JP2011225739A - 硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に無く優れた耐熱性、低熱膨張性を発現する硬化性樹脂組成物、その硬化物、耐熱性及び低熱膨張性に優れるプリント配線基板を提供する。
【解決手段】下記、下記構造式(i)
【化1】
Figure 2011225739

(式中、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、又は炭素原子数1〜2のアルコキシ基を示す。)
で表される骨格を有する化合物(a)に代表される、分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とグリシジルオキシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、及びシアン酸エステル系化合物(B)を必須成分とする。
【選択図】なし

Description

本発明は得られる硬化物の耐熱性、低熱膨張性に優れ、プリント配線基板、半導体封止材、塗料、注型用途等に好適に用いる事が出来る硬化性樹脂組成物、その硬化物、及び該組成物を用いたプリント配線基板に関する。
近年、電子機器の小型化・高性能化の流れに伴い、プリント配線板では配線ピッチが狭小化した、高密度の配線が要求されている。高密度配線に対応する半導体の実装方法としては、従来のワイヤボンディング方式に代わり、フリップチップ接続方式が広く用いられている。フリップチップ接続方式は、ワイヤに代えてはんだボールにより、配線板と半導体とを接続させる方法である。互いに向き合わせにした配線板と半導体との間にはんだボールを配置させ、全体に加熱して、はんだをリフロー(溶融接続)させて、配線板と半導体を接続させて実装している。この方法では、はんだリフロー時に従来より高い熱が配線板等にかかる。この際、従来の硬化性樹脂組成物を材料として形成された配線板では、配線板が熱収縮して、配線板と半導体を接続するはんだボールに大きな応力が発生し、配線の接続不良を起こす場合があった。この状況を背景として、低熱膨張率の硬化性樹脂組成物が求められている。
さらに環境問題に対する法規制等により、鉛を使用しない高融点はんだが主流となりつつあるが、この鉛フリーはんだは従来の共晶はんだよりも使用温度が約20〜40℃高くなることから、硬化性樹脂組成物にはこれまで以上に高い耐熱性が要求されている。
プリント配線板は、エポキシ樹脂やシアン酸エステル樹脂を必須成分とした硬化性樹脂組成物とガラス織布とを硬化・一体成形したものが一般的であり高耐熱化、低熱膨張化を達成するために改良が求められている。
このような要求に対応するために、例えば、2,7−ジヒドロキシナフタレンとホルムアルデヒドとを反応させることで得られるナフタレン系エポキシ樹脂と、シアン酸エステル樹脂とを必須成分とする硬化性樹脂組成物が、耐熱性等の技術課題を解決するものとして提案されている(下記特許文献1参照)。
然し乍ら、上記したナフタレン系エポキシ樹脂と、その硬化剤としてシアン酸エステル樹脂を用いる技術は、一般的なフェノールノボラック型エポキシ樹脂と比較して架橋密度が高く、エポキシ樹脂硬化物において優れた低熱線膨張性や耐熱性を発現するものの、未だ高耐熱化、低熱膨張化について近年要求されるレベルには達していないのが現状であった。
特開平9−100393号公報
従って、本発明が解決しようとする課題は、従来に無く優れた耐熱性、低熱膨張性を発現する硬化性樹脂組成物、その硬化物、耐熱性及び低熱膨張性に優れるプリント配線基板を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、特定の条件で2,7−ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドを反応させ、次いで得られた反応物にエピクロロヒドリンとを反応させて得られた、カルボニル基を有するエポキシ樹脂が、優れた耐熱性、低熱膨張性を発現し、さらに良好な溶剤溶解性を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格と、グリシジルオキシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、及びシアン酸エステル系化合物(B)を必須成分とすることを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。
本発明は、更に、前記硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物に関する。
本発明は、更に、分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格と、グリシジルオキシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、シアン酸エステル系化合物(B)、及び有機溶剤(F)を必須成分とする樹脂組成物を、ガラス織布に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させることにより得られたプリント配線基板に関する。
本発明によれば、従来に無く優れた耐熱性、低熱膨張性を発現する硬化性樹脂組成物、その硬化物、耐熱性及び低熱膨張性に優れるプリント配線基板を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格と、グリシジルオキシ基とを有することを特徴としている。即ち、分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格を有することから、エポキシ樹脂(A)の化学構造的な非対称性から良好な溶剤溶解性を示すことができる。また、エポキシ基とシアナト基との硬化反応において、シクロヘキサジエノン構造が硬化反応に関与することにより強固な硬化物が得られ、硬化物における耐熱性と低熱膨張性が向上するものである。
ここで、シクロヘキサジエノン構造とは、具体的には、下記構造式k1及びk2
Figure 2011225739

