JP2011518250A - ポリカーボネートの作製のための方法 - Google Patents

ポリカーボネートの作製のための方法 Download PDF

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Abstract

重合が連鎖移動剤の存在下で単一ステップで実行されることを特徴とする。好ましい連鎖移動剤は、ポリオールである。本発明は、官能性ヒドロキシル末端基を有する分岐ポリカーボネートにも関する。

Description

本発明は、オキシランおよびCO2からポリカーボネートを作製するための方法に関する。
オキシランおよびCO2からポリカーボネートを作製するための方法は、S.; Koinuma, H.; Tsuruta, T. Polym. Lett. 1969, 7, 287. et al. 1969.により業界に知られている。この論文は、結果として脂肪族ポリカーボネートを生じる、オキシランと二酸化炭素との交互共重合を報告している。この方法は、分子量をよりよくコントロールする結果となる連鎖成長方法である。残念ながら、これらの共重合の特性は、主鎖の種類を脂肪族C2またはC3のブリッジに限定する。それゆえ、ポリマーの物理特性は、市販のポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)の良好な耐衝撃度、耐熱性および透明性に匹敵するようにするには、限られた範囲でしか向上させられることができない。
市販のポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)の高いTgおよび高耐衝撃性等の特有の特性は、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)およびシクロヘキセンオキシド(CHO)をベースとした脂肪族ポリカーボネートにおいて得ることは非常に困難である。最初の2個のモノマーは、大幅に低すぎるTgを有するポリカーボネートを生じ、CHOをベースとしたポリカーボネートは、より高いTg(約116℃)を有するものの、このTgは、ポリ(ビスフェノール-Aカーボネート)のTgよりは依然としてかなり低い。低いTgを有するポリカーボネートは粘稠性のある生成物を形成し、たとえば45℃を越えるTgが必要とされる粉末コーティングの形成を可能にしない。ポリカーボネートのTgは、溶媒キャストコーティング、粉末コーティングまたは建築用樹脂に適したポリカーボネートの生産を可能にするように、共重合によって適応されるべきである。
硬化性樹脂としてのポリカーボネートに対する良好な評価についての他のきわめて重大な点は、ポリマーのOH官能性である。
Technical University Eindhoven, 2005 Thesis - ISBN 90-386-2797-1, Meerendonk, Wouter J. van: “新規ポリカーボネートのホスゲンフリー合成のためのモノマーとしてのCO2”から、オキシランおよびCO2からのヒドロキシ-官能性ポリカーボネートの作製についての2ステップ方法が知られている。たとえば、ポリ(シクロヘキセンカーボネート)(PCHC)が、シクロヘキセンオキシドとCO2との反応(亜鉛複合体触媒下)で作製された。形成されたポリカーボネートは、10000〜50000g/molの分子量(Mn)および115〜120℃のTgを有していた。合成されたPCHCは、続いて、低分子量ジオールまたはポリオールを使用して、溶融中でエステル交換された。このようにして、高分子量ポリカーボネートが、2000〜7000g/molの範囲の分子量を有するポリカーボネートに分解された。これらのより短いポリカーボネート鎖は、このとき、複数のヒドロキシル末端基を有しており、このことは、これら鎖を、たとえば従来のポリイソシアネート架橋剤で硬化するのに適するようにする。この方法に続いて、あらかじめ作製されたポリカーボネートが、1000〜4000g/molのMn値を有するポリカーボネート樹脂に分解された。これらの樹脂は、主にヒドロキシル末端基を有していた(滴定により決定された)。高分子量ポリカーボネートを分解するためにポリオールを使用すると、官能性が向上し、分岐したポリカーボネート鎖が得られた。しかし、この方法の不利益な点は、第1に、高分子量ポリカーボネートが作製され、第2に(引き続いて)、複数のヒドロキシル末端基を有するより短いポリカーボネート鎖を得る(このことはポリカーボネートを硬化に適するようにする)ためにこれらの高分子量ポリカーボネートが分解されなければならない、という2ステッププロセスであることである。
反応性ヒドロキシル末端基を有するポリカーボネートは、WO-A-2006/089940から知られている。WO-A-2006/089940は、ホスゲン、ジホスゲンまたはトリホスゲンと、脂肪族、脂肪族/芳香族および芳香族ジオールまたはポリオールとからの超分岐ポリカーボネートの製造について述べている。この方法の不利益な点は、ポリカーボネートが、再生可能なモノマーからでなく、ホスゲンから製造されることである。この工程はジクロロメタンおよびホスゲンのような有害なモノマーを必要とするため、および副生物として大量のNaClを製造するため、環境面から望ましくない。さらに、得られたポリカーボネートは、妥当な機械特性が必要とされるまたは室温より高いTgが要求されるいかなるアプリケーションにも適用を不可能とする、非常に低い分子量および低いTgを有している。
本発明の目的は、オキシランと任意にオキセタンと二酸化炭素とからポリカーボネートを作製する単純な単一ステップの方法を開発することである。ポリカーボネートは、所定の分子量、および少なくとも2個の硬化性官能基を有していてよい。官能基の例は、-OH、-NH、-SH、-PH、-COOH、-POHである。好ましい官能基の例は、-OH基である。本発明の他の目的は、十分に高いガラス転移温度および反応性OH末端基を同時に有するポリカーボネートを作製することである。
この目的は、二官能性連鎖移動剤の存在のもと、単一ステップで重合プロセスが実行されることで達せられる。
本発明の方法における利点は、低分子量とOH官能性とを同時に有するポリカーボネートを作製する簡単なプロセスを開発することが可能なことである。本発明の他の利点は、脂肪族ポリカーボネートが、少なくとも一部は、環境に優しい工程を通して再生可能な資源から製造できることである。
更に他の利点は、本発明の方法により得られた脂肪族カーボネート内の複数のヒドロキシル官能基の存在が、たとえば、強化された官能性、より高い架橋密度によって向上したコーティング特性、より優れた機械特性および溶媒や汚れに対するより優れた化学的耐性等のいくつもの利点を与えることである。加えて、幾らかの遊離OH基が最終的なフィルムに存在すれば金属に対するよりよい接着力が達成されることができ、また、Tg、溶融粘度、せん断減粘挙動(shear thinning behavior)のような特性も、分岐の程度を制御することにより調整され得る。分岐の程度が増加すると溶融粘度および溶融強度が増加し、このことは、他のポリマーとの組み合わせた本発明のポリカーボネートのブロー成形において有利でありうる。せん断減粘傾向もまた、分岐の程度の増加に伴って増加するが、このことは、押出成形および射出成形等の加工技術に対して好ましい可能性がある。
