JP2011258819A - プレート部材、プレート部材の使用方法、デバイス製造方法、及びプレート部材の製造方法 - Google Patents

プレート部材、プレート部材の使用方法、デバイス製造方法、及びプレート部材の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】所定の処理を円滑に実行できるプレート部材を提供する。
【解決手段】プレート部材は、基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で基板を露光する露光装置において、基板保持部に保持されて使用される。プレート部材は、基材と、表面の少なくとも一部を形成し、液体に対して撥液性の第1膜と、基材と第1膜との間の少なくとも一部に配置され、基材と異なる色相を発現する第2膜と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、プレート部材、プレート部材の使用方法、デバイス製造方法、及びプレート部材の製造方法に関する。
リソグラフィ工程で用いられる露光装置において、下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。露光装置は、基板をリリース可能に保持する基板保持部を備え、その基板保持部に保持された基板を露光する。
米国特許出願公開第2006/0132737号明細書
例えばダミー基板等のプレート部材を基板保持部に保持して所定の処理を実行する場合、その処理を円滑に実行できる技術の案出が望まれる。プレート部材を用いる処理が円滑に実行されない場合、例えば露光装置の露光性能が低下し、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、所定の処理を円滑に実行できるプレート部材、及びプレート部材の使用方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、所定の処理を円滑に実行できるプレート部材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で基板を露光する露光装置において、基板保持部に保持されて使用されるプレート部材であって、基材と、表面の少なくとも一部を形成し、液体に対して撥液性の第1膜と、基材と第1膜との間の少なくとも一部に配置され、基材と異なる色相を発現する第2膜と、を備えるプレート部材が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で基板を露光する露光装置において、基板保持部に保持されて使用されるプレート部材であって、基材と、表面の少なくとも一部を形成し、液体に対して撥液性の第1膜と、基材と第1膜との間の少なくとも一部に配置され、基板と異なる色相を発現する第2膜と、を備えるプレート部材が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で基板を露光する露光装置において、基板保持部に保持されて使用されるプレート部材であって、基材と、表面の少なくとも一部を形成し、フッ素を含む第1膜と、基材と第1膜との間に配置され、珪素化合物を含む第2膜と、を備え、基材上に感光膜がないプレート部材が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第1〜第3の少なくとも一つの態様のプレート部材を基板保持部に保持することと、基板の露光において露光液体に接触する接液部材と基板保持部に保持されたプレート部材との間に液体を保持することと、を含むプレート部材の使用方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第4の態様の使用方法でプレート部材を使用することと、基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデイバス製造方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、露光液体を介して露光光で露光される基板をリリース可能に保持する基板保持部が保持可能なプレート部材の製造方法であって、基材を表面処理することと、表面処理された基材上に、液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、を含み、表面処理は、基材と異なる色相を発現する第2膜を基材上に形成する処理を含む製造方法が提供される。
本発明の第7の態様に従えば、露光液体を介して露光光で露光される基板をリリース可能に保持する基板保持部が保持可能なプレート部材の製造方法であって、基材を表面処理することと、表面処理された基材上に、液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、を含み、表面処理は、基板と異なる色相を発現する第2膜を基材上に形成する処理を含む製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、プレート部材を用いる処理を円滑に実行できる。また本発明の態様によれば、露光性能の低下を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る基板の一例を示す側断面図である。 第1実施形態に係るダミー基板の一例を示す側断面図である。 第1実施形態に係るダミー基板の製造方法の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るダミー基板の一例を示す模式図である。 図6(A)は第1実施形態に係るダミー基板の一例を示す平面図であり、図6(B)は第1実施形態に係る基板の一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る基板が基板保持部に保持されている状態の一例を示す図である。 第1実施形態に係る基板が基板保持部に保持されている状態の一例を示す平面図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す図である。 第1実施形態に係るダミー基板が基板保持部に保持されている状態の一例を示す図である。 第2実施形態に係るダミー基板が基板保持部に保持されている状態の一例を示す平面図である。 第2実施形態に係るダミー基板の一例を示す模式図である。 第3実施形態に係るダミー基板の一例を示す平面図である。 第3実施形態に係るメンテナンス装置の一例を示す図である。 デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。また、本実施形態においては、露光装置EXが、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である場合を例にして説明する。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材C(計測器)を保持して移動可能な計測ステージ3と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材4と、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置を計測する干渉計システム17と、基板Pに配置されているアライメントマークAMを検出するアライメントシステム29と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置5とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。基板Pは、露光用(デバイス製造用)の基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態においては、照明系ILから射出される露光光ELとして、ArFエキシマレーザ光を用いる。なお、露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)を用いてもよい。また、露光光ELとして、Fレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)を用いてもよい。
