JP2003309088A - 半導体ウエハ加工用保護シート及び該シートの使用方法 - Google Patents

半導体ウエハ加工用保護シート及び該シートの使用方法

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JP2003309088A JP2002111611A JP2002111611A JP2003309088A JP 2003309088 A JP2003309088 A JP 2003309088A JP 2002111611 A JP2002111611 A JP 2002111611A JP 2002111611 A JP2002111611 A JP 2002111611A JP 2003309088 A JP2003309088 A JP 2003309088A
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sensitive adhesive
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semiconductor wafer
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Mitsuharu Akazawa
光治 赤沢
Masayuki Yamamoto
雅之 山本
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性によるウエハの保護効果を有し、かつウ
エハの加工処理後には剥離が容易な半導体ウエハ加工用
保護シートを提供すること。 【解決手段】 第1基材フィルムの片面にウエハ貼付用
の第1粘着剤層が積層されており、第1基材フィルムの
他の片面には基材フィルムが粘着剤層を介して少なくと
も1層以上積層されており、且つ、すべての基材フィル
ムの引張り弾性率が10MPa以上であり、さらに粘着
剤層と接しているすべての基材フィルム表面の平均粗さ
Raが0.05μm以上であることを特徴とする半導体
ウエハ加工用保護シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体ウエハ加工用
保護シート及び該シートの使用方法に関する。本発明の
半導体ウエハ加工用保護シートは、各種半導体の製造工
程におけるウエハの研削工程において、ウエハを保護す
るために用いる保護シートおよびウエハ、半導体部品等
を加工するために用いる保護シート等として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】ウエハ製造工程において、パターンを形
成したウエハは通常所定の厚さまでウエハを削るバック
グラインド工程を行なうのが一般的である。その際、ウ
エハを保護する目的等でウエハ表面にはウエハ保護シー
トとして粘着シートを貼り合わせ、研削するのが一般的
な方法となっている。またウエハ等を個々のチップに切
断する際にはウエハ表面にはウエハ保持シートとして粘
着シートを貼りあわせダイシングする方法が一般的であ
る。
【0003】また、最近では8インチや12インチとい
ったウエハの大型化や、ICカード用途などでのウエハ
の薄型化が進んでいる。そのためウエハ保護シートはこ
のような薄いウエハを保護し、搬送するために使用され
る機会が多くなってきている。薄いウエハは衝撃によっ
て割れやすく、また大きく反り返っているのが通常であ
る。したがって、このようなウエハを保護し、搬送する
ためには保護シートがある程度の剛性を有している必要
がある。そのため、さまざまなフィルムを複層形態に
し、最適な組み合わせを採用することにより保護シート
に剛性を付与している。例えば、最外層に比較的弾性率
の高い50μm程度のポリエステルフィルムを用いて、
その内側に軟質層としてポリオレフィンなどのフィルム
を1層積層するのが一般的である。しかし、このような
保護シートを用いた場合には、保護シートの剥離の際に
ウエハと保護シートの粘着剤層の間で剥離が起こらず、
保護シート内の基材フィルムと粘着剤層の間で剥離が起
こるという問題があった。この問題を解決するためにさ
まざまな方法がとられている。たとえば、基材フィルム
に下塗り材なるものを塗布して基材フィルムと粘着剤層
との接着力を上げる方法があるが、この方法では下塗り
材の成分が粘着剤層に拡散してしまい粘着剤の特性が変
化してしまうという悪影響がある。また基材フィルムに
コロナ処理を施して、基材フィルムと粘着剤との接着性
をあげる処理を行っている場合も多いが、基材フィルム
の種類によってはあまり効果的でない基材フィルムもあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、剛性による
ウエハの保護効果を有し、かつウエハの加工処理後には
剥離が容易な半導体ウエハ加工用保護シートを提供する
ことを目的とする。さらには、当該シートの使用方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す半導体
ウエハ加工用保護シートにより前記目的を達成できるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、第1基材フィルムの片
面にウエハ貼付用の第1粘着剤層が積層されており、第
1基材フィルムの他の片面には基材フィルムが粘着剤層
を介して少なくとも1層以上積層されており、且つ、す
べての基材フィルムの引張り弾性率が10MPa以上で
あり、さらに粘着剤層と接しているすべての基材フィル
ム表面の平均粗さRaが0.05μm以上であることを
特徴とする半導体ウエハ加工用保護シート、に関する。
【0007】前記半導体ウエハ加工用保護シートは、複
数の基材フィルムが積層されており、該基材フィルムの
引張り弾性率が10MPa以上であるため、かかる積層
基材フィルムにより、ウエハの加工、搬送工程で必要な
剛性を得ることができ、ウエハの補強効果を向上させる
ことができる。また、粘着剤層と接している面がすべて
粗面化された基材フィルムを用いているため、基材フィ
ルムと粘着剤層の間の接着力が、粗面化されていない基
材フィルムを用いた場合に比べて飛躍的に向上する。そ
のため、本発明の保護シートを用いてウエハに加工を施
した後に保護シートを剥離する際に、粘着剤層と基材フ
ィルムの間で剥離が生じるような不良は起こらず、ウエ
ハと粘着剤層の間で剥離することができる。
【0008】基材フィルムの粗面化の程度は、少なくと
も平均粗さRaが0.05μm以上である。平均粗さR
aは、好ましくは0.1μm〜2μm、さらに好ましく
は0.15μm〜1μmである。本発明でいう平均粗さ
Ra(JIS B060 1−1994に準拠)とは、
テンコール製のP−10により基材フィルム表面の粗さ
を測定して算出される平均粗さのことである。
【0009】本発明においては、第1粘着剤層が、放射
線又は熱によって剥離が容易になるように調整されてい
る粘着剤層であることが好ましい。
【0010】第1粘着剤層は紫外線等の放射線の硬化や
