JP5184161B2 - 半導体加工用テープ - Google Patents

半導体加工用テープ Download PDF

Info

Publication number
JP5184161B2
JP5184161B2 JP2008068575A JP2008068575A JP5184161B2 JP 5184161 B2 JP5184161 B2 JP 5184161B2 JP 2008068575 A JP2008068575 A JP 2008068575A JP 2008068575 A JP2008068575 A JP 2008068575A JP 5184161 B2 JP5184161 B2 JP 5184161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
pressure
sensitive adhesive
semiconductor
tape
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008068575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009224621A (ja
Inventor
有理 玉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2008068575A priority Critical patent/JP5184161B2/ja
Publication of JP2009224621A publication Critical patent/JP2009224621A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5184161B2 publication Critical patent/JP5184161B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Dicing (AREA)

Description

本発明は、半導体デバイスを製造する工程において使用する粘着テープに関する。さらに詳しくいえば、サポートプレートを用いた半導体素子の製造に用いることができる半導体加工用テープに関する。
配線パターンが形成された半導体ウエハの裏面を薄型加工するにあたっては、半導体ウエハのパターン面の保護と半導体ウエハ自体の固定を行うために、パターン面に保護シートを貼り付けた後に、裏面に研磨、研削等の薄型加工を施すのが一般的である。前記保護シートとしては、プラスチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤等が塗布されてなるものが一般的に用いられている。しかし、近年、ICカードや携帯電話の薄型化、小型化により、半導体チップの厚さも50μm以下のレベルが要求されてきており、従来の保護テープを用いた工程では、保護テープのみでは半導体ウエハを支えることができず、研削後におけるウエハの反りや、ウエハカセット収納時おける撓み等により、ウエハの取り扱いが非常に困難となりハンドリングや搬送の自動化を困難にしていた。
この問題に対し、特許文献1に示されるように、半導体ウエハにガラス基板、セラミック基板やシリコンウエハ基板などを、接着剤を介して貼り合わせ、半導体ウエハにサポート性を付与する方法が提案されている。保護シートに代わりガラス基板、セラミック基板やシリコンウエハ基板などのサポートプレートを用いることにより、ウエハのハンドリング性は大きく向上し、搬送の自動化が可能となる。
一方、近年、数段にスタックされた半導体素子をワイヤボンディングによって接続する従来のパッケージ形態に代わり、高速且つ大容量の伝送が可能となる貫通電極付ICチップの製造が検討されてきている。貫通電極付ICチップの製造方法としては、例えば、半導体ウエハの裏面研削後に、半導体ウエハの所定の位置にプラズマ等により貫通孔を設け、この貫通孔に銅等の導電体を流し込んだ後、エッチング等を施して半導体ウエハの表面に回路と貫通電極とを設ける方法等が挙げられるが、従来の保護シートを用いた場合、前記保護シートがプラズマ処理や銅電極の形成時の高熱に耐えらずフィルムが溶融してしまう、もしくは粘着剤の変質により剥離ができなくなってしまうといった問題がある。
特許文献1に記される方法は、例えば特許文献2に示されるように、高速且つ大容量の伝送が可能となる貫通電極付ICチップの製造にも好適に用いることが可能である。すなわち、従来のプラスチックフィルムとアクリル系粘着剤から構成される保護フィルムに代わり、ガラス基板、セラミック基板やシリコンウエハ基板などを用いることから、プラズマ処理や銅電極の形成時の熱による影響を受けることがない。特許文献2には、(1)回路を形成した基盤の表面に剛性を有するサポートプレートを貼り付け、(2)基板の裏面を研削して薄板化し、(3)貫通電極および基板の裏面に回路を形成し、(4)回路を形成した裏面にダイシングテープを貼りあわせ、(5)基板の表面からサポートプレートを剥離し、(6)個々の素子に切断するという内容が開示されている。前記サポートプレートとしては厚み方向に多数の貫通穴が形成されたガラス製のプレートが、またサポートプレートと基板の回路形成面の貼り合わせには非水溶性高分子化合物から成る接着剤が用いられ、基板からのサポートプレート取り外しは前記非水溶性接着剤を溶解せし得る剥離液をサポートプレートに形成された貫通穴を通して流し込むことによって、接着剤を溶解し除去することによって行われる。前期非水溶性接着剤を溶解せし得る剥離液としては、一価アルコールもしくは多価アルコールおよびその誘導体等の薬剤が挙げられ、特にメタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が好ましく用いられている。
