JP2008214386A - 粘着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着力に優れ、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性があって、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能であり、なおかつ粘着剤残渣を生じさせない粘着シートを提供する。
【解決手段】基材と、前記基材の表面上に形成されたエネルギー線硬化型粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記エネルギー線硬化型粘着剤層が、(メタ)アクロイルモルホリンを1〜30重量%共重合してなり、かつ側鎖に不飽和基を有するエネルギー線硬化型アクリル共重合体と、ウレタンアクリレートとを含むことを特徴とする粘着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、粘着シートに関し、特に、高密度の配線パターンが形成された半導体ウエハの加工時に、半導体回路を保護するために用いて好適な粘着シートに関する。
半導体ウエハにおいては、表面に回路が形成された後に、ウエハの裏面側に研削加工が施されてウエハの厚さを調整する加工が行われる。研削加工の間、表面に形成された回路面に粘着シートからなる保護シートを貼付し、回路を保護する。このような保護シートにおいては、回路やウエハ本体へのダメージを防止することの他に、粘着剤が剥離後に回路上に残留(糊残り)しないこと、研削くずの洗い流しや冷却のための研削水の回路面への浸入を防止すること、研削後のウエハの厚み精度が充分に保つことが要求される。このような保護シートとして、紫外線硬化型粘着剤を有する粘着シート(例えば特許文献1)を用いることが知られている。
通常の加工プロセスにおいては、半導体ウエハは、研削工程後のダイシング工程によりチップ化される。近年の半導体製造工程においては、半導体ウエハの径が大きくなるとともに厚みの極薄化が進んでいることから、半導体ウエハが極めて破損しやすくなり、研削工程後のウエハの取り扱いが困難になってきている。このため、研削工程に先立ちウエハにハーフカットダイシングを行い、研削と同時にウエハをチップ化する先ダイシングプロセス(DBGプロセス)が有望視されている。DBGプロセスにおいては、保護シートは、ハーフカットされたウエハの回路面に貼付される(例えば特許文献2)。
通常プロセスに用いられる保護シートは、研削水の浸入をウエハの外周で防止できる程度にウエハの回路面に密着していれば良い。これに対し、DBGプロセスでは、研削の途中でウエハがチップ化されるため、用いられる保護シートには、洗浄水の浸入をチップごとに防止するのに充分なほどの表面への密着性が必要とされている。このように、ウエハの回路面に密着させるために保護シートの粘着性を高めた場合、剥離後に回路面に粘着剤残渣が多くなりやすいという問題があった。この問題に対しては、紫外線硬化型粘着剤を有する粘着シートが保護シートとして用いられていた(例えば特許文献3)。
また、DBGプロセスの工程においては、通常の研削とは異なり、研削中にチップが小さく個片化されるため、各チップに加えられる大きな研削圧力により、本来のチップ間隔が崩れてしまう(カーフシフト)可能性がある。このようにチップの整列性が崩れると、研削工程や、次の搬送工程、ピックアップ工程におけるチップ同士の接触等により不具合が生じるという問題があった。
特開昭60−189938号公報 特開平5−335411号公報 特開2000−68237号公報
半導体部品の形状の変化に伴い、半導体チップの外周には比較的凹凸差のある素子(電極等)が組み込まれることが多くなっているため、狭い領域により大きな凹凸が密集し、チップ外周部への密着が困難となっている。このため、DBGプロセスに用いる保護シートには、回路への密着性(凹凸追従性)が不足し研削水の浸入が多くなるおそれがあるという問題があった。そして、凹凸追従性を向上させると粘着剤の凝集力が低下してしまい、カーフシフトが生じ易くなるという問題があった。
そこで本発明は、粘着力に優れ、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性があって、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能であるとともにカーフシフトを発生させず、なおかつ粘着剤残渣を生じさせない粘着シートを実現することを目的とする。
本発明の粘着シートは、基材と、基材の表面上に形成されたエネルギー線硬化型粘着剤層とを備えた粘着シートであって、エネルギー線硬化型粘着剤層が、(メタ)アクリロイルモルホリンを1〜30重量%共重合してなり、かつ側鎖に不飽和基を有するエネルギー線硬化型アクリル共重合体と、ウレタンアクリレートを含むことを特徴とする。
