JP2011243852A - 放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ - Google Patents

放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハ周辺部分に露出している粘着剤層にエッチング液が吸収されて、これにより半導体ウエハ表面に粘着剤層が残存することを防ぐとともに、密着性不足による研削水やエッチング液の浸入による半導体ウエハ表面の汚染を防ぐことのできる放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供する。
【解決手段】基材樹脂フィルム1上に放射線硬化性の粘着剤層2が形成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ10であって、該粘着剤層2を構成する樹脂組成物のベース樹脂が主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を主成分とし、ベース樹脂のガラス転移温度が−70〜−20℃であり、該ベース樹脂が架橋されて粘着剤層のゲル分率が70%以上である放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ10。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種半導体を製造する工程において、パターンの形成されたウエハに裏面研削やエッチング処理を施すことにより、ウエハの厚さを薄くする際のパターン表面を保護するために使用される放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープに関する。
半導体ウエハの裏面研削工程において、例えば、厚さ600μmの半導体ウエハが300〜100μmまで薄くされ、かつ、均一な厚さに加工される。その後、研削された半導体ウエハは、研削工程時の熱等により生じた加工歪を除去し、さらにウエハの厚さを薄くし、裏面に電極を形成する際の前処理や酸化膜等を除去するために、エッチング液中に浸漬するなどして、エッチング処理が施される。
エッチング時のウエハ表面の保護を満足しつつウエハ表面への粘着剤の付着を少なくするためには、粘着力が低い半導体ウエハ表面保護用テープを使用するのがよい。しかし、粘着力を低くすると、エッチング処理中に該粘着テープが被着体の半導体ウエハから剥離し、これによりウエハ上のパターンが腐食されることがある。
一方、半導体ウエハからの半導体ウエハ表面保護用粘着テープの剥離を防ぐために、該テープの粘着力を強くすると、エッチング処理後に半導体ウエハから粘着テープを剥離する際にウエハを破損してしまうことがある。
また、表面の段差形状による凹凸が20μm近くある半導体ウエハを保護するために、粘着剤層を厚くすると、粘着力が強くなりすぎて、半導体ウエハが破損することがある。
近年、半導体ウエハ直径の大型化が進み8インチ以上のものが多くなっている。さらにICカード用途を中心に、半導体ウエハは、薄膜化が進んでいる。半導体ウエハの厚さは従来100〜600μm程度であったものが100μm以下になりつつある。このため従来の半導体ウエハ表面保護用テープを用いた場合は、剥離の際に粘着力が強すぎると半導体ウエハが破損する一方で、半導体ウエハ表面保護用粘着テープの粘着力が弱すぎると裏面研削時に研削屑や水が半導体ウエハ表面保護テープと半導体ウエハの間に浸入して破損してしまう問題がより顕著になっている。
これらを解決するための半導体ウエハ表面保護用テープとして、放射線、例えば紫外線のような光、又は電子線のような電離性放射線を透過し、耐エッチング性を有する支持体と、この支持体上に塗工された放射線照射により硬化する性質を有する粘着剤層とからなる放射線硬化性の表面保護用粘着テープが提案されている。これは放射線硬化前の粘着力を強粘着力とすることで、半導体ウエハ裏面研削時の研削水の浸入やエッチング時のエッチング液の浸入を少なくするものである。この粘着テープを使用することにより、エッチング工程終了後に放射線照射により粘着テープの粘着力を低下させ、被着体の半導体ウエハからの剥離を容易にすることができる。
放射線硬化性粘着テープとして、通常、光照射での三次元網状化による硬化する性質を粘着剤層に付与するために、粘着剤層中に光重合開始剤や光重合性オリゴマー等の比較的分子量の低い化合物を含有させることが行われる。しかしこれらの化合物が原因で、耐エッチング性が低下し、粘着剤自体がエッチング液中に露出している部分が、エッチング液により侵され粘着剤が半導体ウエハ表面に残存することがある。この場合、粘着剤は、半導体ウエハの周囲部を中心とした部分に付着し、パターン面上まで達していないことが多い。しかし、半導体ウエハ表面に残存した粘着剤はエッチング液を含んでいるため、放射線照射により半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離する際の熱などにより、残存した粘着剤中に含まれる腐食性ガスが揮散して、アルミ端子部分へ悪影響を及ぼしやすい。
これらの問題を解決するために、放射線硬化型の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを半導体ウエハに貼合して、エッチング処理前に放射線照射し、耐エッチング性を付与する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかし、この方法では、半導体ウエハ端部まで回路が形成されている半導体ウエハ表面を保護する場合には、エッチング処理前に放射線を照射したときに粘着力が低下し、凹凸追従性が不十分なことによりエッチング液の浸入が生じることがある。
また、側鎖に炭素−炭素二重結合を有し、特定の分子量以下の割合が特定の値以下の重合体を用いた粘着剤層を有する放射線硬化性の粘着シートを半導体ウエハの表面保護として用いる方法が提案されている(特許文献2参照)。しかし、本発明者が鋭意検討した結果によると、この方法では、粘着シートをそのまま半導体ウエハに貼合しただけでは、特に半導体ウエハを100μm以下まで研削した後にエッチング処理した場合には、エッチング処理液の侵入を低減するには不十分であることが判明した。
特開平5−195255号公報 特開2003−13011号公報
本発明は、半導体ウエハ周辺部分に露出している粘着剤層にエッチング液が吸収されて、これにより半導体ウエハ表面に粘着剤層が残存することを防ぐとともに、密着性不足による研削水やエッチング液の浸入による半導体ウエハ表面の汚染を防ぐことのできる放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した。その結果、特定のガラス転移温度を有する放射線硬化性の重合体をベース樹脂として、該ベース樹脂を架橋させたものであり、特定のゲル分率を有する粘着剤層を基材樹脂フィルム上に形成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープが、半導体ウエハの端部まで段差が形成されている半導体ウエハ表面に貼合した場合、エッチング液の浸入を防ぎ、粘着剤にエッチング液が吸収されることを抑え、また基材においてエッチング液に耐性のあるものを適用することできることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
