1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、第1形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2(図2参照)とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
図2に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図6参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(符号省略)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(表示手段)7が設けられている。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「8」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技(特別遊技の一例)に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述の第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。またセンター装飾体10の上部には、盤可動体15が格納状態にて配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。なお本形態では、遊技領域3の左側の上部にもゲートが設けられ、このゲートは左打ちの遊技状態(後述する低確低ベース状態)でも遊技球が通過可能に構成されている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、可動部材23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図5参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときのみ遊技球が入球可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、遊技領域3におけるゲート28の下方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、第1特別可変入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、第2特別可変入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(第2特別入賞口開閉部材、羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ遊技球が入球可能となる。
より詳細には、図3(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域ともいい、第2特定領域に相当する)39および非特定領域(非V領域ともいい、第2非特定領域に相当する)70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材(第2振分部材に相当)71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。なお、振分部材71は、遊技盤2に対して左右方向に移動するものであり、振分部材ソレノイド73の通電時には、遊技球を特定領域39に振り分ける退状態(第1の状態)をとり、振分部材ソレノイド73の非通電時には、遊技球を非特定領域70に振り分ける進状態(第2の状態)をとる。なお振分部材71は、言い換えれば、特定領域39を開閉するシャッター部材(第2シャッター部材)である。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1の状態にある。振分部材71が第1の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2の状態にある。振分部材71が第2の状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口は設けられていない。
図2に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27や、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本パチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20、及び第2始動口21への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図2に示すように、遊技盤2の右側中央には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図5に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図5参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図5参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図5参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図5参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図5参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図5及び図6に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図5及び図6に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備えていればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。
図6に示すように、主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(第1入球検知手段)20a、第2始動口センサ(第2入球検知手段)21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の貸球モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため貸球センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図6に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路95は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
図6に示すようにサブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像、ストーリーの映像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して、遊技機枠50に設けられている枠ランプ66、および遊技盤2に設けられている盤ランプ5の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に接続された盤可動体15(図2参照)を動作させる。盤可動体15は、センター装飾体10の上部に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。盤可動体15は、表示画面7aの周辺部(本形態では上部)でコンパクトに折り畳まれて格納されている格納状態(図2参照)から、その折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している露出状態(図示省略)に変位可能なものである。
詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や盤可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図7及び図8に示す通りである。図7及び図8に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2の状態(図3(B)参照)から第1の状態(図3(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図7に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図2参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
次に、図13〜図26に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図27〜図33に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図13に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり種別乱数、演出図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図5参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、後述の始動口センサ検出処理(S103)を実行し、次いで普通動作処理(S104)を実行する。普通動作処理(S104)では、始動口センサ処理(S103)にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブル(図10(C)参照)を用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図12参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
続いて遊技制御用マイコン81は、後述する特別動作処理(S105)および特定領域センサ検出処理(S106)を実行する。その後、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理(S107)を行う。
[始動口センサ検出処理]図14に示すように、始動口センサ検出処理(S103)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していなければ(S201でNO)、ステップS205に進む。遊技球が通過していれば(S201でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否か判定する(S202)。そして、普通図柄保留球数が4以上であれば(S202でYES)、ステップS205に進む。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S202でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S203)、普通図柄乱数取得処理(S204)を行う。普通図柄乱数取得処理(S204)では、普通図柄乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Hの値、図40(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS205では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否かを判定する。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S205でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S205でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S206)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S206でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S206でNO)、特図2保留球数に「1」を加算する(S207)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S208)を行う。特図2関係乱数取得処理(S208)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた記憶領域に格納する。
ステップS209では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に1を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S208)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[特別動作処理]図15に示すように特別動作処理(S105)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図16に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする(S1414)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1405)。このようにして、第2特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図7参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図17に基づいてまとめて説明する。図17に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))のアドレスをセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「164」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「649」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図7に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定(S1506)した後は、大当たりフラグをONするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図7参照)をRAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図18及び図19に基づいてまとめて説明する。図18及び図19に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。そして、時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。
具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP1又はP2或いはP3若しくはP4が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP31が選択されることとなる。なお、変動パターンP1は、特図停止図柄データが「11H」(図7参照)である場合に選択される変動パターンであり、装飾図柄の変動演出における最終的な停止図柄を金図柄(Vロング大当たりである場合にしか選択されない図柄、具体的には「3」,「5」又は「7」の図柄)とする変動パターンである。これに対して、変動パターンP2又はP3若しくはP4は、特図停止図柄データが「12H」(図7参照)である場合に選択される変動パターンであり、装飾図柄の変動演出における最終的な停止図柄を銀図柄(Vロング大当たりであってもVショート大当たりであっても選択される図柄、具体的には「1」,「2」,「4」,「6」又は「8」の図柄)とする変動パターンである。なお図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。
図18のステップS1603において、Vロング大当たりでなければ(S1603でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP5が選択されることとなる。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。なお、図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP6,P7,P8,P9又はP10が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP32又はP33が選択されることとなる。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP11又はP12が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP34又はP35が選択されることとなる。なおリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動機能が働くようにしても良い。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようにしても良い。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図19に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は、上記ステップS1602〜S1608と同様の流れで処理(S1609〜S1615)を行う。すなわち、Vロング大当たりであれば図11の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP21が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP41が選択されることとなる。
またVショート大当たりであれば、図11の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP22が選択される。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。またリーチ有りハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1614)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP23(SPリーチハズレ)が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP42(SPリーチハズレ)が選択されることとなる。またリーチ無しハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP24又はP25が選択され、特図2変動パターン選択処理(S1403)では変動パターンP43又はP44が選択されることとなる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働くようにしても良い。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなるようにしても良い。そして、短縮変動としての変動時間を、非時短状態中よりも時短状態中の方が短くなるようにしても良い。すなわち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも特別図柄の変動時間が短くなるようなテーブルとしても良い。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図18に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1616)、本処理を終える。セットした変動パターンの情報は変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図20に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図21に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、後述の遊技状態管理処理(S1801)を行う。次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1802)。大当たりフラグがONであれば(S1802でYES)、当選した大当たりの種類に応じた開放パターン(詳しくは図7及び図8を参照)をセットする(S1803)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1803に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1804)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンド(図7参照)をセットするとともに(S1805)、大当たり遊技のオープニングを開始し(S1806)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S1807)。
また、ステップS1802において大当たりフラグがONでなければ(S1802でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1808)処理を終える。
[遊技状態管理処理]図22に示すように、遊技状態管理処理(S1801)ではまず、確変フラグがONか否か判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否か判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄変動の回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップS2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「160」にセットされるようになっている。この点については後述する。
その後、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S2009)、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図23に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理]図24に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中か否か(すなわち大入賞装置の開放中か否か)を判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たりのオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。そして、Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、第2大入賞口35を開放させる第14ラウンド若しくは第16ラウンドを開始するタイミングであるか否か、すなわちラウンドカウンタの値が「3」若しくは「1」であるか否かを判定する(S2205)。第2ラウンドを開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、第2ラウンドを開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンドにおける第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図26)を参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の遊技状態設定処理(図25)を参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図7及び図8参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第14ラウンド及び第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技中での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンド(図7参照)を、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(図24)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1ラウンド当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図39参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2209でYES)には、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そして、ステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2213でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンド(図7参照)をセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディングの時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図15)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図25に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに「100」をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタに「160」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「160」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が160回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。そして、遊技状態設定処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]図26に示すように特定領域センサ検出処理(S106)では、遊技制御用マイコン81はまず、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が第1の状態(図3(A))に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終了するが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図24)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの第14ラウンド及び第16ラウンド中の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、V通過コマンドをセットして(S2404)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
