JP2010182736A - バルクフィーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】取込口に流入した電子部品が移動する供給通路を極力短くすることによって該供給通路内を電子部品が移動する過程で部品詰まりを生じることを防止できるバルクフィーダを提供する。
【解決手段】バルクフィーダは、ロータ40の回転に伴って永久磁石40dが上方に移動する過程で長さ向きの電子部品EC1を流入させるための取込口18aと、取込口18aを通じて取り込まれた長さ向きの電子部品EC1を同向きのまま移動させるための供給通路18と、供給通路18に沿って移動した電子部品EC1を外部に取り出すための上面開口の取出口19とを備えている。つまり、取込口18aから収納室16の上方まで延設された供給通路18の前端に取出口19を設けることによって該供給通路18を極力短くすることができる。
【選択図】図10
【解決手段】バルクフィーダは、ロータ40の回転に伴って永久磁石40dが上方に移動する過程で長さ向きの電子部品EC1を流入させるための取込口18aと、取込口18aを通じて取り込まれた長さ向きの電子部品EC1を同向きのまま移動させるための供給通路18と、供給通路18に沿って移動した電子部品EC1を外部に取り出すための上面開口の取出口19とを備えている。つまり、取込口18aから収納室16の上方まで延設された供給通路18の前端に取出口19を設けることによって該供給通路18を極力短くすることができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、バラ状態の電子部品を所定向きに整列して供給するバルクフィーダに関する。
特許文献1及び2に開示されたバルクフィーダは、後側の壁面と外周の円弧状ガイド面とを有する収納室と、ガイド面の上端に設けられた取入口(以下、取込口と言う)と、取込口から下流に向かって設けられた通路と、収納室の壁面の後方に設けられた回転板と、回転板に設けられた磁石とを備えている。このバルクフィーダでは、回転板を所定方向に回転させることによって、磁石の磁力によって吸引された複数の部品を壁面及びガイド面に沿って上方に移動させ、壁面及びガイド面によって整列された部品のみを取込口へ流入させるようにしている。
この種のバルクフィーダは一般にマウンタ(部品搭載装置)の部品供給手段として使用されるものであり、該バルクフィーダには部品を外部に取り出すための上面開口の取出口が設けられている。マウンタのフィーダ取付エリアには供給する部品の種類が異なる複数台のバルクフィーダが並設され、該マウンタは3次元移動可能な吸着ノズルによって複数台のバルクフィーダから選択的に部品を取り出して回路基板等の搭載対象物に搭載する。
ところで、特許文献1及び2に開示されたバルクフィーダは取込口に流入した部品を通路を利用して下流に向かって移動させる方式を採用していることから、該通路の先に別通路があって該別通路の先端に上面開口の取出口がある。
要するに、前記バルクフィーダは通路の長さが部品の長さに比して極めて長いため、部品が通路内を移動する過程で部品詰まりが生じる可能性が高くなる。つまり、通常、通路の断面形は寸法公差内の最大サイズの部品が移動できるように決定されるが、特に長さが1mm前後の微小な部品にあっては寸法公差/長さの値が大きく、しかも、寸法公差内の最小サイズの部品が最大サイズの部品よりも通路内で傾く度合いが大きくなるために、該傾きを原因として部品詰まりを生じる可能性が高くなる。
部品が通路内を移動する過程で生じる部品詰まりを防止するには通路を極力短くすることが望ましいが、取込口に流入した部品を通路を利用して下流に向かって移動させる方式を採用している前記バルクフィーダにあってはその構造上これを実現することができない。
本発明の目的は、取込口に流入した電子部品が移動する供給通路を極力短くすることによって該供給通路内を電子部品が移動する過程で部品詰まりを生じることを防止できるバルクフィーダを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、バラ状態の電子部品を所定向きに整列して供給するバルクフィーダであって、磁力による吸引を可能とした多数の電子部品をバラ状態で収納するための収納室と、所定の円軌道で移動可能な複数の永久磁石を所定角度間隔で有し、且つ、各永久磁石の磁力が収納室内の電子部品に及ぶように該収納室の一側面の外側に回転自在に配置されたロータと、収納室内に設けられ、且つ、ロータの回転に伴って永久磁石が上方に移動する過程で所定向きの電子部品を流入させるための取込口と、取込口から収納室の上方まで延設され、且つ、取込口を通じて取り込まれた所定向きの電子部品を同向きのまま移動させるための供給通路と、供給通路の先端に設けられ 且つ、供給通路に沿って移動した電子部品を外部に取り出すための上面開口の取出口とを備え、前記複数の永久磁石の数は4以上の偶数個で、4以上の偶数個の永久磁石は収納室と向き合う側の磁極が交互に異なるように並んでいて、隣り合う永久磁石の間には供給通路及び取出口に沿う向きの磁界が形成されている。
このバルクフィーダは、収納室内に設けられ、且つ、ロータの回転に伴って永久磁石が上方に移動する過程で所定向きの電子部品を流入させるための取込口と、取込口から収納室の上方まで延設され、且つ、取込口を通じて取り込まれた所定向きの電子部品を同向きのまま移動させるための供給通路と、供給通路の先端に設けられ 且つ、供給通路に沿って移動した電子部品を外部に取り出すための上面開口の取出口とを備えている。つまり、つまり、取込口から収納室の上方まで延設された供給通路の先端に取出口を設けることによって該供給通路を極力短くすることができるので、供給通路内を電子部品が移動する過程で部品詰まりを生じることを防止して取出口への電子部品の供給を良好に行うことができると共に、バルクフィーダ自体をコンパクトに形成することができる。
また、このバルクフィーダは、ロータに設けられた複数の永久磁石の数は4以上の偶数個で、4以上の偶数個の永久磁石は収納室と向き合う側の磁極が交互に異なるように並んでいて、隣り合う永久磁石の間には供給通路及び取出口に沿う向きの磁界が形成されている。つまり、取出口が隣り合う永久磁石の間にあるときには、永久磁石の磁極面に「長さ方向が磁極面と直交する向き」で吸着される傾向がある電子部品が取出口に供給されても、該取出口における磁界の向きが電子部品の長さ方向と略一致しているため、該電子部品の姿勢が磁界の影響で乱れる恐れは極めて低い。これにより、取出口に供給された電子部品の姿勢を適正化して、該取出口から先頭の電子部品を取り出す作業を極めて良好に行うことができる。
本発明によれば、取込口に流入した電子部品が移動する供給通路を極力短くすることによって該供給通路内を電子部品が移動する過程で部品詰まりを生じることを防止できるバルクフィーダを提供することができる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
本発明の実施形態を以下に説明するが、該説明中に用いた「一致」及び「同一」の用語は寸法上の公差を含むものであり、完全一致及び完全同一を意味するものではない。また、以下の説明では図1(A)の左,右,手前及び奥と他の図のこれらに相当する方向をそれぞれ前,後,左及び右と称する。
[第1実施形態]
図1〜図16は本発明の第1実施形態を示す。
図1〜図16は本発明の第1実施形態を示す。
まず、図2を引用して、図1に示したバルクフィーダで供給される電子部品及び該バルクフィーダで供給可能な電子部品について説明する。
図2(A)は図1に示したバルクフィーダで供給される電子部品EC1を示す。同図に示した電子部品EC1は、長さL1>幅W1=高さH1の寸法関係を有する直方体形状を成し、長さ方向両端部に外部電極EC1aを有している。この電子部品EC1の代表例は長さL1が1.0mm前後(具体的には1.6mm,1.0mm,0.6mm,0.4mm等)のチップコンデンサである。この電子部品EC1は強磁性体に属する材料を含む外部電極EC1aを有する他、種類によっては強磁性体に属する材料を含む内部導体を有していることから、永久磁石の磁力による吸引が可能である。
図2(B)及び図2(C)は後述する円弧溝13bの断面形を変更することによって図1に示したバルクフィーダで供給可能な電子部品EC2,EC3を示す。図2(B)に示した電子部品EC2は、長さL2>幅W2>高さH2の寸法関係を有する直方体形状を成し、長さ方向両端部に外部電極EC2aを有していている。この電子部品EC2の代表例は長さL2が1.0mm前後(具体的には1.6mm,1.0mm,0.6mm,0.4mm等)のチップレジスタである。図2(C)に示した電子部品EC3は、長さL3>直径R3の寸法関係を有する円柱形状を成し、長さ方向両端部に外部電極EC3aを有していている。この電子部品EC3の代表例は長さL3が1.0mm前後(具体的には1.6mm,1.0mm,0.6mm,0.4mm等)のチップコンデンサやチップレジスタである。これら電子部品EC2,EC3も強磁性体に属する材料を含む外部電極EC2a,EC3aを有する他、種類によっては強磁性体に属する材料を含む内部導体を有していることから、永久磁石の磁力による吸引が可能である。