すなわち、本発明は、
<1>基材樹脂フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層が形成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープであって、該粘着剤層を構成する樹脂組成物のベース樹脂が主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を主成分とし、前記ベース樹脂のガラス転移温度が−70〜−20℃であり、該ベース樹脂が架橋されて前記粘着剤層のゲル分率が70%以上であることを特徴とする放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ、
<2>64質量%濃度の硝酸:46質量%のフッ化水素水:99質量%の酢酸が容量比で、3:2:3のエッチング液に、前記放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを10分間浸漬し、水洗した後の吸水率が1.0%以下であることを特徴とする<1>記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ、
<3>前記基材樹脂フィルムが、ポリエステル、ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする<1>又は<2>記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ、及び
<4>前記粘着剤層の厚さが10〜50μmであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ、
を提供するものである。
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、半導体ウエハ周辺部分に露出している粘着剤層にエッチング液が吸収されて、これにより半導体ウエハ表面に粘着剤層が残存することを防ぐとともに、密着性不足による研削水やエッチング液の浸入による半導体ウエハ表面の汚染を防ぐことができる。
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの一実施形態を示す断面図である。
図面を参照して本発明の好ましい放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープについて説明する。
図1は本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの好ましい一実施形態を示す概略断面図であり、基材樹脂フィルム1と、基材樹脂フィルム1上に放射線硬化性の粘着剤層2が形成されている。
1.粘着剤層
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープにおける放射線硬化性の粘着剤層を構成する樹脂組成物のベース樹脂は、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を主成分とする。
本発明において、重合体(a)を主成分とするとは、ベース樹脂中の含有割合が80〜100質量%のものをいう。また本発明においては、(メタ)アクリル系単量体は、アクリル系単量体とメタクリル系単量体の両者を含むものとする。
前記重合体(a)はどのようにして製造されたものでもよい。例えば、前記重合体(a)としては、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ官能基を有するアクリル系共重合体及び/又はメタクリル系共重合体(a1)と、該官能基と反応し得る官能基をもつ化合物(a2)とを反応させて得たものを挙げることができる。また、官能基を有するアクリル系共重合体及び/又はメタクリル系共重合体を(a1’)とし、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するとともに(a1’)の官能基と反応し得る官能基を有する化合物を(a2’)とし、これらを反応させて、重合体(a)とすることもできる。
前記の主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ官能基を有するアクリル系共重合体及び/又はメタクリル系共重合体(a1)は、例えば、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルなどの単量体(a1−1)と、官能基を有する単量体(a1−2)とを共重合させて得ることができる。
単量体(a1−1)としては、例えば、アルキルエステルのアルキル基の炭素数が6〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート)を挙げることができる。また、単量体(a1−1)としては、例えば、アルキルエステルのアルキル基の炭素数が5以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、またはこれらと同様のメタクリレートなど)でもよい。
単量体(a1−1)として、アルキルエステルのアルキル基の炭素数が大きな(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用するほどガラス転移点は低くなる傾向にある。したがって、単量体(a1−1)のアルキルエステルのアルキル基の炭素数を適宜選択することにより、所望のガラス転移点を有する重合体(a)を得ることができる。
また、ガラス転移点の他、他の成分との相溶性や各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を(a1−1)に加えて重合体(a)を得ることができる。これらの低分子化合物の配合量は、単量体(a1−1)の5質量%以下とすることが好ましい。
単量体(a1−2)が有する官能基としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、環状酸無水基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。単量体(a1−−2)の具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、けい皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を水酸基またはカルボキシル基および放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する単量体でウレタン化したものなどを列挙することができる。
前記(a2)の官能基がカルボキシル基や環状酸無水基の場合は、(a1)の有する官能基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。また(a2)の官能基が水酸基の場合は、(a1)の有する官能基としては、例えば、環状酸無水基、イソシアネート基などを挙げることができる。(a2)の官能基がアミノ基の場合は、(a1)の有する官能基としては、エポキシ基、イソシアネート基などを挙げることができる。(a2)の官能基がエポキシ基である場合には、(a1)の有する官能基としては、例えば、カルボキシル基、環状酸無水基、アミノ基などを挙げることができる。