マスクステージ1は、第1定盤6のガイド面6G上を移動可能である。マスクステージ1は、マスクMをリリース可能に保持する保持部7を有する。マスクステージ1は、保持部7に保持されたマスクMを、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面8を有する。投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子9が射出面8を有する。投影領域PRは、射出面8から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態において、射出面8から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。
基板ステージ2及び計測ステージ3は、第2定盤10のガイド面10G上を移動可能である。基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部11を有する。基板ステージ2は、基板保持部11に保持された基板Pを、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置に移動可能である。計測ステージ3は、計測部材Cをリリース可能に保持する保持部12を有する。計測ステージ3は、保持部12に保持された計測部材Cを、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置に移動可能である。
本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書、及び米国特許出願公開第2008/0049209号明細書等に開示されているような、基板保持部11の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Tをリリース可能に保持する保持部13を有する。計測ステージ3は、保持部12の周囲の少なくとも一部に配置され、プレート部材Sをリリース可能に保持する保持部14を有する。
マスクステージ1は、駆動システム15の作動により移動可能である。駆動システム15は、マスクステージ1に配置された可動子15Aと、第1定盤6に配置された固定子15Cとを有する平面モータを含む。マスクステージ1は、駆動システム15の作動により、ガイド面6G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム16の作動により移動可能である。駆動システム16は、基板ステージ2に配置された可動子16Aと、計測ステージ3に配置された可動子16Bと、第2定盤10に配置された固定子16Cとを有する平面モータを含む。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム16の作動により、ガイド面10G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、平面モータの一例が、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されている。
干渉計システム17は、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置を計測する。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置5は、干渉計システム17の計測結果に基づいて駆動システム15、16を作動し、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
アライメントシステム29は、基板Pに配置されているアライメントマークAMを検出する。本実施形態のアライメントシステム29は、例えば米国特許第5493403号明細書等に開示されているような、アライメントマークAMに対して検出光を照射し、そのアライメントマークAMからの反射光によって受光面に結像されたアライメントマークAMの像と指標の像とをCCD等の撮像素子を用いて撮像し、それらの撮像信号を画像処理することでアライメントマークAMの位置を検出するFIA(Field Image Alignment)方式のアライメントシステムである。本実施形態において、アライメントシステム29の検出光は、基板Pの感光膜を感光させないブロードバンドな光である。
液浸部材4は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸部材4は、終端光学素子9の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材4は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材4の少なくとも一部が、終端光学素子9の周囲に配置される。
本実施形態において、液浸空間LSは、終端光学素子9の射出面8と、射出面8と対向する位置に配置される物体の表面との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。本実施形態において、射出面8と対向する位置は、射出面8から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含む。
本実施形態において、射出面8と対向する位置に配置可能な物体は、投影光学系PLの像面側(射出面8側)で投影領域PRに移動可能な物体であり、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P(後述するダミー基板DP)、計測ステージ3、及び計測ステージ3に保持された計測部材Cの少なくとも一つを含む。
液浸部材4は、投影領域PRに配置される物体と対向可能な下面18を有する。液浸部材4は、投影領域PRに配置される物体との間で液体LQを保持することができ、その物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。一方側の射出面8及び下面18と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子9の射出面8と物体の表面との間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pの露光において、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材4の下面18と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
本実施形態においては、計測部材C(計測ステージ3)を用いる計測処理、及び基板Pの露光処理を含む露光シーケンスの少なくとも一部において、終端光学素子9及び液浸部材4は、液体LQに接触する。また、基板ステージ2及び計測ステージ3も液体LQに接触する。
図2は、本実施形態に係る基板Pの一例を示す側断面図である。図2において、基板Pは、基材Waと、その基材Wa上に形成された感光膜Rgとを含む。基材Waは、例えばシリコンウエハのような半導体ウエハを含む。感光膜Rgは、感光材(フォトレジスト)の膜である。
本実施形態において、基板Pは、感光膜Rgを保護するための保護膜(トップコート膜)Tcを有する。保護膜Tcは、感光膜Rgの少なくとも一部を覆うように配置される。なお、保護膜Tcは無くてもよい。また、基板Pが、例えば反射防止膜等、感光膜Rgとは別の膜を有してもよい。
本実施形態においては、基板保持部11に基板Pが保持されない期間の少なくとも一部において、基板Pとは別のプレート部材DPが基板保持部11に保持される。
図3は、本実施形態に係るプレート部材DPの一例を示す側断面図である。図3において、プレート部材DPは、基材Wbと、プレート部材DPの表面の少なくとも一部を形成し、液体LQに対して撥液性の第1膜F1と、基材Wbと第1膜F1との間の少なくとも一部に配置される第2膜F2とを備えている。
プレート部材DPは、異物を放出し難く、高いクリーン度を有する(クリーンな)部材である。プレート部材DPは、少なくとも基板Pより異物を放出し難い。プレート部材DPは感光膜を含まない。すなわち、プレート部材DPの基材Wb上には感光膜がない。本実施形態において、プレート部材DPの基材Wbの外形は、基板Pの外形とほぼ等しい。以下の説明において、プレート部材DPを適宜、ダミー基板DP、と称する。
本実施形態において、基板P及びダミー基板DPは、円形のプレート状の部材である。基板保持部11は、ダミー基板DPを保持可能である。
本実施形態において、基材Wbは、シリコンを含む。本実施形態において、基材Wbは、シリコンウエハ(所謂、ベアウエハ)である。本実施形態において、基板Pの基材Wa及びダミー基板DPの基材Wbのそれぞれがシリコンウエハを含む。なお、基板Pの基材Waを形成する材料とダミー基板DPの基材Wbを形成する材料とが異なってもよい。