エネルギー線硬化型アクリル共重合体は、モノマーとして官能基含有モノマーと(メタ)アクリロイルモルホリンを含むアクリル系共重合体と、官能基含有モノマーの官能基に反応する置換基を有する不飽和基含有化合物との反応により生成され、官能基100当量に対して置換基が20〜100当量の不飽和基含有化合物を反応させたことが好ましい。
エネルギー線硬化型粘着剤層は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体100重量部に対しウレタンアクリレートオリゴマーを1〜200重量部配合して生成されることが好ましい。
エネルギー線硬化前の状態におけるエネルギー線硬化型粘着剤層の貯蔵弾性率が、25℃において0.04MPa以上0.11MPa以下であり、tanδの値が25℃において0.6以上であることが好ましい。
エネルギー線硬化前の状態における粘着力は、7000mN/25mm以上であり、エネルギー線硬化後の状態における粘着力は、500mN/25mm以下であることが好ましい。
本発明によれば、粘着力に優れ、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性があって、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能であるとともにカーフシフトを発生させず、なおかつ粘着剤残渣を生じさせない粘着シートを実現できる。
以下、本発明における粘着シートの実施形態につき説明する。粘着シートは、基材と、基材の表面上に形成されたエネルギー線硬化型粘着剤層とを含む。粘着シートは、エネルギー線硬化型粘着剤層が回路面に接するように半導体ウエハに貼付され、使用される。そして、後述する先ダイシングプロセスにより半導体ウエハが加工される場合、粘着シートが貼付された状態で、半導体ウエハの裏面が研削される。このとき、粘着シートは、回路面への研削水の浸入、分割されたチップ同士の接触等を防止し、半導体ウエハを保護する。
以下、エネルギー線硬化型粘着剤層について説明する。エネルギー線硬化型粘着剤層は、主としてエネルギー線硬化型アクリル共重合体とエネルギー線硬化型ウレタンアクリレートオリゴマー(ウレタンアクリレート)との配合よりなる。エネルギー線硬化型アクリル共重合体は、アクリル系共重合体と、不飽和基含有化合物との反応により両者が化学結合した反応物よりなる。さらにエネルギー線硬化型粘着剤層は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体とウレタンアクリレートの他に、架橋剤等の成分を含有する。
エネルギー線硬化型粘着剤層の各成分につき、以下に説明する。アクリル系共重合体は、主モノマーと、(メタ)アクリロイルモルホリンと、官能基含有モノマーとの共重合体である。
主モノマーは、エネルギー線硬化型粘着剤層が粘着剤層として機能するための基本的な性質を備えるために用いられる。主モノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸エステルモノマー、あるいはその誘導体から導かれる構成単位が用いられる。(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜18のものが使用可能である。これらの中でも、特に好ましくはアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸2エチルヘキシル等である。これらの主モノマーは、アクリル系共重合体を構成するモノマーとして、50〜90重量%含まれていることが好ましい。
さらにアクリル系共重合体は、構成モノマーとして(メタ)アクリロイルモルホリンを含む。(メタ)アクリロイルモルホリンを構成モノマーとすることによって、極性の高いウレタンアクリレートに対するエネルギー線硬化型アクリル共重合体の相溶性を向上させられる。本発明において使用される(メタ)アクリロイルモルホリンは、メタアクリロイルモルホリン、またはアクリロイルモルホリンであり、特に好ましくはアクリロイルモルホリンが用いられる。
これは、(メタ)アクリロイルモルホリンが、アルキル基により反応性が抑えられたアミノ基を有し、重合反応等に悪影響を及ぼさないからであり、中でも極性の高いアクリロイルモルホリンは、高極性のウレタンアクリレートに対するエネルギー線硬化型アクリル共重合体の溶性向上のために特に適しているからである。なお(メタ)アクリロイルモルホリンは、アクリル系共重合体を構成するモノマーとして1〜30重量%の割合で含まれることが好ましい。また、(メタ)アクリロイルモルホリンの誘導体、例えば、複素環、もしくはβ位にアルキル基等の置換基を有する誘導体、もしくはα位にメチル基以外の置換基を有する誘導体を用いても良い。
また、官能基含有モノマーは、不飽和基含有化合物をアクリル系共重合体に結合させるためや、後述する架橋剤との反応のために必要な官能基を提供するために用いられる。すなわち官能基含有モノマーは、重合性の二重結合と、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を分子内に有するモノマーであり、好ましくは、ヒドロキシル基含有化合物、カルボキシル基含有化合物等が用いられる。
