JPH0740572A - 階調プリンタ - Google Patents

階調プリンタ

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JPH0740572A
JPH0740572A JP18479693A JP18479693A JPH0740572A JP H0740572 A JPH0740572 A JP H0740572A JP 18479693 A JP18479693 A JP 18479693A JP 18479693 A JP18479693 A JP 18479693A JP H0740572 A JPH0740572 A JP H0740572A
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JP
Japan
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pulse width
temperature
recording
data
correction
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JP18479693A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Mushishika
由浩 虫鹿
Yasuki Matsumoto
泰樹 松本
Haruo Yamashita
春生 山下
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は熱転写方式による階調プリンタに関
するもので、特に温度補償の補償精度と演算速度を改善
した階調プリンタを提供することを目的とする。 【構成】 サーマルヘッド1の放熱基台の温度を検出す
る測温手段8の出力Tと、サーマルヘッド1に与えたパ
ルス幅データを積算する積算手段7の出力Pとから次式
に従って補正データ作成手段9がパルス幅補正データτ
h を作成し、入力階調データをγ補正手段3によって変
換して得られた出力に対して加算手段4がパルス幅補正
データτh を加算することにより温度補償を行う。 Th = A1・(T+P)+A2 (A1、A2は定数)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱転写方式のプリンタ
に関し、特に多階調の画像記録を行なうプリンタに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録方式は、インクジェット方式
や電子写真方式と比べて、カラー化が容易でメンテナン
ス性がよいという特徴を有する。さらに昇華型熱転写記
録方式は、発熱体への印加エネルギを変調することで1
画素内の濃度階調がとれるため、ビデオプリンタ等のフ
ルカラー画像記録装置に広く利用されている。
【0003】ところがこのような記録方式は、記録濃度
が環境温度やサーマルヘッドの蓄熱による影響を受けや
すく、安定した濃度再現が難しい。
【0004】これらの問題に対して、基準温度で基準蓄
熱量におけるγ補正データを作成し、このγ補正データ
から得られた基準パルス幅データに対して、発熱体基板
温度を予測して求めた補償係数を乗じる温度補償方法が
特開平2−98456号公報にて提案されている。
【0005】図15は従来の階調プリンタの−例を示し
た構成図である。101は発熱体基板上に直線状にn個
の発熱体を設けたサーマルヘッドで、一定速度でライン
記録を行なう。102はサーマルヘッドに電力を供給す
る電源、103は第mライン目において各発熱体i(i
=1〜n)の印字すべき濃度データD(m,i)を、対
応するパルス幅被補正データτ(m,i)に変換するγ
補正手段、104はパルス幅被補正データτ(m,i)
に補償係数k(m)を乗じる乗算手段、105はサーマ
ルヘッド101を乗算手段104の出力k(m)・τ
(m,i)に応じた多段階のパルス幅で駆動するヘッド
駆動手段、106は1ライン分の乗算手段104の出力
k(m)・τ(m,1)〜k(m)・τ(m,n)を積
算し平均パルス幅データτav(m) を算出するパルス幅
平均手段、107は平均パルス幅データを(数1)に示
した漸化式に従って1ライン毎に積算し、積算値P
(m)を出力する積算手段である。積算値P(m)はサー
