JP2012138511A - 露光装置の制御方法、露光装置、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

露光装置の制御方法、露光装置、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置の制御方法を提供する。
【解決手段】制御方法は、基板の露光時において、供給口から光学部材及び液浸部材と基板との間の第1空間に液体を供給し、液体の少なくとも一部を第1回収口から回収して第1液浸空間を形成することと、第1回収口を介して回収された流体が流れる回収流路に面するように配置された第1排出口及び第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口から回収流路の流体を排出することと、基板の非露光時において、光学部材及び液浸部材と物体との間の第2空間に供給口から液体を供給し、第1、第2排出口から第1、第2排出量で流体を排出して第2空間の液体を第1回収口から回収することと、供給口から液体を供給しつつ、第1、第2排出口から第1、第2排出量より低減された第3、第4排出量で流体を排出して、第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間を形成することと、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光装置の制御方法、露光装置、デバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、液浸空間の液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2009/0046261号明細書
液浸露光装置において、液浸空間が所望の状態で形成されないと、例えば露光不良が発生し、その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置の制御方法、及び露光装置を提供することを目的とする。また本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、光学部材の射出面から射出される露光光で液体を介して基板を露光する露光装置の制御方法であって、基板の露光時において、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された液浸部材の供給口から、光学部材及び液浸部材と基板との間の第1空間に液体を供給するとともに、第1空間の液体の少なくとも一部を液浸部材の第1回収口から回収して、光学部材及び液浸部材と基板との間に第1液浸空間を形成することと、第1空間から第1回収口を介して回収された液体及び気体の少なくとも一方を含む流体が流れる液浸部材の回収流路に面するように配置された第1排出口、及び第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口から、回収流路の流体を排出することと、基板の非露光時において、光学部材及び液浸部材と物体との間の第2空間に供給口から液体を供給するとともに、第1排出口から第1排出量で流体を排出し、第2排出口から第2排出量で流体を排出して、第2空間の液体を第1回収口から回収することと、第1排出口からの第1排出量での流体排出、及び第2排出口からの第2排出量での流体排出を開始した後に、供給口から液体を供給しつつ、第1排出口から第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、第2排出口から第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出して、光学部材及び液浸部材と物体との間に第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間を形成することと、を含む露光装置の制御方法が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、露光光の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材と、液浸部材に配置され、液体を供給する供給口と、液浸部材に配置され、供給口から供給された液体の少なくとも一部を回収する第1回収口と、液浸部材に形成され、第1回収口を介して回収された液体及び気体の少なくとも一方を含む流体が流れる回収流路と、回収流路に面するように配置され、回収流路の流体を排出可能な第1排出口と、回収流路に面するように配置され、回収流路の流体を排出可能であり、第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口と、基板の非露光時において、光学部材及び液浸部材と物体との間の空間に供給口から液体を供給するとともに、第1排出口から第1排出量で流体を排出し、第2排出口から第2排出量で流体を排出した後、基板の露光時において光学部材及び液浸部材と基板との間に形成される第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間が光学部材及び液浸部材と物体との間に形成されるように、第1排出口からの第1排出量での流体排出、及び第2排出口からの第2排出量での流体排出を開始した後に、供給口から液体を供給しつつ、第1排出口から第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、第2排出口から第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出する制御装置と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第2の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、コンピュータに、光学部材の射出面から射出される露光光で液体を介して基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、基板の露光時において、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された液浸部材の供給口から、光学部材及び液浸部材と基板との間の第1空間に液体を供給するとともに、第1空間の液体の少なくとも一部を液浸部材の第1回収口から回収して、光学部材及び液浸部材と基板との間に第1液浸空間を形成することと、第1空間から第1回収口を介して回収された液体及び気体の少なくとも一方を含む流体が流れる液浸部材の回収流路に面するように配置された第1排出口、及び第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口から、回収流路の流体を排出することと、基板の非露光時において、光学部材及び液浸部材と物体との間の第2空間に前記供給口から液体を供給するとともに、第1排出口から第1排出量で流体を排出し、第2排出口から第2排出量で流体を排出して、第2空間の液体を第1回収口から回収することと、第1排出口からの第1排出量での流体排出、及び第2排出口からの第2排出量での流体排出を開始した後に、供給口から液体を供給しつつ、第1排出口から第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、第2排出口から第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出して、光学部材及び液浸部材と記物体との間に第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間を形成することと、を実行させるプログラムが提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第4の態様のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す側断面図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一部を示す側断面図である。 第1実施形態に係る第2部分が流体を回収する状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る第1部分が流体を回収する状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る第1、第2部分が流体を回収する状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る液体回収装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る第2部材が流体を排出する状態の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す模式図である。 第1実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す模式図である。 第2実施形態に係る露光装置の動作の一例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る露光装置の動作の一例を示す模式図である。 マイクロデバイスの製造工程の一例を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、露光光ELの光路の少なくとも一部が液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。液浸空間とは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように基板Pとの間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成する液浸部材3と、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に配置され、液体LQを回収可能な回収部材4と、液浸部材3に接続される液体供給装置5と、液浸部材3に接続される液体回収装置6と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置7と、制御装置7に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置8とを備えている。記憶装置8は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置8には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
また、露光装置EXは、少なくとも投影光学系PL、液浸部材3、回収部材4、及び基板ステージ2が配置される内部空間CSを形成するチャンバ装置CHを備えている。チャンバ装置CHは、内部空間CSの環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度)を制御する環境制御装置を有する。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。また、基板Pが、感光膜に加えて別の膜を含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により移動する。平面モータは、マスクステージ1に配置された可動子と、ベース部材9に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、マスクステージ1は、駆動システムの作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態の投影光学系PLは、その投影倍率が例えば1/4、1/5、又は1/8等の縮小系である。なお、投影光学系PLは等倍系及び拡大系のいずれでもよい。本実施形態においては、投影光学系PLの光軸AXは、Z軸と平行である。また、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系、屈折光学素子を含まない反射系、反射光学素子と屈折光学素子とを含む反射屈折系のいずれであってもよい。また、投影光学系PLは、倒立像と正立像とのいずれを形成してもよい。
