JP2011523914A - 多色印刷のための熱応答補正システム - Google Patents

多色印刷のための熱応答補正システム Download PDF

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Abstract

単一のサーマルプリントヘッドが、一回の通過において、順次、複数の色形成層上で印刷するサーマルプリンタにおいて、温度履歴制御が実行される。各画素印刷の間隔は、セグメントに分割することが可能であり、これらのそれぞれは、異なる色を印刷するために使用されてもよい。各々のプリントヘッド素子に提供される入力エネルギーを選択する方法は、セグメントのそれぞれで変わってもよい。セグメントの開始時における予測されたプリントヘッド素子の温度と、印刷される色と、現在の画素の印刷間隔のセグメントの開始および以前の画素の印刷間隔の同等のセグメントの終了の間の期間中に、他の色を印刷する際に供給されたエネルギーとに基づいて、セグメントのそれぞれにおける、プリントヘッドを提供するためのエネルギーを計算するように、異なるエネルギー計算関数を使用してもよい。
【選択図】図11

Description

関連出願の相互参照
本出願は、本明細書で参照されることによって、本明細書に組み込まれる、2008年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/061,112号、発明の名称「多色印刷のための熱応答補正システム」の優先権を主張するものである。
本出願は、参照されることによって本明細書に組み込まれる、以下の米国特許および特許出願に関連している。
サーマルプリンタ(感熱方式のプリンタ)内の熱履歴によって生じるひずみの補償のための方法を記載し且つ請求項とする米国特許第6,819,347号。
感熱式画像形成部材(サーマルイメージング部材)の温度の補正を含む、サーマルプリンタ内の熱履歴補償の方法を記載し且つ請求項とする米国特許第7,176,953号。
環境温度および湿度の補正を含むサーマルプリンタ内の熱履歴補償の方法を記載し且つ請求項とする米国特許第7,295,224号。
サーマルプリントヘッド(サーマルヘッド、感熱印刷ヘッド、サーマルプリンティングヘッドとも言う)の一回の通過時に二以上の色を印刷するための、サーマルプリンタ内の熱履歴補償の方法を記載し且つ請求項とする米国特許番号第7,298,387号。
熱履歴制御アルゴリズムのパラメータの推定のための方法を記載し且つ請求項とする2006年1月13日出願の米国特許出願番号第11/332,530号(特許出願公開番号US2006/0159502 A1号)。
本発明で使用するための熱による画像形成の方法および部材を記載する米国特許第六,801,233号。
本発明で使用するための画像形成の方法を記載し且つ請求項とする、2006年4月6日に出願された米国特許出願番号第11/400734号。
本発明で使用するための画像形成の方法を記載し且つ請求項とする、2006年4月6日に出願された米国特許出願番号第11/400735号。
本発明で使用するための画像形成の方法を記載し且つ請求項とする、2008年1月30日出願の米国特許出願第12/022,955号。
米国特許公報第6,819,347号 米国特許公報第7,176,953号 米国特許公報第7,295,224号 米国特許公報第7,298,387号 米国特許出願公開公報US2006/0159502 A1号 米国特許公報第6,801,233号
背景
技術分野
本発明は感熱印刷(サーマルプリンティング)に関し、より詳細には、サーマルプリントヘッド上の熱履歴の影響を補償することにより、サーマルプリンタの出力を向上させるための技術に関する。
関連技術
サーマルプリンタは、典型的には、ドナーシートから出力媒体に色素または染料を転移させることによって、または、出力媒体内の色形成化学的性質を活性化させることによって、出力媒体上に印刷する、加熱素子(本明細書では「プリントヘッド素子」「印刷ヘッド素子」「プリンティングヘッド素子」とも称される)の一次元的な配列(リニアアレイ)を備えている。以下に詳述されるように、加熱素子の配列は、サポートおよび駆動回路も備えたサーマルプリントヘッド(本明細書中では「サーマルプリンティングヘッド」「感熱印刷ヘッド」または「TPH」とも称される)の構成要素である。出力媒体は、典型的には、転移された色素を受ける多孔質の受容体、または色形成化学物質でコーティングされた用紙である。プリントヘッド素子のそれぞれは、活性化される際に、プリントヘッド素子の下を通過する媒体上に色を形成し、特定の光学密度(以降、「密度」という用語は、特に指定されない限り、「光学密度」を指す)を有するスポットを生成する。より大きい若しくはより高密度のスポットを有する領域は、より小さい若しくはより低密度のスポットを有する領域よりも濃い色として認識される。デジタル画像は、非常に小さく近接する間隔を空けたスポットの二次元配列としてレンダリングされる。
サーマルプリントヘッド加熱素子(本明細書中では、「加熱素子」または「プリントヘッド素子」とも称される)は、エネルギーを提供することで活性化される。プリントヘッド素子へのエネルギーの提供は、プリントヘッド素子の温度を上昇させ、これにより、色素の出力媒体への転移または受容体内の色の形成のいずれかを生じさせる。このような方法で、プリントヘッド素子によって生成される出力密度は、プリントヘッド素子に提供されるエネルギー量の関数である。プリントヘッド素子に提供されるエネルギー量は、例えば、特定の時間間隔内のプリントヘッド素子への電力量を変動させることによって、あるいは、より長い時間間隔にわたってプリントヘッド素子に電力を提供することによって、変動し得る。
従来のサーマルプリンタにおいて、デジタル画像が印刷される間の時間は、本明細書で「プリントヘッドサイクル」と称される固定の時間間隔に分割される。典型的には、デジタル画像における画素の一つの行(または、その一部)は、一つのプリントヘッドのサイクル(一周期)の間に印刷される。各プリントヘッド加熱素子は、典型的には、デジタル画像の特定の列の中の画素を印刷する役目を担っている。各プリントヘッドサイクルの間に各プリントヘッド素子に提供されるエネルギー量は、そのプリントヘッド素子の温度が上昇して、その結果、所望の密度を有する出力をプリントヘッド素子が生成するレベルになるように計算される。プリントヘッド素子によって生成されるべき所望の密度の変動に基づいて、エネルギー量の変動が、異なるプリントヘッド素子に提供されることができる。
従来のサーマルプリンタにおける一つの問題は、そのプリントヘッド素子が、各プリントヘッドサイクル終了後に、熱を保持するという事実から生じる。一部のサーマルプリンタにおいて、特定のプリントヘッドサイクルの間に特定のプリントヘッド素子に供給されるエネルギー量は、典型的には、プリントヘッドサイクル開始時におけるプリントヘッド素子の温度が、公知の固定温度であるという仮定に基づいて計算されるため、この熱保持は、厄介な問題となり得る。現実には、プリントヘッドサイクルの開始時におけるプリントヘッド素子の温度は、(とりわけ)以前のプリントヘッドサイクルの間に、そのプリントヘッド素子に伝達されたエネルギー量に依存するため、プリントヘッドサイクルの間に、そのプリントヘッド素子によって達成される実際の温度は、所望の温度とは異なり得るため、望まれるより、高い出力密度または低い出力密度となる。同様に、特定のプリントヘッド素子の現在の温度が、それ自身の以前の温度(本明細書では、「熱履歴」と称する)に影響されるだけでなく、周辺(室内)温度やそのプリントヘッド内の他のプリントヘッド素子の熱履歴によっても影響を受けることから、問題はさらに複雑になっている。
上記の議論から推測され得るように、一部の従来のサーマルプリンタにおいて、デジタル画像の印刷中に、プリントヘッド素子による熱保持、およびこのような熱保持の中のプリントヘッド素子へのエネルギーの過剰供給のために、各特定のサーマルプリントヘッド素子の平均温度が、徐々に上昇する傾向にある。こうして徐々に温度が上昇する結果、それに対応して、プリントヘッド素子によって生成される出力の密度も徐々に増加し、そのため、印刷された画像は、暗さが増したものとして認識される。この現象は、本明細書において「密度ドリフト」と称される。
さらに、従来のサーマルプリンタは、典型的には、プリントヘッドにわたって近接する画素間においても、印刷方向で近接する画素間においても、その双方でシャープな密度勾配を正確に再現することが困難である。例えば、プリントヘッド素子が、白画素に続き、黒画素を印刷すると、典型的に、二つの画素間の理想的なシャープなエッジは、印刷されるときに、ぼやける(blurred)。この問題は、白画素を印刷した後、黒画素を印刷するプリントヘッド素子の温度を上昇させるために必要とされる時間量から生じる。より一般的には、従来のサーマルプリンタは、この特性のために、密度勾配が高い領域を有する画像を印刷すると、理想のシャープ度より悪くなる。
上記の特許および特許出願は、サーマルプリントヘッドの単一の経路において、単色を印刷するサーマルプリンタのこれらの問題の多くを回避する技術を導入する。こうした方法は、複数色をレンダリング可能な感熱式画像形成部材に、感熱印刷ヘッドの一回の通過において複数色を印刷する場合に、利用されることができる。こうした感熱式画像形成部材の実施例、およびその部材上の印刷のための例が、米国特許番号第6,801,233号および米国特許出願番号第11/400734号および第11/400735号に記載されている。しかしながら、一回の通過において複数の色が印刷される場合の、熱履歴制御の改良された方法が、いまだに必要とされている。
従来技術の単色熱履歴制御方法は、二つの別々のモデル、即ち(サーマルプリントヘッドの)温度モデルおよび、供給されたエネルギーの関数(またはこの関数の逆)として感熱式画像形成部材(当該技術において公知の「媒体」)で達成される色密度を計算する「媒体モデル」を計算する。これは、従来技術の温度モデルを、複数色が一回の通過で印刷される場合に一般化することが容易である。温度モデルのパラメータは、様々な色のために必要となる場合がある、異なる印刷時間および電力レベルを明らかにするために調整することが可能であり、こうして、印刷中のサーマルプリントヘッド(および特に、プリントヘッド素子の温度)の状態を正確に追跡することが可能である。その従来技術の実施形態においては、サーマルプリントヘッドの現在の状態、印刷される所望の密度、およびその特定の色に適した特定の固定されたパラメータのみを、入力として必要とするため、媒体モデルを、多色の場合にも実行することを考える可能性があった。