マルヘッド101の発熱体基板における蓄熱量を表わし
ている。
【0006】
【数1】
【0007】108はサーミスタ等からなりサーマルヘ
ッド101のヘッド基台温度T(m)を検出する測温手
段、109は測温手段108が検出したヘッド基台温度
T(m)と積算手段107の出力P(m)とから(数
2)に基づいて補償係数k(m)を算出する係数決定手
段である。
【0008】
【数2】
【0009】α、A3、A4、A5 はサーマルヘッドの熱
特性や記録条件による定数であるが、実際にこれらの定
数を求める際には恒温室を用いて異なる環境温度を設定
し、こうした条件下で記録実験を行った結果から決定し
ている。
【0010】これらの構成により、環境温度、ヘッド基
台に対する蓄熱、および発熱体基板における蓄熱の影響
による濃度変化を補正する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような温度補償方式はプリンタの記録速度が比較的遅い
ときには精度の良い補償を行なうことができるものの、
プリンタの記録速度が高速になるに従って補償精度が劣
化し、温度変化に対する記録濃度の再現性が不十分にな
ってくるという課題があった。また、各々の発熱体に与
えられる印加パルス幅に対して補償係数を乗ずるため
に、1ラインの記録時間内に少なくとも発熱体の数だけ
の乗算演算を繰り返す必要がある。一般のCPUでは乗
算は比較的長い演算時間が必要で、例えば加減算等に比
較して数倍の演算時間を要するため、この演算時間が記
録速度の高速化を妨げる要因になったり、専用の乗算器
などを用いた場合には装置の高価格化を招いたりしてい
た。
【0012】本発明は上記課題に鑑み、高速記録時にも
精度の良い温度補償を簡単に行なうことができる階調プ
リンタを提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の階調プリンタは、支持体上に複数の発熱体を
形成したサーマルヘッドと、前記支持体近傍の温度を測
定する測温手段と、前記発熱体に与えたパルス幅データ
をライン毎に積算する積算手段と、前記測温手段の出力
と前記積算手段の出力とから少なくともパルス幅補正デ
ータを作成する補正データ作成手段と、記録すべき階調
データを変換してパルス幅被補正データを出力するγ補
正手段と、前記パルス幅被補正データに少なくとも前記
パルス幅補正データを加算することにより前記パルス幅
データを作成する補正手段という構成を備えたものであ
る。
【0014】
【作用】本発明は上記した構成によって、補正データ作
成手段が乗算と加減算演算によってパルス幅補正データ
を作成し、補正手段がパルス幅補正データからγ補正手
段の出力を補正する際に、加減算演算による補正演算を
行なうことにより、簡単な演算回路構成で高速記録時の
補正精度を向上させた階調プリンタを提供することがで
きる。
【0015】
【実施例】図1は、入力された濃度データに対して忠実
にその濃度を記録することを目的とし、感熱記録方式で
パルス幅制御により階調を記録する本発明の階調プリン
タの第1の実施例のブロック構成図である。
【0016】図1(a)において、1はn個(nは2以
上の整数)の発熱体をライン状に配設したサーマルヘッ
ドであり、一定速度でライン記録を行なう。2はサーマ
ルヘッド1に電力を供給する電源、3はγ補正手段で、
第mライン目(mは1以上の整数)において各発熱体i
(i=1〜n)の印字すべき階調データD(m,i)を
対応するパルス幅被補正データτ(m,i)に変換す
る。γ補正手段3は、ROMテーブルにより構成してお
り、階調データに相当するアドレスをROMに与える
と、その濃度を記録するのに必要なパルス幅がデータと
して読み出される。印加パルス幅データと階調データと
の対応はある基準となる温度条件の下で実験的に求めら
れたものである。基準となる温度条件は、ここでは全発
熱体を所定のパルス幅τ0で連続的に印字し、発熱体基
板の蓄熱量が飽和した状態で放熱基台温度Tがある基準
温度Tst となった状態と定める。階調データD(m,
i)は入力信号のYMC各色の色成分に対応した濃度デ
ータ、あるいは補色となるRGB各色の色成分に対応し
た輝度データでも良い。
【0017】4は加算手段で、γ補正手段3によって変
換されたパルス幅被補正データτ(m,i)に補正データ
作成手段9で決定されたパルス幅補正データτh(m)を
