JP2003048387A - 住宅の提案手法及び図面セット - Google Patents

住宅の提案手法及び図面セット

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JP2003048387A
JP2003048387A JP2001240298A JP2001240298A JP2003048387A JP 2003048387 A JP2003048387 A JP 2003048387A JP 2001240298 A JP2001240298 A JP 2001240298A JP 2001240298 A JP2001240298 A JP 2001240298A JP 2003048387 A JP2003048387 A JP 2003048387A
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Shigeru Takamori
繁 高森
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目的の住宅の平面図と、日照の程度や屋内への
太陽光の差し込みかたを記載した断面図とからなる図面
セットを利用して顧客に住宅を提案する。 【解決手段】図面セットAは、住宅の間取りを示す平面
図2,3と、平面図の所定位置に於ける高さ方向の断面
図であって、日照方向の日照阻害物33が記載されると共
に、該日照阻害物33に阻害されることのない住宅の有効
日照範囲(照射線40a,40b)が記載され、屋外との開
口部11a及び屋内の開口部11c及び吹抜部12aが記載さ
れ、これらの各開口を通して日照可能な部分が記載され
た断面図4とを組み合わせて構成される。この図面セッ
トAを用いて顧客に提案することで、顧客は屋内に於け
る日照状況を認識することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋内の日照状態を
明確にして顧客に対して住宅を提案する手法と、この提
案手法に用いて有利な図面セットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅を顧客に提案する場合、間取りを中
心とした各階毎の平面図や配置図を用い、各階層毎の居
室空間の配置に伴う利便性を強調して説明するのが一般
的である。また住宅の外観を説明する際に、各方向の外
観立面図を用いて外観意匠の優位性を強調して説明する
が、この場合、住宅の周囲に存在する隣家は図案化さ
れ、或いは説明から除外されるのが一般的である。
【0003】このように住宅を顧客に提案する場合、目
的の住宅の高さ方向の断面図や、隣家或いは隣地の現状
や将来の想定を含む詳細な事項については説明されるこ
とがなく、目的の住宅が独立した状態で有する機能や意
匠性が説明されるのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】住宅にあっては日照は
避けることの出来ない重要な条件であり、特に都市型住
宅では一般に隣家と接近していることが多いため切実な
条件である。しかし、上記従来の提案手法では、高さ方
向の断面図がないため、窓の開口高さや方向の様子を理
解することが出来ず、太陽光が屋内にどの程度差し込む
かを判断することが出来ないという問題や、複数階にわ
たる空間のつながりかたが理解出来ず、該空間に於ける
太陽光の入り方が判断出来ないという問題がある。
【0005】また具体的な隣家の形状や将来を想定した
隣家を含む立面図がないため、隣地の建物や樹木等によ
る目的の住宅に対する日照への影響が判り難いという問
題もある。
【0006】本発明の目的は、目的の住宅に対する日照
の程度や屋内への太陽光の差し込みかたを記載した断面
図を利用して住宅を提案する手法と、この手法を実現す
る際に用いる図面セットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る住宅の提案手法は、顧客に対して住宅を
提案するに際し、住宅の間取りを示す平面図と、前記平
面図の所定位置に於ける高さ方向の断面図であって日照
方向の日照阻害物が記載されると共に該日照阻害物に阻