投影光学系PLは、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する射出面10を有する。射出面10は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い終端光学素子11に配置されている。投影領域PRは、射出面10から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面10は、−Z方向を向いており、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面10は、凸面であってもよいし、凹面であってもよい。終端光学素子11の光軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、射出面10から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、投影領域PRを含むベース部材12のガイド面12G上を移動可能である。基板ステージ2は、例えば米国特許第6452292号明細書に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により移動する。平面モータは、基板ステージ2に配置された可動子と、ベース部材12に配置された固定子とを有する。本実施形態においては、基板ステージ2は、駆動システムの作動により、ガイド面12G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。なお、基板ステージ2を移動させる駆動システムは、平面モータでなくてもよい。例えば、駆動システムがリニアモータを含んでもよい。
基板ステージ2は、基板Pをリリース可能に保持する基板保持部13を有する。基板保持部13は、基板Pの表面が+Z方向を向くように基板Pを保持する。本実施形態において、基板保持部13に保持された基板Pの表面と、その基板Pの周囲に配置される基板ステージ2の上面2Fとは、同一平面内に配置される(面一である)。上面2Fは、平坦である。本実施形態において、基板保持部13に保持された基板Pの表面、及び基板ステージ2の上面2Fは、XY平面とほぼ平行である。
なお、基板保持部13に保持された基板Pの表面と基板ステージ2の上面2Fとが同一平面内に配置されてなくてもよいし、基板Pの表面及び上面2Fの少なくとも一方がXY平面と非平行でもよい。また、上面2Fは平坦でなくてもよい。例えば、上面2Fが曲面を含んでもよい。
また、本実施形態において、基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号明細書、及び米国特許出願公開第2008/0049209号明細書等に開示されているような、カバー部材Tをリリース可能に保持するカバー部材保持部14を有する。本実施形態において、基板ステージ2の上面2Fは、カバー部材保持部14に保持されたカバー部材Tの上面を含む。
なお、カバー部材Tがリリース可能でなくてもよい。その場合、カバー部材保持部14は省略可能である。また、基板ステージ2の上面2Fが、基板ステージ2に搭載されているセンサ、計測部材等の表面を含んでもよい。
本実施形態において、マスクステージ1及び基板ステージ2の位置が、レーザ干渉計ユニット15A、15Bを含む干渉計システム15によって計測される。レーザ干渉計ユニット15Aは、マスクステージ1に配置された計測ミラーを用いてマスクステージ1の位置を計測可能である。レーザ干渉計ユニット15Bは、基板ステージ2に配置された計測ミラーを用いて基板ステージ2の位置を計測可能である。基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置7は、干渉計システム15の計測結果に基づいて、マスクステージ1(マスクM)及び基板ステージ2(基板P)の位置制御を実行する。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置7は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LSの液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
液浸部材3は、投影領域PRに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSを形成する。液浸部材3は、終端光学素子11と、終端光学素子11の射出面10から射出される露光光ELが照射可能な位置に配置される物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように、物体との間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成する。
本実施形態において、射出面10から射出される露光光ELが照射可能な位置は、投影領域PRを含む。また、射出面10から射出される露光光ELが照射可能な位置は、射出面10と対向する位置を含む。本実施形態において、射出面10と対向する位置に配置可能な物体、換言すれば、投影領域PRに配置可能な物体は、基板ステージ2、及び基板ステージ2(基板保持部13)に保持された基板Pの少なくとも一方を含む。基板Pの露光において、液浸部材3は、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように基板Pとの間で液体LQを保持して液浸空間LSを形成する。
本実施形態において、液浸部材3は、終端光学素子11、及び終端光学素子11の射出面10から射出される露光光ELの光路Kの少なくとも一部に配置される。すなわち、液浸部材3は、終端光学素子11、及び終端光学素子11と投影領域PRに配置される物体との間の液体LQを通過する露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、液浸部材3は、環状の部材である。本実施形態において、液浸部材3の一部は、終端光学素子11の周囲に配置され、液浸部材3の一部は、終端光学素子11と物体との間の露光光ELの光路Kの周囲に配置される。液浸空間LSは、終端光学素子11と投影領域PRに配置される物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように形成される。
なお、液浸部材3は、環状の部材でなくてもよい。例えば液浸部材3が終端光学素子8及び光路Kの周囲の一部に配置されていてもよい。また、液浸部材3が、終端光学素子8の周囲の少なくとも一部に配置されていなくてもよい。例えば、液浸部材3が、射出面7と物体との間の光路Kの周囲の少なくとも一部に配置され、終端光学素子8の周囲に配置されていなくてもよい。また、液浸部材3が、射出面7と物体との間の光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されていなくてもよい。例えば、液浸部材3が、終端光学素子8の周囲の少なくとも一部に配置され、射出面7と物体との間の光路Kの周囲に配置されていなくてもよい。
液浸部材3は、投影領域PRに配置される物体の表面(上面)が対向可能な下面16を有する。液浸部材3の下面16は、物体の表面との間で液体LQを保持することができる。本実施形態において、液浸空間LSの液体LQの一部は、終端光学素子11と、その終端光学素子11の射出面10に対向するように配置された物体との間に保持される。また、液浸空間LSの液体LQの一部は、液浸部材3と、その液浸部材3の下面16に対向するように配置された物体との間に保持される。一方側の射出面10及び下面16と、他方側の物体の表面(上面)との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子11と物体との間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LSが形成される。
本実施形態においては、基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域が液体LQで覆われるように液浸空間LSが形成される。液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LGの少なくとも一部は、液浸部材3の下面16と基板Pの表面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。
図2は、本実施形態に係る液浸部材3及び回収部材4の一例を示す側断面図、図3は、図2の一部を拡大した図である。図2及び図3を用いる以下の説明においては、投影領域PRに基板Pが配置される場合を例にして説明するが、上述のように、例えば基板ステージ2(カバー部材T)を配置することもできる。
本実施形態において、液浸部材3は、少なくとも一部が射出面10に対向するように配置される対向部17と、少なくとも一部が終端光学素子11の側面11Fに対向するように配置される本体部18とを含む。本実施形態において、対向部17と本体部18とは一体である。本体部18は、流路形成部材19を支持する。なお、流路形成部材19と、対向部17及び本体部18とが一体でもよい。
なお、側面8Fは、射出面7の周囲に配置されている。本実施形態において、側面8Fは、光路Kに対する放射方向に関して、外側に向かって上方に傾斜している。なお、光路Kに対する放射方向は、投影光学系PLの光軸に対する放射方向を含み、Z軸と垂直な方向を含む。
液浸部材3は、射出面10が面する位置に開口17Kを有する。射出面10から射出された露光光ELは、開口17Kを通過して基板Pに照射可能である。本実施形態において、対向部17は、射出面10の少なくとも一部と対向する上面17Aと、基板Pの表面が対向可能な下面17Bとを有する。開口17Kは、上面17Aと下面17Bとを結ぶように形成される孔を含む。上面17Aは、開口17Kの上端の周囲に配置され、下面17Bは、開口17Kの下端の周囲に配置される。
本実施形態において、上面17Aは、平坦である。上面17Aは、XY平面とほぼ平行である。なお、上面17Aの少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。本実施形態において、下面17Bは、平坦である。下面17Bは、XY平面とほぼ平行である。なお、下面17Bの少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。下面17Bは、基板Pの表面との間で液体LQを保持する。
液浸部材3は、液体LQを供給可能な供給口20と、液体LQを回収可能な回収口30と、回収口30を介して回収された液体LQが流れる回収流路31と、回収流路31から液体LQ及び気体Gの少なくとも一方を含む流体を排出する排出部40とを備えている。
供給口20は、光路Kに液体LQを供給可能である。本実施形態において、供給口20は、基板Pの露光の少なくとも一部において、光路Kに液体LQを供給する。供給口20は、光路Kの近傍において、その光路Kに面するように液浸部材3の所定部位に配置される。本実施形態において、供給口20は、射出面10と上面17Aとの間の空間に液体LQを供給する。供給口20から射出面10と上面17Aとの間の空間に供給された液体LQの少なくとも一部は、光路Kに供給されるとともに、開口17Kを介して、基板P上に供給される。なお、供給口20の少なくとも一部が側面11Fに面していてもよい。