次に、図1,図3〜図9を引用して、電子部品EC1を供給対象とする図1に示したバルクフィーダの構造について説明する。
バルクフィーダは、図1(A)〜図1(C)に示すように、ケース10と、支軸20と、軸受30と、ロータ40と、図示省略のロータ駆動機構とを備えている。
ケース10は、図3(A)に示す左板11と、図3(B)に示す中央板12と、図3(C)に示す右板13とから構成されている。
左板11は、図3(A)に示すように、左面視輪郭が略矩形を成し、金属またはプラスチックから形成されている。この左板11は、ネジ挿通孔11aを4隅に有している。
中央板12は、図3(B)に示すように、左面視輪郭が左板11と同一で、金属またはプラスチックから形成されている。この中央板12は、ネジ孔12aを4隅に有し、左右方向の貫通孔12bを中央に有している。
貫通孔12bは、所定の曲率半径を有する第1円弧面12b1と、第1円弧面12b1よりも曲率半径が小さく、且つ、第1円弧面12b1と曲率中心を一致する第2円弧面12b2と、第1円弧面12b1の下端と第2円弧面12b2の下端とを結ぶ平面12b3と、第1円弧面12b1の上端と第2円弧面12b2の上端との間に形成された凹部12b4とを有している。また、第1円弧面12b1の曲率半径は後述する円弧溝13bの外側円弧の曲率半径よりも大きい。
右板13は、図3(C)に示すように、左面視輪郭が左板11と同一で、永久磁石の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。この右板13は、ネジ挿通孔13aを4隅に有し、円弧溝13bを左面に有し、取出口形成凹部13cを上面に有している。また、右板13は、後述する取込口形成部材15をネジ止めするのに用いられるネジ穴13dを左面上部後側に有し、支軸20をネジ止めするのに用いられる複数(図中は4個)のネジ穴13eを右面中央に有している。
円弧溝13bは下から上に向かって約180度の角度範囲で形成されており、該円弧溝13bの外側円弧の曲率中心と内側円弧の曲率中心は一致し、且つ、外側円弧と内側円弧の曲率半径の差は後述する幅Wgを規定する。また、円弧溝13bの最上点から前側の部分は前方に延びる直線状となっている(以下、前側直線部分13b1と言う)。
この円弧溝13bは、図4(A)に示すように、図2(A)に示した電子部品EC1の幅W1または高さH1よりも僅かに大きく、且つ、端面対角寸法D1よりも小さな幅Wg及び深さDgを有している。つまり、図4(A)に示した円弧溝13bは、同図に破線で示すように、図2(A)に示した電子部品EC1を幅または高さの面が略揃った長さ向きで移動可能に収容できる。
取出口形成凹部13cは、右板13の上面一部を左右方向に切り欠くようにして形成されており、円弧溝13bに達する所定の深さを有している。つまり、円弧溝13bの最上点及びその前後部分は、取出口形成凹部13cを通じ、上方に向けて部分的に開放している。
また、円弧溝13bの前側直線部分13b1には、四角柱形または円柱形を成し、金属またはプラスチックから形成されたストッパ棒14が嵌め込まれている。このストッパ棒14は、その後部を取出口形成凹部13c側に突出しており、該突出部分を取出口形成凹部13cを通じて露出している。つまり、ストッパ棒14の後部は先に述べた円弧溝13bの開放部分に入り込んでいて、該開放部分のうちのストッパ棒14が存しない領域は後述する上面開口の取出口19(図6参照)となる。
さらに、右板13の左面には、金属またはプラスチックから成る取込口形成部材15が止めネジFSを用いて着脱自在に取り付けられている。取込口形成部材15にはネジ挿通孔15cが形成されており、止めネジFSは該ネジ挿通孔15cを通じて右板13のネジ穴13dにねじ込まれている。この取込口形成部材15は、中央板12の凹部12b4の内形に合致した外形を有すると共に、円弧面15aの分だけ幅が狭くなった狭幅部分15bを有している。また、取込口形成部材15の厚さは中央板12の厚さと一致している。さらに、円弧面15aの曲率半径は円弧溝13bの外側円弧の曲率半径よりも大きく、該曲率半径は中央板12の第1円弧面12b1の曲率半径と同一か或いは僅かに大きい。
図4(B)に示した円弧溝13b-1は、図4(A)に示した円弧溝13bの変形例である。この円弧溝13b-1は、図2(A)に示した電子部品EC1の端面対角寸法D1よりも僅かに大きく、且つ、長さL1よりも小さな幅Wg及び深さDgを有している。つまり、図4(B)に示した円弧溝13b-1は、同図に破線で示すように、図2(A)に示した電子部品EC1を幅及び高さの面の方向に拘わらずに長さ向きで移動可能に収容できる。
図4(C)に示した円弧溝13b-2は、図2(B)に示した電子部品EC2を供給対象とする場合のものである。この円弧溝13b-2は、図2(B)に示した電子部品EC2の高さH2よりも僅かに大きく、且つ、幅W2よりも小さな幅Dgと、図2(B)に示した電子部品EC2の幅W2よりも僅かに大きな深さDgとを有している。つまり、図4(C)に示した円弧溝13b-2は、同図に破線で示すように、図2(B)に示した電子部品EC2を幅及び高さの面が略揃った長さ向きで移動可能に収容できる。
図4(D)に示した円弧溝13b-3は、図2(C)に示した電子部品EC3を供給対象とする場合のものである。この円弧溝13b-3は、図2(C)に示した電子部品ECの直径R3よりも僅かに大きく、且つ、長さL3よりも小さな幅Wg及び深さDgを有している。つまり、図4(D)に示した円弧溝13b-3は、同図に破線で示すように、図2(C)に示した電子部品EC3を長さ向きで移動可能に収容できる。
図1に示したケース10を組み立てる際には、まず、図3(C)に示した右板13の左面に図3(B)に示した中央板12を重ね合わせ、右板13の各ネジ挿通孔13aに止めネジFSを差し込んで、該各止めネジFSを中央板12のネジ孔12aにねじ込んで両者を結合する。右板13の左面に中央板12を重ね合わせるときには、取込口形成部材15が中央板12の凹部12b4に嵌り込むようにする。
そして、中央板12の左面に図3(A)に示した左板11を重ね合わせ、左板11の各ネジ挿通孔11aに止めネジFSを差し込んで、該各止めネジFSを中央板12のネジ孔12aにねじ込んで両者を結合する。説明を省略するが、前記以外の方法によってケース10を組み立てることも可能である。
この組み立てによって、右板13の円弧溝13bの左側開口の上部が、中央板12の貫通孔非形成部分と取込口形成部材15の狭幅部分15bとによって閉塞される(図7参照)。また、右板13の取出口形成凹部13cの左側開口が、中央板12の貫通孔非形成部分によって閉塞される(図8参照)。さらに、中央板12の貫通孔12bの右側開口が右板13によって閉塞されると共に、該貫通孔12bの左側開口が左板11によって閉塞される(図7及び図8参照)。
つまり、ケース10内には、貫通孔12bの第1円弧面12b1,第2円弧面12b2及び平面12b3と、取込口形成部材15の円弧面15a及び狭幅部分15bの後面並びに下面と、左板11の右面の一部と、右板13の左面の一部とによって囲まれた、左面視輪郭が略円形の収納室16(図7及び図8参照)が画成される。また、ケース10内には、円弧溝13bの左面開口が閉塞されていない部分(約150度の角度範囲部分)によって円弧状の案内溝17が形成され、左面開口が閉塞された部分(約30度の角度範囲部分)によって円弧状の供給通路18が形成されると共に、該供給通路18の後端にその入口となる取込口18a(図7参照)が形成される。さらに、ケース10の上面には、供給通路18の前端に存し、且つ、電子部品EC1を外部に取り出すための上面開口の取出口16(図6〜図8参照)が形成される。
支軸20は、図8に示すように、軸本体20aと、該軸本体20aの左端に設けられた鍔部20bとを有しており、金属またはプラスチックから形成されている。この支軸20は、鍔部20bに設けられた複数(図中は4個)のネジ挿通孔(図示省略)に止めネジ(図示省略)を差し込んで、該各止めネジを右板13のネジ穴13eにねじ込んで両者を結合することによって、右板13の右面中央に取り付けられている。取り付け後の支軸20の軸本体20aの中心は右板13の円弧溝13bの外側円弧及び内側円弧の曲率中心と一致している。
軸受30は、ラジアルタイプのボールベアリングから成り、図8に示すように、支軸20の軸本体20aにその内輪を嵌め込んで取り付けられている。
