JP2009140903A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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一行 江嶋
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Abstract

【課題】素子特性を維持すると共に、マスクまたはドナーなどの成膜補助部材と基板との分離を容易にすることができる表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】第1電極を形成した駆動基板に、蒸着用マスクまたは転写用ドナーなどの成膜補助部材を重ね合わせる重ね合わせ工程と、成膜補助部材を用いて有機層または第2電極を形成する主工程と、駆動基板から成膜補助部材を分離する分離工程とを含む1セットを、複数セット繰り返して行う。分離工程を窒素雰囲気で行うことにより、成膜補助部材と基板との接触・剥離による静電気を除電し、容易に分離する。重ね合わせ工程および主工程を真空中で行うことにより、素子特性を低下させず、高い特性を維持する。窒素雰囲気で行う工程においては、紫外線を照射することにより更に除電を促進する。
【選択図】図7

Description

本発明は、有機発光素子(有機EL(Electroluminescence )素子)を備えた表示装置の製造方法に関する。
従来より、有機発光素子を用いた有機発光表示装置の量産には、蒸着法または転写法が用いられている。蒸着法は、研究開発では一貫して真空雰囲気、または一貫して窒素雰囲気(蒸着工程のみ真空雰囲気)のいずれかで行われている。一方、量産では一貫して真空雰囲気で行われ、プロセス途中で窒素雰囲気にすることは行われない。これは、素子特性の低下のおそれがあり、インデックスタイムに与える影響が大きいからである。また、転写法については、一貫して窒素雰囲気で行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−79317号公報
しかしながら、従来では、蒸着用マスクまたは転写用ドナーとガラス基板との密着により剥離帯電が起きることにより、剥離に支障がでることが問題となっていた。帯電が軽微なうちは問題にならないが、帯電が進むと基板の回路破壊を起こしたり、基板からマスクまたはドナーを剥離する際に基板を破損したりする場合もあり、生産の障害となっていた。
また、表示装置の大型化、基板の大面積化に伴い、マスクまたはドナーとガラス基板との密着面積もまた増大し、問題がより深刻になる傾向があった。これは、基板−マスクの剥離を行う蒸着法でも、基板−ドナーの剥離を行う転写法でも同様である。
従来では、このような問題に対する方策はほとんどなく、基板とマスクまたはドナーとの分離速度を下げて対応するのが一般的だったが、真空中での除電に関しては十分な効果は得られなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、素子特性を維持すると共に、マスクまたはドナーなどの成膜補助部材と基板との分離を容易にすることができる表示装置の製造方法を提供することにある。
本発明による表示装置の製造方法は、第1電極、有機層および第2電極を有する有機発光素子を備えた表示装置を製造するものであって、第1電極を形成した基板に成膜補助部材を重ね合わせる重ね合わせ工程と、成膜補助部材を用いて有機層または第2電極を形成する主工程と、基板から成膜補助部材を分離する分離工程とを含む1セットを、複数セット繰り返して行い、複数セットのうち少なくとも1セットにおいて、主工程が終了したのち次セットの重ね合わせ工程までの少なくとも一部の工程を窒素雰囲気で行い、窒素雰囲気で行う工程以外のうち少なくとも主工程を真空中で行うようにしたものである。
本発明の表示装置の製造方法によれば、複数セットのうち少なくとも1セットにおいて、主工程が終了したのち次セットの重ね合わせ工程までの少なくとも一部の工程を窒素雰囲気で行うようにしたので、成膜補助部材と基板との接触・剥離による静電気を除電することができ、容易に分離することができる。よって、静電気による回路破壊または基板の破損のおそれを低減することができ、量産または大画面化にも極めて好適である。また、窒素雰囲気で行う工程以外のうち少なくとも主工程を真空中で行うようにしたので、素子特性の低下のおそれがなく、高い特性を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の製造方法によって製造される表示装置の構成を表すものである。この表示装置は、有機ELテレビなどとして用いられるものであり、例えば、ガラスよりなる駆動基板11の上に、後述する複数の有機発光素子10R,10G,10Bがマトリクス状に配置されてなる表示領域110が形成されると共に、この表示領域110の周辺に、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が形成されたものである。
