[バルクフィーダの供給対象となる部品]
先ず、図1を引用して、「バルクフィーダの供給対象となる部品」について説明する。
図1(A)に示した部品PA1は長さL1>幅W1=高さH1の寸法関係を有する直方体形状を成し、図1(B)に示した部品PA2は長さL2>幅W2>高さH2の寸法関係を有する直方体形状を成し、図1(C)に示した部品PA3は長さL3>直径R3の寸法関係を有する円柱形状を成す。
これら部品PA1、PA2及びPA3の代表例は、長さL1、L2及びL3が1.6mm、1.0mm、0.6mm、0.4mm等といった小型のチップコンデンサやチップレジスタ等の電子部品である。これら電子部品は、一般に、強磁性体に属する材料を含む外部電極を有する他、種類によっては強磁性体に属する材料を含む内部導体を有していることから、後記永久磁石35(ロータ30の永久磁石35)の磁力による吸引が可能である。
勿論、後記永久磁石35の磁力による吸引が可能な同形状の部品であれば、電子部品以外の部品も供給対象となることは言うまでも無い。また、図1(A)、図1(B)及び図1(C)には直方体形状または円柱形状の部品PA1、PA2及びPA3を示したが、後記永久磁石35の磁力による吸引が可能な部品であれば、各図に示した形状に類似する形状を成す部品や球形を成す部品等も供給対象とすることができる。
[バルクフィーダの構造]
次に、図2〜図14を引用して、「バルクフィーダの構造」について説明する。この説明にあっては、説明の便宜上、図2(A)の左、右、手前、奥、上、下をそれぞれ前、後、左、右、上、下と称し、他の図のこれらに相当する方向を同様に称する。また、図2〜図4、図6、図7、図11及び図14に記した+印は後記ロータ30の回転中心に対応する位置を示す。
図2に示したバルクフィーダは、フィーダ本体(符号無し)と、該フィーダ本体に着脱自在に取り付けられたケース10とから構成されている。フィーダ本体は、フレーム20と、ロータ30と、モータ40と、駆動歯車50と、中継歯車60とを備えている。
(ケースの構造)
ケース10は、図3(A)、図3(B)及び図3(C)に示したように、左右寸法が上下寸法及び前後寸法よりも小さな略直方体形状を成している。このケース10は、図4(A)に示した左板11と図4(B)に示した右板12とを組み合わせることによって構成されている。
左板11は、図4(A)に示したように、右面視輪郭が略矩形を成し、金属またはプラスチックから形成されている。この左板11は、計4個のネジ穴11aを右面4隅に有し、収納室用凹部11bを右面中央に有している。
収納室用凹部11bは、曲率中心が図中の+印に在り、且つ、所定の曲率半径を有する第1円弧面11b1と、第1円弧面11b1よりも曲率半径が小さく、且つ、第1円弧面11b1と曲率中心を一致する第2円弧面11b2と、第1円弧面11b1の下端と第2円弧面11b2の下端とを結ぶ第1平面11b3と、第1円弧面11b1の上端と第2円弧面11b2の上端とを結ぶ第2平面11b4と、収納室用凹部11bの底に当たる左側内側面11b5とを有している。また、第1円弧面11b1の曲率半径は後記円弧溝12bの外側円弧面12b1の曲率半径よりも大きく、第2円弧面11b2の曲率半径は後記円弧溝12bの内側円弧面12b2の曲率半径よりも小さい。
右板12は、図4(B)に示したように、右面視輪郭が略矩形を成し、後記永久磁石35(ロータ30の永久磁石35)の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。右板12の左面視輪郭は左板11の左面視輪郭と略一致していて、該右板12の厚さは左板11の厚さよりも小さい。この右板12は、左板11のネジ穴11aに対応する計4個のネジ挿通孔12aを4隅に有し、円弧溝12bを左面後側に有し、ストッパ取付用溝12cを左面上側に有し、取出口用凹部12dを上面中央に有し、後記位置決めピン24が挿入可能な計2個の位置決め孔12eを前側上部及び後側下部に有している。
円弧溝12bは、曲率中心が図中の+印に在り、且つ、所定の曲率半径を有する外側円弧面12b1と、外側円弧面12b1よりも曲率半径が小さく、且つ、外側円弧面12b1と曲率中心を一致する内側円弧面12b2とを有していて、外側円弧面12b1の曲率半径と内側円弧面12b2の曲率半径との差は後記幅Wgを規定している。この円弧溝12bは下から上に向かって、具体的には、図中の+印の略真下から略真上に向かって約180度の角度範囲で形成されている。
ストッパ取付用溝12cは、円弧溝12bと同一断面形状を有する直線溝から成り、その幅及び深さを規定する3面が該円弧溝12bの後記幅Wg及び後記深さDgを規定する3面と連続するように、円弧溝12bの最上点から前側に向かって形成されている。
取出口用凹部12dは、右板12の上面中央、具体的には、円弧溝12bの最上点及びその前後部分の上側を左右方向に切り欠くようにして形成されており、円弧溝12b及びストッパ取付用溝12cに達する所定の深さを有している。即ち、円弧溝12bの最上点及びその後側部分と、ストッパ取付用溝12cの後端及びその前側部分は、取出口用凹部12dを通じて開放している。
図4(B)に示したように、ストッパ取付用溝12cには、円柱形または4角柱形を成す棒状のストッパ13が、必要に応じて接着剤を用いて嵌め込むことによって取り付けられている。このストッパ13は後記永久磁石35の磁力による磁化が可能なもの、具体的には、強磁性体に属する鉄やニッケル等の材料から形成された棒材や、強磁性体に属する材料から成る母材の表面全体に強磁性体に属する別の材料から成る層をメッキ等によって形成した棒材や、強磁性体に属しない材料から成る母材の表面全体に強磁性体に属する材料から成る層をメッキ等によって形成した棒材等が用いられている。
ストッパ取付用溝12cに取り付けられたストッパ13の後端部は取出口用凹部12d側に突出していて、該後端部は取出口用凹部12dを通じて露出している。即ち、ストッパ13の後端部は取出口用凹部12dによって形成された前記開放部分に入り込んでいて、該開放部分のうちのストッパ13が存在しない領域が後記取出口17となる。
図1(A)に示した部品PA1を供給対象とする場合の円弧溝12bの断面形状は、図5(A)に示したように、部品PA1の幅W1または高さH1よりも僅かに大きく、且つ、端面対角寸法D1及び長さL1よりも小さな幅Wg及び深さDgを有する矩形である。即ち、図5(A)に示した円弧溝12bは、同図に破線で示したように、部品PA1を幅または高さの面が略揃った長さ向きで移動可能に収容できる。
図5(B)は図1(A)に示した部品PA1を供給対象する場合の円弧溝12bの他の断面形状を示すもので、該断面形状は、部品PA1の端面対角寸法D1よりも僅かに大きく、且つ、長さL1よりも小さな幅Wg及び深さDgを有する矩形である。即ち、図5(B)に示した円弧溝12bは、同図に破線で示したように、部品PA1を幅及び高さの面の方向に拘わらずに長さ向きで移動可能に収容できる。
また、図1(B)に示した部品PA2を供給対象とする場合の円弧溝12bの断面形状は、図5(C)に示したように、部品PA2の高さH2よりも僅かに大きく、且つ、幅W2よりも小さな幅Wgと、幅W2よりも僅かに大きな深さDgとを有する矩形である。即ち、図5(C)に示した円弧溝12bは、同図に破線で示したように、部品PA2を幅及び高さの面が略揃った長さ向きで移動可能に収容できる。