官能基含有モノマーのより具体的な例としては、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート、もしくはアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物等、2−アミノエチルアクリルアミド、2−アミノエチルメタクリルアミド等のアミノ基含有(メタ)アクリレート、モノメチルアミノエチルアクリルアミド、モノメチルアミノエチルメタクリルアミド等の置換アミノ基含有(メタ)アクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートが含まれる。これらの官能基含有モノマーは、アクリル系共重合体を構成するモノマーとして、1〜30重量%含まれていることが好ましい。
アクリル系共重合体は、上記の主モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリンおよび官能基モノマーを公知の方法により共重合することにより得られるが、これらのモノマー以外のモノマーが含まれていても良い。例えば、アクリル系共重合体に10重量%程度までの割合で蟻酸ビニル、酢酸ビニル、スチレン等が共重合されていても良い。
次に、不飽和基含有化合物について説明する。不飽和基含有化合物は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体にエネルギー線硬化性を備えさせるために用いられ、紫外線等の照射によって重合反応を生じる不飽和基含有化合物を加えることにより、エネルギー線硬化型アクリル共重合体はエネルギー線硬化性を備えることとなる。すなわち、上記のように生成された官能基を有するアクリル系共重合体と、アクリル系共重合体の官能基に反応する置換基を有する不飽和基含有化合物との反応により、エネルギー線硬化型アクリル共重合体が生成される。
不飽和基含有化合物の置換基は、アクリル系共重合体の官能基、すなわちアクリル系共重合体に使用されるモノマーの官能基の種類に応じて異なり、例えば、官能基がヒドロキシル基、またはカルボキシル基である場合、置換基としてイソシアナート基、エポキシ基等が好ましく、官能基がアミノ基、または置換アミノ基である場合、置換基としてイソシアナート基等が好ましく、官能基がエポキシ基である場合、置換基としてカルボキシル基等が好ましい。このような置換基は、不飽和基含有化合物の1分子中に1つずつ含まれている。
また、不飽和基含有化合物には、重合反応のための二重結合が、1分子中に1〜5個程度、好ましくは1個、もしくは2個含まれる。このような不飽和基含有化合物の例としては、例えばメタクリロイルオキシエチルイソシアナート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアナート、メタクリロイルイソシアナート、アリルイソシアナート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等がある。
不飽和基含有化合物は、アクリル系共重合体の有する官能基100当量に対し、20〜100当量程度、好ましくは40〜90当量、より好ましくは50〜80当量程度の割合で用いられる。そしてアクリル系共重合体と不飽和基含有化合物との反応は、通常の条件、例えば、酢酸エチル等の溶媒中で触媒を用い、室温、常圧下で24時間攪拌するといった条件の下で行なわれる。
この反応の結果、アクリル系共重合体の側鎖に存在する官能基と、不飽和基含有化合物中の置換基とが反応し、不飽和基がアクリル系共重合体の側鎖に導入されたエネルギー線硬化型アクリル共重合体が生成される。この反応による官能基における置換基との反応率は70%以上、好ましくは80%以上であり、未反応の不飽和基含有化合物がエネルギー線硬化型アクリル共重合体中に一部、残留しても良い。このようにして生成されたエネルギー線硬化型アクリル共重合体の重量平均分子量は、好ましくは10万以上、より好ましくは20万〜200万であり、ガラス転移温度は、好ましくは−70〜10℃程度である。
一方、エネルギー線硬化型アクリル共重合体と混合されるウレタンアクリレートは、ジイソシアナート分子と、構成単位にウレタン結合を含み、末端に(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマーである。ウレタンアクリレートとしては、アルキレンジオールやポリエーテル化合物等の末端にヒドロキシル基を有するジオール分子とジイソシアナート分子との反応によるウレタンオリゴマーを生成し、その末端の官能基に(メタ)アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーや、末端にヒドロキシル基を有するポリエーテル化合物やポリエステル化合物と(メタ)アクリロイル基とイソシアナート基を有する化合物を反応させて得られるオリゴマーなどが挙げられる。このようなウレタンアクリレートは、(メタ)アクリロイル基の作用により、エネルギー線硬化性を有する。