表示領域110内には画素駆動回路140が形成されている。図2は、画素駆動回路140の一例を表したものである。この画素駆動回路140は、後述する第1電極13の下層に形成され、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、その間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機発光素子10R(または10G,10B)とを有するアクティブ型の駆動回路である。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、大画面テレビの場合には例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)のアモルファスシリコンTFTにより構成されていることが望ましいが、特にこれに限定されるものではない。
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、有機発光素子10R,10G,10Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
図3は表示領域110の断面構成を表したものである。表示領域110には、赤色の光を発生する有機発光素子10Rと、緑色の光を発生する有機発光素子10Gと、青色の光を発生する有機発光素子10Bとが、順に全体としてマトリクス状に形成されている。なお、有機発光素子10R,10G,10Bは短冊形の平面形状を有し、隣り合う有機発光素子10R,10G,10Bの組み合わせが一つの画素(ピクセル)を構成している。
有機発光素子10R,10G,10Bは、それぞれ、駆動基板11の側から、上述した画素駆動回路140の駆動トランジスタTr1、平坦化絶縁膜12、陽極としての第1電極13、電極間絶縁膜14、後述する発光層を含む有機層15、および陰極としての第2電極16がこの順に積層された構成を有している。
このような有機発光素子10R,10G,10Bは、必要に応じて、酸化ケイ素(SiOx),窒化ケイ素(SiNx)などよりなる保護膜17により被覆されている。保護膜17上には、封止用基板21が、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂などの接着層30を間にして全面にわたって貼り合わされ、保護膜17と共に有機発光素子10R,10G,10Bを封止している。封止用基板21は、ガラスまたは防湿フィルムなどより構成され、必要に応じてカラーフィルタ22,色変換層またはブラックマトリクスとしての光遮蔽膜(図示せず)が設けられていてもよい。
駆動トランジスタTr1は、平坦化絶縁膜12に設けられた接続孔12Aを介して第1電極13に電気的に接続されている。
平坦化絶縁膜12は、画素駆動回路140が形成された駆動基板11の表面を平坦化するためのものであり、微細な接続孔12Aが形成されるためパターン精度が良い材料により構成されていることが好ましい。平坦化絶縁膜12の構成材料としては、例えば、ポリイミド等の有機材料、あるいは酸化シリコン(SiO2 )などの無機材料が挙げられる。
第1電極13は、有機発光素子10R,10G,10Bの各々に対応して形成されている。また、第1電極13は、発光層で発生した光を反射させる反射電極としての機能を有しており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。第1電極13は、例えば、厚みが100nm以上1000nm以下であり、銀(Ag),アルミニウム(Al),クロム(Cr),チタン(Ti),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),銅(Cu),タンタル(Ta),タングステン(W),白金(Pt)あるいは金(Au)などの金属元素の単体または合金により構成されている。
電極間絶縁膜14は、第1電極13と第2電極16との絶縁性を確保すると共に発光領域を正確に所望の形状にするためのものであり、例えば、ポリイミドなどの有機材料、または酸化シリコン(SiO2 )などの無機絶縁材料により構成されている。電極間絶縁膜14は、第1電極13の発光領域に対応して開口部を有している。なお、有機層15および第2電極16は、発光領域だけでなく電極間絶縁膜14の上にも連続して設けられていてもよいが、発光が生じるのは電極間絶縁膜14の開口部だけである。
図4は、有機層15の構成を表したものである。有機層15は、例えば、第1電極13の側から順に、正孔注入層15A,正孔輸送層15B,発光層15Cおよび電子輸送層15Dを積層した構成を有するが、これらのうち発光層15C以外の層は必要に応じて設ければよい。また、有機層15は、有機発光素子10R,10G,10Bの発光色によってそれぞれ構成が異なっていてもよい。正孔注入層15Aは、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。正孔輸送層15Bは、発光層15Cへの正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層15Cは、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。電子輸送層15Dは、発光層15Cへの電子輸送効率を高めるためのものである。なお、電子輸送層15Dと第2電極16との間には、LiF,Li2 Oなどよりなる電子注入層(図示せず)を設けてもよい。