実験1のMALDI-ToF-MSスペクトルを表す図である。 図1に示された、ラベル付けされたピークの構造式である。 イソイジドを用いた実験(例2)のMALDI-ToF-MSスペクトルである。 図3に示された、ラベル付けされたピークの構造式である。
本発明において適用される重合反応は、当業者に知られた、連鎖開始、連鎖成長、連鎖移動、連鎖終結のステップから基本的になる連鎖反応である。連鎖開始は、触媒開始剤により起こる。制御された連鎖終結のために、連鎖移動剤が適用されてよい。本発明に用いられる連鎖移動剤は、連鎖移動反応を促進する少なくとも2個の活性プロトンを有する。連鎖移動剤の例は、アルコール、カルボン酸またはエステル、チオール、アミンおよび-POHまたは-PH基を有する化合物である。
1個のみの活性プロトンを有する連鎖移動剤が、重合反応の間中存在しうる。
アルコールの例は、脂肪族ジオール、エーテルジオール、芳香族ジオール、またはポリオールである。脂肪族ジオールの例は、1,2-プロパン-ジオール、1,3-プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサン-ジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリックエステル、ブチルエチルプロパンジオールおよびエチルメチルプロパンジオールである。本発明の方法に使用されるジオールの量は、0.01〜90重量%の範囲であり、好ましくは0.1〜70重量%であり、より好ましくは0.5〜40重量%である。本発明に従って得られるポリカーボネートが、室温より高いTgが好ましい粉末コーティング等のアプリケーションに供されるとき、ジオールの量の好ましい範囲は1〜30重量%である。
エーテルジオールの例は、式(1)に示された二環式エーテルジオールである。二環式エーテルジオールはたとえば、多糖類、でんぷん等の再生可能な資源から容易に作製可能である。これらのエーテルジオールは3種類の立体異性体を有する。具体的な名称としては、これらは、以下の式(2)で示される1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-ソルビトール(これ以降この化合物は本明細書では「イソソルビド」と称される)、以下の式(3)で示される1,4:3,6-ジアンヒドロ-D-マンニトール(これ以降この化合物は本明細書では「イソマンニド」と称される)、以下の式(4)で示される1,4:3,6-ジアンヒドロ-L-イジトール(これ以降この化合物は本明細書では「イソイジド」と称される)である。
Figure 2011518250
式(1)
Figure 2011518250
式(2)
Figure 2011518250
式(3)
Figure 2011518250
式(4)
他の可能なエーテルジオール、ジオールまたはポリオールは、アルカノール、ポリオキシアルキレングリコールのモノアルキルエーテル、アルキレングリコールのモノアルキルエーテルならびにアルキレンおよびアリールアルキレングリコールを含む。例としては、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,3-ヘプタントリオール、2,6-ジメチル-1,2,6-ヘキサントリオール、(2R,3R)-(-)-2-ベンジロキシ-1,3,4-ブタントリオール、1,2,3-ヘキサントリオール、1,2,3-ブタントリオール、3-メチル-1,3,5-ペンタントリオール、1,2,3-シクロヘキサントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、3,7,11,15-テトラメチル-1,2,3-ヘキサデカントリオール、2-ヒドロキシメチルテトラヒドロピラン-3,4,5-トリオール、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール、1,3-シクロペンタンジオール、トランス-1,2-シクロオクタンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、3,6-ジチア-1,8-オクタンジオール、2-ブチン-1,4-ジオール、1-フェニル-1,2-エタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,5-デカリンジオール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,7-ジメチル-3,5-オクタジイン-2-7-ジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、分子量約200〜約10,000のポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレングリコールおよびトリオール、種々の分子量のポリテトラメチレングリコール、ポリ(オキシエチレン-オキシブチレン)ランダムまたはブロック共重合体、ビニルアセテート共重合体の加水分解または部分加水分解により形成されたペンダントヒドロキシル基を含む共重合体、ペンダントヒドロキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂;ヒドロキシ-官能性(たとえばヒドロキシ末端)ポリエステルおよびヒドロキシ官能性(たとえばヒドロキシ末端)ポリアクトン、ポリカーボネートポリオール(たとえばポリカーボネートジオール)、ヒドロキシ官能性(たとえば、ヒドロキシ末端)ポリエーテル(たとえば、150〜4000g/mol、150〜1500g/molまたは150〜750g/molの範囲の数平均分子量を有するポリテトラヒドロフランポリオール)およびこれらの組み合わせである。
芳香族ジオールの例は、ジメタノールベンゼン、ビスフェノールAまたはジエタノールベンゼンである。
ポリオールの例は、2〜6個のヒドロキシ基を有する脂肪族化合物である。好ましい実施態様において、脂肪族化合物は、2個のヒドロキシ基を有するポリオール(ジオール化合物)と、3〜6個のヒドロキシ基を含むポリオール(ポリオール(3-6))とを含む少なくとも2個の異なるポリオールの混合物である。少なくとも1個のジオールおよび少なくとも1個のトリオール化合物(3個のOH基を有する化合物)を含むポリオール化合物が、最も好ましい。ジオールおよびポリオール(3-6)(たとえばトリオール)の混合物の使用は、ポリカーボネートが分岐構造および多くのヒドロキシル官能性を有するようにする。ポリオール(3-6)の例は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、ヘキサントリオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、ソルビトール、サッカロース、およびトリス-(2-ヒドロキシエチル)-イソシアヌレート等、および1個または複数のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドユニットによって延長された3〜6個のOH基を有するポリオールを含む。
好ましいポリオール(3-6)は、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、グリセロールおよびソルビトールからなる群から選択される。
ポリオールの分子量は、好ましくは50〜250g/molである。
