JP2014011204A - 露光装置、温度調整方法、露光方法、及びデバイス製造方法 - Google Patents

露光装置、温度調整方法、露光方法、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】露光不良の発生を抑制できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する。露光装置は、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1液体の第1液浸空間を形成する第1部材と、光路に対して第1部材の外側に配置され、第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成可能な第2部材と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、露光装置、温度調整方法、露光方法、及びデバイス製造方法に関する。
フォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置において、例えば下記特許文献に開示されているような、液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置が知られている。
米国特許出願公開第2009/0046261号
液浸露光装置において、基板、あるいは露光装置の部材の温度が変化すると、露光不良が発生する可能性がある。その結果、不良デバイスが発生する可能性がある。
本発明の態様は、露光不良の発生を抑制できる露光装置、温度調整方法、及び露光方法を提供することを目的とする。また、本発明の態様は、不良デバイスの発生を抑制できるデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、露光光が射出される射出面を有する光学部材と、露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、第1液体の第1液浸空間を形成する第1部材と、光路に対して第1部材の外側に配置され、第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成可能な第2部材と、を備える露光装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の露光装置を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置における温度調整方法であって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材で第1液体の第1液浸空間を形成することと、光路に対して第1部材の外側に配置される第2部材で、第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成することと、第1液浸空間の第1液体の温度を検出することと、第2液浸空間の第2液体の温度を検出することと、第1、第2液体の温度の検出結果に基づいて、第1液体の温度及び第2液体の温度の一方又は両方を調整することと、を含む温度調整方法が提供される。
本発明の第4の態様に従えば、第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置における温度調整方法であって、光学部材の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材で第1液体の第1液浸空間を形成することと、光路に対して第1部材の外側に配置される第2部材で、第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成することと、第2液浸空間の第2液体の温度を調整して、光学部材の下方で移動可能な物体の温度を調整することと、を含む温度調整方法が提供される。
本発明の第5の態様に従えば、第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、第1液浸空間の第1液体を介して基板の第1ショット領域を露光することと、第3又は第4の態様の温度調整方法を用いて基板の第2ショット領域の温度を調整することと、温度調整された基板の第2ショット領域を露光することと、を含む露光方法が提供される。
本発明の第6の態様に従えば、第5の態様の露光方法を用いて基板を露光することと、露光された基板を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、露光不良の発生を抑制できる。また、本発明の態様によれば、不良デバイスの発生を抑制できる。
第1実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る液浸部材の一例を示す図である。 第1実施形態に係る基板ステージ及び計測ステージの一例を示す図である。 第1実施形態に係る露光方法の一例を説明するための図である。 第1実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第1実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第2実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第3実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第4実施形態に係る露光方法の一例を示す図である。 第5実施形態に係る露光装置の一例を示す図である。 第6実施形態に係る第2部材の一例を示す図である。 第7実施形態に係る第2部材の一例を示す図である。 基板ステージの一例を示す図である。 デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの一例を示す概略構成図である。本実施形態の露光装置EXは、液体LQを介して露光光ELで基板Pを露光する液浸露光装置である。本実施形態においては、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LS1が形成される。液浸空間とは、液体で満たされた部分(空間、領域)をいう。基板Pは、液浸空間LS1の液体LQを介して露光光ELで露光される。本実施形態においては、液体LQとして、水(純水)を用いる。
また、本実施形態の露光装置EXは、例えば米国特許第6897963号、及び欧州特許出願公開第1713113号等に開示されているような、基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置である。
図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージ1と、基板Pを保持して移動可能な基板ステージ2と、基板Pを保持せずに、露光光ELを計測する計測部材(計測器)Cを搭載して移動可能な計測ステージ3と、マスクステージ1、基板ステージ2、及び計測ステージ3の位置を計測する計測システム4と、マスクMを露光光ELで照明する照明系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板Pに投影する投影光学系PLと、液浸空間LS1、LS2を形成する液浸部材5と、露光装置EX全体の動作を制御する制御装置6と、制御装置6に接続され、露光に関する各種の情報を記憶する記憶装置7とを備えている。
露光装置EXは、露光光ELが進行する空間CSの環境(温度、湿度、圧力、及びクリーン度の少なくとも一つ)を調整するチャンバ装置11を備えている。チャンバ装置11は、空間CSに、温度及び湿度が調整された気体Frを供給する気体供給部11Sを有する。空間CSには、少なくとも投影光学系PL、液浸部材5、基板ステージ2、及び計測ステージ3が配置される。本実施形態においては、マスクステージ1、及び照明系ILの少なくとも一部も、空間CSに配置される。
マスクMは、基板Pに投影されるデバイスパターンが形成されたレチクルを含む。マスクMは、例えばガラス板等の透明板と、その透明板上にクロム等の遮光材料を用いて形成されたパターンとを有する透過型マスクを含む。なお、マスクMとして、反射型マスクを用いることもできる。
基板Pは、デバイスを製造するための基板である。基板Pは、例えば半導体ウエハ等の基材と、その基材上に形成された感光膜とを含む。感光膜は、感光材(フォトレジスト)の膜である。なお、基板Pが、感光膜と、感光膜とは別の膜とを含んでもよい。例えば、基板Pが、反射防止膜を含んでもよいし、感光膜を保護する保護膜(トップコート膜)を含んでもよい。
照明系ILは、所定の照明領域IRに露光光ELを照射する。照明領域IRは、照明系ILから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。照明系ILは、照明領域IRに配置されたマスクMの少なくとも一部を均一な照度分布の露光光ELで照明する。照明系ILから射出される露光光ELとして、例えば水銀ランプから射出される輝線(g線、h線、i線)及びKrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、及びFレーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)等が用いられる。本実施形態においては、露光光ELとして、紫外光(真空紫外光)であるArFエキシマレーザ光を用いる。
マスクステージ1は、マスクMを保持した状態で、照明領域IRを含むベース部材8のガイド面8G上を移動可能である。本実施形態において、ガイド面8GとXY平面とは実質的に平行である。マスクステージ1は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システムの作動により移動する。本実施形態において、マスクステージ1は、その駆動システムの作動により、ガイド面8G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
投影光学系PLは、所定の投影領域PRに露光光ELを照射する。投影領域PRは、投影光学系PLから射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。投影光学系PLは、投影領域PRに配置された基板Pの少なくとも一部に、マスクMのパターンの像を所定の投影倍率で投影する。本実施形態において、投影光学系PLは、縮小系である。投影光学系PLの投影倍率は、例えば1/4でもよいし、1/5でもよいし、1/8でもよい。なお、投影光学系PLは、等倍系でもよいし、拡大系でもよい。本実施形態において、投影光学系PLの光軸は、Z軸と平行である。なお、投影光学系PLは、反射光学素子を含まない屈折系でもよいし、屈折光学素子を含まない反射系でもよいし、反射光学素子及び屈折光学素子の両方を含む反射屈折系でもよい。投影光学系PLは、倒立像を形成してもよいし、正立像を形成してもよい。