で表される2,4−シクロヘキサジエノン構造、及び下記構造式k3
Figure 2011225739

で表される2,5−シクロヘキサジエノン構造が挙げられる。
これらのなかでも、前記構造式k1及びk2で表される2,4−シクロヘキサジエノン構造が耐熱性、低熱膨張性に顕著に優れる点から好ましく、特に前記構造式k1で表される2−ナフタレノン構造であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂(A)は、2,7−ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとをアルカリ触媒の存在下反応させ、次いで得られた反応物にエピハロヒドリンを反応させる方法(方法1)、或いは、2,7−ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとフェノール類とをアルカリ触媒の存在下反応させ、次いで得られた反応物にエピハロヒドリンを反応させる方法(方法2)によって製造することができ、種々の分子構造を有するエポキシ樹脂を含み得るが、具体的には、ナフタレン構造と、前記構造式k1又はk2で表されるシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した構造を基本骨格とし、その芳香核上の置換基としてグリシジルオキシ基を有する化合物(a)を含有していることが好ましい。
かかる化合物(a)としては、具体的には、下記構造式(i)〜(iii)で表されるものが挙げられる。
Figure 2011225739

Figure 2011225739
Figure 2011225739
上記構造式(i)〜(iii)中、Rはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4の炭化水素基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、具体的には、上記構造式(i)で表される化合物としては以下のi−1〜i−8で表されるものが挙げられる。
Figure 2011225739

また、上記構造式(ii)で表される化合物としては以下のii−1〜ii−8で表されるものが挙げられる。
Figure 2011225739










また、上記構造式(iii)で表される化合物としては以下のiii−1〜iii−8で表されるものが挙げられる。
Figure 2011225739

これらの中でも特に下記構造式(i)
Figure 2011225739

(式中、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基を示す。)
で表される化合物が、特に耐熱性、低熱膨張性に顕著に優れる点から好ましい。上記構造式(i)で表される化合物は、前記した通り、その分子構造中にシクロヘキサジエノン構造を有することから、化学構造的に非対称となって優れた溶剤溶解性を示すことができ、また、シクロヘキサジエノン構造自体がシアン酸エステル系化合物(B)との硬化反応に寄与することになるので、上記構造式(i)で表される化合物は、3官能のエポキシ樹脂であるにも拘わらず、優れた耐熱性と低熱膨張性を発現することができる。
本発明では、これらの中でも特に耐熱性が高い点から構造式(1)におけるRが全て水素原子である下記構造式(i−α)
Figure 2011225739

で表される構造を有することが好ましい。
以上詳述したエポキシ樹脂(A)を前記した方法1又は方法2によって、製造する場合、通常、前記化合物(a)の他、下記構造式(iv)
Figure 2011225739


で表される化合物(b)や、或いは、前記構造式(i)、前記構造式(ii)又は前記構造式(iii)における芳香核に更に、下記部分構造式(v)
Figure 2011225739

