1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル(発射操作部)60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66、及び、音を出力するスピーカ67が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン63および特殊操作部64が設けられている。なお、特殊操作部64は、遊技者による後方への押し込み操作が可能なものである。
また、図2に示すように、打球供給皿61の上側であって演出ボタン63の右方には、セレクトボタン(十字キー、セレクトキー)65が設けられている。セレクトボタン65は、上ボタン65U、下ボタン65D、左ボタン65L、及び右ボタン65Rの4つのボタンからなっている。なお本形態では、演出ボタン63およびセレクトボタン65は、操作手段に相当する。
次に、図3を参照して遊技盤2について説明する。図3に示すように、遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、装飾用の盤ランプ5(図8参照)が設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎが突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置(演出表示手段)7が設けられている。なお画像表示装置は、有機EL表示装置などの他の画像表示装置であってもよい。画像表示装置7の表示画面(演出表示部)7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示(変動表示)に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの可変表示(変動表示)を行う演出図柄表示領域がある。なお、演出図柄8L,8C,8Rを表示する演出を演出図柄変動演出という。演出図柄変動演出を「装飾図柄変動演出」や単に「変動演出」と称することもある。
演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図6参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者による遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出(客待ち演出)などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。本明細書では、表示画面7aに画像を表示する演出を画像演出というものとする。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留や第2特図保留の記憶数に応じて演出保留画像9を表示する第1保留表示領域17a、第2保留表示領域17b、第3保留表示領域17c、及び第4保留表示領域17dがある。第1保留表示領域17aにのみ演出保留画像9が表示されていれば、特図保留(第1特図保留及び第2特図保留)の数が1つであることが示されている。第1保留表示領域17a及び第2保留表示領域17bに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が2つであることが示されている。第1保留表示領域17aと第2保留表示領域17bと第3保留表示領域17cに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が3つであることが示されている。全ての保留表示領域17a〜17dに演出保留画像9が表示されていれば、特図保留の数が4つであることが示されている。こうして演出保留画像9の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図6参照)にて表示される第1特図保留の記憶数や、第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、文字や図形等を表した装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1の入球口や、第1始動入賞口、固定入球口ともいう)20を備える第1始動入賞装置(第1入球手段や固定入球手段ともいう)19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の下方には、第2始動口(第2の入球口や、第2始動入賞口、可変入球口ともいう)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。電チュー22を、可変入球手段や、第2入球手段、第2始動入賞装置ともいう。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選)の契機となっている。電チュー22は、前後に進退可能な開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23は、電チューソレノイド24(図7参照)により駆動される。開閉部材23が開状態(前方に進出した状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となり、閉状態(後方に退避した状態)にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。つまり、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口である。なお、電チューは、進退式ではない開閉部材を有するものでもよく、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また、遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別入賞手段や第1特別可変入賞装置ともいう)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図7参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の右上部には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別入賞手段や第2特別可変入賞装置ともいう)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(羽根部材、第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図7参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、図5(A),(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図5(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図5(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態(通過許容状態)にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図5(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図5(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態(通過阻止状態)にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図3に戻り、センター装飾体10の右方であって第2大入賞装置36の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過口ともいう)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。さらに遊技領域3の下部には、複数の普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口6が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口20と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第1流路R1を流下するように遊技球を打ち込むことで、第1始動口20への入賞を狙うことができる。なお、第1流路R1上にゲート28は配されていないため、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。
一方、第2流路R2上には、ゲート28と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、電チュー22と、アウト口6とが設けられている。遊技者は第2流路R2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、図6に示すように、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)を開放させる大当たり遊技(特別遊技に相当)が行われる。なお、特別遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なおハズレ図柄は、特定特別図柄ではない。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図7参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部85a(図7参照)に記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部85b(図7参照)に記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43はそれぞれ、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図6参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。なお普通ハズレ図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図7参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中にゲート28への通過があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
また本パチンコ遊技機1では、図3及び図4に示すように、遊技盤2に装飾可動体15が設けられている。装飾可動体15は、可動式のギミックであり、略L字状のアーム部15Aとボール形状の球体部15Bとを備えている。アーム部15Aは、上端部にて遊技盤2に揺動可能に取付けられている。球体部15Bは、アーム部15Aの右端部にて軸中心AX周りに回転可能に支持されている。こうして図3に示す状態では、装飾可動体15が遊技者から視認できないように、アーム部15A及び球体部15Bが遊技盤2の左部の後方に隠れるように配されている。そして図3に示す状態から図示しない駆動手段が駆動すると、アーム部15Aが右方に向かって揺動すると共に、球体部15Bが軸中心AX周りに回転しながら右方に移動する。これにより図4に示すように、球体部15Bは回転しながら表示画面7aの中央部の前方で露出するようになっている。
本形態では後述するように、大当たり当選を報知する演出(可動体駆動演出)として遊技者に高揚感を与えるべく、装飾可動体15を図3に示す位置から図4に示す位置に変位させる。そして球体部15Bが表示画面7aの中央部の前方で一定時間回転した後、図4に示す状態からアーム部15Aが左方に向かって揺動すると共に、球体部15Bが左方に移動する。これにより図3に示すように、再びアーム部15A及び球体部15Bが遊技盤2の左部の後方に隠れることとなる。こうして本形態では装飾可動体15を、図3に示す位置(原位置)から図4に示す位置(動作位置)に変位させた後、再び図3に示す位置に復帰させる一連の動作パターンを行うために、所定時間(15秒)必要になっている。
2.遊技機の電気的構成
次に図7及び図8に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図7及び図8に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
またパチンコ遊技機1は、電源基板150を備えている。電源基板150は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。第1特図保留記憶部85aや第2特図保留記憶部85bは記憶手段に相当する。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、図9(a)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また図9(b)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は図9(c)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図7に示すように、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。主制御基板80を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、本パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)に配されている。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ89を操作することはできない。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ(第1の入球検知手段)20a、第2始動口センサ(第2の入球検知手段)21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて、第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて、第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内に設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の開閉部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、特別図柄表示器41、普通図柄表示器42、特図保留表示器43、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図8に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
RAM94には、RTC演出設定記憶部96が設けられている。RTC演出設定記憶部96は、後述するRTC演出に関する設定情報を記憶する記憶領域である。RTC演出設定記憶部96には例えば、RTC演出を実行可能なON設定に設定されていることを示すON設定情報や、RTC演出を一切実行しないOFF設定に設定されていることを示すOFF設定情報が記憶される。上述したようにRAM94には、パチンコ遊技機1の電断時であってもバックアップ電源回路151によって電力が供給される。よって、RTC演出設定記憶部96に記憶されている設定情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。
またRAM94には、図10(a)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、図10(b)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。また第2特図保留演出記憶部95bは、図10(c)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)からなる。
さらに各記憶領域には、図10(d)に示すように、2つの記憶領域が含まれている。これらの2つの記憶領域とは、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド記憶領域、後述する演出保留画像(特図保留画像)9の表示態様を示すデータ(特図保留表示態様データ)を記憶する保留表示態様データ記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cもこれらの2つの記憶領域を含んでいる。
また、サブ制御基板90には、リアルタイムクロック(RTC)99が実装されている。RTC99は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測するものである。RTC99は、日時計測手段に相当する。RTC99は、パチンコ遊技機1に島電源供給装置160(図11参照)から電力が供給されているときにはその電力によって動作し、島電源供給装置160から電力が供給されていないときには、電源基板150が備えるバックアップ電源回路151から供給される電力によって動作する。このため、RTC99は、パチンコ遊技機1の電源が投入されていないときにも現在の日時を計測することが可能である。なお、RTC99に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けてもよい。バックアップ電源回路には、コンデンサや内臓電池(ボタン電池等)を含む回路を採用することができる。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した制御用ROM103、ワークメモリとして使用される制御用RAM104、及び、制御用ROM103に記憶されたプログラムを実行するCPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7に表示される画像のデータを記憶したCGROM142、CGROM142に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM143、及び、VDP(Video Display Processor)141を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM142には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。
VDP141は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてCPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM142から画像データを読み出してVRAM143内の展開領域に展開する。そして、展開した画像を適宜合成してVRAM143内のフレームバッファに描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7に出力する。これにより、種々の演出画像が表示画面7aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。ディスプレイリストの作成については後述する。
本形態で実行される一部の演出についての表示の優先順位は、低い方から順に、[1]演出図柄8L,8C,8Rの変動演出(但し優先順位[3]に示すものを除く)、[2]RTC演出(所定の開始時間になると開始される特別演出)、[3]RTC演出の開始前に変動を開始したSPリーチ発展後の変動演出、[4]大当たり演出である。後述するように、優先度の異なる複数の演出が同時に実行される場合、優先度の高い演出を全画面表示の表示態様(第1表示態様)で表示した上で、優先度の低い演出を縮小表示の表示態様(第2表示態様)、又は簡易表示の表示態様(第3表示態様)で重畳的に表示する。
全画面表示とは、表示画面7aの全域を使った表示である(図74(A),(B)参照)。また、縮小表示とは、表示画面7aの一部の領域での表示、実施形態では表示画面7aの左下部領域7bでの表示である(図74(B)参照)。また、簡易表示とは、表示画面7aの右下部領域7cでの簡易な表示である(図75(B)参照)。なお、優先度の異なる複数の演出が同時に実行される場合、優先度の高い演出のみを表示する場合もある。本形態では、大当たり演出が実行される場合がこれである。
本形態では、全画面表示にて表示される演出図柄8L,8C,8Rの表示態様は、図74(A)に示すように、主人公キャラ又はそのチームメイトと数字図柄とが合わされた表示態様になっている。そして全画面表示と縮小表示とでは、変動演出の表示範囲(大きさ)が異なるだけである。つまり全画面表示で実行される変動演出での画像と、縮小表示で実行される変動演出での画像とは、大きさが異なること以外全く同じである。そのため、縮小表示にて表示される演出図柄8L,8C,8Rの表示態様も、図74(B)に示すように、主人公キャラ又はそのチームメイトと数字図柄とが合わされた表示態様になっている。これに対して、簡易表示にて表示される演出図柄6L,6C,6R(左演出図柄6L,中演出図柄6C,右演出図柄6R)の表示態様は、数字図柄のみの表示態様になっている。そして、簡易表示では、ノーマルリーチが実行され得るものの、SPリーチ及びSPSPリーチが実行されることがなく、背景画像が無い状態で演出図柄6L,6C,6Rの変動表示及び停止表示が行われる。こうして、簡易表示にて実行される変動演出は、全画面表示又は縮小表示にて実行される変動演出よりも簡易な演出態様となっている。
図8に戻り、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の制御用ROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66や盤ランプ5などのランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データともいう)を作成し、動作パターンデータに従って装飾可動体15の動作を制御する。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a、特殊操作部検出スイッチ64a、及びセレクトボタン検出スイッチ65aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出するものである。特殊操作部検出スイッチ64aは、特殊操作部64(図1参照)が押込操作されたことを検出するものである。セレクトボタン検出スイッチ65aは、セレクトボタン65(図2参照)が押下操作されたことを検出するものである。なお詳細には、セレクトボタン検出スイッチ65aは、上ボタン65Uの押下操作を検出する上ボタン検出スイッチと、下ボタン65Dの押下操作を検出する下ボタン検出スイッチと、左ボタン65Lの押下操作を検出する左ボタン検出スイッチと、右ボタン65Rの押下操作を検出する右ボタン検出スイッチとを含んでいる。各ボタン(演出ボタン63、特殊操作部64、セレクトボタン65)が押されると、各スイッチ(演出ボタン検出SW63a、特殊操作部検出SW64a、セレクトボタン検出SW65a)からサブ制御基板90に対して信号が出力される。
図11は、複数台のパチンコ遊技機1を含む遊技機システムの模式図である。図11に示すように、所謂パチンコホールでは、複数台のパチンコ遊技機1が並設されて1つの遊技島が構成される。図11では5台のパチンコ遊技機1を1つの遊技機グループとして遊技島を構成している。なお、図11に示すように複数台の同機種の遊技機からなる遊技島を特に機種島と称することとする。
