JP2011249608A - 半導体ウエハ表面保護用粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成されたウエハ加工用テープであって、該基材樹脂フィルムがポリエステル樹脂を含有し、該基材樹脂フィルムの透湿度が10g/m2以下である半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
【選択図】なし
Description
特にディスクリートデバイスの製造においては、研削後の半導体ウエハ裏面にエッチングが施され、さらに裏面エッチング後にエッチャントによる水洗浄が行われる。その後、半導体ウエハ裏面に電極を形成するために、金属蒸着や金属スパッタリングが施される。これらの金属膜形成工程は、高温かつ真空中で行われる。有機物を真空チャンバー内に導入した場合は、所定の真空度へ到達する時間が長くなり、場合によってはターゲットである金属のインゴットを汚染する可能性がある。そこで裏面研削が行われた半導体ウエハから表面保護用粘着テープを剥離して、回路が形成された半導体ウエハ表面に表面保護用粘着テープが貼合されていない状態で、半導体ウエハ裏面に電極形成を行う場合がほとんどである。
しかしこの方式では、金属膜形成前に表面保護テープは剥離され、蒸着装置・スパッタ装置などのプラネタリホルダに直接ウエハが載置されることが多い。この場合、デバイス表面がホルダ金属部に接触するため、デバイスの歩留まりが悪くなる場合がある。
これらの問題を解決する方法として、真空中や加熱条件下においてもアウトガス発生量の少ないシートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、加熱時に発生する粘着剤からの分解生成物を抑制する半導体ウエハ加工用粘着シートが記載されている。
通常、ディスクリートデバイスに使用される半導体ウエハの裏面エッチング後に水洗浄が行われる。この工程により吸着した水分などが揮発することで、真空チャンバー内の真空度を下げる現象が発生することがある。このため、粘着剤からの分解生成物を抑制するばかりでなく、薄型ウエハに使用でき、耐熱性を有するとともに吸水率や透湿度の低い半導体ウエハ表面保護用粘着テープが必要とされている。
<1>基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成されたウエハ加工用テープであって、該基材樹脂フィルムがポリエステル樹脂を含有し、該基材樹脂フィルムの透湿度が10g/m2以下であることを特徴とする半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<2>前記基材樹脂フィルムの吸水率が0.5%以下であることを特徴とする<1>記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<3>前記基材樹脂フィルムの厚さが5〜50μmであることを特徴とする<1>又は<2>記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<4>前記基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された面と異なる面が、防湿処理されている面であることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1項記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<5>前記防湿処理されている面がAl2O3及び/又はSiO2による蒸着処理されている面であることを特徴とする<4>記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<6>前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする<4>又は<5>記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<7>前記ポリエステル樹脂がポリエチレンナフタレートであることを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
<8>前記粘着剤層が放射線硬化性の樹脂組成物により構成されていることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか1項記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
図1は本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの好ましい一実施形態を示す概略断面図である。図1からわかるように、本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ10には、基材樹脂フィルム1上に粘着剤層2が形成されている。粘着剤層2上には、必要に応じて、表面が離型処理された剥離フィルム(図示せず)の離型処理面が粘着剤層2側に来るように積層されている。
本発明の半導体表面保護用粘着テープ10は、例えばシリコンなどの半導体ウエハ40上に回路30が形成されたウエハ表面に貼合されて、半導体ウエハ40の裏面研削が行われ、裏面研削後に半導体ウエハ裏面に金属蒸着や金属スパッタリングなどにより金属膜(図示せず)が形成される。
本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープに用いられる基材樹脂フィルムは、ポリエステル樹脂を含有する。ポリエステル樹脂を用いることにより、ディスクリートデバイス裏面電極形成時の高温に耐えることができる。ポリエステル樹脂としては、ビカット軟化点(JIS K 7206、荷重:50N、昇温速度:50℃/h、試験片サイズ:10mm×10mm×4mm)が120℃以上であることが好ましく、150℃以上であることがより好ましい。この範囲内とすることにより、電極形成を行う温度でも金属蒸着や金属スパッタリングを行う装置への融着を低減できる。ポリエステル樹脂の中でも、加熱や冷却した後の収縮が少ないという点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。後述の透湿度や吸水率を低くすることができるため、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。
