JP2005332873A - 半導体ウェハ加工用保護シート、及び半導体ウェハの裏面研削方法 - Google Patents

半導体ウェハ加工用保護シート、及び半導体ウェハの裏面研削方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体ウェハの裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウェハ表面を保護するために用いる半導体ウェハ加工用保護シートであって、大型ウェハをバックグラインド工程等により薄型化した場合にも、半導体ウェハの反りを極力抑制可能な半導体ウェハ加工用保護シート、及び半導体ウェハの裏面研削方法を提供する。
【解決手段】 半導体ウェハ加工用保護シート10は、半導体ウェハの裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウェハ表面を保護するために用いるものであって、前記保護シート10は、基材11の少なくとも一方の側に粘着剤層12が積層されており、かつ、気温40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置した場合の寸法膨張率が0.05%以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は各種半導体の製造工程におけるウェハの研削工程において、ウェハ表面を保護するためにウェハに貼合せて用いる半導体ウェハ加工用保護シートに関する。また、当該半導体ウェハ加工用保護シートを用いた半導体ウェハの裏面研削方法に関する。
半導体ウェハの製造工程においては、通常、ウェハのパターンが形成された面とは反対側の面(裏面)を、所定の厚さまでバックグラインダー等の研削装置で研削するバックグラインド工程が施される。また、ウェハ裏面の砥石による凹凸を除去する為、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)工程を行う場合も増加している。これらの工程を行う際、ウェハを保護する目的でウェハ表面に半導体ウェハ加工用保護シートを貼り合わせ、裏面研削を行うのが一般的である。この半導体ウェハ加工用保護シートとしては、基材上に粘着剤層が積層されたものが用いられる。
前記バックグラインド工程において研削されたウェハには、反りが生じる問題がある。最近、半導体ウェハは8インチ、または12インチに大型化され、またICカード用などでは薄型化が要求された結果、研削後の半導体ウェハに反りが生じやすく、反りを解消することが大きな課題になっている。特に、ICカード、スタックドICなどの超薄型チップにおいては最終ウェハの厚みが100μmを下回るような薄さが要求されるため反りも大きくなる。例えば、8インチのウェハを厚さ50μm程度にまで研削した場合、保護シートやウェハの種類にもよるが、大きいもので5cm程度にもウェハが反り上がる。このような超薄型ウェハに生じた反りは、ウェハの搬送に支障をきたす。すなわち、反り上がったウェハは従来の搬送方式では搬送できず、また一般的に使用されている専用収納ケースに収納することもできない。さらに、薄く研削されたウェハはたとえ反りが小さくともその強度は低い。その為、小さな衝撃でも簡単に割れてしまう。この様なウェハの反りの問題に対して、下記特許文献1では、半導体ウェハ加工用保護シートの残存応力の観点からこれを低減する方法を提案している。
しかしながら、バックグラインド工程やCMP工程を行うことで、ウェハに於いて逆反り(パターン形成面(回路形成面)を外側に、裏面を内側にして湾曲する反り)の現象が表れ始めた。従来の反りは、裏面を外側に、パターン形成面(回路形成面)を内側にして湾曲する順反りであった。この順反りに対しては、従来の半導体ウェハの製造装置も一定の対応が可能であった。しかし逆反りに対しては殆ど対応できない為、例えその反り量が小さくてもウェハの搬送等の際に割れ等が発生するという問題点があった。
特開2000−212524号公報
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、半導体ウェハの裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウェハ表面を保護するために用いる半導体ウェハ加工用保護シートであって、大型ウェハをバックグラインド工程等により薄型化した場合にも、半導体ウェハの反りを極力抑制可能な半導体ウェハ加工用保護シートを提供することを目的とする。また、その様な半導体ウェハ加工用保護シートを用いた半導体ウェハの裏面研削方法を提供することを目的とする。
本願発明者等は、上記従来の問題点を解決すべく、半導体ウェハ加工用保護シート、及びそれを用いた半導体ウェハの裏面研削方法について鋭意検討した。その結果、以下の構成とすることにより、前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、前記の課題を解決する為に、本発明に係る半導体ウェハ加工用保護シート(以下、単に保護シートと言う。)は、半導体ウェハの裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウェハ表面を保護するために用いる半導体ウェハ加工用保護シートであって、前記保護シートは、基材の少なくとも一方の側に粘着剤層が積層されており、かつ、気温40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置した場合の寸法膨張率が0.05%以下であることを特徴とする。
逆反りは、保護シートの膨張や半導体ウェハの収縮によるものと考えられる。このうち保護シートが膨張するのは、従来の保護シートが高分子材料等からなり、多湿雰囲気下または水中等で吸水(吸湿)膨張する為と考えられる。その一方半導体ウェハは、その様な条件下であっても吸水膨張することはない。よって、その様な両者を貼り合わせれば、保護シートと半導体ウェハとの吸湿性の違いに起因して、逆反りが発生する。