具体例としては、単量体(a1−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
(a1)と(a2)の反応において、未反応の官能基を残すことにより、酸価または水酸基価などを好ましくは、後述の通りの範囲に適宜設定することができる。
主鎖に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体を構成単位として含む重合体(a)は、各種の溶剤中で溶液重合することにより得ることができる。溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができる。一般にアクリル系重合体の良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤を使用することが好ましい。例えば、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどを使用することができる。重合開始剤としては、α,α’−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を用いることができる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の重合体(a)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、重合体(a)の合成は、溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
重合体(a)に必要な場合には、他の共重合可能な単量体を適宜選定し共重合することにより、ガラス転移温度の異なる重合体を製造することができる。また、さらに粘着剤層の密着力、凝集力を調整することができる。
本発明の粘着剤層を構成する放射線硬化性樹脂組成物に使用されるベース樹脂には、本発明の趣旨を損なわない範囲内で、従来のものを配合してもよい。例えば、天然ゴム、各種の合成ゴムなどのゴム系ポリマー、あるいはポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとこれと共重合可能な他の不飽和単量体との共重合物などのアクリル系共重合体を使用することができる。
本発明における重合体(a)を含む粘着剤樹脂組成物中のベース樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−70〜−20℃、さらに好ましくは−70〜−25℃である。ガラス転移温度が低すぎると、粘着剤の流動性が高く粘着剤が半導体ウエハ表面に残る原因となり、ガラス転移温度が高すぎると流動性が不十分で半導体ウエハのパターン面になじみにくく、エッチング液が半導体ウエハ表面と放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープとの間に浸入する場合がある。本発明におけるガラス転移温度は従来の示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度で0.1℃/分で測定された値をいうものとする。
本発明において、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)の重量平均分子量は、30万〜100万程度が好ましい。分子量が小さすぎると、低分子量成分によるウェハ表面汚染が生じやすくなる。この汚染を、極力防止するためには、分子量が、40万以上である方が好ましい。また、分子量が大きすぎると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。なお、重合体(a)が、水酸基価5〜100となるOH基を有すると、放射線照射後の粘着力を減少することによりテープ剥離不良の危険性を更に低減することができるので好ましい。放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有量は、Wijs法に基づきヨウ素価から求めることができる。ヨウ素価は好ましくは、0.5〜20である。ヨウ素価が大きすぎると放射線照射後の粘着剤の流動性が十分でなく、粘着剤が脆くなっており、剥離時に硬化した粘着剤がちぎれて糊残りとなり、小さすぎると放射線照射後の粘着力低減が不十分となり硬化不足により剥離の際に糊残りの原因となる。分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出することができる。また、水酸基価は、FT−IR法にて算出することができ、酸価は、JIS K 5407の11.1に準じて算出することができる。
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを構成する粘着剤層のベース樹脂は、架橋されて粘着剤層のゲル分率が70%以上であることが必要である。架橋することにより、粘着剤がエッチング液中に溶出することを防ぐことができる。これにより、半導体ウエハが溶出した粘着剤により汚染されたり、エッチング速度が低下するのを防ぐことができる。粘着剤層中に低分子量成分があると、テープ製造後に長期保管している間に、低分子量成分がテープに移行し、粘着特性を損なう恐れがあるため、ゲル分率が高いのが好ましい。粘着剤層のゲル分率は好ましくは、80%以上、特に好ましくは85%以上である。ゲル分率が高すぎても半導体ウエハ表面との密着性が不十分となるので、上限は90%が好ましい。
粘着剤層を構成する樹脂組成物にベース樹脂と反応可能な硬化剤を配合することにより、ベース樹脂のゲル分率を上記の範囲内にすることができる。ベース樹脂の架橋には、放射線を照射することにより架橋することは含まれない。上記重合体(a)の放射線硬化性炭素−炭素二重結合を架橋に関与させることなく、ベース樹脂の架橋が行われる。放射線照射により架橋させると、硬化反応が進行しすぎて半導体ウエハ表面との密着性が不十分となる。本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ本発明において粘着剤層のゲル分率は、以下の方法で求めた値をいう。本発明の表面保護用粘着テープから粘着剤層の部分の約0.05gを秤取し、キシレン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥する。次に、乾燥した不溶解分の質量を秤量し、下記に示す式にてゲル分率を算出する。
ゲル分率(%)=(不溶解分の重量/秤取した粘着剤層の重量)×100
