JP2012004390A - リアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】損失の低減を考慮しつつ小型化できるリアクトルを提供する。
【解決手段】巻線を巻回してなるコイル10と、このコイル10内に挿通された内側コア部21、及びこの内側コア部21の端部に結合して、前記コイル10の外周を覆う連結コア部23の両コア部により閉磁路を形成する磁性コア20とを備えるリアクトル1Aである。コイル10と内側コア部21との間には介在コア部25が設けられている。コイル10の内側の面積をS1、介在コア部25の横断面積をS2とするとき、0<S2/S1<0.15を満たす。内側コア部21の飽和磁束密度をB1、連結コア部23の飽和磁束密度をB2、介在コア部25の飽和磁束密度をB3とするとき、B1>B2及びB1>B3を満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、車載用DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に用いられるリアクトルに関するものである。特に、小型なリアクトルに関する。
電圧の昇圧動作や降圧動作を行う回路の部品の一つに、リアクトルがある。例えば、ハイブリッド自動車などの車両に載置されるコンバータに利用されるリアクトルとして、特許文献1に記載のものがある。特許文献1では、一つのコイルの内周に配置される円柱状の内側コア部と、このコイルの外周を覆うように配置される円筒状コア部と、このコイルの各端面に配置される一対の円板状コア部とを備える断面E字状の磁性コア、所謂ポット型コアを備えるリアクトルを開示している(特許文献1 図1)。ポット型コアでは、上記円板状コア部により、同心状に配置された内側コア部及び円筒状コア部が連結されて閉磁路を形成する。また、特許文献1には、内側コア部の飽和磁束密度を円筒状コア部及び円板状コア部よりも高くすることで内側コア部の断面積を小さくして、小型なリアクトルが得られることが開示されている。
特開2009-033051号公報
このようなリアクトルを小型化するには、コイルと内側コア部との隙間をできる限り小さくすることが望ましい。しかし、この間隔が小さいと、内側コアから漏れた磁束がコイルに入り込み損失が生じることがある。特に、内側コアの軸方向の中間に、リアクトルのインダクタンスを調整するための非磁性材料のギャップが介在されている場合、このギャップが設けられた個所からも磁束の漏れが起こり、やはり同様に損失を生じさせることになる。一方で、コイルと内側コア部との隙間を大きくとると、リアクトルの小型化に対する制約となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、損失の低減を考慮しつつ小型化できるリアクトルを提供することにある。
本発明のリアクトルは、巻線を巻回してなるコイルと、このコイル内に挿通された内側コア部、及びこの内側コア部の端部に結合して前記コイルの外周を覆う連結コア部の両コア部により閉磁路を形成する磁性コアとを備える。このリアクトルは、前記コイルと内側コア部との間に介在コア部を備える。そして、前記コイルの内側の面積をS1、介在コア部の横断面積をS2とするとき、0<S2/S1<0.15を満たし、内側コア部の飽和磁束密度をB1、連結コア部の飽和磁束密度をB2、介在コア部の飽和磁束密度をB3とするとき、B1>B2及びB1>B3を満たす。
この構成によれば、介在コア部がコイルと内側コアとの隙間を埋めることで、内側コアからコイルへの漏洩磁束を抑制し、インダクタンスを上昇させても鉄損と銅損の合計である全損失の増加割合を低減することができる。また、各部の飽和磁束密度をB1>B2及びB1>B3とすることで、介在コア部がなく、かつB1≦B2とした場合と比較して、内側コア部の横断面積を小さくできることからコイルの外径を小さくでき、リアクトルの小型化に寄与することができる。
本発明のリアクトルにおいて、S2/S1が0<S2/S1<0.04を満たすことが好ましい。
この構成によれば、インダクタンスを上昇させても全損失の増加割合を低減することに加え、銅損の増加割合を抑えることができる。
本発明のリアクトルにおいて、前記内側コア部は、圧粉成形体から構成されていることが挙げられる。
内側コア部の構成材料には、連結コア部の構成材料よりも飽和磁束密度が高いものを利用する。高い飽和磁束密度が得やすい材料として、圧粉成形体が好適に利用できる。圧粉成形体は、三次元形状の部材を簡単に形成できるため、例えば、コイルの内周面の形状に適合した外形を有する内側コア部を容易に形成することができる。
本発明のリアクトルにおいて、前記連結コア部と介在コア部は、磁性材料と樹脂との混合物から構成されており、前記内側コア部と介在コア部及び連結コア部の各々とが前記樹脂により一体化されていることが挙げられる。
