JP2011506278A - ジアリールカーボネートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ジアリールカーボネートの製造方法であって、得られるアルカリ金属塩化物含有処理廃水の電気分解と組み合わされた方法に関する。本発明の方法によって、とりわけ、ジアリールカーボネートの製造において得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の電気分解における改良された利用が可能となる。

Description

本発明は、ジアリールカーボネートの製造方法であって、得られるアルカリ金属塩化物含有処理廃水の電気分解と組み合わされた方法に関する。本発明の方法によって、とりわけ、ジアリールカーボネート製造において得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の、電気分解における改良された利用が可能となる。
ジアリールカーボネート(ジアリールカーボネート)の製造は通常、ホスゲンを製造し、次いで、界面においてアルカリおよび塩基性窒素触媒の存在下でモノフェノールと不活性溶媒中のホスゲンとを反応させることによる、連続的プロセスによって行われる。
Figure 2011506278
例えば相界面法によるジアリールカーボネート製造は、原則として文献に記載されている(例えば「Chemistry and Physics of Polycarbonates(ポリカーボネートの化学および物理)」、Polymer Reviews、H.Schnell、第9巻、John Wiley and Sons,Inc.、1964年、第50/51頁を参照のこと)。
米国特許第4016190号には、65℃より高い温度で操作されるジアリールカーボネート製造方法が記載されている。この方法において、pHはまず低く(pH8〜9)設定され、次いで、高く(10〜11)設定される。
混合の改良、ならびに狭い温度およびpHプロファイルの保持による方法の最適化、ならびに生成物の分離もまた、欧州特許出願公開第1219589号、欧州特許出願公開第1216981号、欧州特許出願公開第1216982号および欧州特許出願公開第784048号に記載されている。
しかし、これらの公知の方法において、これらの方法の廃水中の高い残留フェノール値は、環境を汚染し得、廃水処理プラントに廃水問題の増加をもたらし得るので、複雑な精製操作を必要とする。例えば、国際公開第03/070639号A1には、塩化メチレンで抽出することによる廃水中の有機不純物の除去が記載されている。
アルカリ金属塩化物含有(好ましくは塩化ナトリウム含有)溶液は通常、溶媒および有機残留物が除去され、その後廃棄されなければならない。
尤も、欧州特許出願公開第1200359号または米国特許第6340736号によれば、塩化ナトリウム含有廃水の精製は、オゾン分解によって行うことができ、それから塩化ナトリウム電気分解における使用に適していることも知られている。オゾン分解の不都合な点は、この方法が非常にコストを要することである。
欧州特許出願公開第541114号によれば、塩化ナトリウム含有廃水ストリームを脱水して水を完全に除去し、有機不純物を有する残留塩を熱処理に付すと、その結果として、有機成分が破壊される。この方法において、赤外放射線を用いることが特に好ましい。この方法の不都合な点は、水を完全に蒸発させなければならず、その結果、この方法を経済的に行うことができないことである。
国際公開第03/70639号A1によれば、DPC製造からの廃水が抽出によって精製され、その後、塩化ナトリウム電気分解に供給される。しかし、供給速度が速いと、廃水と共に電気分解に導入される水によって、塩化ナトリウム電気分解の水のバランスが平衡から離れるので、記載されている方法を使用すると、最大で26%の塩化ナトリウムをDPC製造の廃水から回収し得るにすぎない。
DPC製造において得られるアルカリ金属塩化物含有(好ましくは塩化ナトリウム含有)溶液のアルカリ金属塩化物含有量(好ましくは塩化ナトリウム含有量)は通常、13〜17重量%である。従って、この方法では、溶液中に存在するアルカリ金属塩化物の全てを回収することはできない。アルカリ金属塩化物濃度が17重量%である場合、標準的なアルカリ金属塩化物電気分解(好ましくは標準的な塩化ナトリウム電気分解)において、ナトリウム1モル当たり3.5molの水の水輸送を示す市販のイオン交換膜を用いて、塩化ナトリウム含有溶液の塩化ナトリウムの約23%の使用のみが成功する。約25重量%の飽和塩化ナトリウム溶液までの濃度であってさえ、塩化ナトリウム含有溶液に含まれる塩化ナトリウムの38%のリサイクル率が得られるのみである。アルカリ金属塩化物含有溶液の完全なリサイクルは現在に至るまで知られていない。国際公開第01/38419号A1によれば、塩化ナトリウム含有溶液を熱処理によって蒸発させることができ、それによって、高濃縮塩化ナトリウム溶液を電解セルに供給することができる。しかし、蒸発はエネルギーを大量に消費し、費用を要する。
上述の従来技術から前進して、本発明の目的は、生成物を高純度かつ良好な収率で供給し、それと同時に、ジアリールカーボネート製造から得られるアルカリ金属塩化物含有処理廃水溶液からアルカリ金属塩化物を最大限にリサイクルすることによって、環境汚染および/または汚水処理プラントにおける廃水問題の減少を可能にするジアリールカーボネート製造方法を提供することであった。
特に、リサイクルにおいて、塩素およびアルカリ溶液(好ましくは水酸化ナトリウム溶液)および場合により水素が得られるアルカリ金属塩化物(好ましくは塩化ナトリウム)の反応は最小限のエネルギー使用で行われるべきであり、従って、同様に資源を節約するべきであることを考慮するべきである。
驚くべきことに、ジアリールカーボネート製造に由来するアルカリ金属塩化物含有溶液のアルカリ金属塩化物含有量が、アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として18〜25重量%である場合、塩基および場合により塩基性触媒の存在下でのモノフェノールと不活性溶媒中のホスゲンとの反応によるジアリールカーボネート製造において、ジアリールカーボネート製造に由来するアルカリ金属塩化物含有溶液の改良された利用が塩素アルカリ電気分解において達成され得ることがわかった。そのような、ジアリールカーボネート製造において得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の18〜25重量%のアルカリ金属塩化物含有量は、本発明に従って、まず、塩基存在下でのモノフェノールとホスゲンとの反応において、モノフェノールおよびアルカリ金属含有塩基を、得られるアルカリ金属含有塩基およびモノフェノールの溶液のナトリウムフェノラート含有量が特別に選択された範囲、好ましくは溶液の総重量を基準としてナトリウムフェノラートが31〜40重量%であるような量で使用する手法によって達成され得る。付加的に又は別法として、ジアリールカーボネート製造において得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部は、例えば、ジアリールカーボネート製造において得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の濃度を18〜25重量%のアルカリ金属塩化物含有量にすることを同様に達成するために使用すべきいくらかの水を置き換えることによって、ジアリールカーボネート製造にリサイクルされ得る。