加算してパルス幅データτ(m,i)+τh(m) を出力す
る。加算手段4は特許請求の範囲で記載した補正手段に
対応する。5はパルス幅データτ(m,i)+τh(m)に
比例して第mライン目における発熱体iへの通電時間を
与えるヘッド駆動手段である。
【0018】6はパルス幅平均手段で、加算手段4が出
力する1ライン分の全画素のパルス幅データτ(m,
1)+τh(m)〜τ(m,n)+τh(m)を積算して
平均し、平均パルス幅データτav(m) を出力する。7
はパルス幅平均手段6で出力された平均パルス幅データ
を(数1)に示した漸化式に従って1ライン毎に積算
し、積算値P(m)を出力する積算手段である。(数1)
の漸化式は(数3)の式と等価であり、第mライン目の
積算値P(m)は第1ライン目から第(m−1)ライン
目までのパルス幅平均手段6の出力を1ライン毎に重み
付け積算したものとなっている。
【0019】
【数3】
【0020】特許請求の範囲で記載した積算手段はパル
ス幅平均手段6と積算手段7とを含めたものに対応す
る。
【0021】8は、サーマルヘッド1に埋設されたサー
ミスタと、サーミスタの抵抗値を温度データに変換する
変換手段とからなる測温手段であり、1ライン毎に放熱
基台の温度T(m)を出力する。9は測温手段8の出力
T(m)と積算手段7の出力P(m)とから(数4)に従
ってパルス幅補正データτh(m)を算出する補正データ
作成手段である。
【0022】
【数4】
【0023】(数4)の中で、積算値P(m)はサーマ
ルヘッド1の発熱体基板と放熱基台との温度差の予測値
を表わしているため、(T(m)+P(m))は発熱体
基板温度の予測値を意味している。
【0024】図1(b)はサーマルヘッド1の一部断面
図である。1eはAl23セラミックス製の発熱体基板
で、1dは発熱体基板上に形成されたグレーズ層、1c
はグレーズ層1c上にスパッタリング形成された発熱
体、1bは発熱体1cに接続する電極、1aは表面保護
のための保護層である。発熱体基板1eは接着層1fを
介して放熱基台1gに取り付けられている。8aは測温
手段8の一部であるサーミスタで、放熱基台1gに埋め
込まれている。
【0025】以上述べた構成により、毎ライン順次温度
補償を行ないつつ記録をおこなう。次に、定数α、
1、A2、A3を決定する方法について述べる。図2は
発熱体の熱応答を示した説明図である。サーマルヘッド
の全発熱体に対して (a)に示すようにある時刻t=0
からステップ状に印加電力W0 を与え、発熱体温度を放
射温度計あるいはTCR法(発熱体抵抗値の温度変化を
利用した温度測定法)により測定すると同時に、サーミ
スタ等で放熱基台の温度測定を行う。印加電力W 0 は発
熱体温度の上昇率が放熱基台温度の上昇率とほぼ等しく
なる程度まで十分長い時間印加する(数秒以上)。する
と (b)に図示したようなグラフが得られるので、次に発
熱体温度Th(t)のインデンシャル応答を(数5)の近似
式で表し、実測値との比較から定数C1、C2、R1、R2
を求める。ここで、C1 は発熱体の熱容量、C2 は発熱
体基板の熱容量、R1 は発熱体から発熱体基板への熱抵
抗、R2 は発熱体基板から放熱基台への熱抵抗に相当す
る。
【0026】温度測定対象の発熱体は、全発熱体の平均
抵抗値に近い抵抗値を持つ発熱体を選んでいる。印加電
力W0 は必ずしも記録時に必要な印加電力と同じである
必要はなく、記録時よりも低い電力に設定することによ
り発熱体の熱破損を防ぐことができる。なお、ここでは
発熱体にステップ状の印加電力を与えたときの温度の立
ち上がりの特性からインデンシャル応答を実測したが、
印加電力を与え続けた後にステップ状に印加電力を遮断
したときの温度の立ち下がりの特性からインデンシャル
応答を実測してもよい。
【0027】
【数5】
【0028】定数α及びA3は、上記の定数C1、C2
1、R2と階調プリンタのライン周期τL、記録時の印
加電力Wとから(数6)、(数7)に従って決定する。
【0029】
【数6】
【0030】
【数7】
【0031】定数A1、A2の決定に当たっては、実際に
階調記録を行なって濃度を測定した評価結果を用いる。
この評価はγ補正手段のパルス幅被補正データと濃度デ
ータとの対応を求める方法と兼用しているが、以下この
方法について説明する。
【0032】図3はγ補正データを得ると共に定数
