値に達しているかどうか確認する(ステップS111)。この実施の形態では、始動記憶数の最大値は4となっている。なお、本実施形態では、有効始動入賞の上限を4としているが、これに限らず、その他予め定められた数であればよい。例えば、有効始動入賞の上限を30とすることで、始動記憶数の最大値を30としてもよい。この実施の形態では、始動記憶数が4に達していなければ、始動記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動記憶数の値に対応した数値データ記憶手段としての保存領域(RAM55の特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
【0090】
この実施の形態では、図5に示す2msタイマ割込処理内の特別図柄プロセス処理中に始動口スイッチ通過処理が実行される。つまり、始動口スイッチ通過処理は、所定のタイミング(この実施の形態では、2ms毎)で有効始動入賞があったか否かを判定している。
【0091】
図10は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄10aの変動を開始することができる状態(例えば、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示部10において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0092】
始動記憶数が0でなければ、始動記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0093】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56:表示結果事前決定手段)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0094】
このように、本実施形態においては、始動条件の成立(始動入賞)に基づいて表示結果をその導出表示以前に決定する、具体的には、可変表示の開始条件成立以前に前述した数値データ記憶手段(特別図柄判定用バッファ)に記憶される数値データが所定の判定値としての大当り判定値及びリーチ判定値、等と合致するか否かの判定を行う表示結果事前決定手段(ステップS55〜S57)を備えている。
【0095】
図11(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図11(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。図11(A)に示すように、所定の判定値としての大当り判定値及びリーチ判定値を有し、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図11(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べてリーチが生じやすくなっている。
【0096】
図12は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図11(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0097】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0098】
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301:表示結果事前決定手段)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の図柄番号が設定されている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0099】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、はずれ図柄を決定する(ステップS64)。本実施形態における特別図柄10aのはずれ図柄は、「−」である。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0100】
図14は、ステップS302の変動パターン設定処理において参照される変動パターン選択テーブルの一例であり、(A)通常時(低確率時)変動パターン選択テーブルであり、(B)確変時(高確率時)変動パターン選択テーブルである。変動パターンテーブルには、大当りとなることが決定されたときに選択される大当り時変動パターンテーブルと、リーチはずれとなるときに選択されるリーチ時選択テーブルと、リーチとならないはずれとなるときに選択されるはずれ時選択テーブルと、が備えられ、それぞれ図9の始動口スイッチ通過処理におけるステップS113にて抽出された図6に示す変動パターン決定用乱数(ランダム4)によって異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
【0101】
図15は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(可変表示データ事前選択手段:ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず確変中であるか否か確認する(ステップS70)。確変中である場合には、確変時変動パターン選択テーブルを選択し(ステップS71)、確変中でない場合には、通常時変動パターン選択テーブルを選択する(ステップS72)。そして、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS73)。大当りフラグがセットされている場合には、図14に示す大当り時変動パターンテーブルを選択し(ステップS74)、大当りフラグがセットされていない場合には、リーチ判定用乱数を読み出し(ステップS75)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS76)。リーチとすることに決定した場合には(ステップS77)、リーチ時変動パターンテーブルを選択し(ステップS78)、リーチとしない場合には、はずれ時変動パターンテーブルを選択する(ステップS79)。
【0102】
次いで、CPU56は、変動パターン決定用乱数カウンタから変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS80)、抽出した変動パターン決定用乱数と、現在の遊技状態(確変中か否か)に応じてステップS74、ステップS78またはステップS79で選択された変動パターンテーブル(大当り時変動パターンテーブル、リーチ時変動パターンテーブルまたははずれ時変動パターンテーブル)と、を用いて変動パターンを決定する(ステップS81)。具体的には、ステップS81にて、予め用意されている複数種類の変動パターン(図14参照)の中から、使用テーブルとして設定されている変動パターンテーブルに配されている比較値のうち、抽出した変動パターン決定用乱数の値と一致する比較値が対応付けされている変動パターンとすることに決定される。
【0103】
そして、決定された変動パターンが図8に示す変動パターン3、4又は6〜8であるときには、つまり上述した特定の可変表示データであったときには(ステップS82)、短縮判定モジュールを実行する(ステップS83:可変表示パターン事前決定手段)。短縮モジュールにて短縮することが決定されると(ステップS84)、短縮制御する旨を示す短縮コマンド(可変表示パターン特定信号)を演出制御基板80に送信する処理を実行する。つまり、CPU56は、短縮コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS85)。
【0104】
次いで、CPU56は、ステップS83で短縮制御することが決定された場合には短縮時間データを、それ以外の場合にはステップS81で決定した変動パターンの変動時間データを、特別図柄プロセスタイマ(可変表示時間計測手段)に設定する(ステップS86)。そして、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS87)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS88:信号送信手段)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS89)。この実施の形態では、プロセスタイマに短縮時間データまたは変動時間データを設定することにより可変表示の開始条件成立後の変動時間を計測する可変表示時間計測手段として特別図柄プロセスタイマを備えている。
【0105】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。つまり、コマンドセット処理とは、演出制御基板80に演出制御コマンドを送信する信号送信手段である。この実施の形態では、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0106】
なお、CPU56は、前記した特定の可変表示データである変動パターン3、4又は6〜8を実行することが決定された場合には、短縮制御をするか否かにかかわらず、演出制御基板80には、特定の可変表示データとして実行することが決定された変動パターン3、4又は6〜8のいずれかが送信される。そして、変動パターンが送信されるときに、短縮制御する旨を示す短縮コマンドを送信する。つまり、変動パターン3で上述した第1演出を実行することが決定されても、短縮制御を行わない第3演出を実行することが決定されても、演出制御基板80には、常に変動パターン3の変動パターンコマンドが送信される。そして、短縮制御する旨を示す短縮コマンドと、変動パターンコマンドと、を送信することで短縮制御されるか否かを演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)が特定可能な状態となっている。
【0107】
また、CPU56は、短縮制御されるまでの変動時間(短縮時間)を示す短縮時間データを特別図柄プロセスタイマに設定する。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときに後述する確定信号としての特別図柄停止コマンドを演出制御基板80に送信することにより、異なる複数の可変表示パターン(例えば、図36(A)第1〜第3演出)のうちいずれかの可変表示パターンを実行して変動を停止させる短縮制御を行っている。特別図柄プロセスタイマは、ステップS303にて監視され、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する可変表示時間判定手段を備えている。そして、可変表示時間判定手段により、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことが判定されたときに、ステップS304に移行され、可変表示装置8で行われている図柄の変動を停止させる確定信号としての特別図柄停止コマンド(図22参照)を送信する処理を実行する。
【0108】
図16は、ステップS76で実行されるリーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図11(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS153)。
【0109】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0110】
図17は、短縮判定モジュールで用いられる短縮判定テーブルの一例を示す説明図であり、(A)リーチAおよびリーチBの短縮判定テーブルであり、(B)リーチCの短縮判定テーブルである。上述したようにリーチAおよびリーチBは、異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンを実行可能な特定の可変表示データである。はずれとなる変動パターン3および4は、異なる複数の可変表示パターンとして3つの可変表示パターンが設定され、3つの演出を実行することが可能となっている。つまり、上述した第1〜第3演出の3つの演出が実行可能であり、第1演出を実行する第1短縮と、第2演出を実行する第2短縮と、第3演出を実行する短縮なしと、のそれぞれに判定値が振り分けられ、それぞれの変動時間で表示制御基板80が後述する確定信号としての特別図柄停止の演出制御コマンド(図22参照)を受信したことに基づいて、ステップS874(図31参照)で決定された飾り図柄9a〜9cおよびステップS301で決定された(図7参照)特別図柄10aを導出表示させることが可能となっている(図36参照)。
【0111】
また、リーチAおよびリーチBの非確変大当り又は確変大当りとなるとき(変動パターン7および8)は、異なる複数の可変表示パターンとして4つの可変表示パターンが設定され、4つの演出を実行することが可能となっている。つまり、上述した第1〜第4演出の4つの演出が実行可能であり、第1演出を実行する第1短縮と、第2演出を実行する第2短縮と、第3演出を実行する第3短縮と、第4演出を実行する短縮なしと、のそれぞれに判定値が振り分けられ、それぞれの変動時間で表示制御基板80が後述する特別図柄停止の演出制御コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874で決定された飾り図柄9a〜9cおよび特別図柄10aを導出表示させることが可能となっている(図36参照)。
【0112】
なお、この実施の形態では、変動パターン7および8は、第4段階でステップS874で決定された特定表示結果(大当り図柄)と同一または当該特定表示結果と異なる特定表示結果を飾り図柄表示部9に仮導出したあとに当該特定表示結果を導出表示させる再抽選演出が実行される再抽選データである。つまり、変動パターン7および8で、短縮制御を行わないときには、第3段階で飾り図柄表示部9に仮停止(仮導出)図柄を表示するが、ここでは、ステップS874で決定された大当り図柄と同一または当該大当り図柄とは異なるステップS878で決定された仮停止(仮導出)図柄が表示される。そして、第4段階で、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10にステップS874、S301で決定された大当り図柄が表示される再抽選演出が実行される。
【0113】
また、リーチCの非確変大当り又は確変大当りとなるとき(変動パターン9)は、異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンを実行可能な特定の可変表示データである。当りとなる変動パターン9は、異なる複数の可変表示パターンとして2つの可変表示パターンが設定され、2つの演出を実行することが可能となっている。つまり、上述した第1および第2演出の2つの演出が実行可能であり、第1演出を実行する第1短縮と、第2演出を実行する短縮なしと、のそれぞれに判定値が振り分けられ、それぞれの変動時間で表示制御基板80が後述する特別図柄停止の演出制御コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874で決定された飾り図柄9a〜9cおよび特別図柄10aを導出表示させることが可能となっている(図36参照)。
【0114】
また、この実施の形態では、変動パターン9の第2段階では再抽選演出が実行される(図36参照)再抽選データである。つまり、変動パターン9で、短縮制御を行わないときには、第1段階で飾り図柄表示部9に仮停止(仮導出)図柄を表示するが、ここでは、ステップS874で決定された大当り図柄と同一または当該大当り図柄とは異なる仮停止(仮導出)図柄が表示される。そして、第2段階で、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10にステップS301、S874で決定された大当り図柄が表示される再抽選演出が実行される。
【0115】
また、この実施の形態では、再抽選演出が実行される変動パターン7〜9の短縮判定テーブルでは、非確変大当り時の短縮判定テーブル(第2判定テーブル)における非再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合は確変大当り時の短縮判定テーブル(第1判定テーブル)における割合よりも高く設定されている。つまり、確変大当りとなるときには、非確変大当りとなるときよりも短縮演出が実行される割合が低く設定され、再抽選演出が実行されにくくなっている。具体的には、図17(A)にて、非確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の40であり、確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の60となっている。また、図17(B)にて、非確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の20であり、確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の50となっている。このように、表示結果事前決定手段(ステップS301)により確変図柄を表示させることが決定されたときには再抽選演出が実行されやすくなり、確変図柄を表示する前には再抽選演出を実行することにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0116】
さらに、この実施の形態では、表示結果事前決定手段(ステップS56)によって大当りとすることが決定された(例えば、リーチAで大当りとなることが決定された変動パターン7が決定された)確変大当り時短縮判定テーブルおよび非確変大当り時判定テーブル(当選時判定テーブル)は、複数の可変表示パターンのうち変動時間がより短くなるような可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合が、はずれとすることが決定された(例えば、リーチAではずれとなることが決定された変動パターン3が決定された)はずれ時短縮判定テーブル(非当選時判定テーブル)における割合よりも低く設定されている。つまり、大当りとなるときには、はずれとなるときよりも短縮演出が実行される割合が低く設定され、変動時間が長い可変表示パターンが選択されやすくなっている。具体的には、図17(A)にてはずれとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の10であり、非確変大当りとなるときの割合は100分の40となっている。このように、表示結果事前決定手段(ステップS56)により特定表示結果を表示することが決定されたときには、可変表示時間が長くなるような可変表示パターンが選択されやすくなり、可変表示時間が長くなることにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0117】
図18は、変動パターン設定処理におけるステップS83で実行される短縮判定モジュールを示すフローチャートである。短縮判定処理において、CPU56は、まず大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS83a)。大当りフラグがセットされている場合には、確変大当りか否か確認し(ステップS83b)、確変大当りの場合には、変動パターンに対応した確変大当り時短縮判定テーブル(第1判定テーブル)を選択する(ステップS83c)。非確変大当り(確変大当りではない)の場合には、変動パターンに対応した非確変大当り時短縮判定テーブル(第2判定テーブル)を選択する(ステップS83d)。第1判定テーブルおよび第2判定テーブルは大当りとなる時に選択される当選時判定テーブルである。
【0118】
また、ステップS83aで、大当りフラグがセットされていない場合には、リーチモジュールを実行し(ステップS83e)、リーチする場合には、はずれ時短縮判定テーブル(非当選時判定テーブル)を選択する(ステップS83g)。
【0119】
そして、図6に示すランダム9の短縮判定用乱数を抽出し(ステップS83h)、該短縮判定用乱数と、ステップS83c,83d,83gで選択した短縮判定テーブルの判定値と、を比較することにより、短縮制御を行うタイミング(第1短縮〜短縮なし)が決定され、この決定に基づいて、可変表示パターン(第1〜第4演出)および変動時間が決定される(ステップS83i)。つまり、図8において、変動パターン3は、変動時間(可変表示時間)18秒、28秒、40秒の変動時間で表示結果を導出表示させることで第1〜第3演出の3種類の演出を実行することが可能であり、変動時間18秒のリーチ演出を行う第1段階と、変動時間10秒のリーチ演出を行う第2段階と、変動時間12秒のリーチ演出を行う第3段階と、によって構成されている(図36参照)。そして、ステップS83iにて、第2短縮と決定されたときには、第1段階と第2段階との変動時間の合計28秒が短縮時間として決定されて第2演出が実行される。
【0120】
このように、この実施の形態では、特定の可変表示データ(変動パターン3,4および7〜9)を実行することが決定されたときに異なる複数の可変表示パターン(第1〜第4演出)のうちいずれの可変表示パターンとするかを決定することで、特別図柄10aの変動時間を所定時間に短縮する可変表示パターン事前決定手段を備えている。
【0121】
図19は、2msタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動記憶カウンタのカウント値が前回始動記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動記憶数に変化が生じていれば、始動記憶数に応じた始動記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163:信号送信手段)。そして、始動記憶カウンタのカウント値を、前回始動記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0122】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。つまり、演出制御基板80に演出制御コマンドを送信する信号送信手段である。この実施の形態では、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0123】
以上の処理によって、始動記憶数が変化したときには、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に対して、始動記憶数指定の演出制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。
【0124】
次に、遊技制御手段(例えば、CPU56)から演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図20は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図20に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図20には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0125】
演出制御基板80の演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、主基板31の遊技制御手段(例えば、CPU56)から前述した演出制御コマンドを受信すると後述する図22に示される内容に応じて特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9及び普通図柄表示器13の表示状態を変更する。なお、図22に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段(例えば、CPU56)から演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信される。例えば、普通図柄始動記憶表示器19の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段(例えば、CPU56)から演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信される。
【0126】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0127】
図21に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みのきっかけとなる取込信号に相当する。
【0128】
演出制御コマンドは、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目及び2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図21に示された極性と逆極性であってもよい。
【0129】
