JP2007021046A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小当り状態からも大当りが発生し得ることを活用して、新たな遊技性を備えた弾球遊技機を提供する。
【解決手段】 小当り図柄が停止表示された場合には、小当り状態を発生させ、小当り状態中に遊技球が特定領域を通過すれば、大当り状態を発生させる。また、こうして小当り状態を経由して発生させた大当り状態の終了後は、その小当り状態が、高確率状態(いわゆる確変状態)のときに発生したものである場合は、再び高確率状態に復帰させる。こうすれば、遊技者は、高確率中はできれば小当り状態を経由して大当り状態が発生することを強く願いながら遊技を行うことになり、このため、遊技機に新たな遊技性を付与することが可能となる。
【選択図】 図16
【解決手段】 小当り図柄が停止表示された場合には、小当り状態を発生させ、小当り状態中に遊技球が特定領域を通過すれば、大当り状態を発生させる。また、こうして小当り状態を経由して発生させた大当り状態の終了後は、その小当り状態が、高確率状態(いわゆる確変状態)のときに発生したものである場合は、再び高確率状態に復帰させる。こうすれば、遊技者は、高確率中はできれば小当り状態を経由して大当り状態が発生することを強く願いながら遊技を行うことになり、このため、遊技機に新たな遊技性を付与することが可能となる。
【選択図】 図16
Description
本発明は、遊技盤面に向けて遊技球を発射することによって遊技を行う弾球遊技機に関する。
弾球遊技機には、デジパチ機(若しくはセブン機)、羽根物、権利物など種々の機種が存在している。このうち、デジパチ機と呼ばれる機種の弾球遊技機では、遊技盤面上に始動口や、可変表示装置、大入賞口などが設けられており、遊技球が始動口に入球すると可変表示装置で識別図柄の変動表示が開始され、所定時間経過後に停止表示される。このときに停止表示された識別図柄が特定の図柄(大当り図柄)であった場合には、大入賞口が開放する大当り状態が開始されるように構成されている。大入賞口は、所定個数の遊技球が入球するか所定時間が経過すると一旦閉鎖されるが、大当り状態の終了条件が成立していなければ再び開放される。この開放および閉鎖の動作は、ラウンドと呼ばれ、所定回数を限度として、繰り返されるように構成されている。尚、このように大入賞口が連続して開放される遊技状態は、特別遊技状態あるいは大当り状態と呼ばれている。
もっとも、可変表示装置で大当り図柄が停止表示されることは稀であるため、識別図柄が変動表示されても、ほとんどの場合は大当り図柄ではない図柄(外れ図柄)が停止表示されこととなり、遊技が単調になりがちである。そこで、これを避けるために、可変表示装置が所定の小当り図柄で停止表示された場合には、小当り用の大入賞口を短時間だけ開放させ、開放中に所定条件が成立すれば、大当り状態を発生させる技術も提案されている(特許文献1)。
提案の技術によれば、大当り状態を発生させる方法として、可変表示装置で大当り図柄を停止表示させる方法に加えて、小当り図柄を表示させて小当り用の大入賞口を開放させ、開放中に所定条件を成立させる方法も取ることができるので、遊技に変化を与えることができ、延いては遊技が単調となることを避けることが可能である。
しかし、提案されている技術は、遊技が単調になることを回避してはいるものの、単に大当り状態を発生させる方法を増やしているに過ぎず、大当りの発生方法が複数存在することを有効に活用することで、遊技機に新たな遊技性を付与するものとは言い難いという問題があった。
本発明は、従来の技術における上述した課題を解決するためになされたものであり、小当り状態を経由しても大当り状態を発生可能であることを有効に活用して、弾球遊技機に新たな遊技性を付与する技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の弾球遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
遊技球の入球可能な始動口と、遊技球の入球し得る開放状態および入球困難な閉鎖状態とに切り換え可能な大入賞口とが遊技盤面上に設けられた弾球遊技機において、
前記始動口に遊技球が入球したことを契機として複数の識別図柄を変動表示させた後、所定の確変当り図柄、所定の通常当り図柄、所定の小当り図柄の何れかの当り図柄、若しくは、所定の外れ図柄で停止表示させる可変表示装置と、
前記可変表示装置で前記確変当り図柄または前記通常当り図柄が停止表示された場合に作動を開始して、前記大入賞口が所定の複数回開放状態となる大当り状態を発生させる大当り状態発生手段と、
前記可変表示装置で前記小当り図柄が停止表示された場合に作動を開始して、前記大入賞口が前記大当り状態よりも少ない所定回数だけ開放状態となる小当り状態を発生させる小当り状態発生手段と、
前記小当り状態で開放した大入賞口に入球した遊技球が、該大入賞口の内部と接続された特定領域を通過すると、前記大当り状態発生手段を作動させることにより、前記小当り図柄に起因した大当り状態である特別大当り状態を発生させる特別大当り状態発生手段と、
前記大当り状態を発生させることとなった識別図柄が前記確変当り図柄であった場合には、該大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を、通常の確率よりも高い確率状態に設定する高確率状態設定手段と、
前記高確率状態中に前記小当り状態を経由して前記特別大当り状態が発生した場合には、該特別大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を該高確率状態に復帰させる確率状態復帰手段と
を備えることを特徴とする。
遊技球の入球可能な始動口と、遊技球の入球し得る開放状態および入球困難な閉鎖状態とに切り換え可能な大入賞口とが遊技盤面上に設けられた弾球遊技機において、
前記始動口に遊技球が入球したことを契機として複数の識別図柄を変動表示させた後、所定の確変当り図柄、所定の通常当り図柄、所定の小当り図柄の何れかの当り図柄、若しくは、所定の外れ図柄で停止表示させる可変表示装置と、
前記可変表示装置で前記確変当り図柄または前記通常当り図柄が停止表示された場合に作動を開始して、前記大入賞口が所定の複数回開放状態となる大当り状態を発生させる大当り状態発生手段と、
前記可変表示装置で前記小当り図柄が停止表示された場合に作動を開始して、前記大入賞口が前記大当り状態よりも少ない所定回数だけ開放状態となる小当り状態を発生させる小当り状態発生手段と、
前記小当り状態で開放した大入賞口に入球した遊技球が、該大入賞口の内部と接続された特定領域を通過すると、前記大当り状態発生手段を作動させることにより、前記小当り図柄に起因した大当り状態である特別大当り状態を発生させる特別大当り状態発生手段と、
前記大当り状態を発生させることとなった識別図柄が前記確変当り図柄であった場合には、該大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を、通常の確率よりも高い確率状態に設定する高確率状態設定手段と、
前記高確率状態中に前記小当り状態を経由して前記特別大当り状態が発生した場合には、該特別大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を該高確率状態に復帰させる確率状態復帰手段と
を備えることを特徴とする。
かかる本発明の弾球遊技機においては、可変表示装置で所定の通常当り図柄または所定の確変当り図柄が停止表示された場合には、大入賞口が所定の複数回開放状態となる大当り状態が発生する。また、可変表示装置で所定の小当り図柄が停止表示された場合にも、所定の条件を満足すれば大当り状態が発生するようになっている。すなわち、小当り図柄が停止表示されると、大入賞口が大当り状態よりも少ない所定回数だけ開放状態となる小当り状態が発生する。ここで、小当り状態の発生時に大入賞口が開放状態となる回数は、たとえば1回とすることもできる。そして、小当り状態で開放した大入賞口に遊技球が入球して、その遊技球が、大入賞口の内部に設けられた特定領域を通過すると、大当り状態が発生する。ここでは、このような小当り図柄に起因した大当り状態を特別大当り状態と呼ぶ。また、大当り状態が確変当り図柄によって発生した場合には、その大当り状態の終了後、当り図柄が停止表示される確率が、通常の確率よりも高確率状態に設定される。そして、高確率状態中に特別大当り状態が発生した場合には、その特別大当り状態の終了後、当り図柄が停止表示される確率を再び高確率状態に復帰させる。
こうすれば、高確率状態の時に、小当り状態を経由した大当り状態(すなわち、特別大当り状態)が発生した場合には、その特別大当り状態の終了後は、必ず高確率状態に復帰するので、遊技者は、高確率状態中は特別大当り状態が発生することを強く願って遊技を行う。このため、大当り状態の発生形態として小当り状態を経由した発生形態を追加することに止まらず、弾球遊技機に新たな遊技性を付与することが可能となる。
かかる弾球遊技機においては、大当り状態を発生させることとなった識別図柄が通常当り図柄であった場合には、その大当り状態の終了後、当り図柄が停止表示される確率を、通常の確率状態に設定することとしてもよい。そして、通常の確率状態中に特別大当り状態が発生した場合には、その特別大当り状態の終了後、当り図柄が停止表示される確率を通常の確率状態に復帰させることとしてもよい。
こうすれば、通常の確率状態の時には、たとえ小当り状態を経由する大当り状態(特別大当り状態)が発生しても、その大当り状態の終了後は必ず通常の確率状態に復帰し、決して高確率状態になることはない。このため、通常の確率状態の時は、小当り状態を経由する大当り状態が発生して欲しいと願って遊技を行うことは無い。結局、同じように小当り状態を経由して大当り状態が発生する場合でも、高確率状態の時と、通常の確率状態の時とでは、遊技者に対する小当りの価値が大きく異なったものとなるので、遊技に変化を与えることができ、延いては、新たな遊技性を付与することが可能となる。
また、上述した遊技機においては、第1の大入賞口と、内部に前記特定領域を備える第2の大入賞口とを設けておき、小当り状態の発生時は第2の大入賞口を開放させ、大当り状態(または特別大当り状態)の発生時には、第1の大入賞口を開放させることとしてもよい。
こうすれば、小当り状態の時は、大当り状態の時とは異なる大入賞口が開放することになるので、遊技者は小当り状態が発生したことを明確に認識することができる。このため、本発明の弾球遊技機の有する新たな遊技性を、遊技者に、より強く印象付けることが可能となるので好ましい。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.振り分け装置の構成:
D.遊技機の制御内容:
D−1.特別図柄遊技処理:
D−2.特別電動役物遊技処理:
A.パチンコ機の装置構成:
A−1.装置前面側の構成:
A−2.遊技盤の構成:
A−3.制御回路の構成:
B.遊技の概要:
C.振り分け装置の構成:
D.遊技機の制御内容:
D−1.特別図柄遊技処理:
D−2.特別電動役物遊技処理:
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、遊技機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は、中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は、中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には、円形状の開口部4aが形成されている。この開口部4aにはガラス板等の透明板がはめ込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種ランプ類4b〜4fが設けられている。
