JP5295872B2 - 建物 - Google Patents

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本発明は、上階と下階とを有し、南側に面して配置される外壁と、この南側外壁に対向するとともに北側に面して配置される外壁とを備える建物に関する。
従来、住宅等の建物において、特に、リビング等のように家族が集まる部屋は、日当たりを考慮して南側に面した外壁の直ぐ内側に設けられることが多かった(例えば、特許文献1参照)。
日本では、太陽は、常に東の方から南を通って西の方へと動き、夏の太陽は高く、冬の太陽は低い、という特徴を持っている。したがって、リビング等の部屋を南側に配置することによって、該リビング等の部屋への採光を確保できるようになっている。つまり、特に冬季において、入射角の低い太陽光を建物内部に取り入れることができるので、建物内部の温度や明るさを高めることができるという利点がある。
特開2004−011158号公報
ところで、例えば建物の南側には、上記のようにリビング等の部屋だけでなく、南側に面する外壁の上階部分にバルコニーを設けたいという要望がある。
ところが、このようにバルコニーを南側の外壁の上階部分に設けてしまうと、このバルコニーが外壁の上階部分から突出する分、建物の下階への入射角を持った太陽光が遮られてしまうという問題がある。そこで、このようにバルコニーを設けたとしても、特に冬季における建物内部への採光を確保できるような技術の開発が望まれている。
また、一般に住宅等の建物では、上述のような採光性の向上に対する要望だけでなく、通風性を良くしたい、という要望がある。特に、夏季においては、空調設備に係るコストの低減を図るためにも、通風性を向上させることで涼を取りたいという要望がある。
ところが、夏季の太陽光は冬季に比べて角度が高いために軒や庇等によって部屋内には直接入射しにくいものの、地面から反射する熱や外壁を暖める熱によって南側に配置された部屋が受ける影響は大きく、単に通風性を向上させたとしても、涼を取るのが困難な場合がある。そこで、特に夏季において、通風によって涼を取ることができるような技術の開発が望まれている。
本発明の課題は、冬季においても、また夏季においても快適な居住環境を形成することが可能な建物を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、上階1aと下階1bとを有し、南側に面して配置される外壁3と、この南側外壁3に対向するとともに北側に面して配置される外壁4とを備える建物1において、
前記南側外壁3の上階部分には、上階1aと下階1bとの間の高さに位置するとともに該南側外壁3から建物外部側へと張り出す床部6と、この床部6の周縁部に立設される手摺り7とを備えるバルコニー5が設けられ、下階部分には、南側に向かって開口する玄関出入口8が設けられており、
前記南側外壁3のうち、上階部分に前記バルコニー5が設けられ、かつ下階部分に前記玄関出入口8が設けられていない部分の建物内部側に第1部屋10が配置されており、
前記北側外壁4のうち、前記南側外壁3の玄関出入口8と対向する部分の建物内部側に第2部屋11が配置されており、
前記南側外壁3の建物内部側面には、前記バルコニーの床部6と略等しい高さに、該床部6と連続的に配置されるとともに、前記第1部屋10側に突出する突出床部12が設けられており、
この突出床部12と、前記バルコニー5の床部6および手摺り7とは光透過性を有する部材で構成されており、
前記玄関出入口8と第2部屋11とは、これら玄関出入口8と第2部屋11との間に配置される玄関ホール部9によって接続されており、
前記第2部屋11は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部となっており、この第2部屋11の上部11aには排気手段が設けられていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、前記南側外壁3のうち、上階部分に前記バルコニー5が設けられ、かつ下階部分に前記玄関出入口8が設けられていない部分の建物内部側に第1部屋10が配置されており、前記突出床部12と、前記バルコニー5の床部6および手摺り7とが光透過性を有する部材で構成されているので、例えば冬季の比較的入射角の低い太陽光を、これら突出床部12とバルコニー5の床部6と手摺り7とによって遮られずに建物内部へと入射させることができる。これによって、建物内部への採光性を向上させることができるので、冬季における前記第1部屋10の快適な居住環境を形成することが可能となる。
また、前記北側外壁4のうち、前記南側外壁3の玄関出入口8と対向する部分の建物内部側に第2部屋11が配置されており、前記玄関出入口8と第2部屋11とは前記玄関ホール部9によって接続されているので、特に夏季において、前記玄関出入口8から風を効果的に取り入れることができる。