ロータ40は、図5(A)〜図5(C)に示すように、円筒部40aと、該円筒部40aの左端に設けられた鍔部40bと、該鍔部40bの左面外周に設けられた環状張出部40cとを有しており、永久磁石の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。
また、ロータ40の環状張出部40cには、円柱形を成し、且つ、両端の円形面に磁極を持つ計8個の永久磁石40dが、各々の中心がロータ40(円筒部40a)の中心と同心の仮想円VC上に位置するように45度間隔で設けられている。各永久磁石40dは、環状張出部40cの左面40c1に形成された所定深さの穴に嵌め込んで取り付けられており、左側の磁極面は環状張出部40cの左面40c1から略面一状態で露出している。また、各永久磁石40は、左側(収納室16と向き合う側)の磁極面の磁極が交互に異なるように並んでいる(図5(A)に示すようにN極,S極,N極,…の順に並んでいる)。図示した永久磁石40dは両端の円形面に磁極を持つものであるため、磁力線が最も密集する箇所(磁界が最も強い箇所)は磁極面の中心である。
このロータ40は、図8に示すように、円筒部40aの内孔40a1を軸受30の外輪に嵌め込んで取り付けられている。この取り付け状態では、各永久磁石40dの左側の磁極面の中心が位置する仮想円VCの中心は、右板13の円弧溝13bの曲率中心と一致している。また、環状張出部40cの左面40c1(各永久磁石40dの左側の磁極面)は、ロータ40の回転を許容する極力小さな隙間CL(図9参照)を介して右板13の右面と平行に向き合う。
つまり、ロータ40は支軸20の軸本体20aを中心として回転することでき、該ロータ40の回転に伴って各永久磁石40dは仮想円VCに相当する円軌道で案内溝17及び供給通路18に沿って移動することができる。因みに、各永久磁石40dは右板13の外側に存することになるが、各永久磁石40dには収納室16内の電子部品EC1を案内溝17方向に吸引するのに十分な磁力、例えば2000〜4000ガウス程度の表面磁力を有するものが使用される。
また、図9から分かるように、ロータ40の回転時における各永久磁石40dと案内溝17との位置関係は、案内溝17と向き合う磁極面の中心が該案内溝17内に向くように、好ましくは磁極面の中心が該案内溝17の幅Wgの中心と一致するように設定されている。勿論、各永久磁石40dと案内溝17との位置関係は、案内溝17と向き合う磁極面の中心が該案内溝17内に向いていれば、磁極面の中心が案内溝17の幅Wgの中心がら内側または外側に多少ずれるように設定されていても良い。案内溝17と共通の円弧溝13bから形成された供給通路18及びその前端の取出口19にあっても、ロータ40の回転時における各永久磁石40dと供給通路18及び取出口19との位置関係はこれと同様である。この位置設定は、各永久磁石40dの磁極面の中心が位置する仮想円VCの曲率半径を変更することによって行える他、右板13の円弧溝13bの外側円弧及び内側円弧の曲率半径を変更することによって行うことができる。
さらに、図7から分かるように、ロータ40の回転時における各永久磁石40dと収納室16との位置関係は、案内溝17と向き合う磁極面が収納室16の右面における案内溝17及びその両側に対向するように、好ましくは磁極面の全てが収納室16の右面における案内溝17及びその両側に対向するように、好ましくは案内溝17と向き合う永久磁石40dの面の全てが収納室16の右面における案内溝17及びその両側に対向するように設定されている。勿論、各永久磁石40dと収納室16との位置関係は、案内溝17と向き合う磁極面が収納室16の右面における案内溝17及びその両側に対向するようになっていれば、案内溝17と向き合う磁極面の外縁部分を除く部分が収納室16の右面における案内溝17及びその両側に対向するように設定されていても良い。この位置設定は、中央板12の貫通孔12bの第1円弧面12b1の曲率半径を変更することによって行える他、各永久磁石40dの磁極面の中心が位置する仮想円VCの曲率半径を変更したり、或いは、右板13の円弧溝13bの外側円弧及び内側円弧の曲率半径を変更することによって行うことができる。
図示を省略したが、右板13の円弧溝13b(図4(A)参照)を図4(B)〜図4(D)に示した円弧溝13b-1〜13b-3に置換した場合も、該各円弧溝13b-1〜13b-3に対応した案内溝17,供給通路18,取込口18a及び取出口19を前記同様に形成することができる。また、右板13の円弧溝13b(図4(A)参照)を図4(B)〜図4(D)に示した円弧溝13b-1〜13b-3に置換した場合も、前記と同様の位置関係が設定される。
ロータ駆動機構は、ロータ40を所望の方向に回転させ、且つ、停止させるためのものであり、基本的には、モータと、モータ軸に取り付けられた駆動歯車と、モータ制御回路とを有している。ロータ40の外周面等に歯車の代用部分を形成するか、或いは、ロータ40に別部品の歯車を固着し、これら歯車に駆動歯車を噛合させればモータ動作によってロータ40を所望の方向に回転させることができ、且つ、モータ動作の停止によってロータ40の回転を停止させることができる。
次に、図10〜図15を引用して、図1に示したバルクフィーダによって電子部品EC1を供給する際の動作について説明する。
部品供給に際しては、図10に示すように、ケース10の収納室16内に多数の電子部品EC1をバラ状態で収納する。この収納は、ケース10に設けられた開閉蓋付きの補充口(図示省略)を通じて行う。電子部品EC1の収納量が多すぎると取込口18aへの電子部品EC1の流入確率が低下するため、電子部品EC1の最大収納レベルは収納室16の高さ寸法の約1/2とすることが好ましい。長さが1.0mm前後の電子部品EC1であれば、図1と同一サイズのケースを形成し、且つ、最大収納レベルを収納室16の高さ寸法の約1/2としても、数万個程度の電子部品EC1を収納することができる。
収納室16内に電子部品EC1を収納した後は、図10に破線矢印で示すように、ロータ40を反時計回り方向に数回転させて供給通路18及び取出口19への電子部品EC1の初期供給(所謂、玉詰め)を行う。
ロータ40の回転に伴って円軌道で移動する各永久磁石40dのうち、取込口18aの右側を通過して下方に移動する永久磁石40dの左側には収納室16が存しないため、該永久磁石40dの磁力が収納室16内の電子部品EC1に及ぶことが抑制される。要するに、永久磁石40dが取込口18aの右側を通過して下方に移動する過程では、該永久磁石40dの磁力によって収納室16内の電子部品EC1に不要な変動、例えば案内溝17aへの部品収容や取込口18aへの部品流入に関与しない変動等が生じることを抑制できる。
また、ロータ40の回転に伴って円軌道で移動する各永久磁石40dのうち、中央板12の貫通孔非形成部分の右側を通過して上方に移動する永久磁石40dの左側には右板13が存在するが、該右板13は永久磁石40dの磁力を透過するものであるため、該永久磁石40dの磁力は収納室16内の電子部品EC1に及ぶ。つまり、永久磁石40dが中央板12の貫通孔非形成部分の右側の右側を通過して上方に移動する過程では、図10に示すように、該永久磁石40dの磁力によって複数の電子部品EC1が案内溝17方向に吸引され、吸引された複数の電子部品EC1は永久磁石40dの上方移動に伴って案内溝17に沿って上方に移動する。
先に述べたように、ロータ40の回転時における各永久磁石40dと案内溝17との位置関係は案内溝17と向き合う磁極面の中心が該案内溝17内に向くように設定され、且つ、ロータ40の回転時における各永久磁石40dと収納室16との位置関係は案内溝17と向き合う磁極面が収納室16の右面における案内溝17及びその両側に対向するように設定されている。そのため、永久磁石40dの磁力によって案内溝17方向に吸引された複数の電子部品EC1は、案内溝17と向き合う永久磁石40dの磁極面のうちの対向領域を覆うような輪郭で吸引されると共に、該複数の電子部品EC1には案内溝17内に引き込む力が強く作用し、該作用によって幾つかの電子部品EC1が案内溝17内に収容される。ここでの案内溝17は円弧溝13bの一部によって形成されたものであるため、案内溝17内に収容された電子部品EC1は該案内溝17の底面に吸着されるような形態となる。
つまり、永久磁石40dの磁力によってより多くの電子部品EC1を案内溝17方向に吸引することができると共に、吸引された複数の電子部品EC1を高確率で案内溝17内に収容することができ、これにより後述する取込口18aへの電子部品EC1の流入確率を高めることができる。因みに、案内溝17内に収容される電子部品EC1の向きは、長さ向き(図11参照)と長さ向きと90度異なる向き(図12参照)との2パターンとなり、案内溝17内に収容されない電子部品EC1の向きはランダム(向きがバラバラであることを意味する)となる。