前面枠4の下方には、上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側にはプリペイドカード式の球貸装置13(CRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図5参照)に供給される。また、皿外縁部5aには、遊技球の球貸スイッチ5b、返却スイッチ5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなど、各種のボタン類が設けられている。さらに、上皿部5の略中央部には複数の長孔とその上部に多数の小穴が形成された第1スピーカ5yが設けられている。更に、上皿部5の手前側(遊技者側)には、2つの操作スイッチSW1,SW2が設けられている。遊技者は、このスイッチを押すことによって、遊技中に遊技条件を変更するなど、遊技の進行に介入することが可能となっている。
下皿部6には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。また、下皿部6の下面の左右には、第2スピーカ6cが設けられている。
下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、また、遊技領域11の下方部分には変動入賞装置18が設けられ、そして、中央装置26と変動入賞装置18との間には始動口(普通電動役物)17が設けられている。始動口(普通電動役物)17は、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の始動口である。始動口17の内部には、遊技球の通過を検出する始動口(普通電動役物)スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物(始動口)ソレノイド17m(図5参照)とが備えられている。一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開口状態となり、一対の翼片部が直立すると、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
中央装置26のほぼ中央には、演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は、液晶画面を搭載しており、キャラクタ図柄や背景図柄などの種々の演出用図柄を変動停止表示することが可能となっている。演出表示装置27の画面上で表示される各種図柄については後述する。
中央装置26の左下には、図柄表示装置28が設けられている。詳細な構成については後述するが、図柄表示装置28では普通図柄や特別図柄などを変動停止表示することが可能となっている。
遊技領域11の左端および右端には、普通図柄作動ゲート36、37がそれぞれ設けられており、これらゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s、37sがそれぞれ設けられている。更に、左側の普通図柄作動ゲート36と中央装置26との間には左側のランプ風車24が設けられており、右側の普通図柄作動ゲート37と中央装置26との間には右側のランプ風車25が設けられている。これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
中央装置26の下方に設けられた変動入賞装置18には、ほぼ中央に大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開口する第2の大入賞口31eや、第2の大入賞口31eを開閉するための第2の大入賞口ソレノイド31n(図5参照)などから構成されている。第2の大入賞口31eは、後述する所定の条件が成立すると、1回だけ開放されるようになっている。また、第2の大入賞口31eの直ぐ下には、後述する振り分け装置38が設けられており、第2の大入賞口31eに遊技球が入球すると、振り分け装置38によって特定領域41aまたは非特定領域41bの何れかに振り分けられるようになっている。更に、中央装置26の右斜め下方には、第1の大入賞口31dが設けられており、この第1の大入賞口31dは第1の大入賞口ソレノイド31m(図5参照)によって開閉可能となっている。第1の大入賞口31dは、第2の大入賞口31eとは異なる所定の条件が成立すると、所定の態様で開口する動作を複数回繰り返すように構成されている。尚、第1の大入賞口31dが開口動作を繰り返す遊技状態は特別遊技状態と呼ばれている。一般的には、第1の大入賞口31dが開口状態になると、遊技球が高い確率で大入賞口31dに入球することとなるので、遊技者は多数の遊技球を獲得することが可能となる。
第1の大入賞口31dの内部には、大入賞口スイッチ31sが設けられており、第1の大入賞口31dに入球した遊技球を検出することが可能となっている。また、第2の大入賞口31eの直ぐ下には、後述する振り分け装置38が設けられており、入球した遊技球は、特定領域または非特定領域の何れかに振り分けられるようになっている。更に、特定領域に振り分けられた遊技球は、特定領域スイッチ41s(図5参照)によって検出されるようになっている。
遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
図3は、本実施例の遊技機1に搭載された図柄表示装置28の構成を示す説明図である。本実施例の図柄表示装置28は、大きくは、普通図柄表示部29と、特別図柄表示部30とから構成されている。普通図柄表示部29は、左普通図柄表示部29aと右普通図柄表示部29bとから構成されており、特別図柄表示部30は、左特別図柄表示部30aと右特別図柄表示部30bとから構成されている。2つの普通図柄表示部29a,29bは、発光ダイオード(LED)を用いて構成されており、左普通図柄表示部29aは赤色の光を点灯し、右普通図柄表示部29bは緑色の光を点灯することが可能となっている。また、特別図柄表示部30には、いわゆる7セグメントLEDが用いられており、このうちの7セグメント部分が左特別図柄表示部30aを構成し、コンマ部分が右特別図柄表示部30bを構成している。この7セグメント部分およびコンマ部分は、赤色、橙色、緑色のいずれかの光を点灯可能となっている。また、図柄表示装置28には、普通図柄保留表示部29c、および特別図柄保留表示部30cも設けられている。これらは、それぞれ4つのLEDで構成されている。このような構成を有する図柄表示装置28の表示内容については後述する。
図4は、本実施例の遊技機1に搭載された演出表示装置27の画面構成を示す説明図である。前述したように、演出表示装置27は、主に液晶表示画面を用いて構成されており、液晶画面上には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、その背景の背景図柄27dが表示されている。このうち、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cは、図3に示した特別図柄30の表示に合わせて種々の態様で変動表示され、遊技を演出することが可能となっている。演出表示装置27で行われる演出の内容については後述する。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、ランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、演出用図柄を用いた遊技の演出の制御を司る演出制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。また、図5中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図5では、主制御基板200に搭載されたCPU201やRAM202のみが図示されており、主制御基板200に搭載されているROMやPIO、サブ制御基板220などのその他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示が省略されている。
次に、本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。図5は、本実施例の遊技機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているように遊技機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板、中継端子板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御基板200と、ランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、演出用図柄を用いた遊技の演出の制御を司る演出制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。また、図5中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。尚、図5では、主制御基板200に搭載されたCPU201やRAM202のみが図示されており、主制御基板200に搭載されているROMやPIO、サブ制御基板220などのその他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM,ROMなどについては図示が省略されている。
図示されているように主制御基板200は、始動口スイッチ17sや、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36s,37s、特定領域スイッチ41sなどから遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御基板220や、演出制御基板230、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって、各種の動作を指令するコマンドを出力する。また、主制御基板200には、始動口17に設けられた一対の翼片部を開閉させるための普通電動役物ソレノイド17mや、第1の大入賞口31dを開閉させる第1の大入賞口ソレノイド31m、第2の大入賞口31eを開閉させる第2の大入賞口ソレノイド31n、更には、普通図柄や特別図柄の変動停止表示を行う図柄表示装置28などが中継端子板を介して接続されており、これら各種ソレノイド17m,31m、31nおよび図柄表示装置28に向かって信号を出力することにより、これら機器の動作制御も行っている。
サブ制御基板220は、主制御基板200からの各種コマンドを受け取ると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した演出表示装置27を制御する演出制御基板230や、各種のスピーカ5y、6cを駆動するアンプ基板224、装飾用の各種LEDやランプを駆動する装飾駆動基板226に、各種のコマンドや駆動信号を出力することにより、遊技の演出を行う。また、前述したように、上皿部5の前面側に設けられた操作スイッチSW1,SW2は、演出ボタン基板228を介してサブ制御基板220に接続されている。遊技者が操作スイッチSW1,SW2を操作すると、この操作信号がサブ制御基板220に供給され、サブ制御基板220は受け取った操作信号を、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に反映させることが可能となっている。
払出制御基板240は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が前述した上皿部5に設けられた球貸スイッチ5bや返却スイッチ5cを操作すると、この信号は、球貸表示基板242から中継端子板および払出制御基板240を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240とデータをやり取りしながら、貸球の払出を行う。また、主制御基板200が賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御基板240が受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。