しかしながら、媒体モデルのこうした単純な一般化は、多色印刷には不適切である場合がある。生じる可能性のある問題として、温度モデルおよび媒体モデルの間のはっきりした区切りがないために、熱履歴応答を微調整し、および/または一つの感熱式画像形成部材から別のものへ熱履歴の特徴づけを適合させることが、困難であるということ、所望の応答を達成するために温度モデルのパラメータを調整するには応答が不安定または振動的であるということ、媒体モデル内の柔軟性が十分でない(技術用語では、不十分な自由度である)ことから、温度モデルで得られる値は物理的に不適切であるいうこと、3次元の色空間における熱履歴制御アルゴリズムの、非単調または不正な定義の応答がある。なお、多色の場合に熱履歴補償がうまくいかない場合には、密度内のひずみの可能性があるだけでなく、色のひずみも生じる可能性があり、最終的な画像内に好ましくない結果が生じる。こうした全ての理由のため、サーマルプリンタによる、感熱式画像形成部材上の複数色を印刷するための改良された熱履歴制御アルゴリズムが求められている。
単一のサーマルプリントヘッドが、一回の通過において、順次、複数の色形成層上に印刷する、サーマルプリンタ内の熱履歴制御を実行するための技術を開示する。各画素の印刷間隔は、不均等な継続時間であってもよいセグメントに分割され得る。異なる色を印刷するためには、それぞれのセグメントを使用することができる。各プリントヘッド素子へ提供される入力エネルギーが選択される方法は、セグメント毎に変えることができる。例えば、セグメントのそれぞれにおけるプリントヘッド素子の温度を予測するために一つの温度モデルを使用してもよいが、異なるセグメントで異なるパラメータを使用することもできる。同様に、セグメントの開始時の予測されたプリントヘッド素子の温度、印刷される色、および、現在の画素の印刷間隔のセグメントの開始、ならびに以前の画素の印刷間隔の同等のセグメントの終了の間の期間における、他の色の印刷時に供給されたエネルギーに基づいて、セグメントのそれぞれでプリントヘッドへ提供されるエネルギーを計算するために、異なるエネルギー計算関数を使用することができる。
本発明の別の態様では、第一および第二の対向する表面を有し、かつ、複数の色形成層を備えた感熱式画像形成部材の、それぞれ、第一および第二の色形成層内の少なくとも第一および第二のドットを熱的に印刷する方法が提供され、これは、
(A)第一のドットを印刷するための第一のエネルギー量を供給するように、サーマルプリントヘッドによって、感熱式画像形成部材の表面の第一の領域を加熱する工程と、
(B)第二のドットを印刷するための第二のエネルギー量を供給するために、サーマルプリントヘッドによって、第一の領域に重複する感熱式画像形成部材の前記表面の第二の領域を加熱する工程であって、第二のエネルギー量は第一のエネルギー量および感熱式画像形成部材内の第二の色形成層の位置に依存する量だけ補正され、第一のおよび第二のドットは、サーマルプリントヘッドの一回の通過で印刷される工程と、を備えている。
本発明の別の態様では、
(A)デジタル画像内の画素の色の構成要素(成分、コンポーネント)の密度値を特定する工程であって、画素はN個の色の構成要素を備えており、色の構成要素のそれぞれは、N>1である場合に、印刷ライン時間のN個の印刷セグメントのうちの一つに関連付けられる工程と、
(B)以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれの間に加熱素子に供給されたエネルギー量を特定する工程と、
(C)エネルギー計算関数を使用して入力エネルギー量を計算する工程であって、
(C)(1)密度の値に基づいて、1次入力エネルギー量を計算する工程と、
(C)(2)以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれの間に加熱素子に供給されたエネルギー量に基づいて、前記1次入力エネルギー量を補正する工程であって、前記補正の大きさは、密度値に依存することを特徴とする工程と、
(D)入力エネルギー量と等しいエネルギーを加熱素子に供給する工程とを備えている方法が提供される。
本明細書で使用されるように、「特定する(同定するとも言う)」という用語は、例えば、計算を実行する、または計測を行うためのテーブル内の値を参照するプロセスを指す場合がある。こうした「特定」は、電子機器によって実行されることが可能であり、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはいずれかのその組み合わせで実行されることも可能である。「特定」は、プロセッサ、プロセッサで読み込み可能な格納媒体(例えば、揮発および不揮発メモリおよび/または格納要素を含む)、少なくとも一つの入力デバイスおよび、少なくとも一つの出力デバイスを含むプログラム可能なコンピュータおよび/またはプリンタ上で実行される一つ以上のコンピュータプログラムで実施されることができる。
本発明のさらに別の態様では、本発明で使用されるパラメータの推定のための方法が提供され、これは、
(A)プリンタへ供給するための入力エネルギーのセットを選択する工程と、
(B)入力エネルギーのセットによって、プリンタを使用して画像を印刷する工程と、
(C)入力エネルギーのセット内の各入力エネルギーに応じて、画像の領域の印刷された密度を計測する工程と、
(D)パラメータのセットを使用して、測定された印刷密度のそれぞれを実現するために必要なエネルギーを推定する工程と、
(E)測定された印刷密度を達成するために必要なエネルギーの推定と、測定された印刷密度を達成するためにプリンタに供給される入力エネルギーとの間の相違を最小限にするように、パラメータのセットを調整する工程とを備えている。
本発明のさらなる態様および実施形態を、以下により詳細に記載する。
本発明によるところの、感熱式画像形成部材に対応するサーマルプリントヘッドの部分側面断面図である。 本発明によるところの、三色の感熱式画像形成部材の、部分側面断面図である。 ライン時間が三つのセグメントに分割され、かつ、各セグメントに同じ長さのパルスが提供される、プリンタ内の、時間経過によるプリントヘッド素子上の電圧を示す、グラフである。 従来技術のサーマルプリンタのモデルのブロック図である。 従来技術および本発明の熱履歴補償アルゴリズムのブロック図である。 従来技術の逆のサーマルプリンタのモデルのブロック図である。 本発明によるところの、感熱式画像形成部材の単色を扱う、サーマルプリントヘッドの部分側面断面図である。 異なる色の画像が重ね合わされていない、本発明による感熱式画像形成部材の複数の色を扱う、サーマルプリントヘッドの部分側面断面図である。 異なる色の画像が重ね合わされている、本発明による感熱式画像形成部材の複数の色を扱う、サーマルプリントヘッドの部分側面断面図である。 本発明のサーマルプリンタモデルのブロック図である。 本発明の逆プリンタモデルのブロック図である。 デジタル画像上で熱履歴制御を実行するために、本発明の実施形態で実行される方法のフローチャートである。 本発明の方法で使用するための、パラメータ推定の方法のブロック図である。 本発明の方法で使用するための、パラメータ推定の方法のブロック図である。 本発明の方法で使用するための、パラメータ推定の方法のブロック図である。 エネルギードメインにおける誤差を最小限にするためにパラメータ推定を実行する方法のフローチャートである。
以下に、図1を参照して、サーマルプリントヘッド100および感熱式画像形成部材200が、サーマルプリントヘッド100に対して感熱式画像形成部材200を付勢する((図示されるように)ローラまたは回転していない要素とすることができる)プラテン118によって、緊密に接触して保持される、典型的なサーマル印刷構成の略断面図を示す。図1に示されるように、典型的なサーマルプリントヘッドは、駆動回路116およびプリントヘッド素子を備えたアセンブリの両方を搬送するサポート102を備えている。このサポート102は、例えばサーミスタであり、温度測定デバイス120によってその温度が監視されるヒートシンクを備えている。プリントヘッド素子110は、セラミック基板104と接触するグレーズ層106によって搬送され、薄い、熱伝導保護122によってカバーされる。セラミック基板104は、サポート102と接触する。図に、その上にプリントヘッド素子110が配置されている必須ではない盛り上がった「グレーズ隆起」108を示す。プリントヘッド素子は、グレーズ隆起108が存在しない場合にグレーズ層106の表面によって搬送されることができる。ワイヤ114は、パターン化された導電接続112によって、プリントヘッド素子110および駆動回路116の間の電気的接触を提供する。プリントヘッド素子110は、薄い、熱伝導保護層によって、画像形成部材100と接触する。従って、図1の構成において、プリントヘッド素子110に供給された電力の振幅および継続時間の制御は、画像形成部材200の表面の温度発展を制御する。
本発明の好適な実施形態において、サーマルプリントヘッド100は、プリンタのシャーシに対して固定されて保持されており、一方で、画像形成部材200は、プリントヘッド素子110を通過して搬送される。感熱式画像形成部材の輸送は、駆動ローラ手段(図示せず)、プラテン118の駆動された回転、または当該技術において公知の他の輸送手段によるものにすることができる。一部の代替の実施形態では、感熱式画像形成部材は固定して保持され、プリントヘッドは移動される。両方の素子を可動にすることもできる。
次に図2を参照すると、透明であって、吸収力があって、または反射的であってもよい基板214と、それぞれ、イエロー、マゼンダおよびシアンであることが可能な3色形成層204、208および212と、スペーサ層206および210と、保護層202と、を備えた感熱式画像形成部材200が示されている。
各色形成層は、本明細書中でその活性化温度と称される特定の温度に加熱される際に、色を、例えば、最初の無色から有色に変化させる。色形成層204、208および212の活性化温度は、204>208>212の順になる。米国特許番号第6,801,233号に詳述されるように、アドレス層212(対応層212,addressing layer212)(即ち、上記のその活性化温度に加熱される層)が、比較的長い時間、比較的低い温度に画像形成部材200の表面を加熱することで達成され、アドレス層208は、中程度の長さの時間、中程度の温度に画像形成部材200の表面を加熱することで達成され、アドレス層204は、比較的短い時間、比較的高い温度に画像形成部材200の表面を加熱することで達成される。