図22は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンド(遊技制御信号)の内容の一例を示す説明図である。図22に示す例において、コマンド8000(H)〜800E(H)は、特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示部10における特別図柄10aの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド8009(H)は、短縮変動パターンを指定するコマンドである。
【0130】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する演出制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
【0131】
コマンド91XX(H)は、特別図柄10aの停止図柄を指定する演出制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄10aの可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄10aの変動及び大当り遊技に関わらない特別図柄表示部10の表示状態に関する演出制御コマンドである。
【0132】
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。また、コマンドE0XX(H)は、特別図柄表示部10における始動記憶数を表示する表示エリアにおいて、表示色を変化させる始動記憶表示エリアの個数を示す演出制御コマンドである。例えば、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、各始動記憶表示エリアのうち「XX(H)」で指定される個数の始動記憶表示エリアの表示色を変化させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている表示エリアの制御を指示するコマンドである。なお、表示色を変化させる始動記憶表示エリアの個数に関するコマンドが、表示色を変化させるエリアの個数の増減を示すように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、始動記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかであるが、始動記憶の上限値を30とした場合には、「XX]は0〜1Eのいずれかとなる。
【0133】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0134】
演出制御基板80の演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、主基板31の遊技制御手段(例えば、CPU56)から前述した演出制御コマンドを受信すると図22に示された内容に応じて特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9及び普通図柄表示器13の表示状態を変更する。
【0135】
また、可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンド及び可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドは、変動パターン指定の演出制御コマンドで実現され、識別情報の表示結果を特定可能な識別情報指定コマンドは、特別図柄指定の演出制御コマンドで実現され、可変表示の終了を示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の演出制御コマンドで実現されている。また、この実施の形態では、変動パターン指定の演出制御コマンドが可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンド及び可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にしてもよい。
【0136】
この発明の遊技機にあっては、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、可変表示の始動条件の成立に基づく可変表示の開始条件が成立する以前に、演出手段としての飾り図柄表示部9を用いて実行される演出である予告演出の種類を決定する。
【0137】
図23は、飾り図柄表示部9、遊技状態報知用のランプ・LED(この実施の形態では枠ランプ左41、枠ランプ右42、盤ランプ左11、盤ランプ右12及び装飾ランプ25)及びスピーカ27等を用いて実行される予告演出(大当りとなること、またはリーチとなる可能性があることを報知するための報知演出)の例を示す説明図である。図23(A)および(B)に例示するように、この実施の形態では、飾り図柄表示部9において、背景(図柄表示エリア以外の部分)に現れるキャラクタ等の表示による2種類の予告演出を行うことが可能である。なお、図23に示す予告演出の例は一例であって、より多くの種類の予告演出を行うようにしてもよい。
【0138】
次に、演出制御手段としての演出制御用CPU111の動作を説明する。図24は、演出制御用CPU111が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU111は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。図25に示すように、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU111は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU111は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0139】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0140】
演出制御処理において、演出制御用CPU111は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(ステップS704)。次いで演出制御用CPU111は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、図23に示す予告演出を実行するか否かを決定する予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0141】
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図26は、演出制御用CPU111が主基板31から演出制御コマンドを受信し、格納するための信号受信手段としての演出制御基板80に搭載されるRAM(図示しない)におけるコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)としたバッファ構成としてもよい。この場合、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドに基づき制御される。これにより、主基板31からの指示に迅速に対応することができる。
【0142】
図27は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは演出制御基板80に搭載されるRAMにおける受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU111は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0143】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU111は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU111は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0144】
受信した演出制御コマンドが特別図柄指定の演出制御コマンド(91XX(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU111は、「XX」で示される特別図柄10aを示すデータを、RAMにおける特別図柄格納領域に格納する(ステップS614)。
【0145】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS615)、演出制御用CPU111は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS616)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS617)。
【0146】
受信した演出制御コマンドが始動記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPU111は、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動記憶数を演出制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS619)。また、飾り図柄表示部9において表示色が変化する始動記憶表示エリアの数を更新する(ステップS620)。
【0147】
また、受信した演出制御コマンドが短縮コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU111は、短縮コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
【0148】
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS623)。
【0149】
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0150】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS617)。
【0151】
飾り図柄演出設定処理(ステップS801):飾り図柄9a〜9cの停止図柄及び変動パターンを決定する。また、飾り図柄9a〜9cの変動パターンは、特別図柄10aの変動時間だけ、変動パターンコマンドが示す特別図柄10aの変動パターンに合致したものに決定される。また、短縮制御を行わない場合には、仮停止(仮導出)図柄を決定する。
【0152】
予告選択処理(ステップS802):予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。また、予告演出を行う場合に、決定されている演出態様で予告演出が実行されるように、予告開始タイミングの設定などを行う。
【0153】
図柄変動開始処理(ステップS803):特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動が開始されるように制御する。
【0154】
図柄変動中処理(ステップS804):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの停止制御を行う。
【0155】
図柄停止待ち設定処理(ステップS805):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止および飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0156】
大当り表示処理(ステップS806):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0157】
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0158】
図29は、演出制御基板80のROM(図示しない)において、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。表示制御プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄10aの変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データと、飾り図柄9a〜9cの変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU111は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で特別図柄10aや飾り図柄9a〜9cの変動表示させる制御を行う。
【0159】
図29に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROM(図示しない)に格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。また、プロセスデータは、特別図柄10aの各変動パターンと飾り図柄9a〜9cの各変動パターンとの組合せのそれぞれに応じて用意されている。また、予告演出の種類に応じて用意されている。例えば、変動パターン2で予告Aの予告演出を実行する場合のプロセスデータは、変動パターン2で予告Bの予告演出を実行する場合のプロセスデータとは別に用意されている。従って、演出制御用CPU111は、変動パターンと予告演出の種類とに応じて、使用するプロセスデータを選択する。
【0160】
また、この実施の形態では、特定の可変表示データとして変動パターン3,4および7〜9は、異なる複数の可変表示パターンに基づく変動時間で表示結果を導出表示することにより、複数の演出(第1〜第4演出)を実行することが可能となっているが、プロセスデータは、可変表示パターン毎ではなく変動パターン(可変表示データ)毎に設定されており、同一の変動パターンで異なる変動時間の可変表示パターン(第1〜第4演出)が実行される場合にも演出制御用CPU111によって選択されるプロセスデータは同じである。例えば、変動パターン3で、第1演出(変動時間18秒)を実行する場合と、第3演出(変動時間40秒)を実行する場合と、では同一のプロセスデータ(変動パターン3)が選択される。そして、変動パターン3のプロセスデータは、40秒で構成されるため、第1演出を実行する場合には、変動開始から18秒経過したときに、CPU56から送信される停止コマンド(特別図柄停止コマンド)によってプロセスデータの途中で変動を停止させる。
【0161】
図30は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU111は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS873)。
【0162】
図31は、図28に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄演出設定処理において、演出制御用CPU111は、飾り図柄9a〜9cの停止図柄を決定する(ステップS874)。このとき、変動パターンコマンドにもとづく特別図柄10aの変動態様に合致するように、飾り図柄9a〜9cの停止図柄を決定する。そして、飾り図柄9a〜9cの変動パターンを決定する(ステップS875)。この例では、使用テーブルとして設定されている飾り図柄変動パターンテーブルに、変動パターンコマンドに対応して設けられている変動パターンとする。従って、受信した変動パターンコマンドにもとづく特別図柄10aの変動パターンに対応して設けられている飾り図柄9a〜9cの変動パターンに決定される。そして、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間を変動時間タイマにセットする(ステップS876)。
【0163】
なお、ここで変動時間タイマにセットされる変動時間は、可変表示パターン事前決定手段(例えば、ステップS83)によって決定された可変表示パターンに基づく変動時間(短縮時間)ではなく、可変表示データ事前選択手段(例えば、ステップS302)によって決定された可変表示データ(EXT00H〜09H)に基づく変動時間である。つまり、主基板31からは演出制御基板80に可変表示パターンに基づく短縮時間を指定するコマンドは送信されず、可変表示データに基づく変動時間を指定するコマンドを含む変動パターンコマンド(EXT00H〜09H)が送信される。そして、演出制御用CPU111は、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間を変動時間タイマにセットする。
【0164】
次に、演出制御用CPU111は、短縮コマンドを受信したか否か確認する。つまり、短縮コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS877)。短縮コマンド受信フラグがセットされていない場合には、仮停止(仮導出)図柄を決定する(ステップS878)。この実施の形態における大当りとなる変動パターン(変動パターン7〜9)では再抽選演出を実行することが可能となっている。再抽選演出では、前述したように、ステップS301およびステップS874で決定された停止図柄と同じまたは異なる図柄を仮停止(仮導出)した後にステップS301およびステップS874で決定された停止図柄が表示される。短縮制御されない場合には、再抽選演出を実行するため、ステップS878では、仮停止(仮導出)させる図柄を決定する。そして、表示制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS802)に対応した値に変更する(ステップS879)。
【0165】
図32は、図28に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS802)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU111は、予告乱数カウンタから乱数値を抽出する(ステップS811)。予告乱数カウンタとは、図23(A)および図23(B)に示す予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を生成するためのカウンタである。そして、抽出した予告判定用乱数と演出制御基板80のROM(図示しない)に記憶されている予告判定テーブル(図示しない)の判定値とを比較することで図23(A)および図23(B)に示す予告演出を行うか否かの判定を行う(ステップS812)。予告演出を行う場合には、図23(A)と図23(B)とに示す予告演出のうちどちらの演出を実行するかを決定し(ステップS813)、決定された予告演出を開始させるためのタイマをスタートさせる。つまり、予告開始時間決定タイマをスタートさせる(ステップS814)。予告開始時間決定タイマは、特別図柄表示部10において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始させるタイミングを決定するためのタイマである。
【0166】
図33は、演出制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、演出制御用CPU111は、まず、使用するプロセスデータを選択する(ステップS881)。次いで、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし(ステップS882)、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄10aの変動表示を行い(ステップS883)、飾り図柄制御実行データ1の内容に従ってLCD(可変表示装置8)を制御して飾り図柄9a〜9cおよび特別図柄10aの変動表示を行う(ステップS884)。
【0167】
そして、ステップS876でセットされた変動時間タイマ(特別図柄10aの変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS885)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS886)。
【0168】
図34は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS804)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU111は、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS831)。タイムアウトしていたら、既に決定されている予告演出にもとづく表示が行われるようにVDP(図示しない)を制御する(ステップS832)。ここで、予告演出を実行するためのパターンテーブル(タイマ設定値と制御実行テーブルの組み合わせが複数集まったデータ)を用いて予告演出を実行するようにしてもよいが、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータを、さらに、予告演出の種類に応じて細分化して設定しておき、実現される変動パターンおよび実行される予告演出に応じたプロセスデータを使用するようにしてもよい。変動パターンおよび予告演出に応じたプロセスデータを使用する場合には、予告演出の表示制御は、図柄の可変表示とともに、プロセスデータの内容に応じて実行される。
【0169】
また、演出制御用CPU111は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS833)、表示制御実行データの切替を行う(ステップS834)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、その次に設定されている表示制御実行データの内容に従ってVDPを制御する。従って、VDPは、表示制御実行テーブルの内容に応じて可変表示装置8の表示状態を制御する。
【0170】
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS835)、特別図柄停止の演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS837)。
【0171】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、図柄停止コマンド(特別図柄停止を指示する演出制御コマンド)が送信されるまでの時間を示す(所定時間経過後に変動停止させることを示す)準備コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップS838)、準備コマンドを受信している場合には、ステップS836の処理を実行し、プロセスフラグを図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS837)。このように、この実施の形態では、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても準備コマンドを受信したことに基づいて可変表示を行っている特別図柄10aを停止させる確定コマンド(特別図柄停止コマンド)の受信を監視する特別図柄停止待ち処理を実行するため、特定の可変表示データ(変動パターン3,4および7〜9)を指定する変動パターンコマンドを受信したときには特定の可変表示データに基づく可変表示時間(変動時間)が経過していなくても判定時確定信号送信手段(ステップS86で短縮時間データを特別図柄プロセスタイマに設定し、ステップS303で特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことに基づいて、ステップS304に移行制御し、ステップS304にて特別図柄停止コマンドを送信する)によって送信された確定コマンドを受信したことに基づいて表示結果を導出表示させるように制御される。
【0172】
図35は、演出制御プロセス処理における図柄停止待ち処理(ステップS805)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU111は、確定信号としての図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。つまり、特別図柄停止コマンドを受信したことに基づいて飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10に表示結果事前決定手段によって決定された表示結果を導出表示させる制御を行う。
【0173】
そして、ステップS842で大当り図柄を表示した場合には(ステップS843)、演出制御用CPU111は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS845)。また、ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU111は、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0174】