案内溝17内に収容された電子部品EC1を含む複数の電子部品EC1は、永久磁石40dの上方移動に伴って案内溝17に沿ってさらに上方に移動して取込口18aに達する。このとき、案内溝17内に収容された幾つかの電子部品EC1のうちの最も前側が「案内溝17内に長さ向きで収容された電子部品EC1」であるときには、図11に示すように、該電子部品EC1は同向きのまま取込口18aに流入する。また、「案内溝17内に長さ向きで収容された電子部品EC1」の後側に存する「案内溝17内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」と「案内溝17内に収容されない電子部品EC1」は、図12に示すように、取込口18aの左側に存する取込口形成部材15の狭幅部分15bの後面に当接し、取込口18aの右側を永久磁石40dが通り過ぎて吸引力が低下したところで下方に落下する。
一方、案内溝17内に収容された幾つかの電子部品EC1のうちの最も前側が「案内溝17内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」であるときには、その後側に「案内溝17内に長さ向きで収容された電子部品EC1」が存在しても該電子部品EC1の取込口18aへの流入は「案内溝17内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」によって基本的に阻止される。また、「案内溝17内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」と「案内溝17内に収容されない電子部品EC1」は、図12に示すように、取込口18aの左側に存する取込口形成部材15の狭幅部分15bの後面に当接し、取込口18aの右側を永久磁石40dが通り過ぎて吸引力が低下したところで下方に落下する。但し、「案内溝17内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」の後側にが存在し、且つ、「案内溝17内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」が落下する際に「案内溝17内に長さ向きで収容された電子部品EC1」の向きに変化が生じないときには、該「案内溝17内に長さ向きで収容された電子部品EC1」は取込口18aに流入する。
取込口18aに流入した電子部品EC1は、図13に示すように、永久磁石40dの上方移動に伴って供給通路18に沿って長さ向きのままさらに上方に移動し、その前端がストッパ棒14の後面に当接したところで停止して取出口19に供給される。また、前述の一連の作用はロータ40を数回転させる際に繰り返されるため、ストッパ棒14の後面に当接した先頭の電子部品EC1の後側には複数の電子部品EC1が連なる。
ロータ40を反時計回り方向に数回転させて供給通路18及び取出口19への電子部品EC1の初期供給が終わった後は、図14及び図15に示すように、ロータ40の永久磁石40dが取出口19の右側を通り過ぎた位置(待機位置)で該ロータ40を停止させる。
図14及び図15には、取出口19の右側を通り過ぎた永久磁石40dの磁極面の中心と取出口19の前後中心との成す角度(以下、停止角度θ(図14参照)と言う)が15度に達したときにロータ40を停止させたものを示してあるが、該停止角度θの値は隣り合う永久磁石40dの間に取出口19が入り込むような値であれば良く、例えば10度や20度や25度や30度や35度やこれらの中間値であっても構わない。前記ロータ40にあっては隣り合う永久磁石40dの角度間隔が45度であることを考慮すれば、該ロータ40における停止角度θは45度の1/2(22.5度)或いはその近傍値とすることが好ましい。
図1に示したバルクフィーダからの電子部品EC1の取り出しは図14及び図15に示した待機位置で行われる。具体的には、マウンタ(電子部品搭載装置)の吸着ノズル(図示省略)を取出口19に向かって下降させて該取出口19に位置する先頭の電子部品EC1を吸着した後に、該吸着ノズルを上昇させることによって行われる。取出口19が円弧状の供給通路18の最上点に位置していることから、該取出口19に位置する先頭の電子部品EC1の後側に複数の電子部品EC1が連なっていても、該後続の電子部品EC1から先頭の電子部品EC1に対してその取り出しに支障を生じるような負荷,例えば押圧力等が加わることは無い。
取出口19に位置する先頭の電子部品EC1が取り出された後は、待機位置にあるロータ40を反時計回り方向に所定角度、例えば45度や90度や135度や180度回転させて該ロータ40を再び前記待機位置で停止させる。因みに、電子部品EC1の取り出しは図示省略のセンサによって簡単に検出できるので、該検出信号に基づいてロータ40の回転を開始することができる。待機位置にあるロータ40を反時計回り方向に所定角度回転する過程では、「案内溝17内への電子部品EC1の収容」と「案内溝17から取込口18aへの電子部品ECの流入」と「供給通路18内における電子部品EC1の移動」が前記と同様に行われ、電子部品EC1が再び取出口19に供給される。これ以後も、取出口19に位置する先頭の電子部品EC1が取り出される度に待機位置にあるロータ40は反時計回り方向に所定角度回転する。
図示を省略したが、右板13の円弧溝13b(図4(A)参照)を図4(B)〜図4(D)に示した円弧溝13b-1〜13b-3に置換してこれらに対応した案内溝17,供給通路18,取込口18a及び取出口19を形成した場合でも、「案内溝17内への電子部品EC1〜EC3の収容」と「案内溝17から取込口18aへの電子部品EC1〜EC3の流入」と「供給通路18内における電子部品EC1〜EC3の移動」は前記と同様に行われる。因みに、右板13の円弧溝13b(図4(A)参照)を図4(B)に示した円弧溝13bに置換した場合には、電子部品EC1が幅または高さの面が揃わない長さ向き(図4(B)の破線参照)で案内溝17内に収容され得るが、案内溝17内を移動する過程や供給通路18内を移動する過程では該電子部品EC1それ自体に姿勢を安定化させる変位が生じるため、該電子部品EC1は幅または高さの面が揃った姿勢で取出口19に供給されることになる。
次に、図16を引用して、図1に示したロータ40の永久磁石40dによって形成される磁界に基づく作用について説明する。
図16(A)は図15に示した待機位置において隣り合う磁石40dによって形成される磁界を表したもので、L1は永久磁石40dの磁極面の中心を示し、19は取出口を示し、EC1は取出口19に位置する電子部品を示す。同図から分かるように、ロータ40の各永久磁石40は左側(収納室16と向き合う側)の磁極面の磁極が交互に異なるように並んでいるため、隣り合う永久磁石40dの間には供給通路18及び取出口19に沿う向きの磁界が形成される。
図16(B)は比較例を示すもので、ロータ40の各永久磁石40の左側(収納室16と向き合う側)の磁極面の磁極が同じになるようにした場合に形成される磁界を表してある。同図から分かるように、この比較例にあっては隣り合う永久磁石40dの間には供給通路18及び取出口19と斜行する向きの磁界が形成される。
ところで、永久磁石40dの一方の磁極面に図2(A)〜図2(C)に示した電子部品EC1〜EC3を直接吸着させた場合、該電子部品EC1〜EC3は基本的には「長さ方向が磁極面と平行な向き」と「長さ方向が磁極面と直交する向き」の何れかで吸着されるが、強磁性体に属する材料を含む内部導体を長さ方向に有するもの、例えば内部電極がニッケルのチップコンデンサ等にあっては「長さ方向が磁極面と直交する向き」で吸着される傾向があることが分かっている。
従って、図16(B)に表した磁界にあっては、永久磁石40dの磁極面に「長さ方向が磁極面と直交する向き」で吸着される傾向がある電子部品が取出口19に供給されると、該電子部品にその長さ方向を磁界の向きに倣わせようとする力Fが働いて、該電子部品が左右に傾くような姿勢の乱れが生じる。この姿勢の乱れは電子部品の重量が軽いほど顕著であり、永久磁石40dから及ぶ磁力が小さくても電子部品の重量が軽いほど該磁力の影響を受け易いことがその理由となっているものと考えられる。因みに、実験によれば、内部電極がニッケルのチップコンデンサでは0603サイズ(1個当たりの重量が約0.0003g)よりも0402サイズ(1個当たりの重量が約0.00008g)のほうが姿勢が乱れ易いことが確認されている。
これに対し、図16(A)に表した磁界にあっては、永久磁石40dの磁極面に「長さ方向が磁極面と直交する向き」で吸着される傾向がある電子部品が取出口19に供給されても、該取出口19における磁界の向きが電子部品の長さ方向と略一致しているため、該電子部品の姿勢が磁界の影響で乱れる恐れは極めて低い。万が一、取出口19に供給された電子部品の姿勢に乱れがある場合でも、該電子部品にはその長さ方向を磁界の向きに倣わせようとする力が働くため、該力によって姿勢の乱れを矯正できる作用も得られるものと考えられる。因みに、内部電極がニッケルの0402サイズのチップコンデンサを用いて実験を行ったが、前記のような姿勢の乱れは殆ど生じないことが確認されている。
