JP2007168264A - サーマルプリンタの通電制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発熱素子に対して一定の電圧が印加されるサーマルプリンタにおいて、各サーマルプリンタ毎に均一な濃度の記録を得る。
【解決手段】 記録ヘッド2の抵抗値を考慮して求められた電力値を用い、1パルス単位時間の第1パラメータと、1行記録するために用いられた発熱素子3の数に応じて決定される第1比率の第2パラメータと、記録ヘッド2における1ブロックにおいて通電された発熱素子3の数に応じて決定される第2比率の第3パラメータと、第1比率と第2比率との加算値に対する補正割合の第4パラメータとを算出し、加算値を補正割合に基づいて補正して、通電オン時間に対する第3比率を算出し、第3比率と1パルス単位時間とを乗算して通電オン時間を算出する。
【選択図】 図2

Description

本発明はサーマルプリンタの通電制御方法に係り、特に発熱素子に対する通電オン時間を補正する記録装置のサーマルプリンタの通電制御方法に関する。
一般に、記録ヘッドの発熱素子を選択的に発熱させることにより、記録媒体上に所望の文字や図形等の画像の記録を行うサーマルプリンタが、高印字品質、低騒音、低コスト、メンテナンスの容易性等の理由により、コンピュータ等の出力装置として多用されている。
このようなサーマルプリンタにおいては、記録ヘッドの抵抗値(R)が各サーマルプリンタにおいて異なるため、この記録ヘッドの抵抗値(R)を考慮して発熱素子に印加される電圧値(V)を1台ずつ調整して、各サーマルプリンタにおいて均一な濃度の記録を得ることができるようにし、記録ヘッドの発熱素子に対して通電制御されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このような通電制御方法においては、発熱素子に印加される1パルス単位時間、1行記録するために用いられた発熱素子の数に応じて決定される通電オン時間の比率、所定数の発熱素子により構成される1ブロックにおいて通電された発熱素子の数に応じて決定される通電オン時間の比率等の各パラメータを用いるが、前述したように記録ヘッドの抵抗値を考慮して印加する電圧値(V)を調整しているために、各パラメータは、記録ヘッドの抵抗値を考慮せずに決定されており、例えば、同機種のサーマルプリンタにおいては、同一のパラメータ値を用いて通電制御を行っていた。
また近年、駆動電源として印加する電圧値が固定されているACアダプタや電池等を利用することが要求されており、ACアダプタや電池等を用いる場合は、発熱素子に印加される電圧を上昇または下降させることなく記録を行うことが望まれている。
しかし、印加する電圧値が固定されているACアダプタ等が用いられるサーマルプリンタにおいて、前述したような記録ヘッドの抵抗値を考慮せずに決定されたパラメータ値を用いる通電制御を行うと、記録ヘッドの抵抗値がサーマルプリンタの個体毎に異なる場合には、通電によって記録ヘッドに付加されるエネルギが相違することとなり、当然発熱量も相違することとなり、各サーマルプリンタにおいて均一な濃度の記録を得ることができないという問題を有していた。
特開昭62−227664号公報
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、発熱素子に対して一定の電圧が印加されるサーマルプリンタにおいて、各サーマルプリンタに特有の各パラメータを算出して均一な濃度の記録得ることができる通電制御方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明に係る通電制御方法の特徴は、一定の電圧を印加することにより記録ヘッドにおける所望の発熱素子を加熱して記録を行う記録ヘッドの通電制御方法であって、前記記録ヘッドの抵抗値を考慮して前記記録ヘッドに供給される電力値を求め、前記電力値を用いて前記発熱素子に対する通電オン時間を補正するためのパラメータを算出し、前記パラメータに基づいて、前記発熱素子に対する通電オン時間を算出し、前記算出した通電オン時間によって、前記発熱素子を加熱する点にある。
この本発明に係る通電制御方法によれば、各サーマルプリンタにおけるそれぞれの記録ヘッドの抵抗値を考慮して求めた電力値を考慮して、各発熱素子に対する通電時間の補正を行うためのパラメータを算出する。このため、各サーマルプリンタにおいて、個体毎に抵抗値の異なる記録ヘッドが設けられている場合であっても、それぞれ記録ヘッドの抵抗値に対応したパラメータを算出することができ、各サーマルプリンタ毎に均一な濃度の記録得ることができる。