で表される構造部位が結合したエポキシ樹脂オリゴマー(c)、更に、前記方法1又は方法2において、エピハロヒドリンを反応させる際に生成するオリゴマー(d)も生成するため、本発明のエポキシ樹脂(A)は、これらの混合物として使用してもよい。
この際、エポキシ樹脂(A)中、前記化合物(a)を5.0〜20.0質量%となる割合で含有することが好ましく、具体的には、前記化合物(a)を5.0〜20.0質量%、前記化合物(b)を15.0〜50.0質量%、その他前記オリゴマー(c)又はオリゴマー(d)に代表されるオリゴマー成分を30〜80質量%となる割合で含有することが溶剤溶解性に優れる点から好ましい。
また、エポキシ樹脂(A)は、該エポキシ樹脂(A)中のエポキシ当量は150〜300g/eqの範囲であることが耐熱性、低熱膨張率が良好となる点から好ましく、特に155〜250g/eq.の範囲であることが好ましい。
前記した通り、前記エポキシ樹脂(A)は、前記方法1又は方法2によって製造することができるが、本発明では従来に比べてアルカリ触媒量が多いことに特徴があり、具体的には、2,7−ジヒドロキシナフタレン類に対して、又は、2,7−ジヒドロキシナフタレン類とフェノール類との合計モル数に対して、アルカリ触媒をモル基準で0.2〜2.0倍量となる割合で用いることにより、分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格を生成させることができる。これに対して、公知の化合物である下記構造式(2)
Figure 2011225739
で表される化合物は、2,7−ジヒドロキシナフタレンとホルムアルデヒドとを該2,7−ジヒドロキシナフタレンに対して、モル基準で0.01〜0.1倍量となる割合でアルカリ触媒を使用することによって製造することができるが、このような触媒量では、製造工程中、該構造式(2)で表される化合物が選択的に生成、析出して反応が停止する為、本発明の如くシクロヘキサジエノン構造が生成することはない。
ここで、方法1又は方法2で用いる2,7−ジヒドロキシナフタレン類は、2,7−ジヒドロキシナフタレン、メチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、エチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、t−ブチル−2,7−ジヒドロキシナフタレン、メトキシ−2,7−ジヒドロキシナフタレン、エトキシ−2,7−ジヒドロキシナフタレン等が挙げられる。
方法1又は方法2で用いるホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒドは、水溶液の状態であるホルマリン溶液でも、固形状態であるパラホルムアルデヒドでもよい。
また、方法2で用いるフェノール類は、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、2,4−キシレノール等が挙げられる。
また、方法1又は方法2で用いるアルカリ触媒は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、金属ナトリウム、金属リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ類などが挙げられる。
前記したとおり、本発明では前記化合物(a)のうち上記構造式(i)で表される化合物が好ましく、よって、前記各方法のうち方法1の製造方法が好ましい。以下、方法1について詳述する。
前記方法1は、具体的には、2,7−ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとを実質的に同時に仕込み、適当な触媒の存在下で加熱撹拌して反応を行う方法、また、2,7−ジヒドロキシナフタレン類と適当な触媒の混合液に、ホルムアルデヒドを連続的乃至断続的に系内に加えることによって、反応を行う方法などが挙げられる。尚、ここで実質的に同時とは、加熱によって反応が加速されるまでの間に全ての原料を仕込むことを意味する。
ここで用いるアルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、金属ナトリウム、金属リチウム、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機アルカリ類などが挙げられる。その使用量は、前記した通り2,7−ジヒドロキシナフタレン類のモル数に対して、モル基準で0.2〜2.0倍量となる範囲であることが好ましい。
2,7−ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとの反応仕込み比率としては、特に限定されないが、2,7−ジヒドロキシナフタレン類に対してホルムアルデヒドが、モル基準で0.6〜2.0倍量となる割合であること、特に、耐熱性とエポキシ樹脂の粘度のバランスに優れる点から、0.6〜1.5倍量となる割合であることが好ましい。
この反応を行う際、必要に応じて有機溶剤を使用することができる。使用できる有機溶剤は、具体的には、メチルセロソルブ、イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。有機溶剤の使用量としては仕込み原料の総質量に対して通常0.1倍量〜5倍量の範囲であり、特に0.3倍量〜2.5倍量の範囲であることが効率的に構造式(i)の構造が得られる点から好ましい。また反応温度としては20〜150℃の範囲であることが好ましく、特に60〜100℃の範囲であることがより好ましい。また反応時間は、特に制限されないが、通常、1〜10時間の範囲である。
反応終了後、反応混合物のpH値が4〜7になるまで中和あるいは水洗処理を行う。中和処理や水洗処理は常法にしたがって行えばよい。例えばアルカリ触媒を用いた場合は酢酸、燐酸、燐酸ナトリウム等の酸性物質を中和剤として用いることができる。中和あるいは水洗処理を行った後、減圧加熱下で有機溶剤を留去し生成物の濃縮を行い、カルボニル基含有フェノール化合物を得ることが出来る。また、反応終了後の処理操作のなかに、精密濾過工程を導入することが無機塩や異物類を精製除去することができる点から、より好ましい。
次いで、得られたフェノール化合物と、エピハロヒドリンとを反応させることによって目的とするエポキシ樹脂(A)が得られる。具体的には、例えばフェノール化合物中のフェノール性水酸基のモル数に対し、エピハロヒドリンを2〜10倍量(モル基準)となる割合で添加し、更に、フェノール性水酸基のモル数に対し0.9〜2.0倍量(モル基準)の塩基性触媒を一括添加または徐々に添加しながら20〜120℃の温度で0.5〜10時間反応させる方法が挙げられる。この塩基性触媒は固形でもその水溶液を使用してもよく、水溶液を使用する場合は、連続的に添加すると共に、反応混合物中から減圧下、または常圧下、連続的に水及びエピハロヒドリン類を留出せしめ、更に分液して水は除去しエピハロヒドリンは反応混合物中に連続的に戻す方法でもよい。
なお、工業生産を行う際、エポキシ樹脂生産の初バッチでは仕込みに用いるエピハロヒドリン類の全てが新しいものであるが、次バッチ以降は、粗反応生成物から回収されたエピハロヒドリン類と、反応で消費される分で消失する分に相当する新しいエピハロヒドリン類とを併用することが好ましい。この時、使用するエピハロヒドリンは特に限定されないが、例えばエピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリン等が挙げられる。なかでも工業的入手が容易なことからエピクロルヒドリンが好ましい。
また、前記塩基性触媒は、具体的には、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等が挙げられる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れる点からアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。使用に際しては、これらの塩基性触媒を10〜55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用しても構わない。また、有機溶媒を併用することにより、エポキシ樹脂の合成における反応速度を高めることができる。このような有機溶媒としては特に限定されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、1−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等のアルコール類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、1、3−ジオキサン、ジエトキシエタン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で使用してもよいし、また、極性を調整するために適宜2種以上を併用してもよい。
前述のエポキシ化反応の反応物を水洗後、加熱減圧下、蒸留によって未反応のエピハロヒドリンや併用する有機溶媒を留去する。また更に加水分解性ハロゲンの少ないエポキシ樹脂とするために、得られたエポキシ樹脂を再びトルエン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどの有機溶媒に溶解し、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物の水溶液を加えてさらに反応を行うこともできる。この際、反応速度の向上を目的として、4級アンモニウム塩やクラウンエーテル等の相関移動触媒を存在させてもよい。相関移動触媒を使用する場合のその使用量としては、用いるエポキシ樹脂100質量部に対して0.1〜3.0質量部となる割合であることが好ましい。反応終了後、生成した塩を濾過、水洗などにより除去し、更に、加熱減圧下トルエン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を留去することにより目的とする化合物(a)を含有するエポキシ樹脂(A)を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物において、前記エポキシ樹脂(A)を単独で用いてもよいが、または本発明の効果を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂を使用してもよい。具体的には、エポキシ樹脂の全質量に対して前記エポキシ樹脂(A)が30質量%以上、好ましくは40質量%以上となる範囲で他のエポキシ樹脂を併用することができる。