同じ遊技島に属する各パチンコ遊技機1は、共通の島電源供給装置160に電気的に接続される。このため、遊技島内の各パチンコ遊技機1の個別の電源スイッチ155を「ON」にした状態で、島電源供給装置160の電源を入れると、遊技島内の全てのパチンコ遊技機1を一斉に起動させることができる。従って、後述するようにパチンコ遊技機1が起動時(電源投入時)からの時間を計測してRTC演出(特別演出)を行えば、同じ遊技島内の全てのパチンコ遊技機1において一斉に同じRTC演出が開始されることとなる。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技に相当する。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別は図12に示す通りである。図12に示すように、本形態では大きく分けて2つの種別がある。特定大当たりと通常大当たりである。特定大当たりを「Vロング大当たり」ともいい、通常大当たりを「Vショート大当たり」ともいう。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、特図1の抽選(第1特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は9Rである。実質的なラウンド数とは、1ラウンド当たりの入賞上限個数(本形態では8個)まで遊技球が入賞可能なラウンド数のことである。このVロング大当たりでは9Rから15Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。なお、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特図1の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_特定図柄」が停止表示される。
また、特図2の抽選(第2特別図柄の抽選)にて当選可能な「Vロング大当たり」は、1Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりは実質的なラウンド数も16Rである。もちろん、16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。特図2の抽選によって「特定大当たり」に当選した場合には、第2特別図柄表示器41bに「特図2_特定図柄」が停止表示される。
これに対して、特図1の抽選にて当選可能な「Vショート大当たり」は、1Rから8Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放し、9Rから15Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大0.1秒にわたって開放し、16R(最終ラウンド)では第2大入賞口35を1R当たり最大0.1秒にわたって開放する大当たりである。つまり、この大当たりの総ラウンド数は16Rであるものの、実質的なラウンド数は8Rである。
このVショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図5(B)参照)から第1状態(図5(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。特図1の抽選によって「通常大当たり」に当選した場合には、第1特別図柄表示器41aに「特図1_通常図柄」が停止表示される。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
但し、通常確率状態に制御された場合であっても、後述する時短状態が付与される。なお、この場合の時短回数は100回に設定される。時短回数とは、時短状態における特別図柄の変動表示の上限実行回数のことである。
なお、図12に示すように、特図1の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり(特定大当たり)が50%、Vショート大当たり(通常大当たり)が50%となっている。これに対して、特図2の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり(特定大当たり)となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図1の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(特図2の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図13(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていたり、拡大と縮小を繰り返すように表示されていたりしてもよい。このリーチ乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜99までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図13(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜65535までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図14(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図15参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図14(D)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である(図14(E)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図16参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図16参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。よって、高ベース状態を電サポ制御状態や入球容易状態ともいう。これに対して、低ベース状態を非電サポ制御状態や非入球容易状態ともいう。
高ベース状態は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では180回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特典遊技状態」と称することとする。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図3参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.始動入賞コマンドについて
本形態のパチンコ遊技機1は、後述するように所謂先読み演出を実行可能である。先読み演出とは、始動入賞によって取得された数値情報(大当たり乱数等の乱数値)に基づき特定された始動入賞コマンド(入球口情報に相当)を利用して、その始動入賞に基づく特図変動(特別図柄の変動表示)の開始直前の当否判定よりも前に、その始動入賞に対する大当たり期待度を示唆する演出である。図17に示すように、本形態において生成される始動入賞コマンドには、大当たりか否かの当否情報が含まれている。また、第1始動口20と第2始動口21とのどちらの始動口に入賞したのかの始動口情報、通常確率状態と高確率状態とのどちらの遊技状態で入賞したのかの遊技状態情報が含まれている。なお始動入賞コマンドは、少なくとも大当たりか否かの当否情報を含むものであればよく、始動入賞コマンドにどのような情報を含ませるかは適宜変更可能である。
6.特別演出(RTC演出)
本形態のパチンコ遊技機1は、予め定められた開始時間になると、特別演出を実行する。特別演出を、RTC演出や時間演出ともいう。特別演出は、通常の遊技演出では表示されない特別な演出画像を表示画面7aに表示する演出である。なお、通常の遊技演出とは、変動演出や大当たり演出のことである。
特別演出は、演出制御用マイコン91により実行される後述の計時処理(図51のステップS6005参照)の結果に基づいて、所定の開始時間になったと判定されると実行される。開始時間は、電源投入の時刻にもよるが(この点については後述する)、毎日10時、13時、16時、19時…である。つまり、特別演出は3時間毎に実行される。なお、開始時間を1つに設定してもよい。また、1時間毎に設定してもよい。
特別演出は、本形態ではサッカーの試合を行う動画を表示画面7aに表示する演出である。図72に示すように、特別演出(RTC演出)では、まず初めに導入演出が実行されて、その後にSW演出が実行される。そして、SW演出を経て成功演出(当選報知演出)及び成功ED演出が実行される場合と、SW演出を経て失敗演出(非当選示唆演出)及び失敗ED演出が実行される場合とがある。なお、「導入演出→SW演出→成功演出→成功ED演出」と順次実行されるRTC演出を、成功態様のRTC演出(時間演出)という。また、「導入演出→SW演出→失敗演出→失敗ED演出」と順次実行されるRTC演出を、失敗態様のRTC演出(時間演出)という。
本形態では導入演出は、図72に示すように、試合開始を示す画像SC1と、シュートを放ったことを示す画像SC2と、ヘディングのシュートモーションを示す画像SC3とを時間経過と共に表示する演出である。SW演出は、図73(B)に示すように、主人公キャラ及びそのチームメイトのだれかがヘディングシュートを放つシーンと共に、特殊操作部64の押込操作を遊技者に促す画像SC4を表示する演出である。このSW演出が開始されるとき、当該変動(実行中の特別図柄の変動表示)が当選判定に基づく変動表示(当たり変動)である場合、又は、特図保留に当選予定の保留(当たり保留)がある場合には、成功演出が実行されることになる。成功演出は、図73(C)に示すように、中央からレインボー(七色)の光が解き放たれていることを示す画像SC5を表示すると共に、装飾可動体15を駆動させる演出である。成功演出については後に詳しく説明する。成功演出を経て実行される成功ED演出は、主人公キャラ及びそのチームメイトがトロフィーを獲得する画像SC6を表示する演出である。
一方、SW演出が開始されるときに、当該変動が当たり変動でない(即ちハズレ判定に基づく変動表示である)場合、又は、特図保留に当たり保留がない場合には、失敗演出が実行されることになる。失敗演出は、図73(E)に示すように、ゴールが決められなかった画像SC7を表示する演出である。但し本形態では後述するように、当該変動が当たり変動であっても所定条件が満たされていることに基づいて、失敗演出を実行するようにしている。失敗演出を経て実行される失敗ED演出は、図73(F)に示すように、主人公キャラのチームメイトがオーバーヘッドシュートを放つシーンと共に、「RTC演出終了」の文字を示す画像SC8を表示する演出である。
7.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図18〜図34に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図18に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
そして、初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図13に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図19に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図7参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図18の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図13に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述する始動口センサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、特定領域センサ検出処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図18参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図20に示すように、始動口センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が「4」に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が「4」未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図13(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図17に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の遊技状態が高確率状態であり、大当たり乱数が「1」であれば、図17の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第2始動口且つ高確率状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「E2H21H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばE2H)と1バイトの下位コマンド(例えば21H))からなっている。
図17に示すテーブルにおける大当たり乱数の区分けは、大当たり判定テーブル(図14(A)参照)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。
なお本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、コマンドの種類(始動入賞コマンドであること)を指定する情報である。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)を指定する始動口情報である。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、遊技状態(通常確率状態か高確率状態か)を指定する遊技状態情報である。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否を示す当否情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いて始動口センサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が「4」(上限記憶数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が「4」に達している場合(S210でYES)には、処理を終えるが、特図1保留球数が「4」未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図13(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた第1特図保留記憶部85aの記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図14に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンドを特定する。具体的には、現在の遊技状態が通常確率状態であり、大当たり乱数が「1」であれば、図17の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ通常確率状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「E1H11H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図21に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図13(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う。図22に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チュー22の作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図14(D)に示す普通図柄当たり判定テーブルに基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図14(E)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が10秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図16の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図16の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]図23に示すように特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305の全てがNO)、特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図24に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1415)、ONであれば本処理を終え、ONでなければ、客待ちコマンドを出力バッファにセットするとともに(S1416)、客待ちフラグをONにする(S1417)。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留1個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行して、ステップS1413に進む。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行して、ステップS1413に進む。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
ステップS1413に進むと客待ちフラグがONか否かを判定し、ONであれば客待ちフラグをOFFして(S1414)、処理を終える。上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり)に当選しやすくなっている(図12参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図25に基づいてまとめて説明する。図25に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図14(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図14(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「170」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図14(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「1」〜「600」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図14(B)に示す当たり種別判定テーブルに基づいて当たり種別を判定する(S1506)。当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図12参照)を、RAM84に設けた当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図26及び図27に基づいてまとめて説明する。図26に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、非時短状態中大当たりテーブル(図15に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つ大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1603)。図15に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。ここでSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)がノーマルリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。またSPSPリーチ(スーパースーパーリーチ)とは、SPリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、当選期待度がSPリーチよりも高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。従ってリーチ、SPリーチ、SPSPリーチの順番に当選期待度が高くなると共に、変動時間が長くなるようになっている。即ち遊技者から見れば、変動時間が長いほど当選期待度が高いことを把握できるようになっている。なお本形態では、SPSPリーチはSPリーチを経て実行されることとしているが、SPリーチを経ないでノーマルリーチから発展して実行されることがあるようにしても良い。
ステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1604)。なお、図14(C)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「1」〜「30」であり、時短状態であれば「1」〜「10」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1604でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレテーブル(図15に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1604でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図15に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1606)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図27に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図15に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1606と同様の流れで処理(S1607〜S1611)を行う。
すなわち大当たりであれば、図15の時短状態中且つ大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。またリーチ有りハズレであれば、図15の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1610)。またリーチ無しハズレであれば、図15の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図15に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。つまり、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図26に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1612)、本処理を終える。ステップS1612でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図28に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図15参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1801でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1802)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1803)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1804)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図29に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図15参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。経過していなければ(S1901でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1901でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1902)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1903)。大当たりフラグがONであれば(S1903でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図12参照)をセットする(S1904)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1904に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1905)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1906)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1907)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1908)、処理を終える。