6.演出制御用マイコン91の動作
以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図27〜図33に示す処理及び図57〜図60に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン91の動作について説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図27に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理では、受信コマンド解析処理(S4301)、及びコマンド送信処理(S4302)を行う。
コマンド送信処理(S4302)では、受信コマンド解析処理でRAM94の出力バッファにセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出、後述する12マススロットル演出など)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたりする。
[受信コマンド解析処理]図28に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)では演出制御用マイコン91はまず、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば変動演出終了処理(S4404)を行う。変動演出終了処理(S4404)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理を行う(S4406)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理を行う(S4408)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するエンディング演出選択処理を行う(S4410)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4412)。V通過報知演出開始処理(S4412)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4413)として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、遊技状態の把握ために遊技状態指定コマンドに基づき現在の遊技状態を示す遊技状態ステータスの値を設定する処理等)を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[変動演出開始処理]図29に示すように、変動演出開始処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S4501)。変動開始コマンドには、変動パターン選択処理(図18)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、特図1の変動開始であるか特図2の変動開始であるかの情報や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照する(S4502)。モードステータスとは、実行する演出モードを決めるためのものである。図34に示すように、モードステータスは「1」〜「5」までの値をとり、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタやアイテム、背景画像が異なる等、画像表示装置7に表示される画像が異なり、演出図柄可変表示演出も演出モードに応じた態様で実行される。本形態では、図34に示すように、演出モードA、演出モードD、演出モードEは低確低ベース状態に制御されているときに実行される。
つまり、低確低ベース状態では、演出モードA又は演出モードD或いは演出モードEが実行されることとなる。演出モードA又は演出モードDが実行されるときには、大当たり遊技の実行中でなければ、図2に示すように、表示画面7aに3つの演出図柄8L,8C,8Rが可変表示されることとなる。これらに対して演出モードEが実行されるときには、図35に示すように、表示画面7aに12マススロットル画像7Xが表示される。そして12マススロットル画像7Xで表示される12の可変表示部7bの各々で、後述する演出図柄(識別情報、図40参照)8Xが可変表示されることとなる。
なお以下では、演出図柄可変表示演出のうち、表示画面7aに3つの演出図柄8L,8C,8Rが可変表示される演出を「通常可変表示演出」といい、12マススロットル画像7Xで表示される12の可変表示部7bの各々で演出図柄8Xが可変表示される演出を「12マススロットル演出」ということとする。12マススロットル演出については、後に詳しく説明する。
また、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行される。つまり、演出モードBは、Vショート大当たりに当選した後に、100回の演出図柄可変表示が実行され得る電サポ制御状態(低確高ベース状態)であるとき、又は後述するようにVロング大当たり当選してもV有効期間中にV通過が無いときの演出モードである。演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行される。つまり、演出モードCは、Vロング大当たりに当選した後に、160回の演出図柄可変表示が実行され得る電サポ制御状態(高確高ベース状態)であるときの演出モードである。
変動演出開始処理(S4402)では、モードステータスの参照(S4502)に続いて、参照したモードステータスが「5」であるか否か、即ち演出モードがEか否かを判定する(S4503)。そして、モードステータスが「5」でなければ(S4504でNO)、変動演出パターンを決めるための変動演出パターンテーブルをセットする(S4504)。一方、モードステータスが「5」であれば(S4504でYES)、12マス変動演出パターン作成処理(S4505)を実行する。12マス変動演出パターン作成処理(S4505)については、後に詳しく説明する。
ステップS4504において変動演出パターンテーブルがセットされると(S4504)、このテーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合すると共に参照したモードステータスが示す演出モードに応じた変動演出パターンを選択する(S4506)。このとき演出決定用乱数の取得及び判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出等の予告演出の内容や、停止表示する演出図柄の組み合わせなどを含めて、演出図柄可変表示演出としてどのような演出を行うかが決定される。
なお、12マス変動演出パターン作成処理(S4505)においても、12マススロットル画像7Xで表示される12の可変表示部7bでどのような演出を行うかが決定されて、変動演出パターンが選択(作成)されることとなる。こうして、ステップS4506又はステップS4505で選択された変動演出パターンにて、演出図柄可変表示演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S4507)、変動演出開始処理を終了する。
ステップS4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4302)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPUは、所定の演出画像をROMから読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて図2に示すような通常可変表示演出、又は図35に示すような12マススロットル演出を行う。
[変動演出終了処理]図30に示すように、変動演出終了処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンド(S1702,図20参照)を解析すると共に(S4601)、モードステータスを参照する(S4602)。次に、モードステータスが「1」か否か、即ち演出モードAか否かを判定する(S4603)。そして、モードステータスが「1」であれば、ステップS4611に進む。一方、モードステータスが「1」でなければ、現在の演出モードに対応する演出モードカウンタの値M(図34参照)を1ディクリメントして(S4604)、その値が「0」にならなければ(S4605でNO)、ステップS4611に進む。一方、演出モードカウンタの値Mが「0」であれば、演出モードを変更するためにステップS4606に進む。
なお演出モードカウンタの値Mとは、図34に示すように、演出モードが変更(移行)したときにセットされる値のことであり、対応する演出モードにおいて演出図柄が可変表示される最大の回数を意味している。Vショート大当たり後に演出モードBに変更したときには、演出モードカウンタの値Mbが100にセットされる。また、Vロング大当たり後に演出モードCに移行したときには、演出モードカウンタの値Mcが160にセットされる。また後述するように、演出モードCから演出モードDに変更したときには、演出モードカウンタの値Mdが4にセットされ、演出モードDから演出モードEに変更したときには、演出モードカウンタの値Meが30セットされる。なお、演出モードAにおいては、演出モードカウンタの値がセットされることはない。
ステップS4606では、モードステータスが「3」か否か、即ち演出モードCか否かを判定する(S4603)。モードステータスが「3」であれば(S4603でYES)、演出モードDに変更するためにモードステータスに「4」をセットする。つまり、高確高ベース状態で160回の演出図柄可変表示が実行された場合には、モードカウンタの値Mc(図34参照)が「0」になる(S4605でYES)。このとき、モードステータスが「3」であるため(S4606でYES)、モードステータスが「4」に変更され、演出モードDが実行されることになる。
一方、ステップS4606において、モードステータスが「3」でなければ、モードステータスが「4」か否か、即ち演出モードDか否かを判定する(S4608)。モードステータスが「4」であれば(S4608でYES)、演出モードEに変更するためにモードステータスに「5」をセットする。つまり、演出モードDに変更してから4回の演出図柄可変表示が実行された場合には、モードカウンタの値Md(図34参照)が「0」になる(ステップS4605でYES)。このとき、モードステータスが「4」であるため(ステップS4608でYES)、モードステータスが「5」に変更され、演出モードEが実行されることになる。
これらに対して、モードカウンタの値Mが「0」になり(S4605でYES)、モードステータスが「3」及び「4」でなければ(S4606及びS4608で共にNO)、演出モードAに戻すためにモードステータス「1」をセットしてから(S4610)、ステップS4611に進む。つまり、低確高ベース状態で100回の演出図柄可変表示が実行された場合には、モードカウンタの値Mb(図34参照)が「0」になる(S4605でYES)。このとき、モードステータスが「2」であるため(S4606及びS4608で共にNO)、モードステータスが「1」に変更され、演出モードAが実行されることになる。
また、演出モードEに変更してから30回の演出図柄可変表示が実行された場合には、モードカウンタの値Me(図34参照)が「0」になる(S4605でYES)。このとき、モードステータスが「5」であるため(S4606及びS4608で共にNO)、モードステータスが「1」に変更され、演出モードAが実行されることになる。即ち、演出モードEに対応する12マススロットル演出は、30回の演出図柄可変表示が実行されると終了し、その後には通常可変表示演出が実行されることとなる。ステップS4603、ステップS4605、ステップS4607、ステップS4609、又はステップS4610の処理を経て、ステップS4611に進むと、演出制御用マイコン91は、演出図柄可変表示演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
こうして、本形態では、Vロング大当たりに当選した後に高確高ベース状態に移行して、160回の演出図柄可変表示が実行されると、演出モードCから演出モードDに変更される。演出モードDが実行されているときには、低確低ベース状態になっていて、大当たりに当選しなければ4回の演出図柄可変表示が実行される。4回の演出図柄可変表示が終了すると、演出モードDから演出モードEに変更され(開始条件が成立したことに基づいて)、12マススロットル演出が実行される(図35参照)。12マススロットル演出が実行されているときには、低確低ベース状態になっていて、大当たりに当選しなければ30回の演出図柄可変表示が実行される。30回の演出図柄可変表示が終了すると、演出モードEから演出モードAに変更され、通常可変表示演出が実行されるようになっている(図2参照)。
上述したように、演出モードDは、演出モードCから演出モードEに移行するための演出モードであり、表示画面7aにて演出モードCと同じ背景画像を表示しつつ、最大で4回の演出図柄可変表示を実行するための演出モードである。ここで、演出モードCが実行される高確高ベース状態においては、電サポ制御の実行により特図2保留が溜まり易く、高確高ベース状態から低確低ベース状態に切り換わる段階で特図2保留球数が4個に達していることが生じ得る。
そのため、演出モードDに切り換わったときに仮に特図2保留球数が4個に達していても、演出モードDの実行中に特図2保留が確実に消化される。これにより、演出モードDから演出モードEに切り換わったときには、特図2保留が全て消化されていて、演出モードE(12マススロットル演出)の実行中では、第1始動口20への入賞又は特図1保留に基づいて、演出図柄可変表示が実行されるようになっている。つまり、12マススロットル演出では、特図2の抽選ではなく、特図1の抽選で大当たりか否かを判定した演出が主に実行されることになる。
[オープニング演出選択処理]図31に示すように、オープニング演出選択処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンド(図7参照)を解析する(S4701)。そして、解析したオープニングコマンドに基づいて、特別遊技(大当たり遊技)時に実行する特別遊技演出のパターン(内容)を選択するオープニング演出パターン選択処理を行う(S4702)。続いて、演出制御用マイコン91は、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S4703)。
[ラウンド演出選択処理]図32に示すように、ラウンド演出選択処理(S4408)ではまず、ラウンド指定コマンド(図24参照)を解析する(S4801)。続いて、現在実行中の大当たりが「Vロング大当たり」か否かを判定する(S4802)。現在実行中の大当たりの種類に関する情報(当選した大当たりの種類を示す図柄情報)は、ラウンド指定コマンドに含まれている。なお現在実行中の大当たりの種類に関する情報を、変動開始コマンドの解析時に取得した図柄情報を参照して取得してもよい。
ステップS4802においてVロング大当たりであれば、続いて、現在実行中のラウンド遊技が13R目のラウンド遊技か否かを判定する(S4803)。13R目のラウンド遊技であれば、V打込報知演出を伴うラウンド演出を選択し(S4804)、そのラウンド演出を実行するためのラウンド演出開始コマンドをセットして(S4809)、本処理を終了する。V打込報知演出とは、特定領域39を通過させるように遊技球を打ち込むべき旨を報知する演出である。本形態では、V打込報知演出は、V打込報知画像(例えば特定領域39の位置を示す矢印の画像)を表示画面7aに表示する演出である。
一方、ステップS4802又はS4803でNOであれば、つまり、Vロング大当たりでない場合又はVロング大当たりであっても13R目のラウンド遊技でない場合は、続いて、この大当たり遊技の開始前の変動演出で最終的に停止表示された装飾図柄が銀図柄か否かを判定する(S4805)。銀図柄であれば続いて、現在実行中のラウンド遊技が特定ラウンド(本形態では11R)のラウンド遊技であるか否かを判定する(S4806)。この判定の結果がYESであれば、当たり種別報知演出のラウンド演出パターンを選択し(S4807)、当たり種別報知演出を実行するためのラウンド演出開始コマンドをセットして(S4809)、本処理を終える。
つまり本形態では、銀図柄での大当たり当選報知を経て開始された大当たり遊技の特定ラウンドにおいて、当たり種別報知演出を行うこととしている。当たり種別報知演出とは、当選した大当たりの種別を報知する演出である。具体的には本形態では、当たり種別報知演出として、ヒーローキャラ(第1キャラクタ)と敵キャラ(第2キャラクタ)とがバトルを行うバトル演出を表示画面7aにて実行する。Vロング大当たりに当選していて実行される当たり種別演出では、ヒーローキャラが敵キャラに勝利する演出画像を表示画面7aに表示する。これに対して、Vショート大当たりに当選していて実行される当たり種別報知演出では、ヒーローキャラが敵キャラに敗北する演出画像を表示画面7aに表示する。つまり、この当たり種別報知演出では、ヒーローキャラの勝利がVロング大当たりへの当選報知を意味し、ヒーローキャラの敗北がVショート大当たりへの当選報知を意味することとなる。
ステップS4805又はS4806でNOであれば、その他のラウンド演出を選択し(S4808)、そのラウンド演出を実行するためのラウンド演出開始コマンドをセットして(S4809)、本処理を終える。
[エンディング演出選択処理]図33に示すように、エンディング演出選択処理(S4410)ではまず、エンディングコマンド(図24参照)を解析する(S4901)。次いで、モードステータス変更処理(S4902)を行う。モードステータス変更処理(S4902)では、図34に示すように、いま終了させようとしている特別遊技が、Vショート大当たりであればモードステータスを「2」にセットする。またVロング大当たりであるがその大当たり遊技のV有効期間中にV通過が無ければ、モードステータスを「2」にセットする。また、Vロング大当たりであり且つその大当たり遊技のV有効期間中にV通過があれば、モードステータスを「3」にセットする。なおモードステータスの初期値は「1」である。
このようなモードステータスの変更により、次回の特別図柄の変動表示に並行して実行される演出図柄可変表示演出における演出モードが、変更後のモードステータスに対応した演出モードに変更される。即ち、大当たり抽選にてVロング大当たりに当選し且つその特別遊技のV有効期間中にV通過があった場合には、その特別遊技の実行後の初回の特別図柄の変動表示に並行して、演出モードCが実行されることになる。これにより、今の遊技状態が高確率状態であることが遊技者に報知される。
更にモードステータス変更処理(S4902)では、変更後の演出モードでの特別図柄の変動表示の回数に上限を設けるため、変更後の演出モードに対応した演出モードカウンタの値Mに上限回数をセットする。具体的には図34に示すように、演出モードBへの変更時には演出モードカウンタの値Mbに100(Vショート大当たり時)又は160(Vロング大当たりでV有効期間中のV通過無し時)に160をセットする。また、演出モードCへの変更時には演出モードカウンタの値Mcに160をセットする。また、演出モードDへの変更時には演出モードカウンタの値Mdに4をセットし、演出モードEへの変更時には演出モードカウンタMeに30をセットする。なお、Vロング大当たりでV有効期間中にV通過が無い場合には、演出モードカウンタの値Mbに100をセットするようにしても良い。
続いて演出制御用マイコン91は、モードステータスを参照し(S4903)、解析したエンディングコマンド及び参照したモードステータスに基づいて、エンディング演出のパターン(内容)を選択するエンディング演出パターン選択処理を行う(S4904)。なお、エンディング演出とは、特別遊技のエンディング中に実行する演出である。そして演出制御用マイコン91は、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをセットする(S4905)。
ステップS4905でセットされたエンディング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4302)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のエンディング演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示させる。例えば、Vロング大当たりでV有効期間中のV通過有り時のエンディング演出として、「演出モードC突入」の文字を表示画面7aに表示するものが選択されるようになっている。
7.12マススロットル演出
次に図35〜図93に基づいて、12マススロットル演出について説明する。12マススロットル演出は、図35に示すように、画像表示装置(演出表示手段)7の表示画面7aに12マススロットル画像7Xを表示して、12の可変表示部7bの各々で演出図柄8Xの可変表示を行う演出である。図35に示すように、12マススロットル画像7Xでは、縦方向に3つの可変表示部7bが配されていて、横方向に4つの可変表示部7bが配されていて、合計12の可変表示部7bが横長矩形状に表示されている。以下では、横方向の配列を上方から下方に向かって「行」で区別し、縦方向の並びを左方から右方に向かって「列」で区別する。これにより、図36に示すように、例えば2行3列目の可変表示部7bを「マス(7)」と呼ぶこととする。
そして、図37に示すように、マス(1)(5)(9)による縦方向の並びを「ライン<1>」と呼び、マス(2)(6)(10)による縦方向の並びを「ライン<2>」と呼び、マス(3)(7)(11)による縦方向の並びを「ライン<3>」と呼び、マス(4)(8)(12)による縦方向の並びを「ライン<4>」と呼ぶこととする。また、マス(1)(6)(11)による右斜め下方に延びる並びを「ライン<5>」と呼び、マス(2)(7)(12)による右斜め下方に延びる並びを「ライン<6>」と呼ぶこととする。
また、マス(9)(6)(3)による右斜め上方に延びる並びを「ライン<7>」と呼び、マス(10)(7)(4)による右斜め上方に延びる並びを「ライン<8>」と呼ぶこととする。更に、マス(1)(2)(3)(4)による横方向の並びを「ライン<9>」と呼び、マス(5)(6)(7)(8)による横方向の並びを「ライン<10>」と呼び、マス(9)(10)(11)(12)による横方向の並びを「ライン<11>」と呼ぶこととする。こうして、12マススロットル画像7Xでは、合計11のラインが形成されることとなる。
次に図38に基づいて、各マス(1)〜(12)で可変表示される演出図柄8Xの種類について説明する。演出図柄8Xには、大きく分けて3種類の演出図柄が用意されていて、数字図柄と文字図柄とアイコン図柄とがある。数字図柄(通常識別情報)には、「1」〜「8」の数字図柄が用意されている。各数字図柄は、それぞれ大当たり態様(特定表示態様)、リーチ態様及びハズレ態様を形成し得る演出図柄である。この演出図柄8Xが、本発明の「識別情報」に相当する。
大当たり態様とは、大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせのことである。本形態において、12マススロットル演出の大当たり態様は、数字図柄がゾロ目(例えば「777」)で表示される態様である。リーチ態様とは、複数の演出図柄のうち1つの演出図柄が可変表示している状態で、残りの演出図柄が大当たり態様の一部を形成する態様である。本形態において、12マススロットル演出のリーチ態様は、3つの数字図柄のうち1つの数字が可変表示している状態で、残り2つの同じ数字図柄が停止表示している態様である。ハズレ態様とは、後述するが、例えば数字図柄がバラケ目(例えば「637」)で表示される態様である。
但し12マススロットル画像7Xでは、図37に示すように、3つのマスの並びによって構成されるラインと、4つのマスの並びによって構成されるラインとがある。本形態において大当たり態様及びリーチ態様は、3つのマスの並びによって構成されるラインでのみ形成されるようになっている。つまり、大当たり態様及びリーチ態様は、ライン<1>〜<8>で形成されることがあり得るものの、ライン<9>〜<11>のラインでは形成されることがないようになっている。
また図38に示すように、文字図柄(再変動識別情報)には、縦並び疑似連図柄(第1
