JP6053909B2 - 半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよびその製造方法 - Google Patents

半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよびその製造方法ならびに半導体ウエハの加工方法に関する。さらに詳しくは、半導体ウエハを薄膜に研削等する際に使用される半導体ウエハの表面保護用粘着テープおよびその製造方法ならびに半導体ウエハの加工方法に関する。
半導体パッケージは、高純度シリコン単結晶等をスライスして半導体ウエハとした後、イオン注入、エッチング等により当該ウエハ表面に集積回路を形成して製造される。集積回路が形成された半導体ウエハの裏面を研削、研磨等することにより、半導体ウエハは所望の厚さに加工される。この際、半導体ウエハ表面に形成された集積回路を保護するために、半導体ウエハ表面保護用粘着テープ(以下、単に「表面保護テープ」ともいう。)が用いられる。
裏面研削された半導体ウエハは、裏面研削が終了した後にウエハカセットに収納され、ダイシング工程へ運搬され、半導体チップに加工される。
従来は、裏面研削等により半導体ウエハの厚さを200〜400μm程度とすることが求められていた。しかし、近年の高密度実装技術の進歩に伴い、半導体チップを小型化する必要が生じ、それに伴い、半導体ウエハの薄膜化も進んでいる。半導体チップの種類によっては、半導体ウエハを100μm程度まで薄くすることが必要となっている。一方で、一度の加工によって製造できる半導体チップの数を多くするために、もとのウエハを大径化する傾向にある。これまでは直径が5インチや6インチのウエハが主流だったのに対し、近年では直径8〜12インチの半導体ウエハを半導体チップ化する加工が主流となっている。
半導体ウエハを薄膜化と同時に大径化する流れは、特に、NAND型やNOR型が存在するフラッシュメモリの分野や、揮発性メモリであるDRAMなどの分野で顕著である。例えば、直径12インチの半導体ウエハを150μm以下の厚さまで研削することも珍しくない。
これに加え、特に近年、スマートフォンの普及や携帯電話の性能向上および音楽プレーヤの小型化、かつ性能向上などに伴い、耐衝撃性などを考慮した電極付ウエハを用いたフリップチップ実装に用いるウエハについても薄膜化の要求が増えてきている。またバンプ付ウエハについてもウエハ部分を100μm以下の薄膜研削をする必要が出てきている。フリップチップ接続されるためのバンプは、転送速度向上のため高密度化されてきており、バンプの高さ(ウエハ表面からの突出高さ)が低くなってきており、それに伴ってバンプ間距離が短くなってきている。また近年ではDRAMにもフリップチップ接続が実施されてきているためウエハの薄膜化も加速している。
フリップチップ実装は、近年の電子機器の小型化、高密度化に対して半導体素子を最小の面積で実装できる方法として注目されてきた。このフリップチップ実装に使用される半導体素子の電極上にはバンプが形成されており、バンプと回路基板上の配線とを電気的に接合する。これらのバンプの組成としては、主に半田や金が使用されている。この半田バンプや金バンプは、蒸着やメッキで、チップの内部配線につながる露出したアルミ端子上などに形成する。
しかし、バンプ付ウエハは、その表面に大きな凹凸を有しているため薄膜加工が難しく、通常の粘着テープを用いて裏面研削を行うとウエハ割れが発生してしまったり、ウエハの厚み精度の悪化をおこしたりする。そのため、バンプ付ウエハの研削には、特別に設計された表面保護テープを用いて加工がされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらのテープではバンプを十分に吸収して研削性を確保しているため剥離性との両立が非常に難しい。これまでのフリップチップ実装されてきたチップの仕上げ厚みは200μm厚以上とある程度の厚みがあり、剛性を保てたため何とか剥離できてきた。しかし、最近ウエハ仕上げ厚みが、よりいっそう薄膜となり、バンプ密度も高くなってきているためテープは、剥離が容易にできないといった問題を引き起こしてしまっている。また逆に、剥離性を確保すると密着が不十分となり、裏面研削時に研削水の浸入や糊残りを引き起こしてしまっている。
一方、ウエハレベルパッケージに使用されるバンプ付ウエハのバンプ高さは依然高いままであり、高さ250μm以上のバンプも搭載されている。ウエハレベルパッケージではチップをスタックする必要がないためメモリ系ウエハのように50μm以下といった極薄研削されることがないが、高いバンプがついているため厚膜研削でも非常に割れやすく、150μm厚以下の研削厚で容易にウエハ割れの問題が発生する。
このようなウエハに対して専用の表面保護テープが提案されている(特許文献2,3参照)。
特開2001−203255号公報 特許第5242830号公報 特許第5117630号公報
しかしながら、従来の放射線硬化型の粘着テープでは、放射線硬化させると、バンプな
どの半導体ウエハ表面の凹凸に粘着剤が噛み込み、アンカー効果が強くなり、剥離しにく
くなることがあり、この場合、バンプ部の破損や、剥離後に半導体ウエハの表面に粘着剤
が残るという問題が発生していた。この問題は半導体の信頼性向上を目的としたバンプの
高バンプ化やバンプ間距離の狭ピッチ化に伴いより顕著となる。
また、粘着剤でバンプを完全に追従せずに加工する方法(特許文献3)は、剥離性は極めて良好な場合が多い。しかし、酸素介入による硬化阻害に起因する糊残りが発生し易く、更に研削時に割れが発生し、更にダスト侵入の問題が発生しやすいといった問題を依然として抱えている。
従って、本発明は、半導体ウエハ加工時には半導体ウエハに強固に密着するとともに、剥離時に、半導体ウエハの破損や糊残りすることなく剥離することができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよびその製造方法ならびにそれを用いた半導体ウエハの加工方法を提供することを課題とする。
上記課題に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行った結果、ウエハ表面に所定温度で加熱貼合される、少なくとも、基材フィルム、所定温度で溶融する中間樹脂層、及び粘着剤層の3層から構成され半導体ウエハ用粘着テープ構造とし、該中間樹脂層の厚みをバンプの高さ以上とし、基材フィルムの融点及び引張弾性率並びに中間樹脂層の融点及び曲げ弾性率を、それぞれ、特定の範囲に定めることにより、上記の従来の問題点を解決できることを見い出した。すなわち、高いバンプが付いている場合やバンプ間距離の狭ピッチ化の場合でも半導体ウエハ加工時には半導体ウエハに強固に密着するとともに、剥離時に、薄膜半導体ウエハを半導体ウエハの破損や糊残りすることなく剥離することができる半導体ウエハ表面保護用粘着テープ提供できることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、上記課題は以下の手段により達成された。
(1)ウエハ表面に20μm以上の凹凸を有するウエハに対して60℃以上の温度で加熱貼合される半導体ウエハ用粘着テープであって、
前記半導体ウエハ用粘着テープが、少なくとも、基材フィルム、中間樹脂層、表面の粘着剤層の3層から構成され、
前記基材フィルムが、ポリスチレン樹脂からなり、かつビガット軟化点が90℃を超え、曲げ弾性率1GPa〜10GPaであり、
前記中間樹脂層の厚みがバンプの高さ以上で、融点が50℃〜90℃の範囲であり、曲げ弾性率が1MPa〜100MPaであって、かつ
前記粘着剤層の粘着剤が溶剤系の粘着剤であることを特徴とする、
半導体ウエハ用粘着テープ。