ウレタンアクリレートは、エネルギー線硬化型アクリル共重合体100重量部に対して、好ましくは1〜200重量部、より好ましくは5〜150重量部の割合で使用される。また、ウレタンアクリレート分子の分子量は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体との相溶性、エネルギー線硬化型粘着剤層の加工性等の観点から、好ましくは300〜30,000程度の範囲であり、より好ましくは1,000〜15,000である。
本発明に用いられるエネルギー線硬化型粘着剤層には、架橋剤が配合されても良い。架橋剤を配合することにより、エネルギー線硬化型粘着剤層が部分的に架橋され、エネルギー線硬化型粘着剤層に加えられる力に対して抵抗を持つようになる。これにより、本発明の粘着シートが先ダイシング工程に使用された場合において、研削加工における回転砥石の剪断力によるチップの位置ずれが生じにくくなり、すなわちカーフシフトが防止され、チップ同士の端部がぶつかり合って破損することが防止される。なお、本願のエネルギー線硬化型粘着剤層では、後述するように、ウエハの回路面に設けられた大きな凹凸に対応できるほど貯蔵弾性率が低くなっている。そして通常、このように貯蔵弾性率が低い粘着剤層においては、架橋剤を添加したとしてもカーフシフトの抑制は不十分である。しかし、本粘着剤層では、極性の高い(メタ)アクリロイルモルホリンを共重合させることで凝集力が向上し、優れた凹凸追従性を有しつつカーフシフトの発生を防止することができる。
架橋剤は、前記官能基モノマー由来の官能基と結合するように選択される。例えば、官能基がヒドロキシル基、カルボキシル基またはアミノ基のように活性水素を有する官能基である場合は、有機多価イソシアナート化合物、有機多価エポキシ化合物、有機多価イミン化合物、金属キレート化合物等が選択される。具体的には、有機多価イソシアナート化合物として、例えば芳香族有機多価イソシアナート化合物、脂肪族有機多価イソシアナート化合物、脂環族有機多価イソシアナート化合物およびこれらの多価イソシアナート化合物の三量体、ならびにこれら多価イソシアナート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマー等が挙げられる。有機多価イソシアナート化合物のさらに具体的な例としては、例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアナート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアナート、リジンイソシアナート等が挙げられる。
また、有機多価エポキシ化合物の具体的な例としては、例えばビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、1,3−ビス(N,Nジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、1,3−ビス(N,Nジグリシジルアミノメチル)トルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミジフェニルメタン等が挙げられる。また、有機多価イミン化合物具体的な例としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等が挙げられる。なお、架橋剤の配合量は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体100重量部に対して、好ましくは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜10重量部程度である。
また、エネルギー線硬化型アクリル共重合体の硬化のために紫外線を用いる場合、エネルギー線硬化型粘着剤層には光重合開始剤が加えられる。重合反応時間を短縮し、紫外線照射量を減らすためである。光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノン、あるいは2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。なお、光重合開始剤の使用量は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部程度である。
その他、エネルギー線硬化型粘着剤層への様々な要求性能を充たすために、エネルギー線硬化型粘着剤層には、老化防止剤、安定剤、可塑剤、着色剤等の添加剤を、本発明の目的を変質させない程度の比率で配合することが可能である。