しかし前記の構成によれば、保護シートの寸法膨張率は0.05%以下であるので、多湿雰囲気下または水中等に於いても保護シートの吸水(吸湿)膨張は極力抑制される。その結果、本発明に係る保護シートと半導体ウェハとの吸湿性の差異は縮小する。よって、保護シートを半導体ウェハに貼り合わせ、バックグラインド工程やCMP工程等を行っても、逆反りの反り量を低減することができる。
前記基材が単層からなる場合には、該基材の23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上であり、前記基材が複数層からなる場合には、少なくとも1層の23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上であることが好ましい。
前記構成の様に、基材の引張り弾性率が0.6GPa以上であると、保護シートが半導体ウェハに貼り付けられる際に生じる引っ張り応力や保護シート内の歪み等の残存応力を、基材が緩和する。その結果、いわゆる順反りも抑制することができ、バックグラインド工程等を行ってもウェハを極力平坦な状態に維持できる。尚、基材が複数層からなる場合であっても、その内の少なくとも単層が0.6GPa以上の引張り弾性率を有していれば、前記と同様に順反りを緩和することができる。
また、前記基材は、23℃に於ける引っ張り弾性率が0.6GPa以上の内層と、前記基材の粘着剤層が設けられている面と反対側に設けられ、かつ透湿度が20g/m・24h・atm以下の最外層を有するものが好ましい。
前記の構成であると、基材の引張り弾性率が0.6GPa以上であるので順反りの発生を低減できると共に、基材に設けられた最外層の透湿度が20g/m・24h・atm以下であるので逆反りの発生も低減できる。即ち、前記の構成によれば、バックグラインド工程等を行ってもウェハを極力平坦な状態に維持することが可能な保護シートを提供することができる。
また、前記の課題を解決する為に、本発明に係る半導体ウェハの裏面研削方法は、半導体ウェハの表面に、前記に記載の半導体ウェハ加工用保護シートを貼付した状態で、半導体ウェハの裏面にバックグラインド工程、裏面処理工程を施すことを特徴とする。
前記の方法によれば、バックグラインド工程や裏面処理工程を行っても逆反りを小さくできるので、例えばウェハの搬送等の際に割れ等が発生するのを防止できる。
前記半導体ウェハの直径をa(m)、研削後の半導体ウェハの厚みをb(m)としたとき、b/a(−)の値が少なくとも1.1×10−3以下になるまで半導体ウェハの裏面研削を行うことができる。
前記の方法によれば、b/a(−)が1.1×10−3以下となる様な半導体ウェハの裏面を研削しても反りを小さくできる。例えば、直径20.3cm(8インチ)のウェハであれば、厚さ50μm程度まで裏面研削しても、ウェハの反りを小さくできる。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、バックグラインド工程やCMP工程などに於いても半導体ウェハの逆反りを小さくするので、例えばウェハの搬送の際にウェハ割れが発生するのを抑制することができる。その結果、歩留まりを良くして半導体ウェハの製造が可能となる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態について、図を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大または縮小等して図示した部分がある。
図1は、本発明に係る半導体ウェハ加工用保護シート(以下、単に「保護シート」と言う)の概略構成を示す断面模式図である。図1に示すように、保護シート10は、半導体ウェハ(図示しない)の裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウェハ表面を保護するために用いるものであって、基材11の少なくとも一方の側に粘着剤層12が積層された構成である。尚、同図では、半導体ウェハ表面に接触させる粘着剤層12が、基材11の片面にのみ形成されている態様について図示している。
前記保護シート10は、気温40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置した場合の寸法膨張率が0.05%以下のものである。寸法膨張率は、保護シート10に於ける基材11側に所定の間隔をおいて二箇所キズを付け、気温40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置する前の間隔をLiとし、放置後の間隔をLeとして、下記式で算出した値である。
Figure 2005332873
半導体ウェハの逆反り現象は、(1)保護シートの膨張、(2)ウェハの収縮、の2つの原因によるものと考えられる。本願発明は特に、(1)の観点から前記問題点の解決を図るものであり、保護シート10の寸法膨張率を0.05%以下とすると、多湿雰囲気下または水中等に於いても保護シート10の吸水(吸湿)膨張は極力抑制される。その結果、本発明に係る保護シート10と半導体ウェハとの吸湿性の差異は縮小する。よって、逆反りを小さくすることができる。
基材11が単層からなる場合、該基材11の23℃における引張り弾性率は0.6GPa以上であることが好ましい。また、基材11が複数層からなる場合、少なくとも何れかの層が、23℃に於ける引張り弾性率0.6GPa以上であることが好ましい。更に、基材11の引張り弾性率は、貼り付けや剥離の作業性の向上、研削等の後におけるウェハの反りを抑制する点からは、1.5GPa以上であることがより好ましい。なお、基材11の引張り弾性率は、大きすぎるとウェハから剥離する際に不具合の原因となるため、10GPa以下であることが好ましい。前記基材11の引張り弾性率は、厚み10μm〜100μmの試料片を幅10mmの短冊状にし、23℃においてその短冊状の部分1cmを1分間に50mmの速さで引っ張ったときに得られるS−S曲線から求まる引張り試験での初期弾性率のことである。