前述の特許文献2の方法により、貫通電極を有するチップを効率よく製造することが可能となるものの、基板からのサポートプレート取り外しに、非水溶性接着剤を溶解せし得る剥離液を用いる場合、基板の裏面に貼り合わせたダイシングテープの粘着剤が前記剥離液によって溶解し、半導体基板を汚染してしまうという問題が生じる。特許文献2にはOリングを用いて剥離液が供給される空間を制限することで剥離液がダイシングテープにかかることを防ぐとの記載があるが、上記課題を解決するには十分ではない。
耐薬品性に優れた半導体加工用テープとして、特許文献3に記載の半導体加工用テープが挙げられるが、特許文献3に記載の半導体加工用テープは基材フィルムに関する記述のみであり、粘着剤の耐薬品性については言及されておらず、粘着剤に前記剥離液がかかった場合におけるICチップの汚染の問題は解決できていない。これらのことから、粘着剤に前記非水溶性接着剤を溶解せし得る剥離液がかかった場合においても汚染の問題を生じないダイシングテープの開発が必要とされていた。
なお、貫通電極を有するICチップの製造に用いるダイシングテープとしては、例えば特許文献4に記載のダイシングテープが用いられるが、特許文献4に記載のダイシングテープは高い凹凸追従性と高弾性率を同時に満たすことにより、貫通電極付ICチップに対して良好な加工性を示すものの、粘着剤の耐溶剤性としては一切記載がなく不十分である。
特開2006−135272号公報 特開2006−196705号公報 特開2005−336428号公報 特開2006−202926号公報
本発明はサポートプレートを用いた半導体素子の製造工程において、粘着剤に剥離液がかかった場合においても粘着剤が溶解せず半導体素子を汚染することのない半導体加工用テープを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、基材フィルム上に粘着剤層を有してなるウエハ加工用テープであって、そのゲル分率を特定の値とし、且つ、前記粘着剤層を特性の成分を主成分とする樹脂組成物で形成することで、サポートプレートを用いた半導体素子の製造工程において粘着剤層に剥離液がかかった場合においても粘着剤が溶解せず半導体デバイスの汚染を防止し得ることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
すなわち本発明は、
ポートプレートを非水溶性接着剤を介して半導体基板に接着し、前記半導体基板を薄板化後、前記サポートプレートを、前記非水溶性接着剤を溶解する剥離液を用いて、前記半導体基板から剥離する半導体素子の製造に用いられる半導体加工用テープであって、
前記半導体加工用テープは、基材フィルム上に粘着剤層を有し、前記粘着剤層のゲル分率が70%以上であり、且つ、前記粘着剤層が分子内に不飽和二重結合を有し、重量平均分子量が200000以上であるアクリル系化合物を主成分とするエネルギー線硬化型アクリル樹脂組成物から形成されており、
前記粘着剤層の23℃におけるエネルギー線照射前の貯蔵弾性率が4.0×10 Pa〜5.0×10 Paであることを特徴とする半導体加工用テー
提供するものである。
本発明の半導体加工用テープによれば、半導体基板からのサポートプレート取り外しに非水溶性接着剤を溶解せし得る剥離液を用いる場合においても、ダイシングテープの粘着剤が前記剥離液によって溶解することなく、半導体基板を汚染せずにサポートプレートの取り外しが可能であり、サポートプレートを用いた半導体素子の製造に好適に用いることができる。
本発明の半導体加工用テープは、基材フィルムと、前記基材フィルム上に積層された粘着剤層を有する粘着テープである。本発明において、該粘着剤層のゲル分率は、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは82〜95%である。ゲル分率が小さすぎると、粘着剤層の耐薬品性が低く、半導体加工用テープが一価もしくは多価アルコールおよびその誘導体などの薬品にさらされる可能性のある半導体素子の製造工程においては、上記薬品によって溶融した粘着剤が半導体チップを汚染してしまう。
なお、本発明においてゲル分率とは、粘着剤層中の被架橋成分除く架橋した粘着剤成分の比率を意味する。ゲル分率は、質量がAである粘着剤(層)を300倍以上の容量のエタノール等の溶剤に23(室温)℃で、48時間浸漬させて溶解させ、金属メッシュ等で濾過後、そのメッシュ上残留物分を加熱乾燥させて溶剤を乾燥除去した乾燥残留物の質量をBとしたときに、下記式(1)により算出したものである。なお、本発明において、ゲル分率は、粘着剤層形成直後に、セパレータ等で粘着剤層表面を保護した状態であって、エネルギー線照射前の粘着剤層について測定されたものとする。
ゲル分率(%)=乾燥残留物の質量B/粘着剤の質量A×100(1)
本発明の半導体加工用テープを構成する粘着剤層は、分子内に不飽和二重結合を有するアクリル系化合物を主成分とし、副成分として光重合開始剤、硬化剤などを含むアクリル系粘着剤のエネルギー線硬化型アクリル樹脂組成物を用いて形成されている。
上記の分子内に不飽和二重結合を有するアクリル系化合物としては、例えば、ペンチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、デシルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレートまたはこれらと同様のメタクリレートや、官能基を有する、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、フタル酸、2−ヒドロキシアルキルアクリレート類、2−ヒドロキシアルキルメタクリレート類、グリコールモノアクリレート類、グリコールモノメタクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アリルアルコール、N−アルキルアミノエチルアクリレート類、N−アルキルアミノエチルメタクリレート類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フマル酸、無水フタル酸、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、ビニルアルコールから選択される1種もしくは複数種の重合体、または、数種の重合体の混合物(以下、「(化合物1)」という)に、光重合性炭素−炭素二重結合を導入したものが挙げられる。
