JP4954572B2 - 半導体ウエハ加工用保護シート、及びそれを用いた半導体ウエハの加工方法 - Google Patents

半導体ウエハ加工用保護シート、及びそれを用いた半導体ウエハの加工方法 Download PDF

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本発明は、半導体の製造工程に於ける半導体ウエハ裏面の研削工程に於いて、半導体ウエハ表面を保護するために半導体ウエハに貼合せて用いる半導体ウエハ加工用保護シートに関する。また当該半導体ウエハ加工用保護シートを用いた半導体ウエハの加工方法に関する。
半導体ウエハの製造工程に於いて、通常、パターンを形成した半導体ウエハの裏面には、所定の厚さまで半導体ウエハをバックグラインダー等の研削装置で研削するバックグラインド工程が一般的に施される。その際、半導体ウエハを保護する目的等で半導体ウエハ表面には半導体ウエハ加工用保護シートを貼り合わせて、一般的に研削が行われる。
しかし、半導体ウエハの表面を粘着シートで保護した状態で裏面を研削した場合、研削された半導体ウエハに反りが生じるという問題がある。半導体ウエハは直径8インチ、12インチに大型化されており、またICカード用途等では薄型化が要求された結果、研削後の半導体ウエハに反りが生じやすく、反りを解消することが大きな問題になっている。
この様な問題に対して、現在では大口径の半導体ウエハや薄型研削用の保護シートとして、機械的強度の大きい基材フィルム上に、粘着剤層を複数積層した多層構造のものを用いる場合がある(例えば、下記特許文献1)。この様な多層構造の保護シートであれば、大型で、かつ薄型の半導体ウエハの場合にも、反りの発生を抑制し、かつ、保護シートの貼合せ、剥離といった作業性も両立することができる。
しかし、前記構成の保護シートの場合、基材フィルム上に設けられた粘着剤層の構成成分が少なからず貼着面側の粘着剤層に移行する。貼着面側の粘着剤層は半導体ウエハに接している為、保護シートを半導体ウエハから剥離しても、該半導体ウエハに前記成分が汚染成分として残留するという問題がある。この現象は、その後のワイヤーボンディング工程や封止工程での接着不良の原因となる為、半導体ウエハ等への汚染はできる限り低減させる必要がある。
特開2003−151940号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体ウエハの裏面を研削する際に、パターン形成された半導体ウエハ表面を汚染させることなく保護することが可能な半導体ウエハ加工用保護シート及びそれを用いた半導体ウエハの加工方法を提供することにある。
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、半導体ウエハ加工用保護シート、及びそれを用いた半導体ウエハの加工方法について鋭意検討した。その結果、下記構成を採用することにより前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明に係る半導体ウエハ加工用保護シートは、前記の課題を解決する為に、半導体ウエハの裏面を薄型加工する際に、パターン形成された半導体ウエハ表面を保護するために用いる半導体ウエハ加工用保護シートであって、基材上に、第1粘着剤層及び第2粘着剤層が順次積層された構造を有し、前記第1粘着剤層と第2粘着剤層との間には、第1粘着剤層の低分子量成分が第2粘着剤層に移行するのを防止する移行防止層が設けられており、前記基材が一層または多層からなり、当該基材の少なくとも一層は、23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上であることを特徴とする。
前記構成によれば、第1粘着剤層と第2粘着剤層との間に移行防止層を設けることにより、第1粘着剤層から第2粘着剤層に低分子量成分が移行するのを防止する。これにより、構成成分が第2粘着剤層を通過して半導体ウエハ表面に到達するのを低減することができ、その結果、半導体ウエハ表面の汚染を低減することができる。
また基材に関し、単層の場合は該基材の引張り弾性率が0.6GPa以上であり、複数層の場合は少なくとも一層の引張り弾性率が0.6GPa以上である構成とする。これにより、半導体ウエハの反りを抑制することができる。尚、前記引張り弾性率は、幅10mm、厚み10μm〜100μmの短冊状のものを23℃に於いて1分間に100%の割合で引張ったときに得られるS−S(Strain−Strength)曲線から求まる初期弾性率を意味する。
前記構成に於いては、前記移行防止層の厚みt(mm)と引張り弾性率E(MPa)とが、E×t≦5000の関係を満たすことが好ましい。
移行防止層に於けるE×tを5000以下にすることにより、半導体ウエハ加工用保護シートの曲げ剛性が過度に大きくなり過ぎるのを抑制する。その結果、半導体ウェハを破損させることなく、半導体ウエハ加工用保護シートの貼り合わせ及び剥離が容易となり、作業性の向上を図ることができる。
また、本発明に係る半導体ウエハの加工方法は、前記の課題を解決する為に、前記に記載の半導体ウエハ加工用保護シートを、半導体ウエハの表面に貼付した状態で、半導体ウエハの裏面を薄型加工し、前記薄型加工は、前記半導体ウエハの直径をa(m)、研削後の半導体ウエハの厚みをb(m)としたとき、b/a(−)の値が少なくとも1.1×10−3以下になるまで行うことを特徴とする。
