JP2011029325A - 露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、露光光、及び露光光とほぼ同じ波長の照射光の少なくとも一方を射出可能な射出面を有する光学部材と、射出面と、射出面と対向する位置に配置される基板及び所定部材の少なくとも一方の表面との間の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成する液浸部材と、液浸空間の液体に溶存する気体濃度を調整可能な調整装置とを備えている。所定部材の表面は、液体に対して撥液性の膜の表面を含む。露光装置は、基板に対する露光光の照射時よりも気体濃度が高められた液浸空間の液体と所定部材の表面とが接触された状態で、射出面から射出される露光光及び照射光の少なくとも一方を所定部材に照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば特許文献1に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2007/0258072号明細書
液浸露光装置において、液体と接触する所定部材の表面の状態が劣化すると、所定空間に液体を良好に保持することが困難となる可能性がある。例えば、その所定部材の表面が汚染されたり、液体に対する所定部材の表面の撥液性が変化したりすると、所定空間に液体を良好に保持できず、液体が流出してしまう可能性がある。その結果、基板に形成されるパターンに欠陥が生じる等、露光不良が発生し、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置及び露光方法を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光、及び露光光とほぼ同じ波長の照射光の少なくとも一方を射出可能な射出面を有する光学部材と、射出面と、射出面と対向する位置に配置される基板及び所定部材の少なくとも一方の表面との間の光路が液体で満たされるように液浸空間を形成する液浸部材と、液浸空間の液体に溶存する気体濃度を調整可能な調整装置と、を備え、所定部材の表面は、液体に対して撥液性の膜の表面を含み、基板に対する露光光の照射時よりも気体濃度が高められた液浸空間の液体と所定部材の表面とが接触された状態で、射出面から射出される露光光及び照射光の少なくとも一方を所定部材に照射する露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光を射出する射出面を有する光学部材と、射出面から射出される露光光が照射可能な位置に移動可能な所定部材と、所定部材の表面との間に液体で液浸空間を形成可能な液浸部材と、所定部材の表面に紫外光を照射可能な照射装置と、液浸空間の液体を介して紫外光が所定部材の表面に照射される前に、液浸空間の液体に溶存する気体濃度を高める動作を実行する調整装置と、を備え、所定部材の表面は、液体に対して撥液性の膜の表面を含み、気体濃度が高められた液浸空間の液体と所定部材の表面とが接触された状態で、照射装置からの紫外光を所定部材に照射する露光装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1,第2の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光、及び露光光とほぼ同じ波長の照射光の少なくとも一方を射出可能な光学部材の射出面と、基板の表面との間の光路に満たされた液体を介して、射出面から射出された露光光を基板に照射することと、基板に対する露光光の照射時よりも溶存する気体濃度が高められた液体を、液体に対して撥液性の膜を含む所定部材の表面に接触させた状態で、射出面から射出される露光光及び照射光の少なくとも一方を、所定部材の表面に照射することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、露光光を射出可能な光学部材の射出面と、基板の表面との間の光路に満たされた液体を介して、射出面から射出された露光光を基板に照射することと、射出面から射出される露光光が照射可能な位置に移動可能であり、液体に対して撥液性の膜を含む所定部材の表面と接触するように形成された液浸空間の液体を介して紫外光を所定部材の表面に照射する前に、液浸空間の液体に溶存する気体濃度を高めることと、気体濃度が高められた液浸空間の液体と所定部材の表面とが接触された状態で、紫外光を所定部材に照射することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、第4,第5の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す概略構成図である。 第1実施形態に係る基板ステージの一例を示す側断面図である。 第1実施形態に係る計測ステージの一例を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す側断面図である。 第1実施形態に係る露光方法の一例を説明するためのフローチャートである。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 第2実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第3実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第4実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第4実施形態に係る露光方法の一例を説明するためのフローチャートである。 第5実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第7実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第7実施形態に係る露光装置の動作の一例を説明するための図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る露光装置EXを示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材C(C1,C2)を保持して移動可能な計測ステージ3と、マスクステージ1を移動する駆動システム4と、基板ステージ2を移動する駆動システム5と、計測ステージ3を移動する駆動システム6と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能な液浸部材7と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置8とを備えている。
また、露光装置EXは、マスクステージ1,基板ステージ2,及び計測ステージ3の位置を計測する干渉計システム11と、露光光ELとほぼ同じ波長の検出光SLを検出対象のマークに照射して、そのマークの位置を検出するアライメントシステム37とを備えている。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を、均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。駆動システム4は、ガイド面9G上でマスクステージ1を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、マスクステージ1に配置された可動子と、ベース部材9に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ1は、駆動システム4の作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは、等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面13を有する。射出面13は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子12に配置されている。投影領域PRは、射出面13から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面13は、−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面13は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材C(C1,C2)を保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材10のガイド面10G上を移動可能である。
基板ステージ2を移動するための駆動システム5は、ガイド面10G上で基板ステージ2を移動するための平面モータを含む。平面モータは、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような、基板ステージ2に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。同様に、計測ステージ3を移動するための駆動システム6は、平面モータを含み、計測ステージ3に配置された可動子と、ベース部材10に配置された固定子とを有する。
干渉計システム11は、マスクステージ1の位置を計測するレーザ干渉計ユニット11Aと、基板ステージ2及び計測ステージ3の位置を計測するレーザ干渉計ユニット11Bとを含む。レーザ干渉計ユニット11Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラー1Rを用いて、マスクステージ1の位置を計測可能である。レーザ干渉計ユニット11Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラー2R、及び計測ステージ3に配置された計測ミラー3Rを用いて、基板ステージ2及び計測ステージ3それぞれの位置を計測可能である。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置8は、干渉計システム11の計測結果に基づいて、駆動システム4,5,6を作動し、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