しかも、前記第2部屋11は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部となっており、この第2部屋11の上部11aには排気手段が設けられているので、例えば暖かい空気がより高い所へと上昇していく性質を利用することで、前記第2部屋11内の暖かい空気を該第2部屋11の上部11aへと上昇させて、前記排気手段によって排気することができる。これによって、風を前記玄関出入口8から前記第2部屋11へと確実に取り入れながら、この第2部屋11内の暖かい空気を前記排気手段によって排気することができるので、夏季における前記第2部屋11の快適な居住環境を形成することが可能となる。
すなわち、居住者は、冬季においては前記第1部屋10をリビング等の主たる居住の間とし、夏季においては前記第2部屋11をリビング等の主たる居住の間とすることで、過ごしにくい冬季・夏季であっても快適に過ごすことが可能となる。
請求項2に記載の発明は、例えば図1,図3および図4に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記第1部屋10は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部10aを備えており、この吹き抜け部10aの上方に位置する屋根2にはトップライト21a,22aが設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記第1部屋10は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部10aを備えており、この吹き抜け部10aの上方に位置する屋根2にはトップライト21a,22aが設けられているので、このトップライト21a,22aから建物外部の光を取り込むことができ、前記第1部屋10の吹き抜け部10aと、この吹き抜け部10aの周囲の採光性を向上させることができる。
また、暖かい空気がより高い所へと上昇していく性質を備えているので、例えば前記トップライト21a,22aを開閉可能な構成とすることによって、前記第1部屋10内の暖かい空気を前記吹き抜け部10aの上部へと上昇させて、前記トップライト21a,22aから排気することができる。
請求項3に記載の発明は、例えば図1および図4に示すように、請求項2に記載の建物1において、
前記突出床部12の縁部には、前記第1部屋10の吹き抜け部10aに面する手摺り13が立設されており、この手摺り13は光透過性を有する部材で構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、前記突出床部12の縁部には、前記第1部屋10の吹き抜け部10aに面する手摺り13が立設されており、この手摺り13は光透過性を有する部材で構成されているので、例えば冬季の比較的入射角の低い太陽光を、この手摺り13によって遮られずに建物内部へと入射させることができるとともに、前記突出床部12上の安全な歩行が可能となる。
請求項4に記載の発明は、例えば図2および図4に示すように、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物1において、
前記排気手段は、前記北側外壁4に形成されるとともに、前記第2部屋11と建物外部とを連通する開閉可能な窓11bであることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、前記排気手段は、前記北側外壁4に形成されるとともに、前記第2部屋11と建物外部とを連通する開閉可能な窓11bであることから、この窓11bを開放することで、前記第2部屋11の上部11aに溜まる暖かい空気を確実に建物外部へと排出できる。
請求項5に記載の発明は、例えば図2および図4に示すように、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物1において、
前記排気手段は、前記第2部屋11の上方に位置する屋根2に設けられる開閉可能なトップライト11dであることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、前記排気手段は、前記第2部屋11の上方に位置する屋根2に設けられる開閉可能なトップライト11dであることから、このトップライト11dを開放することで、前記第2部屋11の上部11aに溜まる暖かい空気をより確実に建物外部へと排出できる。
請求項6に記載の発明は、例えば図2および図3に示すように、請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物1において、
