JP2011246100A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーナビゲーション装置等の他装置から取得した情報を用いて運転者の覚醒度を維持、向上させるような空調制御を行いつつ、運転者の覚醒度が低減しにくいとみなせる状況では低燃費空調を実行できるように制御する車両用空調装置を提供する。
【解決手段】空調システム1では、エアコンECU2は、ナビゲーション装置3から、車両の現在位置や、走行中の道路の信号の数、運転者の休憩等の情報を取得し、車両の現在位置が出発地近くや目的地近くにある、信号の数が多い、運転者が休憩をとっている等の場合には、運転者の覚醒度が高いとみなして冷房能力を制限して燃費低減を実現し、それ以外の場合は冷房能力を制限せずに運転者の覚醒度を維持、向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用空調装置に関する。
従来から自動車車両に装備された空調装置の性能を向上させるための各種提案がある。例えば下記特許文献1では、ドライバの覚醒度が低下する前に、車室内環境を変えてドライバの覚醒度を維持させる技術が開示されている。同文献では具体的には、車室内環境を変えるために、空調装置における設定値よりも風量を上げることや、設定値よりも車室内温度を下げること等が実行される。
特開2005−186657号公報
車両の空調装置においては、例えば全走行ルート中の中盤の中だるみや、信号の少ない道路、あるいは運転者が休憩をとっていない等のように運転者の覚醒度が低下しやすい状況において、運転者の覚醒度を維持、向上するように空調装置を制御すれば、高性能な車両用空調装置が実現できるが、従来技術ではそのような提案はなされていない。
全走行ルート中のどこにいるかや、信号の少ない道路かどうか、あるいは運転者の休憩に関する情報はカーナビゲーション装置(カーナビ)を用いて取得することができるが、従来技術ではカーナビから取得できる情報を用いて空調装置を制御して、運転者の覚醒度を維持、向上する空調装置の提案はない。
また運転者の脈拍などの情報から、運転者の覚醒度を維持、向上する車室内温度となるように制御しても、より高性能な空調装置が実現できる。さらにこうした空調制御によって運転者の覚醒度を高く維持しつつ、運転者の覚醒度が低減しにくいとみなせる状況では低燃費空調を実行できるように制御すれば、より高性能な空調装置が実現できるが、こうした提案は従来技術にはない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、カーナビゲーション装置等の他装置から取得した情報を用いて運転者の覚醒度を維持、向上させるような空調制御を行いつつ、運転者の覚醒度が低減しにくいとみなせる状況では低燃費空調を実行できるように制御する車両用空調装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を達成するために、本発明に係る車両用空調装置は、車両に装備されて、車両の現在位置と、出発地から目的地までの走行経路と、を算出するナビゲーション部と、前記車両の車室内を少なくとも冷房空調する空調部と、前記空調部における冷房能力を制限する制限手段と、出発地から目的地までに至る前記走行経路上の前記車両の現在位置において乗員の覚醒度に相関を有する情報である相関情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記相関情報に応じて前記制限手段により前記空調部の冷房能力を制限することを実行するか否かを制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより本発明に係る車両用空調装置では、ナビゲーション部が出力した情報に応じて空調能力を制限するか否かを決定するので、ナビゲーションから運転者の覚醒度に関係する情報を取得して、運転者の覚醒度が高く維持できるような空調制御が実行できる。さらに運転者の覚醒度が低減しにくいとみなせる状況では冷房能力を制限して低燃費冷房を実行するので、運転者の覚醒度を高く維持することと、低燃費とを両立する高性能な空調装置が実現できる。
また前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力した現在位置と、出発地、目的地の位置情報から、前記車両の現在位置と出発地および目的地との相対的な距離を算出する距離算出手段を備え、前記制御手段は、前記車両の現在位置が出発地または目的地のいずれからも遠いポイントに位置している場合には近い側に位置している場合に比較して乗員の覚醒度が低いと判断して、前記空調部の冷房能力を制限しないよう制御するとしてもよい。