再変動識別情報)と横並び疑似連図柄(第2再変動識別情報)とがある。縦並び疑似連図柄には、「太」と「郎」とがある。横並び疑似連図柄には、「T」と「A」と「R」と「O」とがある。これら文字図柄は、疑似連表示態様を形成し得る演出図柄である。疑似連表示態様とは、各演出図柄8Xの最終的な停止表示前に各演出図柄8Xを仮停止表示してから再び可変表示させる再変動(疑似連)の実行を示唆するための表示態様のことである。なお、疑似連表示態様はあくまで疑似連の実行を示唆するものであって、大当たり当選を示唆するものではない。
本形態では、「太」と「郎」の2つの縦並び疑似連図柄が縦方向に並ぶと、「太郎」から成る疑似連表示態様(第1疑似連表示態様)が形成されて、疑似連の実行が示唆されることとなる(図52参照)。また、「T」と「A」と「R」と「O」の4つの横並び疑似連図柄が横方向に並ぶと、「TARO」から成る疑似連表示態様(第2疑似連表示態様)が形成されて、疑似連の実行が示唆されることとなる(図53参照)。但し、「TARO」から成る疑似連表示態様を表示するためには、横方向に4つのマスが必要であるため、「TARO」から成る疑似連表示態様はライン<9><10><11>でのみ表示されるようになっている。
また図38に示すように、アイコン図柄(特殊識別情報)には、演出発展図柄(第1特殊識別情報)とブランク図柄(第2特殊識別情報)とがある。演出発展図柄には、カードの装飾形態が示されている「カード図柄」と、鉛筆の装飾形態が示されている「鉛筆図柄」と、消しゴムの装飾形態が示されている「消しゴム図柄」とがある。同じ演出発展図柄が縦方向又は斜め方向に3つ揃うと、発展演出態様が形成されて、演出発展図柄に応じた所定の発展演出が実行されるようになっている。例えば、「カード図柄」が縦方向又は斜め方向に3つそろうと、後述するようにカード図柄に応じた発展演出が実行される(図88及び図89参照)。
一方、ブランク図柄は、ハズレを意味する演出図柄であり、「●」と「▲」とがある。ブランク図柄が3つ揃っても、大当たりの当選を示す演出や上述したような発展演出が実行されることはない。つまり、ブランク図柄は、大当たり態様、リーチ態様、疑似連表示態様、発展演出態様を形成することがない演出図柄である。これらブランク図柄は、大当たり態様を構成し得る数字図柄、疑似連表示態様を構成し得る疑似連図柄、発展演出を構成し得る演出発展図柄よりも、見た目がシンプルに(装飾度合が低く)なっている。これにより、12マススロットル演出において、ブランク図柄が停止表示されることにより、相対的に数字図柄、演出発展図柄、疑似連図柄が目立つようになる。その結果、遊技者は、12という多くの可変表示部7bがあっても、大当たり態様と疑似連表示態様と発展演出態様とが構成されるか否かに意識を集中させることができるようになっている。
次に、図39に基づいて、12の可変表示部7bの各々に対する演出図柄8Xの停止順について説明する。図39に示すように、停止順には4つの停止順があり、各停止順では(I)(II)(III)(IV)の順に停止表示される。即ち、基本停止順では、先ず演出図柄8Xがマス(1)(2)(11)(12)で停止表示される。次にマス(3)(4)(9)(10)で停止表示される。続いてマス(5)(8)で停止表示される。最後にマス(6)(7)で停止表示される。
また逆停止順では、先ず演出図柄8Xがマス(6)(7)で停止表示される。次にマス(5)(8)で停止表示される。続いてマス(1)(4)(9)(12)で停止表示される。最後にマス(2)(3)(10)(11)で停止表示される。
また左から右へ停止する場合では、先ず演出図柄8Xがマス(1)(5)(9)で停止表示される。次にマス(2)(6)(10)で停止表示される。続いてマス(3)(7)(11)で停止表示される。最後にマス(4)(8)(12)で停止表示される。
また右から左へ停止する場合では、先ず演出図柄8Xがマス(4)(8)(12)で停止表示される。次にマス(3)(7)(11)で停止表示される。続いてマス(2)(6)(10)で停止表示される。最後にマス(1)(5)(9)で停止表示される。こうして、12マススロットル演出において、停止順として4つの停止順が設定されていることにより、例えば1つの停止順だけが設定されている場合に比べて、単調な可変表示演出となるのを防止することが可能である。
ここで、本形態の12マススロットル演出においては、演出図柄8Xが基本停止順又は逆停止順で停止表示される場合には、大当たり態様、リーチ態様、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様、発展演出態様が構成され得易い。一方、演出図柄8Xが左から右へ停止する場合又は右から左へ停止する場合には、大当たり態様、リーチ態様、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様、発展演出態様が構成されないものの、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様が構成され得易い。
つまり、横方向に延びるライン<9><10><11>では、大当たり態様、リーチ態様、発展演出態様が表示されることがなく、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様が表示されるか否かに限られる。従って、演出図柄8Xが左から右へ停止される又は右から左へ停止される際には、遊技者の注意を専ら再変動表示(疑似連)が実行されるか否かに向けさせることが可能となる。こうして、複数の停止順の中から特定の停止順(左から右へ停止、右から左へ停止)に応じて遊技者の意識を特定の演出(疑似連)の成否に集中させることで、単調な遊技となるのを抑制することが可能となる。
また本形態では、複数の演出図柄8Xが表示される組合せのうち、大当たり態様、リーチ態様、疑似連表示態様、発展演出態様のいずれもが表示されない態様を、ハズレ態様と呼ぶこととする。例えば、3つの数字図柄のうち各数字が全て異なっている態様や、3つの演出図柄のうち1つの数字図柄と1つの疑似連図柄と1つの演出発展図柄が表示されている態様等が、ハズレ態様である。
次に図40に基づいて、演出図柄8Xのリール配列について説明する。表示画面7aに表示される12の可変表示部7bの各々では、演出図柄8Xが可変表示されているとき、各リールの表面に表示された演出図柄8Xが縦方向に回転して見えるようになっている。そして、各リールの回転速度が徐々に遅くなり、各リールが停止することで、停止表示された演出図柄8Xを識別することが可能となる。
図40に示すように、演出図柄8Xでは、合計16の演出図柄が順番に配列されている。各数字図柄は数字順で1つおきに配されていて、各数字図柄の間に、縦並び疑似連図柄(「太」又は「郎」)、横並び疑似連図柄(「T」、「A」、「R」、「O」)、ブランク図柄(「●」又は「▲」)、演出発展図柄(「鉛筆図柄」、「カード図柄」、「消しゴム図柄」)が配されている。詳細な配列については、図40に示す通りであるため、説明を省略する。
この演出図柄8Xは、図40の矢印で示す回転方向で回転するように見える。そのため、遊技者は、数字図柄「1」、ブランク図柄「▲」、数字図柄「2」、カード図柄、数字図柄「3」等の順番に、演出図柄8Xが回転表示して見える。この演出図柄8Xには、8つの数字図柄と、8つの数字図柄以外の演出図柄(疑似連図柄とブランク図柄と演出発展図柄、以下「非数字図柄」という)とが含まれている。そのため、各数字図柄の間に非数字図柄が配されていて、数字図柄が1つ値だけ増える変動時間の間に、2つの演出図柄が切り換わる(回転表示する)ようになっている。
こうして、数字図柄が1つ値だけ増える変動時間を基準に、演出図柄8Xに含まれる各演出図柄を表すと、以下のように表すことができる。図40に示すように、例えば数字図柄「2」を基準図柄とすると、数字図柄「2」の1つ後にカード図柄が表示されることなる。そこで、カード図柄を基準図柄+0.5図柄と表すこととする。そして、数字図柄「2」の2つ後に数字図柄「3」が表示されることなるため、数字図柄「3」を基準図柄+1図柄と表すこととする。
一方、数字図柄「2」の1つ前にブランク図柄「▲」が表示されることとなる。そこで、ブランク図柄「▲」を基準図柄−0.5図柄と表すこととする。そして、数字図柄「2」の2つ前に数字図柄「1」が表示されることとなるため、数字図柄「1」を基準図柄−1図柄と表すことができる。なお、数字図柄「2」を基準図柄とした場合のその他の演出図柄8Xについては、図40に示す通りであるため、説明を省略する。
次に図41〜図51に基づいて、演出対象ラインについて説明する。演出対象ラインとは、各ライン<1>〜<11>の中からリーチ態様(大当たり態様)、疑似連表示態様、発展演出態様、ハズレ態様を表示すると決定したラインを意味する。本形態では、上述したように、ライン<1>〜<8>においてリーチ態様、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様、発展演出態様が表示され得る。そのため、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様を表示する場合でなければ、ライン<1>〜<8>の中から演出対象ラインが1つ又は複数決定されることとなる。
一方、上述したようにライン<9><10><11>は4つの可変表示部7bから構成されているため、リーチ態様、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様、発展演出態様が表示されることがないラインとなっている。従って本形態では、ライン<9><10><11>から演出対象ラインが決定された場合には、その決定された演出対象ラインには、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様又はハズレ態様が表示されるようになっている。つまり、ライン<9><10><11>は、「TARO」による疑似連表示態様が形成され得る専用ラインとなっている。
図41は、演出対象ラインとして1つが決定された1ライン型の種類を示した図である。図41に示すように、1ライン型では、合計8つのパターンが用意されている。例えば、1ライン型のパターン1は、ライン<1>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。なお以下では、ライン<1>が演出対象ラインとして決定された場合に、演出対象ライン<1>と呼ぶように、演出対象ラインとして決定したラインの符号をそのまま利用して、演出対象ラインを説明することとする。
この1ライン型のパターン1において、リーチ態様である場合、停止順(基本停止順又は逆停止順)に拘わらず、マス(1)とマス(9)で演出図柄8Xが停止表示されている状態で、演出図柄8Xがマス(5)で可変表示し続けることになる。つまり、演出対象ライン<1>でリーチ態様である場合、マス(5)において演出図柄8Xが所定の時間、停止表示せずに可変表示することとなる。その後、マス(5)において演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されることとなる。
こうして、図41及び以下に示す図42〜図51では、リーチ態様である場合に、ドットが付いているマスで演出図柄8Xが停止表示している状態で、演出対象ラインのうちドットが付いていないマスで演出図柄8Xが可変表示することを意味している。1ライン型のその他のパターン2〜8については、図41に示す通りであるため、その説明を省略する。
図42は、停止順が基本停止順である場合に、演出対象ラインとして2つが決定された2ライン型の種類を示した図である。図42に示すように、2ライン型では、合計24のパターンが用意されている。例えば、2ライン型のパターン1は、ライン<1><2>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。本形態においては、後述するように、複数の演出対象ラインが決定されてリーチ態様となる場合、決定された複数の演出対象ラインでリーチ態様として表示される各数字図柄は全て同じになる。つまり、2ライン型のパターン1においてリーチ態様となる場合には、マス(1)(2)(9)(10)で停止表示される数字図柄は全て同じになる。
また、図42に示すように、基本停止順の2ライン型の全パターンにおいて、リーチ態様である場合に、2行目の各マス(5)(6)(7)(8)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。基本停止順の2ライン型のその他のパターン2〜24については、図42に示す通りであるため、その説明を省略する。
なお、2ライン型のパターン3において、マス(9)(10)(11)のうちマス(9)(11)において同じ数字図柄が停止表示されると、リーチ態様になるとも思われるが、これはリーチ態様として演出しないようになっている。つまり、マス(9)(10)(11)は、横方向に延びるライン<12>の一部を構成するマスであり、本形態のライン<12>は、上述したように、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様又はハズレ態様を表示するラインであって、リーチ態様を表示するラインとして設定しないためである。
図43は、停止順が基本停止順である場合に、演出対象ラインとして3つが決定された3ライン型の種類を示した図である。図43に示すように、3ライン型では、合計15のパターンが用意されている。例えば、3ライン型のパターン1は、ライン<1><2><6>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。図43に示すように、基本停止順の3ライン型の全パターンにおいて、リーチ態様である場合に、2行目の各マス(5)(6)(7)(8)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。基本停止順の3ライン型のその他のパターン2〜15については、図43に示す通りであるため、その説明を省略する。
図44は、停止順が基本停止順である場合に、演出対象ラインとして4つが決定された4ライン型の種類を示した図である。図44に示すように、4ライン型では、合計4つのパターンが用意されている。例えば、4ライン型のパターン1は、ライン<1><4><5><6>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。図44に示すように、基本停止順の4ライン型の全パターンにおいて、リーチ態様である場合に、2行目の各マス(5)(6)(7)(8)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。基本停止順の4ライン型のその他のパターン2〜4については、図44に示す通りであるため、その説明を省略する。
図45は、停止順が基本停止順である場合に、演出対象ラインとして5つが決定された5ライン型の種類を示した図である。図45に示すように、5ライン型では、合計2つのパターンが用意されている。5ライン型のパターン1は、ライン<1><2><3><6><8>が演出対象ラインとして決定されたパターンであり、5ライン型のパターン2は、ライン<1><3><4><5><7>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。図45に示すように、基本停止順の5ライン型のパターン1,2において、2行目の各マス(5)(6)(7)(8)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。
図46は、停止順が基本停止順である場合に、演出対象ラインとして8つが決定された8ライン型を示した図である。図46に示すように、8ライン型では、1つのパターンのみが用意されている。8ライン型のパターン1は、ライン<1><2><3><4><5><6><7><8>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。2行目の各マス(5)(6)(7)(8)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。但し本形態では、後述するように、演出対象ラインが8ライン型のパターン1として設定されるのは、大当たりに当選したことが確定している場合のみであるため、8ライン型のパターン1においてハズレ態様が表示されることはない。つまり、8ライン型のパターン1による演出は、大当たりが確定したプレミア演出となっている。
図47は、停止順が逆停止順である場合に、演出対象ラインとして2つが決定された2ライン型の種類を示した図である。図47に示すように、2ライン型では、合計24のパターンが用意されている。例えば、2ライン型のパターン1は、ライン<1><2>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。逆停止順の2ライン型の全パターンにおいて、リーチ態様である場合に、3行目の各マス(9)(10)(11)(12)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。逆停止順の2ライン型のその他のパターン2〜24については、図47に示す通りであるため、その説明を省略する。
図48は、停止順が逆停止順である場合に、演出対象ラインとして3つが決定された3ライン型の種類を示した図である。図48に示すように、3ライン型では、合計15のパターンが用意されている。例えば、3ライン型のパターン3は、ライン<1><4><5>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。しかし本形態において、逆停止順で3ライン型として用意された15のパターンのうち、パターン1,2,7,8,9,14,15は実際に設定されないようになっている。なお本形態では後述するように、逆停止順である場合の3ライン型、4ライン型、5ライン型において、設定しないパターンがあるが、それらのパターン(設定しないパターン)の全て又は一部を設定するように構成しても良い。但し本形態のようにそれらのパターンを設定しない方が好ましい。
それはパターン1,2,7,8,9,14,15では、リーチ態様である場合に、2行目で同じ数字図柄が横方向に3つ揃うためである。従って本形態では、遊技者に対して同じ数字図柄が横方向に3つ揃うことにより大当たりに当選したと誤解を与えないように、逆停止順で3ライン型のパターン1,2,7,8,9,14,15を設定しないようになっている。なお、逆停止順の3ライン型のパターン3,4,5,6,10,11においては、リーチ態様である場合に、3行目の各マス(9)(10)(11)(12)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。また、逆停止順の3ライン型のパターン12,13においては、リーチ態様である場合に、1行目の各マス(2)(3)で演出図柄8Xが可変表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。
図49は、停止順が逆停止順である場合に、演出対象ラインとして4つが決定された4ライン型の種類を示した図である。図49に示すように、4ライン型では、合計4つのパターンが用意されているが、これらのパターン全てにおいて、2行目で同じ数字図柄が横方向に3つ揃うこととなる。従って本形態において、逆停止順で4ライン型のパターン全てが設定されないようになっている。
図50は、停止順が逆停止順である場合に、演出対象ラインとして5つが決定された5ライン型の種類を示した図である。図50に示すように、5ライン型では、合計2つのパターンが用意されているが、これら2つパターンにおいても、2行目で同じ数字図柄が横方向に3つ揃うこととなる。従って本形態において、逆停止順で5ライン型のパターン全てが設定されないようになっている。
図51は、停止順が逆停止順である場合に、演出対象ラインとして8つが決定された8ライン型を示した図である。図46に示すように、8ライン型では、1つのパターンのみが用意されている。8ライン型のパターン1は、ライン<1><2><3><4><5><6><7><8>が演出対象ラインとして決定されたパターンである。3行目の各マス(9)(10)(11)(12)で演出図柄8Xが停止表示されると、ハズレ態様又は大当たり態様が表示されるようになっている。逆停止順で8ライン型のパターン1による演出は、基本停止順で8ライン型のパターン1による演出と同様、大当たりが確定したプレミア演出となっている。
次に図52に基づいて、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様について説明する。図52(A)〜(D)に示すように、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様(「太郎」)には、「太郎」が表示される数に応じて、1ライン型と2ライン型と3ライン型と4ライン型とがある。図52(A)では1ライン型として、マス(1)に「太」が表示され、マス(5)に「郎」が表示されるパターンのみを代表して示している。1ライン型のその他のパターンは、図78(A)に示されていて、合計8つのパターンが用意されている。各パターンについては、図78(A)から推測できるため、説明を省略する。
図52(B)では2ライン型として、マス(1)(2)に「太」が表示され、マス(5)(6)に「郎」が表示されるパターンのみを代表して示している。2ライン型のその他のパターンは、図78(A)に示されていて、合計12のパターンが用意されている。各パターンについては、図78(A)から推測できるため、説明を省略する。
図52(C)では3ライン型として、マス(1)(2)(3)に「太」が表示され、マス(5)(6)(7)に「郎」が表示されるパターンのみを代表して示している。3ライン型のその他のパターンは、図78(A)に示されていて、合計4つのパターンが用意されている。各パターンについては、図78(A)から推測できるため、説明を省略する。
図52(D)では4ライン型として、マス(1)(2)(3)(4)に「太」が表示され、マス(5)(6)(7)(8)に「郎」が表示されるパターンを代表して示している。4ライン型のその他のパターンは、図78(A)に示されていて、マス(5)(6)(7)(8)に「太」が表示され、マス(9)(10)(11)(12)に「郎」が表示されるパターン(4−2)である。よって、4ライン型は合計2つのパターンが用意されている。
図78(A)の各パターンで示すように、マス(1)(2)(3)(4)には、「太」が表示され得るものの、「郎」が表示されることはない。一方、マス(9)(10)(11)(12)には、「郎」が表示され得るものの、「太」が表示されることはない。これらに対して、マス(5)(6)(7)(8)では、1行目と2行目に「太郎」が形成される場合には、「郎」が表示される一方、2行目と3行目に「太郎」が形成される場合には、「太」が表示されるようになっている。つまり、マス(5)(6)(7)(8)は、疑似連表示態様「太郎」が形成される位置に応じて、「太」と「郎」の文字を差し替えることが可能なマスとなっている(図40参照)。
ここで、縦並び疑似連図柄による疑似連表示態様(「太郎」)の示唆について説明する。上述したように、12マス(1)〜(12)の中で表示される「太郎」の数は、1〜4まである。この数は、疑似連の実行に際して行われる再変動表示の上限回数を示唆している。なお疑似連とは、各演出図柄8Xの最終的な停止表示前に各演出図柄8Xを仮停止表示してから再び可変表示させる再変動表示を、所定回数にわたって実行する(複数回の変動のように見せる)ことである。よって、疑似連で行われる再変動表示の回数が3回である場合には、演出図柄8Xが1回目仮停止表示し、1回目再変動し、2回目仮停止表示し、2回目再変動し、3回目仮停止表示し、3回目再変動して最終的に停止表示するようになっている。
例えば図52(C)に示すように、3ライン型で「太郎」が3つ表示されると、3つの「太郎」を見た遊技者に対して、疑似連の実行に際して行われる再変動表示の上限回数が3回であることを認識させるようになっている。即ち、3つの「太郎」が表示されれば、その疑似連で行われる再変動表示の回数は3回以上行われることとなる。但し本形態では、例えば疑似連で行われる再変動表示の回数が3回である場合に、3回行われる仮停止表示の全てにおいて、「太郎」が3つ必ず表示されるわけではない。この場合、3回行われる仮停止表示のうち、1ライン型(「太郎」が1つ)又は2ライン型(「太郎」が2つ)或いは3ライン型(「太郎」が3つ)の何れかが表示されることとなる。
要するに、疑似連で行われる再変動表示の回数が3回である場合に、1回目の仮停止表示の際に3つ「太郎」が表示されることもあれば、1回目の仮停止表示の際に1つの「太郎」が表示されて、3回目の仮停止表示の際に初めて3つ「太郎」が表示されることもある。そのため、遊技者にとっては、複数回行われる仮停止表示の際に、できるだけ早い段階で「太郎」が多く表示されると、多くの回数の再変動表示が実行されるという期待感を抱くことが可能となる。
よって、疑似連表示態様(「太郎」)の数は、その数を見た遊技者にとって、その時点で疑似連による再変動表示が最大で何回行われるかを示唆している。そのため、遊技者は、仮停止表示の際に1つだけ「太郎」を見たとしても、たまたまその時点の仮停止表示において少ない数の「太郎」が表示されているだけであって、実際には複数回の再変動表示が実行される場合であるとの期待感を抱くことが可能である。
なお本形態において、例えば疑似連で行われる再変動表示の回数が3回である場合に、3回行われる仮停止表示のうち、少なくとも1回の仮停止表示において3つの「太郎」が表示されるというわけではない。つまりこの場合には、3回行われる仮停止表示のうち、1回も3つの「太郎」が表示されなくて、1つの「太郎」又は2つの「太郎」が表示されるだけで疑似連が終了する場合があり得るようになっている。
続いて図53に基づいて、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様について説明する。図53(A)〜(C)に示すように、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様(「TARO」)には、「TARO」が表示される数に応じて、1ライン型と2ライン型と3ライン型とがある。図53(A)では1ライン型として、マス(1)に「T」が表示され、マス(2)に「A」が表示され、マス(3)に「R」が表示され、マス(4)に「O」が表示されるパターンのみを代表して示している。1ライン型のその他のパターンは、図78(B)に示されていて、合計3つのパターンが用意されている。各パターンについては、図78(B)から推測できるため、説明を省略する。