また、ステップS1903において大当たりフラグがONでなければ(S1903でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1909)、処理を終える。
[遊技状態管理処理]図30に示すように、遊技状態管理処理(S1902)ではまず、確変フラグがONか否かを判定する(S2001)。ONであれば(S2001でYES)、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントして(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定する(S2003)。「0」であれば(S2003でYES)、確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。
続いて、時短フラグがONか否か判定する(S2005)。ONであれば(S2005でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントして(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定する(S2007)。「0」であれば(S2007でYES)、時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップ2009に進む。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図31に示すように、遊技状態リセット処理(S1905)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。なお、本形態における低ベース状態とは、電チュー22が頻繁に開放されることによる入賞サポートがないという意味での低ベース状態であり、大入賞装置の作動に基づくベースアップを考慮したものではない。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図32に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たりとしての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、特定領域39への遊技球の通過が可能な16R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。すなわち、ラウンドカウンタの値が「1」であるか否かを判定する。16R目を開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、16R目を開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの16R目における第2大入賞口35の開放中及び第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図34)参照)ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の図33に示す遊技状態設定処理参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種類に応じた開放パターン(図12参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。なお、振分部材71は、第16ラウンドのラウンド遊技の開始から常に一定の動作で動いている。Vロング大当たりの開放パターン(Vロング開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターン(Vショート開放パターン)では、第16ラウンドにおいて、第2大入賞口35に入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、Vショート開放パターンにおいては、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技球での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口30の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口30の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図12参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口の閉鎖条件が成立している場合(S2009でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そしてステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2013でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図23参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図33に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタに「100」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2302)、確変カウンタの値に「180」をセットする(S2303)。その後、VフラグをOFFする(S2304)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2305)、時短カウンタの値に「180」をセットして(S2306)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が180回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う(図19参照)。特定領域センサ検出処理(S107)では、図34に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図5(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終えるが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、V通過コマンドをセットして(S2404)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
8.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図35〜図63に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図35に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。即ち電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータスおよびカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や、オープニング演出、ラウンド演出およびエンディング演出からなる大当たり演出や、RTC演出等)を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して盤ランプ5や枠ランプ66を発光させたり、中継基板108を通じて装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図36に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、即ち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009,S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図37に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図8参照)、特殊操作部検出スイッチ64aおよびセレクトボタン検出スイッチ65aからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータおよびレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで盤ランプ5や枠ランプ66を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4310)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5や枠ランプ66を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、可動体駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。つまり、可動体駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図38に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301)。次いで、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4302)。続いて、後述するRTC演出実行処理1(S4304)、RTC演出実行処理2(S4305)およびスイッチ処理(S4306)を行う。そして、後述する特図保留演出制御処理(S4307)、残変動時間管理処理(S4308)および発展タイミング管理処理(S4309)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプデータ(盤ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成および音声制御基板106への出力をしたり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4310)。
[受信コマンド解析処理]図39に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態指定コマンドを受信したか否か判定し(S4401)、受信していれば(S4401でYES)、後述するサブ側遊技状態設定処理を行う(S4402)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、受信していれば(S4403でYES)、後述する保留数加算処理を行う(S4404)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4405)、受信していれば(S4405でYES)、後述する保留数減算処理(S4406)および変動演出開始処理を行う(S4407)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4408)、受信していれば(S4408でYES)、後述する変動演出終了処理を行う(S4409)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4410)、受信していれば(S4410でYES)、後述するオープニング演出選択処理を行う(S4411)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4412)、受信していれば(S4412でYES)、後述するラウンド演出選択処理を行う(S4413)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4414)、受信していれば(S4414でYES)、後述するエンディング演出選択処理を行う(S4415)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から客待ちコマンドを受信したか否か判定し(S4416)、受信していれば(S4416でYES)、客待ちコマンドの受信を示す客待ち開始コマンドをRAM94の出力バッファにセット(格納)する(S4417)。次いで、客待ち用のデモ演出の実行を制御する客待ちデモ演出処理を行う(S4418)。客待ちデモ演出処理(S4418)では、演出制御用マイコン91は客待ちコマンドを受信してから所定の待機時間が経過したか否かを判定する。そして、所定の待機時間が経過したと判定すれば、客待ち用のデモ演出を実行するための客待ちデモ演出コマンドをセットするようになっている。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4419)、受信していればV通過報知演出開始処理を行う(S4420)。V通過報知演出開始処理では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。なお、V通過報知演出としては、例えば、画像表示装置7の表示画面7aに所定の画像を表示する演出や、特別の効果音をスピーカ67から出力する演出などが挙げられる。
続いて、その他の処理(S4421)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば、上述したステップS413でセットされた普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[サブ側遊技状態設定処理]図40に示すように、サブ側遊技状態設定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4501)。そして遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。図40に示すように、遊技状態フラグが「1」であれば、非高確率状態且つ非時短状態(通常遊技状態)を示し、遊技状態フラグが「2」であれば、非高確率状態且つ時短状態(低確高ベース状態)を示し、遊技状態フラグが「3」であれば、高確率状態且つ時短状態(高確高ベース状態)を示している。
ステップS4502で遊技状態が時短状態でないと判定すれば(S4502でNO)、通常遊技状態であるため、遊技状態フラグに「1」をセットして処理を終える。一方、遊技状態が時短状態であると判定すれば(S4502でYES)、次に高確率状態か否かを判定する(S4504)。高確率状態でなければ(S4504でNO)、低確高ベース状態であるため、遊技状態フラグに「2」をセットして処理を終える。これに対して、高確率状態であれば(S4504)、高確高ベース状態であるため、遊技状態フラグに「3」をセットして処理を終える。
[保留数加算処理]図41に示すように、保留数加算処理(S4404)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドをRAM94の特図保留演出記憶部(図10に示す第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶する(S4601)。具体的には、格納されている始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「1」であれば第1始動入賞コマンドであるため、その第1始動入賞コマンドを第1特図保留演出記憶部95a(図10(b)参照)に記憶する。また、格納されている始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「2」であれば第2始動入賞コマンドであるため、その第2始動入賞コマンドを第2特図保留演出記憶部95b(図10(c)参照)に記憶する。なお、始動入賞コマンドは、各特図保留演出記憶部において第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。
続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS4601で始動入賞コマンドを記憶した記憶領域の保留表示態様データ記憶領域(図10(d)参照)に、特図保留表示態様データとして、演出保留画像9の通常の表示態様(通常態様)に対応する通常態様データ(00H)を記憶する(S4602)。なお本形態では通常態様の演出保留画像9として、図74(A)に示すサッカーボールのオブジェクト画像(通常演出保留画像)9Aが表示されるようになっている。
続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS4601で記憶した始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであるか否かを判定する(S4603)。第1始動入賞コマンドであれば(S4603でYES)、RAM94に設けられた第1特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新するとともに(S4604)、第1特図保留発生フラグをONして(S4605)、本処理を終える。一方、第1始動入賞コマンドでなければ(S4603でNO)、第2始動入賞コマンドであるため、RAM94に設けられた第2特図保留演出カウンタの値を「1」加算して更新するとともに(S4606)、第2特図保留発生フラグをONして(S4607)、処理を終える。
なお、第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドが受信され、RAM94の第1特図保留演出記憶部95aに記憶される度に「1」加算される。即ち第1特図保留演出カウンタは、RAM84の第1特図保留記憶部85aに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第1特図保留の数を計数するカウンタである。同様に、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドが受信され、RAM94の第2特図保留演出記憶部95bに記憶される度に「1」加算される。即ち第2特図保留演出カウンタは、RAM84の第2特図保留記憶部85bに記憶されている乱数値群(数値情報)の個数である第2特図保留の数を計数するカウンタである。
[保留数減算処理]図42に示すように、保留数減算処理(S4406)ではまず、演出制御用マイコン91は、RAM94の受信バッファに格納されている変動開始コマンドを解析する(S4701)。そして、解析した変動開始コマンドが第1始動口20への入賞に基づくコマンド(特図1変動開始コマンド)であるか否かを判定する(S4702)。特図1変動開始コマンドである場合には(S4702でYES)、RAM94に設けられている第1特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに(S4703)、第1特図保留消滅フラグをONして(S4704)、ステップS4707に進む。
一方、ステップS4802において第1始動口20への入賞に基づくコマンドでない場合には(S4702でNO)、第2始動口21への入賞に基づくコマンド(特図2変動開始コマンド)であるため、RAM94に設けられている第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を「1」減算するとともに(S4705)、第2特図保留消滅フラグをONして(S706)、ステップS4707に進む。
ステップS4707では、演出制御用マイコン91は、RAM94の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理を行って、本処理を終える。シフト処理では、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている各データ(始動入賞コマンド、特図保留表示態様データ(通常態様データ又は後述する特殊態様データ))を1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されているデータは、第1特図保留演出記憶部95aおよび第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95c(図10(a))にシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。これにより、前回の変動演出に係るデータは消去される。
[変動演出開始処理]図43に示すように、変動演出開始処理(S4407)ではまず、演出制御用マイコン91は、後述する背景処理を行う(S4801)。なお背景処理では、滞在背景(現在の背景画像)に関する制御を行う。
そして、変動開始コマンドを解析する(S4802)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報、又は、特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。ここで演出制御用マイコン91が取得した変動パターンの情報は、これ以降に実行する処理(例えば、後述のRTC当該変動判定処理(S6301)においても適宜利用可能である。
次に、背景フラグを参照する(S4803)。背景フラグは現時点の滞在背景を示すフラグである。本形態では、図50(A)に示すように滞在背景には、「通常背景」と、「ST開始直後背景」と、「時短共通背景」とがある。通常背景は、通常遊技状態における滞在背景である。ST開始直後背景は、遊技状態が高確高ベース状態に制御されており、大当たり遊技後に実行された特図変動(特別図柄の変動表示)の回数が80回以下であるときの滞在背景である。時短共通背景は、高ベース状態に制御されており、その高ベース状態が終了するまでの残りの特別図柄の変動表示の実行回数が100回以下であるときの滞在背景である。
つまり本形態では、通常遊技状態であれば、通常背景に制御される。また、高確高ベース状態であれば、大当たり遊技後に80回の特図変動が実行されるまではST開始直後背景に制御され、その後高確高ベース状態が終了するまで(81回転目から180回転目まで)は時短共通背景に制御される。また、低確高ベース状態であれば時短共通背景に制御される。
滞在背景を通常背景に制御するときには、背景フラグの値を「1」にセットする。また、滞在背景をST開始直後背景に制御するときには、背景フラグの値を「2」にセットする。また、滞在背景を時短共通背景に制御するときには、背景フラグの値を「3」にセットする。
図43に戻り、ステップS4803に続いて演出制御用マイコン91は、背景フラグが示す滞在背景および変動開始コマンドが示す変動パターンに応じて分類されている複数のテーブルの中から、現時点での背景フラグの値と、取得した変動パターンの情報とに基づいて、一つのテーブルを選択する(S4804)。そして、変動演出パターン選択処理(S4805)を行う。