有機発光素子10Rの正孔注入層15Aは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)により構成されている。有機発光素子10Rの正孔輸送層15Bは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)により構成されている。有機発光素子10Rの発光層15Cは、例えば、厚みが10nm以上100nm以下であり、8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3 )に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したものにより構成されている。有機発光素子10Rの電子輸送層15Dは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、Alq3 により構成されている。
有機発光素子10Gの正孔注入層15Aは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、m−MTDATAあるいは2−TNATAにより構成されている。有機発光素子10Gの正孔輸送層15Bは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、α−NPDにより構成されている。有機発光素子10Gの発光層15Cは、例えば、厚みが10nm以上100nm以下であり、Alq3 にクマリン6(Coumarin6)を3体積%混合したものにより構成されている。有機発光素子10Gの電子輸送層15Dは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、Alq3 により構成されている。
有機発光素子10Bの正孔注入層15Aは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、m−MTDATAあるいは2−TNATAにより構成されている。有機発光素子10Bの正孔輸送層15Bは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、α−NPDにより構成されている。有機発光素子10Bの発光層15Cは、例えば、厚みが10nm以上100nm以下であり、スピロ6Φ(spiro6Φ)により構成されている。有機発光素子10Bの電子輸送層15Dは、例えば、厚みが5nm以上300nm以下であり、Alq3 により構成されている。
第2電極16は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。また、第2電極16は、ITO(インジウム・スズ複合酸化物)またはIZO(インジウム・亜鉛複合酸化物)により構成されていてもよい。
この表示装置は、例えば次のようにして製造することができる。
図5は、この有機発光装置の製造方法の全体の流れを表したものである。まず、上述した材料よりなる駆動基板11の上に駆動トランジスタTr1を含む画素駆動回路140を形成する(ステップS101)。次いで、全面に感光性樹脂を塗布することにより平坦化絶縁膜12を形成し(ステップS102)、露光および現像により平坦化絶縁膜12を所定の形状にパターニングすると共に接続孔12Aを形成し、焼成する。
続いて、例えばスパッタ法により、上述した材料よりなる第1電極13を形成し(ステップS103)、エッチングにより第1電極13を選択的に除去して各有機発光素子10R,10G,10Bごとに分離する。そののち、駆動基板11の全面にわたり感光性樹脂を塗布し、例えばフォトリソグラフィ法により発光領域に対応して開口部を設け、焼成することにより、電極間絶縁膜14を形成する(ステップS104)。
電極間絶縁膜14を形成したのち、例えば蒸着法または転写法により、上述した厚みおよび材料よりなる有機層15および第2電極16を形成する(ステップS105)。
図6は、有機層15および第2電極16を形成する工程(ステップS105)の流れを表したものである。この工程は、例えば、正孔注入層15Aを形成する工程(ステップS201),正孔輸送層15Bを形成する工程(ステップS202),有機発光素子10Rの発光層15Cを形成する工程(ステップS203),有機発光素子10Gの発光層15Cを形成する工程(ステップS204),有機発光素子10Bの発光層15Cを形成する工程(ステップS205),電子輸送層15Dを形成する工程(ステップS206)および第2電極16を形成する工程(ステップS207)を順に含んでいる。
ステップS201〜S207は、すべて蒸着法により行うようにしてもよい。また、発光層15Cを形成する工程(ステップS203〜S205)を転写法により行い、有機層15の他の層(正孔注入層15A,正孔輸送層15B,電子輸送層15D)および第2電極16を形成する工程(ステップS201,S202,S206,S207)を蒸着法により行うようにしてもよい。なお、有機発光素子10R,10Gの発光層15Cを形成する工程(ステップS203,S204)のみを転写法により行い、有機発光素子10Bの発光層15Cを形成する工程(ステップS205)は蒸着法で行うことも可能である。
図7は、図6に示した各工程の流れを表したものである。図6に示した工程はそれぞれ、重ね合わせ工程(ステップS301),主工程(ステップS302)および分離工程(ステップS303)で1セットとなっている。この1セットを、図6に示したように複数セット繰り返すことにより、有機層15および第2電極16が形成される。
重ね合わせ工程は、画素駆動回路140,平坦化絶縁膜12,第1電極13および電極間絶縁膜14を形成した駆動基板11に、成膜補助部材を重ね合わせる工程である。ここで、成膜補助部材とは、蒸着法の場合はマスクであり、転写法の場合はドナーである。また、重ね合わせ工程は、駆動基板11に新たなマスクまたはドナーを取り付ける場合のほか、既に取り付けられたマスクまたはドナーの位置を変更または調整する場合も含む。