ジアリールカーボネート製造における出発溶液中のナトリウムフェノラート含有量が、その後のジアリールカーボネートの発熱的生成において増加することによって、発生エネルギーの増加および結果としておこる副生成物生成の増加がもたらされるはずであるので、これは驚くべきことである。更に、例えば使用すべきいくらかの水を置き換えることによる、塩化ナトリウム含有溶液のジアリールカーボネート製造へのリサイクルにおいて、出発物質溶液におけるアルカリ金属塩化物の存在に起因するフェノールの溶解度の低下およびそれに対応する沈殿を予測しなければならない。驚くべきことに、本発明に従って選択される、アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準とする、18〜25重量%というアルカリ金属塩化物含有量の範囲内では、いずれも観察されなかった。対照的に、本発明の方法は、驚くべきことに、ジアリールカーボネート製造の反応廃水中にあるアルカリ金属塩化物のかなり多くの部分を電気分解によってリサイクルすること、およびそれによってそのアルカリ金属塩化物を利用することの可能性を提供する。
本発明は、ジアリールカーボネートを製造し、かつ得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を下流のアルカリ金属塩化物電気分解において処理する方法に関し、この方法は以下の工程:
a) 塩素を一酸化炭素と反応させることによってホスゲンを製造する工程、
b) 工程a)によって生成するホスゲンを、塩基および場合により塩基性触媒の存在下で少なくとも1種類のモノフェノールと反応させて、ジアリールカーボネートおよびアルカリ金属塩化物含有溶液を得る工程、
c) 工程b)において生成するジアリールカーボネートを分離および処理(または精製もしくは単離、working−up)する工程、
d) 工程c)で残存するアルカリ金属塩化物含有溶液を、特に蒸気による溶液のストリッピング、および吸着剤(特に活性炭)による溶液の処理によって、溶媒残留物および場合により触媒残留物から分離する工程であって、吸着剤による処理の前に、アルカリ金属塩化物含有溶液を8より小さい若しくは8と等しいpHに調節する工程、
e) 工程d)からのアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を電気化学的に酸化して塩素、アルカリ溶液および場合により水素を生成する工程、
f) 工程e)で製造された塩素の少なくとも一部を、工程a)のホスゲン製造にリサイクルする工程、ならびに/または
g) 工程e)で製造されたアルカリ溶液の少なくとも一部を、工程b)のジアリールカーボネート製造にリサイクルする工程
を含み、工程b)において製造されるアルカリ金属塩化物含有溶液が、アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として18〜25重量%のアルカリ金属塩化物含有量を有し、かつ/または工程d)で生じるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部が工程b)にリサイクルされることを特徴とする。
アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として18〜25重量%の増加したアルカリ金属塩化物含有量であって、本発明の方法における電気分解にとって望ましいアルカリ金属塩化物含有量は、工程b)において塩基がアルカリ金属含有塩基、好ましくはナトリウム含有塩基であり、このアルカリ金属含有塩基およびモノフェノールが、得られるアルカリ金属含有塩基およびモノフェノールの溶液のナトリウムフェノラート含有量が溶液の総重量を基準として31〜40重量%ナトリウムフェノラートであるような量で使用され、且つ/または工程d)において生じるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部が工程b)にリサイクルされる場合に達成され得る。この場合、工程d)において生じるアルカリ金属塩化物含有溶液の好ましくは80重量%まで、好ましくは50重量%までを、工程b)にリサイクルし得る。
工程d)において生じるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を工程b)にリサイクルする場合、本発明の方法の好ましい態様において、工程c)で残存するアルカリ金属塩化物含有溶液は、工程c)によるジアリールカーボネートの処理からの洗浄水と少なくとも一部において更に組み合わされて、工程d)で用いられ得る。この手順は、洗浄相の完全な廃棄を回避し得るという更なる利点を提供する。
好ましくは、工程b)において、得られるアルカリ金属含有塩基およびモノフェノールの溶液の、ナトリウムフェノラート31〜40重量%という、ナトリウムフェノラート含有量は、モノフェノールを濃度14〜21重量%のアルカリ金属含有塩基、特にナトリウム含有塩基と反応させることによって達成される。
本発明の方法に使用するのに特に適したモノフェノールは式(I)のフェノールである。
Figure 2011506278

ここで、Rは水素、ハロゲン、または分枝もしくは非分枝のC−〜C−アルキルラジカル、またはアルコキシカルボニルラジカルである。
本発明におけるC−〜C−アルキルは、例として及び好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、n−ノニル、イソノニルである。
本発明におけるハロゲンは、例として及び好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素、好ましくは塩素または臭素である。
従って、好ましい適切なモノフェノールは、フェノール、アルキルフェノール(クレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−n−オクチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−n−ノニルフェノールおよびp−イソノニルフェノール等)、ハロフェノール(p−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−ブロモフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノール等)、またはサリチル酸メチルエステルである。フェノールが特に好ましい。