ポリオール(3-6)の量は0〜7重量%の範囲であり、より好ましくは1〜6重量%である。
ジオールのポリオール(3-6)に対する重量比は、4〜50の範囲であり、より好ましくは5〜20または6〜17である。
チオールの例は、チオフェノール、n-ブチルチオールまたはドデシルチオール、n-ヘキシルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、tert-オクチルメルカプタン、n-デシルメルカプタン、n-ドデシルメルカプタン、tert-ドデシルメルカプタン、n-ヘキシルデシルメルカプタンおよびステアリルメルカプタン等のC4-C18-アルキルメルカプタン、メルカプトエタノール、チオグリセロール、チオグリコール酸、2-メルカプトプロピオン酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオリンゴ酸、オクチルチオグリコレート、オクチル3-メルカプトプロピオネート、2-メルカプトエタンスルホン酸、モノ-,ビス-,およびトリス-S-アセチル-ペンタエリトリトールテトラ-3-メルカプトプロピオネート;モノ,-ビス,-およびトリス-S-アセトアセチル-ペンタエリトリトールテトラ-3-メルカプトプロピオネート;モノ-およびビス-S-アセトアセチル-トリメチロールプロパントリ-3-メルカプトプロピオネート;モノ-およびビス-S-アセチルトリメチロールプロパントリ-3-メルカプトプロピオネート;1-(S-アセチル-3-メルカプトプロポキシ)-3-メルカプト-2-アセトキシプロパン;および1-(S-アセチル-3-メルカプトプロポキシ)-3-メルカプト-2-ヒドロキシプロパンである。連鎖移動剤として用いられてよい酸の例は、コハク酸、ギ酸、2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-イソプロピル-2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-tert-ブチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-ベンジル-2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-アリル-2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-シアノメチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-メチル-2,5-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、2-4-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、1-メチル-2,4-シクロヘキサジエン-1-カルボン酸、2,5-ジヒドロフラン-2-カルボン酸、2-メチル-2,5-ジヒドロフラン-2-カルボン酸、2H-ピリジン-1-カルボン酸、4H-ピリジン-1-カルボン酸である。
連鎖移動剤は、たとえば次亜リン酸または前述の酸の塩(アルカリ金属塩またはアンモニウム塩等)、または1次または2次ホスフィン等のP-OHまたはP-H結合を有する化合物も含んでよい。
好ましい連鎖移動剤は、ポリオールまたはカルボン酸である。最も好ましい連鎖移動剤は、2〜6個のOH基を有するポリオールである。
上記連鎖移動剤は、独立で個々に用いられても、互いの組み合わせで用いられてもよい。種々の連鎖移動剤は、もちろん、同時に、あるいは別々の時に加えることも可能である。
本発明によれば、当該連鎖移動剤は、重合反応の全過程を通して連続的に加えられてよい。加えて、重合用容器内への連鎖移動剤の初期充填が可能である。重合用容器内にいくらかの連鎖移動剤(連鎖移動剤の全量の通常20%を越えない)を初期導入することによって2つのプロセスを組み合わせることが、特にモノマーが重合用容器中に初期に導入される場合、好ましい。好ましくは、連鎖移動剤が、モノマーと同時に加えられる。すなわち、連鎖移動剤の大部分、特に少なくとも80%および特に好ましくは全量が、重合されるべき重合反応のモノマーも導入される期間を通して加えられる。これに関連し、連鎖移動剤がモノマーと共に重合反応中に導入されることが特に有用であることが判明している。連鎖移動剤は、もちろん別個のフィードから加えられることも可能である。
さらなる実施態様において、連鎖移動剤の計量された追加が、いわゆるランプアンドステージ(ramp and stage)と呼ばれる工程、すなわち制御剤の付加がモノマー供給より後で開始されるまたはこの供給より早く終わる工程において起こる。
本発明によれば、連鎖移動剤システムの濃度が、上述の変化に従って、上記追加の間に変化することもまた可能である。比較的高い連鎖移動剤濃度で開始し、これが重合反応の工程を通して低下することが好ましい。
本発明のポリカーボネート内の複数のヒドロキシル官能基の存在は多くの利点をもたらす、すなわち、たとえば、向上した官能性、より高い架橋密度による向上したコーティング特性(たとえばよりよい機械的性能ならびに溶媒および汚れに対するよりよい化学的耐性)、金属に対するよりよい接着性(遊離OH基がいくらか最終フィルムに存在している場合)、Tg調整の可能性、溶融粘度、ならびに、分岐の程度を制御することによるせん断減粘挙動等である。分岐の程度を増やすと、溶融粘度および溶融強度が増し、これは、ブロー成形について利点となりうる。せん断減粘傾向も、分岐の程度の増加に伴って増加し、このことは押出成形および射出成形等の加工技術に好ましいものでありうる。
本発明の方法に用いられるオキシランは、3員環エーテルであるエポキシドとしても知られている。本発明に適切なエポキシドの例は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、2-ブテンオキシド、シクロヘキセンオキシド(CHO)、シクロペンテンオキシド(CPO)、スチレンオキシド、アリルグリシジルエーテル(AGE)、イソ-ブチルグリシジルエーテル、リモネンオキシド、イソプレンオキシド、4-ビニルシクロヘキセンオキシドである。
好ましいエポキシドは、シクロヘキセンオキシド(CHO)である。なぜなら、これは最も反応性が高く容易に扱えるエポキシドの1つであるためである。適切なエポキシドの他の例は、脂肪族または芳香族エポキシドである。脂肪族エポキシドの例は、C2-C30アルキルのグリシジルエーテル;C3-C30アルキルの1,2エポキシド;脂肪族アルコールおよびポリオールのモノおよびマルチグリシジルエーテル、たとえば、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジブロモネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ポリテトラメチレンオキシド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、グリセロールおよびアルコキシル化された脂肪族アルコールおよびポリオールを含む。一実施態様において、脂肪族エポキシドが1または複数の脂環式環構造を含むことが好ましい。たとえば、脂肪族エポキシドは、1または複数のシクロヘキセンオキシド構造、たとえば2個のシクロヘキセンオキシド構造を有してよい。