基材11としては、半導体ウェハ加工用保護シートに使用される各種の材料があげられる。その材料としては、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの架橋体などのポリマーがあげられる。これら材料は必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。
これら基材11は、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸または二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。前記基材11は単層または複数層のいずれでもよい。基材11が複数層の場合は、上記材料に加えて、アクリル系ポリマーやアクリル系とウレタン系の混合物から得られるフィルムを組み合わせることができる。またその表面には、必要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処理、架橋処理(化学架橋(シラン))などの慣用の物理的または化学的処理を施すことができる。
前記基材11は単層または複数層のいずれでもよいが、基材11の少なくとも単層は、前記引張り弾性率が0.6GPa以上のものを使用するのが好ましい。前記引張り弾性率が0.6GPa以上の基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;2軸延伸ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルムなどのポリオレフィン系フィルム;ポリカーボネートフィルム;延伸ポリアミドフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム;ポリスチレンフィルムなどのスチレン系ポリマーフィルムなどがあげられる。
これら基材11の厚み(複数層の場合は総厚み)は、ウェハの剛性を高める点では厚い方が良いが、保護シート10の剥離などの作業性を考慮すると10〜200μm程度、好ましくは50〜100μm程度である。
前記粘着剤層12を構成する粘着剤は特に制限されないが、他特性との関係上、粘着剤層12の引張り弾性率が0.01MPa以上であることが望ましい。粘着剤は、ベースポリマーの組成、架橋剤の種類、配合比などを適宜に組み合わせて調整する。例えば、ベースポリマーのTg、架橋密度をコントロールすることで粘着剤層12の引張り弾性率を制御することが可能である。
粘着剤としては、例えば、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用でき、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の適宜な粘着剤を用いることができる。なかでも、半導体ウェハへの接着性、剥離後の半導体ウェハの超純水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性などの点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステルなどのアルキル基の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステルなど)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルなど)の1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマーなどがあげられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル及び/またはメタクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
前記アクリル系ポリマーは凝集力、耐熱性などの改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどがあげられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好ましい。
さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等の何れの方式で行うこともできる。粘着剤層12は半導体ウェハ等の汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以上、さらに好ましくは40万〜300万程度である。
また、前記粘着剤には、ベースポリマーであるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるため、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法があげられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらには、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対して、1〜5重量部程度配合するのが好ましい。さらに、粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤などの添加剤を用いてもよい。
また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤を使用できる。放射線硬化型粘着剤は炭素−炭素二重結合等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。放射線硬化型粘着剤としては、放射線(特に紫外線)照射によって粘着力が低下するものが望ましい。かかる粘着剤層12によれば、バックグラインド工程後に紫外線照射によって、保護シートの剥離を容易に行うことができる。