モノフェノールのホスゲンとの反応に適した塩基は、例えば、アルカリ金属塩、好ましくはアルカリ金属水酸化物、例えば水酸化Na、KまたはLi等、特に好ましくは水酸化ナトリウム溶液である。本発明の方法において、塩基は、好ましくは濃度14〜21重量%の水溶液として用いられる。
工程b)における反応は、三級アミン、N−アルキルピペリジンまたはオニウム塩等の塩基性触媒によって促進され得る。窒素触媒が好ましい。トリブチルアミン、トリエチルアミンおよびN−エチルピペリジンが特に好ましい。
使用される塩基性触媒は、開鎖または環状であり得、特に好ましくはトリエチルアミンおよびエチルピペリジンである。本発明の方法において、触媒は、好ましくは濃度1〜55重量%の溶液として用いられる。
本発明において、オニウム塩は、好ましくはNRX等の化合物を意味する。式中、ラジカルRは互いに独立して、Hならびに/またはアルキルおよび/もしくはアリールラジカルであり得、Xはアニオン(例えば塩素、臭素またはヨウ素等)である。
ホスゲンは、工程b)において、液体状態で、気体状態で又は不活性溶媒に溶解させて使用され得る。
本発明の方法において、工程b)において、好ましく使用され得る不活性有機溶媒は、好ましくは、芳香族溶媒、ハロゲン化(より好ましくは塩素化)脂肪族もしくは芳香族溶媒、またはこれらの混合物である。これらは、例えばトルエン、ジクロロメタン、種々のジクロロエタンおよびクロロプロパン化合物、クロロベンゼン、ならびにクロロトルエン、またはこれらの混合物である。ジクロロメタンが特に好ましい。
本発明の方法の工程b)において製造されるジアリールカーボネートは、好ましくは一般式(II)のジアリールカーボネートである。
Figure 2011506278

ここでRは式(I)に関して示した意味を有する。特に好ましくは、ジフェニルカーボネートが本発明の方法によって製造される。
工程b)に関する反応手順は、好ましくは連続的に、特に好ましくは大きな逆混合のない栓流で行われる。これは例えば管式反応器において達成され得る。2相(水相および有機相)の混合は、例えば、作り付けのパイプバッフル、静的混合器および/またはポンプによって行われ得る。
工程b)の反応は、特に好ましくは2段階で行われる。
好ましい方法の第1段階において、反応は、出発物質のホスゲン、好ましくは第1にホスゲンに対する溶媒としてはたらく少なくとも1種類の不活性有機溶媒、および好ましくは既に予め塩基の溶液(好ましくはアルカリ溶液)に溶解しているモノフェノールを混合することによって開始する。第1段階において、滞留時間は通常2秒〜300秒の範囲内、特に好ましくは4秒〜200秒の範囲内である。第1段階におけるpHは、塩基(好ましくはアルカリ溶液)/モノフェノール/ホスゲンの比率によって、好ましくは、pHが11.0〜12.0、好ましくは11.2〜11.8、特に好ましくは11.4〜11.6の範囲内にあるように調節される。第1段階の反応温度は冷却によって好ましくは40℃より低く、特に好ましくは35℃またはそれより低く保持される。
好ましい方法の第2段階において、ジアリールカーボネートが生じる反応が完了する。好ましい方法における滞留時間は1分〜2時間、好ましくは2分〜1時間、極めて特に好ましくは3分〜30分である。好ましい方法の第2段階は、pH(これは、連続的プロセスにおいて、好ましくは原則として公知の方法によってオンラインで測定される)を常に監視すること、およびそれに対応してアルカリ溶液の追加によるpH調節を行うことによって制御される。供給される塩基(好ましくはアルカリ溶液)の量は、特に、第2処理段階における反応混合物のpHが7.5〜10.5、好ましくは8〜9.5、極めて特に好ましくは8.2〜9.3の範囲内にあるように設定される。第2段階の反応温度は冷却によって好ましくは50℃より低く、特に好ましくは40℃より低く、極めて特に好ましくは35℃またはそれより低く保持される。従って、工程b)で製造されるアルカリ金属塩化物含有溶液は、ジアリールカーボネートが生じる反応が完了した直後に、50℃より低い、特に好ましくは40℃より低い、極めて特に好ましくは35℃またはそれより低い温度である。
本明細書において列挙した、または好ましい範囲において列挙した一般的パラメータおよび/または説明は、お互いの間で、即ち所望の通りに各範囲および好ましい範囲の間で組み合わせることも可能である。
本発明の方法の好ましい態様において、工程b)において、ホスゲンは、モノフェノールに対して1:2〜1:2.2のモル比で使用される。不活性有機溶媒は、ジアリールカーボネートが反応後に有機相を基準として濃度5〜50重量%の溶液、好ましくは濃度20〜45重量%の溶液で存在するように加えられる。
場合により使用される触媒は、好ましくは、使用されるモノフェノールを基準として0.0001mol〜0.1molの量で加えられる。
反応b)の後、工程c)において、好ましくは、ジアリールカーボネート含有有機相は通常、水性液体で洗浄され、各洗浄操作の後にできるだけ水相から分離される。洗浄液として、触媒を分離するための水性液体、例えばHClまたはHPO等の希鉱酸が使用され、更なる精製のために脱塩水が使用される。洗浄液中のHClまたはHPO濃度は、好ましくは0.5〜1.0重量%であり得る。有機相は、例として及び好ましくは2回洗浄される。
有機相から洗浄液を分離するのに使用され得る相分離装置は、基本的に公知の分離容器、相分離器、遠心分離器またはコアレッサー、またはこれらの装置の他の組み合わせである。
これにより、未だ分離されるべき溶媒を考慮することなく、99.85%より高い、驚くほど高度なジアリールカーボネート純度がもたらされる。
ジアリールカーボネート合成の後、ジアリールカーボネートは、製造において使用される不活性有機溶媒(例えば塩化メチレン)中のジアリールカーボネート溶液の形態で分離される。
超高純度のジアリールカーボネートを得るために、好ましくは溶媒を蒸発させる。蒸発は、複数の蒸発器段階で行われ得る。これは例えば、溶媒をジアリールカーボネートから分離する一つまたはそれより多くの直列接続した蒸留塔によって行われる。
この(これらの)(1または複数の)精製段階c)は、例えば、連続的に、蒸留の間のボトム温度が150〜310℃、好ましくは160〜230℃であるような方法で実施され得る。この蒸留を実施するのに用いられる圧力は、特に、1〜1000mbar、好ましくは5〜100mbarである。
