JP2007319406A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技者の興味を遊技に引き付けておくことが可能な弾球遊技機を提供する。
【解決手段】抽選の結果が当りの場合には、表示図柄を当り態様で仮停止させた後、再変動表示を行う。また、再変動表示の発生確率が異なる2つのモードを設けておき、現在のモードが何れのモードであるかを遊技者に報知する。こうすれば、再変動表示の発生し難いモード中は、再変動表示がなかなか発生しなくても遊技者が落胆することはなく、逆に再変動表示が発生すると、確変当りに対する期待感が大きくなる。一方、再変動表示の発生し易いモード中は再変動表示がしばしば発生するが、これはモードの設定によるものであることを遊技者が了解しているため、演出をマンネリに感じることなく、再変動表示の成り行きを注視することになるので、遊技者の興味を遊技に引き付けておくことが可能となる。
【選択図】図15

Description

本発明は、パチンコ機などの、遊技盤面上に向けて遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機に関する。
遊技盤面上に向かって遊技球を発射して、遊技盤面上に設けられた入賞口に遊技球が入球すると、賞球として所定数の遊技球が払い出される遊技を行う弾球遊技機が従来から広く知られている。このような弾球遊技機では、遊技中に所定の条件が成立すると内部的に抽選が行われ、抽選に当選すると、遊技者にとって有利な状態に遊技状態が変化する。こうした抽選は内部的に行われるものであることから、抽選の結果を遊技者が認識することが出来るように、図柄の変動表示および停止表示の可能な図柄表示装置が遊技盤面に設けられており、抽選の結果に応じた図柄が停止表示されるようになっている。
抽選の当り態様としては、「通常当り」と「確変当り」の2つの態様が設けられており、「確変当り」に当選すると、次回の抽選で当りに当選する確率が高確率に設定される。更に、当選した当り態様によっても、図柄表示装置には異なる図柄が停止表示されることから、遊技者は図柄表示装置の停止図柄を確認することで、何れの当り態様に当選したかを容易に認識することが可能となっている。
こうした弾球遊技機では、遊技者は、図柄表示装置で変動表示および停止表示される図柄を見ながら遊技を行うことが通常であり、抽選に当選したことを表す図柄、特に、確変当りに当選したことを表す図柄が停止表示されることを強く願いながら遊技を行うものである。こうした点に鑑みて、抽選に当選したことを表す図柄を短時間だけ停止表示させた後、直ぐに変動表示を再開して、再び何れかの当り態様の図柄で停止表示させる技術が提案されている(特許文献1、特許文献2)。このように、当り態様の図柄で短時間だけ停止表示させた後、直ぐに変動表示を再開して再び当り態様の図柄で停止表示させる表示態様は、「再変動表示」と呼ばれている。再変動表示を行うと、たとえ通常当りの図柄が停止表示された場合でも、再び変動表示を開始して確変当りの図柄に変更されるのではないかと期待感を煽ることとなり、その結果として遊技者の興趣を遊技に引き付けることが可能になるものと期待されている。また、再変動表示を行う態様としては、通常当り後に必ず再変動表示が開始される態様と、再変動表示がランダムに発生する態様とが提案されている。
特開2001−269457号公報 特開2004−236700号公報
しかし、図柄表示装置で再変動表示を行っても、以下の理由から、実際には遊技者の興趣を引き付けておくことは困難であるという問題があった。先ず、当りの図柄が表示されると必ず再変動表示を行うこととした場合には、再変動表示が開始されることがあたり前になって遊技が単調となってしまう。それどころか、当りの図柄で一旦停止させる演出が遊技者にまどろっこしい印象を与えて、遊技者の興趣を引き付けておくことが困難となる。こうしたことを回避するために、再変動表示をランダムに発生させると、通常当りの図柄で停止表示されたにも拘わらず再変動表示が開始されないケースが発生する。仮に再変動表示が行われたとしても確変当りの図柄が停止表示されるとは限らないと言うのに、その再変動表示も開始されないのでは、遊技者は落胆してしまい、結果的に遊技に対する興趣を失ってしまうおそれがある。このような理由から、実際の弾球遊技機では、再変動表示を行ったからといって、遊技者の興味を遊技に引き付けておくことは困難であるという問題があった。
本発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、図柄表示装置で再変動表示を行うことにより、遊技者の興味を遊技に引き付けておくことが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技中に所定の条件が成立すると抽選を行い、該抽選の結果が、通常当り、該通常当りよりも遊技者にとって有利な確変当り、または外れの何れであるかに応じて遊技状態を変化させる弾球遊技機において、
前記抽選の結果を表す表示図柄の変動表示および停止表示を行う表示図柄変動停止装置と、
前記表示図柄を、前記抽選の結果が当りであることを表す当り態様で暫定的に停止表示させた後、再び変動表示させて何れかの当り態様の図柄で停止表示させる再変動表示を、前記表示図柄変動停止装置を制御することにより実行する再変動表示手段と、
前記再変動表示の発生確率が異なる第1の再変動モードおよび第2の再変動モードを記憶している再変動モード記憶手段と、
遊技の進行中に、前記第1の再変動モードまたは前記第2の再変動モードの何れかを選択する再変動モード選択手段と、
前記抽選で通常当りまたは確変当りの何れかに当選すると、該抽選の結果に対応する表示図柄の停止表示のために前記再変動表示を行うか否かを、選択されている前記再変動モードに従って決定する再変動決定手段と、
選択されている前記再変動モードを報知する再変動モード報知手段と
を備えることを特徴とする。
かかる本発明の弾球遊技機においては、抽選の結果が当りの場合には、表示図柄変動停止装置上の表示図柄を当り態様の図柄で一時的に停止表示させた後、再変動表示を行うことが可能となっている。また、再変動表示を行う確率が異なる2つのモード(第1の再変動モードおよび第2の再変動モード)が設定されており、現在、何れの再変動モードが選択されているかが、遊技者に報知されるようになっている。
このように、再変動表示の発生確率の異なるモードを設定しておくとともに、現在、何れのモードが選択されているかを遊技者に報知すれば、以下の理由から、単に再変動表示を行う場合と異なって遊技者の興趣を高めることが可能となる。先ず、再変動表示の発生し難いモードに設定されている旨が報知されている場合は、たとえ再変動表示がなかなか発生しなくても、その原因は、現在のモードが再変動表示が発生し難いモードに設定されていることが分かっているため、そのことで遊技者が大きく落胆することはない。むしろ、再変動表示の発生し難いモードであるにも拘らず再変動表示が発生した場合には、確変当りに対する期待感が大きく高まることとなり、遊技者の興味を遊技に引き付けておくことが可能となる。一方、再変動表示の発生し易いモードに設定されている旨が報知されている場合は、再変動表示がしばしば発生する。しかし、再変動表示が頻発しても、これは、現在のモードが再変動表示の発生し易いモードになっているためであることを、遊技者が了解しているために、演出がマンネリ化して遊技に対する興味を失ってしまうことがなく、しばしば発生する再変動表示の成り行きに注視することとなるので、遊技者の興趣を高めることができる。このように、単に再変動表示を行うだけでは、遊技者の興味を遊技に引き付けておくことは困難であるが、再変動表示の発生確率の異なる少なくとも2種類の再変動モードを設けておき、現在の再変動モードが何れであるかを遊技者に報知することによって初めて、遊技者の興味を遊技に引き付けておくことが可能となるのである。
また、再変動表示中に表示図柄を暫定的に停止表示させる際には、抽選の結果が通常当りであることを表す図柄で停止表示させることとしてもよい。
抽選の結果が通常当りであった場合よりも確変当りであった方が、遊技者にとっては有利であることから、できれば抽選結果が確変当りであることを表す表示図柄で停止表示されることを願って遊技を行うものである。従って、再変動表示を行う際には、通常当りを表す表示図柄で暫定的に停止表示しておけば、すぐに変動表示が再開されたことを見て、今度は確変当りの表示図柄で停止表示するのではないかと期待することになるので、遊技に対する興趣を高揚させることが可能となる。
また、上述した弾球遊技機においては、再変動表示の発生確率が小さい方の再変動モードである第1の再変動モードとして、次のようなモードを記憶しておくこととしても良い。先ず、再変動表示の発生確率を、抽選の結果が通常当りの場合と確変当りの場合とに分けて記憶しておく。そして、全ての発生確率が、確変当りの場合の発生確率となっているような再変動モードを記憶しておくこととしてもよい。
再変動表示の発生確率が小さい第1の再変動モードが選択されている場合には、第2の再変動モードが選択されている場合に比べて再変動表示の発生頻度は低くなるが、再変動表示が発生すると、通常当りで確定することはなく、必ず確変当りで確定することになる。従って、再変動表示に対する遊技者の信頼感を高めて、遊技者の興趣を高めることができる。加えて、このように再変動表示に対する信頼感を高めると、再変動表示がしばしば発生する第2の再変動モードであっても、遊技者は確変当りで確定するのではないかと期待することになり、遊技の全体を通して遊技者の興趣を大きく高めることが可能となる。
更に、上述した各種の弾球遊技機においては、次のようにしても良い。先ず、抽選の結果が確変当りであった場合には、次回以降の抽選で通常当りまたは確変当りに当選する確率が所定の高確率値に設定された確変遊技を開始するものとする。そして、確変遊技中は、再変動表示の発生確率が大きい方の再変動モードに設定しておくこととしてもよい。
抽選の結果が確変当りであった場合には、確変遊技が開始されて再び抽選に当選する可能性が高くなる。このことから、確変遊技中でないときには、「確変当り」や「通常当り」といった当り態様に関係なく、とにかく抽選に当選することを願って遊技を行うものであるのに対して、確変遊技中は、抽選に当選することは半ば当然として、何とか「確変当り」に当選したいと願うものである。このように、確変遊技中は、確変遊技中でない場合に比べて遊技者が当りの態様に強い関心を示す傾向があることから、当り態様が変更される可能性のある再変動表示は、確変遊技中に行うことで特に大きな効果を発揮するということができる。従って、このような確変遊技中は、再変動表示の発生確率が高い第2の再変動モードを設定することで、遊技者の興趣を効果的に高めることが可能となる。
また、確変遊技中に設定する第2の再変動モードは、次のようなモードとしてもよい。すなわち、再変動表示の発生確率を、抽選の結果が通常当りの場合と確変当りの場合とに分けて設定しておき、通常当りの場合の発生確率を100%に設定しておくこととしてもよい。
こうすれば、確変遊技中に「通常当り」に当選した場合には必ず再変動表示が行われることになる。再変動表示も行うことなく、いきなり「通常当り」が確定して確変遊技の状態が終了したのでは、遊技者が大きく落胆して遊技に対する興趣を冷ましてしまうおそれがあるが、確変遊技中の「通常当り」当選時には必ず再変動表示が行われるようにしておけば、遊技者が興趣を冷ましてしまうおそれを回避することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.制御の概要:
C−1.遊技制御処理:
C−2.特別図柄遊技処理:
C−3.特別電動役物遊技処理:
D.演出制御処理:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。
前面枠4の下方には、上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図5参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。更に、上皿部5の手前側(遊技者側)には、2つの操作スイッチSW1,SW2が設けられている。遊技者は、このスイッチを押すことによって、遊技中に遊技条件を変更するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。
下皿部6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。また、下皿部6の下面の左右には、第2スピーカ6cが設けられている。
下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられ、そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図5参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開口状態となり、一対の翼片部が直立して、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26のほぼ中央には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、液晶画面を搭載しており、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。演出表示装置27の画面上で表示される各種図柄については後述する。
中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられている。詳細な構成については後述するが、図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左端には、普通図柄作動ゲート36が設けられており、このゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36sが設けられている。更に、普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には、ランプ風車24が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
