JP2011252271A - 建物 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的な通気性を確保しつつ十分な採光も確保でき、通気性と採光とを両立させることができる建物を得ること。
【解決手段】二階建て住宅10は、4つの構成部21〜24を有している。道路側構成部21において、インナーガレージ41の出入り口41aは通気可能とされ、そこから風が取り込まれる。また、奥側構成部24の二階部分に存在する第3居室54は天井高とされ、その天井高部分の道路側には後方採光窓部62が、奥側には後方通気窓部67がそれぞれ設けられている。前記出入り口41aより取り込まれた風は、吹き抜け空間Fを通じて第3居室54に導かれ、後方通気窓部67から排気される。一方、後方採光窓部65より、第3居室54に太陽光Tが取り込まれて採光が確保される。
【選択図】図3

Description

本発明は、住宅等の建物に関する。
従来より、住宅等の建物では、屋外から空気を取り込むとともに、それを屋内の空気とともに屋外へ排気するという通気性を確保することが求められている。そのような通気性の確保は、互いに逆側となる建物屋外面に、空気の取込部と排気部とがそれぞれ設置されることで実現される。
この場合、排気部が取込部よりも高い位置に配置されることにより、取込部から取り込まれた風が斜め上の方へ導かれるようにした構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、取り込まれた空気が建物屋内で暖められて上昇するという現象にかなった構成であるため、効率的な換気を行えるというメリットがある。
そして、この取込部や排気部を窓部として構成すれば、通気だけでなく、太陽光を屋内へ取り込むための採光部としての機能をもたせることもできる。
特公平7−76471号公報
しかしながら、敷地がおかれている状況によっては、そこに建てられた建物において、前記排気部を通じた採光が困難となる問題が生じ得る。例えば、排気部が北側に配置される建物の向きであったり、排気部に近接して隣接建物の外壁部が存在したりする場合には、その排気部からの採光が不十分となる。
そこで、本発明は、効率的な通気性を確保しつつ十分な採光も確保でき、通気性と採光とを両立させることができる建物の提供を主たる目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
すなわち、第1の発明では、建物周囲を取り囲む外壁部のうち、互いに逆側の建物側面となる第1外壁部と第2外壁部とを有する建物であって、前記第1外壁部に設けられた第1風取込部と、前記第2外壁部に設けられ、前記第1風取込部よりも高い位置に配置された第1風排気窓部と、前記第1風取込部と前記第1風排気窓部との間で空気を通気させる屋内通気路と、を備え、前記第2外壁部寄りの空間領域では、反対の前記第1外壁部寄りの空間領域よりも天井部が高く形成され、その天井高とされた部分における前記第1外壁部側の立ち上り外壁部に、太陽光を取り込む第1採光部が設置された。
この第1の発明によれば、第1風取込部から取り込まれた空気は、屋内通気路を通過中、屋内で暖められて上昇しながら第1風排気窓部に導かれ、そこから屋外に排気されるため、効率のよい換気を実現できる。併せて、建物の向きや隣接建物が近接する等、建物のおかれている状況によって第1風排気窓部からの採光が困難となる場合でも、その反対側に設けられている第1採光部より太陽光が第2外壁部寄りの空間領域に取り込まれる。これにより、第1風排気窓部による採光に依存していた第2外壁部寄りの空間領域でも、十分な採光を確保できる。その結果、効率的な通気性を確保しつつ、建物の向き等に影響されることのない十分な採光を確保でき、通気性と採光とを両立させることができる。
第2の発明では、前記第1外壁部と前記第2外壁部との間において、その第2外壁部の内側には、上階及び下階の各空間部を有する第1建物構成部が、その第1建物構成部に隣接してそれよりも第1外壁部側には、上下階に連通する吹き抜け空間を有する第2建物構成部が設けられた建物であって、前記第1外壁部寄りの空間領域及び前記第2外壁部の空間領域のうち、前記第1建物構成部の上階空間部が第2外壁部寄りの空間領域とされ、一方、前記第2建物構成部の吹き抜け空間が第1外壁部寄りの空間領域とされ、前記第1建物構成部の上階空間部と前記吹き抜け空間との間が通気可能に連通され、前記屋内通気路は、この通気部分を介して前記吹き抜け空間から前記第1建物構成部の上階空間部に至る経路を含んで構成されている。
この第2の発明によれば、屋内に取り込まれた空気が第1風排気窓部に導かれる途中、吹き抜け空間より第1建物構成部の上階空間部に至る通気路を通過する。その通気路では、床面が順次高くなっているため、上昇気流が生じ易くなり、通気性を確保する上で好適となる。
第3の発明では、間口よりも奥行きが長く形成されるとともに、前記第1外壁部が道路に面して設けられた建物であって、前記第1外壁部と前記第2外壁部との間において、前記第2建物構成部に隣接してそれよりも第1外壁部側に、上階及び下階の各空間部を有する第3建物構成部が設けられ、前記第3建物構成部の上階空間部は、その天井部が前記吹き抜け空間の天井部よりも高く形成され、その天井高部分における第1外壁部側の外壁部には太陽光を取り込む第2採光部が設置され、前記第3建物構成部の上階空間部と前記吹き抜け空間との間、及び前記吹き抜け空間と前記第1建物構成部の下階空間部との間は光通過可能に連通されている。
この第3の発明によれば、第3建物構成部の上階天井高部分に設けられた第2採光部より太陽光が取り込まれると、その太陽光は吹き抜け空間を介して第1建物構成部の下階空間部に導かれる。これにより、第3建物構成部の上階空間部、吹き抜け空間及び第1構成部の下階空間部への採光を確保できる。その結果、隣接建物が近接配置されていても、道路より奥側まで、天窓を用いることなく採光できる。
