JP2011222383A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造工程に対する投資を抑え、余分な部材を使用せず、製品のコストを上げることなく製造工程に発生する異物付着に起因するリークの発生を抑制することが可能な有機EL素子の製造方法及び有機EL素子の提供。
【解決手段】基材上に、第1の電極と、少なくとも1層の有機機能層と、第2の電極と、封止層とを順次積層した構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記製造方法は除電工程を含み、少なくとも前記除電工程の環境が、酸素濃度100ppmから1000ppmであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法に関し、更に詳しくは、ゴミ付着を防止した有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子とも言う)の製造方法に関する。
近年、有機物質を使用した有機EL素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイとしての用途が有望視されており、活発な研究開発が進められている。有機EL素子は、基板上に形成された第1電極(陽極又は陰極)と、その上に積層された有機発光物質を含有する有機化合物層(単層部又は多層部)すなわち発光層と、この発光層上に積層された第2電極(陰極又は陽極)とを有する薄膜型の素子である。この様な有機EL素子に電圧を印加すると、有機化合物層に陰極から電子が注入され陽極から正孔が注入される。この電子と正孔が発光層において再結合し、エネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻る際にエネルギーを光として放出することにより発光が得られることが知られている。
この様に、有機EL素子は薄膜型の素子であるため、1個又は複数個の有機EL素子を基板上に形成した有機EL素子をバックライト等の面光源として利用した場合には、面光源を備えた装置を容易に薄型にすることが出来る。又、画素としての有機EL素子を基板上に所定個数形成した有機EL素子をディスプレイパネルとして用いて有機EL表示装置を構成した場合には視認性が高い、視野角依存性がないなど、液晶表示装置では得られない利点がある。
有機EL素子に用いられる有機発光材料等の有機物は水分や酸素等に弱く性能が劣化し、又電極も、酸化により大気中では特性が急激に劣化するため、これらの劣化を防止するためにこれまでに対応が取られてきた。例えば、特開2004−55452号公報、特開2007−165605号公報には酸素濃度1000ppm以下の雰囲気で有機発光材料を成膜する方法が開示されている。
又、ゴミの付着も有機EL素子の性能に悪影響を与えることが知られており、有機EL素子の構成及び有機EL素子の製造工程の面から対策が取られている。有機EL素子の構成の面からは、例えば、特開2005−101008号公報には、基板上に、陽極層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び陰極層をこの順に積層形成した有機EL素子において、陽極層上に付着した異物を正孔輸送層で実質的に覆うために、正孔輸送層の膜厚を厚くすることで、陽極層と陰極層が直接接触してショート(リーク)してしまうのを防ぎ、ショートに起因する画素の発光不良を軽減する方法が開示されている。特開2007−95636号公報には、画素毎に配置された第1電極と、第1電極上に配置された有機活性層と、複数の画素に共通に配置されるとともに有機活性層を覆うように配置された第2電極とを備えた有機EL素子を備えた表示装置であって、第1電極と有機活性層との間に空隙を設けることで製造過程で異物が付着したとしてもショート(リーク)の発生を抑制する方法が開示されている。この様に、酸素や、水分の影響を無くし、ゴミの付着を防止するための方法が検討されてきた。
有機EL素子の製造工程の面からのゴミ付着対策としては、例えば、帯状支持体の上に第1電極/有機化合物層/第2電極の構成を有する有機EL素子を製造する時、ゴミの付着を防止するため、帯状支持体の除電処理工程を配設し、有機化合物層は、露点温度−20℃以下、且つJIS B 9920に準拠し、測定した清浄度がクラス5以下で、且つ、乾燥部及び加熱処理部を除き10℃から45℃の大気圧条件下で形成する方法が知られている(特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の方法は、確かに異物の付着防止には効果はあるが、次の問題点を有していることが判った。1)製造工程の設備投資に費用が掛かる。2)有機化合物層に欠陥が生じ性能異常が発生する。
帯状可撓性支持体の上に、少なくとも第1電極と、正孔輸送層と、発光層と、電子注入層と、第2電極と、封止層及び/又は封止フィルム(封止構造)をこの順番で有する有機EL素子をロールツーロール方式で製造し、巻き取る際、異物の付着を防止するため、除電防止手段で処理した巻き取り補助部材をJIS B 9920に準拠し測定した清浄度がクラス5以下の環境条件で巻き取る方法が知られている(特許文献2参照。)。
特許文献2に記載の方法は、確かに巻き取り後の異物の付着を防止する方法として効果はあるが、巻き取り補助部材の使用に伴うコストが上がるうえに、巻き取る前に付着するゴミの対策になっていないことが判った。
この様な状況から、製造工程に対する投資を抑え、余分な部材を使用せず、製品のコストを上げることなく製造工程に発生する異物付着に起因するリーク等の発生を抑制することが可能な有機EL素子の製造方法及び有機EL素子の開発が望まれている。
国際公開第06/100868号 特開2006−294536号公報
本発明は、上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は製造工程に対する投資を抑え、余分な部材を使用せず、製品のコストを上げることなく製造工程に発生する異物付着に起因するリーク、外部取り出し量子効率等の発生を抑制することが可能な有機EL素子の製造方法及び有機EL素子を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
1.基材上に、第1の電極と、少なくとも1層の有機機能層と、第2の電極と、封止層とを順次積層した構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
前記製造方法は除電工程を含み、
少なくとも前記除電工程の環境が、酸素濃度100ppmから1000ppmであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
2.前記基材が帯状可撓性基材であり、ロールツーロール方式で製造することを特徴とする前記1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
3.前記基材が樹脂基材であることを特徴とする前記1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
製造工程に対する投資を抑え、余分な部材を使用せず、製品のコストを上げることなく製造工程に発生する異物付着に起因するリーク等の発生を抑制することが可能な有機EL素子の製造方法及び有機EL素子を提供することが出来た。
本発明の有機EL素子の製造方法により製造した有機EL素子の概略図である。 本発明の製造方法により有機EL素子を製造する製造工程の概略図である。