中央装置26の下方に設けられた変動入賞装置18には、ほぼ中央に大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開口する大入賞口31dと、大入賞口31dを開閉するための大入賞口ソレノイド31m(図5参照)などから構成されている。大入賞口31dは、後述する所定の条件が成立すると開口状態となり、この結果、遊技球が高い確率で大入賞口31dに入球することとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である大当り遊技状態が開始される。また、大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31sが設けられており、大入賞口31dに入賞した遊技球を検出することが可能となっている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された図柄表示装置28の構成を示す説明図である。本実施例の図柄表示装置28は、大きくは、普通図柄表示部29と、特別図柄表示部30とから構成されている。普通図柄表示部29は、左普通図柄表示部29aと右普通図柄表示部29bとから構成されており、特別図柄表示部30は、左特別図柄表示部30aと右特別図柄表示部30bとから構成されている。2つの普通図柄表示部29a,29bは、発光ダイオード(LED)を用いて構成されており、左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯し、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯することが可能となっている。また、特別図柄表示部30には、いわゆる7セグメントLEDが用いられており、このうちの7セグメント部分が左特別図柄表示部30aを構成し、コンマ部分が右特別図柄表示部30bを構成している。この7セグメント部分およびコンマ部分は、赤色、橙色、緑色のいずれかの光を点灯可能となっている。また、図柄表示装置28には、普通図柄保留表示部29c、および特別図柄保留表示部30cも設けられている。これらは、それぞれ4つのLEDで構成されている。このような構成を有する図柄表示装置28の表示内容については後述する。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された演出表示装置27の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、その背景の背景図柄27dが表示されている。このうち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、図3に示した特別図柄30の表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。演出表示装置27で行われる各種演出の詳細な内容については後述する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1における制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御の下で演出表示装置27の具体的な制御を行う演出制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。また、図5中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図5では、主制御基板200に搭載されたCPU201や、サブ制御基板220に搭載されたCPU221、ROM222のみが図示されている。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを出力する。また、主制御基板200には、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉させるための大入賞口ソレノイド31m、更には、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置28などが中継端子板を介して接続されており、これら各種ソレノイド17m,31m、および図柄表示装置28に向かって信号を出力することにより、動作の制御も行っている。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した演出表示装置27の表示制御を行う演出制御基板230に対して表示内容を指定するコマンドを出力したり、各種のスピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板224、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
B.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左側に設けられた普通図柄作動ゲート36を通過すると、図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には左普通図柄表示部29aと、右普通図柄表示部29bとが設けられている。左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯可能に構成されており、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯可能に構成されている。普通図柄の変動表示が開始されると、左右の普通図柄表示部29a,29bが点滅表示を行う。
図6は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。変動表示中の普通図柄は、図示されている4つの状態を取ることができる。先ず、図6(a)に示した状態は、左普通図柄表示部29aが点灯して、右普通図柄表示部29bが消灯している状態を表している。図6(b)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも点灯した状態を表している。図6(c)は、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯した状態を表しており、図6(d)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも消灯した状態を表している。普通図柄の変動表示中は、これら4つの表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、そして、所定時間が経過すると、4つの表示状態のいずれかの状態で停止表示される。このとき、所定の表示状態で停止表示されると、いわゆる普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開口状態となる。本実施例では、図6(c)に示した表示状態、すなわち、左普通図柄表示部29aが消灯して右普通図柄表示部29bが点灯している状態が、普通図柄の当りに設定されている。
尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、普通図柄保留表示部29c(図3参照)に表示される。
次いで、開口状態となった始動口17に遊技球が入球すると、今度は、特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄は、図3を用いて説明したように特別図柄表示部30によって表示される。尚、前述したように、本実施例の特別図柄表示部30は、7セグメントLEDからなる左特別図柄表示部30aと、コンマ部分の右特別図柄表示部30bから構成されており、これら左右の特別図柄表示部30a,30bは、赤色、橙色、緑色のいずれかで点灯可能となっている。
図7は、特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。特別図柄の変動表示中は、左特別図柄表示部30aでは、「A」または「Y」のいずれかの図柄が表示され、右特別図柄表示部30bではコンマ「.」が表示される。また、左特別図柄表示部30aの「A」および「Y」、右特別図柄表示部30bのコンマ「.」は、赤色、橙色、緑色の3つの状態を取ることができる。本実施例の特別図柄表示部30では、これらの表示状態が組み合わされて、図7に示す12種類の状態を表示することが可能となっている。図中で7セグメントLEDあるいはコンマ部分に細かいハッチングが付されているのは、赤色の状態で点灯されていることを表している。また、少し粗いハッチングが付されているのは橙色の状態で点灯表示されていることを表しており、粗いハッチングが付されているのは緑色の状態で点灯表示されていることを表している。特別図柄の変動表示が開始されると、これら12種類の表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、所定時間が経過すると、いずれかの状態で停止表示される。
停止表示された図柄が「−」である場合は、特別図柄は外れとなるが、それ以外の図柄の組合せが停止表示された場合は特別図柄の当りとなって、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態が開始される。すなわち、特別図柄が当りとなる図柄の組合せとしては、図7に示した12種類の図柄から、「−」を除いた10種類の組合せが存在することになる。また、本実施例の特別遊技状態は、大入賞口31dが開放状態となる遊技状態(ラウンド)が、所定ラウンドだけ繰り返されるように構成されている。大入賞口31dは大きく開口するために、遊技球が高い確率で入球する。その結果、所定回数のラウンドが繰り返される間に遊技者は多くの賞球を獲得することが可能となっている。
尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合は、この遊技球の入球が特別図柄の保留数として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。特別図柄の保留も最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている特別図柄の保留数は、特別図柄保留表示部30c(図3参照)に表示される。
また、図7に示した特別図柄が当りとなる10種類の組合せのうち、実線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「確変当り図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら確変当り図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまでの間、当り図柄で停止表示される確率が通常の状態よりも高くなる。このように、当り図柄で停止表示される確率が高くなっている遊技状態は、確変遊技状態(若しくは、単に確変)と呼ばれる。
更に、図7に示した特別図柄が当りとなる10種類の組合せのうち、破線で囲った5種類の組合せは、いわゆる「通常当り図柄」と呼ばれる組合せであり、変動表示された特別図柄が、これら通常当り図柄の組合せのいずれかで停止すると、特別遊技の終了後、特別図柄が所定回数(本実施例では100回)変動表示されるか、若しくは次回の特別遊技状態が開始されるまでの間、特別図柄の変動時間が短くなるとともに、始動口17の開放時間が長くなるように設定されている。このような遊技状態は、変動時間短縮状態(若しくは、時短状態)と呼ばれる。尚、本実施例の遊技機1においては、こうした時短機能は、通常当り図柄で停止表示された場合だけでなく、確変当り図柄で停止表示された場合にも作動するようになっている。結局、特別図柄が、図7に示した10種類の当り図柄のいずれかで停止表示された場合は、特別遊技状態の終了後、必ず時短機能が作動することになる。
上述した特別図柄の変動停止表示に合わせて、演出表示装置27では演出用図柄を用いた各種の演出が行われる。図8は、演出表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが表示されている。前述した図柄表示装置28で特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置27においても、これら3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、キャラクタ図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
図8(a)には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左キャラクタ図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右キャラクタ図柄27cが停止表示され、最後に中キャラクタ図柄27bが停止表示される。
これら演出表示装置27で停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した図柄表示装置28で停止表示される特別図柄の組合せと連動するように構成されている。たとえば、図柄表示装置28の特別図柄が当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示される。特に、図柄表示装置28の特別図柄が、前述した確変当り図柄で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。一方、図柄表示装置28の特別図柄が外れ図柄で停止する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示される。
このように、図柄表示装置28で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、それぞれの表示図柄が確定する(停止表示される)タイミングも同じに設定されている。しかも、図2に示すように、図柄表示装置28よりも演出表示装置27の方が目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左キャラクタ図柄27aと、続いて停止表示される右キャラクタ図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中キャラクタ図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り遊技状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、2つのキャラクタ図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。
