JP5193376B1 - 半導体ウエハ表面保護用粘着テープ - Google Patents

半導体ウエハ表面保護用粘着テープ Download PDF

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Abstract

【課題】半導体ウエハ表面に貼合したときに半導体ウエハ表面の凹凸に十分追従し、その状態を保ち続け、半導体ウエハの裏面研磨したときの半導体ウエハ研削面のディンプルの発生や半導体ウエハの破損を低減することができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供する。
【解決手段】本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、2基材フィルム上に感圧型の粘着剤からなる接着剤層を有し、表面に凹凸を有するウエハに貼合された際に該凹凸に追従するとともに、前記凹凸に対する形状固定率が50%以上であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体ウエハ表面保護用粘着テープに関する。さらに詳しくは、その表面に凹凸を有する半導体ウエハのバックグラインディング工程へ適用できる半導体ウエハ表面保護用粘着テープに関する。
半導体ウエハの製造工程においては、パターン形成後のウエハは、通常、その厚さを薄くするため、ウエハ裏面にバックグライディング、エッチング等の処理を施す。この際、半導体ウエハ表面のパターンを保護する目的で、該パターン面に半導体ウエハ表面保護用粘着テープが貼り付けられる。半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、一般的に、基材フィルムに粘着剤層が積層されてなり、半導体ウエハの裏面に粘着剤層を貼付して用いるようになっている。
近年、携帯電話やパソコンなどの小型化、高機能化に伴い、ワイヤーボンディングに比べて省スペースで実装可能なフリップチップ実装が開発されている。フリップチップ実装は、チップ表面と基板を電気的に接続する際、半導体ウエハ表面にアレイ状に形成されたバンプによって接続するが、更なる小型化を目指し、バンプ‐バンプ間の狭ピッチ化が進んでいる。このようにバンプが密に配置されたウエハ表面に半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合すると、貼合した直後はバンプを埋め込むことができても、貼合してから半導体ウエハを加工するまでに時間が空くと、半導体ウエハ表面保護用粘着テープが元に戻ろうとするため、半導体ウエハ表面保護用粘着テープが半導体ウエハ表面から浮いてきてしまうという問題点があった。半導体ウエハ表面保護用粘着テープが浮いてしまうと半導体ウエハとの間に空隙ができるため、その状態で裏面研削加工を実施するとウエハ研削面の厚さが不均一なディンプルが発生し、場合によっては半導体ウエハを破損してしまうおそれがある。
このような半導体ウエハ表面保護用粘着テープの浮きを防止する手段の一つとして、粘着剤層の粘着力を高くすることで対応することが考えられるが、粘着力を強くしすぎると、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離するときに半導体ウエハが破損したり、剥離後に半導体ウエハの表面に粘着剤が残るという問題が起きてしまうことがある。
この問題を解決するために、放射線硬化型の粘着剤を用いることで、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離する際に粘着力を低下させることが提案されてきた。しかしながら、放射線硬化させることで粘着剤が硬化収縮するため、バンプなどのウエハ表面の凹凸に粘着剤がかみこみ、剥離しにくくなることがあり、この場合、半導体ウエハが破損したり、剥離後に半導体ウエハの表面に粘着剤が残るという問題が発生していた。また、バンプ‐バンプ間の狭ピッチ化が進むと、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合する際に、半導体ウエハと半導体ウエハ表面保護用粘着テープとの間に気泡が巻き込こまれて、この気泡中の酸素による硬化阻害などの影響で、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離する際に粘着力が低下せず、剥離しにくくなるおそれもある。
以上のことから、表面に凹凸がある半導体ウエハには、放射線硬化等により粘着力を低下させることなくそのまま剥離可能な、いわゆる感圧型の粘着剤を用いることが適している。このような粘着剤層を有する半導体ウエハ表面保護用粘着テープとして、例えば特許文献1に記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープが知られている。
特開2011−129605号公報
しかしながら、特許文献1に記載のような感圧型の粘着剤層を有する半導体ウエハ表面保護用粘着テープでは、裏面研削後の剥離性を考慮して、半導体ウエハ貼合時においても粘着力が低くなっているため、バンプが密に配置されたウエハ表面に半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合した場合、半導体ウエハを加工するまでに時間が空くと、半導体ウエハ表面保護用粘着テープが半導体ウエハ表面から浮いてきてしまい、その状態で裏面研削加工を実施するとウエハ研削面の厚さが不均一なディンプルが発生し、場合によっては半導体ウエハを破損してしまうおそれがあった。