特に、間口より奥行きが長く形成された町家のような建物では、近接する隣接建物との関係で、奥側に存在する屋内空間部への採光は大きな問題となっている。天窓を用いた対策も考えられるが、雨仕舞いという別の問題を生じるし、下階部分については天窓を設置しても問題は解消されない。その意味で、この第3の発明には、天窓を用いずに奥の下階空間部への採光を実現できるという優位性が認められる。
第4の発明では、前記第1外壁部と前記第2外壁部との間において、前記第3建物構成部に隣接してそれよりも第1外壁部側に第4建物構成部が設けられ、その第4建物構成部は上階及び下階の各空間部と、前記第2採光部よりも低い位置に設けられた屋根部とを有する建物であって、前記第4建物構成部の下階空間部は、その第1外壁部側に前記第1風取込部が設置されるとともに、前記第3建物構成部の下階空間部と通気可能に連通されて、その通気部分が前記屋内通気路の経路とされており、また、前記第4建物構成部の上階空間部は、その第1外壁部側に第2風取込部が設置されるとともに、前記第3建物構成部の上階空間部と通気可能に連通され、前記第3建物構成部の上階空間部において、前記天井高とされた部分における前記第2外壁部側の立ち上り外壁部には、前記第2風取込部より取り込まれた風を排気する第2風排気窓部が設けられた。
この第4の発明によれば、第1風取込部より第4建物構成部の下階空間部に導入された空気は、第3建物構成部の下階空間部、吹き抜け空間、第1建物構成部の上階空間部を通過する通気路を経て、第1風排気窓部に導かれる。また、第2風取込部より第4建物構成部の上階空間部に導入された空気は、第3建物構成部の上階空間部を経て、その第3建物構成部の上階天井高部分に設けられた第2風排気窓部に導かれる。こうして、間口より奥行きが長く形成された建物において、その上下階いずれでも、空気が斜め上の方へ導かれる流れが形成され、奥行き方向全体の換気を実現できる。
第5の発明では、前記各建物構成部のうち、少なくとも前記第2建物構成部及び第4建物構成部は、その屋根面がフラットに形成されたフラット屋根部を有している。
この第5の発明によれば、少なくとも第2建物構成部及び第4建物構成部の屋根面がフラット屋根部とされているため、第1採光部及び第2採光部の前方にはフラットに形成された屋根面が広がっている。そのため、これら採光部の前方に採光を遮るものが存在せず、採光にとって好適な状態となる。
第6の発明では、前記第1建物構成部の下階空間部に、同空間部で使用した水を排出する排水設備が設けられた建物であり、前記排水設備は、前記第1建物構成部から道路側まで延びる排水管を有し、その排水管を利用して前記第1建物構成部の下階空間部の排気を行う排気システムが設けられている。
この第6の発明によれば、建物奥側に存在する第1建物構成部に関して、下階空間部に設けられた排水設備の排水管を利用して、当該下階空間部の空気が道路側に排出されることになる。キッチン等において、淀んだり、そこで発生した匂いや油分等を含んだりする空気をそのまま屋外に排気することは、近接して隣接建物が存在するような場合に、その隣接建物の住人等を不快にさせてしまうおそれがある。その点、上記構成によれば、そのような隣地への迷惑を抑制できる。
なお、排水管を利用する前記排水システムとして、具体的には、前記排水管に一体に、前記第1建物構成部の排気を行う排気管が設けられていることが好ましい。このように排水管と排気管とを一体に設けることにより、第1建物構成部における排水及び排気を道路側に向けて実施できる。
第7の発明では、前記排気システムは、前記下階空間部に設けられた排気口と、前記排気口から前記排水設備の排水管へ導く排気通路と、前記排気通路へ前記下階空間部の空気を排気する排気手段と、前記排気通路に設けられ、前記排気手段により排気が行われるのに合わせて前記排気通路を開放する開閉弁と、を備えた。
この第7の発明によれば、下階空間部の空気は排水管を通じて排気される。この場合、排水管の臭気が下階空間部に逆流してしまうおそれがあるが、常には閉じ状態とされ、排気手段による排気が行われるのに合わせて開状態とされる開閉弁を有しているため、そのような臭気の逆流を防止できる。なお、排気手段としては、例えば、ファン装置等を用いて強制的に排気がなされたり、排水時の負圧を利用して排気がなされたりするが考えられる。
第8の発明では、前記第1建物構成部の下階空間部に外気を導入する外気導入部と、前記排気が行われるのに合わせて、前記外気導入部での外気導入がなされるようにその駆動を制御する制御手段と、を備えた。
この第8の発明によれば、排気手段による排気に合せて下階空間部に新鮮な外気が導入されるため、下階空間部の空気環境を向上させることができる。
二階建て住宅を示す縦断面図。 二階建て住宅を示す平面図。 採光及び空気の流れを説明する説明図。 太陽光Tの入射を示す住宅の平面概略図。
以下、本発明の建物を具体化した一実施の形態である、南向きに建てられた二階建て住宅について、図面を参照しながら説明する。
図1は、この二階建て住宅を示す縦断面図であり、南北方向を切断線としている。図2はその住宅を示す平面図であり、紙面左から順に、半地下部分、一階(1F)部分、二階(2F)部分、第1屋上階部分、第2屋上階部分を示している。なお、図1では紙面の左右方向が南北方向、図2では紙面の上下方向が南北方向となっているものとする。
