JP2011511060A - 植物材料の保存 - Google Patents

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Abstract

本発明は、切花を含む植物材料を保存及び/又は染色するための方法に関する。本発明によれば、処理した植物材料は、新鮮な植物材料の色及び質感を有し、カール又は歪みが実質的に存在しない。前記方法は、植物材料の強度に悪影響を与えずに、花及び他の植物材料から保護ワックスコーティングを実質的に除去する第一工程;前記植物材料から過剰な色を除去する穏やかな酸化脱色を含む第二工程;任意の残存する酸化脱色剤を中和して、色を安定化する穏やかな還元脱色を含む第三工程;前記植物材料の保存及び染色を同時に実施する第四工程;並びに保存及び染色した材料をすすぎ及び乾燥することを含む、最終工程である第五工程を含む、5つの工程を含んでよい。当該方法は、その後に、第二の保存及び染色工程並びにすすぎ及び乾燥工程を実施してよい。次いで、製品に再びワックスを適用して、保存することができる。

Description

本発明は、切花を含む植物材料の保存及び/又は染色のための方法に関する。特に、本発明は、植物材料を脱色工程に供して色を除き、好ましくは、その後に前記植物材料を保存及び染色して、任意にワックスを再配置する前に、前記植物材料から保護ワックスコーティングを実質的に除去する工程を含む方法に関する。
染色工程を含む又は含まなくてよい、化学処理による切花の保存はよく知られており、長期に亘って実施されており、例えば、WO 91/03160(米国特許第5,252,537号)、米国特許第6,365,548号、及び他の文献に開示されている。しかしながら、教示されている方法論のすべてには、大量の材料を処理する必要があり、かつ、一定の品質の製品が所望される商業スケールにおける実施を試みる際に、幾つかの課題がある。その様な課題の例には、花及び葉のしぼみ、染色工程の間の不均一な着色、保存剤の不均一な取り込み(過度に湿潤又は乾燥した材料)などを含む。
従来技術として開示されている処理方法では、植物材料の細胞構造中の水の一部が除去されて、保湿剤として作用する化学物質、例えば、とりわけグリセロール及びポリエチレングリコールなどの化学物質に置換される。通常は、新しい切り取った植物材料の茎を希釈した保湿剤水溶液に浸し、数時間又は数日間に亘って通常の植物のプロセスによって保湿剤を植物材料に吸収させることによって処理されている植物に、保湿剤が吸収される。あるタイプの植物材料、例えば、硬い花頭などについては、植物材料全体を溶液に浸すことによって、保存時間が低減する可能性がある。代替的に、前記溶液中の水の全て又は一部が、低沸点溶媒、例えば、エタノールに置き換えられて、葉から蒸発する速度を増大させることにより、必要とされる処理時間を短縮してよい。しかしながら、その様な溶媒の過剰な使用は、セルロースに悪影響を及ぼす。その様な方法は制御することが困難であり、品質に乏しい、しぼんだ製品をもたらすことが多い。
保湿剤に加えて、前記溶液は、必要に応じて染料を含有してよい。染料が処理溶液に含まれる際は、最終的な製品の品質が変化することが多く(不均一な着色及び「生きているよう」ではない)、色が経時的にあせることが多い。これらの欠点の一部を克服するために、植物材料を1つ又は複数の脱色プロトコルに供して、その後に保存及び/又は染色してよい。脱色プロトコルは、例えば、次亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、二酸化塩素、過酸化水素などの酸化脱色剤並びに/又は例えば二酸化硫黄、重硫酸塩などを使用する還元脱色剤を使用する1つ又は複数の脱色工程を含んでよい。保存及び染色の前に脱色工程を含める際に生じる問題は、植物のセルロースに対する脱色剤の攻撃による植物材料の弱体化、葉及び花弁のしぼみなどを含む。
WO 91/03160 米国特許第5,252,537号 米国特許6,365,548号
植物材料の保存及び/又は染色の既知の技術を改善する必要がある。
本発明の第一の態様によれば、
− 植物材料から天然のワックス物質の大部分を除去する工程;及び
− 前記植物材料に脱色剤及び/又は保存剤を受けさせる工程
を含む、植物材料の保存及び/又は染色のための方法が提供される。
従来技術として開示されているような、植物材料、例えば、切花の保存方法を改善する試みにおいて、本発明者は、適切な溶媒を使用して保存及び/又は乾燥する植物材料上の保護ワックスコーティングを実質的に除去することによって、従来技術に教示されている脱水、保存、及び染色工程の欠点が除かれることを教示する。
用語「大部分」は、少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、さらに好ましくは少なくとも80重量%、とりわけ好ましくは少なくとも90重量%、最も好ましくは少なくとも95重量%を意味するものと定義する。