前記第2部屋11および玄関ホール部9の床面は土間であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、前記第2部屋11および玄関ホール部9の床面は土間であることから、これら第2部屋11および玄関ホール部9内の空気を比較的低温に保つことができるので、夏季であっても、前記第2部屋11で快適に過ごすことができる。また、前記玄関出入口8から風を取り入れることで、この取り込んだ風が、前記玄関ホール部9を通過して前記第2部屋11へと到達するので、前記第2部屋11に向かって比較的涼しい風を吹き込ませることができ、より快適に過ごすことができる。
本発明によれば、南側外壁のうち、上階部分にバルコニーが設けられ、かつ下階部分に玄関出入口が設けられていない部分の建物内部側に第1部屋が配置されており、突出床部と、バルコニーの床部および手摺りとが光透過性を有する部材で構成されているので、例えば冬季の比較的入射角の低い太陽光を、これら突出床部とバルコニーの床部と手摺りとによって遮られずに建物内部へと入射させることができる。これによって、建物内部への採光性を向上させることができるので、冬季における第1部屋の快適な居住環境を形成することが可能となる。
また、北側外壁のうち、南側外壁の玄関出入口と対向する部分の建物内部側に第2部屋が配置されており、玄関出入口と第2部屋とは玄関ホール部によって接続されているので、特に夏季において、玄関出入口から風を効果的に取り入れることができる。
しかも、第2部屋は、下階から上階に吹き抜ける吹き抜け部となっており、この第2部屋の上部には排気手段が設けられているので、例えば暖かい空気がより高い所へと上昇していく性質を利用することで、第2部屋内の暖かい空気を該第2部屋の上部へと上昇させて、排気手段によって排気することができる。これによって、風を玄関出入口から第2部屋へと確実に取り入れながら、この第2部屋内の暖かい空気を排気手段によって排気することができるので、夏季における第2部屋の快適な居住環境を形成することが可能となる。
すなわち、居住者は、冬季においては第1部屋をリビング等の主たる居住の間とし、夏季においては第2部屋をリビング等の主たる居住の間とすることで、過ごしにくい冬季・夏季であっても快適に過ごすことが可能となる。
本発明の建物の一例を示す第1の側断面図である。なお、図中右側が北である。 本発明の建物の一例を示す第2の側断面図である。なお、図中右側が北である。 図1に示す建物の下階の平面図である。なお、図中上側が北である。 図1に示す建物の上階の平面図である。なお、図中上側が北である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る建物の一例を示す側断面図である。
図1において符号1は、建物を示す。この建物1は、上階1aと下階1bとを有し、南側に面して配置される外壁3と、この南側外壁3に対向するとともに北側に面して配置される外壁4とを備えている。
なお、前記南側外壁3とは、建物本体のうち南側を向く外壁の全てを指しており、前記北側外壁4とは、北側を向く外壁の全てを指している。したがって、これら南側外壁3および北側外壁4のうち、一部が建物内部側に後退していたとしても、この後退している部分も後退していない部分も含めて、南側外壁3または北側外壁4と総称している。
前記南側外壁3の上階部分には、図1〜図4に示すように、上階1aと下階1bとの間の高さに位置するとともに該南側外壁3から建物外部側へと張り出す床部6と、この床部6の周縁部に立設される手摺り7とを備えるバルコニー5が設けられ、下階部分には、南側に向かって開口する玄関出入口8が設けられている。
前記玄関出入口8は、図3に示すように、前記南側外壁3の西側端部付近に配置されており、前記バルコニー5は、図4に示すように、前記南側外壁3の西側端部付近以外の部分に亘る範囲で設けられている。
また、前記南側外壁3のうち、図1および図3に示すように、上階部分に前記バルコニー5が設けられ、かつ下階部分に前記玄関出入口8が設けられていない部分の建物内部側に第1部屋10が配置されている。
この第1部屋10は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部10aと、この吹き抜け部10aに隣接するとともに下階床から下階天井までの高さの居間10bとを備えている。前記吹き抜け部10aは、建物本体の東側端部付近に配置されており、前記居間10bは、建物本体の中央付近に配置されている。
また、前記吹き抜け部10aの北側にはキッチン14が配置されている。
また、前記吹き抜け部10a内には、上階1aと下階1bとを行き来するための階段15が設けられている。
また、前記居間10bには、前記第2部屋11へと繋がる出入口10cが、この居間10bの北西付近に設けられている。
また、前記吹き抜け部10aの上方に位置する屋根2にはトップライト21a,22aが設けられている。