図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS846)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、飾り図柄表示部9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS847)。そして、ステップS843に移行する。
【0175】
このように、本実施形態では、主基板31のCPU56により特定の可変表示データ(変動パターン3,4および7〜9)が選択されたときには、主基板31では短縮するか否かに基づいて短縮データまたは変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定するが、短縮制御する場合には、演出制御基板80には該特定の可変表示データと短縮制御する旨を示す短縮コマンドが送信されるだけである。つまり、主基板から送信される特定の可変表示データには予め定められた変動時間データによって変動時間を特定することができるが、短縮制御することにより変動時間は短縮される。しかし、主基板31から演出制御基板80には、短縮する旨を示す短縮コマンドを送信するだけであり、短縮データに基づく変動時間を特定する情報は送信されない。主基板31は、可変表示装置8の変動を停止させる特別図柄停止コマンドを送信することにより、演出制御用CPU111に短縮データに基づく変動時間で可変表示装置8の変動を停止させる制御を実行させる。
【0176】
なお、本実施形態では、主基板31から演出制御基板80に準備コマンドを送信することにより、変動を停止させるタイミングを認識させるようにしているが、準備コマンドを送信しないようにしてもよい。この実施の形態では、準備コマンドを演出制御基板80に送信することで、演出制御用CPU111が特定の可変表示データに基づく可変表示時間が経過していなくても停止タイミングを予め(準備コマンドを受信した時点で)判断できるため、遊技者に、より違和感を感じさせることなく停止図柄の導出表示を実現することができる。
【0177】
図36は、本実施形態における短縮制御のタイミングチャートであり、(A)変動パターン3、(B)変動パターン4、(C)変動パターン7、(D)変動パターン8、(E)変動パターン9である。(A)〜(E)に示す変動パターンは、それぞれ異なる複数の可変表示パターンに基づく変動時間で表示結果を導出表示させることにより複数の演出を実行することが可能となっている。つまり、変動パターン3(図36(A))は、A1〜A3の3つ、変動パターン4(図36(B))は、B1〜B3の3つ、変動パターン7(図36(C))は、C1〜C4の4つ、変動パターン8(図36(D))は、D1〜D4の4つ、変動パターン9(図36(E))は、E1〜E2の2つ、のタイミングで確定コマンド(特別図柄停止コマンド)を受信して表示結果を導出表示させることにより複数の演出(例えば、第1〜第4演出)が実行可能となっている。
【0178】
また、(A)〜(E)に示す変動パターンは、複数の段階(例えば、第1〜第4段階)によって構成され、それぞれの段階で異なるリーチ演出(例えば、表示、音、ランプ、の異なるリーチ演出)が実行される。そして、例えば、変動パターン3(図36(A))においては、第1段階から第3段階の3つのリーチ演出によって構成され、演出制御用CPU111は、変動パターン3を指示する変動パターンコマンドを受信すると、第1段階のリーチ演出が実行されるように飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10を制御する。A1のタイミングで停止させる旨を示す短縮コマンドを受信していない場合には、第1段階のリーチ演出に続いて第2段階のリーチ演出が実行される。
【0179】
なお、上述したように、主基板31から特定の可変表示データとして変動パターン3,4及び7〜9を指示する変動パターンコマンドが送信されるときには、短縮制御する旨を示す短縮コマンドも送信され、その後特別図柄の停止図柄を指定する特別図柄指定コマンド(図22参照)が送信される。演出制御用CPU111は、特別図柄指定コマンドを受信すると、該コマンドに基づき飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS874)。さらに、所定時間経過した後、主基板31のCPU56が実行する特別図柄変動処理(ステップS303)にて、図柄停止コマンド(特別図柄停止を指示する演出制御コマンド)が送信されるまでの時間を示す(所定時間経過後に変動停止させることを示す)準備コマンドが送信される。そのため、演出制御用CPU111は、短縮コマンドを受信することにより短縮制御する旨を認識でき、さらに、準備コマンドを受信することによって図柄の変動を停止させる準備を行うため、短縮制御されるまでの短縮時間(変動時間)に対応した演出を実行することができる。そして、短縮時間が経過すると、主基板31は、図柄停止コマンド(特別図柄停止を指示する演出制御コマンド)を送信する。
【0180】
なお、変動パターン7〜9において、短縮コマンドを受信していない場合(再抽選演出を実行する場合)には、飾り図柄表示部9に仮停止(仮導出)させる図柄は、ステップS874で決定された図柄と同一または異なる図柄(ステップS878で決定された仮停止図柄)を表示させる。例えば、特別図柄指定コマンドで確変図柄(例えば、奇数図柄)を導出表示させる旨が指示されていても、仮停止(仮導出)させる飾り図柄9a〜9cを、通常大当りとなる図柄(例えば、偶数図柄)としてもよく、再抽選演出によってステップS874で決定された飾り図柄9a〜9cを表示するようにしてもよい。また、短縮コマンドは、特別図柄停止コマンドを送信する前に送信されればよく、短縮コマンドを送信するタイミングは変動パターンコマンドと同時でなくてもよい。
【0181】
変動パターン3においては(図36(A))、主基板31から図柄停止コマンドが送信されるタイミングはA1〜A3となっている。また、上述した第1演出を実行するときには、A1のタイミングで主基板31から図柄停止コマンドが送信され、該コマンドを受信したことに基づいて演出制御用CPU111は、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10を表示制御して表示結果を導出表示する。また、上述した第2演出を実行するときには、A2のタイミングで図柄停止コマンドが送信され、表示結果が導出表示される。第3演出を実行するときには、短縮制御を行わないため主基板31から短縮コマンドは送信されない。そして、A3のタイミングで図柄停止コマンドが送信され、表示結果が導出表示される。
【0182】
なお、上述したように、この実施の形態では、図柄停止コマンドを受信する前に、図柄停止コマンドを受信するまでの時間を示す準備コマンドを受信する。つまり、A1のタイミングで図柄停止コマンドを受信する第1演出では、A1のタイミングとなる(例えば、変動時間18秒経過)所定時間前(例えば、3秒前)に、準備コマンドを受信する。また、この実施の形態で用いられる準備コマンドはすべての変動パターン(変動パターン3,4および7〜9)に共通して用いられる1つのコマンドであるため、コマンド数の増加を抑えることができる。例えば、変動パターン3で、第1演出を実行するときに送信される準備コマンドと、第2演出を実行するときに送信される準備コマンドと、変動パターン7で第2演出を実行するときに送信される準備コマンドと、はすべて共通のコマンドである。
【0183】
また、この実施の形態では、CPU56は、変動開始を指示する変動パターンコマンドとほぼ同時(例えば、メインの割込処理で同一の割込処理内)に表示結果事前決定手段(ステップS301)によって決定された表示結果を指定するコマンド(特別図柄指定コマンド)を送信する。そして、演出制御用CPU111では、準備コマンドを受信したことに基づいて特別図柄指定コマンドによって指定された特別図柄10aを準備し、特別図柄停止コマンドを受信したことに基づいて、変動表示を行っている特別図柄10aと差し替える処理を実行する(識別情報差し替え手段)。なお、飾り図柄9a〜9cは、特別図柄指定コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874(図31参照)にて飾り図柄表示部9における飾り図柄9a〜9cの停止図柄を決定する。そして、準備コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874にて決定された飾り図柄9a〜9cの停止図柄を準備し、特別図柄停止コマンドを受信したことに基づいて特別図柄10aの変動(可変表示)を停止させるとともに、変動表示を行っている飾り図柄(9a〜9cのいずれか又は全て)と差し替える処理を実行する(識別情報差し替え手段)。
【0184】
また、この実施の形態では、複数のタイミングとして、例えば、変動パターン3ではA1〜A3の3つのタイミングが設定され、それぞれのタイミングで特別図柄停止コマンドを受信することにより異なる複数の可変表示パターンが実行されるようにしているが、それぞれのタイミングで飾り図柄9a〜9cを仮停止(仮導出)させるようにしてもよい。例えば、変動パターン3で、短縮コマンドを受信していない場合(短縮制御を実行しない場合)に、飾り図柄左9aと飾り図柄9cが同一の図柄となったリーチ状態となったときには、A1のタイミングで飾り図柄中9bを仮停止(仮導出)させてはずれの表示結果を表示し、再び飾り図柄中9bを変動させ、最終的にA3のタイミングで表示結果を導出表示させるようにしてもよい。このようにすることで、はずれとなる表示結果が表示された後にさらに変動が行われるため、遊技者に敗者復活戦のような楽しみを与えることができ、興趣を向上させることができる。なお、飾り図柄9a〜9cを仮停止(仮導出)させる場合には、ステップS874で決定された図柄と同一または異なる図柄を停止させるようにしてもよい。また、飾り図柄9a〜9cを仮停止(仮導出)させても特 別図柄10aを仮停止(仮導出)させないようにしてもよい。
【0185】
また、上述したように、変動パターン7〜9は、表示結果事前決定手段(ステップS56)により表示結果を大当り図柄とすることが決定されたときに、当該大当り図柄と同一または当該大当り図柄と異なる大当り図柄を一旦導出(仮導出)したあとに当該大当り図柄を導出表示させる再抽選表示を実行する再抽選可変表示パターンを含む再抽選データであり、可変表示パターン事前決定手段(ステップS83)は、可変表示データ事前選択手段によって特定の可変表示データが選択されたとき再抽選可変表示パターンとするか否かを決定し、再抽選可変表示パターンとしない場合には、変動時間を一旦導出(仮導出)するまでの時間に短縮させる制御が実行される。
【0186】
なお、この実施の形態では、大当りとなる特定の可変表示データ(変動パターン7〜9)は、すべてに再抽選パターンが含まれる再抽選データである。そのため、大当りとなる特定の可変表示データの再抽選パターンとした場合には、ステップS878で決定された仮停止図柄が一旦導出された後、ステップS874で決定された確定図柄が導出表示される。しかし、大当りとなる特定の可変表示データの再抽選パターンとしない場合には、再抽選パターンの一旦導出させるタイミングでステップS874で決定された確定図柄が導出表示されるため、再抽選パターンとするか否かを事前に演出制御用CPU111に伝えておく必要がある。ゆえに、この実施の形態では、再抽選パターンとしない場合には短縮コマンドが主基板31から演出制御基板80に送信されることで演出制御用CPU111に認識させているが、再抽選パターンを含まない特定の可変表示データ(例えば、変動パターン3、4)が選択された場合には、短縮コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合には、主基板31から演出制御基板80に可変表示パターン事前決定手段(例えば、ステップS83)によって決定された変動パターンに基づく変動時間で可変表示装置8の特別図柄10aの変動を停止させる特別図柄停止コマンド(確定コマンド)を送信することにより、演出制御用CPU111は、短縮される変動時間を示す短縮データに基づく変動時間で可変表示装置8の特別図柄10aの変動を停止させる制御を行う。
【0187】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、1つの可変表示データに対し、確定信号の送信タイミングによって複数の演出に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0188】
請求項2記載の発明では、1つの可変表示データによって再抽選演出が有る演出と無い演出の両方に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0189】
請求項3記載の発明では、表示結果事前決定手段により第1特定表示結果を表示することが決定されたときには再抽選演出が実行されやすくなり、第1特定表示結果を表示する前には再抽選演出を実行することにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0190】
請求項4記載の発明では、表示結果事前決定手段により特定表示結果を表示することが決定されたときには、可変表示時間が長くなるような可変表示パターンが選択されやすくなり、可変表示時間が長くなることにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0191】
請求項5記載の発明では、表示制御手段は、識別情報信号を受信したことによって当該識別情報信号によって指定される識別情報を準備し、確定信号に基づいて可変表示中の識別情報と差し替えることにより、予め定められた表示結果を確定表示結果として表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】主基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図6】各乱数を示す説明図である。
【図7】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図8】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図9】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図10】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図11】大当り判定テーブルおよびリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図12】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図13】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図14】変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【図15】変動パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図16】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図17】短縮判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図18】短縮判定モジュールを示すフローチャートである。
【図19】記憶処理を示すフローチャートである。
【図20】演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図21】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図22】演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図23】予告演出の一例を示す説明図である。
【図24】演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図25】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図26】コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図27】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図28】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図29】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図30】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図31】飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【図32】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図33】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図34】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図35】図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図36】タイミングチャートを示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
8 可変表示装置
9 飾り図柄表示部
10 特別図柄表示部
14 始動入賞口
15 可変入賞球装置
31 主基板
56 CPU
80 演出制御基板
111 演出制御用CPU
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置を備えた遊技機、例えば、弾球遊技機において、遊技制御手段が、可変表示装置の可変表示開始前に可変表示時間および変動態様(リーチあり・なし、再変動あり・なし、等)を含んだ変動パターンコマンドと、停止図柄を特定可能な表示制御コマンドと、を表示制御手段に送信し、これらのコマンドを受信した表示制御手段が図柄の差し替え制御を行った後、可変表示時間が終了した時点で遊技制御手段が全図柄停止を示す表示制御コマンドを送信して表示制御手段によって確定図柄の表示を行わせるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−17674号公報 (第9−11頁、第21図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した構成の遊技機においては、1つの変動パターンに対して停止図柄を特定可能な表示制御コマンドを変えることで複数の演出を実行することが可能となったため、遊技制御手段から表示制御手段に送信する変動パターンの数が減り、遊技制御手段の図柄表示に関する制御の負担を軽減させることが可能となったが、同一の変動パターン(リーチパターン)に対して、再抽選ありの場合と再抽選なしの場合との2種類備えていたため、変動パターンコマンドを大幅に減少させるものではなく、遊技制御手段におけるデータ量も大幅に減少させることができなかった。更に、表示制御手段においても、遊技制御手段から送信される変動パターンそれぞれにデータを持つ必要があったためデータ量が多くなってしまっていた。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、1つの変動パターンの可変表示時間を変化させることにより複数の演出に用いることができる遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、所定の始動条件(例えば、始動入賞口14への始動入賞)の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置(例えば、可変表示装置8)を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果(例えば、大当り図柄)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に制御する遊技機であって、遊技の進行を制御する遊技制御手段(例えば、CPU56)と、該遊技制御手段から送信された制御信号(例えば、図22に示す演出制御コマンド等)に基づいて前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示を含む表示を制御する表示制御手段(例えば、演出制御用CPU111)と、を備え、前記遊技制御手段は、前記表示制御手段に制御信号(例えば、図22に示す演出制御コマンド等)を送信する信号送信手段(例えば、ステップS88、S163にて実行されるコマンドセット処理)と、前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段(例えば、ステップS56、S301)と、前記始動条件の成立に基づいて前記可変表示装置に表示結果を導出表示する際に実行される識別情報の可変表示パターンを示す可変表示データ(例えば、図8に示す変動パターン)を、異なる複数の可変表示パターンを示す複数の可変表示データ(例えば、図8に示す変動パターンコマンド)から選択する可変表示データ事前選択手段(例えば、ステップS302)と、該可変表示データ事前選択手段によって前記複数の可変表示データのうち特定の可変表示データ(例えば、図8に示す変動パターン3,4および7〜9)が選択されたときに該特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターン(例えば、図36(A)の第1〜第3演出等)のうちいずれの可変表示パターンを実行するかを決定する可変表示パターン事前決定手段(例えば、ステップS83)と、可変表示開始からの可変表示時間を計測する可変表示時間計測手段(例えば、特別図柄プロセスタイマ)と、該可変表示時間計測手段によって所定時間が経過したことを判定する可変表示時間判定手段(例えば、ステップS303で特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたらステップS304に移行させる処理)と、を有し、前記信号送信手段は、前記可変表示データ事前選択手段によって選択された可変表示データを指定する可変表示データ信号(例えば、図22に示す変動パターン指定コマンド)と、前記表示結果事前決定手段により決定された前記表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号(例えば、図22に示す特別図柄指定コマンド)と、を送信する機能を備え、前記表示制御手段は、前記遊技制御手段から送信される前記遊技制御信号を受信する信号受信手段(例えば、演出制御基板80に搭載されるRAMのコマンド受信バッファ)と、前記可変表示データ信号に対応して設けられる可変表示パターンデータを記憶するデータ記憶手段(例えば、演出制御基板80のROMに記憶される表示制御プロセスデータ)と、前記可変表示データ信号を受信したことに基づいて当該可変表示データ信号に対応する可変表示パターンデータを前記データ記憶手段に記憶された可変表示パターンデータの中から選択する可変表示パターン選択手段(例えば、ステップS875)と、前記確定信号を受信したことに基づいて前記表示結果を導出表示する導出表示手段(例えば、ステップS841で図柄停止コマンドを受信しているときにステップS842で確定図柄を表示する処理)と、を含み、前記信号送信手段は、前記可変表示データ信号として前記特定の可変表示データを指定する信号を送信したときには前記可変表示時間計測手段によって計測された可変表示時間が前記可変表示パターン事前決定手段の決定結果に応じた可変表示時間を経過したことを前記可変表示時間判定手段が判定したときに前記確定信号を送信する判定時確定信号送信手段(例えば、ステップS86で短縮時間データを特別図柄プロセスタイマに設定し、ステップS303で特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことに基づいて、ステップS304に移行制御し、ステップS304にて特別図柄停止コマンドを送信する処理)を含み、前記導出表示手段は、前記信号受信手段によって前記可変表示データ信号として前記特定の可変表示データを指定する信号を受信したときには、前記特定の可変表示データを指定する信号の受信によって可変表示時間として設定された時間が経過していなくても前記判定時確定信号送信手段によって送信された前記確定信号を受信したことに基づき前記表示結果を導出表示する(例えば、ステップS835で変動時間タイマがタイムアウトしていなくてもステップS838で準備コマンドを受信していたら図柄停止待ち処理に移行する)ことを特徴とする。このように構成することにより、1つの可変表示データに対し、確定信号の送信タイミングによって複数の演出に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0006】