また、本発明に係る他の通電制御方法の特徴は、前記パラメータが、前記発熱素子に対する前記通電オン時間の最大時間を1パルス単位時間×最大パルス数によって定義することにより算出される前記1パルス単位時間の第1パラメータと、前記記録ヘッドについて1行記録するために用いられた前記発熱素子の数に応じて決定される前記通電オン時間に対する第1比率である第2パラメータと、前記記録ヘッドにおける所定数の前記発熱素子を1ブロックとし、前記1ブロックにおいて通電された前記発熱素子の数に応じて決定される前記通電オン時間に対する第2比率であって、前記第1比率に加算される第3パラメータと、前記第1比率と前記第2比率との加算値に対する補正割合である第4パラメータとによって構成され、前記各パラメータを、前記各記録ヘッドの抵抗値を考慮した電力値を求めて、行列式を用いて算出する点にある。
この本発明に係る他の通電制御方法によれば、各サーマルプリンタにおけるそれぞれの記録ヘッドの抵抗値を考慮して求めた電力値を考慮して、各発熱素子に対する通電時間の補正を行うための第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータを算出する。このため、各サーマルプリンタにおいて、個体毎に抵抗値の異なる記録ヘッドが設けられている場合であっても、それぞれ記録ヘッドの抵抗値に対応した各パラメータを算出することができ、各サーマルプリンタ毎に均一な濃度の記録得ることができる。
以上述べたように、本発明に係る各通電制御方法によれば、記録ヘッドの抵抗値が個体毎に異なる各サーマルプリンタに、それぞれ記録ヘッドの抵抗値に対応した各パラメータを設定することができる。これにより、発熱素子に対して印加される電圧が固定されているプサーマルリンタであって各記録ヘッドの抵抗値が個体毎に異なる場合であっても、各サーマルプリンタにおいて、電圧を昇降させることなく、均一な濃度のドットを記録することができ、記録の画質の均一化を図り、良好な画質の画像を得ることができる。
以下、本発明に係る通電制御方法の実施形態を図1から図5を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る通電制御方法を用いて各発熱素子を選択的に発熱させることにより記録を行うサーマルプリンタを示すブロック図である。
図1に示すように、サーマルプリンタ1は、例えば256個の発熱素子3が並列配置されている記録ヘッド2を有しており、記録ヘッド2には、例えば印加する電圧値が一定値に固定されているACアダプタ5により、各発熱素子3に対して一定の電圧(V)が印加されるようになっている。そして、このサーマルプリンタ1は、ACアダプタ5から供給される一定の電圧(V)を用いて所望の発熱素子3に対して通電を行い、各発熱素子3を選択的に発熱させることにより、記録媒体上に所望の文字や図形等の画像を記録するようになっている。
また、サーマルプリンタ1は、このサーマルプリンタ1の各部を制御するCPU(central processing unit)等からなる制御手段6を有するとともに、各発熱素子3に対する通電の制御を行うASIC(Application Specific Integrated Circuit)等からなる通電補正手段7を有している。
図2は、本実施形態に係る通電制御方法に用いられるパラメータを決定する工程を示すフローチャートである。なお、本発明においては、各サーマルプリンタごとに各パラメータを演算して決定することに特徴があり、この各パラメータを決定してからの通電制御方法は従来のサーマルプリンタと同様である。
まず、図2に示すように、記録ヘッド2の抵抗値(R)によって記録ヘッド2に供給される電力値(W)を決定する(ST1)。これは、異なる抵抗値(R)を有する記録ヘッドに付与される通電エネルギが均一になるように制御して、発熱量の個体差をなくするようにするためである。具体的には、図3に示すように、抵抗値(R)の大きな記録ヘッドに対しては通電時間を短く設定し、抵抗値(R)の小さな記録ヘッドに対しては通電時間を長く設定するようにする。
続いて、サーマルプリンタ1における発熱素子3に対する通電制御のパラメータを決定する。ここで、本実施形態においては、発熱素子3に対する通電制御のパラメータとして、4つのパラメータを用意する。第1パラメータは、1パルス単位時間とし、第2パラメータは、1行を記録するために用いられた発熱素子3の数に応じて決定される通電周期に対する通電オン時間の比率とする。また、第3パラメータは、記録ヘッド2における所定数の発熱素子3を1ブロックとし、この1ブロックにおいて通電された発熱素子3の数に応じて決定される通電周期に対する通電オン時間の比率とし、第4パラメータは、第2パラメータと第3パラメータとの加算値に対する補正割合とする。