図53(B)では2ライン型として、マス(1)(5)に「T」が表示され、マス(2)(6)に「A」が表示され、マス(3)(7)に「R」が表示され、マス(4)(8)に「O」が表示されるパターンを代表して示している。2ライン型のその他のパターンは、図78(B)に示されていて、マス(5)(9)に「T」が表示され、マス(6)(10)に「A」が表示され、マス(7)(11)に「R」が表示され、マス(8)(12)に「O」が表示されるパターン(2−2)である。よって、2ライン型は合計2つのパターンが用意されている。
図53(C)では3ライン型として、マス(1)(5)(9)に「T」が表示され、マス(2)(6)(10)に「A」が表示され、マス(3)(7)(11)に「R」が表示され、マス(4)(8)(12)に「O」が表示されるパターンを示している。「TARO」による3ライン型は、12マス(1)〜(12)の全てで演出図柄が決まるため、上記した1つのパターンのみである。
横並び疑似連図柄による疑似連表示態様(「TARO」)の示唆について説明する。上述したように、12マス(1)〜(12)の中で表示される「TARO」の数は、1〜3まである。この数は、疑似連の実行に際して行われる再変動表示の上限回数を示唆している。例えば図53(C)に示すように、3ライン型で「TARO」が3つ表示されると、3つの「TARO」を見た遊技者に対して、疑似連の実行に際して行われる再変動の上限回数が3回であることを認識させるようになっている。「TARO」による疑似連表示態様の示唆は、4つの「TARO」が表示されないこと以外、上述した「太郎」による疑似連表示態様の示唆と同様であるため、説明を省略する。ここで本形態では、所定回数(保留上限数)を超えない数の有効ライン(ライン<1>〜<11>)を利用して疑似連表示態様(「太郎」,「TARO」)を表示させるように構成されている。
次に図54及び図55に基づいて、縦並び疑似連図柄による疑似2ガセについて説明する。疑似2ガセとは、疑似連で2回の再変動表示が行われるかのように見せて、2回目の再変動表示の際に、疑似連表示態様が表示されないことである。つまり、疑似2ガセでは、2回目の再変動表示で疑似連表示態様が成立しそうに見せかけて、疑似連表示態様が成立しないで演出図柄8Xが最終的に停止表示して、以降に演出が発展しないハズレとなる。
図54は、基本停止順で「太郎」による疑似2ガセのパターンを示した図である。図54に示すように、2ライン型ではパターン1とパターン2とが用意され、3ライン型ではパターン1とパターン2とが用意されている。例えば、2ライン型のパターン1では、1回目の再変動表示の際に、マス(1)(2)で縦並び疑似連図柄「太」が停止表示されている状態で、マス(5)(6)で演出図柄8Xが可変表示する。これにより、2つの「太郎」が成立しそうに見せかけて、マス(5)(6)では縦並び疑似連図柄「郎」以外の演出図柄8Xが停止表示して、ハズレとなる(ガセとなる)。
2ライン型のパターン2では、1回目の再変動表示の際に、マス(11)(12)で縦並び疑似連図柄「郎」が停止表示されている状態で、マス(7)(8)で演出図柄8Xが可変表示する。これにより、2つの「太郎」が成立しそうに見せかけて、マス(7)(8)では縦並び疑似連図柄「太」以外の演出図柄8Xが停止表示して、ハズレとなる。3ライン型のパターン1とパターン2は、3つの「太郎」が成立しそうに見せかけてハズレとなるパターンであり、図54に示す通りであるため、説明を省略する。
図55は、逆停順で「太郎」による疑似2ガセのパターンを示した図である。図55に示すように、2ライン型ではパターン1とパターン2とが用意され、3ライン型ではパターン1とパターン2とが用意されている。逆停順で「太郎」による疑似2ガセのパターンは、上述した基本停止順で「太郎」による疑似2ガセのパターンと停止順が異なるだけであり、図55に示す通りである。
つまり、2ライン型のパターン1とパターン2は、2つの「太郎」が成立しそうに見せかけてハズレとなるパターンであり、3ライン型のパターン1とパターン2は、3つの「太郎」が成立しそうに見せかけてハズレとなるパターンである。なお、図54及び図55に示す疑似2ガセにおいて、1回目の仮停止表示の際には、1つの「太郎」又は2つの「太郎」が表示されるようになっている。
次に図56に基づいて、横並び疑似連図柄による疑似2ガセについて説明する。図56に示すように、停止順として左から右へ停止する場合に、パターン1とパターン2とが用意されている。パターン1では、1回目の再変動表示の際に、先ずマス(1)(5)で横並び疑似連図柄「T」が停止表示され、次にマス(2)(6)で横並び疑似連図柄「A」が停止表示され、続いてマス(3)(7)で横並び疑似連図柄「R」が停止表示される。これにより、2つの「TARO」が成立しそうに見せかけて、マス(4)(8)では横並び疑似連図柄「O」以外の演出図柄8Xが停止表示して、ハズレとなる(ガセとなる)。パターン2については、パターン1とは停止表示されるマスが異なること以外、図56に示す通りであるため、説明を省略する。なお、図56に示す疑似2ガセにおいて、1回目の仮停止表示の際には、1つの「TARO」又は2つの「TARO」が表示されるようになっている。
ところで本形態において、横並び疑似連図柄による疑似2ガセは、停止順として左から右へ停止する場合には、上述したように実行されるものの、停止順として右から左へ停止する場合には、実行されないようになっている。つまり、停止順として右から左へ停止する場合、「TARO」が成立しそうに見せかけてハズレとなることはない。従って、例えば先ずマス(4)で横並び疑似連図柄「O」が表示され、次にマス(3)で横並び疑似連図柄「R」が表示され、続いてマス(2)で横並び疑似連図柄「A」が表示された場合には、最後に必ずマス(1)で「T」が表示されるようになっている。
そのため、右から左へ停止する場合には、左から右へ停止する場合よりも、遊技者にとって「TARO」が成立する演出の期待度を大きくしている。こうして停止順によって、演出(横並び疑似連図柄による疑似連表示態様)の成否を変えることで、特定の停止順(右から左へ停止)への期待度を大きくさせて、遊技者に特定の停止順を意識させることが可能となる。なお、一般的に横並びの文字を認識する場合、左から右へ向かって文字を認識するため、マス(2)(3)(4)で「ARO」の文字が表示されると、マス(1)(2)(3)で「TAR」の文字が表示される場合よりも、「TARO」が成立しそうであることを認識し難い。従って本形態では、横並び疑似連図柄による疑似2ガセが、左から右へ停止する場合には実行されるものの、右から左へ停止する場合には実行されないように設定されている。
次に、12マス変動演出パターン作成処理(図29参照、S4505)について、図57〜図60に基づいて説明する。なお、12マス変動演出パターン作成処理(S4505)は、図29に示す変動演出開始処理(S4402)において、モードステータスが「5」(演出モードがE)である場合に(S4503でYES)、12マススロットル演出を実行するための変動演出パターンを決めるための処理である。
[12マス変動演出パターン作成処理]図57に示すように、12マス変動演出パターン作成処理(S4505)ではまず、演出内容抽選処理を行う(S5001)。演出内容抽選処理では、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析したことにより(図29のS4501参照)取得した変動パターンの情報に基づいて、12マススロットル演出で実行する演出内容を抽選する。
ここで図61は、演出内容抽選テーブルを示した図である。図61に示すように、本形態では12マススロットル演出で実行される演出内容として、21の演出内容が用意されている。以下、各演出内容について説明する。
演出No1のリーチ無しハズレは、上述した演出対象ラインでリーチ態様を構成しないでハズレ態様となる演出内容である。演出No2の疑似2ガセは、疑似連による再変動表示を2回実行した後に、演出対象ラインでリーチ態様を構成しないでハズレ態様となる演出内容である。これらに対して、以下の演出No3〜演出No21までは、演出対象ラインでリーチ態様を構成する演出内容である。
演出No3のノーマルリーチハズレは、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後、ハズレ態様となる演出態様である。演出No4の2D演出ハズレは、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、発展演出の1つのである2D演出(SPリーチ)の後にハズレとなる演出内容である。本形態において2D演出とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであって、2次元で2頭身のキャラクタが登場して大当たりか否かを期待させる演出のことである(図85(F)参照)。
演出No5の3D演出ハズレは、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、発展演出の1つである3D演出(SPリーチ)の後にハズレとなる演出内容である。本形態において3D演出とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであって、3次元で8頭身のキャラクタが登場して大当たりか否かを期待させる演出のことである(図87(B)参照)。本形態では、大当たりの抽選に当選していることの期待度が高いほど、3D演出が2D演出よりも実行され易いようになっていて、2D演出がノーマルリーチよりも実行され易いようになっている。
演出No6のロングリーチ1ラインハズレは、演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様となった後に発展演出し、発展演出の1つであるロングリーチ演出でリーチ態様が形成されたリーチラインを1つ表示した後にハズレとなる演出内容である。本形態においてロングリーチ演出とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであって、1つ,2つ,3つのうち何れかのリーチラインを表示して大当たりか否かを期待させる演出のことである。
ここで図90(A)には、リーチラインの数が1である場合のロングリーチ演出の一例が示されている。また図90(B)には、リーチラインの数が2である場合のロングリーチ演出の一例を示されている。また図90(C)には、リーチラインの数が3である場合のロングリーチ演出の一例が示されている。図90(A)〜(C)に示すように、ロングリーチ演出では、画像表示装置7に12マススロットル演出のような12の可変表示部7bが表示されることはなく、中央で1つの数字図柄が可変表示するようになっている。
そして、可変表示している数字図柄が、リーチライン(図90(A)〜(C)の二点鎖線参照)でリーチ態様を構成している数字図柄と同じ数字図柄で停止表示されれば大当たり態様が形成されて、大当たりに当選したことが報知されることになる。一方、可変表示している数字図柄が、リーチラインでリーチ態様を構成している数字図柄と異なる数字図柄で停止表示されればハズレ態様が形成されて、ハズレとなった(大当たりに当選しなかった)ことが報知されることになる。
こうして本形態では、12マススロットル演出で演出対象ラインにハズレ態様が表示された後にロングリーチ演出が実行され得るようになっている。そのため、遊技者に対して12マススロットル演出で演出対象ラインにハズレ態様が表示されても、ロングリーチ演出が実行されることを期待させて、遊技興趣を向上させることが可能である。本形態の12マススロットル演出が本発明の「第1変動演出」に相当し、ロングリーチ演出が本発明の「第2変動演出」に相当する。そして、12マススロットル演出及びロングリーチ演出を実行可能な演出制御用マイコン91が、本発明の「第1変動演出実行手段」及び「第2変動演出実行手段」に相当する。
図61に示す演出内容の説明に戻る。演出No7のロングリーチ2ラインハズレは、演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様となった後に発展演出し、ロングリーチ演出でリーチ態様が形成されたリーチラインを2つ表示した後にハズレとなる演出内容である。演出No8のロングリーチ3ラインハズレは、演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様となった後に発展演出し、ロングリーチ演出でリーチ態様が形成されたリーチラインを3つ表示した後にハズレとなる演出内容である。
演出No9の疑似2+ハズレは、疑似連による再変動表示が2回実行されて、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後にハズレとなる演出態様である。演出No10の疑似3+2D演出ハズレは、疑似連による再変動表示が3回実行されて、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、2D演出の後にハズレとなる演出内容である。演出No11の疑似3+3D演出ハズレは、疑似連による再変動表示が3回実行されて、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、3D演出の後にハズレとなる演出内容である。本形態では、大当たりの抽選に当選していることの期待度が高いほど、疑似連による再変動表示の回数(疑似連回数)が多い演出が実行され易いようになっている。上記の演出内容に対して、以下の演出No12〜演出No21までが、大当たりとなる演出内容である。
演出No12のノーマル大当たりは、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後、大当たり態様となる演出内容である。演出No13の2D演出大当たりは、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、2D演出の後に大当たりとなる演出内容である。演出No14の3D演出大当たりは、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、3D演出の後に大当たりとなる演出内容である。
演出No15のロングリーチ1ライン大当たりは、演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様となった後に発展演出し、ロングリーチ演出でリーチラインを1つ表示した後に大当たりとなる演出内容である。演出No16のロングリーチ2ライン大当たりは、演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様となった後に発展演出し、ロングリーチ演出でリーチラインを2つ表示した後に大当たりとなる演出内容である。演出No17のロングリーチ3ライン大当たりは、演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様となった後に発展演出し、ロングリーチ演出でリーチラインを3つ表示した後に大当たりとなる演出内容である。
本形態では、大当たりの抽選結果が大当たりである場合には、リーチラインの数が多いロングリーチ演出が実行され易いように設定している。即ち、最終的に大当たりとなる演出内容であってロングリーチ演出が実行されるNo15〜No17の演出内容の中では、ロングリーチ3ライン大当たりの演出内容が実行され易く、ロングリーチ1ライン大当たりの演出内容が実行され難いようになっている。一方、大当たりの抽選結果がハズレである場合には、リーチラインの数が少ないロングリーチ演出が実行され易いように設定している。即ち、最終的にハズレとなる演出内容であってロングリーチ演出が実行されるNo6〜No8の演出内容の中では、ロングリーチ1ラインハズレの演出内容が実行され易く、ロングリーチ3ラインハズレが実行され難いようになっている。こうして、遊技者がロングリーチ演出でリーチラインの数を見ることで、大当たりの抽選に当選していることの期待度の高低を把握できるようになっている。
演出No18の疑似2+大当たりは、疑似連による再変動表示が2回実行されて、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に大当たりとなる演出態様である。演出No19の疑似3+2D演出大当たりは、疑似連による再変動表示が3回実行されて、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、3D演出の後に大当たりとなる演出内容である。演出No20の疑似3+3D演出大当たりは、疑似連による再変動表示が3回実行されて、演出対象ラインでリーチ態様を構成した後に発展演出し、3D演出の後に大当たりとなる演出内容である。
演出No21の疑似4+大当たりは、疑似連による再変動表示が4回実行されて、全回転リーチした後に大当たりとなる(3つの演出図柄が揃ったままゆっくり回転して、同時に停止表示する)演出内容である。なお、演出No15の疑似4+大当たりは、大当たりが確定したプレミア演出となっている。
図57の説明に戻り、演出内容抽選処理(S5001)では、図61に示す演出内容抽選テーブルと取得した変動パターンの情報とに基づいて、演出内容を抽選する。例えば変動パターンP12を取得していれば、演出No1の演出内容に決定する。また、例えば変動パターンP9を取得していれば、抽選により演出No4の演出内容又は演出No5の演出内容或いは演出No6の演出内容に決定する。このとき、演出制御用マイコン91は、例えば演出内容抽選乱数を取得し、この演出内容抽選乱数を用いて、No4,No5,No6の演出内容のうちいずれかの演出内容に決定することとなる。
同様に、変動パターンP7を取得していれば、抽選により演出No8の演出内容又は演出No9の演出内容に決定する。また変動パターンP6を取得していれば、抽選により演出No10の演出内容又は演出No11の演出内容に決定する。また変動パターンP4を取得していれば、抽選により演出No13の演出内容又は演出No14の演出内容或いは演出No15の演出内容に決定する。また変動パターンP2を取得していれば、抽選により演出No17の演出内容又は演出No18の演出内容に決定する。また変動パターンP1を取得していれば、抽選により演出No19の演出内容又は演出No20の演出内容或いは演出No21の演出内容に決定する。その他の演出内容の決定については、図61に示す通りであるため、説明を省略する。こうして、演出内容抽選処理(S5001)では、変動パターンの情報に応じて、図61に示す21の演出内容の中から1つの演出内容が選択されるようになっている。
次にステップS5002では、演出制御用マイコン91は、取得した変動パターンがリーチ成立の変動パターン(図11参照)であるか否かを判定する(S5002)。ここで、12マススロットル演出は低確低ベース状態で実行され、実質的に第1始動口20にのみ入賞されるため、変動パターンは変動パターンP1〜P12に限られる(図11参照)。そして、変動パターンには、リーチ成立か否かの情報が含まれている。
そのため、ステップS5002では、取得した変動パターンが、変動パターンP1〜P10であるか否かが判定される。変動パターンP1〜P10であれば、ステップS5002でYESと判定されて、リーチ用処理(S5004)が実行される。一方、変動パターンP1〜P10でなければ(変動パターンP11,P12であれば)、ステップS5002でNOと判定されて、非リーチ用処理(S5003)が実行される。なお本形態ではステップS5002において、変動パターンがリーチ成立の変動パターンであるか否かを判定したが、演出内容がリーチ成立の演出内容(演出No3〜No21の演出内容)であるか否かを判定しても良い。
[非リーチ用処理]図58に示すように、非リーチ用処理(S5003)ではまず、4つの停止順(基本停止順、逆停止順、左から右へ停止、右から左へ停止)の中から、1つの停止順を抽選するようになっている(S5101)。但し、停止順は演出内容と関係があるため、演出内容に基づいて抽選する停止順が異なることとなる。つまり、左から右へ停止する場合には、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様が成立するか否の演出が実行される。そのため、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様が成立することがない演出内容が抽選されていれば、左から右へ停止する場合が抽選されないようになっている。
よって、図61に示すように、演出No1,3,4,5,6,7,8,12,13,14,15,16,17,21の演出内容が決定されている場合には、停止順として左から右へ停止する場合を除いて、停止順が抽選される。言い換えれば、演出No2,9,10,11,18,19,20の演出内容が決定されている場合には、停止順として左から右へ停止する場合も含めて、停止順が抽選されるようになっている。
また、右から左へ停止する場合も、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様が成立するか否かの演出が実行され、上述したように疑似2ガセの演出が実行されることはない。そのため、疑似2ガセの演出内容と、横並び疑似連図柄による疑似連表示態様が成立することがない演出内容が抽選されていれば、右から左へ停止する場合が抽選されないようになっている。
よって、図61に示すように、演出No1,2,3,4,5,6,7,8,12,13,14,15,16,17,21の演出内容が決定されている場合には、停止順として右から左へ停止する場合を除いて、停止順が抽選される。言い換えれば、演出No9,10,11,18,19,20の演出内容が決定されている場合には、停止順として右から左へ停止する場合も含めて、停止順が抽選されるようになっている。なお演出制御用マイコン91は、例えば停止順抽選乱数を取得し、この停止順抽選乱数を用いて1つの停止順を抽選することとなる。
演出制御用マイコン91は、ステップS5101で停止順を抽選した後、演出内容と停止順に基づいて、演出対象ライン抽選テーブルを特定する(S5102)。ここで、演出対象ライン抽選テーブルについて説明する。演出対象ライン抽選テーブルは、演出対象ラインを決定するために、リーチ態様を構成するか否かと停止順と演出対象ラインの数とに分類されているテーブルである。各演出対象ライン抽選テーブルは、演出制御用マイコン91のROM93に記憶されている。
図62〜図66は、リーチ態様を構成しない演出対象ライン抽選テーブルを示した図である。図62は、基本停止順である場合に、演出内容に基づいて演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図63は、逆停止順である場合に、演出内容に基づいて演出対象ラインを決めるためのテーブルである。例えば図62に示す演出対象ライン抽選テーブルを見ると、ライン数が1〜5まで記載されている。このライン数とは、決定される演出対象ラインの数を意味している。
そして、ライン数の下方にパターンが記載されている。このパターンとは、演出対象ラインの位置を決めるためのパターンであり、図41〜図51に示した各ライン型のパターンに相当している。つまり、例えば図62においてライン数が1であり、パターンが1であるとは、図41に示す1ライン型でパターン1(No1)に相当する。従ってこの場合には、演出対象ライン<1>に決定されることとなる。また、図62おいてライン数が2であり、パターン3(1〜4の部分を参照)であるとは、図42に示す2ライン型で基本停止順を参照すると、2ライン型でパターン3に相当する。従ってこの場合には、演出対象ライン<1><7>の2つに決定されることとなる。
また、図62に示す演出対象ライン抽選テーブルを見ると、例えばパターン1の下方で、リーチ無しハズレの右方に、「127」という数字が記載されている。この数字は、演出No1の演出内容のうち、ライン数1でパターン1が抽選される分子の数を意味している。つまり、演出No1の演出内容では、各ライン数に応じたパターン毎にそれぞれ数字が割り振られていて、それらの合計値は1009になるように設定されている。そのため、演出No1の演出内容において、ライン数1でパターン1が抽選されるのは、127/1009という確率になる。なお本形態では、その他の各演出内容において、パターン毎に割り振られている数字の合計値は1009になるように設定されている。
従って、パターン毎に割り振られている数字が大きい程、該当するパターンが抽選され易いことを意味している。言い換えれば、パターンに対応する数字が「0」である場合には、そのパターンは抽選されないことを意味している。この抽選では、演出制御用マイコン91が「1」〜「1009」までのパターン決定用乱数を取得し、このパターン決定用乱数を用いて抽選する。
なお、図62において、ライン数1でパターン2〜8とまとめて記載してあるが、例えば演出No1の演出内容のうち、ライン数1でパターン2が抽選される分子の数は126である。そして、パターン決定用乱数が1〜127である場合、ライン数1でパターン1が決定され、パターン決定用乱数が128〜253(127+126)である場合、ライン数1でパターン2が決定されるようになっている。ライン数1でパターン3以降においても、以下同様である。また、以降で説明する図63〜図77において、各パターンで割り当てられている各数字も、同様の意味となっている。
図64は、基本停止順である場合に、「太郎」による疑似2ガセの演出内容で演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図64に示すライン数とパターンは、図54に示すライン数とパターンとに対応している。つまり、図64においてライン数が2であり、パターンが1であるとは、図54に示す2ライン型のパターン1に相当する。従って、この場合には、演出対象ライン<1><2>の2つに決定されることなる。
図65は、逆停止順である場合に、「太郎」による疑似2ガセの演出内容で演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図65に示すライン数とパターンは、図55に示すライン数とパターンとに対応している。つまり、図65においてライン数が2であり、パターンが1であるとは、図55に示す2ライン型のパターン1に相当する。従って、この場合には、演出対象ライン<2><3>の2つに決定されることなる。