これにより出発地の近くあるいは目的地の近くでは運転者の覚醒度が低下しにくいので冷房能力を制限して低燃費を実現し、かつ出発地の近くあるいは目的地の近く以外では冷房能力を制限せずに運転者の覚醒度を維持、向上させる。したがってカーナビゲーションから得られる情報を利用して運転者の覚醒度を高く維持することと、低燃費とを両立する高性能な空調装置が実現できる。
また前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力する前記走行経路の情報から、車両が走行中の道路が、所定の道路長に対する信号の設置数が所定比率よりも少ない道路であるか否かを判定する判定手段を備え、前記制御手段は、前記判定手段が前記道路長に対する信号の設置数が所定比率よりも少ないと判定した場合には多いと判定した場合に比較して乗員の覚醒度が低いと判断して前記空調部の冷房能力を制限しないように制御するとしてもよい。
これにより信号の設置比率が大きい道路では運転者の覚醒度が低下しにくいので冷房能力を制限して低燃費を実現し、かつ信号の設置比率が小さい道路では冷房能力を制限せずに運転者の覚醒度を維持、向上させる。したがってカーナビゲーションから得られる情報を利用して、運転者の覚醒度を高く維持することと、低燃費とを両立する高性能な空調装置が実現できる。
また前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力した現在位置情報に基いて現在時刻と出発時刻および目的地到着予想時刻との相対的な時間差を算出する時間算出手段を備え、前記制御手段は、現在時刻が出発時刻または目的地到着予想時刻の何れからも離れている場合には接近している場合に比較して乗員の覚醒度が低いとして冷房能力を制限しないよう制御するとしてもよい。
これにより出発地の近くあるいは目的地の近くでは運転者の覚醒度が低下しにくいので冷房能力を制限して低燃費を実現し、かつ出発地の近くあるいは目的地の近く以外では冷房能力を制限せずに運転者の覚醒度を維持、向上させる。したがってカーナビゲーションから得られる情報を利用して運転者の覚醒度を高く維持することと、低燃費とを両立する高性能な空調装置が実現できる
また前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力する車両の現在位置情報から現在時点までの車両の停車情報を算出し、現在時点での運転者が休憩を必要としているか否かを判定する判定手段を備え、前記制御手段は、前記判定手段が、運転者が休憩を必要としていると判定した場合には必要としていないと判定した場合に比較して乗員の覚醒度が低いと判断して前記空調部の冷房能力を制限しないように制御するとしてもよい。
これにより運転者が休憩を必要としていない状況では運転者の覚醒度が低下しにくいので冷房能力を制限して低燃費を実現し、かつ運転者が休憩を必要としている状況では冷房能力を制限せずに運転者の覚醒度を維持、向上させる。したがってカーナビゲーションから得られる情報を利用して、運転者の覚醒度を高く維持することと、低燃費とを両立する高性能な空調装置が実現できる。
また本発明に係る車両用空調装置は、車両の運転者の脈拍数を検出する検出手段と、前記車両の車室内の温度を調節する空調部と、前記空調部における冷房の能力を制限する制限手段と、前記検出手段が検出した脈拍数が所定脈拍数よりも低い場合は、前記制限手段が前記空調部の冷房能力を制限しないように制御し、前記検出手段が検出した脈拍数が所定脈拍数以上の場合は、前記制限手段が前記空調部の冷房能力を制限するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより本発明に係る車両用空調装置では、運転者の脈拍数が高い場合は運転者の覚醒度が高いとみなされるので冷房能力を制限して低燃費を実現し、かつ運転者の脈拍が低い場合は冷房能力を制限せずに運転者の覚醒度を維持、向上させる。したがって運転者の脈拍数の情報を利用して、運転者の覚醒度を高く維持することと、低燃費とを両立する高性能な空調装置が実現できる
本発明の実施形態における車両用空調装置の構成図。 エアコン部の構造例を示す図。 実施例1の空調制御のフローチャート。 実施例2の空調制御のフローチャート。 実施例3の空調制御のフローチャート。 実施例4の空調制御のフローチャート。 休憩の判定処理のフローチャート。 実施例5の空調制御のフローチャート。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1、図2は、本発明の実施例1に係る車両用の空調システム1の概略構成図である。空調システム1は自動車車両に搭載すればよい。
同図のとおり空調システム1は、主にエアコンECU2、ナビゲーション装置3(ナビ装置)、エアコン部4、光電脈波センサ5が多重通信バス6(バス)により接続されて各種情報の受け渡しが可能なように構成されている。なお必ずしもナビ装置3と光電脈波センサ5の両方を装備しなくともよく、以下の実施例1から4ではナビ装置3のみを、実施例5では光電脈波センサ5のみを装備するとしてもよい。