前記方法は、前記に記載の半導体ウエハ加工用保護シートを使用するので、前記b/a(−)の値が1.1×10−3以下になるまで薄型加工を行っても、薄型加工後の半導体ウエハに反りが発生するのを抑制し、かつ、半導体ウエハ表面の汚染も防止することができる。
本発明は、前記に説明した手段により、以下に述べるような効果を奏する。
即ち、本発明は、第1粘着剤層と第2粘着剤層との間に、第1粘着剤層に於ける低分子量成分が第2粘着剤層に移行するのを防止する移行防止層を備える。これにより、構成成分が第2粘着剤層を通過して半導体ウエハ表面を汚染するのを最小限に抑制することができる。
本発明の実施の形態について、図1を参照しながら以下に説明する。図1は、本実施の形態に係る半導体ウエハ加工用保護シート(以下、保護シートと言う)の概略を示す断面模式図である。
図1に示すように、保護シート10は、基材11上に第1粘着剤層12、移行防止層13及び第2粘着剤層14が順次積層された構造を有する。保護シート10は、半導体ウエハの裏面を薄型加工する際に、パターン形成された半導体ウエハ表面を保護するために用いる。保護シート10は、これを巻回してテープ状にしたり、ラベル状にする等あらゆる形状を取り得る。また、必要に応じて、第2粘着剤層14上にはセパレーターを設けてもよい。
前記基材11の少なくとも一層は、23℃に於ける引張り弾性率が0.6GPa以上である。これにより、基材の剛性を一定程度に維持することができ、半導体ウエハの反りを抑制することができる。基材11の引張り弾性率は、研削後に於けるウエハの反りを抑える点からは、0.6GPa以上、更には1GPa以上であるのが好ましい。尚、基材11の引張り弾性率は、大きすぎると半導体ウエハから保護シート10を剥離する際に不具合の原因となる。この為、引張り弾性率は10GPa以下であるのが好ましい。
基材11の材料としては、半導体ウエハ加工用保護シートに使用される各種の材料を特に制限なく使用することができる。その材料としては、低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの架橋体等のポリマーが挙げられる。これら材料は必要に応じて数種をブレンドしたものを用いることができる。
これら他の基材11は、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。前記基材11は一層又は多層のいずれでもよい。基材11が多層の場合は、前記材料に加えて、アクリル系ポリマーやアクリル系とウレタン系の混合物から得られるフィルムを組み合わせることができる。またその表面には、必要に応じてマット処理、コロナ放電処理、プライマー処理、架橋処理(化学架橋(シラン))等の慣用の物理的又は化学的処理を施すことができる。
前記基材11は一層又は多層のいずれでもよいが、基材11の少なくとも一層は、前記引張り弾性率が0.6GPa以上のものを使用する。前記引張り弾性率が0.6GPa以上のものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルム;2軸延伸ポリプロピレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリイミドフィルム;延伸ポリアミドフィルム;ポリエーテルエーテルケトンフィルム;ポリスチレンフィルム等のスチレン系ポリマーフィルム等が挙げられる。
基材11の厚み(多層の場合は総厚み)は大きいほど、極薄の半導体ウエハに剛性を付与する点で有効である。しかし、該厚みが大きすぎると、半導体ウエハから保護シート10を剥離する際に、該半導体ウエハを破損する等の不具合の原因となる。この為、基材11の厚みは20μm〜300μm、好ましくは50〜100μm程度である。
第1粘着剤層12を構成する粘着剤としては、例えば、アクリルウレタン、PE(ポリエチレン)樹脂、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)樹脂等を使用することができる。また、第1粘着剤層12は、第2粘着剤層14と同様の材料で構成することも可能である。
第1粘着剤層12の引張り弾性率としては特に限定されないが、半導体ウェハの反り防止の点を考慮すると、0.1〜20MPaの範囲内であることが好ましい。
第1粘着剤層12の厚さは特に限定されず、適宜必要に応じて設定し得るが、一般には25〜300μm、好ましくは50〜200μm、更に好ましくは75〜125μm程度である。
前記移行防止層13は、例えば第1粘着剤層12に於ける可塑剤、未架橋剤等の低分子量の構成成分が第2粘着剤層14に移行するのを防止する機能を有する。また、移行防止層13を設けることにより、例えば第1粘着剤層12と第2粘着剤層14との密着性を向上させたり、半導体ウエハに於けるパターン面の保護性を向上させることもできる。
前記移行防止層13としては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系フィルムや、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリマービニルアルコール、ポリエステル又は塩化ビニリデン等が例示できる。
移行防止層13の厚みは特に限定されないが、その引張り弾性率との関係を考慮して設定するのが好ましい。即ち、移行防止層13の厚みをt(mm)とし、移行防止層13の引張り弾性率をE(MPa)とすると、Etが5000以下であることが好ましい。移行防止層13の曲げ剛性は曲げ方向に於ける曲げ応力により定量的に示すことができるが、その曲げ応力はEtに比例する。移行防止層13の曲げ剛性を抑制することにより保護シート10の曲げ剛性を抑制し、その結果、半導体ウエハへの貼り合わせ、及び剥離の際の作業性を向上させることができる。