第2膜F2は、基材Wbの表面の少なくとも一部に配置される。基材Wbの表面は、基材Wbの上面、下面、及び側面を含む。なお、本実施形態において、上面は、+Z方向を向く面であり、下面は、−Z方向を向く面であり、側面は、上面と下面とを結ぶ面である。
図3に示すように、本実施形態において、第2膜F2は、基材Wbの表面の全部を覆うように配置される。なお、第2膜F2が、基材Wbの表面の一部に配置されてもよい。例えば、第2膜F2が、基材Wbの上面のみに配置されてもよいし、基材Wbの上面及び側面に配置されてもよいし、基材Wbの上面、側面、及び下面の一部に配置されてもよい。
第1膜F1は、ダミー基板DPの表面の少なくとも一部を形成する。第1膜F1は、第2膜F2の表面の少なくとも一部に配置される。第2膜F2は、基材Wbと第1膜F1との間の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、第1膜F1は、第2膜F2の表面の全部を覆うように配置される。本実施形態においては、ダミー基板DPの表面の全部が、第1膜F1の表面で形成される。
なお、第1膜F1が、第2膜F2の表面の一部を覆うように配置されてもよい。また、例えば第2膜F2が基材Wbの表面の一部を覆うように配置されている場合において、第1膜F1が、第2膜F2及び基材Wbの少なくとも一部を覆うように配置されてもよい。
第2膜F2は、珪素化合物を含む。本実施形態において、珪素化合物は、例えば二酸化珪素(SiO)を含む。本実施形態において、第2膜F2は、二酸化珪素の膜を含む。
なお、第2膜F2が、窒化珪素を含んでもよい。また、第2膜F2が、ポリシリコンを含んでもよい。また、第2膜F2が、フッ化珪素を含んでもよい。
本実施形態において、第1膜F1は、液体LQに対して撥液性である。液体LQに対する第1膜F1の表面の接触角は、例えば90度以上である。なお、液体LQに対する第1膜F1の表面の接触角が、100度以上でもよいし、120度以上でもよい。
また、液体LQに対する第1膜F1の表面の後退接触角が、例えば80度以上でもよいし、100度以上でもよいし、110度以上でもよい。
本実施形態において、可視光に対する第1膜F1の透過率は、第2膜F2の透過率よりも高い。本実施形態において、第1膜F1は、可視光に対して実質的に透明である。本実施形態において、第1膜F1は、第2膜F2よりも薄い。本実施形態において、第1膜F1の厚みは、例えば10〜20nmである。なお、第1膜F1が、第2膜F2よりも厚くてもよいし、第1膜F1と第2膜F2とが同じ厚みでもよい。
本実施形態において、第1膜F1は、フッ素を含む。第1膜F1は、例えばPFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、PEEK(polyetheretherketone)、及びテフロン(登録商標)の少なくとも一つで形成可能である。
本実施形態において、第1膜F1は、テフロン(登録商標)を含む。
なお、第1膜F1が、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びシリコン樹脂の少なくとも一つを含んでもよい。また、第1膜F1が、カーボン、ダイヤモンド・ライク・カーボン等の有機材料を含んでもよい。
本実施形態において、第1膜F1と第2膜F2とは隣接する。また、第2膜F2と基材Wbとは隣接する。
なお、第1膜F1と第2膜F2との間に、所定の膜が配置されてもよい。また、第2膜F2と基材Wbとの間に所定の膜が配置されてもよい。所定の膜は、第1膜F1及び第2膜F2とは異なる膜を含む。
次に、本実施形態に係るダミー基板DPの製造方法の一例について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、基材Wbが用意される。本実施形態において、基材Wbは、珪素を含む。本実施形態において、基材Wbは、シリコンウエハ(所謂、ベアウエハ)である。なお、基材Wbが他の材料で形成されていてもよい。例えば、基材Wbが、ポリカーボネート、ガラス材(石英板など)、プラスチック、金属(Ti,Al,Feなど)、セラミックスのいずれか1つ、あるいは2つ以上の材料で形成されていてもよい。
次に、その基材Wbに対する表面処理が実行される(ステップSA1)。表面処理は、基材Wb上に第2膜F2を形成する処理を含む。表面処理は、例えばプラズマ処理を含む。表面処理が実行されることによって、基材Wb上に珪素化合物の第2膜F2が形成される。本実施形態においては、表面処理として、酸素プラズマ処理が実行される。酸素プラズマ処理が実行されることによって、基材Wbの表面に酸素がドーピングされ、その基材Wbの表面が二酸化珪素を含む膜(第2膜F2)に変化する。これにより、基材Wb上に二酸化珪素を含む第2膜F2が形成される。
次に、表面処理された基材Wb上(第2膜F2上)に第1膜F1が形成される(ステップSA2)。これにより、ダミー基板DPが製造される。
なお、本実施形態においては、表面処理が、プロセスガスとして酸素ガスを用いる酸素プラズマ処理であることとしたが、プロセスガスとして例えば窒素ガスを用いてもよい。プロセスガスとして窒素ガスを用いることにより、基材Wb上に窒化珪素を含む第2膜F2が形成される。
なお、表面処理としては、プラズマ処理に限られず、例えばスパッタ法を用いる表面処理、蒸着法を用いる表面処理、及びCVD法を用いる表面処理等、基材Wb上に第2膜F2を形成できる表面処理であれば任意の手法を用いることができる。
本実施形態においては、表面処理の条件を調整することによって、第2膜F2の厚みが調整される。例えば表面処理としてプラズマ処理を用いる場合、プラズマ処理時間、プロセスガスの供給量等を調整することによって、第2膜F2の厚みが調整される。
本実施形態においては、第2膜F2は、基材Wbと異なる色相を発現する。また、本実施形態において、第2膜F2は、基板Pと異なる色相を発現する。なお、第2膜F2が、基材Wb(Wa)と同じ色相を発現し、且つ、基板Pと異なる色相を発現してもよい。
図5は、ダミー基板DPの一部を拡大した側断面図である。以下の説明において、第2膜F2の一方の面R1を適宜、第1面R1、と称し、他方の面R2を適宜、第2面R2、と称する。図5において、第1面R1は、第1膜F1に隣接し、第2面R2は、基材Wbに隣接する。本実施形態において、第1面R1は、第1膜F1と第2膜F2との界面を含む。また、本実施形態において、第2面F2は、第2膜F2と基材Wbとの界面を含む。
本実施形態においては、第2膜F2が反射した光L1、L2の干渉によって、基材Wb及び基板Pの少なくとも一方と異なる色相が発現される。
ダミー基板DPの表面(第1膜F1の表面)からダミー基板DPに入射した光の少なくとも一部は、第1膜F1を透過する。その第1膜F1を透過した光の少なくとも一部は、第1面R1で反射する。また、第1膜F1を透過した光の少なくとも一部は、第2膜F2を透過する。その第2膜F2を透過した光の少なくとも一部は、第2面R2で反射する。ここで、以下の説明において、第1面R1で反射した光を適宜、第1光L1、と称し、第2面R2で反射した光を適宜、第2光L2、と称する。
第1光L1の少なくとも一部は、第1膜F1を介して、第1膜F1の表面から射出される。また、第2光L2の少なくとも一部は、第2膜F2及び第1膜F1を介して、第1膜F1の表面から射出される。
第1膜F1の表面から射出される第1光L1と第2光L2との干渉によって、所定の色相が発現される。本実施形態においては、第2膜F2の厚み(第1面R1と第2面R2との距離)に応じて、発現される色相が変化する。
本実施形態においては、基材Wbと異なる色相が発現されるように、第2膜F2の厚みが調整される。また、本実施形態においては、基板Pと異なる色相が発現されるように、第2膜F2の厚みが調整される。
また、本実施形態においては、第2膜F2は、入射する光(可視光)のうち所定の波長領域の光を所定の吸収率で吸収する。入射する光の少なくとも一部を第2膜F2が吸収することによっても、第2膜F2は所定の色相を発現する。例えば第2膜F2を形成する材料を適宜選択することによって、入射する光のうち吸収される波長及び吸収率の少なくとも一方を含む吸収条件が調整され、その吸収条件に応じた色相が発現される。
なお、第2膜F2からの反射光の干渉によって色相を発現させる場合、例えば2色以上の異なる色相が発現されてもよい。
図6(A)は、本実施形態に係るダミー基板DPを上面側から見た図、図6(B)は、本実施形態に係る基板Pを上面側から見た図である。図6に示す模式図のように、ダミー基板DPが発現する色相と、基板Pが発現する色相とは異なる。これにより、例えば作業者は、ダミー基板DPと基板Pとを視覚において区別(認識、視認)することができる。