投影光学系PLは、露光光ELが射出される射出面12を有する終端光学素子13を含む。射出面12は、投影光学系PLの像面に向けて露光光ELを射出する。終端光学素子13は、投影光学系PLの複数の光学素子のうち、投影光学系PLの像面に最も近い光学素子である。投影領域PRは、射出面12から射出される露光光ELが照射可能な位置を含む。本実施形態において、射出面12は、−Z方向を向いている。射出面12は、XY平面と平行である。なお、−Z方向を向いている射出面12は、凸面でもよいし、凹面でもよい。なお、射出面12は、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。本実施形態において、終端光学素子13の光軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、射出面12から射出される露光光ELは、−Z方向に進行する。
基板ステージ2は、基板Pを保持した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。計測ステージ3は、計測部材(計測器)Cを搭載した状態で、射出面12からの露光光ELが照射可能な位置(投影領域PR)を含むXY平面内を移動可能である。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、ベース部材9のガイド面9G上を移動可能である。本実施形態において、ガイド面9GとXY平面とは実質的に平行である。
基板ステージ2及び計測ステージ3は、例えば米国特許第6452292号に開示されているような平面モータを含む駆動システム10の作動により移動する。駆動システム10は、基板ステージ2に配置された可動子2Cと、計測ステージ3に配置された可動子3Cと、ベース部材9に配置された固定子9Mとを含む。基板ステージ2及び計測ステージ3のそれぞれは、駆動システム10の作動により、ガイド面9G上において、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZ方向の6つの方向に移動可能である。
基板ステージ2は、例えば米国特許出願公開第2007/0177125号、米国特許出願公開第2008/0049209号、及び米国特許出願公開第2007/0288121号等に開示されているような、基板Pをリリース可能に保持する第1保持部14と、第1保持部14の周囲に配置され、カバー部材T1及びスケール部材(計測部材)T2をリリース可能に保持する第2保持部15とを有する。本実施形態において、基板Pの周囲に配置される基板ステージ2の上面は、カバー部材T1の上面を含む。また、基板ステージ2の上面は、スケール部材T2の上面を含む。
計測システム4は、例えば米国特許出願公開第2007/0288121号に開示されているような、基板ステージ2のスケール部材T2を用いて、その基板ステージ2の位置を計測するエンコーダシステムを含む。また、計測システム4は、干渉計システムを含む。
基板Pの露光処理を実行するとき、あるいは所定の計測処理を実行するとき、制御装置6は、計測システム4の計測結果に基づいて、マスクステージ1(マスクM)、基板ステージ2(基板P)、及び計測ステージ3(計測部材C)の位置制御を実行する。
次に、本実施形態に係る液浸部材5について説明する。図2は、本実施形態に係る液浸部材5の一例を示す側面図、図3は、液浸部材5を下側(−Z側)から見た図である。
液浸部材5は、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材21と、射出面12から射出される露光光ELの光路K(終端光学素子13の光軸)に対して第1部材21の外側に配置される第2部材22とを備える。第1部材21は、液体LQの液浸空間LS1を形成する。第2部材22は、液浸空間LS1から離れて、液体LQの液浸空間LS2を形成可能である。液浸空間LS1は、第1部材21の下方の第1空間SP1の少なくとも一部に形成される。液浸空間LS2は、第2部材22の下方の第2空間SP2の少なくとも一部に形成される。
第1部材21は、下面23を有する。第2部材22は、下面24を有する。下面23及び下面24は、終端光学素子13の下方で移動可能な物体が対向可能である。終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、射出面12と対向可能である。その物体は、投影領域PRに配置可能である。その物体は、投影領域PRを含むXY平面内を移動可能である。その物体は、第1部材21の下方で移動可能である。その物体は、第2部材22の下方で移動可能である。
本実施形態において、その物体は、基板ステージ2(カバー部材T1、スケール部材T2)、基板ステージ2(第1保持部14)に保持された基板P、及び計測ステージ3(計測部材C)の少なくとも一つを含む。
以下の説明においては、終端光学素子13の下方で移動可能な物体が、基板Pであることとする。なお、上述のように、終端光学素子13の下方で移動可能な物体は、基板ステージ2及び計測ステージ3の少なくとも一方でもよいし、基板P、基板ステージ2、及び計測ステージ3とは別の物体でもよい。
第1部材21は、射出面12側の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液体LQの液浸空間LS1を形成する。液浸空間LS1は、射出面12と基板P(物体)の上面との間の光路Kが液体LQで満たされるように形成される。
第1部材21は、射出面12側の光路Kを含む光路空間SPK、及び下面23側の第1空間SP1の少なくとも一部に、液体LQの液浸空間LS1を形成する。終端光学素子13及び第1部材21は、基板P(物体)との間で液体LQを保持可能である。液浸空間LS1は、終端光学素子13及び第1部材21と基板Pとの間に保持される液体LQによって形成される。一方側の射出面12及び下面23と、他方側の基板P(物体)の上面との間に液体LQが保持されることによって、終端光学素子13と基板Pとの間の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LS1が形成される。
基板Pの露光においては、基板Pに照射される露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように液浸空間LS1が形成される。基板Pに露光光ELが照射されているとき、投影領域PRを含む基板Pの表面の一部の領域だけが液体LQで覆われるように液浸空間LS1が形成される。
本実施形態において、液浸空間LS1の液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LG1の少なくとも一部は、下面23と基板Pの上面との間に形成される。すなわち、本実施形態の露光装置EXは、局所液浸方式を採用する。液浸空間LS1の外側(界面LG1の外側)は、気体空間である。
本実施形態において、第1部材21は、環状の部材である。本実施形態において、第1部材21の一部は、終端光学素子13の周囲に配置される。また、第1部材21の一部は、終端光学素子13と基板Pとの間の露光光ELの光路Kの周囲に配置される。
なお、第1部材21は、環状の部材でなくてもよい。例えば、第1部材21が、終端光学素子13及び光路Kの周囲の一部に配置されていてもよい。なお、第1部材21が、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置されていなくてもよい。例えば、第1部材21が、射出面12と基板Pとの間の光路Kの周囲の少なくとも一部に配置され、終端光学素子13の周囲に配置されていなくてもよい。なお、第1部材21が、射出面12と基板Pとの間の光路Kの周囲の少なくとも一部に配置されていなくてもよい。例えば、第1部材21が、終端光学素子13の周囲の少なくとも一部に配置され、射出面12と物体との間の光路Kの周囲に配置されていなくてもよい。
第1部材21は、液浸空間LS1を形成するための液体LQを供給する供給口31と、液浸空間LS1の液体LQの少なくとも一部を回収する回収口32とを備えている。
図4は、供給口31の近傍を示す第1部材21の断面図である。供給口31は、光路空間SPK(光路K)に面するように配置される。供給口31は、第1部材21の内部に形成された供給流路33を介して、液体LQを供給可能な液体供給装置34と接続される。供給口31は、液体供給装置34からの液体LQを射出面12側の光路空間SPK(光路K)に供給する。
第1部材21は、射出面12が面する孔(開口)20を有する。射出面12から射出された露光光ELは、開口20を通過して基板Pに照射可能である。供給口31から光路空間SPKに供給された液体LQの少なくとも一部は、開口20を介して、基板P上(物体上)に供給される。また、供給口31から光路空間SPKに供給された液体LQの少なくとも一部は、開口20を介して、第1空間SP1に供給される。本実施形態においては、開口20から、第1部材21の下方の第1空間SP1に液体LQが供給される。
液体供給装置34は、液体調整システムを含む。液体供給装置34は、例えば、供給口31から供給される液体LQの供給量(単位時間当たりの液体供給量)を調整可能な供給量調整部34Aと、供給する液体LQの温度を調整する温度調整部34Bと、供給する液体LQの温度を検出する温度センサ34Cとを有する。供給量調整部34Aは、マスフローコントローラを有する。温度調整部34Bは、液体LQを加熱可能な加熱装置と、液体LQを冷却可能な冷却装置とを有する。
供給口31は、光路Kの周囲に複数配置されてもよい。図2に示すように、本実施形態おいて、供給口31は、光路Kに対して一側(+X側)及び他側(−X側)に配置される。図2に示すように、本実施形態においては、一側の供給口31及び他側の供給口31のそれぞれに液体供給装置34が接続される。一側の供給口31から供給される液体LQの温度と、他側の供給口31から供給される液体LQの温度とは、実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。一側の供給口31から供給される液体LQの供給量と、他側の供給口31から供給される液体LQの供給量とは、実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。
図5は、回収口32の近傍を示す第1部材21の断面図である。回収口32は、第1空間SP1に面するように配置される。基板P(物体)は、回収口32と対向可能である。回収口32は、第1部材21の内部に形成された回収流路35を介して、液体LQを回収(吸引)可能な液体回収装置36と接続される。回収口32は、第1部材21と基板Pとの間の第1空間SP1の液体LQの少なくとも一部を回収(吸引)可能である。回収口32から回収流路35に流入した液体LQは、液体回収装置36に回収される。
液体回収装置36は、回収口32を真空システムBSに接続可能である。液体回収装置36は、回収口32から回収された液体LQが収容される収容部36Aと、回収口32の吸引力を調整可能な圧力調整部36Bとを有する。収容部36Aは、タンクを含む。圧力調整部36Bは、圧力調整弁などを含む。
本実施形態において、第1部材21は、多孔部材37を備える。多孔部材37は、液体LQが流通可能な複数の孔(openingsあるいはpores)を有する。多孔部材37は、例えばメッシュフィルタを含む。メッシュフィルタは、網目状に多数の小さい孔が形成された多孔部材である。