このように、第1実施形態のバルクフィーダによれば、収納室16内に設けられ、且つ、ロータ40の回転に伴って永久磁石40dが上方に移動する過程で長さ向きの電子部品EC1を流入させるための取込口18aと、取込口18aから収納室16の上方まで延設され、且つ、取込口18aを通じて取り込まれた長さ向きの電子部品EC1を同向きのまま移動させるための供給通路18と、供給通路18の前端に設けられ 且つ、供給通路18に沿って移動した電子部品EC1を外部に取り出すための上面開口の取出口19とを備えている。つまり、取込口18aから収納室16の上方まで延設された供給通路18の前端に取出口19を設けることによって該供給通路18を極力短くすることができるので、供給通路18内を電子部品EC1が移動する過程で部品詰まりを生じることを防止して取出口19への電子部品EC1の供給を良好に行うことができると共に、バルクフィーダ自体をコンパクトに形成することができる。
また、第1実施形態のバルクフィーダによれば、前記複数の永久磁石40dの数は8個で、該8個の永久磁石40dは収納室16と向き合う側の磁極が交互に異なるように並んでいて、隣り合う永久磁石40dの間には供給通路18及び取出口19に沿う向きの磁界が形成されている。つまり、取出口19が隣り合う永久磁石40dの間にあるときには、永久磁石40dの磁極面に「長さ方向が磁極面と直交する向き」で吸着される傾向がある電子部品が取出口19に供給されても、該取出口19における磁界の向きが電子部品の長さ方向と略一致しているため、該電子部品の姿勢が磁界の影響で乱れる恐れは極めて低い。これにより、取出口19に供給された電子部品EC1の姿勢を適正化して、該取出口19から先頭の電子部品を取り出す作業を極めて良好に行うことができる。
さらに、第1実施形態のバルクフィーダによれば、ロータ回転時における各永久磁石40dと供給通路18及び取出口19との位置関係は供給通路18及び取出口19と向き合う磁極面の中心が該供給通路18内及び取出口19内に向くように設定されている。つまり、隣り合う永久磁石40dの間に供給通路18及び取出口19に沿う向きの磁界がより的確に形成して、前記姿勢の乱れをより効果的に防ぐことができる。
これら作用,効果は、右板13の円弧溝13b(図4(A)参照)を図4(B)〜図4(D)に示した円弧溝13b-1〜13b-3に置換してこれらに対応した案内溝17,供給通路18,取込口18a及び取出口19を形成した場合でも同様に得られることは言うまでもない。
尚、前述の説明では、ロータ40に計8個の永久磁石40dを45度間隔で設けたものを示したが、図17(A)に示すようにロータ40-1に計4個の永久磁石40dを90度間隔で設けた場合や、図17(B)に示すようにロータ40-2に計6個の永久磁石40dを60度間隔で設けた場合でも、要するにロータに4以上の偶数個の永久磁石を所定の角度間隔で設けた場合でも前記同様の作用,効果を得ることができる。
[第2実施形態]
図18〜図31は本発明の第2実施形態を示す。
図18〜図31は本発明の第2実施形態を示す。
尚、図18に示したバルクフィーダで供給される電子部品及び該バルクフィーダで供給可能な電子部品は図2を引用して第1実施形態で説明したものと同じであるので、ここでの説明を省略する。また、図18に示したロータ80の永久磁石80dによって形成される磁界に基づく作用は図16を引用して第1実施形態で説明したものと同じであるので、ここでの説明を省略する。
まず、図18〜図25を引用して、電子部品EC1を供給対象とする図18に示したバルクフィーダの構造について説明する。
バルクフィーダは、図18(A)〜図18(C)に示すように、ケース50と、支軸60と、軸受70と、ロータ80と、図示省略のロータ駆動機構とを備えている。
ケース50は、図19(A)に示す左板51と、図19(B)に示す中央板52と、図19(C)に示す右板53とから構成されている。
左板51は、図19(A)に示すように、左面視輪郭が略矩形を成し、金属またはプラスチックから形成されている。この左板51は、ネジ挿通孔51aを4隅に有している。
中央板52は、図19(B)に示すように、左面視輪郭が左板51と同一で、金属またはプラスチックから形成されている。この中央板52は、ネジ孔52aを4隅に有し、左右方向の貫通孔52bを中央後側に有し、支軸60をネジ止めするのに用いられる複数(図中は4個)のネジ孔52cを中央に有している。
貫通孔52bは、所定の曲率半径を有する第1円弧面52b1と、第1円弧面52b1よりも曲率半径が小さく、且つ、第1円弧面52b1と曲率中心を一致する第2円弧面52b2と、第2円弧面52b2の上端から斜め上向きに延びる第1平面52b3と、第1円弧面52b1の下端と第2円弧面52b2の下端とを結ぶ第2平面52b4と、第1円弧面52b1の上端と第1平面52b3の上端との間に形成された凹部52b5とを有している。また、第1円弧面52b1の曲率半径は後述する円弧孔53bの外側円弧の曲率半径よりも大きい。
右板53は、図19(C)に示すように、左面視輪郭が左板51と同一で、永久磁石の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。この右板53は、ネジ挿通孔53aを4隅に有し、左右方向に貫通する円弧孔53bを後側に有し、取出口形成凹部53cを上面に有している。また、右板53は、後述する取込口形成部材55をネジ止めするのに用いられるネジ挿通孔53dを上部後側に有し、支軸60をネジ止めするのに用いられる複数(図中は4個)のネジ挿通孔53eを中央に有している。
円弧孔53bは下から上に向かって約180度の角度範囲で形成されており、該円弧孔53bの外側円弧の曲率中心と内側円弧の曲率中心は一致し、且つ、外側円弧と内側円弧の曲率半径の差は後述する幅Wgを規定する。また、円弧孔53bの最上点から前側の部分は前方に延びる直線状となっている(以下、前側直線部分53b1と言う)。
この円弧孔53bは、図20(A)に示すように、図2(A)に示した電子部品EC1の幅W1または高さH1よりも僅かに大きく、且つ、端面対角寸法D1よりも小さな幅Wg及び深さDgを有している。円弧孔53bは右板53を左右方向に貫通するものであるため、その深さDgは該右板53の厚さによって規定されている。つまり、図20(A)に示した円弧孔53bは、同図に破線で示すように、図2(A)に示した電子部品EC1を幅または高さの面が略揃った長さ向きで移動可能に収容できる。
取出口形成凹部53cは、右板53の上面一部を左右方向に切り欠くようにして形成されており、円弧孔53bに達する所定の深さを有している。つまり、円弧孔53bの最上点及びその前後部分は、取出口形成凹部53cを通じ、上方に向けて部分的に開放している。
また、円弧孔53bの前側直線部分53b1には、四角柱形または円柱形を成し、金属またはプラスチックから形成されたストッパ棒54が嵌め込まれている。このストッパ棒54は、その後部を取出口形成凹部53c側に突出しており、該突出部分を取出口形成凹部53cを通じて露出している。つまり、ストッパ棒54の後部は先に述べた円弧孔53bの開放部分に入り込んでいて、該開放部分のうちのストッパ棒54が存しない領域は後述する上面開口の取出口59(図22参照)となる。
図20(B)に示した円弧孔53b-1は、図20(A)に示した円弧孔53bの変形例である。この円弧孔53b-1は、図2(A)に示した電子部品EC1の端面対角寸法D1よりも僅かに大きく、且つ、長さL1よりも小さな幅Wg及び深さDgを有している。つまり、図20(B)に示した円弧孔53b-1は、同図に破線で示すように、図2(A)に示した電子部品EC1を幅及び高さの面の方向に拘わらずに長さ向きで移動可能に収容できる。
図20(C)に示した円弧孔53b-2は、図2(B)に示した電子部品EC2を供給対象とする場合のものである。この円弧孔53b-2は、図2(B)に示した電子部品EC2の高さH2よりも僅かに大きく、且つ、幅W2よりも小さな幅Dgと、図2(B)に示した電子部品EC2の幅W2よりも僅かに大きな深さDgとを有している。つまり、図20(C)に示した円弧孔53b-2は、同図に破線で示すように、図2(B)に示した電子部品EC2を幅及び高さの面が略揃った長さ向きで移動可能に収容できる。
図20(D)に示した円弧孔53b-3は、図2(C)に示した電子部品EC3を供給対象とする場合のものである。この円弧孔53b-3は、図2(C)に示した電子部品ECの直径R3よりも僅かに大きく、且つ、長さL3よりも小さな幅Wg及び深さDgを有している。つまり、図20(D)に示した円弧孔53b-3は、同図に破線で示すように、図2(C)に示した電子部品EC3を長さ向きで移動可能に収容できる。