これらトップライト21a,22aは、図1に示すように、屋根2の棟部20を挟んで傾斜する2つの屋根面21,22側にそれぞれ設けられている。そして、これらトップライト21a,22aから建物外部の光を取り込むことができるようになっている。
また、これらトップライト21a,22aは開閉可能な構成とされている。採光だけでなく、建物内部の換気も可能となっている。
なお、屋根2の小屋裏空間23には、前記トップライト21a,22aの直下に位置するロフト24が設けられており、このロフト24の床部25は、光透過性、光拡散性および断熱性を有する部材で構成されている。
これにより、前記トップライト21a,22aから建物外部の光を取り込むことができ、取り込んだ光を、前記ロフト24の床部25を介して、このロフト24の床部25の下方へと通過させることができる。さらに、取り込んだ光は、前記ロフト24の床部25によって拡散されることになるので、前記ロフト24の床部25の下方の吹き抜け部10aに対して全体的に採光できる。また、このロフト24の床部25によって、前記ロフト24から該ロフト24の床部25の下方への熱の伝達を確実に防ぐことができるとともに、前記開閉可能に構成されたトップライト21a,22aを通じて、前記ロフト24内の熱気を建物外部へと確実に排気できる。
さらに、前記小屋裏空間23に、シーリングファン23aを設けておけば、これを稼動させることによって、建物内部の換気を促すことができるので、好ましい。
なお、前記ロフト24の床部25は、建物の躯体に所定の間隔をあけて並設固定される複数の梁25a…と、これら複数の梁25a…間に設けられ、光透過性、光拡散性および断熱性を有する部材である矩形板状の床本体25aと、前記複数の梁25a…に固定されるとともに、桟材を縦横に組んでなり、前記床本体25bを支持する支持体25bとからなる。なお、本実施の形態において、前記床部25は、このような構成としたが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、前記ロフト24の、前記トップライト21a,22aの並設方向に沿う両端部に、このロフト24に出入りするための出入口26,27が設けられており、これら出入口26,27には開閉自在に構成された戸26a,27aがそれぞれ設けられている。
これによって、前記トップライト21a,22aと、前記出入口26,27とを、適宜、開放または閉塞することができるので、建物内部の空気の流通をコントロールできるようになっている。
また、図2〜図4に示すように、前記北側外壁4のうち、前記南側外壁3の玄関出入口8と対向する部分の建物内部側に第2部屋11が配置されている。
この第2部屋11は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部となっており、この第2部屋11の上部11aには排気手段が設けられている。
この排気手段は、前記北側外壁4に形成されるとともに、前記第2部屋11と建物外部とを連通する開閉可能な窓11bと、前記第2部屋11の上方に位置する屋根2に設けられる開閉可能なトップライト11dとである。これにより、これら窓11bとトップライト11dとを開放することによって第2部屋11の上部11aに溜まる暖かい空気を排気できるようになっている。
また、前記北側外壁4には、前記第2部屋11の下部と建物外部とを連通する窓11cが形成されており、この窓11cと前記玄関出入口8とを開放しておけば、風を南北に通り抜けさせることができる。
さらに、この第2部屋11と前記玄関出入口8とは、これら玄関出入口8と第2部屋11との間に配置される玄関ホール部9によって接続されている。
この玄関ホール部9は、前記玄関出入口8から建物内部に進んだ部分に配置される玄関土間9aと、この玄関土間9aよりも一段高いホール9bとからなる。また、この玄関ホール部9と前記第2部屋11の床面は土間で構成されており、これら第2部屋11および玄関ホール部9内の空気を比較的低温に保つことができるようになっている。
また、前記南側外壁3の建物内部側面には、図1および図4に示すように、前記バルコニーの床部6と略等しい高さに、該床部6と連続的に配置されるとともに、前記第1部屋10側に突出する突出床部12が設けられている。
すなわち、この突出床部12は、前記第1部屋10の吹き抜け部10aに向かって突出するようにして設けられている。
また、この突出床部12は、上階1aの前記第1部屋10の居間10bの上方に配置されるとともに、前記バルコニー5に隣接する部屋17の床と連続的に設けられている。
さらに、突出床部12の縁部には、前記第1部屋10の吹き抜け部10aに面する手摺り13が立設されている。
また、前記突出床部12および手摺り13と、前記バルコニー5の床部6および手摺り7とは光透過性を有する部材で構成されている。
なお、光透過性を有する部材とは、例えば、半透明なスリガラスや樹脂板で形成されたもので、透明ではないが光透過性を有する板材を指している。このように光透過性を有する部材で構成することで、例えば冬季の比較的入射角の低い太陽光を、確実に建物内部へと入射させることができる。