そこで、本発明は、半導体ウエハ表面に貼合したときに半導体ウエハ表面の凹凸に十分追従し、その状態を保ち続け、半導体ウエハの裏面研磨したときの半導体ウエハ研削面のディンプルの発生や半導体ウエハの破損を低減することができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明による半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、基材フィルム上に感圧型の粘着剤からなる着剤層を有し、表面に凹凸を有するウエハに貼合された際に該凹凸に追従するとともに、下記式(1)で表わされる前記凹凸に対する形状固定率が55%以上77%以下であり、ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)の 研磨面に対する粘着力が、25℃において1.5〜5N/25mm、50℃において0.01〜1.5N/25mmであることを特徴とする。
形状固定率=(d2/d1)×100(%) (1)
ただし、
d1:高さ20μm、ピッチ40μmの金バンプを有する半導体ウエハに、0.25MPaの圧力にて半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合し、25℃の環境下で1時間放置した後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離して5分後に測定した粘着剤層の凹み深さ
d2:高さ20μm、ピッチ40μmの金バンプを有する半導体ウエハに、0.25MPaの圧力にて半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合し、25℃の環境下で1時間放置した後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離して25℃の環境下で1時間放置した後に測定した粘着剤層の凹み深さ
また、上記半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、前記粘着剤の架橋後における25℃の損失正接Tanδが0.5〜0.8であることが好ましい。
また、上記半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、前記粘着剤の架橋後におけるガラス転移温度Tgが−40℃〜−10℃であることが好ましい。
また、上記半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、前記粘着剤層の厚さが30〜100μmであることが好ましい。
本発明によれば、半導体ウエハ表面に貼合したときに半導体ウエハ表面の凹凸に十分追従し、その状態を保ち続け、半導体ウエハの裏面研磨したときの半導体ウエハ研削面のディンプルの発生や半導体ウエハの破損を低減することができる。
本発明の実施例・比較例についてウエハ表面への追従性を評価するための観察点の位置を説明するための説明図である。
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る半導体表面保護用粘着テープは、基材フィルムの少なくとも片面に、少なくとも1種類の粘着剤が塗布され、粘着剤層が形成されている。
また、半導体表面保護用粘着テープは、表面に凹凸を有するウエハに貼合された際に該凹凸に追従するとともに、前記凹凸に対する形状固定率が50%以上である。ウエハ表面への形状固定率とは以下の方法により定義するものであり、形状固定率が大きいほど、凹凸へ追従した状態を保ちやすいといえる。
<形状固定率の定義>
形状固定率は、下記式(1)により与えられる。
Figure 0005193376
式(1)において、d1及びd2は、次のようにして測定して得られた値である。高さ20μm、ピッチ40μmの金バンプを有する半導体ウエハに、貼合機として日東精機株式会社製DR8500II(商品名)を用いて、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを0.25MPaの圧力にて貼合する。このとき、光学顕微鏡を用いてウエハ表面を観察し、粘着剤層がウエハ表面の凹凸に十分に追従していることを確認する。ウエハ表面に追従していない場合は追従時のときと比べ、その空隙のため明るく見える。その後、25℃の環境下で1時間放置した後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離し、剥離後5分後にレーザー顕微鏡にて粘着剤層の凹み深さを測定し、このときの粘着剤層の凹み深さをd1とする。更に、剥離後の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを25℃の環境下で1時間放置した後、同様の方法にて粘着剤層の凹み深さを測定し、このときの粘着剤層の凹み深さをd2とする。深さ測定に際し、粘着剤表面の状態により測定が困難な場合には、必要に応じて、深さ測定直前に極薄く金属を蒸着して測定する。
ここで、上記形状固定率が50%以上であると、半導体ウエハの表面の凹凸に追従して粘着剤層に形成された凸凹形状が、時間の経過とともに元の形状に戻ろうとしにくいため、半導体ウエハの凹凸との密着性が時間経過後も維持し続ける。これにより、半導体ウエハ表面保護用粘着テープが半導体ウエハ表面から浮いて、半導体ウエハとの間に空隙ができるのを低減することができる。その結果、裏面研削加工を実施したときにウエハ研削面の厚さが不均一なディンプルが発生するのを抑制することができ、半導体ウエハが破損することも低減することができる。一方、形状固定率が50%未満であると、半導体ウエハの表面の凹凸に追従して粘着剤層に形成された凸凹形状が、時間の経過とともに元の形状に戻ろうとしやすいため、貼合してから半導体ウエハを加工するまでに時間が空くと、半導体ウエハ表面保護用粘着テープが半導体ウエハ表面から浮いてしまい、半導体ウエハとの間に空隙ができる。その結果、その状態で裏面研削加工を実施するとウエハ研削面の厚さが不均一なディンプルが発生し、場合によっては半導体ウエハを破損してしまうおそれがある。
