JP2011506442A - インスリン分泌性ペプチド結合体の製剤 - Google Patents

インスリン分泌性ペプチド結合体の製剤 Download PDF

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Abstract

インスリン分泌性ペプチド結合体の生物活性の安定性を提供し、それを維持することができる医薬製剤が、本発明で提供される。本発明で提供される医薬製剤には、液体および凍結乾燥製剤、単位用量剤形および多回使用剤形、ならびにそれらの組合せが含まれる。本発明は、インスリン分泌性ペプチド結合体、特にアルブミンとエキセンディン−4またはその誘導体との結合体を含む医薬製剤、およびその投与方法を提供する。本発明は、本明細書に記載の医薬製剤を投与することによって、糖尿病およびインスリン分泌性ペプチド関連の疾患または状態を治療する方法も提供する。

Description

本願は、2007年12月11日に出願された米国仮特許出願第61/007,346号、2008年2月15日に出願された米国仮特許出願第61/029,295号、および2008年12月3日に出願された米国仮特許出願第61/200,879号の利益を主張する。米国仮特許出願第61/007,346号、同第61/029,295号、および同第61/200,879号のそれぞれは、その全体が本明細書中に参考により援用される。
インスリン分泌性ペプチド結合体を含む医薬製剤、およびその投与方法が提供される。本製剤は糖尿病、および他のインスリン分泌性ペプチド関連の疾患の治療で有用である。
世界での全ての年齢層の糖尿病発生率は、2000年に2.8%または171,000,000人であると推定され、2030年には4.4%または366,000,000人になると予測されている。非特許文献1を参照。米国単独では、2005年に糖尿病の発生率は20,800,000人、または米国の人口の約7%と推定された。非特許文献2を参照。糖尿病の全対象の約95%は、II型の疾患を有する。糖尿病は現在、米国で第5の死因であり、心血管疾患、腎不全、失明および下肢切断から生じる過剰な罹患率に関連する。
同様に、肥満は、世界中で人口集団にますます影響を及ぼしている状態である。世界保健機構によると、1995年に、世界で概算200,000,000人の肥満成人がおり、別の18,000,000人の5歳未満の児童が過体重と分類された。2000年現在、肥満成人の数は、300,000,000人以上まで増加していた。非特許文献3を参照。
インスリン分泌性ペプチドは、II型インスリン非依存性糖尿病、ならびに肥満などの関連代謝異常の管理のための、可能性がある治療剤として調査されてきた。近年、アルブミンへのインスリン分泌性ペプチドの結合が、それらの低い毒性および治療上の利点を維持しつつ、インビボでより長い作用時間を提供することができることが示された。例えば、非特許文献4を参照。そのような医薬生成物の製剤は、安定性を提供し、有効性を維持するのに有用であり得る。したがって、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む医薬製剤の必要性が、当技術分野にある。
Wildら、2004年、Diabetes Care27巻(5号):1047〜1053頁 Centers for Disease Control and Prevention、2005年、National Diabetes Fact Sheet: General Information and National Estimates on Diabetes in the United States、2005年 Formigueraら、2004年、Best Practice & Research Clinical Gastroenterology、18巻:6号、1125〜1146頁 Giannoukakis、Curr Opin Investig Drugs.4巻(10号):1245〜9頁(2003年)
インスリン分泌性ペプチド結合体の生物活性の安定性を提供し、それを維持することができる医薬製剤が、ここで提供される。ここで提供される医薬製剤には、液体および凍結乾燥製剤、単位用量剤形および多回使用剤形、ならびにそれらの組合せが含まれる。医薬製剤は、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、動脈内、腹腔内などの非経口経路を通して、または経口経路、局所経路または吸入経路などを通しての投与に適したものであり得る。
一態様では、インスリン分泌性ペプチド結合体、緩衝剤、張性調整剤、安定剤、界面活性剤、および任意選択で防腐剤を含む医薬製剤が本明細書で提供され、前記製剤は約3.0〜8.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約4.0〜8.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約4.0〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約6.0〜8.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約6.0〜9.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約5.0〜7.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約4.5〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約5.0〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約5.1〜6.0、約5.2〜6.0、約5.3〜6.0、約5.4〜6.0、約5.5〜6.0、約5.6〜6.0、約5.7〜6.0または約5.8〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、前記製剤は約3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9または9.0のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は約5.0のpHを有する。別の特定の実施形態では、製剤は約7.0のpHを有する。
インスリン分泌性ペプチドは、当業者に公知である任意のインスリン分泌性ペプチドであってよい。例えば、それは、ホルモンインスリンの合成または発現を刺激すること、またはその刺激を引き起こすことができる、任意のペプチドであってよい。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、グルカゴン様ペプチド1、エキセンディン−3およびエキセンディン−4およびそれらの前駆体、誘導体または断片からなる群から選択される。好ましい実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−4またはその誘導体である。例示的な誘導体は、本明細書に記載されている。
インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミンに結合させることができる。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、ヒト血清アルブミンに結合される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、組換え体ヒト血清アルブミンに結合される。
別の態様では、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度における、エキセンディン−4またはその誘導体へのアルブミンの結合体、緩衝剤、張性調整剤、安定剤、界面活性剤、および任意選択で防腐剤を含む医薬製剤であって、約4〜約8のpHを有する製剤がここで提供される。好ましい実施形態では、エキセンディン−4へのアルブミンの結合体は、エキセンディン−4(1〜39)−Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体である。用語「エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体」は、式
(配列番号35)の化合物をアルブミンに共有結合的に結合することによって作製される結合体を指し、この結果、式
(配列番号34)の結合体が生じ、上式で、Xはアルブミンのシステイン34の硫黄原子である。エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体は、アルブミンのシステイン34側鎖チオールを[2−[2−[2−マレイミドプロピオンアミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合的に連結し、これを今度は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジン、すなわちリジン40のεアミノに共有結合的に連結することによって形成できることを当業者は認識しよう。
一部の実施形態では、医薬製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH6.5〜7.5の5〜30mMリン酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH6.5〜7.5の5〜30mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有する10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含み、前記製剤は、約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。
一部の実施形態では、医薬製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH4.5〜5.5の5〜30mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH4.5〜5.5の5〜30mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含み、前記製剤は、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4または5.5のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわち、ポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわち、ポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわち、ポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。
別の態様では、本発明は、糖尿病、肥満、またはインスリン分泌性ペプチドで治療できる他の疾患または状態、例えば前糖尿病(例えば、耐糖能異常(IGT)もしくは空腹時血糖異常(IFG))、糖尿病、例えばI型糖尿病、II型糖尿病、高齢発症成人性自己免疫性糖尿病としても公知の成人性潜伏型自己免疫性糖尿病(「LADA」)、緩徐発症I型糖尿病、1.5型糖尿病、ステロイド糖尿病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)治療誘発糖尿病、先天性もしくはHIV関連リポジストロフィー(「脂肪再分布症候群」)を有する対象における糖尿病発達、肥満(すなわち、30kg/m以上のBMI)、過体重(すなわち、25kg/m〜30kg/mのBMI)、メタボリックシンドローム(エックス症候群)、神経系障害、手術、インスリン抵抗性、無自覚性低血糖、拘束性肺疾患、胃腸障害、例えば、過敏性腸症候群(IBS)、機能性消化不良、胃腸障害に関連する疼痛、例えばIBSおよび機能性消化不良に関連する疼痛、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、IBDに関連する疼痛、高血糖症、例えば、手術(例えば、主要な外科的処置、例えば、冠状動脈バイパス手術)に関連する高血糖症、例えば、糖尿病、例えばII型糖尿病を有する対象における手術に関連する高血糖症、メタボリックシンドローム、冠状動脈心不全(CHF)、β細胞機能障害に関連する障害、β細胞欠損に関連する障害、β細胞の不十分な数に関連する障害、またはインスリン分泌性ペプチドもしくはインスリン分泌性ペプチド結合体で治療できる他の状態を有する対象を治療する方法であって、インスリン分泌性ペプチド結合体を、例えば本明細書に記載の医薬製剤中で、対象に投与することを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、有効な量のインスリン分泌性ペプチド結合体を、例えば、1つまたは複数の第二の治療薬と一緒に、本明細書に記載の医薬製剤中で、対象に投与することによって、糖尿病、肥満またはインスリン分泌性ペプチドで治療できる他の障害を治療する方法を提供する。一部の実施形態では、第二の治療薬は、抗糖尿病薬である。一部の実施形態では、抗糖尿病薬は経口抗糖尿病薬(OAD)、例えばビグアナイド、例えばメトホルミンである。
本発明は、本発明の医薬製剤および剤形を含むキットも包含する。
25℃で6カ月インキュベートされた製剤のSEC−HPLC経時的純度プロットを表すグラフである。 40℃で3カ月インキュベートされた製剤のSEC−HPLC経時的純度プロットを表すグラフである。 25℃で6カ月インキュベートされた製剤のRP−HPLCペプチド分解物プロットを表すグラフである。 40℃で3カ月インキュベートされた製剤のRP−HPLCペプチド分解物プロットを表すグラフである。 25℃における、酢酸ナトリウム緩衝液含有製剤対リン酸ナトリウム緩衝液含有製剤のSEC−HPLC純度比較を表すグラフである。 25℃における、酢酸ナトリウム緩衝液含有製剤対リン酸ナトリウム緩衝液含有製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を表すグラフである。 25℃で6カ月後における、酢酸ナトリウム緩衝液含有製剤対リン酸ナトリウム緩衝液含有製剤のSDS−PAGE比較を示す図である。 25℃における、様々なpHの製剤のSEC−HPLC純度比較を表すグラフである。 25℃における、様々なpHの製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を表すグラフである。 25℃における、様々な張性調整剤を含むpH5.0製剤のSEC−HPLC純度比較を表すグラフである。 25℃における、様々な張性調整剤を含むpH5.0製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を表すグラフである。 25℃における、様々な安定剤を含むpH6.0製剤のSEC−HPLC純度比較を表すグラフである。 25℃における、様々な安定剤を含むpH6.0製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を表すグラフである。 25℃における、様々な濃度のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含有するpH6ソルビトール製剤のSEC−HPLC純度比較を表すグラフである。 25℃における、様々な濃度のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含有するpH6ソルビトール製剤のRP−HPLC純度比較を表すグラフである。 10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体、pH5.0の酢酸ナトリウム緩衝液、150mM塩化ナトリウムおよび5mMオクタン酸ナトリウムを含有する製剤のSEC−HPLC純度プロットを表すグラフである。 10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体、pH5.0のリン酸ナトリウム緩衝液、150mM塩化ナトリウムおよび5mMオクタン酸ナトリウムを含有する製剤のSEC−HPLC純度プロットを表すグラフである。 10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体、pH5.0の酢酸ナトリウム緩衝液、150mM塩化ナトリウムおよび5mMオクタン酸ナトリウムを含有する製剤のRP−HPLCペプチド分解物プロットを表すグラフである。 10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体、pH5.0のリン酸ナトリウム緩衝液、150mM塩化ナトリウムおよび5mMオクタン酸ナトリウムを含有する製剤のRP−HPLCペプチド分解物プロットを表すグラフである。
5.1 定義
本明細書で用いる場合、以下の用語は、特に明記しない限り以下の意味を有するものとする。
本明細書で用いる場合、「約」は、特に明記しない限り、用語によって修飾される値の上下10%以下である値を指す。例えば、用語「約20mg/ml」は、18mg/ml〜22mg/mlの範囲を意味する。「約」がpH範囲に関して用いられる場合、例えば「約pH5.0」の場合、pH値はその用語によって修飾されるpHの上下0.5以下である。したがって、「約pH5.0」は、pH4.5〜5.5の範囲を意味する。同様に、「約pH7.0」は、pH6.5〜pH7.5の範囲を意味する。
本明細書で用いる場合、「対象」は、それらに限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含む、哺乳動物などの動物を指す。好ましい実施形態では、対象はヒトである。ある実施形態では、対象はヒト以外の動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギまたはウマなどのヒト以外の動物である。対象は雄でも雌でもよい。
本明細書で用いる場合、「インスリン分泌性」は、インスリン分泌活性、すなわち、ホルモンインスリンの合成または発現を刺激するかその刺激を引き起こす能力を有することを意味する。インスリン分泌性ペプチドには、GLP−1、エキセンディン−3、エキセンディン−4、およびGLP−1、エキセンディン−3およびエキセンディン−4およびインスリン分泌活性を有する他のペプチドなどのペプチドの前駆体、誘導体または断片が含まれるが、これらに限定されない。
「グルカゴン様ペプチド−1」(「GLP−1」)および「GLP−1誘導体」は、一般に、高血糖症の間インスリン分泌を刺激し、グルカゴン分泌を抑制し、(プロ)インスリン生合成を刺激し、胃内容排出および酸分泌を減速する腸ホルモンである。一部の実施形態では、グルカゴン様ペプチドは、GLP−1(7〜37)である。一部の実施形態では、グルカゴン様ペプチドは、GLP−1(7〜36)である。一部のGLPおよびGLP誘導体、例えば配列番号3〜15として本明細書に記載されるものは、細胞によるグルコース取込みを促進するが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,574,008号に開示されるように、インスリン発現を刺激しない。
「エキセンディン−3」は、メキシコヒゲトカゲHeloderma horridumの唾液分泌から単離された天然のGLP−1アゴニストであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第5,424,286号に開示されているように、哺乳動物のGLP−1アミノ酸配列と53%の重複部分を共有する。エキセンディン−3のアミノ酸配列は、HSDGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号16)である。
「エキセンディン−4」は、アメリカドクトカゲHeloderma suspectumの唾液腺毒液から単離される天然のGLP−1アゴニストであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,424,286号に開示されているように、哺乳動物のGLP−1アミノ酸配列と53%の重複部分を共有する。エキセンディン−4のアミノ酸配列は、HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号17)である。エキセンディン−4はグルコース依存的にグルカゴンを減少させ、インスリン分泌を増加させ、ヒトGLP−1受容体に結合して活性化することを含む、GLP−1のある作用を模倣する。エキセンディン−4は、第一相インスリン応答の回復、グルカゴン分泌の調節、胃内容排出の遅延、および食物摂取量の減少を通して空腹時および食後のグルコース濃度を低減させることによって、血糖調節を改善する。
「反応基」は、共有結合を形成することができる化学基である。そのような反応性剤を関心のあるインスリン分泌性ペプチドに連結または結合させ、修飾インスリン分泌性ペプチドを形成することができる。反応基は、一般に、エステルまたは混合無水物としてのカルボキシ、ホスホリルまたはアシル基、またはイミダートであることができ、それによって、アルブミン上の標的部位でアミノ基、ヒドロキシまたはチオールなどの官能基と共有結合を形成することができる。ほとんどの場合、エステルは、フェノール化合物を含み、またはチオールエステル、アルキルエステル、リン酸エステルなどとなる。反応基には、スクシンイミジルおよびマレイミド基が含まれる。
「官能基」は、修飾インスリン分泌性ペプチド上の反応基が反応して共有結合を形成することができる、アルブミン上の基である。官能基には、エステル反応性実体に結合するヒドロキシル基;マレイミドおよびマレイミド基、イミダートおよびチオエステル基に結合するチオール基;ならびに反応性実体上のカルボキシ、ホスホリルまたはアシル基に結合するアミノ基が含まれる。
「連結基」は、反応基をインスリン分泌性ペプチドに連結するために用いることができる化学部分である。連結基は、1つまたは複数のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル基など、アルキル基によって置換されたアルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基またはアミノ基、シクロアルキル基、多環式基、アリール基、ポリアリール基、置換されたアリール基、複素環基および置換された複素環基を含むことができる。連結基は、AEA((2−アミノ)エトキシ酢酸)または好ましい連結基AEEA([2−(2−アミノ)エトキシ)]エトキシ酢酸)などのポリエトキシアミノ酸を含むこともできる。
本明細書で用いる場合、「アルブミン」は、その単量体形で、起源の種類によって約65〜67キロダルトンの分子量を有する、血漿中で最も豊富なタンパク質を指す。用語「アルブミン」は、「血清アルブミン」と同義的に用いられ、本発明のインスリン分泌性ペプチドと結合体を形成するアルブミンの源を規定するものではない。したがって、本明細書で用いる場合、用語「アルブミン」は、血液または漿液などの天然の源から精製されるアルブミン、または化学的に合成されるアルブミンもしくは組換え技術によって生成されるアルブミンを指すことができる。本明細書で記載されるインスリン分泌性ペプチド結合体のアルブミンの例示的な形を、下のセクション5.5.5.1で提供する。
「インスリン分泌性ペプチド結合体」は、インスリン分泌性ペプチドとアルブミン上の官能基との間で形成される共有結合を通してアルブミンに結合された、インスリン分泌性ペプチドを含む。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、それにアルブミンが共有結合される反応基を含むように修飾されている。一部の実施形態では、反応基は、連結基を通してインスリン分泌性ペプチドに連結される。
「安定」製剤には、その中のペプチドまたはペプチド結合体が、保存後にその物理的安定性および/または化学的安定性および/または生物活性を実質的に保持する製剤が含まれる。タンパク質安定性を測定するための様々な分析手法が当技術分野で利用可能で、例えば、Lee, V.、1991年、Peptide and Protein Drug Delivery、247〜301頁(Marcel Dekker, Inc.、New York、N.Y.)およびJones, A.1993年、Adv. Drug Delivery Rev.10巻:29〜90頁でレビューされている。安定性は、選択された期間の選択された温度で測定することができる。好ましくは、製剤は、室温(約25℃)または40℃で少なくとも1、2、3、4、5または6カ月間安定であり、および/または約2〜8℃で少なくとも1、2、3、4、5または6カ月間安定である。さらに、特定の実施形態では、製剤は好ましくは冷凍(例えば、−70℃)後に安定である。特定の実施形態では、安定性の基準は以下の通りである:(1)製剤は、視覚分析によって透明のままである;(2)製剤の濃度、pHおよびモル浸透圧は、約±10%以下の変化である;(3)SEC−HPLCによって測定した場合、約10%以下、より好ましくは約5%以下、または最も好ましくは約1%以下の凝集体が形成される;および(4)SDS−PAGEまたはRP−HPLCによって測定した場合、10%以下、より好ましくは約5%以下、または最も好ましくは1%以下のペプチドまたはペプチド結合体が分解する。
本明細書で用いる場合、「安定剤」は、本明細書で定義される「安定」製剤を達成するものである。
ペプチドまたはペプチド結合体は、色および/または清澄度の目視検査により、または紫外線散乱もしくはサイズ排除クロマトグラフィーによって測定した場合に、医薬製剤中でそれが凝集、沈殿および/または変性のいかなる徴候も実質的に示さない場合、「その物理的安定性を保持する」。例えば、ペプチド結合体のペプチドは、医薬製剤でその物理的安定性を保持し、そこでは、ペプチドまたはペプチド結合体の約10%未満、より好ましくは約5%未満、または最も好ましくは約1%未満が製剤中に凝集体として存在する。
ペプチドまたはペプチド結合体は、所与の時間の化学的安定性が、ペプチドが下で定義されるその生物活性を保持するとみなされるようなものである場合、医薬製剤中で「その化学的安定性を保持する」。化学的安定性は、ペプチドの化学的に変化させられた形を検出、定量化することによって評価することができる。化学的変化は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、SDS−PAGEおよび/またはマトリックス支援レーザー脱離イオン化/飛行時間型質量分析(MALDI/TOF MS)を用いて評価することができる、サイズ改変(例えばクリッピング)を含むことができる。他の型の化学的変化には、例えば、イオン交換クロマトグラフィーによって評価することができる電荷変化(例えば、脱アミドの結果として起こる)が含まれる。
ペプチドまたはペプチド結合体は、医薬製剤中のペプチドがその意図する目的のために生物学的に活性である場合、医薬製剤中で「その生物活性を保持する」。例えば、医薬製剤中のペプチドの生物活性が、その医薬製剤が調製されたときに示された生物活性の少なくとも約70%、少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%(アッセイの誤差の範囲内)である場合、生物活性は保持されている。特定のペプチドの生物活性は、当業者に公知であるそのペプチドの生物活性である。例えば、GLP−1の生物活性には、高血糖症の間のインスリン分泌の刺激、グルカゴン分泌の抑制、(プロ)インスリン生合成の刺激、胃内容排出および酸分泌の減速、ならびに血糖レベルの低減が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で用いる場合、「緩衝液」は、pHの変化に抵抗して、その酸塩基結合体成分の作用によって溶液のpH値を許容範囲に維持する緩衝溶液を指す。本発明の緩衝液は、約4〜約8、好ましくは約5〜約7、最も好ましくは約5〜約6の範囲のpHを有する。一部の実施形態では、緩衝液のpHは、約3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0である。この範囲にpHを調節する緩衝液の例には、酢酸(例えば酢酸ナトリウム)、リン酸(例えばリン酸ナトリウム)、コハク酸(例えばコハク酸ナトリウム)、グルコン酸、ヒスチジン、クエン酸および他の有機酸緩衝液が含まれる。
本明細書で用いる場合、「張性調整剤」は、適当な量では、製剤を等張性にする化合物を指し、その例には、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ラクトース、ソルビトール、ショ糖、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、グリシンなどが含まれる。「等張性」は、関心の製剤が、ヒト血液と実質的に同じモル浸透圧濃度を有することを意味する。等張性の製剤は、一般に約250〜350mOsm、好ましくは約250〜約330mOsmのモル浸透圧濃度を有する。モル浸透圧濃度は、例えば、蒸気圧または氷結タイプの浸透圧計を用いて測ることができる。
本明細書で用いる場合、「界面活性剤」は、溶液に溶解した場合、液体と固体との間の界面張力を低減させる化合物を指し、それは、再構成されるタンパク質の凝集を減少させるため、および/または再構成される製剤中での粒子状物質の形成を減少させるために製剤に加えることができる。本明細書で記載の製剤および方法のために有用な界面活性剤の例には、ポリソルベート(例えばポリソルベート20もしくは80);ポロキサマー(例えばポロキサマー188(プルロニックF68));トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;ナトリウムオクチルグリコシド;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−またはステアリル−スルホベタイン;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−またはステアリル−サルコシン;リノレイル−、ミリスチル−またはセチル−ベタイン;ラウロアミドプロピル−、コカミドプロピル−、リノールアミドプロピル−、ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−またはイソステアラミドプロピル−ベタイン(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−またはイソステアラミドプロピル−ジメチルアミン;ナトリウムメチルココイル−または二ナトリウムメチルオレイル−タウレート;ならびにMONAQUAT(商標)シリーズ(Mona Industries, Inc.、Paterson、N.J.)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、およびエチレンおよびプロピレングリコールの共重合体などが含まれる。
本明細書で用いる場合、「防腐剤」は、例えば、その中の細菌活動を実質的に低減させ、このように、多回使用製剤の生成を容易にするために製剤に加えることができる化合物を指す。可能な防腐剤の例には、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、グリセロール、キシリトール、レソルシノール、カテコール、2,6−ジメチルシクロヘキサノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、デキストラン、ポリビニルピロリドン、2−クロロフェノール、塩化ベンゼトニウム、メルチオレート(チメロサール)、安息香酸(プロピルパラベン)MW180.2、安息香酸MW122.12、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムが含まれる。
本明細書で用いる場合、「増量剤」は、凍結乾燥混合物に質量を加え、凍結乾燥ケークの物理的構造に寄与する(例えば、開放孔構造を維持する実質的に均一な凍結乾燥ケークの生成を容易にする)ことができる化合物を指す。例示的な増量剤には、マンニトール、グリシン、ポリエチレングリコールおよびキソルビトール(xorbitol)が含まれる。薬学的に許容されるケークを提供することに加えて、増量剤は一般的に、崩壊温度の変更、凍結融解保護の提供、長期保管時のタンパク質安定性のさらなる強化などの有用な特性も、凍結乾燥組成物に付与する。これらの剤は、張性調整剤の役目を果たすこともできる。
本明細書で用いる場合、「還元糖」は、金属イオンを還元するか、タンパク質のリジンおよび他のアミノ基と共有結合的に反応することができるヘミアセタール基を含むものであり、「非還元糖」は、還元糖のこれらの特性を有しないものである。還元糖の例は、フルクトース、マンノース、マルトース、ラクトース、アラビノース、キシロース、リボース、ラムノース、ガラクトースおよびグルコースである。非還元糖には、ショ糖、トレハロース、ソルボース、メレチトースおよびラフィノースが含まれる。好ましくは、本明細書で記載される凍結乾燥医薬製剤は、還元糖の非存在下で、または非還元糖だけの存在下で凍結乾燥される。
本明細書で用いる場合、「薬学的に許容される担体」は、哺乳動物、好ましくはヒトへの投与に適する、薬学的に許容される物質、組成物または媒体を指す。担体には、体の1つの器官または一部から体の別の器官または一部への対象薬剤の運搬または輸送に関与する、液体もしくは固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材が含まれる。各担体は、その製剤の他の成分と適合し、対象に過度に傷害性(例えば、致死的)ではないという意味において「許容される」ものでなければならない。好ましい一実施形態では、薬学的に許容される担体は、Food and Drug Administration(FDA)またはEuropean Medicines Agency(EMEA)などの政府規制機関によって、ヒトへの投与が承認されている。
任意の疾患または障害を「予防すること」またはその「予防」は、疾患または障害を得る危険の低減を指す(すなわち、疾患の臨床症状の少なくとも1つが、その疾患に曝露するかその素因を有する可能性があるが、その疾患の症状をまだ経験しないか示さない対象で起こらないようにすること)。好ましくは、予防は、疾患または障害にまだ罹患していないか、疾患または障害の症状をまだ示していない対象、例えば、まだ糖尿病でないか、まだ糖尿病の症状を示していない対象における、化合物または組成物の使用を指す。
任意の疾患または障害を「治療すること」またはその「治療」は、一実施形態では、対象に存在する疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患またはその臨床症状のうちの少なくとも1つの発達を停止または低減させること)を指す。別の実施形態では、「治療すること」または「治療」は、対象が識別できないであろう少なくとも1つの身体パラメータを改善することを指す。さらに別の実施形態では、「治療することまたは治療」は、身体的に(例えば、識別できる症状の安定化)または生理的に(例えば、身体パラメータの安定化)または両方で、疾患を調節することを指す。
本明細書で用いる場合、治療に関して「有効量」は、疾患を治療するために対象に投与される場合、その疾患を治療するのに十分であるインスリン分泌性ペプチド結合体の量を意味する。有効量は、とりわけ、用いるインスリン分泌性ペプチド、疾患およびその重症度、ならびに治療対象の年齢、体重その他によって異なってもよい。
5.2 医薬製剤
本発明は、インスリン分泌性ペプチド結合体の医薬製剤を提供する。製剤は、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、動脈内もしくは腹腔内経路などの非経口経路を通して、または経口、局所もしくは吸入経路などの他の経路を通した投与に適したものであり得る。
結合体中のインスリン分泌性ペプチドは、当業者に公知である任意のインスリン分泌性ペプチドであってよい。それは、ホルモンインスリンの合成または発現を刺激すること、またはその刺激を引き起こすができる任意のペプチドであってよい。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、グルカゴン様ペプチド1、エキセンディン−3およびエキセンディン−4およびそれらの前駆体、誘導体または断片からなる群から選択される。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−4または誘導体である。例示的な誘導体を、下に詳細に記載する。
一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、アルブミンに結合される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、血清アルブミンに結合される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、ヒト血清アルブミンに結合される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、組換え体ヒト血清アルブミンに結合される。インスリン分泌性ペプチドおよびインスリン分泌性ペプチド結合体を、下のセクション5.5で詳細に記載する。
遊離のアルブミンは、約80、70、60、50、40、30、25、20、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.05または0.01mg/mlの濃度で製剤中に存在できることが企図される。特定の実施形態では、遊離のアルブミンは、約80、70、60、50、40、30、20、25、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.05または0.01mg/ml未満で存在する。好ましくは、遊離のアルブミンは、約15mg/ml以下で存在し、より好ましくは、遊離のアルブミンは10mg/ml以下、最も好ましくは5mg/ml未満で存在する。一部の実施形態では、本明細書で記載される製剤に存在する遊離のアルブミンは、10mg/ml以下である。一部の実施形態では、本明細書で記載される製剤に存在する遊離のアルブミンは、1mg/ml以下である。一部の実施形態では、本明細書で記載される製剤に存在する遊離のアルブミンは、0.5mg/ml以下である。一部の実施形態では、本明細書で記載される製剤に存在する遊離のアルブミンは、0.1mg/ml以下である。一部の実施形態では、本明細書で記載される製剤に存在する遊離のアルブミンは、0.05mg/ml以下である。
本発明の製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の実際の投薬量レベルは、対象に有毒であることなく、特定の対象、組成物および投与様式のための所望の治療応答を達成するために有効である有効成分の量を得るために、変えることができる。選択される投薬量レベルは、使用される本発明の特定の組成物の活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排出速度、治療持続時間、用いる特定の組成物と併用される他の薬剤、化合物および/または物質、治療対象の年齢、性別、体重、状態、健康状態および既往病歴、ならびに医学分野で周知である類似の因子を含む、様々な薬物動態学的因子に依存する。