また、請求項2に係る発明においては、前記特定表示結果は予め定められた複数種類の特定表示結果を含み、前記特定の可変表示データは、前記表示結果事前決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすることが決定されたときに、当該特定表示結果と同一または当該特定表示結果と異なる特定表示結果を一旦導出したあとに前記表示結果事前決定手段により決定された前記特定表示結果を導出表示させる再抽選表示を実行する再抽選可変表示パターン(例えば、図36(C)の第4段階)を含む再抽選データ(例えば、図36(C)〜(E))であり、前記可変表示パターン事前決定手段は、前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かを決定する(例えば、ステップS83で変動時間を短縮させるか否かを判定する)ことを特徴とする。このように構成することにより、1つの可変表示データによって再抽選演出が有る演出と無い演出の両方に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0007】
また、請求項3に係る発明においては、前記複数種類の特定表示結果は、前記特定遊技状態終了後に該特定遊技状態とは異なる遊技状態であって遊技者にとって有利な特別遊技状態となる第1特定表示結果(例えば、確変図柄)と、前記特定遊技状態終了後に通常遊技状態となる第2特定表示結果(例えば、非確変図柄)と、を含み、前記遊技制御手段は、前記表示結果事前決定手段により前記第1特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記再抽選データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段による実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かの決定に用いる第1特定判定テーブル(例えば、図17(A)の確変大当り時テーブル等)と、前記表示結果事前決定手段により前記第2特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記再抽選データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段による実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かの決定に用いる第2特定判定テーブル(例えば、図17(A)の非確変大当り時テーブル等)と、を備え、前記第1特定判定テーブルにおける前記再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合は前記第2特定判定テーブルにおける前記再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合よりも高くなるように再抽選可変表示パターンを行う決定に用いる判定データを構成することを特徴とする。このように構成することにより、表示結果事前決定手段により第1特定表示結果を表示することが決定されたときには再抽選演出が実行されやすくなり、第1特定表示結果を表示する前には再抽選演出を実行することにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
また、請求項4に係る発明においては、前記特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターンは異なる可変表示時間が予め定められており、前記遊技制御手段は、前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段により異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかの決定に用いる当選時判定テーブル(例えば、図17(A)の非確変大当り時テーブルおよび確変大当り時テーブル等)と、前記表示結果事前決定手段によって前記非特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段により異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかの決定に用いる非当選時判定テーブル(例えば、図17(A)のはずれ時テーブル)と、を備え、前記当選時判定テーブルにおける前記複数の可変表示パターンのうち前記可変表示時間が短い可変表示パターンに決定される割合は、前記非当選時判定テーブルにおける前記可変表示時間が短い可変表示パターンに決定される割合よりも低くなるように可変表示パターンの決定に用いる判定データを構成することを特徴とする。このように構成することにより、表示結果事前決定手段により特定表示結果を表示することが決定されたときには、可変表示時間が長くなるような可変表示パターンが選択されやすくなり、可変表示時間が長くなることにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0008】
また、請求項5に係る発明においては、前記信号送信手段は、前記表示結果事前決定手段によって決定された表示結果を指示する識別情報信号(例えば、図22に示す特別図柄指定コマンド)を送信する機能をさらに有し、前記表示制御手段は、前記識別情報信号を受信し(例えば、ステップS613で特別図柄指定コマンドであったときにステップS614で特別図柄停止図柄を特別図柄格納領域に格納する)、前記判定時確定信号送信手段によって送信された前記確定信号を受信したことに基づいて当該可変表示中の識別情報を前記識別情報信号によって指定された識別情報に差し替える識別情報差替手段(例えば、準備コマンドを受信したことに基づいて停止図柄を準備して、確定コマンドを受信したことに基づいて変動表示を行っている図柄と差し替える処理)を有することを特徴とする。このように構成することにより、表示制御手段は、識別情報信号を受信したことによって当該識別情報信号によって指定される識別情報を準備し、確定信号に基づいて可変表示中の識別情報と差し替えることにより、予め定められた表示結果を確定表示結果として表示することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例である弾球遊技機1の全体の構成について説明する。図1は弾球遊技機1を正面からみた正面図、図2は遊技盤6の前面を示す正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例として弾球遊技機を示すが、本発明は弾球遊技機に限られず、例えばコイン遊技機やスロット機等であってもよい。
【0010】
弾球遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、弾球遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く。)と、を含む構造体である。
【0011】
図1に示すように、弾球遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
【0012】
遊技領域7の中央付近には、遊技盤に設けられ所定の始動条件の成立(例えば、始動入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄10a)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置8を備えている。本実施形態では、可変表示装置8はLCD表示装置により構成され、その中央には飾り図柄9a〜9cを可変表示する複数の表示領域(本実施形態では3つ)を有する飾り図柄表示部9が設けられ、該飾り図柄表示部9の右下側には特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示部10が設けられている。本実施形態における特別図柄表示部10では、1つの表示領域によって表示される特別図柄10aの比較的単調な可変表示を行なっている。飾り図柄表示部9は、この特別図柄表示部10で行われる可変表示の内容を、より演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示装置である。
【0013】
なお、本実施形態における弾球遊技機1は、後述する表示結果事前決定手段が特別図柄表示部10の表示結果を予め定められた特定表示結果とすることを決定したときに特別図柄表示部10に特定表示結果を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。また、この特別図柄表示部10の表示結果と飾り図柄表示部9の表示結果とは対応している。例えば、特別図柄表示部10の表示結果が大当り状態を示す結果になる場合には、飾り図柄表示部9の表示結果も大当り状態を示す結果になる。また、特別図柄表示部10の表示結果が大当り状態以外のはずれ状態を示す場合には、飾り図柄表示部9の表示結果もはずれ状態を示す結果となる。
【0014】
また、この実施の弾球遊技機1は、特別な制御をされない通常時には、特別遊技状態および特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)とは異なる通常遊技状態に制御される。そして、特定遊技状態となる特定表示結果には、第1特定表示結果(確変図柄)と第1特定表示結果以外の第2特定表示結果(非確変図柄)が含まれ、本実施形態における弾球遊技機1は、後述する表示結果事前決定手段が表示結果を第1特定表示結果とすることを決定したときに飾り図柄表示部9に第1特定表示結果を表示した後に特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御し、大当り遊技状態終了後に表示結果が通常遊技状態より大当り状態となり易い(大当りとなる確率が高い)特別遊技状態としての確変状態に制御する機能も有している。
【0015】
なお、特別遊技状態として時短状態に制御することにより、遊技者にとって更に有利な状態とするようにしてもよい。時短状態では、特別図柄表示部10において特別図柄10aの変動表示(可変表示)が所定回数(例えば、100回)実行されるまで、可変表示装置8の特別図柄表示部10および普通図柄表示器13において可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態より短縮される。更に、可変入賞球装置15において、開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が通常遊技状態より高められる。可変入賞球装置15の開放時間又は開放回数が通常遊技状態より高められることにより、始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での特別図柄表示部10における特別図柄10aの可変表示回数が増加して通常遊技状態より特別図柄10aが当り図柄となる確率が高まるため、遊技者にとって更に有利な状態となる。
【0016】
また、特別遊技状態は上記したものに限らず、遊技者に有利となる遊技制御を特別遊技状態とすればよい。以下、この遊技制御を大当りに直接的には係わらないものと大当りに直接的に係わるものとに分けて説明する。即ち、特定遊技状態に加える特別遊技状態とは、特定遊技状態とは別の特別遊技状態のことであってもよいし、また特定遊技状態を含む特別遊技状態のことであってもよい。先ず、大当りに直接的には係わらない遊技制御としては、特別図柄10a乃至普通図柄に対しての時間短縮(時短)制御又は確率変動(確変)制御、電役(例えば、可変入賞球装置15)の開放期間の延長制御、特別図柄乃至普通図柄に対しての始動通過領域の増設制御(例えば、遊技盤6に設置される入賞口29,30,33,39等を特別図柄10aの始動入賞口として設定変更する制御)、賞球数の増加制御(例えば、入賞に伴う賞球を通常遊技状態時の13個から15個に増加する制御)、あるいは所定領域への通過率向上制御(例えば、始動入賞口14の上流側に打玉規制装置を設け、該打玉規制装置の作動により始動入賞率を向上する制御)を特別遊技状態とすることができ、さらには始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生又は継続する第3種弾球遊技機に本発明を適用した場合には、特定領域への入賞率向上制御を特別遊技状態としてもよい。一方、大当りに直接的に係わる遊技制御としては、ラウンド上限数の向上制御、カウント上限数の向上制御、開閉板20の開放延長制御、あるいは開閉板20によって開放された大入賞口への入賞に伴う賞球数の増加制御を特別遊技状態とすることができる。なお、上記した遊技制御を組合せて特別遊技状態とすることもできるのは言うまでもない。さらには、特別遊技状態への突入(所定条件の成立)及び終了の契機については、本実施形態中に記載のものに限定せず、乱数、遊技履歴(例えば、時間、リーチ回数、所定入賞口への入賞回数、通過回数等)、入賞、及びサブゲーム(例えば、ジャンケンなどで遊技者自身が選択できるものを含む)の4つの要素のうちいずれか1つ乃至任意の組合せを突入契機乃至終了契機に設定するものであればよい。
【0017】
可変表示装置8の上部には、7セグメントLEDにより構成された普通図柄表示器13が設けられている。この普通図柄表示器13は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報を可変表示可能なものである。また、可変表示装置8には、始動入賞口14に入り始動条件が成立したが未だ可変表示装置8の開始条件(例えば、前回の特別図柄10aの可変表示および大当り遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数である始動記憶数を記憶する始動記憶手段(主基板31のRAM55により始動記憶数を記憶する機能)に記憶された始動記憶数を表示する始動記憶数表示手段としての4つの始動記憶表示エリア(図示しない)が設けられている。この始動記憶表示エリアは、有効始動入賞(本実施形態では、始動記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、表示色を変化(例えば青色表示から赤色表示に変化)させ、可変表示装置8の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶表示エリアを1減らす。すなわち表示色をもとの状態に戻す。
【0018】
なお、この実施形態では有効始動入賞数は4つとなっているが、これに限られるものではない。例えば、有効始動入賞数を30としてもよく。この場合には、30回分の始動記憶数を表示できるように始動記憶表示エリアを構成してもよく、また、30回分の始動記憶のうち所定数(例えば、5つ)のみ表示するようにしてもよい。
【0019】
また、可変表示装置8においては飾り図柄表示部9と始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態とすることができる。また、始動記憶表示エリアを飾り図柄表示部9の一部に設けるようにしてもよく、この場合には、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにすればよい。また、この実施の形態では、始動記憶表示エリアを可変表示装置8に設けるようにしているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置8とは別個に設けるようにしてもよい。
【0020】
可変表示装置8の下方には、始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0021】
可変入賞球装置15の下部には、上述した特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち、一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(図示しない)も設けられている。
【0022】
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器13の始動記憶である普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器13において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器13の可変表示が開始される。普通図柄表示器13において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。普通図柄表示器13の近傍には、普通図柄始動記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器19(図3に符号のみ記載)が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器19は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器13の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、特別図柄10aと普通図柄とを一つの可変表示装置で可変表示するように構成することもできる。その場合には、特別可変表示領域と普通可変表示領域とは1つの可変表示装置で実現される。
【0023】
この実施の形態では、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器13における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
【0024】
更に、特別遊技状態としての確変状態では、普通図柄表示器13における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が高められ、遊技者にとって更に有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器13における可変表示時間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとって更に有利になるようにしてもよい。
【0025】
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する音声出力装置としての2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた複数の枠設置発光部材(天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42)が設けられている。そして、この例では、枠ランプ左41の近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、枠ランプ右42の近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。また、可変表示装置8の左右には遊技盤に設けられた複数の盤設置発光部材(盤ランプ左11および盤ランプ右12)が設けられている。
【0026】
枠ランプ左41および枠ランプ右42および、盤ランプ左11および盤ランプ右12は、複数のランプ(図示しない)によって構成されている。これら複数のランプを備えた枠ランプ41,42および盤ランプ11,12は、後述するリーチ演出等の遊技状態において制御されるものである。
【0027】
次に、リーチ状態について説明する。本実施形態におけるリーチ状態とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
【0028】
本実施形態では、予め定められた複数の表示領域としての飾り図柄表示部9に、予め定められた図柄が停止することで大当りとなる有効ラインが定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行われている状態(例えば、左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部となる(例えば「7」)が停止表示されている状態で右の表示領域は未だ変動表示が行われている状態)、および有効ライン上の表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)をいう。
【0029】
本実施形態における特別図柄表示部10は、1つの表示領域によって構成されているため、リーチ表示されることはない。しかし、飾り図柄表示部9においてリーチ演出の行われている間は特別図柄表示部10は変動表示を行っており、特別図柄表示部10の変動停止と共に飾り図柄表示部9の変動が停止する。また、特別図柄表示部10を複数の表示領域で構成してもよく、その場合、リーチ状態とするようにしてもよい。
【0030】
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、背景の表示態様を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。
【0031】
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄10aの可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了又は前回の可変表示の終了)、特別図柄表示部10において特別図柄10aの可変表示(変動表示)を開始すると共に、飾り図柄表示部9において飾り図柄9a〜9cの可変表示を開始する。特別図柄10aの可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0032】
特別図柄表示部10における特別図柄10aの可変表示は、一定時間が経過したときに停止し、特別図柄表示部10の変動停止と共に飾り図柄表示部9の変動が停止する。停止時の特別図柄10aが大当り図柄(特定表示結果)となるときには、飾り図柄表示部9の表示結果も大当り図柄(特定表示結果)となり、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、開閉板20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。
【0033】
停止時の特別図柄表示部10における特別図柄10aが確率変動を伴う大当り図柄(第1特定表示結果:確変図柄)である場合には、飾り図柄表示部9における飾り図柄9a〜9cの組み合わせも確率変動を伴う大当り図柄(第1特定表示結果:確変図柄)となり、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態終了後に次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとって更に有利な状態(特別遊技状態)となる。
【0034】
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70及び演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従って弾球遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48、及びクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、開閉板20を開閉するソレノイド21等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路65が搭載されている。
【0035】
なお、図3には示されていないが、カウントスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、満タンスイッチ48等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。スイッチと称されているものがセンサと称されているもの等でもよいこと、すなわち、スイッチが遊技媒体検出手段の一例であることは、他の実施の形態でも同様である。
【0036】
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示部10における特別図柄10aの可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
【0037】
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御する遊技制御手段としてのCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54及びI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
【0038】
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部または全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。