半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)の 研磨面に対する粘着力が、25℃において1〜5N/25mm、50℃において0.01〜1N/25mmであることが好ましい。ここで、ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)は、JIS G 4305に規定されているSUS304鋼板で、鏡面仕上げのものまたは研磨紙で磨いたものである。磨き方についてはJIS Z 0237に基づき仕上げられており、研磨紙は280番の粗さのものを用いている。
ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)の 研磨面に対する粘着力が、25℃において1.5N/25mm以上であると、ウエハ表面凹凸への密着性が向上し、粘着テープの浮きをより効果的に抑制できる。粘着力が25℃において5N/25mm以下であると、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを加熱して剥離する際に、粘着力がある程度低下するため、半導体ウエハ表面に接着剤が残ってしまうリスクが低減できる。また、ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)の 研磨面に対する粘着力が、50℃において1.5N/25mm以下であると、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを加熱して剥離する際に、粘着力が十分に低下するため、半導体ウエハを容易に剥離できるようになる。粘着力が50℃において0.01N/25mm以下であると、剥離する前にテープが浮いてしまい、場合によっては加熱によりテープがカールし、剥離エラーが発生する可能性がある。これにより、ウエハ剥離時にはウエハの破損や粘着剤残りを抑制するという効果を有する。
以下、本実施形態の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの各構成要素について詳細に説明する。
(基材フィルム)
本発明の半導体ウエハ表面保護粘着テープの基材樹脂フィルムとしては、公知のプラスチック、ゴム等を用いることができる。このような基材フィルムとして選択し得る例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のエンジニアリングプラスチック、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物がある。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。本願発明における基材フィルムとしては、特にポリエチレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体が望ましい。
基材フィルムの厚みは、強伸度特性、表面保護テープの剥離性、貼合機におけるカット性の観点から、ポリエチレンなどの柔軟性を有する基材ならば50〜300μm、ポリエステルなどの剛性を有する基材ならば10〜100μmが適当である。
基材樹脂フィルムの粘着剤層が設けられる側の表面には、粘着剤層との密着性を向上させるために、コロナ処理やプライマー層を設ける等の処理を適宜施してもよい。
(粘着剤層)
粘着剤層は、放射線照射等により硬化させることなく、そのまま剥離可能な感圧型の粘着剤からなる。
粘着剤層を構成する粘着剤組成物は、粘着剤層が表面に凹凸を有するウエハに貼合された際に該凹凸に追従するとともに、前記凹凸に対する形状固定率が50%以上となるものであれば、特に限定されるものではないが、主成分のポリマーは、(メタ)アクリル系ポリマーであることが好ましい。主成分のポリマーとして(メタ)アクリル系ポリマーを用いることにより、粘着力の制御が容易になり、ゲル分率等をコントロールできるため、半導体ウエハが有機物によって汚染されることや、半導体ウエハ表面保護用粘着テープの剥離後に半導体ウエハに粘着剤が残存するのを低減することができる。
(メタ)アクリル系ポリマーである(メタ)アクリル系共重合体は、アクリル酸アルキルエステル等のモノマー(1)と、後述する硬化剤と反応しうる官能基を有するモノマー(2)を共重合してなる。
モノマー(1)としては、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
モノマー(2)としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(メタ)アクリル系共重合体は、上記モノマー(1)と(2)を常法により溶液重合法によって共重合させることによって得られる。
以上のようにして、(メタ)アクリル系共重合体を得ることができるが、本発明において、(メタ)アクリル系共重合体の分子量は、20万〜150万程度が好ましく、30万〜120万が更に好ましい。20万未満では、低分子量成分によるウエハ表面汚染が生じやすくなる。また、分子量が150万を越えると、合成時および塗工時にゲル化する可能性がある。分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したものである。