B.遊技の概要 :
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。
次に、上述した構成を有する本実施例の遊技機1で行われる遊技の概要について簡単に説明しておく。
本実施例の遊技機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が上皿部5の凹部に遊技球を投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左右に設けられた普通図柄作動ゲート36,37の何れかを通過すると、図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。図3を用いて前述したように、図柄表示装置28には左普通図柄表示部28aと、右普通図柄表示部28bとが設けられている。左普通図柄表示部28aは赤色の光を点灯可能に構成されており、右普通図柄表示部28bは緑色の光を点灯可能に構成されている。普通図柄の変動表示が開始されると、左右の普通図柄表示部28a,28bが点滅表示を行う。
図6は、普通図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。変動表示中の普通図柄は、図示されている4つの状態を取ることができる。先ず、図6(a)に示した状態は、左普通図柄表示部29aが点灯して、右普通図柄表示部29bが消灯している状態を表している。図6(b)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも点灯した状態を表している。図6(c)は、左普通図柄表示部29aが消灯し、右普通図柄表示部29bが点灯した状態を表しており、図6(d)は、左普通図柄表示部29aおよび右普通図柄表示部29bがいずれも消灯した状態を表している。普通図柄の変動表示中は、これら4つの表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、そして、所定時間が経過すると、4つの表示状態のいずれかの状態で停止表示される。このとき、所定の表示状態で停止表示されると、いわゆる普通図柄の当りとなって、始動口17が所定時間(例えば0.5秒間)だけ開口状態となる。本実施例では、図6(c)に示した表示状態、すなわち、左普通図柄表示部29aが消灯して右普通図柄表示部29bが点灯している状態が、普通図柄の当りに設定されている。
尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36,37の何れかを通過した場合は、この遊技球の通過が保留数として蓄えられて、現在の普通図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。普通図柄の保留は最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている普通図柄の保留数は、普通図柄保留表示部29c(図3参照)に表示される。
次いで、開口状態となった始動口17に遊技球が入球すると、今度は、特別図柄の変動表示が開始される。特別図柄は、図3を用いて説明したように特別図柄表示部30によって表示される。尚、前述したように、本実施例の特別図柄表示部30は、7セグメントLEDからなる左特別図柄表示部30aと、コンマ部分の右特別図柄表示部30bから構成されており、これら左右の特別図柄表示部30a,30bは、赤色、橙色、緑色のいずれかで点灯可能となっている。
図7は、特別図柄が変動表示している様子を概念的に示した説明図である。特別図柄の変動表示中は、左特別図柄表示部30aでは、「A」、または「Y」のいずれかの図柄が表示され、右特別図柄表示部30bではコンマ「.」が表示される。また、左特別図柄表示部30aの「A」および「Y」、右特別図柄表示部30bのコンマ「.」は、赤色、橙色、緑色の3つの状態を取ることができる。本実施例の特別図柄表示部30では、これらの表示状態が組み合わされて、図7に示す12種類の状態を表示することが可能となっている。図中で7セグメントLEDあるいはコンマ部分に細かいハッチングが付されているのは、赤色の状態で点灯されていることを表している。また、少し粗いハッチングが付されているのは橙色の状態で点灯表示されていることを表しており、粗いハッチングが付されているのは緑色の状態で点灯表示されていることを表している。特別図柄の変動表示が開始されると、これら12種類の表示状態が速い速度で次々と切り換わる態様で表示され、所定時間が経過すると、いずれかの状態で停止表示される。
図7に示した12種類の表示態様の中で、赤色の「Y」と赤色の「コンマ」との組合せ(以下では、この組合せを「赤Y−赤点」と表すものとする)、および、橙色の「Y」と赤色の「コンマ」との組合せ(すなわち、「橙Y−赤点」)は、外れ図柄であり、残りの10種類の図柄の組合せが当り図柄となっている。
また、本実施例の遊技機1では、当り図柄には、「通常当り図柄」、「確変当り図柄」、「小当り図柄」の3つの類別が設定されており、10種類の当り図柄は、必ず何れかに分類されるようになっている。図7では、「通常当り図柄」を破線で囲って表しており、「確変当り図柄」を実線で囲って表している。また、「小当り図柄」は一点鎖線で囲って表している。尚、本実施例の遊技機1では、これらの当り図柄あるいは外れ図柄は、図柄表示装置28によって表示されている。従って、本実施例における図柄表示装置28は、本発明の「可変表示装置」の一態様を構成している。また、図柄表示装置28に表示される特別図柄は、本発明の「識別図柄」の一態様を構成するものとなっている。
図柄表示装置28で変動表示された特別図柄が、「通常当り図柄」または「確変当り図柄」の何れかの図柄で停止表示された場合には、いわゆる特別遊技状態(大当り状態)が開始され、第1の大入賞口31dが所定態様で開口する遊技状態(ラウンド)が、所定の複数回(本実施例では、16回)だけ繰り返されるようになっている。
尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合は、この遊技球の入球が特別図柄の保留数として蓄えられて、現在の特別図柄の変動表示が終了後に、変動表示が行われる。特別図柄の保留も最大4個まで蓄えることが可能となっており、蓄えられている特別図柄の保留数は、特別図柄保留表示部30c(図3参照)に表示される。
一方、変動表示された特別図柄が「小当り図柄」で停止表示された場合には、第2の大入賞口31eが、1.8秒以下の所定時間(例えば0.8秒間)、1回だけ開口する小当り状態となる。また、第2の大入賞口31eの直ぐ下には振り分け装置38が設けられており、入球した遊技球は振り分け装置38によって、特定領域41aまたは、非特定領域41bの何れかに振り分けられるようになっている。振り分け装置38の構成については後述するが、第2の大入賞口31eに入球した遊技球は、一定の確率(本実施例では、1/10の確率)で、特定領域41aに振り分けられる。そして、遊技球が特定領域41aに振り分けられた場合には、前述の特別遊技状態(大当り状態)が開始され、第1の大入賞口41dが所定態様で開口する遊技状態が、所定の回数だけ繰り返されるようになっている。尚、このように小当り状態を経由して大当り状態が発生する場合は、既に第2の大入賞口31eが1回だけ開口していることから、第1の大入賞口41dの開口回数は、「通常当り図柄」または「確変当り図柄」が停止されて直接開始された大当り状態の場合よりも1回だけ少ない回数(本実施例では15回)に設定されている。
このようにして大当り状態が開始され、第1の大入賞口31dが開口状態になると遊技球が入球し易くなるので、遊技者は、大当り状態終了までの間に多数の賞球を獲得することが可能となる。更に、大当り状態の終了後も、しばらくの期間は、始動口17の開口時間が延長されて遊技球が始動口17に入球し易くなるとともに、普通図柄および特別図柄の変動時間が短縮された状態(いわゆる時短状態)となる。加えて、当り図柄が「確変当り図柄」であった場合は、再び当り図柄が停止表示される確率が高い値に設定される。このように、当り図柄で停止表示される確率が高くなっている遊技状態は、確率変動状態(若しくは、確変状態)と呼ばれる。「通常当り図柄」あるいは「確変当り図柄」が停止表示されると、遊技者はたいへん有利に遊技を進めることができるので、これらの当り図柄が停止表示されることを強く願いながら遊技を行うことが通常である。尚、本実施例における確率変動状態(若しくは、確変状態)は、本発明の「高確率状態」の一態様を構成するものとなっている。
以上に説明したように、図柄表示装置28で変動表示された特別図柄が、何れの図柄で停止表示されるかは、遊技状態を大きく左右するものとなっている。もっとも、図7に示される12種類の特別図柄が、「通常当り図柄」、「確変当り図柄」、「小当り図柄」、あるいは「外れ図柄」の何れに該当するかの判別は、必ずしも容易ではない。そこで、上述した特別図柄の変動停止表示に合わせて、演出表示装置27においてもキャラクタ図柄27a、27b、27cを変動停止表示させる演出を行う。
図8は、演出表示装置27で行われる演出の一態様を例示した説明図である。図4を用いて前述したように、演出表示装置27を構成する液晶表示画面には、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cと、背景図柄27dが表示されている。前述した図柄表示装置28で特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置27においても、これら3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、キャラクタ図柄として「1」〜「9」までの9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
図8(a)には、背景画像27dが表示された画面上で、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示している様子が概念的に示されている。変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左キャラクタ図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右キャラクタ図柄27cが停止表示され、最後に中キャラクタ図柄27bが停止表示される。
これら演出表示装置27で停止表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した図柄表示装置28で停止表示される特別図柄の組合せと連動するように構成されている。たとえば、図柄表示装置28の特別図柄が「通常当り図柄」で停止する場合は、演出表示装置27の3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが、偶数を表す同じ図柄で停止表示され、「確変当り図柄」で停止する場合は、奇数を表す同じ図柄で停止表示される。一方、図柄表示装置28の特別図柄が「小当り図柄」で停止する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの中の2つの図柄のみが奇数の同じ図柄となる組合せで停止表示され、「外れ図柄」で停止する場合は、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cが同じ図柄で揃わない任意の組合せで停止表示されるか、3つの図柄の中の2つの図柄のみが偶数の同じ図柄で停止表示される。