環構造を含む脂肪族エポキシドの例は、水素添加されたビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加されたビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素添加されたビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)メタンジグリシジルエーテル、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンジグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、ジ(3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル)ヘキサンジオエート、エチレンビス(3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エタンジオールジ(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、および2-(3,4-エポキシシクロヘキシル-5,5-スピロ-3,4-エポキシ)シクロヘキサン-1,3-ジオキサンを含む。
芳香族エポキシドの例は、ポリフェノール(たとえばビスフェノールA(4,4’-イソプロピリデンジフェノール)、ビスフェノールF(ビス[4-ヒドロキシフェニル]メタン)、ビスフェノールS(4,4’-スルホニルジフェノール)、4,4’-シクロヘキシリデンビスフェノール、4,4’-ビフェノール、または4,4’-(9-フルオレニリデン)ジフェノール等のビスフェノール等)から得られた芳香族エポキシドを含む。ビスフェノールは、アルコキシ化した(たとえば、エトキシル化したおよび/またはプロポキシル化した)および/またはハロゲン化した(たとえば臭素化した)ものであってよい。ビスフェノールエポキシドの例は、ビスフェノールジグリシジルエーテルを含む。
芳香族エポキシドのさらなる例は、トリフェニロールメタントリグリシジルエーテル、1,1,1-トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル、およびレゾルシノール(たとえば、レゾルシンジグリシジルエーテル)またはヒドロキノン(たとえば、ヒドロキノンジグリシジルエーテル)等のモノフェノールから得られた芳香族エポキシドを含む。他の例は、ノニルフェニルグリシジルエーテルである。
加えて、エポキシノボラックを含む芳香族エポキシドの例は、たとえば、フェノールエポキシノボラックおよびクレゾールエポキシノボラックである。クレゾールエポキシノボラックの市販の例は、たとえば、Dainippon Ink and Chemicals, Inc.製造のEPICLON N-660,N-665,N-667,N-670,N-673,N-680,N-690,およびN-695である。フェノールエポキシノボラックの例は、たとえばEPICLON N-740,N-770,N-775,およびN-865を含む。
オキシランの量は、全混合物の50〜99重量%の範囲であり、好ましくは60〜98重量%または、70〜95重量%である。
本発明の方法は、モノマーとして、上記オキシランに加えてオキセタンも適用してよい。オキセタンは、分子式C3H6Oで表される、3個の炭素原子および1個の酸素原子からなる4員環を有する複素環有機化合物である。本発明において、オキセタンという語は、一般的に、オキセタン環を含むいかなる有機化合物をも指している。1個のオキセタン環を有する具体的なオクセタン化合物の例は、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン、3-(メタ)-アリルオキシメチル-3-エチルオキセタン、(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4-フルオロ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4-メトキシ-[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1-(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-エチルヘキシル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-テトラブロモフェノキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-トリブロモフェノキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、2-ヒドロキシプロピル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテルである。
2個以上のオキセタン環を有する典型的な化合物の例は、3,7-ビス-(3-オキセタニル)-5-オクサ-ノナン、3,3’-(1,3-(2-メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))-ビス-(3-エチルオキセタン)、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレンビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)ブタン、1,6-ビス(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリトリトールトリス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリトリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリトリトールヘキサキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリトリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリトリトールテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールヘキサキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリトリトールペンタキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性水素化ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、プロピレンオキシド変性水素化ビスフェノールAビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、エチレンオキシド変性ビスフェノールFビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテルである。