(化合物1)に、光重合性炭素−炭素二重結合を導入する方法としては、(化合物1)の側鎖に官能基を有し、これと付加反応可能な官能基と光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物を(化合物1)に付加させる方法が挙げられる。(化合物1)に付加反応可能な官能基と光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物としては、付加反応の対象となる側鎖がカルボキシル基または酸無水物である場合には、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、付加反応の対象となる側鎖がエポキシ基である場合には、(メタ)アクリル酸等が挙げられ、付加反応の対象となる側鎖が水酸基である場合には、2一イソシアネートアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分子内に不飽和二重結合を有するアクリル系化合物は、耐薬品性の点より重量平均分子量200000以上2000000以下であることが好ましく、更に好ましくは重量平均分子量400000以上1500000以下である。重量平均分子量200000以下では樹脂の耐薬品性が低い為に、サポートプレーを取り外す際に用いられる剥離液によって粘着剤層が溶解し、半導体基板を汚染してしまうことがある。一方、重量平均分子量2000000以上の高分子量体は非常に高粘度となる為、粘着剤としての利用に適した状態での製造が困難である。
本発明に用いることのできる光重合開始剤は特に制限なく、従来知られている任意のものを用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン等のアントラキノン類、2−クロロチオキサントン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジル、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体(ロフィン二量体)、アクリジン系化合物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の添加量としては、光重合性炭素−炭素二重結合が導入されたアクリル系化合物100質量部に対して0.1〜15質量部とすることが好ましく、0.5〜12質量部とすることがより好ましい。
硬化剤は、ポリイソシアネート類、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂から選ばれる化合物であり、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。アクリル系化合物と反応した結果できる架橋構造により、アクリル系化合物と硬化剤を含むアクリル系粘着剤の凝集力を、粘着剤塗布後に向上させることができる。
ポリイソシアネート類としては、特に制限がなく、例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−〔2,2−ビス(4−フェノキシフェニル)プロパン〕ジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リジントリイソシアネート等を挙げることができ、具体的には、市販品としてコロネートL(日本ポリウレタン社製)等を用いることができる。
また、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂としては、具体的には、市販品として、ニカラックMX−45(三和ケミカル社製)、メラン(日立化成工業社製)等を用いることができる。さらに、エポキシ樹脂としては、TETRAD−X(三菱化学社製)等を用いることができる。
本発明においては、特にポリイソシアネート類を用いることが好ましい。
硬化剤の添加量としては特に限定されることはないが、分子内に不飽和二重結合を有するアクリル系化合物100質量部に対して0.1〜15質量部とすることが好ましく、1〜10質量部とすることがより好ましい。その量が0.1質量部未満では凝集力向上効果が十分でない傾向があり、15質量部を越えると粘着剤の配合および塗布作業中に硬化反応が急速に進行して架橋構造が形成されるため、作業性が損なわれることがある。
さらに本発明に用いられる粘着剤層を形成するアクリル系樹脂組成物には必要に応じて紫外線硬化性モノマー、紫外線硬化性オリゴマー、粘着付与剤、粘着調整剤、界面活性剤など、あるいはその他の改質剤等を配合することができるが、これら材料の添加は粘着剤のゲル分率を低下させ、耐薬品性を損なう場合がある為、分子内に不飽和二重結合を有するアクリル系化合物100質量部に対して20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下とすることがより好ましい。
本発明の半導体加工用テープに用いられる粘着剤層は、半導体基板の固定保持の点より、23℃における貯蔵弾性率が好ましくは4.0×10Pa〜5.0×10Pa、さらに好ましくは5.0×10〜3.0×10Pa、より好ましくは6.0×10〜2.0×10Paの範囲にある。粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率は高い方がダイシング時におけるチッピングの発生や剥離の際における電極への糊残りが抑制され有利であるが、貯蔵弾性率が高すぎると粘着剤層が硬くなり電極等の凹凸に追従できず、ダイシング加工の際に切削水や切削屑が浸入してしまうという問題が生じることがある。一方、粘着剤層の貯蔵弾性率が低すぎると凝集力の不足により、ダイシング加工時において剪断変形しやすくなりチッピングが大きくなるおそれがある。
上記の貯蔵弾性率は、エネルギー線照射前の粘着剤層について測定されたものである。
