JP2010209158A - 粘着シート及びそれを用いた半導体ウェハの加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターニングを施した半導体ウェハを加工する工程において、半導体ウェハ表面に貼り合わせることによりパターニングを保護することができる粘着シートであって、粘着シートを貼着したウェハを極薄研削しても、高温下に曝した場合にウェハに「反り」や「割れ」が発生することがない粘着シートを提供する。
【解決手段】本発明の粘着シートは、主収縮方向の熱収縮率が70〜180℃の範囲の所定温度において5%以上30%未満である熱収縮性フィルム層と熱膨張性フィルム層と粘着剤層とを少なくとも有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハのバックグラインド工程等において、半導体ウェハ表面に貼り合わせることにより半導体ウェハ表面のパターニングを保護する表面保護用粘着シートとして好適に使用することができる粘着シートに関する。
半導体ウェハにパターニングを施す工程以前の工程ではハンドリングの観点から半導体ウェハは一定の厚さを有していることが好ましい。そのため、半導体ウェハはパターニングを施した後に所望の厚さまで研削して薄型化される。一般的な半導体ウェハ製造工程には、パターニングを施す工程、半導体ウェハ裏面に機械研磨を施して半導体ウェハを所定の厚さにまで薄型化するバックグラインド工程、さらに薄型化した半導体ウェハを切断することによりチップ化するダイシング工程、得られた半導体チップ(IC、LSI)をLF、セラミックスケース、基板等に固着化させるダイボンディング工程等がある。パターニングを施す工程後の工程では半導体ウェハのパターニング表面を保護することを目的としてパターニング表面に表面保護用粘着シートが貼り合わされた状態で加工が施される。そして、半導体ウェハを薄型化した後にダイボンディングフィルムを貼り合わせる場合には、粘着シートで保護された状態の半導体ウェハに70〜180℃程度の熱が加えられる。
また、近年、半導体用材料に対する薄型化、軽量化の要望が一層高まっている。例えば半導体用シリコンウェハについては、厚みが100μm若しくはそれ以下にまで薄く研削する必要が生じている。しかし、このような薄膜ウェハは、粘着シートで保護された状態で高温下に曝すと、直後に大きく反り上がることが知られている。そのため、加熱された状態の吸着テーブル上に粘着シートで保護された薄膜ウェハを置くと、ウェハが反り上がることにより吸着エラーが生じたり、反り上がる応力によりウェハが破損するなどの問題があった。
このような高温処理を伴う場合に使用する表面保護用粘着シートとしては、基材にポリエチレンテレフタレートのような耐熱性を有する基材を使用した、熱収縮率が小さい粘着シートが検討されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、実際にポリエチレンテレフタレートフィルムを基材とした粘着シートを用いた場合でも、ウェハを極薄研削して吸着テーブルへ置くと、大きくウェハが反り上がるため吸着することができず、また、ウェハが割れる等の問題が発生することがわかった。すなわち、表面に貼り合わせた状態でウェハを極薄研削し、続いて、ダイボンディングフィルムを貼り合わせる等の高温下に曝す加工を施しても、ウェハに「反り」や「割れ」を発生させることがない表面保護用粘着シートが未だ見いだされていないのが現状である。
特開2002−246345号公報
従って、本発明の目的は、パターニングを施した半導体ウェハを加工する工程において、半導体ウェハ表面に貼り合わせることによりパターニングを保護することができる粘着シートであって、粘着シートを貼着したウェハを極薄研削しても、高温下に曝した場合にウェハに「反り」や「割れ」が発生することがない粘着シートを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、高温下に曝した直後に生じるウェハの「反り」や「割れ」は、粘着シート自体が熱により大きく膨張することが原因であることを見いだした。そして、特定の熱収縮率を示す熱収縮性フィルム層と熱膨張性フィルム層と粘着剤層を少なくとも有する粘着シートは、高温環境に曝した際に、熱収縮性フィルム層の収縮応力と熱膨張性フィルム層の線膨張応力とが互いに打ち消しあうため粘着シートが膨張又は収縮して変形することを防止することができ、該粘着シートを貼着したウェハは、極めて薄く研磨した状態で高温環境に曝しても「反り」や「割れ」が発生することがないことを見いだし本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、主収縮方向の熱収縮率が70〜180℃の範囲の所定温度において5%以上30%未満である熱収縮性フィルム層と熱膨張性フィルム層と粘着剤層とを少なくとも有する粘着シートを提供する。
前記粘着シートは、主収縮方向の熱収縮率が70〜180℃の範囲の所定温度において5%以上30%未満である熱収縮性フィルム層、第1粘着剤層、熱膨張性フィルム層、及び第2粘着剤層が順に積層された構成を有していてもよい。
熱膨張性フィルム層の厚みは1〜1000μmの範囲が好ましく、熱膨張性フィルム層の25℃におけるヤング率は0.1〜10GPaの範囲が好ましい。
前記粘着シートは、下記式(1)で計算される値が0.8〜5の範囲であるのが好ましい。
[熱収縮性フィルム層における厚み(μm)×ヤング率(MPa)×熱収縮率(%)]/[熱膨張性フィルム層における厚み(μm)×ヤング率(MPa)×線膨張率(%)] …(1)
[式(1)において、ヤング率は25℃における値、熱収縮率及び線膨張率は70〜180℃の範囲の所定温度における値である]
前記粘着シートは、半導体ウェハ加工工程において、半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用することができる。
本発明は、また、前記の粘着シートを半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用することを特徴とする半導体ウェハの加工方法を提供する。
本発明の粘着シートは、特定の熱収縮率を示す熱収縮性フィルム層と熱膨張性フィルム層とを有しており、加熱することにより各フィルム層が生み出す収縮応力と線膨張応力とが互いに打ち消しあうため、高温環境下に曝しても半導体ウェハに過大な応力が加わらない。本発明の粘着シートを半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用すると、厚さを100μm以下、さらには50μm以下にまで薄型化した薄膜ウェハを高温下に曝しても、薄膜ウェハが反り上がることを抑制することができ、吸着エラーや薄膜ウェハの破損の問題を解決することができ、円滑な加工プロセスを継続的に実施することができる。
本発明の粘着シートの一例を示す概略断面図である。 加熱により表面保護用粘着シートを貼り合わせた半導体ウェハが変形する様子を示した概略図である。
