1.遊技機の構造
本発明に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る第1演出ボタン(第1操作手段)63及び第2演出ボタン(第2操作手段)64が設けられている。第1演出ボタン63は、前面枠51の左下部に配されていて、遊技者が後方に向かって押し込むようになっている。第2演出ボタン64は、前面枠51のうち第1演出ボタン63の右斜め上方に配されていて、遊技者が下方に向かって押すようになっている。第1演出ボタン63は、第2演出ボタン64よりも大きくて目立つものである。そのため、第1演出ボタン63に対する操作は、第2演出ボタン64に対する操作よりも遊技者の期待感を大きくさせることが可能である。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には装飾用の盤ランプ5(図8参照)が複数設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)及び停止表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄(数字図柄)からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図4参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目(大当たり停止態様)で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目(ハズレ停止態様)で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり遊技演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図4参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の右下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、図2(A)(B)に示すように、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図7参照)により駆動される。図2(A)に示すように、可動部材23が退避状態(開状態)をとっているときだけ遊技球が第2始動口21に入球可能となる。言い換えれば、図2(B)に示すように、可動部材23が進出状態(閉状態)をとっているときには遊技球が第2始動口21に入球不可能となる。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また図1に示すように、遊技領域3における電チュー22の右斜め上方には、大入賞口(特別入賞口)30を備えた大入賞装置(特別可変入賞装置、特別入賞手段)31が設けられている。大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図7参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図3(A)(B)に示すように、大入賞装置31の内部には、大入賞口30を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、大入賞装置31において、特定領域39および非特定領域70の上流には、大入賞口30への遊技球の入賞を検知する大入賞口センサ30aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。大入賞装置31は、大入賞口30を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73(図7参照)とを備えている。
図3(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図3(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、大入賞口30に入賞した遊技球は、大入賞口センサ30aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図3(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図3(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、大入賞口30に入賞した遊技球は、大入賞口センサ30aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。
図1に戻り、遊技領域3における大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、大入賞口30への入賞を狙うことができる。
また図1および図4に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当たり遊技(特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口30の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図7参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における各上限値は4個となっている。なお各上限値は4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図4参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図7参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
また本パチンコ遊技機1では、図1及び図5に示すように、遊技盤2の上下左右に第1装飾可動体(第1可動体)14が設けられている。第1装飾可動体14は、センター装飾体10の周辺部に配されている可動式のギミックのことである。第1装飾可動体14は、図1に示す状態では、遊技者から僅かに一部分だけが視認できるようにコンパクトに折り畳まれている。そして、図5に示す状態では、折り畳みを解除されて表示画面7aの中央部を含む略全域の前方で露出している。第1装飾可動体14における図1に示す位置が第1待機位置であり、第1装飾可動体14における図5に示す位置が第1動作位置である。こうして第1装飾可動体14は、第1待機位置から第1動作位置へ、又は第1動作位置から第1待機位置へ変位可能である。
また図1及び図6に示すように、遊技盤2の下方に第2装飾可動体15が設けられている。第2装飾可動体(第2可動体)15は、センター装飾体10の下部に配されている可動式のギミックのことである。第2装飾可動体15は、図1に示す状態では、遊技者から僅かに上端部分だけが視認できるように下方へ退避している。そして、図6に示す状態では、表示画面7aの中央下側の前方で露出するように上側へ飛び出ている。第2装飾可動体15における図1に示す位置が第2待機位置であり、第2装飾可動体15における図6に示す位置が第2動作位置である。こうして第2装飾可動体15は、第2待機位置から第2動作位置へ、又は第2動作位置から第2待機位置へ変位可能である。
そして、第1動作位置にある第1装飾可動体14(図5参照)は、第2動作位置にある第2装飾可動体15(図6参照)よりも大きくて目立つものである。つまり、第1装飾可動体14の動作は、第2装飾可動体15の動作よりもインパクトがある。そのため、第1装飾可動体14が動作するときには、第2装飾可動体15が動作するときよりも遊技者の高揚感(期待感)を高めることが可能である。
2.遊技機の電気的構成
次に図7及び図8に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図7及び図8に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、第1装飾可動体14、第2装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。更に詳細には第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また第2特図保留記憶部85bは、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域には、後述の大当たり乱数を記憶する領域、後述の大当たり種別乱数を記憶する領域、後述リーチ乱数を記憶する領域、及び後述の変動パターン乱数を記憶する領域が設けられている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、大入賞口30内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、大入賞口30内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、大入賞口ソレノイド33、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、大入賞装置31の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)への操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
図8に示すようにサブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15を動作させる。詳細には演出制御用マイコン91は、第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(第1装飾可動体駆動データ又は第2装飾可動体駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、第1演出ボタン検出SW(スイッチ)63aと、第2演出ボタン検出SW64aが接続されている。第1演出ボタン検出SW63aは、第1演出ボタン63(図1参照)が押し込むように操作されたことを検出するものである。第2演出ボタン検出SW64aは、第2演出ボタン64(図1参照)が押下するように操作されたことを検出するものである。第1演出ボタン63又は第2演出ボタン64が操作されると、第1演出ボタン検出SW63a又は第2演出ボタン検出SW64aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる「大当たり遊技」が実行される。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口30の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図9(A)に示す通りである。図9(A)に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能なVロング開放パターンで開閉部材32を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難なVショート開放パターンで開閉部材32を作動させる大当たりである。
具体的に、図9(B)に示すように「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rであり、1〜16Rまでのラウンド毎に大入賞口30が開放するようになっている。但し実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1R〜14Rまでの各ラウンドにおいては、大入賞口30が1R当たり最大22.0秒にわたって開放し、16R目においても大入賞口30が最大22.0秒にわたって開放する。しかし、15R目では大入賞口30を0.1秒しか開放しない。従って、Vロング大当たりでは15R目だけ大入賞口30の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vロング大当たりは実質15Rの大当たりとなっている。
また、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数が16Rであり、1〜16Rまでのラウンド毎に大入賞口30が開放するようになっている。但し「Vショート大当たり」も実質的な総ラウンド数は15Rである。つまり、1R〜15Rまでの各ラウンドにおいては、大入賞口30が1R当たり最大22.0秒にわたって開放するものの、16R目では大入賞口30が0.1秒しか開放しない。従って、Vロング大当たりでは16R目だけ大入賞口30の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質15Rの大当たりとなっている。
ここで本形態のラウンド遊技において、振分部材71は1〜15Rまでは図3(B)に示す第2状態をとり、16R目において所定のタイミングで「第2状態⇒第1状態(図3(A)参照)⇒第2状態」をとるようにその作動が制御される。即ち、振分部材71は16R目における所定期間だけ第1状態をとるように作動する。そのため、「Vロング大当たり」では、16R目において大入賞口30が最大22.0秒開放されることにより、大入賞口30内の特定領域39に遊技球が容易に通過可能である。
これに対して「Vショート大当たり」では、16R目において大入賞口30が開放されるものの、その開放時間(0.1秒)が極めて短く、大入賞口30内の特定領域39に遊技球がほぼ通過不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16R目では、大入賞口30の開放時間が短いことだけでなく、大入賞口30の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(図3(B)に示す第2状態から図3(A)に示す第1状態に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
なお大当たりの種別や大入賞口の開放パターンは上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば大当たり遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口30を開放させるラウンドがあってもよく、ラウンドインターバルの時間は2.0秒又は1.6秒以外であっても良い。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、Vロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
また図9(A)に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、Vロング大当たりが80%、Vショート大当たりが20%となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、第1始動口20への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合よりも、Vロング大当たりに当選し易い。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。なお特図1の抽選における大当たりの振分率、及び特図2の抽選における大当たりの振分率は上記した振分率に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図10(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。なおバラケ目のようにリーチとならないで演出図柄8L,8C,8Rが停止表示される状態を「ドハズレ」と呼ぶこととする。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図10(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図11(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図12及び図13(A)(B)参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図11(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では0.084秒であるが、時短状態では0.08秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図14参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
なお高ベース状態(電サポ制御状態)において、本形態では電チュー22の開放回数増加機能が作動していないが(図14参照)、電チュー22の開放回数増加機能が作動するようにしても良い。また高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。本形態の高確高ベース状態は、後述するように、実質的に次回の大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続するようになっている。つまり高確高ベース状態は、遊技者にとって手持ちの遊技球を大きく減らすことなく次回の大当たり当選を獲得できる非常に有利な状態である。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技(特別遊技)の実行中の状態を「大当たり遊技状態(特別遊技状態)」と称することとする。
但し本形態では、通常確率状態(低確低ベース状態、低確高ベース状態)でVショート大当たりに当選した場合には、上述したようにその大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態に制御され得るものの、高確率状態(高確高ベース状態)でVショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態が高ベース状態に制御されないようにしている。つまり、高確率状態においてVショート大当たりに当選した場合には、大当たり遊技後の遊技状態が遊技者にとって好ましくない通常遊技状態に制御されて、非常に有利な状態(高確高ベース状態)が終了することになる。これは仮に、高確高ベース状態でVショート大当たりに当選した場合にまで大当たり遊技後に高ベース状態(低確高ベース状態)に制御してしまうと、遊技者に過剰の特典を付与することになるためである。なお変形例として、高確率状態でVショート大当たりに当選した場合に、その大当たり遊技後の遊技状態が低確高ベース状態に制御されるようにしても良い。