このように、図柄表示装置28で表示される特別図柄と、演出表示装置27で表示される3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cとは、表示内容が互いに対応しており、それぞれの表示図柄が確定するタイミングも同じに設定されている。しかも、図2に示すように、図柄表示装置28よりも演出表示装置27の方が目に付き易い位置に設けられており、表示画面も大きく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の画面を見ながら遊技を行うことが通常である。従って、演出表示装置27の表示画面上で初めに停止表示される左キャラクタ図柄27aと、続いて停止表示される右キャラクタ図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後に停止表示される中キャラクタ図柄27bも同じ図柄で停止して、いわゆる大当り状態になるのではないかと、遊技者は図柄の変動を注視することになる。このように、2つのキャラクタ図柄を同じ図柄で停止した状態で、最後の図柄を変動表示させる演出は、リーチ演出と呼ばれており、リーチ演出を行うことで遊技者の興趣を高めることが可能となっている。
また、本実施例の遊技機1では、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの中で、何れか2つの図柄が、奇数の同じ図柄で揃えば小当り状態となるように設定されている。このため、たとえリーチ状態が発生しなかった場合でも、停止した図柄の中に奇数の図柄が含まれていれば、依然として小当り状態が発生する可能性は残っているので、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの全ての図柄が停止表示されるまで、遊技者の興味を引き付けておくことが可能となっている。
図9は、リーチ状態を経由せずに小当り状態が発生する様子を例示した説明図である。図9(a)では、左キャラクタ図柄27aが「7」を表す図柄で停止表示され、右キャラクタ図柄27cが「2」を表す図柄で停止表示され、リーチ状態とならないまま、中キャラクタ図柄27bが変動表示されている様子を表している。この時点で、通常当りまたは確変当りとはならないことは確定しているが、中キャラクタ図柄27bが奇数の図柄である「7」の図柄で停止表示されれば、小当り状態が発生する。図9(b)は、中キャラクタ図柄27bが「7」の図柄で停止表示されて、小当り状態となった様子が例示されている。
このように、本実施例の遊技機1では、3つキャラクタ図柄27a,27b,27cの中の2つの図柄が同じ奇数の図柄で揃うと小当り状態となるように設定されているので、図8(b)に示すように奇数の図柄でリーチ状態が発生すれば、たとえリーチが外れリーチで終わったとしても小当りは確定しているので、遊技者は、小当り状態から大当り状態が発生することを期待しながら遊技を続けることができる。また、図9(a)に示すように、たとえリーチ状態にさえならなかった場合でも、停止表示された図柄の中に奇数の図柄が含まれていれば、依然として小当り状態が発生する可能性は残っているので、小当り状態から大当り状態が発生することを期待しながら遊技を続けることができる。結局、遊技者は、大当り状態が発生するのではないかと、何時も期待しながら遊技を続けることができるので、遊技者の興趣を大きく盛り上げることが可能となっている。
加えて、小当り状態が発生しても、大当り状態に発展するためには、開口した第2の大入賞口31eに遊技球が入球し、その遊技球が第2の大入賞口31eの内部で、特定領域41aに振り分けられる必要がある。そして、特定領域41aに振り分けられる確率は比較的低い値(本実施例では1/10)に設定されているので、たとえ小当り状態が発生しても、簡単に大当り状態に発展することはない。このことは、「大当り図柄」(すなわち「通常当り図柄」または「確変当り図柄」)に比べて「小当り図柄」は高い確率で発生させることが可能であることを示している。このため、小当り状態を頻繁に発生させて、遊技者の興趣を強く引き付けることが可能となる。ここで、第2の大入賞口31eに入球した遊技球を、所定の確率となるように、特定領域41aまたは非特定領域41bに振り分けるための振り分け装置38の構成について説明しておく。
C.振り分け装置の構成 :
図10は、第2の大入賞口31eの内部に設けられた振り分け装置38を示した斜視図である。図示されているように、振り分け装置38は、略円板形状の回転体39と、回転体39の背面側に設けられた2本の遊技球通路40a,40bなどから構成されている。また、回転体39の外周面には、遊技球がちょうど入る大きさの2つの切り欠き部39a,39bが設けられている。これら切り欠き部39a,39bの中の一方の切り欠き部39aは比較的浅く形成されているが、もう一方の切り欠き部39bは、外周面から円板の中心に向かって深く切り欠かれた形状に形成されている。また、回転体39は、中心部分が図示しない駆動モータに接続されており、遊技中はゆっくりと回転するようになっている。
図10は、第2の大入賞口31eの内部に設けられた振り分け装置38を示した斜視図である。図示されているように、振り分け装置38は、略円板形状の回転体39と、回転体39の背面側に設けられた2本の遊技球通路40a,40bなどから構成されている。また、回転体39の外周面には、遊技球がちょうど入る大きさの2つの切り欠き部39a,39bが設けられている。これら切り欠き部39a,39bの中の一方の切り欠き部39aは比較的浅く形成されているが、もう一方の切り欠き部39bは、外周面から円板の中心に向かって深く切り欠かれた形状に形成されている。また、回転体39は、中心部分が図示しない駆動モータに接続されており、遊技中はゆっくりと回転するようになっている。
回転体39の背面側に設けられた2本の遊技球通路40a,40bの入り口は、回転体39の回転中心から半径方向に向かって異なる位置に設けられており、回転体39が回転すると、遊技球通路40aの入り口部分には深い方の切り欠き部39aが、また、遊技球通路40bの入り口部分には浅い方の切り欠き部39bが、それぞれ一致するようになっている。また、一方の遊技球通路40aの出口側は、特定領域スイッチ41sを介して特定領域41aに接続されており、他方の遊技球通路40bの出口側は、非特定領域41bに接続されている。
小当り状態が発生して第2の大入賞口31eが開口状態となり、この第2の大入賞口31eに遊技球が入球すると、回転体39の外周面に導かれて、回転体39に設けられた2つの切り欠き部39a,39bによって、特定領域41a,41bの何れかに振り分けられることになる。以下では、振り分け装置38が遊技球を振り分ける動作について説明する。
図11は、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が振り分け装置38によって、非特定領域41bに振り分けられる様子を概念的に示した説明図である。図11(a)は、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が回転体39の外周面に導かれた状態を表している。前述したように回転体39は駆動モータによって回転していることから、外周面に遊技球を載せたまま回転していく。図11中に示した太線の矢印は、回転体39が回転する方向を表している。また、図11(b)は、回転体39が外周面に遊技球を載せたまま回転する様子を概念的に表している。
回転体39が回転して、浅い方の切り欠き部39bが遊技球の位置に到達すると、外周面の遊技球は切り欠き部39bに収容された後、回転体39の回転に伴って切り欠き部39bとともに移動する。図11(c)は、遊技球が切り欠き部39bに収納された状態で、回転体39の回転とともに移動する様子を概念的に示している。図10を用いて前述したように、浅い方の切り欠き部39bの移動経路上には、遊技球通路40bの入り口が開口しており、この遊技球通路40bは非特定領域41bに接続されている。このため、切り欠き部39bに収容された遊技球は、回転体39の回転とともに移動するうちに、遊技球通路40bの入り口に導かれた後、通路内を通って、非特定領域41bに振り分けられる。図11(d)は、浅い方の切り欠き部39bに収容された遊技球が遊技球通路40bを通って、非特定領域41bに振り分けられた様子を概念的に表している。図中に示した太い破線の矢印は、遊技球通路40bの中を移動する遊技球の経路を概念的に示したものである。
次に、図12を参照しながら、遊技球が特定領域41aに振り分けられる場合について説明する。図12(a)は、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が、2つの切り欠き部39b、39aの間の外周面に導かれた様子を示している。外周面に遊技球を載せたまま回転体39が回転すると、遊技球は深い方の切り欠き部39aに収容されて、そのまま切り欠き部39aとともに移動する。図12(b)は、遊技球が深い方の切り欠き部39aに収納されて、回転体39の回転とともに移動する様子を概念的に示している。そして、遊技球通路40aの入り口が開口している箇所まで遊技球が移動すると、遊技球は遊技球通路40aを通って特定領域41aに振り分けられる。図12(c)は、深い方の切り欠き部39aに収容された遊技球が、特定領域41aに振り分けられる様子を概念的に表している。また、図中に示した太い破線の矢印は、遊技球通路40aを通過する遊技球の動きを概念的に示している。
このように、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が、回転体39の回転方向前方にある浅い方の切り欠き部39bと、後方にある深い方の切り欠き部39aとの間の外周面に導かれた場合にだけ、遊技球は特定領域41aに振り分けられ、他の場合、すなわち、遊技球が浅い方の切り欠き部39bの前方側に落ちた場合、あるいは深い方の切り欠き部39aの後方側に落ちた場合は、遊技球は非特定領域41bに振り分けられる。このことから明らかなように、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が、特定領域41aに振り分けられる確率は、2つの切り欠き部39a,39bの間の距離によって任意の確率に設定することが可能となっている。例えば、浅い方の切り欠き部39aから深い方の切り欠き部39bまでの距離を短くすれば、特定領域41aに振り分けられる確率を小さくすることができ、逆に距離を長くすれば、確率を大きくすることができる。本実施例の遊技機1では、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が1/10の確率で特定領域41aに振り分けられるように、2つの切り欠き部39a,39bの間の距離が設定されている。
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、遊技球が始動口17に入球したことを契機として特別図柄の変動表示を開始した後、何れかの図柄で停止表示させる。このとき停止表示された図柄が、通常当り図柄または確変当り図柄であった場合には、大当り状態を発生させ、また、小当り図柄であった場合にも、一定の条件が成立すれば大当り状態を発生させる遊技を行うことで、遊技者の興趣を大きく高めることを可能としている。こうした遊技は、主制御基板200やサブ制御基板220を初めとする各種の制御基板などが所定の制御を実行することによって実現されている。以下では、こうした遊技を実現するために、主制御基板200およびサブ制御基板220を中心として実行される制御内容について詳しく説明する。
D.遊技機の制御内容 :
遊技機1で行われる遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。また、遊技の進行に伴って行われる各種の演出は、主制御基板200の制御の下で、サブ制御基板220および、サブ制御基板220に接続された演出制御基板230によって実行されている。以下では、先ず初めに、遊技を進行させるために主制御基板200で行われる遊技制御処理について説明し、次いで、遊技の進行に合わせて演出を行うためにサブ制御基板220で行われる演出制御処理について説明する。
遊技機1で行われる遊技の進行は、主制御基板200によって制御されている。また、遊技の進行に伴って行われる各種の演出は、主制御基板200の制御の下で、サブ制御基板220および、サブ制御基板220に接続された演出制御基板230によって実行されている。以下では、先ず初めに、遊技を進行させるために主制御基板200で行われる遊技制御処理について説明し、次いで、遊技の進行に合わせて演出を行うためにサブ制御基板220で行われる演出制御処理について説明する。