前記エポキシ樹脂(A)と併用され得る他のエポキシ樹脂としては、種々のエポキシ樹脂を用いることができるが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、
ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのなかでもフェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂や、ナフタレン骨格を含有するナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂や、結晶性のビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂や、アルコキシ基含有芳香環変性ノボラック型エポキシ樹脂(ホルムアルデヒドでグリシジル基含有芳香環及びアルコキシ基含有芳香環が連結された化合物)等が耐熱性に優れる硬化物が得られる点から特に好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物に用いるシアン酸エステル系化合物(B)は、分子構造中にシアナト基を有する化合物であればよい。本発明では、前記エポキシ樹脂(A)のエポキシ基濃度が低いにも拘わらず、硬化剤としてシアン酸エステル系化合物(B)を用いた場合に優れた高耐熱性、低膨張率を発現することは特筆すべき点である。
かかるシアン酸エステル系化合物(B)は、具体的には、塩基性物質存在下、フェノール性水酸基含有化合物とハロゲン化シアンとを反応させて得られる化合物が挙げられ、その一部が3量化していてもよい。
ここで用いるハロゲン化シアンは、塩化シアン、臭化シアン等が挙げられる。
一方、ハロゲン化シアンと反応させるフェノール性水酸基含有化合物は、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フルオレンビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メンタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシクロペンタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキジフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1’−ビス(3−t−ブチル−6−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−ヘキサフルオロイソプロピリデンジフェノール等のビスフェノール類;ビフェノール誘導体、1、1’−ビナフタレン−2,2’−ジオール等のビフェノール類、1,1’−ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタン(b)、1,1’−ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル−6メチル)メタン、1,1’−ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル−7エチル)ブタン等のビスナフトール類;トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック等のノボラック型フェノール樹脂が挙げられる。
これらの中でも、ビスフェノールA、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、フェノールノボラック樹脂がハロゲン化シアンとの反応性、反応物の溶解性、相溶性の点で好ましい。
また、上記反応は、塩基性触媒の存在下を行うことが、反応性が良好となる点から好ましく、ここで用いる塩基性触媒としては、トリエチルアミンやトリメチルアミン等の3級アミン類;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物などの塩基性物質が挙げられる。
具体的には、例えばフェノール化合物中のフェノール性水酸基の1モルに対し、ハロゲン化シアンを1.05モル〜1.5モルとなる割合で反応させることによって得ることができる。
上記反応においては、有機溶媒存在下で反応することが好ましい。その際使用する有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒やメチルエチルケトンやメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒が挙げられる。
上記条件にて反応を行った後に、反応液に適量の水を加えて生成塩を溶解する。その後、水洗を繰り返して系内の生成塩を除去した後に、脱水や濾別でさらに精製して、有機溶媒を蒸留で除去して目的とするシアン酸エステル系化合物(B)を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物におけるエポキシ樹脂(A)とシアン酸エステル系化合物(B)の配合量としては、特に制限されるものではないが、得られる硬化物特性が良好である点から、エポキシ樹脂(A)のエポキシ基の合計1当量に対して、シアン酸エステル系化合物(B)中のシアナト基が0.5〜2.5当量になる量であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)及びシアン酸エステル系化合物(B)に加え、更に、硬化触媒(C)を併用してもよい。ここで用いる硬化触媒(C)は、具体的には、フェノール類、アミン類、ルイス酸類、3級スルホニウム塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、エポキシ基含有化合物などが挙げられる。これらの中でも、ノニルフェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、銅、鉛、スズ、マンガン、ニッケル、鉄、亜鉛、コバルト等のカルボン酸塩、チタンテトラ−n−ブトキシドとそのポリマー、銅、ニッケル、コバルト等のペンタジオナート塩、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルホスホニウム、オクチル酸亜鉛が、反応時にシアン酸エステル化合物(B)との相溶性が高く、反応が円滑に進行する上で好ましい。また、反応速度が早く進行する面からは、エポキシ化合物が特に好ましい。
前記硬化触媒(C)の使用量は、例えば、シアン酸エステル化合物(B)100質量部あたり0.001〜1.00質量部となる割合であることが好ましい。
本発明では前記エポキシ樹脂(A)及び前記シアン酸エステル化合物(B)に加え、更にマレイミド類(D)を併用してもよい。
ここで用いるマレイミド類(D)は、1分子中に2個以上のマレイミド基を有する化合物であれば、特に限定されるものではない。その具体的な例としては、N−シクロヘキシルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド等のN−脂肪族マレイミド;N−フェニルマレイミド、N−(P−メチルフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド等のN−芳香族マレイミド;4,4’―ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’―ジフェニルスルホンビスマレイミド、m―フェニレンビスマレイミド、ビス(3−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジメチルー4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタン等のビスマレイミド類が挙げられる。
これらの中でも特に硬化物の耐熱性が良好なものとなる点からビスマレイミド類が好ましく、特に4,4’―ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(3、5−ジメチルー4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(3、5−ジエチル−4−マレイミドフェニル)メタンが好ましい。
上記マレイミド類(D)を用いる場合、必要に応じて、硬化促進剤を用いることができる。ここで使用できる硬化促進剤としては、アミン化合物、フェノール化合物、酸無水物、イミダゾール類、有機金属塩などが挙げられる。
また、本発明では、更に、エポキシ樹脂用硬化剤(E)を併用してもよい。ここで用いるエポキシ樹脂用硬化剤は、具体的には、アミン系化合物としてはジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ−ル、BF−アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられ、アミド系化合物としては、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられ、酸無水物系化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、フェノール系化合物としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、芳香族炭化水素ホルムアルデヒド樹脂変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール付加型樹脂、フェノールアラルキル樹脂(ザイロック樹脂)、ナフトールアラルキル樹脂、トリメチロールメタン樹脂、テトラフェニロールエタン樹脂、ナフトールノボラック樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック樹脂、ビフェニル変性フェノール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール化合物)、ビフェニル変性ナフトール樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価ナフトール化合物)、アミノトリアジン変性フェノール樹脂(メラミン、ベンゾグアナミンなどでフェノール核が連結された多価フェノール化合物)やアルコキシ基含有芳香環変性ノボラック樹脂(ホルムアルデヒドでフェノール核及びアルコキシ基含有芳香環が連結された多価フェノール化合物)等の多価フェノール化合物が挙げられる。
また、前記エポキシ樹脂用硬化剤(E)を用いる場合、必要に応じて本発明の硬化性樹脂組成物に硬化促進剤を適宜併用することもできる。前記硬化促進剤としては種々のものが使用できるが、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。