また、前記突出床部12や手摺り13等のように建物内部に設けるものは、光透過性だけでなく、光拡散性を有していてもよいものとする。これによって、太陽光を建物内部に広く拡散させることができるので、好ましい。なお、本実施の形態においては、前記突出床部12が光透過性および光拡散性を有しているものとする。
ここで、前記バルコニー5の床部6は、前記光透過性を有する部材である矩形板状の床本体6aと、バルコニー5周囲の外壁や小壁や梁等に固定されるとともに、桟材を縦横に組んでなり、前記床本体6aを支持する支持体6bとからなる。なお、本実施の形態において、前記床部6は、このような構成としたが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、前記手摺り7は、矩形板状に形成されるとともに、前記床部6の支持体6bが固定される外壁や小壁や梁等の上面に立設されており、さらに、その上端部には、手を乗せるための笠木が取り付けられて構成されている。
さらに、この手摺り7は、平面視において略L字状に形成されており、前記バルコニー5の長手方向に沿って設けられるだけでなく、短手方向に沿って設けられている。
また、前記突出床部12は、前記光透過性を有する部材である矩形板状の床本体12aと、該突出床部12周囲の外壁や小壁や梁等に固定されるとともに、桟材を縦横に組んでなり、前記床本体12aを支持する支持体12bとからなる。なお、本実施の形態において、前記突出床部12は、このような構成としたが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、前記手摺り13は、矩形板状に形成されるとともに、前記突出床部12の支持体12bが固定される外壁や小壁や梁等の上面に立設されており、さらに、その上端部には、手を乗せるための笠木が取り付けられて構成されている。
次に、前記第1部屋10への採光の形態について説明する。
なお、地方によって夏季の日射しや冬季の日射しの角度が異なるため、本実施の形態においては東京における角度を採用する。東京では、太陽光の角度は、冬至の南中時において31°となっており、夏至の南中時において77°となっている。すなわち、図1に示す直線の矢印のうち、角度の高い方が夏季の太陽光の角度を指しており、角度の低い方が冬季の太陽光の角度を指している。
本実施の形態の建物1では、夏季の太陽光は、前記屋根2の軒部によって遮られており、建物内部に入らないようになっている。
また、前記第1部屋10の南側には、南側外壁3を介して、デッキ10dが配置されており、このデッキ10dには太陽光が差し込んでいる。したがって、太陽光は、このデッキ10dには差し込むものの、前記第1部屋10内には差し込まない構成となっている。
これによって、夏季の強い日差しが建物内部に入ることを防ぐことができるようになっている。
一方、冬季の太陽光は、前記バルコニー5の床部6および手摺り7と、前記突出床部12および手摺り13とに当たるようになっているものの、これらバルコニー5の床部6および手摺り7と、前記突出床部12および手摺り13とが光透過性を有する部材で構成されているため、これらバルコニー5の床部6および手摺り7と、前記突出床部12および手摺り13によって遮られずに、前記第1部屋10内へと入るようになっている。
なお、図4に示すように、太陽光は、太陽が真南に位置する場合は、前記バルコニー5の床部6および手摺り7と、前記突出床部12および手摺り13とを通過して、前記第1部屋10の吹き抜け部10aに対して主に差し込むこととなる。
また、太陽が南東に位置する場合は、上述のように前記手摺り7が平面視略L字状に形成されているので、太陽光は、前記バルコニー5の床部6および手摺り7と、前記突出床部12および手摺り13とを通過して、前記第1部屋10の居間10bに対して主に差し込むことになる。
また、図3および図4に示すように、建物1の東側外壁の上階部分および下階部分に窓を設けておくことによって、東からの太陽光を建物内部に取り入れることも可能となっている。
次に、第2部屋11への通気の形態について説明する。
前記第2部屋11へと風を吹き込ませる際は、前記玄関出入口8を開放するとともに、前記窓11cを開放することで、特に夏季において風を効果的に取り入れることができるようになっている。
また、暖かい空気はより高い所へと上昇していく性質を備えているため、前記第2部屋11の上部11aに溜まるようになっている。そこで、前記窓11bおよびトップライト11dとを開放して、暖かい空気を排気することによって、前記第2部屋11の快適性を向上できるようになっている。
なお、図2に示すように、前記トップライト11dの下方に、シーリングファン11eを設けておけば、これを稼動させることによって、前記玄関出入口8を開放せずとも、前記第2部屋11の換気を促すことができるので、好ましい。