図1及び図2に示されているように、道路Rに面し、間口が狭くて奥行きの長い敷地Sが存在している。この敷地Sは比較的狭小であり、建築面積を可能な限り広くする必要がある。そこで、隣接敷地との隣地境界線Lに迫るようにして、二階建ての住宅10が建てられている。このように間口を除く三方で隣地境界線Lに近接して建てられた住宅10は、敷地Sの形状と同様、間口が狭くて奥行きの長い、うなぎの寝床とも呼ばれる町家のような建物となっている。
また、住宅10は、間口から奥にかけて4つの構成部21〜24に区分される。道路Rに面する正面側から順に、道路側構成部21、中間第1構成部22、中間第2構成部23及び奥側構成部24とする。これら各構成部21〜24が、奥行き方向(南北方向)に並んで設けられている。なお、これら各構成部21〜24は、単に、住宅10の説明上での区分に過ぎない。このため、二階建て住宅10は、鉄骨軸組工法、ユニット工法、木造の従来工法等、いずれの構成も採用できる。
後述するように、各構成部21〜24のうち、最も奥側に設けられた奥側構成部24は第1建物構成部に、中間第2構成部23は第2建物構成部に、中間第1構成部22は第3建物構成部に、道路側構成部21は第4建物構成部にそれぞれ相当する。また、道路側構成部21における道路Rに面した正面外壁部26が第1外壁部に、奥側構成部24における奥側外壁部27が第2外壁部に相当する。したがって、この実施形態における第1外壁部側は道路(正面)側であり、第2外壁部側は奥側となる。
上記各構成部21〜24は、それぞれ一階部分11と二階部分12とを備えている。また、各構成部21〜24は、いずれも屋根面21a〜24aがフラットとなるフラット屋根部(陸屋根)を有している。中間第2構成部23を除く各構成部21,22,24の屋根面21a,22a,24aには、太陽光パネル31が設置されている。住宅10で使用する電力の一部が、この太陽光パネル31での発電によって賄われる。
一方、中間第2構成部23の屋上部分には、屋上緑化32が設けられている。この屋上緑化32の存在により、夏季の強い日射が屋根面23aに直接照射されるとか、都市部でのヒートアイランド現象等を原因とする屋内温度の上昇を軽減できる。図示されていないものの、この屋上緑化32へ通ずる階段や通路等の設備を設置し、その設備を利用して屋内と屋上緑化32との間を行き来できるようにしてもよい。これにより、屋上緑化32を屋上庭園として利用することができようになり、敷地Sで確保することが困難な庭を屋上部分に確保できる。
次に、上記各構成部21〜24について、それぞれ詳しく説明する。
まず、最も道路R(正面)側に存在する道路側構成部21では、その一階部分11にはインナーガレージ(付属車庫)41が設けられ、1台の車両Cが駐車可能となるだけのスペースが確保されている。インナーガレージ41は、第4建物構成部の下階空間部に相当する。インナーガレージ41への出入り口部分にはシャッタ装置33が設けられ、そのシャッターカーテン33aにより、インナーガレージ41の出入り口41aが開閉されるようになっている。このシャッターカーテン33aはパイプ式のものであり、閉状態にあってもインナーガレージ41と屋外との通気性が確保されるようになっている。このため、本実施の形態では、インナーガレージ41の出入り口41aが第1風取込部に相当する。
その二階部分12には、主寝室等の第1居室51が設けられている。第1居室51は、第4建物構成部の上階空間部に相当する。第1居室51の正面南側には第2風取込部としての正面窓部61が設けられており、この正面窓部61を通じて第1居室51に太陽光を取り込んだり、ガラス戸を開閉することによって通気性を確保したりすることが可能となる。なお、夏季の太陽光や外からの視線を遮ったりするため、正面窓部61の屋内側には、カーテンやブラインド装置が適宜設置される。
続いて、道路側構成部21の奥側に存在する中間第1構成部22では、その一階部分11の床がインナーガレージ41の床よりも床高とされ、その一階空間部42には、玄関・ホール、上下階を行き来する階段、トイレや浴室等の水回り空間等が設けられている。この一階空間部は、第3建物構成部の下階空間部に相当する。玄関・ホールはインナーガレージ41の奥側に配置され、玄関ドア34によってその両者の間が仕切られている。玄関ドア34は通気口を有し、閉じ状態にあっても通気性を確保できるものが採用されている。その他、一階空間部42には、階段が設けられた部分に第1スキップ床K1が設置されており、その下方には第1収納室81が確保されている(図2参照)。この第1収納室81には蓄電装置35が収納され、その蓄電装置35に、前記太陽光パネル31で発電した電力が蓄えられるようになっている。
二階部分12には、子供室等の第2居室52が設けられている。第2居室52は、第3建物構成部の上階空間部に相当する。第2居室52は、間仕切壁や開閉戸36によって、前記第1居室51と仕切られている。もっとも、開閉戸36は通気口を有して、閉状態にあっても通気性を確保できるものが採用されている。第2居室52は、道路側構成部21の前記第1居室51と同じ床面高さを有する一方で、その第1居室51よりも天井部が高く形成されている。つまり、第2居室52は、その上部に第1天井高空間A1を有している。
このため、道路側構成部21と中間第1構成部22とでは、その屋根面21a,22aに高低差があり、道路側構成部21の屋根面21aより中間第1構成部22の屋根面22aが高い位置に設けられている。そして、前記第1天井高空間A1の道路R側には、道路側構成部21の屋根面21aより立ち上る第1立ち上り南壁部71が設けられている。
この第1立ち上り南壁部71には、第2採光部としての前方採光窓部62が設けられている。図2に示されているように、この前方採光窓部62は、より多くの太陽光を屋内に取り込むべく、第1立ち上り南壁部71の縦横の略全域に広がる一つの大きなガラス窓である。もっとも、雨水等の跳ね返しを防止するため、その下端は道路側構成部21の屋根面21aより所定の高さが確保されている。図1に示されているように、この前方採光窓部62の屋外側には庇63が設けられ、太陽高度が高い夏季の太陽光が遮光されるようになっている。