エアコンECU2は、各種演算など情報処理のためのCPU200、CPU200の作業領域としてのRAM201、各種情報を記憶するための不揮発性メモリ202を備える。エアコンECU2は通信インターフェイス部203(I/F)を介して多重通信バス6と接続されている。エアコンECU2は以上のCPU200、RAM201、不揮発性メモリ202、I/F203、I/O204がバスによって接続されて情報の受け渡しが可能となっている。
エアコンECU2は入出力部204(I/O)を介して、温度設定入力部205と接続されている。温度設定入力部205は例えば車室内のインパネ正面下部などに配置されたエアコン操作パネルのなかに配置される。運転者など乗員は、温度設定入力部205によって希望温度の設定入力を行うことができる。
またエアコンECU2はI/O204を介して、吹出口切替ダンパ400、内外気切替ダンパ401、エアミックスダンパ402と接続されており、これらに駆動を指令する。吹出口切替ダンパ400は、車室内のエアコンの吹出し口(例えばフェイス、フット、デフロスタ)を切り替えるために、個々の吹出し口の開閉状態を決めるダンパである。
内外気切替ダンパ401は、車内の空気を循環させるための内気吸込口と車外の空気を取り込むための外気吸込口とを切り替えるダンパである。エアミックスダンパ402は、エバポレータで冷却された冷気と、その下流のヒータコア405で加熱された暖気との混合比率を決めるダンパである。
さらにエアコン部4は、図2に示されているように、ブロアファン403、エバポレータ404、ヒータコア405を備える。ブロアファン403の回動によって空調風が形成される。エバポレータ404では、車両のエンジンによって駆動されたコンプレッサ(図示せず)によって圧縮された冷媒ガスがエバポレータ404内へ噴出されて気化することによって周囲の熱が奪われる。こうして冷却したエバポレータ404がブロワファン403によって形成された空気流を冷却する。
ヒータコア405は、車両のエンジンを冷却することによって昇温した冷却水の熱を用いて空気流を昇温させる。以上のとおりエバポレータ404は冷房機能を有し、ヒータコア405は暖房機能を有する。上述のとおり、エアミックスダンパ402の開度によって、エバポレータで冷却された冷気と、ヒータコア405で加熱された暖気との混合比率を決定して、温度調節を行う。
上記構造により、ヒータコア405による暖房はエンジンに負荷をかけないが、エバポレータ404による冷房はエンジンにとって負荷となり、冷房能力を制限することにより燃費を低減させることができる。
ナビゲーション装置3(ナビ装置)は、CPU300、RAM301、不揮発性メモリ302、インターフェース部303(I/F)、GPS受信部304、ジャイロセンサ305、車速センサ306、地図情報データベース307(DB)を備える。
CPU300は、ナビゲーション(ナビ)に関する各種演算や情報処理を実行する。RAM301はCPU300の作業領域として用いられる一時記憶部である。不揮発性メモリ302は、例えば読み出し専用のRAMや、書き替え可能なEEPROMなどを備えて、ナビの機能で必要とされる各種プログラムなどを記憶する不揮発性の記憶部である。ナビゲーション部3はI/F303を通じてバス6と接続されて、車両内の各部(例えばエアコンECU2)と接続して情報の受け渡しが行われる。
GPS受信部304は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する。ジャイロセンサ305は、車両のヨー方向の角速度を検出する機能を有するセンサである。ジャイロセンサ305が検出した角速度を積分することにより車両の方向変化が算出される。
車速センサ306は、車両の速度を検出するセンサである。車速センサ306は、例えばロータリーエンコーダ等の構成によって、車輪の所定回転角度ごとにパルス信号を発生させ、それを基にして車両の速度を算出する。そして例えばCPU300において車速センサ306で得た車速を積算して車両の走行距離を算出することができるとする。DB307は、カーナビゲーションで利用される地図情報のデータベースである。
ナビ部7では、GPS受信部304、ジャイロセンサ305、車速センサ306、DB307を用いて、以下のとおりナビゲーション(ナビ)に関する情報処理を実行する。
ナビにおける位置算出方法は、例えばGPS航法、自律航法、マップマッチング法の組合せとする。このうちGPS航法では、GPS受信部304によってGPS衛星からのGPS信号を受信することによって、地球上での車両の位置(緯度、経度)を算出する。
自律航法では、ジャイロセンサ305等によって車両の方向を求め、車速センサ306で検出した車速を積分して走行距離を求めることによって車両の位置を算出する。例えばCPU300では、上記GPS航法と自律航法とを組み合わせたハイブリッド航法によって車両位置を算出する。