このように精製されるジアリールカーボネートは、特に高い純度(GC分析によれば99.95%より高い)および非常に優れたエステル交換挙動を特徴とし、それにより、このジアリールカーボネートは、その後、優れた品質のポリカーボネートを製造するのに適している。溶融エステル交換法による芳香族オリゴ/ポリカーボネート製造にジアリールカーボネートを使用することが文献から公知であり、例えば、『Encyclopedia of Polymer Science(ポリマー科学百科事典)』第10巻(1969年)、「Chemistry and Physics of Polycarbonates(ポリカーボネートの化学および物理)」(Polymer Reviews、H.Schnell、第9巻、John Wiley and Sons,Inc.、1964年)または米国特許第5340905号に記載されている。
工程c)による分離における相分離の後に残存するアルカリ金属塩化物含有水溶液(以下、アルカリ金属塩化物含有廃水とも呼ぶ)から、易揮発性有機不純物、例えば合成において使用した有機溶媒の残留物および適切であれば触媒残留物等が、例えば蒸留または蒸気ストリッピングによって好都合に除かれる。この場合、溶解アルカリ金属塩化物の含有量が、アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として18〜25重量%の高い含有量であり、溶解アルカリ金属カーボネートを、アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として0.3〜1.5重量%の量にて追加で更に含有するアルカリ金属塩化物含有溶液が残存する。これらのアルカリ金属カーボネートは、例えば、ジアリールカーボネート製造の副反応としてホスゲンが加水分解されることによって生成し得る。加えて、アルカリ金属塩化物含有廃水は有機化合物、例えばフェノール(例として非置換フェノール、アルキルフェノール)で汚染されている。
その後、予備精製されたアルカリ金属塩化物含有廃水を吸着剤、好ましくは活性炭で処理する。吸着剤によるこの処理の前に、アルカリ金属塩化物含有廃水を8より小さいまたは8と等しいpH、好ましくは7より小さいpHに調節する。
処理工程d)におけるこのpH低下は、好ましくはプロトン酸の添加によって行われる。より好ましくは、処理工程d)におけるpH低下は塩酸または気体状塩化水素を用いて行われる。基本的に考えられるが本発明の方法においては望ましくない、より安価な硫酸を使用すると、pHの低下により硫酸ナトリウムの生成がもたらされ、その硫酸ナトリウムは、その後の電気分解におけるアノード液回路にて蓄積されるだろう。例えば、イオン交換膜は、製造業者の指示により、アノード液において、ある硫酸ナトリウム濃度までしか操作してはならないので、塩酸または塩化水素を用いる場合よりも多くのアノード液を排出しなければならず、更に、塩酸または塩化水素を用いる場合の反応生成物は、重ねて好都合なことに所望の塩化ナトリウムである。
少なくとも、工程d)からのアルカリ金属塩化物含有廃水の少なくとも一部を、その後、電気化学的酸化に付し、好ましくは塩素、アルカリ溶液および適切であれば水素を生成するアルカリ金属塩化物の電気分解の形態で電気化学的酸化に付す。
アルカリ金属塩化物電気分解法を以下により詳細に説明する。本発明の方法において、上で既に示したように、原則としていずれのアルカリ金属塩化物も使用し得るので(特にLiCl、NaCl、KCl)、以下の説明は、塩化ナトリウムの電気分解に関する例であると考えなければならない。尤も、本発明の方法の前の段階において塩化ナトリウムまたは水酸化ナトリウム溶液を使用することが好ましいので、塩化ナトリウムの電気分解もまた、本発明の方法の好ましい態様である。
通常、例えば塩化ナトリウム含有溶液を電気分解するために、膜電気分解法が用いられる(これに関しては、Peter Schmittingerの『CHLORINE(塩素)』(Wiley−VCH Verlag、2000年)を参照のこと)。この場合、二つに分割され、アノードを有するアノード室およびカソードを有するカソード室からなる電解セルが用いられる。アノード室とカソード室とはイオン交換膜によって隔てられる。塩化ナトリウム濃度が通常300g/lより大きい塩化ナトリウム含有溶液を、アノード室に導入する。アノードにおいて塩素イオンが塩素へと酸化され、その塩素は、枯渇した(または濃度が低下した)塩化ナトリウム溶液と一緒にセルから導かれる(または送り出される)。ナトリウムイオンは、電場の作用の下でイオン交換膜を通ってカソード室へと移動する。この移動の間に、ナトリウムの各モルが、膜に応じて3.5〜4.5molの水を同伴する。このことは、アノード液で水が枯渇する(または激減する)という事実をもたらす。アノード液とは対照的に、カソード側において、水を水酸化物イオンおよび水素へと電気分解することの結果として水が消費される。ナトリウムイオンと一緒にカソード液に運ばれる水は、入口濃度が30%で電流密度が4kA/mである場合、出口における水酸化ナトリウム濃度を31〜32重量%に保持するのに十分である。カソード室において、水は電気化学的に還元されて、水酸化物イオンおよび水素が生成する。
別法として、カソードとしてガス拡散電極を用いることも可能であり、ガス拡散電極において、酸素は電子と反応して水酸化物イオンが得られ、水素は生成しない。水酸化物イオンは、イオン交換膜を通ってカソード室に移動してきたナトリウムイオンと一緒に水酸化ナトリウム溶液を形成する。通常、濃度が30重量%である水酸化ナトリウム溶液がカソード室に供給され、濃度が31〜32重量%である水酸化ナトリウム溶液が取り出される。水酸化ナトリウム溶液は通常、濃度50重量%のアルカリ溶液として保管または輸送されるので、水酸化ナトリウム溶液のできるだけ高い濃度を達成することが目的である。しかし、市販の膜は現在のところ、濃度が32重量%より高いアルカリ溶液に対して安定でないので、製造される水酸化ナトリウム溶液は、その後、熱蒸発によって濃縮しなければならない。
本発明の方法における塩化ナトリウム電気分解の場合、塩化ナトリウム含有廃水を使用することによって追加の水がアノード液に導入されるが、水のみが膜を介してカソード液へと排出される。カソード液に輸送され得るよりも多くの水が塩化ナトリウム含有溶液によって導入される場合、アノード液で塩化ナトリウムが枯渇し(または激減し)、電気分解はもはや連続的に実施され得ない。塩化ナトリウム濃度が非常に低い場合、酸素が生成する副反応が開始するだろう。
最大量の塩化ナトリウム含有溶液を塩化ナトリウムの電気分解へ経済的に供給するために、膜を通る水の輸送を増加させることが有用であり得る。このことは、米国特許第4025405号に記載されているように、適切な膜を選択することによって実施され得る。水の輸送を増加させることの効果は、アルカリ溶液濃度を保持するための、他の方法では慣例的である水の追加を省き得ることである。
米国特許第3773634号によれば、膜を通る水の輸送が大きいと、31〜43重量%のアルカリ溶液濃度および120〜250g/lの塩化ナトリウム濃度を用いる場合、電気分解を行うことができる。
両方の方法の不都合な点は、これらの方法の電流収率がより低いことである。
