1.遊技機の構造
本発明に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においてパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取付けられた遊技盤2とを備えている。遊技機枠50のうちの前面枠51には、回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60、遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。また前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される演出時などに遊技者が操作し得る演出ボタン(操作手段)63が設けられている。また前面枠51には、装飾用の枠ランプ66およびスピーカ67が設けられている。
遊技盤2には、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には装飾用の盤ランプ5(図5参照)が複数設けられている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技くぎ(図示せず)が突設されている。
また遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置である画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示(可変表示)及び停止表示に同期した演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示を行う演出図柄表示領域がある。演出図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。演出図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の演出図柄の組み合わせによって、後述の第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41b(図3参照)にて表示される第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の結果(つまりは大当たり抽選の結果)を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目(大当たり停止態様)で演出図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「637」などのバラケ目(ハズレ停止態様)で演出図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bにより把握するのではなく、画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、演出図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような演出図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置7は、上記のような演出図柄を用いた演出図柄変動演出(「演出図柄可変表示演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり遊技演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお演出図柄可変表示演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて演出保留9Aを表示する第1演出保留表示エリアと、後述する第2特図保留の記憶数に応じて演出保留9Bを表示する第2演出保留表示エリアとがある。演出保留の表示により、後述の第1特図保留表示器43a(図3参照)にて表示される第1特図保留の記憶数および第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。さらにセンター装飾体10の上部には、装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが常に変わらない第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の右上方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー、可変入球手段)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
電チュー22は、可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。可動部材23は、電チューソレノイド24(図4参照)により駆動される。第2始動口21は、可動部材23が開いているとき(つまり可動部材23が開状態をとっているとき)だけ遊技球が入球可能となる。すなわち、可動部材23が閉じているとき(つまり可動部材23が閉状態をとっているとき)には遊技球が入球不可能となる。なお、電チュー22は、可動部材23が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口21への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口21への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また遊技領域3における電チュー22の上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口(下側大入賞口、特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置、下側大入賞装置、特別入賞手段)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図4参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方には、第2大入賞口(上側大入賞口、特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置、上側大入賞装置、特別入賞手段)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図4参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態であるときだけ遊技球が入球可能となる。
そして第2大入賞口35は、第1大入賞口30の直ぐ近くで真上に配されている。つまり第2大入賞口35と第1大入賞口30とは、第2大入賞口35に入球しない遊技球が流下する方向を変えずに第1大入賞口30に入球できるように、上下に配されている。これは、第1大入賞口30と第2大入賞口35とが後述するように大当たり遊技のラウンド毎に交互に開放する際に、第2大入賞口35の直ぐ下方に到達した遊技球が第1大入賞口30の左右外側へこぼれずに第1大入賞口30へできるだけ入球できるようにするためである。
また、図2(A)(B)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。
図2(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図2(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図2(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図2(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図1に戻り、遊技領域3の下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて第1始動口20への入賞を狙うことができる。一方、右打ちにてゲート28への通過、第2始動口21、第1大入賞口30、および第2大入賞口35への入賞を狙うことができる。
また図1および図3に示すように、遊技盤2の右下部には表示器類40が配置されている。表示器類40には、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄(識別情報)を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた大当たり停止態様の特別図柄(大当たり図柄)である場合には、停止表示された大当たり図柄の種類(つまり当選した大当たりの種類)に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)が行われる。なお、大当たり遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
具体的には特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(数値情報)は、特図保留記憶部85(図4参照)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(記憶手段)85aに記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(記憶手段)85bに記憶される。各々の特図保留記憶部85に記憶可能な特図保留の数には上限があり、本形態における各上限値は4個となっている。なお各上限値は4個に限られるものではなく、適宜変更可能である。
特図保留記憶部85に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技(大当たり遊技)の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には特図保留表示器43は、例えば4個のLEDで構成されており、特図保留の数だけLEDを点灯させることにより特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示(変動表示)したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。なお、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており(図3参照)、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留記憶部86(図4参照)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部86に記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
普図保留記憶部86に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、例えば4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に図4及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図4及び図5に示すようにパチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80は、メイン制御部を構成し、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御基板107、および音声制御基板106とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7や盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、後述する装飾可動体15等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM83、ワークメモリとして使用されるRAM84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU82が含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路(I/Oポート部)87を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、上述した特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)と普図保留記憶部86とが設けられている。さらに詳細には第1特図保留記憶部85aは、図6(A)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また図6(B)に示すように、第2特図保留記憶部85bは記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は図6(C)に示すように、さらに4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、大当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
図4に示すように、主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60(図1参照)が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60(図1参照)への操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92が含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路(I/Oポート部)97を介して他の基板等とデータの送受信を行う。入出力回路97は、演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよい。また、ROM93は外付けであってもよい。
またRAM94には、図7(A)に示すように、第1始動口20への入賞に基づいて特定された第1始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第1特図保留演出記憶部95aと、第2始動口21への入賞に基づいて特定された第2始動入賞コマンド(後に詳述)等を記憶可能な第2特図保留演出記憶部95bと、第1特別図柄および第2特別図柄に共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cとが設けられている。第1特図保留演出記憶部95aは、図7(B)に示すように、記憶可能な第1特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)に分けられている。また第2特図保留演出記憶部95bは、図7(C)に示すように、記憶可能な第2特図保留の数に対応して4つの記憶領域(第1記憶領域〜第4記憶領域)に分けられている。
さらに各記憶領域には、図7(D)に示すように、3つの記憶領域が含まれている。これらの3つの記憶領域とは、始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド記憶領域、後述する予告時間を記憶する途中変動用予告時間記憶領域、及び後述する予告実行情報を記憶する予告実行情報記憶領域である。なお当該変動用演出記憶部95cもこれらの3つの記憶領域を含んでいる。
図5に示すようにサブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、各ランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
さらに演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された装飾可動体15を動作させる。詳細には演出制御用マイコン91は、装飾可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(装飾可動体駆動データともいう)を作成し、装飾可動体駆動データに従って装飾可動体15の動作を制御する。装飾可動体駆動データの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や装飾可動体15の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
またサブ制御基板90には、演出ボタン63(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW(スイッチ)63aが接続されている。従って、演出ボタン63が押下されると、演出ボタン検出SW63aからサブ制御基板90に対して信号が出力される。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」、「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。特別図柄抽選にて大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図8(A)(B)に示す通りである。図8(A)に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が容易に可能なVロング開放パターンで開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能又は困難なVショート開放パターンで開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。なお「Vロング大当たり」には、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選で当選する可能性があるため、第1特別図柄の抽選で当選した「Vロング大当たり」を「Vロング大当たり1」と呼び、第2特別図柄の抽選で当選した「Vロング大当たり」を「Vロング大当たり2」と呼ぶことにする。
具体的に、「Vロング大当たり1」は、総ラウンド数が16Rであり、1〜16Rまでのラウンド毎に第1大入賞口30と第2大入賞口35とが交互に開放するようになっている。但し実質的な総ラウンド数は12Rである。つまり、1,3,5,7,9,11Rにおいては、第1大入賞口30が1R当たり最大25.0秒にわたって開放し、2,4,6,8,10,16Rにおいては、第2大入賞口35が1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。しかし、13Rと15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、12Rと14Rでも第2大入賞口35が1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、Vロング大当たり1では12Rから15Rまでは、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vロング大当たり1は実質12Rの大当たりとなっている。
また、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数が16Rであり、1〜16Rまでのラウンド毎に第1大入賞口30と第2大入賞口35とが交互に開放するようになっている。但し「Vショート大当たり」も実質的な総ラウンド数は12Rである。つまり、1,3,5,7,9,11Rにおいては、第1大入賞口30が1R当たり最大25.0秒にわたって開放し、2,4,6,8,10,12Rにおいては、第2大入賞口35が1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。しかし、13Rと15Rでは第1大入賞口30が1R当たり0.1秒しか開放せず、14Rと16Rでも第2大入賞口35が1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、Vショート大当たりでは13Rから16Rまでは、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質12Rの大当たりとなっている。
また、「Vロング大当たり2」は、総ラウンド数が16Rであり、1〜16Rまでのラウンド毎に第1大入賞口30と第2大入賞口35とが交互に開放するようになっている。そして、1,3,5,7,9,11,13,15Rにおいては、第1大入賞口30が1R当たり最大25.0秒にわたって開放し、2,4,6,8,10,12,14,16R目においては、第2大入賞口35が1R当たり最大25.0秒にわたって開放する。そのため、「Vロング大当たり2」では、上述した「Vロング大当たり1」、「Vショート大当たり」と異なり、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放時間が極めて短いラウンドが設けられておらず、全てのラウンドで賞球を獲得することが可能である。
本形態では上述したように、1,3,5,7,9,11,13,15R(奇数のラウンド)においては、第1大入賞口30が開放し、2,4,6,8,10,12,14,16R(偶数のラウンド)においては、第2大入賞口35が開放する。そして、第1大入賞口30が閉鎖してから第2大入賞口35が開放するまでのラウンドインターバルは0.2秒であって、非常に短い時間であり、第2大入賞口35が閉鎖してから第1大入賞口30が開放するまでのラウンドインターバルも0.2秒であって、非常に短い時間になっている。
そのため16Rのラウンド遊技において、第1大入賞口30が閉鎖した直後に第2大入賞口35が開放し、第2大入賞口35が閉鎖した直後に第1大入賞口30が開放することになる。つまり16Rにわたるラウンド遊技全体において、第1大入賞口30又は第2大入賞口35のいずれもが閉鎖している合計時間(各ラウンドインターバルの合計時間)を3.2秒(0.2秒×16R)まで減らしている。こうして、遊技球が大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)に入球できない合計時間を3.2秒という短い時間にすることにより、持ち球の減少(大入賞口の周りのこぼれ球)を抑制しながら大入賞口への入賞を獲得することが可能である。
なお従来の遊技機の多くは、2つ以上の連続するラウンドで同じ大入賞口が開放するようになっている。そのため、大入賞口の閉鎖後からその同じ大入賞口の開放開始までの間に球はけ時間を確保しなければならず、各ラウンドインターバルを約2秒以上に設定する必要があった。これに対して、本形態では第1大入賞口30と第2大入賞口35とをラウンド毎に交互に開放することで、例えば第1大入賞口30の閉鎖後から第2大入賞口35の開放中にわたって球はけ時間を確保することが可能となる。その結果、ラウンドインターバルを非常に短い時間に設定することが可能となっている。
ここで本形態のラウンド遊技において、振分部材71は1〜15Rでは図2(B)に示す第2状態をとり、16Rでは所定のタイミングで「第2状態⇒第1状態(図2(A)参照)⇒第2状態」をとるようにその作動が制御される。即ち、振分部材71は16R目における所定期間だけ第1状態をとるように作動する。そのため、「Vロング大当たり1」又は「Vロング大当たり2」では、16R目において第2大入賞口35が最大25.0秒開放されることにより、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が容易に通過可能である。
これに対して「Vショート大当たり」では、16R目において第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間(0.1秒)が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球がほぼ通過不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける16R目では、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(図2(B)に示す第2状態から図2(A)に示す第1状態に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
なお大当たりの種別や大入賞口の開放パターンは上記したものに限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば大当たり遊技においては1ラウンド中に複数回大入賞口を開放させるラウンドがあってもよく、ラウンドインターバルの時間は0.2秒よりも更に短い0.1秒としても良い。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たり1又はVロング大当たり2に当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図8(A)に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たり1が50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たり2となっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たり2となる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「大当たり種別乱数」に基づいて行われる。図9(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。大当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および大当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。なおバラケ目のようにリーチとならないで演出図柄8L,8C,8Rが停止表示される状態を「ドハズレ」と呼ぶこととする。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28への通過に基づいて取得される乱数には、図9(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図10(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターン判定テーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図11参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図10(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図10(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図12参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たり1又はVロング大当たり2への当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では195回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、大当たり遊技(特別遊技)の実行中の状態を「大当たり遊技状態(特別遊技状態)」と称することとする。
高確高ベース状態や低確低ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3B(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図1参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.遊技制御用マイコン81の動作
[主制御メイン処理]次に図14〜図30に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM83から図14に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず初期設定を行う(ステップS001)。初期設定では例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等のリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。なお初期設定(S001)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図9に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの周期初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図15に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図4参照))が検知した検出信号を読み込み、賞球情報としてRAM84の出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図14の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、図9に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、後述するセンサ検出処理(S104)、普通動作処理(S105)、特別動作処理(S106)、および特定領域センサ処理(S107)を実行する。その後、その他の処理(S108)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S108)としては、後述の特図2保留球数に基づいて第2特図保留表示器43bをその数を示す表示態様に制御したり、後述の特図1保留球数に基づいて第1特図保留表示器43aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理が繰り返し実行され(図14参照)、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)においては、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にてRAM84の出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[センサ検出処理]図16に示すように、センサ検出処理(S104)ではまず、ゲート28に遊技球が通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。ゲート28を遊技球が通過していれば(S201でYES)、後述のゲート通過処理(S202)を行う。一方、遊技球がゲート28を通過していなければ(S201でNO)、ゲート通過処理(S202)をパスしてステップS203に進む。