本発明の方法は、好ましくは、植物材料に脱色及び/若しくは保存剤に受けさせ、並びに/又は植物材料の乾燥及び/若しくは保存工程に供した後に、植物材料をすすぐ工程をさらに含む。
好ましくは、前記植物材料は、穏やかな酸化脱色であってよい酸化脱色に供する(0.5質量%から7質量%の間)。(用語「質量%」は混合物中の質量割合を示す。)
前記植物材料は、穏やかな還元脱色であってよい還元脱色に供してよい(0.5質量%から5質量%の間)。
前記植物材料は、好ましくは、酸化脱色剤及び還元脱色剤の双方に曝露され、より好ましくは、前記植物材料は保存剤にも曝露される。
前記植物材料は、花、茎、芽、葉、及び枝葉から選択されてよい。
本発明の当該態様に係る方法は、植物材料に脱色及び/又は保存剤を受けさせる前に、植物材料を水和溶液に浸す工程も含んでよい。前記水和溶液は、好ましくは、養分の水溶液及び湿潤剤を含む。
養分は、グルコース、スクロース、及びデキストロースから選択される糖からなってよい。前記水和溶液中の養分の量は、好ましくは、少なくとも約0.5質量%である。前記水和溶液中の養分の量は、好ましくは、約10質量%以下である。
湿潤剤は、好ましくは、非イオン性湿潤剤であり、水和溶液中の非イオン性湿潤剤の量は、好ましくは、少なくとも約0.001質量%である。前記水和溶液中の非イオン性湿潤剤の量は、好ましくは、約0.1質量%以下である。
好ましくは、前記植物材料から天然のワックス物質を除去する工程は、イソパラフィン系溶媒及び溶媒混合物、石油エーテル、並びにC−C16カルボン酸のエステルから選択されてよい脱ワックス溶媒を用いて実施してよい。
前記脱ワックス溶媒の温度は、好ましくは、少なくとも約10℃である。前記脱ワックス溶媒の温度は、好ましくは、約80℃以下である。
前記酸化脱色剤は、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素、及びそれらの誘導体から選択されてよい。
混合物中の前記酸化脱色剤の濃度は、好ましくは、少なくとも約0.5質量%である。前記酸化脱色剤の濃度は、好ましくは、約7.0質量%以下である。
前記酸化脱色剤のpHは(混合物中にある際に)、好ましくは、少なくとも約1である。前記酸化脱色剤のpHは(混合物中にある際に)、好ましくは、約10以下である。
前記還元脱色剤のpHは(混合物中にある際に)、好ましくは、少なくとも約4.0である。前記還元脱色剤のpHは(混合物中にある際に)、好ましくは、約7,0以下である。
前記還元脱色剤は、ハイドロサルファイト及び水素化物から選択されてよい。前記ハイドロサルファイトは、ナトリウムハイドロサルファイト及び亜鉛ハイドロサルファイトから選択されてよい。
前記水素化物は、好ましくは、ホウ化水素ナトリウムである。
前記ナトリウムハイドロサルファイトの濃度は、好ましくは、少なくとも約0.5質量%である。前記ナトリウムハイドロサルファイトの濃度は、好ましくは、約5.0質量%以下である。
前記ナトリウムハイドロサルファイトのpHは(混合物中にある際に)、好ましくは、少なくとも約4.0である。前記ナトリウムハイドロサルファイトのpHは(混合物中にある際に)、好ましくは、約7.0以下である。
前記還元脱色剤の温度は、好ましくは、約15℃以下である。前記還元脱色剤の温度は、好ましくは、約65℃以下である。
好ましくは、前記保存剤は、保湿剤成分及び溶媒成分を含む。前記保湿剤成分は、糖、ポリオール、ポリオール−エステル、アミン、及び第四級アンモニウム化合物、並びに強い及び/又は弱い無機及び/又は有機酸の塩から選択されてよい。
前記糖は、ソルビトール、デキストロース、及びスクロースから選択されてよい。前記ポリオールは、グリセロール(グリセリン)及びモノ又はポリグリコールから選択されてよい。前記ポリオール−エステルは、トリアセチン及びグリセリルトリアセテートから選択されてよい。前記アミン及び第四級アンモニウム化合物は、尿素及びラウレス硫酸ナトリウムから選択されてよい。強い及び/又は弱い無機及び/又は有機酸の塩は、塩化カルシウム及び酢酸ナトリウムから選択されてよい。
前記保湿剤成分は、好ましくは、2又はそれ以上のポリオール、糖、及び無機酸の塩を含む。本発明の当該態様の好ましい実施態様では、前記保湿剤成分は、PEG300からPEG1500から選択され、PEG300からPEG1500に含まれてよく、例えば、PEG400、ソルビトール、ポリデキストロース、及び酢酸ナトリウムから選択されてよい。
前記保存剤の濃度は、好ましくは、少なくとも約10質量%である。前記保存剤の濃度は、好ましくは、約90質量%以下である(適切な溶媒溶液中、例えば、水溶液中)。
前記溶媒成分は、水、以下のものを含むアルコール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、石油エーテル、及びイソパラフィンから選択されてよい。