熱による発泡等によって、該粘着剤層の粘着力を低下さ
せることができる。そのため、ウエハの加工後の保護シ
ートの剥離前に放射線処理や熱処理を施すことによっ
て、第1粘着剤層とウエハとの粘着力を劇的に低下させ
その層間で剥離を容易に行うことができる。
【0011】また本発明は、前記半導体ウエハ加工用保
護シートを、第1粘着剤層を介してウエハに貼り付け、
加工を施した後に、前記半導体ウエハ加工用保護シート
を剥離するにあたり、放射線又は熱によって第1粘着剤
層に剥離処理をほどこした後に剥離することを特徴とす
る半導体ウエハ加工用保護シートの使用方法、に関す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の半導体ウエハ加工
用保護シートを図面を参照しつつ詳細に説明する。図1
に示すように、本発明の半導体ウエハ加工用保護シート
は、第1基材フィルム1の片面にウエハ貼付用の第1粘
着剤層2が積層されており、かつ第1基材フィルム1の
他の片面には、第2粘着剤層3及び第2基材フィルム4
を有する。第1基材フィルム1と第1粘着剤層2の接着
面が粗面化面aである。第1基材フィルム1と第2粘着
剤層3の接着面が粗面化面bである。第2基材フィルム
4と第2粘着剤層3の接着面が粗面化面cである。ま
た、必要に応じて、第1粘着剤層2にはセパレータ5を
有する。かかる本発明の半導体ウエハ加工用保護シート
はシートを巻いてテープ状とすることもできる。
【0013】本発明の半導体ウエハ加工用保護シートは
前記基材フィルム、粘着剤層などの層構造により構成さ
れ、第2基材フィルム4の他の片面にはさらに粘着剤層
及び基材フィルムが順次積層されていてもよく、また第
2粘着剤層3と第2基材フィルム4の間に基材フィルム
及び粘着剤層が順次積層されていてもよい。なお、それ
らの場合でも粘着剤層と接しているすべての基材フィル
ム表面は粗面化されている。
【0014】基材フィルムの材料は、半導体ウエハ加工
用保護シートに使用される各種の材料を特に制限なく使
用することができるが、第1粘着剤層が放射線硬化型の
場合にはX線、紫外線、電子線等の放射線を少なくとも
一部透過するものを用いる。例えばその材料として、低
密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエ
チレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、
ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプ
ロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチル
ペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリ
ル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合
体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、及
びこれらの架橋体などのポリマーがあげられる。前記各
基材フィルムは、同種または異種のものを適宜に選択し
て使用することができ、必要に応じて数種をブレンドし
てたものを用いることができる。
【0015】なお、前記基材フィルムは、剛性によって
ウエハを保護するという観点から引張り弾性率10MP
a以上の基材フィルムである。ここでいう弾性率とは、
幅10mm、長さ10mm、厚み10μm〜200μm
の短冊状のものを23℃において50mm/minの速
度で引張った時に得られるS−S曲線から求まる引張り
の初期弾性率のことである。また、第1基材フィルムの
弾性率は、第2基材フィルムの弾性率より低くしておく
ことが好ましい。
【0016】基材フィルムの厚みは、通常10〜300
μm、好ましくは30〜200μm程度である。基材フ
ィルムは、従来より公知の製膜方法により製膜できる。
例えば、湿式キャスティング法、インフレーション押出
し法、Tダイ押出し法などが利用できる。基材フィルム
は、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸または二
軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。
【0017】また、粘着剤層と接着しているすべての基
材フィルム表面は、前述の通り、平均粗さRaが0.0
5μm以上となるように粗面化されている。基材フィル
ムの粗面化方法は特に制限されず、たとえば、エンボス
加工法、サンドプラスト法、エッチング法、放電加工
法、梨地処理法またはマット処理法などの各種方法によ
り行うことができる。また、基材フィルムの粗面化は、
基材フィルムの製膜時、製膜後のいずれのときに施され
ていてもよい。
【0018】粘着剤層の形成に用いる粘着剤としては、
たとえば、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用
でき、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の適宜な粘着
剤を用いることができる。なかでも、半導体ウエハや各
基材フィルムへの接着性、剥離後の半導体ウエハの超純
水やアルコール等の有機溶剤による清浄洗浄性などの点
から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアク
リル系粘着剤が好ましい。
【0019】前記アクリル系ポリマーとしては、例え
ば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イ
ソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエス
テル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペン
チルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステ
ル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチル
ヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエス
テル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシ
ルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、
テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタ
デシルエステル、エイコシルエステルなどのアルキル基
の炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分
岐鎖状のアルキルエステルなど)及び(メタ)アクリル
酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエ
ステル、シクロヘキシルエステルなど)の1種又は2種
以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマーなど
があげられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとは
アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステ
ルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味であ
る。
【0020】前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱
性などの改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)
アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステ
ルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含
んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例え
ば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メ
タ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリ
レート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン
酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン
酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒド
ロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキ
シル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、
(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)
アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキ
シメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート
などのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミ
ドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリ
レート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホ
ン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシ
エチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モ
ノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどがあげ
られる。これら共重合可能なのモノマー成分は、1種又
は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの
使用量は、全モノマー成分の40重量%以下が好まし
い。
【0021】さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋
させるため、多官能性モノマーなども、必要に応じて共
重合用モノマー成分として含むことができる。このよう
な多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)
アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエ
ステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリ
レートなどがあげられる。これらの多官能性モノマーも
1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマ
ーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の
30重量%以下が好ましい。
【0022】前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー
又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより
得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸
濁重合等の何れの方式で行うこともできる。第1粘着剤
層は半導体ウエハ等の汚染防止等の点から、低分子量物
質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、アクリ
ル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以
上、さらに好ましくは40万〜300万程度である。
【0023】また、前記粘着剤には、ベースポリマーで
あるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるた
め、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架
橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合
物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架
橋剤などのいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法があ
げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、
架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらに
は、粘着剤としての使用用途によって適宜決定される。
一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対し
て、1〜5重量部程度配合するのが好ましい。さらに、
粘着剤には、必要により、前記成分のほかに、従来公知
の各種の粘着付与剤、老化防止剤などの添加剤を用いて
もよい。
【0024】前記第1粘着剤層は、ウエハ加工処理後に
は剥離可能なように調整されていることが好ましい。第
1粘着剤層を剥離可能に調整する手段は特に制限されな
いが、たとえば、粘着剤層に放射線硬化型粘着剤または