害されることのない住宅の有効日照範囲が記載され、更
に、屋外との開口及び屋内の開口が記載されると共に前
記各開口を通して日照可能な部分が記載された断面図
と、を組み合わせた図面セットを用いることを特徴とす
るものである。
【0008】上記住宅の提案手法では、間取りを示す平
面図と、日照阻害物を記載した高さ方向の断面図と、屋
外,屋内の開口が記載され、これらの開口を通して日照
可能な範囲が記載されるため、屋内及び屋外の日照の状
況と共に住宅の間取りを提案することが出来る。このた
め、顧客は、間取りに応じた住宅の使い勝手と、各部屋
への日照を知ることが出来るため、より良く判断するこ
とが出来る。
【0009】上記提案手法に於いて、図面セットに、屋
内の日照状況を説明する写真を加えることが好ましく、
更に、断面図に代えて立体断面模型を用いることが好ま
しい。このような住宅の提案手法では、顧客に対し写真
によって日照状態を説明することで、説明を受けた顧客
は具体的なイメージをつかむことが可能となり、より良
く判断することが出来る。また立体断面模型を用いた場
合には、更に具体的な状況を把握することが可能とな
る。
【0010】また本発明に係る住宅提案用の図面セット
は、住宅の間取りを示す平面図と、前記平面部の所定位
置に於ける高さ方向の断面図であって日照方向の日照阻
害物が記載されると共に該日照阻害物に阻害されること
のない住宅の有効日照範囲が記載され、更に、屋外との
開口及び屋内の開口が記載されると共に前記各開口を通
して日照可能な屋内の部分が記載された断面図とを有す
るものである。
【0011】上記図面セットでは、平面図と、高さ方向
の断面図と、を有して構成されるため、平面図で住宅の
間取りを知ることが出来、断面図で屋内の日照状況を知
ることが出来る。特に、断面図には日照方向の日照阻害
物が記載されているため、この日照阻害物の影響を季節
や時間に応じて知ることも出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、上記住宅の提案手法につい
て説明し、合わせて図面セットの構成について説明す
る。
【0013】本発明に係る住宅の提案方法は住宅の間取
りと共に屋内の日照状況を説明して提案し得るようにし
たものであり、平面図に於ける所望の位置を断面して、
窓やテラス等の外部への開口部の高さや方向、及び屋内
に配置された障子や吹き抜け等の開口部を記載し、更
に、屋外の日照方向に於ける現在の建築物や樹木等の日
照阻害物、や将来想定し得る日照阻害物を記載すること
によって、これらの日照阻害物の影響を受け、或いは影
響を受けることのない屋内の日照状況を図面化した断面
図を作成し、この断面図と平面図とを顧客に提示して説
明することによって、顧客が容易に住宅の屋内の日照状
況を確認し得るようにし、これにより、顧客の信頼性を
高めることを可能にしたものである。
【0014】住宅を設計する場合、屋内の日照について
も考慮されるが、考慮された結果を顧客に判り易く説明
して提案し得るようになっていないのが実情である。本
発明はこのような観点にたってなされたものであり、目
的の住宅に設定された各階の居室に対する日照を確保す
るための屋外に向けた開口部や屋内に於ける開口部を、
高さ方向の断面図に表すことによって具体的に表現し、
且つこれらの開口部を介して差し込む日差しを記載する
ことで、顧客の視覚に訴えて理解を得易くしたものであ
る。
【0015】特に、顧客に対し実際の住宅で撮影した写
真を提示することによって、より具体的に認識すること
が可能であり、写真の住宅が目的の住宅とは異なる場合
であっても、類推し或いは想像して理解することが可能
となる。
【0016】また好ましくは冬至のときの日差しを記載
した住宅の高さ方向の断面図に、更に好ましくは開口部
から差し込む日差しを冬至と夏至に対応させて記載する
ことが好ましい。特に、夏至の日差しを記載すること
で、軒の大きさを決めることが可能となる。
【0017】更に、立体断面模型を顧客に提示して提案
することが好ましい。この場合、顧客はより立体的で具
体的な日照状況を判断することが可能となり、目的の住
宅に対し高い信頼性を持って判定することが可能であ
る。