本発明の方法によれば、塩化ナトリウム含有廃水の分離c)は、相分離によって行われる。その後、工程d)において、用いられる溶媒およびいずれの触媒も、特に蒸気でストリッピングすることによって、およびpH調節の後に吸着剤で処理することによっても取り除かれる。その後、アルカリ金属塩化物含有廃水を電気分解e)に直接供給し得る。
本発明の方法の好ましい態様において、濃縮プロセスによってアルカリ金属塩化物含有廃水から水を更に抜き出すことができ、それによってアルカリ金属塩化物濃度を増加させ得る。従って、d)からのアルカリ金属塩化物含有溶液を、電気分解e)の前に、膜蒸留法または逆浸透によって濃縮することを特徴とする方法が好ましい。しかし、ジアリールカーボネート製造において、アルカリ金属塩化物含有量がアルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として17重量%までであるアルカリ金属塩化物含有廃水のみが見られる(または生じる)方法と比較して、本発明の方法においては、同じアルカリ金属塩化物濃度を達成するために、濃縮工程によって除去する必要のある水はかなり少ない。
この場合、例えば、逆浸透、または特に好ましくは膜蒸留もしくは膜接触器を用いることができる(MELIN;RAUTENBACH、『Membranverfahren(membrane processes、膜プロセス)』(SPRINGER、ベルリン、2003年)を参照のこと)。本発明の電解セルの操作と濃縮プロセスとを組み合わせることによって、理論上は100%までの塩化ナトリウムを廃水から回収し得る。
本発明の方法の更なる好ましい態様において、ジアリールカーボネート製造のアルカリ金属塩化物含有廃水は固体アルカリ金属塩化物によって濃縮されて(または濃度を増加させて)、アルカリ金属塩化物の電気分解に供給される。本発明の方法のこの好ましい態様によって、ジアリールカーボネート製造の廃水から50%より多くのアルカリ金属塩化物をリサイクルすることができ、従って再使用し得る。しかし、このことは、塩素およびアルカリ溶液をジアリールカーボネート製造のみに使用しないことを前提とする。しかし、ジアリールカーボネート製造において、アルカリ金属塩化物含有量がアルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として17重量%までであるアルカリ金属塩化物含有廃水のみが見られる(または生じる)方法と比較して、本発明の方法において、濃縮に必要とされる固体アルカリ金属塩化物の添加量はかなり少ない。
本発明の方法は、水素がカソードで発生しないが、酸素を水酸化物イオンに還元するガス拡散電極によってカソードが置き換えられるアルカリ金属塩化物電気分解を用いて行うこともできる。例えば、統合された(または一体化された)サイトにおいて、水素が化学反応に必要でないない場合、自動的に製造される生成物の水素を回避することができる。この利点は、ガス拡散電極を用いる場合に電解電圧がより小さいことに起因して、電気分解におけるエネルギーが節約されることである。
アルカリ金属塩化物の電気分解は通常、セルから移動するアルカリ金属塩化物溶液のアルカリ金属塩化物濃度が100〜280g/l塩化ナトリウムであり、かつ/またはセルの外に移動するアルカリ溶液の濃度が13〜33重量%であるような方法で操作されるべきである。より小さい電圧でのセルの操作を可能にする濃度が特に好ましい。このため、セルの外に移動するアルカリ金属塩化物溶液の濃度は、好ましくはアルカリ金属塩化物が110〜220g/lであるべきであり、かつ/またはセルの外に移動するアルカリ溶液の濃度は20〜30重量%であるべきである。本発明の方法の好ましい態様において、アルカリ金属塩化物の電気分解は、セルの外に移動するアルカリ金属塩化物溶液のNaCl濃度が200g/lより小さくなるような方法で操作される。それと並行して、セルの外に流出するアルカリ溶液の濃度は30重量%より小さくなり得る。
膜を通る水の輸送は、操作パラメータだけでなく使用する膜の種類にも依存する。本発明の方法によれば、好ましくは、本発明の塩化ナトリウムおよびアルカリ濃度の条件下で、ナトリウム1モル当たり4.5molより多い水が膜を通る水の輸送を可能にするイオン交換膜が使用される。
この場合、電流密度は膜面積に従って計算され、具体的には2〜6kA/mである。特に好ましくは、比較的大きい表面積を有するアノードが用いられる。比較的大きい表面積を有するアノードとは、物理的表面積が幾何学的表面積、即ち投影表面積よりかなり大きいアノードを意味する。比較的大きい表面積を有するアノードは、例えば、発泡体状(またはフォーム状)またはフェルト状構造を有する電極である。結果として、アノードの非常に大きい電極表面積が提供され、局所電流密度が著しく減少する。アノードの表面積は、好ましくは、局所電流密度が、電極の物理的表面積を基準として3kA/mより小さくなるように選択してよい。表面積が大きくなり局所電流密度が小さくなるにつれて、選択され得るブラインにおけるアルカリ金属塩化物濃度は小さくなり、リサイクルされ得る廃水からのアルカリ金属塩化物の割合が大きくなる。
電気分解e)の前のアルカリ金属塩化物含有廃水のpHは、好ましくは7より小さくあるべきであり、特に好ましくは0.5〜6であるべきである。pH調節は、プロトン酸、好ましくは塩酸または気体状塩化水素を加えることによって行われ得る。
電気分解に用いられるイオン交換膜は、好ましくは、4.0mol(HO)/mol(ナトリウム)より大きい、特に好ましくは5.5〜6.5mol(HO)/mol(ナトリウム)のナトリウム1モル当たりの水の輸送を示すべきである。
この方法は、好ましくは、電気分解e)が70〜100℃、好ましくは80〜95℃の温度で操作されるような方法で操作される。
電気分解は、1〜1.4barの絶対圧力、好ましくは1.1〜1.2barの絶対圧力で操作される。アノード室とカソード室との間の圧力条件は、特に、カソード室における圧力がアノード室における圧力より大きくなるように選択される。カソード室とアノード室との間の差圧は、特に好ましい方法において、20〜150mbar、好ましくは30〜100mbarであるべきである。
アルカリ金属塩化物濃度が低い場合、特別なアノードコーティングを用いることもできる。特に、アノードコーティングは、酸化ルテニウムに加えて、元素周期表の第7および第8亜族の他の貴金属成分も含み得る。例えば、アノードコーティングはパラジウム化合物でドープされ得る。同様に、ダイアモンドをベースとするコーティングを用いることができる。