図13は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図示されるように、遊技制御処理では、賞球関連処理、普通図柄遊技処理、普通電動役物停止処理、特別図柄遊技処理、特別電動役物遊技処理などの各処理が繰り返し実行されている。一周の処理に要する時間は、ほぼ4msecとなっており、従って、これら各種の処理は約4msec毎に繰り返し実行されることになる。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種コマンドを送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図13に示したフローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。かかる処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチの中で、遊技球の入賞に関わるスイッチ(始動口スイッチ17sや大入賞口スイッチ31sなど)に遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向かって賞球数指定コマンドを出力する処理を行う。
主制御基板200から出力された賞球数指定コマンドを受け取ると、払出制御基板240はコマンドの内容を解釈する。そして、その結果に従って、払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球数指定コマンドを出力すると(S50)、今度は、普通図柄遊技処理を行うか否か、すなわち普通図柄の変動停止表示を行うか否かを判断する(S100)。かかる判断は、遊技球が普通図柄作動ゲート36,37を通過したか否か、あるいは普通図柄の保留数(図3参照)が設定されているか否かを検出することによって行う。遊技球が普通図柄作動ゲート36,37を通過したか、あるいは普通図柄の保留数が設定されていれば普通図柄遊技処理を行うものと判断し(S100:yes)、何れでもなければ普通図柄遊技処理は行わないものと判断する(S100:no)。尚、普通図柄の変動表示中に遊技球が普通図柄作動ゲート36,37を通過した場合に、普通図柄の保留数が上限値「4」に達するまで加算する操作も、この判断とともに行われる。
そして、普通図柄遊技処理を行うと判断された場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S150)。一方、普通図柄遊技処理を行わないと判断された場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理(S150)はスキップする。
普通図柄遊技処理(S150)では、次のような処理を行う。先ず、普通図柄の当否判定を行って、普通図柄を当り図柄(図6(c)参照)で停止表示させるか、それ以外の何れの外れ図柄で停止表示させるかを決定する。次いで、普通図柄の変動表示時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始する。そして、変動表示時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させ、このときに、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、普通電動役物の作動を開始させる。普通図柄遊技処理では、以上のようにして、普通図柄の動停止表示を行い、普通図柄が当り図柄で停止表示された場合には、普通電動役物を作動させる処理を行う。普通電動役物が作動すると、始動口17に設けられた一対の翼片部が外側に向かって回動し、始動口17が開口状態となる。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、普通電動役物が作動中か否かを判断する(S190)。そして、作動中である場合は(S190:yes)、普通電動役物を停止させるための処理(普通電動役物停止処理)を行う(S200)。一方、普通電動役物が作動していない場合は(S190:no)、普通電動役物停止処理を行う必要はないのでスキップする。
図14は、普通電動役物停止処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。普通電動役物停止処理では、先ず初めに、普通電動役物の所定の作動時間が経過したか否かを判断する(S202)。前述したように、普通電動役物が作動すると始動口17が開口状態となるが、所定時間が経過すると、再び一対の翼片部が直立した通常の状態に復帰する。そこで、S202では、普通電動役物が予め設定しておいた作動時間に達したか否かを判断するのである。そして、作動時間に達したと判断された場合は(S202:yes)、普通電動役物の作動を停止した後(S206)、普通電動役物遊技処理を終了して図13に示した遊技制御処理に復帰する。尚、普通電動役物作動時間(すなわち、始動口17の開口時間)は、通常の遊技状態では約0.5秒間に設定されているが、後述する開口時間延長機能が作動すると約1.5秒間に延長される。
一方、始動口17は開口中に規定数の遊技球が入球すると、開口時間が設定時間に達していない場合でも、通常状態に復帰してしまう。このことと対応して、普通電動役物の作動時間が所定時間に達していない場合は(S202:no)、普通電動役物に規定数の遊技球が入球したか否かを判断し(S204)、規定数の遊技球が入球したと判断された場合は(S204:yes)、普通電動役物の作動を停止して、図14に示した普通電動役物遊技処理を終了する。逆に、規定数の入球がないと判断された場合は(S204:no)、普通電動役物を作動させたまま、図14に示した普通電動役物遊技処理を終了して、図13に示した遊技制御処理に復帰する。
図13に示すように、遊技制御処理では、普通電動役物停止処理から復帰すると、特別図柄遊技処理を開始するか否かを判断する(S300)。かかる判断は、遊技球が始動口17に入球したか否か、あるいは特別図柄の保留数(図3参照)が設定されているか否か、更には、条件装置が作動しているか否かを検出することによって行う。ここで条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、特別図柄が図7に示した大当り図柄(すなわち「通常当り図柄」または「確変当り図柄」の何れかの図柄)で停止表示されるか、若しくは、第2の大入賞口31eの内部に設けられた特定領域41aを遊技球が通過すると作動を開始する装置である。条件装置は役物連続作動装置を作動させ、これによって、大入賞口31dが連続して開口する遊技状態(いわゆる特別遊技状態)が開始される。そして、遊技球が始動口17に入球したか、あるいは特別図柄の保留数が設定されており、且つ、条件装置が作動中でなければ特別図柄遊技処理を行うものと判断し(S300:yes)、それ以外の場合は、特別図柄遊技処理は行わないものと判断する(S300:no)。尚、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口17に入球した場合に、特別図柄の保留数が上限値「4」に達するまで加算する操作も、この判断とともに行われる。
以上のような判断の結果、特別図柄遊技処理を行うと判断された場合は(S300:yes)、以下に説明する特別図柄遊技処理を行う(S320)。一方、特別図柄遊技処理を行わないと判断された場合は(S300:no)、特別図柄遊技処理(S320)はスキップする。
D−1.特別図柄遊技処理 :
図15および図16は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S322)。図3を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では図柄表示装置28に特別図柄表示部30が設けられており、特別図柄を変動表示可能となっている。
図15および図16は、特別図柄遊技処理の流れを示したフローチャートである。特別図柄遊技処理を開始すると、先ず初めに、特別図柄が変動中か否かを判断する(S322)。図3を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では図柄表示装置28に特別図柄表示部30が設けられており、特別図柄を変動表示可能となっている。
特別図柄表示部30の特別図柄が変動中でない場合は(S322:no)、特別図柄の停止図柄を表示させる表示時間中であるか否かを判断する(S324)。すなわち、特別図柄の変動表示が終了してしばらくの期間は、遊技者が停止図柄を確認するための表示時間が設けられているので、この表示時間中か否かを判断するのである。特別図柄が変動表示されておらず且つ特別図柄の停止図柄を表示している表示時間も経過していることが確認された場合は(S324:no)、特別図柄の保留数が「0」であるか否かを判断する(S326)。そして特別図柄保留数が「0」でない場合、換言すれば、特別図柄の保留が残っている場合は(S326:no)、特別図柄の当否判定を開始する。
本実施例の遊技機1では、特別図柄の当否判定に先立って、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)となっているか否かを判断する(S328)。確変状態は、特別図柄表示部30に表示される特別図柄が、図7に示した「確変当り図柄」で停止した場合に、特別遊技が終了してから次の特別遊技が開始されるまで継続される。また、本実施例の遊技機1では、確変中に小当り状態を経由して大当り状態が発生した場合には、その大当り状態の終了後も、再び確変状態に復帰するようになっている。この点については、後ほど詳しく説明する。このことから、S328では、現在の遊技状態が確変状態であるか否かを判断して、確変中であれば(S328:yes)、大当りの確率が高めに設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S330)。逆に、確変中でなければ(S328:no)、大当りの確率が通常の値に設定された状態で特別図柄の当否判定を行う(S332)。
特別図柄の当否判定は、次のような当否判定テーブルおよび当り態様判定テーブルを参照することによって行う。図17は、本実施例の特別図柄遊技処理において特別図柄の当否判定を行うために参照する当否判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されているように、当否判定テーブルには、図17(b)に示す確変用のテーブルと図17(a)に示す非確変用のテーブルとが用意されており、それぞれのテーブルには、特別図柄当否判定用乱数に対して、「大当り」、「小当り」、または「外れ」の何れかの当否判定結果が対応付けて記憶されている。また、図17(a)と図17(b)とを比較すれば明らかなように、確変用の当否判定テーブルは、非確変用の当否判定テーブルよりも大当りおよび小当りの確率が高くなっている。ここで特別図柄当否判定用乱数とは、遊技球が始動口17に入球したときに取得されて、主制御基板200上のRAM202に記憶される乱数である。特別図柄当否判定用乱数から当否判定テーブルを引くことによって特別図柄の当否判定を行い、その結果、「大当り」と判定された場合は、更に、大当り態様判定テーブルを参照することで、特別図柄の大当り態様を決定する。
図18は、特別図柄の当否判定結果が「大当り」の場合に、大当り態様を判定するために参照される大当り態様判定テーブルを概念的に示した説明図である。図示されるように、大当り態様判定テーブルには、大当り態様判定用乱数に対して、「通常当り」または「確変当り」の何れかの大当り態様が対応付けて記憶されている。ここで大当り態様判定用乱数は、特別図柄の当否判定結果が「大当り」であった場合に取得される乱数である。