粘着剤組成物は、必要に応じて架橋剤を含有することができる。架橋剤は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独でまたは2種類以上を組み合わせて使用することができる。(メタ)アクリル系共重合体と反応した結果できる架橋構造により、粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上することができる。ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4′−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等を挙げることができ、具体的には、市販品として、コロネートL(日本ポリウレタン(株)製)等を用いることができる。また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業株式会社製)等を用いることができる。更に、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学株式会社製)等を用いることができる。架橋剤の添加量としては、化合物(A)100質量部に対して0.1〜20質量部とすることが好ましく、化合物(A)の官能基数に合わせて、また、所望の粘着物性や弾性率を得るために適宜その量が調整される。その量が0.1質量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、20質量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行し、架橋構造が形成される傾向があるため、作業性が損なわれるおそれがある。
また、(メタ)アクリル系ポリマーの共重合体としては、例えば特開2003−82307のように(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、ラジカル重合性官能基を含みエチレンあるいはプロピレンオキサイド平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤と、レドックス系重合開始剤によるエマルション重合により得られるアクリルエマルション系重合体を主成分とすることができる。
また、アクリルエマルション系重合体を主成分とするものであって、主モノマーとしての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと必要に応じてこれら主モノマーと共重合可能な他のモノマーをエマルション重合して得られる重合体を用いることができる。
主モノマーとして用いられる(メタ)アクリル酸のアルキルエステル系モノマーの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシルなどがあげられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。2種以上を混合して用いられることが好ましく、2種以上を混合することで様々な粘着剤としての機能を発揮させることができる。3種以上を混合することが更に好ましく、(メタ)アクリル酸メチル(メチルアクリレート)、アクリル酸ブチル(ブチルアクリレート)及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル(2−エチルヘキシルアクリレート)の3種を少なくとも共重合することが特に好ましい。3種類のモノマーを共重合することで、導体ウエハの表面凸凹への追従性が向上するとともに、半導体ウエハ表面保護用粘着テープの剥離後の粘着剤の残存を含む半導体ウエハの汚染を低減することができる。
更に、上記主モノマーの他に必要に応じてエマルション粒子の安定化、粘着剤層の基材への密着性の向上、また被着体への初期接着性の向上などを目的として、共重合性モノマーを併用することができる。
上記の共重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、酢酸ビニル、スチレン、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどがあげられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
また、粘着剤層のゲル分率の調整のため、アクリルエマルション系共重合体を重合する際に多官能モノマー成分を共重合することができる。この他の方法として、水分散性の架橋剤を混ぜることによってもゲル分率を調整することができる。水分散性架橋剤としては、主にエポキシ系の架橋剤が用いられる。水分散性架橋剤を用いることなくアクリルエマルション系共重合体を重合することが好ましく、残留した架橋剤による汚染を無くすことができる。
多官能モノマーとしては、例えばジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ジビニルベンゼンなどがあげられる。
上記モノマー混合物に重合開始剤および界面活性剤(乳化剤)などを加え、通常のエマルション重合方法を用いてアクリルエマルション系重合体を合成する。エマルション重合は、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合など任意の方法を用いることができ、その方法は特に限定されるものではない。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系界面活性剤などを併用することができる。これらの界面活性剤の中から、1種または2種以上が用いられるが、好ましくは2種以上の界面活性剤が併用して用いられる。ポリプロピレングリコール系化合物及びポリエチレンオキサイドアルキルフェニルエーテルを併用することが特に好ましく、これによって半導体ウエハへの有機物汚染を減らすことができる。
界面活性剤の配合量は全モノマー混合物100重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜7重量部程度である。界面活性剤の配合量が10重量部を超えると粘着剤の凝集力が低下して被着体への汚染量が増加し、また界面活性剤が粘着剤層の表面にブリードすることによる汚染も起こる場合がある。また乳化剤の配合量が0.5重量部未満では安定した乳化が維持できない場合がある。