色形成層の任意の色の順序を選択することができる。ある好適な色の順序は、上記のとおりである。別の好適な色の順序には、3色形成層204、208、および212がそれぞれ、シアン、マゼンダおよびイエローの順序がある。
スペーサ層の関数は、画像形成部材200内の熱拡散の制御である。スペーサ層206は、両方の層を備えた材料が実質的に同じ熱拡散率を有するという条件において、スペーサ層210よりも薄いことが好適である。好適には、こうした場合、スペーサ層210は、スペーサ層206よりも少なくとも4倍厚い。
例えば、大気中の酸素、紫外線から画像を保護する、または層間の化学物質の拡散を防ぐために、図2上に配置される基板上に6つの層を示しているが、さらなる障壁層を感熱式画像形成部材に組み込むことも可能である。こうした層の有無は、本発明の方法またはデバイスに影響しない。本発明の好適な感熱式画像形成部材の実施例は、米国特許出願番号第11/400,735号に記載されている。
基板214上に配置される全ての層は、色形成前は実質的に透明である。基板214が反射する場合(例えば白)、画像形成部材200上に形成される色のついた画像が、基板214によって提供される反射バックグラウンドに対する保護202によって見られる。基板上に配置される層の透過性により、色形成層のそれぞれにおいて印刷された色を組み合わせとして見ることができるようにする。
プリントヘッド素子を通過する画像形成部材200の一回の通過の間にプリントヘッド素子に供給された電力の振幅および継続時間を厳密に制御することにより、任意の色の組み合わせを3色形成層204、208および212内に形成することが可能である。即ち、サーマルプリントヘッド100の下に、画像形成部材200の一回の通過において、全色画像を印刷し得る。
図3は、画像の1ラインを印刷するのにかかる時間の間に、3色が独立して対応される、本発明によるプリントヘッド素子のパルススキームの実施例を示す。また、時間経過によって、単一のプリントヘッド素子上の電圧をプロットする、グラフ300が示される。図3に図示される実施例において、セグメント310aにおいて供給された平均電力は、セグメント310cの平均電力より高い、セグメント310bの平均電力より高い。逆に、セグメント310aの継続時間は、セグメント310cの継続時間よりも短い、セグメント310bの継続時間よりも短い。従って、セグメント310aに供給されたパルスが、最も高い活性化温度および最も短い加熱時間を必要とする色形成層(即ち、図2の色形成層204)の色を形成するために使用され、セグメント310bに供給されたパルスが、中程度の活性化温度および中程度の加熱時間を必要とする色形成層(即ち、図2の色形成層208)内の色を形成するために使用され、最も低い活性化温度および最も長い加熱時間を必要とする色形成層(即ち、図2の色形成層212)内の色を形成するために、セグメント310cに供給されたパルスが使用される。
現在係属中の米国特許出願第12/022,955号に詳述されるように、プリントヘッド素子に供給された電力の電圧の変調を必要とせずに、画像形成部材200の表面温度の制御を可能にする電子パルス技術が設計された。これは、一定の電圧で、サーマルプリントヘッドの時間定数のために、パルスが、感熱式画像形成部材200内の印刷ドットとして個別に分解されない程度に十分に高い周波数で、多くの短いパルスを提供することによって達成される。これらのパルスの負荷サイクルの変更により、プリントヘッド素子に供給された平均電力が変化し、これによって、画像形成部材の上部表面で達成される温度を制御する。
本発明の典型的な実施形態において、感熱式画像形成部材は、サーマルプリントヘッドに対して0.1インチ/秒の速度で変換され、輸送方向の画像分解能は、インチ当たり600ドット(dpi)である。従って、1ラインを印刷するのにかかる時間は、約16.7ミリ秒(msec)である。サーマルプリントヘッドの制御回路によってパルスが一つのプリントヘッド素子に提供される速度は、10マイクロ秒(μ秒)当たり約1パルスである。従って、画像の1ラインの印刷にかかる時間の間に約1670パルスを提供できる。個々のパルスのレベルにおいて負荷サイクルを調整するのではなく、各セグメント内のパルス(各パルスは同じ長さを有する)間のスペースの選択により、ラインの印刷にかかる時間の三つのセグメントにおいて提供される平均電力を調整することが可能である。
例えば、再度図3を参照すると、セグメント310a〜cのそれぞれは、さらに、オンタイムおよびオフタイムに再分割される。より詳細には、セグメント310a〜cは、オンタイム304a〜cおよびオフタイム306a〜cに分割される。セグメントのオフタイムにおいて、パルスは提供されない。セグメント内のオンタイムおよびオフタイムの部分の相対的なサイズは、印刷しようとする色の密度によって決定される。
セグメント310a〜cは、サブ間隔302a〜cに分割される。一つの好適な構成において、全てのサブ間隔は長さが均等であり、セグメント310aでNが1であり、セグメント310bでNが6〜12であり、セグメント310cでNが15〜25である、各N個のサブ間隔のうちの一つに、パルスを提供することができる。
ライン間隔320は、パルス308a〜cを含む。図3に図示される特定の実施例において、パルス全てが同じ振幅および継続時間を有するが、これは必須ではない。パルス308a〜cの全ての振幅が、最大電圧Vbusとして図3に示される。しかしながら、これは本発明の要件ではないことに留意されたい。
図3に図示されるもの等のパルススキームにより、従来技術のモノクロのサーマル印刷の場合よりもずっと複雑な感熱式画像形成部材200内の蓄熱パターンが生じることが理解されよう。熱履歴の影響は、これに応じてより加減の難しいものとなり、従来技術の熱履歴補償方法を修正することが必要になる。上記のように、熱履歴の影響を補正できないと、単に特定の色の印刷密度における誤差を招くだけではなく、正しくない色が印刷される場合がある。
上記で参照される特許および特許出願は、以下の概念が使用される熱履歴補償の方法を開示する。ソース画像(ソースイメージ)は、r個の行およびc個の列を有する二次元密度分布dと考えることができる。本発明の実施形態において、サーマルプリンタは、各プリントヘッドサイクル時において、ソース画像の1行を印刷する。本明細書で使用されるように、一連の加熱素子のプリントヘッド加熱素子を指定するために変数jが使用され、(特定のプリントヘッドサイクル等の)個別の時間間隔を指すために、変数nが使用される。時間間隔nの開始時のサーマルプリントヘッドのヒートシンクの温度は、本明細書中で、T(n,j)と称される。同様に、d(n,j)は、時間間隔nの間に印刷されるソース画像の行の密度分布を指す。
サーマルプリントヘッドへの入力エネルギーは、二次元エネルギー分布Eとして考えることができる。この概念を用いると、E(n,j)は、時間間隔nの間にプリントヘッド素子jに適用されるエネルギーを指す。時間間隔nの開始時の、プリントヘッド素子の予測された温度は、本明細書中でT(n,j)と称される。以降では、便宜上、一般的なプリントヘッド素子について検討しており、変数jは明示的に示されない。
上記の特許および特許出願に記載される方法に従い、サーマルプリンタのモデルは、図4に図示されるブロック図に従って構成される。サーマルプリンタモデル402は、各時間間隔nの間において、入力として、(1)時間間隔nの開始時のサーマルプリントヘッドのヒートシンク温度T(n)404、および(2)時間間隔nにおいてサーマルプリントヘッド素子に提供される入力エネルギーE(n)406を取る。サーマルプリンタモデル402は、出力として、一度に一行、予測された印刷画像(印刷イメージ)414を生成する。予測された印刷画像414は、時間間隔nにおいて、密度d(n)の1次元分布として考えることができる。
サーマルプリンタモデル402は、プリントヘッド温度モデル408および媒体の密度モデル412を含んでいる。プリントヘッド温度モデル408は、画像が印刷される間の時間経過によるプリントヘッド素子の温度を予測する。より詳細には、プリントヘッド温度モデル408は、TPH(過去の入力によって決定される)の層の格納された内部状態および以下の入力、即ち、(1)現在のヒートシンク温度T(n)404、および(2)時間間隔n−1の間にプリントヘッド素子に提供され、バッファ416に格納された入力エネルギーE(n−1)に基づいて、特定の時間間隔nの開始時のプリントヘッド素子の温度T(n)410の予測を出力する。開示された技術は、それぞれ、異なる空間的および時間的分解能(spatial and temporal resolution)を有する、複数の層で構成されるプリントヘッドの温度モデルを実施する。精度および計算効率の組み合わせのために、層の分解能を選択する。
媒体の密度モデル412は、入力として、(1)プリントヘッド温度モデル408によって生じる予測された温度T(n)410、および(2)入力エネルギーE(n)を取り、出力として、行n、d(n)414の予測された画素密度を生成する。
図5に示されるように熱履歴補償が行われる。ソース画像502の正確なレンダリング510を生成するように、実際のサーマルプリンタ508に供給されるエネルギーを計算するために、「逆プリンタ」モデル504が使用される。逆プリンタモデル504は、前方方向(forward direction)にモデルを実行する(即ちサーマルプリンタモデル402を使用する)ことで予測される密度内の誤差を是正する、エネルギー内の偏向を提供することで、サーマルプリンタ508内のサーマルプリントヘッドへの入力エネルギー506を補正する。
図6は、上記の特許および特許出願に記載されるように、逆プリンタモデルのブロック図を示す。逆プリンタモデル604は、各時間間隔nの入力として、(1)時間間隔nの開始時におけるプリントヘッドのヒートシンク温度T(n)612、および、(2)時間間隔n中に印刷されるソース画像602の行内の画素の密度d(n)602を受ける。逆プリンタモデル604は、出力として、(サーマルプリントヘッドへ入力される)エネルギーE(n)608を生成する。