アライメントシステム37は、投影光学系PLの物体面側に配置され、検出光SLを射出する投光部37Aと、CCDカメラ等の撮像素子を含む受光部37Bとを有する。本実施形態のアライメントシステム37は、例えば米国特許第5646413号明細書等に開示されているような、投光部37Aから射出された検出光SLを検出対象のマークに照射して、受光部37Bの撮像素子で撮像したマークの画像データを画像処理して、そのマークの位置を検出するVRA(Visual Reticle Alignment)方式のアライメントシステムである。
アライメントシステム37は、投影光学系PLを介して、投影光学系PLの像面側に配置されたマークに検出光SLを照射可能である。投光部37Aから射出された検出光SLは、投影光学系PLを介して、終端光学素子12の射出面13より射出され、投影光学系PLの像面側(射出面13と対向する位置)に配置されるマークに照射される。受光部37Bは、検出光SLが照射されたマークの画像(光学像)を、投影光学系PLを介して取得する。
本実施形態において、検出光SLの波長は、露光光ELの波長とほぼ同じである。すなわち、本実施形態において、検出光SLは、紫外光である。なお、検出光SLは、投影光学系PLを通過可能な波長であればよく、露光光ELと異なる波長でもよい。
液浸部材7は、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成可能である。液浸空間LSは、液体LQで満たされた部分(空間、領域)である。液浸部材7は、終端光学素子12の近傍に配置される。本実施形態において、液浸部材7は、環状の部材であり、露光光ELの光路の周囲に配置される。本実施形態においては、液浸部材7の少なくとも一部が、終端光学素子12の周囲に配置される。
本実施形態において、液浸空間LSは、終端光学素子12の射出面13と、射出面13と対向する位置に配置される物体の表面との間の光路Kが液体LQで満たされるように形成される。本実施形態において、射出面13と物体の表面との間の光路Kは、射出面13から射出される露光光ELの光路及び検出光SLの光路の少なくとも一方を含む。また、本実施形態において、射出面13と対向する位置は、射出面13から射出される露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含む。
本実施形態において、射出面13と対向する位置に配置可能(投影領域PRに配置可能)な物体は、投影光学系PLの像面側(終端光学素子12の射出面13側)で投影領域PRに移動可能な物体であり、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、計測ステージ3、及び計測ステージ3に保持された計測部材Cの少なくとも一つを含む。もちろん、投影領域PRに移動可能な物体は、基板ステージ2、基板ステージ2に保持された基板P、計測ステージ3、及び計測ステージ3に保持された計測部材Cの少なくとも一つに限られない。
液浸部材7は、投影領域PRに配置される物体と対向可能な下面14を有する。液浸部材7は、投影領域PRに配置される物体の表面との間で液体LQを保持することができ、その物体の表面との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。一方側の射出面13及び下面14と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子12の射出面13と物体の表面との間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材7の下面14と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
図2は、本実施形態に係る基板ステージ2の一例を示す側断面図である。本実施形態において、基板ステージ2は、米国特許出願公開第2007/0177125号明細書、米国特許出願公開第2008/0049209号明細書等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部31と、第1保持部31の周囲に配置され、プレート部材Tをリリース可能に保持する第2保持部32とを有する。第1,第2保持部31,32は、ピンチャック機構を有する。プレート部材Tは、第1保持部31に保持された基板Pの周囲に配置される。基板ステージ2が移動することによって、第1保持部31に保持された基板P、及び第2保持部32に保持されたプレート部材Tは、投影領域PRに移動可能である。なお、第1保持部31と第2保持部32の少なくとも一方で使用される保持機構はピンチャック機構に限られない。また、プレート部材Tは基板ステージ2に一体的に形成されていてもよい。
本実施形態において、第1保持部31は、基板Pの表面とXY平面とがほぼ平行となるように、基板Pを保持する。第2保持部32は、プレート部材Tの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Tを保持する。本実施形態において、第1保持部31に保持された基板Pの表面と第2保持部32に保持されたプレート部材Tの上面とは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。また、第1保持部31に保持された基板Pの側面と、第2保持部32に保持されたプレート部材Tの内側面とは、所定のギャップG1を介して対向する。
図3は、本実施形態に係る計測ステージ3の一例を示す側断面図である。本実施形態において、計測ステージ3は、計測部材Cをリリース可能に保持する第3保持部33と、第3保持部33の周囲に配置され、プレート部材Sをリリース可能に保持する第4保持部34とを有する。第3,第4保持部33,34は、ピンチャック機構を有する。プレート部材Sは、第3保持部33に保持された計測部材Cの周囲に配置される。計測ステージ3が移動することによって、第3保持部33に保持された計測部材C、及び第4保持部34に保持されたプレート部材Sは、投影領域PRに移動可能である。なお、第3保持部33と第4保持部34の少なくとも一方で使用される保持機構はピンチャック機構に限られない。また、計測部材Cとプレート部材Sの少なくとも一方は計測ステージ3に一体的に形成されていてもよい。
本実施形態において、第3保持部33は、計測部材Cの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、計測部材Cを保持する。第4保持部34は、プレート部材Sの上面とXY平面とがほぼ平行となるように、プレート部材Sを保持する。本実施形態において、第3保持部33に保持された計測部材Cの上面と第4保持部34に保持されたプレート部材Sの上面とは、ほぼ同一平面内に配置される(ほぼ面一である)。また、第3保持部33に保持された計測部材Cの側面と、第4保持部34に保持されたプレート部材Sの内側面とは、所定のギャップG2を介して対向する。
また、本実施形態において、計測ステージ3は、光センサ35を有する。本実施形態において、計測部材Cは、例えば石英など、露光光ELを透過可能な部材を含み、計測部材Cの少なくとも一部は、露光光ELを透過可能な透過部を含む。第3保持部33に保持された計測部材Cの上面に照射された露光光ELは、計測部材Cの透過部を介して、光センサ35に照射される。光センサ35は、終端光学素子12より射出され、計測部材Cを介した露光光ELを受光する。
本実施形態において、計測ステージ3は2つの第3保持部33を有し、一方の第3保持部33(33A)は、第1計測部材C1を保持し、他方の第3保持部33(33B)は、第2計測部材C2を保持する。
本実施形態において、第1計測部材C1は、アライメントシステム37によって検出されるマーク(基準マーク)を有する。アライメントシステム37を用いて第1計測部材C1のマークを検出するとき、射出面13と対向する位置に第1計測部材C1が配置され、射出面13と第1計測部材C1の上面(表面)との間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSの液体LQは、第1計測部材C1の上面と接触する。アライメントシステム37の投光部37Aから射出された検出光SLは、投影光学系PL及び液体LQを介して、第1計測部材C1に照射される。すなわち、第1計測部材C1を用いる計測処理(検出処理)が実行されるとき、液浸空間LSの液体LQと第1計測部材C1の上面とが接触された状態で、射出面13から射出された検出光SLが、第1計測部材C1の上面に照射される。
本実施形態において、第2計測部材C2は、例えば米国特許出願公開第2002/0041377号明細書に開示されているような、投影光学系PLによる空間像を計測する計測システムの少なくとも一部を構成する。なお、第2計測部材C2が、例えば米国特許第4465368号明細書に開示されているような、露光光ELの照度むらを計測する計測システムの少なくとも一部を構成してもよい。あるいは、第2計測部材C2が、例えば米国特許第6721039号明細書に開示されているような、投影光学系PLの露光光ELの透過率の変動量を計測する計測システム、例えば米国特許出願公開第2002/0061469号明細書等に開示されているような、露光光ELの照射量(照度)を計測する計測システム、及び例えば欧州特許第1079223号明細書に開示されているような、波面収差を計測する計測システムの少なくとも一つを構成してもよい。
上述の計測システムを用いて露光光ELを計測するとき、射出面13と対向する位置に第2計測部材C2が配置され、射出面13と第2計測部材C2の上面(表面)との間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間LSの液体LQは、第2計測部材C2の上面と接触する。照明系ILから射出された露光光ELは、投影光学系PL及び液体LQを介して、第2計測部材C2に照射される。すなわち、第2計測部材C2を用いる計測処理が実行されるとき、液浸空間LSの液体LQと第2計測部材C2の上面とが接触された状態で、照明系ILから射出された露光光ELが、第2計測部材C2の上面に照射される。
なお、基板を保持して移動可能な基板ステージと、基板を保持せずに、露光光を計測する計測部材(計測器)を搭載して移動可能な計測ステージとを備えた露光装置の一例が、例えば米国特許第6897963号明細書、欧州特許出願公開第1713113号明細書等に開示されている。
ここで、以下の説明において、第2保持部32に保持されたプレート部材Tの上面を適宜、基板ステージ2の上面2U、と称し、第3保持部33に保持された計測部材C(C1,C2)の上面及び第4保持部34に保持されたプレート部材Sの上面を合わせて適宜、計測ステージ3の上面3U、と称する。