重合開始剤としては、2,2´‐アゾビスイソブチロニトリル、2,2´‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´‐アゾビス(N,N´‐ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系化合物やその他に過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t‐ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系化合物、過酸化水素水とアスコルビン酸、過酸化水素水と塩化第一鉄、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系重合開始剤などが挙げられる。
重合開始剤は、全モノマー混合物100重量部あたり、0.01〜1.0重量部の範
囲で使用するのが望ましい。
更に、本発明に用いられる粘着剤層には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
粘着剤組成物の架橋後の25℃における弾性率は、4×10〜8×10(Pa)であることが望ましい。4×10より小さいと、凝集力不足により、剥離後に半導体ウエハ表面の粘着剤残りの可能性があり、8×10より大きいと、半導体ウエハ表面の凹凸への追従性が不十分となる可能性がある。粘着剤組成物の架橋後の25℃における弾性率はポリマーの分子量等で調整することができ、一般に分子量が低いほど低弾性率となる。またメタ)アクリル系共重合体は架橋剤により、弾性率を幅広く調整することも可能である。更に、可塑剤やフィラーなどの配合により弾性率を調整することも可能である。
また、粘着剤組成物の架橋後の損失正接Tanδは、0.5〜0.8であることが望ましい。Tanδが0.5より小さいと、半導体ウエハ表面保護用粘着テープがウエハ表面から浮きやすくなり、Tanδが0.8より大きいと、半導体ウエハ表面の凹凸への追従性が不十分となる可能性がある。粘着剤組成物の架橋後の損失正接Tanδは分子量が高いほうが低くなる傾向があり、また、同様のポリマーであれば架橋剤が多いほど低くなる傾向がある。
更に、粘着剤組成物の架橋後のTgは、−40〜−10℃、より好ましくは−40〜−30℃である。Tgが高すぎると、ウエハ表面凹凸への追従性が不十分となる可能性があり、Tgが低すぎると、凝集力不足のため剥離後にウエハ表面に粘着剤が残存する可能性がある。粘着剤組成物の架橋後のTgは合成するモノマーに大きく依存するため、モノマーの種類や重合比を適宜調整することで所望のTgを得ることができる。
粘着剤層30は、上述のような粘着剤組成物を、基材樹脂フィルム上に塗布し、乾燥させることで形成することができる。粘着剤層の厚さは、ウエハ表面の凹凸の高さよりも0%〜20%程度厚いことが望ましく、20〜200μmであるものが適当であり、30〜100μmであるものがより好ましい。30μm以上であるとウエハ表面凹凸への追従性がよくなり、100μm以下であること凝集力が十分で剥離後のウエハ表面への粘着剤残りの発生が少なくなる。
なお、粘着剤層は複数の層が積層された構成であってもよく、この場合、複数の層のうち実質的にウエハ表面の凸凹を担持する層において上記パラメータを満たすことが望ましい。実質的にウエハ表面の凸凹を担持する層は、一般的にウエハに接する最外層であり、かつ最も厚い層であることが多いが、凝集力の不足や、高い粘着力による剥離性の悪化が懸念される場合には、更にその表層に1〜10μm程度の薄い粘着層を有することも、ウエハからの剥離性向上の面で好ましい。また、実質的にウエハ表面の凸凹を担持する層自
体が複層で構成されても構わない。
半導体表面保護用粘着テープは、上述のように、ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)の 研磨面に対する粘着力が、25℃において1〜5N/25mm、50℃において0.01〜1N/25mmであることが好ましい。常温での粘着力は架橋剤により調整することが可能であり、また、温度上昇とともに弾性率が低下しやすいものほど50℃加熱により粘着力が低下しやすい。汚染性を損なわない範囲で、離型剤や粘着付与剤などの添加により粘着力を調整することも可能である。
半導体表面保護用粘着テープは、上述のように、半導体ウエハの凹凸に対する形状固定率が50%以上である。半導体ウエハ表面保護用粘着テープの半導体ウエハ表面の凹凸に対する形状固定率が50%以上となるようにするには、基材フィルムとして、特にポリエチレンやエチレン-酢酸ビニル共重合体など軟質基材が望ましく、粘着剤を構成する主成分のポリマーは、(メタ)アクリル系ポリマーであり、重合するモノマー比や架橋剤量の調整および添加剤配合により、分子量、Tanδ、Tg等のパラメータを前述の範囲で調整することが望ましい。また、基材フィルムと粘着剤組成物との組み合わせや、粘着剤層の厚さとの組み合わせによって、調節することができる。
なお、粘着剤層を保護する目的のため、また粘着剤を平滑にする目的のために、粘着剤層の表面には、剥離フィルムを設けても良い。剥離フィルムは、セパレーターや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、剥離フィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルムの表面には粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていても良い。剥離フィルムの厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μm程度である。
<使用方法>
次に、本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの使用方法について、説明する。