液浸部材3は、供給口20に接続される供給流路21を備えている。供給流路21の少なくとも一部は、液浸部材3の内部に形成されている。本実施形態において、供給口20は、供給流路21の一端に形成された開口を含む。供給流路21の他端は、供給管22Pが形成する流路22を介して液体供給装置5と接続される。
液体供給装置5は、クリーンで温度調整された液体LQを送出可能である。液体供給装置5から送出された液体LQは、流路22及び供給流路21を介して供給口20に供給される。供給口20は、供給流路21からの液体LQを光路Kに供給する。
回収口30は、供給口20から供給された液体LQの少なくとも一部を回収可能である。回収口30は、基板P上(物体上)の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。回収口30は、基板Pの露光において、基板P上の液体LQの少なくとも一部を回収する。回収口30は、基板P(物体)の表面が対向するように、液浸部材3の所定部位に配置される。回収口30は、−Z方向を向いている。基板Pの露光の少なくとも一部において、基板Pの表面は、回収口30に面する。
本実施形態において、液浸部材3は、回収口30を有する第1部材23を備えている。第1部材23は、第1面23B、第1面23Bと異なる方向を向く第2面23A、及び第1面23Bと第2面23Aとを結ぶ複数の孔23Hを有する。本実施形態において、回収口30は、第1部材23の孔23Hを含む。本実施形態において、第1部材23は、複数の孔(openingsあるいはpores)23Hを有する多孔部材である。回収口30は、多孔部材の孔23Hを含む。なお、第1部材23が、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。すなわち、第1部材23は、液体LQを回収可能な孔を有する各種部材を適用できる。
回収流路31の少なくとも一部は、液浸部材3の内部に形成されている。本実施形態において、回収流路31の下端に開口18Kが形成されている。開口18Kは、下面17Bの周囲の少なくとも一部に配置される。開口18Kは、本体部18の下端に形成されている。開口18Kは、下方(−Z方向)を向く。本実施形態において、第1部材23は、開口18Kに配置されている。回収流路31は、本体部18と第1部材23との間の空間を含む。
第1部材23は、光路K(下面17B)の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、第1部材23は、光路Kの周囲に配置される。なお、環状の第1部材23が光路K(下面17B)の周囲に配置されていてもよいし、複数の第1部材23が、光路K(下面17B)の周囲において、離散的に配置されてもよい。
本実施形態において、第1部材23は、プレート状の部材である。第1面23Bは、第1部材23の一方の面であり、第2面23Aは、第1部材23の他方の面である。本実施形態において、第1面23Bは、液浸部材3の下側(−Z方向側)の空間SPに面している。空間SPは、例えば、液浸部材3の下面16と液浸部材3の下面16に対向する物体(基板P等)の表面との間の空間を含む。液浸部材3の下面16に対向する物体(基板P等)上に液浸空間LSが形成されている場合、空間SPは、液浸空間(液体空間)LSと液浸空間LSの外側の気体空間とを含む。本実施形態において、第1部材23は、第1面23Bが空間SPに面し、第2面23Aが回収流路31に面するように開口18Kに配置される。すなわち、第1面23Bは、物体(基板P等)が対向可能であり、第2面23Aは、回収流路31に面する。本実施形態において、第1面23Bと第2面23Aとは、ほぼ平行である。第1部材23は、第1面23Aが+Z方向を向き、第2面23Bが第1面23Aの反対方向(−Z方向)を向くように開口18Kに配置される。また、本実施形態において、第1部材23は、第1面23B及び第2面23AとXY平面とがほぼ平行となるように、開口18Kに配置される。
以下の説明において、第1面23Bを適宜、下面23B、と称し、第2面23Aを適宜、上面23A、と称する。
なお、第1部材23は、プレート状でなくてもよい。また、下面23Bと上面23Aとが非平行でもよい。また、下面23Bの少なくとも一部がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。また、上面23Aの少なくとも一部がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
孔23Hは、下面23Bと上面23Aとを結ぶように形成される。流体(気体G及び液体LQの少なくとも一方を含む)は、第1部材23の孔23Hを流通可能である。本実施形態において、回収口30は、下面23B側の孔23Hの下端の開口を含む。孔23Hの下端の周囲に下面23Bが配置され、孔23Hの上端の周囲に上面23Aが配置される。
回収流路31は、第1部材23の孔23H(回収口30)に接続されている。第1部材23は、孔23H(回収口30)から、下面23Bと対向する基板P(物体)上の液体の少なくとも一部を回収する。第1部材23の孔23Hから回収された液体LQは、回収流路31を流れる。
本実施形態において、液浸部材3の下面16は、下面17B及び下面23Bを含む。本実施形態において、下面23Bは、下面17Bの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、下面23Bは、下面17Bの周囲に配置される。なお、複数の下面23Bが、下面17B(光路K)の周囲に離散的に配置されてもよい。
本実施形態において、第1部材23は、第1部分231と、第2部分232とを含む。本実施形態において、第1部分231は、光路Kの周囲の少なくとも一部に配置され、第2部分232は、光路Kに対する放射方向に関して第1部分231よりも外側に配置される。本実施形態において、第2部分232は、第1部分231よりも、下面23Bが面する空間SPから回収流路31への孔23Hを介した気体Gの流入が抑制されている。本実施形態において、光路Kに対する放射方向に関して、第1部分231の幅は、第2部分232の幅より小さい。
本実施形態において、第2部分232は、孔23Hを介した空間SPから回収流路31への気体Gの流入抵抗が、第1部分231よりも大きい。
第1部分231及び第2部分232は、それぞれ複数の孔23H(回収口30)を有する。例えば、空間SPに液浸空間LSが形成されている状態において、第1部分231の複数の孔23Hのうち、一部の孔23Hは、液浸空間LSの液体LQと接触し、一部の孔23Hは、液浸空間LSの液体LQと接触しない可能性がある。また、第2部分232の複数の孔23Hのうち、一部の孔23Hは、液浸空間LSの液体LQと接触する可能性があり、一部の孔23Hは、液浸空間LSの液体LQと接触しない可能性がある。
本実施形態において、第1部分231は、空間SPの液体LQ(基板P上の液体LQ)と接触している孔23Hから液体LQを回収流路31に回収可能である。また、第1部分231は、液体LQと接触していない孔23Hから回収流路31に気体Gを吸い込む。
すなわち、第1部分231は、液浸空間LSに面している孔23Hから液浸空間LSの液体LQを回収流路31に回収可能であり、液浸空間LSの外側の気体空間GSに面している孔23Hから回収流路31に気体Gを吸い込む。
換言すれば、第1部分231は、液浸空間LSに面している孔23Hから液浸空間LSの液体LQを回収流路31に回収可能であり、液浸空間LSに面していない孔23Hから回収流路31に気体Gを吸い込む。
すなわち、液浸空間LSの液体LQの界面LGが、第1部分231と基板Pとの間に存在する場合において、第1部分231は、液体LQを気体Gとともに回収流路31に回収する。なお、界面LGにおいて、液浸空間LSと気体空間GSとに面している孔23Hから液体LQと気体Gの両方を吸い込んでもよい。
第2部分232は、空間SPの液体LQ(基板P上の液体LQ)と接触している孔23Hから液体LQを回収流路31に回収可能である。また、第2部分232は、液体LQと接触していない孔23Hから回収流路31への気体Gの流入が抑制される。
すなわち、第2部分232は、液浸空間LSに面している孔23Hから液浸空間LSの液体LQを回収流路31に回収可能であり、液浸空間LSの外側の気体空間GSに面している孔23Hから回収流路31への気体Gの流入が抑制される。
本実施形態において、第2部分232は、実質的に液体LQのみを回収流路31に回収し、気体Gは回収流路31に回収しない。
第1部分231及び第2部分232を含む第1部材23の孔23H(回収口30)を介して回収された空間SPの液体LQ及び気体Gの少なくとも一方を含む流体は、回収流路31を流れる。
図4は、第1部材23の第2部分232の一部を拡大した断面図であって、第2部分232が液体LQのみを回収している状態の一例を説明するための模式図である。
図4において、空間SP(気体空間GS)の圧力Paと回収流路31の圧力Pbとには差がある。本実施形態においては、回収流路31の圧力Pbは、空間SPの圧力Paよりも低い。第1部材23を介して基板P(物体)上の液体LQを回収しているときに、第2部分232の孔23Hbから基板P上の液体LQが回収流路31に回収され、第2部分232の孔23Haから回収流路31への気体Gの流入が抑制される。
図4において、第2部分232の下面23Bと基板Pの表面との間の空間SPには、液浸空間(液体空間)LSと気体空間GSとが形成されている。図4において、第2部分232の孔23Haの下端が面する空間は、気体空間GSであり、第2部分232の孔23Hbの下端が面する空間は、液浸空間(液体空間)LSである。また、図4において、第2部分232の上側には、回収流路31の液体LQ(液体空間)が存在する。
本実施形態においては、液体LQと接触している第2部分232の孔23Hbから基板P上の液体LQが回収流路31に回収され、液体LQと接触していない第2部分232の孔23Haから回収流路31への気体Gの流入が抑制される。
図4においては、孔23Haの下端が面する気体空間GSの圧力(下面23B側の圧力)をPa、第1部材23の上側の回収流路(液体空間)31の圧力(上面23A側の圧力)をPb、孔23Ha、23Hbの寸法(孔径、直径)をd2、第2部分232の孔23Hの表面(内面)における液体LQの接触角をθ2、液体LQの表面張力をγとして、
(4×γ×cosθ2)/d2 ≧ (Pb−Pa) …(1)
の条件が満足する。なお、上記(1)式においては、説明を簡単にするために第1部材23の上側の液体LQの静水圧は考慮してない。
なお、本実施形態において、第2部分232の孔23Hの寸法d2とは、上面23Aと下面23Bとの間における孔23Hの寸法の最小値をいう。なお、寸法d2は、上面23Aと下面23Bとの間における孔23Hの寸法の最小値でなくてもよく、例えば平均値でもよいし、最大値でもよい。
この場合において、第2部分232の孔23Hの表面における液体LQの接触角θ2は、
θ2 ≦ 90° …(2)
の条件を満足するとよい。
上記条件が成立する場合、第1部材23の孔23Haの下側(空間SP)に気体空間GSが形成された場合でも、第1部材23の下側の気体空間GSの気体Gが孔23Haを介して第1部材23の上側の回収流路(液体空間)19に移動(流入)することが抑制される。すなわち、第2部分232の孔23Hの寸法(孔径、直径)d2、第2部分232の孔23Hの表面における液体LQの接触角(親液性)θ2、液体LQの表面張力γ、及び圧力Pa、Pbが上記条件を満足すれば、液体LQと気体Gとの界面が孔23Haの内側に維持され、第2部分232の孔23Haを介して空間SPから回収流路31へ気体Gが流入することが抑制される。一方、孔23Hbの下側(空間SP側)には液浸空間(液体空間)LSが形成されているので、孔23Hbを介して液体LQのみが回収される。
本実施形態においては、第2部分232の孔23Hの全てにおいて、上記条件が満たされ、第2部分232の孔23Hから実質的に液体LQのみが回収される。