(2)前記中間樹脂層がエチレン−アクリル酸メチルコポリマー樹脂、エチレン−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂のいずれかであることを特徴とする(1)に記載の半導体ウエハ用粘着テープ。
(3)ウエハ表面に20μm以上の凹凸を有するウエハに対して60℃以上の温度で加熱貼合される半導体ウエハ用粘着テープであって、
前記半導体ウエハ用粘着テープが、少なくとも、基材フィルム、中間樹脂層、表面の粘着剤層の3層から構成され、
前記基材フィルムが、ポリスチレン樹脂からなり、かつビガット軟化点が90℃を超え、曲げ弾性率1GPa〜10GPaであり、
前記中間樹脂層の厚みがバンプの高さ以上で、融点が50℃〜90℃の範囲であり、曲げ弾性率が1MPa〜100MPaであって、該中間樹脂層がエチレン−アクリル酸メチルコポリマー樹脂またはエチレン−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂のいずれかであることを特徴とする、
半導体ウエハ用粘着テープ。
(4)前記基材フィルムの厚みが25μm〜75μmであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の半導体ウエハ用粘着テープ。
(5)前記中間樹脂層の厚みが100μm〜280μmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の半導体ウエハ用粘着テープ。
(6)前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の半導体ウエハ用粘着テープの製造方法であって、
溶剤系の粘着剤を使用して粘着剤層を形成することを特徴とする半導体ウエハ用粘着テープの製造方法。
本明細書において、ウエハ表面に20μm以上の凹凸があるとは、半導体ウエハにそのような凹部または凸部があることをいう。凹凸の高さとは、最高部からウエハ表面までの距離または最低部からウエハ表面までの距離を言う。例えば、ウエハ上に金属電極(バンプ)が形成されている場合において、最高部とはバンプの頂上部であり、そこからウエハ表面までの距離を凹凸高さという。あるいは、ウエハにスクライブライン(ダイシングライン)が形成されている場合において、最低部とはスクライブラインの最も深い場所であり、そこからウエハ表面までの距離を凹凸の高さという。
本発明により、半導体ウエハ加工時には半導体ウエハに強固に密着することでシーページ等の発生が大幅に低減され、半導体ウエハの破損や糊残りすることなく剥離可能な半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよびその製造方法ならびに半導体ウエハの製造方法が提供できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
[半導体ウエハ表面保護用粘着テープ]
本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、基材フィルムの少なくとも片面に、放射線硬化型粘着剤層が形成されている。
ここで放射線硬化型粘着剤層は、放射線〔例えば、紫外線のような光線(レーザー光線も含む)、電子線などの電離性放射線など〕の照射で硬化する粘着剤層をいう。照射する放射線は紫外線が好ましい。
<基材フィルム>
本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープに適用される基材フィルムの融点は90℃より高くする。融点を、90℃を超えるものとすることにより、テープ貼合の工程でチャックテーブルへの融着を防いで、凹凸ウエハへの十分な貼合ができる。また、DDFを貼合する場合も、チャックテーブルへの融着を防いでDDFの貼合が可能となる。本発明の半導体ウエハ表面保護テープは、中間樹脂層に熱をかけることで中間樹脂層の流動性が向上し、凹凸ウエハに対して十分な密着性を確保するため、十分高い温度である60℃〜90℃の加熱条件で使用される。従って、基材フィルムの融点が90℃以下では基材フィルムの背面が溶けてしまいチャックテーブルと融着してしまう可能性が高い。基材フィルムが例えばスチレンのように非結晶性の樹脂の場合は、融点が存在しいためビガット軟化点が指標となる。ビカット軟化点を超えると基材背面に流動性が出るため、チャックテーブルのポーラス部に入り込む危険性が高くなる。
また、本発明に適用される基材フィルムの曲げ弾性率は1GPa〜10GPaが好ましく、より好ましくは2GPa〜5GPaである。基材フィルムの曲げ弾性率をこの範囲の曲げ弾性率にすることにより、ウエハ自体の反りに対する矯正力を発揮することができるため、ポリイミド膜が厚いウエハや絶縁膜が複層に形成されているためウエハの反りが大きいバンプウエハにおいても反り量を小さくできる。曲げ弾性率が1GPa未満であるとウエハの反りの矯正力が無くなり、バンプウエハの搬送エラーが発生してしまう。一方、基材フィルムの曲げ弾性率が10GPaを超えると、テープ剥離の際に剥離の力がウエハに加わってしまい、ウエハ割れを引き起こしてしまう。
基材フィルムは、樹脂フィルムからなるものが好ましく、基本的には上記の条件を満たす限り、この分野で通常用いられてきたプラスチック、ゴム等を用いることができる。例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体、またはこれらの混合物)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エンジニアリングプラスチック(ポリメチルメタクリレート等)、合成ゴム類(スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体)、熱可塑性エラストマー(ポリアミド−ポリオール共重合体等)、およびこれらの混合物が挙げられる。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。
基材フィルムは、ポリエステル系樹脂またはポリスチレン系樹脂からなるものがより好ましく、ゴム成分を配合したポリスチレン系樹脂が更に好ましい。
このため、本発明では、基材フィルムが、ポリスチレン樹脂からななるものを使用する。
基材フィルムの厚みは、ウエハの反りの矯正力とテープの剥離性のバランス、コストや製造適性などの面を考慮すると、25μm〜125μmが好ましく、50μm〜100μmが更に好ましい。50μm〜100μmの範囲ではバンプウエハを50μm以下の薄膜研削した場合においても搬送エラーが無く研削可能であり、テープ剥離も容易である。
<中間樹脂層>
本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープは、中間樹脂層を必須とする。テープを加熱貼合することにより中間樹脂層が溶融し、バンプに対して完全に追従する。さらに貼合後は冷却されるため、バンプを完全にホールドすることでダスト侵入等を防止することができる。本発明の中間樹脂層の融点は、好ましくは50℃〜90℃、より好ましくは60℃〜80℃の範囲である。表面保護テープを50℃以上で加熱貼合し、その際に中間樹脂層によってバンプを完全密着する必要があるため、この温度範囲で弾性率が急激に変化する必要がある。ウエハ研削時は通常の温度であり、この温度において樹脂が流動してしまうと研削の際の厚み精度が極端に悪化するため高弾性であることが好ましい。一方、貼合する際に凹凸に十分に追従させるためには低弾性である必要があることから、中間樹脂層には相反する性能が求められる。この相反する性能を実現するため、貼合される温度で極端に流動性の変化が起こる融点が含まれる必要がある。