1、A2を決定する工程を示した流れ図である。図3に
おいて、21は恒温槽などを利用して環境温度T0 を設
定し十分な時間サーマルヘッドを放置して放熱基台温度
Tを環境温度T0 と一致させる工程である。例えば、放
熱基台の基準温度Tstを仮に30℃と定めた場合、環境
温度T0 は26℃程度に設定する。22は第1の記録工
程で、サーマルヘッドの主走査方向(発熱体配列方向)
に何段階かパルス幅の異なる階調画像を濃度測定に必要
十分な幅で記録する。23は第2の記録工程で、サーマ
ルヘッドの主走査方向の温度分布が均一になるように全
発熱体に対して所定のパルス幅τ0 を与えてベタ画像を
記録し、これを放熱基台温度Tが基準温度Tst(30
℃)になるまで繰返す。パルス幅τ0 は最大パルス幅の
約半分程度の値が適当であり、第1の記録工程22で各
発熱体与えたパルス幅の平均値としている。第2の記録
工程は放熱基台温度Tが基準温度30℃になると、第3
の記録工程24を行なう。第3の記録工程24は第1の
記録工程22と全く同様にサーマルヘッドの主走査方向
に何段階かパルス幅の異なる階調画像を濃度測定に必要
十分な幅で記録するものである。
【0033】ここで、第2の記録工程23で記録した記
録時間、即ち放熱基台温度TがTstになるまでの時間t
が時定数C22よりも大きければ記録終了であり、小さ
いときや大きすぎて記録紙上に第3の記録工程24によ
る画像を記録できなかったときは、放熱基台温度の初期
設定を変更して再度記録を行なう。
【0034】25は濃度測定工程であり、第1の記録工
程22と第3の記録工程24により記録された階調画像
の各階調の濃度を測定する。記録濃度の測定点は各記録
工程22、24における最初の1ラインの画素であり、
この濃度をマイクロ濃度計で測定するが、アパーチャー
サイズの小さい反射濃度計で記録工程22、24の開始
部の濃度を測定してもほぼ同じ結果が得られる。26は
濃度測定工程25で得られたパルス幅データと濃度デー
タとを対応させてγ補正データを得ると共に定数A1
2を決定する工程である。
【0035】これらの工程により定数A1、A2を決定す
る手法の詳細について、図4の説明図を用いて説明す
る。(A)は上記の記録工程で得られた記録画像であり、
41は第1の記録工程で得られた第1の階調画像で41
a〜41qは各々0〜最大パルス幅までの17段階のパ
ルス幅により記録を行なった各領域である。この記録時
の放熱基台温度Tは環境温度T0 にほぼ等しく、積算値
Pはほぼ0である。従ってこのときのサーマルヘッドの
発熱体基板温度(T+P)はT0 と求められる。42は
第3の記録工程で得られた第2の階調画像で42a〜4
2qは各々41a〜41qと等しいパルス幅の17段階
の階調記録を行なった各領域である。このときの放熱基
台温度Tは基準温度Tstに等しく、積算値Pはほぼ(τ
0/τL)・R2・Wに等しい。従ってサーマルヘッドの発
熱体基板温度(T+P)はTst+(τ0/τL)・R2・Wと
求められる。この状態を基準条件と定めたことは既述し
たとおりである。
【0036】(B)は、記録画像(A)の階調画像部の
記録濃度を測定し、パルス幅データと濃度データとの対
応をプロットしたグラフである。43は第1の階調画像
のγ特性関数であり、領域41a〜41qの17点のパ
ルス幅データと記録濃度データとの対応をプロットし、
各データ間をスプライン補間等の補間法により内挿した
ものである。44は第2の階調画像のγ特性関数であ
り、領域42a〜42qの17点のパルス幅データと記
録濃度データとの対応をプロットし、各データ間をスプ
ライン補間等の補間法により内挿したものである。ここ
で得られた基準温度Tstにおけるγ特性関数44に対し
て、この逆関数を求めることによりγ補正データが得ら
れる。γ補正手段のROMにはこのγ補正データを設定
する。
【0037】(B)において、第1の階調画像のγ特性
関数43と第2の階調画像のγ特性関数44との横軸方
向のシフト量をτd (τd >0)とする。これは第1の
階調画像のγ特性関数43を横軸に沿って平行移動させ
たときに、第2の階調画像のγ特性関数44と一致させ
るための移動量である。
【0038】第1の階調画像のγ特性関数43と第2の
階調画像のγ特性関数44との曲線形状が同一でない限
り、シフト量τd は記録濃度(あるいは基準状態におけ
るパルス幅τ)と発熱体基板温度(T+P)との関数に