特定の実施形態では、本発明による製剤は、それを必要とする対象へのインスリン分泌性ペプチド結合体の皮下投与に適する。一部の実施形態では、約1000μg〜3000μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、1975μg、2000μg、2025μg、2050μg、2075μg、2100μg、2125μg、2150μg、2175μg、2200μg、2225μg、2250μg、2275μg、2300μg、2325μg、2350μg、2375μg、2400μg、2425μg、2450μg、2475μg、2500μg、2525μg、2550μg、2575μg、2600μg、2625μg、2650μg、2675μg、2700μg、2725μg、2750μg、2775μg、2800μg、2825μg、2850μg、2875μg、2900μg、2925μg、2950μg、または2975μg)、好ましくは約1000μg〜2750μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、1975μg、2000μg、2025μg、2050μg、2075μg、2100μg、2125μg、2150μg、2175μg、2200μg、2225μg、2250μg、2275μg、2300μg、2325μg、2350μg、2375μg、2400μg、2425μg、2450μg、2475μg、2500μg、2525μg、2550μg、2575μg、2600μg、2625μg、2650μg、2675μg、2700μg、または2725μg)、より好ましくは約1000〜2500μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、1975μg、2000μg、2025μg、2050μg、2075μg、2100μg、2125μg、2150μg、2175μg、2200μg、2225μg、2250μg、2275μg、2300μg、2325μg、2350μg、2375μg、2400μg、2425μg、2450μg、または2475μg)、最も好ましくは約1000μg〜2000μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、または1975μg)のインスリン分泌性ペプチド結合体の量のインスリン分泌性ペプチド結合体1用量を対象に投与する。
一部の実施形態では、特定の対象における、本明細書に記載の疾患または状態を治療するのに有効であり得る、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の投薬量は、週毎の投薬計画に従って対象に投与される。したがって、特定の実施形態では、所望の治療応答を達成するために、総1週投薬量のインスリン分泌性ペプチド結合体を数週間にわたって対象に投与することができる。特定の実施形態では、総1週用量がその週の間に単回投与で、すなわち週1回投与され、総1週用量は、1000μgまたは1500μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含む。特定の実施形態では、総1週用量が週1回投与され、上記用量は2000μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含む。
特定の実施形態では、総1週用量はその週の間に2回投与で、すなわち週2回投与され、各投与が1000μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で2000μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が1500μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で3000μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が1600μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で3200μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が1700μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で3400μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、最初の投与が1500μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、2回目の投与が2000μgの量のインスリン分泌性ペプチドを含み、総1週用量が合計で3500μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が1750μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で3500μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が1800μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で3600μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が1900μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で3800μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量が週2回投与され、各投与が2000μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、総1週用量が合計で4000μgに達する。
他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、8、9、10、11、12または13日毎に1回投与することができる。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、3、4、5、6、7または8日の期間毎に2回投与することができる。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、9、10、11、12、13または14日の期間毎に2回投与することができる。
一部の実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体(遊離のアルブミンを含まない)の濃度は、約0.1mg/ml〜約100mg/ml、約0.1mg/ml〜約75mg/ml、約0.1mg/ml〜約50mg/ml、約0.1mg/ml〜約40mg/ml、約0.1mg/ml〜約30mg/ml、約1mg/ml〜約100mg/ml、約5mg/ml〜約50mg/mlまたは約10mg/ml〜20mg/mlである。一部の実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約10mg/ml、約20mg/ml、約50mg/ml、約100mg/ml、約200mg/mlまたは約500mg/mlよりも高い。一部の実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約100mg/ml、約50mg/ml、約40mg/ml、約30mg/ml、約20mg/ml、約10mg/ml、約5mg/ml、約1mg/mlまたは約0.1mg/mlよりも低い。好ましい実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約1mg/ml〜約50mg/ml、約1mg/ml〜約40mg/ml、約1mg/ml〜約20mg/mlまたは約1〜約15mg/mlである。特に好ましい実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約1mg/mlである。他の特に好ましい実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約2.5mg/mlである。他の特に好ましい実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約5mg/mlである。他の特に好ましい実施形態では、製剤中のインスリン分泌性ペプチド結合体の濃度は、約10mg/mlである。
特定の実施形態では、本明細書の製剤は、単独療法として投与することができる。言い換えると、本明細書の製剤は、本明細書で提供される1つまたは複数の状態を治療するための活性剤の単独投与として提供することができる。
本明細書の製剤は、治療される特定の適応症のために有用な1つまたは複数の第二の治療薬、好ましくは製剤のインスリン分泌性ペプチド結合体に悪影響を与えない相補活性を有するものと併用投与すること、またはそれらを含むこともできる。特定の実施形態では、そのような第二の治療薬は、インスリン分泌性ペプチド結合体と一緒に、意図する目的に有効である量で存在することができる。特定の実施形態では、第二の治療薬は、抗糖尿病薬、例えば経口抗糖尿病薬、例えばビグアナイド、例えばメトホルミンである。
医薬製剤は、生理的に適するpHを維持する緩衝剤を含むことができる。さらに、緩衝剤は、製剤の等張性および化学的安定性を高める役目を果たすことができる。一部の実施形態では、製剤は約3.0〜8.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約4.0〜8.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約4.0〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約6.0〜8.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約6.0〜9.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約5.0〜7.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約4.5〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約5.0〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、製剤は約5.1〜6.0、約5.2〜6.0、約5.3〜6.0、約5.4〜6.0、約5.5〜6.0、約5.6〜6.0、約5.7〜6.0または約5.8〜6.0のpHを有する。一部の実施形態では、前記製剤は約3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9または9.0のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は約5.0のpHを有する。別の特定の実施形態では、製剤は約7.0のpHを有する。pHは、必要に応じて、当技術分野で公知である技術によって調節することができる。例えば、pHを所望のレベルに調節するために、必要に応じて塩酸または水酸化ナトリウムを加えることができる。
本発明の製剤で有用な緩衝剤には、酢酸、リン酸、コハク酸、ヒスチジン、トリス(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、ジエタノールアミン、クエン酸、他の有機酸およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。製剤は、ナトリウムまたはカルシウムなどの、適すると考えられる任意の対イオンをさらに含むことができる。好ましい実施形態では、緩衝剤は酢酸緩衝剤(酢酸ナトリウム緩衝剤など)である。別の好ましい実施形態では、緩衝剤はリン酸緩衝剤(リン酸ナトリウム緩衝剤など)である。
緩衝剤は、適するpHを維持するのに十分な量で存在する。一部の実施形態では、緩衝剤は、約0.1mM〜約100mM、約0.1mM〜約50mM、約0.1mM〜約30mM、約0.1mM〜約25mM、約0.1mM〜約20mM、または約5mM〜約15mMで製剤中に存在する。特定の実施形態では、緩衝剤は、約5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mMまたは15mMである。一部の実施形態では、緩衝剤は、約10mMの酢酸ナトリウム緩衝剤またはリン酸ナトリウム緩衝剤である。
製剤は、製剤の等張性の維持に寄与する、張性調整剤を含むことができる。一部の実施形態では、製剤は等張性であり、すなわち、製剤は、血漿と同じかほぼ同じ浸透圧を有する。等張性の製剤は、一般に約250〜350mOsm、好ましくは約250〜約330mOsmの浸透圧を有する。一部の実施形態では、製剤は高張性である。一部の実施形態では、製剤は低張性である。
張性調整剤は、当業者にとって明らかな任意の張性調整剤、例えば塩、糖、糖アルコール、ポリオールまたはアミノ酸であってよい。例示的な張性調整剤には、それらに限定されないが、塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウムまたは塩化マグネシウム、糖またはポリオール、例えばラクトース、ソルビトール、ショ糖、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、グリシンおよびそれらの組合せが含まれる。一部の好ましい実施形態では、張性調整剤は塩化ナトリウムである。他の好ましい実施形態では、張性調整剤はソルビトールである。特定の実施形態では、組み合わせた張性調整剤は、上に述べたように等張性である総モル浸透圧濃度を与える。
製剤が凍結乾燥製剤である場合、張性調整剤として塩または非還元糖が好ましい。「非還元糖」は、金属イオンを還元すること、またはタンパク質中のリジンおよび他のアミノ基と共有結合的に反応することができるヘミアセタール基を含まないものである。非還元糖には、ショ糖、トレハロース、ソルボース、メレチトースおよびラフィノースが含まれる。非還元糖は、凍結乾燥および以降の保存後のペプチドの化学的および/または物理的不安定性を防止または低減することができる。
張性調整剤は、製剤の所望の張性を維持する量で、製剤中に存在する。一部の実施形態では、張性調整剤は、約0.1%〜約50%(w/v)、約0.5%〜約20%(w/v)、約1%〜約10%(w/v)または約4%〜約6%(w/v)で存在する。一部の実施形態では、張性調整剤は、約5%(w/v)で存在する。一部の実施形態では、張性調整剤は、少なくとも1mMの濃度で存在する。一部の実施形態では、張性調整剤は、約1mM〜約200mM、約10mM〜約150mMまたは約50mM〜約100mMで存在する。一部の好ましい実施形態では、製剤は約135mM塩化ナトリウムを含む。他の好ましい実施形態では、製剤は約150mM塩化ナトリウムを含む。他の好ましい実施形態では、製剤は約5%ソルビトール(w/v)を含む。
製剤は、貯蔵温度の変動の間、結合体を安定させて、分解生成物、ペプチド分解物および凝集を最小にするために、安定剤を含むこともできる。本発明の製剤で有用な安定剤には、オクタン酸ナトリウム、Na−N−アセチルトリプトファン、H−グルタミン酸、アルギニン、窒素およびそれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。好ましい実施形態では、安定剤はオクタン酸ナトリウムである。
特定の実施形態では、安定剤は、約0.1mM〜30mM、約0.5mM〜20mM、約1mM〜約15mMまたは約5mM〜約10mMで製剤中に存在する。特定の実施形態では、安定剤は、約1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mMまたは20mMで製剤中に存在する。好ましい実施形態では、安定剤は、約5mMのオクタン酸ナトリウムである。
製剤は、界面活性剤を含むこともできる。界面活性剤は、溶液に溶解した場合、液体と固体との間の界面張力を低減させる化合物であり、再構成されるタンパク質の凝集を減少させるため、および/または再構成される製剤中での粒子状物質の形成を減少させるために製剤に加えることができる。例示的な界面活性剤には、ポリソルベート(例えばポリソルベート20または80);ポロキサマー(例えばポロキサマー188(プルロニックF68));トリトン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ラウリル硫酸ナトリウム;ナトリウムオクチルグリコシド;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−またはステアリル−スルホベタイン;ラウリル−、ミリスチル−、リノレイル−またはステアリル−サルコシン;リノレイル−、ミリスチル−またはセチル−ベタイン;ラウラミドプロピル−、コカミドプロピル−、リノールアミドプロピル−、ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−またはイソステアラミドプロピル−ベタイン(例えばラウロアミドプロピル);ミリスタミドプロピル−、パルミドプロピル−またはイソステアラミドプロピル−ジメチルアミン;ナトリウムメチルココイル−または二ナトリウムメチルオレイル−タウレート;およびMONAQUAT(商標)シリーズ(Mona Industries, Inc.、Paterson、N.J.)、ポリエチルグリコール、ポリプロピルグリコール、ならびにエチレンおよびプロピレングリコールの共重合体などが含まれる。
界面活性剤の量は、それが、製剤化されたペプチドもしくはペプチド結合体の凝集を減少させ、および/または製剤中の粒子状物質の形成を最小にし、および/または吸着を減少させるようなものである。例えば、界面活性剤は、約0.001〜1%(w/v)、好ましくは約0.01〜0.5%(w/v)の量で製剤中に存在することができる。一部の実施形態では、製剤は、ポロキサマーである界面活性剤を含む。一部の実施形態では、製剤はプルロニックF68を含む。特定の実施形態では、製剤は、約0.01%(w/v)〜約1%(w/v)のプルロニックF68、より好ましくは約0.1%(w/v)のプルロニックF68を含む。
特定の実施形態では、製剤は、上で特定された剤(すなわち、インスリン分泌性ペプチド結合体、緩衝剤、張性調整剤および界面活性剤)を含み、ベンジルアルコール、フェノール、m−クレゾール、クロロブタノールおよび塩化ベンゼトニウムなどの1つまたは複数の防腐剤を含有しない。他の実施形態では、特に製剤が多回使用製剤である場合は、防腐剤が製剤に含まれてもよい。例示的な防腐剤には、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、グリセロール、キシリトール、レソルシノール、カテコール、2,6−ジメチルシクロヘキサノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、デキストラン、ポリビニルピロリドン、2−クロロフェノール、塩化ベンゼトニウム、メルチオレート(チメロサール)、安息香酸(プロピルパラベン)MW180.2、安息香酸MW122.12、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムが含まれるが、これらに限定されない。これらの防腐剤のいずれかを、本開示製剤中で唯一の防腐剤として、または互いと組み合わせて用いることができる。
好ましい実施形態では、製剤の緩衝剤および他の成分と適合する(すなわち、溶液は澄明である)防腐剤が用いられる。緩衝剤が酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウムである場合、適合する防腐剤には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、レソルシノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、メルチオレート(チメロサール)、塩化ベンザルコニウム、安息香酸ナトリウム、塩化セチルピリジニウムが含まれる。
製剤で用いられる防腐剤の濃度は、当業者の判断に従って決定することができる。一部の実施形態では、約0.005〜10%(w/v)、約0.1〜1.0%(w/v)または約0.3〜0.7%(w/v)の防腐剤が製剤中に存在する。一部の実施形態では、約0.005、0.1、0.3、0.5、0.7または1.0%(w/v)の防腐剤が製剤中に存在する。
開放孔構造を維持する実質的に均一な凍結乾燥ケークの生成を容易にするために、増量剤が凍結乾燥製剤に含まれてもよい。例示的な増量剤には、マンニトール、グリシン、ポリエチレングリコールおよびキソルビトールが含まれる。増量剤は、張性調整剤の役目も果たすことができる。
1つまたは複数の他の薬学的に許容される担体、賦形剤または安定剤、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences第19版、Genarro, A.編(1995年)に記載されるものなどが製剤に含まれてもよいが、それらは、製剤の所望の特性にあまり悪影響を与えないものとする。本発明の製剤の追加の構成成分には、水、例えば注射用蒸留水、植物油、メチルセルロースなどの増粘剤、抗吸着剤、湿潤剤、アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化剤、EDTAなどのキレート化剤、金属錯体(例えばZn−タンパク質錯体)、ポリエステルなどの生物分解性ポリマー、および/またはナトリウムなどの塩形成対イオンなどが含まれてもよい。許容される担体、賦形剤または安定剤は、それらが使用される投薬量および濃度で対象に無毒であるような量で存在する。
本発明による最適な製剤は、製剤が保存される時間、製剤が保存および使用される条件、製剤を投与することができる特定の対象集団などの因子によって変動し得る。
特定の実施形態では、本明細書で記載される製剤は、単回または複数回投与のための、バイアル、ボトル、チューブ、注射器または他の容器に入れることができる。そのような容器は、ガラスまたはポリマー材、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリオレフィンなどで作製することができる。一部の実施形態では、単一用量を引き抜き、次に針を抜いた後に再密封するために、容器は、針で貫通することができるゴム栓などのシールまたは他の密閉システムを含むことができる。当技術分野で公知である注射液、凍結乾燥製剤、再構成された凍結乾燥製剤、または再構成可能な注射用粉末のためのそのような全ての容器は、本開示製剤および方法で使用することが企図される。特定の実施形態では、容器は単一用量または複数用量を含むペンタイプの送達装置である。そのようなペンタイプの送達装置は恒久的なもの、例えば、単一用量または複数用量を含む使い捨て式カートリッジを収納する恒久的なペンでよく、または全体の装置が使い捨て式のもの、例えば、単一用量または複数用量を含む使い捨て式ペンでよい。ペンタイプの送達装置が複数用量を含む特定の実施形態では、用量を予めセットすること、すなわち固定することができる。他の実施形態では、用量は可変的な用量でよく、すなわち、使用者がダイヤルインすることができる。一部の実施形態では、ペンタイプの送達装置は、使い捨て式針の取付けを容易にする、ルアーロック、ルアーコーンまたは他の針取付けコネクタを含む。他の実施形態では、ペンタイプ送達装置は、ステーキドニードル(staked needle)、すなわち恒久針を含む。別の特定の実施形態では、容器は注射器である。一部の実施形態では、注射器は、使い捨て式針の取付けを容易にする、ルアーロック、ルアーコーンまたは他の針取付けコネクタを含む。他の実施形態では、注射器は、ステーキドニードル、すなわち恒久針を含む。一部の実施形態では、注射器は、単一用量または複数用量を予備充填される。
本明細書で提供される製剤は、様々な投薬量のために、様々なバイアルサイズに様々な濃度で製剤化することができる。例えば、投薬量は、0.25、0.5、1または2mlのバイアル、または任意の他のサイズのバイアルもしくは当業者に公知である他の容器内に製剤化することができる。
インビボ投与のために用いられる製剤は、無菌でなければならない。これは、製剤の調製の前かその後の、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。あるいは、全体の製剤の無菌性は、タンパク質を除く成分を、例えば約120℃で約30分間加圧滅菌することによって達成することができる。
特定の実施形態では、本発明は、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度のエキセンディン−4またはその誘導体へのアルブミンの結合体、緩衝剤、張性調整剤、安定剤、界面活性剤、および任意選択で防腐剤を含む医薬製剤であって、約4〜約8のpHを有する製剤を提供する。
特定の実施形態では、医薬製剤は、アルブミンおよびインスリン分泌性ペプチドの結合体であって、前記インスリン分泌性ペプチドは、天然のエキセンディン−4配列と比較して3つ以下のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有する配列を含み、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度である結合体と;緩衝剤と;少なくとも1mMの濃度である張性調整剤と;安定剤と;界面活性剤とを含むか、あるいはそれらからなり、前記製剤は、約4〜約8のpHを有する。
特定の実施形態では、エキセンディン−4アルブミン結合体は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノ上の[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含む。そのような結合体は、アルブミンのシステイン34チオールにリンカーを共有結合させることによって形成することができる。一部の実施形態では、エキセンディン−4アルブミン結合体は、約10mg/ml〜20mg/mlの濃度である。一部の実施形態では、緩衝剤は、pHが約5.0〜6.0の酢酸ナトリウムまたはリン酸ナトリウム緩衝剤またはそれらの組合せである。一部の実施形態では、張性調整剤は塩化ナトリウムまたはソルビトールである。一部の実施形態では、安定剤はオクタン酸ナトリウムである。一部の実施形態では、界面活性剤はプルロニックF68である。
特定の実施形態では、医薬製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH6.5〜7.5の5〜30mMリン酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH6.5〜7.5の5〜30mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有する10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなり、前記製剤は、約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。
好ましい実施形態では、医薬製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含むpH6.5〜7.5の5〜30mMリン酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。
特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH6.5〜7.5の5〜30mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有する10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなり、前記製剤は、約5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9または8.0のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は、100〜200mM塩化ナトリウム、1〜10mMオクタン酸ナトリウムおよび1〜30mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。
特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含むpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含むpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の、約1mg/ml〜約15mg/mlのエキセンディン−4またはその誘導体とのアルブミンの結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含むpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、135mM塩化ナトリウム、1.6mMオクタン酸ナトリウムおよび15mg/Lポリソルベート80を含むpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。
特定の実施形態では、医薬製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH4.5〜5.5の5〜30mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH4.5〜5.5の5〜30mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなり、前記製剤は、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4または5.5のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわちポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体を含むか、またはそれからなる。
好ましい実施形態では、医薬製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH4.5〜5.5の5〜30mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH4.5〜5.5の5〜30mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなり、前記製剤は、約4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4または5.5のpHを有する。特定の実施形態では、製剤は、1〜15mMオクタン酸ナトリウム、0.05〜0.2%(w/v)プルロニックF68、および100〜200mM塩化ナトリウムまたは2〜8%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する、pH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわちポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含むか、またはそれからなる。
特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわちポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのインスリン分泌性ペプチド結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわちポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのエキセンディン−4またはその誘導体とのアルブミンの結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわちポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の約1mg/ml〜約15mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。特定の実施形態では、製剤は、150mM塩化ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウムおよび0.1%(w/v)プルロニックF68(すなわちポロキサマー188)を含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝液中の10mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体からなる。
本明細書で提供される医薬製剤は、当業者が有用であると考える任意の形であってよい。例えば、それらは、液状のもしくは凍結乾燥された製剤、単位用量剤形または多回使用剤形、およびそれらの組合せの形であってよい。したがって、製剤には、液体単位用量剤形、液体多回使用剤形、凍結乾燥単位用量剤形および凍結乾燥多回使用剤形が含まれる。
一部の実施形態では、製剤は液体製剤である。他の実施形態では、製剤は凍結乾燥製剤である。凍結乾燥は、関心のペプチド調製物から水を除去する役目を果たす、タンパク質を保存するために通常使用される技術である。凍結乾燥過程で安定性を高めるため、および/または保存後の凍結乾燥生成物の安定性を向上させるために、前凍結乾燥製剤に賦形剤を含有させることができる。Pikal, M.1990年、Biopharm.3巻(9号):26〜30頁およびArakawaら1991年、Pharm. Res.8巻(3号):285〜291頁を参照。
凍結乾燥製剤は、当業者の判断に従って再構成することができる。好ましい実施形態では、例えば注射用蒸留水で再構成されると、本明細書で記載の液体製剤の1つをもたらす凍結乾燥製剤が提供される。本発明は、インスリン分泌性ペプチド結合体の凍結乾燥製剤を再構成する方法であって、凍結乾燥製剤を提供することと、凍結乾燥製剤を再構成して、本明細書で記載のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を形成することとを含む方法も提供する。
所望の段階、一般的にペプチドを対象に投与する時間に、再構成される製剤中のタンパク質濃度が少なくとも1、2、3、4、5、10、20、30、40、50mg/mlであるように、凍結乾燥製剤を希釈剤で再構成することができる。一部の実施形態では、再構成される製剤中のタンパク質濃度は、約1mg/ml〜約100mg/ml、約1mg/ml〜約50mg/ml、または約1mg/ml〜約15mg/mlである。特定の実施形態では、再構成される製剤中のタンパク質濃度が約45〜55mg/mlであるように、凍結乾燥製剤を希釈剤で再構成することができる。好ましい実施形態では、再構成される製剤中のタンパク質濃度が約50mg/mlであるように、凍結乾燥製剤を希釈剤で再構成することができる。希釈剤は、当業者が適すると考える任意の希釈剤、例えば注射用蒸留水などであってよい。
本明細書で提供される医薬製剤には、単位用量剤形および多回使用剤形の両方が含まれる。一部の実施形態では、製剤は単位用量剤形である。「単位用量剤形」は、対象への単一投与を目的とする量での、パッケージ形態の医薬製剤を指す。一部の実施形態では、製剤は単位用量剤形である。特定の実施形態では、単位投薬量は、約0.01〜100mg、0.1〜50mg、1〜10mgまたは1〜5mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を含む。特定の実施形態では、単位投薬量は、約1、2、3、4、5、7.5、10、20、30、40、50、75、100mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を含む。そのような単位投薬量は、当業者に公知である技術によって調製することができる。
一部の実施形態では、製剤は多回使用剤形である。多回使用製剤は、対象のために使いやすさを高め、バイアル内容物の完全な使用を可能にすることによって廃棄物を減少させ、かなりの製造コスト引き下げをもたらすことができる。多回使用医薬製剤は、いろいろなときに製剤の一部を抜き取ることを可能にする多回用量容器、例えば、バイアル、アンプル、その他に含まれてもよい。上で詳述のように、多回使用製剤に、製剤中の緩衝剤に適合する1つまたは複数の防腐剤が存在してもよい。
好ましくは、本発明の製剤は、安定である。一部の実施形態では、製剤は、約4℃の温度で少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36カ月または36カ月を超えて安定である。他の実施形態では、製剤は、約25℃の温度で少なくとも約1、2もしくは3週間、または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36カ月または36カ月を超えて安定である。他の実施形態では、製剤は、約40℃の温度で少なくとも約1、2もしくは3週間、または少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36カ月または36カ月を超えて安定である。
5.2.1 医薬製剤の調製
本明細書で提供される製剤は、当業者にとって明らかな任意の技術によって調製することができる。特定の実施形態では、製剤は、製剤の調製に適する条件下でインスリン分泌性ペプチド結合体を製剤の他の成分と接触させることによって調製することができる。例えば、インスリン分泌性ペプチド結合体は、当業者にとって明らかな任意の技術によって、他の成分と混合すること、他の成分で透析すること、他の成分でダイアフィルターすること、または他の成分と接触させることができる。インスリン分泌性ペプチド結合体は、当業者にとって明らかな任意の技術によって調製することができる。例示的な技術を、本明細書に記載する。インスリン分泌性ペプチド結合体は、当業者によって適すると考えられる任意の方法によって精製することができる。例示的な方法を、本明細書に記載する。
本発明の製剤のインスリン分泌性ペプチド結合体は、所望の製剤組成での製剤に先立ち、当技術分野で公知である任意の精製法によって精製することができる。一部の実施形態では、結合体は、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)によって精製される。HICは、当業者に公知である任意のHIC技術であってよい。特定の実施形態では、結合体は、2つのHIC精製、例えば連続する2つのHIC精製によって精製することができる。
一実施形態では、第一の精製段階は、インスリン分泌性ペプチド結合体を、フェニルセファロース、すなわち、フェニル基に共有結合しているビーズ形成アガロースゲル濾過マトリックスと接触させることを含む。特定の実施形態では、この段階は、非結合インスリン分泌性ペプチドを、遊離型であるか結合型であるかに関係なくアルブミン種から分離する。特定の実施形態では、フェニルセファロースは、5mMオクタン酸ナトリウムおよび5mM硫酸アンモニウムを含むpH6.0のリン酸緩衝液で平衡させる。これらの条件下では、非結合化合物はフェニルセファロースに結合することができるが、結合体はフェニルセファロースを貫流することができる。次に、結合体は、さらなる精製のための貫流分画として、収集することができる。