以下の説明において、多孔部材の孔を介して液体LQのみが回収される状態を適宜、液体選択回収状態、と称し、多孔部材の孔を介して液体LQのみが回収される条件を適宜、液体選択回収条件、と称する。
図5は、第1部材23の第1部分231の一部を拡大した断面図であって、第1部分231が液体LQ及び気体Gを回収している状態の一例を説明するための模式図である。
図5においては、空間SP(気体空間GS)の圧力Paと回収流路31の圧力Pbとには差がある。本実施形態においては、回収流路31の圧力Pbは、空間SPの圧力Paよりも低く、第1部材23を介して基板P(物体)上の液体LQが回収されているときに、第1部分231の孔23Hcから回収流路31に気体Gが吸い込まれる。
図5においては、空間SPには、液浸空間(液体空間)LSと気体空間GSとが形成されている。図5において、第1部分231の孔23Hcの下端が面する空間は、気体空間GSであり、第1部分231の孔23Hdの下端が面する空間は、液浸空間(液体空間)LSである。また、図5において第1部分231の上側には、回収流路31の液体LQ(液体空間)が存在する。
本実施形態においては、液体LQと接触している第1部分231の孔23Hdから基板P上の液体LQが回収流路31に回収され、液体LQと接触していない第1部分231の孔23Hcから気体Gが回収流路31に吸い込まれる。
本実施形態においては、第1部分231と第2部分232とは、孔23Hの寸法(孔径、直径)、または孔23Hの表面(内面)における液体LQの接触角θ1、またはその両方が異なっている。空間SP(気体空間GS)の圧力Paと回収流路31の圧力Pbとの差により、液体LQと接触している第1部分231の孔23Hdから基板P上の液体LQが回収流路31に回収され、液体LQと接触していない第1部分231の孔23Hcから気体Gが回収流路31に吸い込まれる。
なお、本実施形態において、第1部分231の孔23Hの寸法d1とは、上面23Aと下面23Bとの間における孔23Hの寸法の最小値をいう。なお、寸法d1は、上面23Aと下面23Bとの間における孔23Hの寸法の最小値でなくてもよく、例えば平均値でもよいし、最大値でもよい。
本実施形態においては、第2部分232の孔23Hの表面は、第1部分231の孔23Hの表面よりも液体LQに対して親液性である。すなわち、第2部分232の孔23Hの表面(内面)における液体LQの接触角θ2は、第1部分231の孔23Hの表面(内面)における液体LQの接触角θ1よりも小さい。これにより、第1部分231から液体LQが気体Gとともに回収され、第2部分232からは、気体Gの回収流路31への流入を抑制しつつ、液体LQが回収される。
本実施形態において、第2部分232の孔23Hの表面における液体LQの接触角θ2は、90度よりも小さい。例えば、第2部分232の孔23Hの表面における液体LQの接触角θ2は、50度以下でもよいし、40度以下でもよいし、30度以下でもよいし、20度以下でもよい。
なお、第1部分231の孔23Hの寸法d1と第2部分232の孔23Hの寸法d2とが異なっていてもよい。例えば、第2部分232の孔23Hの寸法d2を、第1部分231の孔23Hの寸法d1よりも小さくすることによって、第1部分231から液体LQが気体Gとともに回収され、第2部分232からは、気体Gの回収流路31への流入を抑制しつつ、液体LQが回収される。
また、例えば図6に示すように、第1部分231と第2部分232とで、YZ平面における孔23Hの断面形状が異なっていてもよい。例えば、第2部分232の孔23Hの内面における液体LQの接触角が、第1部分231の孔23Hの内面における液体LQの接触角より実質的に大きくなるように、第1部分231の孔23Hの内面の傾斜角と第2部分232の孔23Hの内面の傾斜角とが異なってもよい。なお、孔23Hの傾斜角とは、Z軸に対する傾斜角をいう。なお、孔23Hの傾斜角が、基板P(物体)の表面とほぼ平行なXY平面に対する傾斜角を含む概念でもよい。
図6(A)は、第1部分231の孔23Hの一例を示す模式図、図6(B)は、第2部分231の孔23Hの一例を示す模式図である。図6(A)及び図6(B)に示すように、例えば、第1部分231の孔23Hが、下面23Bから上面23Aに向かって拡がるように形成され、第2部分232の孔23Hが、上面23Aから下面23Bに向かって拡がるように形成されていてもよい。孔23Hの内面の傾斜角に応じて、孔23Hの内面における液体LQの接触角が実質的に変化する。したがって、第2部分232の孔23Hを介した空間SPから回収流路31への気体Gの流入が、第1部分231の孔23Hを介した空間SPから回収流路31への気体Gの流入よりも抑制されるように、孔23Hの内面の傾斜角を決めてもよい。図6に示す例では、第1部分231から液体LQが気体Gとともに回収され、第2部分232からは、気体Gの回収流路31への流入を抑制しつつ、液体LQが回収される。
また、本実施形態において、第1部分231は、下面23Bにおける単位面積当たりの液体回収能力が、第2部分232よりも高くてもよい。この場合、第1部分231の孔23Hを介して空間SPから回収流路31へ流れる液体LQの量は、第2部分232の孔23Hを介して空間SPから回収流路31へ流れる液体LQの量よりも多くてもよい。
次に、図2及び図3を参照して、排出部40について説明する。排出部40は、回収流路31に面するように配置され、回収流路31の流体を排出可能な第1排出口41と、回収流路31に面するように配置され、回収流路31の流体を排出可能な第2排出口42とを有する。
本実施形態において、第1部材23は、空間SPの液体LQを気体Gとともに回収流路31へ回収する。基板Pと第1部材23との間の空間SPの液体LQ及び気体Gは、第1部材23を介して、回収流路31へ流れる。図2及び図3に示すように、回収流路31において気体空間31Gと液体空間31Lとが形成される。
本実施形態において、排出部40は、回収流路31の液体LQと気体Gとを分離して排出する。第1排出口41は、回収流路31から液体LQを排出する。第2排出口42は、回収流路31から気体Gを排出する。
本実施形態において、第1排出口41は、回収口30よりも上方(+Z方向)において回収流路31に面するように配置される。第2排出口42は、回収口30よりも上方(+Z方向)において回収流路31に面するように配置される。
本実施形態において、第1排出口41及び第2排出口42の少なくとも一方は、下方(−Z方向)を向いている。本実施形態において、第1排出口41及び第2排出口42のそれぞれが、下方を向いている。
本実施形態において、第1排出口41は、光路Kに対する放射方向に関して第2排出口42の外側に配置される。すなわち、本実施形態においては、第1排出口41は、第2排出口42よりも光路Kから遠い。
本実施形態において、第1排出口41は、第2排出口42よりも気体Gの流入が抑制されている。第2排出口42は、第1排出口41よりも液体LQの流入が抑制されている。第2排出口42は、第1排出口41よりも液体LQの流入が抑制されている。本実施形態においては、第1排出口41から排出される流体中の液体LQの割合が、第2排出口42から排出される流体中の液体LQの割合よりも多い。本実施形態においては、第1排出口41から排出される流体中の気体Gの割合が、第2排出口42から排出される流体中の気体Gの割合より少ない。
液浸部材3は、第1排出口41に接続される流路32と、第2排出口42に接続される流路33とを有する。第1排出口41から排出される液体LQは、流路32を流れる。第2排出口42から排出される気体Gは、流路33を流れる。
本実施形態において、液浸部材3は、第1排出口41を有する第2部材24を備えている。第2部材24は、回収流路31に面する第3面24B、第3面24Bと異なる方向を向く第4面24A、及び第3面24Bと第4面24Aとを結ぶ複数の孔24Hを有する。本実施形態において、第1排出口41は、第2部材24の孔24Hを含む。本実施形態において、第2部材24は、複数の孔24Hを有する多孔部材である。第1排出口41は、多孔部材の孔24Hを含む。なお、第2部材24が、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材であるメッシュフィルタでもよい。すなわち、第2部材24は、気体Gの流入を抑制可能な孔を有する各種部材を適用できる。
本実施形態において、流路形成部材19の下端に、開口19Kが形成されている。開口19Kは、下方(−Z方向)を向く。本実施形態において、第2部材24は、開口19Kに配置される。
本実施形態において、第2部材24は、プレート状の部材である。第3面24Bは、第2部材24の一方の面であり、第4面24Aは、第2部材24の他方の面である。本実施形態において、第2部材24は、第3面24Bが回収流路31に面し、第4面24Aが流路形成部材19の流路32に面するように開口19Kに配置される。本実施形態において、第3面24Bと第4面24Aとは、ほぼ平行である。第2部材24は、第4面24Aが+Z方向を向き、第3面24Bが第4面24Aの反対方向(−Z方向)を向くように開口19Kに配置される。また、本実施形態において、第2部材24は、第3面24B及び第4面24AとXY平面とがほぼ平行となるように、開口19Kに配置される。
以下の説明において、第3面24Bを適宜、下面24B、と称し、第4面24Aを適宜、上面24A、と称する。
なお、第2部材24は、プレート状の部材でなくてもよい。また、下面24Bと上面24Aとが非平行でもよい。また、下面24Bの少なくとも一部がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。また、上面24Aの少なくとも一部がXY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
孔24Hは、下面24Bと上面24Aとを結ぶように配置される。流体(液体LQ及び気体Gの少なくとも一方を含む)は、第2部材24の孔24Hを流通可能である。本実施形態において、第1排出口41は、下面24B側の孔24Hの下端に配置される。換言すれば、第1排出口41は、孔24Hの下端の開口である。孔24Hの下端の周囲に下面24Bが配置され、孔24Hの上端の周囲に上面24Aが配置される。
流路32は、第2部材24の孔24H(第1排出口41)に接続されている。第2部材24は、孔24H(第1排出口41)から、回収流路31の液体LQの少なくとも一部を排出する。第2部材24の孔24Hから排出された液体LQは、流路32を流れる。
本実施形態において、液浸部材3は、回収流路31内に配置され、回収流路31の液体LQが第2排出口42に接触することを抑制する抑制部50を備えている。抑制部50は、回収流路31の気体空間31Gに第2排出口42が配置されるように、回収流路31に設けられている。回収流路31の気体空間31Gに第2排出口42が配置されるように、抑制部50によって回収流路31の液体空間31Lの界面(表面)が調整される。これにより、気体空間31Gに配置される第2排出口42は、実質的に回収流路31から気体Gのみを排出可能である。
本実施形態において、抑制部50は、第2排出口42の周囲の少なくとも一部に配置される突起51を含む。突起51は、回収流路31の気体空間に第2排出口42が配置されるように、回収流路31内に設けられている。突起51は、第2排出口42の周囲の少なくとも一部において、下方に突出する。本実施形態において、突起51は、回収流路31の内面の少なくとも一部によって形成される。回収流路31の気体空間に第2排出口42が配置されるように、突起51によって回収流路31の液体空間31Lの界面が調整される。突起51によって回収流路31の液体空間の界面の動きが制限され、回収流路31の液体空間の界面の第2排出口42への接近が抑制される。