また、前記玄関ホール部9および第2部屋11の床面は土間であるから、比較的冷たい空気を、前記第2部屋11内を通過させることができるようになっている。また、前記玄関出入口8から取り込んだ空気は、前記玄関ホール部9を通過することによって、冷やされるので、夏季であっても外気を冷やしやすいという利点がある。
このように前記第2部屋11では、夏季においても過ごしやすくなる構成となっているため、居住者は、夏季と冬季とで、家族が集まる主たる居住の間を変更できるという選択肢を持つことができる。
このような選択肢を活かすために、前記第2部屋11とキッチン14との間には、これら第2部屋11とキッチン14とを接続する廊下14aが配置されており、料理等を前記第2部屋11に近距離で運ぶことができるようになっている。
また、前記第1部屋10の居間10bと、前記第2部屋11との間には、前記出入口10cが設けられており、これら第1部屋10と第2部屋11との移動も近距離で行えるようになっている。
すなわち、前記第1部屋10と第2部屋11とを結ぶ生活導線を近距離2ルート分確保することができるので、居住者が、夏季と冬季とで、家族が集まる主たる居住の間を変更する際に簡便である。
次に、建物内部の換気の形態について説明する。
前記吹き抜け部10a内には、上述のように階段15が設けられている。この階段15を上がった部分には、上階1aを東西に貫く廊下16が設けられている。また、この廊下に16に沿って、上階1aの北側に部屋18,19が並設配置されている。さらに、前記第1部屋10の居間10bの上方には、前記部屋17が配置されている。
これら部屋17,18,19には、建物1の南側および北側に、出入口17a,18a,19aまたは窓17b,18b,19bが設けられている。したがって、これら出入口17a,18a,19aおよび窓17b,18b,19bを開放しておけば、前記南側外壁3に設けられた窓を開放して取り込んだ風を、建物1の上階1aを通過させて、さらに、北側から建物外部へと排気することができる。
また、前記廊下16の西側端部には、図2および図4に示すように、この廊下16と前記第2部屋11の上部11aとを連通する開口部16a,16bが設けられている。これによって、前記廊下16を通過する空気と、前記部屋17の出入口17aから出てくる空気を、前記第2部屋11の上部11aへと送ることができ、前記窓11bまたはトップライト11dから排出できるようになっている。
なお、前記屋根2に設けられるトップライト11d,21a,22aは、前記第1部屋10や第2部屋11からリモコン等によって遠隔操作できるようになっている。また、前記ロフト24の出入口26,27を開閉する戸26a,27aも同じく、リモコン等によって遠隔操作できる構成とすることが好ましい。
本実施の形態によれば、前記南側外壁3のうち、上階部分に前記バルコニー5が設けられ、かつ下階部分に前記玄関出入口8が設けられていない部分の建物内部側に第1部屋10が配置されており、前記突出床部12と、前記バルコニー5の床部6および手摺り7とが光透過性を有する部材で構成されているので、例えば冬季の比較的入射角の低い太陽光を、これら突出床部12とバルコニー5の床部6と手摺り7とによって遮られずに建物内部へと入射させることができる。これによって、建物内部への採光性を向上させることができるので、冬季における前記第1部屋10の快適な居住環境を形成することが可能となる。
また、前記北側外壁4のうち、前記南側外壁3の玄関出入口8と対向する部分の建物内部側に第2部屋11が配置されており、前記玄関出入口8と第2部屋11とは前記玄関ホール部9によって接続されているので、特に夏季において、前記玄関出入口8から風を効果的に取り入れることができる。
しかも、前記第2部屋11は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部となっており、この第2部屋11の上部11aには排気手段が設けられているので、例えば暖かい空気がより高い所へと上昇していく性質を利用することで、前記第2部屋11内の暖かい空気を該第2部屋11の上部11aへと上昇させて、前記排気手段によって排気することができる。これによって、風を前記玄関出入口8から前記第2部屋11へと確実に取り入れながら、この第2部屋11内の暖かい空気を前記排気手段によって排気することができるので、夏季における前記第2部屋11の快適な居住環境を形成することが可能となる。
すなわち、居住者は、冬季においては前記第1部屋10をリビング等の主たる居住の間とし、夏季においては前記第2部屋11をリビング等の主たる居住の間とすることで、過ごしにくい冬季・夏季であっても快適に過ごすことが可能となる。