図18に示したケース50を組み立てる際には、まず、図19(C)に示した右板53の左面に図19(B)に示した中央板52を重ね合わせ、右板53の各ネジ挿通孔53aに止めネジFSを差し込んで、該各止めネジFSを中央板52のネジ孔52aにねじ込んで両者を結合する。
そして、中央板52の凹部52b5に取込口形成部材55(図23参照)を嵌め込み、右板53のネジ挿通孔53dに止めネジFSを差し込んで、該止めネジFSを取込口形成部材55のネジ孔55cにねじ込んで両者を結合する。因みに、取込口形成部材55は、金属またはプラスチックから成り、中央板52の凹部52b5の内形に合致した外形を有すると共に、円弧面55aの分だけ幅が狭くなった狭幅部分55bを有している。また、取込口形成部材55の厚さは中央板52の厚さと一致している。さらに、円弧面55aの曲率半径は円弧孔53bの外側円弧の曲率半径よりも大きく、該曲率半径は中央板52の第1円弧面52b1の曲率半径と同一か或いは僅かに大きい。
そして、中央板52の左面に図19(A)に示した左板51を重ね合わせ、左板51の各ネジ挿通孔51aに止めネジFSを差し込んで、該各止めネジFSを中央板52のネジ孔52aにねじ込んで両者を結合する。説明を省略するが、前記以外の方法によってケース50を組み立てることも可能である。
この組み立てによって、右板53の円弧孔53bの左側開口の上部が、中央板52の貫通孔非形成部分と取込口形成部材55の狭幅部分55bとによって閉塞される(図23参照)。また、右板53の取出口形成凹部53cの左側開口が、中央板52の貫通孔非形成部分によって閉塞される(図24参照)。さらに、中央板52の貫通孔52bの右側開口が右板53によって閉塞されると共に、該貫通孔52bの左側開口が左板51によって閉塞される(図23及び図24参照)。
つまり、ケース50内には、貫通孔52bの第1円弧面52b1,第2円弧面52b2,第1平面52b3及び第2平面52b4と、取込口形成部材55の円弧面55a及び狭幅部分55bの後面並びに下面と、左板51の右面の一部と、右板53の左面の一部とによって囲まれた、左面視輪郭が略半円形の収納室56(図23及び図24参照)が画成される。
支軸60は、図24に示すように、軸本体60aと、該軸本体60aの左端に設けられた鍔部60bとを有しており、金属またはプラスチックから形成されている。この支軸60は、鍔部60bに設けられた複数(図中は4個)のネジ挿通孔(図示省略)と右板53のネジ挿通孔53eに止めネジ(図示省略)を差し込んで、該各止めネジを中央板52のネジ孔52cにねじ込んで三者を結合することによって、右板53の右面中央に取り付けられている。取り付け後の支軸60の軸本体60aの中心は右板53の円弧孔53bの外側円弧及び内側円弧の曲率中心と一致している。
軸受70は、ラジアルタイプのボールベアリングから成り、図24に示すように、支軸60の軸本体60aにその内輪を嵌め込んで取り付けられている。
ロータ80は、図21(A)〜図21(C)に示すように、円筒部80aと、該円筒部80aの左端に設けられた鍔部80bと、該鍔部80bの左面外周に設けられた環状張出部80cとを有しており、永久磁石の磁力が透過可能なアルミニウム等の金属またはプラスチックから形成されている。
また、ロータ80の環状張出部80cには、円柱形を成し、且つ、両端の円形面に磁極を持つ計8個の永久磁石80dが、各々の中心がロータ80(円筒部80a)の中心と同心の仮想円VC上に位置するように45度間隔で設けられている。各永久磁石80dは、環状張出部80cに対応する鍔部80bの右面に形成された所定深さの穴に嵌め込んで取り付けられており、左側の磁極面は環状張出部80cの左面からは露出していない。また、各永久磁石80は、左側(収納室16と向き合う側)の磁極面の磁極が交互に異なるように並んでいる(図21(A)に示すようにN極,S極,N極,…の順に並んでいる)。
各永久磁石80dは両端の円形面に磁極を持つものであるため、磁力線が最も密集する箇所(磁界が最も強い箇所)は磁極面の中心である。
各永久磁石80dは両端の円形面に磁極を持つものであるため、磁力線が最も密集する箇所(磁界が最も強い箇所)は磁極面の中心である。
このロータ80は、図24に示すように、円筒部80aの内孔80a1を軸受70の外輪に嵌め込んで取り付けられている。この取り付け状態では、各永久磁石80dの左側の磁極面の中心が位置する仮想円VCの中心は、右板53の円弧孔53bの曲率中心と一致している。また、環状張出部80cの左面80c1は、ロータ80の回転を許容する極力小さな隙間CL(図25参照)を介して右板53の右面と平行に向き合う。さらに、図22,図23及び図25に示すように、右板53の円弧孔53bの右側開口の全てが環状張出部80cの左面80c1によって覆われることに加え、右板53の取出口形成凹部13cの右側開口が環状張出部80cの左面80c1によって覆われる。
つまり、ケース50内には、円弧孔53bの左面開口が閉塞されていない部分(約150度の角度範囲部分)によって円弧状の案内溝57が形成され、左面開口が閉塞された部分(約30度の角度範囲部分)によって円弧状の供給通路58が形成されると共に、該供給通路58の後端にその入口となる取込口58a(図23参照)が形成される。また、ケース50の上面には、供給通路58の前端に存し、且つ、電子部品EC1を外部に取り出すための上面開口の取出口59(図22〜図24参照)が形成される。
また、ロータ80は支軸60の軸本体60aを中心として回転することでき、該ロータ80の回転に伴って各永久磁石80dは仮想円VCに相当する円軌道で案内溝57及び供給通路58に沿って移動することができる。各永久磁石80dは右板53の外側に存することになるが、各永久磁石80dには収納室56内の電子部品EC1を案内溝57方向に吸引するのに十分な磁力、例えば2000〜4000ガウス程度の表面磁力を有するものが使用される。
環状張出部80cの左面80c1と右板53の右面との間に存する隙間CLは、円弧孔53bの右側開口から電子部品EC1が抜け落ちない程度の値、好ましくは電子部品EC1の幅W1及び高さH1の1/2に相当する値まで増加させることも可能であり、このように隙間CLを増加させても後述する供給動作と同様の供給動作を実現できる。
また、図25から分かるように、ロータ80の回転時における各永久磁石80dと案内溝57との位置関係は、案内溝57と向き合う磁極面の中心が該案内溝57内に向くように、好ましくは磁極面の中心が該案内溝57の幅Wgの中心と一致するように設定されている。勿論、各永久磁石80dと案内溝57との位置関係は、案内溝57と向き合う磁極面の中心が該案内溝57内に向いていれば、磁極面の中心が案内溝57の幅Wgの中心がら内側または外側に多少ずれるように設定されていても良い。案内溝57と共通の円弧孔53bから形成された供給通路58及びその前端の取出口59にあっても、ロータ40の回転時における各永久磁石80dと供給通路58及び取出口59との位置関係はこれと同様である。この位置設定は、各永久磁石80dの磁極面の中心が位置する仮想円VCの曲率半径を変更することによって行える他、右板53の円弧孔53bの外側円弧及び内側円弧の曲率半径を変更することによって行うことができる。
さらに、図23から分かるように、ロータ80の回転時における各永久磁石80dと収納室56との位置関係は、案内溝57と向き合う磁極面が収納室56の右面における案内溝57及びその両側に対向するように、好ましくは磁極面の全てが収納室56の右面における案内溝57及びその両側に対向するように、好ましくは案内溝57と向き合う永久磁石80dの面の全てが収納室56の右面における案内溝57及びその両側に対向するように設定されている。勿論、各永久磁石80dと収納室56との位置関係は、案内溝57と向き合う磁極面が収納室56の右面における案内溝57及びその両側に対向するようになっていれば、案内溝57と向き合う磁極面の外縁部分を除く部分が収納室56の右面における案内溝57及びその両側に対向するように設定されていても良い。この位置設定は、中央板52の貫通孔52bの第1円弧面52b1の曲率半径を変更することによって行える他、各永久磁石80dの磁極面の中心が位置する仮想円VCの曲率半径を変更したり、或いは、右板53の円弧孔53bの外側円弧及び内側円弧の曲率半径を変更することによって行うことができる。
図示を省略したが、右板53の円弧孔53b(図20(A)参照)を図20(B)〜図20(D)に示した円弧孔53b-1〜53b-3に置換した場合も、該各円弧孔53b-1〜53b-3に対応した案内溝57,供給通路58,取込口58a及び取出口59を前記同様に形成することができる。また、右板53の円弧孔53b(図20(A)参照)を図20(B)〜図20(D)に示した円弧孔53b-1〜53b-3に置換した場合も、前記と同様の位置関係が設定される。