また、本実施形態において、抑制部50は、回収流路31内において第2排出口42の周囲の少なくとも一部に配置され、表面が液体LQに対して撥液性の撥液部52を含む。撥液部52は、回収流路31の気体空間31Gに第2排出口42が配置されるように、回収流路31内に設けられている。撥液部52は、第2排出口42の周囲に配置される。回収流路31の気体空間31Gに第2排出口42が配置されるように、撥液部52によって回収流路31の液体空間の界面が調整される。回収流路31において、第2排出口42の周囲空間が気体空間となるように、撥液部52によって回収流路31の液体空間の界面の第2排出口42への接近が抑制される。
本実施形態において、第2排出口42は、光路Kに対する放射方向に関して、突起51の外側に配置される。すなわち、第2排出口42は、突起51よりも光路Kから遠い。また、撥液部52の少なくとも一部は、第2排出口42と突起51との間に配置される。
本実施形態において、撥液部52は、液体LQに対して撥液性の膜Frによって形成されている。膜Frを形成する材料は、フッ素を含むフッ素系材料である。本実施形態において、膜Frは、PFA(Tetra fluoro ethylene-perfluoro alkylvinyl ether copolymer)の膜である。なお、膜Frが、PTFE(Poly tetra fluoro ethylene)、PEEK(polyetheretherketone)、テフロン(登録商標)等の膜でもよい。また、膜Frが、旭硝子社製「サイトップ」、あるいは3M社製「Novec EGC」でもよい。
なお、抑制部50が撥液部52を有していなくてもよい。
本実施形態において、第1排出口41及び第2排出口42は、光路Kの周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、第1排出口41を有する第2部材24は、光路Kの周囲において所定間隔で複数配置される。第2排出口42は、光路Kの周囲において所定間隔で複数配置される。
回収部材4は、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、回収部材4は、環状の部材である。回収部材4は、液浸部材3を囲むように配置される。なお、回収部材4が、液浸部材3の周囲において複数配置されてもよい。
回収部材4は、基板P(物体)上の液体LQの少なくとも一部を回収可能な回収口25を有する。回収口25は、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に配置される。本実施形態において、回収口25は、液浸部材3を囲むように配置される。なお、複数の回収口25が、液浸部材3の周囲において、離散的に配置されてもよい。
基板Pは、回収口25と対向可能である。回収部材4は、回収口25の周囲に配置され、基板Pが対向可能な下面26を有する。回収口25は、下面26と基板P(物体)の表面との間の空間の液体LQを回収可能である。また、回収部材4は、回収口25を介して回収された液体LQが流れる回収流路27を有する。なお、回収口25から液体LQを気体とともに回収してもよい。この場合、液浸空間LSの周囲の湿度の高い気体が回収口25から回収される。
図7は、本実施形態に係る液体回収装置6の一例を示す図である。液体回収装置6は、液浸部材3の排出部40の第1排出口41から排出される液体LQが流入する第1流路61と、排出部40の第2排出口42から排出される気体Gが流入する第2流路62とを備えている。
第1流路61は、流路32を介して、第1排出口41に接続される。第1排出口41から排出された液体LQは、流路32を介して第1流路61に流入し、その第1流路61を流れる。第2流路62は、流路33を介して、第2排出口42に接続される。第2排出口42から排出された気体Gは、流路32を介して第2流路62に流入し、その第2流路62を流れる。
本実施形態において、第1流路61は、タンク613を含み、真空源BUと接続される。タンク613は、第1排出口41から排出された気体Gと液体LQとを分離可能である。タンク613内の液体LQは、排出流路77を介して排出部CUに排出される。
本実施形態において、第2流路62は、タンク623を含み、真空源BUと接続される。タンク623は、第2排出口42から排出された気体Gと液体LQとを分離可能である。タンク623内の液体LQは、排出流路75を介して排出部CUに排出される。
また、回収部材4の回収口25も、真空源BUと接続可能である。
また、液体回収装置6は、第1流路61の圧力を調整する圧力調整装置74を備えている。本実施形態においては、圧力調整装置74は、回収流路31の圧力に基づいて、第1流路61の圧力を調整可能である。また、液体回収装置6は、第2排出口42から排出される気体Gの量を変更可能な流量調整装置73を備えている。
本実施形態において、液体回収装置6は、回収流路31に少なくとも一部が配置され、回収流路31の圧力を検出する圧力検出装置90を備えている。本実施形態において、圧力調整装置74は、圧力検出装置90の検出結果に基づいて、第1流路61の圧力を調整可能である。
圧力調整装置74は、第1排出口41から第1流路61への気体Gの流入が抑制されるように、流路32(第1流路61)の圧力を調整する。すなわち、第1排出口41から第1流路61への気体Gの流入が抑制されるように、流路32の圧力と回収流路31の圧力の差が調整される。
本実施形態において、圧力調整装置74は、第1排出口41を介して回収流路31から実質的に液体LQのみが排出され、気体Gが排出されないように、流路32(第1流路61)の圧力を調整する。すなわち、第1排出口41を介して回収流路31から実質的に液体LQのみが排出され、気体Gが排出されないように、流路32の圧力と回収流路31の圧力の差が調整される。
図8は、第2部材24の一部を拡大した断面図であって、第2部材24が液体LQのみを排出している状態の一例を説明するための模式図である。
図8において、下面24Bが面する回収流路31には、液体空間31Lと気体空間31Gとが形成されている。図8において、第2部材24の孔24Haの下端が面する空間は、気体空間31Gであり、第2部材24の孔24Hbの下端が面する空間は、液体空間31Lである。また、図8において、第2部材24の上側には、流路32(第1流路61)の液体LQ(液体空間)が存在する。
本実施形態においては、液体LQと接触している第2部材24の孔24Hbから回収流路31の液体LQが流路32(第1流路61)に排出され、液体LQと接触していない第2部材24の孔24Haから流路32(第1流路61)への気体Gの流入が抑制される。
図8においては、孔24Haの下端が面する気体空間31Gの圧力(下面24B側の圧力)をPb、第2部材24の上側の流路32(第1流路61)の圧力(上面24A側の圧力)をPc、孔24Ha、24Hbの寸法(孔径、直径)をd、第2部材24の孔24Hの表面(内面)における液体LQの接触角をθ、液体LQの表面張力をγとして、
(4×γ×cosθ)/d ≧ (Pc−Pb) …(3)
の条件が満足する。
この場合において、第2部材24の孔24Hの表面における液体LQの接触角θは、
θ ≦ 90° …(4)
の条件を満足するとよい。
すなわち、本実施形態において、制御装置7は、第2部材24の孔24Hを介した流体の回収状態を、液体選択回収状態にすることができる。
次に、上述の構成を有する露光装置EXの動作の一例について、図9のフローチャート、及び図10〜図12の模式図を参照して説明する。本実施形態においては、基板Pの非露光時において、終端光学素子11及び液浸部材3と物体との間に液浸空間LTを形成する処理と、基板Pの露光時において、終端光学素子11及び液浸部材3と基板Pとの間に液浸空間LSを形成する処理とが実行される。
以下の説明において、基板Pの露光時において形成される液浸空間LSを適宜、第1液浸空間LS、と称し、基板Pの非露光時において形成される液浸空間LTを適宜、第2液浸空間LT、と称する。
第1液浸空間LSは、終端光学素子11及び液浸部材3と、その終端光学素子11及び液浸部材3に対向する位置に配置される基板Pとの空間に供給された液体によって形成される。第2液浸空間LTは、終端光学素子11及び液浸部材3と、その終端光学素子11及び液浸部材3に対向する位置に配置される物体との空間に供給された液体によって形成される。
以下の説明において、基板Pの露光時において第1液浸空間LSを形成するために液体が供給される終端光学素子11及び液浸部材3と基板Pとの間の空間を適宜、第1空間、と称する。また、基板Pの非露光時において第2液浸空間LTを形成するために液体が供給される終端光学素子11及び液浸部材3と物体との間の空間を適宜、第2空間、と称する。第1空間及び第2空間のそれぞれは、液浸部材3の下面16(回収口30)が面する空間SPを含む。
本実施形態においては、図9のフローチャートに示すように、基板Pの露光前において、第2液浸空間LTを形成する処理(ステップSP1)と、基板Pの露光時において、第1液浸空間LSを形成して、その第1液浸空間LSの液体LQを介して基板Pを露光する処理(ステップSP2)とが実行される。本実施形態においては、第2液浸空間LTが形成された後、第1液浸空間LSが形成される。
以下の説明において、基板Pの露光前において、第2液浸空間LTを形成する処理を適宜、初期満たし処理、と称する。
制御装置7は、第2液浸空間LTを形成するために、終端光学素子11及び液浸部材3と対向する位置に、物体を配置する。本実施形態においては、初期満たし処理において、終端光学素子11及び液浸部材3と対向する位置に、基板保持部13に保持されたダミー基板DPが配置される。ダミー基板DPは、デバイスの製造に用いられない基板である。ダミー基板DPは、デバイスを製造するための基板Pとほぼ同じ外形である。基板保持部13は、ダミー基板DPを保持可能である。ダミー基板DPは、基板Pよりも異物を発生し難い。
なお、初期満たし処理において終端光学素子11及び液浸部材3と対向する位置に配置する物体は、ダミー基板DPでなくてもよく、基板Pでもよいし、基板ステージ2(カバー部材T)でもよい。
図10に示すように、制御装置7は、終端光学素子11(射出面10)及び液浸部材3(下面16)に、基板ステージ2に保持されているダミー基板DPを対向させる。制御装置7は、終端光学素子11及び液浸部材3にダミー基板DPが対向されている状態で、第2液浸空間LTを形成する動作を開始する。第2液浸空間LTの形成は、終端光学素子11及び液浸部材3とダミー基板DP(物体)との間に液体LQが存在しない状態で開始される。
制御装置7は、供給口20からの液体LQの供給を開始する。制御装置7は、終端光学素子11及び液浸部材3とダミー基板DPとの間の第2空間に供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第1排出量で回収流路31の流体を排出し、第2排出口42から第2排出量で回収流路31の流体を排出して、第2空間の液体LQを、回収口30から回収する。
以下の説明において、供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第1排出量で流体を排出し、第2排出口42から第2排出量で流体を排出する動作を適宜、第1モード、と称する。
第1モードにおいて、供給口20から供給された液体LQの少なくとも一部は、終端光学素子11及び液浸部材とダミー基板DPとの間に供給される。第1排出口41及び第2排出口42からの流体排出動作が実行されることによって、回収流路31の圧力が、少なくとも第2空間の圧力よりも低くなる。これにより、第2空間の液体LQは、回収口30を介して、回収流路31に流入する。
本実施形態においては、第2空間の液体LQは、第2空間LSの気体Gとともに、回収口30を介して、回収流路31に流入する。図10に示すように、回収流路31には、液体空間31Lと気体空間31Gとが形成される。第1排出口41は、回収流路31の液体LQ及び気体Gの少なくとも一方を排出する。第2排出口42は、回収流路31の液体LQ及び気体Gの少なくとも一方を排出する。