尚、詳細には後述するが、演出表示装置27で停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、図柄表示装置28で停止表示される特別図柄に対応しており、この特別図柄は、遊技機10の内部で行われる当否判定の結果に対応していることから、結局、キャラクタ図柄27a,27b,27cの停止図柄は、当否判定の結果を表すものとなっている。従って、本実施例の演出表示装置27は、本発明の「表示図柄変動停止装置」の一態様を構成しており、また、本実施例におけるキャラクタ図柄27a,27b,27cの図柄組合せは、本発明の「表示図柄」の一態様を構成するものとなっている。
C.遊技機の制御内容 :
以下では、上述した遊技を実現するために、本実施例の遊技機1が行っている制御内容について詳しく説明する。
C−1.遊技制御処理 :
図9は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されているように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、普通電動役物停止処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。かかる処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ(始動口スイッチ17sや大入賞口スイッチ31sなど)について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向かって賞球数指定コマンドを出力する処理を行う。
払出制御基板240は、主制御基板200から出力された賞球数指定コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球数指定コマンドを出力すると(S50)、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する(S100)。かかる判断は、普通電動役物が作動中であるか否か、換言すると始動口17が開口中であるか否かを検出することによって行う。普通電動役物が作動中でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し(S100:yes)、普通電動役物が作動中であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する(S100:no)。
そして、普通図柄遊技処理を行うと判断された場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S150)。一方、普通図柄遊技処理を行わないと判断された場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理(S150)はスキップする。
普通図柄遊技処理(S150)では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留数が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、保留数が存在する場合には普通図柄の当否判定を行う。ここで、普通図柄の保留数は遊技球が普通図柄作動ゲート36を通過することにより設定されるものであり、本実施例では、その保留数の上限値を「4」としている。そして、普通図柄の当否判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄(図6(c)参照)で停止表示させるか、それ以外の何れの外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次いで、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、このときに、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。こうして普通電動役物が作動すると、始動口17に設けられた一対の翼片部が外側に向かって回動し、始動口17が開口状態となる。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。そして、作動中である場合は(S190:yes)、普通電動役物を停止させるための処理(普通電動役物停止処理)を行う(S200)。一方、普通電動役物が作動していない場合は(S190:no)、普通電動役物停止処理を行う必要はないのでスキップする。
図10は、普通電動役物停止処理の流れを示すフローチャートである。図示されているように普通電動役物停止処理を開始すると、先ず初めに、普通電動役物の所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。前述したように、普通電動役物が作動すると始動口17が開口状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物が予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202:yes)、普通電動役物の作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して図9に示した遊技制御処理に復帰する。尚、普通電動役物作動時間(すなわち、始動口17の開口時間)は、通常の遊技状態では約0.5秒間に設定されているが、後述する開口時間延長機能が作動すると約1.5秒間に延長される。
一方、始動口17は開口中に規定数の遊技球が入球すると、開口時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物の作動時間が所定時間に達していない場合は(S202:no)、普通電動役物に規定数の遊技球が入球したか否かを判断し(S204)、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は(S204:yes)、普通電動役物の作動を停止して、図10に示した普通電動役物遊技処理を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は(S204:no)、普通電動役物を作動させたまま、図10に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図9に示した遊技制御処理に復帰する。
図9に示すように、遊技制御処理では、普通電動役物停止処理から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。かかる判断は、条件装置が作動しているか否かを検出することによって行う。ここで条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が、図7に示した通常当り図柄または確変当り図柄の何れかで停止表示されると作動を開始する装置である。条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞口31dが連続して開口する大当り遊技状態が開始される。ここで、「条件装置が作動しているか否か」とは、「大当り遊技中であるか否か」ということである。なお、条件装置および役物連続作動装置は、主制御基板200のCPU201が実行する制御プログラムによって構成される。そして、条件装置が作動中でない場合(大当り遊技中でない場合)は特別図柄遊技処理を行うものと判断し(S300:yes)、条件装置が作動中である場合(大当り遊技中である場合)には、特別図柄遊技処理は行わないものと判断する(S300:no)。
以上のような判断の結果、特別図柄遊技処理を行うと判断された場合は(S300:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を行う(S320)。一方、特別図柄遊技処理を行わないと判断された場合は(S300:no)、特別図柄遊技処理(S320)はスキップする。
C−1−1.特別図柄遊技処理 :
図11および図12は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S322)。図3を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では図柄表示装置28に特別図柄表示部30が設けられており、特別図柄を変動表示可能となっている。
特別図柄表示部30の特別図柄が変動中でない場合は(S322:no)、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中であるか否かを判断する(S324)。すなわち、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、遊技者が特別図柄が何れの図柄で停止表示されたかを確認するための停止表示時間が設けられているので、この停止表示時間中か否かを判断するのである。特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間も経過していることが確認された場合は(S324:no)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S326)。ここで、特別図柄保留数は、遊技球が始動口17に入球した場合に設定されるもので、上限値「4」に達するまで設定可能となっている。そして、特別図柄保留数が「0」である場合には(S326:yes)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図9に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S326:no)、特別図柄の当否判定を開始する。
本実施例の遊技機1では、特別図柄の当否判定に先立って、大当りの発生確率が高確率状態(確変遊技状態)となっているか否かを判断する(S328)。確変遊技状態は、特別図柄表示部30に表示される特別図柄が、図7に示した「確変当り図柄」で停止した場合に、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまで継続される。このことから、S328では、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判断して、確変中であれば(S328:yes)、大当りの確率が高めに設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S330)。逆に、確変中でなければ(S328:no)、大当りの確率が通常の値に設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S332)。
特別図柄の当否判定は、次のような当否判定テーブルおよび当り態様判定テーブルを参照することによって行う。図13は、本実施例の特別図柄遊技処理において特別図柄の当否判定を行うために参照する当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、当否判定テーブルには、図13(b)に示す確変用のテーブルと図13(a)に示す非確変用のテーブルとが用意されており、それぞれのテーブルには、特別図柄当否判定用乱数に対して、「当り」または「外れ」の何れかの当否判定結果が対応付けて記憶されている。また、図13(a)と図13(b)とを比較すれば明らかなように、確変用の当否判定テーブルは、非確変用の当否判定テーブルよりも当りの確率が高くなっている。ここで特別図柄当否判定用乱数とは、遊技球が始動口17に入球したときに取得されて、主制御基板200上のRAM202に記憶される乱数である。特別図柄当否判定用乱数から当否判定テーブルを引くことによって特別図柄の当否判定を行い、その結果、「当り」と判定された場合は、更に、当り態様判定テーブルを参照することで、特別図柄の当り態様を決定する。
図14は、特別図柄の当否判定結果が当りの場合に、当り態様を決定するために参照される当り態様判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されるように、当り態様判定テーブルには、当り態様判定用乱数に対して、「通常当り」または「確変当り」の何れかの当り態様が対応付けて記憶されている。ここで当り態様判定用乱数は、特別図柄の当否判定結果が「当り」であった場合に取得される乱数である。なお、当り態様の決定は、後述する特別図柄変動パターン設定処理(図17参照)における特別図柄の停止図柄の決定と共に行っても良く、この場合、特別図柄の停止図柄決定用乱数により当り態様も決定されることとなるので、当り態様判定用乱数や当り態様判定テーブルを設ける必要はない。
図11に示した特別図柄遊技処理のS328〜S332では、特別図柄の当否判定に先立って確変中か否かを判断し、確変中であれば、図13(b)に示した当否判定テーブルおよび図14の当り態様判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行い、確変中でなければ、図13(a)の当否判定テーブルおよび図14の当り態様判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行うのである。以上のようにして、特別図柄の当否を判断したら、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S338)。
図15は、特別図柄遊技処理の中で特別図柄の変動パターンを設定する処理(特別図柄変動パターン設定処理)の流れを示すフローチャートである。かかる処理も特別図柄遊技処理と同様に、主制御基板200のCPU201によって実行されている。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄変動パターン設定処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄の当否判定結果が当りであるか否かを判断する(S3380)。特別図柄の当否判定は、図15の特別図柄変動パターン設定処理に先立って、図11に示した特別図柄遊技処理において行われているので、主制御基板200のCPU201は、当否判定結果が当りであるか否かを直ちに判断することができる。そして、特別図柄の当否判定結果が当りであった場合には(S3380:yes)、現在の遊技状態が時短中(すなわち時短機能の作動中)であるか否かを判断し(S3382)、時短中であれば(S3382:yes)、当否判定結果が当りで且つ時短中の場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3384)。これに対して、時短中でない場合は(S3382:no)、当否判定結果が当りで且つ時短中ではない場合に用いられる変動パターンテーブル(当り・非時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3386)。これらの変動パターンテーブルは、主制御基板200に搭載されたROM222に予め設定されている。なお、ここで言う「時短中」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、確変遊技中を含んでいる。