【0039】
また、遊技制御基板に設けられた遊技制御手段(例えば、CPU56)からのコマンドに基づいて、演出制御基板80に設けられた演出制御手段としての演出制御用CPU111が、可変表示装置8に設けられた特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9の表示制御、音声出力装置としてのスピーカ27の音声出力制御、盤設置発光部材としての盤ランプ(11,12,25)および枠設置発光部材としての枠ランプ(40〜42)の発光制御、を行う。主基板31からは、可変表示装置8の表示制御、ランプの点灯、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報として演出制御コマンド(遊技制御信号)が伝送される。演出制御基板80では、伝送されてきた演出制御コマンドに応じて飾り図柄表示部9及び特別図柄表示部10の表示制御を行う。
【0040】
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載され、表示制御手段を含む演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111等)が、遊技制御手段(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)からの制御信号(演出制御コマンド)に基づいて遊技盤6に設けられている可変表示装置8、普通図柄表示器13、装飾ランプ25、盤ランプ左11、盤ランプ右12、等の表示制御を行うとともに、枠側に設けられている天枠ランプ40、枠ランプ左41、枠ランプ右42、賞球ランプ51、球切れランプ52の表示制御を行う。なお、各ランプはLEDその他の種類の発光体でもよく、この実施の形態及び他の実施の形態で用いられているLEDも他の種類の発光体でもよい。すなわち、ランプやLEDは発光体の一例である。
【0041】
ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、遊技機に演出手段としての可動部材が設置されている場合には、可動部材を駆動するためのモータやソレノイド等の演出用駆動手段61を駆動するための駆動信号も、ランプドライバ基板35において作成される。
【0042】
また、特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示部10及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示器13の表示制御も、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)が、演出制御コマンドに基づいて実行する。
【0043】
各制御手段は遊技機に設けられている電気部品の制御を行うので、以下、各制御手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭載された基板を電気部品制御基板ということがある。電気部品とは、遊技機に設けられている部品(機構部品や回路等)であって電気的に動作するものである。電気部品制御手段として、例えば、電気部品としての球払出装置を制御する払出制御手段、電気部品としての演出用の可変表示装置8、発光体(ランプやLED)、スピーカ27、の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)等がある。
【0044】
次に遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御手段(例えば、CPU56)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルになると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
【0045】
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステップS5)を行った後、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
【0046】
この実施の形態で用いられるCPU56は、I/Oポート(PIO)及びタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0047】
この実施の形態で用いられているCPU56には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0048】
割込モード0:割込要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0049】
割込モード1:割込が受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0050】
割込モード2:CPU56の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出する機能を有している。
【0051】
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。更に、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。前述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、CPU56は割込モード2に設定される。
【0052】
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS11〜ステップS14)。
【0053】
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0054】
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。ステップS9では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理にて同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0055】
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段(CPU56及びROM54,RAM55等の周辺回路)の内部状態と演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのアドレスに復帰する。
【0056】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0057】
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS11)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステップS12)。更に、サブ基板(この実施の形態では払出制御基板37及び演出制御基板80)を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信する処理を実行する(ステップS13)。初期化コマンドとして、特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9に表示される初期図柄を示すコマンド(演出制御基板80に対して)や賞球ランプ51及び球切れランプ52の消灯を指示するコマンド等がある。
【0058】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるようにCPU56に設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(ステップS14)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0059】
初期化処理の実行(ステップS11〜S14)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)及び初期値用乱数更新処理(ステップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数とは、特別図柄表示部10に表示される特別図柄10aを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理において、大当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0060】
なお、表示用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理が図5に示すタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0061】
タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図5に示すステップS21〜S33の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23及び入賞口スイッチ29a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0062】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS22:数値データ更新手段)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS23)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS24)。
【0063】
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:特別図柄10aのはずれ図柄決定用
(3)ランダム3:大当りを発生させる特別図柄10aの組合せを決定する(大当り図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄10aの変動パターン(可変表示データ)を決定する(変動パターン決定用)
(5)ランダム5:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(6)ランダム6:普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(7)ランダム7:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(8)ランダム8:ランダム6の初期値を決定する(ランダム6初期値決定用)
(9)後述する特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターンのうち特別図柄10aの可変表示時間(変動時間)が短くなるような可変表示パターン、つまり、予め定められた変動パターンの変動時間を短縮させる短縮制御を実行するか否か決定する(短縮判定用)
図5に示された遊技制御処理におけるステップS22では、CPU56は、(1)の大当り判定用乱数、(3)の大当り図柄決定用乱数、(6)の普通図柄当り判定用乱数及び(9)の短縮判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、(2)の特別図柄決定用乱数、(4)の変動パターン決定用乱数、(5)のリーチ判定用乱数、が表示用乱数であり、(7)のランダム1初期値決定用乱数及び(8)のランダム6初期値決定用乱数、が初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(9)の乱数以外の普通図柄に関する乱数等も用いられている。ランダム1、ランダム3、ランダム6及びランダム9の乱数は、可変表示に関わる決定に用いられ、それぞれ所定の数値範囲の数値データであり、これら数値データは、数値データ更新手段(例えば、ステップS22)により更新される。
【0064】
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS25)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じて弾球遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器13の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0065】
次いで、CPU56は、特別図柄10aに関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(ステップS27)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:ステップS28)。
【0066】
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0067】
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0068】
そして、CPU56は、始動記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS31)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS33)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16,21を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS34)、割込許可状態に設定する(ステップS35)。
【0069】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0070】
図7は、CPU56が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図7に示す特別図柄プロセス処理は、図5のフローチャートにおけるステップS25の具体的な処理である。CPU56は、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S308のうちのいずれかの処理を行う。
【0071】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄10aの可変表示を開始できる状態(開始条件:例えば、前回の可変表示の終了および大当り遊技状態の終了)になるのを待つ。特別図柄10aの可変表示が開始できる状態になると、始動記憶数を確認する。始動記憶数が0でなければ、特別図柄10aの可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
【0072】
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301:表示結果事前決定手段):特別図柄10aの可変表示後の特別図柄10aの停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
【0073】
変動パターン設定処理(可変表示データ事前選択手段:ステップS302):特別図柄10aの可変表示の変動パターン(可変表示データ)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、特図プロセスタイマ(特図変動時間タイマ)をスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。また、短縮制御が実行される場合には後述する短縮コマンド(可変表示パターン特定信号)が送信される。
【0074】
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の特別図柄プロセスタイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。つまり、ステップS302で設定された特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことを判定すると、ステップS304に移行するように制御を行う。また、所定時間経過後(例えば、ステップS302の特別図柄プロセスタイマの残り時間が5秒になったとき)に演出制御基板80に準備コマンドを送信する処理を実行する(図36参照)。
【0075】
特別図柄停止処理(ステップS304:判定時確定信号送信手段):特別図柄表示部10において変動表示される図柄が停止されるように制御する。具体的には、表示結果事前決定手段(ステップS301)により決定された表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号としての特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0076】
大入賞口開放前処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
【0077】
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
【0078】
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、または、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
【0079】
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0080】
図8は、この実施の形態で用いられる変動パターン(可変表示データ)の一例を示す説明図である。図8において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。つまり、特別図柄10aの各変動パターンと演出制御コマンドとは1対1に対応付けられている。
【0081】
この実施の形態では、リーチとなる変動パターンのうち変動パターン3,4及び変動パターン7〜9(はずれリーチとなるときのリーチA及びリーチB及び大当りとなるリーチのときのリーチA〜C)については、異なる複数の可変表示パターンを実行可能な特定の可変表示データである。例えば、変動パターン3は、変動時間(可変表示時間)18秒、28秒、40秒で表示結果を導出表示させることにより複数の可変表示パターンとして以下に示す第1〜第3演出の3種類の演出を実行することが可能となっている(図36参照)。また、この実施の形態の変動パターン3は、第1段階の変動時間(可変表示時間)18秒で実行されるリーチ演出と、第2段階の変動時間10秒で実行されるリーチ演出と、第3段階の変動時間12秒で実行されるリーチ演出と、によって構成されている。そして、変動パターン3が選択されると、まず、リーチ演出Aの第1段階の変動時間18秒のリーチ演出→第2段階の変動時間10秒のリーチ演出→第3段階の変動時間12秒のリーチ演出の順に実行される。つまり、変動時間18秒で表示結果を導出表示させる可変表示パターンでは、第1段階のリーチ演出を実行して表示結果が導出表示される第1演出が実行され、変動時間40秒で表示結果を導出表示させる可変表示パターンでは、第1段階および第2段階のリーチ演出を実行した後に第3段階のリーチ演出を実行して表示結果を導出表示させる第3演出が実行される(図36参照)。つまり、第2段階および第3段階のリーチ演出は、第1段階のリーチ演出が発展したものとなっている。
【0082】
なお、変動パターン3は、リーチ演出Aを実行してはずれとなる変動パターンであるため、後述する短縮判定処理にて上記した第1〜第3演出の何れの演出を実行することが決定されても、可変表示装置8には、はずれとなる表示結果が導出表示される。
【0083】
また、この実施の形態では、大当りとなる変動パターンのうち変動パターン7及び変動パターン8(リーチA当り及びリーチB当り)については、4種類の変動時間で表示結果を導出表示させることにより複数の可変表示パターンとして以下に示す第1〜第4演出の4種類の演出を実行することが可能となっている(図36参照)。なお、第4段階の変動時間10秒の演出は、第3段階で最終停止図柄と同一又は異なる図柄を飾り図柄表示部9に仮導出したあとに、最終停止図柄を表示させる再抽選演出である。つまり、第1〜第3演出は、再抽選演出を行わない非再抽選可変表示パターンであり、第4演出は再抽選演出を行う再抽選可変表示パターンである。
【0084】
また、変動パターン9(リーチC当り)は、図8に示す2種類の変動時間で表示結果を導出表示させることにより複数の可変表示パターンとして以下に示す第1または第2演出の2種類の演出を実行することが可能となっている(図36参照)。なお、第2段階の変動時間10秒の演出は再抽選演出となっている。つまり、第1演出は、再抽選演出を行わない非再抽選可変表示パターンであり、第2演出は再抽選演出を行う再抽選可変表示パターンである。
【0085】
このように、この実施の形態では、変動パターン7〜9については、再抽選演出を含んだ再抽選データであり、再抽選演出を実行する場合には短縮制御を行わない。
【0086】
また、上記した変動パターン7〜9は、リーチA、リーチB、リーチCのいずれかを実行して大当りとなるものであり、後述する短縮判定処理にて上記したいずれの演出(第1〜第4演出または第1〜第2演出)を実行することが決定されても、可変表示装置8には、大当りとなる表示結果が導出表示される。また、再抽選演出を実行しないで短縮制御を行う場合には、変動を停止させる可変表示パターン(第1〜第3演出または第1演出)で最終停止図柄が導出表示される。
【0087】
また、「通常変動」とは、リーチ態様を伴わない変動パターンである。更に、この実施の形態では、短縮変動パターンが用いられる。短縮変動パターンは、特別図柄10aの変動時間が例えば1.0秒という極めて短い変動パターンである。
【0088】
また、この実施の形態では、高確率時(確変中)でも低確率時(非確変中=通常状態)でも変動パターン1〜9の変動パターンが用いられるが、高確率時には変動パターン1〜9のそれぞれの変動時間を短くするようにしてもよい。また、高確率時に用いられる変動パターン群(使用されうる複数の変動パターン)と、低確率時に用いられる変動パターン群と、を別にしてもよい。
【0089】
図9は、始動入賞が生じたときに実行される始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、有効始動入賞があったか否かを確認する。つまり、始動記憶数が最大値に達しているかどうか確認する(ステップS111)。この実施の形態では、始動記憶数の最大値は4となっている。なお、本実施形態では、有効始動入賞の上限を4としているが、これに限らず、その他予め定められた数であればよい。例えば、有効始動入賞の上限を30とすることで、始動記憶数の最大値を30としてもよい。この実施の形態では、始動記憶数が4に達していなければ、始動記憶数を1増やし(ステップS112)、大当り判定用乱数等の各乱数の値を抽出し、それらを始動記憶数の値に対応した数値データ記憶手段としての保存領域(RAM55の特別図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS113)。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
【0090】
この実施の形態では、図5に示す2msタイマ割込処理内の特別図柄プロセス処理中に始動口スイッチ通過処理が実行される。つまり、始動口スイッチ通過処理は、所定のタイミング(この実施の形態では、2ms毎)で有効始動入賞があったか否かを判定している。
【0091】
図10は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄10aの変動を開始することができる状態(例えば、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、始動入賞カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示部10において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0092】
始動記憶数が0でなければ、始動記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、始動記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
【0093】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS55)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS56:表示結果事前決定手段)。大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)、CPU56は、大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止図柄設定処理に対応した値に更新する(ステップS59)。