以下、本発明を実施する形態を図1、図2を参照しながら説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は本発明の有機EL素子の製造方法により製造した有機EL素子の概略図である。図1(a)は本発明の有機EL素子の製造方法により製造した有機EL素子の概略斜視図である。図1(b)は図1(a)のA−A′に沿った概略断面図である。
図中、1は有機EL素子を示す。有機EL素子1は、基材101上に順次、第1電極(陽極)102と、機能層103と、第2電極(陰極)104と接着剤層105を介して固定された封止部材106とにより密着封止された封止構造となっている。
102aは第1電極(陽極)102の取り出し電極を示し、104aは第2電極(陰極)104の取り出し電極を示す。第1電極(陽極)102と基材101との間にガスバリア膜(不図示)を設けても構わない。
封止部材106の厚さは、爪折れの発生に伴う生産性、有機EL素子自体の柔軟性等を考慮し、5μmから500μmが好ましい。
接着剤層105の厚さは、接着性、防湿性等を考慮し、10μmから50μmが好ましい。
機能層としては、例えば、第1電極の上に、正孔輸送層/発光層/電子輸送層を順次積層した構成が挙げられる。
尚、本図に示す、有機EL素子を複数並べて大型の有機EL素子とすることも可能である。又、基板上に形成された取り出し電極を有する第1電極と、前記第1電極上に形成された機能層までを形成した積層体を複数並べ、全ての積層体に共通な第2電極を積層体の上に設け、本図に示す様に接着剤層105と、封止部材106とにより密着封止し有機EL素子とすることも可能である。
本図に示される有機EL素子は、第1電極用外部接続用電極と第2電極用外部接続用電極とから直流が供給されることにより、機能層から光が発せられる。
次に、有機EL素子に付き説明する。
本図に示す有機EL素子の層構成は積層法による一例を示したものであるが、有機EL素子の代表的な層構成としては次の(1)から(5)に示す構成が挙げられる。
(1)基材/第1電極(陽極)/有機層(発光層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(2)基材/第1電極(陽極)/有機層(発光層)/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(3)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(4)基材/第1電極(陽極)/正孔輸送層(正孔注入層)/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファ層(電子注入層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
(5)基材/第1電極(陽極)/陽極バッファ層(正孔注入層)/正孔輸送層/有機層(発光層)/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファ層(電子注入層)/第2電極(陰極)/接着剤/封止部材
発光層は、電極又は電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。前記発光層は、含まれる発光材料が前記要件を満たしていれば、その構成には特に制限はない。又、同一の発光スペクトルや発光極大波長を有する層が複数層あってもよい。各発光層間には非発光性の中間層を有していることが好ましい。
発光層の膜厚の総和は1nmから100nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは、より低い駆動電圧を得ることが出来ることから30nm以下である。尚、ここで言うところの発光層の膜厚の総和とは、発光層間に非発光性の中間層が存在する場合には、該中間層も含む膜厚である。発光層は単層でも、複数の発光層からなる発光層ユニットを形成していてもよい。
図2は本発明の製造方法により有機EL素子を製造する製造工程の概略図である。
図中、2は有機EL素子の製造工程を示す。製造工程2は、第1供給工程201と、正孔注入層形成工程202と、発光層形成工程203と、電子輸送層形成工程204と、第1回収工程205と、第2供給工程206と、第2電極形成工程207と第2回収工程208と、第3供給工程209と、封止部材貼合工程210と、断裁工程211とを有している。
第1供給工程201は、除電工程201cを有し、ロール状に巻き取られた帯状支持体3の繰り出し装置(不図示)とアキュームレータ201aと、洗浄表面改質処理装置201bとを使用しており、連続的に、次工程の正孔注入層形成工程202に帯状支持体3を繰り出す様になっている。アキュームレータ201aは次工程の正孔注入層形成工程202との速度調整のために配設されている。帯状支持体3は、パターン化して形成されたインジウムチンオキシド(ITO)を使用した第1電極(陽極)(不図示)が形成されている。尚、第1電極(陽極)の位置を示すアライメントマーク(不図示)を設けることが好ましい。第1電極(陽極)の厚さは、100nmから150nmとした。
洗浄表面改質処理装置201bは、正孔輸送層形成用塗布液を塗布する前に繰り出し装置(不図示)から送られてきた帯状支持体に形成されている第1電極の表面の洗浄改質を行うため、例えば、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、プラズマ洗浄装置等を使用することが好ましい。低圧水銀ランプによる洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、波長184.2nmの低圧水銀ランプを、照射強度5mW/cmから20mW/cmで、距離5mmから15mmで照射し洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。プラズマ洗浄装置による洗浄表面改質処理の条件としては、例えば、大気圧プラズマが好適に使用される。洗浄条件としてはアルゴンガスに酸素1体積%から5体積%含有ガスを用い、周波数100KHzから150MHz、電圧10Vから10KV、照射距離5mmから20mmで洗浄表面改質処理を行う条件が挙げられる。
除電工程201cは、帯状支持体3の第1電極(陽極)が形成されている面側と裏面側に配置した2台の非接触式除電装置201c1を使用している。除電工程201cの設置場所は、後述の塗布工程202aの近傍が望ましい。本図では1箇所の場合を示しているが必要に応じて複数箇所に配設しても構わない。
非接触式除電装置201c1としては例えば、非接触式のイオナイザーが挙げられイオナイザーの種類については特に制限はなく、イオン発生方式はAC方式、DC方式どちらでも構わない。ACタイプ、ダブルDCタイプ、パルスACタイプ、軟X線タイプが用いることが出来るが、特に精密除電の観点から、ACタイプが好ましい。ACタイプの使用の際に必要となる噴射気体については、十分に純度が高められたNで行うことが好ましい。又、インラインで行う観点より、ブロワータイプ若しくはガンタイプより選ばれる。
非接触式除電装置201c1により帯状支持体3の除電を行う環境は酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することでゴミの付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化により発光効率が低下するため好ましくない。特に、酸素による燐光発光の発光層の劣化の影響は大きい。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
除電工程201cにより帯状支持体3の除電が図られ、素子への異物の付着が防止されるため、リークの発生やダークスポットの発生等がなくなり有機EL素子の歩留まりの向上が図られる。