変動演出パターン選択処理(S4805)では、変動演出パターン決定用乱数を取得し、その取得した乱数値を、ステップS4804で選択したテーブルを用いて判定することにより、変動演出パターンを選択する。ここで、滞在背景が時短共通背景であり、後述する対戦シーン演出(特別当落報知演出)を実行する変動演出パターンが選択された場合には、さらに、対戦シーンフラグ(図50(C)参照)の値を参照して、その対戦シーンフラグの値に応じた対戦シーン演出を選択する。なお、対戦シーンフラグは、シーン1から14まである対戦シーン演出のいずれを実行するかを示すフラグである。これについては後に詳述する。
また変動演出パターン選択処理(S4805)では、演出決定用乱数の取得および判定も行う。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容や、停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせなどを含めて、変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。
そして、選択した変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S4806)。ステップS4806でセットした変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、受信した変動演出開始コマンドに基づいて画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。例えば画像制御基板100が受信した変動演出開始コマンドがシーン1の対戦シーン演出の実行を指示するコマンドであれば、シーン1の対戦シーン演出を伴う変動演出を表示画面7aに表示させる。
続いて、演出制御用マイコン91は、変動演出の開始から当該変動演出が終了するまでの時間を残時間タイマにセットして(S4807)、本処理を終える。具体的には、上記変動パターンに応じて決まる変動時間を残時間タイマにセットする。なお後述するように、残変動時間タイマの値は、時間の経過に伴って(変動演出が進むにつれて)減算されるため、変動演出が終了するまでの残時間を示すことになる。
[背景処理]図44に示すように、背景処理(S4801)ではまず、演出制御用マイコン91は、背景フラグを参照し(S4901)、参照した背景フラグの値が通常背景を示す「1」であるか否か、すなわち現在の滞在背景が通常背景であるか否かを判定する(S4902)。通常背景であれば、本処理を終える。
これに対して、通常背景でなければ、続いてRAM94に設けた背景カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S4903)。背景カウンタとは、特定の背景(通常背景以外の背景)における特別図柄の変動表示の実行回数をカウントするためのカウンタである。本形態では、背景カウンタを用いたカウントにより、特定の背景への滞在期間を管理している。なお、背景カウンタの値は、「ST開始直後背景」への制御開始時に「80」にセットされ、「時短共通背景」への制御開始時に「100」にセットされる。この点については後述する。
ステップS4903において背景カウンタの値が「0」でなければ本処理を終える。これに対して、背景カウンタの値が「0」であれば(S4903でYES)、滞在背景の変更タイミングであるため、背景フラグの値が時短共通背景を示す「3」であるか否か、即ち、現在の滞在背景が時短共通背景であるか否かを判定する(S4904)。滞在背景が時短共通背景であれば(S4904でYES)、滞在背景を通常背景にセットする、すなわち、背景フラグの値を通常背景を示す値「1」にセットする(S4905)。そして、モードフラグの値を「0」にクリアして(S4906)、ステップS4909に進む。なお、モードフラグとは、高ベース状態における演出モードを示すフラグである(図50(B)参照)。高ベース状態中の演出モードについては後述する。
これに対して、ステップS4904でNOであれば、現在の滞在背景はST開始直後背景であるため、滞在背景を時短共通背景にセットする、すなわち、背景フラグの値を時短共通背景を示す値「3」にセットする(S4907)。そして、背景カウンタの値に「100」をセットして(S4908)、ステップS4909に進む。
ステップS4909では、背景フラグの値に対応する滞在背景を表示画面7aに表示するための背景指定コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。セットした背景指定コマンドがコマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、指定された背景画像を表示画面7aに表示する。
[変動演出終了処理]図45に示すように、変動演出終了処理(S4409)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動停止コマンドを解析するとともに(S5001)、背景フラグを参照する(S5002)。そして、背景フラグの値が「1」か否か、即ち滞在背景が通常背景か否かを判定する(S5003)。そして、滞在背景が通常背景であれば(S5003でYES)、ステップS5005に進む。
一方、滞在背景が通常背景でなければ(S5003でNO)、背景カウンタの値を1ディクリメントしてから、ステップS5005に進む。ステップS5005では、演出制御用マイコン91は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)によって画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8R又は後述する演出図柄6L,6C,6R(図75(B)参照)を所定の停止態様で停止表示する。
[オープニング演出選択処理]図46に示すように、オープニング演出選択処理(S4411)ではまず、演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを解析する(S5201)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図12参照)に関する情報が含まれているものとする。
続いて演出制御用マイコン91は、解析したオープニングコマンドがVロング大当たりの大当たり遊技の開始を示すコマンドであるか否かを判定する(S5202)。Vロング大当たりの開始タイミングでなければ図47のステップS5208に進む。一方、Vロング大当たりの開始タイミングであれば、続いて、モードフラグの値がシナリオモードに設定されていることを示す値であるか否かを判定する(S5203)。
ここでモードフラグとは、図50(B)に示すように、高ベース状態に制御されているときの演出モードを示すフラグである。本形態では、高ベース状態に制御されているときの演出モードとして、シナリオモード(第1演出モードに相当)と、メモリアルモード(第2演出モードに相当)の2つの演出モードがある。シナリオモードに設定されているときはモードフラグの値は「1」にセットされる。また、メモリアルモードに設定されているときはモードフラグの値は「2」にセットされる。
シナリオモードとメモリアルモードは、高ベース状態において実行される対戦シーン演出(特別当落報知演出)の選択方法が異なっている。対戦シーン演出とは、高ベース状態において遊技者に対して当否判定の結果を報知する演出の1つであり、特別図柄の変動表示及び停止表示に同期して実行される演出である。より詳細には、対戦シーン演出は、高ベース状態中に実行される演出図柄の変動演出のうち変動時間の長いもの(SPリーチ以上の変動演出)である。
特に本形態では、対戦シーン演出は、ST開始直後背景に設定されているときには実行されず、時短共通背景に設定されているときにのみ実行される。詳述しないが、本形態ではST開始直後背景に設定されているときには、対戦シーン演出とは異なる専用の演出で当否判定の結果が報知される。
時短共通背景中に実行される対戦シーン演出は、主人公キャラクタが所属するチームと対戦相手のチームとがサッカーの試合をし、主人公キャラクタが所属するチームがゴールを決められるか否かを演出内容としている。大当たり当選時にはゴールを決める演出が行われ、ハズレ時にはゴールを外す演出が行われる。対戦シーン演出には、複数の種類がある。具体的には本形態では、14種類の対戦シーン演出があり、それぞれ対戦シーンが異なっている。
つまり本形態では、図50(C)に示すように、対戦シーンには、シーン1からシーン14まである。対戦シーンが異なれば、対戦相手が異なっていたり、同じ対戦相手であっても得点シーンが異なっていたりする。本形態では、対戦シーンの設定は大当たり遊技のエンディング中になされる(図49)。どの対戦シーンの演出を行う設定となっているかに応じて、対戦シーンフラグの値は「1」から「14」までのいずれかに設定される。
シナリオモードは、予め定められた実行順序(既定の実行順序)に従って対戦シーン演出が実行される演出モードである。つまり、シーン1からシーン14まで順番に実行される演出モードである。具体的には、シナリオモードに設定された後、高ベース状態中にシーン1の対戦シーン演出(特別当落報知演出)にて大当たり当選が報知されると、その当選に基づく大当たり遊技後の高ベース状態では、シーン2の対戦シーン演出が実行されるようになる。
言い換えればシナリオモードでは、対戦シーン演出で当選が報知される度に、次の対戦シーンの演出が実行されるようになる。なお、シーン1〜14の順番は、当該遊技機のモチーフとなっている原作のストーリーに準じている。つまりシナリオモードは、遊技機のモチーフとなっている原作のストーリー展開を遊技者が楽しめる演出モードである。
一方、メモリアルモードは、遊技者が任意に選択した対戦シーンの対戦シーン演出が実行される演出モードである。つまり、シーン1からシーン14までの中から遊技者が見たい対戦シーンを任意に選択することが可能な演出モードである。
このメモリアルモードは、予め定められているモード開放条件(達成条件)が成立すると設定可能となる。これに対して、シナリオモードは、遊技機の工場出荷の時点から設定可能となっている。
メモリアルモードのモード開放条件は、本形態では大きく分けて3つある。いずれか1つでも成立すればメモリアルモードに設定可能となる。1つ目のモード開放条件(第1達成条件)は、シナリオモードで実行され得る全ての対戦シーン演出で(つまりシーン1〜14の全ての対戦シーン演出で)当選が報知されることである。このモード開放条件は、シナリオモードに設定されているときに達成可能な条件であり、モード中達成条件に相当する。この条件を達成するためには、初当たり後に高ベース状態に制御されてから、最低でも14回の大当たり当選が必要である。高ベース状態中であってもST開始直後背景に設定されているときには、対戦シーン演出は実行されないため、多くの場合は14回を超える大当たり当選が必要となる。なお、初当たりとは、通常遊技状態において当選した大当たりのことを言う。
2つ目のモード開放条件(第2達成条件)は、RTC演出において大当たり当選が報知されることである。つまり成功演出(図73(C)参照)が実行されることである。この条件は、RTC演出(時間演出)の実行中に達成可能な条件であり、時間演出中達成条件に相当する。RTC演出において大当たり当選が報知される場合には、SW演出の実行時に変動している特図変動が、大当たりの当選判定結果に基づく特図変動(当たり変動)である場合と、SW演出の実行時に記憶されている特図保留に、大当たり当選予定の特図保留(当たり保留)がある場合とがある。なお本形態では、RTC演出において成功演出が実行されなくても、大当たり遊技のオープニング中に後述する復活当選演出(図78参照)が実行されれば、この条件は達成されたものとする。復活当選演出は、RTC演出中の当たり変動の残変動時間の長さや、抽選による振り分けによって、成功演出の代わりに実行される演出だからである。なお、復活当選演出が実行されても、第2達成条件が成立したものとしない構成としてもよい。
3つ目のモード開放条件(第3達成条件)は、予め定められている特定期日(モード開放期日)が到来することである。この条件は、期日達成条件に相当する。本形態では、モード開放期日は、2015年8月30日に設定されている。この点については後述する。
図46に戻り、ステップS5203でモードフラグの値がシナリオモードを示す「1」でなければ、ステップS5208に進む。これに対して、ステップS5203でYESであれば、背景フラグの値が時短共通背景を示す「3」であるか否かを判定する(S5204)。判定結果がNOであれば、ステップS5208に進む。これに対して、判定結果がYESであれば、対戦シーンフラグの値がシーン14を示す「14」であるか否かを判定する(S5205)。判定結果がNOであれば、ステップS5208に進む。判定結果がYESであれば、シナリオモードにおいてシーン1〜シーン14までの全ての対戦シーン演出で大当たり当選が報知された状態(シナリオモードをクリアした状態ともいう)にある。よって、このことに対する特典として、メモリアルモードを設定可能とするため、メモリアルモード開放フラグをONにする(S5206)。そして、今回の大当たり遊技中に特殊ラウンド演出を実行するために、特殊ラウンド演出実行フラグをONにする(S5207)。
このように本パチンコ遊技機1は、Vロング大当たりへの当選時の演出モード及び滞在背景がシナリオモード且つ時短共通背景であり、対戦シーンフラグがシーン14を示していれば(ステップS5202,S5203,S5204,S5205の全てでYES)、シナリオモードがクリアされた(シナリオモードでシーン14の対戦シーン演出が実行されて当選が報知された)として、メモリアルモード開放フラグをONするとともに(S5206)、特殊ラウンド演出実行フラグをONする(S5207)。
続いて演出制御用マイコン91は、図47に示すように復活フラグがONか否かを判定する(S5208)。復活フラグは、後述するRTC当該変動判定処理(図56)におけるステップS6409でONにされるフラグであり、RTC演出中に当たり変動が実行されていたが成功演出を実行しなかったことを示すフラグである。
ステップS5208で復活フラグがONであれば(S5208でYES)、特殊オープニング演出パターンを選択して(S5209)、装飾可動体15を駆動させるための可動体駆動データをRAM94の駆動データバッファにセットする(S5210)。この可動体駆動データは、装飾可動体15を図3に示す原位置から図4に示す動作位置に変位させた後、再び図3に示す原位置に復帰させる一連の動作を行わせるための駆動データである。そして、復活フラグをOFFするとともに(S5211)、メモリアルモードに設定可能とするためにメモリアルモード開放フラグをONして(S5212)、ステップS5214に進む。
一方、ステップS5208で復活フラグがONでなければ(S5208でNO)、通常オープニング演出パターンを選択して(S5213)、ステップS5214に進む。ステップS5214では、選択されたオープニング演出パターンにて、オープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。ステップS5214でセットされたオープニング演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、所定のオープニング画像を表示画面7aに表示する。
ここで、通常オープニング演出パターンが選択された場合のオープニング演出(通常オープニング演出)では、図79に示すように、「ボーナス開始」の文字を示す画像SD1が表示画面7aに表示されるようになっている。これにより、遊技者に大当たり遊技の実行が開始されたことを把握させることが可能である。画像SD1が表示される演出を「ボーナス開始演出」と呼ぶこととする。
一方、特殊オープニング演出パターンが選択された場合のオープニング演出(特殊オープニング演出)では先ず、図78に示すように、中央からレインボー(七色)の光が解き放たれていることを示す画像SC5が表示画面7aに表示される。これにより、遊技者に大当たりに当選したことを把握させることが可能である。画像SC5が表示される演出を「レインボー演出」と呼ぶことにする。
また上述したように、特殊オープニング演出パターンが選択されたときには、可動体駆動データがセットされる(S5210)。そのためレインボー演出の開始に伴って、図78に示すように、装飾可動体15が原位置(図3参照)から動作位置(図4参照)に変位することになる。そしてレインボー演出の終了に伴って、装飾可動体15が動作位置から原位置に復帰するようになっている。従って、レインボー演出だけでなく、装飾可動体15の駆動によっても、遊技者に大当たりに当選したことを把握させることが可能である。
装飾可動体15が原位置から動作位置に変位した後、再び原位置に復帰する演出を「可動体駆動演出」と呼ぶことにする。また特殊オープニング演出において実行されるレインボー演出と可動体駆動演出とを併せて「復活当選演出」と呼ぶことにする。ここで本形態の可動体駆動演出では、装飾可動体15を原位置から動作位置に変位させた後、再び原位置に復帰させるのに15秒必要になっている。従って本形態では、可動体駆動演出を伴う復活当選演出の実行時間を、15秒に設定している。
ところで、図80に示すように、特殊オープニング演出では、復活当選演出の後にボーナス開始演出が実行されるようになっている。但し、特殊オープニング演出の実行時間(オープニング時間)と、通常オープニング演出の実行時間とは同じである。従って、特殊オープニング演出で実行されるボーナス開始演出の実行時間は、通常オープニング演出で実行されるボーナス開始演出の実行時間よりも、復活当選演出の実行時間(本形態では15秒)だけ短くなっている。こうして特殊オープニング演出では、復活当選演出を実行したとしても、その後にボーナス開始演出を実行することで、遊技者には大当たり遊技の実行開始を確実に把握させることが可能である。その結果、復活当選演出の終了後、直ぐにラウンド演出(ラウンド遊技)が開始されないようにして、遊技者が第1ラウンドにおける第1大入賞口30への入賞機会を少なからず逃してしまうような事態が生じるのを回避することが可能となっている。
[ラウンド演出選択処理]図48に示すように、ラウンド演出選択処理(S4413)ではまず、ラウンド指定コマンドを解析する(S5301)。本形態では、ラウンド指定コマンドには、現在のラウンド数を示す情報に加えて、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図12参照)に関する情報が含まれているものとする。
続いて演出制御用マイコン91は、特殊ラウンド演出実行フラグがONか否かを判定する(S5302)。特殊ラウンド演出実行フラグがONであれば、シナリオモードをクリアした直後の大当たり遊技中である。そのため、各ラウンドのラウンド演出として特殊ラウンド演出を選択する(S5303)。そして、その特殊ラウンド演出を開始させるためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5305)、本処理を終える。
これに対して、ステップS5302において特殊ラウンド演出実行フラグがONでなければ(S5302でNO)、各ラウンドのラウンド演出として、通常のラウンド演出(通常ラウンド演出という)を選択する(S5304)。そして、その通常ラウンド演出を開始させるためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S5305)、本処理を終える。
ステップS5305でセットされたラウンド演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、ラウンド演出開始コマンドに応じた演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aに表示する。
なお本形態では、通常ラウンド演出は、パチンコ遊技機1のモチーフとなっている原作に登場するキャラクタを紹介する演出となっている。通常ラウンド演出としては、ラウンド数に応じて異なるキャラクタを紹介する演出が選択される。これに対して、特殊ラウンド演出は、主人公キャラクタが所属するチームがトーナメントで優勝したことを喜んでいる画像を表示する演出となっている。なお、特殊ラウンド演出は、特殊特別遊技演出に相当し、通常ラウンド演出は、通常の特別遊技演出に相当する。
[エンディング演出選択処理]図49に示すように、エンディング演出選択処理(S4415)ではまず、エンディングコマンドを解析する(S5401)。なお本形態では、エンディングコマンドには、大当たりへの当選判定時にセットされた特図停止図柄データ(図12参照)に関する情報が含まれているものとする。
続いて演出制御用マイコン91は、今回の大当たり当選時の滞在背景が通常背景か否か、すなわち背景フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S5402)。判定結果がYESであれば、今回の大当たりが所謂「初当たり」であるため、続いて、メモリアルモード開放フラグがONか否かを判定する(S5403)。メモリアルモード開放フラグがONであれば、エンディング演出としてモード選択演出を選択し(S5404)、このモード選択演出を開始させるためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5414)。
なお本形態では、一旦メモリアルモード開放フラグがONにされると、RAM94がクリアされるまでは、初当たりのエンディングにおいてモード選択演出が実行される。つまり、RAM94がクリアされるまでは、メモリアルモード開放フラグはONのままである。モード選択演出は、シナリオモードに設定するかメモリアルモードに設定するかを遊技者に選択させる演出である(図81(A)参照)。RAM94のクリアは、主制御基板80のRAM84がクリアされた際などに行われる。なお、一度メモリアルモードに設定されると、メモリアルモード開放フラグがOFFに戻されるように構成してもよい。
ステップS5403においてメモリアルモード開放フラグがONでなければ(S5403でNO)、エンディング演出としてシナリオモード突入演出を選択する(S5405)。シナリオモード突入演出は、シナリオモードが開始されたことを遊技者に報知する演出である。続いて演出制御用マイコン91は、モードフラグの値をシナリオモードに対応する値「1」にセットするとともに、対戦シーンフラグの値をシーン1に対応する値「1」にセットする。そして、ステップS5414に進み、シナリオモード突入演出を開始させるためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。このように本形態では、メモリアルモードが開放されていない場合(メモリアルモード開放フラグがOFFの場合)には、初当たりのエンディングにおいてシナリオモードに設定されるようになっている。勿論シナリオモードにおける最初の対戦シーンは、シーン1である。
またステップS5402における判定結果がNOであれば、今回の大当たりは初当たりではなく、所謂連チャンとしての大当たり(高ベース状態中に当選した大当たり)であるため、続いて、モードフラグの値がシナリオモードに対応する値「1」であるか否かを判定する(S5408)。つまり、初当たりしてから再び通常遊技状態(特別遊技の実行中の状態を除く)に戻るまでの特定の遊技期間(連チャン期間ともいう)中の演出モード(高ベース状態における演出モード)が、シナリオモードに設定されているか否かを判定する。
シナリオモードに設定されていれば(S5408でYES)、続いて特殊ラウンド演出実行フラグがONか否かを判定する(S5409)。特殊ラウンド演出実行フラグがONであれば、シナリオモードをクリアした直後の大当たり遊技のエンディング開始時であるため、特殊ラウンド演出実行フラグをOFFするとともに(S5410)、エンディング演出としてモード選択演出を選択する(S5404)。そして、この演出を実行させるためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする(S5414)。このように本形態では、シナリオモードをクリアした場合には、その直後の大当たり遊技のエンディングで、モード選択演出が実行されるようになっている。