熱発泡型粘着剤を含有させて形成することにより、剥離
可能なように調整することができる。
【0025】放射線硬化型粘着剤は炭素−炭素二重結合
等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すも
のを特に制限なく使用することができる。放射線硬化型
粘着剤としては、放射線(特に紫外線)照射によって粘
着力が低下するものが望ましい。
【0026】放射線硬化型粘着剤としては、たとえば、
前記アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧
性粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー
成分を配合した添加型の放射線硬化性粘着剤を例示でき
る。
【0027】配合する放射線硬化性のモノマー成分とし
ては、たとえば、ウレタンオリゴマー、ウレタン(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メ
タ)アクリレートなどがあげられる。また放射線硬化性
のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリ
エステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系な
ど種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜
30000程度の範囲のものが適当である。放射線硬化
性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、前記粘
着剤層の種類に応じて、粘着剤層の粘着力を低下できる
量を、適宜に決定することができる。一般的には、粘着
剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー1
00重量部に対して、例えば5〜500重量部、好まし
くは40〜150重量部程度である。
【0028】また、放射線硬化型粘着剤としては、上記
説明した添加型の放射線硬化性粘着剤のほかに、ベース
ポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖ま
たは主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在
型の放射線硬化性粘着剤があげられる。内在型の放射線
硬化性粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を
含有する必要がなく、または多くは含まないため、経時
的にオリゴマー成分等が粘着剤在中を移動することな
く、安定した層構造の粘着剤層を形成することができる
ため好ましい。
【0029】前記炭素−炭素二重結合を有するベースポ
リマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有
するものを特に制限なく使用できる。このようなベース
ポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とす
るものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格とし
ては、前記例示したアクリル系ポリマーがあげられる。
【0030】前記アクリル系ポリマーへの炭素−炭素二
重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用で
きるが、炭素−炭素二重結合はポリマー側鎖に導入する
のが分子設計が容易である。たとえば、予め、アクリル
系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、
この官能基と反応しうる官能基および炭素−炭素二重結
合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の放射線硬化
性を維持したまま縮合または付加反応させる方法があげ
られる。
【0031】これら官能基の組合せの例としては、カル
ボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、
ヒドロキシル基とイソシアネート基などがあげられる。
これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さか
ら、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好
適である。また、これら官能基の組み合わせにより、上
記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生
成するような組合せであれば、官能基はアクリル系ポリ
マーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記
の好ましい組み合わせでは、アクリル系ポリマーがヒド
ロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有
する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合
を有するイソシアネート化合物としては、たとえば、メ
タクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキ
シエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α
−ジメチルベンジルイソシアネートなどがあげられる。
また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロ
キシ基含有モノマーや2−ヒドロキシエチルビニルエー
テル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレ
ングルコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物な
どを共重合したものが用いられる。
【0032】前記内在型の放射線硬化性粘着剤は、前記
炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特にアク
リル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特
性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成
分やオリゴマー成分を配合することもできる。放射線硬
化性のオリゴマー成分等は、通常ベースポリマー100
重量部に対して30重量部の範囲内であり、好ましくは
0〜10重量部の範囲である。
【0033】前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線線等
により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。