以上詳述した本発明の硬化性樹脂組成物は、優れた溶剤溶解性を発現することを特徴としている。従って、該硬化性樹脂組成物は、上記各成分の他に有機溶剤(F)を配合することが好ましい。ここで使用し得る前記有機溶剤(F)としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得るが、例えば、プリント配線板用途では、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド等の沸点が160℃以下の極性溶剤であることが好ましく、また、不揮発分40〜80質量%となる割合で使用することが好ましい。一方、ビルドアップ用接着フィルム用途では、有機溶剤(F)として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を用いることが好ましく、また、不揮発分30〜60質量%となる割合で使用することが好ましい。
また、上記熱硬化性樹脂組成物は、難燃性を発揮させるために、例えばプリント配線板の分野においては、信頼性を低下させない範囲で、実質的にハロゲン原子を含有しない非ハロゲン系難燃剤を配合してもよい。
前記非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤、窒素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機系難燃剤、有機金属塩系難燃剤等が挙げられ、それらの使用に際しても何等制限されるものではなく、単独で使用しても、同一系の難燃剤を複数用いても良く、また、異なる系の難燃剤を組み合わせて用いることも可能である。
前記リン系難燃剤としては、無機系、有機系のいずれも使用することができる。無機系化合物としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム類、リン酸アミド等の無機系含窒素リン化合物が挙げられる。
また、前記赤リンは、加水分解等の防止を目的として表面処理が施されていることが好ましく、表面処理方法としては、例えば、(i)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン、酸化ビスマス、水酸化ビスマス、硝酸ビスマス又はこれらの混合物等の無機化合物で被覆処理する方法、(ii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物、及びフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の混合物で被覆処理する方法、(iii)水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等の無機化合物の被膜の上にフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂で二重に被覆処理する方法等が挙げられる。
前記有機リン系化合物としては、例えば、リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物等の汎用有機リン系化合物の他、9,10−ジヒドロ−9−オキサー10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10−(2,5―ジヒドロオキシフェニル)―10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド、10―(2,7−ジヒドロオキシナフチル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン=10−オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等が挙げられる。
それらの配合量としては、リン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、赤リンを非ハロゲン系難燃剤として使用する場合は0.1〜2.0質量部の範囲で配合することが好ましく、有機リン化合物を使用する場合は同様に0.1〜10.0質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜6.0質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記リン系難燃剤を使用する場合、該リン系難燃剤にハイドロタルサイト、水酸化マグネシウム、ホウ化合物、酸化ジルコニウム、黒色染料、炭酸カルシウム、ゼオライト、モリブデン酸亜鉛、活性炭等を併用してもよい。
前記窒素系難燃剤としては、例えば、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等が挙げられ、トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物が好ましい。
前記トリアジン化合物としては、例えば、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メロン、メラム、サクシノグアナミン、エチレンジメラミン、ポリリン酸メラミン、トリグアナミン等の他、例えば、(i)硫酸グアニルメラミン、硫酸メレム、硫酸メラムなどの硫酸アミノトリアジン化合物、(ii)フェノール、クレゾール、キシレノール、ブチルフェノール、ノニルフェノール等のフェノール類と、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ホルムグアナミン等のメラミン類およびホルムアルデヒドとの共縮合物、(iii)前記(ii)の共縮合物とフェノールホルムアルデヒド縮合物等のフェノール樹脂類との混合物、(iv)前記(ii)、(iii)を更に桐油、異性化アマニ油等で変性したもの等が挙げられる。
前記シアヌル酸化合物の具体例としては、例えば、シアヌル酸、シアヌル酸メラミン等を挙げることができる。
前記窒素系難燃剤の配合量としては、窒素系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜10質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.1〜5質量部の範囲で配合することが好ましい。
また前記窒素系難燃剤を使用する際、金属水酸化物、モリブデン化合物等を併用してもよい。
前記シリコーン系難燃剤としては、ケイ素原子を含有する有機化合物であれば特に制限がなく使用でき、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等が挙げられる。
前記シリコーン系難燃剤の配合量としては、シリコーン系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましい。また前記シリコーン系難燃剤を使用する際、モリブデン化合物、アルミナ等を併用してもよい。
前記無機系難燃剤としては、例えば、金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等が挙げられる。
前記金属水酸化物の具体例としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
前記金属酸化物の具体例としては、例えば、モリブデン酸亜鉛、三酸化モリブデン、スズ酸亜鉛、酸化スズ、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化タングステン等を挙げることができる。
前記金属炭酸塩化合物の具体例としては、例えば、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウム、炭酸鉄、炭酸コバルト、炭酸チタン等を挙げることができる。
前記金属粉の具体例としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ等を挙げることができる。
前記ホウ素化合物の具体例としては、例えば、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸、ホウ砂等を挙げることができる。
前記低融点ガラスの具体例としては、例えば、シープリー(ボクスイ・ブラウン社)、水和ガラスSiO−MgO−HO、PbO−B系、ZnO−P−MgO系、P−B−PbO−MgO系、P−Sn−O−F系、PbO−V−TeO系、Al−HO系、ホウ珪酸鉛系等のガラス状化合物を挙げることができる。
前記無機系難燃剤の配合量としては、無機系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.05〜20質量部の範囲で配合することが好ましく、特に0.5〜15質量部の範囲で配合することが好ましい。
前記有機金属塩系難燃剤としては、例えば、フェロセン、アセチルアセトナート金属錯体、有機金属カルボニル化合物、有機コバルト塩化合物、有機スルホン酸金属塩、金属原子と芳香族化合物又は複素環化合物がイオン結合又は配位結合した化合物等が挙げられる。
前記有機金属塩系難燃剤の配合量としては、有機金属塩系難燃剤の種類、硬化性樹脂組成物の他の成分、所望の難燃性の程度によって適宜選択されるものであるが、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、非ハロゲン系難燃剤及びその他の充填材や添加剤等全てを配合した硬化性樹脂組成物100質量部中、0.005〜10質量部の範囲で配合することが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物には、必要に応じて無機質充填材を配合することができる。前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。前記無機充填材の配合量を特に大きくする場合は溶融シリカを用いることが好ましい。前記溶融シリカは破砕状、球状のいずれでも使用可能であるが、溶融シリカの配合量を高め且つ成形材料の溶融粘度の上昇を抑制するためには、球状のものを主に用いる方が好ましい。更に球状シリカの配合量を高めるためには、球状シリカの粒度分布を適当に調整することが好ましい。その充填率は難燃性を考慮して、高い方が好ましく、硬化性樹脂組成物の全体量に対して20質量%以上が特に好ましい。また導電ペーストなどの用途に使用する場合は、銀粉や銅粉等の導電性充填剤を用いることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、シランカップリング剤、離型剤、顔料、乳化剤等の種々の配合剤を添加することができる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上記した各成分を均一に混合することにより得られる。本発明のエポキシ樹脂、硬化剤、更に必要により硬化促進剤の配合された本発明の硬化性樹脂組成物は従来知られている方法と同様の方法で容易に硬化物とすることができる。該硬化物としては積層物、注型物、接着層、塗膜、フィルム等の成形硬化物が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物が用いられる用途としては、プリント配線板材料、樹脂注型材料、接着剤、ビルドアップ基板用層間絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム等が挙げられる。また、これら各種用途のうち、プリント配線板や電子回路基板用絶縁材料、ビルドアップ用接着フィルム用途では、コンデンサ等の受動部品やICチップ等の能動部品を基板内に埋め込んだ所謂電子部品内蔵用基板用の絶縁材料として用いることができる。これらの中でも、高耐熱性、低熱膨張性、及び溶剤溶解性といった特性からプリント配線板材料やビルドアップ用接着フィルムに用いることが好ましい。