以下に、本発明の実施の形態を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の粘着シートの一例を示す概略断面図である。この例では、粘着シート5は、熱収縮性フィルム層1、第1粘着剤層2、熱膨張性フィルム層3、及び第2粘着剤層4がこの順に積層されている。
[熱収縮性フィルム層]
本発明における熱収縮性フィルム層1は、加熱処理により収縮応力を生み出して、熱膨張性フィルム層3が加熱処理により生み出す線膨張応力を相殺する働きを有する。熱収縮性フィルム層1は、1軸方向のみに収縮性を有していてもよいし、或る方向(1軸方向)に主たる収縮性を有し、該方向とは異なる方向(例えば、該方向に対して直交する方向)に副次的な収縮性を有していてもよい。また、熱収縮性フィルム層1は単層であっても2以上の層が積層された複層であってもよい。
熱収縮性フィルム層1を構成するフィルムの主収縮方向の熱収縮率は、70〜180℃の範囲の所定温度(例えば、100℃等)において、5%以上30%未満であり、好ましくは7%以上30%未満、さらに好ましくは7%以上29%未満(特に、8%以上25%以下)である。主収縮方向の熱収縮率が上記範囲を上回ると、加熱処理による収縮応力が大きくなりすぎるため、粘着シートを貼着したウェハが逆面に反り上がり、すなわち粘着シート貼着面を上側としてウェハが凹型に変形して[図2の(2−1)参照]、吸着エラーやウェハ破損を引き起こす。一方、主収縮方向の熱収縮率が上記範囲を下回ると、加熱処理により生み出される熱膨張性フィルム層の線膨張応力を相殺することが困難となるため、加熱処理により、粘着シートを貼着したウェハが反り上がり、すなわち粘着シート貼着面を上側としてウェハが凸型に変形して[図2の(2−2)参照]、吸着エラーやウェハ破損を引き起こす。図2において、50は粘着シート、6は半導体ウェハを示す。熱収縮性フィルム層1を構成するフィルムの主収縮方向以外の方向の熱収縮率は、好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下である。
熱収縮性フィルムの収縮性は、例えば押出機により押し出されたフィルムに延伸処理を施すことにより付与することができる。なお、本発明において、熱収縮率(%)とは下記式(2)で算出される値を意味し、特に断りのない限り主収縮軸方向の熱収縮率を示す。
熱収縮率(%)=[(収縮前の寸法−収縮後の寸法)/収縮前の寸法]×100 …(2)
熱収縮性フィルム層1のヤング率は、25℃において、0.1〜10GPa程度(好ましくは、0.5〜5GPa)である。ヤング率が小さすぎると 熱膨張性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、反り上がり量が大きくなる傾向があり、一方、ヤング率が大きすぎると 熱収縮性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、逆方向への反り上がり量が大きくなる傾向がある。
熱収縮性フィルム層1の厚みは、熱膨張性フィルム層3の種類や加熱温度に応じて適宜調整することができるが、一般には5〜1000μm、好ましくは10〜200μmである。熱収縮性フィルム層1が薄すぎると、熱膨張性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、反り上がり量が大きくなる傾向があり、一方熱収縮性フィルム層1が厚すぎると 熱収縮性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、逆方向への反り上がり量が大きくなる傾向ある。
熱収縮性フィルム層1を構成するフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリノルボルネン、ポリイミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル等から選択される1種又は2種以上の樹脂からなる1軸延伸フィルムが挙げられる。なかでも、粘着剤の塗工作業性等に優れる点で、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリノルボルネン等のポリオレフィン系樹脂(環状ポリオレフィン系樹脂を含む)、ポリウレタン系樹脂からなる1軸延伸フィルムが好ましい。このようなフィルムとして、ユニチカ(株)製のナイロンフィルム「NK」、(株)興人製の「コージンポリセットUM」、「コージンポリセットCX」、「コージンポリセットSW」などの市販品の利用が可能である。
熱収縮性フィルム層1の表面は、隣接する層との密着性、保持性などを高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理、下塗り剤(例えば、粘着物質等)によるコーティング処理等が施されていてもよい。
[熱膨張性フィルム層]
本発明における熱膨張性フィルム層3は、通常、粘着剤層を設けるための支持層として用いられる。この熱膨張性フィルム層3は、加熱処理により線膨張応力を生み出すが、前記のように、該線膨張応力は上記熱収縮性フィルム層1が加熱処理により生み出す収縮応力により相殺される。熱膨張性フィルム層3は単層であっても2以上の層が積層された複層であってもよい。
熱膨張性フィルム層3の厚みは、熱収縮性フィルム層1の種類や加熱温度に応じて適宜調整することができるが、一般には1〜1000μm、好ましくは20〜200μmである。熱膨張性フィルム層3が厚すぎると、熱膨張性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、反り上がり量が大きくなる傾向があり、一方、熱膨張性フィルム層3の厚みが薄すぎると 熱収縮性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、逆方向への反り上がり量が大きくなる傾向がある。
熱膨張性フィルム層3を構成するフィルムのヤング率は、25℃において、0.1〜10GPa程度(好ましくは、0.5〜5GPa)である。ヤング率の値が大きすぎると 熱膨張性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、反り上がり量が大きくなる傾向があり、一方、ヤング率の値が小さすぎると 熱収縮性フィルム層の応力が相対的に大きくなり、逆方向への反り上がり量が大きくなる傾向がある。
熱膨張性フィルム層3を構成するフィルムの線膨張率(温度の上昇に対応して長さが変化する割合)は小さいことが好ましく、70〜180℃の範囲の所定温度(例えば、100℃等)において、例えば0.1〜2%であることが好ましく、なかでも、0.2〜1%であることが特に好ましい。線膨張率が2%を上回ると、加熱処理による線膨張応力が大きくなりすぎ、粘着シートを貼着したウェハが反り上がり、吸着エラーやウェハ破損を引き起こす傾向がある。なお、本発明において、線膨張率(%)は下記式(3)で算出される値を意味する。