逆プリンタモデル604は、プリントヘッド温度モデル610および逆媒体密度モデル606を含む。プリントヘッドの温度モデルは、(概して)上記に既に記載されている。
逆媒体密度モデル606は、(1)時間間隔nの開始時におけるプリントヘッド素子のそれぞれの予測された温度T(n)614、および(2)時間間隔n中に感熱式画像形成部材上に印刷される所望の密度d(n)602に基づいて、時間間隔n中にプリントヘッド素子のそれぞれに提供するために、エネルギー量E(n)608を計算する。入力エネルギーE(n)608は、次の時間間隔、n+1中に、プリントヘッドの温度モデル610で使用するために、バッファ616に提供される。
逆媒体モデル606によって定義される伝達関数は、二次元関数E=F(d,T)である。非サーマルプリンタでは、入力エネルギーEおよび出力密度dに関する伝達関数は、典型的には、本明細書中でガンマ関数と称される一次元関数d=Г(E)である。サーマルプリンタでは、こうしたガンマ関数は、出力密度dが入力エネルギーEだけでなく現在のサーマルプリントヘッド素子の温度にも依存するため、一意ではない。上記の特許および特許出願において、上記の関数E(n)=F(d,T)は、式1によって示される形式を用いて表される。
(式1)
この式は、所望の密度を提供する正確なエネルギーのために、(T―T(d))内のテイラー級数展開(Taylor series expansion)の最初の2項として解釈することができる。ここで、T(d)は、関数Г(E)が計測された、密度dの印刷中のプリントヘッド素子の温度である。式1では、Г−1(d)は上記の関数Г(E)の逆であり、S(d)は、その一例が以下に詳細に記載される、任意の形式を取ることのできる温度感度関数である。なお、式1は、密度Г−1(d)、S(d)、およびT(d)の三つの1次元関数を使用する、2次元関数E=F(d,T)を表す。式1は、式2のように書き換えることができる。
(式2)
Г−1(d)−S(d)T(d)の項は、一つの一次元関数G(d)として表し、且つ格納することができ、これにより、式2は、以下のように書き換えることができる。
(式3)
G(d)は、参照用プリントヘッド素子温度ゼロで、逆ガンマ関数に対応し、S(d)は、固定された密度における温度への逆ガンマ関数の感度である。実際に、Eの値は、dの値に基づいて、二つのルックアップテーブル(参照表)G(d)およびS(d)を使用し、式3を使用して、計算することができる。
以下の多色印刷の説明において、Cは、1ラインの時間(line time)内で印刷された全色数を示す。セットC={0,...,C−1}は、Cの色素指数を含む。以前と同様に、nは、ライン番号(line number)を示す。各ラインは、セットCの中の各色に対応する、必ずしも等しい継続時間ではない、Cの時間セグメントに分割される。
図3に関して、上述するように各プリントヘッド素子に提供される入力エネルギーが選択される方法は、セグメントのそれぞれで変えることができる。例えば、セグメントのそれぞれにおいてプリントヘッド素子の温度を予測するために一つの温度モデルを使用してもよいが、異なるセグメントで異なるパラメータを使用することができる。同様に、予測されたプリントヘッド素子温度に基づいて、セグメントのそれぞれのプリントヘッドに提供されるエネルギーを計算するために、異なるエネルギー計算関数を使用してもよい。
例えば、不均等な継続時間の連続する時間ステップの開始時のプリントヘッド素子の温度を予測し、プリントヘッド素子が印刷する特定の色形成層の特性に基づいて、プリントヘッド素子に提供するためのエネルギーを計算するための、米国特許番号第7,298,387号に、技術が記載されている。両技術を互いに組み合わせ、不均等な継続時間の印刷セグメントを使用して、順次、複数の色形成層上に印刷することができるプリンタにおいて、熱履歴制御を実行できるようにすることも可能である。
以前に開示された技術は、特定の色に特有の式3に記載される形式の媒体の密度関数の逆関数(inverse media density functions)に依存する。
(式4)
しかしながら、こうした関数は、サーマルプリントヘッドの一回の通過において、順次、画像の一つのラインに複数色を印刷する際には、制約がある。
出力密度dは、入力エネルギーEだけでなく現在のサーマルプリントヘッド素子温度にも依存するため、そのガンマ関数d=Г(E)は、サーマルプリンタにおいて一意ではないことに留意されたい。出力密度は、従来技術、モノクロ印刷の定数として処理できるが、1ライン時間内に複数の重ね合わされた色(重畳された色)が印刷される場合には変数となる、感熱式画像形成部材の開始温度にも依存する。
以下の記載は、本発明の方法および従来技術の方法の間のこの重要な相違を明らかにすることを意図している。図7は、サーマルプリントヘッド100が、配列708の方向に変換されている感熱式画像形成部材200へ単色を印刷する場合を示す。プリントヘッド素子110は、色形成層204においてドット702および704を生じさせるために、プリントヘッド保護層122および感熱式画像形成部材保護層202によって、感熱式画像形成部材200を加熱する。この状況では、サーマルプリントヘッド100によって以前に加熱されていない感熱式画像形成部材200の一部に連続的なドットが印刷され、感熱式画像形成部材の開始温度は、(画像の印刷にかかる時間中に)定数として処理することができ、さらに、上記の特許および特許出願で記載されるように説明される。こうした場合、式3の形式の逆媒体密度モデルを使用できる。
上記の方法は、異なる色形成層(それぞれ、204、208および212)において連続するドット802、804および806が印刷されるが、垂直方向に重複することはない、図8に示される状況においても適切である。
しかしながら、図9に示される状況は、(それぞれ色形成層204、208および212における)ドット902、904および906が重ね合わされる状況とは異なる。即ち、これらは、垂直方向に重複する。こうしたドットは、図3に図示されるもの等のパルススキームを使用して印刷することができる。図9を参照して、ドット902の前に印刷される、ドット904の前にドット906が印刷され、印刷ドット906および904が、こうした印刷をしない場合よりも色形成層204のベースライン温度を高くするようにする場合に、熱が感熱式画像形成媒体に転移された。従って、前のライン内のその色の印刷後に経過した時間を考慮して、媒体の密度モデルが、その色の前の全ての色の印刷に入力されたエネルギーを組み込むことが必要である。即ち、プリントヘッド温度モデルが、TPHの以前の加熱を考慮する必要があるように、媒体モデルは、再び印刷される感熱式画像形成部材の領域の以前の加熱を考慮する必要がある。
図10は、本発明によるサーマルプリンタモデルを示す。サーマルプリンタモデル1002は、入力として、各時間間隔n時の、(1)時間間隔nの開始時のサーマルプリントヘッドのヒートシンク温度T(n)1004、(2)色cを印刷するために、時間間隔n時にサーマルプリントヘッド素子へ提供される入力エネルギーE(n)1016、および(3)ライン番号nckの色k≠c(即ち、c以外の残りの色)の印刷時に供給された入力エネルギーE(nck)1006を取る。ライン番号nckは、k>cである場合に、色番号k<cおよびnc−1である場合、nとして定義される。サーマルプリンタモデル1002は、一度に一行、出力として、色cの予測された印刷された画像、dcp(n)1014を生じさせる。
サーマルプリンタモデル1002は、それぞれ、以下に詳述される、プリントヘッドの温度モデル1008および媒体の密度モデル1012を含む。
プリントヘッド温度モデル1008は、画像が印刷される間の時間経過によるプリントヘッド素子の温度を予測する。過去にプリントヘッド素子に供給された全てのエネルギーを考慮することによって、TPHの異なる層の状態を内部的に追跡することによって、これを行う。より詳細には、プリントヘッド温度モデル1008は、TPHの異なる層の格納された内部状態、および以下の入力、即ち、(1)現在のヒートシンク温度T(n)1004、および(2)単一素子(Single element)バッファ1018に格納される(最も最近の以前のセグメントにおける)最も最近の以前の色の印刷時に供給された入力エネルギーに基づいて、色cが印刷される特定の時間間隔nのセグメントの開始時のプリントヘッド素子の温度Tac(n)1010の予測を出力する。
媒体モデル1012は、入力として、(1)プリントヘッドの温度モデル1008によって生じる予測された温度Tac(n)1010、(2)入力エネルギーE(n)、および(3)ライン番号nck(即ち、以前のライン印刷間隔、n−1における色cの印刷後の他の色の印刷時に供給されたエネルギー)内の色k≠cの印刷時に供給された入力エネルギーE(nck)1016を取る。媒体モデル1012は、出力として、予測された印刷画像1014を生じさせる。
図11は、本発明の逆プリンタモデルのブロック図を示す。逆プリンタモデル1104は、入力として、各時間間隔nにおいて、(1)時間間隔nの開始時のプリントヘッドヒートシンク温度T(n)1106、および(2)時間間隔nにおいて印刷されるソース画像の行における色cの密度d(n)1102を受ける。逆プリンタモデル1104は、出力として、(サーマルプリントヘッドに入力される)エネルギーE(n)1114を生じさせる。
逆プリンタモデル1104は、プリントヘッドの温度モデル1108および逆媒体モデル1112を含む。プリントヘッドの温度モデルは、図10を参照して(一般的に)既に上述されており、以下に詳述される。
逆媒体モデル1112は、(1)時間間隔nにおける印刷色cのセグメントの開始時のプリントヘッド素子のそれぞれの予測された温度Tac(n)1110、(2)時間間隔nにおけるプリントヘッド素子によって出力される所望の密度d(n)1102、および(3)ライン番号nckにおいて色k≠cを印刷する際に供給された入力エネルギーE(nck)1016に基づいて、時間間隔n中にプリントヘッド素子のそれぞれに提供するエネルギー量E(n)1114を計算する。これらの入力エネルギーは、(C−1)−素子バッファ1116に格納される。入力エネルギーE(n)1114が、次の時間間隔、n+1中に、プリントヘッドの温度モデル1108によって使用されるバッファ1118へ、および次の色の印刷時に使用されるバッファ1116へ、提供される。なお、図11内に示されるブロック図は、1画素を指す。図12を参照する以下の記載において、本発明の方法に従って、画素ラインがどのように処理されるかが明らかにされる。