図8は、マスクの一例を表したものである。このマスク40は、金属の薄板よりなるマスク本体41を、金属よりなる枠体42に取り付け、固定部43で固定したものである。マスク本体41には、形成すべき層に合わせた数、寸法、配置パターンの通過孔44が設けられている。なお、図8に示したマスク40の通過孔44は、各色別の発光層15Cを形成する工程(ステップS203〜S205)で用いる場合の例を示している。
図9は、ドナーの一例を表したものである。ドナー50は、プラスチックフィルムまたはガラスよりなる基体51に、有機層15の材料よりなる転写層52を設けたものである。基体51には、必要に応じて、クロム(Cr)等よりなる光熱変換層53などの他の層が設けられていてもよい。
主工程は、成膜補助部材であるマスク40またはドナー50を用いて、蒸着法または転写法により、有機層15または第2電極16を形成する工程である。重ね合わせ工程および主工程は、真空中で行う。これにより、素子特性の低下のおそれを低減し、高い特性を維持することができる。
分離工程は、駆動基板11から成膜補助部材であるマスク40またはドナー50を分離する工程である。分離工程は、窒素雰囲気で行う。これにより、成膜補助部材と駆動基板11との接触・剥離による静電気を除電することができ、分離を容易にすることができる。
窒素雰囲気で行う工程、すなわち分離工程は、大気圧以下の圧力、具体的には1Pa以上500Pa以下で行うことが好ましい。表1は、窒素圧力と、成膜補助部材の剥離可能性とのおおよその対応関係を表したものである。表1において、×は、何枚かに一枚の割合で成膜補助部材を剥離できなくなる場合が発生し、特に量産では、製造ラインが止まってしまうという重大な影響をもたらすことを示している。表1から分かるように、1Pa以上500Pa以下の圧力であれば、剥離できなくなる可能性は低い。また、一般に、1E−3Pa〜500Paの範囲と、500Pa〜大気圧の範囲とでは、使用できるポンプが異なる。真空から1Pa以上500Pa以下の圧力にすることは、単一のポンプで高速に実現することができる。
Figure 2009140903
また、窒素雰囲気で行う工程、すなわち分離工程においては、酸素濃度500ppm以下、水分濃度500ppm以下の窒素を用いることが好ましい。このような純度の高い窒素を用いることにより、有機層15への影響を避けることができるからである。なお、通常、真空雰囲気から大気圧に戻すためにも窒素が導入されているが、このときに用いられる窒素は、純度の低い99.9%程度のものである。
図10および図11は、図7に示した1セットの工程を行うための蒸着装置および転写装置の構成をそれぞれ表したものである。図10に示した蒸着装置800は、駆動基板11を搬送する搬送ロボット811,812,813を有している。搬送ロボット811〜813は、受渡室821,822により接続されている。搬送ロボット812には、重ね合わせ工程を行うための合体室831,主工程を行うための蒸着室832,分離工程を行うための分離室833が、それぞれ仕切り弁840を間にして設けられている。また、搬送ロボット812には、必要に応じて、駆動基板11を一時保管するバッファ室834、または、テスト基板の導入や不良基板の排出を行うための中間基板仕込取出室835を備えていてもよい。
この蒸着装置800では、前工程または前セットを終えた駆動基板11は、搬送ロボット811により、受渡室821を介して搬送ロボット812に搬送される。搬送ロボット812は、まず、駆動基板11を合体室831に搬送して重ね合わせ工程を行い、次いで、駆動基板11を蒸着室832に搬送して主工程を行い、続いて、駆動基板11を分離室833に搬送して分離工程を行う。分離工程は、分離室833に窒素を導入することにより、窒素雰囲気で行う。
図11に示した転写装置900は、転写室910内に、駆動基板11を載せるステージ911と、複数のレーザ912を有する光源913とを備えており、この転写室910で、重ね合わせ工程、主工程および分離工程のすべてを行うことができるようになっている。
この転写装置900では、前工程または前セットを終えた駆動基板11は、まず、転写室910に搬入され、ステージ911上で重ね合わせ工程が行われる。次いで、ステージ911により駆動基板11を矢印A方向に移動させ、光源913のレーザ912からレーザ光を照射することにより、主工程が行われる。続いて、ステージ911を原位置に戻し、分離工程を行う。分離工程は、転写室910に窒素を導入することにより、窒素雰囲気で行う。
なお、転写装置900は、図12に示したように、転写室910とは別に、重ね合わせ工程および分離工程を行うための付属室914を有していてもよい。付属室914は、搬送路915を介して転写室910に接続され、重ね合わせ工程および分離工程を行うためのステージ916が設けられている。
以上により、図3および図4に示したような有機発光素子10R,10G,10Bが形成される。
有機発光素子10R,10G,10Bを形成したのち、例えばCVD法により、上述した材料よりなる保護膜17を形成し(ステップS106)、有機発光素子10R,10G,10Bを保護膜17で覆う。
そののち、保護膜17の上に、上述した材料よりなる接着層30を形成する。そののち、カラーフィルタ等が設けられ、上述した材料よりなる封止用基板21を用意し、駆動基板11と封止用基板21とを接着層30を間にして貼り合わせる(ステップS107)。以上により、図3に示した表示装置が完成する。