さらに、図1(C)に示した部品PA3を供給対象とする場合の円弧溝12bの断面形状は、図5(D)に示したように、部品PA3の直径R3よりも僅かに大きく、且つ、長さL3よりも小さな幅Wg及び深さDgを有する矩形である。即ち、図5(D)に示した円弧溝12bは、同図に破線で示したように、部品PA3を長さ向きで移動可能に収容できる。
図示を省略したが、図1(A)〜図1(C)に示した形状に類似する形状を成す部品や球形を成す部品等を供給対象とする場合には、該部品を所定向きで移動可能に収容できる断面形状を有する円弧溝12bが採用される。
図3に示したケース10を図4(A)に示した左板11と図4(B)に示した右板12を用いて組み立てるときには、左板11の右面に右板12の左面を重ね、右板12の各ネジ挿通孔12aに止めネジFSを差し込み、各止めネジFSを左板11の各ネジ穴11aにねじ込んで左板11及び右板12を結合すれば良い。各止めネジFSには、その頭部が後記永久磁石25(フレーム20の永久磁石25)に吸着されることを可能とするために、強磁性体に属する材料を含むものが使用される。
この組み立てによって、左板11の収納室用凹部11bの右側開口が、右板12の左面によって閉塞される。また、右板12の円弧溝12bの左側開口の上部と、ストッパ取付用溝12cの左側開口と、取出口用凹部12dの左側開口とが、左板11の収納室用凹部11bが存在しない右面部分によって閉塞される。
即ち、図6(A)及び図6(B)に示したように、ケース10内には、左板11の収納室用凹部11bの第1円弧面11b1、第2円弧面11b2、第1平面11b3、第2平面11b4及び左側内側面11b5と、右板12の左面の一部とによって囲まれた、左面視輪郭が略円形の収納室14が画成される。この収納室14にあっては、左板11の左側内側面11b5が該収納室14の左側壁となり、右板12の一部が該収納室14の右側壁となる。
また、図6(A)及び図6(B)に示したように、収納室14の右側壁の内面には、右板12の円弧溝12bの左側開口が閉塞されていない部分(約150度の角度範囲部分)によって、下から上に向かう円弧状の案内溝15が形成される。図から分かるように、この案内溝15の始点は同図中の+印の略真下に位置する。
さらに、図6(A)及び図6(B)に示したように、右板12の円弧溝12bの左側開口が閉塞された部分(約30度の角度範囲部分)によって、案内溝15と同じ断面形状を有し、且つ、案内溝15の上端を基点として下から上に向かう円弧状の供給通路16が形成されると共に、該供給通路16の後端にその入口となる取込口16aが形成される。図から分かるように、この供給通路16の終点(先端)は同図中の+印の略真上に位置する。また、ストッパ13は、この供給通路16の先端から前側にかけて前後向きに存在する。
さらに、図6(A)及び図6(B)に示したように、ケース10の上面には、供給通路16内を移動してストッパ13の後端に当接して停止した部品を該供給通路16から外部に取り出すための上面開口の取出口17が形成される。図から分かるように、この取出口17は同図中の+印の略真上に位置する。
さらに、図6(A)及び図6(B)に示したように、収納室14を構成する第1円弧面11b1の曲率半径が案内溝15の外側円弧面12b1の曲率半径よりも大きいため、案内溝15の外側には両者の曲率半径の差に準じた幅を持つ円弧状の平坦面FP1が形成される。即ち、案内溝15の内側にはこの平坦面FP1と面一状態の平坦面FP2が存在することから、該案内溝15は2つの平坦面FP1及びFP2の間に挟まれるように位置することになる。因みに、図1に示した部品PA1、PA2及びPA3を供給対象とする場合、平坦面FP1の幅は、概ね、部品の長さの2倍以上の値に設定される。
(フィーダ本体の構造)
フィーダ本体(符号無し)は、図11及び図12に示したように、フレーム20と、ロータ30と、モータ40と、駆動歯車50と、中継歯車60とを備えている。
フレーム20は、図7(A)及び図7(B)に示したように、下面視輪郭が矩形を成す底壁21と、左面視輪郭が矩形を成し底壁21と直角な右壁22と、右壁22の左面前部に設けられたロータ配置部23とを一体に有しており、底壁21、右壁22及びロータ配置部23は好ましくは永久磁石の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。
右壁22には、ロータ30の取り付けに用いられるネジ孔22aと、モータ40の取り付けに用いられる計4個のネジ孔22bと、中継歯車60の取り付けに用いられるネジ孔22cが形成されている。
ロータ配置部23には、ロータ30の外径よりも僅かに大きな内径を有し、且つ、ロータ30の左右寸法よりも僅かに大きな深さを有する円形凹部23aが形成されている。図面には、円形凹部23aの深さとロータ配置部23の厚さとが一致し、右壁22の左面の一部が円形凹部23aの底を形成したものを示している。ロータ30の上部分をフレーム20の上面から上方に突出させるため、円形凹部23aはその上端部がロータ配置部25の上面で切除されたような形状を成している。また、ロータ配置部25の後部には、円形凹部23aの深さと同一の深さを有する矩形凹部23bが該円形凹部23aと連続して形成されている。
また、ロータ配置部23の左面の前側上部と後側下部には、ケース10の各位置決め孔12eにそれぞれに挿入可能な計2個の位置決めピン24が一体または別体で設けられている。各ピン24を別体で設ける場合には、柱状ピンの一端部を、ロータ配置部25の左面に形成した所定深さの穴に、必要に応じて接着剤を用いて嵌め込むことによって配置すれば良い。各位置決めピン24の断面形は位置決め孔12eの断面形よりも僅かに小さく、その突出寸法は位置決め孔12eの深さ(右板12の厚さ)よりも僅かに小さい。各位置決めピン24には、各位置決め孔12eへの挿入が容易に行えるように、先端が半球状のものや円錐状のものが好ましく用いられる。
さらに、ロータ配置部の左面の前側上部と前側下部と後側下部には、ケース10の止めネジFSの頭部を吸着可能な計3個の永久磁石25が埋設されている。各永久磁石25は両端面に磁極を有する円柱形または4角柱形を成しており、一方磁極はロータ配置部25の左面と略面一状態で露出している。各永久磁石25は、ロータ配置部25の左面に形成した所定深さの穴に、必要に応じて接着剤を用いて嵌め込むことによって取り付けられている。
このフレーム20にあっては、ロータ配置部23の左側に、ケース10の左方からの差し込みによる取り付けと左方への抜き出しによる取り外しを可能としたケース取付部26、即ち、ケース10の左右方向着脱を可能としたケース取付部26が形成されている。
ロータ30は、図8(A)及び図8(B)に示したように、所定厚さの円板部31と、円板部31の右面中央に設けられたボス部32と、円板部31及びボス部32を左右に貫通する円形孔33と、円板部31の外周面に形成された平歯34(図示省略)とを有しており、永久磁石の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。
ロータ30の左右寸法、つまり、円板部31aの左面とボス部32の右面との間隔は、フレーム20の円形凹部23aの深さよりも僅かに小さい。また、円形孔33の左端には、該円形孔33よりも大径の円形凹部33aが形成されている。この円形凹部33aは、後記支持軸SSの円形頭部を回転自在に収容するためのものである。