一方、ステップS5409において特殊ラウンド演出実行フラグがONでなければ、エンディング演出としてシナリオモード継続演出を選択する(S5411)。シナリオモード継続演出は、シナリオモードが継続されることを遊技者に報知する演出である。続いて、対戦シーンフラグの値を、次の対戦シーン演出に応じた値に設定する(S5412)。具体的には例えば、現在の対戦シーンフラグの値が「1」(シーン1の対戦シーン演出に応じた値)であれば「2」(シーン2の対戦シーン演出に応じた値)に設定する。そして、ステップS5414に進み、シナリオモード継続演出を開始させるためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。このように本形態では、今回の大当たり遊技後の高ベース状態において、今回の大当たり当選時よりも1シーン先の対戦シーン演出が実行されるようになっている。言い換えれば、現在の大当たりの当選状況に応じた実行順序に該当する対戦シーン演出が実行されるようになっている。
またステップS5408において判定結果がNOであれば、高ベース状態中の演出モードはメモリアルモードに設定されているため、対戦シーン選択演出を選択する(S5413)。そして、ステップS5414に進み、この演出を開始させるためのエンディング演出開始コマンドを、RAM94の出力バッファにセットする。対戦シーン選択演出は、シーン1から14まである対戦シーン演出の中から好きな対戦シーン演出を遊技者に選択させる演出である(図81(B)参照)。このように本形態では、メモリアルモードに設定されている場合には、実行させたい対戦シーン演出を遊技者が任意に選択することができるようになっている。
ステップS5414に続いて演出制御用マイコン91は、今回の大当たり遊技中にV通過(特定領域39への遊技球の通過)がなされたか否かを判定する(S5415)。なお、演出制御用マイコン91は、V通過があれば遊技制御用マイコン81からV通過コマンドを受信するため(ステップS4419参照)、これに基づいてV通過の有無を判定可能である。
ステップS5415においてV通過があれば、今回の大当たり遊技後の遊技状態は高確高ベース状態に制御されるため、背景フラグの値をST開始直後背景に対応する値「2」(図50(A)参照)に設定するとともに(S5416)、背景カウンタの値に「80」をセットして(S5417)、本処理を終える。これに対して、ステップS5415においてV通過がなければ、今回の大当たり遊技後の遊技状態は低確高ベース状態に制御されるため、背景フラグの値を時短共通背景に対応する値「3」(図50(A)参照)に設定するとともに(S5418)、背景カウンタの値に「100」をセットして(S5419)、本処理を終える。
[RTC演出実行処理1]図51に示すように、RTC演出実行処理1(S4304)ではまず、演出制御用マイコン91は、RTC99により計測された現時点の日時(日付及び時刻)を示すRTC情報を取得して、RAM94の所定の記憶領域に記憶する(S6001)。すなわち、RAM94に記憶されているRTC情報は、サブ制御メイン処理の10msタイマ割り込み処理(S4010)が実行される度に更新される。
次に、メモリアルモード開放フラグがONか否かを判定し(S6002)、ONであれば、ステップS6005に進む。一方、ONでなければ、続いて、ステップS6001で取得したRTC情報に基づいて特定期日(モード開放期日、2015年8月30日)の到来の有無を判定する(S6003)。特定期日が到来していれば、メモリアルモード開放フラグをONにして(S6004)、ステップS6005に進む。これに対して、特定期日が到来していなければ、メモリアルモード開放フラグをONにすることなく、ステップS6005に進む。上述したようにメモリアルモード開放フラグがONであれば、初当たり後にメモリアルモードに設定可能である。つまり本形態では、特定期日(2015年8月30日)が到来すると、他のモード開放条件が成立していなくても、メモリアルモードに設定可能となるように構成されている。
なお本形態では、パチンコ遊技機1の遊技場への導入が2015年8月に開始されると仮定し、2015年8月30日をモード開放期日に設定しているものとする。つまり、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技場への導入開始から一定の期間が経過して、予め定められたモード開放期日に至ると、その後は初当たり後に必ずメモリアルモードを選択することが可能となるように構成されている。なお、モード開放期日をいつに設定するかは、適宜変更可能な事項である。
ステップS6005では、RAM94に設けられている発動カウンタの値Hを1だけ加算する。つまり発動カウンタの値Hは、10msタイマ割り込み処理(S4010)が実行される度に1ずつ加算されるため、割り込み処理の実行回数を意味する。従って、発動カウンタの値Hに10msを乗ずれば、発動カウンタの値Hが「0」であるタイミングからの経過時間をカウントできることになる。よって、ステップS6005で発動カウンタの値Hを加算させる演出制御用マイコン91が、本発明の「計時手段」に相当する。
続いて、演出制御用マイコン91は発動カウンタの値Hに基づいて、RTC演出の発動時間(開始時間)であるか否かを判定する(S6006)。本形態では、電源投入から3時間毎にRTC演出が実行されるように、発動時間を示す定数が設定されている。従って、本パチンコ遊技機1の電源を7時に投入すれば、10時、13時、16時、19時…と、電源を切るまでの間は3時間毎にRTC演出が実行されることとなる。なお、本形態では、各時刻において実行されるRTC演出を同じ演出として構成しているが、時刻に応じて異なる演出が実行されるように構成してもよい。
ステップS6006において、RTC演出の発動時間でないと判定すれば(S6006でNO)、直ちに本処理を終える。一方、発動時間であると判定すれば(S6006でYES)、発動カウンタHに「0」をセットして(S6007)、後述するRTC演出選択処理(S6008)を行う。この処理は、複数種類のRTC演出の中から、実行するRTC演出の種類を選択する処理である。
そして、RTC演出の導入演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6009)。これにより、導入演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、導入演出の画像SC1,SC2,SC3(図72参照)を時間の経過に伴って表示画面7aに表示する。
続いて、ステップS6010では、RTC演出の各演出(導入演出、SW演出、失敗演出又は成功演出、失敗ED演出又は成功ED演出)の終了までの時間を計時可能なRTC演出タイマに導入演出時間(本形態では200秒)をセットする。その後、RTC演出フラグを「1」にセットして(S6011)、本処理を終了する。
RTC演出フラグは、RTC演出のうちどの演出が実行中であるかを示すためのフラグである。図53に示すように、RTC演出フラグにセットされた値が「1」であれば、実行中のRTC演出が「導入演出」であることを示している。また、RTC演出フラグにセットされた値が「2」であれば、実行中のRTC演出が「SW演出」であることを示している。また、RTC演出フラグにセットされた値が「3」であれば、実行中のRTC演出が「成功演出」であることを示している。また、RTC演出フラグにセットされた値が「4」であれば、実行中のRTC演出が「失敗演出」であることを示している。また、RTC演出フラグにセットされた値が「5」であれば、実行中のRTC演出が「成功ED演出」であることを示している。また、RTC演出フラグにセットされた値が「6」であれば、実行中のRTC演出が「失敗ED演出」であることを示している。
[RTC演出選択処理]図52に示すように、RTC演出選択処理(S6008)では、ステップS6001で取得したRTC情報に基づいて、いま現在の期間が第1期間〜第4期間のうちのどの期間であるかを特定し、特定した期間に応じたRTC演出を選択する。具体的には、第1期間であれば(S6101でYES)、第1のRTC演出を選択し(S6102)、第2期間であれば(S6103でYES)、第2のRTC演出を選択し(S6104)、第3期間であれば(S6105でYES)、第3のRTC演出を選択し(S6106)、第4期間であれば(S6107でYES)、第4のRTC演出を選択する(S6108)。
第1期間、第2期間、第3期間、及び第4期間は、図52の表(A)に示すように、1週間単位でこの順に切り替わる。第4期間が終わると再び第1期間に戻る。なお本形態の遊技機は2015年8月に導入が開始されると仮定したものである。このため、最初の第1期間は、2015年8月8日までの期間としている。
第1のRTC演出、第2のRTC演出、第3のRTC演出、及び第4のRTC演出はそれぞれ、図52の表(B)に示すように、主人公キャラクタの所属するチーム(日本チーム)の対戦相手となるチームが異なっている。第1のRTC演出では対戦相手はイタリアチームであり、第2のRTC演出では対戦相手はアルゼンチンチームであり、第3のRTC演出では対戦相手はフランスチームであり、第4のRTC演出では対戦相手はドイツチームである。このように本形態では、1週間毎にRTC演出における対戦相手のチームが変わるようになっている。なお、RTC演出の対戦相手の順番は原作のストーリーに準じている。
ここで、本形態におけるモード開放期日は、2015年8月に導入が開始された後、第1期間から第4期間までの1サイクルが終了して、再び第1期間に戻る日(2015年8月30日)と一致している。つまり本形態では、全ての種類のRTC演出が実行されると、メモリアルモードに設定可能となるように構成されている。このことは、全てのRTC演出が実行されたことに対する特典として、メモリアルモードに設定可能となるように構成されているともいえる。
[RTC演出実行処理2]図53に示すように、RTC演出実行処理2(S4305)ではまず、演出制御用マイコン91は、上述のRTC演出タイマの値(時間)が「0」より大きいか否かを判定する(S6201)。RTC演出タイマの値が「0」である場合には(S6201でNO)、本処理を終えるが、RTC演出タイマの値が「0」より大きい場合には(S6201でYES)、RTC演出タイマの値を減算する(S6202)。
続いて、減算したRTC演出タイマの値が「0」であるか否かを判定する(S6203)。RTC演出タイマの値が「0」でなければ(S6203でNO)、ステップS6204に進み、後述するSW演出中止フラグがONであるか否かを判定する。SW演出中止フラグは、SW演出中に特殊操作部64の押込操作があったことを示すフラグである。なお本形態では後述するように、SW演出中に特殊操作部64の押込操作があった場合には、SW演出中止フラグをONにして、RTC演出タイマの値が「0」でなくても、成功演出又は失敗演出の実行を開始させるようにしている。よってRTC演出タイマの値が「0」でないときに(S6203でNO)、SW演出中止フラグがONでなければ(S6204でNO)本処理を終えるが、SW演出中止フラグがONであれば(S6204でYES)、後述するステップS6205に進む。
ステップS6205では、上述したRTC演出フラグの値が「1」であるか否かを判定する。RTC演出フラグの値が「1」である場合には(S6205でYES)、RTC演出のSW演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6206)。これにより、SW演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、VDP141を用いてSW演出の画像SC4(図73(B)参照)を表示画面7aに表示する。
続いて、ステップS6207では、後述する成功演出可否判定処理を実行する(S6207)。そして、RTC演出タイマ及びSWタイマにSW演出時間(本形態では5秒)をセットする(S6208)。なおSWタイマは、SW演出が終了するまでの時間(特殊操作部64の操作が有効な操作有効期間)をカウントするためのものである。その後、RTC演出フラグに「2」をセットして(S6209)、本処理を終了する。
また、上記ステップS6205でRTC演出フラグの値が「1」ではない場合には(S6205でNO)、図54に示すステップS6210に進み、RTC演出フラグの値が「2」であるか否かを判定する。図54に示すように、ステップS6210でRTC演出フラグの値が「2」である場合には(S6210でYES)、第1成功フラグがONであるか否かを判定する(S6211)。第1成功フラグは、導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)で変動表示中の特別図柄の抽選結果が大当たり当選であることに基づいて成功演出を実行することを示すフラグである。
第1成功フラグがONであれば(S6211でYES)、ステップS6213に進むが、第1成功フラグがONでなければ(S6211でNO)、後述する第2成功フラグがONであるか否かを判定する(S6212)。第2成功フラグは、導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)で特図保留の中に大当たり当選を示すものがあることに基づいて成功演出を実行することを示すフラグである。第2成功フラグがONであれば(S6212でYES)、ステップS6213に進む。一方、第2成功フラグがONでなければ(S6212でNO)、ステップS6217に進む。
ステップS6213では、成功フラグ(第1成功フラグ又は第2成功フラグ)をOFFして、RTC演出の成功演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6214)。これにより、成功演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、VDP141を用いて成功演出の画像SC5(図73(C)参照)を表示画面7aに表示する。
ここで成功演出では、中央からレインボー(七色)の光が解き放たれていることを示す画像SC5が表示画面7aに表示される。つまり上述したレインボー演出が実行される。更にレインボー演出と併せて、装飾可動体15が原位置(図3参照)から動作位置(図4参照)に変位した後、原位置に復帰する。つまり上述した可動体駆動演出が実行される(図73(C)参照)。この成功演出により、遊技者には大当たりに当選したことを把握させることが可能である。成功演出はレインボー演出と装飾可動体駆動演出とで構成されているため、上述した特殊オープニング演出の復活当選演出と同じ演出になっている。そして上述したように、可動体駆動演出では装飾可動体15が一連の動作を行うのに15秒必要であるため、本形態では成功演出の実行時間が15秒に設定されている。
ステップS6214に続いてステップS6215では、RTC演出タイマに成功演出時間(本形態では15秒)をセットし、RTC演出フラグに「3」をセットして(S6216)、ステップS6220に進む。
一方、ステップS6211及びS6212で共にNOと判定された場合、ステップS6217では、RTC演出の失敗演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。これにより、失敗演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、VDP141を用いて失敗演出の画像SC7(図73(E)参照)を表示画面7aに表示する。また失敗演出では成功演出と異なり、可動体駆動演出を伴わない演出である。従って失敗演出により、遊技者には大当たり当選ではないことを示唆するようになっている。
ここで本形態では、成功演出を実行した場合には、大当たり当選を報知していることになるため、その後に特殊オープニング演出(復活当選演出)を実行しないようにしている。しかしながら後述するように、失敗演出を実行した(成功演出を実行しなかった)場合には、遊技者を落胆させるものの、その後に特殊オープニング演出が実行されることがあり得るようにしている。そのため遊技者には失敗演出が実行された場合でも、その後に復活当選演出が実行されるかもしれないという期待感を抱かせることが可能となっている。
ステップS6218では、RTC演出タイマに失敗演出時間(本形態では15秒)をセットし、RTC演出フラグに「4」をセットして(S6219)、ステップS6220に進む。
ステップS6220では、SW演出中止フラグがONか否かを判定する。SW演出中止フラグがONでなければ(S6220でNO)、そのまま本処理を終了するが、ONであれば(S6220でYES)、SW演出中止フラグをOFFにして(S6221)本処理を終了する。
また、上記ステップS6210でRTC演出フラグの値が「2」でない場合には(S6210でNO)、ステップS6222に進み、RTC演出フラグの値が「3」であるか否かを判定する。RTC演出フラグの値が「3」であれば(S6222でYES)、RTC演出の成功ED演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6223)。これにより、成功ED演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、VDP141を用いて成功ED演出の画像SC6(図73(D)参照)を表示画面7aに表示する。
ここで本形態では、成功ED演出は、まず始めにその開始から規定時間(成功ED規定演出時間、本形態では5秒)だけ実行される。そして後述するように、規定時間の経過時に変動演出が実行されていれば、その経過時から当該変動演出が終了するまで、成功ED演出が実行され続ける(延長して実行される)。こうして、RTC演出(成功ED演出)と変動演出の終了とが同じになるように、成功ED演出を延長することが可能となっている。
ステップS6223に続いてステップS6224では、RTC演出タイマに成功ED規定演出時間(本形態では5秒)をセットする。そして、RTC演出フラグを「5」にセットするとともに(S6225-1)、メモリアルモード開放フラグをONにして(S6225-2)、本処理を終える。このように本形態では、成功態様のRTC演出(つまり導入演出及びSW演出に続いて成功演出及び成功ED演出を行うRTC演出)が実行されると、その後の大当たり遊技のエンディング中にメモリアルモードを選択することができるようになっている(図49参照)。
またステップS6222でRTC演出フラグの値が「3」でなければ(S6222でNO)、ステップS6226に進み、RTC演出フラグの値が「4」であるか否かを判定する。RTC演出フラグの値が「4」であれば(S6226でYES)、RTC演出の失敗ED演出の演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6227)。これにより、失敗ED演出の演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、VDP141を用いて失敗ED演出の画像SC8(図73(F)参照)を表示画面7aに表示する。
ここで本形態では、失敗ED演出も上述した成功ED演出と同様、まず始めにその開始から規定時間(失敗ED規定演出時間、本形態では5秒)だけ実行され得る。そして後述するように、規定時間の経過時に変動演出が実行されていれば、その経過時から当該変動演出が終了するまで、失敗ED演出が実行され続ける(延長して実行される)。こうして、RTC演出(失敗ED演出)と変動演出の終了とが同じになるように、失敗ED演出を延長することが可能となっている。
ステップS6227に続いてステップS6228では、RTC演出タイマに失敗ED規定演出時間(本形態では5秒)をセットし、RTC演出フラグを「6」にセットして(S6229)、本処理を終える。
またステップS6226でRTC演出フラグの値が「4」でなければ(S6226でNO)、ステップS6230に進み、RTC演出フラグの値が「6」であるか否かを判定する。RTC演出フラグの値が「6」でなければ(S6230でNO)、即ちRTC演出フラグの値が「5」である場合には、ステップS6232に進む。一方、RTC演出フラグの値が「6」であれば(S6230でYES)、ED規定時間終了フラグをONして(S6231)、ステップS6232に進む。ED規定時間終了フラグは、失敗ED演出で失敗ED規定演出時間が経過したことを示すフラグである。つまり、ED規定時間終了フラグがONであれば、失敗ED演出においてその開始から失敗ED規定演出時間(5秒)が経過したことを意味している。
ステップS6232では、成功ED演出又は失敗ED演出を規定時間(成功ED規定演出時間又は失敗ED規定演出時間)だけ実行したことを示すED規定時間終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。そして、RTC演出フラグの値を「0」にクリアして(S6233)、本処理を終える。
[成功演出可否判定処理]図55に示すように、成功演出可否判定処理(S6207)では、演出制御用マイコン91は、後述のRTC当該変動判定処理(S6301)およびRTC先読み判定処理(S6302)を行う。なおRTC当該変動判定処理(S6301)およびRTC先読み判定処理(S6302)は、導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)に実行される処理である。
[RTC当該変動判定処理]図56に示すように、RTC当該変動判定処理(S6301)ではまず、演出制御用マイコン91は、現時点(導入演出の終了時点(SW演出の開始直前))において変動演出中であるか否かを判定する(S6401)。変動演出中であるか否かは、例えば残時間タイマの値(変動演出が終了するまでの残時間)が「0」より大きいか否かで判断するようにしても良い。変動演出中でなければ(S6401でNO)、処理を終える。一方、変動演出中であれば(S6401でYES)、変動表示中の特別図柄の抽選結果が大当たり当選であるか否かを判定する(S6402)。具体的には、上述した変動演出開始処理(S4407)で取得した変動パターンの情報に基づいて、変動表示中の特別図柄の抽選結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選でなければ(S6402でNO)処理を終えるが、大当たり当選であれば(S6402でYES)ステップS6403に進む。
ステップS6403では、残時間タイマの値(時間)が45秒以上であるか否かを判定する。ここでステップS6403の処理は導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)に行われることになるが、SW演出の実行時間は最長で5秒であり、成功演出の実行時間は15秒である。そのため、ステップS6403の処理を行う時点で、仮に残時間タイマの値(実行中の変動演出が終了するまでの残時間)が45秒以上であって、SW演出の後に成功演出及び成功ED演出を実行することにすると、成功演出の後に成功ED演出を25秒以上実行し続ける必要がある。即ち、成功演出の終了からオープニング演出の開始までが間延びしてしまう虞がある。
そこで本形態では、ステップS6403で残時間タイマの値が45秒以上である場合には(S6403でYES)、ステップS6409に進み、成功演出を実行しないことにしている。つまり、変動表示中の特別図柄の抽選結果が大当たり当選であっても、成功演出を実行することを示す第1成功フラグをONしないようにしている。こうして、成功演出の終了からオープニング演出の開始までが間延びするのを回避して、遊技者を苛立たせてしまうのを防ぐことが可能となっている。
一方、残時間タイマの値が45秒未満である場合には(S6403でNO)、次に残時間タイマの値が15秒未満であるか否かを判定する(S6404)。ここで、ステップS6404の処理を行う時点で、仮に残時間タイマの値が15秒未満であるにも拘わらず、SW演出の後に成功演出を実行することにすると、可動体駆動演出の実行時間は15秒であるため、成功演出中に行う可動体駆動演出がオープニング演出の開始までに終了しないことになる。このような場合には、装飾可動体15の駆動が大当たり演出の妨げになる虞がある。
そこで本形態では、ステップS6404で残時間タイマの値が15秒未満である場合には(S6404でYES)、ステップS6409に進み、成功演出を実行しないことにしている。つまり、変動表示中の特別図柄の抽選結果が大当たり当選であっても、成功演出を実行することを示す第1成功フラグをONしないようにしている。こうして、成功演出中に行う装飾可動体15の駆動が大当たり演出の妨げになってしまうのを回避することが可能となっている。