これら第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータの値は、例えば、数1に示す行列式によって算出されるようになっており、行列式のxには、ST1で求められたところの各サーマルプリンタ1に特有の電力値(各サーマルプリンタ1の記録ヘッド2の抵抗値(R)とACアダプタ5から供給される電圧値(V)から求められた値)が当てはめられるようになっている。
ここで、第1パラメータの決定について説明する。
まず、発熱素子3に対する通電オン時間の最大時間を1パルス単位時間×最大パルス数によって定義する。そして、前記行列式(数1)の1パルス単位時間を決定するための係数a1、a2、a3、a4を変えて印画を行い、印刷保証範囲である環境温度の最も低い温度にて必要最大濃度を印画できるようにし、このときの値を係数a1、a2、a3、a4の値として決定する(ST2)。
なお、係数a1、a2、a3、a4の値は、予め最も抵抗値の高い記録ヘッド2、最も低い抵抗値の記録ヘッド2、および中間の抵抗値を持つ記録ヘッド2の3つの記録ヘッド2を用いる場合のそれぞれについて必要最大印画濃度となる第1パラメータの値を決定し、各抵抗値と第1パラメータの値の相関を近似式に当てはめて、実際の記録ヘッド2の抵抗値が最も近い場合の係数に近い値を使って印画し、係数の値を変えながら、最も適切な印画が得られたときの値を係数とする。また、通電オン時間の最大時間は、図4に示す各発熱素子3が記録する1ドットの記録周期を超えないように設定される。
続いて、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータを求めるため、まず、通電制御を行う対象となるサーマルプリンタ1について印加エネルギをかえながら、図5に示すように、所定の濃度に設定された複数のパッチを記録する(ST3)。
そして、記録後のパッチの濃度を測定し、各パッチが予め設定されている濃度値となるように、前記行列式(数1)の各係数を決定する。
すなわち、前記行列式(数1)によって第2パラメータである記録ヘッド2について1ラインを記録するために用いられた発熱素子3の数に応じて決定される通電オン時間に対する比率を決定するためには、係数b1、b2、b3、b4を決定する必要がある。このために、係数a1、a2、a3、a4の値を決定したときと同様にして、係数b1、b2、b3、b4の値を変化させるとともに印画するドット数を変化させながらそれぞれのドット数での印画が同濃度となるようにし、この同濃度になったときの係数b1、b2、b3、b4の値を係数b1、b2、b3、b4の値とする(ST4)。
また、前記行列式(数1)によって、1ブロックにおいて通電された発熱素子3の数に応じて決定される通電オン時間の比率である第3パラメータを決定するためには、係数c1、c2、c3、c4を決定する必要がある。このためには、係数a1、a2、a3、a4の値を決定した方法と同様の方法で、係数c1、c2、c3、c4の値を変化させて全幅(全ドット)通電から印画幅(通電するドット数)を減少させていって各通電幅での最大印画長を印刷し、それぞれの印画における先頭部と後端部との濃度を同じになるようにし、このときのc1、c2、c3、c4の値を係数c1、c2、c3、c4の値として決定する(ST5)。
さらに、上記(ST2)から(ST5)で求められた係数を用いて印画したときに、各印画が全濃度領域で同じ濃度となるように係数d1、d2、d3、d4を変えていき、各印画が全濃度領域で同じ濃度となるように係数d1、d2、d3、d4の値を決定する(ST6)。
このようにして決定された各係数を用いた行列式(数1)を、サーマルプリンタ1の制御手段6に入力する(ST7)。
そして、制御手段6は、前記各係数の値が決定された行列式(数1)を用いて第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータを算出するようになっており(ST8)、各サーマルプリンタ1におけるそれぞれの記録ヘッド2の抵抗値を考慮した各パラメータを得ることができる。