また、前記第1部屋10は、下階1bから上階1aに吹き抜ける吹き抜け部10aを備えており、この吹き抜け部10aの上方に位置する屋根2にはトップライト21a,22aが設けられているので、このトップライト21a,22aから建物外部の光を取り込むことができ、前記第1部屋10の吹き抜け部10aと、この吹き抜け部10aの周囲の採光性を向上させることができる。
また、暖かい空気がより高い所へと上昇していく性質を備えているので、例えば前記トップライト21a,22aを開閉可能な構成とすることによって、前記第1部屋10内の暖かい空気を前記吹き抜け部10aの上部へと上昇させて、前記トップライト21a,22aから排気することができる。
また、前記突出床部12の縁部には、前記第1部屋10の吹き抜け部10aに面する手摺り13が立設されており、この手摺り13は光透過性を有する部材で構成されているので、例えば冬季の比較的入射角の低い太陽光を、この手摺り13によって遮られずに建物内部へと入射させることができるとともに、前記突出床部12上の安全な歩行が可能となる。
また、前記排気手段は、前記北側外壁4に形成されるとともに、前記第2部屋11と建物外部とを連通する開閉可能な窓11bと、前記第2部屋11の上方に位置する屋根2に設けられる開閉可能なトップライト11dとであることから、これら窓11bおよびトップライト11dのうち、少なくとも一方を開放することで、前記第2部屋11の上部11aに溜まる暖かい空気を確実に建物外部へと排出できる。
また、前記第2部屋11および玄関ホール部9の床面は土間であることから、これら第2部屋11および玄関ホール部9内の空気を比較的低温に保つことができるので、夏季であっても、前記第2部屋11で快適に過ごすことができる。また、前記玄関出入口8から風を取り入れることで、この取り込んだ風が、前記玄関ホール部9を通過して前記第2部屋11へと到達するので、前記第2部屋11に向かって比較的涼しい風を吹き込ませることができ、より快適に過ごすことができる。
1 建物
1a 上階
1b 下階
3 南側外壁
4 北側外壁
5 バルコニー
6 床部
7 手摺り
8 玄関出入口
9 玄関ホール部
10 第1部屋
11 第2部屋
12 突出床部

Claims (6)

  1. 上階と下階とを有し、南側に面して配置される外壁と、この南側外壁に対向するとともに北側に面して配置される外壁とを備える建物において、
    前記南側外壁の上階部分には、上階と下階との間の高さに位置するとともに該南側外壁から建物外部側へと張り出す床部と、この床部の周縁部に立設される手摺りとを備えるバルコニーが設けられ、下階部分には、南側に向かって開口する玄関出入口が設けられており、
    前記南側外壁のうち、上階部分に前記バルコニーが設けられ、かつ下階部分に前記玄関出入口が設けられていない部分の建物内部側に第1部屋が配置されており、
    前記北側外壁のうち、前記南側外壁の玄関出入口と対向する部分の建物内部側に第2部屋が配置されており、
    前記南側外壁の建物内部側面には、前記バルコニーの床部と略等しい高さに、該床部と連続的に配置されるとともに、前記第1部屋側に突出する突出床部が設けられており、
    この突出床部と、前記バルコニーの床部および手摺りとは光透過性を有する部材で構成されており、
    前記玄関出入口と第2部屋とは、これら玄関出入口と第2部屋との間に配置される玄関ホール部によって接続されており、
    前記第2部屋は、下階から上階に吹き抜ける吹き抜け部となっており、この第2部屋の上部には排気手段が設けられていることを特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    前記第1部屋は、下階から上階に吹き抜ける吹き抜け部を備えており、この吹き抜け部の上方に位置する屋根にはトップライトが設けられていることを特徴とする建物。
  3. 請求項2に記載の建物において、
    前記突出床部の縁部には、前記第1部屋の吹き抜け部に面する手摺りが立設されており、この手摺りは光透過性を有する部材で構成されていることを特徴とする建物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物において、
    前記排気手段は、前記北側外壁に形成されるとともに、前記第2部屋と建物外部とを連通する開閉可能な窓であることを特徴とする建物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物において、
    前記排気手段は、前記第2部屋の上方に位置する屋根に設けられる開閉可能なトップライトであることを特徴とする建物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の建物において、
    前記第2部屋および玄関ホール部の床面は土間であることを特徴とする建物。
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