一方、残時間タイマの値が15秒以上である場合には(S6404でNO)、成功演出決定用乱数を取得して(S6405)、成功演出の抽選を行う(S6406)。具体的には、ステップS6404で取得した成功演出決定用乱数を、所定の成功演出決定用テーブルに基づいて判定することにより、成功演出又は失敗演出のどちらを実行するのかを決定する。成功演出を実行すると決定すれば(S6407でYES)、第1成功フラグをONして(S6408)処理を終える。一方、失敗演出を実行すると決定すれば(S6407でNO)、復活フラグをONして(S6409)処理を終える。復活フラグは、上述したように特殊オープニング演出パターンの選択を示すフラグであるが、変動表示中の特別図柄の抽選結果が大当たり当選であるにも拘わらずステップS6403,S6404,S6407の判定結果に基づいて失敗演出を実行することを示すフラグでもある。
[RTC先読み判定処理]RTC先読み判定処理(S6302)は、導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)で特図保留の中に大当たり当選を示すものがあれば成功演出の実行を決定する処理である。図57に示すように、RTC先読み判定処理(S6302)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1成功フラグがONであるか否かを判定する(S6501)。第1成功フラグがONである場合には(S6501でYES)、そのまま本処理を終える。第1成功フラグがONであれば、既に成功演出の実行が決定されているためである。
第1成功フラグがONでなければ(S6501でNO)、復活フラグがONか否かを判定する(S6502)。復活フラグがONである場合には(S6502でYES)、そのまま本処理を終える。復活フラグがONであれば、既に失敗演出の実行が決定されているためである。一方、復活フラグがONでなければ(S6502でNO)、図10に示した第1特図保留演出記憶部95aおよび第2特図保留演出記憶部95bの少なくとも一方に始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)が記憶されているか否かを判定する(S6503)。第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドのいずれも記憶されていなければ(S6503でNO)、そのまま処理を終える。一方、第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドが記憶されていれば(S6503でYES)、記憶されている第1始動入賞コマンド及び第2始動入賞コマンド(以下単に「始動入賞コマンド」と呼ぶ)を全て読み出す(S6504)。
そして、読み出した始動入賞コマンドの中に大当たり当選を示す始動入賞コマンドがあるか否かを判定する(S6505)。既に述べたように、始動入賞コマンドには、大当たりの当否を示す当否情報が含まれている。そのため演出制御用マイコン91は、始動入賞コマンドを解析すれば、その始動入賞コマンドに係る数値情報が大当たりと判定される数値情報(当たり数値情報)であるか否かがわかる。本形態では図17に示すように、その下位コマンドの下の桁が「1」であれば大当たり当選を示す始動入賞コマンドであり、「2」であればハズレを示す始動入賞コマンドである。
始動入賞コマンドの中に1つでも大当たり当選を示すものがあれば(S6505でYES)、第2成功フラグをONにして(S6506)、ステップS6507に進む。なお第2成功フラグは上述したように、導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)で特図保留の中に大当たり当選を示すものがあることに基づいて成功演出を実行することを示すフラグである。一方、始動入賞コマンドの中に大当たり当選を示すものがなければ(S6505でNO)、処理を終える。
ステップS6507では、大当たり当選を示す始動入賞コマンドが記憶されていた特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)の記憶領域における保留表示態様データ記憶領域(図10(d)参照)に、特殊態様データを記憶して、処理を終える。つまり、保留表示態様データ記憶領域に既に記憶されている通常態様データを、特殊態様データに変更する。特殊態様データは、演出保留画像9の特殊な表示態様(特殊態様)に対応する特図保留表示態様データである。
本形態では特殊態様の演出保留画像9として、図77に示すように、トロフィーのオブジェクト画像(特殊演出保留画像)9Bが表示されるようになっている。この特殊演出保留画像9Bは、図73(D)に示す成功ED演出の画像SC6に含まれるトロフィーのオブジェクト画像TRに対して同様(相似)の画像(関連画像)である。従って、成功ED演出を経て特殊演出保留画像9Bを見た遊技者は、特殊演出保留画像9Bが大当たり当選を示していることを把握し易くなっている。
ここで例えば、導入演出の終了時点(SW演出の開始直前)で第1特図保留演出記憶部95aの第2記憶領域に記憶されている第1始動入賞コマンドが大当たり当選を示すものであれば、その第2記憶領域の保留表示態様データ記憶領域に記憶されている通常態様データが特殊態様データに変更される(S6507)。そして後述するようにRTC演出が終了して次の変動演出が開始されると、大当たり当選を示す第1始動入賞コマンド及び特殊態様データは第2記憶領域から第1記憶領域へシフトされる(S4707)。これにより、第1記憶領域に記憶されている特殊態様データに基づいて生成された特図保留演出制御コマンド(後述するステップS7205参照)が画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100は、図77に示すように、演出保留画像9が表示される4つの保留表示領域17a,17b,17c,17dのうち第1保留表示領域17aにて、特殊演出保留画像9Bを表示することになる。これにより遊技者に、どの保留表示領域に大当たり当選を示す特図保留が存在するのかを把握させることが可能である。
なお、ステップS6504で読み出す始動入賞コマンドを、第1始動入賞コマンドに限ってもよい。つまり、第1特図保留に、大当たり当選予定の特図保留(当たり保留)があるか否かだけを判定し、第2特図保留については判定しないようにしてもよい。特にこのような構成は、通常遊技状態(低確低ベース状態)に制御されているときの制御として採用するとよい。逆に、高ベース状態に制御されているときには、第2特図保留に当たり保留があるか否かだけを判定する構成としてもよい。なお、高ベース状態に制御されているときにはRTC演出の開始時間になってもRTC演出を実行しないように構成してもよい。
[スイッチ処理]図58に示すように、スイッチ処理(S4306)ではまず、演出制御用マイコン91は、SWタイマの値が「0」よりも大きいか否かを判定する(S7001)。つまり、表示画面7a上にてSW演出が実行中であるか否かを判定する。SWタイマの値が「0」であれば(S7001でNO)、つまりSW演出の実行中でなければ、図59に示すステップS7009に進む。一方、SWタイマの値が「0」より大きければ(S7001でYES)、後述するSW演出中処理を行う(S7002)。
ステップS7002に続いて演出制御用マイコン91は、SWタイマの値を減算する(S7004)。そしてステップS7005では、減算したSWタイマの値が「0」であるか否かを判定する。SWタイマの値が「0」でなければ(S7005でNO)処理を終えるが、SWタイマの値が「0」であれば(S7005でYES)、第1成功フラグがONであるか否かを判定する(S7006)。つまり、SW演出中に特殊操作部64の押込操作がなければ、SWタイマの値が「0」になって、SW演出の終了時点で第1成功フラグがONであるか否かを判定する。
第1成功フラグがONであれば(S7006でYES)、ステップS7008に進む。第1成功フラグがONでなければ(S7006でNO)、次に第2成功フラグがONであるか否かを判定する(S7007)。第2成功フラグがONであれば(S7007でYES)、ステップS7008に進む。一方、第2フラグがONでなければ(S7007でNO)、処理を終える。ステップS7008では、装飾可動体15を駆動させるための可動体駆動データをRAM94の駆動バッファにセットして、処理を終える。こうしてSW演出中に特殊操作部64の押込操作がされなくても、第1成功フラグ又は第2成功フラグがONであれば、SW演出の終了時点で図73(C)に示すように、装飾可動体15が原位置(図3参照)から動作位置(図4参照)に変位することになる。
ステップS7001における判定結果がNOであれば、図59に示すステップS7009に進む。ステップS7009では、モード選択演出(エンディング演出の一種、図81(A)参照)の実行中か否かを判定する。モード選択演出中でなければ(S7009でNO)、ステップS7013に進む。一方、モード選択演出中であれば(S7009でYES)、続いて、モード選択操作がなされたか否かを判定する(S7010)。モード選択操作がなされていなければ本処理を終える。これに対して、モード選択操作がなされていれば、モードフラグの値を、その操作によって選択された演出モードの値にセットする(S7011)。つまり、シナリオモードが選択されていれば、モードフラグの値を「1」にセットし、メモリアルモードが選択されていれば、モードフラグの値を「2」にセットする。そして、対戦シーンフラグの値を「シーン1」を示す値「1」にセットして(S7012)、本処理を終える。
このように本形態では、モード選択演出においていずれの演出モードが選択された場合であっても、まずシーン1の対戦シーン演出が実行されるように構成されている。なお、メモリアルモードが選択された場合には、演出モードの選択に続いて対戦シーンの選択を行うことができるように構成してもよい。つまりモード選択演出に続いて対戦シーン選択演出が実行されるように構成してもよい。また、対戦シーンの選択が、大当たり遊技後に初めて対戦シーン演出(特別当落報知演出)が実行された場合に行えるように構成してもよい。
ここで、モード選択操作について説明する。本形態では、モード選択演出の演出画像は、図81(A)に示すように、「シナリオモード」の選択欄の画像(選択用アイコン)と、「メモリアルモード」の選択欄の画像とを含む画像である。モード選択操作は、セレクトボタン65(上ボタン65Uと下ボタン65D)の操作によりカーソル画像を移動させて、どちらかのモードの選択欄の画像にカーソル画像を合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。なお、モード選択演出の演出画像をどのような画像とするかは適宜変更可能であり、また、モード選択操作をどのような操作とするかも適宜変更可能である。また、モード選択操作がなされることなく、モード選択演出の実行時間が経過(終了)した場合には、その時点でのカーソル画像の位置に応じた演出モードが選択されるものとする。
図59に戻り、ステップS7013では、対戦シーン選択演出(エンディング演出の一種、図81(B)参照)の実行中か否かを判定する。対戦シーン選択演出中でなければ(S7013でNO)、本処理を終える。一方、対戦シーン選択演出中であれば(S7013でYES)、続いて、対戦シーン選択操作がなされたか否かを判定する(S7014)。対戦シーン選択操作がなされていなければ本処理を終える。これに対して、対戦シーン選択操作がなされていれば(S7014でYES)、対戦シーンフラグの値を、その操作によって選択された対戦シーンの値にセットして(S7015)、本処理を終える。
具体的にはステップS7015では、例えば「シーン10」が選択されていれば、対戦シーンフラグの値を「10」にセットする。このように本形態では、メモリアルモードへの設定中は、大当たり遊技のエンディングのタイミングで、遊技者が任意に対戦シーンを選択することが可能となっている。なお、対戦シーンの選択が、大当たり遊技後に初めて対戦シーン演出(特別当落報知演出)が実行された場合に行えるように構成してもよい。
ここで、対戦シーン選択操作について説明する。本形態では、対戦シーン選択演出の演出画像は、図81(B)に示すように、「シーン1」〜「シーン14」の選択欄の画像(選択用アイコン)を含む画像である。対戦シーン選択操作は、セレクトボタン65(上ボタン65U、下ボタン65D、左ボタン65L、及び右ボタン65R)の操作によりカーソル画像を移動させて、いずれかの対戦シーンの選択欄の画像にカーソル画像を合わせ、演出ボタン63を押下操作するという操作である。なお、対戦シーン選択演出の演出画像をどのような画像とするかは適宜変更可能であり、また、対戦シーン選択操作をどのような操作とするかも適宜変更可能である。また、対戦シーン選択操作がなされることなく、対戦シーン選択演出の実行時間が経過(終了)した場合には、その時点でのカーソル画像の位置に応じた対戦シーンが選択されるものとする。
[SW演出中処理]図60に示すように、SW演出中処理(S7002)ではまず、演出制御用マイコン91は、特殊操作部検出スイッチ64aがONであるか否かを判定する(S7101)。特殊操作部検出スイッチ64aがONでなければ(S7101でNO)処理を終えるが、特殊操作部検出スイッチ64aがONであれば(S7101でYES)、第1成功フラグがONであるか否かを判定する(S7102)。
第1成功フラグがONであれば(S7102でYES)、ステップS7104に進む。第1成功フラグがONでなければ(S7102でNO)、次に第2成功フラグがONであるか否かを判定する(S7103)。第2成功フラグがONであれば(S7103でYES)、ステップS7104に進む。第2成功フラグがONでなければ(S7103でNO)、ステップS7105に進む。ステップS7104では、装飾可動体15を駆動させるための可動体駆動データをRAM94の駆動バッファにセットして、ステップS7105に進む。こうしてSW演出中に特殊操作部64が押込操作されたときに、第1成功フラグ又は第2成功フラグがONであれば、押込操作されたタイミングで図73(C)に示すように、装飾可動体15が原位置(図3参照)から動作位置(図4参照)に変位することになる。
ステップS7105では、SW演出中止フラグをONする。なおSW演出中止フラグは、上述したように、特殊操作部64の押込操作に基づいてSW演出を中止(終了)することを示すフラグである。そして、SWタイマの値を「0」にリセットして(S7106)、処理を終える。こうして、SW演出中に特殊操作部64が押込操作されれば、その押込操作されたタイミングでSW演出中止フラグがONされると共に、SWタイマの値が「0」にリセットされる。これによりSW演出が直ちに終了して、失敗演出又は成功演出が実行されることになる(図53のステップS6204参照)。
[特図保留演出制御処理]図61に示すように、特図保留演出制御処理(S4307)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1特図保留発生フラグ、第2特図保留発生フラグ、第1特図保留消滅フラグ、又は第2特図保留消滅フラグのいずれかがONされているか否かを判定する(S7201)。これらのフラグのいずれかがONされていることは、演出保留画像9の表示の変更のタイミングであることを意味する。
上記のいずれのフラグもONされていない場合には(S7201でNO)、処理を終える。一方、上記のいずれかのフラグがONされている場合には(S7201でYES)、ONされているフラグの内容を確認する(S7202)。即ち、第1特図保留発生フラグ、第2特図保留発生フラグ、第1特図保留消滅フラグ、又は第2特図保留消滅フラグのいずれがONされているかを確認する。これにより、変化する特図保留は第1特図保留なのか第2特図保留なのかを確認するとともに、特図保留の数が増加するのか減少するのかを確認する。
続いて、第1特図保留演出カウンタのカウンタ値および第2特図保留演出カウンタのカウンタ値を確認する(S7203)。これにより、特図保留の数の変化によって特図保留の数がいくつになるのかを確認する。
続いて、ステップS7204では、演出制御用マイコン91は、上記ステップS7202で確認したフラグの内容、ステップS7203で確認した第1特図保留演出カウンタおよび第2特図保留演出カウンタのカウンタ値、並びに、保留表示態様データ記憶領域(図10(d)参照)に格納された特図保留表示態様データ(通常態様データ又は特殊態様データ)に基づいて、演出保留画像9の表示制御の内容を示す特図保留演出制御コマンドを生成する(S7204)。そして、この特図保留演出制御コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7205)。
ステップS7205でセットされた特図保留演出制御コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、表示画面7a上の各保留表示領域17a〜17d(図77参照)にて演出保留画像9の表示制御を行う。なお上述したように、通常態様データに基づいて生成された特図保留演出制御コマンドが画像制御基板100に送信されると、図74(A)に示すように通常演出保留画像9Aが表示され、特殊態様データに基づいて生成された特図保留演出制御コマンドが画像制御基板100に送信されると、図77に示すように特殊演出保留画像9Bが表示されることになる。
続いてステップS7206では、ステップS7202で確認したフラグをOFFして、本処理を終える。
[残変動時間管理処理]図62に示すように、残変動時間管理処理(S4308)ではまず、演出制御用マイコン91は、残時間タイマの値が「0」よりも大きいか否かを判定する(S7301)。残時間タイマの値が「0」であれば(S7301でNO)、処理を終える。一方、残時間タイマの値が「0」より大きければ(S7301でYES)、残時間タイマの値を減算する(S7302)。
続いてステップS7303では、ED規定時間終了フラグがONであるか否かを判定する。つまり、現時点で失敗ED演出が実行されていて、その失敗ED演出の開始から失敗ED規定演出時間(5秒)が経過されたか否かを判定する。ED規定時間終了フラグがOFFであれば(S7303でNO)、処理を終えるが、ED規定時間終了フラグがONであれば(S7303でYES)、残時間タイマの値の情報を含む残時間指定コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7304)。そして、ED規定時間終了フラグをOFFして(S7305)、本処理を終える。なおステップS7304でセットされた残時間指定コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、残時間指定コマンドに含まれる残時間タイマの値の情報に基づいて、後述する残時間経過表示(図76参照)の実行の可否を決定する。残時間経過表示については、後に説明する。
[発展タイミング管理処理]図63に示すように、発展タイミング管理処理(S4309)ではまず、演出制御用マイコン91は、現時点において変動演出中であるか否かを判定する(S7401)。変動演出中であるか否かは、例えば残時間タイマの値が「0」より大きいか否かで判断するようにしても良い。変動演出中でなければ(S7401でNO)、処理を終える。一方、変動演出中であれば(S7401でYES)、実行中の変動演出がSPリーチに発展するタイミングであるか否かを判定する(S7402)。具体的には、上述した変動演出開始処理(S4407)で取得した変動パターンの情報に基づき、残時間タイマの値を用いてSPリーチに発展するタイミングであるか否かを判定する。ここでSPリーチ(SPSPリーチも含む)に発展することになる変動演出のうち、SPリーチに発展する前の演出を「SPリーチ発展前演出」と呼び、SPリーチに発展した後の演出を「SPリーチ発展後演出」と呼ぶことにする。なおSPリーチ発展前演出には、ノーマルリーチハズレや、ノーマルリーチとならないドハズレも含まれることになる。
変動演出がSPリーチに発展するタイミングでない場合には(S7402でNO)、ステップS7405に進む。一方、変動演出がSPリーチに発展するタイミングである場合には(S7402でYES)、SPリーチに発展する情報を含む発展指定コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S7403)。なおステップS7403でセットされた発展指定コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、後述するように、画像制御基板100のCPU102は、全画面表示でのSPリーチ発展後演出の実行の可否を決定する。
続いてステップS7404では、表示画面7aの右下部領域7cの枠画像W1(図75(B)参照)を青色に変更するための枠色指定コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、ステップS7405に進む。なおステップS7403でセットされた枠色指定コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、後述するように画像制御基板100は、簡易表示で変動演出が実行されている場合に限って枠画像W1の表示色を青色に変更する。
ここで本形態では、枠画像W1は白色又は青色或いは赤色で表示される。青色の枠画像W1は、白色の枠画像W1よりも当選期待度が高いことを示し、赤色の枠画像W1は、青色の枠画像W1よりも当選期待度を高いことを示すようにしている。従って、青色の枠画像W1を見た遊技者には、SPリーチのように当選期待度が比較的高いことを把握させることが可能である。更に、赤色の枠画像W1を見た遊技者には、SPSPリーチのように当選期待度が非常に高いことを把握させることが可能である。こうして簡易表示で変動演出が実行されていても、枠画像W1の表示色に注目させて、当選期待度を分かり易く示すことが可能である。言い換えれば、簡易表示にて実行される変動演出は、簡易な演出態様であるため目立たないようになっているが、その反面SPリーチやSPSPリーチのように当選期待度が遊技者に示されなくなって、遊技興趣が低下してしまう。そこで簡易表示で実行される変動演出であっても、遊技者には枠画像W1の表示色の変化を期待させて、遊技興趣の低化を防ぐことが可能である。
ステップS7405では、実行中の変動演出がSPSPリーチに発展するタイミングであるか否かを判定する。具体的には、上述した変動演出開始処理(S4407)で取得した変動パターンの情報に基づき、残時間タイマの値を用いてSPSPリーチに発展するタイミングであるか否かを判定する。変動演出がSPSPリーチに発展するタイミングでない場合には(S7405でNO)、処理を終える。一方、変動演出がSPSPリーチに発展するタイミングである場合には(S7405でYES)、表示画面7aの右下部領域7cの枠画像W1を赤色に変更するための枠色指定コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、処理を終える。なおステップS7406でセットされた枠色指定コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、後述するように画像制御基板100は、簡易表示で変動演出が実行されている場合に限って枠画像W1の表示色を赤色に変更する。
9.画像制御基板100の動作
[画像側タイマ割り込み処理]次に図64〜図71に基づいて画像制御基板100のCPU102の動作について説明する。画像制御基板100のCPU102は、図64に示す画像側タイマ割込処理を数msecといった短時間毎に繰り返す。画像側タイマ割り込み処理では、後述するコマンド受信処理(S8001)、後述する画像出力制御処理(S8002)、およびデータ送信制御処理(S8003)を実行する。データ送信制御処理(S8003)では、表示画面7a上での画像表示演出に合わせて、スピーカ67から演出音を出力させたり、盤ランプ5や枠ランプ66を点灯させたりするための指示データを演出制御用マイコン91に対して送信する。
[コマンド受信処理]図65〜図70に示すように、コマンド受信処理(S8001)ではまず、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から導入演出の演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8101)。受信していなければ(S8101でNO)、ステップS8109に進む。一方、受信していれば(S8101でYES)ステップS8102に進み、表示画面7aにて変動演出の実行中であるか否かを判定する。