正孔注入層形成工程202は、塗布工程202aと、乾燥工程202bと除電工程202dとを有し、アキュームレータ202cを使用している。正孔注入層形成工程202では、パターン化して形成された第1電極(不図示)までが形成された帯状支持体3の第1電極取り出し電極部(不図示)を除き第1電極(不図示)の上に正孔注入層形成用塗布液が塗布され、乾燥工程202bを経て正孔注入層が形成され、次工程の正孔輸送層形成工程203に搬送される。アキュームレータ202cは次工程の正孔輸送層形成工程203との速度調整のために配設されている。
塗布工程202aは、前計量型塗布方法で塗布を行っており、前計量型の塗布装置を使用している。前計量型の塗布方法としては、スリット型ダイコーターを用いたエクストルージョン塗布方法、スリット型ダイコーターを用いたスライド塗布方法、カーテン塗布方法、インクジェットヘッドを用いた塗布方法が挙げられる。これらの前計量型の塗布装置の使用は正孔注入層の材料に応じて適宜選択することが可能となっている。
本図は前計量型の塗布装置としてスリット型ダイコーター202a1と帯状支持体3を保持するバックロール202a2とを使用している。
スリット型ダイコーター202a1による正孔注入層形成用塗布液は、帯状支持体3の上全面に塗布される。尚、塗布工程202aで帯状支持体3の上に全面塗布された正孔注入層形成用塗布液は塗布終了後に不要とする部分の塗膜は除去工程(不図示)で除去される。除去の方法は特に限定はないが、例えば塗布液に使用した溶媒による払拭方式が挙げられる。不要部分としては、第1電極用外部取り出し用電極の上及び隣接する第1電極の間が挙げられる。
乾燥工程202bは、乾燥装置202b1と加熱処理装置202b2とを使用している。乾燥装置202b1としては特に限定はなく、例えば加熱方式、加熱風方式等が挙げられ必要に応じて適宜選択することが可能となっている。
加熱処理装置202b2は正孔注入層形成用塗膜(不図示)を帯状支持体3の裏面側から裏面伝熱方式で加熱する様になっている。加熱処理装置202b2における正孔注入層(不図示)の加熱処理条件として、正孔注入層の平滑性向上、水分や残留溶媒の除去、正孔注入層の硬化等を考慮し、正孔注入層を構成している樹脂のガラス転移温度に対して−30℃から+30℃、且つ、正孔注入層を構成している有機化合物の分解温度を超えない温度で裏面伝熱方式の熱処理を行うことが好ましい。
乾燥工程202bと正孔輸送層形成工程203との間には必要に応じて第2除電防止手段202dを配設することが好ましい。
除電工程202dは、正孔注入層が形成された面側と裏面側とに非接触式除電装置202d1を使用している。除電工程202dの設置する場所は、後述の塗布工程203aの近傍が望ましい。本図では1箇所の場合を示しているが、必要に応じて複数箇所に配設しても構わない。
非接触式除電装置202d1は除電工程202cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程202dによる帯状支持体3の除電を行う環境は除電工程201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化によりが劣化し発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。正孔注入層の厚さは、0.1nmから100nmが好ましく、5nmから70nmがより好ましく、10nmから50nmが最も好ましい。
発光層形成工程203は、塗布工程203aと、乾燥工程203bと、除電工程203dとを有し、アキュームレータ203cを使用している。アキュームレータ203cは次工程の電子輸送層形成工程204との速度調整のために配設されている。発光層形成工程203では、正孔輸送層までが形成された帯状支持体3の上全面に発光層形成用塗布液が塗布される。
この後、乾燥工程203bを経て発光層が形成され、次工程の電子輸送層形成工程204に搬送される。アキュームレータ203cは次工程の電子輸送層形成工程204との速度調整のために配設されている。
塗布工程203aは、正孔注入層形成工程202の塗布工程202aと同じ前計量型塗布方法で塗布を行っており、前計量型の塗布装置として塗布工程202aと同じスリット型ダイコーター203a1と帯状支持体3を保持するバックロール203a2とを使用している。スリット型ダイコーター203a1による正孔輸送層形成用塗布液は、帯状支持体3の上に形成された正孔注入層の上を含め全面に塗布される。尚、塗布工程203aで帯状支持体3の上に全面塗布された正孔輸送層形成用塗布液は塗布終了後に不要とする部分の塗膜は除去工程(不図示)で除去される。除去の方法及び不要とする部分は正孔注入層の場合と同じである。
乾燥工程203bは、乾燥装置203b1と加熱処理装置203b2とを使用している。乾燥装置203b1、加熱処理装置203b2は、正孔注入層形成工程202の乾燥工程202bで使用している乾燥装置202b1と加熱処理装置202b2と同じであるため説明は省略する。
乾燥工程203bと電子輸送層形成工程204との間には必要に応じて除電工程203dを配設することが好ましい。除電工程203dとしては、発光層が形成された面側と裏面側とに非接触式除電装置203d1が使用されている。除電工程203dの設置する場所は、後述の塗布工程204aの近傍が望ましい。本図では1箇所の場合を示しているが、必要に応じて複数箇所に配設しても構わない。
非接触式除電装置203d1は除電工程201cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程203dによる帯状支持体3の除電を行う環境は第1除電防止手段201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化により発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
発光層(不図示)が多層の場合は、積層する数に合わせて塗布工程、乾燥工程を配設する必要がある。又、積層する数に合わせて各工程に除電手段を配設することが好ましい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性、発光に必要な電圧等を考慮し、通常2nmから5μm、好ましくは2nmから200nmの範囲で選ばれる。更に10nmから20nmの範囲にあるのが好ましい。膜厚を20nm以下にすると電圧面のみならず、駆動電流に対する発光色の安定性が向上する効果があり好ましい。個々の発光層の膜厚は、好ましくは2nmから100nmの範囲で選ばれ、2nmから20nmの範囲にあるのが更に好ましい。
電子輸送層形成工程204は、塗布工程204aと、乾燥工程204bと、除電工程204dとを有し、アキュームレータ204cを使用している。アキュームレータ204cは次工程の第1回収工程205との速度調整のために配設されている。電子輸送層形成工程204では、発光層までが形成された帯状支持体3の上全面に電子輸送層形成用塗布液が塗布される。この後、乾燥工程204bを経て電子輸送層が形成され、次工程の第1回収工程205に搬送され一旦回収される。
塗布工程204aは、正孔注入層形成工程202の塗布工程202aと同じ前計量型塗布方法で塗布を行っており、前計量型の塗布装置として塗布工程202aと同じスリット型ダイコーター204a1と帯状支持体3を保持するバックロール204a2とを使用している。スリット型ダイコーター204a1による電子輸送層形成用塗布液は、帯状支持体3の上に形成された発光層の上を含め全面に塗布される。尚、塗布工程204aで帯状支持体3の上に全面塗布された電子輸送層形成用塗布液は塗布終了後に不要とする部分の塗膜は除去工程(不図示)で除去される。除去の方法及び不要とする部分は正孔注入層の場合と同じである。