【0018】平面図は目的の住宅の平面図であり、該住
宅が複数の階層によって構成されている場合、各階層毎
の平面図によって構成される。従って、この平面図は通
常の住宅を提案する際に用いる図面と同じものである。
【0019】断面図は住宅の高さ方向に対するものであ
り、屋内の日照状況を確認したい位置毎に作成される。
このため、住宅に於ける断面すべき位置は一義的に設定
されるものではなく、平面図を検討する段階で屋内の日
照状況を確認すべき位置が設定されたとき、この設定位
置に対応した断面図が作成される。
【0020】従って、提案すべき住宅に対して作成すべ
き断面図の数は限定されるべきものではなく、目的の住
宅毎に1枚〜複数枚の断面図が作成される。また断面す
べき方向も限定すべきものではなく、南北方向,東西方
向に断面した図であって、提案すべき住宅に対して必要
であるとして設定された断面図が作成される。
【0021】上記の如くして作成された平面図と断面図
とを示して顧客に提案することによって、顧客は、屋内
に於ける各階層毎の間取りや、この間取りに於ける各部
屋の日照状況を判断することが可能であり、設計段階で
各部屋の日照を知ることで、各部屋の用途を確認する上
で極めて有効である。
【0022】次に、図面セットと、この図面セットを用
いて顧客に住宅を提案する手順について図を用いて説明
する。図1は第1実施例に係る図面セットAの構成を説
明する図である。図2は図面セットAを構成する1階の
平面図である。図3は図面セットAを構成する2階及び
3階の平面図である。図4は図面セットAを構成する断
面図である。図5は第2実施例に係る図面セットBの構
成を説明する図である。図6は隣家との関係に於ける日
照状況を説明する断面図である。
【0023】先ず、図1〜図4により第1実施例に係る
図面セットAの構成について説明する。図1に示すよう
に、図面セットAは、目的の住宅を構成する各階の平面
図2,3と、各階の間取りから日照状況を確認する必要
のある位置に対応して作成された1階から3階に繋がる
断面図を記載した断面図4とによって構成されている。
【0024】図面セットAに記載された住宅は3階建て
であり、1階10の東北部分に和室10aが配置され、該和
室10aの南側にリビング(L)10bが配置されている。
また南西部分にダイニングキッチン(DK)10cが配置
され、L10bとDK10cの間に階段10dが配置されてい
る。更に、南西部分にはピロティ車庫10eが配置されて
いる。
【0025】1階10の南側には、L10b,DK10cに対
応して夫々開口部11a,11bが形成されており、L10b
と和室10aの間は襖を有する開口部11cが形成されてい
る。また和室10aの南側でL10bに2階への吹抜部12a
が形成されている。更に、階段10cの上部も同様に2階
への吹抜部12bが形成されている。前記各吹抜12a,12
bは2階20からの日照を1階に導くための空間を形成す
るものである。
【0026】2階20の南東側であって1階のL10bの上
部には階段10cの南北方向の寸法と略等しい寸法を持っ
たベランダ20aが形成されており、西北部分には主寝室
20bが配置されている。また2階20の東北部分には吹抜
部12aに面して第1子供室20cが配置され、南西部分に
は吹抜部12bに面して第2子供室20dが配置され、更
に、階段10cに面してホール20eが配置されている。
【0027】ベランダ20aと吹抜部12a,ホール20eと
の境界には床面から天井に達し、夫々引き違い窓を取り
付けた開口部21a,21bが形成され、またベランダ20a
と階段10cとの境界にも同様な高さを持ち嵌め殺し窓を
取り付けた2つの開口部21cが形成されている。
【0028】吹抜部12aの周囲には、第1子供室20cの
間に引き違い窓を取り付けた開口部21dが形成され、ホ
ール20eの間にも同様の開口部21eが形成れている。更
に、吹抜部12aの東側の外壁には嵌め殺し窓を取り付け
た2つの開口部21fが形成されている。従って、吹抜部
12aの周囲には、複数の開口部21a,21d〜21eが形成
されることとなる。
【0029】吹抜部12b及び階段10dの南側には開口部
21gが形成されており、該吹抜部12bと第2子供室20d