ステップS203では、第2始動口21に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S203)。第2始動口21に遊技球が入賞していない場合(S203でNO)にはステップS209に進むが、第2始動口21に遊技球が入賞した場合には(S203でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個に達しているか否か判定する(S204)。そして、特図2保留球数が4個に達している場合(S204でYES)には、ステップS209に進むが、特図2保留球数が4個未満である場合には(S204でNO)、特図2保留球数に1を加算する(S205)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S206)を行う。特図2関係乱数取得処理(S206)では、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じた第2特図保留記憶部85bの記憶領域(図6(B)参照)に格納する。具体的には、特図2保留球数が「1」の場合には取得した乱数値群を第1記憶領域に格納し、特図2保留球数が「2」の場合には取得した乱数値群を第2記憶領域に格納し、特図2保留球数が「3」の場合には取得した乱数値群を第3記憶領域に格納し、特図2保留球数が「4」の場合には取得した乱数値群を第4記憶領域に格納する。
続いて第2始動入賞コマンド特定処理(S207)を行う。第2始動入賞コマンド特定処理(S207)では、ステップS206で格納した乱数値群に基づき、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第2始動入賞コマンド(入賞情報)を特定する。具体的には、現在の特図2保留球数が「4」であり且つ現在の遊技状態が時短状態であり、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図13の始動入賞コマンド特定テーブルにおける時短状態の箇所を参照して、第2始動入賞コマンドとして「D1H42H」というコマンドを特定する。なおコマンドは、2バイトの情報(1バイトの上位コマンド(例えばD1H)と1バイトの下位コマンド(例えば42H))からなっている。また図13の欄外の備考3に示されているように、時短状態で第2始動口に係る始動入賞コマンド(第2始動入賞コマンド)は、その上位コマンドの上の桁が「D」になる。
図13に示すテーブルにおける各乱数の区分けは、それぞれの乱数の判定テーブル(図10(A)の大当たり判定テーブル、図8(A)の大当たり種別判定テーブル、図10(B)のリーチ判定テーブル、図11の特図変動パターン判定テーブル)における区分けと対応している。従って、特定された第2始動入賞コマンドには、遊技状態、後述する疑似連の有無、疑似連の回数、特図2保留球数、大当たりの当否、大当たりの種別、リーチの有無、およびSPリーチ(弱SPリーチ又は強SPリーチ)を行うか否かの情報が含まれている。SPリーチ(スーパーリーチ)は、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチであり、ノーマルリーチを経て発展的に実行される。
本形態のSPリーチには、後述するように二次元のキャラクタにより大当たり当選を期待させる2D演出(図60(H)参照)が行われる弱SPリーチと、後述するように三次元のキャラクタにより大当たり当選を期待させる3D演出(図61(A)参照)が行われる強SPリーチとがある。強SPリーチは弱SPリーチよりも大当たり当選に対する期待度が高くなるように各種の変動パターンが設定されている。また、弱SPリーチはノーマルリーチよりも大当たり当選に対する期待度が高くなるように各種の変動パターンが設定されている。なおSPリーチが実行される場合には、ノーマルリーチを経て弱SPリーチが実行される場合と、ノーマルリーチを経て強SPリーチが実行される場合と、ノーマルリーチを経て弱SPリーチが実行された後に更に強SPリーチが実行される場合とがある。
本形態の始動入賞コマンドでは、16進数で二桁の上位コマンドのうち上の桁の値は、始動口の種類(第1始動口20への入賞か第2始動口21への入賞か)、及び遊技状態(時短状態又は非時短状態)を指定する情報である(図13の欄外の備考3参照)。また、上位コマンドのうち下の桁の値は、疑似連の有無及び疑似連の回数を指定する情報である。なお上位コマンドの下の桁の値が「1」であれば、疑似連が実行されないことになる。また、16進数で二桁の下位コマンドのうち、上の桁の値は、保留球数を指定する情報である(図13の欄外の備考1参照)。また、下位コマンドのうち下の桁の値は、大当たりの当否、大当たりの種別、ノーマルリーチの有無、弱SPリーチの有無、強SPリーチの有無を指定する情報である。なお、このような始動入賞コマンドの生成に関するルールは、一例であり、任意に変更可能である。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS207で特定した第2始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットする(S208)。
続いてセンサ検出処理(S104)では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否かを判定する(S209)。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S209でNO)には本処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S209でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的にはRAM84に設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4個(第1上限数)に達しているか否か判定する(S210)。そして、特図1保留球数が4個に達している場合(S210でYES)には本処理を終えるが、特図1保留球数が4個未満である場合には(S210でNO)、特図1保留球数に「1」を加算する(S211)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S212)を行う。特図1関係乱数取得処理(S212)では、特図2関係乱数取得処理(S206)と同様に、大当たり乱数カウンタの値(ラベル−TRND−Aの値)、大当たり種別乱数カウンタの値(ラベル−TRND−ASの値)、リーチ乱数カウンタの値(ラベル−TRND−RCの値)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1の値)を取得し(つまり図9(A)に示す乱数値群を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部85aのうち現在の特図1保留球数に応じた記憶領域に格納する。具体的には、特図1保留球数が「1」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域に格納し、特図1保留球数が「2」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第2記憶領域に格納し、特図1保留球数が「3」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第3記憶領域に格納し、特図1保留球数が「4」の場合には取得した乱数値群を第1特図保留記憶部85aの第4記憶領域に格納する。
続いて第1始動入賞コマンド特定処理(S213)を行う。第1始動入賞コマンド特定処理(S213)では、ステップS212で格納した乱数値群に基づき、図13に示す始動入賞コマンド特定テーブルを用いて第1始動入賞コマンド(入賞情報)を特定する。具体的には、現在の特図1保留球が「4」且つ現在の遊技状態が非時短状態であり、大当たり乱数が「1」、大当たり種別乱数が「1」、リーチ乱数が「1」、変動パターン乱数が「1」であれば、図13の始動入賞コマンド特定テーブルにおける第1始動口且つ非時短状態の箇所を参照して、第1始動入賞コマンドとして「A3H41H」というコマンドを特定する。特定された第1始動入賞コマンドには、遊技状態、疑似連の有無、疑似連の回数、特図1保留球数、大当たりの当否、大当たりの種別、リーチの有無、およびSPリーチ(弱SPリーチ又は強SPリーチ)を行うか否かの情報が含まれている。
続いて遊技制御用マイコン81は、ステップS213で特定した第1始動入賞コマンドをRAM84の出力バッファにセットして(S214)、処理を終える。
[ゲート通過処理]図17に示すようにゲート通過処理(S202)では、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAM84に設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4以上であるか否かを判定し(S301)、普通図柄保留球数が4以上であれば(S301でYES)、処理を終了する。一方、普通図柄保留球数が4以上でなければ(S301でNO)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S302)、普通図柄乱数取得処理(S303)を行う。普通図柄乱数取得処理(S303)では、普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値、図9(B))を取得し、その取得乱数値をRAM84の普図保留記憶部86のうち現在の普通図柄保留球数に応じた記憶領域に格納する。
[普通動作処理]遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)に次いで普通動作処理(S105)を行う(図15参照)。図18に示すように、普通動作処理(S105)ではまず、電チュー22の作動中か否かを判定する(S401)。電チューの作動中でなければ(S401でNO)、続いて、普通図柄の停止表示中か否かを判定する(S402)。普通図柄の停止表示中でなければ(S402でNO)、続いて、普通図柄の変動表示中か否かを判定する(S403)。普通図柄の変動表示中でなければ(S403でNO)、続いて、普通図柄の保留球数が「0」か否かを判定する(S404)。普通図柄の保留球数が「0」であれば(S404でYES)、本処理を終える。
ステップS404において普通図柄の保留球数が「0」でなければ(S404でNO)、当たり判定処理(S405)を行う。当たり判定処理(S405)では、普図保留記憶部86に格納されている普通図柄乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Hの値)を読み出し、図10(C)に示す普通図柄当たり判定テーブル(非時短状態での当たり判定値が「0」〜「2」、時短状態での当たり判定値が「0」〜「254」)に基づいて当たりか否か判定する。そして、当たり判定の結果に応じた普図停止図柄データをRAM84の所定の記憶領域にセットする図柄決定処理を行う(S406)。つまり図柄決定処理(S406)では、「ハズレ」であれば「普図ハズレ図柄」に応じたデータをセットし、「当たり」であれば「普通当たり図柄」に応じたデータをセットする。
続いて遊技制御用マイコン81は、普通図柄変動時間決定処理(S407)を行う。普通図柄変動時間決定処理(S407)では、図10(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。
次いで遊技制御用マイコン81は、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S408)。そして、普図保留記憶部86における各普図保留の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、普図保留記憶部86における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S409)。このようにして、普図保留が保留された順に消化されるようにしている。その後、遊技制御用マイコン81は、ステップS407で選択した普通図柄変動パターンにて普通図柄の変動表示を開始する(S410)。なおこれに伴い、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
上述のステップS403にて普通図柄の変動表示中であれば(S403でYES)、続いて、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S411)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S411でYES)、普通図柄の変動表示を、普通図柄乱数の判定結果に応じた表示結果(普通当たり図柄又は普通ハズレ図柄)で停止させる(S412)。そして、サブ制御基板90に普通図柄の変動停止を知らせるための普通図柄変動停止コマンドをセットするとともに(S413)、普通図柄の停止時間をセットして(S414)本処理を終える。
また、上述のステップS402にて普通図柄の停止表示中であれば(S402でYES)、続いて、ステップS414でセットした普通図柄の停止時間が経過したか否か判定し(S415)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S415でYES)、普通当たり図柄の普図停止図柄データがセットされているか否かを判定し(S416)、普通当たり図柄のデータでなければ(つまり当たりでなければ(S416でNO))、本処理を終える。一方、普通当たり図柄のデータであれば(つまり当たりであれば(S416でYES))、電チュー22の開放パターンをセットする(S417)。詳細には、時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL2参照)をセットする。これに対して、非時短状態中であれば、電チュー22の開放パターンとして非時短状態中の開放パターン(図12の電チュー開放TBL1参照)をセットする。そして、ステップS417でセットした開放パターンに従って、電チュー22を作動させる(S418)。
また、上述のステップS401にて電チュー22の作動中であれば(S401でYES)、続いて、電チュー22の作動時間が経過したか否かを判定し(S419)、経過していなければ処理を終える。一方、経過していれば(S419でYES)、電チュー22の作動を終了させる(S420)。
[特別動作処理]遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)に次いで特別動作処理(S106)を行う(図15参照)。図19に示すように、特別動作処理(S106)では、特別図柄表示器41および大入賞口装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特別動作ステータス1,2,3,4」を割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合には(S1301でYES)、特別図柄待機処理(S1302)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には(S1301でNO、S1303でYES)、特別図柄変動中処理(S1304)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には(S1301,S1303で共にNO、S1305でYES)、特別図柄確定処理(S1306)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には(S1301,S1303,S1305で共にNO)、大当たり遊技としての特別電動役物処理(S1307)を行う。なお特別動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]図20に示すように、特別図柄待機処理(S1302)ではまず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1401)。特図2保留球数が「0」である場合(S1401でYES)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1407)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1407でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶もない場合には、既に画像表示装置7の表示画面7aを待機画面(客待ち用のデモ画面)としたか否かを判定し(S1413)、そうであれば(S1413でYES)処理を終え、そうでなければ(S1413でNO)、待機画面設定処理(S1414)を行う。待機画面設定処理(S1414)では、所定の待機時間の経過を待って、待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをセットする。
ステップS1401において特図2保留球数が「0」でない場合(S1401でNO)、即ち、第2始動口21への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図2の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図2大当たり判定処理(S1402)及び特図2変動パターン選択処理(S1403)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1404)。そして、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第2特図保留記憶部85bにおける保留4個目に対応する記憶領域をクリアする(S1405)。続いて遊技制御用マイコン81は、特図2変動開始処理(S1406)を実行する。特図2変動開始処理(S1406)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図2変動開始処理(S1406)でセットされる変動開始コマンド(特図2変動開始コマンドともいう)には、特図2大当たり判定処理(S1402)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図2変動パターン選択処理(S1403)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1401でYES且つS1407でNO)、即ち、特図2の保留情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した乱数カウンタ値群の記憶(特図1の保留情報)が1つ以上ある場合には、後述の特図1大当たり判定処理(S1408)及び特図1変動パターン選択処理(S1409)を行う。その後、遊技制御用マイコン81は、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1410)。そして、第1特図保留記憶部85aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を、現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、第1特図保留記憶部85aにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする(S1411)。このようにして、第1特図保留が保留された順に消化されるようにしている。続いて遊技制御用マイコン81は、特図1変動開始処理(S1412)を実行する。特図1変動開始処理(S1412)では、特別動作ステータスを「2」にセットするとともに変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。なお、特図1変動開始処理(S1412)でセットされる変動開始コマンド(特図1変動開始コマンドともいう)には、特図1大当たり判定処理(S1408)でセットされた特図停止図柄データの情報や特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報(変動時間の情報を含む情報)が含まれている。
上記のように本形態では、第1特図保留に基づく特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1401でYESの場合)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。そして本形態では、第2特図保留に基づく抽選の方が、第1特図保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり(Vロング大当たり2)に当選しやすくなっている(図8(A)参照)。
[特図2大当たり判定処理(特図1大当たり判定処理)]特図2大当たり判定処理(S1402)と特図1大当たり判定処理(S1408)とは、処理の流れが同じであるため図21に基づいてまとめて説明する。図21に示すように、特図2大当たり判定処理(S1402)又は特図1大当たり判定処理(S1408)ではまず、判定値として、大当たり乱数カウンタ値(ラベル−TRND−Aの値)を読み出す(S1501)。詳細には、特図2大当たり判定処理(S1402)では、RAM84の第2特図保留記憶部85bの第1記憶領域(即ち第2特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。また特図1大当たり判定処理(S1408)では、RAM84の第1特図保留記憶部85aの第1記憶領域(即ち第1特図保留の1個目に対応する記憶領域)に記憶されている大当たり乱数カウンタ値を読み出す。
次に、大当たり判定テーブル(図10(A))をセットする(S1502)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1503)。そして、高確率状態でなければ(S1503でNO)、すなわち通常確率状態(非高確率状態)であれば、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち非高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「163」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1504)。一方、高確率状態であれば(S1503でYES)、大当たり判定テーブル(図10(A))のうち高確率状態用のテーブル(大当たり判定値が「0」〜「464」)に基づいて大当たりか否かを判定する(S1505)。
大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「大当たり」であれば、大当たり種別乱数カウンタ値(ラベル−TRND−ASの値)を読み出して、図8(A)に示す大当たり種別判定テーブルに基づいて大当たり種別を判定する(S1506)。大当たり種別を判定した後(S1506)、大当たりフラグをONにするとともに(S1507)、大当たり種別に応じた特図停止図柄データ(図8(A)参照)を、RAM84に設けた大当たり種別バッファにセットして(S1508)処理を終える。一方、大当たり判定(S1504,S1505)の結果が「ハズレ」であれば、ハズレ図柄に応じた特図停止図柄データ(01H)をセットして(S1508)処理を終える。
[特図2変動パターン選択処理(特図1変動パターン選択処理)]特図2変動パターン選択処理(S1403)と特図1変動パターン選択処理(S1409)とは、処理の流れが同じであるため図22及び図23に基づいてまとめて説明する。図22及び図23に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)ではまず、遊技状態が時短状態か否か(時短フラグがONか否か)を判定する(S1601)。
時短状態でなければ(S1601でNO)、すなわち非時短状態であれば、続いて大当たりフラグがONか否かを判定する(S1602)。ONであれば(S1602でYES)、さらに当選した大当たりの種別がVロング大当たり(Vロング大当たり1又はVロング大当たり2)であるか否かを、セットされている特図停止図柄データに基づいて判定する(S1603)。Vロング大当たりである場合には(S1603でYES)、非時短状態中Vロング大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVロング大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1の値)に基づいて変動パターンを選択する(S1604)。具体的には、変動パターンP1〜P6のいずれかが選択されることになる。
ここで図11に示すように、変動パターンが決まれば変動時間も決まる。また変動パターンが決まれば、疑似連(疑似連続予告演出)の実行の有無が決まる。疑似連とは、一回の特別図柄の変動表示に対する演出図柄変動演出において、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全てを一旦停止表示させ、その後全ての演出図柄8L,8C,8Rを再変動表示させる演出である。仮停止表示において表示される演出図柄8L,8C,8Rの組み合わせ(すなわち仮停止出目)は、予め定めた演出図柄の組み合わせからなる特殊な停止態様であってもよいし、単なるバラケ目でもよい。本形態では、特殊な停止態様をとることとしている。特殊な停止態様としては、例えば、疑似連となることを示すために専用で設けた特殊演出図柄を含む出目や、いわゆるチャンス目(例えば「135」)などが挙げられる。本形態では特殊演出図柄GZ(図59(J)参照)を含む出目を表示するようにしている。
また本形態では、疑似連回数は最大で3回である(図11の備考欄参照)。疑似連2回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと1回の仮停止表示と1回の再変動表示を経て演出図柄の確定停止表示を行う演出である。疑似連3回とは、演出図柄の変動表示を開始したあと仮停止表示と再変動表示のセットを2回行ってから演出図柄の確定停止表示を行う演出である。疑似連回数が多いほど大当たり期待度が高くなるように各種の変動パターンの振分率が設定されている。
図22のステップS1603において、Vロング大当たりでなければ(S1603でNO)、Vショート大当たりに当選しているので、非時短状態中Vショート大当たりテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つVショート大当たりに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1605)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP7〜P12のいずれかが選択されることになる。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。
またステップS1602において、大当たりフラグがONでなければ(S1602でNO)、リーチ乱数カウンタ値(ラベル−TRND−RCの値)がリーチ成立乱数値か否かを判定する(S1606)。なお、図10(B)に示すように、リーチ成立乱数値は非時短状態であれば「0」〜「13」であり、時短状態であれば「0」〜「5」である。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりもハズレ時のリーチがかかりにくくなっている。これは、時短状態において変動時間の短いリーチ無しハズレがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早めるためである。
リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値である場合(S1606でYES)、即ち、リーチ有りハズレの場合には、非時短状態中リーチ有りハズレ通常テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ有りハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1607)。具体的には、変動パターンP13〜P20のいずれかが選択されることになる。
一方、リーチ乱数カウンタ値がリーチ成立乱数値でない場合(S1606でNO)、即ち、リーチ無しハズレの場合には、非時短状態中リーチ無しハズレテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち非時短状態且つリーチ無しハズレに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1608)。このリーチ無しハズレ時には、保留球数に応じた短縮変動の機能が働くようになっている。すなわち、特別図柄の保留球数が「3」又は「4」であるときは、特別図柄の保留球数が「0」〜「2」であるときに比して変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。具体的には、変動パターンP21又はP22が選択されることになる。