この表示装置では、各画素に対して走査線駆動回路130から書き込みトランジスタTr2のゲート電極を介して走査信号が供給されると共に、信号線駆動回路120から画像信号が書き込みトランジスタTr2を介して保持容量Csに保持される。すなわち、この保持容量Csに保持された信号に応じて駆動トランジスタTr1がオンオフ制御され、これにより、各有機発光素子10R,10G,10Bに駆動電流Idが注入されることにより、正孔と電子とが再結合することにより発光が起こる。この光は、第2電極16,保護膜17および封止用基板21を透過して取り出される。ここでは、製造工程において、有機層15および第2電極16を形成するステップS201〜ステップS207において、分離工程が窒素雰囲気、重ね合わせ工程および主工程が真空中で行われているので、素子特性の低下のおそれがなく、高い特性が維持される。
このように本実施の形態では、有機層15および第2電極16を形成するステップS201〜ステップS207において、分離工程を窒素雰囲気で行うようにしたので、成膜補助部材と駆動基板11との接触・剥離による静電気を除電することができる。よって、静電気による画素駆動回路140の破壊、または駆動基板11の破損のおそれを低減することができ、量産または大画面化にも極めて好適である。また、重ね合わせ工程および主工程を真空中で行うようにしたので、素子特性の低下のおそれがなく、高い特性を維持することができる。
なお、上記実施の形態では、分離工程を窒素雰囲気で行う場合について説明したが、窒素雰囲気で行う工程は、主工程が終了したのち次セットの重ね合わせ工程までの少なくとも一部の工程で行うことができる。また、上記実施の形態では、重ね合わせ工程および主工程を真空中で行う場合について説明したが、真空中で行う必要があるのは、窒素雰囲気で行う工程以外のうち少なくとも主工程である。以下、どの工程を窒素雰囲気で行うかについて、変形例1〜8を挙げて説明する。なお、変形例はこれらに限られないことは言うまでもない。
(変形例1)
例えば、重ね合わせ工程を窒素雰囲気で行うようにしてもよい。この場合、合体室(または基板−マスク調整室)831に窒素を導入することができるようにする。また、主工程だけを真空中で行うようにしてもよいし(下記の変形例2参照。)、主工程および分離工程を真空中で行うようにしてもよい。
(変形例2)
また、例えば、重ね合わせ工程および分離工程の両方を窒素雰囲気で行うようにしてもよい。この場合、合体室831と分離室833とを同じ室としてもよい。
(変形例3)
更に、例えば、図13に示したように、主工程を行う前に、重ね合わせ工程または分離工程とは別に、駆動基板11を窒素雰囲気におく除電工程(ステップS304)を行うようにしてもよい。この除電工程は、例えば図10に示した蒸着装置800では、そのための専用の室を別途設けて行うようにしてもよいし、バッファ室834、受渡室821,822または中間基板仕込取出室835に窒素を導入し、そこに駆動基板11を一時収容するようにしてもよい。
(変形例4)
加えて、例えば、図14に示したように、除電工程は、主工程を行ったのち、分離工程の前に行うようにしてもよい。
(変形例5)
更にまた、例えば、図15に示したように、除電工程は、分離工程を行ったのち、次セットの重ね合わせ工程を行う前に行ってもよい。
なお、図13〜図15に示した変形例3〜変形例5では、分離工程を真空中で行う場合もありうるが、最初の数セットでは、帯電が軽微であれば剥離できなくなる可能性は小さい。また、あるセットの分離工程の後で除電工程を行うことにより、その次のセットの分離工程で剥離が容易になる効果が得られるので、全く除電効果がないわけではない。
(変形例6)
更にまた、例えば、上記実施の形態では、図6に示したステップS201〜ステップS207のすべてで、分離工程を窒素雰囲気で行う場合について説明したが、ステップS201〜S207のうちいずれか1セットで、分離工程を窒素雰囲気で行うようにしてもよい。
(変形例7)
加えてまた、例えば最初の数セットまでは帯電が比較的軽微であるというような場合には、3セット目のステップS203で、または4セット目のステップS204で、分離工程を窒素雰囲気で行うようにしてもよい。
(変形例8)
更にまた、上記実施の形態では、有機層15または第2電極16を形成する工程(ステップS105)において、分離工程を窒素雰囲気で行う場合について説明したが、窒素雰囲気で行う工程は、これよりも前に行うことも可能である。例えば、平坦化絶縁膜12あるいは電極間絶縁膜14を形成する際に(ステップS102またはステップS104)、駆動基板11をベークしたのち、冷却または放熱させる工程が必要となる。その場合、基板冷却室(図示せず)に窒素を導入するようにして、この基板冷却工程を窒素雰囲気で行うようにしてもよい。
(第2の実施の形態)
次に、図16ないし図18を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る表示装置の製造方法について説明する。この製造方法は、窒素雰囲気で行う工程、具体的には分離工程において紫外線を照射することが、第1の実施の形態で説明した製造方法とは異なるものである。なお、この製造方法において、窒素雰囲気で行う工程は分離工程に限らず、主工程が終了したのち次セットの重ね合わせ工程までの少なくとも一部の工程であればよいが、以下の説明では、理解を容易とするために、上記第1の実施の形態と同様に、分離工程を窒素雰囲気で行う場合について説明する。また、第1の実施の形態と製造工程が重複する部分については、図5ないし図12を参照して説明する。