上記の実施形態において、入力エネルギーE(n)1114は(C−1)−素子バッファ1116に格納されるが、これは、例示的なものにすぎず、本発明の制限となるものではない。同じまたは同様の関数を、他の方法で実行することができる。例えば、入力エネルギーE(n)1114以外の値を、(C−1)−素子バッファ1116に格納してもよい。例えば、入力エネルギーE(n)1114のそれぞれの関数を、(C−1)−素子バッファ1116に格納することができる。別の実施例として、入力エネルギーE(n)1114の全ての関数をバッファに格納し、バッファ1116が、(C−1)−素子バッファではない1素子のバッファになるようにすることができる。
逆媒体モデル1112は、以下の式5のように、式3からの修正を必要とする。
(式5)
ここで、E(nck)は、ライン番号nck内の色kを印刷する場合に供給されたエネルギーを指す。ライン番号nckは、色番号k<cである場合にnとして、k>cである場合にnc−1として定義される。Tac(n)およびToc(d)の項は、それぞれ、ラインnにおける色cを印刷する際のプリントヘッド素子の開始温度、および、ガンマ関数がパラメータ化された密度dの印刷時のプリントヘッド素子の温度を指す。他の色(k)の印刷の際に供給されたエネルギーが、ゼロ以外である場合に、色cを印刷することが必要なエネルギーへの補正を制御する△SCk(d)の項は、色kに対する色cの残差の交差エネルギー感度と呼ばれる。以下の数6に示される項は、以前に他の色に適用されたエネルギーがゼロであり、プリントヘッド素子の温度がToc(d)と等しい場合に、密度dを生成するためのエネルギーとして定義される。上記の式3に類似して、式5は、以下の式6のように書き換えることができる。
(式6)
ここで、上記のように、G(d)は、参照用プリントヘッド素子温度ゼロにおいて、印刷色cの逆ガンマ関数に対応し、S(d)は固定された密度における温度に対するその逆ガンマ関数の感度であり、△Sck(d)の項は、色kに対する色cの残差の交差エネルギー感度である。実際に、E(n)の値を、dの値に基づき、G(d)、S(d)、および△Sck(d)のルックアップテーブルを使用して、式5を用いて計算することができる。
式5(および式6)は、以下のように導かれる。所望の密度dの印刷に必要なエネルギーEは、プリントヘッド素子の現在の温度Tacの関数、最も近い過去および所望の密度において他の色に供給されたエネルギーである。
(式7)
ここで、近似式は、下記の式(他の色に適用されるエネルギー)
および(上記のように定義される)Toc(d)の1次テイラー級数展開である。この式が、
である場合、式7は式5と同様になる。この場合、関数
の解釈は、
(即ち、ゼロ以外の交差エネルギー)以外の色の印刷のために、ゼロ以外のエネルギーでパラメータ化される色cの逆ガンマ関数である。なお、式6で計算されるエネルギーは、式7の第一行によって示されるように、密度、温度、および以前に提供されるエネルギーの関数として考えることができる。
本発明の熱履歴補償を実行するための好適な方法について、3色の場合を特に参照して、以下に詳述する。図12を参照すると、デジタル画像上で熱履歴制御を実行するために、本発明の一実施形態において実行される方法1200のフローチャートが示される。方法1200は、印刷されている色により、複数の画素印刷時間セグメントのそれぞれの間にプリントヘッド素子に提供するための入力エネルギーを計算するように使用される、エネルギー計算関数を変化させることができる。セグメントは、図3に示されるセグメント310a〜310cの場合と同様に、例えば、不均一な継続時間とすることができる。
方法1200は、印刷される画像内の各ラインnのループに入る(ステップ1202)。方法1200は、次に、現在のラインnの種々の印刷セグメントに対応する、各色cのループに入る(ステップ1204)。
本発明の一実施形態において、セグメントのそれぞれは、例えば個別のエネルギー計算関数に関連付けられる。本発明の一実施形態では、異なるエネルギー計算関数は上記の式6の形式を有する。方法1200は、色c、即ちG(d)、S(d)およびc以外の全ての色の項△SCk(d)について、式6で使用されるパラメータを特定する(ステップ1206)。
方法1200は、ラインn内の各画素jのループに入る(ステップ1208)。本発明の一実施形態では、画素印刷セグメントの開始時にプリントヘッド素子の温度を予測するために、温度モデルが提供される。こうした温度モデルは、例えば、上記で参照した特許出願で記載されているように実施されてもよい。本発明の一実施形態において、各画素印刷セグメントは、米国特許番号第7,298,387号に記載されるように、例えば個別の温度モデルのパラメータのセットに関連付けられる。
再び図12を参照し、方法1200は、ラインnの画素j内の色cを印刷するプリントヘッド素子の絶対温度Tac(n,j)を予測するために、セグメントcに関連付けられた温度モデルのパラメータを使用する(ステップ1210)。
本発明の別の実施形態において、ラインnの画素j内の色cを印刷するプリントヘッド素子の温度Tac(n、j)は、計測によって推定することができる。例えば、プリントヘッド素子の抵抗を計測することができ、また、プリントヘッド素子の温度の推定にこの値を使用することができる。
方法1200のステップ1210において、色cがラインn−1で印刷された時間以降の、c以外の色の印刷に使用された特定されたエネルギーE(nck、j)も存在する。方法1200はさらに、ラインnにおいて画素j内の色に以前に提供された入力エネルギーの関数を特定する(ステップ1211)。
方法1200は、次に、式6に従って、印刷密度d(n、j)、絶対プリントヘッド素子の温度Tac(n、j)、および以前の色E(nck、j)に供給されたエネルギーに基づいて、入力エネルギーE(n、j)を計算する(ステップ1212)。
方法1200は、色cに対応するラインnのセグメントの継続時間内の適切なプリントヘッド素子に計算されたエネルギーEc(n,j)を提供する(ステップ1214)。
方法1200は、現在のラインn内の残りの画素について、ステップ1210〜1214を反復する(ステップ1216)。
方法1200は、現在のラインn(ステップ1218)内の残りの色について、ステップ1206〜1216を反復する。
方法1200は、印刷される画像(ステップ1220)内の残りのラインについて、ステップ1204〜1218を反復する。方法1200は、これにより、デジタル画像全体に熱履歴制御を実行する。
上記に例示されたように、方法1200は、エネルギー計算関数を選択する際に、印刷媒体の異なる色形成層の異なる熱的特徴を考慮することが可能であり(ステップ1206)、又他の色を印刷する時に供給されたエネルギーに対して、特定の色を印刷する時に供給されたエネルギーを調整することができる(ステップ1210および1212)。
上記で参照した特許にさらに述べられているように、さらなるパラメータを、入力エネルギーの計算の際にこうした量を考慮するために、プリンタ周囲温度および相対湿度(RH)等のエネルギー計算関数に追加することができる。
上記の修正により、熱履歴制御アルゴリズムは、サーマルプリントヘッドの温度プロファイルの実行推定を維持し、色形成層のそれぞれで書き込み中にヒーターに適用されるエネルギーに適切な熱補正を適用する。本明細書の記載から明らかなように、任意の数の色形成層に関する方法を使用することができる。
熱履歴補償の有用な基礎を提供する必要がある場合、式5に導入されるパラメータの推定のために、効果的な方法を提供する必要があることが、当業者に明らかである。
概して、サーマルプリンタ100および感熱式画像形成部材200を使用して特定の画像を印刷し、結果を測定することにより、実験的にパラメータを推定する。実際に、本発明の好適な実施形態において、これは、プリントヘッド素子へ一定のエネルギーを適用し、定常状態で印刷し、印刷される異なる色のために、異なる電力レベルまたはオンタイム(異なるエネルギーとなる)でこのプロセスを繰り返すことで、行われる。媒体モデルパラメータを温度モデルパラメータと分けることが非常に重要であり、以下に示されるように、定常状態での印刷がこれを可能にする。本明細書で使用されるように、「定常状態」という用語は、サーマルプリントヘッドに供給されたエネルギーが一定であり、ヒートシンク温度が実質的に一定を保つ場合に、プリンタが色cの実質的に一定の印刷密度を生じさせる状態を指す。
色cのラインnにおけるサーマルプリントヘッド素子の温度は、米国特許番号第6,819,347号および第7,298,387号に詳述されるように、温度モデルを使用して推定できる。モデルは線形であるため、一般式は以下のように表せる。
(式8)
ここで、Θck(n)は、n−1ラインの色kにおいて適用されるユニットエネルギーによる、ラインn内の色cの開始時の加熱素子の温度上昇に相当する、ユニットK.cm.J−1の倍率である。Θck(n)は、温度モデル(即ち、TPHの加熱素子の温度を予測するモデル)のパラメータに依存する。
式5の逆ガンマ関数である
は、他の色を印刷するために供給されたエネルギーがゼロである場合に、色c内の密度dを生成するためにプリントヘッドに供給される必要がある定常状態エネルギーとして定義されることに留意されたい。動作温度Toc(d)は、
および式8のE=0、k≠cを代入することで求めることができる。
(式9)
ここで、右辺第一項のTΓは、Γ(d)のための参照ヒートシンク温度である。なお、定常状態において、印刷n>>1およびΘcc(n)は、nには無関係な量になることに留意されたい。
定常状態の媒体モデルは、以下のように、(Tacのために)式8および(Tocのために)式9を、式5に代入することで得られる。
(式10)
ここで、
は、TがTΓとは異なる場合の、定常状態エネルギーへの補正を制御する効果的な温度感度であり、以下のように定義される。

(式11)
また、
は、以下の式12のように表される、効果的な交差エネルギー感度である。
(式12)
の二つの構成要素は以下のように生じる。第一の構成要素は、以前の色に適用されるエネルギーがヘッド素子温度の上昇を生じさせ、それにより、対象の色に適用されるエネルギーに影響を及ぼす、温度モデルを再び追跡することができる。第二の構成要素は、最も近い過去において別の色に適用されたエネルギーが明示的に説明される、式5の媒体モデルから生じる。