図66は、左から右へ停止する場合に、「TARO」による疑似2ガセの演出内容で演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図66に示すライン数とパターンは、図56に示すライン数とパターンとに対応している。つまり、図66においてライン数が2であり、パターンが1であるとは、図56に示す2ライン型のパターン1に相当する。従って、この場合には、演出対象ライン<9><10>の2つに決定されることなる。なお、上述したように、右から左へ停止する場合において「TARO」による疑似2ガセは実行されないため、対応するテーブルは設けられていない。
図58の説明に戻り、ステップS5101に続いてステップS5102では、演出制御用マイコン91が、演出内容と停止順に基づいて、図61〜図66に示す演出対象ライン抽選テーブルの中から、1つの演出対象ライン抽選テーブルを特定する。例えば、演出No1の演出内容が決定(抽選)されて、基本停止順であると抽選されている場合には、図62に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。また、演出No2の演出内容が決定されて、逆停止順であると抽選されている場合には、「TARO」ではなく「太郎」による疑似2ガセを実行する場合であるため、図65に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。また、演出No2の演出内容が決定されて、左から右へ停止する場合であると抽選されている場合には、「太郎」ではなく「TARO」による疑似2ガセを実行する場合であるため、図66に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。
ステップS5102に続いて、演出制御用マイコン91は、特定した1つの演出対象ライン抽選テーブルと演出内容に基づいて、演出対象ラインを抽選する(S5104)。つまり、上述したように、演出対象ライン抽選テーブルには、各ライン数に応じたパターン毎にそれぞれ数字が割り振られている。そのため、演出制御用マイコン91は、パターン決定用乱数を用いて、演出内容のうちどのライン数でどのパターンにするかを抽選で決定する。例えば、演出No1の演出内容で、図62に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定されている場合、パターン決定用乱数が「1〜1009」の中から「1」として抽選されれば、ライン数1でパターン1が決定される。この場合、図41に示す1ライン型でパターン1が決定されたことになる。即ち、演出対象ラインの数が1で、演出対象ライン<1>に決定されたことになる。こうして、ステップS5103では、演出対象ラインの数及び位置が決定される。
ステップS5103に続いて、演出制御用マイコン91は、演出内容に基づき、決定した演出対象ラインの各マスでどの演出図柄8Xを停止表示させるかを決定する。本形態では、演出内容と、演出対象ラインの数及び位置に基づいて、演出対象ラインの各マスで停止表示させる演出図柄8Xのパターン(演出図柄表示パターン)が予め設定されている。そのため、演出制御用マイコン91は、例えば上述したように、演出No1の演出内容で演出対象ライン<1>に決定された場合、予め設定されたパターンにより、マス(1)で数字図柄3を表示し、マス(5)で数字図柄5を表示し、マス(9)で数字図柄7を表示するように決定する(図79(A)参照)。なおステップS5104において、演出対象ラインの各マスで停止表示させる演出図柄8Xのパターン(演出図柄表示パターン)が予め設定されておらず、演出対象ラインの各マスで停止表示させる演出図柄8Xを抽選で決定するようにしても良い。こうして、演出制御用マイコン91は、演出対象ラインの各マスで停止表示させる演出図柄8Xを決定した後、ステップS5105の処理を実行する。
[演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理]図59に示すように、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5105)ではまず、演出対象ライン以外の各マスが全て処理されたか否かが判定される。例えば図79(A)に示す例のように、演出対象ライン<1>で数字図柄3,5,7が表示されると決定された場合、演出対象ライン<1>以外の各マス(2)(3)(4)(6)(7)(8)(10)(11)(12)で、後述するステップS5202及びステップS5203等の処理が実行されたか否かが判定される。
演出対象ライン以外の各マスが全て処理されていなければ(S5201でNO)、ステップS5202に進み、演出対象ライン<1>以外のマスをブランク図柄にするかが抽選される(S5202)。なおブランク図柄とは、上述したように「●」又は「▲」である(図38参照)。本形態においては、3分の1の確率(所定の確率)でブランク図柄「●」又は「▲」にするか否かが抽選されるようになっている。こうして、抽選に当たれば(S5203でYES)、ステップS5204において抽選された対象のマスがブランク図柄「●」又は「▲」に決定される。一方、抽選に当たらなければ(S5203でNO)、ステップS5201に戻ることになる。こうして、演出対象ライン以外の各マスが全て処理されるまで、上記した処理が繰り返される。
例えば図79(A)に示す例では、演出対象ライン<1>以外の各マス(2)(3)(4)(6)(7)(8)(10)(11)(12)のうち、まず番号が1番小さいマス(2)で、ブランク図柄にするか否かが抽選される(S5202)。そして、マス(2)でブランク図柄にするか否かの抽選に当たり(S5203でYES)、マス(2)がブランク図柄「●」に決定される(図79(B)参照)(S5204)。そして、ステップS5201に戻り、ステップS5201でNOと判定されて、次にマス(3)でブランク図柄にするか否かが抽選される(S5202)。こうして、残りのマス(4)(6)(7)(8)(10)(11)(12)でブランク図柄にするか否かの抽選が終了するまで上記した処理が繰り返される。なお、図79(B)に示す例では、マス(2)(4)(11)でブランク図柄を表示することが決定されたことを示している。
こうして本形態では、演出対象ラインの各マスで表示する演出図柄8Xを決定した後(S5104)、先ず演出対象ライン以外の各マスで表示される演出図柄8Xとして、ブランク図柄にするか否かを決定している(S5201,S5202,S5203,S5204)。これにより、演出対象ライン以外の各マスでブランク図柄が比較的多く停止表示されるようになり、相対的に演出対象ラインの各マスで停止表示される数字図柄に意識を向けさせることが可能となる。そして、ブランク図柄「●」又は「▲」は、数字図柄、疑似連図柄、演出発展図柄よりも見た目がシンプルであるため、ブランク図柄が多く表示されるほど、数字図柄、演出発展図柄、疑似連図柄が目立つようになる。
特に本形態のように12マスという多くの可変表示部7bがある場合に、ブランク図柄が無い又は非常に少ないと、却って大当たり態様、疑似連表示態様、発展演出態様が認識し難くなり、煩雑な印象を与えかねない。そこで本形態では、積極的に演出対象ライン以外の各マスでブランク図柄が表示されるように決定することで、演出対象ラインの各マスで表示される演出図柄8Xに意識が向くようになり、見た目の煩雑さを抑制することが可能となる。
ステップS5201で、演出対象ライン以外の各マスが全て処理されたと判定されると、ステップS5205に進む。ステップS5205では、ステップS5201と同様、演出対象ライン以外の各マスが全て処理されたか否かが判定される。つまり、図79(B)に示す例では、演出対象ライン<1>以外の各マス(2)(3)(4)(6)(7)(8)(10)(11)(12)で後述するステップS5206等の処理が実行されたか否かが判定される。
演出対象ライン以外の各マスが全て処理されていなければ(S5205でNO)、ステップS5206に進み、演出対象ライン以外のマスがブランク図柄に決定済みであるか否かが判定される(S5206)。ブランク図柄に決定済みであれば(S5206でYES)、ステップS5205に戻ることとなる。これに対して、ブランク図柄に決定済みでなければ(S5206でNO)、他のマスで未だ決定されていない演出図柄8Xの中から演出図柄8Xが抽選で決定される(S5207)。つまり、ステップS5207では、演出対象ライン以外の各マスのうち、いずれの演出図柄8Xを停止表示するか決定済みでないマスについて、未だ表示予定となっていない演出図柄8Xの中から演出図柄8Xを決定するようになっている。
図79(B)に示す例では、演出対象ライン<1>以外の各マス(2)(4)(11)でブランク図柄が停止表示されることが決定されている。そのため、先ずマス(2)ではブランク図柄に決定済みであるため、ステップS5206でYESと判定されて、ステップS5205に戻る。ステップS5205ではNOと判定されて、ステップS5206に進む。次にマス(3)ではブランク図柄に決定済みでないため、ステップS5207に進む。ステップS5207では、演出対象ライン<1>で停止表示されることが決定している数字図柄3,5,7を除くと共に、ブランク図柄「●」を除いて、未だ表示予定となっていない演出図柄8Xの中から縦並び疑似連図柄「太」が抽選で決定されたことを示している。こうして、残りのマス(4)(6)(7)(8)(10)(12)で上記した処理が繰り返され、マス(3)(6)(7)(8)(10)(12)でそれぞれ異なる演出図柄8Xが決定されたことを示している。
ステップS5205で、演出対象ライン以外の各マスが全て処理されたと判定されると、本処理が終了する。これにより、非リーチ用処理(S5003)において、12マス全てで表示される演出図柄8Xが決定される。こうして、図57に示すように、非リーチ用処理(S5003)からその他の処理(S5005)に進む。その他の処理(S5005)では、変動演出パターンに12マス全てで決定された演出図柄8Xの情報が含まれる。こうして、12マススロットル演出における変動演出パターンが作成されて、12マス変動演出パターン作成処理(S4505)が終了する。
本形態では、上述したステップS5207の処理により、演出対象ライン以外の各マスにおいて、演出対象ラインで表示されると決定された演出図柄8Xとブランク図柄を除いて、同じ演出図柄8Xが停止表示されることがない(図79(B)(F)参照)。従って、演出対象ライン以外の各マスにおいて、ブランク図柄を除いて同じ演出図柄8Xが縦方向、横方向、斜め方向に隣り合うことがない。よって、演出対象ライン以外の各マスで、大当たり態様、疑似連表示態様、発展演出態様が構成されることを確実に防止することが可能である。
特に本形態のように12マスという多くの可変表示部7bがある場合に、演出対象ライン以外の各マスで同じ数字図柄が縦方向、横方向、斜め方向に2つ揃ってしまうことが起こり易くなる。そこで本形態では、上述したステップS5207の処理により、演出対象ライン以外の各マスで同じ数字図柄が停止表示されることがなくなる。従って、リーチ態様となる演出を行う場合でないにも拘わらず、リーチ態様となるのを防止することが可能である。
なお、図79(B)に示す例において、以下の停止順で各演出図柄8Xが停止表示される。即ち、停止順は基本停止順であるため、先ず図79(C)に示すように、マス(1)(2)(11)(12)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。次に図79(D)に示すように、マス(3)(4)(9)(10)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。続いて図79(E)に示すように、マス(5)(8)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。最後に図79(F)に示すように、マス(6)(7)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。こうして、演出対象ライン<1>でリーチ態様とはならず、ハズレ態様(どはずれ)となる演出が実行される。なお、どはずれとは、数字図柄がバラケ目となることである。
続いて図80に示す例を参照して、逆停止順である場合にどはずれとなる演出について説明する。この例では、リーチ無しハズレであるため、演出No1の演出内容が抽選される(S5001)。そして、非リーチ用処理(S5003)において、停止順として逆停止順が抽選される(S5101)。次に、ステップS5102により、図63に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5103)では、ライン数1でパターン6(図41のNo6参照)が抽選される。つまり、演出対象ライン<6>でどはずれとなることが決定される。そして、ステップS5104において、予め設定されているパターンにより、図80(A)に示すように、マス(2)で数字図柄2が表示されることが決定され、マス(7)で数字図柄6が停止表示されることが決定され、マス(12)で数字図柄7が停止表示されることが決定する。
その後、ステップS5105に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図80(B)に示すように、演出対象ライン<6>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。そして、停止順は逆停止順であるため、先ず図80(C)に示すように、マス(6)(7)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。次に図80(D)に示すように、マス(5)(8)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。続いて図80(E)に示すように、マス(1)(4)(9)(12)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。最後に図80(F)に示すように、マス(2)(3)(10)(11)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。こうして、演出対象ライン<6>でリーチ態様とはならず、ハズレ態様となる演出が実行される。
[リーチ用処理]次にリーチ用処理(S5004)について説明する。リーチ用処理(S5004)ではまず、図60に示すように、4つの停止順(基本停止順、逆停止順、左から右へ停止、右から左へ停止)の中から、1つの停止順を抽選する(S5301)。このステップS5301の処理は、上述した非リーチ用処理(S5003)のステップS5101の処理と同様である。つまり、停止順は演出内容と関係があるため、演出内容に基づいて停止順が決定される。次にステップS5302では、演出内容に基づいてリーチライン数を抽選で決定する。リーチライン数とは、リーチ態様となる演出対象ラインの数を意味している。よってリーチ用処理において、リーチライン数と演出対象ラインの数とは同じになる。後述するように、リーチライン数に応じて、演出対象ライン抽選テーブルが特定される。
ここで、図67〜図77は、リーチ用処理において特定される演出対象ライン抽選テーブルを示した図である。図66〜図77に示すように、演出対象ライン抽選テーブルは、停止順とリーチライン数とに分類して設けられている。図67は、停止順(基本停止順、逆停止順、左から右へ停止、右から左へ停止)に拘わらず、リーチライン数が1である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。
図67を見ると、パターンが記載されている。このパターンとは、上述したように、演出対象ラインの位置を決めるためのパターンであり、図41〜図51に示した各ライン型のパターンに相当している。図67はリーチライン数(演出対象ラインの数)が1である場合のテーブルであるため、例えば図67においてパターン1であるとは、図41に示す1ライン型でパターン1に相当する。また図67を見ると、発展時回転ライン数と記載されているが、これは上述した2D演出又は3D演出(発展演出)が実行される際に、リーチ態様のまま演出対象ラインとして残る数(残存リーチラインの数)を意味している。但し、ノーマルリーチの場合には、発展演出が実行されないため、発展時回転ライン数を無視することとする。
図68は、基本停止順又は左から右へ停止する(「TARO」による疑似連表示態様を表示する)場合で、リーチライン数が2である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図68を見ると、発展時回転ライン数の下に、発展時回転ラインNoが記載されている。発展時回転ラインNoとは、上述した2D演出又は3D演出が実行される際に、リーチ態様のまま演出対象ラインとして残るラインを意味している。
例えば図68においてパターン1で、発展時回転ライン数が1で、発展時回転ラインNoが2である場合には、図42に示す2ライン型のパターン1において演出対象ライン<2>を残して発展演出が実行されることを意味する。この場合には、演出対象ライン<1><2>で共にリーチ態様が表示された後、演出対象ライン<1>でハズレ態様が表示されて、演出対象ライン<2>でリーチ態様が表示されたまま発展演出が実行されることになる。
また例えば、図68においてパターン1で、発展時回転ライン数が2で、発展時回転ラインNoが「all」である場合には、図42に示す2ライン型のパターン1において演出対象ライン<1><2>を共に残して発展演出が実行されることを意味する。この場合には、演出対象ライン<1><2>で共にリーチ態様が表示された後、演出対象ライン<1><2>でハズレ態様が表示されることなく、発展演出が実行されることになる。以降で説明する図69〜図77において、発展時回転ライン数及び発展時回転ラインNoの意味も、同様である。
図69は、逆停止順又は右から左へ停止する(「TARO」による疑似連表示態様を表示する)場合で、リーチライン数が2である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図70は、基本停止順又は左から右へ停止する場合で、リーチライン数が3である場合に演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図71は、逆停止順又は右から左へ停止する場合で、リーチライン数が3である場合に演出対象ラインを決めるためのテーブルである。
図72は、基本停止順又は左から右へ停止する場合で、リーチライン数が4である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図73は、逆停止順又は右から左へ停止する場合で、リーチライン数が4である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。但し本形態では、図49で示したように、停止順が逆停止順である場合に4つの演出対象ラインが決定されると、2行目で同じ数字図柄が横方向に3つ揃うこととなる。そのため、これらのパターンが設定されることはない。従って本形態では、図73に示す演出対象ライン抽選テーブルを用いないようになっている。
図74は、基本停止順又は左から右へ停止する場合で、リーチライン数が5である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図75は、逆停止順又は右から左へ停止する場合で、リーチライン数が5である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。但し本形態では、図50で示したように、停止順が逆停止順である場合に5つの演出対象ラインが決定されると、2行目で同じ数字図柄が横方向に3つ揃うこととなる。そのため、これらのパターンが設定されることはない。従って本形態では、図75に示す演出対象ライン抽選テーブルを用いないようになっている。
図76は、基本停止順で、リーチライン数が8である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図76から分かるように、演出No21の演出内容が決定された場合にのみ、図76に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される可能性があるようになっている。ここで、演出No21の演出内容は、疑似連による再変動表示が4回実行される演出内容である。そのため、疑似連表示態様が4つ表示される可能性があるものでなければならない。従って、演出No21の演出内容を実行する場合、仮停止表示において、縦並び疑似連表示態様(「太郎」)を表示し、横並び疑似連表示態様(「TARO」)を表示しないように設定している。こうした理由から、図76に示す演出対象ライン抽選テーブルは、左から右へ停止する場合には特定されないようになっている。
図77は、逆停止順で、リーチライン数が8である場合に、演出対象ラインを決めるためのテーブルである。図77から分かるように、演出No21の演出内容が決定された場合にのみ、図77に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される可能性があるようになっている。上記した理由と同様の理由により、図77に示す演出対象ライン抽選テーブルは、右から左へ停止する場合には特定されないようになっている。
図60に示すリーチ用処理(S5004)の説明に戻る。ステップS5301で停止順が抽選された後、演出制御用マイコン91は、ステップS5302において、演出内容に基づきリーチライン数を抽選する。ここで、リーチ用処理(S5004)が実行される場合には、演出No3〜No21の演出内容の中から演出内容が抽選されていることなるが(S5001)、本形態では演出No3の演出内容(ノーマルリーチハズレ)及び演出No9の演出内容(疑似2ハズレ)は、リーチライン数が3(トリプルリーチ)以上である場合に実行されないようにしている。つまり、No3の演出内容及び演出No9の演出内容は、リーチライン数が1又は2である場合に実行されることとしている。
これは、リーチライン数に応じて遊技者に大当たりの抽選に当選していることの期待度を報知するため、リーチライン数が多いほど、期待度が高い演出が実行され易いように設定しているためである。つまり、リーチライン数が3以上である場合、遊技者に与える期待度は比較的高くなる。しかし遊技者が3以上のリーチライン数を見たにも拘わらず、仮に期待度が比較的低いノーマルリーチ又は疑似2が実行されてハズレとなると、リーチライン数に応じて期待度を報知する信頼性が低減する。このことから本形態では、ノーマルリーチハズレ又は疑似2ハズレの演出内容は、リーチライン数が3以上である場合に実行しないようにしている。
そして、本形態ではリーチライン数が最大で8に設定されることがあり得るが、遊技者が8のリーチライン数を見た場合、遊技者に与える期待度は極めて高くなる。このことから、演出No21の演出内容(疑似4+全回転大当たり)が決定されている場合のみ、リーチライン数が8である場合が抽選され得るようにしている(図76及び図77参照)。即ち、演出No3〜演出No20の演出内容が決定されている場合には、リーチライン数が8である場合が抽選されないようにしている。
こうして、ステップS5302において、演出制御用マイコン91は、演出No3及び演出No6の演出内容が決定されていれば、リーチライン数として1,2のうちどちらかに抽選(決定)する。また、演出No4〜No5、演出No9〜No14、及び演出No18〜No20の演出内容が決定されていれば、リーチライン数として1,2,3,4,5の中から1つ抽選する。また、演出No21の演出内容が抽選されていれば、リーチライン数として1,2,3,4,5,8の中から1つ抽選する。なお演出No6〜No8及び演出No15〜No17の演出内容が決定されている場合のリーチライン数については、後述する。
ステップS5302に続いてステップS5303では、リーチライン数と停止順に基づいて、図67〜図77の演出対象ライン抽選テーブルの中から1つのテーブルを特定する。例えば基本停止順でリーチライン数が1(1ライン)として決定されていれば、図67に示すテーブルが特定される。また例えば、逆停止順でリーチライン数が3(3ライン)として決定されていれば、図71に示すテーブルが特定される。
ステップS5303に続いてステップS5304では、演出制御用マイコン91は、特定した1つの演出対象ライン抽選テーブルと演出内容に基づいて、演出対象ラインを抽選する(S5304)。このステップS5304の処理は、上述した非リーチ用処理(S5003)のステップS5103の処理と同様である。但し、図67〜図77の演出対象ライン抽選テーブルでは、発展時回転ライン数と発展時回転ラインNoの記載がある。そのためステップS5304により、演出対象ラインの数及び位置が決定されると共に、発展演出を実行する場合に発展時回転ライン数と、どの演出対象ラインを残すかが決定されることとなる。
ステップS5304に続いてステップS5305では、演出制御用マイコン91は、演出内容に基づき、決定した演出対象ラインの各マスでどの演出図柄8Xを停止表示させるかを決定する。このステップS5305の処理は、上述した非リーチ用処理(S5003)のステップS5104の処理と同様である。つまり、演出内容と、演出対象ラインの数及び位置に基づいて、演出対象ラインの各マスで停止表示させる演出図柄8Xのパターン(演出図柄表示パターン)が予め設定されている。そのため、演出制御用マイコン91は、予め設定されたパターンにより、決定された演出対象ラインの各マスで停止表示させる各演出図柄8Xを決定する(S5305)。
ステップS5305に続いてステップS5306では、演出制御用マイコン91は、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理を実行する。このステップS5306の処理は、上述した非リーチ用処理(S5003)のステップS5105(図59参照)の処理と同様にブランク図柄や未だ表示予定となっていない演出図柄8Xを設定する。従って、詳細な説明は省略する。こうして、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、演出対象ライン以外の各マスに停止表示する演出図柄8Xが決定する。この結果、12マス全てで表示する演出図柄8Xが決定されたことになり、リーチ用処理(S5004)が終了する。そして、図57に示すように、その他の処理(S5005)で、12マススロットル演出における変動演出パターンが作成されて、12マス変動演出パターン作成処理(S4505)が終了する。