硬化剤としては、ベース樹脂中に有する官能基に応じて、適宜、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂などを選定し、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。粘着剤中のベース樹脂を架橋させることにより、重合体(a)を含むベース樹脂と硬化剤を含む粘着剤層の凝集力を、粘着剤を塗布した後に向上させることができる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等を挙げることができ、具体的には、市販品のトリレンジイソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン社製)等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業社製)等を用いることができる。さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学社製)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
硬化剤の添加量としては特に限定されることはないが、分子内に不飽和二重結合を有するアクリル系化合物100質量部に対して0.1〜15質量部とすることが好ましく、1〜10質量部とすることがより好ましい。その量が少なすぎると凝集力向上効果が十分でない傾向があり、多すぎると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行して架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれることがある。
粘着剤層の厚さは適宜選定してよいが、一般には1〜300μm程度以下、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは10〜50μmである。粘着剤が薄すぎるとウエハの凹凸に追従できず、ウエハ裏面の研削時に水や研削屑が浸入してしまう。逆に粘着剤が厚すぎると、エッチング液に触れる面積が広くなり溶け出し、エッチング液を吸収する可能性が高まる。
2.基材樹脂フィルム
基材樹脂フィルムとしては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びフッ素含有樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことが好ましい。
使用できる基材樹脂フィルムとして、例えば、ポリエチレンまたはポリプロピレンとしては、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1などのα−オレフィンの単独重合体があり、フッ素含有樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素ポリマー、ポリエステル樹脂としてはポリエチレンテレフタレート等が好ましく用いられる。
これらの樹脂のうち、より好ましくは高密度ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートを使用するのがよい。本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープに用いられる基材樹脂フィルムは、半導体ウエハの研削加工時に被着物にかかる外的な衝撃力を緩和吸収し、マイクロクラック等のウエハ自体の破損を防ぎテープ自体にクッション性を付与する機能と、複雑な凹凸を有するウェハパターン面に良好に密着し浮きや剥がれの生じることのない柔軟性を付与する機能を有することが好ましい。例えば、耐エッチング性を有する樹脂として高密度ポリエチレンやポリエチレンテレフタレートの層に、他の樹脂として低密度ポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体を積層したフィルム状支持体を基材樹脂フィルムとして使用することができる。但し、この場合は、フィルム状支持体の耐エッチング性を損なうことのないように樹脂の組み合わせを設定する必要がある。
本発明の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、64質量%濃度の硝酸:46質量%のフッ化水素水:99質量%の酢酸が容量比で、3:2:3のエッチング液に、該粘着テープを10分浸漬し水洗後の吸水率が1.0%以下であることが好ましい。これにより、エッチング液が粘着剤に吸収されるのを抑制することができ、半導体ウエハ電極の腐食を防ぐことができる。
3.剥離フィルム
剥離フィルムは、セパレーターや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、粘着剤層を保護する目的のため、また粘着剤を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。剥離フィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルムの表面には粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていてもよい。また、必要に応じて、粘着剤層が放射線によって反応しないように、放射線防止処理が施されていてもよい。剥離フィルムの厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μmである。
本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。放射線性硬化性粘着剤を実施例1〜5、比較例1〜5に示すように調製し、100μm厚の高密度ポリエチレンフィルム上に、乾燥後の粘着剤塗布厚さが30μmとなるように塗布した。作製した放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの特性を以下の通り試験し、評価した。その結果を、表1及び2に示す。
<エッチング液の侵入及び半導体ウエハ外周部への粘着剤の付着>
スクライブライン幅50μmで、スクライブライン深さ10μmを有する6インチ径、厚さ600μmのポリイミド膜付きシリコンウエハのポリイミド膜側に、実施例1〜5及び比較例1〜5の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを、ウエハ貼合装置(日東精機(株)製のDR−8500II(商品名))で貼合した。その後、研削装置(ディスコ社製のDFG−840(商品名))で厚さ100μmまでシリコンウエハを裏面研削した。
その後、この粘着テープ付き半導体ウエハを64質量%濃度の硝酸と46質量%濃度のフッ化水素水と99質量%濃度の酢酸の混合液からなるエッチング液(混合比率は、容量比で硝酸:フッ化水素水:酢酸=3:2:3)中に10分間浸漬し、エッチング処理を行った。エッチング処理中の該粘着テープ状態を観察し、粘着テープの剥がれや浮き、粘着剤の付着や変質等を評価した。
次に強度500mJ/cmで紫外線を照射し、該粘着テープ剥離後に半導体ウエハ端部からの液浸入量を光学顕微鏡で観察した。
これらの結果から、粘着テープの剥がれや浮き、粘着剤の付着や変質がまったくなく、半導体ウエハ端部からのエッチング液の侵入がないものを合格とし、表1及び2において、○と表示した。これらの現象が少しでも観察されたものを不合格とし、表1及び2において、×と表示した。
<エッチング後の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの吸水率>