また、円板部31の左面には、計8個の永久磁石35が各々の一方磁極が円板部31の中心(ロータ30の回転中心に相当)と同心の仮想円VC(後記円軌道に相当)に沿うように45度間隔で配置されている。各永久磁石35は両端面に磁極を有する円柱形または4角柱形を成しており、一方磁極は円板部31の左面と略面一状態で露出している。各永久磁石35は、円板部31の左面に形成された所定深さの穴に、必要に応じて接着剤を用いて嵌め込むことによって取り付けられている。また、各永久磁石35には、収納室14内の部品を案内溝15方向に吸引するのに十分な表面磁力を有するものが使用されている。さらに、各永久磁石35は一方磁極の中心(磁力線が最も密集する磁力中心に相当)は、仮想円VC上に位置している。この仮想円VC(後記円軌道に相当)の曲率半径は、「ケース10の案内溝15及び供給通路16を構成する外側円弧面12b1の曲率半径以下で、且つ、内側円弧面12b2の曲率半径以上」の条件を満足するように設定されている。因みに、各永久磁石35の一方磁極の極性は全てがN極またはS極であっても良いし、仮想円VCに沿って交互にN極とS極が並ぶようになっていても良い。
このロータ30は、図11及び図12に示したように、その左面が左側を向くようにフレーム20の円形凹部25aに挿入すると共に、円形孔33に差し込んだ支持軸SSのネジ部をフレーム20のネジ孔22aにねじ込むことによって、フレーム20に回転自在に配置されている。支持軸SSは円形頭部と円柱部とネジ部を一体に有するものであって、円柱部の左右寸法は円形凹部33aを除く円形孔33の左右寸法よりも僅かに大きいため、ねじ込み完了状態(支持軸SSの円柱部の右端がフレーム20の円形凹部25aの左面に当接し、且つ、支持軸SSの円形頭部が円形凹部33aに収容された状態)では、ロータ30はその左面がフレーム20のロータ配置部25の左面と平行或いはこれに近い状態で回転することができる。また、ロータ30の左右寸法はフレーム20の円形凹部23aの深さよりも僅かに小さいため、ロータ30の左面はフレーム20のロータ配置部25の左面よりも右側に僅かに引っ込んでいる。この配置状態にあっては、ロータ30は支持軸SSを中心として回転することでき、この回転に伴って各永久磁石35は仮想円VCに相当する円軌道下で移動することができる。
モータ40は、図9(A)及び図9(B)に示したように、円柱形のモータ本体41と、モータ本体41の右端に設けられた鍔部42と、モータ本体41から鍔部42を貫通して右側に突出するモータ軸43と、鍔部42の4隅に形成された計4個のネジ挿通孔44とを有している。
駆動歯車50は、図9(A)及び図9(B)に示したように、外周面に平歯(図示省略)を有し、その中心部をモータ40のモータ軸43に固定されている。この駆動歯車50は金属またはプラスチックから形成されており、外周面の平歯(符号無し)は中継歯車60の外周面の平歯64に噛合可能な形状を有している。
この駆動歯車50付きモータ40は、図11及び図12に示したように、各ネジ挿通孔44及び円筒形スペーサ45に差し込んだ止めネジFSをフレーム20のネジ孔22bにねじ込むことによって、フレーム20に固定配置されている。モータ40の右面とフレーム20の右壁22の左面との間隔を規定するスペーサ45の左右寸法は、モータ40の右面からのモータ軸43及び駆動歯車50の突出寸法よりも大きいため、ねじ込み完了状態では、モータ軸43及び駆動歯車50の右面はフレーム20の右壁22の左面に接することはない。
中継歯車60は、図10(A)及び図10(B)に示したように、所定厚さの円板部61と、円板部61の右面中央に設けられたボス部62と、円板部61及びボス部62を左右に貫通する円形孔63と、円板部61の外周面に形成された平歯64(図示省略)とを有しており、金属またはプラスチックから形成されている。中継歯車60の左右寸法、つまり、円板部61aの左面とボス部62の右面との間隔は、フレーム20の矩形凹部23bの深さよりも僅かに小さい。平歯64は、ロータ30の外周面の平歯34に噛合可能な形状を有している。また、円形孔63の左端には、該円形孔63よりも大径の円形凹部63aが形成されている。この円形凹部63aは、後記支持軸SSの円形頭部を回転自在に収容するためのものである。
この中継歯車60は、図11及び図12に示したように、その左面が左側を向くようにその前側部分をフレーム20の矩形凹部25bに挿入すると共に、円形孔63に差し込んだ支持軸SSのネジ部をフレーム20のネジ孔22cにねじ込むことによって、フレーム20に回転自在に配置されている。支持軸SSは円形頭部と円柱部とネジ部を一体に有するものであって、円柱部の左右寸法は円形凹部63aを除く円形孔63の左右寸法よりも僅かに大きいため、ねじ込み完了状態(支持軸SSの円柱部の右端がフレーム20の右壁22の左面に当接し、且つ、支持軸SSの円形頭部が円形凹部63aに収容された状態)では、中継歯車60はその左面がフレーム20の右壁22の左面と平行或いはこれに近い状態で回転することができる。また、中継歯車60の左右寸法はフレーム20の矩形凹部25bの深さよりも僅かに小さいため、中継歯車60の左面はフレーム20のロータ配置部25の左面よりも右側に僅かに引っ込んでいる。
図11及び図12から分かるように、図7に示したフレーム20に図8〜図10に示したロータ30、駆動歯車50付きモータ40及び中継歯車60を取り付けた状態では、駆動歯車50の外周面の平歯は中継歯車60の外周面の平歯64に噛合し、中継歯車60の平歯64はロータ30の外周面の平歯34に噛合する。即ち、モータ40の動作により駆動歯車50を所定方向に回転させることによって中継歯車60を介してロータ30を同一方向に回転させることができると共に、モータ40の動作を停止させることによりロータ30の回転を停止させることができる。
(ケースをフィーダ本体に取り付ける方法)
図3に示したケース10を図11に示したフィーダ本体に取り付けるときには、図12に示したように、指先等によってケース10を把持し、該ケース10の右面の各位置決め孔12eがフレーム20の各位置決めピン24と向き合うように位置合わせした後に、各位置決め孔12eに各位置決めピン24を挿入して該ケース10の右面をロータ配置部25の左面に当接させる。この過程では、ケース10の計4個の止めネジFSのうちの3個の止めネジFSの頭部がフレーム20の計3個の永久磁石25にそれぞれ吸着され、該吸着によってケース10の右面がロータ配置部25の左面に押し付けられる。これにより、ケース10が所定3次元位置で保持された状態でケース取付部26に取り付けられる。因みに、フィーダ本体のケース取付部26に取り付けられたケース10を該ケース取付部26から取り外すときには、ケース10を指先等で把持し、各永久磁石25の磁力に基づく吸着力に抗して該ケース10を左方に抜き出せば良い。
(フィーダ本体に取り付けられたケースとロータとの位置関係)
ケース10がフィーダ本体に取り付けられた状態では、図14に示したように、ロータ30の左面は、該ロータ30の回転を許容する極力小さな隙間(符号無し)を介してケース10の右面と平行或いはこれに近い状態で向き合う。
また、図13に示したように、ロータ30の回転中心は、ケース10の案内溝15及び供給通路16を構成する外側円弧面12b1及び内側円弧面12b2の曲率中心と、各永久磁石35の一方磁極の中心が位置する仮想円VC(図8(A)を参照)の中心とに略一致する。