本実施形態において、多孔部材37は、プレート状の部材である。多孔部材37は、基板Pが対向可能な下面37Bと、第1部材21に形成された回収流路35に面する上面37Aと、上面37Aと下面37Bとを結ぶように形成された複数の孔とを有する。本実施形態において、回収口32は、多孔部材37の孔を含む。多孔部材37の孔(回収口32)を介して回収された液体LQは、回収流路35を流れる。
本実施形態においては、多孔部材37(回収口32)から、第1空間SP1の液体LQ及び気体の両方が回収(吸引)される。なお、多孔部材37を介して実質的に液体LQのみが回収され、気体の回収が制限されてもよい。例えば、基板P(物体)上の液体LQが多孔部材37の孔を通過して回収流路35に流入し、気体は通過しないように、多孔部材37の下面37B側の圧力(第1空間SP1の圧力)と上面37A側の圧力(回収流路35の圧力)との差が調整されてもよい。なお、多孔部材を介して液体のみを回収する技術の一例が、例えば米国特許第7292313号等に開示されている。
なお、多孔部材37を設けなくてもよい。
本実施形態においては、供給口31からの液体LQの供給と並行して、回収口32からの液体LQの回収が行われることによって、一方側の終端光学素子13及び第1部材21と、他方側の基板Pとの間に液体LQの液浸空間LS1が形成される。液浸空間LS1は、供給口31から供給された液体LQによって形成される。
下面23は、開口20の周囲に配置される。本実施形態において、下面23の少なくとも一部は、XY平面とほぼ平行である。なお、下面23の少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
下面23は、開口20の周囲に配置され、液体LQを回収不可能な下面23Bと、下面23Bの周囲に配置され、液体LQを回収可能な多孔部材37の下面37Bとを含む。液体LQは、下面23Bを通過できない。下面23Bは、基板Pとの間で液体LQを保持可能である。
本実施形態において、液体LQを回収可能な下面37Bは、下面23の周縁部に配置される。下面23(基板Pの上面)と平行なXY平面内において、下面37Bは、環状である。液体LQを回収不可能な下面23Bは、下面37Bの内側に配置される。本実施形態において、界面LG1は、下面37Bと基板Pの上面との間に配置される。
なお、液体LQを回収可能な下面37B(回収口32)は、光路K(開口20)の周囲に複数配置されてもよい。
第2部材22は、第1部材21とは異なる部材である。第2部材22は、第1部材21から離れている。第2部材22は、第1部材21の周囲の一部に配置される。
第2部材22は、第2部材22の下方の第2空間SP2の少なくとも一部に液体LQの液浸空間LS2を形成可能である。第2空間SP2は、下面24側の空間である。液浸空間LS2は、液浸空間LS1と離れて形成される。液浸空間LS2は、下面24と基板P(物体)の上面との間に形成される。第2部材22は、基板P(物体)との間で液体LQを保持可能である。液浸空間LS2は、第2部材22と基板Pとの間に保持される液体LQによって形成される。一方側の下面24と、他方側の基板P(物体)の上面との間に液体LQが保持されることによって、液浸空間LS2が形成される。
本実施形態において、液浸空間LS2の液体LQの界面(メニスカス、エッジ)LG2の少なくとも一部は、下面24と基板Pの上面との間に形成される。液浸空間LS2の外側(界面LG2の外側)は、気体空間である。
液浸空間LS2は、液浸空間LS1よりも小さい。液浸空間の大きさとは、液浸空間を形成する液体の体積を含む。また、液浸空間の大きさとは、液浸空間を形成する液体の重量を含む。また、液浸空間の大きさとは、例えば基板Pの表面(上面)と平行な面内(XY平面内)における液浸空間の面積を含む。また、液浸空間の大きさとは、例えば基板Pの表面(上面)と平行な面内(XY平面内)における所定方向(例えばX軸方向、又はY軸方向)に関する液浸空間の寸法を含む。
すなわち、基板Pの表面(上面)と平行な面内(XY平面内)において、液浸空間LS2は、液浸空間LS1よりも小さい。液浸空間LS2を形成する液体LQの体積(重量)は、液浸空間LS1を形成する液体LQの体積(重量)よりも小さい。XY平面内における液浸空間LS2の寸法は、液浸空間LS1の寸法よりも小さい。
本実施形態において、第2部材22は、第1部材21の周囲の空間において2つ配置される。本実施形態において、第2部材22は、X軸方向に関して、第1部材21の一側(+X側)及び他側(−X側)に配置される。液浸空間LS2は、X軸方向に関して、液浸空間LS1の一側(+X側)及び他側(−X側)に形成される。
以下の説明においては、第1部材21の+X側に配置される第2部材22を適宜、第2部材221、と称し、第1部材21の−X側に配置される第2部材22を適宜、第2部材222、と称する。
なお、第2部材22は、第1部材21の一側(+X側)のみに配置されてもよいし、他側(−X側)のみに配置されてもよい。液浸空間LS2は、液浸空間LS1の一側(+X側)のみに配置されてもよいし、他側(−X側)のみに配置されてもよい。
本実施形態において、下面24の少なくとも一部は、XY平面とほぼ平行である。なお、下面24の少なくとも一部が、XY平面に対して傾斜していてもよいし、曲面を含んでもよい。
本実施形態において、Z軸方向に関する下面23の位置(高さ)と下面24の位置(高さ)とは、実質的に等しい。すなわち、下面23と基板P(物体)の上面との距離と、下面24と基板P(物体)の上面との距離とは、実質的に等しい。
なお、下面24が下面23よりも低い位置に配置されてもよい。すなわち、下面24と基板P(物体)の上面との距離が、下面23と基板P(物体)の上面との距離よりも小さくてもよい。なお、下面24が下面23よりも高い位置に配置されてもよい。すなわち、下面25と基板P(物体)の上面との距離が、下面24と基板P(物体)の上面との距離よりも大きくてもよい。
図6は、第2部材22の一例を示す部分断面図である。第2部材22は、液浸空間LS2を形成するための液体LQを供給する供給口41と、液浸空間LS2の液体LQの少なくとも一部を回収する回収口42とを備えている。
本実施形態において、供給口41は、第2部材22の下方の第2空間SP2に面するように配置される。基板P(物体)は、供給口41と対向可能である。供給口41は、第2部材22の下面24の少なくとも一部に配置される。供給口41は、第2空間SP2に液体LQを供給可能である。
本実施形態において、回収口42は、第2部材22の下方の第2空間SP2に面するように配置される。基板P(物体)は、回収口42と対向可能である。回収口42は、第2部材22の下面24の少なくとも一部に配置される。回収口42は、第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収可能である。回収口42は、第2空間SP2の気体を回収可能である。本実施形態において、回収口42は、液体LQを、気体とともに回収する。第2空間SP2の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)の少なくとも一部は、回収口42から回収される。
本実施形態において、回収口42の少なくとも一部は、第1部材21と供給口41との間に配置される。また、回収口42の少なくとも一部は、光路K(第1部材21)に対して供給口41の外側に配置される。本実施形態においては、回収口42は、供給口41を囲むように配置される。下面24と平行な面内(XY平面内)において、回収口42は、環状である。
なお、回収口42は、供給口41の周囲に複数配置されてもよい。すなわち、複数の回収口42が、供給口41の周囲において離散的に配置されてもよい。
供給口41は、第2部材22の内部に形成された供給流路43を介して、液体LQを供給可能な液体供給装置44と接続される。供給口41は、液体供給装置44からの液体LQを、第2空間SP2に供給する。
液体供給装置44は、液体調整システムを含む。液体供給装置44は、例えば、供給口41から供給される液体LQの供給量(単位時間当たりの液体供給量)を調整可能な供給量調整部44Aと、供給する液体LQの温度を調整する温度調整部44Bと、供給する液体LQの温度を検出する温度センサ44Cとを有する。供給量調整部44Aは、マスフローコントローラを有する。温度調整部44Bは、液体LQを加熱可能な加熱装置と、液体LQを冷却可能な冷却装置とを有する。
図2に示すように、本実施形態においては、一側の第2部材221及び他側の第2部材222のそれぞれに液体供給装置44が接続される。本実施形態において、一側の第2部材221の供給口41から供給される液体LQの温度と、他側の第2部材222の供給口41から供給される液体LQの温度とは、実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。一側の第2部材221の供給口41から供給される液体LQの供給量と、他側の第2部材22の供給口41から供給される液体LQの供給量とは、実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。
回収口42は、第2部材22の内部に形成された回収流路45を介して、液体LQ(気体)を回収(吸引)可能な液体回収装置46と接続される。回収口42は、第2部材22と基板Pとの間の第2空間SP2の液体LQの少なくとも一部を回収(吸引)可能である。第2部材22の下方の第2空間SP2から回収された液体LQは、回収流路45を流れる。回収口42から回収流路45に流入した液体LQは、液体回収装置46に回収される。
液体回収装置46は、回収口42を真空システムBSに接続可能である。液体回収装置46は、回収口42から回収された液体LQが収容される収容部46Aと、回収口42の吸引力を調整可能な圧力調整部46Bとを有する。収容部46Aは、タンクを含む。圧力調整部46Bは、圧力調整弁などを含む。
回収口42の吸引力は、回収流路45の圧力と第2空間SP2の圧力との差に依存する。回収流路45と第2空間SP2との圧力差によって、回収口42の吸引力が定められる。本実施形態において、圧力調整部46Bが、回収流路45の圧力を調整可能である。チャンバ装置11が、第2空間SP2の圧力を調整可能である。
図2に示すように、本実施形態においては、一側の第2部材221及び他側の第2部材222のそれぞれに液体回収装置46が接続される。本実施形態において、一側の第2部材221の回収口41の回収力(吸引力)と、他側の第2部材222の回収口42の回収力(吸引力)とは、実質的に等しくてもよいし、異なってもよい。
本実施形態においては、供給口41からの液体LQの供給と並行して、回収口42からの液体LQの回収が行われることによって、一方側の第2部材22と、他方側の基板Pとの間に液体LQで液浸空間LS2が形成される。液浸空間LS2は、供給口41から供給された液体LQによって形成される。