まず、図5に示したように、第1の実施の形態と同様にして、駆動基板11の上に駆動トランジスタTr1を含む画素駆動回路140(ステップS101)、平坦化絶縁膜12(ステップS102)、第1電極13(ステップS103)および電極間絶縁膜14(ステップS104)を形成する。
次いで、図5に示したように、例えば蒸着法または転写法により、上述した厚みおよび材料よりなる有機層15および第2電極16を形成する(ステップS105)。
具体的には、図6に示したように、第1の実施の形態と同様にして、正孔注入層15Aを形成する工程(ステップS201),正孔輸送層15Bを形成する工程(ステップS202),有機発光素子10Rの発光層15Cを形成する工程(ステップS203),有機発光素子10Gの発光層15Cを形成する工程(ステップS204),有機発光素子10Bの発光層15Cを形成する工程(ステップS205),電子輸送層15Dを形成する工程(ステップS206)および第2電極16を形成する工程(ステップS207)を順に行う。
図6に示したステップS201〜S207の各工程は、図7に示したように、それぞれ、重ね合わせ工程(ステップS301),主工程(ステップS302)および分離工程(ステップS303)で1セットとなっている。この1セットを、図6に示したように複数セット繰り返すことにより、有機層15および第2電極16が形成される。
重ね合わせ工程(ステップS301)および主工程(ステップS302)は、第1の実施の形態と同様である。
分離工程(ステップS303)は、駆動基板11から成膜補助部材であるマスク40またはドナー50を分離する工程である。分離工程は、窒素雰囲気で行う。これにより、第1の実施の形態と同様に、成膜補助部材と駆動基板11との接触・剥離による静電気を除電することができ、分離を容易にすることができる。
また、本実施の形態では、窒素雰囲気で行う工程(ここでは分離工程)において、紫外線を照射する。これにより、窒素がイオン化され、静電気の除電が促進されるので、分離をいっそう容易にすることができると共に、駆動基板11およびマスク40双方の電気的、機械的ダメージを抑制することができる。
このときの窒素圧力は、第1の実施の形態と同様に大気圧以下の圧力、具体的には1Pa以上500Paとすることが好ましい。更に、窒素圧力を5Pa程度とすればより好ましい。窒素導入前の雰囲気は、有機層15の蒸着に適した高真空状態(1−4E[Pa]以下)であり、この状態では気体が希薄であるので、紫外線を照射しても除電効果が得られないからである。また、5Pa程度の圧力であれば、一般的な真空ポンプ(例えばクライオポンプ)により再び速やかに高真空に排気することができるからである。
図16は、窒素圧力と静電気減衰時間(±200Vから±20Vに減衰するまでの時間)との相関関係を表したものである。図16から分かるように、減衰時間は、高真空状態から窒素圧力の上昇につれて短くなり、5Pa近傍で最短となったのち、再び長くなる。すなわち、除電効率は、窒素圧力5Pa近傍で最大となることが分かる。なお、図16は、真空紫外線照射除電装置(高砂熱学工業社製、IUV−320)の取扱説明書に基づくものであり、チャンバ内にテスト用のウェハを設置すると共に窒素圧力を変化させ、ウェハから110mm離れた位置に紫外線ランプにより紫外線を照射している。ウェハの静電容量は10pF、窒素ガス流量は0 l/minである。
また、使用する窒素は、第1の実施の形態と同様に、酸素濃度500ppm以下、水分濃度500ppm以下のものであることが好ましい。有機層15に影響を与えるおそれを小さくすることができるからである。また、紫外線は、駆動基板11から離れた位置Xに照射することが望ましく、また、駆動基板11に直接照射する必要もない。駆動基板11から離れた位置Xに照射するほうが、紫外線照射による有機層15の劣化を回避することができるからである。
このようにして有機層15および第2電極16を形成し、図3および図4に示したような有機発光素子10R,10G,10Bを形成したのち、第1の実施の形態と同様にして、保護膜17を形成し(ステップS106)、駆動基板11と封止用基板21とを接着層30を間にして貼り合わせる(ステップS107)。以上により、図3に示した表示装置が完成する。
図17は、上記第1の実施の形態で説明した蒸着装置800において、分離工程を行うための分離室833の一例を表したものである。分離室833は、本体833Aを有し、この本体833A内において、駆動基板11および成膜補助部材であるマスク40との分離工程が行われる。本体833Aには、窒素を導入するための供給管833Bと、真空ポンプ833Cとが接続されている。供給管833Bは、例えばベローズバルブ833B1およびニードルバルブ833B2が設けられたスローベントラインである。また、本体833Aには、紫外線の透過孔(図示せず)が設けられており、この透過孔を通じて、紫外線ランプ833Dからの紫外線が本体833A内に照射されるようになっている。
この蒸着装置800では、第1の実施の形態と同様にして、前工程または前セットを終えた駆動基板11が、搬送ロボット811により、受渡室821を介して搬送ロボット812に搬送される。搬送ロボット812は、まず、駆動基板11を合体室831に搬送して重ね合わせ工程を行い、次いで、駆動基板11を蒸着室832に搬送して主工程を行い、続いて、駆動基板11を分離室833に搬送して分離工程を行う。