【0094】
このように、本実施形態においては、始動条件の成立(始動入賞)に基づいて表示結果をその導出表示以前に決定する、具体的には、可変表示の開始条件成立以前に前述した数値データ記憶手段(特別図柄判定用バッファ)に記憶される数値データが所定の判定値としての大当り判定値及びリーチ判定値、等と合致するか否かの判定を行う表示結果事前決定手段(ステップS55〜S57)を備えている。
【0095】
図11(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図11(B)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。図11(A)に示すように、所定の判定値としての大当り判定値及びリーチ判定値を有し、この実施の形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図11(B)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「7」、「9」、「11」、「12」である。従って、高確率時には、低確率時に比べてリーチが生じやすくなっている。
【0096】
図12は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図11(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
【0097】
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
【0098】
図13は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301:表示結果事前決定手段)を示すフローチャートである。特別図柄停止図柄設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS61)。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄用乱数(ランダム3)の値(ステップS53において読み出したランダム3)に従って大当り図柄を決定する(ステップS62)。この実施の形態では、ランダム3の値に応じた大当り図柄テーブルに設定されている図柄番号の各図柄が、大当り図柄として決定される。大当り図柄テーブルには、複数種類の大当り図柄の図柄番号が設定されている。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS63)。
【0099】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、はずれ図柄を決定する(ステップS64)。本実施形態における特別図柄10aのはずれ図柄は、「−」である。そして、ステップS63に移行する。なお、ステップS62において確変図柄が決定された場合には、大当り遊技の終了後に確変状態に移行することを示す確変フラグがセットされる。
【0100】
図14は、ステップS302の変動パターン設定処理において参照される変動パターン選択テーブルの一例であり、(A)通常時(低確率時)変動パターン選択テーブルであり、(B)確変時(高確率時)変動パターン選択テーブルである。変動パターンテーブルには、大当りとなることが決定されたときに選択される大当り時変動パターンテーブルと、リーチはずれとなるときに選択されるリーチ時選択テーブルと、リーチとならないはずれとなるときに選択されるはずれ時選択テーブルと、が備えられ、それぞれ図9の始動口スイッチ通過処理におけるステップS113にて抽出された図6に示す変動パターン決定用乱数(ランダム4)によって異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
【0101】
図15は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(可変表示データ事前選択手段:ステップS302)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず確変中であるか否か確認する(ステップS70)。確変中である場合には、確変時変動パターン選択テーブルを選択し(ステップS71)、確変中でない場合には、通常時変動パターン選択テーブルを選択する(ステップS72)。そして、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS73)。大当りフラグがセットされている場合には、図14に示す大当り時変動パターンテーブルを選択し(ステップS74)、大当りフラグがセットされていない場合には、リーチ判定用乱数を読み出し(ステップS75)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS76)。リーチとすることに決定した場合には(ステップS77)、リーチ時変動パターンテーブルを選択し(ステップS78)、リーチとしない場合には、はずれ時変動パターンテーブルを選択する(ステップS79)。
【0102】
次いで、CPU56は、変動パターン決定用乱数カウンタから変動パターン決定用乱数を抽出し(ステップS80)、抽出した変動パターン決定用乱数と、現在の遊技状態(確変中か否か)に応じてステップS74、ステップS78またはステップS79で選択された変動パターンテーブル(大当り時変動パターンテーブル、リーチ時変動パターンテーブルまたははずれ時変動パターンテーブル)と、を用いて変動パターンを決定する(ステップS81)。具体的には、ステップS81にて、予め用意されている複数種類の変動パターン(図14参照)の中から、使用テーブルとして設定されている変動パターンテーブルに配されている比較値のうち、抽出した変動パターン決定用乱数の値と一致する比較値が対応付けされている変動パターンとすることに決定される。
【0103】
そして、決定された変動パターンが図8に示す変動パターン3、4又は6〜8であるときには、つまり上述した特定の可変表示データであったときには(ステップS82)、短縮判定モジュールを実行する(ステップS83:可変表示パターン事前決定手段)。短縮モジュールにて短縮することが決定されると(ステップS84)、短縮制御する旨を示す短縮コマンド(可変表示パターン特定信号)を演出制御基板80に送信する処理を実行する。つまり、CPU56は、短縮コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS85)。
【0104】
次いで、CPU56は、ステップS83で短縮制御することが決定された場合には短縮時間データを、それ以外の場合にはステップS81で決定した変動パターンの変動時間データを、特別図柄プロセスタイマ(可変表示時間計測手段)に設定する(ステップS86)。そして、CPU56は、決定した変動パターン指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS87)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS88:信号送信手段)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値に更新する(ステップS89)。この実施の形態では、プロセスタイマに短縮時間データまたは変動時間データを設定することにより可変表示の開始条件成立後の変動時間を計測する可変表示時間計測手段として特別図柄プロセスタイマを備えている。
【0105】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。つまり、コマンドセット処理とは、演出制御基板80に演出制御コマンドを送信する信号送信手段である。この実施の形態では、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信されうる各演出制御コマンドはROM54のコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0106】
なお、CPU56は、前記した特定の可変表示データである変動パターン3、4又は6〜8を実行することが決定された場合には、短縮制御をするか否かにかかわらず、演出制御基板80には、特定の可変表示データとして実行することが決定された変動パターン3、4又は6〜8のいずれかが送信される。そして、変動パターンが送信されるときに、短縮制御する旨を示す短縮コマンドを送信する。つまり、変動パターン3で上述した第1演出を実行することが決定されても、短縮制御を行わない第3演出を実行することが決定されても、演出制御基板80には、常に変動パターン3の変動パターンコマンドが送信される。そして、短縮制御する旨を示す短縮コマンドと、変動パターンコマンドと、を送信することで短縮制御されるか否かを演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)が特定可能な状態となっている。
【0107】
また、CPU56は、短縮制御されるまでの変動時間(短縮時間)を示す短縮時間データを特別図柄プロセスタイマに設定する。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときに後述する確定信号としての特別図柄停止コマンドを演出制御基板80に送信することにより、異なる複数の可変表示パターン(例えば、図36(A)第1〜第3演出)のうちいずれかの可変表示パターンを実行して変動を停止させる短縮制御を行っている。特別図柄プロセスタイマは、ステップS303にて監視され、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する可変表示時間判定手段を備えている。そして、可変表示時間判定手段により、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことが判定されたときに、ステップS304に移行され、可変表示装置8で行われている図柄の変動を停止させる確定信号としての特別図柄停止コマンド(図22参照)を送信する処理を実行する。
【0108】
図16は、ステップS76で実行されるリーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図11(B)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS153)。
【0109】
そして、抽出されているランダム5の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
【0110】
図17は、短縮判定モジュールで用いられる短縮判定テーブルの一例を示す説明図であり、(A)リーチAおよびリーチBの短縮判定テーブルであり、(B)リーチCの短縮判定テーブルである。上述したようにリーチAおよびリーチBは、異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンを実行可能な特定の可変表示データである。はずれとなる変動パターン3および4は、異なる複数の可変表示パターンとして3つの可変表示パターンが設定され、3つの演出を実行することが可能となっている。つまり、上述した第1〜第3演出の3つの演出が実行可能であり、第1演出を実行する第1短縮と、第2演出を実行する第2短縮と、第3演出を実行する短縮なしと、のそれぞれに判定値が振り分けられ、それぞれの変動時間で表示制御基板80が後述する確定信号としての特別図柄停止の演出制御コマンド(図22参照)を受信したことに基づいて、ステップS874(図31参照)で決定された飾り図柄9a〜9cおよびステップS301で決定された(図7参照)特別図柄10aを導出表示させることが可能となっている(図36参照)。
【0111】
また、リーチAおよびリーチBの非確変大当り又は確変大当りとなるとき(変動パターン7および8)は、異なる複数の可変表示パターンとして4つの可変表示パターンが設定され、4つの演出を実行することが可能となっている。つまり、上述した第1〜第4演出の4つの演出が実行可能であり、第1演出を実行する第1短縮と、第2演出を実行する第2短縮と、第3演出を実行する第3短縮と、第4演出を実行する短縮なしと、のそれぞれに判定値が振り分けられ、それぞれの変動時間で表示制御基板80が後述する特別図柄停止の演出制御コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874で決定された飾り図柄9a〜9cおよび特別図柄10aを導出表示させることが可能となっている(図36参照)。
【0112】
なお、この実施の形態では、変動パターン7および8は、第4段階でステップS874で決定された特定表示結果(大当り図柄)と同一または当該特定表示結果と異なる特定表示結果を飾り図柄表示部9に仮導出したあとに当該特定表示結果を導出表示させる再抽選演出が実行される再抽選データである。つまり、変動パターン7および8で、短縮制御を行わないときには、第3段階で飾り図柄表示部9に仮停止(仮導出)図柄を表示するが、ここでは、ステップS874で決定された大当り図柄と同一または当該大当り図柄とは異なるステップS878で決定された仮停止(仮導出)図柄が表示される。そして、第4段階で、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10にステップS874、S301で決定された大当り図柄が表示される再抽選演出が実行される。
【0113】
また、リーチCの非確変大当り又は確変大当りとなるとき(変動パターン9)は、異なる複数の可変表示パターンのうちいずれかの可変表示パターンを実行可能な特定の可変表示データである。当りとなる変動パターン9は、異なる複数の可変表示パターンとして2つの可変表示パターンが設定され、2つの演出を実行することが可能となっている。つまり、上述した第1および第2演出の2つの演出が実行可能であり、第1演出を実行する第1短縮と、第2演出を実行する短縮なしと、のそれぞれに判定値が振り分けられ、それぞれの変動時間で表示制御基板80が後述する特別図柄停止の演出制御コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874で決定された飾り図柄9a〜9cおよび特別図柄10aを導出表示させることが可能となっている(図36参照)。
【0114】
また、この実施の形態では、変動パターン9の第2段階では再抽選演出が実行される(図36参照)再抽選データである。つまり、変動パターン9で、短縮制御を行わないときには、第1段階で飾り図柄表示部9に仮停止(仮導出)図柄を表示するが、ここでは、ステップS874で決定された大当り図柄と同一または当該大当り図柄とは異なる仮停止(仮導出)図柄が表示される。そして、第2段階で、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10にステップS301、S874で決定された大当り図柄が表示される再抽選演出が実行される。
【0115】
また、この実施の形態では、再抽選演出が実行される変動パターン7〜9の短縮判定テーブルでは、非確変大当り時の短縮判定テーブル(第2判定テーブル)における非再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合は確変大当り時の短縮判定テーブル(第1判定テーブル)における割合よりも高く設定されている。つまり、確変大当りとなるときには、非確変大当りとなるときよりも短縮演出が実行される割合が低く設定され、再抽選演出が実行されにくくなっている。具体的には、図17(A)にて、非確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の40であり、確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の60となっている。また、図17(B)にて、非確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の20であり、確変大当りとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の50となっている。このように、表示結果事前決定手段(ステップS301)により確変図柄を表示させることが決定されたときには再抽選演出が実行されやすくなり、確変図柄を表示する前には再抽選演出を実行することにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0116】
さらに、この実施の形態では、表示結果事前決定手段(ステップS56)によって大当りとすることが決定された(例えば、リーチAで大当りとなることが決定された変動パターン7が決定された)確変大当り時短縮判定テーブルおよび非確変大当り時判定テーブル(当選時判定テーブル)は、複数の可変表示パターンのうち変動時間がより短くなるような可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合が、はずれとすることが決定された(例えば、リーチAではずれとなることが決定された変動パターン3が決定された)はずれ時短縮判定テーブル(非当選時判定テーブル)における割合よりも低く設定されている。つまり、大当りとなるときには、はずれとなるときよりも短縮演出が実行される割合が低く設定され、変動時間が長い可変表示パターンが選択されやすくなっている。具体的には、図17(A)にてはずれとなるときの短縮制御を行わない割合は100分の10であり、非確変大当りとなるときの割合は100分の40となっている。このように、表示結果事前決定手段(ステップS56)により特定表示結果を表示することが決定されたときには、可変表示時間が長くなるような可変表示パターンが選択されやすくなり、可変表示時間が長くなることにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0117】
図18は、変動パターン設定処理におけるステップS83で実行される短縮判定モジュールを示すフローチャートである。短縮判定処理において、CPU56は、まず大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS83a)。大当りフラグがセットされている場合には、確変大当りか否か確認し(ステップS83b)、確変大当りの場合には、変動パターンに対応した確変大当り時短縮判定テーブル(第1判定テーブル)を選択する(ステップS83c)。非確変大当り(確変大当りではない)の場合には、変動パターンに対応した非確変大当り時短縮判定テーブル(第2判定テーブル)を選択する(ステップS83d)。第1判定テーブルおよび第2判定テーブルは大当りとなる時に選択される当選時判定テーブルである。
【0118】
また、ステップS83aで、大当りフラグがセットされていない場合には、リーチモジュールを実行し(ステップS83e)、リーチする場合には、はずれ時短縮判定テーブル(非当選時判定テーブル)を選択する(ステップS83g)。
【0119】
そして、図6に示すランダム9の短縮判定用乱数を抽出し(ステップS83h)、該短縮判定用乱数と、ステップS83c,83d,83gで選択した短縮判定テーブルの判定値と、を比較することにより、短縮制御を行うタイミング(第1短縮〜短縮なし)が決定され、この決定に基づいて、可変表示パターン(第1〜第4演出)および変動時間が決定される(ステップS83i)。つまり、図8において、変動パターン3は、変動時間(可変表示時間)18秒、28秒、40秒の変動時間で表示結果を導出表示させることで第1〜第3演出の3種類の演出を実行することが可能であり、変動時間18秒のリーチ演出を行う第1段階と、変動時間10秒のリーチ演出を行う第2段階と、変動時間12秒のリーチ演出を行う第3段階と、によって構成されている(図36参照)。そして、ステップS83iにて、第2短縮と決定されたときには、第1段階と第2段階との変動時間の合計28秒が短縮時間として決定されて第2演出が実行される。
【0120】
このように、この実施の形態では、特定の可変表示データ(変動パターン3,4および7〜9)を実行することが決定されたときに異なる複数の可変表示パターン(第1〜第4演出)のうちいずれの可変表示パターンとするかを決定することで、特別図柄10aの変動時間を所定時間に短縮する可変表示パターン事前決定手段を備えている。
【0121】
図19は、2msタイマ割込処理における記憶処理(ステップ31)を示すフローチャートである。記憶処理において、CPU56は、始動記憶カウンタのカウント値が前回始動記憶カウンタのカウント値と同じであるか否か確認する(ステップS161)。同じでなければ、すなわち始動記憶数に変化が生じていれば、始動記憶数に応じた始動記憶指定のコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS162)、サブルーチンであるコマンドセット処理を実行する(ステップS163:信号送信手段)。そして、始動記憶カウンタのカウント値を、前回始動記憶カウンタに設定しておく(ステップS164)。
【0122】
コマンドセット処理を実行することによって演出制御コマンドが演出制御基板80に送信される。つまり、演出制御基板80に演出制御コマンドを送信する信号送信手段である。この実施の形態では、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信されうる各演出制御コマンドはROMのコマンド送信テーブルに格納されている。また、コマンドセット処理では、CPU56は、ポインタが示すROM54のアドレスに格納されている演出制御コマンドデータを、演出制御コマンドデータを出力するための出力ポートに設定するとともに、コマンドを送信することを示す演出制御INT信号を出力する。
【0123】
以上の処理によって、始動記憶数が変化したときには、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に対して、始動記憶数指定の演出制御コマンドが送信される(ステップS161〜S163)。
【0124】
次に、遊技制御手段(例えば、CPU56)から演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図20は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図20に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号D0〜D7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、ストローブ信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。なお、図20には、演出制御コマンドの例が示されているが、他の電気部品制御基板への制御コマンドも、8本の信号線と1本のINT信号の信号線によって送信される。
【0125】
演出制御基板80の演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、主基板31の遊技制御手段(例えば、CPU56)から前述した演出制御コマンドを受信すると後述する図22に示される内容に応じて特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9及び普通図柄表示器13の表示状態を変更する。なお、図22に示された例以外の制御コマンドも遊技制御手段(例えば、CPU56)から演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信される。例えば、普通図柄始動記憶表示器19の点灯個数を示す制御コマンド等や、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドも遊技制御手段(例えば、CPU56)から演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)に送信される。
【0126】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0127】
図21に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みのきっかけとなる取込信号に相当する。
【0128】
演出制御コマンドは、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目及び2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図21に示された極性と逆極性であってもよい。
【0129】
図22は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンド(遊技制御信号)の内容の一例を示す説明図である。図22に示す例において、コマンド8000(H)〜800E(H)は、特別図柄10aを可変表示する特別図柄表示部10における特別図柄10aの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、コマンド8009(H)は、短縮変動パターンを指定するコマンドである。