この構成によれば、内側コア部と介在コア部、及び内側コア部と連結コア部とが樹脂により一体化されていると、リアクトルのインダクタンスを調整するためのギャップの他、磁性コアを構成する分割片同士や分割片とギャップとを接合するための接着剤を用いなくてもよい。そのため、より小型なリアクトルとすることができる。特に、上記樹脂によりコイル、内側コア部、連結コア部及び介在コア部とを一体に成形することで、所定の特性を有する磁性コアを形成できると共に、リアクトルを製造することができる。このように連結コア部及び介在コア部の形成、磁性コアの形成、及びリアクトルの製造を同時に行える。更に、上述のように所謂ギャップレス構造とすれば、部品点数が少ない上に、製造工程数を低減できる。その他、この形態では連結コア部及び介在コア部を、磁性材料と樹脂との混合物とすることから、磁性材料と樹脂の配合割合を調整することで、所望の磁気特性を有する磁性コアを容易に形成することができる。
本発明のリアクトルにおいて、前記内側コア部の飽和磁束密度B1は、1.6T≦B1、及び1.2×B2≦B1を満たすことが挙げられる。
この構成によれば、内側コア部の飽和磁束密度B1が連結コア部の飽和磁束密度B2の1.2倍以上であることで、内側コア部が相対的に十分に高い飽和磁束密度を有しており、内側コア部の断面積を小さくできる。従って、この形態のリアクトルは小型にできる。特に、内側コア部の飽和磁束密度B1が連結コア部の飽和磁束密度B2の1.5倍以上、更に1.8倍以上がより好ましく、特に上限は設けない。また、内側コア部の飽和磁束密度(絶対値)B1は高いほど好ましく、1.8T以上、更に2T以上が好ましく、特に上限は設けない。上記飽和磁束密度を満たすように、内側コア部及び連結コア部の構成材料を調整するとよい。
本発明のリアクトルにおいて、前記内側コア部の比透磁率が50以上1000以下であり、前記連結コア部及び介在コア部の比透磁率が5以上50以下であることが挙げられる。
この構成によれば、磁性コアの漏洩磁束を低減できると共に、ギャップレス構造とすることもできる。本発明のリアクトルを車載部品とする場合、連結コア部の比透磁率は5〜30程度、内側コア部の比透磁率は100〜500程度が利用し易い。上記比透磁率を満たすように、内側コア部、連結コア部及び介在コア部の構成材料を調整するとよい。
本発明のリアクトルにおいて、前記コイルと前記磁性コアとの組合体を収納するケースを備え、前記コイル及び前記内側コア部は、前記連結コア部及び介在コア部を構成する樹脂により前記ケースに封止されていることが挙げられる。
この構成によれば、ケースによりコイルや磁性コアを保護することができる。また、連結コア部及び介在コア部の構成樹脂を封止樹脂に利用することで、従来のように別途ポッティング樹脂を用意する必要も無い。
本発明のリアクトルによれば、損失を低減しつつ、小型化を実現することができる。
実施形態1に係るリアクトルを示し、(A)は模式縦断面図、(B)は模式横断面図である。 (A)は実施形態2に係るリアクトルの模式縦断面図、(B)は実施形態3に係るリアクトルの模式縦断面図である。 面積比S2/S1と全損失/Lとの関係を示すグラフである。 面積比S2/S1と銅損/Lとの関係を示すグラフである。
以下、図を参照して、本発明意の実施形態に係るリアクトルを説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
〔実施形態1〕
[概要]
このリアクトル1Aは、図1に示すように、巻線を巻回してなる一つのコイル10と、コイル10が配置される磁性コア20とを備える所謂ポット型形態である。磁性コア20は、コイル10内に挿通された内側コア部21と、コイル10の外周面を覆って内側コア部21の端部と連結される連結コア部23とを有する。さらに、このリアクトル1Aでは、コイル10と内側コア部21との間に介在コア部25が設けられている。本発明に係るリアクトル1Aの特徴とするところは、コイル10の内側の面積S1と介在コア部25の横断面積S2の面積比S2/S1や、各コア部の飽和磁束密度B1〜B3を所定の範囲に規定した点にある。以下、各構成を詳細に説明する。
[コイル]
コイル10は、1本の連続する巻線を螺旋状に巻回してなる円筒状体である。巻線は、銅やアルミニウムといった導電性材料からなる導体の外周に、絶縁性材料からなる絶縁被覆を備える被覆線が好適である。ここでは、導体が銅製の平角線からなり、絶縁被覆がエナメルからなる被覆平角線を利用している。絶縁被覆の構成材料の代表例としては、ポリアミドイミドが挙げられる。絶縁被覆の厚さは、20μm以上100μm以下が好ましく、厚いほどピンホールを低減できて絶縁性を高められる。巻線は、導体が平角線からなるもの以外に、断面が円形状、多角形状などの種々の形状のものを利用できる。コイル10は、この被覆平角線をエッジワイズ巻きにして円筒状に形成されている。円筒状とすることで、エッジワイズ巻きであっても比較的容易にコイル10を形成できる。その他、角筒状にコイルを形成してもよい。コイル10の巻き数は、例えば30〜60程度とすることが挙げられる。