特定の実施形態では、結合体の精製は、第二のHIC段階をさらに含み、そこでは、フェニルセファロース貫流物を、ブチルセファロース、すなわち、ブチル基に共有結合しているビーズ形成アガロースゲル濾過マトリックスと接触させ、結合体を非結合アルブミン、二量体非結合アルブミンおよび残留非結合化合物からさらに精製する。特定の実施形態では、ブチルセファロースは、5mMオクタン酸ナトリウムおよび750mM硫酸アンモニウムを含むpH6.0前後の緩衝液で平衡させる。次に、ブチルセファロースを、上記の第一の精製段階のフェニルセファロース貫流物と接触させる。特定の実施形態では、結合体の溶出は、直線的または段階的に低減する塩こう配、またはそれらの組合せを用いて達成することができ、そこでは、非結合アルブミンは、約750mM硫酸アンモニウムで溶出され、二量体非結合アルブミンは約550mM硫酸アンモニウムで溶出され、化合物−アルブミン結合体(所望の種)は約100mM硫酸アンモニウムで溶出され、非結合化合物および他の種は水またはその同等物で溶出することができる。これらの種には、例えば、二量体、三量体、もしくは重合体のアルブミン結合体、または1:1を超える化合物対アルブミンの化学量を含むアルブミン結合体生成物が含まれてもよい。
特定の実施形態では、結合体の精製は、HICの後に結合体を洗浄して限外濾過によって濃縮することをさらに含む。一部の実施形態では、滅菌水、生理食塩水または緩衝液を用いて、精製結合体から硫酸アンモニウムおよび緩衝液成分を除去することができる。
他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2006年12月22日に出願された「Process for the Production of Preformed Conjugates of Albumin and a Therapeutic Agent」という名称の米国特許出願第11/645,297号(公開番号第2007/0269863号)に記載の精製方法によって精製することができる。
特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体の精製の後に、当業者に明らかな任意の技術によって、結合体を所望の製剤組成物、例えば本発明の製剤に再製剤化することができる。Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、Osol, A.編(1980年)を参照。例えば、液体製剤は、容器内で成分を混合し、水または緩衝液を所望の容量および濃度まで加えることによって調製することができる。他の例示的な技術には、透析、限外濾過、ダイアフィルトレーション、サイズ排除クロマトグラフィーなどが含まれる。一般に、結合体は、本明細書で提供される製剤を与える条件の下で、製剤成分と接触させることができる。
特定の実施形態では、精製インスリン分泌性ペプチド結合体の再製剤化は、上記の第二のHIC精製段階、すなわちブチルセファロースクロマトグラフィーから溶出するインスリン分泌性ペプチド結合体を含む分画を適する容器にプールすることを含む。次に、プールされた物質を、当技術分野で公知である任意の濃縮方法を用いて濃縮することができる。特定の実施形態では、プールされた物質は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100mg/ml、または100mg/mlを超えるタンパク質濃度が達成されるまで、限外濾過膜およびポンピング系を用いて濃縮することができる。特定の実施形態では、プールされた物質は、約70mg/mlのタンパク質濃度に濃縮される。次に、濃縮生成物は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10容または10容を超える水に対してダイアフィルターすることができ、そこでは、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む溶液の容量は、一定に保たれる。特定の実施形態では、濃縮生成物は、少なくとも10容の水に対してダイアフィルターされる。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体を含むダイアフィルターされた溶液は、次に、所望の製剤組成物と接触、すなわち混合させて、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む製剤組成物を達成することができる。特定の実施形態では、5×濃度の所望の製剤組成物を調製することができ、また、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む4部の溶液を1部の5×製剤溶液と混合させ、本明細書で記載のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を達成することができる。特定の実施形態では、生じた溶液のタンパク質濃度を測定することができ、また、1×製剤緩衝液中の所望濃度のインスリン分泌性ペプチド結合体を達成するために、必要に応じてタンパク質濃度を製剤緩衝液で調節することができる。一部の実施形態では、1×製剤緩衝液中のインスリン分泌性ペプチド結合体の最終濃度は、約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100mg/mlであるか、または100mg/mlを超える。特定の実施形態では、1×製剤緩衝液中のインスリン分泌性ペプチド結合体の最終濃度は、約10mg/mlである。別の特定の実施形態では、1×製剤緩衝液中のインスリン分泌性ペプチド結合体の最終濃度は、約50mg/mlである。生成物は、保存のために、当技術分野で公知である任意の方法によって、調製の前にさらに濾過することができる。
代替実施形態では、精製インスリン分泌性ペプチド結合体の再製剤化は、以下の段階を含むことができる。例として、かつ非限定的に、以下を示す。上述のように、第二のHIC精製段階、すなわちブチルセファロースクロマトグラフィーの後に得られる分画のプール、および約70mg/mlへのインスリン分泌性ペプチド結合体の濃縮の後、濃縮生成物は、次に、本発明の所望の製剤組成物を含む少なくとも10容のダイアフィルトレーション緩衝液に対してダイアフィルターすることができ、そこでは、製剤組成物は、界面活性剤ポロキサマー188(プルロニックF68)を含まない。濃縮生成物は、少なくとも10容のダイアフィルトレーション緩衝液に対してダイアフィルターすることができ、そこでは、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む溶液の容量は一定に保たれる。必要に応じて、5×濃度の界面活性剤ポロキサマー188を含む「5×ポロキサマー188溶液」、例えば0.5%(w/v)ポロキサマー188を、上記のダイアフィルトレーション緩衝液で次に調製することができ、およびインスリン分泌性ペプチド結合体を含む4部の溶液を1部の5×ポロキサマー188溶液と混合させることができる。生じた溶液のタンパク質濃度を測定することができ、また、1×製剤緩衝液中の約50mg/ml濃度のインスリン分泌性ペプチド結合体を達成するために、必要に応じてタンパク質濃度を製剤緩衝液で調節することができる。生成物は、保存のために、当技術分野で公知である任意の方法によって、調製の前にさらに濾過することができる。
他の実施形態では、凍結乾燥製剤は、ペプチドまたはペプチド結合体を他の成分と接触させ、生じた混合物を凍結乾燥することによって調製することができる。この目的のために、Hull50(商標)(Hull、USA)またはGT20(商標)(Leybold−Heraeus、Germany)凍結乾燥器など多くの凍結乾燥器が利用可能である。凍結乾燥は、製剤を凍結させ、その後、一次乾燥に適する温度で凍結内容物から氷を昇華させることによって達成することができる。この条件下で、生成物の温度は、共融点または製剤の崩壊温度以下にある。一般的に、一次乾燥のための棚温度は、一般に約50〜250mTorrの範囲の適する圧力下で、約−30〜−5℃である(一次乾燥の間、生成物は凍結した状態を保つ)。主に、製剤、試料を保持する容器(例えば、ガラス製バイアル)のサイズおよびタイプ、ならびに液体容量が、乾燥に必要とされる時間を決定し、それは数時間から数日(例えば40〜60時間)の範囲であり得る。二次乾燥段階は、主に容器のタイプおよびサイズならびに使用するタンパク質のタイプによって、約0〜40℃で実施することができる。しかし、特定の実施形態では、二次乾燥段階は必要でないかもしれない。例えば、凍結乾燥の脱水相全体を通しての棚温度は、約−30〜−5℃であり得る。二次乾燥に必要とされる時間および圧力は、例えば温度および他のパラメータに依存する、適する凍結乾燥ケークを生成するものになる。二次乾燥時間は、生成物中の所望の残留水分レベルによって決定され、一般的に、少なくとも約5時間(例えば10〜15時間)がかかる。圧力は、一次乾燥段階で使用されるものと同じでよい。凍結乾燥条件は、製剤およびバイアルサイズによって異なってもよい。
5.2.1.1 調製製剤の評価
一態様では、本発明はインスリン分泌性ペプチド結合体、例えば、本明細書で提供される方法によって調製および/または製剤化されるエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体の試料を評価して、試料中の1つまたは複数の種のレベルを測定する方法を提供する。特定の実施形態では、本方法は、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えば、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む試料中の1つまたは複数の種のレベルの値を判定すること;および値を参照値と比較し、それによって試料を評価することを含む。参照値は、任意の所定の値または値域、例えば、政府機関、例えばFDA、または別の関係者、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体の承認調製物の製造業者、または大要典拠(compendial authority)、例えばUSPによって設定された値であってよい。
種は、当業者が試料において評価できるであろう任意の種であってよい。例には、インスリン分泌性ペプチド結合体、未結合のアルブミンおよび未結合のインスリン分泌性ペプチド、またはそのような種の任意の誘導体が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、未結合のインスリン分泌性ペプチドの誘導体は、酸化ペプチド、例えばメチオニン残基で酸化されたもの、脱アミノ化されたペプチド、例えばアスパラギンもしくはグルタミン残基で脱アミノ化されたもの、または酸化および脱アミノ化されたペプチドであってよい。特定の実施形態では、種は、高分子(例えば;アルブミン)との複数のインスリン分泌性ペプチドの結合体、例えば2:1のペプチド対高分子、または3:1のペプチド対高分子、または4:1のペプチド対高分子である。
好ましい実施形態では、種は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体である。
好ましい実施形態では、評価種は、未結合のアルブミンである。好ましい実施形態では、試料中の未結合アルブミンのレベルの値は、10.0mg/ml未満である。
好ましい実施形態では、評価種は、未結合のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHである。好ましい実施形態では、未結合のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHのレベルの値は、25.0μg/ml未満である。
特定の実施形態では、評価種は、2:1の比率でアルブミンに結合している、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHである。
特定の実施形態では、評価種は、3:1の比率でアルブミンに結合している、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHである。
当技術分野で公知である任意の方法を用いて、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む試料中の種の値を測定することができる。一部の実施形態では、試料中の未結合の種のレベルは、ゲル電気泳動、液体クロマトグラフィー−質量分析(LCMS)、疎水性相互作用クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相クロマトグラフィー、例えば逆相HPLC、円二色性、融点、モル浸透圧または紫外吸光度、例えば280nmの吸光度で測定される。
特定の実施形態では、結合体、未結合のアルブミン、未結合のペプチドおよび/または高分子との複数のインスリン分泌性ペプチドの結合体を検出または定量化するために、疎水性相互作用クロマトグラフィーが有用である。
特定の実施形態では、結合体、未結合のアルブミン、未結合のペプチドおよび/または高分子との複数のインスリン分泌性ペプチドの結合体を検出または定量化するために、ゲル電気泳動が有用である。特定の実施形態では、検出を促進するために、ゲル電気泳動を免疫学的検出、例えばウェスタンブロットまたは酵素結合免疫吸着検定法と組み合わせてもよい。
特定の実施形態では、結合体、未結合のアルブミン、未結合のペプチドおよび/または高分子との複数のインスリン分泌性ペプチドの結合体を検出するために、LCMSが有用である。
特定の実施形態では、未結合のペプチドおよび/または未結合のペプチドの誘導体を検出または定量化するために、逆相HPLCが有用である。
5.3 治療方法
インスリン分泌性ペプチドで治療できる障害または状態を対象で治療する方法も、本明細書で提供される。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドで治療できる障害または状態は、肥満である。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドで治療できる障害または状態は、糖尿病である。理論によって束縛されることを望まないが、ここで提供される医薬製剤は、グルコース依存性、インスリン依存性およびインスリン非依存性機構を通して、高血糖症を正常化すると考えられている。上記医薬製剤は、II型糖尿病の治療のための主要な剤として、およびI型糖尿病の治療のための補助剤として有用である。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドで治療できる障害または状態は、II型糖尿病である。一部の実施形態では、本方法は、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えば本明細書に記載のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の治療的有効量を、対象に投与する段階を含む。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、エキセンディン−4またはその誘導体とのアルブミンの結合体である。好ましい実施形態では、対象はヒトである。
ペプチドの作用が血中グルコース濃度に依存性であるという点で、医薬製剤はI型およびII型両方の糖尿病を有する対象の治療に特に適し、したがって、血糖降下剤の副作用の危険は、現在の治療方法を用いる危険よりも大きく低減される。
したがって、特定の態様では、対象でII型糖尿病を治療する方法であって、本明細書で記載の製剤をII型糖尿病を有する対象に投与することを含む方法が本明細書で提供される。一部の実施形態では、製剤は、アルブミンおよびインスリン分泌性ペプチドの結合体であって、前記インスリン分泌性ペプチドが天然のエキセンディン−4配列と比較して3つ以下のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有する配列を含み、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度である結合体と;緩衝剤と;張性調整剤と;安定剤と;界面活性剤とを含み、前記製剤は、約4〜約8のpHを有する。特定の実施形態では、上記方法は、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む製剤を、II型糖尿病を有する対象に投与することを含み、前記誘導体は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含む。
本発明の医薬製剤は、肥満対象の治療のために用いることもできる。本発明の医薬製剤は、インスリン分泌性ペプチドで治療可能な任意の障害または疾患を有する対象の治療のために用いることもできる。
5.3.1 対象
本発明の特定の実施形態では、対象は、動物、例えば哺乳動物、例えばヒト以外の霊長類である。特定の実施形態では、対象はヒトである。対象は、雄または雌の対象であり得る。特定の実施形態では、対象はヒト以外の動物、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ネコまたはイヌなどである。
特定の実施形態では、対象は、それらに限定されないが、肥満およびII型糖尿病を含めた、インスリン分泌性ペプチドで治療できる障害または状態の危険がある。一部の実施形態では、対象は肥満の危険がある。一部の実施形態では、対象はII型糖尿病の危険がある。
一部の実施形態では、対象は健康でない。一部の実施形態では、対象は、それらに限定されないが、肥満またはII型糖尿病を含めた、インスリン分泌性ペプチドで治療できる状態を有するか患っている。
一部の実施形態では、対象は肥満である。一部の実施形態では、対象はヒトであり、30kg/m以上の肥満度指数(BMI)を有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、30kg/m〜35kg/mの間のBMIを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、35kg/m以上のBMIを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、40kg/m以上のBMIを有する。一部の実施形態では、対象は、その年齢および身長および/または民族の標準体重の120%を超える重さである。
一部の実施形態では、対象はII型糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象は異常なグルコースレベルを有する。特定の実施形態では、対象は高いグルコースレベルを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、8mmol/L(138mg/dl)以上の平均全血グルコースレベル、および/または9.0mmol/L(154mg/dl)以上の平均血漿血グルコースレベルを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、8mmol/L(138mg/dl)〜16mmol/L(281mg/dl)の間の平均全血グルコースレベル、および/または9.0mmol/L(154mg/dl)〜17mmol/L(314mg/dl)の間の平均血漿血グルコースレベルを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、16mmol/L(281mg/dl)を超える平均全血グルコースレベル、および/または17mmol/L(314mg/dl)を超える平均血漿血グルコースレベルを有する。
一部の実施形態では、対象はヒトであり、6.5%以上のグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)レベルを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、6.5%〜11%の間のHbA1cレベルを有する。一部の実施形態では、対象はヒトであり、11%以上のHbA1cレベルを有する。
特定の実施形態では、対象は、インスリン分泌性ペプチド、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体で治療できる疾患、障害または状態を有する。例えば、対象はメタボリックシンドロームを有する。National Cholesterol Education ProgramのAdult Treatment Panel(ATPIII)の三次報告書によると、メタボリックシンドロームを有する対象は、以下の基準のうちの3つ以上を有する:(1)男性については102cmを超える胴囲、女性については88cmを超える胴囲;(2)1.7mmol/lを超える血清トリグリセリド;(3)130/85mmHgを超える血圧;(4)男性では1.0mmol/l未満、女性では1.3mmol/l未満のHDLコレステロール;および(5)6.1mmol/lを超える(5.6mmol/l超が適用可能なこともある)血清グルコース。世界保健機構(WHO)によると、メタボリックシンドロームを有する対象は、糖尿病または空腹時血糖異常(IFG)または耐糖能異常(IGT)またはインスリン抵抗性(クランプ試験によって評価される)に加えて、以下の基準のうちの少なくとも2つを有する:(1)男性では0.90、女性では0.85を超えるWHR(waist−to−hip ratio);(2)1.7mmol/lを超える血清トリグリセリド、または男性では0.9mmol/l未満、女性では1.0mmol/l未満のHDLコレステロール;(3)140/90mmHgを超える血圧;(4)20マイクログラム/分を超える尿中アルブミン排泄速度、または30mg/gを超えるアルブミン:クレアチニン比。したがって、対象がメタボリックシンドロームについてATPIIIまたはWHOによって定義される基準を満たすならば、対象はメタボリックシンドロームを有する。
一部の実施形態では、対象は前糖尿病(例えば、耐糖能異常(IGT)または空腹時血糖異常(IFG))を有する。一部の実施形態では、対象は糖尿病、例えば、I型糖尿病、II型糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象は、高齢発症成人性自己免疫性糖尿病としても公知の、成人性潜伏型自己免疫性糖尿病(「LADA」)を有する。一部の実施形態では、対象は緩徐発症I型糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象は1.5型糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象はステロイド糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象はヒト免疫不全ウイルス(HIV)治療誘発糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象は、先天性またはHIV関連のリポジストロフィー(「脂肪再分布症候群」)関連の糖尿病を有する。一部の実施形態では、対象は神経系障害を有する。一部の実施形態では、対象はインスリン抵抗性を有する。一部の実施形態では、対象は無自覚性低血糖を有する。一部の実施形態では、対象は拘束性肺疾患を有する。一部の実施形態では、対象は、胃腸障害、例えば、過敏性腸症候群(IBS)、機能性消化不良、または胃腸障害に関連する疼痛、例えばIBSおよび機能性消化不良に関連する疼痛を有する。一部の実施形態では、対象は、炎症性腸疾患(IBD)、例えばクローン病および潰瘍性大腸炎、またはIBDに関連する疼痛を有する。一部の実施形態では、対象は、高血糖症、例えば手術(例えば、主要な外科的措置、例えば冠状動脈バイパス手術)に関連する高血糖症、例えば糖尿病、例えばII型糖尿病、またはメタボリックシンドロームを有する対象の手術に関連する高血糖症を有する。一部の実施形態では、対象は冠状動脈心不全(CHF)を有する。一部の実施形態では、対象はβ細胞機能障害に関連する障害、β細胞の欠損に関連する障害、またはβ細胞の不十分な数に関連する障害を有する。
一部の実施形態では、対象は肥満である。一部の実施形態では、対象は、肥満であるが、糖尿病でも前糖尿病でもない;肥満であり、糖尿病または前糖尿病である;肥満であるが、メタボリックシンドロームを患っていない;肥満であり、メタボリックシンドロームを患っている;過体重であるが、糖尿病でも前糖尿病でもない;過体重であり、糖尿病または前糖尿病である;過体重であるが、メタボリックシンドロームを患っていない;過体重であり、メタボリックシンドロームを患っている;メタボリックシンドロームを患っているが、糖尿病でも前糖尿病でもない(メタボリックシンドロームの定義に依存する);メタボリックシンドロームを患っているが、肥満でも過体重でもない。
一部の実施形態では、対象は以下の特性の1つまたは複数を有する:(1)糖尿病または前糖尿病;(2)過体重または肥満;および(3)メタボリックシンドローム。
一部の実施形態では、対象は抗糖尿病薬に未経験である。一部の実施形態では、対象は他の抗糖尿病薬に未経験であるか、経口抗糖尿病薬(OAD)に未経験である。他の実施形態では、対象は、1つまたは複数の他の抗糖尿病薬、例えばOADによってそれ以前に治療されている。他の実施形態では、対象は、メトホルミン、スルホニル尿素、チアゾリジンジオンまたはそれらの組合せによってそれ以前に治療されている。一部の実施形態では、対象は、OADによる活性治療計画によって治療中、すなわち、その治療下にある。一実施形態では、対象は、インスリン分泌性ペプチド結合体の投与の前1週間、2日または1日以内に、OAD、例えばメトホルミンを投与されている。具体的な実施形態において、対象は、少なくとも3カ月の間、毎日≧1000mgメトホルミンの安定用量を投与されている。例示的なOADを、下に提供する。
特定の実施形態では、対象は、メトホルミンによる活性治療計画によって現在治療中、すなわち、その治療下にある。一実施形態では、対象は、インスリン分泌性ペプチド結合体の投与の前1週間、2日または1日以内に、メトホルミンを投与されている。特定の実施形態において、対象は、少なくとも3カ月の間、毎日≧1000mgメトホルミンの安定用量を投与されている。
特定の実施形態では、本明細書の製剤は、単独療法として投与することができる。言い換えると、本明細書の製剤は、本明細書で提供される1つまたは複数の状態の治療のための活性剤の、単独投与として提供され得る。
5.3.2 抗糖尿病薬による併用療法
本明細書で提供される方法および製剤では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、糖尿病、肥満、またはインスリン分泌性ペプチド、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体で治療できる障害の治療または予防において、1つまたは複数の第二の治療薬と一緒に、または組み合わせて用いることができる。一部の実施形態では、これらの剤の組合せは、そのような疾患または障害のために、いずれかの単一の治療単独でよりも有効な治療をもたらすことができる。
本明細書で提供される製剤は、当技術分野の医師が適すると考える任意の手段によって、第二の治療薬と組み合わせることができる。例えば、製剤を本明細書で記載のように投与することができ、第二の治療薬は、任意の手段によって、また、その剤に適する任意のスケジュールおよび用量によって投与することができる。投与方法、用量および投薬スケジュールは、当業者の技術の範囲内であり、第二の活性剤についての知識に基づいて決定することができる。特定の実施形態では、用量および投薬スケジュールは、当業者が併用療法のために調節することができる。製剤および第二の剤は、一緒に投与する必要はない。しかし、特定の実施形態では、適する場合、必要に応じて製剤および第二の剤を一緒に投与することができる。特定の実施形態では、製剤は、必要に応じて、インスリン分泌性ペプチドに加えて第二の剤を含むことができる。
本明細書で提供される方法において、1つまたは複数の第二の治療成分または剤を、インスリン分泌性ペプチド結合体と一緒に用いることができる。第二の治療薬には、経口抗糖尿病薬(OAD)または肥満防止薬を含めた、抗糖尿病薬が含まれる。
5.3.2.1 OAD
本明細書で提供される併用療法で使用される例示的なOADには、それらに限定されないが、スルホニル尿素、例えばトルブタミド(Orinase)、アセトヘキサミド(Dymelor)、トラザミド(Tolinase)、クロルプロパミド(Diabinese)、グリピジド(Glucotrol)、グリブリド(Diabeta、Micronase、Glynase)、グリベンクラミド、グリメピリド(Amaryl)またはグリクラジド(Diamicron);ビグアナイド、例えばメトホルミン、フェンホルミンまたはブホルミン;グリニド、例えばStarlix(ナテグリニド)、Prandin(レパグリニド)、Glufast(ミチグリニド);メグリチニド、例えばレパグリニド(Prandin)またはナテグリニド(Starlix);チアゾリジンジオン、例えばロジグリタゾン(Avandia)、ピオグリタゾン(Actos)またはトログリタゾン(Rezulin);あるいはα−グルコシダーゼ阻害剤、例えばミグリトール(Glyset)またはアカルボース(Precose/Glucobay)が含まれる。
5.3.2.2 DPP IV阻害剤
一部の実施形態では、本明細書で提供される併用療法で用いられる第二の治療薬は、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(DPP IV阻害剤)である。DPP−IV阻害剤は、DPP−IVの酵素活性の阻害を示す任意の化合物であり得る。DPP−IV阻害剤の例は、例えば、(i)D. J. Drucker、2003年、Exp. Opin. Invest. Drugs、12巻:87〜100頁;(ii)K. Augustynsら、2003年、Exp. Opin. Ther. Patents、13巻:499〜510頁;(iii)C. F. Deaconら、2004年、Exp. Opin. Investig. Drugs、13巻:1091〜1102頁;(iv)A. E. Weber、2004年、J. Med. Chem.、47巻:4135〜4141頁;(v)J. J. Holst、2004年、Exp. Opin. Emerg. Drugs、9巻:155〜166頁;(vi)Augustynsら、2005年、Expert Opinion On Therapeutic Patents、15巻(10号):1387〜1407頁;(vii)Sebokovaら、2007年、Current Topics in Medicinal Chemistry、7巻:547〜555頁に記載され、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
DPP IV阻害剤が経口的に利用可能であるか、経口的に投与される場合、DPP IV阻害剤は、本明細書に記載されるようにOADである。言い換えると、OADには、本明細書で記載のDPP IV阻害剤のいくつかまたは全てが含まれてもよい。
DPP−IV阻害剤の具体例には、それらに限定されないが、ジペプチド誘導体またはジペプチド模倣薬、例えばアラニン−ピロリジド、イソロイシン−チアゾリジドおよび偽基質N−バリルプロリル、O−ベンゾイルヒドロキシルアミンが含まれ、例えば、米国特許第7,253,172号、同第7,241,756号、同第7,238,724号、同第7,238,720号、同第7,236,683号、同第7,235,538号、同第7,230,074号、同第7,230,002号、同第7,229,969号、同第7,223,573号、同第7,217,711号、同第7,208,498号、同第7,205,409号、同第7,205,323号、同第7,196,201号、同第7,192,952号、同第7,189,728号、同第7,186,846号、同第7,186,731号、同第7,183,290号、同第7,183,280号、同第7,179,809号、同第7,169,926号、同第7,169,806号、同第7,166,579号、同第7,157,490号、同第7,144,886号、同第7,132,443号、同第7,125,873号、同第7,125,863号、同第7,122,555号、同第7,115,650号、同第7,109,192号、同第7,101,871号、同第7,098,239号、同第7,084,120号、同第7,078,397号、同第7,078,281号、同第7,074,794号、同第7,060,722号、同第7,053,055号、同第7,034,039号、同第7,026,316号、同第6,911,467号、同第6,890,898号、同第6,890,905号、同第6,869,947号、同第6,867,205号、同第6,861,440号、同第6,844,316号、同第6,849,622号、同第6,825,169号、同第6,812,350号、同第6,803,357号、同第6,800,650号、同第6,727,261号、同第6,716,843号、同第6,710,040号、同第6,706,742号、同第6,699,871号、同第6,645,995号、同第6,617,340号、同第6,699,871号、同第6,573,287号、同第6,432,969号、同第6,395,767号、同第6,380,398号、同第6,319,893号、同第6,303,661号、同第6,242,422号、同第6,201,132号、同第6,172,081号、同第6,166,063号、同第6,124,305号、同第6,110,949号、同第6,107,317号、同第6,100,234号、同第6,040,145号、同第6,011,155号、同第5,939,560号、同第5,462,928号に記載され、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
DPP−IV阻害剤のさらなる例は、米国特許出願公開第20070172525号、同第20070185061号、同第2007016750号、同第20070149451号、同第20070142383号、同第20070142436号、同第20070123579号、同第20070112059号、同第20070105890号、同第20070098781号、同第20070093492号、同第20070082932号、同第20070082908号、同第20070072810号、同第20070072804号、同第20070072803号、同第20070060547号、同第20070049619号、同第20070049596号、同第20070021477号、同第20060293297号、同第20060281796号、同第20060281727号、同第20060276487号、同第20060276410号、同第20060270722号、同第20060270701号、同第20060270679号、同第20060264457号、同第20060264433号、同第20060264401号、同第20060264400号、同第20060258646号、同第20060258621号、同第20060247226号、同第20060229286号、同第20060217428号、同第20060211682号、同第20060205711号、同第20060205675号、同第20060173056号、同第20060154866号、同第20060142585号、同第20060135767号、同第20060135561号、同第20060135512号、同第20060116393号、同第20060111336号、同第20060111428号、同第20060079541号、同第20060074058号、同第20060074087号、同第20060069116号、同第20060058323号、同第20060052382号、同第20060046978号、同第20060040963号、同第20060039974号、同第20060014953号、同第20060014764号、同第20060004074号、同第20050059724号、同第20050059716号、同第20050043292号、同第20050038020号、同第20050032804号、同第20050272765号、同第20050272652号、同第20050261271号、同第20050260732号、同第20050260712号、同第20050245538号、同第20050234235号、同第20050233978号、同第20050234108号、同第20050222242号、同第20050222222号、同第20050222140号、同第20050215784号、同第20050215603号、同第20050209249号、同第20050209159号、同第20050203095号、同第20050203031号、同第20050203027号、同第20050192324号、同第20050187227号、同第20050176771号、同第20050171093号、同第20050164989号、同第20050143377号、同第20050143405号、同第20050137224号、同第20050131019号、同第20050130985号、同第20050130981号、同第20050113310号、同第20050107390号、同第20050107309号、同第20050096348号、同第20050090539号、同第20050075330号、同第20050070719号、同第20050070706号、同第20050070535号、同第20050070531号、同第20050070530号、同第20050065148号、同第20050065145号、同第20050065144号、同第20050043299号、同第20050043292号、同第20050032804号、同第20050026921号、同第20050004205号、同第20050004117号、同第20050032804号、同第20040259903号、同第20040259902号、同第20040259883号、同第20040259870号、同第20040259843号、同第20040254226号、同第20050254167号、同第20040242898号、同第20040242636号、同第20040242568号、同第20040242566号、同第20040236102号、同第20040235752号、同第20040229926号、同第20040229848号、同第20040229820号、同第20040209891号、同第20040186153号、同第20040180925号、同第20040176428号、同第20040176406号、同第20040171555号、同第20040171848号、同第20040167341号、同第20040167133号、同第20040152745号、同第20040147434号、同第20040138215号、同第20040138214号、同第20040121964号、同第20040116328号、同第20040110817号、同第20040106656号、同第20040106802号、同第20040106655号、同第20040097510号、同第20040087587号、同第20040082570号、同第20040082497号、同第20040077645号、同第20040072892号、同第20040063935号、同第20040034014号、同第20030232788号、同第20030225102号、同第20030216450号、同第20030216382号、同第20030199528号、同第20030195188号、同第20030166578号、同第20030162820号、同第20030149071号、同第20030134802号、同第20030130281号、同第20030130199号、同第20030125304号、同第20030119750号、同第20030119738号、同第20030105077号、同第20030100563号、同第20030092630号、同第20030087950号、同第20030078247号、同第20030060494号、同第20020198242号、同第20020198205号、同第20020183367号、同第20020165164号、同第20020161001号、同第20020110560号、同第20020103384号、同第20030096857号、同第20020071838号、同第20020065239号、同第20020061839号、同第20020049164号、同第20020019411号、同第20020006899号、同第20010020006号に見ることができ、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