高確高ベース状態や低確低ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図15〜図33に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図15に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図10に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図16に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、普通入賞口センサ27a等(図7参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図15の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図10に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、および特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図15参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図17に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS207に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS207に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S207)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個に達しているか否か判定する(S208)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S208でYES)には本処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S208でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S209)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S210)を行う。特図1関係乱数取得処理(S210)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図10(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[ゲート通過処理]図18に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図10(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図16参照)。図19に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図11(C)に示す普通図柄当たり判定テーブル(非時短状態での当たり判定値が「0」又は「1」、時短状態での当たり判定値が「1」〜「65535」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図11(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が非時短状態であれば普通図柄の変動時間が84msの普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が時短状態であれば普通図柄の変動時間が80msの普通図柄変動パターンを選択する。なお普通図柄変動パターンは、当否判定の結果に応じて普通図柄の停止時間が異なることになる。つまり、当否判定の結果が当たりであれば普通図柄の停止時間が8msの普通図柄変動パターンが選択され、当否判定の結果がハズレであれば普通図柄の停止時間が500msの普通図柄変動パターンが選択される。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図14の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図14の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
本形態では、時短状態においてゲート28を通過した遊技球は誘導部材29(図1参照)に当接したのち、誘導部材29の上面に沿って左斜め下方に向かって流下する。そして、左斜め下方に向かって流下した遊技球は電チュー22の可動部材23の上側に到達することになる(図2参照)。ここで図11(C)に示すように、時短状態においては、普通図柄の抽選で当選する確率は極めて高く(99%以上)、当たりである場合の普通図柄の変動時間(80ms)及び普通図柄の停止時間(8ms)は極めて短い。更に図14に示すように、電チュー22が比較的長く(5.8秒)開放することになる。
よって時短状態において、ゲート28を通過した遊技球が電チュー22の可動部材23の上側に到達したタイミングでは、電チュー22が開放していて、ゲート28の通過により補助遊技の実行の契機となった遊技球がそのまま第2始動口21に入球し得るようになっている。言い換えれば本形態では、時短状態となっている高確高ベース状態において、ゲート28を通過した遊技球が頻繁に第2始動口21に入球するように、ゲート28及び電チュー22の配置位置が設定されていると共に、普通図柄の当選確率、普通図柄の変動時間、普通図柄の停止時間、及び電チュー22の開放時間が設定されている。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図16参照)。図20に示すように、特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図21に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、待機画面設定処理(S1414)を行う。待機画面設定処理(S1414)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図9(A)参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図22に基づいてまとめて説明する。図22に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図11(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図11(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「10001」〜「10164」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図11(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「10001」〜「10546」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図9(A)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図9(A)参照)を、RAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図23、図24、及び図25に基づいてまとめて説明する。図23に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が高確率状態か否か(確変フラグがONか否か)を判定する(S1601)。高確率状態でなければ(S1601でNO)、すなわち通常確率状態であれば、次に遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1602)。
時短状態でなければ(S1602でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1603)。ONであれば(S1603でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1604)。Vロング大当たりである場合には(S1604でYES)、非時短状態中Vロング大当たり通常テーブル(図12に示す通常変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、変動パターンP1、P2、P21、P22のいずれかが選択されることになる。図12に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、大当たり当選に対する期待度がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。
本形態では、図12に示すように、Vロング大当たりには「VロングA大当たり」と「VロングB大当たり」とがあり、変動パターンP1又はP21が選択されたVロング大当たりが「VロングA大当たり」であり、変動パターンP2又はP22が選択されたVロング大当たりが「VロングB大当たり」である。VロングA大当たりの当選による演出と、VロングB大当たりの当選による演出とを異ならせるようにしている。つまり、後述するように、VロングA大当たりに当選した場合には、大当たり当選時において遊技者にVロング大当たりに当選したことを報知する演出を行う。一方、VロングB大当たりに当選した場合には、大当たり当選時においては遊技者にVロング大当たり又はVショート大当たりのどちらに当選したのかを分からない演出を行うことにしている。なおVショート大当たりに当選した場合でも、大当たり当選時において遊技者にVロング大当たり又はVショート大当たりのどちらに当選したのかを分からない演出を行うことにしている。
図23のステップS1604において、Vロング大当たりでなければ(S1604でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たり通常テーブル(図12に示す通常変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。具体的には、変動パターンP3又はP23が選択されることになる。
またステップS1603において、大当たりフラグがONでなければ(S1603でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1607)。なお、図11(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1607でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ通常テーブル(図12に示す通常変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。具体的には、変動パターンP4、P5、P24、P25のいずれかが選択されることになる。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1607でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレ通常テーブル(図12に示す通常変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1609)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「1」又は「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP6、P7、P26、P27のいずれかが選択されることになる。
またステップS1602において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1602でYES)には、図24に示すように、参照する通常変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図12に示す通常変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1603〜S1609と同様の流れで処理(S1610〜S1616)を行う。
すなわちVロング大当たりであれば、図12の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、変動パターンP11、P12、P31、P32のいずれかが選択されることになる。
またVショート大当たりであれば、図12の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1613)。具体的には、変動パターンP13又はP33が選択されることになる。
またリーチ有りハズレであれば、図12の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、変動パターンP14又はP34が選択されることになる。
またリーチ無しハズレであれば、図12の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1616)。具体的には、変動パターンP15、P16、P35、P36のいずれかが選択されることになる。
なお、時短状態中の通常変動パターン判定テーブル(図12に示す通常変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。すなわち、時短状態中の通常変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の通常変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上述したように、図12に示す通常変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを選択する場合に対して、図23に示すステップS1601にて高確率状態中であると判定された場合には、以下の処理を行うこととなる。つまり、ステップS1601にてYESと判定された場合(高確高ベース状態)においては、図25に示すように、先ず高確後4変動内フラグがONか否かを判定する(S1617)。高確後4変動内フラグは、大当たり遊技後に高確率状態に制御されてから特別図柄が変動表示された回数が4回以内であるか否かを示すものである。
高確後4変動内フラグがONであれば(S1617でYES)、次に大当たりフラグがONか否かを判定する(S1618)。ONであれば(S1618でYES)、図13(A)に示す高確後4変動内変動パターン判定テーブルのうち大当たりに該当する部分を参照して、変動パターンQ1を選択する(S1619)。変動パターンQ1が選択された場合の変動時間は13000msであり、その他の変動パターンが選択された場合の変動時間とは異なる値となっている。これは、大当たり遊技が開始された時点で大当たり当選となる特図保留(所謂保留連)が生じている可能性があり得ることに鑑みて、大当たり遊技後に高確率状態に制御されてから特図の変動表示が4回以内においては、変動パターンQ1に基づく特図の変動表示中の演出を特別な保留連用演出(図示省略)とするためである。
ステップS1618で大当たりフラグがONでなければ(S1618でNO)、図13(A)に示す高確後4変動内変動パターン判定テーブルのうちハズレに該当する部分を参照して、変動パターンQ2を選択する(S1620)。変動パターンQ2が選択された場合の変動時間は200msであり、極めて短い時間となっている。即ち、大当たり遊技後に高確率状態に制御されてから特図の変動表示が4回以内において、ハズレとなる特図保留の消化スピードが極めて早いことになる。
これに対して、ステップS1617でNOと判定される場合、即ち高確率状態に制御されてから特図の変動表示が5回目以降において、大当たりフラグがONか否を判定する(S1621)。ONであれば(S1621でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを判定する(S1622)。Vロング大当たりである場合には(S1622でYES)、図13(B)に示す特殊変動パターン判定テーブルのうちVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1623)。具体的には、変動パターンR1又はR2が選択されることになる。なお変動パターンR1が選択されたVロング大当たりが「VロングA大当たり」であり、変動パターンR2が選択されたVロング大当たりが「VロングB大当たり」である。
一方ステップS1622において、Vロング大当たりでなければ(S1622でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、、図13(B)に示す特殊変動パターン判定テーブルのうちVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1624)。具体的には、変動パターンR3が選択されることになる。なおVロングA大当たりに当選した場合(変動パターンR1)の変動時間(16100ms)は、VロングB大当たりに当選した場合(変動パターンR2)の変動時間(9400ms)、又はVショート大当たりに当選した場合(変動パターンR3)の変動時間(9400ms)よりも長くなっている。その理由については後に詳述する。
ステップS1621において大当たりフラグがONでなければ(S1621でNO)、図13(B)に示す特殊変動パターン判定テーブルのうちハズレに該当する部分を参照して、特図保留球数カウンタの値(特図1保留球数又は特図2保留球数)に基づいて、変動パターンを選択する。具体的には、変動パターンR4、R5、R6、R7の何れかが選択されることになる。ここで、変動パターンR4、R5、R6、R7が選択された場合の変動時間は5000ms、800ms、120ms、100msであり、特図保留球数が2以上である場合には1000ms以下という極めて短い時間となっている。よって上述したように、大当たり遊技後に高確率状態に制御されてから特図の変動表示が4回以内だけでなく、5回目以降においても、ハズレとなる特図保留の消化スピードが早いことになる。その理由は以下に基づく。