図7は、終端光学素子9及び液浸部材4と基板保持部11に保持された基板Pとの間に液浸空間LSが形成されている状態の一例を示す図である。図7に示すように、液浸部材4は、基板Pの露光において射出面8と基板Pとの間が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸部材4は、射出面8と対向する位置に開口20を有する。射出面8から射出された露光光ELは、開口20を通過して、基板Pに照射可能である。また、液浸部材4は、開口20の周囲に配置され、基板Pの表面と対向可能な平坦面21を有する。平坦面21は、基板Pの表面との間で液体LQを保持する。液浸部材9の下面18の少なくとも一部は、平坦面21を含む。
液浸部材4は、液体LQを供給可能な供給口22と、液体LQを回収可能な回収口23とを備えている。供給口22は、基板Pの露光の少なくとも一部において、液体LQを供給する。回収口23は、基板Pの露光の少なくとも一部において、液体LQを回収する。
供給口22は、露光光ELの光路の近傍において、その光路に面するように配置されている。供給口22は、供給流路24を介して、液体供給装置25と接続されている。液体供給装置25は、クリーンで温度調整された液体LQを送出可能である。供給流路24は、液浸部材4の内部流路、及びその内部流路と液体供給装置25とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置25から送出された液体LQは、供給流路24を介して供給口22に供給される。
回収口23は、液浸部材4の下面18と対向する基板P(物体)上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。本実施形態においては、回収口23は、平坦面21の周囲に配置されている。回収口23は、基板Pの表面と対向する液浸部材4の所定位置に配置されている。回収口23には、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材26が配置されている。なお、回収口23に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。本実施形態において、液浸部材4の下面18は、多孔部材26の下面26Bを含む。基板Pの露光の少なくとも一部において、多孔部材26の下面26Bは、基板Pに面する。基板P上の液体LQは、多孔部材26の孔を介して回収される。
回収口23は、回収流路27を介して、液体回収装置28と接続されている。液体回収装置28は、回収口23を真空システムに接続可能であり、回収口23を介して液体LQを吸引可能である。回収流路27は、液浸部材4の内部流路、及びその内部流路と液体回収装置28とを接続する回収管で形成される流路を含む。回収口23から回収された液体LQは、回収流路27を介して、液体回収装置28に回収される。
本実施形態においては、制御装置5は、供給口22からの液体LQの供給動作と並行して、回収口23からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子9及び液浸部材4と、他方側の基板P(物体)との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置5は、終端光学素子9及び液浸部材4と、基板保持部11に保持された基板Pとの間に液体LQで液浸空間LSが形成された状態で、照明系ILから露光光ELを射出して、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pが露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
なお、液浸部材4として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
図8は、基板ステージ2(基板保持部11)に保持されている基板Pの平面図である。基板Pの露光において、基板Pが基板保持部11に保持され、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。図8に示すように、本実施形態においては、基板P上には、露光対象領域である複数のショット領域S1〜S21がマトリクス状に設定される。また、基板P上には、ショット領域S1〜S21の位置を計測するためのアライメントマークAMが配置されている。アライメントマークAMは、複数のショット領域S1〜S21のそれぞれに対応するように複数配置されている。また、図8に示すように、本実施形態においては、投影領域PRは、X軸方向を長手方向とするスリット状である。
制御装置5は、複数のショット領域S1〜S21の露光前に、アライメントシステム29を用いて、基板保持部11に保持された基板Pに配置されているアライメントマークAMを検出する。以下の説明において、基板Pに配置されているアライメントマークAMを検出する処理を適宜、アライメント処理、と称する。
制御装置5は、干渉計システム17で基板ステージ2の位置を計測しつつ、複数のアライメントマークAMがアライメントシステム29の検出領域に順次配置されるように、アライメントシステム29(又は終端光学素子9)に対して、基板P(基板保持部11、基板ステージ2)を第1の移動条件で移動する。すなわち、アライメント処理においては、基板Pが第1の移動条件で移動される。
基板Pの移動条件は、基板Pの移動速度、加速度(減速度)、及び移動軌跡の少なくとも一つを含む。
なお、制御装置5は、アライメント処理において、基板Pに配置されている複数のアライメントマークAMの全部を検出してもよいし、一部を検出してもよい。
制御装置5は、アライメントシステム29の検出結果に基づいて、投影領域PRに対する複数のショット領域S1〜S21それぞれの位置を求めることができる。
複数のショット領域S1〜S21の位置が計測された後、制御装置5は、複数のショット領域S1〜S21の露光処理を開始する。制御装置5は、干渉計システム17で基板ステージ2の位置を計測しつつ、複数のショット領域S1〜S21が投影光学系PLの投影領域PRに順次配置されるように、投影光学系PL(終端光学素子9)に対して、基板P(基板保持部11、基板ステージ2)を第2の移動条件で移動する。すなわち、基板Pの露光処理においては、基板Pが第2の移動条件で移動される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。基板Pの露光処理において、マスクM及び基板Pは、XY平面内の所定の走査方向に移動される。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。
制御装置5は、例えば基板Pの第1ショット領域S1を露光する場合、マスクステージ1及び基板ステージ2を制御して、基板Pの第1ショット領域S1を投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明領域IRに対してマスクMのパターン形成領域をY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。これにより、基板保持部11に保持された基板Pの第1ショット領域S1は、投影光学系PLの射出面8から射出される露光光ELで液体LQを介して露光され、マスクMのパターンの像が基板Pの第1ショット領域S1に投影される。
また、本実施形態においては、例えば第1ショット領域S1の露光が終了した後、次の第2ショット領域S2を露光するために、投影領域PRが第2ショット領域S2の露光開始位置に配置されるように、終端光学素子9からの露光光ELの射出が停止された状態で、終端光学素子9に対して基板P(基板ステージ2)がXY平面内の所定方向に移動される。
本実施形態においては、制御装置5は、投影領域PRが、図8中、例えば矢印MTに沿って移動するように、終端光学素子9と基板P(基板ステージ2)を相対的に移動しつつ、終端光学素子9の射出面8から露光光ELを射出して、投影領域PRに露光光ELを照射して、基板P上の各ショット領域S1〜S21を順次露光する。
次に、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例について説明する。