コイル10を形成する巻線の両端部(図示略)は、ターンから適宜引き延ばされて後述する連結コア部23の外部に引き出され、絶縁被覆が剥がされて露出された導体部分に端子部材(図示略)が接続される。この端子部材を介して、コイル10に電力供給を行う電源などの外部装置(図示略)が接続される。巻線の導体部分と端子部材との接続には、TIG溶接などの溶接の他、圧着などが利用できる。巻線端部の引き出し方向は、適宜選択することができ、例えば、コイル10の軸方向に沿った方向とすることが挙げられる。その他、巻線の両端部をコイル10の軸方向に直交するように引き出してもよいし、各端部の引き出し方向をそれぞれ異ならせてもよい。
[磁性コア]
磁性コア20は、コイル10内に挿通された円柱状の内側コア部21と、内側コア部21の両端部とコイル10の外周面を覆うように形成された連結コア部23と、コイル10と内側コア部21との間に介在される介在コア部25とを備える。この磁性コア20は、内側コア部21の構成材料と、連結コア部23及び介在コア部25の各々の構成材料とが異なることで、磁気特性が異なる。具体的には、内側コア部21は、連結コア部23及び介在コア部25よりも飽和磁束密度が高い。
《内側コア部》
内側コア部21は、コイル10の内周面の形状に沿った外形を有しており、その全体が圧粉成形体から構成されている。本例では、円柱体で内側コア部21が構成されている。
圧粉成形体は、代表的には、表面に絶縁被膜を備える軟磁性粉末を成形後、上記絶縁被膜の耐熱温度以下で焼成することにより得られる。軟磁性粉末に加えて適宜結合剤を混合した混合粉末を利用したり、上記絶縁被膜としてシリコーン樹脂などからなる被膜を備えた粉末を利用したりすることができる。圧粉成形体の飽和磁束密度は、軟磁性粉末の材質や、上記軟磁性粉末と上記結合剤との混合比、種々の被膜の量などを調整することで変化させることができる。例えば、飽和磁束密度の高い軟磁性粉末を用いたり、結合剤の配合量を低減して軟磁性材料の割合を高めたりすることで、飽和磁束密度が高い圧粉成形体が得られる。その他、成形圧力を変える、具体的には成形圧力を高くすることでも飽和磁束密度を高められる傾向にある。所望の飽和磁束密度となるように軟磁性粉末の材質の選択や成形圧力の調整などを行うとよい。
上記軟磁性粉末は、Fe,Co,Niといった鉄族金属粉末の他、Fe-Si,Fe-Ni,Fe-Al,Fe-Co,Fe-Cr,Fe-Si-AlなどのFe基合金粉末、或は希土類金属粉末、フェライト粉末などが利用できる。特に、Fe基合金粉末は、飽和磁束密度が高い圧粉成形体を得易い。このような粉末は、アトマイズ法(ガス又は水)や、機械的粉砕法などにより製造することができる。また、結晶がナノサイズであるナノ結晶材料からなる粉末、好ましくは異方性ナノ結晶材料からなる粉末を用いると、高異方性で低保磁力の圧粉成形体が得られる。
軟磁性粉末に形成される絶縁被膜は、例えば、燐酸化合物、珪素化合物、ジルコニウム化合物、アルミニウム化合物、又は硼素化合物などが挙げられる。結合剤は、例えば、熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、又は高級脂肪酸が挙げられる。この結合剤は、上記焼成により消失したり、シリカなどの絶縁物に変化したりする。圧粉成形体は、絶縁被膜などの絶縁物が存在することで、軟磁性粉末同士が絶縁されて、渦電流損失を低減でき、コイル10に高周波の電力が印加される場合であっても、上記損失を少なくすることができる。圧粉成形体は、公知のもの、例えば、上記軟磁性材料からなる粒子の表面に、順に、上記絶縁被膜と、耐熱性膜と、可撓性膜とを備える多層構造の被膜を備えるもの(特開2006-202956号公報に記載の軟磁性材料)を利用してもよい。上記耐熱性膜は、有機シリコン化合物を含み、シロキサン架橋密度が0超1.5以下の材料からなるもの、上記可撓性膜は、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びアミド樹脂から選択される少なくとも一種の樹脂からなるものが挙げられる。
この内側コア部21は、全て圧粉成形体からなる中実体であっても良いし、圧粉成形体からなる複数の分割片の間にギャップ材やエアギャップ、接着剤が介在された構成でもよい。前者の場合、ギャップレス構造であるため、ギャップの存在に伴う漏洩磁束(図1(A)に破線で模式的に図示)の問題を緩和でき、後者の場合、ギャップを設けることで、リアクトル1Aのインダクタンスを容易に調整することができる。本例では、圧粉成形体からなる中実体で内側コア部21を構成している。
内側コア部21の長さは、コイル10の軸方向の長さ(以下、単にコイル10の長さと呼ぶ)に対して等しい場合、若干短い場合、若干長い場合のいずれもが選択できる。但し、内側コア部21の長さがコイル10の長さと同等以上であることで、コイル10がつくる磁束を内側コア部21に十分に通過させることができて好ましい。
内側コア部21の各端面がコイル10の各端面から突出している場合、その突出長さは内側コア部21の一端側と他端側とで異なっても良い。例えば、図1のリアクトル1Aでは、後述するケース30内にコイル10と磁性コア20が収納されているが、前記突出長さを内側コア部21の上端側よりも下端側の突出長さを長くし、内側コア部21の下端面をケース30底面上に配置している。こうすることで、内側コア部21をケース30内に安定して配置できるため、後述する連結コア部23を形成し易い。