本形態においては上述したように、高確高ベース状態(高確率状態)は、実質的に次回の大当たりに当選して大当たり遊技が実行されるまで継続するようになっている。しかしながら、高確率状態での大当たりの当選確率は、約120分の1であって(図11(A)参照)、比較的低い当選確率である。従って高確高ベース状態に制御されても、特別図柄の抽選でなかなか大当たりに当選しないことが生じ得て、遊技が間延びしてしまうおそれがある。そこで本形態では、高確率状態においてハズレとなる特別図柄の変動時間を短い時間に設定されるようにして、ハズレとなる特図保留の消化スピードを早めている。その結果、高確率状態での大当たりの当選確率が比較的低くても、高確率状態でのスムーズな遊技を行うことが可能となる。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図23に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1626)、本処理を終える。ステップS1626でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図26に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図12及び図13(A)(B)参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図27に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図12及び図13(A)(B)参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1802)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、後述の低確時短準備処理(S1804)を行った後、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図9(B)参照)をセットする(S1805)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1805に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1806)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1807)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1808)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1809)、処理を終える。
また、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1810)、処理を終える。
[遊技状態管理処理]図28に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお本パチンコ遊技機1では、高確率状態が実質的に次回の大当たりに当選するまで継続するため、ステップS2001〜S2004の処理を設けなくても良い。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップ2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、通常確率状態(低確低ベース状態又は低確高ベース状態)でのVショート大当たりの当選に基づいて時短状態へ移行する場合には、時短カウンタの値が「100」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、高確後4変動内フラグがONか否か判定し(S2009)、ONであれば、高確率状態に移行してから実行した特別図柄の変動回数をカウントする高確後カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2010)、高確後カウンタの値が「0」か否か判定する(S2001)。「0」であれば(S2011でYES)、高確後4変動内フラグをOFFする(S2012)。一方、ステップS2009又はS2011の判定結果がNOであれば、ステップ2013に進む
ステップS2013では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報、高確率状態に移行してから特図の変動表示が4回以内であるか否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[低確時短準備処理]低確時短準備処理(S1804)は、通常確率状態(低確低ベース状態又は低確高ベース状態)でVショート大当たりに当選した場合に、大当たり遊技後に時短状態に移行するための準備を行う処理である。図29に示すように、先ず確変フラグがOFFか否か、即ち大当たりに当選したときの遊技状態が通常確率状態か否かを判定する(S1901)。そして、確変フラグがOFFであれば(S1901でYES)、当選した大当たりの種別がVショート大当たりであるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1902)。Vショート大当たりである場合には(S1902でYES)、低確時短準備フラグをONして(S1903)、処理を終える。一方、ステップS1901又はS1902でNOと判定されれば、低確時短準備フラグをONすることなく、処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図30に示すように、遊技状態リセット処理(S1806)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図31に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口30の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口30の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口30を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口30を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、特定領域39への遊技球の通過が可能な16R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。すなわち、ラウンドカウンタの値が「1」であるか否かを判定する。16R目を開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、16R目を開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの16R目における大入賞口30の開放中及び大入賞口30の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図33)参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に大入賞口30の閉塞後の数秒間を含めているのは、大入賞口30の閉塞直前に大入賞口30へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の図32に示す遊技状態設定処理参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種別に応じた開放パターン(図9(A)(B)参照)に従って大入賞口30を開放させる。本形態では上述したように、振分部材71は大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から図3(B)に示す第2状態をとり、16R目の所定のタイミングで図3(A)に示す第1状態をとった後、第2状態をとるように一定の動作で動いている。よって、Vロング大当たりの開放パターンでは、16R目において、大入賞口30に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材32が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、16R目において、大入賞口30に遊技球が入賞することがほぼできないように開閉部材32が開放される。また、仮に遊技球が大入賞口30に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材32の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口30の開放が1回のラウンド遊技球での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口30の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口30への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり6個)に達したこと、又は、大入賞口30を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口30を開放してから所定の開放時間(図9(B)参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口30の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口30の閉鎖条件が成立している場合(S2009でYES)には、大入賞口30を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そしてステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2013でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図20参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図32に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、次に実行された大当たり遊技に係る大当たりの種別がVロング大当たりであるか否かを判定する(S2302)。Vロング大当たりであれば(S2302でYES)、ステップS2304に進む。つまり、大当たり遊技中に特定領域39に遊技球が通過しなくても(S2301でNO)、Vロング大当たりであれば(S2302でYES)、ステップS2304に進むことになる。一方、Vロング大当たりでなくても(S2302でNO)、低確時短準備フラグがONであれば(S2303でYES)、即ち通常確率状態(低確低ベース状態又は低確高ベース状態)でVショート大当たりに当選していれば、ステップS2304に進むことになる。これに対して、低確時短準備フラグがOFFであれば(S2303でNO)、高確率状態でVショート大当たりに当選していることになり、ステップS2314に進む。
ステップS2304に進むと、時短フラグをONにし、時短カウンタに「100」をセットする(S2305)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確低ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりの当選することのいずれかの条件の成立により終了する。ステップS2305の後、低確時短準備フラグをOFFして(S2306)、ステップS2314に進む。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2307)、確変カウンタの値に「10000」をセットする(S2308)。その後、VフラグをOFFする(S2309)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2310)、時短カウンタの値に「10000」をセットする(S2311)。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。こうして高確高ベース状態では、セットされている確変カウンタの値及び時短カウンタの値が非常に大きいため、実質的に次回の大当たりに当選するまで継続されることになる。なお、確変カウンタ及び時短カウンタに非常に大きな値をセットすることなく、高確高ベース状態が次回の大当たりに当選するまで終了しないように制御しても良い。ステップS2311の後、高確後4変動内フラグをONにして(S2312)、高確後カウンタの値に「4」をセットして(S2313)、ステップS2314に進む。
ステップS2314では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報、高確率状態に移行してから特図の変動表示が4回以内であるか否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う(図16参照)。特定領域センサ検出処理(S107)では、図33に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図3(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終えるが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図31参照)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの16R目における大入賞口30の開放中および閉塞後の数秒間の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、V通過コマンドをセットして(S2404)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
6.高確高ベース状態での演出
次に演出制御用マイコン91の動作を説明する前に、本形態の特徴である高確高ベース状態での演出を簡単に説明しておく。本形態の遊技仕様(スペック)では、上述したように、通常確率状態での大当たりの当選確率が約400分の1であり、第1特別図柄の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%であるのに対して、第2特別図柄の抽選において当選した大当たりは、Vロング大当たりが80%、Vショート大当たりが20%である。そして、大当たり遊技のラウンド数は当選した大当たりの種別に拘わらず16Rである。また1ラウンド遊技につき大入賞口30への入賞数の最大値が6個であり、1個の遊技球が大入賞口30に入賞した場合に獲得する遊技球の数が15個である。
このような遊技特性においては、遊技者に過剰な特典を付与するのを回避するため、高確率状態での大当たりの当選確率を例えば100分の1以下に設定する必要がある。仮に高確率状態での大当たりの当選確率を約80分の1に設定すると、1回の特別図柄の抽選(1回の始動口入賞)に対する大当たり遊技の実行を考慮した実質的な賞球の期待値が、或る基準値を超えてしまい、遊技者に過剰な特典を付与するおそれがある。そこで本形態では、上記した遊技特性において、高確率状態での大当たりの当選確率を比較的低い当選確率である約120分の1(図11(A)参照)に設定している。
ここで本形態では、上述したように、高確率状態での大当たりの当選確率が低いことにより遊技が間延びするのを回避するため、高確率状態(高確高ベース状態)でハズレとなる特別図柄の変動時間が短くなるように(5000ms以下に)設定している(図13(A)(B)参照)。特に時短状態では、ゲート28を通過した遊技球がそのまま電チュー22に頻繁に入球し易くなっていて、特図2保留球数が3〜4になる状況が生じ易い。そのため、図13(B)に示す特殊変動パターンテーブルにより、特別図柄の変動時間として1000ms以下という極めて短い時間に設定され易い。しかしながら、特別図柄の変動時間が短くなると、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を行うことが実質的に不可能となる。すなわち、特別図柄の変動時間が例えば100msや120ms(図13(B)参照)のように極めて短いにも拘わらず、特別図柄の変動表示に同期した演出図柄8L,8C,8Rの変動表示(変動演出)を実行しようとすると、当否判定の結果が頻繁にハズレとなる際の演出の見た目が煩雑となる。
従って上記した事情に鑑みて、高確高ベース状態においては、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を実行しないこととしている。しかしながら演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を実行しないと、遊技者は特別図柄の変動表示中であるか否かを判別し難くなると共に、当否判定の結果がハズレ又は大当たり当選で確定しているのか否かを判別し難くなる。そこで本形態では、表示画面7aの右上隅部(図52参照)にて、5つの特定図柄Y1〜Y5(図57参照)を5つの変更表示領域X1〜X5(図57参照)にて変更表示したあと停止表示させる変更表示演出を行うようにしている。
具体的に図57に示すように、本形態の変更表示演出では、各特定図柄Y1〜Y5の変更表示及び停止表示を行うために、第1変更表示領域X1と、第2変更表示領域X2と、第3変更表示領域X3と、第4変更表示領域X4と、第5変更表示領域X5とが設けられている。第1変更表示領域X1から第5変更表示領域X5までの各変更表示領域(表示領域)X1〜X5をまとめて、単に変更表示領域X1〜X5と呼ぶことがある。
そして、変更表示領域X1〜X5で変更表示及び停止表示される特定図柄の種類には、第1特定図柄Y1と、第2特定図柄Y2と、第3特定図柄Y3と、第4特定図柄Y4と、第5特定図柄Y5の5種類がある。第1特定図柄Y1から第5特定図柄Y5までの各特定図柄Y1〜Y5をまとめて、単に特定図柄Y1〜Y5と呼ぶことがある。