好ましくは、前記溶媒成分は、水、エタノール、及びイソプロピルアルコールを含む混合物である。好ましい実施態様では、前記溶媒成分の比率は、水(約5から15質量%);エタノール(約5から25質量%);及びイソプロピルアルコール(約5から80質量%)の範囲にある。
前記保存剤は、染料、殺菌剤、及び/又は香料物質を含んでもよい。
前記保存剤の温度は、好ましくは、少なくとも約20℃である。前記保存剤の温度は、好ましくは、約100℃以下である。
前記保存剤(溶液)は、好ましくは、取り込み速度を増大させるために、不活性ガスで加圧される。前記不活性ガスが、窒素及び/又は二酸化炭素のいずれかから選択されてよく、前記不活性ガスの圧力は、好ましくは、少なくとも約50.66kPaであり、約202.65kPa以下である。
好ましくは、前記乾燥工程は、例えば、乾燥室に熱気を吹き通すことによる、層流の条件下で実施する。前記乾燥工程の温度は、好ましくは、約30℃から100℃の範囲にある。前記気流の速度は、好ましくは、約0.2から1.5m/sの範囲にある。
本発明の第二の態様によれば、植物材料の天然のワックス物質が実質的に除去されている、保存された植物材料が提供される。
本発明の第三の態様によれば、上述した方法によって調製される保存された植物材料が提供される。
したがって、本発明は、切花を含む植物材料の保存及び/又は乾燥のための方法に関する。本発明によれば、処理した花及び/又は植物材料は、新鮮な植物材料の色及び質感を有し、かつ、細胞損傷及びカール又は歪みが実質的に存在しない。本発明に係る方法は、好ましくは、
・植物材料の強度に悪影響を与えずに、花及び他の植物材料から保護ワックスコーティングを実質的に除去する第一工程;
・穏やかな酸化脱色剤で前記植物材料を処理して、植物材料から過剰な色を除去することを含む第二工程;
・穏やかな還元脱色剤で前記植物材料を処理して、任意の残存する酸化脱色剤を中和し、かつ、色を安定化することを含む第三工程;
・前記植物材料の染色を含むか又は含まないでよい、前記植物材料の保存を含む第四工程;及び
・保存及び染色された前記材料をすすぎ、乾燥することを含む第五工程
の5つの工程を含む。
染色を通常含む、任意の第二の保存工程が第六工程であってよく、その後に、すすぎ、次いでさらに乾燥する工程である第七工程が続く。最終工程は、前記植物材料にワックスを再配置する工程であってよい。
本発明は、天然のワックス物質が植物材料から実質的に除去されている、保存された植物材料も教示する。前記植物材料は、好ましくは、本発明に係る方法によって保存される。
先行技術として各種の溶媒を使用する脱水工程が教示されているが、本発明は、当該脱水工程が植物材料(組織及び細胞)に構造的な損傷を与える溶媒の過剰な使用をもたらし、最終製品の品質に影響を与えることを教示する。先行技術では、植物組織における脱水及び植物組織中の流体の溶媒との交換、その後に植物組織中の溶媒を保存剤で交換する保存工程を実施するという原理を用いる。
一方、本発明は、「ソフトな」手法をとり、植物組織及び細胞に生じる損傷を軽減するために、溶媒及び他の有害な化学物質の植物組織似対する使用及び適用を可能な限り限定している。脱ワックス工程は、低濃度の酸化溶液を用いた植物組織のより効果的な脱色を可能にし、より短い期間を可能にし、かつ、脱水を必要としない。
別に脱色工程を用いることは、保存用化合物に脱色用化合物を添加することも避ける。この添加は、製造において制御及び管理するのが困難である。また、点火及び爆発するリスクもある。
本発明は、新鮮で生きている材料(花)と同等の外観及び質感を有する最終製品を得る、植物材料、例えば、花の化学的保存及び染色のための顕著に改善された方法に関する。本発明の方法は、好ましくは、
a)保存方法のための花及び/又は植物材料を選択及び切断し、花の形状を支持し、かつ、直立した位置に萼を保持するための支持格子又はトレイなどの適切な支持装置に植物材料を集める工程;
b)適切な脱ワックス溶媒に浸すか又はスプレーすることによって、茎、葉、及び/又は花頭及び花弁から天然のワックスを除去することによって、保存及び/又は染色する前記植物材料から保護ワックスコーティングを除去する工程;
c)希釈した酸化脱色剤水溶液に浸すか又はスプレーすることによって、脱ワックスした植物材料を短く穏やかな酸化脱色に供する工程;
d)希釈した還元脱色剤水溶液に浸すか又はスプレーすることによって、脱色した前記植物材料を還元脱色剤に供して、残存する酸化脱色剤を壊し、最終的な染色される材料の色を安定化する工程;
e)最適な染料も含有してよい適切な保存剤に浸すか又はスプレーすることによって、脱色及び安定化した植物材料を保存する工程;
f)保存した前記植物材料をすすいで、植物材料の表面から過剰な染色及び保存溶液を除去する工程;
g)保存した前記植物材料を乾燥及び貯蔵する工程;並びに任意に
h)染色工程を含んでよい第二の保存工程;
i)前記植物材料をすすぐ工程;
j)前記植物材料を乾燥する工程;
k)前記植物材料にワックスを再配置する工程
を含む。
上述の各工程を以下に詳細に説明する。