図2に示すように、本実施形態において、基板ステージ2の上面2Uは、液体LQに対して撥液性の膜2Fの表面を含む。また、図3に示すように、本実施形態において、計測ステージ3の上面3Uは、液体LQに対して撥液性の膜3Fの表面を含む。液体LQに対する上面2U,3Uの接触角は、例えば90度以上である。本実施形態において、液体LQに対する上面2U,3Uの接触角は、100度以上である。
本実施形態において、膜2F,3Fを形成する材料は、フッ素を含むフッ素系材料である。本実施形態において、膜2F,3Fは、PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)の膜である。なお、膜2F,3Fが、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、PEEK(polyetheretherketone)、テフロン(登録商標)等の膜でもよい。また、膜2F,3Fが、旭硝子社製「サイトップ」、あるいは3M社製「Novec EGC」でもよい。また、膜2Fと膜3Fとが、異なる種類の材料で形成されてもよい。
図4は、本実施形態に係る液浸部材7の一例を示す側断面図である。なお、図4を用いる説明においては、投影領域PR(終端光学素子12及び液浸部材7と対向する位置)に基板Pが配置される場合を例にして説明するが、上述のように、基板ステージ2(プレート部材T)、及び計測ステージ3(プレート部材S、計測部材C)を配置することもできる。
図4に示すように、液浸部材7は、射出面13と対向する位置に開口7Kを有する。射出面13から射出された露光光ELは、開口7Kを通過して、基板Pに照射可能である。
また、液浸部材7は、光路Kに液体LQを供給する供給口15と、液体LQを回収する回収口16とを備えている。
供給口15は、光路Kの近傍において、その光路Kに面するように配置されている。供給口15は、流路17を介して、液体供給装置18と接続されている。
液体供給装置18は、清浄で温度調整された液体LQを送出可能である。流路17は、液浸部材7の内部に形成された供給流路、及びその供給流路と液体供給装置18とを接続する供給管で形成される流路を含む。液体供給装置18から送出された液体LQは、流路17を介して供給口15に供給される。
回収口16は、液浸部材7の下面14と対向する物体上の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。本実施形態においては、回収口16は、露光光ELが通過する開口7Kの周囲に配置されている。回収口16は、物体の表面と対向する液浸部材7の所定位置に配置されている。回収口16には、複数の孔(openingsあるいはpores)を含むプレート状の多孔部材19が配置されている。なお、回収口16に、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタが配置されてもよい。また、回収口16に多孔部材19が配置されていなくてもよい。本実施形態において、液浸部材7の下面14の少なくとも一部は、多孔部材19の下面を含む。回収口16は、流路20を介して、液体回収装置21と接続されている。
液体回収装置21は、回収口16を真空システムに接続可能であり、回収口16を介して液体LQを吸引可能である。流路20は、液浸部材7の内部に形成された回収流路、及びその回収流路と液体回収装置21とを接続する回収管で形成される流路を含む。回収口16から回収された液体LQは、流路20を介して、液体回収装置21に回収される。
本実施形態においては、制御装置8は、供給口15からの液体LQの供給動作と並行して、回収口16からの液体LQの回収動作を実行することによって、一方側の終端光学素子12及び液浸部材7と、他方側の物体との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。
なお、液浸部材7として、例えば米国特許出願公開第2007/0132976号明細書、欧州特許出願公開第1768170号明細書に開示されているような液浸部材(ノズル部材)を用いることができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて、基板Pを露光する露光方法の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の露光方法は、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高める処理(ステップSA1)と、溶存する気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQと撥液性の膜3Fを含む計測部材C(C1,C2)の上面(表面)とが接触された状態で、終端光学素子12の射出面13から射出される露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を計測部材C(C1,C2)に照射する処理(ステップSA2)と、終端光学素子12の射出面13と基板Pの表面との間の光路Kに満たされた液体LQを介して、射出面13から射出された露光光ELを基板Pに照射して、基板Pを露光する処理(ステップSA3)とを含む。
ここで、以下の説明において、基板P以外の投影領域PRに配置可能な物体を適宜、所定部材100、と総称する。本実施形態において、所定部材100は、基板ステージ2(プレート部材T)、及び計測ステージ3(計測部材C,プレート部材S)を含む。所定部材100は、液浸空間LSの液体LQと接触可能な部材である。
本実施形態においては、ロットに含まれる複数の基板Pが基板ステージ2の第1保持部31に順次搬入(ロード)され、露光される。制御装置8は、ロット内の最初の基板P(ロット先頭の基板P)を第1保持部31に搬入(ロード)するために、図6に示すように、液浸部材7から離れた基板ステージ2を基板交換位置CPに移動する。基板交換位置CPは、基板Pの交換処理が実行可能な位置である。基板Pの交換処理は、搬送装置36を用いて、第1保持部31に保持された露光後の基板Pを第1保持部31から搬出(アンロード)する処理、及び第1保持部31に露光前の基板Pを搬入(ロード)する処理の少なくとも一方を含む。制御装置8は、液浸部材7から離れた基板交換位置CPに基板ステージ2を移動して、基板Pの交換処理を実行する。なお、ロット先頭の基板Pを第1保持部31にロードする際、第1保持部31には、前のロットの基板Pが保持されていてもよいし、保持されていなくてもよい。なお、ロット先頭の基板Pを第1保持部31にロードする際、第1保持部31にダミー基板が保持されていてもよい。なお、ダミー基板は、異物を放出する可能性が十分に抑制された、基板Pとほぼ同じ外形を有する基板である。第1保持部31は、ダミー基板を保持することができる。
本実施形態においては、ロット先頭の基板Pのロード前において、基板ステージ2が液浸部材7から離れた位置に配置されるとき、計測ステージ3が終端光学素子12及び液浸部材7と対向する位置に配置される。ロット先頭の基板Pのロード前において、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3の上面3Uの所定領域3Pとの間で液体LQが保持され、液浸空間LSが形成される。
図7は、液浸部材7と所定領域3Pとの間に液体LQ保持されている状態を模式的に示す平面図である。図7に示すように、本実施形態において、所定領域3Pは、プレート部材Sの上面3Uの一部の領域である。所定領域3Pは、計測部材C(C1,C2)の上面と異なる。
ここで、以下の説明において、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3の所定領域3Pとの間に液体LQが保持されて液浸空間LSが形成されるときの計測ステージ3の位置を適宜、待機位置SP、と称する。計測ステージ3は、待機位置SPにおいて、ほぼ停止状態である。
制御装置8は、ロット先頭の基板Pの露光が開始される前に、計測部材Cを用いる計測処理を実行する。なお、計測部材Cを用いる計測処理は、例えばロット先頭の基板Pを第1保持部31にロードする動作の少なくとも一部と並行して実行されてもよい。
例えば、第1計測部材C1を用いる計測処理を実行するとき、制御装置8は、計測ステージ3が待機位置SPにほぼ停止状態で配置されて終端光学素子12及び液浸部材7と所定領域3Pとの間に液体LQが保持されている第1状態から、終端光学素子12及び液浸部材7と第1計測部材C1の上面との間に液体LQが保持される第2状態へ移行するように、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、待機位置SPにおいてほぼ停止状態の計測ステージ3を液浸部材7に対して移動する。
図8は、第1状態から第2状態へ移行するために計測ステージ3が移動している状態を示す模式図である。図8に示すように、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、駆動システム6を用いて、計測ステージ3を、射出面13とほぼ平行なXY平面内で移動する。これにより、液浸空間LSの液体LQの周囲の気体が、液体LQの界面LGを介して、液体LQ中に混入される。これにより、液体LQに溶存する気体濃度が高くなる(ステップSA1)。
本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの周囲の気体は、例えば空気である。気体濃度は、酸素濃度を含み、計測ステージ3が移動されることによって、液体LQの酸素濃度が高くなる。
このように、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3の所定領域3Pとの間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、待機位置SPにおいてほぼ停止状態の計測ステージ3を、終端光学素子12及び液浸部材7と第1計測部材C1との間に液体LQで液浸空間LSが形成されるように液浸部材7に対して移動することによって、液浸空間LSの液体LQを介して第1計測部材C1に検出光SLを照射する前に、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高めることができる。
なお、制御装置8は、XY平面内の所定方向に関して往復させるように計測ステージ3を移動することによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を良好に高めることができる。また、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、駆動システム6を用いて、計測ステージ3の移動速度、加速度、XY平面内の所定の一方向における直線移動距離、及び往復させる回数等を含む移動条件を調整することによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を調整することができる。