なお第1特定図柄Y1は、第1変更表示領域X1に対応して設けられていて、第1変更表示領域X1の対応特定図柄ということができる。一方、第2〜第5特定図柄Y2〜Y5は、第1変更表示領域X1に対して非対応特定図柄ということができる。以下同様の関係で、第2特定図柄Y2は第2変更表示領域X2の対応特定図柄ということができ、第1,第3〜第5特定図柄Y1,Y3〜Y5は第2変更表示領域X2に対して非対応特定図柄ということができる。また、第3特定図柄Y3は第3変更表示領域X3の対応特定図柄ということができ、第1,第2,第4,第5特定図柄Y1,Y2,Y4,Y5は、第3変更表示領域X3に対して非対応特定図柄ということができる。また、第4特定図柄Y4は第4変更表示領域X4の対応特定図柄ということができ、第1〜第3,第5特定図柄Y1,Y3〜Y5は第4変更表示領域X4に対して非対応特定図柄ということができる。また、第5特定図柄Y5は第5変更表示領域X5の対応特定図柄ということができ、第1〜第4特定図柄Y1〜Y4は第5変更表示領域X5に対して非対応特定図柄ということができる。
ここで本形態のパチンコ遊技機1の機種名は「いちにんさんよんごん」であり、第1主人公キャラの名称「いち」と第2主人公キャラの名称「にん」と第3主人公キャラの名称「さん」と第4主人公キャラの名称「よん」と第5主人公キャラの名称「ごん」とを組み合わせた名称となっている。そして、第1特定図柄Y1は第1主人公キャラ「いち」の顔を示した図柄になっていて、第2特定図柄Y2は第2主人公キャラ「にん」の顔を示した図柄になっていて、第3特定図柄Y3は第3主人公キャラ「さん」の顔を示した図柄になっていて、第4特定図柄Y4は第4主人公キャラ「よん」の顔を示した図柄になっていて、第5特定図柄Y5は第5主人公キャラ「ごん」の顔を示した図柄になっている。
また図58に示すように、変更表示領域X1〜X5の各々は、六角形のマス目状になっていて、第1変更表示領域X1と第2変更表示領域X2とは、左右方向に隣り合って配されている。第3変更表示領域X3は、第1変更表示領域X1の左斜め下方に配されている。第4変更表示領域X4は、第1変更表示領域X1の右下斜め下方で且つ第2変更表示領域X2の左斜め下方に配されている。第5変更表示領域X5は、第2変更表示領域X2の右斜め下方に配されている。こうして、第1〜第5変更表示領域X1〜X5はそれぞれ隣り合っていて、まとめて表示画面7aの右上隅部にされている。
本形態において、第1特定図柄Y1は、第1変更表示領域X1にのみ停止表示されることがあり、第2〜第5変更表示領域X2〜X5では停止表示されることはない。第2特定図柄Y2は、第2変更表示領域X2にのみ停止表示されることがあり、第1変更表示領域X1及び第3〜第5変更表示領域X3〜X5で停止表示されることはない。第3特定図柄Y3は、第3変更表示領域X3にのみ停止表示されることがあり、第1〜第2変更表示領域X1,X2及び第4〜第5変更表示領域X4,X5で停止表示されることはない。第4特定図柄Y4は、第4変更表示領域X4にのみ停止表示されることがあり、第1〜第3変更表示領域X1〜X3及び第5変更表示領域X5で停止表示されることはない。第5特定図柄Y5は、第5変更表示領域X5にのみ停止表示されることがあり、第1〜第4変更表示領域X1〜X4で停止表示されることはない。
こうして、変更表示領域X1〜X5の各々では、その変更表示領域に対する対応特定図柄Y1〜Y5のみが停止表示され得るようにしている。ここで、特定図柄Y1〜Y5の停止表示とは、特別図柄の変動表示中に、後述するように変更表示として特定図柄Y1〜Y5が変更表示領域Y1〜Y5にてごく短い時間だけ仮停止表示することを含まない意味であり、特別図柄の停止表示と同期して特別図柄の停止時間(600ms)だけ停止表示することを意味する。
次に特別図柄の抽選でハズレとなった場合に、変更表示領域X1〜X5での停止表示図柄パターンについて説明する。本形態では、特別図柄の抽選の結果がハズレであることを示すために、ブランク図柄Z1が設けられている。ブランク図柄(特殊図柄)Z1は、特殊な書体の文字を示した図柄である。このブランク図柄Z1は、特別図柄の抽選でハズレとなった場合に、変更表示領域X1〜X5のうちいずれか1つの変更表示領域で停止表示されるようにしている。つまり、1つのブランク図柄Z1の停止表示が、特別図柄の抽選でハズレとなったことを意味している。一方、ブランク部柄Z1が停止表示されなかった残りの変更表示領域では、その変更表示領域に対する対応特定図柄が停止表示されるようにしている。よって、図58(A)〜(E)に示すように、特別図柄の抽選でハズレとなった場合には、合計5つの停止表示図柄パターンがあることになる。
即ち、図58(A)に示すように、ブランク図柄Z1を第1変更表示領域X1で停止表示する第1ハズレ停止表示図柄パターンがある。なおブランク図柄Z1が停止表示されなかった残りの変更表示領域では対応特定図柄が停止表示されることとなるため、この第1ハズレ停止表示図柄パターンでは、第2〜第5変更表示領域X2〜X5の各々で、第2〜第5特定図柄Y2〜Y5が停止表示されることとなる。以下同様に、図58(B)に示すように、ブランク図柄Z1を第2変更表示領域X2で停止表示する第2ハズレ停止表示図柄パターンがある。また図58(C)に示すように、ブランク図柄Z1を第3変更表示領域X3で停止表示する第3ハズレ停止表示図柄パターンがある。また図58(D)に示すように、ブランク図柄Z1を第4変更表示領域X4で停止表示する第4ハズレ停止表示図柄パターンがある。また図58(E)に示すように、ブランク図柄Z1を第5変更表示領域X5で停止表示する第5ハズレ停止表示図柄パターンがある。
そして本形態では、特別図柄の抽選が連続してハズレとなった場合に、ブランク図柄Z1が停止表示されることとなる変更表示領域は、ブランク図柄Z1が前回停止表示された変更表示領域とは異なるようにしている。例えば、ブランク図柄Z1が第1変更表示領域X1にて停止表示された場合には、次回の特別図柄の抽選でハズレとなっても、第1変更表示領域X1以外の第2〜第5変更表示領域X2〜X5のいずれかに停止表示するようにしている。これは、特別図柄の変動時間が100msのように非常に短い場合があっても、2回連続して同じ変更表示領域でブランク図柄Z1を停止表示しないようにすることで、遊技者には特別図柄の抽選が2回行われてハズレとなったことを把握し易くするためである。
続いて特別図柄の抽選で大当たり当選となった場合に、変更表示領域X1〜X5での大当たり停止表示図柄パターンを、図59に基づいて説明する。図59に示すように、大当たり停止表示図柄パターンでは、変更表示領域X1〜X5の各々で、対応特定図柄Y1〜Y5を停止表示することにしている。これにより、特定図柄Y1〜Y5の全てが同時に停止表示されることにより、「いちにんさんよんごん」という本パチンコ遊技機1の機種名をアピールすることが可能になる。更に、5人の主人公キャラの顔を示す特定図柄Y1〜Y5が全て揃えば大当たり当選であることを示すため、本パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者にとっては、大当たり当選を示す演出であることを把握し易くなっている。なお本形態では、停止表示された特定図柄Y1〜Y5による表示態様が、まとまりとしての意味を認識し得る「いちにんさんよんごん」(特殊表示態様)となっているが、特殊表示態様は適宜変更可能であり、アニメの題名、キャラクタの名前、キャラクタの姿、アイテム等であって良い。
次に、変更表示領域X1〜X5での変更表示について説明する。本形態では、特別図柄の変動表示中に、特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1が変更表示領域X1〜X5の各々にて、ごく短時間(例えば40ms)だけ仮停止表示することが可能となっている。ここで説明する仮停止表示とは、図柄がスクロール表示(移動表示)したあと一旦停止表示することではなく、変更表示領域X1〜X5にて瞬間的に現れるように表示されることを意味する。そして、特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1の仮停止表示が順次切り換わることにより、変更表示が行われているようにしている。特定図柄Y1〜Y5又はブランク図柄Z1による1回の仮停止表示では、停止表示との区別が明確にできるように、仮停止時間(40ms)が停止時間(特別図柄の停止時間と同じである600ms)よりも十分短くしている。よって、特定図柄Y1〜Y5又はブランク図柄Z1による停止表示は遊技者にとって認識可能であるものの、特定図柄Y1〜Y5又はブランク図柄Z1による1回の仮停止表示は遊技者にとってほぼ認識不可能となっている。
図57に示すように、第1変更表示領域X1では、第2特定図柄Y2の仮停止表示⇒第3特定図柄Y3の仮停止表示⇒第4特定図柄Y4の仮停止表示⇒第5特定図柄Y5の仮停止表示⇒ブランク図柄Z1の仮停止表示⇒第1特定図柄Y1の仮停止表示⇒第2特定図柄Y2の仮停止表示の順番に切り換わって、変更表示が行われる。同様に、第2変更表示領域X2では、第3特定図柄Y3の仮停止表示⇒第4特定図柄Y4の仮停止表示⇒第5特定図柄Y5の仮停止表示⇒ブランク図柄Z1の仮停止表示⇒第1特定図柄Y1の仮停止表示⇒第2特定図柄Y2の仮停止表示⇒第3特定図柄Y3の仮停止表示の順番に切り換わって、変更表示が行われる。以下第3変更表示領域X3の変更表示、第4変更表示領域X4の変更表示、第5変更表示領域X5の変更表示は、図57から明らかであるため、説明を省略する。
こうして本形態では、変更表示領域X1〜X5の各々で、6種類の図柄(特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1)の仮停止表示がごく短時間で切り換わることにより、特別図柄の変動表示中であることを示している。つまり変更表示は、演出図柄8L,8C,8Rがリールで移動するように表示されるものではなく、あくまで定まった変更表示領域X1〜X5内にて、ごく短時間(40ms)毎に仮停止表示される図柄が順次(1枚1枚)切り換わっていく表示のことである。
以上要するに、本形態の変更表示演出においては、例えば第1変更表示領域X1だけに注目すると、特別図柄が停止表示される際に第1特定図柄Y1又はブランク図柄Z1のいずれかしか停止表示されない。しかし、特別図柄の変動表示中には、特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1の6種類の図柄によって変更表示がなされる。そして、特別図柄の抽選がハズレであれば、5つの変更表示領域X1〜X5のうちブランク図柄Z1が前回停止表示された変更表示領域とは異なる変更表示領域に停止表示される。一方、特別図柄の抽選が大当たり当選であれば、変更表示領域X1〜X5の各々で対応特定図柄Y1〜Y5が停止表示されることになる。
また本形態の高確高ベース状態では、特別図柄の変動時間が例えば100msや120ms(図13(B)参照)のように極めて短くなり得るため、特別図柄の変動表示に同期しない非同期演出を実行することにしている。具体的には、高確高ベース状態で特別図柄の抽選が行われない又は特別図柄の抽選の結果がハズレである限り、後述するように、第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1(図52(B)参照)が環状ラインL1上に高速で循環表示し続ける。即ち、高確高ベース状態に移行したあと、大当たり当選となる特別図柄の変動表示が開始されるまで、第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1が循環表示し続けることになる。
そして高確高ベース状態において、大当たり当選となる特別図柄の変動表示が開始されるときには、第1演出ボタン63の形態(形状、模様、色彩)を模した第1特殊図柄M2、及び第2演出ボタン64の形態を模した第2特殊図柄N2が環状ラインL2上に低速で循環表示したあと(図53(A)参照)、第1特殊図柄M2又は第2特殊図柄N2のいずれかが特定位置TKで停止表示するようになっている(図53(B)及び図56(B)参照)。つまり、第1特殊図柄M2及び第2特殊図柄N2の循環表示により、遊技者に大当たりに当選したことを報知することになる。
ここで上述した第1示唆図柄M1(図52(B)参照)は、第1特殊図柄M2(図53(A))を示唆する図柄となっていて、第1特殊図柄M2よりも小さく、第1演出ボタン63の形状を半透明で示したものである。また上述した第2示唆図柄N1(図52(B)参照)は、第2特殊図柄N2(図53(A)参照)を示唆する図柄となっていて、第2演出ボタン64の形状を半透明で示したものである。よって、本形態の非同期演出は、第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1が循環表示し続けることにより、大当たり当選を意味する第1特殊図柄M2及び第2特殊図柄N2が循環表示されるのを煽る演出となっている。以上、高確高ベース状態において上述した変更表示演出及び非同期演出を行うための制御を含めて、演出制御用マイコン91の動作について説明する。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]図34〜図48に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図34に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数、後述する循環表示演出パターンを決定するための循環表示演出乱数、後述する停止表示図柄パターン決定テーブルを決定するための抽選テーブル乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出、後述する変更表示演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5を発光させたり、第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図35に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図36に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、第1演出ボタン検出スイッチ63a又は第2演出ボタン検出スイッチ64a(図8参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4304)やその他の処理(S4306)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って、枠ランプ66や盤ランプ5を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15を駆動させるべく、第1装飾可動体駆動データ(第1装飾可動体14を駆動するためのデータ)又は第2装飾可動体駆動データ(第2装飾可動体15を駆動するためのデータ)を作成したり、出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、第1装飾可動体駆動データ又は第2装飾可動体駆動データに従って、第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301、図38参照)。次に、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、後述するスイッチ処理(S4303)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S4304)を行う。ランプ処理(S4304)では、ランプデータ(枠ランプ66や盤ランプ5の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4305)を行う。音声制御処理(S4305)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。例えば第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15が変位するときには、所定の効果音(SE)が出力される。これにより、第1装飾可動体14又は第2装飾可動体15が作動することを遊技者に報知することとしている。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4306)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図38に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述するモードステータス設定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4403)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4404)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4405)、受信していれば後述する変動演出終了処理(S4406)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4407)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理(S4408)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば後述するラウンド演出選択処理(S4410)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していればエンディング演出選択処理(S4412)を行う。エンディング演出選択処理(S4412)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4414)を行う。V通過報知演出開始処理(S4414)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」を示す画像、図60(D)参照)を表示画面7aに表示する演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4415)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[モードステータス設定処理]図39に示すように、モードステータス設定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、現在設定されているモードステータスを参照する。モードステータスは、実行する演出モードを示すものである。演出モードに応じて画像表示装置7における演出の態様が異なることになり、背景画像、登場するキャラクタやアイテム、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出の表示態様等が変化することになる。