DPP−IV阻害剤のさらに他の例は、国際公開第07/054577号、同第07/053865号、同第05/116029号、同第05/087235号、同第05/082348号、同第05/082849号、同第05/079795号、同第05/075426号、同第05/072530号、同第05/063750号、同第05/058849号、同第05/049022号、同第05/047297号、同第05/044195号、同第05/042488号、同第05/042003号、同第05/040095号、同第05/037828号、同第05/037779号、同第05/034940号、同第05/033099号、同第05/032590号、同第05/030751号、同第05/030127号、同第05/026148号、同第05/025554号、同第05/023762号、同第05/020920号、同第05/19168号、同第05/12312号、同第05/12308号、同第05/12249号、同第05/11581号、同第05/09956号、同第05/03135号、同第05/00848号、同第05/00846号、同第04/112701号、同第04/111051号、同第04/111041号、同第04/110436号、同第04/110375号、同第04/108730号、同第04/104216号、同第04/104215号、同第04/103993号、同第04/103276号、同第04/99134号、同第04/96806号、同第04/92128号、同第04/87650号、同第04/87053号、同第04/85661号、同第04/85378号、同第04/76434号、同第04/76433号、同第04/71454号、同第04/69162号、同第04/67509号、同第04/64778号、同第04/58266号、同第04/52362号、同第04/52850号、同第04/50022号、同第04/50658号、同第04/48379号、同第04/46106号、同第04/43940号、同第04/41820号、同第04/41795号、同第04/37169号、同第04/37181号、同第04/33455号、同第04/32836号、同第04/20407号、同第04/18469号、同第04/18468号、同第04/18467号、同第04/14860号、同第04/09544号、同第04/07468号、同第04/07446号、同第04/04661号、同第04/00327号、同第03/106456号、同第03/104229号、同第03/101958号、同第03/101448号、同第03/99279号、同第03/95425号、同第03/84940号、同第03/82817号、同第03/80633号、同第03/74500号、同第03/72556号、同第03/72528号、同第03/68757号、同第03/68748号、同第03/57666号、同第03/57144号、同第03/55881号、同第03/45228号、同第03/40174号、同第03/38123号、同第03/37327号、同第03/35067号、同第03/35057号、同第03/24965号、同第03/24942号、同第03/22871号、同第03/15775号、同第03/04498号、同第03/04496号、同第03/02530号、同第03/02596号、同第03/02595号、同第03/02593号、同第03/02553号、同第03/02531号、同第03/00181号、同第03/00180号、同第03/00250号、同第02/83109号、同第02/83128号、同第02/76450号、同第02/68420号、同第02/62764号、同第02/55088号、同第02/51836号、同第02/38541号、同第02/34900号、同第02/30891号、同第02/30890号、同第02/14271号、同第02/02560号、同第01/97808号、同第01/96295号、同第01/81337号、同第01/81304号、同第01/68603号、同第01/55105号、同第01/52825号、同第01/34594号、同第00/71135号、同第00/69868号、同第00/56297号、同第00/56296号、同第00/34241号、同第00/23421号、同第00/10549号、同第99/67278号、同第99/62914号、同第99/61431号、同第99/56753号、同第99/25719号、同第99/16864号、同第98/50066号、同第98/50046号、同第98/19998号、同第98/18763号、同第97/40832号、同第95/29691号、同第95/15309号、同第93/10127号、同第93/08259号、同第91/16339号、EP1517907、EP1513808、EP1492777、EP1490335、EP1489088、EP1480961、EP1476435、EP1476429、EP1469873、EP1465891、EP1463727、EP1461337、EP1450794、EP1446116、EP1442049、EP1441719、EP1426366、EP1412357、EP1406873、EP1406872、EP1406622、EP1404675、EP1399420、EP1399471、EP1399470、EP1399469、EP1399433、EP1399154、EP1385508、EP1377288、EP1355886、EP1354882、EP1338592、EP1333025、EP1304327、EP1301187、EP1296974、EP1280797、EP1282600、EP1261586、EP1258476、EP1254113、EP1248604、EP1245568、EP1215207、EP1228061、EP1137635、EP1123272、EP1104293、EP1082314、EP1050540、EP1043328、EP0995440、EP0980249、EP0975359、EP0731789、EP0641347、EP0610317、EP0528858、CA2466870、CA2433090、CA2339537、CA2289125、CA2289124、CA2123128、DD296075、DE19834591、DE19828113、DE19823831、DE19616486、DE10333935、DE10327439、DE10256264、DE10251927、DE10238477、DE10238470、DE10238243、DE10143840、FR2824825、FR2822826、JP2005507261;JP2005505531、JP2005502624、JP2005500321、JP2005500308、JP2005023038、JP2004536115、JP2004535445、JP2004535433、JP2004534836、JP2004534815、JP2004532220、JP2004530729、JP2004525929、JP2004525179、JP2004522786、JP2004521149、JP2004503531、JP2004315496、JP2004244412、JP2004043429、JP2004035574、JP2004026820、JP2004026678、JP2004002368、JP2004002367、JP2003535898、JP2003535034、JP2003531204、JP2003531191、JP2003531118、JP2003524591、JP2003520849、JP2003327532、JP2003300977、JP2003238566、JP2002531547、JP2002527504、JP2002517401、JP2002516318、JP2002363157、JP2002356472、JP2002356471、JP2002265439、JP2001510442、JP2000511559、JP2000327689、JP2000191616、JP1998182613、JP1998081666、JP1997509921、JP1995501078、JP1993508624に見ることができ、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、1000、700または500ダルトン未満の分子量を有する小分子、例えば、核酸、またはタンパク質もしくはペプチド以外の有機分子である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、β−アミノ酸誘導体、例えば3(R)−アミノ−1−[3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−a−]ピラジン−7−イル]−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタン−1−オン(MK−0431;Januvia)、またはその医薬用の塩、水和物または多形であり、それらは、米国特許第6,699,871号、EP1412357、WO03/04498およびUS2003100563に詳細に記載され、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、シタグリプチンである。シタグリプチンは、経口活性でありかつ選択的なDPP−IV阻害剤として記載され、米国および欧州において、単独で、またはメトホルミンまたはスルホニル尿素またはPPARγアゴニストと併用して、糖尿病の治療のために最近承認された。それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第6,699,871号、Kimら、2005年、J. Med. Chem.48巻:141〜151頁を参照。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、シアノピロリジド、例えば、(1−[[3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン(LAF237またはビルダグリプチン)、1−[2−[5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジン(NVP−DPP728)、または(1S,3S,5S)−2−[2(S)−アミノ−2−(3−ヒドロキシアダマンタン−1−イル)アセチル]−2−アザビシクロ[−3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(サキサグリプチンまたはBMS−47718)であり、それらは、例えば、米国特許第6,617,340号、6,432,969号、6,395,767号、6,166,063号、6,124,305号、6,110,949号、6,011,155号、6,107,317号、WO98/19998およびJP2000511559、WO00/34241、EP1137635およびJP2002531547で詳細に開示され、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
一部の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、ビルダグリプチンである。一部の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、NVP−DPP728である。ビルダグリプチンおよびNVP−DPP728は、経口活性で選択的なDPP−IV阻害剤として記載されている。それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Villhauerら、2002年、J Med Chem、45巻:2362〜2365頁、Villhauerら、2003年、J Med Chem、46巻:2774〜2789頁を参照。ビルダグリプチン(LAF 237)は、現在米国において第III相臨床試験中である。それは、メトホルミンまたはスルホニル尿素またはチアゾリジンジオンと組み合わせて使用することが、欧州で承認されている。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、サキサグリプチンである。サキサグリプチンは、現在II型糖尿病の治療のために、米国および欧州において第III相臨床試験中である。その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Augeriら、2005年、J. Med. Chem.、48巻(5号):5025〜5037頁を参照。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、3−(L−イソロイシル)チアゾリジン(イソロイシン−チアゾリジドまたはPSN−9301)である。イソロイシン−チアゾリジドは、JP2001510442、WO97/40832、米国特許第6,303,661号およびDE19616486で見ることができ、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。イソロイシン−チアゾリジドは、経口活性で選択的なDPP−IV阻害剤として記載されている。それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Pedersonら、1998年、Diabetes、47巻:1253〜1258頁;Epsteinら、2007年、Curr. Opion. Investig. Drugs.、8巻(4号):331〜337頁を参照。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、米国特許第7,169,926号および7,034,039号に記載されているような、SYR−322(アログリプチン)またはSYR−472であり、それぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Deaconら、Diabetes(1998)47巻:764769頁に開示されているようなバリン−ピロリジドである。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、[1−[2(S)−アミノ−3−メチルブチリル]ピロリジン−2(R)−イル]ボロン酸(PT−100)である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるNordhoffら、2006年、Bioorganic Medical Chemistry Letters、16巻:1744〜1748頁に記載されるような、β−フェネチルアミンである。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる出願番号WO06/034435に記載されるような、PT−630(DB−160)である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPeiら、J. Med. Chem、2006年11月2日;49巻(22号):6439〜42頁に記載されるような、ABT−341である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMadarら、J. Med. Chem.、2006年10月19日;49巻(21号):6416〜20頁に記載のような、ABT−279である。
特定の実施形態では、DDP−IV阻害剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる出願番号WO04/18468に記載のような、BI−1356/Onderoである。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、SYR−619である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、GSK−823093である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、PSN 9301である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、TA−6666である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、CR−14023である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、CR−14025である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、CR−14240である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、CR−13651である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、NNC−72−2138である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、NN−7201である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、PHX−1149である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、PHX−1004である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、SNT−189379である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、GRC−8087である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、SK−0403である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、GSK−825964である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、TS−021である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、GRC−8200である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、GRC−8116である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、FE107542である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、MP−513である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、BI356である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、ALS 2−0426である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、ABT279である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、TS−201である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、KRP−104である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、R1579である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、LY2463665である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、ARI−2243である。
特定の実施形態では、DPP−IV阻害剤は、SSR−162369である。
5.3.2.3 他の第二の治療薬
一部の実施形態では、第二の治療薬は、インスリン受容体アゴニストである。一部の実施形態では、インスリン受容体アゴニストは、ヒトインスリンまたはインスリン類似体;基礎インスリン、例えばLantus(インスリングラルギン)、Levemir(インスリンデテミール)、NN5401、NN−344、Albulin−G;または即効性のインスリン、例えばNovolog(インスリンアスパルト)、Humalog(インスリンリスプロ)、Apidra(インスリングルリシン)である。
一部の実施形態では、第二の治療薬は、Symlin(プラムリンチド)などのアミリン受容体アゴニストである。
一部の実施形態では、第二の治療薬は、グルコース依存性インスリン分泌性ペプチド/胃抑制ポリペプチド(GIP)類似体;BAY−27−9955、Cpd GまたはISIS−325,568などのグルカゴン受容体(GCGR)アンタゴニスト;ISIS−377,131などの糖質コルチコイド受容体(GCCR)アンタゴニスト;クロミウムおよびバナジウム塩または誘導体;BVT−3498などの11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ(11β−HSD1および11β−HSD2)デヒドロゲナーゼおよびレダクターゼ阻害剤;タンパク質チロシンホスファターゼ1b(PTP 1b)阻害剤;グルコース輸送体(GLUT)およびアイソフォーム(GLUT1、GLUT4)阻害剤;ナトリウム−グルコース共輸送体およびアイソフォーム(SGLT1、SGLT2)阻害剤、例えばダパグリフォジン、セルジルフォジンおよびAVE−2268;サーチュイン(SIRT)およびアイソフォームアゴニスト(SIRT1)、例えばレズベラトロル、SRT−501;PPARγ/δアゴニスト;PPARα/γアゴニスト、例えばテサグリタサール、ムラグリタザール、ナベグリタザール;フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ(FBPase)阻害剤、例えばCS−917、MB−7803;グルコース依存性インスリン分泌性受容体(GDIR、Gタンパク質結合受容体119、GPR−119)アゴニスト、例えばADP−668;Gタンパク質結合受容体GPR−40、GPR−120、GPR−109A(HM−74A)アゴニストによるグルコース依存性インスリン分泌;線維芽細胞成長因子(FGF)およびアイソフォーム(FGF−21)類似体;CXS−203などのプレセニリン結合ロンボイド様タンパク質(PSARL)アンタゴニスト;肝臓インスリン感作物質(HISS)、骨形態形成タンパク−9(BMP−9);オステオカルシン;ビスファチン(ニコチンアミドホスホリボシル転移酵素、Nampt);メタグリダセン、MBX−2044などの選択的PPARγ調節因子(SPPARM);RO−28−1675などのグルコキナーゼ(GK)活性化剤;PSN−357などのリン酸グリコーゲン(GP)阻害剤;島新生遺伝子関連タンパク質(INGAP)などのβ細胞成長因子;CD−3アンタゴニスト、例えばテプリズマブ、GAD65アンタゴニスト、例えばDiamyd、DiaPep277、インターロイキン1阻害剤(IL−1)、例えばXOMA−052、jun N末端キナーゼ(JNK)阻害剤、寛容原、例えばNBI−6024、TRX4である。
一部の実施形態では、第二の治療薬は、肥満防止薬である。一部の実施形態では、肥満防止薬は、カンナビノイド1受容体(CB1R)逆作動薬およびアンタゴニスト、例えばAcomplia/Zimulti(リモナバント)、Meridia(シブトラミン)またはXenical(オルリスタッド)である。
一部の実施形態では、第二の治療薬は、胃腸ホルモン類似体である。一部の実施形態では、胃腸ホルモン類似体は、Gattex(テヅグルチド)などのグルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)類似体;PYY(1−36)、PYY(3−36)などのペプチドYY類似体;膵臓ポリペプチド(PP)類似体;またはガストリン類似体である。
5.3.3 治療のための対象の選択
一態様では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、それ以前に抗糖尿病薬で治療された対象を特定することを含む方法を提供する。当技術分野で公知である任意の抗糖尿病薬による過去の治療は、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えば本明細書で記載のインスリン分泌性ペプチド結合体による治療のための対象を特定するための根拠の役目を果たすことができる。例示的な抗糖尿病薬は、上で提供されている。一部の実施形態では、抗糖尿病薬は経口抗糖尿病薬(OAD)である。一部の実施形態では、その対象が抗糖尿病薬、例えばOADによってそれ以前に治療されていないならば、対象は治療のために特定される。他の実施形態では、その対象が抗糖尿病薬、例えばOADによってそれ以前に治療されているならば、対象は治療のために特定される。対象が抗糖尿病薬、例えばOADによってそれ以前に治療されているかどうかは、当技術分野の医師の判断によって決定することができる。特定の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、他の抗糖尿病薬によって低血糖を経験した対象を特定することを含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、その前に治療を受け、体重増加または望ましくない体重増加を経験した対象を特定することを含む方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、それ以前に第二の活性剤、例えばOAD、例えばスルホニル尿素、メトホルミンまたはチアゾリジンジオンによって治療された対象を特定することを含み、抗糖尿病薬の投与が、望ましい治療予後、例えば、当技術分野の医師によって判定される対象のグルコースレベルの許容される制御をもたらしたかどうかを決定することをさらに含むこともできる方法を提供する。許容される血糖制御は、それらに限定されるが、全血中グルコースの減少、血漿血中グルコースの減少、間質性グルコース(IG)の減少、および/またはHbA1cレベルの減少によって示すことができる。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、対象のグルコースレベルの許容される制御をもたらした抗糖尿病薬、例えばOADをそれ以前に投与された対象を特定することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、対象のグルコースレベルの許容される制御をもたらさなかった抗糖尿病薬、例えばOADをそれ以前に投与された対象を特定することを含む方法を提供する。前述の方法は、インスリン分泌性ペプチド結合体または製剤を、特定された対象に投与することをさらに含むことができる。
一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、インスリン分泌性ペプチド結合体の最初の投与の前に、抗糖尿病薬、例えばOADを投与された対象を特定することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、OADはメトホルミンである。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、別の抗糖尿病薬、例えばOADを30、25、20、15、10または5日以内前(特定する時間から測定した)に投与された対象を特定することを含み、インスリン分泌性ペプチド結合体または製剤を、他の抗糖尿病薬の投与から30、25、20、15、10または5日以内に投与することをさらに含む方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、別の抗糖尿病薬、例えばOADの有効量を投与されていない対象を特定すること、次に、インスリン分泌性ペプチド結合体の最初の投与のとき(例えば、それと同じ時間または同じ日)に他の抗糖尿病薬を投与することを含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、別の抗糖尿病薬、例えばOADの有効量を投与されていない対象を特定すること、次に、対象にインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の最初の投与をすることを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、前糖尿病、例えば耐糖能異常(IGT)および/または空腹時血糖異常(IFG))を有する対象を治療するための方法であって、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えば本明細書で記載のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を、前糖尿病を治療するために有効な量で前記対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミンに結合しているエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHである。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、IFGおよび/またはIGTを有する対象を特定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、当技術分野の医師によるIFGの診断を有する対象を特定することを含む。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、100mg/dl(5.6mmol/l)を超えるが126mg/dl(7.0mmol/l)未満の空腹時血漿グルコースレベルを有する対象を特定することを含む方法を提供する。他の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、当技術分野の医師によるIGTの診断を有する対象を特定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本方法は、140mg/dl(7.8mmol/l)を超えるが200mg/dl(11.1mmol/l)未満の2時間経口ブドウ糖負荷試験レベルを有する対象を特定することを含む。前述の方法は、インスリン分泌性ペプチド結合体または製剤を、特定された対象に投与することをさらに含むことができる。
別の態様では、本発明は、肥満であるが糖尿病でも前糖尿病でもない対象を治療するための方法であって、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えば本明細書で記載のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を、肥満を治療するために有効な量で前記対象に投与することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミンに結合しているエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHである。一部の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、インスリン分泌性ペプチド結合体による治療のための、肥満であるが糖尿病でも前糖尿病でもない対象を特定することを含み、それ以前に肥満防止薬で治療された対象を特定することを含む方法を提供する。当技術分野で公知である任意の肥満防止薬による過去の治療は、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えば本明細書で記載のインスリン分泌性ペプチド結合体による治療のための対象の選択の根拠の役目を果たすことができる。一部の実施形態では、肥満防止薬はオルリスタットである。一部の実施形態では、肥満防止薬はシブトラミンである。他の実施形態では、肥満防止薬はリラグルチド(NN2211)である。リラグルチド(NN2211)は、構造Arg(34)Lys(26)−(N−ε−(γ−Glu(N−α−ヘキサデカノイル))−GLP−1(7〜36)−NHを有するGLP−1類似体である。一部の実施形態では、その対象がリラグルチドによってそれ以前に治療されていないならば、対象は治療のために選択される。他の実施形態では、本発明は、本明細書で提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、それ以前にリラグルチドで治療された対象を特定することを含む方法を提供する。前述の方法は、インスリン分泌性ペプチド結合体または製剤を、特定された対象に投与することをさらに含むことができる。
特定の実施形態では、対象がそれ以前にリラグルチドによって治療されている場合、本発明は、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、当技術分野の医師が判断する望ましい治療予後、例えば対象のベースライン体重の5%超に達する体重減少をもたらしたリラグルチドを事前に投与されている対象を特定することを含む方法を提供する。一部の実施形態では、本発明は、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、対象のベースライン体重の5%超に達する体重減少をもたらしたリラグルチドを事前に投与されている対象を特定することを含む方法を提供する。特定の実施形態では、本発明は、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤による治療のための対象を選択する方法であって、対象のベースライン体重の5%超に達する体重減少をもたらさなかったリラグルチドを事前に投与されている対象を特定することを含む方法を提供する。前述の方法は、インスリン分泌性ペプチド結合体または製剤を、特定された対象に投与することをさらに含むことができる。
5.3.4 神経系障害の治療
ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、鎮静剤として用いることができる。本発明の一態様では、中枢または末梢の神経系の活性化の増加をもたらす異常を有する、哺乳動物対象を鎮静する方法が提供される。本方法は、本明細書で記載されるインスリン分泌性ペプチド結合体を含む医薬製剤を、対象で鎮静または抗不安作用を起こすのに十分な量で対象に投与することを含む。医薬製剤は、脳室内、経口、皮下、筋内、または静脈内に投与することができる。そのような方法は、不安、運動障害、攻撃性、精神病、発作、パニック発作、ヒステリーおよび睡眠障害などの神経系の状態を治療または改善するために有用である。
関連の態様では、本発明は哺乳動物対象の活動性を増加させる方法であって、本明細書で記載されるインスリン分泌性ペプチド結合体を含む医薬製剤を、対象で活性化作用を起こすのに十分な量で対象に投与することを含む方法を包含する。好ましくは、対象は、中枢または末梢の神経系の活性低下をもたらす状態を有する。医薬製剤は、インスリン分泌性ペプチド関連の疾患または状態の治療で用いることができる。特定の実施形態では、医薬製剤は、中枢神経系の覚醒が有利であろういくつかの状態を挙げると、うつ病、統合失調情動障害、睡眠時無呼吸、集中力の劣る注意欠陥症候群、記憶喪失、健忘症およびナルコレプシーの治療または改善で用いることができる。
ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、うつ病、統合失調情動障害、睡眠時無呼吸、集中力の劣る注意欠陥症候群、記憶喪失、健忘症およびナルコレプシーの治療または改善のために、覚醒を誘導するために用いることもできる。治療の治療効力は、それらの状態を評価するための対象との面談、心理学的/神経学的試験、またはこれらの状態に関連する症状の改善によって監視することができる。例えば、ナルコレプシーの治療は、睡眠発作の発生を監視することによって評価することができる。他の例として、対象の集中力、または記憶能力に対する修飾ITPの効果を、当業者に周知であるいくつかの診断検査のいずれかを使用して試験することができる。
5.3.5 手術後治療
ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、手術後治療のために用いることができる。対象は、対象に手術が実施される前の約1〜16時間の間、対象の手術の間、および対象の手術の後の約5日間以内の間、本明細書で記載される結合インスリン分泌性ペプチドを含む医薬製剤を必要とする。
医薬製剤は、手術が始まる約16時間前から約1時間前に投与される。異化作用およびインスリン抵抗性を減少させるために、本発明で用いられる化合物が投与されるべき手術前の時間の長さは、いくつかの要素に依存する。これらの要素は、当技術分野の医師に一般に公知であり、その例には、最も重要なものとして、手術前の予備期間中に、対象が絶食させられるか、またはグルコース注入もしくは飲料、または他の形態の糧を供給されるかどうかが含まれる。他の重要な要素には、対象の性別、体重および年齢、血中グルコース調節不能の程度、血中グルコース調節不能の根本原因、手術に起因する予想される外傷の程度、投与経路および生物学的利用率、体内での持続性、製剤、ならびに投与される化合物の効力が含まれる。本発明で用いられる修飾インスリン分泌性ペプチドの投与を開始する好ましい時間帯は、手術が始まる約1時間前から約10時間前である。投与を開始する最も好ましい時間帯は、手術が始まる2時間前と8時間前の間である。
特定のタイプの手術、待機腹部手術の後のインスリン抵抗性は、手術後初日に最も著しく、少なくとも5日間持続し、正常化するのに最長3週間かかることがある。したがって、手術後の対象は、当技術分野の医師が理解し、判定する要素によって決まる手術の外傷に続くしばらくの間、本発明の医薬製剤の投与を必要とすることがある。これらの要素には、手術後に対象が絶食させられるか、またはグルコース注入もしくは飲料、または他の形態の糧を供給されるかどうか、加えて、非限定的に、対象の性別、体重および年齢、血中グルコース調節不能の程度、血中グルコース調節不能の根本原因、手術に起因する実際の外傷の程度、投与経路および生物学的利用率、体内での持続性、製剤、ならびに投与される化合物の効力が含まれる。本発明で用いられる化合物の好ましい投与期間は、手術から5日以内である。
5.3.6 インスリン抵抗性治療
ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、手術後治療でのそれらの使用から独立に、インスリン抵抗性を治療するために利用することができる。インスリン抵抗性は、細胞表面受容体へのインスリン結合の減少、または細胞内代謝の変化に帰することができる。インスリン感受性の低下を特徴とする第一のタイプは、インスリン濃度の上昇によって一般的に克服することができる。インスリン応答性の低下を特徴とする第二のタイプは、多量のインスリンによって克服することができない。外傷後のインスリン抵抗性は、インスリン抵抗性の程度に比例するインスリンの用量によって克服することができ、したがって明らかにインスリン感受性の低下に起因する。
5.3.7 吐き気が軽減されている糖尿病または肥満の治療
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2006年11月9日に出願の「Method of Treatment of Diabetes and/or Obesity with Reduced Nausea Effect」という名称の米国特許出願第11/595,576号(公開番号第2007/0207958号)に記載のように、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、吐き気副作用を軽減させつつ、インスリン分泌性ペプチド関連の疾患または状態の治療で用いることができる。
5.3.8 他の状態
ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、それを必要とする対象においてフィブリノーゲンの濃度を変化させるために用いることができる。それを必要とする対象においてフィブリノーゲンの濃度を低下させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を対象に投与することを含み、対象においてフィブリノーゲンの濃度が低減される方法がここで提供される。フィブリノーゲンレベルの上昇した対象においてフィブリノーゲンの濃度を低下させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を対象に投与することを含み、対象においてフィブリノーゲンの濃度が低減される方法がここで提供される。それを必要とする対象の改善された心血管リスクプロファイルを提供する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を対象に投与することと、対象でフィブリノーゲン濃度の低下を測定することとを含み、対象の心血管リスクプロファイルが改善される方法がここで提供される。フィブリノーゲンレベルの上昇した対象の改善された心血管リスクプロファイルを提供する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を対象に投与することと、対象でフィブリノーゲン濃度の低下を測定することとを含み、対象の心血管リスクプロファイルが改善される方法がここで提供される。それを必要とする対象を治療する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を対象に投与することを含み、対象におけるフィブリノーゲンの濃度が低減される方法がここで提供される。フィブリノーゲンレベルの上昇した対象を治療する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を対象に投与することを含み、対象におけるフィブリノーゲンの濃度が低減される方法がここで提供される。
ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体および製剤は、それを必要とする対象においてリポタンパク質の粒径またはサブクラス組成を変化させるために用いることができる。それを必要とする対象において大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度を増加させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象で大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度が増加される方法がここで提供される。大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたはそれらの任意の組合せが低下した対象において、大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLレベルまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度を増加させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象で大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度が増加される方法がここで提供される。それを必要とする対象において小粒子LDL、極小LDL、総LDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度を低減させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、小粒子LDLの濃度が低減される方法がここで提供される。小粒子LDL、極小LDL、総LDLまたはそれらの任意の組合せのレベルが上昇した対象において、小粒子LDL、極小LDL、総LDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度を低減させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、小粒子LDLの濃度が低減される方法がここで提供される。それを必要とする対象の改善された心血管リスクプロファイルを提供する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することと、大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度増加を測定することとを含み、前記対象の心血管リスクプロファイルが改善される方法がここで提供される。大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたはそれらの任意の組合せのレベルが低下した対象の改善された心血管リスクプロファイルを提供する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することと、大粒子LDL、大粒子HDL、総HDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度増加を測定することとを含み、前記対象の心血管リスクプロファイルが改善される方法がここで提供される。小粒子LDL、極小LDLまたは総LDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せのレベルが上昇した対象を治療する方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象で小粒子LDL、極小LDL、総LDLまたは前記リポタンパク質の任意の組合せの濃度が低減される方法がここで提供される。それを必要とする対象においてLDLまたはHDLの平均粒径を増加させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象でLDLまたはHDLの粒径が増加される方法がここで提供される。小粒子LDLのレベルが上昇し、大粒子HDLのレベルが低下し、総HDLまたはその任意の組合せのレベルが低下した対象において、LDLまたはHDLの平均粒径を増加させる方法であって、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体または製剤の有効量を前記対象に投与することを含み、前記対象でLDLまたはHDLの粒径が増加される方法がここで提供される。
5.3.9 投薬量および投与頻度
インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、当業者によって適すると考えられる任意の技術によって投与することができる。例えば、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、以下の手段のいずれかによって投与することができる:(a)経腸的、例えば経口的(口から)、直腸(例えば坐薬もしくは浣腸の形で)、栄養管(例えば、胃栄養管、十二指腸栄養管、胃フィステル形成);(b)非経口的、例えば、皮下、静脈内、筋内、皮内(皮膚自体に)、経皮的(皮膚、例えば無傷の皮膚を通しての拡散)、動脈内、腹腔内、心臓内(心臓に)投与、骨内(骨髄に)投与、髄膜下(脊柱管に)に、経粘膜(粘膜を通しての拡散、例えば、ガス注入(鼻で吸う)、鼻から、例えば鼻腔内に)、舌下的(舌の下)に、口内(頬を通して)、経膣的、吸入(例えば、肺投与);(c)局所的;(d)硬膜外(硬膜外腔への注射もしくは注入);および(e)硝子体内。インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の各投与は、ボーラスまたは注入によってもよい。好ましい実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、皮下に投与される。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、針を用いて、例えば、25ゲージ針、26ゲージ針、27ゲージ針、28ゲージ針、29ゲージ針、30ゲージ針、31ゲージ針、32ゲージ針または33ゲージ針、またはより高いゲージ針を用いて、皮下に投与される。
インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の投薬量および投与頻度は、当業者が決定することができる。障害または状態の治療に有効であるインスリン分泌性ペプチド結合体の量は、障害または状態の性質および程度、ならびに有効成分が投与される経路によって異なる。頻度および投薬量は、障害または状態の程度、投与経路、ならびに対象の年齢、体重、応答および過去の病歴によって、各対象に特異な要素によっても異なる。有効量は、インビトロまたは動物モデル試験系から誘導される、用量反応曲線から推定することができる。
インスリン分泌性ペプチド結合体の例示的な用量には、1キログラムの対象または試料重量あたりの、ミリグラムまたはマイクログラムの量のインスリン分泌性ペプチド結合体(例えば、1キログラムにつき約1マイクログラムから1キログラムにつき約50マイクログラム、例えば、1キログラムにつき約10マイクログラムから1キログラムにつき約30マイクログラム)が含まれる。
一部の実施形態では、特定の対象のために所望の治療応答を達成するのに有効であることができる、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の投薬量は、数週間にわたって投与される週毎の投薬計画に従って対象に投与される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、週に1回(例えば、単一用量で)投与することができる。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、週に2回(例えば、2つの同じであるか異なる用量で)投与することができる。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、2、3、4、5または6日毎に1回投与することができる。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、8、9、10、11、12または13日毎に1回投与することができる。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、3、4、5、6、7または8日の期間毎に2回投与することができる。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、9、10、11、12、13または14日の期間毎に2回投与することができる。
一部の実施形態では、用量は週に1回または2回投与され、用量は、インスリン分泌性ペプチド結合体を、約1000μg〜3000μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、1975μg、2000μg、2025μg、2050μg、2075μg、2100μg、2125μg、2150μg、2175μg、2200μg、2225μg、2250μg、2275μg、2300μg、2325μg、2350μg、2375μg、2400μg、2425μg、2450μg、2475μg、2500μg、2525μg、2550μg、2575μg、2600μg、2625μg、2650μg、2675μg、2700μg、2725μg、2750μg、2775μg、2800μg、2825μg、2850μg、2875μg、2900μg、2925μg、2950μg、または2975μg)、好ましくは約1000μg〜2750μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、1975μg、2000μg、2025μg、2050μg、2075μg、2100μg、2125μg、2150μg、2175μg、2200μg、2225μg、2250μg、2275μg、2300μg、2325μg、2350μg、2375μg、2400μg、2425μg、2450μg、2475μg、2500μg、2525μg、2550μg、2575μg、2600μg、2625μg、2650μg、2675μg、2700μg、または2725μg)、より好ましくは約1000〜2500μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、1975μg、2000μg、2025μg、2050μg、2075μg、2100μg、2125μg、2150μg、2175μg、2200μg、2225μg、2250μg、2275μg、2300μg、2325μg、2350μg、2375μg、2400μg、2425μg、2450μg、または2475μg)、最も好ましくは約1000μg〜2000μg(例えば、1025μg、1050μg、1075μg、1100μg、1125μg、1150μg、1175μg、1200μg、1225μg、1250μg、1275μg、1300μg、1325μg、1350μg、1375μg、1400μg、1425μg、1450μg、1475μg、1500μg、1525μg、1550μg、1575μg、1600μg、1625μg、1650μg、1675μg、1700μg、1725μg、1750μg、1775μg、1800μg、1825μg、1850μg、1875μg、1900μg、1925μg、1950μg、または1975μg)のインスリン分泌性ペプチド結合体の量で含む。一部の実施形態では、用量は、1000μg〜2000μgの量のインスリン分泌性ペプチドを含む。一部の実施形態では、用量は、1500μg〜2000μgの量のインスリン分泌性ペプチドを含む。
特定の実施形態では、総1週用量はその週の間に単一の投与で、すなわち週1回投与され、総1週用量は、1000μgまたは1500μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含む。特定の実施形態では、総1週用量は週1回投与され、用量は2000μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含む。特定の実施形態では、総1週用量は週に2回の投与にわたって、すなわち週2回で投与され、各投与は、1000μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は2000μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、1500μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は3000μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、1600μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は3200μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、1700μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は3400μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回投与され、最初の投与は1500μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、2回目の投与は2000μgの量のインスリン分泌性ペプチドを含み、合計総1週用量は3500μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、1750μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は3500μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、1800μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は3600μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、1900μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は3800μgに達する。特定の実施形態では、総1週用量は週2回で投与され、各投与は、2000μgの量のインスリン分泌性ペプチド結合体を含み、合計総1週用量は4000μgに達する。
特定の実施形態では、これらの投薬量またはここで記載される他の例示的な投薬量は、対象への薬量の便利な投与のための送達装置で提供することができる。当技術分野で公知である任意の送達装置を用いることができる。特定の実施形態では、送達装置は、皮下送達のために構成された注射器、例えば、25、26、27、28、29、30、31、32、33ゲージまたは33ゲージを超える針を備えた0.3、0.5、1、2、3mlまたは3mlを超える注射器である。
異なる治療有効量のインスリン分泌性ペプチド結合体を、異なる障害および状態に適用することができ、そのことは当業者ならば容易にわかる。
特定の実施形態では、ここで提供されるインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の投与は繰り返すことができ、投与は、少なくとも12時間、1日、36時間、2日、60時間、3日、84時間、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、4週間、6週間、2カ月、75日、3カ月または6カ月離すことができる。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の反復投与は、3日もしくは4日、1週間または2週間離される。
特定の実施形態では、本方法を実施することができ、製剤は、単一の、1回用量として、または長期的に与えることができる。長期/長期的には、本発明の製剤が、所定の個体に1回を超えて投与されることを意味する。例えば、長期投与は、週毎に、隔週に、月毎に、または多少頻繁に対象に投与される製剤の複数投与であってよく、そのことは当業者に明らかである。当技術分野の医師の判断により適当である場合、長期投与は、数週、数カ月または数年継続されてよい。さらに、当技術分野の医師の判断で、特定の用量が、許容されない耐容性プロファイル、例えば吐き気および嘔吐の頻繁で激しい発作を示す場合、医師は、そのようなプロファイルを低減させるために用量を減少させることができる。例えば、本明細書で記載される用量は、1500μg用量から1000μg用量に減少させることができ、または2000μg用量を1500μg用量に減少させることができる。
反復投与の過程で投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体の用量は、一定に保つことができるか、またはより早期の投与で投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体の用量と比較して、変更すること、例えば増減させることができる。特定の実施形態では、反復投与の過程で投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体の用量は、一定に保たれる。したがって、一部の実施形態では、1500μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の週用量が対象に投与され、投与は週に1500μgの週単位で繰り返される。他の実施形態では、2つの1500μg薬量で送達される、3000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の週用量が対象に投与され、週2回の投与は、1週間につき3000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の総1週用量で、週単位で繰り返される。一部の実施形態では、2000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の週用量が対象に投与され、投与は週に2000μgの週単位で繰り返される。他の実施形態では、2つの2000μg薬量で送達される、4000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の週用量が対象に投与され、週2回の投与は、1週間につき4000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の総1週用量で、週単位で繰り返される。一部の実施形態では、3000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体の週用量が対象に投与され、投与は週に3000μgの週単位で繰り返される。
他の実施形態では、対象に投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量は、反復投与の過程で増加される。例えば、特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体の1500μgの最初の総1週用量が第一の期間に対象に投与され、続いて第二の期間に、インスリン分泌性ペプチド結合体の2000μgの総1週用量が投与される。一部の実施形態では、第一の期間は、1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、第一の期間は4週間であり、すなわち、用量の増加は投薬の5週目の当初に開始される。一部の実施形態では、第二の期間は、1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、週用量は、長期的に投与される(すなわち、第二の期間は本明細書で記載の長期投与である)。別の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体の1500μgの最初の総1週用量は4週の間対象に投与され、直後に、インスリン分泌性ペプチド結合体の2000μgの総1週用量の長期投与(5週目に開始される)が続く。
特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量は、以下に示す順序の段階で対象に投与される:(a)第一の期間に週1回対象に1.5mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する;(b)第二の期間に週1回対象に2.0mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する。一部の実施形態では、第一の期間は4週間である。一部の実施形態では、第二の期間は8週間である。
対象に投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量が反復投与の過程で増加される別の実施形態では、2つの1500μg薬量で送達される、インスリン分泌性ペプチド結合体の3000μgの最初の総1週用量が第一の期間に対象に投与され、続いて、2つの2000μg薬量で送達される、インスリン分泌性ペプチド結合体の4000μgの総1週用量が第二の期間に投与される。一部の実施形態では、第一の期間は、1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、第一の期間は4週間であり、すなわち、用量の増加は投薬の5週目の当初に開始される。一部の実施形態では、第二の期間は、1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、週用量は、長期的に投与される(すなわち、第二の期間は本明細書で記載の長期投与である)。別の実施形態では、2つの1500μg薬量で送達される、インスリン分泌性ペプチド結合体の3000μgの最初の総1週用量が4週の間対象に投与され、直後に、2つの2000μg薬量で送達される、インスリン分泌性ペプチド結合体の4000μgの総1週用量が長期投与(5週目に開始される)される。
特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量は、以下に示す順序の段階で対象に投与される:(a)第一の期間に週2回対象に1.5mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する;(b)第二の期間に週2回対象に2.0mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する。一部の実施形態では、第一の期間は4週間である。一部の実施形態では、第二の期間は8週間である。
対象に投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量が反復投与の過程で増加される別の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体の1500μgの最初の総1週用量が第一の期間に対象に投与され、続いて、インスリン分泌性ペプチド結合体の2000μgの総1週用量が第二の期間に投与され、続いて第三の期間に、インスリン分泌性ペプチド結合体の3000μgの総1週用量が投与される。一部の実施形態では、第一の期間は1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上であり、第二の期間は1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、第一の期間は4週間であり、第二の期間は4週間であり、すなわち、用量の増加は投薬の5週目および9週目の当初に開始される。特定の実施形態では、第一の期間は2週間であり、第二の期間は2週間であり、すなわち、用量の増加は投薬の3週目および5週目の当初に開始される。一部の実施形態では、第三の期間は、1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、週用量は、長期的に投与される(すなわち、第三の期間は本明細書で記載の長期投与である)。別の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体の1500μgの最初の総1週用量が4週の間対象に投与され、直後に、インスリン分泌性ペプチド結合体の2000μgの総1週用量が4週間投与(5週目に開始される)され、直後に、3000μgの総1週用量が長期投与(9週目に開始される)される。別の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体の1500μgの最初の総1週用量が2週間対象に投与され、直後に、インスリン分泌性ペプチド結合体の2000μgの総1週用量が2週間投与(3週目に開始される)され、直後に、3000μgの総1週用量が長期投与(5週目に開始される)される。
特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量は、以下に示す順序の段階で対象に投与される:(a)第一の期間に週1回対象に1.5mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する;(b)第二の期間に週1回対象に2.0mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する;および(c)第三の期間に週1回対象に3.0mgのインスリン分泌性ペプチド結合体を投与する。一部の実施形態では、第一の期間は4週間である。一部の実施形態では、第二の期間は8週間である。
他の実施形態では、対象に投与されるインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の用量は、反復投与の過程で低減される。例えば、特定の実施形態では、1500μgのインスリン分泌性ペプチド結合体が第一の期間に週2回、3000μgの総1週用量で対象に投与され、続いて第二の期間に、インスリン分泌性ペプチド結合体の2000μgの総1週用量が投与される。別の特定の実施形態では、1500μgのインスリン分泌性ペプチド結合体が第一の期間に週2回、3000μgの総1週用量で対象に投与され、続いて、1000μgのインスリン分泌性ペプチド結合体が第二の期間に週2回、2000μgの総1週用量で対象に投与される。一部の実施形態では、第一の期間は、1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、第一の期間は4週間である。一部の実施形態では、第二の期間は1、2、3、4、5、6、7、8週またはそれ以上である。特定の実施形態では、週用量は、長期的に投与される(すなわち、第二の期間は本明細書で記載の長期投与である)。
本明細書で記載されるインスリン分泌性ペプチド結合体の有効量は、実質的な毒性を引き起こすことなく、治療的な利点を提供する。
インスリン分泌性ペプチド結合体の毒性は、細胞培養または実験動物における標準の薬学手順によって、例えばLD50(集団の50%に致死的な用量)またはLD100(集団の100%に致死的な用量)を測定することによって判断することができる。毒性と治療効果との間の用量比は、治療指数である。高い治療指数を示す化合物が、好ましい。これらの細胞培養アッセイおよび動物試験から得られるデータは、ヒトで使用することが有毒でない薬量範囲を処方するときに用いることができる。好ましくは、本明細書で記載される化合物の投薬量は、ほとんどまたは全く毒性のない有効用量を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、使用する剤形および用いる投与経路によって、この範囲内で異なることができる。的確な製剤、投与経路および投薬量は、対象の状態を考慮して個々の医師が選択することができる。(例えば、Finglら、1996年、「The Pharmacological Basis of Therapeutics」、第9版、第2章、29頁、Elliot M. Rossを参照)。
5.3.9.1 併用療法の投与経路および投薬量
本明細書で記載されるインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤、および1つまたは複数の第二の治療薬は、実質的に同じ時間に、すなわち並行して、例えば同じ時間内もしくは同じ日などに、または別々にずらした時間に、すなわち他の抗糖尿病薬の投与の前もしくは後に逐次的に、例えば別の日、週などに投与することができる。したがって、本発明の方法は、同時または非同時の治療のそのような体系の全てを含むものと理解されたい。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、他の第二の治療薬の投与から0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18時間内、または18時間より長い時間内に投与される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、他の第二の治療薬の投与から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日内、または14日を超える日数内に投与される。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、第二の治療薬の投与から1、2、3、4、5週内、または5週より長い期間内に投与される。
ここで提供される併用療法の一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、ここで提供される投薬計画に従って、例えば5、6、7、8または9日の間隔で、または12、13、14、15または16日の間隔で、皮下注射によって対象に投与される。治療する疾患および対象の状態により、特定の1つまたは複数の第二の治療薬は、経口、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、大脳室内(ICV)、嚢内注射もしくは注入、皮下注射、または移植)、吸入噴霧、鼻、膣、直腸、舌下または局所の投与経路によって投与することができ、また、各投与経路に適当な従来の無毒の薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む適する投薬単位製剤で、単独または一緒に製剤化することができる。特定の第二の治療薬およびインスリン分泌性ペプチド結合体が別々に投与される場合、それらは異なる経路によって投与されてもよい。
製剤は、当技術分野の医師によって適すると考えられる任意の注射部位に投与することができる。特定の実施形態では、製剤は、腹部、腿または腕に投与される。
製剤は、当技術分野の医師によって適すると考えられる任意の時間に投与することができる。特定の実施形態では、製剤は、朝、食前、または睡眠前の晩、またはそれらの組合せにより投与される。
しかし、任意の特定の対象のための特定の用量レベルおよび投薬頻度を変更することができ、それらは、年齢、体重、健康状態、性別、食事、投与の様式および時間、排泄速度、薬剤組合せ、特定の状態の程度、ならびに治療を受ける宿主を含む様々な要素によることは理解されよう。
ここで提供される併用療法の1つまたは複数の剤に反応して、対象が、有害事象、例えば、吐き気、嘔吐、注射関連の皮膚反応、低血糖症、すなわち低血糖症の臨床徴候を有する血糖レベル、60mg/dL(3.3mmol/L)、または極端で急速な体重減少などの任意の他の全身症状もしくは徴候を万が一経験する場合には、当分野の医師の判断によって、1つまたは複数の剤の特定の用量レベルおよび投薬頻度を低減または調節することができる。
ここで提供される併用療法の特定の実施形態では、対象は、インスリン分泌性ペプチド結合体およびOAD、例えばビグアナイド、例えばメトホルミンを投与される。別の特定の実施形態では、対象は、インスリン分泌性ペプチド結合体および2つのOAD、例えばビグアナイド、例えばメトホルミン、スルホニル尿素またはチアゾリジンジオン、および第二のOADを投与される。
5.4 キット
さらなる実施形態では、本発明は、本発明のインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を含むキットを提供し、それは、例えば、本明細書で記載の治療方法を実施するときに用いることができる。例えば、本発明は、それを必要とする対象におけるII型糖尿病の治療のためのキットを提供する。キットは、当分野の医師への配布のためのパッケージに入れた、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を含む。キットは、本明細書で記載のインスリン分泌性結合体の使用説明書、例えば、例として、前糖尿病(例えば、耐糖能異常(IGT)および空腹時血糖異常(IFG))、糖尿病、例えばI型糖尿病もしくはII型糖尿病、高齢発症成人性自己免疫性糖尿病としても公知の成人性潜伏型自己免疫性糖尿病(「LADA」)、緩徐発症I型糖尿病および1.5型糖尿病、ステロイド誘導糖尿病、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)治療誘発糖尿病、先天性もしくはHIV関連リポジストロフィー(「脂肪再分布症候群」)を有する対象における糖尿病発達、肥満(すなわち、30kg/m以上のBMI)、過体重(すなわち、25kg/m〜30kg/mのBMI)、メタボリックシンドローム(エックス症候群)、神経系障害、手術、インスリン抵抗性、無自覚性低血糖、拘束性肺疾患、胃腸障害、例えば、過敏性腸症候群(IBS)、機能性消化不良、胃腸障害に関連する疼痛、例えばIBSおよび機能性消化不良に関連する疼痛、炎症性腸疾患(IBD)、例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、IBDに関連する疼痛、高血糖症、例えば、手術(例えば、主要な外科的処置、例えば、冠状動脈バイパス手術)に関連する高血糖症、例えば、糖尿病、例えばII型糖尿病を有する対象における手術に関連する高血糖症、メタボリックシンドローム、冠状動脈心不全(CHF)、β細胞機能障害に関連する障害、β細胞欠損に関連する障害、β細胞の不十分な数に関連する障害、ならびにインスリン分泌性ペプチドもしくはインスリン分泌性ペプチド結合体で治療できる他の状態を有する(またはそれらであるかそれらを経ている)対象の治療のために、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を投与するための説明書を含むラベルまたは表示を含むことができる。
キットは、本明細書で記載のインスリン分泌性結合体の使用説明書、例えば、体重減少を促進し、インスリン合成および放出を刺激し、インスリン取込みに対する脂肪組織、筋肉組織もしくは肝臓組織の感受性を高め、グルコース取込みを刺激し、消化過程、例えば胃内容排出を遅くし(例えば、速度を減少させ)、グルカゴンの分泌をブロックもしくは阻害し、β細胞の機能、増殖および/または活性を促進し、糖尿病対象で第1段階インスリン放出を回復させ、食物摂取量を減少させ、食欲を低下させ、肝臓疾患、例えば肥満、糖尿病もしくは高血糖症に関連する肝疾患(例えば、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪肝炎(NASH))を予防するか、それから保護するためにインスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を投与するための説明書を含むラベルまたは表示を含むことができる。
ラベル上の説明書には、本明細書に記載のインスリン分泌性ペプチド結合体の保存条件の説明書がさらに含まれてもよい。