図15に示した特別図柄遊技処理のS328〜S332では、特別図柄の当否判定に先立って確変中か否かを判断し、確変中であれば、図17(b)に示した当否判定テーブルおよび図18の大当り態様判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行い、確変中でなければ、図17(a)の当否判定テーブルおよび図18の大当り態様判定テーブルを参照して特別図柄の当否判定を行うのである。以上のようにして、特別図柄の当否を判断したら、今度は、特別図柄の変動パターンを設定する処理を行う(S338)。
図19は、特別図柄遊技処理の中で特別図柄の変動パターンを設定する処理(特別図柄変動パターン設定処理)の流れを示すフローチャートである。特別図柄変動パターン設定処理を開始すると、先ず初めに、当否判定の結果が確変当りであったか否かを判断する(S3380)。そして、確変当りであった場合には(S3380:yes)、確変当り用の停止図柄と特別図柄の変動パターンを決定する(S3382)。図7に示したように、確変当り図柄としては4通りの図柄が設定されているから、抽選を行って何れか1つの図柄を決定し、また、複数種類設定されている変動パターンの中から抽選によって1つの変動パターンを決定する。
一方、当否判定の結果が確変当りでなかった場合には(S3380:no)、通常当りであるか否かを判断する(S3384)。そして、通常当りであると判断された場合には(S3384:yes)、抽選を行うことにより、図7に示した4通りの通常当り図柄の中から何れか1つの停止図柄と、特別図柄変動パターンとを決定する(S3386)。
また、当否判定の結果が通常当りでもなかった場合には(S3384:no)、今度は、小当りであったか否かを判断する(S3390)。そして、小当りであったと判断された場合には(S3390:yes)、小当り用の停止図柄を決定する(S3392)。図7に示したように、本実施例の遊技機1では、小当り用の特別図柄(小当り図柄)として2種類の図柄が設定されているから、何れの図柄で停止させるかを抽選によって決定する。
こうして、小当り用の停止図柄を決定したら(S3392)、リーチ演出の有無を決定する(S3396)。すなわち、図8および図9を用いて前述したように、本実施例の遊技機1では、小当り発生時には、演出表示装置27上では、3つのキャラクタ図柄27a,27b,27cの中の2つの図柄が奇数の同じ図柄で停止表示されるようになっており、従って、小当り状態が発生するに際しては、リーチ状態を経由する場合と、リーチ状態を経由しない場合とが存在している。そこで、S3396では、乱数を発生させることにより、リーチ演出を行うか否かを決定するのである。
そして、リーチ演出を行うか否かを判断し(S3398)、リーチ演出を行う旨が決定されている場合は(S3398:yes)、リーチ演出有り用の変動パターンを決定する(S3400)。一方、リーチ演出を行わない旨が決定されている場合は(S3398:no)、リーチ演出無し用の変動パターンを決定した後(S3402)、図19に示す特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
一方、S3390において小当り図柄ではないと判断された場合は(S3390:no)、外れ図柄と判断できる。外れの場合についても、リーチ有りの場合(いわゆる外れリーチ)とリーチ無しの場合が存在するから、リーチの有無を決定する(S3404)。かかる決定も、乱数を用いた抽選によって決定することができる。そして、決定したリーチの有無に応じて、外れの停止図柄と変動パターンとを決定する(S3406)。すなわち、リーチ有りの場合は、リーチ状態とするための偶数の図柄と、外れリーチとするための奇数の図柄を1つずつ決定する。また、リーチ無しの場合は、3つの異なる図柄を決定する。また、リーチの有無に応じて特別図柄の適切な変動パターンを1つ決定した後、図19に示す特別図柄変動パターン設定処理を終了して、図15に示す特別図柄遊技処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄変動パターン設定処理から復帰すると、図柄表示装置28における特別図柄の変動表示を開始した後(S340)、特別図柄保留数から1を減算する処理を行う(S342)。前述したように、本実施例の図柄表示装置28は、図7に示した12種類の特別図柄を表示可能であり、これら図柄の表示を次々と切り換えることによって変動表示を行う。また、特別図柄の変動表示が開始されると特別図柄の保留数が1つ消化されるので、主制御基板200上のRAMに記憶されている特別図柄保留数のデータから1を減算しておく。
主制御基板200のCPU201は、特別図柄保留数から1を減算すると、サブ制御基板220に向かって特別図柄の変動パターン指定コマンドを出力した後(S344)、特別図柄停止情報指定コマンドを出力する(S346)。ここで出力する変動パターン指定コマンドは、図19に示した特別図柄変動パターン設定処理中で決定しておいた特別図柄変動パターンを指定するコマンドである。また、特別図柄停止情報指定コマンドは、変動パターンとともに決定された特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
変動パターン指定コマンドおよび特別図柄停止情報指定コマンドは、サブ制御基板220に向かって出力される。サブ制御基板220側のCPU221は、これらのコマンドを受け取って、特別図柄変動パターンおよび特別図柄の停止図柄を取得すると、これらの情報に基づいて、演出表示装置27での演出態様を決定した後、種々の演出を行う。また、サブ制御基板220によって決定された演出態様は、演出制御基板230に出力され、演出制御基板230が演出表示装置27を制御することによって、種々の演出が行われる。
主制御基板200のCPU201は、以上のようにして、特別図柄の変動パターンと特別図柄の停止図柄とを決定し、これらに対応する変動パターン指定コマンドと特別図柄停止情報指定コマンドとをサブ制御基板220に向けて出力したら、図15に示した特別図柄遊技処理を終了して、図13に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄遊技処理を開始した直後のS322の処理で、特別図柄表示部30の特別図柄が変動中であると判断された場合は(S322:yes)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されているものと考えられる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S348)。すなわち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S348:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図13に示す遊技制御処理に復帰する。一方、変動時間が経過したと判断された場合は(S348:yes)、サブ制御基板220に向かって演出表示装置27で変動表示されているキャラクタ図柄(および場合によっては背景図柄27d)の図柄停止コマンドを出力する(S350)とともに、図柄表示装置28において変動表示している特別図柄表示部30の特別図柄を停止表示する(S352)。そして、図柄表示装置28上で特別図柄を停止表示させる表示時間を設定した後(S354)、設定した表示時間が経過したか否かを判断する(S356)。表示時間が経過していなければ(S356:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して図13に示す遊技制御処理に復帰する。
一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S356:yes)、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させることとなる図柄であるか否かを判断する(図16のS358)。ここで、条件装置を作動させることとなる図柄とは、図7に示した通常当り図柄または確変当り図柄の何れかの図柄である。図16のS358では、図柄表示装置28の特別図柄表示部30に停止表示された図柄が、これら当り図柄であるか否かを判断する。
停止表示された図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄(すなわち、通常当り図柄または確変当り図柄)であった場合は(S358:yes)、役物連続作動装置の連続作動回数を標準回数(本実施例では16回)に設定した後(S359)、条件装置および役物連続作動装置を作動させる(S360)。ここで条件装置とは、後述する役物連続作動装置が作動するための条件となる装置であり、第1の大入賞口31dを開口状態とする装置である。また、役物連続作動装置とは、一旦閉鎖された第1の大入賞口31dを再び開口させる装置である。詳細には後述するが、こうして条件装置および役物連続作動装置を作動させることにより、特別図柄遊技処理を抜けて図13の遊技制御処理に復帰すると特別電動役物遊技処理が開始され、特別遊技が開始されることになる。
また、本実施例の遊技機1では、条件装置および役物連続作動装置の作動時は、確変機能や時短機能は働かないこととしている。尚、時短機能とは、図柄表示装置28および演出表示装置27で図柄が変動表示される時間を短縮する機能である。そこで、図16のS360において条件装置および役物連続作動装置を作動させたら、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S362)。確変中であれば(S362:yes)、確変機能および時短機能が作動しているので、これら機能を停止させる(S364)。一方、現在の遊技状態が確変中ではなかった場合は(S362:no)、時短中か否かを確認し(S368)、時短中であった場合は(S368:yes)、時短機能を停止させる(S370)。また、本実施例の遊技機1では、時短機能が作動している場合は、普通電動役物の開口時間を延長する機能も働いているので、S364あるいはS370において時短機能を停止したら、普通電動役物開口時間の延長機能も停止させた後(S366)、図15および図16に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図13の遊技制御処理に復帰する。一方、S360で条件装置および役物連続作動装置を作動させたときの遊技状態が確変中でも時短中でもなかった場合は(S368:no)、そのまま特別図柄遊技処理を抜けて、遊技制御処理に復帰する。
以上、図柄表示装置28で停止表示された特別図柄が、条件装置を作動させることとなる図柄であった場合(S358:yes)の処理について説明したが、停止表示された特別図柄が条件装置を作動させる図柄でなかった場合は(S358:no)、次のような処理を行う。
先ず、図柄表示装置28に停止表示された特別図柄が小当り図柄か否かを判断する(S372)。そして、小当り図柄であると判断された場合は(S372:yes)、第2の大入賞口31eを所定時間(本実施例では0.8秒間)だけ1回開口させる(S374)。次いで、遊技球が特定領域41aを通過したか否かを判断する(S376)。図10ないし図12を用いて前述したように、第2の大入賞口31eの内部には振り分け装置38が設けられており、第2の大入賞口31eに入球した遊技球は特定領域41aまたは非特定領域41bの何れかに振り分けられるようになっている。そこで、第2の大入賞口31eを開口させたら(S374)、遊技球が特定領域41aを通過するか否かを判断するのである。遊技球が特定領域41aを通過すれば、特定領域スイッチ41sによって遊技球の通過を検出することができるので、特定領域スイッチ41sからの信号に基づいて遊技球が特定領域41aを通過したか否かを判断することが可能である。そして、特定領域41aを通過したと判断された場合は(S376:yes)、役物連続作動装置の連続作動回数を標準回数よりも1回少ない回数(本実施例では15回)に設定する(S377)。ここで、連続作動回数が標準回数よりも1回少ない回数に設定されるのは、小当り状態が発生した時点で、S374において、既に第2の大入賞口31eが1回開口されているので、これを考慮したためである。次いで、条件装置および役物連続作動装置の作動を開始した後(S360)、特別図柄が通常当り図柄または確変当り図柄であった場合と同様に、特別遊技状態を開始するための上述した一連の処理を行う。