放射線硬化型粘着剤としては、例えば、一般的な粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型の放射線硬化型粘着剤を例示できる。一般的な粘着剤としては、前記アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の感圧性粘着剤と同様のものがあげられる。
配合する放射線硬化性のモノマー成分としては、例えば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどがあげられる。また放射線硬化性のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系など種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば5〜500重量部、好ましくは40〜150重量部程度である。
また、放射線硬化性の粘着剤としては、上記説明した添加型の放射線硬化型粘着剤のほかに、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の放射線硬化型粘着剤があげられる。内在型の放射線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、または多くは含まないため、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動することなく、安定した層構造の粘着剤層12を形成することができるため好ましい。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。このようなベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示したアクリル系ポリマーがあげられる。
前記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入するのが分子設計が容易である。例えば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化性を維持したまま縮合または付加反応させる方法があげられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどがあげられる。また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物などを共重合したものが用いられる。
前記内在型の放射線硬化型粘着剤は、前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特にアクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合することもできる。放射線硬化性のオリゴマー成分等は、通常ベースポリマー100重量部に対して30重量部の範囲内であり、好ましくは0〜10重量部の範囲である。
前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1などのアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部程度である。
また熱発泡型粘着剤を用いることができる。熱発泡型粘着剤は、前記一般的な感圧性粘着剤に熱膨張性微粒子が配合されたものである。熱発泡型粘着剤は、熱による熱膨張性微粒子の発泡により、接着面積が減少して剥離が容易になるものであり、熱膨張性微粒子の平均粒子径は1〜25μm程度のものが好ましい。より好ましくは5〜15μmであり、特に10μm程度のものが好ましい。熱膨張性微粒子としては、加熱下に膨張する素材を特に制限なく使用できるが、例えば、ブタン、プロパン、ペンタンなどの如き低沸点の適宜のガス発泡性成分をインサイト重合法等により、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合物の殻壁でカプセル化した熱膨張性マイクロカプセルを用いることができる。熱膨張性マイクロカプセルは、前記粘着剤との分散混合性に優れているなどの利点も有する。熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、例えば、マイクロスフェアー(商品名:松本油脂社製)などがあげられる。
前記粘着剤に対する熱膨張性微粒子(熱膨張性マイクロカプセル)の配合量は、前記粘着剤層12の種類に応じて、粘着剤層12の粘着力を低下できる量を、適宜に決定することができるが、一般的には、ベースポリマー100重量部に対して、1〜100重量部程度、好ましくは5〜50重量部、更に好ましくは10〜40重量部である。
粘着剤層12の厚みは適宜決定することができるが他の特性との関係上、1〜300μm程度、好ましくは3〜200μm程度、さらに好ましくは5〜100μm程度である。
粘着剤層12の接着力は、使用目的等に応じて適宜設定できる。一般には、半導体ウェハに対する密着維持性やウェハからの剥離性等の点から、ウェハミラー面に対する接着力(常温、180°ピール値、剥離速度300mm/分)が、例えば500g/20mm以上、放射線照射後のウェハミラー面に対する接着力が、例えば40g/20mm以下であるのが好ましい。
保護シート10の作製は、例えば基材11に、直接粘着剤層12を形成する方法や、また別途、セパレータ上に粘着剤層12などを形成した後、それらを基材11に貼り合せる方法等を採用することができる。