乾燥工程204bは、乾燥装置204b1と加熱処理装置204b2とを使用している。乾燥装置204b1、加熱処理装置204b2は、正孔注入層形成工程202の乾燥工程202bで使用している乾燥装置202b1と加熱処理装置202b2と同じであるため説明は省略する。
乾燥工程204bと第1回収工程205との間には必要に応じて除電工程204dを配設することが好ましい。除電工程204dとしては、電子輸送層が形成された面側と裏面側とに非接触式除電装置204d1を使用している。除電工程204dの設置する場所は、第1回収工程205の近傍が望ましい。本図では1箇所の場合を示しているが、必要に応じて複数箇所に配設しても構わない。
非接触式除電装置204d1は除電工程201cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程204dによる帯状支持体3の除電を行う環境は除電工程201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化によりが劣化し発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
電子輸送層の好ましい膜厚範囲としては、0.1nmから100nmが好ましく、5nmから80nmがより好ましく、10nmから60nmが最も好ましい。
第1回収工程205は、巻き取り装置(不図示)とを使用しており、電子輸送層迄が形成された帯状支持体3をロール状に巻き取り一次保管する。保管する条件としては、水分濃度1ppmから100ppm、酸素濃度1ppmから1000ppmが好ましい。
第2供給工程206は、除電工程206aを有し、電子輸送層迄が形成されロール状に巻き取られた帯状支持体3の繰り出し装置(不図示)と、アキュームレータ206bとを使用ており、次工程の第2電極形成工程207に電子輸送層迄が形成された帯状支持体3を繰り出す様になっている。アキュームレータ206bは次工程の第2電極形成工程207との速度調整のために配設されている。
除電工程206aとしては、電子輸送層が形成された面側と裏面側とに非接触式除電装置206a1を使用している。非接触式除電装置206a1は除電工程201cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程206aによる帯状支持体3の除電を行う環境は除電工程201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化により発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
第2電極形成工程207は、蒸発源容器207bを有する蒸着装置207aと、アキュームレータ207cとを使用している。第2電極形成工程207は真空室207dに入り外気と遮断されている。又、電子輸送層が形成された帯状支持体の真空室207cの入り口、及び第2電極が形成された帯状支持体の真空室207cの出口は、エアーツーバキュームコネクターが設けられて真空室207c内の真空を保つことが可能となっている。
アキュームレータ207cは次工程の第2回収工程208との速度調整のために配設されている。
第2電極形成工程207では第2供給工程206から供給されてくる電子輸送層迄が形成された帯状支持体3に付けられているアライメントマーク(不図示)を検出装置(不図示)で読み取り、検出装置(不図示)の情報に従って蒸着装置207aで決められた位置に、第2電極(陰極)(不図示)を、既に形成されている電子注入層(不図示)の上にマスクパターン成膜する。第2電極(陰極)としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nmから5μm、好ましくは50nmから200nmの範囲で選ばれる。この段階で、基材/第1電極(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/第2電極(陰極)の構成までが形成された帯状支持体3が出来上がる。
第2電極(陰極)の形成方法については、特に限定はなく、例えばスパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いることが出来る。
第2電極の膜厚は通常10nmから5μm、好ましくは50nmから200nmの範囲が好ましい。
第2回収工程208は、除電工程208aを有し、巻き取り装置(不図示)を使用しており、第2電極迄が形成された帯状支持体3をロール状に巻き取り一次保管する。保管する条件としては、水分濃度1ppmから100ppm、酸素濃度1ppmから1000ppmが好ましい。
除電工程208aとしては、第2電極が形成された面側と裏面側とに非接触式除電装置208a1を使用している。非接触式除電装置208a1は除電工程201cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程201cによる帯状支持体3の除電工程201c除去を行う環境は除電工程201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化により発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
第3供給工程209は、除電工程209aを有し、繰り出し装置(不図示)を使用しており、連続的に次工程の接着剤塗布工程210に第2電極(陰極)迄が形成された帯状支持体3を繰り出す様になっている。
除電工程209aとしては、第2電極が形成された面側と裏面側とに非接触式除電装置209a1を使用している。非接触式除電装置209a1は除電工程201cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程209aによる帯状支持体3の除電を行う環境は除電工程201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、ショート(リーク)の発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化により発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
封止部材貼合工程210は接着剤塗布装置210aと、封止部材貼合210bを使用している。接着剤塗布装置210aで第1電極の引き出し電極および第2電極の引き出し電極との上を除き第2電極上及び周囲に接着剤が塗布され、封止部材210cが貼合される。
断裁工程211は、除電工程211bを有し、断裁装置211aを使用しており、封止部材貼合工程210から送られてくる第2電極(陰極)迄が形成された帯状支持体3に付いているアライメントマークを検出装置(不図示)で検出し、断裁することで図1に示す個別の有機EL素子が製造される。
除電工程211bとしては、封止部材が貼合された面側と裏面側とに非接触式除電装置211b1を使用している。非接触式除電装置211b1は除電工程201cで使用している非接触式除電装置201c1と同じ物の使用が可能である。
除電工程211bによる帯状支持体3の除電を行う環境は除電工程201cと同じ酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内で行う必要がある。
酸素濃度が100ppm未満の場合は、除電能力が低下することで異物の付着が多くなり、リークの発生やダークスポットの発生等の性能異常が発生するとなるため好ましくない。
酸素濃度が1000ppmを超える場合は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層等の有機層の劣化や電極等の酸化により発光効率が低下するため好ましくない。
酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