第1排出口41からの第1排出量での流体排出、及び第2排出口42からの第2排出量での流体排出を開始した後に、制御装置7は、供給口20から液体LQを供給しつつ、第1排出口41から第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、第2排出口42から第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出する。
すなわち、本実施形態においては、供給口20からの液体LQの供給動作を実行しつつ、第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量を低減する。第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量の少なくとも一方が低減されることによって、回収口30からの液体LQの回収量(単位時間当たりの回収量)が低減される。すなわち、回収口30を介して第2空間から回収される流体(液体LQ及び気体Gの少なくとも一方)の回収量が低減される。換言すれば、回収口30を介して第2空間から回収流路31に流入する流体の量が低減される。
以下の説明において、供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第3排出量で流体を排出し、第2排出口42から第4排出量で流体を排出する動作を適宜、第2モード、と称する。
本実施形態において、第4排出量は、零を含む。すなわち、第2モードにおいて、第2排出口42からの流体排出動作が停止されてもよい。もちろん、第4排出量が、零でなくてもよい。すなわち、第2モードにおいて、第2排出口42からの流体排出動作が実行されてもよい。
本実施形態においては、第2モードにおいて、第1排出口41からの流体排出動作は実行される。なお、第2モードにおいて、第1排出口41からの流体排出動作が停止されてもよい。すなわち、第3排出量が、零でもよい。
図11に示すように、第2モードが実行され、第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量が低減され、回収口30からの流体回収量が低減されることによって、第2モードにおける第2液浸空間LTの大きさが、第1モードにおける第2液浸空間LTの大きさよりも大きくなる。第2液浸空間LTの大きさは、液浸部材3と、その液浸部材3に対向する物体(ダミー基板DP)との間における大きさを含み、XY平面内における大きさ(寸法)を含む。すなわち、第2モードにおいて、終端光学素子11及び液浸部材3に対向するダミー基板DPの上面における第2液浸空間LTの面積(XY平面内における面積)が大きくなる。また、第2モードにおいて、第2液浸空間LTの液体LQとダミー基板DPとの接触面積が大きくなる。また、第2モードにおいて、第2液浸空間LTの液体LQと液浸部材3の下面16との接触面積が大きくなる。また、第2モードにおいて、液浸部材3の下面16とダミー基板DP(物体)の上面との間における第2液浸空間LTの液体LQの界面LGは、光路Kに対する放射方向に関して外側に移動する。
図11に示すように、本実施形態においては、多孔部材23の下面23Bのほぼ全部が、第2液浸空間LTの液体LQと接触するように、第3排出量及び第4排出量の少なくとも一方が定められる。
なお、本実施形態においては、液浸部材3の周囲の少なくとも一部に回収口25が配置されているため、第2空間(空間SP)から流出した液体LQは、回収口25から回収される。
また、第2モードが実行され、第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量が低減されることによって、回収流路31における液体LQの量が増加する。すなわち、回収流路31における液体空間31Lが大きくなる。本実施形態においては、少なくとも多孔部材23の第2部分232における上面23Aが回収流路31の液体LQと接触するように、第3排出量及び第4排出量の少なくとも一方が定められる。
図11に示すように、本実施形態においては、多孔部材23の上面23Aのほぼ全部が、回収流路31の液体LQと接触するように、第3排出量及び第4排出量の少なくとも一方が定められる。
第2モードが所定時間実行され、初期満たし処理が終了した後、制御装置7は、基板Pの露光処理(ステップSP2)を開始する。露光処理を開始するために、第1液浸空間LSを形成する処理が実行される。
本実施形態においては、制御装置7は、終端光学素子11及び液浸部材3と物体とが対向し、第2モードで第2液浸空間LTが形成されている状態で、第1液浸空間LSを形成する動作を開始する。第1液浸空間LSを形成する動作を開始するとき、終端光学素子11及び液浸部材3と対向する位置に配置される物体は、ダミー基板DPでもよいし、基板Pでもよいし、基板ステージ2(カバー部材T)でもよい。本実施形態においては、第1液浸空間LSを形成する動作を開始する前に、基板保持部13からダミー基板DPが搬出(アンロード)され、基板Pが基板保持部13に搬入(ロード)される。本実施形態において、第1液浸空間LSを形成する動作を開始するときに終端光学素子11及び液浸部材3と対向する位置に配置される物体は、基板P(又は基板ステージ2)である。なお、第1液浸空間LSが形成された後に、基板Pを基板保持部13に搬入(ロード)してもよい。
本実施形態において、制御装置7は、第2モードで第2液浸空間LTが形成されている状態で、供給口20から液体LQを供給しつつ、第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量を増大させて、第1液浸空間LSを形成する。
制御装置7は、終端光学素子11及び液浸部材3と基板Pとの間の第1空間に供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第3排出量よりも増大された第5排出量で回収流路31の流体を排出し、第2排出口42から第4排出量よりも増大された第6排出量で回収流路31の流体を排出して、第1空間の液体LQを、回収口30から回収する。
以下の説明において、供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第5排出量で流体を排出し、第2排出口42から第6排出量で流体を排出する動作を適宜、第3モード、と称する。
第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量の少なくとも一方が増大されることによって、回収口30からの液体LQの回収量(単位時間当たりの回収量)が増大する。すなわち、回収口30を介して第1空間から回収される流体(液体LQ及び気体Gの少なくとも一方)の回収量が増大する。換言すれば、回収口30を介して第1空間から回収流路31に流入する流体の量が増大される。
図12に示すように、第3モードが実行され、第1排出口41からの流体排出量、及び第2排出口42からの流体排出量が増大し、回収口30からの流体回収量が増大することによって、第3モードにおいて形成される第1液浸空間LSの大きさが、第2モードにおいて形成される第2液浸空間LTの大きさよりも小さくなる。
すなわち、本実施形態において、第1液浸空間LSは、第2液浸空間LTよりも小さい。第2液浸空間LTは、第1液浸空間LSよりも大きい。
液浸空間の大きさは、液浸部材3と、その液浸部材3に対向する物体との間における大きさを含み、XY平面内における大きさ(寸法)を含む。すなわち、終端光学素子11及び液浸部材3に対向する物体(基板P等)の上面における第1液浸空間LSの面積(XY平面内における面積)は、第2液浸空間LTの面積よりも小さくなる。また、第1液浸空間LSの液体LQと物体(基板P等)との接触面積は、第2液浸空間LTの液体LQと物体との接触面積よりも小さくなる。また、第1液浸空間LSの液体LQと液浸部材3の下面16との接触面積は、第2液浸空間LTの液体LQと液浸部材3の下面16との接触面積よりも小さくなる。また、液浸部材3の下面16と物体の上面との間における第1液浸空間LSの液体LQの界面LGは、第2液浸空間LSの液体LQの界面LGよりも、光路Kに対する放射方向に関して内側に配置される。
本実施形態においては、第3モード(基板Pの露光時)において、多孔部材23の第1部分231から第1空間(空間SP)の液体LQと気体Gとが回収され、第2部分232から実質的に第1空間(空間SP)の液体LQのみが回収されるように、第1排出口41からの第5排出量、及び第2排出口42からの第6排出量の少なくとも一方が定められる。すなわち、制御装置7は、第2部分232が選択回収状態になるように、第1排出口41からの第5排出量及び第2排出口42からの第6排出量の少なくとも一方を制御して、回収流路31の圧力Pbを調整する。
本実施形態においては、第2モード(初期満たし処理)において、第2部分232の上面23Aが回収流路31の液体LQと接触するように、第3排出量及び第4排出量の少なくとも一方が調整されているため、第2モードの後に実行される第3モードにおいて、第2部分232を円滑に選択回収状態にすることができる。すなわち、多孔部材23の上面23Aのほぼ全てが液体LQで覆われたとしても、第2部分232の孔23H内に液体LQが入らずに、第2部分232を選択回収状態にできない可能性があるが、本実施形態の第2モードにおいては、多孔部材23の下面23Bのほぼ全てが第2液浸空間LTの液体LQと接触し、下面23B側から第2部分232のほぼ全ての孔23Hに第2液浸空間LQの液体LQが入り込むため、第2部分232を確実に選択回収状態にすることができる。
また、本実施形態においては、第3モード(基板Pの露光時)において、第1排出口41が実質的に回収流路31から液体LQのみを排出し、第2排出口42が実質的に回収流路31から気体Gのみを排出するように、第5排出量及び第6排出量の少なくとも一方が調整される。すなわち、制御装置7は、第1排出口41からの回収状態(排出状態)が液体選択回収状態になり、第2排出口42に回収流路31の液体LQが接触しないように、第5排出量及び第6排出量の少なくとも一方を調整する。
終端光学素子11と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように第1液浸空間LSが形成された後、制御装置7は、基板Pの露光処理を開始する。制御装置7は、照明系ILにより露光光ELで照明されたマスクMからの露光光ELを投影光学系PL及び液浸空間LSの液体LQを介して基板Pに照射する。これにより、基板Pは、液浸空間LSの液体LQを介して射出面10からの露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
以上説明したように、本実施形態によれば、所望の液浸空間LSを形成することができる。したがって、露光不良の発生を抑制でき、不良デバイスの発生を抑制できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、第2実施形態に係る露光装置EXの動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態においては、第1液浸空間LSの液体LQを介して基板Pを露光した後、第2液浸空間LTが形成される。本実施形態においては、第1液浸空間LSの液体LQを介して基板Pの露光処理が実行された後(ステップSP2)、第2液浸空間LTの液体LQで液浸部材3の少なくとも一部をクリーニングする処理が実行される(ステップSP3)。
例えば、基板Pの露光において、基板Pから発生した物質(例えば感光材等の有機物)が第1液浸空間LSの液体LQに混入したり、基板Pの物質が液体LQに溶出したりする可能性がある。その物質は異物として作用する。また、基板Pから発生する物質のみならず、例えば空中を浮遊する異物が、第1液浸空間LSの液体LQに混入する可能性もある。液浸部材3の少なくとも一部は、第1液浸空間LSの液体LQと接触し続けるため、液体LQに異物が混入した場合、その異物が液浸部材3に付着する可能性がある。