公知の方法によりジフェニルカーボネート製造(DPC製造)から通常得られる塩化ナトリウム含有溶液(塩化ナトリウム含有廃水)は、それが反応廃水である場合、17重量%までの塩化ナトリウム含有量を有する。反応廃水を、工程c)による処理からの洗浄水と更に組み合わせる場合、NaCl濃度は例えば僅か約13重量%である。電気分解がDPC製造のためだけに塩素および水酸化ナトリウム溶液を供給する場合、塩化ナトリウム含有廃水のごく一部のみを電気分解に用いることができる。例えば、一般的なイオン交換膜および塩化ナトリウム電気分解の標準的な操作パラメータによって、濃度17重量%の塩化ナトリウム含有DPC廃水の塩化ナトリウムを最大で26%のみ用い得るにすぎない。NaCl電気分解の標準的な操作パラメータは、出口におけるブライン濃度が200〜240g/lであり、NaOH濃度が31〜32重量%である。従って、製造される塩化ナトリウムを完全にリサイクルすることは現在に至るまで不可能である。更に、水の熱蒸発による濃縮は、塩化ナトリウムが非常に安価な製品として市販されているので、現在のところ経済的でない。
ここで、本発明の方法を用いると、塩化ナトリウム電気分解がDPC製造のための塩素および水酸化ナトリウムのみを供給する場合、18〜25重量%のNaCl含有量にて発生した廃水から、26%よりかなり多くの塩化ナトリウムをリサイクルすることができる。通常、塩化ナトリウム電気分解は、複数の塩素消費物(consumer)を有する統合された(または一体化された)化学サイトにおいて操作され、従って、リサイクルのための塩化ナトリウム含有溶液は、全ての消費物によって提供されるわけではない。更に、廃水からの再利用可能な塩化ナトリウムの割合は、塩化ナトリウムの電気分解がジアリールカーボネート製造のためだけでない水酸化ナトリウム溶液および塩素を提供しなければならない場合、更に増加する。
DPC製造の廃水中に存在する塩化ナトリウムの最大で26%をNaCl電気分解に用いることができる従来技術(国際公開第03/70639号A1)と比較して、本発明の方法によって、廃水から26%より多くの塩化ナトリウムを回収することができる。
以下の実施例は本発明を説明することを意図するが、本発明を限定するものでない。
実施例は、ジフェニルカーボネートの製造(DPC製造)において生じる塩化ナトリウム含有廃水に関して本発明の方法を提供することを意図する。
[実施例1 濃縮された塩化ナトリウム含有反応廃水の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)−DPC製造からの濃度22.5重量%塩化ナトリウム溶液の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)]
a) DPC製造からの製造廃水の分離
垂直に直立した冷却された管式反応器において、濃度32%の水酸化ナトリウム溶液65.8kg/hを79.4kg/hの脱塩水で希釈することによって製造した濃度14.5%の水酸化ナトリウム溶液145.2kg/hと、48.3kg/hのフェノールとの混合物を、86.2kg/hの塩化メチレンおよび27.5kg/hのホスゲン(フェノールを基準として8mol%過剰)の溶液と連続的に混合した。この反応混合物を33℃の温度に冷却し、15秒の平均滞留時間の後に、pH11.5が測定された。次に、方法の第2段階において、この反応混合物に濃度50%のNaOH5.4kg/hを加え、その結果、第2反応段階のpHは、5分の更なる滞留時間の後に8.5であった。連続的に操作される反応において、発生した計測変動は、NaOH供給の各々の調節によって包含された。方法の第2段階において、反応混合物を、くびれを備えた管を通過させることによって連続的に混合した。NaOHを繰り返し加えた後、反応温度を冷却によって30℃に設定した。水相(反応廃水)から有機相を分離した後、DPC溶液を濃度0.6%の塩酸および水で洗浄した。溶媒を除去した後、99.9%の純ジフェニルカーボネートが得られた。反応廃水を洗浄相と混合し、蒸気でストリッピングすることによって溶媒残留物および触媒を除いた。塩酸による中和および活性炭による処理の後、製造廃水は13.2重量%のNaClおよび2ppmより少ないフェノールを含んでいた。
製造廃水を、更に精製することなく製造プロセスにリサイクルすることができた。
b) a)からの廃水をDPC製造にリサイクルすることによる廃水中の塩化ナトリウム濃縮
DPC製造を実施例1に記載したように行ったが、79.4kg/hの脱塩水の代わりに、37.9kg/hの脱塩水および実施例1a)によって得られる製造廃水47.7kg/hの混合物を連続的に用いた。
水相(反応廃水)から有機相を分離した後、有機相を濃度0.6%の塩酸および水で洗浄した。溶媒を除去した後、99.9%の純ジフェニルカーボネートが得られた。反応廃水を事前に洗浄相と混合することなく、蒸気でストリッピングすることによって、反応廃水から溶媒残留物および触媒を除いた。塩酸による中和および活性炭による処理の後、反応廃水は22.5重量%のNaClおよび2ppmより少ないフェノールを含んでいた。
c) b)からの反応廃水の電気化学的酸化
電気分解は、例として、アノード表面積が0.01mである実験用電解セルにおいて行った。電流密度は4kA/mであり、カソード側出口温度は88℃であり、アノード側出口温度は89℃であった。DENORA(独国)製の標準的なアノードおよびカソードコーティングを有する電解セルを使用した。DuPont製のイオン交換膜Nafion 982 WXを使用した。電解電圧は3.02Vであった。塩化ナトリウム含有溶液を、0.96kg/hの質量流量にてポンプで送ることによってアノード室を通して循環させた。アノード室に供給される溶液の濃度は25重量%NaClであった。アノード室から濃度20重量%のNaCl溶液が取り出された。b)の下でのジフェニルカーボネート製造からの濃度22.5重量%の反応廃水0.14kg/h、および0.0543kg/hの固体塩化ナトリウムを、アノード室から取り出されたNaCl溶液に加えた。その後、溶液を再びアノード室に供給した。膜を通る水の輸送は、ナトリウム1モル当たり水が3.8molであった。
カソード側において、水酸化ナトリウム溶液を0.849kg/hの質量流量で再循環させた。カソード側に供給される水酸化ナトリウム溶液の濃度は30重量%NaOHであり、カソード側から取り出される水酸化ナトリウム溶液はNaOH濃度が32.1%であった。濃度32.1%のアルカリ溶液0.186kg/hを体積ストリームから取り出し、残りに0.057kg/hの水を加え、それをカソード成分にリサイクルした。
反応した塩化ナトリウムの35.7%がDPC製造の反応廃水に由来した。
[実施例2 濃縮された塩化ナトリウム含有製造廃水の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)−DPC製造からの濃度18.0重量%塩化ナトリウム溶液の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)]
a) 廃水を製造プロセスにリサイクルすることによる、製造廃水の塩化ナトリウム濃縮