制御装置5は、露光前の基板Pを基板保持部11に搬入(ロード)するために、図9に示すように、液浸部材4から離れた基板交換位置CPに基板ステージ2を移動する。基板交換位置CPは、基板Pの交換処理が実行可能な位置である。基板Pの交換処理は、搬送装置19を用いて、基板保持部11に保持された露光後の基板Pを基板保持部11から搬出(アンロード)する処理、及び基板保持部11に露光前の基板Pを搬入(ロード)する処理の少なくとも一方を含む。制御装置5は、液浸部材4から離れた基板交換位置CPに基板ステージ2を移動して、基板Pの交換処理を実行する。
本実施形態においては、基板ステージ2が液浸部材4から離れた位置に配置されるとき、計測ステージ3が終端光学素子9及び液浸部材4と対向する位置に配置される。終端光学素子9及び液浸部材4と計測ステージ3との間に液体LQが保持され、液浸空間LSが形成される。終端光学素子9及び液浸部材4と計測ステージ3との間に液浸空間LSが形成されている状態において、制御装置5は、例えば計測部材Cを用いる計測処理を実行してもよい。また、制御装置5は、計測部材Cを用いる計測処理の結果を、その後の基板Pの露光に反映してもよい。
露光前の基板Pが基板保持部11にロードされ、計測部材Cを用いる計測処理が終了した後、制御装置5は、基板ステージ2を投影領域PRに移動して、終端光学素子9及び液浸部材4と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSを形成する。本実施形態においては、例えば米国特許出願公開第2006/0023186号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているように、制御装置5は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方と終端光学素子9及び液浸部材4との間に液体LQを保持可能な空間を形成し続けるように、基板ステージ2(プレート部材T)の上面2Uと計測ステージ3(プレート部材S)の上面3Uとを接近又は接触させた状態で、上面2U及び上面3Uの少なくとも一方と射出面8及び下面18とを対向させつつ、終端光学素子9及び液浸部材4に対して基板ステージ2と計測ステージ3とをXY方向に同期移動させる。以下の説明において、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとを接近又は接触させた状態で、終端光学素子9及び液浸部材4に対して基板ステージ2と計測ステージ3とをXY方向に同期移動させる動作を適宜、スクラム移動、と称する。図10に示すように、スクラム移動の少なくとも一部において、液浸空間LSは、射出面8及び下面18と、上面2U及び上面3Uとの間に形成される。
上述のように、本実施形態においては、制御装置5は、基板Pの露光処理が開始される前に、基板P(基板保持部11)を第1の移動条件で移動して、基板Pに配置されているアライメントマークAMを検出するアライメント処理を実行する。
スクラム移動を実行して、終端光学素子9及び液浸部材4と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置5は、基板Pの露光処理を開始する。基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置5は、終端光学素子9及び液浸部材4と基板ステージ2とを対向させ、終端光学素子9と基板Pとの間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。制御装置5は、終端光学素子9及び液浸部材4と、基板保持部11に保持された基板Pとの間に液体LQで液浸空間LSが形成された状態で、照明系ILから露光光ELを射出して、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに照射される。
上述のように、本実施形態においては、制御装置5は、基板P(基板保持部11)を第2の移動条件で移動して、基板Pの複数のショット領域S1〜S21を順次露光する露光処理を実行する。
基板Pの露光処理が終了した後、制御装置5は、スクラム移動を実行する。終端光学素
子9及び液浸部材4と計測ステージ3との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置5は、基板ステージ2を基板交換位置CPに移動する。計測ステージ3は、終端光学素子9及び液浸部材4と対向する位置に移動する。制御装置5は、基板交換位置CPに移動した基板ステージ2から露光後の基板Pを搬出し、露光前の基板Pを基板ステージ2に搬入する。
以下、制御装置5は、上述の計測処理、アライメント処理、及び露光処理を繰り返して、複数の基板Pを順次露光する。
本実施形態においては、ダミー基板DPを使用して所定の処理が実行される。ダミー基板DPを用いる処理は、基板Pの露光において液体LQに接触する接液部材と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間に液体を保持する処理を含む。本実施形態において、接液部材は、終端光学素子9及び液浸部材4の少なくとも一方を含む。
本実施形態において、搬送装置19は、ダミー基板DPを搬送可能である。制御装置5は、搬送装置19を用いて、基板保持部11にダミー基板DPを搬送してもよい。
図11は、ダミー基板DPを使用する処理の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態において、ダミー基板DPを使用する処理は、終端光学素子9及び液浸部材4と、基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間に液体LCを保持して液浸空間LTを形成する処理を含む。本実施形態において、ダミー基板DPを使用する処理は、終端光学素子9及び液浸部材4と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間にクリーニング用の液体LCが保持された状態で、終端光学素子9及び液浸部材4の少なくとも一方をクリーニングする処理を含む。本実施形態においては、終端光学素子9及び液浸部材4の少なくとも一方のクリーニングにおいて、終端光学素子9及び液浸部材4と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間にクリーニング用の液体LCで液浸空間LTが形成される。
本実施形態において、液体LCは、露光用の液体LQと異なる。本実施形態において、液体LCは、例えばアルカリ洗浄液を含む。例えば、液体LCが、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH:tetramethyl ammonium hydroxide)水溶液のようなアルカリ水溶液でもよい。また、液体LCが、アルコールでもよい。例えば、液体LCが、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、及びペンタノールの少なくとも一つでもよい。また、液体LCが、過酸化水素を含んでもよい。
図11に示すように、本実施形態においては、供給口22から液体LCが供給されるとともに、その供給口22からの液体LCの供給と並行して、回収口23から液体LCの回収が実行される。これにより、終端光学素子9及び液浸部材4とダミー基板DPとの間に液体LCで液浸空間LTが形成される。例えば液体LCと液浸部材4とが接触することによって、その液浸部材4は、液体LCでクリーニングされる。また、多孔部材26の孔を介して液体LCを回収することによって、その多孔部材26の孔(孔の内面)がクリーニングされる。
また、液体LCと終端光学素子9とが接触することによって、その終端光学素子9は、液体LCでクリーニングされる。
なお、供給口22とは別の供給口を設け、その別の供給口から液体LCを供給してもよい。また、回収口23とは別の回収口を設け、その別の回収口から液体LCを回収するようにしてもよい。
なお、クリーニング用の液体LCと、露光用の液体LQとが同じ液体でもよい。
ダミー基板DPを用いる処理が終了した後、制御装置5は、計測部材C(計測ステージ3)を用いる計測処理、基板交換処理、アライメント処理、及び基板Pの露光処理を含む露光シーケンスを実行してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、ダミー基板DPは基板Pと異なる色相を発現するので、ダミー基板DPと基板Pとを円滑に区別することができる。したがって、例えばクリーニング処理において基板Pが基板保持部11に保持されてしまうことを抑制することができる。そのため、基板保持部11に保持されたダミー基板DPを使用してクリーニング処理を円滑に実行することができる。また、ダミー基板DPを使用してクリーニング処理を円滑に実行できるため、例えば液浸部材4の汚染に起因する露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、ダミー基板DPの表面は液体LQに対して撥液性であり、終端光学素子9及び液浸部材4との間に液体LCで液浸空間LTを良好に形成することができる。