さらに、図13に示したように、「仮想円VC(=円軌道)の曲率半径は外側円弧面12b1の曲率半径以下で、且つ、内側円弧面12b2の曲率半径以上」の条件を満足するように設定されているため、仮想円VCに相当する円軌道下で移動する各永久磁石35の一方磁極は案内溝15及び供給通路16と向き合うと共に、各々の中心は案内溝15内及び供給通路16内を向く。
さらに、ケース10の右板12は磁力が透過可能であるため、案内溝15と向き合う永久磁石35の磁力は該右板12を通じて案内溝15内及び収納室14内に及び、供給通路16と向き合う永久磁石35の磁力は該右板12を通じて供給通路16内に及ぶ。
図13には、計8個の永久磁石35の外側を囲む仮想円(図示省略)の曲率半径が、収納室14を構成する第1円弧面12b1の曲率半径と略一致したものを示したが、外側の平坦面FP1の幅を拡大するか、或いは、直径の小さな永久磁石35を用いれば、該仮想円は第1円弧面12b1の内側に位置するようになるし、直径の大きな永久磁石35を用いれば、該仮想円は第1円弧面12b1の外側に位置するようになる。
ここで、図14(A)〜図14(C)を引用して、図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(A)に示した円弧溝12bを採用した場合において、前記条件「仮想円VC(=円軌道)の曲率半径は外側円弧面12b1の曲率半径以下で、且つ、内側円弧面12b2の曲率半径以上」を満足する具体例について説明する。
図14(A)は「円軌道の曲率半径=(外側円弧面12b1の曲率半径+内側円弧面12b2の曲率半径)/2」の場合の具体例を示し、図14(B)は「(外側円弧面12b1の曲率半径+内側円弧面12b2の曲率半径)/2>円軌道の曲率半径>内側円弧面12b2の曲率半径」の場合の具体例を示し、図14(C)は「外側円弧面12b1の曲率半径>円軌道の曲率半径>(外側円弧面12b1の曲率半径+内側円弧面12b2の曲率半径)/2」の場合の具体例を示す。
前記条件下では図14(A)に示した具体例が最も好ましく、次いで図14(B)または図14(C)に示した具体例が好ましいと言えるが、前記条件を満足していれば「円軌道の曲率半径=外側円弧面12b1の曲率半径」或いは「円軌道の曲率半径=内側円弧面12b2の曲率半径」であっても、後述する案内溝15への部品の収容を高確率下で行うことは十分に可能である。
図示を省略したが、
・図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(B)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(B)に示した部品PA2を供給対象とし、且つ、図5(C)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(C)に示した部品PA3を供給対象とし、且つ、図5(D)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(A)〜図1(C)に示した形状に類似する形状を成す部品や球形を成す部品等を 供給対象とし、該部品を所定向きで移動可能に収容できる断面形状を有する円弧溝12 bを採用した場合
でも前記条件は同じであるため、前記同様の具体例が適宜採用できる。
[バルクフィーダの部品供給動作]
次に、図15〜図20を引用して、図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(A)に示した円弧溝12bを採用した場合を例として、「バルクフィーダの部品供給動作」について説明する。この説明にあっては、説明の便宜上、図15の左、右、手前、奥、上、下をそれぞれ前、後、左、右、上、下と称し、他の図のこれらに相当する方向を同様に称する。また、図15及び図20に記した+印はロータ30の回転中心に対応する位置を示す。
部品供給に際しては、収納室14内に多数の部品PA1がバラ状態(向きが揃っていない状態)で収納されたケース10を用意しておき、該ケース10を先に述べた方法によってフィーダ本体に取り付ける(図12を参照)。
ケース10の収納室14内への部品PA1の収納は、該ケース10に設けられた開閉蓋付きの補充口(図示省略)やシールで閉塞可能な補充口(図示省略)を通じて行う。部品PA1の収納量が多すぎると、後述する取込口16aへの部品PA1の流入確率が低下するため、部品PA1の最大収納レベルは収納室14の高さの約1/2とすることが好ましい。例えば、部品PA1の長さL1が1.0mmの場合、図3(A)〜図3(C)に示した実寸法と同一寸法のケース10を作成し、且つ、最大収納レベルを収納室14の高さ寸法の約1/2としても、数万個程度の部品PA1を収納することができる。
そして、ケース10が取り付けられたフィーダ本体、即ち、バルクフィーダをマウンタ(部品搭載装置)のフィーダ取付台に設置し、図15に示したように、ロータ30を取出口17に向かう方向に所定角度、例えば180〜1080度回転させて、部品PA1の予備供給(所謂、玉詰め)を行う。
このロータ30の回転に伴って、該ロータ30に設けられた各永久磁石35は、
・過程PR1:永久磁石35の一方磁極が収納室14と対向し、且つ、案内溝15と向き 合った状態で移動する過程
・過程PR2:永久磁石35の一方磁極が収納室14と対向せず、且つ、供給通路16と 向き合った状態で移動する過程
・過程PR3:永久磁石35の一方磁極が収納室14と対向せず、且つ、供給通路16と 向き合わない状態で移動する過程
を順に経るようにして移動する。
前記過程PR1では、収納室14内に収納されているバラ状態の部品PA1のうちの複数の部品PA1が永久磁石35の磁力によって案内溝15方向に吸引され、吸引された複数の部品PA1は塊のままで部品収納領域から抜け出して案内溝15に沿って上方に移動して取込口16aに達する。
詳しくは、案内溝15の外側と内側には該案内溝15を挟み込むようにして2つの平坦面FP1及びFP2が面一状態で存在し、且つ、永久磁石35の一方磁極の中心は案内溝15内に向いているため、図16に示したように、永久磁石35の磁力によって案内溝15方向に吸引された複数の部品PA1の塊は、該案内溝15及びその両側の平坦面FP1及びFP2を覆うような山状の形態(2点鎖線を参照)或いはこれに近い形態となる。つまり、案内溝15の外側と内側に存在する平坦面FP1及びFP2を利用して、極力多くの部品PA1が案内溝15方向に吸引される。
永久磁石35の磁力によって案内溝15方向に吸引される複数の部品PA1の個数は、収納室14内の部品PA1の残数や永久磁石35の表面磁力等によって左右するが、十分量の部品PA1が収納室14内に収容され、永久磁石35が例えば2000〜4000ガウスの表面磁力を有していて十分な磁力が収納室14内の部品PA1に及ぶ場合には、概ね、数十個〜数百個である。
また、永久磁石35の一方磁極の中心は案内溝15内に向いているため、複数の部品PA1の塊のうちの該永久磁石35に最も近く、且つ、その中心(磁力中心)に向き合う部品PA1には案内溝15内に引き込む力が最も強く作用する。しかも、複数の部品PA1の塊が案内溝15に沿って上方に移動するときには、該複数の部品PA1の塊のうちの案内溝15に近い部品PA1が該案内溝15の開口側の2つの円弧状エッジに接触してその向きが矯正される作用が生じる。