例えば、制御装置8は、計測部材Cに対する露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方の照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度よりも高くなるように、計測ステージ3の移動条件を調整することができる。なお、計測部材Cに対する露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方の照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度とほぼ同じでもよいし、低くてもよい。
図9は、終端光学素子12及び液浸部材7と第1計測部材C1との間に、気体濃度が高められた液体LQで液浸空間LSが形成されている状態を模式的に示す平面図、図10は、側断面図である。第1計測部材C1を用いる計測処理を実行するために、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と第1計測部材C1との間に気体濃度が高められた液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、アライメントシステム37の投光部37Aから検出光SLを射出する。投光部37Aから射出された検出光SLは、投影光学系PLを通過して、射出面13より射出される。これにより、気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQと、撥液性の膜3Fを含む第1計測部材C1の表面とが接触された状態で、検出光SLが第1計測部材C1に照射される(ステップSA2)。第1計測部材C1に配置されているマークに照射された検出光SLは、投影光学系PLを介して受光部37Bに受光される。これにより、アライメントシステム37によってマークが検出される。
また、第2計測部材C2を用いる計測処理を実行するとき、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、計測ステージ3を液浸部材7に対して移動して、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高めた後、射出面13と対向する位置に第2計測部材C2を移動して、終端光学素子12及び液浸部材7と第2計測部材C2との間に気体濃度が高められた液体LQで液浸空間LSを形成する。制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と第2計測部材C2との間に気体濃度が高められた液体LQで液浸空間LSが形成されている状態で、照明系ILから露光光ELを射出する。照明系ILから射出された露光光ELは、投影光学系PLを通過して、射出面13より射出される。これにより、気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQと、撥液性の膜3Fを含む第2計測部材C2の表面とが接触された状態で、露光光ELが第2計測部材C2に照射される。これにより、第2計測部材C2を含む計測システムによって露光光ELが計測される。
なお、計測部材C(C1,C2)を用いて実行された計測処理の結果は、基板Pの露光処理に反映される。
露光前の基板Pが第1保持部31にロードされ、計測部材C(C1,C2)を用いる計測処理が終了した後、制御装置8は、基板ステージ2を投影領域PRに移動して、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSを形成する。本実施形態においては、例えば米国特許出願公開第2006/0023186号明細書、米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているように、制御装置8は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方と終端光学素子12及び液浸部材7との間に液体LQを保持可能な空間を形成し続けるように、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとを接近又は接触させた状態で、基板ステージ2の上面2U及び計測ステージ3の上面3Uの少なくとも一方と終端光学素子12の射出面13及び液浸部材7の下面14とを対向させつつ、終端光学素子12及び液浸部材7に対して、基板ステージ2と計測ステージ3とをXY方向に同期移動させることができる。これにより、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2との間に液浸空間LSが形成可能な状態、及び終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液浸空間LSが形成可能な状態の一方から他方へ変化させることができる。すなわち、制御装置8は、液体LQの漏出を抑制しつつ、液浸部材7の下面14側に形成された液浸空間LSが基板ステージ2の上面2U上と計測ステージ3の上面3U上との間を移動するように、基板ステージ2及び計測ステージ3を液浸部材7に対して移動させることができる。
以下の説明において、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとを接近又は接触させた状態で、終端光学素子12及び液浸部材7に対して、基板ステージ2と計測ステージ3とをXY方向に同期移動させる動作を適宜、スクラム移動、と称する。
本実施形態においては、スクラム移動を実行するとき、図11に示すように、制御装置8は、基板ステージ2の+Y側の側面2Fと、その基板ステージ2と対向可能な計測ステージ3の−Y側の側面3Fとを所定のギャップG3を介して対向させる。そして、制御装置8は、そのギャップG3を維持した状態で、基板ステージ2及び計測ステージ3を同時に移動(同期移動)させる。本実施形態においては、スクラム移動を実行するとき、制御装置8は、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとで実質的に一つの連続面が形成されるように、基板ステージ2の上面2Uと計測ステージ3の上面3Uとの位置関係を調整する。
スクラム移動を実行して、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置8は、基板Pの露光処理を開始する。基板Pの露光処理を実行するとき、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2とを対向させ、終端光学素子12と基板Pとの間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。
制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板Pとの間に液体LQで液浸空間LSが形成された状態で、照明系ILから露光光ELを射出して、マスクステージ1に保持されているマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される(ステップSA3)。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置8は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
基板Pの露光処理が終了した後、制御装置8は、スクラム移動を実行する。終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液浸空間LSが形成された後、制御装置8は、基板ステージ2を基板交換位置CPに移動する。計測ステージ3は、例えば待機位置SPに配置される。制御装置8は、基板交換位置CPに移動した基板ステージ2から露光後の基板Pを搬出し、露光前の基板Pを基板ステージ2に搬入する。
以下、制御装置8は、上述の処理を繰り返して、複数の基板Pを順次露光する。
本実施形態においては、液体LQと計測部材Cの表面(上面)とが接触された状態で、その計測部材Cの表面に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射する前に、その液体LQに溶存する気体濃度を高める処理が実行される。例えば、液体LQに溶存する気体濃度が低い場合、その気体濃度が低い液浸空間LSの液体LQと計測部材Cの表面とが接触された状態で、その計測部材Cの表面に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射すると、液体LQに対する計測部材Cの表面の撥液性が著しく低下する可能性がある。
上述のように、本実施形態において、計測部材Cの表面は、液体LQに対して撥液性の膜3Fを含む。本発明者の知見によれば、その膜3Fと気体濃度が低い液体LQとを接触させた状態で、その膜3Fに紫外光を照射すると、その膜3Fの撥液性が著しく低下する可能性が高いことが分かった。例えば、液体LQに溶存する酸素濃度が低いと、膜3Fの撥液性が著しく低下する可能性がある。
本実施形態においては、局所液浸方式を採用しており、終端光学素子12及び液浸部材7との間で液浸空間LSを形成する所定部材100(基板ステージ2,及び計測ステージ3等)の表面(上面)は、液体LQに対して撥液性であることが望ましい。液体LQに対する所定部材100の表面の撥液性が低下すると、終端光学素子12及び液浸部材7と所定部材100との間に液体LQを良好に保持することが困難となり、液浸空間LSの液体LQが流出したり、所定部材100の表面に液体LQが残留したりする可能性がある。また、本実施形態においては、所定部材100は、終端光学素子12及び液浸部材7に対して移動可能であり、その所定部材100の表面の撥液性が低下すると、その所定部材100の移動に伴って、液浸空間LSの液体LQが流出したり、所定部材100の表面に残留したりする可能性が高くなる。また、流出あるいは残留する液体LQによって気化熱が発生し、所定部材100が熱変形したり、基板Pが熱変形したり、所定部材100の周囲の環境(温度、湿度等)が変動したりしてしまう可能性がある。その結果、計測不良及び露光不良が発生する可能性がある。