なるが、後述するように、シフト量τd を発熱体基板温
度(T+P)のみの関数としても精度の低下は少ない。
【0039】定数A1、A2はシフト量τd と2つの発熱
体基板温度から(数8)、(数9)のように求める。
【0040】
【数8】
【0041】
【数9】
【0042】本実施例の定数A1、A2決定方法によれ
ば、低温から高温まで環境温度を変化させて記録実験を
行う必要がなく、1回の画像記録による濃度測定だけで
簡単に温度補償の定数を求めることができる。従って、
本実施例の温度補償定数決定法によれば、例えば量産時
に、全て室温下での簡単な工程で各プリンタに最適な定
数を設定することができ、サーマルヘッドの熱特性のば
らつき等に対応できる。
【0043】さて、実際に記録実験を行い、定数A1
2を求めた結果を説明する。記録条件は表1に示すよ
うに、ライン周期τL 、最大パルス幅τmaxの異なる
7種類の条件で検討した。印加電力Wは上述した基準条
件(発熱体基板温度(T+P)=Tst+(τ0/τL)・R2
・W)においてパルス幅0.75τmax印加時に記録
濃度 2.2が得られるように設定した。これは、実用
時に残りの0.25τmax分のパルス幅を温度補償用
の余裕分に割り当てることを想定したものである。
【0044】ここで図4(A)で説明した記録画像を環
境温度T0 ≒30℃の下で記録した。上述したように、
1、A2の決定のためには記録画像は1枚記録するだけ
でよいが、ここでは本発明の温度補償方式の精度上の効
果を説明するために、ベタ画像の記録パルス幅τ0 の異
なる(τ0 = 0.75・τmax、及びτ0 = 0.3
75・τmax)2種の記録画像をそれぞれの7条件で記
録した。
【0045】
【表1】
【0046】上記の各記録条件において、2枚の記録画
像の階調画像部の記録濃度を測定し、それぞれについて
γ特性関数のシフト量τd を得た。また、各階調画像記
録時の発熱体基板温度(T+P)は(T+P)=Tst
0/τL)・R2・W として求めた。
【0047】図5は記録条件1(ライン周期16ms、最
大パルス幅4ms)におけるシフト量τd の特性を示す
実験結果である。
【0048】図5(A)は基準状態におけるパルス幅τ
とシフト量τd との関係を示すグラフで、基準状態は発
熱体基板温度(T+P)=Tst+( 0.375・τma
x/τL)・R2・W =51℃ の状態と定めた。ただし、
st=30℃とする。
【0049】関数51は発熱体基板温度(T+P)=2
8℃におけるシフト量τd の関数、関数52は発熱体基
板温度(T+P)=74℃におけるシフト量τd の関数
である。本実施例においては、シフト量τd がパルス幅
τによらず一定であると仮定して温度補償を行ってい
る。他方、従来例で述べたような補償係数を乗ずる温度
補償方式は、シフト量τd がパルス幅τに比例すると仮
定して温度補償を行っていることと等価である。この2
つの仮定を実験結果である関数51、52と比較する
と、本実施例の仮定のほうがより実際のシフト量τd
近く、より精度の高い温度補償を行うことができること
がわかる。
【0050】図5(B)は発熱体基板温度(T+P)と
シフト量τd との関係を示すグラフである。シフト量τ
d は図5(A)で説明した関数51、52の各点(白丸
で示した)の平均値と最大値、最小値とを示している。
【0051】シフト量τd は精度良く発熱体基板温度
(T+P)に対する一次関数の形で表現できることが見
い出された。この一次関数の傾きが定数A1 であり、こ
の一次関数の切片が定数A2 として求められる。
【0052】同様に、図6〜11はそれぞれ記録条件2
〜7におけるシフト量τd の特性を示す実験結果であ
る。この結果から、特に記録速度が速くなるほど、補償
係数を乗じて温度補償を行う従来例の装置よりも、本実
施例のようにパルス幅補正データτh を加算する装置の
方が高精度な温度補償を行えることを示している。
【0053】また、どの記録条件においても、シフト量
τd は精度良く発熱体基板温度(T+P)に対する一次
関数の形で書き表されることがわかる。これはすなわち
温度補償のためのパルス幅補正データτh(m)が(数
4)という簡潔な式で精度よく記載できることを示して
いる。
【0054】本実施例では、このグラフの傾きと切片と
から得られた定数A1、A2をROMに設定している。