ハイブリッド航法では例えば、最初の位置決定を含めた、時々の数値補正のときにGPS航法を用い、それ以外のときは自律航法によって車両の進行方向及び走行距離を時々刻々算出し、それを積算していくことにより、逐次車両位置を算出していく。ハイブリッド航法を使用することによって、GPS航法ではトンネル内や建築物の陰でGPS衛星からの電波が受信しにくい状況では車両位置の算出が困難である問題点と、自律航法では走行距離を積算していくうちに誤差が累積していき車両位置の精度が低減する問題点とを互いに補うことができて、高精度に車両位置が算出できる。
そして、ハイブリッド航法によって得られた車両位置をマップマッチング法によって修正すればよい。マップマッチング法では、ハイブリッド航法によって得られた車両位置がDB307が有する地図と照らし合わせて不適切な位置であるとみなされた場合には、DB307が有する地図に整合させて、より適切な車両位置に修正する。
光電脈波センサ5(センサ)は、光電方式により運転者の脈拍を検出するセンサである。具体的にセンサ5では、光(電磁波、主に赤外光)を運転者の体に照射し、その反射光(あるいは透過光)を受光する。センサ5から照射された光を受けた人体では、人体の血流におけるヘモグロビンによって光の吸収作用が起きる。
それにより、人体の血流の脈拍につれて、反射光(あるいは透過光)の強度も脈動することとなる。センサ5では、この反射光(あるいは透過光)の強度の脈動を脈波検出回路によって検出することによって、運転者の脈拍数を検出する。センサ5は、この目的のために、運転者の人体の一部、例えば指先が接触するステアリングに装備すればよい。
以上の構成のもとで空調システム1は、ナビゲーション装置3あるいは光電脈波センサ5から得られる運転者の覚醒度と相関を有する情報を用いて、エアコン部4における温度調節を運転者の覚醒度を維持、向上するように制御する。具体的に実施例1では、ナビゲーション装置3による情報から出発地の近くや目的地の近くであるか否かを判定して、出発地の近くや目的地の近くと、それ以外とでは空調制御を替えて、運転者の覚醒度を維持、向上させることと低燃費空調とを両立させる。
その処理手順が図3に示されている。図3(及び後述の図4から図8)の処理手順はプログラム化して予め例えば不揮発性メモリ202などに記憶しておき、CPU200が、これを自動的に実行するとすればよい。なお図3(及び後述の図4から図8)では、冷房と暖房の処理を併記したが、冷房の処理のみを実行するしてもよい。
図3の処理ではまず、手順S10でCPU200は、現在地と出発地との間の距離が所定値よりも短いか否かを判定する。図3では、この所定値をA1としている。この判定のためにCPU200は、現在地、出発地の位置情報、あるいは現在地と出発地との間の距離情報をナビ装置3から取得すればよい。現在地と出発地との間の距離が所定値よりも短い場合は(S10:YES)、S40に進み、所定値以上の場合は(S10:NO)、S20に進む。
S20に進んだ場合CPU200は、現在地と目的地との間の距離が所定値よりも短いか否かを判定する。図3では、この所定値をA2としている。この判定のためにCPU200は、現在地、目的地の位置情報、あるいは現在地と目的地との間の距離情報をナビ装置3から取得すればよい。現在地と目的地との間の距離が所定値よりも短い場合は(S20:YES)、S40に進み、所定値以上の場合は(S20:NO)、S30に進む。
S30に進んだ場合は、出発地から目的地までの全走行ルートのうちで、出発地の近くでもなく、目的地の近くでもない場所にいる場合である。そしてS40に進んだ場合は、出発地の近く、あるいは目的地の近くを走行している場合である。一般に運転者は、出発地の近く、あるいは目的地の近くでは高い覚醒度を持つとみなされる。したがってS30に進んだ場合は空調によって運転者の覚醒度を維持、向上させ、S40に進んだ場合は省燃費空調を優先する。
具体的にS30に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は通常どおりの冷房を実行する。そして暖房を行っている場合は暖房能力を制限する。ここで通常どおりの冷房とは、車両の乗員が設定した設定温度に車室内温度がなるように冷房を実行することである。また暖房能力の制限とは、車室内温度が設定温度よりも低い温度となるように暖房を実行することである。設定温度よりも低くする幅は予め定めておけばよい。
そしてS40に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は通常どおり冷房能力を制限する。そして暖房を行っている場合は通常どおりの暖房を実行する。ここで冷房能力の制限とは、車室内温度が設定温度よりも高い温度となるように冷房を実行することである。設定温度よりも高くする幅は予め定めておけばよい。また通常どおりの暖房とは、車両の乗員が設定した設定温度に車室内温度がなるように暖房を実行することである。