線膨張率(%)=[(膨張後の寸法−膨張前の寸法)/膨張前の寸法]×100 …(3)
熱膨張性フィルム層3を構成するフィルム材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミド、全芳香族ポリアミド、ポリフェニルスルフィド、アラミド(紙)、ガラス、ガラスクロス、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、金属(箔)、紙等が挙げられる。本発明においては、なかでも、粘着剤の塗工作業性等に優れる点で、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム等が好ましい。このようなフィルムとして、東レ社製の「ルミラーS10」、三菱化学(株)製の「サントクリア」などの市販品の利用が可能である。
[粘着シート]
本発明の粘着シートは、少なくとも、特定の熱収縮率を示す熱収縮性フィルム層と熱膨張性フィルム層と被着体に貼着するための粘着剤層を有する。このような粘着シートによれば、該熱収縮性フィルム層の熱により生じる収縮応力と、熱膨張性フィルム層の熱により生じる線膨張応力とが互いに打ち消しあうため、加熱処理を施しても被着体の反りや破損を防ぐことができる。本発明の粘着シートは熱を付与しても(例えば、70〜180℃の温度において)自発的に巻回しないシートである。
熱収縮性フィルム層の熱により生じる収縮応力は、厚み(μm)×ヤング率(MPa)×熱収縮率(%)で推算され、熱膨張性フィルム層の熱により生じる線膨張応力は、厚み(μm)×ヤング率(MPa)×線膨張率(%)で推算される。そして、本発明の粘着シートは、下記式(1)で計算される値が0.8〜5(特に、1〜4)の範囲であることが好ましい。
[熱収縮性フィルム層における厚み(μm)×ヤング率(MPa)×熱収縮率(%)]/[熱膨張性フィルム層における厚み(μm)×ヤング率(MPa)×線膨張率(%)] …(1)
[式(1)において、ヤング率は25℃における値、熱収縮率及び線膨張率は70〜180℃の範囲の所定温度(例えば、100℃等)における値である]
上記式(1)の値が前記範囲となる粘着シートは、70〜180℃の範囲の所定温度(例えば、100℃等)で加熱処理しても、熱膨張性フィルム層から生み出される線膨張応力が熱収縮性フィルム層から生み出される収縮応力により相殺されるため、被着体に過大な応力がかからない。そのため、本発明の粘着シートを半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用すると、バックグラインド工程において半導体ウェハを極薄研削しても、例えば、100μm以下、更に50μm以下にまで薄型化しても、加熱環境に曝した際に粘着シート自体が変形することを防止することができ、該粘着シートで表面保護された薄膜ウェハが反り上がったり、逆面に反り上がったりすることを防止でき、吸着エラーやウェハ破損を引き起こさない。
[第1粘着剤層]
図1の例では、熱収縮性フィルム層1と熱膨張性フィルム層3は、第1粘着剤層2により接合(接着)されている。第1粘着剤層2は単層、複層の何れであってもよい。なお、熱収縮性フィルム層1と熱膨張性フィルム層3は必ずしも粘着剤層で接合される必要はなく、粘着剤以外の接着剤、その他の接合手段で接合してもよい。
第1粘着剤層2としては、例えば、表面(少なくとも熱収縮性フィルム層1側の表面)に粘着処理が施されたウレタンフォームやアクリルフォームなどのフォーム材料(発泡フィルム)やゴム、熱可塑性エラストマー等を素材とする非発泡樹脂フィルム等の樹脂フィルム(シートを含む)などを使用できる。
前記粘着処理に用いる粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤などの公知の粘着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明においては、特に、粘着力の調整などの点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましく用いられる。なお、粘着処理に用いる粘着剤の樹脂と、発泡フィルムや非発泡樹脂フィルムの樹脂は、高い親和性を得るため同種の樹脂が好ましい。例えば、粘着処理にアクリル系粘着剤を用いる場合には、樹脂フィルムとしてアクリルフォームなどが好適である。
また、第1粘着剤層2は、例えば、架橋型アクリル系粘着剤、架橋型ポリエステル系粘着剤等のそれ自体接着性を有する樹脂組成物で形成してもよい。このような、架橋型アクリル系粘着剤、架橋型ポリエステル系粘着剤等により形成された層(粘着剤層)は、別途粘着処理を施す必要がなく比較的簡便な方法で製造可能であり、生産性、経済性に優れるため好ましく用いられる。
上記架橋型アクリル系粘着剤は、アクリル系重合体をベースポリマーとするアクリル系粘着剤に架橋剤が添加された構成を有している。アクリル系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル等の(メタ)アクリル酸C1−C20アルキルエステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの単独又は共重合体;前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、他の共重合性モノマー[例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸などのカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸モルホリルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸イソボルニルなどの脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル等]との共重合体などが挙げられる。
アクリル系重合体としては、特に、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸C1−C12アルキルエステルの1種又は2種以上と、2−ヒドロキシエチルアクリレート等のヒドロキシル基含有モノマー及びアクリル酸等のカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマーから選択された少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合体、或いは(メタ)アクリル酸C1−C12アルキルエステルの1種又は2種以上と、脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルと、ヒドロキシル基含有モノマー及びカルボキシル基又は酸無水物基含有モノマーから選択された少なくとも1種の共重合性モノマーとの共重合体が好ましい。