移行防止層13の厚みt(mm)は、0.1〜25μmの範囲内であることが好ましく、1〜10μmの範囲内であることがより好ましい。また、移行防止層13の引張り弾性率E(MPa)は、100〜10000MPaの範囲内であることが好ましく、500〜2000MPaの範囲内であることがより好ましい。
第2粘着剤層14を構成する粘着剤としては、一般的に使用されている感圧性粘着剤を使用できる。具体的には、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリビニルエーテル等の各種粘着剤が挙げられる。なかでも、半導体ウエハへの接着性、剥離後の半導体ウエハの超純水やアルコール等の有機溶剤による洗浄性等の点から、(メタ)アクリル系ポリマーをベースポリマーとする(メタ)アクリル系粘着剤が好ましい。なお、(メタ)アクリル系ポリマーとはアクリル系ポリマー及び/又はメタクリル系ポリマーをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。
前記(メタ)アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等の炭素数1〜30のアルキル基、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステル等)及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等)の1種又は2種以上を単量体成分として用いた(メタ)アクリル系ポリマー等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは凝集力、接着性、耐熱性等の改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又はシクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。この様なモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の30重量%以下が好ましく、更に好ましくは15重量%以下である。
更に、前記(メタ)アクリル系ポリマーは、架橋させるため、多官能性モノマー等も必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。ベースポリマーを架橋させることにより、第2粘着剤層14の自己保持性が向上するので保護シート10の大幅な変形を防止でき、保護シート10をフラットな状態に維持するのが容易になる。
多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
前記(メタ)アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合することにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合、光重合等の何れの方式で行うこともできる。特に、紫外線や電子線等のエネルギー線を照射して重合する場合には、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーにモノマー成分と光重合開始剤とを配合して得られる液状組成物をキャストして光重合させることにより(メタ)アクリル系ポリマーを合成することが好ましい。
前記ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、数平均分子量が500〜10万程度、好ましくは1000〜3万のものであり、かつエステル・ジオールを主骨格とする2官能化合物である。また、モノマー成分としては、モルホリン(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロデカトリエン(メタ)アクリレート等が挙げられる。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーとモノマー成分との混合比は、オリゴマー:モノマー成分=95〜5:5〜95(重量%)であることが好ましく、更に好ましくは50〜70:50〜30(重量%)である。ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーの含有量が多いと液状組成物の粘度が高くなって重合が困難となる傾向にある。
第2粘着剤層14は半導体ウエハ等の汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいのが好ましい。この点から、(メタ)アクリル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以上、更に好ましくは40万〜300万程度である。
また、前記粘着剤には、ベースポリマーである(メタ)アクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるため、外部架橋剤を適宜に採用することもできる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤等のいわゆる架橋剤を添加し反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、更には、粘着剤としての使用用途によって適宜設定される。一般的には、前記ベースポリマー100重量部に対して、1〜5重量部程度配合するのが好ましい。更に、粘着剤には、必要により前記成分の他に従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤等の添加剤を用いてもよい。