またステップS1601において、遊技状態が時短状態であると判定した場合(S1601でYES)には、図23に示すように、参照する変動パターン判定テーブルを時短状態中のテーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)にする事以外は上記ステップS1602〜S1608と同様の流れで処理(S1609〜S1615)を行う。
すなわちVロング大当たりであれば、図11の時短状態中且つVロング大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1611)。具体的には、変動パターンP31又はP32が選択されることになる。
またVショート大当たりであれば、図11の時短状態中且つVショート大当たりに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1612)。具体的には、特図1変動パターン選択処理(S1409)では変動パターンP33又はP34が選択される。なお、特図2の抽選ではVショート大当たりに当選することはない。
またリーチ有りハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ有りハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1614)。具体的には、変動パターンP35又はP36が選択されることになる。
またリーチ無しハズレであれば、図11の時短状態中且つリーチ無しハズレに該当する部分を参照して、変動パターン乱数カウンタ値に基づいて変動パターンを選択する(S1615)。具体的には、変動パターンP37又はP38が選択されることになる。
なお、時短状態中の変動パターン判定テーブル(図11に示す変動パターン判定テーブルのうち時短状態に該当する部分)では、リーチ無しハズレ時の保留球数に応じた短縮変動の機能が保留球数「2」〜「4」のときに働く。すなわち、非時短状態中よりも短縮変動が選択され易くなっている。また、短縮変動としての変動時間は、時短状態中の方が非時短状態中よりも短くなっている。すなわち、時短状態中の変動パターン判定テーブルは、非時短状態中の変動パターン判定テーブルよりも変動時間が短くなるようなテーブルとなっている。
上記のようにして変動パターンの選択を行った後は、図22に示すように、選択した変動パターンをセットして(S1616)、本処理を終える。ステップS1616でセットした変動パターンの情報は、特別図柄待機処理(S1302)におけるステップS1406又はS1412でセットされる変動開始コマンドに含められて、出力処理(S101)によりサブ制御基板90に送られる。
[特別図柄変動中処理]図24に示すように、特別図柄変動中処理(S1304)ではまず、特別図柄の変動時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1701)。経過していなければ(S1701でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過していれば(S1701でYES)、変動停止コマンドをセットするとともに(S1702)、特別動作ステータスを「3」にセットする(S1703)。そして、特別図柄の変動表示を、セットされている特図停止図柄データに応じた図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)で停止させる等のその他の処理を行ってから(S1704)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]図25に示すように、特別図柄確定処理(S1306)ではまず、特別図柄の停止時間(ステップS1403又はS1409で選択された変動パターンに応じて決まる停止時間、図11参照)が経過したか否かを判定する(S1801)。経過していなければ(S1801でNO)、直ちにこの処理を終える。これにより特別図柄の停止表示が継続される。一方、停止時間が経過していれば(S1801でYES)、後述の遊技状態管理処理を行う(S1802)。
次に、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S1803)。大当たりフラグがONであれば(S1803でYES)、当選した大当たりの種別に応じた開放パターン(詳しくは図8(B)参照)をセットする(S1804)。なおこのときに、大当たり遊技中に実行した単位開放遊技(ラウンド遊技)の回数をカウントするラウンドカウンタの値を、当選した大当たりの種類に応じたラウンド数にセットする。なお、開放パターンのセット(開放パターンに応じたデータのセット)は、ラウンド毎に行うようにしてもよい。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1804に続いて、後述の遊技状態リセット処理を行う(S1805)。その後、大当たり遊技を開始するべく、大当たりのオープニングコマンドをセットするとともに(S1806)、大当たり遊技のオープニングを開始する(S1807)。そして特別動作ステータスを「4」にセットして(S1808)、処理を終える。
また、ステップS1803において大当たりフラグがONでなければ(S1803でNO)、大当たり遊技を開始しないため、特別動作ステータスを「1」にセットして(S1809)、処理を終える。
[遊技状態管理処理]図26に示すように、遊技状態管理処理(S1802)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2001)、ONであれば、高確率状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2002)、確変カウンタの値が「0」か否かを判定して(S2003)、「0」であれば確変フラグをOFFする(S2004)。ステップS2001又はS2003の判定結果がNOであれば、ステップS2005に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、高確率状態への移行時には確変カウンタの値が「195」にセットされるようになっている。この点については後述する。
続いて、時短フラグがONか否か判定し(S2005)、ONであれば、時短状態中に実行した特別図柄の変動回数をカウントする時短カウンタの値を1ディクリメントするとともに(S2006)、時短カウンタの値が「0」か否か判定して(S2007)、「0」であれば時短フラグをOFFする(S2008)。ステップS2005又はS2007の判定結果がNOであれば、ステップ2009に進む。なお、本パチンコ遊技機1では、時短状態への移行時には低確低ベース状態であれば時短カウンタの値が「100」にセットされ、高確高ベース状態であれば時短カウンタの値が「195」にセットされるようになっている。この点については後述する。
ステップS2009では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[遊技状態リセット処理]図27に示すように、遊技状態リセット処理(S1804)ではまず、確変フラグがONか否かを判定し(S2101)、ONであれば確変フラグをOFFする(S2102)。また、時短フラグがONか否かを判定し(S2103)、ONであれば時短フラグをOFFする(S2104)。つまり、大当たり遊技の実行中は、非高確率状態且つ非時短状態に制御される。本形態では非時短状態時は常に低ベース状態であるので、大当たり遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
[特別電動役物処理(大当たり遊技)]図28に示すように、特別電動役物処理(S1307)ではまず、大当たり終了フラグがONであるか否かを判定する(S2201)。大当たり終了フラグは、実行中の大当たり遊技において大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放が全て終了したことを示すフラグである。
大当たり終了フラグがONでなければ(S2201でNO)、大入賞口の開放中か否かを判定する(S2202)。開放中でなければ(S2202でNO)、大入賞口を開放させる時間に至ったか否か、すなわち大当たり遊技のオープニングの時間が経過して初回のラウンド遊技における開放開始の時間に至ったか、又は、一旦閉鎖した大入賞口を再び開放させるまでのインターバル時間(閉鎖時間)が経過して開放開始の時間に至ったか否かを判定する(S2203)。
ステップS2203の判定結果がNOであれば、そのまま処理を終える。一方、ステップS2203の判定結果がYESであれば、現在実行中の大当たり遊技がVロング大当たり(Vロング大当たり1又はVロング大当たり2)としての大当たり遊技か否かを判定する(S2204)。Vロング大当たりでなければステップS2207に進むが、Vロング大当たりであれば、特定領域39への遊技球の通過が可能な16R目を開始するタイミングであるか否かを判定する(S2205)。すなわち、ラウンドカウンタの値が「1」であるか否かを判定する。16R目を開始するタイミングでなければ(S2205でNO)、そのままステップS2207に進む。これに対して、16R目を開始するタイミングであれば(S2205でYES)、V有効期間設定処理(S2206)を行う。
V有効期間設定処理(S2206)では、Vロング大当たりの16R目における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するV有効期間に設定する。なお本形態ではこれ以外の期間(大当たり遊技を実行していないときも含む)を、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するV無効期間に設定している。ここで、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を有効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知に基づいてVフラグをONする(後述の特定領域センサ検出処理(図30参照))ということである。また、特定領域センサ39aによる遊技球の検知を無効と判定するというのは、特定領域センサ39aによる遊技球の検知があってもVフラグをONしないということである。なお、V有効期間に第2大入賞口35の閉塞後の数秒間を含めているのは、第2大入賞口35の閉塞直前に第2大入賞口35へ遊技球が入賞することがあるのを考慮したものである。
すなわち本形態では、V有効期間中のV通過(特定領域39への遊技球の通過)の検知時のみVフラグをONし、V有効期間外(V無効期間中)のV通過検知時にはVフラグをONしないこととしている。なお、VフラグがONである場合には、確変フラグがONされる、即ち大当たり遊技後の遊技状態が高確率状態に設定される(後述の図29に示す遊技状態設定処理参照)。このようにすることで、不正行為によるV通過に基づいてVフラグがONされることのないように、すなわち高確率状態に設定されることのないようにしている。
ステップS2207では、大当たりの種別に応じた開放パターン(図8(A)(B)参照)に従って大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させる。本形態では上述したように、振分部材71は大当たり遊技(又はラウンド遊技)の開始から図2(B)に示す第2状態をとり、16R目の所定のタイミングで図2(A)に示す第1状態をとった後、第1状態をとるように一定の動作で動いている。よって、Vロング大当たり(Vロング大当たり1又はVロング大当たり2)の開放パターンでは、16R目において、第2大入賞口35に入賞した遊技球が余裕をもって特定領域39を通過できるように開閉部材37が開放される。これに対して、Vショート大当たりの開放パターンでは、16R目において、第2大入賞口35に遊技球が入賞することがほぼできないように開閉部材37が開放される。また、仮に遊技球が第2大入賞口35に入賞できたとしても特定領域39を通過することができないように、振分部材71の動作に対する開閉部材37の開放タイミングが設定されている。
続くステップS2208では、ラウンド指定コマンド送信判定処理を行う。ラウンド指定コマンド送信判定処理(S2208)では、ステップS2207での大入賞口の開放が1回のラウンド遊技球での初めての開放か否かを判定し、そうであれば、実行中の大当たり遊技のラウンド数の情報を含むラウンド指定コマンドを、RAM84の出力バッファにセットする。なお本形態では、1回のラウンド遊技中に複数回の大入賞口の開放がなされることはない。そのため、このステップS2208では、必ずラウンド指定コマンドがセットされることとなる。
特別電動役物処理(S1307)のステップS2202において、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放中であれば(S2202でYES)、大入賞口の閉鎖条件が成立しているか否かを判定する(S2209)。本形態では、閉鎖条件は、そのラウンド遊技における大入賞口への入賞個数が規定の最大入賞個数(本形態では1R当たり8個)に達したこと、又は、大入賞口を閉鎖させる時間に至ったこと(すなわち大入賞口を開放してから所定の開放時間(図8(B)参照)が経過したこと)のいずれかが満たされていることである。そして、大入賞口の閉鎖条件が成立していなければ(S2209でNO)、処理を終える。
これに対して、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の閉鎖条件が成立している場合(S2009でYES)には、大入賞口を閉鎖(閉塞)する(S2210)。そしてステップS2210の閉鎖によって1回のラウンド遊技が終了する場合には(S2211でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2212)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否か判定する(S2213)。「0」でなければ(S2013でNO)、次のラウンド遊技を開始するためにそのまま処理を終える。
一方「0」であれば(S2213でYES)、大当たり遊技を終了させる大当たり終了処理として、大当たりのエンディングコマンドをセットするとともに(S2214)、大当たりのエンディングを開始する(S2215)。そして、大当たり終了フラグをセットして処理を終える(S2216)。
またステップS2201において大当たり終了フラグがONであれば(S2201でYES)、最終ラウンドが終了しているので、大当たりのエンディング時間が経過したか否かを判定し(S2217)、エンディング時間が経過していなければ(S2217でNO)処理を終える。一方、エンディング時間が経過していれば(S2217でYES)、大当たり終了フラグをOFFするとともに(S2218)、大当たりフラグをOFFし(S2219)、特別動作ステータスを「1」にセットする(S2220)。これにより、次回のメイン側タイマ割り込み処理において、特別動作処理(図19参照)として再び特別図柄待機処理(S1302)が実行されることになる。その後、後述の遊技状態設定処理(S2221)を行って、本処理を終える。
[遊技状態設定処理]図29に示すように、遊技状態設定処理(S2221)ではまず、VフラグがONか否かを判定する(S2301)。VフラグがONでなければ(S2301でNO)、時短フラグをONするとともに(S2302)、時短カウンタに「100」をセットして(S2303)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が非高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)になる。この低確低ベース状態は、特別図柄の可変表示が100回行われること、又は次の大当たりの当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
一方、ステップS2301においてVフラグがONであれば、確変フラグをONするとともに(S2304)、確変カウンタの値に「195」をセットする(S2305)。その後、VフラグをOFFする(S2306)。続いて、時短フラグをONするとともに(S2307)、時短カウンタの値に「195」をセットして(S2308)、ステップS2309に進む。これにより、今回の大当たり遊技後の遊技状態が、高確率状態且つ時短状態且つ高ベース状態(すなわち高確高ベース状態)になる。この高確高ベース状態は、特別図柄の可変表示が195回行われること、又は次の大当たりに当選することのいずれかの条件の成立により終了する。
ステップS2309では、遊技制御用マイコン81は、今設定した遊技状態の情報(高確率状態か否かの情報、時短状態か否かの情報等)を含む遊技状態指定コマンドをRAM84の出力バッファにセットして、本処理を終える。
[特定領域センサ検出処理]遊技制御用マイコン81は、特別動作処理(S106)に次いで特定領域センサ検出処理(S107)を行う(図15参照)。特定領域センサ検出処理(S107)では、図30に示すように、まず特定領域センサ39aによる遊技球の検知があったか否かを判定する(S2401)。なお本形態では、特定領域センサ39aによる遊技球の検知は、振分部材71が図2(A)に示す第1状態に制御されているときのみなされる。ステップS2401にて検知がなければ(S2401でNO)処理を終えるが、検知があれば(S2401でYES)V有効期間中か否かを判定する(S2402)。V有効期間は、前述の特別電動役物処理(図28参照)におけるV有効期間設定処理(S2206)にて設定される期間である。V有効期間は、Vロング大当たりの16R目における第2大入賞口35の開放中および第2大入賞口35の閉塞後の数秒間の期間として設定される。
ステップS2402でV有効期間中であると判定した場合には(S2402でYES)、VフラグをONするとともに(S2403)、V通過コマンドをセットして(S2404)、本処理を終える。V通過コマンドは、サブ制御基板90にV通過の報知を行わせるためのコマンドである。
6.覚醒予告演出を実行するための制御の概要
次に演出制御用マイコン91の動作を説明する前に、本形態の特徴である覚醒予告演出及び覚醒演出について説明する。覚醒予告演出(副事前示唆演出)は、覚醒演出が実行されるのを遊技者に期待させるための演出である。本形態の覚醒予告演出では、演出図柄変動演出、疑似連、弱SPリーチ、強SPリーチの実行中にこれらの演出が一時的に中断して、数字(時間)を示す画像(所謂カットイン予告画像)が表示画面7aに割り込んで表示される(図59(B)(D)(F)(H)、図60(A)(D)(G)(I)、図61(B)(D)参照)。そして覚醒予告演出では、前に実行された覚醒予告演出で示された時間よりも小さい数字を示す画像が表示されるようになっている。
覚醒演出は、覚醒予告演出の実行を経て大当たり当選であることを遊技者に報知するための演出である。本形態の覚醒演出では、図61(G)に示す覚醒確定演出と、図61(H)に示す覚醒開始演出と、図61(I)に示す覚醒ボーナス演出とを含む一連の演出である。覚醒確定演出(特別の副事前示唆演出)では、「00.0」秒(特別の時間)を示す画像が表示されることにより、遊技者に覚醒演出の実行が確定したことを報知している。覚醒開始演出では、主人公キャラの覚醒を示す画像が表示されることにより、後述するようにバトル演出で敗北した主人公キャラが覚醒したことを報知している。覚醒ボーナス演出(第2大当たり演出)では、「覚醒BONUS」を示す画像が表示されることにより、その後に大当たり遊技が実行されることを報知している。
こうして本形態では、覚醒予告演出が実行されることより、その後に覚醒演出が実行されるかもしれないという期待感を遊技者に抱かせることとしている。そして、複数回実行される覚醒予告演出において、各覚醒予告演出で示される数字(時間)が徐々に小さくなっていく。これにより遊技者には「00.0」を示す覚醒確定演出の実行が迫っている印象を与えることが可能であり、大当たり当選への期待感を徐々に高めることが可能である。
ここで以下では、上述した覚醒予告演出を実行するための制御の概要を、図57及び図58に基づいて説明しておく。先ず本形態では図57に示すように、覚醒予告演出が実行され得る予告ポイント(予告タイミング)として、最大で17の予告ポイントが存在している。つまり図57の(注)で示すように、特図保留(以下単に「保留」と呼ぶ)が最大で4個発生している場合を想定し、4個目の保留に基づく特別図柄が停止表示されるまでに、17の予告ポイントのいずれかで1回又は複数回にわたって覚醒予告演出が実行され得るようになっている。
なお覚醒確定演出が実行される時点を基準として、その基準時点(図57の★参照)から時間的に最も前に存在する予告ポイントを「予告ポイント1」と呼び、以後基準時点に順番に近づく予告ポイントを「予告ポイント2〜17」と呼ぶことにする。また4個目の保留よりも1つ前に発生した保留を「−1」保留と呼び、4個目の保留よりも2つ前に発生した保留を「−2保留」と呼び、4個目の保留よりも3つ前に発生した保留を「−3保留」と呼ぶことにする。
こうして本形態では、図57に示すように、−3保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるタイミングを予告ポイント1としている。また−2保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるタイミングを予告ポイント2としている。また−1保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるタイミングを予告ポイント3としている。図58に示すように、これら予告ポイント1〜3をまとめて1つの大区分としていて、途中変動の大区分と呼ぶことにする。つまり途中変動の大区分の中には、予告ポイント1〜3が含まれている。
また図57に示すように、4個目の保留に基づく特別図柄の変動表示において、疑似連3回が実行され、ノーマルリーチを経てSPリーチに発展し、弱SPリーチが実行された後、強SPリーチが実行された場合を想定する。この想定において、4個目の保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるタイミング、即ち当該変動開始時を予告ポイント4としている。また疑似連において演出図柄8L,8C,8Rによる1回目の再変動表示が開始されるタイミングを予告ポイント5としている。また疑似連において演出図柄8L,8C,8Rによる2回目の再変動表示が開始されるタイミングを予告ポイント6としている。またSPリーチ(弱SPリーチ又は強SPリーチ)に発展するタイミングを予告ポイント7としている。図58に示すように、これら予告ポイント4〜7をまとめて1つの大区分としていて、当該変動の大区分と呼ぶことにする。つまり当該変動の大区分の中には、予告ポイント4〜7が含まれている。
また図57に示すように、弱SPリーチの実行中には、予告ポイント8〜11までの4つの予告ポイントが設定されている。図58に示すように、これら予告ポイント8〜11をまとめて1つの大区分としていて、弱SPリーチの大区分と呼ぶことにする。但し本形態では、弱SPリーチの実行中に、予告ポイント8〜11のうち最大で2つの予告ポイントまでしか覚醒予告演出が実行されないようにしている。つまり、弱SPリーチの実行中に覚醒予告演出が3回以上実行されることはない。
また図57に示すように、強SPリーチの実行中には、予告ポイント12〜17までの6つの予告ポイントが設定されている。図58に示すように、これら予告ポイント12〜17をまとめて1つの大区分としていて、強SPリーチの大区分と呼ぶことにする。但し本形態では、強SPリーチの実行中に、予告ポイント12〜17のうち最大で2つの予告ポイントまでしか覚醒予告演出が実行されないようにしている。つまり、強SPリーチの実行中に覚醒予告演出が3回以上実行されることはない。
続いて、覚醒予告演出で表示される時間(以下「予告時間」と呼ぶ)の決め方、及び覚醒予告演出を実行する予告ポイントの決め方について説明する。先ず図58の(ステップ1)の(1)で示すように、途中変動の大区分の中で最初に実行される覚醒予告演出が表示することとなる予告時間(途中変動の開始予告時間)を抽選で決定する。この抽選は、後述するように図50に示す途中変動開始予告時間決定テーブルを用いて行われる。例えば途中変動の開始予告時間が「100」秒に抽選で決定される。なお途中変動の開始予告時間が決定されても、−3保留、−2保留、−1保留が発生していなければ、途中変動の開始予告時間に基づく覚醒予告演出が実行されることはない。
次に(ステップ2)の(2)で示すように、当該変動の大区分の中で最初に実行される覚醒予告演出が表示することとなる予告時間(当該変動の開始予告時間)を抽選で決定する。また(ステップ2)の(3)で示すように、弱SPリーチの大区分の中で最初に実行される覚醒予告演出が表示することとなる予告時間(弱SPリーチの開始予告時間)を抽選で決定する。また(ステップ2)の(4)で示すように、強SPリーチの大区分の中で最初に実行される覚醒予告演出が表示することとなる予告時間(強SPリーチの開始予告時間)を抽選で決定する。これらの抽選は、後述するように途中変動の開始予告時間に応じて図51(A)に示すテーブル又は図51(B)に示すテーブルを用いて行われる。
例えば途中変動の開始予告時間が「100」秒に決定されている場合に、当該変動の開始予告時間が「80」秒で、弱SPリーチの開始予告時間が「50」秒で、強SPリーチの開始予告時間が「20」に抽選で決定される(図51(A)参照)。なお弱SPリーチの開始予告時間が決定されても、弱SPリーチが実行されなければ、弱SPリーチの開始予告時間に基づく覚醒予告演出が実行されることはない。また強SPリーチの開始予告時間が決定されても、強SPリーチが実行されなければ、強SPリーチの開始予告時間に基づく覚醒予告演出が実行されることはない。
続いて(ステップ3)の(1)で示すように、途中変動の大区分の中で覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。つまり予告ポイント1〜3のうちどの予告ポイントで覚醒予告演出を実行し得るかを抽選する。この抽選は、後述するように図52に示す途中変動の予告ポイント決定テーブルを用いて行われる。そして、抽選で決定された予告ポイントでの予告時間を決定する。このとき途中変動において最初に覚醒予告演出が実行される予告ポイントでの予告時間は、上述したように抽選で決定された途中変動の開始予告時間となる。途中変動におけるその他の予告ポイントでの予告時間は、1つ前に覚醒予告演出を実行する予告ポイントでの予告時間から5秒減算して決定する。
また(ステップ3)の(2)で示すように、当該変動の大区分の中で覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。つまり予告ポイント4〜7のうちどの予告ポイントで覚醒予告演出を実行し得るかを抽選する。この抽選は、後述するように図53に示す当該変動の予告ポイント決定テーブルを用いて行われる。そして、抽選で決定された予告ポイントでの予告時間を決定する。このとき当該変動において最初に覚醒予告演出が実行される予告ポイントでの予告時間は、上述したように抽選で決定された当該変動の開始予告時間となる。当該変動におけるその他の予告ポイントでの予告時間は、1つ前に覚醒予告演出を実行する予告ポイントでの予告時間から5秒減算して決定する。
また(ステップ3)の(3)で示すように、弱SPリーチの大区分の中で覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。つまり予告ポイント8〜11のうちどの予告ポイントで覚醒予告演出を実行し得るかを抽選する。この抽選は、後述するように図54に示す弱SPリーチの予告ポイント決定テーブルを用いて行われる。但し上述したように、弱SPリーチの大区分の中では最大で2つまでしか、覚醒予告演出を実行する予告ポイントが決定されない。そして、抽選で決定された予告ポイントでの予告時間を決定する。このとき弱SPリーチにおいて最初に覚醒予告演出が実行される予告ポイントでの予告時間は、上述したように抽選で決定された弱SPリーチの開始予告時間となる。弱SPリーチにおけるその他の予告ポイントでの予告時間は、1つ前に覚醒予告演出を実行する予告ポイントでの予告時間、即ち弱SPリーチの開始予告時間から5秒減算して決定することになる。
また(ステップ3)の(4)で示すように、強SPリーチの大区分の中で覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。つまり予告ポイント12〜17のうちどの予告ポイントで覚醒予告演出を実行し得るかを抽選する。この抽選は、後述するように図55に示す強SPリーチの予告ポイント決定テーブルを用いて行われる。但し上述したように、強SPリーチの大区分の中では最大で2つまでしか、覚醒予告演出を実行する予告ポイントが決定されない。そして、抽選で決定された予告ポイントでの予告時間を決定する。このとき強SPリーチにおいて最初に覚醒予告演出が実行される予告ポイントでの予告時間は、上述したように抽選で決定された強SPリーチの開始予告時間となる。強SPリーチにおけるその他の予告ポイントでの予告時間は、1つ前に覚醒予告演出を実行する予告ポイントでの予告時間、即ち強SPリーチの開始予告時間から5秒減算して決定することになる。要するに例えば、強SPリーチの開始予告時間が「20」秒に決定されているものとする。
以上により、予告ポイント1〜17のうちどの予告ポイントで覚醒予告演出が実行されるかが決定されると共に、覚醒予告演出が実行されることになる予告ポイントでの予告時間が決定される。その後、−3保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるときに、予告ポイント1での予告時間が決定(セット)されていれば、その予告時間に基づく覚醒予告演出が実行される。また−2保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるときに、予告ポイント2での予告時間が決定されていれば、その予告時間に基づく覚醒予告演出が実行される。−1保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるときに、予告ポイント3での予告時間が決定されていれば、その予告時間に基づく覚醒予告演出が実行される。