手順は実施例1b)の記載に従ったが、反応廃水を洗浄相と混合し、その後、蒸気でストリッピングすることによって溶媒残留物および触媒を除いた。塩酸による中和および活性炭による処理の後に、製造廃水は18.0重量%のNaClおよび2ppmより少ない有機不純物を含んでいた。
製造廃水は、更に精製することなく、塩素への電気化学的酸化に供給することができた。
b) a)からの廃水の濃縮された生成物の電気化学的酸化
電気分解は、例として、アノード表面積が0.01mである実験用電解セルにおいて行った。電流密度は4kA/mであり、カソード側出口温度は88℃であり、アノード側出口温度は89℃であった。DENORA(独国)製の標準的なアノードおよびカソードコーティングを有する電解セルを使用した。DuPont製のイオン交換膜Nafion 982 WXを使用した。電解電圧は3.02Vであった。塩化ナトリウム含有溶液を、0.96kg/hの質量流量にてポンプで送ることによってアノード室を通して循環させた。アノード室に供給される溶液の濃度は25重量%NaClであった。アノード室から濃度20重量%のNaCl溶液が取り出された。a)の下でのジフェニルカーボネート製造からの濃度18重量%の製造廃水0.133kg/hおよび0.062kg/hの固体塩化ナトリウムを、アノード室から取り出されたNaCl溶液に加えた。その後、溶液を再びアノード室に供給した。膜を通る水の輸送は、ナトリウム1モル当たり水が3.8molであった。
カソード側において、水酸化ナトリウム溶液を0.849kg/hの質量流量で再循環させた。カソード側に供給される水酸化ナトリウム溶液の濃度は30重量%NaOHであり、カソード側から取り出される水酸化ナトリウム溶液はNaOH濃度が32.2%であった。濃度32.2%のアルカリ溶液0.185kg/hを体積ストリームから取り出し、残りに0.057kg/hの水を加え、それをカソード成分にリサイクルした。
反応した塩化ナトリウムの27.0%がDPC製造廃水に由来した。
[実施例3 濃縮された塩化ナトリウム含有反応廃水の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)−DPC製造からの濃度22.3重量%塩化ナトリウム溶液の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)]
a) DPC製造におけるナトリウムフェノラート濃度の増加による反応廃水の塩化ナトリウム濃縮
手順は実施例1a)の記載に従ったが、79.4kg/hの代わりに僅か54.6kg/hの脱塩水を用いた。水相(反応廃水)から有機相を分離した後に、有機相を濃度0.6%の塩酸および水で洗浄した。溶媒を除去した後に、99.9%の純ジフェニルカーボネートが得られた。反応廃水を事前に洗浄相と混合することなく、蒸気でストリッピングすることによって、反応廃水から溶媒残留物および触媒を除いた。塩酸による中和および活性炭による処理の後に、反応廃水は22.3重量%のNaClおよび2ppmより少ないフェノールを含有した。
b) a)からの濃縮された反応廃水の電気化学的酸化
電気分解は、例として、アノード表面積が0.01mである実験用電解セルにおいて行った。電流密度は4kA/mであり、カソード側出口温度は88℃であり、アノード側出口温度は89℃であった。DENORA(独国)製の標準的なアノードおよびカソードコーティングを有する電解セルを使用した。DuPont製のイオン交換膜Nafion 982 WXを使用した。電解電圧は3.02Vであった。塩化ナトリウム含有溶液を、0.96kg/hの質量流量にてポンプで送ることによってアノード室を通して循環させた。アノード室に供給される溶液の濃度は25重量%NaClであった。アノード室から濃度20重量%のNaCl溶液が取り出された。a)の下でのジフェニルカーボネート製造からの濃度22.3重量%の反応廃水0.14kg/hおよび0.0546kg/hの固体塩化ナトリウムを、アノード室から取り出されたNaCl溶液に加えた。その後、溶液を再びアノード室に供給した。膜を通る水の輸送は、ナトリウム1モル当たり水が3.8molであった。
カソード側において、水酸化ナトリウム溶液を0.849kg/hの質量流量で再循環させた。カソード側に供給される水酸化ナトリウム溶液の濃度は30重量%NaOHであり、カソード側から取り出される水酸化ナトリウム溶液はNaOH濃度が32.2%であった。濃度32.2%のアルカリ溶液0.186kg/hを体積ストリームから取り出し、残りに0.057kg/hの水を加え、それをカソード成分にリサイクルした。
反応した塩化ナトリウムの35.3%がDPC反応廃水に由来した。
[実施例4(比較例) 塩化ナトリウム含有反応廃水の塩化ナトリウム電気分解への追加(または供給)−DPC製造からの濃度17重量%塩化ナトリウム溶液の追加(または供給)]
a) DPC製造からの製造廃水の分離
垂直に直立した冷却された管式反応器において、濃度32%の水酸化ナトリウム溶液65.8kg/hを79.4kg/hの脱塩水で希釈することによって製造される濃度14.5%の水酸化ナトリウム溶液145.2kg/hと、48.3kg/hのフェノールとの混合物を、86.2kg/hの塩化メチレンおよび27.5kg/hのホスゲン(フェノールを基準として8mol%過剰)の溶液と連続的に混合した。この反応混合物を33℃の温度に冷却し、15秒の平均滞留時間の後に、pH11.5が測定された。次に、方法の第2段階において、この反応混合物に濃度50%のNaOH5.4kg/hを加え、その結果、第2反応段階のpHは、5分の更なる滞留時間の後に8.5であった。連続的に操作される反応において、発生した計測変動は、NaOH供給の各々の調節によって包含された。方法の第2段階において、反応混合物を、くびれを備えた管を通過させることによって連続的に混合した。NaOHを繰り返し加えた後、反応温度を冷却によって30℃に設定した。水相(反応廃水)から有機相を分離した後、DPC溶液を濃度0.6%の塩酸および水で洗浄した。溶媒を除去した後、99.9%の純ジフェニルカーボネートが得られた。反応廃水を洗浄相と混合し、蒸気でストリッピングすることによって溶媒残留物および触媒を除いた。塩酸による中和および活性炭による処理の後に、反応廃水は17重量%のNaClおよび2ppmより少ないフェノールを含んでいた。
反応廃水は、更に精製することなく塩化ナトリウム電解セルに供給することができた。
b) a)からの反応廃水の電気化学的酸化
電気分解は、例として、アノード表面積が0.01mである実験用電解セルにおいて行った。電流密度は4kA/mであり、カソード側出口温度は88℃であり、アノード側出口温度は89℃であった。DENORA(独国)製の標準的なアノードおよびカソードコーティングを有する電解セルを使用した。DuPont製のイオン交換膜Nafion 982 WXを使用した。電解電圧は3.02Vであった。塩化ナトリウム含有溶液を、0.98kg/hの質量流量にてポンプで送ることによってアノード室を通して循環させた。アノード室に供給される溶液の濃度は25重量%NaClであった。アノード室から濃度20重量%のNaCl溶液が取り出された。実施例1a)のジフェニルカーボネート製造からの濃度17重量%の反応廃水0.121kg/hおよび0.0653kg/hの固体塩化ナトリウムを、アノード室から取り出されたNaCl溶液に加えた。その後、溶液を再びアノード室に供給した。膜を通る水の輸送は、ナトリウム1モル当たり水が3.5molであった。