なお、制御装置5は、クリーニング処理において液体LCで形成される液浸空間LTの大きさ(下面18と平行なXY平面内における大きさ)が、基板Pの露光処理において液体LQで形成される液浸空間LSの大きさよりも大きくなるように、供給口22を用いる供給動作、及び回収口23を用いる回収動作の少なくとも一方を調整してもよい。例えば、制御装置5は、クリーニング処理において供給口22から供給される液体LCの単位時間当たりの供給量を、基板Pの露光処理において供給口22から供給される液体LQの単位時間当たりの供給量よりも多くしてもよいし、クリーニング処理において回収口23から回収される液体LCの単位時間当たりの回収量を、基板Pの露光処理において回収口23から回収される液体LQの単位時間当たりの回収量よりも少なくしてもよい。もちろん、制御装置5は、供給口22から供給される液体LCの単位時間当たりの供給量を多くするとともに、回収口23から回収される液体LCの単位時間当たりの回収量を少なくしてもよい。
また、制御装置5は、クリーニング処理において、終端光学素子9及び液浸部材4と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間に液体LCで液浸空間LTを形成した状態で、XY平面内において基板ステージ2を移動してもよい。
なお、クリーニング処理が、射出面8とダミー基板DPとを対向させた状態で射出面8から露光光ELを射出する処理でもよい。本実施形態において、露光光ELは、光洗浄効果を有する紫外光である。したがって、露光光ELが照射されることによって、投影光学系PLの光学素子が光洗浄される。射出面8から射出される露光光ELは、基板保持部11に保持されたダミー基板DPに照射される。なお、露光光ELを照射して光洗浄する場合、射出面8とダミー基板DPとの間に液体LCが存在してもよいし、存在しなくてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と異なる構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、第2実施形態に係るダミー基板DP2の一例を示す図である。図12は、ダミー基板DP2が基板ステージ2(基板保持部11)に保持されている状態を示す。
図12に示すように、本実施形態において、ダミー基板DP2は、マークAM2を備えている。マークAM2は、基板Pに配置されているアライメントマークAMに対応するようにダミー基板DP2に配置されている。すなわち、ダミー基板DP2にショット領域S1〜S21を仮想的に設定した場合において、マークAM2は、それらショット領域S1〜S21のそれぞれに対応するように配置されている。換言すれば、ダミー基板DP2上におけるマークAM2の数と基板P上におけるアライメントマークAMの数とは等しく、ダミー基板DP2の中心と複数のマークAM2それぞれとの位置関係と、基板Pの中心と複数のアライメントマークAMそれぞれとの位置関係とは、ほぼ等しい。ダミー基板DP2の外形と、基板Pの外形とは等しい。
図13は、本実施形態に係るダミー基板DP2の一部を拡大した側断面図である。本実施形態において、マークAM2は、第1膜F1と基材Wbとの間の少なくとも一部に配置される。本実施形態においては、第2膜F2の少なくとも一部が加工されることによって、マークAM2が形成される。なお、基材Wbの表面の少なくとも一部を加工することによって、マークAM2を形成してもよい。
次に、第2実施形態に係るダミー基板DP2の使用方法の一例について説明する。本実施形態においては、ダミー基板DP2を用いて、擬似的にアライメント処理及び露光処理が実行される。
制御装置5は、ダミー基板DP2を保持する基板保持部11(基板ステージ2)を第1の移動条件で移動して、ダミー基板DP2に配置されている複数のマークAM2を順次検出する。また、制御装置5は、終端光学素子9及び液浸部材4とダミー基板DP2との間に液体LQが保持された状態で、ダミー基板DP2を保持する基板保持部11(基板ステージ2)を第2の移動条件で移動して、ダミー基板DP2に仮想的に設定されている複数のショット領域を順次露光する。
本実施形態においては、制御装置5は、ダミー基板DP2を用いて擬似的にアライメント処理及び露光処理を実行して、そのアライメント処理及び露光処理に要する時間(スループット)を計測する。以下の説明において、スループットを計測する処理を適宜、スループット計測処理、と称する。
制御装置5は、スループット計測処理の計測結果に基づいて、基板ステージ2の移動条件を調整してもよい。例えば、スループットが高くなるように、基板ステージ2の移動条件が調整されてもよい。
本実施形態においては、マークAM2は、第1膜F1と基材Wbとの間の少なくとも一部に配置されているため、アライメントシステム29は、第1膜F1を介して、マークAM2を良好に検出できる。また、第1膜F1の表面はほぼ平坦なので、終端光学素子9及び液浸部材4とダミー基板DP2との間に液浸空間LSを良好に形成することができる。
なお、本実施形態においては、ダミー基板DP2を用いて擬似的にアライメント処理及び露光処理を実行することとしたが、アライメント処理のみを実行してもよいし、露光処理のみを実行してもよい。露光処理のみを実行する場合、ダミー基板DP2においてマークAM2を省略することができる。
また、ダミー基板DP2を用いて、基板交換処理、アライメント処理、及び基板Pの露光処理等を含む露光シーケンスを実行し、その露光シーケンスに要する時間を計測してもよい。
また、ダミー基板DP2を外部装置に搬送し、その外部装置の処理に要する時間(スループット)を計測してもよい。例えば、基材Wa上に感光膜Rgを形成するコーティング装置、及び露光後の基板Pを現像するデベロッパ装置が露光装置EXに接続されている場合、そのコーティング装置及びデベロッパ装置の少なくとも一方にダミー基板DP2を搬送してもよい。例えば、コーティング装置に搬送されたダミー基板DP2に対して、コーティング装置が基板P(基材Wa)に対して実行する処理と同様の処理を実行し、その処理に要する時間を計測してもよい。また、その計測結果に基づいて、コーティング装置の処理の内容及び手順等を調整してもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と異なる構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、第3実施形態に係るダミー基板DP3の一例を示す図である。図14において、ダミー基板DP3は、識別子70を備えている。
本実施形態において、ダミー基板DP3に識別子70として識別マーク70Mが配置されている。例えばダミー基板DP3が複数存在する場合、識別マーク70Mは、それら複数のダミー基板DP3のそれぞれに付された固有のマークである。識別マーク70Mは、例えばアライメントシステム29によって検出される。アライメントシステム29で識別マーク70Mを検出するとき、制御装置5は、ダミー基板DP3を保持した基板ステージ2を制御して、アライメントシステム29の検出領域にダミー基板DP3の識別マーク70Mを配置する。アライメントシステム29は、基板保持部11に保持されたダミー基板DP3の識別マーク70Mを検出する。アライメントシステム29の検出結果は、制御装置5に出力される。制御装置5は、アライメントシステム29の検出結果に基づいて、例えば複数のダミー基板DP3のそれぞれ使用状態を求めることができる。
本実施形態において、制御装置5は、識別マーク70Mに対応付けて複数のダミー基板DP3の使用状態(使用履歴)を記憶し、管理している。制御装置5は、例えば識別マーク70Mの検出結果に基づいて、その識別マーク70Mを有するダミー基板DP3の使用時間が予め定められた許容時間を超えた場合、そのダミー基板DP3の使用を中止してもよい。なお、ダミー基板DP3を管理するための管理項目は使用時間に限られず、例えばダミー基板DP3に対する露光光ELの積算照射量でもよい。