本実施形態によれば、所定部材100(計測部材C)に紫外光(露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方)を照射する前に、その所定部材100の表面(撥液性の膜)に接触する液体LQに溶存する気体濃度が高められているので、液体LQに対する所定部材100の表面の撥液性が低下することが抑制される。したがって、液浸空間LSの液体LQが流出したり、所定部材100の表面に液体LQが残留したりすることを抑制することができる。
また、溶存する気体濃度が高められた液体LQを計測部材Cの表面に接触させた状態で、その計測部材Cの表面に紫外光(露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方)を照射することによって、その計測部材Cを光洗浄することができる。また、計測部材Cのみならず、溶存する気体濃度が高められた液体LQをプレート部材T,Sの表面(上面)に接触させた状態で、そのプレート部材T,Sの表面に紫外光(露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方)を照射することによって、そのプレート部材T,Sを光洗浄することができる。
例えば、基板Pの露光中、基板Pから発生(溶出)した物質(例えば感光材等の有機物)が、異物(汚染物、パーティクル)として液浸空間LSの液体LQ中に混入する可能性がある。また、基板Pから発生する物質のみならず、例えば空中を浮遊する異物が、液浸空間LSの液体LQに混入する可能性もある。基板Pの交換処理、計測部材Cを用いる計測処理、及び基板Pの露光処理を含む露光シーケンスの少なくとも一部の期間において、液浸空間LSの液体LQは、所定部材100(プレート部材S、計測部材C、及びプレート部材Tの少なくとも一つ)の表面(上面)の少なくとも一部の領域と接触する。したがって、液浸空間LSの液体LQ中に異物が混入すると、その所定部材100の表面(上面)に異物が付着する可能性がある。それら露光装置EXの所定部材100の上面(液体LQと接触する液体接触面)に異物が付着している状態を放置しておくと、その異物が露光中に基板Pに付着したり、供給口15から供給された液体LQが汚染されたりする可能性がある。また、所定部材100の上面(基板ステージ2の上面2U、計測ステージ3の上面3U)が汚染されると、例えば液浸空間LSを良好に形成できなくなる可能性もある。その結果、露光不良が発生する可能性がある。
本実施形態においては、溶存する気体濃度が高められた液体LQと所定部材100の表面とを接触させた状態で、その所定部材100の表面に紫外光(露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方)を照射することによって、その所定部材100の表面を良好に光洗浄することができる。
例えば、プレート部材Sを光洗浄する場合、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と計測ステージ3との間に液浸空間LSを形成した状態で、計測ステージ3を液浸部材7に対して移動して、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高めた後、その液体LQを介してプレート部材Sの表面に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射する。これにより、プレート部材Sが良好に光洗浄される。
また、プレート部材Tを光洗浄する場合、制御装置8は、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2との間に液浸空間LSを形成した状態で、基板ステージ2を液浸部材7に対して移動して、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高めた後、その液体LQを介してプレート部材Tの表面に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射する。これにより、プレート部材Tが良好に光洗浄する。
なお、液体LQに溶存する気体濃度を高めるために、終端光学素子12及び液浸部材7と基板ステージ2の上面2Uとの間に液浸空間LSを形成した状態で、基板ステージ2を液浸部材7に対して移動してもよいし、終端光学素子12及び液浸部材7と第1保持部31に保持されたダミー基板の表面との間に液浸空間LSを形成した状態で、基板ステージ2(ダミー基板)を液浸部材7に対して移動してもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、液体LQを介して計測部材C等の所定部材100に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射した場合でも、液体LQに対する所定部材100の表面の撥液性の低下を抑制することができる。また、露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方の照射により、所定部材100の表面を光洗浄することができる。これにより、液体LQと接触する所定部材100の表面を所望の状態に維持することができる。したがって、終端光学素子12及び液浸部材7と所定部材100と間の空間に液体LQを良好に保持することができ、液体LQの流出、残留等を抑制することができる。また、液浸空間LSの液体LQの質(水質)を維持することができる。そのため、露光不良の発生、不良デバイスの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、終端光学素子12及び液浸部材7と所定部材100の上面との間に液浸空間LSが形成されている状態で、駆動システム5,6によって所定部材100を移動することによって、供給口15から光路Kに供給された、終端光学素子12と所定部材100との間の液体LQに溶存する気体濃度が高められる。すなわち、所定部材100を移動することによって、所定部材100に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方が照射される直前に、液体LQに溶存する気体濃度を円滑に高めることができる。
また、本実施形態においては、終端光学素子12及び液浸部材7と待機位置SPにほぼ停止状態で配置されている計測ステージ3との間に形成されている液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を、計測ステージ3を移動することによって円滑に高めることができる。
なお、本実施形態においては、ロット先頭の基板Pのロード前(露光前)に、液体LQに溶存する気体濃度を高め、その液体LQを介して所定部材100に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射することとしたが、ロット内の途中の基板Pの露光前又は後に、気体濃度を高める処理、及びその液体LQを介して所定部材100に露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射する処理を実行してもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、第2実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図12において、露光装置EXは、液浸空間LSの液体LQに気体を注入可能な注入装置40を備えている。注入装置40は、供給口15から供給された液体LQに気体を注入して、その液体LQに溶存する気体濃度を高めることができる。
本実施形態において、注入装置40は、液浸空間LSの液体LQに気体を注入可能な注入口41を有するノズル部材42を備えている。注入口41は、ノズル部材42の内部流路を介して、クリーンで温度調整された気体を供給可能な気体供給装置43と接続されている。制御装置8は、紫外光(露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方)が所定部材100に照射される前に、注入口41から液浸空間LSの液体LQに気体を注入して、その液浸空間LSの液体LQの気体濃度を高めることができる。
例えば、制御装置8は、所定部材100に対する露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方の照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度よりも高くなるように、注入装置40を用いて液体LQに所定量の気体を注入する。なお、所定部材100に対する露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方の照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度とほぼ同じでもよいし、低くてもよい。
なお、本実施形態において、注入口41が、液浸部材7の少なくとも一部に配置されてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、第3実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。上述の第1,第2実施形態と異なる第3実施形態の特徴的な部分は、液浸部材7とは別に設けられた液浸部材50と所定部材100との間に形成される、溶存する気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQを介して、所定部材100の表面に紫外光LVを照射する点にある。
図13に示すように、液浸部材7は、光路Kが液体LQで満たされるように所定部材100の表面との間に液体LQで液浸空間LSを形成可能である。液浸部材50は、所定部材100の表面との間に液体LQaで液浸空間LSaを形成可能である。
液浸部材50は、液浸部材50の下面51と所定部材100の表面(上面)との間に液体LQaを供給する供給口52と、液体LQaを回収する回収口53とを有する。供給口52は、流路54Rを介して、液体供給装置54と接続されている。回収口53は、流路55Rを介して、液体回収装置55と接続されている。供給口52からの液体LQaの供給動作と並行して、回収口53からの液体LQaの回収動作が実行されることによって、液浸部材50と所定部材100との間に液体LQaで液浸空間LSaが形成される。
また、本実施形態の露光装置EXは、液浸空間LSaの液体LQaと接触する所定部材100の表面に紫外光LVを照射可能な投光部56を有する。本実施形態において、投光部56は、所定部材100の表面と対向する液浸部材50の下面51に配置されている。なお、投光部56が、液浸部材50と異なる部材に配置されてもよい。