このような配合のエネルギー線硬化型粘着剤は、比較的分子量の高い異種成分の混合物となる。一般的に高分子量同士の混合物は相溶性が低く、諸物性が不安定になり易い。また、相溶性が低いと、エネルギー線硬化しても粘着剤が被着体に残着し易い傾向がある。これに対し、本発明のエネルギー線硬化型粘着剤層は、エネルギー線硬化型アクリル共重合体に(メタ)アクリロイルモルホリンを共重合しているため、ウレタンアクリレートとの相溶性に優れ、広範囲の配合比率で安定した粘着特性を示す。相溶性の低い混合物は混濁するので、エネルギー線硬化型粘着剤層の相溶性は、ヘイズ値により評価することができる。
本発明のエネルギー線硬化型粘着剤は、上述したような組成および配合によって、エネルギー線硬化前において、低貯蔵弾性率および高tanδ値を達成することができる。すなわち、本発明のエネルギー線硬化型粘着剤層においては、エネルギー線硬化前の状態における25℃での貯蔵弾性率G’の値が、好ましくは0.04〜0.11MPaであり、特に好ましくは0.05〜0.1MPaである。また、25℃における損失正接(tanδ=損失弾性率/貯蔵弾性率)は、好ましくは0.6以上であり、特に好ましくは0.6〜3である。
エネルギー線硬化型粘着剤層がこれらの物性範囲にあれば、粘着シートは、凹凸を有する被着体への追従性が良好となる。貯蔵弾性率が小さければ、粘着シートを貼付する圧力が弱くても凹凸に対する粘着剤層の変形が生じやすく、tanδの値が大きければ、変形した粘着剤層が変形前の形状に戻ろうとする力が弱くなる。従って、貯蔵弾性率が小さくtanδの値が大きい場合、粘着シートは、半導体ウエハ等の研削工程中に表面回路への密着性が維持され、チップの回路面に研削水が浸入することを防止できる。
また、エネルギー線硬化型アクリル共重合体において、(メタ)アクリロイルモルホリンが共重合されているため、エネルギー線硬化型粘着剤層の凝集力は高くなっている。これにより、本発明の粘着シートが先ダイシング工程に使用された場合において、研削加工時の回転砥石の剪断力によるカーフシフトがより生じにくくなり、チップ同士の端部がぶつかり合って破損することが防止される。
エネルギー線硬化型粘着剤層の厚さは、要求される半導体ウエハ等の表面保護性能に応じて定められ、好ましくは10〜200μmであり、特に好ましくは20〜100μmである。
次に、基材につき説明する。基材の材質には特に限定はなく、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブチンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢ビフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、フッ素樹脂フィルム等のフィルムが使用可能である。また、これらの架橋フィルム、積層フィルムであっても良い。
なお、基材は、使用するエネルギー線の波長に対して透過性を有する必要がある。すなわち、エネルギー線として紫外線を用いる場合においては、基材は光透過性フィルムが使用される。また、エネルギー線として電子線を用いる場合においては、基材は光透過性である必要はなく、着色が施されたフィルムを用いても良い。また、基材の厚さは、粘着シートに要求される性能等に応じて調整され、好ましくは20〜300μmであり、特に好ましくは50〜150μmである。
本発明の粘着シートは、エネルギー線硬化型粘着剤層の保護のために剥離フィルムが積層されても良い。剥離フィルムとして、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等のフィルムの片面にシリコーン樹脂等の剥離剤で剥離処理を施したもの等が使用できるが、これらには限定されない。
次に、粘着シートの性質につき説明する。本発明の粘着シートの粘着力は、好ましくはエネルギー線硬化前において7000mN/25mm以上であり、エネルギー線硬化後において500mN/25mm以下である。特に好ましくは、エネルギー線硬化前において10000mN/25mm以上であり、エネルギー線硬化後において10〜300mN/25mm以下である。このような粘着力を有していれば、半導体ウエハ等の研削工程中に、粘着シートが表面回路に密着した状態で維持できるとともに、半導体ウエハにダメージを与えることなく、粘着シートを剥離できる。
引き続き、本発明の粘着シートの製造方法につき説明する。粘着シートは、エネルギー線硬化型アクリル共重合体とウレタンアクリレート、さらに必要に応じて架橋剤、光重合開始剤、およびその他の添加剤を配合し、適当な溶剤により濃度、粘度を調整してエネルギー線硬化型粘着剤層用の塗布液とし、これを剥離フィルムの剥離処理面に塗布、乾燥させて所定の厚さのエネルギー線硬化型粘着剤層を製膜し、その露出面を基材の片面に積層することにより製造できる。塗布方法としては、例えば、グラビアコーター、ダイコーダー、ロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター等の公知の塗布装置を用いる方法が挙げられる。また、塗布液を直接基材に塗布し、乾燥させた後、剥離フィルムを積層する方法によって粘着シートを製造しても良い。