【0130】
コマンド88XX(H)(X=4ビットの任意の値)は、普通図柄の変動パターンに関する演出制御コマンドである。コマンド89XX(H)は、普通図柄の停止図柄を指定する演出制御コマンドである。コマンド8A00(H)は、普通図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
【0131】
コマンド91XX(H)は、特別図柄10aの停止図柄を指定する演出制御コマンドである。「XX」には図柄番号が設定される。また、コマンドA000(H)は、特別図柄10aの可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そして、コマンドD000(H)〜EXXX(H)は、特別図柄10aの変動及び大当り遊技に関わらない特別図柄表示部10の表示状態に関する演出制御コマンドである。
【0132】
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。また、コマンドE0XX(H)は、特別図柄表示部10における始動記憶数を表示する表示エリアにおいて、表示色を変化させる始動記憶表示エリアの個数を示す演出制御コマンドである。例えば、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、各始動記憶表示エリアのうち「XX(H)」で指定される個数の始動記憶表示エリアの表示色を変化させる。すなわち、コマンドE0XX(H)は、保留個数という情報を報知するために設けられている表示エリアの制御を指示するコマンドである。なお、表示色を変化させる始動記憶表示エリアの個数に関するコマンドが、表示色を変化させるエリアの個数の増減を示すように構成されていてもよい。また、この実施の形態では、始動記憶の上限値は4であるから、「XX」は0〜4のいずれかであるが、始動記憶の上限値を30とした場合には、「XX]は0〜1Eのいずれかとなる。
【0133】
また、コマンドE400(H)は、高確率状態から低確率状態になったときに送信されるコマンドであり、コマンドE401(H)は、低確率状態から高確率状態になったときに送信されるコマンドである。
【0134】
演出制御基板80の演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、主基板31の遊技制御手段(例えば、CPU56)から前述した演出制御コマンドを受信すると図22に示された内容に応じて特別図柄表示部10及び飾り図柄表示部9及び普通図柄表示器13の表示状態を変更する。
【0135】
また、可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンド及び可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドは、変動パターン指定の演出制御コマンドで実現され、識別情報の表示結果を特定可能な識別情報指定コマンドは、特別図柄指定の演出制御コマンドで実現され、可変表示の終了を示す可変表示終了指定コマンドは、特別図柄停止の演出制御コマンドで実現されている。また、この実施の形態では、変動パターン指定の演出制御コマンドが可変表示の開始を示す可変表示開始指定コマンド及び可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとして兼用されているが、可変表示開始指定コマンドと可変表示態様を特定可能な可変表示態様指定コマンドとを別にしてもよい。
【0136】
この発明の遊技機にあっては、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、可変表示の始動条件の成立に基づく可変表示の開始条件が成立する以前に、演出手段としての飾り図柄表示部9を用いて実行される演出である予告演出の種類を決定する。
【0137】
図23は、飾り図柄表示部9、遊技状態報知用のランプ・LED(この実施の形態では枠ランプ左41、枠ランプ右42、盤ランプ左11、盤ランプ右12及び装飾ランプ25)及びスピーカ27等を用いて実行される予告演出(大当りとなること、またはリーチとなる可能性があることを報知するための報知演出)の例を示す説明図である。図23(A)および(B)に例示するように、この実施の形態では、飾り図柄表示部9において、背景(図柄表示エリア以外の部分)に現れるキャラクタ等の表示による2種類の予告演出を行うことが可能である。なお、図23に示す予告演出の例は一例であって、より多くの種類の予告演出を行うようにしてもよい。
【0138】
次に、演出制御手段としての演出制御用CPU111の動作を説明する。図24は、演出制御用CPU111が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU111は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。図25に示すように、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU111は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS711)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU111は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0139】
この実施の形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。すなわち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施の形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
【0140】
演出制御処理において、演出制御用CPU111は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(ステップS704)。次いで演出制御用CPU111は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。表示制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、図23に示す予告演出を実行するか否かを決定する予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS706)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
【0141】
次に、主基板31からの演出制御コマンド受信処理について説明する。図26は、演出制御用CPU111が主基板31から演出制御コマンドを受信し、格納するための信号受信手段としての演出制御基板80に搭載されるRAM(図示しない)におけるコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよく、例えば、図柄指定コマンド格納領域を3個(2×3=6バイトのコマンド受信バッファ)、それ以外の変動パターン指定などのコマンド格納領域を1個(2×1=2バイトのコマンド受信バッファ)としたバッファ構成としてもよい。この場合、演出制御手段(例えば、演出制御用CPU111)は、変動パターンなどの格納領域に格納される最新のコマンドに基づき制御される。これにより、主基板31からの指示に迅速に対応することができる。
【0142】
図27は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは演出制御基板80に搭載されるRAMにおける受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU111は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0143】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU111は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU111は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+1しておく。
【0144】
受信した演出制御コマンドが特別図柄指定の演出制御コマンド(91XX(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU111は、「XX」で示される特別図柄10aを示すデータを、RAMにおける特別図柄格納領域に格納する(ステップS614)。
【0145】
また、受信した演出制御コマンドが変動パターン指定の演出制御コマンドであれば(ステップS615)、演出制御用CPU111は、そのコマンドのEXTデータを変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS616)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS617)。
【0146】
受信した演出制御コマンドが始動記憶数指定の演出制御コマンドであれば(ステップS618)、演出制御用CPU111は、RAMにおける始動入賞数記憶領域の始動記憶数を演出制御コマンドで指定された数に更新する(ステップS619)。また、飾り図柄表示部9において表示色が変化する始動記憶表示エリアの数を更新する(ステップS620)。
【0147】
また、受信した演出制御コマンドが短縮コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU111は、短縮コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
【0148】
そして、ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS623)。
【0149】
図28は、図24に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、表示制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
【0150】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS617)。
【0151】
飾り図柄演出設定処理(ステップS801):飾り図柄9a〜9cの停止図柄及び変動パターンを決定する。また、飾り図柄9a〜9cの変動パターンは、特別図柄10aの変動時間だけ、変動パターンコマンドが示す特別図柄10aの変動パターンに合致したものに決定される。また、短縮制御を行わない場合には、仮停止(仮導出)図柄を決定する。
【0152】
予告選択処理(ステップS802):予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の種類を決定する。また、予告演出を行う場合に、決定されている演出態様で予告演出が実行されるように、予告開始タイミングの設定などを行う。
【0153】
図柄変動開始処理(ステップS803):特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの変動が開始されるように制御する。
【0154】
図柄変動中処理(ステップS804):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、特別図柄10aおよび飾り図柄9a〜9cの停止制御を行う。
【0155】
図柄停止待ち設定処理(ステップS805):変動時間の終了時に、図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止および飾り図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。
【0156】
大当り表示処理(ステップS806):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行う。
【0157】
大当り遊技中処理(ステップS807):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
【0158】
図29は、演出制御基板80のROM(図示しない)において、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータの一構成例を示す説明図である。表示制御プロセスデータは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。各表示制御実行テーブルには、それぞれ、特別図柄10aの変動パターンを構成する各変動態様が記載されている特別図柄制御実行データと、飾り図柄9a〜9cの変動パターンを構成する各変動態様が記載されている飾り図柄制御実行データとが含まれている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU111は、プロセスデータを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で特別図柄10aや飾り図柄9a〜9cの変動表示させる制御を行う。
【0159】
図29に示すプロセスデータは、演出制御基板80におけるROM(図示しない)に格納されている。プロセスデータは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。また、プロセスデータは、特別図柄10aの各変動パターンと飾り図柄9a〜9cの各変動パターンとの組合せのそれぞれに応じて用意されている。また、予告演出の種類に応じて用意されている。例えば、変動パターン2で予告Aの予告演出を実行する場合のプロセスデータは、変動パターン2で予告Bの予告演出を実行する場合のプロセスデータとは別に用意されている。従って、演出制御用CPU111は、変動パターンと予告演出の種類とに応じて、使用するプロセスデータを選択する。
【0160】
また、この実施の形態では、特定の可変表示データとして変動パターン3,4および7〜9は、異なる複数の可変表示パターンに基づく変動時間で表示結果を導出表示することにより、複数の演出(第1〜第4演出)を実行することが可能となっているが、プロセスデータは、可変表示パターン毎ではなく変動パターン(可変表示データ)毎に設定されており、同一の変動パターンで異なる変動時間の可変表示パターン(第1〜第4演出)が実行される場合にも演出制御用CPU111によって選択されるプロセスデータは同じである。例えば、変動パターン3で、第1演出(変動時間18秒)を実行する場合と、第3演出(変動時間40秒)を実行する場合と、では同一のプロセスデータ(変動パターン3)が選択される。そして、変動パターン3のプロセスデータは、40秒で構成されるため、第1演出を実行する場合には、変動開始から18秒経過したときに、CPU56から送信される停止コマンド(特別図柄停止コマンド)によってプロセスデータの途中で変動を停止させる。
【0161】
図30は、図28に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU111は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS871)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS872)。そして、表示制御プロセスフラグの値を飾り図柄演出設定処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS873)。
【0162】
図31は、図28に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄演出設定処理において、演出制御用CPU111は、飾り図柄9a〜9cの停止図柄を決定する(ステップS874)。このとき、変動パターンコマンドにもとづく特別図柄10aの変動態様に合致するように、飾り図柄9a〜9cの停止図柄を決定する。そして、飾り図柄9a〜9cの変動パターンを決定する(ステップS875)。この例では、使用テーブルとして設定されている飾り図柄変動パターンテーブルに、変動パターンコマンドに対応して設けられている変動パターンとする。従って、受信した変動パターンコマンドにもとづく特別図柄10aの変動パターンに対応して設けられている飾り図柄9a〜9cの変動パターンに決定される。そして、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間を変動時間タイマにセットする(ステップS876)。
【0163】
なお、ここで変動時間タイマにセットされる変動時間は、可変表示パターン事前決定手段(例えば、ステップS83)によって決定された可変表示パターンに基づく変動時間(短縮時間)ではなく、可変表示データ事前選択手段(例えば、ステップS302)によって決定された可変表示データ(EXT00H〜09H)に基づく変動時間である。つまり、主基板31からは演出制御基板80に可変表示パターンに基づく短縮時間を指定するコマンドは送信されず、可変表示データに基づく変動時間を指定するコマンドを含む変動パターンコマンド(EXT00H〜09H)が送信される。そして、演出制御用CPU111は、受信した変動パターンコマンドに基づく変動時間を変動時間タイマにセットする。
【0164】
次に、演出制御用CPU111は、短縮コマンドを受信したか否か確認する。つまり、短縮コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS877)。短縮コマンド受信フラグがセットされていない場合には、仮停止(仮導出)図柄を決定する(ステップS878)。この実施の形態における大当りとなる変動パターン(変動パターン7〜9)では再抽選演出を実行することが可能となっている。再抽選演出では、前述したように、ステップS301およびステップS874で決定された停止図柄と同じまたは異なる図柄を仮停止(仮導出)した後にステップS301およびステップS874で決定された停止図柄が表示される。短縮制御されない場合には、再抽選演出を実行するため、ステップS878では、仮停止(仮導出)させる図柄を決定する。そして、表示制御プロセスフラグの値を予告選択処理(ステップS802)に対応した値に変更する(ステップS879)。
【0165】
図32は、図28に示された演出制御プロセス処理における予告選択処理(ステップS802)を示すフローチャートである。予告選択処理において、演出制御用CPU111は、予告乱数カウンタから乱数値を抽出する(ステップS811)。予告乱数カウンタとは、図23(A)および図23(B)に示す予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を生成するためのカウンタである。そして、抽出した予告判定用乱数と演出制御基板80のROM(図示しない)に記憶されている予告判定テーブル(図示しない)の判定値とを比較することで図23(A)および図23(B)に示す予告演出を行うか否かの判定を行う(ステップS812)。予告演出を行う場合には、図23(A)と図23(B)とに示す予告演出のうちどちらの演出を実行するかを決定し(ステップS813)、決定された予告演出を開始させるためのタイマをスタートさせる。つまり、予告開始時間決定タイマをスタートさせる(ステップS814)。予告開始時間決定タイマは、特別図柄表示部10において図柄の変動が開始されてから、予告演出を開始させるタイミングを決定するためのタイマである。
【0166】
図33は、演出制御プロセス処理における図柄変動開始処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図柄変動開始処理において、演出制御用CPU111は、まず、使用するプロセスデータを選択する(ステップS881)。次いで、選択されたプロセスデータの最初に設定されているプロセスタイマをスタートし(ステップS882)、特別図柄制御実行データ1の内容に従って特別図柄10aの変動表示を行い(ステップS883)、飾り図柄制御実行データ1の内容に従ってLCD(可変表示装置8)を制御して飾り図柄9a〜9cおよび特別図柄10aの変動表示を行う(ステップS884)。
【0167】
そして、ステップS876でセットされた変動時間タイマ(特別図柄10aの変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS885)、表示制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に対応した値にする(ステップS886)。
【0168】
図34は、演出制御プロセス処理における図柄変動中処理(ステップS804)を示すフローチャートである。図柄変動中処理において、演出制御用CPU111は、予告開始時間決定用タイマがタイムアウトしたか否か確認する(ステップS831)。タイムアウトしていたら、既に決定されている予告演出にもとづく表示が行われるようにVDP(図示しない)を制御する(ステップS832)。ここで、予告演出を実行するためのパターンテーブル(タイマ設定値と制御実行テーブルの組み合わせが複数集まったデータ)を用いて予告演出を実行するようにしてもよいが、変動パターンテーブル毎に設定されているプロセスデータを、さらに、予告演出の種類に応じて細分化して設定しておき、実現される変動パターンおよび実行される予告演出に応じたプロセスデータを使用するようにしてもよい。変動パターンおよび予告演出に応じたプロセスデータを使用する場合には、予告演出の表示制御は、図柄の可変表示とともに、プロセスデータの内容に応じて実行される。
【0169】
また、演出制御用CPU111は、プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS833)、表示制御実行データの切替を行う(ステップS834)。すなわち、プロセスデータにおいて、次に設定されているプロセスタイマをスタートさせるとともに、その次に設定されている表示制御実行データの内容に従ってVDPを制御する。従って、VDPは、表示制御実行テーブルの内容に応じて可変表示装置8の表示状態を制御する。
【0170】
そして、変動時間タイマがタイムアウトしていたら(ステップS835)、特別図柄停止の演出制御コマンドの受信を監視するための監視タイマをスタートさせ(ステップS836)、表示制御プロセスフラグの値を図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS837)。
【0171】
また、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、図柄停止コマンド(特別図柄停止を指示する演出制御コマンド)が送信されるまでの時間を示す(所定時間経過後に変動停止させることを示す)準備コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップS838)、準備コマンドを受信している場合には、ステップS836の処理を実行し、プロセスフラグを図柄停止待ち処理に対応した値にする(ステップS837)。このように、この実施の形態では、変動時間タイマがタイムアウトしていなくても準備コマンドを受信したことに基づいて可変表示を行っている特別図柄10aを停止させる確定コマンド(特別図柄停止コマンド)の受信を監視する特別図柄停止待ち処理を実行するため、特定の可変表示データ(変動パターン3,4および7〜9)を指定する変動パターンコマンドを受信したときには特定の可変表示データに基づく可変表示時間(変動時間)が経過していなくても判定時確定信号送信手段(ステップS86で短縮時間データを特別図柄プロセスタイマに設定し、ステップS303で特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしたことに基づいて、ステップS304に移行制御し、ステップS304にて特別図柄停止コマンドを送信する)によって送信された確定コマンドを受信したことに基づいて表示結果を導出表示させるように制御される。
【0172】
図35は、演出制御プロセス処理における図柄停止待ち処理(ステップS805)を示すフローチャートである。図柄停止待ち処理において、演出制御用CPU111は、確定信号としての図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。図柄停止を指示する演出制御コマンドを受信していれば、記憶されている停止図柄で図柄を停止させる制御を行う(ステップS842)。つまり、特別図柄停止コマンドを受信したことに基づいて飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10に表示結果事前決定手段によって決定された表示結果を導出表示させる制御を行う。