基材樹脂フィルムは、ポリエステル樹脂を含有する1層で構成することが好ましい。また2層以上の層で基材樹脂フィルムを構成してもよい。その場合、すべての層をポリエステル樹脂を含有する層で構成することが好ましい。基材樹脂フィルムには、ポリエステル樹脂を主成分とし、その他の樹脂成分を配合してもよい。
粘着剤層として放射線を照射することにより粘着力を低下させることのできる放射線硬化性の粘着剤樹脂組成物を用いる場合には、基材樹脂フィルムは放射線透過性であることが好ましい。なお、ここで、放射線とは、例えば、紫外線のような光、あるいはレーザ光、または電子線のような電離性放射線を総称していう。
基材樹脂フィルムの透湿度を上記の範囲内とするためには、ポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。基材樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフテレートを用いる際には、粘着剤層が形成された面とは異なる最外層に、防湿処理を施すことが好ましい。防湿処理としては、セラミックや金属薄膜の蒸着処理、上塗り塗料層の形成などを挙げることができる。蒸着処理としては、Al2O3及び/又はSiO2による処理が好ましい。蒸着処理は従来の真空蒸着の方法で、基材樹脂フィルムに形成することができる。また上塗り塗料層としては、基材樹脂フィルムとの粘着性能に優れ、乾燥硬化後に透湿度に優れる薄膜を形成できるハードコート塗料などを基材樹脂フィルムに塗工して形成することができる。これらの処理を施しても通常の基材樹脂フィルムと同様に、反対面に粘着剤層を形成して半導体ウエハ表面保護用粘着テープを製造することができる。
基材樹脂フィルムの吸水率を上記の範囲内とするためには、ポリエチレンナフタレートを用いることが好ましい。基材樹脂フィルムとして、ポリエチレンテレフテレートを用いる際には、粘着剤層が形成された面とは異なる最外層に、防湿処理を施すことが好ましい。
防湿処理としては、セラミックや金属薄膜の蒸着処理、上塗り塗料層の形成などを挙げることができる。蒸着処理としては、Al2O3及び/又はSiO2による処理が好ましい。蒸着処理は従来の真空蒸着の方法で、基材樹脂フィルムに形成することができる。また上塗り塗料層としては、基材樹脂フィルムとの粘着性能に優れ、乾燥硬化後に透湿度に優れる薄膜を形成できるハードコート塗料などを基材樹脂フィルムに塗工して形成することができる。
本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの粘着剤層について、図面を参照して説明する。図1に示されるように、本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ10は、基材樹脂フィルム1上に粘着剤層2が形成されている。図2に示されるように、粘着剤層2は、回路面の凹凸を埋め込める程度の密着性を有することが好ましい。
裏面研磨及び加熱工程時に高い粘着力で半導体ウエハ表面と密着し、これらの工程終了し半導体ウエハの厚さが薄くなった後に容易に剥せるように、粘着剤層を構成する樹脂組成物は放射線硬化性のものが好ましい。粘着剤層として、放射線硬性の樹脂組成物を使用した場合は、半導体ウエハが研削され薄くなった後に放射線照射がされ、半導体ウエハが本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープから剥離される。この際に容易に剥離できるものが好ましい。放射線硬性の樹脂組成物で構成された粘着剤層の放射線照射による硬化収縮が大きいと、薄く研削された半導体ウエハが変形し、ひどい場合にはウエハ割れを引き起こすため、粘着剤層を構成する放射線硬化性の樹脂組成物は放射線照射による硬化収縮が小さいものが好ましい。また粘着剤層を構成する放射線硬化性の樹脂組成物は、加熱工程により発生するガスが少ないものが好ましい。
前記重合体(a)はどのようにして製造されたものでもよい。例えば、前記重合体(a)としては、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ官能基を有するアクリル系共重合体及び/又はメタクリル系共重合体(a1)と、該官能基と反応し得る官能基をもつ化合物(a2)とを反応させて得たものを挙げることができる。また、官能基を有するアクリル系共重合体及び/又はメタクリル系共重合体を(a1’)とし、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するとともに(a1’)の官能基と反応し得る官能基を有する化合物を(a2’)とし、これらを反応させて、重合体(a)とすることもできる。
前記の主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有し、かつ官能基を有するアクリル系共重合体及び/又はメタクリル系共重合体(a1)は、例えば、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有するアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルなどの単量体(a1−1)と、官能基を有する単量体(a1−2)とを共重合させて得ることができる。
また、ガラス転移点の他、他の成分との相溶性や各種性能を上げる目的で酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリルなどの炭素−炭素二重結合をもつ低分子化合物を(a1−1)に加えて重合体(a)を得ることができる。これらの低分子化合物の配合量は、単量体(a1−1)の5質量%以下とすることが好ましい。
具体例としては、単量体(a1−2)の具体例で列挙したものと同様のものを列挙することができる。