本発明の半導体ウエハの加工方法は、まず、半導体ウエハの回路パターン面(表面)に、粘着剤層が貼合面となるように、本発明の半導体ウエハ表面保護テープを貼合する。次に、半導体ウエハの回路パターンの無い面側を半導体ウエハの厚さが所定の厚さ、例えば10〜100μmになるまで研削する。その後、この半導体ウエハ表面保護テープの貼合された面を下側にして加熱吸着台に載せ、その状態で、半導体ウエハの回路パターンの無い研削した面側に、ダイシング・ダイボンディングフィルムを貼合用ロールを使用して貼合してもよい。その後、半導体ウエハ表面保護テープの基材フィルムの背面に、ヒートシールタイプ(熱融着タイプ)もしくは粘着タイプの剥離テープを接着して半導体ウエハから半導体ウエハ表面保護テープを剥離する。
<実施例>
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
下記のように粘着剤組成物を調製し、以下の方法で半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製し、その性能を評価した。
〔粘着剤層組成物の調製〕
[粘着剤層組成物2A]
脱イオンを行った純水中に界面活性剤としてアリル基を付加させたポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル化合物及びポリプロピレングリコール化合物を加え、重合開始剤として過硫酸アンモニウムを加えて加熱しながら攪拌した。次いでメチルメタクリレートを15重量部、ブチルアクリレートを41重量部、2−エチルヘキシルアクリレートを44重量部、メタクリル酸グリシジルを2重量部、攪拌溶液に滴下し、さらに攪拌を続け重合を行い、アクリルエマルション粘着剤組成物を得た。ガラス転移温度、Tanδ、弾性率を以下の方法で測定したところ、ガラス転移温度は−40℃、tanδは0.6、弾性率は4×10(Pa)であった。
(i)ガラス転移温度
示差走査熱量分析計(DSC)(DSC7(商品名)、PERKIN ELMER社製)を用いて、昇温速度5℃/分で測定した。
(ii)弾性率、Tanδ
粘着剤の25℃での貯蔵弾性率およびTanδは、ずり方式の粘弾性装置(レオメトリックサイエンス社製、商品名:ARES)を用いて、0℃から測定を開始し昇温速度5℃/分、周波数1Hzで、25℃に達した時点での値をそれぞれ貯蔵弾性率およびTanδとした。試験片は、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が30μmとなるように各粘着剤組成物を塗布し、乾燥させた後、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上と貼りあわせたものを1週間養生させ、その粘着剤層をセパレータから剥がし、粘着剤同士を貼り合わせて、厚さ約2mm、直径約8mmの円筒形にしたものを用いた。実施例、比較例中の中間層および外層の積層構成のものはそれぞれ単体にて測定した。
[粘着剤層組成物2B]
メチルメタクリレート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートからなる化合物(2B)100質量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を、0.2質量部を加えて混合して、粘着剤層組成物2Bを得た。同様の方法にてガラス転移温度、Tanδ、弾性率を測定したところ、ガラス転移温度は−36℃、tanδは0.5、弾性率は4×10(Pa)であった。
[粘着剤層組成物2C]
メチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-ヒドロキシアクリレートおよびメタクリル酸からなる化合物(2C)100質量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を、2質量部を加えて混合して、粘着剤層組成物2Cを得た。上記と同様の方法にてガラス転移温度、Tanδ、弾性率を測定したところ、ガラス転移温度は−33℃、tanδは0.1、弾性率は8×10(Pa)であった。
[粘着剤層組成物2D]
メチルメタクリレート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートからなる化合物(2D)100質量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を、0.5質量部を加えて混合して、粘着剤層組成物2Dを得た。上記と同様の方法にてガラス転移温度、Tanδ、弾性率を測定したところ、ガラス転移温度は−19℃、tanδは0.4、弾性率は6×10(Pa)であった。
[粘着剤層組成物2E]
メチルメタクリレート、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアクリレートからなる化合物(2E)100質量部に対してポリイソシアネートとしてコロネートL(日本ポリウレタン社製)を、0.1質量部を加えて混合して、粘着剤層組成物2Eを得た。上記と同様の方法にてガラス転移温度、Tanδ、弾性率を測定したところ、ガラス転移温度は−41℃、tanδは0.6、弾性率は4×10(Pa)であった。
[放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープの作製]
<実施例1>
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が50μmとなるように粘着剤組成物2Aを塗布し、乾燥させた後、基材フィルムとしての厚み100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムと貼りあわせ、厚さ150μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
<実施例2>
基材フィルムとして、厚さ20μmの高密度ポリエチレンと厚さ80μmのEVAフィルムを貼り合わせた積層フィルムを用いた以外は、実施例1と同様の方法にて、厚さ150μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。なお、EVAフィルム側に粘着剤層を貼合した。