一方、停止表示された特別図柄が小当り図柄ではなかった場合(S372:no)、あるいは第2の大入賞口31eを開口させたものの遊技球が特定領域41aを通過しなかった場合は(S376:no)、現在の遊技状態が確変中か否かを判断する(S378)。前述したように本実施例の遊技機1では、確変状態は、次の特別遊技状態が発生するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が確変状態であると判断された場合は(S378:yes)、確変状態を維持したまま、図15および図16に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図13の遊技制御処理に復帰する。
また、S378において現在の遊技状態が確変中ではないと判断された場合は(S378:no)、時短中か否かを判断する(S380)。そして、時短中と判断された場合は(S380:yes)、時短中の特別図柄の変動回数を計数した後(S382)、変動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S384)。本実施例の遊技機1では、時短状態は、次の特別遊技状態が発生するか、もしくは特別図柄が所定回数(ここでは70回)回転するまでは継続する設定となっている。そこで、現在の遊技状態が時短中であった場合は(S380:yes)、特別図柄の変動回数が所定回数に達したか否かを判断するのである(S384)。そして、所定回数に達していれば(S384:yes)、時短機能を停止させ(S386)、続いて、普通電動役物開口時間の延長機能も停止させた後(S366)、図15および図16に示した特別図柄遊技処理を抜けて、図13の遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の変動回数が、未だ所定回数に達していなければ(S384:no)、時短状態を維持したまま、特別図柄遊技処理を抜けて、図13の遊技制御処理に復帰する。
C−2.特別電動役物遊技処理 :
図13に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。前述したように条件装置は、役物連続作動装置を作動させることにより、いわゆる特別遊技を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、条件装置が作動中でなければ(S390:no)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップして、遊技制御処理の先頭に戻り、前述した賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
図13に示すように、遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、条件装置が作動中か否かを判断する(S390)。前述したように条件装置は、役物連続作動装置を作動させることにより、いわゆる特別遊技を開始させる装置である。そこで、主制御基板200に搭載されたCPU201は、条件装置が作動中であれば、以下に説明する特別電動役物遊技処理を開始する(S400)。一方、条件装置が作動中でなければ(S390:no)、特別電動役物遊技処理(S400)はスキップして、遊技制御処理の先頭に戻り、前述した賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
図20は、特別電動役物遊技処理の一部の流れを示すフローチャートである。また、図21は、特別電動役物遊技処理の残りの部分の流れを示すフローチャートである。このような特別電動役物遊技処理が実行されることによって、いわゆる特別遊技状態が発生する。以下、図20および図21を参照しながら特別電動役物遊技処理について説明するが、その準備として、いわゆる特別遊技状態と呼ばれる遊技の内容について簡単に説明しておく。
図2を用いて前述したように、遊技盤の右下方には第1の大入賞口31dが設けられており、この第1の大入賞口31dは通常の遊技状態では閉鎖されている。しかし、特別遊技が開始されると、第1の大入賞口31dが開口状態となる。第1の大入賞口31dは他の入賞口に比べて大きく開口するため、第1の大入賞口31dが開口状態になると、遊技球が高い確率で入球することになる。開口された第1の大入賞口31dは、所定の開口時間が経過するか、あるいは所定数の遊技球が入球すると一旦閉鎖されるが、所定の閉鎖時間が経過すると再び開口状態となる。本明細書中で言う「役物連続作動装置」とは、第1の大入賞口31dを再び開口状態とする装置である。また、第1の大入賞口31dが開口してから閉鎖するまでの遊技は、「ラウンド」と呼ばれる。こうしたラウンドを繰り返して、所定回数のラウンドを消化したら特別遊技が終了する。
以上に説明した特別遊技状態は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、図20および図21に示す特別電動役物遊技処理を行うことによって実現されている。以下、図20および図21を参照しながら、詳細な処理内容について説明する。
CPU201は、特別電動役物遊技処理を開始すると先ず初めに、第1の大入賞口31dが開口中か否かを判断する(S402)。第1の大入賞口31dは、通常の遊技状態では閉鎖されており、従って、特別遊技の開始直後は、第1の大入賞口31dは閉鎖状態となっている。そこで、第1の大入賞口は開口中ではないと判断して(S402:no)、特別電動役物の連続作動回数が所定回数に達したか否かを判断する(S404)。特別電動役物の連続作動回数は、図19を用いて前述した特別図柄変動パターン設定処理において、「確変当り」または「通常当り」時には16回、「小当り」時には15回に設定されている。また、特別電動役物とは、第1の大入賞口31dを開口させる装置であり、特別遊技状態が発生すると特別電動役物が所定回数だけ作動して、所定回数のラウンドが繰り返されることになっている。このことに対応して、第1の大入賞口31dが閉鎖されている場合は(S402:no)、特別電動役物の作動回数が所定回数に達したか否か、換言すれば、所定回数のラウンドが終了したか否かを判断するのである(S404)。
当然のことながら、特別遊技が開始された直後は、特別電動役物の作動回数が所定回数に達していないから(S404:no)、大入賞口の閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S406)。大入賞口の閉鎖時間とは、ラウンドとラウンドとの間で第1の大入賞口31dが閉鎖状態となっている時間である。特別遊技が開始された直後は、第1の大入賞口31dは閉鎖状態となっているから、当然、大入賞口の閉鎖時間が経過していると判断され(S406:yes)、第1の大入賞口31dを開口させた後(S408)、図20に示した特別電動役物遊技処理を一旦終了して、図13の遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図13に示したように、賞球関連処理(S50)以降の一連の各種処理を行った後、再び特別電動役物遊技処理(S400)を開始する。前述したように、図13に示した遊技制御処理を、主制御基板200のCPU201が一回、実行するために要する時間は、約4msecとなっている。従って、図20に示した特別電動役物遊技処理も、約4msec毎に実行されることになる。そして、特別遊技が開始されて、図20の特別電動役物遊技処理が初めて実行された場合には、前述したようにS406において第1の大入賞口31dを開口させて、そのまま処理を終了するが、約4msec後に2周目の処理を行う場合には、S402にて、第1の大入賞口31dが開口中(S402:yes)と判断されることになる。
次いで、第1の大入賞口31dの開口時間が所定時間に達したか否かを判断する(S410)。前述したように、特別遊技では、第1の大入賞口31dが開口状態となるが、開口時間が所定時間に達するか、または第1の大入賞口31dに所定数の遊技球が入球すると閉鎖される。このことに対応して、S410では第1の大入賞口31dの開口時間が所定時間に達したか否かを判断するのである。そして、開口時間が所定時間に達していれば(S410:yes)、第1の大入賞口31dを閉鎖した後(S414)、図20に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図13の遊技制御処理に復帰する。一方、開口時間が所定時間に達していない場合は(S410:no)、第1の大入賞口31dに入球した遊技球が規定数に達しているか否かを判断する(S412)。そして、遊技球が規定数に達した場合は(S412:yes)、第1の大入賞口31dを閉鎖する(S414)。これに対して、規定数に達していない場合は(S412:no)、第1の大入賞口31dの開口時間が未だ所定時間に達しておらず、しかも第1の大入賞口31dに入球した遊技球も規定数に達していないことになるので、第1の大入賞口31dを開口させたまま、図20に示した特別電動役物遊技処理を抜けて、図13の遊技制御処理に復帰する。
図13の遊技制御処理を何回も繰り返し実行しているうちに、第1の大入賞口31dの開口時間が所定時間に達するか(図20のS410:yes)、もしくは所定数の遊技球が入球して(S412:yes)、第1の大入賞口31dが閉鎖される(S414)。こうして、1ラウンドの遊技が終了する。そして、次に特別電動役物遊技処理が実行された時には、S402において第1の大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S402:no)、所定回数のラウンドが終了したか否かが判断され(S404)、全てのラウンドが終了していなければ(S404:no)、大入賞口の閉鎖時間が所定時間に達したことを確認した後(S406:yes)、再び第1の大入賞口31dを開口状態として新たなラウンドを開始する(S408)。尚、前述したように、条件装置が小当り状態から作動した場合には、役物連続作動装置の連続作動回数は15回に設定されているので、特別遊技状態は15ラウンドで終了する。もっとも、小当り状態発生時に第2の大入賞口31eが1回だけ開口しているので、これを1ラウンドに含めれば、通常通りの16ラウンドが行われていることになる。
一方、S404において、所定回数のラウンドが終了したと判断された場合は(S404:yes)、特別遊技を終了させるべく、条件装置および役物連続作動装置の作動を停止させる(S416)。
尚、第1の大入賞口31dが連続して開口状態となる特別遊技状態(すなわち、大当り状態)は、主制御基板200が、図20および図21に示した特別電動役物遊技処理を行うことによって実現されている。また、第2の大入賞口31eが1回だけ開口状態となる小当り状態は、主制御基板200が、図15および図16に示した特別図柄遊技処理を行うことによって実現されている。更に、小当り状態から発展して大当り状態が行われる処理は、主制御基板200が、図20および図21に示した特別電動役物遊技処理を行うことによって実現されている。従って、本実施例の主制御基板200は、本願発明における「大当り状態発止手段」、「小当り状態発生手段」、「特別大当り状態発生手段」の一態様を構成している。