粘着剤層の厚さは好ましくは5μm以上70μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下、更に好ましくは15μm以上30μm以下である。粘着剤層が薄すぎると電極の凹凸に追従できず、ダイシング加工の際に切削水や切削屑が浸入してしまうという問題が生じ、逆に厚すぎるとダイシング加工時においてチッピングが大きくなり、半導体素子の品質が低下する。
本発明において、粘着剤層を硬化させるエネルギー線としては、放射線が好ましく、放射線としては、紫外線(UV)などの光線、電子線などが挙げられる。
本発明に用いられる基材フィルムとしては、粘着剤層を硬化させる放射線としてUVを用いる場合には基材フィルムは光透過性であることが必要であるが、放射線として電子線を用いる場合には基材フィルムは必ずしも光透過性である必要はない。使用する基材としてはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、およびポリブテンのようなポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体およびエチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体のようなエチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のエンジニアリングプラスチック、軟質ポリ塩化ビニル、半硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド天然ゴムならびに合成ゴムなどの高分子材料が好ましい。またこれらの群から選ばれる2種以上が混合されたものもしくは複層化されたものでもよく、粘着剤層との接着性によって任意に選択することができる。基材フィルムとしては、エチレン−アクリル酸共重合体のアイオノマーを用いてなるフィルムであることがさらに好ましい。
基材フィルムの厚さは、特に制限するものではないが、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは40〜400μm、特に好ましくは70〜250μmである。
基材フィルム上に粘着剤層を形成する方法は特に限定はなく、例えば、上記のアクリル樹脂組成物を通常用いられる塗布方法によって基材フィルム上に塗布、乾燥させて形成すればよい。
本発明の半導体加工用テープが用いられる半導体素子の製造におけるサポートプレートとしては、半導体ウエハ等の基板を薄板化した後に、サポートプレートと基板とを接着している接着層に短時間のうちに溶剤が供給できる構造のサポートプレートであって、例えば、特開2006−135272号公報に記載された、厚み方向に溶剤が透過する多数の貫通孔が形成されているサポートプレーを用いることができる。そして、本発明の半導体加工用テープは、サポートプレートと基板とを接着している接着剤を溶解せしめる溶剤をサポートプレートの外側から供給し、サポートプレートの貫通孔を介して前記溶剤を接着剤まで到達せしめ、硬化している接着剤を溶解せしめた後、サポートプレートを基板から剥離する際に、前記溶剤を供給する前に、サポートプレート付きの薄化ウエハの回路形成面に貼付されることが好ましい。
本発明の半導体加工用テープは、それに限定されるものではないが、特開2006−196705号公報に記載の回路素子の形成方法におけるダイシングテープとして好適に用いることができる。特に、薄板化した基板からのサポートプレート取り外しに、非水溶性接着剤を溶解せし得る剥離液、例えば、一価もしくは多価アルコールを用いる場合であっても、テープの粘着剤が前記剥離液によって溶解しにくく、半導体基板の汚染を効果的に抑制することができる。このような特性から、本発明のテープは、貫通電極付きICチップの製造に好適に用いることができる。
次に本発明を実施例に基づき更に詳細に説明する。以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
2−エチルヘキシルアクリレート(75mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(24mol%)の共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基に、光重合性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物として、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を付加反応させた光重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリル系化合物(A1:分子量800000)を得た。この化合物(A1)100質量部に対して、ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製:コロネートLを1質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を5.0質量部加えて合し、放射線硬化性粘着剤である樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム上に、乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥して粘着剤層を形成し、半導体加工用テープを作製した。
(実施例2)