の間にも引き違い窓を取り付けた開口部21hが形成され
ている。
【0030】3階には、2階に設けた主寝室20bと風呂
場20fの上部に第3子供室30aが配置されると共に、2
階20との間に階段20gが配置され、更に、南側であって
2階に設けた第2子供室20dの上部に、且つ東側であっ
て2階に設けたホール20e,吹抜部12aの上部に屋上30
bが配置されている。
【0031】上記平面図2,3に記載された1階10〜3
階30の平面プランでは、各階10〜30毎の各室の位置や、
外壁に形成される屋外に向けた開口部の平面位置と平面
的な寸法、及び屋内に形成される吹抜部を含む開口部の
平面位置と平面的な寸法が明らかになる。
【0032】断面図4は上記平面図1,2に記載された
住宅を1階10〜3階30にわたる高さ方向に断面した図で
あり、断面する位置は平面プランを設定する際に設定さ
れている。即ち、平面プランを作成した時点で、屋内に
於ける日照確保の必要性についての検討を行い、この検
討の結果、断面すべき位置が決定される。従って、個々
の住宅に対応して切断する位置は異なり、一義的に設定
されるものではない。
【0033】本実施例では、平面図1,2に記載した3
階建て住宅に対し、3個所が断面され、夫々の図面が記
載されている。即ち、図3(a)は平面図1,2のa−
a矢視図であり、同図(b)は平面図1,2のb−b矢
視図であり、同図(c)は平面図1,2のc矢視図であ
る。
【0034】図4(a)は1階10に設けた和室10aに対
する日照状況を確認するための図であり、1階10〜3階
30に於ける和室10aと吹抜部12aを含む位置の南北方向
の断面であるa−a矢視図である。そして前記位置に於
ける1階の開口部11a及び2階の開口部21aが記載され
ると共に、屋内の開口部となる1階10と2階20との間の
吹抜部12a及び和室10aの開口部11cが記載されてい
る。
【0035】また同一断面位置の延長線上であって、南
側の隣地に存在する建物や樹木等からなる日照方向の日
照阻害物33が記載されている。尚、日照阻害物33は、必
ずしも現存する建物や樹木に限定するものではなく、将
来建築される可能性のある建物や将来成長する樹木等を
想定したものであっても良い。
【0036】従って、同図に於いて、昼間の太陽光線
は、各階10〜30の南側に設けた開口部から屋内に差し込
むことになり、同図では、1階10の開口部11aと2階の
開口部21aとから屋内に差し込み、特に、開口部21aか
ら差し込んだ太陽光線は吹抜部12aを通過して1階の和
室10aに照射される。
【0037】特に、同図には冬至の太陽角約30度のと
きに屋内に差し込む照射線40a,40bが記載されてお
り、この図を提示することで、冬至の時の屋内の日照状
況を判断することが可能である。尚、照射線40aは日照
阻害物40によって規制された照射線であり、照射線40b
は2階20の開口部21aによって上端が規制された照射線
である。
【0038】上記の如く形成された、図4(a)を顧客
に提示することによって、顧客は、冬至であっても和室
10aに日差しが差し込むこと、和室10aに対する日照が
1階10の南側に設けた開口部11aから差し込むのではな
く、2階20に設けた開口部21a,吹抜部12aを通して差
し込むこと、等を認識することが可能であり、この認識
に基づいて高い信頼性を得ることが可能である。
【0039】同図(b)は1階10に設けたDK10cに対
する朝日の日照状況を確認するための図であり、1階10
〜3階30に於けるDK10cと階段10d及び1階10と2階
20との間の吹抜部12bを含む位置の東西方向の断面であ
るb−b矢視図である。また同図には、断面位置に於け
る2階20に設けた屋外に向けた開口部21c、及び階段10
dを含む吹抜部12bが記載されている。
【0040】また同図には隣地に存在する日照阻害物は
記載されていない。このように、日照方向に特別な日照
阻害物が存在しない場合、記載する必要はない。
【0041】このため、DK10cに差し込む太陽光線
は、2階20に設けた開口部21cによって規制されること
となり、該開口部21cの下側辺によって規制された照射