アクリル系重合体は、例えば、上記に例示の単量体成分(及び重合開始剤)を無溶剤で光(紫外線等)重合することにより、高粘度の液状プレポリマーとして調製される。次に、このプレポリマーに架橋剤を添加することにより架橋型アクリル系粘着剤組成物を得ることができる。なお、架橋剤はプレポリマー製造時に添加しておいてもよい。また、上記に例示の単量体成分を重合して得られたアクリル系重合体又はその溶液に架橋剤と溶媒(アクリル系重合体の溶液を用いる場合は必ずしも必要ではない)を加えることにより、架橋型アクリル系粘着剤組成物を得ることもできる。
架橋剤としては、特に制限はなく、例えば、イソシアネート系架橋剤、メラミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アクリレート系架橋剤(多官能アクリレート)、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステル等を使用できる。アクリレート系架橋剤としては、例えば、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどが例示される。イソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−イソシアナトエチルアクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなどが例示される。なかでも、架橋剤として、アクリレート系架橋剤(多官能アクリレート)やイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステル等の紫外線(UV)反応性架橋剤が好ましい。
架橋剤の添加量は、通常、上記ベースポリマー100重量部に対して0.01〜15重量部程度、好ましくは0.05〜12重量部程度である。
架橋型アクリル系粘着剤は、ベースポリマー及び架橋剤のほかに、架橋促進剤、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂など)、増粘剤、可塑剤、充填剤、ビーズ(ガラスビーズ、樹脂ビーズ等)、老化防止剤、酸化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
第1粘着剤層2としての架橋型アクリル系粘着剤層は、例えば、上記プレポリマーに架橋剤を添加した架橋型アクリル系粘着剤組成物を、キャスト法などの公知の方法により、所望の厚み、面積を有するフィルム状とし、再度光照射して架橋反応(及び未反応モノマーの重合)を進行させることにより、目的に見合った第1粘着剤層2を簡便に得ることができる。こうして得られた粘着剤層は自粘着性を有するため、熱収縮性フィルム層1と熱膨張性フィルム層3の層間にそのまま貼り合わせて使用することができる。架橋型アクリル系粘着剤層として、日東電工(株)製の商品名「HJ−9150W」などの市販の両面接着テープを利用できる。なお、フィルム状の粘着剤を熱収縮性フィルム層1と熱膨張性フィルム層3の層間に貼り合わせた後、再度光照射することにより架橋反応を行ってもよい。
また、第1粘着剤層2としての架橋型アクリル系粘着剤層は、上記のアクリル系重合体と架橋剤とが溶媒に溶解した架橋型アクリル系粘着剤組成物を熱膨張性フィルム層3の表面に塗工し、その上に熱収縮性フィルム層1を貼り合わせた後、光照射することにより得ることもできる。
上記架橋型エステル系粘着剤は、エステル系重合体をベースポリマーとするエステル系粘着剤に架橋剤が添加された構成を有している。エステル系重合体としては、例えば、ジオール成分とジカルボン酸成分との縮合重合物からなるポリエステルなどが挙げられる。
ジオール成分の例としては、例えば、(ポリ)カーボネートジオールが挙げられる。(ポリ)カーボネートジオールとしては、例えば、(ポリ)ヘキサメチレンカーボネートジオール、(ポリ)3−メチル(ペンタメチレン)カーボネートジオール、(ポリ)トリメチレンカーボネートジオールや、これらの共重合物などが挙げられる。なお、(ポリ)カーボネートジオールが、ポリカーボネートジオールである場合、その重合度は特に制限されない。
(ポリ)カーボネートジオールの市販品としては、例えば、商品名「PLACCEL CD208PL」、商品名「PLACCEL CD210PL」、商品名「PLACCEL CD220PL」、商品名「PLACCEL CD208」、商品名「PLACCEL CD210」、商品名「PLACCEL CD220」、商品名「PLACCEL CD208HL」、商品名「PLACCELCD210HL」、商品名「PLACCEL CD220HL」[以上、ダイセル化学工業(株)製]などが挙げられる。
ジオール成分としては、(ポリ)カーボネートジオールのほか、必要により、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、オクタデカンジオールなどの成分を併用してもよい。ジオール成分又は(ポリ)カーボネートジオールは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ジカルボン酸成分としては、炭素数2〜20の脂肪族又は脂環族炭化水素基を分子骨格とするジカルボン酸又はその反応性誘導体を必須成分として含むジカルボン酸成分を好適に用いることができる。前記炭素数2〜20の脂肪族又は脂環族炭化水素基を分子骨格とするジカルボン酸又はその反応性誘導体において、炭化水素基は直鎖状であってもよく、また分岐鎖状であってもよい。このようなジカルボン酸又はその反応性誘導体の代表的な例として、コハク酸、メチルコハク酸、アジピン酸、ピメリック酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、1,14−テトラデカン二酸、テトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、及びこれらの酸無水物や低級アルキルエステルなどが挙げられる。ジカルボン酸成分は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ジオール成分とジカルボン酸成分との組み合わせとしては、ポリカーボネートジオールとセバシン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、フタル酸又はマレイン酸などが好ましく使用できる。
架橋型エステル系粘着剤における架橋剤としては、前記架橋型アクリル系粘着剤における架橋剤と同様のものを使用できる。架橋剤の添加量、添加してもよい添加剤、弾性層の形成方法も前記架橋型アクリル系粘着剤の場合と同様である。
第1粘着剤層2の熱収縮性フィルム層1及び熱膨張性フィルム層3の各層表面に対する粘着力としては、180°ピール剥離試験(JIS Z 0237に準拠、引張り速度300mm/分、25℃)の値で、それぞれ、例えば0.5N/10mm以上である。この粘着力が低すぎると、熱収縮性フィルム層1と第1粘着剤層2との間、熱膨張性フィルム層3と第1粘着剤層2との間で剥離が生じやすくなる。