半導体ウエハの加工におけるDBGプロセスについて説明する。DBGプロセスでは、半導体回路が形成されたウエハ表面から、そのウエハ厚さよりも浅い切れ込み深さの溝を形成し、その半導体ウエハの裏面を研削してウエハを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行なう。このようなDBGプロセスにおいて、粘着シートは、ウエハ表面の保護手段、およびウエハの一時的な固定手段として使用可能である。
具体的には、粘着シートは、以下の工程からなるDBGプロセスにおいて使用される。まず、複数の回路を区画するためのストリートに沿って所定の深さの溝をウエハ表面から削成する。次に、溝が設けられたウエハの表面全体を覆うように粘着シートをウエハに接着する。このとき、ウエハ表面は回路の形成工程により電極や保護膜等が組み込まれ、複雑な凹凸をなしている。本発明の粘着シートは、エネルギー線硬化前における粘着剤層の貯蔵弾性率を小さく、tanδの値および粘着性を大きく設定することができるため、回路面の凹凸に対し十分に追従できる。そして、ウエハを複数のチップに分割するために、所定の厚さになるまでウエハの裏面を研削して溝の底部を除去する研削加工中において、本発明の粘着シートは、上述の物性によりウエハ表面の凹凸に追従し続けられ、チップの回路面に研削水が浸入することを確実に防止できる。
その後、粘着シートにエネルギー線を照射して粘着力を低下させ、チップの研削面側にマウンティング用シートを貼付し、粘着シートを剥離する。ここで、エネルギー線硬化型アクリル共重合体およびウレタンアクリレートが硬化することにより粘着性が充分に低下しているため、糊残り等によりウエハにダメージを与えることなく、粘着シートを剥離できる。
そしてチップは、最終的にマウンティング用シートからそれぞれピックアップされる。このように、DBGプロセスにおいて本発明の粘着シートを用いることにより、チップを歩留まり良く製造することができる。
本発明の粘着シートは、上述したように半導体装置の製造工程のうち、DBGプロセスにおける保護シートとして好適であるが、これには限定されず、凹凸の大きい面を有する材料に一次接着させるための粘着シートとしても好適である。例えば、通常プロセスの半導体ウエハの保護シートとしても好適である。また、表面が平滑な被着体への一時的な貼付用としての使用にも好適である。
表1は、エネルギー線硬化型粘着剤の実施例と比較例における配合表である。
表1に示す実施例1〜6、および比較例1〜6のエネルギー線硬化型粘着剤は、以下のように生成される。
主モノマーとしてアクリル酸ブチル(BA)を65重量部、アクリロイルモルホリン(ACMO)を7重量部、官能基含有モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を28重量部用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−7℃のアクリル系共重合体(A1)を生成した。このアクリル系共重合体の固形分100重量部と、不飽和基含有化合物(不飽和基含有モノマー)としてメタクリロイルオキシエチルイソシアナート(MOI)10重量部(アクリル系共重合体の官能基であるヒドロキシル基100当量に対して90.0当量)とを反応させ、エネルギー線硬化型アクリル共重合体の酢酸エチル溶液(30%溶液)を得た。
このエネルギー線硬化型アクリル共重合体100重量部に対し、架橋剤として0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物CL(日本ポリウレタン社製・コロネートL)と、光重合開始剤PI(チバ・スペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア184)3.3重量部(固形比)を混合し、さらに2官能型ウレタンアクリレートUA(日本合成化学工業社製、シコウUV−3210EA、重量平均分子量9,000)を30重量部(固形比)配合して、実施例1のエネルギー線硬化型粘着剤を得た。
このエネルギー線硬化型粘着剤をロールナイフコーターを用いて、乾燥後の塗布厚が40μmとなるように、剥離シートとしてシリコーン剥離処理をしたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)の剥離処理面に塗布し、100℃で1分間乾燥した後、厚さ110μmのポリエチレンフィルムと積層し、表1の組成、配合のエネルギー線硬化型粘着剤層を有する粘着シートを得た。
なお、実施例2〜6および比較例1〜3については、エネルギー線硬化型粘着剤層の組成、配合を表1に従って変更した以外は、実施例1と同様にして粘着シートを得た。そして、比較例4〜6のエネルギー線硬化型粘着剤は、以下のように生成される。