即ち、前記過程PR1では、永久磁石35の磁力によって極力多くの部品PA1が案内溝15方向に吸引されることも相俟って、永久磁石35の磁力によって案内溝15方向に吸引された複数の部品PA1のうちの1個または複数個の部品PA1を、前記作用に基づいて高確率で案内溝15内に長さ向きで収容することができる。
ところで、部品PA1は長さL1>幅W1=高さH1の寸法関係を有する直方体形状を成すため、案内溝15内に収容される部品PA1の向きは、基本的には、長さ向き(図17を参照)と、長さ向きと90度異なる向き(図18を参照)の2パターンとなり、案内溝15内に収容されない部品PA1はバラ状態である(図16を参照)。
案内溝15内に収容された1個または複数個の部品PA1が何れも「案内溝15内に長さ向きで収容された部品PA1」であるとき、或いは、「案内溝15内に長さ向きで収容された部品PA1」の後側に「案内溝15内に長さ向きと90度異なる向きで収容された部品PA1」が存在するときは、図17に示したように、「案内溝15内に長さ向きで収容された部品PA1」は、永久磁石35の磁力によって吸引されつつ案内溝15に沿って上方に移動し、同向きのまま取込口16aに流入して供給通路16内に取り込まれる。この流入時、「案内溝15内に長さ向きと90度異なる向きで収容された部品PA1」と「案内溝15内に収容されない部品PA1」は、取込口16aの左側に存在する第2平面11b4に当接し、永久磁石35の一方磁極が該取込口16aの右側を通り過ぎて吸引力が低下したところで下方に落下する。
前記作用からして、案内溝15内に収容された1個または複数個の部品PA1が何れも「案内溝15内に長さ向きと90度異なる向きで収容された部品PA1」である確率は低いが、この場合には、図18に示したように、「案内溝15内に長さ向きと90度異なる向きで収容された部品PA1」と「案内溝15内に収容されない部品PA1」は、取込口16aの左側に存在する第2平面11b4に当接し、永久磁石35の一方磁極が取込口16aの右側を通り過ぎて吸引力が低下したところで下方に落下する。
また、前記過程PR2では、案内溝15から取込口16aに流入した長さ向きの部品PA1が、図19に示したように、永久磁石35の磁力によって吸引されつつ供給通路16に沿って上方に移動して取出口19に達し、その前面をストッパ13の後端に当接したところで停止する。予備供給時にはロータ30は例えば180〜1080度回転するため、ストッパ13の後端に当接して停止した先頭の部品PA1の後側には、複数の部品PA1が連なるような状態となる。
さらに、前記過程PR3では、永久磁石35の磁力が収納室14内の部品PA1に及ぶことが抑制されるため、該永久磁石35の磁力によって収納室14内の部品PA1に不要な変動、例えば案内溝15内への部品収容や取込口16aへの部品流入に関与しない変動等が生じることが防止される。
予備供給が完了した後は、図20に示したように、永久磁石35の一方磁極が取出口17の右側を通り過ぎた位置に存在し、且つ、該永久磁石35に続く後側の永久磁石35の一方磁極が供給通路16の右側に入り込んだ位置に存在するように、ロータ30を停止させる(以下、このロータ30の停止位置をロータ停止位置と言う)。
マウンタの吸着ノズルAN(図22を参照)による先頭の部品PA1の取り出しは、このロータ停止位置において行われる。具体的には、吸着ノズルを取出口17に向かって下降させて先頭の部品PA1を吸着した後に該吸着ノズルを上昇させることによって行われ、取出口17を通じて取り出された部品PA1は回路基板等の被搭載物に搭載される。
前記のようなロータ停止位置を設定した意図は、
・意図IN1:取出口17の右側を通り過ぎた永久磁石35の磁力によってストッパ13 を磁化させて、磁化されたストッパ13の後端に生じる磁力によって供給 通路16内の先頭の部品PA1を該ストッパ13の後端に吸着すること
・意図IN2:マウンタの吸着ノズルANにより取出口17を通じて先頭の部品PA1が 取り出されるときに、永久磁石22cの磁力による吸引を原因として、取 り出された部品PA1の姿勢や吸着位置が乱れることを回避すること
・意図IN3:供給通路16内に存在する部品PA1のうち、先頭の部品PA1を除く他 の部品PA1が供給通路16に沿って下方に自重移動しても、該自重移動 を後側の永久磁石22cの磁力よる吸引によって制止することにより、該 他の部品PA1が供給通路16から排出されて収納室14内に戻されるこ とを防止すること
にある。
ここで、前記意図IN1について補足する。ロータ停止位置にあっては、永久磁石35の一方磁極に基づく磁力がストッパ13の前端に及んで該ストッパ13が磁化され、磁化されたストッパ13の後端に一方磁極と同じ極性が現れ、該極性に基づく磁力によってストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1が吸着され、該吸着によって先頭の部品PA1が保持される。ストッパ13の後端に生じる磁力(吸着力)は、永久磁石35の磁力によってストッパ13を磁化させることによって得られるものであるため、永久磁石35の表面磁力よりも小さい。即ち、ストッパ13の後端に生じる磁力は、該ストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1を当接状態で維持できる程度の微弱な磁力、例えば数ガウス〜十数ガウス程度であれば、前記保持を十分に行える。
また、取出口17の右側を通り過ぎた永久磁石35の磁力によってストッパ13が磁化されたときに該ストッパ13の後端に生じる磁力の調整(吸着力の調整)は、ロータ停止位置を変更すること、具体的には図20に示した角度θを変更することによって簡単に行える。例えば、図20に示したロータ停止位置では吸着力が強すぎる場合には、角度θを増加して永久磁石35がストッパ13から離れるようにすれば良く、逆に、図20に示したロータ停止位置では吸着力が弱すぎる場合には、角度θを減少して永久磁石35がストッパ13に近付くようにすれば良い。因みに、「吸着力が強すぎる場合」とはストッパ13の後端に対する先頭の部品PA1の吸着力が該部品PA1の取り出しの妨げになる場合を意味し、「吸着力が弱すぎる場合」とは磁力による先頭の部品PA1の保持が十分に行えない場合を意味する。
磁化可能なストッパ13に代えて該ストッパ13と同一サイズの永久磁石製ストッパを用いれば、磁力による先頭の部品PA1の保持を行えるが、このような永久磁石製ストッパを使用すると前記ストッパ13を用いる場合に比べて部品コストが嵩んでしまう。また、永久磁石製ストッパは固有の表面磁力を有するものであるため、前記のような吸着力の調整は行えない。換言すれば、このような不具合を解消するために、取出口17の右側を通り過ぎた永久磁石35の磁力によってストッパ13を磁化させる方式を採用している。
マウンタの吸着ノズルANにより取出口17を通じて先頭の部品PA1が取り出された後は、ロータ停止位置にあるロータ30を取出口17に向かう方向に所定角度、例えば45度や90度や135度や180度回転させて、該ロータ30を再びロータ停止位置で停止させる。吸着ノズルによる部品PA1の取り出しは図示省略のセンサによって簡単に検出できるので、該検出信号に基づいてロータ30の回転を開始することができる。