図16は、主制御基板200のROM203に設定されている当り・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように変動パターンテーブルには、特別図柄変動乱数の値に対応付けて、特別図柄の変動パターンが設定されている。ここで、特別図柄変動乱数とは、特別図柄の変動パターンを決定するために用いられる乱数である。また、それぞれの変動パターンには、特別図柄の変動時間が予め設定されている。例えば、特別図柄変動乱数が「0〜12」の範囲の値に対しては、「パターン特8」という変動パターンが設定されており、この変動パターンは、特別図柄の変動時間が52.1秒間の変動パターンである旨が設定されている。同様に、「13〜35」の範囲の乱数値に対しては、「パターン特9」という変動パターンが設定され、この変動パターンは、特別図柄の変動時間が55.3秒間である旨が設定されている。
また、図17は、当り・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。図16に示した当り・時短用の変動パターンテーブルと同様に、当り・非時短用の変動パターンテーブルについても、特別図柄変動乱数に対応付けて、特別図柄の変動パターンと変動時間とが設定されている。尚、図16の変動パターンテーブルは時短用のテーブルであり、図17の変動パターンテーブルは非時短用のテーブルであることに対応して、図17の変動パターンは、図16の変動パターンよりも、変動時間が短めのパターンが設定されている。
以上に説明したように、特別図柄の当否判定結果が当りであると判断された場合には(S3380:yes)、時短中か否かに応じて、当り・時短用の変動パターンテーブルまたは当り・非時短用の変動パターンテーブルの何れかを選択した後、特別図柄の停止図柄を決定する(S3388)。図11を用いて説明した特別図柄遊技処理の中で設定された特別図柄の当り態様が、通常当りであった場合には、図7中に破線で囲って示した5種類の当り図柄の中から任意の図柄を1つ選択して、その図柄を、特別図柄の停止図柄と決定する。
次いで、先に選択しておいた変動パターンテーブルを参照することにより、特別図柄の変動パターンを決定する(S3390)。変動パターンの決定に際しては、先ず、特別図柄変動乱数を発生させ、次いで、選択しておいた変動パターンテーブルを参照する。現在の遊技状態が時短中であれば、図16に示した時短用の変動パターンテーブルが参照され、現在の遊技状態が非時短中であれば、図17に示した非時短用の変動パターンテーブルが参照される。そして、参照している変動パターンテーブル内で、特別図柄変動乱数に対応して設定されている変動パターンを選択する。こうして、遊技状態に応じた適切な特別図柄変動パターンを決定したら、図15に示した特別図柄変動パターン設定処理を終了して、図11の特別図柄遊技処理に復帰する。
以上、特別図柄の当否判定結果が当りの場合に(図15のS3380:yes)、特別図柄の停止図柄および変動パターンを設定する処理について説明したが、当否判定結果が外れの場合には(S3380:no)、次のようにして特別図柄の停止図柄および変動パターンを設定する。
特別図柄の当否判定結果が外れと判断された場合にも(S3380:no)、当りと判断された場合と同様に、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(S3392)。そして、時短中であれば(S3392:yes)。当否判定結果が外れで且つ時短中の場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・時短用変動パターンテーブル)を選択し(S3394)、一方、時短中でなければ(S3392:no)、当否判定結果が外れで且つ時短中ではない場合に用いられる変動パターンテーブル(外れ・非時短用変動パターンテーブル)を選択する(S3396)。これら外れの場合に用いられる変動パターンテーブルも、当りの場合の変動パターンテーブルと同様に、主制御基板200に搭載されたROM222に設定されている。なお、ここで言う「時短中」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、確変遊技中を含んでいる。
図18は、主制御基板200のRAM202に設定されている外れ・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。また、図19は、外れ・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、当否判定結果が外れの場合の変動パターンテーブルにも、特別図柄の変動パターンおよび変動時間が特別図柄変動乱数に対応付けて設定されている。もっとも、当否判定結果が外れの場合には、リーチ演出を経ること無くいきなり外れが確定する場合と、リーチ演出を経て外れが確定する場合の2つが存在することから、外れの場合の変動パターンテーブルには、リーチ演出のない場合とリーチ演出がある場合のそれぞれの場合について設定されている。例えば、図18に示した外れ・時短用の変動パターンテーブルには、リーチ演出を行わない場合については「パターン特1」ないし「パターン特3」の3つの変動パターンが設定されており、リーチ演出を行う場合については「パターン特7」ないし「パターン特9」の3つの変動パターンが設定されている。
図19に示した外れ・非時短用の変動パターンテーブルについても、同様に、リーチ演出を行わない場合と行う場合のそれぞれについて変動パターンが設定されている。当然ながら、リーチ演出を行わない場合よりも、行う場合の方が、変動時間の長い変動パターンが設定されている。また、図18と図19とを比較すれば明らかなように、時短用の変動パターンテーブルには、非時短用の変動パターンテーブルよりも、変動時間が短めの変動パターンが設定されている。
以上に説明したように、特別図柄の当否判定結果が外れと判断された場合には(S3380:no)、図18に示した外れ・時短用の変動パターンテーブル、または図19に示した外れ・非時短用の変動パターンテーブルの何れかを選択した後、特別図柄の停止図柄を決定する(S3398)。図7を用いて前述したように、当否判定結果の外れに対応する特別図柄は2種類の図柄が設定されているから、これら何れかの図柄を選択して、特別図柄の停止図柄とすればよい。
続いて、リーチ乱数を発生させることにより、リーチ演出の有無を決定する(S3400)。そして、リーチ演出を行うものと決定された場合は(S3402:yes)、リーチ演出を経て外れで確定する場合の特別図柄変動パターンを決定する(S3404)。例えば、現在の遊技状態が時短中であった場合、図18に示した外れ・時短用の変動パターンテーブルが選択されており(S3394)、リーチ演出を行うものとしているから、「パターン特7」、「パターン特8」、「パターン特9」の3つの変動パターンの中から特別図柄変動乱数に対応する変動パターンに決定される。これに対して、リーチ演出を行わないものと決定された場合は(S3402:no)、リーチ演出を経ることなく直ちに外れで確定する場合の特別図柄変動パターンを決定する(S34406)。なお、リーチ演出の有無はリーチ乱数を用いて決定されるが、このリーチ乱数によるリーチ演出有無の振り分け率(リーチ演出発生率)は、時短中と非時短中(通常遊技中)とで異ならせるのが望ましい。具体的には、時短中は非時短中に比べて外れリーチ演出の発生頻度が低くなるように、リーチ演出有無の振り分け率を設定すると良い。これにより、所定回数(例えば100回)または次回大当りに当選するまでの特別図柄の変動表示(外れ変動表示)を短期間で消化することができ、時短遊技や確変遊技を円滑に進めることができる。
以上のような処理を行うことにより、特別図柄の当否判定結果が当りの場合あるいは外れの場合について、特別図柄の停止図柄と変動パターンとを決定したら、図15に示した特別図柄変動パターン設定処理を終了して、図11の特別図柄遊技処理に復帰する。
図11に示されているように、特別図柄変動パターン設定処理から復帰すると、主制御基板200のCPU201は図柄表示装置28における特別図柄の変動表示を開始した後(S340)、特別図柄保留数から1を減算する処理を行う(S342)。前述したように、本実施例の図柄表示装置28は、図7に示した12種類の特別図柄を表示可能であり、これら図柄の表示を次々と切り換えることによって変動表示を行う。また、特別図柄の変動表示が開始されると特別図柄の保留数が1つ消化されるので、主制御基板200上のRAMに記憶されている特別図柄保留数のデータから1を減算しておくのである。そして、先に設定しておいた特別図柄の変動パターンを指定するコマンド(特別図柄変動パターン指定コマンド)を、サブ制御基板220に向かって出力した後(S344)、特別図柄の停止図柄を指定するコマンド(特別図柄停止情報指定コマンド)を、同じくサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。
サブ制御基板220のCPU221は、このようにして特別図柄変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドを受け取ることにより、図柄表示装置28で変動表示される特別図柄の変動時間、および特別図柄の停止図柄についての情報を知ることができる。そこで、これらの情報に応じて、演出表示装置27で行われる演出態様を決定して、決定した演出態様を指示する制御コマンドを演出制御基板230へ向けて出力する。こうすることにより、図柄表示装置28で行われる特別図柄の変動表示および停止表示に合わせて、演出表示装置27においても、キャラクタ図柄27a,27b,27cを用いた各種の演出表示が行われる。サブ制御基板220で行われる処理の詳細については、後ほど詳しく説明する。
主制御基板200のCPU201は、以上のようにして、特別図柄の変動パターンと停止図柄とを決定し、変動パターン指定コマンド、特別図柄停止情報指定コマンドをサブ制御基板220に向けて出力したら、図11に示した特別図柄遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
以上、特別図柄が変動表示していない場合(すなわち、図11のS322:noの場合)に、特別図柄遊技処理で行われる詳細な処理について説明した。一方、特別図柄が変動中に、図11の特別図柄遊技処理が開始された場合は、最初に行うS322の判断で、特別図柄が変動中であると判断される(S322:yes)。この場合は、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S348)。すなわち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S348:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図9に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S348:yes)、特別図柄を停止表示させることを示すコマンド(図柄停止コマンド)をサブ制御基板220に向かって出力する(S350)とともに、図柄表示装置28で変動表示されている特別図柄を、予め設定しておいた図柄で停止表示させる(S352)。次いで、特別図柄を停止表示させる時間(停止表示時間)を設定した後(S354)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S356)。そして、表示時間が経過していなければ(S356:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図9に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S356:yes)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(図12のS358)。ここで、条件装置を作動させることとなる図柄とは、図7に示した通常当り図柄または確変当り図柄の何れかの図柄(すなわち、当り図柄)である。図12のS358では、図柄表示装置28で停止表示された特別図柄が、これら当り図柄であるか否かを判断する。
停止表示された図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合は(S358:yes)、大入賞口の開口時間(大入賞口開口時間)、および役物連続作動装置の連続作動回数を設定する(S359)。本実施例では、大入賞口の開口時間(大入賞口開口時間)は約26秒間、連続作動回数は15回に設定される。
こうして、大入賞口の開口時間および連続作動回数を設定した後、条件装置および役物連続作動装置を作動させる(S360)。ここで条件装置とは、後述する役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が前述した「確変当り図柄」または「通常当り図柄」の何れかで停止表示されると作動を開始して大入賞口31dを開口状態とする装置である。また、役物連続作動装置とは、一旦閉鎖された大入賞口31dを再び開口させる装置である。詳細には後述するが、こうして条件装置および役物連続作動装置を作動させることにより、特別図柄遊技処理を抜けて図9の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、特別遊技状態が開始されることになる。