(a)保存方法のための花及び/又は植物材料を選択及び切断し、格子などの適切な支持装置に植物材料を集める工程
当該工程は、植物の所望の成長段階(花の適切な開花段階)において、健康に見える植物材料を選択及び切断することからなる。新しく切断した植物材料の茎は、植物材料が保存方法で処理される時まで、適切な水和溶液に浸すべきである。適切な水和溶液は、少量の湿潤剤が添加されている、適切な養分の水溶液を含む。
当該技術分野において既知の多数の追加の養分のいずれかが当該処理用組成物において使用されてよいが、本発明の好ましい養分は、グルコース、スクロース、又はデキストロースなどの糖から主になる。前記糖は、花又は他の植物材料が、保存方法を始めるまで新鮮さ及び通常の植物活動を維持するために、花又は他の植物材料によって利用され得る養分の供給源を提供する。好ましい養分は、グルコース及びスクロースの単独及び組み合わせである。
前記水和溶液中の養分の量は、重要でないが、好ましくは、0.5から10質量%、とりわけ、0.5から5質量%の範囲にある。
前記水和溶液が、特に植物材料を水和溶液から取り出す処理期間の間に、流体を運ぶ管及び組織を柔らかい及び硬い状態に維持するために、少量の湿潤剤、好ましくは非イオン性湿潤剤を含有することも好ましい。当該技術分野で既知の任意の市販の非イオン性湿潤剤を使用してよい。湿潤剤の量は、流体を運ぶ管及び組織の機能を維持するのに有効であるが、保存溶液の吸収及び保持を妨げるほど多くないようにするべきである。湿潤剤の量は、好ましくは、0.001から0.1質量%、とりわけ、0.001から0.03質量%の範囲にあるべきである。
前記植物材料は、茎に付いている花などの全体又はより小さな部分に分けて処理されてよい。いずれの場合においても、前記植物材料は、保存方法全体にわたって植物材料の歪みを妨げるか又は最小にするように、適切な支持フレームに支持されるべきである。当業者は、広範な材料から作製される多数の形態の支持用器具が、支持フレームとして使用できると解するであろう。しかしながら、支持フレームが、保存方法の間に植物材料と直接接触する金属部品を含まないことが望ましい。
(b)適切な脱ワックス溶媒に浸すか又はスプレーして、茎、葉、及び/又は花弁から天然のワックスを除去することによって、保存及び/又は染色する植物材料から保護ワックスコーティングを除去する工程
当該工程は、支持された植物材料を適切な脱ワックス溶液を含有する液槽に浸すか、又は代替的には支持された植物材料に適切な脱ワックス溶液をスプレーすることによって、保存される植物材料上の天然の保護ワックスを除去することからなる。実際の保存方法の前における、その様な植物材料から保護ワックスコーティングを除去することは、その様な脱ワックス工程を含まない当該技術分野で既知の他の方法を凌ぐ多数の利点を与える。当該利点は、脱色せずに葉及び花弁から大部分の着色物質が除去されること;植物材料の内部のセルロース構造を弱め得る、その後の脱色工程の程度が低減されること;染料の接着に適切に調製された表面が提供されることによって、均一及び均質な色を生じさせること;保存溶液が植物材料に吸収され得る、より大きな領域を提供することを含む。
当該技術分野において既知の多数の溶媒及び溶媒混合物を使用して、植物材料の表面から保護ワックスコーティングが除去されてよいが、本発明のための溶媒は、
・植物材料の表面上の天然のワックスコーティングを除去するのに有効である;
・植物材料の表面から、表面の着色物質を除去するのに有効である;
・極性を有しない;
・毒性を有しない;
・高い引火点を有する;
・低い粘度を有する;
・容易に回収可能である;及び
・環境に害がない
を含む、幾つかの所望の特性を有するべきである。
さらに、前記溶媒の使用は、顕著な程度まで植物材料を弱めるべきではなく、保存方法のその後の工程を妨げるべきでもない。これらの基準に見合い、本発明の目的にとって好ましい溶媒及び溶媒混合物は、イソパラフィン系溶媒及び溶媒混合物、石油エーテル、C2−C16カルボン酸のエステルの単独又は他の溶媒との混合物である。
脱ワックスのために植物材料に溶媒を適用する方法は、重要でなく、例えば、支持された植物材料を溶媒の液槽に浸すこと、又は前記溶媒を支持された植物材料にスプレーすることによって実施されてよい。
当業者は、脱ワックスに使用する時間の長さが、処理する植物材料のタイプ(ある植物は他のものより厚いワックス層を有するため)、処理する植物の部分(例えば、茎又は花頭)、及び溶媒温度を含む幾つかの因子に依存すると解するであろう。より高い溶媒温度を使用する際は、処理時間が低減されてよい。10℃から80℃の範囲の温度が好ましく、とりわけ10℃から60℃の間の温度が好ましい。期間がより短ければ、セルロースに損傷を生じさせるリスクがより小さい。
脱ワックスによって、含浸効率が改善され、かつ、脱水の必要を低減する。脱ワックスは、組織の損傷を生じさせる有害な溶媒の適用及び前記溶媒への曝露も低減する。