ロータ停止位置にあるロータ30を取出口17に向かう方向に所定角度回転させるときには、「案内溝15内への部品PA1の収容」と「案内溝15から取込口16aへの部品PA1の流入」と「供給通路16内における部品PA1の移動」が前記同様に行われ、部品PA1が再び取出口17に供給される。これ以後も、取出口17を通じて先頭の部品PA1が取り出される度に、ロータ停止位置にあるロータ30は取出口17に向かう方向に所定角度回転する。
尚、前記「バルクフィーダの部品供給動作」を、図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(A)に示した円弧溝12bを採用した場合を例に挙げて説明したが、
・図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(B)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(B)に示した部品PA2を供給対象とし、且つ、図5(C)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(C)に示した部品PA3を供給対象とし、且つ、図5(D)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(A)〜図1(C)に示した形状に類似する形状を成す部品や球形を成す部品等を 供給対象とし、該部品を所定向きで移動可能に収容できる断面形状を有する円弧溝12 bを採用した場合
でも、部品の大きさに拘わらず、前記同様の「バルクフィーダの部品供給動作」を実現できる。これら場合のうち、「図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(B)に示した円弧溝12bを採用した場合」には、図5(B)に破線で示したように、部品PA1は幅または高さの面が揃わない長さ向きで案内溝15内に収容され得るが、案内溝15内を移動する過程や供給通路16内を移動する過程では部品PA1それ自体に姿勢を安定化させる変位が生じるため、該部品PA1は幅または高さの面が揃った姿勢で取出口17に供給されることになる。
[供給通路内の部品挙動]
次に、図21〜図25を引用して、図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(A)に示した円弧溝12bを採用した場合を例として、前記「バルクフィーダの部品供給動作」に係る「供給通路内の部品挙動」について詳しく説明する。
実物における「供給通路内の部品挙動」は速度が極めて早いために直視による観察は困難であるため、該観察は、高速カメラで撮像した動画をスロー再生したものを目視することにより行った。また、観察では、部品PA1として長さL1が0.6mmで幅W1及び高さH1が0.3mmのチップコンデンサ(所謂、0603サイズのチップコンデンサ)を使用し、ロータ30の回転角度を45度とし、且つ、該45度回転に要する時間を30msecとした。図21〜図25に示した供給通路16内の部品PA1の総数は例示的なものであり、実際上はロータ30が45度回転する度に供給通路16内の部品PA1の総数に−2個〜+5個の変動があったことを付記する。
図21はロータ30をロータ停止位置で停止させた様子を示す。同図から分かるように、ストッパ13の後端には2個の部品PA1が連なって存在すると共に、該2個の部品PA1と間隔をおいて供給通路16内の後側には5個の部品PA1が連なって存在し、該5個の部品PA1は後側の永久磁石35の磁力による吸引によってその下方への自重移動が制止されている。
因みに、観察によれば、ストッパ13の後端に3個または4個の部品PA1が連なって存在する場合や、供給通路16内の後側に4個、6個または7個の部品PA1が連なって存在する場合も確認されている。
ストッパ13の後端に2個の部品PA1が連なって存在する理由は、
・理由RE1:前側の永久磁石35によって磁化されたストッパ13の後端に生じる磁力 によって先頭の部品PA1が該ストッパ13の後端に吸着し、該吸着によ って磁化された先頭の部品PA1の後端に生じる磁力によって2番目の部 品PA1が該先頭の部品PA1の後端に吸着されていること
にあり、ストッパ13の後端に3個または4個の部品PA1が連なって存在する理由も前記同様の磁力伝達にある。
即ち、前側の永久磁石35の位置に基づいてストッパ15の後端に生じる磁力を適宜設定することによって、ストッパ13の後端に吸着された先頭の部品PA1に少なくとも1個の部品PA1を連なって存在させることができる。
図22はロータ停止位置で取出口17を通じて先頭の部品PA1を吸着ノズルANによって取り出した様子を示す。同図から分かるように、ストッパ13の後端に連なって存在していた2個の部品PA1のうち、2番目の部品PA1が取出口17の近傍で残存する。
因みに、観察によれば、ストッパ13の後端に3個の部品PA1が連なって存在していた場合に取出口17の近傍に2番目及び3番目の部品PA1が残存することや、ストッパ13の後端に4個の部品PA1が連なって存在していた場合に取出口17の近傍に2番目〜4番目の部品PA1が残存することが確認されている。
先頭の部品PA1を取り出しても2番目の部品PA1が取出口17の近傍に残存する理由は、
・理由RE2:前側の永久磁石35によって磁化されたストッパ13の後端に生じる磁力 による吸引力によって2番目の部品PA1が非接触状態で保持されている こと
にあり、取出口17の近傍に2個または3個の部品PA1が残存する理由も前記同様の非接触吸引にある。
即ち、前側の永久磁石35の位置に基づいてストッパ15の後端に生じる磁力を適宜設定することによって、先頭の部品PA1を取り出しても取出口17の近傍に少なくとも1個の部品PA1を残存させることができる。
図23は先頭の部品PA1が取り出された後にロータ30が約20度回転した様子を示す。同図から分かるように、供給通路16内の後側に存在する5個の部品PA1は後側の永久磁石35の磁力によって吸引されつつ供給通路16に沿って上方に移動する。また、供給通路16に沿って上方に移動する5個の部品PA1が取出口17の近傍で残存する1個の部品PA1に近づくと、該1個の部品PA1が該5個の部品PA1に引き寄せられて合体する。
因みに、観察によれば、取出口17の近傍に2個または3個の部品PA1が残存する場合や、供給通路16内の後側に存在する部品PA1の数が4個、6個または7個の場合も、前記の引き寄せ及び合体が生じることが確認されている。また、後側に存在する部品PA1の数が多い場合(例えば5個以上の場合)には、ロータ30が回転を開始した直後に後側の永久磁石35が該部品PA1よりも前側にずれることを原因としてその後側の1個以上の部品PA1が分離し、該分離した部品PA1が供給通路16に沿って下方に自重移動して収納室14内に戻されることが確認されている。
前記の引き寄せ及び合体が生じる理由は、
・理由RE3:供給通路16内の後側に存在する5個の部品PA1が後側の永久磁石35 の磁力によって吸引されつつ供給通路16に沿って上方に移動して、該永 久永久磁石35が取出口17の近傍で残存する1個の部品PA1に近づく と、該永久磁石35の磁力による吸引力が該残存する1個の部品PA1に 作用して、該5個の部品PA1に引き寄せられること
にあり、取出口17の近傍に2個または3個の部品PA1が残存する場合における引き寄せ及び合体の理由と、供給通路16内の後側に存在する部品PA1の数が4個、6個または7個の場合における引き寄せ及び合体の理由も、前記同様の磁力吸引にある。