ここでは、内側コア部21は、燐酸塩被膜の上にシリコーン被膜を形成した軟磁性材料からなる圧粉成形体で構成されている。その飽和磁束密度B1は1.8T、比透磁率は250である。この飽和磁束密度B1の好ましい範囲は、1.6T以上で、かつ連結コア部23の飽和磁束密度B2の1.2倍以上であり、比透磁率の好ましい範囲は100〜500である。
《連結コア部》
連結コア部23は、内側コア部21の両端部に連結され、かつコイル10の外周面を覆うように構成されている。連結コア部23と内側コア部21との連結は、内側コア部21の端部の外周面に対して行われている場合と、内側コア部21の端面に対して行われている場合がある。図1(A)では、内側コア部21の下端側が前者の連結構造となっており、上端側が後者の連結構造となっている。勿論、内側コア部21の両端部における連結構造が同じ構造であっても構わない。このような連結コア部23と内側コア部21とにより、磁性コア20は閉磁路を形成する。
この連結コア部23の構成材料としては、磁性材料と樹脂との混合物(成形硬化体)が好適に利用できる。連結コア部23に成形硬化体を用いれば、コイル10、内側コア部21、及び後述する介在コア部25とを接着剤を介在することなく、連結コア部23の構成樹脂により一体化できる。この成形硬化体は、代表的には、射出成形、注型成形により形成することができる。
射出成形は、通常、磁性材料からなる粉末(必要に応じて更に非磁性粉末を加えた混合粉末)と流動性のあるバインダ樹脂とを混合し、この混合流体を、所定の圧力をかけて成形型に流し込んで成形した後、バインダ樹脂を硬化させる。注型成形は、射出成形と同様の混合流体を得た後、この混合流体を、圧力をかけることなく成形型に注入して成形・硬化させる。
いずれの成形手法も、磁性材料には、内側コア部21に利用する軟磁性粉末と同様のものを利用することができる。特に、連結コア部23に利用する軟磁性粉末は、平均粒径が10μm以上500μm以下の純鉄粉末やFe基合金粉末といった鉄基材料が好適に利用できる。鉄基材料は、一般に、フェライトなどの磁性材料に比較して飽和磁束密度が高いことから、鉄基材料からなる磁性粉末を原料に用いれば、飽和磁束密度が高い連結コア部23が得られる。この磁性粉末には、軟磁性材料からなる粒子の表面に燐酸鉄などからなる被膜を備える被覆粉末を利用してもよい。
また、いずれの成形手法も、バインダ樹脂には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂が好適に利用できる。バインダ樹脂に熱硬化性樹脂を用いた場合、成形体を加熱して樹脂を熱硬化させる。バインダ樹脂に常温硬化性樹脂、或は低温硬化性樹脂を用いてもよく、この場合、成形体を常温〜比較的低温に放置して樹脂を硬化させる。成形硬化体は、非磁性材料であるバインダ樹脂が多く残存するため、内側コア部21を構成する圧粉成形体と同じ軟磁性粉末を用いたとしても、圧粉成形体よりも飽和磁束密度が低く、かつ透磁率も低くすることが容易にできる。
連結コア部23の構成材料として、上記磁性材料の粉末及び上記バインダ樹脂に加えて、アルミナやシリカといったセラミックスからなるフィラーを混合させてもよい。上述の鉄基材料といった磁性材料の粉末とバインダ樹脂との混合物を硬化中、当該粉末の自重により沈澱して、連結コア部23中の磁性材料の密度が不均一になる恐れがある。上記フィラーを混入することで磁性材料の粉末の沈澱を抑制して、磁性材料の粉末を連結コア中に均一的に分散させ易くなる。また、上記フィラーがセラミックスから構成される場合、例えば、放熱性を高められる。上記フィラーの含有量は、連結コア部23を100体積%とするとき、20体積%〜70体積%が挙げられる。
上記射出成形や注型成形を利用する場合、磁性材料の粉末とバインダ樹脂との配合、上述したフィラーを含有する場合、磁性材料の粉末、バインダ樹脂、フィラーの配合を変えることで、連結コア部23の比透磁率、飽和磁束密度を調整することができる。例えば、磁性材料の粉末の配合量を減らすと、比透磁率は小さくなる傾向にある。リアクトル1Aが所望のインダクタンスを有するように、連結コア部23の比透磁率、飽和磁束密度を調整するとよい。
ここでは、連結コア部23は、平均粒径100μm以下の鉄基材料であって、上記被膜を備える被覆粉末とエポキシ樹脂との成形硬化体から構成されている。その飽和磁束密度B2は1T、比透磁率は10である。この飽和磁束密度B2の好ましい範囲は0.5T以上で内側コア部21の飽和磁束密度B1未満であり、比透磁率のより好ましい範囲は5〜50、より好ましい範囲は5〜30である。
《介在コア部》
さらに、コイル10と内側コア部21との間には、介在コア部25が形成されている。この介在コア部25は、コイル10と内側コア部21との間の少なくとも一部を埋め、内側コア部21からの漏洩磁束を介在コア部25に通すことで、漏洩磁束がコイル10に通って損失が増大することを抑制する。