なお、前記前方採光窓部62は、上記以外の態様で設置することも考えられる。例えば、複数のガラス窓が所定間隔を隔てながら横方向に並んで設けられるようにしてもよい。また、複数のガラス窓が縦方向に並べて設けられたり、開閉式のものでも嵌め殺し式のものでも採用できる。その他、前記庇63については、それに代えてシャッタ装置やブラインド装置等を設置してもよい。
続いて、中間第1構成部22の奥側に存在する中間第2構成部23では、一階空間部43と二階空間部53とが連通して吹き抜け空間Fとされている。この吹き抜け空間Fと間仕切りなしで連通する中間第1構成部22の第2居室52には、その吹き抜け側端部に腰壁部52aが設けられている。
一階空間部43には通路44(図2参照)を除く部分に第2スキップ床K2が設けられており、その設置部分は、前記中間第1構成部22の一階空間部42(玄関・ホール等)より床高とされている。第2スキップ床K2の床上は畳敷きとされ、そこが畳コーナとなっている。第2スキップ床K2の下方には、半地下部分となる第2収納室82が確保されている。この第2収納室82には、太陽光パネル31による発電とともに、住宅10で使用される電力の供給源となる燃料電池装置37が収納されている。第2収納室82は、燃料電池装置37の他、各種の物品収納庫として利用することも可能である。そのため、図示されていないものの、一階空間部43と第2収納室82との間を行き来するための階段が設置されている。
この中間第2構成部23では、前記中間第1構成部22と異なり、二階空間部53は天井高とされておらず、屋根面23aは道路側構成部21の屋根面21aと同じ高さに形成されている。このため、中間第1構成部22の屋根面22aとの間には高低差があり、中間第1構成部22の屋根面22aより低い位置に設けられている。
そのため、前記第1天井高空間A1の奥側には、中間第2構成部23の屋根面23aより立ち上る立ち上り北壁部72が設けられている。この立ち上り北壁部72には、第2風排気窓部としての前方通気窓部64が設けられている。前方通気窓部64は開閉式のガラス窓であり、複数(図2に図示されているように、この実施形態では2つ)のものが横方向に並んで設けられている。この前方通気窓部64が開状態とされると、第2居室52の空気を排気することが可能となる。
最後に、中間第2構成部23の奥側に存在し、各構成部21〜24の中で最も奥側に存在する奥側構成部24では、その一階部分11にダイニングキッチン45が設けられている。ダイニングキッチン45は、第1構成部の下階空間部に相当する。ダイニングキッチン45の床高さは、中間第1構成部22の一階空間部42や中間第2構成部23の通路44と同じ高さとなっている。
二階部分12には、子供室等の第3居室54が設けられている。第3居室は、第1建物構成部の上階空間部に相当する。第3居室54は、吹き抜け空間Fと間仕切りなしで連通しているため、その吹き抜け側端部に腰壁部54aが設けられている。第3居室54は、道路側構成部21の前記第1居室51や、中間第1構成部22の前記第2居室52と同じ床面高さを有する一方で、第2居室52と同様に天井部が高く形成されている。つまり、第3居室54は、その上部に第2天井高空間A2を有している。
このため、奥側構成部24の屋根面24aは、中間第1構成部22の屋根面22aと同じ高さとされ、道路側構成部21や中間第2構成部23の屋根面21a,23aとは高低差があり、それらの屋根面21a,23aより高い位置に設けられている。そして、前記第2天井高空間A2の道路R側には、中間第2構成部23の屋根面23aより立ち上る第2立ち上り南壁部73が設けられている。
この第2立ち上り南壁部73には、第1採光部としての後方採光窓部65が設けられている。この後方採光窓部65は、前記前方採光窓部62と同様の設置態様で設けられ、より多くの太陽光が屋内に取り込まれるようになっている。また、その屋外側には同様に庇66も設けられている。一方、第2天井高空間A2の奥側には、前記前方通気窓部64と同様の設置態様で、第1風排気窓部としての後方通気窓部67が設けられている。この後方通気窓部67が開状態とされると、第3居室54の空気を排気することが可能となる。
ちなみに、この実施の形態では、奥側構成部24の第3居室54が、第2外壁部寄りの空間領域に相当し、中間第2構成部23の吹き抜け空間Fが第1外壁部寄りの空間領域に相当する。
住宅10において、道路側構成部21から奥側構成部24の各部は、以上のように構成されている。このため、図1に示されているように、道路側構成部21及び中間第2構成部23の屋根面21a,23aに対し、中間第1構成部22及び奥側構成部24の屋根面22a,24aが突出して、間口から奥側に向かって段違いとなっている。また、図2における第1屋上は、道路側構成部21及び中間第2構成部23の屋上階部分と、中間第1構成部22及び奥側構成部24における天井高部分とが示されている。同じく第2屋上は、中間第1構成部22及び奥側構成部24の屋上階部分が示されている。
以上の構成を有する住宅10において、屋内への採光や空気の流れがいかにして確保されるかを、図3を参照しながら説明する。なお、図3は、図1と同じ住宅10の縦断面図を用いて、採光及び空気の流れを説明する説明図である。
まず、採光について説明する。
太陽高度の高い夏季においては、太陽光が取り込まれることにより屋内が暑くなり、屋内環境や冷房効率を悪化させる原因となる。このため、正面窓部61では、屋内側に設けられたブラインド装置等を閉状態とするなどして遮光する。また、太陽光の日射角度が高いため、前方採光窓部62及び後方採光窓部65では、庇63,66によって太陽光は遮られる。これにより、住宅10の屋内へ太陽光が取り込まれることを抑制できる。