即ち、後側の永久磁石35を含む各永久磁石35の磁力による吸引力を適宜設定することによって、前記の引き寄せ及び合体を行うことができる。
図24は回転後のロータ30の後側の永久磁石35が取出口17の右側に到達した様子を示す。同図から分かるように、後側の永久磁石35の移動に伴って供給通路16に沿って上方に移動する6個の部品PA1は、その先頭の部品PA1がストッパ13の後端に当接したところで相対的に後方に移動する。また、ストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1を含む6個の部品PA1から後側の2個の部品PA1が分離し、該分離した2個の部品PA1が供給通路16に沿って下方に自重移動する。
因みに、観察によれば、後側の永久磁石35の移動に伴って供給通路16に沿って上方に移動する部品PA1の数が多い場合(例えば5個以上の場合)には1個以上の部品PA1が分離することが確認されている。また、後側の永久磁石35の移動に伴って供給通路16に沿って上方に移動する部品PA1の数が少ない場合(例えば4個以下の場合)には前記分離が生じ難いことが確認されている。
前記の分離が生じる理由は、
・理由RE4:後側の永久磁石35が取出口17の右側に到達した状態では、該永久磁石 35の磁力による吸引力が、6個の部品PA1のうちの後側の2個の部品 PA1に及び難くなり、これによって該後側の2個の部品PA1は供給通 路16に沿って下方に自重移動すること
にあり、後側の永久磁石35の移動に伴って供給通路16に沿って上方に移動する部品PA1の数が多い場合の分離の理由も前記同様の吸引力不足にある。
即ち、後側の永久磁石35を含む各永久磁石35の磁力による吸引力を適宜設定することによって、後側の永久磁石35の移動に伴って供給通路16に沿って上方に移動する部品PA1の数が多いときにおいて前記分離を行うことができる。
図25は回転後のロータ30の後側の永久磁石35が取出口17の右側を通り過ぎた様子を示す。同図から分かるように、後側の永久磁石35のさらなる移動に伴い、ストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1を含む4個の部品PA1から後側の2個の部品PA1が分離し、該分離した2個の部品PA1が供給通路16に沿って下方に自重移動する。また、次の後側の永久磁石35が供給通路16の右側に入り込み、該永久磁石35の磁力によって吸引されている部品PA1が取込口16aを通じて供給通路16内に流入する。
因みに、観察によれば、ストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1を含む部品PA1の数が多い場合(例えば5個以上の場合)には1個以上の部品PA1が分離することが確認されている。また、ストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1を含む部品PA1の数が少ない場合(例えば4個以下の場合)には前記分離が生じ難いことが確認されている。
前記の分離が生じる理由は、
・理由RE5:後側の永久磁石35が取出口17の右側を通り過ぎると、該永久磁石35 の磁力による吸引力が、4個の部品PA1のうちの後側2個に及び難くな り、これによって該後側の2個の部品PA1は供給通路16に沿って下方 に自重移動すること
にあり、ストッパ13の後端に当接した先頭の部品PA1を含む部品PA1の数が多い場合の分離の理由も前記同様の吸引力不足にあるが、前記理由RE1で述べた磁力伝達も関している可能性は否定できない。
図24に示した位置にある後側の永久磁石35が図25に示した位置に移動する時間は数msecであり、しかも、図25に示した状態では次の後側の永久磁石35の磁力によって吸引されている部品PA1が取込口16aを通じて供給通路16内に流入している。そのため、先に分離した2つの部品PA1とその後に分離した2つの部品PA1は供給通路16に沿って下方に自重移動するものの、該移動は供給通路16内に流入した部品PA1によって制止される。また、供給通路16内に流入した部品PA1には4個の部品PA1と合体するため、ロータ45の45度回転が完了して停止した状態では、図21に示したように供給通路16内の前側には2個の部品PA1が存在し、この2個の部品PA1と間隔をおいて供給通路16内の後側には5個の部品PA1が存在するようになる。
尚、前記「供給通路内の部品挙動」を、図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(A)に示した円弧溝12bを採用した場合を例に挙げて説明したが、
・図1(A)に示した部品PA1を供給対象とし、且つ、図5(B)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(B)に示した部品PA2を供給対象とし、且つ、図5(C)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(C)に示した部品PA3を供給対象とし、且つ、図5(D)に示した円弧溝12 bを採用した場合
・図1(A)〜図1(C)に示した形状に類似する形状を成す部品や球形を成す部品等を 供給対象とし、該部品を所定向きで移動可能に収容できる断面形状を有する円弧溝12 bを採用した場合
でも、部品サイズに拘わらず、前記同様の「供給通路内の部品挙動」を実現できる。
また、前記「供給通路内の部品の挙動」を、ロータ30の回転角度を45度とし、且つ、該45度回転に要する時間を30msecとした場合を例に挙げて説明したが、ロータ30の回転角度を90度や135度や180度とし、且つ、該角度回転に要する時間を50msec以下の他の値とした場合でも、前記同様の「供給通路内の部品挙動」を実現できる。
[バルクフィーダで実現される部品供給方法によって得られる効果]
次に、図2〜図25を引用して説明したバルクフィーダで実現される部品供給方法によって得られる効果について説明する。
(1)前記バルクフィーダによれば、前側の永久磁石35が取出口17の右側を通り過ぎた位置に存在し、且つ、該永久磁石35に続く後側の永久磁石35が供給通路16の右側に入り込んだ位置に存在する状態でロータ30を停止させ、このロータ停止位置にあっては前側の永久磁石35の磁力によってストッパ13を磁化させて、磁化されたストッパ13に生じる磁力によって供給通路16内の先頭の部品を該ストッパ13に吸着させると共に、後側の永久磁石35の磁力による吸引力によって供給通路16内の他の部品が該供給通路16に沿って下方に自重移動することを制止し、そして、取出口17を通じて先頭の部品が取り出される度にロータ30を取出口17に向かう方向に所定角度回転させて前記ロータ停止位置と同じ状態を作り上げ、このロータ停止位置にあっても前側の永久磁石35の磁力によってストッパ13を磁化させて、磁化されたストッパ13に生じる磁力によって供給通路16内の先頭の部品を該ストッパ13に吸着させると共に、後側の永久磁石35の磁力による吸引力によって供給通路16内の他の部品が該供給通路16に沿って下方に自重移動することを制止する、といった部品供給方法を実現することができる。