主モノマーとしてアクリル酸ブチル(BA)を85重量部、メタクリル酸メチル(MMA)を10重量部、アクリル酸(AA)を1重量部、官能基含有モノマーとして2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)を5重量部用いて酢酸エチル溶媒中で溶液重合し、重量平均分子量500,000、ガラス転移温度−7℃のアクリル系共重合体(A1)を生成した。
このアクリル系共重合体101重量部に対し、架橋剤として0.625重量部(固形比)の多価イソシアナート化合物CL(日本ポリウレタン社製・コロネートL)と、光重合開始剤PI(チバ・スペシャルティケミカルズ社製、イルガキュア184)3.3重量部(固形比)を混合し、さらに2官能型ウレタンアクリレートUA(日本合成化学工業社製、シコウUV−3210EA、重量平均分子量9,000)を100重量部(固形比)配合して、比較例4のエネルギー線硬化型粘着剤を得た。
このエネルギー線硬化型粘着剤に対して、実施例1〜6および比較例1〜3と同様の処理(段落[0053]参照)を施し、表1の組成、配合のエネルギー線硬化型粘着剤層を有する粘着シートを得た。
なお、比較例5および6については、エネルギー線硬化型粘着剤層の組成、配合を表1に従って変更した以外は、比較例4と同様にして粘着シートを得た。
次に、実施例と比較例のエネルギー線硬化型粘着剤、および粘着シートの評価試験につき説明する。表2は、エネルギー線硬化型粘着剤層を形成するエネルギー線硬化型粘着剤の実施例と比較例における評価試験結果を示す表である。
ヘイズ:実施例および比較例のエネルギー線硬化型粘着剤について、厚み100μmのポリエステルフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4100)を基材の代わりに使用した以外は、同様に操作してヘイズ測定用の試料とする粘着シートを得た。
この粘着シートの剥離シートを除去し、JIS K7105に基づきエネルギー線硬化型粘着剤面よりヘイズを測定した。
目視:エネルギー線硬化型粘着剤層を粘着シートの外観から目視観察した。
◎:エネルギー線硬化型粘着剤層に分離、懸濁(白濁)が全く観察されなかった。
○:エネルギー線硬化型粘着剤層に懸濁がわずかに観察された。
×:エネルギー線硬化型粘着剤層に明瞭な懸濁または分離が観察された。
貯蔵弾性率G’、tanδ:実施例および比較例のエネルギー線硬化型粘着剤について、基材を用いずに2枚目の剥離シートで露出面を保護した以外は上記と同様に操作してエネルギー線硬化型粘着剤層のみの構成の粘着シートを得た。この粘着シートをエネルギー線硬化型粘着剤が厚み約4mmとなるまで積層し、直径8mmの円柱型に型抜きして粘弾性測定用の試料を作成した。
この試料の25℃における貯蔵弾性率およびtanδを、粘弾性測定装置(REOMETRIC社製、DYNAMIC ANALYZER RDAII)を用いて測定した。
粘着力:被着体をシリコンウエハの鏡面とした以外は、JIS Z0237に準じて万能型引張試験機(株式会社オリエンティック社製、TENSILON/UTM−4−100)を用いて実施例および比較例の粘着シートの粘着力を測定し、エネルギー線硬化前の粘着力とした。
また、粘着シートをシリコンウエハの鏡面に貼付してから23℃、65%RHの雰囲気に20分間放置した後、粘着シートの基材側より、紫外線照射装置(リンテック社製、RAD−2000)を用いて、エネルギー線として紫外線の照射(照射条件:照度350mW/cm、光量200mJ/cm)を行った。紫外線照射後の粘着シートにつき、上記と同様にして粘着力を測定し、エネルギー線硬化後の粘着力とした。
保持力(凝集力):25mm×100mmに切断した粘着シートにおける25mm×25mmの面積を占める領域をステンレス板に貼付し、粘着シート上で2kgのロールを5往復して圧着した。圧着後、粘着シートを23℃、50%Rhの雰囲気下に20分間放置し、40℃のクリープテスター内にセットして15分放置した。その後、粘着シートのせん断方向に1kgの荷重をかけ、測定を開始した(JIS Z0237に準ずる)。70000秒後に粘着シートがステンレス板から完全にズレ落ちなかったものを○、完全にズレ落ちたものを×とした。
回路面への追従性:シリコンウエハ(200mm径、750μm厚)上に最大の段差が20μmとなる回路パターンを有するダミーウエハを用意した。そのウエハに対して、ダイシング装置(ディスコ社製、DED6361)を用いて2mm×2mmピッチで回路面側からカーフ幅40μm、深さ130μmまでハーフカットダイシングした。このダミーウエハの回路面にテープラミネーター(リンテック社製、RAD3500F12)を用いて実施例および比較例の粘着シートを貼付した。顕微鏡(キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−200)を用いて基材から透過して回路パターン面を倍率2000倍で観察し、観測エリア内における段差付近で空気(気泡)の混入がない場合、追従性有り、混入があった場合、追従性無し、と評価した。