図18は、分離工程の流れの一例を示したものである。まず、分離室833の本体833Aに駆動基板11およびマスク40を搬入する(ステップS401)。次いで、分離準備動作、具体的には駆動基板11およびマスク40を図示しないパレットに設置して位置決めする(ステップS402)。続いて、紫外線ランプ833Dから紫外線を照射しながら、駆動基板11とマスク40とを分離し(ステップS403)、駆動基板11を分離室833から搬出する(ステップS404)。
駆動基板11とマスク40とを分離する前に、分離室833の本体833Aに、供給管833Bを介して上述した窒素圧力まで窒素を導入する(ステップS405)。この窒素導入は、分離準備動作と並行して行うことが好ましい。紫外線照射によりイオン化された窒素は、少なくとも駆動基板11とマスク40との分離の瞬間だけ、分離室833内に存在していればよいので、窒素導入を分離準備動作と並行して行うことにより、プロセス全体の処理を遅延させることがなくなるからである。なお、紫外線は、分離準備動作と並行して窒素導入時に照射するようにしてもよい。その場合、分離動作中には、紫外線を照射してもよいし、照射しなくてもよい。
また、駆動基板11とマスク40とを分離した後に、分離室833の本体833Aを、高真空ポンプ833Cにより排気して高真空にする(ステップS406)。この排気は、駆動基板11の搬出と並行して行うことが好ましい。理由は、上述した窒素導入および紫外線照射の場合と同様である。
以上により、窒素導入時間と、分離所要時間と、排気時間との和が、処理タクト(与えられた規定の製造時間)を超えないようにすることができ、製造時間を長くすることなく除電効率を高めることが可能となる。
なお、紫外線照射による効果の確認実験として、圧力3000Pa以上、紫外線照射時間30秒として、処理前後の帯電量を調べた。その結果を表2に示す。表2から分かるように、窒素を導入すると共に紫外線を照射した場合(ケース3)には、紫外線を照射しただけの場合(ケース2)、および窒素を導入せず紫外線も照射しなかった場合(ケース1)に比べて、処理後の帯電量を著しく小さくすることができた。すなわち、窒素雰囲気で行う工程において紫外線を照射することにより、高い除電効果を得ることができることが分かった。なお、この確認実験では圧力3000Pa以上として行ったが、5Pa近傍でも同じ効果が得られると考えられる。
Figure 2009140903
このように本実施の形態では、窒素雰囲気で行う工程、具体的には分離工程において紫外線を照射するようにしたので、窒素をイオン化し、静電気の除電を促進することができる。よって、分離をいっそう容易にすることができ、駆動基板11およびマスク40双方の電気的、機械的ダメージを抑制することができる。
なお、上記実施の形態では、蒸着装置800の分離室833を例として説明したが、重ね合わせ工程(変形例1,2)や除電工程(変形例3〜5)を窒素雰囲気で行う場合には、その工程を行う室を、上述した分離室833と同様の構成とすることができる。
また、有機層15の発光層15Cを転写法により形成する場合には、図11に示した転写装置900の転写室910、または図12に示した転写装置900の付属室914を、上述した分離室833と同様の構成とすることができる。
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態の表示装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
(モジュール)
上記実施の形態の表示装置は、例えば、図19に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、駆動基板11の一辺に、封止用基板50および接着層40から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
(適用例1)
図20は、上記実施の形態の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例2)
図21は、上記実施の形態の表示装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例3)
図22は、上記実施の形態の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例4)
図23は、上記実施の形態の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
(適用例5)
図24は、上記実施の形態の表示装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態に係る表示装置により構成されている。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。例えば、上記実施の形態においては、駆動基板11の上に、陽極である第1電極13,有機層15および陰極である第2電極16を駆動基板11の側から順で積層し、封止用基板21の側から光を取り出すようにした場合について説明したが、駆動基板11の側から光を取り出すようにしてもよい。また、積層順序を逆にして、駆動基板11の上に、陰極である第2電極16,有機層15および陽極である第1電極13を駆動基板11の側から順に積層し、駆動基板11の側から光を取り出すようにすることもできる。