線41aと、開口部21cの上側辺によって規制された照射
線41bの範囲によって日照状況を判断することが可能で
ある。
【0042】上記図4(b)を顧客に提示することによ
って、顧客は、朝のうちにはDK10cに対し太陽光線が
差し込んで充分な日照が確保されること、DK10cに差
し込む日差しは、2階との間の階段10dの東側に設けた
屋外への開口部21cから吹抜部12bを通して照射される
こと、を認識することが可能である。
【0043】図4(c)は2階20に設けた主寝室20bに
対する日照状況を確認するための図であり、1階10〜3
階30に於ける主寝室20bを含む位置のc矢視図である。
主寝室20bは西側と北側に向けた開口部が存在するが、
これらの開口部からの日照は期待し得ない。
【0044】このため、主寝室20bの屋根部分に天窓風
の開口部21iが形成されており、昼間の日照は該開口部
21iを通して確保される。即ち、昼間の太陽光線は、何
ら障害を受けることなく、開口部21iを通して主寝室20
bに照射される(照射線43a参照)。
【0045】上記図4(c)を顧客に提示することによ
って、顧客は、正午前後〜夕方にかけて主寝室20bには
天窓風の開口部21iを通して日照が確保されることを認
識することが可能である。
【0046】従って、上記の如く作成された平面図1,
2及び断面図3を顧客に提示することで、1階10〜3階
30の平面プランを提案すると共に、各階10〜30の使い勝
手を説明し、且つ1階の和室10aに対する昼間の日照状
況、DK10cに対する朝方の日照状況、2階の主寝室20
bに対する昼間の日照状況を説明しつつ、住宅を提案す
ることが可能である。
【0047】上記住宅を設計するに際し、例えば、東北
の隅部に配置された和室10aに対する日照を確保するこ
とを目標とする場合、図4(a)に示す図面を参照しつ
つ、適宜2階の南側に配置した開口部21aの高さ寸法や
位置、及び吹抜部12aの寸法や位置を設定してゆくこと
で、前記目標を達成することが可能である。
【0048】また将来、建物の改築に伴って開口部の位
置を変更するような可能性のある場合、予め開口部の変
更した位置に対応する断面を作成し、この断面によって
将来の改築に伴う屋内の日照状況の変化を把握しておく
ことが好ましい。
【0049】次に、第2実施例に係る図面セットBの構
成について図5により説明する。本実施例では、第1実
施例の図面セットAに屋内の日照状況を確認するための
写真を加えたものである。従って、顧客に住宅を提案す
る場合、図面セットBを提示して説明することで、屋内
に於ける日照の状況を写真により具体的に説明すること
が可能である。
【0050】図5に示す図面セットBは、同図(a)に
示す複数の平面図50と、同図(b)に示す所要数の写真
60と、同図(c)に示す所要数の断面図70とを有して構
成されている。尚、図に於いて前述の実施例と同様な部
分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】平面図50は、同図(a)に示すように、各
階の平面図として複数枚作成されている。特に本実施例
の同図(a)には、玄関,和室,主寝室を有し、玄関に
連続してLD10bが配置され、該LD10bと同一空間内
に於けるの北側に階段10dが配置された1階部分が記載
されている。LD10bの南側には屋外への開口部11aが
形成され、且つ該開口部11aの近傍に2階との間の吹抜
部12aが形成されている。
【0052】尚、図に示す住宅は2階建て或いはそれ以
上の階層を持って構成されるものでり、他の階層の平面
図が夫々階層毎に作成されていることは当然である。
【0053】本実施例の住宅では、1階に配置した和
室,主寝室が何れも南側に面して配置されるため、特に
日照状況を確認するまでもなく、好ましい日照を確保す
ることが可能である。このため、LD10bから階段10d
にかけての日照状況を確認し得るようにしている。
【0054】写真60は、上記したLD10b,階段10dの
日照状況を確認するものであり、平面図50に於ける矢印
b方向に撮影したものである。また特に限定することの
ない他の位置に対する写真が撮影されている場合、写真
60は複数枚の写真からなる群として構成される。