この介在コア部25も連結コア部23と同様に成形硬化体で構成することが好ましい。介在コア部25も成形硬化体で構成することで、コイル10、内側コア部21、及び連結コア部23の各々と介在コア部25とを容易に一体化することができる。その場合、介在コア部25は、連結コア部23と同一材料で構成しても良いし、異なる材料で構成しても良い。この異なる材料には、成形硬化体を構成する磁性材料と樹脂の少なくとも一方の材質が異なる場合は勿論、磁性材料と樹脂の双方の材質が同じであっても、その混合割合が異なる場合も含む。特に、介在コア部25を連結コア部23と同一材料で構成すれば、コイル10の内側に内側コア部21を配置し、その周囲に磁性材料と樹脂との混合物を充填・硬化させることで、連結コア部23と介在コア部25とを一括して形成することができる。
介在コア部25の外周面とコイル10の内周面との間には隙間のないことが好ましい。つまり、内側コア部21とコイル10との間を介在コア部25で埋めることで、内側コア部21からの漏洩磁束がコイル10を通ることを抑制しやすい。この隙間を実質的になくすことは、介在コア部25を連結コア部23と同一材料で構成し、コイル10の内側に内側コア部21を配置して、その周囲に磁性材料と樹脂との混合物を充填・硬化させることで、容易に実現できる。
ここでは、介在コア部25は連結コア部23と同様に、平均粒径100μm以下の鉄基材料であって、上記被膜を備える被覆粉末とエポキシ樹脂との成形硬化体で構成している。そのため、介在コア部25の飽和磁束密度B3は1T、比透磁率は10である。この飽和磁束密度B3の好ましい範囲は0.5T以上で内側コア部21の飽和磁束密度B1未満であり、比透磁率の好ましい範囲は5〜50、より好ましい範囲は5〜30である。
《面積比》
以上のコイル10、内側コア部21及び介在コア部25を備えるリアクトル1Aにおいて、コイル10の内側の面積をS1、介在コア部25の横断面積をS2とするとき、0<S2/S1<0.15を満たす。コイル10の内側の面積S1とは、コイル10を軸方向に見た場合に、コイル10のターン内の面積である。また、介在コア部25の横断面積S2とは、コイル10の軸方向に対して直交する方向に切断した介在コア部25の断面積である。通常、内側コア部21は長手方向に一様な面積で構成されており、その外周に形成される介在コア部25もその長手方向に一様な面積で構成されている。但し、介在コア部25の横断面積が同コア部の長手方向で異なる場合、最大横断面積を介在コア部25の横断面積S2とする。
この面積比が0<S2/S1<0.15であれば、後述する試験例から明らかなように、リアクトル1Aのインダクタンスに対する全損失の割合を低減することができる。つまり、全損失の増加割合を抑えて、かつインダクタンスを増加させることができる。そのため、同じインダクタンスをより小さな体積のリアクトルで実現でき、リアクトル1Aを小型化できると期待される。但し、この面積比の上限を超えると、コイル10の内側に飽和磁束密度の小さな介在コア部25の領域が多くなるため、リアクトル1Aを小型化することが難しくなる。より好ましい面積比の範囲は、0<S2/S1<0.04である。この範囲を満たすことで、リアクトル1Aのインダクタンスに対する銅損の割合をも低減することができる。つまり、銅損の増加割合も抑えて、かつインダクタンスを増加させることができる。そのため、同じインダクタンスをより小さな体積のリアクトルで実現でき、より一層のリアクトル1Aの小型化が期待できる。
面積比S2/S1の調整は、コイル10の内径と内側コア部21の外径を適切に選択することで行える。磁性材料と樹脂の混合物をコイル10と内側コア部21の間に充填することで介在コア部25が形成されるためである。
《飽和磁束密度》
本発明のリアクトル1Aでは、内側コア部21の飽和磁束密度をB1、連結コア部23の飽和磁束密度をB2、介在コア部25の飽和磁束密度をB3とするときB1>B2及びB1>B3を満たす。この関係を満たすように各コア部を構成することで、内側コア部21を細くしてリアクトル1Aの小型化を図りつつ、内側コア部21からコイル10への漏洩磁束を抑制して損失の少ないリアクトル1Aを実現できる。
介在コア部25の飽和磁束密度B3は、連結コア部23の飽和磁束密度B2と同じであることが好ましいが異なっても構わない。つまり、B1>B3>B2でも良いし、B1>B2>B3でも良い。
[その他の構成要素]
《インシュレータ》
コイル10と磁性コア20との間の絶縁性をより高めるために、コイル10において磁性コア20に接触する箇所には、インシュレータ(図示略)を介在させることが好ましい。例えば、コイル10の内・外周面に絶縁性テープを貼り付けたり、絶縁紙や絶縁シートを配置したりすることが挙げられる。また、内側コア部21の外周に絶縁性材料からなるボビン(図示略)を配置してもよい。ボビンは、内側コア部21の外周を覆う筒状体が挙げられる。また、筒状体の両端から周方向に延びる環状のフランジ部を備えるボビンを利用すると、コイル10の端面と連結コア部23との間の絶縁性を高められる。ボビンの構成材料には、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、液晶ポリマー(LCP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などの絶縁性樹脂が好適に利用できる。