エチルアクリレート(75mol%)、メタクリル酸(1mol%)、2−ヒドロキシエチルアクリレート(24mol%)の共重合体の2−ヒドロキシエチルアクリレート側鎖末端OH基に、光重合性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物として、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートのNCO基を付加反応させることにより光重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリル系化合物(A2:分子量180000)を得た。この化合物(A2)100質量部に対して、ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製:コロネートLを1質量部、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を5質量部加えて合し、放射線硬化性粘着剤である樹脂組成物を調製した。この樹脂組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムに、乾燥膜厚が20μmとなるように塗布し、110℃で3分間乾燥して粘着剤層を形成し、半導体加工用テープを作製した。
(実施例3)
ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製:コロネートLを3質量部配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用テープを作製した。
(実施例4)
ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製:コロネートLを0.1質量部配合した以外は、実施例1と同様にして、半導体加工用テープを作製した。
(比較例1)
ポリイソシアネートとして日本ポリウレンタン社製:コロネートLを0.1質量部配合した以外は、実施例2と同様にして、半導体加工用テープを作製した。
(比較例2)
実施例4に紫外線硬化性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを光重合性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A1)100質量部に対して、30質量部配合した以外は実施例4と同様にして、半導体加工用テープを作製した。
試験例
実施例1〜4および比較例1〜2の半導体加工用テープについて、ゲル分率、貯蔵弾性率、分子量、耐薬品性、凹凸面への追従性、チッピングの評価試験を以下のように行った。結果を表1に示す。
「ゲル分率」
50mm×50mmの大きさにカットした半導体加工用テープから、セパレータを除去し、その重量Aを秤量した。次に前記テープサンプルを100gのエタノール溶液中に浸漬した状態で48時間放置した後、50℃の恒温層で乾燥し、その重量Bを秤量した。更に酢酸エチルを用いてサンプルの粘着剤層を拭き取り除去した後、サンプルの重量Cを秤量し、下記式(2)によりゲル分率を算出した。
ゲル分率(%)=(B−C)/(A−C)(2)
「粘着剤貯蔵弾性率」
厚さ2.0mm、直径8mmの粘着剤層を動的粘弾性測定機(レオメトリック社製)に供給し、23℃、周波数1Hzでの測定値(貯蔵弾性率)に基づく。表中の単位はPaである。
「分子量」
分子量は重量平均分子量で、光重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリル系化合物を高速液体クロマトグラフによって測定した値である。
「耐薬品性」
5×5cmの大きさに切断した実施例および比較例の半導体加工用テープを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート中に180分間浸漬した後、テープの粘着剤層表面を光学顕微鏡で観察し、浸漬前後で粘着剤に膨潤・変質が発生しなかったものを◎、60分間浸漬した後、浸漬前後で粘着剤に膨潤・変質が発生しなかったものを○、60分間以内に粘着剤に膨潤・変質が見られたものを×とした。
「凹凸面への追従性」
裏面に高さ15μmの凹凸を有する半導体ウエハの裏面に実施例および比較例の半導体加工用テープを貼着した後、ダイサーを用いて下記のダイシング条件で5×5mmのチップに個辺化した際において、チップの裏面にダイシング時の切削水が全く浸入しなかったものを◎、チップ端部にのみ若干の浸入が見られたもののチップ面積の10%未満であったものを○、チップ裏面の10%以上の領域で切削水浸入の見られたものを×とした。
「チッピング」
#2000砥石で研削した6インチシリコンウエハの研削面に実施例および比較例の半導体加工用テープを貼り合わせることによりリングフレームに固定し、ダイサーを用いて下記のダイシング条件で5mm×5mmのチップに個辺化した。ダイシング用粘着テープを剥離した後、無作為に選定した50個の半導体チップについて、各々の半導体チップのダイシング用粘着テープを貼着・剥離した側の面の四辺における欠けの中心に向かった深さ方向の長さの最大値を測定し、20μmを超える欠けが見られなかったものを◎、30μmを超える大きな欠けが見られなかったものを○、30μmを超える大きな欠けが見られたものを×とした。
(ダイシング試験条件)
ダイシング装置 :DISCO社製 DAD−340
ブレード :DISCO社製 27HEDD
ブレード回転数 :40000rpm
切削速度 :100mm/sec
テープ切り込み量:30μm
切削水量 :1.5リットル/min
切削水温度 :23℃
チップサイズ :5mm×5mm
Figure 0005184161
表1に示されるように、粘着剤層のゲル分率が70%以上であり、分子内に不飽和二重結合を有する炭素−炭素二重結合が導入されたアクリル系化合物を主成分とするエネルギー線硬化型アクリル樹脂組成物から粘着剤層が形成されている実施例1並びに参考例1〜3のテープでは、耐薬品性試験において少なくとも60分間の浸漬において、粘着剤の膨潤および変質が発生しておらず、一価アルコールもしくは多価アルコールおよびその誘導体等の薬剤に晒される工程に実用上問題なく用いることができる。特に粘着剤層の23℃における貯蔵弾性率が4.0×10Pa〜5.0×10Paである実施例1では凹凸追従性、チッピングにおいても非常に優れ、表面に凹凸のある貫通電極付きのICチップ等の半導体素子の加工用として特に優れたものであった。一方、粘着剤層のゲル分率が70%以下である比較例1、2では耐薬品性試験において60分以内の浸漬で粘着剤の膨潤が見られ、一価アルコールもしくは多価アルコールおよびその誘導体等の薬剤に晒される工程には適さないことが示された。