変動演出の実行中であれば(S8102でYES)、その実行中の変動演出がSPリーチ発展後演出であるか否かを判定する(S8103)。SPリーチ発展後演出であれば(S8103でYES)、画像制御基板100のCPU102は、変動演出を全画面表示で示すと共に、導入演出を縮小表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8104)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、後述する画像出力制御処理(S8002)にて上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成する。そして、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データをRGB信号として画像表示装置7へ出力させる。
その結果、表示画面7a上では導入演出の開始に伴って、図75(A)に示すように、全画面表示でSPリーチ発展後演出(SPリーチ又はSPSPリーチ)が実行され、縮小表示で導入演出が実行されることになる。つまり、SPリーチ発展後演出の画像SC9が表示画面7aの全域で表示されるのに対して、導入演出の画像SC1が表示画面7aの左下部領域7bで表示される。なおSPリーチ発展後演出の画像SC9は、主人公キャラがドリブルしているシーンを示す画像である。こうして導入演出よりもSPリーチ発展後演出を大きな表示領域で見せることにより、遊技者には当選期待度が高いSPリーチ発展後演出の方に注目させることが可能である。
一方、ステップS8103でSPリーチ発展後演出ではない(S8103でNO)、即ちSPリーチ発展前演出(ノーマルリーチハズレ又はドハズレも含む)であれば、画像制御基板100のCPU102は、導入演出を全画面表示で示すと共に、SPリーチ発展前演出を縮小表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8105)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、表示画面7a上では導入演出の開始に伴って、図74(B)に示すように、全画面表示で導入演出が実行され、縮小表示でSPリーチ発展前演出が実行されることになる。つまり、導入演出の画像SC1が表示画面7aの全域で表示されるのに対して、ドハズレ、ノーマルリーチハズレなど、SPリーチに発展する前の演出を示す画像が表示画面7aの左下部領域7bで表示される。こうして当選期待度の低いSPリーチ発展前演出よりも導入演出を大きな表示領域で見せることにより、遊技者には遊技中に稀に実行される導入演出の方に注目させることが可能である。
図65に戻って、ステップS8102で、変動演出の実行中でないと判定された場合には(S8102でNO)、表示画面7aにて大当たり演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)の実行中であるか否かを判定する(S8106)。大当たり演出の実行中であれば(S8106でYES)、直ちにステップS8109に進む。このように本形態では、大当たり演出の実行中にはRTC演出(導入演出)が実行されないようにしている。これにより、遊技者はRTC演出(導入演出)に邪魔されずに大当たり演出に集中して、大当たり遊技を楽しむことが可能である。
一方、ステップS8102及びS8106の何れもNOと判定された場合には、導入演出を全画面表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8108)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、導入演出が開始されるタイミングで、変動演出の実行中ではなく且つ大当たり演出の実行中でなければ、全画面表示で導入演出のみが実行されることになる。
ステップS8109では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90からSW演出の演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(S8109)。受信していなければ(S8109でNO)、図66に示すステップS8113に進む。ここで図65では図示を省略したが、ステップS8109の処理とステップS8110の処理の間には、上述したステップS8106に相当する処理が設けられている。つまり、ステップS8109でSW演出の演出開始コマンドを受信したと判定した場合、次に大当たり演出の実行中であるか否かを判定する。大当たり演出の実行中であれば、図66に示すステップS8113に進む。一方、大当たり演出の実行中でなければ、ステップS8110に進む。
ステップS8110では、導入演出が全画面表示で実行されていたか否かを判定する。導入演出が全画面表示で実行されていれば(S8110でYES)、画像制御基板100のCPU102は、SW演出を全画面表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8111)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、導入演出が全画面表示で実行されていたのと同様に、SW演出も全画面表示で実行される。そのため、導入演出からSW演出に至るRTC演出を一連の演出として違和感なく見せることが可能である。
一方、ステップS8110で導入演出が全画面表示で実行されていないと判定すれば、画像制御基板100のCPU102は、SW演出を縮小表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8112)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、導入演出が縮小表示で実行されていたのと同様に、SW演出も縮小表示で実行される。つまり、導入演出が縮小表示で実行されていれば、SPリーチ発展後演出が全画面表示で実行されていることになる。そしてSW演出が開始されるタイミングであっても、未だSPリーチ発展後演出が全画面表示で実行されていれば、SW演出が導入演出に引き続いて縮小表示で実行されるようになっている。こうして遊技者にはSW演出よりもSPリーチ発展後演出の方に注目させることが可能である。なお縮小表示で実行するSW演出の換わりに、特殊操作部64の押込操作を遊技者に促さない演出を縮小表示で実行するようにしても良い。
図66に示すように、ステップS8113では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から成功演出又は失敗演出の演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8113でNO)、ステップS8117に進む。ここで図66では図示を省略したが、ステップS8113の処理とステップS8114の処理の間には、上述したステップS8106に相当する処理が設けられている。つまり、ステップS8113で成功演出又は失敗演出の演出開始コマンドを受信したと判定した場合、次に大当たり演出の実行中であるか否かを判定する。大当たり演出の実行中であれば、ステップS8117に進む。一方、大当たり演出の実行中でなければ、ステップS8114に進む。
ステップS8114では、SW演出が全画面表示で実行されていたか否かを判定する。SW演出が全画面表示で実行されていれば(S8114でYES)、画像制御基板100のCPU102は、成功演出又は失敗演出を全画面表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8115)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、SW演出が全画面表示で実行されていたのと同様に、成功演出又は失敗演出も全画面表示で実行される。そのため、SW演出から成功演出又は失敗演出に至るRTC演出を一連の演出として違和感なく見せることが可能である。
一方、ステップS8114でSW演出が全画面表示で実行されていないと判定すれば、画像制御基板100のCPU102は、成功演出又は失敗演出を縮小表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8116)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、SW演出が縮小表示で実行されていたのと同様に、成功演出又は失敗演出も縮小表示で実行される。つまり、成功演出又は失敗演出が開始されるタイミングであっても、未だSPリーチ発展後演出が全画面表示で実行されていれば、成功演出又は失敗演出がSW演出に引き続いて縮小表示で実行される。なお縮小表示で実行する成功演出又は失敗演出の換わりに、当否判定の示唆(報知)とは無関係な演出を縮小表示で実行するようにしても良い。
ステップS8117では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から成功ED演出又は失敗ED演出の演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8117でNO)、ステップS8121に進む。ここで図66では図示を省略したが、ステップS8117の処理とステップS8118の処理の間には、上述したステップS8106に相当する処理が設けられている。つまり、ステップS8117で成功ED演出又は失敗ED演出の演出開始コマンドを受信したと判定した場合、次に大当たり演出の実行中であるか否かを判定する。大当たり演出の実行中であれば、ステップS8121に進む。一方、大当たり演出の実行中でなければ、ステップS8118に進む。
ステップS8118では、成功演出又は失敗演出が全画面表示で実行されていたか否かを判定する。成功演出又は失敗演出が全画面表示で実行されていれば(S8118でYES)、画像制御基板100のCPU102は、成功ED演出又は失敗ED演出を全画面表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8119)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、成功演出又は失敗演出が全画面表示で実行されていたのと同様に、成功ED演出又は失敗ED演出も全画面表示で実行される。そのため、成功演出から成功ED演出に至るRTC演出、又は失敗演出から失敗ED演出に至るRTC演出を一連の演出として違和感なく見せることが可能である。
一方、ステップS8118で成功演出又は失敗演出が全画面表示で実行されていないと判定すれば、画像制御基板100のCPU102は、成功ED演出又は失敗ED演出を縮小表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8120)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、成功演出又は失敗演出が縮小表示で実行されていたのと同様に、成功ED演出又は失敗ED演出も縮小表示で実行される。つまり、成功ED演出又は失敗ED演出が開始されるタイミングであっても、未だSPリーチ発展後演出が全画面表示で実行されていれば、成功ED演出又は失敗ED演出が成功演出又は失敗演出に引き続いて縮小表示で実行される。なお縮小表示で実行する成功ED演出又は失敗ED演出の換わりに、当否判定の示唆(報知)とは無関係な演出を縮小表示で実行するようにしても良い。
続いてステップS8121では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90からED規定時間終了コマンドを受信したか否かを判定する。受信していれば(S8121でYES)、ED延長フラグをONにして(S8122)、ステップS8123に進み、受信していなければ(S8121でNO)、ED延長フラグをONすることなくステップS8123に進む。ED延長フラグは、成功ED演出又は失敗ED演出が規定時間(成功ED規定演出時間又は失敗ED規定演出時間)を超えて延長されることを示すフラグである。
続いて図67に示すように、ステップS8123では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から発展指定コマンドを受信したか否かを判定する。なお画像制御基板100が発展指定コマンドを受信したタイミングとは、変動演出がSPリーチに発展するタイミングであることを意味する。発展指定コマンドを受信していなければ(S8123でNO)、ステップS8126に進む。一方、発展指定コマンドを受信していれば(S8123でYES)、縮小表示で変動演出が実行中であるか否かを判定する(S8124)。なお縮小表示で変動演出が実行中であるということは、全画面表示でRTC演出が実行されているのに対して、縮小表示でSPリーチ発展前演出が実行されていることを意味する。
縮小表示で変動演出が実行中でなければ(S8124でNO)、ステップS8126に進む。縮小表示で変動演出が実行中であれば(S8124でYES)、画像制御基板100のCPU102は、実行中の変動演出を全画面表示で示すと共に、RTC演出を縮小表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8125)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、例えば図74(B)に示す状態から図75(A)に示すように、SPリーチに発展するタイミングで、全画面表示でSPリーチ発展後演出が実行され、縮小表示でRTC演出(例えば導入演出)が実行されることになる。つまり、SPリーチ発展後演出の画像SC9が表示画面7aの全域で表示されるのに対して、導入演出の画像SC1が表示画面7aの左下部領域7bで表示される。こうして、RTC演出の実行の途中において全画面表示で行われる演出がSPリーチ発展後演出に切り換わることにより、遊技者に驚きを与えると共に、当選期待度が高いSPリーチ発展後演出に注目させることが可能である。
図67の説明に戻り、ステップS8126では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から枠画像W1を青色に変更するための枠色指定コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8126でNO)、ステップS8129に進む。一方、受信していれば(S8126でYES)、簡易表示で変動演出が実行中であるか否かを判定する(S8127)。なお簡易表示で変動演出が実行中であるということは、後述するように、RTC演出が実行されてから変動演出が開始されることにより、全画面表示でRTC演出が実行されているのに対して、簡易表示で変動演出が実行されていることを意味する。
簡易表示で変動演出が実行中でなければ(S8127でNO)、ステップS8129に進む。簡易表示で変動演出が実行中であれば(S8127でYES)、画像制御基板100のCPU102は、枠画像W1(図75(B)参照)を青色に変更するための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8128)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、表示画面7aの右下部領域7cに設けられている枠画像W1の表示色が青色に変わる。そのため、簡易表示で変動演出が目立たないように実行されていても、遊技者にはRTC演出に注目させつつ、SPリーチのように当選期待度が比較的高いことを把握させることが可能である。
ステップS8129では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から枠画像W1を赤色に変更するための枠色指定コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8129でNO)、ステップS8132に進む。一方、受信していれば(S8132でYES)、簡易表示で変動演出が実行中であるか否かを判定する(S8130)。
簡易表示で変動演出が実行中でなければ(S8130でNO)、ステップS8132に進む。簡易表示で変動演出が実行中であれば(S8130でYES)、画像制御基板100のCPU102は、枠画像W1(図75(B)参照)を赤色に変更するための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8131)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、表示画面7aの右下部領域7cに設けられている枠画像W1の表示色が赤色に変化する。そのため、簡易表示で変動演出が目立たないように実行されていても、遊技者にはRTC演出に注目させつつ、SPSPリーチのように当選期待度が非常に高いことを把握させることが可能である。
続いて、ステップS8132では、画像制御基板100のCPU102は、残時間指定コマンドを受信したか否かを判定する。なお画像制御基板100が残時間指定コマンドを受信したタイミングとは、失敗ED演出の開始から失敗ED規定演出時間(5秒)が経過したタイミングを意味する。残時間指定コマンドを受信していなければ(S8132でNO)、図68に示すステップS8135に進む。一方、残時間指定コマンドを受信していれば(S8132でYES)、残時間指定コマンドに含まれている残時間タイマの値が15秒以上であるか否かを判定する(S8133)。つまり、失敗ED演出の開始から失敗ED規定演出時間(5秒)が経過したタイミングにおいて、実行中の変動演出が終了するまでの残時間が15秒以上であるか否かを判定する。
15秒未満であれば(S8133でNO)、図68に示すステップS8135に進む。一方、15秒以上であれば(S8133でYES)、画像制御基板100のCPU102は、残時間経過表示を行うための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8134)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、図76に示すように、残時間経過表示として、表示画面7aの右上部領域にて、残時間タイマの値に応じた時間を示す画像ZTが表示される。そして、変動演出(失敗ED演出)の終了に近づくにつれて、減算されていく時間を示す画像ZTが表示されることになる。なお画像ZTは、1秒ずつカウントダウンされる時間を示すようになっていて、変動演出(失敗ED演出)が終了すると「0:00」を示すことになる。
こうして失敗ED演出の開始から失敗ED規定演出時間(5秒)が経過したときに、実行中の変動演出が終了するまでの残時間が15秒以上であれば、その変動演出が終了するまでの目安となる時間を遊技者に把握させることが可能である。そして上述したように本形態では、RTC演出(失敗ED演出)と変動演出の終了とが同じになるように、失敗ED演出を延長するため、上述した残時間経過表示により、遊技者はRTC演出が終了するまでの目安となる時間を把握できるようになっている。よって、失敗ED演出の開始から失敗ED規定演出時間(5秒)が経過して、なかなかRTC演出が終了しない場合であっても、遊技者には失敗ED演出がいつまで続くか分からないという不安な気持ちを抱くのを回避することが可能である。
続いて図68に示すように、ステップS8135では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8135でNO)、ステップS8141に進む。一方、受信していれば(S8135でYES)、RTC演出の実行中であるか否かを判定する(S8136)。RTC演出の実行中であれば(S8136でYES)、次にED延長フラグがONされているか否かを判定する(S8137)。ED延長フラグがONされていなければ(S8137でNO)、画像制御基板100のCPU102は、RTC演出を全画面表示で示すと共に、変動演出を簡易表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8138)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、例えば図75(B)に示すように、全画面表示で導入演出(RTC演出)が実行され、簡易表示で変動演出が実行されることになる。つまり、導入演出の画像SC1が表示画面7aの全域で表示されるのに対して、簡易な表示態様である演出図柄6L,6C,6Rの変動表示及び停止表示が、表示画面7aの右下部領域7cで示されることになる。要するに、RTC演出の実行中で、成功ED演出又は失敗ED演出が規定時間を超えて延長される前に、変動演出が開始されれば、その変動演出が簡易な演出態様で実行されることになる。よって遊技者には、RTC演出中に開始される変動演出の方に意識を向かい難くして、RTC演出に意識を集中させることが可能である。
一方、ステップS8136でRTC演出の実行中でないと判定された場合(S8136でNO)、又はステップS8137でED延長フラグがONであると判定された場合(S8137でYES)には、画像制御基板100のCPU102は、変動演出を全画面表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8139)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、図74に示すように、全画面表示で変動演出が実行される。つまり、変動演出の画像のみが表示画面7aの全域で表示される。要するに、RTC演出の実行中ではないときに変動演出が開始されれば、勿論その変動演出は全画面表示で実行される。そして、RTC演出の実行中であっても、成功ED演出又は失敗ED演出が規定時間を超えて延長されていれば、RTC演出はいつでも終了できる状況になっている。そのため、成功ED演出又は失敗ED演出が延長されているときに変動演出が開始されると、RTC演出(成功ED演出又は失敗ED演出)が終了すると共に、開始される変動演出が全画面表示で実行されることになる。こうして遊技者にはRTC演出の終了を把握させることが可能であると共に、RTC演出から次の変動演出にスムーズに移行した印象を与えることが可能である。なおステップS8139の後、ED延長フラグをOFFして(S8140)、ステップS8141に進む。
続いてステップS8141では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から客待ち開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8141でNO)、図69に示すステップS8147に進む。一方、受信していれば(S8141でYES)、RTC演出の実行中であるか否かを判定する(S8142)。RTC演出の実行中であれば(S8142でYES)、次にED延長フラグがONされているか否かを判定する(S8143)。ED延長フラグがONされていなければ(S8143でNO)、画像制御基板100のCPU102は、RTC演出を全画面表示で示すと共に、停止態様の変動演出を簡易表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8144)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、全画面表示でRTC演出が実行され、簡易表示で演出図柄6L,6C,6R(図75(B)参照)が停止表示されたままになる。要するに、RTC演出の実行中で、成功ED演出又は失敗ED演出が規定時間を超えて延長される前に、変動演出中ではなく且つ特図保留(第1特図保留及び第2特図保留)が無ければ、RTC演出の画像が表示画面7aの全域にて表示されるのに対して、停止態様の演出図柄6L,6C,6R(図75(B)参照)が表示画面7aの右下部領域7cで示されることになる。よって、RTC演出中に客待ちデモ演出が実行されなくて、遊技者の意識をRTC演出に向けたままにすることが可能である。
一方、ステップS8142でRTC演出の実行中でないと判定された場合(S8142でNO)、又はステップS8143でED延長フラグがONであると判定された場合(S8143でNO)には、画像制御基板100のCPU102は、停止態様の変動演出を全画面表示で示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8145)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。