ここで、本発明の硬化性樹脂組成物からプリント回路基板を製造するには、前記有機溶剤(F)を含むワニス状の硬化性樹脂組成物を、更に有機溶剤(F)を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させる方法が挙げられる。ここで使用し得る補強基材は、紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などが挙げられる。かかる方法を更に詳述すれば、先ず、前記したワニス状の硬化性樹脂組成物を、用いた溶剤種に応じた加熱温度、好ましくは50〜170℃で加熱することによって、硬化物であるプリプレグを得る。この時用いる樹脂組成物と補強基材の質量割合としては、特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜60質量%となるように調製することが好ましい。次いで、上記のようにして得られたプリプレグを、常法により積層し、適宜銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させることにより、目的とするプリント回路基板を得ることができる。
本発明の硬化性樹脂組成物をレジストインキとして使用する場合には、例えば該硬化性樹脂組成物の硬化触媒(C)としてカチオン重合触媒を用い、更に、顔料、タルク、及びフィラーを加えてレジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式にてプリント基板上に塗布した後、レジストインキ硬化物とする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば、微細導電性粒子を該硬化性樹脂組成物中に分散させ異方性導電膜用組成物とする方法、室温で液状である回路接続用ペースト樹脂組成物や異方性導電接着剤とする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては例えば、ゴム、フィラーなどを適宜配合した当該硬化性樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等を用いて塗布した後、硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。前記めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また前記粗化剤としては酸化剤、アルカリ、有機溶剤等が挙げられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することにより、ビルドアップ基盤を得ることができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行う。また、銅箔上で当該樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
本発明の硬化性樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、本発明の硬化性樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物をビルドアップ用接着フィルムに用いる場合、該接着フィルムは、真空ラミネート法におけるラミネートの温度条件(通常70℃〜140℃)で軟化し、回路基板のラミネートと同時に、回路基板に存在するビアホール或いはスルーホール内の樹脂充填が可能な流動性(樹脂流れ)を示すことが肝要であり、このような特性を発現するよう上記各成分を配合することが好ましい。
ここで、多層プリント配線板のスルホールの直径は通常0.1〜0.5mm、深さは通常0.1〜1.2mmであり、通常この範囲で樹脂充填を可能とするのが好ましい。なお回路基板の両面をラミネートする場合はスルーホールの1/2程度充填されることが望ましい。
上記した接着フィルムを製造する方法は、具体的には、ワニス状の本発明の硬化性樹脂組成物を調製した後、支持フィルム(Y)の表面に、このワニス状の組成物を塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて硬化性樹脂組成物の層(X)を形成させることにより製造することができる。
形成される層(X)の厚さは、通常、導体層の厚さ以上とする。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層の厚さは10〜100μmの厚みを有するのが好ましい。
なお、本発明における層(X)は、後述する保護フィルムで保護されていてもよい。保護フィルムで保護することにより、樹脂組成物層表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。
前記した支持フィルム及び保護フィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを挙げることができる。なお、支持フィルム及び保護フィルムはマッド処理、コロナ処理の他、離型処理を施してあってもよい。
支持フィルムの厚さは特に限定されないが、通常10〜150μmであり、好ましくは25〜50μmの範囲で用いられる。また保護フィルムの厚さは1〜40μmとするのが好ましい。
上記した支持フィルム(Y)は、回路基板にラミネートした後に、或いは加熱硬化することにより絶縁層を形成した後に、剥離される。接着フィルムを加熱硬化した後に支持フィルム(Y)を剥離すれば、硬化工程でのゴミ等の付着を防ぐことができる。硬化後に剥離する場合、通常、支持フィルムには予め離型処理が施される。
次に、上記のようして得られた接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法は、例えば、層(X)が保護フィルムで保護されている場合はこれらを剥離した後、層(X)を回路基板に直接接するように、回路基板の片面又は両面に、例えば真空ラミネート法によりラミネートする。ラミネートの方法はバッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。またラミネートを行う前に接着フィルム及び回路基板を必要により加熱(プレヒート)しておいてもよい。
ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートすることが好ましい。
本発明の硬化物を得る方法としては、一般的な硬化性樹脂組成物の硬化方法に準拠すればよいが、例えば加熱温度条件は、組み合わせる硬化剤の種類や用途等によって、適宜選択すればよいが、上記方法によって得られた組成物を、20〜250℃程度の温度範囲で加熱すればよい。
従って、該エポキシ樹脂を用いることによって、エポキシ樹脂の溶剤溶解性が飛躍的に向上し、さらに硬化物とした際、耐熱性と低熱膨張率が発現でき、最先端のプリント配線板材料に適用できる。また、該エポキシ樹脂は、本発明の製造方法にて容易に効率よく製造する事が出来、目的とする前述の性能のレベルに応じた分子設計が可能となる。
次に本発明を実施例、比較例により具体的に説明するが、以下において「部」及び「%」は特に断わりのない限り質量基準である。尚、150℃における溶融粘度、軟化点は以下の条件にて測定した。
1)150℃における溶融粘度:ASTM D4287に準拠
2)軟化点測定法:JIS K7234
合成例1
温度計、滴下ロート、冷却管、分留管、撹拌器を取り付けたフラスコに、2,7−ジヒドロキシナフタレンを240質量部(1.50モル)、37質量%ホルムアルデヒド水溶液85部(1.05モル)、イソプロピルアルコール376質量部、48%水酸化カリウム水溶液88部(0.75モル)を仕込み、室温下、窒素を吹き込みながら撹拌した。その後、75℃に昇温し2時間攪拌した。反応終了後、第1リン酸ソーダ108部を添加して中和した後、イソプロピルアルコールを減圧下除去し、メチルイソブチルケトン480部を加えた。得られた有機層を水200部で3回水洗を繰り返した後に、メチルイソブチルケトンを加熱減圧下に除去して下記構造式(i−α)で表される中間体化合物(A−1)を245質量部得た。得られた化合物(A−1)の水酸基当量は84グラム/当量であった。
次いで、温度計、冷却管、撹拌器を取り付けたフラスコに窒素ガスパージを施しながら上記反応で得られた化合物(A−1)84質量部(水酸基1.0当量)、エピクロルヒドリン463質量部(5.0モル)、n−ブタノール53質量部を仕込み溶解させた。50℃に昇温した後に、20%水酸化ナトリウム水溶液220部(1.10モル)を3時間要して添加し、その後更に50℃で1時間反応させた。反応終了後、150℃減圧下で未反応エピクロルヒドリンを留去した。それで得られた粗エポキシ樹脂にメチルイソブチルケトン300質量部とn−ブタノール50質量部とを加え溶解した。更にこの溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液15質量部を添加して80℃で2時間反応させた後に洗浄液のPHが中性となるまで水100質量部で水洗を3回繰り返した。次いで共沸によって系内を脱水し、精密濾過を経た後に、溶媒を減圧下で留去して下記構造式(i−β)で表されるエポキシ樹脂(A−2)126質量部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は170グラム/当量であった。
Figure 2011225739