これにより、複数のダミー基板DP3のうち使用に適していないダミー基板DP3を使用し続けてしまうといった不具合が回避される。制御装置5は、そのダミー基板DP3を基板保持部11から搬出し、新たなダミー基板DP3を基板保持部11に搬入して、その新たなダミー基板DP3を使用してもよい。
なお、識別マーク70Mを検出するための検出装置は、アライメントシステム29に限られない。例えば、ダミー基板DP3を搬送装置19で搬送する場合、その搬送装置19の搬送経路にダミー基板DP3に配置されている識別マーク70M)(識別子70)を検出可能な検出装置が配置されてもよい。
図15は、ダミー基板DP3のメンテナンス装置80の一例を示す模式図である。ダミー基板DP3は、汚染される可能性がある。メンテナンス装置80は、ダミー基板DP3をクリーニングする。
メンテナンス装置80は、ダミー基板DP3を保持する保持部81と、ダミー基板DP3にクリーニング用の液体LDを供給する供給口82を有するノズル部材83とを備えている。メンテナンス装置80は、保持部81に保持されたダミー基板DP3に供給口82から液体LDを供給して、そのダミー基板DP3をクリーニングする。
本実施形態において、メンテナンス装置80は、ダミー基板DP3にオゾン水を供給する。次いで、メンテナンス装置80は、ダミー基板PD3に超純水を供給する。これにより、ダミー基板DP3がクリーニングされる。
なお、メンテナンス装置80は、ダミー基板DP3に対してオゾン水を供給した後、水素水を供給し、その後、超純水を供給してもよい。
本実施形態においては、メンテナンス装置80は、ミスト状の液体LDをダミー基板DP3に供給する。本実施形態において、ダミー基板DP3は、所謂スプレー洗浄される。
また、本実施形態において、メンテナンス装置80は、保持部81を回転する駆動装置84を備えている。メンテナンス装置80は、保持部81に保持されたダミー基板DP3を回転させながらそのダミー基板DP3に液体LDを供給してもよい。
また、メンテナンス装置80は、供給口82から供給される液体LDに超音波振動を付与してもよい。
なお、図15に示す例ではダミー基板DP3をクリーニングすることとしたが、もちろん、第1、第2実施形態で説明したダミー基板DP、DP2をクリーニングしてもよい。
なお、識別マーク70Mは、例えばダミー基板DP3の基材Wbにレーザ光を照射することによって形成可能である。なお、ダミー基板DP3にシリアルナンバーを付してもよい。また、ダミー基板DP3に刻印を形成してもよい。
なお、複数のダミー基板DP3のそれぞれを識別するための識別子70は、識別マーク70Mに限られず、例えば複数のダミー基板DP3のそれぞれに配置されたICチップでもよい。
また、ダミー基板DP3のそれぞれに識別子70を設けることなく、露光装置EX内の各ダミー基板DP3の所在を制御装置5によって追跡・管理することにより、各ダミー基板DP3を識別してもよい。
なお、上述の第1〜第3実施形態においては、ダミー基板(DP等)を用いてクリーニング処理及びスループット計測処理を実行することとした。例えば、計測処理、基板交換処理、アライメント処理、露光処理、クリーニング処理、及びスループット計測処理等のシーケンスが実行されていない状態(所謂、アイドリング状態)において、終端光学素子9及び液浸部材4と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間に液体LQを保持する処理が実行されてもよい。
例えば、基板ステージ2の状態(位置、移動条件、及び駆動条件の少なくとも一つ)に応じて、終端光学素子9が配置される空間の環境(温度等)が変動してしまう可能性がある。すなわち、基板ステージ2の状態に応じて、アイドリング状態における空間の環境が所期の環境に対して変化してしまう可能性がある。その結果、アイドリング状態から基板Pの露光を開始しようとしても、その空間が所期の環境に調整されるまでに時間を要してしまい、露光装置EXの稼動率の低下を招いてしまう等、不都合が発生する可能性がある。
アイドリング状態において、終端光学素子9及び液浸部材4と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとの間に液体LQを保持して液浸空間LSを形成することによって、空間の環境の変動が抑制される。なお、制御装置5は、アイドリング状態において、ダミー基板DPを保持した基板保持部11(基板ステージ2)を、矢印MTで示した移動軌跡に沿って移動させてもよい。また、制御装置5は、アイドリング状態において、ダミー基板DPを保持した基板保持部11(基板ステージ2)を、第1の移動条件で移動してもよいし、第2の移動条件で移動してもよい。
なお、露光装置EXの調整処理においてダミー基板DPを使用してもよい。例えば、投影光学系PLの射出面8から射出される露光光ELの照射量の調整処理を実行する場合、投影光学系PLの射出面8と基板保持部11に保持されたダミー基板DPとを対向させた状態で、射出面8から露光光ELを射出させつつ、露光光ELの照射量を調整する。射出面8から射出された露光光ELは、ダミー基板DPに照射される。本実施形態においては、露光光ELの照射量を計測可能な照射量センサが照明系ILに配置されている。露光光ELの光源から射出され、照明系ILを通過した露光光ELは、投影光学系PLに入射し、その投影光学系PLの複数の光学素子を介して射出面8より射出され、ダミー基板DPに照射される。制御装置5は、露光光ELの光源から射出され照明系ILを通過する露光光ELの照射量を、照明系ILに配置されている照射量センサで計測する。制御装置5は、その照射量センサの計測結果に基づいて、射出面8から射出される露光光ELの照射量を導出することができる。制御装置5は、その照射量センサの計測結果に基づいて、例えば光源(本実施形態においてはArFエキシマレーザ装置)の出力を調整することによって、露光光ELの照射量を調整することができる。
なお、第2実施形態において、ダミー基板DP2の仮想的なショット領域を露光した後、例えば空間像計測装置を用いて投影光学系PLの空間像を計測し、その計測結果に基づいて、投影光学系PLの光学特性を調整するようにしてもよい。
また、制御装置5は、ダミー基板DPが基板保持部11に保持された状態で、マスクステージ1と基板ステージ2との同期移動誤差を調整する処理を実行してもよい。すなわち、外形及び重量が基板Pとほぼ等しいダミー基板DPを基板保持部11に保持させるとともに、マスクMを保持部7に保持させた状態で、基板Pの露光時と同じ移動条件で、マスクステージ1と基板ステージ2とを同期移動させる。制御装置5は、基板保持部11にダミー基板DPを保持させた状態で、矢印MTで示した移動軌跡を含む第2の移動条件で基板ステージ2を移動させる。ダミー基板DPは、終端光学素子9及び液浸部材4と対向された状態で、XY平面内において移動する。制御装置5は、干渉計システム17でマスクステージ1及び基板ステージ2の位置を計測しつつ、マスクステージ1及び基板ステージ2を同期移動させる。これにより、マスクステージ1と基板ステージ2との同期移動誤差が計測され、その計測結果に基づいて、同期移動誤差を調整(補正)することができる。同期移動誤差を調整する技術の一例が、例えば国際公開第2005/036620号パンフレットに開示されている。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子9の射出側(像面
側)の光路Kが液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子9の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系PLを採用することができる。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQとして水を用いているが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、露光装置EXは、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置であってもよい。また、露光装置EXは、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどであってもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、2つの基板ステージを備えている場合、射出面7と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの基板保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、その他方の基板ステージの基板保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよいし、干渉計システムとエンコーダシステムを併用してもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、露光装置EXは、投影光学系PLを備えていなくてもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射することができる。