Claims (1)

  1. サポートプレートを非水溶性接着剤を介して半導体基板に接着し、前記半導体基板を薄板化後、前記サポートプレートを、前記非水溶性接着剤を溶解する剥離液を用いて、前記半導体基板から剥離する半導体素子の製造に用いられる半導体加工用テープであって、
    前記半導体加工用テープは、基材フィルム上に粘着剤層を有し、前記粘着剤層のゲル分率が70%以上であり、且つ、前記粘着剤層が分子内に不飽和二重結合を有し、重量平均分子量が200000以上であるアクリル系化合物を主成分とするエネルギー線硬化型アクリル樹脂組成物から形成されており、
    前記粘着剤層の23℃におけるエネルギー線照射前の貯蔵弾性率が4.0×10 Pa〜5.0×10 Paであることを特徴とする半導体加工用テープ。
JP2008068575A 2008-03-17 2008-03-17 半導体加工用テープ Active JP5184161B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008068575A JP5184161B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 半導体加工用テープ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008068575A JP5184161B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 半導体加工用テープ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009224621A JP2009224621A (ja) 2009-10-01
JP5184161B2 true JP5184161B2 (ja) 2013-04-17

Family

ID=41241078

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008068575A Active JP5184161B2 (ja) 2008-03-17 2008-03-17 半導体加工用テープ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5184161B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011184582A (ja) * 2010-03-09 2011-09-22 Three M Innovative Properties Co 光学用粘着シート
JP2012069586A (ja) * 2010-09-21 2012-04-05 Nitto Denko Corp ダイシング・ダイボンドフィルム、ダイシング・ダイボンドフィルムの製造方法、及び、半導体装置の製造方法
JP2013163775A (ja) * 2012-02-13 2013-08-22 Nitto Denko Corp 粘着テープ
JP6006953B2 (ja) * 2012-03-23 2016-10-12 リンテック株式会社 電子部品加工用粘着シートおよび半導体装置の製造方法
JP6009189B2 (ja) * 2012-03-28 2016-10-19 リンテック株式会社 電子部品加工用粘着シートおよび半導体装置の製造方法
JP5901422B2 (ja) 2012-05-15 2016-04-13 古河電気工業株式会社 半導体ウェハのダイシング方法およびこれに用いる半導体加工用ダイシングテープ
JP5460809B1 (ja) * 2012-10-17 2014-04-02 古河電気工業株式会社 半導体加工用粘着テープ
JP2014096449A (ja) * 2012-11-08 2014-05-22 Nitto Denko Corp ウエハの加工方法および該ウエハの加工方法により得られたウエハ
JP6328397B2 (ja) * 2013-10-02 2018-05-23 リンテック株式会社 電子部品加工用粘着シートおよび半導体装置の製造方法
JP6210827B2 (ja) * 2013-10-04 2017-10-11 リンテック株式会社 半導体加工用シート
JP5607847B1 (ja) 2013-11-29 2014-10-15 古河電気工業株式会社 半導体加工用粘着テープ
KR101722137B1 (ko) * 2014-01-03 2017-03-31 주식회사 엘지화학 다이싱 필름 및 다이싱 다이본딩 필름
JP5718515B1 (ja) * 2014-01-23 2015-05-13 古河電気工業株式会社 半導体ウエハ表面保護用粘着テープおよび半導体ウエハの加工方法
CN105684131B (zh) 2014-03-03 2018-09-25 古河电气工业株式会社 半导体加工用粘合带