<実施例3>
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が60μmとなるように粘着剤組成物2Bを塗布し、乾燥させた後、基材フィルムとしての厚み100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムと貼りあわせた。その後、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が10μmとなるように粘着剤組成物2Cを塗布して乾燥させ、粘着剤組成物2Bからなる粘着剤層が形成されているポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータを剥がして、粘着剤組成物2Cからなる粘着剤層上に貼り合わせ、厚さ170μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
<実施例4>
基材フィルムとして、厚さ20μmの高密度ポリエチレンと厚さ80μmのEVAフィルムを貼り合わせた積層フィルムを用いた以外は、実施例3と同様の方法にて、厚さ170μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。なお、EVAフィルム側に粘着剤層を貼合した。
<実施例5>
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が40μmとなるように粘着剤組成物2Dを塗布し、乾燥させた後、基材フィルムとしての厚み100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムと貼りあわせ、厚さ140μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例1>
基材フィルムとして、厚さ20μmの高密度ポリエチレンと厚さ80μmのEVAフィルムを貼り合わせた積層フィルムを用いた以外は、実施例5と同様の方法にて、厚さ140μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。なお、EVAフィルム側に粘着剤層を貼合した。
<比較例2>
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が45μmとなるように粘着剤組成物2Bを塗布し、乾燥させた後、基材フィルムとしての厚み100μmの低密度ポリエチレンフィルムと貼りあわせた。その後、厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように粘着剤組成物2Cを塗布して乾燥させ、粘着剤組成物2Bからなる粘着剤層が形成されているポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータを剥がして、粘着剤組成物2Cからなる粘着剤層上に貼り合わせ、厚さ170μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例3>
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が40μmとなるように粘着剤組成物2Cを塗布し、乾燥させた後、基材フィルムとしての厚み100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムと貼りあわせ、厚さ140μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
<比較例4>
厚み25μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のセパレータ上に、乾燥後の膜厚が60μmとなるように粘着剤組成物2Eを塗布し、乾燥させた後、基材フィルムとしての厚み100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルムと貼りあわせ、厚さ160μmの半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
(形状固定率の算出)
実施例1〜5、比較例1〜4の半導体ウエハ加工用粘着テープについて、半導体ウエハから剥離直後の粘着剤層の凹み深さd1、および剥離から1時間後の粘着剤層の凹み深さd2を段落[0022]に記載する方法にて測定し、段落[0021]に定義する式(1)にて算出した。その結果を表1,2に示す。
(粘着力の測定)
実施例1〜5、比較例1〜4の半導体ウエハ加工用粘着テープについて、粘着力の測定を次のように行った。実施例および比較例の各半導体ウエハ加工用粘着テープより幅25mm、長さ300mを試験片として切り出した。JIS R 6253に規定する280番の耐水研磨紙で仕上げたJIS G 4305に規定する厚さ1.5mmのSUS鋼板上に、上記試験片を2kgのゴムローラを3往復かけ圧着し、25℃環境下で1時間放置後、測定値がその要領の15〜85%の範囲に入るJIS B 7721に適合するインストロン社製の引張試験機(ツインコラム卓上モデル5567)を用いて粘着力を測定した。測定は180度引き剥がし法によるものとし、このときの引張り速度は300mm/minとした。剥離時の温度を25℃のものを常温における粘着力とし、50℃のものを加熱剥離の粘着力とした。測定は各3回実施し、その平均値を用いた。その結果を表1,2に示す。
[特性評価試験]
実施例1〜5、比較例1〜4の半導体ウエハ加工用粘着テープについて、特性評価試験を下記のように行った。
(ウエハ表面への追従性、ウエハ裏面状態)