予告ポイント4〜17のそれぞれについては、当該変動の開始時点から実際に覚醒予告演出を実行することとなる演出開始時間(演出開始タイミング)が先ず設定される。各予告ポイント4〜17における演出開始時間は、演出内容に応じて予めテーブル(図示省略)として定められている。例えば、疑似連3回において予告ポイント6で覚醒予告演出を実行する場合には、当該変動の開始時点を基準とした予告ポイント6での演出開始時間が例えば20秒に設定される。また、弱SPリーチを実行した後の強SPリーチにおいて予告ポイント13で覚醒予告演出を実行する場合には、当該変動の開始時点を基準とした予告ポイント13での演出開始時間が例えば55秒に設定される。但し弱SPリーチを実行しないで強SPリーチにおいて予告ポイント13で覚醒予告演出を実行する場合には、弱SPリーチの演出時間(20秒)分だけ減算されることになり、予告ポイント13での演出開始時間が例えば35秒に設定されるようになっている。こうして、予告ポイント4〜17までの各予告ポイントでの演出開始時間が設定される。
また当該変動の開始時点から、演出タイマのカウントが開始される。そして、演出タイマの数値が各予告ポイント4〜17の演出開始時間に到達したときに、対応する予告ポイントでの予告時間に基づいて覚醒予告演出が実行される。このようにして、各予告ポイント4〜17において順番に、決定されている予告時間に基づいて覚醒予告演出が実行されることになる。
本形態では、決定されている予告時間に基づいて覚醒予告演出が実行される場合、その予告時間の値よりも僅かに小さい数字を示す画像が表示画面7aに表示される。例えば「100」秒に決定されている予告時間に基づいて覚醒予告演出が実行される場合、表示画面7aには「99.9」を示す画像(図59(B)参照)が表示される。そして詳細には、覚醒予告演出は実際には約0.5秒間だけ実行され、その0.5秒の間に表示画面7aに示されている数字が0.9だけ順次減算されていく画像が表示されるようになっている。つまり、表示画面7aには「99.9」「99.8」……「99.1」「99.0」を示す画像が表示される。これにより、遊技者には1回の覚醒予告演出でも、表示画面7aに示されている数字が順次減算されているのを把握する。そのため「00.0」が示される覚醒確定演出(図61(G)参照)に徐々に近づいている印象を与えることが可能である。
図57に示すように、特図保留の当否判定の結果が大当たり当選であることにより覚醒確定演出が実行される場合には、予告ポイント17よりも後のタイミングで、且つ特別図柄が停止表示される前に覚醒確定演出が実行される。なお本形態では後述するように、第1特別図柄の抽選でVロング大当たりに当選し、且つ強SPリーチが実行される場合に限って、覚醒確定演出が実行され得るようになっている。以下、上述した覚醒予告演出及び覚醒演出を実行するための詳細な制御について説明していく。
7.演出制御用マイコン91の動作
[サブ制御メイン処理]次に図31〜図48に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。なお、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ、変数等は、RAM94に設けられている。特に本形態では、図49に示すように、RAM94には、「予告可能フラグ1」、「予告可能フラグ2」、「予告可能フラグ3」、「覚醒予告演出実行フラグ」、「覚醒演出フラグ」、「変数X」、「変数Y」、「第4予告時間記憶領域から第17予告時間記憶領域までの各予告時間記憶領域」、「第4演出開始時間記憶領域から第17演出開始時間記憶領域までの各演出開始時間記憶領域」が設けられている。また図49に示されていないが、後述する各乱数を記憶する乱数記憶領域もRAM94に設けられている。これらの各記憶領域は後述する処理において適宜使用される。
サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM93から図31に示したサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まずCPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
続いて、電源断信号がONで且つRAM94の内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そしてこの判定結果がNOであれば、RAM94の初期化をして(S4003)、ステップS4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、RAM94の初期化をせずにステップS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAM94内容が正常でない場合には(S4002でNO)、RAM94を初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAM94内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAM94を初期化しない。なお、RAM94を初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタ等の値はリセットされる。また、このステップS4001〜S4003は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。なお演出決定用乱数には、演出図柄を決定するための演出図柄決定用乱数、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン決定用乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板100に送信する。コマンドを受信した画像制御基板100は、コマンドに従い画像表示装置7を用いて各種の演出(演出図柄変動演出や、大当たり遊技に伴う大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出等を実行する。なお、画像制御基板100による各種の演出の実行に伴ってサブ制御基板90は、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声を出力したり、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66、盤ランプ5を発光させたり、装飾可動体15を駆動させたりする。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、ステップS4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、1msタイマ割り込み処理(S4009)、および10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。
[受信割り込み処理]受信割り込み処理(S4008)では、図32に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、ストローブ信号がONでなければ処理を終え、ONであれば主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをRAM94の受信バッファに格納する(S4102)。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[1msタイマ割り込み処理]1msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図33に示すように、1msタイマ割り込み処理(S4009)ではまず、入力処理(S4201)を行う。入力処理(S4201)では、演出ボタン検出スイッチ63a(図4参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、ランプデータ出力処理(S4202)を行う。ランプデータ出力処理(S4202)では、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるランプ処理(S4305)やその他の処理(S4307)で作成したランプデータをランプ制御基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って、枠ランプ66や盤ランプ5を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理(S4203)を行う。駆動制御処理(S4203)では、演出に合うタイミングで装飾可動体15を駆動させるべく、装飾可動体駆動データ(装飾可動体15の駆動ためのデータ)を作成したり、出力したりする。後述の10msタイマ割り込み処理における処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、装飾可動体駆動データに従って、装飾可動体15を所定の動作態様で駆動させる。
そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S4204)を行って、本処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。図34に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S4301、図35参照)。次に、後述する覚醒予告演出制御処理を行う(S4302、図48参照)。続いて、1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S4303)。そして、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理(S4304)を行う。
その後、演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S4305)を行う。ランプ処理(S4305)では、ランプデータ(枠ランプ66や盤ランプ5の点灯を制御するデータ)の作成や発光演出の時間管理等を行う。続いて、音声制御処理(S4306)を行う。音声制御処理(S4306)では、音声データ(スピーカ67からの音声の出力を制御するデータ)の作成及び音声制御基板106への出力や、音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。例えば装飾可動体15が変位するときには、所定の効果音(SE)が出力される。これにより、装飾可動体15が作動することを遊技者に報知することとしている。そして、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S4307)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図35に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)ではまず、演出制御用マイコン91は、遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、受信していれば後述する遊技状態ステータス設定処理(S4402)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否かを判定し(S4403)、受信していれば始動入賞コマンド記憶処理(S4404)を行う。
始動入賞コマンド記憶処理(S4404)では、RAM94の受信バッファに格納されている始動入賞コマンドがRAM94の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶される。すなわち、始動入賞コマンドに係る始動口の種類を確認して、第1始動口20への入賞に基づいて生成された第1始動入賞コマンドであれば、その第1始動入賞コマンドを第1特図保留演出記憶部95aの記憶領域(図7(B)参照)に記憶する。また、第2始動口21への入賞に基づいて生成された第2始動入賞コマンドであれば、その第2始動入賞コマンドを第2特図保留演出記憶部95bの記憶領域(図7(C)参照)に記憶する。なお、第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドは、第1〜第4まである記憶領域のうち当該コマンドが記憶されていない最も番号の小さい記憶領域に記憶される。これにより、特図保留の記憶順に対応した順で始動入賞コマンドが記憶されていくことになる。始動入賞コマンド記憶処理(S4404)の後、演出制御用マイコン91は、後述する先読み演出判定処理(S4405)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S4406)、受信していれば後述する変動演出開始処理(S4407)を行う。その後、記憶領域シフト処理(S4408)を行う。
記憶領域シフト処理(S4408)では、演出制御用マイコン91は、RAM94の所定の特図保留演出記憶部(第1特図保留演出記憶部95a又は第2特図保留演出記憶部95b)に記憶されているデータのシフト処理を行う。第1特図保留演出記憶部95aにおけるシフト処理では、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。例えば、第1特図保留演出記憶部95aの第4記憶領域に記憶されている各データは、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域にシフトされ、第4記憶領域はクリアされる。また、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域に記憶されている各データは、第1特図保留演出記憶部95a及び第2特図保留演出記憶部95bに共通の当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95c(図7(A)参照)にシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。一方、第2特図保留演出記憶部95bにおけるシフト処理でも、上記と同様、第1記憶領域〜第4記憶領域に記憶されている各データを1つ前の記憶領域にシフトさせるとともに、第4記憶領域をクリアする。また、第2特図保留演出記憶部95bの第1記憶領域に記憶されている各データは当該変動用演出記憶部(第0記憶領域)95cにシフトされ、当該変動用演出記憶部95cに記憶されていたデータは消去される。こうして、前回の変動演出に係るデータは消去される。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S4409)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S4410)。変動演出終了処理(S4410)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S4411)、受信していれば後述するオープニング演出選択処理(S4412)を行う。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S4413)、受信していればラウンド演出選択処理(S4414)を行う。ラウンド演出選択処理(S4414)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S4415)、受信していればエンディング演出選択処理(S4416)を行う。エンディング演出選択処理(S4416)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からV通過コマンドを受信したか否か判定し(S4417)、受信していればV通過報知演出開始処理(S4418)を行う。V通過報知演出開始処理(S4418)では、V通過報知演出を開始するためのV通過報知演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。V通過報知演出とは、V通過(特定領域39への通過)があったことを遊技者に報知するための演出である。本形態では、所定のV通過報知画像(例えば「V」の文字を示す文字画像)を表示画面7aに表示する演出である。なお、V通過報知演出は、特別の効果音をスピーカ67から出力するなど、他の態様であってもよい。
続いて、その他の処理(S4419)として上記のコマンド以外の受信コマンド(例えば普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド)に基づく処理を行って、受信コマンド解析処理を終える。
[遊技状態ステータス設定処理]図36に示すように、遊技状態ステータス設定処理(S4402)ではまず、演出制御用マイコン91は、現在設定されている遊技状態ステータスを参照する。ここで遊技状態ステータスは、演出制御用マイコン91が現在の遊技状態を把握するために設定されるものであり、遊技状態が低確低ベース状態であれば「1」がセットされ、遊技状態が高確高ベース状態であれば「2」がセットされ、遊技状態が低確高ベース状態であれば「3」がセットされるようになっている。なお遊技状態ステータスは、初期設定では「1」である。
演出制御用マイコン91は、現在の遊技状態ステータスを参照した後(S4501)、受信した遊技状態指定コマンドを解析する(S4502)。そして、解析した遊技状態指定コマンドに基づいて、遊技状態ステータスを変更するか否かを判定する(S4503)。即ち、解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、ステップS4501で参照した遊技状態ステータスに基づく遊技状態の情報と異なるか否かを判定する。遊技状態ステータスを変更すると判定した場合には(S4503でYES)、後述する始動入賞コマンド書換え処理(S4504)を実行した後、ステップS4505に進む。一方、遊技状態ステータスを変更しないと判定した場合には(S4503でNO)、本処理を終える。
ステップS4505では、ステップS4502で解析した遊技状態指定コマンドに含まれている遊技状態の情報が、低確低ベース状態の情報であるか否かを判定する。低確低ベース状態の情報であれば(S4505でYES)、遊技状態ステータスに「1」をセットして(S4506)処理を終える。一方、低確低ベース状態の情報でなければ(S4505でNO)、高確高ベース状態の情報であるか否かを判定する(S4507)。高確高ベース状態の情報であれば(S4507でYES)、遊技状態ステータスに「2」をセットして(S4508)処理を終える。高確高ベース状態の情報でなければ(S4507でNO)、低確高ベース状態の情報であるため、遊技状態ステータスに「3」をセットして(S4509)処理を終える。
[始動入賞コマンド書換え処理]図37に示すように、始動入賞コマンド書換え処理(S4504)ではまず、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出記憶部95aの記憶領域(図7(B)参照)に第1始動入賞コマンドが記憶されているか、又は第2特図保留演出記憶部95bの記憶領域(図7(C)参照)に第2始動入賞コマンドが記憶されているか否かを判定する(S4601)。第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドのいずれも記憶されていなければ(S4601でNO)、処理を終える。
第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドのうち1つでも記憶されていれば(S4601でYES)、記憶されている全ての始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド及び第2始動入賞コマンド)をエラーの情報を含む始動入賞コマンドに書換えて(S4602)、処理を終える。本形態ではエラーの情報を含む始動入賞コマンドに書換える場合には、図13の備考2に示すように、始動入賞コマンドの上位コマンドの上の桁の値を「0」に書き換えるようにしている。なおこのようなエラーの情報を含む始動入賞コマンドに書き換える方法は、一例であり、任意に変更可能である。
上述したように遊技状態ステータスを変更するタイミングで記憶されている全ての始動入賞コマンドを、エラーの情報を含む始動入賞コマンドに書換えるのは、以下の理由に基づく。後述するように演出制御用マイコン91は、記憶されている始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド)に基づいて先読み演出(本形態では覚醒予告演出)を実行し得る。例えば高確高ベース状態(遊技状態ステータスが「2」)であるときに生成された始動入賞コマンドには大当たり当選である情報が含まれていても、高確高ベース状態から低確低ベース状態(遊技状態ステータスが「1」)に移行した後、大当たり当選であると判定される大当たり乱数値の範囲が変更するため、その始動入賞コマンドに係る特図保留の抽選ではハズレと判定されることが有り得る。
このような場合、その始動入賞コマンドに基づく覚醒予告演出では大当たり当選であるかのような期待度の高い演出が実行される(頻繁に覚醒予告演出が実行されると共に「00.0」に近い数字を示す画像が表示される)のに対して、その始動入賞コマンドに係る特図保留の抽選でハズレと判定されるため、覚醒予告演出と当否判定の結果との間に齟齬が生じることになる。その他に、遊技状態ステータスが変更(例えば時短状態から非時短状態へ移行)した後に、その遊技状態ステータスが変更する前に生成された始動入賞コマンドに基づいて覚醒予告演出が実行されると、覚醒予告演出の実行タイミングが本来行われるべきタイミングからずれるおそれがある。よって本形態では、遊技状態ステータスを変更するタイミングで記憶されている全ての始動入賞コマンドをエラーの情報を含む始動入賞コマンドに書換えて、後述するようにエラーの情報を含む始動入賞コマンドに基づいては覚醒予告演出(先読み演出)を実行しないようにしている。その結果、覚醒予告演出の実行タイミングのずれや、覚醒予告演出と当否判定の結果との間に齟齬が生じるのを回避することが可能となる。
[先読み演出判定処理]図38に示すように、先読み演出判定処理(S4405)ではまず、演出制御用マイコン91は、始動入賞コマンド正常判定処理(S4701)を行う。始動入賞コマンド正常判定処理(S4701)では、第1特図保留演出記憶部95aの記憶領域及び第2特図保留演出記憶部95bの記憶領域に記憶されている全ての始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド及び第2始動入賞コマンド)のうち1つでもエラーの情報を含む始動入賞コマンドがあるか否かを判定する。具体的には、全ての始動入賞コマンドについて上位コマンドの上の桁の値が「0」であるか否かを判定する。
全ての始動入賞コマンドが正常であるわけではない、即ち1つでもエラーの情報を含む始動入賞コマンドがあれば(S4702でNO)、覚醒予告演出(先読み演出)を実行しないため、本処理を終える。一方、全ての始動入賞コマンドが正常であれば(S4702でYES)、先読み演出実行可能判定処理(S4703)を行う。先読み演出実行可能判定処理(S4703)では、受信した始動入賞コマンド(ステップS4404で記憶した始動入賞コマンド)を解析し、解析した始動入賞コマンドがSPリーチの実行を示す第1始動入賞コマンドであるか否かを判定する。
既に述べたように、始動入賞コマンドには、図13のテーブルのコマンド解析内容の欄に示した情報や保留個数の情報などが含まれている。従って、始動入賞コマンドを解析すれば、演出制御用マイコン91は、その始動入賞コマンドに係る数値情報(その始動入賞コマンドの特定に利用した各種乱数値の情報)が第1始動口20への入賞を契機とする数値情報か否か、疑似連を行うと判定される数値情報か否か、大当たりと判定される数値情報(特別の数値情報)であるか否か、ノーマルリーチを行うと判定される数値情報か否か、SPリーチ(弱SPリーチ又は強SPリーチ、或いは弱SPリーチ及び強SPリーチ)を行うと判定される数値情報であるか否か等がわかる。具体的には図13に示すように、始動入賞コマンドは、その上位コマンドの上の桁が「A」又は「C」であれば第1始動入賞コマンドであることを示している。また下位コマンドの下の桁が「1」又は「A」であれば弱SPリーチを経て強SPリーチが実行されることを示し、「2」又は「B」であれば強SPリーチを実行することを示し、「3」又は「C」であれば弱SPリーチを実行することを示している。そのため、ここでは始動入賞コマンドの上位コマンドの上の桁と下位コマンドの下の桁に基づいて、SPリーチの実行を示す第1始動入賞コマンドであるか否かを判定する。
そして、SPリーチの実行を示す第1始動入賞コマンドでなければ、即ち第2始動入賞コマンドや、ドハズレ又はノーマルリーチの実行を示す始動入賞コマンドであれば、覚醒予告演出(先読み演出)を実行可能でないと判定し(S4704でNO)、本処理を終える。一方、SPリーチの実行を示す第1始動入賞コマンドであれば、覚醒予告演出を実行可能であると判定して(S4704でYES)、ステップS4705に進む。
ステップS4705では、覚醒予告演出実行フラグがOFFであるか否かを判定する(S4705)。覚醒予告演出実行フラグは、覚醒予告演出の実行中(又は実行予定)であることを示すフラグである。そのため、覚醒予告演出実行フラグがONであれば(S4705でNO)、既に実行中の覚醒予告演出とは別に更なる覚醒予告演出の実行を禁止すべく、処理を終える。一方、覚醒予告演出実行フラグがOFFであれば(S4705でYES)、ステップS4706で覚醒予告演出乱数テーブル(図示省略)に基づいて覚醒予告演出を実行するか否かを抽選で決定する。
なお覚醒予告演出を実行すると判定される振分率は任意である。例えば大当たり当選であることを示す第1始動入賞コマンドである場合には、SPリーチハズレであることを示す第1始動入賞コマンドである場合よりも、覚醒予告演出を実行すると判定される振分率が高い覚醒予告演出乱数テーブルを用いて抽選されるようにしても良い。この場合には、覚醒予告演出の実行自体が大当たり当選であることへの期待度が非常に高いものとなり、覚醒予告演出を把握した遊技者の期待感を非常に高くすることが可能である。
ステップS4707で覚醒予告演出を実行しないと判定されれば処理を終える。一方、覚醒予告演出を実行すると判定されれば、覚醒予告演出実行フラグをONにする(S4708)。そして、詳細な覚醒予告演出の内容を決定するために、覚醒予告演出決定処理を実行して(S4709)、処理を終える。
[覚醒予告演出決定処理]覚醒予告演出決定処理(S4709)では、図39に示すように、演出制御用マイコン91は先ず、特図1保留球数を変数X及び変数Yに代入(記憶)する(S4801)。特図1保留球数は、ステップS4404で記憶した第1始動入賞コマンドの下位コマンドの上の桁に基づいて取得しても良いし、主制御基板80から送信される保留球数コマンドに基づいて特図1保留球数をカウントしている特図1保留演出カウンタの値に基づいて取得しても良い。例えば4個目の第1特図保留が発生した状況では、変数X及び変数Yに「4」が記憶されることになる。
次にステップS4802では、予告可能フラグ1〜3の全てをOFFにして、予告可能フラグ1〜3を初期設定に戻しておく。後述するように、予告可能フラグ1は第1特図保留演出記憶部95a(図7(B)参照)の第1記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドがドハズレを示すものであること、即ち1個目の第1特図保留(−3保留)に基づく当否判定がドハズレとなることを示すものである。また予告可能フラグ2は第1特図保留演出記憶部95aの第2記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドがドハズレを示すものであること、即ち2個目の第1特図保留(−2保留)に基づく当否判定がドハズレとなることを示すものである。また予告可能フラグ3は第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域に記憶されている始動入賞コマンドがドハズレを示すものであること、即ち3個目の第1特図保留(−1保留)に基づく当否判定がドハズレとなることを示すものである。
次にステップS4803では、変数Xに記憶されている数値を「1」だけ減算する。例えば上述したように4個目の第1特図保留が発生した状況では、変数Xの数値が「4」から「3」に変わる。そしてX個目の第1特図保留がドハズレを示すものであるか否かを、第1特図保留演出記憶部95aのX番目の記憶領域(図7(B)参照)に記憶されている第1始動入賞コマンドに基づいて判定する(S4804)。既に述べたように始動入賞コマンドには、ノーマルリーチを行うか否かの情報が含まれている。具体的には図13に示すように、始動入賞コマンドの下位コマンドの下の桁が「E」であればドハズレとなることを示している。そのため、ここでは第1特図保留演出記憶部95aのX番目の記憶領域に記憶されている第1始動入賞コマンドについて、下位コマンドの下の桁が「E」であるか否かを判定する(S4804)。
ドハズレを示すものであると判定されれば(S4804でYES)、予告可能フラグX(変数Xの数値に対応する予告可能フラグ)をONする(S4805)。例えば上述したようにステップS4803で変数Xの数値が「3」になり、3個目の第1特図保留がドハズレを示すものであれば、予告可能フラグ3がONされることになる。一方、ステップS4804でドハズレを示すものではないと判定されれば(S4804でNO)、後述するステップS4805〜S4807の処理を行うことなく、ステップS5001に進む。
これに対してステップS4805に進んで、予告可能フラグXをONした後、変数Xに記憶されている数値を「1」だけ減算する(S4806)。そして変数Xの数値が「0」であるか否かを判定する(S4807)。ここで変数Xの数値が「0」であれば(S4807でYES)、ステップS5001に進み、「0」でなければ(S4807でNO)、ステップS4804に戻る。ステップS4804に戻れば、変数Xの数値を「1」だけ小さくした状況で、再びステップS4804〜S4807の処理が繰り返して実行されることになる。