第1粘着剤層2の厚みは、例えば、1〜100μm程度、なかでも厚み精度の観点から、好ましくは1〜30μmである。
[第2粘着剤層]
本発明の粘着シートは、被着体に貼着するための粘着剤層を有する。上記の例では、熱膨張性フィルム層3側の表面に形成された第2粘着剤層4がこれに相当する。第2粘着剤層4は単層、複層の何れであってもよい。
第2粘着剤層4を構成する粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の感圧接着剤を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。本発明においては、なかでも、半導体ウェハ等の加熱処理工程を経る場合に耐熱性、被着体汚染性及び汎用性の観点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好適に使用される。
アクリル系粘着剤を構成するアクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s−ブチルエステル、t−ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステルなどの炭素数1〜30、特に炭素数4〜18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステルなど)、及び、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルなどの炭素数3〜10のシクロアルキルエステルなど)の1種又は2種以上をモノマー成分として用いたアクリル系ポリマー(単独重合体又は共重合体)等が挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とはすべて同様の意味である。
前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。これらの共重合可能なモノマー成分は1種又は2種以上使用できる。共重合可能なモノマー成分の使用量は全モノマー成分の40重量%以下が好ましい。
さらに、前記アクリル系ポリマーは架橋させることを目的として多官能性モノマーを共重合モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性モノマーは1種又は2種以上使用できる。多官能性モノマーの使用量は全モノマー成分の30重量%以下が好ましい。
前記アクリル系ポリマーは単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得ることができる。重合は溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等のいずれの方式で行うこともできる。
また、第2粘着剤層4に使用する粘着剤は、半導体ウェハ等の被着体汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さいことが好ましく、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、例えば30万以上、さらに好ましくは40万〜300万程度である。アクリル系ポリマーの数平均分子量を高める方法としては、例えば、アクリル系ポリマーと外部架橋剤を反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤などのいわゆる架橋剤を使用することができる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は架橋すべきベースポリマーとのバランスにより、さらには粘着剤の用途によって適宜調整することができ、一般的にはベースポリマー100重量部に対して1〜5重量部程度である。
また、第2粘着剤層4を構成する粘着剤として、活性エネルギー線硬化型粘着剤を使用してもよい。活性エネルギー線硬化型粘着剤としては、活性エネルギー線硬化性官能基を有し、且つ、粘着性を有するものを特に制限なく使用することができ、例えば、一般的な粘着剤に活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを添加した添加型の活性エネルギー線硬化型粘着剤、ベースポリマーとして活性エネルギー線硬化性官能基をポリマー側鎖又は主鎖中若しくは主鎖末端に有する内在型の活性エネルギー線硬化型粘着剤が挙げられる。内在型の活性エネルギー線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー等を含有する必要がないため、又は多くは含まないため、経時的にオリゴマー等が粘着剤中を移動することがなく安定した層構造の粘着剤層を形成することができる。一般的な粘着剤としては、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の感圧接着剤を挙げることができる。
活性エネルギー線硬化性官能基としては、例えば、ビニル基、メタクリル基、アセチレン基等の炭素−炭素多重結合を含む官能基が挙げられる。これらの炭素−炭素多重結合を含む官能基は、活性エネルギー線照射によって結合が開裂してラジカルを生成し、このラジカルが架橋剤となり三次元網目構造を形成する。活性エネルギー線硬化性官能基としては、なかでも、炭素−炭素二重結合を有するアクリレート基が活性エネルギー線に対して比較的高反応性を示すことや、また、多様なアクリル系粘着剤を選択できる等、反応性や作業性の観点から好ましい。
活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーとしては、アクリレート基を一分子中に2個以上含有する化合物が好ましい。活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
活性エネルギー線硬化性官能基を有するオリゴマーとしては、例えば、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系等の種々のオリゴマーが挙げられ、その分子量が100〜30000程度のものが適当である。これらは、単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーの添加量としては、用途に応じて適宜調整することができ、例えば、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、5〜500重量部程度であり、好ましくは40〜150重量部程度である。活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーの配合量が、ベースポリマー100重量部に対して500重量部を上回ると、低分子量物質の含有量が多くなり過ぎる結果、粘着シートを被着体から剥離する際に、被着体表面に糊残りしやすくなる傾向がある。一方、活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーの配合量が、ベースポリマー100重量部に対して5重量部を下回ると、活性エネルギー線を照射しても硬化しにくくなる傾向がある。そのため、粘着シートの被着体に対する粘着力を低下させることが困難となり、脆弱な被着体表面から被着体を破損することなく剥離することが困難となりやすい。