その結果、全画面表示で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示されたままになる。要するに、RTC演出の実行中ではないときに、変動演出が実行されておらず且つ特図保留が無ければ、停止態様の演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの中央で表示される。そして、RTC演出の実行中であっても、成功ED演出又は失敗ED演出が規定時間を超えて延長されていれば、変動演出が実行されておらず且つ特図保留が無いことを条件に、停止態様の演出図柄8L,8C,8Rが表示画面7aの中央で表示される。こうして例えばRTC演出中に遊技が中断されていて、失敗ED演出の開始から規定時間が経過すれば、RTC演出が終了すると共に、全画面表示で演出図柄8L,8C,8Rが停止表示される。よって遊技が行われていなくても、RTC演出を終了させることが可能である。なおステップS8145の後、ED延長フラグをOFFして(S8146)、図69に示すステップS8147に進む。
続いて、図69に示すステップS8147では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から特図保留演出制御コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8147でNO)、ステップS8151に進み、受信していれば(S8147でYES)、次に大当たり演出の実行中であるか否かを判定する(S8148)。大当たり演出中であれば(S8148でYES)、演出保留画像9を表示しないため、ステップS8151に進む。大当たり演出中でなければ(S8148でNO)、簡易表示で変動演出が実行中であるか否かを判定する(S8149-1)。簡易表示で変動演出が実行中であれば(S8149-1でYES)、表示画面7aの右下部領域7cでは演出保留画像9を表示しないため、ステップS8151に進む。簡易表示で変動演出が実行中でなければ(S8149-1でNO)、導入演出を除くRTC演出(つまりSW演出、成功演出、成功ED演出、失敗演出、失敗ED演出)が実行中であるか否かを判定する(S8149-2)。SW演出、成功演出、成功ED演出、失敗演出、失敗ED演出のいずれかが実行中であれば(S8149-2でYES)、演出保留画像9を表示しないため、ステップS8151に進む。一方、導入演出の実行中であれば(S8149-2でNO)、ステップS8150に進む。
ステップS8150では、画像制御基板100のCPU102は、受信した特図保留演出コマンドに基づいて演出保留画像9(通常演出保留画像9A又は特殊演出保留画像9B)を示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8150)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、演出保留画像9の表示の変更のタイミングで、通常態様データに基づいて生成された特図保留演出制御コマンドを受信していれば、通常演出保留画像9Aが表示される(図74 (A)(B)参照)。またRTC演出における成功ED演出が終了した後で、特殊態様データに基づいて生成された特図保留演出コマンドを受信していれば、特殊演出保留画像9Bが表示されることになる(図77参照)。なお特図保留演出コマンドには保留表示領域17a〜17dのうちどの保留表示領域に通常演出保留画像9A又は特殊演出保留画像9Bを表示するのかを示す情報が含まれているため、特図保留の数及び位置が適切に表示されることになる。
こうして、RTC演出における成功ED演出が終了した後に、特殊演出保留画像9Bが表示され得るようにすることで、演出保留画像9の表示による演出効果を高めることが可能である。そして、特殊演出保留画像9Bによって遊技者に大当たり当選を示す特図保留の位置を明確に示すことが可能であり、どの変動演出で当たるかを容易に認識させることが可能である。なお本形態では、簡易表示で変動演出が実行されている場合や、導入演出を除くRTC演出(SW演出、成功演出、成功ED演出、失敗ED演出、失敗ED演出)が実行されている場合に通常演出保留画像9A又は特殊演出保留画像9Bが表示されないようにしたが、SW演出、成功演出、成功ED演出、失敗ED演出、失敗ED演出が実行されていても通常演出保留画像9A又は特殊演出保留画像9B表示されるようにしても良い。
続いてステップS8151では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90からオープニング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していなければ(S8151でNO)、図70に示すステップS8157に進み、受信していれば(S8151でYES)、次にED延長フラグがONであるか否かを判定する(S8152)。ED延長フラグがONであれば(S8152でYES)、ED延長フラグをOFFして(S8153)ステップS8154に進み、ED延長フラグがOFFであれば(S8152でNO)そのままステップS8154に進む。
ステップS8154では、オープニング演出開始コマンドに含まれている情報(オープニング演出パターン)に基づいて、特殊オープニング演出を実行するか否かを判定する(S8154)。特殊オープニング演出を実行すると判定すれば(S8154でYES)、画像制御基板100のCPU102は、特殊オープニング演出を示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8155)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、先ず図78に示すようにレインボー演出が実行され、次に図79に示すようにボーナス開始演出が実行される。これにより上述したように、遊技者にはRTC演出における失敗演出及び失敗ED演出を見せた後にレインボー演出(更に可動体駆動演出)を見せるため、大当たり当選による高揚感を与えることが可能である。更にその後のボーナス開始演出により、大当たり遊技の開始を把握させることが可能である。
一方、ステップS8154で特殊オープニング演出を実行しないと判定すれば(S8154でNO)、通常オープニング演出を実行すべく、画像制御基板100のCPU102は、通常オープニング演出を示すための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8156)。これにより、画像制御基板100のCPU102は、上記設定情報に基づくディスプレイリストを作成して、VDP141にそのディスプレイリストに基づく画像データを画像表示装置7へ出力させる。その結果、図79に示すようにボーナス開始演出が実行される。これにより大当たり遊技の開始を把握させることが可能である。
続いて図70に示すステップS8157では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90からラウンド演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していれば(S8157でYES)、ラウンド演出開始コマンドが示すラウンド演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8158)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、ラウンド演出の画像(図示せず)が表示画面7aに表示されることとなる。例えば、ラウンド演出開始コマンドが特殊ラウンド演出の実行を指示するコマンドであれば、表示画面7aには特殊ラウンド演出の演出画像が表示される。
続いてステップS8159では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90からエンディング演出開始コマンドを受信したか否かを判定する。受信していれば(S8159でYES)、エンディング演出開始コマンドが示すエンディング演出の画像を表示画面7aに表示させるための設定情報を制御用RAM104にセットする(S8160)。これにより、後述する画像出力制御処理(S8002)を経て、エンディング演出の画像が表示画面7aに表示されることとなる。例えば、エンディング演出開始コマンドがモード選択演出の実行を指示するコマンドであれば、表示画面7aには図81(A)に示すモード選択演出の演出画像が表示される。また、エンディング演出開始コマンドが対戦シーン選択演出の実行を指示するコマンドであれば、表示画面7aには図81(B)に示す対戦シーン選択演出の演出画像が表示される。
続いてステップS8161では、画像制御基板100のCPU102は、サブ制御基板90から客待ちデモ演出コマンドを受信した場合には、客待ち用のデモ演出を表示する処理を行う等、その他の処理を実行して、コマンド受信処理(S8001)を終了する。
[画像出力制御処理]図71に示すように、画像出力制御処理(S8002)ではまず、画像制御基板100のCPU102は、制御用RAM104に画像表示装置7に関する設定情報がセットされているか否かを判定する(S8201)。セットされていなければ(S8201でNO)、直ちに本処理を終える。これに対して、セットされていれば(S8201でYES)、制御用RAM104にセットされている設定情報に基づいて、ディスプレイリストを作成する(S8202)。そして、このディスプレイリストをVDP141に対して出力する(S8203)。VDP141に対して出力されたディスプレイリストは、VRAM143の所定の記憶領域に格納される。VDP141は、VRAM143に格納されたディスプレイリストに従って、CGROM142から画像データを読み出して、表示画面7aに種々の画像を表示する。
10.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1には、高ベース状態における演出モードとして、初めから設定可能なシナリオモードと、所定のモード開放条件を満たさないと設定できないメモリアルモードとがある。モード開放条件は、3つあり、いずれか1つが満たされればよい。モード開放条件のうちの1つは、RTC演出中に達成可能な時間演出中達成条件(第2達成条件)である。つまり本形態では、RTC演出(時間演出)中にモード開放条件(達成条件)を満たすことで、シナリオモードだけでなくメモリアルモードにも設定可能となる(図49及び図54参照)。よって、RTC演出に対する関心や興味を高めることが可能となっている。これにより、RTC演出による興趣を向上させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、時間演出中達成条件は、RTC演出において成功演出(図73(C)参照)が実行されることである。よって、RTC演出の実行中という限られた期間内に大当たりを引けば、新たな演出モード(メモリアルモード)を楽しむことができるという遊技性が実現されている。よって、RTC演出中の当選に対する高揚感を向上させることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、RTC演出としての成功演出は、SW演出の実行直前のタイミングで、当たり変動が変動表示されている場合だけでなく、当たり保留が存在する場合にも実行される(図54、図56及び図57参照)。よって、前者のケースだけ成功演出を実行する構成とした場合に比べて、時間演出中達成条件が達成され易くなっている。そのため、RTC演出の実行期間がモード開放条件の成立に対して期待の持てない面白みの少ない遊技期間となってしまうのを抑制することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、特定期日(2015年8月30日)が到来することもモード開放条件の1つ(期日達成条件、第3達成条件)になっている。よって、特定期日を迎えるだけでメモリアルモードに設定可能となる(図51参照)。従って、特定期日の到来前は時間演出中達成条件を満たすことができなかった遊技者も、特定期日が到来すればメモリアルモードを楽しむことが可能となっている。よって、遊技者の所謂引きに依存するモード開放条件だけを設けた構成とは異なり、全遊技者に対して高い興趣性を提供することが可能となっている。また、遊技者に対して特定期日の到来を期待させることが可能であるため、特定期日をいつに設定するか次第で稼働期間の長期化を図ることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1では、モード開放条件には、シナリオモードに設定されているときに達成可能なモード中達成条件(第1達成条件)がある。つまり本形態では、シナリオモード中にモード中達成条件を満たせば、メモリアルモードに設定可能となるという遊技の流れが実現されている。このため、時間演出中達成条件(第2達成条件)が、モード中達成条件(第1達成条件)に対する補助的なモード開放条件として位置付けられている。つまり、シナリオモードでモード開放条件を満たせなくても、RTC演出中にもモード開放条件を満たすチャンスがある遊技機となっている。その結果、高ベース状態以外の遊技期間においてもRTC演出の開始時間が来れば、モード開放条件を成立させる楽しみがあるという興趣性の高い遊技性を実現することが可能となっている。
また本形態では、期日達成条件(第3達成条件)も、モード中達成条件(第1達成条件)に対する補助的なモード開放条件として位置付けられる。つまり、シナリオモードでモード開放条件を満たせなくても、特定期日(2015年8月30日)が到来すればメモリアルモードに設定可能になる遊技機となっている。そのため、モード中達成条件を満たせない遊技者に特定期日の到来を待つ楽しみを強く抱かせることが可能となり、興趣性の高い遊技機とすること可能となっている。なお、モード中達成条件の達成難易度を下げれば、期日達成条件を設けなくても多くの遊技者がメモリアルモードを楽しめるようになるが、このようにしてしまうと、モード中達成条件を成立させた際の達成感が減少し、遊技興趣が低下するおそれがある。よって、モード中達成条件を、ある程度困難な条件に設定しつつ、期日達成条件を追加的に設ける構成の方が好ましい。
また本形態のパチンコ遊技機1では、モード中達成条件は、シナリオモードにおいてシーン1〜14の全ての対戦シーン演出(特別当落報知演出)で当選報知がなされること(つまり、シナリオモードにおける全演出をクリアしたこと)である。これは、最低でも初当たり以降14回の大当たり当選を必要とする。詳細には、所定の当選条件(高ベース状態における残変動回数が100回以下であること)の下で特定種類の大当たり(Vロング大当たり)に14回当選することが必要である。よってこの達成条件は、難易度の高い達成条件である。そして本形態では、このことに対する特典として、メモリアルモードが設定可能となるという遊技性が実現されている。従って、シナリオモードにおける遊技者の遊技意欲を高めることが可能となっている。また、モード中達成条件の成立は遊技者の所謂引きに依存する条件である。そのため、遊技者の引きと関係なく成立する期日達成条件が設けられていることの意義を高められている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、メモリアルモードは、シナリオモードで実行され得るシーン1〜14の全ての対戦シーン演出の中から任意に選択した演出が実行される演出モードとなっている。よって、シナリオモードにおける全ての対戦シーン演出をクリアしたことの特典として、各種の対戦シーン演出を任意に選択できるという遊技性が実現されている。また、メモリアルモードでは、シナリオモードで見た対戦シーン演出の中から気に入ったものを選択して再度実行させることが可能である。そのため、遊技者の演出に対する満足感を高めることが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、メモリアルモードに設定可能となった後は(つまりメモリアルモード開放フラグがONになった後は)、遊技者自らがシナリオモードとメモリアルモードとのどちらの演出モードで遊技するのかを選択することが可能となる(図49及び図81(A)参照)。よって、遊技者の嗜好に合った演出を提供することが可能となっている。
また本形態のパチンコ遊技機1では、シナリオモードにおいてモード中達成条件を満たした後は、そのことに対する特典として大当たり遊技中に特殊ラウンド演出が実行され、その特典を堪能した後のエンディング(特別遊技のエンディング)中にシナリオモードとメモリアルモードのいずれで遊技するかを選択できるという一連の遊技の流れが実現されている(図46〜図49参照)。従って、各遊技期間の繋がり(シナリオモード中→大当たり遊技中→メモリアルモード中という繋がり)を遊技者に感じさせることが可能となっている。これにより、遊技興趣が向上されている。また、モード中達成条件を満たしたことの特典として特殊ラウンド演出を実行するため(図46及び図48参照)、他のモード開放条件ではなくモード中達成条件を成立させることに対する遊技意欲を高めることが可能となっている。
11.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、成功演出を実行するか、失敗演出を実行するかの判定をSW演出の開始直前に行うように構成した(図53参照)。しかしながら、成功演出を実行するか、失敗演出を実行するかの判定は、導入演出の開始のタイミングから、成功演出又は失敗演出の開始のタイミング(分岐タイミングという)までの期間内であれば、どのタイミングで判定してもよい。例えば導入演出の開始時点であっても良い。この場合、図53に示す成功演出可否判定処理(S6207)を図51に示すRTC演出実行処理1(S4304)の例えばステップS6109とS6110の間に設ければ良い。
また上記形態では、右打ちを行う高ベース状態(高確高ベース状態又は低確高ベース状態)であってもRTC演出が実行されるように構成したが、右打ちを行う高ベース状態や大当たり遊技状態ではRTC演出が実行されないように構成しても良い。つまり左打ちを行う通常遊技状態のみRTC演出が実行されるようにしても良い。この場合には、高ベース状態や大当たり遊技状態では、遊技制御用マイコン81がサブ制御基板90に右打ち指定コマンドを送信し、右打ち指定コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、RTC演出に関する処理(ステップS4304及びS4305の処理)を実行しないようにすれば良い。これにより、右打ちを行う高ベース状態や大当たり遊技状態等において、遊技者にはRTC演出に邪魔されずに高ベース中の演出や大当たり演出に集中させることが可能である。
また上記形態では、メモリアルモードに設定されている場合において対戦シーンの選択は、大当たり遊技のエンディング中に行うように構成したが(図49参照)、高ベース状態における初回の対戦シーン演出が実行されたときに行うように構成してもよい。この場合、対戦シーンを選択させる演出に続いて、選択された対戦シーン演出を実行する一連の演出を、変動演出として実行する。また、高ベース状態において対戦シーン演出が実行される度に、対戦シーンを選択することができるように構成してもよい。
また上記形態では、ステップS6005(図51)の処理を行う演出制御用マイコン91によって、本発明の「計時手段」を構成し、RTC99によって、本発明の「日時計測手段」を構成した。これに対して、RTC99が計時手段と日時計測手段とを兼ねていてもよい。つまり、RTC99によって計測された時刻の情報に基づいて(ステップS6001で取得したRTC情報に基づいて)、RTC演出の発動時間となったか否かの判定(ステップS6006の判定)を行うように構成してもよい。
この場合、遊技島を構成する全てのパチンコ遊技機1の現在時刻(RTC99により計測される現在時刻)を、秒単位まで正確に合わせておく。また、遊技場の従業員等が定期的にRTC99により計測されている時刻を確認し、遊技島内の遊技機間でずれが生じていないかを確認するとよい。
なお上記形態では、いわゆるRAMクリア後の所定期間中に、セレクトボタン65の上ボタン65Uを連続して5回押下すると(つまり特定の操作をすると)、RTC99によって計測されている日時の設定を行うための日時調整画面が表示画面7aに表示されるものとする。RTC99による計測日時がずれて、正しい日時の設定が必要になった場合には、遊技場の従業員等は、この操作を行って日時調整画面を呼び出して、RTC99の日時設定を行うことが可能である。
また上記形態では、高ベース状態中の演出モードとしてシナリオモードとメモリアルモードとの2つの演出モードを設けたが、高ベース状態中に、シナリオモードとメモリアルモードの両モード以外の演出モードに制御されることがあってもよい。
また上記形態では、第1演出モード(シナリオモード)で実行され得る対戦シーン演出の種類と、第2演出モード(メモリアルモード)で実行され得る対戦シーン演出の種類とが一致していた。これに対して、第2演出モードでは、第1演出モードで実行されない演出が実行されるように構成してもよい。また、第2演出モードでは、第1演出モードで実行される画像演出と関係ない(関連しない)画像演出が実行されるように構成してもよい。
また上記形態では、シナリオモードをクリアした場合には(第1演出モードにおける全演出をクリアした場合には)、メモリアルモードとシナリオモードのいずれかを遊技者が選択するように構成した(図49参照)。これに対して、シナリオモードをクリアした場合には、必ずメモリアルモードに設定されるようにしてもよい。
また上記形態では、シナリオモードをクリアした後の大当たり遊技中に実行される特殊特別遊技演出(優勝を喜ぶ演出)を、ラウンド演出として実行したが、オープニング演出として実行してもよい。さらには、変動演出の一部として実行してもよい。
また上記形態では、大当たり遊技のエンディング中に高ベース状態中の演出モードを選択し得る構成としたが、つまりモード選択演出をエンディング演出として行う構成としたが、オープニング中やラウンド遊技中に行う構成としてもよい。
また上記形態では、一旦メモリアルモード(第2演出モード)に設定されると、その後は次の初当たりまで演出モードを変更できないように構成した。これに対して、メモリアルモード中であれば、大当たりに当選する度にシナリオモードに変更可能な構成としてもよい。
また上記形態では、所謂ST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、所謂確変ループ機や1種2種混合機として構成してもよい。また上記形態では、所謂V確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態に制御する遊技機として構成してもよい。
また上記形態では、遊技球の入球し易さが変化しない第1始動口20と、遊技球の入球し易さが変化可能な第2始動口21とを設けたが、第1始動口20を備えていない構成としてもよい。この場合、電チューが閉状態にあるときでも、電チューに係る始動口へ遊技球が入球するように構成する。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、演出モードの選択操作に利用する操作手段を、演出ボタン63やセレクトボタン65としたが、演出モードの選択操作が可能であれば、操作手段は何でもよい。例えば、画像表示装置にタッチセンサを組み合わせたタッチパネルとしてもよい。
また、時間演出中達成条件は、RTC演出(時間演出)中に特定の演出図柄(例えば7図柄)でリーチをかける等のミッションをクリアすることとしてもよい。また、時間演出中に所謂疑似連を伴う変動を所定回数(例えば2回等)出現させる等のミッションをクリアすることとしてもよい。つまり時間演出中達成条件は、変動演出に関連付けられた達成条件としてもよい。また、モード中達成条件を、これらのミッションをクリアすることとしてもよい。
また上記形態では、モード開放条件として、3つの達成条件(モード中達成条件、時間演出中達成条件、及び期日達成条件)を設けたが、モード開放条件としては、少なくとも時間演出中達成条件があればよい。時間演出中達成条件さえ設けられていれば、時間演出中に達成条件を成立させようとする遊技意欲を掻き立てることが可能であるため、時間演出による演出効果を高めることが可能だからである。
なお上記形態の特徴及び上記した変更例の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することは勿論可能である。