次に実施例2を説明する。実施例2では、ナビゲーション装置3による情報から、高速道路や信号の少ない道路であるか否かを判定して、高速道路や信号の少ない道路と、それ以外とでは空調制御を替えて、運転者の覚醒度の維持、向上と低燃費空調とを両立させる。実施例2(及び後述の実施例3から5)においても図1、2の構成を用いればよい。以下では実施例1と異なる部分のみを説明する。実施例2では図3のフローチャートが図4に変更される。
図4の処理ではまず、手順S110でCPU200は、現在高速道路を走行中であるか否かを判定する。この判定のためにCPU200は、現在走行中の道路の情報をナビ装置3から取得すればよい。高速道路を走行中の場合は(S110:YES)、S140に進み、高速道路を走行中以外の場合は(S110:NO)、S120に進む。
S120に進んだ場合CPU200は、信号の少ない道路を現在走行中であるか否かを判定する。この判定のためにCPU200は例えば、走行ルート中で現在地を含む所定範囲における信号機の数の情報をナビ装置3から取得し、その数値が所定値よりも少ない場合に、信号の少ない道路だと判定すればよい。信号の少ない道路を走行中の場合は(S120:YES)、S140に進み、信号の少ない道路を走行中でない場合は(S120:NO)、S130に進む。
S130に進んだ場合は、走行中の道路が高速道路でもなく、信号の少ない道路でもない場合であり、S140に進んだ場合は、走行中の道路が高速道路、あるいは信号の少ない道路の場合である。一般に運転者は、高速道路でもなく、信号の少ない道路でもない場合、高い覚醒度を持つとみなされる。そこでS140に進んだ場合は空調によって運転者の覚醒度を維持、向上させ、S130に進んだ場合は省燃費空調を優先する。
具体的にS140に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は通常どおりの冷房を実行する。そして暖房を行っている場合は暖房能力を制限する。そしてS130に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は冷房能力を制限する。そして暖房を行っている場合は通常どおりの暖房を実行する。通常どおりの冷房、暖房、及び冷房、暖房能力の制限は実施例1と同様である。
次に実施例3を説明する。実施例3では、ナビゲーション装置3による情報から、出発後あまり時間が経過していないか、あるいは目的地への到達予想時刻まで近いか否かを判定して、出発後あまり時間が経過していない、あるいは目的地への到達予想時刻まで近い場合と、それ以外の場合とでは空調制御を替えて、運転者の覚醒度の維持、向上と低燃費空調とを両立させる。以下では実施例1あるいは2と異なる部分のみを説明する。実施例3では図3、4のフローチャートが図5に変更される。
図5の処理ではまず、手順S210でCPU200は、現在時刻と出発時刻との差分値(つまり走行時間)が所定値よりも短いか否かを判定する。図5では、この所定値をB1としている。この判定のためにCPU200は、現在時刻、出発時刻の情報、あるいは現在時刻と出発時刻との差分値(走行時間)の情報をナビ装置3から取得すればよい。
ナビ装置3あるいはエアコンECU2が計時機能を有するとすればよい。現在時刻と出発時刻との差分値が所定値よりも短い場合は(S210:YES)、S240に進み、所定値以上の場合は(S210:NO)、S220に進む。
S220に進んだ場合CPU200は、目的地への予想到着時刻と現在時刻との間の差分が所定値よりも短いか否かを判定する。図5では、この所定値をB2としている。この判定のためにCPU200は、目的地への予想到着時刻、現在時刻の情報、あるいは目的地への予想到着時刻と現在時刻との間の差分値をナビ装置3から取得すればよい。目的地への予想到着時刻と現在時刻との間の差分が所定値よりも短い場合は(S220:YES)、S240に進み、所定値以上の場合は(S220:NO)、S230に進む。
S230に進んだ場合は、出発地から目的地までの全走行ルートのうちで、出発地の近くでもなく、目的地の近くでもない場所にいる場合である。そしてS240に進んだ場合は、出発地の近く、あるいは目的地の近くを走行している場合である。上述のとおり運転者は、出発地の近く、あるいは目的地の近くでは高い覚醒度を持つとみなされる。したがってS230に進んだ場合は空調によって運転者の覚醒度を維持、向上させ、S240に進んだ場合は省燃費空調を優先する。
具体的にS230に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は通常どおりの冷房を実行する。そして暖房を行っている場合は暖房能力を制限する。そしてS240に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は冷房能力を制限する。そして暖房を行っている場合は通常どおりの暖房を実行する。通常どおりの冷房、暖房、及び冷房、暖房能力の制限は実施例1と同様である。