また、本実施例の遊技機1では、条件装置および役物連続作動装置の作動時は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。尚、時短機能とは、図柄表示装置28および演出表示装置27で図柄が変動表示される時間を短縮する機能である。そこで、図12のS360において条件装置および役物連続作動装置を作動させたら、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S362)。そして、確変中であれば(S362:yes)、確変機能および時短機能が作動しているので、これらの機能を停止させる(S364,S366)。一方、現在の遊技状態が確変中ではなかった場合は(S362:no)、続いて、時短中か否かを確認し(S368)、時短中であった場合は(S368:yes)、時短機能を停止させる(S366)。また、本実施例の遊技機1では、時短機能が作動している場合は、始動口17(普通電動役物)の開口時間を延長する機能も働いているので、時短機能を停止したら(S366)、普通電動役物開口時間の延長機能も停止させた後(S368)、図11および図12に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図9の遊技制御処理に復帰する。一方、条件装置および役物連続作動装置を作動させたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S368:no)、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
以上、図柄表示装置28で停止表示された特別図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合(S358:yes)の処理について説明したが、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させる図柄でなかった場合は(S358:no)、次のような処理を行う。
まず、現在の遊技状態が時短中か否かを判断する(S374)。そして、時短中と判断された場合は(S374:yes)、時短中の特別図柄の変動回数を計数した後(S376)、変動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S378)。前述したように本実施例の遊技機1では、「確変当り」または「通常当り」の何れの場合にも特別遊技の終了後に時短状態が開始され、次の大当り遊技状態が発生するか、もしくは特別図柄が所定回数変動するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が時短中と判断された場合は(S374:yes)、特別図柄の変動回数を計数した後(S376)、変動回数の計数値が所定回数に達したか否かを判断するのである。そして、所定回数に達していれば(S378:yes)、時短機能を停止させ(S380)、続いて、普通電動役物開口時間の延長機能も停止させた後(S368)、図11および図12に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図9の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の変動回数が、未だ所定回数に達していなければ(S378:no)、時短状態を維持したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図9の遊技制御処理に復帰する。
図9に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。前述したように条件装置は、役物連続作動装置を作動させることにより、特別遊技状態を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、条件装置が作動中でなければ(S390:no)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップして、遊技制御処理の先頭に戻り、前述した賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
C−1−2.特別電動役物遊技処理 :
図20は、特別電動役物遊技処理の一部の流れを示すフローチャートである。また、図21は、特別電動役物遊技処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態が発生する。以下、図20および図21を参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる特別遊技状態と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。
図2を用いて前述したように、遊技盤の下方には大入賞口31dが設けられており、この大入賞口31dは通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、特別遊技が開始されると、大入賞口31dが開口状態となる。本明細書中で言う「特別電動役物」とは、大入賞口31dを開口状態とする装置である。大入賞口31dは他の入賞口に比べて大きく開口するため、大入賞口31dが開口状態になると、遊技球が高い確率で入球することになる。開口された大入賞口31dは、所定の開口時間が経過するか、あるいは所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開口状態となる。本明細書中で言う「役物連続作動装置」とは、大入賞口31dを再び開口状態とする装置である。また、大入賞口31dが開口してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら特別遊技状態が終了する。以下、上述した特別遊技を実行するために、主制御基板200のCPU201が行う特別電動役物遊技処理について、図20および図21を参照しながら説明する。
主制御基板200のCPU201は、特別電動役物遊技処理(S400)を開始すると先ず初めに、大入賞口31dが開口中か否かを判断する(S402)。大入賞口31dは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って特別遊技の開始直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっている。そこで、大入賞口は開口中ではないと判断して(S402:no)、特別電動役物の連続作動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S404)。前述したように特別電動役物とは、大入賞口31dを開口させる装置であり、特別遊技状態が発生すると特別電動役物が所定回数だけ作動して、所定回数のラウンドが繰り返されることになっている。このことに対応して、大入賞口31dが閉鎖されている場合は(S402:no)、特別電動役物の作動回数が所定回数に達したか否か、換言すれば、所定回数のラウンドが終了したか否かを判断する(S404)。
当然のことながら、特別遊技が開始された直後は、特別電動役物の作動回数が所定回数に達していないから(S404:no)、大入賞口の閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S406)。大入賞口の閉鎖時間とは、ラウンドとラウンドとの間で大入賞口31dが閉鎖状態となっている時間である。特別遊技が開始された直後は、大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、当然、大入賞口31dの閉鎖時間が経過していると判断され(S406:yes)、大入賞口31dを開口させた後(S408)、図20に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図9に示したように、賞球関連処理(S50)以降の一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。前述したように、図9に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図20に示した特別電動役物遊技処理も、約4msec毎に実行されることになる。そして、特別遊技が開始されて、図20の特別電動役物遊技処理が初めて実行された場合には、前述したようにS408において大入賞口31dを開口させて、そのまま処理を終了するが、約4msec後に2周目の処理を行う場合には、S402にて、大入賞口31dが開口中(S402:yes)と判断されることになる。
次いで、大入賞口31dの開口時間が所定時間に達したか否かを判断する(S410)。前述したように、特別遊技では、大入賞口31dが開口状態となるが、開口時間が所定時間に達するか、または大入賞口31dに所定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S410では大入賞口31dの開口時間が所定時間に達したか否かを判断する。そして、開口時間が所定時間に達していれば(S410:yes)、大入賞口31dを閉鎖した後(S414)、図20に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図9の遊技制御処理に復帰する。一方、開口時間が所定時間に達していない場合は(S410:no)、大入賞口31dに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S412)。そして、遊技球が規定数に達した場合は(S412:yes)、大入賞口31dを閉鎖する(S414)。これに対して、規定数に達していない場合は(S412:no)、大入賞口31dの開口時間が未だ所定時間に達しておらず、しかも大入賞口31dに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、大入賞口31dを開口させたまま、図20に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図9の遊技制御処理に復帰する。
図9の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dの開口時間が所定時間に達するか(図20のS410:yes)、もしくは大入賞口31dに規定数数の遊技球が入球して(S412:yes)、大入賞口31dが閉鎖される(S414)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。そして、次に特別電動役物遊技処理が実行された時には、S402において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S402:no)、所定回数のラウンドが終了したか否かが判断され(S404)、全てのラウンドが終了していなければ(S404:no)、大入賞口の閉鎖時間が所定時間に達したことを確認した後(S406:yes)、再び大入賞口31dを開口状態として新たなラウンドを開始する(S408)。一方、S404において、所定回数のラウンドが終了したと判断された場合は(S404:yes)、特別遊技状態を終了させるべく、条件装置および役物連続作動装置の作動を停止する(S416)。
以上のようにして特別遊技が終了したら、条件装置を作動させることとなった特別図柄が「確変当り図柄」または「通常当り図柄」のいずれであったかを判断する(図21のS418)。そして、「確変当り図柄」によるものであった場合は(S418:yes)、確変機能の作動を開始した後(S420)、時短機能および普通電動役物の開口時間延長機能の作動を開始して(S422、S424)、図20および図21に示す特別電動役物遊技処理を終了する。一方、条件装置を作動させることとなった特別図柄が「確変当り図柄」では無いと判断された場合は(S418:no)、条件装置は「通常当り図柄」によって作動したことになる。そこで、確変機能の作動を開始する処理(S420)はスキップして、時短機能の作動を開始し(S422)、続いて普通電動役物開口時間延長機能の作動を開始した後(S424)、図20および図21に示す特別電動役物遊技処理を終了して、図9の遊技制御処理に復帰する。尚、特別図柄が確変当り図柄であった場合に、確変機能の作動を開始する処理は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、特別電動役物遊技処理を行う中で実行されている。従って、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、本発明の「確変遊技開始手段」の一態様を構成するものとなっている。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させる。そして、遊技制御処理中の特別図柄遊技処理の中で特別図柄の当否判定が行われ(図11のS328ないしS332)、当否判定結果が「当り」であった場合には、条件装置および役物連続作動装置が作動して(図12のS360)、特別遊技状態が開始される。また、遊技制御処理中で行われる特別電動役物遊技処理(図20および図21)においては、所定の態様で特別遊技を行い、特別遊技の終了後は、当り態様に応じて、確変機能、普通電動役物の開口時間延長機能、時短機能を作動させる処理が行われる。また、主制御基板200のCPU201は、このような処理を行う中で、当別図柄の変動パターン指定コマンドや、特別図柄停止情報指定コマンド、図柄停止コマンドなどの各種コマンドを、サブ制御基板220に向かって出力する。
サブ制御基板220では、主制御基板200から受け取ったコマンドに基づいて、演出内容を決定した後、演出制御基板230に対して制御コマンドを出力することにより、演出表示装置27上で行われる演出内容を制御している。こうして行われる演出の中には、キャラクタ図柄27a,27b,27cを変動表示させた後、特別図柄に応じた図柄の組合せで停止表示させる演出や、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で停止表示する態様(すなわち、当りの態様)で短時間だけ停止表示させた後、当りの態様を保ったまま変動表示を再開して、何れかの当りの態様で停止表示させる演出も存在している。こうした再変動表示と呼ばれる演出は、遊技者の興趣を高めることを期待して行われるものである。しかし、前述したように、実際には、再変動表示を行っても遊技者の興趣を高めることは困難であった。こうした点に鑑みて、本実施例の遊技機1では、サブ制御基板220において以下のような演出制御処理により再変動表示を行うことで、遊技者の興趣を高めることを可能としている。以下では、このような演出制御処理について詳しく説明する。
D.演出制御処理 :