【0173】
そして、ステップS842で大当り図柄を表示した場合には(ステップS843)、演出制御用CPU111は、表示制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS845)。また、ステップS842で大当り図柄を表示しない場合(はずれ図柄を表示した場合)には、演出制御用CPU111は、表示制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS844)。
【0174】
図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していない場合には、監視タイマがタイムアウトしているかどうか確認する(ステップS846)。タイムアウトした場合には、何らかの異常が発生したと判断して、飾り図柄表示部9にエラー画面を表示する制御を行う(ステップS847)。そして、ステップS843に移行する。
【0175】
このように、本実施形態では、主基板31のCPU56により特定の可変表示データ(変動パターン3,4および7〜9)が選択されたときには、主基板31では短縮するか否かに基づいて短縮データまたは変動時間データを特別図柄プロセスタイマに設定するが、短縮制御する場合には、演出制御基板80には該特定の可変表示データと短縮制御する旨を示す短縮コマンドが送信されるだけである。つまり、主基板から送信される特定の可変表示データには予め定められた変動時間データによって変動時間を特定することができるが、短縮制御することにより変動時間は短縮される。しかし、主基板31から演出制御基板80には、短縮する旨を示す短縮コマンドを送信するだけであり、短縮データに基づく変動時間を特定する情報は送信されない。主基板31は、可変表示装置8の変動を停止させる特別図柄停止コマンドを送信することにより、演出制御用CPU111に短縮データに基づく変動時間で可変表示装置8の変動を停止させる制御を実行させる。
【0176】
なお、本実施形態では、主基板31から演出制御基板80に準備コマンドを送信することにより、変動を停止させるタイミングを認識させるようにしているが、準備コマンドを送信しないようにしてもよい。この実施の形態では、準備コマンドを演出制御基板80に送信することで、演出制御用CPU111が特定の可変表示データに基づく可変表示時間が経過していなくても停止タイミングを予め(準備コマンドを受信した時点で)判断できるため、遊技者に、より違和感を感じさせることなく停止図柄の導出表示を実現することができる。
【0177】
図36は、本実施形態における短縮制御のタイミングチャートであり、(A)変動パターン3、(B)変動パターン4、(C)変動パターン7、(D)変動パターン8、(E)変動パターン9である。(A)〜(E)に示す変動パターンは、それぞれ異なる複数の可変表示パターンに基づく変動時間で表示結果を導出表示させることにより複数の演出を実行することが可能となっている。つまり、変動パターン3(図36(A))は、A1〜A3の3つ、変動パターン4(図36(B))は、B1〜B3の3つ、変動パターン7(図36(C))は、C1〜C4の4つ、変動パターン8(図36(D))は、D1〜D4の4つ、変動パターン9(図36(E))は、E1〜E2の2つ、のタイミングで確定コマンド(特別図柄停止コマンド)を受信して表示結果を導出表示させることにより複数の演出(例えば、第1〜第4演出)が実行可能となっている。
【0178】
また、(A)〜(E)に示す変動パターンは、複数の段階(例えば、第1〜第4段階)によって構成され、それぞれの段階で異なるリーチ演出(例えば、表示、音、ランプ、の異なるリーチ演出)が実行される。そして、例えば、変動パターン3(図36(A))においては、第1段階から第3段階の3つのリーチ演出によって構成され、演出制御用CPU111は、変動パターン3を指示する変動パターンコマンドを受信すると、第1段階のリーチ演出が実行されるように飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10を制御する。A1のタイミングで停止させる旨を示す短縮コマンドを受信していない場合には、第1段階のリーチ演出に続いて第2段階のリーチ演出が実行される。
【0179】
なお、上述したように、主基板31から特定の可変表示データとして変動パターン3,4及び7〜9を指示する変動パターンコマンドが送信されるときには、短縮制御する旨を示す短縮コマンドも送信され、その後特別図柄の停止図柄を指定する特別図柄指定コマンド(図22参照)が送信される。演出制御用CPU111は、特別図柄指定コマンドを受信すると、該コマンドに基づき飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS874)。さらに、所定時間経過した後、主基板31のCPU56が実行する特別図柄変動処理(ステップS303)にて、図柄停止コマンド(特別図柄停止を指示する演出制御コマンド)が送信されるまでの時間を示す(所定時間経過後に変動停止させることを示す)準備コマンドが送信される。そのため、演出制御用CPU111は、短縮コマンドを受信することにより短縮制御する旨を認識でき、さらに、準備コマンドを受信することによって図柄の変動を停止させる準備を行うため、短縮制御されるまでの短縮時間(変動時間)に対応した演出を実行することができる。そして、短縮時間が経過すると、主基板31は、図柄停止コマンド(特別図柄停止を指示する演出制御コマンド)を送信する。
【0180】
なお、変動パターン7〜9において、短縮コマンドを受信していない場合(再抽選演出を実行する場合)には、飾り図柄表示部9に仮停止(仮導出)させる図柄は、ステップS874で決定された図柄と同一または異なる図柄(ステップS878で決定された仮停止図柄)を表示させる。例えば、特別図柄指定コマンドで確変図柄(例えば、奇数図柄)を導出表示させる旨が指示されていても、仮停止(仮導出)させる飾り図柄9a〜9cを、通常大当りとなる図柄(例えば、偶数図柄)としてもよく、再抽選演出によってステップS874で決定された飾り図柄9a〜9cを表示するようにしてもよい。また、短縮コマンドは、特別図柄停止コマンドを送信する前に送信されればよく、短縮コマンドを送信するタイミングは変動パターンコマンドと同時でなくてもよい。
【0181】
変動パターン3においては(図36(A))、主基板31から図柄停止コマンドが送信されるタイミングはA1〜A3となっている。また、上述した第1演出を実行するときには、A1のタイミングで主基板31から図柄停止コマンドが送信され、該コマンドを受信したことに基づいて演出制御用CPU111は、飾り図柄表示部9および特別図柄表示部10を表示制御して表示結果を導出表示する。また、上述した第2演出を実行するときには、A2のタイミングで図柄停止コマンドが送信され、表示結果が導出表示される。第3演出を実行するときには、短縮制御を行わないため主基板31から短縮コマンドは送信されない。そして、A3のタイミングで図柄停止コマンドが送信され、表示結果が導出表示される。
【0182】
なお、上述したように、この実施の形態では、図柄停止コマンドを受信する前に、図柄停止コマンドを受信するまでの時間を示す準備コマンドを受信する。つまり、A1のタイミングで図柄停止コマンドを受信する第1演出では、A1のタイミングとなる(例えば、変動時間18秒経過)所定時間前(例えば、3秒前)に、準備コマンドを受信する。また、この実施の形態で用いられる準備コマンドはすべての変動パターン(変動パターン3,4および7〜9)に共通して用いられる1つのコマンドであるため、コマンド数の増加を抑えることができる。例えば、変動パターン3で、第1演出を実行するときに送信される準備コマンドと、第2演出を実行するときに送信される準備コマンドと、変動パターン7で第2演出を実行するときに送信される準備コマンドと、はすべて共通のコマンドである。
【0183】
また、この実施の形態では、CPU56は、変動開始を指示する変動パターンコマンドとほぼ同時(例えば、メインの割込処理で同一の割込処理内)に表示結果事前決定手段(ステップS301)によって決定された表示結果を指定するコマンド(特別図柄指定コマンド)を送信する。そして、演出制御用CPU111では、準備コマンドを受信したことに基づいて特別図柄指定コマンドによって指定された特別図柄10aを準備し、特別図柄停止コマンドを受信したことに基づいて、変動表示を行っている特別図柄10aと差し替える処理を実行する(識別情報差し替え手段)。なお、飾り図柄9a〜9cは、特別図柄指定コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874(図31参照)にて飾り図柄表示部9における飾り図柄9a〜9cの停止図柄を決定する。そして、準備コマンドを受信したことに基づいて、ステップS874にて決定された飾り図柄9a〜9cの停止図柄を準備し、特別図柄停止コマンドを受信したことに基づいて特別図柄10aの変動(可変表示)を停止させるとともに、変動表示を行っている飾り図柄(9a〜9cのいずれか又は全て)と差し替える処理を実行する(識別情報差し替え手段)。
【0184】
また、この実施の形態では、複数のタイミングとして、例えば、変動パターン3ではA1〜A3の3つのタイミングが設定され、それぞれのタイミングで特別図柄停止コマンドを受信することにより異なる複数の可変表示パターンが実行されるようにしているが、それぞれのタイミングで飾り図柄9a〜9cを仮停止(仮導出)させるようにしてもよい。例えば、変動パターン3で、短縮コマンドを受信していない場合(短縮制御を実行しない場合)に、飾り図柄左9aと飾り図柄9cが同一の図柄となったリーチ状態となったときには、A1のタイミングで飾り図柄中9bを仮停止(仮導出)させてはずれの表示結果を表示し、再び飾り図柄中9bを変動させ、最終的にA3のタイミングで表示結果を導出表示させるようにしてもよい。このようにすることで、はずれとなる表示結果が表示された後にさらに変動が行われるため、遊技者に敗者復活戦のような楽しみを与えることができ、興趣を向上させることができる。なお、飾り図柄9a〜9cを仮停止(仮導出)させる場合には、ステップS874で決定された図柄と同一または異なる図柄を停止させるようにしてもよい。また、飾り図柄9a〜9cを仮停止(仮導出)させても特 別図柄10aを仮停止(仮導出)させないようにしてもよい。
【0185】
また、上述したように、変動パターン7〜9は、表示結果事前決定手段(ステップS56)により表示結果を大当り図柄とすることが決定されたときに、当該大当り図柄と同一または当該大当り図柄と異なる大当り図柄を一旦導出(仮導出)したあとに当該大当り図柄を導出表示させる再抽選表示を実行する再抽選可変表示パターンを含む再抽選データであり、可変表示パターン事前決定手段(ステップS83)は、可変表示データ事前選択手段によって特定の可変表示データが選択されたとき再抽選可変表示パターンとするか否かを決定し、再抽選可変表示パターンとしない場合には、変動時間を一旦導出(仮導出)するまでの時間に短縮させる制御が実行される。
【0186】
なお、この実施の形態では、大当りとなる特定の可変表示データ(変動パターン7〜9)は、すべてに再抽選パターンが含まれる再抽選データである。そのため、大当りとなる特定の可変表示データの再抽選パターンとした場合には、ステップS878で決定された仮停止図柄が一旦導出された後、ステップS874で決定された確定図柄が導出表示される。しかし、大当りとなる特定の可変表示データの再抽選パターンとしない場合には、再抽選パターンの一旦導出させるタイミングでステップS874で決定された確定図柄が導出表示されるため、再抽選パターンとするか否かを事前に演出制御用CPU111に伝えておく必要がある。ゆえに、この実施の形態では、再抽選パターンとしない場合には短縮コマンドが主基板31から演出制御基板80に送信されることで演出制御用CPU111に認識させているが、再抽選パターンを含まない特定の可変表示データ(例えば、変動パターン3、4)が選択された場合には、短縮コマンドを送信しない構成としてもよい。この場合には、主基板31から演出制御基板80に可変表示パターン事前決定手段(例えば、ステップS83)によって決定された変動パターンに基づく変動時間で可変表示装置8の特別図柄10aの変動を停止させる特別図柄停止コマンド(確定コマンド)を送信することにより、演出制御用CPU111は、短縮される変動時間を示す短縮データに基づく変動時間で可変表示装置8の特別図柄10aの変動を停止させる制御を行う。
【0187】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、1つの可変表示データに対し、確定信号の送信タイミングによって複数の演出に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0188】
請求項2記載の発明では、1つの可変表示データによって再抽選演出が有る演出と無い演出の両方に用いることが可能となるため、データ量および信号種類の軽減を図ることができる。
【0189】
請求項3記載の発明では、表示結果事前決定手段により第1特定表示結果を表示することが決定されたときには再抽選演出が実行されやすくなり、第1特定表示結果を表示する前には再抽選演出を実行することにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0190】
請求項4記載の発明では、表示結果事前決定手段により特定表示結果を表示することが決定されたときには、可変表示時間が長くなるような可変表示パターンが選択されやすくなり、可変表示時間が長くなることにより、遊技者に遊技に対する興趣を長引かせることができ、興趣を向上させることができる。
【0191】
請求項5記載の発明では、表示制御手段は、識別情報信号を受信したことによって当該識別情報信号によって指定される識別情報を準備し、確定信号に基づいて可変表示中の識別情報と差し替えることにより、予め定められた表示結果を確定表示結果として表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パチンコ遊技機を正面からみた正面図である。
【図2】遊技盤の前面を示す正面図である。
【図3】主基板の回路構成例を示すブロック図である。
【図4】主基板におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図5】2msタイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図6】各乱数を示す説明図である。
【図7】特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。
【図8】変動パターンの一例を示す説明図である。
【図9】始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
【図10】特別図柄通常処理を示すフローチャートである。
【図11】大当り判定テーブルおよびリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図12】大当り判定モジュールを示すフローチャートである。
【図13】特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。
【図14】変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。
【図15】変動パターン設定処理を示すフローチャートである。
【図16】リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。
【図17】短縮判定テーブルの一例を示す説明図である。
【図18】短縮判定モジュールを示すフローチャートである。
【図19】記憶処理を示すフローチャートである。
【図20】演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。
【図21】制御コマンドを構成する8ビットの制御信号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図22】演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
【図23】予告演出の一例を示す説明図である。
【図24】演出制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図25】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図26】コマンド受信バッファの構成を示す説明図である。
【図27】コマンド解析処理を示すフローチャートである。
【図28】演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。
【図29】プロセスデータの一構成例を示す説明図である。
【図30】変動パターンコマンドコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。
【図31】飾り図柄演出設定処理を示すフローチャートである。
【図32】予告選択処理を示すフローチャートである。
【図33】図柄変動開始処理を示すフローチャートである。
【図34】図柄変動中処理を示すフローチャートである。
【図35】図柄停止待ち処理を示すフローチャートである。
【図36】タイミングチャートを示す説明図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
8 可変表示装置
9 飾り図柄表示部
10 特別図柄表示部
14 始動入賞口
15 可変入賞球装置
31 主基板
56 CPU
80 演出制御基板
111 演出制御用CPU
Claims (5)
- 所定の始動条件の成立に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置を含み、前記識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段と、
該遊技制御手段から送信された制御信号に基づいて前記可変表示装置における前記識別情報の可変表示を含む表示を制御する表示制御手段と、を備え、
前記遊技制御手段は、
前記表示制御手段に制御信号を送信する信号送信手段と、
前記始動条件の成立に基づいて前記表示結果をその導出表示以前に決定する表示結果事前決定手段と、
前記始動条件の成立に基づいて前記可変表示装置に表示結果を導出表示する際に実行される識別情報の可変表示パターンを示す可変表示データを異なる複数の可変表示パターンを示す複数の可変表示データから選択する可変表示データ事前選択手段と、
該可変表示データ事前選択手段によって前記複数の可変表示データのうち特定の可変表示データが選択されたときに該特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかを決定する可変表示パターン事前決定手段と、
可変表示開始からの可変表示時間を計測する可変表示時間計測手段と、
該可変表示時間計測手段によって所定時間が経過したことを判定する可変表示時間判定手段と、を有し、
前記信号送信手段は、
前記可変表示データ事前選択手段によって選択された可変表示データを指定する可変表示データ信号と、
前記表示結果事前決定手段により決定された前記表示結果を導出表示させるタイミングを示す確定信号と、を送信する機能を備え、
前記表示制御手段は、
前記遊技制御手段から送信される制御信号を受信する信号受信手段と、
前記可変表示データ信号に対応して設けられる可変表示パターンデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記可変表示データ信号を受信したことに基づいて当該可変表示データ信号に対応する可変表示パターンデータを前記データ記憶手段に記憶された可変表示パターンデータの中から選択する可変表示パターン選択手段と、
前記確定信号を受信したことに基づいて前記表示結果を導出表示する導出表示手段と、を含み、
前記信号送信手段は、前記可変表示データ信号として前記特定の可変表示データを指定する信号を送信したときには前記可変表示時間計測手段によって計測された可変表示時間が前記可変表示パターン事前決定手段の決定結果に応じた可変表示時間を経過したことを前記可変表示時間判定手段が判定したときに前記確定信号を送信する判定時確定信号送信手段を含み、
前記導出表示手段は、前記信号受信手段によって前記可変表示データ信号として前記特定の可変表示データを指定する信号を受信したときには、前記特定の可変表示データを指定する信号の受信によって可変表示時間として設定された時間が経過していなくても前記判定時確定信号送信手段によって送信された前記確定信号を受信したことに基づき前記表示結果を導出表示することを特徴とする遊技機。 - 前記特定表示結果は予め定められた複数種類の特定表示結果を含み、
前記特定の可変表示データは、前記表示結果事前決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすることが決定されたときに、当該特定表示結果と同一または当該特定表示結果と異なる特定表示結果を一旦導出したあとに前記表示結果事前決定手段により決定された前記特定表示結果を導出表示させる再抽選表示を実行する再抽選可変表示パターンを含む再抽選データであり、
前記可変表示パターン事前決定手段は、前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かを決定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 前記複数種類の特定表示結果は、前記特定遊技状態終了後に該特定遊技状態とは異なる遊技状態であって遊技者にとって有利な特別遊技状態となる第1特定表示結果と、前記特定遊技状態終了後に通常遊技状態となる第2特定表示結果と、を含み、
前記遊技制御手段は、
前記表示結果事前決定手段により前記第1特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記再抽選データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段による実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かの決定に用いる第1特定判定テーブルと、
前記表示結果事前決定手段により前記第2特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記再抽選データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段による実行する可変表示パターンを前記再抽選可変表示パターンとするか否かの決定に用いる第2特定判定テーブルと、を備え、
前記第1特定判定テーブルにおける前記再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合は前記第2特定判定テーブルにおける前記再抽選可変表示パターンを行う旨の決定がなされる割合よりも高くなるように再抽選可変表示パターンを行う決定に用いる判定データを構成することを特徴とする請求項2記載の遊技機。 - 前記特定の可変表示データによって特定される異なる複数の可変表示パターンは異なる可変表示時間が予め定められており、
前記遊技制御手段は、
前記表示結果事前決定手段によって前記特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段により異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかの決定に用いる当選時判定テーブルと、
前記表示結果事前決定手段によって前記非特定表示結果とすることが決定され且つ前記可変表示データ事前選択手段によって前記特定の可変表示データが選択されたときに前記可変表示パターン事前決定手段により異なる複数の可変表示パターンのうちいずれの可変表示パターンを実行するかの決定に用いる非当選時判定テーブルと、を備え、
前記当選時判定テーブルにおける前記複数の可変表示パターンのうち前記可変表示時間が短い可変表示パターンに決定される割合は、前記非当選時判定テーブルにおける前記可変表示時間が短い可変表示パターンに決定される割合よりも低くなるように可変表示パターンの決定に用いる判定データを構成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機。 - 前記信号送信手段は、前記表示結果事前決定手段によって決定された表示結果を指示する識別情報信号を送信する機能をさらに有し、
前記表示制御手段は、前記識別情報信号を受信し、前記判定時確定信号送信手段によって送信された前記確定信号を受信したことに基づいて当該可変表示中の識別情報を前記識別情報信号によって指定された識別情報に差し替える識別情報差替手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機。
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