中間樹脂層の融点が50℃未満である場合、基材フィルムとして成形することが困難であり、また厚み精度も悪化してしまう。一方、中間樹脂層の融点が90℃を超える場合、加熱貼合してもバンプに対して十分に追従しないため、ダスト侵入やウエハ割れ問題が発生してしまう。
更に本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープの中間樹脂層の曲げ弾性率は1MPa〜100MPaである。この範囲とすることによりウエハ貼合時にかかる応力を緩和しつつ、研削後の厚み精度を保つことができる。応力緩和が行われることでテープ自体の反りを抑制できる。中間樹脂層の曲げ弾性率が1MPa未満であると、基材としての厚み精度を維持したままの製膜が困難となってしまう。また、研削後のウエハの厚み精度も悪化する。一方、中間樹脂層の曲げ弾性率が100MPaを超えてしまうと、溶融しても弾性率変化が不十分であり、完全にバンプに密着しない場合が発生する。
中間樹脂層は、樹脂層もしくは樹脂フィルムであってもよい。樹脂層もしくは樹脂フィルムは、単なる樹脂層もしくは樹脂フィルムであり、粘着を目的とするものでないため、非粘着性が好ましい。非粘着性とは常温においてべたつきが無い状態をいう。
このような樹脂層もしくは樹脂フィルムは、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー等のα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物が挙げられる。これらの樹脂層もしくは樹脂フィルムを2層以上有してもよい。
中間樹脂層に使用する樹脂層もしくは樹脂フィルムは、バンプウエハに対しての密着性の点から、エチレン−アクリル酸メチルコポリマー樹脂、エチレン−アクリル酸エチルコポリマー樹脂、エチレン−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂が好ましく使用される。
エチレン−アクリル系コポリマー樹脂のコポリマー配合率は10質量%〜35質量%が好ましく、15質量%〜30質量%が更に好ましい。
製造適性の点から中間樹脂層は複層であることが好ましい。単層に比べてフィルム化が容易である。複層にした場合、基材フィルム側の層は低密度ポリエチレンであることが好ましく、押し出しにより複層の中間樹脂層の製膜の際に不良率を低下させることができ且つ安価に製造することができる。中間樹脂層が複層である場合の融点は、粘着剤層と接している層の融点を言う。
樹脂層もしくは樹脂フィルムの積層方法は、樹脂層もしくは樹脂フィルムの厚みの精度や、該樹脂層もしくは樹脂フィルムに欠陥に影響を及ぼさない範囲であれば、特に制限されるものではないが、例えば、共押出による製膜や接着剤による貼り合わせなどが挙げられる。
中間樹脂層の厚みはバンプの高さ以上が必要である。バンプの高さよりも低くなってしまうと、十分に密着しないためダスト侵入やウエハ割れが発生する。中間樹脂層の好ましい範囲はバンプの高さよりも10μm〜30μm厚い厚みである。30μm以上厚くなるとウエハの厚み精度が悪化する恐れがあり、また製造コストも増加する。また、バンプウエハのバンプ部分を製造する際、10μm程度の誤差が生じるため、平均バンプ高さに加えて10μmの厚みがあると余裕をもって完全追従することが可能となる。
<粘着剤層>
(粘着剤)
本発明の粘着テープにおいて粘着剤層に用いる粘着剤は、放射線照射(好ましくは紫外線)で硬化するものであれば特に制限はないが、放射線照射で重合反応することが可能な反応性の基を少なくとも1つ有するポリマー(以下、「放射線硬化性ポリマー」という。)を含むことが好ましい。
上記粘着剤は、放射線硬化性ポリマーを主成分とすることが好ましい。より具体的には、放射線硬化性ポリマーを50質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することがより好ましく、90質量%以上含有することがさらに好ましい。
上記の放射線照射で重合反応することが可能な反応性の基としては、エチレン性不飽和基、すなわち、炭素−炭素二重結合を有する基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基、(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリルロイルアミノ基などが挙げられる。
上記放射線硬化性ポリマーに特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル共重合体、ポリエステル、エチレンもしくはスチレン共重合体、ポリウレタンが挙げられる。
本発明では、(メタ)アクリル共重合体が好ましい。
上記放射線硬化性ポリマーの合成方法としては、例えば(a)エチレン性不飽和基を有するポリマーである場合、エチレン性不飽和基を有する化合物とポリマーとを反応させて、エチレン性不飽和基が導入されたポリマーを得る方法、(b)エチレン性不飽和基を有するオリゴマー〔例えば、架橋剤の一種であるウレタン(メタ)アクリルオリゴマー等〕を利用する方法、が簡便、かつ容易であり、好ましく、なかでも上記(a)の方法が好ましい。
上記(a)の方法では、エチレン性不飽和基を有する化合物として、当該エチレン性不飽和基と異なる反応性の基(反応性基αと称す)を有する構造の化合物を用い、エチレン性不飽和基が導入されるポリマーとしては、当該エチレン性不飽和基を有する化合物の反応性基αと反応する反応性基βを有する構造のポリマー(以下、「反応性基βを有するポリマー」という。)を用いて、反応性基αとβを反応させる。
このような反応性基α、βは、例えば、一方が、求核攻撃する基、他方が、求核攻撃を受ける基もしくは付加反応を受ける基とすることが好ましい。このような反応性基としては、例えば水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、環状の酸無水物を形成している基、ハロゲン原子、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基等が挙げられる。
ここで、反応性基αおよびβのいずれか一方が水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシ基である場合、他方の反応性基はエポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、環状の酸無水物を形成する基、ハロゲン原子、アルコキシもしくはアリールオキシカルボニル基とすることができる。
エチレン性不飽和基を有する化合物が有する反応性基αは、求核攻撃を受ける基又は付加反応を受ける基であること好ましく、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、環状の酸無水物を形成する基、ハロゲン原子、アルコキシ又はアリールオキシカルボニル基が好ましく、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、又は環状の酸無水物を形成する基がより好ましく、エポキシ基、オキセタニル基、又はイソシアネート基がさらに好ましく、イソシアネート基がさらに好ましい。
一方、エチレン性不飽和基が導入されるポリマーが有する反応性基βは、求核攻撃する基が好ましく、例えば、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又はカルボキシ基が好ましく、水酸基、アミノ基、又はメルカプト基がより好ましく、水酸基、アミノ基、又はカルボキシ基がさらに好ましく、水酸基、又はカルボキシ基がさらに好ましく、なかでも水酸基が好ましい。
エチレン性不飽和基と反応性基αを有する化合物、又は、反応性基βを有するポリマーの合成に用いる反応性基βを有するモノマーとしては、以下の化合物が挙げられる。
−反応性基がカルボキシ基である化合物−