前者の場合、基材11上に粘着剤及び必要に応じて慣用の添加剤、架橋剤、光重合開始剤等を含むコーティング液を塗布し、必要に応じて硬化処理をすることにより作製する。また後者の場合、セパレータとしては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等を構成材料とするものを使用することができる。セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理が施されていても良い。セパレータの厚みは、通常10〜200μm、好ましくは25〜100μm程度である。
本発明の保護シート10は、常法に従って、半導体ウェハの裏面にバックグラインド工程、CMP工程を施す際に、半導体ウェハ表面を保護するために用いられる。半導体ウェハ表面のパターン面への保護シートの貼り付けは、テーブル上にパターン面が上になるように半導体ウェハを載置し、その上に保護シートの粘着剤層をパターン面に重ね、圧着ロールなどの押圧手段により、押圧しながら貼り付ける。また、加圧可能な容器(例えばオートクレーブなど)中で、半導体ウェハと保護シートを上記のように重ね、容器内を加圧することによりウェハに貼り付けることも出きる。この際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。また、真空チャンバー内で、上記と同様に貼り付けることもできる。貼付け方法はこれら限定されるものではなく、貼り付ける際に、加熱することもできる。
半導体ウェハの裏面の薄型加工をする工程は、例えば研削工程、研磨工程(CMP)またはエッチング工程といった機械的または化学的方法等の従来公知の種々の方法を行う工程である。例えば、半導体ウェハの位置を上下反転し、支持ウェハをチャッキングして半導体ウェハの裏面の薄型加工を行う。この様な薄型加工に用いる薄型加工機としては特に限定されず、例えば研削機(バックグラインダー)、CMPパッド等が例示できる。薄型加工は、半導体ウェハが所望の厚さになるまで行われる。半導体ウェハの直径をa(m)とし、研削後の半導体ウェハの厚みをb(m)としたとき、b/aの値が少なくとも1.1×10−3(27(μm/インチ))以下になるまで薄型化が可能である。従って、研削時に特に逆反りが発生し易い大型ウェハ(例えば、直径8インチまたは12インチ)や、薄型ウェハ(例えば、ICカード用のウェハなど)に対して、本発明に係る保護シート10は極めて有用である。
尚、半導体ウェハとは、半導体素子が形成された基板を意味する。半導体ウェハの原料としては、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、またはガリウムヒ素(GaAs)等が挙げられる。
(実施の形態2)
本発明にかかる保護シートの他の実施の形態について、図2を用いて説明する。なお、前記実施の形態1の保護シートと同様の機能を有する構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図2は、本実施の形態2に係る保護シートの概略構成を示す断面模式図である。図2に示すように、本実施の形態に係る保護シート20は、基材11上に粘着剤層12が設けられた構成であり、該基材11は23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上の内層11aと、透湿度が20g/m・24h・atm以下の最外層11bとを有する構成である。
最外層11bは、その透湿度が20g/m・24h・atm以下であることから、防湿機能を発揮する。かかる最外層11bを備えたことにより、本実施の形態2に係る保護シートは、気温40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置した場合の寸法膨張率を0.05%以下とすることできる。尚、透湿度は、基材11の吸湿による逆反り防止の観点から、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましい。
前記最外層11bとしては、例えば高密度ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニリデンなどの透湿度20g/m・24h・atm以下の有機材料からなるものが挙げられる。また、ガラス(SiO)やアルミニウム(Al)などの無機材料からなるものも挙げられる。最外層11bの厚さは、0.01〜5μm程度、好ましくは0.1〜1μmである。尚、吸水度は、防湿包装材料の透湿度試験方法(JIS Z 0208)に基づき得られる実測値である。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料、寸法、配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。また、各例中、部は特記がない限りいずれも重量基準である。
(保護シートの吸水寸法膨張率)
粘着剤層上に透湿度が4.0g/m・24h・atm以下のポリ塩化ビニリデンフィルムを貼り合わせた半導体ウェハ加工用保護シートに、約300mmの間隔となる様にカッターでキズを付けた。このときの値をLiとした。次いで、40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置した後、前記の間隔を再び測定した。このときの値をLeとした。更に、下記式により保護シートの吸水寸法膨張率を算出した。
Figure 2005332873
(透湿度)
JIS Z 0208の透湿度試験 (カップ法)に準じて、90%の相対湿度差で、厚さ0.1mm、面積1mの試料を24時間に通過する水蒸気のg数である。使用した雰囲気の温湿度条件は、40℃で相対湿度90%とした。
(実施例1)
アクリル酸メチル70部、アクリル酸ブチル30部、及びアクリル酸5部からなる配合組成物をトルエン中で共重合させて、アクリル系共重合ポリマー(数平均分子量30万)を含む溶液を得た。このアクリル系共重合ポリマーの溶液(固形分)100部に対して、光硬化型ウレタンオリゴマー70部、ポリイソシアネート系架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン(株)製)5部、光重合開始剤(イルガキュア184)5部を混合して粘着剤組成物を調製した。