制御装置8は、投光部56から射出される紫外光LVを所定部材100の表面に照射する前に、液浸部材50と所定部材100との間に液浸空間LSaが形成されている状態で、液浸部材50に対して所定部材100をXY平面内の所定方向に移動して、液浸部材50と所定部材100との間に形成される液浸空間LSaの液体LQaに溶存する気体濃度を高める。
例えば、制御装置8は、所定部材100に対する紫外光LVの照射時に紫外光LVの光路に満たされる液体LQaに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度よりも高くなるように、所定部材100の移動条件を調整する。なお、所定部材100に対する紫外光LVの照射時に光路に満たされる液体LQaに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度とほぼ同じでもよいし、低くてもよい。
制御装置8は、気体濃度が高められた液浸空間LSaの液体LQaと所定部材100の表面とが接触された状態で、投光部56から紫外光LVを射出して、その紫外光LVを所定部材100の表面に照射する。これにより、所定部材100の表面は、紫外光LVによって良好に光洗浄される。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、第4実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図14において、液体供給装置180は、液体LQに溶存する気体濃度を調整可能な調整装置60を備えている。本実施形態において、調整装置60は、液体LQの気体濃度を低減可能な脱気装置61と、液体LQに気体を注入可能な注入装置62とを含む。脱気装置61は、例えば米国特許出願公開第2005/0219490号明細書に開示されているような、中空糸膜に液体LQを接触させて液体LQの気体濃度を低減させる膜脱気装置を含む。注入装置62は、例えば気液混合装置を含む。本実施形態において、気体濃度は、酸素濃度を含み、調整装置60は、液体LQの酸素濃度を調整可能である。
制御装置8は、調整装置60を制御して、液体供給装置180から流路17を介して供給口15に供給される液体LQに溶存する気体濃度を調整可能である。液体供給装置180から供給口15に供給される液体LQの気体濃度が調整されることによって、供給口15から光路Kに供給される液体LQの気体濃度が調整される。供給口15から供給される液体LQの気体濃度が調整されることによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度が調整される。このように、本実施形態においては、調整装置60は、供給口15から光路Kに供給される液体LQの気体濃度を調整することによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を調整可能である。
本実施形態においては、制御装置8が、脱気装置61を作動することによって、供給口15から供給される液体LQの気体濃度を低減することができ、脱気装置61の動作を停止することによって、供給口15から供給される液体LQの気体濃度を高めることができる。また、制御装置8が、注入装置62を用いて液体LQに気体を注入することによって、供給口15から供給される液体LQの気体濃度を高めることができる。
図15は、本実施形態に係る露光方法の一例を示すフローチャートである。本実施形態の露光方法は、調整装置60を用いて液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高める処理(ステップSB1)と、溶存する気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQと撥液性の膜3Fを含む計測部材C(C1,C2)の上面(表面)とが接触された状態で、終端光学素子12の射出面13から射出される露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を計測部材C(C1,C2)に照射する処理(ステップSB2)と、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を低減させる処理(ステップSB3)と、溶存する気体濃度が低減され、終端光学素子12の射出面13と基板Pの表面との間の光路Kに満たされた液体LQを介して、射出面13から射出された露光光ELを基板Pに照射して、基板Pを露光する処理(ステップSB4)とを含む。
以下の説明において、計測部材Cに露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を照射するときに光路Kに満たされる液体LQの気体濃度を適宜、第1気体濃度、と称し、基板Pに露光光ELを照射するときに光路Kに満たされる液体LQの気体濃度を適宜、第2気体濃度、と称する。したがって、ステップSB1は、液体LQに溶存する気体濃度を第1気体濃度に調整する処理を含み、ステップSB3は、液体LQに溶存する気体濃度を第2気体濃度に調整する処理を含む。本実施形態において、計測部材Cに対する露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方の照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する第1気体濃度は、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する第2気体濃度より高い。
本実施形態においては、制御装置8は、検出光SLが第1計測部材C1に照射される前に、調整装置60を用いて、供給口15から供給する液体LQの気体濃度を高めて、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を第1気体濃度に調整する(ステップSB1)。
制御装置8は、検出光SLが第1計測部材C1に照射される前に、例えば調整装置60の脱気装置61の動作を停止することによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高めることができる。また、制御装置8は、検出光SLが第1計測部材C1に照射される前に、例えば調整装置60の注入装置62を作動させることによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を高めることができる。
液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度が第1気体濃度に高められた後、制御装置8は、その気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQと第1計測部材C1の表面とが接触された状態で、射出面13から射出される検出光SLを、第1計測部材C1に照射する(ステップSB2)。これにより、アライメントシステム37によって第1計測部材C1に配置されているマークが検出される。
また、制御装置8は、第1気体濃度の液体LQと第1計測部材C1の表面とを接触させた状態で、第1計測部材C1の表面に検出光SLを照射することによって、第1計測部材C1を光洗浄することができる。
また、第2計測部材C2を用いる計測処理が実行されるとき、終端光学素子12の射出面13と第2の計測部材C2の表面との間の光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
制御装置8は、露光光ELが第2計測部材C2に照射される前に、調整装置60を用いて、供給口15から供給する液体LQの気体濃度を高めて、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を第1気体濃度に調整する。液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度が第1気体濃度に高められた後、制御装置8は、その気体濃度が高められた液浸空間LSの液体LQと第2計測部材C2の表面とが接触された状態で、射出面13から射出される露光光ELを、第2計測部材S2に照射する。これにより、第2計測部材C2を含む計測システムによって露光光ELが計測される。
また、制御装置8は、第1気体濃度の液体LQと第2計測部材C2の表面とを接触させた状態で、第2計測部材C2の表面に露光光ELを照射することによって、第2計測部材C2を光洗浄することができる。
本実施形態においては、制御装置8は、露光光ELが基板Pに照射される前に、調整装置60を用いて、供給口15から供給する液体LQの気体濃度を低減させて、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を第2気体濃度に調整する(ステップSB3)。
制御装置8は、露光光ELが基板Pに照射される前に、例えば調整装置60の脱気装置61を作動することによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を低減させることができる。また、制御装置8は、露光光ELが基板Pに照射される前に、例えば調整装置60の注入装置62の動作を停止することによって、液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度を低減させることができる。
液浸空間LSの液体LQに溶存する気体濃度が第2気体濃度に低減された後、制御装置8は、その気体濃度が低減された液浸空間LSの液体LQを介して、射出面13から射出される露光光ELを基板Pに照射する(ステップSB4)。これにより、基板Pは露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
また、制御装置8は、気体濃度が第1気体濃度に高められた液浸空間LSの液体LQとプレート部材T,Sの表面とが接触された状態で、射出面13から射出される露光光EL及び検出光SLの少なくとも一方を、プレート部材T,Sに照射することによって、そのプレート部材T,Sを良好に光洗浄できる。
本実施形態においても、計測部材C(C1,C2)、及びプレート部材T、Sを含む所定部材100の表面の撥液性の低下を抑制することができる。また、本実施形態においても、所定部材100の表面を良好に光洗浄できる。