(メタ)アクリル酸、桂皮酸、イタコン酸、フマル酸等
−反応性基が水酸基である化合物−
アルコール部に水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、グリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート〕、アミン部に水酸基を有するアルキルアミンのN−(ヒドロキシアルキル)アルキル(メタ)アクリルアミド〔例えば、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ビスメチロール(メタ)アクリルアミド〕、アリルアルコール等
−反応性基がアミノ基である化合物−
アルコール部にアミノ基を有するアミノアルキル(メタ)アクリレート〔例えば、2−(アルキルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、3−(アルキルアミノ)プロピル(メタ)アクリレート〕、(メタ)アクリルアミド等
−反応性基が環状の酸無水物である化合物−
無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸等
−反応性基がエポキシ基もしくはオキセタニル基である化合物−
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等
−反応性基がイソシアネート基である化合物−
(メタ)アクリロイルオキシアルキルイソシアネート〔例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネート〕、多価イソシアネート化合物のイソシアネート基の一部を、水酸基もしくはカルボキシ基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物でウレタン化したもの〔例えば、2〜10官能の(メタ)アクリルのウレタンアクリレートオリゴマー〕等
なお、上記のウレタンアクリレートオリゴマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール トリ(メタ)アクリレート等のアルコール部に水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、トルエンジイソシアナート、メチレンビスフェニルジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシアナート、メチレンビスシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネートや3官能以上のイソシアネートを反応させて得られる、イソシアネート基を少なくとも1つ有するオリゴマーが好ましい。また、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと多価イソシアネートに加えて、ポリオール化合物、ポリエーテルジオール化合物又はポリエステルジオール化合物を反応させて得られるオリゴマーでもよい。
−反応性基がハロゲン原子である化合物−
2、4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジン、2、4−ジクロロ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン等のハロゲン化トリアジン等
上記のエチレン性不飽和基と反応性基αを有する化合物としては、上記の反応性基がイソシアネート基である化合物が好ましく、一方、反応性基βを有するポリマーの合成に用いるモノマーとしては上記の反応性基がカルボキシ基である化合物または反応性基が水酸基である化合物が好ましく、反応性基が水酸基である化合物がより好ましい。
前記(b)の方法は、上記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを使用するもので(該オリゴマーは後述するように架橋剤の一種でもある)、(メタ)アクリル共重合体とウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーとを共存させて放射線硬化性の粘着剤層を構成することができる。(メタ)アクリル共重合体としては、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとを重合させて得られるものであることが好ましい。(メタ)アクリル共重合体を構成する(メタ)アクリル酸エステル成分の好ましい形態は、後述する反応性基βを有するポリマーにおける共重合成分として説明したものと同一である。
上記反応性基βを有するポリマーを構成する全モノマー成分に占める、上記反応性基βを有するモノマー成分の割合は、5〜50モル%が好ましく、20〜40モル%がより好ましい。
また、エチレン性不飽和基と反応性基αとを有する化合物と、反応性基βを有するポリマーとを反応させて、反応性基βを有するポリマーにエチレン性不飽和基を導入するに際しては、反応性基αを有する化合物を、反応性基βを有するポリマー100質量部に対して、5〜40質量部反応させることが好ましく、10〜30質量部反応させることがより好ましく、10〜20質量部反応させることがさらに好ましい。架橋反応は粘着剤を常法により、適宜の温度で粘着剤を加熱することにより生起できる。
上記の反応性基αとβの反応後において、未反応の反応性基βを残すことにより、後述する架橋剤等で樹脂特性を調節することができる。
上記の反応性基βを有するポリマーは、その構成成分として前記の反応性基βを有するモノマー成分とともに、共重合成分として、(メタ)アクリル酸エステル成分を有することが好ましい。
当該(メタ)アクリル酸エステルとしては、1種又は2種以上の(メタ)アクリ酸アルキルが好ましい。当該(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部は前記反応性基βを有さない。好ましくは、上記(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部は無置換である。
このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルコール部の炭素数は1〜12が好ましい。アルコール部の炭素数は、1〜10がより好ましく、4〜10がさらに好ましく、なかでもアルコール部が分岐アルキルのものが好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
上記粘着剤層に用いる放射線硬化性ポリマーの質量平均分子量は、50000〜2000000が好ましく、また、該ポリマーと他のポリマーを併用する場合、併用するポリマーの質量平均分子量も上記範囲内であることが好ましい。
上記粘着剤層に用いるポリマーの質量平均分子量が2000000を超えてしまうと重合が難しく分散度が高くなってしまい、低分子量のポリマーを含有することになるため凝集力が低くなるおそれがある。一方、分子量が50000より小さいとポリマー自体の凝集力が低くなってしまうため、糊残りの発生原因となりやすい。本発明の粘着テープにおいて、粘着剤層に用いるポリマーの質量平均分子量は200000〜800000であることがより好ましい。
質量平均分子量は、テトラヒドロフランに溶解して得た1%溶液を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ウオータース社製、商品名:150−C ALC/GPC)により測定した値をポリスチレン換算の質量平均分子量として算出したものである。
(光重合開始剤)