一方、図3に示されているように、太陽高度の低い冬季においては、太陽光Tの日射角度も低いため、前方採光窓部62及び後方採光窓部65を通じて太陽光Tが屋内に取り込まれる。このうち、前方採光窓部62より取り込まれた太陽光Tは、第2居室52を介して、その第2居室52と間仕切りなくつながる吹き抜け空間Fにまず導かれる。さらに、その吹き抜け空間Fと間仕切りなくつながるダイニングキッチン45に導かれる。これにより、第2居室52、吹き抜け空間F、ダイニングキッチン45への採光を確保できる。また、後方採光窓部65より取り込まれた太陽光Tは、第3居室54に導かれる。これにより、その第3居室54への採光を確保できる。
ところで、この実施形態の住宅10では、図2に示されているように、間口となる正面南側を除く三面の外壁部が隣地境界線Lに近接して建てられている。このため、その外壁部に窓部が設けられたとしても、その窓部は、建築基準法上、居室の開口部として採光上有効となる開口部とはみなされない。そうすると、特に、居室としての利用が想定されている奥側構成部24の一階部分11(ダイニングキッチン45)は、天窓等の設置もできないために、居室として利用できなくなるという問題が生じ得る。また、天窓等を設置しないのであれば、奥側構成部24の二階部分12(第3居室54)でも同様の問題が生じ得る。
この点、前記前方採光窓部62によって太陽光Tが取り込まれることにより、奥側構成部24の一階部分11でも採光が得られる。このため、前方採光窓部62によって居室としての有効採光面積が確保されることになり、奥側構成部24の一階部分11を、居室、つまりこの実施形態ではダイニングキッチン45として利用することができる。
また、中間第2構成部23における吹き抜け空間Fや、中間第1構成部22及び奥側構成部24の二階部分12(第2居室52及び第3居室54)では、天窓(トップライト)等を設置すれば、それが居室の開口部として採光上有効な開口部となり得る。しかしながら、天窓等の設置には、その防水(雨仕舞い)という点を十分に考慮しなければならないという別の問題が生じ得る。その他に、太陽光パネル31の設置スペースが天窓の設置によって狭められるという問題もある。
この点、前方採光窓部62及び後方採光窓部65によって太陽光Tが取り込まれることにより、各部屋で採光が得られる。このため、天窓等を設置することなく、それら各部屋を居室として利用することができる。そして、前方採光窓部62及び後方採光窓部65は、いずれも立ち上り南壁部71,73に設けられたガラス窓であるから、屋根部に設けられる天窓と異なり、防水性を確保しやすく、また施工性の上でも容易となる。また、太陽光パネル31の設置スペースが狭められることもない。
以上の点に加えて、住宅10では、前方採光窓部62及び後方採光窓部65が奥まった位置に存在していることで、より奥側まで太陽光Tを導けるとともに、太陽光Tの取込時間もより長くなるという採光上のメリットを有している。後者のメリットについては、図4を参照しながら説明する。なお、図4は、太陽光Tの入射を示す住宅10の平面概略図であり、(a)〜(c)はそれぞれ採光窓部の位置を異ならせたものである。
図4(a)は、比較対象として、住宅10の第1居室51を天井高として、その道路側に採光窓部Xが設けられた場合を想定している。図示されているように、太陽が東側から西側へ順次移動するのに伴い、住宅10には、採光窓部Xより太陽光Tが入射する。そして、住宅10の最奥部まで届き得る太陽光Tが入射する範囲の角度、つまり、採光窓部Xの東端から入射する入射光T1と、西端から入射する入射光T2との間の角度は、θ1となっている。
これに対し、この採光窓部Xより奥まった位置に存在する前方採光窓部62で採光する場合、図4(b)に示されているように、住宅10の最奥部まで届き得る太陽光Tが入射する範囲の角度はθ2となり、前記θ1よりも角度が大きくなっている。これは、その角度が大きくなった分だけ、太陽光Tが取り込まれる時間がより長くなったことを示している。
さらに顕著なのは、前方採光窓部62よりも奥まった位置に存在する後方採光窓部65で採光する場合である。図4(c)に示されているように、住宅10の最奥部まで届き得る太陽光Tが入射する範囲の角度はθ3となり、前記θ2よりも角度が大きくなっている。このため、太陽光Tが取り込まれる時間がさらに長くなっている。
次に、空気の流れについて説明する。
図3に示されているように、特に夏季において、インナーガレージ41に外気が取り入れられると、中間第1構成部22の一階空間部42、吹き抜け空間Fを通じて第3居室54に外気が導かれる。さらに、その外気は、屋内に存在する空気とともに、後方通気窓部67から排気されるという自然の空気流が形成される。この場合、前述したようにシャッターカーテン33a及び玄関ドア34で通気性が確保され、かつ吹き抜け空間Fと第3居室54とは間仕切りなしで連通しているため、かかる空気流の形成が可能となる。なお、この空気流の経路が屋内通気路に相当する。
また、正面窓部61を開状態として第1居室51に外気を取り込むと、第2居室52に外気が導かれ、さらに屋内の空気とともに前方通気窓部64から排気されるという自然の空気流が形成される。この場合、開閉戸36で通気性が確保されているため、このような空気流の形成が可能となる。
このような自然の空気の流れが作り出されることにより、間口を除く三方が隣接建物で囲まれて通気性の確保が困難な場合であっても、住宅10の屋内にこもりがちな空気を屋外に排気して、屋内の空気環境を快適なものとすることができる。