主鎖に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を1つ以上有する(メタ)アクリル系単量体を構成単位として含む重合体(a)は、各種の溶剤中で溶液重合することにより得ることができる。溶液重合で行う場合の有機溶剤としては、ケトン系、エステル系、アルコール系、芳香族系のものを使用することができる。一般にアクリル系重合体の良溶媒で、沸点60〜120℃の溶剤を使用することが好ましい。例えば、トルエン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、ベンゼン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトンなどを使用することができる。重合開始剤としては、α,α’−アゾビスイソブチルニトリルなどのアゾビス系、ベンゾイルペルオキシドなどの有機過酸化物系などのラジカル発生剤を用いることができる。この際、必要に応じて触媒、重合禁止剤を併用することができ、重合温度および重合時間を調節することにより、所望の分子量の重合体(a)を得ることができる。また、分子量を調節することに関しては、メルカプタン、四塩化炭素系の溶剤を用いることが好ましい。なお、重合体(a)の合成は、溶液重合に限定されるものではなく、塊状重合、懸濁重合など別の方法でもさしつかえない。
剥離フィルムは、セパレーターや剥離層、剥離ライナーとも呼ばれ、粘着剤層を保護する目的のため、また粘着剤を平滑にする目的のために、必要に応じて設けられる。剥離フィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルムや紙などが挙げられる。剥離フィルムの表面には粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理が施されていてもよい。また、必要に応じて、粘着剤層が放射線によって反応しないように、放射線防止処理が施されていてもよい。剥離フィルムの厚みは、通常10〜100μm、好ましくは25〜50μmである。
下記のように粘着剤樹脂組成物を調製し、以下の方法で半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製し、その性能を評価した。
[粘着剤樹脂組成物2A]
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ共重合体(a1)の溶液を得た。次にこの共重合体溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(a2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5gを加え、反応温度および反応時間を調整して、主鎖の繰り返し単位に対して放射線硬化性炭素−炭素二重結合含有基を1つ以上有する(メタ)アクリル系単量体部を有する残基を結合した重合体(a)の溶液を得た。
重合体(a)の重量平均分子量、ガラス転移温度を以下の方法で測定したところ、重量平均分子量は80万、ガラス転移温度は−30℃、二重結合量は0.9(meq/g)であった。
(i)重量平均分子量
重合体(a)をテトラヒドロフランに溶解して1%溶液とし、これを、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した。得られた値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出した。
(ii)ガラス転移温度
示差走査熱量分析計(DSC)(DSC−60(商品名)、島津製作所製)の示差走査熱量分析計(DSC)を用いて、昇温速度0.1℃/分で測定した。
(iii)二重結合量
Wijs法により、ヨウ素価を求め、その値から二重結合量を算出した。
[基材樹脂フィルム3A]
ポリエチレンテレフタレート基材樹脂フィルム(PET)25μmにAl2O3を用いた防湿処理層を設けた。
[基材樹脂フィルム3B]
ポリエチレンテレフタレート基材樹脂フィルム(PET)25μmにSiO2を用いた防湿処理層を設けた。
[基材樹脂フィルム3C]
ポリエチレンテレフタレート基材フィルム(PET)12.5μmにSiO2を用いた防湿処理層を設けた。
[基材樹脂フィルム3D]
ポリエチレンテレフタレート基材樹脂フィルム(PET)50μmにSiO2を用いた防湿処理層を設けた。
[基材樹脂フィルム3E]
ポリエチレンテレフタレート基材樹脂フィルム(PET)25μmに、粘着剤との易粘着処理に用いられるプライマーを、上塗り塗料として塗布して、防湿処理層を設けた。
ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)5μmを用いた。
[基材樹脂フィルム3G]
ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)12.5μmを用いた。
[基材樹脂フィルム3H]
ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)25μmを用いた。
ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)25μmにSiO2を用いた防湿処理層を設けた。
[基材樹脂フィルム3J]
ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)25μmにAl2O3を用いた防湿処理層を設けた。
[基材樹脂フィルム3K]
ポリエチレンナフタレート基材樹脂フィルム(PEN)25μmにSiO2を用いた防湿処理層を設けた。
ポリエチレンテレフタレート基材樹脂フィルム(PET)25μmを用いた。
[基材樹脂フィルム3M]
ポリエチレンテレフタレート基材樹脂フィルム(PET)100μmを用いた。
[基材樹脂フィルム3N]
エチレン−酢酸ビニル共重合体の基材樹脂フィルム(EVA)100μmを用いた。
上記の粘着剤樹脂組成物と基材樹脂フィルムを用いて、以下の方法で、半導体ウエハ表面保護用粘着テープを作製した。
基材樹脂フィルム3A上に施されたAl2O3を用いた防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例2]
基材樹脂フィルム3B上に施されたSiO2を用いた防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例3]
基材樹脂フィルム3C上に施されたSiO2を用いた防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが27.5μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例4]
基材樹脂フィルム3D上に施されたSiO2を用いた防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが65μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