液浸部材3に異物が付着している状態を放置しておくと、その異物が露光中に基板Pに付着したり、供給口20から供給された液体LQが汚染されたりする可能性がある。また、液浸部材3の下面16が汚染されると、例えば第1液浸空間LSを良好に形成できなくなる可能性もある。その結果、露光不良が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、基板Pの露光処理後、液浸部材3をクリーニングする処理が実行される。
制御装置7は、第3モードで第1液浸空間LSを形成して、その第1液浸空間LSの液体LQを介して基板Pを露光した後、第1モードで第2液浸空間LTを形成する。すなわち、制御装置7は、供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第1排出量で流体を排出し、第2排出口42から第2排出量で流体を排出して、液体LQを回収口30から回収する。これにより、図11に示した状態となる。
その後、制御装置7は、第2モードで第2液浸空間LTを形成する。すなわち、制御装置7は、供給口20から液体LQを供給しつつ、第1排出口41から第3排出量で流体を排出し、第2排出口42から第4排出量で流体を排出して、第1液浸空間LSよりも大きい第2液浸空間LSを形成する。
液浸部材3のクリーニングにおいて、本実施形態においては、図11を参照して説明したように、例えば多孔部材23の下面23Bのほぼ全部が第2液浸空間LTの液体LQと接触するように、第3排出量及び第4排出量の少なくとも一方が定められる。これにより、下面23Bのほぼ全部を、液体LQでクリーニングすることができる。なお、第2液浸空間LTの液体LQが、液浸部材3の下面16の全部と接触してもよいし、一部と接触してもよい。また、多孔部材23の上面23Aのほぼ全部が回収流路31の液体LQと接触するように、第3排出量及び第4排出量の少なくとも一方が定められてもよい。
なお、図14に示すように、第2液浸空間LTの液体LQの界面LGが、回収部材4と物体との間に配置されるように、第2液浸空間LTを大きくしてもよい。これにより、回収部材4の下面26が液体LQでクリーニングされる。図14において、制御装置7は、第2液浸空間LTの液体LQが回収部材4に接触するように、供給口20から液体LQを供給するとともに、第2液浸空間LTの液体LQの少なくとも一部を、回収口25及び回収口30から回収する。
クリーニング処理が終了した後、例えば基板Pの露光処理が実行されてもよい。
以上説明したように、本実施形態おいても、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生を抑制することができる。
なお、上述の第1、第2実施形態において、回収部材4(回収口25)が省略されてもよい。
なお、上述の実施形態においては、第1部材23が、第1部分231と、第1部分231よりも気体Gの流入が抑制された第2部分232とを含むこととしたが、第1部材23全体が液体LQを気体Gとともに回収してもよい。また、第1部材23全体において気体Gの流入が抑制されてもよい。例えば、第1部材23全体が選択回収状態で液体LQを回収してもよい。この場合、第1部材23が選択回収状態で液体LQを回収できるように回収流路41の圧力と空間SPとの圧力との差が制御されればよいので、第2排出口42からの気体の排出をしなくてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、基板Pの露光時において、第1排出口41が実質的に回収流路31から液体LQのみを排出し、第2排出口42から実質的に回収流路31から気体Gのみを排出することとしたが、第1排出口41が液体LQ及び気体Gの両方を排出してもよいし、第2排出口42が液体LQ及び気体Gの両方を排出してもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第1部材(多孔部材)23に回収口30が配置されることとしたが、多孔部材に配置されなくてもよい。また、上述の実施形態において、第1部材23が省略されてもよい。なお、上述の各実施形態において、第2部材(多孔部材)24に第1排出口41が配置されることとしたが、多孔部材に配置されなくてもよい。また、上述の実施形態において、第2部材24が省略されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第1排出口41が光路Kに対する放射方向に関して第2排出口42の外側に配置されているが、内側に配置されてもよい。
なお、上述の各実施形態においては、第1排出口41は−Z方向を向いているが、それとは異なる方向を向いていてもよい。例えば、Y軸方向と平行な方向を向いていてもよいし、第2部材24の第3面24Bが水平面(XY平面)に対して傾斜していてもよい。また、上述の各実施形態においては、第2排出口42は−Z方向を向いているが、それとは異なる方向を向いていてもよい。例えば、+Z方向を向いていてもよい。また、第1排出口41が向いている方向と第2排出口42が向いている方向が異なっていてもよい。
なお、上述の各実施形態において、「光路Kに対する放射方向」は、投影領域PR近傍における投影光学系PLの光軸に対する放射方向とみなしてもよい。
なお、上述したように、制御装置7は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置7は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置8は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置8には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
なお、制御装置7に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
記憶装置8に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)4が読み取り可能である。記憶装置8には、制御装置7に、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する露光装置EXの制御を実行させるプログラムが記録されている。
記憶装置8に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置7に、基板Pの露光時において、露光光ELの光路Kの周囲の少なくとも一部に配置された液浸部材3の供給口20から、終端光学素子11及び液浸部材3と基板Pとの間の第1空間に液体LQを供給するとともに、第1空間の液体LQの少なくとも一部を液浸部材3の回収口30から回収して、終端光学素子11及び液浸部材3と基板Pとの間に第1液浸空間LSを形成する処理と、第1空間から回収口30を介して回収された液体LQ及び気体Gの少なくとも一方を含む流体が流れる液浸部材3の回収流路31に面するように配置された第1排出口41、及び第1排出口41よりも液体LQの流入が抑制された第2排出口42から、回収流路31の流体を排出する処理と、 基板Pの非露光時において、終端光学素子11及び液浸部材3と物体との間の第2空間に供給口20から液体LQを供給するとともに、第1排出口41から第1排出量で流体を排出し、第2排出口42から第2排出量で流体を排出して、第2空間の液体LQを回収口30から回収する処理と、第1排出口41からの第1排出量での流体排出、及び第2排出口42からの第2排出量での流体排出を開始した後に、供給口20から液体LQを供給しつつ、第1排出口41から第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、第2排出口42から第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出して、終端光学素子11及び液浸部材3と物体との間に第1液浸空間LSよりも大きい第2液浸空間LTを形成する処理と、を実行させてもよい。
記憶装置8に記憶されているプログラムが制御装置7に読み込まれることにより、基板ステージ2、液浸部材3、及び液体回収装置6等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間LSが形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理を実行する。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子11の射出側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされているが、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号パンフレットに開示されているような、終端光学素子11の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQが水であることとしたが、水以外の液体でもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)等の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQが、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体でもよい。また、液体LQが、種々の流体、例えば、超臨界流体でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、基板Pが、半導体デバイス製造用の半導体ウエハを含むこととしたが、例えばディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を含んでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXが、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)であることとしたが、例えばマスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)でもよい。
また、露光装置EXが、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光する露光装置(スティッチ方式の一括露光装置)でもよい。また、スティッチ方式の露光装置が、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置でもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6611316号明細書に開示されているような、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置でもよい。また、露光装置EXが、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー等でもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6341007号明細書、米国特許第6208407号明細書、及び米国特許第6262796号明細書等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、露光装置EXが2つの基板ステージを備えている場合、射出面10と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの基板保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの基板保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6897963号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0127006号明細書等に開示されているような、基板を保持する基板ステージと、基準マークが形成された基準部材及び/又は各種の光電センサを搭載し、露光対象の基板を保持しない計測ステージとを備えた露光装置でもよい。この場合、射出面10と対向するように配置可能な物体は、基板ステージ、その基板ステージの基板保持部に保持された基板、及び計測ステージの少なくとも一つを含む。また、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