ところで、前述したように通気性が確保される場合であっても、最奥の一階部分11に存在するダイニングキッチン45は空気流の経路になっておらず、そこでの通気性確保はいまだ十分とはいえない。このため、この実施の形態の住宅10では、奥側構成部24の一階部分11にこもりがちな空気を排気する排気システムを備えている。その排気システムについて、前記図1を参照しながら簡単に説明する。
この排気システムは、ダイニングキッチン45に設置された排水設備を利用して排気するものとなっている。そうすると、ダイニングキッチン45において、淀んだり、そこで発生した匂いや油分等を含んだりする空気をそのまま屋外に排気しないため、隣接建物の住人等への迷惑を抑制できるというメリットがある。
具体的には、まず、ダイニングキッチン45には、水回り設備の一つとして流し台91が設置されている。流し台91はシンク92を有しており、そのシンク92の底部には排水口93が設けられている。排水口93は排水管94と接続され、その排水管94の先は、道路Rの下部に埋め込まれている下水管Gにつながっている。このため、調理や食器洗い等で用いられた水は、シンク92の排水口93から排水管94を通じて下水管Gに排水される。
流し台91には調理台も付属して設けられており、その調理台の上方には、排気口としての排気フード95が設けられいる。排気フード95には排気手段としてのファン装置が内蔵され、そのファン装置の駆動により、調理中に発生した匂いや油分等を含む空気はもちろん、ダイニングキッチン45の空気が強制的に排気されるようになっている。その排気が流れる排気管は、壁内部に設けられた配管を通じて排水管94内に導かれ、その排水管94に沿って道路R側まで導かれる。ここでは、排水管94内に排気管が設けられて、その両管が一体化されており、配管が二重になって存在する構成となっている。そして、排気管の先は、下水管Gの手前で排水管94から導出され、道路R上に設けられた排気口につながっている。
これにより、排気フード95のファン装置が駆動されると、ダイニングキッチン45の空気は、排気管を通じて道路R側に導かれ、その道路Rの排気口から排気される。ダイニングキッチン45に関して、排水管94と排気管とが一体に設けられ、排水と排気とが道路R側に向けて実施されるため、住宅10の隣接建物への迷惑が抑制される。
以上をまとめると、本実施の形態によれば、以下に示す有利な効果が得られる。
(1)天井高空間A1に前方採光窓部62が設けられ、そこから取り込んだ太陽光Tは、途中、第2居室52及び吹き抜け空間Fを通過させながらダイニングキッチン45へ導かれる。また、天井高空間A2に後方採光窓部65が設けられ、そこから取り込まれた太陽光Tは第3居室54に導かれる。これにより、三方を隣接建物で囲まれて建物奥側への採光が困難な状況でも、建物奥側での採光を天窓等を用いることなく確保できる。
特に、建物奥側に存在する空間部(ダイニングキッチン45や第3居室54)との関係では、採光窓部62,65によって居室としての有効採光面積が確保されることになり、そこを居室として利用できることになる。これにより、間取りプランのバリエーションを増やせるというメリットがある。
(2)太陽光Tと取り込むための採光窓部62,65を、間口となる正面南側よりも奥まった位置に設けている。このため、第1居室51を天井高としてそこに採光窓部Xを設置する場合に比べ、住宅10のより奥側まで太陽光Tを導くことができるし、奥側まで届き得る太陽光Tの取込時間をより長くすることができる。
(3)各構成部21〜24の屋根を、いずれもフラット屋根としている。このため、前方採光窓部62及び後方採光窓部65の前方には、フラットな屋根面21a,23aが広がって採光を遮るものが存在せず、採光にとって好適な状態となる。
(4)インナーガレージ41に導入された外気は、屋内の空気を伴いながら、中間第1構成部22の一階空間部42、吹き抜け空間F及び第3居室54を介して、前方通気窓部64から排気される。また、第1居室51に導入された外気は、屋内の空気を伴いながら、第2居室52を介して後方通気窓部67から排気される。このような斜め上の方に向かう空気流の形成によって効率的な通気性が確保され、屋内にこもりがちな空気を屋外に排気して、屋内の空気環境を快適なものとすることができる。
その上、このような効率的な通気性を確保しつつ、前述したように採光面での効果も得られるため、通気性と採光とを両立させることができるという点で優位性が認められる。
(5)吹き抜け空間Fの道路側及び奥側では、間仕切りなく部屋がつながっているため、間仕切りによって空気流の流れが阻害されることなく、通気性を高めることができる。しかも、吹き抜け空間Fの一階空間部43には第2スキップ床K2が設けられているため、その空気の通り道では、中間第1構成部22の一階空間部42から第3居室54に至るまで、床面が順次高くなっている。これにより、上昇気流が生じ易くなり、通気性を確保する上で好適となる。
(6)上記の通気性確保では、通気が不十分となりがちなダイニングキッチン45には、そこに設けられた排水設備の排水管94を利用して道路R側へ排気する排気システムが設けられている。これにより、淀んだり、匂いや油分等を含んだりする空気をそのまま屋外に排気しないため、隣接建物の住人等への迷惑を抑制できる。
なお、排水管94とは別に排気専用となる排気管を設けて、排気と排水とが分けられた構成となっているため、排水管94の臭気がダイニングキッチン45に逆流してしまうことを防止できる。
なお、以上説明した実施の形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
(a)上記実施の形態では、住宅10が4つの構成部21〜24によって構成されているが、道路側構成部21を適宜省略して、その部分を屋外の駐車スペースや、アプローチ、庭スペース等に利用してもよい。これによっても、吹き抜け空間Fを介した採光や通気性の確保という効果は同様に得られる。