カソード側において、水酸化ナトリウム溶液を1.107kg/hの質量流量で再循環させた。カソード側に供給される水酸化ナトリウム溶液の濃度は30重量%NaOHであり、カソード側から取り出される水酸化ナトリウム溶液はNaOH濃度が32%であった。濃度31.9%のアルカリ溶液0.188kg/hを体積ストリームから取り出し、残りに0.0664kg/hの水を加え、それをカソード成分にリサイクルした。
反応した塩化ナトリウムの僅か23.3%がDPC反応廃水に由来した。
前記の本発明の実施例1〜3は、塩化ナトリウム含有廃水を濃縮することにより、比較例と比較して、DPC製造に由来しその後の電気分解の間に転化される塩化ナトリウムの割合がかなり増加するだけでなく、電気分解の前に固体状態にて更に加えなければならない塩化ナトリウムの量がかなり減少し得ることを示す。このことにより、廃水中の塩化ナトリウムのかなり優れた利用、および塩で汚染されたより少量の廃棄すべき処理廃水がもたらされる。

Claims (10)

  1. ジアリールカーボネートを製造し、かつ得られるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を下流のアルカリ金属塩化物電気分解において処理する方法であって、以下の工程:
    a) 塩素を一酸化炭素と反応させることによってホスゲンを製造する工程、
    b) 工程a)によって生成するホスゲンを、塩基および場合により塩基性触媒の存在下で少なくとも1種類のモノフェノールと反応させて、ジアリールカーボネートおよびアルカリ金属塩化物含有溶液を得る工程、
    c) 工程b)において生成するジアリールカーボネートを分離および処理する工程、
    d) 工程c)によって残存するアルカリ金属塩化物含有溶液を、特に蒸気による溶液のストリッピング、および吸着剤、特に活性炭による溶液の処理によって、溶媒残留物および場合により触媒残留物から分離する工程であって、吸着剤による処理の前に、アルカリ金属塩化物含有溶液を8以下のpHに調節する工程、
    e) d)からのアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を電気化学的に酸化して塩素、アルカリ溶液および場合により水素を生成する工程、
    f) 工程e)によって製造される塩素の少なくとも一部を、工程a)によるホスゲン製造にリサイクルする工程、ならびに/または
    g) 工程e)によって製造されるアルカリ溶液の少なくとも一部を、工程b)によるジアリールカーボネート製造にリサイクルする工程
    を含み、工程b)において製造されるアルカリ金属塩化物含有溶液が、アルカリ金属塩化物含有溶液の総重量を基準として18〜25重量%のアルカリ金属塩化物含有量を有し、かつ/または工程d)において生じるアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部が工程b)にリサイクルされることを特徴とする、方法。
  2. 工程b)において、塩基がアルカリ金属含有塩基、好ましくはナトリウム含有塩基であり、このアルカリ金属含有塩基およびモノフェノールは、得られるアルカリ金属含有塩基およびモノフェノールの溶液のナトリウムフェノラート含有量が溶液の総重量を基準として31〜40重量%ナトリウムフェノラートであるような量で使用されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 工程d)において生じるアルカリ金属塩化物含有溶液の80重量%まで、好ましくは50重量%までを、工程b)にリサイクルすることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. d)からのアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を電気化学的に酸化して塩素および水酸化ナトリウム溶液を得ることが、ガス拡散電極をカソードとして用いることによって行われることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. d)からの精製されたアルカリ金属塩化物含有溶液の少なくとも一部を、塩素、水酸化ナトリウム溶液および場合により水素を製造する膜電気分解のブライン回路に加えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 電気分解e)において、アルカリ金属塩化物濃度を増加させるために、追加のアルカリ金属塩化物をアルカリ金属塩化物含有溶液に加えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. アルカリ金属塩化物含有溶液を、工程d)において吸着剤で処理する前に、特に塩酸または塩化水素を用いることによって、7より小さいpHに調節することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 電気分解e)において、イオン交換膜が使用され、そのイオン交換膜のナトリウム1モル当たりの水の輸送が4mol(HO)/mol(ナトリウム)より大きく、好ましくは5.5〜6.5mol(HO)/mol(ナトリウム)であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 段階b)におけるモノフェノールが、フェノール、C〜C−アルキルフェノール、特にクレゾール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−n−オクチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−n−ノニルフェノールおよびp−イソノニルフェノール、ハロフェノール、特にp−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、p−ブロモフェノールおよび2,4,6−トリブロモフェノールであり、特に好ましくはフェノールであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 電気分解e)において、膜の表面積より大きい表面積を有するアノードをセルにおいて用いることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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