二酸化炭素は、再生可能な資源であり、そのため、二酸化炭素がポリマー内に取り込まれる本発明の重合方法は、環境に優しい化学と考えることができる。その上、二酸化炭素は、容易に入手可能で、安価で、不燃性、無毒、および再生可能な、環境に優しく無害な溶媒かつ反応物であると一般的に考えられている。化学物質の環境への影響についての関心が高まるにつれて、二酸化炭素が、工業化学プロセスにおける有力な炭素資源として高まりつつある注目を集めてきている。二酸化炭素の使用は、より経済的および/または効率的な手段をもたしうる。
数種類の触媒が、オキシランのCO2との共重合に使われてよい。たとえば、亜鉛、アルミニウム、クロム、コバルト、マンガン、スカンジウム、イットリウム、ランタニド、アクトニドおよびマグネシウムベースの触媒系である。これらの触媒のより具体的な例が、Meerendonk, Wouter J. van.、Technical University Eindhoven, 2005 Thesis-ISBN 90-386-2797-1に“新規ポリカーボネートのホスゲンフリー合成に対するモノマーのためのCO2”として開示されており、オキシランおよびCO2からのヒドロキシ官能性ポリカーボネートの作製について、2ステップの方法が知られている。触媒の例は、またD.J.Darensbourg etal, Chem Rev (2007), 107, 2388-2410またはG.W.Coates etal, Angew Chemie Int Ed (2004), 43, 6618に見いだされることが可能である。
重合反応の温度は、開始剤および目標分子量の選択如何による。一般的に、重合の温度は反応系の沸点までであるが、より高い温度が用いられる場合、重合は圧力下で行われることができる。好ましくは、重合の温度は、約25〜約110℃であり、最も好ましくは50〜80℃である。
本発明の方法で得られたポリカーボネートは、OH官能性である。好ましくは、ポリカーボネートは、ポリマー1グラム当たり0.3〜2mmolのヒドロキシル基を含み、より好ましくは、ポリマー1グラム当たり0.4〜1.5mmolのヒドロキシル基を含む。ヒドロキシル基の数は、実験のセクションに記載されているように、電位差滴定法を持って決定される。ポリカーボネートの分子量は好ましくは、500〜25,000g/molの範囲であり(数平均分子量) 、より好ましくは、750〜10,000g/molであり、最も好ましくは1000〜5000g/molである。
本発明のポリカーボネートのガラス転移温度(DSCにより決定される)は、-10〜180℃の範囲であり、好ましくは0〜150℃であり、さらに好ましくは45〜100℃である。
本発明の方法により得られたポリカーボネートの重要な利点は、ヒドロキシル官能基を有することである。ヒドロキシル官能基は、たとえばポリイソシアネート(フリーまたはブロックされた-NCO基)で架橋されることが可能であり、これは、ポリ(カーボネートウレタン)ネットワークを生じる。あるいは、ヒドロキシル基はポリカーボネートの鎖延長またはブロック共重合に使用されることができる。たとえば、OH官能性ポリカーボネートは、たとえばジイソシアネート(HMDI、イソフォロンジイソシアネート等をベースとした試薬)でエンドキャップすることが可能であり、これはNCO官能性ポリカーボネートを生じる。これらは、たとえばポリウレタンラテックスに使用されることができる。NCO官能性ポリカーボネートは、たとえば、(結晶化可能な)ジアミンブロックと(ポリ(カーボネートウレア)を形成する)、ポリアミン(たとえば、メラミン等と(架橋ポリ(カーボネートウレア)を形成する)、および/またはポリオールと、反応することが可能である。
一般に、このようなNCO官能性オリゴ-またはポリカーボネートは、非結晶性樹脂として用いることが可能である。本発明の他の実施態様において、本発明の方法から得られた直鎖または分岐したOH官能性ポリカーボネートは、それ自体、ジイソシアネートと反応しえ、高分子量を有する、分岐または架橋した鎖延長ポリ(カーボネートウレタン)を生じる。ヒドロキシル官能性ポリカーボネートを、鎖末端において無水物を形成可能なカルボン酸/無水物を含む部分と反応させることもできる(たとえば、クエン酸、1,2,3-プロパントリカルボン酸、無水トリメリット酸)。無水物官能性ポリカーネートは、ジ-又はポリアミン、ポリアルコール、および(ポリ)エポキシで硬化されうる。
本発明の方法によって得られたポリカーボネートのイソシアネート官能性ポリマーとの反応は、新規なブロック共重合体を生じる。ポリカーボネートのポリイソシアネート等の架橋剤との反応は、高耐衝撃性(強靱物質)、硬さ、優れた透明性、化学的抵抗および色と輝きに関する良い外観を有する、3次元物質、コーティングまたはフィルムを生じる。また、ポリカーボネートコーティングは良いUV安定性を有する。
ヒドロキシル官能基は、他の官能基に転換されることも可能である。たとえば、これらヒドロキシル官能基は、アクリル酸クロリドまたはメタクリル酸クロリドと反応させ、UV硬化可能な不飽和末端基を有するポリカーボネート樹脂を形成することが可能である。酸/無水物官能性ポリカーボネートは、OH官能性ポリカーボネート樹脂(Tg=35〜100℃を有する)を、溶融中で、たとえば、クエン酸(バイオベースの多官能性モノマー)またはコハク酸無水物と150〜160℃で反応させることで得ることができる。これらはさらに、たとえばTGIC、トリグリシジルトリメリテートおよびジグリシジルテレフタレート等のエポキシ硬化剤とも反応しうる。高Tgポリカーボネート樹脂(Tg>90℃)との組み合わせで、エポキシ化亜麻仁油(ELO)が系を硬化するために使用されうる。活性化OH-基を有するβ-ヒドロキシアルキルアミドもまた、酸または無水官能性ポリカーボネートを架橋させるために用いられうる。これらの反応は、ポリ(カーボネートエステル)ネットワークを生じる。
本発明の方法で得られたポリカーボネートは、通常の芳香族ポリカーボネートまたは脂肪族ポリエステル樹脂と比較して数多くの利点を有している。当該ポリカーボネートは、(主に)脂肪族の系であり、優れたUV安定性を有し、バイオベース物質であり、調整可能なTgを有し、調整可能な溶融粘度を有し、適切なコモノマーの選択、モノマーの比率およびポリカーボネートの分子量の選択により調整可能な架橋度を有する。これらポリカーボネートは、向上した加水分解安定性、向上した靱性および透明性を示す。
さらに、本発明の方法に対して、種々の官能性付与剤がポリカーボネートの用途に応じて任意に加えられてもよい。このような材料は、たとえば、熱安定剤、安定補助剤、可塑剤、抗酸化剤、光安定剤、核形成剤、重金属不活性剤、難燃剤、潤滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、顔料等である。
さらに、用途に応じて、本発明の方法により得られたポリカーボネートは、任意に種々の有機または無機顔料、フィラー、ファイバー等と調合されてよい。フィラーの例は、炭素、タルク、モンモリロナイト、ハイドロタルサイトである。ファイバーの例は、種々の合成ファイバー、ガラスファイバー、クオーツファイバーまたはカーボンファイバー、さらには、ケナフ等の天然ファイバーである。
分解性により、本発明の方法で得られたポリカーボネートは、グリーンハウスフィルム、マルチフィルム等を含む農業用資材のためのフィルムおよびシート、食品包装、一般包装、堆肥袋等を含む用途の包装用フィルムおよびシート、テープ等を含む工業用材料、種々の包装容器等および環境汚染の防止が必要な種々の用途の成型品等として用いられることが可能である。