図22は、本実施例のサブ制御基板220が演出の制御を行うために実行する演出制御処理の流れを示すフローチャートである。図示されているように、演出制御処理では、先ず初めに、主制御基板200から特別図柄の変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1002)。図11を用いて前述したように、主制御基板200のCPU201は、特別図柄遊技処理の中で特別図柄の変動パターンを決定した後、決定した変動パターンを指定するコマンド(特別図柄の変動パターン指定コマンド)を、サブ制御基板220に向かって出力している(図11のS344)。演出制御処理では、先ず初めに、主制御基板200から出力された変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判断する。そして、変動パターン指定コマンドを未だ受信していないと判断された場合は(図22のS1002:no)、コマンドを監視しながら待機状態となり、変動パターン指定コマンドを受信したことが確認されたら(S1002:yes)、受信したコマンドを、演出制御基板230に転送するとともに(S1004)、変動時間の計測を開始する(S1006)。
次いで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から特別図柄停止情報指定コマンドを受信したか否かを判断する(S1008)。図11を用いて前述したように、主制御基板200は特別図柄の変動パターン指定コマンドを出力すると、直ぐに続いて、特別図柄停止情報指定コマンドも出力するので、サブ制御基板220のCPU221は、特別図柄変動パターン指定コマンドを受信すると、やがて特別図柄の停止情報指定コマンドも受信することができる。
そして、特別図柄停止情報指定コマンドを受信したと判断したら(S1008:yes)、今度は、大当りか否かを判断する(S1010)。すなわち、図7を用いて前述したように特別図柄は、「通常当り」、「確変当り」、または「外れ」の何れかの当否判定結果に対応している。そして、特別図柄の停止図柄が何れの図柄であるかは、特別図柄停止情報指定コマンドによって指定されているので、指定された停止図柄が、当り図柄に該当するか否かを判断するのである。そして、当り図柄には該当していないと判断された場合、すなわち当否判定結果が「外れ」の場合は(S1010:no)、演出表示装置27上で停止表示させるキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せを、外れの態様の組合せで決定する(S1026)。
外れ態様のキャラクタ図柄27a,27b,27cの図柄組合せを決定するに際しては、主制御基板200から受け取った特別図柄変動パターン指定コマンドに基づいて、適切な演出内容を設定する。すなわち、特別図柄の当否判定結果が外れの場合は、図18および図19に示したように、「パターン特1」ないし「パターン特12」の12種類の変動パターンの中から何れかのパターンが選択されて、サブ制御基板220に出力される。そして、これら変動パターンの中で、変動時間が長めのパターン、具体的には「パターン特7」ないし「パターン特12」の6種類の変動パターンを受け取った場合は、リーチ演出を経て外れが確定する演出を行うものと判断して、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの中の2つが同じ図柄となるように、図柄組合せを決定する。それ以外の変動パターンを受け取った場合は、リーチ演出を経ることなく外れが確定する演出を行うものと判断して、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、全て異なる図柄となるように決定する。こうして外れ態様のキャラクタ図柄27a,27b,27cの図柄組合せを決定したら、決定した図柄組合せを指定するコマンド(停止図柄指定コマンド)を、演出制御基板230に出力する(S1028)。
演出制御基板230では、前述のS1004(図22)においてサブ制御基板220から転送された特別図柄変動パターン指定コマンドを既に受け取っており、次いで、S1028においてサブ制御基板220から出力された停止図柄指定コマンドを受け取ると、これらのコマンドを全て正しく受信できたか否かについて、所定の方法によって確認する。確認の方法としては種々の方法を適用することができるが、例えば、演出制御基板230側でこれらコマンドのチェックサム値を算出するとともに、サブ制御基板220からもチェックサム値を演出制御基板230に向かって送信する。そして、これらの値が一致していれば、正しくコマンドが受信されているものと判断しても良い。演出制御基板230は、このような方法によって、正常に受信されていることを確認した後、演出表示装置27の液晶画面上に表示された3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動表示を開始する。この結果、図柄表示装置28で特別図柄の外れ変動表示が開始されるのと略同時に、演出表示装置27ではキャラクタ図柄27a,27b,27cの外れ変動表示が開始される。
サブ制御基板220では、こうして外れの停止図柄指定コマンドを出力して、演出表示装置27での変動表示を開始させた後、続いて、外れの演出についての詳細な内容(例えば、どのようなリーチ演出にするか等)を設定する(S1030)。外れ演出の詳細な内容を設定するに際しても、主制御基板200から受け取った特別図柄変動パターン指定コマンドに基づいて、適切な内容が設定されることは言うまでもない。設定された詳細な内容は、適宜、演出制御基板230に対してコマンドとして送信されて、演出表示装置27における演出に反映される。
一方、停止情報指定コマンドから、特別図柄の停止図柄が当り図柄に該当すると判断された場合、すなわち大当りが発生したと判断された場合は(S1010:yes)、演出表示装置27上で停止表示させるキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せを決定する(S1012)。当りの態様の図柄組合せを決定するに際しては、特別図柄の停止図柄が通常当り図柄か確変当り図柄であるかを判断して、通常当り図柄であれば、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが偶数の同じ図柄となるように決定し、特別図柄が確変当り図柄であれば、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが奇数の同じ図柄となるように決定する。
次いで、決定したキャラクタ図柄27a,27b,27cの図柄組合せを指定するコマンド(停止図柄指定コマンド)を、演出制御基板230に出力する(S1014)。すると、演出制御基板230では、前述した外れ態様の停止図柄指定コマンドを受け取った場合と同様に、先にサブ制御基板220から転送された特別図柄変動パターン指定コマンドと合わせて、停止図柄指定コマンドを全て正しく受信できたか否かについてを確認した後、正しく受信できたことが確認されてから、演出表示装置27上での3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動表示を開始する。この結果、図柄表示装置28で特別図柄の当り変動表示が開始されるのと略同時に、演出表示装置27ではキャラクタ図柄27a,27b,27cの外れ変動表示が開始される。
こうして、当りの停止図柄指定コマンドを演出制御基板230に向かって出力したら、サブ制御基板220のCPU221は、今度は、当りの演出内容を設定する処理(当り演出設定処理)を開始する(S1016)。図24は、特別図柄の当否判定結果が当りの場合に、当りの演出内容を設定する処理の流れを示すフローチャートである。
当り演出設定処理を開始すると、現在の再変動モードがモードAであるか否かを判断する(S1100)。詳細には後述するが、本実施例の遊技機1では、再変動表示の発生し易い状態と発生し難い状態とを切り換えて演出することが可能となっており、再変動表示の発生し難い状態を再変動モードAの状態と呼び、再変動表示の発生し易い状態を再変動モードBの状態と呼んでいる。当り演出設定処理を開始すると、先ず初めに、再変動モードが、再変動表示の発生し難いモードAに設定されているか否かを判断するのである。後述するように、再変動モードに設定するかはサブ制御基板220が行っていることから、サブ制御基板220は、現在の再変動モードが何れのモードに設定されているかは容易に判断することができる。そして、再変動モードAに設定されていると判断された場合は(S1100:yes)、再変動モードA用の演出テーブルを選択し(S1102)、現在の再変動モードが再変動モードAではないと判断された場合は(S1100:no)、再変動モードB用の演出テーブルを選択する(S1104)。
図25は、再変動モードA用の演出テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、演出テーブルには、特別図柄の当り態様が通常当りの場合と、確変当りの場合のそれぞれについて、再変動決定乱数に対して再変動表示の有無が設定されている。図25(a)に例示した再変動モードA用の演出テーブルでは、例えば、特別図柄の当り態様が確変当りの場合、階調値0〜205の範囲の再変動決定乱数に対しては、再変動表示「無し」が設定されており、階調値206〜255の範囲の再変動決定乱数に対しては、再変動表示「有り」が設定されている。尚、再変動決定乱数とは、再変動表示の有無を決定するために、サブ制御基板220内で発生させる乱数である。これに対して、特別図柄の当り態様が通常当りの場合は、階調値0〜255の範囲の再変動決定乱数に対して、再変動表示「無し」が設定されている。すなわち、図25(a)に例示した再変動モードA用の演出テーブルでは、当り態様が通常当りの場合には、とのような値の再変動決定乱数に対しても、再変動表示「無し」が設定されている。
図25(b)は、図25(a)に例示した再変動モードA用の演出テーブルに設定されている内容を、視覚的に表した説明図である。図25(b)では、当り態様が通常当りの場合と、確変当りの場合のそれぞれについて、再変動表示の発生有無の比率を大まかな面積比によって表している。図中で斜線を付した部分が再変動表示ありの比率であり、何も付していない部分が再変動表示なしの比率である。図25(b)を見れば直ちに理解できるように、再変動モードA用の演出テーブルでは、再変動表示「無し」の比率が再変動表示「あり」の比率に対して圧倒的に大きく、再変動表示「あり」は、当り態様が確変当りの場合に僅かな確率で発生するだけとなっている。
図26は、再変動モードB用の演出テーブルを概念的に示した説明図である。図26(a)に例示した再変動モードB用の演出テーブルでは、特別図柄の当り態様が通常当りの場合、階調値0〜255の範囲の再変動決定乱数に対して再変動表示「あり」が設定されている。これに対して、特別図柄の当り態様が通常当りの場合は、階調値0〜50の範囲の再変動決定乱数に対して、再変動表示「あり」が設定されており、階調値51〜255の範囲の再変動決定乱数に対して再変動表示「あり」が設定されている。
図26(b)は、図26(a)に例示した再変動モードB用の演出テーブルに設定されている内容を、視覚的に表した説明図である。図26(b)では、当り態様が通常当りの場合と、確変当りの場合のそれぞれについて、再変動表示の発生有無の比率を大まかな面積比によって表している。図中で斜線を付した部分が再変動表示ありの比率であり、何も付していない部分が再変動表示なしの比率である。図26(b)を見れば直ちに理解できるように、再変動モードB用の演出テーブルでは、再変動表示「あり」の比率が再変動表示「なし」の比率に対して圧倒的に大きく、再変動表示「なし」は、当り態様が確変当りの場合に、僅かな確率で発生するだけとなっている。
尚、本実施例の再変動モードAは再変動表示の発生確率の低い再変動モードであることから、本発明における「第1の再変動モード」に該当し、本実施例の再変動モードBは再変動表示の発生確率の高い再変動モードであることから、本発明における「第2の再変動モード」に該当している。また、これら再変動モードA用、あるいは再変動モードB用の演出テーブルは、サブ制御基板220に搭載されたROM222にあらかじめ設定されている。従って、本実施例におけるサブ制御基板220のROM222は、本発明の「再変動モード記憶手段」の一態様を構成するものとなっている。
以上のようにして、設定されている再変動モードに応じて適切な演出テーブルを選択したら、選択した演出テーブルを参照して、再変動表示を行うか否かを決定する(S1106)。再変動表示の有無を決定するに際しては、先ず、再変動決定乱数を発生させ、次いで、演出テーブルを参照する。そして、その再変動決定乱数に対して、再変動表示「あり」が設定されていれば、再変動表示を行うものと決定し、逆に再変動表示「無し」が設定されていれば、再変動表示は行わないものと決定する。このときに参照する演出テーブルが、図25に示した再変動モードA用の演出テーブルであった場合には、ほとんどの場合が再変動表示を行わないものと決定され、再変動表示を行うものと決定されるのは、当否判定結果が確変当りの場合の稀な場合だけとなる。これに対して、参照する演出テーブルが、図26に示した再変動モードB用の演出テーブルであった場合には、ほとんどの場合が再変動表示を行うものと決定され、再変動表示を行わないものと決定されるのは、当否判定結果が確変当りの場合における一部の場合に限られる。
尚、選択された再変動モードに従って再変動表示を行うか否かを決定する処理は、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が、当り演出設定処理を実行する中で行われている。従って、本実施例におけるサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「再変動決定手段」の一態様を構成している。
次いで、再変動表示を行うものと決定されたか否かを判断し(S1108)、再変動表示を行う場合は(S1108:yes)、仮停止図柄と仮停止タイミングとを決定する(S1110、S1112)。ここで仮停止図柄とは、再変動表示を行う際に、一時的に停止表示させるキャラクタ図柄27a,27b,27cである。再変動表示とは、キャラクタ図柄27a,27b,27cを一旦当り態様で仮停止させた後、(多くの場合は当り態様を保ったままの状態で)変動表示を再開させる演出であるから、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは同じ図柄で仮停止される。従って、S1110では、仮停止図柄として1種類のキャラクタ図柄を決定すればよい。尚、再変動表示を行うこととして仮停止図柄を決定した場合は、先に、図22のS1012で決定されている停止図柄は、仮停止後の再変動表示再開後に停止表示される図柄、いわゆる確定停止図柄となる。また、本実施例の遊技機1では、再変動表示に際しては、通常当りに対応する図柄(すなわち、偶数の図柄)で仮停止させており、従って、S1110では偶数を表すキャラクタ図柄が仮停止図柄として決定される。