Figure 2011225739
合成例2
37%ホルムアルデヒド水溶液を122質量部(1.50モル)にした以外は合成例1と同様にして、前記構造式(i−β)で表されるエポキシ樹脂(A−3)128質量部を得た。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は178グラム/当量であった。
実施例1〜3及び比較例1
エポキシ樹脂として、前記エポキシ樹脂(A−2)、前記エポキシ樹脂(A−3)、及び比較用としてエポキシ樹脂(A−4)[下記構造式
Figure 2011225739

で表される4官能型ナフタレン系エポキシ樹脂(DIC(株)製「エピクロンHP−4700」エポキシ当量165グラム/当量)]、シアン酸エステル樹脂として2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンのプレポリー(BA−200:Lonza製)又はフェノールノボラック型シアネート(PT−30:Lonza社製)、
硬化促進剤としてオクチル酸亜鉛を用いて表1に示した組成で配合し、最終的に各組成物の不揮発分(N.V.)が58質量%となるようにメチルエチルケトンを配合して調整した。
次いで、下記の如き条件で硬化させて積層板を試作し、下記の方法で耐熱性及び熱膨張係数を評価した。結果を表1に示す。
<積層板作製条件>
基材:日東紡績株式会社製 ガラスクロス「#2116」(210×280mm)
プライ数:6 プリプレグ化条件:160℃
硬化条件:200℃、40kg/cmで1.5時間、成型後板厚:0.8mm
<耐熱性(ガラス転移温度)>
積層板を5mm×54mm×0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片として粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、レクタンギュラーテンション法:周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる(tanδ変化率が最も大きい)温度をガラス転移温度として評価した。
<熱膨張係数>
積層板を5mm×5mm×0.8mmのサイズに切り出し、これを試験片として熱機械分析装置(TMA:セイコーインスツルメント社製「SS−6100」)を用いて、圧縮モードで熱機械分析を行った。
測定条件
測定架重:88.8mN
昇温速度:3℃/分で2回
測定温度範囲:−50℃から300℃
上記条件での測定を同一サンプルにつき2回実施し、2回目の測定における、240℃から280℃の温度範囲における平均膨張係数を熱膨張係数として評価した。
Figure 2011225739