ベースポリマーとして活性エネルギー線硬化性官能基をポリマー側鎖又は主鎖中若しくは主鎖末端に有する内在型の活性エネルギー線硬化型粘着剤としては、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするものが好ましい。アクリル系ポリマーとしては、前記例示したものと同様の例を挙げることができる。
ベースポリマーに活性エネルギー線硬化性官能基を導入する方法としては、特に制限されず、様々な方法を採用できるが、分子設計が容易な点で、炭素−炭素二重結合を有する官能基をポリマー側鎖に導入することが好ましい。炭素−炭素二重結合を有する官能基をポリマー側鎖に導入する方法としては、例えば、予めアクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合した後、この官能基と反応性の高い官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物を、炭素−炭素二重結合の活性エネルギー線硬化性を維持したまま縮合、又は、付加反応をさせる方法などが挙げられる。
反応性の高い官能基の組み合わせとしては、例えば、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジン基、ヒドロキシル基とイソシアネート基等が挙げられる。これらの官能基の組み合わせの中でも、反応追跡の容易さから、ヒドロキシル基とイソシアネート基の組み合わせが好適である。また、これらの官能基の組み合わせであれば、各官能基がアクリル系ポリマーと、前記官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物のどちら側にあってもよいが、なかでも、アクリル系ポリマーがヒドロキシル基を有し、前記官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物がイソシアネート基を有する場合が好ましい。この場合、前記官能基及び炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーとしては、前記例示のヒドロキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル等のエーテル系化合物を共重合したものが用いられる。前記炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーは、単独で、又は2種以上を配合して使用することができる。
内在型の活性エネルギー線硬化型粘着剤としては、前記活性エネルギー線硬化性官能基を導入したベースポリマー(特に、アクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を損なわない程度に前記活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを配合してもよい。活性エネルギー線硬化性官能基を有するモノマー又はオリゴマーの配合量としては、例えば、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して30重量部以下、なかでも、0〜10重量部程度が好ましい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤には、3次元網目構造を形成する反応速度の向上を目的として、活性エネルギー線重合開始剤が配合されていてもよい。
活性エネルギー線重合開始剤は、用いる活性エネルギー線の種類(例えば、赤外線、可視光線、紫外線、X線、電子線等)に応じて公知乃至慣用の重合開始剤を適宜選択できる。作業効率の面から、紫外線で重合開始可能な光重合開始剤が好ましい。代表的な光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2−ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4−ジクロロチオキサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2,4−ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。
光重合開始剤の使用量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば0.1〜10重量部程度、好ましくは0.5〜5重量部程度である。
第2粘着剤層4を構成する粘着剤には、粘着性成分(ベースポリマー)の他に、粘着付与剤(例えば、ロジン誘導体樹脂、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、油溶性フェノール樹脂など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤などの適宜な添加剤を含んでいてもよい。
第2粘着剤層4の厚みは必要に応じて適宜調整することができ、例えば、1〜500μm程度、なかでも切断等の作業性に優れる点で3〜100μmが好ましい。
第2粘着剤層4の被着体に対する粘着力は目的に応じて適宜調整することができるが、被着体としての半導体ウェハに対する密着維持性や半導体ウェハからの剥離性などの点より、180°ピール剥離試験(JIS Z 0237に準拠、引張り速度300mm/分、25℃)の値で、例えば0.01〜15N/25mmテープ幅、好ましくは0.05〜10N/25mmテープ幅である。この粘着力が上記範囲を下回ると、被着体を保持することが困難となり、例えば、半導体ウェハの表面保護用粘着シートとして使用する場合に、加工工程途中で剥離するなどして半導体ウェハ表面を保護することが困難となる傾向がある。一方、粘着力が上記範囲を上回ると、脆弱な被着体を破損することなく剥離することが困難となる傾向がある。
また、粘着剤層を構成する粘着剤として活性エネルギー線硬化型粘着剤を使用する場合、活性エネルギー線を照射(例えば、紫外線を360mJ/cm2、19秒間照射)した後の粘着力が0.5N/25mmテープ幅以下であることが好ましい。被着体の加工工程終了後は、活性エネルギー線を照射することにより上記範囲に粘着力を低下させて、脆弱な被着体を破損することなく容易に粘着シートを剥離することができる。なお、使用条件や組成、配合によっては被着体を貼り合わせる前に予め活性エネルギー線を照射してもよい。
[セパレータ]