(c)希釈した酸化脱色剤水溶液に浸すか又はスプレーすることによって、脱ワックスした植物材料を短く穏やかな酸化脱色に供する工程
当該工程は、酸化脱色の適用による脱ワックスした植物材料の脱色を含む。酸化脱色剤は、着色化合物をより小さな無色の化合物に分解することによって作用する。これらの脱色剤は非常に効果的であるが、リグニンを分解して、弱く柔らかい最終生成物を生じさせることによって、植物材料に構造の損傷を生じさせ得る。かくして、これらの脱色剤は、壊れやすく弱い最終生成物を避けるように、注意して使用する必要がある。
植物材料の脱色を実施する条件が、事前の脱ワックス工程の導入によって顕著に緩和され、それによって、コストが低減され、操作の安全性が改善され、処理時間が低減され、製品の外観が改善されることは、本発明の利点である。
当業者は、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、ホウ化水素ナトリウム、及び過酸化水素(又は過酸化ナトリウムなどの誘導体)を含む幾つかの市販の酸化脱色剤のいずれか1つを使用して、本発明の目的を達成できると解するであろう。しかしながら、好ましい脱色剤は、取扱い及び貯蔵が容易なものであり、適当な条件下において顕著な健康及び安全上のリスクを有さず、環境に対する害を有しない。この目的に特に見合う脱色剤は、過酸化水素及び二酸化塩素溶液を含む。
脱色剤の好ましい濃度及び脱色時間の長さは、脱色する植物材料のタイプ及び必要とする脱色の程度に依存する。かくして、明るい色に実質的に染色する植物材料又は白色になる必要がある植物材料は、より暗い色に実質的に脱色される植物材料よりも、長い脱色期間及び/又は強力な脱色溶液を必要とするであろう。前記脱色剤の好ましい濃度は、0.5から7.0質量%の間、より好ましくは1.0から4.0質量%の間で変化する。一般的には、脱色時間は1分から30分で変化してよい。
当業者は、脱色剤溶液のpHの調節が、効果的かつ費用効率の良い脱色に重要であると理解するであろう。脱色用化合物は、分解して、脱色力を発揮する。植物材料を通じて分解する色素まで分散するため時間を活性化合物に与えるため、遅い速度の分解が望ましい。二酸化塩素溶液で脱色するために、好ましいpH範囲は、1から10のpHの間、好ましくは5.0から9.0のpH範囲である。過酸化水素を用いる脱色に関しては、好ましいpH範囲は、7.5から12.5の間であり、好ましくは8.0から11.0の範囲にある。
当業者は、脱色を実施する温度が脱色プロセスの速度及び効率の双方に影響し得ることも理解するであろう。かくして、使用する脱色剤の種類にかかわらず、脱色温度がより高ければ、脱色速度がより速い。かくして、異なる種類の植物材料を脱色するために選択される温度は、脱色する植物材料の種類及び必要とする脱色の程度の双方を考慮する必要がある。柔らかい植物材料には高すぎる脱色温度は脱色時間の調節を困難にして、植物材料の過剰の脱色及び軟化を生じさせるであろう。しかしながら、低すぎる脱色温度は、脱色の所望の程度を達成するために過剰な脱色時間を必要とする可能性がある。したがって、好ましい温度範囲は、脱色する植物材料の種類、必要とする脱色の程度、及び植物材料を処理するための最適な脱色時間に依存して変化するであろう。典型的には、脱色温度は、約15℃から約65℃の範囲の温度にあろう。
前記植物材料に脱色溶液に適用する方法は、重要でなく、例えば、支持した植物材料を前記脱色溶液の液槽に浸すこと、又は前記脱色溶液を支持した植物材料にスプレーすることによって実施してよい。
(d)希釈した還元脱色剤水溶液に浸すか又はスプレーすることによって、脱色した植物材料を還元脱色剤に供して、残存する酸化脱色剤を壊し、最終的に染色された材料の色を安定化する工程
当該工程の目的は、(a)植物材料に損傷を生じさせることなく、植物材料の脱色の程度を増大させる;(b)酸化脱色工程から持ち越された残存する酸化脱色剤を壊す;及び(c)最終的に保存された植物材料の色の安定性を増大させることである。
還元脱色剤は、着色化合物を分解しないが、それらを化学的に修飾して無色の化合物にする。これらの脱色剤は、植物の構造に与える損傷がより小さいが、独立して使用する際に植物材料の黄化を生じさせ、質の低い保存された製品をもたらし得る。
本発明の方法において使用し得る還元脱色剤の例は、いわゆるハイドロサルファイト(例えば、ナトリウムハイドロサルファイト及び亜鉛ハイドロサルファイト)、及び水素化物(例えば、ホウ化水素ナトリウム)を含む。ナトリウムハイドロサルファイトの使用は、本発明の方法に好ましい。
脱色剤の好ましい濃度及び脱色時間の長さは、脱色する植物材料の種類及び必要とする脱色の程度に依存する。かくして、明るい色に実質的に染色される植物材料、又は白色になる必要がある植物材料は、より暗い色に実質的に脱色される植物材料よりも長い脱色期間及び/又は強力な脱色溶液を必要とするであろう。ナトリウムハイドロサルファイト脱色剤の好ましい濃度は、0.5から5.0%の間、より好ましくは1.0から4.0%の間で変化する。脱色時間は、一般的には、1分から30分で変化してよい。