本形態ではモードステータスは、遊技状態に応じて異なることになり、遊技状態が低確低ベース状態であれば「1」がセットされ、遊技状態が高確高ベース状態であれば「2」がセットされ、遊技状態が低確高ベース状態であれば「3」がセットされるようになっている。モードステータスが「1」である場合の演出モードを「昼モード(通常モード)」と呼び、モードステータスが「2」である場合の演出モードを「宇宙モード(特殊モード)」と呼び、モードステータスが「3」である場合の演出モードを「夜モード」と呼ぶことにする。なおモードステータスは、初期設定では「1」である。
演出制御用マイコン91は、現在のモードステータスを参照した後(S4501)、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、モードステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照したモードステータスから判別できる遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。モードステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、ステップS4504に進み、モードステータスを変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、処理を終える。
ステップS4504では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確低ベース状態の情報であるか否かを判定する。低確低ベース状態の情報であれば(S4504でYES)、モードステータスに「1」をセットして(S4505)、ステップS4509に進む。一方、低確低ベース状態の情報でなければ(S4504でNO)、高確高ベース状態の情報であるか否かを判定する(S4506)。高確高ベース状態の情報であれば(S4506でYES)、モードステータスに「2」をセットして(S4507)、ステップS4509に進む。高確高ベース状態の情報でなければ(S4506でNO)、低確高ベース状態の情報であるため、モードステータスに「3」をセットして(S4508)、ステップS4509に進む。
ステップS4509では、演出制御用マイコン91は、モードステータスの情報を含む背景演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4509)、処理を終える。これにより、「1」にセットされたモードステータスの情報を含む背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、図52(A)に示すように、昼の背景画像が表示画面7aに表示される。そのため、昼の背景画像を見た遊技者は、昼モード(低確低ベース状態)に制御されていることを把握することが可能である。
また、「2」にセットされたモードステータスの情報を含む背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、図52(B)に示すように、宇宙の背景画像が表示画面7aに表示される。そのため、宇宙の背景画像を見た遊技者は、宇宙モード(高確高ベース状態)に制御されていることを把握することが可能である。
また、「3」にセットされたモードステータスの情報を含む背景演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、図52(C)に示すように、夜の背景画像が表示画面7aに表示される。そのため、夜の背景画像を見た遊技者は、夜モード(低確高ベース状態)に制御されていることを把握することが可能である。
本形態では、図52(B)に示すように、宇宙モードに設定されているときには、表示画面7aにて宇宙の背景画像が表示されると共に、大当たりに当選しない限り高速で環状ラインL1上を循環し続ける第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1が表示されるようになっている。詳細には、2つの第1示唆図柄M1と4つの第2示唆図柄N1が、環状ラインL1上でほぼ等間隔で配されていて、時計方向に楕円状(環状)に循環表示し続ける画像が表示される。こうして、第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1の循環表示は、背景演出コマンドに基づいて行われている。
ここで循環表示とは、1周回って元の位置に戻る循環を明確に認識し得る表示のことであり、演出図柄8L,8C,8Rのようにリールの一部分が示されてスライドするような表示とは異なる意味である。なお各示唆図柄M1,N1の全てが表示画面7a内に常に表示されていなくても良く、各示唆図柄M1,N1の一部が表示画面7aからはみ出るように循環表示されていても良い。また循環表示される方向は、時計方向に限られず反時計方向であっても良い。
また宇宙モードに移行した時点では、特別図柄の変動表示が開始されていなくても、表示画面7aの右上隅部にて上述した第1ハズレ停止表示図柄パターンを示すこととなる画像(図58(A)参照)が表示されるようになっている。そして、特別図柄の変動表示及び停止表示が行われる度に、上述した変更表示演出が行われる。なお、宇宙モードに移行して特別図柄の変動表示が開始されるまでは、変更表示領域X1〜X5、特定図柄Y1〜Y5、及びブランク図柄Z1が表示されないようにしても良い。
[変動演出開始処理]図40に示すように、変動演出開始処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析する(S4601)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態(高確率状態であるか否か、時短状態であるか否か)を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報(図9(A)参照)等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、現在設定されているモードステータスを参照する(S4602)。そして、モードステータスの値が「2」でなければ(S4603でNO)、即ち宇宙モードでなければ、変動演出パターン選択処理を行う(S4604)。具体的には、モードステータス及び変動パターンに応じて設けられている複数の変動演出パターンテーブルの中から、ステップS4602で参照したモードステータス及びステップS4601で解析した変動開始コマンドが示す変動パターンに対応する変動演出パターンテーブルを選択する。そして、選択した変動演出パターンテーブルに基づいて、変動演出パターンを選択する。
このとき演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4605)、変動演出開始処理を終了する。
こうして昼モード又は夜モードに制御されている場合には(S4603でNO)、ステップS4605でセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されることになる。これにより、画像制御基板100のCPU102は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて所定の演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を行う。
一方、ステップS4603でモードステータスの値が「2」であると判定した場合、即ち宇宙モードであれば、後述する宇宙モード演出設定処理を行って(S4606)、変動演出開始処理を終了する。つまり宇宙モードである場合には(S4603でYES)、変動演出パターン選択処理(S4604)を行わず、且つ変動演出開始コマンドのセット(S4605)を行わないため、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出が行われないことになる。
[宇宙モード演出設定処理]図41に示すように、宇宙モード演出設定処理(S4606)では、演出制御用マイコン91はまず、後述する変更表示演出設定処理を行う(S4711)。次に、ステップS4601で解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが、大当たり当選となる変動パターンであるか否かを判定する(S4701)。具体的には、変動パターンQ1、R1、R2、R3のいずれかであるか否かを判定する(図13(A)(B)参照)。
大当たり当選となる変動パターンであれば(S4701でYES)、次に、解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが、変動パターンQ1であるか否かを判定する(S4702)。変動パターンQ1であれば(S4702でYES)、保留連用特別演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4703)、処理を終える。ステップS4703でセットされた保留連用特別演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、変動パターンQ1に基づく特別図柄の変動表示中に、変動演出及び後述する循環表示演出とも異なる特別な保留連用演出(図示省略)が実行されることになる。
一方、解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが変動パターンQ1でなければ(S4702でNO)、続いて、VロングA大当たりに基づく変動パターンであるか否かを判定する(S4704)。具体的には、変動パターンR1であるか否かを判定する(図13(B)参照)。変動パターンR1であれば(S4704でYES)、循環表示演出乱数(図49参照)を取得して、取得した循環表示演出乱数と図49に示す循環表示演出乱数テーブルに基づいて、循環表示演出パターンを選択する(S4705)。
図49に示すように、循環表示演出パターンには、第1演出ボタン通常停止演出パターンと、第1演出ボタン戻り停止演出パターンと、第1演出ボタン滑り停止演出パターンとが設けられている。演出制御用マイコン91は、ステップS4705にてこれらの循環表示演出パターンのうちいずれかを抽選で選択した後、第1循環表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4706)。ステップS4706でセットされた第1循環表示演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、選択された循環表示演出パターンに基づく第1循環表示演出が表示画面7aにて実行されることになる。
第1循環表示演出とは、図53(A)に示すように、第1演出ボタン63の形態を模した第1特殊図柄M2及び第2演出ボタン64の形態を模した第2特殊図柄N2を循環表示する循環表示演出を経て、図53(B)に示すように、第1特殊図柄M2を環状ラインL2上の特定位置TKに停止表示する演出である。要するに、宇宙モードに制御されているときにVロングA大当たりに当選した場合には、第1特殊図柄M2(2つの第1特殊図柄M2のうち一方)が特定位置TKに停止表示することになる。そのため、第1特殊図柄M2が特定位置TKに停止表示されたのを見た遊技者は、当選した大当たりの種別がVロング大当たりであることを把握することが可能になる。
図53(A)に示すように、循環表示演出では、2つの第1特殊図柄M2と4つの第2特殊図柄N2が、環状ラインL2上でほぼ等間隔で配されて、時計方向に楕円状(環状)に循環表示する画像が表示される。また、各第1特殊図柄M2及び各第2特殊図柄N2が環状ラインL2上で循環する速度が、上述した各第1示唆図柄M1及び各第2示唆図柄N1が環状ラインL1で循環する速度よりも遅い画像が表示される。このとき、第1示唆図柄M1又は第2示唆図柄N1が、環状ラインL2上に位置する特定位置TKを通過していくことになる。そして第1循環表示演出においては、第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示するまで、各第1特殊図柄M2及び各第2特殊図柄N2が循環する速度が徐々に小さくなっていく。これにより、ルーレットのように第1特殊図柄M2又は第2特殊図柄N2のどちらが特定位置TKに停止表示されるのかをより注目し易くしすることが可能である。特定位置TKは、表示画面7aの中央よりも僅かに下方の位置であって、表示画面7aのうち遊技者が比較的注目し易い位置である。
なお第1特殊図柄M2及び第2特殊図柄N2の循環表示(図53(A)参照)も、上述した第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1の循環表示(図52(B)参照)と同様、1周回って元の位置に戻る循環が明確に認識できる表示となっている。そしてこれらの循環表示同士では、循環方向(時計方向)及び表示される図柄の数が同じであり、図柄同士(M2,N2)(M1,N2)が略相似形であるため、遊技者にできるだけ関連性がある印象を持たせるようにしている。
図53(B)に示すように第1特殊図柄M2が特定位置TKに停止表示された後、図53(C)に示すように第1演出ボタン操作報知演出が実行される。第1演出ボタン操作報知演出では、1つの第1拡大特殊図柄MMを示す画像が表示される。第1拡大特殊図柄MMは、第1演出ボタン63の形態を模したものであり、第1特殊図柄M2よりも大きくなっている。この第1拡大特殊図柄MMが表示されることにより、遊技者に第1演出ボタン63への操作を促すことが可能である。第1演出ボタン操作報知演出では、第1拡大特殊図柄MMの縁部で2秒かけて消えていく円状のエフェクト画像を表示している。これにより、第1演出ボタン63を操作すべき時間の経過が示される。なお第1演出ボタン操作報知演出は、上述した演出制御用マイコン91による第1循環表示演出コマンドの送信に基づいて実行されるが、第1循環表示演出コマンドと異なるコマンドに基づいて実行されるようにしても良い。
ここで、第1演出ボタン通常停止演出パターンが選択された場合の第1循環表示演出について説明する。この場合には、図53(A)に示すように、各第1特殊図柄M2及び各第2特殊図柄N2が環状ラインL2上で時計方向に循環したあと、各特殊図柄M2,N2が仮停止表示することなく、図53(B)に示すように、第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示することになる。
次に、第1演出ボタン戻り停止演出パターンが選択された場合の第1循環表示演出について説明する。この場合には、図54(A)に示すように、各第1特殊図柄M2及び各第2特殊図柄N2が環状ラインL2上で時計方向に循環したあと、図54(B)に示すように、或る1つの第2特殊図柄N2が特定位置TKで仮停止表示される。なおこのときには、残りの特殊図柄M2,N2も仮停止表示している。ここで第2特殊図柄N2が特定位置TKで停止表示された場合には、その時点でVロング大当たりでないことがあり得る、即ちVショート大当たりの可能性があることを意味している。よって、第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示されるのを望む遊技者にとっては、第2特殊図柄N2が特定位置TKで仮停止表示されると落胆することになる。
しかしながら、第1演出ボタン戻り停止演出パターンでは、図54(B)に示すように、特定位置TKで仮停止表示された第2特殊図柄N2の時計方向側に位置する第1特殊図柄M2が反時計方向に移動して(各特殊図柄M2,N2の各々が反時計方向に移動して)、図54(C)に示すように、その第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示することになる。よって、一旦落胆した遊技者に、Vロング大当たりの当選による高揚感を与えることが可能である。そして、この第1演出ボタン戻り演出パターンにより、第2特殊図柄N2が特定位置TKで停止表示(仮停止表示)されても、遊技者にはその後に第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示されるかもしれないという期待感を常に持たせることが可能である。
続いて、第1演出ボタン滑り停止演出パターンが選択された場合の第1循環表示演出について説明する。この場合には、図55(A)に示すように、各第1特殊図柄M2及び各第2特殊図柄N2が環状ラインL2上で時計方向に循環したあと、図55(B)に示すように、或る1つの第2特殊図柄N2が特定位置TKで仮停止表示される。なおこのときには、残りの特殊図柄M2,N2も仮停止表示している。
その後、第1演出ボタン滑り停止演出パターンでは、図55(B)に示すように、特定位置TKで仮停止表示された第2特殊図柄N2の反計方向側に位置する第1特殊図柄M2が時計方向に移動して(各第1特殊図柄M2,N2の各々が時計方向に移動して)、図55(C)に示すように、その第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示することになる。こうして上述した第1演出ボタン戻り演出パターンと同様、一旦落胆した遊技者に、Vロング大当たりの当選による高揚感を与えることが可能である。そして、この第1演出ボタン滑り演出パターンにより、第2特殊図柄N2が特定位置TKで停止表示(仮停止表示)されても、遊技者にはその後に第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示されるかもしれないという期待感を常に持たせることが可能である。