本発明の粘着シートには、第2粘着剤層4の熱膨張性フィルム層3貼り合わせ面とは反対側の面の平滑化及び保護、ラベル加工、ブロッキング防止の観点などから、セパレータ(剥離ライナー)が設けられていてもよい。セパレータは粘着シートを被着体に貼着する際に剥がされるものであり、必ずしも設けなくてもよい。用いられるセパレータとしては、特に限定されず、公知慣用の剥離紙などを使用できる。例えば、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン系等の剥離剤により表面処理されたプラスチックフィルムや紙等の剥離層を有する基材;ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体等のフッ素系ポリマーからなる低接着性基材;オレフィン系樹脂(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなど)等の無極性ポリマーからなる低接着性基材などを用いることができる。
上記セパレータの厚さとしては、特に限定されるものではないが、例えば、10〜200μm、好ましくは、25〜100μm程度である。
本発明の粘着シートは、例えば、熱収縮性フィルム層1、第1粘着剤層2、及び熱膨張性フィルム層3を順に重ねてハンドローラーやラミネーター等の積層手段や、オートクレーブ等の大気圧圧縮手段を目的に応じて適宜選択的に使用して積層させた後、熱膨張性フィルム層3の第1粘着剤層2貼り合わせ面とは反対側の面に第2粘着剤層4を構成する粘着剤を塗布、乾燥して第2粘着剤層4を形成し、必要に応じて第2粘着剤層4表面にセパレータを貼り合わせることにより製造することができる。また、別途、セパレータ上に第2粘着剤層4を形成し、得られた第2粘着剤層4を熱膨張性フィルム層3の第1粘着剤層2貼り合わせ面とは反対側の面に転写することにより製造することもできる。
本発明の粘着シートは、用途に応じてどのような形状をもとり得る。例えば、半導体ウェハ研削用途では、予め半導体ウェハと同形状に切断加工されたものが好適に使用される。
本発明の粘着シートは、例えば、半導体ウェハにバックグラインド及びダイシングを施してチップ化する際に、パターニングを施した半導体ウェハ表面を保護するための表面保護用粘着シートとして好適に使用することができる。
[半導体ウェハの加工方法]
本発明の半導体ウェハの加工方法では、上記本発明の粘着シートを半導体ウェハ表面のパターニングを保護するための粘着シートとして使用する。
上記粘着シートを半導体ウェハのパターニング面に貼り合わせる方法としては、例えば、テーブル上にパターニングを施した面が上になるように半導体ウェハを載置し、該パターニング面上に粘着シートの第2粘着剤層4面側が接するように重ね合わせて、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら貼り合わせる方法が挙げられる。そのほかにも、加圧可能な容器(例えば、オートクレーブ等)の中で半導体ウェハと粘着シートを前記のように重ね合わせ、容器内を加圧することにより貼り合わせる方法が挙げられる。この場合、押圧手段により押圧しながら貼り合わせてもよい。また、真空チャンパー内で上記と同様に貼り合わせることもできる。半導体ウェハのパターニング面に貼り合わせる方法はこれらに限定されるものではなく、貼り合わせる際に加熱することもできる。
粘着シートを半導体ウェハのパターニング面に貼り合わせた後は、半導体ウェハ裏面に機械研磨を施して半導体ウェハを所定の厚さにまで薄型化するバックグラインド、さらに薄型化した半導体ウェハを切断してチップ化するダイシング、得られた半導体チップ(IC、LSI)をLF、セラミックスケース、基板等に固着化させるダイボンディング等の加工を施すことができる。
バックグラインド方法としては周知慣用の方法を採用することができ、例えば薄型加工機として研削機、CMPパッド等を使用することができる。バックグラインドは半導体ウェハが所望の厚さになるまで行われる。本発明の半導体ウェハの加工方法においては、本発明の粘着シートを半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用するため、例えば、半導体ウェハの厚さを100μm以下、更に50μm以下にまで薄型化するこしても、バックグラインド工程終了後に、粘着シートを貼り合わせたままの状態で、高温環境(例えば、70〜180℃程度)に曝す工程(例えば、半導体ウェハ裏面にダイボンディング用接着フィルムを加熱貼着する工程など)を設けることができる。高温環境下に曝しても、半導体ウェハに過大な応力がかからず、極めて薄型化し脆弱化した半導体ウェハが変形して反り上がることがないためである。
バックグラインド工程終了後、必要に応じてさらに諸工程を経た後、不要となった粘着シートは半導体ウェハ表面から剥離される。第2粘着剤層4として活性エネルギー線硬化型粘着剤層を使用する場合は、粘着シートに活性エネルギー線を照射して粘着力を低下させてから剥離することが好ましい。活性エネルギー線照射手段は特に限定されることがなく、例えば紫外線照射等により行うことができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、熱膨張性フィルム及び熱収縮性フィルムのヤング率(25℃)、熱膨張性フィルムの線膨張率、熱収縮性フィルムの熱収縮率は以下のように測定した。
[熱膨張性フィルム及び熱収縮性フィルムのヤング率(25℃)の測定方法]
熱膨張性フィルム及び熱収縮性フィルムのヤング率(25℃)は、JIS K7127に準じて以下の方法で測定した。
引張り試験器として島津製作所製オートグラフAG−1kNG(加温フード付き)を用い、長さ200mm×幅10mmに切り取った熱膨張性フィルム及び熱収縮性フィルムをチャック間距離100mmで取り付け、試料(試験片)とした。常温雰囲気下(25℃)、引張り速度5mm/分で試料を引張り、応力−歪み相関の測定値を得た。歪みが0.2%と0.45%の2点について荷重を求めヤング率を得た。この測定を同一試料について5回繰り返し、その平均値を採用した。
[熱膨張性フィルムの線膨張率の測定方法]
熱膨張性フィルムの線膨張率は、JIS K7197に準じて以下の方法で測定した。
熱・応力・歪測定装置(商品名「TMA/SS6000」、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用し、長さ20mm×幅5mmに切り取った熱膨張性フィルムをチャック間距離10mmで取り付け、試料(試験片)とした。常温(25℃)環境とした後、昇温速度10℃/分にて昇温して応力−温度相関の測定値を得た。得られた応力−温度相関の測定値より、25℃における試料の長さを基準とした所定温度における試料の長さの変化の割合を下記式により求めた。
線膨張率(%)={[所定温度での試料の長さ(mm)−25℃での試料の長さ(mm)]/25℃での試料の長さ(mm)}×100
[熱収縮性フィルムの熱収縮率]
熱収縮性フィルムの収縮率は、以下の方法で測定した。