即ち、この部品供給方法によれば、ロータ停止位置にあっては、磁化されたストッパ13に生じる磁力によって供給通路16内の先頭の部品を該ストッパ13に吸着することによって、該先頭の部品を保持できるので、マウンタの吸着ノズルAN等によって取出口17を通じて先頭の部品を取り出す作業を支障無く行うことができるし、先頭の部品が取り出される時間間隔が短くなっても、例えば部品取り出しの時間間隔が50msec以下であっても、同作業を良好に行うことができる。
しかも、ロータ停止位置にあっては、後側の永久磁石35の磁力による吸引力によって供給通路16内の他の部品が該供給通路16に沿って下方に自重移動することを制止することによって、他の部品PA1が供給通路16から排出されること(収納室14内に戻されること)を防止できるので、取出口17に供給される部品を供給通路16内に備蓄しておくことができる。つまり、供給通路16内に備蓄された部品を順次取出口17に供給できるので、該取出口17への部品の供給を迅速に行えると共に、先頭の部品が取り出される時間間隔が短くなっても、例えば部品取り出しの時間間隔が50msec以下であっても、該時間間隔に追従した部品供給を行うことができる。
(2)前記部品供給方法によれば、ロータ停止位置にあっては、ストッパ13に吸着された先頭の部品に少なくとも1個の部品が連なるように存在するように、前側の永久磁石35の位置に基づいてストッパ13の後端に生じる磁力が設定されている。
即ち、前記部品供給方法によれば、ストッパ13に吸着された先頭の部品に連なる部品を、該先頭の部品の姿勢矯正手段として利用できるので、先頭の部品の姿勢をストッパ13の後端と該連なる部品の前端によって的確に矯正して適正化でき、該適正化によってマウンタの吸着ノズルAN等によって取出口17を通じて先頭の部品を取り出す作業をより的確に行うことができる。
しかも、先頭の部品に連なる部品は該先頭の部品に接触しているだけで後方に逃げ場があるため、該連なる部品は、マウンタの吸着ノズルAN等によって先頭の部品を取り出すときの負荷や抵抗等にはならない。依って、先頭の部品をスムースに取り出せると共に、該先頭の部品を取り出すときにこれに連なる部品に傾き等の姿勢不良を生じることも無い。
(3)前記部品供給方法によれば、先頭の部品が取り出された後のロータ30の回転によって後側の永久磁石35が取出口17の右側に達する手前において、該後側の永久磁石35の磁力によって吸引されつつ供給通路16に沿って上方に移動する他の部品に取出口近傍で残存する少なくとも1個の部品が引き寄せられて合体するように、後側の永久磁石35を含む各永久磁石35の磁力による吸引力が設定されている。
即ち、後側の永久磁石35の磁力によって吸引されつつ供給通路16に沿って上方に移動する他の部品に、取出口近傍で残存する少なくとも1個の部品を引き寄せる動きを付与できるので、取出口近傍で残存する少なくとも1個の部品に万が一姿勢不良が生じている場合でも、該引き寄せ動作によって姿勢不良を解消することができる。
しかも、合体後の部品は後側の永久磁石35の磁力によって吸引されつつ供給通路16に沿って上方に移動するので、この移動過程でも合体後の部品それぞれに対して姿勢安定化を図ることができる。
[ケースの変形例]
(1)ケース10として、円弧溝12bの角度範囲を約180度とし、案内溝15の角度範囲を約150度とし、供給通路16の角度範囲を約30度としたものを示したが、円弧溝12bの角度範囲はその上端位置を変えずに適当範囲内、例えば±30度の範囲内で増減しても良い。また、供給通路16の角度範囲もその上端位置を変えずに適当範囲内、例えば±15度の範囲内で増減しても良い。案内溝15の角度範囲と供給通路16の角度範囲との和は円弧溝12bの角度範囲と略等しくなるため、該案内溝15の角度範囲を増減すれば、該増減に伴って案内溝15の角度範囲も増減する。
(2)ケース10として、止めネジFSを用いて組み立てるものを示したが、左板11からネジ穴11aを排除し、且つ、右板12からネジ挿通孔12aを排除して、これらの代わりに貫通孔を両者に形成し、左板11と右板12を重ねた後に両者の貫通孔にプラスチックピンを挿入してその両端を熱溶融させることで両者の結合を行うようにしても良い。また、左板11からネジ穴11aを排除し、且つ、右板12からネジ挿通孔12aを排除して、両者の接触面を熱溶着や接着等の手法により部分的に接続することによって両者の結合を行うようにしても良い。
(3)ケース10として、フレーム20の永久磁石25に吸着されることを可能とするために強磁性体に属する材料を含む各止めネジFSを用いたものを示したが、吸着に向かない材料から成る止めネジを用いる場合や、前記のように止めネジを用いないでケース10を組み立てる場合には、強磁性体に属する材料を含む所定形状の被吸着体(図示省略)をケース10の右板12の右面に埋設してこれをフレーム20の永久磁石25に吸着させるようにしても良い。
[フィーダ本体の変形例]
(フレームの変形例)
(1)フレーム20として、位置決めピン24を2個設けたものを示したが、3個或いは4個の位置決めピン24を設けると共に、該位置決めピンに対応する位置決め孔12eをケース10に設けても良い。また、ケース10の止めネジFSの頭部を吸着可能な計3個の永久磁石25を設けたものを示したが、同様の吸着が行えるのであれば、2個或いは4個の永久磁石25を設けても良いし、その位置も任意である。さらに、位置決めピンをフレーム側に設け、位置決め孔をケース側に設けたものの示したが、位置決めピンをケース側に設け、位置決め孔をフレーム側に設けても良い。
(2)フレーム20として、ケース10の左右方向着脱を可能としたケース取付部26を有するものを示したが、上下方向着脱を可能としたケース取付部を該ケース取付部26の代わりに設けても良い。例えば、ケース10から位置決め孔12eを排除すると共にフレーム20から位置決めピン24及び永久磁石25を排除し、その代わりとして、ロータ配置部23の左面に上面視形状がコ字形を成す壁を設けてケース10を上方から差し込み可能な上面視輪郭が矩形を成す空間を形成し、該壁内に板バネ等の付勢手段を設けて該空間内に挿入されたケース10の所定3次元位置を保持できるようにする。このような上下方向着脱を可能としたケース取付部を設ければ、ケース10の上方からの差し込みによる取り付けと上方への抜き出しによる取り外しが可能となる。
(ロータの変形例)
ロータ30として、計8個の永久磁石35を45度間隔で配置したものを示したが、該永久磁石35の数及び角度間隔は増減しても構わない。例えば、計16個の永久磁石35を22.5度間隔で配置したり、計4個の永久磁石35を90度間隔で配置したりしても、前記同様の部品供給動作を実現することができる。永久磁石35の数はロータ30の回転速度等に関与するが、前記部品供給動作を的確に行うには永久磁石35の数は4〜16個が好ましい。また、永久磁石35の角度間隔は等間隔で無くても良いが、等間隔であるほうが前記部品供給動作においてロータ30の回転を制御し易い。
(駆動歯車からロータへの回転伝達の変形例)
駆動歯車50の回転をロータ30に伝達するために中継歯車60をフレーム20に設けたものを示したが、モータ軸43に固定された駆動歯車50の外周面の平歯を直接ロータ30の外周面の平歯34に噛合させるようにすれば、中継歯車60を排除することができる。また、ロータ30と駆動歯車50との間に距離がある場合には、ロータ30と駆動歯車50との間に2つ以上の中継歯車60を介在させるようにしても良い。