更に、再変動表示を行う場合は、特別図柄が変動表示している間にキャラクタ図柄を仮停止させ、変動表示を再開させた後、特別図柄の停止表示に合わせてキャラクタ図柄も停止表示させる必要がある。従って、再変動表示を行う場合には、仮停止させるキャラクタ図柄を決めるだけでなく、仮停止させるタイミングを決定しておく必要がある。サブ制御基板220は、主制御基板200から受け取った変動パターン指定コマンドに基づいて、特別図柄の変動時間を知ることができるから、その変動時間の範囲内で適切なタイミングで仮停止するように、仮停止のタイミングを決定しておけばよい。S1112では、このようにして、主制御基板200から受け取った特別図柄の変動パターンに基づいて、仮停止タイミングを決定する処理を行う。こうして仮停止図柄と仮停止タイミングとを決定したら、これらに基づいて、再変動表示を行う場合の詳細な演出内容(すなわち、仮停止までの間、および仮停止後に変動表示を再開してからの詳細な演出内容)を設定する。設定された詳細な内容は、適宜、演出制御基板230に対してコマンドとして送信されて、演出表示装置27における演出に反映される。
これに対して、再変動表示を行わないものと判断されていた場合は(S1108:no)、仮停止図柄や仮停止タイミングを決定する処理は不要である。従って、再変動表示無しの場合の詳細な演出内容を設定する。この詳細な内容を設定するに際しては、主制御基板200から受け取った特別図柄変動パターン指定コマンドに基づいて設定されることは言うまでもない。
こうして、再変動表示を行う場合には(S1108:yes)、仮停止させるキャラクタ図柄27a,27b,27cおよび仮停止タイミング、更には詳細な演出内容を設定し(S1114)、再変動表示を行わない場合には(S1108:no)、再変動表示無しの場合の詳細な演出内容を設定した後(S1116)、図24に示した当り演出設定処理を終了して、図22の演出制御処理に復帰する。
図23に示されるように、演出制御処理では、当り演出設定処理から復帰すると、再変動表示を行うか否かを判断する(S1018)。すなわち、図24を用いて前述した当り演出設定処理では、図25または図26の演出テーブルを参照して再変動表示を行うか否かについて決定しており、当り演出設定処理から復帰すると、再変動表示を行うことになっているか否かを判断するのである。そして、再変動表示を行うことになっている場合は(S1018:yes)、仮停止図柄指定コマンドを演出制御基板230に向かって出力する(S1020)。ここで、仮停止図柄指定コマンドとは、再変動表示を行うために一旦、仮停止させるキャラクタ図柄27a,27b,27cを、何れの図柄とするかを指定するコマンドである。仮停止させるキャラクタ図柄27a,27b,27cは、前述した当り演出設定処理において予め決定されており(図24のS1110)、図23では、このキャラクタ図柄の停止図柄を指定するコマンドを、演出制御基板230に向かって出力する。
次いで、仮停止タイミングになったか否かを判断する(S1022)。すなわち、演出制御処理では、主制御基板200から特別図柄の変動パターン指定コマンドを受信すると、そのコマンドを演出制御基板230に転送して(S1004)、変動時間の計測を開始する(S1006)。そして、計測している変動時間が、図24の当り演出設定処理中で、再変動表示を行うものと決定した場合に設定した仮停止タイミングに達したか否かを判断するのである。その結果、未だ仮停止のタイミングになっていないと判断された場合は(S1022:no)、仮停止タイミングに達したか否かを監視しながら待機状態となる。そして、仮停止タイミングに達したら(S1022:yes)、演出制御基板230に向かって仮停止コマンドを出力する。ここで、仮停止コマンドとは、演出表示装置27で変動表示されているキャラクタ図柄27a,27b,27cを所定の短時間(例えば、1秒間)だけ仮停止させた後、変動表示を再開させるために出力されるコマンドである。演出制御基板230では、仮停止コマンドを受け取ると、変動表示しているキャラクタ図柄27a,27b,27cを仮停止図柄指定コマンドによって指定された停止図柄で仮停止させ、所定の仮停止時間(例えば、1秒間)が経過すると再び変動表示させる処理を行う。尚、再変動表示を行うために、仮停止図柄指定コマンドや仮停止コマンドを演出制御基板230に向かって出力する処理は、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が演出制御処理を実行する中で行われている。従って、本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「再変動表示手段」の一態様を構成するものとなっている。
以上は、S1018において、再変動表示を行うことになっていると判断された場合(S1018:yes)の処理について説明した。もちろん、再変動表示を行わないことになっていると判断された場合は(S1018:no)、仮停止図柄指定コマンドを出力する処理や、仮停止コマンドを出力する処理はスキップすればよい。再変動表示を行わない場合は、主制御基板200からの特別図柄変動パターン指定コマンドと、サブ制御基板220からの停止図柄指定コマンドとが演出制御基板230に供給され、演出制御基板230がこれらコマンドを正常に受信したことを確認すると、演出表示装置27上で変動表示が開始され、その後も演出表示装置27では、図24に示した当り演出設定処理中で設定された詳細な演出内容に従って、再変動表示無しの当り態様の演出が行われている。
次いで、サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200から図柄停止コマンドを受け取ったか否かを判断する(S1032)。未だ、図柄停止コマンドを受け取っていなければ(S1032:no)、コマンドを受け取ったか否かを監視しながら待機状態となる。そして、図柄停止コマンドを受け取ったら(S1032:yes)、受け取った図柄停止コマンドを演出制御基板230に転送する(S1034)。演出制御基板230では、図柄停止コマンドを受け取ると、演出表示装置27上で変動表示されているキャラクタ図柄27a,27b,27cを、停止図柄指定コマンドによって指定された停止図柄で停止表示させる。その結果、例えば特別図柄の当否判定結果が外れの場合は、外れ態様の図柄組合せで停止表示され、当否判定結果が当りの場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で揃った状態で停止表示される。また、再変動表示が行われて、一旦、仮停止された後、再び変動表示されていた場合も、特別図柄の当否判定結果に応じた当り態様の図柄で、すなわち、通常当りであれば偶数のゾロ目で、確変当りであれば奇数のゾロ目で、キャラクタ図柄27a,27b,27cが停止表示される。
こうして、図柄停止コマンドを演出制御基板230に転送して、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cを停止表示させたら、今度は、大当り遊技が発生したか否かを判断する(S1036)。大当り遊技が発生したか否かは、停止表示させたキャラクタ図柄27a,27b,27cによって判断することができるし、あるいは主制御基板200から送られてくるコマンドに従って判断することも可能である。そして、大当り遊技が発生したと判断された場合は(S1036:yes)、大当り関連コマンドを演出制御基板230に向かって出力する処理を行う(S1038)。大当り関連コマンドとは、大当り遊技の開始を表す演出のコマンド(いわゆるファンファーレコマンド)や、ラウンドの開始や終了を演出するコマンド、更には現在のラウンド数を示すコマンドなど、大当り遊技中に演出表示装置27で種々の演出を行うためのコマンドである。これら大当り関連コマンドの中には、主制御基板200から出力されたものをそのまま演出制御基板230に転送するコマンドや、サブ制御基板220が発生して演出制御基板230に出力するコマンドなどが存在している。もちろん、大当り遊技が発生していないと判断された場合は(S1036:no)、大当り関連コマンドを出力する処理はスキップすればよい。
次いで、次回以降の特別図柄遊技(特別図柄およびキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動時表示)における再変動モードを、モードAあるいはモードBの何れかに設定する処理(再変動モード設定処理)を行う(S1040)。
図27は、再変動モードを設定する処理の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、先に行われた特別図柄およびキャラクタ図柄27a,27b,27cの図柄変動によって大当り遊技が発生したときは、その大当り遊技の終了後に行われ、大当り遊技が発生しなかったときは、特別図柄およびキャラクタ図柄27a,27b,27cの停止表示後に行われる処理である。
再変動モード設定処理を開始すると、先ず、処理の直前に確変当り遊技(確変当りによる大当り遊技)が行われていたか否かを判断する(S1200)。図22を用いて前述したように、サブ制御基板220は、主制御基板200から特別図柄停止情報指定コマンドを受け取っており、かかるコマンドから、確変当り遊技が行われていたか否かを容易に判断することができる。そして、確変当り遊技が行われていた場合は(S1200:yes)、再変動モードをモードBに設定する(S1202)。図26を用いて前述したように、再変動モードBは再変動表示が発生し易いモードである。従って、確変当り遊技の終了後は、再変動表示が頻繁に発生するようになる。
これに対して、確変当り遊技が行われていたのではないと判断された場合は(S1200:no)、通常当り遊技(通常当りによる大当り遊技)が行われていたか否かを判断する(S1204)。そして、通常当り遊技が行われていたと判断された場合は(S1204:yes)、再変動モードをモードAに設定する(S1206)。図25を用いて前述したように、再変動モードAは再変動表示が稀にしか発生しないモードである。ここで、上述のS1202,S1206、および後述のS1212で再変動モードをモードAまたはモードBのいずれかに設定するサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「再変動モード選択手段」の一態様を構成している。
以上のようにS1202の処理又はS1206の処理で再変動モードをモードAまたはモードBの何れかに設定したら、この設定した再変動モードに応じた演出モード指定コマンドを演出制御基板230に出力する(S1211)。すなわち、本実施例の遊技機1では、再変動モードがモードAに設定されている場合と、モードBに設定されている場合とで、演出表示装置27上の表示態様が切り換わるようになっており、次回以降の特別図柄遊技における演出表示装置27上の表示態様を、設定されている再変動モードに応じた表示態様とするためのコマンドを出力するのである。
尚、本実施例の遊技機1では、演出表示装置27に表示されている背景図柄27dを切り換えることによって、現在の再変動モードを報知するようになっている。もちろん、再変動モードを報知する態様はこれに限られるものではなく、例えば、設定されている再変動モードの名称を演出表示装置27の液晶画面上に表示するようにしてもよい。遊技者は、背景図柄27dを確認することにより、あるいは演出表示装置27の液晶画面上の表示を確認することにより、現在の再変動モードが、再変動表示の発生し易いモードにあるのか、再変動表示の発生し難いモードにあるのかを認識することが可能となっている。このように、サブ制御基板220のCPU221が再変動モードに応じた演出モード指定コマンドを演出制御基板230に出力すると、その演出モード指定コマンドに基づいて演出制御基板230が再変動モードに応じた表示(報知)を演出表示装置27上で行うことから、サブ制御基板220(CPU221)、演出制御基板230および演出表示装置27は、本発明の「再変動モード報知手段」の一態様を構成している。
こうして再変動モードに応じた演出モード指定コマンドを出力して、現在の状態が再変動表示の発生し易いモードまたは発生し難いモードの何れであるかを遊技者に報知したら、図27の再変動モード設定処理を終了して図23に示す演出制御処理に復帰し、この演出制御処理を一旦終了する。その後は、先頭(図22のS1002)に戻って、主制御基板200から特別図柄の変動パターン指定コマンドが送られてくるまで待機状態となる。図25および図26を用いて前述したように、再変動モードAは再変動表示が発生し難いモードであり、再変動モードBは再変動表示が発生し易いモードである。従って、確変当りが発生した場合には、それ以降は再変動表示が頻繁に発生するようになり、通常当りが発生した場合には、それ以降は再変動表示が稀にしか発生しないように、発生頻度が切り換わることになる。
一方、図27のS1204の処理において通常当り遊技も行われていなかったと判断された場合は(S1204:no)、特別図柄およびキャラクタ図柄27a,27b,27cは、外れ図柄で停止表示されていたことになる。このような場合は、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S1208)。そして、確変中であった場合は(S1208:yes)、図27に示す再変動モード設定処理を終了して、図22および図23に示した演出制御処理に復帰する。上述したように、確変当り遊技が行われた後は、再変動モードはモードBにされることから、現在の遊技状態が確変中と判断された場合は(S1208:yes)、再変動モードはモードBに設定されている。従って、再変動モード設定処理では、確変中は再変動モードがモードBに維持されることになる。
これに対して、現在の遊技状態が確変中ではないと判断された場合(S1208:no)、すなわち、確変中ではないときに特別図柄およびキャラクタ図柄27a,27b,27cの図柄変動が行われて、外れ図柄で停止表示された場合には、再変動モードを切り換えるための所定の切換条件が成立したか否かを判断する(S1210)。ここで、再変動モードの切換条件としては、種々の条件を設定しておくことができる。例えば、特別図柄の変動表示が外れで停止表示された回数を計数しておき、外れで停止表示された回数が所定回数に達すると、切換条件が成立したと判断することができる。あるいは、再変動モードを切り換えるか否かの抽選を行って、抽選に当選したら切換条件が成立したと判断することもできる。尚、遊技者は、再変動表示が稀にしか発生しないモードAよりも頻繁に発生するモードBの方を好む傾向があるから、モードBの時に抽選が行われてモードAに切り換わってしまったのでは、ガッカリして遊技に対する興味を冷ましてしまうおそれがある。このことから、再変動モードがモードAの時にだけ、抽選を行うようにしても良い。