Claims (7)

  1. 分子構造中にナフタレン構造とシクロヘキサジエノン構造とがメチレン基を介して結節した骨格と、グリシジルオキシ基とを有するエポキシ樹脂(A)、及びシアン酸エステル系化合物(B)を必須成分とすることを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂(A)の分子構造中に存在するシクロヘキサジエノン構造が、2−ナフタレノン構造である請求項1記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂(A)が、下記構造式(i)
    Figure 2011225739

    (式中、Rは、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、又は炭素原子数1〜2のアルコキシ基を示す。)
    で表される骨格を有する化合物(a)を含有するものである請求項1又は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂(A)が、エポキシ当量150〜300g/eqのものである請求項3記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂(A)が、2,7−ジヒドロキシナフタレン類とホルムアルデヒドとを、2,7−ジヒドロキシナフタレンに対して、モル基準で0.2〜2.0倍量のアルカリ触媒の存在下に反応させ、次いで、得られた反応物にエピハロヒドリンを反応させて得られる分子構造を有するものである請求項1〜4の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1つに記載の硬化性樹脂組成物を硬化反応させてなることを特徴とする硬化物。
  7. 請求項1〜5の何れか1つに記載の組成物に、更に有機溶剤(F)を配合してワニス化した樹脂組成物を、補強基材に含浸し銅箔を重ねて加熱圧着させることにより得られたプリント配線基板。
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