次に実施例4を説明する。実施例4では、ナビゲーション装置3による情報から、現在の走行において休憩をとっているかどうかの情報、とっている場合、さらに直近の休憩からの経過時間はどれだけか、の情報を取得して、休憩をとっていない場合あるいは直近の休憩から長い時間が経過している場合と、それ以外の場合とでは空調制御を替えて、運転者の覚醒度の維持、向上と低燃費空調とを両立させる。
以下では実施例1から3と異なる部分のみを説明する。実施例4では図3、4、5のフローチャートが図6及び図7に変更される。図6は空調制御の切替のフローチャートであり、図7は図6の処理で必要となる休憩の判定に関するフローチャートである。
図6の処理ではまず、手順S310でCPU200は、現在の走行においてこれまでに休憩をとってるか否かを判定する。休憩の判定は後述する図7で行う。休憩をとっている場合は(S310:YES)、S320に進み、休憩をとっていない場合は(S310:NO)、S340に進む。
S320に進んだ場合CPU200は、直近の休憩からの経過時間が所定値よりも短いか否かをさらに判定する。図6では、この所定値をC1としている。この判定のためにCPU200は、休憩からの経過時間の情報をナビ装置3から取得すればよい。直近の休憩からの経過時間が所定値よりも短い場合は(S320:YES)、S330に進み、所定値以上の場合は(S320:NO)、S340に進む。
S330に進んだ場合は、現在の走行においてこれまでに休憩をとっており、その休憩からの経過時間も短い場合であり、S340に進んだ場合は、現在の走行において過去に休憩をとっていないか、直近の休憩からの経過時間が長い場合である。一般に運転者は、過去に休憩をとっており、その休憩からの経過時間も短い場合には高い覚醒度を持つとみなされる。したがってS340に進んだ場合は空調によって運転者の覚醒度を維持、向上させ、S330に進んだ場合は省燃費空調を優先する。
具体的にS340に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は通常どおりの冷房を実行する。そして暖房を行っている場合は暖房能力を制限する。そしてS330に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は冷房能力を制限する。そして暖房を行っている場合は通常どおりの暖房を実行する。通常どおりの冷房、暖房、及び冷房、暖房能力の制限は実施例1と同様である。
次に図7を説明する。図7の処理では、まずS410で、車両が停車している場合に停車位置が道路であるかを判定する。CPU200は、停車位置が道路である場合(S410:YES)はS440に進み、停車位置が道路でない場合(S410:NO)はS420に進む。
次に、S420に進んだら停車時間が所定値を超えたか否かを判定する。図7では、この所定値をD1としている。CPU200は、停車時間が所定値を超えた場合(S420:YES)はS440に進み、所定値を超えていない場合(S420:NO)はS430に進む。CPU200は、S410またはS420の判定のために、ナビ装置3から停車位置及び停車時間の情報を取得すればよい。
S430に進んだ場合は、道路以外に停車し、停車時間も所定値を超えているので、休憩と判断する。S440に進んだ場合は、道路に停車しているか、停車時間が短い場合なので、休憩でないと判断する。図7の処理により、停車位置と停車時間の情報により、精度よく休憩の情報が取得できる。
次に実施例5を説明する。実施例5では、光電脈波センサ5による情報から、運転者の覚醒度の情報を取得して、運転者の覚醒度の維持、向上と低燃費空調とを両立させる空調制御を実行する。以下では実施例1から4と異なる部分のみを説明する。実施例5では図3から図7のフローチャートが図8に変更される。
図8の処理ではまず、手順S510で光電脈波センサ5によって運手者の(単位時間あたりの)脈拍数を検出する。次にS520で、運転者の脈拍数が所定値より低いか否かを判定する。図8では、この所定値をE1としている。所定値より低い場合は(S520:YES)、S540に進み、所定値以上の場合は(S530:NO)、S530に進む。
一般に脈拍数が高いと運転者は高い注意力を有し覚醒度が高いとみなされる。そこでS540に進んだ場合は、脈拍数が低いので、空調によって運転者の覚醒度を維持、向上させる。S530に進んだ場合は脈拍数が高く運転者の覚醒度が高いとみなされるので、省燃費空調を優先する。