そして、再変動モードの切換条件が成立していないと判断された場合は(S1210:no)、現在の再変動モードを維持したまま、図27の再変動モード設定処理を終了して、図22および図23に示した演出制御処理に復帰する。これに対して、再変動モードの切換条件が成立したと判断された場合は(S1210:yes)、再変動モードの切り換えを行う(S1212)。すなわち、現在の再変動モードがモードAであればモードBに切り換え、現在の再変動モードがモードBであればモードAに切り換える。そして、再変動モードを切り換えたら、その切り換え後の再変動モードに応じた演出モード指定コマンドを演出制御基板230に出力し(S1211)、図27の再変動モード設定処理を終了して、演出制御処理に復帰する。
尚、上述したように、特別図柄(およびキャラクタ図柄27a,27b,27c)が外れ図柄で停止表示された場合に、外れ図柄が停止表示された回数によって、あるいは抽選の結果によって、再変動モードを切り換えることとすると、確変中でないにも拘わらず再変動モードがモードBに設定されている状態が生じ得る。前述したように、再変動モードBは、再変動表示が頻繁に発生するモードであり、また確変中でない場合は、特別図柄が変動表示された場合でもなかなか当り図柄が停止表示されないから、非確変状態でありながら再変動表示モードがモードBに設定された状態が継続すると、再変動に対する遊技者の信頼が低下してしまい、たとえ再変動を開始しても遊技者の興趣を高めることが困難となってしまう。そこで、非確変中に再変動表示がモードBに設定された場合には、そのモードBを終了させる条件(例えば、特別図柄の変動表示回数、あるいは抽選に当選すること)を設定しておき、かかる条件が成立したときに再変動モードを切り換えるようにしてもよい。
以上のとおり、本実施例では、演出表示装置27での図柄変動の停止表示後(停止図柄が当り図柄であった場合には大当り遊技の終了後)、次回の特別図柄遊技(特別図柄およびキャラクタ図柄27a,27b,27cの変動表示)が開始されるまでの間に再変動モードを設定すると(図27のS1202,S1206,S1212)、直ちに演出モード指定コマンドを出力して(図27のS1211)、現在の再変動モードを遊技者に報知するものとしている。しかし、再変動モードを遊技者に報知するタイミングはこのようなタイミングに限らない。例えば、図柄変動の停止表示後(あるいは大当り遊技の終了後)に再変動モードを設定し、次回の図柄変動を開始する際に演出モード指定コマンドを出力して、遊技者に対して再変動モードを報知することとしても良い。
また、上述した実施例では、通常当り遊技が行われた後は(図27のS1204:yes)、再変動モードは必ずモードAに設定されるものとして説明した。しかし、これに限らず、通常当り遊技の終了後の再変動モードを、モードAまたはモードBの何れにするかを抽選によって決定することとしても良い。あるいは、通常当りとなった図柄変動回数を計数しておき、計数値が所定回数に達する毎に、再変動モードを切り換えるようにしても構わない。
本実施例の遊技機1では、以上に説明した演出制御処理を行うことによって再変動表示を行っている。こうして行われる再変動表示では、図25および図26に示されているように、再変動表示が発生し難いモード(再変動モードA)と、再変動表示が発生し易いモード(再変動モードB)との2種類のモードが設けられており、しかも、現在のモードが何れであるかを遊技者に報知するようになっている。このようにすることで、再変動表示を行うだけの、従来の遊技機では困難であった遊技者の興趣を高めることが可能となる。以下では、この点について説明する。
先ず、再変動表示が発生し易いモードBと発生し難いモードAとが設けられており、しかも現在のモードが何れのモードであるかを遊技者に報知するようになっている。このため、たとえば再変動表示が発生し易いモードBである場合に高い確率で再変動表示が発生したとしても、これは現在の再変動モードが、再変動表示が発生し易いモードBに設定されているための言わば一時的な現象であることが遊技者にも分かっているため、必ず再変動表示が行われる場合のように演出がマンネリ化するおそれが無い。尚、こうした効果は、再変動モードBで再変動表示が発生する確率が100%の確率に設定されている場合でも、同様に得ることができる。一方、再変動モードがモードAに設定されている場合には、稀にしか再変動表示が開始されることは無いが、遊技者は現在の再変動モードが再変動表示の発生し難いモードAに設定されていることが分かっているため、たとえ再変動表示が行われなかったとしても、遊技者が落胆して遊技に対する興趣を失ってしまうことが無い。逆に、現在の再変動モードが再変動表示の発生し難いモードAであることを遊技者に報知しておくことで、再変動表示が開始されたときの期待感が大きくなり、遊技者の興趣を高めることができる。
このように、本実施例の遊技機1では、再変動表示の発生し易いモードと発生し難いモードとを設けると共に、現在の再変動モードが何れのモードであるかを遊技者が分かるように報知している。従来の遊技機のように単に再変動表示を行うのとは異なり、再変動表示が発生し易いモードか、発生し難いモードかを報知することによって初めて、遊技者の興趣を確実に高めることが可能となるのである。
加えて、本実施例の遊技機1では、再変動表示のために仮停止するキャラクタ図柄27a,27b,27cは、通常当りの図柄組合せとしている。前述したように遊技者は、できれば確変当りの図柄組合せが停止表示されることを強く願って遊技を行うことが通常であるから、キャラクタ図柄27a,27b,27cが通常当りの図柄組合せ(偶数のゾロ目)で停止表示されると、大当り遊技が開始される喜びと、確変当りでなかった失望感とが相半ばした気持ちになるのが通常である。本実施例の遊技機1では、このような状態、すなわち通常当りで少し落胆した状態から、当り態様を保ったまま(ゾロ目の状態を保ったまま)変動表示を再開するので、遊技者は通常当りから確変当りに変更されるのではないかと期待して、遊技に対する興趣を大きく高めることが可能となる。
また、図25に示したように再変動モードAでは、特別図柄の当否判定結果が通常当りの場合には再変動表示が行われることは無く、特別図柄の当否判定結果が確変当りの場合にだけ、一定の確率で再変動表示が行われるようになっている。換言すれば、再変動モードAでは再変動表示は稀にしか発生しないものの、再変動表示が行われると、通常当りの状態から確変当りの状態に必ず変更されるようになっている。このため、再変動表示に対する信頼性が高くなり、その結果、再変動表示の発生確率が高い再変動モードBにおいても、再変動表示が開始されると当り態様が通常当りから確変当りに変更されるのではないかと期待して、遊技者を遊技に引き付けておくことが可能となる。
更に、本実施例の遊技機1では、確変当りが発生すると再変動モードが、再変動表示の発生し易いモードBに設定されることから、確変中は再変動モードBの状態となっている。一般に遊技者は、確変中はできれば確変当りに当選していつまでも確変状態を続けておきたいと強く願いながら遊技を行うものである。すなわち、未だ大当りが発生する前は、できれば確変当りであってくれればそれに越したことはないが、通常当りでも良いから大当りが発生して欲しいと思って遊技を行うのに対して、確変中は何としても再び確変当りを発生させて確変状態を続けることを強く願って遊技を行う。換言すれば、確変中は、非確変中に比べて当りの態様にこだわって遊技を行う傾向にある。再変動表示は当りの態様を変更する演出であることから、遊技者が当りの態様に強くこだわる確変中に再変動表示を行うことで、遊技者の興趣を大きく高めることが可能となる。
更に、本実施例の再変動モードBは、図26に示したように、当否判定結果が通常当りの場合には必ず再変動表示が行われる設定となっている。このため、確変中に再変動表示も行うことなくいきなり通常当りが確定してしまい、遊技者を大きく落胆させることを回避することが可能となっている。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
本実施例の遊技機の正面図である。 遊技盤の盤面構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された図柄表示装置の構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機に搭載された演出表示装置の画面構成を示す説明図である。 本実施例の遊技機における制御回路の構成を示したブロック図である。 普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。 演出表示装置上で行われる演出の一態様を例示した説明図である。 主制御基板に搭載されたCPUが遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。 普通電動役物停止処理の流れを示すフローチャートである。 遊技制御処理の中で行われる特別図柄遊技処理の一部を示したフローチャートである。 遊技制御処理の中で行われる特別図柄遊技処理の残りの部分を示したフローチャートである。 特別図柄遊技処理において特別図柄の当否判定を行うために参照する当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。 特別図柄の当否判定結果が当りの場合に当り態様を決定するために参照される当り態様判定テーブルを概念的に示した説明図である。 特別図柄遊技処理の中で特別図柄の変動パターンを設定する処理の流れを示すフローチャートである。 主制御基板に設定されている当り・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 当り・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 外れ・時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 外れ・非時短用の変動パターンテーブルを概念的に示した説明図である。 特別図柄遊技処理の中で行われる特別電動役物遊技処理の一部の流れを示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理の中で行われる特別電動役物遊技処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。 サブ制御基板が演出の制御を行うために実行する演出制御処理の前半部分の流れを示すフローチャートである。 サブ制御基板が演出の制御を行うために実行する演出制御処理の後半部分の流れを示すフローチャートである。 演出制御処理の中で特別図柄の当否判定結果が当りの場合に行われる当り演出設定処理の流れを示すフローチャートである。 再変動モードA用の演出テーブルを概念的に示した説明図である。 再変動モードB用の演出テーブルを概念的に示した説明図である。 再変動モードを設定する処理の流れを示したフローチャートである。
符号の説明
1…パチンコ機、 27…演出表示装置(表示図柄変動停止装置)、
27a,27b,27c…キャラクタ図柄(表示図柄)
200…主制御基板、 201…CPU(確変遊技開始手段)、
220…サブ制御基板、 221…CPU(再変動決定手段、再変動モード選択手段、再変動表示開始手段、再変動モード報知手段)、
222…ROM(再変動モード記憶手段)、 230…演出制御基板

Claims (5)

  1. 遊技中に所定の条件が成立すると抽選を行い、該抽選の結果が、通常当り、該通常当りよりも遊技者にとって有利な確変当り、または外れの何れであるかに応じて遊技状態を変化させる弾球遊技機において、
    前記抽選の結果を表す表示図柄の変動表示および停止表示を行う表示図柄変動停止装置と、
    前記表示図柄を、前記抽選の結果が当りであることを表す当り態様で暫定的に停止表示させた後、再び変動表示させて何れかの当り態様の図柄で停止表示させる再変動表示を、前記表示図柄変動停止装置を制御することにより実行する再変動表示手段と、
    前記再変動表示の発生確率が異なる第1の再変動モードおよび第2の再変動モードを記憶している再変動モード記憶手段と、
    遊技の進行中に、前記第1の再変動モードまたは前記第2の再変動モードの何れかを選択する再変動モード選択手段と、
    前記抽選で通常当りまたは確変当りの何れかに当選すると、該抽選の結果に対応する表示図柄の停止表示のために前記再変動表示を行うか否かを、選択されている前記再変動モードに従って決定する再変動決定手段と、
    選択されている前記再変動モードを報知する再変動モード報知手段と
    を備えることを特徴とする弾球遊技機。
  2. 請求項1に記載の弾球遊技機において、
    前記再変動表示手段は、前記抽選の結果が通常当りであることを表す図柄で、前記表示図柄を暫定的に停止表示させることを特徴とする弾球遊技機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の弾球遊技機において、
    前記再変動モード記憶手段は、
    前記再変動表示の発生確率が小さい方の再変動モードである前記第1の再変動モードについては、該再変動表示の発生確率を、前記抽選の結果が通常当りの場合と確変当りの場合とに分けて記憶しているとともに、全ての発生確率を、確変当りの場合の発生確率として記憶していることを特徴とする弾球遊技機。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の弾球遊技機において、
    前記抽選の結果が確変当りであった場合には、次回以降の抽選で通常当りまたは確変当りに当選する確率が所定の高確率値に設定された確変遊技を開始する確変遊技開始手段を備え、
    前記再変動モード選択手段は、前記確変遊技中は、前記再変動表示の発生確率が大きい方の再変動モードである前記第2の再変動モードを選択することを特徴とする弾球遊技機。
  5. 請求項4に記載の弾球遊技機において、
    前記再変動モード記憶手段は、前記第2の再変動モードとして、
    前記抽選の結果が通常当りの場合と確変当りの場合とに分けて再変動表示の発生確率が設定されているとともに、通常当りの場合の発生確率が100%に設定された再変動モードを記憶していることを特徴とする弾球遊技機。
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