要するに、ステップS4804〜S4807の処理は、覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留よりも前に発生している第1特図保留のどこまでが、ドハズレを示す第1特図保留なのかを探す処理である。例えば上述したように4個目の第1特図保留が覚醒予告演出の実行の契機となった場合、3個目の第1特図保留、2個目の第1特図保留、1個目の第1特図保留のどこまでが、ドハズレを示す第1特図保留なのかを探している。この場合、1〜3個目の第1特図保留の全てがドハズレを示すものであれば、ステップS4804〜S4807の処理が3回繰り返され、変数Xの数値が「0」になって、ステップS4807に進むことになる。このとき、ステップS4805の処理が3回行われるにより、予告可能フラグ3、予告可能フラグ2、予告可能フラグ1がONされる。一方、仮に3個目の第1特図保留がドハズレを示すものであるが、2個目の第1特図保留がSPリーチを示すものであれば、ステップS4804〜S4807の処理が1回だけ行われて、ステップS4804に戻ったときにNOと判定されて、ステップS5001に進むことになる。このとき、ステップS4805の処理が1回行われることにより、予告可能フラグ3だけがONであり、予告可能フラグ2及び予告可能フラグ1はOFFのままとなる。
言い換えれば、ステップS4804〜S4807の処理では、予告可能フラグ1〜3のうちどの予告可能フラグをONするか否かを決定している。後述するようにONとされた予告可能フラグに対応する第1特図保留については、連続予告演出として第1特別図柄(特図1)の変動表示の開始時に覚醒予告演出が実行され得るようにしている。なお連続予告演出とは、連続して記憶された複数の特図保留に基づいて実行される各変動演出において、大当たり当選への期待度を示唆するように関連して行われる演出のことである。
例えば上述したように、4個目の第1特図保留が覚醒予告演出の実行の契機となり、3個目の第1特図保留がドハズレを示すものであり、2個目の第1特図保留がSPリーチを示すものであるとする。この場合、1個目及び2個目の第1特図保留については、予告可能フラグ1及び予告可能フラグ2がOFFであるため、特図1の変動表示の開始時に覚醒予告演出が実行されない。しかし、3個目の第1特図保留については、予告可能フラグ3がONであるため、特図1の変動表示の開始時に覚醒予告演出が実行され得る。そして、4個目の第1特図保留については、覚醒予告演出の実行の契機となった保留であるため、当該変動として覚醒予告演出が実行されることとなる。
このようにして本形態では、覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留よりも前に発生している第1特図保留のうち、ドハズレとなる第1特図保留についてのみ、連続予告演出として覚醒予告演出を実行可能としている。なおノーマルリーチハズレとなる第1特図保留でも、覚醒予告演出を実行可能とするようにしても良い。但し覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留よりも前に発生している第1特図保留のうち、SPリーチハズレを示す第1特図保留については覚醒予告演出を実行しない。これは以下の理由に基づく。
上述したように本形態では、覚醒予告演出により「00.0」に徐々に近づくような数字を示す画像が表示されていく。またSPリーチは演出時間が長いものであり(図11参照)、覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留(以下「当該変動保留」と呼ぶ)の変動表示ではSPリーチが実行されることになる。そのため、当該変動保留の変動表示よりも前にSPリーチハズレで覚醒予告演出を実行しようとすると、その覚醒予告演出で大きな数字(例えば99.9)を示す画像が表示されることになる。これでは、大きな数字を見た遊技者はSPリーチが実行されているにも拘わらずハズレであることを認識するおそれがある。以上により当該変動保留の変動表示よりも前にSPリーチハズレを示す第1特図保留があっても、覚醒予告演出を実行しないようにしている。
図39に示す覚醒予告演出決定処理(S4709)の説明に戻る。演出制御用マイコン91は、ステップS5001に進むと、途中変動開始予告時間抽選処理を行う。途中変動開始予告時間抽選処理(S5001)は、図58に示す(ステップ1)の(1)で説明した処理である。具体的に、演出制御用マイコン91は先ず、途中変動用開始時間決定乱数(図50参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した途中変動用開始予告時間決定乱数と、図50に示す途中変動開始予告時間決定テーブルとを用いて、途中変動の開始予告時間を抽選で決定する。本形態では、決定される途中変動の開始予告時間は「100」又は「90」のいずれかである。但し決定される途中変動の開始予告時間は適宜変更可能であり、更に「95」「85」「80」があっても良い。また「100」だけとしても良い。
ここで図50に示す途中変動開始予告時間決定テーブルについて説明する。図50に示す演出内容とは、当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)の変動表示の際に実行される演出内容のことであり、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンド(ステップS4404で記憶した始動入賞コマンド)に基づいて判別されることになる。
具体的には図13に示すように、始動入賞コマンドの下位コマンドの下の桁が「1」又は「4」であれば、弱SPリーチを経て強SPリーチ大当たりとなる演出内容である。また下位コマンドの下の桁が「2」又は「5」であれば、強SPリーチ大当たりとなる演出内容である。また下位コマンドの下の桁が「3」又は「6」であれば、弱SPリーチ大当たりとなる演出内容である。また下位コマンドの下の桁が「A」であれば、弱SPリーチを経て強SPリーチハズレとなる演出内容である。また下位コマンドの下の桁が「B」であれば、強SPリーチハズレとなる演出内容である。また下位コマンドの下の桁が「C」であれば、弱SPリーチハズレとなる演出内容である。
例えば、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、弱SPリーチを経て強SPリーチ大当たりとなる演出内容を示すものであり、取得された途中変動用開始予告時間決定乱数の値が「1」であったとする。この場合、図50に示すテーブルにより、途中変動の開始予告時間が「100」に決定されることになる。なお後述する図51(A)(B)に示すテーブル、図52に示すテーブル、図53に示すテーブル、図54に示すテーブル、及び図55に示すテーブルにおいても、演出内容は上述したように判別される。
図50に示す途中変動予告時間決定テーブルから分かるように、本形態では、SPリーチハズレ(弱SPリーチハズレ、弱SP⇒強SPリーチハズレ、強SPリーチハズレ)よりも、SPリーチ大当たり(弱SPリーチ大当たり、弱SP⇒強SPリーチ大当たり、強SPリーチ大当たり)の方が、途中変動の開始予告時間が小さくなり易いように振分率が設定されている。つまり、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、途中変動の開始予告時間が「100」よりも小さい「90」に設定され易い。よって、途中変動で最初に実行される覚醒予告演出において、表示される数字が小さいほど、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
図39に示す覚醒予告演出決定処理(S4709)の説明に戻る。演出制御用マイコン91は、途中変動開始予告時間抽選処理(S5001)の後、当該変動、弱SPリーチ、強SPリーチ開始予告時間抽選処理を行う(S5002)。当該変動、弱SPリーチ、強SPリーチ開始予告時間抽選処理(S5002)は、図58に示す(ステップ2)の(2)(3)(4)で説明した処理である。具体的に、演出制御用マイコン91は先ず、当該変動用開始時間決定乱数(図51(A)(B)参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した当該変動開始予告時間決定乱数と、図51(A)に示すテーブル又は図51(B)に示すテーブルのいずれかを用いて、当該変動の開始予告時間と弱SPリーチの開始予告時間と強SPリーチの開始予告時間を抽選で決定する。図51(A)に示すテーブルは、上述した途中変動開始予告時間抽選処理(S5001)で途中変動の開始予告時間が「100」に決定された場合に用いられる。一方、図51(B)に示すテーブルは、途中変動開始予告時間抽選処理(S5001)で途中変動の開始予告時間が「100」に決定された場合に用いられる。
例えば、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、弱SPリーチを経て強SPリーチ大当たりとなる演出内容を示すものであり、途中変動の開始予告時間が「100」に決定され、取得された当該変動用開始予告時間決定乱数の値が「1」であることとする。この場合、図51(A)に示すテーブルにより、当該変動の開始予告時間が「80」に決定され、弱SPリーチの開始予告時間が「60」に決定され、強SPリーチの開始予告時間が「30」に決定されることになる。
ここで図51(A)(B)に示すように、当該変動の開始予告時間と弱SPリーチの開始予告時間との間隔は必ず「20」以上となるように、テーブルが定められている。これは、当該変動において予告ポイント4〜7までの4つの予告ポイント全てで5ずつ減算されていく数字が表示されることがあり、仮に当該変動の開始予告時間と弱SPリーチの開始予告時間との間隔を「20」より小さくしてしまうと、予告ポイント7で表示される数字が予告ポイント8で表示される数字以上となることが生じ得るためである。つまり各予告ポイントで表示される数字を、前の予告ポイントで表示された数字よりも確実に小さく(カウントダウン)させるためである。なお途中変動の開始予告時間と当該変動の開始予告時間との間隔も「20」以上となり、弱SPリーチの開始予告時間と強SPリーチの開始予告時間との間隔も「20」以上となるように、各テーブルが定められている。但し、各予告ポイントで減算する数字の間隔に応じて、上記した開始予告時間同士の間隔は適宜変更可能である。
なお本形態では、1つの乱数(当該変動用予告時間決定乱数)により、当該変動の開始予告時間と、弱SPリーチの開始予告時間と、強SPリーチの開始予告時間の3つが同時に抽選で決定するテーブル(図51(A)又は図51(B)参照)を用いたが、3つの乱数により、当該変動の開始予告時間と、弱SPリーチの開始予告時間と、強SPリーチの
開始予告時間がそれぞれ別々に抽選で決定するテーブルを用いるようにしても良い。或い
は、1つの乱数により、上述した途中変動の開始予告時間と、当該変動の開始予告時間と
、弱SPリーチの開始予告時間と、強SPリーチの開始予告時間の4つが同時に抽選で決
定するテーブルを用いるようにしても良い。また乱数値の範囲は「0」〜「99」に限られるものではなく、「0」〜「1008」であっても良く、適宜変更可能である。
図51(A)(B)に示すテーブルから分かるように、本形態では、SPリーチハズレよりもSPリーチ大当たりの方が、当該変動の開始予告時間が小さくなり易いように振分率が設定されている。つまり図51(A)に示すテーブルでは、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、当該変動の開始予告時間が「80」よりも小さい「70」に設定され易く、図51(B)に示すテーブルでは、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、当該変動の開始予告時間が「70」よりも小さい「60」に設定され易い。よって、当該変動で最初に実行される覚醒予告演出において、表示される数字が小さいほど、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
同様に、SPリーチハズレよりもSPリーチ大当たりの方が、弱SPリーチの開始予告時間が小さなくなり易いように振分率が設定されている。つまり図51(A)に示すテーブルでは、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、弱SPリーチの開始予告時間が最も小さい「40」に設定され易い。また図51(B)に示すテーブルでは、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、弱SPリーチの開始予告時間が最も小さい「30」に設定され易い。よって、弱SPリーチで最初に実行される覚醒予告演出において、表示される数字が小さいほど、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
同様に、SPリーチハズレよりもSPリーチ大当たりの方が、強SPリーチの開始予告時間が小さなくなり易いように振分率が設定されている。つまり図51(A)に示すテーブルでは、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、強SPリーチの開始予告時間が最も小さい「10」に設定され易い。また図51(B)に示すテーブルでも、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、強SPリーチの開始予告時間が最も小さい「10」に設定され易い。よって、強SPリーチで最初に実行される覚醒予告演出において、表示される数字が小さいほど、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
図39に示す覚醒予告演出決定処理(S4709)の説明に戻る。演出制御用マイコン91は、当該変動、弱SPリーチ、強SPリーチ開始予告時間抽選処理(S5002)の後、後述する途中変動用処理を行う(S5003)。次に、後述する当該変動用処理を行う(S5004)。続いて、後述する弱SPリーチ用処理を行う(S5005)。最後に、後述する強SPリーチ処理を行って(S5006)、本処理を終える。
[途中変動用処理]途中変動用処理(S5003)は、図58に示す(ステップ3)の(5)で説明した処理である。図40に示すように、演出制御用マイコン91は先ず、予告タイマにステップS5001で決定した途中変動の開始予告時間(例えば「100」)を代入(記憶)する(S5101)。なお予告タイマには後述するように、様々な予告時間が一時的に記憶されるようになっている。次に変数Xに「1」を記憶しておく(S5102)。そして、途中変動において覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する(S5103)。
具体的に演出制御用マイコン91は、ステップS5103において、先ず途中変動予告ポイント決定乱数(図52参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した途中変動予告ポイント決定乱数と、図52に示す途中変動の予告ポイント決定テーブルとを用いて、予告ポイント1〜3の中で覚醒予告ポイントを実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。
例えば、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、弱SPリーチを経て強SPリーチ大当たりとなる演出内容を示すものであり、取得された途中変動予告ポイント決定乱数の値が「70」であったとする。この場合、図52に示すテーブルにより、予告ポイント1が覚醒予告演出を実行しない予告ポイントであると決定され、予告ポイント2及び予告ポイント3が覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントであると決定される。
ここで図52に示す途中変動の予告ポイント決定テーブルから分かるように、本形態では、SPリーチハズレよりも、SPリーチ大当たりの方が、覚醒予告演出を実行し得る予告ポイントの数が多くなり易いように振分率が設定されている。つまり、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、予告ポイント1〜3の全てが覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントであると決定され易い。よって、途中変動において(−3保留、−2保留、−1保留に基づく特別図柄の変動表示が開始される各タイミングにおいて)、覚醒予告演出が実行される回数が多いほど、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
続いてステップS5104では、ステップS5103の抽選結果に基づいて、予告ポイントX(変数Xの数値に対応する予告ポイント)が、覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定される。なおステップS5103からステップS5104に進んだ場合には、変数Xの値が「1」であるため、予告ポイント1が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定されることになる。ステップS5104でNOと判定された場合、現時点で判断している予告ポイントXで覚醒予告演出を実行しないため、ステップS5109に進む。
一方、ステップS5104でYESと判定された場合、次に予告可能フラグX(変数Xの数値に対応する予告可能フラグ)がONであるか否かを判定する(S5105)。つまりステップS5105は、予告ポイントXでの特図1の変動表示に係る特図保留がドハズレを示すものであるか否かを判定する。ステップS5105でNOと判定された場合、現時点で判断している予告ポイントXで覚醒予告演出を実行しないため、ステップS5109に進む。これに対してステップS5104及びS5105の両方でYESと判定された場合、現時点で判断している予告ポイントXで覚醒予告演出を実行すると決定することになり、ステップS5106に進む。
ステップS5106では、演出制御用マイコン91は、覚醒予告演出を実行すると決定した予告ポイントXに対応する第1特図保留演出記憶部95aの記憶領域に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。即ち、予告ポイント1で覚醒予告演出を実行すると決定した場合には、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域に(図7(B)(D)参照)、予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。また予告ポイント2で覚醒予告演出を実行すると決定した場合には、第1特図保留演出記憶部95aの第2記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域に、予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。また予告ポイント3で覚醒予告演出を実行すると決定した場合には、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域に、予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。
次にステップS5107では、演出制御用マイコン91は、覚醒予告演出を実行すると決定した予告ポイントXに対応する第1特図保留演出記憶部95aの記憶領域に、覚醒予告演出の実行を示す予告実行情報を記憶する。即ち、予告ポイント1で覚醒予告演出を実行すると決定した場合には、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域の予告実行情報記憶領域に(図7(B)(D)参照)、予告実行情報を記憶する。また予告ポイント2で覚醒予告演出を実行すると決定した場合には、第1特図保留演出記憶部95aの第2記憶領域の予告実行情報記憶領域に、予告実行情報を記憶する。また予告ポイント3で覚醒予告演出を実行すると決定した場合には、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の予告実行情報記憶領域に、予告実行情報を記憶する。
続いてステップS5108では、演出制御用マイコン91は、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算する。そしてステップS5109に進むと、次の予告ポイント(X+1)での覚醒予告演出の実行に関する処理を行うべく、変数Xの数値を「1」だけ加算する。これにより、変数Xの数値が「4」に達したか否かを判定する(S5110)。ステップS5110でYESと判定されれば、予告ポイント1〜3の全てで覚醒予告演出の実行に関する処理が終了したため、本処理を終える。一方、ステップS5110でNOと判定されれば、ステップS5104に戻り、上述したステップS5104〜S5110の処理が繰り返されることになる。
[当該変動用処理]当該変動用処理(S5004)は、図58に示す(ステップ3)の(6)で説明した処理である。図41に示すように、演出制御用マイコン91は先ず、予告タイマにステップS5002で決定した途中変動の開始予告時間(例えば「70」)を代入する(S5201)。そして、当該変動において覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する(S5202)。
具体的に演出制御用マイコン91は、ステップS5202において、先ず当該変動予告ポイント決定乱数(図53参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した当該変動予告ポイント決定乱数と、図53に示す当該変動の予告ポイント決定テーブルとを用いて、予告ポイント4〜7の中で覚醒予告ポイントを実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。
例えば、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、弱SPリーチを経て強SPリーチ大当たりとなる演出内容を示すものであり、取得された当該変動予告ポイント決定乱数の値が「99」であったとする。この場合、図53に示すテーブルにより、予告ポイント4〜7の全てが覚醒予告演出を実行し得る予告ポイントであると決定される。
ここで図53に示す当該変動の予告ポイント決定テーブルから分かるように、本形態では、SPリーチハズレよりも、SPリーチ大当たりの方が、覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントの数が多くなり易いように振分率が設定されている。つまり、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、予告ポイント4〜7のうち覚醒予告演出が実行可能な予告ポイントが多くなるように決定され易い。よって、当該変動において(当該変動開始時、疑似連における1回目の再変動開始時、疑似連における2回目の再変動開始時、SPリーチへの発展時の各タイミングにおいて)覚醒予告演出が実行される回数が多いほど、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
続いてステップS5203では、ステップS5202の抽選結果に基づいて、予告ポイント4が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定される。ステップS5203でNOと判定された場合、予告ポイント4(当該変動開始時)で覚醒演出を実行しないため、ステップS5206に進む。一方、ステップS5203でYESと判定された場合、予告ポイント4で覚醒予告演出を実行すると決定することになり、ステップS5204に進む。
ステップS5204では、演出制御用マイコン91は、RAM94の第4予告時間記憶領域(図49参照)に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間(当該変動の開始予告時間)を記憶する。続いてステップS5205では、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算し、予告ポイント4での覚醒予告演出の実行に関する処理を終えて、ステップS5206に進む。
次に、ステップS5206〜S5209の処理は、予告ポイント5(疑似連における1回目の再変動開始時)での覚醒予告演出の実行に関する処理である。先ずステップS5206では、当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)に係る第1始動入賞コマンドが、疑似連の回数が2回以上となる演出内容を示すものであるか否かが判定される。図13に示すように、始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「2」であれば疑似連の回数が2回となる演出内容を示し、上位コマンドの下の桁が「3」であれば疑似連の回数が3回となる演出内容を示している。そのためステップS5206では、具体的に当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「2」又は「3」であるか否かを判定する。
ステップS5206でNOと判定された場合、予告ポイント5で覚醒演出を実行しないため、ステップS5210に進む。一方、ステップS5206でYESと判定された場合、ステップS5202の抽選結果に基づいて、予告ポイント5が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定される(S5207)。ステップS5207でNOと判定された場合、予告ポイント5で覚醒演出を実行しないため、ステップS5210に進む。一方、ステップS5207でYESと判定された場合、予告ポイント5で覚醒予告演出を実行すると決定することになり、ステップS5208に進む。
ステップS5208では、演出制御用マイコン91は、RAM94の第5予告時間記憶領域(図49参照)に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。続いてステップS5209では、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算し、予告ポイント5での覚醒予告演出の実行に関する処理を終えて、ステップS5210に進む。
続いて、図42に示すように、ステップS5210〜S5213の処理は、予告ポイント6(疑似連における2回目の再変動開始時)での覚醒予告演出の実行に関する処理である。先ずステップS5210では、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、疑似連の回数が3回となる演出内容を示すものであるか否かが判定される。具体的にステップS5210では、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「3」(図13参照)であるか否かを判定する。
ステップS5210でNOと判定された場合、予告ポイント6で覚醒演出を実行しないため、ステップS5214に進む。一方、ステップS5210でYESと判定された場合、ステップS5202の抽選結果に基づいて、予告ポイント6が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定される(S5211)。ステップS5211でNOと判定された場合、予告ポイント6で覚醒演出を実行しないため、ステップS5214に進む。一方、ステップS5211でYESと判定された場合、予告ポイント6で覚醒予告演出を実行すると決定することになり、ステップS5212に進む。
ステップS5212では、演出制御用マイコン91は、RAM94の第6予告時間記憶領域(図49参照)に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。続いてステップS5213では、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算し、予告ポイント6での覚醒予告演出の実行に関する処理を終えて、ステップS5214に進む。
続いて、ステップS5214〜S5217の処理は、予告ポイント7(SPリーチへの発展時)での覚醒予告演出の実行に関する処理である。先ずステップS5214では、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、SPリーチ(弱SPリーチ又は強SPリーチ)の実行を示すものであるか否かが判定される。具体的にステップS5214では、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドの下位コマンドの下の桁が「1」「2」「3」「4」「5」「6」「A」「B」「C」(図13参照)のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS5214でNOと判定された場合、予告ポイント7で覚醒演出を実行しないため、本処理を終える。なお本形態では、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドは必ずSPリーチの実行を示すものであるため、ステップS5214でNOと判定されることはない。但し変形例として当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)に係る第1始動入賞コマンドが、SPリーチ以外の演出内容(例えばドハズレ)の実行を含む場合であっても、覚醒予告演出が実行され得るようにしても良い。
ステップS5214でYESと判定された場合、ステップS5202の抽選結果に基づいて、予告ポイント7が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定される(S5215)。ステップS5215でNOと判定された場合、予告ポイント7で覚醒演出を実行しないため、本処理を終える。一方、ステップS5215でYESと判定された場合、予告ポイント7で覚醒予告演出を実行すると決定することになり、ステップS5216に進む。