さらに、本発明の方法で得られたポリカーボネートは、バイオベースポリマー、合成樹脂、種々のゴム等(たとえば芳香族ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアクリル樹脂、ABS、ポリウレタン等)に加えてポリ乳酸および脂肪族ポリエステルと混合およびアロイされた後に使用されることが可能である。
本発明の方法で得られたポリカーボネートは、たとえば、コーティング形成(粉末コーティングおよび溶媒または水性系)、コポリマー合成におけるポリオール、建築用樹脂、接着剤、インキ、コンポジット、成形材料、シートおよびつや出し、フィルム、エラストマー、重合系におけるフロー剤としてまたはフィラーとして等、多数の異なるアプリケーションに用いることが可能である。
本発明は、本発明の方法で得られたポリカーボネートで作製される物品にも関する。このような物品は、たとえば建築用樹脂、吹出し成形物品および押出成形物品でありうる。
本発明の方法で得られたポリカーボネートは、粉末コーティング、溶媒または水性コーティング組成物等のコーティングアプリケーションに用いることが可能である。粉末コーティングにおける使用は、十分高いTgおよびOH官能性、良好なフロー、良好なUVおよび加水分解安定性のため、利点がある。また、優れた結果が溶媒または水性系において得られることが可能である。
粉末コーティング組成物は、少なくとも1個の樹脂および少なくとも1個の架橋剤を含む。粉末コーティング組成物とは、ここでおよびこれ以降、粉末として基板に適用するのに適した固体組成物であることを意味している。固体とは、ここでおよびこれ以降、室温、大気圧で固体である化合物を意味している。粉末コーティング組成物のガラス転移温度(Tg)は、30℃であるか、またはそれより高い。好ましくは、Tgは35℃より高く、より好ましくは45℃より高い。Tgは、10℃/分の加熱速度で、示差走査熱量測定(DSC)により決定される。
粉末コーティング内に存在する架橋剤は特に決定的に重要なものではない。架橋剤の特性は樹脂の官能基の特性によって決定される。架橋剤の官能基は、樹脂中の官能基と反応することができなければならない。架橋剤の例は、エポキシ樹脂、ポリアミン、イソシアネート、アミノ樹脂、ポリカルボン酸、酸無水物、ポリフェノール、プリミド(R)類似の化合物およびこれら何れかの組み合わせである。樹脂内の官能基の特性によって、架橋剤は樹脂内の官能基と反応するように選択される。少なくとも樹脂および架橋剤を含む組成物が硬化される。硬化プロセスは、コーティングの当業者にはよく知られている。硬化プロセスの例は、熱硬化および、たとえばUVまたは電子ビーム硬化等の電磁放射線による硬化である。官能基の特性によって、2種(2重硬化)またはそれより多い硬化プロセスを用いることも可能である。
顔料または染料が、粉末コーティング組成物内に存在してよい。顔料は、無機物または有機物の特性を有しうる。顔料とは、ここでおよびこれ以降、バインダ中で実質的に不溶性である粒子からなる物質を意味し、着色剤(DIN55943)として用いられる。着色剤は、色を持たせる物質である。バインダとは、樹脂と架橋剤の組み合わせを意味する。本発明に従うコーティング組成物および粉末コーティング組成物における使用に適切な顔料は、たとえば白顔料、着色顔料、黒顔料、特殊効果顔料および蛍光顔料である。一般的に顔料は、コーティング組成物内に存在することが可能であり、より具体的には粉末コーティング組成物内に1〜50w/w%の量で存在しうる。
さらに、たとえばフローコントロール剤、触媒、フィラー、光安定剤、バイオサイドおよび脱気剤等の他の成分が粉末コーティングに加えられうる。
特性は、たとえば135℃〜250℃の温度で、たとえば1〜15分の硬化時間後に達成されてよい。
好ましくは、ヒドロキシル基と反応することが可能な架橋剤の基は、イソシアネート基である。架橋剤のイソシアネート官能性は、好ましくは2と等しいかそれより大きく、より好ましくは2〜6である。
イソシアネートユニットを有し6個より多い原子を有する脂肪族鎖を有する架橋剤の原子はたとえば、炭素原子、窒素原子、硫黄原子、酸素原子および/またはリン原子である。好ましくは、原子は炭素原子である。架橋剤のイソシアネート基間の脂肪族鎖内の炭素原子の数は、好ましくは6より大きく、たとえば30よりも小さくてよい。好ましくは、炭素原子の数は8またはそれより大きく、さらに好ましくは、9またはそれより大きい。
好ましくは、架橋剤は、ブロック化された架橋剤である。なぜなら、架橋剤中のイソシアネートは、室温での架橋反応を避けるためおよびコーティングの良い保存性をもたらすため、保護されなければならないからである。適切なブロッキング剤は、たとえば、カプロラクタム、イミダゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール、ピラゾール、アセトキシオキシム等のオキシム、エチルアセトアセテート、ヒドロキシルアミン、イミド、N-ヒドロキシルイミド、フェノール、シクロヘキサノールおよびマロン酸エステルからなる群から選択されてよい。
適切な架橋剤は、たとえば、カプロラクタムでブロックされたジイソシアネートおよびトリイソシアネート、たとえば、1,12-ジイソシアネートドデカン、1,8-ジイソシアネートドオクタン、1,8-ジイソシアネート(4-イソシアネートメチル)オクタン、1,9-ジイソシアネートノナン、1,10-ジイソシアネートデカン、1,11-ジイソシアネート-ウンデカントリスイソシアネート、1,11-ジイソシアネート(3,6,9-トリオキシ)ウンデカンおよび/またはトリイソシアネートである。
前述した通り、本発明の方法で得られたポリカーボネートは、水性系または溶媒系に適用されることも可能である。このような系は、たとえば、本発明のOH官能性ポリカーボネート、ポリオール樹脂(たとえば、ポリアクリレート、ポリエステルまたはポリウレタン樹脂)および架橋剤としての有機ポリイソシアネート等を含みうる。ポリアクリレートは、たとえば不飽和モノマーの組成物を部分的に不飽和のヒドロキシル官能性ポリエステル樹脂にグラフティングすることにより得られる樹脂である。有機ポリイソシアネートは、疎水性多官能性であり好ましくはフリーであるポリイソシアネートであって、2個より多い、好ましくは2.5〜5個の平均NCO官能性を有するポリイソシアネートを含み、(シクロ)脂肪族、アラリファチック(araliphatic)または芳香族の性質を持っていてよい。
好ましくは、当該ポリイソシアネートは、22℃において、0.1〜5Pa.sの粘度を有する。当該ポリシアネートは、ビウレット、ウレタン、ウレトジオン(uretdione)およびイソシアヌレート誘導体を含んでよい。ポリイソシアネートの例は、1,6-ヘキサンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン-ジイソシアネート、1,4-ジイソシアネートブタン、1,5-ジイソシアネート-2,2-ジメチルペンタン、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアネートヘキサン、1,10-ジイソシアネートデカン、4,4-ジイソシアネート-シクロヘキサン、2,4-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、2,6-ヘキサヒドロトルエンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、1-イソシアネート-3-(イソシアネートメチル)-1-メチルシクロヘキサン、m-α,α-α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,8-ジイソシアネート-4-(イソシアネートメチル)オクタン、イソホロンジイソシアネートまたはビス(イソシアネートシクロヘキシル)メタン、およびこれらの上述の誘導体および混合物を含む。通常、これらの生成物は大気温度で液体であり、広く市販されている。