具体的にS540に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は通常どおりの冷房を実行する。そして暖房を行っている場合は暖房能力を制限する。そしてS530に進んだらCPU200は、冷房を行っている場合は冷房能力を制限する。そして暖房を行っている場合は通常どおりの暖房を実行する。通常どおりの冷房、暖房、及び冷房、暖房能力の制限は実施例1と同様である。
上記実施例における各種所定値(A1、A2、B1、B2、C1、D1、E1等)は予め適切に定めておけばよい。また上記実施例1から5における図3、図4、図5、図6、図8のうちのいくつかのフローチャートを同時並行的に処理するとしてもよい。その場合、個々のフローチャートにおける通常冷房(暖房能力制限)か冷房能力制限(通常暖房)かの判断が異なった場合、それらの多数決、論理積、あるいは論理和などを最終的な判断とすればよい。例えば多数決(論理積、論理和)を用いる場合、通常冷房(暖房能力制限)と判断したフローチャート数が多数(全て、少なくとも1つある)の場合に通常冷房(暖房能力制限)を最終的判断とする。
1 車両用空調システム
2 エアコンECU
3 ナビゲーション装置
4 エアコン部
5 光電脈波センサ

Claims (6)

  1. 車両に装備されて、車両の現在位置と、出発地から目的地までの走行経路と、を算出するナビゲーション部と、
    前記車両の車室内を少なくとも冷房空調する空調部と、
    前記空調部における冷房能力を制限する制限手段と、
    出発地から目的地までに至る前記走行経路上の前記車両の現在位置において乗員の覚醒度に相関を有する情報である相関情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段が取得した前記相関情報に応じて前記制限手段により前記空調部の冷房能力を制限することを実行するか否かを制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力した現在位置と、出発地、目的地の位置情報から、前記車両の現在位置と出発地および目的地との相対的な距離を算出する距離算出手段を備え、
    前記制御手段は、前記車両の現在位置が出発地または目的地のいずれからも遠いポイントに位置している場合にはいずれかに近い側に位置している場合に比較して乗員の覚醒度が低いと判断して、前記空調部の冷房能力を制限しないよう制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力する前記走行経路の情報から、車両が走行中の道路が、所定の道路長に対する信号の設置数が所定比率よりも少ない道路であるか否かを判定する判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記判定手段が前記道路長に対する信号の設置数が所定比率よりも少ないと判定した場合には多いと判定した場合に比較して乗員の覚醒度が低いと判断して前記空調部の冷房能力を制限しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  4. 前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力した現在位置情報に基いて現在時刻と出発時刻および目的地到着予想時刻との相対的な時間差を算出する時間算出手段を備え、
    前記制御手段は、現在時刻が出発時刻または目的地到着予想時刻の何れからも離れている場合にはいずれかに接近している場合に比較して乗員の覚醒度が低いとして冷房能力を制限しないよう制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  5. 前記取得手段は、前記ナビゲーション部が出力する車両の現在位置情報から現在時点までの車両の停車情報を算出し、現在時点での運転者が休憩を必要としているか否かを判定する判定手段を備え、
    前記制御手段は、前記判定手段が、運転者が休憩を必要としていると判定した場合には必要としていないと判定した場合に比較して乗員の覚醒度が低いと判断して前記空調部の冷房能力を制限しないように制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  6. 車両の運転者の脈拍数を検出する検出手段と、
    前記車両の車室内の温度を調節する空調部と、
    前記空調部における冷房の能力を制限する制限手段と、
    前記検出手段が検出した脈拍数が所定脈拍数よりも低い場合は、前記制限手段が前記空調部の冷房能力を制限しないように制御し、前記検出手段が検出した脈拍数が所定脈拍数以上の場合は、前記制限手段が前記空調部の冷房能力を制限するように制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする車両用空調装置。
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