【0055】また断面図70は、平面図50に於けるLD10
b,階段10d,吹抜部12aを含む位置(c−c)に於け
る冬至と夏至のときの日照状況を確認するものであり、
c−c線に沿った高さ方向の断面を図面化したものであ
る。この断面図70も写真60と同様に、1枚であることを
限定するものではなく、写真60と同様に所要数の断面図
70が作成された場合、断面図70は群として構成される。
【0056】本実施例では、隣地には特別な日照阻害物
は存在せず、従って、断面図70には日照方向の日照阻害
物の記載はない。このため、屋内に差し込む太陽光線
は、c−c線上に配置される1階南側の開口部11aと2
階南側の開口部21a、或いは屋根の軒先部71によって規
制される。同図(c)には、屋内への日照が軒先部71に
よって規制される場合が示されている。
【0057】尚、同図(c)に於いて、44は冬至のとき
の太陽角度による照射線であり、45は夏至のときの太陽
角度による照射線である。従って、この図面は年間を通
して屋内に照射する太陽光線の最大と最小を示す図を構
成している。
【0058】また写真60は、冬至のときの屋内の日照状
況を撮影したものであり、屋内に照射された太陽光線
は、一部がLD10bの床面に差し込まれ、一部が階段10
dの壁部に差し込まれている。従って、写真60と断面図
70及び平面図50を比較して確認することで、平面図50に
示す住宅に於ける1階部分の日照状況を高い信頼性を持
って認識することが可能である。
【0059】従って、図面セットBを顧客に提示して提
案することによって、顧客は、平面図50(平面図群)に
よって目的の住宅の間取りを知ると共に使い勝手を認識
し、且つ断面図70(断面図群)によって冬至,夏至のと
きの屋内の日照状況を確認すると共に写真60(写真群)
によってより具体的に屋内の日照状況を認識することが
可能である。
【0060】このため、顧客は、住宅を建築する以前に
目的の住宅に於ける屋内の日照状況を認識し得ることと
なり、日照に関し高い信頼を得ることが可能となる。
【0061】更に、住宅を顧客に提案する際に、断面図
に代えて図示しない立体模型を提示することが好まし
い。この立体模型図の開口部を透明フィルムによって構
成することで、立体模型の外部から光を照射することに
よって、屋内に於ける日照状況をより具体的に認識する
ことが可能となり、更に高い信頼を得ることが可能であ
る。
【0062】図6は、接近した隣地に日照方向の日照阻
害物となる隣家が存在する場合の日照を確認するための
断面図を示すものである。都市型住宅を提案する場合、
極めて接近した位置に隣家等の日照阻害物33が存在する
ことが多い。特に、日照阻害物33が日照方向にある場
合、この日照阻害物33による屋内への日照の影響を知る
ことは極めて有効である。
【0063】上記の如く、日照条件の厳しい場合には特
に、日照阻害物33による影響を排除し得るような設計を
行なうと共に、この日照阻害物33の影響を受けるにも関
わらず、確保し得る冬至のときの照射線44,夏至のとき
の照射線45を記載した断面図を顧客に提示して住宅を提
案することで、顧客の不安を解消することが可能とな
り、完成後の住宅に於ける屋内の日照状況を認識して高
い信頼を得ることが可能である。
【0064】前述の各実施例に於いて、顧客に提示する
図面には、平面図及び断面図に夫々の設計手法に対応し
た説明を記載し、或いは隣地に於ける条件、例えば地盤
の状況や日照阻害物との関係等の情報を記載しておくこ
とが好ましい。このように、細部にわたる説明分を記載
しておくことで、顧客に対しより有効な説明を行なうこ
とが可能となり、且つより実際的な提案とすることが可
能となる。
【0065】また都市型住宅のように、1階部分の日照
を確保するために1階と2階の間に吹抜部を形成したよ
うな場合、屋内の空気の流通が促進され、暖気が吹抜部
を通して1階から2階或いは更に上層階に流通する。こ
のため、特に、断面図に予め空気の流通状態を記載して
おき、合わせて顧客に提案することが可能である。この
場合、1階の暖房手段との関係も想定して説明すること
で、より効果的な提案を行なうことが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