好ましくは、1,6-ヘキサンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートの環状三量体(イソシアヌレート)である。通常これらの化合物は、それらの少量の高級同族体を含む。また、イソシアネート付加物が用いられてよい。上記のものの例は、1モルのトリメチロールプロパンへの3モルのトルエンジイソシアネートの付加物、1モルのトリメチロールプロパンへの3モルのm-α,α-α’,α’-テトラメチルキシレンジイソシアネートの付加物である。任意に、親水性ポリイソシアネートは部分的に疎水性ポリイソシアネートに置換されてよい。このような親水性ポリシアネートは、上述のC1〜C4アルコキシポリアルキレンオキシド基等の非イオン基で置換されたポリイソシアネート化合物であってよい。好ましくは、1〜30重量%の非イオン基が、さらに好ましくは2〜20重量%、最も好ましくは5〜15重量%の非イオン基が、すべての固体ポリイソシアネート化合物に存在している、すなわち、有機、疎水性および親水性ポリイソシアネートに存在している。1,6-ヘキサンジイソシアネートのイソシアヌレートおよびメトキシポリエチレングリコールで置換されたイソホロンジイソシアネートが好ましい。
水性組成物は、水溶性の一価または(好ましくは)多価アルコール等の反応性希釈剤を含んでもよい。一価アルコールの例は、ヘキシルグリコール、ブチオキシ-エタノール、1-メトキシ-プロパノール-2、1-エトキシ-プロパノール-2、1-プロポキシプロパノール-2、1-ブトキシ-プロパノール-2、2-メトキシブタノール、1-イソブトキシ-プロパノール-2、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-ブタノール、ペンタノール、ヘクサノール、ベンジルアルコール、およびそれらの混合物を含む。多価アルコールの例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ポリエチレンオキシドグリコールまたはポリプロピレンオキシドグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、グリセロールおよびそれらの混合物を含む。
本発明の方法で得られるポリカーボネートを含む水性組成物は、基本的に水からなる溶媒/分散剤を含み、水性組成物である。しかしながら、組成物の液体内容物の約20重量%は、有機溶媒であってよい。適切な有機溶媒として、ジメチルジプロピレングリコール、ジアセトンアルコールのメチルエーテル、エチルアセテート、ブチルアセテート、エチルグリコールアセテート、ブチルグリコールアセテート、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、ブチルプロピオネート、エトキシエチルプロリオネート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、エチルアミルケトン、ジオキソラン、N-メチル-2-ピロリドン、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチロラクトン、カプロラクトンおよびそれらの混合物が挙げられてよい。
本発明の方法で得られるポリマーは、たとえば、自動車および他の乗り物へのコーティングまたはペイントに、建築用樹脂に、反応性フィラーとして、共重合の構成要素として、エンジニアリングプラスチックの混合物に使用されて良く、画像分野、エレクトロニクス(たとえばホトレジスト)、エンジニアリングプラスチック、接着剤およびシーリング剤にも使用されてよい。
本発明は以下の限定されない例および比較実験によって説明される。

材料:
使用前に、シクロヘキセンオキシド(98%)(CHO, Acros)をCaH2上で蒸留した。使用前に、エタノール(Biosolve)を分子ふるい上で乾燥し、ガス抜きした。
使用前に、(+)-リモネンオキシド(LO,97%、シスおよびトランスの混合物、Aldrich)をCaH2上で蒸留した。使用前に、トルエン(Merck)をGrubbs型乾燥カラム内のアルミナ上で乾燥し、分子ふるいに保管した。市販の二酸化炭素(純度>99.9993%,Hoek Loos)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP, Aldrich)、イソイジド(99.8%,Roquette Freres)、1,4-ベンゼンジメタノール(Aldrich)をすべて入手のまま使用した。触媒1〜4を文献(1)〜(3)に従って合成した。
(1)C.T. Cohen, C.M. Thomas, K.L. Peretti, E.B. LobkovskyおよびG.W. Coates, Dalton Trans., 2005, 237-249
(2)M. Cheng, D.R. Moore, J.J. Reczek, B.M. Chamberlain, E.B. LobkovskyおよびG.W. Coates, J. Am. Chem. Soc., 2001, 123, 8738-8749
(3)D.J. Darensbourg, R.M. Mackiewicz, J.L. Rodgers, C.C. Fang, D.R. BillodeauxおよびJ.H. Reibenspies, Inorg. Chem., 2004, 43, 6024-6034
実験1:
グローブ・ボックス内で、触媒1(23.13mg,0.0395mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)をガラスインサート中に充填し、これをオートクレーブに入れた。オートクレーブをCO250バールに加圧し、40℃で予熱したアルミニウムの加熱ブロック中においた。反応混合物を磁気攪拌機を用いて撹拌した。22時間後、オートクレーブを室温に冷却し、圧力を抜くことにより、反応を終了した。
例2:
グローブ・ボックス内で、触媒1(23.09mg,0.0395mmol)、CTA5(57.58mg,0.395mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)をガラスインサート中に充填し、これをオートクレーブに入れた。オートクレーブをCO250バールに加圧し、40℃で予熱したアルミニウムの加熱ブロック中においた。反応混合物を磁気攪拌機を用いて撹拌した。22時間後、オートクレーブを室温に冷却し、圧力を抜くことにより、反応を終了した。
実験3:
実験3を、触媒1(23.21mg,0.397mmol)、CTA6(23mL,0.39mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
例4:
例4を、触媒1(23.20mg,0.396mmol)、CTA7(54.62mg,0.395mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
実験5:
実験5を、触媒2(18.66mg,0.395mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
例6:
例6を、触媒2(18.70mg,0.396mmol)、CTA5(115.55mg,1.064mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
実験7:
実験7を、触媒2(18.61mg,0.394mmol)、CTA6(23μL,0.39mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
例8:
例8を、触媒2(18.65mg,0.395mmol)、CTA7(109.24mg,0.791mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
実験9:
実験9を、触媒3(22.86mg,0.395mmol)、DMAP(9.63mg,0.788mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
例10:
例10を、触媒3(22.80mg,0.394mmol)、DMAP(9.60mg,0.786mmol)、CTA5(231.12mg,1.581mmol)およびシクロヘキセンオキシド(4.00mL,39.53mmol)を使用して実験1と同様に実行した。
実験11:
グローブ・ボックス内で、[EtBDI]ZnOEt(34.23mg,0.0725mmol)、リモネンオキシド(3mL,18.1mmol)およびトルエン(1mL)をガラスインサート中に充填し、これをオートクレーブに入れた。オートクレーブをCO26.6バールに加圧し、25℃で予熱したアルミニウムの加熱ブロック中においた。反応混合物を磁気攪拌機を用いて撹拌した。69時間後、オートクレーブを室温に冷却し、圧力を抜くことにより、反応を終了した。
例12:
グローブ・ボックス内で、[EtBDI]ZnOEt(34.20mg,0.0725mmol)、イソイジド(105.9mg,0.725mmol)、リモネンオキシド(3mL,18.1mmol)およびトルエン(1mL)をガラスインサート中に充填し、これをオートクレーブに入れた。オートクレーブをCO26.6バールに加圧し、25℃で予熱したアルミニウムの加熱ブロック中においた。反応混合物を磁気攪拌機を用いて撹拌した。69時間後、オートクレーブを室温に冷却し、圧力を抜くことにより、反応を終了した。
分析:
Waters 510ポンプおよびWaters 410屈折率検出器を備えたWaters GPC装置を用いてSEC分析を実行した(40℃で)。注入を、50μLの注入量を有するWaters WISP712自動注入器により行った。2個のリニアカラム、Mixed C, Polymer Laboratories, 30 cm,40°Cを用いた。テトラヒドロフランを1.0mL/minの流量で溶離剤として用いた。ポリスチレン標準(Polymer Laboratories,M=580g/mol to M=7.1×106g/mol)を用いて検量線を得た。WATERS Millennium32(v3.2 or 4.0)softwareを用いて、データ収集と処理を行った。Applied BiosystemsのVoyager DE-STRによりMALDI-ToF-MS測定を行った。より低い質量範囲にはポリ(エチレンオキシド)標準を、より高い質量範囲にはポリスチレン標準を用いて較正を実行した。質量精度は0.2Daltonより高く、質量分解能は約m/z12,000であった。DCTB(トランス-2-[3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-プロペニルイデン]マロノニトリル)をマトリックスとして用いた。カリウムトリフルオロアセテート(Aldrich,>99%)をカチオン化剤として用いた。マトリックスの溶液(40mg/ml)、カリウムトリフルオロアセテート(5mg/mL)およびTHF中のポリエステルサンプル(1mg/mL)を5:1:5の比率で予混合した。混合物を次に目標にハンドスポットし(hand-spotted)、乾燥させた。スペクトルを正極で反射モードで記録した。MALDI-ToF-MSを用いて末端決定を行ったが、定性のみであった。
Figure 2011518250
CTAs
5:イソイジド
6:EtOH
7:1,4-ベンゼンジメタノール
触媒(cat):
1:[サレン]CoCl
Figure 2011518250
2:EtBDIZnOEt
Figure 2011518250
3:[サレン]CrCl+DMAP(共触媒([cocat]:[cat]=2]))
Figure 2011518250

Claims (11)

  1. オキシランおよびCO2からポリカーボネートを作製するための方法であって、重合は二官能性連鎖移動剤の存在下で単一ステップで実行されることを特徴とする方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記連鎖移動剤は、アルコール、カルボン酸またはエステル、チオール、アミン、および、-POHまたは-PH基を有する化合物から選択される、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記連鎖移動剤は、脂肪族ジオール、エーテルジオール、芳香族ジオールまたはポリオールから選択される、方法。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法であって、前記連鎖移動剤は、イソソルビド、イソマンニドまたはイソイジドから選択される二環式エーテルジオールである、方法。
  5. 請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法であって、前記連鎖移動剤は、少なくとも1つのジオールと、3〜6のOH基を有する少なくとも1つのポリオールとを含む混合物である、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、前記ジオール対前記ポリオール(3‐6)の重量比は4〜50である、方法。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の方法であって、前記オキシランは脂肪族または芳香族オキシランから選択される、方法。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の方法であって、前記ポリカーボネートはOH官能性である、方法。
  9. 請求項8に記載の方法であって、前記ポリカーボネートは、ヒドロキシル基0.3〜2mmol/ポリマー1gを有する、方法。
  10. 請求項1乃至9の何れか一項に記載の方法により得られるポリカーボネートを含むコーティング組成物。
  11. 粉末コーティング、溶媒性コーティングまたは水性コーティングである、請求項10に記載のコーティング組成物。
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