放射線硬化型粘着剤層には、必要に応じて光重合開始剤を含むことができる。光重合開始剤には基材を透過する放射線により反応するものであれば、特に制限はなく、従来知られているものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリ−ルイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド類、等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の添加量は、エチレン性不飽和基を有する樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.5〜5質量部とすることがより好ましく、0.5部〜3質量部とすることがより好ましい。光重合開始剤の添加量が多いと放射線硬化が多地点で、かつ、急激に発生するため、硬化収縮が大きくなってしまうため、従来の放射線硬化型の表面保護用粘着テープに比べ光重合開始剤の量を少なくすることも硬化収縮の抑制の点から有用である。
(その他の添加物)
放射線硬化型粘着剤層には必要に応じて粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤等、あるいはその他の改質剤等を配合することができる。また、無機化合物フィラーを適宜加えてもよい。
その他の添加物としては例えば、濡れ防止もしくはスリップ性高上のための添加剤として、シリコーンアクリレート(例えば、シリコーンジアクリレート、シリコーンヘキサアクリレート)、放射線硬化促進剤が挙げられる。また、当該添加剤として耐水剤としてのアミノアクリレートを含んでもよい。また、当該添加剤として可塑剤を含んでもよい。また、ポリマーの重合の際に用いられる界面活性剤を含んでいても良い。
(架橋剤)
本発明では、粘着剤層に架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤の架橋性基である反応性基は、反応性基βを有するポリマーの反応性基βと反応する架橋剤が好ましい。
例えば、反応性基βを有する樹脂の反応性基βが、カルボキシ基や水酸基の場合、架橋剤の架橋性基である反応性基は環状の酸無水物、イソシアネート基、エポキシ基、ハロゲン原子であることが好ましく、イソシアネート基またはエポキシ基であることがより好ましい。
このような架橋剤を使用することで、その配合量により、反応性基βを有するポリマーの反応性基βの残存量を調節でき、表面自由エネルギーを所望の範囲に制御することができる。
また、架橋剤を使用することで、粘着剤層の凝集力を制御することもできる。
上記粘着剤層に好ましく用いられる架橋剤としては、多価イソシアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アジリジン化合物、キレート化合物等を挙げることができる。多価イソシアネート化合物としては、具体的にはトルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートおよびこれらのアダクトタイプ等を挙げることができる。
多価エポキシ化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、テレフタル酸ジグリシジルエステルアクリレート等を挙げることができる。多価アジリジン化合物は、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリス〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕ホスフィンオキシド、ヘキサ〔1−(2−メチル)−アジリジニル〕トリホスファトリアジン等を挙げることができる。またキレート化合物としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等を挙げることができる。
また、本発明で用いられる粘着剤に、分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個以上有する架橋剤、好ましくはオリゴマーもしくはポリマーの架橋剤を用いて、架橋剤自体を放射線硬化性樹脂として用いてもよい。
分子内にエチレン性不飽和基を少なくとも2個以上有する低分子化合物として、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート等を挙げることができる。
この他にも、ウレタンアクリレートオリゴマーも用いることができ、具体的にはポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアネート化合物〔例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアネートなど)を反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート〕を反応させて得られるものが広く適用可能である。
架橋剤の含有量は、粘着剤層を構成するポリマー100質量部に対して、0.1〜5.0質量部が好ましく、0.5〜4.0質量部がより好ましい。
(貯蔵弾性率)
本発明の粘着剤もしくは粘着剤層の貯蔵弾性率は、特に制限はないが、糊残りや凹凸形状に対する追従性を考慮すると、放射線照射前の貯蔵弾性率が30000〜75000Paであることが好ましく、35000〜60000Paであることがより好ましい。放射線照射による硬化後(紫外線量で示すと、積算照射量500mJ/cmとなるように粘着剤層全体を照射して硬化させた後)の粘着剤の貯蔵弾性率は100000Pa以上が好ましい。
本発明の粘着テープにおいて、粘着剤層は前述のとおり、組成の異なる2種以上の粘着剤が積層された複層構造であってもよい。粘着剤層が複層構造である場合には、少なくとも粘着剤層の表面を構成する層の構成を、上述の粘着剤層の構成(すなわち単層構造の粘着剤層の構成として説明してきた態様)とする。また、複層構造の粘着剤層のすべてが、上述の粘着剤層の構成(すなわち単層構造の粘着剤層の構成として説明してきた態様)であることが好ましい。
(粘着剤層の厚み)
粘着剤層の厚みは、特に限定されるものではないが、10〜100μmが好ましく、20〜40μmがより好ましい。
中間樹脂層上に粘着剤層を形成するためには、上記のように、基材フィルムの少なくとも片面に、少なくとも1種類の粘着剤を常法により塗布することができる。
<剥離ライナー>
本発明の粘着テープは、粘着剤層上に剥離ライナーを有してもよい。剥離ライナーとしては、シリコーン離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムなどが用いられる。また必要に応じて、シリコーン離型処理をしないポリプロピレンフィルムなども用いられる。
[粘着テープを使用した半導体ウエハ加工工程]
本発明の粘着テープの使用方法は上記の裏面研削後ダイシングする方法に限定されない。例えば以下のダイシングダイボンディング工程にも好適に用いることができる。
具体的には、まず、半導体ウエハの回路パターン面(表面)に、放射線硬化型粘着剤層が貼合面となるように、本発明の半導体ウエハ表面保護用粘着テープを貼合する。次に、半導体ウエハの回路パターンのない面側を半導体ウエハの厚さが所定の厚さ、例えば10〜200μmになるまで研削する。その後、この半導体ウエハ表面保護用粘着テープの貼合された面を下側にして加熱吸着台に載せ、その状態で、半導体ウエハの回路パターンのない研削した面側に、ダイシング・ダイボンディングフィルムを貼合してもよい。その後、半導体ウエハ表面保護用粘着テープの基材フィルムの背面に、ヒートシールタイプ(熱融着タイプ)もしくは粘着タイプの剥離テープを接着して半導体ウエハから半導体ウエハ表面保護用粘着テープを剥離する。
[粘着テープの使用形態]
<バンプ(電極)の高さ>