(b)上記実施の形態では、間口が狭くて奥行きの長い比較的狭小の敷地Sを想定していたが、敷地の形状は一般的な略矩形状や略正方形状等をなすものであってよいし、その敷地面積も狭小であることに限定されない。このため、道路側構成部21を省略するだけでなく、中間第1構成部22を省略した建物であってもよい。要は、少なくとも中間第2構成部23及び奥側構成部24に相当する構成部分を有する建物であれば足りる。
(c)上記実施の形態では、部屋等の空間部を基準として区分された構成部21〜24のうち、その一部の構成部22,24が天井高とされているが、一の空間部の一部領域を天井高とする構成を採用してもよい。例えば、互いに逆側となる外壁部間に設けられた一の空間部において、そのうちの一方には風取込口が設けられ、他方には通気窓部が設けられる。そして、その他方の外壁部寄りの領域が天井高とされて、そこに採光部を設置した構成とする。これによっても、通気と採光との両立という効果が得られる。ちなみに、この場合における空間領域は、一つの空間部内における一部領域を指すことになる。
(d)上記実施の形態では、住宅10の一階部分11にスキップ床K1,K2が設けられているが、そのようなスキップ床K1、K2を省略してもよい。住宅10における採光や通気性の確保にとって、スキップ床K1,K2の存在は必須のものでないからである。もっとも、スキップ床K1,K2が設けられることにより、収納スペースを増やすことができる点では、あった方が好ましい。
(e)上記実施の形態では、各屋根面21a〜24aに太陽光パネル31が設置されたり、屋上緑化32が設けられたりしているが、すべての屋根面21a〜24aに太陽光パネル31又は屋上緑化32を設けてもよいし、それらを省略してもよい。
また、太陽光パネル31が設置された構成では、その太陽光パネル31の下方の屋根面21a〜24a(影となる部分)に、天窓等の天井開口部を設置してもよい。この天窓等により、直射日光が太陽光パネル31によって遮られた状態で採光できるし、通気性の確保にも寄与できる。
その場合、天井開口部を開閉駆動する開閉駆動部を設けて、その開閉駆動が自動的に行われるようにしてもよい。例えば、屋内における空気淀み等の空気環境を検出手段を用いて検出されるようにし、空気環境の低下が所定値になったことが検出されると、コントローラが自動的に前記開閉駆動部を駆動し、天井開口部を開状態とする構成を採用することが考えられる。
(f)上記実施の形態では、ダイニングキッチン45の排気システムにおいて、排水管94内に排気管が設けられて、配管が二重になった構成を採用したが、両管が平行に延びるように並設された構成を採用してもよい。この場合でも、両管が一体化された構成を採用することが好ましい。
(g)上記実施の形態では、排気システムにおいて、排水管94とは別に排気専用となる排気管を設けて、排気と排水とが分けられた構成となっているが、排水管94そのものを排気管として利用するようにしてもよい。
もっとも、その場合には、排水管94の臭気が逆流するおそれがあるため、それを防止する必要がある。そこで、排水管94へ排気を導く排気通路に開閉弁が設けられることが好ましい。この開閉弁により、排気フード95のファン装置が駆動されるのに合わせて、その排気通路を開放するようにする。これにより、開閉弁は、常には閉じ状態とされ、ファン装置の駆動による排気が行われるのに合わせて開状態とされるため、排水管94から臭気が逆流することを防止できる。
また、排気フード95に内蔵されたファン装置を排気手段として排気を行うのではなく、排水口93からの排水時に生じる負圧を利用して排気がなされるようにしてもよい。排気フード95ではなく、換気扇を用いた態様を採用することもできる。
その他、排気フード95のファン装置が駆動されるのに合わせて、外気がダイニングキッチン45に導入される構成を採用してもよい。例えば、玄関ドア34やダイニングキッチン45の外壁部に開閉駆動される給気口を設けたり、後方通気窓部67を開閉駆動する開閉駆動部を設けたりする。そして、ファン装置が駆動されたタイミングで、コントローラがそれら通気口や後方通気窓部67の開閉駆動部を駆動して開状態とし、通気可能とする構成を採用することが考えられる。この場合、給気口が外気導入部に相当し、コントローラが制御手段に相当する。これにより、ダイニングキッチン45の空気が排気されるのに合わせて、新鮮な外気が導入されるため、ダイニングキッチン45の空気環境を向上させることができる。
(h)上記実施の形態では、二階建て住宅10が南向きとされて、各構成部21〜24は南北方向に並んで設けられているが、例えば、南東・北西方向等、他の方角を向いた二階建て住宅10であってもよい。上記実施の形態では、三方を隣接建物によって囲まれているために採光が困難となる場合を想定していたが、住宅10の向きによって採光が困難となる場合も考えられる。そのような場合にも上記実施形態の構成を適用して、採光と通気との両立を図ることができる。
(i)上記実施の形態では、道路Rに面した正面外壁部を第1外壁部としたが、庭等を有する住宅であればその庭等が道路側に存在しているか、その反対側に存在しているかとは関係なく、庭等に面した外壁部を第1外壁部としてもよい。
(j)上記実施の形態では、二階建て住宅10を建物の例として説明したが、住宅以外の建物であってもよい。また、建物の屋根部は、上記実施形態の住宅10のようにフラット屋根ではなく傾斜屋根であってもよいが、その場合でも採光窓部62,65を設置するため、外壁となる立ち上り南壁部71、73を設ける必要はある。もっとも、その採光窓部62,65での採光を遮らないよう、道路側構成部21及び中間第2構成部23ではフラット屋根とすることが好ましい。