また、前記粘着剤としては、エネルギー線硬化型粘着剤を使用できる。この粘着剤を使用することにより、半導体ウエハからの剥離が容易となり、剥離の際に半導体ウエハの破損を防止できる。
前記エネルギー線硬化型粘着剤は炭素−炭素二重結合等のエネルギー線硬化性の官能基を有し、かつ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。エネルギー線硬化型粘着剤としては、エネルギー線(特に紫外線)照射によって粘着力が低下するものが望ましい。かかる第2粘着剤層14によれば、バックグラインド(研削)工程後又はダイシング工程後に紫外線照射によって、保護シート10の剥離を容易に行うことができる。
エネルギー線硬化型粘着剤としては、例えば一般的な粘着剤に、エネルギー線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型のエネルギー線硬化型粘着剤を例示できる。一般的な粘着剤としては、前記(メタ)アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の感圧性粘着剤と同様のものが挙げられる。
配合するエネルギー線硬化性のモノマー成分としては、例えばウレタンオリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。またエネルギー線硬化性のオリゴマー成分はウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系等種々のオリゴマーがあげられ、その分子量が100〜30000程度の範囲のものが適当である。エネルギー線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分の配合量は、粘着剤を構成する(メタ)アクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば5〜500重量部、好ましくは40〜150重量部程度である。
また、エネルギー線硬化性の粘着剤としては、前記説明した添加型のエネルギー線硬化型粘着剤のほかに、ベースポリマーとして、炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型のエネルギー線硬化型粘着剤が挙げられる。内在型のエネルギー線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、或いは多くを含まない為、経時的にオリゴマー成分等が粘着剤中を移動することがない。これにより、安定した層構造の第2粘着剤層14を形成することができる。
前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素−炭素二重結合を有し、かつ粘着性を有するものを特に制限なく使用できる。この様なベースポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。(メタ)アクリル系ポリマーの基本骨格としては、前記例示した(メタ)アクリル系ポリマーが挙げられる。
前記(メタ)アクリル系ポリマーに於けるポリマー側鎖に炭素−炭素二重結合を導入すると、分子設計が容易となる。炭素−炭素二重結合の導入法は特に制限されず、様々な方法を採用できる。例えば、予め、(メタ)アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応しうる官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合のエネルギー線硬化性を維持したまま縮合又は付加反応させる方法が挙げられる。
これら官能基の組合せの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基等が挙げられる。これら官能基の組合せのなかでも反応追跡の容易さの観点から、ヒドロキシル基とイソシアネート基との組合せが好適である。また、これら官能基の組み合わせにより、前記炭素−炭素二重結合を有する(メタ)アクリル系ポリマーを生成するような組合せであれば、官能基は(メタ)アクリル系ポリマーと前記化合物のいずれの側にあってもよいが、前記の好ましい組み合わせでは、(メタ)アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記化合物がイソシアネート基を有する場合が好適である。この場合、炭素−炭素二重結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシ基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、又はジエチレングルコールモノビニルエーテル等のエーテル系化合物を共重合したものが挙げられる。
前記内在型のエネルギー線硬化型粘着剤としては、前記炭素−炭素二重結合を有するベースポリマー(特に(メタ)アクリル系ポリマー)を単独で使用することができる。また、特性を悪化させない程度に前記エネルギー線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合することもできる。エネルギー線硬化性のオリゴマー成分等の配合量は、通常ベースポリマー100重量部に対して30重量部以下であり、好ましくは10重量部以下である。