以上のようにして特別遊技が終了したら、条件装置の作動が、遊技球が特定領域41aを通過することによるものであったか否かを判断する(図21のS418)。特定領域41aの通過によるものではない場合は(S418:no)、「通常当り図柄」または「確変当り図柄」の何れかが停止表示されたために条件装置が作動したことになるので、何れの図柄によるものかを判断する(S420)。そして、条件装置の作動が確変当り図柄によるものであると判断された場合は(S420:yes)、確変機能の作動を開始した後(S422)、普通電動役物の開口時間延長機能および時短機能の作動を開始して(S424、S426)、図20および図21に示す特別電動役物遊技処理を終了する。これに対して、条件装置の作動が確変当り図柄によるものではないと判断された場合は(S420:no)、確変機能の作動を開始することなく、普通電動役物の開口時間延長機能および時短機能の作動を開始して(S424、S426)、特別電動役物遊技処理を終了する。
一方、条件装置の作動が特定領域41aの通過によるものであると判断された場合は(S418:yes)、条件装置の作動開始時に確変機能が作動していたか否かを判断する(S428)。そして、確変機能が作動していた場合は(S428:yes)、確変機能、普通電動役物の開口時間延長機能、および時短機能の作動を開始した後(S422、S424、S426)、特別電動役物遊技処理を終了する。これに対して、条件装置の作動開始時に確変機能が作動していなかった場合は(S480:no)、確変機能は作動させることなく、普通電動役物の開口時間延長機能および時短機能の作動を開始して(S424、S426)、特別電動役物遊技処理を終了する。
尚、こうして確変機能の作動が開始されると、いわゆる確変状態となって、図17に示したように特別図柄の当否判定で当り判定が出やすい状態となる。確変機能を作動させる処理は、主制御基板200が行う特別電動役物遊技処理中で行われており、従って、本実施例の主制御基板200は、本願発明の「高確率状態設定手段」の一態様を構成するものとなっている。また、確変中に小当り経由の大当り状態が発生したときには、その大当り状態の終了後、確変状態に復帰させ、逆に、非確変中に小当り経由の大当り状態が発生したときには、その大当り状態の終了後、非確変状態に復帰させる処理は、主制御基板200が上述の特別電動役物遊技処理を行うことによって実現されている。従って、本実施例の主制御基板200は、本願発明の「確率状態復帰手段」の一態様を構成するものとなっている。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、遊技機1の遊技を進行させている。そして、特別図柄が「通常当り図柄」または「確変当り図柄」のいわゆる大当り図柄で停止表示された場合に、特別遊技状態を開始することはもちろんのこと、「小当り図柄」で停止表示された場合にも、第2の大入賞口31e内に設けられた特定領域41aを遊技球が通過した場合には、特別遊技状態を開始することとしている。このため、大当り図柄が停止表示されない場合でも、特別遊技状態が発生し得ることとなり、遊技が単調となることを回避することが可能である。
加えて、本実施例の遊技機1では、図21を参照しながら上述したように、確変中に小当り経由の大当り状態が発生したときには、その大当り状態の終了後、確変状態に復帰させ、逆に、非確変中に小当り経由の大当り状態が発生したときには、その大当り状態の終了後、非確変状態に復帰させている。このため、特別遊技状態の発生形態として、小当り経由の発生形態を追加するだけでなく、遊技機1に特異な遊技性を付与したものとなっている。以下では、この点について詳しく説明する。
図17に例示されているように、確変中は非確変中に比べて、大当りの発生する確率が高い値となっている。確変状態とするためには、特別図柄が確変当り図柄で停止表示されなければならないから、遊技者は、特別図柄の変動表示が開始されると、確変当り図柄で停止表示されることを強く願いながら遊技を行うのが通常である。そして、確変当り図柄で停止表示されると、大当り状態の終了後は確変状態となって、再び大当り状態が発生し易い状態となる。もっとも、再び、確変当り図柄が停止表示されるとは限らず、通常当り図柄が停止表示された場合には、大当り状態とはなるものの、その大当り状態が終了すると、通常の確率状態、すなわちなかなか大当り状態が発生しない遊技状態に戻ってしまう。
これに対して、本実施例の遊技機1では、確変中に小当り経由の大当り状態が発生したときには、その大当り状態の終了後、再び、確変状態が開始される。このことは、確変中に、大当り図柄(通常当り図柄または確変当り図柄)が停止表示されて大当り状態が開始された場合には、確変状態が終了してしまう可能性があることと比べて、遊技者がたいへん有利に遊技を進められることを意味している。従って、本実施例の遊技機1で遊技を行う遊技者は、確変中は、小当り状態を経由して大当り状態が発生することを強く願いながら遊技を行うことになる。
加えて、図17に例示されているように、小当りの発生確率は、大当りの発生確率よりも高い確率に設定されている。これは、たとえ小当りが発生しても、遊技球が特定領域41aを通過しなければ大当り状態に発展することはなく、第2の大入賞口31eに入球した遊技球が特定領域41aを通過する確率は、本実施例では1/10に設定されているので、小当りが発生しても大当り状態になる確率は、遊技球が第2の大入賞口31eに入球する確率まで考慮すれば、1/10以下になるからである。このように、小当りの発生する確率は高い確率に設定されており、しかも確変中は非確変中よりも更に高い確率となっているので、小当り状態は確変中には頻繁に発生する。前述したように、遊技者は、確変中は、大当り図柄で大当り状態が発生することよりも、小当りを経由して大当り状態が発生することを強く願いながら遊技を行うから、確変中に小当り状態が発生し大当り状態に発展するのではないかと遊技の進行を見守る状況が頻繁に発生することになり、思わず遊技に引き込まれてしまうという効果を得ることができる。
一方、遊技状態が非確変中の場合は、こうした状況は全く異なったものとなる。すなわち、非確変中に小当り状態を経由して大当り状態が発生した場合は、その大当り状態の終了後は、再び非確変の状態が開始される。このことは、大当り図柄が停止表示されて大当り状態が開始された場合には、その大当り状態の終了後に確変状態が開始される可能性があることと比べれば、遊技者にとってたいへん不利な状態と言うことができる。従って、本実施例の遊技機1で遊技を行う遊技者は、非確変中は、確変当り図柄が停止表示されて大当り状態が発生することを強く願いながら遊技を行うことになる。そして、仮に、小当り経由の大当り状態が発生した場合には、落胆するほどではないにしても、確変中のように大きく喜ぶことはない。
以上に説明したように、本実施例の遊技機1では、大当り状態の発生形態として、小当り経由で発生する形態を追加しているが、これだけに止まらず、小当り経由で発生した大当り状態の終了後は、小当りの発生時の遊技状態に復帰させている。このため、同じように小当り経由で大当り状態を発生させているにも拘わらず、確変中と非確変中とで、遊技者に対する価値が大きく異なるという特異な遊技性を備えた遊技機となっている。また、遊技者は、確変中には小当り経由で大当り状態が発生することを強く願いながら遊技を行うことに加えて、確変中は特に小当り状態が頻繁に発生することから、遊技者が思わず遊技に引きずり込まれるという独特な遊技性を備えた遊技機とすることが可能となっている。
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
たとえば、上述した実施例では、第1の大入賞口31dと第2の大入賞口31eとは別体に設けられているものとして説明した。これに対して、第1の大入賞口31dと第2の大入賞口31eとを1つの大入賞口で共用することとしてもよい。この場合、共用した大入賞口の内部に振り分け装置38を設けるとともに、大入賞口に入球した遊技球が、小当り状態の発生時にだけ振り分け装置38に導かれるように、内部に遊技球の経路を切り替える機構を設けることとしても良い。あるいは、このような切り替え機構を設けずに、共用している大入賞口に入球した遊技球は全て振り分け機構38に導かれることとして、大当り状態の発生中は、振り分け機構38で遊技球が特定領域41aまたは非特定領域41bの何れに振り分けられた場合でも、共に大入賞口に入球した遊技球として扱われるようにしても良い。
また、上述した実施例では、略長方形状に大きく開口する大入賞口を用いて説明したが、これに限られず、例えば、左右に一対の翼片部が開閉可能に構成されたいわゆるチューリップ式の大入賞口であってもよい。
また、上述した実施例では、振り分け装置38は、略円板形状の回転体39と、回転体39の背面側に設けられた2本の遊技球通路40a,40bなどから構成されているものとして説明した。しかし、これに限られず、振り分け装置は、入球口(特定領域)を備えた可動物が非特定領域上を左右に稼動するように構成してもよい。
1 …パチンコ機、 17 …始動口、
27 …演出表示装置、 28 …図柄表示装置(可変表示装置)、
31d …第1の大入賞口、 31e …第2の大入賞口、
200 …主制御基板(大当り状態発生手段、小当り状態発生手段、特別大当り状態発生手段、高確率状態設定手段、通常確率状態設定手段、確率状態復帰手段)
27 …演出表示装置、 28 …図柄表示装置(可変表示装置)、
31d …第1の大入賞口、 31e …第2の大入賞口、
200 …主制御基板(大当り状態発生手段、小当り状態発生手段、特別大当り状態発生手段、高確率状態設定手段、通常確率状態設定手段、確率状態復帰手段)
Claims (3)
- 遊技球の入球可能な始動口と、遊技球の入球し得る開放状態および入球困難な閉鎖状態とに切り換え可能な大入賞口とが遊技盤面上に設けられた弾球遊技機において、
前記始動口に遊技球が入球したことを契機として複数の識別図柄を変動表示させた後、所定の確変当り図柄、所定の通常当り図柄、所定の小当り図柄の何れかの当り図柄、若しくは、所定の外れ図柄で停止表示させる可変表示装置と、
前記可変表示装置で前記確変当り図柄または前記通常当り図柄が停止表示された場合に作動を開始して、前記大入賞口が所定の複数回開放状態となる大当り状態を発生させる大当り状態発生手段と、
前記可変表示装置で前記小当り図柄が停止表示された場合に作動を開始して、前記大入賞口が前記大当り状態よりも少ない所定回数だけ開放状態となる小当り状態を発生させる小当り状態発生手段と、
前記小当り状態で開放した大入賞口に入球した遊技球が、該大入賞口の内部と接続された特定領域を通過すると、前記大当り状態発生手段を作動させることにより、前記小当り図柄に起因した大当り状態である特別大当り状態を発生させる特別大当り状態発生手段と、
前記大当り状態を発生させることとなった識別図柄が前記確変当り図柄であった場合には、該大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を、通常の確率よりも高い高確率状態に設定する高確率状態設定手段と、
前記高確率状態中に前記小当り状態を経由して前記特別大当り状態が発生した場合には、該特別大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を該高確率状態に復帰させる確率状態復帰手段と
を備えることを特徴とする弾球遊技機。 - 請求項1に記載の弾球遊技機において、
前記大当り状態を発生させることとなった識別図柄が前記通常当り図柄であった場合には、該大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を、通常の確率状態に設定する通常確率状態設定手段を備え、
前記確率状態復帰手段は、前記通常の確率状態中に前記小当り状態を経由して前記特別大当り状態が発生した場合には、該特別大当り状態の終了後、前記当り図柄が停止表示される確率を該通常の確率状態に復帰させることを特徴とする弾球遊技機。 - 請求項1または請求項2に記載の弾球遊技機において、
前記遊技盤面上には、第1の大入賞口と、内部に前記特定領域を備える第2の大入賞口とが設けられており、
前記大当り状態発生手段は、前記第1の大入賞口を開放させて前記大当り状態を発生させ、
前記小当り状態発生手段は、前記第2の大入賞口を開放させて前記小当り状態を発生させることを特徴とする弾球遊技機。
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