さらに、二階建てではなく、三階建て以上の複数階建てであってもよい。ただし、その場合には、採光窓部62,65での採光を遮らないようにすべく、住宅10の一階部分11及び二階部分12が最上階部分とその下階部分となる建物であることが好ましい。
10…二階建て住宅(建物)、11…一階部分(下階)、12…二階部分(上階)、21…道路側構成部(第4建物構成部)、22…中間第1構成部(第3建物構成部)、23…中間第2構成部(第2建物構成部)、24…奥側構成部(第1建物構成部)、26…正面外壁部(第1外壁部)、27…奥側外壁部(第2外壁部)、41a…出入り口(第1風取込部)、61…正面窓部(第2風取込部)、62…前方採光窓部(第2採光部)、65…後方採光窓部(第1採光部)、64…前方通気窓部(第2風排気窓部)、67…後方通気窓部(第1風排気窓部)、93…排水口、94…排水管、A…天井高空間、K…スキップ床、F…吹き抜け空間。

Claims (8)

  1. 建物周囲を取り囲む外壁部のうち、互いに逆側の建物側面となる第1外壁部と第2外壁部とを有する建物であって、
    前記第1外壁部に設けられた第1風取込部と、
    前記第2外壁部に設けられ、前記第1風取込部よりも高い位置に配置された第1風排気窓部と、
    前記第1風取込部と前記第1風排気窓部との間で空気を通気させる屋内通気路と、
    を備え、
    前記第2外壁部寄りの空間領域では、反対の前記第1外壁部寄りの空間領域よりも天井部が高く形成され、その天井高とされた部分における前記第1外壁部側の立ち上り外壁部に、太陽光を取り込む第1採光部が設置されたことを特徴とする建物。
  2. 前記第1外壁部と前記第2外壁部との間において、その第2外壁部の内側には、上階及び下階の各空間部を有する第1建物構成部が、その第1建物構成部に隣接してそれよりも第1外壁部側には、上下階に連通する吹き抜け空間を有する第2建物構成部が設けられた建物であって、
    前記第1外壁部寄りの空間領域及び前記第2外壁部寄りの空間領域のうち、前記第1建物構成部の上階空間部が第2外壁部寄りの空間領域とされ、一方、前記第2建物構成部の吹き抜け空間が第1外壁部寄りの空間領域とされ、
    前記第1建物構成部の上階空間部と前記吹き抜け空間との間が通気可能に連通され、前記屋内通気路は、この通気部分を介して前記吹き抜け空間から前記第1建物構成部の上階空間部に至る経路を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の建物。
  3. 間口よりも奥行きが長く形成されるとともに、前記第1外壁部が道路に面して設けられた建物であって、
    前記第1外壁部と前記第2外壁部との間において、前記第2建物構成部に隣接してそれよりも第1外壁部側に、上階及び下階の各空間部を有する第3建物構成部が設けられ、
    前記第3建物構成部の上階空間部は、その天井部が前記吹き抜け空間の天井部よりも高く形成され、その天井高部分における第1外壁部側の外壁部には太陽光を取り込む第2採光部が設置され、
    前記第3建物構成部の上階空間部と前記吹き抜け空間との間、及び前記吹き抜け空間と前記第1建物構成部の下階空間部との間は光通過可能に連通されていることを特徴とする請求項2に記載の建物。
  4. 前記第1外壁部と前記第2外壁部との間において、前記第3建物構成部に隣接してそれよりも第1外壁部側に第4建物構成部が設けられ、その第4建物構成部は上階及び下階の各空間部と、前記第2採光部よりも低い位置に設けられた屋根部とを有する建物であって、
    前記第4建物構成部の下階空間部は、その第1外壁部側に前記第1風取込部が設置されるとともに、前記第3建物構成部の下階空間部と通気可能に連通されて、その通気部分が前記屋内通気路の経路とされており、
    また、前記第4建物構成部の上階空間部は、その第1外壁部側に第2風取込部が設置されるとともに、前記第3建物構成部の上階空間部と通気可能に連通され、
    前記第3建物構成部の上階空間部において、前記天井高とされた部分における前記第2外壁部側の立ち上り外壁部には、前記第2風取込部より取り込まれた風を排気する第2風排気窓部が設けられたことを特徴とする請求項3に記載の建物。
  5. 前記各建物構成部のうち、少なくとも前記第2建物構成部及び第4建物構成部は、その屋根面がフラットに形成されたフラット屋根部を有していることを特徴とする請求項4に記載の建物。
  6. 前記第1建物構成部の下階空間部に、同空間部で使用した水を排出する排水設備が設けられた建物であり、
    前記排水設備は、前記第1建物構成部から道路側まで延びる排水管を有し、その排水管を利用して前記第1建物構成部の下階空間部の排気を行う排気システムが設けられていることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の建物。
  7. 前記排気システムは、
    前記下階空間部に設けられた排気口と、
    前記排気口から前記排水設備の排水管へ導く排気通路と、
    前記排気通路へ前記下階空間部の空気を排気する排気手段と、
    前記排気通路に設けられ、前記排気手段により排気が行われるのに合わせて前記排気通路を開放する開閉弁と、
    を備えたことを特徴とする請求項6に記載の建物。
  8. 前記第1建物構成部の下階空間部に外気を導入する外気導入部と、
    前記排気が行われるのに合わせて、前記外気導入部での外気導入がなされるようにその駆動を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の建物。
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