JP6545454B2 (ja) * 2014-12-09 2019-07-17 日東電工株式会社 半導体の製造に用いられる粘着シート
JP6550271B2 (ja) * 2015-05-28 2019-07-24 日東電工株式会社 バックグラインドテープ
JP6887766B2 (ja) * 2016-07-19 2021-06-16 日東電工株式会社 粘着シート
JP6863870B2 (ja) * 2017-10-10 2021-04-21 リンテック株式会社 粘着シート
SG11202106504VA (en) 2019-01-15 2021-07-29 Showa Denko Kk Decomposing/cleaning composition, method for cleaning adhesive polymer, and method for producing device wafer
KR102521063B1 (ko) * 2021-03-25 2023-04-13 율촌화학 주식회사 내용제성이 우수한 다이싱 테이프

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4614700B2 (ja) * 2004-07-08 2011-01-19 日東電工株式会社 ウェハのダイシング方法、半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器
JP2007019151A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Furukawa Electric Co Ltd:The ウエハ加工用テープおよびそれを用いたチップの製造方法
JP4800694B2 (ja) * 2005-07-26 2011-10-26 日東電工株式会社 ダイシング・ダイボンドフィルム
JP4970863B2 (ja) * 2006-07-13 2012-07-11 日東電工株式会社 被加工物の加工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009224621A (ja) 2009-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5184161B2 (ja) 半導体加工用テープ
JP5901422B2 (ja) 半導体ウェハのダイシング方法およびこれに用いる半導体加工用ダイシングテープ
KR101375397B1 (ko) 점착 시트
KR101545805B1 (ko) 웨이퍼가공용 테이프 및 이를 사용한 반도체장치의 제조방법
JP5379919B1 (ja) 半導体加工用粘着テープ
JP4991348B2 (ja) 粘着シート
TWI553087B (zh) Adhesive tape for semiconductor processing
JP5460809B1 (ja) 半導体加工用粘着テープ
JP5282113B2 (ja) 基材フィルムおよび該基材フィルムを備えた粘着シート
JP2008222781A (ja) 粘着シート
JP5566774B2 (ja) 放射線硬化性半導体ウエハ表面保護用粘着テープ
WO2011125683A1 (ja) 半導体ウエハ加工用粘着シート
JP2008214384A (ja) 粘着シート
JPWO2012157615A1 (ja) 粘着シートおよび電子部品の製造方法
JP5583080B2 (ja) ウエハ加工用テープおよびそれを用いた半導体加工方法
CN109997218B (zh) 隐形切割用粘着片
JP4781633B2 (ja) 粘着シート
JP4805549B2 (ja) 粘着シート
JP5184685B1 (ja) 半導体ウエハ加工用テープ
KR102099071B1 (ko) 반도체 웨이퍼 보호용 점착 필름 및 이의 제조방법
KR101414393B1 (ko) 다이싱 다이 어태치 필름 및 그 제조 방법
JP2008214368A (ja) 粘着シート
WO2022250130A1 (ja) バックグラインド用粘着性フィルムおよび電子装置の製造方法
TW202411062A (zh) 晶圓背面研磨用黏結膜
JP2014209629A (ja) 半導体ウエハ加工用粘着シート

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121105

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130116

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5184161

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160125

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350