本発明の適用可能なバンプ高さについては特に指定するものではないが、20μm〜250μm高さのバンプに用いられる。
<薄膜半導体ウエハ表面のバンプの配設密度(高密度)>
本発明の粘着テープの適用可能なバンプの配置密度は特に限定されるものではないが、バンプの高さの倍以上のピッチ(バンプの高さ方向の頂点から、次に配置されたバンプの高さ方向の頂点までの距離)のものに対して適用できる。また、全面に均一にバンプが配置されたウエハにも用いられる。
<薄膜半導体ウエハの厚み>
本発明の粘着テープを用いる加工方法により裏面研削された薄膜半導体ウエハの厚みは20〜500μmであることが好ましく、50〜200μmであることがより好ましい。
本発明の粘着テープを用いた加工方法を用いることで、薄膜半導体ウエハを高い歩留まりで得ることができる。この半導体ウエハの加工方法は、電極付ウエハを50μm以下の薄膜研削の製造方法として好適である。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)とエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂(アルケマ社製、28MA07)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。LDPE層の厚みは30μm、EMA層の厚みは220μmであった。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、G2C)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Aを得た。
メタクリル酸メチルを15mol%、メタクリル酸を2.0mol%、2−エチルヘキシルアクリレートを57mol%、2−ヒドロキシエチルアクリレートを26mol%配合し、溶液中で重合することによりアクリル共重合体ポリマーを得た。このポリマー100質量部に対して2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを20質量部(昭和電工株式会社製、カレンズMOI)溶液中で混合しヒドロキシ基にエチレン性不飽和基を導入することでエチレン性不飽和基を含有する分子量70万のアクリル共重合体ポリマー溶液(ポリマーB溶液)を得た。
このポリマーB溶液100質量部に、架橋剤としてコロネートL(日本ポリウレタン工業株式会社製)を2.0質量部、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製)を5.0質量部配合し、粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Aに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
実施例1
ポリスチレン(PS)樹脂(日本ポリスチレン社製、G9305)とエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂(アルケマ社製、28MA07)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Bを作成した。PS層の厚みは60μm、EMA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Bに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
参考例2
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)とエチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)樹脂(アルケマ社製、30BA02)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。LDPE層の厚みは30μm、EBA層の厚みは220μmであった。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、テオネックスQ51)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Cを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Cに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
実施例2
ポリスチレン(PS)樹脂(日本ポリスチレン社製、G9305)とエチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)樹脂(アルケマ社製、35BA40)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Dを作成した。PS層の厚みは60μm、EBA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Dに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
参考例3
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)とエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂(日本ポリエチレン社製、EB140F)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。LDPE層の厚みは30μm、EMA層の厚みは220μmであった。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーS10)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Eを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Eに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
実施例3
ポリスチレン(PS)樹脂(日本ポリスチレン社製、G9401)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(三井・ヂュポンケミカル社製、V5773W)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Fを作成した。PS層の厚みは60μm、EVA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Fに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
参考例4
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)とエチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)樹脂(アルケマ社製、30BA02)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。LDPE層の厚みは30μm、EBA層の厚みは220μmであった。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム社製、G2C)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Gを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Gに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例1