特定の実施形態では、キットは、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の単位薬量または多回使用薬量を含む1つまたは複数の容器、例えば、ボトル、バイアル、アンプル、充填済み容器、例えば充填済み注射器もしくは充填済み注射ペン、マイクロチップ(例えば、その内容物の制御放出のためのマイクロチップ)または試験管を含むことができる。剤形は、液体または凍結乾燥製剤として含まれてもよい。凍結乾燥剤形を含むキットは、再構成された製剤中のタンパク質、インスリン分泌性ペプチド結合体の濃度が少なくとも1、2、3、4、5、10、20、30、40、50mg/ml、例えば約1mg/ml〜約100mg/ml、より好ましくは約1mg/ml〜約50mg/ml、最も好ましくは約1mg/ml〜約15mg/mlであるような、凍結乾燥製剤を再構成するための希釈剤を含む1つまたは複数の追加の容器をさらに含むことができる。
キットは、それらに限定されないが、緩衝剤、フィルター、針、注射器および取扱説明書を含む添付文書を含む、本明細書で記載の治療方法を実施するのに有用な1つまたは複数の追加の成分をさらに含むことができる。特定の実施形態では、キットは、例えば対象へのインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の皮下投与に有用である、例えば、25ゲージ針、26ゲージ針、27ゲージ針、28ゲージ針、29ゲージ針、30ゲージ針、31ゲージ針、32ゲージ針または33ゲージ針、またはより高いゲージ針などの針を含む。特定の実施形態では、キットは、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤の投与手段の安全な廃棄のために有用な構成要素、例えば使用済み注射器および針のための鋭利物容器を含むことができる。
好ましい実施形態では、キットは、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の第一の投薬量を予め充填した1つまたは複数の注射器、および、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の第二のより高い投薬量を予め充填した1つまたは複数の注射器を含み、これは、例えば本明細書で記載の投薬計画の過程で対象に漸増薬量を投与するのに有用である。特定の実施形態では、キットは、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の第一の投薬量を予め充填した1、2、3、4、5、6、7、8個、または8個を超える注射器を含む。別の特定の実施形態では、キットは、インスリン分泌性ペプチド結合体、例えばインスリン分泌性ペプチド結合体製剤の第二のより高い投薬量を予め充填した1、2、3、4、5、6、7、8個、または8個を超える注射器を含む。
一部の実施形態では、第一の投薬量を予め充填した注射器は、インスリン分泌性ペプチド結合体を約1000μgの量で含む。一部の実施形態では、第一の投薬量を予め充填した注射器は、インスリン分泌性ペプチド結合体を約1500μgの量で含む。一部の実施形態では、第二のより高い投薬量を予め充填した注射器は、インスリン分泌性ペプチド結合体を約2000μgの量で含む。
他の実施形態では、キットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個または10個を超える空の注射器、および1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個または10個を超えるバイアルを含み、各バイアルは、1用量、2用量、3用量、4用量、5用量、6用量、7用量、8用量、9用量、10用量または10を超える用量のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を含む。他の実施形態では、キットは、1用量、2用量、3用量、4用量、5用量、6用量、7用量、8用量、9用量、10用量または10を超える用量のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を予め充填された1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、または10個を超える注射器を含む。一部の実施形態では、注射器は、使い捨て式針の取付けを容易にする、ルアーロック、ルアーコーンまたは他の針取付けコネクタを含む。他の実施形態では、注射器は、ステーキドニードル、すなわち恒久針を含む。
特定の実施形態では、キットはペンタイプの送達装置、および1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、または10個を超える交換可能なカートリッジを含み、交換可能なカートリッジは、1用量、2用量、3用量、4用量、5用量、6用量、7用量、8用量、9用量、10用量または10を超える用量のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤を含み、例えば予め充填されている。ペンタイプの送達装置が複数用量を含む特定の実施形態では、用量を予めセットすること、すなわち固定することができる。他の実施形態では、用量は可変的な用量でよく、すなわち、使用者がダイヤルインすることができる。特定の実施形態では、キットは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10用量または10を超える用量のインスリン分泌性ペプチド結合体製剤が予め充填された、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10個または10個を超えるペンタイプの送達装置を含む。一部の実施形態では、ペンタイプの送達装置は、使い捨て式針の取付けを容易にする、ルアーロック、ルアーコーンまたは他の針取付けコネクタを含む。特定の実施形態では、キットは使い捨て式のペンタイプ送達装置を含む。他の実施形態では、ペンタイプ送達装置は、ステーキドニードル、すなわち恒久針を含む。一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68および150mM塩化ナトリウムを含有するpH5.0の10mM酢酸ナトリウム緩衝剤中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体製剤は、1.6mMオクタン酸ナトリウム、15mg/Lポリソルベート80および135mM塩化ナトリウムを含有するpH7.0の10mMリン酸ナトリウム緩衝剤中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含む。
5.5 インスリン分泌性ペプチド結合体
本発明は、インスリン分泌性ペプチド結合体を含む医薬製剤を対象とする。有用なインスリン分泌性ペプチドは、GLP−1、エキセンディン−3およびエキセンディン−4ならびにそれらの前駆体、誘導体および断片を含むが、これらに限定されない。そのようなインスリン分泌性ペプチドは、米国特許第6,514,500号、第6,821,949号、第6,887,849号、第6,849,714号、第6,329,336号、第6,924,264号、WO03/103572および第6,593,295号に開示のものを含み、そのそれぞれの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
好ましい一実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、C末端アミド(CO−NH)である。
一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、GLP−1である。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、GLP−1誘導体である。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−3である。
一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−3誘導体である。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−4である。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−4誘導体である。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−4(1〜39)−NHである。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドは、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHである。
好ましい一実施形態ではインスリン分泌性ペプチド結合体は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体である。
5.5.1 GLP−1およびその誘導体
ホルモングルカゴンは、当業者に公知の任意の方法により合成され得る。一部の実施形態ではそれは、続いて3つのペプチド:グルカゴン、GLP−1およびグルカゴン様ペプチド2(GLP−2)にタンパク質分解的に切断される高分子量前駆体分子として合成される。GLP−1は、配列番号1(HDEFERHAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG)に示す通り、非プロセス型では37アミノ酸を有する。非プロセス型GLP−1は、本質的にインスリン生合成の誘導を媒介できない。しかし、非プロセス型GLP−1ペプチドは、GLP−1のアミノ酸7〜37を有する31アミノ酸長のペプチド(7〜37ペプチド)(「GLP−1(7〜37)」)配列番号2(HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG))に天然で転換される。GLP−1(7〜37)は、C末端グリシンのタンパク質分解的除去による追加のプロセシングも受けてGLP−1(7〜36)を生成し、GLP−1(7〜36)は、主として、アルギニンアミドとしてアミド化型になっているC末端残基アルギニンを有する、GLP−1(7〜36)アミドとしても存在し得る。このプロセシングは、腸およびより少ない量で膵臓で起こり、GLP−1(7〜37)のインスリン分泌性活性を有するポリペプチドが生じる。
ホルモンインスリンの合成または発現を刺激すること、またはその刺激を引き起こすことができる場合に、化合物は「インスリン分泌性活性」を有すると称される。GLP−1(7〜37)およびGLP−1(7〜36)のホルモン活性は、インスリンの生合成を誘導すると考えられる膵臓β細胞に対して特異的であると考えられる。グルカゴン様ペプチドホルモンは、成人発症型糖尿病、インスリン分泌の動態が異常である高血糖症によって特徴付けられる状態の病変形成の研究で有用である。さらに、グルカゴン様ペプチドは、この疾患の療法および治療、ならびに高血糖症の療法および治療で有用である。
ペプチド部分(断片)は、ヒトGLP−1の決定されたアミノ酸配列から選択され得る。同義的な用語「ペプチド断片」および「ペプチド部分」には、天然存在のアミノ酸配列から誘導可能な、合成および天然存在両方のアミノ酸配列が含まれるものとする。
GLP−1についてのアミノ酸配列は、いくつかの研究者から報告されている。Lopez,L.C.ら、1983年、Proc.Natl.Acad.Sci.、USA 80巻:5485〜5489頁、Bell,G.I.ら、1983年、Nature 302巻:716〜718頁、Heinrich,G.ら,1984年、Endocrinol.115巻:2176〜2181頁を参照。プレプログルカゴンmRNAの構造およびその対応するアミノ酸配列は周知である。前駆体遺伝子産物、プログルカゴンのグルカゴンおよび2つのインスリン分泌性ペプチドへのタンパク質分解的プロセシングは特徴付けられている。本明細書で用いる場合、表記GLP−1(1〜37)は、1(N末端)から37(C末端)までの全てのアミノ酸を有するGLP−1ポリペプチドを意味する。同様に、GLP−1(7〜37)は、7(N末端)から37(C末端)までの全てのアミノ酸を有するGLP−1ポリペプチドを意味する。同様に、GLP−1(7〜36)は、番号7(N末端)から番号36(C末端)までの全てのアミノ酸を有するGLP−1ポリペプチドを意味する。
一実施形態では、GLP−1(7〜36)およびそのペプチド断片は、そのそれぞれの内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれるMerrifield,J.M.、1962年、Chem.Soc.85巻:2149頁およびStewart and Young、Solid Phase Peptide Synthesis、Freeman、San Francisco、1969年27〜66頁)によって記載された周知の固相ペプチド合成によってなど下に詳細に示す従来の手段によって合成される。しかし、それはプログルカゴンポリペプチドまたはGLP−1の断片を、例えばタンパク質分解酵素を使用して天然存在のアミノ酸配列を断片化することによって得ることもできる。さらに、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるManiatis,T.ら、Molecular Biology:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、N.Y.、1982年によって開示される組換えDNA技術の使用を介してプログルカゴンペプチドまたはGLP−1の所望の断片を得ることが可能である。
本明細書に記載の方法のために有用なペプチドには、GLP−1(1〜37)およびGLP−1(7〜36)などのGLP−1から誘導可能なものが含まれる。ペプチドが「天然存在のアミノ酸配列から誘導可能」と言われるのは、それが天然存在の配列を断片化することによって取得され得る場合、または天然存在のアミノ酸配列もしくはこの配列をコードする遺伝物質(DNAまたはRNA)の配列の知識に基づいて合成され得る場合である。
GLP−1(1〜37)、特にGLP−1(7〜36)など、GLP−1の「誘導体」と称される分子も有用である。そのような「誘導体」は、以下の特徴を有する:(1)それはGLP−1またはGLP−1の同様のサイズの断片に実質的な相同性を共有する、(2)それはインスリン分泌性ホルモンとして機能できる、(3)上記誘導体は、本明細書で提供されるアッセイの少なくとも1つを使用して、GLP−1のインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有する。
GLP−1の誘導体がGLP−1と「実質的な相同性」を共有すると言われるのは、誘導体のアミノ酸配列がGLP−1(1〜37)に対して少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を共有する場合である。この文脈における同一性パーセントは、配列をアラインし、かつ最大の配列相同性パーセントを達成するために必要であればギャップを導入した後に、ペプチド中の対応するアミノ酸残基に同一(すなわちアライメントにおける所与の位置においてアミノ酸残基が同じ残基である)、または類似(すなわち、上記に論じた通り、アライメントにおける所与の位置においてアミノ酸置換が保存的置換である)である候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージを意味する。特定の実施形態では、GLP−1誘導体は、天然存在のGLP−1配列との配列同一性パーセントまたは配列類似性パーセントによって特徴付けられる。配列同一性および類似性のパーセンテージを含めた、配列相同性は、当技術分野で周知の配列アライメント手法、好ましくはこの目的のために設計されたコンピューターアルゴリズムを、前記コンピューターアルゴリズムの初期設定パラメータまたはそれらを含むソフトウェアパッケージで使用して決定される。
有用な誘導体には、天然存在のGLP−1ペプチドの配列に実質的に相同な配列を含有することに加えて1つまたは複数の追加のアミノ酸をそれらのアミノ末端および/もしくはカルボキシ末端または前記配列の内部に含有し得るGLP−1断片も含まれる。したがって、有用な誘導体は、天然存在のGLP−1配列には存在しない可能性がある1つまたは複数のアミノ酸を含有し得るGLP−1のポリペプチド断片を、そのようなポリペプチドがGLP−1のインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有するという条件で含む。追加のアミノ酸は、D−アミノ酸もしくはL−アミノ酸またはそれらの組合せであり得る。
有用なGLP−1断片には、天然存在のGLP−1ペプチドの配列に実質的に相同な配列を含有しているが、GLP−1ペプチド上に天然で見出される、それらのアミノ末端および/またはカルボキシ末端における1つまたは複数の追加のアミノ酸を欠失しているものも含まれる。したがって、GLP−1の有用なポリペプチド断片は、そのようなポリペプチドがGLP−1のインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有するという条件で、天然存在のGLP−1配列に通常存在する1つまたは複数のアミノ酸を欠失していてもよい。特定の実施形態では、ポリペプチド断片は天然存在のGLP−1配列に通常存在するアミノ酸1つを欠失している。一部の実施形態では、ポリペプチド断片は天然存在のGLP−1配列に通常存在するアミノ酸2つを欠失している。一部の実施形態では、ポリペプチド断片は天然存在のGLP−1配列に通常存在するアミノ酸3つを欠失している。一部の実施形態では、ポリペプチド断片は天然存在のGLP−1配列に通常存在するアミノ酸4つを欠失している。
重要でないアミノ酸置換を有する(したがって天然の配列とは異なるアミノ酸配列を有する)上述の断片の明白またはトリビアル(trivial)な変異体も、そのような変異体が上述のGLP−1誘導体と実質的に同じインスリン分泌活性を有するという条件で有用である。明白またはトリビアルな置換の例には、1つの塩基性残基と他の塩基性残基(すなわちArgとLys)の置換、1つの疎水性残基と他の疎水性残基(すなわちLeuとIle)の置換、または1つの芳香族残基と他の芳香族残基(すなわちPheとTyr)の置換などが含まれる。
インスリン分泌活性を有するGLP−1誘導体に加えて、細胞によるグルコースの取込みを刺激するがインスリンの発現または分泌を刺激しないGLP−1誘導体も、本明細書で記載の方法のために有用である。そのようなGLP−1誘導体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,574,008号に記載されている。
本明細書に記載の方法で使用される、細胞によるグルコースの取込みを刺激するがインスリンの発現または分泌を刺激しないGLP−1誘導体には:
が含まれる。これらのペプチドは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,574,008号に記載の通りインスリン分泌活性を有さないにもかかわらず、糖尿病および高血糖状態を治療するために有用であるC末端GLP−1断片である。
本明細書に記載の製剤および方法で使用される追加のGLP−1誘導体には、配列:HAEGTFTSDVSSYLEGQAAKEFIA WLVKGRPSSGAPPPS(配列番号28)を有する、エキセンディン−4のC末端アミノ酸9個に融合したGLP−1(7〜36)を含むGLP−1/エキセンディン−4ハイブリッドペプチドが含まれる。
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,141,547号に記載の以下の融合タンパク質分子:[Gly]GLP−1(7〜36)−[Gly]GLP−1(7〜36)−ヒト血清アルブミン(アルビグルチド)を含むGLP−1誘導体も、本明細書に記載の製剤および方法で有用である。
本明細書に記載の製剤および方法で使用される追加のGLP−1誘導体には、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,141,547号に記載の以下のGLP−1融合タンパク質分子:GLP−1(7〜36)−ヒト血清アルブミン、ヒト血清アルブミン−GLP−1(7〜36)、[Gly]GLP−1(7〜36)−ヒト血清アルブミン、ヒト血清アルブミン−[Gly]GLP−1(7〜36)、GLP−1(7〜36)−GLP−1(7〜36)−ヒト血清アルブミン、GLP−1(9〜36)ヒト血清アルブミン、および[Gly]GLP−1(7〜36)−GLP−1(7〜36)ヒト血清アルブミンが含まれる。
本明細書に記載の製剤および方法で使用される追加のGLP−1誘導体は、参照によりその全体が組み込まれる米国特許第7,271,149号に記載の、[Gly][Glu22]GLP−1(7〜36)と、それに融合したエキセンディン−4(1〜39)のC末端アミノ酸8個と、それに融合したリンカー配列と、それに融合した、配列
を有するヒト血清アルブミンとを含むGLP−1/エキセンディン−4/ヒト血清アルブミンハイブリッドポリペプチドが含まれる。
5.5.2 エキセンディン−3およびエキセンディン−4ペプチドならびに誘導体
エキセンディン−3およびエキセンディン−4は、アミノ酸39個のペプチド(残基2および3で異なっている)であり、GLP−1に約53%相同であり、インスリン分泌性薬剤として使用される。
エキセンディン−3のアミノ酸配列は、
HSDGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号16)であり、エキセンディン−4のアミノ酸配列は、
HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号17)である。
アミノ酸配列:エキセンディン−4(1〜31)desGlu17Tyr32(配列番号18)HGEGTFTSDLSKQMEEAVRLFIEWLKNGGPYおよびエキセンディン−4(1〜30)Tyr31(配列番号19)HGEGTFTSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGYを含むエキセンディン−4のインスリン分泌性断片も、本明細書に記載の製剤のために有用である。
アミノ酸配列:エキセンディン−4(9〜39)(配列番号20)
DLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPSを含む天然エキセンディン−4の抑制断片も有用である。
他の例示的インスリン分泌性ペプチドは配列番号21〜27に示されている。
本明細書に記載の製剤のために有用なペプチドには、天然存在のエキセンディン−3およびエキセンディン−4ペプチドから誘導可能なペプチドが含まれる。ペプチドが「天然存在のアミノ酸配列から誘導可能」と言われるのは、それが、天然存在の配列を断片化することによって取得され得る場合、または天然存在のアミノ酸配列もしくはこの配列をコードする遺伝物質(DNAまたはRNA)の配列の知識に基づいて合成され得る場合である。
本明細書に記載の製剤のために有用な分子には、エキセンディン−3およびエキセンディン−4の「誘導体」と称されるものも含まれる。本発明の一実施形態では「誘導体」は、以下の特徴を有する:(1)それはエキセンディン−3もしくはエキセンディン−4またはエキセンディン−3もしくはエキセンディン−4の同様の長さにした断片と実質的な相同性を共有する、(2)それはインスリン分泌性ホルモンとして機能できる、(3)上記誘導体は、ここで提供されるアッセイの少なくとも1つを使用して、エキセンディン−3またはエキセンディン−4のいずれかのインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有する。
エキセンディン−3またはエキセンディン−4の誘導体がエキセンディン−3およびエキセンディン−4と「実質的な相同性」を共有すると言われるのは、その誘導体のアミノ酸配列がエキセンディン−3およびエキセンディン−4と少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を共有する場合である。この文脈における同一性パーセントは、最大の配列相同性パーセントを達成するために配列をアラインし、必要に応じてギャップを導入した後に、天然ペプチド中の対応するアミノ酸残基に同一(すなわちアライメントにおける所与の位置のアミノ酸残基が同じ残基である)または類似(すなわち、上記に論じた通り、アライメントにおける所与の位置のアミノ酸置換が保存的置換である)である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージを意味する。特定の実施形態ではエキセンディン−3またはエキセンディン−4誘導体は、天然存在のエキセンディン−3またはエキセンディン−4配列とのその配列同一性パーセントまたは配列類似性パーセントによって特徴付けられる。配列同一性および類似性のパーセンテージを含めた、配列相同性は、当技術分野で周知の配列アライメント手法、好ましくはこの目的のために設計されたコンピューターアルゴリズムを、前記コンピューターアルゴリズムの初期設定パラメータまたはそれらを含むソフトウェアパッケージで使用して決定される。
有用な誘導体には、天然存在のエキセンディン−3またはエキセンディン−4ペプチドの配列と同じまたは実質的に相同な配列を含有することに加えて1つまたは複数の追加のアミノ酸をそれらのアミノ末端および/もしくはカルボキシ末端または前記配列の内部に含有し得るエキセンディン−3またはエキセンディン−4断片も含まれる。したがって、有用な誘導体は、天然存在のエキセンディン−3またはエキセンディン−4配列には存在しない可能性がある1つまたは複数のアミノ酸を含有し得るエキセンディン−3またはエキセンディン−4のポリペプチド断片を、そのようなポリペプチドがエキセンディン−3またはエキセンディン−4のいずれかのインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有するという条件で含む。
同様に、有用な誘導体には、天然存在のエキセンディン−3またはエキセンディン−4ペプチドの配列に実質的に相同である配列を含有しているが、エキセンディン−3またはエキセンディン−4ペプチド上で天然で見出される、それらのアミノ末端および/またはカルボキシ末端における1つまたは複数の追加のアミノ酸を欠失している可能性があるエキセンディン−3またはエキセンディン−4断片が含まれる。したがって、有用な誘導体は、天然存在のエキセンディン−3またはエキセンディン−4配列に通常存在する1つまたは複数のアミノ酸を欠失している可能性があるエキセンディン−3またはエキセンディン−4のポリペプチド断片を、そのようなポリペプチドがエキセンディン−3またはエキセンディン−4のいずれかのインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有するという条件で含む。
有用な誘導体は、5、4、3、2または1個を超えないアミノ酸の追加、欠失または置換以外の点では、天然存在のエキセンディン−3またはエキセンディン−4ペプチドのものと配列が同じであるエキセンディン−3またはエキセンディン−4断片をさらに含む。特定の実施形態では、誘導体は、天然のエキセンディン−3またはエキセンディン−4配列と比較して、5個を超えない、4個を超えない、3個を超えない、2個を超えないまたは1個を超えないアミノ酸の追加、欠失または置換を含有する。したがって、有用な誘導体は、天然のエキセンディン−3またはエキセンディン−4配列と比較して5、4、3、2または1個を超えないアミノ酸の追加、欠失または置換以外は同じである、エキセンディン−3またはエキセンディン−4のポリペプチド断片を、そのようなポリペプチドがエキセンディン−3またはエキセンディン−4のいずれかのインスリン分泌活性の少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%、100%または100%を超えるインスリン分泌活性を有するという条件で含む。
有用な誘導体には、重要でないアミノ酸置換を有する(したがって天然配列とは異なるアミノ酸配列を有する)上述の断片の保存的変異体も、そのような変異体がインスリン分泌活性をいまだ有するという条件で含まれる。保存的置換の例には、1つの塩基性残基と他の塩基性残基(すなわちArgとLys)の置換、1つの疎水性残基と他の疎水性残基(すなわちLeuとIle)の置換、または1つの芳香族残基と他の芳香族残基(すなわちPheとTyr)の置換などが含まれる。以下の6群はそれぞれ、互いに保存的置換であるアミノ酸を含む:
アラニン(A)、セリン(S)およびスレオニン(T)
アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E)
アスパラギン(N)およびグルタミン(Q)
アルギニン(R)およびリジン(K)
イソロイシン(I)ロイシン(L)、メチオニン(M)およびバリン(V)
フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)およびトリプトファン(W)
それぞれの内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,141,547号または第7,271,149号に記載の以下の融合タンパク質分子:エキセンディン−4(1〜39)−ヒト血清アルブミンおよびヒト血清アルブミン−エキセンディン−4(1〜39)を含むエキセンディン−4誘導体も同様に本明細書に記載の製剤および方法で有用である。
5.5.3 インスリン分泌性ペプチドのアルブミンとの結合体
本明細書に記載の医薬製剤の有用なインスリン分泌性ペプチド結合体には、アルブミンに結合したインスリン分泌性ペプチドおよびそれらの誘導体が含まれる。いくつかの方法が、インスリン分泌性ペプチドをアルブミンに連結させるのに使用できる。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドは、当業者に公知の任意の手法によってアルブミンに連結される。一部の実施形態では、共有結合を形成させるのに利用できる、アルブミン上の反応性官能基と反応できる反応基を含むように、インスリン分泌性ペプチドを修飾する。
反応基は、例えば、血清タンパク質またはペプチド上の1つまたは複数のアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基と反応することによってアルブミンとの安定な共有結合を形成するその能力に関して選択される。好ましくは反応基は、アルブミン上の1つのアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基のみと反応する。好ましくは反応基は、アルブミン上の特定のアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基と反応する。本明細書に記載の方法の有用な結合体は、アルブミン上のアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基と反応基との反応を介してアルブミンに共有結合的に結合する修飾ペプチドまたはその修飾誘導体を含む。したがって、有用な結合体は、その反応基がアルブミンへの共有結合を形成する修飾ペプチドまたはその修飾誘導体を含む。
タンパク質上の官能基と共有結合を形成させるのに、様々な活性カルボキシル基、特にエステルを、化学的反応基として使用できる。これらの連結剤において多数の様々なヒドロキシル基が使用できるが、最も好都合なのは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、N−ヒドロキシ−スルホスクシンイミド(sulfo−NHS)、マレイミド−ベンゾイル−スクシンイミド(MBS)、γ−マレイミド−ブチリロキシスクシンイミドエステル(GMBS)および3−マレイミドプロピオン酸(3−MPA)であろう。
第一級アミンは、NHSエステルの主な標的である。タンパク質のN末端に存在する利用可能なε−アミン基は、NHSエステルと反応する。しかし、タンパク質上のε−アミノ基は、NHSカップリングに望ましくないか、または利用可能でない可能性がある。5種のアミノ酸がその側鎖に窒素を有するが、リジンのε−アミンだけがNHSエステルと顕著に反応する。NHSエステル結合反応が第一級アミンと反応する際に、アミド結合が形成でき、N−ヒドロキシスクシンイミドを放出する。反応基を含有するこれらのスクシンイミドを本明細書でスクシンイミジル基と称する。
特定の実施形態ではアルブミン上の官能基は、アミノ酸残基34(Cys34)に位置する単一の遊離チオール基であり、化学反応基は(GMBAまたはMPA)などのマレイミド含有基である。GMBAは、γ−マレイミド−ブトリルアミドを表している。そのようなマレイミドを含有する基は、本明細書でマレイミド基と称される。
一部の実施形態では、アルブミンは、インスリン分泌性ペプチド上のスクシンイミジル基またはマレイミド基に共有結合している。一部の実施形態では、アルブミンのアミノ基、ヒドロキシル基またはチオール基は、インスリン分泌性ペプチド上のスクシンイミジル基またはマレイミド基に共有結合している。一部の実施形態では、アルブミンシステイン34チオールは、インスリン分泌性ペプチドのリジンのεアミノで[2−[2−[2−マレイミドプロピオンアミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合する。
特定の一実施形態では、反応基は、単一の所定のアミノ酸でペプチドに、任意選択で連結基を介して結合した単一のMPA反応基であり、MPAは、アルブミンの実質的に単一のアミノ酸残基、好ましくはシステイン34でアルブミンに共有結合する。好ましい一実施形態ではアルブミンは組換え体ヒトアルブミンである。特定の実施形態では、反応基、好ましくはMPAは、1つまたは複数の連結基、好ましくはAEEA、AEAまたはアミノ−オクタン酸、より好ましくは8−アミノ−オクタン酸を介してペプチドに連結している。反応基、好ましくはMPAが、複数の連結基を介してもペプチドに連結している実施形態の特定の例で、各連結基は、好ましくはAEA((2−アミノ)エトキシ酢酸)、AEEA([2−(2−アミノ)エトキシ)]エトキシ酢酸)およびアミノ−オクタン酸から、より好ましくは8−アミノ−オクタン酸からなる群から独立して選択され得る。一実施形態では、反応基、好ましくはMPAは、1列に配置している1、2、3、4、5または6個のAEEA連結基を介してペプチドに連結する。他の実施形態では、反応基、好ましくはMPAは、1列に配置している1、2、3、4、5または6個の8−アミノ−オクタン酸連結基を介してペプチドに連結している。
特定の実施形態では、反応基は、そのような反応基の連結に適したインスリン分泌性ペプチドの任意の残基に連結できる。この残基は、ペプチドの末端または内部の残基であり得る。特定の実施形態では、反応基は、ペプチドのカルボキシ末端またはアミノ末端に連結され得る。有利な実施形態では、反応基は、ペプチドの単一の部位に連結する。これは、当業者に公知の保護基を使用して達成され得る。特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチドの誘導体は、反応基の連結のために組み込まれた残基を含み得る。連結のために有用な残基は、リジン、アスパラギン酸およびグルタミン酸残基を含むがこれらに限定されない。残基はペプチドの内部または末端で組み込まれ得る。特定の実施形態では、反応基は、内部リジン残基に連結される。特定の実施形態では、反応基は、末端リジン残基に連結される。特定の実施形態では、反応基は、アミノ末端のリジン残基に連結される。特定の実施形態では、反応基は、カルボキシ末端のリジン残基、例えばGLP−1、GLP−1(7〜37)またはエキセンディン−4のカルボキシ末端のリジン残基に連結される。
アルブミンへの結合のために、インスリン分泌性ペプチドを反応基で修飾する様式は、インスリン分泌性ペプチドを含む様々な要素の性質に依存して著しく変化するであろう。合成手順は、簡潔であり、高収率を提供し、かつ高純度の生成物を可能にするように選択されよう。通常、化学的反応基は、インスリン分泌性ペプチド合成の最終段階で、例えば、活性エステルを形成する、カルボシキル基エステル化で作製されよう。修飾されたインスリン分泌性ペプチドの生成のための特定の方法は、それぞれの内容が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,329,336号、第6,849,714号または第6,887,849号に記載されている。
インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミンに非特異的にも結合し得る。アミノ基への結合は、特に非特異的結合のためのアミド結合の形成で一般に使用されよう。そのような結合を形成するために、インスリン分泌性ペプチド結合体に結合した化学的な反応基として、種々のカルボキシル基、特にエステルを使用できる。多数の異なるヒドロキシル基をこれらの連結剤で使用できるが、最も好都合なのは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびN−ヒドロキシ−スルホスクシンイミド(sulfo−NHS)である。利用できる他の連結剤は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,612,034号に記載されている。
一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチド結合体は、インスリン分泌性ペプチドに融合したアルブミン融合タンパク質、すなわちアルブミン分子またはその断片もしくは変異体を含み得る。アルブミン融合タンパク質は、アルブミンの全体または一部をコードするポリヌクレオチドに連結した治療用タンパク質の全てまたは一部をコードするポリヌクレオチドを含む核酸の翻訳によって生成され得る。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,141,547号または第7,271,149号に記載のグルカゴン様ペプチド1に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、エキセンディン−3またはその断片もしくは変異体に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、エキセンディン−4またはその断片もしくは変異体に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、米国特許第7,141,547号または第7,271,149号に記載の[Gly]GLP−1(7〜36)−[Gly]GLP−1(7〜36)−ヒト血清アルブミン(アルビグルチド)である。
5.5.4 インスリン分泌性ペプチド合成