前記エネルギー線硬化型粘着剤には、紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフエノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1―プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成する(メタ)アクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、1〜10重量部程度であり、好ましくは3〜5重量部である。
第2粘着剤層14の引張り弾性率は、例えば0.1〜3MPa程度である。また、第2粘着剤層14の接着力は、使用目的等に応じて適宜設定できるが、一般には、半導体ウエハに対する密着維持性や半導体ウエハからの剥離性等の点から、ウエハミラー面に対する接着力(常温、180°ピール値、剥離速度300mm/分)が、例えば4.9N/20mm以上、放射線照射後のウエハミラー面に対する接着力が、例えば0.392N/20mm以下であるのが好ましい。
第2粘着剤層14の厚さは特に限定されず、適宜必要に応じて設定し得るが、一般には1〜300μm、好ましくは3〜200μm、更に好ましくは5〜100μm程度である。
本実施の形態に係る保護シート10は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、基材11上に、第1粘着剤層12、移行防止層13、及び第2粘着剤層14を順次積層する方法が挙げられる。この場合、各層は、所定の材料組成物からなるコーティング液を塗布して乾燥させるなどして形成することができる。また、各層は、適当なセパレーター(剥離紙等)上に、前記コーティング液を塗布して乾燥した後、前記基材11上に転写(移着)することにより製造することもできる。また、移行防止層13については、予め溶融押出機などを用いてシート状に形成したものを用いてもよい。この場合、更に、同時二軸延伸又は逐次二軸延伸など行うことにより、所定の延伸倍率に延伸してもよい。
本発明の保護シート10は、常法に従って、半導体ウエハの裏面を薄型加工する際に、半導体ウエハ表面を保護するために用いられる。半導体ウエハ表面のパターン面への保護シート10の貼り付けは、例えば、自動貼付装置等を用いた従来公知の方法により行うことができる。また、テーブル上にパターン面が上側になる様に半導体ウエハを載置し、その上に保護シート10の第2粘着剤層14をパターン面に重ね、圧着ロール等の押圧手段により、押圧しながら貼り付けてもよい。また、加圧可能な容器(例えばオートクレーブ等)中で、半導体ウエハと保護シート10を前記のように重ね、容器内を加圧することにより半導体ウエハに貼り付けることも出きる。この際、押圧手段により押圧しながら貼り付けてもよい。また、真空チャンバー内で、前記と同様に貼り付けることもできる。貼付け方法はこれら限定されるものではなく、貼り付けの際に、加熱することもできる。
半導体ウエハの裏面の薄型加工をする工程としては、研削工程、研磨工程(CMP)又はエッチング工程といった機械的又は化学的方法等の従来公知の種々の方法が例示できる。例えば、半導体ウエハの位置を上下反転し、支持ウエハをチャッキングして半導体ウエハの裏面の薄型加工を行う。この様な薄型加工に用いる薄型加工機としては特に限定されず、研削機(バックグラインダー)、CMPパッド等が例示できる。薄型加工は、半導体ウエハが所望の厚さになるまで行われる。半導体ウエハの直径をa(m)とし、研削後の半導体ウエハの厚みをb(m)としたとき、b/aの値が少なくとも1.1×10−3(27(μm/インチ))以下になるまで薄型化が可能である。従って、研削時に特に逆反りが発生し易い大型ウエハ(例えば、直径8インチ又は12インチ)や、薄型ウエハ(例えば、ICカード用のウエハ等)に対して、本発明に係る保護シート10は極めて有用である。
尚、半導体ウエハとは、半導体素子が形成された基板を意味する。半導体ウエハの原料としては、例えばシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、又はガリウムヒ素(GaAs)等が挙げられる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。また各例中、部及び%は特記がない限りいずれも重量基準である。
(実施例1)
アクリル系モノマーとして、アクリル酸t−ブチル50.0部、アクリル酸30.0部及びアクリル酸ブチル20.0部と、光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「イルガキュア2959」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.1部と、ポリオールとして、ポリオキシテトラメテレンゲリコール(分子量650、三菱化学(株)製)73.4部と、ウレタン反応触媒として、ジブチルすずジラウレート0.05部とを容器に投入した。更に、撹拌しながらキシリレンジイソシアネート26.6部を滴下し、65℃で2時間反応させて、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物を得た。尚、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.25であった。
ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物を、厚さ75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(PET#75、基材)上に塗布した。更に、高圧水銀ランプを用いて紫外線(照度163mW/cm、光量2100mJ/cm)を照射して硬化させ、厚みが100μmの第1粘着剤層を有する複合フィルムを形成した。
次に、アクリル酸ブチル90重量部、アクリル酸エチル10重量部、及びアクリル酸3重量部からなる配合組成物を酢酸エチル中で共重合させて、数平均分子量30万のアクリル系共重合物を含む重合組成物を調製した。この重合組成物にポリイソシアネート化合物3重量部を混合したものをセパレーター上に塗布して乾燥し、厚さ30μmの第2粘着剤層を形成した。
続いて、前記第2粘着剤層上に、厚さ2μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(移行防止層)を貼合せた。
更に、前記2軸延伸PETフィルム上に、第1粘着剤層が貼り合わせ面となる様に複合フィルムを貼り合わせて、本実施例に係る保護シートを作成した。
保護シートからセパレーターを剥離して、第2粘着剤層が貼り合わせ面となる様にシリコンウエハ(直径8インチ、厚さ0.65m)の表面に貼り合わせた。その後、シリコンウエハの裏面を後述の条件下で研削した。貼り合わせてから30分経過後、保護シートをシリコンウエハから剥離して、該シリコンウエハの貼り合わせ面の汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
(実施例2)
本実施例に於いては、移行防止層として厚さ40μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして本実施例に係る保護シートを作成した。更に、実施例1と同様にしてシリコンウエハに貼り合わせ、該シリコンウエハの裏面を研削し、所定時間後に剥離した後、汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
(実施例3)
本実施例に於いては、移行防止層として厚さ30μmのポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様にして本実施例に係る保護シートを作成した。更に、実施例1と同様にしてシリコンウエハに貼り合わせ、該シリコンウエハの裏面を研削し、所定時間後に剥離した後、汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
(比較例1)
アクリル系モノマーとして、アクリル酸t−ブチル50.0部、アクリル酸30.0部及びアクリル酸ブチル20.0部と、光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名「イルガキュア2959」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.1部と、ポリオールとして、ポリオキシデトラメテレンゲリコール(数平均分子量650、三菱化学(株)製)73.4部と、ウレタン反応触媒として、ジブチルすずジラウレート0.05部とを容器に投入した。更に、撹拌しながらキシリレンジイソシアネート26.6部を滴下し、65℃で2時間反応させて、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物を得た。尚、ポリイソシアネート成分とポリオール成分の使用量は、NCO/OH(当量比)=1.25であった。
次に、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物を、厚さ75μmのPETフィルム(基材)上に塗布した。更に、高圧水銀ランプを用いて紫外線(照度163mW/cm、光量2100mJ/cm)を照射して硬化させ、厚さ100μmの第1粘着剤層を有する複合フィルムを形成した。
続いて、アクリル酸ブチル90重量部、アクリル酸エチル10重量部、及びアクリル酸3重量部からなる配合組成物を酢酸エチル中で共重合させて、数平均分子量30万のアクリル系共重合物を含む重合組成物を得た。この重合組成物にポリイソシアネート化合物3重量部を混合しものをセパレーター上に塗布して乾燥し、厚さ30μmの第2粘着剤層を形成した。
続いて、前記第2粘着剤層に、第1粘着剤層が貼り合わせ面となる様に複合フィルムを貼り合わせて、本比較例に係る保護シートを作成した。更に、実施例1と同様にしてシリコンウエハに貼り合わせ、該シリコンウエハの裏面を研削し、所定時間後に剥離した後、汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
(参考例1)
前記比較例1と同様にしてウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物を調製した後、これを厚さ75μmのPETフィルム上に塗布して乾燥し、厚さ100μmの第1粘着剤層を有する複合フィルムを形成した。
次に、前記比較例1と同様にしてセパレーター上に厚さ30μmの第2粘着剤層を形成した。更に、第2粘着剤層上に、厚さ25μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを貼合せた。
続いて、前記2軸延伸PETフィルム上に、第1粘着剤層が貼り合わせ面となる様に複合フィルムを貼り合わせて、本比較例に係る保護シートを作成した。更に、実施例1と同様にしてシリコンウエハに貼り合わせ、該シリコンウエハの裏面を研削し、所定時間後に剥離した後、汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