次に図81に示す例を参照して、基本停止順である場合にノーマルリーチハズレとなる演出について説明する。この例では、ノーマルリーチハズレであるため、演出No3の演出内容が抽選される(S5001)。次に、リーチ用処理(S5004)において、停止順として基本停止順が抽選される(S5301)。図81に示すように、この例ではステップS5302において、リーチライン数として1が抽選される。そしてステップS5303では、リーチライン数が1であり且つ基本停止順であるため、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。
続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)では、パターン1で発展時回転ライン数1が抽選される。ここで、ノーマルリーチ(発展演出が実行されないノーマルリーチハズレ及びノーマル大当たり)の場合に、図67において発展時回転ライン数1とは、発展演出が実行されるという意味ではない。この場合、例外的に発展時回転ライン数を無視し、特定された演出対象ラインでノーマルリーチが実行されることを意味する。こうして、図81に示す例では、演出対象ライン<1>でノーマルリーチはずれとなることが決定する(図41のNo1参照)。
そして、ステップS5305において、予め設定されているパターンにより、図81(A)に示すように、マス(1)(9)で数字図柄3が表示されることが決定され、マス(5)で数字図柄2が表示されることが決定される。なお、基本停止順でパターン1(図41のNo1参照)と決定されているため、マス(1)(9)で数字図柄3が停止表示されている状態で、マス(2)で演出図柄8Xが可変表示してリーチ態様となることが決定している。
その後、ステップS5306に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図81(B)に示すように、演出対象ライン<1>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。そして、停止順は基本停止順であるため、先ず図81(C)に示すように、マス(1)(2)(11)(12)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。次に図81(D)に示すように、マス(3)(4)(9)(10)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。このとき、演出対象ライン<1>ではリーチ態様が成立する。そのため本形態では、図81(D)に示すように、マス(1)(5)(9)の周りが赤色で点灯し、マス(1)(5)(9)の上に黄色の直線が表示されるようになっている。これにより、リーチ態様が成立した演出対象ライン<1>を認識し易くしている。
続いて図81(E)に示すように、マス(8)で決定された数字図柄5が停止表示される。なおこのとき、マス(5)で数字図柄2が停止表示されるタイミングであるが、リーチ態様が構成されているため、マス(5)では演出図柄8Xが可変表示されたままになる。次に図81(F)に示すように、マス(6)(7)で決定された各演出図柄8Xが停止表示される。最後に図81(G)に示すように、リーチ態様で演出図柄8Xが可変表示していたマス(2)で、数字図柄2が停止表示される。こうして、演出対象ライン<1>でノーマルリーチハズレとなる演出が実行される。
なお上記した説明では、図81(D)に示すリーチ態様が表示された後、図81(E)に示す状態を経て、図81(F)に示すように、リーチ態様以外の全てのマスで各演出図柄8Xが停止表示された状態となった。しかしながら、図81(D)に示すリーチ態様が表示されるとすぐに、リーチ態様以外の全てのマスで各演出図柄8Xが停止表示されるようにしても良い。また、図81(D)〜図81(F)に示すように、マス(1)(5)(9)の上に黄色の直線が表示されたままになっているが、その直線は一度表示されたら消えるようにしても良く、点滅させても良い。これにより、演出対象ライン<1>で停止表示された演出図柄8Xが見え難くなるのを防止することが可能である。
図79〜図81に示した例から分かるように、本形態では、予め設定された複数の演出内容(No1〜No21の演出内容)と複数の停止順(基本停止順、逆停止順、左から右へ停止、右から左へ停止)とに対応した複数の演出対象ライン抽選テーブル(図62〜図77に示すテーブル)が設けられている。これにより、12マススロットル演出を実行する際、演出制御用マイコン91は、先ず演出内容を選択し(S5001)、停止順を選択する(S5101,S5301)。その後、選択した演出内容と選択した停止順とに基づいて、複数の演出対象ライン抽選テーブルの中から1つの演出対象ライン抽選テーブルを特定する。そして、その特定した演出対象ライン抽選テーブルに基づいて、演出対象ラインを決定している。よって、演出対象ラインがどのように決定されるのかの仕様が明確であり、演出の管理をし易くすることが可能となっている。
特に、各演出対象ライン抽選テーブルは、演出対象ラインでリーチ態様を形成しない図62〜図66に示すテーブルと、演出対象ラインでリーチ態様を形成する図67〜図77に示すテーブルとに分けられている。更に、図67〜図77に示すテーブルは、リーチ態様となる演出対象ラインの数であるリーチライン数に応じて分けられている。よって、演出制御用マイコン91は、リーチとならない演出を実行する場合には、図62〜図66に示すテーブルから演出対象ライン抽選テーブルを特定する(S5102)。一方、リーチとなる演出を実行する場合には、リーチライン数を決定した後(S5302)、決定したリーチライン数に基づいて図67〜図77に示すテーブルから演出対象ライン抽選テーブルを決定する(S5303)。こうして12マススロットル演出において、1つ又は複数のリーチラインを形成する場合であっても、どの演出対象ライン抽選テーブルを用いるのかが明確になっていて、演出の管理をし易くすることが可能となっている。
次に図82に示す例を参照して、疑似2ハズレとなる演出について説明する。この例では、疑似2ハズレであるため、演出No9の演出内容が抽選される(S5001)。ここで疑似2ハズレは、各演出図柄8Xを仮停止表示してから再変動表示(再変動1)を行い、再び各演出図柄を仮停止表示してから再変動表示(再変動2)を行い、最終的に各演出図柄8Xを停止表示させる際にリーチ態様でハズレとなる演出である。つまり、再変動表示が2回行われる。以下に示す処理は、最終的に停止表示させる各演出図柄8Xを決めるための処理である。
図82(C)に示すように、この例ではステップS5302において、リーチライン数として1が抽選される。そしてステップS5303では、リーチライン数が1であり且つ基本停止順であるため、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)でパターン2が抽選されて、演出対象ライン<2>でノーマルリーチはずれとなることが決定する(図41のNo2参照)。次に、ステップS5305により、図82(D)に示すように、マス(2)(10)で数字図柄5が表示されることが決定され、マス(6)で数字図柄4が停止表示されることが決定される。そして、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、図82(D)に示すように、演出対象ライン<2>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。
ところで、疑似2ハズレにおいて、最終的に停止表示させる各演出図柄8Xは上述したように決定されるが、1回目に仮停止表示される各演出図柄8Xと、2回目に仮停止表示される各演出図柄8Xは、以下のようにして決定される。図82に示す例では、基本停止順であるため、即ち左から右へ停止する場合又は右から左へ停止する場合でないため、仮停止表示の際には「太郎」による疑似連表示態様が表示される。そして、疑似2により再変動表示が2回行われる場合であるため、1回目又は2回目の仮停止表示の際には、「太郎」が1つ又は2つ表示されることとなる。つまり本形態では、上述したように、疑似連表示態様の数により、疑似連の実行に際して行われる再変動表示の上限回数を示唆することとしている。
よって、1回目又は2回目の仮停止表示の際に表示される疑似連表示態様は、図52(A)に示す1ライン型、又は図52(B)に示す2ライン型のどちらかに抽選で決定される。具体的には、図78(A)に示すパターン(1−1)からパターン(1−8)までと、パターン(2−1)からパターン(2−12)までの中から1つのパターンが抽選で決まる。これにより、1回目及び2回目の仮停止表示の際に表示される疑似連表示態様(「太郎」)の数及び位置が決定される。
こうして、図82に示す例では、1回目の仮停止表示の際に、図78(A)のパターン(2−7)により、マス(5)(6)で「太」が表示され、マス(9)(10)で「郎」が表示されることが決定される。また、2回目の仮停止表示の際に、図78(A)のパターン(1−6)により、マス(6)で「太」が表示され、マス(10)で「郎」が表示されることが決定される。そして、疑似連表示態様(「太郎」)が表示されるマス以外のマスでは、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、停止表示される各演出図柄8Xが決定されることになる。
以上により、疑似2ハズレとなる演出が実行される場合、図82(A)に示すように、1回目の仮停止表示の際に、「太郎」による疑似連表示態様が2つ表示される。これにより、この時点で遊技者に、疑似連による再変動表示が少なくとも2回実行することを認識させることができる。つまり遊技者は、疑似連による再変動表示が3回又は4回であって、たまたま「太郎」による疑似連表示態様が2つだけ表示されたと認識し得る。よって、遊技者には多くの再変動表示が実行されるかもしれないという期待感を抱かせることが可能となり、疑似連による飽きにくい演出が可能である。
その後、図82に示す例では、2回目の仮停止表示の際に、「太郎」による疑似連表示態様が1つ表示される(図82(B)参照)。そして、最終的な停止表示の際には、演出対象ライン<2>でリーチ態様が表示された後(図82(C)参照)、ハズレとなる演出が実行される(図82(D)参照)。
次に図83に示す例を参照して、左から右へ停止する場合に疑似2で大当たりとなる演出について説明する。この例では、疑似2大当たりであるため、演出No18の演出内容が抽選される(S5001)。そして、停止順序抽選処理(S5301)では、停止順として左から右へ停止する場合が抽選され、ステップS5302においてリーチライン数として1が抽選される。これにより、ステップS5303では、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)でパターン2(図67では省略)が抽選されて、演出対象ライン<2>で大当たりとなることが決定する(図41のNo2参照)。次に、ステップS5305において、予め設定されているパターンによって、図83(G)に示すように、マス(2)(6)(10)で数字図柄3が表示されることが決定される。そして、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、図83(G)に示すように、演出対象ライン<2>以外の各マスで停止表示される演出図柄8Xが決定される。
こうして、上述したように最終的に停止表示させる各演出図柄8Xが決定され、1回目又は2回目の仮停止表示の際に停止表示させる各演出図柄8Xについては、以下のように決定される。図83に示す例では、停止順が左から右へ停止する場合であるため、仮停止表示の際には「TARO」による疑似連表示態様が表示される。そして、疑似2により再変動表示が2回(上限回数)行われる場合であるため、1回目又は2回目の仮停止表示の際には、「TARO」が1つ又は2つ表示されることとなる。
よって、1回目又は2回目の仮停止表示の際に表示される疑似連表示態様は、図53(A)に示す1ライン型、又は図53(B)に示す2ライン型のどちらかに抽選で決定される。つまり、図78(B)に示すパターン(1−1)(1−2)(1−3)(2−1)(2−2)の中から1つのパターンが抽選で決まる。これにより、各仮停止表示の際に表示される疑似連表示態様(「TARO」)の数及び位置が決定される。
こうして、図83に示す例では、1回目の仮停止表示の際に、図78(B)のパターン(2−1)により、マス(1)(5)で「T」が表示され、マス(2)(6)で「A」が表示され、マス(3)(7)で「R」が表示され、マス(4)(8)で「O」が表示されることが決定される。また、2回目の仮停止表示の際に、図78(B)のパターン(1−2)により、マス(5)で「T」が表示され、マス(6)で「A」が表示され、マス(7)で「R」が表示され、マス(8)で「O」が表示されることが決定される。そして、疑似連表示態様(「TARO」)が表示されるマス以外のマスでは、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、図83(D)(E)に示すように停止表示される各演出図柄8Xが決定されることとなる。
以上により、疑似2大当たりとなる演出が実行される場合、図83(A)〜(D)に示すように、各演出図柄8Xが左から右へ停止して、1回目の仮停止表示の際にライン<9><10>で「TARO」による疑似連表示態様が2つ表示される。また、2回目の仮停止表示の際にライン<10>で「TARO」による疑似連表示態様が1つ表示される。このように「TARO」による疑似連表示態様が表示されるのは、上述した「太郎」による疑似連表示態様が表示される場合(図82参照)と異なり、横方向に延びるライン<9><10><11>に限られることになる。つまり本形態では、横方向に延びるライン<9><10><11>は、大当たり態様、リーチ態様、「太郎」による疑似連表示態様、発展演出態様が形成されることがないラインであり、「TARO」による疑似連表示態様のみが形成される可能性があるラインである。
よって、図83(A)〜(D)に示すように、各演出図柄8Xが左から右へ停止する際には、遊技者の注意を「TARO」による疑似連表示態様が成立するか否か(疑似連による再変動表示が実行されるか否か)に向けさせることが可能となる。そのため、停止順に応じて成立し得る表示態様(「太郎」による疑似連表示態様、「TARO」による疑似連表示態様等)が異なり、単調な遊技となるのを抑制することが可能となる。
また、左から右へ停止する場合には、12マススロットル演出で形成され得る全てのライン<1>〜<11>のうち、<9><10><11>が演出対象ラインとなり得る。つまり、4つの停止順のうち選択された停止順によって、11のラインのうちどのラインを演出対象ラインとするかが変化する。本形態では、基本停止順又は逆停止順が選択された場合には、ライン<1>〜<8>が演出対象ラインとなり得る一方、左から右へ停止する場合又は右から左へ停止する場合が選択された場合には、ライン<9><10><11>が演出対象ラインとなり得る。従って、この演出対象ラインの変化によって、遊技者を飽きさせるのを抑制することが可能となる。
図83に示す例では、2回の再変動が実行された後、最終的な停止表示の際に、演出対象ライン<2>でリーチ態様が表示される(図83(F)参照)。その後、演出態様ライン<2>で大当たり態様が表示される(図83(G)参照)。このようにして、左から右へ停止する場合に疑似2で大当たりとなる演出が実行される。
図82及び図83に示す例から分かるように、「太郎」による疑似連表示態様は、縦方向に表示されるのに対して、「TARO」による疑似連表示態様は、横方向に表示される。そのため、異なる疑似連表示態様を明確に区別することが可能である。特に、縦方向に並ぶ2つの可変表示部7bで「太郎」による疑似連表示態様が表示され、横方向に並ぶ4つの可変表示部7bで「TARO」による疑似連表示態様が表示されるため、疑似連表示態様として従来にない斬新な印象を与えることが可能である。
次に図84に示す例を参照して、疑似2ガセとなる演出について説明する。この例では、疑似2ガセであるため、演出No2の演出内容が抽選される(S5001)。ここで、疑似2ガセは、疑似連で2回の再変動表示が行われるかのように見せて、1回目の再変動表示の際に、疑似連表示態様が表示されずにハズレとなる演出である。つまり、最終的な停止表示の際にはリーチ態様が表示されない。
よって、非リーチ用処理(S5003)において、先ず停止順序抽選処理が実行され、図84に示す例では、左から右へ停止する場合が抽選される(S5101)。次に演出内容(疑似2ガセ)と停止順序(左から右へ停止)に基づいて、図66に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される(S5102)。続いて演出対象ライン抽選処理(S5103)により、図84に示す例では、2ライン型のパターン1(図56参照)が抽選され、演出対象ライン<10><11>に決まる。
これにより、ステップS5104では、予め設定されているパターンにより、図84(C)に示すように、演出対象ライン<10>のマス(4)にブランク図柄「●」が表示されることが決定され、演出対象ライン<11>のマス(8)にブランク図柄「▲」が表示されることが決定される。そして、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5105)により、図84(C)に示すように、演出対象ライン<10><11>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。
こうして、上述したように最終的に停止表示させる(ガセとなる)各演出図柄8Xが決定され、1回目の仮停止表示の際に表示させる各演出図柄8Xについては、上述した疑似2大当たりで説明した決定方法と同様に決定するため、説明を省略する。なお疑似2ガセでは、実際に再変動表示される回数は1回(上限回数)であるが、仮停止表示の際に「TARO」による疑似連表示態様は1つ又は2つ表示されることがあるようになっている。つまり、疑似2ガセの場合には例外的に、本発明における「所定回数」が2回という意味であり、仮停止表示の際に2回を超えない数のラインで疑似連表示態様(「TARO」又は「太郎」が表示されることになる。
以上により、疑似2ガセとなる演出が実行される場合、図84(A)に示すように、仮停止表示の際に「TARO」による疑似連表示態様を1つ見た遊技者は、その時点でたまたま「TARO」による疑似連表示態様が1つだけ表示されたと考え、疑似連による再変動表示が2回以上実行されることを期待し得る。そして、図84(B)に示すように、疑似連表示態様の一部である「TAR」を2つ見た遊技者は、その時点で「TARO」による疑似連表示態様が2つ成立するだろうと期待する。しかし、図84(C)に示すように、「TARO」による疑似連表示態様は2つとも成立せず、疑似2ガセとなる演出が実行される。
上述したように、疑似2ガセの演出により、疑似連表示態様の一部(「TAR」)が表示されても、疑似連表示態様が成立しない場合があり得ることになる。つまり、疑似連表示態様の一部が表示されただけでは、疑似連表示態様が成立することが確定するわけではない。よって、遊技者が、疑似連表示態様の一部(例えば「TA」や「TAR」等)を見ても、その時点で再変動表示が実行されるかどうかが分からなくなる。従って、疑似連表示態様の一部を見た遊技者が、その時点で再変動表示が実行されることを確信して、疑似連表示態様による演出に飽きてしまうのを防止することが可能となる。
次に図85に示す例を参照して、疑似3から2D演出大当たりとなる演出について説明する。この例では、演出No13の演出内容が抽選される(S5001)。ここで、疑似3から2D演出大当たりとなる演出は、疑似3により再変動表示が3回実行されて、リーチ態様が構成された後に発展演出し、2D演出の後に大当たりとなる演出である。そのため、発展演出が実行される前に、3回目の再変動表示で表示される各演出図柄8Xは、以下のように決定される。
図85に示す例では、リーチ用処理(S5004)において、先ず停止順序抽選処理(S5301)により、基本停止順が抽選される。次に演出内容に基づいてリーチライン数が抽選される(S5302)。ここで上述したように、演出No19の演出内容(疑似3+2D演出大当たり)である場合には、リーチライン数として1,2,3,4,5の中から1つ抽選されるようになっていて、図85に示す例では、リーチライン数として2が抽選される(図85(D)参照)。そしてステップS5303では、リーチライン数が2であり且つ基本停止順であるため、図68に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)により、パターン1(図42のNo1参照)で、発展時回転ライン数1で、発展時回転ラインNo1が抽選される。
これにより、図85に示す例では、演出対象ライン<1><2>でリーチ態様となることが決定する。そして、発展時回転ライン数1であるため、発展演出の実行前に残存するリーチ態様の演出対象ラインの数が1つであることが決定する。更に、発展時回転ラインNo1であるため、演出対象ライン<1><2>のうち、演出対象ライン<1>にリーチ態様の表示を残し、演出対象ライン<2>でリーチハズレ態様を表示して、発展演出が実行されることが決定する。なお、リーチハズレ態様(非特定表示態様)とは、リーチ態様を経て可変表示していた演出図柄8Xが停止表示したときに、大当たり態様とはならずにハズレ態様となった表示態様のことである。
そして、ステップS5305において、予め設定されているパターンにより、図85(D)に示すように、マス(1)(2)(9)(10)で数字図柄5が表示されることが決定され、マス(6)で数字図柄4が表示されることが決定される。その後、ステップS5306に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図85(D)に示すように、演出対象ライン<1><2>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。
こうして、上述したように3回目の再変動表示で表示される各演出図柄8Xが決定され、1回目、2回目、3回目の仮停止表示の際に表示させる各演出図柄8Xについては、上述した疑似2ハズレで説明した決定方法と同様であるため、説明を省略する。なお図85に示す例では、1回目の仮停止表示の際に、図78(A)のパターン(1−5)で「太郎」が表示されることが抽選で決定され、2回目の仮停止表示の際に、図78(A)のパターン(3−1)で「太郎」が表示されることが抽選で決定され、3回目の仮停止表示の際に、図78(A)のパターン(2−6)で表示されることが抽選で決定されている。
以上により、疑似3から2D演出大当たりとなる演出が実行される場合、1回目の仮停止表示の際には、図85(A)に示すように各演出図柄8Xが表示され、2回目の仮停止表示の際には、図85(B)に示すように各演出図柄8Xが表示され、3回目の仮停止表示の際には、図85(C)に示すように各演出図柄8Xが表示される。そして、3回目の仮停止表示の後に3回目の再変動が実行され、図85(D)に示すように、演出対象ライン<1><2>でリーチ態様が表示される。つまり、2つの演出対象ライン<1><2>でリーチ態様となるダブルリーチとなる。
そして、図85(D)に示す状態から図85(E)に示すように、演出対象ライン<2>では、マス(6)に数字図柄4が停止表示され、リーチハズレ態様となる。これに対して、演出対象ライン<1>では、演出図柄8Xがマス(5)で可変表示し続けて、発展演出が実行されることとなる。なお本形態では、リーチ態様となっている数字図柄を基準図柄(図40参照)として、その基準図柄+1図柄を超えて演出図柄8Xが可変表示(回転)すると、発展演出が実行されるようになっている。つまり、図85(E)に示す例では、リーチ態様となっている数字図柄5を基準図柄として、その基準図柄+1図柄が数字図柄6になるため、マス(5)で数字図柄6を超えて演出図柄8Xが回転して、発展演出が実行される。
こうして、図85(F)に示すように、発展演出として2D演出が実行されると、12の可変表示部7bが表示画面7aに表示されなくなる。そして、2次元で2頭身のキャラクタが表示画面7aに登場して大当たりか否かを期待させる演出が実行される。その後、図85(G)に示すように、演出図柄「7」「7」「7」が揃って、大当たりの演出が実行されることとなる。以上により本形態では、12マススロットル演出で演出対象ラインにリーチ態様を構成した後、ノーマルリーチよりも大当たり抽選に当選していることの期待度が高い発展演出(2D演出、3D演出)を実行可能である。そのため、実行可能な演出のバリエーションを多くして、遊技者にとって飽きにくい演出にすることが可能である。
次に図86に示す例を参照して、3ラインリーチから1ラインリーチになった後に2D演出ハズレとなる演出について説明する。この例では、2D演出ハズレであるため、演出No4の演出内容が抽選される(S5001)。そして、リーチ用処理(S5004)では、停止順序抽選処理(S5301)により、基本停止順が抽選される(S5301)。次にステップS5302では、リーチライン数として3が抽選される。こうしてステップS5303では、リーチライン数が3であり且つ基本停止順であるため、図70に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)により、パターン3(図43のNo3参照)で、発展時回転ライン数1で、発展時回転ラインNo5が抽選される。
これにより、図86に示す例では、演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様となることが決定する。そして、発展時回転ライン数1であるため、発展演出の実行前に残存するリーチラインの数が1つであることが決定する。更に、発展時回転ラインNo5であるため、演出対象ライン<1><2><5>のうち、演出対象ライン<5>にリーチ態様の表示を残し、演出対象ライン<1><2>でリーチハズレ態様を表示して、発展演出が実行されることが決定する。