また、本実施形態においては、基板Pに対する露光光ELの照射時において、光路Kを満たす液体LQに溶存する気体濃度が第2気体濃度に調整され、十分に低減される。これにより、例えば液浸空間LSの液体LQ中に気泡が発生することを抑制しつつ、基板Pを露光することができる。したがって、露光不良の発生を抑制することができる。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
第5実施形態は、第3実施形態の変形例である。図16は、第5実施形態に係る露光装置EXの一例を示す図である。図16において、露光装置EXは、光路Kが液体LQで満たされるように所定部材100の表面との間に液体LQで液浸空間LSを形成する液浸部材7と、液浸部材7とは別に設けられ、所定部材100の表面との間に液体LQaで液浸空間LSaを形成する液浸部材50とを備えている。
液浸部材50は、液体LQaを供給する供給口52と、液体LQaを回収する回収口53と、紫外光LVを射出可能な投光部56とを有する。
供給口52は、流路54Rを介して、液体供給装置540と接続されている。回収口53は、流路55Rを介して、液体回収装置55と接続されている。液体供給装置540は、流路54Rを介して供給口15に供給する液体LQaに溶存する気体濃度を調整する調整装置600を有する。調整装置600は、液体LQaの気体濃度を低減可能な脱気装置610と、液体LQaに気体を注入可能な注入装置620とを含む。調整装置600は、供給口52から液浸部材50と所定部材100との間に供給される液体LQaの気体濃度を調整する。
制御装置8は、投光部56から射出される紫外光LVを所定部材100の表面に照射する前に、調整装置600を用いて、液浸部材50と所定部材100との間に形成される液浸空間LSaの液体LQaに溶存する気体濃度を高める。
例えば、制御装置8は、所定部材100に対する紫外光LVの照射時に紫外光LVの光路に満たされる液体LQaに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度よりも高くなるように、調整装置600を制御する。なお、所定部材100に対する紫外光LVの照射時に光路に満たされる液体LQaに溶存する気体濃度が、基板Pに対する露光光ELの照射時に光路Kに満たされる液体LQに溶存する気体濃度とほぼ同じでもよいし、低くてもよい。
制御装置8は、気体濃度が高められた液浸空間LSaの液体LQaと所定部材100の表面とが接触された状態で、投光部56から紫外光LVを射出して、その紫外光LVを所定部材100の表面に照射する。これにより、所定部材100の表面は、紫外光LVによって良好に光洗浄される。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図17は、第6実施形態に係る露光装置EXbの一例を示す模式図である。第6実施形態に係る露光装置EXbは、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数(2つ)の基板ステージ71,72を備えたツインステージ型の露光装置である。
図17において、露光装置EXbは、基板Pの露光処理が実行される露光ステーションST1と、計測処理が実行される計測ステーションST2とを備えている。複数の基板ステージ71,72は、計測ステーションST2から露光ステーションST1に順次配置される。本実施形態においては、露光装置EXbは、基板Pを保持して移動可能な第1基板ステージ71と、第1基板ステージ71と独立して、基板Pを保持して移動可能な第2基板ステージ72とを有する。
露光ステーションST1には、照明系、マスクステージ、及び投影光学系PLb等が配置されている。投影光学系PLbの複数の光学素子のうち、投影光学系PLbの像面に最も近い終端光学素子73の近傍には、終端光学素子73の射出面74と対向する位置に配置される物体との間で液体LQbを保持して、射出面74と物体との間の光路Kbが液体LQbで満たされるように液浸空間LSbを形成可能な液浸部材75が配置されている。
計測ステーションST2には、基板Pの位置を検出するアライメントシステム76等、基板Pの露光に関する計測を実行可能な各種計測システムが配置されている。アライメントシステム76は、基板Pのアライメントマークを検出可能である。また、第1,第2基板ステージ71,72には、露光光ELの計測時に露光光ELが照射される計測部材77,78が配置されている。計測部材77,78の上面を含む、第1,第2基板ステージ71,72の上面は、液体LQbに対して撥液性の膜71F,72Fで形成されている。基板Pの交換処理は、計測ステーションST2において実行される。
図17には、計測ステーションST2に第1基板ステージ71が配置され、露光ステーションST1に第2基板ステージ72が配置されている状態が示されている。図17において、アライメントシステム76は、計測ステーションST2に配置されている第1基板ステージ71に保持されている基板Pのアライメントマークを検出する。露光ステーションST1においては、第2基板ステージ72に保持されている基板Pの露光処理が実行される。基板Pは、終端光学素子73及び液浸部材75と基板Pとの間に形成された液浸空間LSbの液体LQbを介して露光される。
露光ステーションST1において第2基板ステージ72に保持されている基板Pの露光処理が終了し、計測ステーションST2において第1基板ステージ71及び第1基板ステージ71に保持されている基板Pに対する計測処理が終了した後、図18に示すように、第1基板ステージ71が、計測ステーションST2から露光ステーションST1に移動される。
計測ステーションST2から露光ステーションST1に第1基板ステージ71が移動された後、その第1基板ステージ71に保持されている基板Pに対する露光処理が開始される前に、第1基板ステージ71に設けられている計測部材77を用いる計測処理が実行される。
図18に示すように、終端光学素子73及び液浸部材75と、第1基板ステージ71に設けられている計測部材77との間の光路Kbが液体LQbで満たされるように、液浸空間LSbが形成される。
本実施形態においては、計測部材77に露光光ELbが照射される前に、液浸空間LSbの液体LQbに溶存する気体濃度を高める処理が実行される。気体濃度を高める処理は、上述の実施形態と同様、液浸部材75の供給口に供給される液体LQの気体濃度を調整装置を用いて調整する処理、及び終端光学素子73(液浸部材75)と第1基板ステージ71(又は第2基板ステージ72)との間に液浸空間LSbが形成された状態で、第1基板ステージ71(又は第2基板ステージ72)を移動する処理の少なくとも一方を含む。
液浸空間LSbの液体LQbに溶存する気体濃度を高める処理が実行された後、その溶存する気体濃度が高められた液体LQbと計測部材77の表面とを接触させた状態で、射出面74から射出された露光光ELbが計測部材77に照射される。これにより、計測部材77を用いて露光光ELbが計測される。
計測部材77を用いる露光光ELbの計測処理が終了した後、終端光学素子73及び液浸部材75と第1基板ステージ71に保持されている基板Pとの間に液浸空間LSbが形成されるように、第1基板ステージ71の位置が調整される。液浸空間LSbは、射出面74と基板Pの表面との間の光路Kbが液体LQbで満たされるように形成される。
基板Pに露光光ELbが照射される前に、液浸空間LSbの液体LQbに溶存する気体濃度を低減させる処理が実行される。気体濃度を低減させる処理は、調整装置の脱気装置を作動する処理、及び調整装置の注入装置の動作を停止する処理等を含む。
その後、溶存する気体濃度が低減された液体LQbを介して、基板Pに露光光ELbが照射される。これにより、第1基板ステージ71に保持されている基板Pは、液体LQbを介して露光光ELbで露光される。
露光ステーションST1において、第1基板ステージ71及び第1基板ステージ71に保持されている基板Pに対する処理が実行されているとき、第2基板ステージ72が計測ステーションST2に配置される。計測ステーションST2において、第2基板ステージ72に対する基板Pの交換処理、及びアライメントシステム76等を用いる計測処理が実行される。露光ステーションST1において第1基板ステージ71及び第1基板ステージ71に保持されている基板Pに対する処理が終了し、計測ステーションST2において第2基板ステージ72及び第2基板ステージ72に保持されている基板Pに対する処理が終了した後、第2基板ステージ72が計測ステーションST2から露光ステーションST1に移動され、第1基板ステージ71が露光ステーションST1から計測ステーションST2に移動される。
露光ステーションST1において、第2基板ステージ72に配置されている計測部材78に露光光ELbが照射される前に、液浸空間LSbの液体LQbに溶存する気体濃度を高める処理が実行される。液浸空間LSbの液体LQbに溶存する気体濃度を高める処理が実行された後、その溶存する気体濃度が高められた液体LQbと計測部材78の表面とを接触させた状態で、射出面74から射出された露光光ELbが計測部材78に照射される。これにより、計測部材78を用いて露光光ELbが計測される。その後、第2基板ステージ72に保持されている基板Pに対する露光処理が実行される。
以下、上述の処理が繰り返され、複数の基板Pが順次露光される。
本実施形態においても、液体LQに対する計測部材77,78の表面の撥液性が低下することが抑制される。また、露光不良の発生が抑制される。
また、溶存する気体濃度が高められた液体LQbと、第1,第2基板ステージ71,72の上面とを接触させた状態で、その上面に射出面74から射出される露光光ELbが照射されることによって、その上面が良好に光洗浄される。
なお、上述の第1〜第6実施形態においては、液体LQ(LQb)に溶存する気体濃度が、酸素濃度であることとしたが、例えば二酸化炭素濃度でもよいし、オゾン濃度でもよい。気体濃度として、酸素分子を含む気体濃度を調整する(高める)ことによって、上述の実施形態にように、液体LQ(LQb)に対する所定部材100の表面の撥液性低下の抑制、又は所定部材100の表面の光洗浄、又はその両方が期待できる。