酸化脱色工程の場合のように、脱色溶液のpHの調節は効果的かつ費用効率良く脱色するために重要である。ナトリウムハイドロサルファイト脱色工程のための好ましいpH範囲は、pH4.0から7.0、好ましくはpH5.0から6.5の範囲である。
ナトリウムハイドロサルファイト脱色工程のための好ましい温度範囲は、酸化脱色工程の場合のように、脱色する植物材料の種類、必要とする脱色の程度、及び植物材料を処理するのに最適な脱色時間に依存して変化してよい。典型的には、脱色温度は、約15℃から約65℃の範囲の温度にあろう。
前記植物材料に脱色溶液を適用する方法は、重要でないが、例えば、支持された植物材料を脱色溶液の液槽に浸すか、又は支持された植物材料に脱色溶液をスプレーすることによって実施してよい。
(e)最適な染料も含有してよい適切な保存溶液に浸すか又はスプレーすることによって、脱色及び安定化した植物材料を保存する工程
本発明の方法の当該工程の目的は、前記植物材料に含有される水の一部を、長期に亘って植物材料をしなやかな状態に維持する適切な保湿剤に置き換えることである。任意に、当該工程は、染料溶液の前記保存溶液への添加も含み、一定の色を有する色彩を有する最終製品を提供してよい。
保湿剤の種類の選択が、外観、質感、及び耐久性における最終製品の品質を主に決めるので、適切な保湿剤の選択が植物材料の保存方法には重要であることを、当業者は理解するであろう。適切な保湿剤の望ましい特徴の一部は、以下のものである:
・非毒性でなければならない;
・広範な相対湿度条件にわたる十分な水分保持能力を有しなければならない;
・高い湿度条件下において「にじみ」を生じさせてはならない;
・最終的な保存された植物材料製品の過剰な変色を生じさせず、又は染色した植物材料をしおれさせてはならない;
・十分に長期間に亘って植物材料の構造内に保持されなければならない;
・植物材料によって容易に吸収されなければならない;及び
・費用効率が良くなくてはならない。
植物材料の保存に使用される既知の保湿剤のいずれも、個々に、上述の所望の特徴の全てを満たさない。これを克服する1つの方法は、これらの要件の多くを満たす2種以上の異なる保湿剤の組み合わせを使用することである。組み合わせて使用する際に、保湿剤の相対的な割合は、特に所望する特徴を満たすように注意深く選択することが重要である。
本発明の方法で使用するのに適切な保湿剤は、単独又は組み合わせであっても、以下:糖(例えば、ソルビトール、デキストロース、スクロースなど);ポリオール(例えば、グリセロール(グリセリン)、モノ又はポリグリコールなど)、ポリオール−エステル(例えば、トリアセチン、グリセリルトリアセチンなど);アミン及び第四級アンモニウム化合物(例えば、尿素、ラウレス硫酸ナトリウムなど)、並びに強い及び弱い無機及び有機酸の塩(例えば、塩化カルシウム、酢酸ナトリウムなど)の種類の化合物を含む。本発明の目的のためには、ポリオール、糖、有機酸の塩を含む保湿剤の二種以上を含む保湿剤の混合物を使用することが好ましい。好ましい保湿剤の例は、PEG300、PEG400、及びPEG1500まで、ソルビトール、ポリデキストロース、酢酸ナトリウムなどを含む。
保存された植物材料の長期の柔軟性は、植物材料に吸収される保湿剤の種類及び量に大きく依存する。一般的には、その目的は、約15%超の植物材料の水分含有量を維持して柔軟性を確実にすることである。したがって、吸収される保湿剤の量は、植物内の水分の少なくとも最小量を維持することを可能にするべきものである。この目的は、植物材料に保湿剤溶液を吸収させ、次いで、植物材料から過剰な溶媒が蒸発することを可能にするために達成されてよい。保湿剤溶液の濃度が、10から90質量%、好ましくは1から80質量%にあるべきである。より少ない溶媒を使用すると、細胞損傷のリスクがより少ない。この工程の期間は典型的には4から48時間であってよい。
植物材料に保湿剤混合物を輸送するために適切な溶媒は、水、アルコール、例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノール、石油エーテル、及びイソパラフィンを含む。本発明の好ましい実施態様としては、水、エタノール、及びイソプロピルアルコールを含有する混合物が保湿剤溶液のための溶媒として使用される。溶媒成分の好ましい割合は、水5から15質量%、エタノール5から25質量%、及びイソプロピルアルコール5から80質量%の範囲にあるべきである。
保湿剤成分及び溶媒成分とは別に、保存剤溶液は、保存される植物材料に所望の特性を与える他の添加剤を任意に含有してよい。その様な添加剤は、例えば、所望の色を与える染料、シロカビの成長を妨げる殺菌剤、及び所望の香りを与える香料物質を含んでよい。添加剤の種類は制限されず、例えば、染料は、食品タイプの染料、花染料、及び織物染料などのいずれかであってよい。