ポリスチレン(PS)樹脂(東洋スチレン社製、G100C)とエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂(日本ポリエチレン社製、EB140F)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Hを作成した。PS層の厚みは60μm、EMA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Hに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例2
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン515)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーS10)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Iを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Iに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例3
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーS10)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Jを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Jに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例4
高密度ポリエチエレン(HDPE)樹脂(東ソー社製、ニポロンハード2500)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン541)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Kを作成した。HDPE層の厚みは60μm、EVA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Kに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例5
エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン630)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン627)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Lを作成した。ウルトラセン630から成るEVA層の厚みは60μm、ウルトラセン627から成るEVA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Lに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例6
高密度ポリエチエレン(HDPE)樹脂(東ソー社製、ニポロンハード2500)と低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Mを作成した。HDPE層の厚みは60μm、LDPE層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Mに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例7
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)とエチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂(アルケマ社製、28MA07)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Nを作成した。LDPE層の厚みは60μm、EMA層の厚みは250μmであった。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Nに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例8
高密度ポリエチエレン(HDPE)樹脂(東ソー社製、ニポロンハード2500)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン541)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚310μm厚の積層体Oを作成した。HDPE層の厚みは60μm、LDPE層の厚みは250μmであった。
溶剤系アクリル系ポリマー(綜研化学社製、SKダイン1442)を100質量部に対して、アダクト系イソシアネート系架橋剤コロネートL(商品名、日本ポリウレタン社製)を0.5質量部及びエポキシ系架橋剤TETRAD−X(商品名、三菱ガス化学社製)を3.0質量部配合し、酢酸エチルで濃度を調整し粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Oに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例9
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーS10)に押し出し機にてエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン760)を厚みが約260μmとなるように押し出し、積層体Pを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗り工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Pに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
比較例10
低密度ポリエチエレン(LDPE)樹脂(東ソー社製、ペトロセン231F)とエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂(東ソー社製、ウルトラセン541)を押し出し機にて押し出し成形を行い、総厚250μm厚の中間樹脂層を作成した。LDPE層の厚みは30μm、EBA層の厚みは220μmであった。
基材フィルムである厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ社製、ルミラーS10)に接着剤(厚み10μm)を塗工し、前記フィルムをラミネートすることで総厚310μmの積層体Qを得た。
参考例1で作成した粘着剤組成物を乾燥後の粘着剤の厚みが30μmになるように、透明な剥離ライナー上に塗工し、含有溶剤をほぼすべて除去するため粘着剤組成物が塗工された剥離ライナーを乾燥炉にて120℃、2分間加熱乾燥を行った。乾燥後の厚さ30μm厚の粘着剤層が形成された剥離ライナーを厚さ310μmの積層体Qに貼り合せ、厚さ340μmの粘着テープを得た。
上記の実施例、参考例および比較例で作製した粘着テープについて、以下の試験を行い、その性能を評価した。評価結果を下記表1および2に記載した。
Figure 0006053909
Figure 0006053909
<測定・分析>
<試験例1> 密着性試験
(1)50μmバンプに対する密着性