図7は、基板ステージ2及び計測ステージ3の一例を示す平面図である。基板Pの表面(上面)とXY平面とが実質的に平行となるように、基板Pは、第1保持部14に保持される。カバー部材T1の上面及びスケール部材T2の上面とXY平面とが実質的に平行となるように、カバー部材T1及びスケール部材T2は、第2保持部15に保持される。本実施形態において、第1保持部14に保持された基板Pの上面と、第2保持部15に保持されたカバー部材T1の上面及びスケール部材T2の上面とは、実質的に同一平面内に配置される。なお、第1保持部14に保持された基板Pの上面と、第2保持部15に保持されたカバー部材T1の上面及びスケール部材T2の一方又は両方とは、同一平面内に配置されなくてもよい。なお、基板Pの上面に対してカバー部材T1の上面及びスケール部材T2の上面の一方又は両方が傾斜してもよいし、カバー部材T1の上面及びスケール部材T2の上面の一方又は両方が曲面を含んでもよい。
カバー部材T1は、基板Pの周囲に配置される。カバー部材T1は、間隙Gaを介して基板Pに隣接する。基板Pとカバー部材T1との間に間隙Gaが設けられる。
スケール部材T2は、カバー部材T1の周囲に配置される。スケール部材T2は、間隙Gbを介してカバー部材T1に隣接する。カバー部材T1とスケール部材T2との間に間隙Gbが形成される。
本実施形態においては、例えば米国特許出願公開第2006/0023186号、及び米国特許出願公開第2007/0127006号などに開示されているように、終端光学素子13及び第1部材21の下方に形成される液浸空間LS1が基板ステージ2上及び計測ステージ3上の一方から他方へ移動するように、基板ステージ2の上面(スケール部材T2の上面)と計測ステージ3の上面とが接近又は接触された状態で、基板ステージ2及び計測ステージ3が、終端光学素子13及び第1部材21に対して、XY平面内において移動可能である。
以下の説明においては、基板ステージ2の上面と計測ステージ3の上面とを接近又は接触させた状態で、終端光学素子13及び第1部材21に対して、基板ステージ2及び計測ステージ3をXY平面内において同期移動させる動作を適宜、スクラム移動動作、と称する。
本実施形態においては、図7に示すように、スクラム移動動作において、基板ステージ2の上面の+Y側の辺と、計測ステージ3の上面の+Y側の辺とが接近又は接触する。
スクラム移動動作により、終端光学素子13及び第1部材21の下方に形成される液浸空間LS1が、基板ステージ2上及び計測ステージ3上の一方から他方へ移動する。第2部材22の下方に形成される液浸空間LS2が、基板ステージ2上及び計測ステージ3上の一方から他方へ移動する。
スクラム移動動作において、基板ステージ2は、間隙Gcを介して計測ステージ3に隣接する。スクラム移動動作において、基板ステージ2と計測ステージ3との間に間隙Gcが設けられる。
計測ステージ3の上面は、計測部材Cの周囲に配置される。計測ステージ3の上面は、間隙Gdを介して計測部材Cに隣接する。計測ステージ3と計測部材Cとの間に間隙Gdが形成される。
次に、上述の構成を有する露光装置EXを用いて基板Pを露光する方法について説明する。
液浸部材5から離れた基板交換位置において、露光前の基板Pを基板ステージ2(第1保持部)に搬入(ロード)する処理が行われる。また、基板ステージ2が液浸部材5から離れている期間の少なくとも一部において、計測ステージ3が終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される。
第1部材21の供給口31(開口20)は、第1部材21の下方の第1空間SP1に液体LQを供給可能である。第1部材21の回収口32は、第1空間SP1の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を吸引可能である。供給口31からの液体LQの供給の少なくとも一部と並行して、回収口32からの液体LQの回収が行われることによって、第1空間SP1に液体LQの液浸空間LS1が形成される。
第2部材22の供給口41は、第2部材22の下方の第2空間SP2に液体LQを供給可能である。第2部材22の回収口42は、第2空間SP2の流体(液体LQ及び気体の一方又は両方)を吸引可能である。供給口41からの液体LQの供給の少なくとも一部と並行して、回収口42からの液体LQの回収が行われることによって、第2空間SP2に液体LQの液浸空間LS2が形成される。
計測ステージ3が終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される状態において、第1、第2液浸空間LS1、LS2は、計測ステージ3上に形成される。
露光前の基板Pが基板ステージ2にロードされ、計測ステージ3を用いる計測処理が終了した後、制御装置6は、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向するように、基板ステージ2を移動する。終端光学素子13及び液浸部材5と計測ステージ3とが対向する状態から、終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2とが対向する状態へ変化するように、スクラム移動動作が実行される。終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2(基板P)とが対向する状態で、供給口31からの液体LQの供給と並行して回収口32からの液体LQの回収が行われることによって、射出面12側の露光光ELの光路Kが液体LQで満たされるように、終端光学素子13及び第1部材21と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LS1が形成される。また、供給口41からの液体LQの供給と並行して回収口42からの液体LQの回収が行われることによって、第2部材22と基板ステージ2(基板P)との間に液浸空間LS2が形成される。
制御装置6は、基板Pの露光処理を開始する。制御装置6は、基板P上に液浸空間LS1が形成され、基板P上及び基板ステージ2上の少なくとも一方に液浸空間LS2が形成されている状態で、照明系ILから露光光ELを射出する。照明系ILはマスクMを露光光ELで照明する。マスクMからの露光光ELは、投影光学系PL及び射出面12と基板Pとの間の液浸空間LS1の液体LQを介して基板Pに照射される。これにより、基板Pは、液浸空間LS1の液体LQを介して射出面12から射出された露光光ELで露光され、マスクMのパターンの像が基板Pに投影される。
本実施形態の露光装置EXは、マスクMと基板Pとを所定の走査方向に同期移動しつつ、マスクMのパターンの像を基板Pに投影する走査型露光装置(所謂スキャニングステッパ)である。本実施形態においては、基板Pの走査方向(同期移動方向)をY軸方向とし、マスクMの走査方向(同期移動方向)もY軸方向とする。制御装置6は、基板Pを投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LS1の液体LQとを介して基板Pに露光光ELを照射する。
液浸空間LS1が形成されている状態で、基板P(物体)がXY平面内において移動することによって、液浸空間LS1の液体LQの一部が、液浸空間LS1から離れて、第1空間SP1の外側に移動(流出)する可能性がある。本実施形態においては、第1空間SP1の周囲の一部に、液浸空間LS2が形成される。そのため、第1空間SP1の外側に移動した液体LQは、液浸空間LS2に捕捉される。液浸空間LS2に捕捉された液体LQは、液浸空間LS2の液体LQとともに、回収口42から回収される。
本実施形態においては、液浸空間LS2は、液浸空間LS1よりも小さい。そのため、液浸空間LS1、LS2が形成されている状態で基板P(物体)が移動した場合において、液浸空間LS2の液体LQの一部が液浸空間LS2から離れて第2空間SP2の外側に移動(流出)することが抑制される。換言すれば、液浸空間LS2は液浸空間LS1よりも小さいため、液浸空間LS2の液体LQの一部が第2空間SP2から流出することが、液浸空間LS1の液体LQの一部が第1空間SP1から流出することよりも抑制される。
図8は、基板ステージ2に保持された基板Pの一例を示す図である。本実施形態においては、基板Pに露光対象領域であるショット領域Sがマトリクス状に複数配置されている。制御装置6は、基板ステージ2(第1保持部14)に保持されている基板Pの複数のショット領域Sを液浸空間LS1の液体LQを介して露光光ELで順次露光する。複数のショット領域Sのそれぞれは、露光光EL(投影領域PR)に対して基板PをY軸方向に移動しながら露光される。
例えば基板Pの第1のショット領域Sを露光するために、制御装置6は、液浸空間LS1、LS2が形成された状態で、基板P(第1のショット領域S)を投影光学系PLの投影領域PRに対してY軸方向に移動するとともに、その基板PのY軸方向への移動と同期して、照明系ILの照明領域IRに対してマスクMをY軸方向に移動しつつ、投影光学系PLと基板P上の液浸空間LS1の液体LQとを介して第1のショット領域Sに露光光ELを照射する。これにより、マスクMのパターンの像が基板Pの第1のショット領域Sに投影され、その第1のショット領域Sが射出面12から射出された露光光ELで露光される。第1のショット領域Sの露光が終了した後、制御装置6は、次の第2のショット領域Sの露光を開始するために、液浸空間LS1、LS2が形成されている状態で、基板PをXY平面内においてX軸と交差する方向(例えばX軸方向、あるいはXY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向等)に移動し、第2のショット領域Sを露光開始位置に移動する。その後、制御装置6は、第2のショット領域Sの露光を開始する。
制御装置6は、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LS1、LS2が形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対してショット領域をY軸方向に移動しながらそのショット領域を露光する動作と、そのショット領域の露光後、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LS1、LS2が形成された状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向(X軸方向、XY平面内においてX軸及びY軸方向に対して傾斜する方向など)に基板Pを移動する動作と、を繰り返して、基板Pの複数のショット領域を順次露光する。
以下の説明において、ショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LS1、LS2が形成されている状態で、射出面12からの露光光ELが照射される位置(投影領域PR)に対して基板P(ショット領域)をY軸方向に移動させる動作を適宜、スキャン移動動作、と称する。また、あるショット領域の露光後、次のショット領域を露光するために、基板P(基板ステージ2)上に液浸空間LS1、LS2が形成されている状態で、次のショット領域が露光開始位置に配置されるように、XY平面内においてY軸方向と交差する方向に基板Pを移動させる動作を適宜、ステップ移動動作、と称する。