【0055】図12は以上のように構成した階調プリン
タにより記録を行った場合の補正誤差を示した説明図で
ある。補正誤差とは目標の記録濃度と実際の温度補償後
の記録濃度との差である。ライン周期4ms/lin
e、8ms/line、16ms/line 時の記録
条件はそれぞれ(表1)の記録条件6、3、1に対応し
ている。
【0056】本実施例による温度補償の補正誤差を
(a)、従来例による温度補償の補正誤差を(b)に示
している。
【0057】補償のための定数は濃度変化の大きい中間
濃度部で最も補償精度が良くなるように各々決定してい
る。従って、補正誤差は低濃度部と高濃度部で大きく、
このうち最も誤差が大きいものを誤差範囲としてプロッ
トしている。目標濃度よりも実測濃度が高い場合を正、
低い場合を負としている。
【0058】図12から、本発明によれば従来例に比較
して温度補償の補正誤差が約半分程度に低減し、精度の
高い補償結果が得られていることがわかる。
【0059】次に本実施例における階調プリンタにより
温度補償演算を行なった場合について、1ラインn画素
として1ライン分の温度補償に必要な演算量を従来例と
比較して(表2)に示す。
【0060】
【表2】
【0061】パルス幅補正データ作成手段として本実施
例ではCPU(モトローラ製6809)を用いている
が、除算を用いずに乗算を行っているために従来例に比
べて演算が高速化できる。これは除算はCPUの命令と
してサポートされていないため、サブルーチンを組む等
の処理が必要で演算時間がかかるのに対し、乗算はCP
Uの命令として直接実行できるためである。
【0062】補正手段としては本実施例ではCPU(モ
トローラ製6809)を用いているが、加減算は乗算よ
りも高速に実行できるため、やはり高速に補正処理がで
きる。乗算演算は1演算に11マシンサイクルが必要で
あるが、加減算は2〜8マシンサイクルでよいため、約
2〜6倍の補正演算速度の向上になっている。これは特
に画素数nが多いほど全体の補正時間短縮に大きな効果
がある。
【0063】このように、本実施例によれば特別な演算
器等を付加することなく高速に温度補償を行なうことが
できる。
【0064】また、本発明は従来例が有していた以下の
特徴を損なうことなく具備している。これは第1に、発
熱体基板での蓄熱を予測して温度検出の遅れを補正して
いるため数秒単位の大きな蓄熱量の変化に対する時間遅
れのない温度補償が出来ること、第2に2値記録でなく
多階調記録に対応できること、第3に任意の入力信号や
記録条件に対応できることである。
【0065】図13は、本発明の階調プリンタの第2の
実施例のブロック構成図である。図中1〜3及び5〜8
は各々第1の実施例において記載した構成と同一であ
る。パルス幅平均手段61は、γ補正手段3の出力であ
るパルス幅被補正データτ(m,i)を積算して平均した
後に、補正データ作成手段9の出力であるパルス幅補正
データτh を加算することで平均パルス幅データτ
av(m) を出力する。こうした構成によっても第1の実
施例と全く同じように温度補償の効果を得ることができ
る。
【0066】図14は、本発明の階調プリンタの第3の
実施例のブロック構成図である。図中1〜5及び7〜9
は各々第1の実施例において記載した構成と同一であ
る。補正データ作成手段70は積算手段7の出力P
(m)と測温手段8の出力T(m)とから(数10)、
(数11)に従って補正係数k(m) とパルス幅補正デ
ータτ'h(m)とを作成する。ここでは補正データ作成手
段70はROMで構成しており、積算手段7と測温手段
8の出力をアドレスとして与えると補正係数k(m)とパ
ルス幅補正データτ'h(m)とを出力するようにROMテ
ーブルを設定している。
【0067】
【数10】
【0068】
【数11】
【0069】乗算手段71は、γ補正手段3の出力であ
るパルス幅被補正データτ(m,i) に補正係数k
(m)を乗じ、k(m)τ(m,i)を出力する。加算
手段72は、乗算手段71の出力k(m)τ(m,i)
にパルス幅補正データτ'h(m)を加算し、ヘッド駆動
手段5に対してk(m)τ(m,i)+τ'h(m)を出力
する。
【0070】本実施例によれば、例えば図5において関
数51、52を基準状態におけるパルス幅τの一次関数
として仮定して温度補償をおこなったことと等価であ