植物材料に保存溶液を吸収させるために使用する方法も制限されず、例えば、保存する植物材料全体を保存溶液に浸すこと又は保存する植物材料の茎を保存溶液の溶液中で立たせることを含む。
植物材料に十分な保存剤溶液を吸収させて、長期間に亘ってしなやかな状態に維持するために必要な時間の長さは、保存する植物材料の種類、保存剤溶液の取り込みに使用する方法、及び保存方法を実施する条件に伴って変化するであろう。かくして、より柔らかい植物材料並びに花及び葉などの大きな枝葉の表面領域を有する植物材料は、硬い又は木質であり、より小さな枝葉の表面領域を有する植物材料よりも短い処理時間を必要とするであろう。加えて、保存溶液の表面下に植物材料を浸すことによる取り込みは、植物材料の茎を保存溶液の溶液中に立たせる茎取り込み方法と比較して、より短い処理時間を必要とするであろう。
加えて、保存方法を実施する条件は、保存溶液の十分な取り込みに必要とされる時間にも影響を与えるであろう。かくして、環境温度を超える保存溶液は、環境温度にある保存溶液と比較して、取り込み時間を低減するであろう。本発明の目的のためには、保存溶液の温度は室温より高い温度に上昇させることが好ましい。好ましい保存溶液温度は、25から100℃、好ましくは25から85℃である。
同様に、前記植物材料を含有する保存溶液は、保存溶液の取り込み速度を増大させる適切な不活性ガスで加圧されてもよい。本発明による圧縮に使用されてよい適切な不活性ガスは、窒素及び二酸化炭素を含む。好ましい圧力は、0.5から2.0atmの圧力の間で変化する。
(f)保存された植物材料をすすいで、植物材料の表面から染料及び保存溶液を除去する工程
保存方法の当該工程の目的は、過剰な保存溶液及び前記保存溶液に含有されている他の添加剤を、保存される植物材料の外側表面から除去することである。この目的は、任意の保湿剤及び他の添加剤を含有しない溶媒で保存される植物材料をすすぐことによって達成されてよい。保存溶液の製造で上述したものと同じ溶液が、本発明の方法の当該部分に好ましい。
すすぎ方法は制限されないが、例えば、すすぎ溶液の液槽に浸すか又は保存される植物材料にすすぎ溶液をスプレーすることによって実施されてよい。
(g)保存される植物材料の乾燥及び貯蔵工程
本発明の当該部分の目的は、植物の外側表面及び植物の内部構造から過剰な溶媒を除去することである。加えて、染料が保存工程の間に保存される植物材料に対して使用される場合には、乾燥工程は染料を固定するためにも役に立つ。
乾燥工程の温度は、溶媒を除去するために十分であるべきであるが、これらの表面から保湿剤を除去するべきでない。好ましい温度は、30℃から約100℃の間、とりわけ40℃から90℃の間にある。
植物表面からの溶媒の除去を補助するために、乾燥工程を、例えば乾燥室に熱気を吹き込むことによって、層流条件下で実施することが好ましい。気流の速度は重要でないが、好ましくは、0.2から1.5m/sの範囲にあるべきである。
乾燥時間は、植物表面から溶媒の大部分を除去するのに十分であるべきであり、典型的には、30分から12時間の間であり、乾燥する植物材料の種類及び使用する乾燥温度に依存する。
残りの任意の工程を以下に説明する。
h)前記植物材料は、次いで、染料を添加してよい上述の第二の保存工程に供してよい。当該保存工程は、典型的には、第一の保存工程において適用したものよりも高濃度の保湿剤を有するであろう。
i)前記植物材料は、次いで、上述の第二のすすぎに供してよい。
j)前記植物材料は、次いで、乾燥してよい。
k)前記植物材料は、次いで、ワックスを再配置する工程に供してよい。
l)処理した植物材料を、次いで、上述のように貯蔵してよい。温度及び湿度は、好ましくは、植物材料に対する損傷を裂けるように保存中に調節及び管理される必要がある。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を説明するために役立つものであり、いずれの態様においても本発明の範囲及び用途を限定すると解されるべきでない。
(実施例1)天然ワックスを除去するための溶媒の試験
植物材料からワックスを除去するために使用する最良の溶媒を決定するために、新しく切り取った花頭を、剣山の上に置いて、ヘキサン、トルエン、石油エーテル、イソパラフィンなどの各種の溶媒を含有する液槽に3分間にわたって室温で浸した。次いで、花頭を絞らずに干して、その後に次亜塩素酸ナトリウム脱色剤の液槽中における短期間の脱色に供した(室温、3分間)。そのように得られた脱色した花を、脱ワックス工程を除いた以外は全く同じ脱色工程に供した花と比較した。いずれの場合においても、脱ワックスの後に達成される脱色の程度は、脱ワックスがない場合よりも顕著に高い。しかしながら、ヘキサン及びトルエンなどの幾つかの溶媒は、もろい花弁及び/又はしぼんだ花弁を生じさせるが、石油エーテル及びイソパラフィン溶媒は、しぼんでいないしなやかな花弁をもたらす。
(実施例2)脱色剤の試験