本図は照明用に使用する有機EL素子を製造しているため各塗布工程202a、塗布工程203a、塗布工程204aには全面塗工タイプのスリット型ダイコーターとなっているが、有機EL素子がフルカラー方式の場合は、パターン化されて形成されている第1電極(陽極)のパターンに合わせて第1電極(陽極)上に有機化合物層をパターン塗布するため、例えば、インクジェット方式、フレキソ印刷方式、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、マスクを用いたスプレー塗布方式等に使用する各種塗布装置を使用することが可能である。
本図は、正孔注入層形成工程から電子輸送層形成工程と、第2電極形成工程とに分割した場合を示したが正孔注入輸送層形成工程から第2電極形成工程までを連続することも可能である。
尚、本図に示される製造工程での帯状支持体の搬送張力は、スリキズを防止するため5N/m幅から100N/mの低張力での搬送で行った。
本図では、除電工程201cから211により、除電を酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内(図中の点線で囲まれた領域)で行う場合を示したが、全行程を酸素濃度が100ppmから1000ppmの領域内(図中の点線で囲まれた領域)としても勿論構わない。
酸素濃度が100ppmから1000ppmの環境は、マスフローコントローラ等を用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合して制御したり、予め所定酸素濃度に酸素が添加された標準ガスを用いることにより得ることが出来る。
本発明で除電を行う環境とは、酸素ガスと窒素ガスを定量混合して制御したり、予め所定酸素濃度に酸素が添加された標準ガスを用いることにより得られる領域を言う。
除電を酸素濃度が100ppmから1000ppmの環境内で行うことで次の効果が得られた。
1.酸素の影響により発光効率を低下させることなく、異物の付着によるリーク、ダークスポット発生を防止した有機EL素子の生産が可能となった。
2.ローラと基材の間のゴミによる有機EL素子の擦り傷を防止した有機EL素子の生産が可能となった。
次に本発明の有機EL素子の製造方法に係わる材料に付き説明する。
(発光層)
発光層中に含有される有機発光材料としては、カルバゾール、カルボリン、ジアザカルバゾール等の芳香族複素環化合物、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、ポリアリーレン、芳香族縮合多環化合物、芳香族複素縮合環化合物、金属錯体化合物等及びこれらの単独オリゴ体或いは複合オリゴ体等が挙げられるが、本発明においてはこれに限られるものではなく、広く公知の材料を用いることが出来る。
又、発光層中(成膜材料)には、好ましくは0.1質量%から20質量%程度のドーパントが発光材料中に含まれてもよい。ドーパントとしては、ペリレン誘導体、ピレン誘導体等公知の蛍光色素等、又、リン光発光タイプの発光層の場合、例えば、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトナート)イリジウム、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジン)(ピコリナート)イリジウム、等に代表されるオルトメタル化イリジウム錯体等の錯体化合物が同様に0.1質量%から20質量%程度含有される。
リン光発光方式は、発光層内部に発光領域を持つためか、比較的発光ムラが起こりづらく本発明において好ましい態様である。発光層の膜厚は、1nmから数百nmの範囲が好ましい。
(正孔注入・輸送層、電子ブロック層)
正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層に用いられる材料としては、フタロシアニン誘導体、ヘテロ環アゾール類、芳香族三級アミン類、ポリビニルカルバゾール、ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)などに代表される導電性高分子等の高分子材料が、又、発光層に用いられる、例えば、4,4′−ジカルバゾリルビフェニル、1,3−ジカルバゾリルベンゼン等のカルバゾール系発光材料、(ジ)アザカルバゾール類、1,3,5−トリピレニルベンゼンなどのピレン系発光材料に代表される低分子発光材料、ポリフェニレンビニレン類、ポリフルオレン類、ポリビニルカルバゾール類などに代表される高分子発光材料などが挙げられる。
(電子注入・輸送層、正孔ブロック層)
電子注入・輸送層材料としては、種々のn型材料を用いることが出来る。本発明の有機エレクトロニクス素子に好ましく用いることが出来る材料の例としては、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛等の金属錯体化合物若しくは以下に挙げられる含窒素五員環誘導体がある。即ち、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール若しくはトリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4′−tert−ブチルフェニル)−5−(4″−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられる。
更に上述の化合物以外にも、フラーレン類、カーボンナノチューブ類、p型半導体のパーフルオロ体(パーフルオロペンタセンやパーフルオロフタロシアニン等)、及び酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ガリウム等のn型無機酸化物などを用いることも本発明において好ましい。
本発明においては、目的に応じて、電子注入層と電子輸送層を積層形成してもよく、電子の輸送性と電極との接合において最適な材料を選択すればよい。
又、本発明においては、逆のキャリアである電子をブロックする機能を有し、電荷の選択性を向上させる様な材料を選択してもよい。
電子注入層(バッファ層)においては、リチウム、カリウム、ナトリウム、セシウム等のイオンを含むハロゲン化物、例えば、フッ化リチウムや、フッ化カリウム等を積層させ、電極との接合を向上させる構成が本発明において特に好ましい。
これら無機材料からなる電子注入材料を用いる場合は、主にシャドウマスクを通した蒸着法によりパターニング製膜することが好ましいが、溶液として製膜出来る場合は、生産性の点で塗布製膜することがより好ましい。
蒸着法の場合は、前述した拭き取りパターニングを行った後に蒸着製膜する製法が本発明において特に好ましい。
(有機機能層形成用塗布液に使用する溶媒)
各有機材料には溶解特性(溶解パラメータやイオン化ポテンシャル、極性)がそれぞれにあり、溶解出来る溶媒には限定がある。又その際には溶解度もそれぞれ違うため、一概に濃度も決めることが出来ないが、本発明において用いられる溶媒の種類は、成膜しようとする有機材料に応じて、前記の条件に適ったものを、公知の溶媒から選択すればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、メタノールや、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール,2−メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、オクタン、デカン、テトラリン等のパラフィン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶媒、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン系溶媒、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒、チオフェン、二硫化炭素などの硫黄系溶媒が挙げられる。尚、使用可能な溶媒は、これらに限るものではなく、これらを二種以上混合して溶媒として用いてもよい。