ロータ駆動機構は、ロータ80を所望の方向に回転させ、且つ、停止させるためのものであり、基本的には、モータと、モータ軸に取り付けられた駆動歯車と、モータ制御回路とを有している。ロータ80の外周面等に歯車の代用部分を形成するか、或いは、ロータ80に別部品の歯車を固着し、これら歯車に駆動歯車を噛合させればモータ動作によってロータ80を所望の方向に回転させることができ、且つ、モータ動作の停止によってロータ80の回転を停止させることができる。
次に、図26〜図31を引用して、図18に示したバルクフィーダによって電子部品EC1を供給する際の動作について説明する。
部品供給に際しては、図26に示すように、ケース50の収納室56内に多数の電子部品EC1をバラ状態で収納する。この収納は、ケース50に設けられた開閉蓋付きの補充口(図示省略)を通じて行う。電子部品EC1の収納量が多すぎると取込口58aへの電子部品EC1の流入確率が低下するため、電子部品EC1の最大収納レベルは収納室56の高さ寸法の約1/2とすることが好ましい。長さが1.0mm前後の電子部品EC1であれば、図18と同一サイズのケースを形成し、且つ、最大収納レベルを収納室56の高さ寸法の約1/2としても、数万個程度の電子部品EC1を収納することができる。
収納室56内に電子部品EC1を収納した後は、図26に破線矢印で示すように、ロータ80を反時計回り方向に数回転させて供給通路58及び取出口59への電子部品EC1の初期供給(所謂、玉詰め)を行う。
ロータ80の回転に伴って円軌道で移動する各永久磁石80dのうち、取込口58aの右側を通過して下方に移動する永久磁石80dの左側には収納室56が存しないため、該永久磁石50dの磁力が収納室56内の電子部品EC1に及ぶことが抑制される。要するに、永久磁石50dが取込口58aの右側を通過して下方に移動する過程では、該永久磁石80dの磁力によって収納室56内の電子部品EC1に不要な変動、例えば案内溝57aへの部品収容や取込口58aへの部品流入に関与しない変動等が生じることを抑制できる。
また、ロータ80の回転に伴って円軌道で移動する各永久磁石80dのうち、中央板52の貫通孔非形成部分の右側を通過して上方に移動する永久磁石80dの左側には右板53が存在するが、該右板53は永久磁石80dの磁力を透過するものであるため、該永久磁石80dの磁力は収納室56内の電子部品EC1に及ぶ。つまり、永久磁石80dが中央板52の貫通孔非形成部分の右側の右側を通過して上方に移動する過程では、図26に示すように、該永久磁石80dの磁力によって複数の電子部品EC1が案内溝57方向に吸引され、吸引された複数の電子部品EC1は永久磁石80dの上方移動に伴って案内溝57に沿って上方に移動する。
先に述べたように、ロータ80の回転時における各永久磁石80dと案内溝57との位置関係は案内溝57と向き合う磁極面の中心が該案内溝57内に向くように設定され、且つ、ロータ80の回転時における各永久磁石80dと収納室56との位置関係は案内溝57と向き合う磁極面が収納室56の右面における案内溝57及びその両側に対向するように設定されている。そのため、永久磁石80dの磁力によって案内溝57方向に吸引された複数の電子部品EC1は、案内溝57と向き合う永久磁石50dの磁極面のうちの対向領域を覆うような輪郭で吸引されると共に、該複数の電子部品EC1には案内溝57内に引き込む力が強く作用し、該作用によって幾つかの電子部品EC1が案内溝57内に収容される。ここでの案内溝57は円弧孔53bの右側開口をロータ80の環状張出部80cの左面80c1で覆うことによって形成されたものであるため、案内溝57内に収容された電子部品EC1は環状張出部80cの左面80c1に吸着されるような形態となる。
つまり、永久磁石80dの磁力によってより多くの電子部品EC1を案内溝57方向に吸引することができると共に、吸引された複数の電子部品EC1を高確率で案内溝57内に収容することができ、これにより後述する取込口58aへの電子部品EC1の流入確率を高めることができる。因みに、案内溝57内に収容される電子部品EC1の向きは、長さ向き(図27参照)と長さ向きと90度異なる向き(図28参照)との2パターンとなり、案内溝57内に収容されない電子部品EC1の向きはランダム(向きがバラバラであることを意味する)となる。
案内溝57内に収容された電子部品EC1を含む複数の電子部品EC1は、永久磁石80dの上方移動に伴って案内溝57に沿ってさらに上方に移動して取込口58aに達する。このとき、案内溝57内に収容された幾つかの電子部品EC1のうちの最も前側が「案内溝57内に長さ向きで収容された電子部品EC1」であるときには、図27に示すように、該電子部品EC1は同向きのまま取込口58aに流入する。また、「案内溝57内に長さ向きで収容された電子部品EC1」の後側に存する「案内溝57内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」と「案内溝57内に収容されない電子部品EC1」は、図28に示すように、取込口58aの左側に存する取込口形成部材55の狭幅部分55bの後面に当接し、取込口58aの右側を永久磁石80dが通り過ぎて吸引力が低下したところで下方に落下する。
一方、案内溝57内に収容された幾つかの電子部品EC1のうちの最も前側が「案内溝57内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」であるときには、その後側に「案内溝57内に長さ向きで収容された電子部品EC1」が存在しても該電子部品EC1の取込口58aへの流入は「案内溝57内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」によって基本的に阻止される。また、「案内溝57内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」と「案内溝57内に収容されない電子部品EC1」は、図28に示すように、取込口58aの左側に存する取込口形成部材55の狭幅部分55bの後面に当接し、取込口58aの右側を永久磁石80dが通り過ぎて吸引力が低下したところで下方に落下する。但し、「案内溝57内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」の後側に「案内溝57内に長さ向きで収容された電子部品EC1」が存在し、且つ、「案内溝57内に長さ向きと90度異なる向きで収容された電子部品EC1」が落下する際に「案内溝57内に長さ向きで収容された電子部品EC1」の向きに変化が生じないときには、該「案内溝57内に長さ向きで収容された電子部品EC1」は取込口18aに流入する。
取込口58aに流入した電子部品EC1は、図29に示すように、永久磁石80dの上方移動に伴って供給通路58に沿って長さ向きのままさらに上方に移動し、その前端がストッパ棒54の後面に当接したところで停止して取出口59に供給される。また、前述の一連の作用はロータ80を数回転させる際に繰り返されるため、ストッパ棒54の後面に当接した先頭の電子部品EC1の後側には複数の電子部品EC1が連なる。
ロータ80を反時計回り方向に数回転させて供給通路58及び取出口59への電子部品EC1の初期供給が終わった後は、図30及び図31に示すように、ロータ80の永久磁石80dが取出口59の右側を通り過ぎた位置(待機位置)で該ロータ80を停止させる。
図30及び図31には、取出口59の右側を通り過ぎた永久磁石80dの磁極面の中心と取出口59の前後中心との成す角度(以下、停止角度θ(図30参照)と言う)が15度に達したときにロータ80を停止させたものを示してあるが、該停止角度θの値は隣り合う永久磁石80dの間に取出口59が入り込むような値であれば良く、例えば10度や20度や25度や30度や35度やこれらの中間値であっても構わない。前記ロータ80にあっては隣り合う永久磁石80dの角度間隔が45度であることを考慮すれば、該ロータ80における停止角度θは45度の1/2(22.5度)或いはその近傍値とすることが好ましい。
図1に示したバルクフィーダからの電子部品EC1の取り出しは図30及び図31に示した待機位置で行われる。具体的には、マウンタ(電子部品搭載装置)の吸着ノズル(図示省略)を取出口59に向かって下降させて該取出口59に位置する先頭の電子部品EC1を吸着した後に、該吸着ノズルを上昇させることによって行われる。取出口59が円弧状の供給通路58の最上点に位置していることから、該取出口59に位置する先頭の電子部品EC1の後側に複数の電子部品EC1が連なっていても、該後続の電子部品EC1から先頭の電子部品EC1に対してその取り出しに支障を生じるような負荷,例えば押圧力等が加わることは無い。