スキャン移動動作とステップ移動動作とを繰り返して、基板Pの複数のショット領域Sが順次露光される。
なお、スキャン移動動作は、専らY軸方向の等速移動である。ステップ移動動作は、非等速移動(加減速度移動)を含む。例えば、X軸方向に隣接する2つのショット領域間のステップ移動動作は、Y軸方向の非等速移動(加減速移動)、及びX軸方向の非等速移動(加減速移動)を含む。
本実施形態において、制御装置6は、投影光学系PLの投影領域PRと基板Pとが、図8中、例えば矢印Srに示す移動軌跡に沿って相対的に移動するように、基板ステージ2を移動しつつ投影領域PRに露光光ELを照射して、液体LQを介して基板Pの複数のショット領域Sを露光光ELで順次露光する。
基板Pの複数のショット領域Sの露光が終了した後、その露光後の基板Pを保持した基板ステージ2は、基板交換位置に移動する。計測ステージ3は、終端光学素子13及び液浸部材5と対向するように配置される。終端光学素子13及び液浸部材5と基板ステージ2とが対向する状態から、終端光学素子13及び液浸部材5と計測ステージ3とが対向する状態へ変化するように、スクラム移動動作が実行される。
以下、同様の処理が繰り返されることによって、複数の基板Pが順次露光される。
図9は、液浸部材5及び計測ステージ3の一例を示す側面図である。図10は、液浸部材5及び計測ステージ3を模式的に示す平面図である。
本実施形態において、露光装置EXは、液体LQの温度を検出可能な検出装置50を備えている。検出装置50は、第1部材21の下方に配置可能な第1温度センサ51と、第2部材22の下方に配置可能な第2温度センサ52とを有する。本実施形態において、第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、計測ステージ3の上面に配置されている。第1温度センサ51は、液浸空間LS1の液体LQと接触可能である。第2温度センサ52は、液浸空間LS2の液体LQと接触可能である。なお、第1温度センサ51と液浸空間LS2の液体LQとが接触してもよい。第2温度センサ52と液浸空間LS1の液体LQとが接触してもよい。
検出装置50は、第1温度センサ51で、液浸空間LS1の液体LQの温度を検出する。検出装置50は、第2温度センサ52で、液浸空間LS2の液体LQの温度を検出する。なお、第1温度センサ51で液浸空間LS2の液体LQの温度が検出されてもよい。第2温度センサ52と液浸空間LS1の液体LQの温度が検出されてもよい。
本実施形態においては、第1、第2温度センサ51、52の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度の一方又は両方が調整される。
本実施形態においては、検出装置50は、第1温度センサ51及び第2温度センサ52を有する。第1温度センサ51及び第2温度センサ52は、液浸空間LS1の液体LQ及び液浸空間LS2の液体LQに同時に接触可能である。第1温度センサ51による液浸空間LS1の液体LQの温度の検出の少なくとも一部と並行して、第2温度センサ52による液浸空間LS2の液体LQの温度の検出が行われる。本実施形態においては、第1温度センサ51を用いる液浸空間LS1の液体LQの温度検出と、第2温度センサ52を用いる液浸空間LS2の液体LQの温度検出とが同時に行われる。
第1、第2温度センサ51、52の検出結果は、制御装置6に出力される。制御装置6は、第1、第2温度センサ51、52の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度の一方又は両方を調整する。液体供給装置34の温度調整部34Bが、液浸空間LS1を形成するための液体LQの温度を調整可能である。液体供給装置44の温度調整部44Bが、液浸空間LS2を形成するための液体LQの温度を調整可能である。制御装置6は、第1、第2温度センサ51、52の検出結果に基づいて、温度調整部34B及び温度調整部44Bの一方又は両方を制御する。
液浸空間LS1を形成するために、第1空間SP1に供給される液体LQが流れる供給流路33と、液浸空間LS2を形成するために、第2空間SP2に供給される液体LQが流れる供給流路43とは、異なる。したがって、温度調整部34Bで温度調整され、供給流路33を流れる液体LQの温度が、供給流路43を流れる液体LQの影響を受けることが抑制される。温度調整部44Bで温度調整され、供給流路43を流れる体LQの温度が、供給流路33を流れる液体LQの影響を受けることが抑制される。
本実施形態において、制御装置6は、供給口31から第1空間SP1に供給される液体LQの温度と、供給口41から第2空間SP2に供給される液体LQの温度との差が小さくなるように、温度調整部34B及び温度調整部44Bの一方又は両方を制御する。すなわち、制御装置6は、液浸空間LS1の液体LQの温度と、液浸空間LS2の液体LQの温度との差が小さくなるように、温度調整部34B、44Bを制御して、供給口31から第1空間SP1に供給される液体LQの温度及び供給口41から第2空間SP2に供給される液体LQの温度の一方又は両方を調整する。
以上説明したように、本実施形態によれば、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度を検出する検出装置50の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度を調整することができる。したがって、液体LQの温度に起因する露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、本実施形態において、制御装置6は、検出装置50の検出結果に基づいて、温度調整部34B、44Bを用いて、供給口31から供給される液体LQの温度、及び供給口41から供給される液体LQの温度の両方を調整してもよい。なお、制御装置6は、検出装置50の検出結果に基づいて、温度調整部34Bを用いて、供給口31から供給される液体LQの温度のみを調整してもよい。なお、制御装置6は、検出装置50の検出結果に基づいて、温度調整部44Bを用いて、供給口41から供給される液体LQの温度のみを調整してもよい。供給口31から供給される液体LQの温度及び供給口41から供給される液体LQの温度の両方を調整して、液浸空間LS1の液体LQの温度と液浸空間LS2の液体LQの温度との差を小さくすることができる。また、供給口31から供給される液体LQの温度及び供給口41から供給される液体LQの温度の一方を調整して、液浸空間LS1の液体LQの温度と液浸空間LS2の液体LQの温度との差を小さくすることができる。
なお、本実施形態において、制御装置6は、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度のそれぞれが目標温度になるように、温度調整部34B、44Bを制御してもよい。
なお、本実施形態においては、第1、第2温度センサ51、52が計測ステージ3に配置されることとした。第1、第2温度センサ51、52は、計測ステージ3とは別の、終端光学素子13の下方で移動可能な物体Bに配置されてもよい。例えば、第1、第2温度センサ51,52が基板ステージ2に配置されてもよい。第1、第2温度センサ51、52が、第1保持部14にリリース可能に保持される部材に配置されてもよい。なお、第1温度センサ51と第2温度センサ52とが、別の物体に配置されてもよい。例えば、第1温度センサ51が基板ステージ2に配置され、第2温度センサ52が計測ステージ3に配置されてもよい。
なお、液体LQの温度検出は、定期的に行われてもよい。液体LQの温度検出は、所定時間間隔毎に行われてもよいし、1つのロットの基板Pの露光開始前(又は露光終了後)毎に行われてもよいし、1つの基板Pの露光開始前(又は露光終了後)毎に行われてもよい。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、本実施形態に係る検出装置50Bの一例を示す。検出装置50Bは、第2部材22の下方に配置可能な温度センサ53を有する。本実施形態において、検出装置50Bは、液浸空間LS1の液体LQの温度と液浸空間LS2の液体LQの温度とを同時に検出しない。
温度センサ53は、終端光学素子13の下方で移動可能な物体Bに配置される。図11(A)は、第2部材22の下方に配置されている状態の温度センサ53を示す。図11(B)は、第1部材21の下方に配置されている状態の温度センサ53を示す。物体Bは、図11(A)に示す状態及び図11(B)に示す状態の一方から他方へ変化するように、液浸部材5の下方においてXY平面内で移動可能である。図11(A)に示す状態において、検出装置50Bは、液浸空間LS2の液体LQの温度を検出可能である。図11(B)に示す状態において、検出装置50Bは、液浸空間LS1の液体LQの温度を検出可能である。
制御装置6は、温度センサ53で検出した、液浸空間LS2の液体LQの温度及び液浸空間LS1の液体LQの温度の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度と液浸空間LS2の液体LQの温度との差が小さくなるように、供給口31から供給される液体LQの温度及び供給口41から供給される液体LQの温度の一方又は両方を調整することができる。
なお、制御装置6は、温度センサ53を用いて、液浸空間LS2の液体LQの温度を検出し、液浸空間LS1の液体LQの温度を検出しなくてもよい。制御装置6は、液浸空間LS2の液体LQの温度の検出結果に基づいて、液浸空間LS2の液体LQの温度を調整することができる。制御装置6は、液浸空間LS2の液体LQの温度の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度と液浸空間LS2の液体LQの温度との差が小さくなるように調整することができる。
なお、制御装置6は、温度センサ53を用いて、液浸空間LS1の液体LQの温度を検出し、液浸空間LS2の液体LQの温度を検出しなくてもよい。制御装置6は、液浸空間LS1の液体LQの温度の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度を調整することができる。制御装置6は、液浸空間LS1の液体LQの温度の検出結果に基づいて、液浸空間LS1の液体LQの温度と液浸空間LS2の液体LQの温度との差が小さくなるように調整することができる。
上述の第1、第2実施形態において、物体Bが、第1部材21との間で液浸空間LS1が形成される第1物体B1と、第2部材22との間で液浸空間LS2が形成される第2物体B2とを含む場合、制御装置6は、第1物体B1の温度と第2物体B2の温度との差が小さくなるように、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度の一方又は両方を調整してもよい。例えば、液浸空間LS1が第1部材21と第1保持部14に保持された基板Pとの間に形成され、液浸空間LS2が第2部材22とカバー部材T1との間に形成される場合、制御装置6は、基板Pの温度とカバー部材T1の温度との差が小さくなるように、液浸空間LS1の液体LQの温度及び液浸空間LS2の液体LQの温度の一方又は両方を調整してもよい。基板Pとその周囲のカバー部材T1との温度差が小さくなることによって、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。なお、第1物体B1が基板ステージ2であり、第2物体B2が計測ステージ3でもよい。