水浸入、粘着剤残渣:回路面の追従性を評価した後、ウエハ裏面研削装置(ディスコ社製、DGP−8760)を用いてウエハ厚を100μmまで裏面研削し、チップに個片化した。次に、紫外線照射装置(リンテック社製、RAD−2000)を用いてエネルギー線として紫外線(照射条件:照度350mW/cm、光量200mJ/cm)の照射を行い、さらにテープ剥離装置付きテープマウンター(リンテック社製、RAD−2700F/12)により粘着テープを剥離した。露出した回路パターンを、顕微鏡(キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−200)を用いて倍率2000倍で異物の観察を行い、洗浄水の浸入による表面汚染や粘着剤残渣の有無を評価した。
カーフシフト:個片化されたチップのカーフシフト量を顕微鏡(キーエンス製、デジタルマイクロスコープVHX−200)を用いて観察した。カーフシフトは、図1に例示する、ダミーウエハの中央部分にある4チップのズレ量に基づき評価した。すなわちまず、図1(a)に示すように、第1のチップCAの4辺のうち、ダミーウエハの中心点Pに近い辺Aが、第1のチップCAに隣り合う第2のチップCBの4辺のうち、ダミーウエハの中心点Pに近く、辺Aに対応する位置にある辺Bの延長線からどれだけずれているか、ズレ量Gを測定した。さらに、第1のチップCAの4辺のうち、中心点Pに近くて辺Aに隣接する辺Aと、第1のチップCAに隣り合うもう一つのチップである第3のチップCCにおける対応する辺Cの間のズレ量Gを、同様に測定した。そして、図1(b)〜(d)に示すように、第2〜第4のチップCB〜CDについても、それぞれ同様にズレ量G〜G8を測定した。なお、図1におけるズレ量G〜G8を合計すると、同じずれを2回重複して加算することとなる(例えば図1(a)のズレ量Gと図1(b)のズレ量G)ため、図示されたズレ量G〜Gの合計値を2で割り、最終的なズレ量の合計値(μm)とした(表1参照)。さらに、こうして算出されたズレ量の合計値(μm)に基づき、以下のようにカーフシフトを評価した。
○:上記のズレ量の合計値が11(μm)以下で、かつチップ同士が接触していない場合。
×:上記のズレ量の合計値が11(μm)を超える、またはチップ同士が接触している場合。
以上のように本実施形態によれば、極性の高いモノマーであって、重合反応等に悪影響を及ぼすことのない(メタ)アクリロイルモルホリンを用いて、エネルギー線硬化型アクリル共重合体と、極性の高いウレタンアクリレートとを併用することにより、ウエハ回路面等に対する凹凸追従性能、粘着力に優れ、研削時の研削水等のウエハ回路面への浸入を防止可能であるとともにカーフシフトを発生させず、なおかつ粘着剤残渣を生じさせない粘着シートを実現できる。
粘着シートを構成する各部材の材質は、本実施形態において例示されたものに限定されない。また、粘着シートの用途は、先ダイシングプロセスによる加工時の半導体ウエハの保護に限定されず、従来の加工法における半導体ウエハの保護、もしくは半導体ウエハ以外の部品における表面等を保護するためにも使用できる。
カーフシフトの評価方法を概略的に示す図である。

Claims (5)

  1. 基材と、前記基材の表面上に形成されたエネルギー線硬化型粘着剤層とを備えた粘着シートであって、前記エネルギー線硬化型粘着剤層が、
    (メタ)アクリロイルモルホリンを1〜30重量%共重合してなり、かつ側鎖に不飽和基を有するエネルギー線硬化型アクリル共重合体と、
    ウレタンアクリレートとを含むことを特徴とする粘着シート。
  2. 前記エネルギー線硬化型アクリル共重合体が、モノマーとして官能基含有モノマーと(メタ)アクリロイルモルホリンとを含むアクリル系共重合体と、前記官能基含有モノマーの官能基に反応する置換基を有する不飽和基含有化合物との反応により生成され、前記官能基100当量に対して前記置換基が20〜100当量の前記不飽和基含有化合物を反応させたことを特徴とする請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記エネルギー線硬化型粘着剤層が、前記エネルギー線硬化型アクリル共重合体100重量部に対しウレタンアクリレートオリゴマーを1〜200重量部配合して生成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の粘着シート。
  4. エネルギー線硬化前の状態における前記エネルギー線硬化型粘着剤層の貯蔵弾性率が、25℃において0.04MPa以上0.11MPa以下であり、tanδの値が25℃において0.6以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
  5. エネルギー線硬化前の状態における粘着力が、7000mN/25mm以上であり、エネルギー線硬化後の状態における粘着力が、500mN/25mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘着シート。
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