実施例1〜5及び比較例1〜5の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを5cm×5cmに切断して試験片とした。最初にこの試験片の質量を測定した。その後この試験片を、64質量%濃度の硝酸と46質量%濃度のフッ化水素水と99質量%濃度の酢酸の混合液からなるエッチング液(混合比率は、容量比で硝酸:フッ化水素水:酢酸=3:2:3)に10分浸漬し、水洗後表面の水分を拭き取り、浸漬後の質量を測定した。これにより、エッチング後の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの吸水率(%)を、以下の式から求めた。
(浸漬後試験片の質量−浸漬前試験片の質量)/(浸漬前試験片の質量)×100
<粘着剤層のゲル分率>
本発明においてこの粘着剤のゲル分率は、以下の方法で求めた。表面保護用粘着テープの粘着剤層約0.05gを秤取し、キシレン50mlに120℃で24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金網で濾過し、金網上の不溶解分を110℃にて120分間乾燥した。次に、乾燥した不溶解分の質量を測定し、下記に示す式でゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(不溶解分の質量/採取した粘着剤層の質量)×100
<ベース樹脂のガラス転移温度>
実施例1〜5及び比較例3以外の比較例について、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの粘着剤層に用いた重合体(a)のガラス転移温度を、示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度で0.1℃/分で測定した。示差走査熱量計としては、島津製作所社(株)製のDSC−60(商品名)を用いた。比較例3については、アクリル系粘着剤ベース樹脂のガラス転移温度を測定した。
以下の実施例及び比較例に記載の通り、アクリル系共重合体を調製後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート配合量を適宜変更して加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させることにより、放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有量を調整して、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。
〔実施例1〕
2−エチルヘキシルアクリレート(75mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(24mol%)からなるアクリル系共重合体を調製した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させて、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。この重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したところ、80万であった。
この重合体(a)100質量部に対して、ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製のコロネートL(商品名)を1質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製のイルガキュアー184(商品名)(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を5.0質量部加えて混合し、粘着剤層を構成する樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を厚さ100μmの高密度ポリエチレン基材樹脂フィルム上に、乾燥膜厚が30μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥した。これにより、前記樹脂組成物の架橋された粘着剤層が基材樹脂フィルム上に形成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔実施例2〕
エチルアクリレート(75mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(24mol%)からなるアクリル系共重合体を調製した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させて、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。この重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したところ、30万であった。それ以外は実施例1と同様にして、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔実施例3〕
メチルメタアクリレート(15mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(60mol%)、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル(24%)からなるアクリル系共重合体を調製した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させて、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。この重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したところ、50万であった。
この重合体(a)100質量部に対して、ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製のコロネートL(商品名)を1質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製のイルガキュアー184(商品名)(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)を5.0質量部加えて混合し、粘着剤層を構成する樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を厚さ100μmの高密度ポリエチレン基材樹脂フィルム上に、乾燥膜厚が50μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥した。これにより、前記樹脂組成物の架橋された粘着剤層が基材樹脂フィルム上に形成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔実施例4〕
エチルメタアクリレート(80mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(19mol%)からなるアクリル系共重合体を調製した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させて、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。この重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したところ、22万であった。それ以外は実施例1と同様にして、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔実施例5〕