これらの内、好ましい例としては、有機エレクトロニクスパネルに用いられる材料の良溶媒としては、例えば芳香族系溶媒、ハロゲン系溶媒、エーテル系溶媒などであり、好ましくは、芳香族系溶媒、エーテル系溶媒である。又、貧溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、パラフィン系溶媒などが挙げられ、中でもアルコール系溶媒、パラフィン系溶媒である。
尚、これらの有機物層を塗布等によって積層する場合、下層にあたる層を溶解しないよう、材料や、溶媒を選択することが必要である。
又、その為、これら有機物層の材料を積極的に架橋させるなどして不溶化させる構成も好ましく用いることが出来る。例えばビニル基のような重合性基或いは架橋基を持ち、加熱或いは光照射等によって、前記の構造単位をそれぞれ有する重合体・若しくは架橋構造を形成するものを用いることが出来る。これにより重層による膜の溶解、界面の乱れ等を抑えることが出来る。
(第1電極)
第1電極は、陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することが出来るが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陽極として用いる場合、好ましくは380nmから800nmの光を透過する電極である。材料としては、4eVより大きな(深い)仕事関数を持つものが適しており、例えば、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の透明導電性金属酸化物、金、銀、白金等の金属薄膜、金属ナノワイヤー、カーボンナノチューブ等を用いることが出来る。
(第2電極)
第2電極は陰極、陽極は特に限定せず、素子構成により選択することが出来るが、好ましくは透明電極を陽極として用いることである。例えば、陰極として用いる場合、好ましくは仕事関数が4eV以下(浅い)の金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。この様な電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、有機機能層との電気的な接合、及び酸化等に対する耐久性の点から、これら金属とこれより仕事関数の値が大きく(深く)安定な金属である第二の金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム単独等が好適である。
第2電極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することが出来る。
第2電極として反射率の高い金属材料を用いれば、例えば有機EL素子において、発光した光の一部を反射して外部に取り出すことが出来、又、有機PV素子においては、光電変換層を通過した光を反射し、再度、光電変換層に戻すことで光路長を稼ぐ効果が得られ、何れにおいても外部量子効率の向上が期待出来る。
更に、金属(例えば金、銀、銅、白金、ロジウム、ルテニウム、アルミニウム、マグネシウム、インジウム等)、又は炭素からなるナノ粒子、ナノワイヤー、ナノ構造体であってもよく、ナノ粒子やナノワイヤーの高分散性なペーストであれば、透明で導電性の高い対電極を塗布法や印刷法により形成出来好ましい。
又、対電極側を光透過性とする場合は、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、銀及び銀化合物等の対電極に適した導電性材料を薄く1nmから20nm程度の膜厚で作製した後、上記透明電極の説明で挙げた導電性光透過性材料の膜を設けることで、光透過性の電極とすることも出来る。
(基材)
基材としては、発光した光、若しくは起電力を発生させるための光を透過させることが可能な、即ちこれら光の波長に対して透明な部材であることが好ましい。本発明で用いることが出来る基材の例としては、ガラス基板や樹脂基材等が好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
透明樹脂フィルムには特に制限がなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することが出来る。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることが出来るが、可視域の波長(380nmから800nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することが出来る。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基材には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることが出来る。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用出来る。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることが出来る。又、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることが出来る。
又、酸素及び水蒸気の透過を抑制する目的で、透明基材にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を製膜する側、又は反対側にハードコート層が予め形成されていてもよい。
(封止)
作製した有機光電変換素子が大気中の酸素、水分等で劣化しないように、有機EL素子や有機PV素子では、公知の手法によって封止することが好ましい。例えば、薄膜のアルミニウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等のガスバリア層が形成されたプラスチックフィルムと有機エレクトロニクス素子の上を接着剤やUV硬化・熱硬化樹脂等で封止接着し貼合する手法、ガスバリア性の高い有機高分子材料(ポリビニルアルコール等)をスピンコートする方法、ガスバリア性の高い無機薄膜(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)又は有機膜(パリレン等)を真空下や大気下でスパッタ法やCVD法などで堆積する方法、及びこれらを複合的に積層する方法等を挙げることが出来る。
更に本発明においては、素子寿命向上の観点から、基材を含む有機エレクトロニクス素子全体を2枚のバリア付き基材でラミネート封止した構成でもよく、好ましくは、水分ゲッター等を同封した構成であっても構わない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〈有機EL素子の作製〉
帯状の有機EL素子(基材/第1電極(陽極)/正孔注入層/発光層/電子輸送層/第2電極(陰極)/封止材)を図2に示す製造工程を使用し、以下に示す方法で作製した後、断裁し有機EL素子を作製し試料No.501から510とした。尚、正孔注入層、発光層、電子輸送層はスリット型ダイコーターで塗布し形成し、第1電極(陽極)、第2電極(陰極)は蒸着方式で成膜し形成した。
〈第1電極形成済み帯状可撓性基材の準備〉
厚さ100μm、幅200mm、長さ500mのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デュポン社製フィルム、以下、PETと略記する)に5×10−1Paの真空環境条件で厚さ120nmのITO(インジウムチンオキシド)をスパッタリング法により、マスクパターン成膜を行い、取り出し電極を有する12mm×5mmの大きさの第1電極を一定間隔で12列連続的に形成し、一旦巻き取り保管し第1電極形成済み帯状可撓性基材とした。