なお、液体LQの温度検出は、定期的に行われてもよい。液体LQの温度検出は、所定時間間隔毎に行われてもよいし、1つのロットの基板Pの露光開始前(又は露光終了後)毎に行われてもよいし、1つの基板Pの露光開始前(又は露光終了後)毎に行われてもよい。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、本実施形態に係る第2部材22の動作の一例を示す。本実施形態において、制御装置6は、第2部材22と物体Bとの間に形成された液浸空間LS2の液体LQの温度を調整して、その物体Bの温度を調整する。図12は、カバー部材T1上に液浸空間LS2が形成されている例を示す。液浸空間LS2の液体LQでカバー部材T1の温度が調整される。
本実施形態においては、第2保持部15に保持されたカバー部材T1の温度を検出する温度センサ54が設けられる。温度センサ54は、第2保持部15に保持されたカバー部材T1の下面と間隙を介して対向するように配置される。
本実施形態においては、制御装置6は、温度センサ54の検出結果に基づいて、液浸空間LS2の液体LQを用いる温度調整条件を調整する。液浸空間LS2の液体LQを用いる温度調整条件の調整は、カバー部材T1(物体)に接触する液浸空間LS2の液体LQの温度の調整を含む。制御装置6は、温度センサ54の検出結果に基づいて、温度調整部44Bを用いて、カバー部材T1(物体)に接触する液浸空間LS2の液体LQの温度の調整を行うことができる。これにより、カバー部材T1の温度が調整される。
液浸空間LS2の液体LQを用いる温度調整条件の調整は、液浸空間LS2の液体LQとカバー部材T1(物体)との接触時間の調整を含んでもよい。制御装置6は、温度センサ54の検出結果に基づいて、液浸空間LS2の液体LQとカバー部材T1(物体)との接触時間の調整を行ってもよい。これにより、カバー部材T1の温度が調整される。
液浸空間LS2の液体LQで基板Pの温度が調整されてもよい。液浸空間LS2の液体LQで基板Pの温度を調整する場合、基板P上に液浸空間LS2が形成されている。
本実施形態においては、第1保持部14に保持された基板Pの温度を検出する温度センサ55が設けられる。温度センサ55は、第1保持部14に保持された基板Pの下面と間隙を介して対向するように配置される。
本実施形態においては、制御装置6は、温度センサ55の検出結果に基づいて、液浸空間LS2の液体LQを用いる温度調整条件を調整する。液浸空間LS2の液体LQを用いる温度調整条件の調整は、基板P(物体)に接触する液浸空間LS2の液体LQの温度の調整を含む。制御装置6は、温度センサ55の検出結果に基づいて、温度調整部44Bを用いて、基板P(物体)に接触する液浸空間LS2の液体LQの温度の調整を行うことができる。これにより、基板Pの温度が調整される。
液浸空間LS2の液体LQを用いる温度調整条件の調整は、液浸空間LS2の液体LQとカバー部材T1(物体)との接触時間の調整を含んでもよい。制御装置6は、温度センサ54の検出結果に基づいて、液浸空間LS2の液体LQとカバー部材T1(物体)との接触時間の調整を行ってもよい。これにより、基板Pの温度が調整される。
本実施形態において、液浸空間LS2の液体LQを用いる物体B(基板P、カバー部材T1など)の温度の調整は、基板Pの露光前に行われる。これにより、露光不良の発生、及び不良デバイスの発生が抑制される。
なお、液浸空間LS2の液体LQを用いる物体B(基板P、カバー部材T1など)の温度の調整は、基板Pの露光中に行われてもよいし、基板Pの露光後に行われてもよい。
なお、液浸空間LS2の液体LQを用いて、基板Pの温度、及び基板ステージ2の温度のみならず、計測ステージ3の温度を調整してもよい。
本実施形態において、制御装置6は、基板Pの温度を検出する温度センサ55の検出結果に基づいて、第2部材22と基板Pの周囲に配置されるカバー部材T1との間に形成される液浸空間LS2の液体LQの温度を調整して、カバー部材T1の温度を調整してもよい。例えば、制御装置6は、温度センサ55の検出結果に基づいて、基板Pの温度とカバー部材T1の温度との差が小さくなるように、温度調整部44Bを制御して、液浸空間LS2の液体LQの温度を調整してもよい。制御装置6は、温度センサ55の検出結果と、液体供給装置44が有する温度センサ44Cの検出結果とに基づいて、基板Pの温度と供給口41から供給される液体LQの温度との差が小さくなるように、温度調整部44Bを制御してもよい。
なお、液体LQの温度調整動作は、定期的に行われてもよい。液体LQの温度調整動作は、所定時間間隔毎に行われてもよいし、1つのロットの基板Pの露光開始前(又は露光終了後)毎に行われてもよいし、1つの基板Pの露光開始前(又は露光終了後)毎に行われてもよい。
<第4実施形態>
次に、第4実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図13は、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例を示す。図13(A)は、基板Pのショット領域Saが液浸空間LS1の液体LQを介して露光されている状態を示す。ショット領域Saの露光において、基板Pのショット領域Saと液浸空間LS1の液体LQとが接触する。
図13(A)において、基板Pのショット領域Scと液浸空間LS2の液体LQとが接触する。すなわち、図13(A)に示す例では、基板Pのショット領域Saの露光において、基板Pのショット領域Saと液浸空間LS1の液体LQとが接触し、基板Pのショット領域Scと液浸空間LS2の液体LQとが接触する。ショット領域Scの温度は、液浸空間LS2の液体LQで調整される。
本実施形態において、ショット領域Saの露光後、ショット領域Scが露光される。すなわち、本実施形態においては、ショット領域Saの露光において、そのショット領域Saの露光後に露光されるショット領域Scの温度が、液浸空間LS2の液体LQで調整される。
これにより、ショット領域Scの温度が調整された状態で、そのショット領域Scの露光を行うことができる。したがって、パターンの重ね合わせ精度の低下、露光不良の発生が抑制される。
なお、ショット領域Saの直後に(ショット領域Saの次に)、ショット領域Scが露光されてもよい。ショット領域Saが露光され、ショット領域Sa、Scとは別のショット領域が露光された後、ショット領域Scが露光されてもよい。
なお、ショット領域Saの露光の少なくとも一部と並行して、ショット領域Scの温度が調整されてもよい。ショット領域Saの露光とショット領域Scの温度調整とが同時に行われてもよい。ショット領域Saの露光が終了した後、ショット領域Scの温度調整が行われ、その後、そのショット領域Scの露光が行われてもよい。
<第5実施形態>
次に、第5実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図14は、本実施形態に係る露光装置EXの動作の一例を示す。本実施形態において、終端光学素子13の下方で移動可能な物体Bは、加湿された第1領域AR1を含む。第1領域AR1は、例えば液体を含有した多孔部材の上面でもよい。
本実施形態においては、第2部材22と第1領域AR1とを接触させる動作が実行される。第2部材22と第1領域AR1とを接触させる動作が実行される際、液浸空間LS2は形成されない。第2部材22と第1領域AR1とが接触することにより、第2部材22が加湿される。
第2部材22が加湿された後、その第2部材22と、第1領域AR1とは異なる物体Bの第2領域AR2とを接触させる動作が実行される。これにより、第2領域AR2が加湿される。
なお、第1部材21と第1領域AR1とを接触させる場合、物体Bが移動してもよいし、第1部材21が移動してもよいし、第1部材21及び物体Bの両方が移動してもよい。なお、第2部材22と第2領域AR2とを接触させる場合、物体Bが移動してもよいし、第2部材22が移動してもよいし、第2部材22及び物体Bの両方が移動してもよい。
例えば、第2領域AR2が、投影光学系PLの像面側(終端光学素子13の光射出側)に配置される光センサの上面である場合、光センサの上面と液浸空間LS1の液体LQとを接触させる可能性がある。光センサの上面から液浸空間LS1が退いた後においても、光センサの上面を濡らし続けたい場合がある。その場合、加湿された第2部材22を光センサの上面(第2領域AR2)に接触させることによって、その光センサの上面を濡らすことができる。
なお、第2部材22の下方に液浸空間LS2を形成して、第2領域AR2上から液浸空間LS1が退いた後、その第2領域AR2と第2部材22との間に液浸空間LS2を形成してもよい。
<第6実施形態>
次に、第6実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図15は、本実施形態に係る第2部材22Gの一部を示す断面図である。第2部材22は、物体B上の流体(液体LQ及び気体GSの一方又は両方)を回収可能な回収口42と、回収口42から回収された流体が流れる回収流路45とを有する。
本実施形態において、第2部材22の少なくとも一部に、回収口42から回収された液体LQと気体GSとを分離する気液分離装置70が設けられる。なお、気液分離装置70の全部が第2部材22に配置されてもよい。気液分離装置70の一部が第2部材22に配置され、気液分離装置70の一部が第2部材22とは別の部材に配置されてもよい。気液分離装置70の全部が第2部材22とは別の部材に配置されてもよい。
気液分離装置70は、回収流路45に接続され、回収流路45からの流体が送られる空間71と、空間71の下面72に配置され、空間71の液体LQを排出可能な排出口73と、下面72と間隙を介して配置され、空間71の液体LQを吸引可能な吸引口74と、吸引口74よりも上方に配置され、空間71の気体GSを排出可能な排出口75とを有する。
排出口73は、排出口73と真空システムとを接続可能な液体回収装置76に接続される。吸引口74は、多孔部材77に配置される。多孔部材77の下面は、空間71に面する。多孔部材77の上面は、吸引流路78に面する。多孔部材77の下面は、間隙を介して下面72と対向する。吸引口74は、多孔部材77の孔を含む。吸引口74(吸引流路78)は、吸引口74と真空システムとを接続可能な液体回収装置79に接続される。多孔部材77の下面側の圧力(空間71の圧力)と、多孔部材78の上面側の圧力(吸引流路78の圧力)との差が調整されることによって、吸引口74から実質的に液体LQのみが吸引され、吸引口74からの気体GSの吸引が抑制される。
なお、本実施形態において、多孔部材77の表面(下面、孔の表面など)は、液体LQに対して親液性であるが親液性でなくてもよい。
また、吸引口74に多孔部材77が配置されていなくてもよい。
排出口75は、排出口75と真空システムとを接続可能な回収装置80に接続される。