乾燥膜厚が10μmとなるように塗布した以外は実施例1と同様に、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔比較例1〕
メチルメタアクリレート(40mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(40mol%)、メタクリル酸2−ヒドロキシルエチル(19%)からなるアクリル系共重合体を調製した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させて、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。この重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したところ、40万であった。それ以外は実施例と同様にして、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔比較例2〕
ラウリルアクリレート(70mol%)、メタクリル酸(3mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(27mol%)からなるアクリル系共重合体を調製した。その後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを加えて、このアクリル系共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基と、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を反応させて、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を得た。この重合体の重量平均分子量をテトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したところ、75万であった。それ以外は実施例1と同様にして、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔比較例3〕
アクリル系ベース樹脂(2−エチルヘキシルアクリレートとn−ブチルアクリレートとからなるアクリル系共重合体)100質量部にポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名コロネートL)5重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート100重量部及び光重合開始剤として日本チバガイギー社製のイルガキュアー184(商品名)(α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン)1重量部を添加混合して、粘着剤層を構成する樹脂組成物を得た。それ以外は実施例1と同様にして、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔比較例4〕
乾燥膜厚が5μmとなるように塗布した以外は比較例3と同様に、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
〔比較例5〕
乾燥膜厚が80μmとなるように塗布した以外は比較例1と同様に、放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
Figure 2011243852
Figure 2011243852
表1に示されるように、粘着剤層を構成する樹脂組成物のベース樹脂が主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を主成分とし、ベース樹脂のガラス転移温度が−70〜−20℃であり、該ベース樹脂が架橋されて粘着剤層のゲル分率が70%以上の実施例1〜5の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、エッチング液の浸入がなく、該粘着テープ剥離後に半導体ウエハ外周部表面への粘着剤の付着がなく、優れた特性を示した。
これに対し、粘着剤層のゲル分率が低すぎる放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、外周部への粘着剤の付着があり、不合格であった(比較例3)。また、粘着剤層を構成する樹脂組成物のベース樹脂のガラス転移温度が高すぎる放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、エッチング液の侵入が不合格であった(比較例1、2)。また粘着剤層の厚さを比較例3からさらに薄くし5μmとした比較例4では、粘着剤層のウエハ表面への密着性が劣るため、エッチング液が侵入した。逆に粘着剤層の厚さを比較例1からさらに厚くし80μmとした比較例5では、粘着剤層のエッチング液中に露出する面積が大きいため、粘着剤層の側面部からエッチング液が吸収され、半導体ウエハ外周部へ粘着剤が付着した。
1 基材樹脂フィルム
2 粘着剤層
10 放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ

Claims (4)

  1. 基材樹脂フィルム上に放射線硬化性の粘着剤層が形成された放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープであって、該粘着剤層を構成する樹脂組成物のベース樹脂が主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)を主成分とし、前記ベース樹脂のガラス転移温度が−70〜−20℃であり、該ベース樹脂が架橋されて前記粘着剤層のゲル分率が70%以上であることを特徴とする放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
  2. 64質量%濃度の硝酸:46質量%のフッ化水素水:99質量%の酢酸が容量比で、3:2:3のエッチング液に、前記放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープを10分間浸漬し、水洗した後の吸水率が1.0%以下であることを特徴とする請求項1記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
  3. 前記基材樹脂フィルムが、ポリエステル、ポリエチレン、及びポリプロピレンからなる群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層の厚さが10〜50μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
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