光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシ
エトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)
ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフ
ェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノ
ン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなど
のα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプ
ロパン−1などのアセトフェノン系化合物;べンゾイン
エチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ア
ニソインメチルエーテルなどのベンゾインエーテル系化
合物;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系化合
物;2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族ス
ルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プ
ロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシ
ムなどの光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベ
ンゾイル安息香酸、3,3′−ジメチル−4−メトキシ
ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;チオキ
サンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオ
キサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプ
ロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソ
ン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソ
プロピルチオキサンソンなどのチオキサンソン系化合
物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホス
フィノキシド;アシルホスフォナートなどがあげられ
る。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリ
ル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対し
て、例えば1〜10重量部、好ましくは3〜5重量部程
度である。
【0034】一方、熱発泡型粘着剤は、前記一般的な感
圧性粘着剤に熱膨張性微粒子が配合されたものである。
熱発泡型粘着剤は、熱による熱膨張性微粒子の発泡によ
り、接着面積が減少して剥離が容易になるものであり、
熱膨張性微粒子の平均粒子径は1〜25μm程度のもの
が好ましい。より好ましくは5〜15μmであり、特に
10μm程度のものが好ましい。熱膨張性微粒子として
は、加熱下に膨張する素材を特に制限なく使用できる
が、たとえば、ブタン、プロパン、ペンタンなどの如き
低沸点の適宜のガス発泡性成分をインサイト重合法等に
より、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等の共重合物
の殻壁でカプセル化した熱膨張性マイクロカプセルを用
いることができる。熱膨張性マイクロカプセルは、前記
粘着剤との分散混合性に優れているなどの利点も有す
る。熱膨張性マイクロカプセルの市販品としては、たと
えば、マイクロスフェアー(商品名:松本油脂社製)な
どがあげられる。
【0035】前記粘着剤に対する熱膨張性微粒子(熱膨
張性マイクロカプセル)の配合量は、前記粘着剤層の種
類に応じて、粘着剤層の粘着力を低下できる量を、適宜
に決定することができるが、一般的には、ベースポリマ
ー100重量部に対して、1〜100重量部程度、好ま
しくは5〜50重量部、更に好ましくは10〜40重量
部である。
【0036】なお、第1粘着剤層の粘着力は、ウエハを
固定して保護する際には、180°ピール(23℃,引
張り速度300mm/min)粘着力が0.2〜5N/
20mm、さらには 0.5〜2N/20mmの範囲で
あることが望ましい。一方、研削等の加工後に保護シー
トをウエハから剥離する際には剥離しやすいものが好ま
しい。たとえば、前記粘着力が放射線または熱によっ
て、第1粘着剤層の180°ピール粘着力が0. 01〜
0.7N/20mm、さらには0. 01〜0. 5N/2
0mmの範囲で剥離が容易になるように調整されている
のが望ましい。
【0037】本発明の半導体ウエハ加工用保護シートの
作製は、例えば、基材フィルムに順次に粘着剤層を形成
することにより行うことができる。粘着剤層の形成方法
は特に制限されず、基材フィルムに粘着剤層を直接、塗
布して形成する方法、また別途、剥離ライナーに粘着剤
層を形成した後、それらを基材フィルムに貼り合せる方
法等を採用することができる。また本発明の半導体ウエ
ハ加工用保護シートの構成をウエハに貼りあわせる段階
で構築する方法もある。粘着剤層の厚みは特に制限され
ないが、通常3〜100μm、好ましくは10〜40μ
mである。
【0038】セパレータは、必要に応じて設けられる。
セパレータの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹
脂フィルム等があげられる。セパレータの表面には、接
着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコ
ーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の離型処理
が施されていても良い。セパレータの厚みは、通常10
〜200μm、好ましくは25〜100μm程度であ
る。
【0039】本発明の半導体ウエハ加工用保護シート
は、常法に従って用いられる。半導体ウエハのパターン
面への保護シートの貼付けは、テーブル上にパターン面
が上になるように半導体ウエハを載置し、その上に保護
シートの粘着剤層をパターン面に重ね、圧着ロールなど
の押圧手段により、押圧しながら貼り付ける。また、加
圧可能な容器(例えばオートクレーブなど)中で、半導
体ウエハと保護シートを上記のように重ね、容器内を加
圧するによりウエハに貼り付けることもできる。この
際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。ま
た、真空チャンバー内で、上記と同様に貼り付けること
もできる。貼付け方法はこれら限定されるものではな
く、貼り付ける際に、基材フィルムの融点以下に加熱