図41に示す宇宙モード演出設定処理(S4606)の説明に戻る。ステップS4706で第1循環表示演出コマンドをセットした後、第1装飾可動体14(図5参照)を駆動させるための第1駆動有効期間を設定して(S4707)、本処理を終える。第1駆動有効期間は、第1演出ボタン操作演出報知が実行されてから所定の時間(例えば2秒)が経過するまでの期間として設定される。つまり、第1演出ボタン操作報知演出で第1拡大特殊図柄MMの縁部で円状のに消えていくエフェクト画像(図53(C))の表示時間に合わせて設定される。第1駆動有効期間か否かは、後述するスイッチ処理(S4303)のステップS6002(図47参照)で判定されることになる。
一方、図41に示すステップS4704にて、VロングA大当たりとなる変動パターンR1ではない(S4704でNO)、即ちVロングB大当たりとなる変動パターンR2又はVショート大当たりとなる変動パターンR3であれば、ステップS4708に進む。演出制御用マイコン91は、ステップS4708にて第2演出ボタン通常停止演出パターンを選択した後、第2循環表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4709)。ステップS4709でセットされた第2循環表示演出コマンドが画像制御基板100に送信されると、選択された第2演出ボタン通常停止演出パターンに基づく第2循環表示演出が表示画面7aにて実行されることになる。
第2循環表示演出とは、図56(A)に示すように、第1特殊図柄M2及び第2特殊図柄N2を環状ラインL2上で低速で循環表示する循環表示演出を経て、図56(B)に示すように、第2特殊図柄N2を環状ラインL2上の特定位置TKに停止表示する演出である。要するに、宇宙モードに制御されているときにVロングB大当たり又はVショート大当たりに当選した場合には、第2特殊図柄N2(4つの第2特殊図柄N2のうちいずれか)が特定位置TKに停止表示することになる。そのため、第2特殊図柄N2が特定位置TKに停止表示されたのを見た遊技者は、その時点ではVロング大当たり又はVショート大当たりのどちらに当選したのかが分からないことになる。
第2循環表示演出による循環表示演出(図56(A)参照)と、第1循環表示演出による循環表示演出(図53(A)参照)とは同じ演出(共通演出)である。そして、第2循環表示演出においては、第2特殊図柄N2が特定位置TKで停止表示するまで、各第1特殊図柄M2及び各第2特殊図柄N2が循環する速度が徐々に小さくなっていく。また第2演出ボタン通常停止演出パターンに基づく第2循環表示演出では、各特殊図柄M2,N2が仮停止表示することなく、図56(B)に示すように、第2特殊図柄N2が特定位置TKで停止表示することになる。
図56(B)に示すように第2特殊図柄N2が特定位置TKに停止表示された後、図56(C)に示すように第2演出ボタン操作報知演出が実行される。第2演出ボタン操作報知演出では、1つの第2拡大特殊図柄NNを示す画像が表示される。第2拡大特殊図柄NNは、第2演出ボタン64の形態を模したものであり、第2特殊図柄N2よりも大きくなっている。この第2拡大特殊図柄NNが表示されることにより、遊技者に第2演出ボタン64への操作を促すことが可能である。第2演出ボタン操作報知演出では、第2拡大特殊図柄NNよりも下方に2秒かけて消えていく直線状のエフェクト画像を表示している。これにより、第2演出ボタン64を操作すべき時間の経過が示される。なお第2演出ボタン操作報知演出は、上述した演出制御用マイコン91による第2循環表示演出コマンドの送信に基づいて実行されるが、第2循環表示演出コマンドと異なるコマンドに基づいて実行されるようにしても良い。
図41に示す宇宙モード演出設定処理(S4606)の説明に戻る。ステップS4709で第2循環表示演出コマンドをセットした後、第2装飾可動体15(図6参照)を駆動させるための第2駆動有効期間を設定して(S4710)、本処理を終える。第2駆動有効期間は、第2演出ボタン操作報知演出が実行されてから所定の時間(例えば2秒)が経過するまでの期間として設定される。つまり、第2演出ボタン操作報知演出で第2拡大特殊図柄NNよりも下方で直線状に消えていくエフェクト画像(図56(C))の表示時間に合わせて設定される。第2駆動有効期間か否かは、後述するスイッチ処理(S4303)のステップS6008(図48参照)で判定されることになる。
宇宙モード演出制御処理(S4606)において、大当たりに当選した場合の上記演出に対して、ステップS4701にて、大当たり当選となる変動パターンでなければ(S4701)、保留連用特別演出コマンド(S4703)、第1循環表示演出コマンド(S4706)、及び第2循環表示演出コマンド(S4709)のいずれもセットすることなく、処理を終える。従って、宇宙モードに制御されている場合に、特別図柄の抽選が実行されない又は当否判定の結果がハズレである限り、図52(B)に示すように、表示画面7aにて宇宙の背景画像が表示されると共に、第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1が循環表示し続ける画像が表示されることになる。
[変更表示演出設定処理]図42に示すように、変更表示演出設定処理(S4711)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1決定テーブルフラグがONか否かを判定する(S4801)。第1決定テーブルフラグは、前回の変更表示演出の際に図51(A)に示す停止表示図柄パターン第1決定テーブルが用いられたことを示すものである。第1決定テーブルフラグがONであれば(S4801でYES)、抽選テーブル乱数(図50(A)参照)を取得し、取得した抽選テーブル乱数と図50(A)に示す前回第1決定テーブル用抽選テーブルとを用いて、停止表示図柄パターン決定テーブルを選択する(S4802)。
ここで図50(A)〜(E)に示す5つの前回決定テーブル用抽選テーブルについて説明する。各前回決定テーブル用抽選テーブルは、図51(A)〜(E)に示す5つの停止表示図柄パターン決定テーブルのうちどのテーブルを用いるのかを抽選するためのものである。図50(A)に示す前回第1決定テーブル用抽選テーブルでは、図51(A)に示す停止表示図柄パターン第1決定テーブルが抽選されることはなく、図51(B)〜(E)に示す4つの停止表示図柄パターン決定テーブルの中から1つのテーブルが抽選されるようになっている。また図50(B)に示す前回第2決定テーブル用抽選テーブルでは、図51(B)に示す停止表示図柄パターン第2決定テーブルが抽選されることはなく、図51(A)(C)(D)(E)に示す4つの停止表示図柄パターン決定テーブルの中から1つのテーブルが抽選されるようになっている。
また図50(C)に示す前回第3決定テーブル用抽選テーブルでは、図51(C)に示す停止表示図柄パターン第3決定テーブルが抽選されることはなく、図51(A)(B)(D)(E)に示す4つの停止表示図柄パターン決定テーブルの中から1つのテーブルが抽選されるようになっている。また図50(D)に示す前回第4決定テーブル用抽選テーブルでは、図51(D)に示す停止表示図柄パターン第4決定テーブルが抽選されることはなく、図51(A)(B)(C)(E)に示す4つの停止表示図柄パターン決定テーブルの中から1つのテーブルが抽選されるようになっている。また図50(E)に示す前回第5決定テーブル用抽選テーブルでは、図51(E)に示す停止表示図柄パターン第5決定テーブルが抽選されることはなく、図51(A)〜(D)に示す4つの停止表示図柄パターン決定テーブルの中から1つのテーブルが抽選されるようになっている。
続いて、図51(A)〜(E)に示す5つの停止表示図柄パターン決定テーブルについて説明する。各停止表示図柄パターン決定テーブルは、変更表示演出で停止表示される特定図柄Y1〜Y5とブランク図柄Z1の停止表示図柄パターンを決定するためのものである。図51(A)〜(E)に示す5つの停止表示図柄パターン決定テーブルのうち、いずれの停止表示図柄パターン決定テーブルを用いた場合であっても、ステップS4601で解析した変動開始コマンドに含まれる変動パターンが大当たり当選となる変動パターンQ1又はR1〜R3であれば、大当たり停止表示図柄パターン(図59(参照))が決定されることとなる。
その一方、図51(A)に示す停止表示図柄パターン第1決定テーブルを用いる場合で、ハズレとなる変動パターンQ2又はR4〜R7であれば、第1ハズレ停止表示図柄パターン(図58(A)参照)が決定されることとなる。また図51(B)に示す停止表示図柄パターン第2決定テーブルを用いる場合で、ハズレとなる変動パターンQ2又はR4〜R7であれば、第2ハズレ停止表示図柄パターン(図58(B)参照)が決定されることとなる。また図51(C)に示す停止表示図柄パターン第3決定テーブルを用いる場合で、ハズレとなる変動パターンQ2又はR4〜R7であれば、第3ハズレ停止表示図柄パターン(図58(C)参照)が決定されることとなる。
また図51(D)に示す停止表示図柄パターン第4決定テーブルを用いる場合で、ハズレとなる変動パターンQ2又はR4〜R7であれば、第4ハズレ停止表示図柄パターン(図58(D)参照)が決定されることとなる。図51(E)に示す停止表示図柄パターン第5決定テーブルを用いる場合で、ハズレとなる変動パターンQ2又はR4〜R7であれば、第5ハズレ停止表示図柄パターン(図58(A)参照)が決定されることとなる。こうして特別図柄の抽選でハズレとなる際にどの停止表示図柄パターン決定テーブルを用いるかによって、特殊図柄Z1が停止表示される変更表示領域が決まることになる。
図42に示す変更表示演出設定処理(S4711)の説明に戻る。第1決定テーブルフラグがONであれば(S4801でYES)、演出制御用マイコン91は、図50(A)に示す前回第1決定テーブル用抽選テーブルでどの停止表示図柄決定テーブルを用いるかを抽選したあと(S4802)、第1決定テーブルフラグをOFFして(S4803)、ステップS4815に進む。
また、第1決定テーブルフラグがONでなければ(S4801でNO)、第2決定テーブルフラグがONであるか否かを判定する(S4804)。第2決定テーブルフラグは、前回の変更表示演出の際に図51(B)に示す停止表示図柄パターン第2決定テーブルが用いられたことを示すものである。第2決定テーブルフラグがONであれば(S4804でYES)、抽選テーブル乱数(図50(B)参照)を取得し、取得した抽選テーブル乱数と図50(B)に示す前回第2決定テーブル用抽選テーブルとを用いて、停止表示図柄パターン決定テーブルを選択する(S4805)。そして、第2決定テーブルフラグをOFFして(S4806)、ステップS4815に進む。
また、第2決定テーブルフラグがONでなければ(S4804でNO)、第3決定テーブルフラグがONであるか否かを判定する(S4807)。第3決定テーブルフラグは、前回の変更表示演出の際に図51(C)に示す停止表示図柄パターン第3決定テーブルが用いられたことを示すものである。第3決定テーブルフラグがONであれば(S4807でYES)、抽選テーブル乱数(図50(C)参照)を取得し、取得した抽選テーブル乱数と図50(C)に示す前回第3決定テーブル用抽選テーブルとを用いて、停止表示図柄パターン決定テーブルを選択する(S4808)。そして、第3決定テーブルフラグをOFFして(S4809)、ステップS4815に進む。
また、第3決定テーブルフラグがONでなければ(S4807でNO)、第4決定テーブルフラグがONであるか否かを判定する(S4810)。第4決定テーブルフラグは、前回の変更表示演出の際に図51(D)に示す停止表示図柄パターン第4決定テーブルが用いられたことを示すものである。第4決定テーブルフラグがONであれば(S4810でYES)、抽選テーブル乱数(図50(D)参照)を取得し、取得した抽選テーブル乱数と図50(D)に示す前回第4決定テーブル用抽選テーブルとを用いて、停止表示図柄パターン決定テーブルを選択する(S4811)。そして、第4決定テーブルフラグをOFFして(S4812)、ステップS4815に進む。
また、第4決定テーブルフラグがONでなければ(S4810でNO)、第5決定テーブルフラグがONであるということになり、ステップS4813に進む。第5決定テーブルフラグは、前回の変更表示演出の際に図51(E)に示す停止表示図柄パターン第5決定テーブルが用いられたことを示すものである。ステップS4813では、抽選テーブル乱数(図50(E)参照)を取得し、取得した抽選テーブル乱数と図50(E)に示す前回第5決定テーブル用抽選テーブルとを用いて、停止表示図柄パターン決定テーブルを選択する(S4813)。そして、第5決定テーブルフラグをOFFして(S4814)、ステップS4815に進む。
図43に示すように、ステップS4815では、演出制御用マイコン91は、上述したステップS4802、S4805、S4808、S4811、S4814のいずれかで抽選された停止表示図柄パターン決定テーブル(図51(A)〜(E)参照)を用いて停止表示図柄パターンを決定する。そして、用いられた停止表示図柄パターン決定テーブルに対応する決定テーブルフラグをONにする(S4816)。例えば、停止表示図柄パターン第5決定テーブルが抽選されていれば、第5決定テーブルフラグがONされることとなる。なお初期設定では、第1決定テーブルフラグがONにされていて、第2決定テーブルフラグと第3決定テーブルフラグと第4決定テーブルフラグと第5決定テーブルフラグはOFFされている。
そして、ステップS4815で決定された停止表示図柄パターンにて変更表示演出を開始するための変更表示演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4817)、変更表示演出設定処理(S4711)を終える。こうして高確高ベース状態により宇宙モードに設定されている場合に、ステップS4817でセットされた変更表示演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されることになる。これにより、画像制御基板100のCPU102は、受信した変更表示演出開始コマンドに基づいて、画像表示装置7の表示画面7aにて変更表示演出を行う。変更表示演出の表示制御については詳述する。
[変動演出終了処理]図44に示すように、変動演出終了処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析する(S4901)。次に現在設定されているモードステータスを参照する(S4902)。そして、モードステータスの値が「2」でなければ(S4903でNO)、即ち昼モード又は夜モードであれば、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4904)、処理を終える。一方、モードステータスの値が「2」であれば(S4903でYES)、即ち宇宙モードであれば、変更表示演出を終了させるための変更表示演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S4905)、処理を終える。なお、変動停止コマンドに現在の遊技状態を指定する遊技状態情報が含まれていて、ステップS4901で解析した変動停止コマンドに高確高ベース状態の情報が含まれていれば、変更表示演出終了コマンドをセットするようにしても良い。
[オープニング演出選択処理]図45に示すように、オープニング演出選択処理(S4408)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する(S5001)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たりの当選時にセットされた特図停止図柄データ(図9及び図22のステップS1508参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドが示す大当たり種別がVロングA大当たりであるか否かを判定する(S5002)。VロングA大当たりであれば(S5002でYES)、スーパーボーナス演出パターンを選択して(S5003)、ステップS5005に進む。一方、VロングA大当たりでない(S5002でNO)、即ちVロングB大当たり又はVショート大当たりであれば、バトルボーナス演出パターンを選択して(S5004)、ステップS5005に進む。
ステップS5005では演出制御用マイコン91は、ステップS5003にて選択したスーパーボーナス演出パターン、又はステップS5004にて選択したバトルボーナス演出パターンにて、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。ステップS5005でセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のオープニング演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示する。
具体的に、スーパーボーナス演出パターンの選択に基づくオープニング演出、即ちスーパーボーナス演出が実行された場合には、図60(A)に示すように、表示画面7aに「SUPERBONUS」を示す画像が表示される。スーパーボーナス演出は、VロングA大当たりの当選に基づいて実行されるオープニング演出であるため、「SUPERBONUS」を示す画像を見た遊技者はVロング大当たりに当選したことを把握することが可能である。なお、宇宙モードでVロングA大当たりに当選した場合には、上述した第1循環表示演出(図53(B)参照)を経てスーパーボーナス演出が実行されるため、第1特殊図柄M2が特定位置TKで停止表示された時点で、既に遊技者はVロング大当たりに当選したことを把握し得ることになる。
一方、バトルボーナス演出パターンの選択に基づくオープニング演出、即ちバトルボーナス演出が実行された場合には、図61(A)に示すように、表示画面7aに「バトルBONUS」を示す画像が表示される。バトルボーナス演出は、その後にバトル演出が実行されることを示している。なお、宇宙モードでVロングB大当たり又はVショート大当たりに当選した場合には、上述した第2循環表示演出(図56(B)参照)を経てバトルボーナス演出が実行されるため、遊技者が「バトルBONUS」を示す画像を見ても、その時点で未だVロング大当たり又はVショート大当たりのどちらに当選したのか分からない。