《ケース》
図1のリアクトル1Aは、コイル10と磁性コア20との組合体を収納するケース30を備える形態である。上記組合体においてコイル10と内側コア部21とは、連結コア部23を構成する樹脂により、ケース30に封止される。即ち、連結コア部23の構成樹脂は、コイル10と内側コア部21との封止材としても機能する。このケース30は、リアクトル1Aを設置対象(図示略)に配置したときに当該リアクトル1Aの設置側となる面(図1(A)において下方側の面)に対して、コイル10の軸方向が直交するようにコイル10を収納する。ケース30に対するコイル10の配置の向きは、適宜選択することができる。
ケース30の材質、形状、大きさは、適宜選択することができる。例えば、上記組合体に沿った円筒状のケース30としてもよい。ここでは、ケース30は、アルミニウムといった金属製とし、矩形状の底面と、この底面から立設される側壁とを備え、一方が開口した箱体である。
より具体的なケース30の構成としては、側壁の内周面に設けられた突起で、コイル10の回転を抑制すると共に、コイル10の挿入時にガイドとして機能するガイド突起部と、ケース30の内周面の一角に突出して巻線の端部の位置決めに利用される位置決め部と、ケース30の内周面において底面から突出してコイル10を支持し、ケース30に対するコイル10の高さを位置決めするコイル支持部(図示略)とを備えるものが挙げられる。ガイド突起部、位置決め部、コイル支持部を備えるケース30を利用することで、ケース30内の所望の位置にコイル10を精度良く配置でき、引いては、コイル10に対する内側コア部21の位置も精度良く決められる。ガイド突起部、位置決め部及びコイル支持部は全てを備えていなくても、少なくとも一つを有する構成としてもよい。また、これら各部は、ケース30の一部として一体に構成されてもよいし、別部材を用意して、これら別部材をケース30に収納して、ガイド突起部などとして利用してもよい。ケース30に収納する上記別部材を連結コア部23の構成材料と同様の材料からなる成形硬化体とすると、連結コア部23(介在コア部25)の形成時に容易に一体化できる上に、当該別部材を磁路に利用することができる。その他、ケース30には、リアクトル1Aを設置対象(図示略)にボルトにより固定するためのボルト孔を有する取付部を備えてもよい。取付部を有することで、ボルトによりリアクトル1Aを設置対象に容易に固定することができる。
[用途]
上記構成を備えるリアクトル1Aは、通電条件が、例えば、最大電流(直流):100A〜1000A程度、平均電圧:100V〜1000V程度、使用周波数:5kHz〜100kHz程度である用途、代表的には電気自動車やハイブリッド自動車などの車載用電力変換装置の構成部品に好適に利用することができる。この用途では、直流通電が0Aのときのインダクタンス:10μH以上1mH以下、最大電流通電時のインダクタンス:0Aのときのインダクタンスの30%以上を満たすように、リアクトル1Aのインダクタンスを調整すると好適に利用できると期待される。
[リアクトルの大きさ]
上記構成を備えるリアクトル1Aの大きさは、所望のインダクタンスを満たすと共に、上記面積比及び飽和磁束密度を満たす範囲で、適宜選択することができる。例えば、車載部品としてのリアクトル1Aの場合、ケース30を含めたリアクトル1Aの容量を0.2リットル(200cm3)〜0.8リットル(800cm3)程度としている(ここでは230cm3)。リアクトル1Aが上記大きさを満たすことで、小型であり、車載部品に好適に利用することができる。
[リアクトルの製造方法]
リアクトル1Aは、以下のようにして製造することができる。まず、コイル10、及び圧粉成形体からなる内側コア部21を用意し、コイル10内に内側コア部21を挿入して、コイル10と内側コア部21との組物を作製する。上述のようにコイル10と内側コア部21との間に適宜インシュレータを配置させてもよい。
次に、上記組物をケース30内に収納する。上述したガイド突起部などを利用して、当該組物をケース30内の所定の位置に精度良く配置することができる。このケース30内に、連結コア部23と介在コア部25を構成する磁性材料とバインダ樹脂との混合流体を適宜流し込んで、所定の形状の連結コア部23及び介在コア部25を成形した後、バインダ樹脂を硬化させることでリアクトル1Aが得られる。
その他、次のようにリアクトル1Aの製造を行ってもよい。まず、内側コア部21を円筒容器状の成形型に収納し、この成形型と内側コア部21との間に介在コア部25を構成する磁性材料とバインダ樹脂との混合流体を適宜流し込んでバインダ樹脂を硬化させる。次に、この成形型から成形物を抜き出して、内側コア部21と介在コア部25とが一体化された複合コア部を作製する。続いて、この複合コア部をコイル10内に挿入して、コイル10と複合コア部との組物をケース30内に収納する。そして、ケース30内に連結コア部23となる混合流体を流し込んでバインダ樹脂を硬化させ、リアクトル1Aを得る。この方法によれば、連結コア部23と介在コア部25とを異なる材料で構成することができる。