式12の二つの構成要素への分解は、一回の通過における多色印刷の場合の本発明の媒体モデルの利点を表す役割を果たす。一般化された従来技術の単色モデルにおいて、交差エネルギー感度は温度モデルから生じ、
となる。式12を使用することにより、媒体応答による交差エネルギー感度は、
を使用して、無関係に推定することができる。
上記のように、パラメータ推定のアプローチとは、まず、熱履歴補償で使用される逆モデルとして、同じパラメータのセットによって駆動される、予測の順プリンタモデルを形成することである。こうした順モデルは、モデルパラメータに基づいて、特定の入力エネルギーのセットの出力密度を予測することができる。順プリンタモデルで必要な媒体モデルは、図10に示されるように、入力としてエネルギーを有し、式5を満たす密度である出力を有する。入力としての密度および出力としてのエネルギーを有する(逆)媒体モデルは、閉形式解を有しないため、これはより困難な問題になる可能性がある。この(非線形の)問題を解決するには、反復的な計算方法が必要である。プリントヘッドの熱の状態も知ることが必要であり、これは、温度モデルの使用によって推定できる。
順プリンタモデルが定式化されると、実際のプリンタおよび順プリンタモデルの両方に非常に幅広いエネルギーのセットを提供することで、パラメータを推定できる。印刷時に実際のプリンタのヒートシンク温度が監視され、実際の印刷の出力密度が計測される。同じエネルギーのセットおよび記録されたヒートシンク温度が、順プリンタモデルに送られる。モデルのパラメータを調整し、モデルおよび計測の間の一致度を向上させるために、モデルの出力密度および計測された密度の間の差がフィードバックされる。
モデルパラメータの推定を向上させるために、プリンタ応答を精査するために選択されるエネルギー入力のセットは、密度空間全体をサンプル化する必要がある。プリンタ応答を実際に知らずに、これを行うことは困難である。このサンプリングを向上させるための一つの方法に、入力エネルギーのセットを生成するために初期のパラメータのセットと共に、逆プリンタモデルを使用することがある。このようにして収集された初期のデータ部分により、パラメータ推定を細分化することができ、新しいデータのセットを生成するために新しいエネルギーのセットを生成できる。このプロセスは、受容可能なレベルのパフォーマンスが達成されるまで繰り返すことができる。
図13は、本発明の逆プリンタモデル1104がパラメータ1301の以前の推定(イタレーション指数i−1)で実行する、この方法の概略を示す。逆プリンタモデル1104によるエネルギー出力は、実際のプリンタ100および本発明のサーマルプリンタモデル1002の両方に送られる。プリンタ100およびモデル1002の出力の間の相違は、新しいパラメータのセット1302(イタレーション指数i)を生成するために使用される。なお、(媒体モデルおよび温度モデルの両方に対応する)全てのパラメータが、このセットに含まれる。
図13で概説された方法は概念的に単純であるように見えるが、実際には、困難な点を多くはらんでいる。全ての熱的パラメータに加えて、色毎に合計でC+1の1次元関数が必要なことを考えると、パラメータ空間の次元はとても高い。温度モデルおよび媒体モデルのパラメータが互いに作用するという事実に関連した、この高い次元により、パラメータ推定は、課題の多い最適化問題となっている。別の問題点に、未知パラメータの非線形度の高い関数である、誤差表面における局所的な最小値の存在がある。ほとんどの従来の最適化方法は局所的な最小値の制限を受けている傾向にあり、この問題についてロバストである方法は、計算コストに関連付けられた急勾配を有することがある。これらの問題の結果として、これらの方法を用いて推定されたパラメータの品質は平凡なものになり、かつ、計測ノイズの影響を受けやすくなっている。
上記で説明された問題を解決するには、パラメータ空間の次元を低くする必要があり、さらに、理想的には、媒体モデルのパラメータを温度モデルのパラメータとは別にする必要がある。さらに、可能な場合、コスト表面は、パラメータに関して、一意の大域的な最小値(global minimum)を有する必要がある。本発明のパラメータ推定方法を使用して、これらの目的の全てが達成される。
本発明の方法では、パラメータの分離(切り離し、decoupling)は、動的応答から、システムの定常状態の応答を区別することで行われる。印刷する画像品質は、(変数の中でも特に)色精度およびシャープさによって決定される。色精度は定常状態の計測から推定することが可能であり、一方で、動的応答が、シャープさの認識により貢献する。
式10、11および12の定常状態の媒体モデルは、このように、定常状態および動的応答の分離を可能にする。熱的システムの定常状態の応答が、効果的な感度に含まれる。これらの効果的な感度(ガンマ関数と共に)は、推定する必要があるパラメータになるにすぎない。
パラメータのセットの次元は、本発明の方法において、以下のように解決される。なお、定常状態の媒体モデルのパラメータは、密度のC+1の1次元関数である。挙動が良好なシステムでは、これらの関数は、円滑かつ連続的になる。こうして、関数のコンパクトなモデル式が可能である。
本発明で使用するための好適なモデルは、例えば、エム.アンサー,“スプライン――信号と画像処理のための完全な適合”IEEE Signal Proc.Magazine、vol.16、no.6、pp.22〜38(1999)に記載される公知のスプラインモデルである。スプラインモデルは、多項式の部分を使用する未知関数を表す。関数の連続性は、多項式の度合いおよびノットの多重度(節の多重度、multiplicity of knots)(即ち、異なる多項式部分の境界が接する点)を変更することにより、制御可能である。ノットの位置は、さらに、異なる密度空間領域における関数の分解能を変更することを可能にする。
効果的な温度および交差エネルギー感度が、以下の式13のように、B−スプラインを使用して、本発明の方法でモデリングされる。
(式13)
ここで、
は、ノットシーケンスt≦t≦・・・≦tM+pの次数pのm番目のB−スプラインである。スプラインの次数およびシーケンスの数および位置が選択されると、スプライン係数sck(m)のみが不明である。
逆ガンマ関数は、B−スプラインを使用して、同様に表される。
(式14)
ここで、g(m)が未知係数である。ノットMの数およびスプラインpの次数は、各感度および逆ガンマ関数で異なって選択されることができる。
スプライン式は、未知関数を、色毎に、
パラメータの圧縮セット(コンパクトセット)に低減することができる。ここで、
は、ノットの平均数である。例えば、全ての色でMが5となるように選択される3色システムでは、未知数の総数は、20に等しくなる。
コスト表面は、以下のように、これらのパラメータに関して線形にすることができる。各色について満たす必要がある式が、B−スプラインモデルにおいて、式10で表される。
(式15)
式15は、二つのベクトルのドットの積として、表すことができる。
(式16)
ここで、
は、その入力項目がd、ΔTS、および{E、k≠c}の関数である行ベクトルである。
は、決定することが必要な未知のスプライン係数を含む列ベクトルである。未知数の、
は、種々の条件下で、実際のプリンタを使用して印刷することで、多数のデータ点を収集することにより、推定することができる。各データセットは、定常状態にされる一組の計測である、
からなる。ここで、iはデータ内の計測セットの数を示し、記号^は、計測値を示す。これらの計測セットは、式16に適合するために必要である。未知数の、
を推定するための一つの方法は、以下の誤差を最小限にすることである。
(式17)
という概念は、合計値を最小にする係数のセット(組)を示し、qは、どのように誤差が重み付けされるかを制御する。式17の解、q=2を、以下のように閉形式で表すことができる。
(式18)
ここで、この行列は、行列のi番目の行が以下の式
となり、且つ列ベクトル
がそのi番目の要素を、
として有するように、行ベクトル
を使用して構成される。
式17におけるq=2の選択は、
の閉形式の式を生じさせる。これは、データ内のノイズがガウス分布となる場合に使用するために最適の値である。しかしながら、実際には、q=2の選択は、最も望ましい結果を生じさせることはない。最小二乗推定は、異常値に対してロバスト性を持たないことが公知である。quadratic error metric法(QEM法)は、過度に大きい重要度をノルムからの大きな偏差に与える傾向があり、推定値は、一部の異常なデータ点によって偏っている。qの値が小さいため、範囲外のデータ点に次第に割り当てられるペナルティが少なくなる。しかしながら、q<1では、式17のコスト関数は、非凸になり、局所的な最小値が現れ始める。一意の大局的な最小値の欠如は望ましくない。この理由で、本発明の方法において、q=1を使用することが好適である。この場合、パラメータには閉形式解は存在しないが、式17の問題は、標準的な反復的な最適化アルゴリズム群によって容易に解かれる。反復的な最適化アルゴリズムが使用されると、未知関数のスプライン係数にも制約を課すことができる。例えば、逆ガンマ関数は、正にすることが必要であり、密度と共に単調に増加する必要があるが、一方で、(上昇した温度は、常に、所望の密度に達するために必要なエネルギーの低下を生じさせるため)温度およびエネルギー感度は負にする必要がある。これら等の制約は、q=2の場合に得られる閉形式解において実行することはできない。
図14は、定常状態の媒体モデルのパラメータを推定するための好適な本発明の方法を示す。図13のこのフレームワークおよび方法の間の著しい相違は、ここでは、密度ドメインに対して、エネルギードメインにおける誤差を最小限にすることである。
初期の入力エネルギーのセット1402は、対象の実際のプリンタに送られ、その応答は、ヒートシンク温度および印刷1412上の密度の両方に関して記録される。式10の媒体モデルが有効である、定常状態のデータのみを抽出するために、密度計測が選別される(1408)。次に、定常状態の対応するエネルギーが特定される。次に、定常状態の媒体モデルパラメータ1406(図14の点線で示される、ループ1410(イタレーション指数i)でイタレーションは終了する)の推定を得るために、式17でデータが使用される。
新しい入力エネルギーのセットを生成するために使用することが可能な逆プリンタモデルへの入力1404として、デフォルトの熱的パラメータと共に、新しく生成された定常状態のパラメータを使用することで、定常状態の媒体パラメータのより良い推定を行うことができる。