そして、ステップS5305において、予め設定されているパターンにより、図86(B)(C)に示すように、マス(1)(4)(9)(11)(12)で数字図柄2が表示されることが決定され、マス(5)で数字図柄8が表示されることが決定され、マス(8)で数字図柄1が表示されることが決定する。その後、ステップS5306に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図86(C)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>以外の各マスで表示される演出図柄8Xが決定される。こうして、発展演出が実行される前に停止表示される各演出図柄8Xが決定される。
以上により、3ラインリーチから1ラインリーチになった後に2D演出ハズレとなる演出が実行される場合、先ず図86(A)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様が表示される。つまり、3つの演出対象ライン<1><2><5>でリーチ態様となるトリプルリーチとなる。ここで本形態では、リーチ態様が複数の演出対象ラインで表示される場合には、各リーチ態様を形成する演出図柄(数字図柄)8Xを同じ演出図柄8Xで表示するようにしている。
そのため、図86(A)に示すように、3つの演出対象ライン<1><2><5>でリーチ態様を形成する演出図柄8Xは、全て同じ数字図柄2となっている。従って、各演出対象ラインでリーチ態様を形成する演出図柄8Xが異なる場合に比べて、リーチ態様の数を把握し易くすることが可能である。つまり、図86(A)に示すように、遊技者に対してトリプルリーチであることを把握し易くすることが可能である。
そして、図86(A)に示す状態から図86(B)に示すように、演出対象ライン<1>では、マス(5)に数字図柄8が停止表示され、リーチハズレ態様となる。続いて、図86(B)に示す状態から図86(C)に示すように、演出対象ライン<4>では、マス(8)に数字図柄1が停止表示され、リーチハズレ態様となる。これらに対して、演出対象ライン<5>では、演出図柄8Xがマス(6)で可変表示し続けて、発展演出が実行される。なお図86(C)に示す例では、上述したように、リーチ態様となっている数字図柄2を基準図柄として、その基準図柄+1図柄が数字図柄3になる。そのため、マス(6)で数字図柄3を超えて演出図柄8Xが回転して、発展演出が実行される。
ここで本形態では、リーチ態様が複数の演出対象ラインで表示された後に、リーチハズレ態様を形成する場合には、可変表示しているマスに対して以下に示す数字図柄を停止表示させるようにしている。即ち、リーチ態様となっている数字図柄を基準図柄として、基準図柄−3図柄、基準図柄−2図柄、基準図柄−1図柄、基準図柄+1図柄の4種類のうち何れか1つを停止表示させるようにしている。
そのため、図86(A)に示す例では、数字図柄2が基準図柄であるため、マス(5)(8)には、数字図柄7、数字図柄8、数字図柄1、数字図柄3のうち何れか1つが停止表示する可能性があったことになる。こうした理由により、図86(B)に示すようにマス(5)では数字図柄8が停止表示され、図86(C)に示すようにマス(8)では数字図柄1が停止表示されている。こうして本形態によれば、リーチ態様が複数の演出対象ラインで表示された後に、リーチハズレ態様を形成する場合に、基準図柄から大きく離れた数字図柄(図86(A)(B)では例えば数字図柄6等)が停止表示されるのを防止している。
こうして図86に示す例では、3ラインリーチから1ラインリーチになった後、図86(D)に示すように演出発展し、2D演出が実行される。その後、図86(E)に示すように、演出図柄「7」「6」「7」が停止表示されて、ハズレとなる。図86に示す例の作用効果については、以下の図87に示す例を説明した後、図87に示す例との対比で説明することとする。
次に図87に示す例を参照して、3ラインリーチのまま3D演出大当たりとなる演出について説明する。この例では、3D演出大当たりであるため、演出No14の演出内容が抽選される(S5001)。そして、上述した図86に示す例と同様、リーチライン数が3であり且つ基本停止順であるため、ステップS5303では、図70に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。次に、演出対象ライン抽選処理(S5304)により、パターン3(図43のNo3参照)で、発展時回転ライン数3で、発展時回転ラインNo「all」が抽選される。
これにより、図87に示す例では、演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様となることが決定する。そして、発展時回転ライン数3であるため、発展演出の実行前に残存するリーチラインの数が3つであることが決定する。更に、発展時回転ラインNo「all」であるため、演出対象ライン<1><4><5>の全てでリーチ態様の表示を残し、発展演出が実行されることが決定する。続いて、ステップS5305及びステップS5306に示す処理は、上述した図86に示す例と同様であるため、説明を省略する。こうして、発展演出が実行される前に停止表示される各演出図柄8Xが決定される。
以上により、3ラインリーチのまま3D演出大当たりとなる演出が実行される場合、図87(A)に示すように、3つの演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様となるトリプルリーチとなる。そして、上述した図86に示す例と異なり、演出対象ライン<1><4>でリーチハズレ態様が表示されず、演出図柄8Xがマス(5)(6)(8)で可変表示し続けて、発展演出が実行されることとなる。つまり、発展演出の実行前に残存するリーチラインの数が3つとなる。
こうして、図87(B)に示すように、発展演出として3D演出が実行されると、3次元で8頭身のキャラクタが表示画面7aに登場して大当たりか否かを期待させる演出が実行される。その後、図87(C)に示すように、演出図柄「7」「7」「7」が揃って、大当たりの演出が実行されることとなる。
ところで本形態では、上述したように、遊技者に大当たりの抽選に当選していることの期待度を報知するため、リーチライン数(リーチ態様が形成される演出対象ラインの数)が多いほど、期待度が高い演出が実行され易いように設定している(図67〜図77参照)。そのため、大当たりとなる演出内容を除いて、2D演出又は3D演出が実行される演出内容(演出No4,5,13,14の演出内容)が抽選された場合に、リーチライン数が必ず3以上になるようにしている。言い換えれば、リーチライン数が3以上となる場合には、大当たりとなる場合を除いて、期待度が比較的高い発展演出(2D演出又は3D演出)が実行されることが確定する。そのため、遊技者は、リーチライン数が3以上であることを見れば、リーチライン数が1又は2に比べて大当たりに当選する期待度を高くする。
ここで本形態の特徴として、図86及び図87に示す例のように、発展演出の実行前に残存するリーチライン数が変化するようになっている。そして、残存するリーチライン数が多いほど、発展演出の中でも大当たりの抽選に当選していることの期待度が高い発展演出が実行され易いようになっている。具体的には、発展演出の実行前に残存するリーチライン数が3以上であれば、2D演出が実行されず、3D演出が実行されることが確定することになる。例えば、図70に示す演出対象ライン抽選テーブルを見ると、演出No4の演出内容(2D演出ハズレ)において、発展時回転ライン数が1又は2である場合には、抽選される数字が割り振られている(0ではない)のに対して、発展時回転ライン数が3である場合には、抽選される数字が割り振られていない(0である)。
こうして、図86及び図87に示す例のように3つ以上の演出対象ラインでリーチ態様となれば、発展演出(2D演出又は3D演出)が実行されることが確定するため、遊技者にとっては、3つ以上のリーチ態様が形成された後にできるだけ多くのリーチ態様が残っている状態で発展演出が実行されることを期待することになる。つまり、図87に示す例のように、発展演出の実行前に残存するリーチライン数が3以上であれば、3D演出が実行されることが確定するため、大当たり抽選に当選していることの期待度が高くなる。一方、図86に示す例のように、残存するリーチライン数が1であれば、2D演出又は3D演出のどちらかが実行されるため、残存するリーチライン数を見ただけでは期待度を推測できない。
よって、発展演出の実行前に、遊技者は残存するリーチライン数によって、大当たりの期待度を把握することが可能となる。こうして、残存するリーチライン数を利用した新たしい大当たり期待度の報知を行うことが可能となる。具体的に本形態では、遊技者に対して、3つ以上の演出対象ラインでリーチ態様となった後に、発展演出が早く実行されて3つ以上のリーチ態様が残ることを期待させる新たな演出が可能となる。
なお本形態では、発展演出が実行されることを前提とすると、発展演出の実行前に残存するリーチライン数に応じて、以下のように演出内容が異なることになる。
残存するリーチライン数が1=2D演出又は3D演出
残存するリーチライン数が2=2D演出又は3D演出
残存するリーチライン数が3=3D演出
残存するリーチライン数が4=3D演出
残存するリーチライン数が5=大当たり確定(これは、図74に示す演出対象ライン抽選テーブルで発展時回転ライン数が5で、発展時回転ラインNo「all」を見ると、演出No9〜演出No15までしか数字が割り振られていないためである。但し、ノーマル大当たり又は疑似2大当たりでは、発展演出しないで大当たりとなる)。
こうして本形態のステップS5302では、発展演出の中でも期待度が高い発展演出であるほど残存するリーチライン数が多くなるように、言い換えれば期待度が低い発展演出であるほど残存するリーチライン数が少なくなるように、リーチライン数を決定している。
次に図88及び図89に示す例を参照して、アイコン演出発展について説明する。アイコン演出発展は、上述した2D演出又は3D演出の発展演出とは異なり、演出発展図柄(カード図柄、鉛筆図柄、消しゴム図柄)が縦方向又は斜め方向に3つ揃って発展演出態様が形成されたときに、演出発展図柄に応じて実行される発展演出である。
本形態において、アイコン演出発展は、ノーマルリーチハズレ(演出No3の演出内容)、2D演出ハズレ(演出No4の演出内容)、3D演出ハズレ(演出No5の演出内容)、2D演出大当たり(演出No13の演出内容)、3D演出大当たり(演出No14の演出内容)が実行される際に併せて実行されるようになっている。つまり、演出No3,4,5,13,14の演出内容には、アイコン演出発展を実行する場合と実行しない場合とが含まれている。
図88に示す例では、ノーマルリーチハズレとなる演出が実行される際に併せてアイコン演出発展が実行される例である。そのため、演出No3の演出内容が抽選される(S5001)。但し、演出内容としてノーマルリーチハズレであるが、アイコン演出発展が実行される場合には、図88に示すように演出対象ラインにリーチ態様が構成されるわけではなく、発展演出態様が構成されることになる。
演出内容抽選処理(S5001)の後、リーチ用処理(S5004)において、停止順として基本停止順が抽選されたこととする(S5301)。次に、この例ではステップS5302において、リーチライン数として1が抽選される。そしてステップS5303では、リーチライン数が1であり且つ基本停止順であるため、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)でパターン2が抽選されて、演出対象ライン<2>で発展演出態様が形成されることが決定する(図41のNo2参照)。
次に、ステップS5305において、アイコン演出発展を実行するという演出内容に基づいて予め設定されているパターンによって、図88(A)に示すように、マス(2)(6)(10)でカード図柄が表示されることが決定される。そして、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、図88(A)に示すように、演出対象ライン<2>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。
以上により、アイコン演出発展ハズレとなる演出が実行される場合、図88(A)に示すように、先ず演出対象ライン<2>でカード図柄が3つ揃って、発展演出態様が形成される。これにより、図88(B)に示すように、カード図柄に応じた発展演出が実行される。本形態のカード図柄による発展演出では、表示画面7aの中央にディーラが現れて、ディーラとプレーヤ(遊技者)に対してトランプが配られる。このとき、トランプは数字が見えない裏面になっている。
その後、ディーラ及びプレーヤに配られた各トランプがひっくり返されて、各トランプは数字が見える表面となる。こうして、ディーラに配られたトランプの数字が、プレーヤに配られたトランプの数字よりも大きければ、プレーヤの敗北となる。一方、プレーヤに配られたトランプの数字が、ディーラに配られたトランプの数字よりも大きければ、プレーヤの勝利となる。図88に示す例では演出内容がノーマルリーチハズレであるため、図88(C)に示すように、プレーヤが敗北して、ハズレとなる演出が実行される。
一方、図89に示す例では、2D演出大当たりとなる演出が実行される際に併せてアイコン演出発展が実行される例である。そのため、演出内容抽選処理(S5001)では、演出No13の演出内容が抽選される。ステップS5001の後、リーチ用処理(S5004)において、停止順として基本停止順が抽選されたこととする(S5301)。次に、この例ではステップS5302において、リーチライン数として1が抽選される。そしてステップS5303では、リーチライン数が1であり且つ基本停止順であるため、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)でパターン5が抽選されて、演出対象ライン<5>で発展演出態様が形成されることが決定する(図41のNo5参照)。
次に、ステップS5305において、アイコン演出発展を実行するという演出内容に基づいて予め設定されているパターンによって、図89(A)に示すように、マス(1)(6)(11)でカード図柄が表示されることが決定される。そして、演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(S5306)により、図89(A)に示すように、演出対象ライン<5>以外の各マスの演出図柄8Xが決定される。
以上により、アイコン演出発展大当たりとなる演出が実行される場合、図89(A)に示すように、先ず演出対象ライン<5>でカード図柄が3つ揃って、発展演出態様が形成される。これにより、図89(B)に示すように、カード図柄に応じた発展演出が実行される。図89に示す例では演出内容が2D演出大当たりであるため、図89(C)に示すように、プレーヤが勝利して、発展演出として2D演出が実行される。そして、図89(D)に示すように、2次元で2頭身のキャラクタにより大当たりか否かを期待させる演出が実行される。その後、図89(E)に示すように、演出図柄「7」「7」「7」が揃って、大当たりとなる演出が実行される。
なお上述した例では、カード図柄による発展演出態様が形成された場合に、カード図柄に応じて実行される発展演出について説明したが、鉛筆図柄による発展演出態様が形成された場合には鉛筆図柄に応じた発展演出が同様に実行される。また、消しゴム図柄による発展演出態様が形成された場合には消しゴム図柄に応じた発展演出が同様に実行されることになる。そのため、鉛筆図柄又は消しゴム図柄によるアイコン演出発展については、説明を省略する。なおアイコン演出発展の種類は、上記したカード図柄、鉛筆図柄、消しゴム図柄に応じたものに限られるわけではなく、発展先を示唆する図柄であれば適宜変更可能である。
こうして本形態では、演出対象ラインに対して、数字図柄による大当たり態様、又は疑似連図柄による疑似連表示態様が形成される場合だけでなく、演出発展図柄による発展演出態様が形成される場合も、所定の演出(アイコン発展演出)が実行されることになる。従って遊技者にとって、演出対象ラインで多くの種類の図柄に注意が向くことになり、飽きにくい演出にすることが可能になる。
次に図91に示す例を参照して、「+1図柄」1ラインのハズレ態様から発展演出し、ロングリーチ演出でリーチライン数が1である場合にハズレとなる演出について説明する。本形態では、上述したように、12マススロットル演出で演出対象ラインにハズレ態様(リーチハズレ態様)が表示された後にロングリーチ演出を実行するために、演出No6〜No8及び演出No15〜No17のうちの何れかの演出内容が実行され得るようになっている。
図91に示す例では、ロングリーチ1ラインハズレであるため、演出No6の演出内容が抽選される(S5001)。そして、ロングリーチ演出は12マススロットル演出でリーチ態様を経て実行されるため、演出内容抽選処理(S5001)の後、リーチ用処理(S5004)が実行されることになる。リーチ用処理(S5004)においては、停止順として基本停止順が抽選されたこととする(S5301)。
ここで本形態においては、12マススロットル演出とロングリーチ演出との間に関連性があることに特徴がある。以下その特徴について説明する。本形態の12マススロットル演出では、上述したように、複数の演出対象ライン(例えば図86に示す例のようにライン<1><4><5>)でリーチ態様が表示されることがある。そして、それらリーチ態様が表示された演出対象ラインの全てでハズレ態様が表示された場合でも、遊技者に対してロングリーチ演出が実行されることを期待させるようになっている。
しかしながら、仮に12マススロットル演出とロングリーチ演出との間に関連性がない場合には、遊技者は12マススロットル演出での複数の演出対象ラインで大当たり態様となるか否かと、発展演出(ロングリーチ演出)が行われた場合に大当たり態様となるか否かに注目することになる。この場合には、12マススロットル演出とロングリーチ演出とにおいて各々独立的に演出を行っているため、12マススロットル演出における各演出対象ラインでハズレ態様が表示される過程に対しては、遊技者の注目が薄れることになる。よって、12マススロットル演出で複数の演出対象ラインが設定される利点を十分に活かしきれておらず、遊技興趣を向上させる余地がある。
そこで本形態では、12マススロットル演出においてリーチ態様を経てハズレ態様が表示された演出対象ラインのうち「+1図柄」が停止表示されたラインの数と、ロングリーチ演出において表示されるリーチラインの数とに関連性があるようにしている。詳細には、「+1図柄」が停止表示されたラインの数以上に、ロングリーチ演出においてリーチラインの数が表示されるようになっている。「+1図柄」とは、上述したように、リーチ態様を構成している数字図柄を基準図柄として、その基準図柄よりも1だけ大きい数の数字図柄のことであり、本発明の「リーチ数示唆識別情報」及び「特定関係数字図柄」に相当する。
例えば、12マススロットル演出において「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が1である場合には、図90(A)に示すようなリーチライン数が1である場合のロングリーチ演出、又は図90(B)に示すようなリーチライン数が2である場合のロングリーチ演出、或いは図90(C)に示すようなリーチライン数が3である場合のロングリーチ演出の何れかが実行されるようになっている。また12マススロットル演出において「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が2である場合には、図90(B)に示すようなリーチライン数が2である場合のロングリーチ演出、又は図90(C)に示すようなリーチライン数が3である場合のロングリーチ演出が実行されるようになっている。そして12マススロットル演出において「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が3である場合には、図90(C)に示すようなリーチライン数が3である場合のロングリーチ演出が実行されるようになっている。
なお本形態では、図90に示すように、ロングリーチ演出におけるリーチライン数は、1から3までしか設定されていない。そのため、12マススロットル演出において「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が4以上になることがないように設定される。但し変形例として、ロングリーチ演出におけるリーチライン数が4以上に設定される場合を設けて、12マススロットル演出において「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数が4以上になるように設定しても良い。
ここで本形態では、12マススロットル演出のリーチライン数が多いほど、ロングリーチ演出におけるリーチライン数も多くなり易いように設定している。つまり、ロングリーチ演出におけるリーチライン数が多い演出を実行する場合には、12マススロットル演出のリーチライン数も多くなるように設定し、ロングリーチ演出におけるリーチライン数が少ない演出を実行する場合には、12マススロットル演出のリーチライン数も少なくなるように設定している。これは以下の理由に基づく。12マススロットル演出でリーチライン数が例えば4以上である場合、遊技者に与える大当たりの期待度は比較的高くなる。しかし遊技者が4以上のリーチライン数を見たにも拘わらず、ロングリーチ演出で仮にリーチライン数が1又は2のような大当たりの期待度が比較的低い演出が実行されてハズレとなると、リーチライン数に応じて期待度を報知する信頼性が低減する。
そこで本形態では、演出No6の演出内容(ロングリーチ1ラインハズレ)、演出No7の演出内容(ロングリーチ2ラインハズレ)、演出No15(ロングリーチ1ライン大当たり)、演出No16(ロングリーチ2ライン大当たり)を実行する場合には、12マススロットル演出のリーチライン数が3以下になるように設定している。言い換えれば、遊技者が12マススロットル演出でリーチライン数が4又は5である状態を見れば、ロングリーチ演出が実行された場合にリーチライン数が3であること(演出No8の演出内容、又は演出No17の演出内容が実行されること)が確定するようになっている(図72及び図74の演出対象ライン抽選テーブルにおいて、演出No6〜No8及び演出No15〜No17の演出内容で割り振られている数字参照)。これにより、12マススロットル演出のリーチライン数と、ロングリーチ演出のリーチライン数とが大きく異なることを防止して、リーチライン数に応じて期待度を報知する信頼性を確保することが可能となる。
図91に示す例の説明に戻る。演出No6の演出内容が抽選され(S5001)、リーチ用処理(S5004)で基本停止順が抽選された後(S5301)、ステップS5302では、演出内容に基づき12マススロットル演出のリーチライン数が抽選される。上述したように、演出No6の演出内容を実行する場合には12マススロットル演出のリーチライン数が3以下になるように設定するため、ステップS5302では、リーチライン数が1,2,3の何れかに抽選されることになる。
こうして、図91に示す例では、リーチライン数として1が抽選される(S5302)。そしてステップS5303では、リーチライン数が1であり且つ基本停止順であるため、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)により、パターン1(図41のNo1参照)で、発展時回転ライン数0が抽選される。ここで図67〜図75に示す演出対象ライン抽選テーブルにおいて、「発展時回転ライン数が0」とは、それぞれのパターンで決定された演出対象ラインでリーチ態様を経てハズレ態様が表示された後、ロングリーチ演出が実行されること意味する。そのため、図67に示す演出対象ライン抽選テーブルにおいてパターン1で、発展時回転ライン数0が抽選されるとは、演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様が表示された後、ロングリーチ演出が実行されることを意味している。
これにより、図91に示す例では、演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様となることが決定する。そして、ステップS5305においては、演出No6の演出内容に基づいて、演出対象ライン<1>の各マスの演出図柄8Xが決定されることになる。ここで、演出No6の演出内容においては、ロングリーチ演出でリーチライン数が1となるため、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数が1となる必要がある。そのため、ステップS5305では、予め設定されているパターン(演出図柄表示パターン)により、図91(B)に示すように、マス(1)(9)で数字図柄4が表示されることが決定され、マス(5)で数字図柄4(基準図柄)よりも1だけ大きい数である数字図柄5(「+1図柄」)が表示されることが決定される。その後、ステップS5306に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図91(B)に示すように、演出対象ライン<1>以外の各マスで表示される演出図柄8Xが決定される。こうして、発展演出が実行される前に停止表示される各演出図柄8Xが決定される。
以上により、図91に示す例では、先ず図91(A)に示すように、演出対象ライン<1>でリーチ態様が表示される。このとき、マス(1)(9)では数字図柄4が停止表示されているのに対して、マス(5)では演出図柄8Xが可変表示し続ける。その後図91(B)に示すように、マス(5)で数字図柄5(「+1図柄」)が停止表示されて、演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様となる。図91(B)では、「+1図柄」が表示されたライン<1>を認識し易いようにマス(1)(5)(9)の上に破線が示されているが、実線等のその他の線が示されていても良く、何も表示されていなくても良い。そして、12の可変表示部7bが画像表示装置7に表示されなくなり、ロングリーチ演出(発展演出)が実行される。なお、ロングリーチ演出が実行される前、演出対象ライン<1>で停止表示される各演出図柄8Xは、完全に停止しているわけではなく、僅かに揺れるように表示される。