り、第1の実施例において関数51、52が基準状態に
おけるパルス幅τに関して一定と仮定したことによって
生じる補償誤差を減少させることができ、より精度の高
い温度補償を行うことができる。
【0071】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、補正デー
タ作成手段が乗算と加減算演算によってパルス幅補正デ
ータを作成し、補正手段がパルス幅補正データからγ補
正手段の出力を補正する際に、加減算演算による補正演
算を行なうことにより、補正精度を向上させると共に、
簡単な演算回路構成で記録速度の高速化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における階調プリンタの
ブロック構成図
【図2】同実施例における温度補償定数α、A3 の決定
方法の説明のための特性図
【図3】同実施例における温度補償定数A1、A2を決定
する工程の流れ図
【図4】同実施例における温度補償定数A1、A2の決定
方法の説明図
【図5】同実施例における第1の記録条件(ライン周期
16ms、最大パルス幅4ms)下でのシフト量τd
特性を示す実験結果の特性図
【図6】同実施例における第2の記録条件(ライン周期
8ms、最大パルス幅8ms)下でのシフト量τd の特
性を示す実験結果の特性図
【図7】同実施例における第3の記録条件(ライン周期
8ms、最大パルス幅4ms)下でのシフト量τd の特
性を示す実験結果の特性図
【図8】同実施例における第4の記録条件(ライン周期
8ms、最大パルス幅2ms)下でのシフト量τd の特
性を示す実験結果の特性図
【図9】同実施例における第5の記録条件(ライン周期
4ms、最大パルス幅4ms)下でのシフト量τd の特
性を示す実験結果の特性図
【図10】同実施例における第6の記録条件(ライン周
期4ms、最大パルス幅2ms)下でのシフト量τd
特性を示す実験結果の特性図
【図11】同実施例における第7の記録条件(ライン周
期2ms、最大パルス幅2ms)下でのシフト量τd
特性を示す実験結果の特性図
【図12】同実施例と従来例との階調プリンタの補正誤
差の比較のための特性図
【図13】本発明の第2の実施例における階調プリンタ
のブロック図
【図14】本発明の第3の実施例における階調プリンタ
のブロック図
【図15】従来例における階調プリンタのブロック図
【符号の説明】
1 サーマルヘッド 3 γ補正手段 4 加算手段 6 パルス幅平均手段 7 積算手段 8 測温手段 9 補正データ作成手段 22 第1の記録工程 23 第2の記録工程 24 第3の記録工程 25 濃度測定工程 26 定数A1、A2決定工程

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ライン記録を行なう階調プリンタにおい
    て、支持体上に複数の発熱体を形成したサーマルヘッド
    と、前記支持体近傍の温度を測定する測温手段と、前記
    発熱体に与えるパルス幅に対応するデータをライン毎に
    積算する積算手段と、前記測温手段の出力と前記積算手
    段の出力とからパルス幅補正係数とパルス幅補正データ
    を作成する補正データ作成手段と、記録すべき階調デー
    タを変換してパルス幅被補正データを出力するγ補正手
    段と、前記パルス幅被補正データに前記パルス幅補正係
    数を乗ずると共に前記パルス幅補正データを加算する補
    正手段とを備えた階調プリンタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011523914A (ja) * 2008-06-13 2011-08-25 ジンク イメージング,インク. 多色印刷のための熱応答補正システム
CN115071301A (zh) * 2022-06-13 2022-09-20 南阳柯丽尔科技有限公司 基于灰阶动态补偿的热敏打印方法、装置、设备和介质

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CN115071301B (zh) * 2022-06-13 2023-08-29 南阳柯丽尔科技有限公司 基于灰阶动态补偿的热敏打印方法、装置、设备和介质

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