[ラウンド演出選択処理]図46に示すように、ラウンド演出選択処理(S4410)ではまず、演出制御用マイコン91は、ラウンド指定コマンドを解析する(S5101)。なお本形態では、ラウンド指定コマンドには、大当たりの当選時にセットされた特図停止図柄データ(図9及び図22のステップS1508参照)に関する情報が含まれている。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したラウンド指定コマンドが示す大当たり種別がVロングA大当たりであるか否かを判定する(S5102)。VロングA大当たりであれば(S5102でYES)、V打込報知演出を伴うスーパーボーナス演出パターンを選択して(S5103)、ステップS5107に進む。一方、VロングA大当たりでなければ(S5102でNO)、次にVロングB大当たりであるか否かを判定する(S5104)。VロングB大当たりであれば(S5104でYES)、V打込み報知演出を伴うバトル勝利演出パターンを選択して(S5105)、ステップS5107に進む。またVロングB大当たりでなければ(S5104でNO)、Vショート大当たりであるため、バトル敗北演出パターンを選択して(S5106)、ステップS5107に進む。
ステップS5107では演出制御用マイコン91は、ステップS5103又はS5105或いはS5106にて選択した演出パターンにて、ラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。ステップS5107でセットされたラウンド演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定のラウンド演出画像をROM103から読み出して、表示画面7aに表示する。
具体的に、V打込み報知演出を伴うスーパーボーナス演出パターンの選択に基づくラウンド演出が実行された場合について説明する。この場合には、図60(B)に示すように、表示画面7aに5人の主人公キャラ「いち」「にん」「さん」「よん」「ごん」を示す画像が表示される。このとき、後述するバトル演出のように主人公キャラと敵キャラとが戦う画像は表示されない。既に遊技者がVロング大当たりに当選していることを把握し得ているからである。そして14R目において、図60(C)に示すように、遊技領域3のうち特定領域39の付近が光った画像が表示されると共に、「Vを狙え」を示す画像が表示される。これにより、遊技者は特定領域39に遊技球を打込む状況であることを認識し易くなっている。その後16R目において、遊技球が特定領域39を通過すれば、図60(D)に示すように、「V」を示す画像を表示するV通過報知演出が実行されることになる。
次に、V打込み報知演出を伴うバトル勝利演出パターンの選択に基づくラウンド演出が実行された場合について説明する。この場合には、図61(B)に示すように先ず、表示画面7aに主人公キャラ(第3主人公キャラ「さん」)と敵キャラとが戦う画像を表示するバトル演出が実行される。そして、図61(C)に示すように、主人公キャラが敵キャラに勝利して、「WIN」を示す画像が表示画面7aに表示されるバトル勝利演出が実行されることになる。そのため、バトル勝利演出を見た遊技者には、その時点でVロング大当たりに当選していることを把握させて、高揚感を与えることが可能である。その後14R目において、図61(D)に示すように、遊技領域3のうち特定領域39の付近が光った画像が表示されると共に、「Vを狙え」を示す画像が表示される。
続いて、バトル敗北演出パターンの選択に基づくラウンド演出が実行された場合について説明する。この場合には、図61(B)に示すように先ず、表示画面7aに主人公キャラと敵キャラとが戦う画像を表示するバトル演出が実行される。そして、図61(E)に示すように、主人公キャラが敵キャラに敗北して、「LOSE」を示す画像が表示画面7aに表示されるバトル敗北演出が実行されることになる。そのため、バトル敗北演出を見た遊技者には、その時点でVショート大当たりに当選していることを把握させることになる。その後、「Vを狙え」を示す画像(図61(D)参照)が表示されることなく、ラウンド演出が終了する。
[スイッチ処理]演出制御用マイコン91は、図37に示す10msタイマ割り込み処理(S4010)においてスイッチ状態取得処理(S4302)に次いで、スイッチ処理(S4303)を行う。スイッチ処理(S4303)では、図47に示すように、演出制御用マイコン91はまず、第1演出ボタン検出スイッチ63aがONされたか否かを判定する(S6001)。ここでは、第1演出ボタン検出スイッチ63aがONされたか否かは、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納されたスイッチデータに基づいて判定される。そしてONされたと判定しなかった場合には(S6001でNO)、ステップS6004に進む。一方ONされたと判定した場合には(S6001でYES)、設定された第1駆動有効期間(図41のS4707参照)内か否かを判定する(S6002)。
第1駆動有効期間内でなければ(S6002でNO)、ステップS6004に進む。一方第1駆動有効期間内であれば(S6002でYES)、第1装飾可動体14を図1に示す第1待機位置から図5に示す第1動作位置へ変位させる第1装飾可動体駆動データを、RAM94の駆動データバッファにセットする(S6003)。これにより演出制御用マイコン91は、駆動制御処理(S4203)において、図53(C)に示す第1演出ボタン操作報知演出の実行中に、第1演出ボタン63が押し込まれるように操作されたタイミングで第1装飾可動体14を第1動作位置へ変位させることとなる。よって、第1循環表示演出によりVロング大当たりに当選したことへのインパクトを強めることが可能であると共に、遊技者には自らの手でVロング大当たりを引き寄せたような達成感を与えることが可能である。
ステップS6004では、第1装飾可動体駆動データがセットされているか否かを判定する。セットされていれば、第1装飾可動体14を第1動作位置へ変位させる必要がないため、ステップS6007に進む。一方、第1装飾可動体駆動データがセットされていなければ(S6004でNO)、第1駆動有効期間が経過するタイミングであるか否かを判定する(S6005)。判定結果がNOであれば、ステップS6007に進む。一方、第1駆動有効期間が経過するタイミングであれば(S6005でYES)、第1装飾可動体駆動データをRAM94の駆動データバッファにセットして(S6006)、ステップS6007に進む。これにより、図53(C)に示す第1演出ボタン操作報知演出の実行中に第1演出ボタン63を操作しなかった場合でも、第1駆動有効期間が経過するタイミングで第1装飾可動体14が第1動作位置へ変位することになる。
続いて図48に示すように、ステップS6007に進むと演出制御用マイコン91は、第2演出ボタン検出スイッチ64aがONされたか否かを判定する(S6007)。第2演出ボタン検出スイッチ64aがONされたか否かは、スイッチ状態取得処理(S4302)にて格納されたスイッチデータに基づいて判定される。そしてONされたと判定しなかった場合には(S6007でNO)、ステップS6010に進む。一方ONされたと判定した場合には(S6007でYES)、設定された第2駆動有効期間(図41のS4710参照)内か否かを判定する(S6008)。
第2駆動有効期間内でなければ(S6008でNO)、ステップS6010に進む。一方第2駆動有効期間内であれば(S6008でYES)、第2装飾可動体15を図1に示す第2待機位置から図6に示す第2動作位置へ変位させる第2装飾可動体駆動データを、RAM94の駆動データバッファにセットする(S6009)。これにより演出制御用マイコン91は、駆動制御処理(S4203)において、図56(C)に示す第2演出ボタン操作報知演出の実行中に、第2演出ボタン64が操作されたタイミングで第2装飾可動体15を第2動作位置へ変位させることとなる。よって遊技者にとっては、第2循環表示演出によりVロング大当たり又はVショート大当たりのどちらに当選したのか分からないものの、図6に示す第2装飾可動体15の動作により大当たりに当選したことへの高揚感を高めることが可能である。
ステップS6010では、第2装飾可動体駆動データがセットされているか否かを判定する。セットされていれば、第2装飾可動体15を第2動作位置へ変位させる必要がないため、処理を終える。一方、第2装飾可動体駆動データがセットされていなければ(S6010でNO)、第2駆動有効期間が経過するタイミングであるか否かを判定する(S6011)。判定結果がNOであれば、処理を終える。一方、第2駆動有効期間が経過するタイミングであれば(S6011でYES)、第2装飾可動体駆動データをRAM94の駆動データバッファにセットして(S6012)、処理を終える。これにより、図51(C)に示す第2演出ボタン操作報知演出の実行中に第2演出ボタン64を操作しなかった場合でも、第2駆動有効期間が経過するタイミングで第2装飾可動体15が第2動作位置へ変位することになる。
ここで図13(B)に示すように、VロングA大当たりの当選に基づく変動パターンR1の変動時間(16100ms)が、VロングB大当たりの当選に基づく変動パターンR2の変動時間(9400ms)及びVショート大当たりの当選に基づく変動パターンR3の変動時間(9400ms)よりも長い理由について説明する。上述したように、宇宙モードにてVロングA大当たりに当選した場合には、例えば図53(A)(B)に示す第1循環表示演出を経て、比較的大きな第1装飾可動体14が図5に示す第1動作位置へと大きく変位する。これに対して、宇宙モードにてVロングB大当たり又はVショート大当たりに当選した場合には、図56(A)(B)に示す第2循環表示演出を経て、第1装飾可動体14よりも小さい第2装飾可動体15が図6に示す第2動作位置へと小さく変位する。
よって第1装飾可動体14が変位する場合には、第2装飾可動体15が変位する場合よりも遊技者に与えるインパクトを大きくして、遊技者に付与する特典が大きくなり得ることを報知するようにしている。言い換えれば、遊技者に与えるインパクトに差を設けるために、変動パターンR1の変動時間(16100ms)を変動パターンR2,R3の変動時間(9400ms)よりも長く設定し、第1装飾可動体14が変位する際の演出時間を、第2装飾可動体15が変位する際の演出時間よりも長くすることにしている。また、第1循環表示演出においては図54に示す第1演出ボタン戻り停止演出パターンや図55に示す第1演出ボタン滑り停止演出パターンが設けられているのに対して、第2循環表示演出においては、図56に示す第2演出ボタン通常停止演出パターンしか設けられていない。従って、各特殊図柄M2,N2の仮停止表示から第1特殊図柄が特定位置TKへ移動するまでの時間が余分に必要であるため、変動パターンR1の変動時間を変動パターンR2,R3の変動時間よりも長く設定することにしている。
8.変更表示演出の表示制御
次に変更表示演出の表示制御の一例を、図62及び図63に基づいて説明する。ここで前提条件として、遊技状態が高確高ベース状態(遊技状態ステータスが「2」)であり、特別図柄の変動表示が5回以上行われたこととする。また、電サポ制御により遊技球が第2始動口21に頻繁に入球し、第2特図保留が「4」となっている状況が途切れることなく続く状況とする。そして、演出制御用マイコン91は、図51(B)に示す停止表示図柄パターン第2決定テーブルを用いて第2ハズレ停止表示図柄パターンを決定し(S4815)、図62(A)に示す変更表示演出を行ったものとする。
これらの前提条件から、ハズレであることを示す第2特別図柄の停止表示が終わると、第2特別図柄のうち最先の記憶に基づいて次の第2特別図柄の変動表示が実行される。このとき、遊技制御用マイコン81は、特図2変動パターン選択処理(S1403)において、ハズレであることを示す変動パターンR7(変動時間が100ms)を選択したこととする(S1625)。そして、変動パターンR7の情報を含む特図2変動開始コマンドを受信したサブ制御基板90(演出制御用マイコン91)は、変動演出開始処理(S4404)の変更表示演出設定処理(S4711)に進む。ここで前回の変更表示演出においては停止表示図柄パターン第2決定テーブルが用いられたため、第2決定テーブルフラグがONされていることになる(S4816)。
そのため、演出制御用マイコン91は、図42に示す変更表示演出設定処理(S4711)において、ステップS4804でYESと判定する。そして、図50(B)に示す前回第2決定テーブル用抽選テーブルを用いた抽選により、停止表示図柄パターン第5決定テーブルを用いることに決定したものとする(S4805)。次に、第2決定テーブルフラグをOFFする(S4806)。続いて、図51(E)に示す停止表示図柄パターン第5決定テーブルと、ハズレであることを示す変動パターンR7とにより、第5ハズレ停止表示図柄パターンに決定される(S4815)。そして、第5決定テーブルフラグをONして(S4816)、決定された第5ハズレ停止表示図柄パターンにて変更表示演出を開始するための変更表示演出コマンドをセットする(S4817)。
その結果、第2特別図柄の変動表示中に、図62(B)に示すように、変更表示領域X1〜X5にて変更表示が行われる。その後、第2特別図柄が停止表示されると、図62(C)に示すように、第5ハズレ停止表示図柄パターンにて特定図柄Y1,Y2,Y3,Y4及びブランク図柄Z1が停止表示される。このとき、ブランク図柄Z1は第5変更表示領域X5に停止表示される。
ここで図62(B)に示す変更表示について、図63に基づいて詳細に説明する。図63(A)に示すように第2ハズレ停止表示図柄パターンにて特定図柄Y1,Y3,Y4,Y5及びブランク図柄Z1が停止表示された後、図57に示すように、変更表示領域X1〜X5では特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1の仮停止表示が順番に切り換わっていくことになる。
即ち、図63(B)に示すように、第1変更表示領域X1では第2特定図柄Y2が仮停止表示し、第2変更表示領域X2では第3特定図柄Y3が仮停止表示し、第3変更表示領域X3では第4特定図柄Y4が仮停止表示し、第4変更表示領域X4では第5特定図柄Y5が仮停止表示し、第5変更表示領域X5では第1特定図柄Y1が仮停止表示する。この仮停止表示の時間は約40msである。しかしながら仮停止表示の時間は、特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1による停止表示の時間(600ms)より小さければ適宜変更可能である。
続いて、図63(C)に示すように、第1変更表示領域X1では第3特定図柄Y3が仮停止表示し、第2変更表示領域X2では第4特定図柄Y4が仮停止表示し、第3変更表示領域X3では第5特定図柄Y5が仮停止表示し、第4変更表示領域X4ではブランク図柄Z1が仮停止表示し、第5変更表示領域X5では第2特定図柄Y2が仮停止表示する。本形態では、図63(B)及び図63(C)に示すように、仮停止表示されるときであっても、変更表示領域X1〜X5にて同時に同じ図柄(特定図柄Y1〜Y5、ブランク図柄Z1)が表示されないようにしている。
そして、第2特別図柄の変動時間(100ms)だけ、仮停止表示の切り換わり(変更表示)が行われると、図63(D)に示すように、第5ハズレ停止表示図柄パターンにて特定図柄Y1,Y2,Y3,Y4及びブランク図柄Z1が停止表示される。この停止表示は、第2特別図柄の停止時間(600ms)だけ行われる。こうして、第2特別図柄の変動時間が100msというごく短時間であっても、変更表示領域X1〜X5の各々にて仮停止表示が切り換わるように変更表示することにより、第2特別図柄の停止表示を示す演出ではないようにしている。
図62に示す変更表示演出の説明に戻る。図62(C)に示す特定図柄Y1,Y2,Y3,Y4及びブランク図柄Z1の停止表示が終わると、第2特図保留のうち最先の記憶に基づいて次の第2特別図柄の変動表示が実行される。このとき、遊技制御用マイコン81は、特図2変動パターン選択処理(S1403)において、ハズレであることを示す変動パターンR7を選択したこととする(S1625)。そして、変動パターンR7の情報を含む特図2変動開始コマンドを受信したサブ制御基板90(演出制御用マイコン91)は、変更表示演出設定処理(S4711)において、第5決定テーブルフラグがONされていることにより、ステップS4810でNOと判定する。
これにより、図50(E)に示す前回第5決定テーブル用抽選テーブルを用いた抽選により、停止表示図柄パターン第3決定テーブルを用いることに決定したものとする(S4813)。次に、第5決定テーブルフラグをOFFする(S4814)。続いて、図51(C)に示す停止表示図柄パターン第3決定テーブルと、ハズレであることを示す変動パターンR7とにより、第3ハズレ停止表示図柄パターンに決定される(S4815)。そして、第3決定テーブルフラグをONして(S4816)、決定された第3ハズレ停止表示図柄パターンにて変更表示演出を開始するための変更表示演出コマンドをセットする(S4817)。
その結果、第2特別図柄の変動表示中に、図62(D)に示すように、変更表示領域X1〜X5にて変更表示が行われる。その後、第2特別図柄が停止表示されると、図62(E)に示すように、第3ハズレ停止表示図柄パターンにて特定図柄Y1,Y2,Y4,Y5及びブランク図柄Z1が停止表示される。このとき、ブランク図柄Z1は第3変更表示領域X3に停止表示される。
つまり本形態では、図62(A)(C)(E)に示すように、ハズレを示す第2特別図柄が停止表示される度に、ブランク図柄Z1は、前回停止表示された変更表示領域とは異なる変更表示領域に停止表示される。その一方で、ブランク図柄Z1が停止表示されていない残りの変更表示領域では、それぞれ対応特定図柄が停止表示される。従って遊技者にとっては、1つのブランク図柄Z1の移動が目立って見えることになる。こうしてブランク図柄Z1の移動により、遊技者に特別図柄の抽選がハズレとなっているのを認識し易くしている。
図62(E)に示す特定図柄Y1,Y2,Y4,Y5及びブランク図柄Z1の停止表示が終わると、第2特図保留のうち最先の記憶に基づいて次の第2特別図柄の変動表示が実行される。このとき、遊技制御用マイコン81は、第2特別図柄の抽選の判定結果が大当たり当選であり、特図2変動パターン選択処理(S1403)において、大当たり当選であることを示す変動パターンR1(変動時間16100ms)を選択したこととする(S1624)。そして、変動パターンR1の情報を含む特図2変動開始コマンドを受信したサブ制御基板90(演出制御用マイコン91)は、変更表示演出設定処理(S4711)において、第3決定テーブルフラグがONされていることにより、ステップS4807でYESと判定する。
これにより、図50(C)に示す前回第3決定テーブル用抽選テーブルを用いた抽選により、停止表示図柄パターン第1決定テーブルを用いることに決定したものとする(S4808)。次に、第3決定テーブルフラグをOFFする(S4814)。続いて、図51(A)に示す停止表示図柄パターン第3決定テーブルと、大当たり当選であることを示す変動パターンR1とにより、大当たり停止表示図柄パターンに決定される(S4815)。そして、第1決定テーブルフラグをONして(S4816)、決定された大当たり停止表示図柄パターンにて変更表示演出を開始するための変更表示演出コマンドをセットする(S4817)。