加えて、上記実施の形態では、有機発光素子10R,10G,10Bの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。例えば、第1電極13と有機層15との間に、酸化クロム(III)(Cr2 O3 ),ITO(Indium-Tin Oxide:インジウム(In)およびスズ(Sn)の酸化物混合膜)などからなる正孔注入用薄膜層を備えていてもよい。また、例えば第1電極13は、誘電体多層膜とすることもできる。
更にまた、上記実施の形態では、アクティブマトリクス駆動方式の場合について説明したが、本発明は単純マトリクス駆動方式への適用も可能である。加えてまた、アクティブマトリクス駆動のための画素駆動回路の構成は、上記実施の形態で説明したものに限られず、必要に応じて容量素子やトランジスタを追加してもよい。その場合、画素駆動回路の変更に応じて、上述した信号線駆動回路120や走査線駆動回路130のほかに、必要な駆動回路を追加してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す図である。 図1に示した画素駆動回路の一例を表す図である。 図1に示した表示領域の構成を表す断面図である。 図3に示した有機層の構成を表す断面図である。 図1に示した有機発光装置の製造方法の全体の流れを表す図である。 図5に示した有機層および第2電極を形成する工程の流れを表す図である。 図6に示した各工程の流れを表す図である。 マスクの一例を表す分解斜視図である。 ドナーの一例を表す平面図である。 図6に示した工程に用いる蒸着装置の概略構成を表す図である。 図6に示した工程に用いる転写装置の概略構成を表す図である。 転写装置の他の例を表す図である。 図7の他の例を表す図である。 図7の更に他の例を表す図である。 図7の更に他の例を表す図である。 本発明の第2の実施の形態に関して、窒素圧力と静電気減衰時間との相関関係を表した図である。 本発明の第2の実施の形態において分離工程を行うための分離室の一例を表した図である。 分離工程の流れを表した図である。 上記実施の形態の有機発光装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。 上記実施の形態の有機発光装置の適用例1の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。 適用例3の外観を表す斜視図である。 適用例4の外観を表す斜視図である。 (A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
符号の説明
10R,10G,10B…有機発光素子、11…駆動基板、13…第1電極、14…電極間絶縁膜、15…有機層、16…第2電極、17…保護膜、21…封止用基板、30…接着層

Claims (9)

  1. 第1電極、有機層および第2電極を有する有機発光素子を備えた表示装置の製造方法であって、
    前記第1電極を形成した基板に成膜補助部材を重ね合わせる重ね合わせ工程と、前記成膜補助部材を用いて前記有機層または前記第2電極を形成する主工程と、前記基板から前記成膜補助部材を分離する分離工程とを含む1セットを、複数セット繰り返して行い、
    前記複数セットのうち少なくとも1セットにおいて、前記主工程が終了したのち次セットの重ね合わせ工程までの少なくとも一部の工程を窒素雰囲気で行い、前記窒素雰囲気で行う工程以外のうち少なくとも前記主工程を真空中で行う
    ことを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 前記複数セットのうち少なくとも1セットにおいて、前記分離工程を、窒素雰囲気で行う
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
  3. 前記複数セットのうち少なくとも1セットにおいて、前記重ね合わせ工程を、窒素雰囲気で行う
    ことを特徴とする請求項1記載の表示装置の製造方法。
  4. 前記窒素雰囲気で行う工程を、大気圧以下の圧力で行う
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
  5. 前記圧力を、1Pa以上500Pa以下とする
    ことを特徴とする請求項4記載の表示装置の製造方法。
  6. 前記窒素雰囲気で行う工程において、紫外線を照射する
    ことを特徴とする請求項5記載の表示装置の製造方法。
  7. 前記窒素雰囲気で行う工程において、酸素濃度500ppm以下、水分濃度500ppm以下の窒素を用いる
    ことを特徴とする請求項5または6記載の表示装置の製造方法。
  8. 前記成膜補助部材は蒸着用マスクであり、前記主工程において、前記有機層の少なくとも一部と、前記第2電極とのうち少なくとも一方を蒸着により形成する
    ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
  9. 前記成膜補助部材は転写用ドナーであり、前記主工程において、前記有機層の少なくとも一部を転写により形成する
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の表示装置の製造方法。
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