なお、供給口15から供給される液体LQの溶存気体濃度を、所定部材100の表面の撥液性低下が抑制できる濃度に維持してもよい。例えば、供給口15から供給される液体LQの溶存気体濃度DGを、0.2ppm<DG<2.0ppm、好ましくは0.5ppm<DG<1.0ppmに設定する。この場合、液浸空間LSを形成する液体LQ中に気泡が発生しないように、溶存気体濃度DGを決定することが望ましい。また、露光中に基板P上に供給される液体LQの溶存気体濃度DGも、上記範囲内に設定してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子12の射出側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされているが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているように、終端光学素子12の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系PLを採用することができる。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQとして水を用いているが、水以外の液体であってもよい。液体LQとしては、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)などの膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQとして、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等を用いることも可能である。また、液体LQとして、種々の流体、例えば、超臨界流体を用いることも可能である。
なお、上述の各実施形態の基板Pとしては、半導体デバイス製造用の半導体ウエハのみならず、ディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等が適用される。
露光装置EXとしては、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)の他に、マスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)にも適用することができる。
さらに、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光してもよい(スティッチ方式の一括露光装置)。また、スティッチ方式の露光装置としては、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置にも適用できる。
また、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置などにも本発明を適用することができる。また、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナーなどにも本発明を適用することができる。
また、本発明は、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置にも適用することができる。
露光装置EXの種類としては、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置に限られず、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置などにも広く適用できる。
なお、上述の各実施形態においては、レーザ干渉計を含む干渉計システムを用いて各ステージの位置情報を計測するものとしたが、これに限らず、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているように、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしても良い。
上述の各実施形態においては、投影光学系PLを備えた露光装置を例に挙げて説明してきたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に本発明を適用することができる。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射することができる。
また、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているように、干渉縞を基板P上に形成することによって、基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)にも本発明を適用することができる。
上述の実施形態の露光装置EXは、本願請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図19に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、2F…膜、2U…上面、3…計測ステージ、3F…膜、3U…上面、5…駆動システム、6…駆動システム、7…液浸部材、8…制御装置、12…終端光学素子、13…射出面、15…供給口、16…回収口、37…アライメントシステム、37A…投光部、40…注入装置、50…液浸部材、56…投光部、60…調整装置、61…脱気装置、62…注入装置、C(C1,C2)…計測部材、IL…照明系、K…光路、LV…紫外光、P…基板、PL…投影光学系、S…プレート部材、SL…検出光、T…プレート部材、EL…露光光、EX…露光装置、LQ…液体、LS…液浸空間

Claims (18)

  1. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光、及び前記露光光とほぼ同じ波長の照射光の少なくとも一方を射出可能な射出面を有する光学部材と、
    前記射出面と、前記射出面と対向する位置に配置される前記基板及び所定部材の少なくとも一方の表面との間の光路が前記液体で満たされるように液浸空間を形成する液浸部材と、
    前記液浸空間の前記液体に溶存する気体濃度を調整可能な調整装置と、を備え、
    前記所定部材の表面は、前記液体に対して撥液性の膜の表面を含み、
    前記基板に対する前記露光光の照射時よりも前記気体濃度が高められた前記液浸空間の前記液体と前記所定部材の表面とが接触された状態で、前記射出面から射出される前記露光光及び前記照射光の少なくとも一方を前記所定部材に照射する露光装置。
  2. 前記調整装置は、前記露光光及び前記照射光の少なくとも一方が前記所定部材に照射される前に、前記気体濃度を高める請求項1記載の露光装置。
  3. 前記光路に前記液体を供給する供給口を備え、
    前記調整装置は、前記供給口から供給される前記液体の気体濃度を高める請求項1又は2記載の露光装置。
  4. 前記調整装置は、前記液体に気体を注入可能な注入装置を含む請求項3記載の露光装置。
  5. 前記調整装置は、前記液体の前記気体濃度を低減可能な脱気装置を含み、
    前記露光光及び前記照射光の少なくとも一方が前記所定部材に照射される前に、前記脱気装置の動作を停止する請求項3又は4記載の露光装置。
  6. 前記光路に前記液体を供給する供給口を備え、
    前記調整装置は、前記供給口から供給された、前記光学部材と前記所定部材との間の前記液体の前記気体濃度を高める請求項1又は2記載の露光装置。
  7. 前記調整装置は、前記液浸空間が形成されている状態で、前記所定部材を移動する駆動装置を含む請求項6記載の露光装置。
  8. 前記調整装置は、前記液浸空間の前記液体に気体を注入可能な注入装置を含む請求項6又は7記載の露光装置。
  9. 前記気体濃度は、酸素濃度を含む請求項1〜8のいずれか一項記載の露光装置。
  10. 前記所定部材は、前記露光光及び前記照射光の少なくとも一方を計測する請求項1〜9のいずれか一項記載の露光装置。
  11. 前記所定部材は、前記露光光及び前記照射光の少なくとも一方により光洗浄される請求項1〜9のいずれか一項記載の露光装置。
  12. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光を射出する射出面を有する光学部材と、
    前記射出面から射出される前記露光光が照射可能な位置に移動可能な所定部材と、
    前記所定部材の表面との間に液体で液浸空間を形成可能な液浸部材と、
    前記所定部材の表面に紫外光を照射可能な照射装置と、
    前記液浸空間の液体を介して前記紫外光が前記所定部材の表面に照射される前に、前記液浸空間の前記液体に溶存する気体濃度を高める動作を実行する調整装置と、を備え、
    前記所定部材の表面は、前記液体に対して撥液性の膜の表面を含み、
    前記気体濃度が高められた前記液浸空間の前記液体と前記所定部材の表面とが接触された状態で、前記照射装置からの前記紫外光を前記所定部材に照射する露光装置。
  13. 前記調整装置は、前記液浸空間が形成されている状態で、前記所定部材を移動可能な駆動装置を含み、
    前記紫外光が照射される前に、ほぼ停止状態の前記所定部材を前記液浸部材に対して移動する請求項12記載の露光装置。
  14. 前記調整装置は、前記液浸空間の前記液体に気体を注入可能な注入装置を含む請求項12又は13記載の露光装置。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  16. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光、及び前記露光光とほぼ同じ波長の照射光の少なくとも一方を射出可能な光学部材の射出面と、前記基板の表面との間の光路に満たされた前記液体を介して、前記射出面から射出された前記露光光を前記基板に照射することと、
    前記基板に対する前記露光光の照射時よりも溶存する気体濃度が高められた液体を、前記液体に対して撥液性の膜を含む所定部材の表面に接触させた状態で、前記射出面から射出される前記露光光及び前記照射光の少なくとも一方を、前記所定部材の表面に照射することと、を含む露光方法。
  17. 液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記露光光を射出可能な光学部材の射出面と、前記基板の表面との間の光路に満たされた前記液体を介して、前記射出面から射出された前記露光光を前記基板に照射することと、
    前記射出面から射出される前記露光光が照射可能な位置に移動可能であり、前記液体に対して撥液性の膜を含む所定部材の表面と接触するように形成された液浸空間の前記液体を介して紫外光を前記所定部材の表面に照射する前に、前記液浸空間の前記液体に溶存する気体濃度を高めることと、
    前記気体濃度が高められた前記液浸空間の前記液体と前記所定部材の表面とが接触された状態で、前記紫外光を前記所定部材に照射することと、を含む露光方法。
  18. 請求項16又は17記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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