表面に高さ20μm、ピッチ40μm(バンプ間距離20μm)の金バンプを有する8inchの半導体ウエハに、貼合機として日東精機株式会社製DR8500II(商品名)を用いて半導体ウエハ加工用粘着テープを貼合し、25℃の条件下において貼合して5分後および貼合して1時間後のウエハ表面の追従性を光学顕微鏡により観察した。その結果を表1,2に示す。観察は、図1に示すように、ウエハの中心点oを中心とする光学顕微鏡の観察視野の中の、縦200μm×横200μmの範囲、および、ウエハの中心点oから70mmの位置にある点aを中心とする光学顕微鏡の観察視野の中の、縦200μm×横200μmの範囲、中心点oに関して点aと点対称な点bを中心とする光学顕微鏡の観察視野の中の、縦200μm×横200μmの範囲、中心点oを通り、点aと点bを結ぶ線と直交する線上にあり、中心点oからそれぞれ70mmの位置にある点c,dを中心とする光学顕微鏡の観察視野の中の、縦200μm×横200μmの範囲の計5点で行った。半導体ウエハ加工用粘着テープを貼合して5分後および1時間後に全ての観察点において追従が確認できたものを○、貼合して5分後は全ての観察点において追従が確認できたが、貼合して1時間後には1箇所でも密着していないものを△、貼合して5分後に1箇所でも追従していないものを×でしめした。その後、株式会社ディスコ製DFG8760(商品名)を用いて、半導体ウエハを3枚ずつ、80μmの厚さまで研削加工し、ウエハ裏面の観察を目視にて実施した。その結果を表1,2に示す。ウエハ裏面状態の評価は、3枚全てのウエハで破損やディンプルが1箇所も発生しなかったものを良品として○、破損は発生しないが部分的にディンプルが発生したものを不良品として△、3枚全てのウエハにおいて破損もしくはウエハに全面的にディンプルが発生したものを不良品として×で示した。
(粘着剤残存評価)
研削後のウエハをリンテック株式会社製RAD2700(商品名)を用いて剥離温度50℃にて剥離した。剥離後においてウエハの破損や粘着剤残りを目視にて観察した。その結果を表1,2に示す。3枚全てのウエハで破損や粘着剤残りが1箇所も発生しなかったものを良品として○、1枚でも1箇所以上の破損や粘着剤残りが発生したものを不良品として×で示した。
Figure 0005193376
Figure 0005193376
表1に示すように、形状固定率が50%以上である実施例1〜5では、ウエハ表面凹凸に追従した状態を保つことができ、ウエハ裏面にディンプルを発生させることなく研削加工することができ、半導体ウエハ加工用粘着テープ剥離後のウエハ表面に粘着剤残りが発生することがなかった。一方、表2に示すように、形状固定率の低い比較例1,2では、ウエハ表面への追従性が悪く、半導体ウエハ加工用粘着テープが浮いてしまうため、比較例1ではウエハ部分的に、比較例2,3ではウエハ全面的にディンプルが発生した。粘着力を上げた比較例4においては、表2に示すように、ディンプルは発生しなかったが、剥離後に粘着剤残りが発生した。なお、比較例4では、ディンプルは発生しなかったが、ウエハから剥離する際に粘着剤の一部が半導体ウエハに残存してしまったため、形状固定率の測定は不可能であった。一方、粘着力下げた比較例3では、表2に示すように、剥離後の粘着剤残りは発生しなかったが、ウエハ表面への追従性が悪く、半導体ウエハ加工用粘着テープが浮いてしまうため、ディンプルが発生した。なお、比較例3では、ウエハ貼合当初からウエハ表面への追従性が悪いため、形状固定率の測定も不可能であった。
これらの実施例および比較例からわかるように、本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、表面に凹凸を有するウエハに良好に密着し、時間が経過してもその状態を保つことができ、剥離時にはウエハの破損や粘着剤残りが生じない。
W:半導体ウエハ

Claims (4)

  1. 基材フィルム上に感圧型の粘着剤からなる着剤層を有し、表面に凹凸を有するウエハに貼合された際に該凹凸に追従するとともに、下記式(1)で表わされる前記凹凸に対する形状固定率が55%以上77%以下であり、
    ステンレス鋼(Steel Use Stainless、SUS)の 研磨面に対する粘着力が、25℃において1.5〜5N/25mm、50℃において0.01〜1.5N/25mmであることを特徴とする半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
    形状固定率=(d2/d1)×100(%) (1)
    ただし、
    d1:高さ20μm、ピッチ40μmの金バンプを有する半導体ウエハに、0.25MPaの圧力にて半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合し、25℃の環境下で1時間放置した後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離して5分後に測定した粘着剤層の凹み深さ
    d2:高さ20μm、ピッチ40μmの金バンプを有する半導体ウエハに、0.25MPaの圧力にて半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合し、25℃の環境下で1時間放置した後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離して25℃の環境下で1時間放置した後に測定した粘着剤層の凹み深さ
  2. 前記粘着剤の架橋後における25℃の損失正接Tanδが0.5〜0.8であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
  3. 前記粘着剤の架橋後におけるガラス転移温度Tgが−40℃〜−10℃であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層の厚さが30〜100μmであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
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