ステップS5216では、演出制御用マイコン91は、RAM94の第7予告時間記憶領域(図49参照)に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。続いてステップS5217では、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算し、予告ポイント7での覚醒予告演出の実行に関する処理を終えて、本処理を終了する。
[弱SPリーチ用処理]弱SPリーチ用処理(S5005)は、図58に示す(ステップ3)の(7)で説明した処理である。図43に示すように、演出制御用マイコン91は先ず、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、弱SPリーチの実行を示すものであるか否かを判定する(S5301)。具体的には、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「1」「3」「4」「6」「A」「C」(図13参照)のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS5301でNOと判定された場合、弱SPリーチを実行しない、即ち予告ポイント8〜11で覚醒予告演出を実行することがありえないため、本処理を終える。一方、ステップS5301でYESと判定された場合、演出制御用マイコン91は、予告タイマにステップS5002で決定した弱SPリーチの開始予告時間(例えば「40」)を代入する(S5302)。そして、弱SPリーチにおいて覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する(S5303)。
具体的に演出制御用マイコン91は、ステップS5303において、先ず弱SPリーチ予告ポイント決定乱数(図54参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した弱SPリーチ予告ポイント決定乱数と、図54に示す弱SPリーチの予告ポイント決定テーブルとを用いて、予告ポイント8〜11の中で覚醒予告ポイントを実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。
ここで図54に示す弱SPリーチの予告ポイント決定テーブルから分かるように、本形態では、SPリーチハズレよりも、SPリーチ大当たりの方が、覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントの数が多くなり易いように振分率が設定されている。つまり、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、予告ポイント8〜11のうち覚醒予告演出が実行される予告ポイントが多くなるように(即ち実行される予告ポイントが2つになるように)決定され易い。よって、弱SPリーチにおいて覚醒予告演出が実行される回数が2回であれば、1回である場合よりも、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
ステップS5303の後、演出制御用マイコン91は、変数Xに「8」を記憶しておく(S53304)。続いてステップS5305では、ステップS5303の抽選結果に基づいて、予告ポイントX(変数Xの数値に対応する予告ポイント)が、覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かを判定する。なおステップS5304からステップS5305に進んだ場合には、変数Xの値が「8」であるため、予告ポイント8が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定されることになる。ステップS5305でNOと判定された場合、現時点で判断している予告ポイントXで覚醒予告演出を実行しないため、ステップS5308に進む。
一方、ステップS5305でYESと判定された場合、演出制御用マイコン91は、RAM94のX番目の予告時間記憶領域(図49参照)に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する(S5306)。例えば予告ポイント8が覚醒予告演出を実行すると決定された予告ポイントであれば、第8予告時間記憶領域に、予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。
続いてステップS5307では、演出制御用マイコン91は、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算する。そしてステップS5308に進むと、次の予告ポイント(X+1)での覚醒予告演出の実行に関する処理を行うべく、変数Xの数値を「1」だけ加算する。これにより、変数Xの数値が「12」に達したか否かを判定する(S5309)。ステップS5309でYESと判定されれば、予告ポイント8〜11の全てで覚醒予告演出の実行に関する処理が終了したため、本処理を終える。一方、ステップS5309でNOと判定されれば、ステップS5305に戻り、上述したステップS5305〜S5309の処理が繰り返されることになる。
[強SPリーチ用処理]強SPリーチ用処理(S5006)は、図58に示す(ステップ3)の(8)で説明した処理である。図44に示すように、演出制御用マイコン91は先ず、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドが、強SPリーチの実行を示すものであるか否かを判定する(S5401)。具体的には、当該変動保留に係る第1始動入賞コマンドの上位コマンドの下の桁が「1」「2」「4」「5」「A」「B」(図13参照)のいずれかであるか否かを判定する。
ステップS5401でNOと判定された場合、強SPリーチを実行しない、即ち予告ポイント12〜17で覚醒予告演出を実行することがありえないため、本処理を終える。一方、ステップS5401でYESと判定された場合、演出制御用マイコン91は、予告タイマにステップS5002で決定した強SPリーチの開始予告時間(例えば「20」)を代入する(S5402)。そして、強SPリーチにおいて覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを抽選で決定する(S5403)。
具体的に演出制御用マイコン91は、ステップS5403において、先ず強SPリーチ予告ポイント決定乱数(図55参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した強SPリーチ予告ポイント決定乱数と、図55に示す強SPリーチの予告ポイント決定テーブルとを用いて、予告ポイント12〜17の中で覚醒予告ポイントを実行可能な予告ポイントを抽選で決定する。
ここで図55に示す強SPリーチの予告ポイント決定テーブルから分かるように、本形態では、SPリーチハズレよりも、SPリーチ大当たりの方が、覚醒予告演出を実行し得る予告ポイントの数が多くなり易いように振分率が設定されている。つまり、SPリーチ大当たりの方がSPリーチハズレよりも、予告ポイント12〜17のうち覚醒予告演出が実行される予告ポイントが多くなるように(即ち実行される予告ポイントが2つになるように)決定され易い。よって、強SPリーチにおいて覚醒予告演出が実行される回数が2回であれば、1回である場合よりも、遊技者に大当たり当選であることへの期待度が高いことを把握させることが可能となる。
ステップS5403の後、演出制御用マイコン91は、変数Xに「12」を記憶しておく(S5404)。続いてステップS5405では、ステップS5403の抽選結果に基づいて、予告ポイントX(変数Xの数値に対応する予告ポイント)が、覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かを判定する。なおステップS5404からステップS5405に進んだ場合には、変数Xの値が「12」であるため、予告ポイント12が覚醒予告演出を実行可能と決定された予告ポイントであるか否かが判定されることになる。ステップS5405でNOと判定された場合、現時点で判断している予告ポイントXで覚醒予告演出を実行しないため、ステップS5408に進む。
一方、ステップS5405でYESと判定された場合、演出制御用マイコン91は、RAM94のX番目の予告時間記憶領域(図49参照)に、現時点で予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する(S5406)。例えば予告ポイント12が覚醒予告演出を実行すると決定された予告ポイントであれば、第12予告時間記憶領域に、予告タイマに記憶されている予告時間を記憶する。
続いてステップS5407では、演出制御用マイコン91は、予告タイマに記憶されている予告時間を「5」だけ減算する。そしてステップS5408に進むと、次の予告ポイント(X+1)での覚醒予告演出の実行に関する処理を行うべく、変数Xの数値を「1」だけ加算する。これにより、変数Xの数値が「18」に達したか否かを判定する(S5409)。ステップS5409でYESと判定されれば、予告ポイント12〜17の全てで覚醒予告演出の実行に関する処理が終了したため、本処理を終える。一方、ステップS5409でNOと判定されれば、ステップS5405に戻り、上述したステップS5405〜S5409の処理が繰り返されることになる。以上により、覚醒予告演出決定処理(S4709)の処理が終了する。
[変動演出開始処理]図45に示すように、変動演出開始処理(S4407)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンド(特図1変動開始コマンド又は特図2変動開始コマンド)を解析する(S6101)。変動開始コマンドには、特図2変動パターン選択処理(S1403)又は特図1変動パターン選択処理(S1409)でセットされた変動パターンの情報が含まれている。変動パターンの情報には、現在の遊技状態(高確率状態であるか否か、時短状態であるか否か)を指定する遊技状態情報、特図1又は特図2の大当たり判定処理の判定結果としての図柄を指定する図柄情報(図8(A)参照)、SPリーチ(弱SPリーチ又は強SPリーチ)の実行の有無等が含まれている。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能である。
次に演出制御用マイコン91は、変数Yに記憶されている数値を「1」だけ減算する(S6102)。ここで上述したように覚醒予告演出を実行すると判定された場合において、特図1保留球数に応じた数値が変数Yに記憶されていることになる(図39のステップS4801参照)。例えば覚醒予告演出を実行すると判定された場合の特図1保留球数が「4」であれば、予め変数Yには「4」が記憶されていて、ステップS6102の処理により、変数Yに記憶されている数値が「3」になる。
続いて、後述する変動演出パターン選択処理(S6103)を行う。その後、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄(装飾図柄)8L,8C,8Rの選択を行う(S6104)。具体的には、演出図柄決定用乱数を取得するとともに、特別図柄の種類やノーマルリーチ及びSPリーチの有無に応じて分類されている複数のテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した演出図柄決定用乱数を判定することにより、演出図柄を選択する。これにより、最終的に停止表示される演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様(例えば「767」等)となるか又は大当たり停止態様(例えば「777」等)となるかが決定される。
演出制御用マイコン91は、演出図柄8L,8C,8Rの選択(S6104)を行った後、覚醒予告演出実行フラグがONであるか否かを判定する(S6105)。覚醒予告演出実行フラグがOFFであれば(S6105でNO)、覚醒予告演出の実行に関する処理(ステップS6105〜S6112)をパスして、ステップS6113に進む。一方、覚醒予告演出実行フラグがONであれば(S6105でNO)、覚醒予告演出の実行に関する処理を行うべく、ステップS6106に進む。
ステップS6106では、RAM94の第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域(図7(B)参照)の予告実行情報記憶領域(図7(D)参照)に、覚醒予告演出の実行を示す予告実行情報が記憶されているか否かを判定する。なお予告実行情報は、図40に示す途中変動処理(S5003)のステップS5107で記憶されたものである。予告実行情報が記憶されていなければ(S6106でNO)、ステップS6107をパスしてステップS6108に進む。一方、予告実行情報が記憶されていれば(S6106でYES)、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域(図7(D)参照)に記憶されている予告時間に基づいて、覚醒予告演出コマンドをRAM94の出力バッファにセットする(S6107)。なお途中変動用予告時間記憶領域に記憶されている予告時間は、図40に示す途中変動処理(S5003)のステップS5106で記憶されたものである。
ステップS6107でセットされた覚醒予告演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、予告時間に基づく演出画像をROM103から読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて特図1の変動表示の開始時に覚醒予告演出を行う。例えば途中変動用予告時間記憶領域に記憶されている予告時間が「100」である場合には、特図1の変動表示の開始時に「100」よりも僅かに小さい数字を示す画像(「99.9」から「99.0」まで減算表示されていく画像)が表示画面7aにて表示される(図59(B)参照)。こうしてステップS6106及びS6107の処理により、当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)の変動表示よりも前に、特図1の変動表示が開始されるタイミングで連続予告演出として覚醒予告演出が実行され得る。
ステップS6108では、変数Yの数値が「0」であるか否かを判定する。即ち、当該変動保留に基づく特図1の変動表示に対応する変動演出(以下、単に「当該変動保留の変動演出」と呼ぶ)であるか否かを判定する。変数Yの数値が「0」でなければ(S6108でNO)、当該変動保留の変動演出ではないため、ステップS6113に進む。一方、変数Yの数値が「0」であれば(S6108でYES)、当該変動保留の変動演出において覚醒予告演出を実行するべく、ステップS6109に進む。
ステップS6109では、演出制御用マイコン91は、演出実行タイマのカウントを開始する。演出実行タイマは、当該変動保留に基づく変動表示の開始から、実時間(現実の時間、リアルタイム)を計測するものであり、初期時間(初期値)は「0」に設定されている。ステップS6109の処理により、演出実行タイマの数値は実時間の経過に伴って「0」から増えていく。
続いて演出制御用マイコン91は、ステップS6101の変動開始コマンドの解析により判別した演出内容に基づいて、予告ポイント4〜17までの各予告ポイントでの覚醒予告演出を実行する演出開始時間を決定する(S6110)。ここで予告ポイント4〜17での演出開始時間は、演出内容に応じて予め定められているテーブル(図示省略)により決められる。例えば疑似連の回数が3回で弱SPリーチを経て強SPリーチを実行する演出内容の場合には、予告ポイント4での演出開始時間は「0.01秒」、予告ポイント5での演出開始時間は「10秒」、予告ポイント6での演出開始時間は「20秒」…というように、予告ポイント17までの各演出開始時間が決定される。なお疑似連2回、疑似連3回、弱SPリーチ、又は強SPリーチのうち実行しない演出内容があっても、各予告ポイント4〜17までの全ての予告ポイントで演出開始時間が決定されるようになっている。そして、各予告ポイント4〜17までの各演出開始時間は、同一時間がないように、即ち微少時間の差であっても順に増えていくように決定される。
そして演出制御用マイコン91は、決定した予告ポイント4〜17までの各演出開始時間を、第4演出開始時間記憶領域から第17演出開始時間記憶領域までの各演出開始時間記憶領域(図49参照)に記憶する(S6111)。その後、後述する覚醒予告演出制御処理(S4302)にて、予告ポイント4から順番に覚醒予告演出の制御を行うために、変数Xに「4」を記憶しておく(S6112)。こうして、当該変動保留の変動演出で実行する覚醒予告演出に関する処理(ステップS6109〜S6112)を行った後、ステップS6113に進む。
ステップS6113では、ステップS6103で選択した変動演出パターンや、ステップS6104で選択した演出図柄にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S6113)、変動演出開始処理(S4407)を終了する。ステップS6113でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROMから103読み出して、画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
[変動演出パターン選択処理]図46に示すように、変動演出パターン選択処理(S6103)ではまず、演出制御用マイコン91は、ステップS6101の変動開始コマンドの解析によ基づいて、変動パターンがVロング大当たり且つ強SPリーチの実行を示すものであるか否かを判定する(S6201)。即ち変動パターンがP1〜P3(図11参照)のいずれかであるか否かを判定する(S6201)。Vロング大当たり且つ強SPリーチの実行を示すものでなければ(S6201でNO)、ステップS6202の処理を行って、本処理を終える。
ステップS6202では、先ず変動演出パターン決定乱数を取得する。また変動パターンの種類に応じて分類されている複数のテーブルのうち、Vロング大当たり且つ強SPリーチに対応しないテーブルの中から、変動開始コマンドの解析結果に基づいて一つのテーブルを選択する。そして、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。これにより、変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、ノーマルリーチ演出の有無、ノーマルリーチ演出の内容、SPリーチ演出の有無、SPリーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の演出内容の詳細が決定することとなる。
一方、ステップS6201でYESと判定された場合、覚醒予告演出実行フラグがONであるか否かを判定する(S6203)。覚醒予告演出実行フラグがOFFであれば(S6203でNO)ステップS6207に進み、ONであれば(S6203でYES)、変数Yの数値が「0」であるか否かを判定する。即ち、当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)の変動演出か否かを判定する。変数Yの数値が「0」でなければ(S6204でNO)ステップS6207に進み、「0」であれば覚醒演出を実行するか否かを判定する(S6206)。
具体的にステップS6206では、演出制御用マイコン91は先ず、覚醒演出決定乱数(図56参照、乱数値の範囲「0」〜「99」)を取得する。そして取得した覚醒演出決定乱数と、図56に示す覚醒演出決定乱数テーブルとを用いて、覚醒演出の実行の有無と変動演出パターンの内容を抽選で決定する。なお覚醒演出は上述したように、図61(G)に示す覚醒確定演出と、図61(H)に示す覚醒開始演出と、図61(I)に示す覚醒ボーナス演出とを含む一連の演出である。
ステップS6205の抽選により、覚醒演出を実行すると決定されれば(S6206でYES)、ステップS6208に進み、覚醒演出を実行しないと決定されれば(S6206でNO)、ステップS6207に進む。要するに、変動パターンがVロング大当たり且つ強SPリーチの実行を示すものである場合において、覚醒演出を実行する場合にはステップS6208に進み、覚醒演出を実行しなければステップS6207に進むことになる。
演出制御用マイコン91は、ステップS6207に進むとバトル勝利演出又は昇格成功演出のいずれかを伴う変動演出パターンを選択して、本処理を終える。なお変動演出パターンは、ステップS6202で説明したようにテーブルと変動演出パターン決定乱数とを用いた判定により決定される。バトル勝利演出を伴う変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると(S4006)、強SPリーチ中に図62(A)に示す変動演出が実行されることになる。
即ち、図62(A)に示すように、先ず主人公キャラと敵キャラとの戦いを示す画像(図61(A)参照)が表示画面7aに表示されるバトル演出(主事前示唆演出)が実行される。このとき表示画面7aの右上にて、左演出図柄8L及び右演出図柄8Rは「7」で停止表示されていて、中演出図柄8Cは変動表示している。このバトル演出中には、時間の経過と共に主人公キャラと敵キャラとが睨み合う画像(図61(C)参照)も表示される。その後、主人公キャラが敵キャラに勝利する画像(「WIN」を示す画像)が表示されるバトル勝利演出が実行される(主事前示唆演出が成功する)。これにより、遊技者には当否判定の結果が大当たり当選であることを把握させることが可能である。そして特別図柄の停止表示に伴って、演出図柄8L,8C, 8Rが大当たり停止態様(例えば「7」「7」「7」)で停止表示する。
一方、昇格成功演出を伴う変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると(S4006)、強SPリーチ中に図62(B)に示す変動演出が実行されることになる。即ち図62(B)に示すように、バトル演出が実行される。このとき表示画面7aの右上にて、左演出図柄8L及び右演出図柄8Rは「6」で停止表示されていて、中演出図柄8Cは変動表示している。次にバトル勝利演出が実行される。これにより、遊技者には当否判定の結果が大当たり当選であることを把握させることが可能である。続いて、演出図柄8L,8C, 8Rが大当たり停止態様(「6」「6」「6」)で揺れながら仮停止表示される。その後、演出図柄8L,8C, 8Rが「7」「7」「7」(特別の大当たり停止態様)に昇格することを期待させる昇格演出が実行される(図示省略)。そしてこの昇格演出が成功する(昇格成功演出が実行される)ことにより、演出図柄8L,8C, 8Rが「7」「7」「7」で停止表示される。これにより遊技者には、Vロング大当たりに当選したことを把握させることが可能である。
図46に示す変動演出パターン選択処理(S6103)の説明に戻る。演出制御用マイコン91は、ステップS6208に進むと、ステップS6205の抽選結果に基づく覚醒演出を伴う変動演出パターンを選択する。そして、覚醒演出の実行を示す覚醒演出フラグをONして(S6209)、本処理を終える。なお変動演出パターンは、ステップS6202で説明したようにテーブルと変動演出パターン決定乱数とを用いた判定により決定される。ここで図56に示すように、覚醒演出を実行する場合の変動演出パターンには、バトル演出中に覚醒演出が実行される変動演出パターンと、バトル敗北演出後に覚醒演出が実行される演出パターンとがある。バトル敗北後に覚醒演出が実行される変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると(S4006)、強SPリーチ中に図62(C)に示す変動演出が実行されることになる。
即ち、図62(C)に示すように、バトル演出(図61(A)参照)が実行される。その後、主人公キャラが敵キャラに敗北する画像(「LOSE」を示す画像、図61(E)参照)が表示画面7aに表示されるバトル敗北演出が実行される。続いて、演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様(「7」「6」「7」)で揺れながら仮停止表示される。これにより遊技者には、当否判定の結果がハズレであると思わせることが可能である。その後、上述した覚醒演出が実行される。つまり、「00.0」を示す画像(図61(G)参照)が表示される覚醒確定演出が実行される。次に、主人公キャラの覚醒を示す画像(図61(H)参照)が表示される覚醒開始演出が実行される。続いて、「覚醒BONUS」を示す画像(図61(I)参照)がに表示される覚醒ボーナス演出が実行される。こうして、遊技者にハズレであると一旦思わせた後に大当たり当選であることを把握させることにより、大当たり遊技の実行を獲得したことへの高揚感を高めることが可能である。
なお図62に示していないが、バトル演出中に覚醒演出が実行される変動演出パターンにて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると(S4006)、以下のような変動演出が実行される。つまりバトル演出が実行されて、その後にバトル勝利演出又はバトル敗北演出が実行される前に、「00.0」を示す画像(図61(G)参照)が表示される覚醒確定演出が実行される。そして、上述したように覚醒開始演出と覚醒ボーナス演出とが続いて実行されることになる。
ここで本形態では、図62(B)(C)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様(「6」「6」「6」)で揺れながら仮停止表示されてから、昇格成功演出が実行されるまでの時間を利用して、覚醒演出(覚醒確定演出、覚醒開始演出、及び覚醒ボーナス演出)を実行している。つまり演出制御用マイコン91は、Vロング大当たり且つ強SPリーチの実行を示す変動パターンに基づいて、昇格成功演出又は覚醒演出を実行するか否かを決めているだけである。そのため、覚醒演出を実行するための変動パターン(覚醒演出を実行するための変動時間が余分に長い変動パターン)が新たに設定されているわけではない。従って、主制御基板80側の制御を変更しなくて済むことになり、制御の変更による負担を軽減しつつ、覚醒演出を実行することが可能である。
また本形態では、図62(C)に示すように、覚醒演出は、特別図柄が(演出図柄8L,8C,8R)が停止表示される前に開始され、大当たり遊技が開始されても一連の演出として実行され続ける。つまり覚醒演出は、特別図柄が停止表示される前から大当たり遊技のオープニング演出として実行される。そして本形態の覚醒演出は、バトル勝利演出が実行されないで(バトル勝利演出が実行される前に)、覚醒演出が実行されることに特徴がある。そのため、バトル勝利演出が実行されるのを期待している遊技者にとっては、覚醒演出の実行により、不意に大当たりに当選したという印象(意外性)を与えることが可能である。なお本形態では、「覚醒ボーナス」を示す画像の表示(覚醒ボーナス演出)の後に、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様(「7」「7」「7」)で停止表示されることとなるが、演出図柄8L,8C,8Rが大当たり停止態様で停止表示された後に、「覚醒ボーナス」を示す画像の表示があっても良く、「覚醒ボーナス」を示す画像の表示タイミングは適宜変更可能である。
上述したように強SPリーチの流れとして、図62(A)(B)(C)を代表して説明したが、その他の演出が実行されることは勿論ある。例えば、Vショート大当たり且つ強SPリーチの実行を示す変動パターン(例えば変動パターンP7、図11参照)であれば、図62(B)に示す昇格成功演出が実行されずに、演出図柄8L,8C, 8Rが「6」「6」「6」で確定的に停止表示される。また強SPリーチでハズレの実行を示す変動パターン(例えば変動パターンP13、図11参照)であれば、バトル敗北演出を経て、演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様(例えば「7」「6」「7」)で仮停止表示された後、復活演出でも失敗してそのままハズレ停止態様で確定的に停止表示されることになる。
[オープニング演出選択処理]図47に示すように、オープニング演出選択処理(S4412)ではまず、演出制御用マイコン91は、受信しているオープニングコマンドを解析する(S6301)。なお本形態では、オープニングコマンドには、大当たりの当選時にセットされた特図停止図柄データ(図8(A)参照)に関する情報が含まれている。次に、覚醒演出フラグがONであるか否かを判定する(S6302)。覚醒演出フラグがOFFであれば(S6302でNO)、オープニングコマンドの解析に基づいてVロング大当たりであるか否かを判定する(S6303)。
Vロング大当たりであれば(S6303でYES)、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出として、スーパーボーナス演出パターンを選択して(S6304)、ステップS6306に進む。一方、Vロング大当たりでなければ(S6303でNO)、即ちVショート大当たりであれば、その他のオープニング演出パターンを選択して(S6305)、ステップS6306に進む。ステップS6306では、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、本処理を終える。
ここで、スーパーボーナス演出パターンの選択に基づくオープニング演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出してスーパーボーナス演出を行う。スーパーボーナス演出(第1大当たり演出)は、図62(A)(B)に示すように、「SUPERBONUS」を示す画像を表示画面7aに表示するオープニング演出であり、遊技者にVロング大当たりの当選に基づく大当たり遊技が実行されることを報知している。なお、その他のオープニング演出パターンの選択に基づくオープニング演出開始コマンドが画像制御基板100に送信されると、遊技者がVロング大当たり又はVショート大当たりのどちらであるか判別不能なオープニング演出が実行される。また、Vロング大当たりであっても(S6303でYES)、Vロング大当たり又はVショート大当たりのどちらであるか判別不能なオープニング演出が実行されるようにしても良い。