尚、帯状可撓性基材には、予め第1電極を形成する位置を示すためにアライメントマークを設けた。
(正孔注入層形成用塗布液の準備)
PEDOT−PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)−poly(styrenesulfonate))の水分散液(スタルク社製BaytronP4083)を正孔注入層形成用塗布液として準備した。
(正孔注入層の形成)
スリット型ダイコーターを使用し、準備された第1電極が形成済み帯状可撓性基材を表1に示す様に酸素濃度を変えた環境で除電処理した後、スリット型ダイコーターで塗布し、引き続き続けて140℃で10分間乾燥させて、膜厚約30nmのPEDOT−PSS膜を製膜した。PEDOT−PSS膜は大気中で塗布及び乾燥し、正孔注入層を形成した。第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の正孔注入層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥・加熱処理を行い正孔注入層までを形成した帯状可撓性基材を作製しNo1−aから1−fとし、引き続き発光層形成工程に搬送した。
(除電処理)
除電処理は第1電極形成側及び裏面側に非接触式除電装置を使用して行った。非接触式除電装置はヒューグルエレクトロニクス(株)製フレキシブルAC式イオナイズィングバーMODEL4100Vを使用し行った。
除電処理は表1で示す酸素濃度の環境で行い、酸素濃度は、マスフローコントローラを用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合することにより調整した。酸素濃度は、GEセンシング・ジャパン(株)製電気化学式微量酸素計DF−150Eで測定した値を示す。
(正孔注入層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、正孔注入層形成用塗布液を塗布速度5m/min、塗布幅180mm、ウェット膜厚は2μm、正孔注入層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−80℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。塗布速度は、三菱電機(株)製 レーザドップラ速度計LV203で測定した。
(乾燥及び加熱処理条件)
正孔注入層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で残留溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、正孔注入層を形成した。
(発光層形成用塗布液の調製)
ジカルバゾール誘導体(CBP) 1.00質量%
イリジウム錯体(Ir(ppy)) 0.05質量%
トルエン 98.95質量%
発光層形成用塗布液の粘度は0.59mPa・sであった。粘度はブルックフィールド社 デジタル粘度計 LVDV−Iを使用し、20℃で測定した値を示す。
(発光層の形成)
準備された正孔輸送層までが形成された各帯状可撓性基材No.1−aから1−fを表1に示す様に酸素濃度を変えた環境で除電処理した後、正孔輸送層の上全面(但し、PETの両端の10mmは除く)に、スリット型ダイコーターを使用し、発光層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の正孔輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥・加熱処理を行い発光層までを形成した帯状可撓性基材を作製し、引き続き電子輸送層形成工程に搬送した。
(除電処理)
発光層形成用塗布液を塗布する前及び発光層を形成し回収する前の除電処理は正孔注入層を形成する時と同じ方法で行った。除電処理は表1で示す様に酸素濃度を変えた環境で行った。酸素濃度は、マスフローコントローラを用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合することにより調整した。酸素濃度は、正孔注入層を形成する時と同じ方法で測定した値を示す。
Figure 2011222383
(発光層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、発光層形成用塗布液を塗布速度5m/min、塗布幅180mm、ウェット膜厚は2μm、発光層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−80℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ、清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は、正孔注入層の塗布速度と同じ測定方法で行った。
(乾燥及び加熱処理条件)
発光層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、発光層形成用塗布液を塗布した後、乾燥装置を使用し、乾燥条件は、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、発光層を形成した。
(電子輸送層形成用塗布液の準備)
電子輸送層形成用塗布液として、0.5質量%の電子輸送材料1を含有する1−ブタノール溶液を準備した。
Figure 2011222383
(電子輸送層の形成)
準備された発光層までが形成された各帯状可撓性基材No.1−aから1−fを表1に示す様に酸素濃度を変えた環境で除電処理した後、発光層の上全面(但し、帯状可撓性基材の両端の10mmは除く)に、準備したスリット型ダイコーターを使用し、準備した電子輸送層形成用塗布液を以下に示す条件で塗布した後、第1電極の取り出し電極形成部分及び各パターン化して形成されている第1電極の周囲の電子輸送層を溶媒としてアセトンを使用し払拭し除去した。この後、引き続き乾燥部で以下に示す条件により乾燥・加熱処理を行い、パターン化した電子輸送層までを形成した帯状可撓性基材を作製しその後、表1に示す様に酸素濃度を変えた環境で除電処理し、一旦巻き取り保管した。
(除電処理)
電子輸送層形成用塗布液を塗布する前及び電子輸送層を形成し回収する前の除電処理は正孔注入層を形成する時と同じ方法で行った。除電処理は表1で示す酸素濃度の環境で行った。酸素濃度は、マスフローコントローラを用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合することにより調整した。酸素濃度は、正孔注入層を形成する時と同じ方法で測定した値を示す。
(電子輸送層形成用塗布液の塗布条件)
塗布条件としては、電子輸送層形成用塗布液を、塗布速度5m/min、塗布幅180mm、ウェット膜厚は2μm、電子輸送層形成用塗布液の塗布時の温度は25℃、露点温度−80℃以下のNガス環境の大気圧下で、且つ、清浄度クラス5以下(JIS B 9920)で行った。尚、塗布速度は、正孔注入層の塗布速度と同じ測定方法で行った。
(乾燥及び加熱処理条件)
電子輸送層形成用塗膜の乾燥及び加熱処理条件としては、電子輸送層形成用塗布液を塗布した後、乾燥装置を使用し、乾燥条件は、乾燥装置のスリットノズル形式の流出口から成膜面に向け高さ100mm、流出風速1m/s、幅手の風速分布5%、温度120℃で溶媒を除去した後、引き続き、加熱処理装置により温度150℃で裏面伝熱方式の熱処理を行い、電子輸送層を形成した。
(第2電極の形成)