その結果、16100msである第2特別図柄の変動時間の間、図62(F)に示すように、変更表示領域X1〜X5にて変更表示が行われる。その後、第2特別図柄が停止表示されると、図62(G)に示すように、大当たり停止表示図柄パターンにて特定図柄Y1〜Y5が停止表示される。即ち変更表示領域X1〜X5の各々にて対応特定図柄Y1〜Y5が同時に停止表示され、ブランク図柄Z1は停止表示されない。こうして5人の主人公キャラ「いち」「にん」「さん」「よん」「ごん」が揃って表示されることにより、大当たり当選であることを把握し易いようにしている。
9.本形態の効果
本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確高ベース状態により宇宙モードに設定されている場合に、特別図柄が変動表示すると、変更表示領域X1〜X5の各々にて、特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1による仮停止表示が切り換わるように変更表示する。この変更表示により、遊技者に特別図柄の変動表示中であることを把握させることが可能である。そして、変更表示領域X1〜X5のうち1つの変更表示領域にてブランク図柄Z1が停止表示されると、遊技者に特別図柄の抽選の判定結果がハズレであることを把握させることが可能である。一方、変更表示領域X1〜X5の各々にて対応特定図柄Y1〜Y5が停止表示されると、遊技者に当否判定の結果が大当たり当選であることを把握させることが可能である。つまり、互いに異なる5つの特定図柄Y1〜Y5が同時に停止表示されることが、大当たり当選を意味することになる。こうして特別図柄の変動表示中の演出からハズレを示す演出、及び特別図柄の変動表示中の演出から大当たり当選を示す演出を、従来にない新しい演出を思わせることが可能であり、遊技興趣を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、高確高ベース状態により宇宙モードに設定されている場合には、低確低ベース状態により昼モードに設定されている場合又は低確高ベース状態により夜モードに設定されている場合よりも、特別図柄の変動時間が短くなり易い(図13(A)(B)参照)。ここで仮に特別図柄の変動時間が1000ms以下のように短いにも拘わらず、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を実行しようとすると、特別図柄の抽選が頻繁にハズレとなる際の演出の見た目が煩雑となり、遊技者に煩わしさを感じさせるおそれがある。そこで本形態では、特別図柄の変動時間が1000ms以下のように短い場合が頻繁に生じても、変更表示領域X1〜X5の各々にて、上述した変更表示の後に特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1が停止表示されるだけである。即ち、変動演出のように演出図柄8L,8C,8Rが変動(移動)することがなく、変更表示領域X1〜X5の各々にて特定図柄Y1〜Y5及びブランク図柄Z1の表示が切り換わっていくだけである。よって、特別図柄の変動時間が短くても、演出の見た目が煩雑とならずにハズレ又は大当たり当選を示すことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、宇宙モードに設定されている場合に、連続して特別図柄の抽選がハズレとなると、図62に示すように、変更表示領域X1〜X5のうちブランク図柄Z1を停止表示する変更表示領域が、ブランク図柄Z1が前回停止表示された変更表示領域とは異なることになる。つまり、連続して同じ変更表示領域にて特殊図柄Z1が停止表示されることはない。特に本形態では、変更表示領域X1〜X5の各々のうち何れか1つの変更表示領域にブランク図柄Z1が停止表示され、ブランク図柄Z1が停止表示されない残りの変更表示領域には、それぞれ対応特定図柄が停止表示されることになる。従って、特別図柄の抽選で頻繁にハズレとなる際に、1つのブランク図柄Z1だけが各変更表示領域X1〜X5にて移動していくように見えて、ブランク図柄Z1が停止表示されなかった残りの変更表示領域では対応特定図柄が毎回停止表示される。よってこのときには、1つのブランク図柄Z1の移動を目立たせることが可能であり、頻繁にハズレが生じている状況を認識し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、宇宙モードに設定されている場合に、特別図柄の変動表示中には、変更表示領域X1〜X5の各々にて、図57に示すように、特定図柄Y1〜Y5の仮停止表示及びブランク図柄Z1の仮停止表示とが切り換わるように変更表示される。つまり、例えば第1変更表示領域X1に注目すれば、第1特定図柄Y1とブランク図柄Z1の2種類の図柄による変更表示が行われるのではなく、特定図柄Y1〜Y5とブランク図柄Z1の6種類の図柄による変更表示が行われる。また第2〜第5変更表示領域X2〜X5の各々でも、6種類の図柄による変更表示が行われる。よって、変更表示される図柄が例えば2種類である場合に比べて、特別図柄の変動表示中であることを示す演出として、より認識し易くすることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、宇宙モードに設定されている場合に、特別図柄の抽選で大当たり当選になると、図62(G)に示すように、変更表示領域X1〜X5の各々にて対応する特定図柄Y1〜Y5が同時に停止表示される。このとき、停止表示された特定図柄Y1〜Y5の全体としての表示態様が、本パチンコ遊技機1の機種名である「いちにんさんよんごん」というまとまりの意味を認識し得る表示態様(特殊表示態様)になっている。そのため、遊技者には「いちにんさんよんごん」という表示態様になるか否かによって、大当たり当選であるか否かを示すことになる。よって、大当たり当選を示す演出を把握し易くすると共に、演出効果を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、宇宙モードに設定されている場合に、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出を実行しないで、図52(B)に示すように、表示画面7aの中央にて特別図柄の変動表示に同期しない非同期演出(第1示唆図柄M1及び第2示唆図柄N1が循環表示し続ける演出)を実行する。これにより、演出の見た目が煩雑となるのを回避することが可能である。しかしながらこの場合、遊技者が表示画面7aを見ながら特別図柄の変動表示中なのか、特別図柄の変動表示がいつ終わったのかが分からなくなるおそれがある。そこで本形態では、表示画面7aの右上隅部にて上述したように変更表示演出を実行することで、非同期演出を実行しつつ、表示画面7aを見る遊技者に対して特別図柄の変動表示中なのか、特別図柄の変動表示がいつ終わったのかを把握させることが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、図57に示すように、変更表示領域X1〜X5の各々にて、特定図柄Y1〜Y5とブランク図柄Z1の6種類の図柄による変更表示を行った。しかしながら、図64に示すように、変更表示領域X1〜X5の各々にて、対応特定図柄とブランク図柄Z1の2種類の図柄による変更表示を行っても良い。また、対応特定図柄とブランク図柄Z1以外に、対応する特定図柄以外の特定図柄(非対応特定図柄)を含めて3種類の図柄による変更表示、4種類の図柄による変更表示、5種類の図柄による変更表示を行っても良い。更に特定図柄Y1〜Y5以外の図柄を含めて変更表示を行うようにしても良い。なお、変更表示される図柄の種類が多い程、遊技者が特別図柄の変動表示中であることを示す演出として認識し易くなる。
また上記形態では、第1変更表示領域X1から第5変更表示領域X5までの5つの変更表示領域X1〜X5が設けられ、第1特定図柄Y1から第5特定図柄Y5までの5種類の特定図柄Y1〜Y5が設けられていた。しなしながら、変更表示領域(表示領域)の数及び特定図柄の種類は5(N)に限定されるものではなく、2以上であれば適宜変更可能である。また、変更表示領域X1〜X5は六角形のマス目状であり、三角形、四角形、五角形のマス目状であっても良く、変更表示領域X1〜X5の形状は適宜変更可能である。また、特定図柄Y1〜Y5は、5人の主人公キャラの顔を示した図柄になっていたが、その他のキャラクタ、アイテム、図形、文字、模様等を示す図柄であっても良く、適宜変更可能である。
例えば図65に示す変形例のように実施することも可能である。即ち、図65に示すように、第1変更表示領域V1と第2変更表示領域V2とが設けられて、第1特定図柄W1と第2特定図柄W2とが設けられている。第1特定図柄W1は、主人公キャラの右半分の顔を示した図柄であり、第2特定図柄W2は、主人公キャラの左半分の顔を示した図柄である。また、「×」を示すハズレ図柄(特殊図柄)Z2が設けられている。第1変更表示領域V1では、第1特定図柄W1の仮停止表示とハズレ図柄Z2の仮停止表示とが切り換わるように変更表示したあと、第1特定図柄W1又はハズレ図柄Z2が停止表示することとなる。また第2変更表示領域V2では、第2特定図柄W2の仮停止表示とハズレ図柄Z2の仮停止表示とが切り換わるように変更表示したあと、第2特定図柄W2又はハズレ図柄Z2が停止表示されることになる。
そしてこの変形例では、特別図柄の抽選でハズレとなると、図65(A)に示すように、第1ハズレ停止表示図柄パターンとして、第1変更表示領域V1でハズレ図柄Z2が停止表示され、第2変更表示領域V2で第2特定図柄W2が停止表示される。又は、図65(B)に示すように、第2ハズレ停止表示図柄パターンとして、第1変更表示領域V1で第1特定図柄W1が停止表示され、第2変更表示領域V2でハズレ図柄Z2が停止表示される。これらに対し、特別図柄の抽選で大当たり当選となると、図65(C)に示すように、大当たり停止表示図柄パターンとして、第1変更表示領域V1で第1特定図柄W1が停止表示され、第2変更表示領域V2で第2特定図柄W2が停止表示される。このとき主人公キャラの顔全体が揃うことにより、まとまりの意味を認識し得る表示態様になり、本パチンコ遊技機1で遊技を行う遊技者にとっては、大当たり当選を示す演出であることを把握し易くなっている。
また上記形態では、高確高ベース状態により宇宙モードに設定されている場合には、ハズレとなる際の変動時間が比較的短いため(図13(A)(B))、変更表示演出を実行するようにした。しかしながら、低確高ベース状態により夜モードに設定されている場合や、低確低ベース状態により昼モードに設定されている場合であっても、変更表示演出を実行するようにしても良い。つまりハズレとなる際の変動時間が比較的長く設定され易い場合であっても、変更表示演出を実行するようにしても良い。
また上記した形態では、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出が実行されないときに変更表示演出を実行するようにしたが、演出図柄8L,8C,8Rの変動演出と併せて変更表示演出を実行するようにしても良い。そして変更表示演出を表示画面7aの右上隅部で実行したが、表示画面7aの右下隅部、左上隅部、左下隅部、中央等で実行しても良く、表示画面7a内のどこで実行しても良い。
また上記形態(変形例を含む)では、変更表示領域X1〜X5(変更表示領域V1,V2)が画像表示装置7の表示画面7a内に設けられていて、変更表示演出が表示画面7a内で実行されるようにした。しかしながら、変更表示領域X1〜X5(変更表示領域V1,V2)を画像表示装置7の表示画面7aと異なる部分(例えば画像表示装置7とは異なる画像表示装置)に設けて、変更表示演出が遊技者から常に視認可能な位置で実行されるようにしても良い。この場合には、SPリーチで演出図柄8L,8C,8Rの変動表示を含む演出内容が表示画面7aから一瞬消えたり、可動体が表示画面7aの全部又は一部を遮蔽するように変位して(図5参照)、演出図柄8L,8C,8Rの変動表示が表示画面7aで認識し難くなっても、遊技者から常に視認可能な位置(例えば表示画面7aよりも外側の位置や、表示画面7aを遮蔽する可動体よりも前方の位置)で実行される変更表示演出により、特別図柄の変動表示中の状態を認識することが可能である。こうして、所謂「第4図柄」としての機能を果たすようにしても良い。
また上記形態では、ハズレであることを示す特別図柄が停止表示されるときに、変更表示領域X1〜X5のうち1つの変更表示領域にのみブランク図柄Z1が停止表示されるようにしたが、2つ以上の変更表示領域にブランク図柄Z1が停止表示されるようにしても良い。なお特別図柄の抽選が連続してハズレとなって、2つ以上の変更表示領域にブランク図柄Z1が停止表示される場合には、停止表示される複数のブランク図柄Z1のうち一部のブランク図柄Z1は前回停止表示された変更表示領域と同じ変更表示領域で停止表示されるようにしても良い。なおブランク図柄Z1は、特別な書体の文字を示す図柄に限られるものではなく、特定図柄Y1〜Y5の各々と異なるものであると認識できれば適宜変更可能であり、例えばドクロを示す図柄であっても良い。
また上記形態では、5つの変更表示領域X1〜X5にて変更表示が行われた後、5つの変更表示領域X1〜X5で同時に特定図柄Y1〜Y5やブランク図柄Z1が停止表示された。しかしながら、5つの変更表示領域X1〜X5で同時に停止表示を行わないで、変更表示が行われている変更表示領域がある一方で、停止表示が行われていない変更表示領域があり、徐々に停止表示される変更表示領域が増えていくようにしても良い。そして、5つの変更表示領域X1〜X5のうち特定図柄Y1〜Y5が停止表示された変更表示領域の数が多くなる程、大当たり当選に対する期待度が高いようにしても良い。
例えば図66に示す変形例のように実施することも可能である。即ち、図66(A)に示すように、先ず第1変更表示領域X1で第1特定図柄Y1が停止表示される一方、第2〜第5変更表示領域X2〜X5では未だ変更表示が行われている。この段階では未だ大当たり当選に対する期待度が低いことを示している。次に図66(B)に示すように、更に第2変更表示領域X2で第2特定図柄Y2が停止表示され、第3〜第5変更表示領域X3〜X5では未だ変更表示が行われている。続いて図66(C)に示すように、更に第3変更表示領域X3で第3特定図柄Y3が停止表示され、第4〜第5変更表示領域X4〜X5では未だ変更表示が行われている。この段階では大当たり当選に対する期待度が比較的高いことを示している。そして図66(D)に示すように、更に第4変更表示領域X4で第4特定図柄Y4が停止表示され、第5変更表示領域X5だけ未だ変更表示が行われている。この段階では所謂リーチ状態となっていて、遊技者に大当たり当選に対する期待度が非常に高いことを示している。
その後、ハズレを示す特別図柄が停止表示されれば、図66(E)に示すように、第5変更表示領域X5でブランク図柄Z1が停止表示される。一方、大当たり当選を示す特別図柄が停止表示されれば、第5変更表示領域X5で第5特別図柄Y5が停止表示される(図62(G)参照)。なおこの変更例では、ハズレを示すために、図66(A)に示す状態を経て第2〜第5変更表示領域X2〜X5にブランク図柄Z1が停止表示されたり、図66(B)に示す状態を経て第3〜第5変更表示領域X3〜X5にブランク図柄Z1が停止表示されたり、図66(C)に示す状態を経て第4,第5変更表示領域X4,X5にブランク図柄Z1が停止表示されることがある。こうして遊技者には、特別図柄の変動表示中に、変更表示領域X1〜X5のうちどの変更表示領域まで特定図柄Y1〜Y5が停止表示されるかを期待させることが可能であり、期待度を示唆する変更表示演出により遊技興趣を向上させることが可能である。
また上記形態では、変更表示として、変更表示領域X1〜X5の各々にて特定図柄Y1〜Y5の仮停止表示と特殊図柄Z1の仮停止表示とが切り換わるようにした。しかしながら変更表示は、変更表示領域X1〜X5の各々にて図柄が仮停止表示(瞬間的に現れるように停止表示)されるものに限られず、例えばリールで移動表示(スクロール表示)し続けるように、特定図柄Y1〜Y5又は特殊図柄Z1の表示が切り換わるようなものであっても良い。
また上記形態では、高確率状態に制御されたあと実質的に次回の大当たりに当選するまで高確率状態が継続する所謂「ループタイプ」の遊技機であった。しかしながら、高確率状態に制御されたあと特別図柄の変動表示の回数が所定回数に達すると、通常確率状態に制御される所謂「STタイプ」の遊技機であっても良い。また特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される所謂「1種タイプ」の遊技機であったが、その他(例えば所謂1種2種混合機)のタイプの遊技機であっても良い。
また上記形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行するパチンコ遊技機であったが、停止表示される特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行するパチンコ遊技機や、高確率状態に移行しないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、1つの大入賞口30のみが配されている遊技機であったが、第1大入賞口と第2大入賞口の2つの大入賞口が配されている遊技機であっても良い。また大入賞口の開放パターンは、図9(B)に示す開放パターンに限られるものではなく、適宜変更可能である。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
なお、本発明の「予め定めた判定条件が成立する」とは、上記形態では、特別図柄の変動表示及び大当たり遊技の実行中でなく、第1特図保留記憶部85a又は第2特図保留記憶部85bに大当たり乱数等の乱数値の記憶があることである。
また、本発明の「2以上の何れかの自然数N」とは「5」のことである。
また上記形態で示したテーブルの各振分率は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また上記形態の特徴及び上記した変形例の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することは勿論可能である。