(熱発泡型の粘着剤を用いる場合には熱発泡しないよう
に)をすることもできる。
【0040】薄型加工は、常法を採用できる。薄型加工
機としては、研削機(バックグラインド)、CMPパッ
ド等があげられる。薄型加工は、半導体ウエハが所望の
厚さになるまで行われる。薄型加工後には、保護シート
を剥離するが、保護シートの第1粘着剤層として、放射
線照射により粘着力が低下する放射線硬化型粘着剤を用
いている場合には、保護シートに放射線を照射して、粘
着力を低下させてから剥離する。放射線照射の手段は特
に制限されないが、たとえば、紫外線照射等により行わ
れる。また、熱発泡型の粘着剤を用いている場合には、
加熱後に粘着力を低下させてから剥離する。
【0041】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0042】製造例1(紫外線硬化型粘着剤層(A)の
形成) ブチルアクリレート50重量部、エチルアクリレート5
0重量部およびアクリル酸5重量部を含む組成物をトル
エン溶液中で共重合させて、重量平均分子量40万のア
クリル系共重合ポリマーを得た。このポリマー100重
量部に対して、さらにエポキシ系架橋剤を0.3重量
部、光重合開始剤としてイルガキュア651(チバスペ
シャリティケミカルズ社製)を3重量部、放射線硬化性
モノマーとしてウレタンオリゴマー50重量部を混合し
て紫外線硬化型粘着剤Aの溶液を調製した。上記で調整
した紫外線硬化型粘着剤Aの溶液を、離型処理されたフ
ィルム上に塗布し、80℃で10分間加熱架橋して、厚
さ30μmの紫外線硬化型粘着剤層(A)を形成した。
【0043】製造例2(感圧型粘着剤層(B)の形成) ブチルアクリレート100重量部およびアクリル酸5重
量部を含む組成物をトルエン溶液中で共重合させて、重
量平均分子量80万のアクリル系共重合ポリマーを得
た。このポリマー100重量部に対して、さらにエポキ
シ系架橋剤を0.5重量部を混合した、感圧性粘着剤B
の溶液を調製した。上記で調整した感圧性粘着剤Bの溶
液を、離型処理されたフィルム上に塗布し、80℃で1
0分間加熱架橋して、厚さ30μmの感圧型粘着剤層
(B)を形成した。
【0044】実施例1 最外層となる厚さ50μmのポリエチレンテレフタレー
トフィルム(PET、弾性率:0.9GPa、Ra=
0.2μm(粘着剤層側))に厚さ30μmの感圧型粘
着剤層(B)を貼付け、その上に厚さ100μmのエチ
レン−酢酸ビニル系フィルム(EVA、弾性率:0.0
5GPa、Ra=0.5μm(両面))を貼り合せた。
さらにその上に第1粘着剤層となる厚さ30μmの紫外
線硬化型粘着剤層(A)を貼り合せて4層構造の保護シ
ートを作製した。
【0045】実施例2 実施例1に記載のEVAフィルムの代わりに、厚さ10
0μmのポリエチレンフィルム(PE、弾性率:0.0
7GPa、Ra=0.5μm(両面))を用いた以外は
実施例1と同様の方法により4層構造の保護シートを作
製した。
【0046】比較例1 実施例1に記載のEVAフィルムの感圧型粘着剤層
(B)側の表面に粗面化処理を行わなかった(Ra=
0.01μm)以外は実施例1と同様の方法により4層
構造の保護シートを作製した。
【0047】比較例2 実施例2に記載のPEフィルムの感圧型粘着剤層(B)
側の表面に粗面化処理を行わなかった(Ra=0.01
μm)以外は実施例2と同様の方法により4層構造の保
護シートを作製した。
【0048】実施例および比較例で得られた保護シート
の紫外線硬化型粘着剤層(A)を8インチシリコンミラ
ーウエハ(厚み750μm)に貼り合わせディスコ製バ
ックグラインダーDFG840にてウエハの厚みが50
μmになるまで研削した。その後、ウエハの反り(m
m)、剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0049】(ウエハの反り)平板上に半導体ウエハ加
工用保護シートを貼り付けた状態のウエハを保護シート
が上側になるように置き、平板上から最も浮いているウ
エハ端部の高さ(mm)を測定した。
【0050】(剥離性) 剥離装置:PM8500(日東電工製)にて保護シート
の剥離可否を確認した。保護シートの剥離前には紫外線
を照射し粘着剤層(A)を硬化させ粘着剤層の粘着力を
低下させた。
【0051】
【表1】 実施例1及び2の保護シートでは、剥離前には紫外線照
射による粘着剤層(A)の粘着力の低下により、ウエハ
から保護フィルムを容易に剥離することができた。一
方、比較例1及び2の保護シートでは、反りの値は実施
例1及び2と同じで補強材料としての効果はあるもの
の、剥離時においては基材フィルムと粘着剤層の間で最
初に剥離が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体ウエハ加工用保護シートの断面
図の一態様である。
【符号の説明】
1:第1基材フィルム 2:第1粘着剤層 3:第2粘着剤層 4:第2基材フィルム 5:セパレータ a:粗面化面a b:粗面化面b c:粗面化面c
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA01 AA05 AA10 AA14 AA17 AB01 AB05 AB06 AB07 CA03 CA04 CA06 CA07 CC03 DB02 FA04 FA05 FA08 4J040 CA001 DF001 DF041 DF051 DF061 EF181 FA141 FA291 JA09 JB07 JB08 JB09 LA06 NA20 PA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1基材フィルムの片面にウエハ貼付用
    の第1粘着剤層が積層されており、第1基材フィルムの
    他の片面には基材フィルムが粘着剤層を介して少なくと
    も1層以上積層されており、且つ、すべての基材フィル
    ムの引張り弾性率が10MPa以上であり、さらに粘着
    剤層と接しているすべての基材フィルム表面の平均粗さ
    Raが0.05μm以上であることを特徴とする半導体
    ウエハ加工用保護シート。
  2. 【請求項2】 第1粘着剤層が、放射線又は熱によって
    剥離が容易になるように調整されている粘着剤層である
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハ加工用
    保護シート。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の半導体ウエハ加
    工用保護シートを、第1粘着剤層を介してウエハに貼り
    付け、加工を施した後に、前記半導体ウエハ加工用保護
    シートを剥離するにあたり、放射線又は熱によって第1
    粘着剤層に剥離処理をほどこした後に剥離することを特
    徴とする半導体ウエハ加工用保護シートの使用方法。
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