インスリン分泌性ペプチドは、当業者に公知の固相ペプチド化学の標準的方法によって合成され得る。例えば、インスリン分泌性ペプチド断片は、Applied Biosystem合成機を使用するStewardおよびYoungによって記載(Steward,J.M. and Young, J.D.、1984年、Solid Phase Peptide Synthesis、第2版(Pierce Chemical Company、Rockford、III)の手順に従う固相化学の手法によって合成され得る。同様に多数の断片が合成され、次いで大きな断片を形成するために互いに連結され得る。これらの合成ペプチド断片は、特定の位置でのアミノ酸置換を伴っても作製され得る。固相ペプチド合成のための多数の手法の要約をJ.M.Steward and J.D.Young、1963年、Solid Phase Peptide Synthesis(W.H.Freeman Co.、San Francisco)、およびJ. Meienhofer、1973年、Hormonal Proteins and Peptides、2巻、46頁、Academic Press、New York)で確認できる。伝統的な溶液合成については、G. Schroder and K. Lupke、The Peptides、1巻(Academic Press、New York)を参照。一部の実施形態ではインスリン分泌性ペプチドの合成は、それぞれの内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,329,336号、第6,849,714号または第6,887,849号に記載の通りである。
5.5.5 結合
好ましくはペプチドおよびアルブミンは、モル比1:1で、またはモル比約1:1で結合体中に存在する。好ましい一実施形態では、ペプチドおよびアルブミンは、モル比1:1で、またはモル比約1:1で結合体中に存在し、ペプチドは反応基に、任意選択で連結基を介して、ペプチド上の実質的に1つだけの部位に連結され、反応基はアルブミン上の実質的に1つだけの部位でアルブミンに連結される。
好ましくは、ペプチド結合体中のアルブミンはヒト血清アルブミンである。好ましくはアルブミンへの反応基の1つの連結部位は、好ましくはアルブミンのシステイン34のチオールである(例えばマレイミド結合を介して)。特定の一実施形態では、反応基は、ペプチドに、任意選択で連結基を介して、1つの定められたアミノ酸で連結した1つのMPA反応基であり、MPAはアルブミンの実質的に1つのアミノ酸残基、好ましくはシステイン34でアルブミンに共有結合で連結される。
好ましい一実施形態では結合体は、マレイミド基を有する修飾ペプチドを、チオール含有血清タンパク質、好ましくはアルブミンとpH3.0から8.0を含む条件の下で接触させることによって形成され、したがって好ましくは生理学的条件下で切断され得ない安定なチオエーテル結合を形成する。好ましい実施形態では血清タンパク質は、組換え体ヒトアルブミンである。
一実施形態では、結合体の修飾ペプチドは、そのC末端でアミド化されている。他の実施形態では修飾ペプチドは、そのC末端でアミド化されない。結合体は、そのようなアミド化されたペプチドも含み得る。
好ましい一実施形態では、1つの反応基は、修飾ペプチドの定められた部位に共有結合的に連結される。結合体の好ましい一実施形態では1つの反応基は、修飾ペプチドの定められた部位に共有結合的に連結され、反応基はアルブミンの1つの定められた部位、好ましくはアルブミンのアミノ酸残基Cys34のチオール基に共有結合的に連結される。好ましくは、本発明の修飾ペプチドまたは結合体の反応基は、マレイミド基を含み、モル比約1:1のペプチド:アルブミン結合体を形成する。特定の実施形態では、ペプチド対血清タンパク質のモル比が1:1のものはさらに高い比より良い生物学的活性および少ない免疫原性を提供することから、さらに高い比よりもモル比1:1が好ましい(例えば、参照により全体として本明細書に組み込まれるStehleら、1997年、Anti−Cnacer Drugs、8巻:677〜685頁を参照)。
好ましい一実施形態では、アルブミンは、組換え体ヒトアルブミンである。予め形成されたペプチド:アルブミン結合体の生成のための具体的な方法は、それぞれの内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2006年4月11日に出願された米国仮特許出願第60/791,241号、表題「Process for the Production of Preformed Conjugate of Recombinant Albumin」および2006年12月22日に出願された米国特許出願第11/645,297号(公開番号第2007/0269863号)、表題「Process for the Production of Preformed Conjugates of Albumin and a Therapeutic Agent」に記載されている。ペプチド:アルブミン結合体の精製のための具体的な方法は、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2005/0267293号に記載されている。
特定の実施形態では結合体は、以下:
の通りであり(配列番号31)、上式で、Xは前記タンパク質のアミノ酸のS、OまたはNHである。特定の実施形態では、前記タンパク質はアルブミンである。特定の実施形態では、前記タンパク質はアルブミンであり、Xは前記アルブミンのCys34のS(硫黄)である。結合体のアルブミンは上に記載の任意のアルブミンであり得る。
特定の実施形態では、結合体は、以下:
の通りであり(配列番号32)、上式で、Xは前記タンパク質のアミノ酸のS、OまたはNHである。特定の実施形態では、前記タンパク質はアルブミンである。特定の実施形態では、前記タンパク質はアルブミンであり、Xは前記アルブミンのCys34のS(硫黄)である。結合体のアルブミンは下に記載の任意のアルブミンであり得る。
5.5.5.1 アルブミン
当業者に公知の任意のアルブミンが本明細書に記載の製剤のインスリン分泌性ペプチド結合体を形成するために使用され得る。一部の実施形態ではアルブミンは、宿主種から単離され、結合体形成における使用のために精製された血清アルブミンであり得る。血清アルブミンは、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、オバイン、ウマまたはヒトアルブミンを含むが、これらに限定されない当業者に公知の任意の哺乳動物の血清アルブミンであり得る。一部の実施形態ではアルブミンはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態ではアルブミンはウシ血清アルブミンである。
ヒト血清アルブミン(HSA)は、血清の浸透圧のかなりの割合に関与しており、内因性および外因性のリガンドの担体としても機能する。その成熟型でHSAは、分子量約66kDに相当する585アミノ酸の非グリコシル化単量体タンパク質である。その球状構造は、連続した一連の9つの二重ループを生じる17本のジスルフィド架橋によって維持される。参照により全体として本明細書に組み込まれるBrown, J. R.、Albumin Structure, Function and Uses、Rosenoer, V. M.ら(編集)、Pergamon Press、Oxford(1977年)を参照。天然成熟ヒト血清アルブミン配列は:
である。したがって、アルブミンの成熟型と形成された結合体は本明細書に記載の方法の範囲内である。特に記載しない限り、本明細書におけるアルブミンへの言及は、アルブミンの成熟型を指す。
一部の実施形態では、アルブミンは、組換え体血清アルブミンである。組換え体アルブミンは、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、オバイン、ウマまたはヒトアルブミンを含むが、これらに限定されない当業者に公知の任意の哺乳動物のアルブミンであり得る。好ましい一実施形態では、組換え体アルブミンは、組換え体ヒトアルブミン、具体的には組換え体ヒトアルブミン(rHA)である。様々な実施形態において、rHAは、哺乳動物または非哺乳動物生物で生成され得る。一実施形態では、rHAは、非哺乳動物生物で生成される。rHAの生成のために使用され得る非哺乳動物生物の例には、酵母、細菌、植物、真菌および昆虫が含まれるが、これらに限定されない。一実施形態では、rHAは、植物全体または真菌全体で生成される。他の実施形態では、rHAは、培養植物細胞、培養真菌細胞または培養昆虫細胞で生成される。他の実施形態では、rHAは、非ヒト哺乳動物または非ヒト哺乳動物細胞で生成される。rHAの生成のために使用され得る非ヒト哺乳動物の例には、ウシ科、イヌ科、イノシシ科、齧歯目、ウサギ目および霊長目(ヒトを除く)のうちの1つに属するものが含まれるが、これらに限定されない。特定の一実施形態では、rHAの生成のために使用される非ヒト哺乳動物は、ウシ、イヌ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラット、マウス、ウサギ、チンパンジーおよびゴリラからなる群から選択される。他の実施形態では、rHAの生成のために使用される非ヒト哺乳動物細胞は、ウシ、イヌ、ブタ、オバイン、カプリン、齧歯類、ウサギ、または非ヒト霊長類細胞であるが、これらに限定されない。ヒト血液または漿液から精製されたアルブミンと比較して、非ヒト生物で生成されたrHAの主な有利点は、rHAの製造過程においてヒト由来産物がないことである。そのような管理された生成方法の使用は、構造の不均一性が低い、より純粋な生成物をもたらす。
一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミン前駆体を含み得る。ヒトアルブミンは、肝臓の肝細胞で合成され、次いで血流に分泌される。この合成は、まず第1に前駆体、プレプロ−HSA(新生ポリペプチドを分泌経路に方向付ける18アミノ酸のシグナル配列を含む)を生じる。したがって、アルブミン前駆体と形成された結合体は、本明細書に記載の結合体の範囲内である。
特定の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体が、アルブミンの分子性変異体を含み得る。アルブミンの変異体は、ヒト集団におけるアルブミンの多型から生じる天然の変異体を含み得る。ヒト血清アルブミンの30を超える明らかに異なる遺伝的変異体が、様々な条件下での電気泳動分析によって同定されている。例えば、それぞれの内容が参照により全体として本明細書に組み込まれるWeitkampら、Ann. Hum. Genet.、36巻(4号):381〜92頁(1973年)、Weitkamp、Isr. J. Med. Sci.、9巻(9号):1238〜48頁(1973年)、Fineら、Biomedicine、25巻(8号):291〜4頁(1976年)、Fineら、Rev. Fr. Transfus. Immunohematol.、25巻(2号):149〜63頁(1982年)、Rochuら、Rev. Fr. Transfus. Immunohematol.、31巻(5号):725〜33頁(1988年)、Araiら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A 86巻(2号):434〜8頁(1989年)を参照。したがって、アルブミンの分子変異体と形成された結合体は、本明細書に記載の結合体の範囲内である。
特定の一実施形態では、アルブミン変異体は、天然の成熟ヒト血清アルブミンの配列と比較して5、4、3、2または1つを超えるアミノ酸置換、欠失または挿入を有さない。
一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミンと実質的な相同性を共有するアルブミンの誘導体を含み得る。例えば結合体は、天然のヒト血清アルブミン、すなわち配列番号30に少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%の同一性を共有するアミノ酸配列を有するアルブミン相同体と形成され得る。この文脈における同一性百分率は、配列をアラインし、かつ最大の配列相同性百分率を達成するために必要であればギャップを導入した後に、ペプチド中の対応するアミノ酸残基と同一(すなわちアライメントにおける所与の位置においてアミノ酸残基が同じ残基である)または類似である(すなわち、上記に論じた通り、アライメントにおける所与の位置においてアミノ酸置換が保存的置換である)候補配列中のアミノ酸残基の百分率を意味する。特定の実施形態では、アルブミン誘導体は、天然に存在するアルブミン配列とのその配列同一性百分率または配列類似性百分率によって特徴付けられる。配列同一性および類似性の百分率を含む配列相同性は、当技術分野で周知の配列アライメント手法、好ましくはBLASTなど、この目的のために設計されたコンピューターアルゴリズムを使用して、前記コンピューターアルゴリズムの初期設定パラメータまたはそれらを含むソフトウェアパッケージを使用して決定される。
特定の実施形態では、アルブミン相同体は、遊離システインを含む。特定の実施形態では、アルブミン相同体は、1つの遊離システインを含む。一部の実施形態では、アルブミン相同体は、遊離のシステイン34を含む。
一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、ヒト血清アルブミンの少なくとも100、200、300、400、500または500を超えるアミノ酸のN末端断片を含み得る。他の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、Asp−Ala−His−Lys N末端配列の改変を含むヒト血清アルブミン変異体を含み得る。他の実施形態ではインスリン分泌性ペプチド結合体は、3個のN末端アミノ酸残基Asp−Ala−His中に少なくとも1つの欠失を含み得る。他の実施形態ではインスリン分泌性ペプチド結合体は、Glu−3、Ala−2、Glu−1、Phe−HSA(配列番号30の1〜585)またはそれ自体のN末端断片などのアルブミンのN末端伸長を含み得る。本発明の他の実施形態ではヒト血清アルブミン(HSA)変異体は、HSA(配列番号30の2〜585)、HSA(配列番号30の3〜585)、HSA(配列番号30の4〜585)、Asp−Ala−HSA(配列番号30の4〜585)、Xaa−HSA(配列番号30の1〜585)(ここでXaaは天然HSAにおいて位置3を占めるHis残基が置換されているアミノ酸残基である)、およびそれ自体のN末端断片からなる群から選択される。
一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミンの構造誘導体を含み得る。アルブミンの構造誘導体には、アルブミン型活性を有するタンパク質またはペプチド、例えばアルブミンの機能的断片が含まれ得る。一部の実施形態では、誘導体は、アルブミンの抗原決定基、すなわち抗アルブミン抗体によって認識され得るポリペプチドの部分である。一部の実施形態では、組換え体アルブミンは、ヒトにおけるヒト血清アルブミンの血漿半減期の75%〜100%の血漿半減期を有することが好ましく、かつヒト血清アルブミンをコードする遺伝子の改変によって得られる任意のタンパク質であり得る。例示的かつ非限定的には、組換え体アルブミンは、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,787,636号に記載の通り、微量金属、例えばニッケルおよび/または銅の結合が低減または消失するように、アルブミンの微量金属結合領域にだけ挿入または欠失を含有し得る。具体的には、組換え体アルブミンは、それがニッケルおよび/または銅などの微量金属の結合の低減または消失を示すように、N末端領域または結合領域VIで、N末端の少なくとも1アミノ酸の短縮を介するなどで改変できる、。この結合領域への他の適切な改変には、この部位で最も高い微量金属結合を破壊するのに十分である延長または挿入などの変異が含まれる。アルブミンによる微量金属結合の低下は、アルブミン組成物で治療される対象における微量金属へのアレルギー反応の可能性を低下させるのに有利である。
アルブミンの構造誘導体は、これだけに限定されないが、オリゴヌクレオチド介在(部位特異的)変異誘発、アラニン置換およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)変異誘発を含めた、当業者に公知の任意の方法を使用して生成され得る。部位特異的変異誘発(Carter、Biochem. J. 237巻:1〜7頁(1986年)、Zoller and Smith、Methods Enzymol. 154巻:329〜50頁(1987年)を参照)、カセット変異導入、制限部位選択変異導入(Wellsら、Gene 34巻:315〜323頁(1985年)を参照)または他の公知の手法が、アルブミン変異体DNAまたはアルブミンの構造誘導体をコードする配列を生成するためのクローン化されたアルブミンをコードするDNA上で実施できる(Ausubelら、Current Protocols In Molecular Biology、John Wiley and Sons、New York(current edition)、Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、3d.ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York(2001年))。これらの開示それぞれの内容を参照により全体として本明細書に組み込む。
特定の実施形態では、アルブミン誘導体には、アルブミンタンパク質のin vitro修飾によって取得できる、ヒトにおけるヒト血清アルブミンの血漿半減期の、好ましくは75%〜100%の血漿半減期を有するいかなる巨大分子も含まれる。一部の実施形態では、アルブミンは、脂肪酸で修飾される。一部の実施形態では、アルブミンは、金属イオンで修飾される。一部の実施形態では、アルブミンは、アルブミンへの高い親和性を有する小分子で修飾される。一部の実施形態では、アルブミンは、これだけに限定されないがグルコース、ラクトース、マンノースおよびガラクトースを含めた糖で修飾される。
一部の実施形態では、インスリン分泌性ペプチド結合体は、アルブミン融合タンパク質、すなわち治療用タンパク質またはその断片もしくは変異体に融合したアルブミン分子、またはその断片もしくは変異体を含み得る。アルブミン融合タンパク質は、アルブミンの全体または一部をコードするポリヌクレオチドに連結した治療用タンパク質の全体または一部をコードするポリヌクレオチドを含む核酸の転写によって生成させることができる。当業者に公知の任意のアルブミン融合タンパク質が、本発明の過程による結合体の形成に使用できる。例示的アルブミン融合タンパク質は、それぞれの内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,548,653号、第6,686,179号、第6,905,688号、第6,994,857号、第7,045,318号、第7,056,701号、第7,141,547号および第7,271,149号に記載されている。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、米国特許第7,141,547号または第7,271,149号に記載されているグルカゴン様ペプチド1に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、エキセンディン−3またはその断片もしくは変異体に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、エキセンディン−4またはその断片もしくは変異体に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。一部の実施形態では、アルブミン融合タンパク質は、マルチイヤーのエキセンディン−4またはその断片もしくは変異体に融合したアルブミンまたはその断片もしくは変異体を含む。
本明細書に記載の結合体を形成するために使用されるアルブミンは、当業者に公知の方法または材料を使用して得られる。例えば、アルブミンは、商業的供給元、例えばNovozymes Biopharma UK Ltd(Nottingham、UK、Saccharomyces cerevisiaeから得られる組換え体ヒトアルブミン)、Cortex−Biochem(San Leandro、Calif.、血清アルブミン)、Talecris Biotherapeutics(Research Triangle Park、North Carolina、血清アルブミン)、ZLB Behring(King of Prussia,PA)またはNew Century Pharmaceuticals(Huntsville、Ala.;Pichia pastorisから得られる組換え体ヒトアルブミン)から得られる。
一部の実施形態では、アルブミンは、RECOMBUMIN(登録商標)(Novozymes Biopharma UK Ltd.(Nottingham,UK))である。Recombumin(登録商標)は、組換え酵母技術を使用してin vitroで生成される組換え体ヒトアルブミン(rHA)であり、この技術では、遺伝的に改変された酵母(Saccharomyces cerevisiae)が可溶性rHAを分泌し、続いてそれが、生物製剤製造のための賦形剤または医学的デバイスのコーティングとしての使用のために回収、精製および処方される。HSAに優るrHAの主な有利点は、製造過程で動物由来またはヒト由来の生成物を使用せずに酵母でそれが発現されることである。そのような管理された生成方法の使用は、構造的不均一性が低い、より純粋な生成物をもたらす。以前の研究は、in vitroおよびin vivoでそれらの生物化学的特徴、放射線標識効率および生物学的挙動に関して可溶性rHAとHSAの間に顕著な差異がないことを示している。Dodsworthら、1996年、Biotechnol. Appl. Biochem.24巻:171〜176頁を参照。
一部の実施形態では、アルブミンは、MEDWAY(登録商標)(ALBREC(登録商標)、GB−1057、Mitsubishi Tanabe Pharma Corp.、Osaka、Japan)である。MEDWAYは、組換え酵母技術を使用してin vitroで生成される組換え体ヒトアルブミン(rHA)であり、この技術では、遺伝的に改変された酵母(Pichia pastoris)が可溶性rHAを分泌し、続いてそれが、示されている処置のために回収、精製および処方され得る。
一部の実施形態では、結合体に使用されるアルブミン変異体は、ALBAGEN(商標)(New Century Pharma、Huntsville、AL)である。ALBAGENは、HSA(2〜585)であり、1つのN末端欠失によって生じる金属結合特性の改変により低アレルギー性である。
一部の実施形態ではアルブミンは、ALBUCULT(商標)(Novozymes Biopharma UK Ltd.(Nottingham、UK))である。Alubucult(商標)は、特に細胞培養での適用のために設計された、酵母から得られる組換え体ヒトアルブミン溶液である。それは、動物またはヒト由来の物質を使用せずに産生され、したがってヒトまたは動物由来のウイルスまたはプリオン混入の危険がない。
本発明は、どのような方法においても限定することを意図しない以下の実施例により例示される。
(実施例1)
6.1 エキセンディン−4アルブミン結合体の調製
ヒト血清アルブミン(HSA)Cys34と結合したエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NH(以下、下記実施例では「エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体」)を、それぞれの内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,329,336号、米国特許出願公開第2005/0267293号、2006年12月22日に出願された米国特許出願第11/645,297号、表題「Process for the Production of Preformed Conjugate of Recombinant Albumin」に記載の通り調製した。
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHの調製
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHを、参照により全体として本明細書に組み込まれる米国特許第6,329,336号に記載の方法により調製した。簡潔には、100μmolスケールでのエキセンディン−4の固相ペプチド合成を、手作業での固相合成、およびFmoc保護Rink Amide MBHAレジンを使用するSymphony Peptide Synthesizerを使用して実施した。Lys(Aloc)基の選択的脱保護を手作業で実施し、CHClNMM:HOAc(18:1:0.5)5mlに溶解させた3当量のPd(PPhの溶液で2時間レジンを処理することによって完了させた。次いでレジンをCHCl(6×5mL)、DCM中の20%HOAc(6×5mL)、DCM(6×5mL)およびDMF(6×5mL)で洗浄した。次いで、3−マレイミドプロピオン酸(MPA)へのアミノエトキシエトキシ酢酸(AEEA)基の添加のために合成を再自動化した。レジンの切断および生成物の単離を85%TFA/5%TIS/5%チオアニソールおよび5%フェノールを使用して実施し、続いてドライアイスで冷却したEtOによって沈殿させた。生成物をVarian(Rainin)調製用バイナリHPLCシステムを使用する調製用逆相HPLCによって精製した。
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の調製
次にエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHを、その内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2006年12月22日に出願された米国特許出願第11/645,297号(公開番号2007/0269863)、表題「Process for the Production of Preformed Conjugates of Albumin and a Therapeutic Agent」に記載の通りヒト組換え体血清アルブミンに結合させた。Saccharomyces cerevisiaeで発現させた組換え体アルブミンを精製し、チオグリコール酸で処理し、結合の前にフェニルセファロースHICで精製した。結合反応物は、最終モル比0.7:1でメルカプトアルブミン富化アルブミン175μlと混合した10mMエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NH 35μlを含んでいた。反応を30分間、37℃で進行させ、次いで液体クロマトグラフィー/質量分析およびブチルセファロースHICによる精製のために4Cで保存した。
その内容が参照により全体として本明細書に組み込まれる、2006年12月22日に出願された米国特許出願第11/645,297号(公開番号2007/0269863)、表題「Process for the Production of Preformed Conjugates of Albumin and a Therapeutic Agent」に記載の通り、結合反応混合物を塩含有率が高い水性緩衝剤で平衡化した疎水性支持体に、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を添加し、塩濃度を減少させるこう配を支持体に適用し、溶出されたアルブミン結合体を回収することによって精製した。
(実施例2)
6.2 エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含む製剤の安定性検査
この実施例は、エキセンディン−4−アルブミン結合体のタンパク質構造の保存および安定性に関して評価され、それらに適した条件および賦形剤を提供するものとして同定された製剤を記載する。
6.2.1 製剤マトリックス
表1に示す賦形剤を用いて27の製剤を調製した。エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤は、(1)pH範囲5.0〜7.0(5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0)、(2)10mM酢酸ナトリウム緩衝剤(pH5.0)または10mMリン酸ナトリウム緩衝剤(pH6.0〜7.0)、(3)張性調整剤としての150mM塩化ナトリウム、5%(w/v)ソルビトール、9%(w/v)ショ糖または5%(w/v)グリセロール、(4)安定剤としての5mMオクタン酸ナトリウム、5mMオクタン酸ナトリウム+5mM Na−N−アセチルトリプトファン、5mMオクタン酸ナトリウム+5mM H−Glutまたは5mM オクタン酸ナトリウム+20mMアルギニン、(5)界面活性剤としての0.1%プルロニック(w/v)F68、および(6)濃度10mg/mL、20mg/mLまたは40mg/mLのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体を含んでいた。
全ての賦形剤(酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、ショ糖、グリセロール、オクタン酸ナトリウム、Na−N−アセチルトリプトファン、H−glut、アルギニン、プルロニックF68)の保存物を調製し、滅菌濾過し、4℃で保存した。各賦形剤を最終濃度まで加え、滅菌濾過し、溶液のpHを調整した。使用に供するため、製剤を滅菌0.5mlガラスバイアルに入れた。
6.2.2 製剤検査のための方法
表2に要約する通り、いくつかの方法を製剤中のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の物理的および化学的安定性を特徴付けるために実行した。清澄度、色および粒子の存在についての目視検査に基づく外観分析を製剤の品質を決定するために実施した。pHメーターおよび浸透圧計を許容可能な範囲内での製剤のpHおよび浸透圧の維持を判定するために使用した。OD280によるペプチド濃度分析および相互作用疎水性クロマトグラフィー(HIC−HPLC)を許容可能な範囲内での製剤のペプチド濃度の維持を判定するために実施した。SDS−PAGEを製剤中のペプチドの純度を評価するために使用した。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC−HPLC)を凝集、純度および一般的安定性の検査として実行した。逆相HPLC(RP−HPLC)は、相対的疎水性に基づいて分子を分離し、製剤中のペプチドの分解物をモニターするために使用した。
4℃、25℃および40℃で最長6カ月間まで保存した各製剤中のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を表3に要約する通りに検査した。
6.2.3 製剤のpH、濃度および浸透圧
製剤のpH結合体濃度および浸透圧を0時点;5℃、25℃および40℃における3カ月時点;、ならびに5℃および25℃における6カ月時点に、表4から9に示す通り評価した。グルタミン酸、グリセロールおよびアルギニンを含む製剤は、高浸透圧であることが見出され、その後、1カ月後に不安定性によりマトリックスから除かれた。ショ糖を含む製剤は、1カ月後に、非イオン性張性調整剤との重複によりマトリックスから除かれた。エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を40mg/mlの濃度で含有する一部の製剤は、それらの標的結合体濃度が、OD280による観察よりも2mg超少なかった。
6.2.4 温度の効果
様々な製剤中のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性プロファイルを促進的安定性条件下(温度25℃または40℃)で6カ月間を超えて検査した。主な分解産物としてペプチド分解物および凝集物が挙げられる。
図1に示す通り、オクタン酸ナトリウムまたはオクタン酸ナトリウムとNa−N−アセチルトリプトファンとの組合せのいずれかを含有するpH6.0のソルビトール製剤は、25℃で6カ月後に他の製剤よりわずかに(0.05〜0.2%)良かった。同様に図2に示す通り、オクタン酸ナトリウムまたはオクタン酸ナトリウムとNa−N−アセチルトリプトファンとの組合せのいずれかを含有するpH6.0のソルビトール製剤は、40℃で3カ月後に他の試料と比較してより高い純度(0.4〜4.0%)を維持していた。
図3および4は、RP−HPLCで決定した25℃で6カ月間および40℃で3カ月間それぞれインキュベートした製剤中のペプチド分解物の経時変化を表す。pH6.0で20mg/mlまたは40mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含有する製剤およびpH7.0の製剤などの高濃度かつ高pHの製剤は、25〜40℃での他の試料より多くのペプチド分解物(>20%)を含有することが見出された。一般的に、pH5.0の製剤などpHがより低い製剤は、40℃でエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体のより少ないレベルのペプチド分解物を有する。
6.2.5 緩衝剤の効果
10mMの酢酸ナトリウム緩衝剤およびリン酸ナトリウム緩衝剤中でのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を検査した。
図5のSEC−HPLC純度比較によって示される通り、酢酸およびリン酸緩衝剤中のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性は、リン酸緩衝剤を含有する製剤が6カ月後にわずかに良好であったが、顕著には異ならないようであった。
図6のRP−HPLCペプチド分解物比較によって示す通り、ペプチド分解物の著しい増加(>10%)が、6カ月の終了時に酢酸ナトリウム緩衝剤中の製剤と比較してリン酸ナトリウム緩衝製剤において観察された。
図7は、酢酸ナトリウム中のpH5.0の製剤とリン酸ナトリウム緩衝剤中のpH6.0の製剤との25℃で6カ月後のSDS−PAGE比較を示す。pH5.0の酢酸ナトリウム緩衝剤を含有する製剤などの低pHの製剤は、主バンドの下に低分子量の不純物および微量のより低い分子量の分解産物を示した。
6.2.6 pHの効果
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を、pH5.0、pH6.0およびpH7.0が含まれる範囲のpHを有する製剤で検査した。図8は、25℃で6カ月間インキュベートした様々なpHの製剤のSEC−HPLC純度比較を示す。塩を含有するpH5.0とpH6.0との製剤は、両製剤が約96.0%の純度を保持して同程度であった。ほとんどの時点でpH7.0の製剤は、pH5.0およびpH6.0の製剤よりもわずかに低い純度を示した。
図9は、25℃で6カ月間インキュベートした様々なpHの製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を示す。pH5.0の製剤は、約20μg/mLの最も少ない量のペプチド分解物を有し、pH6.0の製剤は約40μg/mLのペプチド分解物を有し、かつpH7.0の製剤は約60μg/mLを超えるペプチド分解物を有した。
6.2.7 張性調整剤の効果
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を、150mM塩化ナトリウム、5%(w/v)ソルビトール、9%(w/v)ショ糖および5%(w/v)グリセロールを含めた様々な張性調整剤を含有する製剤で検査した。
図10は、25℃で0〜6カ月間インキュベートした様々な張性調整剤を含有するpH5.0の製剤のSEC−HPLC純度比較を表し、この図に示す通り、塩化ナトリウム製剤とソルビトール製剤とは6カ月後に同程度(純度で約0.2%内)であった。
図11は、25℃で0〜6カ月間インキュベートした様々な張性調整剤を含有するpH5.0の製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を表し、この図に示す通り、ソルビトール製剤が塩化ナトリウム製剤よりわずかに少ない(約10%)ペプチド分解物を含有して、塩化ナトリウム製剤とソルビトール製剤とは6カ月後に同程度であった。
6.2.8 安定剤の効果
5mMオクタン酸ナトリウムに加えて、この検査で様々な安定剤:5mM Na−N−アセチルトリプトファン、5mM H−グルタミン酸、20mM アルギニンおよび窒素を検査した。
図12は、25℃で0〜6カ月間インキュベートした様々な安定剤を含有するpH6.0の製剤のSEC−HPLC純度比較を示す。25℃での6カ月後、5mMオクタン酸ナトリウムを含有する製剤ならびに5mMオクタン酸ナトリウムおよび20mMアルギニンを含有する製剤は、約96.2%の純度を維持しており、5mMオクタン酸ナトリウムおよび窒素を含有する製剤は約95.9%の純度を維持していた。
図13は、25℃で1〜6カ月間インキュベートした様々な安定剤を含有するpH6.0の製剤のRP−HPLCペプチド分解物比較を表し、この図に示す通り、20mMアルギニンを含有する製剤は、5mMオクタン酸ナトリウムまたは窒素重層を伴う5mMオクタン酸ナトリウムのいずれかを含有する製剤よりもわずかに少ないペプチド分解物(約10%)を示した。
6.2.9 結合体濃度の効果
10mg/ml、20mg/mlおよび40mg/mlを含む範囲のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体の濃度を検査した。
図14は、10mg/ml、20mg/mlおよび40mg/mlのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含有するpH6.0ソルビトール製剤を25℃で6カ月間保存した場合でのSEC−HPLC純度比較を表す。純度は、結合体濃度依存であることが観察された。25℃での6カ月間のインキュベーション後で最も高い純度は、20mg/ml結合体を含有する製剤より約0.9%高い純度、40mg/ml結合体を含有する製剤より約1.6%高い純度のレベルを維持した10mg/mlの結合体を含有する製剤で観察された。
図15は、10mg/ml、20mg/mlおよび40mg/mlのCJC−1134−PCを含有するpH6.0ソルビトール製剤の25℃での6カ月間のインキュベーション後のRP−HPLC純度比較を表す。同様に、10mg/ml結合体を含有する製剤が約40μg/mLの最も少ない量のペプチド分解物を有することから、ペプチド分解物の量は結合体濃度依存であることが見出された。分解は、25℃での6カ月間のインキュベーション後に10mg/ml製剤で観察された分解と比較して20mg/ml製剤で約1.72倍多く、40mg/ml製剤で約3倍多かった。
6.2.10 結論
ペプチド分解物は、緩衝剤組成およびpHの組合せによって影響されるようである。エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の製剤のためには低いpHが好ましい。塩化ナトリウムとソルビトールの両方がエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体での適合性の張性調整剤であることが見出された。
SEC−HPLC分析は、より高いインキュベーション温度でインキュベートしたpH5.0およびpH6.0の製剤について同程度の純度データを示したが、一方RP−HPLCは、最も少ない量のペプチド分解物がpH5.0製剤で生じたことを示した。ペプチド分解物は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤においてより重要な安定性の問題であると考えられることから、有用なpHは10mM酢酸ナトリウム緩衝剤でのpH5.0である。