一方、ステップS6302で覚醒演出フラグがONであれば(S6302でYES)、覚醒演出フラグをOFFする(S6307)。そしてオープニング演出開始コマンドをセットすることなく本処理を終える。これは上述したように、覚醒演出がオープニング演出として大当たり遊技の実行前から継続して行われているため(図62(C)参照)、大当たり遊技の開始に伴ってオープニング演出を行う必要がないためである。但し、覚醒演出を大当たり遊技の開始までの演出とし、覚醒演出フラグがONであれば(S6302でYES)、オープニング演出開始コマンドをセットして、覚醒演出に連続するオープニング演出が実行されるようにしても良い。
[覚醒予告演出制御処理]10msタイマ割り込み処理(S4010)において、上述した受信コマンド解析処理(S4301)の後、覚醒予告演出制御処理(S4302)が行われる(図34参照)。覚醒予告演出制御処理(S4302)は、演出実行タイマのカウントに伴って予告ポイント4〜17までの各予告ポイントで覚醒予告演出の実行を制御する処理である。
図48に示すように、覚醒予告演出制御処理(S4302)ではまず、演出制御用マイコン91は、演出実行タイマの時間が「0」より大きいか否かを判定する(S7001)。なお演出実行タイマは、図45に示すステップS6109により当該変動保留の変動表示の開始からの実時間として計測されるものである。演出実行タイマの時間が「0」であれば(S7001でNO)、覚醒予告演出を実行しないため、本処理を終える。
一方、演出実行タイマの時間が「0」より大きければ(S7001でYES)、演出制御用マイコン91は、予告ポイントXの演出開始時間に到達したか否かを判定する(S7002)。即ち、演出実行タイマの時間が、変数Xに対応するX番目の演出開始時間記憶領域(図49参照)に記憶されている演出開始時間に到達したか否かが判定される。なお、演出実行タイマのカウントが開始されたときに(図45に示すS6109参照)、変数Xには「4」が記憶されているため(図45に示すS6112参照)、演出実行タイマのカウントが開始されてからは先ず、演出実行タイマの時間が第4演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間(例えば0.01秒)に到達したか否かが判定されることになる。
予告ポイントXの演出開始時間に到達していなければ(S7002でNO)、処理を終える。一方、予告ポイントXの演出開始時間に到達していれば(S7002でYES)、X番目の予告時間記憶領域(図49参照)に予告時間がセットされているか否かを判定する(S7003)。例えば、演出実行タイマの時間が第4演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達していれば、第4予告時間記憶領域に予告時間がセットされているか否かを判定する。予告時間がセットされていれば(S7003でYES)、セットされている予告時間に基づいて覚醒予告演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして(S7004)、ステップS7005に進む。
ステップS7004でセットされた覚醒予告演出コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、当該変動保留の変動表示において予告ポイントXで覚醒予告演出が行われる。例えば第4予告時間記憶領域に予告時間として「80」がセットされていれば、演出実行タイマの時間が第4演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達したときに、「80」よりも僅かに小さい数字を示す画像(「79.9」から「79.0」まで減算表示されていく画像)が表示画面7aにて表示される(図59(H)参照)。
一方、ステップS7003でX番目の予告時間記憶領域に予告時間がセットされていなければ(S7003でNO)、予告ポイントXで覚醒予告演出を実行しないため、ステップS7004をパスしてステップS7005に進む。ステップS7005では、変数Xの数値に「1」だけ加算する。これにより、変数Xの数値が「18」に達したか否か、即ち予告ポイント4〜17までの各予告ポイントで覚醒予告演出の実行の制御が終了したか否かを判定する(S7006)。変数Xの数値が「18」に達していなければ(S7006でNO)、次の予告ポイントXで覚醒予告演出の実行の制御を行うため、処理を終える。一方、変数Xの数値が「18」に達していれば(S7006でYES)、演出実行タイマの時間を「0」にリセットして、カウントを中止する(S7007)。
そして、演出制御用マイコン91は、覚醒予告演出実行フラグをOFFして(S7008)、変数Xの数値に「0」を代入すると共に、変数Yの数値に「0」を代入する(S7009)。続いて、第4〜第17予告時間記憶領域までの全ての予告時間記憶領域(図49参照)をクリアする(S7010)と共に、第4〜第17演出開始時間記憶領域までの全ての演出開始時間記憶領域(図49参照)をクリアして(S7011)、本処理を終える。
8.覚醒予告演出及び覚醒演出による表示制御
次に、覚醒予告演出及び覚醒演出による表示制御の一例について、図59〜図61に基づいて説明する。ここで前提条件として、遊技状態が低確低ベース状態であり、第1特図保留の数が「3」であり(1,2,3個目の特図保留が発生していて)、第2特図保留の数が「0」であることとする。そして、覚醒予告演出の実行中ではなく、1,2,3個目の第1特図保留によりそれぞれ特定された第1始動入賞コマンドは全てドハズレを示すもの(「A1H1EH」「A1H2EH」「A1H3EH」)であったとする。この前提条件から、第1特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口20に入賞すると、図59(A)に示すように、4個目の第1特図保留が発生する。なお以後第2始動口21には遊技球が入賞しないこととする。
4個目の第1特図保留が発生したとき、主制御基板80が特定した第1始動入賞コマンドは、疑似連3回+Vロング大当たりで、弱SP⇒強SPリーチの実行を示すもの(「A3H41H」、図13参照)であったとする(S213)。この第1始動入賞コマンドはサブ制御基板90に送信され(S214,S101)、サブ制御基板90は受信した第1始動入賞コマンドに基づいて先読み演出判定処理(S4405)を行う。
先読み演出判定処理(S4405)では、図38に示すように、第1特図保留演出記憶部95aに記憶されている第1始動入賞コマンドが全て正常であると判定され(S4702でYES)、SPリーチの実行を示す第1始動入賞コマンドであるため、先読み演出(覚醒予告演出)が実行可能であると判定される(S4704でYES)。そして演出制御用マイコン91は、覚醒予告演出乱数テーブルに基づく抽選(S4706)により、覚醒予告演出を実行すると判定したこととする(S4707でYES)。これにより、覚醒予告演出実行フラグがONされて(S4708)、覚醒予告演出決定処理(S4709)により、詳細な覚醒予告演出の内容が決定されることとなる。
覚醒予告演出決定処理(S4709)では、図39に示すように、先ず変数X及び変数Yに、第1特図保留球数である「4」が代入される(S4801)。そして、1,2,3個目の特図保留は全てドハズレを示すものであるため、ステップS4803〜S4807の処理により、予告可能フラグ1,2,3がONされる。続いて演出制御用マイコン91は、図50に示す途中変動開始予告時間決定テーブルを用いた抽選により、途中変動の開始予告時間を「100」に決定したこととする(S5001)。更に、図51(A)に示すテーブルを用いた抽選により、当該変動の開始予告時間を「80」に決定し、弱SPリーチの開始予告時間を「50」に決定し、強SPリーチの開始予告時間を「20」に決定したこととする(S5002)。
次に演出制御用マイコン91は、図40に示す途中変動用処理(S5003)を行う。このとき先ず、予告タイマに途中変動の開始予告時間である「100」を代入する(S5101)。次いで変数Xに「1」を代入しておく(S5102)。そして、図52に示す途中変動の予告ポイント決定テーブルを用いた抽選により、覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを予告ポイント1,2,3と決定したこととする(S5103)。その後、ステップS5104〜S5110の処理を3回繰り返す。
即ち、先ず予告可能フラグ1がONであることにより(S5105でYES)、第1特図保留演出記憶部95aの第3記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域(図7参照)に「100」を記憶する。そして、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「95」にすると共に(S5108)、変数Xの数値を「2」にする(S5109)。次に予告可能フラグ2がONであることにより(S5105でYES)、第1特図保留演出記憶部95aの第2記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域に「95」を記憶する。そして、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「90」にすると共に(S5108)、変数Xの数値を「3」にする(S5109)。続いて予告可能フラグ3がONであることにより(S5105でYES)、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の途中変動用予告時間記憶領域に「90」を記憶する。そして、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「85」にすると共に(S5108)、変数Xの数値を「4」にする(S5109)。これによりステップS5110でYESと判定されて、途中変動用処理(S5003)を終える。
続いて演出制御用マイコン91は、図41に示す当該変動用処理(S5004)を行う。このとき先ず、予告タイマに当該変動の開始予告時間である「80」を代入する(S5201)。そして、図53に示す当該変動の予告ポイント決定テーブルを用いた抽選により、覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを予告ポイント4,5,6,7と決定したこととする(S5202)。そのため先ず、RAM94の第4予告時間記憶領域に「80」をセットして(S5204)、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「75」にする(S5205)。次に第1始動入賞コマンドが疑似連3回の実行を示すものであるため、ステップS5206でYESと判定する。そして、RAM94の第5予告時間記憶領域に「75」をセットして(S5208)、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「70」にする(S5209)。
続いて図42に示すように、第1始動入賞コマンドが疑似連3回の実行を示すものであるため、ステップS5210でYESと判定する。そして、RAM94の第6予告時間記憶領域に「70」をセットして(S5212)、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「65」にする(S5213)。また第1始動入賞コマンドがSPリーチの実行を示すものであるため、ステップS5214でYESと判定する。そして、RAM94の第7予告時間記憶領域に「65」をセットして(S5216)、予告タイマの数値を「5」だけ減算して「60」にする(S5217)。こうして当該変動用処理(S5004)を終える。
次に演出制御用マイコン91は、図43に示す弱SPリーチ用処理(S5005)を行う。第1始動入賞コマンドが弱SPリーチの実行を示すものであるため、ステップS5301でYESと判定される。そして、予告タイマに弱SPリーチの開始予告時間である「50」を代入する(S5302)。次に、図54に示す弱SPリーチの予告ポイント決定テーブルを用いた抽選により、覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを予告ポイント8だけに決定したこととする(S5303)。そして変数Xに「8」を代入しておく(S5304)。その後、ステップS5305〜S5309の処理を4回繰り返す。
このとき、予告ポイント8で覚醒予告演出を実行可能であると判定されると(S5305でYES)、RAM94の第8予告時間記憶領域に「50」がセットされる(S5306)。しかし予告ポイント9〜11では覚醒予告演出を実行可能であると判定されないため(S5305でNO)、RAM94の第9〜第11予告時間記憶領域には予告時間がセットされないことになる。ステップS5305〜S5309の処理が4回繰り返されると、ステップS5309でYESと判定されて、弱SPリーチ用処理(S5005)を終える。
続いて演出制御用マイコン91は、図44に示す強SPリーチ用処理(S5006)を行う。第1始動入賞コマンドが強SPリーチの実行を示すものであるため、ステップS5401でYESと判定される。そして、予告タイマに強SPリーチの開始予告時間である「20」を代入する(S5402)。次に、図55に示す強SPリーチの予告ポイント決定テーブルを用いた抽選により、覚醒予告演出を実行可能な予告ポイントを予告ポイント13,16に決定したこととする(S5403)。そして変数Xに「12」を代入しておく(S5404)。その後、ステップS5405〜S5409の処理を6回繰り返す。
このとき、変数Xの数値が「12」であるときに予告ポイント12では覚醒予告演出を実行可能であると判定されないため(S5405でNO)、RAM94の第12予告時間記憶領域には予告時間がセットされない。次に変数Xの数値が「13」であるときに予告ポイント13で覚醒予告演出を実行可能であると判定されるため(S5405でYES)、第13予告時間記憶領域に「20」がセットされる(S5406)。そして予告タイマの数値を「5」だけ減算して「75」にする(S5407)。その後変数Xの数値が「14」又は「15」であるときに予告ポイント14,15では覚醒予告演出を実行可能であると判定されないため(S5405でNO)、第14,第15予告時間記憶領域には予告時間がセットされない。次に変数Xの数値が「16」であるときに予告ポイント16で覚醒予告演出を実行可能であると判定されるため(S5405でYES)、第16予告時間記憶領域に「15」がセットされる(S5406)。最後に変数Xの数値が「17」であるときに予告ポイント17では覚醒予告演出を実行可能であると判定されないため(S5405でNO)、第17予告時間記憶領域には予告時間がセットされない。こうしてステップS5405〜S5409の処理が6回繰り返されると、ステップS5409でYESと判定されて、強SPリーチ用処理(S5006)を終える。
以上のようにして詳細な覚醒予告演出の内容が決定された後、図59(A)に示す変動表示中の第1特別図柄(演出図柄8L,8C,8R)が停止表示される。続いて、上記した1個目の第1特図保留(−3保留)の変動表示が開始されるときに、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4407)のステップS6106で、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の予告実行情報記憶領域(図7(B)(D)参照)に予告実行情報が記憶されていると判定する(S6106でYES)。これにより、第1記憶領域の予告実行情報記憶領域に記憶されている予告時間「100」に基づいて、覚醒予告演出コマンドをセットする(S6107)。なお変動演出開始処理(S4407)のステップS6102により、変数Yの数値が「4」から「3」に変わる。
こうして、図59(B)に示すように、上記した1個目の第1特図保留(−3保留)の変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント1)で、「99.9」から「99.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。この覚醒予告演出の実行により、遊技者にはその後に覚醒演出が実行されるかもしれないという期待感を持たせることが可能である。なお覚醒予告演出は実時間(リアルタイム)として約0.5秒しか実行されないため、その後すぐに図59(C)に示すように、−3保留の変動表示に対応する変動演出が実行される。また−3保留の変動表示に対応する変動演出が開始されるときに、第1特図保留演出記憶部95aの各記憶領域(図7(B)参照)に記憶されている第1始動入賞コマンドが、1つ前の記憶領域にシフトされることになる(S4408)。
以下同様に、−3保留に基づく特図1がドハズレとして停止表示された後、上記した2個目の第1特図保留(−2保留)の変動表示が開始されるときに、演出制御用マイコン91は、変動演出開始処理(S4407)のステップS6106で、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の予告実行情報記憶領域に記憶されている予告時間「95」に基づいて、覚醒予告演出コマンドをセットする(S6107)。なお変動演出開始処理(S4407)のステップS6102により、変数Yの数値が「3」から「2」に変わる。
こうして、図59(D)に示すように、−2保留の変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント2)で、「94.9」から「94.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。この覚醒予告演出の実行により、遊技者には前回の覚醒予告演出よりも表示される時間が減少していることにより、覚醒演出の実行に近づいていることを把握させることが可能である。この覚醒予告演出の後すぐに図59(E)に示すように、−2保留の変動表示に対応する変動演出が実行される。
以下同様に、−2保留に基づく特図1がドハズレとして停止表示された後、上記した3個目の第1特図保留(−1保留)の変動表示が開始されるときに、演出制御用マイコン91は、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の予告実行情報記憶領域に記憶されている予告時間「90」に基づいて、覚醒予告演出コマンドをセットする(S6107)。なお変動演出開始処理(S4407)のステップS6102により、変数Yの数値が「2」から「1」に変わる。
こうして、図59(F)に示すように、−1保留の変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント3)で、「89.9」から「89.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。このように途中変動で(−3保留の変動表示の開始から−1保留の変動表示の終了までの間に)覚醒予告演出が、連続予告演出として比較的多い3回実行される。これにより、遊技者には大当たり当選への期待度が高いことを把握させることが可能である。
その後、−1保留に基づく特図1がドハズレとして停止表示されると、当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)の変動表示が開始されることとなる。このとき、遊技制御用マイコン81は、特図1変動パターン選択処理(S1409)において、疑似連3回+弱SP⇒強SPリーチの実行を示す変動パターンP1(図11参照)を選択する。この変動パターンP1の情報を含む特図1変動開始コマンドを主制御基板80はサブ制御基板90に送信する(S1412)。
そして、この特図1変動開始コマンドを受信した演出制御用マイコン91は、図45に示す変動演出開始処理(S4407)で変数Yの数値を「1」から「0」に変える(S6102)。これにより演出制御用マイコン91が、当該変動保留の変動演出を開始するタイミングであることを把握する。次に、図46に示す変動演出パターン選択処理(S6103)では、変動パターンP1がVロング大当たり且つ強SPリーチの実行を示すため、ステップS6201でYESと判定し、変数Yの数値が「0」であるため、ステップS6204でYESと判定する。そして、図56に示す覚醒演出決定乱数テーブルを用いた抽選により、バトル敗北演出後に覚醒演出が実行される変動演出パターンを選択したこととする(S6205)。
その後、演出制御用マイコン91は、演出図柄を選択し(S6104)、覚醒予告演出実行フラグがONであることにより(S6105でYES)、ステップS6106に進む。当該変動保留の変動表示が開始される際には、第1特図保留演出記憶部95aの第1記憶領域の予告実行情報記憶領域には予告実行情報が記憶されていないため(S6106でNO)、ステップS6108に進む。そして、変数Yの数値が「0」であるため(S6108でYES)、ステップS6109に進み、演出実行タイマのカウントを開始する(S6109)。
続いて演出制御用マイコン91は、予告ポイント4〜17までの各予告ポイントでの覚醒予告演出を実行する演出開始時間を決定すると共に(S6110)、決定した各演出開始時間を第4演出開始時間記憶領域から第17演出開始時間記憶領域までの各演出開始時間記憶領域(図49参照)に記憶する(S6111)。そして変数Xに「4」を代入して(S6112)、バトル敗北演出後に覚醒演出が実行される変動演出パターンの情報を含む変動開始コマンドをセットする(S6113)。これにより、当該変動保留の変動表示に対応した変動演出が開始されることとなる。
ここで上述したように演出実行タイマのカウントが開始されているため、当該変動保留の変動表示に対応した変動演出中に、覚醒予告演出が実行されることになる。即ち演出制御用マイコン91は、図48に示す覚醒予告演出制御処理(S4302)において、先ず演出実行タイマの時間が、第4演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達すると(S7002でYES)、第4予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「80」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図59(H)に示すように、当該変動保留の変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント4)で、「79.9」から「79.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。その後すぐに図59(I)に示すように、当該変動保留の変動表示に対応した変動演出が開始される。
そしてこの変動演出においては、疑似連3回が実行されるため、図59(J)に示すように、左演出図柄8Lと特殊演出図柄GZと右演出図柄8Rによる1回目の仮停止表示が行われる。このとき、図48に示す覚醒予告演出制御処理(S4302)において、演出実行タイマの時間が、第5演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達し(S7002でYES)、第5予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「75」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図60(A)に示すように、1回目の再変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント5)で、「74.9」から「74.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。その後すぐに図60(B)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rによる1回目の再変動表示が開始される。
その後、図60(C)に示すように、左演出図柄8Lと特殊演出図柄GZと右演出図柄8Rによる2回目の仮停止表示が行われる。このとき、演出実行タイマの時間が、第6演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達し(S7002でYES)、第6予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「70」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図60(D)に示すように、2回目の再変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント6)で、「69.9」から「69.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。こうして、疑似連2回や疑似連3回の実行に際しても、覚醒予告演出が実行されることになり、どんなタイミングでも覚醒予告演出が実行され得るという印象を遊技者に与えることが可能である。図60(D)に示す覚醒予告演出の実行後すぐに、図60(E)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rによる1回目の再変動表示が開始される。
その後、図60(F)に示すように、左演出図柄8L及び右演出図柄8Rが「7」で停止表示された状態で、中演出図柄8Cが変動表示し続けるノーマルリーチとなる。そしてこの変動演出においては、ノーマルリーチから弱SPリーチに発展することになる。このとき、図48に示す覚醒予告演出制御処理(S4302)において、演出実行タイマの時間が、第7演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達し(S7002でYES)、第7予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「65」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図60(G)に示すように、リーチ発展時(予告ポイント7)で、「64.9」から「64.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。その後図60(H)に示すように、弱SPリーチとして、二次元のキャラクタにより大当たり当選を期待させる2D演出が行われる。
そして弱SPリーチ中に、演出実行タイマの時間が、第8演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達すると(S7002でYES)、第8予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「50」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図60(I)に示すように、予告ポイント8で、「49.9」から「49.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。こうして弱SPリーチ中に覚醒予告演出を把握した遊技者には、強SPリーチへ発展することを期待させると共に、更なる覚醒予告演出の実行を期待させることになる。なお第9〜第11予告時間記憶領域までの各予告時間記憶領域には予告時間がセットされていないため、予告ポイント9〜11までの各予告ポイントでは覚醒予告演出は実行されない。その後図60(J)に示すように、「発展」を示すカードを持つキャラクタの画像が表示されて、図60(A)に示すように、強SPリーチとして、三次元のキャラクタにより大当たり当選を期待させるバトル演出が行われる。
この強SPリーチ中においては、第12予告時間記憶領域に予告時間がセットされていないため、予告ポイント12では覚醒予告演出は実行されない。しかし、演出実行タイマの時間が、第13演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達すると(S7002でYES)、第13予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「20」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図61(B)に示すように、予告ポイント13で、「19.9」から「19.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。
この覚醒予告演出を把握した遊技者には、「00.0」を示す画像に近づいていることにより、覚醒演出への実行に対する期待感を大きくさせることが可能である。またそれと同時に、強SPリーチにおけるバトル演出において、主人公キャラが敵キャラに勝利するバトル勝利演出が実行されるのを期待させることが可能である。即ち遊技者には、バトル勝利演出の実行と覚醒演出の実行との2つを同時に期待させることが可能である。
図61(B)に示す覚醒予告演出の後、図61(C)に示すように、バトル演出中の画像として、主人公キャラと敵キャラとが睨み合う画像が表示される。なお、第12〜第15予告時間記憶領域までの各予告時間記憶領域には予告時間がセットされていないため、予告ポイント12〜15までの各予告ポイントでは覚醒予告演出は実行されない。そして、演出実行タイマの時間が、第16演出開始時間記憶領域に記憶されている演出開始時間に到達すると(S7002でYES)、第16予告時間記憶領域に記憶されている予告時間「15」に基づいて覚醒予告演出コマンドをセットする(S7004)。これにより、図61(D)に示すように、予告ポイント16で、「14.9」から「14.0」までの減算表示される画像を表示する覚醒予告演出が実行される。
こうして、強SPリーチにおいては、覚醒予告演出が2回実行されることにより、覚醒予告演出が1回実行される場合よりも、大当たり当選への期待度が高いことを示している。つまり遊技者には、覚醒予告演出の実行回数に注目させることが可能である。また「00.0」に近い時間が示されるほど、大当たり当選への期待度が高いことを示しているため、覚醒予告演出で表示される画像の表示態様にも注目させることが可能である。