取出口59に位置する先頭の電子部品EC1が取り出された後は、待機位置にあるロータ80を反時計回り方向に所定角度、例えば45度や90度や135度や180度回転させて該ロータ80を再び前記待機位置で停止させる。因みに、電子部品EC1の取り出しは図示省略のセンサによって簡単に検出できるので、該検出信号に基づいてロータ80の回転を開始することができる。待機位置にあるロータ80を反時計回り方向に所定角度回転する過程では、「案内溝57内への電子部品EC1の収容」と「案内溝57から取込口58aへの電子部品ECの流入」と「供給通路58内における電子部品EC1の移動」が前記と同様に行われ、電子部品EC1が再び取出口59に供給される。これ以後も、取出口59に位置する先頭の電子部品EC1が取り出される度に待機位置にあるロータ80は反時計回り方向に所定角度回転する。
図示を省略したが、右板53の円弧孔53b(図20(A)参照)を図20(B)〜図20(D)に示した円弧孔53b-1〜53-3に置換してこれらに対応した案内溝57,供給通路58,取込口58a及び取出口59を形成した場合でも、「案内溝57内への電子部品EC1〜EC3の収容」と「案内溝57から取込口58aへの電子部品EC1〜EC3の流入」と「供給通路58内における電子部品EC1〜EC3の移動」は前記と同様に行われる。因みに、右板53の円弧孔53b(図20(A)参照)を図20(B)に示した円弧孔53bに置換した場合には、電子部品EC1が幅または高さの面が揃わない長さ向き(図20(B)の破線参照)で案内溝57内に収容され得るが、案内溝57内を移動する過程や供給通路58内を移動する過程では該電子部品EC1それ自体に姿勢を安定化させる変位が生じるため、該電子部品EC1は幅または高さの面が揃った姿勢で取出口59に供給されることになる。
このように、第2実施形態のバルクフィーダによれば、収納室56内に設けられ、且つ、ロータ80の回転に伴って永久磁石80dが上方に移動する過程で長さ向きの電子部品EC1を流入させるための取込口58aと、取込口58aから収納室56の上方まで延設され、且つ、取込口58aを通じて取り込まれた長さ向きの電子部品EC1を同向きのまま移動させるための供給通路58と、供給通路58の前端に設けられ 且つ、供給通路58に沿って移動した電子部品EC1を外部に取り出すための上面開口の取出口59とを備えている。つまり、取込口58aから収納室56の上方まで延設された供給通路58の前端に取出口59を設けることによって該供給通路58を極力短くすることができるので、供給通路58内を電子部品EC1が移動する過程で部品詰まりを生じることを防止して取出口59への電子部品EC1の供給を良好に行うことができると共に、バルクフィーダ自体をコンパクトに形成することができる。
また、第2実施形態のバルクフィーダによれば、前記複数の永久磁石80dの数は8個で、該8個の永久磁石80dは収納室56と向き合う側の磁極が交互に異なるように並んでいて、隣り合う永久磁石80dの間には供給通路58及び取出口59に沿う向きの磁界が形成されている。つまり、取出口59が隣り合う永久磁石80dの間にあるときには、永久磁石80dの磁極面に「長さ方向が磁極面と直交する向き」で吸着される傾向がある電子部品が取出口59に供給されても、該取出口59における磁界の向きが電子部品の長さ方向と略一致しているため、該電子部品の姿勢が磁界の影響で乱れる恐れは極めて低い。これにより、取出口59に供給された電子部品EC1の姿勢を適正化して、該取出口59から先頭の電子部品を取り出す作業を極めて良好に行うことができる。
さらに、第2実施形態のバルクフィーダによれば、ロータ回転時における各永久磁石80dと供給通路58及び取出口59との位置関係は供給通路58及び取出口59と向き合う磁極面の中心が該供給通路58内及び取出口59内に向くように設定されている。つまり、隣り合う永久磁石80dの間に供給通路58及び取出口59に沿う向きの磁界がより的確に形成して、前記姿勢の乱れをより効果的に防ぐことができる。
これら作用,効果は、右板53の円弧孔53b(図20(A)参照)を図20(B)〜図20(D)に示した円弧孔53b-1〜53b-3に置換してこれらに対応した案内溝57,供給通路58,取込口58a及び取出口59を形成した場合でも同様に得られることは言うまでもない。
尚、前述の説明では、ロータ80に計8個の永久磁石80dを45度間隔で設けたものを示したが、図32(A)に示すようにロータ80-1に計4個の永久磁石80dを90度間隔で設けた場合や、図32(B)に示すようにロータ80-2に計6個の永久磁石80dを60度間隔で設けた場合でも、要するにロータに4以上の偶数個の永久磁石を所定の角度間隔で設けた場合でも前記同様の作用,効果を得ることができる。
[他の実施形態]
(1)前述の第1,第2実施形態では、ケース10,50の右板13,53の左面に下から上に向かって約180度の角度範囲で円弧溝13b,円弧孔53bを形成したものを示したが、該円弧溝13b,円弧孔53bの角度範囲は多少増減しても構わず、増減した場合でも前記同様の作用,効果を得ることができる。同様に、約30度の角度範囲で供給通路18,58を形成したものを示したが、該供給通路18,58の角度範囲は取出口19,59の位置を変えずに多少増減しても構わず、増減した場合でも前記同様の作用,効果を得ることができる。
(1)前述の第1,第2実施形態では、ケース10,50の右板13,53の左面に下から上に向かって約180度の角度範囲で円弧溝13b,円弧孔53bを形成したものを示したが、該円弧溝13b,円弧孔53bの角度範囲は多少増減しても構わず、増減した場合でも前記同様の作用,効果を得ることができる。同様に、約30度の角度範囲で供給通路18,58を形成したものを示したが、該供給通路18,58の角度範囲は取出口19,59の位置を変えずに多少増減しても構わず、増減した場合でも前記同様の作用,効果を得ることができる。
(2)前述の第1実施形態ではロータとして符号40,40-1,40-2に示したものを示し、前述の第2実施形態ではロータとして符号80,80-1,80-2に示したものを示したが、第1実施形態のロータとして第2実施形態で示したロータ80,80-1,80-2を使用することもでき、また、第2実施形態のロータとして第1実施形態で示したロータ40,40-1,40-2を使用することもできる。
10…ケース、11…左板、12…中央板、13…右板、13b…円弧溝、13c…取出口形成凹部、14…ストッパ棒、15…取込口形成部材、16…収納室、17…案内溝、18…供給通路、18a…取込口、19…取出口、20…支軸、30…軸受、40,40-1,40-2…ロータ、40d…永久磁石、50…ケース、51…左板、52…中央板、53…右板、53b…円弧孔、53c…取出口形成凹部、54…ストッパ棒、55…取込口形成部材、56…収納室、57…案内溝、58…供給通路、58a…取込口、59…取出口、60…支軸、70…軸受、80,80-1,80-2…ロータ、80d…永久磁石。
Claims (4)
- バラ状態の電子部品を所定向きに整列して供給するバルクフィーダであって、
磁力による吸引を可能とした多数の電子部品をバラ状態で収納するための収納室と、
所定の円軌道で移動可能な複数の永久磁石を所定角度間隔で有し、且つ、各永久磁石の磁力が収納室内の電子部品に及ぶように該収納室の一側面の外側に回転自在に配置されたロータと、
収納室内に設けられ、且つ、ロータの回転に伴って永久磁石が上方に移動する過程で所定向きの電子部品を流入させるための取込口と、
取込口から収納室の上方まで延設され、且つ、取込口を通じて取り込まれた所定向きの電子部品を同向きのまま移動させるための供給通路と、
供給通路の先端に設けられ 且つ、供給通路に沿って移動した電子部品を外部に取り出すための上面開口の取出口とを備え、
前記複数の永久磁石の数は4以上の偶数個で、4以上の偶数個の永久磁石は収納室と向き合う側の磁極が交互に異なるように並んでいて、隣り合う永久磁石の間には供給通路及び取出口に沿う向きの磁界が形成されている。 - 請求項1に記載のバルクフィーダにおいて、
供給通路は円弧状を成しており、4以上の偶数個の永久磁石はロータ回転時に供給通路に沿う所定の円軌道で移動するようにロータに等角度間隔で設けられている。 - 請求項2に記載のバルクフィーダにおいて、
ロータ回転時における各永久磁石と供給通路及び取出口との位置関係は供給通路及び取出口と向き合う磁極面の中心が該供給通路内及び取出口内に向くように設定されている。 - 請求項2または3に記載のバルクフィーダにおいて、
収納室の一側面にその上端が取込口と連続するように下から上に向かって設けられ、且つ、ロータの回転に伴って永久磁石が上方に移動する過程で収納室内の電子部品を所定向きで収容して同向きのまま移動させるための円弧状の案内溝をさらに備える。
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