張性調整剤に関して、酢酸ナトリウム緩衝剤および150mM塩化ナトリウムまたは5%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有するpH5.0製剤は、4℃、25℃および40℃でインキュベートした場合に6カ月間の経過にわたって同程度であった。SEC−HPLCデータは、両方の製剤について4℃で6カ月間で0.5%未満の純度の低下を示し、25℃で約2.5%の低下を示した。40℃で3カ月後に約5.0%の純度の低下がSEC−HPLCによって両方の製剤について観察された。これらのデータは、図16(150mM塩化ナトリウム製剤)および図17(5%(w/v)ソルビトール製剤)にそれぞれ示されている。さらにRP−HPLC分析は、これら2種の製剤が4℃および25℃で6カ月後にペプチド分解物をそれぞれ約8〜20μg/mLに最小化したことを示す。これらのデータは、図18(150mM塩化ナトリウム製剤)および図19(5%(w/v)ソルビトール製剤)にそれぞれ示されている。
したがって、塩化ナトリウムおよびソルビトールの両方の張性調整剤は、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体での製剤に対して適合性である。安定剤に関して、5mMオクタン酸ナトリウムおよび20mMアルギニン製剤は、25℃で6カ月後に純度および低いレベルのペプチド分解物を維持した。
このように有用な製剤は、5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68および150mM塩化ナトリウムまたは5%(w/v)ソルビトールのいずれかを含有する10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0中の10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含む。
(実施例3)
6.3 防腐剤
様々な防腐剤を製剤(10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含む10mMリン酸ナトリウム緩衝剤pH7.0、または10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0)とのそれらの適合性について検査した。防腐剤には、0.005%、0.1%または1.0%(w/v)のm−クレゾール、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、フェノール、グリセロール、キシリトール、レソルシノール、カセコール、2,6−ジメチルシクロヘキサノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、デキストラン、ポリビニルピロリドン、2−クロロフェノール、塩化ベンゼトニウム、メルチオレート(チメロサール)、安息香酸(プロピルパラベン)MW180.2、安息香酸MW122.12、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムが含まれる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、レソルシノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、メルチオレート(チメロサール)、塩化ベンザルコニウム、および安息香酸ナトリウムを濃度0.005%、0.1%、1.0%(w/v)で含有する製剤は、透明な溶液を生じた。濃度0.005%、0.1%または1.0%(w/v)の塩化セチルピリジニウムは、pH7.0のリン酸ナトリウム緩衝剤を含有する製剤で使用された場合は透明な溶液を生じ、pH5.0の酢酸ナトリウム緩衝剤を含有する製剤で使用された場合は濁った溶液を生じた。
ブチルパラベン、エチルパラベンまたはメチルパラベンは濃度0.005%および0.1%(w/v)で透明な溶液を生じたが、これらそれぞれの防腐剤は濃度0.3%、0.5%、0.7%および1.0%(w/v)で溶液に不溶性になる。
同様にm−クレゾール、ベンジルアルコール、フェノール、塩化ベンゼトニウムまたはクロロブタノールを含有する製剤は、濃度0.1%(w/v)で透明であったが、これらの防腐剤を1%(w/v)含有する場合は不透明、混濁または不溶性である。
安息香酸(プロピルパラベン)MW180.2または安息香酸MW122.12を含有する製剤は、濃度0.005%(w/v)で透明な溶液を生じたが、濃度0.1%および1.0%(w/v)ではそれぞれ不溶性であった。
この混濁および不溶性の問題は、緩衝剤(酢酸ナトリウムもしくはリン酸ナトリウム)、または他の成分と、製剤で選択された防腐剤との間の潜在的不適合性として確認された。
主要な製剤とのそれらの適合性、安全性およびそれらの使用頻度に基づいて、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、レソルシノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、メルチオレート(チメロサール)、塩化ベンザルコニウム、安息香酸ナトリウムおよび塩化セチルピリジニウムがエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHアルブミン結合体製剤で有用な防腐剤である。
(実施例4)
6.4 10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0、5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68および150mM NaCl中でのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性
この実施例は、5℃、25℃(12カ月間まで)および40℃(3カ月間まで)でインキュベートした場合の10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0、5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68および150mM塩化ナトリウム中に処方したエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を示す。
全ての賦形剤(酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、オクタノエート、プルロニックF68)の保存物を調製し、滅菌濾過し、4℃で保存した。各賦形剤を最終濃度まで加え、滅菌濾過し、溶液のpHを調整した。製剤を使用に供するために、13mmのグレイブチルストッパーを有する滅菌3.0ml Type Iガラスバイアルに入れた。
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を、(1)外観、(2)pHメーターによって測定するpH、(3)HIC−HPLCおよびA280によって測定するタンパク質濃度、(4)SDS−PAGEによって決定する純度、(5)RP−HPLCによって測定するペプチド分解物の量、および(6)SEC−HPLCによって測定する凝集物含有率(>三量体を含有する種)を測ることによって決定した。
安定性検査の結果を表10〜12に示す。10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0、5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68、および150mM塩化ナトリウム中に処方したエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性は、5℃および25℃でインキュベートした場合少なくとも12カ月間、40℃でインキュベートした場合少なくとも3カ月間維持された。各時点で製剤は、粒子を含まない透明、淡い黄色から琥珀色の外観を呈し;pHは4.5から6.0の間で維持され;タンパク質濃度は8.0から12.0mg/mLの間に維持され;SDS−PAGE後、単一バンドが現れ、結合体標準物と分子量で一致し、ラージドメインの分解は示しておらず;分子量増大凝集物の含有率は<1%であった。
(実施例5)
6.5 10mMリン酸ナトリウム緩衝剤pH7.0、1.6mMオクタン酸ナトリウム、15mg/Lポリソルベート80および135mM塩化ナトリウム中でのエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性
この実施例は、5℃、25℃(18カ月間まで)および40℃(6カ月間まで)でインキュベートした場合の10mMリン酸ナトリウム緩衝剤pH7.0、1.6mMオクタン酸ナトリウム、15mg/Lポリソルベート80および135mM塩化ナトリウム中に処方したエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を示す。
全ての賦形剤(リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、オクタン酸ナトリウム、ポリソルベート80)の保存物を調製し、滅菌濾過し、4℃で保存した。各賦形剤を最終濃度まで加え、滅菌濾過し、溶液のpHを調整した。製剤を使用に供するために、13mmのグレイブチルストッパーを有する滅菌3.0ml Type Iガラスバイアルに入れた。
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の安定性を、(1)外観、(2)pHメーターによって測定するpH、(3)浸透圧計で測定する浸透圧(mOsm)、(4)SDS−PAGEによって決定する純度、(5)RP−HPLCによって測定するペプチド分解物の量、および(6)SEC−HPLCによって測定する凝集物含有率(>三量体を含む種)を測ることによって決定した。
安定性検査の結果を表13〜15に示す。各時点で製剤は、粒子を含まない透明、淡い黄色から琥珀色の外観を呈し;pHは7.0に維持され;浸透圧は250〜330mOsmの間に維持され;SDS−PAGE後、単一バンドが現れ、結合体標準物と分子量で一致し、ラージドメインの分解は示さず;分子量増大凝集物の含有率は0%であった。
(実施例6)
6.6 エキセンディン−4結合体製剤の血糖値への効果
この実施例は、II型糖尿病を有する対象に皮下投与したエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤の用量範囲の安全性、耐用性、薬物動態学的および薬力学的効果を評価するためのランダム化プラセボ対照二重盲検単一漸増用量第I/II相臨床試験の結果を記載する。
4種の単回皮下用量(1.5mgおよび2.0mgを含む)のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体およびプラセボの効果を検査した。結合体を本明細書に記載の製剤で10mg/mlの濃度で投与した。
空腹時血漿ブドウ糖値を、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体の投与に続いて各対象について2から7日目に測定した。血糖値も血糖測定器を使用して1日あたり6時点:(1)空腹時/朝食開始の5分前、(2)朝食開始2時間後、(3)昼食開始5分前、(4)昼食開始2時間後、(5)夕食開始5分前、(6)夕食開始2時間後に測定した。各対象についてこれら6回の測定の平均値を投与後の1〜7日目について算出した。
結合体で治療した対象における空腹時血漿ブドウ糖値および日中の平均ブドウ糖値は、プラセボ治療対象における空腹時血漿ブドウ糖値および日中の平均ブドウ糖値と比較してそれぞれ低下していた。
(実施例7)
6.7 エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤でのII型糖尿病の治療
5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68および150mM塩化ナトリウムを含有する10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0中に10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含む医薬製剤を、それを必要とするヒト対象でII型糖尿病を治療するために使用する。II型糖尿病を有する患者は:(1)エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体1.5mgを含む製剤の1週間に1回の投与、合計12週間の治療、または(2)エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体1.5mgを含む製剤の1週間に1回の投与を4週間に続いてエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体2.0mgを含む製剤の1週間に1回の投与を8週間、のいずれかを受ける。
患者は、結合体での治療の前の少なくとも3カ月間、1日≧1000mgのメトホルミンを安定投与される。対象は、結合体の初回投与の前14日間で日常スクリーニング評価を受ける。スクリーニングの少なくとも3カ月前にII型糖尿病であると診断された患者を以下の基準:インホームドコンセント、十分な病歴、組み入れ/除外基準の概説、併用薬剤の調査、十分な理学的検査、体重、バイタルサイン(血圧、体温、脈拍、呼吸数)、12リードECG、尿中薬物選別および呼気アルコール検査、臨床検査分析(臨床化学、血液学、および凝固)、検尿、血清妊娠検査(閉経前の女性のみ)、空腹時血漿グルコース値、HbA1cレベル、フルクトサミン、液体プロファイル、合計IgEレベル、および免疫原性試料採取について評価する。
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を早朝の空腹時に患者の腹部に皮下注射で投与する。患者は、投与期間を通じて当業者である開業医によって、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤の安全性および有効性を決定するための臨床検査分析(臨床化学、血液学、凝集)、フルクトサミン、液体プロファイルおよびHbA1cのための血液採取、12リードECGおよび理学的検査を含んでモニターされる。
(実施例8)
6.8 エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤でのII型糖尿病の治療
5mMオクタン酸ナトリウム、0.1%(w/v)プルロニックF68および150mM塩化ナトリウムを含有する10mM酢酸ナトリウム緩衝剤pH5.0中に10mg/mlエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を含む医薬製剤をそれを必要とするヒト対象でII型糖尿病を治療するために使用する。II型糖尿病を有する患者は、(1)エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体1.5mgを含む製剤を1週間に2回投与、結合体の1週間の合計投与量3.0mgで12週間の治療、または(2)エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体1.5mgを含む製剤を1週間に2回投与、結合体の1週間の合計投与量3.0mgで4週間の治療に続いてエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体2.0mgを含む製剤を1週間に1回投与でさらに8週間の治療、のいずれかを受ける。
患者は、結合体での治療の前の少なくとも3カ月間、1日≧1000mgのメトホルミンを安定投与される。対象は、結合体の初回投与の前14日間で日常スクリーニング評価を受ける。スクリーニングの少なくとも3カ月前にII型糖尿病であると診断された患者を以下の基準:インホームドコンセント、十分な病歴、組み入れ/除外基準の概説、併用薬剤の調査、十分な理学的検査、体重、バイタルサイン(血圧、体温、脈拍、呼吸数)、12リードECG、尿中薬物選別および呼気アルコール検査、臨床検査分析(臨床化学、血液学、および凝固)、検尿、血清妊娠検査(閉経前の女性のみ)、空腹時血漿グルコース値、HbA1cレベル、フルクトサミン、液体プロファイル、合計IgEレベル、および免疫原性試料採取について評価する。
エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体を早朝の空腹時に患者の腹部に皮下注射で投与する。投与期間を通じて当技術分野の医師が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤の安全性および有効性を決定するための臨床検査分析(臨床化学、血液学、凝集)、フルクトサミン、液体プロファイルおよびHbA1cのための血液採取、12リードECGおよび理学的検査を含めた、患者のモニタリングを行う。
(実施例9)
6.9 実施例7および8に記載のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤で治療された対象
実施例7に記載の投与計画を含む第1回臨床試験を実施した。試験は3カ月間継続し、メトホルミン治療によって適切に管理されないII型糖尿病を有する患者144名を登録した。患者を3つの平行治療群:1週間あたり1.5mgのコホート:1週間あたり1.5mgから4週間後に1週間あたり2mgに容量設定したコホート:およびプラセボコホートの1つに無作為化した。実施例8に記載の投与計画を含む第2回臨床試験を実施した。試験は3カ月間継続し、メトホルミン治療によって適切に管理されないII型糖尿病を有する患者80名を登録した。患者を3つの平行治療群:1週間に1.5mgを2回から4週間後に1週間あたり2mgに容量設定したコホート:3mg(1週間に1.5mgを2回)のコホート:およびプラセボコホートの1つに無作為化した。2回の試験は、同じ登録基準および検査判定を有し、したがって統合して分析できる。
製剤の結合体は、Novozymes Biopharmaによって製造される組換え体アルブミンであるRecombumin(登録商標)を使用して生成した。医薬製剤は、31ゲージ針で小容量(≦0.2ml)で注射した。
糖尿病の治療で、抗糖尿病剤の効能の主な証明は、HbA1cの低下である。HbA1c%(ヘモグロビンA1c、すなわちグリコシル化されたヘモグロビンのパーセンテージ)は、抗糖尿病剤での治療に先行する数カ月間の対象の平均血糖値を表し、慢性血糖症の最も一般的に使用される測定法である。
HbA1cの顕著な低下がベースラインおよびプラセボ群の両方と比較して全ての活性治療群において治療期間を通じて見られた(1.5mg、2mg併用群およびプロトコールあたり3mg、統合分析による)。12週間の治療期間の終了時に患者が1.4%のHbA1cの減少を達成した3mg投与群で最も強い低下が観察された。HbA1cの低下は、1.5mgおよび2mg群の両方では0.8%であり、プラセボ群では0.4%であった。
1.2kg(ベースラインに対して有意)の体重減少が3mg群において患者の80%超でいくらかの体重が減少して達成され、対して試験のプラセボ群では0.4kgの低下(ベースラインに対して有意でない)であった。第1回臨床試験の1.5mgおよび2mgの投与群でそれぞれ2.0kgおよび1.3kgの体重減少が観察された(ITT(包括解析)でベースラインに対しては有意だが、プラセボに対しては有意でない)。
薬剤は十分に許容された。両試験の全ての治療にわたる薬剤関連の悪心の割合は23%であり、対してプラセボ群では10%であった、両試験の全ての治療にわたる全ての嘔吐の割合は11%であり、対してプラセボ群では6%であった、両試験の全ての治療にわたる全ての下痢の割合は10%であり、プラセボ群では8%であった。これらの有害事象の事例は、経時的に減少した。例えば、3mgの高投与量コホートでは28日後に悪心または嘔吐はなかった。
注射部位有害事象は、まれであり、実際にプラセボ群よりも治療群で生じる頻度が低かった。
これらのデータは、実施例7および実施例8に記載のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤の投与が、体重減少および優れたGI耐用性を伴うHbA1cの強い低下を生じることを実証する。さらに液体製剤および少ない注射容量(ベリーファインゲージ針を介して)は、注射部位反応をほとんど生じなかった。したがって、本明細書に記載のエキセンディン−4(1〜39)Lys40(ε−AEEA−MPA)−NHHSA結合体製剤の投与は、糖尿病の治療について患者の選好の視点から明確な有利点をここに表している。
本明細書に引用する全ての出版物、特許および特許出願は、参照により組み込まれることをそれぞれ個々の出版物または特許出願が具体的かつ個別に示されるのと同様に、全ての目的について全体として参照により組み込まれる。明確な理解の目的で例示および実施例の方法で先行する発明が幾分詳細に記載されているが、本発明の教示を考慮すると特定の変更および改変が添付の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなくこれに実施され得ることは当業者に明らかである。

Claims (85)

  1. アルブミンおよびインスリン分泌性ペプチドの結合体であって、前記インスリン分泌性ペプチドは、天然のエキセンディン−4配列と比較して3つ以下のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有する配列を含み、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度である結合体と;緩衝剤と;少なくとも1mMの濃度である張性調整剤と;安定剤と;界面活性剤とを含み、約4〜約8のpHを有する医薬製剤。
  2. 前記結合体が、前記ペプチドのリジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2−マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合しているアルブミンシステイン34チオールを含む、請求項1に記載の医薬製剤。
  3. 前記結合体が、以下:
    の通りであり(配列番号33)、
    式中、Xはアルブミンのアミノ酸のS、OまたはNHである、請求項1に記載の医薬製剤。
  4. 前記リジンが天然のエキセンディン−4配列に付加されている、請求項2に記載の医薬製剤。
  5. 前記リジンが天然のエキセンディン−4配列のカルボキシ末端に付加されている、請求項2に記載の医薬製剤。
  6. 前記アルブミンがヒト血清アルブミンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  7. 前記アルブミンが組換え体血清アルブミンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  8. 前記アルブミンが組換え体ヒト血清アルブミンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  9. 前記結合体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含む、請求項1に記載の医薬製剤。
  10. 前記結合体が精製されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  11. 前記結合体が約1mg/ml〜約50mg/mlの濃度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  12. 前記結合体が約1mg/ml〜約15mg/mlの濃度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  13. 前記結合体が約1mg/ml〜約10mg/mlの濃度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  14. 前記結合体が約10mg/mlの濃度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  15. 前記結合体が約20mg/mlの濃度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  16. 前記pHが約5と約7の間である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  17. 前記pHが約5.0である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  18. 前記pHが約7.0である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  19. 前記緩衝剤が酢酸緩衝剤である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  20. 前記酢酸緩衝剤が酢酸ナトリウム緩衝剤であり、前記pHが約4.0〜約6.0である、請求項19に記載の医薬製剤。
  21. 前記緩衝剤がリン酸緩衝剤である、請求項1〜18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  22. 前記リン酸緩衝剤がリン酸ナトリウム緩衝剤であり、前記pHが約6.0〜約8.0である、請求項21に記載の医薬製剤。
  23. 前記緩衝剤が1mM〜約20mMの濃度である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  24. 前記緩衝剤が5mM〜約15mMの濃度である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  25. 前記緩衝剤が約10mMの濃度である、請求項1〜22のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  26. 前記張性調整剤が塩化ナトリウムである、請求項1〜25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  27. 前記塩化ナトリウムが約135mM〜約155mMの濃度である、請求項26に記載の医薬製剤。
  28. 前記塩化ナトリウムが約135mMの濃度である、請求項26に記載の医薬製剤。
  29. 前記塩化ナトリウムが約150mMの濃度である、請求項26に記載の医薬製剤。
  30. 前記張性調整剤がソルビトールである、請求項1〜25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  31. ソルビトールが約5%(w/v)である、請求項30に記載の医薬製剤。
  32. 前記安定剤がオクタン酸ナトリウムである、請求項1〜31のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  33. 前記オクタン酸ナトリウムが約5mMの濃度である、請求項32に記載の医薬製剤。
  34. 前記界面活性剤がプルロニックF68である、請求項1〜33のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  35. 前記プルロニックF68が約0.1%(w/v)である、請求項34に記載の医薬製剤。
  36. 前記医薬製剤が防腐剤をさらに含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  37. 前記防腐剤が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、グリセロール、レソルシノール、2−メチル−2,4−ペンタジオール、メルチオレート(チメロサール)、塩化ベンザルコニウムおよび安息香酸ナトリウムからなる群から選択される、請求項36に記載の医薬製剤。
  38. 前記医薬製剤が単位用量剤形である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  39. 前記医薬製剤が多回使用剤形である、請求項1〜37のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  40. 前記医薬製剤が液体剤形である、請求項1〜39のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  41. 前記医薬製剤が凍結乾燥剤形である、請求項1〜39のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  42. 前記医薬製剤が非経口投与に適する、請求項1〜41のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  43. 前記医薬製剤が、皮下、静脈内、筋肉内、経皮、動脈内、腹腔内、経肺または経口投与に適する、請求項42に記載の医薬製剤。
  44. 前記医薬製剤が皮下投与に適する、請求項42に記載の医薬製剤。
  45. 前記結合体が10mg/mlの濃度であり、前記緩衝剤が10mMの濃度の酢酸ナトリウムであり、前記張性調整剤が150mMの濃度の塩化ナトリウムであり、前記安定剤が5mMの濃度のオクタン酸ナトリウムであり、前記界面活性剤が0.1%(w/v)の濃度のプルロニックF68であり、約5.0のpHを有する請求項1に記載の医薬製剤。
  46. 前記結合体が10mg/mlの濃度であり、前記緩衝剤が10mMの濃度のリン酸ナトリウムであり、前記張性調整剤が135mMの濃度の塩化ナトリウムであり、前記安定剤が8mMの濃度のオクタン酸ナトリウムであり、前記界面活性剤が15mg/Lの濃度のポリソルベート80であり、約7.0のpHを有する請求項1に記載の医薬製剤。
  47. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、アルブミンおよびインスリン分泌性ペプチドの結合体であり、前記インスリン分泌性ペプチドが、天然のエキセンディン−4配列と比較して3つ以下のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有する配列を含み、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度である結合体と;緩衝剤と;張性調整剤と;安定剤と;界面活性剤とを含み、約4〜約8のpHを有する医薬製剤を投与することを含む方法。
  48. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、請求項1〜45、81または82のいずれか一項に記載の医薬製剤を投与することを含む方法。
  49. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、請求項46または請求項83に記載の医薬製剤を投与することを含む方法。
  50. 前記対象に1週あたり約1.0〜4.0mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記対象に1週あたり約1.5〜2.0mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記対象に1週あたり約3.0〜4.0mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記対象に週1回1.5mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記対象に週1回2.0mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記対象に週1回3.0mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記対象に週2回1.5mgの前記結合体を投与することを含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  57. (a)1.5mgの前記結合体を第一の期間に週1回前記対象に投与するステップと、
    (b)2.0mgの前記結合体を第二の期間に週1回前記対象に投与するステップと
    を上記の順序で含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記第一の期間が4週間であり、前記第二の期間が8週間である、請求項57に記載の方法。
  59. (a)1.5mgの前記結合体を第一の期間に週2回前記対象に投与するステップと、
    (b)2.0mgの前記結合体を第二の期間に週2回前記対象に投与するステップと
    を上記の順序で含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記第一の期間が4週間である、請求項59に記載の方法。
  61. (a)1.5mgの前記結合体を第一の期間に週1回前記対象に投与するステップと、
    (b)2.0mgの前記結合体を第二の期間に週1回前記対象に投与するステップと、
    (c)3.0mgの前記結合体を第三の期間に週1回前記対象に投与するステップと
    を上記の順序で含む、請求項47〜49のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記第一の期間が4週間であり、前記第二の期間が4週間である、請求項61に記載の方法。
  63. 前記第一の期間が2週間であり、前記第二の期間が2週間である、請求項61に記載の方法。
  64. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  65. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週2回投与する方法。
  66. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  67. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週2回投与する方法。
  68. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に3.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  69. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回、4週間にわたって投与し、続いて2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  70. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週2回、4週間にわたって投与し、続いて2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  71. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週2回、4週間にわたって投与し、続いて2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週2回投与する方法。
  72. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回、4週間にわたって投与し、続いて2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回、4週間にわたって投与し、続いて3.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  73. 対象においてII型糖尿病を治療する方法であって、II型糖尿病を有する対象に、インスリン分泌性結合エキセンディン−4誘導体を含む医薬製剤を投与することを含み、前記誘導体が、エキセンディン−4(1〜39)Lys40−NHのカルボキシ末端リジンのεアミノに共有結合している[2−[2−[2マレイミドプロピオナミド(エトキシ)エトキシ]酢酸リンカーに共有結合している組換え体ヒト血清アルブミンシステイン34チオールを含み、前記対象に1.5mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回、2週間にわたって投与し、続いて2.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回、2週間にわたって投与し、続いて3.0mgの前記結合エキセンディン−4誘導体を週1回投与する方法。
  74. 対象におけるII型糖尿病の治療のためのキットであって、請求項1〜46または81〜83のいずれか一項に記載の医薬製剤を含む1つまたは複数の容器を含むキット。
  75. 前記1つまたは複数の容器がそれぞれ前記医薬製剤の単位剤形を含む、請求項74に記載のキット。
  76. 前記医薬製剤が凍結乾燥されている、請求項74に記載のキット。
  77. 前記凍結乾燥されている医薬製剤が、非還元糖の存在下での凍結乾燥によって生成される、請求項74に記載のキット。
  78. 前記非還元糖がショ糖またはトレハロースである、請求項74に記載のキット。
  79. 前記凍結乾燥されている医薬製剤を再構成するための滅菌希釈剤を含む1つまたは複数の容器をさらに含む、請求項76に記載のキット。
  80. 少なくとも3カ月の間、1日に1000mg以上のメトホルミンの安定用量を前記対象に投与する、請求項47〜73のいずれか一項に記載の方法。
  81. アルブミンおよびインスリン分泌性ペプチドの結合体であって、前記インスリン分泌性ペプチドが、天然のエキセンディン−4配列と比較して3つ以下のアミノ酸の置換、欠失または挿入を有する配列を含み、約1mg/ml〜約100mg/mlの濃度である結合体と;緩衝剤と;張性調整剤と;安定剤と;界面活性剤とからなり、約4.0〜約8.0のpHを有する医薬製剤。
  82. (a)以下の式
    (配列番号33)による結合体であって、上式で、Xはアルブミンのシステイン34のSであり、10mg/mlの濃度である結合体と;
    (b)10mMの濃度の酢酸ナトリウムである緩衝剤と;
    (c)150mMの濃度の塩化ナトリウムである張性調整剤と;
    (d)5mMの濃度のオクタン酸ナトリウムである安定剤と;
    (e)0.1%(w/v)の濃度のプルロニックF68である界面活性剤と
    からなり、約5.0のpHを有する医薬製剤。
  83. (a)以下の式
    (配列番号33)による結合体であって、上式で、Xはアルブミンのシステイン34のSであり、10mg/mlの濃度である結合体と;
    (b)10mMの濃度のリン酸ナトリウムである緩衝剤と;
    (c)135mMの濃度の塩化ナトリウムである張性調整剤と;
    (d)8mMの濃度のオクタン酸ナトリウムである安定剤と;
    (e)15mg/Lの濃度のポリソルベート80である界面活性剤と
    からなり、約7.0のpHを有する医薬製剤。
  84. 前記アルブミンがヒト血清アルブミンである、請求項47〜49、64〜73または81〜83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記対象がヒトである、請求項47〜49、64〜73または81〜83のいずれか一項に記載の方法。
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