続いて、第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータを用いたサーマルプリンタ1の通電制御方法について説明する。
まず、サーマルプリンタ1に記録データが入力されると、サーマルプリンタ1の制御手段6は、予め記録ヘッド2の抵抗値を考慮して入力されている電力値を用いて、前記行列式(数1)を計算することにより、第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータを算出し、通電補正手段7に各パラメータを出力する。
通電補正手段7は、得られた各パラメータを用いて、従来のサーマルプリンタと同様の通電補正を行う。
続いて、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態によれば、各サーマルプリンタ1におけるそれぞれの記録ヘッド2の抵抗値を考慮して求めた電力値および所定の係数を用いた行列式(数1)によって、各発熱素子3に対する通電時間の補正を行うための第1パラメータ、第2パラメータ、第3パラメータおよび第4パラメータを算出する。このため、抵抗値の異なる記録ヘッド2が設けられた各サーマルプリンタ1に、それぞれ記録ヘッド2の抵抗値に対応した各パラメータを算出することができる。
具体的には、各係数を、例えば、行列式(数2)に示す値を用い、電力値をx=0.12(W)とすると、各パラメータは以下のように算出される。
したがって、記録ヘッド2の抵抗値が個体毎に異なる各サーマルプリンタ1に、それぞれ記録ヘッド2の抵抗値に対応した各パラメータを設定することができる。このようにして求められた各パラメータに基づいて、記録ヘッド2の各発熱素子3に対して公知の演算手法によって通電オン時間が求められて、適正な通電が行われる。これにより、各発熱素子3に対して印加される電圧が固定されているサーマルプリンタ1であって各記録ヘッド2の抵抗値が個体毎に異なる場合であっても、各サーマルプリンタ1において、電圧を昇降させることなく、均一な濃度のドットを記録することができ、記録の画質の均一化を図り、良好な画質の画像を得ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
本発明に係る通電制御方法が用いられるサーマルプリンタを示すブロック図 本発明に係る通電制御方法に用いられるパラメータを決定する工程を示すフローチャート 本発明に係る通電制御方法について、通電オン時間と記録ヘッドの抵抗値との関係を示すグラフ 本発明に係る通電制御方法において、1ドットの記録周期と、通電オン時間および通電オフ時間と、1パルス単位時間との関係を示すグラフ 本発明に係る通電制御方法において用いられる記録濃度と、記録されるパッチとを示す概要図
符号の説明
1 サーマルプリンタ
2 記録ヘッド
3 発熱素子
5 ACアダプタ
6 制御手段
7 通電補正手段

Claims (2)

  1. 一定の電圧を印加することにより記録ヘッドにおける所望の発熱素子を加熱して記録を行うサーマルプリンタの通電制御方法であって、
    前記記録ヘッドの抵抗値を考慮して前記記録ヘッドに供給される電力値を求め、前記電力値を用いて前記発熱素子に対する通電オン時間を補正するためのパラメータを算出し、
    前記パラメータに基づいて、前記発熱素子に対する通電オン時間を算出し、
    前記算出した通電オン時間によって、前記発熱素子を加熱することを特徴とするサーマルプリンタの通電制御方法。
  2. 前記パラメータは、
    前記発熱素子に対する前記通電オン時間の最大時間を1パルス単位時間×最大パルス数によって定義することにより算出される前記1パルス単位時間の第1パラメータと、
    前記記録ヘッドについて1行記録するために用いられた前記発熱素子の数に応じて決定される前記通電オン時間に対する第1比率である第2パラメータと、
    前記記録ヘッドにおける所定数の前記発熱素子を1ブロックとし、前記1ブロックにおいて通電された前記発熱素子の数に応じて決定される前記通電オン時間に対する第2比率であって、前記第1比率に加算される第3パラメータと、
    前記第1比率と前記第2比率との加算値に対する補正割合である第4パラメータとによって構成され、
    前記各パラメータを、前記各記録ヘッドの抵抗値を考慮した電力値を求めて、行列式を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタの通電制御方法。


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