露光装置EXが、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置でもよいし、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置でもよいし、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、干渉計システム15を用いて各ステージの位置情報を計測することとしたが、例えば各ステージに設けられるスケール(回折格子)を検出するエンコーダシステムを用いてもよいし、干渉計システムとエンコーダシステムを併用してもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号明細書に開示されているような、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
上述の各実施形態においては、露光装置EXが投影光学系PLを備えることとしたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射する露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。
また、露光装置EXが、例えば国際公開第2001/035168号パンフレットに開示されているような、干渉縞を基板P上に形成することによって基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)でもよい。
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図15に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、3…液浸部材、4…回収部材、6…液体回収装置、7…制御装置、8…記憶装置、10…射出面、11…終端光学素子、20…供給口、30…回収口、31…回収流路、40…排出部、41…第1排出口、42…第2排出口、EL…露光光、EX…露光装置、IL…照明系、K…光路、LQ…液体、LS…第1液浸空間、LT…第2液浸空間、P…基板

Claims (20)

  1. 光学部材の射出面から射出される露光光で液体を介して基板を露光する露光装置の制御方法であって、
    前記基板の露光時において、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された液浸部材の供給口から、前記光学部材及び前記液浸部材と前記基板との間の第1空間に液体を供給するとともに、前記第1空間の液体の少なくとも一部を前記液浸部材の第1回収口から回収して、前記光学部材及び前記液浸部材と前記基板との間に第1液浸空間を形成することと、
    前記第1空間から前記第1回収口を介して回収された液体及び気体の少なくとも一方を含む流体が流れる前記液浸部材の回収流路に面するように配置された第1排出口、及び前記第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口から、前記回収流路の流体を排出することと、
    前記基板の非露光時において、前記光学部材及び前記液浸部材と物体との間の第2空間に前記供給口から液体を供給するとともに、前記第1排出口から第1排出量で流体を排出し、前記第2排出口から第2排出量で流体を排出して、前記第2空間の液体を前記第1回収口から回収することと、
    前記第1排出口からの前記第1排出量での流体排出、及び前記第2排出口からの前記第2排出量での流体排出を開始した後に、前記供給口から液体を供給しつつ、前記第1排出口から前記第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、前記第2排出口から前記第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出して、前記光学部材及び前記液浸部材と前記物体との間に前記第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間を形成することと、を含む露光装置の制御方法。
  2. 第1排出口からの排出量及び前記第2排出口からの排出量の少なくとも一方が低減されることによって、前記回収口からの液体の回収量が低減される請求項1記載の制御方法。
  3. 前記第2液浸空間が形成された後、前記第1液浸空間を形成する請求項1又は2記載の制御方法。
  4. 前記第2液浸空間が形成された後、前記供給口から液体を供給しつつ、前記第1排出口及び前記第2排出口からの排出量を増大させて、前記第1液浸空間を形成する請求項3記載の制御方法。
  5. 前記第2液浸空間の形成は、前記光学部材及び前記液浸部材と前記物体との間に液体が存在しない状態で開始される請求項3又は4記載の制御方法。
  6. 前記第1液浸空間の液体を介して前記基板を露光した後、前記第2液浸空間を形成する請求項1又は2記載の制御方法。
  7. 前記第2液浸空間の液体で前記液浸部材の少なくとも一部をクリーニングする請求項6記載の制御方法。
  8. 前記第2空間から流出した液体を、前記液浸部材の周囲の少なくとも一部に配置された第2回収口から回収する請求項1〜7のいずれか一項記載の制御方法。
  9. 前記液浸部材は、前記物体が対向可能な第1面、前記回収流路に面する第2面、及び前記第1面と前記第2面とを結ぶ複数の孔を有する第1多孔部材を含み、
    前記第1回収口は、前記第1多孔部材の孔を含む請求項1〜8のいずれか一項記載の制御方法。
  10. 前記第1多孔部材は、前記光路の周囲の少なくとも一部に配置された第1部分と、前記光路に対する放射方向に関して前記第1部分よりも外側に配置された第2部分とを含み、
    前記第2部分は、前記第1部分よりも、前記第1面が面する空間から前記回収流路への前記孔を介した気体の流入が抑制される請求項9記載の制御方法。
  11. 前記基板の露光時において、前記第1部分から前記第1空間の液体と気体とが回収され、前記第2部分から実質的に前記第1空間の液体のみが回収されるように、前記第1排出口からの排出量及び前記第2排出口からの排出量の少なくとも一方が定められる請求項10記載の制御方法。
  12. 前記基板の非露光時において、少なくとも前記第2部分における前記第2面が前記回収流路の液体と接触するように、前記第3排出量及び前記第4排出量の少なくとも一方が定められる請求項10又は11記載の制御方法。
  13. 前記第2面のほぼ全部が前記回収流路の液体と接触するように、前記第3排出量及び前記第4排出量の少なくとも一方が定められる請求項9〜12のいずれか一項記載の制御方法。
  14. 前記第1面のほぼ全部が前記第2液浸空間の液体と接触するように、前記第3排出量及び前記第4排出量の少なくとも一方が定められる請求項9〜13のいずれか一項記載の制御方法。
  15. 前記基板の露光時において、前記第1排出口が実質的に前記回収流路から液体のみを排出し、前記第2排出口が実質的に前記回収流路から気体のみを排出する請求項1〜14のいずれか一項記載の制御方法。
  16. 前記液浸部材は、前記回収流路に面する第3面、前記第3面と異なる方向を向く第4面、及び前記第3面と前記第4面とを結ぶ複数の孔を有する第2多孔部材を含み、
    前記第1排出口は、前記第2多孔部材の孔を含む請求項1〜15のいずれか一項記載の制御方法。
  17. 液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記露光光の周囲の少なくとも一部に配置される液浸部材と、
    前記液浸部材に配置され、前記液体を供給する供給口と、
    前記液浸部材に配置され、前記供給口から供給された液体の少なくとも一部を回収する第1回収口と、
    前記液浸部材に形成され、前記第1回収口を介して回収された液体及び気体の少なくとも一方を含む流体が流れる回収流路と、
    前記回収流路に面するように配置され、前記回収流路の流体を排出可能な第1排出口と、
    前記回収流路に面するように配置され、前記回収流路の流体を排出可能であり、前記第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口と、
    前記基板の非露光時において、前記光学部材及び前記液浸部材と物体との間の空間に前記供給口から液体を供給するとともに、前記第1排出口から第1排出量で流体を排出し、前記第2排出口から第2排出量で流体を排出した後、前記基板の露光時において前記光学部材及び前記液浸部材と前記基板との間に形成される第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間が前記光学部材及び前記液浸部材と前記物体との間に形成されるように、前記第1排出口からの前記第1排出量での流体排出、及び前記第2排出口からの前記第2排出量での流体排出を開始した後に、前記供給口から液体を供給しつつ、前記第1排出口から前記第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、前記第2排出口から前記第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出する制御装置と、を備える露光装置。
  18. 請求項17記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  19. コンピュータに、光学部材の射出面から射出される露光光で液体を介して基板を露光する露光装置の制御を実行させるプログラムであって、
    前記基板の露光時において、前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置された液浸部材の供給口から、前記光学部材及び前記液浸部材と前記基板との間の第1空間に液体を供給するとともに、前記第1空間の液体の少なくとも一部を前記液浸部材の第1回収口から回収して、前記光学部材及び前記液浸部材と前記基板との間に第1液浸空間を形成することと、
    前記第1空間から前記第1回収口を介して回収された液体及び気体の少なくとも一方を含む流体が流れる前記液浸部材の回収流路に面するように配置された第1排出口、及び前記第1排出口よりも液体の流入が抑制された第2排出口から、前記回収流路の流体を排出することと、
    前記基板の非露光時において、前記光学部材及び前記液浸部材と物体との間の第2空間に前記供給口から液体を供給するとともに、前記第1排出口から第1排出量で流体を排出し、前記第2排出口から第2排出量で流体を排出して、前記第2空間の液体を前記第1回収口から回収することと、
    前記第1排出口からの前記第1排出量での流体排出、及び前記第2排出口からの前記第2排出量での流体排出を開始した後に、前記供給口から液体を供給しつつ、前記第1排出口から前記第1排出量より低減された第3排出量で流体を排出し、前記第2排出口から前記第2排出量より低減された第4排出量で流体を排出して、前記光学部材及び前記液浸部材と前記物体との間に前記第1液浸空間よりも大きい第2液浸空間を形成することと、を実行させるプログラム。
  20. 請求項19記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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