基材樹脂フィルム3E上に施された上塗り塗料による防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例6]
基材樹脂フィルム3F上に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが20μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例7]
基材樹脂フィルム3Gを用いた以外は実施例6と同様の方法で、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが27.5μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例8]
基材樹脂フィルム3Hを用いた以外は実施例6と同様の方法で、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
基材樹脂フィルム3Iの防湿処理面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例10]
基材樹脂フィルム3J上に施されたAl2O3を用いた防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[実施例11]
基材樹脂フィルム3K上に施されたSiO2を用いた防湿処理層とは反対側の面に、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
基材フィルム3Lを用いた以外は実施例6と同様の方法で、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが40μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例2]
基材フィルム3Mを用いた以外は実施例6と同様の方法で、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが115μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
[比較例3]
基材フィルム3Nを用いた以外は実施例6と同様の方法で、上記の粘着剤樹脂組成物2Aを乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し、乾燥させ、全体の厚さが115μm厚の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを得た。
(1)透湿度及び吸水率
[透湿度]
前記基材樹脂フィルムについて、JIS K7129法に準拠して測定した。透湿度が10g/m2以下を合格とし、10g/m2を越えるものを不合格とした。
[吸水率]
前記基材樹脂フィルムについて、カールフィッシャー法に基づき、カールフィッシャー水分計MKC−610((商品名)、京都電子工業株式会社製)により測定を行った。吸水率が0.5%以下のものを合格とし、0.5%を越えるものを不合格とした。
(2)真空到達時間
直径8インチのシリコンウエハに実施例1〜11及び比較例1〜3の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合し、その後、メタライズを実施する蒸着装置の真空チャンバーへ導入し、大気圧から1×10−4Paに到達するまでの時間を測定した。
(3)加熱後のウエハの反り
直径8インチで厚さが100μmのシリコンベアウエハに実施例1〜11及び比較例1〜3の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合し、その後180℃に加熱したホットプレート上に上記粘着テープが貼合されたウエハを載置し、その後25℃まで急冷し、冷却後のウエハの周縁部の高さの最大値をウエハの反りとして測定した。ウエハの反りが40mm以下を合格、40mmを越えるものを不合格とした。
これに対し、ポリエチレンテレフタレートを用いても防湿処理が施されていないため透湿度が10g/m2を越える基材樹脂フィルムを用いた半導体ウエハ表面保護用粘着テープについては、真空到達時間及び加熱後のウエハの反りはともに不合格であった(比較例1及び2)。また基材樹脂フィルムとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体を用いた半導体ウエハ表面保護用粘着テープについては、ウエハに貼合したものを加熱すると溶融し、使用できないものであった(比較例3)。
2 粘着剤層
10 半導体ウエハ表面保護用粘着テープ
30 回路
40 半導体ウエハ
Claims (8)
- 基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成されたウエハ加工用テープであって、該基材樹脂フィルムがポリエステル樹脂を含有し、該基材樹脂フィルムの透湿度が10g/m2以下であることを特徴とする半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記基材樹脂フィルムの吸水率が0.5%以下であることを特徴とする請求項1記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記基材樹脂フィルムの厚さが5〜50μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記基材樹脂フィルム上に粘着剤層が形成された面と異なる面が、防湿処理されている面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記防湿処理されている面がAl2O3及び/又はSiO2による蒸着処理されている面であることを特徴とする請求項4記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項4又は5記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンナフタレートであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
- 前記粘着剤層が放射線硬化性の樹脂組成物により構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の半導体ウエハ表面保護用粘着テープ。
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