本実施形態においては、回収流路45から空間71に送られた液体LQの少なくとも一部は、重力の作用により、下面72に送られる。下面72の液体LQの少なくとも一部は、排出口73から排出される。また、下面72の液体LQの少なくとも一部は、吸引口74から吸引される。回収流路45から空間71に送られた気体GSの少なくとも一部は、排出口75から排出される。
本実施形態においては、気液分離装置70が設けられており、液体LQと気体GSとが分離して排出される。そのため、液体LQの気化(気化熱)の発生が抑制される。したがって、例えば第2部材22の温度が変化したり、液浸空間LS2の液体LQの温度が変化したり、物体Bの温度が変化したりすることが抑制される。
図16は、気液分離装置90の一例を示す。気液分離装置90の少なくとも一部は、第2部材22Hに配置される。なお、気液分離装置90が第2部材22Hとは別の部材に配置されてもよい。
本実施形態において、回収口42からの流体(液体LQ及び気体GSの一方又は両方)が流れる回収流路45Hの内面の少なくとも一部は、多孔部材91の内面を含む。
回収流路45Hは、回収装置92に接続される。回収装置92は、回収口42と真空システムとを接続可能である。
多孔部材91の外面は、流路93を介して、液体回収装置94と接続される。流路93の端部は、多孔部材91の外面に面する。液体回収装置94は、多孔部材91と真空システムとを接続可能である。
本実施形態においては、回収流路45Hの液体LQは、多孔部材91を介して、流路93に送られる。多孔部材91の内面側の圧力(回収流路45Hの圧力)と、多孔部材91の外面側の圧力(流路93の圧力)との差が調整されることによって、回収流路45の流体(液体LQ及び気体GSの一方又は両方)のうち、多孔部材91から実質的に液体LQのみが吸引され、多孔部材91からの気体GSの吸引が抑制される。これにより、回収流路45Hの液体LQは、多孔部材91を介して液体回収装置94に送られ、回収流路45Hの気体GSは、回収装置92に送られる。
なお、本実施形態において、多孔部材91の表面(内側面、内部の孔の表面など)は、液体LQに対して親液性であるが、親液性でなくてもよい。
なお、上述の各実施形態において、液浸空間LS1を形成するための液体LQと、液浸空間LS2を形成するための液体LQと、液浸空間LS22を形成するための液体LQとは、同じ種類(物性)でもよいし、異なる種類(物性)でもよい。
なお、本実施形態において、液浸空間LS1を形成するための液体LQと、液浸空間LS2を形成するための液体LQと、液浸空間LS22を形成するための液体LQとは、同じクリーン度でもよいし、異なるクリーン度でもよい。
なお、上述したように、制御装置6は、CPU等を含むコンピュータシステムを含む。また、制御装置6は、コンピュータシステムと外部装置との通信を実行可能なインターフェースを含む。記憶装置7は、例えばRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM等の記録媒体を含む。記憶装置7には、コンピュータシステムを制御するオペレーティングシステム(OS)がインストールされ、露光装置EXを制御するためのプログラムが記憶されている。
なお、制御装置6に、入力信号を入力可能な入力装置が接続されていてもよい。入力装置は、キーボード、マウス等の入力機器、あるいは外部装置からのデータを入力可能な通信装置等を含む。また、液晶表示ディスプレイ等の表示装置が設けられていてもよい。
記憶装置7に記録されているプログラムを含む各種情報は、制御装置(コンピュータシステム)6が読み取り可能である。記憶装置7には、制御装置6に、露光光が射出される光学部材の射出面と基板との間の露光光の光路に満たされた第1液体を介して露光光で基板を露光する液浸露光装置の制御を実行させるプログラムが記録されている。
記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材で第1液体の第1液浸空間を形成することと、光路に対して第1部材の外側に配置される第2部材で、第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成することと、第1液浸空間の第1液体の温度を検出することと、第2液浸空間の第2液体の温度を検出することと、第1、第2液体の温度の検出結果に基づいて、第1液体の温度及び第2液体の温度の一方又は両方を調整することと、を実行させてもよい。
また、記憶装置7に記録されているプログラムは、上述の実施形態に従って、制御装置6に、光学部材の射出面から射出される露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材で第1液体の第1液浸空間を形成することと、光路に対して第1部材の外側に配置される第2部材で、第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成することと、第2液浸空間の第2液体の温度を調整して、光学部材の下方で移動可能な物体の温度を調整することと、を実行させてもよい。
記憶装置7に記憶されているプログラムが制御装置6に読み込まれることにより、基板ステージ2、計測ステージ3、及び液浸部材5等、露光装置EXの各種の装置が協働して、液浸空間が形成された状態で、基板Pの液浸露光等、各種の処理を実行する。
なお、上述の各実施形態においては、投影光学系PLの終端光学素子13の射出面12側(像面側)の光路Kが液体LQで満たされているが、投影光学系PLが、例えば国際公開第2004/019128号に開示されているような、終端光学素子13の入射側(物体面側)の光路も液体LQで満たされる投影光学系でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、液体LQが水であることとしたが、水以外の液体でもよい。液体LQは、露光光ELに対して透過性であり、露光光ELに対して高い屈折率を有し、投影光学系PLあるいは基板Pの表面を形成する感光材(フォトレジスト)等の膜に対して安定なものが好ましい。例えば、液体LQが、ハイドロフロロエーテル(HFE)、過フッ化ポリエーテル(PFPE)、フォンブリンオイル等のフッ素系液体でもよい。また、液体LQが、種々の流体、例えば、超臨界流体でもよい。
なお、上述の各実施形態においては、基板Pが、半導体デバイス製造用の半導体ウエハを含むこととしたが、例えばディスプレイデバイス用のガラス基板、薄膜磁気ヘッド用のセラミックウエハ、あるいは露光装置で用いられるマスクまたはレチクルの原版(合成石英、シリコンウエハ)等を含んでもよい。
なお、上述の各実施形態においては、露光装置EXが、マスクMと基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを走査露光するステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(スキャニングステッパ)であることとしたが、例えばマスクMと基板Pとを静止した状態でマスクMのパターンを一括露光し、基板Pを順次ステップ移動させるステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパ)でもよい。
また、露光装置EXが、ステップ・アンド・リピート方式の露光において、第1パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第1パターンの縮小像を基板P上に転写した後、第2パターンと基板Pとをほぼ静止した状態で、投影光学系を用いて第2パターンの縮小像を第1パターンと部分的に重ねて基板P上に一括露光する露光装置(スティッチ方式の一括露光装置)でもよい。また、スティッチ方式の露光装置が、基板P上で少なくとも2つのパターンを部分的に重ねて転写し、基板Pを順次移動させるステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置でもよい。
また、露光装置EXが、例えば米国特許第6611316号に開示されているような、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回の走査露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置でもよい。また、露光装置EXが、プロキシミティ方式の露光装置、ミラープロジェクション・アライナー等でもよい。
また、上述の各実施形態において、露光装置EXが、米国特許第6341007号、米国特許第6208407号、米国特許第6262796号等に開示されているような、複数の基板ステージを備えたツインステージ型の露光装置でもよい。例えば、図17に示すように、露光装置EXが2つの基板ステージ2001、2002を備えている場合、射出面12と対向するように配置可能な物体は、一方の基板ステージ、その一方の基板ステージの第1保持部に保持された基板、他方の基板ステージ、及びその他方の基板ステージの第1保持部に保持された基板の少なくとも一つを含む。
また、露光装置EXが、複数の基板ステージと計測ステージとを備えた露光装置でもよい。
なお、露光装置EXが、基板Pに半導体素子パターンを露光する半導体素子製造用の露光装置でもよいし、液晶表示素子製造用又はディスプレイ製造用の露光装置でもよいし、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD)、マイクロマシン、MEMS、DNAチップ、あるいはレチクル又はマスクなどを製造するための露光装置でもよい。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(又は位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスクを用いたが、このマスクに代えて、例えば米国特許第6778257号に開示されているような、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターン又は反射パターン、あるいは発光パターンを形成する可変成形マスク(電子マスク、アクティブマスク、あるいはイメージジェネレータとも呼ばれる)を用いてもよい。また、非発光型画像表示素子を備える可変成形マスクに代えて、自発光型画像表示素子を含むパターン形成装置を備えるようにしてもよい。
上述の各実施形態においては、露光装置EXが投影光学系PLを備えることとしたが、投影光学系PLを用いない露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。例えば、レンズ等の光学部材と基板との間に液浸空間を形成し、その光学部材を介して、基板に露光光を照射する露光装置及び露光方法に、上述の各実施形態で説明した構成要素を適用してもよい。
また、露光装置EXが、例えば国際公開第2001/035168号に開示されているような、干渉縞を基板P上に形成することによって基板P上にライン・アンド・スペースパターンを露光する露光装置(リソグラフィシステム)でもよい。
上述の実施形態の露光装置EXは、上述の各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了した後、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