新しく切り取った花を剣山の上に置いて、イソパラフィンを含有する液槽に三分間にわたって浸し、その後に絞らずに乾燥させた。ワックスを除いた切花を、次いで、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、ホウ化水素ナトリウム、及び過酸化水素を含む各種の異なる酸化脱色剤を含有する液槽に浸した。pHは、異なる脱色剤の各々に関して個別に調節した。次いで、花頭を絞らずに乾燥させ、その後にナトリウムメタバイサルファイト媒体の還元脱色剤を含有する液槽に入れた。脱色時間は、一般的に1から3分の間で変化してよい。得られた結果は、全ての酸化脱色剤は本質的に同じ程度の脱色を与えるが、二酸化塩素及び過酸化水素は、「より強い」、よりシルクのような感触の製品である花をもたらすことを示した。
(実施例3)保存溶液の試験
新しく切り取った花を剣山の上に置いて、上記実施例2に記載のように処理した。そのようにして得られた脱色された花頭を、水(0から20%)及び保湿剤(ポリエチレングリコール200、300、400、600、1,4−ブタンジオール、又は1,3−ブタンジオール)、界面活性剤(Teepol)、並びに1つ又は複数の塩(NaCl、CaCl、NAOAcなど)を添加したアルコール(エタノール、n−プロパノール、又はイソプロパノール)を含有する各種の保存剤混合物中に入れた。加えて、好ましい際には、各種の染料混合物も保存剤液槽の溶液に添加した。例えば、
混合物A:
着色物質:Clarke’s Red(5から10%)
着色物質:Clarke’s Plum(1から3%)
混合物B:
マスターミックス織物染料
着色物質:Textile dye Pink−Red(325から425mL)
着色物質:Textile dye Orange−Red(325から425mL)
着色物質:Textile dye Blue−Red(7.5から12.5mL)
である。
2から8時間の期間にわたって保存した後に、花をイソプロパノールですすぎ、乾燥させた。そのようにして得られた保存された花を、外観及び感触について互いに比較して、保存溶液の最も良好な組み合わせを決定した。

Claims (15)

  1. 植物材料を保存及び/又は染色するための方法であって、
    − 前記植物材料から天然のワックス物質の大部分を除去する工程;及び
    − 前記植物材料に脱色剤及び/又は保存剤を受けさせる工程
    を含む、方法。
  2. 前記植物材料をすすぐ工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記植物材料を乾燥及び/又は貯蔵する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記植物材料に酸化脱色及び/又は還元脱色を受けさせる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記植物材料が、花、茎、芽、葉、枝葉から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記植物材料に脱色剤及び/又は保存剤を受けさせる前に、前記植物材料を水和溶液に浸す工程をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記植物材料から天然のワックス物質を実質的に除去する工程が、脱ワックス溶媒を用いて実施される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記保存剤が、保湿成分及び溶媒成分を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記保湿成分が、糖、ポリオール、ポリオール−エステル、アミン及び第四級アンモニウム化合物、並びに強い及び/又は弱い無機及び/又は有機酸の塩から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記保湿成分が、ポリオール、糖、及び有機酸の塩の二つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記溶媒成分が、水;エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノールを含むアルコール:石油エーテル;及びイソパラフィンから選択される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記保存剤が、染料、殺菌剤、又は香料物質も含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記保存剤の溶液を不活性ガスで加圧して、取り込み速度を増大させる、請求項1に記載の方法。
  14. 植物材料の天然のワックス物質が実質的に除去されている、保存された植物材料。
  15. 請求項1から13のいずれか一項に記載の方法によって調製された、保存された植物材料。
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