[作用・効果]
このようなリアクトル1Aは、内側コア部21の飽和磁束密度が連結コア部23よりも高いことで、全体の飽和磁束密度が均一的な磁性コア20と同じ磁束を得る場合、内側コア部21の断面積(磁束が通過する面)を小さくすることができる。かつ、内側コア部21とコイル10との間に介在コア部25を備え、その介在コア部25の面積比S2/S1を所定の範囲に限定することで、内側コア部21からの漏洩磁束がコイル10に侵入することを抑制し、リアクトル1Aの損失を低減できる。
このリアクトル1Aは、磁性コア20の全体に亘って、ギャップ材が一切存在しないことで、ギャップ箇所での漏洩磁束がコイル10に影響を及ぼすことが無いため、この点からも損失を低減できる。
また、本例のリアクトル1Aは、接着剤を一切用いない接着剤レス構造であり、内側コア部21の形成にあたり、ギャップ材の接合工程などが不要であることから、生産性に優れる。特に、リアクトル1Aでは、連結コア部23及び介在コア部25の形成と同時に、連結コア部23の構成樹脂により内側コア部21と連結コア部23、内側コア部21と介在コア部25、さらには介在コア部25と連結コア部23とを接合して磁性コア20を形成し、その結果リアクトル1Aを製造できる。そのため製造工程が少なく、この点からも生産性に優れる。その他、本例のリアクトル1Aでは、内側コア部21を圧粉成形体とすることで、飽和磁束密度の調整を簡単に行える上に、複雑な三次元形状であっても容易に形成でき、この点からも生産性に優れる。
更に、このリアクトル1Aではケース30を備えることで、上記コイル10と磁性コア20との組合体を粉塵や腐食といった外部環境から保護したり、機械的に保護したりすることができる。特に、連結コア部23及び介在コア部25が樹脂成分を備えることで、ケース30が開口していても、コイル10や内側コア部21に対する外部環境からの保護や機械的保護を図ることができる。加えて、ケース30を金属製にすることで、ケース30自体も放熱経路に利用することができ、放熱性に優れたリアクトル1Aとできる。とりわけ、コイル10が配置された内側コア部21がケース30に接していることで、コイル10の熱を効果的に放出できる。
〔実施形態2〕
次に、内側コア部21と連結コア部23の構成が実施形態1とは異なる実施形態2を図2(A)に基づいて説明する。以下の説明は、主として実施形態1との相違点について行い、他の構成については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
このリアクトル1Bは、内側コア部21の下端面にも連結コア部23が接合されている点で実施形態1とは相違している。つまり、内側コア部21の上端側と下端側との構成をより均質とすることができる。
また、このリアクトル1Bは、ケースを用いていない。このリアクトル1Bは、成形型内にコイル10と内側コア部21との組物を収納し、その成形型内に連結コア部23と介在コア部25を構成する混合流体を流し込むことで得られる。コイル10と内側コア部21は、成形型の底面から間隔をあけて保持される。この保持を行うには、連結コア部23(介在コア部25)と同一材料で構成した支持ブロックを成形型の底面に配置しておき、その支持ブロック上にコイル10と内側コア部21を載せればよい。そして、混合流体のバインダ樹脂が硬化した後、成形型から成形体を抜き出すことでリアクトル1Bが製造できる。成形型を分割式としておくことで、連結コア部23及び介在コア部25の樹脂を硬化させた後、成形体を成形型から抜き出すことが容易に行える。
本例のリアクトル1Bも、上記内側コア部21とコイル10との間に介在コア部25が形成され、この介在コア部25が連結コア部23と同一材料からなっている点で実施形態1と共通である。
このリアクトル1Bによれば、内側コア部21の上端側と下端側との構成をより均質とすることができ、磁性コア20を通る磁束を均質化できる。
〔実施形態3〕
次に、内側コア部21の途中にギャップを備える実施形態3を図2(B)に基づいて説明する。以下の説明は、主として実施形態2との相違点について行い、他の構成については実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
このリアクトル1Cでは、内側コア部21が圧粉成形体からなる複数の分割片と、これら分割編の間に介在されるギャップ40を備える。本例では2つの分割片で内側コア部21を構成しているが、分割片の数は特に問わない。ギャップ40はリアクトル1Cのインダクタンスを調整するために用いられるもので、アルミナなどの非磁性材料が好適に利用できる。ギャップ40の数も特に問わない。要求されるリアクトル1Cのインダクタンスに応じて適宜ギャップ40の数を選択すればよい。