高さ50μm、バンプピッチ100μmのCuピラーバンプを有する直径8インチのバンプ付シリコンウエハの表面に、日東精機社製DR8500III(商品名)を用いて、テーブル温度80℃及びローラー温度60℃、貼合圧0.35MPa、貼合速度低速(9mm/sec)の条件で、上記実施例、参考例および比較例で作製したテープを25枚のウエハに貼合した。この貼合条件で、融点80℃以下の中間樹脂層を構成層とするテープの中間樹脂層は溶融した(以下の試験例2の場合も同様であった)。その時の密着性を目視にて確認を行い、粘着テープとウエハとの間へのエアー混入の有無を調べた。
(2)200μmバンプに対する密着性
高さ200μm、バンプピッチ400μmのソルダーバンプを有する直径8インチのバンプ付シリコンウエハの表面に、日東精機社製DR8500III(商品名)を用いて、テーブル温度80℃及びローラー温度60℃、貼合圧0.35MPa、貼合速度低速(9mm/sec)の条件で、上記実施例、参考例および比較例で作製したテープを25枚のウエハに貼合した。その時の密着性を目視にて確認を行い、粘着テープとウエハとの間へのエアー混入の有無を調べた。
(密着性の評価基準)
○:貼合後48時間を超えてもエアー混入無し
×:貼合後48時間以内にエアーの混入有り
<試験例2> 研削実験
(1)ダスト侵入
密着性評価で使用した各バンプウエハを貼合後48時間放置した後に、インライン機構を持つグラインダー〔株式会社ディスコ製DFG8760(商品名)〕を使用してそれぞれ25枚のバンプウエハについて裏面研削を行った。その後、研削後のウエハについてウエハとテープ間にシリコンダストの侵入の有無の確認を行った。尚、50μmバンプについてはシリコンの最終研削厚みが50μmまで裏面研削を行い、200μmバンプについてはシリコンの最終研削厚みが200μmまで裏面研削を行った。
○:何れのバンプウエハについてもダスト侵入が見られなかったもの
×:どちらかのバンプウエハにダスト侵入が見られたもの
(2)反り評価
ダスト侵入の評価で用いた25枚の50μm高のバンプウエハについて反り量(ウエハを平板の上に置いたときの、平板表面から反ったウエハの最も高い点の下面までの高さ)を測定した。
○:反り量の平均値が5mm未満であったもの
△:反り量の平均値が5mm以上、10mm未満であったもの
×:反り量の平均値が10mm以上であったもの
(3)剥離性評価
ダスト侵入の評価で用いた25枚のバンプウエハについて、剥離装置〔株式会社ディスコ製RAD2700(商品名)〕を用いてテープ剥離の評価を行った。
○:テープ剥離エラーが発生しなかったもの
×:テープ剥離エラーが発生したもの
<試験例3> 厚み精度試験
25枚のミラーウエハに実施例、参考例および比較例で作成したテープの貼合を行った。貼合条件は試験例2で貼合した条件と同一である。その後、インライン機構を持つグラインダー〔株式会社ディスコ製DFG8760(商品名)〕を使用してそれぞれ25枚のミラーウエハについて最終厚みが100μmになるまで裏面研削及びドライポリッシュを行った。その後、ウエハ面の厚み精度TTV(最大厚み―最少厚み)を、SemDex(厚み精度測定装置、ISIS社製)を用いて測定した。測定間隔はX方向:0.1mm、Y方向:10mmにてウエハ全面(200mm×200mmの範囲)を測定するものとする。
○:TTVが6μm未満であったもの
×:TTVが6μm以上であったもの
<試験例4> 耐熱性試験
ミラーウエハに実施例、参考例および比較例で作成したテープの貼合を行った。貼合条件は試験例2で貼合した条件と同一である。その後、90℃に加熱したホットプレート上にテープ面を下向きにして3分間放置した後、テープ表面を目視にて観察を行った。
○:テープ表面(基材フィルム背面)が溶けなかったもの
×:テープ表面が溶けてしまったもの
<試験例5> 各種物性について
基材フィルムの融点及びビカット軟化点については、JIS K 7206に基づいて測定を行った。また曲げ弾性率については、JIS K 6924−2に基づいて測定を行った。
比較例1及び5の粘着テープは、耐熱性が不足しているため耐熱性評価で基材の溶融が発生した。このため、実際のDAF貼合のプロセスにてチャックテーブル融着の問題が発生する可能性が高い。比較例2〜6及び比較例8〜10の粘着テープについては、加熱貼合を行ってもバンプウエハに密着しない結果となった。そのため、バンプ付パターンウエハを研削する際には裏面にディンプル(凹凸の跡)が発生し、またウエハ割れを引き起こす可能性が高い。比較例4〜8は反りの抑制が十分ではなく、ウエハのハンドリングエラーが発生する可能性が高い。また、カセット収納の際に反りによりエッジ部がカセットに触れ、エッジクラックを発生させる可能性もある。比較例9はPETフィルム上にEVA樹脂を押し出しにて積層したが、EVA樹脂の厚み精度に問題があり、フィルム成形自体に問題が発生した。従い、フィルムの厚み精度が極端に悪く、それに伴って研削後のウエハの厚み精度(TTV)も極端に劣る結果であった。
一方、実施例に記載された粘着テープはバンプウエハに対する密着性、バンプウエハからの剥離性、反り防止、耐熱性、ダスト侵入防止、厚み精度に優れる結果となった。

Claims (6)

  1. ウエハ表面に20μm以上の凹凸を有するウエハに対して60℃以上の温度で加熱貼合される半導体ウエハ用粘着テープであって、
    前記半導体ウエハ用粘着テープが、少なくとも、基材フィルム、中間樹脂層、表面の粘着剤層の3層から構成され、
    前記基材フィルムが、ポリスチレン樹脂からなり、かつビガット軟化点が90℃を超え、曲げ弾性率1GPa〜10GPaであり、
    前記中間樹脂層の厚みがバンプの高さ以上で、融点が50℃〜90℃の範囲であり、曲げ弾性率が1MPa〜100MPaであって、かつ
    前記粘着剤層の粘着剤が溶剤系の粘着剤であることを特徴とする、
    半導体ウエハ用粘着テープ。
  2. 前記中間樹脂層がエチレン−アクリル酸メチルコポリマー樹脂、エチレン−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマー樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウエハ用粘着テープ。
  3. ウエハ表面に20μm以上の凹凸を有するウエハに対して60℃以上の温度で加熱貼合される半導体ウエハ用粘着テープであって、
    前記半導体ウエハ用粘着テープが、少なくとも、基材フィルム、中間樹脂層、表面の粘着剤層の3層から構成され、
    前記基材フィルムが、ポリスチレン樹脂からなり、かつビガット軟化点が90℃を超え、曲げ弾性率1GPa〜10GPaであり、
    前記中間樹脂層の厚みがバンプの高さ以上で、融点が50℃〜90℃の範囲であり、曲げ弾性率が1MPa〜100MPaであって、該中間樹脂層がエチレン−アクリル酸メチルコポリマー樹脂またはエチレン−アクリル酸ブチルコポリマー樹脂のいずれかであることを特徴とする、
    半導体ウエハ用粘着テープ。
  4. 前記基材フィルムの厚みが25μm〜75μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体ウエハ用粘着テープ。
  5. 前記中間樹脂層の厚みが100μm〜280μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体ウエハ用粘着テープ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体ウエハ用粘着テープの製造方法であって、
    溶剤系の粘着剤を使用して粘着剤層を形成することを特徴とする半導体ウエハ用粘着テープの製造方法。
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