住宅の提案手法では、顧客に対し、住宅の間取りを示す
平面図と、平面図の所定位置に於ける高さ方向の断面図
であって日照方向の日照阻害物や屋内の日照範囲が記載
された断面図と、からなる図面セットを用いて提案する
ことで、日照方向の隣地に存在する日照阻害物の影響を
受けた屋内の日照状況と、間取りを提案し、これによ
り、顧客は、間取りに応じた住宅の使い勝手と、各部屋
への日照を認識することが出来、目的の住宅に於ける日
照状況や機能をより良く判断することが出来る。
【0067】また図面セットに、屋内の日照状況を説明
する写真、或いは断面図に代えて立体断面模型を用いる
ことで、顧客は写真によって季節の変化に伴う日照状態
をより具体的に認識することが可能となり、より良く判
断することが出来る。
【0068】特に、立体断面模型を用いることによっ
て、外部から光を照射することで、実際に則した状況を
つくり出すことが可能となり、顧客はより具体的に日照
況を把握することが出来、目的の住宅に於ける日照に関
し高い信頼を得ることが出来る。
【0069】また本発明に係る住宅提案用の図面セット
では、平面図と、高さ方向の断面図とを有するため、顧
客に提案するに際し、平面図で住宅の間取りと使い勝手
を説明することが出来、断面図で屋内の日照状況を説明
することが出来る。特に、断面図には日照方向の日照阻
害物が記載されているため、この日照阻害物の影響を季
節や時間に応じて知ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る図面セットAの構成を説明す
る図である。
【図2】図面セットAを構成する1階の平面図である。
【図3】図面セットAを構成する2階及び3階の平面図
である。
【図4】図面セットAを構成する断面図である。
【図5】第2実施例に係る図面セットBの構成を説明す
る図である。
【図6】隣家との関係に於ける日照状況を説明する断面
図である。
【符号の説明】
A,B 図面セット 2,3 平面図 4 断面図 10 1階 10a 和室 10b L,LD 10c DK 10d,20g 階段 10e ピロティ車庫 11a〜11c 開口部 12a,12b 吹抜部 20 2階 20a ベランダ 20b 主寝室 20c 第1子供室 20d 第2子供室 20e ホール 20f 風呂場 21a〜21i 開口部 30 3階 30a 第3子供室 30b 屋上 33 日照阻害物 40a〜43a,44,45 照射線 50 1階 60 写真 70 断面図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顧客に対して住宅を提案するに際し、住
    宅の間取りを示す平面図と、前記平面図の所定位置に於
    ける高さ方向の断面図であって日照方向の日照阻害物が
    記載されると共に該日照阻害物に阻害されることのない
    住宅の有効日照範囲が記載され、更に、屋外との開口及
    び屋内の開口が記載されると共に前記各開口を通して日
    照可能な部分が記載された断面図と、を組み合わせた図
    面セットを用いることを特徴とする住宅の提案手法。
  2. 【請求項2】 前記図面セットに、屋内の日照状況を説
    明する写真を加えて顧客に対して住宅を提案することを
    特徴とする請求項1に記載した住宅の提案手法。
  3. 【請求項3】 前記断面図に代えて立体断面模型を用い
    て顧客に対して住宅を提案することを特徴とする請求項
    1又は2に記載した住宅の提案手法。
  4. 【請求項4】 住宅の間取りを示す平面図と、前記平面
    部の所定位置に於ける高さ方向の断面図であって日照方
    向の日照阻害物が記載されると共に該日照阻害物に阻害
    されることのない住宅の有効日照範囲が記載され、更
    に、屋外との開口及び屋内の開口が記載されると共に前
    記各開口を通して日照可能な屋内の部分が記載された断
    面図と、を有することを特徴とする住宅提案用の図面セ
    ット。
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