本例のリアクトル1Cも、上記内側コア部21とコイル10との間に介在コア部25が形成され、この介在コア部25が連結コア部23と同一材料からなっている点、内側コア部21の両端面に連結コア部23が連結されている点は実施形態2と共通している。
このリアクトル1Cによれば、内側コア部21の途中にギャップ40を介在させることで、リアクトル1Cのインダクタンスを容易に調整できる。また、ギャップ40が設けられていても、そのギャップ40の外周とコイル10との間に介在コア部25が設けられているため、ギャップ40の外周からの漏洩磁束がコイル10に侵入することを抑制でき、損失の低減を実現できる。
〔試験例〕
実施形態1に相当するリアクトルのモデルについて、上述の面積比S2/S1を変え、その場合のリアクトルの全損失とコイルの銅損を試算した。この試算は、コイル、内側コア、連結コアのサイズが一定であることを前提とし、面積比S2/S1が異なるようにコイルと内側コアの間に介在コア部を形成したモデルを用いて、面積比が0のとき、つまり介在コア部が存在しないときのリアクトルのインダクタンスに対する各損失の割合を1.0とし、上記全損失と銅損の各々を規格化することで行った。具体的な試算条件は、次の通りである。試算結果を表1及び図3、図4に示す。表1では、上記面積比を100×S2/S1(%)で示している。
この試算における各モデルのインダクタンスは、コイルに通電する電流が270Aのときの値で計算している。内側コアの外径とコイル内径との比率は、1:1.15である。また、この試算には、電磁気CAE解析ソフトであるJMAG(株式会社JSOL社製)を使用した。
Figure 2012004390
この表1と図3から明らかなように、介在コア部を設けた場合、全損失/Lが1未満になっており、リアクトルの体積が一定であれば、インダクタンスの増加割合が損失増加割合よりも大きいことがわかる。つまり、介在コア部を設けることが好ましく、リアクトルを小型化することが期待できる。また、表1と図4から明らかなように、面積比S2/S1が0.04以下程度、%表示で4%以下程度の場合、銅損/Lが1未満になっており、リアクトルの体積が一定であれば、銅損の増加割合を抑えてインダクタンスを向上できることがわかる。そのため、特に面積比S2/S1を0.04以下(%表示で4%以下)とすることで損失の抑制とリアクトルの小型化に効果的であることがわかる。さらに、介在コア部を設けることで、特に大電流側のインダクタンスを上昇させることに効果的であることもわかった。
なお、上述した実施の形態は、本発明の要旨を逸脱することなく、適宜変更することが可能であり、上述した構成に限定されるものではない。
本発明リアクトルは、ハイブリッド自動車や電気自動車、燃料電池車といった車両に搭載される双方向DC-DCコンバータといった電力変換装置の構成部品に利用することができる。
1A、1B、1C リアクトル
10 コイル
20 磁性コア
21 内側コア部
23 連結コア部
25 介在コア部
30 ケース
40 ギャップ

Claims (7)

  1. 巻線を巻回してなるコイルと、このコイル内に挿通された内側コア部、及びこの内側コア部の端部に結合して前記コイルの外周を覆う連結コア部の両コア部により閉磁路を形成する磁性コアとを備えるリアクトルであって、
    前記コイルと内側コア部との間に介在コア部を備え、
    前記コイルの内側の面積をS1、介在コア部の横断面積をS2とするとき、0<S2/S1<0.15を満たし、
    内側コア部の飽和磁束密度をB1、連結コア部の飽和磁束密度をB2、介在コア部の飽和磁束密度をB3とするとき、B1>B2及びB1>B3を満たすことを特徴とするリアクトル。
  2. S2/S1が0<S2/S1<0.04を満たすことを特徴とする請求項1に記載のリアクトル。
  3. 前記内側コア部は、圧粉成形体から構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリアクトル。
  4. 前記連結コア部と介在コア部は、磁性材料と樹脂との混合物から構成されており、
    前記内側コア部と介在コア部及び連結コア部の各々とが前記樹脂により一体化されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリアクトル。
  5. 前記内側コア部の飽和磁束密度B1は、1.6T≦B1、及び1.2×B2≦B1を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のリアクトル。
  6. 前記内側コア部の比透磁率が50以上1000以下であり、
    前記連結コア部及び介在コア部の比透磁率が5以上50以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のリアクトル。
  7. 前記コイルと前記磁性コアとの組合体を収納するケースを備え、
    前記コイル及び前記内側コア部は、前記連結コア部及び介在コア部を構成する樹脂により前記ケースに封止されていることを特徴とする請求項4に記載のリアクトル。
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