(参考例2)
本参考例に於いては、移行防止層として厚さ80μmのポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、参考例1と同様にして本比較例に係る保護シートを作成した。更に、実施例1と同様にしてシリコンウエハに貼り合わせ、該シリコンウエハの裏面を研削し、所定時間後に剥離した後、汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
(参考例3)
本参考例に於いては、移行防止層として厚さ40μmのポリエチレンフィルムを用いたこと以外は、参考例1と同様にして本比較例に係る保護シートを作成した。更に、実施例1と同様にしてシリコンウエハに貼り合わせ、該シリコンウエハの裏面を研削し、所定時間後に剥離した後、汚染量(ΔC)、剥離性、粘着力、半導体ウェハの反り量についてそれぞれ評価した。
[数平均分子量の測定]
合成したアクリル系共重合物の数平均分子量は以下の方法で測定した。アクリル系共重合物をTHFに0.1wt%で溶解させて、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いてポリスチレン換算により数平均分子量を測定した。詳細な測定条件は以下の通りである。
GPC装置:東ソー製、HLC−8120GPC
カラム:東ソー製、(GMHHR−H)+(GMHHR−H)+(G2000HHR
流量:0.8ml/min
濃度:0.1wt%
注入量:100μl
カラム温度:40℃
溶離液:THF
[引張り弾性率の測定方法]
基材、第1粘着剤層、移行防止層、及び第2粘着剤層の各引張り弾性率は以下のようにして測定した。即ち、厚み10μm〜100μmの各サンプルを幅10mmの短冊状に切断し、23℃において各短冊状の部分1cmを1分間に50mmの速さで引張り、得られたS−S曲線の初期弾性率を引張り弾性率とした。結果を下記表1に示す。
[汚染性]
実施例及び比較例で得られた保護シートをそれぞれシリコンウエハに貼合せ、30分経過後に該保護シートを剥離した。更に、シリコンウエハの貼り合わせ面に於ける炭素原子の量をX線光電子分析法(XPS)にて測定した。結果を下記表1に示す。
[剥離性]
シリコンウエハ裏面の研削は、バックグラインダー(ディスコ:dfg−8650)を用いて行った。研削後のシリコンウエハの厚さは50μmとした。また、保護シートの剥離は、保護シート剥離機、(日東電工:PM−850)を用いて行った。保護シートを剥離した際のシリコンウエハの損傷を表1に示す。同表では、剥離の際にウエハ割れが生じなかった場合を○とし、ウエハ割れが生じた場合を×とした。
[粘着力]
実施例及び比較例で得られた保護シートの粘着力は、それぞれをシリコンウエハに30分間貼合せた後の引き剥がし粘着力を測定した。測定条件は、測定機器としてテンシロンを用い、180°ピール、引張速度300mm/minに行った。
[シリコンウェハの反り量]
バックグラインド後のシリコンウェハの反りの量は、研削後のシリコンウェハを保護シートを貼り付けた状態で測定した。即ち、シリコンウェハを保護シートが下側になる様に平板上に載置し、平板上から最も浮いている保護シートの端部の高さ、即ち反り量を測定した。結果を下記表1に示す。
(結果)
表1から分かるように、第1粘着剤層と第2粘着剤層との間に移行防止層を設けた各実施例に於いては、シリコンウエハに対する炭素の汚染量が何れも20以下となった。尚、シリコンウエハ表面に対する炭素汚染量は20以下であることが好ましいとされている。また、Etが5000以下の場合には、保護シートの剥離の際にシリコンウエハに割れが生じず、剥離性も優れていることが確認された。
Figure 0004954572
本発明の実施の一形態に係る半導体ウエハ加工用保護シートを示す断面模式図である。
符号の説明
10 半導体ウエハ加工用保護シート
11 基材
12 第1粘着剤層
13 移行防止層
14 第2粘着剤層

Claims (2)

  1. 半導体ウエハの裏面を薄型加工する際に、パターン形成された半導体ウエハ表面を保護するために用いる半導体ウエハ加工用保護シートであって、
    基材上に、第1粘着剤層及び第2粘着剤層が順次積層された構造を有し、
    前記第1粘着剤層と第2粘着剤層との間には、第1粘着剤層の低分子量成分が第2粘着剤層に移行するのを防止する移行防止層が設けられており、
    前記基材が一層または多層からなり、当該基材の少なくとも一層は、23℃における引張り弾性率が0.6GPa以上であり、
    前記第1粘着剤層を構成する粘着剤が、ウレタンポリマー−アクリル系モノマー混合物を紫外線照射して硬化させたアクリルウレタン、ポリエチレン樹脂、及び、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする半導体ウエハ加工用保護シート。
  2. 請求項1に記載の半導体ウエハ加工用保護シートを、半導体ウエハの表面に貼付した状態で、半導体ウエハの裏面を薄型加工し、
    前記薄型加工は、前記半導体ウエハの直径をa(m)、研削後の半導体ウエハの厚みをb(m)としたとき、b/aの値が少なくとも1.1×10−3以下になるまで行うことを特徴とする半導体ウエハの加工方法。
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