また、露光装置EXは、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)であってもよい。
なお、上述の実施形態においては、ダミー基板DPを露光装置EXで用いる場合について説明したが、上述の実施形態で説明したダミー基板DPを露光装置以外の基板処理装置(例えば、基板に感光膜を形成する膜形成装置、露光された基板を現像処理する現像装置など)、あるいは基板(ウエハ)検査装置に用いてもよい。
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図16に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を
製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の
実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光され
た基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバ
イス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工
プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。上述の実施形態のダミー基板DPを用いる処理は、基板処理ステップ204に含まれる。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、4…液浸部材、5…制御装置、8…射出面、9…終端光学素子、11…基板保持部、DP…ダミー基板、EL…露光光、EX…露光装置、F1…第1膜、F2…第2膜、LQ…液体、P…基板、PL…投影光学系、Wb…基材

Claims (30)

  1. 基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で前記基板を露光する露光装置において、前記基板保持部に保持されて使用されるプレート部材であって、
    基材と、
    表面の少なくとも一部を形成し、液体に対して撥液性の第1膜と、
    前記基材と前記第1膜との間の少なくとも一部に配置され、前記基材と異なる色相を発現する第2膜と、を備えるプレート部材。
  2. 基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で前記基板を露光する露光装置において、前記基板保持部に保持されて使用されるプレート部材であって、
    基材と、
    表面の少なくとも一部を形成し、前記液体に対して撥液性の第1膜と、
    前記基材と前記第1膜との間の少なくとも一部に配置され、前記基板と異なる色相を発現する第2膜と、を備えるプレート部材。
  3. 前記第2膜が反射した光の干渉によって、前記色相が発現される請求項1又は2記載のプレート部材。
  4. 前記第1膜は、可視光に対して実質的に透明である請求項1〜3のいずれか一項記載のプレート部材。
  5. 前記第1膜は、フッ素を含む請求項1〜4のいずれか一項記載のプレート部材。
  6. 前記第2膜は、前記第1膜との密着性を高める請求項1〜5のいずれか一項記載のプレート部材。
  7. 前記第2膜は、二酸化珪素を含む請求項1〜6のいずれか一項記載のプレート部材。
  8. 前記第2膜は、窒化珪素、及びポリシリコンの少なくとも一方を含む請求項1〜6のいずれか一項記載のプレート部材。
  9. 基板を保持する基板保持部を有し、露光液体を介して露光光で前記基板を露光する露光装置において、前記基板保持部に保持されて使用されるプレート部材であって、
    基材と、
    表面の少なくとも一部を形成し、フッ素を含む第1膜と、
    前記基材と前記第1膜との間に配置され、珪素化合物を含む第2膜と、を備え、
    前記基材上に感光膜がないプレート部材。
  10. 前記第1膜は、可視光に対して実質的に透明である請求項9記載のプレート部材。
  11. 前記珪素化合物は、二酸化珪素を含む請求項9又は10記載のプレート部材。
  12. 前記第2膜は、前記基材と異なる色相を発現する厚みを有する請求項9〜11のいずれか一項記載のプレート部材。
  13. 前記第2膜は、前記基板と異なる色相を発現する厚みを有する請求項9〜11のいずれか一項記載のプレート部材。
  14. 前記第1膜と前記第2膜とは隣接する請求項1〜13のいずれか一項記載のプレート部材。
  15. 前記第1膜は、前記第2膜よりも薄い請求項1〜14のいずれか一項記載のプレート部材。
  16. 前記基材の外形は、前記基板の外形とほぼ等しい請求項1〜15のいずれか一項記載のプレート部材。
  17. 前記第1膜と前記基材との間の少なくとも一部に配置されるマークを備える請求項1〜16のいずれか一項記載のプレート部材。
  18. さらに、識別子を備える請求項1〜17のいずれか一項記載のプレート部材。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項記載のプレート部材を前記基板保持部に保持することと、
    前記基板の露光において前記露光液体に接触する接液部材と前記基板保持部に保持された前記プレート部材との間に液体を保持することと、を含むプレート部材の使用方法。
  20. 前記接液部材と前記プレート部材との間に前記液体が保持された状態で、前記接液部材をクリーニングすることを含む請求項19記載の使用方法。
  21. 前記液体は、前記露光液体と異なる請求項20記載の使用方法。
  22. 前記基板の露光において前記基板保持部が所定の移動条件で移動され、
    前記接液部材と前記プレート部材との間に液体が保持された状態で、前記プレート部材を保持する前記基板保持部を前記移動条件で移動することを含む請求項19記載の使用方法。
  23. 前記接液部材は、前記露光光を射出する射出面を有する光学部材と、前記基板の露光において前記射出面と前記基板との間が前記露光液体で満たされるように液浸空間を形成する液浸部材との少なくとも一方を含む請求項19〜22のいずれか一項記載の使用方法。
  24. 請求項19〜23のいずれか一項記載の使用方法で前記プレート部材を使用することと、
    前記基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデイバス製造方法。
  25. 露光液体を介して露光光で露光される基板をリリース可能に保持する基板保持部が保持可能なプレート部材の製造方法であって、
    基材を表面処理することと、
    前記表面処理された前記基材上に、液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、を含み、
    前記表面処理は、前記基材と異なる色相を発現する第2膜を前記基材上に形成する処理を含む製造方法。
  26. 前記基材と異なる色相が発現されるように前記第2膜の厚みが調整される請求項25記載の製造方法。
  27. 露光液体を介して露光光で露光される基板をリリース可能に保持する基板保持部が保持可能なプレート部材の製造方法であって、
    基材を表面処理することと、
    前記表面処理された前記基材上に、液体に対して撥液性の第1膜を形成することと、を含み、
    前記表面処理は、前記基板と異なる色相を発現する第2膜を前記基材上に形成する処理を含む製造方法。
  28. 前記基板と異なる色相が発現されるように前記第2膜の厚みが調整される請求項27記載の製造方法。
  29. 前記基材は、珪素を含み、
    前記表面処理は、前記基材上に珪素化合物の膜を形成する処理を含む請求項25〜28のいずれか一項記載の製造方法。
  30. 前記第1膜は、フッ素を含む請求項25〜29のいずれか一項記載の製造方法。
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