逆プリンタモデルの温度感度を、式11の(上記の技術を使用して定常状態で得られた)効果的な温度感度推定から、以下のように計算できる。
(式19)
残差交差感度は、以下のように(定常状態で得られた)効果的な感度から計算できる。
(式20)
定常状態の媒体モデルパラメータを推定するために、図14に示されるフレームワークを使用すると、図13のフレームワークを、モデルの残りの熱的パラメータを推定するために使用できる。同時に推定するためのパラメータの数が大幅に少なくなっていることから、問題はずっと単純になっている。これにより、大局的な最小値を確定し、良好なパフォーマンスのパラメータ推定を行うオプティマイザ(最適化手段)の能力が向上する。なお、残りの熱的パラメータがシステムの動的応答のみを制御して以降、オプティマイザに送られるデータは、定常状態にないデータセットの一部のみを特定するために、選別する必要があることに留意されたい。温度モデルのパラメータのためにオプティマイザが決定する値に関係なく、システムの定常状態の応答は固定されたままである。
前述のように、温度モデルパラメータは、まず、印刷された画像の認識されたシャープ度を制御し、より視覚的に満足できる結果を得るためには、既定値を修正することができる。
図15は、エネルギードメイン内の誤差を最小限にすることにより、温度モデルパラメータ1506を推定するための、本発明の代替のフレームワークを示す。この方法の利点は、図10および13の順プリンタの(順)媒体モデルはより計算能力の高い反復的な方法を必要とするが、図11の逆プリンタモデル内の(逆)媒体モデルが、閉形式で計算できるということである。
次に図15を参照し、対象のプリンタ100を使用して印刷を行い、データの動的部分(計測された密度1512および供給されたエネルギー)を抽出する(1510)。なお、モデルは、データの完全な時間範囲に対してプリントヘッドの状態を追跡する必要があるため、動的データは、プリンタの公知の初期の熱の状態と、時間的に連続する必要がある。
実際のエネルギーおよび逆プリンタモデルによって予測されたエネルギーの間の相違が、温度モデルパラメータ1506を最適化するために、次数において(in order)最小限にされる。図15の点線1504に、イタレーションが示される。図14に図示される方法を使用して推定された定常状態の媒体パラメータ1508が、(式19および20によって)逆プリンタモデルによって必要な温度感度および残差の交差エネルギーパラメータを提供するために使用される。
完全なパラメータのセットが安定したかつ非振動の応答を生じさせるように、熱的パラメータ上に制約が課される。アルゴリズムの安定性は、感度および熱パラメータの両方によって影響を受ける。逆プリンタフィードバックアルゴリズムの安定性を分析し、安定したかつ非振動の応答で必要な条件を導き出すことが可能である。熱的パラメータを変更する際に、これらの条件を評価することができ、全てのアルゴリズムを安定させるために、これらに制約を課すことができる。
図16を参照して、本発明の一実施形態であるエネルギードメインの誤差を最小限にすることで、パラメータ推定を実行するための方法1600の、フローチャートを示す。図14および15の素子を参照して、図16の方法1600の特定の素子について記載するが、これは、例示の目的で行われるにすぎず、本発明を制限するものではない。
図14の素子1402または図15の素子1502等の、初期の入力エネルギーのセットが選択される(ステップ1602)。図14の素子1402および100または図15の素子1502および100によって示される等の、画像を印刷するために、初期の入力エネルギーがプリンタに提供される(ステップ1604)。図14の素子1412または図15の素子1512によって示される等の、印刷された画像内の印刷された密度が計測される(ステップ1606)。
図14の要素1414または図15の要素1514によって示されるように、計測された密度を実現するために必要なエネルギーが、推定される(ステップ1608)。温度モデルパラメータは、図14の要素1406または図15の要素1506によって示されるように、供給されたエネルギーおよび推定されたエネルギーの間の相違を最小限にするように調整される(ステップ1610)。図14および15の点線によって示されるように、パラメータ修正プロセスは反復的であってもよい。
本明細書中に開示される技術は、種々の利点を有する。例えば、本明細書中に開示される技術は、単一のサーマルプリントヘッドが順次、一回の通過において、複数の色形成層上に印刷する、サーマルプリンタ内の熱履歴制御を実行するために適用することができる。異なるエネルギー計算関数を異なる色形成層に適用することで、本明細書に開示された技術は、熱履歴制御が、色形成層のそれぞれで最適化されることを可能にし、それにより、印刷出力を向上させる。異なるサーマルモデルパラメータを異なる色形成層に適用することにより、不均等な継続時間のセグメントを印刷する間に、本明細書中に開示される技術を、出力媒体のサーマル応答をモデル化するために使用することができる。特定の色の所望の印刷密度に基づいて、印刷素子に供給するためのエネルギーを計算し、現在または以前のラインにおいて他の色を印刷する場合に、プリント素子の現在の温度およびプリントヘッド素子に供給されるエネルギーに基づいて、そのエネルギーに対する補正を適用することにより、画像形成媒体の余熱による正しくない色のレンダリングを回避し得る。
このため、感熱式画像形成部材に複数の重ね合わされた色を印刷するプリンタと共に、熱履歴制御アルゴリズムを使用することが可能であり、これにより、印刷出力の品質を向上させる。変動するエネルギー計算関数およびサーマルモデルパラメータのこうした使用は、組み合わせて使用することが可能であり、これにより、単一のサーマルプリントヘッドが、不均等な継続時間の画素印刷セグメントを使用して、一回の通過において順次複数の色形成層上に印刷する、サーマルプリンタと共に使用するために、熱履歴制御アルゴリズムを最適化する。
さらに、本明細書中に開示される技術は、上記で参照される特許出願に開示される利点を有する。例えば、本明細書中に開示される技術は、プリントヘッド素子に提供されるエネルギーを計算する場合に、プリントヘッドの現在の周囲温度およびプリントヘッドの熱的な及びエネルギー的な履歴を考慮することにより、「密度ドリフト」および色のゆがみの印刷の問題を低減または排除することで、所望の密度を生じさせるためだけに必要な温度に、プリントヘッド素子の温度を上げる。本発明の種々の実施形態のさらなる利点は、所望の密度を生じさせるために必要または望ましいように、プリントヘッド素子に提供される入力エネルギーを増減できる、ということである。
概して、上記に記載される技術は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその組み合わせにおいて実施することができる。上記に記載される技術は、プロセッサ、プロセッサで読み込み可能な格納媒体(例えば、揮発および不揮発メモリおよび/または格納素子を含む)、少なくとも一つの入力デバイス、および少なくとも一つの出力デバイスを備えたプログラム可能なコンピュータおよび/またはプリンタで実行される一つ以上のコンピュータプログラムで実施することができる。本明細書に記載された関数を実行し、出力情報を生成するために、入力デバイスを使用して入力されたデータに、プログラムコードを適用することができる。出力情報は、一つ以上の出力デバイスに適用することができる。
本発明の種々の実施形態で使用するために適したプリンタは、典型的には、印刷エンジンおよびプリンタコントローラを備えている。プリンタコントローラは、例えば、ホストコンピュータから印刷データを受信し、印刷データに基づいて印刷されるページ情報を生成することができる。プリンタコントローラは、印刷される印刷エンジンへ、ページ情報を送信する。印刷エンジンは、出力媒体上におけるページ情報によって指定される画像の物理的印刷を実行する。
本明細書に記載される要素および構成要素(成分)はさらなる構成要素にさらに分割することが可能であり、また、同じ機能を実行する、より少ない構成要素を形成するために結合することが可能である。
以下の特許請求の範囲内の各コンピュータプログラムは、アセンブリ言語、機械言語、高次手続きプログラミング言語、またはオブジェクト指向のプログラミング言語等の任意のプログラミング言語で実装されることができる。プログラミング言語は、コンパイルまたは解釈されたプログラミング言語にすることができる。
各コンピュータプログラムは、コンピュータプロセッサで実行するための、機械で読み込み可能な格納デバイスで、明示的に実現されるコンピュータプログラム製品に実装されることができる。本発明の方法は、入力時に動作し、出力を生成することで、本発明の機能を実行するために、コンピュータで読み込み可能な媒体上で明示的に実現されるプログラムを実行するコンピュータプロセスによって、実行されることができる。
特定の実施形態について、上記で本発明を説明したが、前述の実施形態は、例示として提供されているにすぎず、本発明の範囲を制限または定義するものではないことを理解されたい。

Claims (12)

  1. 一つ以上のプリントヘッド素子を備えるサーマルプリントヘッドによって、感熱式画像形成部材上にデジタル画像のサーマル印刷を行うための方法であって、
    (A)前記デジタル画像内の画素の色の構成要素の密度値を特定することであって、前記画素はN個の色の構成要素で構成されており、前記色の構成要素のそれぞれは、N>1である場合に、印刷ライン時間のN個の印刷セグメントのうちの一つに関連付けられており、
    (B)プリントヘッド素子の温度を特定し、
    (C)N−1個の以前の印刷セグメントのそれぞれの間に、前記プリントヘッド素子に供給された少なくとも一つのエネルギー量を特定し、
    (D)前記色の構成要素に関連付けられるエネルギー計算関数を特定し、
    (E)(C)の中で特定された前記エネルギー量のうちの少なくとも一つの関数を特定し、
    (F)前記エネルギー計算関数および前記密度値を使用する入力エネルギー量と、前記プリントヘッド素子の温度と、前記エネルギー量の前記少なくとも一つの関数とを特定し、
    (G)前記プリントヘッド素子に、前記入力エネルギー量と等しいエネルギーを供給することからなることを特徴とするサーマル印刷を行うための方法。