引き続き、電子注入層までが形成された各帯状可撓性基材No.1−aから1−fを真空でない領域において、表1に示す様に酸素濃度を変えた環境で除電処理した後、電子注入層までが形成された各帯状可撓性基材No.1−aから1−fに付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って形成された電子輸送層の上に第1電極の大きさ及び第2電極用取り出し電極を形成する大きさで、5×10−4Paの真空下にて第2電極形成材料としてアルミニウムを使用し、蒸着法にてマスクパターン成膜し、厚さ100nmの第2電極までを積層し形成した帯状可撓性基材を作製しNo.1−1から1−6とし、真空でない領域において、表1に示す様に酸素濃度を変えた条件で除電処理し、巻き取り回収した。
(除電処理)
除電処理は正孔注入層を形成する時と同じ方法で行った。除電処理は、表1で示す酸素濃度の環境で行った。酸素濃度の環境は、マスフローコントローラを用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合することにより調整した。酸素濃度は、正孔注入層を形成する時と同じ方法で測定した値を示す。
(封止部材の貼合)
引き続き、第2電極までを積層し形成した帯状可撓性基材No.1−1から1−6を表1に示す様に酸素濃度を変えた条件で除電処理した後、第2電極までを積層し形成した帯状可撓性基材No.1−1から1−6に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って第1電極及び第2電極用取り出し電極の端部を除いて発光領域及び発光領域の周辺に紫外線硬化型の液状接着剤(エポキシ樹脂系)を使用し、厚さ30μmで塗設した。
この後、以下に示す帯状シート封止部材を接着剤塗設面にロールラミネータ法により積重し、大気圧環境化にて押圧0.1MPaでロール圧着した後、波長365nmの高圧水銀ランプを、照射強度20mW/cm、距離15mmで1分間照射し固着させ貼合し、複数の有機EL素子が連続的に繋がった状態とした。この後、表1に示すように酸素濃度を変えた条件で帯電除去処理した後、引き続き断裁工程に搬送した。
(除電処理)
除電処理は正孔注入層を形成する時と同じ方法で行った。除電処理は、表1で示す酸素濃度の環境で行った。酸素濃度の環境は、マスフローコントローラを用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合することにより調整した。酸素濃度は、正孔注入層を形成する時と同じ方法で測定した値を示す。
(封止部材の準備)
封止部材として、PETフィルム(帝人・デュポン社製)を使用し、無機膜(SiN)をバリア層に使用した2層構成の帯状シート封止部材を準備した。PETの厚さ100μm、バリア層の厚さ200nmとした。尚、PETフィルムのバリア層の成膜はスパッタリング法により実施した。JIS K−7129B法(1992年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した水蒸気透過度は0.01g/m・dayであった。JIS K7126B法(1987年)に準拠した方法で主としてMOCON法により測定した酸素透過度は0.1ml/m・day・MPaであった。
(断裁)
準備した複数の有機EL素子が連続的に繋がった状態のものを個別の有機ELパネルの大きさに帯状可撓性基材に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って断裁し個別の有機EL素子を作製し試料No.101から106とした。
(除電処理)
除電処理は正孔注入層を形成する時と同じ方法で行った。除電処理は、表1で示す酸素濃度の環境で行った。酸素濃度の環境は、マスフローコントローラを用いて、酸素ガスと窒素ガスを定量混合することにより調整した。酸素濃度は、正孔注入層を形成する時と同じ方法で測定した値を示す。
評価
作製した各試料No.101から106に付けられたアライメントマークを検出し、アライメントマークの位置に従って断裁し始め5mと、終わり5mとの箇所から作製した試料を抜き取り、リーク電流特性、異物付着数、外部取り出し量子効率を以下に示す試験方法により試験し、以下に示す評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
リーク電流特性の試験方法
定電圧電源を用いて、逆方向の電圧(逆バイアス)5Vを5秒間印加し、その時有機EL素子に流れる電流を測定した。サンプル10枚の発光領域について測定を行い、最大電流値をリーク電流としリークの代用特性とした。
リーク電流特性の評価ランク
◎:最大電流値が1×10−6A未満
○:最大電流値が1×10−6A以上、1×10−5A未満
△:最大電流値が1×10−5A以上、1×10−3A未満
×:最大電流値が1×10−3A以上
異物付着数の試験方法
リークの原因を異物付着と考えて、塗布や蒸着をせずに封止工程前まで流した基材への0.5μm以上の大きさの異物の1平方センチメートル当たりの付着数をマイクロスコープを用いて測定した。
異物付着数の評価ランク
◎:異物付着数が0.01個/cm未満
○:異物付着数が0.01個/cm以上、0.1個/cm未満
△:異物付着数が0.1個/cm以上、0.5個/cm未満
×:異物付着数が0.5個/cm以上
外部取り出し量子効率の試験方法
室温(約23℃から25℃)、2.5mA/cmの定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定はCS−1000(コニカミノルタセンシング製)を用いた。外部取り出し量子効率は試料No.102を100と想定する相対値で表した。
Figure 2011222383
除電処理をする時、酸素濃度100ppmから1000ppmの環境で行う本発明の製造方法で作製した試料No.102から105は、リーク電流特性、異物付着数、外部取り出し量子効率の何れも優れた結果を示した。
除電処理をする時、酸素濃度100ppm未満の環境で作製した試料No.101は、異物起因と思われるリーク電流特性で劣る結果を示した。
除電処理をする時、酸素濃度1000ppmを超える環境で作製した試料No.106は、酸素による劣化起因と思われる外部取り出し量子効率で劣る結果を示した。
本発明の有効性を確認した。
1 有機EL素子
102 第1電極(陽極)
102a、104a 取り出し電極
103 機能層
104 第2電極(陰極)
105 接着剤層
2 製造工程
201第1供給工程
201c、202d、203d、204d、206a、208a、209a、211b除電工程
202 正孔注入層形成工程
203 発光層形成工程
204 電子輸送層形成工程
208 第2電極形成工程
210 封止部材貼合工程
211 断裁工程

Claims (3)

  1. 基材上に、第1の電極と、少なくとも1層の有機機能層と、第2の電極と、封止層とを順次積層した構成を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    前記製造方法は除電工程を含み、
    少なくとも前記除電工程の環境が、酸素濃度100ppmから1000ppmであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  2. 前記基材が帯状可撓性基材であり、ロールツーロール方式で製造することを特徴とする請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  3. 前記基材が樹脂基材であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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