この粘着剤組成物を二軸延伸ポリプロピレンフィルム(基材:厚さ30μm、引張り弾性率1.8GPa)上に塗布し乾燥することで粘着剤層を形成し、本実施例1に係る半導体ウェハ加工用保護シートを作製した。
(実施例2)
前記実施例1にて作製した粘着剤組成物を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名:ルミラー、東レ(株)製、厚さ50μm、引張り弾性率3.0GPa)上に塗布し乾燥することで粘着層(厚さ5μm)を形成した。
次に、最外層としての低密度ポリエチレンフィルム(LDPE、厚さ40μm)を、前記粘着層を接着面として形成し、本実施例2に係る基材を作製した。更に、この基材のPETフィルム側に、前記実施例1と同様にして粘着剤層(厚さ30μm)を形成し、本実施例2に係る半導体ウェハ加工用保護シートを作製した。
(実施例3)
前記実施例1にて作製した粘着剤組成物を、PETフィルム(商品名:ルミラー、東レ(株)製、厚さ50μm、引張り弾性率3.0GPa)上に塗布し乾燥することで粘着層(厚さ5μm)を形成した。
次に、最外層としてのポリ塩化ビニリデン(PVDC、厚さ10μm)を、前記粘着層を接着面として貼り合わせ、本実施例3に係る基材を作製した。更に、この基材のPETフィルム側に、前記実施例1と同様にして粘着剤層(厚さ30μm)を形成し、本実施例3に係る半導体ウェハ加工用保護シートを作製した。
(実施例4)
前記実施例1にて作製した粘着剤組成物を、PETフィルム(商品名:ルミラー、東レ(株)製、厚さ50μm、引張り弾性率3.0GPa)上に塗布し乾燥することで粘着層(厚さ5μm)を形成した。
次に、最外層としてのPVDC(厚さ10μm)を、前記粘着層を接着面として貼り合わせ、本実施例3に係る基材を作製した。更に、この基材のPETフィルム側に厚さ100μmのアクリルウレタン層を形成した後、前記実施例1と同様にして粘着剤層(厚さ30μm)を形成し、本実施例4に係る半導体ウェハ加工用保護シートを作製した。
(比較例1)
基材としてPETフィルム(厚さ50μm、引張り弾性率3.0GPa)を用いた以外は、前記実施例1と同様にして比較例1に係る半導体ウェハ加工用保護シートを作製した。
実施例1〜4及び比較例1の半導体ウェハ加工用保護シートを8インチ径のウェハ(厚み700μm)に貼り合わせた。貼り合わせには、日東精機社製DR−8500を用いた。バックグラインダー(DISCO製、DFD840)を用いて102μmにまで研削した。その後、裏面処理のためポリッシュ装置(岡本工作機械製作所製、GNX300)にて100μmまでポリッシングした後、ウェハの反りを測定した。
(反り量)
バックグラインド後のウェハの逆反りの量は、図3に示すように、研削後のウェハを保護シートを貼り付けた状態で測定した。即ち、ウェハ31を保護シート32が下側になる様に平板33上に載置し、平板33上から最も浮いている保護シート32の端部の高さ、即ち反り量hを測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2005332873
同表から明らかな様に、比較例1に係る保護シートを用いた場合には、ウェハの逆反りの量は5mmであったのに対して、実施例1〜4に係る保護シートを用いた場合には1mmであり逆反りを小さくすることができた。
本発明の実施の一形態に係る半導体ウェハ加工用保護シートの概略構成を示す断面模式図である。 本発明の他の実施の形態に係る半導体ウェハ加工用保護シートの概略構成を示す断面模式図である。 半導体ウェハに於いてその逆反りの反り量の測定方法を説明する為の説明図である。
符号の説明
10 半導体ウェハ加工用保護シート
11 基材
11a 内層
11b 最外層
12 粘着剤層
20 半導体ウェハ加工用保護シート

Claims (5)

  1. 半導体ウェハの裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウェハ表面を保護するために用いる半導体ウェハ加工用保護シートであって、
    前記保護シートは、基材の少なくとも一方の側に粘着剤層が積層されており、
    かつ、気温40℃、相対湿度90%の環境下で24時間放置した場合の寸法膨張率が0.05%以下であることを特徴とする半導体ウェハ加工用保護シート。
  2. 前記基材が単層からなる場合には、該基材の23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上であり、
    前記基材が複数層からなる場合には、少なくとも1層の23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上であることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ加工用保護シート。
  3. 前記基材は、23℃に於ける引張り弾性率が0.6GPa以上の内層と、前記基材の粘着剤層が設けられている面と反対側に設けられ、かつ透湿度が20g/m・24h・atm以下の最外層を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハ加工用保護シート。
  4. 半導体ウェハの表面に、請求項1〜3の何れか1項に記載の半導体ウェハ加工用保護シートを貼付した状態で、半導体ウェハの裏面にバックグラインド工程、裏面処理工程を施すことを特徴とする半導体ウェハの裏面研削方法。
  5. 前記半導体ウェハの直径をa(m)、研削後の半導体ウェハの厚みをb(m)としたとき、b/a(−)の値が少なくとも1.1×10−3以下になるまで半導体ウェハの裏面研削を行うことを特徴とする請求項4に記載の半導体ウェハの裏面研削方法。

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