  2. N=3であることを特徴としており、
    且つ(C)は、
    (C)(1)前記印刷ライン時間の第一の印刷セグメントの間に前記プリントヘッドに供給されたエネルギー量を特定し、
    (C)(2)前記印刷ライン時間の第二の印刷セグメントの間に前記プリントヘッドに供給されたエネルギー量を特定することを含んでおり、
    更に(F)は、前記特定された密度値と、前記特定されたプリントヘッド素子の温度と、前記特定された量の供給されたエネルギーと、前記印刷ライン時間の前記第一の印刷セグメントの間に前記プリントヘッドに供給された前記エネルギー量と、前記印刷ライン時間の前記第二の印刷セグメントの間に前記プリントヘッドに供給された前記エネルギー量と、を使用して、四通りの調査を実行することにより、前記入力エネルギーを特定することからなることを特徴とする請求項1に記載のサーマル印刷を行うための方法。
  3. 前記エネルギー計算関数は、前記以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれにおいて、前記プリントヘッド素子に供給された前記エネルギー量の入力として有する構成要素の関数からなることを特徴とする請求項2に記載のサーマル印刷を行うための方法。
  4. (F)は、
    (F)(1)前記密度値に基づいて補正されていないエネルギーを計算する工程と、
    (F)(2)温度が補正されたエネルギーを生成するために、前記プリントヘッド素子の温度に基づいて、前記補正されていないエネルギーへ第一の補正を行うことであって、前記第一の補正の規模は前記密度値に依存する、補正を行う工程と、
    (F)(3)前記以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれの間に前記プリントヘッド素子に供給された前記エネルギー量に基づいて、第二の補正を行うことにより、前記温度が補正されたエネルギーから前記入力エネルギーを取得することであって、前記第二の補正の前記規模が前記密度値に依存することを特徴としている工程と、
    からなることを特徴とする請求項3に記載のサーマル印刷を行うための方法。
  5. (F)の工程は、
    (F)(1)前記密度値に基づいて、補正されていないエネルギーを計算する工程と、
    (F)(2)前記以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれの間に前記プリントヘッド素子に供給された前記エネルギー量に基づいて、前記第一の補正を行うことにより、前記補正されていないエネルギーに前記第一の補正を行う工程であって、前記第二の補正の前記規模は前記密度値に依存する工程と、
    (F)(2)前記温度が補正されたエネルギーを生成するために前記プリントヘッド素子の温度に基づいて、前記第二の補正を行うことにより、前記エネルギーが補正されたエネルギーから前記入力エネルギーを取得する工程であって、前記第二の補正の前記規模は、前記密度値に依存することを特徴とする工程と、
    からなることを特徴とする請求項4に記載のサーマル印刷を行うための方法。
  6. 少なくとも一つのプリントヘッド素子を備えるサーマルプリントヘッドによって、感熱式画像形成部材上にデジタル画像を印刷するための装置であって、
    前記装置は、
    前記デジタル画像内の画素の色の構成要素の密度値を特定するための手段であって、前記画素はN個の色の構成要素を含んでおり、前記色の構成要素のそれぞれは、N>1である場合に、印刷ライン時間のN個の印刷セグメントのうちの一つに関連付けられている手段と、
    前記プリントヘッド素子の温度を特定するための手段と、
    N−1個の以前の印刷セグメントのそれぞれにおいて、前記プリントヘッド素子に供給された少なくとも一つのエネルギー量を特定するための手段と、
    前記色の構成要素に関連付けられたエネルギー計算関数を特定するための手段と、
    前記特定されたエネルギーの前記量の少なくとも一つの関数を特定するための手段と、
    前記エネルギー計算関数および前記密度値を使用する入力エネルギー量と、前記プリントヘッド素子の温度と、前記エネルギー量の前記少なくとも一つの関数とを特定するための手段と、
    前記入力エネルギー量と等しいエネルギーを前記プリントヘッド素子に供給するための手段と、
    を備えていることを特徴とする装置。
  7. 少なくとも一つのプリントヘッド素子を備えるサーマルプリントヘッドによって、感熱式画像形成部材上に、デジタル画像のサーマル印刷を行うための方法であって、
    (A)前記デジタル画像内の画素の色の構成要素の密度値を特定することであって、前記画素はN個の色の構成要素で構成されており、前記色の構成要素のそれぞれは、N>1である場合に、印刷ライン時間のN個の印刷セグメントのうちの一つに関連付けらており、
    (B)プリントヘッド素子の温度を特定し、
    (C)N−1個の以前の印刷セグメントのそれぞれの間に前記プリントヘッド素子に供給された少なくとも一つのエネルギー量を特定し、
    (D)前記色の構成要素に関連付けられた、エネルギー計算関数を特定し、
    (E)前記エネルギー計算関数および前記密度値を使用する入力エネルギー量と、前記プリントヘッド素子の温度と、前記以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれの間に前記プリントヘッド素子に供給された前記少なくとも一つのエネルギー量と、を特定し、
    (F)前記入力エネルギー量と等しいエネルギーを前記プリントヘッド素子に供給し、
    (G)前記入力エネルギーの記録を格納し、
    (H)(A)〜(G)を繰り返しており、(C)は前記記録された入力エネルギーを特定することからなることを特徴とする、
    サーマル印刷を行うための方法。
  8. (G)は、(N−1)個の素子を有するバッファ内に、前記入力エネルギーの記録を格納することからなることを特徴とする請求項7に記載のサーマル印刷を行うための方法。
  9. 少なくとも一つのプリントヘッド素子を含む、サーマルプリントヘッドによって、感熱式画像形成部材上にデジタル画像のサーマル印刷を行うための装置であって、前記装置は、
    前記デジタル画像内の画素の色の構成要素の密度値を特定するための第一の手段であって、前記画素がN個の色の構成要素を含んでおり、前記色の構成要素のそれぞれがN>1である場合に印刷ライン時間のN個の印刷セグメントのうちの一つに関連付けられている第一の手段と、
    プリントヘッド素子の温度を特定するための第二の手段と、
    N−1個の以前の印刷セグメントのそれぞれにおいて、前記プリントヘッド素子に供給された少なくとも一つのエネルギー量を特定するための第三の手段と、
    前記色の構成要素に関連付けられるエネルギー計算関数を特定するための第四の手段と、
    前記エネルギー計算関数および前記密度値を使用する入力エネルギー量と、前記プリントヘッド素子の温度と、前記以前のN−1個の印刷セグメントのそれぞれの間に前記プリントヘッド素子に供給された前記少なくとも一つのエネルギー量と、を特定するための第五の手段と、
    前記入力エネルギー量と等しいエネルギーを前記プリントヘッド素子に供給するための第六の手段と、
    前記入力エネルギーの記録を格納するための第七の手段と、
    前記第一の手段と、前記第二の手段と、前記第三の手段と、前記第四の手段と、前記第五の手段と、前記第六の手段と、前記第七の手段とを、第一の時間に適用するための手段と、
    前記第一の手段と、前記第二の手段と、前記第三の手段と、前記第四の手段と、前記第五の手段と、前記第六の手段と、前記第七の手段とを、第二の時間に適用するための手段であって、前記第三の手段が前記記録された入力エネルギーを特定するための手段を備えていることを特徴とする、
    サーマル印刷を行うための装置。
  10. エネルギー計算関数で使用するためのパラメータのセットを推定するための方法であって、前記方法は、
    (A)プリンタに供給するために、前記プリンタのライン印刷時間の二以上のセグメントに関連付けられているゼロではない入力エネルギーのセットを選択し、
    (B)前記入力エネルギーのセットによって、前記プリンタを使用して画像を印刷し、
    (C)前記入力エネルギーのセット内の各入力エネルギーに対応する前記画像の領域の前記印刷密度を測定し、
    (D)パラメータのセットを使用して、前記測定された印刷密度のそれぞれを実現するために必要な前記エネルギーを推定し、
    (E)前記測定された印刷密度に到達するために必要な前記エネルギーの前記推定値と、前記測定された印刷密度を達成するために前記プリンタに供給される前記入力エネルギーとの間の相違を最小限にするように前記パラメータのセットを調整すること、
    からなることを特徴とする方法。
  11. 工程(B)の前記印刷の少なくとも一部は定常状態で実行され、
    且つ工程(C)が、前記定常状態で印刷された前記画像の領域の前記印刷密度を測定することからなることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. エネルギー計算関数で使用するためのパラメータのセットを推定するための装置であって、前記装置は、
    プリンタに提供するために、前記プリンタのライン印刷時間の複数のセグメントに関連付けられているゼロではない入力エネルギーのセットを選択するための手段と、
    前記入力エネルギーのセットによって、前記プリンタを使用して画像を印刷するための手段と、
    前記入力エネルギーのセットの中の各入力エネルギーに対応する前記画像の領域の前記印刷密度を測定するための手段と、
    前記パラメータのセットを使用して、前記測定された印刷密度のそれぞれを実現するために必要な前記エネルギーを推定するための手段と、
    前記測定された印刷密度に到達するために必要な前記エネルギーの前記推定値と、前記測定された印刷密度を達成するために前記プリンタに供給される前記入力エネルギーとの間の相違を最小限にするように前記パラメータのセットを調整する手段と、
    を備えていることを特徴とする装置。
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