なお、第17予告時間記憶領域には予告時間がセットされていないため、予告ポイント17では覚醒予告演出が実行されない。こうして図48に示す覚醒予告演出制御処理(S4302)において、変数Xの数値は「17」から「18」に変わり(S7005)、ステップS7007で演出実行タイマが「0」にリセットされて、そのカウントが中止される(S7007)。そして、覚醒予告演出実行フラグをOFFして(S7008)、変数X及び変数Yに「0」を代入する(S7009)。また、第4〜第17予告時間記憶領域までの各予告時間記憶領域をクリアすると共に(S7010)、第4〜第17演出開始時間記憶領域までの各演出開始時間記憶領域をクリアすることにより(S7011)、覚醒予告演出制御処理(S4302)を終える。
ところで、当該変動保留の変動表示に対応した変動演出において、バトル敗北演出後に覚醒演出が実行される変動演出パターンが選択されているため(S6208)、図61(E)に示すようにバトル敗北演出が実行される。そして図61(F)に示すように、演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様(「7」「6」「7」)で仮停止表示される。これにより、遊技者には当該変動保留に基づく当否判定がハズレであるかのような印象を与えることが可能である。そして、演出図柄8L,8C,8Rがハズレ停止態様で仮停止表示された直後、図61(G)に示すように、「00.0」を示す画像が表示される覚醒確定演出が実行される。なお覚醒確定演出は、詳細には約0.5秒の間に「00.9」から「00.0」までの減算表示される画像を表示し、覚醒予告演出と似た画像表示態様になっている。即ち、表示される時間が異なること以外は、覚醒予告演出と同様の画像表示態様になっている。
その後、覚醒確定演出に続いて、図61(H)に示すように、主人公キャラの覚醒を示す画像が表示される覚醒開始演出が実行される。またこの覚醒開始演出に続いて、図61(I)に示すように、「覚醒BONUS」が表示される覚醒ボーナス演出が実行される。この覚醒演出(覚醒確定演出、覚醒開始演出、覚醒ボーナス演出を含む一連の演出)の実行により、遊技者には、大当たり遊技の実行という利益を獲得したことを把握させることが可能である。そしてこの例では、バトル敗北演出を経て演出図柄8L,8C,8Rをハズレ停止態様で仮停止表示することにより、遊技者を一旦落胆させることになる。その後に、覚醒確定演出を実行することにより、覚醒演出が実行されることへの高揚感を高めることが可能である。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように本形態のパチンコ遊技機1によれば、強SPリーチ(バトル演出)の実行中に、遊技者はその後にバトル勝利演出が実行されて、スーパーボーナス演出が実行されるの期待しながら遊技を行う。ここで本形態ではバトル勝利演出が実行される前に覚醒予告演出が実行されると、遊技者は、その後に覚醒確定演出が実行されることも期待するようになる。つまり、覚醒予告演出を把握した遊技者に対して、スーパーボーナス演出の実行への期待と並行して、覚醒ボーナス演出の実行への期待も持たせることが可能である。よって、遊技者に2重のチャンスが発生しているかのような印象を与えることが可能である。こうして大当たり当選への期待感を高めることが可能となり、遊技興趣を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、図62(A)(B)に示すように、バトル勝利演出が実行されると、オープニング演出としてスーパーボーナス演出が実行されるが、覚醒演出が実行されることはない。一方、図62(C)に示すように、バトル勝利演出が実行される前に、覚醒予告演出を経て覚醒確定演出が実行されると、オープニング演出として覚醒ボーナス演出を含む覚醒演出が実行されるが、スーパーボーナス演出が実行されることはない。そのため、スーパーボーナス演出を経て大当たり遊技の実行を獲得したことがあるが、覚醒演出を経て大当たり遊技の実行を獲得したことがない遊技者にとっては、覚醒予告演出に続いて見たことがない覚醒確定演出が実行されることへの期待感を高めることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、覚醒演出が実行された場合には、当選した大当たりの種別は必ずVロング大当たりとなっている。即ち、覚醒演出が実行されるときには、Vロング大当たり(第1大当たり)とVショート大当たり(第2大当たり)のうち遊技者にとって有利なVロング大当たりの方に当選したことを意味する。よって、覚醒演出の実行がVロング大当たりの当選となることを知っている遊技者にとっては、覚醒予告演出の後に覚醒演出が実行されることを、より期待させることが可能である。特に本形態では、連続予告演出として覚醒予告演出が実行され得る。そのため、連続予告演出としての覚醒予告演出を把握した遊技者には、当該変動保留(覚醒予告演出の実行契機となった第1特図保留)の変動表示が開始される前から、有利なVロング大当たりへの当選が迫ってくるような期待感を持たせることが可能である。
なお、覚醒演出を知らない遊技者が、複数回の覚醒予告演出の実行により時間が徐々に減っていく画像(カットイン画像)を見たときには、画像の意味を把握し難い。そして、「00.0」を示す画像の表示を経て覚醒ボーナス演出が実行されることにより、遊技者は初めて大当たりに当選したことを把握する。従って、覚醒演出を知らない遊技者に対しては、覚醒予告演出を経て実行される覚醒演出に意外性を与えることが可能である。言い換えれば、「00.0」を示す画像の表示を経て覚醒ボーナス演出が実行された後で、遊技者は覚醒予告演出で表示される画像を思い出して、時間が徐々に減っていく画像の意味を理解することになる。こうした意外性を伴う一連の演出(複数回の覚醒予告演出、覚醒確定演出、覚醒ボーナス演出)により、遊技者にもう一回覚醒演出を見たいと思わせることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、当該変動保留(覚醒予告演出の実行の契機となった第1特図保留)による当否判定の結果が大当たり当選である場合には、ハズレである場合よりも覚醒予告演出の実行回数が多くなり易い(図52〜図55のテーブル参照)。即ち、覚醒演出(覚醒確定演出)が実行される場合には、覚醒演出が実行されない場合よりも、覚醒予告演出の実行頻度が高くなり易い。よって、覚醒予告演出の実行回数が多いほど遊技者が覚醒演出の実行を期待するようになる。そのため、遊技者に覚醒予告演出の実行回数に注目させることが可能であり、覚醒演出の実行への期待感を煽ることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、覚醒確定演出の画像表示態様は「00.0」という時間(数字)を示す画像表示態様であり、覚醒予告演出の画像表示態様も「00.0」より大きい時間(数字)を示す画像表示態様である。そして、当該変動保留による当否判定結果が大当たり当選である(覚醒演出を実行する)場合には、ハズレである(覚醒演出を実行しない)場合よりも覚醒予告演出で表示される時間が小さくなり易い(図50及び図51のテーブル参照)。よって、遊技者には覚醒予告演出における画像表示態様にも注目させることが可能である。また覚醒予告演出の実行により「00.0」を示す画像が表示されるまでのカウントダウンが開始されている、即ち覚醒演出の実行に徐々に近づいている印象を与えることが可能であり、遊技者に期待感を分かり易く示すことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、疑似連における1回目の再変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント5)や、疑似連における2回目の再変動表示が開始されるタイミング(予告ポイント6)でも、覚醒予告演出が実行され得る。そのため、遊技者に対して、様々なタイミングで覚醒予告演出が実行されるかもしれないとの期待感を持たせることが可能である。その結果、覚醒予告演出の実行による遊技興趣の向上の効果を高めることが可能である。
ここで本形態の覚醒予告演出と保留変化演出との違いについて説明しておく。保留変化演出は、特図保留を示す演出保留画像の表示態様を、その特図保留の当否判定を行う前に大当たり当選に対する期待度を示唆する特別表示態様(例えば金色等の色彩が異なる表示態様)に変化させる演出である。この保留変化演出においては演出保留画像の表示態様が特別表示態様に変化しても、その特別表示態様である演出保留画像は連続的に表示され続ける。そのため遊技者は、現時点での演出保留画像の特別表示態様(例えば金色)を見て、大当たり当選に対する期待度を把握するのであって、それ以前に演出保留画像の表示態様が変化する回数にはあまり注目しない。
これに対して本形態の覚醒予告演出は、変動演出中に一時的に(実時間として約0.5秒だけ)数字を示す画像を表示し、連続的に画像を表示し続けるものではない。つまり、複数の覚醒予告演出が所定間隔空けて比較的頻繁に実行され得るようにしている。なお本形態では途中変動で最大3回、当該変動で最大4回、弱SPリーチで2回、強SPリーチで最大2回の合計11回、覚醒予告演出が実行され得るようになっていて、演出保留画像の表示態様が変化し得る最大の回数よりも多い。よって本形態の覚醒予告演出においては、大当たり当選への期待度を敢えて明確には(例えば金カットイン画像のように)示さないこととし、覚醒予告演出の実行頻度の方に注目させている。こうして、様々なタイミングで覚醒予告演出がより多く実行されるほど覚醒演出(覚醒確定演出)の実行が差し迫っているような印象を与えることが可能であり、大当たり当選への新たな期待感を持たせることが可能である。
10.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、上記形態と同じ符号を付して説明を省略する。
上記形態では、覚醒確定演出(特別の副事前示唆演出)は、「00.0」を示す画像を表示する演出であったが、その他の時間(数字)を示す画像を表示する演出であっても良い。例えば「100.0」を示す画像を表示する演出であっても良い。この場合、覚醒予告演出(副事前示唆演出)により、「100.0」に段階的に近くなる数字を示す画像を表示して、覚醒確定演出までの所謂カウントアップをしているような演出としても良い。また覚醒予告演出では約5秒間隔である時間を示す画像が表示され得るようにしたが、例えば約3秒間隔である時間を示す画像が表示され得るようにしても良く、ランダムな時間を示す画像が表示されるようにしても良い。
また上記形態では、覚醒予告演出の演出態様が、時間(数字)を示す画像表示態様であったが、数字以外の画像表示態様(キャラクタ、アイテム、図形、文字、記号等の画像表示態様)であっても良い。また覚醒確定演出の演出態様も、数字以外の画像表示態様としても良い。例えば覚醒予告演出の画像表示態様をキャラクタの姿の一部分(手、足、頭等)を示す画像表示態様とし、覚醒確定演出の画像表示態様をキャラクタの全身姿を示す画像表示態様とする。こうして複数回の覚醒予告演出の実行により、キャラクタの全身姿を示す画像に段階的に近づくように表示しても良い。なお覚醒予告演出は、変動演出を一時的に中断して表示画面7a全体に画像を表示する演出であったが、変動演出と並行して表示画面7aの一部分にのみ画像を表示する演出であっても良い。
また上記形態では、覚醒予告演出及び覚醒確定演出は、画像を表示する演出であったが、画像を表示しない演出であったも良い。即ち覚醒予告演出及び覚醒確定演出の演出態様は、画像表示態様に限られるものではない。例えば、覚醒確定演出は、特別の高い効果音をスピーカ67から出力する演出であり、覚醒予告演出は、特別の高い効果音よりも低い効果音を出力する演出としても良い。この場合には、覚醒予告演出の実行回数が多くなるほど、特別の高い効果音に段階的に近づくようにして、大当たり当選(覚醒確定演出)への期待度を高くなるようにすると良い。また例えば、覚醒確定演出は、ランプ(枠ランプ66や盤ランプ5)を特別の発光態様で発光させる演出であり、覚醒予告演出は、特別の発光態様の一部分を示す発光態様で発光する演出としても良い。この場合には、覚醒予告演出の実行頻度が多くなるほど、特別の発光態様に段階的に近づくようにして、大当たり当選(覚醒確定演出)への期待度を高くなるようにすると良い。
また上記形態では、複数回にわたって覚醒予告演出を実行する際に、各覚醒予告演出の演出態様がそれぞれ異なるようにした。しかしながら同じ演出態様である覚醒予告演出が実行されることが有り得るようにしても良く、同じ演出態様である覚醒予告演出しか実行されないようにしても良い。なお同じ演出態様である覚醒予告演出(例えばキャラクタの顔を示す画像の表示)しか実行されないようした場合には、覚醒予告演出の実行回数が多いほど覚醒確定演出(例えばキャラクタの全身を示す画像の表示)が実行され易いようにすると良い。
また上記形態では、途中変動において−3保留の変動開始時、−2保留の変動開始時、−1保留の変動開始時に覚醒予告演出を実行し得るようにした。しかしながら、途中変動で実行される覚醒予告演出は、保留の変動開始時に限られるものではなく、保留の変動表示に対応する変動演出の途中で実行されるようにしても良い。また途中変動における各保留(−3保留、−2保留、−1保留)の変動表示において、1回だけ覚醒予告演出が実行され得るようにしたが、予告ポイントを増やすことにより、2回以上覚醒予告演出が実行され得るようにしても良い。
また上記形態では、疑似連において演出図柄8L,8C、8Rによる再変動表示を含む各変動表示の開始時(当該変動開始時、1回目の再変動開始時、2回目の再変動開始時)に覚醒予告演出を実行し得るようにした。しかしながら、疑似連において実行される覚醒予告演出は変動表示の開始時に限られるものではなく、1回目の再変動表示の途中、2回目の再変動表示の途中、ノーマルリーチとなる前の変動演出の途中で実行され得るようにしても良い。また疑似連における1回の再変動表示につき、1回だけ覚醒予告演出が実行され得るようにしたが、予告ポイントを増やすことにより、2回以上覚醒予告演出が実行され得るようにしても良い。
また上記形態では、弱SPリーチにおいて4つの予告ポイントのいずれかで覚醒予告演出を実行し得るようにしたが、5つ以上又は3つ以下の予告ポイントのいずれかで覚醒予告演出を実行し得るようにしても良い。また弱SPリーチにおいて覚醒予告演出を最大で2回までしか実行しないようにしたが、3回以上実行され得るようにしても良い。これにより弱SPリーチでの覚醒予告演出の実行回数に応じて、大当たり当選(覚醒演出)に対する期待度をより把握し易くすることが可能である。なお弱SPリーチにおいて覚醒予告演出が最大で1回しか実行されないようにしても良い。
また上記形態では、強SPリーチにおいて6つの予告ポイントのいずれかで覚醒予告演出を実行し得るようにしたが、7つ以上又は5つ以下の予告ポイントのいずれかで覚醒予告演出を実行し得るようにしても良い。また強SPリーチにおいて覚醒予告演出を最大で2回までしか実行しないようにしたが、3回以上実行され得るようにしても良い。これにより強SPリーチでの覚醒予告演出の実行回数に応じて、大当たり当選(覚醒演出)に対する期待度をより把握し易くすることが可能である。なお強SPリーチにおいて覚醒予告演出が最大で1回しか実行されないようにしても良い。
また上記形態では、覚醒予告演出を経て覚醒演出が実行された場合には、当選した大当たりの種別は必ずVロング大当たりであった。しかしながら、Vショート大当たりに当選する場合であっても、覚醒予告演出を経て覚醒演出が実行されることがあり得るようにしても良い。
また上記形態では、覚醒ボーナス演出(第2大当たり演出)は、図62に示すように、大当たり遊技の開始前からオープニング演出として実行されるものであった。しかしながら、覚醒ボーナス演出がオープニングコマンドに基づいて大当たり遊技の開始のタイミングから実行されるようにしても良い。また覚醒ボーナス演出は、オープニング演出とラウンド演出とエンディング演出とを含む一連の演出であっても良い。
また上記形態では、特図1保留の変動表示に対応した変動演出で覚醒予告演出を実行し得るようにして、特図2保留の変動表示に対応した変動演出では覚醒予告演出を実行しないようにした。しかしながら、特図2保留の変動表示に対応した変動演出であっても覚醒予告演出を実行し得るようにしても良い。具体的には、ステップS4703の先読み演出実行可能判定処理において、受信した始動入賞コマンドがSPリーチの実行を示す第2始動入賞コマンドであっても、覚醒予告演出を実行可能と判定すれば良い。また受信した始動入賞コマンドがノーマルリーチハズレやドハズレであっても、覚醒予告演出が実行され得るようにしても良い。
また上記形態では、バトル勝利演出が実行されるとスーパーボーナス演出(第1大当たり演出)が実行されるが、覚醒演出ボーナス演出(第2大当たり演出)が実行されることがなく、バトル勝利演出が実行される前に覚醒予告演出を経て覚醒確定演出が実行されると、覚醒ボーナス演出が実行されるが、スーパーボーナス演出が実行されることがなかった。しかしながら、バトル勝利演出が実行されても、覚醒演出ボーナス演出又はその他の大当たり演出が実行されることがあり得るようにしても良い。また、バトル勝利演出が実行される前に覚醒予告演出を経て覚醒確定演出が実行されても、スーパーボーナス演出又はその他の大当たり演出が実行されることがあり得るようにしても良い。
また上記形態では、覚醒予告演出は、変動演出中に一時的に画像(所謂カットイン画像)が表示画面7aに割り込んで表示される演出であったが、画像が連続的に表示され続ける演出であっても良い。例えば覚醒予告演出として縁画像が連続的に表示され続けると共に、その縁画像の表示態様が段階的に変化する。そして、この覚醒予告演出の後に特別の縁画像(例えばレインボー色の縁画像)を表示する覚醒確定演出が実行されると、覚醒ボーナス演出が実行されるようにしても良い。又は演出保留画像の表示態様を変化させる演出(保留変化演出)を覚醒予告演出としても良い。この場合には、この覚醒予告演出の後に特別の表示態様である演出保留画像(例えば主人公キャラを示す演出保留画像)が表示されると、覚醒ボーナス演出が実行されるようにしても良い。
また上記形態では、連続予告演出(先読み演出)として覚醒予告演出を実行し得るようにした。具体的には、第1始動入賞コマンド(始動入賞コマンド)に基づいて、覚醒予告演出の実行に関する制御を行った。しかしながら、連続予告演出として覚醒予告演出を実行しないで、当該変動の変動表示に対応する変動演出においてだけ、覚醒予告演出を実行し得るようにしても良い。この場合には、変動開始コマンドに基づいて、覚醒予告演出の実行に関する制御を行うようにしても良い。
また上記形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて高確率状態に移行するパチンコ遊技機であったが、停止表示される特別図柄の種類に応じて高確率状態に移行するパチンコ遊技機や、高確率状態に移行しないパチンコ遊技機であっても良い。
また上記形態では、特別図柄の抽選で大当たりに当選すると大当たり遊技が実行される所謂1種タイプの遊技機であったが、その他(例えば所謂1種2種混合機)のタイプの遊技機であっても良い。
また上記形態では、第1大入賞口30と第2大入賞口35が上下に配されていて、大当たり遊技の各ラウンドで交互に開放するように設定されていたが、第1大入賞口30と第2大入賞口35の開放パターンは適宜変更可能である。例えば1〜15Rにおいては第1大入賞口30が開放し、16R目だけ第2大入賞口35が開放するようにしても良い。また大入賞口は1つであっても良い。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(数値情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種類、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態で「主事前示唆演出」を強SPリーチのバトル演出とし、「主事前示唆演出が成功する」とはバトル勝利演出が実行されることとしたが、勿論その他の演出であっても良い。例えば「主事前示唆演出」を「SPリーチのレース演出」とし、「主事前示唆演出が成功する」とはレース演出で勝利するレース勝利演出が実行されることであっても良い。
なお、本発明の「予め定めた判定条件が成立する」とは、上記各形態では、特別図柄の変動表示及び大当たり遊技の実行中でなく、第1特図保留記憶部85a又は第2特図保留記憶部85bに大当たり乱数等の乱数値の記憶があることである。
また上記形態で示したテーブルの各振分率は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また上記形態の特徴及び上記した変形例の特徴をそれぞれ組み合わせて実施することは勿論可能である。
なお、この[発明を実施するための形態]における上記までの記載内容には、以下の手段1〜7の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記までの記載内容における対応する構成名や表現、図面に使用した符号等を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
手段1に係る発明は、
遊技領域(3)に配された入球口(第1始動口20又は第2始動口21)と、
前記遊技領域に配された特別入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)と、前記特別入賞口を開閉する特別入賞口開閉部材(開閉部材32又は開閉部材37)と、を有する特別入賞手段(第1大入賞装置31又は第2大入賞装置36)と、
前記入球口への入球に基づいて数値情報(大当たり乱数等の乱数値)を取得する数値情報取得手段(ステップS206又はS212を実行する遊技制御用マイコン81)と、
予め定めた判定条件が成立すると、前記数値情報取得手段により取得された数値情報に基づいて大当たりの当否判定を行う当否判定手段(ステップS1402又はS1408を実行する遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による当否判定が行われると、所定の演出図柄(8L,8C,8R)を変動表示させた後その当否判定の結果を示す停止態様で停止表示させる変動演出実行手段(ステップS4407及びS4410を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記当否判定手段による当否判定の結果が大当たり当選である場合に、前記特別入賞口開閉部材を開閉する大当たり遊技を実行する大当たり遊技実行手段(ステップS1307を実行する遊技制御用マイコン81)と、を備える遊技機において、
前記当否判定手段による当否判定の結果が大当たり当選である場合に、前記大当たり遊技が実行されることを報知する大当たり演出を実行可能な大当たり演出実行手段(ステップS6306を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記演出図柄が停止表示される前に、所定の主事前示唆演出(強SPリーチのバトル演出)を実行可能であると共に、前記主事前示唆演出が成功する(バトル勝利演出が実行される)ことにより前記当否判定の結果が大当たり当選であること示す主事前示唆演出実行手段(ステップS6207,S6113を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記演出図柄が停止表示される前に、所定の副事前示唆演出(覚醒予告演出)を1回以上(ステップS6107,S7004)実行可能であると共に、前記副事前示唆演出と異なる特別の副事前示唆演出(覚醒確定演出)を実行可能な副事前示唆演出実行手段(ステップS6208,S6113を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記大当たり演出には、所定の第1大当たり演出(スーパーボーナス演出)と、前記第1大当たり演出と異なる演出態様である第2大当たり演出(覚醒ボーナス演出)とが少なくともあり、
前記大当たり演出実行手段は、
前記主事前示唆演出実行手段により実行される前記主事前示唆演出が成功すると、前記第1大当たり演出を少なくとも実行可能な(ステップS6304,S6306を実行する)ものである一方、
前記主事前示唆演出実行手段により実行される前記主事前示唆演出が成功する前に、前記副事前示唆演出実行手段により前記副事前示唆演出の実行を経て前記特別の副事前示唆演出が実行されると、前記第2大当たり演出を少なくとも実行可能な(ステップS6208,S6113を実行する)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段1に係る発明によれば、主事前示唆演出の実行中に、遊技者は、その後に主事前示唆演出が成功して、第1大当たり演出が実行されるのを期待する。ここで、主事前示唆演出が成功する前に副事前示唆演出が実行されると、遊技者は、その後に特別の副事前示唆演出が実行されて、第2大当たり演出が実行されることも期待するようになる。つまり、副事前示唆演出を把握した遊技者に対して、第1大当たり演出の実行への期待と並行して、第2大当たり演出の実行への期待も持たせることが可能である。よって、遊技者に2重のチャンスが発生しているかのような印象を与えることが可能であり、大当たり当選への期待感を高めることが可能である。
手段2に係る発明は、
手段1に記載の遊技機であって、
前記大当たり演出実行手段は、
前記主事前示唆演出実行手段により実行される前記主事前示唆演出が成功すると、前記第1大当たり演出を実行する一方、前記第2大当たり演出を実行せず(図62(A)(B)参照)、
前記主事前示唆演出実行手段により実行される前記主事前示唆演出が成功する前に、前記副事前示唆演出実行手段により前記副事前示唆演出の実行を経て前記特別の副事前示唆演出が実行されると、前記第2大当たり演出を実行する一方、前記第1大当たり演出を実行しない(図62(C)参照)ものであることを特徴とする遊技機である。
手段2に係る発明によれば、副事前示唆演出を経て特別の副事前示唆演出が実行されれば、主事前示唆演出が成功したときには実行されることがない第2大当たり演出の実行を獲得することが可能となる。従って、第2大当たり演出の実行を獲得したことがない遊技者にとっては、副事前示唆演出を経て特別の副事前示唆演出が実行されることへの期待感を高めることが可能である。
手段3に係る発明は、
手段1又は手段2に記載の遊技機であって、
前記変動演出実行手段は、
前記当否判定手段による判定結果が大当たり当選であるにも拘わらず、前記演出図柄を停止表示させる前に前記当否判定手段による判定結果がハズレであるかのようなハズレ停止態様(例えば「7」「6」「7」)で前記演出図柄を仮停止表示させることが可能なものであり、
前記副事前示唆演出実行手段は、
前記副事前示唆演出の実行を経て前記演出図柄が前記ハズレ停止態様で仮停止表示されてから前記特別の副事前示唆演出を実行可能なものである(図56に示すバトル敗北演出後に覚醒演出が実行される変動演出パターン参照)ことを特徴とする遊技機である。
手段3に係る発明によれば、演出図柄をハズレ停止態様で仮停止表示して、遊技者に第1大当たり演出が実行されないことを意識させた後に、特別の副事前示唆演出を実行し得る。こうして、遊技者を一旦落胆させてから特別の副事前示唆演出を実行することにより、第2大当たり演出が実行されることへの高揚感を高めることが可能である。
手段4に係る発明は、
手段1乃至手段3の何れかに記載の遊技機であって、
前記副事前示唆演出実行手段は、前記特別の副事前示唆演出を実行する場合には、前記特別の副事前示唆演出を実行しない場合よりも、前記副事前示唆演出の実行回数を多くし易いもの(図52,図53,図54,図55に示すテーブル参照)であることを特徴とする遊技機である。
手段4に係る発明によれば、副事前示唆演出の実行回数が多いほど遊技者が特別の副示唆演出の実行を期待するようになる。そのため、遊技者に副事前示唆演出の実行回数に注目させることが可能であり、第2大当たり演出の実行への期待感を煽ることが可能である。
手段5に係る発明は、
手段1乃至手段4の何れかに記載の遊技機であって、
前記副事前示唆演出の演出態様には、前記特別の副事前示唆演出の演出態様に段階的に近くなる複数の演出態様があり、
前記副事前示唆演出実行手段は、前記特別の副事前示唆演出を実行する場合には、前記特別の副事前示唆演出を実行しない場合よりも、前記特別の副事前示唆演出の演出態様に近い演出態様である前記副事前示唆演出を実行し易いもの(図50及び図51に示すテーブル参照)であることを特徴とする遊技機である。
手段5に係る発明によれば、特別の副事前示唆演出の演出態様に近い演出態様である副事前示唆演出が実行されるほど、特別の副事前示唆演出が実行され易くなる。よって、遊技者に副事前示唆演出の演出態様に注目させることが可能であり、第2大当たり演出の実行への期待感を煽ることが可能である。
手段6に係る発明は、
手段5に記載の遊技機であって、
前記特別の副事前示唆演出及び前記副事前示唆演出は、所定の画像(図59〜図61参照)を表示するものであり、
前記特別の副事前示唆演出の演出態様は、特別の数字(「00.0」)を示す画像表示態様であり、
前記副事前示唆演出の演出態様には、前記特別の数字に段階的に近くなる数字を示す複数の画像表示態様(例えば「99.9」、「94.9」等)があることを特徴とする遊技機である。
手段6に係る発明によれば、副事前示唆演出の画像表示態様が特別の数字に近い数字を示しているほど、特別の副事前示唆演出の実行に近づいている印象を与えることが可能であり、遊技者に期待感を分かり易く示すことが可能である。
手段7に係る発明は、
手段1乃至手段6の何れかに記載の遊技機であって、
前記変動演出実行手段は、前記演出図柄を変動表示してから停止表示するまでの間に、前記演出図柄を一旦仮停止表示してから再び変動表示する再変動表示を所定回数にわたって実行可能なものであり(図11の疑似連参照)、
前記副事前示唆演出実行手段は、前記演出図柄による前記再変動表示を含む各変動表示の期間のそれぞれにおいて前記副事前示唆演出を実行し得るもの(図53、図57、図58の予告ポイント4,5,6参照)であることを特徴とする遊技機である。
手段7に係る発明によれば、演出図柄による再変動表示を含む各変動表示の期間のそれぞれにおいて、副事前示唆演出が実行され得る。そのため遊技者に対して、様々なタイミングで副事前示唆演出が実行されるかもしれないとの期待感を持たせることが可能である。その結果、副事前示唆演出の実行による遊技興趣の向上の効果を高めることが可能である。