こうして、図91(C)に示すように、ロングリーチ演出では、数字図柄4によりリーチ態様となるリーチラインが1つ形成されて、中央で1つの数字図柄が可変表示する。このとき、中央で表示される数字図柄は、リーチ態様を構成する数字図柄4よりも所定数(例えば2)だけ小さい数の数字図柄(例えば数字図柄2)から1つずつ大きな数の数字図柄へゆっくりと可変表示していく。そして、可変表示する数字図柄は、数字図柄4よりも大きい数である数字図柄5へ変わって、図91(D)に示すように、数字図柄5が停止表示される。その結果、ロングリーチ演出においてハズレとなる演出が確定する。なお図91では図示を省略したが、図91(D)に示す状態から、一瞬だけ12マススロットル画像7Xに切り換わって、演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様が表示されるようになっている。
よって、図91に示す例では、遊技者が、12マススロットル演出において演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様が表示されても、図91(B)に示すように、「+1図柄」(数字図柄5)が停止表示されたラインの数が1であることを認識する。このとき遊技者は「+1図柄」であろうがハズレであることには変わりがないため落胆するが、本形態によれば12マススロットル演出においてリーチ態様を経てハズレ態様が表示された演出対象ラインのうち「+1図柄」が停止表示してもロングリーチ演出に発展するため、この「+1図柄」でハズレとなっても大当たりに当選していることの期待を持たせることが可能となる。また、12マススロットル演出においてリーチ態様を経てハズレ態様が表示された演出対象ラインのうち「+1図柄」が停止表示されたライン数と、ロングリーチ演出におけるリーチライン数との関連性を遊技者が認識できた場合には、例えば図91(B)に示すように「+1図柄」(数字図柄5)が停止表示されたライン数が1であれば、ロングリーチ演出に発展した場合にロングリーチ演出でのリーチライン数が少なくとも1つであり、リーチライン数が2つ又は3つと成り得ることを遊技者に期待させて、遊技興趣を向上させることが可能である。
次に図92に示す例を参照して、「+1図柄」1ラインのハズレ態様から発展演出し、ロングリーチ演出でリーチライン数が2である場合にハズレとなる演出について説明する。図92示す例では、ロングリーチ2ラインハズレであるため、演出No7の演出内容が抽選される(S5001)。そして、リーチ用処理(S5004)においては、停止順として基本停止順が抽選されたこととする(S5301)。そして上述したように、演出No7の演出内容を実行する場合には、12マススロットル演出のリーチライン数が3以下になるように設定するため、ステップS5302では、リーチライン数が1,2,3の何れかに抽選される。
こうして、図92に示す例では、リーチライン数として3が抽選される(S5302)。そしてステップS5303では、リーチライン数が3であり且つ基本停止順であるため、図70に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定される。続いて、演出対象ライン抽選処理(S5304)により、パターン3(図43のNo3参照)で、発展時回転ライン数0が抽選される。これにより、図92に示す例では、演出対象ライン<1><4><5>でリーチハズレ態様となることが決定する。
そして、ステップS5305においては、演出No7の演出内容に基づいて、演出対象ライン<1><4><5>の各マスの演出図柄8Xが決定されることになる。ここで、演出No7の演出内容においては、ロングリーチ演出でリーチライン数が2となるため、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数が1又は2のどちらかになる。そのため、ステップS5305では、予め設定されているパターン(演出図柄表示パターン)により、図92(D)に示すように、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数が1であって、マス(1)(4)(9)(11)(12)で数字図柄2(基準図柄)が表示されることが決定され、マス(5)で数字図柄8が表示されることが決定され、マス(6)で数字図柄2よりも1だけ大きい数である数字図柄3(「+1図柄」)が表示されることが決定され、マス(8)で数字図柄1が表示されることが決定される。
その後、ステップS5306に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図92(D)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>以外の各マスで表示される演出図柄8Xが決定される。こうして、発展演出が実行される前に停止表示される各演出図柄8Xが決定される。なお本形態では、ステップS5305において、予め設定されているパターンにより、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数が1となることが決められていたが、演出制御用マイコン91が抽選によって「+1図柄」を停止表示する演出対象ラインの数を1又は2のどちらかに決めても良い。
以上により、図92に示す例では、先ず図92(A)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様が表示される。このとき、マス(1)(4)(9)(11)(12)では数字図柄2が停止表示されているのに対して、マス(5)(6)(8)では演出図柄8Xが可変表示し続ける。その後図92(B)に示すように、マス(5)で数字図柄8が停止表示されて、演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様となる。次に図92(C)に示すように、マス(8)で数字図柄1が停止表示されて、演出対象ライン<4>でリーチハズレ態様となる。続いて図92(D)に示すように、マス(6)で数字図柄3(「+1図柄」)が停止表示されて、演出対象ライン<5>でリーチハズレ態様となる。そして、12の可変表示部7bが画像表示装置7に表示されなくなり、ロングリーチ演出(発展演出)が実行される。なお図92に示す例では、リーチハズレ態様が表示される演出対象ライン<1><4><5>のうち、最後にリーチハズレ態様が表示される演出対象ライン<5>で「+1図柄」(数字図柄3)が表示されたが、「+1図柄」は最初にリーチハズレ態様が表示される演出対象ライン<1>、又は2番目にリーチハズレ態様が表示される演出対象ライン<4>で表示されるようにしても良い。
こうして、図92(E)に示すように、ロングリーチ演出では、数字図柄2によりリーチ態様となるリーチラインと、数字図柄1によりリーチ態様となるリーチラインとによって、合計2つのリーチラインが形成されて、中央で1つの数字図柄が可変表示する。このとき、中央で表示される数字図柄は、リーチ態様を構成する数字図柄1よりも所定数(例えば2)だけ小さい数の数字図柄(例えば数字図柄7)から1つずつ大きな数の数字図柄へゆっくりと可変表示していく。そして、可変表示する数字図柄は、数字図柄1及び数字図柄2よりも大きい数である数字図柄3へ変わって、図92(F)に示すように、数字図柄3が停止表示される。その結果、ロングリーチ演出においてハズレとなる演出が確定する。図92に示す例の作用効果については、以下の図93に示す例を説明した後、図93に示す例との対比で説明することとする。
次に図93に示す例を参照して、「+1図柄」3ラインハズレ態様から発展演出し、ロングリーチ演出でリーチライン数が3である場合に大当たりとなる演出について説明する。図93に示す例では、ロングリーチ3ライン大当たりであるため、演出No17の演出内容が抽選される(S5001)。そして、リーチ用処理(S5004)においては、停止順として基本停止順が抽選されたこととする(S5301)。ここで上述した演出No6,No7の演出内容を実行する場合と異なり、演出No17の演出内容を実行する場合には、12マススロットル演出のリーチライン数を3以下にする制限はないため、ステップS5302では、リーチライン数が1,2,3,4,5の何れかに抽選されることになる。
こうして、図93に示す例では、リーチライン数として3が抽選される(S5302)。そして、ステップS5303及びステップS5304においては、上記した図92に示す例と同様であり、図70に示す演出対象ライン抽選テーブルが特定され、演出対象ライン<1><4><5>でリーチハズレ態様となることが決定する。
そして、ステップS5305においては、演出No17の演出内容に基づいて、演出対象ライン<1><4><5>の各マスの演出図柄8Xが決定されることになる。ここで、演出No17の演出内容においては、ロングリーチ演出でリーチライン数が3となるため、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数が1,2,3の何れかになる。上述したように図93に示す例では、演出対象ラインの数(リーチライン数)が3と決定されて(S5302)、ステップS5305では、予め設定されているパターン(演出図柄表示パターン)により、図93(D)に示すように、決定された3つの演出対象ライン<1><4><5>の各々で「+1図柄」が停止表示され、マス(1)(4)(9)(11)(12)で数字図柄2が表示されることが決定され、マス(5)(6)(8)で数字図柄2(基準図柄)よりも1だけ大きい数である数字図柄3(「+1図柄」)が表示されることが決定される。
その後、ステップS5306に示す演出対象ライン以外の各マスの図柄抽選処理(図59参照)により、図93(D)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>以外の各マスで表示される演出図柄8Xが決定される。こうして、発展演出が実行される前に停止表示される各演出図柄8Xが決定される。
以上により、図93に示す例では、先ず図93(A)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様が表示される。このとき、マス(1)(4)(9)(11)(12)では数字図柄2が停止表示されているのに対して、マス(5)(6)(8)では演出図柄8Xが可変表示し続ける。その後図93(B)に示すように、マス(5)で数字図柄3(「+1図柄」)が停止表示されて、演出対象ライン<1>でリーチハズレ態様となる。次に図92(C)に示すように、マス(8)でも数字図柄3が停止表示されて、演出対象ライン<4>でリーチハズレ態様となる。続いて図92(D)に示すように、マス(6)でも数字図柄3が停止表示されて、演出対象ライン<5>でリーチハズレ態様となる。そして、12の可変表示部7bが画像表示装置7に表示されなくなり、ロングリーチ演出(発展演出)が実行される。
こうして、図93(E)に示すように、ロングリーチ演出では、数字図柄2によりリーチ態様となるリーチラインと、数字図柄1によりリーチ態様となるリーチラインと、数字図柄8によりリーチ態様となるリーチラインとによって、合計3つのリーチラインが形成されて、中央で1つの数字図柄が可変表示する。このとき、中央で表示される数字図柄は、リーチ態様を構成する数字図柄8よりも所定数(例えば2)だけ小さい数の数字図柄(例えば数字図柄6)から1つずつ大きな数の数字図柄へゆっくりと可変表示していく。そして、可変表示する数字図柄が数字図柄1を超えて数字図柄2へ変わったとき、図93(F)に示すように、数字図柄2が停止表示される。その結果、ロングリーチ演出において大当たりとなる演出が確定する。なお図93では図示を省略したが、図93(F)に示す状態から、一瞬だけ12マススロットル画像7Xに切り換わって、演出対象ライン<1><4><5>のうち何れかの演出対象ラインで大当たり態様が表示されるようになっている。
よって、図92に示す例と図93に示す例との比較から明らかなように、12マススロットル演出においてトリプルリーチとなった後、遊技者は各演出対象ライン<1><4><5>でリーチハズレ態様が表示されたとしても、「+1図柄」(数字図柄3)が停止表示される演出対象ラインが多くなることを期待する。それは、図92(D)に示すように、「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が1である場合には、ロングリーチ演出のリーチライン数が1,2,3の何れかであるのに対して、図93(D)に示すように、「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が3である場合には、ロングリーチ演出のリーチライン数が3であることが確定するためである。そして、ロングリーチ演出のリーチライン数が多いほど、大当たり抽選に当選していることの期待度が大きくなるためである。
こうして、遊技者に対して、12マススロットル演出のリーチライン数とロングリーチ演出のリーチライン数とに関連性を感じさせて、12マススロットル演出においてリーチハズレ態様が表示された各演出対象ラインで「+1図柄」が停止表示されることに注目させることが可能である。従って図92及び図93に示す例の場合、演出対象ライン<1><4><5>の全てでリーチハズレ態様が表示される前の段階、即ち各演出対象ライン<1><4><5>でリーチハズレ態様が表示される過程で、「+1図柄」が停止表示される演出対象ラインの数に注目させることができ、遊技興趣を向上させることが可能である。
8.本形態の効果
本形態のパチンコ遊技機1によれば、ロングリーチ演出では、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が1である場合には、1,2,3の何れかのリーチラインを表示し、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が2である場合には、2つ又は3つのリーチラインを表示し、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が3である場合には、3つのリーチラインを表示する。
こうして、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が多いほど、ロングリーチ演出でリーチラインの数が多くなるため、大当たりの期待度が高いことが報知される。そのため遊技者は、12マススロットル演出でハズレ態様(リーチハズレ態様)が表示されても、ロングリーチ演出への発展の期待を持っているため、「+1図柄」が停止表示されたか否かに注目することになる。よって遊技者には、ロングリーチ演出の実行を期待させるだけでなく、12マススロットル演出において1つ又は複数の演出対象ラインでリーチハズレ態様が表示される過程で、「+1図柄」を含むハズレ態様が多く表示されることを期待させて、遊技興趣を向上させることが可能である。また、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数(1〜3)に応じて、ロングリーチ演出においてリーチライン数(1〜3)が示唆されることによって、遊技者に対して大当たりの期待度の高低をより把握し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば図93(D)に示すように、リーチ態様が表示された複数の演出対象ライン<1><4><5>でロングリーチ演出のリーチライン数を示唆する演出図柄8X(リーチ数示唆識別情報)は、全て同じ数字図柄3(「+1図柄」)である。そのため、リーチ数示唆識別情報が停止表示されたライン<1><4><5>の数(3)を把握し易くすることが可能である。そして、リーチ数示唆識別情報である数字図柄3は、リーチ態様を構成する数字図柄2よりも1だけ大きい数という特定関係にあり、リーチ態様を構成する数字図柄2と非常に近い数字図柄である。従って、リーチ数示唆識別情報がリーチ態様を構成する数字図柄2と全く関係がない場合や、数字図柄2から遠く離れた数字図柄(例えば数字図柄6等)である場合に比べて、リーチ数示唆識別情報をより認識し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、例えば図93(A)に示すように、複数の演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様が表示される場合には、各リーチ態様を構成する演出図柄8Xが数字図柄2として全て同じになる。そのため、図93(B)〜(D)に示すように、演出対象ライン<1><4><5>でリーチ態様を経てリーチ数示唆識別情報(数字図柄3)が停止表示されたときに、リーチ数示唆識別情報が目立つようになり、リーチ数示唆識別情報が停止表示されたラインの数(3)を把握し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、12マススロットル演出において、可変表示部(マス)7bが横方向に4つ配され縦方向に3つ配されているため、例えば可変表示部が横方向及び縦方向に3つ配されている場合に比べて、ラインの数が増える。そのため、リーチ態様が形成される演出対象ラインや、リーチ数示唆識別情報を含むハズレ態様が形成される演出対象ラインのバリエーションを増やすことが可能である。
9.変形例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、第1形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、12マススロットル演出において、可変表示部(マス)7bが横方向に4つ配され、縦方向に3つ配されて、可変表示部7bの数が合計12になっていた。しかしながら、可変表示部の配置及び数は、可変表示部が一方向に3つ以上並ぶラインが複数形成されれば、適宜変更可能である。例えば、可変表示部の数が本形態よりも少ない例として、可変表示部が横方向3つ配され、縦方向に2つ配される場合であっても良く、可変表示部が横方向及び縦方向に3つずつ配される場合であっても良い。また、可変表示部が横方向に3つ配され、縦方向に4つ配される場合であっても良い。更に本形態よりも演出対象ラインの数を増やすために、可変表示部が横方向に5つ配される場合であっても良い。つまり本形態のようにラインの数は11に限られるものではなく、可変表示部7bの数及び配置によって適宜変更可能である。
また上記形態では、ロングリーチ演出において、1,2,3の何れかのリーチライン数が表示されることがあるようになっていた。しかしながら、ロングリーチ演出において、1又は2のどちらかのリーチライン数のみが表示されるようにしても良く、上述した本形態で説明したように、4以上のリーチライン数が表示されることがあるようにしても良い。4以上のリーチライン数を表示する場合には、大当たりの期待度の高低をより細かく分類することが可能である。
また上記形態では、ロングリーチ演出で表示されるリーチラインの数が、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数以上になっていたが、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数と同じにしても良い。つまり、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が1である場合には、ロングリーチ演出で1つのリーチラインを表示し、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が2である場合には、ロングリーチ演出で2つのリーチラインを表示し、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数が3である場合には、3つのリーチラインを表示しても良い。これにより、12マススロットル演出で「+1図柄」が停止表示された演出対象ラインの数を見た遊技者は、その時点でロングリーチ演出において表示されるリーチラインの数を正確に把握することが可能である。但し本形態では、12マススロットル演出でリーチ態様が表示された演出対象ラインにおいて「+1図柄」が停止表示された場合にはロングリーチ演出に発展する構成となっていたが、「+1図柄」が停止表示された場合にロングリーチ演出に発展する可能性を有する構成として、ロングリーチ演出に発展するパターンとロングリーチ演出に発展しないパターンとを有する構成としても良い。
また上記形態では、ロングリーチ演出のリーチライン数を示唆するリーチライン数示唆識別情報を、リーチ態様を構成する数字図柄よりも1だけ大きい数の数字図柄(「+1図柄」)とした。しかしながら、リーチライン数識別情報は、リーチ態様を構成する数字図柄よりも1だけ小さい数の数字図柄であっても良い。また、リーチ態様を構成する数字図柄よりも2以上大きい数の数字図柄や、リーチ態様を構成する数字図柄よりも2以上小さい数の数字図柄であっても良い。また、リーチライン数識別情報は、リーチ態様を構成する数字図柄と特定関係がない演出図柄であっても良く、例えば予め決められている特定図柄(例えばドクロ図柄や文字図柄等)であっても良い。また、12マススロットル演出でリーチ態様を構成する演出図柄(例えば数字図柄)と、ロングリーチ演出でリーチ態様を構成する演出図柄とが異なっていても良い。
また上記形態では、ロングリーチ演出において、例えば図92(E)及び図93(E)に示すように、画像表示装置7の中央で1つの数字図柄が可変表示するようになっているが、複数の数字図柄が可変表示するようになっていても良く、例えばリーチライン毎に数字図柄が可変表示するようになっていても良い。つまり、ロングリーチ演出は、複数のリーチラインを形成し得るものであれば、図92(E)及び図93(E)に示すような演出に限られるものではなく適宜変更可能であり、例えば12マススロットル演出のように可変表示部が縦方向及び横方向に3つ以上配される演出であっても良い。またリーチ態様において可変表示する箇所は中央ではなくても良い。またロングリーチ演出において、中央で表示される数字図柄は、リーチ態様を構成する数字図柄よりも大きい数の数字図柄から小さな数の数字図柄へゆっくりと可変表示するものであっても良い。また、ロングリーチ演出においてリーチ態様を構成する数字図柄よりも大きい又は小さい数字図柄をゆっくり可変表示する例について説明したが、複数の演出図柄を一度見せてから(例えばリール上に配列されている各演出図柄を1周以上変動表示させてから)、ゆっくり可変表示するようにしても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン91が、受信した変動開始コマンド(変動パターン)に基づいて、疑似連や発展演出(2D演出、3D演出、ロングリーチ演出)を実行する演出内容を抽選した(図61参照、S5001)。しかしながら、遊技制御用マイコン81が、疑似連や発展演出の実行の有無を決定していて、変動開始コマンドに疑似連や発展演出を実行するか否かの情報を含める。そして、演出制御用マイコン91が、疑似連や発展演出を実行する情報を含んだ変動開始コマンドの受信に基づいて、疑似連や発展演出を実行する演出内容を決定しても良い。また、疑似連や発展演出による演出内容以外も、遊技制御用マイコン81側で決定されていても良い。
また上記形態では、高確高ベース状態から低確低ベース状態に移行した後に4回の演出図柄可変表示が実行されると(開始条件が成立したことに基づいて)、12マススロットル演出が実行されるように設定したが、12マススロットル演出が実行される開始条件は適宜変更可能である。例えば、低確低ベース状態に移行した直後、高確高ベース状態に移行した直後、又は低確低ベースに移行した直後等であっても良い。また12マススロットル演出では、大当たりに当選しない限り30回の演出図柄可変表示が実行されるように設定したが、30回よりも多い回数又は少ない回数であっても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン91は、モードステータスが「5」(演出モードE)であると判定すると(S4503でYES)、12マス変動演出を実行するようになっている(S4505)。しかしながら、遊技制御用マイコン81が、変動開始コマンドに12マス変動演出を実行する情報を含めて、演出制御用マイコン91が、12マス変動演出を実行する情報を含んだ変動開始コマンドの受信に基づいて、12マス変動演出を実行するようにしても良い。
また上記形態では、図39に示す4つの停止順が設定されていたが、必ずしも図39に示すような順序で各演出図柄を停止させなくても良い。また停止順のパターンの数を5つ以上にしても良い。これにより、より飽きさせにくい演出が可能となる。一方、停止順のパターンを1つ、2つ、3つにしても良い。これにより、データ量が減って、演出の管理をし易くすることが可能となる。
また上記形態では、12マススロットル演出において、図40に示すように、数字図柄と文字図柄(疑似連図柄)とアイコン図柄とを設定したが、これらの図柄の種類は適宜変更可能である。また図62〜図77に示した演出対象ライン抽選テーブルにおいて、割り振られている数字は適宜変更可能である。また図61に示す各演出内容の種類は、適宜変更可能であり、例えば3D演出又は2D演出の演出内容が、複数種類設けられていても良い。また図61に示すロングリーチハズレの演出内容(演出No6〜No8の演出内容)及びロングリーチ大当たりの演出内容(演出No15〜No17の演出内容)は、3種類ずつ設定されていたが、2種類又は4種類以上設定されていても良い。
また上記形態では、画像表示装置7の表示画面7aに各可変表示部7bを配して、12マススロットル演出を実行したが、横方向に4つのドラム(リール)を配し、縦方向に3つのドラムを配して、液晶上ではなく実際に回転する12個のドラムにより12マススロットル演出を実行しても良い。
また上記形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機として説明したが、特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行させるパチンコ遊技機や、所謂1種2種混合機、2種タイプの遊技機(羽根物タイプの遊技機)等、他の種類の遊技機として構成してもよい。また上記形態では、図25に示すように、時短カウンタに100(S2303参照)又は160(S2308参照)をセットし、確変カウンタに160(S2305参照)をセットしたが、これらカウンタにセットする数(時短回数、ST回数)はこれらに限らなくても良い。また上記形態では、図11に示すように、変動パターンP1〜P12,P21〜P25,P31〜P34,P41〜P44を設定したが、変動パターンの種類はこれらに限らなくても良い。