半導体デバイス等のマイクロデバイスは、図18に示すように、マイクロデバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板を製造するステップ203、上述の実施形態に従って、マスクのパターンからの露光光で基板を露光すること、及び露光された基板を現像することを含む基板処理(露光処理)を含む基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した露光装置等に関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
2…基板ステージ、3…計測ステージ、5…液浸部材、6…制御装置、7…記憶装置、12…射出面、13…終端光学素子、21…第1部材、22…第2部材、50…検出装置、70…気液分離装置、EL…露光光、EX…露光装置、IL…照明系、K…光路、LQ…液体、LS1…液浸空間、LS2…液浸空間、P…基板、S…ショット領域、SP1…第1空間、SP2…第2空間。

Claims (36)

  1. 第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置であって、
    前記露光光が射出される射出面を有する光学部材と、
    前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置され、前記第1液体の前記第1液浸空間を形成する第1部材と、
    前記光路に対して前記第1部材の外側に配置され、前記第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成可能な第2部材と、を備える露光装置。
  2. 前記第2部材に配置される第2液体回収口と、
    前記第2液体回収口から回収された液体と気体とを分離する気液分離装置と、を備える請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記気液分離装置は、前記第2部材に設けられる請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記第2部材の下方に配置可能な温度センサを備え、
    前記温度センサで前記第2液浸空間の前記第2液体の温度を検出する請求項1に記載の露光装置。
  5. 前記温度センサは、前記第1部材の下方に配置可能であり、
    前記温度センサで前記第1液浸空間の前記第1液体の温度を検出する請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記温度センサの検出結果に基づいて、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方が調整される請求項4又は5に記載の露光装置。
  7. 前記温度センサは、前記第1部材の下方に配置可能な第1温度センサと、前記第2部材の下方に配置可能な第2温度センサと、を含み、
    前記第1、第2温度センサの検出結果に基づいて、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方が調整される請求項4〜6のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記温度センサの検出結果に基づいて、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方を調整する温度調整装置を備える請求項4〜7のいずれか一項に記載の露光装置。
  9. 前記温度調整装置は、前記第1液体の温度と前記第2液体の温度との差が小さくなるように調整する請求項8に記載の露光装置。
  10. 前記第1液浸空間の第1液体の温度と、前記第2液浸空間の第2液体の温度との差が小さくなるように、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方を調整する温度調整装置を備える請求項1に記載の露光装置。
  11. 前記第1液浸空間を形成するために前記第1空間に供給される前記第1液体が流れる第1供給流路と、前記第2液浸空間を形成するために前記第2空間に供給される前記第2液体が流れる第2供給流路とは、異なる請求項10に記載の露光装置。
  12. 前記第1液浸空間の第1液体の温度を検出する第1温度センサと、
    前記第2液浸空間の第2液体の温度を検出する第2温度センサと、を備え、
    前記温度調整装置は、前記第1、第2温度センサの検出結果に基づいて、温度調整を行う請求項10又は11に記載の露光装置。
  13. 前記第1温度センサによる前記第1液体の温度の検出の少なくとも一部と並行して、前記第2温度センサによる前記第2液体の温度の検出が行われる請求項12に記載の露光装置。
  14. 前記第1温度センサ及び前記第2温度センサの少なくとも一方は、前記光学部材の下方で移動可能な物体に配置される請求項12又は13に記載の露光装置。
  15. 前記物体は、前記第1部材との間で前記第1液浸空間が形成される第1物体と、前記第2部材との間で前記第2液浸空間が形成される第2物体と、を含み、
    前記温度調整装置は、前記第1物体の温度と前記第2物体の温度との差が小さくなるように、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方を調整する請求項11〜14のいずれか一項に記載の露光装置。
  16. 前記第2部材と、前記光学部材の下方で移動可能な物体との間に形成された前記第2液浸空間の第2液体の温度を調整して、前記物体の温度を調整する温度調整装置を備える請求項1に記載の露光装置。
  17. 前記物体の温度を検出する温度センサを備え、
    前記温度センサの検出結果に基づいて、前記第2液浸空間の前記第2液体を用いる温度調整条件が調整される請求項16に記載の露光装置。
  18. 前記第2液体を用いる温度調整条件の調整は、前記物体に接触する前記第2液体の温度の調整を含む請求項17に記載の露光装置。
  19. 前記第2液体を用いる温度調整条件の調整は、前記第2液体と前記物体との接触時間の調整を含む請求項17又は18に記載の露光装置。
  20. 前記温度調整装置は、前記基板の露光前において、前記第2液体で前記物体の温度を調整する請求項16〜19のいずれか一項に記載の露光装置。
  21. 前記物体は、前記基板を含む請求項16〜20のいずれか一項に記載の露光装置。
  22. 前記基板の第1ショット領域の露光後、第2ショット領域が露光され、
    前記調整装置は、前記第1ショット領域の露光において、前記第2液体で前記第2ショット領域の温度を調整する請求項16〜21のいずれか一項に記載の露光装置。
  23. 前記基板の温度を検出する基板温度センサと、
    前記基板温度センサの検出結果に基づいて、前記第2部材と前記基板の周囲に配置される物体との間に形成される前記第2液浸空間の第2液体の温度を調整して、前記物体の温度を調整する調整装置を備える請求項1に記載の露光装置。
  24. 前記第1部材に配置される第1液体供給口と、
    前記第1部材に配置される第1液体回収口と、を備える請求項1〜23のいずれか一項に記載の露光装置。
  25. 前記光学部材の下方で移動可能な物体は、加湿された第1領域を含み、
    前記第2部材と前記第1領域とを接触させて、前記第2部材を加湿した後、前記第2部材と前記第1領域とは異なる前記物体の第2領域とを接触させる請求項1に記載の露光装置。
  26. 請求項1〜25のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
  27. 第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置における温度調整方法であって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材で前記第1液体の前記第1液浸空間を形成することと、
    前記光路に対して前記第1部材の外側に配置される第2部材で、前記第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成することと、
    前記第1液浸空間の前記第1液体の温度を検出することと、
    前記第2液浸空間の前記第2液体の温度を検出することと、
    前記第1、第2液体の温度の検出結果に基づいて、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方を調整することと、を含む温度調整方法。
  28. 前記第1液体の温度の検出の少なくとも一部と並行して、前記第2液体の温度を検出する請求項27に記載の温度調整方法。
  29. 前記第1液体の温度と前記第2液体の温度との差が小さくなるように、前記第1液体の温度及び前記第2液体の温度の一方又は両方が調整される請求項27又は28に記載の温度調整方法。
  30. 第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光装置における温度調整方法であって、
    光学部材の射出面から射出される前記露光光の光路の周囲の少なくとも一部に配置される第1部材で前記第1液体の前記第1液浸空間を形成することと、
    前記光路に対して前記第1部材の外側に配置される第2部材で、前記第1液浸空間から離れて、第2液体の第2液浸空間を形成することと、
    前記第2液浸空間の前記第2液体の温度を調整して、前記光学部材の下方で移動可能な物体の温度を調整することと、を含む温度調整方法。
  31. 前記物体の温度の検出結果に基づいて、前記第2液浸空間の前記第2液体を用いる温度調整条件を調整することを含む請求項30に記載の温度調整方法。
  32. 前記第2液体を用いる温度調整条件の調整は、前記物体に接触する前記第2液体の温度の調整を含む請求項31に記載の温度調整方法。
  33. 前記第2液体を用いる温度調整条件の調整は、前記第2液体と前記物体との接触時間の調整を含む請求項31又は32に記載の温度調整方法。
  34. 第1液浸空間の第1液体を介して露光光で基板を露光する露光方法であって、
    前記第1液浸空間の前記第1液体を介して前記基板の第1ショット領域を露光することと、
    請求項30〜33のいずれか一項に記載の温度調整方法を用いて前記基板の第2ショット領域の温度を調整することと、
    温度調整された前記基板の前記第2ショット領域を露光することと、を含む露光方法。
  35. 前記第1ショット領域の露光の少なくとも一部と並行して、前記第2ショット領域の温度が調整される請求項34に記載の露光方法。
  36. 請求項34又は35に記載の露光方法を用いて基板を露光することと、
    露光された前記基板を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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