縦100mm×横100mmの大きさの熱収縮性フィルム(25℃における長さ:100mm)を試料(試験片)とし、試料を所定温度のオーブン中で3分間加熱処理した後、25℃で1時間以上放置した。25℃まで冷めた試料の主収縮方向の長さを所定温度で加熱処理した際の試料の長さとして、25℃における試料の長さを基準とした所定温度における試料の長さの変化の割合を下記式により求めた。
熱収縮率(%)={[25℃での試料の長さ(mm)−所定温度での試料の長さ(mm)]/25℃での試料の長さ(mm)}×100
実施例1
(積層体:熱収縮性フィルム層/第1粘着剤層/熱膨張性フィルム層)
イソボルニルアクリレート45重量部、2−エチルヘキシルアクリレート45重量部、アクリル酸10重量部、ヘキサンジオールジアクリレート0.1重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.05重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)0.05重量部を混合し、1時間紫外線(360mJ/cm2)を照射してプレポリマー溶液を調製した。
得られたプレポリマー溶液を熱膨張性フィルム層としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「ルミラーS10」、厚み75μm、東レ社製)の一方の面に、乾燥後の厚みが 30μmとなるように塗布し、その上に熱収縮性フィルム層としてのナイロンフィルム(商品名「NK」、厚み15μm、ユニチカ社製)を重ね、ハンドローラーを用いて積層した。続いて、両側から紫外線(360mJ/cm2、1時間)を照射して最終キュアを行い、積層体を得た。
(粘着シート:熱収縮性フィルム層/第1粘着剤層/熱膨張性フィルム層/第2粘着剤層の作製)
ブチルアクリレート−アクリル酸(100重量部:3重量部)からなるアクリル系ポリマー100重量部に対し、架橋剤(商品名「テトラッドC」、三菱ガス化学社製)0.7重量部、架橋剤(商品名「コロネートL」、日本ポリウレタン工業社製)2重量部を配合して混合液を調製し、アプリケータを用いて剥離シート(商品名「MFR38」、三菱ポリエステルフィルム(株)製)上に塗布した後、溶媒などの揮発物を乾燥させ、厚さ30μmのアクリル系粘着剤層を得た。得られたアクリル系粘着剤層を上記積層体の熱膨張性フィルム層側に転写して、粘着シートを得た。
実施例2
熱収縮性フィルム層としてポリエチレンフィルム(商品名「コージンポリセットUM」、興人社製、厚み20μm)を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
実施例3
熱膨張性フィルム層としてポリスチレンフィルム(商品名「サントクリア」、三菱化学社製、厚み130μm)を使用した以外は実施例2と同様にして粘着シートを得た。
比較例1
実施例1と同様にしてアクリル系粘着剤層を得た。得られたアクリル系粘着剤層を熱膨張性フィルム層としてのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(商品名「ルミラーS10」、厚み75μm、東レ社製)に転写して、粘着シートを得た。
比較例2
熱収縮性フィルム層として一軸延伸ポリエステルフィルム(商品名「スペースクリーンS7200」、東洋紡(株)製、厚み30μm)を使用した以外は実施例1と同様にして粘着シートを得た。
評価方法
実施例及び比較例において得られた粘着シートをテープ貼り合わせ装置(商品名「DR3000II」、日東精機社製)を使用して8インチミラーウェハに貼り合わせ、ウェハ研削装置(商品名「DFG8560」、ディスコ社製)を使用してウェハ厚みが75μmとなるまで研削した。その後、粘着シートが貼り合わされたままの研削済みウェハを180℃の水平なホットプレート上に、ウェハ研削面を上にして(粘着シートを下にして)静置し、直後のウェハの反り上がり量を、ウェハ中心部を原点としてウェハ最外周部分の浮き量の最大値を金尺にて測定し、この値を加熱直後の反り量(mm)とした。
上記結果を下記表にまとめて示す。
Figure 2010209158
加熱直後のウェハの反り量が10mm未満のものはウェハ吸着ミスが起こりにくいと判断できるため、反り量が10mm未満のものを良好、10mm以上のものを不良と判定できる。実施例で得られた粘着シートを表面保護用粘着シートとして使用した場合は、熱膨張性フィルム層の生み出す線膨張応力と熱収縮性フィルム層の生み出す熱収縮応力とが互いに相殺されているため、ウェハの反り量が3mm以下の低い値に押さえられ、ウェハ吸着を良好に行うことができる。一方、比較例1で得られた粘着シートを表面保護用粘着シートとして使用した場合は、熱膨張性フィルム層の線膨張応力を打ち消すための熱収縮応力を生み出す熱収縮性フィルム層が設けられていないため、加熱直後のウェハの反り量が20mmを超え、ウェハ吸着を行うことが困難である。また、比較例2で得られた粘着シートを表面保護用粘着シートとして使用した場合は、熱収縮性フィルム層の熱収縮応力が熱膨張性フィルム層の生み出す線膨張応力に対して大きすぎるため、逆面に大きく反り上がる結果となった。
1 熱収縮性フィルム層
2 第1粘着剤層
3 熱膨張性フィルム層
4 第2粘着剤層
5 粘着シート
50 粘着シート
6 半導体ウェハ

Claims (7)

  1. 主収縮方向の熱収縮率が70〜180℃の範囲の所定温度において5%以上30%未満である熱収縮性フィルム層と熱膨張性フィルム層と粘着剤層とを少なくとも有する粘着シート。
  2. 主収縮方向の熱収縮率が70〜180℃の範囲の所定温度において5%以上30%未満である熱収縮性フィルム層、第1粘着剤層、熱膨張性フィルム層、及び第2粘着剤層が順に積層されている請求項1記載の粘着シート。
  3. 熱膨張性フィルム層の厚みが1〜1000μmである請求項1又は2に記載の粘着シート。
  4. 熱膨張性フィルム層の25℃におけるヤング率が0.1〜10GPaである請求項1〜3の何れかの項に記載の粘着シート。
  5. 下記式(1)で計算される値が0.8〜5の範囲である請求項1〜4の何れかの項に記載の粘着シート。
    [熱収縮性フィルム層における厚み(μm)×ヤング率(MPa)×熱収縮率(%)]/[熱膨張性フィルム層における厚み(μm)×ヤング率(MPa)×線膨張率(%)] …(1)
    [式(1)において、ヤング率は25℃における値、熱収縮率及び線膨張率は70〜180℃の範囲の所定温度における値である]
  6. 半導体ウェハ加工工程において、半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用される請求項1〜5の何れかの項に記載の粘着シート。
  7. 請求項1〜5の何れかの項に記載の粘着シートを半導体ウェハ表面保護用粘着シートとして使用することを特徴とする半導体ウェハの加工方法。
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